経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 西 村 公 男 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 吉 本 朗 生 君
教育委員会委員 松 村 郁 夫 君
教育委員会教育長 千 葉 瑞 穂 君
選挙管理委員会委員長 長 岡 武 夫 君
選挙管理委員会委員 加 藤 隆 司 君
選挙管理委員会委員 宮 口 健太郎 君
選挙管理委員会委員 関 口 英 一 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 谷 口 政 範 君
監査事務局長 稲 垣 豊 穂 君
──────────────────
〇
事務局出席職員
事務局長 入 江 一 郎 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 小 村 雅 彦 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 松 田 寛 司 君
──────────────────
〔午後1時開議〕
○議長(柴田薫心君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,67人であります。
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○議長(柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として小谷俵藏君,加藤 斉君を指名します。
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○議長(柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(入江一郎君) 報告いたします。
去る6月7日,市長から,松浦 忠議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程,
陳情受理付託一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
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○議長(柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第13号まで及び議案第16号から第20号までの18件を一括議題といたします。
ただいまから代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。馬場泰年君。
(馬場泰年君登壇・拍手)
◆馬場泰年君 私は,ただいまより自由民主党を代表いたしまして,本議会に上程された諸議案並びに市政の諸問題について,提言を含めながら,順次質問をさせていただきます。
初めに,2002年
ワールドカップサッカーについて質問をいたします。
札幌市は,平成5年1月に
国内開催候補地に決定し,今日に至るまで積極的な招致活動を展開してまいりました。
ところが,去る5月31日,当初全く予想していなかった日本と韓国の共同開催が,スイスで開かれた
国際サッカー連盟の理事会で決定されたのであります。このことは,
日本単独開催という大前提のもとに招致活動を展開してきた本市を含めた15自治体にとっては,余りにも突然のことではありましたが,この事実は事実としてしっかり受けとめ,次代を担う子供たちの夢が身近となったことを率直に喜び,さらに,日本と韓国との間で,
サッカー振興にとどまらず,相互交流,相互理解がさらに深まり,両国の経済・文化の発展に寄与するという基本的理念を心にとめ,
ワールドカップサッカー大会の成功と本市での開催に向け,精いっぱいの努力をしていくことが必要と考えるものであります。
こうしたことを踏まえ,以下3点について質問をしてまいりたいと思います。
質問の第1点目は,共同開催に対する市長の所感と諸条件の整理についてであります。
1994年に行われた
アメリカ大会におきましては,観客動員数約 365万人,テレビの視聴者は全世界で延べ約 312億人と言われており,2002年の大会は
アメリカ大会の規模をさらに上回るものと予想されます。このような大きな大会を共同開催で行った例はなく,実施に至るまでには幾多の解決すべき困難な問題が考えられます。例えば,関心の高い開会式,決勝をどちらの国で行うのか,試合数をどのように割り振るのか,1ヵ月にも及ぶ大会の警備体制の両国の協力などがあります。
そこで質問でありますが,まず,単独開催を目指してきた市長として,共同開催になったことについてどのような所感を持っておられるのか,お尋ねをいたします。
また,開催に当たっての諸条件の整理について,現在,非公式な形でさまざまな考え方が報道されているところではございますが,札幌市として今後どのように対応していくお考えなのか,基本的な考え方をお伺いいたします。
質問の第2点目でありますが,共同開催に伴い,今申し上げた諸条件の整理がされる中で,国内での開催試合数が単独開催の場合に比べて減少することが予想され,15自治体すべてで開催されるかどうかについては,極めて厳しい状況にあるのではないかと思うのであります。
そこで,札幌開催の見通しについて市長はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。
質問の第3点目は,
ワールドカップサッカー大会の開催会場となる
全天候型多目的施設,ドームの建設についてであります。
これまで,市は,2002年の
ワールドカップサッカーの札幌開催を前提にして,6月1日の開催国決定をにらみながら,ドームの建設に向け準備を進めてこられました。そこで,今回の
日韓共同開催の決定により,札幌での開催がより不透明な状況になったと思われる中で,今後ドーム建設をどのように進めていくのか,基本的な考え方をお聞かせ願います。
次に,本市初の
プロサッカーチーム・コンサドーレ札幌に対する支援について質問をいたします。
新聞の道内版で
コンサドーレ札幌が大きく取り上げられ,庁舎前や町中でチームの旗がはためいているのを目にしますとき,
ホームタウンチームの誕生の実感がわいてまいります。思い起こせば,札幌のチーム創設に向けての機運は,平成6年度に集められた31万人もの市民・道民の方々の署名で一挙に高まりました。その後,多くの方々の尽力によって,JFL所属の東芝チームを移籍,運営会社・
株式会社北海道フットボールクラブも設立され,着々と
Jリーグチームを目指して準備が進められております。
平成5年,Jリーグが開幕して以来,鹿島市,清水市などを例に,
ホームタウンチームがいかに市民に誇りを持たせ街を活性化するか報道され続けてまいりました。都市ごとに状況が異なるとはいいながら,本市においても市民スポーツの振興,市民意欲の高揚,青少年の健全育成等,
コンサドーレ札幌が本市にもたらすであろう効果は大いに期待されるところでございます。しかし,何よりも大きなものは,チームを持つという夢の実現が,札幌の子供たちに,さらに大きな夢に取り組んでいく自信を与えたことではないかと思うのであります。
本市は,
厚別公園競技場を改修し,ドームの
新設等ホームスタジアムの整備について検討を進め,さらにこの議会において運営会社に対する1億 5,000万円の出資を提案されるなど,
ホームタウンとして施設整備及び経営基盤の安定に向けて支援を続けております。
しかしながら,現在はさまざまな期待を込めて注目されている
コンサドーレ札幌でありますが,誕生から日も浅く,まだまだ多くのファンに支えられた地域に根づいたチームであるとは申せません。一試合ごとに競技場に足を運ぶ市民がふえ,街が
コンサドーレの話題で盛り上がっていくためには,もっと地域に密着した,市民生活の中に生かされる
チームづくりへの取り組みが必要ではないかと考えるのであります。
そこで,質問の第1点目として,
コンサドーレ札幌が市民に親しまれるチームとなっていくために,市は今後どのような考え方でチームを支援していくのかお伺いをいたします。
質問の第2点目は,チームの運営会社である
株式会社北海道フットボールクラブの経営に対する支援の基本的な考え方についてでございます。
運営会社の収支計画によれば,JFL所属時においては資金ベースで単年度赤字が見込まれております。しかし,主な営業収入である入場料,広告料を見ますと,赤字になる要素がさらに含まれているように見受けられるのであります。例えば,入場料は1試合平均で 8,000人,
ホームスタジアムではこれに加えて年間シート分で 5,000人の入場者数で算出しているようですが,これまでの
ホームゲーム実績では,道内の室蘭や旭川でさえ 6,000人前後といずれも見込みを下回っております。また,広告料等も,今後のチームの成績や入場者数に大きく左右されてまいりましょう。
このような状況から,私は,いささか楽観的とも言える会社の収支計画に大きな不安を覚えるものであります。
Jリーグ昇格後は黒字に転じるとのことではございますが,ベースとなる収支の見積りに甘さが感じられること,及び
Jリーグ昇格の時期がはっきりしないことから,最悪の場合には大幅な赤字が累積することも予想されるのであります。
そこでお伺いをいたしますが,市長はこの運営会社の収支計画についてどのように考えておられるのか,また,状況によっては,運営会社に対し運営費での支援を行うお考えがあるのかをお尋ねいたします。
質問の第3点目は,練習場の整備についてでございます。
収支計画を見ても,
チーム運営会社の経営安定のためには一日も早い
Jリーグ昇格が望まれますが,私は,常々,十分な練習が選手強化の基本ではないかと考えております。現在,
コンサドーレ札幌は,栗山町が整備された2面の練習場を使用しており,この練習場は十分にその機能を果たしていると聞き及んでおります。しかし,練習環境のより一層の充実を図るため,
ホームタウンである札幌市内に練習場を確保することも必要ではないかと考えるところであります。運営会社が発足したばかりで,練習場の整備まではなかなか手が回らないと思われる状況の中で,強い
チームづくりへの支援策の一つとして,市長は札幌市内での練習場の整備についてどのようにお考えかお伺いをいたします。
次に,丘珠空港問題についてお伺いをいたします。
この件につきましては,昨年の第3回定例議会の代表質問において,我が会派を代表し,原口議員が,最大与党として市長を支持する立場からこの問題について質問いたしましたが,現実問題として,丘珠空港がジェット化されずに,就航する航空機や航空会社を確保できなかった場合,
道内航空ネットワークを維持するためには新千歳空港に移転集約するしかないものと思われるわけであります。
しかし,函館−新千歳便が6年度途中で休止になり,また釧路−新千歳便が減便になったりした過去の状況などから推測いたしますと,やがては
道内航空ネットワークの維持も困難になっていく状況が予想されるのではないでしょうか。また,30年・50年先の将来を考えたとき,全道的立場ばかりでなく,本市自身にとっても,民間定期便が発着する空港を使えなくしてしまうことが大きな禍根とならないのか,私は大変疑問視するものであります。これは,市長も同じ考えであると確信しているのであります。
一方,
空港周辺地域の街づくりにつきましては,将来の丘珠空港の姿がはっきり見えてこなければ,なかなか検討も進めにくいのではないかと考えております。
しかしながら,昨今の状況を見ますと,マスコミ情報ばかりでなく,
定例記者会見において市長ご自身からも,第7次空港整備5ヵ年計画の
ジェット化採択は厳しい状況にあるとの話があったとのことであります。また,つい先日の総務委員会においても,努力はしているが大変厳しいとのことでありました。
そこで質問をいたしますが,第1点目は,北海道とのかかわりについてであります。
国からの指摘・検討事項を見ますと,新千歳空港との役割分担も含めたジェット化の必要性は,まさに,北海道自身が全道の
