札幌市議会 1994-12-08
平成 6年第 4回定例会−12月08日-04号
議案第7号 札幌市
北方自然教育園条例案
議案第9号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第10号 財産の取得の件(
公園用地)
議案第11号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第12号 財産の取得の件(
住宅団地用地)
議案第13号 市道の認定,変更及び廃止の件
議案第14号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
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〇
出席議員(69人)
議 長 見 延 順 章 君
副 議 長 伊与部 敏 雄 君
議 員 藤 原 廣 昭 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 井 上 ひさ子 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇
欠席議員(1人)
議 員 小 谷 俵 藏 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
助役 石 原 弘 之 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 小 谷 勝 也 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 松 崎 誠 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 前 田 悦 雄 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 山 本 順 子 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 須 合 一 雄 君
選挙管理委員会委員 杉 本 強 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査事務局長 東 山 誠 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 木 村 正 実 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
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〔午後1時開議〕
○副議長(伊与部敏雄君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,64人であります。
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○副議長(伊与部敏雄君) 本日の
会議録署名議員として
三上洋右君,唯 博幸君を指名します。
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○副議長(伊与部敏雄君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(
鍛冶沢徹君) 報告いたします。
小谷俵藏議員は,所用のため本日及び明12月9日の会議を欠席する旨,
見延順章議長及び
八田信之議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届出がございました。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(伊与部敏雄君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第7号まで及び議案第9号から第14号までの13件を
一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,
代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
春原良雄君。
(
春原良雄君登壇・拍手)
◆
春原良雄君 私は,ただいまから
公明議員団を代表いたしまして,当面する市政の諸問題について,数点,順次質問をしたいと思います。
質問に入ります前に,去る11月22日の桂市長の
立起表明を,わが党としては心より歓迎申し上げますとともに,桂市長においては,さきに表明されました人と自然に愛情ある市政,創造へのたゆまぬ挑戦,市民とともに歩む市政の三つの
基本理念によって,21世紀に向けての躍動都市さっぽろのさらなる飛躍を目指すとともに,国においては最近特に
行政改革,
規制緩和,
地方分権等の議論が盛んでありますが,本市においても十分にこれらの対応に意を用い,さらには財源の
効率的活用を図り,行政のかじ取りを望むものであります。今後とも引き続き継続性のある市政の展開を念願していることを,まず申し上げておきたいと思います。
このような観点から,順次質問をしてまいりますので,市長を初め理事者におかれましては,市民の立場に立った前向きの明快なご答弁をお願いします。
初めに,
高齢者福祉問題についてお伺いします。
高齢化の進展は,非常な勢いで進んでおります。65歳以上の
高齢者数が,全人口に占める
高齢化率は,本年4月には,全市で10.6%に,中でも中央区はすでに12.6%に達しているように,本市においても
高齢化の波は着実に押し寄せております。
所得の増加,
医療技術等の高度化,介護の技術や体制の整備が国民の
平均寿命を延ばしており,1975年以降に目立ってきました晩婚化や結婚しない方の増加による
少子化現象が,
高齢化をさらに加速させ,本年11月18日に発表された1994年度の
国民生活白書によりますと,全国の
高齢化率は現在14%でありますが,西暦2020年ころまで急激に上昇し,2040年から2050年にピークの28%に達し,その後は25%程度で安定するとのことであります。実に,国民の3人ないしは4人に1人が
高齢者であるという,世界一の,これまでどの国も経験したことのない超
高齢化社会が出現するのであります。
そこで本市では,本年2月に札幌市
高齢者保健福祉計画を策定し,
高齢化社会に対応するため,平成11年度を目標とした,
寝たきりや痴呆症の方に対する
各種施策を打ち出したものであり,このように
高齢者福祉に多大の力を注ぐことを決断された桂市政を高く評価するものであります。
私は,ここにあらためて,札幌市
高齢者保健福祉計画に基づくホームヘルパーや
デイサービスセンター等の
在宅福祉対策,また,
特別養護老人ホーム等の
施設福祉対策などの積極的な実施をお願いするものであります。
しかし,こうした福祉の充実に伴う膨大な経費の増加を行政がすべて負担することは,きわめて困難なものがあります。
福祉施策であるということで,すべて無料や低料金でやってもらえるという考えでは,これからの超
高齢化社会を乗り切っていくことはできない以上,行政と
受益者とで負担を分かち合っていく必要があるのではないでしょうか。
私は,福祉を充実するには,今後,能力に応じた
負担体制の確立が必要であることを市民に理解してもらわなければ,本当の意味において,活力のある福祉の
まちづくりはできないと考えるものであります。高福祉の実施には,
受益者の
経済的能力に応じた負担が必要であることを広く市民にPRすべきであると思うのであります。
急激な
高齢化の進展は,また一方で,
寝たきりや痴呆症の方ばかりでなく,元気な
高齢者がふえることでもあります。
30年前の全国の100歳以上の長寿者は150人ほどで,これが本年9月1日現在では5,600人となっており,本市の100歳以上の方も36人にも上っております。
元気な
高齢者は,札幌市
高齢者保健福祉計画策定時の調査によりますと,
高齢者数の80%を超えており,現在の
高齢者人口に当てはめますと,実に15万人に近いと考えられます。これからは,15万人ものお元気な
高齢者に対する施策も,これまで以上に重要なものとなってくると思うのであります。
わが党は,これまでにも元気な
高齢者に対する対策について,いろいろな提言を行なってまいりました。
老人福祉センターの日曜開館,
保養センター駒岡の
周辺整備などについて提言し,早速の実現を見たものであります。
本市のお元気な
高齢者に対する対策については,
敬老優待乗車証の交付を初めとし,各区の
老人福祉センター,
老人生きがいセンター,おとしより憩の家,さらに2ヵ所も
老人休養ホームを設置するなど,全国的にも非常に充実したものであると思うのでありますが,今後,急激に増加する
高齢者に対応するためには,より充実した対策を考えなければならない時期に来ているのではないかと思うのであります。
1994年度版の
国民生活白書によりましても,
高齢者の方々は,家でのんびりしたい,長い間働いてきたのだからこれからは何もしたくない,静かに余生を送りたいのではなく,大多数の方は,長い人生に培った知識,経験を生かして,職業や
地域社会への参加により,社会とのかかわりを保っていきたい,何か社会に役立つことをしたいと思っているのであります。また,これからもさまざまなことにチャレンジしたい,仲間と何か勉強したい,若い人とも交流したいと思っているのではないでしょうか。
高齢者のこうした思いは,私は一言で言うならば,
生きがいであろうと考えるのであります。
本市の
生きがいのための施設は,宿泊ができる2ヵ所の
老人休養ホームのほか,
老人福祉センター,おとしより憩の家などがありますが,人気があり,高い利用率となっておりますし,さらには
区民センター,
地区センター,
健康づくりセンター等も大いに利用されているのが実態なのであります。
そこで,今後ますます増加するお元気な
高齢者に対する
生きがい対策でありますが,親睦や研修,会合などが気軽にできる宿泊可能な施設の増設を行なってはいかがかと考えるものであります。
各区に整備されている
老人福祉センターは,日々の暮らしの中に溶け込んだ
日帰り施設であります。しかし,気の合った
仲間同士で,あるいは
老人クラブといった単位で,一,二泊しながらじっくりと
自分たちだけの趣味や勉強を深めたいときに利用できる施設は,市内にも決して多くはないのであります。市設置の
高齢者のための安価な
宿泊施設は,
保養センター駒岡と
ライラック荘の2ヵ所の
老人休養ホームだけであります。
私は,こうした施設がふえれば,家に閉じこもりがちな
高齢者も,仲間と気軽に出かけられる場がふえるばかりでなく,学習や
社会参加への意欲の喚起にもなり,ひいては
寝たきりや痴呆となる人数が少なくなるのではないかと思うものであります。また,
老人クラブの加入率が低調であるとも聞いておりますが,
仲間意識の高まりは,
老人クラブの活性化にもつながるものと考えるのであります。
市が整備することが望ましいのですが,たとえば民間の施設を
割引料金などにより利用しやすくすることや,こうした施設を市外に求めることも検討してみてはいかがでありましょうか。
政令指定都市で
老人休養ホームを設置しているのは,本市を含め5市だけであり,しかも他の大阪や名古屋市では,電車で1時間ほどで行ける市外の温泉地に設置しているのであります。保養,休養を主に考えますと,定山渓の
ライラック荘がありますが,たとえば洞爺湖やニセコといった温泉地や景勝地にある施設との
利用提携を図るなどの工夫を行うことなども,市内の
高齢者には大変喜ばれるものと思うのであります。
今後とも増加を続ける
高齢者に対し,以上の施策を進めていく上での提言としていかがなものか,市長のお考えをお聞かせ願います。
次に,
少子化傾向に伴う
保育対策についてお伺いします。
ことしの第2回
定例市議会において,わが党は,これからの新しい時代に対応した
