欠 委 員 本 郷 俊 史 君 委 員 高 橋 重 人 君
委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 武 藤 光 惠 君
委 員 山 口 た か 君 委 員 菅 井 盈 君
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開 議 午後1時
○小田 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
室橋委員,
高橋忠明委員,
千葉委員,
宮村委員,
勝木委員,
本郷委員からは欠席する旨,道見委員,
佐々木委員,本舘委員からは遅参する旨,それぞれ報告がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第6款 経済費 第2項 農政費のうち
農業委員会関係分の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。
農業委員会の説明員の方は,退席されて結構です。
次に,第1項 商工費の質疑を行います。
◆新山 委員 私からは,
商店街振興について4点ほどお尋ねをいたします。
札幌市の産業構造は,卸・小売,サービス,飲食店など,第3次産業に特化しており,従業員数も全体の6割強を占めております。こうした中にあって,市内には130 以上もの商店街がありますが,生活者の
買い物行動の変化,さらにはニーズの個性化,多様化,流通構造の変化に加え,大型店など多種多様な出店が相次ぎ,商店街は非常に厳しい局面を迎えております。平成6年に実施された
商業統計調査においては,商店数が前回よりも減少をしており,今後は,さらに減り続けるのではないかと危惧しているところであります。
商業は立地産業であり,また
時代対応業でもあると言われている一面,みずからの自助努力にゆだねざるを得ないと思いますが,反面,容易に体質改善を図れないのが現実であります。商店街は,その活性化に向けて苦慮しているわけでありますが,そうした中にあっても,
経済効率優先の大企業と異なり,地域との結びつきを大切にして,イベントや祭りの実施,あるいは街の美化運動など,これまでも
街づくりの一翼を担ってまいりました。さらに,21世紀に到来する
高齢化社会においては,地域におけるコミュニティーの場といった役割が,ますます期待されると思います。
そこで第1点,本市における商店街について,行政はどのようにとらえ,位置づけているのか。さらに,商業を取り巻く大きな環境変化の中にあって,商店街がますます衰退していくのではないかと心配をいたしておりますが,今後の具体的な
振興方針についてお伺いをいたします。
次に,2点目といたしまして,大型店の出店問題をどのようにとらえているかということについてお伺いをいたします。
大型店の出店は,地域の生活者に買い物の利便を供していることは事実でありますが,
生活環境や交通などの面で,少なからずマイナスの影響を及ぼしていると考えられます。
札幌市は,安心して暮らせる温かな
街づくりを第3次5年計画に掲げておりますが,経済効率のみを追求する大型店がこのまま出店していくことについて,どのように考えているのかお伺いをいたします。
3点目といたしまして,空き地・
空き店舗対策であります。
全国的に空き地・
空き店舗が目立つ商店街が増加をいたして,大きな問題となっております。このことが,衰退に拍車をかけていることになっているわけでございます。本市においても,街の顔である商店街の中に,空き地や
空き店舗が増加しておりますが,具体的な対応策を検討しているのかお伺いをいたします。
4点目といたしまして,手稲区の
商店街振興策についてお伺いをいたします。
手稲区におきましては,この半年の間に,手稲駅北口のメルシャン・プラースや新発寒のパワーセンター・コムスなど,大型の
複合商業施設が進出をし,商店街を大きく圧迫いたしております。
そこで,今年度,手稲区を対象とした
広域商業診断事業を実施する予定と伺っておりますが,事業を取りまとめた後の
商業振興施策について,何か想定をされているのか。
以上,4点をお聞きいたします。
◎前田
商工部長 第1点目の商店街をどのように評価し,今後の具体的な
振興方針は何かというご質問でございますが,商業は,本市におきまして,市民の豊かな
消費生活を支える重要な産業でございまして,市内に136 ある商店街は,市民の買い物の場として,また日常生活に必要な商品やサービスを安定かつ低価格で提供し,市民の暮らしに大きな役割を果たしていると認識しているところでございます。
