札幌市議会 1995-12-06
平成 7年第 4回定例会−12月06日-03号
平成 7年第 4回定例会−12月06日-03号平成 7年第 4回定例会
平成7年 第4回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )
平成7年12月6日(水曜日)
───────────────────────
〇議事日程(第3号)
開議日時 12月6日 午後1時
第1 議案第1号から第8号まで及び議案第11号から第18号まで(市長提出)
───────────────────────
〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成7年度札幌市
一般会計補正予算(第5号)
議案第2号 平成7年度札幌市
公債会計補正予算(第5号)
議案第3号 平成7年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第3号)
議案第4号 政治倫理の確立のための札幌市長の資産等の公開に関する条例案
議案第5号 札幌市
環境基本条例案
議案第6号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第7号
札幌市立高等看護学院条例の一部を改正する条例案
議案第8号
札幌市立高等専門学校の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第11号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第12号 財産の取得の件(
清掃工場用地)
議案第13号 財産の取得の件(
リサイクル団地用地)
議案第14号 財産の取得の件(公園用地)
議案第15号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第16号 財産の取得の件(高所照明車)
議案第17号 財産の処分の件(代替用地)
議案第18号 市道の認定,変更及び廃止の件
───────────────────────
〇出席議員(69人)
議 長 柴 田 薫 心 君
副 議 長 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 克 朋 君
議 員 勝 木 勇 人 君
議 員 鈴 木 健 雄 君
議 員 堀 川 素 人 君
議 員 新 山 やすし 君
議 員 大 嶋 薫 君
議 員 北 川 一 夫 君
議 員 小 野 正 美 君
議 員 本 郷 俊 史 君
議 員 高 橋 功 君
議 員 宮 川 潤 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 横 山 光 之 君
議 員 馬 場 泰 年 君
議 員 宮 村 素 子 君
議 員 笹 出 昭 夫 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 岩 木 みどり 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 涌 井 国 夫 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 森 健 次 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菅 井 盈 君
──────────────────
〇欠席議員(なし)
──────────────────
〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
助役 石 原 弘 之 君
収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君
総務局長 大 長 記 興 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 米 田 耕一郎 君
市民局長 前 川 一 彦 君
民生局長 佐々木 利 幸 君
衛生局長 上 村 友 也 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 西 村 公 男 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 村 田 忠 良 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 須 合 一 雄 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 谷 口 政 範 君
監査委員 山 本 穫 君
監査事務局長 三 上 重 之 君
──────────────────
〇
事務局出席職員
事務局長 入 江 一 郎 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 小 村 雅 彦 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
──────────────────
〔午後1時開議〕
○議長(柴田薫心君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,66人であります。
──────────────────
○議長(柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として三上洋右君,飯坂宗子君を指名します。
──────────────────
○議長(柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(入江一郎君) 報告いたします。
森 健次議員は,所用のため遅参する旨,届出がございました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
──────────────────
○議長(柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第8号まで及び議案第11号から第18号までの16件を一括議題といたします。
ただいまから代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。笹出昭夫君。
(笹出昭夫君登壇・拍手)
◆笹出昭夫君 私は,
自由民主党議員会を代表して,当面する市政の諸問題について質問させていただきますが,まず初めに,本年5月より議席を与えられ,今議会で早くも代表質問の機会を与えてくださいました諸先輩並びに同期の皆さんに心より感謝を申し上げます。とともに,理事者の皆様にも,よろしくご配慮をいただきますようお願い申しげます。
では,質問に入らせていただきます。
まず初めに,新しい札幌市
行政改革大綱と今後の行政改革に対する取り組みについてお伺いいたします。
昭和45年以降,それぞれの地方の特色や豊かさを見直し,それを考慮したまちづくり,ふるさとづくりが進められ,地方の時代へと大きな転換が図られてまいりました。画一化から多様化へ,集権から分権へと,従来の価値観も大きく変化し,また,本格的な高齢化社会を迎える中で,国際化,情報化,個性化なども進み,それに伴って行政ニーズも,質・量ともに一層複雑に,そして多様化してきております。
本年7月には
地方分権推進法が施行され,分権推進の動きが活発化,具体化してきておりますが,「住民に身近な事業は地方自治体で」という地方分権の思想こそが行政の基本であり,それに的確に対応できる体制づくりが,行政改革の本来の目指すべきものであると思います。
行政は最大の
サービス産業であるとよく言われますが,過去,道路・公園・住宅など,快適な生活環境の充実に向けた施設面の整備を主要な行政課題としてきた従来の枠を超え,今後は,ソフト面での
サービス充実が,行政評価の基準として大きな要素となってきていることを示しております。
また,時代の変化に伴う新たな行政需要も確実に増大してきています。まして,本市は,平成5年以降,過去に経験をしなかったような厳しい財政環境にあります。また,11月末に村山首相へ答申をした国の経済審議会では,国民の自助努力と変化による痛みは避けられないとしています。これからは,経済性,効率性はもちろんのこと,これまで以上に施策の優先度を見きわめ,事業の重点化を図りながら,行政運営を行なっていかなければならないと考えるのであります。
このような状況の中で,市長は,11月に新たな
行政改革大綱を策定されました。新しい大綱には,効率的な事務事業の執行に向けた改革,改善への積極的な取り組みとともに,市民と行政のあり方についても主要な課題として位置づけられ,
行政サービス向上のためにさまざまな施策の展開が盛り込まれております。
法律の整備も進み,新地方の時代と言われる現在,私は,真に豊かな社会を形成していくためには,求められるいろいろなニーズについて,これをすべて行政が担うのではなく,市民や地域社会の果たすべき役割が重要になってくると考えております。行政への市民参加をどう進めるかということから,さらに前進して,住民主体の地域づくりに行政がどのように支援していくかという方向へ考え方を変えていくことも求められてくるのではないでしょうか。
本市の行政改革の取り組みは,過去10年を見ると,時代に即応したさまざまな改革がなされてきています。また,昨年からすでにダイナミック・リファイン・プログラムという独自の
行政運営効率化運動に取り組み,幅広い分野にわたる検討が進められていると聞いており,私も評価をするところであります。しかし,いま行政を取り巻いているこの厳しい経済状況を考えるとき,私は,さらに一歩も二歩も踏み込んだ思い切った対策が必要ではないか,市民と行政とのかかわりの中で,もっと市民の目に見える成果が必要ではないかと思うのであります。
一方,連日の
マスコミ報道では,官官接待に端を発した公金の取扱いの問題が取り上げられております。いわゆるカラ接待,カラ出張などの公金の不正な支出ということは,当然あってはならないことであり,行政改革以前のことですが,理念としてあらためてわれわれが考えなければならないのは,言うなれば,行政執行を担う職員一人一人のモラルの問題,市民の血税に対する意識の問題,そして行政体質の問題ではないかと思うのであります。これを機に,一層職員への公務員倫理の徹底を図り,適正な行政執行の基礎を確立しなければならないのであります。
11月30日に本市より発表されました食糧費の支出調査の件につきましては,わが
自由民主党議員会も調査の結果に重大な関心を持っているところでありますし,市民も同様のことと考えるものであります。
そこでお尋ねしますが,市長は,これらの問題をどう受けとめておられるのか,また,どう対処されようとしているのかお伺いをいたします。
さて,このたびの大綱が真に市民の期待する方向に沿っているか疑問が残りますが,わが
自由民主党議員会は,従来から一貫して行財政改革の必要性を主張してまいりました。第三セクターの統廃合や活性化の問題,あるいは学校給食やごみ収集などの民間委託の問題,抜本的な組織改革と適正な定員管理の推進など,さまざまな課題について,具体的な提言を申し上げてきたところであります。しかし,残念ながら,まだ多くのものが今後の課題として残されている現状であります。
このような中で,わが会派は,この10月に行政改革についての専門の委員会を会派内に設置し,さらに積極的に取り組んでいこうとしております。市民と行政との新たな関係の構築に向けて,ぜひいま申し上げた幾つかの視点も踏まえて大胆な改革を断行し,名実ともに札幌のあすのまちづくりを支える行政の再構築を実現していただきたいと,切に思うのであります。
市長は,この
行政改革大綱の発表の際には,策定の基本的な所見を述べられておりますが,これから具体的な改革を進めていくに当たって,特にどのようなことに力を入れて進めていくおつもりなのか,いま一度,そのご決意をお伺いしたいのであります。
次に,
国際ゾーン計画についてお伺いいたします。
国際ゾーン計画は,第3次
長期総合計画に盛り込まれた,国際交流,高度情報化,芸術文化等の
高次都市機能を持った国際都市さっぽろにふさわしい,個性的で魅力と風格を備えた都心づくりを実現しようという取り組みであります。
私は,今後,グローバルな都市間競争に対処するために,国際化・情報化等に対応する都市機能を十分に集積し,国際都市としての基礎を築き,経済力の強化を図っていくことだと考えております。このため,わが党としても,これまでもそれらを具体化する意味で,
国際ゾーン計画の推進については強く要望をしてきたところであります。
わが国は,いま,産業の空洞化,不良債権等による金融不安など,基礎的な経済力についての先行きが不透明な状況にあります。しかし,今後ますます進んでいく高齢化社会や少子化の傾向を考えますときには,空洞化が言われている製造業だけに頼らない経済基盤をつくるために,わが国のすぐれた人材を最大限に活用できる産業分野の育成努力こそが,いまこそ必要だと思うのであります。
幸い,わが街札幌におきましては,情報やデザインなど,将来の日本を担うであろう産業が芽生えており,これらが札幌に根づくためにも,
国際ゾーン計画に盛り込まれている各種の先進的な都市機能については,ぜひ実現すべきだと考えているところであります。
21世紀を目指す国際都市さっぽろの顔づくりの必要性に加え,たとえば,北方圏をリードする情報基盤の強化,あるいは文化・経済の質的向上,活性化を推進すべく,世界と結ぶ交流機能を高めるための
コンベンション都市プログラムなど,各種機能のハード面の整備の上からも,
国際ゾーン計画の一層の推進が必要であると思うのであります。
国際ゾーンについては,昭和63年に構想が示されて以来6年以上が経過しているわけですが,本市もいろいろな構想の中から全地権者による研究会も発足させ,基本的な調査を継続中であると伺っていますが,最近の経済情勢から,各企業の投資計画が先行き不透明な中で,やはり本市が
公共事業部分を中心に先導的に進めなければ,民間企業の事業化意欲は生まれてこないと思います。公共・公益施設の整備など,行政が主体となってやるべきことに優先順位をつけて,めり張りのある進め方を考えることで,事業全体のフレームが見えてくるのではないでしょうか。
このほかにも,たとえば,相当老朽化が進んでいる市民会館や
北一条駐車場の建てかえ計画の検討を急ぐことや,民間の再開発事業に対する各種の支援策を考えるなど,進め方について工夫すべきことは数多くあると考えます。このことで,計画推進にかかる基本姿勢が変わるものとは思いませんが,経済情勢などに応じてその進め方を柔軟に考えなければ,なかなか次の段階へは進んでいかないと思うのであります。
