委 員 高 橋 功 君 委 員 荒 川 尚 次 君
委 員 横 山 博 子 君 委 員 宮 川 潤 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 菅 井 盈 君
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開 議 午後1時
○千葉
委員長 ただいまから,第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にございません。
それでは,議事に入ります。
初めに,第6款
経済費 第1項
商工費及び議案第9号
専決処分承認の件中
関係分について,一括して質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。
次に,第2項
農政費及び議案第16号
札幌市
農業体験交流施設条例案について,一括して質疑を行います。
◆原口
委員 私は,今回の肉づけ予算で,
農協の
再編対策ということで500 万円計上されておりますので,
農協の
再編対策について,二,三質問させていただきたいというふうに思っております。
いま
本市では,
総合農協として
市農協,それから,篠路,厚別,
北札幌,
新琴似と,五つの
総合農協がありますし,
専門農協としては
サツラク農協があるわけでございますけれども,
総合農協5
農協の
合併について,
農務部のほうでもいろんな検討をされておるようでございますので,そんなことで
お尋ねをいたしたいというふうに思っておるわけです。
いまお話ししましたこの五つの
総合農協は,調べてみますと,
組合員と準
組合員,合わせて2万1,000 名ほどの
組合員がいるようであります。そして,これらの
農協は,
共済事業であるとか,それから
販売事業を中心にして,そのほか,
資産管理事業であるとか,
相談事業であるとか,貯金・為替の
事業であるとか,
融資事業だとか,数多くの
事業をされておるわけでございます。
それで,そういう5
農協の
事業規模はどのくらいなのかなと調べさせていただきましたら,5
農協全体で,
貯金総額が2,100 億円,それから
貸付金総額は1,000 億円,
共済契約の
保有高といいますか,
共済契約の総額は6,000 億円と。そのほか,本来の
農畜産物,
生産資材等の
取扱総額というのは140 億円というふうなことになっておるわけでございまして,こういう数字から追ってみましても,
本市の経済に占める割合というのは,非常に大きいものだなと,あらためて痛感をさせられるわけでございます。
農協は,本来,
農業生産力の増進とか,
農業者の経済的・社会的な向上を図るための組織として形成をされてきたわけでございます。そして,設立以来,間もなく50年を迎えようとしていると,こんなふうに聞いておるわけです。
その間,
農協の各
事業は,貯金であるとか,
生命共済,
火災共済,または
小売店舗であるとか,ガソリンスタンドだとか,広く
市民生活の中に浸透しておりまして,現在,
札幌市民にとっても,
市民生活に本当に欠くことのできない存在になっておるわけでございます。
しかし,よく考えてみますと,現在の
農協は,
農畜産物の
価格低迷が長引いているということに加えまして,金融の
自由化であるとか,
農業者が非常に
高齢化してきている,そして,なおかつ
後継者がいないと,こんなような影響をまともに受けているわけでございまして,私は,
農協の
経営基盤の強化というのは,
農業者だけでなく,
札幌市にとっても大変重要な,避けられないものだというふうに考えるわけであります。
本市においても,昭和40年代の初めには,
農協が25もあったというふうに聞いておりますし,以来,数度の
合併がなされてきて,
先ほどの5
農協が残っているという状況になっておりますけれども,昭和40年以降の数度の
合併につきましても,
本市では,いろんな援助の手を,
支援策を講じてこられたわけでございます。今回,
農協の
再編対策事業として,いわゆる
農協合併について
本市が取り組もうと,こういうふうに提案をされておるわけなのですけれども,
農協合併に対する
本市の基本的な
考え方について,まず
お尋ねをいたしたいと思います。
◎坪田
農務部長 私から答弁をさせていただきます。
まず,基本的な
考え方についてでございますが,現在,
農協は,いまお話ございましたように,
経営面あるいは
組織基盤面で,多くの課題を抱えながら
事業を行なっているところでございます。
本市といたしましても,
農業及び
経済全般を取り巻く情勢から勘案をいたしまして,将来的に,
経営基盤の強化は避けられないものと実は判断もいたしております。したがいまして,
農協の
合併が,
農協組織の
改善強化にとどまらず,
都市農業を足腰の強いものとして存続するためにも,また
農家の経済を支えていく上でも,今回の
合併に対しまして
本市としても積極的に
支援策を講じていきたい,このように考えております。
◆原口
委員 基本的な
考え方については,いまのご答弁でよくわかりました。
そこで,
本市がこうやって,500 万円という肉づけで,
新規事業として提案をされておるということは,もうすでに各
農協間で,いろいろ数多く
合併についての協議がなされていることを受けて,提案をされているのだというふうに思うわけでございますけれども,そういう
農協間同士の協議の経緯と,
合併に向けてどういう
スケジュールでいくのか,そんなことをまず
お尋ねをいたしたいと思いますし,あわせて,
農協が
合併することは,
本市の
農業行政を執行していく上で,
本市にとってどのような効果があるのか。
また,もう一つ
お尋ねしますけれども,
農協合併というのは,いまある
農協それ自体と,
農業者にとっても,どのような効果が期待されておるのか,そこを
お尋ねをいたします。
◎坪田
農務部長 それでは,まず
農協の関係の
合併の協議の経過から
お答えをさせていただきますが,
本市内の
農協につきましては,市内12
農協がまず参加をいたしまして,昭和43年に大型の
合併がされております。昭和46年と
平成元年に
合併を行なって,現在の5
総合農協と
サツラク農協でございます1
専門農協というふうに至っております。
元年の
合併に際しましては,これは,いわゆる
札幌市農協と,当時の
豊平東部農協でございますが,
合併の
推進委員会におきまして,将来には,一つの
農協に
大同合併すべきというようなことを重要な課題として取り上げられていた経過がございます。
その後,
平成3年に,
基礎調査研究,それと
組織目標の策定ということを目的としまして,
札幌市農協を除きます4
農協,
総合農協でございますが,で組織をいたします,市内4
農協組織検討会というものが設置をされました。
平成5年に,これに
札幌市農協も実は加わりまして,
平成6年から
平成7年にかけまして,各
農協の
理事会におきまして,
平成10年3月の
大同合併に向けました
検討委員会の設置ということが,実は承認をされております。
次に,今後の
スケジュールでございますけれども,5
農協と
本市による
合併検討委員会を発足をさせまして,
合併のためのさまざまな
基礎調査や,あるいは新たな
農協の
経営計画の立案などを実施していきたいというふうに考えてございます。
また,各
農協の総会で基本的な計画の承認を得た後には,
平成10年3月の新たな
農協の登記に向けまして本格的な
推進体制をとり,具体的な
事務手続等も進めてまいりたいと考えております。
次に,
合併のもたらす効果でございますけれども,
本市の
農業行政にもたらす効果といたしましては,一つには,
農協と業務の提携・連携が容易になりまして,全市的な
農業振興が円滑に進められることが,まず挙げられます。
また,
農協側の窓口が一元化されることによりまして
事務事業が簡素化されること,それから,各
農協を構成いたします
関係外郭団体の
整備統合が図れることなども効果として挙げることができます。
一方,
農協及び
農業者の受ける効果でございますが,まず,
事業規模の拡大によります
スケールメリットを
十分期待できることが挙げられます。たとえば
信用事業面で,
資金量の増大によります効率的な
資金運用が見込まれる,あるいは
農産物の
販売面では,
取扱量の増大による対
市場評価の向上,あるいは,少量品目の
産地化誘導,こういうものが図られ,
十分期待が持たれると考えております。
◆原口
委員 最後に,もう1点
お尋ねをしたいのですが,この5
農協の
資産状況といいますか,いろんな状況を数値で調べさせていただきますと,5
農協間で,
