札幌市議会 1994-10-18
平成 6年第一部決算特別委員会−10月18日-06号
平成 6年第一部
決算特別委員会−10月18日-06号平成 6年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第6号)
平成6年10月18日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34人(欠は欠席者)
委 員 長 武 市 憲 一 君 副委員長 猪 熊 輝 夫 君
委 員 藤 田 雅 弘 君 委 員 山 崎 七 郎 君
委 員 岡 本 修 造 君 委 員 澤 木 繁 成 君
委 員 川口谷 正 君 委 員 西 村 茂 樹 君
委 員 大 西 利 夫 君 委 員 藤 原 廣 昭 君
委 員 越 智 健 一 君 委 員 長 岡 武 夫 君
委 員 山 田 信市郎 君 欠 委 員 小 谷 俵 藏 君
委 員 佐 藤 美智夫 君 委 員 常 本 省 三 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 原 口 伸 一 君
委 員 田 畔 満 君 委 員 本 舘 嘉 三 君
委 員 春 原 良 雄 君 委 員 柿 崎 勲 君
委 員 義 卜 雄 一 君 委 員 田 畑 光 雄 君
委 員 青 木 護 君 委 員 室 橋 一 郎 君
委 員 佐 藤 寿 雄 君 委 員 道 見 重 信 君
委 員 高 橋 重 人 君 欠 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 井 上 ひさ子 君 委 員 武 藤 光 惠 君
委 員 中 嶋 和 子 君 委 員 福 士 勝 君
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開 議 午後1時
○武市 委員長 ただいまから,第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
生駒委員からは欠席する旨,
田畑委員,
常本委員,猪熊副委員長からは遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
それでは,議事に入りますが,その前に,質問をされる方は,極力一問一答は避けていただくようにお願いをいたします。
また,答弁をされる方は,簡潔に答弁をいただきますようにお願いをしておきます。
第9款 教育費 第1項
教育委員会費から第8項
学校保健給食費までを一括して質疑を行います。
◆本舘 委員 じゃ,委員長の指導のとおりやりますので。ただし,答弁はきちっとやっていただきたいと思ってございます。
私は,中学校の
教育課程,
教科指導の
学習進度についてお伺いいたしたいと思っております。
戦後第2次ベビーブームの
子供たちの
受験戦争,あるいは受験地獄といったピークも過ぎて,これから,ある程度,余裕を持った進学環境になろうかという昨今でございますが,依然として,学校を離れて学習塾に通う
子供たちが大変多いのが現状でございます。
本来,
義務教育においては,学校の教育だけで十分なはずなのですが,今日の
社会状況から見て,親のいろいろな思いもありますし,特にできの悪い子供を持った親にとっては,将来を考えるとなかなか深刻であると,こういう思いもまた社会的な背景にございまして,学習塾という
教育産業が活況を呈しているというのが,今日的な状況ではないかと思うわけです。
しかし,その
学校教育の課程が,十分に年度内にこなされていないとすれば,これは大変問題ではないかと,こういうふうに思うわけです。
私,おつき合いをさせていただいている学習塾を経営されている方が,いろんな調査をしてみたのです。それは,この学習塾にはおよそ10校の中学校の1年生から3年生までの生徒が通っております。この1年から3年,しかも学校が違うわけです。およそ10校の生徒が通っていると。
それで,いろいろ勉強を教えている過程で,本市が全中学校に出している
教育課程・
年間指導計画基底,これに合わせて調べてみましたら,かなりずれがあると。それで,学校の
進捗状況に合わせて質問すると,「いや,わからない」と,「どうしてだ」と言うと,「まだそこまで習っていないのだ」というような答えが返ってきたと。それで,学校違うわけですから,
ばらつきがあるのかなということでそれぞれの生徒に聞いてみましたら,一様にそういうような
進捗状況であるということで,昨年途中から調査を始めたのですが,ことしは新学期からその調査をしてみたのです。
