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平成 6年第二部決算特別委員会−10月21日-08号
平成 6年第一部決算特別委員会−10月21日-08号

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  1. 札幌市議会 1994-10-21
    平成 6年第二部決算特別委員会−10月21日-08号


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    平成 6年第二部決算特別委員会−10月21日-08号平成 6年第二部決算特別委員会             札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第8号)                 平成6年10月21日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人(欠は欠席者)     委 員 長  荒 川 尚 次 君        副委員長  政 氏   雅 君     委  員  工 藤   勲 君        委  員  湊 谷   隆 君     委  員  赤 田   司 君        委  員  水 由 正 美 君     委  員  伊与部 敏 雄 君        委  員  富 田 新 一 君     委  員  加 藤   斉 君        委  員  畑 瀬 幸 二 君   欠 委  員  吉 野 晃 司 君        委  員  加 藤 隆 司 君     委  員  柴 田 薫 心 君        委  員  高 橋 忠 明 君     委  員  大 越 誠 幸 君        委  員  村 山 優 治 君     委  員  上瀬戸 正 則 君        委  員  三 上 洋 右 君     委  員  常 見 寿 夫 君        委  員  唯   博 幸 君     委  員  丹 野   勝 君        委  員  森   健 次 君     委  員  関 口 英 一 君        委  員  野 間 義 男 君     委  員  八 田 信 之 君        委  員  千 葉 英 守 君     委  員  伊 藤 知 光 君        委  員  佐々木   肇 君
        委  員  菊 田 勝 雄 君        委  員  小 川 勝 美 君     委  員  飯 坂 宗 子 君        委  員  横 山 博 子 君     委  員  佐々木 周 子 君        委  員  山 口 た か 君     委  員  菅 井   盈 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○荒川 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,吉野委員からは欠席する旨,村山委員八田委員からは遅参する旨,それぞれ届出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第6号 平成5年度札幌水道事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆小川 委員  水道事業について,4点ほどお尋ねをしたいと思います。  その第1は,昨年は,資金収支から損益収支に変えて,一般家事用も含めて,大幅な料金値上げを行なったところであります。料金値上げをして増収対策を図ろうと,こういうことでありましたけれども,非常な冷夏,寒い夏,こういうことで,給水収益が大きく落ち込んでいます。財政計画予算では,料金値上げもしたことだからと370億,こういう給水収益を見込んでおりましたけれども,実際は339億で,31億の落込みになったわけであります。この落込みに合わせて水道局では,歳出の削減等に取り組まれて,収支の均衡を図ると,こういう努力をされたのでないかなと思いますけれども,この点,冷夏で収益が落ちて,これに合わせて,財政計画と比較して,収益が減った分を歳出で抑えるため,どういうことをされたのか,お尋ねをしたいと思います。  ことしに入ったら一転して,長期予報で,春の段階まではことしも寒い夏ではないかと,こういうことでありましたけれども,ことしは猛暑ということで,財政計画から見るならば,低い給水収益,356億しか予算化しておりませんでした。だけれども,この猛暑ということもあって,昨年のマイナス分を取り返すような見通しなのかどうなのか,ことしの給水収益見通しについても,あわせてお尋ねをしたいと思います。  それから,昨年の料金改定のときに,加入金についても引き上げられました。4年間をプールした計画のもとに,加入金の引上げもされたわけでありますけれども,いまお話ししたような状況のもと,特に,今回の長期化する不況,これを反映した形で,加入金計画どおり伸びてないのか。あるいは,住宅金融公庫の融資が低利になってきて,一般家事用については順調に伸びているのか,それらのところについても,あわせてお尋ねをしたいと思います。 ◎西口 管理部長  ただいまの小川委員からのご質問にお答えいたしますけれども,昨年は,夏日が21日,真夏日がわずか1日でございまして,平年値が,それぞれ45.6日,7.3日であるのに対して,大きく減少をいたしまして,記録的な冷夏となったわけでございます。また,長引く不況の影響もございまして,予算に対し,減少になったと考えているところでございます。  一方,6年度は,ご案内のとおり,猛暑となりまして,家事用の伸びが大きぐふろ・シャワーの回数の増,あるいは,庭にまく散水量増加等,市民の日常生活における使用水量が増加したためというふうに考えております。  また,財政計画への影響でございますけれども,ご指摘のとおり,給水収益は,先ほども申し上げましたが,冷夏及び景気の低迷等の影響で,約21億円減少いたしました。したがいまして,支出の面で,円高差益による経費の減,あるいは,金利の低下による支払利息の減もあり,一方では,緊急避難的に事業の繰延べを行なった結果,損益収支上,約4億円程度の悪化にとどめることができ,5年度末の累積欠損金は約31億円となっているところでございます。  また,昨年の減収を今年度取り返せないかというご質問でございますけれども,今年度は記録的な猛暑でございまして,予算額に対し,収益がある程度増加するのではないかと考えておりますが,5年度の減収額が,予算対比で,先ほど申し上げたとおり,約21億円でございまして,減収分の挽回はきわめて難しいのかなと,このように考えているところでございます。  また,平成5年度の加入金関係でございますけれども,平成5年度決算における加入金につきましては,予算額約11億6,600万に対しまして,決算では約11億1,600万円と,約5,000万円の減収となっているところでございます。  減収の要因でございますが,加入金件数自体は,国の住宅政策に伴う低金利などの影響により,小口径,すなわち,戸建て住宅建設戸数が増加いたしておりますが,一方では,長引く景気の低迷により,マンション,ビル等の中口径以上の加入金件数が減少いたしております。したがいまして,金額で高い中口径以上の減収が,小口径での増収を上回ったために,金額総体では減収となったものでございます。