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平成 7年第一部決算特別委員会−10月26日-08号
平成 7年第二部決算特別委員会−10月26日-08号

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  1. 札幌市議会 1995-10-26
    平成 7年第二部決算特別委員会−10月26日-08号


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    平成 7年第二部決算特別委員会−10月26日-08号平成 7年第二部決算特別委員会             札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第8号)                  平成7年10月26日(木曜日)       ───────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  宮 本 吉 人 君        副委員長  生 駒 正 尚 君     委  員  吉 野 晃 司 君        委  員  越 智 健 一 君     委  員  佐 藤 美智夫 君        委  員  高 橋 忠 明 君     委  員  武 市 憲 一 君        委  員  千 葉 英 守 君     委  員  原 口 伸 一 君        委  員  伊 藤 知 光 君     委  員  三 上 洋 右 君        委  員  笹 出 昭 夫 君     委  員  宮 村 素 子 君        委  員  馬 場 泰 年 君     委  員  横 山 光 之 君        委  員  岡 本 修 造 君     委  員  湊 谷   隆 君        委  員  伊与部 敏 雄 君     委  員  西 村 茂 樹 君        委  員  猪 熊 輝 夫 君     委  員  大 西 利 夫 君        委  員  北 川 一 夫 君     委  員  大 嶋   薫 君        委  員  本 舘 嘉 三 君     委  員  丹 野   勝 君        委  員  森   健 次 君     委  員  小 田 信 孝 君        委  員  本 郷 俊 史 君
        委  員  高 橋   功 君        委  員  荒 川 尚 次 君     委  員  飯 坂 宗 子 君        委  員  横 山 博 子 君     委  員  佐々木 周 子 君        委  員  菅 井   盈 君       ─────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○宮本 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  それでは,議事に入ります。  最初に,議案第2号 平成6年度札幌市病院事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆本郷 委員  私は,痴呆性老人対策について何点か質問させていただきます。  わが党は,機会あるごとに痴呆対策の施策の充実を求めてきているところでありますが,平成2年の第2回定例市議会代表質問においても,痴呆性老人にかかわる在宅支援を行うに当たっては,地域に総合的ケアシステムを構築し,その中で在宅医療支援システムをつくる必要があるとの観点から,保健・医療・福祉の連携を図りながら地域住民を含めたネットワークづくりが急務であると提案をいたしました。  これに対して市長から,協力体制を確立するためのモデル地区をまず定めて,保健・医療・福祉の関係者から成る連絡協議会を設置し,その成果を踏まえて全市的なものに広げていきたいとの答弁をいただいたものであります。  そこで,それらに関連して2点ほどお伺いをいたします。  1点目は,本市の精神医療の中核となる市立札幌病院静療院では,平成5年度からの3ヵ年計画で,病棟の再編成にあわせて老人性痴呆疾患専門治療病棟及び同疾患センターを平成6年度に開設するとともに,平成7年度においては,老人性痴呆デイケア事業を開始し,一貫した痴呆疾患治療体制を確立しております。  その中心となるべく老人性痴呆疾患センターでは,当面,豊平区をモデル地区として,同センターを核としたネットワーク体制をつくり,保健・医療・福祉の連携を進めていると伺っております。その成果と,今後どのような展開を図ろうとされているのかお伺いをいたします。  2点目は,同センターの役割についてであります。  同センターは,老人性痴呆疾患にかかわるさまざまな専門医療相談や患者の処遇方針の選定など,老人性痴呆疾患に関するソフト機能を担うと言われております。  そこで,同疾患センターに寄せられた市民相談ですが,昨年1年間でどれだけの件数があったのか,それは当初の予想と比べてどうだったのか,また,今年度はふえる傾向にあるのか。また,その相談内容は,どういうものだったのかをあわせてお伺いをいたします。  さらに,それらを踏まえ,今後どのような機能の充実を図っていくのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎設楽 静療院長  ただいまのご質問についてお答えさせていただきます。  まず,ネットワーク体制についてでございますけれども,老人性の痴呆疾患専門治療病棟及び疾患センターの開設に際しましては,病棟の運営が円滑に進むように,さらに疾患センターの運営が円滑に進むようにということで,保健・医療・福祉との連携を図ることが必要であるということが強調されまして,その観点に立って,民生局,衛生局,市立札幌病院関係部門ネットワーク化の検討を行いました。  そして,当面は,豊平区をモデル地区として疾患センター連絡協議会を設置し,この協議会で各関連機関との連携を図っていくことがベターであるという結論を得ております。  その結果を受けまして,昨年の6月に,豊平区を中心に保健・医療・福祉関係者の協力のもと,市立札幌病院老人性痴呆疾患センター連絡協議会が設けられ,具体的な連携のあり方の検討を始めたところでございます。  その成果としては,センターの機能,位置づけが各機関に理解をされて,これまで保健所や区役所,老人施設,ほかの病院あるいは家族会などから疾患センターへの紹介がだんだんとふえてまいりました。専門医療相談,診療へつながるケースが増加しておりますので,疾患センターがだんだん中核として認知されてきていると思います。  今後は,協議会での検討を進める中で,患者さん及びご家族の方々が疾患センターを訪れるプロセスで,それぞれの関係機関がどのような役割を担っていくか,あるいは疾患センター鑑別診断によって方向づけられた,入院治療が必要か,在宅治療がいいのか,施設入所がいいのかといったような処遇方針について,各関連機関がどのような連携をするかといったようなことについて,具現化するように努力してまいりたいと思っております。疾患センターを中心にして,より緊密な協力体制を今後つくっていくつもりでございます。  2点目の老人性痴呆疾患センターの機能のご質問でございますけれども,疾患センターの機能の中核をなすのは,実は専任の医療ソーシャルワーカーによる専門医療相談,それから治療方針の選定,それから特に夜間譫妄などにおける救急対応などの窓口機能が中核になるわけです。  平成6年度1年間のセンターに寄せられました相談状況を少しお話しいたしますと,電話対応が 934件,来院対応が 459件で,総計 1,400件くらい, 1,393件に上りました。  初回の相談の中身をちょっとご紹介いたしますと,診察希望が 275件,介護の中身,詳細をどうするか助言を求められる,そういう相談が 137件,入院希望が56件などとなっております。そのうち,鑑別診断へ至ったケースは 164件でございました。鑑別診断というのは,専門医による診断でございます。幸いと申しますか,救急対応というのはございませんでした。  今年度の傾向でございますけれども,どうも半年間の様子を見ますと,相談件数はふえている傾向がございます。  そういう意味では,専任のソーシャルワーカーがおりますけれども,1人の対応では,なかなか難しい状況がありますので,今後これは検討していきたいと思いますが,いずれにいたしましても,先ほどのネットワーク化を含めて窓口機能を充実させていくこと,疾患センターのほかの役割である専門技術をほかに伝えていくということ,それから情報を整理して伝達していくというような,疾患センターに期待される機能を充実していくと同時に,相談内容を今後もっと分析いたしまして,本当にケースネスを大事にしていくというか,個々のケースに適切な援助のあり方を模索していきたいというふうに思っております。以上です。 ◆本郷 委員  ただいまのご答弁の中に,当初の予想がどれくらいだったかというご答弁がなかったのですけれども,相談件数が 1,400件近くあって,お聞きしますと,ケースワーカー1名,看護婦2名で対応していらっしゃるということでございまして,これは,ことしも増加の傾向ということで,これがだんだん市民に周知徹底されていきますと,今後さらに相談件数というのがふえてくるというふうに思うわけです。そういうことも含めて,いまの体制で大丈夫かということを心配するわけでございまして,この辺の今後の取り組みということを,まず1点お伺いをいたします。  次に,痴呆性老人に対するさまざまな対策,これは痴呆性老人を抱える家族の大変な負担,心労,そういうことを思いますと,これはもうきめ細かな,さらに積極的な対応を推し進めていかなければならないと思うわけです。  そこでもう一点,治療方法についてお伺いをしておきたいと思います。  痴呆に対する治療方法は,いまだ確立したものはないというふうに聞いております。しかし一方では,機能維持身体リズムの回復には,光療法や音楽療法が効果があるとも言われております。道においても,今年度,補正予算で痴呆性老人に対する音楽療法などの事業費補助を行なっております。  そこで静療院においても,今後そのような療法を積極的に取り入れるなど,新たな治療方法を導入し,より痴呆疾患に対する治療内容の充実を図っていく必要があるものと考えております。その辺のお考えがいかがか,お伺いをいたします。  また,この1年半を通して,治療効果の上がった例がございましたら,それもあわせてお教え願います。 ◎設楽 静療院長  先ほど申しわけありません。ちょっとお答えしなかったのですが,疾患センターを新設するに当たりまして,各地の疾患センターの状況を調べました。  大体,一つの疾患センターで年間 100例から 200例のところが多うございまして,ただ,かなりたくさん分布しているものですから,人口比で考えますと,大体 1,400くらい来るのは当たり前だったかなというふうに,いま思います。  ただ,確かに1人での対応は非常に難しゅうございますので,現在,静療院全体としてのケースワーカーが介助しておりますので,とりあえずその辺でもう少し仕事の内容を整理いたしまして,今後検討したいと思っております。  それから,治療についてでございますが,委員のお話のとおり痴呆そのものに対する根本的な治療は,いまだ明確に確立したものはございません。ただ,たとえば脳血管性の痴呆のように,痴呆を増悪させるような危険因子である高血圧だとか,それから高脂血症あるいは糖尿病といったような身体疾患を早期に見出して対応していくことによって,少なくとも脳の病変や病状の進行を抑制するということが可能な病態もございます。そういうことをやっていくためには,ほかの関連する医療分野との密接な連携が必要だと考えております。そういうことで,いまそれを私たちとしては努力しているところでございます。  それから,そういう痴呆を増悪するような危険因子を取り除いていくと同時に,一般的には,患者さん自身を尊重するということと,それから患者さんが生活している環境そのものを非常に考慮した生活指導,それから残存する機能の維持,それから活性化,さらには痴呆に関連してさまざまな随伴症状がございます。たとえば,精神症状としては妄想であるとか,夜間譫妄,不眠などがございますし,それから異常行動としては徘徊や,それから興奮などがございまして,こういったものが実は自宅での生活を非常に困難にする要因になっておりますので,そういうものに対する精神科特殊療法,さらにはリハビリテーションといった総合的なケアが非常に重要でございますので,私どもとしてはこういうことを求めていきたいと思います。  委員が先ほど指摘された光療法や音楽療法は,患者さんが持っておられる残存する機能の維持や,それから軽減に役立つことだと思っておりますので,音楽は生活の中でリズムを含めて対応しております。光療法に関しては,いま検討中でございますので,こういった新たな試みも含めまして,私どもも努力していきたいと思っています。  なお,疾患の原因や治療方法の研究が現在急速に進行することが予測されますので,それらの研究成果を踏まえて,新たな試みを導入するということを常に心がけて内容充実を図っていきたいと考えております。以上です。 ○宮本 委員長  答弁漏れないかい。考え方とか。 ◎設楽 静療院長  この1年半に,85名の痴呆疾患の方が入院をしておりまして,69名が退院をされました。69名のうち,66%が自宅に戻られております。過半数は自宅に戻られておりますが,その残りは老健施設特養老人ホーム,あるいは老人病院などへの入院という経過をとっております。  しかし,過半数が在宅の生活が可能になっているということでは,こういった試み,ある期間の入院治療ということも,非常に役立っているというふうに,私どもとしては思っております。以上です。 ◆本郷 委員  最後になりますけれども,私の身近でも,痴呆性の老人を抱えて大変苦労されていらっしゃる方がおりまして,また統計を見ますと,今後さらに痴呆性の高齢者が増加していく,こういうことで,今後痴呆性老人に対する対策はますます重要になってくると思います。  その面で,いまお話がありました医療面での強化とともに,市長答弁でございました各機関と連携をとったネットワークづくり,これに早期に前向きに取り組んでいただくよう強く要望いたしまして,質問を終わります。 ◆横山[博] 委員  3点について質問させていただきたいと思います。  最初の質問は,先日,オープン後1週間という新しい病院を見せていただきました。新しいということもありますけれども,あらためて新病院に対しての期待も,ある意味ではますます大きくなっていくのかなというふうに思って見させていただいたのです。  そこで質問の最初なのですけれども,患者さんが玄関を入られて,さて受診をするにはどうしたらいいのかなと。この病院でどういうふうに動いたらいいのかなというふうに考えると思うのですけれども,案内のしおりをいただいて,診察室までの動線を図面で見せていただいたわけですけれども,これを見ながら,じゃ周りの様子はというと,ホールは吹き抜けになっておりまして,目線に表示板がないと。かなり高いところに下がっているということでは,このしおりを見ながら流れに沿っていけばいいのでしょうけれども,実際問題,体を動かしてみて,これはちょっとわかりづらいなというのが私の実感なわけですね。1階フロア,2階フロア,3階フロアと,大体外来の皆さんはこの3フロアを動くわけですけれども,もう少しわかりやすくスムーズに動けるような,そういう動線の改善が必要なのではないかと,この点どうお考えになっていらっしゃるのか。私は,もう少し目線にそういう動線というか,表示があればいいかなというふうに感じたのですけれども,その点どうお考えなのか,最初に1点お尋ねをしたいと思います。  質問の2番目ですけれども,やはり市立病院高度医療という点での貢献は大変なもので,これはもう旧病院の時代からも何回かにわたって,私どもも議論をさせていただいたわけですけれども,その中で未熟児センターについてであります。  大変広いフロアで,先生も,これだけのスペースをもらって医療活動を続けることができるということについては,大変,先生ご自身も意欲を持ってこれから取り組めるというようなニュアンスのご感想を漏らしていらっしゃいましたけれども,国がこの未熟児,要するに新生児医療に対して,いま何とか光を当てていこうじゃないかと,厚生省なんかも,この分野への支援を強めていこうじゃないかというような動きがあるやに私も聞いております。  そこで,市立病院未熟児センター,何回も繰り返すようですけれども,全国的にも高いレベルにあると。そこで,この高いレベルにある医療に対して,もっともっとやっぱり期待,注目にこたえるような形での充実が求められているのではないかというふうに思うわけです。  そこで,新しい病院がオープンをしたと,これを機会に新生児集中治療室,いわゆるNICU,この国の指定を受けるべきではないかと私は考えるわけですね。その点で,今後の展開について,この分野での医療の充実についてどうお考えになっていらっしゃるのか,2点目にお聞きをしたいと思います。  最後の質問ですが,この間,私どもも何回か議論させていただいて,正式に9月11日の厚生常任委員会でも新病院の移転問題にかかわってのご説明を受けたときにも,この問題について議論させていただいた手話通訳者の問題です。  