高速交通ネットワークを考える中で,当然のこととして相当説得力のある理屈を持っているはずでありますし,また,北海道が国の理解を得なければならない大事な事柄と考えております。また,プロペラ機での路線存続の可能性について一層の検討をせよという指摘事項につきましては,確かに,委員会での議論の中で,地元での検討には限りがあることはわかりましたが,地元ということでとらえてみれば,北海道が主体となっているものと思います。
しかし,いずれにつきましても,現在のところ,国に十分な理解を得られる内容のものとはなっていないと改めて認識せざるを得ないのであります。さらに,住民理解の問題にいたしましても,北海道が,国の十分な理解を得られないことから具体的な資料を示すことができず,本市としては第2巡目の説明会にすら入れないというのが今日の状況ではないでしょうか。
ところが,北海道の様子を見ますと,そんな厳しい状況を正しく把握しているのかいないのか,職員体制は,昨年来,強化している風はありませんし,議会などで国との状況を聞かれても,常に,札幌市が住民合意を得ることが最も大切であるとの一点張りでありまして,的確な対応が私には全く見えてまいりません。
以上のようなことから,私にはどうしても北海道のやる気がいま一歩見えてこないのであります。
市長は,現在の状況の中で,北海道はできる限りの努力をしていると考えておられるのか,また,これからも一緒に精いっぱいの努力をしてくれると考えておられるのかお伺いをいたします。
第2点目は,今後の見通しについてであります。
第7次空港整備5ヵ年計画の後の今後の国の航空政策は予測はしがたいものがありますが,私は,3大都市圏の空港に重点が置かれ,丘珠を初めとする地方空港の整備についてはますます厳しいものがあると思うわけであります。また,空港周辺の地域につきましても,都市化がますます進展していくでありましょうから,時間がたてばたつほど状況はなお一層厳しくなるばかりであると思うのであります。つまり,
丘珠空港整備の機会は,今回の第7次5ヵ年計画しかないと考えるのでありますが,市長のお考えはどうなのかをお伺いいたします。
次に,
北海道新幹線問題についてお伺いをいたします。
昨年12月に国土庁から発表されました新
全国総合開発計画に向けての基本的な考え方の中に,国土づくりの基本として,新しい国土軸の形成を図ることが必要であると述べられております。この実現には,全国の津々浦々まで多元的な交通機関で結ばれて,人や物,情報が高度に交流できる基盤の充実がなくてはなりません。これにより,新たな交流が生まれ,全国の個性あるブロックが結ばれて個性的で活力に満ちた街づくりが可能になり,ひいては,札幌が目指す北の理想都市の実現にも大いに寄与するものと考えるのであります。
こうした意味で,最も大切なのは交通の
ネットワークの充実であり,全国を結ぶ重要な基幹交通軸を担うべき
新幹線鉄道網の実現であります。確かに,中長距離の
基幹交通手段としては航空機がありますが,新幹線はそれにかわり得る重要な基幹交通軸であり,フル規格での整備がされますと,札幌から東京間を3時間57分で結び,また札幌から仙台を2時間34分で結ぶという研究成果もまとめられております。さらには,東京ばかりではなく,新国土軸を形成するために必要な東北地域との交流を一層拡大することが大いに期待されるところでございます。
平成6年12月の
関係大臣申合せの中に,
北海道新幹線の
ルート調査着手とその完了後の公表が触れられ,ごく近い将来にルート公表が行われるのではないかと大いに期待できるところであります。
また,工事の着工順位や財源負担など,整備に関する基本的な枠組みである新たなスキームの策定も,本年1月,
連立与党整備新幹線検討委員会が設置されるなど,まさにその実現の成否が問われる最も大事な時期にあり,先行きが見えなくなった
北海道新幹線にとって大切な節目の年であると考えております。
その実現に大きな光が見えている現在,地元の一丸となった取り組みが求めらております。実現までには,並行在来線の経営分離など,越えなければならないハードルが大変多いこととは思いますが,さまざまな課題を解決して,できる限り早期に
北海道新幹線が札幌まで整備されるよう強く希望するものであります。
以上のような観点から,大きく次の3点についてお伺いをいたします。
第1点目でございますが,私は,本年が
北海道新幹線の実現の成否を決める正念場と考えておりますが,
北海道新幹線の情勢につきまして市長はどのような見方をされているのか。また,あわせて,国の
新幹線整備計画の進捗状況はどのようになっているのかをまずお伺いをいたします。
第2点目でございますが,札幌市も主催者になって,
北海道新幹線・札幌駅のあり方に関する懇談会を設け,先日,提言がなされました。まず,この提言をどのように受けとめておられるのか。また,新幹線札幌駅の位置は現札幌駅に併設することが望ましいという提言に対して,市長はどのような考えでいるのか,新幹線札幌駅に係る土地利用計画とあわせてお尋ねをいたします。
最後に,第3点目でございますが,
北海道新幹線の整備には,運輸省試算によれば1兆 3,000億円とも言われる多大な建設経費等を要するわけでありますが,まず本市の財政負担はどのように予想されるのか,また,こうした資本投下に対してもたらされる経済効果など具体的なメリットについて,さらに,いつごろ札幌への乗り入れがされる見通しなのかをお伺いいたします。
次に,行政改革の取り組みについてお伺いをいたします。
経済的,社会的なさまざまな規制緩和や地方分権など,行政改革のうねりは国政,地方行政を問わず全国に広がってきております。私は,その改革に共通する基本的な理念は,行政と民間の担当すべき分野を整理し,民間の自律にゆだねるべきものは民間に任せ,行政が担うべき住民に身近な事業は,住民に最も近い地方自治体が行うということであろうと思います。
今求められている住民に身近な行政を進めるために,能力と責任を持った行政組織をどのように充実強化していくか,また,市民ニーズや時代の流れを的確にとらえ,行政の軸がどういう方向を向いてどこに置くべきか,さらに,行政と民間,そして市民がどのように役割を分かち合い連携していくべきかを検討し,必要な措置を講じていくことが真の行政改革なのであります。
我々自由民主党議員会は,従来から一貫してこの行政改革の問題を重要課題として位置づけ,機会あるごとに取り上げてまいりました。特に,民間委託の拡大や第三セクターの統廃合などについては具体的に提言を行い,行財政改革の必要性を強く主張してきたところであります。
例えば,組織の問題一つ取り上げてみましても,高齢化が加速度的に進み,一方で少子化が進むという時代の流れの中で,市民の生活様式も一様ではなく,従来の組織・機構の枠ではおさまり切れない行政課題が山積しつつあります。この際,時代の趨勢に合わせた思い切った組織改革も必要ではないでしょうか。
また,第三セクターの問題については,時代の変遷や経営状況に応じて,廃止すべきもの,リストラすべきもの,統合して一層効率的な事業展開を図るべきであります。確かに,団体を統合するといいましても,団体そのものとの調整や,他の出資者あるいは監督官庁との協議なども必要でありますし,また,組織の再編にしても,ただ単に二つの組織を一つにするだけというのではなく,行政需要の変化を先取りして,将来の組織のあり方をどう考えるのか,札幌市という行政組織の機能強化をどのように図っていくかということは,非常に難しいことであろうと思います。
しかし,そういう困難な問題であればあるほどに,トップの強いリーダーシップのもとに英断をもって強い姿勢で臨み,この行政改革を進めていくべきであります。
本市では,かねてからダイナミック・リファイン・プログラムという行政運営の改善運動に主体的に取り組み,さらに昨年11月には新たな行政改革大綱を策定し,よりグレードの高い取り組みを目指した運動を展開してきております。この新しい行革大綱には,総合行政に向けた組織改革や時代の流れに応じた事業の抜本的な見直し,また事務事業の委託化の推進,さらには第三セクターの統廃合や活性化の問題など,我が会派の理念と共通した考え方が盛り込まれており,基本的な方針としては評価に値するものと受けとめております。
しかしながら,先ほど申し上げましたとおり,これらの課題に対する具体的な取り組みがどのように進められていくのかということが重要であり,引き続き検討の推移を見守っていかなければなりません。我が会派として,内部に臨時の行財政改革調査会を設けており,全庁的にその取り組みを注視していきたいと考えております。
そこで,1点目の質問でありますが,このように行政改革を大胆に進めるためには,大いに汗を流し,場合によっては血を流すぐらいの覚悟をもって取り組まなければなりませんが,現実には,みずからの改革をみずからの手で進めることは極めて難しく,内部的な改革への取り組みには限界があると感じざるを得ません。既に,市民代表による行政改革懇話会を設置してはおるものの,より一層民間の意見を反映し,民間の視点に立った行革への取り組みを進めていく必要があるのではないかと考えるところであります。まず,この点について市長の考えをお伺いしたいと思います。
次に,行革の2点目は,地方分権に対する取り組みについてであります。
去る3月29日に,地方分権推進委員会の中間報告が出され,機関委任事務の廃止など,国と地方の新しい関係についての基本的な考え方が示されました。今後は,年内の勧告に向けて,移譲すべき権限の範囲やその移譲先について,より具体的な論議が進められることとなります。
こういった動きの中で,一方では,地方自治体には分権を担うに足る能力があるのかという厳しい指摘もされております。国から権限移譲がなされても,従来の地方の行政システムに何らの改善も行わずに,ただ権限を移しかえただけでは,単なる権限の地方分散であり,住民の要望にこたえ得る本当の意味での分権にはなり得ないのであります。
そこで質問をいたしますが,私は,地方分権を進める本来の意味,目的を考えた場合,政令指定都市においては少なくとも都道府県並みの権限を持つべきと考えますが,市長はどうお考えでしょうか。また,分権時代にふさわしい本市の体制づくりを推進するため内部の検討体制を強化する必要があると思いますが,これをどのように進めようとされているのかをお伺いいたします。
行革の最後は,職員の資質向上,能力開発についてであります。
今申し上げましたように,地方分権や高齢化社会など,時代の変化に機敏に対応し,実効のある行政改革を進めていくには,行政組織の再編,活性化はもちろんのことですが,それとともに,この組織を支える職員の一人一人が,前例にとらわれない柔軟な発想や時代の要請に的確に対応する判断能力など,今までの枠組みを超えて資質向上を図っていくことが不可欠であります。
去る4月には,新しい研修所,札幌市自治研修センターが白石区にオープンいたしましたが,地方分権の時代にふさわしい職員を育成するため,どのような能力の向上に重点を置き研修を進めていこうとされているのか,また,どのような方法で実施されようとしているのかをお伺いいたします。
また,本市の一般行政職に採用された職員のうち社会経験者の採用は,ここ5年間でおおむね 200名,割合で2割程度と聞いておりますが,これからの行政運営に民間レベルでの物の考え方,見方を取り入れていくためには,このような職員の知識,経験を一層活用したり,研修などにより,民間企業の組織管理,事業運営などに関するノウハウを行政に取り込んでいくことが重要であると考えます。
そこでお伺いいたしますが,民間への派遣研修など,民間企業との交流を今にも増して積極的に拡大することが必要であると考えるところでありますが,市長はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。
次に,教育問題についてであります。
21世紀を間近に,社会は大きく変化しております。これからの激しい社会の変化への対応を考えるとき,最も大切なことの一つは,これからの社会を担う子供たちの育成についてであります。自分を豊かにするためのこれからの生涯学習社会にあっては,子供の教育を学校だけが担うのではなく,学校,家庭,地域社会が連携をとり,それぞれが役割を果たさなければなりません。とは申しましても,この3者の中にあって相互の連携を図るとき,中心的役割を果たすのは,やはり学校であると私は考えるのであります。