以上でございます。 ◆小川 委員  昨年は,財政計画に比べて,冷夏,不況等があって21億の減少と。それは,ことしは猛暑だけれども,それを取り返すのは難しい,こういうことでありました。  私たち,昨年,料金値上げの審議のときにも,歳出はできるだけ少なくして,料金の値上げ幅を少なくしてほしいと,こういう立場で審議に臨んだわけであります。そんな中で,緊急避難的な形で事業の繰延べを行い,財政計画そのものはもたせていくということでありますから,それを見守っていきたいと,こういうふうに思います。  次に,ことしの1月早々に,水道事業が始まったときの管が破損をして,大量の水が流れた,こういうことで,周辺住民含めて大変な被害が出たわけであります。それが,この決算説明書に,補償金という形で1億390万,こういうのが掲載をされております。この1億390万円というのは,電車通事故だけではないのかもしれませんけれども,創設時の管渠の破損による損害,これにかかわる補償,これが,実際どんな形で,どんな内容で支払われたのか,具体的にお示しをいただきたいと思います。  それと,あわせてお尋ねをしたいのは,予算のときも議論になったところでありますけれども,創設時の管の整備,これを緊急に進めているところでありますけれども,今年度,そして来年度と,これらの古い管が全部解消をされていくという形で,どんなふうに具体的に取り組まれているのかも,あわせてお尋ねをしたいと思います。 ◎工藤 工務部長  まず,第1点目のことしの1月3日に発生いたしました藻岩第1幹線の折損事故に伴う補償でございますが,総体の金額で約9,675万円となってございます。  補償内容でございますが,受水槽清掃費用が約5,722万円,北ガス等関係機関への補償が約579万円,その他建物等補償が約3,374万円となってございます。  次に,2点目の創設期の幹線の今後の改良状況でございますが,創設期に布設された幹線の更新の進捗状況といたしましては,ことし1月3日に破裂事故を起こした藻岩第1幹線,これは6キロございます。この6キロにつきましては,今年度中に代替管路の工事を終えまして,平成7年度に通水作業を行いまして,来年の秋ごろには新しい管路に切りかえる予定でございます。また,残りの2キロメートルにつきましては,平成8年度までに更新をする計画でございます。以上でございます。 ◆小川 委員  古い管で被害を受けた方には,一部,お寿司屋さんなどで営業を中止したような人たちでも,水道局に対して補償請求などを全然しない人たちがいるようなこともお聞きをしております。そういう意味で,こういう破裂事故等のないように,引き続き,そういう更新を進めていただきたいと,このことを述べておきたいと思います。  そういう老朽施設関係で,いまもう一つ重要なのは,すでに,白川の浄水場で5万トンの増強対策がやられておりますが,それは,近い将来に行われる藻岩浄水場改修,これに対応することだというふうにお聞きをしております。一昨年,私たち,経済公営企業委員会で,藻岩浄水場の視察をいたしました。白川なんかですと,いま,ブロック化されているわけですけれども,藻岩の場合は,すべてが1系統になっているために,どこかで故障すると,全部をとめなければならない,こんな状況になっていることなども視察をしたわけであります。白川の浄水場における5万トンの増強,こういうのが行われた後には,具体的に藻岩浄水場改修と,こういうことにかからざるを得ないのだろうというふうに思いますけれども,藻岩浄水場老朽化の現状と今後の改修計画,どんなふうにして取り組んでいくのか,お尋ねをしたいと思います。  あわせて,水道局が所有をしております未利用地というのが何ヵ所かあるようにお聞きをしております。それらの未利用地が,どういうところに,どんな形であるのか,これらについてもお示しをいただきたいと思います。 ◎工藤 工務部長  まず,第1点目の藻岩浄水場改修計画につきまして,私のほうからお答えを申し上げます。  藻岩浄水場改修についてでございますが,実施時期は,次期整備事業平成9年から11年の3ヵ年程度を考えてございます。また,改修する内容といたしましては,ろ過池沈殿池等老朽化した躯体と,経年化をいたしました計算機工業計器などの設備の更新でございます。以上でございます。 ◎長井 管理部参事  水道局所有の未利用地でございますが,現在6ヵ所ございます。いずれも,施設整備に伴いまして,その役目を終えまして,撤去あるいは使用停止したもので,ポンプ場2ヵ所,配水池1ヵ所,深井戸2ヵ所,職員住宅跡地1ヵ所となっております。  また,今後の活用についてでございますけれども,土地の位置,面積,あるいは土地の形状等に,それぞれ特徴がございまして,個々にその活用を検討しているところでございます。以上です。 ◆小川 委員  藻岩浄水場の現状についてもお聞きしたのだけれども,具体的に答弁がなかった。私たちは,この間見せてもらったのですけれども,非常にコンクリートが破損しているとか,そんな状況にあるわけであります。具体的な改修計画はこれから進められるということでありますから,これはまた別な機会にお尋ねをすることもありますけれども,施設が非常に古くなっているということは事実でございますから,老朽管の破裂のような事故が起きないことを祈りながら,藻岩浄水場についてもそういう事故にならないようなことを,きちっとやっていただきたいと。  あわせて,最後にお尋ねをしました6ヵ所のところで,職員住宅であるとかポンプ場の跡と,こういうことでありました。その6ヵ所の中に,私が住んでいる厚別区青葉町の下野幌浄水場の跡地があります。これは,面積で2,500平米ぐらいございます。当初,下野幌団地をつくったときに,市営住宅だとか市の宅地分譲をやったときに,水道本管が行っていないと,こういうことで,水道局がこの土地を取得し,地下水を掘って供給していたわけでありますけれども,今日時点では,水道本管が全部,厚別地域も行きまして,このポンプ場は,その用をなさなくなって休止状態,遊んでいると。  先ほど言われましたように,今後,緊急貯水槽,そんなことに活用されるにしても,2,500平米は必要ないわけでありますので,特に青葉町の市が団地造成した地域というのは,3年以内に全部家を建てなければならないと,こんなふうな形で,全面的に市が宅地化をしたということから,空き地が全くない,こういうことでございます。これから高齢化社会に向けて,老人福祉施設なんかを整備していくにしても,この地域の中には確保できない,そういう状況で,残された未利用地というのは,水道局下野幌浄水場跡地ただ1ヵ所と言っていいような状況であります。したがって,水道サイドで必要な部分,井戸を活用して,緊急時にポンプでくみ上げて,殺菌だとか滅菌をしながら,緊急用水として使うにしても,それは2,500平米も必要としないわけでありますから,その部分だけ残すにしても,残る2,000平米以上のところは,老人福祉施設など,市の他の行政目的に積極的に活用してほしいと,こういうふうに思うのですけれども,水道サイドとして,そういう行政目的に,ほかの部局が使う場合に,これを有効活用させると,こういう考えをお持ちなのかどうか,お尋ねをしたいと思います。 ◎長井 管理部参事  ただいまお話しありましたように,緊急時の水源,あるいは貯水槽といたしまして,面積で申しますと2,563平米ございますが,これほどは要らない可能性もあります。