いろいろ,大変ご努力をいただいているという点は,私も認めたいというふうに思いますが,しかし,いろいろご努力をされた結果,再募集の締切りが10月19日というふうになっておりましたけれども,その時点で,残念ながら応募者はないという到達状況なわけですね。  繰り返すつもりはありませんけれども,お聞きしますところ,オープンして,外来に毎日 2,000人もの患者さんが来院されているということは,やはり公立の,要するに市立病院に対する期待の大きさ,それがそういう受診数,患者さんの来院数になってあらわれているというふうに思うわけですね。  ですから,聴力に障害を持っていらっしゃる方が,何とか一日でも早く手話通訳者の方を決めてほしい,配置してほしいというふうに,多くの方が待っていらっしゃるということも,やはりもう一度私たちは受けとめて,この問題について議論していかなきゃならないのでないかというふうに思うわけですね。  そこで,民間病院では,9年前に専任の手話通訳者を配置して,この間,年間 1,500件の実績で,その中でいま常駐で3名の手話通訳者が置かれているわけですね。こういう状況,こういう実態がありながら,なぜ1人の配置なのかと。こういう民間の病院の実態を踏まえれば,当初から複数の配置をやっぱり積極的に進めるべきではなかったかと。若干の業務内容の見直しもされて,そして再募集というふうになさっているのですけれども,こういう民間病院の実態を踏まえれば,なかなか1人では応募し切れない,手を上げられないというのが当然ではないでしょうかね。  ですから,この現状について,いまこの到達点についてどのように受けとめておられるのか,複数配置という,この見直しについて,再度検討するおつもりがないのかどうか,お尋ねをしたいと思います。 ◎手戸 院長  まず,私からは動線計画についてのご質問にお答え申し上げます。  動線計画は,病院に限らず,空港,各種ターミナル,デパート,ホテルなど,不特定多数の方々が利用される場では,重要な問題として取り上げられております。  これは,とりもなおさず利用される方々へのサービスとして重要である,また,そこで働く職員の仕事の能率上からも大切なことと認識されているからであります。  病院の動線計画も,患者さんへのサービスとして大切であり,迷わず目的とするところに行ける,そして一度行ったら忘れないように,表示をどのようにすればよいか,こういったことに関して国際シンポジウムまで持たれており,私も関心を持ち続けているその1人でありまして,シンポジウムに参加いたしました。このテーマは,いわゆるウエー・ファインディングと,道を見つけていくと,こういったテーマで設けられるシンポジウムでございます。  そこで,新病院は,明快な患者動線を確保するために,中央ホールを起点といたしまして,目で見るつながりも十分考えて,外来診療棟,それから病棟,中央診療棟,これは検査部門,手術,リハビリテーションを含んでおりますが,中央診療棟などの機能を明確にし,かつ,説明だけではなくて,色彩感覚も取り入れまして,ドアとか引き戸,ストレッチャーガード部分,患者さんを乗せるストレッチャーを入れる部分,そういったゾーン別に,ブルー,グリーン,ベージュ等,色彩を分けまして,親しみのある感じをゾーニングに加えております。  そして,実際に患者さんを誘導するのは,いわゆるサインでありますが,サインの設置に関しましてもいろいろ検討いたしまして,建物内部のデザインとの調和,これも大変大切なことでございますし,かつ,初めておいでになる方々にも,病院の機能と配置を理解しやすくするよう案内表示を行うことに努めたところであります。  以上の観点から,結果といたしましては,新病院は天井から下げるような案内表示に統一しておりますが,病院は快適な医療環境ということで自然光をたっぷり取り入れるという,そういうところに非常に重点を置いておりますこともありまして,日光に案内板が反射して見にくいと,そういった点なども含めて,完璧なものとするのはなかなか難しいところでありますが,しばらくの間,注目いたしまして,十分そういったことに検討を加え,問題点については対処してまいります。  具体的には,先生から中央ホールの高いところが見にくいということのご指摘がございました。それで,正面を入られまして,真っすぐ前のガラス戸ライトコートガラス戸を少し行って自然光が入ってくる,あの部分の表示が見えにくいということ,まずお気づきだったと思いますが,確かにそういう面はございますけれども,あれは西日が反射しますと,非常に遠くから見えにくい,遠くから見えるためには大きくしなければならない,そういったところが全体のバランスを崩すということで,多少角度を変えて看板を大きくしてみました。  それともう一つ,遠いところからもすぐわかるというのもなかなか難しいところがございまして,いま検討しておりますのは,中央ホール入りました入り口のところに,床に置く表示板を置く,そして案内をよりわかりやすくする,そういったことも現在検討しておりますが,もう少しお時間をいだきたいと思います。  ただ,表示だけではなくて,幸い市民ボランティアの方がたくさん協力してくださっておりますので,市民の皆さんにとってわかりやすい動線ができるよう,これからも努力してまいります。以上でございます。 ◎向井 副院長  初めに,すばらしい立派な新病院を与えてくだすった札幌市並びに関係各位に厚くお礼申し上げます。職員一同心を引き締めて,心を新たにして診療に携わっているところでございます。  さて,ご質問の未熟児センター,それからNICUについてでございますけれども,少子化,生まれてくる子供が少なくなってくる,この少子化の一方で,道内の未熟児の出生率は年々上がってきており,新生児医療に対するニーズは十分承知しているところであります。  現在の新市立札幌病院にも,7床のNICUはございます。しかし,このNICUの国の指定には,医師,看護婦の24時間勤務体制など,これの維持には多くの人手と人件費がかかります。それから,1床当たり7平米以上という規制もございます。現在,われわれのNICUは,1床当たり4.58平米でございます。  そのような規制があり,その割には収益が上がらないという運営の厳しさから,NICUの閉鎖が相次ぎ,道内では天使病院のみとなっております。  私どもの新市立札幌病院は,完成,オープン直後でもあり,また,施設基準人員体制から,いま直ちにNICUの国の指定に手を上げる状態にはありませんが,前述のニーズを踏まえて,現行の未熟児センターのさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。以上です。 ◎高橋 理事  私から,手話通訳についてお答えを申し上げます。  手話通訳の配置につきましては,これまで何度かご説明を申し上げておりますけれども,新病院の開院から病院の職員としての位置づけを持ちます第2種非常勤職員,こういう身分で1名を任用して,聴力障害者に対応したいと考えておりました。  当院といたしましては,聴力障害者の方が来院される場合,第一義的には本市で実施している手話通訳者派遣制度,これがございますので,これをご利用いただくということを考えております。  私どもは,施設管理者といたしまして,これらの補完的な役割として,ただいま申し上げた派遣事業が不調の場合,あるいは緊急の場合,こういった場合の対応のために,まずは1名からスタートをしたいと,こう考えていたものでございます。  横山委員お話しのとおり,残念ながら10月19日の第2次の締切りまでに応募者がなく,民生局において私どもに推薦がございませんでした。  ちょっとお話をするのを忘れましたけれども,募集に当たっては,このことにノウハウがございます民生局に私どもが依頼をしてございます。で,残念ながら推薦がなかったわけでございます。  現在,民生局におきましても,推薦のため,さらに第2,第3の方法を考えていただいておるところでございまして,私どもは,そこに期待をしているところでございます。 ◆横山[博] 委員  動線の整備については,本当に速やかにご検討いただいて,改善をしていただきたいというふうに思います。  未熟児センターについても,まさにいまご答弁のとおりだということは,私も十分に認識はしているわけですけれども,実際にもう現場では,同じ医療がやられているわけですね。  指定には,いろいろ条件がありますと,基準がありますと,24時間体制,ドクター,ナースの問題とか,床面積の問題とか。しかし,実際にそういう基準に合致していなくても,本市の市立病院のドクター及び看護職員の皆さんの頑張りで同じ治療が行われているという点では,やはり国の指定を受けるべく陣容の配置,充実強化を,私は進めるべきだと。そのことが,いまご答弁の中にもありましたように,採算がとれないからこの集中治療室,新生児の医療がだんだん後退していくような,そういうことでは,実際には困るわけですね。ですから,ぜひその点踏まえて,指定を受ける,そういうご努力とあわせて,それ以前に陣容のさらなる充実という点ではいかがなのか,もう一度お尋ねをしたいというふうに思います。  手話通訳者の問題ですけれども,9年前のお話をさせていただきました。それだけ,聴力障害の方たちにとっては,その受診権を守るというのは,私たち健常者以上に並大抵のことではないということを,やはりもう少し私たち自身認識しなければならないのではないかと。手話通訳者派遣制度の補完という,そういうご答弁ではありましたけれども,しかし,市立病院のきちっとした正規の制度として,あらためて認識をされる,私自身も認識する必要があるのではないかと,そういう観点で,ざっくばらんに言えば,ぜひもう少し実のあるご答弁をいただきたいのですけれども,そういう観点でお考えにならないのかどうか。  実際に,民生局障害福祉部がいま対応されていらっしゃいます。しかし,病院の事業として,この制度を設置して,何とかスタートさせようということで,病院の皆さんもご努力をされているわけですから,そういう民間の9年間の実績をもう少しご検討,ご研究,あるいは現場にも,民間病院でどんな実態なのか,民間の病院にも出かけていって,その実態を把握するというご努力をされてもいいのではないかというふうに思いますけれども,その点,もう一度お尋ねしたいと思います。 ◎向井 副院長  院長が答弁されることかとも思いますけれども,われわれの病院では,人員増を望まれているところがほかにもたくさんございます。  一例を挙げますと,手術場が11になっても,麻酔をかける正規の医者が5人,嘱託が1人と。部屋はできても,なかなか手術ができないというようなところもございます。まだ,ほかに増員を望まれているところがたくさんございます。ただわれわれは,何とか病院の経営を思って,我慢して,力を尽くしているところでございます。しばらくこのままの陣容で頑張って,状況を見てから,いろいろ人員増などを図っていくべきでないかと思っております。 ◎高橋 理事  何か私が理解がないようなお話でございましたけれども,決してそのようなことはございません。  確かに,まだ民間病院への勉強には出向いておりませんけれども,近くそのようにさせていただこうと思っております。  それから,私どもは,これは再々申し上げておりますし,それから協会の方たちにもお話を申し上げてきたところでございますけれども,何も1名に固執をしているつもりはございません。ただ,まずこの制度自体を発足させるということが第一義と考えておりまして,その後,そういうことをよく検証させていただいた上で,さらに制度を進めるなり,そういった方策を考えていきたいと,こういうふうに考えております。 ◆横山[博] 委員  質問は終わりますけれども,いま,職員の増員の問題については,病院全体の問題であるというご答弁をいただきました。  そこで,きょうは市長もちょうどご出席いただいておりますので,やはりすばらしい施設だと思うのです。それこそ全国的にもすばらしい施設の中で,より高いレベルの,また,市民だけじゃなくて,近郊の住民の皆さんにも期待を寄せられているこの市立病院の,名実ともに充実を図るための陣容を今後どのように考えていらっしゃるのか,市長のご決意というか,ご答弁いただきたいと思います。  それと,手話通訳の問題で,これは私自身も含めて,そういう認識に立つべきだということを,私は申し上げたつもりであります。  ですから,障害を持った方たちが本当に正確な,そしてより高い,そういう医療を受けられるという権利を守ると,これは私たちも含めて,そういう立場で頑張っていかなければならないと。ぜひそういう立場で,いま決して1名に固執はしていないというご答弁で,ぜひ前向きに,今後さらなるご努力,ご検討をいただきたいというふうにご要望させていただきます。 ◎桂 市長  まず,病院経営は,いろんな国の制度との関連もあって非常に難しい中で,院長さんほか,お医者さん方が一生懸命頑張っておられる,そのことについては,私も十分理解をしておりますし,建物は整ったわけですから,それに負けない充実した内容のサービスを市民に提供していただきたいと,そういう思いはあります。  しかし,一方,いま厳しく行政改革も求められているわけでありまして,効率的な病院経営を行わなければなりません。もし,そこの点を安易に考えて,経営そのものが難しいことになるとすれば,サービス提供そのものもできないという状況になりますから,その辺のところも考えながら,また,どうしても手をつけなければならないところがどこなのか,それがどの部分からまず手をつけなければならないのか,また,それによる全体的な財政運営に対する影響はどうなのかと,そういうことを見きわめながら,せっかくの施設ができ上がったわけですから,できるだけそれにふさわしい内容を伴うような充実面の整備を図っていきたいと,こう思っております。 ◆佐々木[周] 委員  私は,市立病院に関連いたしまして,新市立病院,また静療院関係もお聞きしたいと思いますので,二つに分けて質問させていただきたいというふうに思います。
     まず,新しい市立病院なのですけれども,市民ネットワークでは,94年の第3回定例会におきまして,自治体病院のあり方について質問させていただきました。  その中で,地域の中での医療と保健と福祉の連携,それが大変重要であるということ,ですから,市立病院が核となって地域へのそういう機能を果たしていくべきというふうに質問したところ,ご答弁としまして,地域医療室ということをおっしゃっていらっしゃいました。ということで,地域医療室について,1点ご質問したいのです。  そのときには,病院と病院,病院と診療所間等の連携を深めることにより,地域医療における中核的役割を果たしながら,そのことにより,一方では在院日数の短縮の実現が期待できることもあり,あわせて経営基盤の確立に資することにしていきたいというふうにおっしゃっていたわけです。  こういうこともありますので,私といたしましては,その地域医療室への期待というのが民間の病院,医院の方,それからまた市民の方たちも,在宅医療を含めて大変期待しているというふうに思います。で,質問させていただきたいのですけれども,地域医療室の人的配置はどうなっているのでしょうか。  それから,医師会とともにということだったのですけれども,場所が設置されましたけれども,どのような内容で運営されようとしているのか,それからまた,今後については,どのようなお考え方でいこうとしているのか,まずお聞きしたいというふうに思います。  それからもう一つなのですけれども,ドクターカーについてお聞きしたいと思います。  新しい市立病院には,消防局の所管であります救急ワークステーションも置かれました。これからのいろいろな救急体制,それから震災,この前,神戸などで震災がありましたけれども,そういうような災害におきましても,的確な治療や,それから救急体制がとれるというふうに思っております。  質問なのですけれども,今回,ドクターカーを機能させるということになっているのですけれども,どのような体制で,どのような内容で動こうとしているのか。それからまた,今後に向けまして,いろいろな機能の持ち方があると思うのですけれども,その辺につきましても,少し詳しくお聞きできればというふうに思いますので,お聞きします。 ◎中西 副院長  まず最初に,地域医療室についてお答えしたいと思います。  地域医療室の設置の経過と目的,それから運営についてお答えいたします。  開院日は11日でございましたけれども,11日から業務を開始いたしております。  人員の配置でございますけれども,札幌市医師会のほうから事務員として,実際には看護婦さんでございますけれども,1名配置して,常勤でもう実際にやっております。  昨日までに,11日間診療日がございましたけれども,利用としては,検査の予約あるいは受診の予約などを含めて45件ございまして,平均して大体1日4件ぐらいで,まあまあの出だしかと考えております。  地域医療室の開設につきましては,昭和63年ごろから,先ほどちょっと先生が言われました病・診連携あるいは病・病連携ということを深めまして,各病院の機能の連携及び機能の分担をさらに進めて,患者さんに良質な医療を提供していこうという機運が高まってまいりました。  またさらに,その当時から非常に高度な医療機械が出てまいりました。それは非常に高額でして,1台数億円というのがざらでございます。