札幌市議会 1996-02-29
平成 8年第 1回定例会−02月29日-03号
平成 8年第 1回定例会−02月29日-03号平成 8年第 1回定例会
平成8年 第1回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )
平成8年2月29日(木曜日)
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〇議事日程(第3号)
開議日時 2月29日 午後1時
第1 議案第1号から第76号まで(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成8年度札幌市
一般会計予算
議案第2号 平成8年度札幌市
土地区画整理会計予算
議案第3号 平成8年度札幌市
団地造成会計予算
議案第4号 平成8年度札幌市
駐車場会計予算
議案第5号 平成8年度札幌市
母子寡婦福祉資金貸付会計予算
議案第6号 平成8年度札幌市
国民健康保険会計予算
議案第7号 平成8年度札幌市
老人医療会計予算
議 員 山 口 た か 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 森 健 次 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
助役 石 原 弘 之 君
収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君
総務局長 大 長 記 興 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 米 田 耕一郎 君
市民局長 前 川 一 彦 君
民生局長 佐々木 利 幸 君
衛生局長 上 村 友 也 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 西 村 公 男 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 村 田 忠 良 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 長 岡 武 夫 君
選挙管理委員会委員 加 藤 隆 司 君
選挙管理委員会委員 関 口 英 一 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 谷 口 政 範 君
監査事務局長 三 上 重 之 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 入 江 一 郎 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 小 村 雅 彦 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
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〔午後1時開議〕
○議長(柴田薫心君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,67人であります。
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○議長(柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として山田信市郎君,横山博子君を指名します。
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○議長(柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(入江一郎君) 報告いたします。
中嶋和子議員は,所用のため遅参する旨,届出がございました。
昨日,市長から,
飯坂宗子議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○議長(柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第76号までの76件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。常見寿夫君。
(常見寿夫君登壇・拍手)
◆常見寿夫君 私は,ただいまから公明議員団を代表しまして,市長より今議会に提案されております諸案件並びに当面する市政の諸問題について質問をいたします。
初めに,財政問題についてお伺いをいたします。
本市の平成8年度予算は,厳しい財政環境の中での編成であったにもかかわらず,事業の選択や財源の確保に最大限の努力を払った結果,一般会計で前年度比5%増の 8,325億円,企業会計,特別会計を合わせた全会計では1兆 4,687億円,前年度比 4.5%増の伸びを確保した積極型の予算となったことは,我が党としても評価をするところであります。
とりわけ,今般市民の関心の最も高い高齢化社会に向けての大きな配慮の跡が見られますし,景気対策においても,
普通建設事業費で6%以上の伸びを確保していることから,これが本市経済の活性化につながるものと,私どもとしては大いに期待をしているところでもあります。
さて,昨年12月1日,平成8年度
国家予算編成に先立って,政府は,向こう5年間の経済運営の指針となる「構造改革のための
経済社会計画」を発表いたしました。「活力ある経済・安心できるくらし」という副題をつけたこの新経済計画は,平成4年6月に発表された生活大国五か年計画に次ぐ,戦後13番目の経済計画でもあります。
その大要は,我が国の中長期的発展を切り開いていくためには,社会生活のあらゆる分野で抜本的な構造改革に取り組む必要があることを強く訴えているものであり,そうした大胆な改革を積み重ねることにより,初めて持続的・安定的な内需主導型の成長と,自由で活力のある経済社会の実現が期待できるとするものであります。
しかし,その一方で,新たな成長軌道を再構築するためには,当然,甚大な痛みも伴うものであり,仮に構造改革が進展しない場合は,それが成功した場合の
年平均実質経済成長率3%に対して1.75%程度の成長にとどまるとの悲観的な見通しも併記されているのであります。
すなわち,これまで我が国の発展を支えてきた制度や仕組みを抜本的に問い直すことなしに,その先の持続的・安定的な成長はあり得ないとの認識であり,これは,ひとり国のみならず,どの地方においても,そのまま同じく当てはまるのではないかと考えるところであります。国と同様の厳しい現状認識,さらに断固とした態度なしに,本市のこれからの発展はあり得ないと思うのであります。
そこで,以下2点についてお伺いをいたします。
質問の第1点目は,財政状況に対する認識についてであります。
本市の平成8年度の予算は,国の一般歳出並びに
地方財政計画の伸びを上回る伸び率を確保したものとなりましたが,市長は,現在,本市の置かれている財政状況をどのように認識されているのかを,ここで改めてお伺いをしたいのであります。
2点目は,財源の確保に当たっての基本的な考え方についてであります。
国の新経済計画を見る限り,今後,経済成長に伴う税収の増加に多くを期待することは,ますます困難なことと言わざるを得ません。超高齢化社会を目前に控え,本市の今後増大する種々の財政需要を考えたとき,現状の財源では,到底それらを賄うことができないものと予測されるのであります。
すなわち,地方の税財源をめぐる環境は,今まさに時代の大きな転換期に立っているのであり,国と地方にまたがる規制緩和を初めとする構造改革の成否によっては,将来の本市の税財源の姿も大きな変貌を遂げるのではないかと思われるのであります。
ここで,本市の平成8年度の主要な財源を見てまいりますと,例えば市税では,前年度比 2.5%増の 2,857億円を見込んでおります。
本市を取り巻く税環境を考えたとき,
地方財政計画の伸び率 1.4%を上回る税収を見込むことについては,一定の評価をするものでありますが,一方では,果たしてその確保は可能なのかどうか不安も感ずるところであります。
また,地方交付税については,前年度比10.1%増の 1,090億を見込んでおられますが,これらについても,市税と同様,全額を確保できる見通しがあるのか,確保の保証はないのであります。
さらに,市債については,前年度比24%増の 1,180億円を計上し,当初予算では,初めて 1,000億円を超える規模となっておりますが,今後,将来の世代に過大なツケを残さない財政運営が可能かどうか,そのはっきりした見通し,道筋をつけるのは,相当難しいのではないかと私は思うのであります。
本市の平成8年度の予算は,現下の厳しい財政環境の中で,しかし,たゆまぬ努力と工夫の成果として編成がなされたのではありますが,その内実としては,苦しい財源の確保を強いられたものではなかったかとも思うのであります。
市長は,平成8年度予算編成に当たって,必要な財源確保にどのような基本的な考えで臨んだのかをお伺いしたいのであります。
次は,広域行政の推進についてお伺いをいたします。
豊かさの指標が,量から質へ,質から好みのものを多くの中から選択できる,選択の豊かさへ移行してきた現代において,さまざまな機能がその生活圏にあることが,魅力ある地域社会の形成に必要な条件となっております。この条件整備に当たっては,1市町村だけでは財政や地理的・自然的条件などの制約があるため,近隣市町村が相互に機能を補完し合う広域行政の必要性がますます高まってくるものと思われます。
また,国の4全総では,多
極分散型国土の形成を柱に,広域圏を主体とした連携施策が進められておりますが,将来はこれをさらに一歩進めて,より広範囲での連携が基軸になると思われます。
すなわち,関東,近畿,北九州に連なる現在の国土軸と同様に,例えば,北海道,東北,北陸に連なる連携軸など,複数の国土軸の構築が大きな課題で,この軸を中心に経済や産業,文化など,あらゆる面で交流人口を拡大し,地域の活性化を図っていく必要があります。
この新しい連携軸の考え方は,次期5全総の大きな柱になることが予想されておりますが,札幌市は,北海道を先導する拠点都市として,この軸を担っていく広域的な使命があると常々考えております。この使命を果たすためにも,札幌市として取り組まなければならないものが二つあると思います。
一つは,交流や連携を進めるにおいての広域的な
交通ネットワークの整備であり,もう一つは,さまざまな情報を,いつでも,どこでも享受できる情報のネットワークの整備であります。
このような観点に立って質問をいたします。
まず1点目は,新5年計画において,国際化・広域化の推進を重点課題として掲げ,広域行政の充実を図ることとしておりますが,今後,どのような視点で広域行政の推進に取り組んでいかれるのかをお伺いをいたします。
2点目として,特にお伺いしたいのは,
北海道新幹線の実現に向けた取り組みであります。
北海道新幹線は,新しい連携軸を担う基幹であると考えておりますが,昭和48年の
全国新幹線鉄道整備法の制定以来久しいものの,ルート公表さえ行われておらず,ほかの地域から取り残されている状況にあります。
しかしながら,平成6年12月の
関係大臣申し合わせにより,
北海道新幹線ルート調査とその後の公表が盛り込まれ,本年中にはルート公表が行われる見通しであります。
また,工事の着工順位や財源負担など,整備に関する基本的な枠組みであります新たなスキームの策定も予定されており,また,その実現の成否が問われている時期にあると考えております。
このような状況にあって,今後,市長は,どのような取り組みをしていこうとしているのかをお伺いをいたします。
次に私は,白石区と厚別区にまたがる広大な
市街化調整区域において進められている緑地の整備構想について,幾つかの提言も含め,お伺いをいたします。
現在,国において,平成8年度を初年度とする第6次
都市公園等整備5ヵ年計画が閣議決定され,スタートしようとしております。まさに,今世紀最後の5ヵ年計画として,この時期に必要な
インフラ整備を進めるという,極めて重要な計画であり,総額7兆 2,000億円の投資規模を見込み,目標の達成を目指しております。
この計画では,その重点目標を「安全で安心できる都市づくり」「長寿,福祉社会への対応」「都市環境の保全,改善や自然との共生」「個性と活力のある都市・農村づくり」の4項目を掲げております。そして,その目指すところを端的に表現して,「『都市の中に緑を確保する』から『緑の中に都市がある』へ」と提唱をしております。
これらを見ますと,まさに本市が昭和50年代から取り組んできた環状夢の
グリーンベルト構想の理念と一致するものであり,我が札幌市の先見性を評価をするものでもあります。
ご承知のとおり,環状夢の
グリーンベルト構想は,札幌市の市街地の周辺を取り巻いて,広大な
市街化調整区域において周囲約 100キロメートル,構想面積1万 6,000ヘクタールにも及ぶ緑地帯を形成させようとするものであります。南西部の森林地帯と北東部の平地帯に取り囲まれた,まさに緑の中に都市が発展していくという,
札幌ならではのダイナミックな構想であります。
この構想は,昭和58年,現在は厚別区になりますが,当時は白石区の山本地区において起工式がとり行われ,その場所が現在も環状夢の
グリーンベルトの発祥記念の森として整備され,長期的なビジョンに立った都市づくりの必要性を後の人々に伝えようとしているのであります。
特に,絶え間なく,そして大量に発生する廃棄物の処理場を,将来の市民の憩いの場とするという
グリーンベルトの形成の手法は,今日のごみ問題の深刻化を見ますと,極めて先見性のある計画であり,一日も早くこの緑地が実現されることを見守っているところであります。
一方,白石区の唯一の総合公園として,川下公園の建設が進められているところでありますが,この公園に関しましては,私は,平成5年にちょうど都市公園法の政令改正がありましたが,この機会をとらえまして,都市公園が従来の画一的と申しますか,没個性的なものであってはならないという常日ごろ私が感じておりました所感を質問をいたしました。
例えば,今年も豪雪で大きな問題になっておりますが,雪対策に効果的な公園づくりを考えるべきではないか,融雪その他,多方面に利用できる熱源として温泉を掘ってみるような発想はいかがなものかと質問をしたわけであります。これを契機に,市の当局でもご検討をいただき,川下公園に温泉のボーリングが実現したのであります。そして,平成6年に掘削が完了しました。
その結果によりますと,摂氏43.2度,毎分 150リットルの湧出量と,期待どおりの結果が得られたことは周知の事実でもあります。
本市の大規模公園の整備の中身を見ますと,例えば北区の百合が原公園のユリ園,前田森林公園のポプラ並木と大カナール,そして平岡公園の梅林など,どちらも各区のシンボルとなる特色のある内容となっております。この川下公園においても,温泉を活用し,ほかの公園には見られぬ個性的な施設をつくっていただきたいと思うものであります。
白石区においては,待ちに待った総合公園の整備でもあり,地元の期待は日増しに大きくなってまいります。そして,この期待の高まりとともに,いろいろな要望やアイデアといったものが出てまいります。これらの声にぜひ耳をかしていただき,住民参加の施設を希望するものであります。
また,この公園の東側には,厚別川を挟んで広大な平地帯があり,その東側には,山本地区の
グリーンベルトと続いているのであります。この平地帯の土地利用をどのようなものにするのか,極めて大きな関心を抱いております。
現在,第3次長期総合計画においては,
市街化調整区域の土地利用,保全の方針として,市街地を取り巻く自然緑地を都市環境緑地と位置づけ,森林や農地等の実効ある保全と地域特性に応じた活用の促進を掲げております。
平成6年に企画調整局を中心として取り組まれた
市街化調整区域の土地利用構想においては,平地系の緑地ゾーンのあり方として,スポーツ・レクリエーション用地として活用を図るべきとしております。川下公園から東側に大きな緑地帯を整備して,山本・米里
グリーンベルトに至るレクリエーションゾーンを形成させることは,いかがなものかと思うのであります。