したがいまして,今後,具体的な施設整備計画していく中で,他部局の利用計画等も含め,検討してまいりたいと,このように思っております。 ◆山口 委員  私は,大きく2点質問させていただきます。  水道水中アルミニウムについてと,水道局における国際貢献についての2点です。  初めに,アルミニウムについてお伺いいたします。  高齢化社会ということで,札幌市でも保健福祉計画が策定されまして,本年度スタートをしておりますけれども,やがて,4人に1人が高齢者になると言われている中で,大きな課題となっているのが,痴呆症の問題だというふうに思っております。  これについては,診断の難しさとか,どこからどこまでが痴呆症かというような,いろんな課題があることは承知しておりますが,最近,イギリス等ヨーロッパ各国では,水道水中アルミニウムアルツハイマー症痴呆症との関係というのが取り上げられておりまして,「ボケの原因を探る」という岩波の本なんかにも書かれております。そのほか,いろんな文献にも出ておりますけれども,札幌市の水道水中アルミニウムは,どのような現状になっているのかお伺いをします。  それから,2点目ですが,河川水に含まれているアルミニウムだけではなくて,水道局では,浄水処理のとき,凝集剤として,あえて,アルミニウムを多量に投入している状況があるわけですけれども,このアルツハイマーアルミニウム関係について,水道局ではどのようにお考えでしょうか。 ◎菅原 施設担当部長  ただいまの札幌市の水道水アルミニウムの現状についてのお尋ねでございますけれども,平成6年度のデータで申し上げますと,河川水,すなわち水道水の原水では,平均値で0.1から0.5mg/l程度アルミニウムが含まれております。これを浄水処理いたしますと,平均値で0.02から0.04mg/lとなりまして,5分の1から10分の1の値に低減化するということが明らかになっております。  それから,2点目のアルツハイマーアルミニウム関係でございますけれども,水道事業で行なっております浄水処理は,札幌市ばかりでなく,全国の事業体アルミニウム凝集剤を使用しております。先ほどお答えしましたように,本市の場合,もともと河川のアルミニウムの総量が,浄水処理をすることによりまして,5分の1から10分の1に低減しておりますことから,心配は要らないのではないかと考えております。基本的には,この種の問題は,医学,化学などの専門分野の研究を待つしかないわけでございまして,このような専門分野においても,まだ因果関係は究明されていないと認識しております。以上でございます。 ◆山口 委員  河川原水と比べ減少しているから大丈夫ではないかというようなお答えもありましたけれども,昨年12月に改正されました水道水水質基準値では,これまでアルミというのが入っていなかったのが,新たに入ったということがありまして,これは,痴呆症との関係厚生省も気づいているから入ったのではないかというふうに考えるのですけれども,そうではないのでしょうか,どうでしょうか。 ◎菅原 施設担当部長  今回の水質基準厚生省の改正がございましたけれども,アルミニウム位置づけといたしましては,快適水質項目位置づけられております。それで,濁質分だとかマンガン成分などと同じように,健康に影響を与える項目としてではなく,飲料水不快感を与える項目という位置づけをしておりまして,おいしい水など,質の高い水道水を供給するための目的として認定されているものでございます。 ◆山口 委員  安全性よりは快適性というか,そういうところだということでございますけれども,日本では,ヨーロッパアルミが疑われ始めてから,「軽金属」という雑誌にアルミ原因説否定説が出て以来,ほとんど医学界でも,アルミ問題をきちんと研究するということがなされないできょうまで来ております。ヨーロッパやアメリカでは,ずっと研究が続いているように聞いております。外国系ビール会社では,すでに,このことについて注目をしておりまして,アルミ缶ビールは全部中をコーティングするようにというような指導がされているというふうに聞いております。歯磨きの研磨剤アルミを抜いたり,そういうような取組みがされているところもありまして,アルミは,アルツハイマーのすべての原因ではないにしても,危険因子の一つだというようなことは,欧米ではかなり認識が広がっているように聞いております。もちろん,いまここで白か黒かという議論をしても,余り意味はないわけですけれども,一つの問題提起としてお考えいただきたいというふうに感じます。  アルミを使って凝集させるというお答えでしたけれども,関係がないということであれば,それ以外の凝集沈殿法の研究というのも,結局進まないわけですから,いま,水道局として何ができるかと私は考えたときに,やはりその濁りというか,濁度が少なければ,当然,凝集剤としてのアルミの投入も少なくて済むわけですから,やはり水源の保全といいますか,川の水の濁度が少ないように保っていくということなんかを徹底していただけるのではないかというふうに考えますが,今後の対応についていかがお考えでしょうか。 ◎菅原 施設担当部長  いま,委員のご指摘のとおり,人の健康にかかわることでございますので,今後の対応といたしましては,ただいま申し上げましたとおり,今後の研究にまつということが多い状況でございます。それで,国とか厚生省とか,いろんなところで,実験等,いろいろ調査しておりますし,そういう国の動向を見守るとともに,いまお話しのとおり,水質の保全等に十分注意していきたいと思っております。 ◆山口 委員  ぜひ,データ収集なんかも積極的にやっていただきたいというふうに思います。  次の2点目の国際貢献についてなのですけれども,いま,いろいろ国際貢献のあり方ということで,国レベルの議論がございますけれども,私は,水道局がかなりの国際貢献というか,国際協力をなさっているというふうに伺っております。日本は,世界一の政府開発援助(ODA)の大国だと言われておりますが,果たして,それが現地の人の役に立った援助になっているのかどうかということが,大きな議論になっております。水道局は,これらについてどのように取り組んでおられるのか,これまでの取組みについてお伺いをしたいと思います。  それから,この国際貢献について,水道局としてはどのようなお考えを持っておられるのか,お伺いしたいと思います。 ◎菅原 施設担当部長  1点目のこれまでの水道局の取組みについてでございますけれども,水道局で,最初に国際貢献にかかわりましたのは,いまから24年前の昭和45年からでございます。この間,平成6年の10月の時点でございますけれども,海外からの研修員の受入れは54ヵ国,328名に達しております。これらの研修員は,短期間であれば1週間,長期の場合は3ヵ月間,札幌に滞在いたしまして研修を受けております。  次に,私どもの海外への派遣でございますけれども,いままで,延べ42名の職員水道技術専門家として派遣しており,途上国衛生状態の改善に寄与しております。このような取組みを進めるためにも,私どもは,英文の教材を作成したり,職員語学力を高めるなどの対策も,あわせて実行しているところでございます。  それから,いま,国際貢献のお話でございますけれども,私どもの国際貢献の意義といたしまして,水道事業に携わるわれわれといたしまして,やはり上質な飲料水の確保を何よりも重要なことと認識しており,したがいまして,近隣の途上国の人々が,飲料水の確保に困窮している実情を見ますと,少しでもお手伝いをしたいと考えているわけでございます。