また,商店街の構成員である商業者は,
地域コミュニティ活動の重要な担い手といたしまして,祭りやイベントなどを先頭に立って実施しておられ,市民の交流の輪が大きく広がっているところでございます。さらに,さまざまな
商店街活動を通しまして,地域の
街づくりに大いに貢献をしており,高く評価をさせていただいているところでございます。
本市では,商業の活性化には
街づくりの視点が重要であるという認識のもとに,本年度より,
地域商業活性化推進事業を実施しております。この事業は,地域に求められる
商業機能のあり方と
地域商業の活性化の実現に向けた
取り組み方法につきまして,検討しているところでございまして,商業者が
地域住民とともに行う
活性化事業活動を支援するものでございます。
本年7月には,
学識経験者,消費者,
商業者並びに
本市関係職員によりまして委員会を設置をいたしまして,現在,
商業振興基本指針の作成と活性化の
モデル地区の選定に向けて取り組んでいるところでございます。本年度中に,同委員会からの提言を受けまして,商業の振興に努めたいと考えているところでございます。
第2点目の大型店出店問題についてでございますが,大型店の出店は,
街づくりと
商業機能の充実という点から考えますと,大きく二つの側面が考えられると認識しております。一つは,既存の
中小商業者の関係であり,大型店の出店は,
小売商業に極めて大きな影響を与えていると認識してございます。またもう一つは,
地域住民との関係でございますが,これからの
街づくりには生活者の視点が必要でございまして,魅力と活力のある商業地を形成するためには,大型店との共存共栄ということも大事なものではないかと考えているところでございます。
第3点目の空き地・
空き店舗対策でございますが,現在,全国各地で商店街の空き地・
空き店舗の問題が大きくなってございます。その実態の把握につきましては,札幌市並びに
札幌商工会議所,それから札幌市
商店街振興組合連合会の3者によりまして構成されております札幌市
商業近代化推進協議会がありますが,平成6年度に札幌の商業地における空き地・
空き店舗の実態と土地の有効活用に関する調査というのを実施したところでございます。同協議会では,平成8年3月に,豊平区の
月寒中央商店街と共催でございますけれども,いわゆる
実験店舗というテストを行ったところでございまして,大変貴重なデータを得ることができ,これにつきましては,道内の多くの
商店街関係者の方からご注目を受けているところでございます。
また,本市は,平成8年度より
ステップアップ事業を実施しておりますが,この中の
実験事業としまして,空き地・
空き店舗対策に取り組む商店街の想定をいたしまして支援をするという計画でございます。
空き地・
空き店舗問題につきましては,各都市とも対応に大変苦慮している実態でございますので,今後,各都市の事例も参考にさせていただきながら,研究を続けさせていただきたいと思っているところでございます。
それから,最後でございますが,第4点目の手稲区の
広域商業診断事業についてでございますが,来年の3月をめどに取りまとめるということで,今,作業の途中でございますが,地元の商店街の方々にその結果を周知させていただくとともに,ご意見を伺いながら,手稲区の実情に合った振興策に結びつけていくよう努力をしたいと思っているところでございます。
以上でございます。
◆新山 委員 ただいま,4点についてご答弁をいただきました。
ただ,大型店の出店に関しましては,光の部分だけではなく,よく影の部分があり,今,影の部分の広がりが大きいというふうに聞いておりますし,そういうふうになっているかと思います。
そこで,その光と影の部分の折り合いをどのようにつけていくか,また業者と消費者の利益という観点からばかりではなくて,市民全体の立場から,行政を含めてこの問題を考えていく必要があろうかと思います。
また,市内の商店街は,地域の住民と一緒になって
街づくり活動をしているわけでございますが,ただ,商業者だけの努力では,
街づくりの活動は困難であります。そこで,行政の支援が不可欠と考えておりますが,商業者の
街づくり活動に対する支援を,経済局としても,今まで以上に積極的に行っていただくことを強く要望いたしまして,質問を終わります。
◆西村 委員 私からは,数点にわたってお伺いいたします。
その一つは,この前,
米里北地区工業団地の
分譲価格の引き下げについて議会で議論されて,それが可決したところでありますけれども,このことについて,1点お伺いをしておきたいと思っております。