経営面であるとか
資産面において,また
資金量においても,それから貸出金の総額においても非常に
アンバランスがあるのですね。格差が出ておるわけなのですけれども,
新聞紙上でときどき取り上げられる
農協さんなんかは,
貸出金額も163 億円というふうな,相当大きな金額になっております。そのほか,共済の
保有額だとか,
販売品の
取扱高だとか,それから
固定資産だとか,いろんな面で
アンバランスがあって,非常に成績の悪いところもあるわけでございますけれども,そういう
農協に対して,今後,
本市としてどう取り扱っていくのか最後にお聞かせをいただいて,質問を終わります。局長,どうですか。
◎鈴木
経済局長 農協の
合併ということにつきましては,いま
農務部長から申し上げましたとおり,
生産者や
農協ばかりでなくて,これは
市民や行政におきましても多くの
メリットがあるということで,各
農協ともそういうことで合意をして,
合併に向けていこうということでございますので,私どもも,その方向を受けて,これから作業を進めてまいりたいと思います。
しかし,いまお話にございましたように,中には,大きな
不良債権を抱えて,その解決に困難をしているところもございますけれども,そういった,これからつくられるであろう新しい
農協が,特定の
農協のそういう課題なり,あるいは
不良債権を引き継ぐというわけにはいかないと思います。
したがって,いまお話の
農協もきょうの
新聞あたりにも出ておりますけれども,その債権の処理に向けて一生懸命努力をされているようでございますので,私どもも,その推移を見守りながら,5
農協の
皆さんあるいは
農業関係団体の
皆さんと,慎重によく協議をしてまいりたいと考えております。
◆高橋[功]
委員 私は,
農地流動化事業に関して,数点お伺いをしたいと思います。
本市の
市街化調整区域にはずいぶん広大な
農地が広がっておりまして,そういう意味では,心休まる
田園風景というものを創出しているのだと思いますが,その一方で,私の住む南区におきましても,いまご指摘のありました
高齢化とか,また
後継者がなかなかいない,こういう
問題等で耕作されずに放置をされておる,いわゆる
遊休農地というものが,近年非常に増加をしていると感じているわけでございますが,そういう意味で,私は,
農地の保全というものに関して,これは,ただ単に
農地というのが,
市民に新鮮で,また良質な
農産物を提供する,供給をする,そういう場だけではないというふうに思うのですね。これは当然のことでしょうけれども,豊かな潤いのある
街づくりの上からも,そういう多様で大きな役割を果たしているものだと,
農地というものはそういうものである,こういう理解をしておるところですが,
先ほどお話ししたような
遊休農地の増加,それから
農地の減少と,こういう問題,この現状に関して非常に憂慮しておるものですから,早急に適切な対策を講じる必要があるのではないかと考えております。
そこで,まず1点目として,この
遊休農地を含めて,
本市における
農地の現状といいますか,
農地保全に対する市としての基本的な
考え方を,まずお伺いをしたいと思います。
それから次に,こういった
農地の
有効利用を図るためにも,
農地の
流動化というものを図っていかなければならないことは当然でございますけれども,国としても農水省が,3年前になりますが,
平成4年6月に示しました新しい食料・
農業・
農村政策の方向,いわゆる新政策でも,
土地利用型農業について,
生産性向上,また
規模拡大を柱とした
農業の
活性化というものを目指しておるわけでございますけれども,新政策が,いわゆる国が目標としている
規模拡大を図るためには,今後10年間で175 万
ヘクタール,
農地を
流動化させなくちゃいけない。これは,過去10年間で,
農地が実際に
流動をした数字が71万
ヘクタールだということで伺っておりますが,そういう意味では,いままで10年間で
流動したのが71万
ヘクタールで,175 万ということですから約倍以上ですね,2倍以上の数字を確保しなければならぬということで,なかなか大変な数字だと思います。それは国全体の話ですけれども,逆に言うと,この
農地の
流動化というのが,そういう意味では非常に難しいのだということにもなるのではないかと考えております。
いわゆる担い手に
農地を集積するためには,当然,
農地を提供してくれる
出し手が必要なわけでございまして,そういう意味では,効率的また安定的な
農業経営を育成するために,
農地の
出し手,いわゆる小さな規模の小さな
農家,
高齢農家といいますか,そういうところにとっても,安定的に
農地を任せられる体制というものをやっぱりつくっていかなきゃならないと思うのですね。
伺うと,
本市では,昨年度から
農地の
貸し借りというものを促進するため,
農地の
有効利用を図るために
農地流動化事業というものを開始されて,本年度はさらに独自の
農地流動化奨励金制度というものを実施するために総額900 万円,今回
予算計上をされているということでございます。
そこで,2点目でございますけれども,この目的と,それから具体的な
奨励金の額,制度の
概要等もあわせて
お答えをいただきたいと思います。
それから,本
奨励金の交付によって,
農用地区域での
賃借農地の面積がどの
程度促進をされるのか,
先ほど,175 万に対して,過去10年間で71万とかとお話ししましたけれども,こういうことで,どの
程度農地の
流動化の効果というものを考えておられるのかお伺いをしたいと思います。
◎坪田
農務部長 まず,第1点目でございますけれども,
本市における
遊休農地を含めた
農地の現状について
お答えをいたします。
本市の
農地面積につきましては,
平成7年1月1日現在で4,190
ヘクタールでございまして,
市街化調整区域が,そのうち3,336
ヘクタール,全体の約8割を占めております。この中で,毎年,実は約150
ヘクタールの
農地が減少をしております。
遊休農地,利用されていない未
利用農地の現状につきましては,当部の独自の調査で申し上げますと,
平成6年度で約380
ヘクタールございまして,
山間丘陵地のみならず,平地におきましても増加をしている
状況下にございます。
これに対しまして,
農業者の間で
貸し借りをされている
農地は約100
ヘクタールととらえております。
次に,
農地保全の基本的な
考え方についてでございますけれども,私どもといたしましては,
農地は,緑豊かな
自然環境の維持あるいは保全,そして,
街づくりの上でも欠くことのできないものと考えてございます。したがいまして,農振法に基づきます
農用地を設定をいたしまして,
集団的優良農地の保全を図っており,また,今後とも
農地を保全していくという基本的な考えに立って,各種の施策に取り組んでいきたいと思っております。
それから,2点目の
農地流動化の
奨励金制度についてでございますけれども,これは,いま先生のお話にございましたとおり,
農地の
貸し借りをより円滑に,また,意欲的な
農家に
農地を集めまして,保全と
有効利用を図るということで,実は昨年度から,
農地の
情報サービスあるいは
中核農家の
登録制度を柱といたしまして,
流動化の
事業を実施してきたところでございます。
さらに本年は,今回の議案でも出してございます
農地流動化奨励金制度を発足させる考えでございます。これは,特に
農地の中の
農用地区域におけます
農地を対象にいたしまして,3年以上の賃貸借を行なった場合に,貸し手あるいは借り手の双方に,
農業委員会が定めました
標準小作料の約2分の1程度の
奨励金を出すというものでございまして,たとえば畑地で10アール当たり,1年間で5,000 円ないし7,000 円の
奨励金を交付するということになろうかと思います。このことによりまして,
農地の
貸し借りの加速を図るとともに,
中核農家の
経営の
改善強化を支援することをねらいとしております。
また,この制度につきましては,当面は
平成11年までの向こう5年ぐらいを考えてございまして,その間に現状の2倍以上の
貸し借りが促進されることを,実は期待をしているところでございます。
◆高橋[功]
委員 いまお話にございました。2倍以上というのが,やっぱり一つの大きな目安なのかなという気がしておりますので,非常に私も大きく期待をしておるところでございます。
いまの
奨励金制度,ぜひとも所期の目的を本当に達していくことを願っておるわけですけれども,今後ですね,将来この施策を,もうちょっと拡大を図っていく必要はないのかと,あるのではないかと,こういう考えを持っておりまして,今後も段階を追ってレベルアップというものを図っていくべきではないのかと,いま,こういう思いでございます。