子育て支援について質問いたしましたが,この問題は重要な問題でありますので,
少子化対策の中でも,特に
保育所機能の拡充について質問したいのであります。
最近,わが国は,子供の数が減少する中で
高齢化が進む少子・
高齢社会を迎えております。とりわけ,
出生数及び出生率の低下には著しいものがあり,本年6月に厚生省がまとめた平成5年の
人口動態統計によりますと,
出生数は118万8,317人と,初めて120万人を割りました。これは,戦後最高の第1次ベビーブームの
出生数の約270万人に比べると半数以下の水準でありますし,昭和41年のひのえうまの年をも下回っているところであります。
また,
合計特殊出生率も低下し,前年の1.50を下回る1.46と,依然として最低の数値を更新し続けているのであります。そして,この傾向は,本市の場合を見るとさらに憂慮すべき状況で,4年の1.27から5年には1.18までにもなっております。
少子化傾向の要因及び少子化が
社会経済に及ぼす影響については,多方面から指摘されているところであり,あらためて申しませんが,21世紀を担う
子供たちが
心身ともに健全に成長していく環境をつくることは,現在の
大人たちに与えられた共通の課題でありますし,着々と進められている
高齢化施策と並んで緊急の課題でもあります。
ちなみに,厚生省の平成4年の第10回
出生動向基本調査によりますと,それぞれの夫婦にとって理想的な子供の数と
予定子供数の間には,常に0.3人から0.5人程度の開きがあるのであります。この調査によれば,5割弱の夫婦が3人を理想としておりますが,その半数は2人の子供を予定しております。すなわち,ここには第3子を持つことをためらう傾向が認められるわけであります。
そして,この理想の子供数を持とうとしない理由というのが,
子育てにお金がかかる,高年齢で産むのがいや,子供の教育にお金がかかるというように,
経済的負担を理由とする者の割合が増加しているとのことであります。また,
社会経済的階層別に見ましても,大都市においては家が狭いという理由が,さらに育児の心理的・
肉体的負担,自分の仕事に差し支えるという理由など,注目すべき結果となっているところであります。
本来,子供の出生や成長は,親にとって,これにまさるものはない喜びでありますし,また,社会にとっても,次代の文化や経済,
社会保障を担う多くの
子供たちが健やかに成長することは,決しておざなりにできない大切な問題であります。
すでに,国におきましては,
子育てを社会的に支援していくための総合的な計画,いわゆる
エンゼルプランの策定に向けて準備を進めているところであり,過日発表された骨子におきましても,
子育てと仕事の両立,
子育て家庭の
経済的負担の
軽減対策の推進など,4本の柱で計画をまとめていくという方向が示されております。
いま,私どもは,この国の動きに対して重大な関心を持っているところであります。いずれにいたしましても,
財源確保のめどが立った段階で,まず国において具体化されることになると思いますが,本市といたしましても,それを受けて,
子育てと仕事の両立を積極的に支援していくべきでないかと思うわけであります。
女性の
高学歴化,
男女平等意識の高まり,さらに
男女雇用機会均等法の施行,
労働基準法の改正などにより,女性の
就労形態や就労時間の多様化が進んでいるのであります。そして,今後においても長期的に
女性就業者が一層ふえることが予想される中で,
子育ての
専門機関であり,かつ
地域社会の貴重な
社会資源として,
保育所に対する期待はこれからますます増大してくると考えます。
本市においては,これまでも多様なニーズにこたえるべく,各種の
保育サービスを実施しているところでありますが,
子育てと仕事の
両立支援を一層推進するという立場から,
保育所機能の拡充について,以下3点お伺いしたいと思います。
まず1点目は,
延長保育についてであります。
厚生省がまとめた
エンゼルプランの骨子におきましても,
保育サービスの充実と題しまして,
共働き世帯の増大に対応し,身近でいつでも利用できる
保育サービスの
供給水準の達成が計画されているところでありますが,この中で,現在,全国2万3,000ヵ所の
保育所のうち,約1割弱の2,000ヵ所にとどまっている
延長保育実施保育所を,平成16年度までに全体の3分の2に当たる1万4,000ヵ所に拡大するという
整備目標が出されております。
本市においては,現在12ヵ所の
保育所においてこの
延長保育を実施しておりますが,利用しやすい
保育所づくりとしては,まだまだ十分とは言えないのではないかと考えております。
今後におきましては,本市において,どのように
延長保育を充実していくつもりなのか,お伺いいたします。
2点目は,
乳児保育の拡充についてであります。
平成4年4月1日には,
育児休業等に関する法律が施行され,1歳未満の子供を養育する
労働者は,子供が満1歳に達するまでの期間,
育児休業をとることができるようになりましたし,明年4月からは,これまで施行が猶予されていた常時雇用する
労働者が30人以下である
小規模事業所についても,この法律が適用されることになっております。
したがって,今後ますます
育児休業制度は普及し,
子育てと仕事の
両立支援も一段と進められていくものと考えているわけですが,一方では,子供を育てながら働きたいと考える方々も依然として数多くあり,また,ライフスタイルが大きく変化している昨今では,
保育所におけるゼロ歳児の保育も大変重要な役割を果たしていくものと考えているところであります。
計画中の
エンゼルプランにおきましては,3歳未満児の受入枠を,現行の2倍である80万人とすることを目標としているところでありますし,また,
男女共同参画型社会への形成に向けて本市がこの3月に策定した第2次札幌市女性のための計画を推進する立場からも,積極的な取組みが望まれると考えますが,今後どのようにこの
乳児保育を進めていくのかお伺いしたいのであります。
3点目は,
駅型保育所についてであります。
保育所に対しては,単に子供を保育するだけではなく,地域の核として,また,
子育ての
専門機関として,近年は非常に期待が多いわけでありますし,
延長保育,
乳児保育を初め,
障害児保育,一時的保育などに見られるように,多様化する
市民ニーズに適切に応じていかなければならないと考える次第であります。
しかしながら,現行の
保育所を利用するに当たっては,居住地と
保育所の位置の問題,あるいは勤務先の問題など,必ずしも親の利便性を満たしている状況とは言えません。
また一方では,就労しながら子供を預ける親の立場からすると,少しでも子供と一緒にいる時間を長くしたい,しかし仕事のことも気になる,これが正直なところではなかろうかと思います。
こうした中で,本年度,厚生省では,300億円の基金で
こども未来財団を創設し,財団の事業として,就労する親が出勤,帰宅時の託児に関するロスタイムを解消し,就労時間の安心を担保する趣旨から,駅またはその周辺において保育する駅型
保育サービスを計画し,全国で8ヵ所の設置を予定しているところであります。
新聞報道を見ますと,通信教育の大手企業におきまして,すでにこの制度を先取りした形で実施しており,札幌市内においても,この制度を利用しての設置計画について動きがあると聞き及んでいるところであります。
駅型保育所については,基本的に,民間レベルでの各種
子育て関連サービスを振興,助成して,
子育て家庭を支援し,健やかに生まれ育つ環境づくりを行う事業と伺っており,大都市における
子育て支援としては,就労家庭などの多様な需要にこたえるものであり,有益なものと考えますが,市長はどのように評価しておられるのかお伺いいたします。
次に,障害児教育についてお伺いします。
本市における障害児教育は,昭和26年,琴似小学校に特殊学級が設置されて以来,年々整備充実が図られ,現在では72の小・中学校に145の特殊学級が設置され,病院に入院している
子供たちのためには,市立札幌病院にひまわり分校,静療院にのぞみ分校が設置されております。
また,養護学校については,病弱児のための山の手養護学校,重度肢体不自由児のための豊成養護学校,知的障害の高等部単独設置校である豊明高等養護学校の3校を設置するとともに,幼稚園においても,全国に先駆けて,昭和49年,すずらん幼稚園に障害幼児を受け入れて以来,17の市立幼稚園全園で障害幼児の教育が行われております。
さらに,平成5年度からは,国において制度化された通級指導教室の整備を,本市はいち早く行い,小学校7校,中学校1校に言語障害,難聴,弱視の通級指導教室が設置され,他の市町村のモデルにもなっていると聞いております。
このように,本市の障害児教育は,子供の障害の種類や程度に応じて適切な教育が行われるよう積極的な取組みがなされてきておりますが,中でも平成4年度の豊成養護学校,5年度の豊明高等養護学校,そして今年度の静療院のぞみ分校の新校舎建築は,子供や父兄はもとより,広く関係者が長年待ち望んでいたものであり,これを実現された桂市長の障害児教育への温かい姿勢と,市教委の熱意,意欲に対し,私は深く敬意を表するとともに,高く評価するものであります。
しかしながら,障害のある
子供たちの多様なニーズにこたえるためには,まだまだ課題が少なくないのも事実であります。
そこで,本市の障害児教育がより一層充実していくことを願う立場から,以下3点についてお尋ねいたします。
まず1点目は,豊明高等養護学校についてであります。
この学校は,昭和52年に豊平小学校の旧校舎を利用して開校されましたが,平成5年,北区の西茨戸に立派な新校舎が建築され,施設設備も近代的なものに生まれ変わりました。学科も普通科から職業科に転換され,定員もそれまでの108人から162人に拡大されました。
私は,住まいの関係から,本校の前を通ることが多いのでありますが,生徒は非常に礼儀正しく素直で,雨の日も雪の日も一生懸命通学しております。そして,生徒と先生が一緒になって紙箱折りをしたり,ビール会社のパレットやコンクリートの平板を製作したり,あるいは校舎内外の清掃をするなど,全身汗にまみれて取り組んでいるのであります。
また,過日の新聞の投書欄に,北区の69歳の主婦が,「豊明高等養護学校の生徒さんと思われる少年がバス停の待合室に入ってきました。そして,隅のくず入れバケツの周りにたくさん落ちていたたばこの吸い殻を素手で集めて,くず入れに入れたのです。私は,はっとしました。その少年は無言でやってのけたのです。私は恥ずかしくなりました。そして,年寄りの私がしないでごめんねと言いながら,ティッシュペーパーを渡しました。」と書いてありました。
私は,裏表のないきれいな心で,何事にも努力を惜しまず,真剣に取り組む生徒の姿に,心を洗われる思いがすると同時に,強い感動を覚えるのであります。この学校の生徒は,適切な教育が行われることにより,職場でもまじめで頑張り屋との高い評価を得ているとのことであり,私は,豊明高等養護学校の教育が,ますます充実,発展していくことを強く願うものであります。
そこで質問でありますが,豊明高等養護学校が普通科から職業科に転換をして,具体的にはどう変わったのか,その効果と今後の課題についてお伺いをいたします。
また,最近の卒業生の進路状況と来年度の新入生の受入態勢についてもお聞かせいただきたいのであります。
2点目は,静療院のぞみ分校についてお尋ねいたします。
静療院のぞみ分校は,プレハブの校舎から,長年の念願であった新校舎がこの春完成し,5月には開校及び校舎落成記念式典が行われたところであります。以前に比べますと,広く明るく温かみがあり,設備も整った夢のような校舎であり,子供の喜びに満ちた顔が印象的でありました。新校舎の建築は,子供はもとより父母,先生,病院関係者,さらには地域の方々も心から喜んでいるところであり,市長の英断にあらためて感謝を申し上げる次第であります。
しかしながら,ただ一つ,この学校に体育館が設置されていないことは残念でなりません。
私は,昨年3月の予算特別