この問題については,それぞれ委員会やら,さまざまな角度からの議論をされてきたわけでありますけれども,やはり
実勢価格と合わなくなってきたという点で,英断をしてこの価格を引き下げたことについては,私は高く評価をしたいと思っております。
いずれにせよ,こういった
工業団地というのは,しっかりと使われて,機能されて,そして,そこにある企業が,さらにより豊かな経済力を蓄えていくと,こういった形で
工業団地が使われていかなければいけないわけであります。そんな意味では,
工業団地がこれからもより強力に開発が進められて,より豊かな
工業団地として発展されるように,私どもは願っているわけであります。
そこで,質問に入るわけでありますけれども,これから
工業団地がさらに開発をされていく中で,とりわけ今,来年度に予定されている団地も実はあるわけであります,新川の団地。これらの団地については,これから
分譲価格がどういった角度で決められていくのか。当然,これは原価でありますから,土地代及び造成費,そういったものが付加されて,その単価にはね返ってくるわけでありますけれども,せっかくつくったものが売れないようでは意味がないわけであります。特に,こういったところに入っていく企業というのは,それなりの事情があって,資本力があればいいのでしょうけれども,なかなかない中で,どうしても
工業団地に移っていかなければいけないという,そういった事情もある企業であるわけでありますから,そういう意味では,
分譲価格というのは大変重要な役割を担っているというぐあいに私は思うわけであります。
したがって,来年度以降分譲されていく
工業団地について,どういった
価格設定をし,そして
工業団地に入っていきたいとする企業なり法人がスムーズに入っていけるような,そういった角度をどういうぐあいに考えているのか,1点お伺いをしたいと思います。
2点目は,同じ角度から議論するならば,今,真栄の
ハイテク団地があるわけであります。これは,前から全部で九つの区画がございまして,既に六つが
分譲済みだというぐあいに聞いておりますし,その中で,二つは既に立地をされておりますけれども,四つの分譲地については,実際にまだ企業が入ってきていないと,こういうぐあいに聞いております。また,残りの区画については,まだ販売がされていないと,こういうぐあいになっているわけでありますけれども,この先の見通しがどうなっていくのか。
少なくとも,分譲するときには一定の条件がございまして,売買をした時点で,2年の間に企業がきちっと立地をし,運営をしていくと,そういう約束事でありますけれども,この2年が切れて,さらに延長して,今3年目に入っているというぐあいに聞いておりますけれども,まだ建設もされていない企業がいつ進出する見通しになっているのか。さらには,未分譲の区画についても,この先どういった形の見通しを持っておられるのか。また,同じように,区画が合わなくて売れないのか,あるいは,希望しているところがあって,まだ契約に至らないのか,その辺についてもひとつご答弁をいただきたいと思うわけであります。
◎前田
商工部長 第1点目の
工業団地の
分譲価格についてでございますが,本市におきまして,近年,まとまった広い土地を取得するというのは大変難しい状況になってございます。また,地価の
下落傾向にあるとは言いつつも,いわゆる
素地価格,つまり,もともとの
買い入れ価格というのが,以前から比べますと
大変高どまりになっている状況にあることも,否めない事実でございます。地場企業の経営実態に即した低廉な価格での供給というのは,それらの事情によりまして大変困難な状況になっているところでございます。
このように,
工業団地を取り巻く環境は,極めて厳しいものでございますけれども,米里北の例に倣いまして,今後とも
分譲価格につきましては,
実勢価格を基本とした適正な価格の設定に努めてまいりたいと思っているところでございます。
加えて,
企業ニーズに合った低廉で良質な
工業団地の供給をするために,
事業手法並びに
分譲価格を低減させる仕組みにつきましても,十分に研究をさせていただきたいと思っているところでございます。
続きまして,
ハイテクヒル真栄に関してでございますが,委員ご指摘のとおり,全9区画のうち,
分譲済みは6区画でございまして,このうち,2区画につきましては立地済みでございます。現在,企業は経済構造の大転換期を迎えてございまして,急速な
情報化通信技術の革新に直面しているところでございまして,新たな
研究開発戦略の構築を余儀なくされているという状況にございます。
しかし,こうした状況のもとにおきましても,