幸い,この区域には公有地が大きな面積を占めております。この土地の活用策の基本的視点としては,長期総合計画の基本を軸に,冒頭申し上げました国の5ヵ年計画にも示されているこれらの緑の都市づくりの重点項目を踏まえつつ,検討を加えていくことが必要であります。ますます多様化する市民のレクリエーション要求を的確にとらえ,高齢化社会における健康な余暇を過ごす場として位置づけることができるのではないかと思います。
大規模なパークゴルフ場,サッカー場あるいは市民ゴルフ場などが考えられるのではないかと思います。その共通のクラブハウスには,近接する川下公園の温泉水を引き入れてはどうかなど,多々夢のある発想が浮かんでくるところでもあります。
そこで質問の第1点目としては,川下公園についてでありますが,工事の進捗状況と見通し,さらには温泉利用の計画について検討を進めているというふうに伺っておりますが,その内容を具体的にお示しを願いたいのであります。
2点目でありますが,先ほど提言を含め申し上げた,川下公園と山本
グリーンベルトをつなぐレクリエーションゾーンの整備についての構想に取り組むべきと考えますが,これらについての市長のご所見をお伺いをしたいのであります。
次に,本市の街づくりについてお伺いをいたします。
戦後50年が経過し,来るべき21世紀まで残すところ,あと5年となりました。この間,都市への人口集中,自動車の急速な普及,高度情報化の進展,近年は鎮静化しつつありますが,数度にわたる地価の高騰等,都市の社会経済は予想をはるかに超える変化を経験しております。
このような状況の中で,本市においては,他都市に例を見ない人口増加に対応するため,市街地の拡大を計画的に進めてきたところでもあります。
一方,都心地域においては,交通渋滞,中心商業市街地の活力の低下並びにバブル経済崩壊後の後遺症とも言える空閑地の散在的な発生等,さまざまな問題が見られるようになっております。
しかしながら,本格的な高齢化社会を迎える21世紀において,快適で豊かな都市生活の実現を図るためには,投資余力のある今こそ都市基盤整備の促進を図る必要があると考えるのであります。
そこで,今後の街づくりにおいては,現在ある都市施設の有効活用が求められており,したがって,都心及び都心周辺地域における機能更新並びに居住の促進を図ることが重要な課題となっております。
以上のような観点から,私は,白石区が抱える街づくりに関連した拠点的な質問を何点かお伺いしたいのであります。
まず,質問の第1点でありますが,東札幌駅跡地周辺地区の街づくりについては,かねてから検討を進めてきたところであり,先般,ようやくその土地利用構想が明らかにされたところであり,私は,その構想の早期実現に大いに期待を持っているところであります。
周辺地区では,既に中高層マンションの建設を初め,土地利用による転換が確実に始まっており,周辺地区開発の活発化によって,駅跡地の取得価格に影響を及ぼすことになるのではないかと心配をしておる一人でもあります。したがいまして,早期に用地取得を行う必要があると考えておりますが,取得の時期については,市長はどのようにお考えになっているのかをお伺いをいたします。
2点目としまして,公共施設の配置についてであります。
当地区においては,コンベンションセンターのほかにも,さまざまなセンターや会館等の導入を予定していると伺っております。全国的には,高齢化,成熟化する社会を迎える21世紀の公共施設の整備のあり方として,低コストで高機能を実現する効率的な公共施設の整備方式が注目されてきております。
そこでお伺いしたいのでありますが,それら施設の導入に当たっては,各施設の連携を効率的に図るとともに,緊急時の防災機能にも配慮した複合的な施設として整備していく必要があると考えるものでありますが,当地区における公共施設の配置についての市長のお考えをお伺いをいたします。
3点目の質問としては,整備の手法についてであります。
東札幌駅跡地の整備構想の早期実現を図るには,行政が主体となって計画的な街づくりを積極的に進めることが必要と考えるものであります。
全国的に見ますと,大規模鉄道跡地を含む拠点開発は,住宅都市整備公団施行の土地区画整理事業により数多く実施されており,本市においても同様の手法を検討されたやに伺っておりますが,市長は,当該地の整備をどのような手法で進められようとしているのか,ご所見をお伺いをいたします。
次に,東札幌駅跡地の街づくりを推進するためには,周辺地区も含めた都市整備,機能更新が必要であり,中でも連檐する菊水上町地区の都市整備については,早急に取り組まなければならない課題であると考えています。
菊水上町は,明治35年に宇都宮牧場が開墾されたことに始まる歴史ある地域でもあり,また,都心から3キロという至近距離にありながら,豊平川,JR函館本線,旧千歳線,国道12号線などの分断要因によって,他の地域よりも市街地の発展がおくれた状況となっております。
人口について見ますと,昭和45年当時 6,800人程度の人口が,最近では 4,100人程度まで減少しており,年齢構成では高齢者の割合が高く,特に高齢単身世帯の割合が多い地区となっております。さらに,道路の幅員も狭く,老朽家屋が密集するなど,防災上の問題を抱えておりますことから,居住環境の改善が求められているところでもあります。
そこでお伺いをいたしますが,第1点の質問として,このような菊水上町地区を市長はどのように認識をされているか,お考えをお示し願いたいのであります。
また2点目として,菊水上町地区の居住環境の改善について,これまでどのような取り組みをしてきたのか,あわせてお伺いをいたします。
質問の3点目としまして,菊水上町地区は,先ほど申し上げましたとおり,東札幌駅周辺地区開発の一翼を担う地区として,環境整備と機能更新により,良好な市街地形成を図る必要があると考えております。
このような観点から,私は,地域の居住性を高め,人口誘導策の起爆剤として市営住宅等の建設を提言をしているところでありますが,当該地区の環境整備を早急に進める必要があると考えております。
今回,市長から提案されております8年度予算案には,菊水上町地区の生活環境整備計画調査費が計上されておりますが,どのような計画調査を行い,当該地区の環境整備をどのように進めようとされているのか,ご所見をお伺いしたいのであります。
次に,東札幌駅周辺地区の街づくりに関連して,白石の交通問題についてお伺いをいたします。
国道12号沿線の住民にとっては,バスが唯一の交通機関でありますが,朝夕のラッシュ時における道路混雑は著しく,特に冬季間はさらに時間を要するなど,地域住民の足として必ずしも利便性の高いものとはなっていないのであります。
したがって,国道12号の北側に存するJRの有効活用と駅の利便性の向上が,当該地域の発展のために有効な手段と考えますことから,以下3点についてお伺いをいたします。
質問の第1点は,JR白石駅の再整備についてであります。
現在,JR白石駅は,平成6年度の1日当たりの乗降人員が約1万 3,000人となるなど,市内では第5番目,全道的に見ても第10番目に位置をする有数の駅となっております。
しかしながら,近年,駅利用者は,駅南側に比べて北側の地域が多くなっている状況から,駅の北側にも駅前広場等の乗継ぎ施設を整備する必要があると考えております。さらに,現駅舎の老朽化が進んでいることから,JRを挟む南北地域の一体化を図るためには,私はこの際,駅舎を橋上化すべきと考えております。
そこで,JR白石駅の北側駅前広場整備の見通し並びに駅橋上化の可能性について,市長のご見解をお伺いをいたします。
質問の第2番目は,JR平和駅についてであります。
JR平和駅は,現在,利用者が1日 3,000人を超えており,今後も利用者の増加が見込まれておりますが,駅施設としては,ホームとそれに付随する簡単な待合所が整備されているにすぎない無人駅であります。
加えて,同駅は千歳線のみの接続となっておりますが,これが函館本線にも接続いたしますと,都心方面への列車本数が1日61本から 129本に増加することとなるわけであります。このような状況から,平和駅の整備・改善については,地域住民の悲願ともなっております。
したがいまして,JR平和駅の函館本線接続及び有人化を含めた駅舎改善について,市長として積極的に働きかけるべきと考えますが,市長のご所見をお伺いをいたします。
最後に,苗穂−白石間における中間駅構想についてであります。
私は,昭和55年10月に札幌地方陸上交通審議会により,JRの駅間を約2キロとする答申がなされたことにかんがみ,駅間の距離が約 3.6キロある苗穂−白石間に中間駅を設置すべきものと考えております。定時性にすぐれた鉄道を利用したいという地域住民の要望は,年々高まってきておりますが,その可能性についての市長のご所見をお伺いをいたします。
次に,高齢社会への対応についてお伺いをいたします。
我が国は,世界に例を見ない速さで高齢社会に向かっており,21世紀には4人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されており,この高齢者の急増に加え,加齢に伴う寝たきりや痴呆性の高齢者など,介護を必要とする高齢者の増加,さらには世帯規模の縮小や女性の社会進出,扶養意識の変化などにより,家庭での介護力がますます低下するなど,高齢者を取り巻く環境が大きく変化をしていくのであります。
このような中にあって,特に都市部については高齢者が極めて多数である一方,同居率が低く,家庭のケア機能に多くを期待できないこと,エレベーターのない団地など,在宅ケアの障害が大きいことなどから,高齢者介護について有効な施策を講じていくことが大切であると言われております。
そこで,このような高齢化の進展状況を踏まえ,今後の施策の展開が必要と考え,昨年11月に,我が党では高齢社会に関する意識調査を全道規模で行ったところであります。
この調査の札幌分について,その結果を見ますと,第1に,高齢社会という言葉に対するイメージについては,最も多かったのが「経済面,健康面など,さまざまな面で不安が多い生活」で,全体の約3分の2を占め,年代別では,定年を10年未満に控えている50代の75%を頂点に,働き盛りに不安が大きいことがわかりました。第2に,高齢社会で問題となる点ということについては,「健康や医療,福祉施設」が41.7%でトップ,次いで「年金の給付」となっております。「施設が課題」とした人は,50代以上では,ほぼ2人に1人となっております。第3に,高齢社会に生きがいを感ずる点については,「家族との団らん」を約2人に1人が挙げ,「ボランティア活動」も約30%ありましたが,50代の37%を頂点に,20代が約20%と最も低く,ボランティア活動に対する教育への課題がありました。第4に,介護が必要になったときの対応については,「自宅で家族などによる介護」が41.5%と最も多く,次いで「家族中心の介護」が23%と,自宅での介護は合わせて65%と,3人に2人が望んでおったわけであります。第5に,健康や福祉で困ったときの相談相手については,「家族や親族」が最も多く48.7%,次いで「区役所や保健所の窓口」が50代が多く40%,「民生委員や保健婦」については,60代以上が最も多く,20代の約5倍もありました。ここでも,頼る家族が少なくなっている家族構成の現実があったわけであります。第6に,高齢社会に向けて行政に力を入れてほしいことについては,「年金の充実」が60%と最も多く,次いで「在宅福祉サービスの充実」「困ったときの相談窓口の充実」がともに33%強に達しておりました。
この調査結果を分析いたしますと,各年代,男女を通じて,経済,健康不安など,高齢社会に対するネガティブなイメージが大きく,老後の介護は在宅での気持ちは強いが,現状では,そのためにより大きな負担を強いられている女性の不安があること,国や地方行政は,高齢社会へのビジョンを明確にするとともに,在宅福祉の充実,きめ細やかな福祉の充実に力を注ぎ,また高齢社会に向けての教育も早くから進める必要性が浮き彫りとなっていることであります。
年代別の意識アンケートに寄せられている声から見ますと,20代では,高齢社会のことを考えるきっかけとなった面があったこと,30代では,行政対応への期待,不満,改善を求める声が目立ったこと,40代では,ホームヘルプサービス,ケア住宅の充実など,具体的な要望が多かったこと,そしてみずからも老後を目前にして,家族などに高齢者を抱える50代では,既にさまざまな問題に直面しての問題点を指摘する人が多かったものであります。
この独自に行った調査結果を踏まえ,今後の高齢社会に向けては,真に長寿を喜ぶことのできる明るい活力に満ちた社会にするために,また,高齢者が,住みなれた地域で穏やかに,そして安心して暮らしていくためには,在宅福祉や福祉施設,保健サービスの充実を図ることが急務であると考えるものであります。
そこで,調査結果を踏まえ,5点ほど質問をいたします。
まず第1点目の質問は,高齢者の住宅についてであります。
高齢者の方が安心して暮らしていくためには,住宅の問題があります。住みなれた住宅で,家族に囲まれながら余生を送りたいと思うのは,多くの高齢者の思うところであろうと思います。しかし,このような条件に恵まれない方々が多くいることも現実であり,これらの方々が頼るのは公的な住宅であります。
本市においても,単身者向け住宅の建設は昭和60年よりスタートさせ,現5年計画では 300戸の目標を掲げ,その進捗率は平成8年度の予定戸数を含めると 100%を超えるとのことでありますので,その努力に対しては本当に評価をするところでありますが,平成7年度の新設市営住宅の応募倍率を見ますと,全体平均で約6倍で,高齢単身者向け住宅は7倍となっており,全体平均倍率を上回っているのであります。
このような実態と今後の高齢化社会の進展を考えますと,今後も市営住宅の高齢単身者向けの住宅は計画的に供給すべきものと考えますし,安定供給に向けて積極的に推進する必要があると思われます。
昨年の第4定におきましても,我が党から,福祉施設と連携をとった団地建設の推進について質問をしておりますが,デイサービスセンターを併設した屯田西団地のような団地建設を,今後も福祉施設の全市的なバランスを考慮し,立地が適当な団地には前向きに取り組んでいただきたい旨の回答を得たところであります。
このような福祉施設との連携は,高齢者の方々が身近なところで手軽に福祉サービスを受けることができ,大変重要なことと考えていますが,今後も積極的に取り組むべきであると思うのであります。
また,建設省では,平成7年度に公的住宅の供給手法の多様化策として,公営住宅の用地取得難を解消するために,土地所有者等が建設した賃貸住宅を地方自治体が一定期間借り上げ,入居対象世帯や入居者負担家賃等は市営住宅に準ずる公的賃貸住宅として,特定借上・買取賃貸住宅制度を創設しております。
さらに,この制度は,今国会に提出されております公営住宅法の改正の中で,公営住宅として位置づけられることになっております。
本市の次期5年計画において,この制度の取り組みがいち早く盛り込まれていることは,評価するものでありますし,私も,民間活用の観点からも大きな期待を寄せております。ぜひ,この制度導入に当たっては,高齢単身者向けの住宅の供給を図り,さらなる供給戸数の増加を図るべきものであると考えております。
そこで質問をいたしますが,市営住宅及び特定借り上げ賃貸住宅における高齢単身者向けの住宅供給について,なお一層の推進を図るべきと考えますが,市長のお考えをお伺いします。
第2点は,高齢者,障害者に対する除雪についてであります。
この冬は例年になく雪が多く,特に1月9日の大雪は,市民生活に重大な影響を及ぼし,これは災害であるとの認識に基づき,緊急雪害対策本部が設置され,幹線道路や生活道路の除排雪,公共交通機関の運行状況の回復,福祉サービスや緊急車両のおくれの解消,ごみ収集作業などライフラインの確保の対応に苦慮されたところであります。
このような状況下にあって,ご自分で雪かきのできない高齢者や障害者の方々は,家に閉じこもり,そして雪がやみ,助けが来るのを待っているということになるわけであります。
このような方々を援助する方法としては,現在,社会福祉協議会が実施しております除雪ボランティアの事業がありますが,今回のように災害と言える事態ではボランティアの確保も困難で,社会福祉協議会の職員の方々が,みずからスコップを手に除雪に駆けつけたということもお伺いをしております。
