札幌市議会 > 1996-03-18 >
平成 8年第一部予算特別委員会−03月18日-06号
平成 8年第二部予算特別委員会−03月18日-06号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 1996-03-18
    平成 8年第二部予算特別委員会−03月18日-06号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成 8年第二部予算特別委員会−03月18日-06号平成 8年第二部予算特別委員会             札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第6号)                 平成8年3月18日(月曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)      委員長  高 橋 重 人 君         副委員長  丹 野   勝 君   欠 委  員  吉 野 晃 司 君         委  員  越 智 健 一 君     委  員  佐 藤 美智夫 君         委  員  高 橋 忠 明 君     委  員  武 市 憲 一 君         委  員  宮 本 吉 人 君     委  員  千 葉 英 守 君         委  員  原 口 伸 一 君     委  員  伊 藤 知 光 君         委  員  三 上 洋 右 君     委  員  笹 出 昭 夫 君         委  員  宮 村 素 子 君     委  員  馬 場 泰 年 君         委  員  横 山 光 之 君     委  員  岡 本 修 造 君         委  員  湊 谷   隆 君     委  員  伊与部 敏 雄 君         委  員  西 村 茂 樹 君     委  員  猪 熊 輝 夫 君         委  員  大 西 利 夫 君     委  員  北 川 一 夫 君         委  員  大 嶋   薫 君     委  員  本 舘 嘉 三 君         委  員  森   健 次 君     委  員  小 田 信 孝 君         委  員  本 郷 俊 史 君
        委  員  高 橋   功 君         委  員  荒 川 尚 次 君     委  員  飯 坂 宗 子 君         委  員  武 藤 光 惠 君     委  員  佐々木 周 子 君         委  員  菅 井   盈 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○高橋[重] 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,吉野委員から欠席する旨,届出がございました。  それでは,議事に入りますが,暑い方は上着を脱いでも結構でございます。  第7款 土木費 第5項 都市開発費及び第4条地方債のうち関係分について質疑を行います。 ◆荒川 委員  私,国際ゾーンの問題に関して,現状の取り組みを踏まえ,簡潔に質問いたします。  創成川通連続地下化とそれに伴う創成川の親水公園化,また大通公園の東への延長,こういう都心部に新たに潤いを加味する事業については,本市の事業として積極的に推進すべきと,私どもはそう考えますが,一方で3街区に超高層ビルを林立させる国際ゾーン構想については,都心部に潤いをもたらす創成川の親水化であるとか大通公園の東伸などの事業とは逆に,札幌をリトル東京化させるものとして,市民の中にも異論があります。創成川ルネッサンス,そういう名前で運動を続けている市民団体などは,都心部の超高層ビル建設に明確に反対する,そういう意向も打ち出しております。  こういう中で,国際ゾーン構想市民無視で強引に推進するのではなく,市民の意向を酌んで,都心部に新たな公共空間をつくる,憩いと潤いのスペースをつくる,そういう計画に改めるべきものと考えます。  そこで,大通の東伸などにかかわって取り壊す建物や,あるいはその他の街区で老朽化したビルや施設の建てかえに合わせて,一定の新たな施設や建物の建設というものはやむを得ないとしても,これに付加した新たな機能,そのための超高層ビル群という点については,既に示されている基本的なそういう方向についての見直しというようなものも,ネーミングの見直しを進めるというような部分に限らず,取り組むべきではないかというふうに思います。つまり,今でも過密の弊害が顕著になっている都心部に,新たに人と車と事業所を集中させるような,そういう旧来の機能に加味する機能について,例えば国際交流などにかかわる施設などは,地下鉄の需要喚起,そういうこともにらみながら,地下鉄の沿線にバランスよく配置するとか,そういう考え方があってしかるべきではないかというふうに思いますので,改めてこの機会にご見解を伺っておきたいと思います。 ◎船越 国際ゾーン担当部長  ただいまのご意見でございますが,市民の意見を当然聞いて,都心部に公共的な空間をたくさんつくるべきじゃないかということでございます。もう一つは,国際交流等の機能については,分散化を図るべきじゃないかということだと思います。  まず,1点目のことでございますが,国際ゾーン計画につきましては,札幌の歴史的遺産である大通と創成川とを都心の機軸といたしまして再認識し,その水と緑の交差点に市民が安らぎ,憩い,誇りに思うことができる公共空間を設けまして,なおかつ,それと東西を一体的に整備して,風格と魅力の向上を図る街づくりを行うものであります。しかしながら,計画街区は大半が民有地でございますので,各地権者の意思を尊重しつつ個別の建てかえとなるよりは,できる限り一体的かつバランスのとれた計画的な開発となるよう誘導していかなければならないというふうに考えております。  いずれにいたしましても,本市の考え方といたしましては,今お話のありましたように,創成川通でありますとか大通の東伸を図りまして,空間的に全体がアメニティー豊かで,建物を含めました都市景観的にも多くの市民に納得され,尊重されるようなものとなるよう,計画の推進に努めていかなければならないというふうに考えているところでございます。  また,施設の分散化ということでございますが,本市の街づくりに当たりましては,長期総合計画に基づきまして,都心及び周辺の地域中心核とのバランスのとれた街づくりを念頭に置きまして,計画的に推進を図っているところでございますが,地下鉄など基盤施設が整備された都心におきましては,バランス役割分担を考慮しながら,一定の秩序ある都市機能の集積は必要であるというふうに考えているところであります。しかしながら,お話のように,過密の集積を避ける意味からも,今後具体的な機能とか内容を検討していく中では,都心にふさわしい機能は何か,または地域中心核には何がふさわしいか,そして,それらとどのように機能分担,整合をとるか等につきまして,庁内関連部局等と連携を図りながら検討していく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 ◆荒川 委員  いただきました資料によりますと,国際ゾーンに絡んで,新年度予定している事業,それは街づくり指針の策定に向けた取り組みを継続する,あるいはインフラ系基礎調査を行う,大通東伸事業手法を検討する,市民懇談会を実施する,その他と。その他の中には,国際ゾーンの名称の変更などが含まれているようでありますが,ここに市民懇談会の実施,あるいは国際ゾーンの名称の変更ということが新たに取り組まれるということに関して,このネーミングについて市民の意向を聞くにとどめず,都心部に今アウトラインが打ち出されているような超高層ビル群を林立させることがどうなのか,この点についても市民の意見を真摯に受けとめる,そういう機会を改めて私はつくるべきだというふうに思うのですが,この市民懇談会の実施というものは,そういうことにつながるのかどうか,その点を明らかにしていただきたい。  それから,国際ゾーン構想について言えば,そこにどの程度の規模の建物が,どういう機能を持って建設されるか,いつごろそれに着工するかという点については,まだまだ不明でありますし,未定と言ってもいいかもしれませんが,アウトラインとして示されているもの,シビックデザインというような形で建物の絵なども昨年発表されておりますが,そういうことからいけば,最初に委託した国際ゾーンのプランニングというものの中に示されておりますように,2,000 台の駐車場ということがあります。これは,現在,駐車場ビルなどがある分も取り込む,それから,そこにできる膨大なビルに附置義務として求められる駐車スペースを確保するということなどから,およそ2,000 台とはじいたものと思われます。  今,大通の地下の駐車場360 台でしたか,それから新たに北1条に開発局が進める駐車場200 台でしたか。マスコミなどでも,札幌市の交通政策はどうなっているのか。一方ではマイカーを規制して,都心部には公共交通を使って入ってもらうという運動が提唱されながら,もう一方では都心部での駐車場建設が進んでいる。ちぐはぐではないかというようなことが言われております。これは,施設に伴う附置義務にかかわる駐車場という問題ももちろんあるわけでありますが,言われていることは的外れではないと私も思うのですよ。  都心部の,いわゆる集積したメリットというものを活用するとして,新たに人も車も都心部に集中させるようなことをすれば,当然その車をどうさばくかという問題が出てきます。地下の駐車場というようなことが,国際ゾーン構想にも絡んでさらに大きく展開されるとするならば,その車をどこから上に上げていくのか。今でも大通の地下駐車場には,大通北側の一方通行道路の車線一つを使って,2丁画くらい車がとまる。あるいは,大通の西に向かう一方通行,南側のところでも,やはりそこの駐車場から出てくる車の関係で車線が一つ埋まるとか,今の地下駐車場でさえ出入りの車の関係で交通渋滞が引き起こされている。  そういう中で,地下駐車場がさらに都心部にふえていくようなことになれば,私はそれをさばく交通アクセスとして,最悪の場合,高架の自動車道路が都心を練ってくるような事態も想定されるのではないか。そういうようなことになれば,まさにリトル東京というふうにもなって,そういう事態は避けなければならぬというふうに考えているわけです。この集中してくる車をどうさばくか,とりわけ国際ゾーンにも絡むであろう地下駐車場,そこの出入りの車をどういうふうにさばくのか。都心部での交通アクセスに,新たな対応を将来に向けて考えることになるのか。この点,今の段階で明らかにできる範囲で,大きな考え方についてはお示しをいただきたいなというふうに思います。  以上です。 ◎船越 国際ゾーン担当部長  初めに,名称等の問題を,市民意見等をどう反映するかということだと思いますが,お話のように,創成川の親水化でありますとか大通の東伸などにつきましては,当初より市民意向を受けましたものと考えておりますが,今後事業を進めていく上でも,こうした市民意向を十分に踏まえまして,懇談会等を設置しながら,その中からまた,その名称につきましても,よりふさわしいものが出てくるのであれば,その段階に応じて市民の意向が反映されるように,実現に努めていかなければならないと考えているところでございます。  また,国際ゾーンの計画の中の駐車場設置にかかわる交通処理等の問題を,将来ともどう考えるかということかと思いますが,国際ゾーンにかかわります交通計画の基本的な考え方につきましては,都心部交通の円滑化を,当然念頭に置いて検討を進めなければならないというふうに考えております。  駐車場の整備につきましては,計画地区が,地下鉄3線を初めといたしまして公共交通機関へのアクセスに極めて恵まれているものの,現状でも北一条駐車場の約300 台,それから関連する企業並びに駐車場を合わせますと約1,100 台の駐車スペースがございます。また,将来それぞれの施設の更新や新設が行われますと,今のお話のとおり,附置義務駐車場の整備が不可欠となってまいります。一定の駐車場の確保をしなければならないというふうに考えております。  したがいまして,今後の検討に当たりましては,公共交通機関の利用促進を図ることにあわせまして,駐車場の配置や出入り口の集約を行い,例えば各街区に出入り口を設けるのではなくて,1ヵ所に集中してその出入りをする。例えば東側の方に持っていくとかというふうな検討も必要かと思いますが,そんなことによる合理的な動線の確保や効率的な利用を図る方策等,総合的に検討することによりまして,交通環境の悪化を招かないように努めていかなければならないというふうに考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  私も,街づくりに関しまして2点お聞きしたいと思います。  最初に,来年度の予算案に出てまいりましたまちづくりセンターについて,またもう一つは,国際ゾーンに関連してお聞きいたします。  最初に,まちづくりセンターのことなのですけれども,来年度はその設立調査のために100 万円の計上ということになっております。この間,市民の街づくりに対しての関心も徐々に高まってまいりまして,政策決定の過程での市民の声がどう生かされるかということが,これからの街づくりに大変重要なポイントであるというふうに認識しております。  まず質問なのですけれども,予算でいっていますまちづくりセンター設立調査,これは地域を想定しているというふうに伺っているのですけれども,その地域の範囲としてはどの程度の範囲を考えていらっしゃるのでしょうか。それからまた,まちづくりセンターにいろいろな方が参加して,この地域をどうしていこうかというふうなことを検討するのかなというふうに思うのですけれども,その中に,市民の間に今いろいろな,例えば公園づくりだとか川の保全だとか,そういうことに関心を持って活動している方がたくさんいると思うのですが,その方たちも入るべきだというふうに思っておりますけれども,まちづくりセンターメンバーとしてはどのような方たちを想定していらっしゃるのか,まずお聞きいたします。  次に,国際ゾーンのことに入りますけれども,ただいま荒川委員からも,国際ゾーンについて,駐車場の問題や都心のあり方についてのことが出てまいりましたけれども,私は,ちょっとまた違った視点からお聞きしたいというふうに思います。  この間,特別委員会や代表質問でもこの国際ゾーンのことについては何度か取り上げさせていただきましたけれども,昨年,都心を考えるシンポジウムというのが開かれました。そのことについて去年の3定でもお聞きしたのですけれども,もう一度シンポジウムの内容を検討してみますと,ほとんどの方が都心空間国際都市の顔をつくれるのかどうか,そういったことに対しての疑問が示されました。というのは,国際都市を標榜する札幌市であれば,何をもって国際都市と言うのかというと,札幌市全体が醸し出すものが国際都市をイメージづける,そういうことから,都心のある街区を言って,そこで国際都市の顔であるというふうにするのは難しいのではないかというご意見が多かったというふうに思います。  札幌市は北国の大都市であるということから,札幌市長は,北方圏の街づくりということで北方圏都市会議を提唱なさいまして,それぞれ毎年いろいろ検討はなさっているのですけれども,札幌市としての街づくりの中の国際ゾーンの街区をどうするのか,そういうことを,大きなところから考えなければいけないのではないかというふうに思います。  先ほどの部長の答弁を聞いておりますと,都心空間,これは市民の憩いの場であるということもこれからは検討しなければいけないと,そういう課題のもとに進めていきたい,そういうふうなことだったと思うのですけれども,私は,去年開かれました都心を考えるシンポジウムで語られたその内容が,この国際ゾーンにどう反映されていくのかということを問いたいというふうに思います。  それで,以前にこの結果を反映させていくように努力するというふうにお答えいただいていたのですけれども,ただいま開かれておりますその研究会ですか,札幌市とそれから7地権者から成る研究会の中に,昨年のシンポジウムの結果をどのようにお返しになって,そしてその中でそのことについてお話になったことはあるのでしょうか,まず1点お聞きしたいというふうに思います。  それから次に,来年度の予算案の中に,今荒川委員の質問の中にも出てきましたけれども,来年度は市民から成る懇談会を設ける予定だということを聞いております。先ほどのまちづくりセンターとも関係あるのですけれども,多くの市民が街づくりに関心を持っているということから,私は,そのメンバーの中に,公募なりで一般の市民も入っていくべきではないかというふうに思っているのです。  それで,お聞きしたいのは,懇談会を今お考えになっているということですけれども,そのメンバーはどのような方を想定していらっしゃるのか。また,公募の市民も入るということも想定されるのでしょうか。それからまた,その懇談会は多くの市民に公開され,そしてどんなことが話し合われるかということを市民にも公開すべきだと思うのですけれども,そのことについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか,3点お聞きいたします。 ◎波田 再開発担当部長  まず,まちづくりセンターに関するご質問についてお答え申し上げます。  最初のご質問では,まちづくりセンター活動対象エリアとして,ある特定の地域を想定しているのかと,こういうご質問であったと思いますが,特に特定の地域ということで限定する考えはございませんけれども,ただ,街づくりの重点としましては,周辺の郊外部から既成市街地へということで重点がシフトされてきておりますので,その意味では,まちづくりセンターの活動の守備範囲として,都心の周辺部ですとか既成市街地が結構多くなるだろうということは言えると思います。  次に,まちづくりセンターの調査の策定段階で,市民団体とかいろんな市民サイドの意見を聞くべきではないかというご質問でございましたけれども,当然,まちづくりセンターの運営を効果的に進めていくためには,望ましいセンターのあり方について,検討段階から広く市民の意向を的確に押さえて,それを反映させていくことは重要だと思います。平成8年度におきましては,庁内調整とあわせて,外部の方の懇談会を設置いたしまして,市民ですとか,あるいは民間サイドからのニーズの把握等を検討してまいりたいというふうに考えております。  また,外部委員会メンバーの人選につきましては,これから検討したいと思っておりますけれども,基本的には市民の街づくり団体・組織や,あるいはコーディネーターとかコンサルタントといった民間の街づくり専門家,それに学識経験者等の方々を考えております。  