たとえば,行政が
農地を保有する,そして随時,
中核農家に耕作を任せるとか,そういう施策にまで発展させられないものだろうか,させてもいいのではないだろうかと,いま,こういう思いをしておるのですが,そこで,いま私がお話ししたそういうことも含めて,今後の
農地の
流動化,非常に大切な問題だと思っておりますので,
農地の
流動化への今後の取組みという問題で,市としてどのようにお考えか,最後に
お尋ねをしたいと思います。
◎坪田
農務部長 今後の取組みについてでございますけれども,この
農地流動化事業といいますのは,
先ほども言いましたが,
農地の保全を図る上できわめて重要な施策の一つというふうに考えてございまして,今後とも一層充実を図ってまいりたいと考えています。
いずれにいたしましても,一連の
事業,実は,昨年末から開始をしたばかりでございまして,また,この
奨励金制度につきましても,当面,5ヵ年の
事業の実施の中で,この
流動化の推移を見ながら,国,あるいは,その他,道の
施策等の動向を踏まえた上で,今後,ご提案いただきました
方策等も含めまして,効果的な施策の反映につなげていきたいというふうに考えております。
◆横山[博]
委員 農政にかかわって,2点質問をさせていただきたいと思います。
最初に,今度のさとらんどでの施設,
体験交流施設の料金が,
条例案として提案されているわけですけれども,
市民の
皆さんの,いま,
農業に対する関心というか,特に食料に対する関心が高まっている中で,この施設が,さらに有効に
市民の
皆さんに利用されるということを期待しながら,この
条例案に提案されている料金の中で,特に
利用者にとってより利用しやすいようにするために,いろんな団体が利用すると予想され,私どもも,PTAの活動とか
町内会の
婦人部の活動などもしてきたわけですけれども,そういう多くの,広い
市民団体の
皆さんに対しての
減免制度の点については,どんなふうにご検討されているのか,この問題については,1点お聞きをしたいと思います。
質問の2点目ですが,いま
原口委員も,今度の
農協の再編問題・
合併問題についてご質問をされました。そのご質問の中でも,やはりいまの日本の政府が進めようとしている
農業政策の矛盾が,例外なく
本市の
農業にもあらわれてきていると,大変厳しい状況にあるということが明らかになっているわけです。そうであれば,なおさら,
農協の再編・
合併のこういう動きがあるこのときに,あらためて
農協本来のあり方について,私
たち市民も含めて考えなければならない,そういう時期にいま来ているのではないかという感想を持っているわけですけれども,今度の再編・
合併に当たって,あくまでも主人公である
組合員お一人お一人の合意と納得が必要なわけです。
農協の設立の趣旨からいっても,そのことは欠かせないわけですね。ですから,初めに
合併ありきではなくて,本来の
農協の姿に立ち返ると。いま,どんな
農協が必要なのかという,そういう自主的な検討や議論が必要で,そのことを通して,いまの
札幌市の
農家が抱えているいろんな問題,それから要求を把握する必要があると思いますけれども,このことについて,どのようにお考えになっていらっしゃるか,認識されていらっしゃるか,まず
お尋ねをしたいと思います。
再編問題での質問の2番目です。
原口委員も,
新琴似農協の問題にお触れになりましたけれども,いま,
農協の実態は
金融機関と。
先ほども数字として示されましたように,
貸付高がもう1,000 億円を超えていると。確かに
札幌市民の生活にとっては欠かせない存在にもなっているわけですけれども,そうならざるを得ないような背景があると。ここは,ひとつ押さえなくちゃならないと思うのです。
新琴似農協の問題を見るときに,もし,
札幌市の
農協が大型の再編・
合併をされ,そのときに
資金トラブルが生じたときには,その規模が相当大きなものになるのではないかと。これは当然予想していいと思うのですけれども,このような事態に陥らない,
先ほども部長がご答弁で,
農協の
基盤強化を進めていくと,基本的な
考え方をお示しになりましたけれども,このような事態に陥らない,要するに,本来の
農協に立ち返る,そういう
改善策が求められているわけですけれども,
資金トラブルが生じたときにどう対策を講じられるのか,本来の
農協のあるべき姿に改善をするために,行政として相当の支援というか,それが必要になってくると思いますけれども,その辺のところのご認識,お
考え方を
お尋ねしたいと思います。
3点目なのですが,
原口委員のご質問に対するご答弁で,将来的に
経営の基盤の強化,
札幌市の
都市型農業の
経営を支えるために,経済を支えるためにという基本的な
考え方をお示しになりながら,今度の
合併に当たって,その効果についてご答弁をされました。その中で,窓口が一面化・一体化すると。その中で,
事務事業費の相当の合理化というか,そのご答弁を聞いておりまして,これは,端的に言えばリストラではないか。冒頭にお話ししたように,いまの日本の政府が進めている,はっきり言えば,
農業を破壊する方向,そういう中で,相当の
農家の方たちの要求というのは多面化しているというふうに思うのです。生産,そして流通の振興を進める上では,さらに具体的な支援が必要になってくる,
事務事業費の合理化を進める,そういうことではなくて,むしろ陣容を厚くして,相当の支援を進めなければならない時期に来ていると思うのですけれども,その点についても,どのようにお考えなのか
お尋ねをしたいと思います。
◎三浦
農務部参事 私から,さとらんどの使用料の減免について
お答えをいたしたいと思います。
ご案内のとおり,今回提案いたしております
農業体験交流施設の第5条の第3項に,減額または免除する場合の規定について定めておりますが,その具体的な内容につきましては,規則の中で決めるべく,現在検討中でございます。
いずれにいたしましても,この施設が,
本市の
農業の振興を図ることを目的とし,あわせて
市民が緑や土とふれ合いながら,楽しみつつ
農業への理解を求める,理解を深めるものであると認識しております。
したがいまして,
農業者や
農業関係団体が利用する場合はもとより,それ以外の利用についても,たとえば,社会教育団体であるとか,あるいは身障者団体などが利用する場合についても,できるだけ減免をいたしたいと考えておりますし,また,それ以外の利用につきましても,主催する団体や,あるいは
事業内容等を十分に検討させていただきまして,
委員申出のありましたように,できるだけ利用しやすいような方向で基準等を定めていきたいと,そのように考えております。以上であります。
◎坪田
農務部長 私から,
農協再編について3点
お答えをさせていただきます。
まず第1点でございますが,いわゆる
合併におきまして,まず最初に,
農業者の意向把握が先でないのかというようなご意見だと思いますが,実は,この
合併につきましては,
先ほども若干触れさせてもらいましたけれども,
平成3年度から5
農協それぞれが,実は
農協独自で検討・協議をしてきた経過がございまして,その上に立ちまして,5
農協がそろって
合併に向けての取組み姿勢をとりまして,
合併を進めてまいりたいと,こういうことの決議がされたところでございます。
私どもといたしましては,
農協というのは
農業者の組織でございますので,これに至る経緯の中では,
農業者のご意見がそれなりの反映をされてきておるというふうに判断をいたしております。また,今後の
合併事務を進めるに当たりましては,いま先生が述べましたような,
組合員の皆様方からのご意見だとか,あるいは要望などを取り入れていくこと,これは
合併の協議の前提になるのではないかというふうに私どもは考えております。
それから,第2点目でございますけれども,
農協の
合併後の姿といいますか,どんな姿になっていくのかというようなことになろうかと思いますが,実は,
農協の
事業は,
先ほども申しましたが,
販売事業だとか,あるいは金融
事業だとか,あるいは購買
事業,あるいは
共済事業と,多くの
事業を抱えてございます。
特に,金融面でのご指摘でございますけれども,私ども
札幌市の立場におきましては,
農協を監督・指導するという立場にはございませんけれども,適正な貸付けに伴います事務処理が行われていたならば,今回いろいろ問題になっているような事件は起こり得なかったものというふうに,私どもはとらえてございます。
事業規模が拡大いたしましたら,また何か大きな問題になるのではなかろうかという懸念のご意見もございましたが,適正な事務処理と,それに合わせました厳正な管理・監査体制というものを,今回の