このような社会福祉協議会の職員の方々のご苦労を考えますと,市民の方々が相互に助け合うというボランティア精神を養う方策が必要であると思うのであります。
そこで,若年層にボランティア活動に対する教育を行い,除雪のように肉体的苦痛を伴うボランティアに,もっと参加を求めることが必要と考えますが,お伺いをします。
次に3点目としましては,24時間巡回型のホームヘルプサービス事業についてであります。
この24時間巡回型のホームヘルプサービス事業は,介護でご苦労されている方々にとって,これまで介護サービスの空白時間であった夜間を埋める画期的な事業であり,在宅で継続的に,かつ安定的に生活が送れ,介護者の方が安心して成熟社会の恩恵を享受し,生活の質を高めるという点でも,また家族がそのきずなを保つ上でも不可欠な事業であると考えるものであります。
また,昨年の第3定議会において,我が党から質問させていただき,実施に向けて検討したい旨の回答を得,そして平成8年度の予算で2ヵ所でモデル実施となったことは,まことに喜ばしいものと考えております。
そこで,この事業の今後の具体的な展開と将来の方向性について,どのように考えておられるのかをお伺いをいたします。
次に4点目の質問としては,デイサービス施設の拡充についてであります。
デイサービス事業は,在宅福祉の3本柱の一つとして位置づけられ,利用されている方の社会的孤立感の解消,心身機能の維持向上等を図るとともに,そのご家族の肉体的,精神的な負担の軽減を図ることを目的としております。
平成7年度は7ヵ所増設しておりますが,この中でも特徴的な施設として,北郷デイサービスセンターは乳児保育園,また平成8年度に開設予定の静心寮デイサービスセンターは,救護施設と他の福祉施設との併設という新しい展開がなされてきております。本市では,現在29ヵ所となっておりますが,毎年増設しているにもかかわらず,利用を希望する方が多く,すぐ利用できない状態となっていると聞いております。
そこで,今後の施設の拡充に当たっては,これまでの特別養護老人ホーム等,高齢者施設への併設型や市営住宅団地連携型に加え,他の福祉施設との併設も積極的に進めていくべきと考えますがいかがでありますか,お伺いをいたします。
次に,痴呆性老人対策についてであります。
この問題については,平成6年の第2回定例会の代表質問でも我が党は質問していますが,同年2月に札幌市高齢者保健福祉計画を策定して以来,その実施に向けて着実に取り組まれていると考えております。
痴呆の問題については,医学的にも原因が十分に解明されたとは言えませんし,治療によって治る方やが症状が軽くなるということも,案外知られていないように思われます。中には,痴呆であることを隠したり,どこに相談していいかわからないまま介護疲れをしている実例も耳にするところであります。
一方,国においても,ゴールドプランを策定した後に痴呆性老人対策を総合的に検討するために委員会を設置し,一昨年,報告書をまとめておりますが,これは人口の高齢化とともに痴呆性老人が増加する予想に対し,家庭における介護力は,核家族化等により低下すること,高齢者対策全体の中でもまだおくれがあり,課題の残る分野であると考えられております。
本市の痴呆疾患対策について見ますと,この間,市立札幌病院静療院に老人性痴呆疾患センター,同じく専門治療病棟を平成6年に開設し,昨年5月には重度痴呆患者デイケアも実施されたことにより,診断・治療体制は整ってきているものと考えております。
しかし,在宅での療養や介護を支える家族の心労や負担は,大変大きいものであると私は考えますが,先ほどのアンケート調査におきましても約65%と,実に3人に2人が自宅での介護を希望しているところでもあります。このことによっても,市民は,住みなれた我が家で,地域で生活したいと切実に願っていることがうかがわれます。
そこで,これを実現させるためには,老人ホーム等で実施されている痴呆症の高齢者に対するデイサービスや保健婦の訪問指導,ホームヘルパーの派遣等,在宅療養を支援するサービスの充実がより強く求められているところでもあります。
そこでお尋ねいたしますが,痴呆性の老人疾患センターが中心となり,モデル地区を定めて,民間の関係者も含む保健・医療・福祉の連携を進めていると聞いていますが,その成果を生かし,市の保健・福祉の関係職員に対して積極的な研修を実施することとあわせて,地域住民を含めたネットワークの全市的展開を図る時期に来ているのではないかと考えますが,いかがなものかお伺いをいたします。
次に,全天候型多目的施設について質問をしてまいります。
札幌市は,平成4年7月31日に臨時市議会の本会議において,2002年ワールドカップサッカー大会の日本招致と札幌市の開催候補都市への立候補を全会一致で決議し,日本招致委員会に対し,市長と市議会議長の連名で立候補出願書を提出をいたしました。その後,ご存じのように,平成5年1月14日,札幌市は国内開催候補地に決定を見たところであります。
それ以来,札幌市は,この2002年ワールドカップサッカー大会の招致活動を積極的に展開するとともに,招致が成功した場合,札幌市で試合を行うために必要なワールドカップに対応したスタジアムの整備計画にも着工したわけであります。
また,市長は,平成6年の年頭記者会見において,羊ヶ丘の北海道農業試験場の用地の一部約31ヘクタールを取得して,この用地を本市における新しいスポーツ・レクリエーションエリアとして整備することとし,この中核施設として,ワールドカップに対応したスタジアムの建設を表明をされました。
市長のこの発表は,景気が低迷する厳しい状況の中で,多くの道民・市民にとって,明るく健康で快適な街づくりを連想させるとともに,これ以降,サッカー対応スタジアムについては,ドーム構想との関連から大きな転換を迎えることになったわけであります。
すなわち,市長もご承知のように,我が党は,平成5年12月の予算編成に関する要望書,また平成6年の1定の代表質問においても,サッカー場の検討を進めるには,多目的利用の可能な施設とする方向で進めていただきたいとの立場から,ドーム式スタジアムの提案をしてきた経緯があります。この私どもの主張が,平成6年4月の札幌商工会議所とホワイトドーム推進会議の連名によるスタジアムの全天候化の要望につながってきたと,私どもは多少なりとも理解をしているところでもあります。
そして,このたびの経済界からの協力の申出とこれを受けた市長の記者会見,2月1日の総務委員会などの議論を経て,ドーム建設が新年度から始まる5年計画の重要施策として,また平成8年度の予算には,計画実施のための経費がそれぞれ盛り込まれ,雪国北海道において冬季間でも多目的に利用ができる,冬にこそ強みの発揮される施設がつくられることになりましたことについては,道都札幌のイメージアップの一つとして本当に喜ばしいことと考えております。昭和56年の北海道のドーム構想からの経緯を考えますと,よくぞ決断をされたと心から賛意を表するところでもあります。
今後は,全天候型多目的施設,いわゆるドーム建設が道民・市民の夢を膨らませ,また将来の健全な経営を確実にするために,行政・議会・道民・市民や企業等がさまざまな提案,アイデアを持ち寄り,一致協力していくことが必要であると考えております。
さて,ただいま述べてまいりましたように,北海道におけるドーム計画は,日の目を見るまでには本当に長い時間を必要としてきたわけでありますが,このことは,本会議でもたびたび市長から答弁をいただいていますように,多額の建設費の調達や将来の管理運営の見通しが得られなかったことなど,ドーム事業の本質にかかわる課題があったことは言うまでもありません。
第1の建設費の問題については,市長は,経済界や北海道の協力を得て札幌市が建設するという決断をされました。このことは,言うまでもなく,東京,福岡,大阪,名古屋などのように民設民営ではなく,公設民営という我が国の大規模ドームでは初めての設置形態をとる計画の決断となったのでありますが,大都市が連檐している首都圏や近畿圏,また政令指定都市や中規模の都市が近接している九州圏などと異なり,北海道は広い面積に少ない人口が分散しており,北海道全体人口でも 570万人,人口の集中している札幌複合交流圏でも約 275万人の後背人口しかないことを考え合わせますと,公設民営方式は,まさに北海道のドーム実現の切り札的な手法であるというふうに思うものであります。
この公設形態による実例については,ドームの先進国でもあるアメリカにおいて数多く見られるものであり,管理運営方式は民営や直営などに分かれますが,州や郡,また市などが設置主体者となっております。本市の場合と同様に,後世に残す基本的かつ公共的なインフラとしての性格を持つものと理解され,アメリカにおいてもこのような手法をとったものと私は考えております。
また,ドーム建設に当たっては,同時に行政課題が山積している状況を考えれば,公設であるからといって,建設財源すべてを市税にゆだねるわけにはいかず,今後とも経済界や北海道を初めとして,多くの道民・市民の協力により確保するといった課題が残されており,全力を尽くしてこの課題に取り組む必要があるとも考えております。
次に,第2の課題である将来の管理運営の問題について,考え方を述べさせていただきたく思います。
ドーム事業とは,申すまでもなく,建物をつくること自体が事業ではなく運営することが事業であり,これが計画の原点であります。
先般,市のこれまでの検討経緯の説明があり,将来の管理運営は第三セクターを設立してこれに当たりたい,また,公設民営方式にすることにより,純民間ドームとのランニングコストにおいて,平年ベースで数十億程度の優位性があるとのお話がありましたが,このような事前の検討努力とともに,運営計画,利用計画のシナリオづくりが,これからのドームの将来を左右するものと考え,また多少なりとも心配をしているところでもあります。
私が希望する多目的施設のイメージは,市民の利便性を最大限生かした利用を考えた「多目的」であります。したがって,このドームは,年間を通じてプロスポーツなどのハイレベルな試合を観戦してもらい,社会人,大学,高校などの全道レベルの試合も,最高の設備の中で気候に左右されずに実施できるようにするなど,まさに道民・市民施設として運営していただきたいと考えるものでもあります。
そこで,以上の考えを踏まえ,札幌市の21世紀の目玉事業とも言えますドーム建設に関連しまして,3点ほど質問をいたします。
まず第1点目としては,このドームの管理主体についてであります。
市長は,このドームの管理を官民出資による第三セクターによることが望ましいとの判断を示されておりましたが,その三セクの法人形態として何が一番ふさわしいとお考えなのか,また,法人の出資割合としては,公共がどの程度の割合がふさわしいということを判断されているかをお伺いをいたします。
次に第2点目は,運営の方針についてであります。
ドームは多目的利用施設でありますから,当然,収益を考慮した利用計画を考えられていると思うのでありますが,道民・市民の施設として親しまれるためには,一般の道民・市民が使えるような配慮も必要だと考えるのであります。
そこで,この施設の運営にかかわる基本的な利用の方針はどのように考えられておるのかをお伺いをいたしたく思います。
第3点目は,大規模イベントが開催される場合の交通処理に関する問題であります。
羊ヶ丘の用地は,国道36号線や羊ケ丘通に面し,地下鉄福住駅にも隣接するなど,交通の利便性にすぐれている場所であると思うのでありますが,最大4万 3,000人の収容力を持つ施設でありますことから,大規模な集客の見込まれるイベントが開催される場合などは,短時間に集中する4万 3,000人の人々を円滑に処理する必要が出てまいります。
このドーム建設は,21世紀の本市の街づくりの面から極めて重要な事業でありますし,当初計画を超える多くの人々に利用されるためには,冬季間であっても利用しやすい交通網の整備が必要であります。
したがいまして,私は,今後予定されている長期総合計画の見直しにおいて,分区後の清田区やドームの関連にも留意して,将来の地下鉄延長を検討する必要もあると考えております。
そこでお伺いをいたしますが,当面,この大規模な集客施設を円滑に運営するためには,観客の輸送対策が重要な課題でありますので,地下鉄と他の交通機関との連携などを十分に検討する必要があると思いますが,この点について市長のお考えをお伺いをいたします。
最後に,今冬の災害的な大雪に関連してお伺いをいたします。
質問の第1点目は,雪害に対する対応であります。
ご承知のように,今冬は,昨年12月からの記録的な大雪に加え新年を迎えてもこの傾向は続き,特に1月8日から9日午前9時までの24時間の降雪量は,北区では約87センチメートル,西区では85センチメートル,気象台観測においても54センチメートルと,午前9時の観測記録としては史上第4位を記録する大雪に見舞われたわけであります。このため,市内各所で交通障害を生じ,市内全域でバスを初めとする交通機関が麻痺状態になり,この大雪が災害であるとの認識から,市民生活の確保を図るための的確な情報掌握及び対応策の実施のため,札幌市緊急雪害対策本部を設置し,さらに,都心のライフライン確保のため,昭和53年の大雪以来の自衛隊の派遣の要請に至りました。
このように,万全と思えた本市の雪に対する備えも,この大雪の前では脆弱な面もあることが露呈されたわけであります。
確かに,記録ずくめの降雪ではありましたが,量に多少の差はあるものの,札幌市には必ず雪が降るのでありますから,このような災害的な雪を想定した体制づくりが,今後ぜひ必要と思うのであります。
既に本市では,雪さっぽろ21計画に基づき,除雪のレベルアップ,雪対策施設の整備推進を行っており,このため雪害の長期化を免れたとは考えますが,災害当初における除雪情報,交通機関の運行状況などの情報の寸断,これらの情報の寸断による市民PRのおくれ,また,常々課題となっております違法駐車,放置車両による除雪作業の困難さ,さらには道警等の関係機関との連携など,新たな教訓として数々の課題がクローズアップされてきたと思うのであります。
札幌市を大雪が襲った同時期に,ニューヨーク市,ワシントン特別区など,アメリカ東部でも災害的な大雪となり,新聞報道によりますと,当然,多雪都市である本市のほうが機動力や作業体制の点では上であったと感じましたが,その対応においては,ニョーヨーク市では市長が大雪緊急事態宣言を行い,テレビを通じて市民に対して,外出を控え,またどうしても外出するときには地下鉄を使うよう呼びかけるなど,マスメディアを通じた広報活動がされたと報道されておりました。
やはり,このような災害時には,速やかに状況を把握し,市民への正確な情報の提供が何よりも優先しますし,また,除雪作業がスムーズに行われるよう市民に呼びかけることも重要と考えるものであります。
また,災害時には,行政のみで対応することは困難であり,市民との役割分担は不可欠と考えます。雪国に住む以上,今回のような雪害は当然予想されるわけでありますので,市民の側でも,道路への雪出し,不法駐車など,最低限のモラルを守ることはもちろんのこと,多少の我慢もやむを得ないと考えるものであります。
一方,行政側にも,ここ十数年このような雪害に見舞われたことがなかったことから,雪に対する危機管理意識が希薄であったことは否めませんが,これを一過性の豪雪対策として看過するのではなく,貴重な教訓として,今こそさまざまな角度から緊急に対策を検討していく必要があります。また,そうすることが,来るべき21世紀へ向けた雪対策へつながるものと私は確信するものであります。
災害における初動体制をいかに早くしけるかということが重要であり,昨年の阪神・淡路大震災においても,初動体制のおくれが指摘され,このたびの雪害では,関係者の精いっぱいの努力は認めつつも,緊急雪害対策本部の設置について課題もあったのではないかと思うものであります。
災害における初動体制のおくれは,命取りにもなりかねないことと考えますので,今冬の雪害で浮かび上がった情報収集・情報提供など,さまざまな課題の整理,検討をまず行う必要があると考えるものであります。
そこでお伺いをいたしますが,このたび制定されました「札幌市地域防災計画緊急対策′95」におきまして,震度5以上の地震で自動的に災害本部が設置される例に倣い,雪害時においても,降雪量,積雪深など,定量的な指標によって自動的に対策本部を設置し,雪害当初から速やかに危機管理体制をしけるようにすべきと考えますが,市長の基本的な考えをお伺いしたいのであります。