このような業務に携わる職員は,語学力国際感覚も身につき,まさに大きく成長しておりますことから,人材育成の面でも意義は深いと考えております。以上でございます。 ◆山口 委員  私は,国際貢献というのが,日本はあたかもPKOから始まったような議論がありますけれども,いま,伺いましたように,本当に水道局は長い歴史と実績を持っていらっしゃるのだなというのを,あらためて認識をいたしました。  現在,ルワンダは,自衛隊給水作業なんかもやっておりますけれども,自衛隊ではなくて,私は,水道局が,技術とノウハウ,人的なものも含めて非常に高い水準にあり,蓄積があるということで,難民対策も含めた国際貢献というのを,もっと積極的にやるべきではないかと考えております。  きょうの報道によりますと,札幌市も,コンベンション法によりまして,国際会議観光都市としての指定を受けたというようなことで,これから本当に国際化の内実が問われてくるだろうということを感じております。国際見本市とか,いろいろな,国際化とつく事業は多々ありますけれども,本当に世界に通用する札幌市になるということが非常に大事だと思いますが,なかなかそうはなっていないような実態もございます。いまのお答えの中で,非常に職員の資質も高まり,いい経験をなさっているということですから,それをもっと,いろんな場にも活用していっていただけたらと思いますけれども,難民対策も含めて,いかがでしょうか,最後にお伺いします。 ◎菅原 施設担当部長  いま,難民対策を含めた国際貢献ということでございますけれども,水道局の現在の取組みは,先ほどもお話ししましたように,外務省のODA予算位置づけられ,かつ,厚生省,JICAの協力要請を受けて実施しているものでございます。難民対策を含めた国際貢献についても,自治体や水道事業体が独自で判断するということは,難しいものと考えております。  水道局は,これまでも海外に職員を派遣したケースで,2度,派遣国のクーデターに巻き込まれまして,住居に被弾したこともございました。結果的に,事なきを得たわけでございますけれども,このような経験から申し上げますと,派遣国の治安の良否も念頭に入れなければならないのではないかと考えております。以上でございます。 ◆山口 委員  命の危険ということもあるということがわかりました。ですから,すぐにというふうにはならないかと思いますけれども,NGOとか国境を越える医師団とか,さまざまな活動を聞いておりますと,薬とか注射を後でもらってもしようがないのだと。やはり,水の確保,それによって,90%以上の伝染病,感染病が防げるのだというようなことを,行った人から聞いております。  これは,札幌市の国際政策といいますか,その中での位置づけがないと,水道局単独では,いろんなところへ行くのが難しい,ODA予算の範囲の中でということですけれども,これからの地方分権なんかの議論の中でも,政府開発援助ではなくて,自治体ODAという位置づけで,ぜひ,いろんな議論を始めていただきたいというふうに感じます。水道局ではなくて,これは助役,いかがでしょうか。 ◎魚住 助役  国際貢献につきましては,これは国が自主的にやることでありまして,私どもは,そういう要請があれば検討してまいりたいと,こう考えております。 ◆畑瀬 委員  私からは,大きく分けて二つ,一つは,財政状況について,二つには,災害対策についてお尋ねをいたします。  話がややこしくなったら困りますので,大きく二つに分けて質問させていただきますことをお許しをいただきたいと思います。  平成5年度の札幌水道事業会計決算総括表を見ておりますと,気になる点は,営業収益の面で19億円余減収していることであります。  先ほど,給水収益の問題について,小川委員のほうからも,要因を中心にして,さらりと触れられたのですが,私はもう少し,金額的な問題も含めて詳しく聞いておきたいものですから,少し重複するかもしれませんが,ご確認をしておきたいと思います。  給水収益関係でありますが,この営業収益の大宗をなすものであります。平成5年度並びに平成6年度における予・決算状況について,もう少し金額的にお伺いをしておきたいと思います。それが第1点。  第2点目には,両年度予算における気候条件の設定の仕方と実際の気候結果についても,もう少し詳しくお尋ねをしておきます。  それから,二つ目には,企業債の関係であります。  起債のポイントは,低金利資金をいかに多く確保するかということにあると考えますと,最近の傾向を見ておりますと,どうも気になってしようがありません。  そこで,1点目といたしまして,平成5年度においても,90億の企業債を起こしておりますが,その資金構成について,平成6年度も含めて伺っておきたいと思います。  あわせて,今日の起債の金利についてはどのようになっているのか,まず最初に,この点をお尋ねをしておきます。 ◎西口 管理部長  まず,第1点目の平成5年度の予・決算でございますけれども,過去の水需要動向等も見据えて,平成4年度決算見込みに対し,配水量で2.3%,有収水量では2.9%の増加を想定しておりましたけれども,景気の低迷及び記録的な冷夏の影響で,それぞれ0.1%,0.8%しか伸びず,また,家事用の水量は増加しているものの,家事以外の水量が減少していることにより,約21億円もの減収となったところでございます。  また,5年度の冷夏との関係もあり,また,長期予報の冷夏との関係から,配水量については,5年度決算見込みに対し,配水量1.4%,有収水量2.1%と今年度計上したものでございますけれども,8月7日に最高気温が36.2度と記録されまして,また,4年ぶりに日最大配水量を記録するなど,予算に対して約10億円程度の増収が見込まれております。  また,気候の設定につきましては,長期予報で,猛暑あるいは冷夏とされましても,たとえば,今年度の状況のとおり,当初は冷夏と言われておりましたけれども,実際には,真夏日の19日,夏日の71日となりまして,こういうことからも,なかなか,気候の設定を行うことは難しいものというふうに考えております。  また,企業債につきまして,まず,資金配分でございますけれども,平成5年度の企業債につきましては,借入総額90億円に対しまして,政府債が46.2%,公庫債が45.5%,市場公募債が8.3%となっております。  また,平成6年度につきましては,資金配分が,5年度と比較して政府債,公庫債が減少しておりまして,借入予定額90億円のうち,政府債が35.7%,公庫債が30.7%,市場公募債7.3%,そして,新たに縁故債が26.3%となっております。  このように,平成6年度におきましては,11年ぶりに縁故資金が配分されたわけでございますけれども,これは,全国の水道事業体からの企業債借入要望額が地方債計画の枠を上回ったために,不足分を縁故債により確保したことによるところでございます。  次に,資金別の金利でございますが,直近の金利で,政府債が4.5%,公庫債及び縁故債とも4.6%となっております。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  給水収益関係でありますが,平成6年度の決算見込みは,予算を上回る見込みであるということでありますが,財政計画との比較では,具体的にどのような状況になるのか,1点伺っておきます。  それから,企業債の関係でありますが,ただいまの説明によりますと,平成5年度においては,金利の低い政府債が46.2%というご説明でございました。