合併は,まさしくとることになろうかというふうに想定してございます。そうなりますと,そのようなご懸念は解決できるのかなというふうにとらえてございます。
それから,私どもは,何も
農協のためにやるということでございません。
組合員の,いわゆる
農業経営の向上,それと生活の向上ということが基本でございますので,その基本的理念は忘れないでいたいというふうに考えてございます。
それから3点目の,
合併がリストラになるのではなかろうか,それとあわせて,人員をもっともっと,そういう本来的なところに厚くすべきでないのかなというご質問だと思いますけれども,私ども,
農協組織そのものにつきましては,これはもちろん相当のリストラを余儀なくされるのではないかというふうに考えてございます。ただ,末端の
組合員でございます
農業者にそういうリストラ等が波及しては,これは大変なことでございますので,それぞれの
農協の専門的なノウハウを持った職員も相当ございますので,そういう専門的な職員が一堂に会して,新たな
都市農業へ向けての,まさしく指導的な中枢になろうというふうに私どもとらえておりますし,その組織と
札幌市の農政とが一体となって進めていくべきでなかろうか,そうすることを実は期待をしております。以上でございます。
◆横山[博]
委員 施設の利用料金については,広範な
市民の
皆さんが本当にそこの施設を有効に活用できるように,利用できるように,ぜひ,さらにご検討いただくように要望させていただきたいと思います。
農協問題については,いまご答弁をいただきました。
合併・再編の問題については,全国的にすでに何年も前から進められていて,北海道では,この
合併問題の議論は相当おくれているという中で,今度具体的にされてきたわけですけれども,しかし,
合併によっての
メリット,効果というのは,
先ほどもご答弁をいただきましたけれども,本当にそれでいいのかという疑念を払拭できないわけですね。特に,5
農協での議論が,いまのご答弁では,一人一人の
組合員も含めて協議をされて,決議として上がってきているというご答弁ですけれども,しかし,実際に
農家の
組合員の
皆さんお一人お一人にとって,この問題が具体的に,どんな作業の流れで,どんな経緯で,
合併が促進をされようとしているのか,それの情報というか啓蒙というか,それがどの程度なされているのか。たとえば協議の中身ですね,それももし具体的に把握されているのであれば,お示しを願いたいと。お願いいたします。
◎坪田
農務部長 いまの
農協合併にかかわります情報の啓蒙,その他について,どのように把握しているのかということでございますが,これにつきましては,実は,毎年それぞれの
農協が総会を実施しております。そういう総会の席で,理事者側から,
農協合併に向けての取組みについてのお話がされております。私どもといたしましては,これは,これからどういう形で
農協の
合併があって,どんな姿で行政とかかわり合いを持っていくのが一番よろしいのか,その辺をこれから詰めていくわけでございまして,いろんな個々の
農協の実態を調査し,それに
農業者のご意見,あるいはそれを取り巻く関係団体のご意見等を得た中で,こういうあるべき姿を描きまして,それをお示しいただき,またご意見をいただくと,こういうことになろうかと思っております。ですから,これまで聞いたから,
農業者の末端のご意見を聞かないというのでなくて,これから,まさしく
農業者のご意見もいただくと,そういうたたき台に基づいてのご意見もいただく,このようになろうかと想定をしております。
いずれにしても,これから
委員会なるものを立ち上げまして,その下部組織で,専門部会あるいは特別
委員会等々の組織の中でもまれて,そして,
農業者にまたそれがフィードバックされると,このようになろうかというふうに考えてございます。
◆横山[博]
委員 この再編については,慎重に慎重を期して,そして議論に議論を重ねて,その検討をいただきたいということを要望させていただくわけですけれども,最後に,
先ほど局長が,
新琴似農協の問題についてご答弁されました。こういう事態を,今度の新しい編成,再編または
合併の中で引き継ぐわけにはいかないというご答弁をされました。しかし,そこに所属している
組合員お一人お一人,やはりここにもしっかりと光を当てていかなければならないのではないかと。こういう背景を生み出した問題について,行政としての責任も,またあらためて認識をする必要があるのではないかというふうに思いますけれども,1点,局長いかがでしょうか。
◎鈴木
経済局長 委員もご承知だと思いますけれども,
農協の指導・監督という権限は道にあるわけでございまして,私どもも,そこまで立ち入ることはできないのでございますが,当該
農協の事情というのは,現在はこうでございますけれども,
先ほども申し上げましたとおり,いま,組合の中でその課題を処理するに当たって懸命に努力をしておるところでございまして,私どもがいまこれから進めようとしています
合併作業も,
先ほど部長から
スケジュール申し上げましたとおり,
平成10年の4月を目途にいたしておりますので,まだ十分に時間がございますから,そういう課題を処理するには,この期間の中で懸命に努力をしていただいて,どこの組合も,課題なり,そういう再建なりというものをある程度処理をされて新しい組合にということになろうと思います。
◆佐々木[周]
委員 私は,今回の議会に提案されております
農業の振興策について,2点質問したいと思っておりますけれども,最初に,
農業基本計画についてお伺いしたいと思います。
これは,今後の
札幌市の
農業,それから
農産物の輸入
自由化や都市化の進展に対応した新たな
農業基本計画を策定する,そういうふうに掲げられておりますけれども,本当に私たちの身の回りには,
農産物の輸入
自由化によりまして,各国からいろんな
農産物が流通しております。そういう中にありまして,
本市の
農業は,
自由化に対しては,その
農産物の中身で勝負する,そしてまた,都市化に対しては,大消費地である
札幌,この消費者を取り込んでいく中で
農業政策を進めていくことが必要ではないかというふうに思っております。今後の
農業というのは,やはり地域の中で,
生産者と消費者が顔の見える関係でつくり,そして食べていく,そういうふうな有機的な関係を持つということが大変重要な課題であると思うわけです。
日本のいまの
農産物の現状を見ますと,これはちょっと古いのですけれども,カロリーベースの自給率で言いますと92年度で46%,半分以上外国からの輸入
農産物に依存している,そういうような状況もあります。それに対しまして,総理府の調査におきまして,国民の7割以上の人が,食料の安定確保のためには,国内で生産できるような
農業を進めていってほしいというふうな,そういうような意識でいるということが見られます。
この
札幌においても同じことが言えるわけで,いつも本当に手をとるようにいろんな
農産物が氾濫する中で,やはり市内で生産されたものが手軽に,そして低廉な価格で手に入れることができることが必要かというふうに思います。
そこで質問なのですけれども,今回の
農業基本計画の策定に当たりましては,目的は,
先ほど申し上げましたように掲げられております。そのほかに,どなたが,どういう形で,いつごろまでをめどに策定しようとしているのか,まず1点お伺いしたいと思います。
それから,もう1点は,
先ほど申し上げましたように,生産と消費をつなげていく,そのような視点を持ちながら,その基本計画を策定する必要があると思いますけれども,そのことについてもお伺いしたいと思います。
◎坪田
農務部長 まず,ただいまご質問のございました
農業基本計画の策定方法と,そのめどについてでございますが,実は,この計画策定につきましては,
平成6年度中に
農務部内にプロジェクトチームを発足をさせまして,
平成7年度中に策定をいたしたいということで,現在,内部検討をしているところでございます。
この新しい
農業基本計画の策定につきましては,基本的なテーマを都市と
農業の共存ということといたしておりまして,
農業を取り巻く幅広い分野の代表者によります組織を設置したいというふうに考えております。仮称
札幌市農政懇話会というような組織を考えてございますが,この中で,
都市農業の抱えている問題はもとより,いわゆる都市空間の問題あるいは
市民生活とのかかわり,こんなことにつきまして,幅広い意見を集約していきたいというふうに考えております。
それから,2点目の生産と消費をつなぐ新たな
都市農業の展開ということで,お考えはどうなのかというご質問でございますが,