次に,雪対策施設の整備についてであります。
このたびの大雪で大きな課題となったものの一つに,雪堆積場の確保があります。都市化の進展に伴い,雪堆積場の確保は通常の年でも困難になってきたわけでありますが,今冬の場合は,昨年12月から幹線道路の運搬排雪作業が始まり,さらに,除雪パートナーシップ制度や市民助成トラックを利用する地域が大幅に増加するなど,既存の雪堆積場だけでは到底対応できない量の雪が搬入されております。
このために,雪害後に河川敷の雪堆積場の拡大や新規開設,遊休市有地の活用,民地借り上げなど,雪堆積場を確保し,何とか急場をしのいでいる努力は認めますが,将来的には,このような応急処置的な対応では済まされないと考えるのであります。
やはり,今冬のような雪害に備え,本市の施設用地,また遊休地など,利用可能なものはすべて雪捨て場スペースとして緊急活用できるよう,常日ごろから各部が連携をとり合っておく必要があると考えるのであります。
一方,本市の雪さっぽろ21計画では,従来からのショベル,グレーダーやダンプトラックなどの機械中心であった除雪につきましては,発想を大きく転換し,雪対策施設による施設型除雪の推進を計画の柱に据え,流雪溝,融雪槽などの施設整備が積極的に進められておりますし,また一般家庭におきましても,近年,ロードヒーティング,融雪槽などの融雪施設の普及が大幅に進んできているのであります。
このように,融雪は将来の雪対策の一つの方向を示すものであり,中でも大規模な融雪槽につきましては,都市化の進展の著しい本市におきましては,地域エネルギーを有効活用し,省スペースで大量の雪を解かして処理するなど,大きなスペースを長時間にわたり占用する雪堆積場に比べ,大きなメリットがあることは明らかであると思うのであります。
このような観点から,既に本市では,下水処理水を利用した厚別融雪槽,発寒清掃工場のごみ焼却熱を利用した発寒融雪槽が稼働し,内外から大きな評価を得ており,また,現在,創成川融雪管,都心北融雪槽が建設中であり,これら施設の早期完成が待ち望まれているところでもあります。
さらに,新5年計画では,篠路清掃工場隣接地に篠路融雪槽が計画されておりますが,白石区の東米里には,本市最大の1日処理量 900トンの第5清掃工場,また,その隣接地に仮称東部下水処理場の建設の着工が盛り込まれているにもかかわらず,雪対策への活用が触れられてはいないのであります。
これらの整備に当たっては,第5清掃工場で発電する電気を隣接する下水処理場に供給するなど,両者を併設したメリットを生かす工夫はなされておりますが,熱の有効利用という観点からは,やはり本市の大きな課題である雪対策にこそ活用すべきものと考えておるのであります。
そこでお伺いいたしますが,従来は,下水処理場,清掃工場,それぞれに単独に融雪槽が建設あるいは計画されておりましたが,これらの熱供給施設が初めて併設されるわけでありますから,将来的な雪害に備える意味でも,これらの能力を最大限に活用し,白石区のみならず,その周辺の区も含めた雪処理拠点としての雪対策施設づくりが可能ではないかと考えるのでありますが,ご見解をお伺いをしたいのであります。
以上で,私の質問はすべて終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) お答えをいたします。
まず,財政問題についてであります。
第1点目の本市の財政状況に対する認識についてでございますが,平成8年度予算におきましては,景気の動向が依然として不透明なことに加えて,特別減税の継続などによって税収の大きな伸びが期待できないなど,財源面での厳しさが増してきております。さらに,国民健康保険事業,交通・高速電車事業の健全化という大きな課題を抱えていることを考え合わせますと,本市が置かれている財政環境は,非常に厳しいものであると認識いたしております。
第2点目の財源確保に当たっての基本的な考え方についてでありますが,平成8年度は,こうした厳しい財政状況の中にあっても,第3次5年計画の初年度として,計画に盛り込まれた事業を着実に進めていくため,積極的な予算編成を心がけたところであります。
したがって,その裏づけとなる財源に関しましても,現時点で見込める最大限の予算額を計上したものであり,その主なものについて申し上げますと,まず市税につきましては,税制改正による減収要因があるものの,固定資産税における新築家屋分の増収や個人市民税の所得の伸びを考慮するとともに,納税対策を着実に行い, 2,857億円を見込んだところであります。
また,地方交付税につきましては,
地方財政計画や過去の本市の推移などを総合的に勘案いたしまして 1,090億円を見込み,その全額を計上したところであります。
さらに,市債につきましては,5年計画に掲げた事業を初めとして,各種の施策を積極的に推進するため 1,180億円を見込んだものでありますが,特にこの場合,元利償還に交付税措置のある良質な市債の活用に意を用い,将来の財政負担が過大なものとならないよう配慮をしたものであります。
いずれにいたしましても,確実な事業の執行のために,財源の確保につきましては最大限の努力をしてまいりたいと,このように考えております。
次に,広域行政の推進についてでございます。
1点目の新5年計画における広域行政の推進への取り組みについてであります。
都市活動が行政区域を越えて展開されております今日,申すまでもなく,本市の果たすべき広域的役割は極めて重要となってきており,近隣市町村からの期待も大きいものと考えております。
第3次長期総合計画におきましても,北海道全域の発展をリードする道央圏を札幌複合交流圏と位置づけ,有機的な連携の中で圏域全体の発展を図ることとし,本市が積極的にその中心的な役割を果たすべきものとしているところであります。
したがいまして,このたびの新5年計画では,広域的な
交通ネットワークの整備といたしましては,札幌広島環状線の追分通の整備,札幌江別大橋の架橋,国道 337号の整備促進など,広域幹線道路網の整備を着実に進めるとともに,新千歳空港の整備促進,丘珠空港のジェット化に関連する調査などにも取り組んでまいりたいと考えております。
また,情報ネットワークの整備といたしましては,観光情報,図書情報や国際交流情報の近隣市町村への提供などを推進するとともに,広域交流広場の充実やリンケージ・アップ フェスティバルの拡充を図るほか,産業廃棄物処理や当別ダム建設促進など,さまざまな分野で今後とも近隣市町村との連携を一層強化してまいりたいと考えております。
次に,2点目の
北海道新幹線についてでありますが,ただいまご指摘がありましたとおり,本年は
北海道新幹線実現に向けた大きな節目の年であります。
したがいまして,本市といたしましては,これまで北海道や
北海道新幹線建設促進期成会などとも協力をし,関係機関への要望活動を行うなど,
北海道新幹線の早期実現に努めてまいったところであります。
今後,ルート公表が本年中に行われ,引き続いて環境アセス調査に入ると聞いておりますので,その大きな要素となる札幌駅の位置づけについて検討を進めるため,新幹線・札幌駅のあり方に関する有識者懇談会を
北海道新幹線建設促進札幌圏期成会などと共同で立ち上げるとともに,これまで以上に,北海道,経済界,期成会等々と連携をして,強力な活動を展開してまいりたいと考えております。
次は,高齢化社会への対応についてお答えをいたします。
まず第1点目の高齢者の住宅問題であります。
ご指摘のように,高齢単身者向け住宅の供給につきましては,昭和60年から逐次,推進してまいっているところでありますが,高齢化や核家族化の影響によって,近年の高齢単身世帯の増加率は総世帯のそれを大幅に上回っており,市営住宅の応募倍率も単身者向け住宅は,全体平均よりも若干高い率となっております。
次期5年計画におきまして,公的住宅の全体供給戸数は 2,850戸を予定しているところでありますが,このうち高齢単身者向け住宅につきましては,一般世帯などとのバランスを考慮しながらも,今後の高齢化社会の進展に配慮して,新たに特定借り上げ賃貸住宅制度を導入し,供給戸数の17.2%に当たる 490戸を予定しております。
これは,現5年計画の計画戸数 300戸 9.4%に比べて大幅な拡充を図ったものであり,今後とも高齢社会のニーズに対応した住宅の供給を積極的に推進していく所存であります。
第2点目の高齢者,障害者に対する除雪についてでありますが,先般の豪雪において,高齢者や障害者世帯に対する除雪では,ボランティアの方々に負うところが大変大きかったわけであります。
また,昨年12月からこの2月まで行われました札幌市社会福祉協議会主催の「ボランティア体験′95」の参加状況を見ますと,15歳以上30歳未満の,いわゆる若者が全体の70%に当たる約 700人が参加をしておりまして,このことは,若者がボランティアに対して非常に高い関心を持っていることのあらわれと思います。こういった若者たちの,除雪も含めたさまざまなボランティア活動への参加促進を図るために,若年層のボランティア教育につきましては,福祉協力校指定制度の活用やボランティア研修カリキュラムの充実を図る中で,積極的に推進してまいりたいと考えております。
第3点目の24時間巡回型のホームヘルプサービス事業についてであります。
この事業は,ホームヘルパーが,深夜帯も含めて1日四,五回ご家庭を訪問し,排せつや体位変換など介護型のサービスを1回10分から20分の滞在時間で行うものでありまして,介護を担うご家族の方々の負担軽減や,住みなれた家で暮らしたいと願う高齢者の方々にとって非常に効果的な事業と考えております。
また,この事業は,深夜訪問時のかぎの問題等,さまざまな課題を抱えておりますので,平成8年度はモデル事業として,10月から2ヵ所で実施し,その推移を見守りながら,問題点の検証を行いつつ,全市的拡大について検討してまいりたいと考えているところであります。
第4点目のデイサービス施設の拡充についてでありますが,他の福祉施設との併設設備は,お話にありましたように,平成6年度は保育園,そして平成7年度は救護施設で実施をしてきたところであります。これに加えて,平成8年度は知的障害者の通勤寮で実施をする予定でありまして,今後ともデイサービス施設の全市的なバランスを考慮しながら,他の福祉施設との併設について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
第5点目の痴呆性老人対策についてであります。
保健・福祉関係職員に対する研修についてでございますが,この研修は老人性痴呆疾患センターの重要な役割の一つでありますので,関係機関との連携をとりながら,今後さらに充実を図ってまいりたいと考えております。
また,ネットワークの全市的展開につきましては,これまでモデル地区を定め,保健・医療・福祉の連携のあり方等について検討を続けてきているところでありますが,今後は,この実績を踏まえ,全市的に関係機関,関係団体との連携強化を図る中で取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次は,全天候型多目的施設に関するご質問についてであります。
第1点目のドームの管理主体についてでありますが,まず法人の形態につきましては,全天候型多目的施設が,スポーツばかりではなく,イベント,コンサート,コンベンション等々,多目的に利用する施設でありますことから,民間の効率的な管理運営のノウハウを生かすとともに,採算性も当然考慮に入れる必要がありますので,株式会社の形態が望ましいと考えております。
次に,公共と民間の出資の割合についてでありますが,札幌市が公の施設の管理を委託できる法人は,地方自治法の規定によりまして,地方公共団体が2分の1以上を出資しているか,または地方公共団体が4分の1以上を出資するとともに,取締役やこれに準ずる者の2分の1以上を派遣することなどの条件を満たす必要があります。
この施設の運営には,公の施設として公共的な運営の確保が要請されますと同時に,民間の効率的な運営手法を取り入れるために,取締役などに民間の経験と知識を有する人材を多数招く必要が出てくる場合も考えられますことから,現状においては公共が2分の1以上を出資することが適当と考えているところであります。
第2点目のドームの運営方針についてでありますが,昨日もお答えをいたしましたとおり,現在本市で開催されております大型イベント等を中心に組み立てた場合,その利用日数としては,スポーツ,文化イベント,コンベンションなどの利用で 178日,稼働率で約50%程度の利用を見込んでおりますが,今後の検討に当たっては,新規のイベントを新たに掘り起こすなどの努力を行うとともに,幅広く道民・市民の皆様にも利用していただける工夫もしながら,稼働率を高め,安定した経営の確保に努めてまいりたいと考えております。
第3点目の大規模イベント開催時の交通処理についてでありますが,現在,羊ヶ丘土地利用基本計画等検討委員会の専門的な意見をいただきながら,大規模イベント開催時に想定される最大値約4万 3,000人と通常の利用時に想定される2万 5,000人の双方の場合について,ご指摘のように,地下鉄やこれと連携したシャトルバスなど,公共交通機関の利用を主体とし,マイカーの利用を極力抑制する方向で検討を進めているところであります。以上,私からであります。
○議長(柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 雪対策につきましてお答えいたします。
まず,1点目の雪害に対する対応についてでございますが,ご提言にありましたように,豪雪時に定量的な指標によって対策本部を設置し,速やかな危機管理体制をしくことは,市民生活への影響を最小限にする上で,極めて重要であると考えております。
したがいまして,今冬の降雪状況や市民生活への影響の程度,さらには除排雪作業に当たって明らかとなった問題点を十分に分析し,迅速な危機管理体制の指針づくりを早急に行ってまいりたいと考えております。
次に,2点目の雪対策施設の整備についてでありますが,地域エネルギーの有効利用が雪対策施設整備の基本でありますので,第5清掃工場,東部下水処理場の熱エネルギーにつきましても,可能な限り活用してまいりたいと考えております。特に,この地区の場合は,清掃工場廃熱,下水処理水という複数の熱源がありますことから,ご提案の雪処理拠点となる融雪槽も可能と思われますので,今後検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 街づくりについてのご質問に,私からお答えを申し上げます。
まず,東札幌駅跡地周辺地区の街づくりについてでございますが,ご質問の1点目の東札幌駅跡地の用地取得時期についてでございますが,東札幌地区整備での活用のみならず,豊平川右岸地区全体へ波及する開発プロジェクトの推進を図るためにも,基本的には平成9年度までに全地を先行取得してまいりたいと考えております。
2点目の東札幌駅跡地の公共施設の配置についてでございます。
経済交流による産業の活性化を中心とした多様な交流の拠点を創出するために,大規模会議施設や展示機能をあわせ持ったコンベンションセンター,あるいは人材育成拠点施設を設置し,さらには第2女性センターや消費者会館などについても,当地区を有力な候補地の一つとして検討してまいりたいと考えております。
したがいまして,新年度以降,コンベンションセンターを初めとする各施設の具体的な機能,規模等について,それぞれ調査をし,それらを施設面,機能面で連携させた複合的な施設の可能性を検討してまいりたいと考えております。
また,緊急時の避難場所等として活用可能な公共施設と公園を一体的に配置するなど,防災面についても十分配慮し,総合的に検討してまいりたいと考えております。
第3点目の東札幌地区の整備手法についてでございますが,現在検討を進めている整備内容,現況の土地利用状況等から判断いたしまして,周辺をも含めた一体的整備の可能な札幌市施行の土地区画整理事業が適切であろうと考えております。
次に,菊水上町の環境整備についてでございます。
ご質問の第1点目の菊水上町地区の認識についてでございますが,ただいまご指摘がございましたとおり,当地区は,以前から生活道路の未整備や住工混在などのさまざまな課題を抱えている地区であると承知をいたしております。
