委 員 高 橋 功 君 委 員 荒 川 尚 次 君
委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 横 山 博 子 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 菅 井 盈 君
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開 議 午後1時
○宮本 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は,特にございません。
それでは議事に入ります。
最初に,第7款 土木費 第5項
都市開発費の質疑を行います。
◆佐々木[周] 委員 私は,都心の再開発についてお聞きしていきたいというふうに思います。
9月27日に,都心を考える
シンポジウムが開かれました。その内容につきましては,大変評価できるもの,というのは,札幌市の都心の再開発について,多様な方たちの立場で新しい
問題提起がされたというところでは,大変評価するのでありますけれども,参加している方たちは,結構企業の側の方とか行政側の方とか,そういう方が多いように見受けられ,一般の市民の方には,広報の仕方,それなりにしていたと思うのですけれども,ちょっと残念だったかなというふうに思いました。
その中で話し合われていたことなのですけれども,札幌市のこれまでの
まちづくりというのは,その場その場で進められてきて,札幌の
まちづくりのコンセプトというのですか,総合的に札幌が目指すもの,そういうものを総合的に考えた中で
まちづくりをしてきたのかどうか,そういうことが
問題提起されていたのじゃないかというふうに思います。
現在,本市では,札幌駅周辺,それから
国際ゾーン,それから
南1条通,そういうところで数多くの再開発の
プロジェクトがそれぞれ活動をしているわけなのですけれども,札幌市全体として都心をどう考えていくのか,そして,公共的な空地,空間,それをどういうふうにつくっていくのか,そういったことも考えていく必要があるのではないかというふうに私も考えております。
質問の1点目なのですけれども,いま申し上げました
シンポジウムでもいろいろ出てきたわけなのですけれども,そこそこの点としてではなくて,札幌市全体として考えたときの都心の空間について,そういうような視点で,いま申し上げましたさまざまな
プロジェクトを進めるということが必要だと思います。この
シンポジウムでいろいろな
問題提起がされましたが,そのことについて,どんなふうに生かしていこうとなさっているのか,まず,お聞きしたいというふうに思います。
それから,この
シンポジウム開催に当たっては,本当に担当の職員の方,大変ご苦労なさったかなというふうに思っておりますけれども,パネラーの方からも,こういうような企画は今後も続けていったらどうか,それから,会場の皆様も,ほとんどの皆さんが,こういう企画は続けるほうがいいのじゃないかというふうなご意見でした。そんなことからも,こういう企画を,あのような形ばかりではなくて,いろいろな形で考えてはどうかというふうに思いますけれども,その点についてお聞きしたいというふうに思います。
◎船越
国際ゾーン担当部長 ただいまの9月22日に開催されました
シンポジウムにつきまして,これらの提言を
まちづくりに今後どうやって生かしていくのかという1点目の質問にお答えいたします。
まちづくりの推進につきましては,これまでも
国際ゾーン計画に限らず,全市のバランスを考えながら,できる限り市民の意見に耳を傾けて進めてきていると考えております。
今回開催されました
シンポジウムにおきましても,
まちづくりにつきましての真剣な討議がなされ,また,次の時代を担う若い世代からも斬新なアイデア,提言が示されておりますので,今後とも,これら提言等を十分に参考にいたしまして,
まちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
2点目でございますが,さらに,このような市民などから
まちづくりについて聞く会を継続して設けるべきではないかということでございますが,そのご指摘のとおりでございます。今後とも,
シンポジウムとか,今回開催いたしました
ポスターセッションに限らず,多様な機会を設けまして,広く市民各層の意見に耳を傾けながら,よりよい
都心空間を目指して
まちづくりを進めなければならないと思っているところでございます。以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 この
シンポジウムの中で話し合われたことで大切なことは,さっきもちょっと申し上げましたけれども,いままでの
都市計画,そのあり方,そのことについて,一休みしていま一度考えてみようというか,たとえば交通網のあり方だとか,それから自然環境だとか,そういったことも考えていこうということが出されておりました。それから,感性豊かな目で見て,札幌の個性をつくっていくというか,そういう形を考えていくことが必要ではないかとか,そういうようなことが出ておりましたけれども,積極的に生かしていくということをおっしゃっておりましたので,それを期待していきたいなというふうに思っています。
次に,
国際ゾーンについてお聞きしていきたいというふうに思います。
あのときの
シンポジウムの中でも,
国際都市,それはどういうような意味を持っているのかということが結構話し合われておりました。この
国際ゾーンについて札幌市で掲げられているのは,
国際都市にふさわしい風格ある
都心空間整備の課題であると。それからアメニティー豊かなゾーン,それから
コンベンションなど
高次都市機能の導入,それを目指しているというふうになっております。
そこで,その
シンポジウムでも,
国際ゾーンですね,そのゾーンだけで
国際都市を標榜できるのかどうか,そういうことについては,ちょっと疑問を述べる方が多かったというふうに私は思っているのですけれども,やはり札幌市全体が醸し出す札幌の街,そういったものを考えていく中で取り組んでいくべきではないかというふうに思うわけです。
昨年12月に示された
推進計画の中で,そのゾーンの中で期待される施設が挙げられていたのですけれども,
コンベンションの施設だとか,
高次都市機能と呼ばれる機能的な部分が結構多いのですが,
居住空間,そういったものはなかなか視点には入っていなかったのです。中に入っているのは,
ホテル機能というのは入っていたのですけれども,そういうところからいきましても,今後の街全体を考えるときに,都心であっても,機能だけではなくて,いろんな人がそこに住み,そして行き交う,そういうようなゾーンを想定しながら進めていく必要があるのではないかというふうに思います。
そういうことで,
国際ゾーンの構想の中で,やっぱり市民のほうには,当初出された計画の中の超
高層ビル,その印象が大変強いわけです。そういう印象が強いために,
国際ゾーンイコールツインタワーというか,そういうのが結構頭にあるわけです。ですから,そこをいまどんなふうにお考えになって進めようとしているのか,そういうようなところについてお聞きしていきたいというふうに思います。
◎船越
国際ゾーン担当部長 ただいまのご質問でございますが,
国際ゾーンに限らせていただきますと,超
高層ビルとか,そういった
イメージが強いのじゃなかろうかというような,機能面のお話ばかりだというようなことでございますが,
国際ゾーンの本来目指すべきものについてお答えいたします。
国際ゾーンの計画の主な目的といたしましては,新しい世紀のスタートに向けまして,新たな札幌の顔として,市民が憩い,誇りに思うことのできる風格ある良質な
都心空間を創出することにあります。
さらにまた,先ごろ言われていますように,
都市防災等にも考慮した
まちづくりを目指さなければならないと思っておるところでございます。
このため,大通の東側への延伸や
水辺空間をも含む創成川等の
都市基盤整備を進めるとともに,街区内におきましても,
関係地権者と十分協議を行いながら,さらに将来の
まちづくりについて,広く市民の意見に耳を傾けながら,
公共空間と一体となった良好な
まちづくりに取り組んでまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 いまのご答弁の中で,何かはっきりしないところがあるのですよ。超
高層ビルの
イメージがやっぱりひとり歩きしていることを私は問題にしているわけで,そういう意識がいまもおありになるのかどうか。
そして,そこを,いまの公共空地,そういうような問題とあわせた中で,たとえば札幌市が当初,期待している中に
コンベンションセンター,それから
貿易センターですか,そういったものをそこに持っていきたいというふうな,そういう思いを込めて
国際ゾーンという名称をつけてきたのではないかというふうに私はちょっととらえているのです。ですから,その辺について,もう一度すっきりとお答えいただきたいと思うのです。市民の方の
イメージを変えるためにも,もう少しはっきりとしたお答えいただければというふうに思うのですけれども。
◎船越
国際ゾーン担当部長 当初,どこから出たか,超高層という
イメージがあるというふうなことでございますが,機能,
施設関係につきまして,
国際ゾーンにつきましては,63年度に本市で策定されました3次長総に基づきまして,都心における都心軸や交通機関及び諸機能の
配置状況等を踏まえた,21世紀を展望して望ましい都心のあり方について検討を行い,
都心空間整備を進める必要があるというふうにうたわれております。したがいまして,
国際ゾーンといたしましては,より高次な
都市機能の受皿としての整備を考えているものでありまして,その中に,
コンベンション施設等の集積が導入できればというふうな期待をしているのでございます。以上でございます。
◆伊藤 委員 私から,大きく分けて2点について質問をいたしたいと思いますけれども,質問の内容から,分けてお伺いをしたいと思います。委員長,よろしくお願いをします。
まず最初に,本市の
宅地開発行政についてお伺いをしたいと思います。
ご承知のように,本市では,昭和30年代から急激な人口の増加があったわけでありまして,これに伴って
宅地需要の爆発的な増加,こうしたことを背景にして,急激な
宅地開発が行われたところでございます。本市として,道路,公園,学校等の公共・
公益施設の整備を早急に進める必要も出てきたところでございます。
しかしながら,当時の市財政及び
都市施設の
整備状況から見たときに,本市のみの負担では,きわめて困難な諸問題がたくさんあったわけであります。
このようなことから,本市では,計画的な
まちづくりを進め,そして,秩序ある
市街地形成を誘導する施策として,昭和48年7月に,
地域開発の基本方針である札幌市住区
基本計画が策定をされたところでございます。
また,この計画の実現を図り,
開発行為について,よりきめ細やかな指導を行い,さらに開発者の
負担基準,これを明確にして,公共・
公益施設整備を促進するために,
宅地開発要綱を同時に制定をして施行されたところでもございます。
その後,当要綱について逐次改正が行われてきたのでありますが,
要綱制定当初から今日に至るまで約20年の間,人口は非常に伸びてまいりました。 175万人に達するようにもなりましたし,また,道路延長も約 5,100キロメートルというふうに聞いております。また,公園面積についても,市民1人当たり約20平米,さらに,
下水道普及率も約 100%近いと,そうした域に達したわけでありまして,
都市基盤整備は本当に大きく進展を見たところであります。
