収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君
総務局長 大 長 記 興 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 米 田 耕一郎 君
市民局長 前 川 一 彦 君
民生局長 佐々木 利 幸 君
衛生局長 上 村 友 也 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 西 村 公 男 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 吉 本 朗 生 君
教育委員会委員 村 田 忠 良 君
教育委員会教育長 千 葉 瑞 穂 君
選挙管理委員会委員長 長 岡 武 夫 君
選挙管理委員会委員 加 藤 隆 司 君
人事委員会委員 浅 野 國 夫 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 谷 口 政 範 君
監査事務局長 稲 垣 豊 穂 君
──────────────────
〇
事務局出席職員
事務局長 入 江 一 郎 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 小 村 雅 彦 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 松 田 寛 司 君
──────────────────
〔午後1時開議〕
○議長(
柴田薫心君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,65人であります。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として佐々木 肇君,西村茂樹君を指名します。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(入江一郎君) 報告いたします。
小谷俵藏議員,柿崎 勲議員及び
涌井国夫議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届出がございました。
本日の議事日程及び
議案等審査結果報告書は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第8号から第23号まで,並びに陳情第94号,陳情第97号及び陳情第 101号,並びに
意見書案第1号
義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書の20件を一括議題といたします。
委員長報告並びに提案説明を求めます。
まず,
総務委員長 佐々木周子君。
(
佐々木周子君登壇)
◎
佐々木周子君
総務委員会に付託されました議案7件につきまして,その審査結果をご報告いたします。
最初に,議案第12号 札幌市税条例の一部を改正する条例案についてでありますが,主なる質疑として,
法人市民税における超過課税の税率については,市税収入が低迷する本市の財政状況のもと,他
政令指定都市等の状況も踏まえ,制限税率である14.7%に引き上げるべきではないのか等の質疑がありました。
続いて,討論を行いましたところ,共産党・
荒川委員から,否決すべきものとの立場で意見の表明がありました。
討論終結後,採決を行いましたところ,賛成多数で可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第17号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)についてでありますが,
山口処理場用地における今回の
取得予定地については,極めて狭い範囲で残されていたものであるが,どのような経緯があったのか。また,
当該処理場用地の今後の
整備計画はどのようになっているのかとの質疑がありました。
討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第18号 財産の取得の件(
公園用地)についてでありますが,
仮称東部緑地用地については厚別東通で分断される形となっているが,緑地の連続性についてどのように取り組む考えなのかとの質疑がありました。
討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
最後に,議案第8号中関係分,第10号,第19号中関係分及び第20号の4件についてでありますが,質疑・討論はなく,採決を行いましたところ,いずれも
全会一致,可決または承認すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 次に,
文教委員長 義卜雄一君。
(
義卜雄一君登壇)
◎
義卜雄一君
文教委員会に付託されました議案4件及び陳情3件について,その審査結果をご報告いたしますとともに,
文教委員会所属議員全員の提出による
意見書案第1号について,その提案趣旨をご説明いたします。
最初に,議案第13号 札幌市
都市公園条例の一部を改正する条例案及び陳情第 101号
中島プール廃止に反対する陳情についてでありますが,主なる質疑として,
中島プールの廃止理由は何か。また,廃止後の跡地利用について,どのように考えているのか。プールの利用状況は,どのようになっているのか。1区に1
公的温水プールを整備しているが,中央区には市立のものがないことから,新たに建設することを検討できないのか。長期間使用可能な温水の
屋外プールの設置について,これまで検討したことはあるのか。プールの廃止について,利用者との間でどのような話し合いを行ってきたのか。中島公園再
整備計画は,プールの跡地の利用も含め,現時点でどのようになっているのか。廃止の方針を決定するに当たっては,代替施設の設置を視野に置くべきではなかったのか。廃止に向けての利用者との話し合いが適切に行われたものとは思えないことから,もっと議論を深めるべきではないのか。プールを囲う塀などの
