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平成 8年第一部予算特別委員会−03月12日-03号
平成 8年第二部予算特別委員会−03月12日-03号

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  1. 札幌市議会 1996-03-12
    平成 8年第二部予算特別委員会−03月12日-03号


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    平成 8年第二部予算特別委員会−03月12日-03号平成 8年第二部予算特別委員会             札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第3号)                 平成8年3月12日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人      委員長  高 橋 重 人 君         副委員長  丹 野   勝 君     委  員  吉 野 晃 司 君         委  員  越 智 健 一 君     委  員  佐 藤 美智夫 君         委  員  高 橋 忠 明 君     委  員  武 市 憲 一 君         委  員  宮 本 吉 人 君     委  員  千 葉 英 守 君         委  員  原 口 伸 一 君     委  員  伊 藤 知 光 君         委  員  三 上 洋 右 君     委  員  笹 出 昭 夫 君         委  員  宮 村 素 子 君     委  員  馬 場 泰 年 君         委  員  横 山 光 之 君     委  員  岡 本 修 造 君         委  員  湊 谷   隆 君     委  員  伊与部 敏 雄 君         委  員  西 村 茂 樹 君     委  員  猪 熊 輝 夫 君         委  員  大 西 利 夫 君     委  員  北 川 一 夫 君         委  員  大 嶋   薫 君     委  員  本 舘 嘉 三 君         委  員  森   健 次 君     委  員  小 田 信 孝 君         委  員  本 郷 俊 史 君
        委  員  高 橋   功 君         委  員  荒 川 尚 次 君     委  員  飯 坂 宗 子 君         委  員  武 藤 光 惠 君     委  員  佐々木 周 子 君         委  員  菅 井   盈 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○高橋[重] 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項は特にございません。  それでは,議事に入ります。  第4款 衛生費 第1項 保健衛生費,第4条地方債のうち関係分,議案第19号 札幌市証明等手数料条例の一部を改正する条例案,議案第30号札幌市健康づくりセンター条例の一部を改正する条例案,議案第33号 札幌市墓地条例の一部を改正する条例案,議案第35号 札幌市食品の製造販売行商等衛生条例の一部を改正する条例案,議案第41号 札幌市立高等看護学院条例の一部を改正する条例案,議案第51号 札幌市地方精神保健福祉審議会条例案及び議案第54号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案について一括して質疑を行います。 ◆宮村 委員  私は,大きく2点にわたりまして質問したいと思います。  まず1点目ですけれども,地域保健法の完全施行にあわせました平成9年4月1日実施予定の新しい地域保健体制についてでございます。もう一点目は,札幌市地域防災計画緊急対策 '95に関連しまして,緊急医療対策についてお伺いしたいと思います。  最初に,新しい地域保健体制についてですが,まず保健センターの役割についてお尋ねしたいと思います。  豊平区分区により,清田区に保健センターを設置することになり,1保健所10保健センター体制基本方針が示されまして,今日までの市議会においても,本市における地域保健体制のあり方について多くの論議がされたところでございます。  私は,看護職の立場から,今後の地域保健サービスをきめ細かに提供するためには,ケアマネジメント充実強化がどうしても必要であると考えております。昨年の第2回定例市議会予算特別委員会におきましても,ケアマネジャーについて質問いたしました。その際,現在の局長から,要介護者に対する的確な判断,行政サービスに関する豊富な知識,思いやりのある奉仕の精神が必要であって,看護職が中心に役割を担う福祉職も当然入ってくるだろうということでございました。大変前向きなご回答をいただいたというふうに思っておりますが,私は,既に高齢社会を迎えました今日にありまして,在宅ケアに関する業務がいかにきめ細かく行われるかということが,保健センターにおける地域保健サービスの根幹業務になるのではないかと考えているところでございます。  在宅ケアというふうに一言で申しましても,これを成り立たせるためには大変な問題がございます。一つには,在宅ケアにかかわる職種は大変多くございまして,毎日の生活の中で種々のサービスをどう効果的に活用するか,また在宅を支える家族の心身両面の健康をサポートしなければならないわけでございます。また,在宅にあっては,苦しみの中で声を出せない人々,特に痴呆性老人を抱える家庭などには多いと思いますが,このような人々を発掘することも重要な課題でございます。言いかえますと,看護職を中心に綿密なケアマネジメントを行うことによって,新しい地域保健体制における保健センターが地域に密着し,市民のより一層の信頼を得る大きな要素となるのではないかというふうに思っております。もちろん,看護職だけではなくて,福祉部門の職員と共同してということが,私は前提にあるというふうに思っております。  こうした保健センター機能が醸成されれば,要介護者に対するサービスの需給関係のみにとどまらず,保健・福祉の地域住民相互の意識高揚を促し,ひいては地域自体が人と人とのつながりを見出して,そして温かい地域社会を育てる先駆的な役割を果たすことになるのではないかと強く思っているところでございます。  そこで,一つ目の質問ですが,新しい地域保健体制における保健センターは,従来のサービス体制と比較しまして,何に重点を置いて,具体的にどういう方向性を目指すことになるのかお伺いしたいと思います。  二つ目に,本市の新しい地域保健体制における保健所の機能強化について,厚生省のヒアリングが去る2月29日に行われたというふうに聞いておりますが,私は,昨年の第2回定例市議会予算特別委員会において,サービスの担い手である看護職の資質向上とケアマネジャーとしての役割にふさわしい研修の実践を要望した経緯がございます。まさに,1ヵ所に集約されます保健所の大きな役割の一つとして,研修機能充実強化がぜひ必要だと考えております。本市として新体制における保健所の機能強化について,厚生省のヒアリングで提示した内容についてお伺いしたいと思います。  三つ目に,保健と福祉の連携についてお尋ねいたします。  保健センターは,保健と福祉の有機的連携を図るために区の機構に編入することを明らかにしております。私も,地域福祉サービスの担い手である福祉部門が既に区の機構にある以上,同じ区の中でより綿密な連携こそが大切だと考えております。  今度新しく計画されております清田区においては,保健・福祉の総合相談窓口機能をより充実強化するということから,区の福祉部と保健センターの各事務室を同一フロアに並列配置すると聞いておりますが,地域住民にとっては大変便利な配慮であり,そのことは多くの市民が望んでいたスタイルではないかと思っております。また,同一フロアに並列配置するというだけではなくて,必然的に保健と福祉の相互の連携についても,より一層有機的な連携が可能になるのではないかと考えるところでございます。  私は,保健と福祉の連携のあるべき姿として,福祉部門保健部門の組織化がぜひ必要と考えておりますが,そのようなお考えがおありかどうかお伺いしたいと思います。  それともう1点でございますが,私は今回の代表質問におきましても,新5年計画に示されました新保健所の建設計画について取り上げまして,将来的には夜間急病センター及び精神保健福祉センターとの複合施設として新設するとの答弁をいただきました。  そこで,平成9年4月の新しい地域保健体制の実施を踏まえまして,新保健所建設までのスケジュールについてお尋ねします。1点目の新しい地域保健体制についての質問は,以上でございます。 ◎濱本 衛生局理事  第1点目の保健センターの役割についてお答え申し上げます。  従来のサービス体制と比較いたしまして,何に重点を置いて,具体的にどういう方向性を目指すのかというお尋ねでございますが,これらの地域保健サービスのあり方というものは,地域保健法が示しておりますとおりに,生活者個人の立場で,時代に即応いたしまして,かつ多様化する市民ニーズに沿った施策の展開を目指したいと考えております。特に高齢社会の進展や少子化などの社会情勢を考えますと,委員がご指摘のとおり,ケアマネジメント体制の確立を促進する一方で,在宅ケア事業を中心的に行う係の新設など,保健センターの機構にも配慮し,在宅ケアを重点課題とした保健センター機能充実を図ってまいりたいと,このように考えております。  第2点目の保健所の機能強化についての厚生省ヒアリングにおける本市の説明内容でございますが,本市の場合,1保健所に集約する予定でおりますことから,地域保健法の趣旨に沿い,広域的・専門的・技術的保健サービスを提供する拠点施設としての機能を考えております。具体的には,広域的視野に立った保健サービス調査研究機能充実強化及び情報の一元管理,分析・提供機能の確立,さらには各専門職研修の充実など研修機能の拡充と,この三つの機能強化策を柱に厚生省ヒアリングに臨み,理解をいただいたところでございます。  第3点目の保健と福祉の連携について,保健部門福祉部門の組織化は考えているのかというお尋ねですが,これまでも区福祉部保健婦職の主査を配置し,保健福祉総合相談窓口充実強化を行い高い評価を受けるなど,保健・福祉の連携強化の各種施策を積極的に実施してきたところでございます。  また,本市におきまして新しい地域保健体制を推進するに当たりまして,地域保健福祉サービスをきめ細かく提供するためには,保健・福祉,さらには医療も含めた連携体制充実強化は必要不可欠というふうに考えております。したがいまして,区に編入される保健部門と,既に区の機構に組み込まれている福祉部門を統合した保健福祉センターの組織化は,目指すべき命題としてとらえておりますので,平成8年度早期に関係部局による検討委員会を設置し,可及的速やかに実施の方向で検討してまいりたいと考えております。  第4点目の新保健所建設までのスケジュールでございますが,集約される新保健所は,大通西19丁目の札幌市技能訓練会館跡地に新設する計画であり,新5年計画におきまして,実施設計まで行う予定であります。  新保健所の建設計画につきましては,平成8年度から基本方針の検討を行いまして,新5年計画の年次計画に合わせて進めてまいりたいと考えております。したがいまして,新保健所建設までは職員会館を暫定保健所として,平成9年4月に新しい地域保健体制を実施する予定で,平成8年度に一部改修工事を行います。  以上でございます。 ◆宮村 委員  次に,2点目の緊急医療対策についての質問に入らせていただきます。  昨年の阪神・淡路大震災では,医療機関自身も大きな被害を受けて,通常の医療,看護業務は麻痺的な状態となって,多くの負傷者の治療や避難所における医療活動においては,外部からの支援活動に頼らざるを得なかった状況となりました。全国的な支援活動が必要であったことが,まだ記憶に新しいところでございます。  衛生局は,このような危機的な状況をいち早く理解され,災害発生の翌日には神戸市に向けて第1次の医療救護班の派遣を決断され,その後7月1日までの間,25次にわたり延べ492 人の派遣を継続されたというふうに報告されておりました。このことは,皆さんよくご承知のことかと思います。  さらに,派遣メンバーの構成も,そのときどきの医療ニーズを考慮されまして,前半は緊急災害の起きたその直後,医師,看護婦の派遣を中心に,後半は保健を含めた長期的な対応ということで保健婦を派遣するなど,非常にきめ細かいお考えを持たれて支援活動をなされたのだなというふうに思っております。現地で活動なさいました皆様に対しましても,大変敬意を表するところでございます。  また,本市も震災後間もない2月に地域防災計画を総点検し,11月には札幌市地域防災計画緊急対策 '95として,地震発生時の緊急対策を取りまとめられたわけですが,この地域防災計画緊急対策 '95につきましては,27の分野にわたる対策項目が盛られております。しかし,災害発生時は大変危機的な状況を引き起こし,いわゆるパニック状態になるわけですが,そのような中で,まず救命,そして負傷者の手当て,そして安全・安楽確保,それから2次的合併症の予防,感染予防,それらのことについて目で見て,そして心で受けとめて,広範にわたり,そして継続的に対応しなければならないというふうに思っております。私は,そういった観点から,緊急医療対策について何点かお伺いしたいというふうに思っております。  まず最初に,札幌市地域防災計画緊急対策'95 の中にある登録医療従事者制度の新設や,災害時基幹病院の指定についてでございますが,どのような経緯でこの方策を策定するに至ったのか,まず1点目お伺いしたいと思います。 ◎濱本 衛生局理事  登録医療従者制度の新設と災害時基幹病院の指定を行うに至った経緯でございますが,大規模災害時の医療救護体制の構築につきましては,札幌市医師会と協議を重ねていたところでございますが,阪神・淡路大震災を契機に,昨年6月に札幌市医師会を初めとする医療関係団体など,関係者から成る札幌市緊急時医療体制検討委員会を発足させ,大規模災害時における医療救護体制について検討を重ね,その結果を札幌市地域防災計画緊急対策'95 に反映させたところでございます。  