そこで,まず質問の1点目として,ゾーン計画の目標や進め方について,現在どのように考えておられるか,いまあらためてお伺いいたします。
次に,
国際ゾーンの景観や
建物デザインについてであります。
国際ゾーン計画は,端的に言えば,札幌市の 100年先のまちづくりを行うものであり,札幌を訪れる人々に,確実に札幌を印象づけるものにならなければならないと思うのであります。都心やターミナルなど市民がいつも目にする場所にある永久的な建物や,それを取り巻く景観は,長い歴史の中にあることになり,市民にとって非常に重要なのであります。したがいまして,これが公のものであれ,民間の持ち物であれ,行政としては,市民にとってよりよいデザイン,景観となるようにしていく努力が必要であります。そのためには,幅広い議論が必要であり,海外を含めた知恵を集めるのも一つの方法だと思うのであります。
ボーダーレスな経済活動の当然の結果として,最近は,アメリカを中心として,わが国の市場の閉鎖性が取りざたされることが多くなってまいりました。私は,国内の事業者のことを考えますと,解決すべき点が多々あると思いますが,そういう流れにあるということも事実であります。
たとえば,東京都の新都庁も国際コンペが行われておりますし,関西新空港の
ターミナルビルは,海外のデザイナーによるものと聞いております。この二つの建物とその周りの景観は,よかれあしかれ,今後長い間,東京都民や大阪府民が,わが街を意識するときに思い起こされるイメージの一つとなるでありましょう。
札幌の街は,歴史上から見ても,開拓の当初から海外の技術者の知恵を現実に取り入れてつくられ,発展してきた経緯があります。本市においてもさまざまな検討を行なっていることは承知しておりますが,早い時点から,もう少し市民も含めて具体的なイメージが議論される必要があると思うのであります。
私は,この際,国際的なコンペのようなものを考えて,幅広く国際的人材のアイデアを結集させてはどうかと思っております。このようなことは,費用など,いろいろ課題もあるかと思いますが,世界にPRすることにもなりますので,百年の大計に立って,ぜひ実現すべきだと考えております。
そこで2点目といたしまして,
国際ゾーン計画について,今後,海外を含めた提案を活用することはいかがなものか,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,平成8年9月に札幌で開催される第5回ゆう
あいピック北海道大会についてお伺いいたします。
知的障害者の
スポーツ大会は,国内外ともにその歴史が浅く,国際的には,平成4年,体に障害のある方の
オリンピックであるパラリンピック・
スペイン大会において,
知的障害者スポーツの国際的な振興を目指し,初めて
知的障害者の競技部門が創設されたと伺っております。また,国内では,同じく平成4年に,国連障害者の10年の最終年を記念して
全国スポーツ大会が創設されているのであります。この大会は,親しみを込め,愛称を「ゆうあいピック」と言い,第1回大会は東京で開かれ,次いで熊本,群馬と開催されたところでありますが,平成7年秋の第4回ゆう
あいピック兵庫大会は,ご承知のとおり,本年1月の阪神・淡路大震災の影響を受け,残念ながら中止のやむなきに至っております。
このように,大会の歴史も浅く,まして第4回大会が中止という事態を迎えただけに,継続性の願いの中から,全国の選手や大会関係者が「友 いま集い 愛 いまあふれ」のスローガンのもとに,ゆう
あいピック北海道大会に寄せる期待は,まことに大きなものがあると推測する次第であります。
近年,私たちがよく耳にいたします
ノーマライゼーション社会というのは,実は
知的障害者の方々を支える運動と深くかかわっていると伺っております。いまから35年ほど前,デンマークにおいて,
知的障害者の親たちが,社会参加を推進する中から受け継がれてきた考え方であり,本市の
障害者福祉計画の基本をなすものでもあります。明年の大会の成功は,本市における
ノーマライゼーション社会の定着に大きな力を発揮するものと思うのであります。
障害者福祉にかかわらず,高齢者福祉や児童福祉など,福祉全般を考えるとき,大切なことは,それぞれの個性を認め,尊重できる社会環境を醸成することにあり,そして温かいはぐくみの心に満ちた社会こそが,成熟した社会と言えるのではないでしょうか。
したがいまして,私は,障害者の皆さんがスポーツを通じ,一生懸命に取り組む姿勢や努力を多くの市民の皆さんに見ていただき,ゆう
あいピック北海道大会を,地域社会の
知的障害者に対する正しい理解と自立に向けての支援や協力を得るための
ボランティア活動の大きな力として活用すべきものと思うのであります。
札幌では,この種の大きな大会として,昭和47年の第11回
札幌オリンピック冬季大会を初めとして,数多くの国際大会・国内大会を開催し,その後の
市民スポーツ振興に大きな影響を与えたのであります。これら大会の運営に当たっては,札幌市が,北海道や国など他の団体との共催で行なってきたものがほとんどと聞いておりますが,しかしながら,この成功は,何といっても,多くの地元住民の理解や協力を得ずしては,なし得なかったと思うところであります。
こうした観点から,私は,この大会開催に大きな期待を寄せるものでありますが,その成功と
障害者スポーツのますますの振興を願い,以下3点についてお尋ねをいたします。
まず質問の1点目でありますが,ゆう
あいピック北海道大会の開催に向け,準備に余念のないところと思いますが,正直に申しまして,ゆう
あいピック自体が歴史も浅く,一般的には,まだまだなじみの少ない大会と言えると思うのであります。本市におきましても,大会開催について,必ずしも広く周知されているとは思われないのであります。
そこで,明年の大会がどのような形で準備され,開催されようとしているのか,またどのような内容と特色を持つものなのか,さらに市民に対する今後の啓発活動についてお伺いいたします。
2点目といたしまして,来年の大会に参加される各県の選手及び関係者の皆さんは,北の都札幌に,夢と大きな期待を抱いて来られるものと思います。
そこで,大会に参加される全国の選手団の皆さんを開催市として温かく迎え,ゆう
あいピック北海道大会の思い出がいつまでも皆さんの心に残るよう,市民サイドにおいてどのような支援が可能なのか,また期待されているのかをお伺いいたします。
3点目は,ゆう
あいピック北海道大会後の
障害者スポーツ振興対策についてでありますが,ゆうあいピックの開催の趣旨を普及発展させ,さらには,障害のある方々と健常者とが,ともに生活できる真の
ノーマライゼーション社会を実現するため,障害者のスポーツ振興について,今後どのように取り組まれていくおつもりなのか,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,健康づくり施設の整備計画についてお尋ねいたします。
各種の統計,調査を見ましても,本市の高齢者人口は,昭和35年以降,一貫して増加を続けており,平成2年の国勢調査によりますと,本市の高齢者は,率にして 9.1%になっております。本市は,このような高齢化の進行を踏まえて,昨年,高齢者保健福祉計画を策定し,要介護老人に対する具体的なサービスの提供量などを明らかにしておりますが,私は,札幌市の長期的な高齢者対策としては,この計画を着実に実施すると同時に,あわせて若い世代の人々も含めた,より積極的な市民の健康づくり施策を展開する必要があると考えるのであります。
本市は,昭和51年に健康都市さっぽろを標榜し,市民の健康増進に向けてさまざまな取り組みを行なってきております。このような本市の先行的な健康づくり対策も,増加を続ける高齢者対策の一環であり,だれもが健やかな老齢期を過ごすことができるように,特に若い世代からの健康づくりに意を注いできたのであります。
本市では,昭和44年の胃がんの集団検診を初めとして,40歳以上の市民を対象としたすこやか健診を実施するなど,成人病の予防に向けた各種の検診を実施してきております。各種の検診を毎年1回受診して,市民一人一人の成人病予防,健康管理に役立てることは大変重要なことですが,今後は,近年の労働時間の短縮,余暇時間の拡大などに伴い,市民の健康に対する意識が徐々に変化しつつあり,これを踏まえた施策の展開が求められているのであります。
このことは,国の健康づくり施策からも明らかであり,厚生省では,昭和53年から,健康づくりのためのバランスのとれた生活習慣の確立に向けて,種々の事業を実施しているところであります。その事業の一つとして,本年度から,都道府県と政令指定都市に健康づくりのための基盤整備として,トレーニングルーム,プール,栄養指導室などを備えた健康科学センターの整備を促進し,個人の健康度を測定して,栄養や運動の実践指導を行うと伺っております。
すでに本市では,市民が身近に運動を通じて健康の保持・増進を進めることを目的として,昭和62年に東健康づくりセンターを,また平成5年には中央健康づくりセンターを整備しており,昨年度の利用者は,東健康づくりセンターで約2万人,中央健康づくりセンターでは7万 3,000人余りに達しております。特に中央健康づくりセンターは,受診者一人一人の体力,運動能力などを医学的にチェックして,それぞれに応じた具体的な運動プログラムに基づく運動指導を実施しており,国の健康科学センターを先取りするような機能を備え,利用者の好評を博していると伺っているのであります。
さきに市長に提出した,わが党の札連の政策要望におきましても,手稲区連からは健康づくりセンターの建設が具体的に要望されており,地区住民にとりましても,自分たちの健康増進を進める施設として,健康づくりセンターに寄せる期待は大きなものがあります。
私としては,このような健康づくりに対する市民の意識の高まりを敏感にとらえ,次期5年計画において,新たな健康づくりセンターの整備を進めるべきものと考えますが,同時に,近年の本市の財政状況や平成9年に設置される保健センターとの機能分担,今後の中長期的な健康づくり施策の展望,方向性など,健康づくりセンターの整備に当たっては,多くの検討課題が存在していることも承知をしているところであります。
そこでお尋ねしたいのは,地域住民から,身近な運動施設として設置要望のきわめて高い健康づくりセンターを,市長は,今後どのように整備していくお考えなのか。たとえば,体育館のように各区に1ヵ所ずつ配置していくのか,それとも他の政令市のように,全市的施設として,相当程度の設備内容を備えたセンターを整備しようとしているのか,その具体的な将来計画についてお伺いいたします。
また,平成9年に完成する清田区の保健センターには,地区住民の運動施設として,健康増進フロアが設置されることになっておりますが,この健康増進フロアは,健康づくりセンターと同じような機能を果たすのか,その役割と活用方法についても,あわせてお伺いいたします。
次に,幹線道路の整備計画についてお尋ねいたします。
本市は,都心部から放射状に道路が延びる典型的な単一都心構造になっており,これまで,そうした交通需要に対応すべく,昭和63年3月に策定の第3次
長期総合計画の中で位置づけられた2バイパス2環状13放射道路を基本に,幹線道路の整備を着々と進めていることについては,十分承知をしているところであります。
平成5年4月には北1条・宮の沢通,同年11月には厚別通,そして翌6年11月には新川通の新川左岸道路,さらに先日,半断面ではありますが,外環状通の宮の沢立体交差が開通しているのであります。
また,平成8年度からの新5年計画においては,伏古・拓北通などの全線開通,外環状通の延伸などについて,現在検討を進めていると伺っているところであります。この結果,都心部を中心とした交通事情については大きく改善されるものと考えておりますし,また整備される道路の周辺地域の交通渋滞の解消,さらには,それら地域の開発が促進されるものと期待しているところであります。
ところで,平成9年に分区が予定されている豊平区の平岡,真栄,里塚地区でありますが,本市の機能的な都市活動を確保するために,現在も大規模な宅地開発や住宅建設が盛んに進められており,急激な人口増加とともに,市街化が顕著に進展していること,また広島町の積極的な工場誘致策とバブル経済時に市内の企業が移転するなど,職域としての広がりも加わっていることは,ご承知のとおりであります。
このため,周辺地域における交通需要も年々増加しており,従来から大きな問題となっている国道36号の交通渋滞は,朝夕のラッシュ時はもちろん,行楽シーズンなどにおいては,終日にわたって,いよいよ慢性的なものとなっております。また,現時点での札幌市の自動車登録台数や国道36号などの交通量は,すでに,第3次
長期総合計画で予測されている数字をかなりオーバーしているとも伺っております。
このことは,道都札幌と本道の空の玄関である千歳空港との間の動脈硬化をもたらし,ひいては,地元住民の日常生活のみならず,これらの地区の良好な開発促進に対しても,また本市全体の社会活動においても甚大な影響を与えていることは,言うまでもないと思うのであります。
そこで,国道36号に並行して都市計画決定されている羊ケ丘通でありますが,これまでも,宅地開発にあわせて,おおむねその整備が進められてはきましたが,残念ながら,広島町との市界部分がいまだ未整備となっております。
私は,やはり都心部求心型の札幌の都市構造を考えると,13放射道路としては,結果として,唯一未供用区間があり,道路本来の役割を果たし切れていないこの羊ケ丘通の一日も早い全線開通が,最も重要な解決策であるとご提案を申し上げたいのであります。もちろん,行政界を越えて,間もなく市に昇格が予定されている広島町との連携が不可欠であることも,言うまでもないことでありますが,やはり道都札幌がイニシアチブを発揮することが肝要であると考えます。
この羊ケ丘通の整備見通しについて,どのようにお考えかお伺いいたします。
次に,教育問題について2点お伺いいたします。
初めに,大規模な小・中学校の解消についてであります。
文部省が毎年実施しております学校基本調査によりますと,全国的に少子化傾向が進んでおり,札幌市におきましても,小学校では昭和58年度をピークに,中学校では昭和62年度をピークに児童・生徒数が減少に転じており,現在も減り続けていることはご承知のとおりであります。
この児童・生徒数の減少に伴う問題は,わが会派でも再三にわたり取り上げてまいりましたが,私どもが調べましたところでは,すでに東京,大阪など大都市では,都心部の学校の統廃合を行なっており,きわめて深刻な状況のようであります。
本市においても,特に都心部の小学校では児童が減少しており,一方,建物もかなり老朽化しているところもあると聞いておりますので,今後,これらの学校の改築なども検討しなければならない時期が来るわけでありますから,そのときに都心部の学校の適正配置などといった問題が具体化してくると思うのであります。これらの学校が,長い歴史を有する,きわめて難しい事柄が背景にあることも十分承知をしておりますが,新5年計画も来年度からスタートいたしますので,スクラップ・アンド・ビルドの考え方に立って,この機会に本腰を入れて検討に入られるよう強く要望しておきたいと思います。