施設管理については,どのように考えてきたのか。公園内には再整備後も天文台等のさまざまな施設が混在するのだから,
屋外プールがあってもよいのではないのか。中島公園再
整備計画については,過去に地元の町内会等に説明され,また議会でも論議されており,その方向性については既に了承されていたのではないのか。施設の老朽化や利用人員の減少を廃止の理由とするのなら,さまざまな改善を加えることにより,今後も存続が可能となるのではないのか。
競技用プールとしての役割は終えても,都心部のオアシスという新たなニーズが生じていると思うがどうか。市長部局では
屋外プールの
豊平川河川敷への移設を検討したと聞くが,市教委との連携はどのようになっているのか。存続を求める利用者への対応に問題があることから,慎重に取り扱うことが必要であり,議案は撤回すべきではないのか等の質疑がありました。
これらに対し理事者から,本市では1区1
公的温水プールを目標に整備を進め,平成元年には多目的な利用が可能な
平岸プールも整備したことにより,
中島プールについてはその使命を終えたと考えている。また,中島公園再
整備計画では,緑の空間を拡大し,
プール跡地を含め都心の憩いの場とすることを目指すものであり,より一層
市民ニーズにこたえるものと考え,廃止の方針を決定した旨の答弁がありました。
質疑終了後,両件について一括して討論を行いましたところ,共産党・
生駒委員及び
会派無所属・
松浦委員からは,議案第13号については否決すべきものと,陳情第 101号については採択すべきものとの立場で,市民の会・
川口谷委員からは,議案第13号については可決すべきものと,陳情第 101号については不採択とすべきものとの立場で意見の表明がありました。
続いて,採決を行いましたところ,議案第13号は賛成多数で可決すべきものと,陳情第 101号は賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,議案第15号 札幌市
スポーツ交流施設条例案についてでありますが,主なる質疑として,交流施設の使用料については,高校生以下の減額のほか,どのような減免措置を考えているのか。また,冬季の暖房費については,市民の立場に立ち,使用形態に応じた徴収を考えていくべきではないのか。屋外施設の夜間照明は
テニスコートにのみ設置するとのことだが,球技場等その他の施設には設置を検討していないのか等の質疑がありました。
討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第16号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案についてでありますが,今回新たに児童会館が設置されることにより,
児童育成会の
児童クラブへの移行問題が生じるものはあるのかとの質疑がありました。
討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第14号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する条例案についてでありますが,質疑・討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,
学校事務職員・
栄養職員給与費等の
国庫負担制度の堅持を求める陳情第94号及び第97号についてでありますが,質疑・討論はなく,採決を行いましたところ,いずれも
全会一致,採択すべきものと決定いたしました。
なお,
学校事務職員・
栄養職員給与費が
国庫負担制度から適用除外とされた場合,地方財政が圧迫されるばかりでなく,教育の格差,不均衡が生じる事態も懸念されることから,陳情の願意に基づき,
国庫負担制度の趣旨を損なうような見直しを行わないよう国の関係機関に要望するため,
意見書案第1号
義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書を提案いたした次第であります。
以上で報告及び説明を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 次に,
環境消防委員長 横山博子君。
(横山博子君登壇)
◎横山博子君
環境消防委員会に付託されました議案2件につきまして,その審査の結果をご報告いたします。
最初に,議案第8号 平成8年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)中関係分についてでありますが,主なる質疑として,災害時に倒壊した建物の中の生存者を確認するため導入が予定されている
高度探査装置は,冬の落石事故や雪崩のときにも活用できないものか,また,他の
政令指定都市などにおける整備状況はどのようになっているのか。補助対象となる民間ビルの
消防用水槽の耐震構造については,どのような基準が定められているのか。また,火災等でこの水槽を使用した場合,設置者に
経済的負担が生じないのか。この種の
消防用水槽については,周辺の消防用水の確保という公共的な性格も考慮し,補助事業としてではなく,本市独自で整備を進めていくべきではないか。
地震調査観測施設は市内3ヵ所に設置されるが,本市直下の地震帯の存在,位置の把握に十分なものと言えるのか。活断層の把握は,どの程度まで可能なのか。また,車両の走行等による振動により,計測に誤差が生じる心配はないのか。調査の結果によっては市民に不安を与えることも予想されるが,本市としてはどのような対応を考えているのか。98年には本市の新しい
地域防災計画が策定されるが,観測により収集されたデータは計画策定に活用できるのか等の質疑がありました。
討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第21号
専決処分承認の件(札幌市石狩町
茨戸下水処理場管理組合規約変更)についてでありますが,質疑・討論はなく,採決を行いましたところ,