この学習塾では,特に主要科目である英語,数学,国語,理科,社会ということで調べましたら9月末現在で,この調査によりますと,中学1年では英語の教科書が総ページ90ページ,それに対して学科の速度が34ページで,現在の進捗率が38%。数学に至っては,158ページに対して進度61ページで39%の進捗率だと,このようになってきまして,総合的に言いますと,中学1年の5
教科平均の進捗度が44%。それから,中学2年で同じく5教科の
平均進捗率は36%,中学3年では同じく46%と,軒並みおくれている実態がわかったわけなのです。
それで,この
学習塾経営者の言うには,いまや学習塾は予習の学校であると,学校は復習みたくなっているのだと。これはこれで私たちの存在意義があるので,結構なわけなのですが,これから特に受験生ということになりますと,やはりこの後3学期に入りますから,いままで5ヵ月ですか,その
進捗状況からいくと,かなり無理があるのではないかと。そういう面で,学校の
指導内容の
進捗状況をもうちょっと速めていかないと困るのではないでしょうかという,むしろ好意的な調査をしてくれたわけです。私も,全くそのとおりだなというような感想を持って,いまお話をしているわけなのです。それで,特に教科書においては,1年の単元,だんだん難しくなってくる。2年になったら,さらにそれを上積みして難しくなっていくと,積重ねなのですね。そういうことになりますと,この
進捗状況がこの学期内で詰まってきて,終わればいいという状態になっては,
子供たちを大変ふびんに思うし,父兄も大変その点を心配していると,こういうような実態が出てきたわけです。
それで,学校の名誉のために,その地域と学校名は伏せておきますが,本市の
中学校教育課程・
年間指導計画基底がございますね。全中学校に配付し,各学校長に徹底をして,さらに
指導主事も入り,学校での
指導計画を立ててやっていると思うのですが,こういった計画の基底が実際にどのように現場に徹底され,また,その
進捗状況などはどのように掌握されているか,お答えを願いたいと思います。
さらに,もし私の言うように,学校間で
ばらつきがあるとすればそれはいかなる理由によるものか,あわせてお答えをいただきたいと思います。
◎武田
指導室長 1点目の基底編の配付と活用についてでありますが,
教育課程・
年間指導計画基底編は,各学校の
教育課程を編成する際の主要な資料となることを目的として作成し,配付しているものであります。
各学校においては,この資料を参考としながら,より適切で効果的な指導ができるよう,学校や生徒の実態を踏まえて
指導計画を作成し,それに沿って日常の指導に当たっております。
市教委といたしましては,これまでも
学校管理説明会や校長会・教頭会及び
各種研修会等を通しまして,基底編の活用について指導してきているところであります。
また,各学校の
教科指導の
進捗状況の把握についてでありますが,このことについては,
指導主事の
学校訪問等を通じまして,必要に応じて随時把握に努めているところでございます。
2点目の各学校による
教科指導の進度の違いについてでありますが,ご指摘のような学校による進度の違いは,各学校の
指導計画の違いや,そのときどきの子供の理解の状況に対応して,増減する指導時間数の幅の違いによるものと思われます。
いずれにいたしましても,
教科指導の進度につきましては,子供一人一人が
学習内容について,十分理解できるよう配慮していくことは大切なことであると考えております。
◆本舘 委員 実際にどのように徹底して掌握されているかというお答えがございましたが,現実に,やはりあるという事実ですね。いま,部長が答えた中には,いろんな意味があると思うのですね。何ぼ教えてもわからぬできの悪い子供もいるし,また,いろいろ指導室が
学校計画を遂行できるようにやっても,教員によっては,なかなか
指導効果を上げれないというような実態もあるのではないかと,私思うのです。
でも,少なくとも
義務教育ですから,教育の
指導要領に基づいて,おくれがないように計画の完遂を目指すことが大事だと思うのですね。特にこれは,身分を守られた
義務教育界の社会で働く,教員すべての使命じゃないかと思うのです。だから,そういうことが,
一貫教育ですから,
一括教育ですから,なかなか全部に行き渡らないということはわかります。しかし,学習塾,特に民間ということになれば,一切の保障もないところで子供をいかに前進させるかという,きわめてハングリーな熱意もあって,かなりの成果を上げているということもまた事実でございます。