一方,このような都心部での状況とは裏腹に,住宅建設が活発な特定の周辺地域におきましては,依然として児童・生徒が増加し,学校が大規模化しつつあります。
このように,本市の都心部と周辺部とでは,相反する状況が同時に進行しているわけでありますが,小規模化する学校,大規模化する学校,いずれにおいても,児童・生徒の良好な学習環境の確保は急務であると思うのであります。
そこで質問に移りますが,住宅建設が活発な周辺部地域であるために児童・生徒が増加し,学習環境の悪い大規模な小・中学校の解消についてであります。
本市では,昭和48年度から住区整備基本計画を策定し,1住区に1小学校,2住区に中学校を配置するまちづくりを進めてきております。そこで,小学校用地1万 6,000平方メートル,中学校用地2万平方メートルをそれぞれ先行取得し,極度の過密化によって教育環境上さまざまな支障を有する31学級以上の,いわゆる過大規模校が生ずる段階で,それを解消するため,分離による新設校の建設という考え方に基づいて配置をしてきております。
その結果,現在北区に建設中のあいの里東小学校の開校によって,過大規模校はすべて解消されることが,さきの第3回定例市議会で明らかにされたところでありますが,従来の考え方による新設校の整備では,住宅建設が活発な地域の31学級に至らない大規模な小・中学校の解消を図ることはできません。すなわち,このような学校においても,不足する普通教室を特別教室の転用によって確保するなど,学習環境としては十分とは言えない状況が続いております。
多数の児童・生徒が在籍し,多数の教職員が在職することによって,教師と児童・生徒とのふれ合いや教師相互の意思疎通,そして児童・生徒同士の交流が図りにくいため,学校としての一体感を保つことも困難であります。
そこで,以上のことから,教育の機会均等の精神からも学校間格差をできるだけ解消し,潤いとゆとりのある学習環境を実現するために,今後は,31学級に至らない大規模な小・中学校を分離新設することも事業の対象とすべきと考えますがいかがか,お伺いいたします。
次に,体罰の根絶といじめ防止強化月間の取り組みについてであります。
この問題については,さきの第3回定例市議会の代表質問において,わが党の原口議員が,児童の権利に関する条約の発効を契機に,子供の基本的人権の尊重の観点から,学校の中で,法律で禁止されている体罰が依然として後を絶っていない問題や,自殺者が出るまでにエスカレートしているいじめの問題について,人権にかかわる深刻な問題として取り上げたところであります。
その中で,体罰は,遵法の精神や,人間としての思いやりやいたわりの心を教育する教師のとるべき行為ではなく,児童・生徒や保護者の信頼を得ることのできない行為である,学校から体罰の行為をなくするために,教師の児童・生徒観や指導のあり方等について,あらためて意識改革を図っていくことが大切であると指摘をいたしました。また,いじめは学校という集団生活の場の人間関係の中で多く起きていることから,教師は,児童・生徒と日々の好ましい人間関係づくりに一層努力し,人間尊重や人権尊重の精神,つまり,心の教育の強化・充実を図ること,いじめの早期発見・早期解決の実践的な力量を高めること,さらにこの問題は,学校だけでなくPTAや地域社会の協力が必要不可欠であることから,学校が開かれた学校づくりの観点に立ち,家庭や地域のよきパイプ役となり,取り組みの輪を広げていくことを訴えました。
これに対し教育長は,いじめや体罰の根絶を目指して,この10月と11月の2ヵ月間を体罰の根絶及びいじめ防止取り組み強化月間として設定する,この強化月間では,10月に全市のすべての学校で体罰やいじめの根絶に向けて全体的な取り組みの計画を立て,11月には各学校で一斉に取り組む,そして今回の取り組みに当たっては,事前に計画書を,実施完了の段階では実施報告書の提出を求め,指導・助言に鋭意努力すると答弁されました。
そこで私は,このたびの強化月間の取り組みについて評価する立場から所信を述べ,数点質問をいたします。
体罰については,申すまでもなく,児童・生徒に精神的な苦痛を与え,人権や人格を著しく侵害するばかりでなく,教師との人間関係や信頼関係を損ない,心身ともに健全な成長過程を阻害するゆゆしき問題であり,あってはならない行為であります。体罰が依然として後を絶っていない現状に,すべての学校が足並みをそろえ,児童・生徒の人権の尊重を基本として,児童・生徒観や指導のあり方等について研修し合い,教師としての自覚とモラルの向上に努めることは,まことに意義のあることで,今後,学校から体罰が一掃されることを期待したいのであります。
また,このたび,再び11月27日,新潟県上越市において,いじめによるまことに不幸な事件が発生いたしましたが,この問題の起きる背景に,学校教育や家庭教育のあり方,社会的な風潮など,それぞれの要因が非常に複雑に絡み合っていることが指摘されております。しかし,ともすると,学校という教育の場でなぜいじめが起きるのか,なぜいじめが発見できないのかと,教師の指導力や資質,指導体制等が問題にされ,学校が一方的に責められる傾向にありますが,これには多少疑問を持つ者の一人でもあります。
いま,学校に通う子供たちが,どのような環境下で育ってきているのかを直視する必要があると考えます。わが国は,戦後50年の経過の中で,世界でも類のない高度経済成長を遂げました。そして,物質的な豊かさという恩恵を得ることができましたが,子育てという観点から家庭や社会を見ますと,さまざまな問題点が浮かび上がってきております。
家庭は,本来,人間として備えるべき基本的な生活習慣や態度等を身につける第一義的な責任を持つべきところであります。しかし,現代社会の特徴とも言える核家族化や少子化の傾向は,親のわが子に対する過保護や過干渉を助長させ,人間関係自体も希薄となり,その結果,対人関係が未熟なままで成長していく子供たちが多くなってきております。また,受験などへの子供に対する過剰な期待は,子供の欲求不満やストレス等を生み,いじめの一因になっていると指摘されております。
また,現代社会は,価値観の多様化と相まって,人間相互の連帯感の希薄化が進み,対人関係をできるだけ避け,個人中心の居心地のよい小さな世界で生活する傾向が強くなり,地域の子供の健全育成は地域が責任を持つという,地域社会の教育力の低下を招いたのであります。
このように,家庭や社会の影響を強く受けた現代の子供たちと,これを受け入れて教育する学校との関係を考えるとき,あらためて,学校,家庭,地域社会の3者の緊密な連携のもとに,いじめ問題の解決に当たることの重要性が再認識されるのであります。
このたび,市教委は,学校と連携して強化月間を設定し,すべての小・中・高等学校と一体となって,この問題に取り組んだところでありますが,教職員みずからが研修して,実効ある指導体制や資質の向上を目指す取り組み,児童・生徒に対し思いやりや人権の大切さを指導する取り組み,学校が家庭や地域の核として,保護者や地域社会と連携する今回の取り組みは,高く評価されるところであります。このたびの取り組みが,本当に実効の上がるものとなっているのかどうか,各学校から市教委にどのような報告がなされているのか,大いに期待をしているところであります。
そこで質問でありますが,1点目は,このたびの2ヵ月間の取り組みで,各学校において具体的にどのような取り組みがなされているのかお伺いします。
2点目は,このたびの取り組みを,市教委は今後具体的にどのように生かそうとしているのか,ご見解をお伺いいたします。
最後に,平成9年11月に予定されております豊平区の分区によって誕生する新しい区,清田区のまちづくりについて,3点ほど私の提案を含めましてお伺いをいたします。
いま,都市をめぐる環境は,前段で申し上げましたように,大きな変化を初め,さらに生活の質的向上を重視する住民ニーズの中にあり,都市におけるまちづくりは,環境問題,雪問題などの諸問題を抱える中での対応を迫られているわけであります。しかし,こうした厳しい状況の中とはいえ,まちづくりの歩みをとめてしまうことはできないのであります。全市的にも,地域の活性化に向けて,市民参加による行政と一体となった創意や工夫がなされております。そこに共通するのは,自分たちの地域を見詰め直そうということであり,地域の個性を形成しようとする意思にほかなりません。
このようなことも踏まえながら,都市の原点でもある,地域という視点にもう一度立ち返り,将来にわたるまちづくりを円滑に進めていく上で,札幌市における地域機能を考えていかなければならないと思うわけであります。新区のエリアは,区域の約4分の3が緑豊かな丘陵地と山林に恵まれ,価値ある財産を有している地域であります。
そこで,本年第1回定例市議会の代表質問で,長岡前議員からもお伺いいたしました白旗山都市環境林整備事業についてであります。
これは,森林保全を図りながら,この自然条件を生かしたレクリエーションの場として森林を開放する事業でありますが,今後も幅広い年齢層を対象として,引き続き,この地を利用した施策をぜひ進めるべきであると思うのであります。このことは,新区の特色あるまちづくりという面からも,重要な資産であろうと思うからであります。
そこで質問の1点目でありますが,この隣接地には,白旗山距離競技場が位置しております。この競技場は,冬季間,歩くスキーや距離競技場として,多くの市民の健康づくりや競技に利用されていることはご承知のとおりであります。
そこでお伺いしたいのは,この競技場の夏場の有効利用であります。
たとえば,大きな大会の開催が可能なパークゴルフ場,スポーツ広場あるいはキャンプ場などの設置をすべきであると思うのであります。特にパークゴルフの人口は,いまや増加の一途をたどっております。いま,高齢化が進む中にあって,健康な高齢者の対策も含め,世代間の交流が図れる施設が必要と思うわけであります。
また,本市は,広域的な生活文化圏の中心都市として,さらに圏域住民のニーズにこたえていかなければなりませんが,新しい清田区は広島町に隣接しておりますことから,この地に,夏場も圏域住民を含めた大会の実施が可能なスポーツ広場を設け,スポーツを通じての市民交流を進めてもよいのではないかと思うわけでありますが,市長のお考えをお尋ねいたします。
次に質問の2点目でありますが,分区に伴う拠点施設の整備についてであります。
新区役所を含む周辺地区は,第3次
長期総合計画におきまして地域中心核として位置づけられており,新区の誕生に伴い,その中心としてふさわしい核形成が一層求められているところでありますが,現状は,一定の商業集積が見られる反面,用途の混在や一部道路体系の不十分なところがあるなどの問題も抱えております。
これらのことを踏まえながら,現在,本市は,住民アンケートをもとにこの地区のまちづくりのマスタープランを策定中で,今後のまちづくりの方向性を検討していると聞いており,その検討結果を待ちたいと思いますが,さきに述べましたように,地域個性の創造を目指し,ぜひこの構想を地域住民の合意のもとに,住民と行政とが一体となって着実に進めるべきであると思うのであります。
そうした中で,中心核形成の大きな柱であります区役所等の拠点施設につきましては,すでに平成9年11月に,平岡1条1丁目を中心として,区役所,保健センター,地区図書館,消防署,4施設合築の総合的庁舎,そして付近には区体育館も建設され,生活基盤等を支える種々の拠点施設が完成されることになっております。このことは,新区民はもとより,地域住民にとっても大変喜ばしいことでもあり,新区のまちづくりに向ける期待も大きく膨らむであろうと考えております。
これまで本市が取り組んできております1区1施設の分区関連施設の整備につきましては,区制後20年余を経過し,ようやく市長の公約が達成されつつあります。これも住民要望が多様化する中,そしてまた,財政環境の厳しい中での市長のご努力を高く評価するものであります。
しかし,新区につきましては,ご承知のとおり,公的施設が不足しているのが現状でありますので,ぜひとも,老人福祉センターなど各区均衡施設につきましても,早期整備に向けて取り組む必要があると思うのであります。
また,あわせてご質問いたしますが,現在のコミュニティセンターにつきましては,分区後は新区民センターとして改修し,地域の生活・文化の向上,あるいはコミュニティの場として基幹施設となるわけでありますが,昨今の住民ニーズと高齢化の社会環境の中にあって,幅広い年齢層がふれ合い,同じ舞台で,同じ文化,芸能・音楽を競い,楽しみを享受できる施設,つまり文化ホールの要素の備わった施設であることが,大変望ましいことであります。
そしてまた,その周辺は,いまもごく近くを厚別川が流れ,隣接の環境保全地区にはミズバショウが咲き,清田公園も隣接し,自然環境には恵まれた場所なのであります。特に厚別川は,周辺住民は地域の魅力づくりを指針として河川清掃に汗を流し,花植えやヤマベの稚魚放流など,積極的に活動を行い,本市も,河川整備事業にあわせて,ふれあい橋や親水広場の設置に配慮をいただいたところではありますが,この地点は,区民センターの予定されているところから約 1.2キロも下流にあり,新区の中心核を整備するに当たり,具体的には,区民センター予定地に近いあしりべつ橋上・下流にも,親水性,遊戯性に富む水辺空間を整備することにより,新区のシンボルゾーンを形成すると考えます。よりよい環境からはすばらしい文化が生まれるとの言葉どおり,より一層の環境改善を図るべきであると思うのであります。
また,清田第二緑地保全地区に隣接する南側の樹林地及び北側の市有地を公園化するなど,緑地保全地区と一体に環境整備をすべきと考えるのであります。この分区関連施設の早期実現及び区民センター周辺の環境整備につきまして,ご所見をお伺いいたします。
次に質問の3点目でありますが,里塚東部地区の公的施設の問題であります。
この地区は,現在,民間による東部開発事業が進んでおり,盛んに宅地造成が行われている地域であり,今後,急速に発展することが見込まれております。しかしながら,新区役所ができます平岡1条1丁目とは高速道路で分断され,交通事情も悪く,大変不自由な状態にある地域であり,また公的施設がなく,行政サービスの面からも不便さが指摘されているところでもあります。したがいまして,連絡所や地区会館など公的施設の整備につきましては,地域住民の切実な願いでありますことから,これらの早期実現に向けた積極的な取り組みが望まれているわけでありますが,今後の見通しにつきまして,そのお考えをお伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,私から,まずお答えをいたします。