それで共同利用をしていこうというようなことが盛んにわれわれ医師の間で議論にもなっておりましたけれども,それを踏まえまして,厚生省から平成4年,地域医療連携推進事業実施要綱が出ました。そして翌年の平成5年には,さらに病診連携推進事業実施要綱が出ました。その要旨は,先ほど言いましたように,各病院の機能の連携と分担を深めていって,いい医療を提供していこうということで,それを進めていくためには,地域医療連携室というものを設けてはどうかというような要旨でございました。  それを踏まえまして,札幌市,衛生局ですけれども,衛生局と札幌市医師会,それからわれわれ市立札幌病院と,この3者が協議をいたしまして,まずワーキンググループをつくりまして,基本構想をつくりました。  それで,それがある程度できましてから,地域医療室の運営委員会をその3者で設けまして,さらに検討を進め,その間に札幌市医師会,それから市立病院では,各医師会の会員の先生方にアンケートを出しまして,地域医療室,それから病・診連携に対してどう考えているかというようなことのアンケートをとり,その報告をまとめました。それが,この報告書2冊になっております。  そういうことを踏まえまして,やっていこうということで,事業の目的でございますけれども,その前に,委員会におきましては,地域医療室を利用するためのマニュアルでございますが,先生のところにお届けになっているかと思いますけれども,それをつくりまして,札幌市医師会の会員は約 2,500人ぐらいおりますけれども,全員に配付いたしまして,地域医療室を利用してもらおうということで,現在やっております。  それから,事業の内容につきましては,第1には,病院相互間で患者さんを紹介し合って,それぞれ機能の連携,分担を進めていこうということ,それから第2には,高度医療機器の共同利用をしていこうということ,それから第3には,研修会,研究会,症例検討会あるいは剖検検討会などを共同で行いまして,われわれ医師の生涯研修に役立てようということでございます。それから第4には,医療情報あるいは保健・福祉の情報などを収集しまして,お互いに提供し合って,これから検討していこうということでございます。それから第5には,医療機器のほかに図書室などを充実しておりますから,それを業務に差し支えない範囲で使用していただこうということの事業内容でございます。  それから,今後の方向性についてでございますけれども,先ほどから申し上げておりますように,相互間で患者さんを紹介し合うということで,われわれとしては,一方的に患者さんを受け入れるのじゃなくて,われわれのほうも急性期が終わって慢性期に移行している患者さん,あるいは手術が終わりまして回復期に入っている患者さんにつきましては,かかりつけのお医者さん,あるいはその地区のお医者さんにお願いいたしまして,通院治療ばかりでなくて,在宅治療についても,いろいろ地域医療室を通して,これから進めていきたいと考えております。  それから,福祉・保健については,これからの問題でございますけれども,札幌市医師会では,社会福祉部の担当の理事の先生,あるいは保健・医療の担当の理事の先生が運営委員会に入っておりますし,それから衛生局では保健衛生部が入っておりますので,それらを含めまして,今後の問題として検討していきたいと考えております。  ドクターカーにつきましては,誤解されると困りますので申し上げますが,ドクターカーというのは,必ずしも全部に医者,看護婦さんが乗っているというわけではございませんで,重篤な救急の患者さんを搬送する途中において,医療を確保するために,要請があれば医師あるいは看護婦が同乗しまして,搬送途上の患者さんの医療を確保するというような目的でございまして,ご存じのように平成5年4月1日に札幌市立病院が救命救急センターに厚生省から指定されております。  それで,大体年間 1,500くらいの救急患者を受け入れておりますけれども,これは札幌市における約3分の2の患者さんに相当します。この患者さん全部に医師や看護婦さんが同乗していくということはとうてい不可能でして,人的にも経済的にも効率が悪いものでありますから,要請があれば派遣していくということでございまして,たまたまといいますか,昨年,厚生省から道を通しまして,患者搬送途上等医療確保事業の試行実施の依頼がございました。  それで,本年の1月から3月,53日間試行しました。そのときに派遣依頼があったのは16件でございまして,患者さん総数は18名でございました。その間に5日間だけ救急車を病院に常駐しまして,そこからすぐ医師,看護婦を乗せて派遣すると,要請があればするというようなことを5日間やりまして,9件そういうことがございました。それはドッキング方式と申しまして,現場から来る救急車と病院から行く救急車が途中で落ち合いまして,そこで患者さんを引き継ぐというようなことでございます。  そういう方法が全国的にもぼちぼちやられておりますけれども,そういう方法を,これらの経験から踏まえまして,先ほど言いましたけれども,救急ワークステーションを,今回救命救急センターのすぐ隣に設けまして,これは 365日24時間,救急隊員が常に3名以上常駐しております。そして,そのそばに救急車が1台必ずおります。それで現場から,医師あるいは看護婦さんの要請があれば,直ちに乗っていって,ドッキング方式でやっていくというような今後の考えでございます。以上です。 ◆佐々木[周] 委員  いまお話いただいた内容,最初に地域医療室なのですけれども,いまお話いただきました形で本当に機能すれば,これからの札幌市の医療費と申しますか,そういうところでも,市立病院は急性期治療,そして民間の病院,医院などでは慢性期治療ということで機能分担も図られ,目的である在院日数を短縮するというのにも,ぜひ有効に活用というか,機能させていただければなというふうに思います。  そこで再質問させていただきたいのですが,先ほどからの話の中で,新規の診察・診療部門でしか増員はなさらないという方針でしたよね。今回,私の質問しております地域医療室も,医師会から派遣されている看護婦さんがお1人ということでした。そういうことで,研修だとか,それから,いろいろ先ほどこういう目的でとおっしゃっていたのですけれども,その場合,いま現在お医者さん,それから看護婦さん,本当に日中の勤務時間内では大変だと思うのですよね。そういう中で,これからのケース会議やら,そういう研修会などをどういうふうにやりくりされていかれるのかなというのがちょっと不安なものですから,その辺についてのお考えをお示しいただきたいというふうに思います。  それから,ちょっと関連というか,ドクターカーのほうなのですけれども,やはり人の配置が大変だと思うのです。受け入れ態勢も,これまでは1人分だったのが2人分になっていらっしゃいますよね,あの救急医療体制の中で。けれども,救急医療室には,同じ人的配置しかないと。ですから,そういうところでも,ドクターカー,いま呼び出されて,そしてその方が行けるかどうかという,そういう状況がないとも限りませんよね。だからそういうところで,人的なところをどういうふうに回そうとしているのか,そういうところをお聞きしたいというふうに思います。  それから,地域医療室関連でもう一つお聞きしたいのは,先日,私は札幌市地域リハビリテーション研究大会という,これは厚生相談所で企画して実施した勉強会なのですけれども,そこで地域の医療のネットワークという分科会に行きました。  その中で,民間のお医者さんなのですけれども,そのお医者さんがご自分の仲間のお医者さん,いろんな科の人,保健所の方たち,地域の社協の方,福祉施設の職員の方,それらの方に集まっていただきまして,地域での医療と福祉,それから保健のネットワークづくりをもう研究なさっている方がいらしたのですね。  地域でそういうふうな動きがあります。そして,札幌市立病院でも,地域医療室ということで,地域と結ぼうという動きがあります。ですから,その方も医師会にもちろん入っているのですけれども,医師会を通じて,それから運営委員会ありますよね,そういう中を通して,そのような方の動きを早くキャッチなさいまして,市立病院を核とした地域での医療・保健・福祉の連携を積極的に進めるべきというふうに思うのですけれども,そのことに対しての,民間の動きに対する支援についてお聞きしたいと思います。 ◎中西 副院長  それじゃ,3点についてお答えいたします。  まず,地域医療室の運営についてでございますが,現在,看護婦さんが1名でございますけれども,実際には,私を含めて地域医療室担当の医師が市立病院に検査のほうを含めまして4名おります。その先生方が交代で,診療の合間を見て,私は毎日行っておりますけれども,お手伝いしたり,私も札幌医師会の副会長をやっておりますので,ときどき行きまして,情報提供,あるいはいろいろ相談したり,そういう運営は,いま現在のところはやっております。近い将来,さらに在宅医療とか,そういうことも含めて,あるいは福祉・保健のことを含めていきますと,それでは足りないと思いますので,それは国の病診連携推進事業のあれでいきますと,国庫補助も出るようなので,それらも含めて考えていきたいと思っております。  それから,ドクターカーについてですけれども,確かに行く人,それからこちらに待機している人で2倍,人が要るわけですね,簡単に言いまして。それらに対処しまして,先ほど言いましたように,全部に派遣するということは,まずもう不可能でございます。ですから,今回,1月から3月までやりました間で16件ございましたけれども,その程度であれば,現在スタッフが9名,それから常勤医師が2名,それから研修医が約10名おります。そういうスタッフで,特に,研修医といいましても,2年目までの人ばかりでなくて,市立病院では,特に市長さんにもお願いしまして,3年目,4年目という後期の研修医を採っております。その方々は,もう十分,一人前の医師として活躍できますので,そういう方を含めて大体20名ぐらいの体制でやっておりますので,この程度であれば,まあまあいまのところはやっていけるかと考えております。  それから,市民とのネットワーク,これにつきましては,先ほどもちょっとお答えしましたけれども,札幌市医師会には,ご存じだと思いますが赤倉先生だとか,先生方みんな入っておりますので,そういう情報はみんな聞いております。そして,これからやっていこうということになっておりますので,今後その方向に進んでいきたいと思っております。 ◆佐々木[周] 委員  本当に市民の期待にこたえるような市立病院であっていただきたいというふうに思っております。  もう一つの質問に入らせていただきたいのですけれども,静療院で行なっております,先ほども本郷委員からお話がありました老人性痴呆症の関連なのですけれども,私はデイケアのほうについてお聞きしていきたいというふうに思います。  老人性痴呆症の方については,民生局管轄のデイサービスセンターでも一部受けているということはありますけれども,やはり静療院では,割と重症なと申しますか,民生のほうでは受けられない方でも受けられる,そういうようなデイケアであってほしいなというふうに私は思っております。そして,そこのデイケアの場所が,来られた方たちの居心地のいい場所,そういう場所であってほしいなというふうに思っているわけなのですけれども,そういう対応の仕方をなさっているという前提において,私は,今回は痴呆症の方を抱えていらっしゃる家族の方について質問していきたいというふうに思います。  お聞きしましたら,デイケアに来られている方のうち,家族の方もご一緒にいらっしゃる方も多少はあるようなのですけれども,家族の方が家庭でほっとしたいというか,そういう目的のデイケアでもありますので,家庭にいて,そして痴呆症の方だけデイケアのほうにいらっしゃる,そういうことも結構多いというふうに聞いています。  それで,家族の方が,デイケアを終わって,日常的にどういうふうな対応をなさっているのかなということを私は思うのですけれども,割と痴呆症の方,お一人お一人の特性と申しますか,そういうことがありまして,対応の仕方で,デイケアで,せっかくすごくいいケアをなさっても,おうちに帰られて,家族の方が冷たい言葉をかけてしまうとか,面倒がって優しい対応ができないとか,そういう場合もあるのではないかというふうに思うのです。  そこで質問に入りますけれども,デイケアの中で,そのプログラムの中に,家族の方もともに参加してケアの仕方を学んでいただく,そういう場を設けていってはいかがでしょうか。  また,これはグループ・ケーススタディーと申しますか,その家族の方だけに集まっていただいて,そしてご自分の日常的な悩み事だとか,そういうことを1対1ではなくて,グループでそんな話を出し合って,お医者さま,それからPSWの方だとか,専門的な方からのアドバイスをその中でいただいて,そして家庭に帰られて日常的な対応をしていくと,そういうふうにできるように,プログラムの中にそういうことも加えていってはいかがでしょうか。2点お聞きしたいというふうに思います。 ◎設楽 静療院長  本年5月から痴呆性老人のデイケアを開始いたしました。  一応,対象としては,重度の方をということで考えているのですけれども,現在25名が定数なのですが,登録人数は16名で,やや余裕がございます。実質的には,平均11名が来院されているということで,週4日,1日6時間で行なっているのですけれども,毎日毎日来られるというのは,いろんな身体的なものとか,それから家族の方のいろんなご都合なんかで,そういう意味で平均11名になっていると思います。  いま,お話がございましたけれども,デイケアに一生懸命来られる家族の方は,ご老人の介護については非常に熱意を持っていらっしゃる方が多いというふうに認識をしております。  いまお話されましたグループカウンセリングというか,集団療法,家族に対する集団療法も,当然必要だというふうに思っておりますけれども,現在は送り迎えをされる方が結構おられまして,その中で自由な時間をつくっているということで,家族が精神的にも身体的にも負担が軽減されて,非常にほっとされるということもあって,さらにそこにグループ指導というようなことを入れていくと,ちょっと,すぐには大変であろうと思います。  個々には,医者,それからPSWが家族支援については行なっておりますので,それはデイケアばかりでなくて,日常の診療もございますし,それから,PSWは,いつでも要請があれば,その相談に応ずるということですので,グループ指導に関しては今後の課題とさせていただきたいと思います。  それから,今年度で静療院の再編が一応終了するのですが,研修棟ができますので,その時期になってグループ指導などを積極的に行い得るかと思います。現在のところ,部屋ですとか,そういう余裕はちょっとございませんので,今後の課題にさせていただきたいと思っております。以上です。 ◆佐々木[周] 委員  よくわかりました。  それで,もう一つ質問したいのは,いま家族の方に向けてのいろいろな対応の仕方というか,そういうことで質問させていただいたのですが,そこからちょっと一歩広げまして,デイケアに来ていらっしゃる方の家族だけではなくて,先ほどの質問の中から,相談件数がずいぶん多かったというふうなこともお聞きいたしました。  それで,痴呆症の方については,在宅で介護なさっている方が結構多いように聞いておりますので,そういう方に対しても,先ほどおっしゃった研修棟ができ上がってからになるかと思うのですけれども,よく言われる介護講座ではなくて,先ほどのグループカウンセリングというのですか,そういうもう少し広げた形ですること。  それからもう一つ,衛生局のほうに,私は申し上げたのですけれども,「やさしい精神保健講座」という,これはボランティアの養成も含めた形の講座だったのですけれども,そういう講座があって大変好評だったわけなのです。関心を持っていらっしゃる市民の方も結構多かったということもありまして,これをもう少し広げて,痴呆症の方についての易しい講座ですか,そういうものも研修棟を使って開かれたら,さらに先ほどおっしゃっていた地域でのネットワークづくり,そういうことに対して,大変いい効果が得られるのではないかというふうに思いますので,研修と申しますか,易しい講座ですか,それを市民に向けても開催してはどうかというふうに思いますので,この点についてもお聞きしたいと思います。 ◎設楽 静療院長  確かにご指摘のとおりでございまして,私どもとしては,疾患センターの機能の一つとして啓蒙活動がございますので,病院単独でというよりも,衛生局や民生局と協力して,そういった形の活動はこれからしていきたいというふうに考えております。  いま,まだ2年目ですので,当面は私たちの医療的なアプローチの足元をきちっと固めていきたいというふうに考えておりますので,今後の検討課題にさせてください。以上です。 ◆宮村 委員  私は,大きく4点質問いたしたいと思います。  まず1点目は,今回の市立病院移転に関してでございます。2点目は,平成6年度決算に関して,患者動態面から質問したいと思います。それから3点目は,新看護体系導入に関しまして。そして4点目が,患者アメニティーについてお聞きしたいと思います。  まず第1点目,市立病院移転に関してでございますが,入院患者の移送がこの10月9日に実施され,何事もなく無事に終了されたとお聞きしております。新聞等,いろんなところで報道されておりました。11日から診療を開始され,新市立病院が開業をスタートしたわけでございますが,まずはお祝いを申し上げたいと思います。  そこで,新病院の移転に伴って,三つほど質問いたします。  