私は,このような本市の大きな発展の中にあって,本市の
まちづくりの重要な部分を担ってきた
民間開発において,
本市宅地開発要綱は,制度当初の目的を
相当程度達成をしたのではないか,そんなふうに考えているところでございます。
本市要綱が昭和63年に最後の改正をされて以来,すでに7年を経過し,さらに国の動き,法制度の変化といったことに着目をしてみますと,
公共施設整備のための
開発者負担のすべてを分譲価格に反映することはなかなか大変だ,安くて良質な宅地の供給を進める上で,そうした意味で困難となってきているのではないか,そんなふうに考えるところでございます。
また,建設省では,国の
緊急経済対策の一環として,
地方公共団体の
宅地開発指導要綱の
行き過ぎ是正,こうしたことに指導をしているというふうにも伺っているわけでありますし,いま一つは,本年4月から,本市の
行政手続条例が施行されたことによって,行政における公正の確保と透明性の一層の向上並びに適切な
行政指導が求められるところでございます。
このように,今日,
本市宅地開発要綱は,一つの転機を迎えているわけでありまして,
まちづくり,地域経済の活性化の観点から,開発者の負担を緩和するなど,
要綱指導内容の適正化が求められているというふうに思っているわけであります。
そこで私は,今後とも,
社会経済情勢の変化に即応した
宅地開発行政を推進すべきという観点から,3点についてお伺いをしたいと思います。
まず1点目でありますけれども,これまでの流れの中で,
宅地開発要綱は,本市の
まちづくりにおいて,具体的にどのような成果を上げてきたのか,また,本市として,その成果をどのように評価をしているのか,まずお聞かせをいただきたいと思います。
2点目には,
規制緩和を求める近年の
社会経済情勢の変化に応じて,
宅地開発要綱の見直しを図るよう通達が出ているようでありますけれども,ほかの
指定都市ではどのように対応をしているのか,情報があれば,この点についてもお聞かせをいただきたい。
最後に,本市としても,
まちづくりの指針として,今後一層その重要性を増すと思われる
宅地開発要綱の見直しについて,私は早急に実施をすべきと考えているのでありますが,本市としての考え方はどうなのか。
3点についてお伺いをしたいと思いますけれども,ひとつ前向きなご答弁をいただければ,これでこの問題については終わりにしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◎小野
開発部長 1点目の
宅地開発要綱による
まちづくりの成果とその評価についてお答えいたします。
要綱による
まちづくりの成果といたしましては,計画的な公共・
公益施設の整備によりまして,現在までに,
市街化区域面積の20%に相当する約 5,000ヘクタールの良好な
住宅市街地が整備されてきたということが言えるかと思います。
その具体的な内容について申し上げますと,要綱に基づく
市道整備面積及び
下水道管渠整備延長につきましては,それぞれの総
整備面積及び総延長の約20%にも達しており,また,
公園整備面積につきましては,約 150ヘクタールとなってございます。
さらに,住区
整備基本計画の
整備状況から見てみますと,平成7年4月1日現在,小・中学校で約93%,近隣・
地区公園で約80%,道路では約77%の整備が行われており,着実に
計画的施設整備が図られてきている状況でございます。
したがいまして,
本市宅地開発要綱の評価につきましては,ただいま申し上げましたとおり,住区
整備基本計画の推進に大きく貢献し,その目的に沿った良好な
市街地環境の整備を初め,地域社会の一体的なまとまりのある潤いに満ちた
まちづくりに大きく貢献してきたものであると考えております。
次に,2点目の他都市の対応についてでございますが,昨年からことしにかけまして,仙台市,神戸市及び横浜市が相次いで要綱の改正を行なってございます。
その改正内容といたしましては,本年7月に改正を行いました横浜市の例で申し上げますと,
公園確保基準,
公益用地負担基準の緩和並びに
下水道事業開発者負担金の廃止などを中心とする,大幅な
負担基準の緩和を行なったものと伺っております。
さらに,現時点の情報といたしましては,千葉市,川崎市,広島市,北九州市及び福岡市におきましても,今年度から来年度にかけまして,
要綱改正を行う予定であると伺っております。
最後に,本市における
宅地開発要綱の見直しについてお答え申し上げます。
宅地開発要綱は,さきに申し上げましたように,
まちづくりのために大きな役割を果たしてきたところでございます。今後とも,良好で快適な市民生活を確保する上で欠くことのできないものであると考えております。
しかしながら,
本市要綱を取り巻く状況につきましては,委員からもご指摘のございましたように,
都市基盤整備の充実や
開発意欲の減退,
規制緩和の
社会的要請などのほかに,近年の
定住化志向による人口の安定化や
少子化傾向に伴う
学校用地需要の減少,並びに住環境や
都市防災性に対する市民意識の向上等の
社会状況の変化もございますので,要綱の見直しの必要性については十分認識しているところでございます。
したがいまして,本市といたしましては,国からの
見直し通達もあり,低廉で良好な
住宅地供給を促進する観点から,新しい時代にふさわしい
行政指導基準としての要綱の具体的な
見直し作業を現在進めているところでございます。
この要綱の見直しにつきましては,委員のご指摘も踏まえながら,来年度のできるだけ早い時期に実施できるよう,
庁内調整を鋭意進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆伊藤 委員 ただいま各
指定都市の緩和に向かっての考え方,あるいはまた
取り組み状況についてもお聞きをいたしました。
宅地開発要綱の見直しについて,本市としても,来年度のできるだけ早い時期に
庁内調整をするという,非常に前向きなご答弁をいただきました。
負担基準の緩和等を求める開発者の声が非常に多いことも事実でありますから,ぜひひとつ早期に改正していただくよう強く要望しておきます。
次に入りますが,最近の新聞報道にもありました,
南1条周辺地区市街地総合再生基本計画についてお伺いをしたいと思います。
札幌の
都心商業地の現在の姿は,昭和47年の
札幌オリンピックを契機として行われた,
札幌駅前通沿いの
市街地改造事業あるいはまた地下鉄及び地下街の整備などによって形成をされてきているわけであります。
しかしながら,この事業が完了してから,すでに30年近くが経過したこともあって,
都心部商業地全体としては,総体的に建築物が老朽化をしたり,また,大型店の郊外立地が進んで,
年間販売額の都心のシェアが低下している状況にございます。
市としては当然のことでございますけれども,状況を十分に踏まえられ,
南1条周辺地区について,今回計画を策定されたことと思うのでありますが,
都心商業地における今後の
まちづくりのマスタープランとして位置づけられる当計画について,お伺いをしてまいります。
まずお伺いをしたいのは,今回の
計画策定に当たっての視点,この計画の中でどのようなことを
まちづくりの目標とされたか。
さらに2点目として,その目標実現のために,具体的な
地区整備の方針をどのように提案をしているのか,まずお伺いをしたいと思います。
◎波田 再
開発担当部長 まず,第1点目の
計画策定に当たっての視点と
まちづくりの目標についてお答えしたいと思います。
今回策定いたしました
南1条周辺地区につきましては,範囲で申しますと,大通から南2条通,それから駅前通から創成川,これらに囲まれた6街区約11ヘクタールの区域でございます。
ご質問にもありましたように,近年,この地区を含めた
都心商業地のシェアの低下が進んでおりますことは,私ども市としても,十分に認識しているところでございます。
そこで,今回の計画を策定するに当たりましての視点といいますか,これにつきましては,まず,札幌の顔である都心の魅力を一層高め,より多くの人々が集まる活気あふれる
都心空間を新しい時代に向けて再構築していく,そういうことが重要なテーマではないかと考えたわけでございます。
したがいまして,
南1条周辺地区の
まちづくりの目標といたしましては,都心の商業集積を生かしながら,多様な人々が集まり,交流が行われる,いわば都心の広場となるような機能や空間を持った街をつくり出していくことを目標としております。一言で言いますと,21世紀の
札幌づくりをリードする
交流拠点づくりというふうに表現させていただいております。
次に,2点目の具体的な
地区整備の方針についてであります。
主なテーマを申し上げますと,まず一つは,歩いて楽しい街を目指した
歩行者空間整備ということでございます。これは,
南1条通や中通りを
歩行者中心のモールとして整備し,これの
ネットワーク化を図るということでございます。そして,
南1条通の地下通路の位置づけ,さらには,地下と地上とを結ぶ縦方向の
移動空間や,たまり場としての
広場整備などを提案してございます。
二つ目には,
交通基盤施設整備でございますけれども,沿道の開発にあわせまして,風格ある
南1条通の整備,あるいは共同化を含めた
地下駐車場や荷さばき,
物流施設の整備などでございます。このほか幾つかありますが,札幌らしい個性の感じられる景観,街並みの整備,あるいは文化機能や都心型の居住機能の導入といったような,新たな
都心機能の導入などについても提案してございます。以上でございます。
◆伊藤 委員 ただいまお伺いをしたところ,商業者を初めとして,関係者には大変価値のある興味深い提案であったと認識をいたしたところであります。
そこで,次にお伺いしたいのは,今回策定された計画において,なぜ
南1条通を挟んだ6街区に限定をした計画を策定したのか。
それから二つ目として,当計画以外の
周辺地区,この
計画策定についてどんな考え方を持っているのか,お伺いをさせていただきたいと思います。
◎波田 再
開発担当部長 まず,1点目の
計画策定の範囲でございますけれども,ご承知のとおり,
南1条周辺地区は,都心部の中でも,いわば札幌建設の基点であるとともに,また,最初にできた商業地でもございまして,札幌のJR駅
周辺地区とともに,都心部の2大中心地として栄えてきたところでございます。
しかしながら,ご質問にもありましたとおり,この地区は建物の老朽化や商業力の低下といった問題がありまして,再開発への必要性が高まっている地区でございます。このようなことから,隣接する
国際ゾーンの構想などとも連携をして,今後の都心の魅力ある
まちづくりの指針を検討する必要があると考えまして,いわゆる
都心商業地におけます民間再開発のモデルプランとして,
南1条通周辺の6街区を対象として,今回の計画を策定をしたものでございます。
次に,2点目の
周辺地区の
計画策定についてでありますが,この
南1条周辺地区と同様に,老朽化による建物の更新時期を迎えている地区がございますので,都心部における各種の開発
プロジェクトとの整合性を図りながら,今後,地元の開発の機運などに応じて,適宜検討していく考えでございます。以上です。
◆伊藤 委員 今回の計画が
都心商業地全体に及ばない,これはひとつ残念に思うのでありますが,いわゆる
国際ゾーン開発構想との関係,あるいは地区の課題を踏まえた優先度から,こうした判断をして6街区に限定されたものと,そういうふうに理解をいたします。
次に,計画の推進に向けて,2点ほど,あらためてお聞きをしたいと思います。
まちづくりの目標として,都心の広場をつくる,中通りモール等,歩いて楽しい