最初は,新しい
行政改革大綱と今後の取り組みについてでございます。
第1点目の食糧費の支出事務にかかわる問題についてでございますが,先日の支出帳票に記載された出席者が実際と異なるということにつきましては,それが,理由のいかんにかかわらず,事務処理上あってはならないということであり,遺憾に思っているところであります。
ほかにもこうしたことがないのか,北海道分のほか国に関するものにつきましても,早急に総点検を指示したところでありまして,調査結果によりまして,適切な措置なり対応策を講ずることも検討してまいりたいと考えているところであります。
第2点目の新しい
行政改革大綱の今後の進め方についてでございますが,地方分権,そして高齢化の進展など,社会変革の激しい時代に対応するためには,ご指摘にもございましたように,市民と行政の役割分担や事務事業の見直しなど,行政の再構築に向けた抜本的な改革を図る必要があり,私も,行政改革は最優先の課題であると認識をいたしております。
この改革を将来につながる実効あるものとするためには,行政運営を担っている職員一人一人の意識改革,特に管理職の率先した取り組みが重要であると考えておりまして,市民の負託にこたえ得る行政改革に向けて,全庁一丸となって,大胆な発想で取り組んでまいる所存でございます。
次に,
国際ゾーン計画についてでございますが,この場合,ご質問にお答えをする前に,国際ゾーンという名称について,私が感じておりますことに少し触れさせていただきたいと思います。
この計画は,札幌の都市計画の原点であります大通と創成川とが交差する地区において,新しい世紀のまちづくりの核として,今後,市民の皆さんが誇りを持って次の世代へ引き継いでいくことのできる財産となる都市空間を整備しようというものであります。それは,札幌の顔としての風格があり,いつも大勢の市民が憩い,にぎわっている,そういう空間でなければならないと考えております。
こうした意味からいいますと,国際ゾーンという名称では,必ずしも計画の趣旨が適切に表現されていないと思われますことから,市民各層のご意見にも耳を傾けながら,よりふさわしい名称を検討してまいりたいと考えているところであります。
それでは,まず,ご質問の計画の目標についてでございますが,
国際ゾーンが,来たるべき世紀における本市のまちづくりの核となるものでありますことから,21世紀初頭までには,事業の一部に着手できるように取り組んでまいりたいと考えております。
そのための進め方といたしましては,まず都市基盤施設の整備,すなわち,創成川通の連続地下化及び大通空間の東への延長,並びに地下公共施設等の整備計画を先行的に進めていくことによって計画の骨格を定めることとしており,また街区内においては,主に民間事業者がそれぞれの設備投資計画に従って建てかえなどを行うことを基本としているものであります。
さらに,地下空間の一体的利用を図るために,公共と民間が共同で行う整備の手法についての検討や,民間事業に対する支援策などの検討を進めることによって,民間開発の機運を一層盛り上げ,国際化・情報化などに対応する新しい都市機能の導入を図りたいと考えております。
次に,海外を含めた提案の活用についてでありますが,
国際ゾーンでは,本市の新しい顔として,都心にふさわしい芸術性・文化性を持ち,将来にわたって市民が誇りに思うことができる札幌らしい街並みを実現したいと考えているところであります。このためには,多様な視点からの検討が必要であり,また広く世界に提案を求めるということによって,国際都市さっぽろの名を知らしめることにもなると思いますので,こうした意味から,今後,国内外でのさまざまなデザイン提案などの取り組みを十分研究し,検討してまいりたいと考えております。
次は,ゆうあいピックの本市開催についてお答えをいたします。
第1点目の大会の概要等についてでありますが,これは,いま全国の
知的障害者の
スポーツ大会であり,スローガンを「友 いま集い 愛 いまあふれ」として,平成8年の9月に札幌市で開催するものであります。
第5回目を数えますこの大会には,全国から 4,600名を超える各県選手団の参加を見込んでおります。この大会は,陸上など11種目の競技を市内9会場で行い,そのわざを競うことはもちろんでありますが,大会期間中には,ふれあい広場を設けて後夜祭を開催するなど,全国選手団とそれを迎える市民との交流をも大きな目的としているものであります。そこで,本年4月,本市及び北海道はもとより,社会福祉協議会,福祉団体など,広く各界から成る大会実行委員会を設置したところであります。
また,市民への広報については,これまでも,「大会1年前記念式典」の開催,「大会広告塔」の設置,本年9月の「ゆう
あいピック北海道大会プレ大会」の開催など,さまざまの機会にPRを進めてきたところでありますが,何といっても,多くの市民に競技や式典をごらんいただくことが大会の目的を達成することになりますことから,今後におきましても,さらに効果的なPRに努めてまいりたいと考えているところであります。
第2点目の大会に対する市民の支援,それから参加についてでございますが,各県選手団のほか,競技運営及び式典参加者など大会関係者を見ましても 5,000人を超える見込みとなっておりまして,大会の円滑な運営ときめ細かな対応のためには,相当規模の市民の協力を必要とするものと思います。
したがいまして,大会協力者として,教育,福祉,体育,経済,医療といったような多方面にわたる市民組織から,およそ1万人を超える協力員の参加をいただくように,諸般の準備を進めているところであります。
第3点目は,本市の
障害者スポーツ振興策など,今後の取り組みについてでございます。
平成元年,本市で開催をいたしました第25回全国身体
障害者スポーツ大会を契機に,「北海道車いすマラソン大会」が全国大会として定着いたしております。また,ゆう
あいピック北海道大会開催後も,この大会を機に継続的なスポーツ事業の開催なども含め,
障害者スポーツの今後の組織のあり方やスポーツの場の確保など,
障害者スポーツの振興に一層の努力をしてまいりたいと考えております。
次は,健康づくりセンターの整備計画についてであります。
現在,市民の健康意識の高まりとともに,中央,東の各センターは,これまで非常に多くの市民に利用されておりまして,また,町内会や各種団体等から設置要望が出されておりますことから,設置の必要性については,健康づくりの基幹施設としての機能や規模など,広く市民の方々からご意見をいただきながら検討を進め,できるだけ早い時期に今後の方向性をまとめてまいりたいと考えております。
また,清田区の保健センターに,モデル的試みとして設置する健康増進フロアの機能と活用方法についてでございますが,ここでは,肥満やコレステロールが高いなど,特に運動の必要な方々に実践的指導を行うことを予定しておりまして,できるだけ広く地域住民の皆さんにご利用いただくため,運動機器等を設置し,一般開放するよう検討いたしているところであります。私からは以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 幹線道路の整備計画につきまして,私からお答えいたします。
ご質問の羊ケ丘通の整備見通しでございますが,お話にありましたとおり,国道36号の渋滞解消策として,また防災上の観点から,国道を補完する道路としても,羊ケ丘通の早期整備が重要であると認識をいたしております。
このため,これまで広島町との調整を鋭意進めてまいりましたが,広島町としましては,町側の未供用区間につきまして,年内にも町道に認定したい意向であるとお聞きしております。この認定を待って,早期の事業化に向けて,互いに関係機関などに対して要望を進めることとなっております。
今後は,新5年計画の早い時期の事業着手に向けて,関係機関との協議などを積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に,清田区のまちづくりについてお答えいたします。
白旗山距離競技場の夏場の有効利用についてでございますが,この競技場の発着地となっている場所につきましては,2万平方メーター程度の広さを有しておりますので,議員ご提言の趣旨を踏まえて,立地条件等も考慮しながら,その有効利用について検討を進めてまいりたいと考えております。
2点目の分区に伴う拠点施設等の整備についてでございますが,まず老人福祉センター等につきましては,分区後,早い時期でのオープンを目指して,現在検討を進めているところでございます。
次に,区民センター周辺の環境整備についてでございますが,あしりべつ橋下流につきましては,厚別川緑地として整備済みでございます。しかしながら,ご指摘の点も踏まえまして,分区に合わせた周辺の環境整備の動向を見つつ,親水性等の向上について,今後検討してまいりたいと考えております。
また,緑地保全地区に隣接する樹林地等の環境整備についてでございますが,南側の樹林地については,環境保全上,貴重でありますので,都市緑地として拡張整備する考えであります。さらに,北側に隣接する市有地につきましては,今後,その保全活用について検討を進める所存でございます。
3点目の里塚東部地区の連絡所や地区会館等の公的施設の整備についてでございますが,里塚東部地区を包括する清田地区につきましては,今後の人口の増加,連合町内会の分割等が見込まれることから,地域住民の合意を得ながら検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 教育問題について,私からお答えをいたします。
1点目の大規模な小・中学校の解消についてでございますが,住宅建設の活発な周辺部地域にある学校の学習環境につきましては,十分配慮しなければならないと考えております。したがいまして,住区整備基本計画による1住区1小学校・2住区1中学校の配置を基本としながら,関係機関とも協議を重ね,その解消に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目の体罰の根絶といじめ防止強化月間の取り組みについてでございます。
まず,このたび,2ヵ月にわたって実施された強化月間での具体的な取り組みについてでありますが,すべての学校において職員会議や研修会が開かれ,体罰もいじめも児童・生徒の基本的な人権にかかわる深刻な問題であるとの認識に立って,これまでの児童・生徒理解や指導のあり方,今後の具体的な取り組み等について真剣に話し合いが行われ,さまざまな工夫を凝らした取り組みが行われております。
その幾つかをご紹介いたしますと,外部から講師を招いて人権に配慮した学校教育のあり方やいじめ問題の対応等について講演会を開いたり,市教委や市民局が配付した児童の権利に関する条約の冊子を使って研修し合ったり,授業等で活用した学校,生徒みずからの手でいじめをテーマに脚本化して演劇を上演し,その後に意見発表を行なった学校,児童会や生徒会が中心となってポスターや標語を募集して掲示したり,いじめ撲滅キャンペーンを展開している学校,さらにはPTAや中学校区青少年健全育成推進会等の組織を積極的に活用して,講演会やパネルディスカッション等を企画し,地域と密着した総ぐるみの取り組みを行う学校など,多種多様な取り組みが展開されております。
次に,このたびの取り組みを今後具体的にどのように生かしていくかについてでございますが,市教委では,強化月間中に各学校が取り組んだ特徴的な事例を小・中学校・高等学校別に集約し,今後の取り組みの参考資料として,過日,各学校に配付したところでございます。
また,毎年,冬休み前に発行している,幼児・児童・生徒の指導に関する通知の中で,このたびのいじめ問題の具体的な取り組みを紹介し,今後の学級経営や学校経営のための資料として,全教職員に配付することとしております。
さらに,現在,いじめに関する指導資料の作成を進めておりますが,その中にも,このたびの取り組みの中から参考となる内容を盛り込む予定であり,今後の各種研修会等でも積極的に活用してまいりたいと,このように考えております。
市教委といたしましては,このたびの強化月間における貴重な取り組みが,今後とも各学校において一層工夫され,継続されていくよう,鋭意努力してまいる所存でございます。以上でございます。
○議長(柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
──────────────────
休 憩 午後2時13分
再 開 午後2時47分
──────────────────
○副議長(澤木繁成君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。岩木みどり君。
(岩木みどり君登壇・拍手)
◆岩木みどり君 私は,ただいまより社会党議員会を代表して,上程されました議案並びに当面する市政の諸課題について質問をいたします。
質問に入る前に,私は,この4月の選挙で初当選の幸運に恵まれたわが党4人の新人議員の1番手として,この代表質問に立つ大任を承っております。いささかの緊張を覚えておりますが,国連寛容元年のことしにあやかりまして,お聞き苦しい点は,どうぞ寛大なお心で受けとめていただきたいと思います。
さて,ことしも師走を迎えました。振り返りますと,1月の阪神・淡路大震災に始まり,未曾有の災害や事件が連続して発生いたしました。とりわけ,いたいけな子供が巻き込まれた事件が多かったことも,ことしの特徴と言えます。新しい年が,すばらしい夢と希望にあふれる本市のまちづくりのさらなる飛躍の年になるように念願して,本年最後のわが党の質問に入らせていただきます。
まず,財政問題についてお伺いいたします。
日本経済は,最近の景気動向指数などを見ても,92年度以降本年まで,足かけ4年間不況期であると言われ,これは,先行指数の製品在庫率指数や一致指数の百貨店売上額の44ヵ月連続の前年割れ,有効求人倍率0.61と低いレベルでの推移など,各種のデータからも如実にうかがわれるところであります。
この不況を反映して,税収は,国,地方を問わず著しい落ち込みを見せ,国では3兆円の歳入不足,本市においても,92年度決算で当初予算比 167億円の歳入不足を来たしていることは,ご承知のとおりであります。このため,国は,これまで数次の総合経済対策を講じるとともに,来年度予算編成では,公共事業の積極展開と減税を継続することを表明しております。しかし,財源の不足は約11兆 5,000億円余とも言われ,その大部分を赤字国債で賄うとされていますが,これにより,本年度末で 220兆円に上る国債残高はさらに膨らみ,過去最高に達する見通しであります。本市もこの不況の波を受け,いわゆるバブル経済崩壊後のツケがおもしとなっている感があります。