委員会で,のぞみ分校の体育館の必要性と今後の整備計画についてお伺いいたしましたが,市教委から,体育館は指導上必要な施設と考えており,関係者と協議を進めたいとの答弁をいただきました。
私は,静療院に入院している子供の症状や障害の状況から考え,思い切り体を動かしたり,十分に走り回ったり,跳んだりさせ,子供の心の解放をさせることが何よりも大切であり,のぞみ分校であるからこそ体育館はなくてはならない施設と考えるのであります。障害児のさまざまな困難や不自由な状態を少しでも改善していくことが,一般社会の人々の責務であり,私は,のぞみ分校の
子供たちのために,体育館の設置を強く望むものであります。
そこで,体育館の設置について,その見通しと市教委の考え方について,お聞かせいただきたいのであります。
3点目は,市立札幌病院ひまわり分校についてであります。
東米里小・中学校ひまわり分校は,市立札幌病院に入院している児童・生徒のための病・虚弱特殊学級であり,昭和48年に開設されたものであります。それまでは,長期入院加療中で就学できない児童・生徒は,就学猶予または免除となっておりましたが,教育の機会均等を保障し,教育の空白を防ぐという観点から設置されたと聞いております。
この学校は,病気やけがなどで入院している小・中学生に対し,病院と密接な連携を図りながら,適切な生活指導と効果的な学習指導を行い,自分から積極的に生きていこうという意欲を持たせるよう,細かな配慮のもとで教育が行われております。現在,市立札幌病院の1階部分におよそ283平方メートルの教室が設置されておりますが,狭隘なため,十分な教育活動が困難であるとも聞いております。
そこで質問でありますが,現在,JR桑園駅の北側に建設中の新しい市立病院の中に,ひまわり分校の施設をどのように計画しておられるのか。また,入院中の子供を対象にしていることに伴う特別な配慮についても,あわせてお示し願います。
次に,茨戸川緑地の整備計画についてお伺いします。
私は,環状夢のグリーンベルト構想区域の八つの緑地のうち,特に北部緑地の整備計画については,これまで当地域の将来のあり方など,提案を含め機会あるごとにその所見を述べてまいりました。
ご承知のとおり,北区の北部地域は,その昔,札幌扇状地先端部の低地として広がり,泥炭地上に札幌北部の湿地帯を形成していました。また,当時は,泥炭地の湿潤な土壌を好むハンノキとヨシの群落,あるいは周辺のヤチダモ群落が特徴的に立地していたようであります。しかしながら,近年の都市化の波とともに地下水の状況も変化し,北部の泥炭地域は乾燥化し,植生の分布にも変化を来たしており,いまやその面影の多くは見受けられなくなりました。
一方,市街地においては,急速な市街地の拡大により,その変化は著しく,都市施設の整備は他区よりおくれ,特に,公園・緑地においては,北区の都市公園面積は全市平均に比較すると1人当たり面積が最小であり,また,街路樹の本数は最大ではありますが,あいの里地区に集中しており,他の地域では街路樹密度が低いなど,全体として面的な緑地空間が不足している状況にあります。
私は,これらの状況を踏まえ,早急な都市整備の推進を図るとともに,これからの北区の
まちづくりに当たっては,同区で策定した北区
まちづくり構想“北区ヴィジョン21”にあるような視点が重要であろうと考えるものであります。
その構想の一部を引用いたしますと,「北区における体系的な緑地の配置は,芒洋とした平坦な地形条件や数多くの河川が流れる環境条件から特徴づけられる北区の資源性に着目して行われる必要がある」また,「各々の緑地に北区の地域性を表出する理念的な背景については,
まちづくりのテーマ“歴史と文化の
まちづくり”を踏まえ,北区を構成する各地区の歴史的な成立ちなどを掘り起こし,将来にわたる北区民の生活文化の創出に役立てることを主眼とする。具体的には環状緑地構想を上位計画としてさらに既成市街地へ連続的な緑地空間を導きいれるため,特徴的な面的緑地と線的緑地とによる水と緑のネットワークを構築することが望まれる」とあります。
そこで,具体的に面的な緑地としては,環状夢のグリーンベルト構想において位置づけられている発寒川から茨戸川を経て石狩川に至る北部緑地を,線的な緑地としては,各河川を骨格的な位置づけとして整備し,その水辺を区民に開放することにより,市街地に潤いをもたらすことが可能となります。
さらには,歴史的に北区の発展を阻害してきた水害の克服がほぼ完成を見ようとしている今日,これらのことが大きな意味を持つのではないでしょうか。
そのためには,市街地を流れる河川は,水質の向上と保全に努めると同時に,よりアクセスしやすい工夫を施し,河川用地や洪水調整池の積極的な緑化と,公園的な整備によるオープンスペースとしての活用を図ることが重要であると思うのであります。
さて,いま述べてきた北区の
まちづくり構想の中のキーワードである水と緑のネットワーク,特に規模的にも内容的にも大きなウエートを占める茨戸川緑地の整備計画について,何点かお伺いしたいのであります。
まず1点目でありますが,茨戸川緑地は,言うまでもなく環状夢のグリーンベルト構想北部緑地に位置し,水面を含めた対象面積は相当大規模なものであると伺っており,これは単に北区という地域に限定されるものではなく,全市的な財産でありましょう。また,整備年数からしても,次世代へ受け継がれていく長期にわたるプロジェクトとなるものと思われます。
そこで,茨戸川緑地の整備は,北区の
まちづくりにとっても重要な緑地であることから,この北区
まちづくり構想“北区ヴィジョン21”との整合をどのようにとっていくお考えか,お伺いしたいのであります。
2点目は,平成2年度より茨戸川緑地構想等整備計画の策定が始まり,関係機関との検討調査が進められているとのことでありますが,現在の進捗状況,そして,計画の公表の時期についてお伺いしたいのであります。と申しますのは,前段で述べてきました北区の
まちづくりの観点から,多くの区民の期待も高く,早く公表してこれらの意見も十分盛り込んだ内容のものとしていただきたいからであります。
3点目ですが,私は,この茨戸川緑地における将来の完成イメージとして,豊富な緑の復活,また,多くの動植物との共生,そして,豊かでダイナミックな水面と背景にある雄大な山々の風景を生かした大緑地が浮かんでくるのであります。そこに,子供も大人も楽しめる水辺を活用したレクリエーション施設,あるいは動植物をゆっくり観察できる施設等々,雄大な北海道らしい大きな夢がさらに膨らむ計画とすべきであると思います。特に,最も特徴となる水面については,船を浮かべ,雄大な景色を楽しみ遊覧することに利用してはいかがかと思うのであります。
私は,これまで北海道開発局に対して,この北区の直轄河川を利用した市民のレクリエーションのための船の運航について,その施設等の設置要望を再三行なってまいりました。現在,この要望の一部が取り入れられ,札幌市と開発局が共同で整備を進めている創成川緑地において,石狩川開発建設部が皇太子ご成婚記念事業として船着場をつくっております。これからは,この施設を活用して,創成川,伏籠川,発寒川,そして茨戸川と船の運航による連絡が可能となってまいります。
そこで,この茨戸川緑地の整備の中に,果たしてこのような計画を盛り込むことが可能かどうかお伺いしますとともに,ぜひ実現に向けて,関係機関への働きかけを要望するものであります。
次に,交通事業についてお伺いいたします。
去る10月14日,市民待望の地下鉄東豊線延長部が開業し,利用者数も1日平均6万人の増加となり,ほぼ計画どおりの結果と聞いております。経営の立て直しを進めております交通事業にとりまして,東豊線の需要の動きは,今後の交通事業に大きな影響があるものと,市民もその状況に注目していたところであります。今後,利用者数の伸びる冬季に向いますことから,さらに増加が見込まれ,今年度の計画数6万人増は確保されているものと考えております。
しかし,地下鉄南北線,東西線,バス,電車など,交通事業全体としては,依然として利用者の減少傾向が続いているのが実情であります。こうした利用者の減少は,平成4年度の健全化実施以来続いており,交通事業の経営に深刻な打撃を与えているものと考えます。
交通局では,職員削減計画を大幅に繰り上げて実施するなど,経費の切詰めで何とか経営健全化計画を支えていますが,経営の基本は料金収入であり,利用者数の減少傾向に歯どめをかけ,増加に転じさせることが何としても必要であります。
そこで,この伸悩みについてでありますが,私は,市営交通の料金の割高感が最大の要因であると考えます。特に最近は,JRが都市内交通機関としての機能を高めており,さらにJRの料金が市営交通に比べ大幅に低廉であり,加えて住宅地の開発がJR沿線で多いことから,利用者数は元年度から見ましても前年比で5から10%の増加を示し,市営交通と対照的な状況となっております。
市営交通は独立採算で運営することが法律で決められており,原則として,運行にかかわる経費を料金収入で補てんしなければならないものであります。したがいまして,地下を走行する地下鉄の維持管理費がJRより高くなり,そのために地下鉄の料金がJRよりも高くなるのを理解はしていても,市民の日常の足としては,現状でも決して安くはないと多くの市民が思っております。
そこで,料金改定の時期についてご質問いたします。
現在進めております交通事業の経営健全化計画では,料金改定を平成4年度から3年ごとに行うこととなっております。現在の料金は平成4年4月に設定したものでありますので,したがいまして,この計画では,平成7年4月に改定することとなります。需要が低迷している中では,この料金改定を計画どおり実施していくことが,交通事業を維持するために非常に重要と考えますが,一方では,ただいま申し上げましたとおり,現状でも割高感があるのに,これ以上の値上げを行なった場合は,ますます利用者離れが進むのは必至であります。
また,政府においても,公共料金の値上げについては,市民生活に与える影響が大きいことから,これまでにない慎重な姿勢を示しているところであり,実施時期についても,極力調整するとの閣議了解がなされたところであります。
こうした状況から,市営交通の料金については,経営健全化計画の確保を考慮の上で,可能な限り改定の時期を先に延ばすべきでないかと考えるのでありますが,市長のお考えをお伺いしたいのであります。
次に,北区の
まちづくりについてお伺いします。
北区を中心とした本市北部地域は,平たんで水の利に富むといった古くからの恵まれた環境により,本市の中でも最も早い時期に開拓のくわが入れられた歴史ある地域であります。近年,こうして開拓された農地の多くは宅地として開発され,これに伴う道路や公園等といった都市施設の整備が進められております。また,今後はさらに,土地区画整理事業や開発行為等による市街地の拡大等が予定されるなど,当該地域を取り巻く環境は大きく変貌を遂げようとしております。このため,こうした環境の変化に対応した
まちづくりを展開するためには,効果的な都市基盤の整備や良好な
まちづくりへの誘導等,行政の担う役割は非常に大きいものと考えます。
そこで,まず,
まちづくりに関連した交通対策について,2点ほどお伺いします。
北区を含む本市北部地域の交通体系は,現在,大量輸送機関としてJR札沼線が南北に走り,地下鉄は南北線が麻生駅まで,東豊線が栄町駅まで,それぞれ整備されております。また,道路網としては,幹線道路として創成川通,東15丁目・屯田通,西5丁目・樽川通等が一部未整備区間を残して整備されており,これらの幹線道路を中心に,市営バスと中央バスの2社によるバス路線が運行されております。
しかしながら,近年のモータリゼーションの進展や急激な市街化の拡大等に伴う交通需要の増大から,北区においても一部の幹線道路で交通渋滞が発生し,特にJR札沼線との踏切部では,踏切の遮断による朝夕のラッシュ時の混雑が著しく,バスの定時性や速達性を損なうなど,問題を引き起こしております。JR札沼線については,平成5年度より,本市も事業費の一部を負担する形で複線化事業による輸送力の増強を図っており,事業完了予定の平成11年以降には,現行の片道1時間当たり3本の列車本数が,ピーク時には最大7本にふえるなど,沿線住民の利便性向上が図られるものの,その反面,創成川通以北の高架化されない踏切では,交通渋滞がより一層激しくなるものと懸念されております。