昨年11月,検討委員会からの中間報告の中で,登録医療従事者制度と災害時基幹病院の必要性を提言されましたことから,本市といたしましてもその具体的作業を進めまして,引き続き検討委員会において検討させていただき,実現可能なものから順次整備を行っていくということにしております。  以上でございます。 ◆宮村 委員  策定の経緯というのはわかりましたけれども,次に登録医療従事者制度の新設と災害時基幹病院の指定に関する具体的な内容についてでございますが,このたびの震災では医療従事者自身も被災し,みずから勤務する病院等へ出向くことが大変困難な状態となりました。このような状況下で,震災発生直後の医療救護活動は非常に混乱し,医療従事者の確保に大きな問題を提起いたしました。また,被害を受けました医療機関にも多数の負傷者が殺到し,十分な医療の提供を行うことが困難であったと聞いております。  登録医療従事者制度や災害時基幹病院の指定は,このような混乱した事態を回避するために策定されたものと理解いたしますが,登録医療従事者制度の新設と災害時基幹病院の指定について,それぞれ2点ずつお伺いしたいと思います。  まず,登録医療従事者制度についての1点目でございますが,この制度を新設された目的と従事者の募集方法についてお伺いします。  2点目は,制度発足後,この制度をどのように運営,推進されていくのかお伺いしたいと思います。  次に,災害時基幹病院の指定についてでございますが,1点目として,災害時基幹病院の指定の具体的な目的をお伺いいたします。  2点目は,どのような基準により,この災害時基幹病院としての要請を行ったのかをお伺いいたします。 ◎濱本 衛生局理事  まず,登録医療従事者制度の新設についてでございますが,第1点目の制度新設の目的につきましては,大地震発生時に医療従事者の確保が非常に困難になりますため,あらかじめボランティアの医療従事者を登録しておくことにより,必要な医療従事者を速やかに確保し,迅速かつ円滑な医療救護活動を行うということを目的としております。  従事者の募集方法でございますが,既に札幌市医師会を初めとする医療関係団体を通じまして,それぞれの会員に対して本制度を周知していただき,協力要請を行っているところでございます。  2点目の発足後の制度の推進策についてでございますが,継続的に参加者を募ることとし,応募のあった医療従事者につきましては,災害医療に関する研修会等を開催する中で,緊急医療体制についての認識をさらに深めていくこととしております。  次に,災害時基幹病院の指定についての質問でございますが,その中の第1点目の指定の目的につきましては,大地震発生時,医療従事者が不足する中で,多くの傷病者に重症度に応じた医療の供給体制が必要になります。このようなことから,災害時基幹病院は,他の医療機関あるいは災害の現場から救急車,ヘリコプター等で搬送される重症者の治療を主に担当する病院として位置づけ,1区に1病院以上を指定し,重症者を救命することを目的としております。  2点目の指定に当たり考慮した事項につきましては,重症者に対応できる医療設備を有する病院の中から,地域性も考慮し協力依頼をしております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  私の方から大きく3点ありますので,まず1点目について終わらせてから,2点目,3点目,まとめて行いたいと思います。  1点目は,エイズ対策についてであります。  これは,ここ一,二ヵ月,第2次和解案が示される,あるいは厚生省で資料が新たに見つかる等々大きな動きが出ておりますが,昨年11月28日に厚生省は,HIV,いわゆるエイズウイルスに汚染されたおそれのある非加熱血液製剤が血友病以外の患者300 人近くに投与され,少なくとも13人がHIVに感染している,その中でもエイズが発症したり,死亡した人が4人いたということが明らかにされました。この数字は,昨年9月から11月にかけて,全国の都道府県及び政令都市に対して,非加熱製剤を投与した可能性のある医療機関名製剤メーカー納入先リストをもとに特定して,調査した結果を集計したものとされております。  そこで質問でありますが,札幌市に対しても厚生省から依頼はあったのか。あったとすれば,調査対象となった医療機関は何ヵ所か。そしてまた,その調査結果について明らかにしていただきたいと思います。 ◎濱本 衛生局理事  お答えいたします。  ご質問の調査につきましては,昨年の9月27日付で本市にも依頼があったところでありまして,調査対象として依頼のあった本市市内の医療施設は6医療機関でございます。  また,調査結果でございますが,この調査は,その内容等から各医療機関の十分な理解を得る必要があると考え,衛生局職員が各医療機関に出向き,院長等の責任者に調査内容を説明し,協力要請をしたものでございます。  各医療機関の責任者からは,10年以上前のことであり,診療録,薬品受払簿等関係書類も廃棄されており,被輸注者を特定することは困難で,関係者の記憶に頼らざるを得ないこと,また当時の関係者も,異動,退職等により確認できない等々の説明を受けております。これらの医療機関のうち市立札幌病院からは,状況的に見て非加熱製剤の輸注を行った可能性があるとの報告があり,さらに調査を進めたところ,当時の血液製剤は感染の危険性のない国内で生産されたものであることが確認されたとの報告を受けております。  なお,他の医療機関からは非加熱製剤を輸注した例はないという報告を受けております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  ただいまの答弁で,調査した6医療機関,この中で確認できた市立病院については国内産の非加熱製剤ということで,感染のおそれはないということが確認できた。そのほかについては,例はないという報告を受けているということでありますが,今前段のご説明であったとおり10年近く前であるということ,そしてまた,カルテあるいは薬品受払簿等関係書類も残されていないということが調査の中で明らかになっておりまして,いわば実態については十分把握できていないというのが正しいところだろうと思います。  厚生省の発表においても,感染しながら潜在化している可能性が指摘されております。そしてまた,本年2月に厚生省は改めて製薬5社に対して薬事法に基づく調査命令書を出しております。そこで,市民の不安を解消するとともに,2次感染を防止するためには,非加熱製剤の投与と,そしてまたHIV感染の潜在的な可能性を持つ市民に対してその事実を告知し,HIVの抗体検査を受けていただくしか方法はないと考えるわけです。  ただいまの説明を聞いた限りにおいては,その方法は,医療機関を公表する,これはもちろん使用した可能性のある時期,施設名の特定,プライバシーの問題に配慮しなければなりませんが,その課題を踏まえた上で公表することが最善の道と考えますが,札幌市としてどのようにお考えか伺います。 ◎濱本 衛生局理事  お答えいたします。  今回の調査対象となったすべての医療機関名についてでございますが,厚生省からの調査依頼文書の中で,調査対象医療機関名については非公表とする旨の指示がされておりますとともに,患者さんへのプライバシーの配慮及び医療機関の了解が必要であると判断されますことから,現時点での公表は控えさせていただきたいと存じます。  なお,エイズウイルス感染の心配のある市民に対しましては,これまでも各保健所におきまして匿名による無料抗体検査を実施してきたところであり,今後ともプライバシー保護に十分配慮しながら積極的に受診勧奨に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  ただいまのお答えでは,厚生省から非公表の指示がある,したがって公表できないということであります。しかし,この間,段々のエイズをめぐる問題で明らかにされてきたのは,厚生省そしてまた製薬会社が的確な判断力を持たなかった,あるいは判断する資料がありながら,行政的には後手後手の対応しかできなかったということが今の事態をもたらしているわけだと思います。  現状で言えば,いわば医療機関を公表するということでしか,潜在的な可能性のある方々に抗体検査を受けていただく,あるいは2次感染のおそれを防止する手だてがないということは明白であります。  一方,さまざまなリスクがあることは承知しておりますけれども,一地域の医療を担う立場として,これは公表に向けて国に積極的に申入れをするなりの手段が当市にとっても必要かと考えますが,その点について伺います。 ◎濱本 衛生局理事  お答えいたします。  非加熱製剤を使用した可能性のある医療機関名を公表することにつきましては,現時点ではその公表が市民の不安を解消し,正しい判断を促すことにつながらるものとは考えられないこと,あるいはまた,当該医療機関への影響も極めて大きいことなどから,国としての判断が必要と考えます。  したがいまして,ご提言の趣旨につきましては,国へ伝えるとともに,厚生省の対応をいましばらく見きわめたいと思います。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  厚生省の対応をいましばらく見きわめたいということでありますけれども,この問題は,いわば,これまで10年間放置されてきたという歴史があります。そしてまた,一人一人の生きる権利あるいは適当な医療を受ける権利を守るという立場に立てば,積極的に,すぐにでも抜本的な,いわゆる第4次感染ルートと言われる方々に対する対策を行うべきでありますから,厚生省の態度を見守るということでなくて,やはり緊急に厚生省にも対策を立ててもらうという強い趣旨でぜひ要請していただきたいということを,この件については要望して終わりたいと思います。  2点目,3点目に移りたいと思います。  2点目につきましては,先ほど宮村委員からの質問にもありましたが,地域保健体制についての質問であります。  我が会派では,昨年の第2回定例市議会の代表質問において,平成9年度以降における本市の新しい地域保健体制に関して,地域の住民に身近な保健サービスを提供できる拠点施設として各区に保健センターを設置するとともに,全市的な対応が必要な広域的・専門的・技術的保健サービスを1ヵ所に集約した保健所を拠点として,それぞれの機能を強化すべきという趣旨での市長の考え方を伺いました。  先ほどの答弁の中にもありましたように,現在,高齢社会の進展や少子化傾向,さらにはがんを初めとする成人病,エイズ,特定疾患などの疾病構造の変化という社会情勢をとらえ,来るべき未来を展望し,時代に即応できる体制づくりを促進する観点から,今回の機構改正の土台となっている地域保健法が制定されたものと理解しております。  こうした中で,本市が,分区という特殊性があったにせよ,全国に先駆けて新しい地域保健体制を策定したわけですが,これは,多様化する市民ニーズに的確にこたえ,潤いある地域社会を建設するためには,ぜひとも必要であると考えますし,その実現に大きな期待を寄せております。  もちろん,戦後50年に及ぶ保健体制等の改革ということで,市民や保健所職員から反対や疑問の声があることも承知しております。これまで,地域に定着し,保健環境整備に貢献してきた保健所の実績ははかり知れないものがあり,その担ってきた役割は大変大きなものがあります。しかし,先ほど述べましたように,保健衛生行政を取り巻く情勢は刻々と変わっております。時代の流れに的確に対応し,市民,とりわけ地域住民のニーズを重視し,保健・医療・福祉を一体として取り組むための体制づくりが必要であると考えております。  そこで質問ですが,1点目に,この計画において保健センターを積極的に設置する基本的な考え方について,改めてお伺いします。  2点目に,平成9年4月からの地域保健法の完全施行に向けて,全国の自治体も本市と同様に検討していると考えられますが,中でも政令都市の検討状況について伺いたいと思います。  大きく3点目は,精神障害者社会復帰施設の運営についてであります。  5日の厚生委員会において,授産施設,いわゆる札幌市こぶし館の募集や開設までのスケジュールについてお聞きいたしました。昨年6月には精神保健福祉法等,法改正がなされ,来年度からは大都市特例によって精神障害者に対する施策の大部分が札幌市に移管される心身障害者に対する施策と同様に,大きな転換を迫られていると言えます。このような時期に道内で6ヵ所目,公立では最初の精神障害者授産施設がスタートするということは,社会復帰を願っている障害者にとっても大変喜ばしいことだと思っております。  そこで,こぶし館の運営について何点か具体的に伺います。  1点目,こぶし館の運営については,札幌デイ・ケアセンターを運営している財団法人に委託する予定であると聞いております。デイ・ケアセンターも,精神障害者が通所による各種のグループ活動や生活技能訓練あるいは就労支援も行っております。授産施設は就労に向けての作業訓練を実施するとされていますが,両者の基本的な違いについて,まず1点伺います。  2点目,授産終了後の就職の見通しについてであります。  最近の雇用条件は,大変厳しい状況の中にあります。この中で,訓練後,就労支援についても積極的に行っていかなければならないと考えますが,この点についてどうか伺います。  3点目,通所に当たっての資格についてであります。  法改正によって障害者手帳の交付が行われておりますが,交通費助成などの経済的メリットがないということで,交付状況は非常に少ないというふうに聞いております。そこで,通所に当たって手帳が必要というような資格の制約があるのかどうか伺います。  4点目,製品販売ルートについてであります。  訓練種目については,木工及びドライフラワー製品の加工ということで伺っていますが,通所者に対して作業収入をより多く還元すること,これは,社会復帰への意欲を高める上でも非常に大切なことだと考えます。製品販売をどのように行っていくのか伺います。  5点目,ボランティアの活用について。  職員数は5名でスタートということであります。市民に積極的に理解を深めていただくとともに,生活訓練や作業効率の面からもボランティアの活用を積極的に進める必要があると考えますが,この点について伺います。  以上です。 ◎紀國 保健衛生部長  大きく分けた前段の方の地域保健体制についてからお答え申し上げます。
