札幌市議会 1995-12-07
平成 7年第 4回定例会−12月07日-04号
平成 7年第 4回定例会−12月07日-04号平成 7年第 4回定例会
平成7年 第4回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 4 号 )
平成7年12月7日(木曜日)
───────────────────────
〇
議事日程(第4号)
開議日時 12月7日 午後1時
第1 議案第1号から第8号まで及び議案第11号から第18号まで(
市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成7年度札幌市
一般会計補正予算(第5号)
議案第2号 平成7年度札幌市
公債会計補正予算(第5号)
議案第3号 平成7年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第3号)
議案第4号 政治倫理の確立のための
札幌市長の資産等の公開に関する条例案
議案第5号 札幌市
環境基本条例案
議案第6号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第7号
札幌市立高等看護学院条例の一部を改正する条例案
議案第8号
札幌市立高等専門学校の
授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第11号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第12号 財産の取得の件(
清掃工場用地)
議案第13号 財産の取得の件(
リサイクル団地用地)
議案第14号 財産の取得の件(
公園用地)
議案第15号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第16号 財産の取得の件(
高所照明車)
議案第17号 財産の処分の件(
代替用地)
議案第18号 市道の認定,変更及び廃止の件
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〇
出席議員(68人)
議 長 柴 田 薫 心 君
副 議 長 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 克 朋 君
議 員 勝 木 勇 人 君
議 員 鈴 木 健 雄 君
議 員 堀 川 素 人 君
議 員 新 山 やすし 君
議 員 大 嶋 薫 君
議 員 北 川 一 夫 君
議 員 小 野 正 美 君
議 員 本 郷 俊 史 君
議 員 高 橋 功 君
議 員 宮 川 潤 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 横 山 光 之 君
議 員 馬 場 泰 年 君
議 員 宮 村 素 子 君
議 員 笹 出 昭 夫 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 岩 木 みどり 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 涌 井 国 夫 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 森 健 次 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菅 井 盈 君
──────────────────
〇
欠席議員(1人)
議 員 千 葉 英 守 君
──────────────────
〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
助役 石 原 弘 之 君
収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君
総務局長 大 長 記 興 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 米 田 耕一郎 君
市民局長 前 川 一 彦 君
民生局長 佐々木 利 幸 君
衛生局長 上 村 友 也 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 西 村 公 男 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 松 村 郁 夫 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 和 田 義 秋 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 谷 口 政 範 君
監査事務局長 三 上 重 之 君
──────────────────
〇
事務局出席職員
事務局長 入 江 一 郎 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 小 村 雅 彦 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
──────────────────
〔午後1時開議〕
○議長(
柴田薫心君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,64人であります。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として堀川素人君,荒川尚次君を指名します。
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(入江一郎君) 報告いたします。
千葉英守議員は,所用のため本日及び明12月8日の会議を欠席する旨,届出がございました。
本日の
議事日程,請願・
陳情受理付託一覧表及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
〔一覧表は
巻末資料に掲載〕
──────────────────
○議長(
柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第8号まで及び議案第11号から第18号までの16件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,
代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
小田信孝君。
(
小田信孝君登壇・拍手)
◆
小田信孝君 私は,ただいまから
公明議員団を代表しまして,市政に関する諸問題について,何点か質問をいたします。
まず,食糧費の支出問題についてお伺いしたいと思います。
連日の報道にありますように,北海道における
カラ出張,カラ会議問題などは大いに反響を呼び,
市民レベルでも種々論議されております。言うまでもなく,これらの支出のもととなったお金は,市民・道民が納めた血税であります。いま,
日本経済を取り巻く状況は依然として厳しく,景気の回復もいまひとつの状況にあり,
民間企業においては,リストラの徹底を図り,経費削減に多大な努力を重ねております。このような状況の中で,今回の北海道のカラ接待,
カラ出張は,とうてい許されるべきものではありません。
翻って,本市の状況はどうでしょうか。過日の報道によりますと,
本市財政部における食糧費の支出につきまして,
支出帳票に記載された出席者が実際と異なっていたことが明らかとされています。また,国際部や
建設局管理部についても,同様の報道がなされているところであります。これらの報道に対して,市の当局者は,出席者は
支出帳票上の人物と違っていたが,実際に会食は行われており,架空の会食ではないとしております。しかしながら,そのような説明だけでは,市民の納得が得られるものではありません。
そこで2点質問いたします。
まず第1点目に,今回の財政部などに見られるような
事務処理については,私は適正なものとは考えられませんが,市長はどのように認識しておられるのか。
2点目に,国及び北海道との会食について,総点検を指示したとのことですが,具体的にはどのような調査を行なっているのかお伺いいたします。また,調査結果は,まとまり次第公表するとのことでありますが,できるだけ速やかに,今定例会の会期中に公表すべきと考えますが,市長はどうお考えか,公表時期を明らかにしていただきたいと思います。
次に,
地域コミュニティ情報システムについて,2点ほどお伺いいたします。
まず1点目は,
インターネットへの本市の
取り組みについてであります。
近年の情報化に関する国の政策,また企業の
取り組みは,急速に進んでいる状況にあります。国の見通しによれば,いわゆる
マルチメディア技術の進展により,21世紀初頭には,
情報産業は 120兆円規模になるとも言われております。事実,昨今,ウィンドウズ95という
パソコン用基本ソフトの日本での発売が大きな話題となっておりますが,以前は一部のマニアだけの関心事であったこれらのものが,
家電製品並みにわれわれの生活の中に入り込んできています。
一方,本市におきましては,こうした技術的な進展を背景に,より開かれた行政・市政へ市民の積極的な参加を実現するために,今年度と来年度は
地域情報化構想の調査を行い,平成9年には,この
構想策定作業を完了される予定であると伺っておりますが,本日は,その
具体的手法について質問をさせていただきます。
それは,ここ数年,全世界において,急激な勢いでその利用人口を増加させている
インターネットへの本市の
取り組みについでてあり,わが国においても現在 100万人のユーザーがおり,爆発的に増加を続けていると聞いております。その原因は,これまでの
パソコン通信等とは異なり,だれもが情報の発信者となることができ,また,映像や音声といった,いわゆる
マルチメディア情報がやりとりできるためではないかと考えております。
また,こうした状況の中で,各自治体の
インターネットに対する
取り組みも各地で積極的に行われ始めています。
神戸市が,
阪神大震災の被災状況を
インターネットを通じて即時世界に発信したのは非常に有名でありますが,千葉市,横浜市等,市政を紹介する
情報コーナーを立ち上げるところも数多く出てきていると伺っております。これは,
ホームページと言います。
一方,本市においては,私も見学してまいりましたが,
札幌エレクトロニクスセンターが,実験的に,その事業を紹介する
ホームページを公開しておりますが,
本市そのものが
インターネットを利用した本格的な
市政情報等の発信・提供を行うには至っていないのが現状であります。
国内はもとより,海外の多くの人々に札幌市の情報を広く発信できる手段として,
インターネットは現在最も有効なものの一つであり,札幌市自体の
ホームページを立ち上げ,そこに本市各部局からのさまざまなフレッシュな情報を載せていくことは,非常に意義深いことであると私は考えております。
国際交流の面においても,
北方市長会議の中で,
ウインターネットという
北方都市間の
情報交換用ネットワークを検討されていると聞いておりますが,こうした
ネットワークも
インターネットを用いれば,北方の都市だけにこだわることなく,よりグローバルな都市間の経済や学術の交流に発展する可能性を秘めているのではないかと考えます。
また,経済の分野では,
企業支援という観点からも,地場の企業のすぐれた技術や製品を全国に紹介したり,またイベントや
企業誘致を行うことにも大変有効なのではないかと考える次第であります。
さらに,
経済関連では,本市でも実験的に取り組んでいる
インターネット・ショッピングというものもございます。これは,一見,単なる
カタログ販売と同様の印象を受けますが,生産者と消費者が直接取引を行うことになるという意味で,今後の流通,小売の形態を大きく変える要素を内在したものであると考えております。これには,電子取引,電子決済,電子貨幣といった新たな概念や制度も必要となることから,こうした分野の研究も,行政としては積極的に行うべきではないかと思うのであります。
また,
