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平成 8年第一部予算特別委員会−03月22日-08号
平成 8年第二部予算特別委員会−03月22日-08号

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  1. 札幌市議会 1996-03-22
    平成 8年第二部予算特別委員会−03月22日-08号


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    平成 8年第二部予算特別委員会−03月22日-08号平成 8年第二部予算特別委員会             札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第8号)                 平成8年3月22日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)      委員長  高 橋 重 人 君         副委員長  丹 野   勝 君   欠 委  員  吉 野 晃 司 君         委  員  越 智 健 一 君     委  員  佐 藤 美智夫 君         委  員  高 橋 忠 明 君     委  員  武 市 憲 一 君         委  員  宮 本 吉 人 君     委  員  千 葉 英 守 君         委  員  原 口 伸 一 君     委  員  伊 藤 知 光 君         委  員  三 上 洋 右 君     委  員  笹 出 昭 夫 君         委  員  宮 村 素 子 君     委  員  馬 場 泰 年 君         委  員  横 山 光 之 君     委  員  岡 本 修 造 君         委  員  湊 谷   隆 君     委  員  伊与部 敏 雄 君         委  員  西 村 茂 樹 君     委  員  猪 熊 輝 夫 君         委  員  大 西 利 夫 君     委  員  北 川 一 夫 君         委  員  大 嶋   薫 君     委  員  本 舘 嘉 三 君         委  員  森   健 次 君     委  員  小 田 信 孝 君         委  員  本 郷 俊 史 君
        委  員  高 橋   功 君         委  員  荒 川 尚 次 君     委  員  飯 坂 宗 子 君         委  員  武 藤 光 惠 君     委  員  佐々木 周 子 君         委  員  菅 井   盈 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○高橋[重] 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,吉野委員からは,欠席する旨,届出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第15号 平成8年度札幌市交通事業会計予算及び議案第16号 平成8年度札幌市高速電車事業会計予算について質疑を行います。 ◆荒川 委員  私は,3点にわたってお尋ねをしたいと思っております。  一つは,乗車料収入に関してでございます。  健全化計画と現状を比較いたしますと,乗車料収入で95年度の決算見込み,これは昨年12月時点の推計であって不確定要素を含むものであるとのことではありますが,いただいた資料によれば,一般交通では計画よりも33億8,000 万円落ち込み高速電車では91億2,000 万円の落ち込みとなっております。また,96年度の予算でも,健全化計画と対比しての乗車料収入落ち込みは,一般交通で34億4,000 万円,地下鉄では109 億5,000 万円と見込まれております。これは,95年度に予定していた料金改定を見送ったということも要因となってはおりますが,輸送人員見込み違いが大きく影響しているのは否めない事実であります。  いただいた資料によりますと,94年度の健全化計画と実際の輸送人員の乖離は,1日当たり市電マイナス6.1 %,市バスで11.7%,地下鉄で6.5 %となっており,95年度の決算見込みでも,市電でマイナス5.2 %,市バスでマイナス15.3%,地下鉄マイナス12.5%であります。また,新年度予算でどう見込まれているかというと,市電で3.8 %減,1日当たり1,000 人の落ち込み,市バスで13.9%減,3万700 人の落ち込み地下鉄は15.8%減,11万7,875 人の落ち込みとなっているのであります。地下鉄で見てみますと,輸送人員計画対比落ち込みが,94年度6.5 %,95年度12.5%,96年度15.8%というように,年々拡大しているということは,ゆゆしき問題だと考えます。市民の市営交通離れが進んでいる,市営交通の人気が落ちてきているという問題だからであります。これは,将来に向けた需要喚起策をとればいいなどというものではなく,急いで市民の市営交通利用を促進するため,不人気の回復のための緊急対策が求められているということではないのかと考えます。  JRなど他交通機関と競合しながら負けている厚別や手稲などからの輸送,また,こういう点での改善も含めた次の料金改定に向けての料金体系のあり方,市民サービスの問題,こういうことをもろもろ今真剣に突っ込んで分析し検討して,緊急に利用収入にかかわってくる当面する需要喚起をどう図ろうとしているのか,交通事業管理者にこの点を第1にお尋ねをしたいと考えております。  また第2は,次の料金改定についてでありますが,昨年,与党会派などからの申入れを受けて,市民生活に配慮をしての改定見送り,こういうことになりましたが,新年度予算審議に当たって,今後,料金改定についてどう対応するのか,これは大事な問題でもありますので,この機会に市民の前に明らかにしていただきたいと考えます。  質問の第3は,市民ニーズにこたえる今後の市営交通網交通体系について,将来に向けた検討をどう進めようとしているのか,これも交通事業管理者にお尋ねをしたい。  以上であります。 ◎土榮 交通事業管理者  私から,2点についてお答えをさせていただきます。  一つは料金改定でございますけれども,私どもとしては,今の収支状況を考えますと,1日も早い方がいいなというふうに思っております。しかし,今の時点で,いつからということは申し上げる時期になっておりませんので,しかるべき時期に,また議会にもお諮りしながら検討していきたいと,こういうふうに思っております。  それから,市営交通を今後どう進めるかということでございます。  大変難しい問題でありますけれども,基本的には,私どもとしましては,市民の皆さんの足としての交通事業を維持していきたいというふうに思っております。しかしながら,社会情勢だとか市民の皆さんニーズ,あるいは自動車交通に伴う環境の問題だとか,いろいろその時々の社会情勢の変化もあろうかと思いますので,そういうことを念頭に置きながら,市営交通の将来を考えていくべきではないかと,こういうふうに思っております。 ◎淋代 事業管理部長  第1点目の需要喚起について,どのように考えていくかという点でございますけれども,今,委員から,るるお話がありましたように,極めて数字的には深刻な状況になってございます。したがいまして,私どもとしては,従来から申し上げております,いわゆる市長部局の街づくりとの連携,これをさらに一層強めてまいりたいということとあわせまして,私どもソフト事業でいろんな事業を展開いたしておりますけれども,それらについてもさらに強力に推進をさせていただきたいと。なおかつ,内部にもいろんなプロジェクトがございますので,そういったプロジェクトを活用いたしながら,何とか再建計画の実現に向けてさらに努力をしてまいりたいと,このように考えております。 ◆荒川 委員  料金の改定については,しかるべき時点で議会にも諮りながら検討していく,こういうことでありますが,管理者市営交通事業を任されている責任者でありますから,今,新年度の予算審議という機会でありますけれども,これは,この4月から来年の3月までの1年間を見越して,市営交通事業はどうあるべきかという議論の機会でもあるのですね。そうすると,しかるべき時期に議会にも諮りながらというのは,私は,年度内にもあり得るのではないかと思っておりますから,今,1年間を通して市営交通のあり方について論議する予算委員会で,そのことに全く触れないで済むことになるのかなと思っているのですよ。  95年度,この3月までの年度においては,料金改定をしたいといいながら,諸般の事情を考えて見合わせたということになってきているわけですから,それが96年度もそのままの状況が続くということなのか,それとも,市営企業等調査審議会などに交通事業のあり方や財政について諮問をして,検討してもらうというような機会を年度内にも想定しているのだとしたら,今言ってもらわないと,管理者の立場として無責任だということになるような気がするのですよ。もちろん,横に助役がおりますけれども,管理者のお考えを,頭の中に描いているものをこの機会にざっくばらんに出してもらった方が,私は議論しやすいというふうに思っているものですから,その点どういうふうに考えているのか,いま一度明らかにしていただきたい。  それから,管理者の答弁の部分からお尋ねしていきますが,将来にわたる市営交通網市営交通のあり方については,さまざまな状況を踏まえて,計画は今後検討するというようなお答えでした。このことについて,私は具体的にお尋ねをしたいと思うのですが,札幌市の基幹交通としての地下鉄計画について言えば,ひとり交通局だけが検討し計画をつくるという状況にない,全市的にしかるべきところで検討するということになっているのは私も承知していますが,交通事業の責任を担う管理者として,例えばほかの交通機関との関係もにらみながら,地下鉄建設は,今,東西線について言えば計画の手稲東まで工事が進んでいるという状況ですし,東豊線について言えば,福住から北野までの区間が残っているだけと,こうなっていますよね。その先の計画というのはない。そこで,札幌市域あるいは市域外を含めた北海道の主都としての札幌の交通をにらんだ場合,この後の地下鉄建設というのはどういうふうな形で展開されるべきか。例えば,どちらの方面に必要というようなことが考えられるのか,あるいは全市の交通状況からいって,こういう地域やこういう地域が検討対象になるであろうというようなことについての見解を持っておられないのか。  また,私は,かねがね言ってまいりましたが,路面電車である市電の再活用についても,将来の札幌市の市営交通網のあり方としては再検討すべきだと考えているのですよ。  最近,本市の姉妹都市であるアメリカのポートランド市においても,市電の全面的な復活が進んできているという話を聞いております。もう一方の姉妹都市のミュンヘンでは,これも一たん全線廃止になった路面電車全面復活,こういう形で動いてきているようにも聞いておりますし,ドイツでいえば,フランクフルトもそうでありまして,アメリカでいえば,アメリカの西海岸の各都市がいずれも一たん道路から外した路面電車の線路,そこに自動車が入り込んで,パンクして,新たな道路をつくっても自動車交通飽和状態,そういう中で,安定した公共交通として地下鉄のほかに路面電車が見直される,こういう時代になってきているわけですから,そういう他国,他都市の状況も踏まえつつ,本市においても全面的に地下鉄だけで対応するというわけにはいかないわけです。これは,膨大な費用の問題もありますし,そこからいけば,路面電車はその20分の1くらいの金で設置することもできるわけで,郊外部に路面電車を再配置するということも検討されるべきだと思いますし,例えば中央区でいえば,交通過疎的な地域となっている苗穂東北方面あるいは桑園方面,ここには公共施設もどんどん張りついてきている。こういう状況を考えれば,市民ニーズにこたえる形で,将来,札幌市が路面電車でこういう地域の交通網を備えていくというようなことも考えてしかるべきではないかなと。  もちろんチンチン電車の哀愁というものがある一方では,もう少し路面電車についてもスピードアップできないか,こういう声もあるわけですから,例えば電車優先信号,信号機は全部道警の交通管理センターで管理しているわけですから,電車が行けば全部青になって,電車は速く走っていけるというような信号形態なども検討するなどして,もっと市民ニーズにこたえる形での市電の配置ということも考えられるのではないかというふうにも思うのですよ。  