以上でございます。 ◎船越 国際ゾーン担当部長  国際ゾーンの計画につきましてお答えいたします。  まず,1点目の昨年の9月に行いましたシンポジウムのお話し合いの結果を,札幌市を含めまして8地権者の研究会の中に反映しているのかどうかということでございますが,去年の9月22日でございますが,シンポジウムを開きまして,たくさんの闊達な意見と,学生のポスターセッションによる街づくりに関する提言もいただいているところでございます。  このシンポジウムの結果が,全部データをまとめましてでき上がったのが実は2月でございます。先ほどもお話しいたしましたように,来年度に向けまして,街づくりのあり方につきます指針のようなものをつくろうというふうに考えております。  今現在,東京の2地権者とあと地元でございますが,全体で8地権者から成る研究会で月1回のペースで全体の研究会を開いているところでございまして,そのほかにも,個々にまたそれなりの問題のお話し合いをしている最中でございますが,今後その取りまとめたシンポジウム等につきまして,漸次その研究会の進展状況に応じてそれらの意見を反映させていく考えでございます。  続きまして,来年度考えております市民懇談会の件でございますが,これを公募にという考え方と,座談会を公開にすべきじゃないかとういうご意見だと思いますが,市民懇談会メンバーにつきましては,都市計画の専門家を初め,今できるだけ幅広い分野の皆さんの参加を念頭に置いた検討をしているところでございます。  市民懇談会では,できるだけ制約されない,公平な立場で自由な議論をしていただくということが最も重要だと考えております。内容の公開はもちろんでございますが,ご指摘のように公開することがよいのかどうかにつきましても,運営等も考慮いたしまして,あくまで広い分野の方々の自由な議論ということを念頭に置いた総合的な検討をしたいと考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  まず最初に,まちづくりセンターのことなのですけれども,実は先日の一部の企画調整局の議論の中で,来年度策定に入りますマスタープランのことも取り上げられておりまして,このマスタープランが平成11年,1999年ぐらいまでには策定を終わりたいというふうにお答えになっていらっしゃいました。  ところで,そのマスタープランの新しい都市計画法によりますと,市民の声を聞いて,そしてそれを反映するようにということが条文にもなっておりますし,それから建設省ではわざわざ通達をもって,市民の声を聞き,反映するその方法までも示していたところです。  私どもがいつも申しているのですけれども,市民の声を聞くだけではなくて,それをどう反映させ,何が取り上げられ,そして何が取り上げられなかったかという,そういうやりとりがあってこそ,初めて市民が参加して政策をつくるというふうに言えるのではないかというふうに思います。  ところで,もう一つ,日本グラウンドワーク協会への出捐金というのも来年度の予算案で300 万円計上されております。このグラウンドワークというのは英国で始まりましたもので,ピーターラビッドなどにも代表されるように,市民の方たちが基金を集めまして,そして自然を保全をし大事にしていこうと,そういう考え方で進んできているというふうに認識しております。  東区の方でも,この手法を用いまして,モエレ沼周辺の保全を市民と企業とそして行政がともに進めようという動きがあるというふうにも伺っていますけれども,質問といたしまして,このまちづくりセンターが来年度調査になり,そして具体的にそれが活動するのがまたその先になるのではないかというふうに思うのですが,マスタープランの策定に当たりまして,まちづくりセンターの機能ができるだけリンクして,将来的な札幌の街づくりを市民と一緒につくっていくということができるのではないかというふうに思うのですけれども,マスタープランの策定及び日本グラウンドワーク協会と札幌市とのかかわりの中で,まちづくりセンターがどのような関係性を持っていけるのか,そのことについてお伺いいたします。  それから,国際ゾーンの方なのですけれども,後段の街づくり懇談会のことなのですが,どうもお答えを聞きますと,どうとでもとれるかなというふうなお答えではなかったかというふうに思うのです。今のところ,例えば街づくりメンバーとして,市民団体の方とか都市プランナーだとか,そういう具体的な方面の人をまだ想定していらっしゃらないのかどうか。先ほどの答弁ですと,本当にどうにでもできるかなというふうな感じなのです。  それから,公開すべきということなのですけれども,公開はもちろんというふうにおっしゃってはいたのですが,その懇談会の中で再度確認しなければいけないという事情もあるのでしょうけれども,札幌市としてその懇談会の公開についてどうお考えになっているのかということを明確にお答えいただければというふうに思います。  それと,さらに質問させていただきたいのですけれども,今申し上げました市民の懇談会は市民の懇談会で都心空間国際ゾーンの街区のあり方を議論していくと,それから来年度は,7地権者と札幌市から成る研究会を委員会に持っていきたいというふうにもおっしゃっていらっしゃいます。そして,街づくり指針を研究会の中でつくっていって,そしてそれが方向性として出てきたときに合わせて委員会に昇格させたいと。それは,より具体性を持った国際ゾーンを推進するための委員会であるというふうに聞いておりますけれども,街づくり懇談会と地権者との研究会と委員会ですか,その相関性というのでしょうか,どんなふうな形でお考えになっているのか,今時点の考え方で結構なのですけれども,お答えいただければというふうに思います。 ◎波田 再開発担当部長  まず,最初のまちづくりセンターの関連についてお答えしたいと思います。  市町村マスタープランの策定におけるまちづくりセンターの活用ということでございますが,これについては,現在,企画調整局の方で住民参加の方策等について検討中であるというふうに聞いております。今後,私どもとしても企画調整局と十分な協議を行いまして,まちづくりセンターの活用策等についても検討してまいりたいというふうに考えております。  また,グラウンドワーク事業につきましては,ご質問にもありましたように,住民・企業・行政が互いにパートナーシップを形成しながら,地域環境の再生,改善を図っていくというものでありまして,まちづくりセンターの趣旨と非常に合致している部分がございます。したがいまして,グラウンドワーク事業の今後の展開いかんでございますけれども,まちづくりセンターとの連携,あるいはグラウンドワーク事業へのまちづくりセンターの活用ないし支援ということも十分に考えられるのではないかというふうに思っております。  以上です。 ◎船越 国際ゾーン担当部長  まず,1点目の札幌市として公開をするつもりはないのかということを明確にというお話でございますが,当然シンポジウムであるとかフォーラム等につきましては,ある程度の人数の方々に集まっていただきまして,格調の高い,核心に迫ったお話し合いをしていただくということが肝心かと思いますが,今現在,来年度行います市民懇談会等につきましては,そういった大規模なものは想定しておりませんが,我々といたしましても,今後メンバーでありますとか公開等につきまして,具体的な検討をしていかなければならないというふうに考えております。したがって,今現在,どなたがどうということは,今検討中でございますので,また逐次お話をしていきたいと思っております。  それから,街づくり指針に関しましてと,それから街づくり委員会と市民懇談会との相関関係についてでございますが,街づくり指針につきましては,平成8年度中に策定できるように今現在取り組んでいるところでございますが,街づくりができ上がった段階で,この指針をどう扱い,どう管理していくかということで,仮称でございますが,街づくり計画委員会というものを,今,8地権者に提案しているところでございます。このことから,街づくり計画委員会の設置は,この指針が完成した後というふうに考えております。  それから,街づくり市民懇談会でございますが,今もお話ししましたように,街づくり指針は,札幌市と関係地権者で構成する研究会が主体となっておりますが,これは関係者すべての合意によることとしておりますので,市民懇談会での意見についてでございますが,これは適宜この研究会に報告をさせていただきまして,指針の中に反映できるものは,できるだけ取り込まれるように努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  最初に,まちづくりセンターのことなのですけれども,先ほどのご答弁にありましたように,今,札幌の街づくりに関しての動きが大きく変わろうとしているというふうに思いますので,市民の街づくりに対しての関心を醸成するために,このまちづくりセンターをぜひとも活用していく方向を目指していただきたいというふうに思うのですけれども,センターの設立の時期などは想定していらっしゃるのか,最後にお伺いいたします。  それから,国際ゾーンの方なのですけれども,今検討中だということから,余り具体的な答弁はいただけなかったというふうに思うのですけれども,今後も見守っていきたいというふうに思います。  それから,先日の代表質問の中で,街づくりコンサルタントの役割についてお聞きいたしました。その答弁で,「ご指摘のプランニング団体につきましては,国際ゾーン研究会として,議論の内容についての取りまとめと整理を委託しているものであり」というふうにお答えになっているわけなのですけれども,このぐらいと申しますか,会議の議論の内容について取りまとめと整理ということであれば,殊さら外部団体に委託をする必要性というのはないのではないかというふうに思ったのです。それで,プランニング会社にこの程度のことで今後もお願いしていくのかどうか。さらに,もっと違う形での協力をしていこうとしているのかどうか,このことについてお伺いいたします。  それから,先ほど今の研究会を街づくり検討委員会にしたいというふうにおっしゃっていたのですけれども,去年の4定のときに,質問の中に入れさせていただいたのですが,7地権者の間には,国際ゾーンの推進に当たりまして,さまざまなお考えがございます。そして,私の調べでは,その中の温度差と申しますか,考え方の違いというのが本当に明確になってきております。そういった中で,街づくり指針をつくり,そして委員会に移行して,より具体性を持たせていくと。そしてまた,5年計画の中では,具体的に大通の東伸,それから先行街区の実施設計までしていきたいと,そういうふうなことをもおっしゃっているわけなのですけれども,そのあたりについて。  再開発と申しますのは,7地権者ということですから本当に少ない地権者ですが,その方たちの中でいろいろなお考えがあるということであれば,もっと時間をかけて,納得づくの上で進められることは,5年後には何なのか,10年後には何なのかということを理解しながら進める必要があるのではないかというふうに思います。  私のこれまでの調査やさまざまな現状を見ますと,進め方が,札幌市が国際ゾーンとしての顔づくりを進めたいがために,一つ一つ,例えば札幌市民の声を聞くシンポジウムを開くと,そしてまた来年度は懇談会をつくると。そういうふうに,市民の声は,はい聞きました。でも,それは聞きっ放し。そして,地権者の方には市民の声がこのようになっていますということを,都合のいいことは伝えるのでしょうけれども,そうでないことは余り議論はしないというか,そういうのがどうしても見られるのです。  そこで質問なのですけれども,これから国際ゾーンの構想を進めるに当たっては,その都度地権者の方のお考えを確認しながら慎重に事を進めるべきだというふうに思うのですけれども,その辺のところのお考えを再度確認したいというふうに思います。 ◎広畑 都市整備局長  まちづくりセンターの設立につきましては,いろんなご意見が各界にもございますので,できるだけ早く意見の調整をして,私どもとしては早い段階に設立をしたい,そのように考えております。  それから,国際ゾーンのかかわりでありますが,これは先ほど船越部長からもお話し申し上げましたように,私どもは市民の意向に基づいて仕事をさせていただいております。今,各地権者の研究会につきましても,私どもが進めようとする,基本としている公共空間,これは大通の東伸,それから創成川の緑道化の問題,こういったものを受けた形で街区内の事業をやっていただきたいということでやっておりますので,この研究会の中できちっとしたそれぞれの企業の意向を反映させていただきたいなと。  それから,コンサルの問題につきましては,個々の地権者と私どもがお話し合いをするというのはなかなかできない部分がございますので,第三者としてのコンサルがそれぞれの聞き取りをしながら,それぞれのところの問題点がいかにあるかと,そんな作業もやっていただいておりますので,これからもこういった形でのコンサルの活用は重要かなと,そんなふうに思ってございます。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  今,佐々木周子委員の方から質問がありましたまちづくりセンターについて,私の方から少し基本的な問題について何点か伺います。  札幌市の現状を都市整備という視点から見てみますと,下水道,交通網あるいは各種施設といった都市基盤,いわゆるハード面の量的充足という面では,幾つかの課題を残しているとはいえ,大きく進展してまいりました。一方,高齢・少子社会の到来,地球規模で進む環境破壊を防ぐための環境リサイクル都市への転換など,社会の大きな変化に伴っての新たな課題への対応,さらにはアメニティー,いわゆる快適環境という考え方の定着など,潤いやゆとりを重視した質的充足,ソフト面や文化を重視した都市対策を望む声が大きくなってきております。  昨年の地方分権法の制定は,このような大きな社会変化,市民意識の変化を背景としたものであり,新たな時代のニーズにこたえていくためには,情報公開と市民参加がキーポイントであると考えます。  そこで質問ですが,まちづくりセンターは,市民・企業・行政が一体となった街づくりを推進する活動組織を目的とするとされております。これまでも,街づくりという視点での施策の展開は他部局の中でも行われてきたわけですが,問題点をどのように整理し,どのような課題を解決しようとするのか,設立への基本的な考え方を伺います。あわせて,課題の解決のための機能として,現在想定されているものをお示しください。 ◎波田 再開発担当部長  まず,ご質問の第1点目でございます。  現在,札幌市が抱えております都市整備の基本的な課題ということでございますが,私どもは3点ほどに集約されるのかなというふうに考えております。  一つは,都市整備の方向といたしまして,従来の郊外部における新市街地の開発といったテーマから,既成市街地の再整備といったテーマに重点がシフトしてきているということでございます。既成市街地の場合,当然さまざまな歴史的なストックですとか,あるいは伝統的なコミュニテ ィーがあり,また市民意識も地域によって微妙に異なっているという特徴がありますし,さらに土地や建物の権利関係なども非常に複雑なものがあるという状況であります。したがいまして,これらの既成市街地におきます都市整備につきましては,長期的かつ地域住民の合意形成に向けて,非常に粘り強い取り組みが求められてくるのではないかというふうに考えております。  二つ目は,その場合の都市整備に当たっては,総合的な視点というものが必要でなかろうかということであります。例えば,先ほど申しましたさまざまな既成市街地での課題といったものを意識するとともに,個別の単発的な点の開発から,面的な広がりを持った再整備をどう進めたらいいか,あるいは道路といった,都市基盤と建物との一体的整備というものも重要な視点でしょうし,都市景観上の配慮あるいは地域個性の創出といった課題もありまして,これに対応するためには,さまざまな整備手法あるいは制度といったものを複合的・総合的に組み合わせて,地域の個性を生かした質の高い街並み空間を形成していくといった視点がますます重要ではないかというふうに考えております。  三つ目には,そのためには,そこに生活しております地域住民の方みずからが自分たちの街を考えて,それに主体的に取り組んでいくという姿勢が不可欠なわけであります。街づくりの担い手の問題として,地域の活力をどう生かすか,そして市民・企業・行政の街づくり共同システムをどう構築していくかといったことが,大きな課題であるというふうに認識しております。  ご質問の2点目ですが,まちづくりセンターの機能との関係で申し上げますと,ただいま申し上げましたことから,今後の街づくりは,やはり生活者の視点による地域住民の自主的な街づくり活動というものを基本に置いて,行政・民間の専門的,技術的支援,これをうまく組み合わせながら進めていく必要があると考えております。  まちづくりセンターは,そのために市民の自主的な街づくり活動を支援し,市民・企業・行政のパートナーシップによる街づくりを推進しようとするものでありまして,その機能や業務内容につきましては,8年度調査の中で検討していくということになりますけれども,基本的には,街づくり計画の策定段階から地域に入って,街づくりのコーディネーター役を担っていきたいというふうに考えております。  現段階で想定しております機能の主なものだけを申し上げますと,一つは,街づくり情報の市民への提供あるいは相談といった,いわば街づくり情報の総合窓口的な機能でございます。市民が主体的に街づくりを考えるには,それに伴う知識というものを持っていることが第一でありまして,このために行政・民間を問わず,広く街づくりに関する情報を収集・提供すると。また,相談機能につきましては,各部局の街づくり相談の全庁横断的な窓口として,場合によっては,必要に応じて関連部局への橋渡しを行うといった機能でございます。  二つ目は,市民の街づくり活動への支援でございます。例えば,ワークショップの実施ですとか,あるいはさまざまな活動機会の提供,また自主的な勉強会に民間の専門家を派遣したり,資金助成といったような技術的,財政的な支援というのも大きな役割ではないか。  三つ目は,市民の街づくりに関する学習意欲を高めるための,例えば研修会ですとかシンポジウムの開催,いわゆる人材育成機能とでも申しますか,そういったものが必要であろうと。  4点目は,街づくり活動家,市民の方も含めての交流の場というものを提供することによりまして,人的あるいは組織的なネットワークを広げていくというのも主要な機能ではないかと。  現段階では以上のようなものが考えられますけれども,さらに,当センターを実際に活用していただく市民や専門家等の意見を十分伺いながら,具体的な機能のあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆大嶋 委員  ただいま,課題,機能について伺いまして,街づくりへの課題の考え方,そしてまた果たすべき役割,機能については,私がこれまでいろんな場面で市民運動を通じて学習したり論議してきたことと,ほぼ重なる部分が多いわけでありまして,政策決定システムの転換をも視野に入れた構想の実現に当たっては,一方,克服しなければならない課題も多いものと考えられます。  市民の側がさまざまな要望や要求を提出し,行政はそれを受け,充足に向けて努力するというこれまでの決定のあり方から,共通のテーブル,土俵の上で情報をも共有して問題解決に当たるというパートナーシップをつくり出す,つくり上げるためには,行政・市民,双方の意識改革がこれから必要になってくると思われます。  現在,地域で活動しているボランティアグループのネットワーク化,あるいは今後法の制定により活発化するであろうと思われますNPO組織との連携など,当面の必要条件とも考えられます。これまでありがちだった,何とか形づくりをしてはいても市民のニーズに的確にこたえられないという欠点を反省し,プロセスを大切に考えていくことがこれから求められていると思われます。  そこで,先ほどの佐々木周子委員の質問と少し重なる部分でありますが,まちづくりセンターの実際的な設立,そして運営に向けての方向性について,基本的な考え方をお伺いいたします。 ◎波田 再開発担当部長  私どもといたしましても,単にセンターをつくれば,それで市民参画型の街づくりがうまくいくというふうには思っておりません。絶えず,広く市民との間にフィードバックを重ね,柔軟で開かれた,そしてプロセスを重視した運営というものを心がけていく必要があるというふうに考えております。