研究開発拠点としての札幌市の立地適性というのは,依然として高く評価をされているところでございまして,以前のように,引き合いが続いているというところでございませんが,断続的ではございますけれども,分譲を受けたいというふうなお話は引き続いているところでございまして,未立地の企業につきましても,私どもも年に数回各社の中枢と交渉を重ねているところでございますが,いわゆる建設意欲というのは全く衰えていない状況でございまして,先ほど申しましたような状況の中で,次の戦略に向けてのタイミングを図っているので,少々お待ち願いたいということでございますので,延期をし,待っているところでございます。したがいまして,今後の見通しにつきましては,多少の時間はかかるものと思いますが,
ハイテクヒル真栄は,札幌市における
情報通信技術の一つの大きな集積地になると信じているところでございます。
今後は,企業の新たな
研究開発戦略と連携をとりながら,早期の分譲及び企業進出に努めるよう努力をさせていただきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
◆西村 委員 今の答弁の中で,これからの
分譲価格の設定,あるいは
工業団地を造成し,販売をするときに当たっては,民間企業が入りやすい,そういった工夫を研究していきたいと,こういった答弁があったわけであります。しかし,先ほど言いましたように,
団地造成会計の中で
分譲価格を決めていくという,この手法をとった場合に,土地代と,そしてまた造成費にかかった費用というものがその単価にあらわれてくるわけでありますから,一番の問題というのは,幾らそこに投資をするか。あるいは,
工業団地に移りたいのだけれども,土地代が高くてなかなか入り得ないという,こういった企業が私は多いのではないかと思うのであります。したがって,今回,米里のときに29万という単価が約5万1,600 円下がることによって,売りやすくなるという,こういったことがあるわけであります。
聞くところによると,議会でこのことが可決したときに,もう引き合いがあると,問い合わせがあると,こういうぐあいに,土地の
分譲価格によって企業が入れるかどうかというバロメーターになるのだろうと思っております。そういった意味では,単なる今日の
団地造成会計だけで
分譲価格を決めることが果たしていいのかどうなのか。
今回は,
まちづくり推進基金の中から約6億8,000 万円出しましたけれども,しかし,最初から,価格を決めるときに,
一般会計からある程度の投入をしながら,そこに誘導していく必要があるのではないのか。
なぜならば,今,札幌市にある企業の中で,私が調べたところによると,今の
市街化区域の中に,住宅街の中にさまざまな企業があって,そして騒音だとか,あるいは大気を汚染するだとかという住民の苦情によって移転を求められている,そういったところがあるわけであります。そういったところが,どこに出ていくか。資本力もない,自分で土地を買うお金もなかなかない,しかし,そこから追い出されると,その企業というのは必然的に経営が成り立っていかない,居場所がないから地方に行ってしまう。まさに,札幌から流出をしてしまう。せっかく札幌で経営をしている法人企業が,札幌から流出してしまうと,こういったことにもなるわけでありますから,
工業団地というのは,そういった流出を防ぐ意味でも,買いやすいような区画にしていく。そういう意味では,少なくとも
一般会計から予算を入れてでも買いやすいものにしていく。
もう一つの角度から見ると,今,
市街化調整区域に,
違法建築としてある企業もたくさんあるわけであります。今,宅地課の方でそれぞれ調べて,注意,勧告書を出している件数というのが 350件。そこの企業を考えてみると,同じように
市街化区域の中に工場を立地していたけれども,住民からの苦情,あるいはさまざまな環境の問題から,どうしても出ていかざるを得ない。しかし,
工業団地になかなか張りつくことはできない。したがって,当初は
資材置き場として
調整区域を購入したけれども,実質的にそこで仕事をせざるを得ないと,こういった状況になっているように私は思うのであります。
そういった受け皿というものが,今,
工業団地として求められているわけでありますから,少なくともそういった企業が流出しないで,札幌でしっかりと経営のできるような,低廉な
工業団地というものを提供していく役割があるだろうと,そういった意味での
一般会計からの繰り入れを,そろそろ考えていく必要があるのではないかというぐあいに考えるのでありますが,この点についてご答弁をお願いしたいと。
もう1点,さらに,札幌市がつくり上げる