子供たちは,学校という集団生活の場で,授業やさまざまな活動に取り組みながら社会生活の基礎を学び,生涯を心豊かにたくましく生き抜いていくための資質や能力の基礎となるものを身につけていくのであります。それだけに,学校・教員の果たすべき責務は重いということであります。
こうしたことを踏まえて,私が昨今の学校教育をめぐるさまざまな状況から最も重要と考えるのは,教員の資質や指導力の向上であります。例えば,いじめや登校拒否などの今日的問題に対処するためには,まずもって教員が子供の心をしっかりとつかんでいなければなりません。子供の心をつかむこと,それがいじめ対策の基本となるものと確信いたします。
また,学校での子供たちの活動の中心は授業にあります。その授業は,一人一人の子供が本当に生き生きと活動し,一人一人が理解でき,学ぶ楽しさや喜びを味わう授業であってほしいのであります。そのためには,やはり子供の心をしっかりと引きつけ,つかむことが最も大切であると考えるのであります。
学校を,子供たちが楽しさや喜びを感じながら生き生きと活動する学びの場として活性化していくことは,やはり教員がこうした授業ができる幅広い力量を持つことに尽きると思うのであります。それでこそ教師と言えるのではないでしょうか。
私どもが耳にする教員についての保護者の評価の中には,「指導は厳しいけれど,子供に対する愛情が感じられない」とか「子供任せで指導をしてくれない」とか,甚だしいものになりますと,「礼儀を知らない」とか「あいさつも十分にできない」とかの声も聞こえます。もちろん,すばらしい力量を持った熱心な教員もいることは十分承知しておりますが,こうした保護者の方々の厳しい評価も,また一面の事実を語ったものであると思うのであります。
社会の変化に伴い,子供たちを取り巻くさまざまな環境も変わり,それに伴って子供たちは変わったとよく言われます。そのために,指導の難しさが増したということもあると思います。しかし,子供を指導するプロとして,こうした子供の変化に対応できる力量が教員に求められるのは当然のことでありますし,また,それなくして一人前の教員とは言えないのではないでしょうか。
そこで,子供の心をつかむ力や,21世紀に生きる子供たちの能力を高めるための,時代の変化に応じた学習指導の力を高めるための教員の研修は,どのようなことに重点を置いて実施されているのかをお伺いいたします。
また,教員の研修の機会は数多くありますが,受講率が低いと伺っております。その受講率を高めるために,今後どのような工夫を考えておられるのかもお伺いいたします。
また,特に,学校教育が抱える今日的な課題であるいじめや登校拒否への対応にかかわる教員の研修は,どのように行われているのか,また,その成果をどのように判断されているのかをお伺いいたします。
さて,私は,かねてより子供たちが身につけるべき力は,つまるところ,自分の人生を自分で切り開き,社会の中で自分の個性や能力を発揮して生き抜いていく力だと考えております。学校教育は,こうした生き抜く力や,やり抜く力の基礎となるものを培う場でなければならないと考えるのであります。そのためには,単に知識や技能を身につけるだけでなく,目標に向かう意欲的な姿勢,困難に立ち向かう強い意志,挫折にくじけない忍耐力,また互いに他を思いやる心などの資質が大変重要と考えるのであります。私は,こうした資質は,人とふれ合う中で何事かをなし遂げた喜びを感じ合う体験,満足感に浸る体験などを通してこそ培われるものと確信しているのであります。
折しも,先般,第15期中央教育審議会第1小委員会の審議のまとめ案が明らかになりました。この中で,生きる力ということがキーワードになっているようであります。
そこで,学校教育について,中教審の審議が目指すところを市教委としてはどのようにとらえているのかをお伺いします。
また,あわせて,札幌市として今後の学校教育をどのように推進しようとしているのかをお尋ねいたします。
次に,清掃行政における区役所との連携についてお伺いをいたします。
昨年12月の第4回定例市議会において,札幌市議会は,たばこの吸い殻や空き缶のポイ捨てなどを追放し,住みよく愛される街づくりの推進を市民とともに決意する,いわゆるポイ捨て防止の決議を全会派一致で行ったところであります。私たちは,市民憲章にうたわれた崇高な精神をとうとび,このような市民憲章をいただく市民の行動によって,札幌の街が必ずやポイ捨てのない清潔な街になることを強く信じ,決議をしたのであります。あえて,札幌市議会は,他の都市のように条例化の道を選ばず,札幌市民に訴える決議という選択をしたのであります。
しかし,議会で決議をしたし,宣言をしたからといって,市民への期待を口にするだけで事が成っていくものでありましょうか。そのような社会に変えていくためには,行政も市民も相協力し,絶えず努力を続けていくことによって,初めてその成果を得ることができるのであります。
ところで,ポイ捨て対策を含めて,札幌市のごみ問題を取り巻く環境は,今大きく変わろうとしております。すなわち,数年来,取り組みが検討されてきたごみ減量・リサイクルの具体策が,本年1月の札幌市廃棄物減量等推進審議会の答申を受けて,いよいよ新年度から本格化しようとしているのであります。ポイ捨てのない美しい街にするため,これからの廃棄物に関する取り組みは,行政だけでなく,市民自身も責任ある立場でかかわっていかなければならないのであります。
申し上げるまでもなく,ごみの問題は,市民生活に最も関係の深い行政分野の一つであります。特に,昨今のごみ問題は,住民への情報提供,ごみ減量・リサイクル施策への取り込み,協力関係の構築など,ますます地域住民への対応の重要性が高まってきております。また一方,地域問題に対する市民の自主的な行動も次第に広がりつつあり,このような活動を支援し,パ
ートナーシップを組んでいくためにも,地域を重視した行政側の組織体制の整備が,従来にも増して求められるようになってきております。このように考えてまいりますと,清掃部門の地域体制のあり方が現在のままでよいのか,いま一度検討してみる必要があろうかと思うのであります。
現在,清掃行政に関する地域体制は,市内7ヵ所にある清掃事務所が,住民への窓口としてその役割を担っている状況にあります。道内中核都市にも匹敵する人口規模の地区を相手に,清掃事務所は,その業務の中心である収集作業とあわせて普及関係の業務を受け持ち,清掃運動やごみの減量・リサイクルの啓蒙,さらに,地域の協力組織であるクリーンさっぽろ推進協議会の窓口業務など,多くの業務を限られた人員体制の中で担っているのであります。
しかし,地域での密接な窓口となれば,何といっても私は区役所であると思うのであります。さきの審議会の答申においても,「各地域の行政窓口となっている区役所との連携を密接に図って,市民への周知,相談体制の強化を図ることが望まれるところであり,市民サービスの向上を目指した新たな地域体制の取り組みについての検討が必要」としており,「今後の課題とすべし」としております。市民との密接な協力関係を必要とする清掃行政は,住民組織や各種の地域団体とかかわりの深い区役所との連携がぜひとも必要であると考えるのであります。
しかしながら,現状では,清掃部門の出先機関である清掃事務所は本庁清掃部直轄の組織となっているため,必ずしも区役所との連携が十分になされているとは言いがたい状況にあると思うのであります。
今後,本庁が予定している清掃関係の施策の展開を考えるとき,住民組織を初め,地域社会を構成するさまざまな団体の参加,その理解と協力を得て進めていかなければならない重要な課題が山積しており,このような地域の協力を必要とする重要課題の取り組みにこそ,区の組織力を総合的に生かすことが何より必要ではないかと思うのであります。
そこでお尋ねをいたしますが,第1点は,市長は,審議会が今後の検討課題とした区役所との連携についてどのように認識しているのか,ご所見をお伺いいたします。
第2点は,ポイ捨て防止の環境美化運動など,清掃分野における地域活動の核となるのはクリーンさっぽろ推進員等の地域ボランティアでありますが,クリーンさっぽろ推進員の組織に加えて,区役所が関係している各種地域団体との連携も図りながら,ごみの減量や環境美化活動を強力に推進していくべきものと考えますがいかがか,お伺いをいたします。
次に,高齢者の社会参加についてお伺いをいたします。
日本は,世界一の長寿国であります。2010年には高齢化率も21.5%と,世界一になると予測されております。本市における高齢化率の推移を見ても確実に上昇しており,2005年には15.7%になるものとされております。高齢者の人口の増加は,当然に要援護者の増加となり,こうした方々に対する福祉サービスの充実が現在最も急がれている課題となっており,本市においても高齢者保健福祉計画に基づき積極的に取り組んでいるところであります。
しかし,高齢者のうち援助を必要としている方々の割合は全体の20%と言われており,残りの80%の方々は元気な高齢者であると言われております。
平成6年度の市政世論調査によれば,60歳以上の約73%の方々が地域活動で役立ちたいと考えております。また,約50%の方々が地域での活動に参加している,あるいは参加したいと思っているという結果が出ております。このように高齢者の地域活動への意欲は相当高く,地域活動を行うことは,生きがいや社会参加の機会として,高齢者自身にとっても,また地域にとっても重要であると考えます。
そうしたことから,これからは,高齢者も地域活動などといったボランティア活動の有力な担い手としてとらえ,高齢者の特性を生かしたボランティア活動を積極的に推進していくことも必要ではないかと考えます。
そこで,質問の第1点目ですが,高齢者のボランティア,いわゆるシニアボランティアの育成についてどのように考えておられるのかをお尋ねいたします。
また,現在,市内では 482の老人クラブで約4万 2,000人の会員の方々が多種多様な活動をされているわけですが,その活動の内容を見ますと,健康づくりや歌や踊りといった趣味的なものだけではなく,ひとり暮らしの高齢者などを訪問する友愛訪問といったこともかなりの数の老人クラブで取り組まれているわけであります。これからの高齢社会を考えたとき,こういった活動はますます重要になるとともに,その中での老人クラブの果たす役割というのは非常に大きなものとなっていくと考えます。
本市では,昨年5月に地域福祉社会計画を策定し,地域の支え合いによる福祉の街づくりを推進しているわけであります。そして,その活動の中心となる組織として,各地域に福祉のまち推進センターの設立を進め,現在16地区に推進センターが設置され,今後も増設していく予定であると聞いております。
そこで,質問の2点目ですが,これから全市的に展開しようとしている各地域の福祉のまち推進センター活動への参画を,老人クラブに対して積極的に働きかけていく考えはないのか,お伺いをいたします。
次に,白石区の諸問題についてお尋ねをいたします。
白石区は,札幌市の都心部と副都心・新札幌とを結ぶ単なる通過地域とも言われております。さらには,JR函館本線,千歳線によって大きく南北に分断されており,このため,白石区の均衡ある街並みの発展や形成に,今日,大きな支障となっているのは市長もご存じのとおりであります。
しかし,市当局の都市計画道路の整備推進とともに,JRを横断する立体交差の整備によって,これらの支障も年々取り除かれてきているのも事実であります。平成5年に着手した米里・行啓通の立体交差も,本年8月の開通の見通しがついたことは,地域住民とともに大変うれしく思っております。
しかし,白石管内には平面踏切がまだ2ヵ所も残っており,一つは既に立体交差化が計画されている北郷通踏切であり,二つ目は川下街道踏切であります。
まず,北郷通についてでありますが,この道路は,白石駅前地区と川下地区を連絡する道路として,また同地区を連絡するバス路線として大変利便性の高い道路であります。しかしながら,現状は,踏切による交通の遮断によって朝夕の交通渋滞が慢性化している状況にあり,通称あかずの踏切とも言われているのであります。このため,この道路の本格整備が強く望まれていたわけでありますが,平成3年に都市計画道路として計画決定され,平面踏切部は立体交差化による整備が行われることになったのであります。