教育分野への導入も大きな効果が得られるのではないかと考えます。
子供たちが,
インターネットで,自分のつくった作品や
自分たちの日常を紹介することにより,全国,全世界の
子供たちとの交流も生まれてくる可能性が広がっていくのではないでしょうか。そして,冒頭申し上げましたように,市民に対しても,行政側からの
情報提供だけではなく,市政モニター的な使い方や市政への直接的な市民参加の一手法としても,積極的に取り組んではどうかとも考えます。
そこで質問でありますが,本市として,この
インターネット利用について,今後どのように取り組まれるのか,また,現在そのプランを構築中と聞いております
地域情報化構想,
地域コミュニティシステムの中での位置づけとして,どのようにしようとしておられるのか,市長のお考えをお伺いいたします。
次に2点目ですが,
学校教育における
情報教育の推進であります。
本市の将来を考えますと,
コンピューター等を正しく理解し,十分に使いこなす人材の育成が大きな課題の一つであると思うのであります。すなわち,21世紀に生きる児童・生徒に対して,情報の選択,処理,活用等の能力の育成を図ることがきわめて重要であり,各学校においては,
教育活動のさまざまな場面において,
コンピューターを中心とする
情報機器を有効に活用し,
情報教育を積極的に推進していくことが求められるのであります。
本市におきましては,昨年度をもって,全市の学校に対して小学校3台,中学校22台を基準とした整備が行われたところであり,私はこのことを評価するものであります。しかしながら,小学校においては,
コンピューターになれ,触れ,親しむことを目的とされているものの,各学校3台の整備では,児童数に対して台数が余りにも少なく,
子供たちが触れる機会も限定されております。これからは,各教科の授業においても,児童が
コンピューターを使って調べたり,一人一人が自分の力に応じて学習に取り組むなど,授業において,より積極的に活用していくことが求められております。
中学校においては,すでに授業において2人に1台の
コンピューターの使用が可能となっております。しかし,特に技術・家庭科や数学,理科等の教科では,
学習指導要領にも
コンピューターの活用が内容として明確に位置づけられており,確かな学習成果を求められていることから,今後,1人1台の使用が可能となるよう,より積極的な整備が求められます。
文部省においては,平成6年度に,小学校において授業で2人で1台使用できるように1校22台,中学校では1人に1台使用できるように1校42台の新たな
整備方針を示しております。本市の
情報教育の一層の推進のためには,この文部省の
整備方針をもととした,各小・中学校への積極的な
コンピューターの
拡充整備を図るべきと私は考えるのであります。
一方,
普通教育ばかりではなく,さまざまなハンディキャップのある児童・生徒に対する
特殊教育の分野においても,
コンピューターの積極的な活用は必要であります。
先日,
知的障害のある子供さんが,
コンピューターの画面にあらわれている絵や記号に指で触れ,それによってさまざまに変化する画面を見ながら,まるで
コンピューターと直接対話するかのように楽しく学習している様子が,ある
テレビ番組で紹介されました。この場面は,
コンピューターを動かすためには,
キーボード等の難しい操作が必要であるという,従来,私どもが持っているイメージを一掃し,
コンピューターの持つ多様な可能性を実感させるものでありました。
このように,
コンピューターの持つ機能を活用することにより,
養護学校や
特殊学級で学ぶ児童・生徒にも,学習の広がりに新たな可能性を見出すことができます。障害のある児童・生徒は,さまざまな困難を克服しながら一生懸命学んでおり,それだけに,
特殊教育における
コンピューターを活用した教育の可能性について,認識を新たにする必要があると私は考えるのであります。
さて,私は,これまで将来の
情報化社会に向けての人材を育成するため,各学校において,より一層
コンピューター等を
拡充整備する必要性について訴えてまいりましたが,しかし,その前提となるのは,何といいましても,
子供たちを指導する教員の力量を高めることであり,そのための
教員研修であります。いかに機器が多くなっても,それを活用し,十分に指導できる教員がいなければ,
コンピューター等の整備は,宝の持ちぐされになってしまうのであります。
子供たちは,将来の
情報化社会を支え,21世紀を築くための無限の可能性を持っております。この
子供たちのために,各学校においては,
コンピューター等を活用した
情報教育の一層の充実が求められ,そのための教員の指導力の向上が
市教育委員会の大きな課題であると私は考えております。
そこで質問でありますが,本市の学校における
コンピューターの活用を中心とした
情報教育の推進を,
特殊教育も含めて
市教育委員会はどのように考えておられるのか,その基本的な考えをお伺いいたします。また,
情報教育に関する
教員研修は,現在どのようなものが行われているのか,そして,今後,
教員研修をどのように進めようとしておられるのかお伺いいたします。
次に,
地域保健体制について,2点お伺いいたします。
第1点目は,
保健センターのあり方についてであります。
昨年7月に制定された
地域保健法が,平成9年4月に完全施行されますが,この時期に合わせ実施を表明している本市の新しい
地域保健体制についても,市長はさきの第2回
定例市議会で,平成9年度の分区に伴う清田区に
保健センターを設置するとして,1保健所10
保健センター構想を明らかにいたしました。
いわゆる行政区ごとに整備してきた保健所を
保健センターに転用し,
市長公約にもあります区政の充実を図るため,区の機構に編入することで,すでに区で行なっている福祉各
サービスとの連携を密にしようとするものであります。このことにより,さらにきめ細かな
地域保健サービスの確保を目指すとともに,保健所は,
監視統制業務など,集約することが,より機能的な
対物保健サービスを中心に業務の効率化を図り,専門的,技術的かつ
広域的拠点としての役割を担う行政機関として,機能強化の上,1ヵ所に集約をし,将来的には新設をしたいとの構想と理解しております。
こうした新しい
地域保健体制が確立され,保健・医療・福祉の連携が,より濃密に図られ,一元的に供給されるとなれば,まさに
地域保健法が意図する,生活者の立場を重視した
地域住民に身近で頻度の高い
サービスの提供や,生涯を通じた
健康づくり体制が実現できるものと評価するとともに,私自身,大いに期待しているところでございます。
地域保健法の制定を契機として,都道府県はもとより,各市町村においても新しい
地域保健体制の構築が急務とされ,その検討が進められていると聞き及んでおります。特に,本市を含む
政令指定都市では,戦後半世紀に及ぶ
保健所体制の変革を強い意思と英断のもとで行うことへの是非について,多くの議論があるとも聞いております。
私は,分区を控えた
特殊事情があったにせよ,全国に先駆け新しい
地域保健体制を明示した本市の積極的な姿勢を評価したいと思います。今後,平成9年度の実施に向けて
具体的検討が進められると思いますが,地域により密着し,
地域住民に優しく,温かい
地域保健体制を確立するためには,各区に置かれる
保健センターのあり方が特に重要であると考えております。
そこでお尋ねいたしますが,よりきめ細かな
地域保健サービスを供給する
拠点施設としての
保健センターは,これまでの
保健所体制に比較し,
生活者個人の立場から見て,どのような
サービスの向上が図られるのかお伺いいたします。
次に,
精神保健福祉センターの設置についてお伺いいたします。
近年のわが国における
精神障害者に対する
保健福祉対策の動きを見てみますと,昭和62年,
精神衛生法の改正により法律の名称が
精神保健法に改められ,
社会復帰施設として
生活訓練施設,あるいは現在本市においても白石区に建設しているような,
授産施設などの設置に関する規定が初めて盛り込まれたのであります。その後,ことしの5月には,
精神保健福祉法と名称が改められ,
精神障害者保健福祉手帳制度が創設されたことのほか,
福祉工場が
社会復帰施設として法定化されたのであります。
これらの動きは,
精神障害者も
身体障害者,
知的障害者と同様,障害者として位置づけ,それぞれの症状に応じた処遇を保障されるべきであるという,
障害者基本法の理念を具現化するものとしてとらえられるのであります。
このように,
精神障害者に対する
保健福祉の施策は,近年,大きな変化を遂げてきているのであります。
一方,
精神科医療につきましても,昭和30年代から40年代前半にかけては,
精神病院への収容保護といった,医療という名にはほど遠い
社会防衛的措置に重点が置かれていましたが,40年代後半に,向精神薬を中心とした薬物療法の発達が
精神科医療を変化させ,現在では,
カウンセリング等の心理療法,
作業訓練を通じた
院内作業療法,精神科デイケアとナイトケアなど,精神科の各種治療法が確立され,実践されてきているのであります。
このような
精神科医療の進歩の中で,今日,課題となっているものの一つに,精神科救急医療体制があります。この精神科救急医療については,現在,東京都を初めとする8都府県が体制を整えているのみであります。
精神科医療についても,ほかの科と同様に,症状の初期段階での治療がその後の回復に大きな影響を与えるということから,24時間体制で医療
サービスを提供できる体制を整備する必要があると考えられるのであります。
一方,私たちの周囲を見ても,多くの市民が精神保健に関して無関心であり,精神障害は治らない,
精神障害者は,いつ危険な行動するかわからないなどといった誤った知識や偏見を抱いて,平然とこれを口にするのを見かけるのであり,このようなことが,精神
保健福祉対策を進める上で大きな障害であることを実感させられます。
本市においては,このような状況のもとで,
精神保健福祉法に規定される大都市特例に基づき,これまで北海道が行なってきた各種事務や権限が,来年4月に移譲されるのであります。移譲される事務は,措置入院等の
精神科医療から社会復帰支援まで,その範囲は非常に広く,
精神保健福祉センターの設置,運営に関する事務も,これに含まれる見通しであるとのことであります。
また,対策の対象となる
精神障害者は,その特性として,他の障害者と異なり,向精神薬の継続的服用により,症状や障害の悪化を防いでいるのが一般的であり,個々の
精神障害者についても,その障害の状態が常に変化する可能性があり,薬による副作用の中で不安な日々の生活を送っているのであります。
本市に約1万 9,000人いると見られる
精神障害者のうち,入院治療者を除いた,精神障害の発病初期段階における医学的相談・治療を必要としている方から,障害を克服するために精神科デイケアや地域にある小規模共同作業所に通所し,日常生活訓練や
作業訓練を行なっているような方まで約1万 3,000人に対し,各種の
保健福祉対策を展開していくとなると,障害者の実態を初めとする各種の問題を調査研究するとともに,精神
保健福祉活動の技術の確立を図り,市民の理解と協力を得るための活動機関がぜひとも必要であります。
精神保健福祉センターは,精神科医師,精神科ソーシャルワーカー,臨床心理技術者,保健婦,作業療法士などの専門職員により構成され,精神保健上の諸問題を調査研究するとともに,専門的立場から,保健所等に対し技術指導及び技術援助を行い,さらには複雑困難な事例の相談指導等を行う精神保健に関する技術的中核機関として位置づけられる,きわめて重要な施設であります。また,精神
保健福祉に関して,市民への普及啓発・啓蒙活動も重要な任務の一つとなっているのであります。
精神保健福祉法においては,任意設置の規定となっておりますが,国は,当然に設置しなければならない施設であるとの見解を示しているのであります。
このたびの大都市特例の施行に伴い,
政令指定都市においても,都道府県と同じ立場で,この
精神保健福祉センターを設置することが求められるものでありますが,他の