また一方では,屯田中部地区及びその周辺での区画整理事業や,篠路地区での大規模な住宅団地の造成事業など新たな市街化区域の拡大や,茨戸地区等に見られるレクリエーション施設の利用,さらには,本市に隣接する石狩町での上花畔団地の造成事業等により,交通需要が今後ますます増大するであろうと考えられるのであります。
こうしたことから,将来の交通需要を円滑に処理するに当たっては,市街地の拡大等に対応した幹線道路網の整備を早急に図るとともに,大量輸送機関である地下鉄やJRを主軸として,あわせてバス路線網の整備を図るなど,大量輸送機関とバス路線とが効果的に機能するネットワークづくりが必要と考えます。たとえば,北区方面から東豊線の栄町方面へのバス路線を例に取り上げますと,この方面は幹線道路網が十分に整備されていないため,地下鉄駅へ連絡するバス便数が,麻生駅の1日当たり約1,400便に対し,栄町駅ではその3割の約210便しかなく,多くのバス路線が南北線麻生駅に集中し,駅周辺道路での交通混雑を引き起こす一因にもなっております。そこで,公共輸送機関の適切な輸送分担を図るためにも,幹線道路網の整備とあわせて,東豊線栄町駅に連絡させるバス路線の効率的な再編成を行う必要があるものと考えます。
また,バス路線の受皿として,JR札沼線の複線化による輸送力の増強に対応し,早急に結節点となる駅前広場等の整備に取り組むべきものと考えるものであります。冬季間バス輸送の定時性確保が難しい状況では,都心部に直行するよりも,こうした大量輸送機関との連携強化が今後ますます求められてくるものと考えられますし,また,こうしたバス利用者へのサービス向上が,バス利用への転換による自動車交通の抑制にもつながり,これによる良好な交通環境の形成が図られるものと考えるのであります。
そこで,質問の1点目についてでありますが,北区の交通対策として,今後とも増大が予想される交通需要に対応するため,地下鉄及びJRの大量輸送機関とバス路線網とが効率的に連絡された交通ネットワークづくりに取り組むべきであると考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。
また,さきに述べたJR札沼線については,複線化事業が完了しても,列車自体は依然として現行と変わらぬディーゼル車の利用が予定されていると聞いております。このように,幾ら複線化事業により列車本数の増加が図られたとしても,実際に利用客を運ぶ車両自体が旧態依然としてディーゼル車のままでは,都市交通機関としての速達性を求めるという観点から,その恩恵も半減してしまうのではないでしょうか。
そこで,質問の第2点目ですが,JR札沼線については,複線化事業による輸送力の増強とあわせ,都心部への到達時間が少しでも早くなるよう車両の速度アップを図るため,電化を推進する必要があると考えますが,これについて市長のお考えをお伺いいたします。
次に,篠路地区の市街地整備についてお伺いいたします。
北区全体の
まちづくりについて考えたとき,交通ネットワークの整備とともに,その結節点となります地域拠点の整備がきわめて重要となります。特に,地域交通体系の根幹をなす札沼線の基幹駅周辺の
まちづくりは当然大きな課題となってまいります。その中でも新琴似駅,篠路駅周辺地区は,歴史的に見ても地域の核として発展してまいりましたが,地区周辺の
まちづくりの進展にもかかわらず,土地利用の転換もおくれており,その利便性が十分に活用されていない状況にあります。
そこで,このたび隣接地区で大規模な住宅団地の着工が決まり,地域整備が望まれているJR篠路駅周辺地区の市街地整備についてお伺いします。
当地区は,篠路地区の中心地として,JR篠路駅,道道花畔札幌線を核に,古くからの街並みが形成されてまいりましたが,現在では,駅も老朽化し,自動車社会に対応した幹線道路の整備も十分でなく,また,地域中心核として望まれる機能集積がなされないままになっております。
平成3年に,地元の篠路駅周辺活性化促進期成会が実施した地域住民に対するアンケート調査によりますと,次のような点が主な意見として挙げられております。
除雪,歩行者対策に視点を置いた道路整備,文化・集会施設整備,商業施設の充実,環境や生活面での潤いも配慮した駅を中心とした都市開発,また,神社,倉庫群,樹木等歴史的遺産の保全と活用をするなどであります。さらには,JR札沼線により分断されている東西地域の一本化を求めてJR札沼線の高架化,または横新道の平面のままの拡幅整備が地元の声としてあることを指摘しておきたいのであります。
私は,篠路の歴史と新しい活力が共存する
まちづくりを目標に,具体的には,駅周辺の未利用地の開発,新規住宅団地との連絡道路や区画道路の整備,横新道等の拡幅整備により必要となる商店街の振興・再生,旧琴似川を生かした水や緑など,潤いの創出などを目指して篠路地区の
まちづくりを進めるべきものと考えるのであります。
また,これらの課題解決に向けて,行政と地域がそれぞれの役割分担を果たしながら一致協力して進めなければ,活力と個性ある篠路の
まちづくりは実現しないものと考えるのであります。
そこで,篠路地区の市街地整備を進める上で,まずは行政が具体的な整備計画を策定し,地域の方々と意見交換を行い,その実現に向け,理解と努力を得る必要があると考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。
また,地域課題解決の手法については,単なる公共施設の個別的整備ではなく,新規住宅団地の開発との連携を図りながら,駅周辺の既成市街地の再開発を含む一体的面整備が必要ではないかと考えるものであります。
そこで,面的整備手法,たとえば,本市の
まちづくりにおいて最も実績のある土地区画整理事業を当地区に導入するのがふさわしいのではないかと考えますが,あわせてお伺いいたします。
以上で,私のすべての質問を終了いたしました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,数点お答えをいたします。
まず,第1点目の
高齢者の保養施設についてでございますが,
高齢者の80%以上を占める元気な方々のための施設であります現在の
保養センター駒岡と
ライラック荘の二つの施設の利用度はきわめて高く,
高齢者が今後ますます増加していく中で,これだけでは対応できない状況になろうと考えます。
そこで,ご提言の中にもございましたように,
高齢者の
生きがいの増進や積極的な
社会参加を促進するために重要な役割を果たしております保養施設につきましては,今後は民間施設のご協力もいただけるようにするなど,その増設について検討してまいりたいと考えております。
次に,
少子化傾向に伴う
保育対策についてであります。
1点目の
延長保育の拡充についてでございますが,本市では,従来から
延長保育を初め,夜間保育,
障害児保育,
乳児保育といったような,多様な需要にこたえるべく努めてきたところであります。ご指摘のとおり,
延長保育の拡充については,国において検討されている
エンゼルプランで,少子化に対応した
子育て支援対策の一環として,最終的には全国で1万4,000ヵ所,都市部では全園の実施を目標とするとされております。本市におきましては,保育需要の動向を把握しながら,順次拡大してまいりたいと考えております。
2点目は,
乳児保育の拡充についてであります。
本市におきましては,増大する
乳児保育の需要にこたえるべく,これまでも施設の整備にあわせて乳児・幼児の併設化を進めるとともに,産休明け保育についても,平成元年度末の16園から本年度における56園と,その拡充を図ってきたところであります。今後におきましても,十分保育需要を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
3点目は,
駅型保育所についてであります。
ご質問のとおり,駅型
保育サービスは,ターミナル駅や通勤に便利な不特定多数の企業が入居するオフィスビルなどに設置する保育施設に対し,日本経営者団体連盟などが主体となって創設した
こども未来財団が助成する制度であって,公的なサービスでは対応しがたいサービスを,民間の創意工夫により支援しようという趣旨で,本年度,財団において予算化された事業であります。
私といたしましては,共働き家庭等にとって利便性が一層確保され,また,
子育てに対する負担軽減も図られ,さらには,多様な保育需要に対応する選択肢の一つとして期待をしているところであります。
次は,交通事業について,私からお答えをいたします。
料金改定の時期についてでありますが,現在進めております交通事業の経営健全化計画では,利用者の皆様にお願いをします料金改定を,平成4年から3年ごとと設定しておりますので,平成7年が一応の改定の時期となっております。この経営健全化計画につきましては,現在のところ,経費の削減等によりまして計画を上回る執行状況となっておりますが,今後もこの計画を確実に進めるためには,料金改定を適切な時期に行う必要がございます。
また,この料金改定に当たりましては,ご質問にございましたような公共料金値上げについての国の慎重な姿勢も考慮しなければならないところでございます。
こうしたことから,7年度中の料金改定を検討しているところでございますが,今後,しかるべき時期に,議会にも諮りながら決定してまいりたいと考えております。私からは以上であります。
○副議長(伊与部敏雄君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 北区の
まちづくりについて,私からお答えを申し上げます。
第1点目の交通ネットワークづくりにつきまして,本市は,これまで大量輸送機関とバスとの効率的な連絡を図る総合的な交通体系を確立し,円滑な都市交通機能を確保することを基本方針として,その推進に努めてきたところでございます。
そこで,北区につきましては,平成4年度から2年をかけて実施した北部地域交通計画調査においても提言されておりますが,バスとJR,地下鉄との連携のとれた輸送体系をつくるため,JR篠路駅,新琴似駅での駅前広場整備や,バス路線網となる東15丁目・屯田通や篠路通などの幹線道路の整備促進に向け努力してまいりたいと考えております。また,これらにあわせて,地下鉄栄町駅への適切な輸送分担を図るバス路線網の再編成や,バスの走行環境改善策として効果のあるバスレーンの導入など,公共交通網の充実をさらに推進してまいりたいと考えております。
次に,2点目のJR札沼線の電化につきましては,北海道地方交通審議会の平成2年の答申にも,中長期的には沿線の開発状況等を勘案しつつ,電化の検討を行う必要があると示されておりまして,本市としても,車両のスピードアップは利用者の利便向上にも資することから,今後,事業主体であるJR北海道に対し,札沼線の電化について働きかけてまいりたいと考えております。
2点目のJR篠路駅を中心とした篠路地区の市街地の整備についてお答えいたします。
ご指摘のとおり,当該地区は,北区北部地区の地域中心核としての整備がおくれているのは事実でございます。また,篠路住宅団地造成やJR札沼線の複線化などにより,ますます当該地区の整備の必要性は高まってきております。そのため,周辺住宅地との調和を図りながら,道路,広場,河川などの公共施設整備とともに,駅を中心とする再開発や商業振興により,にぎわいや潤いのある生活都心づくりを進めるための構想策定に取り組んでまいりました。
今後,この構想を踏まえ,さまざまな地域課題の解決を図りながら市街地整備を進めるためには,お話にもございましたが,土地区画整理事業が適切であろうと判断をいたしておりますので,地域の方々のご理解とご協力を得ながら,平成7年度に,具体的整備計画策定のための調査に着手したいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 石原助役。