乗客の一層の市営交通離れということで,先ほど私は,乗車料収入健全化計画と対比した落ち込みについて触れましたが,市電の落ち込みというのは少ないのですよ,バスや地下鉄と比べればぐんと少ない。そういうことも見て,地下鉄の新たな配備・配置,それと市電の復活,そういうようなことを将来にわたって検討すべきと思いますので,その点についての見解もお示しいただきたい。  それから,淋代部長にお答えいただいた乗車料収入落ち込みを踏まえた需要喚起策という点についてお尋ねをしますが,ハードな街づくりの分野での需要喚起,その検討,対策を進める一方で,交通局内部においてもソフト面での需要喚起について検討している,こう言っているのですが,やっぱり表に見える形の,急いだ,突っ込んだ,そういう検討も私は求めたいと思うのです。  この点でいえば,私が着目している一つは,マイカーから,いかにして公共交通に乗りかえを誘導するかという点での対応・対策,これはたびたび議会でも指摘されていますが,パーク・アンド・ライド方式,それもできるところでちょちょっとやるなんていうものでなくて,必要な地下鉄の主要駅をピックアップして,そこに公共の低廉で大規模な駐車場を確保する,これが私は需要喚起としては非常に手っ取り早い対策だと思っているのですよ。そして,それにあわせて定期料金のウエートを高める,そういう対策ともあわせて,駐車料金定期料金を込みにして割安感を市民に与えるような商品を開発する,こういうことが急がれていると思うのですよ。  その点で,定期の利用状況というものについて,私は資料をいただきましたが,これもまた,どんどんどんどん落ち込んでいるのですよ。5年間を比較してみましても,乗車料収入に占める定期券の割合というのは,地下鉄で90年度の35.9%が94年には31.7%,4.2 %も定期・定期外の比率において落ち込んできている。これは,バスでも5年対比で3.4 %の落ち込み,市電の場合は1.8 %というふうに落ち込みは少ないですが,定期の利用がこれだけ落ち込んでくる。これは,勤務体系の変更,あるいは勤労者の勤務日数の変更,いろんな状況があると思いますが,定期券の魅力が失われてきている,こういうことに一つの要因があるのではないかと思うのですよ。  だから,真剣に,例えば料金の割引がどうなのかということであるとか,あるいは,さっき言った駐車料金と込みにする形で割安感を与えるような形の定期料金制度だとか,いろいろな形で定期券の利用を促進するということに,もっと意を注ぐべきではないか。なぜ落ち込んできているのかをしっかりと解明することが前提だと思いますので,そこら辺について,落ち込みの原因をどう見ていて,定期の改善については全く考えていないのか,今後の検討課題ということになっているのか,いつまでに,どういうスピードでということも含めて,定期の利用を伸ばす,そういう対策についてお考えをお示しいただきたい。  それから,一日乗車券があります。一日乗車券,現在950 円。ところが,この利用というのは大体横ばいですね。950 円で,1日どこへでも市営交通に乗っていけると,かなり有利なような感じがしますが,市民のニーズとの関係では,必ずしもフィットしていないのではないか,それが,この横ばい状況にあらわれているのではないかと思うのですよ。  この一日乗車券でも,他都市の公営交通はいろいろ工夫をしています。私も実際に視察をし,お話も伺ってきた名古屋市の交通局がやっている「いこまいきっぷ」というのがあります。名古屋市の場合は,一日乗車券は800 円でしたでしょうか。それに観光的な施設,例えば城だとか美術館だとか博物館だとか,そういう施設の見学料込みで1,300 円とかという形の料金設定をして,非常に利用されているという話を聞いてまいりました。  札幌市においても,子供たちを対象にした乗車券,これはサタデー・テーリングとかという形で発行されておりまして,その利用実績を見ますと,2倍にも3倍にも伸びてきているのですよ。これは,子供たち交通局施設見学だとかロープウエー乗車だとか,こういうものを含めて一日券で社会見学にも生かす形で切符を利用して,スタンプを受けながら,交通開発公社などとタイアップしてやっていることですが,最後には何か学用品のような景品までもらうということで,かなり人気が高いということを聞いているのです。一日乗車券の横ばいについても,ただ座視するのでなくて,どういう工夫,検討が必要なのかということも押さえて,改善策を進めて,利用促進を図る必要があるのではないかというふうに私は思いますので,その点についても見解をお伺いしたい。  以上です。 ◎土榮 交通事業管理者  最初に,料金改定の時期についてでございますけれども,私としては,現在のところは,できるだけ早い方がいいというふうに思っておりますが,具体的にいつからどうということを申し上げる時期になっていないというふうに思っております。  それから,将来の交通対策の問題でありますけれども,最初に,地下鉄建設についてお話しがございました。  お話にもありましたとおり,莫大な費用がかかります。それから,現在,私どもが抱えている状況もあります。それから,私どもの経営状況だとか,あるいは札幌市の財政状況だとか,いろいろなことを考えながら,市民の皆さんニーズがどうあるのかということも当然頭に入れなきゃいかぬと思いますけれども,いずれにしましても,総合交通対策調査審議会等で広く市民の皆さんの意見を聞きながら検討していくべきではないかと,こんなふうに思っております。  それから,市電については,私も荒川委員と同じように,市電が復活してもいいのではないかと,実はそう思っております。ただ,段々のお話の中にありましたように,ほかの国は雪が少ないとか,あるいは道路がもっと広いとか,札幌市のような積雪寒冷地というか,このような大雪の都市とはかなり条件が違っているのではないかと思います。そういう意味では,今,札幌市の状況の中で申し上げますと,狭い道路だとか大雪の降る街の条件を考えますと,なかなか市民の皆さんの合意を得にくいのかなというふうに思いますけれども,しかし,先ほど申し上げましたように,交通公害の問題なんかを考えますと,路面電車というのは非常にいいものだなというふうに思ってはおります。 ◎淋代 事業管理部長  私の方から,3点にわたりましてお答えを申し上げたいと思います。  まず,パーク・アンド・ライド駐車場でございますけれども,今お話がありましたように,大変有効な施策であるというふうに私どもも考えてございます。したがって,パーク・アンド・ライド駐車場につきましては,積極的に推進を図っているところでございます。  ただいま現在,該当するところは,ご承知のとおり21ヵ所,約2,200 台ほどございますけれども,今後におきましても,関係部局等との連携を強めながら,既存駐車場の立体化を含めていろいろ考えてまいりたいというふうに思っております。  それから,2点目の定期の利用が大変落ち込んでいるということで,その原因と検討はどうなのだということでございますけれども,これも,今お話ありましたとおり,定期のよさというのは,制限がなく何回でも利用できるということがございます。それから,さらに途中下車できるわけでございますが,そういった定期のよさというのがございます。したがいまして,結論から申し上げますと,今後,定期とカードの役割分担を見きわめながら,利用者の動向も把握しながら,料金体系上の問題をいろいろ整理をして,検討課題としてまいりたいというふうに考えているところでございます。  その原因は,お話しするまでもございませんが,定期は30日間使用する方がほとんどでございますけれども,ただいま現在,週休2日制ということで一月平均約20日ちょっとということでございます。計算いたしますと,定期は30%割引でございますから,定期の場合は21日分の使用と,通常の場合。したがって,むしろ30%引きで,ただ単に通勤で使っていればマイナスになると,そこのところはよく承知をしておりますけれども,現実問題,ただ単に通勤ではなくて,よさというのは,先ほど申し上げましたように,何回でも使えるわけですから,その辺も加味しながら今後検討していきたいというふうに思っております。  それから,1DAYカードでございます。1DAYカードは横ばいであると,したがって,改善をしないのかというお話でございます。  今お話がありましたように,これは私どもだけではなくて施設側での対応と,そういう整理すべき問題もございますので,一般部局との連携をとりながら研究を進めていきたいと思います。 ◆荒川 委員  今の淋代部長の新たな営業政策にかかわる部分で,例えば,札幌も観光都市の側面も持っているわけで,たくさんの観光客の方々が札幌を訪れる,とりわけ雪まつりというイベントの期間は冬ですから,一番安定した乗物は地下鉄と,こういうことにもなっているわけで,私は観光客の皆さんに利用してもらえる一日切符というようなことについて,旅行会社その他にも売り込む形で,もっともっと研究して要望にこたえるような商品を開発するというようなこともあっていいのではないかなというふうに思うのです。そのことを要望としておきながら,質問を終わっておきます。 ◆佐々木[周] 委員  私は,地下鉄に関連いたしまして2点お聞きいたします。簡潔に1点ずつにさせていただきたいと思います。  まず最初に,事故発生時の対応についてお聞きしたいと思います。  去る3月20日,この日は首都圏で地下鉄サリン事件がありましてから,ちょうど1年でございました。大変悲惨な事故でして,今も苦しんでいらっしゃる方が大勢いらっしゃるということが報道されまして,本当に心が痛みました。  地下鉄を利用する場合,私どもは,定時性それから安全性,そしてまた,札幌市の市営交通に対する信頼というか,そういうものを期待して乗っているわけなのですけれども,やはり事故というのは年間何度か起きているということです。  私も,実は毎日のように地下鉄を利用するものですからそういう事故にも遭遇いたしまして,急停車というか,最寄りの駅にとまりまして,何のためにとまったのか,そして何分ぐらいとまるのか,乗客としては用事があって行く人もたくさんおりますので,何でとまったのかということは一番知りたい情報なのです。ところが,そういう情報がなかなか乗客の方に知らされない。そして,駅員の方に尋ねましたら,どこそこで人身事故があったようなのですけれども,復旧のために何分ぐらいかかるかわかりませんので,申しわけありませんというか,そういうことだったわけです。それで,乗客の方たちは三々五々,急ぎの人は駅から出ましてタクシーに乗るなどしていらっしゃいましたけれども,そういう場合の対応の仕方というのが信頼につながるのではないかと思います。それからまた,乗客に対するサービス精神と申しますか,乗客の心理を先に読んで,そしてそれに対応する対策が必要ではないかと思います。  そこで質問なのですけれども,1点目,事故のために,年間どの程度そのような緊急停車があるのでしょうか,まずお聞きしたいと思います。  それから2点目なのですけれども,私が乗り合わせたときには,迅速な広報というか,事故に対するお知らせがなかったように思うのですけれども,緊急のマニュアルのようなものがあるのでしょうか。本来であれば,どのような形で乗客にお知らせするようになっていらっしゃるのか,その点についてもお聞きいたします。  それからもう1点,駅構内にいらっしゃる方,乗客じゃなくて,これから乗ろうとしている方に対してどのような方法でお知らせしているのでしょうか。  私,実は,ホームに入ってから,今電車が停止していまして復旧にはまだ時間がかかるというふうに聞いたこともあるのです。ですから,入る前に多くの方にお知らせしていただかないと,急いで何かの御用で行く方もいらっしゃいますし,そういう対応策が必要だと思うのですけれども,駅構内にいらっしゃる乗客の方たちにどのようにお知らせになっているのかもお伺いいたします。 ◎堂前 高速電車部長  第1点目の人身事故などで一時的に運行を中断した件数についてでありますけれども,過去3年間の人身事故あるいは車両故障等の実績を合計で申し上げますと,平成5年度の場合は11件,6年度の場合は15件,7年度では9件となっております。この中には,先ほど委員からもご指摘のございましたサリンなどの関係部分で2件ほどございます。  また,第2点目の事故時におけるお客様への案内のマニュアルについてでございますけれども,乗務員につきましては「乗客接遇心得」というマニュアルがございます。また,駅務員につきましては「駅構内放送実施心得」,こういったマニュアルがございまして,それぞれの用語例も定めておりまして,これに基づいて対応することになっております。  人身事故などが発生した場合でありますけれども,事故列車の乗務員から,列車の無線によりまして指令所に通報することになっております。