そういうことも考えまして,学習がその年度内,学年内に何とか終わっているというふうに言われますが,ぎりぎりに終わるというのは,これは余り効果がないと思いますね。むしろ,基礎をやった後は,しっかりローテーションに従っていくことが大事だと思うのです。そして,できる限り,最後はまた復習ですか,こういった状況に持っていかなければ,やはりそこら辺に父兄の心配もあるわけなのです。
この間いただいた札幌市の教育'94年を見ますと,もうまさに芸術的な評論ですよね。「意欲を高め,主体的に学ぶ力を育てる
学習指導」と。「自ら目標をもって意欲的に追究・解決に取り組む学習を展開し,基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせるとともに,思考力,判断力,表現力などの能力の育成に努める。」みんなこんなような調子です。
だけれども,
一括教育ですが,全部すべてにということにはならないと思いますが,少なくとも教科というのは積重ねです。どの教科も。特に数学なんかそうですけれども,計算式があって,関数が入って図形というのが,1年も2年も3年も続いていると。やっぱり後半に行くに従って難しくなるわけですから,これが年度内にぎりぎりで間に合ったから完遂したというのじゃなくて,もっときちっと悠々と間に合うように,ひとつ前進をさせていただきたい。難しくなりますから,これ以上言いませんが,少なくとも実行というデータが出たわけですから,問題もある,完遂しないで終わる,あとおまえたちで勉強しておけという部分もあるやに聞いておりますので,この点について今後何か,この
学習計画がきちんといくような手だてがもし考えられているのであれば,最後にもう
一つお答えをいただきたいと思います。以上です。
◎滑川
学校教育部長 ただいま本舘委員から,ぎりぎりに終わる,または余裕なくして終わっている実態があるのでないかという,大変厳しいご指摘を受けたわけでございます。これは,私どもといたしましても,児童・生徒の学習については,非常に大事な問題を指摘されたというふうに考えております。
ただ一般的には,先ほど年間の計画につきましては,それぞれの教科の担任の先生,またはそれぞれの学校における独自の実態,さらには自分の受け持っております児童・生徒の実態に応じて,ある程度早くなったり,遅くなったりする実態がございます。
たとえば,自分が受け持っている子供がどうもつまづいて理解が遅いという場合には,仮にそこの時間に
年間計画5時間かける時間があっても,6時間なり7時間なりじっくりかけて,わかるように指導すると,後の時間は,そこのところはある程度軽く扱っていくというような軽重をもった進め方が実際上あるわけです。
これは,むしろ望ましい方向でございますが,いま指摘された点につきましては,そうではないように,私は受け取ったわけでございますけれども,これにつきましては,少し余裕を持って年間の見通しを持って終えるように,常日ごろ私どもも指導をしているところでございます。子供の理解度や,それから子供の活動のぐあい,進みぐあいに十分配慮しながら指導していくということでございます。
事前の計画どおりならないこともありますけれども,その際において,学年として習得すべき内容をやはり適宜指導していくというのが基本でございますので,今後,私どもといたしましても,先ほど指摘いただきましたように,各学校におきまして児童・生徒に,とりわけ基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせるようにこの
年間計画を作成して,同時に指導の内容とか方法につきましても,一層工夫するようにしていくことが必要でないかなと。このような適正な指導について,私どももこれから各学校にお願いし,助言もしていかなけりゃならないと。さしあたっては,
校内研修,
学年研修を各学校で持っていますから,その
校内研修,
学年研修で,それらの問題についておくれにならないように,
学校ごとで
十分研修を深めていくということも一つございます。
さらには,その指導の進め方につきましては,
指導方法も含めて指導室のほうで,
学習指導に関する
指導資料というのを発行してございます。これをぜひテキストに,各学校でも研修をしていただくということが,一つは大事でないかなというふうに思います。
そのほかに,札幌市内でのいろんな研究所を初めとしての研修会がございます。そういった機会に,やはり望ましい
学習指導のあり方ということ,さらに先生方一人一人の指導力の向上というか,それらについて,今後とも私どもは指導してまいりたいと,そのように考えております。
◆本舘 委員 了解。頑張ってください。
◆道見 委員 それでは,私から大きく5点ばかり質問をさせていただきます。