不動産業を中心に,税収面の不振が続いております。本市の主要経済指標を見ても,個人消費のうち,新車登録台数や大型小売店販売額で前年割れが目立ち,新設住宅戸数も,昨年10月以降低迷が続いております。このため,95年度予算では,市税の不振で市債が大幅にふえ,総額で 952億円,累計残高も 7,001億円と,ここ数年急増しております。半面,財政調整基金残高は93億円と,弾力性を維持できないところまで目減りをする見通しであります。
このような厳しい環境のもとで,来年度予算編成及び新5年計画策定に当たっておられることと存じますが,今後の高齢社会や情報化時代の到来,国際化の一層の進展などを考えますときに,私は,市民要望の高揚は避けられず,これにどう対処していくのかが重要な課題であると考えるのであります。入るをはかって出るを制すという財政運営の基本を踏まえつつも,今日の状況から判断するならば,国の切れ目のない公共投資と内需拡大の減税継続に期待する一方,本市自体も,これまで以上に柔軟かつ積極的な事業展開を行う必要があると考えるものであります。
そこで質問でありますが,第1番目は,95年度決算の見通しについてであります。
94年度決算の歳入欠陥を克服し,安定的な財政運営を図る上からも,歳入を中心とした見通しについて伺いたいのであります。
2番目は,来年度予算及び新5年計画の策定に当たって,財源見通しをどう立てておられるのかであります。
国の減税に伴う本市の影響額,94年度 162億円,95年度 151億円の減収となり,市税の低い収入率を見ますと,市債の活用は必要なことと理解されますが,自主財源確保と市債活用の考え方についてもお伺いしたいと思います。
3番目は,予算編成に当たり,政策の優先順位を峻別し,福祉,教育,環境に配慮しためり張りのきいた予算を心がけるべきではないかと考えるのですが,現在どのような方針で臨んでおられるのかお伺いいたします。
次に,食糧費問題についてであります。
いわゆる官官接待問題等が大きな社会問題に発展しておりますが,こうした中,本市では,さきの定例会で市長が,官官接待は原則廃止すると明言されました。そうした経過の中で,市は,去る11月30日の記者会見において,本年3月10日の食糧費支出の件について,書類記載の相手方が特定できないので内部調査することを明らかにしました。この件について,市は,これまで相手方は道であると報告しておりますから,当初の見解と異なるのであります。事公金支出にかかわる問題でありますから,早期解明は当然のことであります。
そこで質問ですが,記者会見によれば,問題となっている1件だけではなく,国,道にかかわる食糧費の支出全体を調査すると発表されておりますが,調査結果について,議会にはいつ報告できるのか伺います。あわせて,事務処理が不完全ということでありますが,この点を含めた再発防止策をどう考えていくのかお伺いいたします。
いずれにいたしましても,今日問題となっている,いわゆるカラ接待,カラ会議,カラ出張等は,本市においては無縁であるという実態を常に確立しておかなければならないと思うのであります。
次に,第3次5年計画についてお伺いいたします。
現在,その策定作業を鋭意進めていると存じますが,この計画は,21世紀の札幌のまちづくりの礎を築く大切な計画となりますので,2定及び3定に引き続き,今回も質問をいたします。
1点目は,第3次5年計画の事業費についてであります。
92年度スタートの第2次5年計画の年度進捗率は,92年度決算 3,626億円余で19.4%,93年度決算 4,116億円余で22%,94年度決算 4,195億円余で22.4%,そして今年度,3定補正後 4,317億円余で23%となっており,累計実績は約1兆 6,240億円余で,全体事業費1兆 8,700億円に対し,進捗率は86.8%であります。
このように現計画の累積実績は,事業費においても進捗率においても,1976年スタートの新札幌市
長期総合計画以降の各5年計画に比較して上位にあります。市長の任期はあと3年でありますが,計画3年以内に,みずからの公約の目鼻を立てておかなければならないと思います。
そこで,2兆円を超える額を確保したいとした事業費についても,この期間に重点配分をしておくことが肝要と思いますがいかがお考えでしょうか,お伺いいたします。
2点目は,未達成事業の着手についてであります。
第2次5年計画の未達成率は,3定補正後の段階で13.2%であります。新5年計画策定に当たっては,第2次5年計画での未達成事業の事業化は,当然実施に向けて具体的な計画を構築しなければなりませんが,中でも,市場センタービルの建設,第二資源化工場,手稲,北郷などの流雪溝建設,大谷地パークアンドライド駐車場,そして工業団地の造成は第2次5年計画に入っていた重要施策であり,早急に実施計画を図っていくべきものと考えます。この際,未達成事業の事業化についてはいかなる考え方を基本的に持っておられるのか,また,未達成事業の中で,新計画の前半で事業化の見通しが立っているものがあれば,あわせて伺います。
3点目は,ビッグプロジェクトについてであります。
去る11月21日の総務委員会で,市は,旧東札幌駅跡地周辺地区整備の検討状況について中間報告を行いました。それによると,駅跡地面積15.3ヘクタールを市が取得し,そこに中核的な公共施設として,国際コンベンションの展開が可能な施設,産業支援施設,消費者支援施設,女性活動支援施設を設置していきたいとの考えを明らかにいたしました。これは,東札幌地区整備にかかわる基本調査の結果,このような判断をされたものと考えますが,4年前に調査費の計上を強く求めたわが党としても,貴重な大規模用地に対し,本市としての確固たるプランニングを持つことは,きわめて大事なことであると考えております。
そこで3点お伺いいたします。
第1に,総務委員会以降,市は,国鉄清算事業団に対し,土地利用や土地取得についてどのような表明をされたのか,その内容を伺うとともに,今後どのようなスケジュールでこの問題に取り組まれるのか,基本的なお考えを伺います。
第2は,構想の中にある女性支援施設でありますが,これは,現在ある女性センターの移転新築を考えておられるのか,もしくは第2女性センターの建設を考えておられるのか伺います。
第3は,構想の中にあるコンベンション施設についてでありますが,これは,国際会議も可能な大規模会議場を考えておられるとのことですが,それでは,中央区の
国際ゾーン構想とのかかわりについては,どのように整理されていこうとしているのか,基本的なお考えを伺います。あわせて,この会議場の規模,特徴についてお聞かせいただきたいと思います。
第4は,これまた構想の中にある消費者支援施設であります。市は,早くから消費生活センターの建設計画を明らかにしておりますが,場所はいまだ明らかにされておりません。移転先は,この場所を考えておられるのか,この点も伺います。
次に,環境基本条例についてお伺いいたします。
今日,地球の有限性と従来の思想,行動様式の変更の必要性は,世界の合意となるほど,オゾン層の破壊から地球の温暖化,酸性雨,熱帯雨林の減少と砂漠化,海洋汚染,有害廃棄物の越境移動,野生生物の減少,そして原発・核兵器開発による放射能汚染まで,事態はきわめて深刻であります。
こうした問題解決への取り組みの方向は,「持続可能な開発」というキーワードであらわされておりますが,真に地球環境の危機に終止符を打つためには,持続可能な開発ではなく,持続可能な社会への転換に重きを置いた実践の時代を迎えつつあります。
アジェンダ21や環境基本法でも強調されているように,地方自治体が環境保全に果たす役割は大きく,全国各地で制定の動きが始まっている環境基本条例や,96年度に策定目標の設けられたローカル・アジェンダ21策定に向けた具体的な取り組みが,全国の自治体に求められています。
こうした状況の中で,今般,札幌市
環境基本条例案が議会に提出されました。本市における環境基本条例が制定されますと,政令指定都市では6番目のものとなります。本条例の策定に当たって,わが党は,昨年10月,政策大綱をまとめ,市長にも提示してまいりました。
その経過を踏まえ,議案第5号を詳細に検討した結果,特に,市民参加を保障するシステムや環境学習,環境保全施策の推進体制の整備等は先行5都市にはない点,もしくは一歩抜きんじている点として評価するとともに,理念条例であることから,抽象的理念にならざるを得ない不十分さはありますが,それだけに,今後,必要な取り組みは環境基本計画等に積極的に反映させていくことを求めたいと思います。
いずれにいたしましても,本市初の「基本」とつく条例であり,今議会の最大のテーマでもありますので,さらに豊富化していくという立場から,この機会に重要な点を何点か伺ってまいります。
まず1点目は,環境自治体づくりについてであります。
残念ながら,地球環境それ自体に改善の見通しは立っておりません。しかし,環境問題は世界的規模で論議され,国内でも大きな変化が生じ,環境基本法の制定となりました。環境基本法は抽象的理念に終始し,不十分の批判は免れませんが,しかし,将来の日本の社会の方向性を示すことには成功しております。そうした中で,市は条例提案をされたわけですが,本市はどのような環境自治体を目指そうと考えておられるのか,基本的な考え方をお伺いいたします。
また,条例提案に当たって,市長は札幌市環境懇談会からの提言を受けておりますが,今日,懇談会メンバーの一部から,提言の中にある,いわゆる環境権等が条例には触れられていないとの指摘がなされております。この点,条例案策定に当たって,市は提言の趣旨をどう反映されてこられたのか,あわせて見解を伺います。
2点目は,環境基本計画の策定,公表についてであります。
第8条で,市長は,環境の保全に関する長期的な目標,施策の方向,配慮の指針,その他重要な事項の設定に関し,市民及び事業者の意見を反映するとともに,札幌市環境審議会の意見も聞きながら札幌市環境基本計画を策定し,これを公表しなければならないとうたっておりますが,その時期と策定方法についてお伺いいたします。
3点目は,環境影響評価の制度化についてであります。
環境の保全について適正な配慮をするには,あらかじめ事業にかかわる環境への影響について,みずから適正に調査,予測,または評価を行える基準がなくてはなりません。第10条では,その制度を設けることにしておりますが,制度化に当たっては,広がる環境破壊の防止に通用する内容を検討すべきと考えます。その意味で,多少時間を要しても,よりよいものを策定すべきであります。制度化の時期と策定方法についてお伺いいたします。
4点目は,環境学習及び教育の推進についてであります。
第17条で,市民及び事業者の環境保全活動が促進されるような教育及び学習の推進をうたう一方,第2項では,次代を担う児童・生徒の教育及び学習の積極的推進をうたっておりますが,特に第2項について,どのような基本方針で臨むお考えか,具体的に伺います。
5点目は,環境審議会の構成であります。
第29条によれば,市長の諮問機関である環境審議会は,人数30人以内とし,構成は学識経験者,関係行政機関の職員,市議会議員,札幌市環境保全協議会の推薦を受けた者となっておりますが,具体的な構成割合について伺います。
6点目は,環境保全協議会の体制についてであります。
この組織及び運営に関しては,別に規則で定めることにしておりますが,協議会の人数,選出方法はどのようにしていこうと考えておられるのか。私は,各区からまんべんなく参加できるスタイルと,人数は環境審議会の30人体制を上回る活発な活動ができる体制に持っていくことが,必要不可欠と考えますが,市長の見解を伺います。
7点目は,札幌市環境白書の作成についてであります。
第9条では,白書の定期的な作成と公表をうたっております。これまで市は,公害の現況と防止に関する施策の報告書を作成,発行してきましたから,環境白書として作成するのは初めてのことになります。最初の環境白書は,いつ作成,公表されるのか,その特徴とこれまでの報告書との違いも含めて伺いたいと思います。
8点目は,アジェンダ札幌の策定についてであります。
先ほど述べましたように,ローカル・アジェンダの策定は,96年末が策定目標となっております。本市としてはどのような計画を持っておられるのか,この際,明らかにしていただきたいと思います。
9点目は,札幌市みずからの率先計画の策定についてであります。
条例では,随所に,市・市民・事業者が一体となった環境保全の推進という文言が出てまいります。本市は,行政機関ではありますが,一方,事業規模では市内最大の事業所であり,職員の皆さんは消費者でもあります。このことを考慮するならば,他に先駆けて環境への負荷の低減や地球環境の保全等に,率先して努めていく立場にもなろうかと考えます。環境都市を構築するために,市みずからの率先実行計画は欠かせないものと考えますが,どのような見解をお持ちか伺います。
10点目は,環境総合センターの設置についてであります。
環境基本条例を中心とする総合的な環境行政を推進していく上で,市民に,環境に関する情報や学習の機会を提供する拠点施設が必要であります。その際,現在調査中である博物館構想について,自然科学及び環境をテーマとすることにより,さきの拠点施設との複合施設とすることが可能であり,これを環境総合センターとして設置する構想で計画を策定してはいかがでしょうか。
また,広く環境に関する情報を収集し,調査及び研究の推進も必要であります。このためには衛生研究所の協力が不可欠でありますので,この環境総合センターの中核的研究機関として移転併設を行い,新たな関係法整備に伴う環境部門,公害部門に十分対応できるよう施設面や人員配置を考えてはいかがでしょうか。
同時に,本市は,北海道大学を初めとする多くの大学や学術研究機関が立地し,協力が得られやすい環境にあることから,本市の持つ条件を十分活用して,時代のニーズに沿った衛生研究所の調査研究体制の整備を図る必要があります。この機会に,環境総合センター構想について,市長の見解を承りたいと思います。
次に,住宅政策についてであります。
まず,戸建て住宅に居住する高齢者や障害者世帯への冬の支援策についてお伺いいたします。
積雪寒冷地の市民にとりまして,冬季間の生活,とりわけ除雪作業は大きな負担となっております。特に,体力が弱い高齢者や障害者にとっては,健康にも影響を与えかねない大きな問題であります。
本市では,地域のボランティアの協力を得て,玄関間口除雪試行制度を93年度から実施し,高齢者や障害者の冬季間の生活の安定を図っているところであります。高齢者や障害者が地域社会の中で安心して生活していくためには有効な施策ではありますが,一方では,この試行制度の対象にならない,まだまだ多くの高齢者や障害者が除雪に苦労している現状があります。また,この冬からの本格実施に当たっては,ボランティアによるこの制度だけではおのずと限界があり,除雪作業の軽減化の手段として,ロードヒーティングの敷設が最も有効な方策と考えるのであります。