一つは,今回の移転事業は,市立病院にとりましては,何十年に1回といいますか,50年, 100年に一度と言ってもよいほどの大事業であったと思われます。私も経験ございますが,本当に大変なことだったと想像いたします。  患者の移転,それから外来診療の継続については,毎日いらっしゃる患者さんや家族にお知らせや,意見を聴取し,希望を尊重した対応が抜かりなく必要ですし,患者移送については,安全,安楽を最大限に考慮した方法の選択と,職員一丸となって事に当たらなければならない,そういう状態だったかと思います。  そこで,この大きな移転事業について,市立病院として総体的にどのような評価をなさったのか,まずお聞きしたいと思います。  次に二つ目は,患者の交通アクセスについてでございますが,今回,北1条西9丁目の中心地から桑園地区に変わったことによりまして,JRで通える人は大変便利になったことだろうと思います。しかし,その他の患者さんにつきましては,地下鉄へ接続しなくなることなど,大変不便になるといったことも多く聞いております。  私,住んでおります真栄や清田方面では,なかなか市立病院が利用できなくなるという,そんな声をたくさん聞いております。  この点については,市立病院でも交通局と連携をとり,いろいろ工夫されたと思いますし,そういうふうにしまして,交通路の新設等もご説明ございましたけれども,開業後,外来の患者さんが利用した交通機関の状況等について,市立病院としてとらえておりましたら,お聞かせいただきたいと思います。  また,ことしの第2回定例市議会の特別委員会でも,外来患者の利用する交通機関について,想定された割合をご答弁しておられますが,その想定割合と比較して,どのような状況になっているか,まだ日が浅いのでございますが,お聞かせいただきたいと思います。  2点目ですが,平成6年度決算を見まして,気になりますことをお聞きいたします。  6年度決算で,入院ベッドが使用されている割合であります占床率が,病院全体で80.6%と,前年に比べまして 4.9ポイントのマイナス,本院だけでは85.3%と,対前年 4.5ポイントの落ち込みとなっております。  また,外来患者につきましても,病院全体で43万 9,268人と,前年に比べまして 3,749人もマイナスになっておりますし,本院においては40万 7,792名と, 4,472名も落ち込んでおります。この状況が移転してからも続くとしますと,大変な事態かと考えるわけでございます。  そこで,このような結果が生じた原因は何なのか,市立病院としてはどのようにとらえていらっしゃるか,まずお聞きしたいと思います。  次に,新病院への移転に備えて,入院患者数を暫時減らされたわけですけれども,新病院開院後の占床率の回復状況及び外来患者の来院数の状況とあわせて,今年度の最終的な占床率及び外来患者数についてどのように見込んでおられるか,開院後2週間程度で予測はなかなか大変かと思いますが,お聞かせいただきたいと思います。  続いて3点目ですが,新看護体系の導入についてです。  今日,患者さんは,医療の質,看護の質,入院環境の快適さ,いわゆる質ですけれども,それを求めており,そういうことからも,これから市立病院への患者の期待は高まる一方だと推察いたします。  平成6年10月の診療報酬改定の中で,看護は保健医療機関の責任で行うというコンセプトのもとに新看護体系が導入されました。これは,看護の質の向上を目指したものです。そして当面,経過的には,基準看護体系も存続させるとなっております。  私は,看護に着目したこれほど大きな改革は,今後あり得ないというふうに思っております。病院の健全な経営の視点からも,また看護の質の評価の面からも,基準看護から新看護への移行は必至の情勢と思っております。  現に,ほかの大都市の病院や市内の大規模病院では,導入しているところもあるやに聞いております。人員体制,在院日数など,クリアしなければならない問題も多々あろうかと思いますけれども,この新看護体系の導入についてのお考えを少しくお聞かせいただきたいと思います。これは看護のことでございますので,看護部長にご答弁お願いしたいと思います。  最後に,4点目の患者アメニティーについてでございます。  新市立病院は,患者のアメニティー志向を十分考慮して,受診,療養環境の整備を一つの大きな柱として完成したものと思います。  先ほどの院長のご答弁の中でも,建物総体的に配慮しているということでした。私も厚生委員会で,移転前ですけれども,視察してまいりましたが,まだ移転前で,具体的な動きというのは十分わかりませんでした。施設としては,立派ですばらしい病院だと思いますが,そこにやはり医療の精神といいますか,そういった魂を注ぎ込んで,名実ともに道央圏の中心病院たるものとするためには,ソフト・ハード両面にわたる工夫も重要ではないかと思うわけでございます。  そうした点からお尋ねをいたしますが,まず第1点目は,患者さんに心身ともに安定して療養生活が送れる空間,安らぎ,和む設備がどのように組み込まれているのかをお聞きいたします。  また,2点目は,ボランティアの件でございますが,ボランティア導入を報告しておりますが,新しい病院へのボランティアの導入は,患者サービスの向上,アメニティーの向上に大きな役割を果たすものと思われます。まさに適切な措置というふうに評価いたします。  開院から2週間たった現在,いかほどの人が参画され,そして患者さんとの間でどのような業務に従事されているのか,現行の医療法の制約もあると思いますが,お尋ねしたいと思います。これにつきましても,看護部長にお答えいただければと思います。以上でございます。 ◎手戸 院長  第1点目のご質問,市立病院として今回の移転をどう評価するかということについて,私からお答え申し上げます。  市立病院は,明治29年,1869年の創立以来 126年,多くの先達の努力によって今日がございます。が,老朽化,狭隘化が進み,求められる医療が思うようにできず,苦慮する日々が続いておりましたが,今回,すばらしい病院が完成し,晴れて時代に沿った新しい医療の展開が思い切ってできる,そういったことになりましたことを心から感謝申し上げております。そして,この歴史的な時期に現職員として居合わせることができたこの幸運に感謝するとともに,責任の重さを感じているところでございます。  さて,移転事業の中で最も心配されておりました10月9日の完全移送についてお話を絞らせていただきます。  自衛隊北部方面隊第11師団,札幌市消防局の救急隊,それから北海道警察本部並びに関係の医療機関,そして医師会等,多大のご支援をいただき,無事移転を終えることができました。  当初見込んでおりました 200人の搬送予想は,患者さん側の予想以上のご協力により,これは無理のないご協力でございましたが,最終的に84人となりまして,そのほとんどが重症患者でありました。で,84人になりましたことで,一人一人を急がず,丁寧に慎重に搬送でき,事故なく完了いたしましたことに安堵しております。  いずれにいたしましても,私どもにとりまして二度とできない貴重な経験であったというふうに考えております。以上でございます。 ◎高橋 理事  私から,2点お答えをさせていただきます。  外来者の利用した交通機関の問題でございますけれども,過日,私どもの職員が外来患者 200名に対してアンケート調査をいたしました。  その結果,まず 200名の居住地でございますけれども,やはり地域的なこともございまして,中央区,北区,西区,こういった方々が多かったようでございます。中央区が17%,北区が17%,さらに西区が13%と,ほぼ半数がこの3区になります。続いて,東区,豊平区が 7.5%,最も少なかったのが厚別区の3%でございました。また,市外からも,17%34名の方がご来院でございました。あくまでも 200名に限ってのことでございますから,局地的な現象かとも思いますけれども,全体をはかる上での一つの指針かと思っております。  問題になります利用機関でございますけれども,この場合,予測値と比較してというお尋ねでございますので,先に予測値を申し上げ,その調査結果を後で申し上げますが,JRは予測値が23%でございましたが,調査結果は36%と予想を上回っております。自家用車は,予測値が30%のところ,実態では27.5%。それから市営バスが,予測値が25%のところ,調査結果が22.5%と,ややイコールでありました。それから,タクシーが予測値が17.5%でございましたけれども,結果として 8.5%と,予想を大きく下回りました。徒歩及び自転車は,予測値が 4.5%のところ,調査結果が 5.5%。以上の結果,私どもが開院前に予測していた数値とやや近い数値になってございます。  それから,平成6年度の占床率及び外来患者数の減じた理由といいますか,原因についてのお尋ねがございました。  ご質問にございましたように,入院患者数は,対前年比 4.5%減,そして外来患者数が 4,472人の減少でございました。  特に,昨年度はインフルエンザ等が流行しなかったということもございますけれども,ここ数年,本院における患者数は,漸減傾向にございました。これは旧病院の施設設備の老朽化あるいは旧式化,こういったものが原因の一つではないかと思っておりますし,また,他の総合病院が幾つか新築をされました。そういったことにも原因があるのではないかと,私どもは思っておったところでございます。  新病院が開院をいたしまして,これはまだ9日間の,23日月曜日までの数字でございますけれども,外来患者としては,この9日間で1万 6,227,1日平均 1,803名の患者さんが来られております。そのうち 2,031人が新患でございまして,1日当たり 226人の新患が来ております。旧病院の時代は,大体1日平均が 100名前後でございましたから,ほぼ2倍の新患が来院をしているということになろうかと思います。  それから,入院患者数は,昨日の4時現在で 495名,占床率61.1%まで回復をいたしました。これは,漸次回復をするものと思われます。  今後の見通しでございますけれども,一応私どもの予算値では,後半,目いっぱい占床率を94%と見ておりまして,そういたしますと,これから相当頑張らねばならないと思っているところでございますし,それから,外来も1日当たり 2,170人という目標を立てておりますので,本院だけで45万 3,000人を見込んでおります。この数字にこれから頑張って到達してまいりたいと,こういうふうに思っておるところでございます。 ◎重松 看護部長  新看護体系の導入についてお答えを申し上げます。  当院の診療報酬上の看護体系は,現在,基準看護の特2類と特3類を取得しております。  特2類は,患者 2.5人に看護職員1人,特3類は,患者2人に看護職員1人の配置が義務づけられております。特3類には,平均在院日数30日以内であるという規定がございます。
     お尋ねの新看護体系は,平成6年10月に創設された新しい看護料の体系でございます。その中で最も診療報酬の点数が高いのが2対1看護で,患者2人に看護婦1人を配置することと,平均在院日数が30日以内であるという二つの要件がございます。  当院のような高度医療を行なっている病院では,2対1看護が必要であるというふうに考えておりますが,まだ平均在院日数がクリアできておりません。当院の平均在院日数は,平成7年7月で 31.5日でございまして,引き続き努力をいたしまして,これらの要件が整い次第,2対1看護を取得していきたいと考えております。  次に,アメニティーについてのご質問でございます。  患者さんがなごむような施策について,どのようなことをしているかということについてでございますが,外来では,中央ホールを2階まで吹き抜けにいたしまして開放感を持たせ,また待合室もゆったりとしたスペースをとりました。病棟でも,4床室を主体といたしまして,個室も多くいたしました。  また,病棟の各フロアにデイルームを設けまして,日当たりのいい南側にいたしました。いす,フロアにつきましても,カラー,デザイン,レイアウト等に工夫を凝らしまして,患者さん方からも好評を得ております。  また,デイルーム内に大型のテレビを設置いたしまして,自由にお楽しみいただいておりますほか,中央図書館のご協力をいただきまして,図書もたくさんそろえ,数ヵ月ごとに他のフロアと交換することを予定しております。  小児科につきましても,外来,病棟ともにプレーコーナーを設けまして,子供さんたちが屈託なく遊んでおりまして,大変喜ばれております。  ボランティアにつきましてですが,74名の方に登録をしていただいておりまして,新病院オープンの日から活躍をされております。月曜日から金曜日まで,毎日,午前,午後ともに6名前後の方々が外来等の案内に携わっていただいております。まだ十分,患者さんたちにはなれていない状況でございますけれども,徐々になれていただくことを期待しておるところでもございますし,いまデイルームの図書の整理とか音楽会の開催,それから中央ホールの生け花等について,徐々に活躍の場が広がっているところでございます。  今後は,病棟におきましても,ベッドサイドでの本の朗読や趣味のお手伝いなどをしていただきまして,患者さんたちが心豊かに入院生活が送れるような環境づくりをしてまいりたいと考えております。以上です。 ◆宮村 委員  ただいまご答弁いただきまして,市立病院移転に関連しまして,スムーズにいっているということがわかりました。移転後,まだ2週間という状況ですが,患者さん,私は豊平区なんていないのじゃないかというふうに思いましたけれども,大体,全区から患者さんがいるということがわかって安心しております。  ただ,JR利用がやはり予想以上に多いという傾向でございますので,今後ますますこの傾向は強まるのではないかと思います。各区の市民が利用しやすい,患者に優しい交通アクセス整備を,ぜひ時期を見てご検討いただきたいと,そのことを要望したいと思います。  それと,患者アメニティーについてでございますけれども,ボランティアの力をかりながら,大変配慮されているように伺いました。ボランティアの方々が誇りを持って活動の継続が図れるように,患者さんたちにもさらに喜ばれるように,看護部としてのご指導を強くお願いしたいと思います。  また,新看護体系の件で,もう一度質問したいと思いますが,在院日数31.5ということで,これが大変縛りになるというふうに思います。  新看護体系は,収入にもつながるわけですけれども,そういった縛りと看護婦の数ということがございますが,まずこの31.5というのは,なぜこの日数なのかということと,新病院医療機器,このたび検査機器3台新規購入しておりますし,増設も3台ございました。  また,大型の治療機械ですね,この新規購入もしておりますので,検査ですとか,治療の促進につながるのではないかというふうに思うのです。ただ,単純にはいかないと思います。それを利用する患者さんがどうかということでも,そう簡単にはいかないと思いますが,こういったことも含めて,在院日数に関しては,減るのではないかというふうに思うのですが,いかがでございますでしょうか。 ◎手戸 院長  その在院日数,確かに新看護体系は,やはり質の高い医療並びに看護の提供のためには,どうしてもクリアしなければならないと,私ども思っておりますし,いまお話の中にも,診療報酬の上から経営の向上につながると,こういうことで,これは努力中でありますが,確かにこの30日に在院日数を縛るというのは矛盾がないわけではありませんが,国の誘導施策ということで,これは議論の余地がない,何としてもこれに合わせなければ病院経営が成り立たないという,そういう一面がございます。  その矛盾というのは,これは医師会でも全国自治体病院協議会でも,その30日は無理だという声が上がっている部門としては,たとえば脊髄損傷,大型の交通事故の場合,私ども救命救急センターで,多数の脊髄損傷,首を折られて下半身が全部きかなくなるという,そういったものに対して30日で仕上げろといっても,これは難しい,不可能な問題であります。  それから,確かに私どもの在院日数を引きずっているのも,この脊損の問題が一つございますし,それから先ほどNICUのご質問ございましたが,極小未熟児になりますと, 600, 700グラムという子供を30日といっても,これも無理と。それから各種の血液疾患,その他難病を抱えております。そして,市立病院でなければ取り組めないというものを多く抱えておりますことが,国の施策からいうと足かせになっていることは事実です。  しかし,国の誘導施策ですから,何としてでもこれに乗らなければ経営が成り立ちませんので,病院としての努力はこんな点で行なっております。これは,私どもの病院だけではなくて,何とか30日をクリアしようということで,共通している面が多いわけですけれども,重くて,市立病院でなければならない患者さんは,これはどうすることもできない問題ですので,それはもうきっちり責任を負うと,しかし,もう一つ,トータルで30日ということでございますので,短期検査の入院を何とかふやしたいと。それから,あいているベッドをこういった短期検査入院のためにフルに活用したいと。  それから,手術を前提にしての入院の場合,従来ですと,入院してから検査をして手術に持っていくと,緊急を除きましては。そういうステップだったわけですけれども,入院前に外来で手術前の検査を済ませて,手術予定を持って入って,なるべく早い時期に手術に入っていくという。  