さらに,当地区は,本市の土地利用基本構想においては高度利用住宅地として,また,都市再開発方針においても再開発が必要な地区である1号市街地として位置づけをしておりますので,今後,都市機能の更新を進めるため,道路等の都市基盤を再整備する必要がある地区と認識をいたしております。
2点目の居住環境改善に向けてのこれまでの取り組みについてでございますが,当地区は,ただいま申し上げましたとおり,都市整備上の課題を抱えておりましたことから,過去に計画的な街づくりを進めるために土地区画整理事業の調査を実施した経緯がございます。
さらに,昭和62年には,居住環境の改善を図るための新たな手法として,居住環境整備街路事業調査を行ったところではございますが,事業実施がかなわず,現在に至っております。
3点目の生活環境整備計画調査の内容と当地区の環境整備の進め方についてでございますが,街づくりを進める上では,地元の熱意が必要不可欠でございます。したがいまして,計画調査に当たりましては,地元の意向を十分把握した上で,当地区の問題点と課題の整理を行い,ご提言の方策も勘案しながら,都市機能の更新が図られるべく,本市の土地利用構想に対応した都市施設の整備計画を策定してまいりたいと考えております。あわせて,計画実現のための整備手法についても,多方面から検討を行い,関係住民のご協力のもと,環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,白石区の交通問題についてでございます。
ご質問の第1点目のJR白石駅の北側駅前広場整備などについてでございます。
本市では,駅北側に約 4,000平方メートルの駅前広場と,これと北13条・北郷通を結ぶ幅員21メートルの駅前通を計画しております。
広場整備につきましては,用地確保の問題,JRとの調整等の課題もございますが,関係する皆様の協力を得ながら,新5年計画の中で都市計画の手続を進めるなど,実現に向けて一層の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
また,駅舎の橋上化につきましては,駅北側利用者に対する利便性の向上,地域の発展等を図るために望ましいものと考えており,駅前広場の整備にあわせて実現化されるようにJRに対して働きかけてまいりたいと考えております。
2点目のJR平和駅の函館本線への接続などでございます。
JR平和駅は,現在,千歳線に乗降ホームを設置しておりますが,函館本線に接続するためには,新たにホームを整備する必要があり,JRでは,現在の利用状況や建設コストを勘案すると,現段階での設置は難しい状況にあるとの考えでございます。
しかしながら,駅利用者が年々増加していることから,利用者の利便性を向上させることは重要な課題であると考えておりますので,JRに対して,乗降ホームの設置を含めて,駅施設等の改善が行われますように強く働きかけてまいりたいと考えております。
3点目の苗穂−白石間における中間駅の設置についてでございますが,JR苗穂−白石間の中間駅の設置に関しましては,本市といたしましても,この地区の交通体系を整備する上で望ましいものと考えております。したがいまして,これまでもJRに対しまして,新駅設置の可能性について打診をしてきたところではございますが,JRからは,現時点では採算性を確保するだけの利用が見込めないことから,みずからの駅設置は難しいとの見解を得ているところでございます。
しかしながら,地域の皆様の長年にわたる要望もございますので,本市といたしましても,新5年計画において,この地域の街づくりの中で新駅設置の可能性について検討をするとともに,今後もJRに対して強く働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 石原助役。
◎助役(石原弘之君) 私から,
グリーンベルト構想の推進についてお答えをいたします。
まず,第1点目の川下公園の工事の進捗状況と温泉の利用計画についてであります。
工事につきましては,平成2年度の着手以来,野球場,芝生広場等,ほぼ公園区域の5割の整備を終えております。今後は,平成10年の完成に向けて,この公園の特徴となりますライラックの森及び中核施設の整備を進めてまいる予定であります。
また,温泉の利用についてでありますが,公園の通年利用を促進するための温水利用型の施設,及び駐車場,園路等の融雪に活用してまいりたいと考えております。
具体的には,憩いや遊びの空間,健康・スポーツの空間,さらには入浴によるくつろぎの空間を備えた屋内施設を検討しておりますが,各方面のご意見を伺いながら早急に計画を策定いたしたいと考えております。
第2点目の川下公園と山本の
グリーンベルトをつなぐ地域についてでありますが,ここを緑地的に活用し市民の余暇活動の場とすることは,それぞれの施設に相乗効果を発揮させるとともに,
市街化調整区域の秩序ある土地利用の推進を図る上でも有効なものと考えております。したがいまして,今後,ご提言の趣旨を踏まえ,検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時25分
再 開 午後2時56分
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○副議長(澤木繁成君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。飯坂宗子君。
(飯坂宗子君登壇・拍手)
◆飯坂宗子君 私は,ただいまから日本共産党を代表して,市政の重要問題について質問をいたします。
最初に,市長の政治姿勢に関して質問いたします。
まず,沖縄の米軍用地強制使用裁判の問題です。
いま,裁判は重大な時期を迎えています。この裁判は,県民の意思に反して米軍が土地を取り上げる代理署名を大田知事が拒否したために,当時の社会党委員長の村山総理に訴えられたものです。これは,自民党,社会党,新党さきがけの連立政府が,日米安保条約上の義務だからと米軍基地を維持存続させるため,県民に,黙って米軍に土地を提供しなさいという乱暴なやり方であり,知事も黙って国の職務執行命令に従えというものです。
憲法が保障する地方自治の本旨を全うし,県民の平和のうちに生きる権利,生活・福祉の向上に責任を負う知事として当然のことと言えます。戦後50年間,苦悩を強いられてきて,今基地の縮小,撤去を求めている沖縄県民の世論にこたえた正当な行為であり,地方自治体の長としての勇気ある態度であると思います。
桂市長は同じ自治体の首長として,大田知事の今日の行動をどのように受けとめ,どのように評価されるのか,まず,ご見解を伺いたいのであります。
また,大田知事を告訴した政府のやり方こそ,国民に背を向けた不当な行為と考えるものでありますが,市長は政府のやり方をどう考えられますか,お尋ねいたします。
本市議会も含め,全国 1,041もの地方議会が沖縄米兵事件に抗議し,地位協定の見直しを決議しています。道内でも,河原歌志内市長などが大田知事への激励のメッセージを送っていることにもかんがみ,地方自治と住民の人権を守る立場から,大田知事並びに沖縄県民に対して,激励と連帯の行動をとることが重要であると考えますがいかがか,市長のご所見をお示しください。
次に,住専問題についてであります。
昨年12月19日,村山内閣が住宅金融専門会社に公費 6,850億円も投入する方針を発表して以来,国民的批判が日を追うごとに急速に大きくなっております。昨日の朝日新聞の世論調査では,反対が87%にもなっていることは,ご承知のとおりであります。何ゆえに住専の乱脈経営のツケを国民が負担しなければならないのかという国民の怒りと批判は,先日の京都市長選の結果にも顕著に示されたように,いまや日本列島を覆っています。しかも,橋本内閣は,徹底審議と 6,850億円の削除を要求する国民の声には耳をかさず,3月初旬にも新年度予算案の強行採決を行おうとしていることは重大であります。
今回の 6,850億円は第1次損失分に充てるもので,第2次損失分の見込額を含めると1兆 3,000億円,国民1人当たり1万円,すなわち本市に置きかえれば 176億円もの血税を大銀行救済のために支出し,しかも,これを突破口に40兆円あるいは 100兆円とも言われている不良債権処理に税金投入の道を開こうとしておりますが,国民も札幌市民も,決してこれを許さないでありましょう。
そこで伺いますが,本市議会も全会一致で住専処理に対する公費負担に反対する国への意見書を可決したのでありますが,市長も国の予算案から 6,850億円の削除を要求するお考えがあるかどうか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
次に,財政問題について質問いたします。
質問の第1は,使用料・手数料の一斉値上げについてであります。
昨日,市長は,使用料・手数料見直しに当たっての基本的な考え方を問われたのに答えて,従前から一定の期間ごとに見直しを行なってきたことと,前回の改定から4年が経過したことに触れながら,人件費及び諸物価の上昇等により収支のバランスが崩れたことを改定理由とされたのでありますが,財政当局からいただいた資料によっても,維持管理費の上昇など原価計算に基づく改定をその根拠としたものは,使用料31項目中6項目,手数料12項目中9項目にすぎず,収支バランスが崩れた,端的に言えば,料金値上げをしなければやっていけない事態になったという言いわけは,説得力に乏しいと言わなければなりません。とどのつまり,今回の料金改定の最大の根拠は,市長答弁の前段で示された,前回の改定から4年が経過したことにあると私は思います。
選挙の翌年は一斉値上げ,板垣前市長時代から続いてきたこのパターンを,桂市長も頑固に踏襲しようとしていることが料金改定の最大の根拠と私は考えますがいかがか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
長引く不況の中で,一層厳しくなっている市民生活の現状を踏まえても,なお一定サイクルの値上げが必要とお考えか,使用料・手数料の値上げに伴う14億円もの新たな市民の負担増について問題なしとお考えか,あわせてお答え願います。
質問の第2は,借金財政についてであります。
地方財政対策として,新年度財源対策債で新たに51億円,減税補てん債が前年度比17億円増の 170億円組まれるなど,国の地財対策絡みでの市債が膨れ上がっていることを市長はどのように受けとめておられるのか,まず明らかにしていただきたいのであります。
昨日,市長は,新年度の1996年度末には約 8,000億円と見込まれる本市普通会計における市債現在高も踏まえた将来の見通しについて,公債費比率が5年後には現在よりも1%ないし2%ほど増加するものの,他の政令都市よりも低水準であることから,直ちに財政の硬直化を招くものとは考えていないと答弁されましたが,地方の財源不足をびほう策とも言うべき借金の押しつけで済ます政府の地方財政対策がなお続けば,また地方の自主財源の低迷がなお続くならば,一層地方債依存が強まり,借金財政の結果としての元利償還が本市財政を圧迫する事態となることが想定されます。元利償還金に交付税措置のある良質な市債の活用に努めるなどと言いながら,政府の借金財政の押しつけを甘んじて受けるのではなく,国と地方自治体の事務事業の比率に見合う地方財源の確保など,抜本的な地方財政の確立に向けて取り組みを強化すべきと考えますがいかがか,お答え願います。
質問の第3は,国民健康保険料の値上げについてであります。
市長は,新年度についても前年度と同様,1世帯当たりの平均保険料を据え置くこととしたと言われますが,その中身を吟味してみますと,国の法定減免の拡大措置によって,2人世帯で年収 120万円,所得金額で年55万円以下の世帯は,14%から22%程度の保険料軽減が見込まれますものの,仮に,所得割の料率を前年と同じ 100分の 800で計算してみますと,それ以外の世帯,すなわち6割近い世帯では,いずれも保険料負担が増大する見込みであります。
特に,今回,限度額が47万円から50万円へと3万円も引き上げられることに伴って,年収 440万円,年所得に直して 302万円の世帯で,保険料が43万円から45万 7,000円へと2万 7,000円も引き上げられるのを初め,これ以上の所得階層である約2万世帯,すなわち加入者の約1割に,2万円から3万円の保険料値上げが押しつけられることになります。
私たちが,本市議会においても事あるごとに指摘してきたように,国民健康保険料が社会保険の3倍にもなっている現実を見るとき,多少所得があるからと,2万円から3万円もの保険料値上げを押しつけるやり方は,到底納得できるものではありません。今回の改定で,44万円から3万円増の年47万円の保険料を徴収されることになる年収 480万円,年所得に直して 334万円の世帯を高額所得者などと言えないことは,本市職員の平均給与がこれを大きく上回っていることからも明らかであります。
市長は,この程度の負担増は問題ないとお考えでありましょうか。6割近くもの世帯に保険料の値上げを押しつけることになる今回の改定について,世帯平均の保険料を据え置いたとの看板に偽りがあるとはお考えにならないのか,お尋ねいたします。
また,一昨年の直接請求運動で,多くの市民が求めた高過ぎる国保料引下げの願いについては,断じてこたえられない,市長はそのようにお考えか,あらためて伺います。
質問の第4は,保育料の連続値上げについてであります。
新年度予算に,21年連続の保育料の値上げが盛り込まれましたが,これは,若年勤労世帯の生活実態を無視したものと言わなければなりません。市長は,必ず毎年値上げしなければならないとお考えでしょうか。なぜ値上げをストップできないのか,仙台,名古屋,京都,神戸などで,昨年度保育料が据え置かれたことも踏まえて,まず伺います。
また,今回の改定に当たって,市費の投入による保育料軽減率をさらに1ポイント引き下げることとし,2子目軽減率の拡充など新たな対応に基づく本市の支出増と相殺して,なお軽減率が 36.95%から 36.64%へとダウンさせられておりますが,市の持ち出しは削りながら,市民に負担増を求めるこのようなやり方で,市民の納得を得られるとお考えでありましょうか。
本市における市費投入による保育料軽減率が,かつての 46.53%から新年度の 36.64%へと10%も引き下げられることについて,本市を上回る軽減率44.7%の名古屋や39.2%の京都,38.8%の神戸において,なお昨年保育料が据え置かれ,軽減率引き上げの方向が示されていることを踏まえてどのようにお考えか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
また,今回,月収に占める保育料の割合が高い階層について是正措置をとったとされていますが,夫婦と子供3人の5人家族の場合,あるいは子供1人の3人家族の場合,7%台で是正措置が講ぜられる一方で,夫婦と子供2人の4人家族の場合は,9%に近い8%台でしか対応していないなど,ちぐはぐとなっています。
市長は,収入に占める保育料の割合について,あるべき姿をどの程度と判断して今回の措置となったのか,今後の対処方針とあわせてお示しください。
また,今回の保育料の軽減率が低いことを理由とした是正措置として,D21階層とD22階層のみを据え置くこととしておりますが,これは,3歳未満児で言えば,軽減率が 18.79%と最も低いD16階層などと矛盾を来たすものであり,市長は,あるべき軽減率をどの程度と判断して今回の措置をとることとされたのかお示しください。
次に,官官接待に関連した接待費用の不正支出等について質問いたします。
この問題は,道職員の名前をかたった,いわゆる名義借り接待として問題になったものであります。
我が党は,昨年12月の代表質問で,具体的な事例を示し,官官接待そのものが市民の批判を受けている問題であるのに,道庁幹部を接待したという偽装まで行なって公金を引き出していることは,公金横領になるのではないかと追及いたしました。市長は,いわゆる名義借りについて,大変申しわけないことだと陳謝いたしましたが,具体的な事実については,調査中ということでお答えになっておりません。その後,本市の内部調査の結果が発表され,監査委員会の報告も出されておりますが,この段階で改めて伺っておきたいと思います。