まちづくりをしていく,こうしたことは非常に結構なことであります。私としても,大いに賛成をするところでありますが,この実現には,やはり大きな課題がたくさんあるのだろうというふうにも思っております。
そこで,提案に近い質問をさせていただきますが,当地区内にも,道路敷地や地下鉄の排気塔として利用している市有地が何ヵ所かあるのだろうというふうに思います。これらの市有地について何らかの活用ができないのか,考えているとすれば,お尋ねをさせていただきたいと思います。
また二つ目として,当計画の実現には,当然のことでありますけれども,民間再開発を前提とするわけでありまして,民間と行政側とが力を合わせて行うことが非常にやはり肝要であろうと,そんなふうにも思うわけであります。そこで,その役割分担をどのように考えているのか。さらに,今後,実現に向かってどのように取り組んでいくのか,お示しをいただきたいと思います。
◎波田 再
開発担当部長 まず1点目のご質問ですが,中通りあるいは交通局用地などといった市有地の活用についての考え方でございますが,これらは,いずれも今回提案しております中通りモール構想の一部を構成するものでございますけれども,再開発の計画が具体化していく中で,たとえば新たに確保すべき街路用地ですとか広場,たまり場などに振りかえるといった,いわゆる公共的な利用が最もふさわしい活用策ではないかと考えております。具体的には,再開発の事業の動きの中でまた検討させていただきたいと思っております。
次に,2点目の民間といいますか,地元と行政側の役割分担についてでございますけれども,この計画の推進に当たりましては,一つは,再開発の事業化といった側面と,公共施設の整備,基盤面も含めてのことですが,二つの要素がございます。
まず,行政側の役割といたしましては,再開発の方向性を提示するための,言ってみれば今回の計画でございますが,これらを初めといたしまして,次に
基本計画あるいは
推進計画といったものを策定していくわけですが,こうしたことによる事業化の推進,それとあわせて公共の地下通路ですとか,あるいは
南1条通といった関連公共施設の整備を図っていくこと,これが行政の役割としてあるだろうと思います。
また,地元の役割といたしましては,再開発の事業推進主体としての
まちづくりの協議会,または再開発組合といった組織化をするといったように,それぞれ固有の役割を持っておりまして,いずれにいたしましても,民間と行政,地元と行政がよきパートナーとなる強い連係プレーが必要であると思われます。
また,この計画実現に向けての今後の取り組みについてでございますが,すでに今月の5日に,この計画の概要につきまして
関係地権者への説明会を開催しておりまして,大勢の参加を見たところでございます。
さらに,当地区内の商店街組織におきましても,今後,商店街の整備計画を策定する動きがございますので,今回私どもが策定した計画の内容を,そうした商店街の整備計画の中にも反映していただくように働きかけをしたいと思いますし,その他の関係の地権者の方々に対しましても,
まちづくりに向けた組織化を促しながら,できるだけ早い時期に再開発事業の促進が図られるように努力をしていきたいと考えております。以上です。
◆伊藤 委員 これで最後にしますけれども,この南1通
周辺地区,これはいわゆる本市だけではなくて,北海道を代表する商業地域でもあるわけであります。ただいまご答弁になった今後の取り組みの中で,通常行われている再開発の進め方だけでは,なかなかこれは大変だろうと。商業を維持しながら,さらにまた,あわせて共同化を図ろうとするわけでありますから,きわめて困難な問題もたくさんあろうというふうに思います。
そこで局長,これからの課題を踏まえて,絶対にこの計画を計画だけに終わらせてはならないというふうに考えるわけであります。それで,この辺の決意のほどをお聞かせをいただいて,終わらせていただきたいと思います。
◎広畑 都市整備局長 札幌を魅力ある街にする上では,やはり都心の求心力がなければ,これは絶対不可欠なものと,そんなふうに考えてございます。したがいまして,この南1条周辺の
まちづくりにつきましては,非常に重要なものと,こう考えておりまして,すでに私ども地元にも説明に入っております。大筋では賛同をいただいておりますが,ただ,地下利用の問題であるとか,荷さばき場の問題であるとか,それから都心交通をどうするかとか,そういった公共側が担うべき部分についての要望も多々出されてございます。そんなものは,庁内挙げて協力いただきながら頑張ってやっていきたい。
特に,この計画の中で私ども重要視をしているのは,歩行空間としての中通りの復元をしたい。これは実際におわかりのとおり,丸井デパートから三越,この中通りが,いま完全に歩行者が阻害をされている。これの回復の問題が重要だろうと思ってございます。これについても,おおむねそういった方向がこれからの基本だなということで,関係者からご理解をいただいておりますので,そういったところの優先度を高めながら,そういったところからまず進めれば,全体として完成するなと,そんなふうにも思っておりますので,優先順位も決めながら,しっかりとやっていきたいと,そんなふうに考えてございます。
◆大西 委員 私は,JR琴似駅北口の
まちづくりについて質問をいたします。
質問の第1点目は,現在,JR琴似駅を中心とした
まちづくりは,南側に大きく発展をいたしております。駅前広場は整備され,大手スーパーの建設を初め,駅西側の琴似3条1丁目の再開発の着工など,大きな躍進を遂げているのであります。
しかし,一方,北側八軒地区の整備は,南側に反しまして,ふさわしい土地利用とは言えず,街のにぎわいもきわめて寂しい限りであります。
こうした中で,本市は,平成4年に国庫補助金により,JR琴似駅北口地区市街地総合再生
基本計画を策定したところでありますが,いまのところ,具体的な動きは見えてこない状況になっております。
現在,駅前北側の八軒地区の再開発の動きは,八軒1条西1丁目・2丁目地区と八軒1条東1丁目地区に分かれておりまして,八軒1条西1丁目・2丁目地区は,すでに平成5年2月に街づくり期成会の呼びかけで,土地所有者によるJR駅北口地区再開発懇談会を結成し,平成6年3月までに,8回にわたり話し合いを行なってきたと聞いているのであります。
そこで質問でありますが,この懇話会の中で,どのようなことが話し合われてきたのか。また,その際,本市はどのような支援を行なってきたのかお伺いをいたします。
質問の第2点目は,八軒1条東1丁目地区でありますが,当該地は,いわゆるバブル崩壊前に地上げが積極的に行われた地区であります。バブル崩壊後は,地上げ業者が倒産をし,今日まで放置されたままになっている,いろいろ問題の地区でありまして,地元としても,大変困惑をしているというのが実情でございます。
具体的に申し上げますと,店舗などが空き家そのままになっておりまして,雪対策や青少年の防犯上の問題,また,夏場は雑草が伸びほうだいとなっているなど,環境衛生上の問題等が生じているところであります。さらに,商店街,飲食店などは,街並みが歯抜け状態になっていることから,客数が極端に減少し,また,車の駐車をめぐってトラブルが発生していることなど,社会問題になっていると言っても過言ではない地域であります。これらの状況は,平成4年から何の変化もないまま,現在まで続いてきているのであります。
そこで質問でありますが,この間,本市は,不動産業者への指導や,そのほかに,この地区に対し支援活動をしたことがあったのかどうか。さらに,あったとすれば,どのような支援を行なってきたのかお伺いをいたします。また,なかったとすれば,なぜなかったのか,お聞かせをいただきたいのであります。
質問の3点目は,八軒連絡所と地区会館の建てかえに関連してであります。
市街地総合再生
基本計画における当該地区は,コミュニティゾーンとして位置づけされているのであります。この施設は,建築後30年以上もたっているものでありまして,老朽化が著しく,建てかえの時期に来ていると思うのであります。このため,すでに連合町内会では,八軒会館建設期成会を設置し,積極的な建設にかかわる運動を展開しているのであります。
私は,この会館建設が,駅北口の再開発事業を進める上で欠かすことのできない取り組みであり,再開発実現の起爆剤と位置づけてもいいのではないかと思っております。
そこで質問ですが,いま私が申し上げました点の本市の考え方をまずお伺いをいたします。さらに,都市整備局としても,担当の市民局及び西区を初めとする関係部局に対し,積極的なその実現化に向けて働きかけるべきと考えますが,その見解をお伺いいたします。
◎波田 再
開発担当部長 まず,1点目のJR琴似駅北口,八軒1条西1丁目・2丁目地区の懇話会の活動と市の支援内容についてでございます。
ただいま委員が述べられましたとおり,この地区では,JR函館本線の連続立体交差事業の完成あるいは南口での再開発事業の進展などを契機として,地元の駅北口地域街づくり期成会というのがありまして,これの呼びかけによって,平成5年に土地所有者の方々によります琴似駅北口地区再開発懇話会というものが結成されまして,再開発に向けての勉強会を平成6年3月末まで行なっております。
この勉強会の中では,再開発の仕組みですとか再開発の進め方,税の関係,あるいは権利変換といった,いわゆる再開発に関する基本的なテーマを中心にしまして,通算8回実施されております。当然のことでありますけれども,札幌市といたしましては,この担当職員をすべての勉強会,8回ですけれども,これに参加させておりまして,いろいろ説明あるいはアドバイス等を積極的に行なってきたところでございます。
2点目の八軒1条東1丁目地区の動きに対する市の支援でございます。
この地区は,ご質問にもありましたように,東京に本社があります不動産会社によって,いわゆる地上げが行われた地区で,バブル経済の崩壊後,長期間にわたり空き地のまま放置されて,地区の環境を悪化させているということは,私どもも十分承知しております。
市といたしましては,この不動産会社に対しても,他の地権者と協調しまして,この街区の一体的開発というものを進めるよう,数回にわたって指導をしたところでございますし,また,これとあわせて,地元におきましても,私ども市と連携をとりながら,街づくり期成会の会長が中心になって,地権者間の合意形成を図る努力をされておりました。しかしながら,平成5年の秋に会長さんが急に亡くなられまして,バブル経済の崩壊に伴い,地権者間の合意形成というものが一層難しくなっておりまして,現在は,期成会そのものの機能が停止されているような状況となっております。このため,現在のところ,再開発の大前提となります関係権利者の合意形成といったものが,残念ながら欠けていると判断せざるを得ない状況にあると理解しております。
次に,3点目の八軒連絡所と地区会館の建てかえについてでございます。
この街区は,平成4年に市が策定いたしました駅北口地区市街地総合再生
基本計画においては,歴史を大切にした緑豊かな,公共・
公益施設を配置する,いわゆるコミュニティゾーンという位置づけをしておりまして,
まちづくりの上でかなめになる街区であると考えております。
八軒連絡所と地区会館の建てかえにつきましては,地域の方々が大きな熱意を持って市民局や西区に対しまして,強く要望されているということは承知しております。もちろん,このことが,琴似駅北口全体の再開発を進める上でも大きな動機となり,また起爆剤になることを,委員と同様に,市も強く期待するところでございます。
その実現に当たりましては,まず,地元あるいは地権者間の要望を踏まえながら,どのような形で建てかえていくのが望ましいかということにつきまして,市民局や西区,それと私ども都市整備局がかかわって,全庁的に調整されなければならないと考えております。