工業団地だけでは,先ほど言った件数,今,移転を希望する者,騒音だとかさまざまな住民から苦情が来て,街の中から出ていきたいと希望する者が約19件あるようであります。そのほかに,
調整区域で
違法建築として実際に営業をしているのが350 件ぐらいある。こういったのを一気に札幌市が
工業団地をつくって,すべてを賄い切れないわけであります。そういったときに,同じような業種の企業あるいは
お互い仲間同士で協同組合をつくりながら,みずから
工業団地として造成をしていく,そういった手法というものが考えられないのか。私が調べたところによると,政府系のところでありますけれども,
環境事業団が資金繰りを援助する,そういった制度もあるやに聞いております。そういったことなんかも利用させながら,
組合方式による
団地造成を促進していく。企業みずからが居場所を探し求められるような資金の手当ても,しっかりとした政府資金の投入をできるようなことも含めながら,工夫されてもいいのではないのか,そういうぐあいに考えるのでありますけれども,2点目は,その辺の
事業手法というのでしょうか,誘導策というのでしょうか,そういったことについてどうお考えになっているのか,この点についてもお伺いしておきたいと思います。
◎前田
商工部長 1点目の
工業団地の分譲に当たりまして,
団地造成会計だけでは成り行かない部分について,
一般会計からの経費の導入というのを積極的に行うべきであるというふうなご質問でございますが,実は,現在実施中でございます市内の企業の意向調査,いわゆる団地の需要調査によりますと,途中経過でございますが,
工業用地に対する需要というのは大変根強いものがございます。
ただ,先ほども申し上げましたように,地価の面で
大変折り合いがつかないと。低廉なものがあればというご注文のついたのが,圧倒的に多いところでございます。これらのことを考えますと,委員のご指摘のことも踏まえまして,現在の
団地造成会計方式については,売る立場におきましても,いろいろ検討の余地があるのではないかと思われますので,今後は,関係部局との調整を積極的に図ってまいりたいと思っているところでございます。
それから,2点目でございますけれども,
組合方式の
工業団地の造成という方策を模索できないかということでございますが,
工業団地を造成する手法といたしまして,一般的には三つあるわけでございまして,その一つは,札幌市など,
地方公共団体が独自に造成をする方法,それから二つ目は,委員もご紹介されました
環境事業団や中小企業事業団が,企業からの委託を受けて造成する方法もございます。また,三つ目といたしましては,企業みずから造成する方法などがあるところでございます。
本市においては,これまで,本市みずからが
工業団地をつくってまいりましたが,土地神話の消滅と申しますか,地価の
下落傾向ですとか,先ほども触れました
団地造成会計の制約等がございまして,
企業ニーズに合った低廉で良質な
工業団地を提供するというのが極めて困難な状況になってございます。
そこで,
環境事業団等による手法や企業みずからの
組合組織化による手法は,一面では資金の問題ですとか,また,市内各地に散財しています同業者あるいは異業種間での集約化による組合の組織というふうな面で,いろいろメリットが本来的に生み出せるかというふうな検討も,大変大きな問題ではございますけれども,その手法といたしましては,大変有効な
工業団地の一手法と考えられますところから,今後は,この手法につきましても積極的に検討させていただきたいと思っております。
◆西村 委員 ぜひ新たな手法として検討を加えながら,有効な
工業団地の促進をひとつ図っていただきたい。
加えて,今回の
米里北地区工業団地の分譲が進まなかった理由として,確かに
分譲価格の問題もありますけれども,一つは,区画割りをして販売をすると。そうすると,なかなか企業のニーズに合わない。例えば,自分はこのぐらいの広さが必要なのだけれども,適当な広さの区画にはなっていない。例えば,300 坪ぐらいの土地が欲しい。しかし,実際にはそういった区画になっていない。そういったことも,実はあったやに聞いているわけであります。
そうであれば,これから
団地造成を図る場合に,分譲する以前,開発をする以前に,企業の要望をある程度聞きながら,服でいうとオーダーメード,イージーオーダー,寸法に合わせてつくっていく。広い範囲の
工業団地でありますから,すべてにオーダーメードをするわけにいきませんけれども,少なくともある程度造成をする段階で,