そのうち3点,先に質問させていただきます。
1点目は,
村山政権が誕生して,新聞をにぎわしておりますが,国歌・国旗のことであります。
社会党は,自民党と政権を組んで,非常にいい方向に良識のある党に何か変更しそうでありまして,国旗・国歌,自衛隊という3点セットに良識ある判断を出してきたということは,自民党と政権を組んだおかげで大分成長したなと,私はそう評価しているわけです。この国旗・国歌については,以前から
教育委員会のところでも質問が出てきたわけですが,国旗を揚げる揚げないで,
職員会議を1時間開くだとか,そういうようなことが現実に現場で行われていると,別に
職員会議で決める必要はないことで,校長,教頭が一生懸命苦労されていると。こういう現状の中において,今回,
村山政権が誕生して,あのように国会で答弁されて,一部食い違いがあったのですけれども,
答弁調整もされて出ましたので,あらためてこの
村山政権が誕生して,
教育現場の第一線で活躍される
皆さん方にとって,国旗・国歌のことについての
村山答弁のご感想を。まず,この1点。
それから,これを踏まえて,実際の
教育現場において,
教育委員会として従来の国旗・国歌の取扱いについて,何か具体的に
指導方針が変わってくるのかどうか。まず,国旗・国歌のこの二つの点をお聞きいたします。
大きな2点目は,これは昨年の2定だったと思いますが,私が質問をいたしましたが,学校の週休2日制に向けてのことに関して二つほど質問をいたします。
それは,子供が地域に帰ってくると。来年の4月から2回になるということで,自由な時間がそれだけ出てくるわけです。そういう面において,私の地域は特にそうなのかもしれませんが,実際
社会環境は,七,八割方は共稼ぎをしていたりして,子供が帰ってきても,子供の受皿の問題,その他,いろいろなことを今後の中で解決をしていかなきゃならぬ。いわゆる昔から言われている地域と学校と家庭が一体となって子供を育てていく。子供が週休2日によって地域に帰ってきて,地域がともに子供を育てていくという,いわゆる地域の教育力が高まるのであれば,私は非常にいい方向にいくのだろうと。実際問題として,来年から月2回と言っても,いずれこれはもう完全週休2日にいくことは予想される,この間の国会の文部大臣の答弁を聞いても,そういうふうにいくのだろうとは想定されます。
そういう状況に向けて,子供を地域の中で育てていくという
システムを,私はいまのうちからつくっていかなきゃならぬと,そういうことが非常に重要な課題になってくると。それはどういうことかというと,やはり子供という問題ももちろん大きく一つあるし,それから世の中の動きとして,社会も週休2日になってくると,大人も子供も社会の地域にいると。いわゆる子供の受皿の問題と,それから大人の週休2日に伴う余暇を利用した生涯教育と,こういう観点から考えたときに,この余暇の時間を含めて生涯教育,
学校教育を含めてどうあらなきゃならぬかと。この観点から,私は,学校の先生方の活用の面で質問したわけですが,私は
学校週休2日制になることによって,先生も地域に住む一市民,国民という観点から,土曜等が休みになることによって,地域で
子供たちが何かやるときは,学校の先生も積極的にその中に参加していくようにならなきゃならぬと,文部省の通達の中に書いてあるわけですが,現実として,いま月1回土曜が休みになって体育館を開放しているといったって,別に先生が出てきているわけじゃないのですよ。
皆さんご存じのように,文部省の予算のついている管理人が,1時間幾らで体育館を管理し留守番していると,そういうような状態であって,本当に文部省が言うように,先生も一市民,国民としてその中に溶け込んでくるような時代が,本当に来るのかどうなのか。今後週休2日が進む中において,この点が私はやはり,はっきり
文部省通達にも書いてありますけれども,
教育委員会としても,現場としてそのことを実行していくと,こういうことがなければ,なかなかお題目だけになって,説得力がないだろうと。だから,まず学校の先生もそういう体制をどうとっていこうとしているか。
それから二つ目は,
社会教育との絡みで,そういう2日,余暇の時間もふえる,
子供たちもいるということで,地域なり町内なり,あるいはいろんな各地域の団体が何か催物をしようというときに,いろんな人材を求めると思うのですね。ところが,地域にはいろんな人材の方,たくさんいるのですよ。学校の先生のOBの方ももちろん地域で活躍しています。それから一般の人ももちろん,特殊技能というのですか,そういうものを持っている方も住んでおられると。私は,将来そういう