全会一致,承認すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 次に,
厚生委員長 大西利夫君。
(大西利夫君登壇)
◎大西利夫君
厚生委員会に付託されました議案2件につきまして,その審査結果をご報告いたします。
最初に,議案第8号 平成8年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)中関係分についてでありますが,主なる質疑として,
重症心身障害児(者)通園事業について,このたび実施する施設の場合,何人程度の通園者を予定しているのか。また,通園事業の対象となる
重症心身障害児等はどのくらいいるのか。実施を予定している施設は,現在のところ市内で1ヵ所のみと聞くが,順次計画的に実施していく必要があることから,今後の見通しはどうなっているのか等の質疑がありました。
討論はなく,採決の結果,議案第8号中関係分は,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第19号
専決処分承認の件(札幌市職員等の旅費に関する条例及び札幌市
墓地条例の一部改正)中関係分についてでありますが,質疑・討論はなく,採決の結果,
全会一致,承認すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 次に,
建設委員長 原口伸一君。
(原口伸一君登壇)
◎原口伸一君
建設委員会に付託されました議案4件について,その審査結果をご報告いたします。
最初に,議案第9号 平成8年度札幌市
団地造成会計補正予算(第1号)及び議案第11号 財産の処分の
件議決変更の件(
工業団地用地)の2件についてでありますが,主なる質疑として,
米里北地区工業団地における
分譲価格引き下げに伴い,既に分譲済みの4社への対応をどう考えているのか。また,仮に4社に対し差額分を返還するとすれば,どの程度の額になるのか。価格を下げても今後の分譲が
見込みどおりにいかず,予定を下回る可能性もあるのではないか。平成6年度に
分譲価格を設定した際,
社会経済状況等の変動に関する検討が不十分であったと考えるがどうか。分譲金の減収により
まちづくり推進基金から補てんを行うことは,歳入を
分譲金収入で賄う
団地造成会計の本来の趣旨に反するのではないか。
分譲価格の設定に際しては,1人だけの
不動産鑑定士による評価を根拠とするのではなく,複数に依頼すべきと考えるがどうか。また,実勢価格のみを基準とすれば造成原価を下回ってしまうおそれがあるが,今後の
分譲価格の設定に当たっては,損失が生じないよう適正を期すべきではないか。本市における流通団地の整備については,地価の安い
近隣市町村との役割分担を考慮し,必要不可欠なものにとどめるという考え方もあると思うがどうか等の質疑がありました。
続いて,討論を行いましたところ,共産党・高橋委員から否決すべきものとの立場から,また,市民の会・伊与部委員からは可決すべきものとの立場から意見の表明がありました。
討論終結後,採決を行いましたところ,議案第9号及び第11号は,賛成多数でいずれも可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第23号 市道の認定,変更及び廃止の件についてでありますが,主なる質疑として,今回市道認定される光星29号線は,幅員4メートルでコの字形に曲がった路線だが,冬季の除雪対策も含め,
維持管理面でどのような対応を考えているのか。また,除雪ができないとすれば,その点について地元の承諾を得た上で認定しているのか。幅員が4メートル以下の道路でも,市道として認定する以上,除雪しないことを前提とすべきではないと思うがどうか。市道の認定及び変更については,冬季間,道路工事ができなくなるため,これを専決処分とし,早期に工事発注を行うことを検討してはどうか。市道の認定に際し,地権者が多数いる場合,認定促進のため,全員の合意が得られなくとも,可能なものから先行して寄附を受理すべきではないか等の質疑がありました。
討論はなく,採決の結果,議案第23号は,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
最後に,議案第8号 平成8年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)中関係分についてでありますが,質疑・討論はなく,採決の結果,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 次に,
経済公営企業委員長 伊藤知光君。
(
伊藤知光君登壇)
◎
伊藤知光君
経済公営企業委員会に付託されました議案2件について,その審査結果をご報告いたします。
最初に,議案第8号 平成8年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)中関係分についてでありますが,主なる質疑として,
株式会社札幌リゾート開発公社について,今回新たに 2,000万円の出資を行い,本市の
株式保有率が18%から20%となるが,増資を行うに当たってはどのような背景があるのか。また,今回の増資に伴い,どのような事業展開を考えているのか等の質疑がありました。
討論はなく,採決の結果,議案第8号中関係分は,
全会一致,可決すべきものと決定いたしました。
次に,議案第22号
専決処分承認の件(
石狩西部広域水道企業団規約変更)についてでありますが,質疑・討論はなく,採決の結果,
全会一致,承認すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。
○議長(
柴田薫心君) ただいまの各
委員長報告及び提案説明に対し,質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
柴田薫心君) 質疑がなければ,討論に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