工業団地を必要とする企業を募集して,そして半分なら半分でもいいのでありますけれども,半分についてはオーダーメードしますよと,必要な面積を言ってくれれば,そういった区割りをしますと,そういった形で,先行的に予約を受けて販売をしていくと,そういった方法も私は考えていく必要があるだろうと思うのです。勝手に区割りをして,いらっしゃいいらっしゃいと言っても,価格と同時に,もう一つはそういった形状,いわゆる希望する坪数になっていない,こういった部分もあるわけでありますから,もうそろそろ企業のニーズに合った形,区割りの面積,そういったものもある程度取り入れながら,
工業団地を造成していく。そういった手法も考えてはいかがかと思うのでありますけれども,今後の分譲に当たって,あるいは
団地造成に当たっての基本的な考え方をお伺いをしておきたいと思います。
◎鈴木 経済局長
工業団地に対します市内企業のニーズの高いことは,これまでのいろんな企業の意向調査でも明らかになっております。
しかしながら,問題は,先ほど来いろいろお話ございましたように,
分譲価格の問題とか,あるいは団地の立地環境なり立地条件,そういうような問題がございまして,いざ成約,交渉ということになりますと,なかなか思うように進まないというのが現状でございます。
そういう問題の一つの対応策といたしまして,今,ご提言がございましたように,例えば,オーダーメード方式ですとか,あるいは予約に基づく造成ということは,一つの有効な方法かと思います。
今,計画しております東雁来
工業団地,今はちょうど用地取得交渉で皆さん一生懸命になっておりますけれども,この
団地造成に当たりまして,この方法を一部取り入れて実施してみたいなと,そう考えております。
◆飯坂 委員 私から,大型店や大手商業資本の進出問題について質問いたします。
先ほど,新山委員の方からも,この件についてのやりとりがございましたので,重複を避けて簡潔に質問したいと思います。
この問題につきましては,過日の我が党の代表質問でも取り上げたところでございますが,本市における大型店の進出は,94年度で見ましても,売り場面積の60.3%を占めると,ここまで来ているわけですね。一方,民間の小売市場は,1978年225 あったものが,昨年,95年にはわずか38,このように激減している状況になっております。その背景には,国の大店法による出店規制緩和,これが繰り返し繰り返し行われてきたのですが,こういうものが影響しているというふうに思うのですが,これまでの国の規制緩和,これについて本市の経済局としてはどのように認識されているのか,まず最初に伺いたいと思います。
◎前田
商工部長 日米構造協議に基づきまして,平成2年度の大店法の改正,運用緩和を端緒にいたしまして,平成4年度には改正大店法の施行がございました。さらには,平成6年度に運用の緩和ということがございまして,大型店の出店手続が順次簡素化されてきたところでございますけれども,景気の後退等による新規出店の抑制傾向というのもございまして,また,スクラップ・アンド・ビルドといいますか,古いものをつぶすというような出入りもいろいろございまして,大型店全体の店舗の面積は,今のところ,前年度比で大体10%以上伸びたというふうな記憶は一応ないのが実態でございました。
しかし,ことしに入りましてからは,現在までに,6,000 平米以上の第1種の規模の商業施設が相次いで6店ほど開設したほか,市街地の拡大に伴いまして,郊外部にも新規の出店が続いているというのが実態でございまして,先ほども新山委員のところでも申し上げましたけれども,中小小売業者に対する影響は,少なからずあるものというふうな認識でいるところでございます。
以上でございます。
◆飯坂 委員 大型店の出店というのは,もともとは許可制だったわけですよね。これが,1973年に大店法の制定がされまして,届け出制になったと。さらに,今,部長からも段々のお話がありましたが,アメリカの大企業など,こういった外国資本も日本に進出できるというような,いわゆる市場開放,こういう要求を受け入れて,90年以降は3回にわたって規制緩和が繰り返し行われてきたと。しかも,91年には,今ご答弁ありましたように,法律の改悪も行われたと。そのために,全国的にも大型店の売り場面積というのが大幅にふえてきていると。これは,札幌市だけでございません。そういう中で,中小小売店の激減,こういう傾向に拍車がかかると,こういう事態に陥っているわけですね。
政令都市では,6,000 平米以上の大型店は,通産大臣に届け出をすればいいと,こういうふうになりましたね。そして,それ未満であれば,都道府県の知事に届け出をすればいいと。しかも,90年以降は,1,000 平米未満なら原則として自由であると,届け出も要らないと,こうなってしまったのですね。
