札幌市議会 > 1996-10-21 >
平成 8年第二部決算特別委員会−10月21日-07号
平成 8年第一部決算特別委員会−10月21日-07号

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  1. 札幌市議会 1996-10-21
    平成 8年第二部決算特別委員会−10月21日-07号


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    平成 8年第二部決算特別委員会−10月21日-07号平成 8年第二部決算特別委員会             札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)                 平成8年10月21日(月曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人(欠は欠席者)     委 員 長  小 田 信 孝 君         副委員長  加 藤   斉 君     委  員  小 谷 俵 藏 君       欠 委  員  室 橋 一 郎 君     委  員  佐 藤 美智夫 君         委  員  常 本 省 三 君     委  員  高 橋 忠 明 君         委  員  村 山 優 治 君     委  員  千 葉 英 守 君         委  員  原 口 伸 一 君     委  員  伊 藤 知 光 君         委  員  道 見 重 信 君     委  員  佐々木   肇 君         委  員  笹 出 昭 夫 君     委  員  宮 村 素 子 君         委  員  新 山     君     委  員  勝 木 勇 人 君         委  員  湊 谷   隆 君     委  員  伊与部 敏 雄 君         委  員  西 村 茂 樹 君     委  員  猪 熊 輝 夫 君         委  員  大 西 利 夫 君     委  員  小 野 正 美 君         委  員  北 川 一 夫 君     委  員  本 舘 嘉 三 君         委  員  春 原 良 雄 君     委  員  柿 崎   勲 君         委  員  涌 井 国 夫 君
      欠 委  員  本 郷 俊 史 君         委  員  高 橋 重 人 君     委  員  飯 坂 宗 子 君         委  員  武 藤 光 惠 君     委  員  山 口 た か 君         委  員  福 士   勝 君       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○小田 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,室橋委員,本郷委員からは欠席する旨,勝木委員,本舘委員,柿崎委員からは遅参する旨,菅井委員は福士委員と交代する旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第4号 平成7年度札幌市交通事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成7年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆大西 委員  私は,本市の事業会計決算と今後の健全運営に向けての交通事業に関連して,数点お伺いをいたします。  質問の第1でありますが,地下鉄事業会計決算に関連して,乗客誘致策についてお尋ねをいたします。  地下鉄事業は,平成3年度に経常収支が約362 億円の赤字で,累積欠損金が約1,445 億円でございました。経営健全化計画の実施後においても,膨大な建設費に伴う支払い利息減価償却費などの大きな支出と相まって,乗車人員の大幅減による収入減などから,平成7年度決算で見てみますと,経常収支が約303 億円の赤字,累積欠損金も約2,587 億円となっているのであります。これを健全化計画との対比で見てみますと,平成7年度単年度赤字で約3億円,累積欠損金では約80億円好転しているのであります。したがって,計画との対比を見る限りでは,順調に推移しているという,そういう見方もできるのでありますが,しかし,その内容を分析してみますと,大変危機的な状況にあるというふうに私は考えるのであります。  特に,収入では,乗車人員の大幅減によりまして,計画よりも約66億円減少しております。健全化計画では,想定利用者数は1日平均71万500 人だったものが,東豊線の延長にもかかわらず,実数は62万6,500 人と,平成3年度からわずか4.8 %の伸びにとどまっているのであります。年度ごとに見ましても,93年度6%,94年度6.5 %,95年度には11.8%と,計画との乖離は年々拡大してきておりまして,今日,乗客数をふやすことが最大の課題となっていると思うのであります。  一方,支出で見てみますと,計画を約69億円下回っております。この主要な要因の人員削減が既に計画を69人も多く達成し,経費節減もかなりのところまで努力をされている,こういう結果だろうというふうに私は判断をしております。  このような背景を一言で言えば,収入の大宗である乗車料収入は年々大幅に減少し,支出は人員削減などを先行させておりまして,収支均衡のためのこうした内部効率化の前倒しには限界があると私は考えるのであります。  そこで質問でありますが,乗車人員拡大のために交通局として行ってきた誘致策について,どのようなことを行ってきたのか,まずお伺いをいたします。  第2点目に,地下鉄事業の平成7年度決算の内容についてであります。  最初に,乗車料収入についてでありますが,経常収益は,対前年比4.2 %増の約418 億円となりました。この主なものは,乗車料収入,広告料などによるものと思われます。そこで,収入全体の88%を占める乗車料収入は,各路線別にどのような決算になっているのか,健全化計画と平成7年度との実績を対比し,金額と比率で明らかにしていただきたいと思うのであります。  また,この中で,平成6年秋に開業した東豊線・豊水すすきのから福住間では,利用者数が路線延長に見合って,予定どおり事業効果があったのかどうかお伺いをいたします。  次に,附帯事業についてであります。  乗車人員の拡大は,今直ちには難しいとすれば,附帯事業を積極的に展開をして減収分を少しでも回復する,こうした手法も大変私は重要だと思うのであります。そのために,附帯事業の推進について,今日,どのようなことを行っているのか。また,健全化計画に着手した平成4年度以降平成7年度末までの実績で,どの程度の増収効果があったのかお伺いをいたします。  また,附帯事業のうち資産の有効活用について,どのような取り組みをしているのか,具体的にお尋ねをいたします。  次に,収入に関連して,一般会計からの財政支援についてお尋ねをいたします。  健全化計画の中では,一般会計から新たな財政支援を受けることになっておりますが,平成4年度から平成7年度までの計画と実績がどのようになっているのかお尋ねをいたします。  また,支援の主な内容はどのようなものなのかお伺いをいたします。  さらに,収入財源の中で全体に占める財政支援の構成割合は,どのような状況になっているのかお尋ねをいたします。  次に,経常費用についてであります。  経常費用の決算は720 億9,000 万円と,収支の 1.7倍となっておりまして,対前年比5%の増となっております。この主な要因についてお尋ねをいたします。  次に,企業債についてであります。  ここ数年来の低金利状況の中にあって,本市が保有している企業債は極めて高金利のものが多く,その結果,経費の増嵩の大きな要因になっているのであります。この支払い利息は,資本費負担にかかわる義務的経費でありまして,かつ費用全体に占める割合が高くなればなるほど,経常費用を硬直化させる要因となることが考えられます。加えて,今後,さらに建設改良事業の執行により,ふえていくことが見込まれているのであります。  そこで質問でありますが,平成7年度末の金利別企業債残高は,どのような状況にあるのかお伺いをします。  また,高金利のものは極力低金利のものに借りかえできないのかどうか,お尋ねをいたします。 ◎淋代 事業管理部長  まず,第1点目の交通局が実施をしている乗客誘致取り組みについてでございますが,まず企画商品の開発といたしましては,ご承知のとおり,ウィズユーカードだとか共通乗車カード,さらにはエコキップあるいはホリデーキップ,さらには記念乗車券,そういったいろんなタイプのカード,乗車券を発行いたしておりまして,その総枚数は,平成7年度で見た場合に686 万枚というふうになってございます。  また一方,イベントの方にも力を入れてございまして,サタデー・テーリング,いわゆる学校の週5日制に対応いたしまして,市営交通で施設めぐりを行うということで企画をいたしたものでございますけれども,そういった各種のイベントによる動員数は,これも平成7年度で申し上げますと,約17万4,000 人に上っているわけでございます。  さらには,利便性の向上という視点からは,地下鉄で申し上げますと,昇降装置は当然のことですが,メトロ文庫の開設,あるいはバスで申し上げますと,冷房車あるいは低床式バスの拡大,さらには自由乗降方式の採用だとか,電車で申し上げますと,センターポール化などを実施してきているところでございます。  今後とも,ただいま申し上げましたような内容を充実させていくとともに,関係機関との連携を図りながら,一人でも多くの市民にご利用いただけるように,乗客誘致に全力を傾けていきたいと,このように考えております。  第2点目でございますけれども,地下鉄事業決算における収入につきまして1点,乗車料収入についてということでございます。  路線別での計画と実績の対比ということでございますが,まず南北線で申し上げますと,計画額が176 億円に対しまして,実績が150 億円となっておりまして,比率で申し上げますと15%のマイナス。東西線で申し上げますと,計画が182 億円に対しまして,実績がこれも150 億円となっておりまして,比率で申し上げますと17%のマイナス。東豊線では,計画が96億円に対しまして,実績が66億円というふうになっておりまして,比率で申し上げますと31%のマイナスと,こういうことになってございます。  収入に対する2点目のご質問でございますが,東豊線の延長部の事業効果ということでございますが,延長部の5駅につきましては,7年度の予定が1日3万4,000 人でございましたが,実績では3万2,000 人ということで,2,000 人程度の落ち込みになっているのが実態でございます。ただし,8年度に入りまして,沿線の開発も徐々に進んでおりますので,最近は乗車人員も順調に伸びてきているところでございます。  それから,3点目の附帯事業についてでございます。  いろんな附帯事業がございますけれども,まず第1点目のどのような附帯事業を行っているかということでございますが,一つには,ご承知のように,広告事業がございます。二つ目には,土地の賃貸あるいは施設の有効活用,そういったことを主眼といたしました資産の活用事業,この二本立てで附帯事業を行っているわけでございます。  次に,2点目の平成4年度以降の実績と増収効果でございますけれども,広告で申し上げますと,平成4年度以降の累積の増収額は4億2,600 万円でございます。再建計画前の平成3年度と7年度の広告料収入を比較いたしますと,10.4%の増というふうになってございます。これは,いろんな商品を開発したということでございます。  