しかしながら,この整備は,現在,川下地区側から進められており,私としては,踏切周辺の道路状況から見て,早急に立体交差化区間についても事業化すべきと考えるのであります。
その理由として,北郷通はバスや大型車両のすれ違いがやっとの大変狭小な道路であり,これが冬季間になると,堆雪スペースの全くない道路のため車道幅員が減少し,これが交通渋滞に拍車をかけている要因にもなっているからであります。また,歩行者の多い割には歩道も狭く,極めて危険な歩道状態にもなっております。
この立体交差化事業の完成には,多大な事業費と相当な時間と年月を要することは十分承知しております。また,事業用地の確保に当たって,商店街や家屋が密集し,加えてマンションがかかるなど,整備に当たっては問題の多いところであることも十分認識しておりますが,現在の事業区間に引き続き,この立体交差区間もぜひ早急に事業化していただきたいと思うのであります。
市長は,この立体交差化の事業化についてどのように考えておられるのか,また,いつごろを着工めどにしておられるのかをお伺いいたします。
次に,川下街道踏切についてであります。
この踏切では,ことしの4月,お年寄りが亡くなるという大変痛ましい事故が起きました。この踏切は,鉄道幅が大きく,踏切横断に時間がかかり,また,遮断機の昇降間隔も短いため,お年寄りや移動制約者にとても危険な踏切となっております。
この踏切の危険解消のため立体交差化を実現することは,現状では相当困難であることは認識しておりますが,将来的な都市計画道路としての可能性についての検討を始めていただき,既に地元では署名運動を始めている跨線橋等を含め,ぜひ市当局として,いま一度この踏切の現状について調査をしていただきたく,強く強く要望をいたします。
次に,生活道路の整備についてであります。
白石区は,市内でも早くから開けた住宅団地等が多いため,団地内の道路は狭小で,比較的簡易な舗装の道路が多いところであります。最近では,これらの道路の老朽化が激しくなり,特にJR北側の地盤の弱い地域では,凍上や地盤沈下による舗装のひび割れや損傷が顕著になってきております。さらには,馬の背になった道路も多く見られ,冬季になると除雪作業にもいろいろと支障が出ているのが現状であります。
白石区の生活道路の整備状況について見ますと,他の区に比べて非常におくれている状況にあります。さらに,現状の整備のペースでは,この差は解消できない状況にもあります。都市計画道路や幹線道路の整備は,ここ10年ほどで公共事業に対する追い風から,相当整備されてきたと認識するものでありますが,一方では,市民生活に密着した生活道路の整備については,財源や事業手法の面から厳しい状況にあったのであろうと思われますが,各区が同じような整備水準となるように考えるべきではないでしょうか。市民ニーズの高度化と生活環境改善というニーズから見て,生活道路整備への要望は今後も大きく,特に整備のおくれている白石区では,道路の老朽化とともにその要望も大きくなってきております。
そこで,生活道路の整備に当たりましては,白石区のこのような地域の特殊性に配慮し,推進していただきたいと思うのでありますが,どのようにお考えなのかをお伺いいたします。
最後に,白石区平和通5丁目北の白石福祉園及び静心寮跡地の利用計画についてお伺いをいたします。
これらの施設は,いずれも生活保護法に基づく救護施設でありますが,白石福祉園については平成6年3月に,またこれに隣接する静心寮については本年の3月に,それぞれ施設の老朽化を理由として白石区川北に移転改築したところであります。
その結果,白石福祉園跡地とこれに隣接する静心寮跡地を合わせて,約 5,900平米の未利用地が生まれたわけであります。この跡地は,平和通に面し,JR白石駅からも国道12号線からも徒歩で約5分程度の至近距離にあることから,交通の利便性が極めて高く,またある程度まとまった土地ということもあって,地元からも,保育所などを併設した老人福祉施設を設置してほしい旨の要望が私のところにも寄せられております。これらの施設の設置については,周辺の施設配置状況を勘案しながら,さらに慎重に検討する必要があるとは思いますが,いずれにいたしましても,この交通アクセスに恵まれた跡地は,その立地条件と広さを考慮すると,そのまま寝かせておくには大変惜しい土地であります。
そこで,今後,この大変貴重な跡地をどのように活用していこうとしているのか,お考えをお聞かせ願いたいと思います。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えをいたします。
最初に,
ワールドカップサッカーに関するご質問についてであります。
第1点目の共同開催に対する所感と諸条件の整理についてであります。
私といたしましては,共同開催という形ではあっても,日本開催という私たちの夢がかなったということを素直に喜びたいと思います。この共同開催は,
ワールドカップサッカー史上初めてのケースでもあり,実際の運営等で難しい問題もあることから,大会が成功するためには,お互いの理解と信頼を得ることが大切であると考えております。また,
ワールドカップサッカーを通じて,日本と韓国とのより一層の友好親善が図られ,相互交流が深まることを願っているものであります。
次に,開催に当たっての諸条件の整理についてでありますが,
国際サッカー連盟では,ワーキンググループを設置して理事会に検討結果を報告することになっておりますので,今後,
国際サッカー連盟や日本招致委員会の動向を見守り,情報収集等に努めてまいりたいと考えております。
第2点目の札幌開催の見通しについてでありますが,本市においては,宿泊施設や交通手段等の社会基盤が既に整備をされておりますことや,世界で初めての天然芝と人工芝の転換システムを持つドームで開催することが,
国際サッカー連盟を初めとするサッカー界にとって非常に魅力のある施設として,日本招致委員会からも高い評価をいただいていることなどを強く訴えながら,札幌が開催地となるように精力的に取り組んでまいりたいと考えております。
第3点目の今後のドーム建設に対する基本的な考え方についてでありますが,
日韓共同開催となっても,札幌開催を目指すことに変わりはありませんので,これまでどおり,2001年のプレ大会に間に合うよう万全の体制で準備を進めてまいりたいと考えております。
次に,
コンサドーレ札幌への支援に関するご質問についてであります。
まず,第1点目の今後の支援のあり方についてでありますが,北海道で初めてのプロチームを,道民・市民に親しまれるチームとして育てていくためには,地域との密着度を高めていくことが基本であり,道民・市民とチームとのふれ合いの場づくりや,地道な広報活動等の積み重ねが必要であると認識しております。したがいまして,今後は地域のイベントに選手やチームが参加する機会をふやすなど,道民・市民との交流を深めていくための事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。
第2点目の運営会社の経営に対する支援の基本的な考え方についてでございますが,運営会社の収支計画における入場料や広告料につきましては,その計画達成が難しい面もあり,
Jリーグ昇格までは厳しい経営状況が続くものと考えております。しかしながら,運営会社の経営は,あくまでも会社の責任において行うべきものであり,運営費に対する支援は考えておりません。
本市としましては,チームの経営安定に資するという観点から,交流事業等を通じて市民の試合観戦意欲を高めていくというような側面的な支援を続けてまいりたいと考えております。
第3点目の練習場の整備についてでありますが,
Jリーグ昇格のためには何よりも強い
チームづくりが求められるところであり,そのためには練習環境の充実は不可欠なものであると認識いたしております。札幌市内に練習場を確保することにつきましては,練習場が市民とチームとの最も基本的な交流の場であることや,チームの下部組織の育成の場としても必要になると考えられますことから,その整備について,今後検討してまいりたいと考えております。
次は,丘珠空港問題についてお答えをいたします。
第1点目の北海道の姿勢についてでございますが,本市と北海道との役割分担につきましては,本市は,騒音問題に関する調査及び住民合意を得るための地元対応,北海道は,新千歳空港との機能分担を含めた丘珠空港の位置づけ及びジェット化の必要性の整理などとなっておりまして,基本計画案につきましては,主に北海道が主体となりながら,国とも協議し,検討を進めることとしております。
北海道におきましては,この役割分担に基づき,鋭意検討を重ね,国に対しましても幾度となく説明・協議を続けてきていただいております。今後も空港整備5ヵ年計画への採択に向けて,できる限りの努力を続けていただけるものと考えておりますし,本市も,それらの内容をもって地域の方々にご理解いただけるよう努力してまいりたいと考えております。
第2点目の国の空港整備5ヵ年計画とのかかわりについてでございますが,私も,丘珠空港につきましては,空港周辺での都市化が一層進むなど,時間が経過するにつれて情勢は厳しくなるものと認識いたしておりますことから,このたびの第7次空港整備5ヵ年計画に採択していただきたいものと考えております。
次に,
北海道新幹線問題についてでございます。
第1点目の現在の情勢についてでありますが,ただいまご指摘のとおり,
北海道新幹線については大きな動きが見られ,本年はその実現に向けて特に大切な年であると認識しております。
さらに,全国の新幹線の進捗状況でありますが,この7年間では,整備計画路線の優先着工区間である3線5区間,約 500キロメーター部分で全体の4割の工事が完了しているという状況にあります。
次に,第2点目の懇談会提言の受けとめ方についてでありますが,この提言は,交通,街づくり,環境,景観など各分野の学識経験者や,市民,行政の代表など,それぞれのお立場から多角的にご検討いただいたものでありますので,貴重なご意見として受けとめております。今後は,この提言を踏まえながら,新幹線の早期実現を熱望する地元住民の声を結集し,北海道,経済界等と連携しながら要望活動をさらに強めてまいりたいと考えております。
また,駅の位置についてでありますが,提言にあります駅位置を考える視点である広域交通へのアクセス性,街づくり,他交通機関への乗継ぎ等を考慮いたしますと,現駅併設との結論は十分理解できるところでありますし,また多くの方々に支持されるものと考えております。
したがいまして,今後は,お尋ねの新幹線札幌駅にかかわる土地利用計画との関連も含めまして,新幹線や札幌駅に付随するさまざまな課題について,実際にルートや駅位置を決める日本鉄道建設公団,運行するJR北海道を初め,多くの関係機関等での検討に連携しながら,積極的に対応してまいりたいと考えております。
第3点目の本市の負担でありますが,本年策定が予定される新スキームに盛り込まれるもので,現時点では予想ができませんが,できる限り地元負担が軽減されるよう期待しているところであります。
次に,新幹線の具体的なメリットについてでありますが,時間短縮による直接効果,建設投資による経済効果や行動圏を広げる供用効果のほか,東北新幹線の沿線においては実質経済成長率や進出企業と観光客の増加などに影響があらわれており,本市及び北海道の地域活性化に大きな効果をもたらすものと確信をいたしております。
また,実現の見通しについてでございますが,既存の新幹線建設を見ますと相当程度の期間を要すると見込まれており,現在は,まず
北海道新幹線の具体的なルート公表が行われることを目指して,関係機関との連携を図りながら,早期に実現されるよう強力に要望していくことが大切なことであると考えております。
次は,行政改革についてであります。
まず,第1点目でありますが,行政改革の取り組みに当たっては,市民の皆さんのご意見を反映し,民間の経営努力などに学びながら進めていく必要があると私も認識をいたしております。行政改革は,広く行政全般にかかわる問題でありますので,行政改革懇話会のほかにも,各種審議会や懇談会,あるいは日常の行政運営の中で市民の皆さんから寄せられるご意見を十分に生かしながら,より質の高い改革につなげていきたいと考えております。