そこで質問ですが,第1点目は,玄関間口除雪試行制度の本格実施に当たって,相当数のボランティアの協力が必要になると思います。現在は無償でご協力をいただいておりますが,今後は有償も検討すべきと考えますが,この点,市長の見解をお伺いいたします。
2点目は,本市では,高齢者等住宅整備資金制度により,高齢者等世帯や高齢者等との同居世帯を対象に,ロードヒーティング設置に必要な資金の融資を行なっております。しかし,これは,65歳以下が貸付対象であり,65歳を超える高齢者世帯には利用できない制度となっており,また,先ほども述べましたように,玄関間口除雪試行制度の対象とならない高齢者や障害者世帯も多いことから,住みなれた地域のわが家で冬季間を快適に生活するための援助施設として,ロードヒーティングの設置費用の助成制度などを創設すべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
次に,旧市街地等における老朽民間賃貸集合住宅の建てかえ支援についてであります。
本市の住宅政策は,94年度に札幌市住宅基本計画を策定し,本市の住宅の現状や課題とともに,来たるべき21世紀において,市民がひとしく豊かな住生活が享受できるよう,自立生活が可能な住宅と住環境,新しい都市型住宅の創造など五つの基本目標を掲げ,その施策の促進に努力されており,私もこの計画の積極的な展望を望んでいる一人でもあります。
しかしながら,古くからの住宅地である中央区や各区の旧市街地では,いわゆるバブル経済時の地価高騰などにより,戸建て住宅の建設戸数の減少や資金難等のことから,老朽化した民間賃貸集合住宅の建てかえが進まない状況にあり,このことが人口の流出につながってもおります。
たとえば,中央区の人口動態を94年度の札幌市統計書で見ますと,89年からの増減は,各区ではそれぞれ増加している中で,中央区のみが緩やかですが減少しているのであります。その結果,中央区の高齢化率は9区の中で最も高くなっており,この人口の空洞化や高齢化の進行は,今後も一層進むことが予想されます。したがって,人口の誘導策が強く望まれるところであります。
また一方で,中央区の住環境を見ますと,老朽化した住宅や民間賃貸集合住宅等が数多く点在しており,旧市街地の住環境整備,また防災上の観点からも,建てかえの促進は必要不可欠なものであると考えております。
同時に,この人口空洞化と高齢化の進行及び民間賃貸集合住宅の老朽化は,中央区以外の各区内でも,主に地下鉄沿線を中心とする,早くから住宅の張りついた旧市街地において多く見られるところでもあります。
これらのことから,旧市街地等における民間賃貸集合住宅の建てかえを促進することにより,若い世代の人口を誘導することが可能であるとともに,旧市街地等の環境整備の一つとして,また地下鉄沿線への人口の張りつきを促す効果もあることから,地下鉄需要喚起を見据えたまちづくりの有効な手段でもあると思うのであります。
そこで,旧市街地等における老朽化した民間賃貸集合住宅等の建てかえに対し,低利融資,無利子融資などの建てかえ資金貸付制度が必要だと考えます。同時に,これらの建てかえ資金の支援により,建設コストの軽減がある程度図られ,そのことが家賃設定においても軽減につながると考えます。
そこでお尋ねいたしますが,先ほど申し上げました建てかえ資金の支援制度を良好なコミュニティ形成や地下鉄需要喚起策の観点からも,国や同じ状況を抱える他都市に先駆け,本市の単独事業として創設すべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
次に,障害者福祉の推進についてであります。
第1点目は,本市職員の障害者採用の拡大についてであります。
本年4月1日時点での本市の身体障害者は5万 8,892人,そのうち18歳以上が5万 6,678人で96.2%,
知的障害者は 6,116人,うち18歳以上が 3,700人で60.5%と,心身障害者は合わせて6万 5,008人,うち18歳以上は6万 378人で92.9%であります。また,このほかに精神障害者は1万 8,730人おり,合計で8万 3,738人という実態にあります。これは,本市人口の4.83%に当たるものであります。
また,近年,事故やけが,病気などの後天的な要因による障害者が増大しており,身体障害者の9割以上が,大人になってからの中途障害者であると言われております。企業や自治体に対する一定割合の障害者雇用の義務づけは,その意味からも社会的に重要であります。障害者雇用率は,自治体で2%,民間企業で 1.6%が義務づけられていることは,ご承知のとおりであり,本市の市長部局では2.37%と,これを若干上回っております。
本市における障害者採用の状況を見てみますと,点字採用試験を94年度から取り入れ,視力障害者にも門戸を開く一方,今年度には一般採用試験で車いす障害者の方が合格し,現在,区役所で勤務いたしております。
他の政令指定都市での障害者採用は,横浜市,神戸市などではすでに3%に達し,大阪市では3%を目標とし,障害者特別採用を実施しております。自治体採用義務の2%は,一般採用者の中に含まれる障害者,あるいは在職中に中途障害者となった人で達成できる数値であります。
そこで質問ですが,本市においても
障害者福祉計画が策定され,ノーマライゼーション理念に基づく障害者雇用が前進しつつある今日,民間企業のモデルとなるよう,本市においても採用率目標を3%に高めるべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
2点目は,早期療育体制の充実についてであります。
発達障害と言われる子供は,人口の 1.5%と推定されております。自分の子供に,早期からの運動や発達のおくれ,言葉のおくれなどで,保健所や医療機関で障害の心配が指摘されたとき,親の抱える悩みの大きさは察して余りあるものがあり,専門的な療育や育児の援助を求める気持ちは切実であります。
北海道では,89年からリハビリテーションシステムの一環として,早期療育システムの構築を始めております。これは,67ヵ所の1次療育圏,児童相談所の担当地域に合わせた六つの2次療育圏,全道をまとめた3次療育圏という形で,障害の疑いや発達に心配のある子供を,身近な地域で通いやすい体制をつくるということで進め,今年度は,奥尻町を除いた66ヵ所に母子通園センターを設置し,早期療育を実施しております。早期から親子が安心して療育を受け,さらに幼稚園や保育所に通う,また,通いながら療育や援助がなされるということが全道一円で進んでおり,このことによって,小学校への入学段階では,障害が大幅に軽減されているのであります。
本市でも,この間,通園施設の増設を進めてきておりますが,道と比較するとおくれは否めず,他市町村で早期から母子通園センターに通ってきた子供が,本市に転居してきた時点で通う場所がないという実態があります。このため,多くの通園施設希望者が待機しており,早急に専門的療育及び援助の拡充が求められているのであります。
そこで質問ですが,
障害者福祉計画の中でも,早期療育について数ヵ所にわたって施策の方針を述べておりますが,今後の具体的な拡充計画についてお伺いいたします。
3点目は,精神障害者への交通費助成についてであります。
他の障害者に比較して社会的支援がおくれてきた精神障害者も,93年度に施行された障害者基本法により,他の障害者と同様の位置づけがなされ,また,本年には,精神保健法の改正による精神保健福祉法の施行に基づき,この10月に精神障害者手帳が交付されたところであります。
この間,国会では,プライバシー保護の問題から,手帳に顔写真貼付の是非をめぐる議論があり,写真を貼付しないことになったのであります。同時に,交通費助成については,写真が貼付されていなければ本人確認ができないということから,心身障害者と同様の扱いにはならなかったのであります。しかし,精神障害者当事者からは,交通費助成がないのであれば,現状で手帳交付を受けても,ほとんどメリットがないと聞くのであります。
本市では,障害者に対する交通費助成として,すでに通所施設に通っている精神障害者に実施しておりますし,療育手帳や身体障害者手帳の交付を受けている軽度障害者に対しても,単独事業として行なっているのであります。また,いつくしみの手帳制度でも,単独事業として,顔写真の貼付なしで自閉症等の情緒障害児に対して実施してきたのであります。
そこで質問ですが,すべての精神障害者手帳交付者への交通費助成を本市単独事業として国に先駆け実施すべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
次に,教育問題について,提言を交えて質問をさせていただきます。
まず,市民に身近な施設の代表である学校施設の活用,とりわけ地域への開放についてお伺いいたします。
これからの学校は,本来持っている施設としての機能のほかに,人的な資源や未来指向の学習の場としての機能面を重視し,地域全体の学習力を高めるとともに,世代間を超えたふれ合いやコミュニティ活動の拠点として,地域に開放していくことが重要であると考えるものであります。
学校側は,これまで学校教育を第一義的にとらえ,学校活用については消極的あるいは受け身でありましたが,いじめ,不登校といった今日的な教育問題が深刻化し,もはや学校だけで解決できるものではなくなった現在,みずからの枠を超えて積極的に地域や家庭と連携していく姿勢が大切であり,学校を活用して地域全体で子供をはぐくむことが切実に求められているのであります。
本市での学校活用の取り組みの一つとして,教育委員会が94年3月に余裕教室活用計画を策定し,これに基づき学校の活用を図っております。
この内容を見てみますと,小・中学校の余裕教室は,95年5月1日現在で 164校 600教室であります。そのうち,社会教育施設等へ転用可能な余裕教室は小学校の53教室であり,実際に転用可能な余裕教室はわずか32教室,学校数にして9校となっております。したがって,この活用可能教室数を前提とする限りにおいては,学校施設のみでは,地域住民の身近な学習施設としては不十分だということになります。また,地域で余裕教室を活用する場合,学校としては,不要となった部分を分離して活用することとなりがちであり,学校の持つソフト面での機能が十分生かされないおそれもあります。
私は,この際,発想を転換し,学校教育,社会教育を統合した生涯学習という立場に立って,学校の果たすべき役割や機能をより幅広くとらえ,学校側からもその地域への開放を積極的に図っていくべきと考えます。
そこで質問の1点目として,学校の活用についての基本的な考え方をお伺いいたします。
本市では,余裕教室の活用のほかにも,従来からさまざまな形で学校開放事業を行なっており,94年度末では,学校体育施設開放延べ 510施設,文化事業開放校6校,学校図書開放校51校となっております。このうち学校図書開放事業は,単なる本の貸出しにとどまらず,地域の人たちのボランティアによってその事業運営が支えられ,親子の交流やさまざまな学習会が実施されております。これは,学校教育と社会教育との接点として今後の生涯学習のあり方を示唆するものであり,今後ともより多くの事業を積極的に展開することで,さまざまな分野の地域住民や,ひいては当該地域の児童・生徒も巻き込み,学校を中心としたコミュニティ活動の発信と発展,そして青少年の健全育成等に大きく寄与できるものと期待するものであります。
さらに,これらの事業の推進に当たっては,豊富な知識と経験を持った教員OBを初め,さまざまな人材を活用することが,きわめて重要な要素であると考えます。
そこで質問の2点目として,地域の教育力を高めていくという視点に立って,今後,学校を活用し,どのような具体的な事業を展開していこうと考えておられるのかお伺いしたいと思います。
開放事業を行う学校は年々増加していますが,市民からは,学校現場において統一のとれた対応がなされていない,もっと活用を促進するような配慮をすべきであるなどの声も多く出されているのであります。もとより,学校施設は学校教育の場であります。円滑に学校の地域開放を進めていくためには,管理責任や費用分担等,多くの課題を解決していく必要があります。しかし,今後,さらに広範囲な地域開放や,さまざまな生涯学習事業の展開への活用を推進していくためには,利用の基準や条件などについて見直しを行うとともに,活用しやすい施設整備に努めていくべきであります。
また,開放や活用に伴う費用の財政的な保障や管理責任においても,学校側に負担を来たさず,積極的に活用に協力する体制をつくり出すよう運営体制の再構築を図るべきと考えるのであります。
そこで質問の3点目として,学校の地域開放に向けた運営面,施設整備面での今後の対応についてお伺いいたします。
次に,いじめ問題についてお伺いいたします。
このことについては,さきの定例会を初め,これまでも幾度となく議論されてきましたが,去る11月27日,またもやいじめが原因で,新潟県上越市の1人の中学1年生男子生徒が,抗議の遺書を残して自殺をいたしました。その日は,くしくも,昨年,同様の理由で自殺をした愛知県西尾市の大河内君の命日でもありました。みずから命を絶つことで問題の解決を図ろうとした,これらの相次ぐ行動は,子供を持つ世の父母,また教育関係者にとっても大きな衝撃を与えました。大河内君の犠牲から1年を経過したいま,その状況が少しも好転しない現状に対し,連日,報道に取り上げられない日はありません。
いじめが問題となり始めた80年代は,いじめられる側に何らかの問題があるやに考えられておりましたが,いまや広辞苑に解説が載っているように,いじめはどこの学校であっても起きています。言葉をかえれば,どの学校でも起こり得ることであります。したがって,いじめを,させない,許さない,認めない方向へ手だてを講じる時期であると私は考えます。
クラスの中できちんと指導ができないとか,子供のSOSを感受することができないなどと,担任教師や学校を批判することは容易ですが,それだけでは問題の解決にはなりません。自殺をした子供たちが,親にはもちろん,家族にも教師にも一言も訴えることがなく,最悪の選択をみずからした一連の行動に対し,国学院大学の竹内教授は,いまの子供の特性をこのように言っております。いまの子供は,大人に助けを求めない,言いかえれば,子供たちを取り巻く大人たちは,親も教師も子供に信用されていないのだと解説しております。
また,かつて,いじめに遭った子供たちは,親に訴えない理由の1番目に,親には心配をかけたくないからと答えております。かけがえのないわが子が,ある日突然命を絶ってしまった場合,残された親の気持ちは,悔やんでも悔やみ切れない無念さに強く打ちのめされていると思います。
さきに述べた子供たちの親に訴えない2番目の理由は,親は疲れている,3番目の理由は,家庭では普通の子供でいたいからということを挙げております。