となりますと,平成4年度の政府債の構成比は54.2%でありますから,それから下がったということになりますし,また,平成6年度の政府債の構成比率は35.7%でありますから,平成4年度をピークとして考えた場合,年々下がってきているということになります。  ご承知のように,起債の起こし方につきましては,いかに良質な資金を確保するかがポイントでありますから,このことを考えますと,非常に気になってまいるわけであります。それだけ支払利息に影響が出てくるわけであります。  私,ちょっと計算してみたのでありますが,毎年90億円借入れしておりますけれども,借入利率を,いま述べられたような4.5%で計算した場合,30年間償還の場合,支払利息の合計は約80億8,552万円と見込まれておりますし,この借入利率を4.6%にした場合,0.1%アップにした場合ですね,これは,約82億8,500万円となって,30年間で転がせば,その差は,約1億9,948万円の増加となります。これは,あくまでも政府債ですべて借りた場合であります。しかし,そんなに借りれるわけじゃありませんから,これは比較になりませんけれども,たとえば,平成4年度と比較した場合に,実際に16億円,政府債の部分が少なくなっておりますから,これを単純に計算いたしますと,これだけで,金利が3,552万円ふえる形になります。毎年企業債を起こすわけでありますから,ちりも積もれば山となるということでありまして,引き続き,良質な政府債を確保するように努力していくべきだと思いますけれども,昨今の財政環境も含めて,その展望を伺っておきたいと思います。 ◎西口 管理部長  まず,財政計画との比較でございますけれども,財政計画においては,平成5年度,370億5,000万円の給水収益を見込んだものが,決算では,先ほども申し上げたとおり,21億円もの減収となったわけでございます。  また,平成6年度予算策定に当たりましては,ただいま申し上げました給水収益減収及び冷夏予報等により,財政計画より約21億円の減として策定いたしました。それが,ことしの猛暑により,予算に対して約10億円の増収が見込まれる状況となったわけでございます。しかしながら,現在の状況では,財政計画と比較して,なお30億円もの収益の減となっておりますことから,今後の天候,景気の状況にもよりますけれども,依然,厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。  次に,企業債でございますけれども,ご指摘のとおり,企業債は,資金により金利等の差がありまして,一番良質な資金とされておりますのが政府資金でございます。したがいまして,これまでも国に対しましては,大都市水道事業管理者会議等から,企業債に関する要望を行なってきているところでございますけれども,今後とも,従来に増して要望をしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  給水収益関係について,平成5年度において冷夏の影響が,平成6年度において猛暑の影響で大分挽回したけれども,確かに予算に比べて10億円ほど上回ったけれども,財政計画と比較すればまだまだであると。財政計画によりますと,先ほども少し触れられましたけれども,予算の段階で20億減らしていると。その前の年の減収分を加えると,トータル40億ぐらいの差が出てくるのではないのか。そうすると,半分喜んで,半分喜べない状況というか,もろ手を挙げて喜べる状況ではないということになると思います。引き続き,財政計画により近づける努力が必要だと思いますが,この点を伺っておきたいと思います。  なお,企業債の関係につきましては,引き続き,良質な企業債を確保されるように望んでおきたいと思います。 ◎西口 管理部長  いま,委員のご指摘のとおり,給水収益は,財政計画に比べまして減少となっているわけでございます。したがいまして,より一層の費用の節減を行うとともに,収益の的確な確保に努めまして,財政計画に近づけるよう努力をしたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  分けて質問して,恐縮でございます。  最後に,災害対策の問題に移らせていただきたいと思います。  10月4日に,北海道東方沖地震がありました。たった1年半で三つもの巨大地震が,この北海道を襲ったわけであります。当然,道内の1自治体である札幌においても,これを教訓化していかなければなりません。  そこで伺うわけでありますが,まず最初に,本市の防災計画では,想定震度は5といたしております。戦後2回ほど,一部地域でありますけれども,札幌も震度5を経験しておりますから,これは,非現実的な想定震度ではございません。したがって,震度5が発生した場合,本市水道の被害をどのように想定していらっしゃるのか,まず1点目,お尋ねをいたします。  2点目は,今後起こり得る地震災害からの応急復旧体制と所要日数について伺います。  3点目は,本市がこれまで災害対策として整備をしてきたいろいろな事業がありますが,その主な事業名と,現在の効果について伺います。  4点目は,今後の災害対策に対する基本姿勢について。まず最初に,4点お伺いをいたします。 ◎工藤 工務部長  まず,第1点目の被害想定についてお答えを申し上げます。
     浄水場などの基幹施設につきましては,十分な耐震設計や,さまざまな安全対策を講じておりますので,大事には至らないというふうに考えております。しかし,配水管路におきましては,地盤や管材質などの違いから,折損や継ぎ手の抜出しによる被害の発生が考えられまして,この被害想定を220ヵ所程度と考えてございます。  2点目の応急復旧日数につきましては,6日間を想定し,体制といたしましては,延べ2,000名の職員の動員と関係業界や自衛隊の応援・協力のもとで,応急給水を含めて対応することとしております。  3点目の現在までに実施いたしました災害対策としての事業項目と,現時点での効果でございますが,災害が発生した場合に,その影響を極力小さくする配水区域のブロック化,応急給水のための緊急貯水槽や緊急遮断弁の設置,老朽管の更新などを計画的に進めております。  また,効果といたしましては,災害時はもとより,通常時におきましても,配水管事故率の低下など,安定給水に大きな効果をもたらすものと考えております。緊急貯水槽につきましては,現在約35万人3日分の飲料水を確保しております。  第4点目の今後の災害対策への基本姿勢でございますが,私ども水道事業に携わる者にとりましては,安全で安定した給水の確保を図ることが最大の責務と考えております。したがいまして,平常時はもとより,災害時におきましても信頼性の高い水道システムの構築を,今後とも目指してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  ただいま,震度5の地震が発生した場合に,配水管で220ヵ所,応急復旧体制については6日程度のことを考えていらっしゃる。今後の対策としては,老朽管の更新等で事故の未然防止を図りたい,配水区域のブロック化等で,影響を極力抑えていきたい旨のお答えがありましたが,さらに三つほど質問してまいりたいと思います。  一つには,災害対策事業の中で,配水区域のブロック化事業を推進しておりますけれども,具体的にどの地域まで今日進んできていらっしゃるのか,その仕組みと今後の事業展開の考え方を伺っておきたいと思います。  