次に,2点目の地方分権についてでありますが,地方分権は,住民に最も身近な市町村を中心に進めるべきものであると考えております。この場合,本市は,基礎的自治体である市町村の一員であると同時に,政令指定都市としての特殊性を兼ね備えておりますことから,市町村全体の分権を先導していくという役割を念頭に置きながら,大都市としての大幅な権限の移譲が図られるように強く要望してまいりたいと考えております。
また,本市の検討体制につきましては,既に庁内に検討組織を発足させたところでありまして,さらに関係団体との連携を深めながら地方分権に的確に対応してまいりたいと考えております。
次は,3点目の職員の資質の向上についてでございますが,今後の職員研修についての考え方,進め方につきましては,この4月に開設をいたしました自治研修センターを核として,従前にも増して政策形成能力や調査研究能力を高めるための研修を積極的に取り入れ,地方の時代を担い得る職員の育成に努めてまいりたいと考えております。
また,民間との交流につきましては,ご質問にもありましたように,民間のノウハウや発想を行政に取り込んでいくということももちろん必要でありますので,研修を含め,さまざまな交流の機会拡大について考えてまいりたいと考えているところであります。
私からは以上であります。
○議長(柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 白石区の諸問題につきまして,私からお答えをいたします。
1点目の北郷通の立体交差の早期事業化についてでございますが,お話のとおり,北郷通踏切における交通混雑や踏切事故を解消し,また地域の均衡ある発展を促進するためにも,できるだけ早く鉄道との立体交差化を図る必要があると認識しているところでございます。
そこで,事業化に当たりましては,円滑な交通確保を図るため,事前に前後の道路を拡幅整備しておく必要がありますので,現在は,札幌新道から北13条・北郷通までの整備を優先的に行っているところでございます。残る国道12号までの区間のうち,北郷通踏切の立体交差につきましては,今年度から調査検討及び関係機関との協議を行い,事業に向け具体的な準備に入る予定でございます。また,実施に当たっては,沿線にマンション等の大きな物件や商店街があり,この方々を初めとした地元のご協力が不可欠でございますので,地元との調整をあわせて行いながら,早期に事業着手できるよう努力してまいりたいと考えております。
次に,2点目の生活道路の整備についてでございますが,生活道路は,住民の日常生活を支える最も身近な公共空間であり,安全で快適な生活環境の形成を目指して積極的に整備を進めてきたところでございます。
白石区におきましては,お話にもありましたとおり,簡易舗装の道路が多く,また地盤が弱く,この対策に費用がかさんでいることなどから,その整備に時間を要しているところでございますが,地元の強い整備要望については十分認識をいたしております。
今年度スタートした第3次5年計画におきましては,生活道路の整備を重点的に取り組むこととしておりますので,白石区におきましても,道路状況や地域の実情にも十分配慮しながら,より一層の推進を図り,整備率の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に,3点目の白石福祉園と静心寮の跡地利用計画についてでございます。
この土地は,平成6年に白石福祉園が,また平成8年には静心寮がそれぞれ移転し,現在約 5,900平方メートルのまとまった土地となっておりますが,この土地は平和通に面し,JR白石駅からも,また国道12号線からも歩いて数分の距離にあり,交通アクセスなどの立地条件に恵まれた貴重な土地でございますので,その具体的な利用計画につきましては,これから十分に検討し有効活用を図ってまいりたいと考えております。
検討に当たりましては,5年計画におきましても,地域レベルの各種施設の今後の展開のあり方について検討していくこととしておりますので,これらの検討状況も踏まえながら,周辺の土地利用状況や開発動向,地区の事情などにも十分に配慮しつつ,全市的観点に立って有効な土地活用を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 高齢者の社会参加について,私からお答えを申し上げます。
第1点目の高齢者ボランティアの育成についてでございますが,高齢者が,長年にわたって培ってきた知識や経験を生かしボランティア活動を行うことは,これからの高齢社会においては大変重要なことであると考えております。
そこで,シニアボランティアを育成するため,高齢者のライフスタイルに合った研修機会の設定や,5年計画で予定されておりますボランティア研修センターの整備に伴う研修プログラムの開発の中で,子育て支援や子供の健全育成,地域活動の指導など,高齢者の経験が生かされるカリキュラムについて具体的に検討してまいりたいと考えております。また,活動の場を開発していくため,ボランティア情報の充実や需給調整など,現在,社会福祉総合センター内にあります情報センターとボランティアセンターの機能強化も図ってまいりたいと考えております。
第2点目の老人クラブに対する地区福祉のまち推進センター活動への参画を働きかけることについてでございますが,地区福祉のまち推進センターは,地域のさまざまな団体や住民などの幅広い参加をいただいて,地域の援助活動を行っていこうとするものでございます。現在,設立されております16の地区福祉のまち推進センターの中には,既に老人クラブの参加を得ているところもございますが,今後,老人クラブの活動や会員の特技等の実態を把握した上,その豊かな経験と知識,技術を福祉のまち推進センター活動で発揮していただけるよう積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 石原助役。
◎助役(石原弘之君) 私から,清掃行政における区役所との連携についてお答えをいたします。
1点目の審議会答申に対する認識でありますが,ごみの減量やリサイクルの徹底,さらにはポイ捨て防止の環境美化運動など,市民に密接にかかわる分野については,区役所との連携を図りながら取り組んでいく必要があると考えておりますので,答申の趣旨を踏まえて,今後の清掃業務に関する地域体制のあり方を検討してまいりたいと考えております。
2点目のクリーンさっぽろ推進協議会と他の地域団体との協力関係についてでありますが,さきのごみゼロの日の取り組みにおいても,各区クリーンさっぽろ推進協議会と,区役所や連合町内会等との連携の中で,全市的な活動を展開したところでございます。今後においても,こうした芽生えを大事に育て,さらに一層,他の地域の団体とも連携した活動が図れるよう努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉瑞穂君) 教育問題につきまして,私からお答えいたします。
1点目の教員の資質と指導力の向上についてであります。
まず,子供の心をつかみ,時代の変化に対応した学習指導の力を高めるための研修についてでありますが,市教委が主催する各種研修会では,カウンセリングの考え方に立って子供の心をつかむ方法について取り上げております。さらに,これからの子供に求められる資質や能力を,みずから考え判断し行動する力ととらえて,その育成に重点を置いております。
また,教員研修の受講率を高めるための工夫についてであります。市教委では,年間を通して多様な研修を実施しておりますが,今後,教員のニーズを的確に把握するとともに,日常の実践に生かすことができるよう内容を工夫したり,幅広い分野から専門家を講師として招くなど,魅力のある研修となるよう努めてまいりたいと考えております。
次に,いじめ,登校拒否の対応にかかわる研修についてでありますが,子供の心を理解するための手だてや,早期発見・早期対応のあり方,校内指導体制等について研修を深めております。また,昨年度,すべての学校で実施したいじめの防止強化月間に引き続き,今年度は登校拒否への対応をも含め,年間を通した取り組みに拡大して校内研修の充実を図っております。こうしたことから,教員一人一人の意識の向上が見られ,各学校では組織的な対応が充実してきていると認識しております。
2点目の第15期中央教育審議会の審議が目指すところと,札幌市の今後の学校教育の推進についてであります。
中教審は,学校週5日制の完全実施を目指し,学校,家庭,地域社会の役割とその連携について見直すとともに,急激な社会の変化に積極的かつ柔軟に対応していくための教育のあり方について審議を進めているものと認識しております。また,中教審の「審議のまとめ」の原案に示されている「生きる力」は,みずから学び,考え,問題を解決する能力や他の人を思いやる心をその根幹としておりますが,議員ご指摘の生き抜く力とねらいを同じくするものと考えております。
本市では,学校教育の役割を生涯学習の基礎を培うことと押さえており,この生きる力の育成は,そのための重要な要素と考えております。今後とも,中教審の審議の経過や答申を見守り,その趣旨や理念を踏まえて学校教育の推進に当たってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
──────────────────
休 憩 午後2時20分
再 開 午後2時51分
──────────────────
○副議長(澤木繁成君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。小野正美君。
(小野正美君登壇・拍手)
◆小野正美君 私は,社会民主市民の会を代表して,今定例会に上程された諸議案並びに当面する市政の諸課題について質問をいたします。
私は,昨年4月の統一自治体選挙で市民の皆さんのご支援をいただいて初当選をさせていただきました。この間,責任の重要性を認識しつつ,議員・議会活動に取り組んでまいりましたが,きょうは初めての代表質問ということで,いささか緊張を覚えますとともに,この機会に,市民の市政に対する要望や意見などを反映することができればと張り切ってもおります。どうか,こうした心情をご推察いただき,桂市長の前向きなご見解をいただきたいと存じます。
最初に,市長の基本姿勢にかかわって4点お尋ねいたします。
初めに,丘珠空港問題であります。
昨年6月,道と札幌市が唐突に滑走路延長の意向を明らかにし,国に対し第7次空港整備計画への採択を要請しました。これは,道内空港関係者及び札幌商工会議所などからの強い要望を受けとめたものであります。しかし,当初から,手続・手順の問題や延長そのものにかかわる反対意見があり,議会陳情も繰り返されてきました。そうした中で,この8月にも国の方針が定まる時期が近づいています。
我が会派は,今日まで課題を明らかにするとともに,本市の取り組み状況を慎重に見守り,各方面の意向把握に努めてきたところであります。そして,この間の市の意向表明,国への陳情,地元住民説明会,道と札幌市の協議状況,国の姿勢,7次空整をめぐる客観情勢等々の情報をあらゆる角度から分析・検討したところ,現状では丘珠空港のジェット化に伴う滑走路延長は不適当との結論に至りました。
その理由として,一つは,現在地は市街化が急速に進み,市営住宅や高層住宅,病院,学校などが隣接していること,二つに,延長の場合,河川や道路の切りかえが不可避であること,三つに,これまで周辺の都市計画は現空港を前提として進められており,延長となれば計画見直しが必要と思われるわけですが,今日なお明らかでないこと,四つに,新千歳空港との機能分担の根拠が弱いこと,五つに,地元住民は施設整備計画案のいかんにかかわらず反対の声が多く,住民合意の見通しが立たないこと,六つに,全道の総合的な高速交通体系整備方針がないため,各交通機関との役割や将来方向が不明確なこと,七つに,これまで述べてきた多くの課題をクリアするには多大な負担が想定されること等々であります。したがって,我が社会民主市民の会としては,本議会において,今回の丘珠空港滑走路延長問題については反対の立場を明らかにするものであります。