     そのうちの1点目の保健センターを積極的に設置する基本的な考え方でございますが,現在の保健所は,権限業務とサービス業務をあわせて持っているために,時代に即応した積極的な業務展開ができなくなってまいりました。したがいまして,新しい体制での保健センターは,対人サービス業務提供の拠点として,市民の健康の保持・増進を図ることを目的とすることから,今までの受け身の姿勢から積極的に地域に出向く能動的な姿勢へ大きく転換させようとするものでございます。  次の政令指定都市の動向についてでございますが,現時点で計画を明確に打ち出している都市は,本市と北九州市でございます。北九州市につきましては,1保健所7保健福祉センター構想をこの3月議会に上程し,平成8年10月から実施予定と伺っております。また,名古屋,大阪,京都,神戸,広島,福岡の6市につきましては,現在鋭意検討中とのことであり,横浜,川崎の2市につきましては,現行の1区1保健所体制を継続すると聞いております。  なお,仙台市につきましては,保健所と区の福祉部を統合し,各区に保健福祉センターを設置する機構改革を8年4月から実施する旨公表されており,また千葉市につきましては,政令指定都市移行時から1保健所6保健センター体制になっております。  次に,授産施設,私どもは名称として,こぶし館ということでこのたび条例案を上程させていただいていますが,その中の質問項目であります。  第1点目のデイ・ケアセンターと授産施設との違いということでございますが,デイ・ケアセンターは,回復途上にあるけれども,自立し社会生活を送るためには,なお適正な医学的管理のもとに生活指導及び作業訓練等を必要とする方を対象とするものであり,精神科医療施設の一つでございます。一方,授産施設は,将来就労を希望する精神障害回復者の方を対象として,社会復帰と社会参加の促進及び自立を図ることを目的とする施設であり,具体的には作業訓練を主として実施するものでございます。したがいまして,授産施設は精神科デイケア施設等での指導訓練を終了し,基本的な生活習慣等を身につけ,通所による作業訓練可能な方を対象としているものでございます。  2点目の訓練終了後の就職の見通しについてでございますが,今日の厳しい雇用情勢のもとにあって,道内及び全国各地の授産施設の就職状況について,かなり厳しい環境にあると聞いております。しかしながら,この施設は就労支援も重要な役割となっておりますことから,北海道障害者職業センター等の関係機関の協力を得るよう積極的に働きかけるとともに,職親事業の充実に努め,就労促進を図っていきたいと考えております。  3点目の通所に当たっての資格や制約についてでありますが,手帳の交付を受けていなければならないといった制約はございません。通所申込みの際に,主治医の意見書及び保健所長の推薦書が必要であります。  4点目の製品の販売についてでございますが,この施設は,作成した製品を販売し,利益を訓練に通っている方に還元するものでありますことから,売上げを伸ばすことは重要な課題でございます。したがいまして,既存の福祉施設の製品販売コーナーへの参入のほか,民間企業との連携などにより販売促進を図ってまいる考えでございます。  5点目の授産施設の運営に当たってボランティアの活用を図ってはどうかということでございますが,私どもといたしましても,市民の方に精神障害者の方に対する理解を深めていただくとともに,この施設の作業効率をより高くするためには,ボランティアの方の協力を得ることも効果的であると,こう考えております。  このボランティアにつきましては,平成7年度から養成を始めたところでありまして,日本精神医学ソーシャルワーカー協会北海道支部の共催のもとに,昨年5月から7月にかけて10回の講座を開設いたしまして,50名の方を養成したところでございます。今後とも引き続いて養成を図ってまいる考えでありまして,このようなボランティアの方に授産施設の運営への参加協力を呼びかけて,より一層効果的な運営を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  授産施設については道内では6ヵ所目ということで,これからいろんな課題があろうかと思いますが,ぜひ運営の充実策に向けて努力していただきたい。そしてまた,精神医療保健という中での新たな施策の展開が,この5年計画の中でも,精神保健福祉センターの設立を含めて大きな課題としてあるわけですので,ぜひ新たな展開についても積極的に取り組んでいただきたいということを要望しておきます。  保健センター計画についての再質問でありますけれども,今,部長の方から,いわゆる受動的なものから能動的な展開をという強い決意の言葉がありました。そしてまた,各政令指定都市についても,ほとんどの都市で大きな施策的な展開に向けて取り組んでいるということでもあります。  一方,こうした流れの中で,先ほど申しましたように,反対やあるいは疑問の声があるということは大変残念なことでありますが,これは,本市の新しい地域保健福祉計画について誤解をしたり,あるいは十分理解をされていない部分があるのではないかと考えます。  そこで,何点か疑問点について具体的にお尋ねしたいと思います。  1点目は,将来の1保健所10保健センター体制では,現行体制よりも二つ新しく施設がつくられる,いわば清田区に新しく保健センターがつくられるということも含めてなのですが,保健センターの配置職員が手薄になる,いわば合理化につながるのじゃないかというような疑念があろうかと思います。医師を初めとした専門職の配置については,どういうふうな体制で考えておられるのか,まず1点伺います。  それから2点目,飲食店等の許認可業務については,保健所1ヵ所に集約して行うということでありますけれども,保健所長の権限の行使方法あるいは職員の配置面でサービスの低下にならないようにするべきと考えますが,この点についてどうか。2点目です。  それから3点目,これまで保健所の運営に関しては,地域の方々も含めた保健所運営協議会というものが設置されて,いろんな地域の声を反映した中での保健所運営がされてきたわけですけれども,この保健所運営協議会の取扱いについて将来どのようになっていくのかという点です。  それから4点目,災害時の保健所の役割ということで,1保健所9保健センターという体制の中で,果たして災害時にしっかりと対応できる仕組みになるのかどうかという危惧があります。この点について,4点目に伺います。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  1点目の保健センターになることで医師職を初めとした専門職の配置はどうなるのかというお尋ねでございますが,本市の場合,保健センターは地域における対人サービスの拠点施設として設置をすることから,検診業務等の専門的な保健サービスを行うため,医療法上の診療所として,この診療所の管理者には常勤の医師職を配置いたしたいと考えております。  また,高齢社会を迎え,寝たきりや痴呆のお年寄りが増加することは確かでありますので,保健センターにおける在宅ケア業務を一層充実強化する必要があります。その中でも,サービスの受け手であります市民の方々や家族に対する指導や関係機関とのコーディネートなどを担う保健婦活動は,特に重要であると考えております。このほかにも栄養士,歯科衛生士など,今,保健所に配置されている専門職種はそれぞれの役割を担っておりまして,その役割を考え,必要に応じて配置してまいりたいと考えております。  2点目の飲食店の許認可業務について,1ヵ所に集約される保健所で行うため,サービスの低下につながるのではないかとのご質問でございますが,これまで以上のサービスの向上を図るため,許認可業務等の一部を担当する保健所職員を各区に配置してまいりたいと考えております。  3点目の保健所運営協議会の設置についてでございますが,新しい地域保健法では,平成9年4月からこの運営協議会は任意設置になりますが,今まで同様,広く市民の方々の声を新たな保健所の運営に反映させる必要があると考えております。この中で,あわせて保健センターの運営につきましても同様に,前向きに検討してまいりたいと考えております。  4点目の災害時の保健センターの対応に危惧はないのかとのご質問でございますが,宮村委員にお答えしたとおり,阪神・淡路大震災を教訓として,関係機関から成る札幌市緊急時医療体制検討委員会を発足させたところであります。その中で,区の組織に編入する保健センターは,関係機関との連携により,的確な情報収集を初め,円滑に,しかも迅速に医療救護活動が行える体制づくりが可能となります。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  今のお答えの中で,いろんな疑問点,これはサービスの低下につながるのでないかということに関する疑問点に関しては,そうではないという今後の方向性が具体的に示されたものと考えております。  今後,さらにこの計画を進めていくためには,職員,そしてまた,サービスの受け手である市民の声をしっかりと受けとめながら進めていくことが肝要であると考えますので,その点,改めて要望しておきたいと思います。そしてまた,新しい体制のもとで地域保健体制の確立,そしてまた,充実に向けて積極的に努力していただくことを要望して,私の質問を終わります。 ◆高橋[功] 委員  私は,大きく2点,看護と井戸,こういうことでお尋ねをしたいと思っておりますので,お許しをいただきまして,分けてやらせていただきたいと思います。  初めに,訪問看護ステーションの拡充整理についてお尋ねをしたいと思います。  平成6年12月に,国はゴールドプランを全面的に見直しまして,新ゴールドプランということで目標達成年度を平成11年と,こういうことで策定をいたしました。その中で,訪問看護ステーションの整備についても明らかになりまして,全国で5,000 ヵ所だと,こういう設置目標を盛り込んだところでございます。  この訪問看護事業というのは,言うまでもなくかかりつけの医師の指示に基づいて,寝たきり,痴呆性のお年寄りに対して看護婦を訪問させて,そして本人の病状に合わせた看護サービスを提供する,それから介護者に介護方法を指導したりすると,こういうことでございますが,平成6年10月の法律の改正で年齢枠というのが取り払われまして,特定疾患,重度障害を持ったすべての年齢の方々に,在宅療養者にも看護サービスを提供することができるようになったと,こういうことでございます。  そこで,私はこの訪問看護ステーションの整備というのは早急に進めていかなきゃならないと,こういう立場から,まず1点目でございますが,本市の法人会員となっております社団法人北海道総合在宅ケア事業団,いわゆる,事業団が管理運営する公的訪問看護ステーションを含めた,本市における訪問看護ステーションの設置状況,これがどういうふうになっているのか,それから今後の整備計画を含めてお伺いをしたいと,こう思います。  それから,平成8年度の公的訪問看護ステーションは2ヵ所と伺っておりますが,どの区に設置をされるお考えなのか,お答えができればいただきたいと思います。さらに,設置区の選定方法につきましても,あわせてお尋ねをしたいと思います。  それから,今こうしてステーションの整備が進んでまいりますと,当然公的看護ステーションの果たすべき役割というのも,言うまでもなく,ますます重要になってくるわけでございますが,この点はどのように認識をされておられるのか。  それから,看護婦さんが不足しておると,こういうことが言われて久しいわけでございますけれども,看護職員を初めとする人材の確保,それから資質の向上,こういったことについてどのような方策をお考えなのか,あわせてお伺いをしたいと思います。 ◎濱本 衛生局理事  お答えいたします。  市内の訪問看護ステーションの設置状況でございますが,2月末現在で24ヵ所となっており,そのうち公的訪問看護ステーションは5ヵ所でございます。  次に,訪問看護ステーションの整備計画についてでございますが,本市の高齢者保健福祉計画に基づきまして,本計画の最終年度であります平成11年度までに各区に1ヵ所,計10ヵ所を設置する公的訪問看護ステーションを含め,全市的に34ヵ所の整備を予定しております。  平成8年度の公的訪問看護ステーションにつきましては2ヵ所を予定しておりまして,設置区の選定につきましては,札幌市訪問看護ステーション検討委員会において審議をいただいた結果,利用者のほとんどが高齢者でありますことから,各区の老齢人口を考慮に入れまして,南区及び西区に設置いたしたいと考えております。  次に,訪問看護ステーションの拡充整備につきましてのご質問でございますが,市内で訪問看護を必要としている在宅療養者に対し,共同利用型として,民間の訪問看護ステーションの範となるような,質の高い看護サービスを提供することを第一の役割と認識しておりまして,そのため,札幌市医師会を初めとする各関係団体の連携を密にする一方,保健・福祉分野との実務的な連絡調整も積極的に行っているところでございます。  次に,人材の確保及び職員の資質の向上につきましては,理学療法士及び作業療法士を積極的に配置するとともに,定期的な研修あるいはまた事例研究を通して,職員全体が質の高いサービスを提供することができるよう努力しているところでございます。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  今,ご答弁ありましたが,特に訪問リハビリのことなのですが,訪問看護ステーションで訪問リハビリ指導というのも,利用者本人の身体機能を維持回復させるために大変必要なことだと,大変効果があると,こういうふうに考えておるのですが,そういう意味で,札幌市内の訪問看護ステーションにおいて,訪問看護とあわせて訪問リハビリを実施をしているのはどのぐらいあるものなのか。それから,公的訪問看護ステーションでは,今どういうふうに訪問リハビリというものの現状を押さえておいでになるのか。そして,今後,充実強化というものをどういうふうに進めていくお考えなのか,この訪問リハビリに限ってのことですが,ちょっと伺いたいと思います。 ◎濱本 衛生局理事  お答えいたします。  市内の訪問看護ステーションにおける訪問リハビリの実施状況についてでございますが,現在,本市に開設している24ヵ所の訪問看護ステーションにおきまして,看護職による訪問に加えて,理学療法士や作業療法士による訪問リハビリを実施しているところは4ヵ所となっております。  