それから,先ほど地域医療室のお話が出ましたが,急性期を担当して,一段落した時点で,地域医療室を介して,各慢性に取り組んでいただける専門施設に後をお願いすると。それから,医師の認識も,全部が30日という意識が高まっているわけではございません。一番のんびり構えているのは医師だという批判もございます。それで,医師への30日の意味合いを積極的に啓蒙していくと。  それからもう一つは,病院の中に,在院日数を短縮するための,現在設けておりますけれども,検討委員会を設けて,なぜ長引いているのか,これをどうしたら短縮できるのか,病院全体として,そういった検討もしながら,こういった努力を重ねながら,何とか新看護体系への移行を目指しております。以上です。 ◆宮村 委員  ぜひ,この在院日数に関しましては,入院時にもうすでに退院の日にちを設定していくという,そういった医療・看護面の共同で,ぜひ30日を切るように努力していただきたいというふうに思います。要望して終わります。 ◆伊与部 委員  私は,市立病院の財政問題,さらにまた旧病院の土地問題等々に関して,数点お尋ねをいたします。  まず,平成6年度の札幌市公営企業会計決算審査意見書,これが出されております。これは,まさに優秀な監査委員である山本監査委員,さらにまた,お隣にいる本舘監査委員等々から,すばらしい監査意見書がわれわれに配付されている。これは,三上監査事務局長もおりますけれども。この意見書の中には,監査委員,谷口さん,山本さん,小谷さん,本舘さんの名前しか書いてませんから。そんなことで意見書が出されている。  その監査意見書の病院事業会計の中身をじっくり読ませていただきました。最初に業務実績,予算の執行状況,財政状態,経営成績,そして最後に「むすび」ということで書かれているのですね。  院長,これお持ちでしょうか。持っていますか。 ◎手戸 院長  はい,あります。 ◆伊与部 委員  93ページなのです。93ページの結びに,監査委員の皆さんは,今後の病院の経営環境は,資本費の負担が増加するなど,さらに厳しくなることが予測されると。したがって,これからの病院事業は,高度・特殊医療の充実と医療技術の向上を図り,複雑かつ多様化する医療需要に対応した医療サービスを提供し,市民の健康保持と地域医療の向上に寄与していることから,より一層の,ここが大事なのです,より一層の効率的・合理的な経営を推進して財政基盤の充実に努められ,公的医療機関としての使命達成に万全を期すよう要望する。こういうふうに,監査委員の皆さんから病院側に要望するという,しかも,一層の効率的・合理的な経営を要望すると,こういうふうに監査委員の意見書で書かれております。  一体,これを,市立病院の管理を任されている院長,理事等々の皆さんは,どのように受けとめて,どういう対応をしようとしているのか。これ重要なことですよ。基本的な問題ですから,病院の。これ,まず明らかにしていただきたいのが一つ。  二つ目は,私は,ことしの5月の肉づけ予算の中でもお話ししましたけれども,あの市立病院の新館は,継続費 270億 9,400万円かかっているのですね。 270億 9,400万円かかっている。この 270億 9,400万円の2年から始まった7年度までの継続費,これは幾ら残るのですかと,私は5月に聞いたことある。そうしたら,前の理事,佐々木理事は,約2億 5,000万円ぐらい残ると。一口に2億 5,000万円といっても大変な金額です,これはっきり言って。  いま現在,どういうような状況で,これはまだ7年度終わっていませんから,これは,来年の3月31日までですけれども,見通しはどういうような状態になっているのか,明らかにしていただきたいと思います。  3点目は,監査委員の意見書の93ページの「むすび」に書かれておりますけれども,6年度の当年度純損失,これが6億 1,099万円,累積の欠損金は,豊平の病院も含めまして83億 8,659万円,累積赤字が。こういうふうになっていると。  私は,いままでの議会の議論の中で,新病院が建設されたときに,赤字は1回ここできれいにゼロにしちゃうと。そして8年度から,また新たに病院会計を充実させながら進むのだと,こういう答弁をいただいたことがある。  いま,83億 8,000万円の累積赤字,これをどういうふうに整理をしようとしているのですか。これ6年度ですから,7年度,もう1年度これに加わる。そして7年度の末で整理すると,こういうことになるわけですから,7年度も含めて累積赤字が一体どういうことになるのか。6年度の単年度決算で言うと,6億 1,000万円の赤字,ですから,それは単純に八十数億円の累積赤字に6億数千万円足せばいいのかどうなのかも含めて,具体的にひとつ明らかにしていただきたいと思います。  同時にまた,これまた5月の肉づけ予算で,抽象的な答弁しか返ってきませんでしたけれども,開院以後7年間かかって単年度黒字にすると言った。そうすると,開院以後7年ということは,平成14年になりますわね。本当に平成14年になったら,単年度黒字になるのかどうか,これは。監査委員の皆さんが,非常厳しい,資本費がふえて非常に厳しいというふうに言っている中で,本当に平成14年になったら単年度黒字になるという,そういう見通しをきちっとつかんでいるのかどうか,これひとつ明らかにしていただきたいと思います。  さらに,新旧の病院の用地の問題について,私はお尋ねします。  まず,新しい病院の用地は,精算事業団から原価85億 7,600万円で買ったのですね。病院が買ったのでない。継続費の 270億 9,400万円の中には土地代が入ってなかった。病院がじかに買ったのでない。基金で抱かせた,2年度からいままで。基金で抱かせるいうことは,金利がつくのですよ。金利幾らついたかというと,13億 5,700万円もついた。だから85億 7,600万円の原価に13億 5,700万円足したら,99億 3,300万円になった,土地代が。  つけ加えて言うと,この99億 3,300万円は,金がないから起債をつける。起債つけたら何ぼになるか。土地代は倍になった。 170億 2,200万円になった。85億円の土地代が金利をずっとつけていったら 170億 2,200万円にもなった。そういうことになりますわね。なっているのです。  私が一番驚いたのは,この土地を買戻しをするということで,5年度の当初予算に議会に提案されたのです。当初予算に計上して,土地を買い戻しますと出したお金をいつ使ったか。翌年の3月25日,あと6日でその年度が終わるぎりぎりになって使った。すなわち 359日間抱いていた。その 359日で金利が3億円もついた。そして合計13億 5,700万円になって,土地代が99億 3,300万円,起債をつけて全部買うとしたら 170億 2,200万円になる,こういうことです。  これは,どうしてそういうふうになったのか。その辺の経過について,これは理事,来たばかりで申しわけないが,後ろに経理課長もいるから,聞きながら,ひとつじっくり答弁していただきたいのだけれども。そんなことで,いままでの経過,私はどうも納得できない。予算つけて議会で承認して, 359日も使わなかった。何のための当初予算で,議会で審議したか。それを一切議会に,こういうことになりましたって報告ないじゃないですか。それを明らかにしてください。  さらにまた,旧病院の用地,これはいま市立病院の持ち物になっている。行政財産になっている。これいつ,一般会計に所属がえをする予定なのですか。どのような形で。これまたひとつ明らかにしていただきたいと思います。 ◎手戸 院長  まず,第1点のより一層効率的・合理的経営を推進し,財政基盤を充実させる方法について,これは監査委員のご意見をちょうだいしておりまして,それに基づきまして,以下,新病院移行後における財政基盤の充実のために努力目標として取り組んでいるところでございます。  すなわち,第1点目は,現行診療報酬体系の中でも,見直しや改善によって増収を図られるものとしては,まず,患者さんの効率的入院,いままでは待機していただく患者さんが多くて,なかなか入院をお受けできなかったという構造上の問題がございました。しかし,新しい病院は,1床と4床を基本とした病室の形態となっておりますので,占床率の向上がとりやすくなります。  それから,手術室は,旧病院では六つが作動しておりましたが,新病院は11ということになりまして,手術を待つ患者さんが入院待機ということになって,回転がなかなか順調にまいりませんでしたことの解決は,一挙に進むものと期待されます。  それから,先ほどから話題になっております地域医療室の活用によりまして,急性期の患者さんと慢性期の患者さんの,いわゆる病・病,病・診連携における役割分担によって,在院日数の短縮を図ってまいります。  それから,看護部長のほうからもお話がございましたが,特3類をさらに拡大いたしまして,診療報酬上,収入増が期待されます新看護体系,2対1看護の早期実現,これは先ほど私も申し上げましたが,在院日数でクリアできないでおりますけれども,努力し,そして早く新看護体系への移行を期します。  それから,薬剤指導管理料を取れる対象病棟の拡大,これは薬剤師業務の病室あるいはベッドサイドへの進出を意味しておりますが,これは通称 600点業務と申しまして,収入の増収が図られます。積極的に薬局から病棟のほうへの進出を図るよう努力いたします。  それから,リハビリテーションでありますが,いままでは非常に狭隘なところで,不完全な理学療法に取り組んでおりましたが,今度は施設面の面積をクリアしておりますので,理学療法診療でも収入増が期待されます。  それから,他の医療施設との比較におきまして,新病院に見合った自主料金,抽象的でありますが挙げますと,助産料の増額,これは旧病院は非常に出産の医療環境が劣悪でありましたので,今度はしっかりと,いい形で出産を取り扱うことができるようになりましたので,助産料の増額が図られます。  それから,差額ベッドと申しましても,旧病院は非常に差額をいただくにふさわしくない病院で,差額をというようなことになりましても,なかなかいただきにくかったのですが,今度は3段階の差額室が増額を期待される一つの面として挙げられると思います。  それから,利用していただく方に相応の受益者負担を求めるものとして,これは議論がございましたが,駐車料金の新設をいたしました。  それから,看護婦宿舎も,使用料の改定を行うなど,受益者負担というところにも目を向けております。  それから,これはSPDと,余りなじみのない言葉かもしれませんが,物流の管理システム,これは全病院的に買うものと出るものをしっかりと把握いたしまして,そこにロスのないように徹底化するという全病院的なシステムでありまして,これの徹底を図ります。SPDと言っております。  主として,いつ,どういうものが,どういうタイミングで使われて,何がなくなったかという,それを定数を決めておきまして補充するという,定数補充方式できっちり物のロスがないように,使ってもカウントされないものがないように管理することに力を入れます。  それから,手術場,手術の体制でも,いろいろ医師個々人によってさまざな要求がございますが,なるべくこれを標準化いたしまして,基本的なものを標準化いたしまして,むだのないようにすることと同時に,それに伴う消毒とか洗浄とか,そういった作業も経済性を図るように努力いたします。  それから,医療機器の保守管理でありますが,これが大変,高度医療になりますと慎重を要する問題でありますが,医療機器管理センターを院内に設けまして,従来,すべて故障となれば,外部にその故障依頼を出しておりましたが,内部的なもので,ある程度のものは保守管理,修繕を行えるような体制を整え,できるだけこういった面の病院の経費を大幅に削減するよう努力いたします。  また,人件費,これは大きな問題でありますが,新設科の増員は認めていただきましたが,各部署から上がる増員要求は,全市的な問題でありまして,なかなか定員増というのは難しいわけですので,リストラを図りながら,必要なところに必要な人員が配置されるように内部努力をいたしてまいります。  こういったことを総合いたしまして,効率化・合理化を図りながら財政基盤の充実にこれから努力してまいりたいと思います。以上です。 ◎高橋 理事  まず,継続費のうち2億 5,000万円の使い道についてのお尋ねがございました。  これは,さきの2定でも前佐々木理事から申し上げてございますけれども,工事全体が建物としては終了いたしておりますが,周辺の環境の工事がまだ若干ございます。  さらに,先ほどお尋ねにもございましたけれども,サインを初め病室棟もそうでございますが,診療上いろいろと支障のあるところも発見されておりまして,それらの工事,だめ工事といいますか,そういった残余工事がございます。  さらに申し上げれば,これはまだ出てきておりませんけれども,電波障害にかかわる問題が予想されるところでございますので,これらの残余については,いましばらくお時間をちょうだいしたいと思います。  それから,累積欠損金の問題でございますけれども,83億円の累積欠損金がいままでございますが,これのうち26億円が静療院にかかわるものでございまして,これはちょっとしばらく置いていただこうと思いますが,6年度末で累積欠損金が本院の場合,57億 5,000万円に上ります。また,7年度末では 108億 1,700万円になる見込みでございます。  この累積欠損金を解消するために,これまで補助金等の資産の源泉の積み上げでございます資本剰余金が75億 600万円ございますので,これを取り崩して,さらに不足をいたします33億 1,100万円につきまして一般会計から補助をいただいて,その解消を図ろうと,こういうふうに考えているところでございます。  それから,7年目の平成14年に単年度黒字になるのかというお尋ねがございました。  ただいま院長からも申し上げましたように,さまざまな経営健全策を講じて,収支状況の改善を図ってまいる所存でございます。  しかし,開院に当たりまして,新規に購入をいたしましたり,あるいは更新をいたしました高度医療機械の減価償却が平均6年ぐらいかかる。それからまた,これに係る起債の償還も5年と短いということから,平成13年度までは収支状況は赤字が続くというふうに思っているところでございます。これが一段落いたします平成14年度には, 5,300万円の単年度黒字を計上できるものと考えております。  いずれにしても,目標は高くということでございますけれども,職員一丸となって努力してまいる所存でございます。  それから,用地問題でございます。  これは,当初,旧病院の土地を売却して,これを財源として病院の移転改築を行うというような考えがございました。しかしながら,もとの病院は,新病院の建設期間中は行政財産でありまして,資金化のための処分は不可能であったということ。それからさらに,この土地は都心部にあって相当の面積を有し,交通も至便でございまして,こういうような貴重な市民の財産ということから,将来の公共施設用地,もしくは公共用地取得のための用地として本市で所有することとして,民間への売却をしないということにしました。  その結果,新病院の用地の取得財源の見通しが立たないということになりました。この場合,土地開発基金を活用して,平成3年3月に国鉄清算事業団から取得をしたものでございます。  この土地開発基金で取得をした土地を私どもが使用承認を得まして,新病院の建設を進めてまいりました。  清算事業団との間には,これを病院の用地という形で用途指定がなされておりましたので,早急に病院会計で取得すべく,大蔵省なり,自治省なり,関係機関へいろいろと折衝を続けてきたところ,旧病院の用地が売却できないという,こういうことに理解を得られまして,起債が平成5年度につくことになりました。そのことから平成5年度に用地取得費を計上して,6年3月25日に取得したものでございます。  伊与部委員のお話は,八十数億のものがなぜ99億になったのだろうと,こういうことでございますけれども,平成2年度においては,確たる財源がなかったということが大きな理由でございます。  これは結果論でございますが,もし,そのときに起債がついていたとすれば,それらにも当然利息はつくわけでありますから,八十数億の原資は変わりませんけれども,結果論から申し上げますと,その時点は非常に高金利の時代でございましたから,その時点で起債がついたと仮定をいたしますと,先ほど 170億のお話がございましたけれども,おそらくはトータル 190億ぐらいの数字になったのではないかと,このように存じております。  それから,平成5年度に当初予算がついたのだから,さっさと買えば3億円も損しないで済んだのではないかと。これも確かにそのとおりでございまして,これは,財政通の伊与部委員に私から申し上げるのは釈迦に説法でございますけれども,これもやはり起債財源が確実につくという,こういうことがあって初めて買えるわけでございます。  仮にでございますが,お許しをいただいて,一般金融機関からお金を借りて払ったといたしましても,これは3億円以上の金利がついたと,そのように存じているところでございます。  それから,旧病院の用地でございますけれども,これは,第1病棟を初めといたしまして,本館もすべて一般会計のほうへ,現状のままで11月初旬に有償で所属がえをしようと考えております。以上でございます。 ◆伊与部 委員  まず院長,いま段々のお答えがございましたけれども,これは重要な効率的・合理的な事業管理運営をしようという,そういう運びになっていますわね。