     また,地域の合意形成というものを図っていくために,それにふさわしい街づくりの技術が重要であるというふうにも認識しておりますけれども,何分新しい試みですので,センターの機能や業務につきましても,ノウハウや技術の習得,蓄積,そして開発といったものを図りながら,段階的に充実を図っていきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆大嶋 委員  最後は要望になるわけですけれども,先ほど伺ったように,センターの機能ということについて言えば,活動支援,情報支援あるいは研修支援,調査研究機能と,このように,大まかには四つぐらいに分かれるかと思います。このうち都市研究室の中では,これまでさまざまな札幌市の現状に対する情報の蓄積があるわけですけれども,都市研究室の機能を,さらに市民のニーズにこたえた情報提供へと機能を拡充していく方向もあるかと思います。さらには,市民への情報提供という部分でいいますと,機器の提供,あるいはライブラリー機能を充実するというような方向性もまた考えなければならないというふうに思います。  これまでの市民の先駆的な試みあるいは柔軟な発想を,街づくりに生かしていく。あるいは,企業はこの間,社会参加,社会貢献という形で,街づくりあるいは都市づくりに関しての多くのノウハウを蓄積しつつあると思われます。そこで,新しい課題に積極的に,そしてまた能動的に取り組んでいくという,そういう視点からの街づくりセンターの充実を一層望むと同時に,私もまた議員として,あるいは一市民として,このまちづくりセンターの充実に向けてこれからも参加させていただきたいということを表明して,終わりたいと思います。 ○高橋[重] 委員長  以上で,第5項 都市開発費及び第4条のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に,議案第2号 平成8年度札幌市土地区画整理会計予算の質疑を行います。 ◆伊与部 委員  私は,札幌駅南口の区画整理事業について,今日まで注目をしてきた物件でございますから,数点にわたって質問させていただきたいと思います。  まず一つは,私は,本件については昨年の6月の肉づけ予算で質問をし,旧JR本社については一体どういうようなスケジュールで,どういうことになるのだと,こういう質問をしたことがある。そうしたら,その当時,平成7年11月にJR本社は移転をいたします,そして平成8年3月に撤去完了の見通しであります,こういう答弁をいただいているわけです。しかし,今の現状を見ると,引っ越しは予定どおり終わったのですが,建物はご案内のとおり,現在はそのままそっくり残っている。  2月17日の新聞によりますと,テナントの立ち退きのめどが立たないと。したがって,計画は1年ずれ込むという大見出しの新聞記事がありまして,市民もそうかなと,1年ずれ込むのかなと,そういう気持ちで今受けとめております。  ただし,本件については,JR北海道と札幌ステーションデパート株式会社のテナントとの交渉が難航していて,建物の明渡し訴訟となっているようでございます。地下のテナントとの訴訟問題と建物撤去の見通し,この辺がきちっと解決しなければ,あの建物は壊せないと,こういうような状態になっている。  ただし,皆さんも行ったことがあるかどうかわかりませんが,昼は見ていてもそう寂しさを感じないのだけれども,夜行ってみてください。特に,私に相当多く苦情が来たのは,ことしの雪まつりのときに二百数十万人も観光客が来た。そしてまた,あのJR北海道本社のビルを夜見て,真っ暗,ネオンも全部消えちゃった。もちろん中の電気も消えている。立つ鳥跡を濁さずという言葉もあるけれども,カーテンを見たら,カーテンを閉めているところとあいているところとばらばら,これは美観を損ねている。これが札幌の玄関の状態です,今。あれを何とかしなきゃならないと,そういうふうに思いませんか。そういう思いがしなかったら,これは行政マンとして,また我々自身も何とか早くしなかったらと,本当にそういう気持ちで,私は毎日見ております。  ただし,テナントとの交渉並びに補償問題については,札幌市が具体的な数字を示して,そして交渉している。こういう状況ですから,これはやっぱり皆さんがもっともっと精力的に交渉を進めなければならないような状況ですよ。この見通しについて,いま一度明らかにしていただきたいと思います。  二つ目は,当初,平成4年から平成8年までの計画でやってきました。1年ずれ込むと言ったから平成9年までかなと思っていたら,あに図らんや11年までかかる。新聞報道によると1年ずれ込むと言ったけれども,ずっと勉強していったら,11年度までかかるということだ。しかも,平成4年につくった財政計画によれば,総事業費91億円となっている。その中身を言うと,工事費が15億円,補償費が70億円,業務費,いわゆる調査事務費に人件費を含めて6億円となっている。  この前の補正予算のときに,この事業は継続事業でないから単年度単年度の事業費の見直しをして,そして今度の補正予算で15億数千万円繰越し明許した,そして1年ずらしたと,こういう形になっている。しかし,私が調査したら,補正予算のときに理事者の説明では91億円が93億円になりますという報告している。2億円ふえると。どこがふえるかといったら,人件費が2億円ふえると言った。それじゃ,工事費の15億円と補償費の70億円は,そのままそっくりなのですか。そしてまた,今までどのような支払いの方法,どなたに幾ら払っているのか,これを具体的にまず明らかにしていただきたい。  三つ目は,保留地の市有地の土地利用計画です。  保留地と同時にその隣,いわゆるわかりやすく言うと,センチュリーローヤルホテルの裏に空き地がある。あれは,合計3,400 平米ありますな。そのうち2,200 平米は管財が持っている市有地,残り約1,200 平米は土地基金で抱いている,いわゆる土地区画整理で持たされた保留地,仮換地の土地なのだ。この1,200 平米を70億で持たされているのだ。1,200 平米を70億で抱かされているのですよ。土地開発基金から70億円を借りて払っているわけ。そうすると,70億円に対して金利がかかってくるわけでしょう。この前聞いたら,もう既に7年度で1億5,000 万円の金利がかかっている。これをずっとこのまま放置しておくと,住専でないけれども,どんどんどんどん金利が雪だるま式に多くなってくる。70億円が10年間たったら90億円にもなるような可能性がある。これは市民の損失です。何とか早く一般会計その他にこれを処理してもらわなかったら困る,市民が毎年何億円も損するわけだから。この保留地の活用について,今どう考えているのか,いつまで抱いていようとしているのか。この3点について,まず原則的な問題として明らかにしていただきたいと思います。 ◎波田 再開発担当部長  札幌駅南口の土地区画整理事業に関しまして,幾つかご質問をいただきました。  まず,現在の裁判の行方,今後の見通しについてお答えいたします。  これまでの経緯について若干ご説明申し上げますと,JR北海道とステーションデパートというのは,JR本社屋を桑園へ移転し,本社屋地下のテナントの移転先を増改修する地下街に確保するということで,一たん合意はなされております。しかし,社屋の取り壊しに伴います立ち退き補償の条件で合意ができずに,JR北海道は平成7年の1月中旬に,ステーションデパートとテナント17業者に対して,JR本社ビル地階部分の建物明渡し請求の訴訟に至ったところでございます。  現時点では,ステーションデパートと,そのうちの九つの営業者とは和解協議により明渡しにほぼ同意をしておりますが,JR北海道は,残った営業者のうち7業者に対して新たに建物明渡しの断行仮処分命令の申立てを行って,建物の明渡しを求めております。また,それと並行して代替店舗等の和解案を提示しておりまして,現時点では最終的な条件の詰めの段階に入っているというふうに聞いております。  そこで,旧社屋の解体撤去につきましては,ご指摘がありましたように,7年度末,この3月に撤去する予定でございましたけれども,テナントのこうした問題が解決するまでは延期せざるを得ないという状況になっております。JR北海道では,地下のテナントに支障のない西側の一部につきましては,今月の中旬から一部取り壊しの工事に着手しておりまして,残った部分についても,現在係争中の裁判をできるだけ早い時期に和解して,取り壊しに入りたいというような報告を私ども受けております。  また,私どもの土地区画整理事業につきましては,当初,平成8年度の完成を目指して進めてまいりましたが,仮換地指定及びJR北海道本社屋の移転補償契約締結等の協議,調整に時間を要しまして,さらに,街づくりの観点から,この事業と一体的に進めております地下街事業につきましても,地下街事業者の統合におくれが出ておりまして,事業スケジュールの見直しを進めてきたところでございます。その結果,地下街の増改修工事というのは,平成10年度の完成ということに延期になる見通しでございます。平成8年度からは,関係機関との協議を行いまして,平成10年度の完成,それから駅前広場の整備につきましては,地下街の事業と整合性を図るという必要から,平成8年度に基本設計を行いまして,10年,11年度,つまり地下街の工事から若干おくれる形で整備をする予定でございます。ご質問にもありましたが,平成11年度まで,結局は3年間の延伸の予定でございます。  事業計画の中身でございますけれども,ご指摘のように,当初91億円という事業費でございます。工事費が15億円,補償費が70億円,事務費等が6億円という区分でございますが,今までの見直しを進めてきた結果から申しますと,人件費につきましては,ただいまご指摘のとおり2億円程度の増ということになりますが,工事費につきましては,工事工程の見直し,それに伴う効率的な施工の実現,それと地下街部分等の整備との工事負担区分の見直し等によりまして,減額が可能であるという目安がつきましたので,これにつきましては3億円減の12億円ということで実施可能ではないかと。  一方で,補償費につきましては,当初70億円という予定でございまして,これはまだ最終的な詰めは行っておりませんが,特に地下のテナント部分の移転補償費につきまして,補償対象物件が予想以上に多かったという面もありますし,また単価の時点修正等もありまして,合計で3億円程度の増が現時点で見込まれるところでございます。したがいまして,トータルで2億円程度の増ということでございまして,ただし,これにつきましては,今後,国及び関係機関と協議を行いまして,平成8年度の早い時期に決定を行いたいというふうに考えております。  なお,補償費の支払い状況でございます。これにつきましては,まず最初は,平成5年からJRとの移転補償の契約を進めておりましたが,7年度末を想定しますと,JRにはおよそ48億9,000 万円程度の移転補償,それからテナントに関しましては7億2,000 万円程度の移転補償費の支払いになろうと思います。合計で56億1,000 万円程度。残りにつきましては,これは厚生委員会でもお話し申し上げましたが,JRの残りの7億少々につきましては,8年,9年ということで,それぞれ撤去スケジュールに合わせた形でもって支払いをしていきたい。それから,テナントに関しましては,8年度に残りの部分を補償契約をしたいというふうに考えておりますが,先ほど言いましたように,このテナント部分に関しましては3億円程度の増嵩が見込まれてございます。  続きまして,保留地の取扱いのご質問もございましたけれども,これにつきましては,ご指摘のとおり,一般会計での買戻しということでございますが,確かにそのような方法は,いわゆる金利といったものを顕在化させないという意味においては非常に有効な方法でございます。特に,この土地を他の団体や民間に譲渡する場合には,それは問題ないと,できるだけ早くそうすべきだというふうに考えておりますが,一方,例えばこの土地に市の公共施設を予定するといった場合には,これも対象施設によるのですが,場合によっては,用地取得費などについて国の財政支援措置を受ける可能性もございます。しかし,ここで一たん一般会計で取得しておりますと,その適用がございませんので,この場合は必ずしも得策とはならない場合もあります。  したがいまして,私どもといたしましては,市の施設はもとより,道や国の施設も視野に入れながら,公共施設の導入の可能性につきましては,引き続き検討を進めたいと考えておりますし,同時に,周辺のいろんな土地利用の動向というものを十分見きわめながら,隣接する市有地との一体的な活用策を含めまして,保留地の処分方法について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆伊与部 委員  部長,要するに旧JR本社の解体については,一部は何とかこの3月から取り壊しの事業に入りたいというようなことも聞いていますが,すなわち,裁判闘争その他いろいろやっているけれども,見通しとしては8年度中に全部更地にするという,そういう見通しを立てて具体的に交渉すると,そういうふうに受け取ってもよろしいですか。まず,それが一つ。  それから2点目は,部長は,人件費2億円オーバーしたと。総事業費91億円から93億円になったと。ただし,その内容については,工事費が15億円だったものが12億円,すなわち3億円減額,少なくなった。補償費が逆に3億円多くなったと。うまくこれ計算できるものですね。こういうふうに,豆腐切ったようにきちっとなるものなのですかね。  そこで聞きたいのは,3億円の乖離といったら大変な乖離ですよ,本当に。15億円の仕事をするときに,3億円も減ったり上がったりするような,そういう計画というのは,民間ならあり得ない。あるのですか。逆に,補償費が3億円上がっているのですよ。こういうのはありますか。こういう豆腐切ったように,こっちでは3億円下げて,こっちは3億円上がる。平成4年につくった総事業費の計画に,こういう3億円も乖離があると,そういうことに市民の皆さんが納得いくだろうか。しかも,この前の建設委員会では,この内容について全然報告がない。工事費15億円を12億円にしますなんて,建設委員会に報告ないですよ。ただ人件費が2億円上がったというだけだ。補償費が3億円多くなりましたなんて,報告ないのだ。この中身について,もっと詳しくひとつ明らかにしていただきたいと思います。  3点目の保留地問題です。  現在の七十数億円のあの保留地,1,200 平米,現在の実勢価格を一体幾らに受けとめていますか,それもひとつ明らかにしてください。 ◎波田 再開発担当部長  まず,1点目でございます。  JRも私どももそうなのですが,現在の旧本社屋につきましては,8年度中のできるだけ早い時期にこれを撤去してしまうということで,鋭意努力をしているということでございます。  それから,工事費の3億円,これについては確かにご指摘の部分もございますけれども,私どもいろいろ,昨年来実は広場の造成工事と,これは広場の造成工事費でございますけれども,これと地下街部分との工事区分がびたっとくっついたものでございます。したがいまして,通路部分ですとか,あるいは地下街の天井と広場との間というところにさまざまな工事負担区分の取り合いの余地がございました。これについて,まだ最終的に詰め切っておりませんけれども,JRとの間あるいは地下街事業者との間で詰めていった結果,我々の見方としては,この程度の工事の効率的な執行という観点での減額は可能であろうというふうに考えております。  それから,現在の保留地の地価でございますけれども,きちっと調査したわけではございませんが,多分60億円を割る程度にはなっているかもしれません,50億台ぐらいではないかというふうに思っています。 ◆伊与部 委員  部長,50億円台だとか60億円台だとか,そういう抽象的な答弁したって,大変な数字ですから,その辺,例えば管財なら管財を通じて,しっかり今の実勢価格を押さえておかなかったら,あなたたちおかしいと思いますよ,何するにしても。  例えば,民間の人が買いに来たら幾らで売るのですか。民間の人に七十数億円で売れますか。民間の方は50億円,少ない方がいいわけですから,そういうふうに出された場合,何億と言うのですか。  そこで,私がお尋ねしたいのは,今の実勢価格が,例えば50億円なら50億円としますか,民間に売った場合はどのぐらいになるの。一般会計に出させる場合は,これは実勢で抱いてもらうのですか,七十数億で抱いてもらうのですか,これをまずひとつ明らかにしてください。これは重要なことです。  それからもう一つは,先ほど部長答弁しませんでしたけれども,私は,冒頭言った景観上見苦しいと,何とかならぬのかと。そうでしょう。あそこ,どなたが見てもあの空き家,夜特に真っ暗です。札幌市の玄関ですからね,これ何かロマンチックな,ロマンのある何か絵でもかいて,何とかできませんかね,アイデアとしては。あなたたち,頭のいい人ばかり集まっているのだから,少し夜ネオンでもつけて,あのネオン全部で5基,6基ありますけれども,全部真っ暗ですよ。下も真っ暗。ただ,札幌駅というだけで電気がついている。ハイヤーに乗ったら,ハイヤーの運転手さんも言っている。