今後,市においても,自衛隊ヘリコプターの訓練飛行に伴う騒音問題の解決に努力するとともに,現状の許容範囲内で丘珠空港を有効利用する観点で取り組むべきと考えます。
そこで質問ですが,こうした観点に立って空港周辺の街づくり構想を策定すべきと考えますが,市長の基本的見解を伺います。
また,5月30日の総務委員会で,国からプロペラ代替機導入の宿題を預けられたとの報告でありますが,国の真意はどこにあるのかお聞きするとともに,北海道はこの件について国に対しどのような報告をされたのか,承知されていればその内容をお尋ねします。
次に,
ワールドカップサッカー並びに
全天候型多目的施設についてお伺いいたします。
既にご承知のように,2002年のワールドカップについては,FIFA理事会が5月31日,
日韓共同開催を決定いたしました。これは,FIFAが単独開催を旨としてきたこれまでの方法を突如変更したものであり,日韓両国に驚きをもって受けとめられました。
しかし,さまざまな理由によって,特に政治的な側面をもって決定されたと言われる今回の結論について,私たちは,これを冷静に受けとめ,今後は日韓の協力によって過去を上回る世界の範となるような大会に盛り上げていかなければならないものと考えます。
言うまでもなく,日本と韓国は,古代より経済的・文化的な交流が続けられてきたにもかかわらず,いまだに清算されていない過去の不幸な歴史によって,近くて遠い国として戦後50年間大きな溝を残したまま今日に至っております。
したがって,
日韓共同開催は,観点を変えるなら,2002年,まさに21世紀の幕あけに向けて日韓友好の新たな地平を切り開く大きなターニングポイントになり得ると考えます。
そこで質問ですが,私たちは,これを契機として,青少年を含めた文化やスポーツの草の根交流を積極的に進め,日韓友好促進を大きな柱としてワールドカップ開催に臨むべきであると考えますが,桂市長の基本的認識を伺います。
次に,ドーム建設財源についてであります。
総額で 360億円の建設費用に対して,当初から課題とされてきた国や道の支援とともに,特に地元経済界からの財政的協力がいまだ不十分なものと考えられます。そもそも,このドーム問題の火つけ役は札商を中心とする経済界ではなかったでしょうか。この間のドーム建設論議の経過からも,そのことは明らかであります。
しかしながら,今日伝えられている地元経済界からの財政支援は5億円程度であり,これは,到底納得のできる数字ではなく,このまま推移するなら,札幌の経済界は官依存そのものであり,口は出すけれど金は出さない存在と言われても仕方がないものとなります。
そこで質問ですが,このドーム建設に当たって経済界からの支援状況はどうか,あわせて,
日韓共同開催に伴う国の財政面における対応に変化が起こるのかどうか,見通しをお伺いします。
次に,職員採用の国籍条項についてお尋ねします。
ご承知のように,川崎市では,職員採用試験の受験資格から国籍条項を撤廃し,消防職員を除く全職種でこの夏から定住外国人の受験が可能になりました。これは,高橋市長の方針を受け,市の人事委員会が5月13日に,地方公務員は地域に密着した職務が主であり国籍にとらわれる必要はないとして,国籍条項の撤廃を決定したからであります。
国籍条項については,既に 350余りの市町村で撤廃されていると聞いておりますが,都道府県や政令指定都市では初めてのことであり,他の自治体に与える影響は大きいと考えます。
日本に在住する外国人は今日 130万人を超え,国籍や民族にかかわらず,お互いが人として尊重し合い,個性を認め合って生活していく地域社会づくりの推進がますます重要となっています。さらに,外国人市民は,社会の構成員として納税の義務を果たし,地域社会の一員としての役割を担い,多くの分野で活躍しています。こうした日本社会における外国人市民の実態を考えれば,法令にない国籍条項に固執することは,時代の流れに逆行することにつながります。
今,政府がとるべき態度は,基本的人権の拡充や国際化という時代の流れと,外国人を含む職員採用の決定は自治体に任せるという地方分権の基本を自覚し,旧来の方針を見直すことが必要だと考えます。
今回の川崎市の決定は,国が「当然の法理」という抽象的な言葉で自治体を縛ろうとしても,実質的にはもはや通用しなくなっていることを示しています。したがって,昇進の制限や除外職種など今後の課題として残った点があったとしても,このたびの川崎市の英断を高く評価し,本市も大きく一歩踏み切るべきであります。
そこで,こうした観点に立って伺います。
1点目は,本市でも一部職種において国籍条項を廃止しておりますが,その経過及び撤廃職種の割合とその職員数の割合をそれぞれお伺いします。
2点目は,国籍条項について,桂市長は,去る5月7日の
定例記者会見において,クリアすべき課題も多いが,本市としても撤廃を検討する旨の前向きな発言をされていることは,国際都市さっぽろの首長として適切な判断であり,我が会派は高く評価しているところであります。
現在,本市に在住する外国人市民は,4月末現在で 6,399人となっており,この推移は10年前の 3,792人に比較して約70%増となっています。今日,国際化時代の進展に伴い,外国人市民への門戸開放はあらゆる分野で求められているわけですが,本市の今後の基本的な対処方針について,川崎市の英断に対する見解を含めて桂市長の所見をお伺いいたします。
次に,沖縄在日米軍実弾砲撃訓練地の移転問題についてであります。
この問題は,95年1月の日米首脳会談において,沖縄の米軍基地縮小問題が取り上げられ,三つの施設の返還,移転が両政府間で正式に合意されたことに伴い,防衛施設庁が陸上自衛隊の大演習場を対象に選考を行った結果,本道では本市の一部を含む北海道大演習場や矢臼別及び上富良野を初め,全国9ヵ所が候補地となったものであります。しかし,堀知事が,5月28日,防衛施設庁長官に北海道への移転反対を申し入れるなど,候補地となった演習場の関係自治体がこぞって受入れ拒否を表明しております。
また,沖縄では,昨年9月のアメリカ兵による暴行事件を契機に,日米地位協定の見直し,米軍基地の撤去を求める運動が県民挙げて大規模に行われ,沖縄県を初め県内各市町村自治体も,基地撤去のための具体的な行政行動を実施しています。さらに,全国各地においても,市民による取り組みや,本札幌市議会を初めとする各自治体議会での意見書の可決など,国民的な世論となっています。
そこで質問ですが,1点目は,このような中,在日米軍筋が明らかにしたとして,今月4日から在日米軍による9候補地の現地調査が始まったと一部新聞により報道されています。本市に事前に連絡があったのか,また,あったとすれば調査日及びその内容についてお伺いいたします。
2点目は,本市としても明確に移転反対の意思表示を行い,今後とも道や恵庭市など関係自治体と緊密な連携をとる必要があると思いますが,市長の見解をお伺いします。
3点目は,沖縄米軍基地を単に日本国内で移転するのではなく,在日米軍基地自体を縮小するために,本市としてもアメリカ国内への移転を政府に働きかけることが必要と考えますが,見解を伺います。
次に,福祉課題についてであります。
私は,このように自分の声を聞き取りながら話をすることができます。そして,皆さんは,私の声を聞いてうなずかれたり,激励の拍手をされます。私は,それを見て勇気を持って発言をすることができます。しかし,聞くことや言葉,話すことが不自由であったり,見ることに障害がある場合,こうした社会参加,政治参加は大変大きな制約を受けることになります。きょうは,本議会で初めて本会議場の傍聴席に手話通訳者の協力をいただいています。聾唖者,耳の不自由な人は,私たちの最大の苦痛は,単に聞こえないということではなく,そのためにコミュニケーションがとりにくく社会の中で同じ人間扱いされない,差別と偏見,これが最も悲しいと訴えています。
この社会がコミュニケーションによる人と人との関係で築かれ,今日のように高度に発達した情報化社会の中で,コミュニケーションと情報から疎外される聴力障害者は,「聞こえ」の保障がなければ,平等な社会参加ができないばかりか,人間らしく生きることさえ困難であると言えます。聴覚障害は,外見からはその障害がわかりにくく,個別の福祉対策も随分おくれて現在に至っており,同様に,痴呆性老人,精神障害者の問題についても,その理解と対策はおくれていると言わざるを得ません。
こうした立場から質問に入ります。
まず最初に,新5年計画に盛り込まれた視聴覚障害者情報文化センター整備構想についてお聞きします。
1990年,福祉関係8法の改正で,身体障害者福祉法の中に視聴覚障害者情報提供施設が制度化されました。既に,横浜,名古屋,京都,北九州など政令都市4市と8都県で設置されているものであります。関係者からは,このセンター整備を契機に,本市のさまざまな形で行ってきた福祉事業が統合され,より専門的な事業が展開されることを強く期待されており,当事者の声を十分に取り入れていかなければなりません。また,病気や事故及び高齢化社会の中で増大が予想される中途失聴者,難聴者などへも範囲を広げた事業の展開が求められています。
そこで質問ですが,まず1点目として,視聴覚障害者情報文化センターの開設の時期と設置場所及び施設整備について,どのようにお考えになっているかお聞きします。
また,この施設は,従来から視覚あるいは聴覚に障害のある方々が待ち望んでいた施設であります。その施設内容,運営の方法などについては大きな期待を持っています。
そこで2点目に,当事者の参画についてどのようにお考えになっているかお聞きします。
3点目として,従来から行われている事業に新たにどのような事業を加えて発展させようとしているのかお伺いします。
4点目に,1974年,札幌市に専従手話通訳者が設置され,また89年には厚生大臣公認の手話通訳士資格制度が創設されました。長年の懸案である手話通訳者などの身分保障を早期に実現すべきであり,遅くとも情報文化センターが開設されるまでに実施すべきと考えますが,市長の見解をお伺いします。
次に,市立札幌病院の手話通訳者設置と今後の課題についてであります。
病気になったとき,だれしもが大変不安なものです。ましてやコミュニケーションが十分にとれない聴覚障害者にとっては,なお一層不安が大きいと言わざるを得ません。昨年10月の市立札幌病院新築移転に合わせて手話通訳者を配置することは,全国で6ヵ所目,政令都市及び公的病院では初めてのことであり,関係者の期待と関心が寄せられていました。
しかし,当初,通訳者募集の業務内容や配置数,身分,労働条件などは大きく期待を裏切るものでした。したがって,8月からの募集及び再募集を行っても応募者はゼロの状態で推移してきたのであります。しかし,この間,札幌聴力障害者協会や手話通訳者の皆さんの真剣な取り組みと病院側との話し合いを積み重ねる中から,本年3月に1名が採用となり,院内での準備期間を経て4月から通訳業務が開始されました。
そこで,当初の募集内容や進め方など経過に問題があったとしても,公的病院に手話通訳者が設置された意義は全国的にも大きく,特に,3月以降,具体的な院内の業務体制確立に向けた関係者の努力に敬意を表しつつ,当面する課題について質問し,市長の前向きな見解をお聞きしたいと思います。
質問の第1は,手話通訳者の複数配置問題です。
市立札幌病院に手話通訳が設置されていることが今後広く知られるなら,病院の高い医療技術と信頼性からして利用患者数は急速に伸びることは明らかです。また,現在は,外来のみですが,入院患者・病棟対応となれば1名配置では到底不可能となります。医療の専門用語や質問をわかりやすく適切な表現で伝え,患者の手話の特徴をつかんでさまざまな症状の訴えを読み取り,また安心して診療が受けられるよう精神面の安定を図るため患者との信頼関係をつくるなど,その苦労は想像を超えるものがあります。
したがって,手話通訳者が長く健康で働くことができるよう複数配置は不可欠であり,また,病院という特性からして男女両性の配置も必要であります。聴力障害者の皆さんへの宣伝や利用促進を図るとともに,時期を逸することなく複数配置を行って,人に優しい市立札幌病院となることを強く願うものであり,市長の見解を伺います。