政令指定都市においても,法の精神に沿って,設置に向けてそれぞれ具体的な検討に入っているとのことであり,本市においても速やかに設置されることが望まれるのであります。
そこでお尋ねしますが,大都市特例の施行に伴い,本市として精神
保健福祉行政を実施していく上で,
精神保健福祉センターをできるだけ早期に設置する必要があると考えますが,市長はどのように認識しておられるのか,ご所見をお伺いいたします。
次に,商業振興対策についてお伺いします。
戦後50年がたち,間もなく21世紀を迎えることになりますが,大量生産,大量消費の時代から,多品種少量生産へと時代は変わり,消費生活において多様な選択が可能となりました。この成熟した豊かな社会生活に果たしている商業の役割は,非常に大きなものがあります。戦後の
日本経済の発展は,製造業に支えられてきましたが,近年,流通関連業のウエートが高まっており,今後,さらに高くなるものと考えられます。
平成6年の商業統計調査で見ますと,小売業の数字でありますが,平成3年から6年までの3年間に,札幌市では,従業者数は10.2%増加し,約11万人に,売り場面積は 6.7%増加し,約 169万平方メートルになり,年間販売額では約2兆 3,000億円の規模に達しています。しかし,その大部分は中小商業者であり,中小商業者が商業を発展させ,地域経済を支えてきた功績には大きなものがあります。また,中小商業者は,商店街を形成し,長年にわたって地域に密着し,住民に親しまれ,住民の日常生活を支える重要な機能を果たしておりましたが,商店街を取り巻く環境が近年厳しさを増しております。
道内の地方都市では,中心部でも日中シャッターをおろしている店が目立ち,人の流れが変わり,街の様相が一変したところもあると聞いております。これも,先ほどの商業統計調査の数字でありますが,商店数では 5.8%に当たる 829店が3年の間に減少しており,特に,従業者4名以下の小規模店の減少が著しく,これは大変な状況であると考えております。
昨年,価格破壊という言葉が流行語になりましたが,現在は,第2次流通革命ともいうべき流通構造の変革期であり,背景には幾つかの要因があると思います。すなわち,大店法の規制緩和,消費者ニーズの多様化やモータリゼーションの進展が考えられ,コンビニエンスストアやディスカウントストアなどの新業態の発達があります。特に,大店法の規制緩和については,平成2年6月の日米構造問題協議を端緒として,平成4年に大規模小売店舗法が改正され,平成6年には,調整対象となる範囲の縮減,閉店時刻,休業日数などの規制緩和が実施されたところであります。
また,中小商業者には,経営者の高齢化や後継者不足,そして経営力や店員教育などが不十分といった深刻な問題を抱えております。こうしたことが中小商業者の激減,商店街の衰退につながってきており,札幌市にとって大きな問題であろうと考えます。
商店街は,単に商品を購入する買物の場であるだけでなく,地域のコミュニティーの場として,人と人が出会い,楽しむ,暮らしの広場として重要な機能を果たしております。都心部は,国際都市さっぽろの顔であり,アミューズメント性があり,集客力ある魅力的な空間として期待を持たれているのであります。都心部以外の商店街においては,地域コミュニティーの核として,利便性,快適性にすぐれ,魅力ある公共的空間であることが求められております。また,商店街は,単に商業という産業の基盤であるだけではなく,広く 175万市民の生活基盤であります。
さきの阪神・淡路大震災直後に,被災地の物資供給に商業者が果たした役割は非常に大きなものであり,商業は,市民生活を支えるライフラインそのものであります。近い将来,本格的な高齢化社会を迎えることを考えますと,
地域住民にとって,徒歩圏内にあり,身近な存在である商店街の存在価値が,これからますます重要となっていくものと思います。
通産省は,ことしの5月に,21世紀に向けた流通ビジョンを発表しましたが,その中において,消費者利益の重視,地域のまちづくりへの貢献,大型店と中小店の共存共栄への努力に対する支援,流通構造改革への対応,自主的努力への積極的支援が語られており,特に,商業とまちづくりは密接な関係があることが指摘されております。
このビジョンを受け,札幌市としても商店街の活性化に努めるべきでありますが,私は,商業者みずからが汗を流し,努力をすることも大切であると考えます。現在,商店街が企画,実施している夏まつりなどのイベントは,多くの地元住民が参加し,楽しみ,にぎわっております。こうしたイベントは,地域のイベントとして定着し,地域の活性化に大きく貢献しています。このような活動に対する支援の重要性は増すものと考えております。
今後の商店街のあるべき方向としては,宅配制度の充実など,地域に密着したきめ細かな対応をすることも一つの形として考えられ,まちづくりの視点からも,商業施設や商業基盤施設の整備に努め,商業の活性化を図ることが大切であろうと思います。
また,本市としても,産業の振興,中小企業の育成の視点から,意欲のある中小商業者や商店街などの自主的努力に対し,必要な支援を行い,商業の振興を図るべきであろうと考えております。
そこで質問の第1点目ですが,わが国の近年の商業をめぐる大きな変化は,次の2点にあります。
第1に,経済構造が製造業中心から流通関連業主体へと変化しています。特に小売業の従業者数の増大が著しく,商業が発展しているということであります。
第2に,小規模店舗の激減,商店街の衰退が目立ち,かわって新たな業態や大型店の増加が著しいことであります。大規模な商業施設は,消費者にとって利便性の高いものである一方,高齢化社会を迎えるに当たり,車社会に適応できない市民にとって,必ずしも好ましいとは言えません。
そこで,札幌市として,このような商業の現状についてどのように認識しているのかお伺いいたします。
次に2点目ですが,商業振興の視点についてであります。
札幌市は,商店街診断事業,にぎわいづくりのための各種イベント事業,人づくりのリーダー育成事業,環境整備事業への助成金,各種融資制度の実施など,商業振興を図ってきました。その結果,道都にふさわしい商業力を高め,平成6年の商業統計調査でも,指定都市の中で,年間販売額で第4位に位置しており,札幌市の発展に大きく寄与しております。
通産省の21世紀に向けた流通ビジョンは,商業とまちづくりは密接な関係があると指摘しております。これを受け,商業者がまちづくりの視点から活動していく場合に,支援していくべきであると考えますが,どのような視点で商業振興を図ろうとされているのかお伺いいたします。
3点目は,具体的な振興施策についてであります。
昨今の厳しい経済環境におきましては,個店の魅力を高め,経営力を強化することとともに,個店の集合体であります商店街や大型店を含む地域の商業が活性化していくことが重要であると思われます。また,夏祭りなどのイベントの実施やさまざまな活動を通じて,地域のコミュニティ活性化に果たしている役割は大きいと感じております。
地域の商業者が,
地域住民や学識経験者と一緒にまちづくりについて協議することも今後ふえていくことと思われますが,行政としてどのように支援していこうと考えておられるのかお伺いいたします。
次に,雪対策,その中でも,特に雪対策施設の整備についてお伺いいたします。
札幌市民にとって,雪はこの地に暮らす以上,避けることのできない大きな課題となっております。しかしながら,この雪こそが札幌の象徴,シンボルとして,市民や訪れる多くの人々に強く印象づけられているのであります。
私は,このことを十分理解した上で,毎年必ず降る雪と,いかに調和した暮らしができるかを未来の札幌市民に伝えることが,大きな課題であろうと思うのであります。そのためには,雪を初めとする自然と共存したまちづくりを行うことが,これからの行政が進むべき方向であると考えるのであります。
札幌の雪対策を語るとき,欠かすことのできないのが平成3年度に策定した雪さっぽろ21計画であります。平成12年度を目標としたこの計画は,従来,ともすれば経験に頼りがちであった除雪を都市問題の一つとして体系化し,分析した上で,その展望を除雪水準のレベルアップとして示したのであります。さらには,その受皿となるべき雪対策施設を未来へ引き継ぐ北国の社会資本として位置づけ,積極的に整備を推進するという点など,都市における総合的な雪対策として内外に高く評価されており,私も,次代を見越したこの計画の一年でも一日でも早い達成を願う一人であります。
そこで,雪対策施設整備に関し,2点ほど質問します。
まずは,雪対策施設の整備の今後の考え方についてであります。
私は,これまでもたびたび雪対策施設の整備について議会で取り上げてまいりましたが,藻岩下流雪溝の整備以前は,施設による雪対策については,ごく一部の市民にしか知られておりませんでした。しかしながら,藻岩下流雪溝の整備後,安春川,新琴似,発寒流雪溝と整備が拡大し,また,厚別,発寒の融雪槽の整備が行われる中で,広くその効果が市民に知れ渡ったのであります。特に流雪溝については,多くの地域からその設置要望が上がっています。
流雪溝は,
地域住民の協力を得ながら,冬季の道路空間を確保する施設として,地域と行政の連携,パートナーシップを具体化し,また,管理運営協議会を通じて,地域が主体的に雪と取り組むことで地域の交流を創出するなど,全く新しいタイプの雪対策施設として,非常に有効な施設であります。
一方,運搬排雪の受皿となる雪堆積場でありますが,本市の4分の1を受け持ってきた豊平川河川敷の雪堆積場については,近い将来,確保の見通しが決して明るいものではありません。平地の雪堆積場についても,市街地周辺の宅地化が急速に進む中で,ますますその確保が困難になっているのであります。
このような背景の中で,融雪槽は,下水処理水,清掃工場のごみ焼却熱などの都市廃熱を活用し,雪堆積場に比べ,狭い面積で大量の雪を処理することができることから,本市に適した都市型の施設であると考えるのであります。
流雪溝や融雪槽の整備が進むにつれ,本市の目指す雪対策が市民の目にもようやく見えるようになってまいりましたが,平成3年度にスタートした雪さっぽろ21計画も半ばに差しかかり,この計画の中で事業可能地区と示されていながら,事業着手していない雪対策施設がかなりあることを踏まえますと,さらに一層の整備推進を図る必要があると思うのであります。
そこで第1点目の質問ですが,施設整備の計画達成に向けて,今後どのように進めていくお考えなのかお伺いします。
質問の2点目は,市内でも降雪量の多い手稲区の雪対策施設についてであります。
雪さっぽろ21計画では,手稲区における雪対策施設として,新川を水源とする流雪溝と手稲下水処理場を熱源とする融雪槽が整備可能地区として示されております。
手稲流雪溝についてはすでに整備の方向性が示されており,多くの市民がその早期完成を強く待ち望んでおります。
また,手稲区の融雪槽整備についてでありますが,現状の雪堆積場のみで雪さっぽろ21計画のレベルアップを実現することは非常に困難と考えます。手稲融雪槽は,その熱源供給源となる下水処理場の規模から推察して,かなりの雪処理を担うことが可能であり,将来的に有力な雪処理拠点となるものと考えるのであります。
そこで質問でありますが,平成7年度に調査費が予算計上されている手稲流雪溝の進捗状況がどのようになっているか,また,手稲融雪槽の今後の事業計画をどのように考えておられるのか,あわせてお伺いいたします。
次に,高齢化社会に対応した市営住宅団地づくりについてお尋ねいたします。
わが国の高齢化が急速に進む中で,本市においても例外ではなく,これに対応した政策の展開が要請されているところであります。
市営住宅について言えば,ことし完成した団地を見学しましたが,床段差解消やトイレ・浴室への手すりの設置,あるいは非常呼出し装置の設置など,高齢化仕様の団地づくりが進んでおり,市の対応に敬意を表します。
先日の報道によりますと,建設省では,福祉施設と連携した公営住宅団地づくりに取り組むとし,2000年までに全国で 1,000団地の建設を計画しているとのことであります。
本市におきましては,すでに屯田西団地におきましてデイ