まず,生駒正尚君。
(生駒正尚君登壇)
◆生駒正尚君 私は,日本共産党を代表して,ただいま議題に供せられております諸議案中,議案第9号 平成8年度
団地造成会計補正予算及びそれに関連した議案第11号 財産の処分の
件議決変更の件,議案第12号 市税条例の一部を改正する条例案,議案第13号
都市公園条例の一部を改正する条例案に反対し,陳情第 101号
中島プール廃止に反対する陳情について採択を主張する立場から討論を行います。
議案第9号 平成8年度
団地造成会計補正予算並びに第11号 財産の処分の
件議決変更の件についてでありますが,これは,本市が造成し分譲を行っている
米里北地区工業団地の
分譲価格を1坪当たり平均5万円引き下げるために,
まちづくり推進基金から6億 7,800万円を繰り入れるものであります。
我が党は
建設委員会でも指摘しましたが,第1の問題は,
団地造成会計の財政運営の原則にかかわる根本問題についてであります。
団地造成会計は,ご承知のように,宅地や工業用地など市民需要に対応し,市が計画的に用地分譲を行い,団地造成に伴う本事業は,その分譲収入をもって充てるという独立採算制の事業会計のもとで処理してきたものであります。すなわち,これまで,他の会計や基金からの補てんによって収支のバランスをとるということは,いまだかつてなかったものであります。
ところが,今回,突如として,予定価格では売れないとして坪5万円の価格引き下げを図る一方で,不足する財源手当てとして,
まちづくり推進基金から6億 7,800万円もの多額の繰入れを行い,穴埋めを図ることは,従来の財政原則を根本的に変更するものであり,重大であります。
委員会における理事者の答弁は,今回の措置が一時的な緊急措置であると言いながら,その一方で,分譲が進まない状況になれば,追加措置もあり得ることを示唆するなど,極めて問題含みであります。
そもそも,本来のまちづくり基金の目的である公園,学校,その他の都市施設整備の事業に影響を与えるようなことは,到底許されないことであります。
第2の問題は,市理事者の責任についてであります。
米里北工業団地を計画した時期の経済情勢は,1990年から1993年にかけてバブル経済が崩壊し,1991年の地価を最高に,地価下落現象が1994年から始まり,その後,下落の一途をたどっていたのでありますから,当時の坪29万 1,300円の価格設定の妥当性が改めて問われているのであります。分譲件数はわずか4件, 8.7%しか売れず,
団地造成会計に大穴をあけたということは,事業としては大失敗したということであり,バブル経済に乗った価格がいかに高いものであったか,また経済動向の分析がいかに甘かったか,市理事者の責任が厳しく問われる問題であります。
第3の問題は,今後の分譲の見通しについてであります。
年度内に65%,3年以内に完売との見通しを述べましたが,この見通しは,理事者みずからも認めているように,極めて不確定なものと言わなければなりません。今後,さらに追加の補てん措置が行われることが否定できない状況にあります。我が党は,市民の血税である一般財源も積み立てられているまちづくり基金を,このように将来にわたっても支消することは容認できないところであります。
なお,我が党は,地元中小企業の振興を図るため,本市が事業会計の範疇で,低廉で良質な工業用地を提供することを否定するものでないことはもちろんであります。また,既に用地を取得した4社が,今回の価格引き下げによる財産価値の低落で追加担保を金融機関から迫られるなど,本市の失政によって損害が生じているように,今回の価格の引き下げ問題での本市の対応に大きな問題があることも指摘をしておきます。
次に,議案第12号 市税条例の一部を改正する条例案でありますが,これは,
法人市民税の超過課税にかかわるものです。
本市において,1977年以来,地下鉄及び下水道事業に充当するための財源確保策として実施されてきた大企業等に対する
法人市民税の超過課税は,5年前の期限更新の際,我が党の反対を押し切って,制限税率の14.7%から14.5%へと引き下げられました。
今回,これを踏襲・継続しようとするものでありますが,市税収入の落ち込みなど財政の厳しさを強調して,市民に我慢と負担を押しつけている市長が,資本金1億円を超える大企業等に対しては5年前の減税に固執する態度は,市民の納得を得られるものではありません。この5年間の超過課税による税収の見込み 311億円が,実際には 173億円にとどまり, 138億円も下回ることが明らかになっている中,14.7%の制限税率を採用することによって,今後5年間で約17億円の税収増が図られるにもかかわらず,これを拒否することは問題であります。
超過課税充当対象の地下鉄,下水道の両事業にかかわる費用も,前5年間の 1,630億円に対して,今後5年間でなお 1,550億円が見込まれているのでありますから,制限税率の適用は,至極当然であります。
他都市の対応を見ますと,東京都を初め,横浜,川崎,千葉,名古屋,神戸,福岡の各都市が,地方税法で認められている制限税率を採用して超過課税を行っており,財政力指数において北九州に次いで下から2番目と低い本市が,なぜ軽減を継続させるのか理解に苦しむところでありますが,結局,
総務委員会の質疑でも明らかなように,政府や政府税調が志向する法人税制の緩和の動きに迎合する市長の大企業優遇の姿勢を端的に示すものであり,我が党の容認できないところであります。
次に,議案第13号
都市公園条例の一部を改正する条例案でありますが,これは,長い間札幌市民に親しまれてきた市営
中島プールを廃止しようとするものであります。
この問題について,我が党は,代表質問や
文教委員会において問題点を指摘してきたところであります。市教委が,今シーズン限りで
中島プールを廃止する方針を打ち出したことから,プール愛好家によって結成された市民組織・
中島プールを守る会は,
中島プール廃止に反対する陳情を本市議会に提出し,存続を強く求めました。9月11日には,この陳情が