指令所では,全列車に列車の無線で,全駅につきましては指令電話というのがございまして,指令電話によって事故の情報を伝達することになっております。  そこで,乗務員の放送でありますけれども,人身事故の例で申し上げますと,具体的にどこの線で運転を中止しているのか,あるいはまた,復旧の見込みの状況などについても案内することとしております。  次に,駅構内での放送でありますけれども,これも,同じくどこの線が運転を停止しているのか,それから復旧予定時刻についてもお客様にご案内することとしております。その都度,運行状況というのは変化いたしますので,随時案内することとしております。  それから,駅構内に入ってくるお客様に対する周知の方法でございますけれども,委員ご存じのとおり,運行の中断内容,それから不通区間,それから復旧予定時刻,こういったものを改札口付近に掲出しております。また,券売機付近のお客様に対してもご案内するということで,券売機と券売機の間に掲出できる急告板を改札口と同じ内容で掲出しております。  しかしながら,事故が発生いたしますと,事故の対応に追われる関係もありまして,一部掲出されていないという場合も考えられますので,今後,掲出につきましては,職員にさらに徹底いたしまして,お客様のサービス向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆佐々木[周] 委員  今お聞きいたしましたら,それなりの事故対応策というのが行われているということだったのですけれども,たまたま私が乗り合わせたときには,そういうふうなことではなかったということがございますので,今後,乗客心理を十分把握されまして,徹底していただきたいというふうに思います。  それから2点目なのですけれども,車いす用のトイレのことです。  実は,市内には車いす用トイレが配置されていることは存じています。ところが,それが常時施錠されていまして,使いたいときには,駅員の方にブザーでお知らせをして,そしてあけていただくと。そういう状況になっておりまして,何かやっぱり駅員さんにちょっとご迷惑かなと思って,使わないで,別なところへ行くということもあるやに聞いています。  このごろノーマライゼーション社会ということもありまして,車いすの方もすごく多く市内でも見かけるわけですけれども,公共交通へのエレベーターの設置なども順次進んでおりますし,もっともっとどなたでも使えるような対応策が必要ではないかと思うのです。  私,全国的に活動していらっしゃる障害を持っている方の団体にちょっと問い合わせてみたところ,「えっ,札幌は施錠されているのですか」というふうな,そういう反応だったのです。ということは,他都市の地下鉄の状況は,いつもあいているということが当たり前になっているという状況であるというふうに聞きました。  質問なのですけれども,札幌市内の公園に設置されている車いす用のお手洗いは,例えば子供さん連れの方でもお年寄りの方でも使ってくださいということで,常時あいていますよね。私は,公共交通の札幌市の地下鉄におきましても,どなたでも使えるように,いつでも使いたいときに使えるようにということで,かぎはあけていただきたいと思うのですけれども,そのようなお考えがあるのでしょうかどうでしょうか,それをお聞きしたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  車いす用の設置状況そのものにつきましては,現在,47駅中27駅に設置しているところでございます。内訳を申し上げますと,東豊線につきましては全駅に既に設置されておりますけれども,既設線の古い南北線につきましては16駅中5駅,それから東西線につきましては17駅中8駅に設置しているところでございます。  それで,今まで開放していなかった理由そのものは,むしろ私どもの立場から申し上げますと,サービスの観点からというふうな視点でやってきたことは事実でございます。それで,例えばトイレにつきましては,個室として,一般の利用されているトイレよりも余裕あるスペースであるということもございまして,常時開放しておきますと,例えば,青少年のたまり場になるおそれがある,あるいは犯罪の未然防止を図るという観点から施錠させていただいておりました。  しかしながら,確かに委員ご指摘のとおり,使用者に大変ご不便をかけていることもまた事実でありますので,関係団体等の意見もお聞きして,十分調整を図りまして,今後,一部試行的に開放することも検討してまいりたいと,そういうふうに考えております。 ◆佐々木[周] 委員  前向きなお答えいただいたというふうに受けとめまして,障害を持っている方,それから年とった方,それから乳母車を使いながらお子さん連れで公共交通に乗っている方にとっては朗報ではないかと思いますので,ぜひ早目の実施をお願いしたいと思います。  それから,最後に要望なのですけれども,ことしの冬は雪が大変多うございまして,公共交通の周辺の歩行者対策ということについて,私,建設局の方にも申し上げたところなのですけれども,地下鉄の出入り口で滑りやすいところ,それからバス停の乗りおりするところの除雪の状況,こういうものを見ますと,乗客の方が大変苦労しているところもございますので,今後,関係部局とも協力いただきまして,歩行者対策,乗客対策を積極的に進めていただきたいと思いますので,この辺もよろしくお願いいたします。  以上で終わります。 ◆原口 委員  私は,交通事業の需要と活性化について,数点お尋ねをいたしたいというふうに思います。  この冬の豪雪時期,市営交通の利用者がどのようであったかというようなことをちょっと調べさせていただきましたら,対前年比で,地下鉄では12月がプラス3.2 %,1月がプラス7.3 %,それから電車におきましては,12月がプラス1.6 %,そして1月はプラス5.2 %,こんなふうになっておるようでございます。  一方,バスを見ますと,バスは12月,1月とも対前年比マイナス3.3 %というような利用者数のパーセンテージになっておるわけでございます。当然,あのような吹雪だとか豪雪のおかげで,バスが大変大きな影響を受けたということはよく承知をするわけでございますけれども,しかし一方,雪の降らなかった昨年11月,バスの利用者は対前年比4%の落ち込みであるというふうな数字に実はなっておるようでございます。11月が4%,12月,1月が3.3 %だったということになりますと,若干増加しておるわけでございまして,そういうことから考えますと,豪雪の影響が多少増加要素になったのかなというふうにも考えられるわけでございます。  一方,今冬の豪雪で,市営交通の利用者が大きく増加したと,こういうことを反面から見てみますと,マイカーの増加が市営交通,特に地下鉄の利用者の減少につながっている,そんな証拠でないのかなというふうに考えられるわけでございます。もちろん,市営交通の利用者の減少は,マイカーの増加だけではなくて,いろんな複雑な要素も絡み合っていると思うのですけれども,本市の市政モニターの調査結果によりますと,市民が交通手段として何を一番利用していますかという質問項目の中で,今までずっと地下鉄がトップだったのですね。ところが,昨年の10月の市政モニターの調査によると,地下鉄からマイカーに逆転しているわけでございます。そういうふうなことで,マイカーが市民の交通手段のトップになっている,こういう調査結果が出ておるわけでございます。  また,さらに加えて,都心部から郊外への住みかえがどんどんどんどんなされた。一方,また,市営交通がメーンとなっている市の中心部の人口が減少していると。こうしたいろんな社会的背景にありまして,交通需要が大きく落ち込んでいる。さらには,こうした状況が何か一層加速してくるのではないのだろうかなと,こんなふうな心配をいたしておるわけでございますけれども,交通需要の落ち込みに対して,交通局としてはどのような将来的な見通しを持っていらっしゃるのか,まずこれをお聞かせを願いたい,こういうふうに思います。 ◎淋代 事業管理部長  今,るるお話がございましたとおり,交通需要の減少にはいろんな原因があるわけでございますけれども,市民のマイカーの拡大も大変大きな要因の一つであるというふうに考えております。  最近のマイカーの普及状況を見ますと,これは札幌陸運支局管内の自動車の保有台数の推移でございますけれども,平成元年が84万6,000 台でございましたものが,平成6年では108 万9,000 台と,28.6%の増加ということになってございます。  そんな中で,特に注目すべきものは,2,000cc以上の乗用車が大変ふえていると,あるいはまた軽自動車でございますけれども,これもまた大変大きく伸びているということで,これらの車両が相当通勤にも使用されているのだろうなというふうに考えているところでございまして,このあたりが私どもにとって一番脅威だなというふうに考えているのも,また事実でございます。そのほかに,週休2日制だとか,今,委員のお話にありましたように,地下鉄沿線地域の人口が郊外に移動している傾向にあるということもございますが,見通しということになりますと,需要の減少原因というのが拡大傾向にございまして,そういった意味では,需要喚起というのは,将来に向けても大変厳しいのかなというふうに考えているところでございます。 ◆原口 委員  今,部長のご答弁で,交通局も大変厳しい認識に立っていらっしゃるということでございますので,次に,現在進めております交通事業健全化計画についてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  そもそも市民が交通手段にマイカーなどを使って市営交通から離れていくと,こういう現象は,言わせていただければ,乗りたいときに,また乗りたいところに市営交通がないのだというようなことも考えられるわけでございます。したがって,自分の意思でどこにでも行ける,すぐ行ける,動かせる,そういうマイカーであるとか,それから自転車であるとか,そんなようなものを利用することになるのだろうというふうに思うわけでございますし,そうすることによって時間も節約できる,こんなふうな市民感情があるのだろうというふうに思っております。こうしたところで,現状では,残念ながら市営交通は市民のニーズに合致していないところもあるのではないのかなと,こういうふうに私どもも考えていかなければならないなというふうに思うわけです。  さらに,その上に申し上げますと,時代の変化とともに市民の時間に対する考え方,それから行動範囲が非常に変化してきている。そんなことから,市民の公共交通機関に求める機能が変化してきているわけでございますから,すぐ公共交通機関側が対応できればいいのですけれども,なかなか柔軟に対応できない,そういうところに,利用する市民との間にギャップが生まれてきているのではないかなというふうに考えられるわけでございます。  ですから,このままでいきますと,市民がマイカーから市営交通に戻ってくるというのは,マイカーが自由に使えなくなったときだとか,逆に,道路が混雑をして,マイカーでは時間がかかり過ぎると,こういう状態になったときであろうというふうに考えられるわけでございます。  しかし,本市でこんなことになりますと,いろんな意味で都市環境は大きく破壊されるわけでございますし,市民の健康であるとか経済活動も,かなりの損傷を受けることは間違いないものだというふうに思うわけでございます。ですから,こうした状況が発生する前に何とか食いとめようと,全庁的に対策を講じようとしている,これはよく理解をしておるわけでございますが,すぐに効果があらわれるものではないわけでございまして,差し迫った交通事業の経営健全化との間に時間的なずれが生じておるわけでして,そういうことから,公共交通機関を重要な都市基盤としている本市の街づくりの目標とは,だんだんかけ離れていくのではないかという懸念も私は持つわけでございます。  ですから,こうした観点から,私は手の打てるところから何とか着手すべきであるというようなことで,昨年の決算特別委員会で,乗りおりも便利で,環境に優しい電車事業の活性化について,それを図るべきだというようなことで質問をさせていただきました。そのときの理事者の答弁では,前向きに検討を進めると,こういう答弁をいただいたところであります。  いずれにしても,対症療法ではもう利用の減少を食いとめるということは大変難しくなってきておるというふうに思います。その結果,健全化計画は間違いなく致命的な危機に落ち込んでいくのではないかと,こういうふうに私は心配をしているわけでございますけれども,このような現実を交通局としてはどのように乗り越えていかれる覚悟であるのか,それをひとつお聞かせいただきたい,こういうふうに思います。 ◎淋代 事業管理部長  需要の落ち込みに対する回復策,これは先ほどから出ております全庁的な需要喚起とあわせて,私どもの内部のいろんなソフト事業も行っていかなければならぬと,これは当然のことでございます。