質問の第2として,命と健康にかかわる市立病院の手話通訳者として生きがいを持って働いてもらうには,正職員としての身分保障を行い,医療スタッフの一員として働くことができる体制をとる必要があると考えます。この点についても,見解をお尋ねします。
次に,痴呆性老人対策についてであります。
日本の高齢者の中で,最も不遇なのは痴呆症のお年寄りだと言われています。
差別と偏見の中で,うちの人はぼけていない,ぼけるはずがないと隠したり,ぼけにだけはなりたくない,ぼけになるともうおしまいと思っている場合が多いのです。我が国では,こうした痴呆性老人は施設に収容し,薬物で問題行動を制御したり,回廊式廊下を際限なく歩かせたり,部屋に閉じ込める,時には縛りつけることもいたし方ないという傾向がありました。
急速に進む超高齢化の到来,加齢とともに増加する痴呆性老人の問題はこれからの重要なテーマであり,よりきめ細かな対策が求められています。1994年6月28日に発表された国の痴呆性老人対策に関する検討会の報告書の中でも,痴呆に対する理解が,国民一般,保健・医療・福祉関係者ともいまだ不十分であること,早期発見・早期対応の体制が整備されていないこと,痴呆性老人に対するサービスの受皿が不足していることなどが指摘され,その中で新しいタイプのサービスとしてグループホームの検討が提言されています。
これを受けて,国は昨年1月,痴呆性老人のグループホームのあり方についての調査研究委員会を全国社会福祉協議会に設置し,調査研究を行っています。この委託研究事業は,全国8ヵ所,うち道内3ヵ所,札幌の2ヵ所で実施され,さらに本年4月には制度化に向けた緊急アンケート調査が全国20ヵ所で行われ,厚生省の法案作成作業も進められています。
札幌のノテ福祉会が95年1月に開設したホワイエ月寒は,一戸建て4LDKの住宅をリフォームし,入居定員は3人,日本で一番小さなグループホームでした。今まで暮らしていた住まいと同じような雰囲気,家庭的な生活環境の中で,痴呆症の高齢者が,24時間通して介護スタッフなどのケアを受けながら毎日ごく普通の暮らしを営み,痴呆状態の軽減や行動能力を回復させ穏やかな生活を送っていました。私も,幾度となく訪ね,表情が生き生きと明るくなる母親の姿を見てきました。しかし,民間が自主事業としてノウハウを蓄積していくことは大変であり,行政の積極的な支援が必要であります。
そこで質問ですが,第1に,このような新しいタイプのサービスであるグループホームについて,どのように認識されているのかお伺いします。
第2に,道内及び札幌市における痴呆性老人のグループホームの実態はどのようになっているのか。また,これらが継続し,拡大されるために,ネックとなっている課題についてどのように考えているのかお伺いします。
第3に,今後の本市の取り組みとして,このグループホームの積極的な意義を認め,全国に先駆けて本市の独自事業,モデル事業として取り組むべきと考えますが,市長の見解を伺います。
次に,精神障害者に対する福祉医療対策についてであります。
ご承知のとおり,精神障害者にかかわる法的な環境は,93年に障害者基本法が成立,95年には精神保健法から精神保健及び精神障害者福祉に関する法律への改正,そして本年4月,大都市特例により精神障害者に対する施策の大部分が本市に移譲されるなど,大きく変わりつつあります。
昨年度の厚生常任委員会において,精神保健福祉センター及び精神保健福祉相談の充実に関する陳情が採択され,本年5月には,本市初の精神障害者通所授産施設こぶし館が事業を開始しています。医療・保健・福祉の一体的な推進により,約1万 8,000人とされている精神障害者の社会復帰,自立支援に向けた施策をさらに充実していかなければならないと考えます。
そこで,質問の第1は,精神障害者福祉計画についてであります。
今年度より精神保健福祉審議会が設置され,審議会の検討を経て福祉計画を策定するとされていますが,計画策定に向けてのスケジュールについて,さらに,回復者などの当事者や家族団体の参加について見解を伺います。
あわせて,精神保健福祉センターの建設が5年計画の中で進められているわけですが,啓発・調査・研修・相談など,早急に望まれる体制の整備についての考えを伺います。
質問の第2は,共同住居についてです。
精神障害者が地域で生活し,社会復帰をしたいと願っても,社会の根強い差別と偏見から,アパートやマンションなど一般住宅への入居は非常に困難なのが実情であります。共同住居は,そのほとんどが病院の運営となっていますが,社会復帰施設と一体となって地域での生活を支援していくことが必要です。
本市としても,これまで精神障害者共同住居運営事業補助制度の中で助成を行ってきていますが,財政基盤の弱い家族会などがこの事業に取り組むには,まだまだ困難な状況にあります。そこで,民間団体などが積極的にこの事業に取り組むことができるよう,この補助制度の大幅な増額が必要と考えますが,見解を伺います。
質問の第3は,医療体制についてです。
精神科の救急医療や身体合併症については,当然,精神科医と外科や麻酔科など,他の専門分野との緊密な連携が必要であり,総合病院での受入れを行わなければなりません。
しかしながら,本市においては,精神科の病床数は多いものの,総合病院で精神科を設置しているところは非常に少なく,設置していても研究機能が優先されているのが現状であります。一方,92年12月に国立札幌病院の精神科神経科病棟が閉鎖されて以来,本市には専門に受け入れる総合病院がなく,医療の空白地帯になっているのであります。
そこで質問ですが,北海道では98年度を目途に精神科救急体制の整備を進めていると聞いておりますが,進捗状況と本市の対応はどのようになっているのか,夜間救急センター新築の際の精神科救急の設置も含め,基本的な考え方を伺います。
次に,清掃行政についてお伺いいたします。
初めに,リサイクル社会の実現についてであります。
我が国の清掃行政は,明治以来,地方の固有事務として,排出されたごみをいかに迅速かつ適正に処理するかという方針に基づき推進され,現在の減量及びリサイクルの方針もこの延長線上にあると言えます。
また,本市の清掃行政の大きな節目を見ますと,1971年12月の発寒清掃工場,現在の発寒第二清掃工場の稼働を契機として,ごみの減容を目的とした本格的な焼却主義へ移行,90年代には,資源化工場に始まる各種リサイクル施策の展開により,減量とリサイクルが新たな視点として加わったのであります。
ここで,代表的な本市のリサイクル施策を若干検証してみますと,成功例としては,資源化工場と路盤材再生工場が挙げられます。これは,技術の確立がなされたこともさることながら,安定した需要先が確保されたこと,また,路盤材再生工場は砕石業界も参加したことが成功の要因として大きいと言えます。
一方,現在,事業化に向け取り組んでいる施策として,事業系生ごみのコンポスト化があります。これも,技術的には確立のめどが立っているものの,実現の大きな隘路は需要先確保と関係業界の参画であります。
以上三つの施策から導かれるリサイクル成功のためのポイントは,第1に需要先のニーズに合った商品化,第2にそのための技術の確立,第3に関係業界の参画,第4に量と質が安定した原料となるごみの確保であります。これを清掃行政の視点から見ると,最終処分ごみ容量の減少を目的としている現在のリサイクルを,リサイクルのためのごみの活用に転換する必要があると言えます。
同時に,ごみ問題は,経済システムと密接なかかわりを持つこともうかがえます。
そこで,生産システムの視点から見ると,現状は,行政が処理することを前提とした大量生産,大量消費,大量廃棄の一方方向のシステムで,廃棄後の物質循環を断ち切ることで生産を拡大してきたと言えます。例えば,容器類を見ると,廃棄コストを除いた生産流通コストはリターナブル容器よりもワンウエー容器などが安価ですが,廃棄コストを加えると逆転します。すなわち,廃棄コストを生産コストから除外することで商品価格を安価にし,より大量消費を促しているのであり,リサイクル社会実現には経済システムの中に物質循環のためのルートをつくる,すなわち生産システムを変更しなければ,ごみ問題の抜本的解決はないのであります。このためには,我が会派は三つの視点が必要であると考えます。
第1には,廃棄規格という視点であります。
これは,東京都や各区役所の職員などでつくるソーラーシステム研究グループが,その著書「都市のゴミ循環」で提起しているものであります。時間の関係で詳しくは紹介できませんが,廃棄されたときに有害となる部品・材料を使用しない,物を製造しない,また,物質循環し資源化することを前提に部品・材料等の規格を設定することを定義とし,特に大都市自治体を中心に地域廃棄規格を導入することで,国内,さらには国際規格の創設を目指すべきとしています。この地域規格確立のためには,自治体独自による適正処理困難物の指定と焼却工場を含む処分場への受入れ拒否,製造者による引き取りと処理を求める,受入れ廃棄物であっても,リサイクルルートが確立するまで製造者及び販売者に応分の負担を求めることが必要と述べています。また,国内規格として,一つに,有害物質を生成または放出,あるいは高温によって炉を傷める焼却できない廃棄物,二つに,土壌や地下水を汚染するおそれがある,あるいは土壌還元できない埋立てできない廃棄物,三つに,リサイクルルートがある廃棄物,四つに,リサイクルを前提とした適正な処分,処理方法,そのためのルートが確立するまで製造者,販売者あるいは自治体によりストックされるストック廃棄物,以上の4分類を例示しております。
次に,視点の第2は,製造責任によるリサイクルの推進ということで,これは第1の視点の具体化とも言えます。従来,生産者や販売者は,ごみ処理は自治体の固有事務を盾にその参画に強い難色を示してきましたが,今般,容器包装リサイクル法により,この分野では関係事業者も主体の一つとして容器等のリサイクルに参画することが義務づけられたのであります。これをよい模範として,他の廃棄物のリサイクルについても関係業界の参画の拡大を積極的に図ることが必要であります。
あわせて,廃棄物処理コストは製造責任によるリサイクルの推進という観点から,生産・流通コストに廃棄コストを含め,受益者負担を求めるべきであります。
第3は,清掃行政の第1次産業化という視点であります。
これは,現在のごみ処理サービスという第3次産業的行政を,廃棄物の分別収集による資源供給という第1次産業的行政への転換であります。このためには,さきに述べた国内廃棄規格の分類に沿って,今後の分別拡大がなされるべきと考えます。
第4は,リサイクル施策は需要を抱える部局が主体となるという視点であります。
これは,清掃部門は原料の供給及び技術開発の協力を分担し,リサイクル商品化はそれぞれの需要を抱えた部局が主体となって,関係業界と連携し行うというものであります。
以上,リサイクル社会実現のための行政施策を四つの視点で述べてまいりました。
ごみ問題の複雑さや困難さは,我が国の経済社会のありように根差しており,一朝一夕に解決できるものではありませんが,だからこそ理想を掲げ,できるものから着実に実施する,あるいは地方から声を上げ,国や社会を動かしていくという取り組みが必要であると考えます。
そこで,ごみ問題については並々ならぬ意欲を持っておられる桂市長にお伺いします。
質問の第1点目は,これまでの,ごみの迅速かつ適正な処理とそれを補完するリサイクル施策から脱皮し,物質循環を前提とした廃棄物処理システムの構築を目指した施策を長期的に進めていくべきと考えますが,見解をお伺いします。
2点目は,そのためには,現在の施策を先に述べた四つの視点に立って整理し,積極的に推進すべきと考えますが,見解をお伺いします。
次に,資源物収集事業についてであります。
この事業は,本市の独自施策として,家庭から排出される容器等廃棄物の資源化を目指して,92年10月より瓶・缶分別モデル事業として東区の2地域で,95年度にはさらに実施地域をふやし,資源物収集モデル事業として全市実施に向けて研究調査を進めてきたものです。今般,容器包装リサイクル法の施行により,法的なバックアップ体制のもとで関係業界などの参加を求めることも可能となった中で,98年度の本実施に向け準備を進めているところであります。