各方面から,札幌駅に観光に来た人,これ何ですかと,この建物何ですかと,こう聞かれると,本当に寂しい思いがすると言っている。何かひとつ工夫できませんか,壊すまで,また壊した後の11年まで。  同時に,局長,この保留地の跡地利用の問題,これはやっぱり真剣に考えなきゃならないのでないですか。ただ一般会計に抱かせる,民間に売るなんていうことは,なかなか大変な状態です。この前も,ホクレンビルの裏の空き地がどこかの本州の遊戯場業者に落札したと,こういうように新聞に出ていたのですけれども,あそこの土地ですら価格が下落して,当時100 億円と言われていたのが五十数億円で落札したというふうに新聞に出ていた。この保留地だって,隣の市有地だって,合計3,400 平米を中心にして考えなければ,1,200 平米,70億円のことだけ考えたって,これは到底土地利用,活用できない,私はそう思います。  局長,これをどう考えているか,どうしようとしているのか。しかも,早くやらなきゃならない。どうしようとしているか,これを明らかにしてください。 ◎広畑 都市整備局長  保留地の今後の取扱いの問題につきまして,私の方からご提案申し上げますが,私ども都市整備局ができたのが平成3年でございまして,初めて取り組んだ大きなプロジェクトがこの南口の区画整理事業でございます。したがいまして,この4年間,やはり早くこの南口の関連事業が立ち上がるということを,本当に心から願いながら努力をしてきたところでありますが,委員ご指摘のとおり,なかなか困難な時期に差しかかっています。  私ども,これまで清算事業団の関連用地,それからJR北海道の関連用地,これらの土地利用の動向を見ながら,あわせて私どもの土地利用を並行して考えたいというふうに思ってまいりましたが,なかなか,昨年秋の清算事業団の処分も,これが未成立に終わっているというような状況の中で,このまま私どもの土地も並行していけば大変になるなというふうに考えております。したがいまして,私どもこれを公共的に利用するか,または本当に民間の方に利用していただくかを含めて,平成8年の早い時期に結論を出したい。そして,その結論に従った形での事務を進めたい,そのように考えてございます。 ◎波田 再開発担当部長  まず,この土地の処分をした場合,二つのケースについてお尋ねございました。  一般会計で買戻しする場合は,恐らくこれは財政局サイドの話になりますけれども,基金そのものに穴をあけるわけにいきませんので,70億円プラス金利という形だと思います。  民間に売却する場合は,これは相手との交渉事でございますが,恐らく時価というものは,買う方では参考にしたいでしょうし,我々としてはあくまでも70億円で売りたいという気持ちがございまして,それについてはやりとり,交渉いかんということではないかと思います。  景観処理でございます。  ご指摘のとおり,駅前というのは札幌の玄関口でございまして,市民はもちろんのこと,大勢の観光客の目にとまる場所でございます。したがって,問題は,旧社屋がいつ解体着手になるかにもよりますけれども,もし仮に長期化するようであれば,にぎわいにも欠ける,あるいは美観上も悪いということで非常に問題が出てきますので,私どもとしては,当面の措置をJRの方にも申し入れたいと思っております。また,札幌市としても,現在ある広場について,例えば照明設備等を増設するといったような対応策も講じるように検討しなきゃいけないなというふうに考えております。  また,旧社屋が取り壊された後につきましても,駅前広場の整備に着手するまで若干期間がございます。これにつきましては,先ほど言いました照明設備のほかに植栽とか花壇,ベンチといったファニチャー類を,景観面を配慮して効果的に配置したいと。また,ハード面に余りお金をかけれませんので,さまざまなイベントみたいなものを積極的に誘致,開催をしまして,夢のあるイベントを取り込んで,大勢の人々が集まってにぎわいを演出するような空間にしていきたいというふうに今考えております。 ○高橋[重] 委員長  以上で,議案第2号の質疑を終了いたします。  次に,議案第3号 平成8年度札幌市団地造成会計予算の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  ここで,理事者の交代がありますので,暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後2時27分       再 開 午後2時51分     ────────────── ○高橋[重] 委員長  委員会を再開いたします。  最後に,第7款 土木費 第7項 建築費,第2条継続費のうち関係分,第3条債務負担行為のうち関係分,第4条地方債のうち関係分及び議案第59号 札幌市住宅資金融資条例の一部を改正する条例案について,一括して質疑を行います。 ◆横山[光] 委員  私からは,建築指導行政における福祉のまちづくりについてお伺いをいたします。  既にご承知のとおり,我が国においては非常に速いスピードで人口の高齢化が進んでおり,本市においてもそれは同様であります。また,障害者等の社会参加を積極的に図ることについても,重要な政策課題となっております。  札幌市は,福祉の街づくり整備の一環として,人に優しい建築物促進に積極的に取り組まれてきたところでありますが,人に優しい生活づくりは,高齢者,障害者などを含めた,だれもが社会の構成員として,地域の中でともに生活を送ることができる空間づくりとして重要でありますし,本市の行政課題としても,基本的な施策としてとらえていかなければならないと認識をしております。札幌市も,昭和50年,身体障害者福祉モデル都市の指定を受けて以来,札幌市福祉の街づくり環境整備要綱等により,積極的にその推進を図ってこられたことに対し敬意を表するものであります。  現在の福祉の街づくり環境整備要綱では,特に民間建築物の建築に当たっての届出制の導入や本市の公共建築物の整備改善,公共交通機関等のエスカレーター,エレベーター,身障者用トイレの設置等が順次進み,道路,公園等の附帯施設の整備についても一定の成果を上げてきていると聞いております。  一方,建設省においても,平成6年6月に高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律,通称ハートビル法が公布をされ,法的な根拠を持って,より積極的に人に優しい施設の環境整備を図るための仕組みが整備されたところであります。従来からの建築物に対するお願い行政である要綱行政から一歩進んだ,法律の根拠を持った努力義務規定が盛られたところであります。さらに,認定建築物として認定を受けると,建築主の負担を軽くするためのいろいろな支援策も講じられたところでもあり,より一層の促進を期待しているところでございます。しかしながら,本市の現状を見ますと,まだまだ高齢者や身体障害者等が自由に活動するためにはいろいろ障壁も多く,バリアフリーといった十分な環境には至っていないと感じられます。  そこで,ハートビル法に関連をいたしまして,本市の建築指導行政における福祉の街づくりについて,以下2点について質問をしたいと存じます。  まず,第1点目の質問ですが,ハートビル法と本市の福祉の街づくり環境整備要綱を比較しますと,その整備の基本理念や到達の目標といった面で同質のように見受けられます。そこで,まず法と要綱との相互の関係とそれぞれの役割についてお聞きしたいと存じます。  次に2点目ですが,つい先日の新聞やテレビ報道で,ハートビル法の認定によって建設される建築物の紹介がありましたが,ハートビル法による基準をクリアした認定建築物の本市の認定実績についてお聞きをしたい。また,認定建築物の認定を受けることにより幾つかの支援措置がありますが,現状において福祉の街づくりの整備促進を促す点から見て,建築主に本当にメリットがあるかどうかもあわせてお聞きをしたいと存じます。 ◎小田切 建築指導部参事  まず,1点目のハートビル法と札幌市福祉の街づくり環境整備要綱との相互の関係と役割についてでございますが,この法律は全国的な基準を示しており,あくまで建築敷地内の建築物などの障壁を除去することを目的としており,敷地単位のバリアフリーを築きながら市街地全体の整備へつなげていくことを目指しているのに対し,要綱は,広く市街地内の建築物はもとより,公共交通機関の施設や道路,公園などに附帯する施設の環境整備全体を対象とし,総合的なノーマライゼーションの実現を目指し,本市の地域特性を反映することを目標としていることが役割の相違点かと考えております。しかしながら,これらの法律と要綱は,相互に補完し合うことにより,総合的な人に優しい福祉の街づくりが実現されていくものと考えております。  2点目のハートビル法による認定建築物の実績についてでございますが,本市においては,平成8年2月末現在,大型ホテルと大型物販店の2件がございます。法律施行後まだ1年半しか経過していないことから,全国においても40件程度であり,全国的にも実績が少ないのが現状でございます。  現状のハートビル法による認定建築物の国の支援策は,税法上の特例措置,補助制度,融資制度,容積率の特例,建築確認手続手数料の無料化等がございますが,ご指摘のとおり,誘導促進につながるような仕組みとして十分に内容が整っていない現状でないかと考えております。したがいまして,現状では,認定基準を満たすには建築主の費用負担が非常に大きいこと,さらに法的支援策が全体事業費に比べて小さいことなどが,実績が少ない原因ではないかと考えております。 ◆横山[光] 委員  ハートビル法と本市の要綱との関係及び認定建築物の実績と支援措置について,ただいまの説明で理解をいたしました。  そこで,再度お聞きをしたいと存じますが,ハートビル法の今の支援措置のみで,法の目的である高齢者や身体障害者等が円滑に利用できる良質な建築ソフトの形成が,本当に速やかに促進されるのだろうかというふうに危惧をしております。したがって,もっと公的支援策を拡大したり,市独自の方策も含めて検討される必要があるのではないかと考えております。  そこで,今後の建築指導行政として,福祉の街づくりを進めるに当たって,特に今回の新5年計画においてどのような考え方で推進しようとしているのか,検討課題も含めてお聞きをしたいと存じます。 ◎小田切 建築指導部参事  ご質問の建築指導行政としての福祉の街づくり策定の取り組みについてでございますけれども,新5年計画では人に優しい建物づくり促進支援事業が認められております。この中で,次のようなテーマを中心に取り組んでまいりたいと考えております。  その一つは,ご指摘にもありました認定建築物への公的支援の拡充や対象施設の範囲の拡大についての調査検討を行い,国に対し積極的に要望してまいりたい。さらに,積雪寒冷地でございます本市の地域特性に応じた新たな支援策を講じるよう国に対して強く働きかけるとともに,財政上難しい問題はございますけれども,独自の支援策の構築にも取り組んでまいりたいと考えております。  また,ハートビル法の普及促進を目的の一つとして,建設省が設立準備を進めておりますハートビルハウジング協議会,これに加入し,これと協力して,建築主や事業主などにより一層の周知を図っていくこともあわせて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆横山[光] 委員  新5年計画での決意をお聞きをいたしましたけれども,人に優しい福祉の街づくりを積極的に推進するためには,何といっても,市内の建築物の大部分を占めております既存の施設の改修をいかにして進めるかが大きな課題ではないかと考えますので,その点についても十分な促進策を編み出していただきたいということを要望して,私の質問を終わります。 ◆大西 委員  私は,市営住宅問題と,財団法人札幌市団地管理事業団と財団法人札幌市住宅管理公社との統合問題についてお尋ねをいたします。  問題の性質上,分けて質問させていただきますので,委員長のご了解をいただきたいと思います。  さて,住宅問題は札幌市民にとって極めて大きな問題であります。特に,市営住宅に関する関心は,過去の公募の実態から見ましても大変高い倍率でありまして,このことからも明らかであります。にもかかわらず,今日,空き家が相当数に上っており,しかも,かなり長期にわたって空き家の状況にあるものが多数あるのであります。この実情は全くもって重大でありまして,どうしてこういうことになっているのか,なぜ有効活用ができないのかなどについて,また財政の面からも数点質問をしたいと思います。  まず,長期の空き家についてであります。  現在,本市の市営住宅は約2万5,000 戸ありまして,この中の約8.6 %に当たる2,145 戸の空き家がございます。この空き家には,入居者の退去に伴う一時的空き家で今後の公募により入居が予定されているもの,及び建てかえや住戸改善事業等のため政策的に空き家としているものが1,372 戸であります。問題は,残りの773 戸の長期空き家についてであります。  そこで,このように長期空き家が発生している原因は何か,まずお尋ねをいたします。  2点目に,このような空き家対策として,空き家の有効活用や改修など,住宅の質的向上を図ることも考えられると思いますけれども,有効活用を考えられないかということについてお伺いをいたします。  まず,有効活用の例として,例えば若年単身者の入居や福祉施設への転用,地域の集会施設なども考えられます。そこで,現行法の枠組みの中で,どのような空き家解消策をとっているのかお伺いをいたします。また,近く公住法の改正が予定されていると聞いておりますけれども,これが空き家対策にどのように影響をもたらすのか,あわせてお伺いをいたします。  2点目に,ハード面としては,住居水準の低いものについては良好なものに再生させるため,改修などによる住戸のレベルアップも必要と考えるのであります。このため,建てかえ改善を視野に入れた再生計画を策定すべきと思いますが,お考えをお伺いいたします。  3点目に,長期空き家による家賃の減収分は,償還の伴う起債事業でありますから,市営住宅の運営上大変困ることだと思うのであります。平成7年度で年額でどれくらいの減収になっているのかお伺いをいたします。  2点目に,家賃の収納状況と滞納対策についてお尋ねをいたします。  起債事業であります市営住宅事業は,家賃収入が償還財源でありますから,収納対策は大変大事なことだと考えるのであります。  そこで質問でありますが,第1点目に,本市の現在の家賃収入の状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。  2点目に,市税収入の減収,滞納が年々増大してきておりますが,家賃の滞納状況はどのようになっているのか。また,どのような理由で滞納されているのか。あわせて,この方々に共通する特徴などあればお伺いをしたいと思います。  3点目には,滞納者に対する本市の対応はどのようにされているのか。また,今後なお収納率向上のためにどのようなことを強めていこうとしているのかお伺いをいたします。  3点目に,市営住宅の住みかえ問題についてであります。  市営住宅の入居者で,入居当初はお元気であっても,居住年数が経過しますと高齢になっていきます。また,途中で障害者となって階段の昇降が困難になり,1・2階やエレベーターつきの住宅に住みかえできないかという事例が多くなってきているのであります。この場合,本市としてはどのような対応をしているのかお伺いをいたします。 ◎酒井 住宅部参事  ただいまのご質問について,何点かお答えをしたいと存じます。  まず,1点目の長期空き家にかかわる問題でございますが,その原因ということでございまして,現在773 戸の長期空き家,これは1年以上にわたって空き家になっているものでございますが,あるということは委員ご指摘のとおりでございます。  この中身を見ますと,ほとんどが昭和45年から50年ごろに建設をされましたものでございまして,中身的には,特にふろ場がない,あるいは住戸の面積が40ないし50平米で,非常に狭小感がございます。また,3階以上の建物についてもエレベーターがないというようなことでございまして,居住水準の低い住戸,また種別で申し上げますと1種2DKに目立っておりまして,また地域的には厚別地区に集中をしているというのが現状でございます。  そこで,この原因でございますが,長期の空き家となっている住戸の大部分は,昭和30年代後半から始まりました本市の人口急増に対応するために大量に建設されたものでございまして,現在の住宅事情に比べますと非常に狭いということです。また,皆さんの生活水準が非常に向上してきているという現状から,より高い居住水準のものが求められるなど,利便性の劣るものについては敬遠されがちだということがございます。  今,お話しありましたように,空き家について募集をいたしますと,平均募集率が大体3倍ぐらいになっております。そんな現状の中でも,これらの住居には入居希望者が非常に少ないというのが実態でございます。