2点目には,緊急貯水槽の整備でありますが,平成6年度に建設をする白石庁舎分,ここでは,初めて深井戸方式といいますか,井戸方式と申しますか,それを採用すると聞いておりますが,その仕組みとコスト面を伺っておきたいと思います。  それから,三つには,老朽管の更新でありますが,ことしの正月起きた中央区の配水管破裂事故については,創設管については,前倒しをして早目に整備することにしたいということについては,1定の特別委員会で質問させていただきましたから,それは安心しているのでありますが,もう一方で急がれるのは,枝線の問題であります。  平成5年度の残存延長は95キロメートルでありますが,たしか平成8年度までの第2次整備事業,現計画でありますが,その事業計画の中で,相当更新する計画となっているはずであります。すでに,ロマネット計画や共同溝の一部で実施はしておりますが,面的な整備の面で一番大きく残っているのは,薄野地区であります。この地区については,いつから取り組まれるのかお伺いをいたします。  また,この地区の残存キロ数と事業費用については,どれくらいになるのかもあわせてお尋ねをいたします。  さらに,薄野地区で事業を行う場合,営業時間が違うさまざまな事業が展開されておりますから,実施に当たっては,相当課題が多いと思います。ついては,住民PRや組織体制の充実など,事業体制を強化して取り組まなければならないのではないかと考えますが,この点についても見解を伺います。 ◎工藤 工務部長  まず,第1点目の配水区域のブロック化でございますが,この仕組みは,本市の配水区域を約100ヵ所程度の小さな区域に分割をいたしまして,災害時の影響を極力小さくしようとするものであります。昭和59年度から毎年5ヵ所のペースで実施をしておりまして,今年度末までに,55ヵ所の整備が完了する予定でございます。地区的には,管網の整備状況,水圧状況などを考慮いたしまして,北区,東区,厚別区,西区,手稲区などの周辺地域から整備を進めております。今後も毎年5ヵ所のペースで,計画的に実施をいたしまして,平成17年度までには完成をさせたいというふうに考えております。  第2点目の今年度の白石庁舎の緊急貯水槽につきましては,深井戸を利用した施設を,本市で初めて予定してございます。従来の配水管路の一部を利用いたしました緊急貯水槽に比べまして,地下水を利用する深井戸方式は,コストが安く,連続した給水が期待できるものであります。コスト的には,昨年度設置をいたしました西庁舎での300トンの緊急貯水槽事業費と比較をいたしまして,約3分の1程度となってございます。  第3点目の薄野地区を中心とした老朽管更新計画についてでございますが,残存延長は約80キロメートルで,事業費は35億円を予定しており,平成7・8年の2ヵ年で,ほぼ完了させたいと考えてございます。  実施に当たりましては,ご指摘のとおり,埋設物がふくそうしており,また,24時間活動している地域でもありますことから,事前の調査,広報の検討,住民へのPRなどを十分に行いますとともに,ご指摘のとおり,執行体制の整備も図ってまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  薄野地区の取組みにつきましては,万全を期して事業を展開していただきたいと思います。  それから,緊急貯水槽関係でありますが,井戸方式の問題では,敷地の状況であるとか,あるいは地形,それから施工結果を見てみなければわかりませんけれども,この方式について,今後どのような展開をしていくお考えか,まず1点お尋ねをしておきます。  それから,緊急貯水槽建設につきましては,一般会計のほうから2分の1相当を助成されているはずでありますが,この事業を含めて全市的な災害対策事業水道事業会計で丸々見るやり方というのは,現行料金制度の仕組みからして,これはなかなか困難ではないかと,こう思っております。そういう意味では,この災害対策事業というのは,国庫負担が原則だと考えますが,これまでどのような働きかけをしてこられたのか。また,その見通しはどうなっているのかについてお尋ねをいたします。 ◎工藤 工務部長  1点目の井戸方式の今後の展開につきまして,私のほうからご説明いたします。  先ほどもご説明いたしましたとおり,井戸方式による緊急貯水施設は,今回が初めてでございます。したがいまして,深井戸方式の緊急貯水槽の今後の展開といたしましては,今回設置をいたします施設の評価を今計分に行いました上で,さらに検討をしてまいりたいと考えております。 ◎西口 管理部長  国に対する要望の現状でございますけれども,従来から,国庫補助金創設の要望を,日本水道協会等,関係団体を通じて行なっているところでございます。したがいまして,今後とも引き続き,積極的に要望を続けていきたいと考えております。  また,今後の見通しでございますけれども,厚生省では,ことしの全国的な渇水状況,あるいは大規模な災害等を想定しまして,首都圏など,大規模な災害が予想される地域に重点を置きまして,災害対策事業に国庫補助を行うことを計画しているというふうに聞いております。したがいまして,これが実行された場合には,補助基準にもよりますけれども,国庫補助申請を行なってまいりたいと,このように考えております。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  後段の国庫補助事業の問題については,大変重要ではないかと思っております。本年,渇水問題で,水のありがたさというのは,全国民に周知されたところではないのかなと,こう思うのでありますが,そんな意味で,いま,部長からご答弁のあったように,厚生省においてもそのような動きがあるというご報告であったと思います。  それで,これまでの補助事業といえば,中央が一つのメニューを考えて,その中からお選びくださいというやり方が多かったのではないかと。しかし,地方の時代と言われて久しいわけでありますから,今度は,この補助事業のあり方についても,地方のほうからメニューを上げて,それを中央政府に採択をさせ,そして地域で事業展開をさせるというやり方をしていく時代だと思います。その意味では,この災害対策事業というのは,私は格好の材料だと思うのです。したがって,口酸っぱくなるように,やはりこの問題について採択されるように上げていくべきだと思うのであります。  先ほども述べましたように,現行の水道料金システムの中では,この災害対策事業を全部やることについては,どうしても困難が生じる。それでも今日まで,助成も含めてずいぶんやってきたと思うのですよ。しかし,まだまだ残されている事業が多いわけでありますから,料金に転化させないためにも,この点については相当力を入れていかなければならない点だと,こう思っておりますが,管理者並びに助役の考え方を聞いて,終わりたいと思います。 ◎小谷 水道事業管理者  ご指摘のとおり,災害対策に関しましては,国庫補助制度の創設が,事業を行う上で非常に重要なものだと,そういう認識をしているところでございます。  まず,国庫補助制度の見通しでございますけれども,ただいま,管理部長からご答弁申し上げましたとおり,今年度,西日本を中心といたしました異常渇水という問題がございましたので,厚生省としても,災害対策施設の重要性を十分認識していると,このように考えております。  