また,このほか,都市整備局といたしましては,場合によっては,この街区の一部に民間活力を導入する事業手法を検討するといったような,協力できる点につきましては,積極的に今後バックアップをしてまいりたいと,そのように考えております。以上です。
◆大西 委員 いま西地区と東地区の状況についてお話をいただきました。
さらに質問をいたしますが,いまのお話を聞きますと,琴似駅北口,八軒地区の再開発,できれば私は,西地区と東地区同時に進行することが好ましいというふうに考えておりますけれども,ただいまの答弁では難しいように思われます。すなわち,八軒1条西1丁目・2丁目側においては,すでに勉強会が開催されていること,また,地主が地元に居住しており,話し合いを持てる環境が整っている,こういう地域であります。一方,八軒1条東1丁目地区は,地権者が複雑で,しかも地元に居住していないこと,また,企業が倒産していることなど,それぞれの状況を考えますと,それぞれに適した再開発を進めることのほうが適当と考えられるのであります。
そこで,本市の見解をお伺いし,また,この場合,再開発の整備に対して,札幌市は今後どのような支援をしていくつもりか,今後の見通しについてお伺いをいたします。
◎波田 再
開発担当部長 ご質問の1点目,八軒1条西1丁目・2丁目地区及び八軒1条東1丁目地区の開発の進め方と,2点目のこれに対します市の対応につきましては,相互に関連いたしますので,あわせてお答え申し上げます。
まず,西1丁目・2丁目地区でございますけれども,最近の懇話会の動きといたしましては,構成する権利者,これを拡大をしていこうという動きがございます。また,あらためて再開発の仕組みや進め方を勉強し直し,さらには,可能であれば
地区整備の将来構想を模索するといった活動を再開する考えであるというふうに聞いております。
このため,私ども都市整備局といたしましては,西区や関係局ともども,こうした動きに対して,いままで以上に積極的に懇話会に参画をし,多少時間を費やしてでも,事業化に向けて指導,助言,支援等を今後強化してまいりたいと,そのように考えております。
また,東1丁目地区につきましては,さきに答えいたしましたとおり,地権者の合意による一体的な再開発というのはきわめて難しいと,そのように判断しております。しかしながら,このような状況が継続されることは決して好ましいことではないと,これは,委員と同様に私どもも理解をしております。
また,最近の動きといたしましては,この地区内で新しい用途地域の指定というものがあります。これを考慮に入れた単独のマンション開発等の計画も,私どものところに相談されてきております。
今後は,このような単独の建築行為による個別更新,これによって開発を進めていかざるを得ないというふうに判断をしているところであります。このため,再開発によらない個別開発の事業者に対しましても,引き続き,これまでと同様に,北口地区のマスタープランというものに極力整合した計画を進めるように,強力に指導・誘導を図ってまいりたいと,そのように考えております。
◆大西 委員 最後になりますけれども,再開発は,地元と行政がタイアップをして進めなければならない事業であることは,私も十分承知をいたしております。しかし,やっぱり行政側の協力が何といっても大事だと思うのであります。
そこで私は,次の2点について,強く行政に求めておきたいと思うのであります。
その一つは,八軒東側の再開発については,地権者の合意形成が難しいこと,また,新用途地域の見直しなどから,個別開発もやむを得ないと推測をいたしますが,市としては,可能な限り,
まちづくりのマスタープランと整合を図るように,開発者に指導・誘導を行なってもらいたいということであります。
その第2点目は,西側,いわゆる1条1丁目・2丁目地区でありますが,あわせて八軒連絡所と地区会館を含む街区の
まちづくりについては,地元の意向を十分踏まえて,市民局,西区とも,いままで以上に積極的に参画し,事業化に向けて指導,助言などの支援をしていただきたいということであります。
以上2点をあらためて要望して,私の質問を終わります。
◆丹野 委員 私は,豊平区の分区に伴う清田地区の
まちづくりという部分で,数点お伺いしたいと思います。
質問に入る前に,きょうのこの議場に,市民局から湯浅主幹が見えられております。ありがとうございます。
それじゃ,質問に入らせていただきます。
豊平区の分区についてということで,新区役所等の位置,それから,当然,分区の区割り,そして新区の名称,これらがすべて順調に決まりまして,あとは2年後の平成9年,分区の目標年次を待つだけと,このように考えております。
そういう中で,この新区に該当する住民の皆さん方も,札幌市 120年の歴史を越えて10番目の新しい区ができるということで,かなり期待もして,さまざまな諸問題について地元住民としても協力を惜しまないと,こういう声も多いわけであります。
ご承知のとおり,この清田区は,千歳,広島方面からのゲートウエーとなるところでもありますし,それから,新区役所等の立地が予定された場所,これは,いただいた図面を見ますと,大体中心的な位置に当たります。そういう中心的な位置に当たる場所として,大きく言えますことは,きのうこの委員会で笹出委員からも質問ありましたように,大きな道路の問題点が,問題点といいますか,そういう部分がありまして,かなりこれらの地域における道路の開発推進も進められてきており,昨今におきます状況は,大きな道路がどんどんできたということで,新しい一つの街へのリズムが感じられると,このように思います。そういう中で,本市におきましても,第3次長総等において,いまの区役所の位置づけ等を早くから打ち出しまして,そして今日になったわけであります。
私が,こういう経過を踏まえて,きょうここにささやかな質問を試みたのは,分区という一つの大きな事業を見渡したときに,必ずしも
まちづくりが順調にいかない部分あったのかな,こんな思いもあります。いわゆるこの新区役所ができますと,そこが中心起点になって新しい街が鼓動し始めるわけですけれども,その状態と非常にかけ離れて
まちづくりが進まざるを得ないというような状況もあったように感じております。
そのような視点の中で,この委員会で,都市整備局が大変なご苦労の中で,
まちづくりの施策をつくられてきたということに対しましては,敬意を表しつつ,数点お伺いしたいと思うのであります。
初めに,先ほどの質疑の中でもお答えありましたけれども,原局の考えとして,市民の声をたくさん取り入れたいというお話がございました。
まちづくり構想策定に当たりまして,早くから地元住民等に対しまして,アンケート調査もしてきたやに聞いておるわけでありますけれども,この結果が,どういう住民の意識だったのか,お示しください。
それから二つ目ですけれども,新区役所が建つ当地の現状という部分にかんがみますと,それなりの集積があります。そして,その反面,現在のこの用途地域では,ちょっと難しいのじゃないかなという感じがするわけです。なぜかといいますと,この地域は準工業地域,それと同時に住宅地域が非常に大きいエリアを占めておりますから,こういう部分で見ていきますと,若干重なり合っている部分もございますから,拠点形成という立場から考えていきますと,当然,用途見直しが必要であろうと,これは強く感じます。
さらに,この構想がすべて現在進行形で動いているわけですから,一つ一つをとらまえてどうのこうのという気はございませんが,原局として,これらの地域の土地利用についての現段階での基本的な考え方,これとあわせて,このアンケートでとられた住民の意思をどのように生かしていくのか,お示し願いたいと思います。
◎波田 再
開発担当部長 清田地区の土地利用構想につきましては,現在,今年度内を目途に取りまとめを進めているという最中でございますけれども,この中で,地元の意向を把握するために,構想区域内のすべての世帯を対象としてアンケート調査をさきに実施いたしました。その結果,24%約 700世帯の方々からご回答をいただいております。
その結果の主なものでございますが,まず,地区の居住環境に対する評価につきましては,第1位としては,豊かな自然環境,それに閑静な住環境,それから日常生活の利便性やバス等の利便性といったものについて,約7割の方々が好感を抱いております。この反面,幹線道路の混雑が激しいとか,交通問題による居住環境への不満といったものがあるようでございます。
次に,今後の
まちづくりの方向についてお尋ねしましたところ,緑地や公園といった自然が豊かな街を望む方々が約6割ほどいらっしゃいます。それから,お年寄りも暮らしやすい
まちづくりを望む方が約4割ほどございます。
こういったことを考えますと,この地区におきましては,自然環境やゆとりというものを大切にした
まちづくりを望む意見が多かったというふうに理解をしております。
一方,商業施設などの集積した便利な街を求めるという声も3割ほどございまして,一方では,にぎわいというものも地区によっては重視する意見があったということでございます。
また,これからの
まちづくりの中で特に重視すべき点は何かということに関しましては,公共交通網の充実と,これを筆頭にしまして,以下,健康・スポーツ施設,魅力的な街並みや景観形成,福祉施設やシルバー住宅の充実,それから身近な自然の保全と育成,こういった意見が多かったということでございます。以上でございます。
◆丹野 委員 住民の立場からしますと,ゆとりのある緑の多い住環境をということが要望の中心にあったように思います。したがいまして,この分区時期に向けての
まちづくりという部分では,それらが当然網羅されるのかなと,このように思います。
◎波田 再
開発担当部長 すみません,漏らしております。
新しい区の周辺の土地利用の考え方ですとか,アンケート調査をどう
まちづくりに生かすか,これ答弁漏れておりましたので,お答え申し上げます。
まず,新区役所予定地周辺の土地利用の基本的な考え方についてでございますけれども,現在,変更手続中であります新しい用途地域の原案の中で,国道36号線と真駒内御料線沿線につきましては,住居地域から近隣商業地域への変更が予定されておりまして,この地区は,この用途に沿った土地利用の展開によって,今後地域中心核としての機能向上が求められているところでございます。
具体的には,新区役所
周辺地区は,生活都心としての拠点サービス機能を果たすゾーン,国道36号沿線及び真駒内御料線沿線は商業・業務の拠点ゾーン,さらに,これら幹線道路の周辺部は,住居系ゾーンとして整備していくのが望ましいのではないかというふうに考えております。
次に,アンケート結果を生かした
まちづくりの取り組みについてでございますが,当地区は旧国道36号線を含め,新区役所やコミュニティセンター,さらに,厚別神社の周辺などに緑地保全地区や公園,既存樹林等が多く存在しており,他の区と比較いたしましても非常に緑の多い区となっておりまして,さきの住民アンケート結果からも,これら緑を保全してほしいという意見も多数ございました。したがいまして,これらアンケートによります住民の意見等を生かす上から,たとえば緑の保全を進めながらそれらを効果的に結ぶ歩行者ネットワークを確保するなど,豊かな自然を生かした
まちづくりを進めていくということを考えていきたいと思っております。
◆丹野 委員 初めに答えていただいた住民の意見に集約されている回答のように思います。
それで,いまこれらの地域を原局としては商業地域に変えていくと,そして人口の集積も図り,そして中心核を形成していくと,こういうお答えでありました。これらについて,新区役所の建設,これもこれから着工するわけでありますけれども,この区役所を中心とする周辺地域の関連施設の配置状況,これらについて,ひとつ示していただきたいと思います。