     そこで,2点目の現行の空き家の解消対策でございますが,委員からご指摘がございました,例えば単身者ですとか福祉施設への転用というお話もございましたけれども,現行の公住法の枠組みではそのような使い方は許されておりませんで,やはり住宅に困窮する世帯の方に入居していただくということの基本は通さざるを得ない。そんな中での努力でございますけれども,一定の定期の空き家募集期間以外でも,こういった住居につきまして随時受け付けを行っておりますし,また申込みの方が2種の収入基準の方であっても,収入基準の3倍特例と言っているのですが,1種に入居できるという特例を設けてみたりしております。そのほかPR関係でございますが,テレビとかラジオというような媒体を活用する,あるいは看板を設置してみたり企業訪問をするなどの努力を重ねているところでございますが,残念ながら現状のような状況が続いているところでございます。  そこで,今回,公住法の改正が予定されておりますが,その中身でどうなるかというお話でございましたけれども,まず,1種・2種の種別が撤廃をされます。これはどういうことかと申しますと,現在,収入基準の制約から1種の空き家には応募できなかった方,2種の方ですね,こういう方も応募できるようになります。それから,高齢者あるいは単身者等の世帯につきましては,現在の収入区分で申し上げますと,0から33%までの収入階層が原則階層なのでございますが,これを市町村の裁量で40%の世帯まで引き上げてもよろしいですよという内容が盛り込まれておりますこと。さらには,現在の単身男性については,60歳以上でなければ入居の申込みができなかったわけでございますが,これを女性と同様に50歳まで引き下げるというような内容のものが盛り込まれております。つまり,入居対象層の拡大が図られるわけでございまして,これによりまして,恒常的な空き家の解消に寄与するのではないかというふうに期待をいたしております。  それから,長期空き家にかかわる家賃の減収のお尋ねでございました。平成7年度で申し上げますと,おおむね770 戸でございますから,年間で約1億4,800 万円ぐらい。これは,68億円という総収入に占める割合は2%強ということになっております。  次に,家賃の収納状況とその対策についてのお尋ねでございます。  これは,ことしの2月末現在で調べた結果を申し述べたいと存じますが,まず収納額でございます。現年度分調定額が69億7,336 万円に対しまして56億9,998 万円,また滞納繰越分につきましては,調定額が3億4,038 万円でございまして,収入が1億4,698 万円。これは,現年度分と滞繰分を加えますと73億1,375 万円の調定額に対しまして58億4,697 万円の収入状況となっております。この合計金額でございますが,昨年同期,昨年の2月末と比較いたしますと,額では1億6,333 万円の増でございまして,収納率で申し上げますと現年度分81.74 %,滞繰分で43.18 %,合計いたしますと79.94 %,前年同期と比べますと0.74ポイント増加をいたしております。  次に,滞納額でございますが,まだ年度途中でございますので,平成6年度の決算状況で申し上げたいと存じます。平成6年度の決算では,現年度分が1億8,358 万円,滞繰分で1億6,654 万円でございまして,合計で3億5,008 万円が滞納額ということになりました。  そこで,滞納の理由についてのお尋ねでございましたが,12ヵ月以上の滞納者373 名につきまして分析いたしましたところ,失業によって収入が低下したなど,経済動向に関するものが172 名で最も多うございました。その次が負債整理に伴うもの131 名,疾病が45名,生計者との離婚が25名となっております。また,このことが引き金となりまして,滞納者の大多数が少なからぬ負債をほかに負っているというのが共通した特徴でございました。  次に,滞納者に対する本市の対応でございます。  平成5年度から各団地の専任管理人を家賃収納業務に従事をさせまして,短期の滞納者に督励を実施しております。経験的に申し上げますと,3ヵ月以上にわたって滞納の方は,どうも長期になる傾向がございますので,そういった滞納の初期の段階での解決を図る強化策をとったところでございます。このほか,長期の滞納者に対します法的措置でございますが,民事調定及び明渡し請求による強制執行申立てを積極的に行っているところでございます。  このうちの民事調定でございますが,ご承知のとおり,成立したものにつきましては,年数回,議会へ専決処分の報告をしているところでございますが,この調定の申立て基準を滞納月数6ヵ月以上,額については20万円以上というふうに厳しく実施しておりまして,今年度は昨年よりも11件増の89件を申し立てたところでございます。さらに,調定が成立いたしましても,その調定条項の不履行のものというのが出てまいりますけれども,そのものに対する強制執行の申立てにつきましても,昨年度は26件,今年度は既に同じ26件を実施しておりまして,滞納が長期にわたる入居者については厳しく対処させていただいているところでございます。  一方,収納率向上のためでございますが,滞納の発生を未然に防止するということが大切なことでございまして,そのためには,入居者に対しまして納期内の納入啓発,あるいは口座振替制度の利用促進のためのPR活動,さらに収納業務に当たる職員への研修の強化等を実施いたしまして,より一層効果的な督励指導を行うなど,収納体制の強化に努めているところでございます。  今後とも決算期までに残された期間,債権の確保と家賃負担の公平維持のためにも努力を続けてまいりたいと考えております。 ◎坂本 住宅部長  2点目の空き家の多い団地の再生計画について,お答えいたしたいと思います。  老朽化が進み,住戸面積が40ないし50平米の狭くて浴室がないなどの居住水準の比較的低い住宅の解消につきましては,重要な課題であるというふうに認識しております。特に,空き家が集中している下野幌団地等につきましては,その状況を整理し,建てかえを主体とした良好な住宅へと再生すべきと考えております。このため,現在,市内の既設団地全体を視野に入れた再生マスタープランを策定中でございます。  このプランは,既設ストックの再生・活用を検討するに当たり,各団地の居住水準だとか立地条件並びに入居世帯の属性等を整理しながら,国の長期的な活用プログラムを立てております。  建てかえ,改善につきましては,経過年数や整備条件等々,国の規定もございますことから,その条件を踏まえまして,団地ごとに事業手法,それから事業スケジュール等を策定するものでございます。 ◎酒井 住宅部参事  次に,住みかえのことにつきましてお答えをいたしたいと存じます。  高齢化社会の進展に伴いまして,市営住宅の入居者にも高齢者がふえておりまして,エレベーターのない団地の高い階に住んでいる方の中には,階段の昇降が困難になったということで,1・2階の部分に住みかえの要望も多くなってきている,これは委員ご指摘のとおりでございます。  そこで,ご質問でございますが,現行の対応についてでございますけれども,基本的には法令上に規定された要件以外では,個々の事情による住みかえというものは認められておりません。したがいまして,市としては,これにどう対応するかということで頭を悩ませてきたわけでございますけれども,平成4年に,この要望に何とか対応できないかということで国と協議をした経緯がございます。その結果,そのような方の場合には,現に入居をされていましても住宅に困窮しているというふうにみなすというお墨つきをいただいたところでございまして,平成5年度からは公募の際に申込みをしていただくということで対応しているところでございます。  また,これに加えまして,本市といたしましても運用に工夫を行っておりまして,例えば受け付ける住戸の指定,あるいは当選率を高めるための優遇措置を導入するなど,より効果の高まるものとなるように鋭意改善,工夫に努めてきているところでございます。  以上でございます。 ◆大西 委員  今,お答えをいただきました。  ただいまの答弁で,公営住宅は公営住宅法という法律がございまして,その中での運用でありますから,有効活用といってもなかなか難しいということでありまして,私もその点については理解がいくところであります。  そこで,数点再質問をさせていただきますが,長期空き家の今後の見通しであります。現在の空き家は773 戸あるわけでありますが,今後の長期空き家の見通しはどのように見定めているのかということが1点。  それから,現在,長期空き家の大部分は厚別の青葉,もみじ台,この団地に集中しているわけでありますけれども,今の答弁からいきますと,こういうものについては将来良好な住宅へと再生すると,こういう回答でございました。そこで,この青葉,もみじ台,この両団地の建設年次から見まして,この先何年ぐらいで改修の時期が来るのか,その時期についてお示しをいただきたいと思います。  次に2点目でありますが,市営住宅の住みかえ問題についてであります。  実は,私は以前に住宅の住みかえ問題について市民から相談を受けたことがございました。内容は,「現在市営住宅にお世話になっており,3階に居住をしております。3年前に脳梗塞で倒れまして,現在は退院をしておりますけれども,身障者の1級,車いすであります。しかも,現在,週1回人工透析中でありまして,病院の日は奥さんが3階から肩をかしながら1階までおりて来て,ハイヤーで病院へ通っている。」こういう方でありまして,たまたまその方からのお話でありますと,自分の住んでいる住宅の1階が1年前からあいていると,ぜひその1階へ移していただけないかと,こういう相談でありました。  私はそのときに,それは当然のことだなというふうに思いまして,早速住宅部とも相談をしたのでありますが,先ほどありましたように,これは今の公住法からいってそう簡単にはいかないと。とにかく公募に応募してもらって,当選をしたら入れると,そういうことだと,それ以上一歩も進まなかったわけであります。私は,まことに残念に思いまして,その旨本人に伝えましたら,本人はがっくりきまして,そんなに冷たいものかと,こう言われました。  先ほども私,申し上げましたけれども,これからますます高齢化社会が進むわけでありますし,住宅そのものも良質なものに改良されていることは評価をいたします。高齢者向けの住宅あるいは身障者向けの住宅,こういうものも積極的に本市として対応しているということについては評価をいたしますけれども,今ありましたこのような事例にも積極的に対応できるように,ぜひひとつ前向きに検討すべきではないか,この点について再度お伺いをしたいと思います。  最後に,市営住宅の財政問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。  市営住宅の建設に当たっては,建設費の2分の1を国庫補助金で賄い,残り2分の1を家賃収入で賄う,こういう形式になっておりますが,この家賃収入分は,一たん起債で処理をして,償還を家賃収入でする,こういう形態になっていると聞いております。  そこでお伺いをしますけれども,常識的に考えますと,起債分の償還は家賃収入で賄うわけでありますから,長期の空き家による収入減,これは先ほどのお答えでは年額1億4,800 万円,それから滞納による収入減,6年度決算では3億5,000 万円,こう言われておりますけれども,収入減だと償還する財源が不足するというふうに私は思うのであります。この場合,この減収分についてどのような処理をされているのかお伺いをしたいと思います。また,起債による利子負担の財源は,どこから捻出をしているのかお伺いをいたします。  2点目に,平成7年度決算見込みでは,建設に当たって国庫補助金は幾ら国からいただいているのか。家賃収入の減収分や滞納分が償還金に与えた影響額,そして利子負担も含め,どれだけの別途財源対策をしたのかお伺いをしたいと思います。 ◎西村 建築局長  住みかえの問題で,私からお答えいたします。  実は,つい最近にもほとんど類似のケースがございまして,対応には職員一同本当に苦慮いたしました。しかし,ほかにもたくさんの希望者がいらっしゃるところへもってきて,先ほど部長から申し上げましたようなシステムの中の運用でございますので,限界がございまして,言ってみれば非常につらい現状にございます。しかし,やはりこれからはますますふえてくるのじゃないかと,十分想定されます。  私個人としては,これは新たな政策要素が付加されるのじゃないかとさえ思っていて,従前の公営住宅政策の中だけで対応し切れないのじゃないかとさえ感じております。  これからも引き続き有効な対策を目指して努力をしてまいりたいと思いますので,いま少し時間をちょうだいしたいと思います。 ◎酒井 住宅部参事  お尋ねの長期空き家の今後の見通しと財政問題につきまして,私から答弁させていただきますが,まず長期空き家の見通しでございます。  過去3年間にわたりまして,長期空き家の傾向を調べてみたのですが,ほぼ横ばいでございまして,700 戸台の真ん中辺で上下をしているというものでございます。  そこで,今後の見通しなのでございますが,先ほどの中で申し上げた公営住宅法の改正でございますが,この改正によりまして,1種・2種の種別がなくなったり,所得制限の条件の緩和,並びに年齢制限を引き上げるということの入居対象層の拡大が図られるものですから,そういう意味では,この面からの空き家解消が進むのではないかというふうに考えておりますし,さらに,これらの住宅の大部分は法定年限の経過とともに建てかえられることになりますので,この面からも,将来的には空き家の解消が進んでいくのではないかと,そんなふうに見通しております。  次に,財政問題でございますが,まず起債償還についてでございます。  起債償還につきましては,当該年度の家賃収入のおおむね30%を計画修繕に投入いたしておりまして,残りの70%程度を償還財源としているものでございます。この場合,元金部分につきましては家賃の償還財源で十分充当しておりますけれども,利子部分には家賃のほか一般財源を充てておりまして,そういう意味で申し上げますと,空き家に伴う収入減分あるいは滞納分につきましては,一般財源での手当てということになっております。  次に,平成7年度の国庫補助金等に関係するご質問でございますけれども,平成7年度の国庫補助金の見込みでございますが,建設費補助といたしまして55億4,100 万円,それから家賃収入補助というのがございまして,これが8億5,400 万円の計63億9,500 万円が歳入される予定でございます。  次に,償還額の内訳でございます。  実償還額は,元金で36億3,500 万円,利子が30億8,700 万円の計67億2,200 万円でございまして,その財源内訳でございますが,家賃充当額が50億7,900 万円,利子相当分に16億4,400 万円の一般財源を充てております。したがいまして,もし長期空き家がない,あるいは滞納がないとした場合には,利子相当額につきまして,先ほど述べました分だけ一般財源の負担が軽くなるということになります。  以上でございます。 ◎坂本 住宅部長  私から,下野幌団地,もみじ台団地の建てかえ事業の実施についてお答えをいたします。  当該団地の建設年次で言いますと,下野幌団地が昭和40年から47年にかけ,またもみじ台団地が昭和46年から61年にかけ建設しております。  国の建てかえの規定では,大部分の住戸が経過年数35年を超えると,こうなっております。その規定で考えますと,下野幌団地が平成15年ころから,もみじ台団地が平成23年ころから法定建てかえの事業は可能となってくるわけでございます。しかしながら,各団地の立地条件や居住水準などが異なりますので,一概に規定の経過年数のみでは決められないと考えております。  したがいまして,先ほどご説明いたしました再生マスタープランにおいて,既設団地全体の中長期的な活用プログラムを立てて,団地ごとの事業手法,スケジュール等を策定することとしておりす。その中で,下野幌団地,もみじ台団地の時期的なものが明確になってきますし,当然のことながら,事業に際しましては,良好な住宅へと再生すべきものと考えております。 ◆大西 委員  今,お答えをいただきました。ぜひひとつ,厚別の両団地についてはできるだけ早く再生マスタープランをつくり上げて,その中で実行を図っていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  次に,このたび当局からお話のありました財団法人札幌市団地管理事業団と財団法人札幌市住宅管理公社との統合問題について,お尋ねをいたします。時間がありませんので,前文を省略いたしまして,質問だけにしたいと思います。  1点目に,整理・統合の目的は何か。  2点目に,受入れ側の財団法人住宅管理公社について数点お伺いをしたいと思います。  その第1は,この財団の財務状況について,平成6年度決算と7年度予算について,どのようになっているのか。また,現在,理事長ほか何名体制で業務に当たられ,一般会計からの出向はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  2点目に,この団地の現行業務の内容と,統合することによってどのような業務が負荷されるのかお伺いをいたします。  3点目に,この財団の組織体制の強化は,当然業務量がふえるわけでありますから図られなければなりませんが,現行体制から増員数,増員者の身分など,あわせて組織体制はどのようになるのかお伺いをいたします。 ◎酒井 住宅部参事  団地管理事業団と住宅管理公社の統合の問題でございます。  まず,目的は何かというお尋ねでございますけれども,団地管理事業団の事業を申し上げますと,ここに,もみじ台管理センターという建物がございまして,そこにホールですとか会議室がございます。事業団では,こういったものの貸し室事業を行いますとともに,近隣の商業施設等,地域住民を対象にいたしました駐車場事業などの公益的施設の管理運営を行っておりますし,中央図書館から委託をされました図書コーナーの運営というものもございます。  一方,住宅管理公社でございますが,市営住宅の維持管理はもとよりでございますけれども,市営住宅集会所の運営管理,それから入居者に対する駐車場業務というのを行っているわけでございます。  そこで,本市は現在ダイナミック・リファイン・プログラムの一環といたしまして,類似外郭団体の整理・統合ということを進めておりますけれども,このように業務内容の似通っております管理事業団と住宅管理公社を統合することによりまして,効率的な事業執行や組織の機能強化,それと団体の活性化が図られるという目的のもとに,今回統合しようとするものでございます。  この効果といたしましては,これまで住宅管理公社が培ってまいりました維持管理のノウハウが応用できること,あるいは事業団の人件費の節約が図られるものと考えております。  次に,現在の住宅管理公社に関する3点のご質問でございます。  まず,1点目の現在の住宅管理公社の予算規模と組織体制でございますけれども,当公社の事業は,今申し上げましたように,市からの住宅事業が主でありまして,そのほかに駐車場業務をやっているわけであります。  平成6年度の収入でございますが,37億6,800 万円に対しまして,支出は37億2,800 万円でございます。また,平成7年度の予算でございますが,収入が37億7,200 万円に対しまして,支出は37億5,800 万円でございます。  次に,事業に従事する人員でございますが,理事長以下86名でございまして,そのうち市から出向しておりますのは,課長職2名及び係長職1名の3名でございます。  ご質問の2点目と3点目は関連いたしますので,あわせて答弁させていただきますが,まず,現在の住宅管理公社の業務内容,大きく分けまして,くどくなりますけれども,市営住宅の補修,集会所の運営管理あるいは家賃の収納業務等を行う受託業務と,公社独自に行っております駐車場の管理運営の二つがございます。これに新たに加わりますのは,学校の修繕工事など公共建築物の保全にかかわる業務,それと団地管理事業団から引き継ぐ全業務ということになります。  これに伴いまして,新たに管理公社へ増員される人数,身分でございますけれども,保全業務からは,市の派遣職員22名,それからプロパー職員の3名,計25名,及び団地管理事業団からは11名を引き継ぐということになっております。  こうした事業の結果,予算規模といたしましては,現在の約37億円から76億円と2倍強の規模になりますし,また組織体制でございますが,現在の3課体制から2部5課体制へと拡充されまして,職員数も86名から1.4 倍の122 名となる予定でございます。  いずれにいたしましても,今回の統合並びに委託に伴う業務が円滑に遂行できまして,いささかでも市民サービスの向上に役立てればと思いまして,十分配慮していきたいと考えております。  