次に,公的訪問看護ステーションにおける訪問リハビリの現状と充実強化についてでございますが,本市といたしましても,かねてから訪問リハビリの必要性を認識いたしまして,実施に向けて検討してきたところでございまして,昨年の実態調査によりますと,利用者の6割に訪問リハビリが必要であるという結果を得ております。この実態を踏まえまして,事業団と協議いたしまして,平成8年度から本市をモデルとして専任の理学療法士を配置し,日常生活動作訓練等を積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  今年度から専任の理学療法士を配置をすると,こういうことでございます。公的訪問看護ステーションにおける訪問リハビリに関しての一層の展開というものが,今,理事が言われたように大変需要も高いわけですので,訪問リハビリの充実強化といいますか,この辺をぜひ要望しておきたいと,このように思います。  大きな2点目なのですが,看護とは全然また違う話で恐縮ですが,井戸水のことでございます。  災害時の井戸水の活用ということで,先ほどから段々の議論がありますが,昨年の1月の阪神・淡路大震災,そこでいろんなことがありましたけれども,やはり私どもにとって一番ショックだったのは,ライフラインといいますか,実際に飲み水がない,水に大変苦労している。神戸の市民の方々が現実に水で大変苦労をされた。こういうのをテレビなんかでも目の当たりにしまして,私も人ごとじゃないなと,こういうふうに考えさせられたわけでございますが,災害に備えた街づくりということをテーマに本市が行った世論調査でも,今後優先すべき防災対策ということでお聞きしたところ,やはり圧倒的に水道だとか電気・ガス,つまりライフラインの確保ということが最も多い結果だったと,このように伺っておるわけです。  そこで,私もかねてから非常時といいますか,災害時といいますか,そういうときの飲料水の確保という観点から,既設の井戸の活用というものに対して大変関心を持っておったところでございまして,そういうことに関連した事業として,衛生局で900 万円,今回予算計上しております災害応急時の井戸活用推進対策事業が盛り込まれておるわけでございますが,まず最初に,この事業の内容だとか進め方,概要で結構でございますが,お示しをいただきたい。  それから,他都市の例なんかもあわせてお聞きをしたいと思います。 ◎川瀬 生活衛生部長  お答えいたします。  第1点目の井戸活用推進対策事業の概要についてでございますが,災害発生時には飲料水や生活用水の確保は最も緊急の課題となります。  本事業は,市水道局が緊急対策95の中で計画をしております応急給水体制をなお一層補完する観点から,実施するものでございます。具体的には,市内全域に点在をいたします既設の井戸施設,推定約5,000 施設を対象といたしまして,災害時に協力を得られる井戸の募集を行い,揚水量の多い施設など,有効性の高いものから随時水質検査を実施いたしまして,検査に適合した施設について,災害応急用の井戸として指定をするものでございます。この指定に際しましては,単位町内会当たり1施設の確保を目標とし,約2,000 施設の指定を予定しております。  本事業は,5年計画事業として平成8年度から10年度までの3ヵ年で実施するもので,平成8年度は業務用の井戸を対象に水質検査を実施し,順次指定していくこととしております。  2点目の他都市の取り組み状況でございますが,平成7年度から千葉市,川崎市,横浜市で実施しておりますほか,平成8年度からは仙台,名古屋,神戸の各市においても同様な事業を実施すると聞いております。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  今,この事業の概要をご答弁いただきました。それで,大体中身はわかったのですが,私は基本的には大変結構なことだと,こうは思っておるのですけれども,ただ何点かやはり気になることがございます。それは,災害は忘れたころにやってくると,こういう例えもございますが,そういう意味では,いつ起こるかだれもわからないわけですね。いつ起こるかわからない災害に備える,こういうことでございますので,そうすると,いざというときに活用できなかったら全く意味がない,こういうことになると思うのですね。そういう観点でちょっと伺いたい。  今,部長から,5,000 のうち2,000 を指定するのだと。水質検査をやって,飲めますよという井戸を2,000 指定するのだと,こういうお話でございますが,大事なのは,指定した後だと思っているものですから,3点ちょっと伺いたいと思います。  1点目,せっかく札幌市衛生局が水質検査をして,「飲めます,適です」,こういうことで指定をする,それが単位町内会に一つということですけれども,それを市民が知らなかったら全く意味がない。これは当たり前のことですが,高橋さんのうちの井戸水が飲めますよと,こういうことになって,指定された本人はわかりますが,そこに住んでいらっしゃる方々がわからなかったら意味がない。そういう意味では,どうやって市民にこれを周知徹底するのだと。この周知徹底の方法をどのように考えているのか,これが1点でございます。  それから2点目,当然,水質検査を行って,「飲めます,適です」,こういうことで指定をされるわけですが,その際,先ほど申し上げたように,いつ起こるかわからないわけですから,その後の維持管理という問題が当然出てまいりますね。維持管理についてどのようにお考えなのか。肝心なときに使えないと,こんなことになっては,せっかくの事業も意味がなくなりますので,維持管理をどういうふうにするのか,これ2点目。  3点目,何回か繰り返しになりますが,井戸が指定されて期間がたちますね。そうすると,その指定をされたときに,例えば平成8年,平成9年に指定された井戸,これが2年後,3年後,5年後,10年後にその指定をされたときと同じような状況だとは限らないわけでございますので,その際の井戸の老朽化だとか施設の廃止だとか,当然予想されるわけですから,この辺の指定後の見直しといいますか,随時見直しを図るお考えがあるのかどうか,この辺3点伺いたいと思います。 ◎川瀬 生活衛生部長  お答えいたします。  1点目の市民の方々への周知方法でございますが,指定いたしました井戸につきましては,順次プレート等で表示をいたしますとともに,平成10年度までに全市版及び各区版の災害応急用井戸マップを作成をいたしまして,収容避難場所に備えておきますほか,市民にも広く配布をしたいと考えております。具体的な配布方法につきましては,本市防災会議を総括をしております消防局防災部と協議をしながら,効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。  2点目の指定井戸の維持管理についてでございますが,井戸の管理者に対しまして,指定後速やかに保健所職員が適正な維持管理についての指導を行いますほか,日常的な維持管理についてのリーフレット等も配付する予定としております。  3点目の指定後の見直しについてでございますが,指定後,井戸の水質検査,関連施設の状況確認,これらを定期的に実施する予定であり,指定井戸を変更した場合には,適宜,マップの修正等も行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  今お話しの中で,私が大変気になっておった件もきちんとお考えだとは思うのですが,前に戻って大変恐縮ですけれども,一つは,先ほど部長は,札幌市内に井戸が5,000 あるのですと,一方では単位町内会が大体2,000 ありますと,だから単位町内会を一つの単位として,2,000 をめどに指定をしてまいりたいと,こういうお話があったのですが,そんなにうまくいくのかいなと。単位町内会2,000 はわかる,それから指定の2,000 もわかる。たまたま単位町内会にうまく合うのかなと,こういう疑問というのは当然出てくると思うのですね。  結果的に2,000 を目指しているというのはよくわかりますし,単位町内会だというのはよくわかるのですが,そうそううまく単位町内会の線引きと,実態といいますか,この辺どういうふうに実際に掌握されているのか,またどういうふうにお考えなのか,ちょっとこの点気になったものですから伺いたいと思います。 ◎川瀬 生活衛生部長  お答えいたします。  実際に単位町内会と井戸の数がきっちり一緒になるかどうかという部分につきましては,ちょっと難しい点もあろうかと思います。ただ,少なくとも2,000 施設は,距離的な部分も十分勘案をした上で適当な場所を選定し,広く確保してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  私は,この事業について,先ほど申し上げたように大変結構だと,こう思っておるのですが,これから始まるわけですから,衛生局の担当部としてもいろいろお考えだと思いますが,今申し上げたようなことをやはりきちっとお考えいただいて,最後に要望で終わります。  こう言っちゃ大変失礼ですが,やはり広報というか,私はいつもこだわるのですが,どうも余りうまくないなと。難しいとは思いますが,もっと市民一人一人に本当に周知徹底するやり方,先ほど広報さっぽろというお話があったかどうかわかりませんが,この辺なんかもうまく使ったり,それから私は,例えば学校の子供さんたちもうまく使ったらいいのじゃないかと,こう思っているのですね。  一家のうちで,例えばお父さんもお母さんも知らなくても,子供が知っていればいいわけですね。子供が「お父さん,あそこの井戸だよ」と,こういうことであればいいわけです。小学校や中学校の生徒さんたちは学校に行くわけですから,この辺もうまく使いながら,そういうことも考えて,とにかく周知徹底をお願いしたい。  それから2点目の要望は,今申し上げたように維持管理ということで,定期的な立入指導だとか,こういうこともぜひ視野に入れていただいてお願いをしたいと,こう思っています。  それからもう一つ,これは大変余計なことかもしれませんが,札幌市の衛生局が「この井戸水は飲めますと」,こういうことで,いわゆるお墨つきを与えるわけですので,そういうことになると,ないとは思いますが,水道事業に対して影響が出はしないかと。本来,こっちの考えている趣旨というのは緊急時ですよということなのだけれども,何だ何だ,札幌市が飲めるのだと言っているのだから,天下の札幌市衛生局がオーケー出したのだからと,こういうことになりはしないかという気がしますので,この辺,ぜひ関係部局とよく連携とりながら,決して水道事業も黒字で真っ黒というわけじゃありませんので,その辺も大変言い過ぎかもしれませんが,ぜひお願いをしたい。この点ちょっと要望して,終わりたいと思います。  以上です。 ◆飯坂 委員  私からは,精神障害者に対する交通費助成について,簡潔に2点ご質問したいと思います。  1点目は,小規模作業所への通所にかかわる交通費助成についてでありますが,本市の精神障害回復者通所交通費助成要綱では,通所に要する公共交通機関の乗車料金の5割,これを助成するということになっておりますが,上限を月7,000 円と,こういうふうに定めているわけですね。ですから,それ以上かかっても7,000 円で打ち切ると,こうなっているわけです。  そこで,通所の関係者から,この上限をぜひ取っ払ってほしい,あわせて5割助成を引き上げてほしいと,こういう声が再三出されているわけですけれども,これらについて新年度改善がなされるのかどうか,まず1点明らかにしていただきたいと思います。  2点目は,通院や社会参加に伴う,いわゆる一般の交通費助成についてですけれども,他の心身障害者に対しましては交通費助成が実施されているのはご承知のとおりです。そして,精神障害者にもぜひ同様に実施してほしいと,こういう声が,これまた本市や議会などに出されていることも既にご承知のとおりだと思います。  昨年10月に精神障害者保健福祉手帳制度というのが創設されまして,国ではこういう手帳交付を始めたわけですが,その手帳に写真を貼付していないという理由で,全国レベルではJR運賃の割引が現在行われていない。こうしたことを背景に,これまで市の当局といたしましては,国に対して手帳による運賃割引を制度化するよう要望するとともに,他都市の動向などを見きわめながら検討したいと,こういう答弁を繰り返しているわけです。  そこで,改めてお伺いしたいのですが,では,精神障害者の手帳に写真が貼付されなければ,本市といたしましても,いつまでも助成を実施しないというお考えなのかどうか,この点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  第1点目の小規模作業所の通所交通費助成割合を引き上げることについてということでございますが,この制度につきましては,社会復帰訓練の参加を促進するためのものでございまして,身体障害者の方などに対します交通費助成規則に準じて,社会生活適応の程度から,5割助成が適当であると判断したものでございます。  先ほど委員ご指摘の限度額を撤廃しないのかと,それにつきましては,8年度から撤廃することを考えてございます。  2点目の交通費助成ができない理由というのは障害者手帳に写真が貼付されていないことが原因なのかと,それで,本市独自の助成制度を設けるべきじゃないかということでございますが,在宅精神障害者の方々すべてを対象として交通費助成を行うことにつきましては,今現在,約1万二,三千に上る本市の在宅精神障害者の方々を勘案いたしますと,本人の確認を容易に行うことができる方法を確立する必要があると考えます。  そこで,これにかわるシステムの開発等の研究とともに,他都市の動向,取扱い等も参考にしながら検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  今の部長のご答弁では,必ずしも写真貼付がなされていなくても,それにかわる,本人と確認できる容易な方法があれば本市としては実施をしたいと,それに向けて検討したいと,このように受け取ってよろしいのでしょうか。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  写真の貼付がなされるかどうかというのは,今の段階ではなかなか見きわめが難しいと考えてございます。  そういうことで,先ほども申し上げましたが,容易に本人であるかの確認といいますか,そういうことができる新たな形といいますか,システム的なそういうものを考え合わせながら,他都市の動向も含めて検討してまいりたいと,そういうことでございます。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  なかなか答えにくいのかなとは思うのですが,要は,国で制度化はされていないけれども,それにかわる方法があればやりたいと。そうすると,前向きかなというふうに受けとめるのですが,一方では,他都市の動向も見きわめながらと,こういうふうに条件がつくわけでしょう。  そこで私は,従来の答弁を先ほどご紹介しながら,なお一歩前進させていただきたいということで今質問させていただいているのですが,ご存じのように,4月から,大都市特例で権限が市に委譲されると,こうなるわけです。それとこれとは別個といえば別個なのですが,いずれにしましても,精神障害者に対する施策を全面的に本市が予算もつけて施行すると,こういう体制に入るわけですね。ですから,その際に,やはり懸案事項であった精神障害者に対する交通費助成についても,これは交通局との調整も当然あろうかと思いますし,財政の裏づけ等もありますので,局内の努力だけではという面もあろうかと私も思います。  そこで,それらについて,具体化に向けての,いわゆる他都市待ち,国待ちではなくて,本市独自の実施に向けての検討をぜひ新年度から開始していただきたい。このことについて,最後にご回答をお願いしたいと思います。