社会教育の面,あるいは
子供たちの教育面から見て,そういう時間帯にいろんなことで地域が子供を巻き込んで,あるいは地域の大人を巻き込んでやるときに,こういう人材がいると。習字の先生がいる,あるいは歌の先生がいる,絵の先生がいる,花の先生もいると,こういうことで人材が生かされるように,
教育委員会で,
社会教育なり
学校教育の一環として,人材が活用できる
システムを確立していって,これが将来の地域も含めて,
子供たちも大人も余暇の有効な利用,そして有意義な生涯学習につながっていくと。人材いるわけですから,それを活用してもらう,そういうような
システムをつくるべきだと。
お話によると,いま生涯学習の推進構想というのが,
教育委員会の中で策定されようとしていると聞いておりますので,その中でこういうようなことがどういうふうにかかわってくるのか,私はそういうことをまず2点,この件についてお聞きさせていただきます。
それから,大きく3点目は,
学校給食の調理の民営化について,民間活力について質問いたします。この件については,
代表質問でも私がしております。
ご存じのように,民営化をするということは,民間でやったほうが効率的であるし,コストも安く上がると,だから民営化をしたらいいと,こういうことでありますが,これ現実に
皆さん方も計算したかどうかわかりませんが,もし民営化を1回でやったとしたら,1回でやったとしたら,この経費だけで40億浮くのですよ。計算すればわかりますよ。40億円浮くのですよ。きょうは財政も来ているだろうと思いますけれども,
監査委員も,業務監査というの,現実そこまで,まだ実施しておりませんけれども,おそらく業務監査やったら,これは指摘される事項だと思うのですよ。いま,正職でやっているよりも,民間に委託したほうが40億円浮きますよ,これだけで。
私は,これだけ大きな課題をいつまでも一流の言い回しで,研究しますだとか,検討しますだとかって言っている時代でないと思うのですよ。全庁的に行政改革を遂行していこうと,こういうふうに言っている中にあって,どのように,いままであの
代表質問以後,検討されてきたか,それが一つ。
それから二つ目は,いま総務局が中心になって
行政効率化をやるということになっておりますが,この中に,この
学校給食の民活というものが明確に入っているのかどうなのか,皆さんの段階において,位置づけされているのかどうなのか。
いきなり全部やれといっても,働いている方の身分もありますから,これはいきなりはできないと思います。だから,新設校だとか,あるいは退職で補充される部分,そういうものからやっていくと。これやっていったって15年なり20年かかりますよ,これだけ学校があれば。そういうことで,具体的に取り組んでいくと。こういうふうにして,現実に
教育委員会が本当に腹を据えて,これをやろうとしているのかどうか。とりあえず,この3点を質問いたします。
◆高橋[重] 委員 (関連)いま,道見委員のほうから,国旗・国歌の問題が出されましたので,関連して,その点について質問したいと思います。
いま,社会党が政権に参加することによって,自民党に国歌・国旗の件で同調することが評価される旨の質問でありますけれども,そもそも国歌とか国旗とかというものはどういうものかという原点に立って考えていかなければならない。
特に,君が代,日の丸というのは,いまでは,なるほどスポーツの大会,その他で常時使われておりますけれども,そもそもこれは,日本の
侵略戦争のシンボルとして使われてきた性格を持つものであり,戦後の政治でこの
侵略戦争の反省の上に立った憲法をもとにして,これを少なくとも公教育の中で強制してはならない。少なくとも,これを公の場で,法律で制定をして,やるというようなものになっていないという中で,また国民的にも,こういうものに非常に大きな抵抗を持っておるということから,大きな議論が巻き起こって今日に至っているわけであります。
そこで,社会党の政策が自民党に同調したからと言って,国民の中にある批判の意見はなくなっているわけでない。この現実もよく見て,対処しなければならないことは明らかであります。
そこで,文部省から,その後この問題について,何か新たな通達とか
指導指針とか,そういうものが来ているのか来ていないのか,この点が第1点。
さらにまた,
教育委員会として,各学校に対して,文部省のお先棒を担ぐような,そういうことはしてはならないと思いますが,その点で実態はどうなっているのか。
少なくとも,たとえば
大江健三郎さんが
ノーベル文学賞を受賞され,そして政府も
文化勲章を渡そうとしたと。ところが,ご本人は,「私は戦後の