サービス施設を併設し,その効果を上げているところでありますし,造成中の篠路団地におきましても,福祉に連携したまちづくりを基本コンセプトとするなど,市長の素早い対応を高く評価するものであります。今後ますます進行する高齢化社会に向けて,高齢者の生活支援のためのこうした
取り組みが一層重要となると考えます。
そこでお尋ねいたしますが,新設する市営住宅あるいは市営住宅の建てかえに当たって,屯田西団地に見られるようなデイ
サービスセンターなどの施設を今後とも併設していくお考えなのかどうか,市長のご見解をお伺いいたします。
次に,水道事業についてお伺いいたします。
今日,高普及を迎えた水道は,快適な市民生活と都市活動を支える基盤施設であり,文字どおり代替のきかないライフラインであります。水道が,万一,断水となった場合の市民生活や都市経済に与える影響はきわめて重大であり,昨年の西日本を中心とした大渇水や,ことし1月の阪神・淡路大震災における長期間の断水は,ライフラインとしての水道がいかに重要であるかを再認識させられたわけであります。近年の異常気象や地震などの天変地異の頻発で,水道の脆弱さがクローズアップされておりますが,水道の最も基本的な使命として,このような渇水時,地震等においても,安全で安定した給水を確保する必要があると思うのであります。
札幌市は,これまで先を見越した水源の確保と需要増に応じた適切な施設整備を実施し,現在では99.2%という高普及を達成しております。また,創設以来,これまで全市的な断水を起こすこともなく,一時も休まずに良質で豊富な飲料水を市民に送り続け,市民が安心して生活する上で大きな支えとなっていることは,率直に敬意を表するものであります。
水道事業は,今後とも安全で安定した給水の確保を図りながら,長い将来にわたって市民の信頼にこたえていかなければならないわけですが,水道局としても,ライフラインの確保を長期計画のテーマに掲げ,災害に強い水道づくりを目指してさまざまな施策に取り組んでいることは,十分承知しているところであります。
そこで,私が申し上げたいことの一つは,長期的な課題として,札幌市も参画している石狩西部広域水道についてであります。
この水道は,21世紀の札幌市の水を確保するため,有史以来,初めて市域外から水道水を導入しようとするものであり,長期的な札幌市のまちづくり,さらには札幌都市圏の発展にとって欠くことのできないものであります。
事業を推進している石狩西部広域水道企業団は,現在,送水管の布設を中心とした事業を実施しておりますが,今後は,浄水場の建設という一大事業を控えておりますし,水源の集水区域の中に建設が予定されているゴルフ場の問題も抱えているのであります。私も,11月の8日に十勝中部広域水道企業団を視察し,実情を勉強してきたところであります。
水道水の供給を受ける札幌市の立場から申し上げますと,水をつくる浄水場から札幌市域に到着するまでに,実に35キロメートルにも達する遠距離を送水するわけであり,災害や事故などによる断水の防止対策をいまから真剣に考えておかなければならないものと思うのであります。
さきの阪神・淡路大震災では,神戸市の水道が甚大な被害を受けましたが,神戸市が供給を受けている阪神水道企業団の送水施設の破壊が,復旧を著しく遅延させたと伺っております。
このような現実を直視するならば,札幌市にとって,石狩西部広域水道の安全性は,決して他人事ではないと思うのであります。札幌市の水道は創設からすでに58年を経過し,この間,災害,事故に対する備え,ノウハウも豊富に蓄積していると思いますし,阪神・淡路大震災の水道施設の復旧に多くの職員を派遣し,活躍されたと伺っております。
そこで質問の1点目でありますが,私は,阪神・淡路大震災を教訓に,新しい水道システムを構築しようとしている石狩西部広域水道企業団に対し,札幌市水道の技術力,ノウハウを積極的に提供し,将来に備えた安心できる水道をつくるべきであると考えますが,いかがでしょうか。
次に,当面する課題の最も重要なものに,水道の震災対策があります。
市長の公約の一つでもある防災都市づくりを目指して,現在,全庁的な防災対策の見直し作業を行なっていると聞いておりますが,私は,災害時に何よりも優先して確保すべきものは,飲料水なのではないかと思うのであります。そして,ことし1月に発生した阪神・淡路大震災においても,市民が真っ先に求めたのは飲料水であります。
幸いにも,札幌市では,緊急貯水槽による飲料水の確保を初め,大規模配水池の貯留水による災害時の水の手当てが進められておりますが,全市民を対象に考えると,まだまだ不足していると言わざるを得ないのであります。
水の手当ての方法も,井戸の利用などさまざまな方法があると思いますが,これらを含めて応急給水対策として市民の身近に給水拠点の整備が必要であり,優先して取り組むべき課題であろうかと思うのであります。
聞くところでは,市内に 5,000キロメートルにも及ぶ大小の配水管が網の目のように布設されております。このうち,老朽化した配水管を積極的に更新しているとのことであります。
こうした施策は,管路を強化することで地震時の被害を抑制し,速やかに復旧させるという意味でも,もちろん評価いたしますが,ただいま申し上げた大震災を教訓にすれば,さらに積極的な水道の震災対策を実施すべきではないかと考えるのであります。
そこで質問の2点目でありますが,老朽化の進んだ配水管の更新には,耐震化を図ることはもちろんのこと,排水管網の中に震災時の飲料水をいち早く確保できるような新たな仕組みを取り入れるべきであると考えますがいかがでしょうか。また,市内9区のうち手稲区だけにいまだ緊急貯水施設が設置されておりません。次期5年計画では最優先で整備すべきと思うのでありますが,この点についても,あわせて市長のお考えをお伺いいたします。
手稲区の諸問題について,何点かお尋ねします。
まず初めに,JR稲穂駅周辺の環境整備についてであります。
人口増加が堅実に続いている手稲区内のJR駅は,ことし3月16日に開業したほしみ駅を入れて,現在5駅となっております。中でも,昭和61年に開業した稲穂駅は,近年の周辺地域の宅地化に伴い,着実に乗降客がふえている状況にありながら,駅周辺の状況を見ますと,駅前らしい施設整備がおくれており,利用者の利便性など,とても確保されている状況とは言えません。
現在,二十四軒・手稲通が手稲区内でも順次整備され,本年度中には,手稲本町から稲穂公園付近まで整備が進み,その先のJR稲穂駅から曲長通についても間もなく整備する予定と伺っております。つきましては,公共交通機関を軸としたまちづくりに向けての人に優しい交通対策の趣旨を踏まえ,駅前小広場や駐輪場などを備えた駅周辺の環境整備を道路整備にあわせて進めるべきと考えますが,市長のお考えを伺いたいと思います。
次に,保育所の手稲区内ヘの新設と手稲中央保育園の改築についてお尋ねいたします。
本市においては,認可保育所が 158園設置されており,全市的な整備水準でいけば,ほぼ保育事情を満たしているのではないかと考えられますが,個々の地域で見ますと,既成市街地において欠員が生じている施設もある反面,郊外の宅地開発地域においては,新たな保育需要が生じていることから多数の待機児童が発生してきているなど,児童の措置状況にバランスを欠いている状況ではないかと思います。特に,郊外の宅地開発地域では,保育所が必ずしも必要数を満たしているとは言えません。
たとえば,保育所に入所している児童についても,遠くの保育所に通園している場合や,近隣に保育所があっても,定員超過のため,やむを得ず無認可保育施設に入所している場合があると聞いております。
こうした状況を手稲区に限って見ますと,保育所の数は6園しかなく,入所している児童も定員を超えて措置されている実態でありますし,また,いまかいまかと心待ちにしている保護者も数多くあるようであります。
手稲区の人口動態は,宅地開発地域を初めとして,ここ数年を見ますと, 3,000人から 4,000人ほど増加しているところであり,他の区に比べましても,人口の伸び率が非常に高くなっております。当然ながら,就学前の児童数は増加をしているところでありますし,いまや,育児をしながら働く女性の増加により,要保育児童数が年々増加することが必至ではないかと思います。
私は,保育所の新設に当たっては,保育を必要とする児童数や既設の保育所の受入れ状況等,長期的な視野に立って総合的に判断して計画すべきものであり,その上で,待機児童の解消や遠隔地の通園という利用者の不便の解消などを図るべきと考えております。
そこで質問の1点目ですが,こうした状況を踏まえますと,手稲区の宅地開発地域で,人口が徐々に増加してきている星置地区にあっては,新たな保育所の設置が早急に必要であると認識する次第でありますが,市長はどのような見解をお持ちかお示しいただきたい。
さらに,手稲区唯一の公立保育園である手稲中央保育園についてでありますが,この保育園は,昭和44年10月に建設され,以来,26年が経過する中で,施設の狭隘,さらには老朽化が著しく,そろそろ改築の時期に来ているのではないかと考えるところであります。しかし,現在の手稲中央保育園は,国道から山側に数百メートル入った位置にあり,小さな子供を連れて通うには,必ずしも適切な位置とは言えない状況にあると思われます。
質問の2点目ですが,この施設の改築に当たっては,公共交通機関を利用しやすい,もっと便利のよいところに移転するとともに,地域の保育需要を勘案の上,それに見合った施設内容にすべきと考えますが,市長はどのような計画を持っておられるのかお伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
柴田薫心君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から数点お答えいたします。
最初は,食糧費にかかわる支出問題についてであります。
まず,第1点目の食糧費の
事務処理につきましては,昨日もお答えをいたしましたとおり,
支出帳票に記載された出席者が実際とは異なるということにつきましては,理由のいかんを問わず,
事務処理上あってはならないことでありますので,大変遺憾に思っているところであります。
第2点目の食糧費の支出にかかわる調査についてでありますが,現在,さきに公表いたしました国と北海道との会食のすべてにつきまして,会食の事実の有無及び相手方の出席者や日付などについて誤りがないのかどうか,点検作業を行なっているところであります。この調査結果につきましては,昨日お答えいたしましたが,速やかにこれを取りまとめ,今議会会期中には何とか公表したいと,このように作業を進めているところであります。
次に,
地域コミュニティ情報システムのうちの
インターネットへの本市の
取り組みについてでございます。
本市といたしましても,
インターネットの即時性,双方向性,広域性等には大いに注目をいたしているところでございます。今後の
取り組みにつきましては,ご指摘のありました国際,経済,広報といったような分野を中心に,どのような情報の提供,もしくは情報の収集が可能であるかなど,実施体制も含めて検討を進めてまいりたいと考えております。
特に,国際交流分野の
ウインターネットの構築につきましては,ご指摘のとおり,この
インターネットを有効に活用していくということが,先日の
北方都市市長会議の
ウインターネット小委員会において確認されており,本市といたしましても,これに積極的に参加をし,取り組む姿勢であります。
また,
地域コミュニティ情報システムとの関連についてでありますが,平成9年に策定を予定しております
地域情報化構想の中で,
インターネットの位置づけを明確にしていきたいと考えております。
インターネットは,全国,全世界へ札幌を広報する媒体であるとともに,市民にとっても,直接地域コミュニティ情報のやりとりができる窓口の一つになると考えますので,本市としても,今後とも積極的に取り組む考えであります。
次は,
地域保健体制についてお答えをいたします。
第1点目の
保健センターではどのような
サービスの向上が図られるのかというお尋ねでございます。
これまでの保健所で行われてまいりました市民に身近な
地域保健サービスを確保しながら,
保健センターを区の機構に編入することで,地域での