    ◎紀國 保健衛生部長  今後,関係部局とも協議をさせていただきまして,検討させていただきたいと思います。 ◆佐々木[周] 委員  私も,地域の保健・福祉の連携,それから精神保健福祉,この2点についてなのですが,最初に保健・福祉の連携について質問させていただきたいというふうに思います。  公的介護保険の導入が,今国の方でも進めていますけれども,その中でケアマネジメントということが出てまいります。これは,地域福祉社会計画の中でもその必要性がうたわれておりまして,この中で保健婦さんの役割というのが大きくかかわってくるのではないかというふうに思います。  先日の市民ネットの代表質問でも,ケアマネジメントはだれが担うのか,どのようにお考えかという質問に対しまして,地域の福祉担当職員及び保健婦が担っていくというふうに考えていらっしゃると答弁をいただいているところです。  このケアマネジメント制度は,これからの地域福祉・保健を連携するためには,サービスが本人へ素早く提供されることが一番求められております。そのためには,ケアマネジメントを担う人の間で,他職種との調整,これは福祉や保健や医療のいろんな担当の方との調整や,それからそれらの情報の一元化が求められております。そして,それを具体的に進めていく中で,自然にケアマネジメントとしての資質と申しますか,それが向上していくのではないかなというふうに思うのです。  現実に,ただいま各区には,地域福祉課というところがありまして,そこに高齢者保健相談主査が配置されておりまして,これは,私も市民の方からいろいろお聞きしますと,やはり相談の窓口が一本化されたということが,サービスを受けたいというときにそこ一つで相談できるということで,大変評判がいいというふうに聞いております。ただ,その評判も,人によるというところがいまひとつかなという点もありますので,今後いろいろな情報の一元化を目指して,連携をとっていただきたいなというふうに思っています。  質問なのですけれども,このケアマネジメントが保健婦さんに求められているというところが現実的になってきております。そのことから,機構上でも先ほどのご答弁にもありましたように,保健センターとしては能動的な活動を目指していくと,そういうふうなこともおっしゃっていましたけれども,地域に密着した保健・福祉の一体化を図るためにどのように取り組んでいかれようとしているのか,まず1点お聞きしたいというふうに思います。  それからもう1点なのですけれども,今後,地域の保健・福祉の連携には,医療とのかかわりもまた重要になります。それは,入院している方が地域に帰って,在宅の生活を始めるときに,どのような保健サービス,どのような福祉サービスがその方に求められているかということを,退院の時期に合わせて検討していくことが必要だということが考えられます。昨年から,脳卒中情報システムが稼働しておりますし,それから,先日超未熟児の子供さんの支援のネットワークづくりに関しても,医師や関係機関との検討も始めているやに聞いております。  私といたしましては,そのような固定された疾患だけではなくて,多様な市民のニーズに合わせて医療機関と,それから保健所との連携が必要ではないかというふうに思うのですけれども,質問といたしまして,今後医療機関との総合的な連携性について具体的に,例えば医師会とのお話を進められるとか,そのようなおつもりがございますでしょうか,そのあたりについてお聞きしたいというふうに思います。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  1点目の地域保健活動におきます看護婦等の役割についてということかと思いますが,まず在宅ケアにかかわる総合調整としての保健婦の役割についてでございますが,保健婦は在宅ケアにかかわる総合調整の中心的な担い手として,要介護者の状況の的確な評価や問題,ニーズの把握に努めるとともに,看護職としての知識や技術に加え,特に福祉・医療等にかかわる諸制度やサービス,情報等を熟知し,きめ細かなサービス提供ができるよう資質の向上を目指し,そしてその役割を一層強化してまいりたいと,そう考えてございます。  2点目に,医療機関とのネットワークづくりについてでございますけれども,これまでも,医療機関からの退院情報に基づき,要介護者のケースを把握,在宅サービス等の提供に努めてきたところでございます。委員のお話もございましたが,昨年4月から脳卒中患者等の情報システムの運用を開始したところであります。今後は,新たな課題にも対応できるような,保健所が患者情報等の的確かつ迅速な把握に努めるとともに,医師会と関係機関の協力のもとに保健福祉サービスの向上を目指し,在宅ケアなどのネットワークづくりを進めてまいりたいと,そう考えてございます。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  十分進めていただきたいというふうに思います。  私もいろいろ市民からお聞きしているのですが,退院前に地域福祉と医療・保健のサービスを検討するのと,それから病院から一たん帰りまして,2ヵ月後ぐらいに保健所に相談してきた方と比べますと,その後の在宅の環境ががらっと変わると,そういうふうに聞いておりますので,ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。  次の質問なのですけれども,精神保健福祉に関して2点お聞きしたいと思います。  最初に,共同住居についてなのですけれども,先ほどから委員の指摘もありますように,来年度から本市は大都市特例が適用になりまして,精神障害の方の保健と福祉の両方,福祉面についても積極的にかかわっていくということになっております。  昨年12月に厚生省で発表いたしました障害者プランの中でも,グループホームの住居の確保ということが明示されておりまして,積極的に自治体としてもかかわるようにという指示が来ているというふうにも聞いております。さらに,来年度だけでも,精神障害者分として,今まで220 戸だったのが,戸というのは一つのグループホームという意味なのですけれども,430 ヵ所を厚生省の方では準備しているよということを聞いておりますので,札幌市としても積極的に取り組んでいただきたいなというふうに思うわけです。  現在,病院から退院したくても,住居の確保ができないために社会的入院をされている方が二,三割,二,三千人いらっしゃるのじゃないかなというふうにも聞いておりますので,グループホームを進めていくということが大変重要です。  ただ,このグループホームの制度は大変厳しく,設置主体が法人であること,それから就労していることが条件とされておりまして,北海道では独自事業として共同住居という国の制度ではない制度を独自につくりまして,本市も北海道とともにそれらの人たちに支援をしているということは存じ上げています。  そこで質問いたしますけれども,現在,国の制度上のグループホームの補助金額と,それから道の制度,札幌市の制度と言ってもいいのですけれども,その補助率が国の約3分の2程度というふうに聞いているのですけれども,地域での生活を確保するためには,そのような公的な支援がなければなかなか進みません。そこで,共同住居について本市としての現在の認識,それから補助金額について引き上げる必要性があるというふうに思うのですけれども,このことについてどのようにお考えかお聞きいたします。  次にもう一点なのですけれども,保健所における社会復帰学級についてお伺いしたいというふうに思います。  先日,札幌市の家族会の方からの陳情の中で,保健所における精神保健相談員の拡充・充実を求めているということもございました。その相談員は,いろいろな地域の当事者の方の相談を受けるとともに,その方たちの社会復帰のための事業として社会復帰学級を,東保健所を初め4ヵ所でしているというふうに聞いております。先日の陳情の中でも,各地域で社会復帰学級を求めている声が高まっているから広げてほしいということもありましたけれども,私も東区に住んでおりまして,東保健所の社会復帰学級をたまにのぞかせていただくのですが,地域の生活を楽しんでいけるような,そんなプログラムを用意していらして,積極的に進めているなという状況を見せていただきました。  そこで質問なのですけれども,当事者の方の望み,それから家族会の方からの要望もありますし,社会復帰学級をぜひ全区の保健所で取り組むように進めていただきたいというふうに思います。そのことについてのお考えをお聞きいたします。  それから,2点目なのですけれども,そのプログラムの中に,先ほども施設においてのボランティアの方のお話が出てございました。昨年,易しい精神保健講座が大変好評だったというふうにも聞いておりますけれども,来年度もその取り組みを広げる中で,社会復帰学級の中でもボランティアの方だとか,それから家族会の方のご支援をいただきながらプログラムを進める,そのようなこともできるのではないかと思いますが,そのことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  精神障害者共同住居についてでございますけれども,本市の認識といいますか,位置づけでございますが,共同住居は長期入院をしていました精神障害者の方々が地域において生活する上で,同じ障害を持つ方との交流や,共同住居の職員による日常生活における指導や援助等の支援により,社会復帰に向けた基盤づくりをする施設と位置づけておりますことから,精神保健福祉対策における重要な施策の一つと考えております。  2点目の共同住居の補助額をグループホーム並みに引き上げることはできないのかと,そういうことでございますけれども,グループホームの運営につきましては,先ほど委員からも一つの基準というものをお示しがございましたが,運営主体が非営利法人であるなど,一定の要件を備えていることが必要とされております。一方,本市では,国の要件を満たさない施設についても共同住居として単独で補助を行っているものであります。しかしながら,両施設とも精神障害者の方々の住居の確保,生活基盤の確立という点では目的に差異がないことから,これまでも共同住居の補助額の引上げを行ってきたところであり,今後とも円滑な運営が図られるよう,逐次その引上げに努めてまいる考えでございます。  次に,保健所において実施している社会復帰学級を全保健所において実施してはいかがなものかと,そういうお尋ねでございますが,新年度からは全保健所で展開を図りたいと,そう考えてございます。  2点目の社会復帰学級につきましては,今後とも,一層職員の協力体制の強化を図るとともに,関係機関との連携によりカリキュラムの多様化を図るなど,一層の内容充実に努めてまいりたいと考えております。  ボランティアの方の参加についてでございますが,市民の方々に精神障害者の方々への理解を深めていただくためにも有効であると考えております。既に一部の保健所におきまして参加をいただいておりますが,今後,全市的展開に向けて検討を進めていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  もう一つだけ共同住居に関してお伺いしたいのですけれども,今の,非営利法人が運営主体であることということで,医療機関がかかわっていることが札幌市においては大変多いというふうに聞いております。そうすることが,医療機関とのつながりと申しますか,そこがやはり深いものですから,本当に当事者の社会参加というものが図られるのかどうかということが疑問だという声があるやにも聞いております。  現在,国の制度で法人ということがあるのですが,私といたしましては,しっかりとした市民の団体だとか支援する団体の方たちが運営する共同住居であっても,国の制度として認められるべきではないかと思うのですが,このことについて,本市としての考え方を聞きたいのと,それから国に対してお話し合いをする担当者会議だとかがあると思うのですが,ぜひとも国に対して,制度上の問題としてのネックとなっております「法人であること」ということについて,見直すべきということをお伝えいただきたいというふうに思うのですけれども,そのことについてもお伺いいたします。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  グループホームの補助金というものと,それから今の共同住居という形の関係の中で,少し枠を緩和されないものかと。  確かに国においては一定の収入があるとか,自活能力があるとか,そういう基準もございますが,グループホームそのものが,法定事業として体系化された歴史的に新しい事業でございます。そういうことで,委員が先ほどもお話しされましたように,私どもも機会がございますので,国へ対しても強く要望をさせていただきたいと,そう考えております。  以上でございます。 ◆北川 委員  私の方からは,老人保健施設と在宅介護について,絞って何点かお尋ねしたいというふうに思います。  ご承知のとおり,札幌市も高齢化現象が随分進んでおりまして,平成12年度では65歳以上の人が25万9,500 人ということで,率で言いますと13.7%という大変大きな比率になるわけです。