また,一方,私どもといたしましても,実は,来月18日に,東京におきまして,日本水道協会を中心といたしまして,全国水道整備促進大会というのがございます。この中で,渇水対策のほかに耐震対策,今回の東方地域の地震を受けまして,これも急遽,要望の中に加えていくということも決定いたしました。そのようなことで,今後も強力に,私どものほうからも強く要望をしていきたいと,このように考えております。  いずれにいたしましても,今後もなお一層,全国の水道事業体が一体となりまして,国に対して,強く制度創設の要望をしていきたいと,このように考えております。 ◎魚住 助役  いま,管理者が答えたことで,もう意を十分尽くしていると思いますけれども,いま,管理者が申し上げたように,水道協会というのがありまして,北海道の札幌市は市長が地方支部長でございます。そういう中でも,この要望がございまして,それを全国大会に入れて,全国の水道協会の要望事項になっているわけでありまして,それが,来月の18日の大会にもかかるということでございます。そのときの要望事項は,厚生省だけでなく,大蔵,自治省とか,関係省庁,全部要望することになっております。その中で,私どもも一緒に,粘り強くやっていきたいと思っておりますし,また,札幌市が単独で,大蔵とか自治省とか厚生省に行く場合も,北海道は非常に地震が多いわけでございますから,そういうことも十分強調しながら,ひとつ要望を強めていきたいと,こう思っております。 ◆三上 委員  段々の質疑の中でお話ありますように,ことしは異常気象とも言える天候が続き,全国各地で渇水,現在でも,そのために一部の都市では,減断水を続けられているというようなことであり,さらにはまた,先ほどお話ありましたように,東方沖地震による水道施設の被害というようなことから,ことしは何か水道の話題に事欠かないようなことが続いているのでありますけれども,幸いに本市では,必要なだけ心配なく水道を使用できたと。非常に,本市の市民にとってはよかったなと,こう思っているわけでございます。  今後とも,こういう市民の信頼にこたえるためにも,安定した給水を続けることは必要である,これは,だれしもが考えていることであると思います。そのためには,第2次施設整備事業を初めとする必要な事業計画的に進めてほしいと,こう思っているわけであります。  しかし,一方で,今後の水道施設づくりにおいては,代表質問で私が伺いましたように,地域のまちづくりと一体となった,市民が本当に身近に感じて喜んでもらえるような施設づくりも必要だと,大切だと,こう思うわけでございます。そこで,水道の今後の施設づくりと水道施設の開放について,3点ほど伺いたいと,こう思います。  まず,1点目でありますが,これまでの水道施設の中で,すでに市民に開放している事例としては,どのようなものがあるのか。  2点目に,これまでの水道施設は,飲料水を扱うということで,汚染防止という観点から,市民から離れた隔離した施設として建設し,管理されてきた経緯がございます。今後,新たにつくる施設にとどまらず,既存の水道施設の開放もできるだけ行なっていくべきと,こう思うわけでありますが,これらを実施していく上で整えなくてはならない条件,あるいは,検討しなければならない課題としてはどのようなものがあるのか,これが2点目であります。  3点目に,開放のための条件を踏まえて,既存施設を近々に開放する場合,どのような施設が対象となるのか。また,どのような用途が考えられるか。以上,まず3点伺いたいと思います。 ◎工藤 工務部長  まず,第1点目の施設開放の事例でございますが,昭和55年から,地下鉄澄川駅近くにございます平岸配水池の上面を,テニスコートとして市民に有料で開放をしております。近年では,公園等の公共用地内を占用して水道施設を建設するケースもございます。昨年完成いたしました西区宮丘公園内の西部配水池,白旗山スキー競技場内にある清田高台配水池,旭山記念公園内の旭山配水池などがこれに当たります。このほかにも藻岩浄水場の水道記念館や白井川浄水場は,見学施設として市民に利用していただいております。  第2点目の開放を行う上での課題についてでございますが,水道施設の開放には,構造的な安定はもとより,汚染防止のための必要な対策が不可欠でございます。さらに,利用する市民の安全確保や維持管理面の体制整備も必要であります。また,資産の有効活用を図る観点から,収益性や事業PR効果などについても,立地条件や環境条件を踏まえながら十分に検討してまいりたいというふうに考えてございます。  第3点目の既存施設で対象となる施設といたしましては,当面,高区配水池を中心に考えております。開放できる面積が小さいとか,住宅街から遠く離れている施設等を除きまして,付近の環境や住民の要望を踏まえまして,また,関係部局とも調整を行いまして選定をしてまいりたいと考えております。用途といたしましては,ゲートボール場,テニスコートなどの利用が可能ではないかというふうに考えております。以上でございます。 ◆三上 委員  既存の水道施設の開放については,水道施設としての安全性確保のほかに,維持管理法など,具体的に検討しなければならない課題があることはわかりましたのですが,具体的な事例として,水道発祥の地である,景観にも恵まれた藻岩浄水場の開放について,2点伺いたいと思います。  1点目ですが,藻岩浄水場配水池の水道施設については,50年以上も経過した老朽施設であり,近く大規模な改修を行うと,このように聞いております。これはどのような改修計画となっているのか。  2点目には,藻岩浄水場の開放についても積極的に検討を行なっていくと,こういう答弁,先ほどから私以外の答弁にもありましたのですが,これについて,どのような開放を考えておるのか。また,開放の時期はいつごろになるのか,この2点についてお伺いしたいと思います。 ◎工藤 工務部長  第1点目の藻岩浄水場改修計画でございますが,藻岩浄水場は,昭和12年の創設時の第1・第2配水池を初めといたしまして,施設や設備の老朽化が着実に進行しております。現在は,この改修に向けた管路整備など,必要な整備を段階的に進めておりまして,配水池につきましては,平成8年度までに終了させる予定となってございます。また,次期整備事業平成9年度からは,先ほどもお答えを申し上げましたが,3ヵ年をかけまして,浄水場本体の大規模な改修計画してございます。  2点目の開放計画につきましては,藻岩浄水場は,本市水道の発祥の地であり,すでに,旧浄水場の一部を水道記念館として市民に開放をしてきておりますが,今後は,札幌市の中心部を一望できるすぐれたロケーションを活用した総合的な利用を目指しまして,他部局との調整や専門家の意見も取り入れながら,具体的な計画を策定してまいりたいと考えております。  開放の時期につきましては,これも先ほどお答えいたしましたが,大規模な改修工事も控えており,工事ヤードや進入路確保などの問題などから,これらの工事が終了いたします平成12年をめどと考えております。以上でございます。 ◆三上 委員  最後に,要望で終わりたいと思いますけれども,水道は,現在の都市に生活する者にとっては必要不可欠のものでございます。したがいまして,今後とも安定した給水の確保に向けて,努力を傾注していただきたい,そして,市民の信頼にこたえていただきたいと,こう思うわけであります。このような観点から,地域のまちづくりと一体となった水道の施設づくりへ取り組まれて,水道事業のPRを,そして,市民によりよく理解していただくよう努力を続けていただきたいと,こう思うわけでございます。  