◎助役(石原弘之君) 私から,茨戸川緑地の整備計画についてお答えをいたします。
まず第1点目は,北区
まちづくり構想との整合についてであります。
茨戸川緑地は,環状夢のグリーンベルト構想における北部緑地を構成する拠点的な位置にあり,その雄大な水面は,本市の数少ない水辺のレクリエーション空間としても貴重なものでございます。したがいまして,北区民の意向を反映した北区
まちづくり構想を十分生かしながら整備計画を策定してまいりたいと考えております。
2点目の構想等整備計画の進捗状況と公表の時期についてでありますが,現在,茨戸川の自然を生かした市民の憩いの場としての整備構想について,関係機関との協議に入ったところでございます。今後,近隣自治体との協議,地権者との折衝等の推移を見きわめつつ,適切な時期に計画を公表してまいりたいと考えております。
3点目の水辺を利用した施設と船の運航の可能性についてでありますが,茨戸川の自然環境と調和させつつ,水郷の風情を生かした船の運航は,非常に魅力的な市民のレクリエーションの場となるものと思われます。船の運航につきましては,河川管理者である北海道開発局の所管でもあり,ご提案の趣旨を踏まえ,今後開発局に働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 障害児教育について,私からお答えをいたします。
1点目の豊明高等養護学校についてでございますが,昨年度,校舎の新築に合わせて,木工,産業,工業,家庭及びクリーニングの5学科に転換し,教職員の配置とともに施設・設備の充実を図ったところでございます。このことによりまして,一人一人の生徒の能力や適性に応じた学習が可能となり,これまで以上に意欲的に作業に取り組む姿が見られます。今後とも,生徒の
社会参加,社会自立を一層確かなものにするため,新しい作業の種類に対する指導法の工夫・改善や教師の専門性の向上等に努めなければならないと考えております。
最近の卒業生の進路状況につきましては,おおよそ3分の2の生徒が食品加工やクリーニング,木工業などへ就職し,3分の1の生徒が小規模授産所などへ通所しておりますが,職業科に転換したことにより,今後さらに職場の拡大がなされるよう期待しているところでございます。
また,来年度の新入生の受入態勢でございますが,1間口につき1名ずつ定員をふやし,あわせて,これまでの54名から60名に拡大することとしております。
2点目ののぞみ分校の体育館の設置でございますが,市教委といたしましては,児童・生徒の指導上,ぜひ必要な施設と認識しており,今後とも,病院や関係部局と協議し,設置に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
3点目のひまわり分校についてでございますが,新築中の市立札幌病院におきましては,入院している子供が通いやすいように,小児病棟と同じ3階部分に設置することとし,現在のおおよそ2.5倍となる705平方メートルの施設を整備する計画でございます。具体的には,普通教室6教室のほか,特別教室及び多目的ホールなどを設置し,教育環境の一層の充実を図る予定でございます。また,車いすでも使用できるトイレや,子供が落ちついて本を読むことができる図書コーナーを設置するなど,全体の雰囲気を明るく温かみのあるものにするよう配慮してまいりたいと,このように考えております。以上です。
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時7分
再 開 午後2時40分
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○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。佐々木 肇君。
(佐々木 肇君登壇・拍手)
◆佐々木肇君 私は,ただいまから自民党市民の会を代表して質問を申し上げますが,桂市長におかれましては,去る11月22日,次期市長選への出馬を表明され,大変心強く,また,これをご支持,ご支援申し上げる立場から,率直かつ市民的立場に立ってご質問を申し上げますので,何とぞ積極的なご答弁を期待するものであります。
まず,国際都市さっぽろの魅力づくりについてであります。
本市は,昭和47年のオリンピック冬季大会を一大契機として,著しい発展,成長を遂げました。オリンピックに向けた集中的な公共・民間投資を背景とし,本市人口も,このころ毎年約5万人ずつふえておりました。このため本市は,昭和46年,初めて長期総合計画を策定し,これに基づき,急速な人口増加に対応する都市基盤の計画的な整備を進めてまいりました。しかし,経済社会環境の著しい変化の中で,とりわけ国際化を初め,情報化・技術革新の進展,
高齢化の進行等は都市の盛衰を大きく左右し,地方独自の発展方策を積極的に模索し,努力を重ねなければ都市間競争に生き残れない状況になっております。
札幌市は,これらの潮流に積極的に対応することを明確にし,21世紀初頭を目指して,「世界に結ぶ」「北の都市機能を創造する」「先駆的な実験を継続する」という三つのテーマを定めて,着実に
まちづくりを進めております。
いま,国際都市さっぽろの将来方向を考えますと,国境を越えた解決を要する地球環境問題への対応,あるいは環日本海経済圏を初めとする国際経済地域ブロック化への対応など,近年の大きな課題には世界的な視野が必要とされており,国際的な変化に一層積極的に対応していかなければなりません。
本市の国際交流の状況を振り返りますと,これまで本市は,ポートランド,ミュンヘン,渚陽,ノボシビルスクとの間の姉妹友好都市交流の継続実施に加え,北方都市市長会議を基軸とした北方圏交流を行なってまいりました。昭和57年に本市が提唱し,スタートした北方都市会議は,昭和63年エドモントン会議から経済交流の拡大を目指し,国際冬の見本市も開催しているほか,一昨年のモントリオール会議ではユネスコの後援を受け,この会議がユネスコ活動の一環として位置づけられております。本年のアンカレジ会議では,北方都市市長会議として,実効的な情報交換の場に再構築されたのでありますが,このような都市間の国際的なネットワークの構築は,わが国でもたぐいまれな,先進的な取組みとして高く評価されております。
私は,その一方,新たな時代に向けて国際都市さっぽろとして,アジア・太平洋地域との交流拡大もより積極的に図っていくべきと考えます。
本市を代表する国際イベントであるさっぽろ雪まつりには,東南アジアから,毎年実に多くの観光客が訪れております。寒さや雪は,南の人々にとってはあこがれの対象であり,アジア・太平洋地域と北海道を結ぶ貴重な資源にもなっているのであります。
現在,本市は,アジア留学生への交流支援を初め,中央・東南アジア研修生に対するJICA研修事業などを推進しておりますが,今後,本市は,北方圏とアジア・太平洋地域との接点という地理的な特性を十分に発揮し,世界に貢献する都市として,南十字星に対比したノーザン・クロス交流,これを一層進めていくべきと考えるのであります。
さて,国際交流の基盤となるべき都市づくりの現状に目を転じますと,札幌方式と言われる国際交流,コンベンション,市民協力のこの三つのシステムで進められている札幌国際プラザの事業展開が注目されます。
また,昭和63年には,国際コンベンション都市,本年10月には,国際会議観光都市の指定を受けました。あわせて,国際観光モデル都市としての整備,新千歳空港の建設促進と国際化の推進,札幌芸術の森,札幌テクノパーク,天神山国際ハウス,JICA国際研修センター,そして国際ゾーン構想の推進など,国際交流のための基盤も年を追って充実してきております。
私は,環境と共生し,多様な価値観,創造活動に基づき,そこから生まれた知恵や技術,文化を世界に発信し続ける国際社会の知恵と情報の拠点都市,これこそ札幌の目指すべき21世紀の姿ではないかと思っているのであります。そのためには,解決すべきさまざまな問題があります。
一つには,札幌から世界に向けて発信できる情報を創造していく,そういうことのできる情報発信都市づくりであります。たとえば,現在の本市の克雪・寒冷地対応の技術水準は非常に高く,除排雪の効率化,雪処理技術を初め,冬季路面処理技術などは世界でもトップクラスにあり,北方都市市長会議などを通じて,国際的に情報を発信しているところであります。しかし,
高齢者や障害者などハンディを背負っている市民が厳しい冬を快適に暮らせるような生活関連技術については,開発の余地が多く残されていると思われるのであります。したがって,冬の都市としての
高齢化に対応した
まちづくりは,北方圏世界の先例となり得るのであります。
また,産業技術に目を転じますと,情報基地の処理能力及びソフトウエア技術の向上を背景として,本市においても,近年の情報通信技術水準の高まりには目覚ましいものがあります。次の時代のリーディング産業ともなるこの分野の育成に向け,積極的な支援,PRの必要性を感じているのであります。
二つ目には,国際交流のステージづくりであります。
経済交流につきましては,姉妹都市間,北方都市間の交流のほか,国際見本市の継続的な開催,さらには世界貿易センター設置構想の推進など,発展的に進められてきております。国際的な市民交流の中でも,特にスポーツや芸術文化の分野は,市民が国際的にも直接にその能力を発揮できるものであります。社会体育・社会教育的な考え方を一歩高めて,世界に通じる能力の研さん,世界に向けた能力発揮の場とする視点と,その環境づくりが必要と思うのであります。大倉山シャンツェなどがそのよい例でありましょう。
三つ目は,都市のデザイン化を含めた質の高い都市環境の形成であります。
真の国際都市とは,すべての市民が住みよく,また,誇りを持てる都市であります。このような観点に立ちますと,都市環境の整備に当たっては,風土特性に根差した環境デザインの形成,個性豊かで伸びやかな市民の創造性をはぐくむ舞台の形成が必要と考えるのであります。
そこで私は,国際都市さっぽろの将来方向と魅力づくりについて質問をいたします。
質問の1点目は,本市の国際化に対しての市長の基本姿勢についてであります。
今日における経済のボーダーレス化など,さらなる国際化の進展に対し,本市も一層積極的に対応をしていく必要を感じているのでありますが,このような情勢において,国際交流の推進に当たって,桂市長は今後どのような姿勢で臨まれるのか,まずお聞かせ願います。
質問の2点目は,さきに述べましたような,真の国際都市となるための魅力づくりへの取組みについてであります。
世界に誇り得る美しい風格ある街並みの形成も,国際都市にふさわしい質の高い都市環境の形成につながるものと思われます。本市面積の6割以上を占める山並みは,札幌の都市景観の背景を描いております。本市の街路の幅員は概して広く,また,豊平川を初めとする美しい河川があり,北の大地と空間的なゆとり,そして開放性も感じられます。こうした広々とした都市空間を十分に生かしながら,質の高い環境整備を進めることによって,伸びやかで創造性豊かな市民がはぐくまれ,広く世界と結ばれた豊かな交流あふれる札幌市が実現すると考えるのであります。
桂市長におかれましては,今回の
立起表明で,世界と結ぶ心ときめく街さっぽろを施策の一つとされており,また,都市景観行政を積極的に推進されるようにお聞きしております。都市のデザイン化や都市景観の形成一つをとりましても,新たな時代に向け,国際都市さっぽろとして,この魅力を高めることについて,先ほど私が申し上げました三つの課題などに対し,市長はどのような取組みを考えておられるのかお伺いをいたします。
次に,先端技術産業の振興と中小企業人材育成センターの建設についてお伺いいたします。