その分だけ老人医療費がふえていったり,あるいは入院医療費が当然ふえていくわけですね。  老人医療費に占める入院費の比率をちょっと見てみますと,平成7年度では62.4%,882 億9,900 万円と相当膨れ上がっているわけですけれども,やはりこういう時期ですから,医療による治療よりも在宅による介護を,もう時期的には拡充すべき時期に来ているなというふうに私は思います。そういう意味で,在宅介護に向けた中間施設である老人保健施設の役割が,今,大変重要になってきているというふうに思いますので,1点お聞きしますけれども,老健施設に対する本市としての位置づけといいますか,考え方について,まず1点お尋ねします。  2点目は,昭和63年に南区でリラコート愛全,これが本市における老健施設の第1号としてできましたけれども,それ以降,拡充状況がどういうふうになっているのか,2点目お尋ねいたします。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えをいたします。  1点目の老人保健施設の位置づけについてでございますが,病状安定期にあり,リハビリテーション,看護・介護を中心とした医療ケアを必要とするお年寄りの自立を支援,そして家庭復帰を目指す中間施設として老人保健法において位置づけられております。  2点目の本市におきます昭和63年以降の老人保健施設の開設状況についてでございますが,毎年2から3施設の開設があり,現在市内で11施設が開設されております。  以上でございます。 ◆北川 委員  それじゃ2点目,現在ある老健施設が本来の機能を果たしているかどうかということをちょっと考えてみたいというふうに思います。  平成7年度の老健施設の入所・退所の状況からちょっと追ってみたいと思うのですけれども,例えば入所の総数が2,073 人いまして,そのうちの77.3%,1,602 人が家庭から入ってこられている,22.6%の469 人が,さまざまな医療機関から入ってきているわけです。そのほかの社会福祉施設から来ている人はわずか10人ですから,圧倒的に家庭が多いのは当然なのですけれども,問題なのは,出た後どういうふうになっているかということです。家庭から来た人のうち93.3%に当たる1,495 人が,とりあえず家庭に戻っているわけです。97%に当たる453 人が,また医療機関に戻っているわけです。  問題なのは,社会福祉施設から10人来たのですけれども,出た後,社会福祉施設に行っている人が122 人もおるわけですね。この122 人のうち88%に当たる107 人が,残念ながら特別養護老人ホームにそのまま行っちゃっているわけですよ。これは平成7年度の数字ですけれども,平成6年度もやっぱり同じようになっております。  そういう意味で,在宅介護に向けた中間施設である老健施設が,本来であれば,そこでリハビリなり介護を受けて在宅に戻る人が,結果的に特養の方に行っているという,こういう待機場所になっているという現状が私はあるというふうに思います。  1点目は,このような現状をどういうふうに考えているのか,ひとつお聞かせください。  二つ目は,このような現状になっている問題点はどこにあるのか,2点目お尋ねいたします。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  1点目の老人保健施設が特別養護老人ホームの待機場所になっているということについてでございますが,入所判定会議の記録等によりますと,ご指摘のとおり,特別養護老人ホームへの入所待機と考えられるような傾向が一部に見受けられます。このような傾向は,老人保健施設の本来の目的とは異なることから,入所の相談時において,家族の方に老人保健施設の目的を十分に理解していただき,施設において開催される入所判定会議において適正な判定を行うように指導をしているところでございます。  2点目の待機者発生の問題といいますか,要因についてでございますが,復帰すべき家庭の受入れ問題,個別のお年寄りのさまざまな状況などがあろうかと考えております。今後は,高齢者保健福祉計画の目標達成を目指し,老人保健施設の本来の役割が発揮できるよう,関係部局との連携を図りながら計画の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆北川 委員  それじゃ,3点目お伺いいたします。  老健施設に対する本市の指導について何点かお尋ねしますけれども,本市の場合は,厚生省の指示に基づいて,年に1回各施設に対して実地指導といいますか,調書をとっているわけです。項目でいくと268 項目の点検をしながら指導をしているというふうになっていますけれども,まず1点目は,本市として,それ以外に具体的に日常的な指導やかかわりをどういうふうにやっているのか,あればお聞かせください。  私も,直接,老健施設に行って責任者と話したり,あるいは施設の中を見ましたけれども,その中で責任者の方が言っていたのは,北海道の方からはさまざまな情報とかいろんなことが提供されると,しかし,札幌市の方からは,現在,札幌市が進めている高齢化対策の問題や,あるいは在宅介護の問題も含めて情報が大変少ないというふうな指摘をされました。  地元の区役所の窓口に行っていろいろお話を聞いたら,個別の入所患者からのお話は聞くけれども,組織的に区役所なり行政として,老健施設に対する対応はやっておりませんという返事がありました。  そういう意味では,2点目,本市として進めている在宅介護の施策や,あるいは新5年計画を含めてさまざまなプランがあると思うのですよね。それをもう少し地元の老健施設や関係するところに情報提供するなり意見交換する場を,私はもっとつくるべきだというふうに思いますけれども,この点についてどう思いますか。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  1点目の実地指導以外の指導,かかわり方についてでございますが,施設の人員及び運営等に問題が認められた場合には,適宜指導を行っております。日常的な指導,かかわりにつきましては特に行っておりませんが,実地指導などの機会をとらえて,個々に情報提供等は行っているところでございます。  委員からお話しありましたように,札幌市がそういう意味でのかかわり方がという課題提起がございましたが,老人保健施設の許可権者である北海道では,確かに年1回,全道の老人保健施設に対し指導事項等についての説明を行う中で,運営上の情報交換等を行っております。しかしながら,老人保健施設とさらに積極的なかかわり方を持つその必要性については,私ども十二分に認識をしているところでございます。  そういうことで,2点目のお答えになりますが,老人保健施設への,高齢者にかかわる本市の施策情報の提供等を行う話し合いの場の件でございますが,ただいまのご提言の趣旨が十分生かされるように,今後,老人保健施設に対し,高齢者の施策に関する情報等の提供も含めた意見交換の場を設ける方向で検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆北川 委員  今の部長の答弁の中で,必要最低限のことはかかわりを持っているけれども,日常的なかかわりが不十分であるということをお話しされたわけですから,これは,今後ぜひ強めていただきたいというふうに思います。  最後に,在宅介護の充実は,当然私も老健施設だけですべて賄えるとは思っていないのですよ。しかし,環境づくりという点で考えた場合は大変重要な施設だというふうに思いますのでお尋ねしますが,高齢者福祉計画の中では,平成11年度までに札幌市内で36施設,3,300 床を準備するというふうになっておりますから,この数字の実現に向けて,各年度ごとに具体的にどういう計画を考えておられるのかお聞きして,私の質問を終わります。 ◆武藤 委員  (関連)今の質問にかかわって一つお尋ねしたいのですけれども,老健施設の認可権は道だということですが,例えば,札幌市内でも高齢者保健福祉計画で36施設建てるということで,毎年のように道に申請を上げている数は,認可される数よりも多く上がっているはずなのですね。このところで,札幌市高齢者保健福祉計画の中の老健施設は,目標年次を待たずして,もっと早い時期に目標を達成することができるぐらいたくさんの法人が手を挙げているわけなのですが,この点について,札幌市が道との関係でどのように調整を図ってきているのか,この点について,ひとつお尋ねしたいと思うのです。  それから,老健施設が特養の待機場所になっているという問題で先ほども答弁ありましたけれども,現在の老健施設に入所されている方,この方々がどういうような状況の中で入所されているのか。例えば,札幌市の特養の待機者を見ても700 人からいるわけですね。在宅福祉の状況を見ても決して十分じゃない。在宅で暮らすとしてもヘルパーは来ないわ,配食サービスもやっと今回から全区になるということで,まだまだ在宅で過ごすには不十分。そういう中で果たす老健施設の役割というのは非常に重要じゃないかと私は認識していますけれども,そういう高齢者の実態からして,衛生局として老健施設をどのような場所と位置づけていらっしゃるのか,この2点についても,あわせてお答えいただきたいと思います。 ◎紀國 保健衛生部長  北川委員のお尋ねにお答えいたします。  老人保健施設の設置計画につきましては,委員のお話もございましたように,本市といたしましては,高齢者保健福祉計画に基づき平成11年までに36施設,3,300 床を整備することとしております。現在の開設数11に加えまして,本年中にさらに8施設の開設が予定されております。また,本年度,北海道において開設された老人保健施設整備検討委員会において,9施設の開設計画が認められておりますことから,これらの施設がすべて開設すると,平成9年中には28施設,2,716 床となる予定でございます。計画達成までには,あと584 床でございますが,今後は,各区の老齢者人口などを参考にしながら,適正配置を考慮し,北海道に働きかけてまいりたいと考えております。  引き続き,武藤委員からご質問がございましたが,老健施設の札幌市における位置づけということだと思いますけれども,先ほどお話し申し上げましたが,老人保健施設は病院と家庭との中間施設という位置づけの中で,家庭において即日常の生活ができない方についてリハビリ,介護をするという,そういう施設の位置づけでございます。  先ほども答弁申し上げましたが,平成11年までに3,300 床,36施設という一つの計画目標を持ってございまして,高齢者出現率,札幌市の場合1.3 %,これは厚生省から指定された数字でございますが,そういう計算式のもとに全市バランスよく考えてございます。  それから,状況でございますが,例年,老健施設の開設につきまして多々希望がございます。そういうことで,道におきまして,先ほども申し上げました老人保健施設整備検討委員会の中でいろいろのことを検討されて,札幌市のあるべき数が定められておると,そういうことでございます。  それから,特養のかかわりがございましたけれども,老健は衛生局所管ということで,確かに特養についての待機組約800 名弱という,そういうことも私どもも十分に認識してございます。そういうことで,待機ということについてのあるべき姿が果たしてどうなのかということも含めまして,私ども老健施設の位置づけについて,今後とも本当に機能が発揮されるような方向で進めてまいりたいと,そう考えてございます。  以上でございます。 ◆小田 委員  私は,二つの質問をさせていただきます。  一つ目は精神保健福祉センターについて,もう1点は精神科救急についてお伺いいたします。  1点目でございますけれども,私は,昨年12月の4定の代表質問で,精神保健福祉法の大都市特例により,本年4月1日より指定都市にも設置することができることとなった精神保健福祉センターの設置について質問をさせていただきました。桂市長からは,できるだけ早期に結論を出したいとの答弁をいただいたところであります。その後,公表されました5年計画では,新保健所,夜間救急センターとともに精神保健福祉センターも設置して,保健・医療の拠点として整備することが明らかになりました。さらに,今議会で代表質問された宮村議員の質問にも,市長からは,これらを複合施設として整備すること,そして完成するまでの間,精神保健福祉センターは,既存施設の活用により早期の事業着手を目指したいとの考えが示されたところであります。  国では,この施設は精神保健福祉に関する技術的中核であるという性格にかんがみ,当然に設置すべき施設であるという見解でありますから,速やかに設置することが求められているものであります。  先ほどから,何人かの委員から地域保健体制についての質問が出されておりますけれども,その中で,この複合施設については,今5年計画で設計をいたしまして,次の5年計画で施設を完成いたします,こういう答弁がございました。  そこで私は,暫定的な施設としてでも,できるだけ早くセンターを開設すべきであるというふうに考えますけれども,衛生局としてはいつ,どのような形で開設しようとしているのか,計画が具体化しているのであれば伺いたいと存じます。  2点目の精神科救急体制の一層の整備の件でございますけれども,現在,夜間における急患・救急患者につきましては,夜間急病センター等で対応をしているところであります。精神科につきましても,自宅待機の当番病院をローテーションで定め,夜間急病センターが窓口となって実施しております。また,休日の日中における精神科救急体制については,新聞等で市民の皆さんに周知が図られているところであります。しかし,現行制度では,ベッドが満床のためあいておりません。緊急の入院に応じられない等の問題が指摘されているところであります。  札幌市では,大都市特例の施行に伴い,精神医療についての権限と責任が加わったわけでありますから,精神科救急についても,今回を機会に,より一層の整備の促進を図るべきと考えますけれども,いかがでありましょうか。  以上2点について質問させていただきます。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  1点目のご質問の精神保健福祉センターの建設までの対応についてでございますが,現時点における具体的な対応案といたしましては,暫定保健所として使用される現職員会館等,既存の施設の改修の中で精神保健福祉センターのスペースを確保し,平成9年度開設を目標に,いろいろな角度から検討を加えているところでございます。  