文教委員会に付託され,議会がこれから初審査の日程を決めようというときに,市長は,これに対抗するように,9月24日,
中島プールの廃止条例を提案いたしました。存続を求める市民の気持ちを酌み,議会での取扱いを尊重しようとすれば,少なくとも今定例会での提案を見合わせるべきであったのに,多数与党を頼んで強引に廃止条例の冒頭提案に踏み切った市民無視のやり方は,まことに遺憾であります。
廃止の理由に関してでありますが,まず,理事者が言う,平岸に温水の競泳プールをつくったから中島の屋外競泳プールの役割は終わった,だから廃止するという説明は,存続を求めている市民の納得を到底得られるものではありません。
市長は,本会議の答弁で,時代の流れに応じた組織や事業の再構築ということを言われましたが,中島の
屋外プールは,まさに,新しい時代の流れによって求められている現代的ニーズにこたえる水と緑の貴重な空間であります。すなわち,
中島プールは,競泳のプールとしてはその役割を終えたとしても,存続を訴えている市民がその魅力を的確に語っているように,夏の短い北海道だからこそ,緑に囲まれながら水泳を楽しみ,日光浴で身も心もリフレッシュできる都心には珍しいオアシスとして,アウトドアを志向する現代的なニーズにこたえる新しい役割を持っていることが明らかになりました。
屋外プールの整備に関して,理事者は,委員会において,今後の研究・検討の課題とその意義を認める答弁をしながら,現にある
中島プールをあくまでも廃止するとの態度に固執したことは,まことに不当であります。
次に,中島公園の再
整備計画についてでありますが,中島公園再
整備計画策定時点でプールの廃止が既に決定されているがごときの論調がありましたが,これが事実に反したものであることは,委員会質疑における理事者答弁でも確認されました。
中島プールの廃止にかかわって,市長が
豊平川河川敷への移設改築を検討するように指示しながら,開発局の同意が得られず断念した経過が明らかになりましたが,これは,
屋外プールの必要性を市長がみずから認めたものであり,改めて中島公園の一角で新築整備を図ることが最も適当と考えられるものであります。にもかかわらず,現にある施設を改修すれば,まだ利用でき,しかも,価値あるものとしてその存続を強く求めている利用者が多数いる中島
屋外プールを,公園の再整備を理由に廃止することは,全く理不尽と言わなければなりません。
以上で,議案4件と陳情1件に対する討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
柴田薫心君) 次に,小野正美君。
(小野正美君登壇・拍手)
◆小野正美君 私は,自民党,公明,新政クラブ並びに社会民主市民の会を代表して,議案第9号,1996年度札幌市
団地造成会計補正予算(第1号)及び議案第11号 財産の処分の
件議決変更の件,並びに議案第13号 札幌市
都市公園条例の一部を改正する条例案に賛成し,陳情第 101号
中島プール廃止に反対する陳情は不採択の立場で討論をいたします。
初めに,議案第9号及び第11号についてでありますが,札幌圏都市計画事業米里北土地区画整理事業施行地区内49街区及び50街区のうち,保留地約5万 3,400平方メートルを予定価格約47億 100万円で処分することを94年5月30日,市長が議会に提案し,議会は,
全会一致,可決決定した案件であります。
しかし,その後,全国的なバブル経済崩壊という状況があらわれ,本市にも,その影響が例外なく押し寄せてきたのであります。その結果,本件の工業団地についても,当初,約45区画を目標に団地造成を行い,94年度から順次販売を行ってきたのでありますが,残念ながら,94年度に3区画,95年度に1区画の販売実績,すなわち,当初計画約45区画のうち,わずか4区画しか販売されておらず,96年度では今日まで1区画も販売されていないのが実情であります。
こうした状況の中で,今回,当初の坪単価29万 1,300円を23万 9,700円に変更する旨の案件が議会に上程されました。すなわち,坪当たり5万 1,600円の値下げをすることであります。
本件の工業団地造成は,主に札幌市の中小零細企業を対象として,特に分譲対象業種は,食料品,木製品などの製造業,及び自動車整備,機械修理,船舶業,並びに運輸,小売,卸等の流通業などであります。このような業種の皆さんは,資金繰りなどの大変厳しい状態のもとで日夜奮闘をしているのでありますが,新社屋の建設に当たって,低廉な土地の取得が会社発展の原点になるのであります。
本市は,今日まで,この種の工業団地等は,造成単価を下回らない範囲で,実勢価格を勘案しながら適正な
分譲価格の設定をしてきたのであります。しかし,今日,大幅な土地価格の下落・変動という,従来の基本的な価格設定のあり方を変更せざるを得ない状況が生まれたのであります。
私どもは,本市がこのような客観的状況をとらまえた英断的決断のもとに,今回の議会提案になったものと受けとめているのであります。その結果,当初の造成価格原価から約7億 8,300万円の損失が生じるのでありますが,そのうち約1億 500万円については各関係部局の努力によって節減し,残りの約6億 7,800万円を
まちづくり推進基金から補てんすることによって,実勢価格の反映と販売の促進を図ろうとするものであります。
このことは,札幌市の中小零細企業や地場企業の育成に通じるとともに,販売を促進することで今後の金利負担を圧縮し,さらには,進出企業による固定資産税等の税収確保や雇用の創出など,札幌市全体の経済発展のみならず,本市財政に寄与する可能性にもつながるものであります。逆に,このような措置をとらなければ,金利負担の増大に加え,土地価格の安い周辺市町村への市内企業の流出も考えられるのであります。
次に,議案第13号及び陳情第 101号でありますが,本件は,1989年に市教委が
中島プールの廃止方針を固めて以降,94年度には再
整備計画が策定され,95年度よりこの計画は実施に移されております。
したがって,この間,市教委と