生活者個人の立場に沿った,よりきめ細かな業務の展開が可能であると考えております。
分区後の清田区におきましては,同一フロアで保健と福祉の相談ができるように,
保健福祉総合相談窓口体制を確立するなど,保健と福祉の一体性のある行政を進めるとともに,新たな付加機能として,各種健康づくり事業を推進する健康増進フロアを設置し,地域の自主的な利用にも開放してまいりたいと考えております。
さらには,区役所内に社会福祉協議会を初め,在宅福祉
サービス協会及び訪問看護ステーション等を設置し,在宅
サービスを中心とした,保健・医療・福祉の連携を一層拡充強化することによって,これまで以上に市民の健康保持及び増進が図られるものと確信をいたしております。
第2点目の
精神保健福祉センターの設置についてでありますが,これまで,道立
精神保健福祉センターにおいて実施をしてまいりました,
精神障害者の実態の調査研究及び相談指導に関する技術向上の研究など,高度な専門性を有する事務が大都市特例によりまして本市に移譲されるということから,
精神保健福祉センターの設置を含めて,組織・体制のあり方について,現在,鋭意検討を進めており,できるだけ早期に結論を出したいと考えております。
次は,商業振興対策についてであります。
第1点目は,本市の商業の現状認識についてでございますが,本市の産業構造は第3次産業に特化しておりまして,中でも,卸売・小売業,飲食店は,事業所数で全産業の43%,従業者数では34%を占めておりまして,年間の販売額は12兆円に達しております。したがいまして,商業は本市における重要な基幹産業であり,本市の経済をリードし,その発展を支えているというふうに考えております。
しかし,いま商業は大きく変わろうとしているところであります。商店街という商業集積が再構築を迫られている時代であります。
このような厳しい時代にあって,商業者には消費者ニーズの先取りや経営力の増強ということが強く求められておりますし,一方,本市といたしましても,商店街が果たしている役割の重要さにかんがみ,より魅力ある商業地づくりに向けて,一層努力していかなければならないものと考えております。
第2点目の商業振興の視点についてでありますが,経済構造が大きく変貌している現在,本市の商業施策にも時代の変化への対応が求められております。地域社会において商業は重要な機能を果たしており,地域商業の振興整備を図るに当たっては,商業環境や都市構造の変化を見通し,商業の抱える課題とまちづくりの課題をあわせて検討しなければならない時代に入ってきております。したがいまして,商業政策と都市政策の整合性がとれた,活力と魅力ある商業地の振興を図る必要があると考えております。
そこで,本市は,一昨年,札幌市地域商業振興基本構想を策定して,地域の特性を生かし,地域の視点に立った商業振興策を進めているところであります。
第3点目の具体的な振興施策についてでありますが,従来の商店街を対象とした施策に加えて,今後はまちづくりの視点から,より地域の特性に合った商業振興を推進するために,商業者,消費者及び学識経験者を含めて,幅広く意見を聞く話し合いの場を設けることを検討しているところであります。
また,商業者・住民・行政が一体となってまちづくりビジョンを策定し,その実現を目指す地元協議会の設置を働きかけ,側面から適切な指導・支援をしていきたいと考えております。
今後とも,商業基盤などハード面の整備とイベントなどのソフト事業を有機的に組み合わせて実施をする,意欲ある商店街の活動を支援し,魅力ある商業地づくりに取り組んでまいりたいと考えているところであります。
次は,雪対策施設整備についてお答えをいたします。
まず,第1点目の雪対策施設整備の進め方についてでありますが,ご質問にありましたとおり,流雪溝あるいは融雪槽は,将来に残る社会資本として,雪対策上,非常に有効なものであると思います。
また,整備に当たりましては,莫大な費用と水源や熱源などのエネルギーが不可欠でありますので,国に対して国庫補助事業の導入を積極的に働きかけるとともに,河川水,下水処理水,清掃工場廃熱など,地域エネルギーを有効活用しながら,この実現に向けて,さらなる努力が必要だろうというふうに思っております。
次に,第2点目の手稲区の雪対策施設整備についてでございますが,新川の河川水を利用して,道道石狩手稲線を主ルートとする手稲流雪溝につきましては,現在,水利権の取得及び詳細ルートの選定など,関係機関と協議を行なっているところでございます。これらのめどがつき次第,工事に着手してまいりたいと考えております。
また,手稲融雪槽につきましては,他の雪対策施設や雪堆積場の整備状況などを十分踏まえた上で具体的な検討を進めてまいりたいと,このように考えております。私からは以上であります。
○議長(
柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,市営住宅団地につきましてお答えいたします。
デイ
サービスセンターなどの福祉施設を併設した市営住宅建設への
取り組みについてでございますが,昨年1月に完成いたしました屯田西団地におきましては,デイ
サービスセンターの併設により,高齢者が身近なところで手軽に福祉
サービスを受けることができるので大変喜ばれていることは,お話のとおりであります。
したがいまして,今後におきましても,市営住宅の建設あるいは建てかえに当たりましては,デイ
サービスセンターなどの福祉施設の全市的なバランスを考慮し,立地が適当な団地にはこれらを併設するよう前向きに取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。
○議長(
柴田薫心君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 手稲区の諸問題につきまして,私からお答えを申し上げます。
まず,第1点目のJR稲穂駅周辺の環境整備についてでございますが,現在の稲穂駅周辺は,すでに住宅が駅舎に近接して立地をし,また,二十四軒・手稲通,2級河川濁川,市道曲長線などがふくそうした状況になっており,環境整備を進めるための十分なスペースを確保することは難しい状況にございます。しかしながら,道路整備に伴い生じる一部未利用地などを有効に活用し,駐輪施設などを設置することにつきましては,今後,関係機関との協議を進めてまいりたいと考えております。
次に,保育所についてでございますが,1点目の星置地区の保育所の新設計画についてでございます。
お話にもございましたとおり,全市的に見ますと,保育所の必要水準は一応満たしているところではございますが,一方,郊外の宅地開発地域にあっては,人口の増加によって新たな保育需要が発生している状況にございます。
今後におきましては,周辺施設の措置状況及び将来の保育需要等を適切に把握しながら,新設も含めて検討してまいりたいと考えております。
2点目の改築計画についてでございますが,本市におきましては,老朽化が進んでいる施設にあっては,改築に際し,保育の需要に見合った定員の設定,及び乳幼児を同一施設で保育する併設化などを進めているところでございます。
ご質問の手稲中央保育園の改築に当たりましても,今後,このような方針のもとに進めていく考えでございます。また,立地場所等,利用者の利便性にも十分考慮しながら整備を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
柴田薫心君) 石原助役。
◎助役(石原弘之君) 水道事業について,私からお答えをいたします。
第1点目の石狩西部広域水道は,お話にもありましたとおり,将来の札幌の水需要を支える重要な役割を担っていると考えております。また,水源が豊平川水系に98%依存している現状を考えますと,水源の分散化,多重化により,不測の事態に備える上で,安全性が著しく向上するものと考えております。
したがいまして,石狩西部広域水道の建設に当たりましては,本市がこれまで実施してまいりました大規模浄水場の建設や,大口径の送配水管布設に関する設計,施工,維持管理の技術力を提供しながら,人材派遣も含めて積極的に協力し,安全な水道づくりに努めてまいりたいと考えております。
第2点目の水道の震災対策につきましては,これまでもさまざまな施策を実施してまいりました。飲料水をつくる浄水場の安全性が何よりも大切であるという認識のもとに,飲料水のストック機能を増強するとともに,小規模浄水場へのバックアップシステムの確立,事故発生時に有効な対策としてのブロック配水方式の導入,老朽配水管の更新などを実施しております。
震災対策で最も重要なことは,緊急貯水槽のような災害時の給水拠点をいかに市民の身近につくっていくかという点でありまして,この意味で,ご提言のありました,配水管路を工夫した震災時の飲料水確保は大変有効な手段であると思いますので,今後の配水管の整備事業を進める中で反映させてまいりたいと考えております。
また,手稲区の緊急貯水施設につきましては,次期5年計画の中で整備をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
柴田薫心君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君)
地域コミュニティ情報システムの中の,
学校教育における
情報教育の推進について,私からお答えを申し上げます。
社会の情報化の進展に対応するためには,ご指摘のとおり,情報の選択,処理,活用等が適切にできる人材の育成が重要であり,
学校教育における
情報教育の推進が大きな課題であると認識いたしております。
したがいまして,
コンピューター等の
情報機器を児童・生徒の発達段階に応じて,
教育活動のさまざまな場面で一層有効に活用していかなければならないと考えております。
特殊教育におきましても,
コンピューター等は,児童・生徒がそれぞれの障害の実態に応じて効果的に活用することができ,新たな可能性を開いていくことができるものと考えております。
今後の学校における
情報教育の推進につきましては,教育用
コンピューターの
拡充整備も含め,教育内容や指導方法,効果的な活用など検討を進め,鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
次に,
情報教育に関する教員の研修についてでございますが,現在,札幌市教育研究所において,
コンピューターに対する習熟度に応じたコースを選択できるように12講座,年間41日開講するとともに,各教科教育の講座におきましても,実際の授業での活用方法についての研修を実施しているところであります。また,新しく採用した教員に対しましては,初任者研修において
コンピューターの基礎研修を実施しております。
いずれにしましても,学校における
情報教育推進の前提として,指導する教員の研修は重要な課題であり,今後とも,研修内容の一層の充実に向けて努力してまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
○議長(
柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
──────────────────
休 憩 午後2時12分
再 開 午後2時46分
──────────────────
○副議長(澤木繁成君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。宮川 潤君。
(宮川 潤君登壇・拍手)
◆宮川潤君 私は,ただいまから日本共産党を代表して,当面する市政の重要問題について質問を行います。
最初の質問は,在日米軍基地と安保条約に関してであります。
まず,米軍基地にかかわって,日米安保条約と日米地位協定について質問を行います。
沖縄での米軍による少女暴行事件は,日米安保条約のもとで,日本の国民がどんな屈辱的立場に置かれているかを一挙に明るみに出しました。しかも,これは沖縄だけの問題ではありません。日米安保条約と現行の地位協定のもとでは,原理的には,アメリカ兵は,日本のどこでも,同様の治外法権的な特権を法的に保障されております。