質問の第1は,監査委員会報告で指摘されている会計処理の問題についてであります。
食糧費の使用で名義借りなどがあった51件に関連する5部局で抽出調査を行なった 187件において,延べ件数で95件もの不適正な会計処理事務が指摘されました。この95件には,名義借りの51件は含まれていないものであります。その内容は,債権者からの請求書に職員が書き加えを行なっている,確認の日付が記載されていない,伺書に開催日の記載がない,伺書に債権者の記載がない,当初の支出予定額を上回る経費の増額分について,伺書における増額理由の記載に適正を欠くなどの問題指摘であります。
このように,不適正な会計処理が広範に存在していることが指摘されたことについて,市長はどのようにお考えでしょうか。このような実態のもとでは,名義借りをしてもおかしいと思わない金銭感覚,公金に対する感覚麻痺の状況を生み出したとも考えられますが,この事態を市民にどのように釈明されるのか伺います。
質問の第2は,名義借り接待が単なる相手氏名の記載の誤りで済ませられる問題であるかどうかについてであります。
市長も,また監査委員会も,これを記載の誤りで押し通しておりますが,果たして市民は納得するでありましょうか。監査報告では,名義借りの51件に関連して,なぜ相手方や日付が異なったのかという理由について,支出事務処理手続の過程でチェックを受けるのではないかとの懸念から記載を変えた,特に二次会の場合は,その懸念から記載を変えたことが明記されております。これは,きわめて意識的な支出請求手続上の操作であり,虚偽の記載による不適切・不当な接待費用の支出が行われたものと考えるのが市民の自然な考え方であると思うのですがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第3は,前財政局長の95年3月10日の飲食の問題についてです。
これまで本市当局は,前財政局長が手帳をなくしたとか,相手の名前を忘れたと言っていることをうのみにしながら,飲食はちゃんと行われていたとして,その公務性を主張してきました。しかし,監査報告では,やはり相手が不明であり,公務性を肯定するには至らなかったと公務性を否定し,地方自治法の精神に照らして,適正を欠くものであると認定いたしました。
この結果を市長はどのようにお考えでありましょうか,改めて市民に対して釈明すべきではないでしょうか。
財政局長といえば,市民や職員に我慢を押しつける節減の先頭に立ってきた財政執行の最高責任者であります。その人の名義借り接待の疑惑が問題となり,飲食の公務性が否定された事態は,桂市長自身の政治責任が問われる問題となっていると思いますがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第4は,二次会の飲食の公務性に関してであります。
監査報告は,二次会の公務性に関して,「二次会は職務との関連性は薄くなるのではないかと考えられるところであるが」と述べた後で,「会食を行なった目的及び当該部の事務執行状況,さらには社会通念をあわせ考えると,二次会であるとの一言をもって公務性を一概に否定することはできない」などと,二次会の公務性を主張する結論を導き出していることは,まことに遺憾であります。
二次会の公務性に関する総務委員会での質疑に対して,
監査事務局長は,二次会などでカラオケばかりやっていることは公務性に欠けると述べましたが,これまたおかしな話です。これでは,二次会で座ってお酒を飲んでいれば公務ということになる,そう聞こえる発言です。これはおかしいとお思いになりませんか。二次会についての市長の見解並びに今後の対処方針について伺います。
質問の第5は,我が党が具体的に指摘した問題との関連で,引き続き究明しなければならない点についてであります。
道職員の名義借り接待に関するもので相手方が記載内容と異なっていたものは,本市の調査結果では31件と報告されています。このうち,我が党が疑惑について当初に指摘した22件のうち20件までがこの中に含まれており,指摘が的確であったことが裏づけられています。国際部5件,高齢化対策部4件,社会部1件,建設局管理部2件,土木部2件,開発部1件は,わが党の指摘と全く合致しております。
ところが,財政局は,我が党の指摘した7件のうち5件までは名義借りの事実を認めましたが,2件についてはその事実を否定するに至りました。また,その他の部局でも,我が党が当初指摘した以外については調査中であるということで,事実を語ろうとしなくなりました。
このような動きは,名義借りの件数をできる限り限定しようとする本市の対応を示すものであったと言わなければなりません。これでは,相手先や宴会の会場を明らかにしないまま,幾ら問題はないと言ってみてもそれは通用しないし,市民の疑惑は深まるばかりです。
そこでお尋ねいたします。
第1は,前財政局長が出席した財政部の2件についてであります。
94年5月31日と12月13日の件については,我が党の調査では,道職員の出席は確認できないものであります。特に12月13日の件は,昨年の12月議会での代表質問で,我が党道議団に対して道総務部長から,道庁職員の出席はなかった旨の報告があったもので,名義借りの疑惑が極めて深いことを指摘したものであります。事実はどうなのか,市長は再調査すべきと考えますがいかがか。もし問題がないというのであれば,相手の氏名,あるいはせめて職名を公表すべきと考えますが,その考えがおありかどうか伺います。
第2に,土木部であります。
当初指摘した2件について,名義借りとして本市の調査報告に入れられましたが,後から指摘した4件,すなわち94年4月18日,4月22日2件,6月22日については問題なしとされています。しかしながら,これも我が党の調査では,道職員の出席が依然として確認できないものであります。この4件についてはどんな調査が行われたのか,明らかにしていただきたい。この件についても,我が党は再調査を要求するものでありますが,いかがか。間違いないというのであれば,相手氏名あるいは職名等を公表すべきと考えますがどうか,伺います。
また,土木部における道職員の出席数が,予定していた出席数と異なっている問題についてでありますが,我が党の調査では,94年6月22日,6人の予定が実際は4人の出席,9月26日の2件については,いずれもが5人が2人,9月27日,5人が2人,12月6日,6人が3人の出席となっている問題であります。道職員の出席は,予定どおりの出席であったのかどうか,あるいは指摘のように予定より少なかったのか,まず事実について伺います。
このように一連に出席数が食い違っているのでは,たまたま予定者が出席しなかったという言いわけは成り立たないと思いますが,なぜこのような食い違いが生じているのか,人数を大きく見積もって費用を多く引き出そうという操作であるとの疑いも生じるのでありますが,どうなのか。伺書,精算内訳を見ても,出席予定者どおりの精算となっており,人数の変更はなされていないのでありますが,完了検査はどのように行われたのか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第6は,官官接待問題での調査と情報公開についてであります。
官官接待の問題,名義借り接待の問題で,引き続き究明されなければならない具体的な問題があることを指摘しましたように,本市の調査結果と監査報告で,この問題の幕引きとするわけにはいきません。市民の間には,官官接待,名義借り接待による強い行政への不信があり,本市がこの問題でどのように全容解明に取り組むのか強い関心を持っているからであります。
こうした市民の行政への不信を解消するためにも,市長は,自分の在任期間についての調査を行い,全容解明に取り組むとともに,今後も相手氏名,接待会場などを市民に情報公開すべきと考えますがいかがか,改めて伺います。
質問の第7は,食糧費の削減に関してであります。
今回の予算で,中央官庁への接待に関するものは50%の削減,全体で10%削減という方針で臨んだということでありますが,これで今後,官官接待はなくなるのか,二次会はなくなるのか,飲酒の席はなくなるのか,何をやめて何を残すのか,対処方針について具体的に明らかにしていただきたいのであります。
次に,長引く不況の問題に関して質問いたします。
バブル経済の崩壊以来,かつてない長さで景気の低迷が続いておりますが,なお回復に向かうにはしばらくの時間が必要と予測されております。
1995年上期の札幌市企業経営動向調査によりますと,本市経済は景気回復に足踏みが見られ,先行きについても,個人消費や雇用状況などがそれほど大きく改善していないと,不透明感を強調しております。また,どの指標からも中小企業の経営悪化が読み取られ,この不況は,中小企業により一層厳しいものとなっております。本市の経済を支える担い手である中小企業の経営をどうやって守るのか,また,景気回復のかぎとなっている個人消費をどうやって伸ばすのか,政治が果たさなければならない役割が一層求められているところであります。これらの点を踏まえて,以下3点質問いたします。
質問の第1は,景気の現状と見通しについてであります。
市内の景気の動向について,また今後の展望について,市長はどのような認識をお持ちでしょうか。とりわけ,中小企業の現状についてどのような認識をお持ちかお尋ねいたします。
質問の第2は,中小零細企業への融資の問題についてであります。
中小零細企業は,きょうあすの資金繰りにも追われているのが実態であります。売上げが減少する中で,運転資金の確保は緊急の課題です。しかし,1996年度予算における一般中小企業振興資金貸付金は 527億円余りとなっておりますが,そのうち継続分が 452億円余りと,95年度予算より77億円以上膨らんでおります。しかし,その一方で,新規分は75億円しか予算化されず,95年度予算との比較で25億円の減少となっております。すなわち,中小零細企業の経営も景気の見通しも厳しいにもかかわらず,新規融資枠を削減しようというものであり,問題であります。不況にあえぐ中小零細企業の要請にこたえ,融資の枠を拡大すべきであります。
また,無担保・無保証人融資制度の一層の活用を図るため,間口を広げる必要があります。現在の無担保・無保証人融資制度では,納税において所得割のあること,すなわち前年度黒字であることが条件となっておりますが,最も融資を必要としている赤字業者の運転資金として活用できるように,所得割のない業者も対象にするなど,融資条件の緩和を求めて信用保証協会に働きかけるべきですが,この点いかがお考えかお示しください。
また,不況で売上げが減少した企業の運転資金として,心置きなく利用できる本市の融資制度として,かつて経営安定特別資金がありました。銀行の顔色をうかがうことなく利用できる不況対策融資としての特別資金を再開させるべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第3は,小規模小売店が,不況に加え,規制緩和の影響で経営悪化が加速されていることについてです。
米屋の営業は,ことし6月から北海道へ登録するだけでよいと規制緩和され,出店は今までの3倍にもなるのではないかと予測されています。また,酒屋についても,ディスカウントショップの安売りの影響に加えて,大型店での取扱いが全面的に認められる方向が打ち出される中で,かつてない危機に直面しております。
さらに,本の再販制度の撤廃という規制緩和の動きがあり,もしそうなれば,とりわけ個人経営の小規模な本屋さんは,人気の高い出版物の品ぞろえに苦労する上,大手の安売り攻勢にさらされて,生き残ることができるかどうか全くわからない状態となります。
規制緩和によって,大資本が,米屋,酒屋,本屋など地元の小売店を駆逐するような事態が懸念される中で,行政として,地域の商店街の核ともなってきたこれら小売店を取り巻く動きをどうとらえ,どう対応しようとされるのか,対処方針について伺います。
次に,雪対策についてお尋ねいたします。
この冬は記録的な豪雪に見舞われ,地下鉄以外は交通機関が麻痺するなど,市民生活に大きな影響が出ました。
我が党議員団は,1月9日及び1月12日,雪捨て場の増設,運搬排雪の強化,通学路の安全確保などに関する申入れを行なってきたところでありますが,2月5日に登校中の小学生が雪山から滑り落ちてタンクローリーにひかれて死亡するという痛ましい事故が起きました。「もう少し排雪をしてくれていたら」,いとしい一人息子を失ったお母さんの悲痛な叫び,ご遺族の皆さんの心情を思うと,私は本当に胸が痛みます。さらに,26日には,75歳の女性が幹線道路でグレーダーにひかれて死亡する事故が起きています。
2度も繰り返された悲しい事故の現実も踏まえ,豪雪から市民の命を守るために,本市の除排雪体制の抜本的強化を求めて,以下3点の質問をいたします。
質問の第1は,ダンプや人員の確保についてであります。
本市は,今冬から全市53マルチゾーン体制が整い,除排雪は万全と胸を張ってきましたが,今回,各除雪センターでは,必要なダンプや人員を確保できないという状況が生じました。豪雪に見合う台数確保のためには何らかの手だてが必要と考えますが,今後の対処方針について伺います。
質問の第2は,除排雪マニュアルと豪雪対応についてであります。
本市の除排雪マニュアルでは,横断歩道除雪は車道除雪完了後速やかに行い,学校周辺など主要な交差点は前後10メートル程度を排雪することになっています。今回の痛ましい事故を教訓に,マニュアルどおり運搬排雪を徹底させることは最低必要と考えますが,そのためには,交差点や通学路の除排雪を除雪センター任せにせず,土木事業所が直営作業も含めて直接責任を負うこととし,特に豪雪時には,通常マニュアルよりも一層安全を確保できるように運搬排雪の対象を拡大するなど,万全を期すべきと考えますがいかがか,今後の対処方針について伺います。
質問の第3は,高齢者や障害者世帯への福祉除雪についてであります。
今回の豪雪によって,ボランティアに依存した本市の福祉除雪が,高齢者,障害者世帯の窮状に対応できないことが浮き彫りになったと思います。実際に,除雪を依頼しても有料の業者をあっせんされた,ボランティアを頼んでもなかなか来てくれないなどの声が聞かれる現実です。
本市は,各区の社会福祉協議会とマルチ企業体のボランティアで全市展開を図るとしてきましたが,除雪センターに余力はなく,敷地内通路除雪を実施したのは,わずか1企業体4件であり,ほぼ実績ゼロの状況です。除雪ボランティアは,あくまでも補完的な役割を果たすものであり,他市町村が既に実施している,市が直接責任を負う巡回型福祉除雪を速やかに実施すべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,高齢者・障害者福祉に関して,問題を絞って端的に質問いたします。
まず,公的介護保険制度についてです。
いま,高齢者の福祉,障害者の福祉を考えた場合,公的介護制度の確立が大きな課題となっています。こうした中で,公的介護保険制度の導入に向けた国の動きがあります。
我が党は,この問題で,現行の措置制度を守ること,医療と介護を切り離さず,若年障害者も介護給付の対象とすることなどを初めとして,在宅介護と施設介護の両面での抜本的な充実を図って,公的介護制度を確立すべきだと考えるものであります。
ところが,厚生省の諮問機関である老人保健福祉審議会の中間答申を受けた政府の構想では,介護にかかわる現行措置制度の廃止,あるいは現に介護を受けている人も含めた高齢者や低所得者からも保険料を徴収し,さらに,介護サービスを受ける際には利用者負担を求めるなど,大きな問題があります。
市長は,こうした国の構想をどのように受けとめておられるのか伺います。
また,低所得者への介護を保障するためには,現行措置制度の存続と拡充こそが必要と考えますが,見解を伺います。
次に,本市のヘルパー事業に関してです。
リューマチや脳卒中などの病気と闘い,リハビリで在宅可能な状態まで機能を回復しても,在宅生活を支援する施策がないために,再入院あるいは施設入所を余儀なくされている方が多数おられます。また,週3回のヘルパー派遣を頼んでも週1回しか来てもらえない,1日3時間を希望しても2時間までしか認められないなど,お年寄りや障害者の皆さん方の切実な声がますます多く聞かれるようになってまいりました。今やヘルパー確保とヘルプサービスの充実は,高齢者と障害者の福祉にとって根幹的な意味を持ってきていると考えるものです。