それから,資産の活用についてでございますけれども,4年度以降の累積増収額は7億600 万円でございまして,再建前の平成3年度と7年度の状況を比較いたしますと,43.3%の増ということになっております。これは,私どもの本局庁舎の活用の分も含めているものでございます。  それから,附帯事業の第3点目,今後の取り組みでございます。  ことしの6月には,東西線の新札幌変電所パーク・アンド・ライド駐車場とそれから調剤薬局の,いわゆる複合施設をオープンさせました。7月には,北14条東7丁目,旧地下鉄の建設事務所跡地に商業施設と飲食施設の併合施設をオープンさせたところでございます。また,円山駅近接地につきましても,先日,眼鏡店に賃貸することに決定をいたしまして,公表したところでございます。現在,来年の春のオープンを目指して設計等を進めている段階でございます。  なお,現在,公募中でございます美園用地と旧琴似職員住宅跡地の活用につきましても,現在,数社に詳細な活用状況を提示している段階でございます。できるだけ早く活用を図っていきたい,このように考えております。  それから,第4点目の一般会計からの地下鉄事業に対する財政支援でございます。  平成4年度から7年度までの累積で申し上げますと,計画では277 億4,400 万円であったものが,実績では315 億200 万円というふうになっております。主な内容で申し上げますと,福祉割引に伴う減収分の補てん,あるいは地下鉄建設にかかわる出資金の追加分,及び特例債の財源措置などがその主なものでございます。37億ほどふえておりますけれども,これは出資率が10%から20%に変更になったその影響によるものでございます。  なお,構成比でございますけれども,年度別にということでございますが,これらの一般会計財政支援経常収支に占める割合でございますけれども,4年度は13.6%,5年度が19.1%,6年度は21.6%,7年度が23.9%ということになってございます。  5点目の,経常費用は721 億円になっていて,対前年度5%増となっているけれども,その主なものは何だと,こういうご質問でございます。  6年度の経常費用は686 億6,000 万円でございますから,それと比べますと34億3,000 万円,今申し上げましたように,率で5%の増というふうになってございます。  この増加の内容を,増加額の大きいものから順に申し上げますと,一つには減価償却の増,これが12億7,000 万円。ご承知のように,東豊線が延長いたしました。したがいまして,資産の取得により減価償却費が増加をしたということでございます。さらには,支払い利息の増ということで,10億9,000 万円でございまして,これにつきましては,経理上の操作でございますけれども,開業までは建設利息として建設費に含まれていた企業債の利息などが,開業後は経常費用支払い利息として計上されるということで,10億円になっているということでございます。  3番目として人件費,これが7億1,000 万円ほどございますが,これは6年度と比較をいたしまして,退職者が約10名ほどふえております。したがって,それが主な要因であるということでございます。その他の経費といたしまして3億5,000 万ほどふえているというのが,全体の内訳となっているわけでございます。  6点目,最後でございますけれども,平成7年度の金利別の企業債残高でございます。  まず,地下鉄の企業債の残高でございますけれども,総額で5,067 億円というふうになってございます。利率別で申し上げますと,7%以上が1,227 億円,6%から7%未満1,126 億円,5%から6%未満778 億円,4%から5%未満1,326 億円,4%未満が610 億円というふうになってございます。  また,高金利の企業債の借りかえについてのご質問でございますけれども,従前は,地下鉄事業の企業債につきましては,借りかえが認められておりませんで,これは何とかならないかということで,これまで国に対して要望してきておりましたが,平成7年度から公営企業金融公庫債について,利率7.5 %以上の企業債を対象として,借換債が認められたところでございます。  以上でございます。 ◆大西 委員  今,お答えをいただきました。  乗客誘致のためのいろいろな施策については,役職員を含めて一生懸命やっていると,こういうことでありました。しかし,現実の問題としては,なかなか乗客がふえていない。むしろ,言っておりますように,計画との乖離がどんどん拡大していると,こういう状況の中でありまして,これは交通事業会計にとって大変憂うべきことだと,こう考えるわけであります。  そこで,附帯事業でありますが,今お聞きをいたしますと,企画商品の開発や各種のイベントの開催,あるいはエレベーター設置を図りながら利便性の向上を目指している,あるいは,タウン情報誌などを通じてPR活動もしている,極めて多種多彩な活動をやられていると,こういうことに対しては,心から敬意を表する次第であります。しかし,にもかかわらず,乗車人員の減少には一向に歯どめがかからないと,こういう状態でありまして,むしろ,さっき申し上げましたように,計画との乖離が拡大をしているのであります。  そこで質問でありますが,今後の交通事業の健全化を進める上で,社会的背景も含めて,このような状況をどのように分析をし,その結果,今後の運営をどのように進めていこうとしているのか,この点についてお伺いをいたします。  2点目に,企業債についてであります。  全体としては,5,000 億以上の企業債があると。しかも,利率別残高で見ますと,7%以上の残高が1,227 億円ある,こういう回答であります。しかし,平成7年度から,公営企業金融公庫債の借りかえが7.5 %以上の高利のものについて認められた。既に,本市でも7年度において15億円,8年度において18億円借りかえをした,こう回答がございました。このことは,本市交通会計の中で極めて明るい話題ではないかと,私はこう考えるところであります。したがって,今後も事業収入の好転を図るため,借りかえ枠の拡大などについて,国に対して積極的に働きかけていくべきだと,こう考えるのであります。  そこで質問であります。  この借りかえによって,どの程度の効果額が生じているのか。また,あわせて今後の見通しについてお伺いをいたします。 ◎淋代 事業管理部長  まず,第1点目の乗客誘致に関連をしたご質問でございますけれども,本市の全市的な取り組みにもかかわりませず,残念ながら,利用者がなかなか伸びていないということでございまして,その要因については,ただいま内部で検討させていただいておりますけれども,例えば,マイカーの増加だとか週休2日制の拡大,あるいは人口のドーナツ化,あるいは学生数の減少と,こうした社会的な要因による大変厳しい環境が,今後も当面は続くものというふうに全体的には考えておりまして,市長部局ともさらに連携を密にいたしまして,交通局としても,お答えいたしましたような乗客誘致策を今後も積極的に展開をして,何とか乗客誘致についての効果的な結論を出していきたいと,このように考えているところでございます。  それから,第2点目の借換債についてでございます。  借換債に伴います金利の圧縮効果は相当ございまして,これは7年度,8年度を合わせまして33億3,900 万円の借換債をやっておりますから,最終償還年月日が平成17年でございますので,17年までの累積で申し上げますと,その効果は約5億5,000 万円ほどに上ります。  それから,借換債の今後の見通しでございますけれども,この発行につきましては,毎年,国からの配分額に基づいて行っているところでございますが,現在,借りかえの対象となる7.5 %以上の公庫債は,私どもで50億ほど残っておりますので,今後,できるだけ早い時期に借りかえが終了するように国に対しても積極的に働きかけていきたいと,このように考えております。 ◆大西 委員  乗車料収入をふやしていくためには,乗車人員をふやさなきゃだめだということでありまして,健全化計画の議論をしましたときにも,全庁を挙げてと,こういう議論をしたところであります。ぜひひとつ全庁を挙げていろいろな知恵を出し合って,乗車料収入をもっと多く,交通会計に大きく寄与するような,そんな政策をぜひ実行するために努力をしていただきたい,こう思う次第であります。  大きな2点目についてお尋ねをいたします。  地下鉄東西線延長の問題とバス事業について,数点お尋ねをいたします。  質問の第1は,地下鉄東西線延長工事進捗状況についてであります。  昨年2月に着工されました延長工事の現場を見てみますと,地下では一部,既に構造物の建築が進んでいるところもありますし,まだ掘削にもかかっていない,こういうところも見受けられます。  私は,たまたま地元におりまして,この周辺を通ることが多いのでありますけれども,こういう状況を見ますと,何か工区ごとに少しばらつきがあるように見受けられます。この点,全体を通して工事の進捗状況はどのようになっているのか,おくれているのではないか,お伺いをいたします。  また,この路線の開業見通しについてでありますが,当初計画どおり11年3月と,こういうふうに示されておりますが,この時期に開業できるのかどうか,その点についてお尋ねをいたします。  質問の第2点目でありますが,この路線の需要見通しについてであります。  この延長部分の鉄道事業免許を申請しました際,また,議会報告においても,その需要見通しについて,新規需要が1日3万8,000 人と示されているのであります。この根拠は,バス再編による需要が1日1万4,500 人,それからマイカー,二輪車などからの転換,すなわち駅勢圏の拡大による需要が1日1万3,500 人,それから開発プロジェクトによる需要が1日1万人,こういう計画であったと思うのであります。  しかし,この間,客観的情勢はかなり大きく変わってきているというふうに,私は考えているのであります。その第1は,当初の計画の開発面積は7ヘクタールでありましたけれども,土地の買い取りが不調に終わったなどの理由から,本市みずからの開発が4ヘクタールに縮小され,残り3ヘクタールについては民間開発を誘導すると,こういう計画に変更されました。さらに,この4ヘクタールについても,現在もなお用地交渉が完了していないと,こう聞いているのであります。  さらにまた,当初計画されました複合公共施設,これは,開発プロジェクトの中に形成をされるわけでありますが,具体的には生涯学習センター教育研究所青少年センターリサイクルプラザなどの建設を計画しておったのでありますが,当初計画では,地下鉄開業と同時に開館をすると,こういう予定で進められておったものが,完成予定が平成12年度の早い時期に変更されました。1年おくれて建設されると,そういう計画になっていると私は聞いておりまして,こうなりますと,当初計画の地下鉄開業に間に合わないと。したがって,1年間,需要見通しが狂ってくるのではないかと,こんなふうに考えているところであります。  このような大きな変化が幾つかあったわけでありますが,この背景のもとで開業まであと2年数カ月,こういう状況にあるわけでありますが,この当初予定の3万8,000 人の新規需要について,どのような見通しを持っているのか,変更する必要はないのか,お伺いをいたします。  質問の3点目に,バス事業についてお尋ねをいたします。  来年度から新川に着工予定の北光自動車営業所についてでありますが,この営業所は,建設後30年を経過し老朽化していることから,建て直しを行うと,こう聞いております。しかし,バス事業の経営も,地下鉄と同様に,年々悪化の状況にございまして,このような財政事情のもとでは,建築に当たっては,これまでの営業所と違った,建築費を含めた見直しが必要ではないかと,こう考えるのでありますが,その点について,どのようにお考えかお尋ねをいたします。 ◎若原 建設部長  東西線延長工事に関しまして2点ご質問ございましたので,お答えさせていただきます。  まず,進捗状況についてでございますけれども,現在,土木工事を中心に,変電所建築工事などを行っているところでございまして,9月末の工事出来高を申し上げますと,土木工事が56.1%,変電所建築工事が34.3%となっております。工区によりましては特殊な工法を採用しているところもありまして,ご指摘のように,まだ現在,掘削を続けているところがございますが,全体を通しましては,おおむね順調に進んでいるところでございます。したがいまして,開業時期につきましても,当初の予定どおり,平成11年3月ごろには開業できると,このように考えているところでございます。  次に,2点目の新規需要の見通しについてでございますが,まず駅勢圏拡大に伴います新規需要につきましては,駅勢圏人口あるいは地区形態が類似している東豊線の栄町駅あるいは新道東駅の乗車人員の実績をベースに算出しておりますことから,誤差は少ないものと,このように考えております。  次に,バス路線再編による新規需要についてでございますけれども,市営及び民営バスを延長2駅へ短絡させることを予定しておりまして,交通局内はもちろん,今後のバス事業者との折衝の中で,鋭意努力していく考えでございます。  街づくりにつきましては,4ヘクタールの中核施設配置区域につきましては,委員ご指摘のとおりと私ども聞いてございますが,終点駅周辺では,7ヘクタール以外でも,出入り口を併設する商業ビル,あるいは高層住宅などを含む民間開発計画が合わせて進んでおりますことから,必要需要の確保は可能であると考えているところでございます。 ◎榊原 自動車部長  4点目にご質問のありました北光自動車営業所移築に伴う建築費の節減の件でございますが,北光自動車営業所の移築につきましては,単に老朽化したということで実施するのではなく,大きな目的といたしましては,地下鉄東西線延長に伴いまして,地域住民の利用度が高まるように,バスの運行を効率的に実施しようというところに目的がございます。したがいまして,ただいま委員ご指摘のとおり,バス事業の厳しい財政状況を十分に考えまして,従来の考え方にとらわれず,自動車営業所としての機能を十分に果たせるよう,経費の節減に努力してまいりたいと考えております。 ◆大西 委員  最後に,2点質問して終わりますけれども,第1点目に,新北光自動車営業所は,移築後,いつから使用を開始するのか。また,平成11年春には,地下鉄東西線延長部が開業の予定であります。この営業所を移築することによって,延長にかかわりますバス路線の運行効率がどのように変化するのか,お尋ねをいたします。  二つ目でありますが,地下鉄東西線延長部のバス路線再編のスケジュールについてであります。  バス路線の再編については,市営バス事業の需要が年々落ち込んでございまして,同じように,地下鉄においても同様の傾向が続いている中で,利用者の理解を十分得られないまま再編を進めますと,特に,バスと地下鉄を乗り継ぐ利用者を減少させ,バス・地下鉄双方で利用者離れが一層加速するのではないかと,こう心配をするわけであります。したがって,十分なスケジュールをとって地元説明会を行い,また,利便性についても十分配慮すべきと考えるところであります。  そこで質問でありますが,バス再編について,地元説明会のスケジュールをどのように考えているのか,また,競合する民営バス事業者とは,いつごろまでをめどに協議を調えていくのか,お尋ねをいたします。 ◎榊原 自動車部長  ただいまの質問にお答えいたします。  まず,第1点目の北光自動車営業所の移築についての使用開始でありますが,年次計画に従いまして,本年度中に地質調査また実施設計等の事務を終え,平成9年度に建設工事を行い,平成10年4月をめどに営業を開始したいと,こういうふうに考えてございます。  また,次にお尋ねの,移築によりましてバス路線の運行効率がどのように変化するのかということでございますが,現在,まだ路線再編成作業には着手しておりません。そういうことで,具体的なことは言えませんが,平成11年春に開通予定の地下鉄東西線延長に伴いまして,現北光営業所の輸送地域でございます新川,手稲方面の路線再編が,まず必要となります。さらには,新川地区に営業所を移転することによりまして,琴似自動車営業所また東自動車営業所の路線もあわせて考えていくことになりますので,長距離路線の縮小を含め,きめ細かなバス路線網の形成が可能となりまして,効率的な運行と,また定時性の確保などバスの利用者の利便性の向上が図られるものと考えてございます。  最後に,地下鉄東西線延長にかかわりますバス路線再編のスケジュールでございますが,せっかく私どもが路線の再編成をいたしましても,住民のニーズに沿ったものでなければ利用されないわけですから,より多くの市民に利用されますように,でき得る限り早い時期にバス路線の再編スケジュールを固めまして,地元説明会を行っていきたいと。そしてまた,地区住民の理解を得たいと,こういうふうに考えてございます。  また,民営バスにつきましても,可能な限り地下鉄駅に短絡をしていただきたいと,こういうふうに考えてございますので,今後,開業の1年前までに固めることをめどといたしまして,民営事業者と路線再編につきまして協議を進めてまいりたいと,こういうふうに考えてございます。  以上です。 ◆涌井 委員  私からも,東西線延長にかかわる問題について,ご質問をしたいと思います。
     ご承知のとおり,地下鉄東西線の延長については,本市の地下鉄50キロ構想により,地上交通の渋滞緩和や交通の利便性の向上を目的として進められているものでございます。一方,西区,手稲区の地域発展のため,地下鉄を契機として,さまざまな街づくりが進められていくことが大きく期待されているわけでございます。それは,街の機能を高めていくことはもちろんでございますが,すべての人にとって,まさに快適な街となるよう配慮していかなければならないと思うわけでございます。  そこで,第1点目のご質問でございますが,今回の延長工事における施設等での配慮についてでございます。  本市におきましては,人に優しい交通対策をさまざまな面で進めているところでございますが,市民の足とも言える地下鉄の重要な役割を考えましたときに,これからますます進んでいく高齢化の問題などにかんがみまして,高齢者や障害のある人にも快適に利用してもらえるよう,人に優しい地下鉄であってほしいものだと,こういうふうに思うわけでございます。  こうした中にありまして,特に視覚障害者の社会進出に伴って,地下鉄駅構内での転落事故がふえている面も指摘されているわけでございます。私の調べたところ,平成5年から今年7月末まで,25件の転落事故のうち10件が障害者の方の転落事故でございまして,その9割が視覚障害者の方であります。特に平成7年は,9件の転落事故が発生しているわけでございます。これは,あくまでも届けを出した方でございまして,自力で脱出した方あるいは転落しそうになった方などを考えると,相当数あるのではないかというふうに思うわけでございます。視覚障害者の方から見ると,駅のホームは欄干のない橋のようだと指摘する声すらございます。  そこで,目の不自由な方々の声というものを拾ってみますと,トイレの位置,男女の区別,あるいは機器等の配置がわからない,あるいは点字案内板の位置がわからない,あるいは手すりの点字表示がまだまだ少ない,いわゆる点字の誘導ブロックもきめ細かくされているのかどうか,改善と普及が待たれます,こういう声すらあるわけでございます。  こうした施設や設備の面では,一度完成してしまいますと,その後,改修するにしても,さまざまな技術上,また費用の問題などがあって,なかなか簡単にはいかないだろうと,こういうふうに思うわけでございます。  近年の地下鉄工事においては,東豊線以来,全駅にエレベーターを設置するなど,一定の評価をするものでございますが,今回の東西線の延長工事においては,こうした施設や設備の面で新たな取り組みを含め,障害者に優しい,配慮した駅であってほしいと,こういう思いから,どのような配慮をされているのか,まずお聞かせ願いたいのであります。 ◎若原 建設部長  東西線延長部におきます駅の施設面あるいは設備面での改善点について,ご質問ございました。  エレベーター及びエスカレーターにつきましては,基本的に東豊線延長部と同様の基準で設置する考えでございます。このほか,新たな改善点といたしまして主なものを申し上げますと,まず駅のトイレについてでございます。  一つには,これまで一般トイレから独立して設置してきておりました身障者用トイレを,一般のトイレスペースの中に男女用それぞれ設置する予定でございます。  二つ目といたしましては,トイレの出入りがスムーズにできますように,従来,階段がございましたが,これをやめまして,平たんにする予定でございます。  三つ目といたしましては,乳幼児を連れてご利用される方のために,女性用のトイレ内に幼児用の小便器,それから乳児用のいす,さらにおむつ交換などができるテーブルを設置する予定でございます。  次に,券売機についてでございますが,点字対応型で,操作しやすいよう,フロントパネルに傾斜をつけましたり,これは一般的にスラント型と申しておりますけれども,傾斜をつけたパネル,また小銭がある程度一括投入できるなど,高齢者や障害者の方にも利用しやすい新型の機器導入を予定しているところでございます。 ◆涌井 委員  2点目についてでございますが,先ほどもお話ございましたけれども,琴似のバスターミナルの有効利用についてでございます。  琴似バスターミナル周辺には,商業あるいはまた交通機能が集積しておりまして,にぎわいを見せておりますが,しかしながら,バスターミナルの土地利用は,平面的なものにとどまっておるわけでございまして,立地条件を生かしているとはなかなか言いがたいと思うわけでございます。  また,東西線延長後は,バスターミナルに短絡されているバスの大部分が新駅に短絡され,現在,5万人というふうに言われております利用客の減少が起こると,こういうふうに思うわけでございます。そこで,周辺の活性化が望まれるところでございます。  健全化計画においては,琴似バスターミナルを有効活用することとしており,我々も期待しているところでございますが,この活用をどのように考えておられるのかお伺いしたいのでございます。  さまざまな施策が考えられますが,この活用時期につきましては,いつごろを予定されておるのか,あわせてお聞かせ願いたいわけでございます。 ◎淋代 事業管理部長  琴似バスターミナルの有効活用について,ご答弁申し上げます。  この用地につきましては,ご承知のとおり,地下には地下鉄の施設の躯体が埋設をされておりまして,建築物に対する荷重制限など,大変厳しい制約条件がございます。また,そのコスト吸収などを含めて考えますと,事業の採算面から見ましても,これも大変厳しいのかなというふうなことを考えております。しかし,一方,この用地は商業地としての立地条件にも恵まれてございますし,資産価値も大変高い土地でございますので,できる限り高度利用する方向で活用を図って,増収に努めてまいりたいと,こう考えております。  時期でございますけれども,西方面のバス路線につきましては,東西線の延長開業とあわせて,大きく再編する予定でございますので,バス路線の再編後,できるだけ早期に工事着工できるよう準備してまいりたいと,このように考えております。 ◆涌井 委員  交通事業健全化計画に伴って,再建のための経済条件が,さまざまな部分で最優先されるべきだというふうには認識しておりますけれども,地域中心核である琴似地区にふさわしい公共施設,あるいは商業,娯楽,文化施設などとして活用して,商店街の活性化につなげることを期待して,質問を終わります。 ◆武藤 委員  私も,7年度決算にかかわって数点お尋ねしたいと思います。  まず,健全化計画についてですが,7年度の決算におきましても乗車料金の減,そういうことで,私も,札幌市公営企業会計決算審査意見書というのをちょっと読ませていただいたのですが,この中でも,乗車人数が減っているということで,かなりきつい指摘もされているところだと思うのです。その中でも,地下鉄に関して言えば,3線全体で見ても1日平均輸送人員は,経営健全化計画の9割にも達していないと,こういうような指摘もあるわけですね。  そういう中で,健全化計画の中では,職員の定数を削減するということで,年度で見れば,計画よりも早い時期にその目標を達成するご努力をなさってきた,そういう状況だと思うのです。その中で,これまで交通局の職員をトータルでいけば880 人ほど,定数削減だということで削減されているのですが,そのかわりに,嘱託職員とか非常勤職員という形で,年々かなりの人数が膨らんでいますね。  この問題については,昨年の決算でも我が党で問題にしたところなのですが,毎年ふえてくる嘱託職員の数,これは,かつては正規職員で持たれていた業務を嘱託職員,非常勤職員をあてがってやるということで,確かに人件費の削減にはつながりますね。そこにはつながるのだけれども,結局,業務内容から見て,それまで正規職員がやっていた内容と変わりがあるのかどうなのか。  私たちは,実際に労働条件の側から見ても,本来,正規職員でやるべきところを嘱託だ,非常勤だということで賄っているわけですから,十分な業務ができていないのかなと思うわけなのです。もしできているとすれば,嘱託職員でいけば,1年1年継続しながら3年間の雇用ですよね,それから非常勤職員でいけば,もっと短い契約年になるわけなのですけれども,こういうような契約の中で働く人たちに対して,労働条件が違うのに,正規職員がやっていた中身と同じことをやっているというのであれば,その賃金体系や労働条件から見ても,余りにもひどいのじゃないかなと,こう思うわけなのです。  そこで,まずお尋ねしたいのは,それまで正規職員でやっていた部署を嘱託職員や非常勤職員にかえられて,業務内容に変更がないのかどうなのか。それから,嘱託職員や非常勤職員が他の正規職員と同じ業種をやっているのだけれども,賃金的に大幅な格差が,手当とかそういうのは当然ないのでしょうが,勤務外手当はありますよね,こういうのはつくのでしょうけれども,労働条件の違いの中で,この方たちがどういうような職務体系になっているのか,そこのところをまずお尋ねしたいと思います。  それから,数なのですけれども,実際にこれまで880 人削減されていく中で,それぞれの部署で正職員と嘱託職員の割合がどのようになってきているのか,ここのところも明らかにしていただきたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,第1点目の業務内容の変更といいますか,本来,正規職員でやるべきものを非常勤職員でやった場合に,業務にどういう影響があってという,そういうご趣旨かと思いますけれども,嘱託職員といえども,私どもの企業職員ということに変わりはないわけでございまして,そういう意味では,指揮命令上も,すべての局の業務方針のもと業務を遂行するということになっております。  その対応能力につきましても,やはり試験制をとっておりますから,試験制でもって適格性を確認をしているということもございますし,また一方,採用になった後は,私どもでは教習所というのがありますけれども,その教習所の中で正職員に準じた教習をきちっとやっておりますので,そういった意味では,事業の安全性も含めて,私どもとしては,特に問題はないというふうに考えているところでございます。  それから,2点目の勤務条件と申しますか,特に,賃金が低いというお話でございますが,法律上,職員には正規職員もおりますし,あるいは臨時職員,非常勤職員と,これは法律で採用してもよろしいということになっておるわけでございまして,当然のことながら,職務の内容も,あるいは勤務条件も異なるわけでございますから,当然そこに給与の格差があってしかるべきだというふうに考えております。  勤務条件そのものは,今,非常勤で申し上げますと,勤務時間は週29時間でございまして,業務の性質上,あるいは業務の繁閑の観点から,必ずしも正職での対応は必要でないという場合に,嘱託職員で対応しているというのが実態でございます。報酬につきましては,月収が13万円から15万5,000 円ということでございまして,年収は,時間外手当も含めまして250 万から約300 万,それから任用期間については,ご承知のとおり,3年を上限にして1年雇用ということになっているわけでございます。  それから,嘱託職員の比率でございますけれども,例えば,バスの運転手で申し上げますと,正職員に対して10.5%,正職員767 名に対して90人でございます。それから,地下鉄の駅業務員でございますけれども,296 名の正職員に対しまして155 名ということで,34.4%の比率になっております。  以上です。 ◆武藤 委員  嘱託職員や非常勤職員を使ってもいいのだということで,法律でも決められているというお話もありましたけれども,結局,健全化計画の中で,乗車料収入よりも多い人件費を何とか削減したいということがねらいで,こういうように正規職員を削減して,その足りない部分の業務をこなすために,非常勤職員だとか嘱託職員を採用してきているわけですよね。  その業務内容についても,問題はないということでしたけれども,やっていることは同じなわけです,それまでやっていた仕事と。バスの運転手さんにしても,例えば,この健全化計画の中で,時間が延びましたよね。嘱託職員でバスの運転手をやっていらっしゃる方も,やはり正規職員の方と同じような勤務時間の中で仕事をしているわけですね。  今また答申が出されようとしていますけれども,前回の答申の中で,職員の問題でいろいろ言われています。この効率化の中の一つに,職員一人一人が企業の一員としての自覚を持つよう,職員研修の徹底と職場環境づくりを積極的に推進すべきであると,こういうように,職員教育を含めて言われているわけなのですね。  先ほど,嘱託職員も非常勤職員も試験を受けている,それから教習所で練習もやっている,研修も受けていると。これであれば,やっている中身というのは,正規職員と全く変わらないわけですよね。ただ違うのは,賃金体系だけということになるのではないかと思うのです。だから,使う側からすれば,非常に安上がりの労力を使えるわけですから,大変いいことだと思うのですよ,経営者の側からすれば。だけれども,ここの答申で言われているように,職員一人一人が企業の一員としての自覚を持つようにというところで,本当に,労働条件の違う人たちが,働く中身は同じであっても,こういうような立場に立ち切れるのかどうなのか。  新たな答申が出るに当たって,これまでの健全化計画が,どのように交通局として総括されているのか。答申というのは,市民の代表だとかいろいろな方々が集まって,客観的に交通局の事業を判断し,評価し,そしてこうすべきじゃないかということで意見を出すわけですよね。ですから,この間,平成4年以来,実際に事業に当たってきた交通局として,健全化計画の中身をどう評価するのか,どう総括するのか,ここのところをはっきりさせなければ,次の答申もきちんと実践していけないだろうと思うわけなのです。  ですから,職員の問題にしましても,実際にこういうように,平成4年以来,目標を達成するような人員削減,そして業務内容も落ちないように,非常勤職員や嘱託職員で賄ってきたわけなのですが,今,私が答申の一部分を読ませていただいたように,同じ職場の中で,労働条件の違う者が存在していて,本当にその人方が心を一つにして交通事業を守っていこうと,公共事業だから市民にも本当にサービスを提供できるようにしていこうと,そういうような団結ができるのかどうなのか,ここのところが非常に心配なわけです。  本来であれば,880 人を削減したけれども,嘱託職員の採用している数を見ましても,880 には到底届くわけではありませんよね。先ほど,比率で言いましたけれども,バスの運転手さん,地下鉄の駅務員の人を合わせたって,現在でも250 名ぐらいですか,ことしやるのを入れても300 ぐらいですよ。ですから,880 減らしても,嘱託職員,非常勤職員で300 名採用したとしても,これが正規職員であったとしても500 人から削減したことになるわけですよ。  ですから,私は,本当に心を一つにして業務に当たるには,同じ職場の中で働く者にこういう格差が生じてはまずいのではないかと思うわけなのです。ですから,こういう嘱託職員の方は,例えば3年で契約が切れるわけですけれども,その後の交通局の採用,正規職員への道は検討されないものなのかどうなのか。  それから,今後,交通局の事業の中で,現在正規職員でやっている部署で,嘱託や非常勤にかえていこうとお考えになっている部署が,さらにこれから膨らんでくるものなのかどうなのか,この点についてもお尋ねをしたいと思います。  それから,今回,新聞報道等では,答申にかかわっての審議会での審議の様子等も報道されているところですが,この答申については30日に審議会で出されるということで,経済公営企業委員会でも1日に報告を受けていますので,この点については触れませんけれども,公営企業として何で経営を成り立たせていくのか,ここのところを,私は再度検討する必要があるのじゃないだろうかと。  例えば,健全化計画をつくったけれども,人件費削減,経費削減で,内部で削られるところを削っていこうということで,結局,乗車人員をふやして,乗車料収入で経営を安定させていくのだというところが柱であるはずなのに,年々年々乗車人員が減っていっていると,ここのところを本当に改善しなければ,公営企業としての値が失われていくのじゃないだろうか。だから,これ以上削減するものがまだあるのかどうなのか,本当にそこのところが気になるわけですね。  それから,交通局として,先ほども健全化計画の総括をどうするのかと,総括をした上で答申を受けるべきだと思うわけなのですけれども,乗車人員,交通局として,そこで収益を上げるためにどういうことを検討されているのか,この点についても改めてお尋ねしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  何点かご質問がありましたけれども,まず,ご答弁する前に,誤解をされると困りますので。  人員削減をして,非常勤職員をそっくり,300 名なら300 名それに充てたと,そして経費の節減を図ったということではなくて,あくまでも,それは内部の効率化というのを検討する,そういう中で,一つには効率化を当然しなきゃなりません,いろんな効率化をやっております。あるいは,どうしてもこれは職員でやらなきゃならないのかどうなのかという検証もしながら,通常の時間でなくて,超勤で対応できるものについては,それは超勤で対応しましょうだとか,あるいは,今お話にありました嘱託職員については,正規職員とは,ある意味では業務の内容あるいは勤務条件も違うわけですから,そういった意味で,嘱託職員で対応が可能なのかどうなのかということも検証をして,決めてきているわけです。  さらにはまた,もっと言いますと,ある業務について,業務委託をすることができるかどうかも含めて検討しながら,全体として経費の節減をしてきたと。このことは,ひとつぜひご理解をしていただきたいなというふうに思うわけです。  そこで,第1点目のご質問についてでございます。  正規職員を採用するときに,非常勤職員というのは身分が不安定なので,そこから採用できないかという点でございますけれども,先ほどもちらっと申し上げましたけれども,臨時職員なり非常勤職員なり正規職員というのは,法律で,こういった職員については採用してもよろしいですよと,こう決まっているわけです。