「その国の活力の源は製造業の発展にある」また「商業は都市の顔,工業は都市の力である」という言葉に照らし合わせて札幌市の経済状況を見ますると,第3次産業に特化した本市の産業構造をより足腰の強いものにしなければならないと,まず考えます。このためには第2次産業,中でもすぐれた物づくり,価値ある物づくりによる工業の活性化が何にも増して重要であります。
そこで,本市工業の特徴を見ますと,地域需要に対応した都市型軽工業が中心でありますが,近年の技術革新や情報化の進展する中で,地元製造業においても,新技術・新製品開発への取組みが強く求められており,本市製造業全体の高度化,高生産性化を進める上でも,先端技術産業の果たすべき役割はきわめて大きいわけであります。
申し上げるまでもなく,本市では,こうした時代の要請にこたえて国に先駆けてテクノパーク,ハイテクヒル真栄の建設を進め,道内外の先端技術を持つ企業の立地を多く進めてきたことは十分承知いたしております。
ただ,本市の場合,先端技術と申しましても,主としてコンピューターの利用・応用に関する技術の集積であることが特徴であります。これらの技術を持つ情報関連企業は,進出企業や地場産業,さらにはベンチャー企業を合わせると,昭和50年代から現在まで約300社を超える事業所数にも上っており,全国で5番目の集積を誇っているものであります。
また,売上高につきましても,このほど北海道通産局がまとめた北海道情報処理産業実態調査によりますと,平成5年度には,札幌圏で約1,400億円を超える売上げ規模になっており,食料品製造業,出版・印刷業の出荷額に次ぐ規模にまで成長いたしました。しかしながら,その内訳を見ますと,従業員20人未満の企業が59%と,まだ
小規模事業所の割合が大きく,近年はその成長が減速し,厳しい状況に直面しており,経営基盤の強化への支援策が望まれているところであります。
また,コンピューターに関する技術の進展が他の技術分野に比べて急速に進展していることから,他の業種にも増して,その技術対応にも苦慮していると推察されます。
そこで,情報産業の振興に関連して,次の3点についてお伺いいたします。
まず1点目は,情報産業の人材の育成についてであります。
情報産業における人材不足については,銀行の第3次オンラインを初めとした大型システム開発などの開発需要に支えられ,大きな課題となっていたものの,その後の景気後退や開発手法の変化などによる受注減から,やや緩和の状態にあります。しかし,開発手法の大きな変化などに対応し得る高度な技術力を持った技術者は,依然として不足しているのが実態であります。
そこで,新たな技術に対応した人材の育成について,さらに力を入れていくべきと考えますが,札幌市としてどのように対処していくのか,基本的なお考えをお聞かせ願います。
2点目は,さきに述べましたように,著しい技術の進展や厳しい経済情勢の中で,経営者の方々はそれぞれ生き残りをかけて自助努力を進めておりますが,中小規模の事業所の多い本市情報産業の実態をかんがみて,個々の企業の努力だけでは解決できない課題も多く存在すると思うのです。
そこで,経営基盤強化のための相談指導,そして大学研究機関などとの技術交流の拠点づくりが必要ではないかと考えますが,市長の考えをお伺いいたします。
この場合,他の都市にも見られますように,大学などの諸機関に近い市内中心部にあって初めて機能が発揮できるのではないかと考えますが,あわせてお伺いいたします。
3点目として,先端技術系の新しい団地の開発について伺います。
すでにテクノパークやハイテクヒル真栄は分譲も順調に進み,未分譲区画も残り少ない状況です。これまでの企業集積を生かし,また,現存の製造業との技術的な連携を図る上でも,先端技術産業の立地促進は今後とも必要ではないかと考えますが,その受皿となる新たな先端産業系団地の開発について,今後どのような考えを持って取り組もうとしておるのかお伺いいたします。
次は,中小企業者の能力開発と人材育成センターの建設についてお伺いします。
最近の雇用情勢を見ますと,今春大学を卒業した学生の就職率が70.5%,また,来春,大学・短大・高等専門学校を卒業する学生の内定率は,10月1日現在で70.2%となっており,雇用情勢は一見,売り手市場から買い手市場へ移ったかの感じがします。
しかし,中長期的視点から見ると,15歳から64歳までのいわゆる生産年齢人口は1995年にピークに達し,以後は減少に転ずるとの見通しもあり,労働力不足は依然として大きな課題と言えます。しかも,市内事業所の約99.8%,働く方の約83.4%が中小企業で,将来の労働力人口の減少に対する不安が根強く,また,優秀な技術・技能を持つ人材の不足を指摘する企業も多く,人材の確保・育成は,これら中小企業にとってきわめて重要な課題となっております。
事実,中小企業では,従業員の
高齢化や急速な技術革新への対応などの問題を抱え,さらには,大企業に比べて,賃金,労働時間,休暇制度,福利厚生などの面でもきわめて不利な状況にあります。
企業の技術力というものは,人材,設備,情報などから成る総合力で決まり,特に人材の果たす役割は最も大きいと考えられますし,技術力を向上させ,企業業績を伸ばすためには,いかに優秀な人材を確保・育成するかにかかっていると言っても過言ではないと思うのであります。私は,将来展望に立って,本市における中小企業の振興を図るためには,従前にも増して人材の育成に力を注いでいくべきと考えております。
平成4年1定で市長は,千葉英守議員の質問に,事業所内職業訓練と職業能力開発事業への支援,さらには,技能訓練会館の見直しや多様な職業能力開発に適した総合的施設を検討すると答弁されておりますが,その後はどのような検討をされてきたのかお伺いいたします。
そこで,1点目として,本市は昭和47年に職業訓練のための施設として技能訓練会館を設置し,また,事業所内職業訓練を実施している22団体への助成など,他都市に先駆けた職業訓練への積極的な支援を行なっております。しかし,技能訓練会館は設置されてからすでに20年以上経過し,老朽化が進むとともに,施設内容も当初からほとんど変わっておらず,近年の技術革新の進展する中で,それに対応できるものとはなっていないのではないかと考えるのであります。
このような会館の現状を踏まえ,よりレベルの高い技能開発と人材育成のために機能の充実を図るべきではないかと思いますが,市長は技能訓練会館について,今後移転問題も含め,どのようにしようと考えているのか,具体的にお伺いいたします。
2点目は,このたび市長公約として,中小企業の人材育成のための拠点づくりを掲げられておりますが,その内容についてお伺いいたします。
私が先ほどから述べてまいりましたように,本市の大部分を占める中小企業においては,一つは,従業員の能力開発のために,二つには,中小企業経営者の研修と異業種交流・異業種提携の強化のために,三つ目には,働く人々の福利厚生や余暇活用のために,各種のこれら機能を備えた総合的な人材育成の核となる施設を設置すべきと考えますが,そのプランはどのようなものかお示しいただきたいのであります。
次に,仮称子供プラザの設置についてお伺いいたします。
近年,わが国では
出生数が年々減少しており,
少子化傾向が進んできております。平成5年の
人口動態統計では,女性の生涯出産数を示す
合計特殊出生率は1.46人に低下しております。本市の場合は,さらに低い1.19人となっております。
このような社会の変化に伴い,次代を担い,21世紀に生きる
子供たちが,これまでの学校教育への過度の依存から脱却し,家庭や
地域社会でのゆとりある生活の中で,世界や社会の変化に対応できる力を培うことが最も重要なことであります。
すでに学校教育においても,学校週5日制の導入により生じたゆとりの時間を,
子供たちには家族のふれ合いや地域での年上,年下の仲間たち,あるいは
大人たちとふれ合うこととして,より望ましい人間関係を築き,社会性をはぐくみ,心優しい助け合う精神を養ってほしいと考えるものであります。
また,本年5月22日には,児童の権利に関する条約がわが国においても発効したところであります。この条約は,子供の人権や自由を尊重し,子供に対する保護と援助を促進することを目指しております。私は,この条約の精神からも,子供が独立した人格を持ち,権利を享有,行使する主体として活用できる施設が一層必要になってくると考えるものであります。
さらに,国際社会における札幌市の役割がより重要となってきている中で,日本の国内だけではなく,国際的に通用する青少年を育てていくことが,今後の札幌市の発展において,きわめて重要なことと思います。
私は,こうしたさまざまな社会の進展に対応して,これからの時代に合った,子供にとって最善の利益をもたらすような各種総合的な施策が必要であり,その中心となる子供のための総合的な核となる施設の充実が求められていると考えているものであります。
幸いにして,本市の子供のための施設としては,他都市にも誇れるやまびこ座,こぐま座などのこどもの劇場があります。この施設は,人形劇や児童劇のための専門的な施設でありますが,単に演劇などを鑑賞するだけではなくて,美術工作室や研修室などを備え,みずから創作,発表することができるユニークな劇場として好評であります。そのほかに子供の施設としては,100館を目標とした児童会館が中学校区ごとに現在87館が設置されております。また,中央図書館や地区図書館,
区民センター図書室等においても,子供向けの図書コーナーが配慮されております。さらに,心豊かな青少年の科学に対する関心を高め,科学する心を培い,創造性を養う施設として,青少年科学館が設けられております。一方,子供の福祉を推進するために,児童福祉総合センターでは,相談業務を初めとした各種の
福祉施策が進められております。
このように,本市においては子供のための施設は数多くありますが,私は,全市的,総合的な施設を検討すべきとかねがね考えておりました。私は,これからは
子供たちがみずから学習意欲を持ち,社会の変化に主体的に対応し,みずから考え,判断し,行動するために必要な資質や能力を身につけるためには,子供の人格形成に必要な諸機能を備えた全市的で総合的な施設,仮称子供プラザの設置が必要ではないかと思うのであります。これは,児童福祉施設との連携はもとより,児童会館や地区図書館のみならず,地域施設を結ぶその核となる総合的な機能を有する施設とすべきものと考えているのであります。
また,市長が公約に掲げております子供美術館については,これを含むさらに広い範囲の機能を持つ総合的な施設にしたほうが,さらにその機能が高まるものと考えるのであります。
私は,仮称子供プラザは,子供の興味や関心をそそるような,斬新でユニークなデザインにして,他に例を見ない施設として,他都市に先駆けて夢のある施設を建設すべきと考えております。その施設は,美術館や劇場などを含む芸術機能,図書館やパソコンルームなどの学習機能,体育室や伝承的な遊びを教えるプレールームなどの体育・遊戯機能,子供や親の相談機能,国際的情報機能などを総合的に有する施設としたいものであります。このプラザでは,お子さんだけではなくて,若いお父さんやお母さんも含めて利用できるようにして,家庭や
地域社会の教育力の向上を図るべきであります。
以上のような多種多様な機能を有効に発揮させるためには,積極的に事業を組み立てていかなければなりません。たとえば,北方圏の
子供たちのおもちゃ・人形の博物館的な収集・展示を目玉事業とすることなどであります。また,これから訪れる
高齢化社会に,子供がお年寄りに優しい心を,そしてボランティア精神が醸成されるような事業を行うとともに,子供を指導する立場の各種の少年団体の育成者を育てることが肝要であります。また,この施設の運営に当たっては,他の地域施設とのネットワーク化を図っていくことによって,情報・人材の有効活用などが可能になり,プラザだけでなくて,既存施設を含めた施設の機能アップや一層の効率的運用を行うことができると考えているのであります。
そこで私は,次代を担う
子供たちが自由闊達に伸び伸びと遊び,そして子供同士が,また,親子がふれ合うことのできる施設として,この仮称子供プラザをできるだけ早い時期に建設すべきであると考えます。これは,21世紀に生きる