なお,付言させていただきますと,これらの実施は平成8年4月1日からを考えております。  以上でございます。 ◆大西 委員  よくわかりました。  そこで,改めて2点お伺いをしたいと思います。  保全業務を新公社に委託をするということでありますが,保全業務の委託によってふえる事業の一番大きい内容は,本市が保有する庁舎その他公共建築物の修繕と保守点検業務ということであります。そして,その範囲は企業会計を除く一般会計全般にわたるということでありますが,相当の業務量になるのではないか,こう推察をされます。  そこで,業務全体を一挙に委託をしていくのか,あるいは段階的に委託をしていくのかなどについての委託手法についてお伺いをいたします。  2点目に,委託の主な業務のうち修繕業務に対する発注業務が非常に量的にふえるものと思われます。その場合,工事費の多寡に関係なく,すべて公社で行うことになるのかどうかお伺いをいたします。また,発注手法などについて,現行と変わるところはないのかお伺いをいたします。 ◎福島 建築部長  委託の手法ということですが,一般会計,それから一般会計全般の保全業務の委託についてでございますが,修繕業務そして保守点検業務,それから保全業務につきましては,ストックされている既存の施設が相当に多いわけでございます。現在1,630 施設,面積にして約310 万平米をストックしておる状況にございます。したがって,業務量が非常に多いということで,初年度は教育委員会所管施設の委託を対象といたしまして,おおむね3年計画で,企業会計を除きます全市の施設を段階的に委託してまいりたいと考えております。  ただし,これらの業務を委託するに当たりましては,施設の所管部局との協議,調整が必要でありますので,今後,施設の所管部局と十分に協議をしてまいりたいと考えております。  次は,工事金額に関係なく,すべて公社で行うことになるのかと,こういうご質問でありますが,保全業務の委託に当たりましては,当面,工事金額に上下限の限度を設定する予定でございます。すなわち,学校におきましては30万円以上3,000 万円未満の工事を,そして社会教育及び体育施設等その他の施設にありましては100 万円以上3,000 万円未満の工事を公社に委託する予定でございます。  それから,工事の発注方法などは,現行とどうなのかと,こういうご質問でありますが,現在の住宅管理公社の契約金額は,随意契約が100 万円未満,そして入札が100 万円以上でありますが,今回の委託を機会に,工事のまとめ発注や契約手続等の事務処理の柔軟な対応を可能にするために,契約金額等につきましては住宅管理公社と協議を進めてきており,随意契約及び入札金額の拡大をし,さらに一層の事務処理の柔軟な対応ができるよう協議を進めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆大西 委員  最後に,1点だけ簡単に要望しておきたいと思うのでありますが,本市の第三セクターのほとんどが財政的に大変苦しい運営を行っているわけであります。この住宅管理公社の運営も,これから先そういうふうにならないように,ぜひひとつ原局としても指導や点検,こういったものをきっちりとやっていただきたいと。そして,いささかも市民に迷惑をかけないという対応をぜひお願いしたいと思います。  以上,終わります。 ◆高橋[功] 委員  私からは,1点だけ簡潔にお尋ねをしたい。市営住宅に関してのことでございますが,市営住宅の緊急時における連絡体制について,この1点だけ伺いたいと思います。  実はご質問の前に,ある事例でございますが,私の地元の南区で昨年でき上がりました市営住宅の団地,9階建ての団地でございますが,ここで昨年,ある入居者の方がエレベーターを5階で待っておられましたが,待てど暮らせど全然おりてこないと。ずっと9階でとまったままだと。こういうことで,もうしびれを切らして階段で上がっていったのですね。5,6,7,8,9と上がって行きました。9階でエレベーターがとまっておる。どういう状況でとまっていたかというと,扉が半開きといいますか,半分閉まってといいますか,こういう状況でとまっておる。当然それは動きませんから,その方は中に入って,緊急ボタンを押す。そうすると,本来は緊急ボタンを押せば警備会社にきちっと連絡が入ることになっている,また,ならなきゃ困るのだけれども,ところが,そのときにはどこにもつながらなかったと。  私は,きょうこのことをとやかく言うつもりはありません,一つの事例として今ご紹介をしたのですが,実は私のところにこういうご相談がございまして,結果的にその方は市の方にも連絡をとって,事なきを得たわけでございますが,やはりこれがもし中に人が入っておったらとか,中に閉じ込められて,どこにも連絡つかなかったなんていうことになったらこれは大変なことだと。こういうことで,ご本人からご相談を受けて,そこで緊急時の連絡体制ということで私も大変気になりまして,管理人さんのことできょうはちょっとお尋ねをしたいと思っておったのです。  最初に,今申し上げた事例は,その団地だけじゃないのですね,ほかにも幾つか管理人さんが持っているわけです。現状として,今本市の市営住宅の管理人さんの体制といいますか,先ほど2万5,000 戸ぐらいのお話が出ておりましたけれども,また全団地に配置しているかというと,どうもそうではないようですね。ですから,その辺の現状と配置の基準といいますか,原理原則といいますか,この辺をちょっとまず先にお伺いをしたいと思います。 ◎酒井 住宅部参事  市営住宅の緊急時における連絡体制のうち,管理人の配置のお尋ねでございます。  市営住宅は,今お話しのように約2万5,000 戸の管理戸数がございまして,団地数で申し上げますと67団地ということになっております。  そこで,管理人の配置でございますが,団地の規模でございますとか,集会施設のあるなしということもございますものですから,大体管理戸数600 戸程度に1人の配置ということで進めておりまして,現在40名の管理人で業務遂行を行っているところでございます。  このように,戸数で配置しております関係から,ご指摘のように,1人で数団地を受け持っているという管理人もございます。この場合,団地の集会施設に管理人の連絡先を掲示いたしましたり,日常的に団地を巡回するなどいたしまして,入居者にとって支障のないように配慮しているところでございます。 ◆高橋[功] 委員  今,2万5,000 戸で,600 戸を大体めどにしているから,だから40人だと,こういうご答弁でございます。  きょう,私,管理人をふやせとかなんとかと,こういう議論ではないのですが,今回の事例から考えますに,例えば管理人さんが決められて,週2回か3回回ってくる。そのときにお話ができればいいけれども,そうとは限りませんですね。  もっと言うと,緊急時にどうするのだと,それから夜間だとか。管理人さんだって,当然土曜日・日曜日はお休みなわけで,そういう休日なんかにはどうするのだと,当然こういう話になりますね。私もいろいろお伺いしまして調べてみましたら,緊急連絡センターというのがありますと,こういうお話でした。それで,ああ,そうですかと,じゃ,緊急連絡センターに連絡すればいいのですねと。じゃ,緊急連絡センターって,みんな知っていますかと言ったら,余り知らない。私も大変恥ずかしい話,存じ上げませんでした。緊急連絡センター,電話番号を含めて,どういうふうに知らせているのですかと,こうなると,入居時にこういうパンフレットを渡しておりますと。入居時のパンフレットの確かに一番後ろに出ていました,緊急連絡センターと出ていました。  私はいつも思うのですが,何でもそうですけれども,こういうのがありますと。承知するしないは,確かに市民の問題ではあるけれども,もう少しきちっとした形で親切にといいますか,こういうことは非常に大事だろうと,こう思うのですね。こういうのに載っけていますと,こう言うだけでなくて,もう少し皆さんの目に触れる場所だとか,反復して掲載するとか,こういうことは非常に私は大事だろうと,こう思うのですね。  そこで,いろいろ伺っていた中で,例えば市営住宅ニュース,市住ニュースというのを出していらっしゃる。伺うと,2ヵ月に1回,隔月で全戸に配付をしている。2万5,000 戸全部に配っているわけですね。どの程度見ているかどうかはともかく,居住者の方は2ヵ月に1回必ず目にするわけですよ。そこに,緊急連絡センターとかこういうものがあるのですと。確かに何でもかんでも掲載するというのは,便利屋みたく使われても困るという背景はわからぬではありませんが,例えばこういう市住ニュースに掲載をする,そして周知徹底を図る。しかも,1回だけアリバイづくりみたく載っけるのじゃなくて,反復して掲載をする,例えばこういうことも考えたらどうかと,こう思うのですが,いかがでしょうか。 ◎酒井 住宅部参事  まず,前段でちょっと申し上げたいのですが,先ほど事例のお話がございました。これは,業者が調査をしたのでございますけれども,何か強い力が加わったということはわかるのですが,その原因というものは必ずしも特定できませんで,直ちに部品を取りかえて対応したということがございました。  いずれにいたしましても,こういった緊急時の取扱いの周知ということはかなり大事なことでございまして,今お話のございました入居時に配るだけではなくて,いろいろな手法をとれと,こういうご指摘でございますので,近々発行いたします市住ニュースにも載っけてまいりたいと思いますし,なおいい方法がないのか模索をいたしまして,皆さんの目につくような形をぜひ実現させていきたいと,そんなふうに考えております。 ◆高橋[功] 委員  最後に,そういうことで載っけてもらえるということだし,今後も,例えばさっき言った玄関の共有部分だとか,こういう目につくところにぜひ載っけていただく,また掲載していただく,こういうことでお願いをしておきたいと思います。
     以上で終わります。 ◆武藤 委員  私からも,市営住宅にかかわって3点についてお尋ねしたいと思います。先ほどの大西委員に倣って,1点ずつ質問させていただきます。  まず,市営住宅の暖房器具の問題についてです。  現在,市営住宅は2万5,000 戸弱,本市にあります。この市営住宅は,それぞれの団地によって暖房器具の形態がいろいろに分かれているという実態にあるわけなのですが,例えば地域集中暖房方式をとっている光星団地だとかもみじ台団地では,そもそも暖房器具は規定のものでなければならないために,建設当初から備えつけられています。もちろん,これらについては家賃にはね返っているものの,建設工事費の中で生み出されている,そういう形態になっています。  ところが,最近,2万5,000 戸ある市営住宅の約8%,この数,まだまだわずかなのですけれども,新しい方式としてガスセントラル暖房器具という形態も生まれてきています。これは,皆さん方が非常にご苦労なさって,高齢者や障害者にとってより安全な方式をということで生み出されたのかとは思うのですけれども,確かに弱者にとってはありがたい方式だと私も思います。  ところが,先ほどお話し申し上げました光星団地やもみじ台団地の集中暖房の場合と違いまして,同じように器具そのものは既に入居したときから備えつけになっているのですが,これにはリース代がかかる,こういうような違いが新たに生まれてきています。  こういうところで何が問題になっているかといえば,公営住宅のいいところは,年金者だとか低所得者,先ほど滞納の理由がいろいろ述べられていましたけれども,結局仕事がない,病気だとかもろもろの理由で収入減になったときに,公営住宅の場合は家賃減免制度というのを利用できるわけなのです。ところが,家賃にはね返ることのないリースの暖房器具については,家賃は減免になってもリース代がかかる,こういう問題が残るわけなのです。  そこで,こういうところについて,まだまだ8%の普及しかされていませんけれども,これから先,安全性を考えればもっともっと普及されてくるだろうと。これから新設されてくる市営住宅については,この方式をとるのではないかと思いますが,この点どうなのか。また,こういうリース制をとっている場所についても,やはり弱者救済,低所得者に対しては家賃減免とあわせて,このリース代についても助成をするつもりがないのかどうなのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。 ◎坂本 住宅部長  まず,暖房器のリース料金についてということでございますけれども,低所得者に対する助成でありますが,暖房器具に要する費用につきましては,入居者が生活を営む上で必要であると,いろんな費用の一部であるというふうに考えておりまして,助成につきましては,生活費に対する助成という観点から,その必要性が議論される問題と考えております。  したがいまして,公営住宅制度という側面からは,そのような助成については大変難しいのではなかろうかというふうに思われます。 ◆武藤 委員  大変簡単な答弁で,非常に情けない思いがします。実態をどう認識されているのかということも問題ではありますけれども,例えば最初にお話ししたように,もみじ台団地だとか光星団地には,既に建設工事の段階で暖房器具の費用が含まれているわけなのです。  例えば,札幌市の市営住宅は,おふろもすべてリースかあるいは買取りかということで行っていますけれども,川崎を見ますと,川崎の市営住宅は10年前からおふろ自体もリースや買取りではなくて,既に建設費用に含まれて,家賃にはね返らせて徴収すると,建設当時からそういう形態をとっているわけなのです。  ですから,私は,もみじ台団地や光星団地のような方法が今後,これから先,ガスセントラル給湯・暖房という方式が普及されていくのであれば,このような方法をとることができないのかどうなのか,この点をやはり改めてお伺いしなければならないと思うのですが,この点についてどうでしょうか。  それと,先ほども聞いたのですけれども,将来的にどのような方式をとっていこうとお考えになっているのか,この点もあわせてお答えいただきたいと思います。 ◎坂本 住宅部長  もみじ台団地,光星団地につきまして,地域集中暖房を採用しているわけでございまして,暖房方式につきましては特殊であると。仮に入居者が暖房器具を購入いたしましても,これらの団地から引っ越しをした場合に,ほかで使うことができないと。また,そういうリース事業を営む事業者もいなかったことから,建設工事の中で設置をしたものでございます。  そのほかの団地の暖房器具につきましては,煙突式の石油ストーブを初めとしていろいろございますけれども,これらについてはリースの場合も含めて,基本的に入居者が用意をしていただいていると。あわせて,入居者が管理するということで,これまで進めてきたわけでございます。  今後の問題といたしましては,当然市営住宅の新しいガス給湯・暖房方式というのは,最近,高齢化などに対応するために高層化をしていてエレベーターつきということで,石油を熱源とするような暖房機器では非常に危険であり,また,ガスの給湯・暖房システムを採用することによって,快適性・安全性等々の問題があろうかと思います。そういう意味では,非常に設備をすべきものであり,ベストの方法ではなかろうかというふうに考えておりますけれども,暖房方式につきましては,いろいろな過程を経まして導入をしていっておりますが,北国の生活にとりましては暖房は重要な要素であると。さらに,居住水準の向上を図るためにも,これで固定されていくというふうには考えておりませんけれども,ご指摘の点を今後新たな課題として受けとめてまいりたいというふうに考えております。 ◆武藤 委員  新たな課題ということで,ぜひ前向きにご検討いただきたいと思うわけなのですけれども,実際に今,毎年毎年新設住宅,それから空き住も含めて募集もやっているわけなのですが,前段のいろんな議論の中でも明らかになっているように,募集に対して非常に多くの市民が応募するわけですね。ところが,私も入居選考委員の一員として参加させていただいていますけれども,1月の募集のときは,わずか1戸の住宅に 165人が応募するという,こういうような事態が生まれているわけなのです。そして,2回目,3回目と継続して申込みをしなければ,優先回数はいつになっても上がっていかない,優位になっていかない。そういうような状況の中で,市民の側からすれば,住宅を選ぶことができないわけなのです。1回でも募集に応じなければ,また回数が,2回申し込んであってもゼロに戻ってしまう。これ自体問題があるのかもしれませんけれども,このような状況からすれば,市民が暖房器を選ぶことができない。こっちはガスで嫌だから灯油に, こういうような選び方をできないのだということをぜひ念頭に置いた上で,その辺について新たな課題として受けとめていただきましたけれども,建設費用の中で賄えるかどうなのか,この点についての検討も早急にやっていただくよう要望して,この点については終わりたいと思います。  あと2点は,あわせてお尋ねして終わりたいと思います。  先ほど大西委員からもありましたけれども,市営住宅の住みかえについてです。  先ほども大西委員の方から,切実な市民の声が反映されたところです。私もそういう声をたくさん聞いているわけなのですけれども,先日も桂市長あてに,心臓にペースメーカーを入れた70歳過ぎの方から,何としても5階から1階におろしてほしいと。住宅管理課とのやりとりで話がつかない,それで,桂市長に対しても手紙を出した。こういうようなことが,どんどんどんどんふえ続けています。  この住みかえの問題について先ほどお話があった中で,94年に国の方と協議をして,そして現在市営住宅に入居している人がそこから別の市営住宅へ申込みできる,こういうように,札幌市営住宅住替取扱要綱というのが93年につくられました。まだ新しいわけですよね。これが実施されて,実際にどうだったのか。  先ほどのお話を聞くと,局長自身のお答えの中でありましたけれども,新たな政策的要素も必要になってきていると,こういうようなお話がありました。この要綱自体がどのぐらい弱者救済に役立っているのか。この要綱の目的は,はっきりと書いてあるわけですね。高齢者や障害者手帳を持っている人たち,こういう人たちを救うための要綱であるということがしっかりと述べられているのですが,この要綱が実施されているにもかかわらず,これで救えないような状態が生まれてきている。これに対して,局長の答弁で新たな政策的要素というのであれば,この要綱自体の見直しも必要になってくるのではないかと,こういうような気もしています。  そこで,今この要綱の中では,実際に一般の公募とあわせて,この方々も申込みをするということになっていますよね。実施状況はどうなのかと,先ほどお話もしましたけれども,それはそれとして,これがあるからそういうやり方でしかできないというのが現状だと思うのです。  