これは,いま私,ここで一々取り上げて,院長からのお答えを追及したら,相当時間がかかりますから,きょうはやめます。前に厚生委員長いますから,厚生常任委員会に任せます。じっくりやってください,厚生常任委員会で。  2点目は,累積赤字の問題。  8年度から新しく出発するのですね。7年度末までで 108億になったけれども,それは資本剰余金を75億ですか,それから一般会計から33億ですか,それできれいにする。ところが,平成14年までの期間,これまた単年度ごとに純損失が出てきて,この間,また相当な累積赤字になりますわね。これはどのぐらいに計算していますか。これを明らかにしていただきたいと思います。  それから3点目は,いま高橋理事が11月の初めに,現状のままで一般会計へ有償で所属がえすると。どのぐらいで所属がえするのですか,有償。これは大変な金額だと私は思いますが,その辺ひとつ明らかにしていただきたいと思います。  同時に,一般会計に引き継いだ後に,それじゃ一般会計で借りたりするわけですね。病院をきのう見てきたら,さく張っていますが,あれ病院でやったのですか,一般会計でやったのですか。引き継ぐ前に一般会計でやっちゃったのだ。それはとやかく言いません,そういう小さい話は時間のむだだから。それはこっちに置いておきましょう。  しかし,いずれにしましても,解体費用の問題ですが,聞くところによると,あの旧病院,全部壊したら十数億円解体費用かかると,こういう話聞きました。驚いたです,私は。合同庁舎を壊したときに3億円しかかからなかったけれども,病院を壊すとき十数億円かかるというのだから。これも十数億円何にかかるのか。私は,むしゃくしゃしたやつ,みんな集めてきて,金づち持たせて思いきりぶっ壊したほうがいいのでないかと,そんな冗談話もしたことあるのだけれども,いずれにしても,本職でなかったら壊せないから,十数億円かかる見通しについて,明らかにしていただきたいのですよ。  同時に,この前,田中助役は第1病棟は取り残すと,新しいやつ取り残すと。取り残すのはいいけれども,あそこには熱源がないのですよ。熱源ぶち壊しちゃうのだから。いままで熱供給公社から年間幾らで買っていました,熱を。  同時にまた,熱源がない新庁舎,これを保健所にするというのだから。保健所に冬行ったら熱源ないから風邪引いたなんて,それは話にもなりませんわ,率直に言って。熱出るよ,本当に。夏行ったら冷房がないから,これまた大変なのだわ。冷暖房施設つくるといったら6億かかるというのだ,建築に聞いたら。6億から9億かかると。これは,5年か6年,保健所を新たにつくるまでの暫定期間と言っているのだから。これまた壊さなきゃならない。壊す費用にまた何億もかかる。こういうさまざまな問題が出てくるのだけれども,これらを含めてひとつわかりやすく答弁して。 ◎高橋 理事  まず,累積赤字のほうから申し上げますと,一たんクリアしても,7年間赤字が続けば,また相当数たまるのではないかというお話でございましたけれども,私どもの長期財政計画の中では,平成14年度末では57億 2,400万円という累積赤字がたまるということになろうかと思います。先ほども申し上げましたように,平成14年度には 5,300万円の単年度黒字になりますけれども,その後は黒字会計が続くのではないかと期待をしておりまして,これが累積欠損金の漸減をしていくものというふうに考えております。  それから,有償でとお答えをいたしました。これは,あくまでも私どもの簿価で考えておりまして,簿価では 540万円でございます。  それから,熱源としての問題がございました。これは,いま熱供給公社に対しては,年間1億 4,500万円の支払いでございます。  それから,第1病棟の跡利用ということは,ちょっとどういう利用になるか,私の立場では申し上げられません。しかしながら,ご承知のとおり,いまのエネルギーは全部旧館のほうにございますから,あれを利用するとなれば,エネルギー棟をまた建てなければならないということは,明らかであります。  なお,第1病棟の残存価格は,おおよそ16億円でございます。  それから,解体費用。これは本来,私どもが全部解体をして,更地にして交換をする,所属がえをするというのがルールでありますけれども,これも一般会計に土地交換の条件として見ていただくという形で交換条件になってございます。したがいまして,私どもでは積算をしているわけではございませんが,お聞きをすれば,いま伊与部委員のお話のような額がかかるやに私どもも伺っております。 ◆伊与部 委員  簿価 540万円の土地には私は驚きましたけれども,いずれにいたしましても,解体料が十数億円かかると,こういうことについて,私はちょっと疑問があるなという感じをいたします,率直に言って。  私は,先ほどから財政問題について段々お話をしてきました。いま高橋理事から,14年までさらに57億円の赤字が出る。同時に,私先ほども説明したけれども,土地代は85億円が 170億 2,200万円になった。建物は何ぼになったかと。 270億 9,400万円の建物の代金,これまた返さなきゃ ならない。起債を受けてきた,その金利が 190億 8,000万円。そうすると,合計したら 469億円。 469億円プラス土地代が 170億円,病院の土地と建物全部含めて,金利も全部含めていうと 639億円。あの病院は 639億円で建てたのだと,土地を含めて。こういうふうに共通の認識を持ってもらいたい,率直に言って。そして,国からの建物の補償,さらにまた,利息の補償,その他さまざまある。一般会計からの補助金,国,道の補助金も含めて,それを全部差し引いたら,私の計算では81億円,これ病院側で払わなきゃならない。だから 639億円のうち81億円,これ払わなきゃならない。この81億円の病院の支払い方法,これ一体どういうふうに考えているのか,ひとつ明らかにしていただきたいと思います。  さらに,旧病院の跡地の活用についてです。  これはこの前,田中助役が私の質問に対して,STVと交換の話をしているのだと,こういうお話がありました。第1病棟については,先ほど言ったように,保健所に使うだとか何だかに使うだとか,いろいろお話ししていましたけれども,田中助役は,こういうふうに答弁しています。この跡地は,中心部であって土地の利用上,非常に大事な場所である。だから,財政的にも貴重な財産として投げておけないと,何とかしなきゃならない。だから,STVといま土地の交換を協議している最中だと,そういう答弁がありました。これ5月です。もう10月の末,11月に入ろうとしていますから,この間,STVとどういうような協議を具体的に展開をしてきたのか。  さらに,私はずっと調べましたら,この前,STVの喫茶店の横の道路部分を一部開発局が買ったのですね,国道のために。その買ったお金が 1平米 170万 8,000円。ですから,1平米 170万 8,000円掛けるあの土地の面積,そうすると,あそこの全体の土地の価格は 320億ということになるのですね。非常に貴重な土地だから,現時点で交換するという,そういう協議をしているというのだけれども,面積全部をやるのか。北1条西1丁目のSTVの土地,これ国際ゾーンの問題で 云々と言っていたけれども,そこを私,調べて みたら,あそこの北1条西1丁目の面積はわずか2,891.91平米しかない。坪にして 874坪しかない。ところが,病院のほうは1万 8,830平米。この前,田中助役は全部はやらないと,半分ぐらいだというような答弁もしていました。半分にしても1万 8,830を2で割ったら 9,415平米,坪でいうと 2,848坪,こんなに開きがある。だから,そういう開きのあるSTVの土地と旧市立病院の土地の交換,いろいろあると思います。  さらに,私は,もしSTVが旧病院の跡地の半分をさまざまな形で交換したならば,それはどういうふうに使うのか。調べたら,二,三年前に大通公園の道路がなくなりました。道路が公園になっちゃった。あの道路の問題で,あそこら辺の住民が,急にやっちゃったものだから,道路がなくなっちゃったものだから,通行が南のほうから来れない,こっちからも行けないというような状況でもって,非常に町内会が騒いでおった。病院の跡地利用のときに,こうこうこうという協定もあるというふうに私は聞いている。  それはともあれ,いずれにしても,STVの跡地利用も含めて,これはやっぱり貴重な財産だし,都心部の重要な地域ですから,これは田中助役が答弁したのだから,今度は魚住助役が責任持ってひとつ答弁していただきたいと思います。
    ◎魚住 助役  私から,STVとの土地の交換の協議の状況につきましてお話をしたいと思います。 現状のところは,北1条西1丁目のSTVの用地,これは国際ゾーンとしてうちが活用していきたいということで協議を進めておりまして,その結果,STVのほうでも,じゃ等価交換でということで,双方そういう基本的な面では一致をしております。  しかしながら,STVでは,隣接地をもっと大きくほしいと,そういうお話がございまして,STVがいま市内で持っている土地を提示されておりまして,それを私どもが検討しまして,本市のまちづくりに有効であるという判断に立てば,これは等価交換の方向で進めていきたいと,このように考えて,いまその検討をしているところでございます。  また,この交換の用地はどのぐらいかということでございますけれども,交換の時点というのは,建物を解体撤去した後に交換をされるわけでありますので,その時点での土地の価格によって交換の面積が決まると思います。ただいま協議されている向こうのご希望の面積といいますか,用地を現時点での土地の評価ということで,余り変化がないということで試算しますと,いま持っている市立病院の用地の2分の1以下になるだろうと,こういう推定をしているところであります。  また,STVがその後にどういうような活用をされるかということでございますけれども,これにつきましても,本市としましては,都心の非常に大切な用地でもございますし,注目をしております。その中で,いままでのお話の中では,公共性のある,しかも,市民も利用できる開放的な施設を考えていきたいというようなことを承っておりますけれども,まだ社内できちっとした計画が立てられておりません。いずれそういうことが決まった折に,向こうの了解も得て議会に報告をしてまいりたいと,このように思います。 ◎高橋 理事  建設費,用地費,事業費及び利息,これを合わせて 639億 2,200万円,この重さを感じているかというお尋ねがございました。非常に私どもはこの重さをかみしめております。  そのうち,81億円についてどうやって返していくのだと,こういうお尋ねがございました。これは5年据置きの30年の起債条件でございまして,分割払いでございます。私どもの病院収入,具体的に申し上げれば,診療収益の中で,これを年次,漸次返していくと,こういう計画でございます。 ◆伊与部 委員  病院財政が大変な厳しい状態になっていると。これは,監査委員の皆さんがやっぱり指摘するとおりだと。14年で57億円の累積 赤字でしょう。さらに81億円の上積みでしょう。 130億円の累積。これ大変な事業だなということを私どもも共通の認識として,いま持ちました。  そこで助役,STVとの等価交換,私は金銭でもどうなのかなという感じもするのですよ。札幌市が欲しい土地をSTVに買わせて,そして病院の跡地をそれと交換するという手法もあるのじゃないかと思いますが,等価交換でやるというのだから。  私,STVの財産,土地がどこにどういうものがあるか調べてみた。北区の新琴似にSTVのグラウンドがある。毎年,夏祭りやるのですが。ここはどうだと言ったら,これは来年度の予算で緑化推進部が公園にするのだと,こういう話だった。公園は国からの補助金が3分の2つくから,ここは国の補助金のついたお金でもって買ったほうが得だから,これ等価交換にならないのだと。あとどこあるのだといったら,新札幌のハウジングセンター,それと南平岸にテニスコートがある。この二つしかない。それと北1条西1丁目。STVの財産調査するのもちょっと悪かったけれども,それしかないというのだ。等価交換するのでも,あとこの三つしかないのですね。三つと,いま助役が答弁した,あの旧病院の1万 8,830平米の半分以下というのですからね。その時点でもって等価交換の価値判断をして評価額決めて,そしてやるのでしょうけれども,もっと付加価値をきちっと高めた中での交渉をしてもらわなかったら市民が納得しない,率直に言って。札幌市の財産として,中央区のど真ん中にある貴重な財産ですからね,これは。ですから,STVが欲しいというのなら,もっと付加価値上げて,こっちも高くして売りつければいいのです。等価交換すればいいのです。  国際ゾーンなんていつできるかわからない,雲つかむみたいな話なのだ,まだ計画もできていない。何年これ保管するのですか。現金で売ったほうがいいですよ,はっきり言って。というご意見もございますけれども,それはこっちに置いておきまして,いずれにしても,そういう等価交換をするという,そういう考え方と同時に,また,その三つのところと等価交換するのか。そして,その差額は土地の面積で等価交換するのか。その辺もう一回,助役,めどについて明らかにしていただきいと思います。 ◎魚住 助役  北1条西1丁目については等価交換でいきたいということで考えておりますけれども,あとの土地につきましては,先ほども申し上げましたとおり,まちづくりに確実に利用できるのかどうかということで考えて判断をしてまいりたいと,こう考えております。いまお話があった二つの土地につきましては,そのようなことで慎重に判断をしてまいりたいと,こう考えております。 ○宮本 委員長  以上で,議案第2号の質疑を終了いたします。  ここで,委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時28分       再 開 午後3時47分     ────────────── ○宮本 委員長  委員会を再開いたします。  議案第6号 平成6年度札幌市水道事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆荒川 委員  私は,水道財政の問題,そして大口利用者の地下水くみ上げ問題,2点についてお尋ねをしたいと思います。  まず,水道財政の問題でございます。  前回の料金改定から2年度が経過いたしました。4年間の財政計画の中のちょうど半分が経過したという時点でございますが,財政計画と実績を比較すると,事前に資料もいただきましたが,収益収支では,給水収益で31億円も大きく落ち込んでいるにもかかわらず,人件費,支払利息などの支出における大幅減で,計画よりも差引きで13億円のプラスと,こういうことになっております。  一方,資本収支では,収入の落ち込みが若干あるものの,資本的支出にかかわる施設整備事業費などを抑え込んで,計画対比で差引きプラス18億円,こういう状況でございます。このことによって,資金ベースでは,財政計画が前回の料金改定前の4年度末,約8億円の手持ちであったものを6年度末で14億円に改善しようとしていたにもかかわらず,実績は約45億円となって,31億円も計画を上回る資金残,こういうことになっているのであります。  前回の料金改定において,強引に従来の資金ベースに着目しての財政計画から,損益ベース,すなわち収益収支に着目した財政計画に料金改定の前提を大きく変えてきた中での水道財政の現状は,不況の中で厳しくなっている市民生活にとって,いままで以上の大幅な料金値上げが,いかに過酷であったかを示すものでもあると考えますが,財政計画と大きく乖離した水道財政の現状について,料金収入の今後の見通しをも含めて,どのように考えているのか明らかにしていただきたい。これが第1点です。  第2点目は,大口利用者の地下水くみ上げ問題。この数年来,1日11万 1,000立方メートル,年間 4,000万立方メートル,こういう膨大な地下水くみ上げの実態がございます。最高では,年間 100万立方メートルを超える地下水くみ上げ,こういう事業所もございます。大口利用者は,予備水源として本市水道を確保しながら,基本料金の中で付与されている 1,000立方メートルまでの水道利用にとどめつつ,地下水を大量に活用して水道料金の負担を免れている。地下水利用が水道利用にかわった場合の料金収入は68億円という,前回,改定時での委員会答弁もあったわけでございますが,6年度で見ますと,猛暑の中で1日最大配水量が66万 3,570立方メートルと記録更新があっ たにもかかわらず,給水収益では,計画を10億 7,600万円下回っているのでございます。7年前の白川浄水場の拡張整備で,1日78万 5,200立方メートルの施設能力があるにもかかわらず,猛暑の前年度の1日平均配水量は54万 5,893立方メートルと,施設稼働率は84.5%となっております。かつて,施設稼働率は95%にもなっていた時期があっただけに,膨大な設備投資によって確保してきた現在の施設能力を十分活用することはきわめて重要だと考えますが,その意味でも,大口径の事業所の地下水くみ上げを規制して,本市の水道を利用してもらう。このことは,震災対策としての地下水利用が新たな課題にもなっている現状では,一層重要な課題となっている,こう考えるものでありますが,この点についていかがか,2点にわたってお尋ねいたします。 ◎中村 総務部参事  私から,最初の1点目の質問について回答申し上げます。  