そこで伺います。
まず,ヘルパーの増員についてです。
本市の高齢者保健福祉計画の目標値 910人は,まことに消極的であります。これは,高齢者人口が本市と同程度の京都市の 1,599人と比較すると約半分です。このヘルパー増員目標では,現在の最下位レベルからの脱出は難しくなると思うのですが,いかがか。最下位レベルを脱出して,全国平均並みにヘルパーの増員を図るべく,高齢者保健福祉計画の目標の抜本的見直しを行い,積極的に取り組むべきと考えますがいかがか,対処方針について伺います。
次に,ヘルパーの人材の養成と確保に関してです。
24時間型ヘルパー派遣事業の開始や介護型ヘルパー事業のニーズの広がりは,さらに多くのヘルパーの必要性とともに,専門性と常勤ヘルパーの位置づけを高めております。一方,介護を受ける市民は,安定した介護を切実に求めています。こうした市民の要望にこたえるためにも,ヘルパーの人材養成に積極的に取り組むとともに,本市在宅福祉サービス協会などの常勤ヘルパーの大幅増員を図るなど,ヘルパーが誇りを持って働けるように,人材の確保に努めるべきと考えますがいかがか,伺います。
ヘルプサービス事業の改善についてですが,必要な人がヘルプサービスを受けられるように,障害者,高齢者の利用負担の軽減を図り,あわせて派遣回数の拡大を図るべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
次に,住宅行政について質問いたします。
住宅の保障は国民福祉増進の土台であり,住宅は福祉という立場に立って,国,自治体が公的住宅の供給と高齢者や障害者などへの住宅対策を強化することが求められています。ところが,政府は,住宅宅地審議会の答申に基づいて,公営住宅制度を解体させる法改悪を行おうとしており,こうした動きに対して市民から批判の声が上がり,国に対して公営住宅法改悪反対の運動が広がっております。
そこで,以下3点の質問をいたします。
質問の第1は,市場家賃制度の導入に関してです。
今回の見直し案では,公営住宅の1種・2種の種別を廃止し,一般世帯は収入の5分位階層の下から25%までを入居対象の上限とするもので,現行の33%から大幅に引き下げられるため,収入超過者が大量に生じることになります。収入超過世帯には市場家賃を課し,高額所得者と見られる場合はそれ以上の高割増家賃を負担させ,公営住宅から追い出しを図ろうとするものであります。
また,基準を市場家賃とすることによって,収入,立地,規模等による応益の名において,地価や民間家賃が上がれば自動的に家賃値上げとなり,低廉で快適な住宅を提供するという公営住宅の使命を根本から放棄することになるのではないでしょうか。
市長は,今回の市場家賃の導入について,入居者に重い負担を押しつけることになるとはお考えにならないのか。また,入居収入基準を引き下げた上での収入超過者に対する明渡し請求は,新たな住宅難を生み出すことになるとはお考えにならないのかお尋ねいたします。
質問の第2は,国の建設費補助などの改悪についてです。
これまで,公営住宅の建設費に対する国庫補助は,第1種住宅が2分の1,第2種住宅が3分の2となっておりましたが,今回の見直しでは,1種・2種の区分を廃止し,一律2分の1補助とし,3分の2補助は廃止することになります。
市長は,このような国の建設補助の削減は,市営住宅の建設に悪影響を及ぼすものとお考えにならないのか,また,このような国の建設費補助の削減について不当とはお考えにならないのかお尋ねいたします。
あわせて,このような国の動きに対し,市長はきっぱり反対を表明すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第3は,市営住宅の建設についてであります。
本市の住宅総数の中で市営住宅の占める割合は,94年4月現在 3.5%であり,大阪市の 9.4%,北九州市の 9.3%はもちろん,政令市の平均5%に比べても著しくおくれております。新築住宅の平均応募倍率が6倍にもなって,5回,6回申し込んでもなかなか当たらないとの市民の声も聞かれる中で,新5年計画では,新築は 1,250戸,建てかえと合わせても 2,250戸となっており,現5年計画の 3,200戸に比べても大変に落ち込んだものとなっています。新年度予算を見ましても, 415戸の建設戸数のうち,新築はわずか 192戸にすぎません。
そこで伺いますが,現5年計画の実績は 2,154戸であり, 1,046戸が建設されず計画倒れとなったのはなぜなのか,理由をまず明らかにしてください。
また,このままでは,さらに他都市との格差が広がることになりますが,そのことについて市長はどう考えておられるのか,本市の市営住宅建設戸数について,これで十分とお考えなのかどうか伺います。
次に,学童保育について質問いたします。
いま,学童保育の充実が切実に求められていますが,国の法整備を待つという本市教育委員会の消極的な対応のもとで,本市の学童保育の現場には,さまざまな困難,矛盾が渦巻いております。
そこで,抜本的な対策の確立と緊急の対策を求めて,以下3点質問いたします。
質問の第1は,児童クラブなどの複数方式の導入と待機児童の問題についてです。
まず,児童クラブの待機児童の問題です。
現在,児童クラブは定数が39名となっているため,それを超えると,これまで民間の学童保育では受け入れられていた子供たちが,児童クラブへの移行によって待機児童とされることが生じ,問題となっております。今年度当初には,西野児童会館49名,山の手児童会館51名が児童クラブに登録されており,指導員も1名加配されていましたが,北郷児童会館は定数の39名が登録となり,あとは待機児童とされてしまいました。留守家庭児童であってクラブを必要としている子供を受け入れないということは,留守家庭児童対策事業の趣旨に反するのではないかと考えますが,ご見解を伺います。
2年間の経過措置後,97年度から助成金を打ち切られようとしている民間方式の東札幌かいぞくクラブ,98年度からのたんぽぽクラブは,現在でも児童クラブの定数を超える低学年を抱えており,待機児童を出すことは目に見えています。これまで,民間方式でも学校方式でも待機児童を出すことはなかったのですが,児童クラブで生じている待機児童をどうするのか,対策をお示しください。
次に,地域の状況に応じた複数方式の導入に関してです。
児童会館の建設は中学校区単位に進められているため,併設された児童クラブが距離的にも大変遠いなど不都合が生じています。これらの地域的な状況からも,また待機児童が生じないようにする対策としても,存続している民間方式の学童保育事業への援助を継続するなど,一小学校区に複数方式での対応を行うべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第2は,障害児保育についてです。
本市の留守家庭児童対策事業における障害児の受入れは,可能な範囲でということで,結局のところ,児童クラブ,学校方式では受け入れられていないのが現状です。民間方式では,低学年だけでも14ヵ所24人,高学年を含めると19ヵ所43人の障害児を受け入れています。指導員の加配などに伴う市の助成がない中で,それでも子供たちの成長と親の働く権利を守って頑張っているのです。現に障害児を受け入れている民間方式に対する援助は,急がれる課題です。障害児保育のための指導員を加配できるよう,助成を開始すべきであります。強まる障害児保育の要望にどうこたえようとするのか,お尋ねいたします。
質問の第3は,新5年計画にかかわる問題です。
児童クラブも,学校方式,民間方式もない地域での学童保育の整備についてです。
教育委員会が推計している留守家庭対策事業の対象児童数は, 4,300から 4,400と言われていますが,女性の社会進出に伴い,実態は1万人を超えるとも言われております。ところが, 207小学校区のうち66ヵ所にはどの方式での対応もありません。未整備の小学校区での学童保育の体制確立は,急がれる課題です。少なくとも新5年計画の中で全小学校区に整備すべきと考えますがいかがか,今後どのように取り組まれるのか伺います。
最後に,全天候型多目的施設,いわゆるドーム競技場に関して質問いたします。
この問題については,すでに昨日来,各会派がこぞって取り上げておりますが,重要な問題ですので,私は重複を避けて簡潔にお尋ねいたします。
質問の第1は,国の負担に関してであります。
当局の説明によれば,ドーム建設に伴う用地費 140億円,建設費 360億円,およそ 500億円にも上る経費に対する国の財源手当てに関しては,地域総合整備事業債を利用することによる交付税措置として,38億円ほどを見込んでいるようでありますが,一方で,ワールドカップサッカーの開催予定都市から,サッカー競技場建設費に対する国の財源措置を求める声も上がって,特別立法での対応を模索する動きもあるやに聞いております。
市長は,ドーム建設に伴う国の財政援助をどのように確保しようとしているのか,見通しも含めてお示しください。
質問の第2は,道の負担についてであります。
ドーム構想に関して,ひとり札幌市にとどまらない全道的施設との位置づけで,知事が選挙公約に掲げた経過などからしても,相当の負担を求めてしかるべきと考えますが,建設費及び維持管理費に関して,道にどの程度の財政負担を期待し,どのように働きかけているのかお示しください。
質問の第3は,ホワイトドームを要求した札商など地元経済界に対して,既に明らかにされている5億円にどの程度上積みを期待しているのか,今後どのように働きかけようとされるのかお示しください。
質問の第4は,維持管理費で不足が生じた場合,どう補てんするかについてであります。
施設の管理運営は,第三セクターとしての株式会社をつくって対応するとされていますが,もくろみどおりにいかない事態となった場合,運営費に不足が生じた場合,その補てんはどうするのか,本市のみが負担するようなことはすべきでないと考えますが,対処方針についてお示しください。
質問の第5は,市民福祉の事業との関連についてであります。
昨日,市長は,ドーム建設に当たりまして,他の5年計画事業の執行に影響を及ぼすことのないよう最大限の努力をしてまいりたいと答弁されましたが,我が党は,ドームを市民合意のもとで推進するためには,市民福祉の事業へのしわ寄せはさせないとの市長の姿勢が不可欠であると考えます。
市長,この機会に,市民の前にこのことを言明すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第6は,市民利用への配慮についてであります。
市当局の議会に対する説明では,膨大な建設費及び維持管理費を伴う施設ではあっても,本市が主体的にかかわることによって,設備投資にかかわる費用を外して管理運営費をベースに使用料を設定できる,また,市民の直接利用については,さらに低廉な額を設定できるとのことでありましたが,施設の料金設定に当たって,営利的興行とスポーツなどでの市民利用とを区別し,市民利用における低料金を貫くべきと考えますがいかがか,お示しください。
質問の第7は,JFL東芝の札幌誘致にかかわる地元組織への出資に関してであります。
我が党は,今後予定されている本市の出資の検討に当たっては,市民球団としての位置づけが鮮明にされること,市民が納得する財政計画が明示されることが前提となると考えるものでありますが,市長のご所見はいかがか,お尋ねいたします。
以上で,私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(澤木繁成君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えいたします。
最初に,私の政治姿勢についてのお尋ねであります。
第1点目の沖縄県知事の代理署名の拒否についてでありますが,これは,知事が県民の世論を十分に尊重された上での行動だと思います。また,この県知事に対する政府の対応につきましては,法的手続に基づいて措置されたものと考えておりますが,私といたしましては,あくまでも県民の方々の十分な理解が得られるよう政府が対応されることを強く望んでおります。
なお,お話しのありましたような行動につきましては,考えておりません。
第2点目の住専問題についてであります。
住宅金融専門会社の不良債権処理の問題に関しましては,現在,国民が最も関心を寄せている事柄の一つと認識をしております。これに関しましては,先日,本市議会におきましても,国会において十分な論議を重ね,適切な対処をされるよう意見書を採択されたところでございますが,私といたしましても,同様の考え方に立つものであります。
次は,第1点目の使用料・手数料の改定についてであります。
使用料・手数料につきましては,特定の受益者に対するサービスの対価であるという性格から,社会経済情勢等の変化に対応した見直しを適時適切に行うことにより,利益を受ける市民とそうでない市民との負担の公平を確保していく必要があると考えております。
また,この使用料・手数料につきましては,市民生活にかかわりの深いものが多く,できるだけ市民に負担をかけないように心がけるべきであると考えているところでありますが,受益の度合いに応じた適切な負担及び将来にわたっての市民サービスの安定的な供給等を考えますと,行政の効率化や経費削減に努めることを前提といたしまして,市民に必要最小限の範囲での負担増をお願いすることもやむを得ないと判断したところであります。
市債の増加と地方財政の確立についてでございます。
まず,市債の増加についてでありますが,平成8年度におきましては,国,地方を通じて大幅な財源不足を抱える中にあっても,減税の継続でありますとか住民生活に密着した都市基盤の整備等を一層推進する必要があることなどから,当面の地方財政運営に支障を来すことのないよう特例的な対策がとられたものと受けとめております。
しかし,ご指摘のとおり,本市も含めて地方団体の債務が年々増嵩している点につきましては,私も危惧をするものであり,できるだけ早い時期に地方財政の健全性が回復されることを望むものであります。
次に,地方財政の確立についてでありますが,国と地方の役割分担の見直しとこれに伴う税財源の再配分は,これからの地方分権を進める上で,極めて重要なものと認識いたしております。
本市といたしましても,従来から,大都市財政の実態に即応した財源の拡充についての要望を行なってきているところであり,今後とも,他の地方公共団体と連携して税財源の充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次は,国民健康保険料についてであります。
ご案内のように,保険料は,医療費に連動して決定される仕組みとなっております。平成8年度においては,1世帯当たり医療費は約4%伸びる見込みでありますが,加入者の保険料負担を考慮して,一般会計から過去最高の総額 241億円を繰入れすることによって,1世帯当たり平均保険料を平成7年度と同額としたところであります。
また,低所得者の保険料軽減を図るために,法定軽減の割合を6割から7割,4割から5割に拡大いたしますが,1世帯当たり保険料を平成7年度と同額としたまま軽減割合を拡大いたしますと,2割軽減を含む中間世帯層の保険料が増加することになります。このため,保険料の限度額については,国の基準が52万円になっておりますが,それより2万円低い50万円とし,中間世帯層の保険料負担の緩和を図るものでございます。
なお,現行制度では,医療費が伸びている中で保険料を引き下げることはできないと,このように考えております。
次は,保育料の改定についてであります。
第1点目の21年連続改定となることについてであります。
保育に要する経費につきましては年々増加し,国の徴収金基準額も毎年度改定されておりまして,適正な負担という面から,その時々に要する経費につきましては,その時々に置かれている保護者の方々に応分の負担をしていただくことが必要と考えております。
次に,第2点目の軽減率の引下げについてでございますが,本市においては,これまでも保護者負担を軽減するため多額の市費を投入してきており,平成8年度予算においても15億円強の市費を投入し, 36.64%の軽減率にすることとしております。この軽減率は,政令指定都市の平均32%,道内主要都市の平均22%,これらを大きく上回っている実態にあります。