そこで,この中に書いてあるように,公募によってしか救えないとするならば,公募の数,在新設の住宅,年に1回,それから空き住の申込み,年2回,こういうことをやっているわけなのですけれども,この数だけでは到底救い切れないだろうと。そこで,住民からも要望が出ていますように,皆さん方の間でも交渉も何度も行われていると思いますけれども,この応募回数をふやすことができないのかどうなのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。  それと,これも先ほどお話がありました住宅管理公社の問題です。私は,事業団との統廃合の問題というよりも,管理公社そのものについての質問をさせていただきます。  業務内容についても,管理公社の業務,それから事業団が移行したときの業務内容がどうなるのかということでるるお話がありました。そこで,現在の管理公社,確かにいろんな仕事をやっていますけれども,それぞれの業務が果たして十分に賄い切れているのかどうなのか,ここのところも改めて見直す必要があるのではないかと思うのです。  そこで,私は先ほど言われませんでしたけれども,管理公社がこれまでやってきた仕事,集会所の運営管理,それから住民の駐車場の運営管理,家賃の収納業務,それからもう一つ,ことしのように特に雪の多かった冬場には欠かせない,管理人さんが各団地の屋根の雪庇状況を管理することにもなっている,これは管理人さんの業務として位置づけられているわけですよね。そこで,この問題について,皆さん方にも以前に雪が大変危険な状況にあるということで,屋根から雪がどんどんどんどんおりてきてもなかなか落ちない,そういう状況の写真も見ていただいたという経過もありますけれども,この冬場,実は住民の方々が管理人さんに言っても,そういう業務を自分たちが引き受けるのかどうなのかということがわからない人も実はいました。それから,ある団地では,管理人さんがいち早く行動してくれて,管理公社に言ったけれども,直ちに行動はできなかった。そういう中で雪が落ちてしまい,危ない思いをすると。こういうように,現段階でも管理公社自体の仕事は非常に不十分さがあるのではないか。  私は,管理人さんがたくさんの団地を抱えて,数的にこれでいいのだろうかという思いもしているのですけれども,この点について,とりわけ雪を機にこのことを私も非常に痛感させられるようになったのですが,今回のこのような雪の対応というのを管理人さんに徹底されているのかどうか。本当に管理公社がきちんとした対応をされているのかどうなのか,この点についても明らかにしていただきたいと思います。  以上2点です。 ◎酒井 住宅部参事  1点目の市営住宅の募集回数を拡大できないかというお尋ねでございます。  現在,ご指摘のように,新設1回,空き家募集が2回ということで対応させております。実は,1回募集をいたしますと何千人かの方が応募をされてくる。したがって,それの前段の処理,それから実際に申込書をいただいてからの処理,これは手間暇が相当かかっておりまして,現在,私ども職員は目いっぱいやっておりますけれども,現在の状況が手いっぱいというところでございます。  そこで,全般的な業務の見直しを図る中で,人手に頼っている部分をかなり機械化できるのではないか,あるいは電算処理でもって済む部分が相当あるのではないかということで分析いたしました結果,現在,平成8年度からでございますけれども,新たな公営住宅の管理システムを開発しようということでございます。これが軌道に乗りますのは大体平成9年の秋ぐらいかなというふうに今思っているのでございますが,そういたしますと,今度は募集回数の方にもさらに手が割けるのかなと。したがって,お話のありました現在の1回,2回というものを,例えば合わせて4回にするとか,そういうことは可能になってくる。そういうことを目指しながら,今進めているところでございます。  それから,管理人あるいは公社の対応についてのお話でございます。  雪庇の問題を特に取り上げてございました。基本的には,雪庇は気象条件ですとか雪の降りぐあい,風の強さによってでき方が相当違いまして,状況が悪ければ,本当に短時間のうちに雪庇ができ上がるという状況がございます。常に注意をしていなければならない部分でございます。  そこで,私どもは管理公社に対しまして,特に冬季間についての雪庇問題については気をつけるようにお願いをしておりますし,管理公社の職員であります管理人につきましても,その意を受けて十分にやっているものと判断をいたしておりますが,なお足りない部分があったようでございますので,一層督励をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆武藤 委員  住みかえの問題で,電算化で募集回数が,可能性としては今後ふえる見通しもあると思うのですけれども,現在の回数から1回,2回ふえても,まだまだ追いつかないという状況はあると思うのですね。だけれども,現在よりは多少幅を広げることができるという点では大変期待したいと思うのです。  それで,8年からというお話があったのですけれども,具体的に何年度あたりから回数増になるのか。  それともう一つは,それまでの間,例えばこういう問題がまだまだたくさん出てくると思うのです。だから,募集回数をふやすこととあわせて,皆さん方が一番困っているのは,希望があっても1階,2階にあきがない,ここがやっぱり一番悩みの種ではないかと思うのです。そういう点では,ぜひ本市の施策としても重点課題として,公営住宅の建設をさらに拡大していただきたい。そういう点についても,ぜひ検討していくべきじゃないかと,このことを強く思うわけです。それがなければ,幾らいろんな方法をとっても救いようがないのではないだろうか。ですから,この点について,将来的な問題になりますけれども,最後に助役の方から,今後の建設戸数はどうなのかという点でお答えをいただきたいと思います。  それから,公社の問題ですが,実際にこれからさらに業務量がふえていくわけですから,そういう中で2部5課ということでお話も伺いましたけれども,実際に管理人さんの業務自体が管理人さん任せにならない,本当に住民の安全を管理できるような,そういう公社の業務をきちんとやっていくべきだろうと思うのです。ですから,そういう点では,業務委託だとかいろんなことで仕事が混乱するのではなくて,やはり住民本位の,市営住宅の駐車場の雪の問題とか住民はたくさんの要望を抱えているわけです。小さい子が走って歩く中で,先日も雪が落ちて子供にぶつかったということもあったり,それからベランダのガラスが割れたり,実際にこういうことも起こっているわけなのですね。ガラス窓が割れたときは管理公社が責任を持って直すということまでは聞いていますけれども,この辺についてもやはり住民に周知徹底しながら,管理人さんがきちんと業務を遂行できるような,そういう公社との関係を徹底していただきたいなということを強く要望して終わりたいと思います。 ◎魚住 助役  公営住宅の建設につきましてお答えしたいと思います。  市民ニーズを十分把握した上で,現在,新しい5年計画を策定したところでございますので,まずはこの計画を着実に実行してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  私は,市営住宅におきます単身車いす住宅について,簡潔にこの1点のみについてお伺いいたします。  市民ネットワークでは,ノーマライゼーションを地域の中で進めるに当たっては,住居の確保が大変重要だというふうにたびたび取り上げてまいりました。市営住宅につきましても,代表質問やそれから特別委員会も毎度毎度の提案というか,そういうことをしてまいりましたけれども,来年度の予算案を見ますと,民生局の事業といたしまして,24時間の巡回型ヘルパーに取り組むことが決められました。それから,先日の民生局におきまして,今の滞在型のホームヘルプサービスも,その人その人の状況に応じてスポット型,巡回型,そして滞在型をいろいろ取り合わせた形でのホームヘルプサービスに取り組んでいきたいとの答弁もございました。  ということから,これまで建築局の方からの答弁にございました福祉サービスの充実が一体とならなければ,市営住宅での単身の車いす住宅は取り組めない,そのようなお答えだったかと思うのですけれども,そういった札幌市の在宅福祉の取り組みの状況を見ますと,もうそろそろ機は熟したのではないかというふうに思います。  そこで,1点ご質問なのですけれども,単身の車いす住宅,これは障害を持っている方たちから本当に大きな要望が出ておりますけれども,これについて積極的に取り組むべきときではないかと考えますが,それについてお答えいただきたいというふうに思います。 ◎坂本 住宅部長  車いす単身者用の住宅の建設及び入居についてお答えをいたします。  入居時に自立可能な状態であったとしても,将来的に介護が必要となることがあると。つまり,時間の経過とともに障害の度合いが進み,結果としてケアが必要になることが予想されるものですから,責任ある福祉サービスの体制の確立と将来にわたっての十分な対応が必要であります。しかしながら,車いす単身者用の住宅の供給に対する要望も強いことがあるわけでございまして,在宅障害者のヘルプそれからケア制度など,ソフト面も含めまして十分な対応をしていかなければならないと思っております。  現在,民生局と協議を進めておりまして,今後は需要予測とか入居要件の整理を行いまして,公営住宅法の改正に伴う本市の市営住宅条例の改正を視野に入れ,できるだけ早い時期に供給を進めてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  ただいま,できるだけ早い時期にというお答えいただきまして,これまで関係部局との積極的な対応をなさってこられたことに,障害を持っている方たちの声も含めまして,高く評価して,そして敬意を表したいというふうに思います。  今後,これが全国に広がることを望みながら質問を終わらせていただきます。 ◆北川 委員  それじゃ,私の方からは中高層建築物に関する紛争調整について,絞ってお尋ねします。  私も建設常任委員として,1年間,さまざまな陳情について審査をして大変感じるのは,マンションを中心とした中高層建築物の日影問題が,件数としては随分多いわけですよね。傾向としては,一方では,建てる側は採算性の問題があるし,他方では,地域住民は環境の問題やさまざまな問題で,相反する利害の中で事態がずっと進んできているなというふうに思いました。  そういう意味でいきますと,民民間の紛争に対して議会が入っていって,そこで陳情で審議するということがどうかというのは,私もひとつ感じるところでありますけれども,しかし,本市の指導要綱の中では,建て主が近隣住民との間で紛争が生じないように努めなければならないという規定があります。  そういう意味で,現行の指導要綱について1点目お伺いしますが,現在の中高層建築物に関する指導要綱について,紛争の防止や調整などについて制度上の問題はないかどうか,まず1点お尋ねいたします。  二つ目は,他の政令市では既に同じような要綱を条例化して,指導力を発揮しているというふうに聞いていますけれども,その辺の他都市の状況について,2点目お伺いいたします。 ◎小田切 建築指導部参事  第1点目の制度上の問題でございますけれども,ご承知のとおり,建築紛争は基本的に民事の問題でございますことから,建築基準法その他の法律においては,この種の紛争防止,紛争調整についての定めはございません。  本市では,多発する日照問題を背景として,建築主と近隣住民の間の紛争の未然防止と紛争が起きたときの解決方法について,行政としての対応も明らかにする意味から,昭和62年度に札幌市中高層建築物の建築に関する指導要綱を制定し,建築計画の事前公開,建築紛争の調整に関しての手続を定めたところでございます。  先ほども申し上げましたとおり,建築紛争は民事問題であることから,行政としてのかかわりはおのずから限界がございます。私どもとしては,建築主,近隣住民の方々双方のご理解とご協力を得ながらこの指導要綱を運用し,紛争の未然防止と紛争解決に向けて努力しているところでございまして,現在のところ,指導要綱の趣旨において特に問題になる点はないものと考えておりますが,行政手続条例等との関係もございますので,今後なお検討してまいりたいと,そのように考えております。  次に,2点目の他都市の動向についてでございますけれども,既に条例化しておりますのは,東京都,横浜市及び神戸市の3都市でございます。さらに,平成7年度に条例を制定し,平成8年度から条例の施行を予定していると都市は,千葉市,川崎市の2都市でございます。また,広島市においても条例化を検討中であり,平成8年度中に条例を制定する予定と聞いております。  これらの都市のうち最近条例化した各都市の条例化の背景でございますが,千葉市,広島市につきましては,行政手続法に基づく行政手続条例の制定に伴い,透明で公正な行政を推進するという同条例の趣旨から,中高層建築物の指導要綱を条例化したと聞いております。また,川崎市につきましては,東京都,横浜市が既に条例化されておりますことから,その間に位置する同市としても,首都圏内の均衡を図る意味から,今年度条例を制定したと聞いております。 ◆北川 委員  それじゃ,2点目に移りますけれども,指導要綱の第11条にある,紛争処理機関としての紛争調整委員制度の活用方法についてお尋ねしたいというふうに思います。  ご案内のとおり,昭和62年に現行の要綱が制定されて以来,この9年間に6件の調整依頼がありまして,そのうち1件が不調になって,5件が成立したというふうになっております。直近で言いますと,平成5年に1件のみ調整にかかっていて,それ以降は全然ないという状態になっているわけですね。せっかく制度があるのだけれども,なかなか活用されていないというのが,私は現状だというふうに思います。  そこでお尋ねしますが,1点目,現在の要綱では,どうしても紛争当事者双方の申立てが必要だというふうになっていまして,両方がテーブルに着かない限りは調整に入れないというのが現状ですけれども,このことが調整委員に諮ることを難しくさせている原因になっているというふうに私思いますので,この点についてまずどう思うか,1点目お伺いいたします。  二つ目は,その上で,この調整依頼方法について,今後は双方だけではなくて,一方からでも調整依頼があった場合は何とか行政として可能になるような,そういうふうな活用方法について私は検討すべきだというふうに思いますけれども,この点についてどう思うかお伺いいたします。 ◎小田切 建築指導部参事  紛争調整委員制度の活用方策についてのお尋ねでございますけれども,ご指摘のとおり,平成5年度に1件の調整依頼がありました以降,調整事例はございません。その主な理由として考えられますことは,先生ご指摘のとおり,紛争当事者双方が調整依頼の申立てをすることが要件となっていることも,その一因でないかと考えております。  紛争調整委員制度の活用について,ご提案にあります紛争当事者の一方からの申出による調整でございますが,現在私どもでは,当事者の一方から調整の申出があったときには,もう一方の当事者に対し,調整に応ずるよう働きかけを行っているところでございますけれども,当事者の調整の申出にはつながっていないのが現実でございます。このことから,調整委員の調整に移行することを勧告することができることを可能とする仕組みも検討すべきではないか,そのように考えております。  また,現行制度の上で,紛争案件の内容によりましては,紛争調整のより早い段階で,建築主,近隣住民双方に対して調整委員による調整を申し出るよう強く促すことも可能かと考えております。しかしながら,紛争調整委員の役割は,民事の和解に向けたあくまでもその仲裁でありますことから,紛争調整委員への調整依頼をする以上,双方に引き続き歩み寄りの姿勢や紛争の解決に向けた強い意思がなければ,調整を行っても不調に終わることが予測されますことから,甚だ難しい問題であると考えております。 ◆北川 委員  今の答弁で,ある意味でいきますと,従来と違って一歩踏み込んだ形で取り組みをしていくというふうに私は受けとめました。ぜひそのように進めていただきたいと思います。  最後に,その上で,行政はもう少し近隣住民の立場に立って,ある意味では住宅の建築の指導も強めるべきだというふうに私は考えます。具体的には,指導要綱の見直しや,さらに踏み込んだ形で,他都市のように要綱を条例化していくような努力もしっかりするべきだというふうに思いますが,この点についてどうか,最後にお尋ねをいたします。 ◎小田切 建築指導部参事  ご質問の近隣住民に視点を置いた行政指導を行えないかということでございますけれども,現在の指導要綱を厳正に運用することが近隣住民の皆様のための行政指導になると,そのように認識しておりますが,さらに有効な行政指導の可能性につきまして,建築主の責務や近隣住民の責務についてさらに明確化するなど,指導要綱の見直しもしくは条例化の検討とあわせまして,今後より一層調査研究を進めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆北川 委員  再度お尋ねしますが,最後の方の答弁で,条例化の検討に入るというふうに理解してよろしいでしょうか。 ◎小田切 建築指導部参事  先ほど来申し上げているとおり,現在の要綱でも制度的に特に問題はないと思いますが,新たに先生から近隣住民に視点を置いた行政指導をできないかというようなご指摘もございますし,その他のこともございますので,それを要綱の見直しの中で処理できるか,または条例化が必要か,その辺をあわせて検討してまいりたいということでご理解いただきたいと思います。 ◆本郷 委員  私からは,建築物の耐震改修の促進に関して簡潔にお伺いをいたします。  昨年12月,阪神・淡路大震災の教訓として早急に取り組まなければならない対策としまして,札幌市地域防災計画緊急対策95というものが策定されました。この中で,地震に強い街づくりを目指して,民間の建築物に対する対策として,耐震改修促進実施計画の策定と相談体制の整備を行う,こういうふうに明示をしております。  そこでお伺いしますけれども,1点目,耐震改修促進実施計画の内容と策定時期,これに関して具体的にお示しをお願いします。  次に,耐震改修に関する相談に対して,本市としてどのように対応されるのかお伺いします。 ◎舟木 建築指導部長  ただいまのポパイ計画に対する耐震改修促進実施計画でございますが,改修計画の内容といたしましては,4点ほどございます。まず第1点といたしまして,耐震診断,改修についての基本方針の策定でございます。次が,耐震診断を行うべき建物の把握。次に,重点的に耐震診断を行うべき地区の選定でございます。最後に,耐震改修の実施状況の把握でございます。以上の計画について,8年度中に策定したいと考えてございます。  