そこで,これでは事実上野放し状態で,大型店がどんどん進出できるという条件がそろったわけです。その背景で,小売店がやめざるを得ない,こういう状況に陥っていて,先ほど,少なからず影響があるということはお認めでしたが,10%以上の大型店が伸びた例はないというようなお話もありましたけれども,現実問題として,こういう状況では,中小小売店の営業を今後も守っていくということができないのではないかと,それが一番懸念されるわけですね。
この点については,今の基準,緩和されたまま事が推移していくことによって,本市の小売店を守ることができるとお考えでしょうか。私は,大変難しいなというふうに思うのですけれども,いかがでしょうか。
◎前田
商工部長 将来についての予測は難しいところでございますけれども,一連の規制緩和ということにつきましては,全国統一的な調整の必要性はあるというふうには思っているところでございますが,ただ,消費者保護という見地からとの相まったところで,これからもいろんな変化が出てくるのかなと思っているところでございます。
◆飯坂 委員 既に私の身近なところでも,大型店出店の影響で,ご夫婦で小売店をやっている方なんかは,息子の代にこの店を継がせることはできないと,あきらめたと,自分の代でもう終わりにせざるを得ない,こういうような声も聞いております。
また,消費者側からしますと,高齢者の方や,あるいは視力障害者,目の不自由な方などは,小売店とか市場方式,こういう方が買いやすいのですね。大型スーパー店になりますと,品数も多いし,時々品の並べ方も変わったりするものですから,実際に視力障害の方なんかは,スーパーへ行ったら非常に買いにくいと,だれかついていただけるならばというお話も聞いています。ですから,消費者にとりましても,小売店あるいは市場方式,こういった商法というのは求められているというふうに思うのですよね。
消費者の多様なニーズにこたえるということで,先ほど来ご答弁もあるのですが,一方では大型店を望む,そういう声もあると私も思います。しかし,こういった大型店がどんどんシェアを伸ばしていって,小売店は先細りだよと,こういうのではなくて,共存共栄というお話も,先ほど部長からも出ましたが,一定のルールを決めて,中小小売店と大型店がともに地域の中で,市民の皆さんにとっても,営業ができるというふうになるのが望ましいのですが,今の状況では,規制緩和されているわけですから,なかなかバランスが実際にはとりにくいと,こういう状況にあると思うのですよ。
そこで,今後の方向なのですが,国はどんどん規制緩和をしてきたのですけれども,これをそのまま遂行するというのではなくて,札幌市の現実から見ましても,地域に大きな影響を与えているわけですから,厳しい審査基準をつくるとか,
街づくりとの調和を図るとか,あるいは,例えば 500平米以上の大型店の新増設に際しましては都道府県知事の許可制にするとか,こういう一定のルール,縛りというのですか,そういうものを設けていかない限り,幾ら言葉で共存共栄と言っても,実態は小売店が衰退していくと,こういうふうになると思うのですよね。この点については,国や道へ新たなルールづくり,こういった要請をするお考えがないかどうか,お尋ねします。
◎鈴木 経済局長 先ほども申し上げましたように,大型店の規制緩和というのは,国内の流通構造の変化とか国際協調,さらには消費者利益の保護という立場から,国レベルでもって判断されたことでございます。したがいまして,今,札幌市が独自にこれに対抗するような規制緩和見直し措置だとか,あるいは,そういうことを国に要請するということには,ちょっと無理があるのでないかと思います。
しかし,今後,都道府県あるいは大都市の動きなどを見ながら,また対応してまいりたいと,そう思います。
◆飯坂 委員 中小企業庁の調査でも,全国の 94.7 %もの商店街の方が,停滞または衰退している,こういうふうに回答しているのですよね。ですから,国で決めた法律だから札幌市が独自に規制できない,それは,今現状ではわかります。しかし,そのことに手をこまねいているのではなくて,現実から出発して,札幌市の小売店を守るためにも,市としても働きかけが必要だろうというふうに思うのですね。
それで,そのルールづくりとあわせて,さらに中小小売店,商店街への支援策,この予算もち ょっと私は調べてみました。そうしましたら,全国ベースの話なのですが,全国で149 万店の中小小売店があり,1万8,702 の商店街があると言われております。それに対する国の予算が,支援策として147 億円,こう計上されています。これは6年度です。大企業向けの技術開発予算は1,500 億円。ですから,片や1,500 億円,片や147 億円ということですから,全国に150 万からある小売店に対する支援策というのは,大企業向けに対してわずか1割と,こういう予算しか配分されていないのですね。