中島プールの愛好者を初めとする関係者との話し合いも約7年間にわたって続けられ,ほぼ話し合いは尽くされてきたものと判断いたします。加えて,また各区で温水プール建設も進められたこと,年間の利用期間が平均1ヵ月半と短いこと,子供が利用できないことなど,幅広い市民の利用に向かないことなどから,
中島プールの廃止はやむを得ないものと考えます。
なお,これまで
中島プールを愛好していた市民の皆さんからは,都心の
屋外プールの存続について強い要望も出されていることから,これらの要望についても,今後のプール建設の検討に当たっては,十分留意して取り組まれるよう求めておきます。
以上で私の討論を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(
柴田薫心君) 次に,松浦 忠君。
(松浦 忠君登壇)
◆松浦忠君 私は,議案第9号,第11号,第12号には賛成,議案第13号に反対,陳情第 101号は採択の立場を表明して,
中島プール廃止反対理由を申し上げます。
一つに,中島公園は,造成以来,純然たる公園としての機能を求めてきておりません。野球場,体育館,児童会館,子供の国,天文台,プールなど,市民の多様なレクリエーション公園でありました。
また,中島中学校移転跡地は,パークホテルに売却をされております。今日,市長が,中島公園を日本に誇る公園として整備をすると,こういう考えが多少でもあったならば,パークホテルにその跡地というのは売却をしないで,南9条通から公園の中に入っていく窓口として当然確保をされていたのではないかなと,こう私は思うものであります。
近年は,野球場移転,さらに音楽ホール建築のため子供の国の移転,さらに,音楽ホール玄関真向かいにある天文台は,この音楽ホールの建築,そして使用開始によって,玄関照明により天文台としての機能は著しく低下をする,こういう状況にあります。
このように,中島公園の整備は,多目的公園でありますから,
屋外プールの1ヵ所くらいはあっても,特に中島公園としての整合性に欠ける状態ではないのではないか,こう私は,実は先般あの公園の中をずっと歩いてみて,つくづく感じたのであります。
そこで,このプールの廃止に当たって,市民団体との間でいろいろな,陳情をめぐって協議もありました。先般の
文教委員会での,この陳情者と我々議会側とのやりとり,あるいはまた,陳情者側からの意見陳述に基づいて,我々議会側と市教委側とのやりとりなどをつぶさに振り返ってみますと,この利用している市民の皆さんと市教委との協議というものが,十分に,手順を尽くされて,そしてお互いに話を詰めていったという経過ではなかったということは,その話の中から具体的に明らかになりました。したがって,どうあれ,まずこの手順が欠落するということは,行政として最も反省をしなきゃならないことであります。この点については,市長に厳しく指摘をしておきます。
次に,屋内プールとこの
屋外プールの役割についての議論がいろいろされておりますが,もちろん,利用効率からいけば,屋内温水プールは1年じゅう使えるわけでありますから,まさに 100%の利用効率を上げることができます。しかし,
屋外プールには
屋外プールの役割があります。あの利用している会の皆さんのお話を聞くと,例えば,子供と一緒でなくて大人だけが集まっているプールだから,そこに一つの静かさもあり,また木々の緑を眺めながら太陽に当たって泳ぐというこの快適さと,こういう主張もあります。
私は,一つのシーズンで 3,700人の方が利用していたとすれば,必ずしも利用度数が少ないということではないんでないかと思います。一つの施設で年間にどれだけ利用するかといえば,施設によって大きな利用の違いがあると思います。そんなことから考えればですね,利用人数が減ったから,あるいは経年劣化をしているからということだけで廃止をしていく,あるいはまた屋内プールがつくられたからということだけで廃止をしていくということは,私は間違いではないかというふうに思います,これは。
したがって,この
屋外プールは
屋外プールの機能があるわけですから,ぜひ,この
屋外プールの廃止については,この案件については私は反対いたします。しかし,さらに,利用している皆さんから要望されていることは,ぜひ
屋外プールをつくってほしいと,中島公園の中にという強い希望もありました。これに対して,体育部長は,
屋外プールを必要とすることについての否定はしないと,こういう発言もしておりました。
そういうことも含めてですね,ぜひ今後,市長においては
屋外プールの建設について積極的に検討し,取り組むことを私は求めて,討論を終わります。
○議長(
柴田薫心君) 以上で討論を終結し,採決に入ります。
この場合,分割して採決を行います。
まず,陳情第 101号を問題といたします。
本件を採択することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立少数であります。よって,陳情第 101号は不採択とすることに決定されました。
次に,議案第12号を問題といたします。
本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立多数であります。よって,議案第12号は可決されました。
次に,議案第13号を問題といたします。
本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立多数であります。よって,議案第13号は可決されました。
次に,議案第9号及び議案第11号の2件を一括問題といたします。
議案2件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立多数であります。よって,議案第9号及び議案第11号の2件は可決されました。
次に,議案第8号,議案第10号及び議案第14号から第23号まで,並びに陳情第94号及び陳情第97号,並びに
意見書案第1号の15件を一括問題といたします。
議案第8号,議案第10号,議案第14号から第18号まで及び議案第23号,並びに