本市といたしまして,
先ほど述べました,この新しい
農業基本計画法の中で,消費者であります
市民と密着いたしました
農業の展開,これは必要不可欠なものというふうに考えておりまして,基本計画の中にも,
市民の声を反映させてまいりたいというふうに思っております。すでに
平成6年度に,
農業に関する
市民意識調査を実は実施してございます。
市民2,000 人を対象としたアンケート方式でございますが,この中でもたくさんの意見をいただいておりますので,
先ほど申しました懇話会の
委員にも,また消費者の代表をお願いする予定でございます。以上でございます。
◆佐々木[周]
委員 いまおっしゃったように,積極的に,消費者の目というのを忘れないでいただければというふうに考えております。
2点目なのですけれども,私も,
農協再編についてお伺いしたいと思うのですが,
先ほど来,多くの
委員の方から質問がありまして,私がお聞きしようとしていることがほとんど明らかになってまいりました。1点だけお伺いしたいと思うのですけれども,いまの日本の
農業というのは,国の
農業政策の中で,大規模化,そして工業生産並みの規格化,そのような
農業が進められておりまして,いかにきれいで形のよいものが高く売れるか,そういうような消費のあり方の中に私たち消費者は巻き込まれているというような状況にあるわけです。けれども,本来であれば,私たち消費者は,地場でとれたもの,そして新鮮で安全な,おいしい,栄養価もある,そのような
農産物がやっぱり求められているわけで,今回の
農協の再編の中でも,
経営の安定化,合理化,そのようなものは,一方では必要なのですけれども,やはり流通,消費,それなくしては,
農協の再編,そして,今後の安定した運営はないのではないかというふうに考えるわけです。
質問なのですけれども,
先ほど来私が申し上げていますように,一大消費地を抱えているこの
札幌の
農協が生き残るためには,やはり消費者と見える関係と申しますか,そういう関係で今後も進めていくということが大変必要です。それにつきまして,
農協再編について,
札幌市のほうもそれにかかわっていくということでありますので,ぜひ,
先ほど来おっしゃっています消費者の声を積極的に
農協再編の中に生かしていくように求めたいと思うのですけれども,その1点だけお聞きしたいと思います。
◎坪田
農務部長 ただいまの
農協再編におきます消費者の意向を反映してはどうかというご質問でございますが,
先ほどから私答弁してございますが,
市民と密着した
農業ということで,まさしく
都市農業になろうかと思います。そういうことからいきますと,
農協につきましても,
生産者が消費者と結びついて初めて成り立つというふうにとらえておりますので,これから
農協再編に向けて,消費者のあるべき姿,それからそのとらえ方等も,十分連携を深めまして,行政として指導できるものは積極的に指導をしていきたい,このように考えております。
◆佐々木[周]
委員 最後に要望なのですけれども,私いつも申しておりますのは,地場の
農産物を公共施設,たとえば学校など大量に消費する公共施設がありますけれども,その中でも安心して食べられる,子供たちに食べさせたい,そういう思いがあります。今回の
農協再編の中でも,その視点をぜひ取り入れていただければと思います。終わります。
○千葉
委員長 以上で,第2項
農政費及び議案第16号の質疑を終了いたします。
ここで,理事者の交代がありますので,
委員会を暫時休憩をいたします。
──────────────
休 憩 午後1時56分
再 開 午後1時58分
──────────────
○千葉
委員長 委員会を再開いたします。
次に,議案第7号
平成7年度
札幌市高速電車
事業会計補正予算(第1号)の質疑を行います。
◆伊藤
委員 それでは,私から,地下鉄の地震対策と防災対策について,簡潔にお伺いをいたしたいと思います。
本年の1月17日に発生をした阪神大震災,これは,近年まれに見る大変な被害をこうむった地震でございました。われわれ国民にとっても,大変な驚きを感じたところでございます。さらにまた,きのうは北竜地区で震度5という地震が発生をしたわけであります。
本市においても,これはもう人ごとではないことでございまして,この事実を真摯に受けとめながら,早急に対策を講じる必要がある,そんなふうに思うわけであります。
今回の補正予算の中で,南北線の高架部,1億100 万円の肉づけの予算が計上されているわけであります。昭和46年に完成をした
本市最初の地下鉄施設でございますし,建築後24年経過をしているわけであります。現行の道路橋示方書に沿った,当面の補強を提案されているところでありますけれども,この改修計画,当初6年の予定であったというふうに聞いておりますけれども,
平成7・8年の2ヵ年に圧縮をして行われるということであります。この予算額から見ても,補強程度の改良を考えているのだというふうに思うわけでありますけれども,しかしながら,阪神大震災の神戸市営の上沢駅,さらにはまた三宮駅両駅の地下部分にも,柱部分に相当の損傷を受けたというふうに伺っているわけであります。このことを考えますと,
札幌市においても,今後,地下部分の補強が必要になるのではないか,この点,当局ではどのように見解を持たれているのか,まずお伺いをしたいと思います。
次に,これはもう
皆さんご承知でありますけれども,3月20日に東京の営団地下鉄の3路線5車両で,車内に持ち込まれた,いわゆるサリンによって,乗客及び職員12名が死亡し,さらに 5,000名以上の人が病院で手当てを受けるという大惨事があったわけであります。この事件も,去る16日にオウム教教祖の麻原容疑者が,殺人及び殺人未遂容疑で逮捕をされたわけでありまして,一応の節目はついたのかなと,こんなふうに思うわけでありますけれども,しかし,
市民に大きな不安を与えたことは事実でございますし,特に,最近の地震,あるいはまた,こうした事件は,忘れたころにやってくるのではなくて,忘れないうちにやってくると,そうした実情もあるわけでございます。
札幌の地下鉄においても,駅構内あるいはまた電車の中に不審物が置かれた,あるいは,サリンをまくぞというような予告電話が何件かあったというふうにお伺いをしております。
そこで,1点目として,これまで不審物の発見あるいは予告電話が,どの程度あったのか,まずお示しをいただきたいと思います。
それから,2点目,営団地下鉄のような事件が,仮に
札幌の地下鉄で発生をした場合,取扱いについて,マニュアル等の作成ができているのか,お伺いをしたいと思います。
次に,地下鉄の駅では,万一火災が発生した場合に,消防隊用として防災無線が設備をされていることは,私ども承知をしておりますけれども,今後,不測の事態を考慮して,警察用の通信設備も備えるように警察当局から要請があったと聞いているのでありますが,具体的に,そうした要請があったのかどうか,まずお伺いをしたいと思います。
◎新関 高速電車部長 ご質問の後段につきまして
お答えをいたします。営団地下鉄サリン事件に関連するご質問でございました。
まず,1点目の不審物等の関係でございます。
札幌の地下鉄におきましても,営団地下鉄の事件発生以来,駅構内での不審物が5件,電車内での不審物が2件発見されております。また,このほか予告電話,脅迫電話が4件ございまして,合わせて11件ございました。いずれの場合も,3月末から4月の中旬までに発生したものでございまして,幸い,大事に至っておりません。
なお,この中には,事件に便乗したいたずらと思われるものも含まれてございますが,通常であれば,単なる遺失物ということで処理すべき物件も多かったわけでございます。ただ,この時期,警戒体制をとり,非常にお客様も不安な状態がございましたので,また,万に一つのことも考えまして,いずれも警察に通報して処理をしてございます。
次に,マニュアルの関係でございますが,3月20日午前に,報道機関のニュースでこの事件を知ったわけでございますけれども,当日の午後には,道警本部のほうと連絡体制,あるいは対応について協力の要請を行いました。局内的には,早速サリンに関する処理対応のマニュアルを作成しまして,関係課に周知を図ったところでございます。以降,不審物の発見,予告電話等の対応につきましては,マニュアルに基づいて対応ができたなと,こういうふうに思っております。
3点目の警察用の通信設備の関係でございますが,これは,4月19日付で運輸事務次官から,サリン問題対策の推進についての通達がございました。事故発生時における迅速,的確な措置を講ずるための対策が要望されたところでございます。これを受けまして,早速道警本部と協議をいたしまして,地下鉄全駅で地上と地下鉄駅構内との通話が可能になるように,消防隊用の防災無線通信設備に機器を付設しまして,そのような利用をしていただくというようなことで,いま準備を進めているところでございます。