民主主義とともに歩んできた世代である」と,「
民主主義というものと,この天皇制を前提にするような
文化勲章とは相入れない」ということで拒否をされたということがマスコミで報道され,また,さすがに
大江健三郎さんの見識というものは立派なものであるというのが,マスコミ論調でも言われております。
私は,戦後政治の原点というのはここにあると。君が代,日の丸の問題もこの憲法の原点ですね。あるいは,
教育委員会の立場で言えば,教育基本法の原点に立ったあり方こそ,いま大事にしなければならない,そう思うわけですが,その角度から,この君が代,日の丸についてあらためて私からも見解をお伺いしたい,このように思います。
◎藤島 教育長 国旗・国歌について,私からお答えを申し上げます。
後から高橋委員のお話がございましたので,ダブる部分があると思いますが,お許しをいただきたいと思います。
このたびの政府統一見解で,国旗・国歌の扱いが明瞭に示されたこと,これは私どもは評価をしております。
私どもは,これまでも各学校におきまして,これからの国際社会に生きていく国民として必要な基礎的・基本的な内容の一つとして,国旗・国歌を尊重する心情や態度を育てるよう,これまでも指導してきたところでありますが,それは今回の政府統一見解に沿うものと,このように考えております。
したがいまして,今後とも各学校におきまして,国旗・国歌が適切に取り扱われますよう指導してまいりたいと,このように考えております。
それから,文部省からの通達があったかどうかということですが,いま現在,知り得る範囲内では,文部省からの通達はございません。
それから,その
指導方法はいま申し上げたとおりでございます。これからも,これまで指導してきたと同じような考え方で進めてまいりたいと,このように考えております。
◎滑川
学校教育部長 道見委員の2点目の質問の最初の部分については,私のほうからお答えいたしたいと思います。
先ほど,学校教員の地域活動への積極的な参加体制について,どう考えているのかというご質問だったかというふうに思っております。
この件につきましては,私どもも委員と同じような考えに立っておりまして,ご指摘ありましたように,この学校週5日制の2回の実施に向けまして,子供の主体的な活動を促し,幅広い生活体験や活動体験を充実していくという,非常にいい機会であろうというふうに考えております。したがいまして,地域活動への参加は,私どもも十分この大切さを認識しているところでございます。
教員の地域活動への参加は,あくまでもこれは自主的なものでございますけれども,これまでもすでに,教員が休日におきましてスポーツ少年団とか,または中学校におきましては,部活動,さらには野外活動等,さまざまな活動をこれまでもしてきておるところでございます。
地域における活動への積極的な参加につきましては,この学校週5日制の月2回の実施に向けましても,今後とも期待されることから,校長会,教頭会,さらには私どもも行なっております行政執行説明会など,さまざまな機会をとらえまして,なお一層,普及啓発に努力してまいりたいと,このように考えております。
◎山
社会教育部長 ただいまのご質問に関連した,後段におきます地域における人材の活用につきまして,私からお答えを申し上げます。
地域におきます豊かな経験あるいは技能を持った人材の活用,あるいはそのための新しい仕組みづくりと申しますか,これにつきましては,幅広い生涯学習を進める上では大きな課題であると,私ども受けとめてございます。
ご質問にございました生涯学習推進構想でありますが,これは本市の生涯学習を推進するための指針でございまして,週休2日制,あるいはご質問にありました学校週5日制の拡大によりまして,自由時間が増大する。そうした中での社会的な潮流の変化などを踏まえつつ,現在,策定を進めているものでございますが,この構想の中におきましても,生涯学習を支える人材の活用,これを重要なテーマの一つとして,現在検討を進めている段階でございます。
具体的には,地域あるいは町内会,こうした中には,お話にありましたように,教員,教員退職者の方,さらには保母さんであるとか,野外活動の経験者であるとか,多くの方がいらっしゃるわけでございますので,その能力や経験を十分に発揮いただくような,そうした仕組みづくりを考えていかなければならないと存じております。
また,このためには,芸術・文化であるとか,スポーツ,国際交流等幅広い分野で,一つには地域リーダーや学習ボランティアの発掘あるいは養成を行なっていくということがございますし,これに加えまして,これらの人材の情報の