2点目の精神科救急体制整備についてでございますが,本市におきます精神科救急体制といたしましては,先ほど来お話ありましたように,休日の救急につきましては,昭和36年から現在の方式を取り入れるとともに,夜間の救急につきましては,昭和47年,夜間急病センターの開設と同時に自宅待機型ローテーションシステム方式を導入して,現在まで対応してきたところであります。しかしながら,近年,お話しのような問題点があることも認識をしております。  今回の精神保健福祉法の大都市特例におきましては,精神科医療の供給体制の整備については,従来どおり都道府県の事務として位置づけられており,救急医療につきましても,平成7年度より新たに都道府県を実施主体として国庫補助制度が設けられたところでございます。したがいまして,今後の精神科救急体制のあり方につきましては,現在,北海道と協議に入ったところでございます。  以上でございます。 ◆小田 委員  それでは,先にセンターの方ですけれども,今,部長から平成9年開設を目標に,今あります職員会館での開設の方向で検討中,こういうことでございました。  精神保健福祉センターの業務の中で専門職員による各種の相談・指導,あるいは自立に向けての支援等のサービス,これらは市民が日常的に利用するものでありますから,継続しての提供が求められる,こういうことになりますよね。相当数の札幌市民が,これまでは道立の精神保健福祉センターでこれらのサービスを受けてきたというふうに思いますけれども,この4月1日からは大都市特例によりまして,道立の方は札幌市以外の地域の皆さんの精神保健福祉対策を担うという立場になります。札幌市が外れるわけですよね。そうすると,心配が出てくるわけですけれども,札幌市民は,本市の精神保健福祉センターが開設されるまでの間,平成9年開設でありますから,道のセンターが利用できないのか,どこへ行って相談やサービスを受けたらいいのか,この点が心配になってくるわけであります。  そこで,衛生局ではこの市民の懸念,心配に対してどのような対応を考えていらっしゃるのかお伺いいたします。  先ほど精神科の救急体制について,道との協議に入ったと,こういうことで部長から答弁ありました。いろいろ詰めなきゃならないと思いますから大変だと思います。そうしますと,複合施設ができるのはずっと先ですから,まだ時間があります。その点は私もわかりますが,道との協議に入って,大体いつごろまでに新しい精神科の救急体制についての札幌市のお考えがまとまるのか,今もし発表できるのであれば,お話をお伺いしたいと思います。 ◎紀國 保健衛生部長  先に後段の方の精神科救急の件についてお答え申し上げますが,まさに道と協議に入ったばかりでございまして,大都市特例という形においても,新たに新年度からおりてくるということでございます。そういうことで,私どもは,精神保健福祉対策という総合的な対策の中で,早急な実現の方向で努力をしてまいりたいと,そう考えてございます。  2点目の精神保健福祉センターにおきます各種の相談・指導・支援等の業務は,市民にとりましても日常的に利用するものとして,中断することのできないサービスであると考えているところでございます。したがいまして,本市の精神保健福祉センターが開設されるまでの間におきます本市民に対するこれらの業務につきましては,道立精神保健福祉センターにおいて引き続き対応をしていただくよう,現在,北海道と協議を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆小田 委員  わかりました。  平成8年度,サービスに中断がないように,ひとつお世話になっている関係者の皆さんが安心してサービスが受けられるように,あらゆる手だてをお知らせしていただきたいと思います。
     ところで,障害者基本法では,精神障害者も身体障害者の方や知的障害の方々と同様に障害者として位置づけられております。社会活動に参加する機会を保障しているとはいえ,まだまだ一般市民の皆さんの理解度も私は薄いというふうに感じております。最近は少しずつ変わってきているようでありますけれども,患者さんや家族が,世間に知られたくないと,ひっそりと暮らしている場合がまだ非常に多いのではないかというふうに私は推察しております。  札幌市には約1万2,000 人もの在宅精神障害者の方がいらっしゃるというふうに聞いております。このうち社会復帰訓練により社会復帰が見込まれる方は,お伺いしたところによりますと,2,000 人程度と推計していますということを聞いております。実際に社会復帰訓練に通っている方々は,共同作業所それからデイケアセンターなど,合わせて800 人程度というふうに聞いております。そうしますと,2,000 人のうち800 人ですから,半数以上の人は受入れ施設がなくて,社会復帰のための訓練もままならない状態であるということになります。  近年,民間の精神病院などでも,デイケアにつきましては,徐々に実施しているところがふえてきているようでありますけれども,まだまだ手薄であるというのが実態であるかと思います。  このような意味から,公的な拡充策が求められているところでありますけれども,精神保健福祉センターは,精神保健に関する知識の普及を図り,そして調査研究を行い,相談及び指導のうち複雑または困難なものを行う施設とするというふうにうたっております。  私は,これらの業務ももちろん重要でありますが,センターでは,先ほど言いましたように,技術的中核機関として民間の社会復帰施設等の指導的役割を果たすためにも,ぜひデイケア事業にも取り組んでいただきたいと思うのであります。この事業に取り組むことによって,市民に親しまれる施設としてイメージアップが図られ,施設の利用促進にもつながり,札幌市のデイケアの中心的な機関が確立されることになるのではないかというふうに私は考えます。ですから,札幌市が設置する精神保健福祉センターにおいては,ぜひともデイケア事業に取り組むべきと考えますけれども,市としてはどのように考えておられるのか,見解をお伺いいたします。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  本市が設置する精神保健福祉センターにおいて,デイケア事業を行うことについてでありますが,本市における在宅精神障害者の状況,あるいは地域におきます精神保健福祉センターの役割を総合的に勘案いたしまして,将来,複合施設として建設する精神保健福祉センターについては,デイケア部門も設ける方向で現在検討を進めているところでございます。  なお,デイケア部門には広範囲のスタッフと相当なスペースを必要とすることから,複合施設として新築するまでの暫定施設にデイケア部門を設けることについては難しい問題がございますが,既存施設の有効活用の中で,実施について努力してみたいと考えております。  以上でございます。 ◆小田 委員  最後に,要望をさせていただきます。  私たちもいろんな市民相談を受けますけれども,本当に回答に困る問題が何点かあるのですが,その中の一つに心の病の相談,これは難しいですね,非常に難しい。もう回答のしようがない。それで,病院を紹介してあげます。この相談料は大変高いですね。病院で心の問題を相談しますと,1回5,000 円取られるというのですよ。何回も相談したら,本当に大変な金額になります。  そこで,私は市立病院を応援していますから,市立病院に精神科がありますので相談に行ってくださいと。相談の方が市立病院に行きました。患者さんが多くて,待ち時間が大変なのですよ。2時間も3時間も待たされて,やっと自分の番が来て相談しましたら,たった15分か20分で終わりなのです。ですから,相談したいこと,話したいこといっぱいあるのですけれども,患者さんがたくさん控えておりますから,1人の人が何時間も担当の医師を独占するわけにいきません。そういうことで,本当に満足のいかない実態にあるということは皆さんの方がよく知っていると思います。  そこで,今後このセンターにぜひいろんな人材を引っ張ってきていただいて,そして一番最初のステップ,窓口は保健センターになるかと思いますけれども,将来開設される,あるいはまた暫定的に開設されるセンターについては,いきなり市民相談に来られた方にも十分対応できるような,そういうスタッフあるいは専門家をそろえていただいて,そしてそういう心の病,健康相談を受けられるような形をぜひ整えていただきたい。これは要望でございますが,そういう希望の声が上がっておりますので,きょうこの機会に皆さんに理解していただいて,今後の手だてに十分な体制を整えていただきたいことを要望して,質問を終わります。 ◆荒川 委員  私は,保健所の統合問題,この1点で質問を行います。  昨年の第2回定例会の代表質問,そして議案審査特別委員会,さらには昨年の第3回定例会の決算特別委員会でもこの問題を取り上げてまいりましたが,札幌市が進めようとする全市1保健所・各区1保健センター構想,これは保健所に保健センターがかわり得るということでなければ成り立たない,そういう計画だと思います。  先ほど来,議論も既に行われておりますが,保健所が行政機関であるのに対して,保健センターは施設にすぎない。保健所の設置は法に明記されているにもかかわらず,保健センターについては,設置することもできるし,設置しなくてもいいと,こういう施設になっている。また,職員の配置規定や,あるいはそこで行うべき業務の規定についても,まるで違う。そういう点から,保健所統合問題については,これは改悪だと,こういう立場で厳しく追及してきたところであります。にもかかわらず,本市においては,全市1保健所・各区1保健センター構想について,既に厚生省のヒアリングも済ませ,強引に推進しようとしております。  この問題で,市民や職員の合意を得られると考えているのか,合意がなくてもやるということなのか,合意なしで構想の推進を急ぐ理由は何か,このことを最初にお聞きしておきたいというふうに思います。  といいますのも,依然として本市職員組合と保健所で働く職員によって組織されている市職衛生評議会が反対し,この1月27日には「なくすな保健所,札幌市民の会」が結成され,市長並びに厚生大臣に対し,札幌市における1区1保健所体制を維持することを求める運動が開始されたことも踏まえて,見解をお示しいただきたい。  以上であります。 ◎紀國 保健衛生部長  札幌市が1保健所10保健センター体制を表明いたしましてから,私ども内部的にも外部的にもいろいろ具体的にさらなる検討を重ねてまいりました。その間,厚生省におきましても,さきの29日でございますが,札幌市が目指すべき将来方向について,基本議論的なフレームのご説明を申し上げ,札幌市として,将来にわたる保健衛生という,そういう広い意味でのお話もさせていただきました。そういう中で,理解をいただいているところでございます。  今,委員がお尋ねの市民合意,とりわけ庁内的なそういう意味での合意がない中で断行するのかというご質問でございますが,私どもといたしましては,市民合意ということについては,関係団体等の理解を得るため再三にわたる積極的なご説明を申し上げ,理解を得てきているつもりでございますし,また,広報さっぽろにおいても,清田区の関連記事等,基本的な考え方について紹介をしてございますが,本格的な市民PRにつきましては,具体的実施案がまとまった段階で,新年度早い時期に逐次PRを実施してまいりたいと,そう考えてございます。  組合のお話もございましたが,組合との協議については,基本的考え方について,今現在,鋭意交渉を行っているところでございます。また庁内,とりわけ局内調整等につきましては,これまでも関係機関会議や,必要に応じ関係プロジェクトの意見を聞く中で,調整に努めているところであります。今後も精力的にご理解をいただくように努力をしてまいりたい,そう考えてございます。よろしくお願いいたします。 ◆荒川 委員  今の部長の答弁で,関係市民団体の理解を得てきていると,あとは実施計画が決まった段階で広報さっぽろでPRする,それで市民の合意を得たということになるのですか。さっき私が指摘しましたように,保健所を今の1区1保健所体制で残せ,こういう市民運動も,新たな組織をつくって市長のところにも要望書がもう出され,そういう話し合いの機会も持たれていると思います。にもかかわらず,関係市民団体の理解を得てきているというふうに言い切るというのは,一体どういうことなのか,改めてこれはお聞きをしておかなきゃならないというふうに思います。  さて,厚生省に対して2月29日に説明をし,理解もいただいていると言うのですが,これは私,違うと思っているのですよ。私,議会でいろいろ言うだけでなくて,実際に厚生省がどういうふうに考えているのか,どういうふうに指導しているのかということについても話し合ってきています。  昨年の11月27日,この問題を推進している厚生省の健康政策局計画課,ここで私は2時間かけて議論してきています。その中で,どう言っているか。詳しく申し上げることは省きますが,基本指針の30万人に1保健所との政令市の人口要件や面積に照らすと,札幌市の場合は合わない,住民サービスは大丈夫か,こう言ってきている。また,札幌市としてどうするのがいいのか,かなり時間をかけて検討してきていると聞いている,あるいは,個々の自治体が決めることであって札幌市で議論してほしい,構想について市民に投げかけた議論もされていると思っている,こういうようなことを言っているのです。  十分な検討がなされて,そしてこういう計画が出されてきたか。そんなことはないですよ。ヒアリングに使った,厚生省に提出した札幌市の計画というものを私は手にしておりますが,この中で,本市保健所の変遷と現状というものについて,あるいはこの計画がどういう形で検討されてきたかということについても書かれていますけれども,これはもう昨年の選挙の後,第2回定例市議会を目前にして,ぎりぎりのところで市長,助役の最終的な協議で方針が固まって,すぐにそのことが記者発表されたと。補正予算,肉づけ予算の中身としても,それに合わせて,そのことが打ち出される。  こういうことで,確かに内部の一つのセクションでの検討の期間はあったにしても,これが十分な検討であったなどと言えない,そういう代物だというふうに私ははっきり言えると思いますし,昨年,改選直後に市長がこういう方向を打ち出し,2定で初めて我々議会として議論をしたその後も,どれほど市民の中でこの問題が議論されてきたか。