こういう問題を根本的に解決する道は,日米安保条約の廃棄による米軍基地の全面撤去以外にはありません。
しかし,わが党は,日米安保条約の廃棄による,事の根源からの解決を追及しながらも,緊急の問題として,米軍の被害から日本国民の安全を守るために,地位協定の抜本的な改定を要求し,その立場から,以下2点の質問を行います。
第1の質問は,市長が,日米地位協定の見直しが必要と考えているかどうかについてです。
沖縄の少女暴行事件は,日米安保条約のもとで,日米地位協定の屈辱的な実態を浮き彫りにし,国民の批判・反対の声がいまや多数となりつつあります。
日本経済新聞が10月に行なった世論調査では,日米安保条約は要らないという声が40%にもなっており,産経新聞の11月の世論調査では,在日米軍の撤退を求める声が44%にもなっているのであります。
市長は,日米安保条約にどういう認識をお持ちですか,また,そのもとでの日米地位協定が,日本に対する重大な主権侵害になっていると考えないのか。本市議会は,第3回定例会で,日米地位協定の抜本的見直しを求める決議を上げました。市長は,日米地位協定にどういう認識を持っていますか,抜本的見直しを村山内閣に求めるべきと思いますが,見解を伺います。
第2の質問は,米軍実弾演習場の移転についてです。
米軍基地による被害は,沖縄はもとより,日本全土に及んでおります。全国から自衛隊が集まって大規模な訓練をしている矢臼別で, 155ミリりゅう弾砲の騒音が 100ホンを超え,近くに住む酪農家は,いまでさえ自衛隊の砲撃音に悩まされているのに,これに米軍が加われば,もう離農しかないと言って反対しております。
日本にいる米軍はソ連の侵略から日本を守るためと言われてきましたが,実際には,日本にいる米軍は日本を外部の敵から守る任務は全く持っておりません。特に,海兵隊は,名前も第3海兵遠征軍といって,西太平洋,インド洋,地中海からアフリカ沿岸まで遠征する軍隊です。その訓練のために北海道を演習場にしようとしているわけですが,世界で一番物騒で,一番野蛮で,多くの犯罪を起こしているのも,この海兵隊です。
いま,沖縄を基地とする海兵隊の実弾演習場の本土移転の有力候補地として,北海道大演習場も挙げられております。これは,本市豊平区・南区にまたがる西岡演習場,有明演習場を含むものであります。米軍の 155ミリりゅう弾砲の砲座の据えられるのが,陸上自衛隊北恵庭駐屯地から北西3キロメートル,着弾地点は,そこから西に5キロメートル,つまり札幌市と広島町が隣接する島松山のふもと一帯との報道もあります。関連する恵庭市,千歳市,広島町では,各市長・町長が反対を表明し,米軍演習場の移転を拒否しております。
わが党市議団は,児玉健次前衆議院議員などとともに,11月29日,市長に対し,米軍の実弾砲撃訓練場の道内移転反対に関する申入れを行なっております。そのとき,対応した魚住助役は明確な反対表明を避け,周りが反対している中で札幌市だけ移転に賛成するわけにはいかないと,消極的反対論ともいうべき態度でした。
そこで質問いたします。
市長,あなたは,市民の願いにこたえ,米軍砲撃訓練の北海道大演習場への移転には,はっきりと反対の態度を表明すべきと考えますがいかがですか,市民の前に明らかにしてください。さらに,積極的に反対する意思を政府・防衛庁にも伝えるべきではないかと思いますがいかがか,お尋ねします。
次に,官官接待に関連した接待費用の不正支出問題について質問いたします
まず,この問題に関する市長の基本姿勢についてであります。
桂市長は,11月7日,定例記者会見で,
カラ出張などによる道庁の組織的裏金づくりに関連して,「札幌市にはない」と断言,調査するかとの質問に,「その考えはない」と胸を張ってこられました。しかしながら,本市の前
財政局長が道庁幹部を接待したとされている,ことし3月10日の酒席には,道庁幹部は出席していなかったことが判明し,道庁幹部の名前を使った虚偽による接待費用の不正支出が行われたことが明らかになりました。
いま,官官接待,道庁の裏金づくりなど,公金が適正に運用されているかどうかが重大問題となっております。ところが,この時期に開かれた今定例会冒頭における市長の提案説明に際して,この虚偽による公金の不正支出について当然陳謝すべきであったのに,一言の説明,釈明もなかったのはなぜなのか,その理由を伺います。
現在,官官接待そのものが市民の批判を受けている問題であるのに,道庁幹部を接待したという偽装まで行なって公金を引き出している問題は重大であり,問題になっているケースは氷山の一角と判断されますがどうか,市長の見解を伺います。市民の声は全容解明であり,その立場からすれば,接待が実際に行われたかどうかとあわせて,接待の相手がどこの所属のだれであるかを明らかにすべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第2は,本市の内部調査に関してであります。
さきに指摘した,ことし3月10日の前
財政局長による接待の不正支出問題は,わが党道議団によって道議会において追及され,道側の答弁では,道からの出席者は掌握できないというものであり,この時点で,本市の支出負担行為伺書に記載された道庁幹部職員の出席が虚偽である疑いがきわめて濃厚になりました。わが党市議団は,これを受けて,11月24日,指摘されたケースについて真相を明らかにすることはもとより,すべての官官接待について,あらためて調査を行うことを本市に申し入れました。
11月30日の朝,わが党議員団に対して,市側から「支出負担行為伺書に記載の道職員は,酒席に出ていなかった。道への接待 155件と中央官庁分 632件について,あらためて事実確認のため内部調査を行う。調査結果は今定例会の会期中に報告する。」との回答があり,同日午後開かれた記者会見において,同様のことが説明されました。
市民が抱いている疑念に答える上でも,すでに指摘されている問題も含めて調査は厳正に行われなければならないと考えますが,内部調査とはどのように行うのか伺います。単に,幹部及び職員からの聞き取りというだけでは,全容が解明されず,市民が納得するとは考えられないのでありますがいかがですか,伺います。
いま,道民税は払いたくないという声がちまたにあふれております。どのようにしたら道民税を払わないで済むか,その方法を教えてほしいという市民の問い合わせが相次いでおります。同時にいま,本市の虚偽の接待が報じられるや,市民税も払いたくないという市民の声が寄せられるようになりました。本市の税制課でも,マニュアルまでつくって市民の対応に追われている状況となっております。この市民の不信,怒りを市長はどのように受けとめ,全容解明に努めるのか伺います。
質問の第3は,財政部関係の道への接待に関してであります。
財政部関係の道への接待は,94年度7件がありますが,そのうち1件は,さきに指摘した,ことし3月10日の件であります。あとの6件も,わが党の調査では道庁幹部職員の出席が確認できない,いわゆる虚偽の接待である疑いが強いものであります。
まず,昨年12月13日の接待の問題についてでありますが,この件は,11月29日,わが党道議団が道議会で追及いたしました。道総務部長は,議会答弁で「当時は,出張している道庁幹部が少なく,在庁幹部がたくさんいたから,把握することは難しい。」,そう答えていましたが,その後,わが党の道議団に総務部長から,道職員の出席はなかった旨の報告がありました。この12月13日の接待について,本市財政局の説明を聞きましたが,道庁幹部が出席していたことは確認できず,3月10日の件と同様に,支出負担行為伺書に記載された道庁幹部職員は出席しておらず,虚偽による不正な支出が行われたことを否定できないものでありました。
このような状況から,12月13日の接待では,支出負担行為伺書に記載の道庁幹部の出席がなかったことは明白であると思うのですが,事実はどうであったのか,明確な答弁を求めます。
次に,あとの5件,すなわち昨年の4月8日の2回を初めとする4月20日,5月31日,6月30日,この接待に関してでありますが,これらも,さきに指摘した2件と同様に,出席していない道庁幹部の名前を使った虚偽の不正支出であるとの疑惑が深いものであります。この機会に事実を明確にしていただきたいのであります。
質問の第4は,国際部関係についてであります。
わが党の調査では,94年度,道への接待16件のうち5件,すなわち昨年の6月23日,7月21日の2回,7月27日,10月18日の接待には,道庁幹部が出席していなかったことが確認されております。
虚偽による公金の不正使用についての市長の釈明をまず求めます。
また,これらの接待は,国際部に関連する外国人に対するものとのことでありますが,なぜこのように偽りの支出行為となったのか,その理由は何か,それ以外のことに支出されたのではないか伺います。
質問の第5は,
建設局管理部関係のうち2件についてであります。
すなわち,昨年の5月23日と10月18日の失業対策事業にかかわるものでありますが,この2件についても道庁幹部は出席していないことが,わが党の調査で確認されました。
市長は,この事実をお認めになるのかどうか,また,こうしたことを見れば,かなり広範に,いわゆる名義借り接待が行われていると思われますがいかがか,見解を伺います。
質問の第6は,開発部関係のうち3件についてであります。
開発部の昨年度の道への接待は,4件とされております。そのうち,7月13日,8月5日,ことしの3月23日の3件は,わが党の調査では,道庁幹部の出席を確認できませんでした。当局の説明を聞いても,道職員の出席について明言せず,確認されておりません。私どもの調査の結果は,いずれにも道庁幹部が出席していない虚偽の接待,不正な公金支出と判断せざるを得ないものであります。事実はどうなのか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第7は,高齢化対策推進部関係の4件についてであります。
すなわち,昨年の4月8日,ことしの1月23日,2月24日,3月15日の4件であります。わが党が道庁の関連部門と突き合わせをした結果,これらには道庁幹部は出席していないことが確認されました。これら4件も,道庁幹部の出席を偽ったものと判断せざるを得ません。事実を明らかにしていただきたいと思います。
特に,これまで取り上げた問題は,具体的に問題,疑惑を指摘しているものでありますから,調査結果を待つことなく,具体的な答弁を求めるものであります。
質問の第8は,いわゆる名義借りについてであります。
庁内には,以前からやられていたという声があるように,本市の名義借り接待は,顕在化しなかったとはいえ,歴史と広がりを持っていると指摘されています。本市各部局では,会計処理に当たって,道職員の名義を借りていたことに,罪の意識が余り感じられないのでありますが,道庁のほうでは,名義を貸した覚えはないと言っております。これでは,貸借の関係は成り立っていないのではないですか。名義を借りたというより,虚偽であり,名前を悪用した不正ということになるのではないですか,市長の見解を伺います。
また,昨年度,道職員を相手とした接待として報告された 155件のうち,何件の名義借りを行なったのか,そのうち承諾を得ていたのは何件なのか伺います。
さらに,市長が,宴会参加者の名前を伏せながら,接待の事実はあったのだからカラではないなどと釈明していることに,市民は驚いております。公金を出すべき根拠が崩れている宴会に税金を充てるのは,公金横領になるのではないですか,あらためて市長のご見解を伺います。
質問の第9は,公金の不正使用の根絶対策についてであります。
まず,官官接待廃止の方針を厳格に貫く前提として,第1に,少なくとも桂市長の前任期の4年間も含めた期間についての調査,全容解明を行うこと,第2に,独自の調査権限と職員の協力義務を明確にした客観性を持つ第三者機関を設置し,徹底した解明を進めること,第3に,公文書公開の対象に市議会も含め,さらに,食糧費,交際費による接待の場所,相手方などが明らかになるよう条例を改めることなど,具体的,抜本的な対策をとるべきと考えますがいかがか,市長の対処方針について伺います。
次に,私は,来年度の予算編成に関して質問いたします。