しかし,それらのものを,当然根元から変えるというわけには,なかなか今の段階ではなっていないわけでございますので,今ご指摘のあったように,対症療法ではなかなか難しいというのも,また一方では承知をいたしております。  したがって,先日,実は経営健全化委員会を開かせていただきまして,健全化計画策定の基本に立って,減少要因の詳細な分析,これに対応した回復策を専門部会でもって検討することになっております。これは,できるだけ早期にということで考えておりますので,その結果をもとに,需要の回復策を具体的に立てていきたいというふうに考えております。 ◆原口 委員  今後の取り組みについてなのですけれども,市民の行動変化に合わせたネットワークだとか,それからソフト施策だとか,そういうふうなものに取り組むことが基本的には重要なのだろうなというふうに思います。  もちろん,経営の安定が根本でありますので,採算の合う路線であることが必要であるわけですけれども,また,いろんな面で民営バス等も考慮に入れて,全市的な観点からのいろんな展開が必要だろうというふうに考えております。  そうしたことから,現在進めております民営バス事業者との共通カードの拡大,またこれも協議中であるというふうに私は聞いておりますけれども,共通カードのプレミアムの付与,こうしたものが大きな効果を発揮してくるのではないかなというふうに考えていますし,また,さらに発展させて,JR鉄道との乗継ぎであるとか,それから市営バスと民営バスや電車との乗継ぎ,とにかく,今までなかったような利便性を利用者に与えて,利用者増を図っていく,拡大をしていく,こういうことが大事なのだろうなというふうに思うわけでございます。  本市の交通網は,都心部に一極集中の形になっておりますけれども,さきにお話しした市政モニター調査におきましても,なぜ自家用自動車を通勤に使っているのかというふうな質問項目に入っていきますと,直通の交通路がないのだと,札幌の交通体系はみんな中心部に一極集中で集まってきているものですから,それをぐるっと回るような環状の交通体系がない,こういうことが一番トップに出てきておるわけでございまして,こういう環状的な移動,これには民営バスと市営バスとの乗継ぎだとか,そういうことが大きな効果を発揮するのだろうというふうに私は考えます。こうした乗継ぎの拡大について,交通局としてどのようにお考えなのかお聞かせをいただきたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  先ほどのご質問の中で,ソフト事業ということもひっくるめてお話を申し上げさせていただきましたけれども,少しく具体的にお話をさせていただきますと,今お話がありましたように,ただいま,民営バス事業者との共通乗車カード,これの協議をいたしております。今の共通乗車カードも,JRあるいは他社バスと一緒に利用しているわけでございますけれども,その適用範囲をさらに拡大したいということで協議をさせていただいております。当然のことながら,今の共通乗車カードについてはプレミアムがついておりませんので,その共通乗車カードにはプレミアムをつけるという,そういう方向で協議を継続させていただいているところでございます。それによって,地下鉄とバスの輸送の連続性と申しますか,利便性が一層増すのかなというふうに考えているところでございます。  さらに,民営バスと市営バスの乗継ぎ拡大についてでございます。
     ただいまの私どもの交通というのは,ご承知のように,利用実態というのは,通勤あるいは通学が主なものでございます。最も効率的な路線形態でございます,都心部を中心にした放射型の交通網となっているわけでございます。したがいまして,これと異なる移動を行う場合,いわゆる環状なんかで移動を行う場合,中心部に向かう場合と比べると利便性がかなり低下するのも事実でございます。  近年,各種施設の郊外への拡大に伴いまして,市民の移動パターンも大変多様化してきているというふうに私ども認識いたしております。したがいまして,そういったことから,今後は民営バス事業者やJR鉄道,JRバスはもう既にやっておりますので,JR鉄道との多面的な乗継ぎのサービスについて積極的に協議をし,需要拡大につなぐことができるように,各方面から努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆原口 委員  よくわかりました。  そこで,先ほど部長から,需要の回復について答弁があったわけでございますけれども,交通局として一番大きな課題は,需要の回復ということなのだろうというふうに思いますけれども,この辺について,最後に管理者から,取り組みに対するご決意のほどを承って,質問を終わりたいと思います。 ◎土榮 交通事業管理者  段々のお話がありまして,部長からもお答えを申し上げました。  本当に私ども悩んでいるのは,これぞといった決定打がないというか,有効策がない。それで,本当に,毎日苦慮しているというのが実情でございます。  しかしながら,手をこまねいて現状を見ているわけでは決してございません。いろんなことを申し上げましたけれども,そういうことも含めまして,職員一丸となって実施をしていきたいというふうに思います。 ◆大嶋 委員  私の方から,健全化計画について,荒川委員それから原口委員の質問と重ならない範囲でお伺いしたいと思います。  今,それぞれの質疑の中で,問題点あるいは課題,それからサービスの内容についてお話があったわけですが,そしてまた,健全化対策委員会という中で,具体的な項目に関して小委員会を設けて検討していくというようなこともあったわけですが,これまで,再三にわたって,週休2日制の問題あるいは住民の郊外移動等々の問題点,需要が伸びない問題点については,繰り返し本会議あるいは委員会の場で指摘がされてきたわけでありまして,この問題に,小委員会を含めて対策委員会でようやく具体的な検討に入るということで,ぜひやってほしいことでありますが,かなり手おくれといいますか,対応のおくれというのを指摘せざるを得ないということであります。  深刻な状況というのは,健全化計画が始まって以来続いているわけですから,この状況をしっかりと受けとめてほしいということをまず指摘させていただきます。  その中で,今,原口委員からの質問の中にもあったように,今冬の雪害という状況の中で,地下鉄あるいは電車については需要増だと,バスについても例年に比べるとかなり落ち込みが少なかったという数字の指摘がありました。このことを考えると,先ほどもあったように,需要が伸びない要因としてマイカー利用,これが根本にあるのだということだろうと思います。ということは,マイカー利用をしている人たちをどうにかして公共交通機関,バス・電車・地下鉄,連続性のある公共機関に誘導するということが必要であると思いますけれども,会派の代表質問でもお伺いしたように,マイカーの規制ということまで含めた大胆な政策誘導を早急にするべきというふうに考えますが,この点について,まず1点伺います。  2点目ですが,今,雪害のお話がありましたけれども,この大雪によってバスと電車の内容が大幅に乱れたということがありました。この中で,運行状況について,的確に利用する市民に伝わらなかったという不満あるいは批判の声があったと思います。今冬の市民への対応がどうであったのか,そしてまた,今後どういうふうに改善していくつもりなのか,この点について伺います。  あわせて,職員の出勤が不可能となるような事態もあったかと思いますけれども,この場合の対応策について,どのようになっているのか伺います。 ◎淋代 事業管理部長  第1点目のマイカーの規制でございますけれども,今お話がありましたように,マイカーの乗り入れ規制ということにつきましては,交通事業の需要回復にとりまして,交通公害から都市環境を守るという面におきまして,大変有用な対策であるというふうに考えております。  その具体的な実施に当たりましては,これまたいろんな問題があると思いますが,市民のコンセンサスを得る必要もございますし,あるいはまた,関係の機関と協議の上,いろんな条件整備を行わなければならないのだろうなというふうに考えております。  今後,市の内外の関係機関と十分協議をさせていただく中で,努力をしてまいりたいというふうに考えております。  また,改善でございますが,需要の減少が続いて深刻だというのは先ほどお話ししましたが,同時にまた,早急に対策をとらなきゃならないというのも,先ほどお話し申し上げたとおりでございます。したがいまして,今後は,先ほど申し上げた専門部会におきまして,マイカーの規制の点につきましても,具体的に協議をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  それから,運行情報でございますが,まず私の方からは,電車担当でございますので,電車について申し上げたいと存じます。  当日は,報道関係,テレビ6社に対しまして,逐次スポット情報を流してもらうように連絡をして,PRをいたしました。また,各停留所へは,広報車による広報案内で,全停留所へ掲示板を設置をいたしまして広報活動を行う一方,地下鉄の指令所から各地下鉄の車両,駅において運行状況を案内するよう指令が出て,お客様への情報の連絡が行われてきたということでございます。  改善点につきましては,たまたま今回体験をしたわけですけれども,全停留所への掲示板を設置するまでの間,刻々と変わる状況に,停留所でお待ちのお客様に対して情報伝達の手段がなかったということがございまして,ある意味では大変ご迷惑をおかけしたというふうに考えております。したがって,その反省点に立って,全停留所に緊急時の案内放送を行う装置を設置すべく,現在検討をいたしているということでございます。 ◎榊原 自動車部長  バスについての運行情報に関しての件でございますが,バスの運行情報につきまても,各報道機関に連絡をとり,またご協力をいただきながら,テレビあるいはラジオのスポットを通していろいろと告知をしたと。また,地下鉄からもバスの運休状況を案内して,措置をいたしたわけでございます。しかしながら,既にバス停で待っているお客様に対する案内につきましては,各営業所から連絡車による巡回を行いながら,いろいろとPRをしたわけでございますが,全体をカバーするということはなかなか難しく,大変ご迷惑をおかけしたわけでございます。  このような反省点に立ちまして,自動車におきましても新しい課題としての認識を持ちながら,例えば,職員による連絡網をつくり,近くの停留所への伝達などを的確に行っていきたいと,こういうような方法を踏まえて,現在検討しているところでございます。  以上です。 ◎淋代 事業管理部長  最後の雪害時の職員の確保でございます。  私どもの場合,各事業とも日常の業務が早朝・深夜に及びますことから,営業に必要な職員というのは,泊まり勤務により確保いたしております。それからまた,勤務箇所は,職住近接を原則にして配置をいたしているところでございます。したがいまして,災害時の職員の確保という点につきましては,今回もそうでございますけれども,極めてスムーズにいったというふうに考えておりまして,今後も同様に対応していきたいというふうに思っております。 ◆大嶋 委員  経営健全化につきましては,今後,専門部会等を通じて,健全化検討委員会の中で鋭意検討を重ねるということでありますけれども,その検討について,議会あるいは広く市民に対して論議の場を開いていくと,いろんな知恵を出し合うということも含めて,その論議が公になっていない限り,政策誘導するにしても,市民になかなか理解を得られないということになりますので,その点ひとつ要望しておきます。  健全化計画の際でありますけれども,交通事業は独立採算制ということが今の法制度の中で決められておりますので,料金収入と,それから料金を得るための経費といいますか,収支のバランスというのが大変必要になってくる,どうしてもそのことを前提にして考えなければならないということであろうと思います。  前段のお話にあったように,サービスの向上がそのまま料金収入になかなか結びつかない,あるいは公共交通ということから,ある意味で採算性を度外視したサービスも要求されてくるし,必要になってくるという悩みも聞いておるわけです。これ以上,人員削減あるいは経費の削減ということになりますと,サービスの低下につながり,人に優しい交通政策の大きな柱を損なうということにもなっていくと思います。  こうした点も十分配慮して,健全化については最大限の努力をしていただきたい。  そしてまた,雪害,大雪等の運行情報については,今お伺いしたように,適切な対応に向けて努力されているということであります。その際,事前にどのように伝えるか。