子供たちへのすばらしいプレゼントとして大変意義のある事業だと思いますが,市長の見解をお伺いいたします。
次に,スポーツ施設の整備促進とコミュニティドームについて質問をいたします。
先月,手稲曙温水プールがオープンし,また,10月にはコミュニティドームの提案協議の結果が公表され,また,明年に向けて設計中のFIS規則改正による大倉山ジャンプ台改修計画も含めて,本市の体育行政の目標とする地域スポーツの振興に重点を置いた事業が着実に進められていることについては,高く評価をいたします。
一方,現5ヵ年では,総合体育館,武道館,硬式野球場の調査を進めることになっておりますが,いまだ具体化しておりません。
さらに,39施設を数える既存の体育施設についても,長い歴史と伝統を誇る円山総合運動場や中央体育館,札幌オリンピックの施設として建設された美香保体育館や月寒体育館は,設備の老朽化が著しく,また,他の既存施設もスポーツに対する
市民ニーズの多様化に対応して,リフレッシュ,リニューアル化を目指した再整備を検討していくべき状況にあるのではないでしょうか。
これらのことから,今後の体育施設の整備については,大きな視野,長期的な視点に立って考えなければならない時期に来ており,新しい局面を迎えていると思うのであります。
そこで質問でありますが,私はこの観点から長期スポーツ振興計画を早急に作成し,その中で市民スポーツのあり方,施設のあり方を踏まえるべきと考えますが,いかがでありましょうか。
区レベルの体育施設の建設が終了しつつある中,生涯スポーツなど,
市民ニーズの多様化に対応していくためにも,財源計画を含めた施設の整備計画を樹立し,次期5年計画の中に盛り込んでいくお考えがおありなのかお伺いいたします。
次は,総合体育館の建設計画についてであります。
過日,道立中島体育センターの移転改築に伴う設計競技が実施され,入選作品が公表されました。道の新しい体育センターは,約200億の事業費と伺っておりますが,21世紀に向けた北海道のスポーツ振興の拠点として,多様化するスポーツ活動のニーズに対応できる規模・機能を有し,国際レベルの競技会等への対応を図るべく,1万人以上の観客を収容できるメーンアリーナを初め,サブアリーナ,トレーニング室,武道場等を有し,各競技の世界大会や,たとえばアメリカプロバスケットボールなどの国際級スポーツイベントをも開催できるもので,国内でも有数の総合体育館と呼べるものであります。
札幌市でも,市営の総合体育館を建設するということで,現5年計画において建設調査を行うこととなっておりますが,基本的にはどう取り組もうとしているのか。また,道の体育センターの内容が見えてきた現在,似たような機能を持った総合体育館を道と市がそれぞれ建てるのではなくて,道立体育センターと札幌市の総合体育館の位置づけと役割分担を明確にすべきと思いますが,どのように考えておられるのかお伺いいたします。
また,中央体育館の今後の改修整備計画と位置づけについても,あわせてお伺いいたします。
いずれにいたしましても,市の総合体育館の建設については,まだまだ検討しなければならないことが多くあるように思うのであります。したがって,当面は,総合体育館を補完する意味も含めて,各競技団体とも市民レベルの大会の開催場所の確保に非常に苦慮している実情から,ある程度の観客席を備えた中規模な体育館を,たとえば3区に1館ぐらいの配置計画を持って,順次早急に整備する必要があると考えますが,この点についてのご所見もお伺いいたします。
次は,コミュニティドームについてお伺いいたします。
本日は,市民の方々が市長に感謝と今後の期待を込めてたくさんお見えですが,東区に建設予定のコミュニティドームは,今年度は提案競技,いわゆる設計・施工コンペが実施され,これまで抽象的であったドームの姿形が明らかにされると同時に,アリーナ面積を初めとする施設の規模や内容等がおおむね決定されてまいりました。
私も,平成9年度と聞いているこのドームのオープンに期待を寄せているものでありますが,この施設が市民に有効に活用されるためには,今後,運営方針などソフト面での充実が重要な課題になると思うのであります。
特に,今回は,約14ヘクタールという広大な敷地の面的整備が予定されており,ドームと屋外施設の機能的な連動性,施設全体としての有効な活用方法をどう考えるのか。すなわち,ドームの中では,公式競技よりもスポーツ練習とかイベントなど,地域とスポーツとの親近性を高める,そういう方向になろうかと考えますが,どのようにして多様な
市民ニーズに応じた有効利用を誘導するのか,その工夫が大切と思われます。また,運営面については,維持管理に多額の費用を要すると思いますので,収支バランスも考慮していくなどといった課題が山積しているように思うのであります。
そこで,これらの点を踏まえて,3点質問をさせていただきます。
まず1点目は,基本的考え方についてでありますが,今後のドームの運営について,収支計画も含めてどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
2点目は,ドームの屋外施設についてでありますが,具体的にどのような整備内容を考えておられるのかお伺いします。
3点目は,将来的な考え方についてでありますが,今後,他の地区への建設計画について,どのように考えておられるのかお尋ねいたします。
なお,建設する場合には,地域特性や重点スポーツ種目に違いを持たせるなどの工夫を加えていただくことを強く要望いたします。
次に,都市河川事業におけるソフト対策についてお伺いいたします。
東区は,21世紀に向け発展を続けている札幌市において,今後,北区とともに市街地の拡大が大幅に見込まれている重要な地域であります。地下鉄東豊線の全面開通,モエレ公園事業とサッポロさとらんど事業の展開,コミュニティドームの建設と,より質の高い大規模な公共施設の整備が相次いで行われ,将来に向けた計画的な
まちづくりが着実に進められております。
また,
まちづくりに当たっては,快適さと安心・安全が大切な要素でありますが,この地域は地形的にも低い平地で,札幌市内を流れる大部分の河川の下流域に当たることなどから,開拓当初より洪水の常習地帯であったと伺っております。
とりわけ,昭和50年8月の洪水や,56年8月の2度にわたる豪雨では,東区のおよそ3分の1程度の区域が浸水・冠水するなど,甚大な被害をこうむったことは,いまだ記憶に新しいところであります。
このことを契機として,立ちおくれていた都市内における主要河川の整備促進を目的として,昭和54年度に創設された総合治水対策特定河川事業にいち早く着手し,昭和56年には,国や北海道,石狩町及び本市の関係機関から成る流域協議会を組織し,治水対策を単に河道整備のみにとどまらず,下水道整備や宅地整備などと連携を図り,総合的に治水の対策を図ることを目的とした伏籠川総合治水対策事業のもとに,治水整備が積極的に実施されてきたところであります。
また,市が管理しております準用河川を調べてみても,55河川,92キロメートルが整備する必要のある河川とされております。平成5年度末では,このうち52キロが整備され,その整備率は57%となっております。
都市における治水対策は,長い年月と予算,人々の地道な努力や熱意に支えられながらも,用地難など,大都市ならではの苦難もあります。したがって,これまで以上に引き続き河川改修を積極的に促進することはもちろんのこと,一方では,新たな取組みとして,大都市では雨水を一時的にためる貯留施設の整備が注目されております。
これに該当する具体的な治水事業として,既存の学校や公園等の公共施設用地を利用した流域貯留浸透事業や,または流域調節池,雨水貯留池などの事業がありますし,最近では,建設省が平成6年度の新規事業として,今後の都市河川整備の一つの方向性を示した幹線道路や公園,あるいはビルの地下空間を複合的に利用して貯留を行う立体河川整備という事業もあります。
そこで,まず1点目の質問として,河川改修による本来の治水事業とあわせて,いわゆるソフト対策とも言える貯留施設整備事業に対し,以下,東区の問題を一つの例題としてお尋ねをし,今後,全市的な新規事業の展開を望むものであります。
まず初めに,流域貯留浸透事業でありますが,小・中学校や公園,市営住宅などの公共施設を治水対策上,雨水を一時的に貯留できる施設に改築し,川に流出する雨水量を抑えて,ついては河川はんらんを防ぐという役割を果たすものであります。
この事業は,本市において平成5年度に,道内では初めての事業として,教育
委員会の協力体制のもとで東区の元町小学校で行われ,さらに,ことしは開成小学校と元町中学校の2校でモデル的に整備が進められておりますが,さきに述べたとおり,新たな用地を取得することなく,短期間に整備ができ,早期に治水効果が得られるという,都市域においては効率的な治水対策であると考えられるのであります。
このことから,この事業をさらに積極的に推進していくべきであると思うのでありますが,今後どのように進めていくお考えなのか,その見通しについてお伺いいたします。
次に,道路の地下空間を利用した立体河川整備につきましては,ただ単に治水施設としてだけではなくて,本市の冬の重要課題である雪処理に対応する施設として,たとえば流雪溝や融雪槽などとして多目的に活用していくこともあわせて考えれば,一層効果的な施設になると考えるのであります。
東区の例でいいますと,昭和56年の災害で浸水被害が著しく,また,高層化・複合化等,都市としての発展が急速に進んでいる元町や栄町地区の治水対策として,東15丁目屯田通や東8丁目篠路通の幹線道路の地下空間を利用し,これを立体河川としての整備を図るべきと考えるのでありますが,今後,本市における立体河川整備の取組みについてお伺いをいたします。
次に,2点目として,このたびの議会では,河川のソフト事業が盛んに論じられておりますが,私は東区の一つの例をもちましてお尋ねを申し上げます。
それは,準用河川旧琴似川の環境整備についてお尋ねをいたします
この川は,もともと中央区の荒井山付近に端を発し,現在の競馬場や地下鉄麻生駅付近を通り,百合が原公園に沿って市域を縦断するように流下した後に,伏籠川に注いでいた琴似川でありました。この河川は,都市化の進む中で多くの変化がありましたが,準用河川旧琴似川となって,平成元年から改修整備が行われ,百合が原土地区画整理内では開渠によって,また,栄緑小学校より上流では暗渠で,現在整備が進められております。
近年,河川の整備に当たっては,環境に対し配慮した整備が社会的な要請として高まってきており,散策路や親水広場などの親水空間を整備したり,植栽を行うなど,地域の景観に配慮した整備はもとより,最近では,さらに一歩踏み込んだ地球環境問題などとしても取り上げられており,自然環境の保全や復元など,川にすむ動植物にも優しい多自然型川づくりについても手がけており,河川空間が市民の憩いの場となるような水辺の整備について,積極的に取り組むよう望まれてきております。この点についても,この川では,上下流とも環境に配慮した整備が行われているのであります。
しかし,暗渠により整備している区間の環境整備を見ますると,完成したところでは芝生が張られ,一見住民が利用できる空き地のようになっておりますが,漠然として殺風景な様子から,全く利用されていない状態であります。
河川も,市街地にあっては貴重な公共空間であることから,有効に利用されるべきであります。幸いこの区間は,通常の河川改修とは違い,治水上の目的は地中の暗渠で解消されているわけですから,地表部はもう少し工夫をしていただいて,市民の憩いの場として流域住民が多数利用できるよう整備すべきであると考えております。
さらに,この下流は,昭和61年に花と緑の博覧会が開催され,現在は,ユリの名所として市民に親しまれている百合が原公園につながっている連続した公共空間でもあります。したがいまして,地域にとって,百合が原公園と結んだ散策道的なものとして,あるいは公園的な利用も考えられると思うのであります。