◎若原 建設部長 今後,地下部分の補強が必要でないかとのご質問でございますが,現在,運輸省において,鉄道施設耐震構造
検討委員会で,耐震設計基準について,現在,調査検討中でございますので,これらの動向を見きわめた上で,既設線の地震対策について検討してまいりたいと考えております。
◆伊藤
委員 いま,マニュアルの作成,あるいは,こうした予告電話等に対する対応についての現状はお聞きをいたしました。ぜひ,こうしたことを含めて,事故の未然防止のために,これからもご努力をいただきたいというふうに思います。
それから,既設線の対策についても,いま,ご回答があったわけでありますけれども,国の建設基準が出たときには,ぜひひとつ,一日も早い対応をしていただくように要望しておきたいと思います。
一方,東西線の延長部分についてでありますけれども,いま,まさに,この部分については,構築を施工する路線でございます。しかも,国の設計基準が出るまでには,まだ相当期間がかかるのかなというふうにも思うわけでございまして,
本市独自の応急的な補強も必要ではないかと,そんなふうにも考えるわけでありまして,
市民が少しでも安心して利用のできる施設を設計することが必要であると,そしてまた,工事をすることが必要であろうというふうに思いますし,この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
◎若原 建設部長 東西線の延長部分におきまして,独自の応急対策を施すことができないかとの質問でございますが,本格的な地震対策に対しましては,
先ほどお答えいたしましたとおり,国の基準が出てから対応を検討することになります。しかしながら,
委員ご指摘のように,東西線延長部においては,現時点で可能な補強を施す必要があるだろうと私どもも思っておりますので,今後,関係機関とも協議をしながら対応したいと考えているところでございます。
その内容といたしましては,今回の神戸市の被害状況を見てみますと,軌道部,それからコンコース部ともに鉄筋コンクリートの中柱の損傷が激しくやられているという状況でございましたので,柱の帯鉄筋,われわれ専門用語で帯鉄筋と申していますが,柱方向に縦に入っている鉄筋を水平方向に巻く鉄筋を帯鉄筋と申しておりますが,この帯鉄筋の規格をアップしようと,これが1点目でございます。さらに,配筋間隔を密にすることで増強を図りたいと,このように考えております。
さらに,2点目といたしましては,駅のプラットホームの鉄筋コンクリートの柱を,さらに強度の高い鋼管柱に変更したいと,このように考えているところでございます。
◆伊藤
委員 国の設計基準が出てからということでありますけれども,いまも,応急手当ての中で,帯鉄筋というような,専門的な言葉も出てまいりました。私ども,いずれにしても,こうした専門的な知識はありませんけれども,
市民がより一層安心をして利用できるような,そうした施策をぜひひとつとっていただきたい,最後に要望をして終わります。
◆大嶋
委員 地下鉄南北線高架部の改良工事について伺います。
いま,伊藤
委員からの質問の中にもありましたように,南北線の高架部の補修計画について,当初の6ヵ年の予定を2ヵ年に圧縮して行うと,このようなことが,本年2月の予算
委員会の畑瀬
委員の質問に対して答えられていたわけですけれども,今回の肉づけ予算の中で,改良工事として1億100 万円が計上されています。この補修の内容,そして来年度の計画について伺いたいと思います。
さらに,補修工事期間,私たちが心配するのは,通常の営業に支障がないかということでございますので,その点についてもお伺いいたします。
◎梅田 高速電車部参事 大嶋
委員の質問に
お答えいたします。
地下鉄南北線高架部の補修内容でございますけれども,大きく分けて2点ございます。
1点目は,大地震によって,高架部走行けたが橋脚より万が一落下することを想定いたしまして,これを防止するための補修工事でございます。具体的には,走行けたを支えている橋脚上部の受皿部を拡幅する工事と,走行けた自身の夏冬の温度差による膨脹,収縮,これを吸収するためのすき間が全部で26ヵ所ございます。そこに連結棒を装着する工事でございます。
2点目は,建設後24年を経過しておりますので,これらの劣化部分を補修する工事でございます。
予算措置としましては,1点目の橋脚等の補修は,今年度1億100 万円,継続して,来年度1億 6,500万円を建設改良費として行います。2点目の経年劣化補修については,営業費で行う計画でございまして,これらは含めて約6億円になる予定でございます。
この工事の大部分については,シェルター外部より施工して,営業に支障を与えることなく,日中に施工できますけれども,一部シェルター内部から施工するところもございます。これにつきましては,営業時間外に施工しまして,工事期間は,ことしについては7月から12月,来年度は5月から12月,こういうふうに予定をしております。
いずれにいたしましても,安全には十分に注意をして,工事を実施したいと考えております。以上でございます。
◆大嶋
委員 ただいま,概算費用で6億円ということでございましたけれども,本年2月の予算
委員会においては,概算約9億円という答弁でございました。これは,かなり大幅な減額,約3億円近い減額となっておりまして,特に,安全面,あるいは阪神大震災でありましたような手抜き工事等々の心配が,素人考えとしては,まず先に立つわけですけれども,減額の理由についてお伺いしたいと思います。
◎梅田 高速電車部参事 本年2月の予算特別
委員会で
お答えしました9億円の内訳ですけれども,営業費で行う3億3,000 万円につきましては変更ございません。残り5億7,000 万円の建設改良費につきましては,詳細に調査検討いたしましたところ,工事方法及び施工箇所の見直しを行いまして,当初の概算予定に対しまして,約3億円の減額になったということでございます。
なお,強度,安全性につきましては,全く問題ございません。以上であります。
◆大嶋
委員 いまのご答弁で,強度,安全性についてはいささかも問題がないということですので,ぜひ,迅速に工事にかかっていただきたいと思います。
さらに,厳しい財政の中にあって,私どもが一番関心があるのは,料金の問題もありますけれども,安全性でございます。老朽化部分の改良工事はもちろんのことですけれども,
先ほどありました今後の耐震設計基準の見直しにかかわる工事につきましても,迅速に対応していただくことを要望いたしまして,終わりたいと思います。
◆本郷
委員 先ほどお話も出ましたが,昨夜も空知北部で,マグニチュード5.6 ,震源の深さまで10キロという,典型的な内陸直下型地震が起こったわけですが,北大理学部附属地震予知観測地域センターによりますと,1990年代に入って,日本全国が地震の活動期に入ったとも言え,今後,本道でも,どこで地震が起きてもおかしくないと警告をされております。
そこで私からは,
札幌市の地下鉄の地震時における被害想定と,地震発生時の安全確保についてお伺いしたいと思います。
本年1月に発生した阪神・淡路大震災は,近代の大都市を襲った,まれに見る大地震であり,その被害も想像を絶するものでありました。私も1級建築士という立場で,被災直後の現地を視察してまいりましたが,長年建築の設計に携わってきた者として,予想をはるかに超える悲惨な状況に,大変衝撃を受けてまいりました。特に地上の構造物は,長さ635 メートルにわたって橋げたが倒壊した阪神高速道路や,六甲山の山並みを背景にした大変美しい街並みであった三宮の市街地が,神戸市役所を初め駅前のそごうデパート等,至るところで鉄筋コンクリートのビルがつぶれたり,傾いたりといった大きな被害を受けているわけであります。
それに比べまして,地下街も含めて,地下鉄は割と軽微な被害で済んだのではないかという印象を受けております。その理由は,私が神戸に行った2月の上旬は,JRがようやく,神戸の一番東側の東灘区の住吉まで復旧をしました。しかし,その住吉から神戸の6キロ間は不通でございまして,長田区に行くには,バス,地下鉄を乗り継いでいかなければいけないと。私は,三宮の,
先ほど言いました大変被害のあったそごうデパートの地下が,市営地下鉄の三宮駅でございますが,そこから地下鉄を利用して神戸まで参りまして,そういうふうな印象を受けたわけでございます。