既存の水道施設の開放には,具体的に検討しなければならないことも多いと思うのでありますが,地域の要望はそういうところにございますので,十分このことを踏まえて,関係部局とも十分に協議の上,速やかに,できるところから実施に移していただきたい,このように,積極的に取り組んでいただくことを要望して終わりたいと思います。 ◆丹野 委員  今議会の最後の質問になりました。後ろのほうからも,簡単にやれという声が先ほどから起こっていますから,簡単にやりたいと思います。先ほどの各委員の質問の中で,もう最後になりましたらほとんど出ちゃいまして,残りが少ないわけでありますけれども,若干お聞きしたい点がありますので,お伺いさせていただきます。  先ほどお話ししておりましたけれども,私の質問は,一応,水道施設と災害対策という大きな観点から数点聞きたいと思うのです。  確かに,ことしは記録的な猛暑になりましたから,全国的には,26都道府県で約1,000万人の人が,水の恩恵に浴すべく大変苦労されたというお話であります。そしてまた,先ほど各委員からもお話しありましたように,天災である地震なども起こりまして,毎日流れてくるニュースなどを見ますと,震災に遭った地域では,大変水における苦労をしているというニュースなどにも接したわけであります。  10月4日には東方沖地震ということで,釧路は震度6,その周辺は5ということで,この状況も刻々と,マスコミ等で報じられたわけでありますけれども,このような部分を見るにつけて,本市の場合,たしか,あのとぎ震度3だったと思います。揺れて喜ぶ方もいたかもしれませんけれども,私はもうちょっと,これはどういうふうになるのかなという不安を抱いたわけでありますけれども,そういう震度に札幌でも見舞われたと。本市においては,先般は大した事故にはならなかったわけでありますけれども,このような視点から,三つほどお聞きします。  先日の東方沖地震で,テレビ等の報道を受けていて気がついたわけですけれども,釧路においては,昨年の被害があったその経験を生かして,電気事業の部分で,かなりの配線設備をしたという部分です。そのどこに注目したかといいますと,その接合する部分に,普通は碍子に全部配線がされるのでしょうけれども,ああいう大きな地震になれば,線がびんと張って,切れてしまうのも当然であります。ですから,前回はそういう事故があったわけでありますけれども,今回は,接点の部分に,ぜんまい式というのですか,伸縮自在の配線を施したということで,ほとんど電気に関する事故はなかったと,このように受けとめていたわけであります。そういう部分を想定しまして,本市の水道事業で,水道管が網の目のように張りめぐらされているわけでありますけれども,これは,地上と地中という違いはありますけれども,技術的な部分でこのような水道技術がとり行われているのかどうか,そういう部分があれば,示していただきたいと思います。  それから,浄水場配水池など,地震によって破損すると,広範囲な部分で断水が懸念されるわけでありますけれども,これらに対する施設の災害対策等についての特記すべき事項がありましたら,お示し願いたいと思います。  三つ目でありますが,本市の水源は現在,豊平川水系の上流につくった豊平峡と定山渓両ダムに依存しているわけであります。同水系に確保している河川表流水を合わせますと,実に,全体の98%が豊平川1本に頼っているという状況でありますから,当然,地震,渇水等の災害,万が一,札幌市にも仮に震度6以上の地震が起きた場合をやっぱり想定しなければならないと思います。そういう考え方からいけば,どのような対策を考えているのか,お示し願いたいと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  第1点目の水道管の耐震対策についてお答えいたします。  水道管を布設している地域で,軟弱地盤につきましては,地震の際に逸脱しにくく,また,可とう性にすぐれたS字継ぎ手というパイプを接合部分に接合しております。また,河川を横断している水管橋などには,伸縮可とう管を設置して,耐震性を高めております。  第2点目の基幹施設の耐震対策についてでございますが,震度6相当まで耐えれるように設計されており,鉄筋の量,コンクリートの厚さに配慮した耐震設計を行なっております。また,配水池容量の増強や浄水場間バックアップシステムの整備,さらに,非常時の飲料水確保のために,緊急貯水槽の設置などを実施しております。  第3点目の水源の安全性の問題についてでございますが,万一の災害を考えますと,確かに不安がございます。二つのダムが同時に使えなくなるというような事態は,考えにくいものではございますが,さらに,信頼性,安全性を高めるため,当別ダムの建設による水源の分散化を初めとした諸施策を,今後とも積極的に進めてまいりたいと思っております。以上でございます。 ◆丹野 委員  本市が,新しい技術を含めまして努力をしている部分はわかりました。数点を質問して終わりたいと思いますが,豊平峡ダム,定山渓ダム,この部分も震度6に耐えられると判断していいのかどうか。  それから,先ほどのお答えの中で,浄水場間のバックアップシステム整備という部分のお答えがありましたけれども,もう少し詳しく教えていただければと思います。  それから,いまのお答えの中で,分水,分散をさせるために,将来を考えた上で,当別ダム等もいま検討の事業に入れながら進んでいるのだというお答えでありました。これは,天災等を入れない部分でいきますと,札幌市が200万人を超えたときの飲料水として確保するという事業として理解しているわけでありますけれども,やはりこのような災害等が各地で起こるという昨今の状況の中にありますと,当然急がなければならないなと。先ほど各委員からもお話しありましたように,急がなければならない事業だと思いますけれども,当別ダムにおける平成5年度の進捗状況と,また,平成6年度の部分をお示しいただければと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  第1点目のダムの耐震設計でございますが,ダムのような重要土木構造物につきましては,震度6以上の地震に対しても十分耐えれる設計になってございます。  2点目の浄水場間バックアップシステムでございますが,本市の8割以上の水量を担っております白井川浄水場と他の四つの処理場の間に,管路の連絡管を設けまして,事故時,災害時に補完,対応するシステムでございます。  それから,3点目のご質問であります当別ダムでございますが,平成4年度に着工し,平成18年度に完成予定となっており,総事業費650億円のダムでございます。平成5年度までに,約10億円の事業で用地調査,水没家屋の調査等を終了し,全体事業の1.6%の進捗となっております。  また,平成6年度につきましては9億円の予算で,引き続きこれらの調査を実施中であり,平成6年度末では,全体事業の2.9%の進捗状況となっております。したがいまして,計画どおり,事業が執行されております。以上でございます。 ○荒川 委員長  以上で,議案第6号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,24日午後1時から,本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後2時19分...