今伺ったように,既にバス停に行ってしまって,それで情報がなかなか伝わらないということが今後もあると思います。その際,水道凍結のテロップが,前夜大体10時,11時,12時ぐらいになりますと流されているわけですけれども,気象情報をどれだけ信頼するかということもありますけれども,30センチ,40センチの積雪が予想されるという大雪警報が出た場合には,前日にある程度テロップを流して,事前の対応を一般市民に呼びかけていく,こういうようなこともこれからは考えてみるべきではないかと思いますので,この点ひとつ提案させていただきます。  最後になりますけれども,健全化計画の大きな柱でもあります資産活用について,1点だけ伺います。  これまで,資産活用について,本会議の場でも論議はされてきております。昨年10月の資料によりますと,有効活用地,予定されている地点で21地点,その中で一般会計に移管したものが4地点,平成7年度内に契約完了予定のものが1地点,それから第三セクター貸付け予定検討であるものが4地点,契約終了したものが2地点などの内訳が示されているわけですが,予定,検討,あるいは今まだ手のつけられていないものに関して,健全化計画との比較あるいは今後のスケジュール等について,最後に伺います。 ◎淋代 事業管理部長  資産の活用についてお答えをいたしたいと思います。  健全化計画後5年間の計画額というのは,約9億強でございます。その実績につきましては,約9億5,000 万というふうになってございます。8年度の予算で申し上げますと,2億8,700 万強の賃貸収入を予定いたしておりまして,内訳といたしましては,麻生ターミナルの用地,あるいは北5条西28丁目の駐輪場用地を含めた11ヵ所で,1億4,500 万円というふうになっております。  また,土地だけでなくて,施設関係で申し上げますと,本局庁舎の一部を民間企業の事務所として,あるいは地下鉄の施設では,現金の自動支払い機,DPEの店舗だとか,そういったものを含めて18ヵ所で,1億2,000 万強の収入を予定をいたしております。  それから,パーク・アンド・ライド駐車場でございますけれども,今のところ,私どものところで扱っておるのが9ヵ所でございまして,その地代賃料は約1,900 万円ほどということで予定をいたしているところでございます。  今後につきましても,他の遊休地の活用方策につきまして,積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ◆大嶋 委員  今,大体の大枠については伺ったのですが,先ほど言ったように,それぞれ第三セクターに移管を予定している,あるいは今年度中に売却が予定されている等々の地点が10月の資料であるわけですけれども,その具体的な進行がどういうふうになっているのか,あるいは,いまだ計画が立っていない,昨年度までで,まだ具体的には見通しが立っていない地点について,どのような見通しを持っておられるのかということについて,再度伺います。 ◎淋代 事業管理部長  既に活用済みの用地は,先ほど申し上げましたように3ヵ所でございまして,もう一度申し上げます。麻生バスターミナルあるいは駐輪場用地,建設事務所跡地,これを活用させていただいているところでございます。  それから,8年度の活用用地でございますけれども,円山近接地,美園用地,もいわ山ロープウエイ,あるいは元資材置場,この4ヵ所を一応予定として考えてございます。  そのほか,いろんな事情がございまして,9年度以降に活用をいたしたいと思うものがその残余でございます。 ◆本郷 委員  私は,地下鉄構造物の耐震補強と地下鉄の危機管理についてお伺いをします。  昨年の2定において,阪神・淡路大震災を教訓として,本市の地下鉄の地震時における被害想定と安全対策についてお伺いをいたしました。そのときに,地下鉄構造物の耐震補強については,国の基準が示された後,速やかに対応できるように,事前の耐震性の検証を実施するとのご答弁をいただいております。  現在,調査並びに今後の耐震設計手法が検討されているわけですけれども,これの確立にはまだ相当時間がかかるものと思います。  そこで,当面の措置として,既存の構造物にかかわる耐震補強の緊急措置が国の方から示されていると思いますけれども,具体的にその骨子についてお伺いをいたします。  次に,地下鉄の営業運転中に地震が発生した場合の安全確保についてお伺いをします。  幸いに,昨年の阪神・淡路大震災では,地震発生時間が午前5時46分と早朝であったために,乗客の犠牲が最小限に食いとめられたわけです。これが通勤ラッシュの時間帯に発生した場合には,相当の被害,死傷者が出たであろうと想像されるわけであります。  本市では,防災会議地震対策部会で策定を進めております地域防災計画・緊急対策に関連して,地下鉄の運転取扱い及び乗客の避難誘導マニュアルを見直し,整備されたとお聞きしております。その主な改正点についてお伺いをいたします。 ◎若原 建設部長  1点目の地下鉄構造物の耐震性向上に係る補強について,その後の国の動向についてお答えをさせていただきます。  昨年の2定でご説明いたしましたとおり,運輸省の鉄道施設耐震構造検討委員会で,地下鉄構造物の耐震性について調査しておりましたが,昨年7月に同委員会の提言に基づきまして,運輸省から「鉄道構造物の耐震性能に係る当面の措置」,これが通達として出されております。これによりますと,新たな耐震設計手法が確立されるまでの当面の間,既設構造物の耐震補強についての緊急措置並びに新設構造物の耐震設計基準について明記されてございます。  その中で,開削トンネルについては,鉄筋コンクリートの中柱の補強,高架部分についてはラーメン高架橋の鉄筋コンクリート柱の補強及び落橋防止対策としてのけた座の拡幅,それからけた連結の設置などを緊急に実施する旨の内容になっておりますが,活断層の状況及び過去の地震の規模などから,札幌市は緊急耐震補強の対象地域から除外されておりました。  しかしながら,万が一,同一規模の地震が発生した場合の影響を勘案いたしまして,本市としては,その後も積極的に国に対して耐震補強を実施すべく働きかけてまいったところでございます。その結果,補助事業として採択される見通しとなったことから,このたびの予算に計上させていただいたところでございます。 ◎堂前 高速電車部長  2点目の地震が発生した場合の安全の確保についてでございますけれども,地震発生時の取扱いにつきましては,昭和56年に作成いたしました高速電車地震対策要領というのがございますけれども,それを見直したものでございます。  その主な改正点でございますけれども,運転の取扱いで申し上げますと,地下鉄の運行管理を総括しております指令所長が,従前は,震度3の場合は駅到着後発車の指示を待つということ,震度4と5の場合は緊急停止をしなさいということを乗務員に指令することになっていたわけですけれども,今回の改正では,震度3と4を同一にいたしまして,駅到着後に発車待ちをすると。震度5以上の場合でありますけれども,これは危険を感じたときに,いつでも急停車できるという速度,15キロ以下で次駅まで運行いたしまして,駅に到着後,運転を停止するというふうにかえたところでございます。このことは,駅間に電車を停止させ乗客に不安を与えないことと,乗客の誘導を容易にするということからでございます。  それから,乗客の具体的な避難誘導についてでありますけれども,電車が駅に停止後は,我々が事前に調査をいたしまして,各駅の構内に指定してあります避難場所,これは大体72ヵ所でございますけれども,その避難場所に乗客を一時誘導するというふうにいたしております。その後,地震の被害状況を見まして,地上の広域避難場所へ案内するとか,あるいはご帰宅していただくというふうにしております。  次に,職員の勤務時間外にそういった地震が発生した場合の非常招集でありますけれども,これまでは,札幌市地域防災計画の動員計画に基づきまして,各部長が招集していたわけでございますけれども,今後は,出動の基準というものを震度区分によることとしておりまして,例えば震度4の場合であれば係長職以上が出ると,震度5以上の場合は,全職員が可能な限り自動的に出動するように定めたところでございます。  以上でございます。 ◆本郷 委員  ただいまのご答弁で,札幌市として国に積極的に働きかけを行ったと,国の定めた補助対象の区域に入っていないと。耐震改修ということは大変お金のかかる話でございますから,今後,マグニチュード8クラスの地震が起こると想定をされております南関東あるいは東海,それから国の経済あるいは国民の生活に多大な影響を及ぼす新幹線,これらを優先的にまず耐震補強するのですよと,したがって,地震の起こる危険度の少ない九州,中国,四国ですか,あるいは札幌も含めて,これらは対象外にしたのですということだろうと思うのです。ですから,その中で,本市が粘り強く交渉に当たられて,補助の対象となったということに,大変敬意を表するとともに,市民として感謝を申し上げたいと思います。  この点に関しまして,もう少し具体的にお聞きをいたします。  在来線,中柱というのが一般的によくわからないと思うのですけれども,地下鉄のプラットホームにおりたときに,1.5 メーター幅ぐらいですか,厚みが60センチぐらいで3メーター間隔ぐらいで立っているもの,これのことでございますね。これが駅のホームだけじゃなくて,トンネル部分,ずっとその柱がありますよということです。  在来線,45.2キロでございます。いわゆるシールド工法でやられているのは,豊平川の下をくぐる部分だけだと。大半が神戸と同じ開削工法で施工されておるということでございます。単純に3メーター間隔で柱が入っていると考えますと,45キロですから4万5,000 メートル割る3で1万5,000 本という膨大な本数になるわけでございます。当然,それ全部を補強するということではないわけでございますけれども,今後,これに対してどのような計画で,考え方で補強を進めるお考えか,その施工方法も含めてお伺いをいたします。 ◎若原 建設部長  国の通達に基づきまして,緊急耐震補強の対象構造物につきましては,新5年計画で補強工事を完了させる計画を策定したところでございます。  この計画の策定に当たりましては,運輸省の基準に基づいて試算したものでありまして,その結果は,総柱本数の約3%ほどの柱が補強対象になったわけでございますけれども,運輸省の基準は,地震発生の地域性を考慮した内容にはなっておらないところでございます。しかしながら,最近の耐震設計に関する資料によりますと,地域性を考慮した想定地震で検討する方向になってきております。したがいまして,最終的に耐震補強が必要な柱本数につきましては,今後示されます予定の基準に基づいて決定していかなければならないと考えておりますが,当面,来年度の耐震補強計画につきましては,国との協議の結果,具体的な内容について合意を見たところでございます。  その内容を申し上げますと,まず,高架部のけた座拡幅及びけた連結につきましては,今年度,その一部を実施しているところでございますけれども,来年度におきましては,けた座拡幅70橋脚を予定しているところでございます。さらに,開削トンネル中柱の補強につきましては,工事上の制約が比較的少ない東豊線の元町地区の11本について実施する予定でございます。  なお,中柱補強の施工方法につきましては,他都市等でその効果について実証されております鋼板巻立て工法で実施する予定でございます。  今後の計画につきましても,国との協議を積極的に進めながら,耐震補強を計画的に遂行し,地下鉄の耐震性の向上を図っていく所存でございます。 ◆横山[光] 委員  私は,交通局の乗客へのサービス向上の取り組みについて,何点かお伺いをいたします。  本市の地下鉄は,昭和46年度開業から,全国でもいち早く省力化のための自動出改札機などの機械化を進め,利用者と交通局職員との接点を極力少なくした事業運営を進めてきております。  しかし,人に優しい交通対策とは,一人一人の利用者に応じた心の通うコミュニケーションがあって,初めて達成される環境づくりであるというふうに考えます。特に高齢化社会では,お年寄りは機械には余り強くないわけでありまして,すべてを機械に頼った合理性というものは,必ずしもこれからの市民ニーズに合ったものにはならないのではないかという感じがいたしております。  また一方では,こうした合理性は,利用者に対する企業職員としての意識や,利用者一人一人がお客さんであるという基本的な認識を薄れさせているのではないかという感じがあります。新聞の投書欄等にも,利用者の声として,職員の態度に対する苦情を目にすることがありますが,需要の確保のためには,こうした市民の批判の声をなくすることが先決ではないかと,かように考えるのであります。  