だから,札幌市だけでなくて,どこの都市へ行っても,その3種の職種というのは必ずあるわけです。したがって,あるということは,労働条件がある程度限定をされておりますから,それに合ったお給料を払うと,こういうことになっておりますので,正規職員の試験のときに,試験を受けることは構いませんけれども,やはり成績主義の原則を貫かなきゃならぬというのは,非常勤であろうと,あるいは臨時職員であろうと,一般の市民であろうと,試験をする場合は同じ扱いにせざるを得ないと,こういうことでございます。  それから,2点目の今後また非常勤職で採用するような予定があるのかということでございますけれども,健全化計画上,ただいま現在,先ほどお話ありましたように,約300 名程度採用させていただいております。この後,何カ所か100 名未満になろうと思いますけれども,業務の中身をいろいろ精査をさせていただいて,今後も若干ふやしていこうかなというふうに考えているところでございます。  それから,乗車人員が非常に交通局の経営にとって大事だということは,ただいま委員がおっしゃいましたように,まさにそのとおりでございまして,私どもは,そういう共通の認識で需要喚起,乗車人員の増,そういったものについて相努めているところでございますので,ひとつご理解を賜りたいと存じます。 ◆武藤 委員  職員の問題でいけば,決して差しさわりがないのだということですよね。差しさわりがないと言いながらも,比率については,例えばバスの運転手さんでいけば,正規職員との割合で1割以上いるわけです。じゃ,1割という数に問題はないのか。2割,3割になっても問題はないのかと。ここに対しての基準,目安というものを交通局でお持ちなのかどうなのか,ここのところもちょっと教えていただきたいなと思うのですね。  それから,これから先についても,業務委託,あるいは嘱託,非常勤でやれるものについては,内部効率化を図るという点で検討していくということも,今お話ありましたけれども,私は,雇用する側と働く側との間にすごく溝があるなという感じがしたのです。例えば,バスの運転手さんの実数で767 人とさっき言いましたよね。そのうちの90人が嘱託職員で,バスを運転しているわけですよね。勤務体系も違うというお話ありましたけれども,実際にバスを運転して人を乗せると,人の命を預かっての仕事なわけですよ。ですから,私は,やっぱりすごく責任のある仕事だと。だから,これが1割でも問題ないのだということになれば,例えば,まだまだ交通局の赤字が続いて大変だということで,2割になるかもしれない,3割になるかもしれない。そうしたら,正規職員というものが要らないのじゃないかということにも,議論としてなりかねないわけですよ。正規職員と嘱託職員では,勤務体制,賃金に多少の違いがあっても,やることも同じで持つべき責任も同じなわけですよね。公営企業の一員として,そういう役割を果たす,そういう研修も受けているわけですから。だけれども,労働条件だけが違うと。こういう体制の中で,じゃ一体,正規職員には何が求められているのか,嘱託職員はどこまでやればいいのか,こういう基準についても,もしお持ちであれば,お示しいただきたいなと思います。  それから,答申前だということで,あれこれについてのコメントは避けているのかなと思いますけれども,乗車料収入をどう上げていくのかというのは,日々検討されていることじゃないのかなと思うわけですね。  毎年毎年予算を立てて,そして決算で,毎年毎年三角がつくようになってくるわけですから,私たち自身も含めて,どうすれば乗車料収入を上げていけるのか。ここのところが,札幌市にとっても交通局にとっても一番大きな問題ですし,内部の効率化だと言いながら,いろいろ先ほどおっしゃいましたけれども,まだ大きく削れるものがあるのか,なくなったときに交通局は一体どうなっていくのか,札幌市の一般会計から補助金を出してもらって,さらにその額をふやしていかざるを得なくなるのかどうなのか。こういうところをきちんと総括をしてもらわなければ,新たな健全化計画を出されても,仕方ないだろうという気がするわけなのですね。  ですから,交通局として,乗車料収入を上げるための努力と,それから今後についての方針というのを明らかにすべきじゃないかと思うわけなのですけれども,どうですか。 ◎土榮 交通事業管理者  1点目でございますけれども,いろいろご意見がありましたが,私どもとしては,そのときどきの状況に応じて適時適切な配置をしながら,経営の改善に努めていきたいというふうに思っております。  それから2点目でございますけれども,私どもも何回かお話しさせていただいておりますが,やはり乗車人員の伸び悩みというのは,私どもにとりましては最大の課題だと。そういう意味では,日々,我々は経費の節減等に努めるのも当然でありますけれども,どうしたら一人でも多く乗っていただけるか,それについては毎日,いろんな意味で考えている事柄であります。  したがいまして,今後とも市を挙げて,その面についての努力をしていかなきゃならぬと,そういうふうに思っております。 ◆武藤 委員  答申の議論もこれからされることなので,ここで終わりたいと思いますけれども,企業として,乗車料収入をどうするのかという点については,前回,健全化計画だということで乗車料金の見直しも行われました。そして4年に改定されたところなのですけれども,その年,次の年というのは,乗車数がさらに減っているわけなのですね,そのことも答申で言われていましたけれども。  そういう点からすれば,今も新聞報道等されていますけれども,答申で何が出てくるのか,まだ明らかになっていないところですが,安易に市民に負担を押しつけて,それで解消できるようなものではない,そこのところだけをぜひ交通局でも検討されて,乗車料収入を上げるためにどうするのかという点については,足りない分を市民に,乗車料金の改定でお願いをするのだというような短絡的な結論にいかないようなご検討も含めて,やっていただきたいなということを要望して,終わりたいと思います。 ◆山口 委員  先ほどから,障害者の方,高齢者の方,乳幼児を持つ方への配慮ということでお答えがございましたけれども,私は,外国人の方に対する配慮ということで,地下鉄の英語表示についてお伺いをしたいと思います。  近年,外国人の方がふえてまいりまして,特にヨーロッパ系,アメリカ系の方は,街でも多くお見かけしますし,国際都市と,札幌がだんだんそのようになってきたのかなと思います反面,地下鉄改札口等で,うろうろ,きょろきょろする外国人の方をお見かけすることが1人や2人ではないという,そういう状況で,なぜだろうということで大通駅周辺をウオッチングをしてみました。その結果,いろいろ問題点が見えてまいりました。  1点目は,表示はあるのですけれども,スペリングのミスがある。それから,ミスではないけれども,大文字で書くべきところが小文字になっている。それから,ローマ字と英語がミックスになっている表示がかなりあります。それから,日本語だけの表示で,英語が全くないというものもかなりございました。  例えば,スペリングのミスでいきますと,南口のサウスというのが「Sorth」になっていまして,実は「South」なのですが,そういう間違いとか,それから道庁は「Prefectural Govern-ment」なのですが,PがRになっていて「Rref.」 だと,ちょっと読めないのですけれども,そういう間違いとかが何点かございます。それから,オーロラタウンとポールタウン,ポールタウンは全部英語表示になっていますが,オーロラタウンはローマ字になっているということで,外国人の方が地下鉄に乗るときに迷われる,あるいは出口で迷われるというのが,なるほどと思われる箇所が何カ所もございました。この間違いについて,どのようにお考えになっているか伺いたいと思います。  それから,駅名だけは英語表示があるのですけれども,料金表に,これは乗り継ぎ表ですという表示が全くなくて,私たちでも,乗り継ぎのときは非常に迷うことがあるのですが,乗り継ぎ表という表示が全くない。それから,料金表という英語表示もないです。それから,どっち方面へ行くかという表示が漢字だけで,「For Fukuzumi」というふうに書くべきなのですが,それが漢字しかないと,そういう点が多々ございますが,それについて,改善の方向でお考えいただけるかどうか伺いたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  1点目のポールタウンの英語表示とオーロラタウンのローマ字表示につきましては,確かに委員ご指摘のとおり,統一性に欠けておりましたので,これにつきましては,速やかに英語で表示したいと考えております。  それから,2点目の乗り継ぎ料金表であるとか,それから単なる料金表,それから方面,これにつきましての英字表示は,一部配慮の欠けておるところがございましたので,これにつきましては,今後,検討して表示していきたいと思っております。  以上でございます。 ◆山口 委員  ミスにつきましては,すぐに直していただかないと,恥ずかしいという部分がございますので,これはお願いをしたいと思います。  次に伺いたいのは,一番問題といいますか,ローマ字の表示方式なのですけれども,これにはヘボン式と訓令式というのがあることは,たしか中学校で英語を習うときに教わったかというふうに思うのですけれども,それでいきますと,例えば南北線の南北(Nanboku)は,「Nanb.」じゃなくて「Namb.」にならないといけないのですね。つまり,m やb やp の前のはねる音は,n ではなくてm にするというのが常識でありまして,例えば新聞(shinbun )は,発音はn なのですが,表示はm でshimbun というふうに書くわけなのですね。  ご存じのように,簡易保険のKampoというのも,ポスターをあちこちで見かけると思うのですけれども,Kampoなのですね。それがヘボン式なのですけれども,地下鉄の場を見ますと,南北線も含めまして全部訓令式で表示をされていて,時代にマッチしていないのではないかというふうに考えるわけなのですが,それについてのお考えはいかがでしょうか。 ◎堂前 高速電車部長  南北線の表示,また大通などの駅名の表示につきましては,内閣告示によります訓令式,あるいはヘボン方式,そういった違いを委員はご指摘なさっていると思いますけれども,私どもの考え方は,開業以来,基本的には内閣告示による訓令式に基づいて今日に至っているわけでございます。  この件につきましては,他の委員からもいろいろご意見がございまして,これを交通局だけの問題として整理して変更するということは,私は困難であるというふうに認識しておりますので,ご理解を願いたいと存じます。 ◆山口 委員  内閣告示ということでおっしゃいましたけれども,それは数十年前の話でありまして,交通局だけでどうのということを,今,お答えありましたが,国際部で発行しております和英対照札幌市機構一覧というのを拝見いたしますと,交通事業管理者は「Managing Director ofTransportation 」ということになっておりますが,ローマ字の表示についてはヘボン式を用いるということで,国際部の統一見解がございます。         _     _ これでは,大通(Odori)の「O」というところの「 ̄」も要らないとか,今申しましたm ,n の発音はb ,m ,p の前ではm に変えるようにということもちゃんと記されておりまして,私は郵政省にも問い合わせて,簡保は,どうしてKampoというふうにつづったのですかということでお尋ねをしましたらば,国際的な取引が盛んになって,外国債とかそういうようなものもいろいろ出てきた中で,やはり国際化の流れを意識した場合,日本人だけに通用する訓令式ではなく,郵政省で判断をしてKampoにしたというようなことも郵政省から聞いております。  