そこで,旧琴似川の整備に当たっては,河川である特性を生かして,せせらぎを戻し,水辺を設けるなど,充実した憩いの空間とすべきであると考えるのでありますが,この点について,市長のご所見をお伺いいたします。
古来から「水を治める者は国を治める」と言われており,また,河川は,都市景観上からも貴重な財産であります。住民ニーズが多種多様になってきている現状を考えますと,童謡の「ふるさと」にもありますように,「小ブナ釣りし,かの川」のような,人と人とのふれ合いのある川の復元・再生が強く望まれるのであります。
川のほとりには,美しい並木道があり,
子供たちが釣りをしたり,水遊びをするのみならず,山並みや緑地を含めた都市空間を生かし,快適デザインを目指した札幌の
まちづくりが力強く発展することを願っております。
北の風土に根差した文化的で美しい街並みを後世代に伝えていくことを期待して,私どもは桂市政の継続を念じ,以上,質問を終えたいと存じます。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,まず私からお答えをいたします。
最初に,国際都市さっぽろの魅力づくりについてでございます。
第1点目の本市の国際化に対する基本姿勢についてでございます。
本市が活気あふれる創造的な都市であり続けるためには,世界の人々や情報の交流拠点となる国際交流都市としての機能と魅力を持ち,それにふさわしい役割を担っていかなければならないと考えております。
また,国際交流がもたらす異文化との出会いや経済交流の拡大は,本市の創造性の源泉であるとも理解しております。
こうした観点からも,今後は,これまでの北方圏交流の実績に立ち,成長の著しいアジア・太平洋地域への交流拡大にも取り組んでまいりたいと考えております。
さらに,新たな国際化時代に対応するためには,国際的な交流ネットワークの拡充はもとより,本市独自の技術や情報の創造と発信に努めるとともに,常に世界に対して開かれ,世界の人々を引きつける魅力にあふれた
まちづくりをしていくことが重要であると考えております。
第2点目の国際都市の魅力づくりへの取組みについてでございますが,最初の,世界に向けて発信し得る情報の創造につきましては,本市独自の研究開発機能の育成,高度化を推進してまいりたいと考えております。
次の,国際交流のステージの整備につきましては,世界貿易センター連合への加盟,イベント・コンベンションの誘致,創出など,世界の人々が集い,交流し,活躍する機会を拡充したいと考えております。
最後にご指摘のございました質の高い都市環境の形成につきましては,都市空間全体が国際交流の場であるという認識に立ち,現在策定しております都市景観基本計画を踏まえ,その条例化を検討していくなど,
まちづくりのさまざまな分野を通じて実現していきたいと思います。
いずれにいたしましても,市民にとって快適で,世界に誇り得るような都市環境と魅力を創造するとともに,技術,産業,文化など,さまざまな分野で国際的な役割を担う都市を目指して取り組んでまいりたいと考えているところであります。
次は,先端技術産業の振興についてお答えをいたします。
第1点目の情報産業における人材育成についてでございますが,本市では,札幌市エレクトロニクスセンターに,世界中の大学研究機関などと即時に情報交換できるインターネットの交換機能や,マルチメディアの編集機器を設置するなどして,新たな技術に対応し得る技術者の育成に努めているところであります。
また,高度な情報関連技術者の養成機関として,国や本市などの出資により設立されております北海道ソフトウェア技術開発機構や,北海道テレコムセンターの研修施設も来年3月には完成し,事業が本格化してまいりますので,より高度な技術研修の実施が期待できるものと考えております。
2点目の経営基盤強化のための相談指導や技術交流の拠点づくりについてでございますが,情報産業における技術交流の拠点としては,札幌市エレクトロニクスセンターの施設機能の充実を図ってまいりたいと思っておりますし,また,大学や公的研究機関との交流を促進するためには,現在,地下鉄菊水駅付近に建設中であります北海道ソフトウェア技術開発機構の社屋内にも実践指導室となる,いわゆるインキュベート施設の設置が予定されておりますことから,エレクトロニクスセンターとの機能分担による相乗効果を図っていきたいと考えております。
3点目の先端産業系団地の開発についてでございますが,札幌テクノパークにおける企業集積はほぼ達成され,ハイテクヒル真栄におきましても,分譲面積の8割が分譲済みであり,先端技術産業の集積は順調に推移してきたところであります。
昨今の景気低迷の影響を受けて,ハイテクヒル真栄での立地計画にややおくれが見られますものの,本市産業の高度化の観点からは,今後とも先端技術系企業の立地の促進は必要と考えております。
この場合,既存産業における技術との融合化を効果的に進める観点から,既存系,先端系を合わせた融合型の団地開発も必要と考えております。
次に,中小企業者の能力開発と人材育成センターの建設についてのご質問でございますが,関連いたしますので一括してお答えをいたします。
本市の経済基盤の担い手である技能者・技術者の育成の重要性については,私も十分認識をしておりまして,その職業訓練の場としての技能訓練会館の改築は,重要な課題としてきたところであります。
また,本市中小企業にとって,今後,技術力の向上,財務力の強化,情報収集力の強化など,経営体質の強化を図っていくためには,それに資する人材を生み育てていくことが何よりも重要であると考えております。
したがいまして,現在の技能訓練会館を移転改築し,業界の要望も取り入れ,時代に即応した施設・機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
さらに,これを機会に中小企業経営者及び従業員の資質向上のための研修,異業種交流,人材育成にかかわる指導・相談や情報提供,さらには福利厚生機能などをあわせ持った総合的な拠点施設の建設を早期に検討してまいりたいと考えております。
次は,仮称子供プラザの設置についてでありますが,今日の国際化,
高齢化等の社会の著しい変化に的確に対応しながら,北方圏の理想都市を目指す本市にとっては,何といっても次代を担う子供を大切にする施策が重要であることは言うまでもありません。
これまでも子供にかかわる施設は,児童会館を初めとして地域に数多く設置し,相互連携を保ちながら事業を展開してまいりましたが,さらに,有機的かつ効果的な運営に努めてまいりたいと考えております。
ご質問のありました子供プラザにつきましては,ご提案の趣旨を踏まえて,今後検討してまいりたいと考えております。私からは以上であります。
○議長(見延順章君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 都市河川事業のソフト対策につきまして,私からお答えいたします。
第1点目の貯留施設の整備についてでありますが,流域貯留浸透事業は,道内では最初の事業として平成5年度から始めたところであります。
この貯留施設は,既存の公共施設のグラウンドや広場を掘り下げ,雨水を一時貯留した後,ゆっくり時間をかけて河川へ放流するものであり,都市部の治水対策として有効なことから,今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
東区は,伏籠川総合治水対策事業区域内にあり,50ヵ所程度整備が必要であると考えておりますが,当面,優先して整備が必要な25ヵ所については,21世紀初頭をめどに整備を行いたいと考えております。
次に,立体河川の整備についてでありますが,今後,都市部において新たに改修を行う場合や,環境に配慮した再生整備等を行う場合には,幹線道路の地下空間を利用した立体河川整備は,有効な改修事業の一つであると考えられます。
そこで,ご指摘にありました東区の元町や栄町地区における立体河川整備につきましては,雪処理施設としての利用も踏まえ,検討してまいりたいと考えております。
第2点目の準用河川旧琴似川につきましては,今後とも治水整備を優先して工事を進めてまいりますが,ご指摘の区間には地域にとって貴重な公共空間がありますので,これまで以上に良好な憩いの場となるよう環境整備を行なってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 各種のスポーツ施設の整備促進に関するご質問のうち,コミュニティドームに関しまして,私のほうからお答えを申し上げます。
まず,第1点目の運営面における基本的考え方につきましては,市民の余暇の活用,あるいは健康づくりなどの観点から,気軽にスポーツ・レクリエーション活動を楽しむための拠点施設として運営してまいりたいと考えております。
また,多様な機能をあわせ持つ施設でございますので,スポーツ・レクリエーションの利用のほかに,イベントなど多目的な活用を図りながら稼働率を高め,かつ収支面についても考慮してまいりたいと考えております。
次に,2点目の屋外施設の具体的な整備内容についてでございますが,ただいま申し上げましたとおり,市民の新しい交流拠点として,幅広い年齢層の利用者に対応するため,球技場,テニスコートのほか,パークゴルフや子供の広場なども整備する予定でございます。
次に,3点目の将来的な建設見通しについてでございますが,このたび建設するコミュニティドームの利用状況などを見定めながら,検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) スポーツ施設の整備促進について,私からお答えを申し上げます。
まず,1点目の体育施設の整備につきましては,現在まで,長期総合計画の考え方を踏まえて,5年計画ごとに具体的な事業を進めてきたところでございます。その実施に当たっては,全市的なバランスを考慮しなから各区に体育館を整備したほか,現5年計画中に公的温水プールの整備を終える予定でございます。
ご指摘のとおり,施設整備について新しい局面を迎えていることは十分理解をしているところでございます。今後,
市民ニーズを把握することがきわめて重要であると考えておりますので,スポーツ振興審議会において,近く市民の健康・体力の意識と実態について調査を行うこととし,調査から得たデータなどをもとに,施設整備や運営など,スポーツ振興のあり方をまとめ,今後の体育行政の指針としてまいりたいと考えております。
なお,今後の施設改修に当たっては,ご意見のとおり単なる原状回復ではなく,
市民ニーズに対応すべく新たな魅力を持ったものとなるように十分留意するとともに,次期5年計画の策定に当たりましても,これらの点を反映させてまいりたいと考えております。
次に,体育館の建設計画についてでございます。
1点目の市立総合体育館の取組みについてでございますが,道体育センターの構想内容が公表されたばかりでありますので,最も利用者に関心の高い運営形態等がどのようになるのか順次明らかになってくる中で,市総合体育館の位置づけや役割分担を含め,今後関係団体等と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目の中央体育館についてでございますが,さきにお答えしましたスポーツ振興のあり方をまとめる中で,区体育館への転用,あるいは改修等についても検討してまいりたいと考えております。
3点目の中規模体育館の整備についてでございますが,貴重なご意見として受けとめ,調査研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,明12月9日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後3時44分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 伊 与 部 敏 雄
署名議員 三 上 洋 右
署名議員 唯 博 幸...