本来,家庭は,子供を丸ごと受けとめ,活力を充電する場所であるはずなのですが,子供は塾通い,親は忙し過ぎて家庭でのコミュニケーションは必ずしもうまくいってはおりません。一見豊かで,欲しいものは何でも手に入る現代社会は,一方では,いじめや不登校,子供の犯罪,性非行等々,かつてない状況で子供の世界をむしばんでいることを私たち大人は真剣に受けとめ,対応しなければならない,いまがそのときであると私は思うのであります。
そこで質問ですが,「札幌市教育推進の目標」では,「人間尊重の教育」について,「一人一人がかけがえのない人間として尊重され,その生涯にわたって人間の尊厳にふさわしい自己実現を図り,あらゆる偏見や差別をなくし,人間として誇りを抱くことのできる人格の形成を図ることが大切である。」と記載されておりますが,この目標に向かっての具体的な推進状況についてお尋ねいたします。
あわせて,本年10月に,小学校4年生以上の全児童・生徒に配付した子どもの権利条約が,各学校ではどのように活用されているのか,また,市教委及び教職員が十分内容を理解し,実践する方策がとられているのかをお尋ねいたします。
質問の2点目は,いじめ克服に向けて,生徒自身が取り組みを進めることが有効であるとし,他都市の実践例もありますが,本市においては,生徒の生の声を受けとめる体制づくりはどのようになっているのかお伺いいたします。
3点目は,学級定数の削減についてであります。
いじめが教師の目の届かない場所で起きていることは,これまでの経過でも明白であります。現状の1学級40人の定員では,個々の子供たちの特性や行動に目が行き届かないのであります。従来は,学級定数を削減した場合,それに見合う教職員の増員を図らなければならない難しさがありました。しかし,少子化傾向により,児童・生徒数が年々減少している状況からすれば,1学年の学級数を維持することで,1学級当たりの定数を削減することは今後可能であると考えますが,見解をお伺いいたします。
4点目は,懇談会の設定についてであります。
本年度中に,いじめに関する指導資料を全教職員に配付する計画があると聞いておりますが,確かにこれも有効であると私は思います。私は,父母,教職員,相談機関等の専門のスタッフの方々,子育て支援にかかわっている市民団体の方,一般の地域市民の方々,できれば子供を交えた幅広い市民の層での懇談会を設定することが,いま,より有効であり,急務ではないかと考えるものです。このことについて見解を伺います。
これまで,とかく教育問題の対応は,父母と学校,そして教育委員会の枠の中で対応してしまう傾向がありましたが,開かれた教育を目指すと同時に,地域社会の教育力の高揚のためにも,ぜひこの懇談会の実現に向けてご検討をいただきたいと考えるものであります。
次に,不登校についてお伺いいたします。
不登校現象は,いじめ,高校中途退学と並んで,現在の大きな教育課題になっております。不登校については,80年代から台頭の兆しがありましたが,当初は,神経症的な病気であるとか,学業を怠けているのではないか等,欠席,遅刻,早退などの行動以外に表にあらわれている理由が見えないこともあって,学校関係者にもなかなか理解されにくい現象でありました。しかし,現在は,それらに起因すると見られる不登校は一部にすぎず,どの子供にとっても起こり得る現象として認識されるようになってきました。
不登校の原因に,いじめを受けてという事例も確かにあります。また,教師の発した一言で傷ついてしまった事例もあります。進路をめぐって自分の意向が通らない等々,個々のケースによって不登校に陥った要因は異なり,まさに多様であります。中には,要因が重複している子供も見られます。
大阪市立大学の森田洋司氏が,全国の中学生 6,000人を対象に研究調査を行なった報告によれば,一見何事もなく普通に登校を続けている子供たちのうち,1年間に学校に行くのが嫌になったことがあると答えている子供は,「よくある」が10.2%,「ときどきある」が15.2%,「たまにある」が45.4%となり,全体として約7割の中学生は,学校への回避感情,ないしは忌避感情を持っていることがわかります。
こうした潜在要因のあるところへ何らかの条件が付加されますと,たちどころに,遅刻,早退,そして不登校へと結びついていくことは,容易に推測できることであるわけです。いまや,幼稚園から不登校が始まり,小学校から中学校へ,そして高等学校まで,玉突きのような状況で不登校現象は起きております。いずれの年代をとっても,不登校への対応は,教育現場にとって生徒指導上の大きな位置を占めているのです。
子供の不登校現象に対して,ほとんどの親や教師は,何とか登校させようと躍起になるのでありますが,学校の中に居場所を見失った子供にとって,追い上げることは,ますます居場所がなくなり,逃げ場がなくなってしまいます。
昨年度の本市の不登校の状況は,市教委の資料によると,93年度に比較して年間で,小学生で10%増,中学生で 8.4%増となっており,また95年度は,児童相談所発行による「かたぐるま」によると,4月 245人,5月 300人,6月 306人,7月 361人と,いずれの月においても,前年度の同時期の状況に比べると,10%前後で増加の傾向を示していることがわかります。本市におきましては,この状況にかんがみ,すでに91年度から月寒相談指導学級を,94年度から新琴似相談指導学級を開設し,専任のスタッフが指導に当たっていることは周知のことであります。
そこで質問ですが,教育制度そのものの中にある問題は別にして,当面可能な対策として,学校外の専門家による支援組織を設けるべきだと考えるのであります。このことは,学校現場からも要望が出ているのでありますが,教育委員会ではどのように考えておられるのかお伺いいたします。
2点目は,本年8月,文部省は,来年度予算要求の中で,現在実験的に導入しているスクールカウンセラーの派遣校を現在の3倍に,また対策予算を前年比 1.5倍の14億 2,300万円にふやす計画を進めております。これが実現の場合,本市においては,スクールカウンセラーは,小・中・高の各校種に最低でも各1名を配置するべきと考えます。また,対策費は,父母や一般市民の教育力を高めることができる方向で計画するべきと考えますが,見解をお伺いいたします。
3点目は,不登校に苦しむ子供や父母のために,民間教育施設が地道に活動をし,実績を上げている状況があります。現在,市内2校に開設されている教育相談指導学級だけでは,数の上だけでも,不登校の子供に対応し切れないわけであります。私は,これらの民間施設の機能を評価し,より充実する方向で支援していくべきと考えますが,実情をどう押さえ,どのように連携を図っていこうとされているのかお尋ねいたします。
最後に,確実に21世紀を担ういまの子供たちは,押し寄せる時代の波に翻弄され,目標を見失っているのではないでしょうか。いま,子供たちの内面が見えないとの指摘もあるところですが,見る努力をしなければ,見えているものさえ見えなくなります。大人だから正しい,教師だから教えてやるといった姿勢は,子供たちに決してよい影響を与えません。子供は,大人の背中を見ながら,みずからもまた大人になっていくのであります。子供たちが将来に明るい希望が見出せる社会をつくることに,大人は努力を惜しんではなりません。
このことを訴え,私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(澤木繁成君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,まず私から数点お答えをいたします。
最初は,財政問題についてであります。
第1点目の平成7年度の決算の見通しについてでございますけれども,主要な歳入であります市税と地方交付税について申し上げます。
まず,市税につきましては,まだ年度の半ばを過ぎたところでありまして,法人市民税など,今後の収入状況をつかみ切れないものがございますので,現時点ではっきりとした収入見通しを立てることは困難でありますが,依然として厳しい税収環境が続いておりますので,予算額の確保については,これは予断を許さないと言ってもよろしい,きわめて厳しい状況にあると考えております。
次に,地方交付税についてでございますが,本年度の普通交付税として,幸いにも,当初の見込み額を約70億円上回る額で,さきに決定を見たところであります。これに特別交付税を合わせまして, 1,070億円から 1,080億円程度の収入を期待しているところであります。
いずれにいたしましても,今後とも納税対策を強力に推し進め,市税予算の確保に最大限の努力を続けてまいりますとともに,歳出面でのより一層の節減等によって財政調整基金の取り崩しを最小限にとどめるなど,将来の財政運営にも十分配慮した予算執行に努めてまいりたいと考えております。
次に,2点目の平成8年度予算及び新5年計画の財源見通しについてでございます。
まず,平成8年度予算につきましては,景気回復のおくれなどによる影響で,市税や地方交付税については,増額が余り見込まれない大変厳しい財政状況が予想されますが,その中にあっても,新5年計画の第1年次目として,確実な事業執行のための所要財源を確保するために,市税を初めとする自主財源については最大限の確保に努めるとともに,市債についても,後年度負担の少ない有利なものなどを中心に,その活用を図ってまいりたいと考えております。
次に,5年計画の財源につきましては,いま申し上げたような非常に厳しい経済環境のもとで,市税や地方交付税については大きな伸びは期待できないところでありますが,一方,新5年計画におきましては,現計画を上回る事業費が必要となることが想定されますことから,良質な市債を活用することなどによって財源確保を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,今後,計画を取りまとめるに当たりましては,国の新経済計画や来年度に向けての国の経済見通し,さらには本市における今年度の決算見通しなどを総合的に勘案した上で,見通しを立ててまいりたいと考えております。
第3点目の新年度予算の編成方針についてでございますが,本市におきましては,従来から市民本位の施策を積極的に行なってきたところであり,今年度予算におきましても,雪対策,福祉・保健医療施策,廃棄物処理対策,総合交通対策など,市民生活に密接に関連した施策の確実なレベルアップを図ったところであります。
新年度予算の編成に当たりましても,ただいま申し上げましたように,大変厳しい財政状況が見込まれる中にあって,真に優先すべき事業を厳選するのはもちろんのこととして,生涯学習社会の実現に向けた教育関連施設の充実を図るほか,高齢者対策,環境保全対策など,市民生活の安定向上のための施策につきまして,引き続き推進してまいりたいと考えております。
次は,食糧費問題であります。
まず,国及び道に関します食糧費支出の調査につきましては,先ほどもお答えをいたしましたように,できるだけ早急に行うということで指示をしております。この点検には2週間程度の日数を要するという報告も受けておりますが,いずれにいたしましても,調査結果がまとまり次第,速やかに公表したいと考えております。また,この調査結果を踏まえて,適切な措置なり,対応策を講ずることも検討しておりますことは,先ほど申し上げたとおりであります。
次は,第3次5年計画についてでございます。
まず,第1点目の3次5年計画の事業費についてでございます。
5年計画は,計画期間中に本市が取り組むべき事業を明らかにするものでございますが,各事業の年次割りまでも固定するものではありません。計画事業の事業費や財源の配分につきましては,あくまで各年度の予算編成において,それぞれ実現されていくものであります。財政調整基金等による財源の年度間調整にも限度がありますので,計画期間を通して,バランスのとれた執行を目指してまいりたいと考えておりますが,公約などで市民の皆様にお約束をしてまいりました主な事項につきましては,私の任期中に実現のめどが立てられるよう最大限の努力を払いたいと思います。
次に,第2点目の第2次5年計画の未達成事業についてであります。
現計画の中で未達成に終わった事業につきましては,新たな観点からの検討も加えた上で,より時代の要請に即した形で新計画に引き継いでいくべきものと考えておりますが,ご質問にもありました手稲流雪溝,大谷地パークアンドライド駐車場,新規工業団地の造成などにつきましては,早期に事業化を図っていきたいと思っております。
次は,東札幌地区の開発整備についてであります。
まず初めに,国鉄清算事業団への対応でありますが,先般,国鉄清算事業団は,資産処分審議会へ東札幌跡地の土地利用のあり方を付議し,それが了承されたところだと伺っております。
本市といたしましては,事業採算性を検討した上で,価格等の条件で折り合うことができるならば,全地取得を前提として,取得方法,取得時期等を詳細に検討し,今後,引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
次は,第2点目の女性活動支援施設についてです。
現在の女性センターは,利用率がかなり高い状況にあります。また,本市では,昨年第2次の女性計画がスタートして,女性の意識や活動のあり方の変化に対応した新たな施策の展開が見られます。
そこで,女性の地位向上,社会参加を一層進めるために,女性の就業支援や女性に関する情報の収集・提供といったようなことなど,新たな活動の拠点の場をさらに設ける方向で検討してまいりたいと考えております。
次に,3点目の東札幌地区で想定している大規模会議場と
国際ゾーン構想とのかかわりについてであります。
現在,東札幌で想定している会議場の特性としては,展示機能と会議場が一体となったコンベンションセンターとして位置づけることができること,都心に比較して,比較的低廉な利用料の設定が可能なことが考えられます。したがって,それぞれの機能分担といたしましては,
国際ゾーンにおける国際会議場が,比較的小規模な都心型のものが考えられるのに対しまして,東札幌における会議場は,比較的大規模で複合的な会議場を想定しているところであります。
いずれにいたしましても,会議場の具体的な規模,特徴につきましては,近年のコンベンション動向等を勘案し,来年度以降,検討を行なってまいりたいと思います。
次に,4点目の消費者支援施設についてであります。
札幌市消費生活条例や製造物責任法の施行等によりまして,今後,消費者センターの役割がますます重要になると思います。しかし,老朽化,狭隘化が著しい現在のこの消費者センターでは,その役割を十分に果たすことは困難であると判断をいたしております。そこで,消費者支援機能の一層の充実を図るために,新たな施設の建設計画について検討を進めてまいりたい。その場合に,当地区もその有力な候補の一つであると考えております。
次は,環境基本条例に関するそれぞれの質問に,順次お答えをいたします。