そこで交通局では,最近,市民要望等を事業に反映させるサービス向上のプロジェクトやモニター制度を設け,市民に親しまれる交通事業となるために前向きに取り組んでいると聞いておりますけれども,どのような要望等が寄せられているのか,また,そうした要望等にどのように対応しているのかということをまずお伺いいたしたいと存じます。 ◎淋代 事業管理部長  平成6年6月に,お客様へのサービスの向上あるいは利便性の向上を図るということで,部・課長で編成をいたしますサービス向上プロジェクトを組織いたしまして,利用者から寄せられた苦情・要望に適時に対応しているところでございます。  また,去年の10月からは,札幌市営交通モニター制度を導入いたしまして,お客様のニーズの把握に努めているところでございます。  まず,サービス向上のプロジェクトに寄せられました苦情や要望は,一昨年6月から昨年12月までの18ヵ月でございますけれども,1,221 件ございまして,パーセンテージで申し上げますと,地下鉄駅施設,バスターミナル等のいわゆる施設設備に24%,それから安全管理だとか案内放送,運行ダイヤ,そういった運行管理にかかわるものが23%,それから地下鉄の延長,バスの路線の変更等の事業施策にかかわるものが19%,乗務員や駅務員の接遇・苦情にかかわるものが15%というふうになっているわけでございます。  また,要望・苦情に対する具体的な対応ということでございますけれども,例えば職員の接遇に関することでございますれば,直ちに関係課長に伝えまして,当該職員の指導を行ってきております。それから,運行管理なり施設・設備に関するものでございますれば,これも例で申し上げますと,ことしの3月1日から実施をいたしております地下鉄の大通駅の定期券発売所の全土曜日・日曜日・祝日の営業開始,あるいは地下鉄駅構内の案内表示板の改善,そしてまた,ホームの自動案内放送を随時改良するなどしているところでございます。  それから一方,モニター制度でございますが,これは12月に調査依頼を行ったところでございます。そのテーマは,「地下鉄,電車,市バス運転手などのサービスの状況について」ということでございました。モニターの皆さんからは,職員の対応について,よい印象を持っているなどの評価をいただいた反面,まだまだ接遇が悪いとの大変厳しいご指摘もあったところでございます。現在,このモニターからの回答の詳細な集計を進めるとともに,寄せられた多くの意見だとかあるいは要望などにつきまして,各担当部門で改善策の検討を開始しているところでございます。  いずれにいたしましても,今後ともサービス向上プロジェクトなりあるいはモニター制度を活用いたしまして,そういった地道な努力を続ける中で,局としての活動を見出していきたいというふうに考えております。 ◆横山[光] 委員  市民の声を反映させるための努力ということで,ただいま理解はできました。  次に,職員の接客態度の指導方法ということについてお伺いをしたいと存じます。  利用客に対する態度の向上が直接利用者拡大につながるかどうかということは,疑問であるという声もあろうかとは思いますけれども,しかし,私は,現場における利用客への接し方というものが,その事業全体の考え方をあらわすことになると,かように思うのであります。したがいまして,その事業が成長するかどうかということにとって,利用客に対し誠意を持ってこたえることができているかどうかということが重要な点ではないかと考えております。全国的な展開をしておりますレストランとか,あるいはレジャー施設などで厳しくこの面の指導をしているのも,こうした考えによるのではないかと考えます。  基本的には,サービス事業であります市営交通においても,きちんとしたマニュアルで,規則正しく,誠意ある態度でお客様に接することができるように,指導方法を強化すべきであると考えておりますけれども,交通局としては,この点についてどのように考えておられるかお伺いをいたしたいと存じます。 ◎淋代 事業管理部長  健全化計画におきましても,職員の意識改革を一つの大きな柱といたしておりまして,お客様に対する接遇の向上に,今現在努めているところでございます。  お話にありましたように,今後も,さらにさらにお客様への対応についての基本的な姿勢をしっかり固めることが最も重要であるというふうに考えております。  そこで,これまでの接遇に関する規定類を中心にいたしましたマニュアルとは別に,接客の基本を内容とした職員の携帯用マニュアルを作成したところでございます。この新しいマニュアルによりまして,今後,職員の指導をさらに強化し,接客姿勢の向上に努めていきたいというふうに考えております。 ◆横山[光] 委員  新しいマニュアルということでありますが,その内容が,効果を上げて,サービスが向上するようにということを期待いたしたいと存じますが,最後に,職員研修についてお伺いをいたします。  一般に,民間企業の社員と公務員が比較をされまして親方日の丸という批判がされますのは,勤務条件の安定が公務員の意識の向上にブレーキになり,前例の踏襲が原則となっているという体質があるからではないかと考えます。  もちろん,行政体においては,行政の安定性も大切ではありますけれども,公営企業においては,民間企業並みの経済性を求められるところでありまして,一般的な公務員以上に企業職員は経済性を発揮する努力をしなくてはならないのではないかと,かように考えます。しかし,企業職員の意識改革は,つまりは一人一人の心の問題でもありますだけに,研修を行っても上滑りとなったり,期待する効果を発生させるのはなかなか容易ではありません。  したがって,研修においても,一方的な話をするだけでなく,お互いのコミュニケーションを通して,十分に理解し合えるような取り組みが必要であると考えます。また,そうした研修は散発的に行うのではなくて,組織的に,また効率的に行うべきであると考えますが,実情はいかがなものか,お考えをお伺いしたいと存じます。 ◎淋代 事業管理部長  平成3年度までの研修というのは,主として電車・地下鉄・バスの動力車の操縦者の養成ということに主眼を置いた研修を行っていたところでございます。その後,健全化を契機といたしまして,平成4年度から今日まで,職員の意識改革を推進するため,サービス精神と接客マナーを学び,お客様への接遇の質的な向上を図る研修を今日まで実施してまいりました。  しかしながら,教習所における集合研修では,意識改革をねらいとした一般的な教育ニーズには対応できないことがございます。それぞれの現場が有している固有のニーズあるいは職員一人一人の能力に応じた教育には,教習所の中だけでは限界があるというふうに考えております。  この状況を打開するために,平成8年度からは,現場が主体となって,現場の管理・監督者が部下の職員一人一人に対して,日常の職務遂行過程の中で必要な知識なりあるいは技能,態度,そういったものを実践的に身につけさせる教育を実施して,いろいろ試行錯誤を繰り返すことになるかもしれませんが,しかし,一生懸命努力をしてまいりたいと,こう考えております。 ◆横山[光] 委員  札幌市の市営交通における乗客へのサービスの向上という点について,私ども,これからも可能な限り応援をしていきたいと,かように存じておりますので,積極的に職員のレベルアップに取り組まれるよう要望して,私の質問を終わります。 ◆伊与部 委員  私は,地下鉄東豊線の月寒中央駅の諸施設について,数点お伺いいたします。  一つは,地下鉄東豊線・月寒中央駅の月寒中央ビル接続出入り口,これが一部札幌市農協から寄附がなされている,そういうふうに聞いておりますが,具体的に寄附がどのような中身であったのか,金銭的にどのような数字であったのか,具体的にひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。  ここは公式の場ですから,おのおの私は事前に書類をもらっておりますけれども,公式の場として,責任者から明確な答弁をいただきたいと思う。これが一つ。  二つ目には,地上権を設定している,この地上権については永久的な,まさに東豊線の高速電車がある限り地上権を設定するということになっている。これは,寄附と同じじゃないか。この件についても,どういうことで地上権が設定されていったか,その経過について明らかにしていただきたい。  三つ目は,それと全く異なった施設工事として,2億9,174 万円にわたって交通局が農協に対して委託をしている。直接的に業者に発注するのでなくて,札幌市交通局は,農協を通じて業者に発注をしている。なぜこういうことをしなきゃならないのか,その辺の経緯についても,わかりやすく明らかにしていただきたい。 ◎若原 建設部長  1点目の月寒中央駅の中央ビル接続出入り口の件につきまして,地上権の設定あるいは寄附ということでございますので,この寄附受理に至るまでの経過につきましてご説明をさせていただきたいと思います。  当該出入り口につきましては,平成3年4月に,札幌市農協から,出入り口を合築し,駅と接続することについての要望書が提出されてございます。交通局といたしましては,これに対しまして,完成後の出入り口を寄附することなどの条件を付して,平成3年9月9日にこの要望を承認する旨の回答をしたところでございます。その後,協議を重ね,平成4年12月22日には,基本的事項に関する協定を締結しております。引き続きまして,この協定に基づいて,平成5年4月に負担金契約の締結,平成6年7月に地上権設定契約の締結,さらに施設完成後の平成6年10月には寄附申出書の提出を受けまして,同月,これを受理いたしております。  寄附の内容でございますけれども,委員各位ご存じかと思いますが,出入り口にはエスカレーターが併設されてございますが,農協側から寄附をいただいた出入り口につきましては,このエスカレーター部分を除いた出入り口施設でございまして,工事金額に換算いたしますと約1億5,300 万強になるものでございます。
     それから,交通局が出入り口工事を接続するに当たりまして,出入り口のほかに交通局みずからが付設する部分がございました。それは,エレベーター部分とそれから換気口部分でございます。この工事は,ビル工事と一体施工するものでございまして,そのような関係から,出入り口について双方メリットのあるものでございますから,お互いに費用の負担をし合うということで,しかも施工は一体施工となるものでございますから,私どもから,エレベーター並びに換気口の部分を負担金でもって農協さんに施工をお願いしたところでございます。  1点目の地上権設定の経過については,段々の経過の中で地上権設定を説明いたしましたけれども,地上権設定につきましては,農協の代表者との協定に基づきまして,地下鉄存続期間中,無償で地上権を設定する契約を締結しておりまして,私どもといたしましては,適当な事務処理であったと認識をしているところでございます。 ◆伊与部 委員  まず,第1点目の,数字に直せば1億5,300 万円,この寄附については,札幌市農協の総代会には全然かけていないのですね。ですから,率直に言って,一般組合員はほとんど周知をしていないのですよ,そういうこともあるということだけは認識してください。  同時に,おかしなことに,去年の総代会の資料を私は持っておりますが,寄附したことになっていないのです。ことしの3月29日に開かれる総代会では,去年なかったのが,繰延べ資産として今度新たに出てきた。1億5,300 万円の中には,四百数十万円の消費税が入っている。この消費税を除いた1億四千数百万円が,繰延べ資産として入ってきている。それも,調べたら18年間だと。そうすると,どういうことになるかというと,農協は貸借対照表に固定資産として計上している。ということは何を意味するかというと,寄附をしていないということになる。同時に,同じ資産が交通局にもあるし,農協にもあるということになる。これは一体どういうことなのか,この辺をわかりやすく,どうしてこういうことになるのか。  農協は,これを寄附できないのでないか。なぜかというと,私の前にも笹出市農協理事がおりますから,この人に聞けば一番よくわかる。(発言する者あり)やめたの,いつやめたの。そういうことで,市農協の財政状態というのはどういう状態になっているか。不良債権とは言わない,延滞債権,固定負債,さまざまな形で多くの負債を抱えている。そういう中で,先ほど若原部長が6年10月12日に決裁したと。その年度内の収益はわずか1億円。1億円しか年度内に収益がないのに,1億5,300 万円を札幌市の交通局に寄附する。これは,どう考えてもおかしいのではないかというふうに私は思う。  いずれにしても,今現在,交通局の資産台帳にも,寄附がなされて,しかも桂市長から感謝状までもらっているその施設が,貸借対照表に固定資産として明確に載っているわけですよ。これは一体どっちが正しいのか。