現在,神戸市内には市営地下鉄と民営の神戸高速鉄道の二つの路線があり,駅は全部で17ヵ所あります。その中で,特に神戸高速鉄道の大開駅の被害が最も大きいわけであります。理由はさまざま考えられると思いますが,天井スラブを支える鉄筋コンクリートの中柱三十数本が,剪断破壊によって座屈し,そのために,上部のスラブがV字型に折れ,崩落するに至り,その影響で,その地下鉄の上部にあります大開通が,深さ約3メートル,長さ120 メートルにわたって沈下をし,道路交通が遮断されたわけであります。
いままで,地上構造物に比べて地下構造物は,トンネルが周囲の地盤とほぼ一体に動くということから,地震に対しては安全であるとの見方が一般的でありました。事実,これまでの地震では,地下トンネルの被害例の報告はなく,地下鉄は地震の影響を大きく受けないとの考えから,特別な場合を除いて,耐震設計を行なっていないのが現状であります。
しかし,今回の地震では,
先ほど申し上げましたとおり,実際に大開駅で被害が発生しているわけであります。
そこでお伺いしたいのですが,神戸高速鉄道の大開駅でこのような被害が発生した理由について,わかっている範囲で結構でございますので,お聞かせ願いたいと思います。
と同時に,同規模の地震が発生した場合,
本市の地下鉄はどの程度の被害が予想されるか,あわせてお願いをいたします。
次に,地震発生時のマニュアルについてでありますが,地下鉄では,事故または災害が発生した場合に,
利用者の安全確保を前提として,それぞれのマニュアルをつくって対応していることと思いますが,このような大地震が発生した場合,現行のマニュアルで対応可能なのかどうか,お伺いしたいと思います。
また,大災害が発生した場合に,現行のマニュアルでは不十分で,見直しをするという場合には,基本的にはどのようにお考えになっているか,お伺いしたいと思います。
◎新関 高速電車部長 私からは,地震発生時のマニュアルの関係について
お答えをいたします。
ご承知のとおり,地下鉄の場合は,一度に多くのお客様を輸送しますことから,
委員からお話ありましたように,いろんな事故,災害を想定しまして,現在もそれぞれマニュアルをつくり,お客様の安全確保を最優先に対応しているところでございます。
私どもとしましては,現行マニュアルでもほぼ対応可能と判断をいたしておりますが,ただ,地下鉄が支障することによる影響が大変大きいという観点から,さらに十全を期するために,現在あります高速電車地震対策要領と,これに基づきます運用マニュアルについての見直しを行なってございます。
そこで,主な見直し点でございますけれども,1点目は,地震の震度に応じて,保守あるいは点検要員等が自動的に出動できる体制を整えたいというふうに思っております。現在は,地震が発生しまして,その被害状況の程度に応じまして,関係職員を緊急動員という形で,1号から3号までで動員をいたします。地震は深夜等にも発生することもございます。あるいは,NTT回線を含む通信設備が破壊されるという場合も予想されますので,それらのことも考え合わせまして,自動的に関係職員が出動体制をとるという形を1点検討してございます。
二つ目には,可能な限り駅間で電車をとめない方法について,現在検討してございます。地下鉄が開業されて以来,これまで,57年の浦河沖,
札幌は震度4でございました。その後,
平成5年に震度3が2回,
平成6年に入りまして,震度3が1回という経験をしてございます。これまでの地震の中では,地下鉄施設が運営に支障を来たすというような状況が出ておりませんでしたが,現在の取扱いでは,震度4であっても,駅間で緊急に列車をとめるというような取扱いになっております。ただ,地下部分ということでございますし,お客様の不安感を最小限にとどめるということを考えれば,電車の運転速度を震度に応じて制限をし,できるだけ駅に到達をするという方法がベターではないかというようなことで,現在,細目について検討をしようとしているところでございます。
3点目は,駅におけるお客様の案内,誘導の関係でございますけれども,
委員からお話ありますように,地下部分,非常に安全ということがございましたが,新たに駅構内における避難場所をマニュアルの中で明確にしまして,関係職員に周知徹底を図るということにあわせまして,各駅ごとに,駅勢圏の中にあります
札幌市の広域避難場所をそれぞれ表示をして,地下鉄を利用するお客様にふだんから知っていただくというようなことも含めて検討をしているところでございます。
ただ,これから,市全体の地域防災計画との関連もございますので,それらとの整合性も図りながら,引き続き検討を加えまして,きめ細かなものにしていきたいと,このように思っております。
◎若原 建設部長 大開駅の崩壊の原因についてでございますが,現在,運輸省の鉄道施設耐震構造
検討委員会の中で調査中でございまして,まだ,原因の特定ができていないようでございますけれども,この
検討委員会の資料によりますと,標準の設計水平震度というのがございますが,この標準設計水平震度の約3倍に当たる地震力が作用したのではないかと推測しているところでございます。
また,仮に神戸と同規模の地震が
本市に発生した場合についてでございますけれども,
本市と神戸市とでは,地盤の条件であるとか,あるいはトンネルそのものの構造であるとか,あるいはトンネルの深さの関係であるとか,そういうことが異なっておりますので,トンネルに働く力が,仮に同じ力が働くということにいたしましても,どのような被害になるか,推測が非常に難しいなと,このように考えているところでございます。
◆本郷
委員 ただいまのご答弁で,地盤の条件も違い,またトンネル自体の構造も異なっていると,そのために,トンネル部に同じような力が働くとは言い切れず,被害の予想は難しいということでございますが,運輸省の調査が終わった段階で,国の基準が示され,既設構造物に対する何らかの補強について検討することになると思いますが,利用客,
市民の安全を考えると,いまのうちから,交通局として事前に対応することを考えておくべきではないかと思うわけであります。この点について,お考えをお伺いしたいと思います。
◎若原 建設部長
委員のお話のとおり,
市民の安全を確保するためには,国の基準が示された後,速やかな対応が必要と考えております。そのために,トンネル部分の地質あるいは深さなどの諸条件が異なるそれぞれの断面について,事前に耐震性の検証を行なっておきたいと考えております。
◆本郷
委員 ぜひ早急に検証をお願いしたいと思います。
現在,地下鉄は,東豊線が福住まで延長され,南北線,東西線,合わせて3本の路線が豊平川を横断しているわけであります。ご存じのように,
札幌は,豊平川が南北に貫いているために,市街地の東西の交通は,豊平橋を初めとする20本の橋で確保されている現状でございます。しかし,震度6以上の直下型地震が
札幌を襲った場合,揺れの周波数特性を考慮してつくられたミュンヘン大橋を除く他の橋は,落橋の危険がある,あるいは,落ちないまでも,相当大きな被害が出ると予測する専門家もおります。その場合,
札幌が川で東西に分断されるおそれがあるわけであります。道路の寸断が震災時の救援活動に致命的な打撃を与えることは,今回の震災で証明されたとおりであります。そのときに,もし地下鉄が無事であれば,人員の輸送だけではなく,たとえば救援物資の輸送等,大きな力になるのではないかと思うわけであります。
さらに,豊平川の横断ということだけではなく,地上の交通網がビルの倒壊等で遮断された場合,たとえば,丘珠の空港から栄町を経由して中心部へ救援物資を送るといった利用も考えられます。
今回,地下鉄三宮駅の内部を調査した民間の技術研究所の報告によりますと,地下1階から2階へと,地表から深くなるに従って,被害の程度は軽微になるという特徴が認められております。また,神戸の市営地下鉄は,線路上部の架線が垂れ下がったため,一時不通になったものの,施設には大きな損壊はなかったということでございます。
したがいまして,電気及び通信システムの問題もあろうかと思いますが,今回見直しをされております地域防災計画を策定される中で,緊急災害時における地下鉄の活用,また,そのための既存施設の補強を含め,これらのご検討をぜひ加えていただくよう強く要望して,私の質問を終わります。
◆荒川
委員 私も,地下鉄の地震対策について
お尋ねをいたします。
すでに3人の方々が,今回の補正予算にもかかわりながら,地震に強い
札幌の地下鉄づくりに向けて質問をされておりますから,重複を避けて,私は,改良工事に伴う財源の問題に絞って
お尋ねをいたします。
今回の補正予算は,南北線高架部約4.5 キロメートルについて,5年前に改定された国の耐震設計基準に基づいて,すなわち震度5を想定しての従来の基準への適合を急ぐための工事,すなわち,けた連結,沓座拡幅の改良工事でありますが,いま,質問にも