それから,原局におきましては,区役所周辺の
まちづくりという部分で企画をされておりますから,新区役所の位置づけについていろいろ資料をいただきました。その区役所の資料等を見ますと,当然,新しい道路も必要になるということは,見れば一目瞭然でございます。そういう部分で,この部分がどこまで進捗しているのか,住民等の合意が得られているのか,その点二つお示しください。
◎湯浅 地域振興部分区主幹 ご質問のございました2点についてお答えいたします。
まず,新区役所庁舎等の問題でございます。
第1点目の区役所関連施設の配置についてでございますが,新庁舎の施設といたしましては,区役所,それから保健センター,消防署,地区図書館を併設いたしまして,平成9年11月4日に開設する予定でございます。
区民センターにつきましては,現在の清田コミュニティセンターを改修いたしました後に,平成10年4月に開設予定でございます。
それから,体育館,プールの建設予定地でございますけれども,平岡1条5丁目で,敷地面積は約1万 6,000平米を有しております。当該施設は,体育館と温水プールを合築する方向で検討しておりまして,体育館につきましては,平成9年秋をめどに完成を予定いたしまして,温水プールにつきましては,体育館と同時に完成できるかどうかについて,関係局と検討してございます。
それからまた,老人福祉センターにつきましては,新区内の公共施設の配置との均衡を考慮いたしまして,土地選定も含めまして現在関係局で検討してざいます。
第2点目の新区役所周辺の道路
整備状況でございますけれども,道道真駒内御料札幌線,そこから接続いたします区役所前の新設道路につきましては,関係局の協力をいただきまして,平成8年度中に建設完了をしたいと,このように考えてございます。以上でございます。
◆丹野 委員 新区役所の設置される箇所周辺の近況概要が明らかにされました。
いまお答えのあった中で,ちょっと突っ込んで聞きますけれども,清田コミュニティセンターの改修というお話がございましたけれども,いまある施設がかなり大幅に変わるのでしょうか。
それから,体育館,温水プールの建設についてという,地域住民にしてみますと,本当に喜ばしいお話もあったわけでありますけれども,合築で検討されているということですから,これはこの方法でいっていただきたいという意見を述べまして,さらに,合築という形での取り組みが過去にあったかどうか,お示しいただきたいと思います。
それから,先ほどの原局の取り組みによりますと,地域住民の意見をたくさん得てというアンケート調査,これを重点にしたということは非常にいいことだと思います。私もこういう地域を回っておりまして,よく地域の皆さん方から言われますことは,今回の原局に対する範囲の部分で地域住民から言われておりますことは,こういう体育館が将来できるという,この体育館の周辺といいますか,そういうところに地区会館,こういうものも,あわせてつくっていただきたいと,これが非常に大きな声となって私どものほうに寄せられております。半ば地元におきましては,こういう話がどんどんひとり歩きしているように思いまして,もう市ではそこまで詰めて施策に盛り込んでくれたのだなと,こういう感じを私自身持っていたのですが,実際に調べてみますと,そこまでまだ至っていないということですから,当然これからの事業の推進という過程の中で,これらの諸問題につきましても計画の中に位置づけしていただければありがたいと,このように思います。以上,回答お願いします。
◎湯浅 地域振興部分区主幹 3点についてお答え申し上げます。
まず,区民センターの新しく模様がえする部分でございますが,現在清田コミュニティセンターとして使われておりまして,昨年の10月に,分区関連に伴い増築いたしまして面積を拡充いたしました。したがいまして,既存区の区民センターよりも施設面積が多少上回るものになる予定でございます。
そこで,この清田コミュニティセンターを,平成9年11月に新庁舎オープンでございますものですから,それから改修をいたしまして,平成10年4月オープンと考えておるのでございます。その内容についてでございますけれども,手稲区の区民センター,一番新しい施設でございまして,そこ並みと考えてございます。
内容につきましては,音楽コンサートを主体といたしました文化ホールと位置づけまして,音響効果あるいは舞台装置等に十分な工夫を凝らしまして,市民が利用しやすい施設づくりを図るべく,予算措置等も含めまして関係局と調整をしてまいりたいと,こう考えてございます。
次に,体育館,温水プールの規模でございますけれども,教育委員会のほうにお聞きいたしますと,合築工事は初めてだということでございます。そこで,規模でございますが,体育館のレベルにつきましては,大体既存区の体育館レベルを想定いたしまして,合わせて約 7,000平米程度の施設と,このように教育委員会からお聞きしてございます。
それから,第3点目の地区会館でございますけれども,委員ご指摘のとおり,これからの
まちづくりの中では,そういうハードの施設も市民局としては当然大事なものだと,こう考えてございます。その点も含めまして,次期5ヵ年の中に,地区会館等につきましても考慮したいというふうに考えてございます。以上でございます。
◆丹野 委員 それでは,最後にいたします。助役にちょっとお聞きしたいと思います。
この地域は,地形的にいっても大変厳しい地形であることはご承知のことと思います。したがいまして,私自身として思いますことは,地質調査といいますか,こういう部分もしっかり取り組んでいただきたいということと,先ほど平成8年に新設の道路が新区役所の前につくられると,こういうお話をいただきました。平成8年に完了するその工事内容を原局からいろいろお聞きさせていただいたわけですけれども,同地域におきましては,区役所が建ち,そして道路の一部が新設されて非常に環境もよくなるという喜びもある反面,現実に,先ほどから申し上げておりますように,住んでいる住宅地域,これ混在しておりますので,この地域のあの狭い道路をどのように車が走るのかなという心配がいまからあるわけです。それから,特に地形が,先ほど申し上げましたように,普通の平らな地形じゃございませんので,東側に面する旧道伝いにアクセスする道路網,当然これ考えていかないとならないと思います。そういう部分は原局でかなり頭をひねりながら計画推進をされているのじゃないかなと思いますけれども,果たしてあの地形でどのような道路がつくられるのかな,実は私も心配な部分を持ちながら,今後注目していきたいなと思います。
原局におきましては,限られた部分での質疑しかできませんでしたけれども,また,あらためて別な機会に新区における質疑はしていきたいと思います。
そこで,全域的に見ていただいた場合に,先ほどから申し上げているように,千歳,広島町等から流入する部分でございますから,そういう部分で見ていきますと,当然,これらの
まちづくりということについて,先ほどから議論されているような,一つの方向づけというものは,明確に持って取り組まなければならないと思います。
そういう中で,1点だけ,苦言になりますけれども申し上げますと,これは国道になりますから本市の立場じゃないという意見になればそれまでですけれども,36号線のあの大渋滞の状況というものは変えていかなきゃならないと思います。そういう部分では,本市が他自治体に働きかけるなどの努力もしていかなけばならないし,していただきたい。こんな思いから,助役に分区における一つの視点というものを最後にお聞きして終わりたいと思います。
◎魚住 助役 ただいまのご質問に対しまして,お答えしたいと思います。
当該地域は,先ほどからお話がありましたように,新区役所ができますし,また,それに関連する施設ができることから,生活都心拠点のゾーンとして,ますます重要性が高まってくると,こう考えております。
また,いまお話がありましたように,広島とか恵庭とか千歳方面に結ぶ,いわば東に向いた札幌の顔として発展が期待される地域とも考えているわけでございます。
そうした観点から,第10番目の区でもございますし,いままでの区の
まちづくりなどの経験を踏まえまして,また,地元の皆さんのご意見も聞きながら,いまお話がありましたように,車の渋滞の面,これは羊ケ丘通の将来の広島町に向けての開通なども含めて,あらゆる方面と連携を図りながら,新区の中心としてふさわしいものに考えていきたいと,このように考えております。
◆西村 委員 私は,苗穂駅
周辺地区の再開発について1点質問をします。
まず,平成6年度にJR苗穂工場の移転を想定した苗穂駅
周辺地区土地利用構想というものが実はまとめられているわけであります。これは,その地区の特性や現状を把握しながら,さらに,苗穂地区の新たな位置づけと整備を図るという,そういった方向性を検討されているわけであります。その構想をもとにしながら,さらに,平成7年度の予算の中では,新たに整備基本構想策定費として 1,000万円計上されているわけであります。したがって,この整備構想も,おそらく再開発の中での一つの作業として今年度取り組まれていると思うわけであります。
この再開発に当たっては,地元の住民で組織をしている協議会がございます。というのは,この地区は,都心に隣接をしながら,東区の地域中心核としての光星地区の後背地として位置しており,約 300ヘクタールという広大な土地を持っているわけでありまして,その中にはJRの苗穂工場や,あるいは国鉄清算事業団用地などを初め,大規模な土地利用転換というものが想定をされて,地元住民としても,この将来性というものに対して,大変可能性を持っているということで,期待をしながら,再開発について地元の住民組織を形成したという経過がございます。特に,平成3年以降,この組織ができ上がって,現在ではJR苗穂駅北側地区再開発協議会という形で活動しているというぐあいに聞いているわけであります。
最近の私の手元に届いている中では,あした早速,苗穂再開発ということでのテーマに基づいてフォーラムをするということでありますし,また,さまざまな活動の中では,特に札幌市立高専,ここの生徒を巻き込んで,この地域の再開発のビジョンというものを策定する活動も展開をしているということも聞いているわけであります。
大変さまざまな活動を展開しているというふうに私も聞いているわけでありますけれども,本市として,この協議会の活動の状況というものをどのように把握をされているのか。そして,平成3年度以降,苗穂地区の再開発に取り組んできているこの協議会の活動に対して,どう評価をしながら,今後の取扱いについてどういうぐあいにしていこうとしているのか,その考えがあれば,お聞かせをいただきたいと思うのであります。
そして,また二つ目は,先ほど言いましたように,あらためて土地利用構想をもとにしながら整備基本構想を検討するということになっておりますけれども,具体的にどういったポイントで検討をしようとしているのか,また作業を進めているのか,その点についてもお聞かせをいただきたいのであります。
◎波田 再
開発担当部長 まず,苗穂の協議会の最近の活動状況でございますけれども,ご質問にもありましたように,札幌市立高等専門学校の生徒の協力を得ながら,独自に苗穂駅北側地区再開発計画の策定に取り組んでおりますし,これもまた,ご質問にもありましたように,あす18日にはフォーラム,これは苗穂再開発物語というタイトルですけれども,こうした活動などを通しまして住民の関心を高めながら,11月をめどに地元案として開発構想をまとめる考えであるというふうに聞いております。