交通局の資産,農協の資産,私は交通局の方が正しいと思います。したがって,正しいということについて,明確な公式の見解を明らかにしていただきたい。  二つ目の地上権設定についても,そんな答弁じゃ困る。地上権設定して,無償で永久に地上権を設定する,こういうことは農業協同組合の体質としてあり得ない。農業協同組合というのは,組合員の健全な経営だとか,健全な生活をきちっと指導し,そして運営をするという大きな指導性を発揮しなきゃならない組織・団体です。その団体が永久に,これは数字に直したら幾らぐらいなのですか,寄附と同じような,そういう受取り方をしなければならないのじゃないかと思いますから。しかも,調べたら,公租公課は農協が払うとなっている。そうすると,事業税,都市計画税その他,さまざまな税金は農協が払うことになる,こういう状態なのですね。この辺のいきさつについて,具体的に明らかにしていただきたい。  3点目の2億9,174 万円,これは農協に委託して,農協が業者に発注をしておる。今,部長の答弁ですと,何か全体のビルの設計の中で負担区分を設定して,そしてその負担金で払うと。そうじゃない,あなたたちは別発注したのです。これは,先ほど笹出さんに言ったら,そんなもの知りませんでした。これも,理事会にも総代会にも一切数字が出てきていない。(発言する者あり)発注した責任もあるじゃないですか。なぜ,交通局が直接的に発注できなかったかということについて私は言っている。これは疑義がある。やるのだったら,最初から39億なら39億の当初予算の中にぼんと2億9,174 万円をぶち込んで,そして交通局がそれを払うのなら話はわかります。この部分だけを,2億9,174 万円を,交通局が農協に払ったわけですから,農協に払ったのでしょう,2回にわたって払ったのでしょう。いつといつ,払いましたか。  そして,これは委託ですから,農協にしたら受託です。農協は,そういうことをできるのだろうか。私は,農協というのは,そういうことはできないと思う。農協法の問題もありますよ。しかし,そこまでは突っ込んで言わないけれども,私は,これはできないと思う。それなのに,交通局は農業協同組合に委託をして,農業協同組合というのは建築屋さんでないですから,建築業を営む権利を持っていませんから,同じビルをつくった業者に発注したのだから,この辺に何かあるのじゃないかなという感じを,率直に言って,においを感じたのですよ。おかしいのじゃないですか,これは。この辺について,ひとつ明らかにしていただきたい。 ◎若原 建設部長  まず,第1点目の寄附財産の件についてでございますけれども,本件資産の寄附につきましては,先ほどと若干ダブりますけれども,平成6年10月3日に農協から提出された寄附申出書に基づきまして,同年10月12日に受理し,これをもって手続を完了しているということから,その時点で正式に資産の移転が私どもになされたと,そのように考えております。  それから,これはお答えすべきかちょっとわかりませんが,先ほど財務上の処理について一部ご質問があったように承りましたけれども,私から見ますと,農協内部の財務処理上の問題であるのではないかということで,承知はいたしておらないところでございます。  それから,2点目の地上権設定の対価がどのぐらいであったかというご質問ですけれども,当時の不動産鑑定士の標準価格を参考に積算いたしましたところ,約1億円ぐらいの価値があるのかなと,このように判断しているところでございます。  それから,先ほど説明しました施設の負担金をお支払いした期日はいつといつだったかということのご質問ですが,第1回目は平成6年3月17日,第2回目が平成6年10月27日に負担をいたしております。  私どもが農協に負担してもらった施設を,なぜ交通局が直接発注しなかったかというご質問だったかと思います。  これにつきましては,私どもの出入り口といいますのは,委員各位ご承知のとおり,出入り口単独の場合ですと割と単純なのですけれども,これに,エレベーターのシャフトであるとか,あるいは換気口を抱かせますと,非常に複雑な構造になります。したがいまして,管理・監督上の問題あるいは経費の問題等がございまして,分離して発注いたしますと何かと問題があるので,私どもといたしましては,ビルを建設している相手側にお願いをいたしまして,そして建設をしていただいたと,こういうことでございます。 ◆伊与部 委員  最後の答弁ですけれども,であれば,最初から39億なら39億,37億なら37億のビル全体の工事の中に含めて,これは同じ業者さんなのですから,しかも,非常に有名な業者さんなのですから,あなたたちとも非常に懇意にしているような業者さんなのですから,これは中に入れられるのじゃないですか,2億9,174 万円を何で別に発注しなきゃならないか。しかも,その前には1億5,300 万円も,同じような行為をさせて,そして寄附してもらっている。こっちは2億9,174 万,別発注していると。中に地上権が入っている,こういう仕組みですよ。ずっと流れをさあっと描いたら,おかしいと思いませんか。  管理者,こういう一連の流れが,しかも,私が先ほど言ったように,札幌市農協というのは,笹出さんも理事をなさっていたことがあるけれども,非常に負債があったし,(発言する者あり)理事は専門家だから,よくわかっているから言っている,普通の人だったら,名前出さないよ。そういうことで,非常に負債を抱えている団体,農業協同組合だ。普通の民間会社と違うのだ。1億5,300 万円も,またさらに1億円も,言うならば合計2億5,300 万だ。1年間に1億円ぐらいしか収益ないような団体がそういうことを,しかも一遍に寄附したのでない,今,資産として農協に残っているのだ。今,部長は,それは農協の内部的な財政上の処理だと言った,それは確かにそうでしょう。しかし,これは道義的にも許されない。なぜかと。市長が感謝状を出して,寄附をしているのに,やったと言っている農業協同組合が資産として残しておいている。率直に言って,こんな寄附行為は前代未聞ですわ。  交通局は,札幌市農協のことについて,どういう認識をしながらこういう行為をしてきたのか。そして今,私が段々の質問をしましたけれども,この行為について,管理者はどういうふうに考えているか,ひとつ明らかにしてほしい。 ◎土榮 交通事業管理者  今,伊与部議員から段々のお話がありましたとおり,私どもは,札幌市農業協同組合というのは農業協同組合法に基づいて設立された法人でございますから,正当に選ばれた代表者とるる話をして,今日に至っております。  いろいろお話がありましたけれども,事務処理については,農協の内部の問題であろうかなというふうに思います。 ◆伊与部 委員  代表者と話しているって,代表者というのは組合長ですか。組合長と話しして,今,私が質問しているようなことになったのですか。しかも,総代会には一切かけてない。総代会は最高の決議機関でして,今,あなたは代表者と協議してこういうことやると。協議したのだったら,こういうことについて,代表者はわかるはずだね。それを総代会に何にもかけていない。  これは,確かに農協が悪いかもしれない。しかし,協議をしながら,そういう行為を行った責任,委託行為だとか,永久的な処理だとか,そういういろいろさまざまなことを,あなたたちが行った責任。だから,相当交通局は,農協に対して認識が不足していたのか,その責任をやっぱり感じてもらわなかったら,こういうことになったら,農協の組合員だって市民ですから,そうでしょう。こういう行為が交通局と農協の責任者と協議して行われたというのだから,この認識の甘さの責任をどう感じているかと私は聞いている。 ◎土榮 交通事業管理者  繰り返すことになるわけですけれども,いろいろな話をしながら,最終的には代表者と正式に契約あるいは協定を結んで今日に至っていると,そういうことでございます。  ただ,いろいろお話ありましたけれども,私ども契約というか,協議するに当たって,総代会におかけになりましたかとか,理事会におかけになりましたかと,こういうことは大変おこがましい問題だと思いますので,そういう認識はいたしておりません。 ◆千葉 委員  私は,2点,端的に質問いたしたいと存じます。  その一つは市電の活性化と,もう一つはホワイトドーム建設後のイベント開催時の交通対応についてお伺いをいたしたいと思います。  もう既に,路面電車につきましては,荒川委員,原口委員,大嶋委員からお話がありましたが,私も若干観点を変えてお話をさせていただきたいと思います。  ご存じのように,市電は,昭和2年,民営から札幌市交通局の運営となりまして,ちょうど70年を迎える年になったのであります。この間,市民の足として,あるいは本市の発展のために大変大きな寄与をしてまいりましたし,その果たしてきた役割というのは非常に大きいものと私は考えているのであります。  欧米では,最近,路面電車というものが大変見直されてきておるのでございます。本来は,車社会であった欧米諸国が,車の一つの弊害ということで,特に都心の交通渋滞が非常にひどくなってきた。それに伴って,排気ガスによる環境汚染が年々厳しさを増してきた。さらには,路面電車の維持経費が非常に低廉であるというメリットがあるからであります。  しかしながら,本市の路面電車を総体的に見ますと,一番気になるのは利用者数の変動でございます。ちょっとしたことにも非常に微妙な増減が感じられるわけでありまして,総体的には減少ぎみでございます。回復する兆しというのがなかなか感じられないということでございまして,そういう意味では大変心配をいたしております。  その証左ということの一つの例でありますけれども,教育大学の移転に伴って,元年度は前年度に比べて5%も乗客が減少したと。逆に,教育大学の移転跡地に中央図書館あるいは高層のマンションが建つことによって,平成3年度は前年度に比べて3%も乗客が上昇したということでありまして,そういう微妙な沿線の変化に乗客の揺れがあるということで,大変心配をしているわけでありますが,このたび,経済高校が平成9年に江別市に移転することが決まっておりまして,大変大きな影響を及ぼすのではないかと,私は危惧をいたしております。  そこで質問の1点目でありますが,今後の需要についてどのように見込んでおられるのか。  2点目は,現在の利用者は,沿線住民や通勤・通学の利用者がほとんどでございまして,先ほど荒川委員のお話にもあったかもしれませんけれども,週5日制あるいは雇用率の低下などで,沿線住民あるいは通勤・通学の方々の変動というものを感じるわけであります。そこで,需要喚起という観点からいきますと,一つの提案も交えてでありますけれども,何としても住民あるいは通勤・通学の人ばかりでなくて,約1,000 万人からの観光客が札幌に訪れる,あるいは中央区以外の市民の皆さん方にも電車というものを理解していただく,観光面というものにひとつスポットを当てるべきだということは,前々から私も申し上げてきておるわけでありますが,そういった観光面に力点を置く必要があるのでないか。  交通資料館に,レトロ電車も何台かあるようでありますけれども,ある程度改修をして,そういうレトロ電車も走らせてみると,こういうこと,あるいは,藻岩山の観光ということにも力を入れていくべきではないかと,このように思っておるのでございます。  特に,ヨーロッパの状況などをいろいろと調べてみますと,大変お金のかかることでありますけれども,低床車両が非常に一般的になってきている。それはなぜかというと,人に優しい交通・路面電車ということが念頭にあるわけでありまして,お年寄りの方々あるいは障害を持った方々,あるいは乳母車で通うお母さん方の,そういうイメージがあるのでありましょう。また,優先信号システムなども随分ヨーロッパなどでは普及をされておるようでありますし,あるいは専用のトランジットモール,専用に電車を走らせる,あとの車などは走らせないという専用路線を確保しているようであります。利便性や定時性を向上させ,需要回復に有効な一つの手だてではないかと,こんなふうに思っております。  私も,これは古くて新しい問題で,何回も何回も皆さん方にお尋ねを申し上げているところでありますけれども,ここで新しい手だてをお考えになっておられるのかどうかお伺いをいたしたいと思います。  それから,質問の3点目でありますけれども,今後,高齢化社会の到来に向かって,市電の価値というのが認められる時代が必ずやってくると思っておるのでございます。交通事業者としても,将来に備えて,市電の利便性をきちんと市民に認識していただくPR活動なども必要になってくるのではないかと思っております。  ことしは,ちょうど札幌市電開設70年の年になっておりまして,各都市をいろいろ見てみますと,イベントづくり,どうやって路面電車を市民の皆さん方に理解をしてもらうか,ひしめき合っていろいろやっているのでございます。  