先ほどの答えにあった関係市民団体の理解を得てきているというようなものでないというふうに私は思っておるのですが,具体的に,理解を得るためにどういうようなことをしてきたのかも,この機会に明らかにしていただきたいし,「なくすな保健所,札幌市民の会」という新しい市民運動組織,そこの要望に基づく話し合いで,一体どういうことになったのか,理解が得られるような状況になっているのかどうか,このことについても明らかにしていただきたいというふうに思います。 ◎紀國 保健衛生部長  ご質問に対して相前後するご回答になるかと思いますが,まず厚生省との関係にかかわるお話でございます。  一番直近のところでは,先ほど来お話し申し上げましたようにヒアリング,すなわち2月29日のヒアリングでございます。そこで,特に厚生省とお話をした部分は,いろいろやりとりがございましたが,市民ニーズに対応する札幌市の新しい地域保健体制のあり方,こういうものについての市民の方々に対する今後のPRというか理解を得る方向,あるいは対物サービスに係る拠点はどうなのかとか,保健センターと対物サービスの関係はどうであるかとか,保健所の機能強化をどういうふうに図っていくのか,あるいは新5年計画の中ではどういうような形でこの体制づくりを進めていくのかとか,いろいろ検討をしてきたことのお話をさせていただいてございます。  そういう中で,厚生省には,過去2年以上前から,私どもはいろいろ指導をいただきながら進めてきた経過の中で,私どもが進むべき方向についてはご理解をいただいているものと。逆に,札幌市がそういうことで,将来,新しい地域保健体制に即したそういう体制をつくることについては,ぜひ頑張っていただきたいという,そういう意味での激励もいただきながら帰ってきたところでございます。  先ほど委員のご指摘ございました,急ぐ理由は何なのかと。私どもは,決して急ぐなんていう気持ちはございませんが,新しい地域保健法の完全実施が平成9年4月1日となってございまして,あわせて,その秋には分区ということがございます。たまたまそういう意味でのタイミングが合ったということもございます。そういうことで,私どもとしては,地域保健体制が実際に施行される,あるいは分区が実施される,そういうところを一つの目標的な形の中で進めてきているわけでございます。  それから,関係団体にどのような理解を得ているのかというご質問でございますが,こういうフレームづくりにありましては,まずは保健衛生という形の中で,日ごろからいろいろな形で関係の一番深いところから理解を求めていくことが,一つのフレームづくりの基本であろうと,そう考えてございます。そういう意味においては,医師会あるいは歯科医師会,薬剤師会あるいは衛生協力会等々,そういう関係団体とお話を進めながら,ご理解をいただいてきたわけでございます。  今後,先ほど申し上げました市民の方々への理解等々のことにつきましては,今現在は大きな意味でのフレームという部分での押さえでございますので,実施体制等々を具体化する中で,新年度に入った段階で市民の方々にもよく理解していただくような形づくりのPRをしてまいりたいと,そう考えてございます。  以上でございます。 ◆荒川 委員  市民団体と話し合って,そしてこういう新しいやり方について理解を得,納得を得,推進するという立場ではないのですか。  実施計画が明らかになったら,あとはPRすれば理解を得られるという考え方が示されているのですよね。今の各区1保健所体制を残してくれと,それで地域環境の予防衛生を保健所が果たすべく,そういう役割を果たしてほしいと,こういう市民の声や,なくすなというふうに具体的に市長に対して要望書も出してきている団体に対して,具体的に話し合って理解を得ていく,そういう期間というものを考えないのですか。それが,やっぱりおかしいのですよ,やり方としては。私は,これは合意なしでも突っ走る,こういう考え方が端的にあらわれているのではないかと思うのです。  そこで,その点についても明らかにしていただきたいのですが,部長が,なぜ急ぐのかということについての答弁として,来年の4月1日が地域保健法の完全実施日であると,そして札幌市の新区の体制も含めて,これが動いていくときだということから,そこに合わせたというようなことを言われましたね。私,なぜ札幌市がこれほど無理をしながら保健所の統合というものを進めようとしているのか,その背景に一体何があるのか,いろいろ考えているのです。  一つは,前のときにも説明を受けているのですが,清田の分区に合わせて保健所をつくっていかなければならぬ。しかし,保健所という形では国の補助が得られない。地域保健法のもとで清田区では保健センターでいかざるを得ない。国が,そうでなければ認めない。したがって,清田区だけを保健センターにするわけにはいかないから,全部保健センターに,保健所は1ヵ所と。(発言する者あり)そんなことはないのでないのだよ,計画にそうやって書いてある。こうやって厚生省に出して,説明している。  ところが,それは本当かと私は思っているのですよ。国は,保健所であれば補助をつけないという対応をしているのかどうか,保健センターでなかったら認めないと。清田の場合は,本当にそうだったのか。私は違うと思うのですよ。そこのところも含めて,なぜ今こんな無理押ししてまで急ぐのかという点について,もう少しわかるような説明をいただきたい。  といいますのも,先ほども明らかになっていますように,他の政令指定都市の状況はどうかといえば,北九州が既にそういう方向で走っている。札幌市もそういう方向で走ろうとしている。しかし,あとはどうか。横浜,川崎は1区1保健所体制でいくと決めている。ほかは,ほかの様子も見ながら今後検討しようとしている。厚生省だって,指定都市で計画が期日どおりに出てくるなどというふうには思っていませんよ。そして,期日どおりに計画を出さなければだめだというふうな対応もしていないのじゃないですか。それなのに,なぜ急がなきゃならないかという問題です。清田区の保健所に対する補助について,厚生省がどういう指導をしたのかも含めて,この点明らかにしていただきたい。 ◎紀國 保健衛生部長  お答えいたします。  市民の方々へのご理解という意味でのPRということでございますが,先ほど来申し上げてありますように,今現在,細かいところまで決めていない部分がございます。大きな意味でも,フレームづくりは一応ご了解を得ておりますが,そのフレームと申しますのは,組織あるいは具体的な業務をどうサービスという形で提供をするかと,そういう形づくりでございます。  そういう中で,何とか早期にそういう形づくりをした段階で,市民の皆様方にも,これがこういう形でこのようになりますと,いい意味でのサービス強化につながりますと,そういう形をきちっと整理した段階でお話をしたいと,そう考えてございます。  それから,清田区の保健センターを今現在建設中でございますけれども,厚生省は,新しい保健所をつくるに当たりましては,地域保健法の趣旨にのっかった形でなければ補助の対象といたしませんと,これははっきり言われているところでございます。  それから,何ゆえに札幌市はそういう部分で急ぐのかというご質問でございますが,先ほどお話し申し上げましたように,法律の完全実施ということもございますし,分区ということもございます。それから,札幌市の全市的なそういう形の中で,今現在の保健衛生業務総体を全区的にバランスよく,均衡のとれたサービスという部分を考えて,しかも新しい地域保健法が目指す理念の実現ということも含め,あわせて,私どもはこういう形づくりを今現在具体化しようと,そう考えているところでございます。そういう意味で,ぜひご理解をいただきたいと存じます。  以上でございます。 ◆荒川 委員  厚生省には,私も聞いてきています。札幌市の保健所を一つにしなければならぬというようなことは,全く考えていないということをはっきり言っています。それから,清田区の場合に,保健所としては補助がつかないというようなことは言っていないと,はっきり言っています。もちろん,地域保健法を推進する立場の厚生省が,地域保健法に基づく保健所・保健センターに補助をつけるように大蔵に話を持っていく,これは当たり前ですよ。  地域保健法は,保健所をつくってはならぬと言っているわけじゃないのです。30万人に1ヵ所程度の保健所をと。札幌は176 万人でしょう。そうすれば,6ヵ所必要だということになるのじゃないですか。それを,なぜ9ヵ所ではだめだの,10ヵ所でだめだのとなるのか。川崎は札幌市よりずっと人口が少ないけれども,7保健所体制でいくと決めているじゃないですか。横浜は18保健所体制で,現行のまま各区1保健所体制でいくと決めているのじゃないですか。札幌市が,なぜこれほど無理をしてまで拙速に保健所統合計画を推進するかと。私は,厚生省にヒアリングの際に出した札幌市保健所機能強化計画というものの中に,その答えがあるのじゃないかと思っているのです。  ここに,保健所の総合的事務事業の見直しの必要性ということを書いています。今日の厳しい財政状況の中で,時代のニーズに即応した実効ある保健衛生行政を推進するため民間活力を導入すると,保健所の総合的な事務事業の見直しを図ることが緊急の課題であると言っています。つまり,財政の問題からこのことに接近しているということが最初に示されている。  そして,大都市の質問に答える形で,保健所に保健センターを併設してもいいということを厚生省は言っていますね。保健所がある,それに加えて保健センターがあるような,併設という形であっても,これはいいですということを言っている。それにも,札幌市は自問自答して,こう言っています。地域に保健センターがより多く設置されることが望ましいとの国の見解はあるものの,本市の財政事情を考えると,新たな保健センターの複数建設は極めて至難である,こう言って,清田区でなぜ急いだかということについて,ここに答えが出てまいります。いろいろ言った中で,分区の時期をとらえて新区に保健センターを設置することは,本市保健衛生行政の……(発言する者あり)答えを言って,私が指摘するのだよ。(「この間もそれをやっていたのでないか」と呼ぶ者あり)余分なこと言うのじゃない。(「余分でないよ,何言っているのだよ」と呼ぶ者あり)委員長,注意してくれればいい。(発言する者あり) ○高橋[重] 委員長  ご静粛にお願いします。  質問,今,続行中です。 ◆荒川 委員  静かにしないと,質問できないでしょう。  分区の時期をとらえて,新区に保健センターを設置することは,本市保健衛生行政の執行体制の変革としてタイムリーである,つまり,金のことから出発しながら,保健所にプラスの保健センターということも難しい。そこで,保健所から保健センターへの変革を清田の分区にあわせてやってしまえと,こういうことになっていったのではないかと思うのです。  今,札幌市の保健衛生行政を見ると,例えば各区に保健所があるほかに,東区と中央区には健康づくりセンターというのがつくられている。各区の保健所にプラスして,保健センターともいうべき健康づくりセンターをつくっていけば,これは住民サービスと保健衛生行政をさらに強化するということにはなると思いますよ。しかし,そうではなくて,保健所をやめてしまって,そして保健センターに切りかえる。先ほど,例えば体制の問題でも,診療所という形にして,保健センターの管理者には医者を配置すると言いますが,診療所をとりあえず配置しても,診療所を閉鎖すれば医者は要らなくなると,裏返して言えば,こういうことにつながるのじゃないですか。  それから,許認可業務という点で,保健所から保健センターに職員を出向してやるということも言われています。しかし,それも,今とりあえずはそういう形をとるということであって,将来ともという保証は,さっき言いました地域保健法の絡みからいっても,私はないのではないかというふうに思っているのですよ。  それから,保健所運営協議会の関連で,地域の市民の意向を反映できるように前向きに検討したいなどと言いますけれども,何ら具体的なものは出されていない。  それから,緊急時の対応についても,緊急時医療体制対策委員会というものを中心にしながら対応すると言っていますが,札幌市の豊平川にかかっている橋が全部落ちてしまったら,この豊平川の東と西,一つの保健所で対応できますか。  そういうことを考えても,国でさえ30万人に1ヵ所程度は必要だと言っている中で,1保健所に統合するというのは,極めてこれは無理がある。住民無視だと言わざるを得ない。  もろもろ言いましたが,これについてどなたにお答えいただけばいいでしょうか,局長もしくは助役からご答弁をいただきます。 ◎上村 衛生局長  お答えいたします。  ご存じのとおり,札幌市の保健衛生行政のあり方につきましては,桂市長に4年前から検討を命ぜられまして,私ども検討してきた課題でございまして,お話にございましたように,私ども今,急いで検討を進めているというふうには受け取っておりません。たまたま最初に検討を始めた段階で,既に厚生省へ伺い,私どもの考えをお示しし,ご理解をいただきましたが,間もなく地域保健法が改正されるので,その改正内容に合わせて検討を進めるようにというご助言をいただいておりましたので,今回の地域保健法の改正に合わせて新しい保健体制を構築しようとするものでございます。  1保健所にすることによって,市民サービスの低下があるのではないかというご指摘でございますが,人口要件も含めて,許認可業務に携わる保健所職員を区に配置することにより,あるいは対人サービスにかかわる保健センターでの業務を総括的に見ますと,市民サービスについては,現在の保健所の機能はすべて残されますし,決して低下することはないと考えておりますので,私どもの考え方は決して清田区から始まったものではございませんで,長年検討してきたものが,この法律改正に合わせて実現しようとしているものでございます。  以上でございます。 ○高橋[重] 委員長  以上で,第1項 保健衛生費,第4条のうち関係分,議案第19号,第30号,第33号,第35号,第41号,第51号及び第54号の質疑を終了いたします。  次に,第2項 環境管理費のうち関係分及び議案第34号 札幌市火葬場条例の一部を改正する条例案について一括して質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,明後日14日午後1時から市立病院関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時42分...