お答えがありましたように,阪神大震災の被害に照らして,国が,いままで全く基準がなかったトンネル部分についても,新たな耐震基準を設定するということも予想されると。それに
本市としては速やかに対応するために,いまから必要な検証,調査を進めるのだと,こういうことであります。膨大な,新たな耐震構造,それに向けた改良工事が必要になるということも想定されるわけでありますが,いま,地下鉄の改良工事について言えば,一般会計から2割の補助があるものの,あと8割を起債で持つという形で進めなければならぬということになっているわけですね。地下鉄の新設の場合には,一定の補助があるにもかかわらず,改良についての補助といえば,大阪の地下鉄がすでに対象になっていると聞いておりますが,50年を経た大改修,こういうものにしか適用されない,こういう今日の財源の状況,こういう中で,大規模な耐震構造への改良というようなことを急速に推し進めるということは,私は困難な感じがするわけです。当然,新たな国の地下鉄における耐震基準などが示されて,それに伴う改良工事を急ピッチで進める,こういうような事態になれば,大都市の公営地下鉄などに,新たな国の補助制度が設けられるなど,財源の裏打ちが欠かせないというふうに思うわけでありますが,その点,どのように考えているのか,この1点
お尋ねします。
◎淋代
事業管理部長 いま,
委員のほうからお話がありましたように,現行の既設線の改良
事業に対しては,お話のとおり,補助
事業は全くないわけでございますけれども,今後,
先ほどの鉄道施設耐震構造
検討委員会におきまして,今回の阪神大震災を踏まえました,いわゆる耐震設計基準の見直しを検討されておりまして,それが,仮に具体的な内容になったときに,おそらく,やはり大幅な施設の改良が必要になるだろうというふうに考えているところでございます。そのときに,その財源負担の問題が,おそらく大きくクローズアップされるだろうなということは予想されるわけでございますけれども,そういう意味におきまして,今後,地下鉄を運営しております各政令市並びに関係各機関,そういった機関と協議をいたしまして,国のほうに補助制度の創設に向けて,強く要望をしてまいりたいと,このように考えております。
○飯坂 副
委員長 以上で,議案第7号の質疑を終了いたします。
ここで,理事者の交代がありますので,
委員会を暫時休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後2時37分
再 開 午後2時39分
──────────────
○飯坂 副
委員長 委員会を再開いたします。
次に,議案第8号
平成7年度
札幌市水道
事業会計補正予算(第1号)の質疑を行います。
◆北川
委員 防災対策については,本年2月に行われた定例会の場でもずいぶん議論がされておりますので,水道
事業費に限って,幾つか
お尋ねしたいというふうに思います。
まず第1点は,現在まで判明している神戸市の水道施設の被害状況が,具体的にどうなっているのかということを一つお聞きしたいというふうに思います。
二つ目は,
本市水道局では,今回の神戸から一体何を学び,今後の防災対策,あるいは水道局の全体の業務の中にどのように生かしていこうとしているのか。まず,この2点をお伺いいたします。
◎渡邊 配水担当部長 阪神大震災による神戸市の水道施設の被害状況について
お答えいたします。
3月末時点の神戸市水道局のまとめによりますと,浄水場や送配水施設につきましては,被害は軽微であり,機能停止に至っておりません。しかしながら,配水管は1,439 ヵ所で折損し,給水管につきましては,公道下で1万ヵ所,宅地内で5万ヵ所という,膨大な折損被害となっております。このため,本格復旧の着手に至るまでに,約2ヵ月間という長期間を要するような大きな被害を受けております。
第2点目でございますが,今回の神戸市の被災結果を見ますと,やはり,地下に埋設している配水管・給水管が被害の対象になりやすいということを痛感しております。したがいまして,今後も老朽管の早期更新を計画どおり進めますとともに,断水被害を最小限の地域にとどめるブロック配水システムを予定どおり推進するほか,マッピングシステムの構築を図るなど,いわゆる地下に埋設された目に見えない水道管路を,ハード・ソフトの両面から手当てをし,維持管理レベルの向上に努めることが何よりも大切かと考えております。以上でございます。
◆北川
委員 そうすると,当然,
札幌市が神戸市を支援するに当たっては,
平成3年5月1日に締結された,いわゆる東京を含めた12大都市の間でさまざまな覚書をつくって,それに基づいて
札幌市が支援したと思うのですけれども,1点目は,神戸市に対して支援した内容は,具体的にどのようなものであったのか。これは,実際の支援業務や,あるいは派遣人数について,まず1点お伺いしたいというふうに思います。
2点目は,この覚書の第3条によれば,支援に要する費用,財源については,支援を要請した都市,今回で言えば神戸市になりますけれども,神戸市が負担をするというふうになっておるのですけれども,この辺について,今回
札幌市のほうとして,実際にどの程度の費用がかかったのか,あるいは,それに対する手当てをどういうふうにしたのかということをお伺いいたします。
◎西口 管理部長 ただいまのご質問の神戸市への支援の状況でございますけれども,支援業務の内容につきましては,被災した神戸
市民に飲料水を配る応急給水と,それから,折損した配水管を修理し,早期に断水を解消するための応急復旧工事,この二つに大別をされるわけでございます。
応急給水業務につきましては,1月19日から3月13日までの54日間,この間,給水車3台,連絡車1台,延べ82名の職員を派遣いたしております。
また,応急復旧工事でございますが,1月24日から3月30日までの66日間に,作業車2台,連絡車1台,延べ96人の職員と84人の委託業者,合計180 人の人員を派遣いたしております。
また,要した経費の関係でございますけれども,人件費と物件費で約1億円となっております。また,この財源手当てといたしましては,6年度末に国からの特別交付税措置を含めまして,一般会計から補助金の繰入れを受けておりまして,水道料金収入を使用することなく対応できたものでございます。以上でございます。
◆北川
委員 そういう中にあって,今回はたまたま神戸市が被災しましたけれども,神戸市と同規模の
札幌市が被災した場合,やっぱり同じように,この覚書に基づきまして,当然,他の大都市に対する支援要請をすると思うのですけれども,今後の防災体制,あるいは計画の中で,どのように考えているのかということを1点お伺いしたいというふうに思います。
二つ目は,道内で言いますと,100 万都市
札幌ですから,
札幌を除いた各市町村で災害があった場合,
札幌市として,具体的にどういうふうな支援体制を考えているのか。もちろん,これは財源の問題もありますけれども,できる限り,100 万都市
札幌である
本市が,道内の各市町村で,自治体で何かあったときに,全面的に支援体制をしっかり組むということも大変重要であるような気がしますので,その点についてもお伺いしたいというふうに思います。
◎西口 管理部長
本市が被災した場合の支援体制でございますけれども,被災規模にもよりますけれども,やっぱり道内他都市の応援のみでは困難でございまして,
委員ご指摘のとおり,12大都市の災害相互援助の覚書に基づきます援助の要請を主といたしまして,多くの都市の支援を得る必要があるものと考えております。これらの課題につきましては,現在,全庁的に取り組んでおります防災計画の見直しの中で,支援の受入態勢なども含めて検討を行うことで考えております。
また,道内の他都市が被災した場合の
本市の支援体制についての
お尋ねでございますけれども,
本市の水道局は,日本水道協会の北海道地方支部長を務めておりますことから,道内144 の会員につきましては,同地方支部の相互応援対策要綱に基づきまして支援体制を組むこととなります。
さらに,道外都市の支援を要する場合には,日本水道協会本部とも協議をし,適宜,支援業務を遂行することになろうかと思います。
ただ,残りの道内の非会員,約100 ほどございますけれども,現在のところ,支援体制がございませんことから,今後,北海道と連携をとりながら検討してまいりたいと,このように考えております。
◆荒川
委員 私は,最後に,水道の今回の補正予算の中身であります地震対策のことについて,いまの北川
委員の質問と重複しない範囲で,簡潔に
お尋ねをいたします。