また,本年8月ですが,札幌市とJR北海道に対しまして,苗穂駅北側地区の土地利用計画の早期策定と鉄道による南北交通の分断を解消するため,南北に通じる街路の確保あるいは鉄道高架の実現に関する要望書というものが協議会から提出されております。
次に,協議会に対する評価でございますけれども,これからの
まちづくりの推進に当たりましては,市民の主体的な取り組み,自主的な
まちづくり活動の活性化といったものが不可欠でございます。行政,住民,そして企業が,3者協力し合って
まちづくりを進めていくことが重要でございます。そういう意味では,地元町内会,あるいは商店街の代表者や企業の方々を構成員として,さらに,高等専門学校の生徒とも連携しながら進めている協議会の活動については,評価するものでございます。
ただ,苗穂協議会の場合は,再開発事業で通常設置されます,いわゆる権利者の組織の協議会とは違いまして,事業化との関連からすれば,協議会の活動が直ちに再開発の実現に結びつくものではない,その前段の役割を担う組織であるというふうに理解してございます。
したがいまして,協議会の計画につきましては,今後,苗穂地区の
まちづくりを検討していく中で,適宜判断しながら対応していきたいというふうに考えておりますが,協議会の活動を考えた場合に,構想に取り組んでいくことが可能な事柄とか,あるいは困難な事柄の見きわめ,課題といったものについて,早目に整理しておく必要があるものと思っております。
また2点目ですが,今年度に策定をいたします苗穂駅周辺
地区整備構想の主な検討内容についてでございますけれども,構想策定区域は,前年度の土地利用構想と同様に,苗穂駅の南北約 300ヘクタールの地域を対象といたしまして,四つにゾーン分けをして,それぞれのゾーンにそれぞれ重点整備地区を設定いたしまして,その整備方針や導入機能の市場動向の検討などを行いたい。特に,JR苗穂工場を中心とした地区におきましては,導入機能といいますか,要するに,新たにこの地区に導入する
都市機能や施設等,これの事業化の可能性,あるいは事業化へ向けた課題の検討を行いたいというふうに考えております。以上です。
◆西村 委員 いまの答弁の中で,地元の協議会の活動については評価をしているということでありますから,それは結構なことだと思います。ただ,後段のほうで言われましたように,事業化と関連する権利者組織でないと,いわゆる地権者でもなければ,そういった意味では,権利を持っている組織ではないので,なかなか再開発の実現に結びつくものではないという,前段の役割を担う組織としての理解だということであります。しかし,私は,いま,市民とともに歩む行政ということで,そのことを基本に置いて桂行政が進められているわけでありますから,可能性は別にというのでしょうか,可能性よりも,そういった意味では,協議会が率先して,さまざまな人方とのフォーラム,あるいは高校生を巻き込んで将来のビジョンづくり,そういった手法というものをやはり大事にしていく必要があるのではないのか。その上に立って,いま現在,今年度から整備基本構想を策定しているわけでありますけれども,この段階から市民の多様な意見やニーズなどを生かすという,こんなことを考えてみた場合に,地元協議会の今後の活動についても十分に注目をしながら大切にしていくという,そういった基本的な考え方が望まれると思うのでありますけれども,どうお考えなのかお伺いをします。
それから二つ目については,いまこの整備計画について,苗穂駅の南北約 300ヘクタールの地域を対象とした四つに分けたゾーンということで話をされました。確かに,私もこの土地利用構想を読ませていただきました。その中には,A,B,C,Dという四つのゾーンに分けて,それぞれ各ゾーンごとに分けての開発をしようとしていることがうかがえるわけであります。
その一つは,北側から言うと文化学園ゾーンとして,すでにそれぞれ大谷学園だとか光星高校だとか,そういった教育機関が存在をしているからそういったゾーンだというふうに理解をし,さらには,その南側には住宅地が張りついておりますから,住宅地としての開発をしていくということがわかるわけでありますけれども,問題はCゾーン,Dゾーンと言われている苗穂新拠点ゾーン,いわゆるJRの苗穂工場の跡地をどういうふうに利用していくのか。さらには,苗穂駅の南側でいきますと,
都心機能補完ゾーンとしてのゾーン,この二つのゾーンをどういうふうに整理をしていくのか,そのことがやはり一番最大の課題になってくるのだろうというふうに認識をしております。
そのときに一番問題になるのは,何といっても,函館本線などを中心として鉄道が走っており,JRの苗穂工場が南北に分断をされているという,こういった地形になっているわけであります。したがって,この分断をされているところを解決していかなければ,なかなかここの再開発というものが進んでいかないのではないか,そのことがうかがえるわけであります。
したがって,この苗穂工場を移転し,跡地を活用した
まちづくりを進めていくということをした場合,公共と民間との適切な役割分担が必要になってくると思うのであります。民間というのは,すなわちJRが今後この鉄道をどういうふうにしていくのか,あるいは苗穂工場付近をどういうふうにJRとして活用していこうとしているのか,そういったことも含めながら,少なくても公共と民間の適切な役割分担というものが,ここで必要になってくるような気がするわけであります。
それに伴って,分断されている道路の基盤整備をしていくという,そういった取り組みもさらに必要になってくるのではないかというふうに考えるわけであります。したがって,そのことも含めながら,先ほど地元の協議会が要望書を出しているという話もございましたけれども,まさに地元からも,分断をされているものを何とか一面的に活用するために,鉄道の高架ということについても,要望書が出されているように聞いているわけであります。したがって,この基盤整備に関して,鉄道の高架化も含めて,どのように本市として考えているのか,2点目にお伺いをいたします。
◎波田 再
開発担当部長 まず,協議会への対応に対するご質問でございますが,これまでも,
まちづくり助成金などによって協議会の活動を支援してきたところでございますけれども,今後の
まちづくりに当たりましては,先ほども申し上げましたように,市民参加といったものを一層推し進めていくことが必要だと考えております。
先ほど権利者組織ではないと,こう申し上げましたけれども,そういう意味で事業の当事者ではないとしても,この苗穂地区でも再開発の事業化を図る上では,協議会といったものの果たす役割は大変大きいというふうに私どもは認識しております。したがいまして,年内に策定が予定されております地元協議会でつくられる計画案につきましては,市としても,可能な限りこれをフォローアップしていく,そういったような形で,協議会の自主的な活動を尊重しながら,今後も市としては協議会活動の支援というものに努めてまいりたいと考えております。
次に,苗穂駅
周辺地区の基盤整備につきましては,補助幹線道路とか生活道路の整備,あるいは不整形街区の解消,あるいは全市的に見て低い水準にある公園や緑地といったオープンスペースの確保など,さまざまな課題があるものと考えております。
とりわけ,JR苗穂工場を含む大規模な再開発といったものを考えた場合に,南北市街地を連絡する道路のあり方,あるいは鉄道高架についての検討は当然必要であると考えられますし,また,相当規模の基盤整備が伴うものと認識しております。
そのためには,いかに付加価値の高い土地利用を行うことができるかということが,大きなかぎを握っているというものでありまして,そういう観点から,今年度,導入機能の検討を行なっていきたいというふうに考えております。以上です。
◆西村 委員 地元の協議会の対応については,いまの答弁がございましたので,これ以上お話はしませんけれども,ぜひそういう対応で今後ともお願いをしたいと思います。
それで,後段の基盤整備に触れまして,付加価値の高い土地利用が確定しなければ,相当規模の基盤整備を伴う,補助幹線道路だとか,そういったものもなかなか進んでいかないと,こういうような答弁がいまございました。
しかし,私は,ここの基本構想にも触れておりますように,まさに鉄道と,そしてJRの苗穂工場,これがあるがために,12号線から豊平川の橋を渡った後,北1条に抜けていく,あれが真っすぐ苗穂工場にぶつかって,それ以上東のほうに,北のほうに抜けていかないという一つの隘路もございます。また,水穂大橋から考えてみても,鉄道に邪魔をされて北のほうに向かって北進ができないという,まさに妨げになっている。
したがって,せっかく
都市機能を持ったゾーンと,もう一つは,苗穂工場の跡地を利用しながら,何とか大規模な再開発をしたいとしても,こういった道路が鉄道によって妨げられる,そうなっていきましたら,せっかくの苗穂地区の再開発そのものが,大規模な再開発としての役割を担うことができないのではないか。そうなってきましたら,やはり先ほど言いましたように,鉄道高架をすることにより,この道路をしっかりとした形で整備をすることによって,再開発というものが十分なものになっていくような気がするわけであります。
したがって,この整備基本構想と並行して,鉄道高架というものに対する考え方も含めながら,JRと話し合いをしていく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。この基盤整備のあり方などを,札幌市としても平成7年度着手をしているわけでありますけれども,そういった考え方をもとにしながら,早い時期に当事者であるJRとテーブルに着いて,具体的に検討していく必要があると思うのでありますけれども,この辺については,局長のほうから見解を伺いたいと思うのであります。
◎広畑 都市整備局長 付加価値の高い土地利用を考えたときには,鶏が先か卵が先かになるわけでありますが,一方では,やはり
都市基盤整備の方向が見えてこないと付加価値の高い土地利用も見えてこないということがあります。したがいまして,私どもも,いまご指摘のありました苗穂地区周辺の街路の問題,それからJR鉄道高架の問題,これは早い時期にしっかりと考え方を持たなきゃいけないかなと,そんなふうには考えておりました。ただ,もう少し先かなというふうにも思っていたのでありますが,いま段々のお話がありましたように,地区協議会も積極的にいろんな形での提案をしておるわけでありますから,そういったものにこたえていく意味でも,早い時期にJRとテーブルに着くという段階ではなくて,一方の当事者であるわけでありますから,共同調査をするというぐらいの気構えでもって申入れをし,できたら新年度にそういった共同調査にかかりたいと,そんなふうに思ってございます。
○宮本 委員長 以上で,第5項
都市開発費の質疑を終了いたします。
次に,土地区画整理会計決算及び団地造成会計決算の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。
ここで,委員会を暫時休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後2時44分
再 開 午後3時
──────────────
○宮本 委員長 委員会を再開いたします。
第7款 土木費 第7項 建築費の質疑を行います。
◆佐々木[周] 委員 私は,建築費関連で2点について質問してまいります。
第1点目につきましては,市営住宅での単身車いす住宅の取り組みについてお伺いしたいというふうに思います。
この点につきましては,私も何度か取り上げてまいりましたけれども,現在本市でも市営住宅につきましては,高齢障害者向け単身住宅の整備が着々とと申しますか,進んでいるということは存じているのです。ことしの夏に,市営住宅の申込み受け付けの状況を私も行って見たのですけれども,大変市営住宅を申し込む人が多くて,特に単身住宅については,本当に倍率も高かったなというふうに思いました。