質問の第1は,市民生活に大きな影響を与える消費税の増税に関してであります。
バブル経済崩壊のしりぬぐいとして,村山内閣が不況対策の名のもとに進めようとしている銀行,信用金庫,信用組合への援助に続く住専,すなわちノンバンクの住宅系金融への政府のてこ入れが検討される一方で,大蔵省が財政危機宣言を行うなど,消費税の大幅増税が種々論議されております。
法そのもので,来年9月30日までに,国の財政状況なども押さえて,あらためて税率について見直すこととされている中で,一たん5%と定められた消費税の税率が,6%あるいは7%にも引き上げられる可能性が指摘されておりますが,このことは,長引く不況の中で深刻の度を加えている市民生活と中小企業の営業などに,はかり知れない悪影響をもたらすことは明らかです。いまだに世論調査では,国民の7割が反対しております。
市民生活に責任を持つ市長として,消費税率の引上げに反対し,廃止を国に求めるべきと考えますが,その意思があるかどうか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
質問の第2は,本市にかかわる公共料金及び使用料・手数料の一斉値上げについてであります。
第3回
定例市議会で,市長は,料金改定について,来年度予算の編成の中で検討する旨,答弁されていましたが,選挙の翌年は一斉値上げのパターンを踏襲し,来年度予算で一斉値上げを進める考えなのか。不況の影響が最も深刻な形で市民生活にあらわれているいま,値上げを抑え,政策的に利用促進を図るためにも,文化・スポーツ・社会教育施設などについては無料化を検討すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第3は,来年度予算及び来年度から始まる新5年計画で,市民の福祉,教育,暮らしにかかわる事業については,従前と比較してウエートを高めようとお考えか,それともそういう考えはないのか明らかにしてください。
また,新5年計画においては,サッカースタジアムの建設など大型公共事業が相当盛り込まれると思われますが,主な事業について,また,いわゆる大型プロジェクトが占めることとなるシェアについて,さらに,市民福祉にかかわる新規事業についてもお示しください。
質問の第4は,いわゆる官官接待にかかわる予算についてであります。
国や道などに対する酒食を伴う接待,いわゆる官官接待について,これを廃止し,食糧費を削減することとした市長の方針ともかかわって,来年度予算で食糧費はどの程度削減されることになるのか,金額及び比率でお示しください。
また,中央官庁などへの陳情に際して,つきものとなっていた報償費の支出についても圧縮されるものと考えますが,今後,官僚や国会議員などへの,いわゆるお土産・謝礼品について全廃されるのか,その関係で,来年度予算で報償費の削減はどの程度となる見通しか,お示しください。
次に,新行政改革大綱について質問します。
市長は,先般,新行政改革大綱を発表しましたが,この機会に,本市における10年前からの行革大綱の実践や,ダイナミック・リファイン・プログラムがどんな結果をもたらしたかを検証してみる必要があると考えます。
この間の到達点は,第1に,敬老祝金支給対象年齢の引上げ,保育料軽減率の引下げ,就学援助の認定基準の改悪,仲よし子ども館の会場の統廃合など,28項目にわたり,市民の要求を無視し,福祉・教育の切下げを行なってきたこと,第2に,福祉センター,地区センター,児童会館,体育館など,福祉・教育・住民利用施設等の管理を民間委託化し,さらに,学校営繕センター業務,乳児保育園用務員業務,土木事業所の道路維持業務,市立病院の出納業務など,56の施設あるいは業務について民間委託化を行い,市民には
サービスの低下,職員には定員削減と労働強化をもたらしてきていること,第3に,国民生活破壊を一段と進めた国の臨調行革に歩調を合わせ,数次にわたる公共料金の引上げで,市民に負担を強いながら,基金という名のため込みを行なってきたものであります。
わが党は,市民の立場に立ち,大企業優遇の支出とむだを省き,市民福祉の拡充を図る真の行政改革を求め,以下4点の質問をいたします。
質問の第1は,行政改革大綱の基本的な考え方についてであります。
新大綱の中には,市民と一体となった温かい行政を進めるという1項が起こされています。しかし,歴代市長がこれまで行革の名のもとに,いかに多くの市民,特に高齢者,障害者の要求を抑えつけてきたか,高い国保料の引下げを求める24万人の直接請求にもこたえなかった政治姿勢に如実に示されているのであります。市長は,いままでのやり方を変えようというのでありましょうか,明らかにしてください。
また,総合的な運営体制を築き,縦割組織の大胆な再編を行うとして,保健所の統廃合を進め,
保健センターの配置を計画していますが,全市1保健所・各区1
保健センター構想は,市民や職員から総スカンを食らい,各区に保健所を残してほしいとの市民の世論と運動が大きく広がっている中で,保健所の改悪構想は撤回すべきと考えますがいかがか,ご見解を伺いたいのであります。
質問の第2は,民間委託化の問題についてであります。
民間委託の促進や職員定数の抑制は,本来自治体が持っている広範囲な住民要求にこたえる使命を棚上げし,また,職員の過労を強いる結果をもたらすことになります。
民間委託の促進や職員定数の抑制は,マンパワーがますます要求される高齢化社会という時代の流れにも逆行し,市民には
サービス低下と我慢を,職員には労働強化を押しつけることにならないか。最小の費用で最大の効果を上げると一貫して標榜してきた桂市政は,本来,市場原理とは相入れない公共
サービス部門に経済性を導入し,職員に対してもコスト意識を押しつけようとしておりますが,敬老祝金支給年齢の引上げや保育料軽減率の引下げを行革の成果としていることからも,新大綱のもとで,今後も福祉,教育,市民の暮らしを守る施策にはお金をかけないということにならないか,こうした民間委託はやめるべきと考えますが,ご見解を伺います。
また,新大綱に事業の見直しがことさらに強調され,本市行政改革懇話会の提言の中に,個別意見として,ごみ有料化や老人無料パス見直しの検討が盛り込まれていることについても,市長のご所見を明らかにしてください。
質問の第3は,受益者負担の考え方についてであります。
桂市政は,板垣前市政に引き続き,各種公共料金の引上げを行なってきたのでありますが,さらに今回,行革の名のもとに,適正な市民負担を標榜しつつ,一層の料金値上げを進める意図をあからさまにしております。適正料金の根拠にされてきた考え方は,施設建設費や管理運営にかかわる費用の一部を利用者が負担するのは当然であるとする考え方であります。料金は,管理する側の論理に立つのではなく,公共施設の目的に沿って利用を促進する立場で,利用する側の市民の生活実態をも考慮して決めることが基本であります。ここにも,本来の自治体の使命とかけ離れた,受益者負担の論理に基づく市民不在の考え方が出ていると思うのでありますがいかがか,明快なご答弁を求めるものであります。
質問の第4は,市民参加と情報公開についてであります。
新行革大綱は,行政は最大の
サービス産業であり,重要な行政課題は市民に問題提起をしていく手法を取り入れ,市民の立場に立つ行政
サービスの展開や,必要な市政情報を広く市民に提供し,市民の理解と協力を得ると述べているのでありますが,重要,非重要にかかわらず,常に市民に対し問題提起を行い,企画,計画の初期の段階から情報を提供し,市民の意を酌み取って施策に生かし,行政を推進すべきではないでしょうか。
墨で随所を塗りつぶした官官接待の資料に端的にあらわれた情報公開の現状に,市民の批判が高まっておりますが,市の公金支出にかかわる情報をなぜ全面公開できないのですか,伺います。
最後に,丘珠空港のジェット化問題について質問します。
ことし6月の知事との行政懇談会以来,市長は,それまでの白紙の立場から一転して,丘珠空港のジェット化を目指し,滑走路延長を強引に推進しようとしております。
丘珠周辺の住民は,自衛隊ヘリコプターなどの騒音に悩まされ,事故の不安を抱えながら毎日を過ごしております。そこへ,突然,市長のジェット化推進の動きが加わったことから,住民の不安と怒りは頂点に達しております。この間,市は,連合町内会を単位に,ジェット化推進の立場で住民説明会を5回開催してきましたが,この中でも住民の怒りが噴出しております。
そこでお尋ねしますが,第1の質問は,住民の意思をどのように掌握しているかについてです。
丘珠連町での説明会では,開会前から反対意見が続出,太平では,反対のシュプレヒコールの中で閉会したと聞いております。これら説明会に延べ 700人近い住民が参加し,おおむね 100人の住民が発言しております。しかし,滑走路延長に賛成の立場からの発言は,全体を通してたった1人だけだったと,市の担当者さえ述べております。説明会を通じて住民の反対の意思が一層明らかになっています。
市長は,全体として住民の意向は滑走路延長反対であることを認めますか,伺います。
また,丘珠空港のジェット化については,環境予測調査なども行なって,住民とともに考えると言ってきた市長が,その態度を急変させたことに住民が強い反感を持っているものと思いますが,この点について市長はどのような認識をお持ちか伺います。
質問の第2は,計画の白紙撤回についてです。
わが党市議団は,11月27日,運輸省に,住民合意のない丘珠空港の滑走路延長は空港整備計画に盛り込むべきでないとの要請を行いました。その際,運輸省の担当役職者も,市街地の中でのジェット化,滑走路延長が大丈夫かと,国としても危惧している,地元の合意がなかなかとれないようなものが,第7次空港整備計画にのせる優先順位として高くなるわけがないと述べています。
そもそも,市長が議会などに説明してきた,第7次空港整備計画にのせてから具体的な論議を進めるなどというやり方は,本末転倒ではないですか。ジェット化に伴う影響や問題点をしっかりと押さえた上で,関係住民など市民とともに,空港をどうするのか,まちづくりをどうするのかを議論すべきであり,結論はその後に出てくるものではないでしょうか。市民合意が得られたときに,初めて空港整備計画に手を上げるのが本来の姿ではないですか。
第7次空港整備計画に手を上げたことは,単なる手続の順序が違ったという問題ではなく,住民の反対を踏みにじってでも,滑走路延長を強引に進めようとしている市長の姿勢のあらわれにほかなりません。市長が丘珠空港のジェット化を第7次空港整備計画に盛り込むように国に陳情したことは,住民無視の独断専行です。いまからでも白紙撤回すべきと考えますがいかがか,お答え願います。
以上で,私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(澤木繁成君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,私から3点についてお答えいたします。
最初に,在日米軍基地と安保条約についてであります。
第1点目の日米安保条約並びに日米地位協定の認識についてでございますが,これにつきましては,国民の生命と安全に責任を持つべき政府の判断を尊重しなければならないと,このように考えております。
また,日米地位協定の見直しにつきましては,さきの本市議会におきまして,全会一致をもって見直しの意見書が採択された経緯もあり,私といたしましても,議会と同じ考え方に立つものであります。
第2点目の米軍実弾演習場の移転についてでありますが,この問題につきましては,まず関係市町村の意向が十分に尊重されるべきものと考えておりますことから,したがって,私といたしましても,移転には反対の考えであります。
次は,来年度の予算編成についてであります。
第1点目の消費税についてでございますが,ご承知のとおり,消費税の税率につきましては,消費税法及び地方税法の中で,「社会保障等に要する費用の財源を確保する観点,行政及び財政の改革の推進状況,租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況,財政状況等を総合的に勘案して検討を加え,必要があると認めるときは,平成8年9月30日までに所要の措置を講ずる」ということとされております。