本市としても,いろいろ活性化のためにご努力されているというのは私も承知しておりますが,こういった小売店,商店街の活性化のために必要な支援策をとるためには,国に対しましても,例えば経営指導員の養成だとかさまざまありますが,そういった施策の支援と同時に財政措置,これも国に求めていくべきだと思いますし,また,本市がやっているさまざまな施策,これについては先ほどありましたので繰り返しませんが,そういった支援策の強化をやっていかない限り,本市の小売店の活性化にはつながっていかないのではないかと,こういうふうに思いますので,財政措置支援策について国に対して働きかけるお考えがあるかどうか,お尋ねします。
◎鈴木 経済局長 今のところ,まだ具体的にそういうような検討には入っておりませんけれども,私ども大都市の経済局長会議などでも共通の問題でございますので,これからそういう場面でいろいろ研究してまいりたいと,そう思います。
◆山口 委員 市長がお立ちになってしまうので残念なのですが,もしよろしければ,初めに,WTCに出席されまして,輸出入を含め,ボーダーレスになってきたという認識から,昨日の建築局でもISOの国際基準で,環境とか品質管理をやっていかなくてはいけないのではないかという立場で質問させていただきました。今も経済局関連でそのことをお聞きしたいと思いますので,WTCの会議に参加された市長といたしまして,まず世界各国の貿易なり輸出入の状況について,ボーダーレス化が進んでいると私は認識しているのですが,それについて一言伺ってから質問に移りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
◎桂 市長 今のご質問には,的確にお答えできるだけの勉強が不足していますから,はっきりしたことは申し上げられませんけれども,今回の総会に出席をした限りでは,その雰囲気からお話を申し上げますと,約90都市から400 人の経済の専門家,貿易専門家が集まっておりました。八つの委員会に分かれて,そして各項目ごとに熱心に討議をする,私は,総会だけで失礼をしてきましたけれども。それほど,専門分野をさらに詳しく問題ごとに取り上げて研究をしていこうと,そういう姿勢が一つあらわれたということ。
それから,情報がインターネットの普及によって,これまでのWTCのあり方では,インターネットに太刀打ちできないといいますか,そういうことの気持ちもあるのだろうと私は思うのですけれども,インターネットを超える情報の交換あるいは商取引の活発化というか,そういうことにもっと知恵を出したいという,そういう意欲が非常に強くあらわれておりました。
それから,私は電子マネーのことだと思ったのですけれども,電子マネーの採用についても,実際の現金の移動がなくてももっと輸出入が行われるような,そういうことを真剣に討議をしたいと。
それから,これは特に理事長から,前日に会ったときに話をされたわけですけれども,どちらかというと,世界の北を除いた中央部分とか,あるいは南の分野,そういうところでの経済活動が,今まではいろんな議論をされ,また活発化しておったけれども,北方圏といいますか,北部面での国際経済交流というのが,特にロシアなんかを意識して言っているのだろうと思うのですけれども,余り活発じゃなかった。せっかく札幌が入ってくれたのだから,ぜひそういうことを意識した活動の中心的な役割を担ってほしいということを,特に言われてまいりましたので,こんなことを参考にしながら取り組みをしていきたいと思っております。
◆山口 委員 市長には,またさらに詳しくお話を伺うチャンスをいただけたらと思いますけれども,今のお答えを踏まえまして,経済局としての姿勢を伺いたいと思います。
先ほども申しましたように,インターナショナルの機構,国際標準化機構が,ISO9000シリーズとか14000 シリーズということで,国際的な経営基準あるいは環境基準をつくっていこうということになりまして,環境基準の方の14000 シリーズは,この秋発効いたしました。私は,今日来ることを予想いたしまして,1年半前の代表質問で,このような国際的な基準の認証を取っていかないと,これからの企業は太刀打ちできないだろうというふうに考えて,これを取得しようとする中小企業,特に札幌の中小企業に対しバックアップ体制を市として考えるべきではないかということで,質問をさせていただきました。