今のお答えの中で,ほかの委員からの指摘もあったということで,猪熊議員がお調べになった資料では,例えば大通のトウキビは,韓国語,中国語,ロシア語,英語,ドイツ語で表示をされているというようなこともございます。その辺が,国際都市サッポロとしては,訓令式ではなくて,ヘボン式を含めて,全部チェックをする必要があるのではないかと考えるわけですが,費用の問題等もあるのかもしれませんが,その辺のお考えを再度伺います。 ◎堂前 高速電車部長  このヘボン式等につきましては,そもそも鉄道事業の場合は,JR,旧国鉄の流れというものもまた,各鉄道事業においては訓令式で表示してきているという歴史的な経過もございます。そういったこともございますので,いろいろと調査をいたしまして,研究してまいりたいと思っております。 ◆山口 委員  いろいろ私も調べて,写真を撮ってまいりました経緯もございますし,ほかの委員からも出ているということで,料金改定のたびに,料金のところは徹夜をしてでも直すわけですから,その辺も含めましてチェックをしていただいて,本当に何がいいのかという検討をする時期だというふうに考えますし,国際部でも出していますので,その辺のところを強く要望いたしまして,また半年後なり1年後に質問させていただきたいと思います。 ◆福士 委員  私の方から,さきの代表質問で,交通事業の経営のあり方で何点か質問をいたしましたけれども,交通事業のPRあるいは利便性の向上,バス事業について,再度お伺いをいたしたいと思います。  まず,第1点目でありますが,事業状況のPRについてお伺いをいたします。  1日に84万人という多くの市民に利用されている市営交通は,市民の足として,利用者へのサービス向上を図るために努力をしているわけであります。局内にサービス向上プロジェクト,あるいは市営交通モニター制度を設けるなどして,日ごろから,いろいろな機会を通じて利用者の声を聞き,利用しやすい運営に心がけている,このことは十分承知をしているわけであります。  また一方では,平成4年度から経営健全化計画に取り組んでいるわけでありますが,健全化計画を円滑に進めるためには,市民の理解を得る,このことが極めて大切だということは当然だというふうに思います。さらに,市営企業調査審議会において,事業内容を市民に理解をしてもらう努力は十分であったか,これは当然,毎回論議として出てくるわけであります。  そこで,市民に向けて交通事業の財政状況あるいは健全化計画進捗状況等々について,さらに市民サービスの向上等の改善の際にも,あらゆるPRする努力をしていく,このことは不可欠だというふうに思っております。  そこで,経営健全化計画の開始からこれまで,市民に理解してもらう,そういう意味でのPRを具体的にどのように行ってきたのか,まずお伺いをしたい。  さらに,交通事業健全化計画を実行中でありますから,市民の理解を得るために,各種の情報提供あるいは市営交通の運行案内等々に関するきめ細かな対応も必要だというふうに思います。そこで,市民への情報提供や運行案内などについて,検討策があればお伺いをしたい。  さらには,民間の事業者を含めた市内の公共交通全体の利便性を高めるために,新たな情報提供の取り組みが,当然,今後要求をされるというふうに思いますが,それらの動きについてお伺いをいたします。 ◎淋代 事業管理部長  まず,事業状況のPRでございますけれども,事業者にとりまして,PRというのは極めて重要であるというふうに,私ども認識をいたしております。  事業内容のPRにつきましては,今日まで積極的に取り組んできたつもりでおります。とりわけ,平成4年4月以降につきましては,経営状況あるいは財政状況,さらには内部の効率化だとか利便性,施設の紹介,主な事業の内容等について,広報さっぽろだとか地下鉄・バス・電車の車内広告,各種のリーフレットだとか,場合によって,ウィズユーカードのプレミアムのときのように,テレビ,ラジオあるいは新聞広告によって,積極的に今日まで行ってきているところでございます。  いずれにいたしましても,今後とも積極的かつ効果的なPRを行って,一人でも多くの市民に利用いただけるような,そういう努力をしてまいりたいというふうに考えます。  PRについての2点目でございます。  市民の皆さんへの運行案内などの情報提供についてでございますけれども,市民の皆様から,ことしの大雪を契機にいたしまして,もっときめ細かな案内体制の充実を望む声が実は寄せられております。このため,バス事業では,災害,豪雪などによりまして運休せざるを得ない場合には,停留所付近に住む職員とその家族が,運休などの情報を明示した張り紙を主な停留所に掲示をしてお知らせをする,そういった体制づくりをまず一つ進めております。  それから,電車事業でございますけれども,ことしは豪雪によりまして,電車の運行が実際問題,困難になったわけでございますけれども,そういった場合や,交通事故あるいは車両故障,そういった場合の運行障害に際して,お客様に運行状況をお知らせする必要があるだろうということで,停留場の案内放送装置を導入いたしまして,案内体制の充実を図っていきたいと,このように考えております。  それから,PRの3点目でございます。  民間事業者を含めた公共交通機関の横断的な案内についてでございますけれども,二つございます。一つは,札幌市内の公共交通機関のすべての路線や乗車料金,あるいは乗り継ぎ方法などの利用情報を総合的かつ一元的に利用者に提供するシステムにつきまして,北海道運輸局と札幌市が中心となって,「札幌市における公共交通総合情報システムのあり方に関する調査委員会」を設置いたしまして,調査検討を開始しているところでございます。私ども交通局といたしましても,このシステムの構築に積極的に協力,参加をしていきたいというふうに考えているのが1点でございます。  2点目は,バスについてでございますけれども,札幌市の中心部から出ている市営バスを含む各社のバスにつきまして,その乗り場,発車時刻,運賃,所要時間等の情報を一目で見ることができるバス総合案内システムが,北海道バス協会によって札幌駅の南側に設置をされて,明日から実は稼働することになっております。これによって,さらに一歩利便性が高まるものと期待をいたしているところでございます。
     以上でございます。 ◆福士 委員  ただいまの答弁で,情報提供に種々の努力が行われていることは理解をするわけであります。  市民PRについてでありますが,市民のニーズが十分に反映されなければならない。そういう意味では,現在,局が行っている市営交通モニター制度,これは間もなく第1回の任期が切れるわけでありますが,市民ニーズの把握のために,今後も引き続き実施をしていくのかどうかお伺いをいたしたい。  それと2点目は,市営バスと民営バスの乗り継ぎの問題についてお伺いをいたします。  本市においては,地下鉄とバスを有機的に連携させる交通体系を基本としているわけでありますが,料金面においては,他都市に先行して乗り継ぎの割引制度を導入し,公共交通機関の利便性を高めてきているわけであります。  地下鉄とバスを乗り継ぐ場合の利用料金は,市営バスが30円引きであり,民営の一部の関係では10円引き,割引の額に差が生じている,こういう形になっているわけであります。それと,地下鉄の割引額は,市営バスへ乗り継ぐ場合も,民営バスへも,一律60円という形になっているわけでありますけれども,民営バスの10円割引の路線に乗車した場合は,降車の際に追加で20円を支払うと,こういう形になります。利用者の立場からすれば,10円割引を受けていることよりも,20円を余分に支払ったと,こういう感覚になるというふうに思います。  そういう意味で,乗り継ぎ料金の格差,こういうものを強く意識せざるを得ないのではないか。民営バスの割引については,確かにその事業所の経営状況を当然尊重していかなければならないわけでありまして,市営交通としても関与しがたい面があるやに思いますけれども,公的な交通を利用する市民の立場から考えますと,当然,バス側での割引額について格差を是正し,あるいは統一をしていく,そんな形が望まれているというふうに思いますが,割引額を統一する,そういう方向での働きかけというのは,その後どういう状況になっているのかお伺いをさせていただきます。 ◎淋代 事業管理部長  まず,モニター制度でございますけれども,平成7年12月からモニター制度を導入いたしておりまして,今日まで4回活用させていただいております。市民ニーズを把握するという意味では,参考になることが非常に多うございまして,そういった意味では,今後も引き続きモニター制度は活用してまいりたいと,このように考えております。  それから,2点目の民営バスと市営バスの乗り継ぎ割引の統一についてでございますけれども,ある民営事業者は10円引きでございますが,10円引きと市営バスの30円引きとの格差につきましては,従来から民営事業者と協議を重ねておりますが,市営バスの割引額まで引き下げるということは,経営上,大変難しいということで,今までは協議が大変難航している状況でございました。しかしながら,地下鉄の延長整備によるバスの路線再編が進みまして,民営バスと地下鉄の短絡が大変ふえているということ,それから,共通乗車カードの発行によりまして,乗り継ぎのしやすさが一段と増していると,そういう中で,民営事業者側でもこうした割引額の格差につきましては是正していく必要があるとの考えを示してきております。したがいまして,割引額の統一につきましては,何とか実現に向けて協議をさらに進めていきたいというふうに考えております。  3点目の共通乗車カードでございますけれども,現在,JRバス,中央バス,そして私どもの3事業の各交通機関を相互に利用できるカードといたしまして,共通乗車カードを発行いたしておりますが,利用者からは,利用できる交通機関が多岐にわたって非常に便利であるというふうに,好評なカードでございます。  そこで,さらに共通乗車カードの利便性を高めるために,各事業者とプレミアムの付与について協議を現在進めているところでございまして,将来的には参加事業者をふやすことを含めて,サービスを高める方策について検討してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆福士 委員  現在の割引額の統一,この問題は,総合的な交通体系を進めていく,そういう意味でも,利便性を高める,地下鉄あるいはバス双方の需要喚起をする,そういうことから,市営交通の関係で極めて重要になっておりますし,民営バスが支えていくという連携作業が求められているわけでありますから,種々難しい問題があるやに思いますけれども,ぜひ早急に統一化に向けてご努力をお願いいたしたいというふうに思います。  それで,最後に,観光貸し切り事業の収支状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  いずれにしましても,本市の観光貸し切り事業の関係につきましては,長引く景気の低迷あるいは阪神・淡路大震災等々の影響によって観光客が落ち込んでいる。需要の減少傾向が続いていて,大変厳しい状況になっているのも理解をしているところであります。  そこで,数点お伺いをいたしますけれども,健全化計画スタート以後の観光貸し切り事業の収支状況がどのようになっているのか。  それから2点目は,こうした収支状況の中で,自動車部がいろいろと経営努力をされていますが,これまで,具体的にどのような努力をしてきたのか,その内容についてお伺いをいたしたい。  3点目は,企業の努力にもかかわらず赤字が続く原因を,どのように分析をしているのか。  この3点について,お聞かせをいただきます。 ◎榊原 自動車部長  観光事業につきまして,3点の質問にお答えをさせていただきます。  