1点目のどのような環境自治体を目指すかということについてでございますが,条例案の前文でうたっておりますように,生存基盤である地球環境が脅かされるまでに至っている中,私たちは,地球環境の中で生きるものの一員としての自覚を持ち,環境の保全に努めていかなければならないものと考えております。
特に,本市では,21世紀に向けてノーザン・クロス構想を掲げ,北方圏交流を主軸にしながら,アジア地域など南の地域の都市とも活発に交流する,質の高い環境を有する北の拠点都市の構築を目指しているところでございます。したがいまして,今後は,環境基本条例の趣旨を踏まえ,特に環境の保全という面におきましても,北方圏の拠点都市としてふさわしい活動を積極的に展開できるよう,札幌に集うすべての市民が地球市民としての自覚を持って行動する都市を目指してまいりたい,このように考えております。
次に,札幌市環境懇談会からの提言の反映についてでございます。
まず,いわゆる環境権についてでございますが,環境権の法的な性格につきましては,いまだ定説がなく,判例におきましても認められていないこと,また,その主体,対象となる環境の範囲などにつきましても不明確でありますことから,これを規定することは適当でないと判断し,明記をしなかったものであります。しかしながら,第3条の第1項におきまして,懇談会からの提言どおり,市民が健康で安らぎや潤いが実感できる快適な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保し,これを将来の世代へ継承していくことができるようにしなければならない旨を規定しておりまして,いわゆる環境権の趣旨とするところにつきましては,基本理念の一つとして位置づけをしたものであります。
また,前文において,先住民族について触れられていないとの指摘もありますが,提案説明においても申し上げましたとおり,「国の内外の多様な歴史と文化を有する人々とも互いに協力し合い学び合う」という中には,自然の摂理とともに生きてこられた先住民族の方々の知恵に学ぶという趣旨を含んでいるものでございまして,提言の趣旨を反映したものと考えております。
2点目の環境基本計画についてでありますが,市民及び事業者の意見を十分に反映するとともに,環境審議会の審議もいただき,9年度に策定したいと考えております。
3点目の環境影響評価の制度化についてでございますが,国の内外で実施されております制度について十分に調査検討を行うとともに,環境審議会の審議もいただき,11年度を目途に,札幌市にふさわしい実効性のある制度を確立してまいりたいと考えております。
4点目の児童及び生徒の環境教育及び学習の推進についてでございますが,今年度中に策定を予定しております「環境教育・学習の基本方針」これに基づいて,効果的に推進してまいる所存であります。
5点目の環境審議会の構成についてであります。
学識経験者15名,関係行政機関職員8名,市議会議員5名,環境保全推進協議会推薦者2名の計30名をただいま考えております。
6点目の環境保全協議会の体制についてでございますが,市長の推薦者,事業団体及び環境保全団体からの推薦者,さらに公募による市民,合計40名程度にしたいと考えております。
なお,この人選に当たりましては,ご指摘がありましたように,地域の偏りがないように配慮をしてまいりたいと思います。
7点目の環境白書についてでございますが,最初の白書は,平成8年度中に作成,公表したいと思います。
なお,その内容につきましては,これまでの報告書に加えて,エネルギーの消費量や廃棄物の処理状況など幅広い情報を盛り込み,市民・事業者の環境保全活動の推進に役立つものにしたいと考えております。
8点目の地球環境保全のための地域行動計画であるローカル・アジェンダの策定についてでありますか,市民・事業者・行政,この3者の合意の形成が基本となりますので,8年度に3者の協議機関を設置して,取り組みを始めたいと思っております。
9点目は,率先実行計画についてであります。
ご指摘ありましたとおり,まず市が率先して環境保全活動を実行する必要がありますことから,率先実行計画を8年度に策定してまいりたいと思います。
それから10点目,環境総合センター構想についてでありますが,今後,環境基本条例のもとで総合的な環境行政を推進していくためには,ご指摘のような環境総合センターは,大きな役割を担うものであろうと認識いたしております。したがいまして,現在策定中であります博物館基本構想,検討中の環境学習拠点構想などを進めていく中で,衛生研究所との役割分担を含め,総合的な施設の可能性について十分検討してまいりたいと思っております。私からは以上であります。
○副議長(澤木繁成君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 住宅政策につきまして,私からお答えいたします。
まず,高齢者・障害者世帯への除雪支援策のうち,1点目の間口除雪における有償ボランティアの導入についてでございますが,現在,社会福祉協議会が実施している間口等の除雪事業は,地域の方々の善意に基づく援助活動として実施しております。ご協力をいただいている方々には,作業に要する消耗品費程度を助成しているところであり,今後とも,必要に応じて一部経費の負担をしてまいりたいと考えております。
2点目のロードヒーティングの設置費用助成制度などの創設につきましては,ただいま申し上げました除雪ボランティアの活動状況を見ながら,高齢者等の世帯に対して,どのような施策が適切かつ有効であるのかという観点から,今後検討してまいりたいと考えております。
次に,旧市街地等における老朽民間賃貸集合住宅の建てかえ支援についてでありますが,都心及び都心周辺の人口の空洞化や高齢化の進行の問題は,政策課題の一つととらえており,今後,新しい時代に向けた都心空間の創出や個性ある生活都心の育成等を図っていく中で検討してまいりたいと考えております。
また,旧市街地の老朽化した住宅や賃貸住宅等の密集している地域の住環境整備は,防災の視点からも重要な課題の一つと考えております。
ご質問の老朽化した民間賃貸住宅の個々の建てかえに対しましては,現在,賃貸住宅建設資金の融資を行なっている本市及び北海道の中小企業融資制度や住宅金融公庫等の制度がございますので,当面は,これらの制度の活用を期待しているところでございますが,ご提案の趣旨につきましては,今後研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 障害者福祉の推進につきまして,私からお答えを申し上げます。
第1点目の本市職員の障害者採用の拡大についてでございますが,職員の採用に当たりましては,これまで本市では,障害の有無にかかわりなく,同一の採用試験を実施する中で,点字による試験の実施や現業職採用試験における年齢制限の緩和などを行なってまいりました。
ご質問にもございましたように,本市における障害者の雇用率は,法定基準を上回っている状況にございますが,本年策定いたしました
障害者福祉計画を推進していく上からも,障害者の方の採用を促進し,雇用率をさらに高めてまいりたいと考えております。
第2点目の発達障害児の早期療育についてでございますが,本市のこれらの子供たちの法定通園施設は現在6施設でございまして,来年4月,さらに1施設を開設することといたしております。
また,これまでも心身障害児通園事業や先天性障害児早期療育事業,さらには児童相談所のグループ指導等で幅広く療育が受けられる機会を提供するなど,その充実を図ってきたところでございます。
いずれにいたしましても,今後とも,発達障害児の早期療育は重要であると認識をいたしておりますので,北海道や他都市の状況も参考にしながら,定員増や地域的な配慮をして,必要な療育が受けられるように療育システムの充実を図ってまいりたいと考えております。
第3点目の精神障害者への交通費助成についてでございますが,本市におきましては,従来から社会復帰訓練のため小規模共同作業所へ通う方々に対して,通所にかかる交通費の半額助成を行なってきたところでございます。精神障害者保健福祉手帳を交付された方々に対し,交通費助成を行うことにつきましては,1万人を超える本市の在宅精神障害者数を勘案いたしますと,本人の確認が容易にできる方法を確立する必要があると考えますので,他都市の動向等を見ながら,検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 教育問題について,私からお答えをいたします。
初めに,学校の地域開放についてであります。
1点目の学校の活用に関する基本的な考え方でございますが,いじめや不登校といった深刻な教育問題を地域全体で解決していく上において,学校は,その中心的役割を果たすものであり,また地域住民の最も身近な生涯学習の場として,その活用が期待されているものであります。
このような時代の要請を踏まえ,地域全体の教育力を高めるとの視点に立った学校の活用を促進することは,学校の教育機能を十分に生かすことができ,さらには社会教育や家庭教育の機能とも相乗的に結びつき,大きな教育的成果が期待されるものであることから,今後,一層積極的に取り組んでいかなければならないものと認識いたしております。
2点目の地域の教育力を高めるという視点に立った学校の具体的な活用策についてでありますが,学校側の理解と,PTAや地域の方々の自発的な参加や協力のもとに事業を展開していくことが必要であります。
具体的な事業といたしましては,すでに学校を活用した家庭教育学級や学校図書館開放事業を行なっているところでありますが,これらの事業を拡大・発展させるとともに,児童・生徒を中心とした学習交流事業や,親同士や他世帯の地域住民の交流学習会など,より広範な学校の地域開放事業の実施に向け,鋭意検討してまいる所存でございます。
3点目の学校の地域開放に向けた運営面,施設整備面での対応についてでございますが,これまでも地域住民の利用条件や施設整備面での配慮を行なってきたところであります。今後,学校施設の新築,改築や大規模改造等に際し,地域住民が気軽に利用できるオープンスペースを設けるなど,学校開放事業の促進が図られるよう引き続き所要の整備を行なってまいりたいと考えております。
また,既存の学校開放に当たっても,管理責任の学校側の負担軽減を図るため,たとえば地域住民の協力を得た運営体制を整備するなど,円滑に学校開放が行われるよう検討してまいる所存でございます。
次に,いじめ問題についてでございます。
1点目の人間尊重の教育の推進状況と,児童・生徒に配付した児童の権利に関する条約のパンフレットの活用状況についてでありますが,人間尊重の教育は,学校教育のすべての領域にわたって推進されてきており,各学校では,特に社会科や道徳,学級活動や児童会・生徒会活動などの特別活動において,人間尊重の精神の涵養や,それに根差した実践力の育成に取り組んでいるところでございます。
また,児童の権利に関する条約のパンフレットの活用状況につきましては,各学校において,体罰の根絶及びいじめの防止に対する取り組みを進める中で,昨年12月に全教員に配付した条約の本文をまとめた小冊子とあわせて,このパンフレットを教員研修の資料としたり,道徳や学級活動等の教材として活用しているところでございます。
2点目の生徒の声を受けとめる体制づくりについてでございますが,昨年の12月に文部省が行なったいじめ問題に対する総点検等の実施を契機に,多くの学校では,いじめ問題の解決は自分たちの手でと,児童会や生徒会が中心となり,いじめ撲滅キャンペーンや意見発表会等が実施されております。今後とも校長会と連携を図り,こうした取り組みの輪が広がるよう努力をしてまいりたいと考えております。
3点目の1学級当たりの定員削減についてでございますが,学級編制は国の基準により,現在40人学級で行なっております。これに加えて,チームティーチングによる新しい指導方法の導入や,生徒指導をさらに充実させていくための教員配置を行うなど,さまざまな措置が講じられております。
いずれにしましても,学級編制や教職員定数は,国及び道の所管となっておりますので,指定都市の教育委員会などと連携をとりながら対処してまいりたいと,このように考えております。
4点目の地域や関係機関との幅広い層を交えたいじめに関する懇談会の開催についてでございますが,このたびの取り組みを契機に,すでに設置されているスクールゾーン実行委員会や心豊かな青少年をはぐくむ札幌市民運動の組織等がさまざまな活動を展開しております。今後とも,こうした取り組みがさらに推進されるよう,関係機関や団体の方々に協力を求めてまいりたいと,このように考えております。
次に,不登校問題についてでございます。
1点目の登校拒否児童・生徒に対する専門家の支援組織についてでありますが,市教委では,教育研究所教育相談室において,登校拒否を含め,さまざまな悩みを持っている児童・生徒や保護者,教師等を対象に相談活動を行なっております。ここでは,指導主事などのほかに,医学的な立場からも相談に応じることができるよう専門家医師3名を嘱託医として配置し,相談体制の充実に努めております。今後とも,こうした専門家医師等の活用も含め,登校拒否児童・生徒への適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
2点目のスクールカウンセラーの配置と対策費についてでありますが,このことにつきましては,国の動向を見きわめながら適切に対処してまいりたいと,このように考えております。
3点目の民間施設への支援についてでありますが,本市の登校拒否児童・生徒の中には,民間施設に通いながら,学校復帰に向けて懸命に努力をしている児童・生徒もおります。
市教委といたしましては,民間施設についてのガイドラインを設けて,学校と民間施設が十分に連携を図る中で,一定の条件を満たす場合には,校長の判断において,指導要録上,出席の扱いとしたり,交通費の軽減のために定期券割引制度を適用するなど,支援を図っているところでございます。今後とも,学校や民間施設と連携を深め,対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(澤木繁成君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明12月7日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(澤木繁成君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
──────────────────
○副議長(澤木繁成君) 本日は,これで散会いたします。
──────────────────
散 会 午後4時16分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
副 議 長 澤 木 繁 成
署 名 議 員 三 上 洋 右
署 名 議 員 飯 坂 宗 子...