したがいまして,ご質問の税率などの問題につきましては,今後,法律に明記されているこれらの事柄に対して,政府税制調査会及び国政の場で幅広く論議され,将来を見据えた適切な結論が得られるよう期待をいたしております。
次に,第2点目の公共料金の値上げ問題についてであります。
これにつきましては,第3回
定例市議会の
代表質問でもお答えをいたしましたとおり,平成4年度以降据え置いております使用料・手数料につきまして,負担の公平性を確保する観点から,来年度予算編成の中で必要な見直しを行なってまいりたいと考えております。
次に,第3点目の来年度予算及び新5年計画についてであります。
まず,福祉,教育等へのウエート配分についてでございますが,本市においては,従来から市民本位の施策を積極的に展開してきておりますが,来年度予算の編成及び新5年計画の策定に当たりましても,引き続き,福祉や教育を初め,雪対策,ごみ対策など,市民の生活に密着した施策につきましては,着実な充実を図ってまいりたいと考えております。
次に,新5年計画の大規模な事業につきましては,旧東札幌駅跡地周辺地区の開発を初め,仮称手稲東駅周辺地区の総合的な整備,ワールドカップサッカースタジアムの建設などを予定しております。
なお,大型プロジェクトが占めるシェアにつきましては,計画の全体事業費が定まっていないことなどから,お答えすることはできません。
また,市民福祉にかかわる新規事業につきましては,福祉のまち推進センターの設置による,きめ細やかな市民福祉の実現を図るほか,高齢者
保健福祉計画や障害者福祉計画に掲げられた各種施策の推進を図ることなどを予定しているところであります。
第4点目の官官接待にかかわる予算についてでありますが,まず,来年度予算の食糧費につきましては,私から指示をいたしました廃止,簡素化の方針のもとに,必要最小限の額に削減を図るべく,現在,予算査定を進めているところであります。
次に,報償費のうち,いわゆる謝意を示すために支出するものにつきましては,これまでも良識の範囲内で執行されてきたものと認識しておりますが,今後とも,市民から誤解を招くことのないような執行に努めてまいりたいと考えております。
なお,その予算につきましては,他の事務的経費と同様に,節減の対象として編成作業を進めております。
次は,新しい行政改革大綱についてでございます。
ご質問の4点は関連がございますので,一括してお答えいたします。
まず,この大綱の基本的な考え方についてでありますが,従前から市民福祉の向上を目指して行政を進めてきたところであり,これからも時代の変化に応じた施策の推進や改革を行い,市民ニーズをとらえた温かな行政の展開を図ってまいりたいと考えております。保健所の問題につきましても,この考え方に基づいて検討を進めてまいります。
民間委託につきましては,市民
サービスの向上と財政効率などの視点を踏まえて検討を進めることとしており,受益者負担の関係につきましても,社会経済情勢の変化をとらえ,市民全体の公平感に配慮しながら,そのあり方を検討してまいるものでございます。
なお,懇話会の個別意見につきましても,参考にさせていただきたいと考えております。
また,市民参加と情報公開についてでございますが,たとえば,ごみのリサイクルや都心交通問題など,市政のさまざまな課題について,多面的に情報を提供することにより,市民の理解と協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
なお,官官接待に関する情報公開につきましては,いままでもお答えをしておりますとおり,公開,非公開の決定に当たっては,情報公開条例の規定に基づいて,ケースごとに対応してまいる考えであります。私からは以上であります。
○副議長(澤木繁成君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 食糧費にかかわる支出問題につきまして,私からお答えいたします。
まず,第1点目の食糧費の支出にかかわります記載誤りについてでございますが,本市としましては,こうした事実が判明した時点で,その誤りを公表し,全庁的な総点検を行うこととしたところでございますが,こうした
支出帳票の出席者が実際と異なることにつきましては,理由のいかんを問わず,あってはならないことであり,昨日並びに本日の
代表質問でも,市長が遺憾の意を表明したところでございます。
なお,調査結果につきましては,相手方の所属,氏名までを明らかにすることはできませんが,可能な限り実態を明らかにしてまいりたいと考えております。
第2点目の内部調査についてでございますが,現在,さきに公表いたしました平成6年度の食糧費の決算額調べのうち,国と北海道との会食の全件につきまして点検作業を行なっております。点検に当たりましては,本市出席者に確認することはもとより,必要があれば会食場所などにも確認するなど,最大限の努力を払い,全容の解明に努めたいと考えております。
第3点目から第7点目までの財政部,国際部,
建設局管理部,開発部,高齢化対策推進部に関するご質問につきましても,現在調査中でありますので,これらにつきましても,調査結果がまとまり次第,公表したいと考えております。
第8点目の相手方の名義の問題につきましては,ただいま申し上げましたように,このことも含めて調査中でありますが,出席者が実際と異なることはあってはならないものと思っております。
第9点目につきましては,先ほど来申し上げておりますように,現在,全庁的に全力を挙げて点検作業を行なっているところであり,ご質問にありますような
取り組みにつきましては考えておりませんが,調査結果を踏まえて,必要な措置なり改善策は講ずる考えであります。
なお,情報公開制度の実施機関に市議会を含めることにつきましては,議会のご意向を伺いながら対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 丘珠空港問題に関しまして,私からお答えを申し上げます。
第1点目の住民意思の掌握についてでございますが,一連の地元説明会での厳しいご意見につきましては,私どもも承知をいたしてございます。
また,北海道とともにジェット化についての検討を始めたことに対しまして,唐突の感を市民の皆様に抱かせたということにつきましては,反省すべき点があったと考えております。
第2点目の計画の白紙撤回についてでございますが,これは,いままでも何度かお話を申し上げてございますが,丘珠空港は国の空港でありますことから,空港整備5ヵ年計画策定に当たっての国の検討の俎上にのせていただき,国の考え方とも整合を図った上で,地元の方々に,より根拠があり,責任の持てる資料をお示しし,この問題について議論を深めていくことが大切であると考えております。こういった議論を積み重ね,地元の方々の合意が得られますよう努力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
(宮川 潤君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(澤木繁成君) 宮川 潤君。
◆宮川潤君 いま,ご答弁をいただきましたけれども,全く納得ができないということがあるので,再びぜひご答弁をいただきたいというふうに思います。
まず,いまの丘珠空港のことについてでありますけれども,説明会をしてきても,それら出される意見,ほとんどすべて,1件を除いて,みんな反対だという立場で占められている,この点についてどういうふうに受けとめているのか,ぜひ市長のご答弁をいただきたいというふうに思います。
また,官官接待の問題についてでありますけれども,遺憾だということは表明されておりますが,しかし,市長は,札幌市にはそのようなことはないのだというふうに胸を張ってこられたわけですから,では,その責任は一体どうなるのかということがありますので,ぜひ市長,ご答弁願いたいと思います。まず陳謝すべきでないかというふうに思いますけれどもいかがですか,ぜひご答弁いただきたいと思います。
○副議長(澤木繁成君) 桂市長。
◎市長(桂信雄君) 丘珠空港の滑走路延長について,これまでの地元懇談会では多くの意見が反対であると,このまま続けていってもいい結果は出ないのではないかと,そういうご趣旨だと思うのですけれども,これまでお話をしてきましたのは,具体的な滑走路の延長をするとすれば,どういう方法で延長するかというようなことについては,全く触れておらないわけであります。私どもが調査をしたその結果を,とりあえず皆さん方にご報告をして,そして,これからさらに理解を深めていくと,こういうことであります。
具体的な滑走路の延長計画そのものにつきましては,先ほど来お話を申し上げておりますように,市と道と開発庁等とが一緒になって,いろんな計画をいま考えているわけです。というのは,この飛行場は国の飛行場でありますから,私どもが勝手に絵をかいて,こうなる,ああなるというような不確かなことで,われわれは会合に臨むことができないわけであります。ですから,そういうきちんと責任の持てる構想,資料を整えて,これはあらためて説明をし,真剣にご審議をいただくと,こういうことになろうと思います。
それから,官官接待について,札幌ではそういうことがないというふうに胸を張ったではないかということですが,私は,前の記者会見の席上で,札幌市にはそのようなことはありませんと,したがって,調査もいたしませんと,そういうふうに言ったのは,あの場では,いわゆる
カラ出張ということが話題になっていたのです。その時点では,カラ接待とか,そういうことは全く話題にもなっていなかった。したがって,私ばかりでなくて,その席にいた者はすべて
カラ出張のことを念頭に置いて,そういうことはないと,したがって,私は,そのことについて胸を張って言えるということを申し上げたわけです。
それから,カラ接待ということについては,これは,現在ご指摘あったことがカラ接待と言っていいかどうか,そのことは,私は,まだ調査の結果をはっきり掌握しておりませんからわかりません。しかし,少なくとも,
支出帳票に書いてあることと違う事実があったようだと,こういうことはいまの場合わかりますから,そのことについては,これは大変申しわけないことだと,そのように申し上げているわけであります。
(宮川 潤君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(澤木繁成君) 宮川議員。
◆宮川潤君 まず,丘珠空港のことについては,多くの反対と言いましたけれども,賛成だというのは1人だけで,そのほかはみんな反対だという意見だということです。だから,その点について,住民の気持ちをしっかりと受けとめていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)
それから,
カラ出張……(発言する者あり)
○副議長(澤木繁成君) ちょっと静粛に,静粛に願います。静粛に。
◆宮川潤君 (続)カラ接待ではないのだからということがありましたけれども,それが
カラ出張であれ,カラ接待であれ,これは,市民が払った税金だというところの責任をしっかりと持ってもらいたい。いずれにせよ公金なのです。そこのところを,市長,しっかりと市民の気持ちをわかってもらいたい。全く不正な支出の仕方は許されないというふうに,納得できないということを指摘しておきます。
○副議長(澤木繁成君) 意見として受けとめたいと思います。
お諮りをします。
本日の会議はこれをもって終了し,明12月8日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(澤木繁成君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○副議長(澤木繁成君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後3時37分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
副議長 澤 木 繁 成
署名議員 堀 川 素 人
署名議員 荒 川 尚 次...