まず,第1点目の健全化計画以後の貸し切り事業の収支状況でございますが,計画が始まった平成4年度以降7年度まで,赤字決算となっております。具体的な金額で申し上げますと,4年度が 5,585万円,5年度が9,833 万円,6年度が1億 464万円,そして7年度が1億5,802 万円の赤字額となってございます。  2点目のお尋ねでありますが,このような赤字の中での経営努力の経緯を申し上げたいと思います。  平成6年度には,それまでありました観光営業所を廃止いたしまして東営業所に統合し,関係職員の削減を図るとともに,資産活用といたしまして,観光営業所の跡地あるいは建物を貸し付けるなど,人件費及び関連経費の削減と増収を図ってきたところでございます。  また,運転手につきましては,観光専属とはしないで,路線バスの運転と兼務という体制で効率的運営を図るとともに,バスガイド及び運転手の一部を嘱託にいたしまして,人件費の削減に努力をしてきたわけでございます。  それから,正職員で申し上げますと,例えば平成3年度には観光関係職員が54人でございましたが,現在は半数の27人で実施をしてございます。  また,車両につきましても,平成3年度には33両でございましたが,現在は25両で,そのうち15両はリースということで対応してございます。  また,さらには増収対策といたしまして,町内会や学校,あるいは老人クラブなどの各種団体への積極的な営業活動を行うなど,収支改善に努力をしてきたところでございます。  また,3点目の赤字が続く原因でございますが,私どもは,大体三つぐらいを大きな理由というふうに理解してございます。  一つには,利用客のニーズが,最近,経済成長の低迷によりまして,いろいろと変わってきていると。利用形態が,宿泊を伴う長距離利用から日帰りによる短距離利用の需要が多くなってきている。ですから,バス1台当たりの乗車料金が下がってきておりますので,必然的に乗車料収入が減となってくるわけであります。  また,2点目には,貸し切りバス事業各社も非常に多くなってきておりまして,受注競争が激しくなってきている。昭和39年に観光営業所ができました当時は,札幌を含め,周辺には14社のバス事業者がございまして,観光バスとしても281 台ございました。それが,平成7年,つまり32年後には31社で観光バスも946 台と,こういうように数がふえてきているわけでございます。  また,3点目には,少子化の影響による受注件数の減が非常に目立ってきております。といいますのは,学校などにも積極的に営業活動をしてきているわけでありますが,少子化の影響によりまして1クラス当たりの人数が少なく,今までは1クラス1台というバスの受注があったわけでありますが,2クラスあるいは3クラスで1台と,こういうように受注が減ってきているという状況であります。  以上です。 ◆福士 委員  ただいまの答弁で,これまでいろいろと経営努力をされてきた,そのことは十二分に理解をしていますし,今のご答弁でもわかるわけであります。しかしながら,健全化計画以降,経常収支の関係は一向に改善されていない,このことも事実だというふうに思います。  そこで,観光貸し切りバス,これは路線バスと違って,市民の日常生活に欠かすことのできない足として利用されている事業とは違うわけでありますから,どうしても公営事業でなければならない,そういう必要性はないというふうに思います。しかも,ただいま説明の収支状況を見ますと,観光貸し切り事業が経営健全化計画に悪影響を与えている,こう言わざるを得ない面があるというふうに思います。  そこで,最後にお伺いをいたしますが,こうした状況を踏まえて,今後の観光貸し切り事業の見通しと考え方をお伺いをいたします。 ◎土榮 交通事業管理者  観光貸し切り事業についてのお話がございました。  ご案内のとおり,本市の観光貸し切り事業につきましては,昭和10年からやっておりまして,大変長い歴史を有しております。市民はもとより,内外の大変多くの方々にご利用いただいておりまして,市の観光事業あるいは道の観光事業の普及啓蒙に大きく寄与してきたと,こういうふうに思っております。  しかしながら,ただいま部長から,赤字の原因について,るる申し上げましたように,大変厳しい経営環境にございますので,そういう意味では,その存続について,現在問われているのではないかと,こういうふうに思っておりますし,また,市営企業調査審議会でもいろいろご意見があり,議論されているところでございますので,答申を受けました後に,廃止も含めまして検討をしていきたいと,こういうふうに思っております。 ◆原口 委員  私は,昨年の3定の特別委員会で,市電のループ化,これは創成川連続アンダーパス事業に関連して,市電をループ化したらいかがかという提言をさせていただきました。その後,市営企業調査審議会であるとか,それから今議会の代表質問でも取り上げられておりますが,その市電のループ化とバス事業について,数点ずつお尋ねをいたしたいと,こんなふうに思っております。  このループ化に関しましては,市営企業調査審議会でも取り上げられておりますし,随分論議をされておるようでございます。また,交通局としても前向きに検討したいと,こういうふうなことでございます。  具体的な路線については検討中であるというふうなことも伺ってはおるのですけれども,創成川を越えて向こう側まで行くということにつきましては,昨年指摘いたしましたように,中央区の東部地域の再開発の起爆剤にもなるし,二条市場の活性化にもつながる,観光客が市電に乗車をし,そして二条市場の方に買い物にも行っていただける,それがひいては収入増につながるのではないかと,こんなふうな話をさせていただきました。以来,積極的な取り組みをされておりますことにつきましては,大変評価をいたすわけでございますが,一方で,そういうループ化をすると,狭い南1条通,ないしは都心部が交通渋滞を起こすのではないかというようなことも言われておるわけなのですね。  そこで私は,ことしの8月下旬,ドイツとスイスに行って,都心交通乗り入れ規制と公共交通について視察をしてきました。ここに写してきた写真があるのですが,例えば南1条通のような狭い道路では,思い切って市電のレールを道路のどちらかに寄せる,そして,そこは市電とバスのみ,いわゆる公共交通のみその路線を走る。実際に,ドイツのハイデルベルクでは,市電のレールを全部道路の片側に寄せてありまして,そして線路がぽんと路面上に飛び出さないようになっていまして,そこをバスも走っているのです。それで,市電はレール上しか走っていけませんから,停留場のところにきちっと停車をするのですが,バスは停留所に近くなったら,電車の停留場から離れて,向こうは右側通行なものですから道路の右側に着く,そういうふうになっておりました。  それからドイツのローテンブルク,それからスイスのルツェルン,ここは完全に車の乗り入れが都心部は禁止だと,許されているのが,ローテンブルクにつきましては,朝方の1時間ぐらいと夕方の1時間ぐらい,出勤時,帰宅時といいますか,そういうような時間帯でございましたし,ルツェルンでは24時間都心乗り入れ規制ということでございます。ただし,許可を受けた,ごみの収集車であるとか一定のものにつきましては,許可証を車の前面につけて,それで入っていくと。タクシーも中に入れないと。こういうふうな大変厳しい乗り入れ規制をされている現実を見てまいりまして,大変参考になったわけでございます。  そんなことで,こういうふうな海外の事例からもわかるとおり,都市環境を守るためには,車の乗り入れ規制を思い切って行うとか,その規制が無理であれば,ラッシュ時間帯とかなんとか,決められた時間帯に都心に乗り入れができると,こういうふうな規制を行う必要もあろうかと思うのです。  そこで,電車が走る南1条通などは,ループ化をするには狭いのだと,こういうふうなことであれば,ああいう状況で,恐らく南1条通を拡幅するというのは大変なことだろうというふうに思ってもおりますし,まずはできないのではないかというふうに思うわけでございますので,市電のレールを片側に寄せて,そしてそこへ市電を走らせる,そしてループ化に対応して,交通渋滞を招かないように,車を一方通行にしてしまう。こういうふうな思い切った措置をする必要があるのではないかなと,こんなふうに思って帰ってきたところなのでございます。  いずれにいたしましても,ループ化を進めるとした場合に,都心への車の乗り入れ規制というようなことは,交通局単独ではできないわけでございまして,交通政策を担当する企画調整局等々,他部局とも調整をしなければならないのは,もちろんよくわかっております。  そこで,昨年の質問のときに,ループ化というのは大変望ましい姿だと,そして,今,委員から言われているような内容については,関係部局と協議をしていきたいと,こう考えておりますと,淋代部長に昨年の3定の特別委員会でご答弁をいただきました,私。そんなことで,その後,交通局としては,どのような方向で調整を行ってこられたのか,この点について,まずお尋ねをいたしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  市電のループ化に当たりましては,お話がありましたように,都心部の交通渋滞の問題をまず第一に検討しなければならないというふうに考えております。良好な都市環境を確保いたしまして,交通公害から市民を守るという,そういう観点から,都心部における公共交通の利用促進を強く打ち出すことが必要ではないかというふうに考えておりまして,そういう趣旨で,関係部局と今日まで協議を進めてきているところでございます。  今後,解決をしなければならないいろんな条件,制約,そういったものが多々ございますけれども,私ども事業者といたしましては,ループ化計画の実現をぜひ図りたいものだというふうに考えておりまして,ただいま申し上げました交通渋滞等の課題解決も含めて,ただいま現在,積極的に関係部局と協議をしているところでございます。 ◆原口 委員  このループ化につきましては,超党派でいろんなご意見が出ておりますので,ぜひ積極的に進めていただきたいと,こういうふうに思っておるのですけれども。  そこで,ループ化と,本市の総合的な公共交通の基本になっているのは地下鉄だと,こういうふうに思うわけですけれども,ループ化がなされた場合,地下鉄にどんな影響があるのか,需要増がもっと見込めるのだろうかな,そういうようなことについて,どのようにご判断をされていらっしゃるのかお尋ねをいたしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,ループ化の目的そのものは,いろんな目的があるわけでございますけれども,大変大きいのは,ループ化を図ることによって,電車そのものの需要確保がかなりできるだろうということが,まず一つあります。  それからもう1点は,大きなものだけ申し上げますと,地下鉄との連携と申しますか,現在,一たん外に出ないと電車に乗れないという状態になっておりますから,何とか地下鉄との連携をうまく確保できるような,そういう手段も考えながら進めていきたいなというふうに考えているわけでございます。そういった意味で,需要増については内々にいろいろ試算をいたしておりますけれども,相当数の需要が見込めるのかなというふうに考えているところでございます。 ◆原口 委員  とにかく積極的にご検討いただいて,創成川連続アンダーパスの事業と並行的に進めていただきたいと要望させていただきます。  それで,次にバス事業なのですけれども,全国的に利用者のバス離れの状況が続いておりまして,各事業者は相当な努力を強いられているというのが現実のようであります。  ちょっと調べてみますと,平成6年度の乗り合いバスの全国的な収支状況を見ましても,全国で乗り合いバスの事業は362 社あるのだそうですけれども,このうち黒字経営が19%の68社だけだと,そして,あとの81%は慢性的な赤字経営に悩んでいらっしゃる,こういうようなことでございます。