昨年の4月に,広島で路面電車サミット宣言ということで,札幌市の市電の会も参加をされておるようでありまして,ここにいろいろ書いてありますが,路面電車の日本における営業開始からことしで100 年を機に,6月10日を路面電車の日として制定すると,この日を中心に全国的に各種行事,イベントを企画し,電車の魅力を広く知っていただく機会を設けるというようなこともございまして,私は,他の地域でも非常に路面電車への市民運動の高まりというものを感じるわけでありますけれども,どうも予算書を見てみましても,70年にかかわって特に大きな事業も考えておられないような気がいたしておるのでございます。  そこで,ちょうど札幌市の水道創設50年の記念事業ということで,2ヵ年にわたって1億1,300 万も投入をして,事業の歴史を正確に記録して,これを次代に継承するとともに,水道事業に対する市民の理解と関心を高め,あわせて職員の企業意識の高揚を図り,本市の水道事業の今後の発展に期するというようなことで,積極的に事業を展開しているわけでありますが,全く市電に関しては,そういうものを感じ取れないのであります。70年に向かって,事業をもっと積極的に展開するお考えはないのか,この3点をお尋ねしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,需要の見込みでございますが,市電の需要につきましては,ご承知のように,平成4年度に1日約2万6,400 人と,こういう算定をいたしました。その後,中央図書館の移転だとか,あるいは教育大学跡地の高層住宅,あるいは公共職業安定所の移転による増加要素はございましたけれども,先ほど来いろいろご議論がありましたように,減の要素が大変強うございまして,徐々に回復の兆しというのはあるわけでございますけれども,今後も決して楽観を許さない状況にあるだろうというふうに,今考えているところでございます。  そこで,電車需要の回復への取り組みと申しますか,回復策ということでございますけれども,電車需要の減少を何とか食いとめて,一人でも多くの皆さんに利用していただけるように,停留所のロードヒーティング化だとか,あるいは停留所の上屋の設置だとか,あるいは車両の乗降ステップの低床化の改良だとか,あるいはまた次駅の案内表示板の設置だとか,いろんなサービス面を実行いたしてきているわけでございます。さらに,都市景観上からのセンターポール化も事業化をさせていただいたところでございます。  今後は,各停留所に緊急時の案内放送もできるように装置の整備も行っていきたい,そういう利便性の向上の中で,需要の回復を何とか進めていきたいというふうに考えております。  それから,委員からのお話のように,通勤・通学以外の使用を拡大することも,需要をふやすために大変大切であるというふうに考えます。これまでの取り組みとしては,会合等の目的に使用される貸切りの電車だとか,あるいは乗る楽しさを募る目的でボディーカラーに工夫をしたマリン電車だとか,あるいは小学生の絵画を展示したギャラリー電車,そういったことを実施させていただいてきたところでございますけれども,今後につきましては,例えば観光施設あるいは各種イベントとの連携,乗車券に工夫を凝らすなどいたしまして,従来にも増して,観光面にも十分配慮しながら需要喚起に努めてまいりたいと,このように考えております。  それから,3点目の70周年事業の実施についてということでございます。  今お話にありましたように,昭和2年12月1日に,市営の電車が誕生いたしました。来年12月でちょうど70周年を迎えます。事業の節目といたしまして,また都市交通機関としての路面電車を再考していただくいい機会であると思います。これまでの市電の歩みをまとめました市電の沿革史を発行したり,あるいはウィズユー・フェスティバル,これは毎年大通で実行させていただいておりますけれども,ウィズユー・フェスティバルのテーマを市電にするなど,積極的に市電PRに取り組んでいきたいというふうに思います。  さらに,路面電車の日,先ほど広島の例でございましたけれども,これは6月10日を意味しておりますが,路面電車の日につきましても,効果的な事業の実施を今後検討していきたいというふうに考えております。 ◆千葉 委員  要望として,長期的な観点に立って,市電の活性化に積極的に取り組んでいただきたいと。そして,事業者の方から,人に優しい札幌市電なんて言わないで,逆に,市民の方から人に優しい札幌市電だなと言われるような,そういう市電へと,ぜひご努力されてください。心からお願いを申し上げたいと存じます。  次に,ホワイトドームに関して,これは建設になってからの話でありますが,しかし,今から考えておかなければならないということで質問させていただきたいと思うのでありますが,大規模イベント開催時における福住駅の交通対応の問題についてでございます。  今議会も,一部の方で企画調整局を中心に,ホワイトドームの交通アクセスあるいはインフラの問題,いろいろと論議をされたところでありますが,まだ明確な答弁が出ておらないわけであります。そこで,ホワイトドームの計画では,最大4万3,000 人の集客容量を持つ施設になっているとお聞きをいたしております。このドームを満員にするようなイベント開催がされる場合には,短時間に利用客の集中が見込まれるのであります。予想されるこうした交通混雑への対応について,さきの代表質問で,市長は,地下鉄とシャトルバスなど,公共交通機関によって対応し,マイカーの利用を極力抑制したいとの考え方が示されました。私も全く同感ではありますが,福住駅の建設に当たっては,昭和60年なのでしょうか,公営企業経営健全化の推進についてということで自治省から通達があるようでありまして,地下鉄事業は巨額の建設費を要し,収支が均衡するまでに極めて長時間を要するので,その建設に当たっては,採算性の見通しなどについて慎重に検討するとともに,車両の小型化,駅の簡素化などにより建設費を極力圧縮する必要があるというようなことで,大型の駅というよりも小型の駅になっているのではないかと思いますが,ただ,おおよそ2万5,000 人から4万3,000 人までの利用客に対して,輸送の主体となる地下鉄で,現在の施設が十分対応できるものか,大変心配をいたしておるわけであります。  私ども何人かの議員で現場を何回か見てまいっております。一つの例として,円山公園駅なども見てまいりました。円山野球場は最大2万5,000 人入るわけでありますけれども,その円山公園駅のコンコースが大変広く,5メートル以上とられている,あるいは長さも非常に長い,人のたまりも十分とられている,そういった設計になっておりまして,当時,円山球場あるいは円山公園,円山動物園,冬のジャンプ競技場の人の入り込みなども十分計算された上での設計になっているのではないかと,こう思っておるわけであります。  これに対しまして,福住駅へ行ってみますと,ドームに一番近い出入り口のところ,バスターミナルに向かう通路などが,わずか4メートルぐらいしかない。券売機の前に大勢の人が並べば,改札口の方へ抜けていけることにならない,こういうことであります。  そこで質問でありますが,福住駅でシャトルバス等へ乗り継ぐまでのコンコースの混雑をどう解消されるのか。  2点目は,券売機や改札機の台数など,駅施設についてドームを想定した規模になっているのかどうかお伺いをしたいと存じます。 ◎堂前 高速電車部長  ホワイトドームでイベントが開催された場合の対応についてでございますけれども,福住駅の建設当初におきましては,ホワイトドームそのものの建設計画というものがございませんでしたので,大規模なイベントに対応できる駅舎の構造にはなっていないのが現状であります。  ご質問にありましたバスターミナル,すなわちシャトルバスに乗り継ぐまでの対応でありますけれども,バスターミナルに向かいます通路幅,これは,先生がご指摘のとおり4メートルございますけれども,これを拡幅するということは,現状では極めて難しい,困難であるというふうに考えております。  したがいまして,ドームから来るお客様と地下鉄をおりたお客様の整理につきましては,基本的には職員によって対応したいというふうに考えておりますけれども,将来の交通体系とのかかわり方を念頭に置いて,また,今後,関係機関と協議をしながら,福住駅の券売機あるいは改札機の増設などの必要性について,総体的に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆千葉 委員  ただいま答弁がございましたが,福住駅の施設規模自体がホワイトドームに考慮したものではない,もう一つは,混雑整理については,職員が対応していくというようなことが述べられているわけであります。それは,さまざまな皆様方の経験上からお話があったのだろうと思いますが,ただ私が思うのは,一つの広いキャパシティーの中でさばいていくことと,本当に狭いところでさばいていくのでは,全然わけが違うのであります。イベント終了後,出入り口が人で大変混雑する,あるいは輸送能力というものも考えられると思いますけれども,最終的には狭い島式のプラットホーム,これに人が集中して,あふれていくようなことになるのではないか,こう私は心配するのであります。  将棋倒しになる,あるいは,狭い島式ですから人に押されて電車の走る路面のところに押し出されるというようなことがあったら,大変なことになるわけであります。  そこで,質問をいたしたいと思いますけれども,福住のプラットホーム,約8メートル幅しかないわけでありますけれども,乗客に対してどのような安全対策を講ぜられようとしているのかお伺いをしたい。  さらに,同じようなケースでありますけれども,ことし,豊平公園に道が建設を予定いたしております総合体育館がございます。この豊平公園駅も私は視察をしてまいりましたけれども,もっともっと小さい駅舎であります。そういったイベント対応をできる構造にはとてもなっていないと私は思うのでありますけれども,具体的な対応策をどのように考えておられるのかをお尋ねしたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  プラットホームにおける安全対策につきましては,イベントの終了する時間帯に合わせまして,一つには,お客様をためないように,列車の増便・増発をして対応しなければならないというふうに考えております。  また,階段付近にお客様がたまらないように,当然,職員が整理,案内を行いますけれども,これらをもってしても危険が予想されるという場合もございますので,そういった場合は,改札口でのホームにおりるお客様の規制をいたしたいというふうに考えております。  こういった対応を考えておりますけれども,いずれにしましても,短時間に4万人を超える大規模な輸送の経験がございませんので,今後,そういった先進都市を調査いたしまして,安全対策につきましては万全を期していきたいというふうに考えております。  それから,2点目の豊平公園駅の対応でございますけれども,道立体育センターのオープンに合わせまして,一部駅舎の改修を行いまして,券売機あるいは改札機の増備をしていきたいと,あそこは,お聞きするところによりますと,イベントも大体5,000 人から1万というふうに伺っておりますので,そういったイベントに対応できるような増備を,今後考えていきたいと思っています。そして,そのことにつきましても,現在,企画調整局と協議中でございます。 ◆千葉 委員  それで,要望といたしておきたいと存じますけれども,どちらにいたしましても,短時間に大勢の乗客輸送という経験が本市にはないわけであります。交通局にとって,これは人を運ぶものすべての共通な認識でありますけれども,乗客の安全というものは大事に考えなきゃならぬ大きな問題であります。よって,ドームが建設されて,いろんなイベントがあった,やはり福住駅は小さかったと,けが人が続出してしまったというようなことになったら大変なことになるのであります。今から駅舎の改築,あるいは別な方策を十分考えておかなければならないのではないか,こんなふうに思うのであります。  これも,平成7年の地方公営企業繰出金についてという中で,地下高速鉄道の緊急整備に要する経費というようなことで,いろいろ面倒を見てくれることにもなっているようでありますから,どうぞひとつ十分それらの検討を踏まえて,新たな方策を考えていただきますようにお願いを申し上げて,質問を終わります。 ○高橋[重] 委員長  以上で,議案第15号及び議案第16号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,25日月曜日午後1時から,水道局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時39分...