ただいま委員からご指摘がありましたとおり,確かに5年度,6年度が終わって,財政計画期間の折り返し点になるわけでございますが,ここまでの実績を振り返ってみますと,給水収益では本当に30億減になっていると。それから,収益的支出,資本的支出のほうでは,また努力をして改善をしたと。それで,これも計画の数字とは乖離をしているわけでございます。それは,ご承知のとおり,平成5年は冷夏でございましたが,6年は打って変わって猛暑ということで,2年連続した異常気象の年でございました。それからまた,経済情勢を見ますと,非常に長期にわたる景気の低迷がございました。その結果,物価や賃金水準が抑制されたと。さらには,市場最低の金利水準というようなものがございまして,この財政計画を策定いたしました平成4年の時点では見込めなかったようなさまざまな出来事が積み重なっておりまして,こういった乖離が生じたわけでございます。  それで,今後の財政の見通しでございますけれども,平成7年度,ことしでございますが,現在までの状況を見る限りにおきましては,冷夏といわないまでも非常に暑い日が少ないと,こういったことで,収益の落ち込みは,これは覚悟をしなければならないのではないだろうかと。それから,8年度を見通しますと,収益の確実な予測というものはできないのですけれども,人口や景気などのいろんな指標の示すところによりますと,やはり好転は難しいと思われております。  一方,支出面につきましては,これまでも事業の見直し,繰延べを初めとして支出全般にわたって抑制を図ってまいりましたけれども,このような状況を踏まえ,今後とも一層の経営の効率化に努めなければならないと考えておりますが,財政計画期間内において安定給水確保のための諸施策を実施し,かつ日常の事業を円滑に執行していくといたしますと,給水収益の落ち込みの程度は不確定ではございますけれども,今後の財政状況の見通しは相当厳しいと私ども認識をしているところでございます。以上でございます。 ◎西條 工務部長  2点目の地下水くみ上げによる大口利用者にどのように対応していくかと,こういうご質問だと思いますが,この点についてお答えを申し上げたいと思います。  いずれにしましても,水道水も地下水も,市民生活あるいは都市生活におきましては貴重な財産であるというふうに認識をいたしておりますが,水道水は,地下水に比べまして利便性が高い,そして安全性も高いということは,ご承知のとおりでございます。したがいまして,私どもは,今後とも大口利用者が水道に切りかえるように,従前からPRを行なっておりますが,今後も一層PRに努めていきたいと,このように考えておりますし,地下水の飲料不適な箇所,これらにつきましては,他の関係部局とも連携を図りまして,水道への転換に努めるよう一層努力していきたいと,このように考えております。以上でございます。 ◆荒川 委員  5年度・6年度の2年間,4年間の財政計画の半分を経過した中で,財政計画と現状の大きな乖離についてどういうふうに見ているかという点について,いま参事からのお答えでは,5年度は冷夏,6年度は猛暑と,こういう形で異常気象が続いて見通しが狂ったかのようなお話をされましたが,猛暑というのは,水道にとっては給水収入が大きく好転する要素を持っているわけです。先ほど言いましたように,最大配水量・平均配水量とも6年度の場合は上がっているわけです。しかし,当初の財政計画と比較して,なお10億円単年度で落ち込んでいるのは何なのかと,景気の動向だとかいろいろ一般的なことでは言われましたが,これだけ猛暑が続いた6年度でこれだけ計画を下回った給水収益の分析について,あらためてもう一度お答えをいただきたい。  そして,あと2年間の財政計画の見通しについて。給水収益については,多く期待できないというようなお話がありました。人口や景気,そういうものがあると,気象についてはどうかわからぬけれどもと。気象の点で言えば,猛暑の6年度でさえ計画を10億下回るという前例があるわけですから,その点では,今後の2年間というのは,やはり厳しいのじゃないかと私も思いますが,その点お答えをいただきたい。  それから,収入が落ち込む,収益収支で収益収入が落ち込む,このことに対して収益支出を抑える。これは,たまたま金利が下がった,職員のベースアップが計画から見て大きく下回った,こういうことで救われているということですが,一方では,資本的収支の資本的支出も抑え込んできているわけです。資本的支出の計画と現状の乖離というので見ますと,18億 1,900万円2年度で下回っている。これは,施設整備事業費などで計画を抑え込んで,そして浮かしてきているわけですよね。ということは,これはやらなきゃならないものだという形で整備計画が立てられるわけですけれども,収益が下がってくるというような事態に対応しては,支出を抑え込む,設備投資も繰延べすることができるということでもあるのではないかと思います。  私ども,以前から指摘しましたように,また,先ほども触れましたように,本市の水源,それから浄水あるいは送水,配水,こういう上から順々の水道の供給体制というものでいいますと,先々に整備がなされてきている。私は,水源などの確保については,やはり先々見込んだ計画が必要だというふうに思っております。もちろん,その国が分担する財源の割合をさらに引き上げるということは,水道事業者がこぞって要求しているように今後とも必要だと思いますが,一方では,すぐ水を売れる,そういう状況にまで整える給水体制,膨大な金利もかかる起債で事業を進めるわけですから,水道利用者の料金にはね返るという問題があるわけでして,収益の落ち込みというような事態に対応して,この2年間水道局がやってきたように,設備投資についても,繰り延べることができるものはやはり繰り延べていくと,見直していくと,こういう姿勢が大事ではないかと思いますし,いままでもずいぶん本市議会で料金改定のたびに議論されてきたのは,他の大都市と比較して,本市の水道料金というのは家事用の負担がきわめて高い。大都市12大都市中トップという一方で,大口利用者の逓増度,逓増料金については,それがきわめて抑えられている。なぜなのかと言えば,大口利用者に対して高い料金設定となれば,地下水に逃げ込んでしまう。したがって,逓増度は他の大都市よりも低く抑え込まなければならぬというふうに,いつもいつも言われてきたわけですが,一方では,大口の事業所は大口径の水道を引くわけですから,それに伴う浄水供給体制というものを余儀なくされる,札幌市の水道局としては。しかし,それは付与された 1,000立方メートルというような基本料金の範囲内にとどめながら,あとは地下水をどんどん使っていく,こういう現状があるわけです。もちろん,地下水のくみ上げ規制というようなことになれば法的な裏づけが必要だ,こういうことはわかります。しかし,地下水というのは,たとえば,いま私,震災対策の問題で触れましたが,震災になって電気もとまるといった場合に,自家発電を使いながらの地下水,これを緊急飲料水として市民に提供するというようなシステムも,札幌市としてもとらざるを得ないと,こういう時代になってきているわけですから,地下水は自由だと,こういうような時代では,ますますなくなってきている。やっぱり地下水も公的に確保し,活用する。札幌市の豊平川,河川であっても,そこから地下水に流れ込んでいっているわけですから,地下水のくみ上げがどんどん進めば,河川の枯渇ということにもつながってくるわけでありまして,環境保全部のほうでも,この問題に対応するという時代になってきております。節水指導要綱などというものも,現に本市においても取り入れられておりますけれども,やはり本格的な地下水のくみ上げ規制,そしてせっかく設備をした本市の水道をつないでいるわけですから,使ってもらう。こういうようなことに切りかえる方向をやはりあらためて検討する必要があるのではないかと思いますので,その点について,あらためてお答えをいただきたい。 ◎中村 総務部参事  それでは私から,平成6年度が非常に猛暑であったと,それなのに10億円も減収になったと,この理由は何かということについてお答えをしたいと思います。  この減収の要因といたしましては,主として家事用への影響が大きいことと思いますけれども,札幌市の人口の増加が,まず挙げられようかと思います。私どもの当初立てました計画に対しまして,給水人口が5年度では1万80人,それから6年度では2万 1,640人の減ということになってございます。そういうことが大きな理由かなと。  それからもう一つは,6年度の水量が計画値を下回ったということでございますけれども,市民の間に全国的な渇水報道がよく浸透いたしまして,節水の意識が高揚していることがうかがわれると。それから,現在,節水型の洗濯機だとか,それから24時間入浴可能なふろだとか,そういったような節水商品が非常に普及をしております。それから,ミネラルウオーターの記事が最近出ておりますけれども,水需要の変化がうかがわれるというようなことが,さまざま影響して計画値を下回ったのではないかと,このように考えているものでございます。以上でございます。 ◎西條 工務部長  防災の観点から,地下水の考え方をちょっとご説明させていただきたいと思いますが,現時点で地下水のくみ上げ量は,委員ご指摘のとおり11万少々ということでございまして,ここ数年,それほど増加していないという状況にございます。したがいまして,直ちに規制する状況にはないというふうに考えられますが,水道局といたしましては,過去から,これらの地下水の動向については,関係局とも連携をとりながら,注意深く見守ってきているところでございます。  そこで,地下水を緊急用の水源として利用するということは,もちろん委員ご指摘のとおり,災害時の生活用水の確保として有効であり,重要な課題であると,非常にそういった認識はございますが,緊急水源としての地下水の利用という観点に立ちますれば,これは本市の現在進めております防災対策の中で考えていくべきものではないかと,このように考えております。以上でございます。 ◆三上 委員  私は,本市の水道事業における市民サービスの向上について質問をいたします。  わが国の水道事業の歴史は,明治20年,横浜市で給水が開始されたのが始まりですが,おおむね政令指定都市の中では,大体 100年近い歴史を持つ都市が多い状況でございます。それに比べて,本市の水道事業は後発であり,昭和12年に藻岩浄水場からの通水が始まり,58年が経過したばかりであります。他の大都市に比べて半分の歴史にもかわらず, 180万都市札幌の現在の水道普及率が99.3%ということは,ほとんどの家庭に水道が行き届いていると,このことは大変誇るべきことであると,まずもってこのことを高く評価したいと思います。  私は,このように水道がきわめて高い水準にまで普及した現在,市民が水道局に対して次に求めていることは,より積極的なサービスの提供だと,こう思っております。したがいまして,私は,市民サービスの向上という視点から,水道事業の根幹をなす水道料金の収納に関すること,それから全国的にもユニークな事業である訪問サービス,加えて市民ニーズの高まりを見せている直結給水事業について,何点かお伺いをさせていただきたいと思います。  まず,水道料金の収納に関してでありますが,私の手元の資料によりますと,本市の水道料金の収納率は99.7%ときわめて高い数字となっており,他の政令指定都市と比べて,何ら一色のないものでございます。この水道料金の支払方法として,本市では納付制と口座振替制の2通りがとられているように認識しておりますが,口座振替は,市民の皆さんがわざわざ金融機関に出向かなくても水道料金が支払えるという便利な制度だと思いますし,納め忘れがないなど,水道局にとっても大変メリットの多い制度だと思います。  そこでお伺いしたいことの1点目は,この口座振替を利用して水道料金を支払っている市民は,率にしてどのくらいなのか,また,口座振替制度の利用者拡大のため,水道局ではどのような方策を講じておられるのかお伺いをいたします。  2点目は,納付制についてであります。納付書により,市内の金融機関などで水道料金の支払いをされている方もおられるわけですが,水道局としては,これらの利用者に対してよりサービスの向上に努めるべきだと,こう思うわけですが,どのような方策を考えておられるかお示し願いたいと思います。  次に,訪問サービスについてでありますが,現在,水道局が行なっている訪問サービスは,実際に各家庭を訪問し,宅地内の水道管などに関する点検や相談に応じているということで,市民にとっても,また,直接水道事業に対する理解や協力を得られるということで,水道局にとっても重要な事業であろうかと思います。その上,漏水の抑制,宅地内の水道施設の管理意識の高揚などの効果も大きいことから,さきの議会において,わが会派の上瀬戸委員から,積極的に推進する考えはないかと,こうお尋ねしたところ,事業の執行状況などを勘案しながら一層の努力をすると,こういうお答えをいただいているように記憶いたしております。  その後,水道局の皆さん方のご尽力の成果だと思いますが,当初予定していた期間より3年も短縮され,ことしのうちに,予定していた事業が完了する見込みであると,こう伺っております。  そこでお尋ねいたしますが,1点目は,いままでの実施状況はどのようなものなのかお伺いしたいと思います。  2点目は,このように評判のよい訪問サービス事業でありますが,今年度中に当初計画が完了した場合,市民サービスの向上のために,来年度以降についても継続事業としていくお考えがないか,ぜひやっていただきたいと思いますが,お伺いいたします。  最後に,直結給水事業についてお尋ねいたしたいと思います。  本市では,平成4年度から,直結給水の範囲を3階から5階に拡大いたしておりますが,この直結給水事業の実施により,受水槽を設ける必要がなくなり,安全で良質な水を直接市民は飲むことができるわけであります。また,水圧を有効に利用することで,これまで必要とされてきた給水ポンプや受水槽などの設備が不要となり,経費的にもスペース的にも市民にとって利点が多く,市民サービスの向上に大きく貢献する事業であると,これも評価しているものであります。  私が調べたところでは,平成4年度から平成6年度までの直結給水を実施した建物は,平成4年度で6件,5年度で81件,6年度で 155件と,毎年増加いたしております。このことは,市民の直結給水事業に対する期待の大きさを物語るものと理解をしている次第でございます。  そこでお尋ねいたしますが,現在,5階直結給水の対象地域は,直結給水に必要な水圧が十分確保されている地域内とされており,いまのところ,5階建ての建築が可能とされる地域の約70%に相当すると伺っております。残りの地域への直結給水についても考えなければならない,こう思うのですが,その点,どのように対応されていくのかお伺いいたしたいと思います。以上です。 ◎坂野 営業担当部長  水道料金の収納に関する質問の1点目について,お答えをいたしたいと思います。  本市の口座振替の普及率でございますが,平成6年度末で71.4%となっております。この口座振替の普及拡大策の一つといたしまして,平成7年1月から,事前に振替額をお知らせをするというサービスを始めたところでございます。また,これとあわせまして,納付制により料金をお支払いいただいている皆様方には,ダイレクトメール等によりまして,口座振替のご利用をお勧めするなど,普及拡大の努力をしてきたところでございます。  次に,2点目についてお答えをいたします。  納付制ご利用の皆様につきましては,支払いやすい環境を整えることがサービスの向上につながると思われますことから,平成8年度から,郵便局の窓口で支払いができるように,関係機関と目下交渉中でございます。このことが実現をいたしますと,現在,市内 400ヵ所の金融機関のほかに,郵便局約 200ヵ所でお支払い可能となります。したがいまして,納付制の支払い窓口が十分に充実されるものであるというふうに考えてございます。以上でございます。 ◎芦田 給水部長  それでは,訪問サービスにかかわります質問の第1点目についてお答えをいたします。  現在行なっております訪問サービスは,昭和50年以前に給水装置を設置した一般家庭などを対象に,平成元年度より10年計画で行われている事業でございますが,平成5年度から,審議会の答申や議会での要望を受け,事業規模を年間2万 5,000世帯から3万 5,000世帯に拡大したこと,また予算の許す範囲で訪問世帯をふやして実施した結果,平成6年度末で約21万 6,000世帯の訪問を終え,今年度は約3万 4,000世帯を対象に行うことから,当初目標としておりました25万世帯の訪問を完了する見込みでございます。  2点目の事業の継続についてでございますけれども,委員ご指摘のとおり,市民の評判がよく,継続の希望も多いように聞いておりますし,昭和51年以降に設置されました給水装置も次第に老朽化してきていることから,来年度以降につきましても,財政状況の推移を見ながら継続してまいりたいと考えているところでございます。  次に,直結給水にかかわるお尋ねについてお答えをいたします。  本市の5階直結給水は,配水管の水圧を利用した自然流下方式により行なっていることから,必要な水圧を得ることが可能な約70%の地域に限定して行なっているところでございます。  残りの地域への拡大方策といたしましては,配水管等の整備を進めると同時に,現在厚生省が研究を進めているブースターポンプ方式が有効な方法の一つと考えております。