札幌市は,去年私お聞きしましたときに,たとえば障害を持っている人であっても,その障害の程度に応じて,自立可能な方であれば入居が可能であるというふうなことをおっしゃっていただきまして,ことしにつきましては,何人かの車いすを使っている方でも,立つことができるだとか,そういう方については,申込みが可能になったということがありました。それについては,私は,建築局のほうで,障害を持っている人への間口を広げていったということは,大変評価しておるところでございます。
けれども,まだまだ自立を望んでいる障害を持っている方が多数いらっしゃるということも私は存じておりまして,市営住宅での単身住宅,車いす対応の住宅が,本当に早くできないものかというふうに私も望んでいるわけです。
民間のアパートなども聞いてみますと,新しい単身のたとえばワンルームマンションなどは,割とバリアフリー化が進んでおりまして,車いすの方も何人かは住んでいる方がいらっしゃるのですが,家賃が高いのです。家賃が安いところを探すと古いアパートが多くて,やっぱり段差があったりして,なかなか生活できない,そういう状況があります。
そこで質問させていただきたいのですけれども,札幌市におきましては,各種福祉計画が進められております。高齢者福祉計画,障害者福祉計画,そしてまた地域福祉社会計画,そういうことで,障害者対応,ノーマライゼーションの
まちづくりが,全局あわせて進めているところなのですけれども,このあたりで,建築局といたしましても,民生局と手を結んで,車いす単身者用住宅の建設に向けて具体的に動き出してはいかがというふうに思うのですけれども,第1点目,その点についてお示しいただきたいというふうに思います。
第2点目なのですけれども,公共建築における環境対策について伺いたいと思います。
現在,本市では環境基本条例が策定中でありまして,この中では21世紀に向けた環境重視の
まちづくり,それを全体的に進めることを目指しております。この条例づくりには,本当に市民の方の多様な意見が反映される,そういうような条例づくりが進んでおります。
これまで建築局のほうでは,3年前からですか,平成5年から,熱帯材を使わない工法をモデル事業として年々取り組んでいらっしゃいます。そのことについてお伺いしたいのですけれども,まず最初に,そのモデル事業のこれまでの取り組みの実績についてお示しください。
また,もう1点なのですけれども,分別解体工法というのが進んでまいりまして,その中で,建物を解体した後のコンクリート殼なども分別して解体している状況があります。さらに,札幌市では,環境局が主体になりまして,リサイクル団地を造成し,そしてリサイクル骨材株式会社が稼働していま2年目になっていると思うのです。そういうところで,公共施設の中のコンクリート殼をどのようにリサイクルに対応していらっしゃるのか,そのことについても,その実績について伺いたいと思います。
◎坂本 住宅部長 まず,第1点目の車いす単身者用住宅の建設についてお答えをいたします。
車いす単身者用住宅の建設につきましては,入居時に自立可能な状況であったといたしましても,将来的に介護が必要になることが十分予想されますことから,責任ある福祉サービス体制の確立がなされなければ,将来にわたりましての十分な対応に大きな懸念が生じるというふうに考えておるところでございます。
したがいまして,車いす単身者用住宅につきましては,今後,福祉部局とも協議をしながら,市営住宅の枠の中でどの程度までが可能かということにつきまして,いま少し時間をかけて研究してまいりたいと考えているところでございます。
◎福島 建築部長 環境問題の第1点目,事業内容についてでございますが,熱帯材型枠合板,いわゆるコンパネ材の削減を図るため,鋼製型枠や型枠兼用の断熱材など,数種類の代替型枠を使用したモデル事業の平成6年度に使用した実績数量は,約4万 7,500平米であります。また,平成7年度については,計画数量約4万 9,100平米を予定しているところでございます。今後とも,使用数量をふやすよう努力していきたいと考えております。
また,環境問題の2点目の解体発生材でありますが,コンクリート殼につきましては,札幌リサイクル骨材株式会社など,再生資源化工場へ搬出するよう設計で義務づけております。その量は,平成6年度におきましては約 5,500立米でございました。また,平成7年度は約 4,400立米を予定しているところでございます。
なお,発生材のリサイクル活用といたしましては,本市の公共建築物を建てるに当たりまして,平成6年度は約 1,700立米,発生量の約31%を活用しておるところでございます。本年度においても,手稲鉄北小学校改築工事などに活用をしているところであり,今後,さらにリサイクル活用を図っていきたいと考えております。以上です。
◆佐々木[周] 委員 まず最初に,車いす住宅の件なのですけれども,今後も研究を続けると,そういうお答えでした。私を含めて市民ネットワークでは,この件につきまして取り上げ始めてから,もう数年たっている状況なのです。それで,先ほど申しましたように,いろいろな福祉計画も進んでまいりました。そして,先日の本会議では,24時間ヘルパーの導入も来年度進めたいというふうな市長の答弁もございました。そのような福祉のソフトの部分でどんどん進んでいるのです。そのような進み方と比べると,やっぱり建築局のほうでもう少し,民生局とともに,先ほどおっしゃっていたのですけれども,積極的にもう一歩進めてほしいというふうに思うわけです。
そのための対策といたしまして,私は一つ提案したいというか,申し上げたいのですが,当事者の方たちに,どんな住宅が望ましいかとか,そういう懇談の場を持つと,そして双方ができること,できないことを出し合い,そして,その中に民生局も入ってもらって話を進めると,そういうふうな形で,見える形で取り組むことができないものでしょうか,ちょっとお聞きしたいと思います。
それから,環境対策のほうなのですけれども,この件につきましては,年々取り組んでいらっしゃるということで,今後も,計画の中にもございましたけれども,積極的に進めていただきたいというふうに思います。
さらに,公共工事だけではなくて,民間の企業につきましても,熱帯材の型枠を使わない事業だとか,そういうことをさらに指導する,そういうことも必要ではないかというふうに思うのです。
それで質問なのですけれども,いままでそのような指導をなさってきたのか,そして,これからどう指導していくおつもりか,その点についてお聞きいたします。
◎坂本 住宅部長 ただいまお答えいたしましたけれども,もう少し積極的にというご質問でございます。
まず,車いす単身者用住宅を建設していく場合には,やはりソフトの部分とハードの部分が並行的に進んでいかなければ,器だけをつくっても効果が期待できないということもあろうかと思いますし,いまの福祉の
まちづくり等々の施策がいろいろあるわけですけれども,それらと抱き合わせで,ソフトも含めまして広い範囲で検討していきたいと。先ほど申しましたとおり,もう少し時間をかけてみたいなというふうに考えております。
◎福島 建築部長 熱帯材型枠を削減する方向,いわゆるモデル事業としてわれわれは行なってまいりましたが,その結果につきましては,建築の関係各団体に対しまして,情報交換,技術情報として講習会などを行いまして,そして,所管部局である環境局とも十分連携をとりながら,リサイクル活用も含めて広く要請をしてまいりたいと,こう思っております。
◆佐々木[周] 委員 車いす住宅のほうなのですけれども,ちょっと局長に一言お言葉いただきたいのですが,住宅
基本計画の42ページを見ますと,ノーマライゼーションの実現というところで,市営住宅の継続的な供給にあわせ,高齢者,障害者に使いやすい設備構造とケア付住宅の供給の拡充を図る,このように述べていらっしゃいます。それで,いま5年計画の策定中なのですけれども,次の5年計画の中で,モデル的にでも結構なのですけれども,車いす単身者用住宅を設置するお考えについてお聞きしたいというふうに思います。
あと,環境対策については,積極的に続けていただきたいというふうに思います。
◎西村 建築局長 まだほやほやでございますけれども,お説のとおり,日本社会の全体がそういう方向を志向して,ホットな議論がどんどんふえてきて,それは将来にわたってまさに論をまたないところであります。本件につきましても,民生局とさらに議論を重ねて取り組んでいきたいというふうに思っています。
◆伊藤 委員 それじゃ,私から簡潔に防災対策についてお伺いをいたします。
実は,ことしの2月の予算特別委員会の中で,私,応急危険度判定士制度についてお伺いをいたしました。当時の局長が,この判定士制度は,緊急かつ多くの人員の動員が必要である,そうした観点から,道に対しても積極的に働きかけ,さらに,札幌市としても積極的に養成を進めてまいりたいと,こういう答弁が実はあったわけであります。この問題は,大変重要な問題でありますだけに,あらためて確認をさせていただきたい,そんなふうに思うわけであります。
いわゆる応急危険度判定士制度,災害後の2次災害を防止する上で,大変重要なものと私も認識をしております。また,札幌市も,現在策定中の新地域防災計画の中で,この確立に向けて検討をしていると,そういうふうにお伺いをしているところでございます。
そこで,この制度の中心となる応急危険度判定士の養成方法,一つ目にお伺いをしたいと思いますし,それから二つ目には,本市が新地域防災計画の中で,この制度の確立に向けてどのような検討をされているのか。それから三つ目には,本市にはたくさんの建築職員さんもおいでになるわけでありますけれども,この判定士の養成に向かってどのように考えているのか,まず,三つお伺いをさせていただきます。
◎舟木 建築指導部長 ただいまのご質問の応急危険度判定士の養成方法についてでございますが,応急危険度判定士は,災害時に緊急かつ多くの人員の動員が必要なことから,市町村単位ではなく,都道府県単位で認定する必要がございます。そこで,北海道が北海道震災建築物応急危険度判定士認定要綱をこの9月に定めてございます。道内の建築士を対象に認定講習会を開催し,応急危険度判定士を養成するものでございまして,道といたしましては,平成8年2月から順次講習会を開催する予定となってございます。
この判定士の要綱の中で,まず講習会受講資格者としては,1級・2級建築士,あと木造建築士,判定士の目標としては,一応3年間で 5,000人を目標にしてございます。それで,道内対象者としては約4万人,札幌市在住で約2万人おると思いますけれども,その中で 5,000人の判定士をこれからつくっていこうということでございます。
次に,応急危険度判定士の確立に向けての本市の取り組みについてでございますが,これについては,本市地域防災計画の見直しの中で,緊急に行うべき対策の一つとして検討している項目でありまして,市内在住の建築士に対する認定講習会への参加の呼びかけ,または認定された判定士に対する災害時の対応についての講習会の開催,判定用備品の整備方法等について,現在,関係部局と連携をとりながら検討を進めているところでございます。
また,本市の建築職員の中で受講資格のある者,約 250名ほどだと思いますけれども,それについては,一,二年以内に,建築職員のほとんどが判定士の資格を取得できるように努めてまいりたいと考えてございます。