次に,2点目の耐震改修についての相談体制のご質問でございますが,指導部といたしましては,現在,相談に来られたときには,それなりに耐震の相談の窓口としていろいろ受けてございますけれども,これからは建築関係団体等の協力も得ながら窓口を開設するなど,相談体制の拡充を図っていきたいと考えております。 ◆本郷 委員  相談窓口としては建築指導部ということになると思うのですけれども,現在も確認申請等業務をやっているわけでございまして,新たにそういう業務といいますか,人員体制も含めて,この辺十分検討をお願いしたいと思います。  次に,昨年12月25日,建築物の耐震改修の促進に関する法律が施行されました。これは,多数の人が利用する一定の建築物,具体的には学校,体育館,病院,劇場,集会場,階数が3以上で,延べ面積が1,000 平米以上の建築物の所有者に対して,官民問わずですけれども,必要に応じて耐震性向上のための改修を行うように努めなければならないと,こういう努力義務を定められているわけでございます。  そこで質問でありますけれども,今申し上げた基準に該当する建物が,本市におきましては約8,000 棟あるというふうに伺っております。これらのうち,この耐震改修促進法の対象となる,いわゆる昭和56年の新耐震の基準以前に建てられたものが一体どれくらいあるか。その中で,本市が所有する建物の耐震対策について,平成8年度の対応と耐震診断後の補強改修についてどのように行うのか,基本的な考え方についてお伺いします。  最後に,札幌市が所有している建物以外の対象建築物,国とか道とかあるいはJRとか,いろいろあるのでしょうけれども,特に民間の所有者に対して,この法律の周知並びに耐震性向上のための措置をすることを促すためにどのような方策を考えられているか,お伺いをいたします。 ◎舟木 建築指導部長  私の方からは,1点目と最後の3点目の質問についてお答えいたします。  まず第1点目でございますけれども,学校,百貨店など,階数が3以上かつ1,000 平米を超える建築物は,委員のご指摘のように8,000 棟ございます。そのうち,昭和56年以前に建築された建物はおよそ3,200 棟でございます。そのうち,市,道,国などの公共施設が約1,200 棟ほどでございます。  次に,3点目でございますけれども,法律の周知並びに耐震改修を促進させるための方策についてでございますけれども,法律の対象建築物の所有者に対するPR文書の送付などにより周知を図ること。また,先ほど申しましたように,相談体制を一層充実させ,耐震診断が受けやすい環境づくりを推進し,耐震改修の促進を図ってまいりたいと考えてございます。 ◎福島 建築部長  私からは,2点目の本市が所有いたします建築物の耐震対策についてでございますが,平成8年度は建物の耐震診断調査を行う予定でございます。具体的には,昭和56年以前に建築されましたもので,防災活動の拠点施設,そして避難・収容施設となる区役所そして区民センター,消防署,体育館,福祉施設など,建物の用途別に5施設,そして市営住宅3施設,小・中学校12校について,診断とその補強方法の検討を行う予定でございます。  診断後の対応についてでございますが,施設数が相当に多いこともありまして,長期的な事業になると思われますので,建築局といたしましても関係部局と連携を図りながら,施設の改修の優先づけや,それから財源措置などの年度計画を策定し,そして事業の展開を図っていくことになろうかと考えております。 ◆本郷 委員  今のご答弁で対象建物が3,200 棟ということですから,全体の8,000 棟から見れば約40%。ですから,全国的な平均は80%と言われていますから,そういう面では札幌市は恵まれているのかなと。  ただ,3,200 あるわけでございますから,耐震診断だけでも何百万円というお金がかかります。それに対して,改修をやるとなりますと何億円もかかるわけでございまして,民間の所有者に対してこれに協力してもらうというのはなかなか難しいことかと私は思うのですね。  3,200 あるうちの1,200 が公共の建物だと,これもやっぱり4割です。そういう意味からすれば,公共がまず先陣を切ってというのでしょうか,民間にそういうことをやってもらうためにも率先して耐震診断,改修ということを強力に進めていただきたいと,こういうふうに要望して終わります。 ◆飯坂 委員  私からは,特定優良賃貸住宅についてお尋ねしたいと思います。  特定優良賃貸住宅制度というのは,民間もしくは公社が建てる住宅に対しまして,住宅建設費のうち共同施設等の整備に要する工事費を国と札幌市が補助をし,また入居者に対しましては契約家賃の一部を補助する,こういう制度であります。また,建設時から20年間は,空き室が生じた場合にその家賃を市が補てんする,このようになっております。  本市におきましても,93年9月から入居が可能となりまして,本年3月現在で見てみますと,9団地,383 戸の管理戸数と,このようになっておりますが,11日現在で何と41戸の空き室があるわけです。市営住宅と違いまして,特優賃は随時受け付け可能となっているのですが,1割以上もあいていると,こういう状況になっております。空き室の補てんだけでも,この3年間で2,655 万7,000 円を本市が負担していると,こういう現状です。  本来,市民に快適な住宅を提供し,そして家賃収入もきちんと入ると,これが望ましいと考えますけれども,入居を促進するために,入居者負担のさらなる軽減,あるいは入居条件の緩和など具体的な手だてが必要と考えますけれども,今後の対処方針について,まずお尋ねいたします。 ◎酒井 住宅部参事  特定優良賃貸住宅の入居促進についてのお尋ねでございますが,今,委員からご指摘ありましたように,383 戸に対しましてそのような空き家がございます。しかし,そのうちの293 戸,これは昨年の3月までに管理を開始したものでございますけれども,それに限って申し上げますと,空き家は8戸でございまして,空き家率は2.7 %。その余のものは今回新たに管理を開始しようとするものでございまして,これについて相当の空き家がまだあって,現在,随時受け付けをしているという状況でございます。
     そこで,この制度はできてまだ新しいものでございますから,今申し上げた昨年の3月までに管理を開始したものにつきましても,当初は相当の空き家がございまして,その中で私ども入居促進を図るために,まず家賃対策として入居者負担額の引下げというものを2度にわたって行ってまいりました。具体的には,当初国の基準で決められたものよりも約12%ぐらい下げて,具体的に 8,000円程度になるわけですが,これが第1段でございました。さらに,平成7年度の募集分からでございますけれども,本市独自の算定方法を導入し,家賃負担率を低減いたしまして,当初に比べますと,都心部で約14%,金額にいたしまして1万円程度,郊外部では24%で,同じく1万 7,000円程度の引下げを行ったところでございます。  それから,入居資格の緩和についても行っております。特定優良賃貸住宅は特優賃と私ども略しておりますが,特優賃の入居階層は,収入区分で申し上げますと,25%から50%というものを原則階層にしております。私ども,今まで原則階層でやってきたわけでございますが,本年の3月1日からこれを80%まで引き上げまして,これは市町村の裁量で80%までいいですよと言っているのですが,その上限いっぱいまでとらせていただいている。それから,あわせてもう一つは,市外からの転入者であっても入居資格を与えるという方法をとったところでございます。  それで,先ほどもちょっと申し上げましたけれども,当初は制度が新しいがゆえに余り知られていなかったということや,入居者負担額が国の基準によっていたものですから,割高感があったのかなということで応募する人も少なかったわけでございますけれども,その後の広報活動,あるいは申し上げたような負担額の引下げによって,現在は既設のものについてはほとんど空き家がないという状態まで持ってきたところでございます。 ◆飯坂 委員  応募の階層を原則階層から80%の裁量階層にまで広げて緩和するということですけれども,緩和された場合に,こうした裁量階層についても入居者の家賃の軽減措置をとるお考えがあるかどうか,これをまず1点明らかにしていただきたい。  それから2点目は,現在行われている原則階層,国基準よりも軽減措置をとっていますというお話でしたけれども,具体的にちょっと見てみたいと思います。  今月25日から入居可能な,例えば東区のオークコート141 ,この場合で見てみますと,入居者負担の家賃というのは,市が軽減措置をとっても6万円前後と,このようになっております。さらに共益費が8,000 円,そして駐車場代が7,210 円ということですから,合わせますと,入居に伴ってこれだけで7万5,000 円を超える入居者負担になるわけです。都心部で同規模の市営住宅の第1種の家賃を見てみますと,5万1,500 円から5万3,500 円,そして共益費は2,000 円から3,500 円,それから駐車場負担は3,090 円,こういうことですから,それらを合わせましても5万6,000 円から6万円と,こういう範囲になっているわけですね。そうしますと,市営住宅の同規模の家賃に比べまして,特優賃の場合は1万5,000 円から2万円,一月それだけの高い負担と,こうなっているわけです。  もちろん,市営住宅の入居対象世帯よりも少し上の所得階層を対象にした住宅ではありますけれども,やはり控除後の月収18万1,000 円から原則階層となっていますが,この人たちにとって7万5,000 円の負担というのは,かなり大きな負担になっているのでないかというふうに考えるわけです。家賃負担引下げを2度にわたって努力してきたとはいいますけれども,さらに入居を可能にするために引き下げるべきではないのか,この点について,先ほどと合わせて2点お答え願います。 ◎酒井 住宅部参事  裁量階層に対します家賃の低減措置をというお話でございましたけれども,現在の国の基準で申し上げますと,入居者負担額とオーナーが決めます家賃,これは本来家賃と私ども申し上げておりますが,その差額の2分の1ずつを国と市町村が負担をすると,こんな仕組みになっているわけでございます。  そこで,今のお話でございますが,裁量階層になりますと18万1,000 円,市営住宅の階層よりも上の人ということになるわけでございまして,相当な所得水準に達しているという現実もございますものですから,本市におきましては,一般的な家賃水準等を考慮いたしますと,国の補助基準を超えてまで,裁量階層に対しまして負担をしてあげるということにはならないのかなというふうに思っております。  原則階層につきましてでございますが,入っていただいた方につきましては,毎年5%ずつ家賃が上がっていくわけでございまして,これが最終的には先ほど申し上げた本来家賃にすりつくということになるわけでございます。しかしながら,所得水準でございますとか将来の入居者の負担なんかを考えますと,アップ率がこんな5%も毎年上がっていくのはいかがなものかなと,私どもは大きな問題かなというふうにとらえております。ほかの指定都市も同様な悩みを抱えておりますものですから,大都市会議等におきましても一致した意見でありまして,国に対して,アップ率5%については,もっと下げていただきたいということの要望をしているところでございます。  いずれにいたしましても,国の制度の枠の中でしか泳げないものでございますから,制度の改善も含めまして要望を続けてまいりたいと考えております。 ◆飯坂 委員  今のご答弁で,まず裁量階層のことですが,31万1,000 円を超えた場合は軽減措置はとらないと,こういうふうになりますと,本市の場合でいきますと,都心部は平均ですが10万3,000 円,こういう家賃になります。それから,郊外であっても8万8,000 円の家賃になります。それに,先ほど申し上げました共益費,駐車場,合わせて1万五千何がしがかかるわけですから,都心部では12万円近い負担になりますし,郊外部であっても10万円を超える,こういう負担になるわけですよ。  他都市では,この裁量階層であっても2分割いたしまして,すなわち42万円までの世帯とそれ以上の世帯を区分しまして,何らかの軽減措置をとっていると,こういう都市もございますね。本市の場合は,31万1,000 円を超えたら,いきなり契約家賃そっくりいただきますよと,こういうふうになるということでは,原則階層と裁量階層の境界の人たちはなかなか入居ができない,現実問題として,そういうふうになろうかと思います。  緩和されるのは結構なのだけれども,実際,57万6,000 円の上限に近い人たちが空き住に入ると,こういうふうになるのではないかと思われるわけですね。この特優賃というのは,公営住宅に準じて国と札幌市が公的支援をして住宅を提供する,こういう制度ですから,やはり原則階層の入居負担を軽減して,まず希望者が入れるようにするということが第1番目。そして,あわせて裁量階層であっても原則階層に近い,そういう層に対しましては何らかの負担軽減措置をとると,こういうことが必要だと思いますが,改めて伺います。  それから2点目は,今のご答弁の中でも,入居しましたら毎年5%ずつ家賃が上がると,この問題です。しかも,2年ごとに家賃を見直すと,こうなっております。そうしますと,入居当時は家賃補助を受けて6万円台で入っていたとしても,こういうことで5%アップ,さらに2年ごとの見直し,これでいきますと,10年足らずで当初の契約家賃になっちゃうわけですよ。そうすると,本当に公的にこうやって提供しましょう,入りやすくしましょうといっている住宅なのに,市場家賃と何ら変わらないと,こういうふうになってしまうわけですね。  そこで,今,国に対してアップ率の軽減を求めていきたいというご答弁でしたが,他都市では既に,国の指導の5%にこだわらないで,アップ率を引き下げて入居者の負担軽減を図るという措置をやっているところもあります。本市におきましても国待ちではなくて,本市の状況に応じて,5%アップというのは本当にべらぼうな上げ率だと思いますから,このアップ率を引き下げて,入居しやすい条件を整備すべきだと思いますが,その点についてもう一度ご答弁願います。 ◎酒井 住宅部参事  他都市の例を今お話しでございましたけれども,例えば川崎,横浜のような例をちょっと調べさせていただいたのですが,私どもの契約家賃は,いわゆる本来家賃,オーナーとの家賃でございますが,おおむね10万円ぐらいが上限でございます。一方,川崎や横浜の例では,大体15万円ぐらいが本来家賃というふうになっております。そういたしますと,裁量階層につきましても,国の基準を適用してもなおかつ本来家賃まで届かない,いわゆる国の補助対象になる部分の人が大部分ということでございますが,札幌市の場合は,いきなり上までいってしまいますものですから,国の補助を超えてまでの家賃補助にはならないというふうに申し上げたところでございます。  しかしながら,原則階層の方も含めまして,毎年の5%アップというのは,お話のように,もう10年足らずで市場家賃にすりついてしまうものですから,将来的な家賃負担を考えますと,ちゅうちょされる方もいらっしゃるのではないかということから,私どもは国に対して制度の改正を要望しておりますが,今独自に下げますと,下げた差額については,その下げた自治体の負担ということに相なるものですから,なかなか財政的な意味からも踏み切れない。一方,申し上げたような川崎,横浜については,制度の枠の中でまだ泳げるという現状でございます。  したがって,私どもは,まずは国の制度の改正についてお願いをしていきたいと思っておりますし,さらに裁量階層のことについて申し上げますと,3月1日に実施したばかりでございますので,今後の動向もよく見きわめた中で,どういう方法があるのか研究をさせていただきたい,こんなふうに考えております。 ◆飯坂 委員  最後に,局長に伺いたいのですが,公営住宅法との関連についてですけれども,さきの代表質問でも取り上げましたけれども,公営住宅制度の見直しの前提となっております住宅宅地審議会の答申によれば,一般世帯の入居基準が引き下げられた上で,収入超過者に対しては明渡し請求ができると。そして,出ていかない場合には市場家賃を課す,あるいは一定の収入があれば,高割増し家賃といいまして市場家賃の2倍を課すことができる。実質,市営住宅からの追い出しが図られると,こんなような内容です。  そこで,収入超過者に対しましては特優賃住宅が用意されているのだと,こう今まで言われてきたのですけれども,先ほど来私が指摘しましたように,入居の時点で市住に比べまして月2万円近い負担増,さらに毎年,現在であれば5%アップ,こういうふうな家賃体系ですから,市営住宅を追い出された現在の入居者が,おいそれとは特優賃には入れないのではないか,そう考えるわけです。その点,局長はいかがお考えかご答弁願います。 ◎西村 建築局長  実態としては,やはりご指摘のような傾向にあろうかと思います。この特優賃の制度が企画されて立案されたのが,いわゆるバブルの時代で,しかも首都圏,近畿圏の超大都市圏の住宅事情を頭に置いて構築されたと伺っております。今こんな時代になったし,そしてまた大都市といったっていろいろありますので,その辺の制度的なギャップが今のような姿になって出ているのではないかというふうに感じています。  したがいまして,これからも,先ほど来部長が答弁申し上げましたとおり,制度的に足りないところをさらに補うように,大都市会議あるいは地方四団体等の陳情等を通じて強く要望してまいりたいというふうに考えております。 ◆飯坂 委員  本市の実情から見ましても,特優賃住宅があるから市営住宅の補完になるのだというふうには,なかなかならないかというふうに思うのです。  国と本市が直接提供する市営住宅なのですが,本市の市営住宅の建設計画は,過日の代表質問でも触れましたが,現5年計画では3,200 戸,新5年計画では2,250 戸,新築はそのうち1,250 戸です。大幅に後退しております。私の代表質問に対しまして,助役は妥当なものというふうに答弁され,また先ほどの武藤委員の質問に対しまして,市民ニーズを十分把握した上で建設計画を立てたのだと答弁しましたけれども,新築の応募倍率が平均で6倍,単身者は7倍と言われております。こうした実態から見ても,とても市民ニーズに見合った計画だとは言えないと思います。国と本市が直接責任を持って提供する市営住宅の大幅な建設を強く求めて質問を終わります。 ○高橋[重] 委員長  以上で,第7項 建築費,第2条から第4条までのうち関係分及び議案第59号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は明日,19日火曜日午後1時から,農業委員会及び経済局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後4時55分...