この中でも,特に公営交通は赤字経営であるというようなことが明白になっておるわけなのですね。  それで,このような状況を踏まえますと,とかく公営交通は民営化だと,こういう難しい言葉も聞くわけでございますけれども,市営企業調査審議会の答申がまだ出ていない段階で,大変お答えしにくいのかもしれませんけれども,何点か質問をさせていただきたいと思うのです。  まず,第1点は,本市のバス離れの原因をどのように分析されているのか,まずお聞かせを願いたいと思います。  それから2点目として,バス離れの歯どめ対策にどのような努力をされてきたのか,お聞かせをいただきたい。  まず,この2点についてお尋ねいたします。 ◎榊原 自動車部長  ただいまの2点のご質問でありますが,まず1点目の本市のバス離れの原因の分析であります。  これにつきましては,大きく分けまして4点あるというふうに私どもは感じておりますが,まずその一つは,マイカーの増加による利用交通の手段,こういうものが変化してきたと,これが大きな原因の一つでなかろうかと。二つ目には,週休2日制などの休日が増加したことによります通勤・通学日の減少。それから3点目には,大型デパート,スーパーなどの郊外進出によります買い物客の減少。また,4点目には,経済活動の低迷により,人の動きが依然として鈍いと,こういったような4点の理由がふくそういたしまして,バス離れにつながっているものと,こういうふうに考えてございます。  それから,2点目のご質問でありますが,バス離れの歯どめ対策として,私どもは,いろいろとやってきたわけでございますが,やはりバスというものは,市民が安心して利用でき,しかも快適なバスでなければならないというふうに考えまして,厳しい財政状況の中で,できる限り利用者のニーズにこたえるよう努力をしてきております。  まず,主な内容を述べますと,一つは,バスの基本的な生命というのは定時性の確保であると,こういうふうに感じております。そのために,バスの中に運行計数機というものを導入して,現在,運行の実態に合わせた時刻表を作成しながら,できるだけ定時性を確保していくという努力をしております。また,バスの運行がスムーズにいきますように,走行環境の改善を図っていかなきゃならぬと,こういうことで,バス専用レーンあるいは優先レーン,あるいは優先信号システムの増設,またロードヒーティングの設置,それと冬期間におけるバス路線の除排雪の徹底,こういったものを,私どもも関係機関に強く要請をしておりますし,またこれからも要請をしていきたいと,こういうふうに考えてございます。  2点目といたしましては,快適な乗り心地の確保,またサービスの提供ということに力を入れてきたわけでありますが,まず一つには,車両の改善,これについては夏期間の快適なバスということで冷房車の導入,また老人・高齢化の対応ということで低床式バスの導入,これらにつきましても,今後,費用の許す限り対応してまいりたい,こういうふうに考えてございます。  また,停留所あるいはターミナルなど待合施設の整備,こういったものにつきましても,小屋式,移動式の待合所あるいは固定式の待合所も工夫を凝らしながら,順次整備をしているところでございます。  それからまた,サービスの向上,これが何よりも乗客に対するサービスということで,運転手のいろいろな接遇,こういったものも改善するよう,接遇の研修に努力をしているわけでございます。  それから,イベント輸送でございますが,札幌市内でも,野球あるいはコンサート,それからスポーツ大会,いろいろな行事が行われるわけでありますが,バスの輸送ということで,7年度だけでも14万6,000 人の輸送を実施してきてございます。そのほかに,ファクトリー線の設定であるとか,小学生の絵を展示したギャラリーバスの円山公園駅あるいは動物園への運行,あるいは年末の深夜バスの運行,それから初もうで輸送,あるいはさとらんど輸送など,いろいろと特殊路線を設定しながら利便性を図っているわけであります。  また,特に始終発便の繰り上げ,繰り下げの実施,それから滝野線の一部でありますが,自由乗降方式の採用など,いろいろと工夫をしながら努力をしてきているわけでありますが,やはり乗客離れというものには,効果的な歯どめをかける手段がなかなか見つからないというのが現状であります。  今後とも,何とか利用客がふえますように,利便性の向上を一層図りながら,市民ニーズに積極的に対応した事業を推進してまいりたいと,こういうふうに考えてございます。 ◆原口 委員  次に,各路線の収支状況についてお尋ねをいたしたいと思うのですが,平成3年度に営業係数が150 %以上,つまり100 円の収入を上げるのに経費が150 円以上かかる,こういう路線が17路線あったわけなのでございますが,現在,この17路線がどのように改善されているのかお尋ねをいたします。  あわせて,現在でもそのまま高い営業係数で残っている路線は幾つあるのか,そしてその理由,またさらには,この路線を今後どのようにされていくのか,まず1点目,以上の点をお尋ねをいたします。  2点目は,現在,経営健全化を進めている中で,路線の見直しだとか廃止だとか,いろんなことがあると思うのですが,中には路線の新設があろうと思うのです。交通局では,路線を新しくつくる場合のいろんな基準をお持ちなのだろうと思うのですけれども,新規路線を開設する場合の基準をご明示いただきたいなと,こういうふうに思っております。 ◎榊原 自動車部長  まず,1点目の質問でありますが,平成3年度の営業係数,つまり各路線ごとに,支出を収入で割ったその数字が営業係数と言われているものでありますが,これが150 以上に位置していた路線は,どのように改善されているのかということでございますが,委員ご指摘のとおり,平成3年度には17路線あったわけでありますが,その17路線が,現在までどのような努力をし,市民の理解を得ながら改善されてきたかということで,ちょっと説明をさせていただきます。  まず,平成5年度の白石営業所の移築によりまして,白石本通線,平和通線,それから柏山線を本郷線に整理・統合いたしました。また,北郷2条線を川下線に整理・統合いたしました。また,北光北26条線の廃止,さらには,平成6年度に地下鉄東豊線の延長に伴う2路線,旭水線と美園線の廃止をいたしたわけであります。また,平岸線の路線変更などの路線改善を図るとともに,ダイヤ改正時には,輸送需要に対応した運行便数の調整を実施いたしまして,効率的な運行を図ってきたことから,平成7年度には5路線となったわけであります。3年度と比較いたしまして,12路線の減少となっております。  その結果,営業係数150 %以上の路線の平均営業係数は,平成3年度の183.3 %に対しまして,平成7年度には168.6 %,つまりマイナス14.7%改善されてきたと,こういうふうに考えてございます。  平成7年度は5路線になったわけでありますが,その後,これに2路線加わりまして,つまり滝野線と桑園発寒線の2路線が,この150 %以上のランクのところに加わり,現在7路線となっております。滝野線が悪いランクの方に行った一つの理由としては,平成3年度にはいいランクだったのですが,やはり駒岡小学校の生徒の数が減ってきたこと。それから,桑園発寒線が悪い路線に移ってきたというのは,JRの中間駅,つまり発寒中央駅ができたと,こういうことで,乗る人員が減少したことによりランクが下がってきたと,こういうことでございます。  それから,2点目のご質問でありますが,営業係数150 以上の路線が残っている理由と今後の対応,また数でございますが,平成3年度に17路線あったのが,いまだに残っている5路線というのは,北7条線,それから新道西線,それから北18条線,それから北光美香保線,厚別東通線,この五つであります。  これらが残っている理由というのは,今まで,このいずれの路線も,1便当たり平均いたしまして13.7人しか利用されていないということでございます。大変高い係数の,言うなればAランクに当たる100 %未満の営業係数の1便当たり平均では37.6人乗っているわけですから,その約3分の1しか利用されていないと,こういう路線であるわけであります。  しかし,これらの路線は,市民の地域公共施設への利便性や,あるいは地下鉄の恩恵を受けない地域の住民の足の確保,さらには他の交通機関のない生活路線など,こういうようないろんな理由があるわけでありますから,路線の存続は地域住民の要望が極めて強く,見直しを図ることは,現在としてはなかなか困難な状況にあります。  しかし,今後は,利用実態あるいは運行経路などを十分調査しながら,より利用しやすい路線形態になるよう努力をして,営業係数のランクを高めていきたいと,こういうふうに考えているわけであります。  それから,3点目の路線新設の基準でありますが,まず,バス路線新設の基本的な考え方といたしましては,需要動向を見きわめながら,採算性を考慮して,さらには安全運行の観点から,道路状況や回転場所などの輸送環境を確保できる地域を選定していくと,こういったように総合的に判断をして決定しているわけであります。  具体的に申し上げますと,例えば,道路の幅員は車道を8メートル確保できなければならぬ,あるいは除雪体制が確立できているかどうか,それと停留所あるいは待合施設などが確保できるかどうか,また,それと同時に,運行に伴う地域住民との問題調整をどう図っていくのか,あるいは公共交通機関として本当にその路線が必要なのか,こういったような具体的なことを検討していく必要があると,こういうふうに考えておるわけであります。  以上です。 ◆原口 委員  それでは最後に,依然として厳しいバス事業であるわけでございますけれども,部長のバス事業に対する現状認識と,将来,バスはどうなるのだろうか,この将来展望について,部長の考え方を聞かせていただいて,終わりたいと思います。 ◎榊原 自動車部長  大変厳しい質問でございまして,非常に緊張感を持って発言をするわけでありますが,市民ニーズの多様化や生活形態の変化などによりまして,今までるるお話し申し上げましたとおり,バス事業は大変厳しい状況の中で,一層の努力を続けていかなければならぬと。また,公営交通というのは,市民の足として,地域住民の生活を支えていくという社会的な使命がある一方,企業として健全な経営を行うということも,私どもに課せられた重要な責務であるわけであります。このはざまに立ちまして,交通環境の変化あるいは採算性を見きわめながら,市民各層のニーズに可能な限り的確に対応していくことが,利用客の減少傾向に少しでも歯どめがかかるものと認識をしているところであります。  また,事業の将来展望といたしましては,私どもも,大きく六つほど考えてございます。一つは,先ほども申しましたように,バスの生命である定時性の確保,特に冬期間についても道路の環境整備とあわせまして,定時性の確保等を十分考えていかなきゃならぬ。それからまた,バス路線の見直しをしていかなきゃならぬ。また三つ目には,先ほども出ましたが,観光事業の見直し。また4点目には,営業所再配置による効率的な輸送。また5点目には,新規需要の積極的な開拓。また6点目には,職員の意識改革と乗務員の接遇向上,つまり,クレームゼロを目指しながらサービス向上に努めていきたいと,こういう考え方をもとにいたしまして,今後とも職員一丸となってこれらの課題に積極的に取り組んで,バス事業の健全な事業運営に努めてまいりたいと,こういうふうに考えております。  以上です。 ○小田 委員長  以上で,議案第4号及び第5号の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,明22日午後1時から,水道局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時10分...