このことから,将来はブースターポンプの使用を認める方向で,現在検討を進めているところでございます。以上でございます。 ◆三上 委員  水道料金の収納が身近な郵便局に直接出向いて料金を支払えると,これは,地元地域住民にとっては大変結構なことでございます。  それから,訪問サービスに関するお答えも,これを継続していきたいというお答えでございまして,よく理解をいたしました。  また,直結給水について,いまお答えがあったわけでございますけれども,ブースターポンプについて,さらにお尋ねをしたいと思います。  従来の給水ポンプは,配水管の水圧に影響を及ぼすおそれがあることから,水道法上,配水管に連結できないことになっているために,中高層のビルやマンションでは,受水槽に一たん水を上げて,そして給水すると,こういうシステムだったわけであります。しかし,最近は,水圧変動を抑える機能を持つブースターポンプというものが開発されたのです。これを配水管に直接連結して,10階まで水を送ると,この方法が可能となったと。東京や大阪では,すでにこれが実施されていると。これが本市でも実施できたならば,まさに欧米並みの水道サービスと,こうなるわけでございまして,このブースターポンプについて,水道局では,現在使用を認める方向で検討を進めていると,こういうことですので,いつ使用できるのか,この点について明らかにしていただきたい。ぜひ推進していただきたい。 ◎芦田 給水部長  お答えをいたします。  本市におけるブースターポンプの使用につきましては,現在厚生省が行なっております研究と,本年度から本市が独自に行なっております実験の結果などをもとに,本市の特性に適した基準を定めた上で導入を図ってまいりたいと考えております。ただし,受水槽のストック機能が持っている防災上のメリットを勘案しまして,ブースターポンプ方式の対象となる建物を限定した上でその使用を認めていきたいなと,現在考えているところでございます。よろしくお願いいたします。 ◆北川 委員  私のほうからは,平成4年から始まった第2次施設整備事業についてお尋ねをいたします。  水道の収益が天候に大きく左右されるということは,いまの中村参事の説明でもずいぶん強調されておりました。このような中で,本市の水道事業では,安全で安定した給水の継続が最も基本的な柱だということで,ライフラインの確保を長期テーマとして取り組んできているのは承知しております。  そこでお尋ねしますが,私は,水道事業が大きく量から質へそろそろ転換する時期に来ているというふうに思いますが,1点目,平成6年度事業の中で特に重点を置いて執行してきたものは何か,あるいは執行状況について,まず1点お尋ねいたします。  2点目は,第2次整備事業に引き続く次期事業では,私は,地震対策を含めた災害対策が大変大きな柱になるというふうに思いますが,この点について,どういうことを課題として考えているのかお尋ねしたいというふうに思います。  3点目は,私は,整備事業は,ある意味で住民に対する給水のサービスとあわせて,地元の中小企業をどういうふうに育成強化するのかという面を持っているというふうに思いますので,今回の整備事業の中でその実態がどういうふうになっているのかお尋ねいたします。 ◎西條 工務部長  私のほうから,1点目と2点目の整備事業につきましてご説明をさせていただきたいと思います。  まず,1点目の平成6年度事業で特に重点を置いて執行している事業はどういうものかというご質問でございますが,まず一つとしましては,平成9年度から藻岩浄水場の改修を計画してございまして,この浄水場の改修に伴うところの能力不足分を補完するために,白川第3浄水場の増強に着手をいたしております。  それから二つ目としましては,災害対策として,白石営業所に本市で初めて深井戸方式によりますところの緊急貯水施設を建設をいたしました。  それから,配水管のほうで申し上げますと,創設期の藻岩第1幹線の破裂事故を教訓にいたしまして,代替幹線の整備を前倒しをして実施してまいりました。この結果,藻岩第1幹線につきましては,今年度中に新しい配水幹線に切りかえを完了する予定でございます。  また,第2次施設整備事業の執行状況でございますが,計画しました事業はおおむね順調に執行してございまして,主要施設の整備であるとか老朽管の更新,あるいはブロック配水,緊急貯水施設などの整備も,ほぼ当初計画どおり執行できる見通しでございます。  それから,第2点目の次期事業におきます課題は何かということでございますが,まず経年化しました藻岩浄水場の改修に取り組みたいと,この事業を考えてございます。また,先ほどから出ておりますが,老朽管更新の継続した事業の取り組みを行いたい。それから,阪神・淡路大震災を教訓としまして,地震対策などの災害対策が主な課題であろうと,このように考えております。以上でございます。 ◎荒木 総務部長  3点目の工事の発注状況についてでございますけれども,私どもは,これまでも可能な限り,市内の中小業者に発注するよう心がけてきたところでございます。  そこで,ご質問のございました第2次施設整備事業の発注状況,特に市内中小業者に対する発注状況についてでございますけれども,これに限定した把握はしておりませんが,私どもが発注いたします発注工事全体でお答えいたしますと,平成6年度は,79.6%に当たる約97億 1,000万円を市内の中小業者に発注したところでございます。以上でございます。 ◆北川 委員  次いで,水道の地震対策についてお伺いしたいというふうに思います。  先般の阪神・淡路大震災による水道施設の被害と対策については,私も第2回定例会で質問いたしました。その後,詳細な調査・分析が行われたり,さまざまな形で見直しがされているというふうに思いますけれども,たとえば7月には,日本水道協会のほうから提言書が出されたり,あるいは8月には厚生省のほうからの検討報告書などが出されて,さまざま本市においても研究がされているというふうに思います。  私は,やはり災害発生からの3日間,つまり混乱期と言われているその時期に,いかに安定して完全な飲料水を確保すべきかということが大変重要であるというふうに思います。現在のところ,予定も含めて7万 3,000立方メートルの確保があるというふうに聞いておりますが, 175万札幌市民の全体から見ると,まだまだやはり不十分であるというふうに指摘せざるを得ません。  そこで1点目,今回の大震災を教訓に,本市では,これまでどのような対策に取り組んできたのかお尋ねいたします。  2点目は,今後の水道づくりに向けた報告や提言を踏まえて,今後の水道施設の耐震対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 ◎西條 工務部長  1点目のこれまでの対策でございますが,災害時の飲料水を確保するために,ことし補正を行いまして,既存の基幹配水池で緊急遮断弁の整備を進めております。それから,水管橋などの水道施設の耐震性の診断などの実施をあわせて行なっております。さらに,災害発生後の応急対応体制の強化,これが当面の大きな課題であると認識しておりまして,これらの検討もあわせて進めているところでございます。  次に,今後の取り組みについてでございますが,今年度末には災害時の給水拠点となります緊急貯水槽8ヵ所と,それから運搬拠点となります配水池10ヵ所に緊急遮断弁を整備いたしまして,ただいま委員からお話がございました,合わせまして7万 3,000トンの飲料水のストックができるところでございます。  しかし,委員のお話にもありましたように,まだまだ全札幌市民から見ますと,量的には不足していると,こう言わざるを得ないところでございます。したがいまして,今後は災害発生から3日間,まさしくこの混乱期におきます飲料水のストック機能の充実が最優先されると思いますので,今後は,給水拠点となります施設数の増加などを計画的に整備をしていきたいと,このように考えております。以上でございます。 ◆北川 委員  地震による被害は,条件によってずいぶん違いが出てきますけれども,いまのお話にもありましたけれども,古い施設とか老朽化した施設は耐震性が低く,やはり被害も大きいわけですから,先ほどのお話にありました藻岩浄水場などは,早急に改修すべきだというふうに考えます。  また,今回の阪神・淡路大震災を見ても,市民の手近に飲料水を確保する必要性,重要性はずいぶんはっきりしてきましたので,ぜひとも緊急貯水槽のような給水拠点の整備充実に向けて,積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  ところで,私の調べたところでは,昨年1月3日に起きた藻岩第1幹線の破裂事故の後,定期的に漏水調査を実施してきたというふうに聞いておりますが,今月の10月2日に,昨年の事故発生箇所のすぐそばですが,住所で言いますと南4西6で,大事故につながる亀裂が見つかりまして,未然に処理をしたということがわかっております。  したがって,最後に要望になりますが,地震対策とあわせて,一方で,日ごろからのきめ細かい施設の維持や管理,そして点検もぜひともやっていただくことを要望して,終わります。 ◆高橋[功] 委員  私で最後のようでございますので,よろしくお願いをいたします。  私からは,水道水源の水質事故の現状と対応についてお伺いをしたいと思っております。  先ほどからお話がありましたように,本市の水道は,普及率がもうすでに99%を超えておると,こういうことで,大部分の市民の生活が水道によって支えられておるわけでございます。逆に言いますと,99%ということは,一たん水道がとまりますと,市民生活に与える影響は大変大きいことになる,こういうことだと思います。  それで,水道の事故,いろいろあろうかと思いますが,最も影響の大きいものには,水源の水質事故というものが挙げられると思うのです。ダムや川のそばに市民が生活しているわけですし,それからさまざまな事業活動が行われておりますから,時には,誤って河川に水質汚染させる物質が混入されるなんていうこと,また誤ってだけではなくて,こういう時代でございますから,中には意図的にということもないわけではない。10年前では考えられなかったことが現実に起こり得る。こういうことからいえば,大変私も心配をしておるわけでございまして,本市ではございませんが,ことしの2月,余市町でそういった水源水質事故もございました。それから,ちょっと古いかもしれませんが,平成4年には,広島市でも水源の水質事故が起こって,それで断水を招いたと,こういうこともございました。
     私も,札幌はどうなのだということで大変心配になりまして,水道局からデータをいただきましていろいろ調べてみましたら,昭和60年度から平成6年度までの10年間で,本市の水源で水質事故が 164件起きていると。このうち,7割以上の 120件余りが河川への,いわゆる重油とか灯油とか軽油とか,そういう油類の流出事故であると,こういうことでございました。  水系別では,豊平川と琴似の発寒川がそれぞれ61件,59件と,星置川では発生しておりません。本市では,幸い断水に至るような事故は起こっておりませんけれども,いまお話ししたように10年間で 120件ですから,1年平均すると10件以上の事故が現実に起こっているわけで,そういう意味では,先ほど申し上げたような余市だとか広島のような,そういう重大な事故が起きる可能性が常にあるのだと,こういう認識をしているわけでございます。  そこで,水源の水質事故に対する備え,予防対策について万全を期す必要があると,こういう観点で2点ほどお伺いをしたいと思います。  まず,水源の水質事故が発生した場合に備えて,水道局ではどのような対策を実施しておられるのかお伺いをしたいと思います。  それから2点目として,事故の未然防止,いわゆる予防ということが当然大事でございますが,水道局では,この点どのように取り組んでおられるのかお伺いをしたいと思います。 ◎相原 施設担当部長  ただいまのご質問の,まず第1点目の水質事故に対する備え,対策につきましてお答えいたします。  一たん事故が発生いたしましても,断水などの事態を生じさせないためには,第1に事故の原因物質,たとえば重油類ですと,河川から浄水場に流入させないことが原則でございます。したがいまして,オイルマット,オイルフェンスを常備しておりまして,河川の段階で極力除去する対策をとってございます。万一,浄水場に流入いたしましても,粉末活性炭を浄水場で常備してございまして,それによって除去することにより,安全な飲料水づくりができる仕組みにしてございます。  次に,第2点目の事故の予防対策についてでございますが,河川流域で工事を実施する業者に対しまして,水道局との事前協議をお願いし,事故防止の徹底を図るほか,立て看板を設置して事故の未然防止を図るとともに,昭和60年度から水源パトロール業務を委託いたしまして,河川監視の強化を図るとともに,地区住民への啓蒙にも役立てているところでございます。以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  いまお答えを伺いまして,いまPL法が話題になっていますけれども,水道というのは,当然ご承知のとおり,間違って出たものを回収というわけにいかないわけです。ですから,そういう意味で,いまお話のあったように,水質事故の防止とか,事故発生したときの対応というのは,非常に大事になってくると思うのです。  いま,いろいろご答弁がございましたけれども,ただ,一つ気になるといいますか,いま水源のパトロールのお話もございましたけれども,それは当然,対応が人力といいますか,人によってなされているのだと思うのです。これは,当たり前の話でございますが,川は当然24時間ずっと流れているわけでございまして,人がたまたま監視したときにだけそういう事故が起こるとは限らないわけでございますから,まさにいまお話を申し上げたように,大事な水質という観点からいけば,多少いろいろな問題はあろうかと思いますけれども,やっぱりもう少し密度の濃い監視体制みたいなものを考えるべきでないのかと,こう思うのです。こういう時代ですから,高度な技術を導入して,たとえば自動分析装置だとか,機械力にもっと頼るだとか,連続監視が可能な,こういう観点も非常に大事なのでないかと,こう思っております。  そこで,いま申し上げた水道水源の異常の連続監視に対する当局の考え方,それから今後そういうものに対してどういうふうに整備を図っていかれるのか,この点お伺いをしたいと思います。 ◎相原 施設担当部長  お答えいたします。  水源水質を連続監視することの重要性につきましては,十分承知いたしておりまして,現在のところ,各取水場及び浄水場に魚を利用いたしましたバイオアッセという設備を設置しておりますが,監視をしなければならない項目が多岐にわたっておりまして,その項目の中には,現在の技術では信頼できる正確さで自動的に分析することができない項目があるという問題がございます。また,山奥の河川の近くに自動分析装置を設置して,データをはるばる遠くから電気信号などで運ぶということになりますことから,相当の費用を要するという問題もございます。  しかしながら,ただいま申し上げましたとおり,その重要性につきましては,私どもといたしましても十分承知しておりますので,技術開発の動向を見きわめながら,積極的に整備に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  いまご答弁の中で,水道事業にとって重大な事故につながるおそれのある水源事故の監視体制について,今後積極的に取り組んでいただけると,こういうことでございますから,何回も申し上げますが,非常に大事な観点なものですから,お金はもちろんかかると思います。そういうことを含めて,ぜひお願いをしたいと思います。  最後に,要望をお話しして終わりたいと思いますが,記憶に新しいところでは,昨年の1月3日に中央区で配水管の事故が起きましたし,それから,ことし1月には,阪神・淡路大震災が起きた。当たり前のことで何回も恐縮ですが,こういう事故は突然起こってくるわけで,そういう意味では,事前の備えを十分にしておくということは,非常に大事なことだと思うのです。いま伺ったところによりますと,全庁的にも災害時のマニュアルの再点検,整備を進めていると,こういうことでございますが,特に水道に関しては,余市のときにもいろいろ教訓があったようでございまして,不幸にして断水が起こったときには,やはり市民にいち早く,どうしてこういう断水が起こったのか,断水ですと,ただこう言うだけじゃなくて,正しい情報をきちっと伝える,そういう手段・方法もぜひこのマニュアルの中に考慮していただきたい。断水が起きないのが一番いいわけですけれども,不幸にして起こった場合には,そういうことをぜひ今後の課題としてお考えいただきたい。情報が早ければ早いほど市民にも協力をいただけるのでないかと,理解いただけるのでないかと。これは,変にパニックを起こしては何もなりませんので,その辺だけ最後に強調して,質問を終わりたいと思います。 ○宮本 委員長  以上で,議案第6号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,明日27日午後1時から,本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後4時44分...