意見書案第1号の9件を可決することに,議案第19号から第22号までの4件を承認することに,陳情2件を採択することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
柴田薫心君) ご異議なしと認めます。よって,議案第8号,議案第10号,議案第14号から第18号まで及び議案第23号,並びに
意見書案第1号の9件は可決することに,議案第19号から第22号までの4件は承認することに,陳情第94号及び陳情第97号の2件は採択することに決定されました。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) 次に,日程第2,議案第25号及び議案第26号の2件を一括議題といたします。
いずれも市長の提出によるものであります。
提案説明を求めます。桂市長。
(市長桂 信雄君登壇)
◎市長(桂信雄君) ただいま上程をされました議案2件につきまして,ご説明申し上げます。
まず,議案第25号は,
教育委員会委員任命に関する件であります。
本市
教育委員会委員であります牧口準市,松村郁夫の両氏は,来る10月10日をもって任期満了となりますので,牧口準市氏につきましては,引き続き任命することを適当と認め,また,松村郁夫氏の後任者といたしまして國島峯夫氏を任命することを適当と認め,議会の同意を得るため,本案を提出したものであります。
國島峯夫氏は,長年,教職に携わり,札幌市立琴似中学校長,本市教育委員会教育次長等を歴任され,現在は,北海道女子短期大学教授をされている方であります。
牧口準市氏は,札幌地方裁判所等に勤務された後,昭和44年4月に弁護士の登録をされ,昭和63年10月から本市
教育委員会委員に就任されている方であります。
両氏とも,人格,識見ともに高く,
教育委員会委員として適任と考えるものであります。
次に,議案第26号は,
固定資産評価審査委員会委員選任に関する件であります。
本委員会の償却資産部会に属する委員であります木村 實氏は,来る10月29日をもって任期満了となり,また,本委員会の土地,家屋部会に属する委員でありました横田啓一氏は,職務上の都合により,去る9月13日をもって委員を辞任されましたので,木村 實氏の後任者といたしまして八木宏子氏を,横田啓一氏の後任者といたしまして古田としかつ氏をそれぞれ選任することを適当と認め,議会の同意を得るため,本案を提出したものであります。
古田としかつ氏は,昭和29年5月に北見税務署に勤務されて以来,長く税務行政に携わり,札幌国税局不服審判所国税審判官,室蘭税務署長等を歴任され,現在は,税理士をされている方であります。
八木宏子氏は,昭和42年4月に株式会社ヤサカに入社され,現在は,同社専務取締役をされているほか,札幌商工会議所婦人会副会長に就任されている方であります。
両氏とも,固定資産評価に関する専門的知識に長じておられ,本委員会委員として適任と考えるものであります。
以上で,ただいま上程をされました各案件についての説明を終わりますが,何とぞ原案のとおりご同意くださいますようにお願いを申し上げます。
○議長(
柴田薫心君) これより,質疑及び討論の通告がありませんので,採決に入ります。
この場合,分割して採決を行います。
まず,議案第26号のうち,八木宏子君の選任を問題といたします。
八木宏子君の選任に同意することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立多数であります。よって,八木宏子君の選任については同意されました。
次に,議案第26号のうち,古田としかつ君の選任及び議案第25号を一括問題といたします。
議案第26号のうち,古田としかつ君の選任及び議案第25号に同意することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
柴田薫心君) ご異議なしと認めます。よって,議案第26号のうち,古田としかつ君の選任及び議案第25号は同意されました。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) ここで,日程に追加いたしまして,
意見書案第2号 税制改正に関する意見書及び
意見書案第3号 消費税率の5%への
引き上げ中止等を求める意見書の2件を一括議題といたします。
意見書案第2号は,自民党,社会民主市民の会,公明,市民ネットワーク北海道及び新政クラブ所属議員全員の提出によるものであり,
意見書案第3号は,共産党所属議員全員の提出によるものであります。
まず,
意見書案第2号の提案説明を求めます。中嶋和子君。
(中嶋和子君登壇)
◎中嶋和子君 私は,ただいまから,自由民主党,社会民主市民の会,公明,新政クラブ及び市民ネットワーク北海道所属議員全員の提出によります
意見書案第2号 税制改正に関する意見書の提案理由について,ご説明申し上げます。
政府は,消費税率の見直しについて,社会保障財源の確保や行財政改革の推進,課税の適正化,財政状況などを勘案して,総合的に検討することになっておりました。このため,本市議会でも,さきの第2回定例会において,税制改革や行財政改革の着実な推進と消費税率見直しへ向けた国民合意を得るために審議を尽くすことを要望する意見書を政府に提出したところであります。
しかしながら,今なお将来の社会福祉ビジョンは国民の前に明らかになっておらず,行財政改革の推進も不十分であると言わざるを得ません。これに加えて,払った税金が国庫に入らない益税問題や逆進性への対処など,税制自体の課題に対する検討も残されております。
このように,さまざまな問題点に対して十分な検討のないまま消費税率を見直すことについては,多くの反対の声があるとも聞いております。
以上のことから,不公平税制の是正や行財政改革を強力に推進するとともに,消費税の見直しについては,広く国民の理解と支持が得られるよう慎重に検討することを政府に強く申し入れるものであります。
最後に,議員各位のご賛同をお願いいたしまして,提案説明といたします。(拍手)
○議長(