このようなことから,保育料の軽減につきましては,本市の財政事情や他の政令指定都市全体の状況等を考慮しながら,軽減率の引下げを図っていくこともやむを得ないものと考えております。
3点目の月収に占める保育料の割合についてでございますけれども,月収に占める割合は,保育所入所世帯の世帯構成によって変動をいたします。今回,月収に占める割合が比較的負担感の高いと思われるDの10からDの12階層について保育料を据え置いたものであります。今後も,保育料体系全体の中で必要な措置はとっていきたいと考えております。
第4点目の階層別軽減率のあり方についてでございますが,本市の階層別保育料体系につきましては,国の保育料体系の10階層に対して本市は27階層という,所得に応じたきめ細かい保育料体系を採用しているところでありまして,その結果,軽減率に差が生じることになります。
一方,均衡のとれた軽減率に配慮することも必要でありますので,段階的に調整をいたしたいと考えております。
なお,D21階層とD22階層に対しての今回の措置は,階層間軽減率の調整を図ったものであります。
次は,官官接待に移ります。
第1点目と第2点目の名義借りを含む不適切な会計処理についてでありますが,こうした支出帳票の出席者名義と実際の出席者が異なるということや,その他の不適切な事務処理は,いかなる理由があろうとも事務処理上あってはならないことであり,まことに残念に思っているところであります。今後は,監査委員のご意見を真摯に受けとめて,なお一層,食糧費の適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
3点目の財政部の3月10日の飲食についてでありますが,監査報告では,この飲食の公務性を肯定するには至らなかったということでありますが,その公務性が明らかに否定されたものではないと受けとめております。しかし,今後は,こうした事態が起こらないよう厳正に対処してまいりたいと考えております。
次に,第4点目の二次会についてでありますが,このことにつきましては,食糧費の執行の適正化を図る考えから,公費での二次会は行わないこととして,そのとおり実行をしております。
次に,第5点目の財政部と土木部の個々の事例についてでありますが,これらにつきましては,本市としては一件一件精査をした上で,相手方の出席者や人数に誤りはなく,検収確認も正しく行われていることを確認しておりまして,適正なものと判断しております。
なお,相手方氏名等につきましては,従来から申し上げてまいりましたように,公開はいたしません。
次に,第6点目の調査対象期間の拡大と情報の公開についてでありますが,さきに行なった食糧費の執行に関する調査,そして監査委員の監査報告により,本市の食糧費予算の執行における問題点が把握できたと考えております。また,これらに対する必要な改善措置も講じてきたところであり,改めて調査を拡大して行うことは考えておりません。
次に,第7点目の食糧費の削減についてでありますが,これにつきましては,これまでも繰り返し述べてまいりましたとおり,もてなしのための接待の廃止や,その他の会食につきましても経費を含めて必要最小限にすることとしており,市民のご批判をいただくことのないよう,その適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
次は,全天候型多目的施設に関するご質問についてであります。
第1点目の国の財政援助の確保とその見通しについてでございますが,施設の建設に当たりましては,有利な起債の活用や,その他にも,国からの助成措置が得られないかなどについて十分検討し,関係機関に対して働きかけてまいりたいと考えております。
第2点目の道に対する財政負担の期待と働きかけについてでありますが,ドームの建設に当たりましては,北海道も,この施設が積雪寒冷地の北海道において豊かな道民生活の実現に資する施設であり,できる限りの協力をしたいとの意向でありますので,今後一層の要請を行うとともに,建設後の管理運営につきましても,協議をしてまいりたいと考えております。
3点目の経済界に対する上積みへの期待と今後の働きかけについてでございますが,経済界におきましては,さきにご提示をいただいた協力額の上積みに向けた取り組みを既に進めておりますので,この取り組みが大きな成果をおさめるよう期待をしているところであります。
4点目の管理運営費に不足を生じた場合の対応でありますが,この施設については,第三セクターを設立して民間の効率的なノウハウを生かし,安定した経営に当たりたいと考えておりますが,仮に不足を生じた場合には,第三セクターで対応策を検討することになるものと考えております。
第5点目の市民福祉事業との関連についてでありますが,ドームの建設は,新5年計画策定において,他の施策とも十分な調整を図り,重要事業の一つとして組み入れたものでありまして,他の5年計画事業の執行に支障のないようにしてまいりたいと考えております。
6点目の使用料の設定に当たっての考え方であります。
このドームは,地方自治法上,札幌市の公の施設であり,その使用料は条例で定めることになりますが,道民・市民の皆様の利用に対しましては,営利を目的とする興行等と比較をして,より低額な料金を設定するなどの検討をしてまいりたいと考えております。
第7点目のJFL東芝札幌チームへの出資についてでありますが,川口谷議員のご質問にお答えをいたしましたように,東芝札幌チームは,市民球団として,市民スポーツの振興や青少年の健全育成など,これからの札幌の魅力ある街づくりに大きく貢献するものと考えておりますので,チーム運営会社への出資につきましては,今後,財政計画などの検討を行い,議会とも十分協議し,支援をしてまいりたいと,このように考えております。
○副議長(澤木繁成君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 雪対策と住宅対策につきまして,私からお答えいたします。
まず,雪対策についてお答えいたします。
第1点目のダンプトラックや人員の確保についてでございますが,今冬の豪雪時には,対策本部を設置して,自衛隊の支援,さらには関係機関との連携強化を図って,ダンプトラックの効率的運用により対応してきたところでございます。
今後は,豪雪時の危機管理に向けた指針づくりの中で,今冬の経験を踏まえ,より効率的な運搬排雪について検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目の豪雪時における交差点や通学路の確保についてでございますが,昨日,川口谷議員にお答えいたしましたように,通学路の安全確保はもとより,交差点を含めた学校周辺の除雪には,より一層留意してまいりたいと考えております。特に,豪雪時における安全確保につきましては,危機管理に向けた指針づくりの中で十分に検討をしてまいりたいと考えております。
3点目の福祉除雪についてでございますが,現在,高齢者や障害者世帯の間口除雪等につきましては,社会福祉協議会における除雪ボランティア事業の中で実施しており,さらに今冬から,マルチ除雪共同企業体もその一員として参加しております。
今後は,この事業のより一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に,住宅対策についてお答えいたします。
最初に,公営住宅の家賃制度についてであります。
新しい家賃制度につきましては,収入の少ない方にはそれ相応の家賃を,より収入の高い方には応分の負担をしていただくという説明を国から受けておりますが,その細部につきましては,法案成立後定められる改正公住法の施行令等にゆだねられております。
いずれにいたしましても,本市を含めた各自治体は,国に対し,家賃が増額される階層の負担が過重にならないよう要望してまいりましたし,国においても,そうならないよう検討しているとのことでございます。
また,収入階層の切下げについてでございますが,政策的配慮により,現行の収入基準の上限は変更しないと聞いておりますので,事実上影響がないものと思われます。
次に,2点目の建設費補助についてでございます。
公営住宅法の改正に伴い,建設費補助率は1種2分の1,2種3分の2が種別の廃止により,一律2分の1となる予定でありますが,建設費補助の削減による負担増につきましては,国において,家賃補助の拡大及び交付税措置により,公営住宅政策全体では,地方自治体の財政負担増とならないように検討しているとのことでございます。
今後も,建設費補助を含め,財政措置につきまして,強く要望をしてまいりたいと考えております。
3点目の市営住宅の建設計画についてでございます。
現5年計画の建設実績につきましては,計画戸数 3,200戸に対しまして,最終年度であります平成8年度予定を含め 2,154戸にとどまりました。このことは,地価の高騰などにより,用地取得が困難であったことなどに起因するものでございます。
次に,他都市との格差についてでございますが,各都市の発展過程や歴史的な背景の違いから,住宅の困窮度もそれぞれに異なるものでございますので,一概に占有率だけでは比較できないものと考えております。
新5年計画の戸数につきましては,これまでの建設実績を踏まえ,今後の需要動向を勘案しながら,8年度以降の公営住宅の必要戸数を算出し,本市が建設する市営住宅や新たな特定借り上げ賃貸住宅をあわせて総供給戸数を 2,850戸としたものであり,これは,限られた財源の中では妥当なものであると考えているところでございます。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 第4点目と第6点目のご質問につきまして,私からお答えを申し上げます。
まず,不況対策についてでございますが,第1点目の景気の現状と見通しについてでございます。
さきに発表されました経済企画庁の月例経済報告あるいは北海道通産局の管内経済概況によりますと,昨年末から鉱工業生産指数が回復基調に転じているほか,個人消費でも,パソコンや家電の販売に伸びが見られますことから,本市の景気にも次第に明るさが増してきているものと認識をしております。
また,今後の景気の見通しにつきましては,国全体の景気上昇の影響を受けて,足踏み状態から徐々に回復に向かうものと期待をいたしております。
第2点目の中小零細企業への融資の問題についてでございますが,平成8年度の一般中小企業振興資金,いわゆるマル札資金は,前年度に比較をして17.5%増の 504億 2,100万円を確保し,融資枠も 1,210億円に増額して,中小企業の皆様の資金需要に十分対応できるようにいたしました。
無担保・無保証人保証制度の改善につきましては,引き続き北海道信用保証協会に対して強く要請をしてまいりますとともに,今後とも,より利用しやすい融資制度になるように,一層努力をしてまいりたいと考えております。
第3点目の小規模小売店の経営悪化問題についてでございますが,小売商業は本市の重要な産業であり,また市民の消費生活を支える大きな役割を担っておりますが,消費者ニーズの多様化,改正大店法の施行など,流通構造は大きく変化をしてきており,小売商業者を取り巻く環境は,大変厳しさが増してきていると認識をしております。
そこで,個々の小売店に対しましては,これまでも経営診断,店づくりアドバイス,経営法律相談,各種融資制度など,きめ細かな施策によって支援をしてまいりました。今後とも,これらの施策をより強力に推し進め,消費者ニーズに合った魅力的な個店づくりや,地域の特性を生かした商業地づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,高齢者・障害者福祉についてでございます。
第1点目の公的介護保険制度についてでございますが,今後急速に進む高齢化に対応していくためには,新たな高齢者介護制度の構築が必要と考えております。しかしながら,制度の仕組みによっては,市民生活や市町村の財政基盤に大きな影響を与えかねないことから,国民の理解が得られるような制度となるよう慎重に検討されるべきものと考えております。また,低所得者の介護についても,十分な配慮が必要であると考えております。
第2点目のヘルパー事業についてでございます。
まず,ヘルパーの増員についてでございますが,高齢者保健福祉計画における平成11年度のヘルパー目標数は,お話しのとおり 910人でございます。まず,その計画目標を最大限の努力をもって実現をしてまいりたいと考えております。
なお,この計画の見直しにつきましては,さきに川口谷議員にもお答え申し上げましたとおり,介護保険制度の導入など,状況の変化に応じて計画を見直す考えでございます。
次に,人材の養成と常勤ヘルパーの増員についてでございますが,人材養成につきましては,札幌市在宅福祉サービス協会を初め,北海道知事及び札幌市長の指定を受けた研修機関におきまして,ホームヘルパー養成研修事業を実施しているところであり,今後とも,人材養成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また,常勤ヘルパーの増員につきましては,常勤ヘルパーとパートヘルパーとの組合せの中で効率的な派遣体制をとっているところであり,今後も需要動向の変化を見きわめつつ,常勤ヘルパーの配置についても対応してまいりたいと考えております。
次に,利用料負担の軽減と派遣回数の拡大についてでございますが,利用料負担は,所得のある方については,その能力に応じて負担いただくという考えに基づいているものであり,派遣回数につきましては,これからますますニーズが多様化していくことも予想されますので,計画的にこれを拡大してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 留守家庭児童対策につきまして,私からお答えをいたします。
1点目の児童クラブの待機児童等の問題についてのお尋ねでありますが,まず,児童の入会登録につきましては,定員を超えた申込みがあった場合,留守家庭児童対策実施要綱に基づき,必要度の高い児童,つまり新1年生,要保護・準要保護児童などを優先して登録することとしております。これは,児童の安全確保や指導に万全を期すために行なっているものでございます。
また,待機児童が生じた場合につきましては,これまでも可能な範囲でその解消に努めてきたところであり,今後も引き続き努力してまいりたいと考えております。
なお,今後につきましては,従来の1小学校区1方式の方針を踏まえながら,施策を必要とする未整備地域の解消に努めてまいりたいと,このように考えております。
2点目の障害児の受入れにつきましては,現在の体制の中で可能な限りの受入れに努めておりますが,今後のあり方につきましては,現在,関係者と継続して話し合いの場を持っており,さらには,識者や専門的立場の方の意見を聞くとともに,国の動向を見守りながら,引き続き研究を積み重ねてまいりたいと考えております。
3点目の新5年計画の中での取り組みについてでございますが,児童会館につきましては,8年度に建設を予定しているものを含めまして9館を整備いたします。また,より細やかな地域での施策を展開するために,学校の空き教室や多目的教室を活用して,当該校の児童を対象とした放課後の健全育成を図るミニ児童会館11館を整備し,それぞれに児童クラブを開設していく方針でございます。
なお,今後につきましても,女性の社会参加の動向,また放課後の児童の生活実態等を見きわめながら検討をしてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) お諮りをします。
本日の会議はこれをもって終了し,明3月1日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(澤木繁成君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○副議長(澤木繁成君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後4時10分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
副議長 澤 木 繁 成
署名議員 山 田 信市郎
署名議員 横 山 博 子...