この事業の中核施設となるのが,収集された瓶・缶をさらに細別する資源物選別施設であり,先ごろ行われた議会への説明によれば,南区の駒岡清掃工場の隣接地と東区中沼のリサイクル団地の2ヵ所に設置するということであります。
そこで,この施設の設置に当たり3点お伺いします。
1点目は,収集物選別後の残渣対策についてであります。
これは,資源物以外の混入がなければ起きない問題ですが,現実にはさまざまな事由で残渣が生じることが予想されます。そこで,残渣を減少させ,なくするための対策が必要と考えますが,見解をお伺いします。
2点目は,施設の環境整備についてであります。
選別する容器類は,多くが未洗浄で排出されてくると考えなければなりません。また,この施設は,本市初の本格的なリサイクル施設であり,市民の見学も多くなることが予想されます。このため,そこに働く人はもとより,見学者のためにも施設の衛生環境について,特に臭気対策には十分配慮する必要があります。この点についてお聞きするとともに,見学しやすさも考慮すべきと考えますが,見解をお伺いします。
3点目は,障害者の雇用についてであります。
全国の同様の施設を既に運営している多くの自治体では,選別作業に知的障害者を雇用し,福祉面でも成果をおさめていると聞いています。障害者の中でも知的障害者の雇用の場は,他と比較しても狭く厳しい現状にあります。したがって,本市でも,選別作業の従事者については知的障害者の方々の就労の機会を供するとの観点から検討すべきと考えますが,見解をお伺いします。
次に,博物館構想についてであります。
札幌市博物館基本構想委員会は1994年12月に設置され,以来1年余の間に本委員会7回,小委員会7回,公募による市民懇談会1回と極めて精力的な検討作業を行い,本年4月3日,市長に提言書を提出いたしました。
提言書は,基本理念として,総合的体系的であること,ふるさと意識や郷土愛を育てること,生涯学習の時代に即したものであること,国際的視野に立つことなどを挙げ,基本テーマを「北・その自然と人」とする自然系総合博物館を提唱しています。さらに,ランドマーク,アクセス,アメニティーの三つの要素の重要性を指摘し,豊かな自然とゆとりある敷地を立地条件としています。
一方,1994年11月の開館以来 112万人という入場者を記録している茨城県自然博物館館長の中川志郎氏は,その成立経緯を振り返り,中世以降の博物館の歴史を総括しながら,21世紀にふさわしい博物館像を次のように展開しています。すなわち,21世紀型博物館というものがあるとすれば,生涯学習の時代にふさわしい開かれた組織と機能を有すること,広がる環境汚染,地球規模の環境破壊をしっかりと認識できる個々の人間の自然や生態系にふさわしいライフスタイルの確立に資することが求められていると述べています。さらに,そのためには,環境教育学習の場として学校や地域に開かれていること,地域社会の知的・文化的生活に貢献できること,楽しみながら経験するアミューズメントの要素を取り入れること,この三つの要素が欠かせないと指摘しています。
教育,学術,文化の発信基地として,市民の共有財産として21世紀札幌の新しい顔としての博物館建設をぜひとも積極的に進めるべきであり,その際,提言書の基本構想に加え,中川氏の貴重な考えを血肉として実現していくべきと考えます。
そこで質問ですが,1点目は,今後のスケジュールについてであります。
今年度,建設準備委員会が設置されるわけですが,委員会の検討期間も含めて,今後のスケジュールをどのように考えておられるのか。また,建設準備委員会においては,構想委員会の提言に沿って立地条件や展示内容,機能など具体的な内容に踏み込んだ検討が行われるべきと考えますが,その内容について伺います。
2点目は,建設準備委員会の構成についてであります。
環境学習,生涯学習が機能の重要な部分を占めるとすれば,基本計画の段階から,現職の教員や環境問題に取り組むNGOメンバー,地域サークルなど幅広い人材の知恵を生かしていくことが肝要と考えますが,所見を伺います。
3点目に,準備段階として,急速に失われていく自然及び文化的財産をしっかりと次の世代に残すためにも,自然環境調査,資料収集,保存計画の作成などについて早急に作業を開始すべきと考えますが,見解を伺います。
次に,消防職員委員会の設置についてお伺いします。
消防職員は,日々,市民の生命・財産を守るために24時間体制で奮闘しています。特に本市消防局職員は,本市のみならず,昨年1月の阪神・淡路大震災で,また本年2月10日の豊浜トンネル崩落事故でもいち早く駆けつけ,その能力の高さと奮闘に大きな評価を受けているのであります。
このように活躍する消防職員ですが,我が国では,地方公務員法第52条第5項によって,職員団体の結成及び加入の禁止,すなわち労働者の権利としての団結権が否認されてきました。政府は,我が国の消防は警察の範疇に含まれるとして,一貫して団結権を認めない態度をとり続けてきましたが,このことは,政府が1965年に批准したILO87号条約,すなわち結社の自由及び団結権の保障に関する条約に違反しているとして,諸外国からも指摘されてきました。
この間,関係団体は,72年にILOに提訴するとともに,政府に対して消防職員の団結権付与を求めてまいりました。また,提訴を受けたILOは,73年に条約勧告適用専門委員会報告において,消防職員の職務が,軍隊及び警察に関する本条約第9条に基づいて,この種の労働者を除外することを正当化するような性質のものではないと断言し,この決定以降,日本政府に対して消防職員の団結権を保障するよう勧告を続けてきたのですが,政府の姿勢はかたくなでありました。
しかし,ILOの中でスーダン及びガボンが94年に国内法改正によって団結権を認めたため,加盟国で団結権を禁止しているのは日本だけであるとの指摘を総会で受け,その対応について95年6月の総会までに求められてきたのであります。
関係団体はこれを受け,95年5月に行われた自治大臣と関係団体の会談において,消防職員の勤務条件,個人装備,福利厚生などに関して消防職員の意思疎通を図るために消防職員委員会を設置する,そのため消防組織法を改正することが合意されました。これを受けて95年10月に消防組織法の一部を改正する法律が可決され,正式に消防職員委員会が1年以内,すなわち本年10月までにすべての消防本部において設置されることになったのであります。
消防職員委員会の設置は,従来,消防職員の勤務条件について訓令や内規などで一方的に決定していた消防の現場に,協議の場として,つまり,個人装備,福利厚生,労働条件について職場委員が消防長に意見を述べる場として導入されるものであります。これが誠実に運用されれば,消防職員にとっては大きな意義を持つものと言えますが,そのためにはこの委員会の民主的な運営が必要であります。
そこで質問ですが,第1に,消防職員委員会設置に当たっての市長の基本的な考え方をお伺いいたします。
第2に,委員会の制定趣旨及び概要について全消防職員に周知徹底が必要と思いますが,その考え方と方法についてお伺いいたします。
第3に,委員の選出区分等について詳細が明らかでないこともあり,選出に当たっては,全職員の意思が反映される民主的手法を講じることが必要と考えますが,見解をお伺いします。
第4に,「消防職員委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,消防庁の定める基準に従い,市町村の規則で定める。」となっていますが,この進め方についてお伺いいたします。
次に,街づくりについてであります。
初めに,JR手稲駅周辺整備についてですが,私自身,5年前から手稲区の街づくりを考える区民フォーラムの事務局長として,手稲駅が道内第2位の乗降人員を誇る駅であり,手稲区の中心となる駅周辺整備について,利用者・住民アンケート調査の実施や議会陳情などさまざまな取り組みを行ってきました。
こうした中で,93年秋には,南北駅前広場,自由通路及び駅舎の橋上化を柱とする整備構想がまとめられ,関係者の調整が進められるとともに,本年4月末には広大な未利用地となっていた駅北口に大規模商業施設がオープン,さらに南口の手稲本町2・4地区でも再開発事業が着手されるなど,今まさに手稲駅周辺が生まれ変わり,手稲区の拠点にふさわしい街並みが形成されるものと区民の期待も高まってきています。
そこで,このような動向を踏まえて2点質問いたします。
まず第1に,駅前広場及び自由通路など駅周辺の整備に当たって,住民の参加と意見反映についてであります。
先ほども申し上げましたように,私自身が住民運動に携わってきたことから,行政が行う事業について,計画策定の段階から,住民に情報の提供はもちろんのこと,利用する立場,そこに住む立場からの参加,意見反映が必要であり,可能な限り住民の方と意見交換を行い,事業に反映していくことが重要と考えています。
特に,自由通路及び駅舎のデザインや色合いなどについて,手稲にふさわしいもの,利用者が自分の駅であるという愛着を感じるものとなるよう,地域の方々の参加を得ながら決定されるのが望ましいと考えています。
手稲区では,これまでも住民による自主的な街づくり活動が活発に展開されており,また,専門的な立場で街づくりの研究や実践を進めている北海道工業大学建築工学科の存在も大きく,駅舎のデザインを考えることなどを通じて,住民の街づくりに対する意識も一層高まるものと思われます。これらを含め,手稲駅周辺整備を進めるに当たって,住民の参加,意見反映に関する本市の考え方についてお伺いします。
質問の第2ですが,JR北海道が,本市の整備に合わせて,手稲駅駅舎の橋上化とホームの構内改良工事を行うことが明らかにされています。これによって利便性の向上が期待でき,望ましいことですが,一方で,駅前広場や自由通路の工事とふくそうするため混乱や不便が生じ,工事期間が長くなるなど,危惧するところであります。狭い敷地でJRの運行を続けながら幾つかの工事を伴う事業であり,時間を要することは理解できますが,整備構想が発表されてから既に2年半を経過しており,周辺地区の再開発事業の進行と相まって地域住民の期待も高まってきていますので,可能な限り早期の整備を強く望むものであります。
そこで,現状を踏まえ,駅周辺の整備スケジュールをどう考えているのか,目標とする完成年度をお示しいただきながら見解をお伺いします。
次に,地区センターなど地域コミュニティ施設についてお尋ねします。
本年4月末から5月にかけ,手稲区星置初め,三つの地区センターが完成し,地域の人々にも大変喜ばれています。星置地区センターは,その名前から,外壁に星座のレリーフ,集会室にはアポロ,エンデバーという宇宙船の名前,屋上には天体観測施設,また図書室にも星にちなむ本を多数集めるなど,星にこだわっています。同様に,藻岩地区センターは山に関する図書,白石東地区センターは映画や美術に関する図書を多く集めるなど,それぞれ地域のこだわりや特徴を持とうとしています。
このように,地域コミュニティーの中心としての地区センターが,完成後の運営だけではなく,計画の段階から地域の意見や思いを反映させ,市民参加のもとで施設内容を検討していく,地域の特徴を出し,愛着を持って利用していただくことは極めて重要なことです。
そこで質問いたします。
まず第1に,新5年計画で建設予定の8館についても,これらの経験を踏まえて,広く市民の声が計画段階から反映される方策をとるべきと考えますので,見解をお伺いします。
次に,本市では,福祉の街づくり環境整備要綱を定め,バリアフリーの考えから施設整備を進め,改善されてきていますが,残念ながら,地区センターにエレベーターは設備されていません。しかし,地域コミュニティ施設は,高齢者はもとより,ハンディのある人など多くの人々に利用していただく施設であります。
質問の第2として,地区センターの今後の建設に当たっては,環境整備要綱を一歩進め,エレベーターを設置すること,及び既存の施設についても可能な限り設置すべきであると考えますが,市長の見解をお伺いします。
最後に,小・中学校の大規模校解消についてであります。
本市では,住区整備基本計画によって街づくりを進め,学校用地の先行取得も含めて計画的に教育施設整備を進めてきています。
署名議員 小 谷 俵 藏
署名議員 加 藤 斉...