柴田薫心君) 次に,
意見書案第3号の提案説明を求めます。飯坂宗子君。
(飯坂宗子君登壇・拍手)
◎飯坂宗子君 私は,ただいまから,日本共産党所属議員が提出した
意見書案第3号 消費税率の5%への
引き上げ中止等を求める意見書について,提案説明を行います。
あす8日に公示を迎える衆議院選挙で,消費税の増税問題は最大の争点となっております。すなわち,消費税増税を進める政党を選ぶのか,廃止の立場から増税にきっぱり反対を貫く政党を選ぶのか,二つの流れの選択が鋭く問われる選挙となります。
3年前の総選挙で,税率引き上げを公約した政党は一つもありませんでした。その後,消費税増税の旗を掲げたのは今の新進党を中心とする細川内閣で,それを5%増税として仕上げたのが,自民党,社民党,さきがけの村山内閣であり,橋本内閣です。その橋本内閣は,ことし9月末までとした税率の見直しを,国会で一度も審議することもなく,ご承知のように,早々と6月末,閣議決定を強行いたしました。
今,増税を進めてきた政党の中から,国民世論の手前,据置論や白紙撤回論が言われておりますが,加藤 寛政府税調会長が18%,新進党の羽田元首相が15%,小沢一郎党首は10%,さきがけの武村前蔵相が12%,民主党の鳩山代表は10%と言うなど,根本のところは2けた増税であり,財界,大企業の意を受け,日本の税制そのものを間接税中心に持っていこうとする計画であります。まさに5%への増税は,そのための突破口と位置づけられているのです。
消費税は,そもそも所得の大小にかかわりなく生活必需品や食料品などに課税されるため,収入の少ない人ほど負担が重くなる最悪の不公平税制です。ですから,現在の3%でさえ1世帯当たり平均年11万円の負担を強いられているところに,5%になれば18万円を超えることになり,市民生活をますます圧迫することは必至です。
また,中小業者への特例措置の縮小・廃止という制度改悪によって,例えば,課税売上高が年 3,100万円の業者の負担は33倍にもなるなど,長引く不況のもと,中小企業と自営業者の営業と暮らしに深刻な追い打ちをかけ,景気の回復に逆行することは明らかであります。
経済企画庁の試算でも,2%の税率引き上げで個人消費が 1.7%落ち込み,物価が 1.5%上昇するという結果が出ております。各種の世論調査では,ご承知のように,国民の8割の方々が引き上げ反対を表明しておりますが,当然のことであります。高齢化社会のためという口実で消費税が導入されましたが,新たに拡充された高齢者対策は消費税収入のわずか6%にすぎません。また,当時の村山内閣は,行財政改革や不公平税制の是正もやるとも言っておりましたが,全く手つかずであります。
240 兆円もの借金を抱える国の財政破綻も消費税増税の口実にされておりますが,借金をつくった責任は国民にはありません。財政が大変だからといって,消費税の増税や,福祉,医療の切捨てを国民に押しつけることは,本末転倒であります。大借金の原因は,歴代政府がアメリカ言いなりに国債を増発し,ゼネコン中心の公共投資の歯どめのない拡大と,世界でも突出した軍事費など,無責任な浪費型の政策をとってきたことにあります。
最近,新たに,自民,社民,さきがけの与党3党,そして民主党は,これから行革に努力するから公約違反の消費税5%への引上げを認めてほしいなどと言っていますが,そもそも,新進党も含め,省庁の数合わせを競い合う自民党,民主党などの行革は,財政の浪費構造にメスを入れるものではありません。行革を言うのなら,そのかなめは何より政・官・財の癒着を断ち切る,そのためにも企業献金や天下りを直ちに禁止することです。
財政危機打開のためには,これまでのような浪費型の財政構造を根本的に転換することが必要です。したがって,我が党は,公共事業,軍事費などのむだの削減や国債の低利借りかえで約10兆円,引当金,準備金による大企業への税金の大まけなどの不公平税制を正し約5兆円,これらで年間10数兆円の財源を確保し,10年後には赤字財政から脱出できるし,そうしてこそ,国民に新たな負担を押しつけずに,福祉,国民生活を充実させつつ,財政を再建することができる現実的な提言を行っております。
今,政治に求められているのは,国言いなりに国民に負担を押しつける方向ではなく,国民こそ主人公の原点に立ち,8割もの国民の消費税増税反対の声に真摯に耳を傾け,この声に真正面からこたえることではないでしょうか。
本市議会が,消費税をなくす札幌各区の会などからの議会要請にこたえて,5%増税中止,当面食料品非課税を明記した我が党提案の本
意見書案を可決されるよう,議員各位のご賛同を心からお願いいたしまして,私の提案説明とさせていただきます。(拍手)
○議長(
柴田薫心君) これより,質疑及び討論の通告がありませんので,採決に入ります。
この場合,分割して採決を行います。
まず,
意見書案第3号を問題といたします。
本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立少数であります。よって,
意見書案第3号は否決されました。
次に,
意見書案第2号を問題といたします。
本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(
柴田薫心君) 起立多数であります。よって,
意見書案第2号は可決されました。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明10月8日から27日までは委員会審査等のため休会とし,10月28日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
柴田薫心君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) 本日は,これで散会いたします。
──────────────────
散 会 午後2時7分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
署名議員 佐々木 肇
署名議員 西 村 茂 樹...