◆伊藤 委員 いま段々の答弁の中で,市の建築にかかわる職員の方が約 250名程度というふうにお伺いをしております。こうした人たちに対する判定士資格の問題,一,二年というふうにおっしゃいましたね。一,二年といえば,短いようで,1年か2年ということになれば倍もあるわけでありますし,これは行政がやはり先頭になってやっていかなきゃならない,そういう立場にあるわけですから,ぜひひとつ,できるだけ早い機会に皆さんがそうした資格を得られるような,そうした対策をぜひおとりいただきたいと思います。
次に,既存建築物の耐震性能の向上を図るための方策について,一,二点お伺いをしたいと思います。
阪神・淡路大震災で約40万棟もの建物の被害を受けているというふうに聞いているわけでありますし,これから新築される建物の耐震性能の確保,これはもとよりのことでありますけれども,既存の建築物で,特に劇場だとかデパートですとか,多数の人が利用する施設の耐震性能の向上を図ること,これは人命被害を最小限にとどめる上からも,大変重要なことであろうというふうに考えているわけであります。
国においても,既存建築物の耐震性能の向上を図るために,いま国会に建築物の耐震改修の促進に関する法律案が提出されていると聞いているわけでありますけれども,一つには,この法律案の概要について,ちょっとお伺いをしたい。
それから,次に,札幌市として,既存建築物の耐震性能の向上についてどのように考えているのか,2点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
◎舟木 建築指導部長 まず,建築物の耐震改修の促進に関する法律案の概要についてご説明させていただきます。
この法案は,既存建築物の耐震性能の向上を図ることを目的としてございまして,第1番目として,劇場やデパートなど,多くの人が利用する一定の建築物の所有者は,耐震診断及び必要な改修を行うように努める義務があるということでございます。
第2点目といたしまして,行政はこれらの建築物の所有者に必要な助言等を行うことができるということでございます。
第3点目といたしましては,耐震性能の向上を図るための改修に関する手続の特例や資金手当てなどの優遇措置を定めることでございます。
本市といたしましては,この法案が現在国会に提出されてございますので,これ以上の内容は,まだ政令等も出てございませんので申し上げられませんが,今後,これらの制度等を積極的に活用しながら,既存建築物の耐震性能の向上を図っていきたいと考えてございます。
ちなみに,法律案の対象建築物といたしましては,学校,体育館,病院,劇場,観覧場,集会場,展示場,百貨店,事務所,その他多数の者が利用する一定規模以上の建築物でございます。
また,本市でそれらの対象建築物といたしましては,昭和56年の新耐震基準の以前の建物といたしまして,われわれのほうで押さえております定期報告の中から数字を拾いますと,約 2,600棟あるのではないかと考えております。以上です。
◆伊藤 委員 結構です。
◆大嶋 委員 市長が目の前にお座りになっているので,一段と緊張いたしますが,札幌市の市営住宅の障害者・高齢者対策の今後について伺います。
平成7年4月1日現在で市営住宅の供給戸数は2万 4,803戸,このうち車いす住宅は94戸,高齢単身者向け住宅が 481戸となっております。また,新設団地においては,すべて高齢者仕様ということで,高齢者・障害者対策が着実に進められているものと思います。建てかえ,住宅改善,新築計画についても鋭意努力されていることと思いますが,これまでの予算・決算委員会での論議の経過を踏まえて,高齢者・障害者対策について3点伺いたいと思います。
市営住宅の基本的な形であります4階建て,5階建ての住宅においては,これまでエレベーターが設置されておらず,高齢単身者や障害者用の住宅は,どうしても1階にしか設置できない。また,長年住み続けていることによる高齢化,途中障害者の住みかえの要望に応じ切れない,このような問題が生じてまいりました。
そこで1点目ですが,昨年から新築の5階建て市営住宅については,すべてエレベーターが設置されるようになったと聞いております。今後の建てかえについても,当然新築同様エレベーターを設置する考えと思いますがどうか,伺います。
2点目は,グループホームについて。
5人くらいが共同生活をするグループホームについて,知的障害者については,すでに市内で16施設があります。民生局関連の質問の中で,身体障害者,精神障害者のグループホームについても取り組みを要望してまいりました。現状の中では,公営住宅法の制約があり,市営住宅としての公的な提供は困難であるとのことですが,国において現在取り組んでいる法の改正作業について,この問題についてどのように把握しているか。また,今後積極的に取り組むべき課題と考えるがどうか,伺います。
3点目です。建てかえや新築の際には,高層化によって積極的に空きスペースを生み出し,土地の高度利用を進めていくべきと考えますが,その際,デイサービスや給食サービス等,複数の機能を持って利用できる施設の建設が必要になると思います。これまでの取り組みの例があれば示していただき,あわせて今後の計画について伺います。
◎坂本 住宅部長 市営住宅の高齢者・障害者対策につきまして,第1点目,建てかえ時のエレベーターの設置についてでございますが,市営住宅の建設に伴うエレベーターの設置につきましては,5階建て以上の住棟に設置することとしておりまして,基本的にエレベーター付の住宅の供給を図っておりますが,今後とも高齢化対策の観点から,新設はもちろんのこと,既存の建てかえにつきましても,エレベーターの設置を推進してまいりたいと考えております。
2点目でございますけれども,グループホームの取り組みにつきましては,現行の公営住宅法における入居者資格といたしまして,同居親族の規定があるわけでございますが,親族関係にない方々の小規模施設としての利用とかグループホームの利用については,難しいものと考えております。
しかし,現在国において取り組んでおります公営住宅法の改正の中では,グループホームの活用についての検討もされているというふうに聞いておりますので,国の動向を見ながら福祉部局との連携を図り,実現の可能性について研究をしていきたいと考えております。
次に3点目でございますけれども,福祉機能を持った施設併設の事例と今後の取り組みについてということでございます。
これまでにも,保育園やデイサービス施設との複合施設として建設してまいりましたが,今後も福祉施策との密接な連携をとり,周辺地域も含めました地域の福祉サービスの拠点づくりとして整備してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆大嶋 委員 ただいまのお答えの中で,高齢者・障害者の対策について,特に今後の充実策について前向きの考えを示していただきました。今後,ノーマライゼーションの社会に向けての住宅政策,これはますます重要度を増してくると思います。関係部局も含め,積極的な取り組みを要望します。
さて,この高齢・障害者対策というのは,もちろん急務の課題であります。そしてまた,今後,より一段と進められていくべきものと考えますが,将来を考えますと,新たな課題が生まれてくるのではないかと考えております。すなわち,一つのコミュニティ形成ということを考えた場合,団地あるいは一つのエリアの中で,高齢者,障害者,一般世帯,これの一定のバランスがとれていないと,自治会活動あるいは冬季の除雪などに差しさわりが出てくることが今後予想されます。
このような居住者のいわば高齢世帯,老年世帯,壮年世帯,若年世帯,こういうバランスについて,今後どのようにお考えになっているのか,まず1点伺います。
続いてですが,これに関連して,いま都心のドーナツ化現象等が取りざたされております。これは若年世帯の札幌市近郊への流出が,詳しくは調査の上でまた検討が必要と思いますけれども,そのようなことがあるのでないかと考えております。いわゆる少子化という流れの中でも,今後,市営住宅の入居基準を少し上回る,この階層の若者世帯に対する住宅施策の積極的な導入が必要になってくると思いますが,このことについて2点目伺いたいと思います。
◎坂本 住宅部長 まず,第1点目といたしまして,高齢者単身世帯・車いす世帯と一般世帯の均衡ある配置についてというご質問かと思われますが,高齢者世帯・車いす世帯と一般世帯のバランスを考慮した団地の推進は,良好なコミュニティ形成からも大変重要であるというふうに考えております。従来よりバランスを考え,対応してきたところでございます。
ちなみに,今年度建設いたしました高齢者単身向け及び車いす世帯向け住戸を含む団地では,これらの世帯と一般世帯の比率は,おおむね2対8となっております。今後とも世帯バランスのとれた団地の形成に努めてまいりたいというふうに考えております。
2点目は,若年世帯に対する住宅施策の必要性についてでございますが,新しい世帯を築き,子供を育てていく若年世帯にとりましては,住居費の負担は決して軽いものではないと思われます。本市におきましては,所得額に応じて市営住宅や特定優良賃貸住宅の供給を図ってきておりますが,現状では,高齢者,障害者などに対する住宅施策が急務なことから,その対策に力を入れている状況にあります。
ご質問の趣旨は,若年人口の定住に関する問題と考えておりますが,広く都市政策全体にかかわる問題でございまして,今後の課題としておりますので,企画調整局と協議をしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆大嶋 委員 要望で終わらせていただきますけれども,わが党でも,これまでシルバータウン構想を提唱してまいりました。これは,高齢者,若い世代ともども交流を図りながら快適な生活を送っていく今後の生活空間のあり方についての提言でありますけれども,いま部長のほうからお答えいただいたように,これは
都市計画全般にかかわる課題ともなってくると思います。ぜひ関係部局と総合的な対策ということで,公営住宅への導入も含めて検討をいただくことを要望して終わります。
◆小田 委員 私も,住宅政策につきまして質問をさせていただきます。大きく分けまして,2点について質問させていただきます。
第1は,札幌市の今後の住宅政策でございますけれども,その方向とか基本的な考え方について質問させていただきます。
2番目には,市営住宅の管理に関して,少し細かくなりますけれども,数点お伺いさせていただきます。
まず,本市の住宅政策でございますが,昭和48年,この年は大変大きなターニングポイントといいましょうか,1世帯1住宅が確保された,このように言われております。そこで,量的な充足は果たしたと。この後,質的な面で,たとえば,ゆとりであるとか居住性を備えた住宅供給へと変化をしていきまして,最近では,ただいまも質問に出ておりましたけれども,高齢化仕様の標準化や障害者向け住宅の拡充など,福祉対策を重点とした住宅政策に変わってきたのであります。そしてなお,最近におきましては,民間賃貸住宅等の借上げによる優良な住宅供給なども推進されている,まさに多角的な視点に立った住環境の整備が着々と進められてきたわけであります。
そこで,たしかことしの6月16日だと思うのですが,建設省の諮問機関,住宅宅地審議会におきまして,21世紀に向けた住宅・宅地政策の基本的体系はいかにあるべきかということについて答申が出されました。私も,そのダイジェスト版を拝見させていただきました。何せ,きのうの朝いただいたものですから,読むのに大変苦労したのですけれども,結論づけますと,目的は,もちろん国民の住生活の質の向上を図ることである。その目的達成のため,一つとしては,住宅市場が円滑かつ適正に機能するための条件整備を進める。二つ目には,住宅市場を活用した政策目的の達成である。三つ目には,その住宅市場を補完するための住宅の公的供給など,多岐にわたっているわけであります。