システム化であるとか,あるいはネットワーク化につきましても,鋭意調査を進めていかなければならないと,このように存じております。以上でございます。
◎古田
学校教育部参事 3点目の
学校給食調理業務の民間委託の件でございます。3点に分けてお尋ねでございますけれども,まとめてお答えをさせていただきたいと思います。
学校給食の運営につきましては,多くの経費を必要としますことから,これまでパートタイム職員の活用,運搬業務の全面委託,親子給食方式の採用など,常にその効率化に取り組んできたところでございます。
本市の現在の厳しい財政事情を考えますとき,
学校給食調理業務につきましても,民間の技術や経験,あるいはその活力を生かせるものは活用していくべきであると考えておりまして,民間委託をしても,健康教育としてその給食が確保されるかどうか,給食内容の質が維持できるかどうか,また,より効率的な執行につながるかどうかという,多角的な視点を持ちながら,行政運営効率化委員会と連携しつつ,引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆道見 委員 いまの週休2日の中で,
システムづくりを検討しているということで,これは答弁をいただかなくても結構ですから,私の考え,意見として聞いて検討していただきたいのですが,やはりこういう仕組みをつくって,子供,大人を含めた余暇時間を利用する,そういう体制づくりというのは,これはもう大変大がかりなことだろうと思うのですよ。
これを本当にうまく活用したらどういうふうに活用できるのかなと,私も自分なりに考えたりはしているのです。たとえば,民生委員と比較できるかどうか別ですけれども,そういう
社会教育を推進する人が地域にいて,私はそういうふうになると,あんまり人がふえることは賛成じゃないのですけれども,
教育委員会も,各区にそういうような窓口に担当者を置いて,地域の町内と連動したソフトの提供,そういうようなものをやるという仕組みづくりも必要でないかと思うのですね。
教育委員会が,各区にまたがってそういう出先をつくってやるかどうかということは,大きな課題になるので,いまここで再質問に答弁くださいとは言いませんから,私はこういうような点も含めて検討していく大きな課題だと思いますので,どうかそういうような意向を十分織り込んでいただきたいなと。これは,要望しておきます。
それから,いま古田参事はいろいろおっしゃったけれども,それは何も心配要らないことなのですよ。
まだ,検討する時間が必要だと,こうおっしゃるのであれば,それはいきなりすぐというようなむちゃなことは私は言いませんけれども,いま答弁でおっしゃったことは,何も心配することなくて,たとえば財政で全庁的に,会社で言えば物件費ですか,それを1割カットでやったとしても,16億しかならないのですよ,1割カットでやっていっても。私は,何も人件費が憎くて言っているわけでも何でもないですよ。これはどこの企業だって,会社だって,ふえるのは人件費が一番大きいのですから。民間がどうでもいいという意味じゃないですよ。一定の身分があるわけですから,そんなに右左できないことはわかるけれども。しかし,こんなに大きくクローズアップされる部分は,いつまでも検討します,考えていますなんていう理屈にはならないのですから。これは何回も言いますけれども,腹を決めると,これ以外ないと思いますから,古田参事。自分一人で悩むことないですよ。思い切って取り組んでもらわなきゃならぬと。この質問は,一応これで置いておきます。いまの効率化委員会の位置づけの中で,それは検討する課題であるということの認識はもちろん持っているわけですから,それは救いですけれども,早急にそれは結論を出すように求めておきます。
それから,大きな5点の質問のうち2点を質問していきます。
学校給食に絡む件であります。
まず,
学校給食について二つありますが,その大きな二つのうちの一つ。実は,
学校給食の意義だとか云々ということは言われているわけですが,埼玉県の何ていう町か忘れましたけれども,町長さんが
学校給食をやめると,やめたいと言ったら大変な反対を受けて,それが原因だったかどうかわかりませんが,それが原因でないかと言われていますが,その町長さん悩んで亡くなっちゃったと。それぐらい
学校給食というのは,現在,
学校給食会もあるし,
学校給食に絡んで生活している企業もあるわけですから,右左を簡単に論ずることはできないと思いますが,一つ目は,戦後の
学校給食の意義と,現在の
学校給食の意義,同じなのか,変化してきているのか。まず,
学校給食に関して一つ。
二つ目は,
学校給食が教育の一環であるということは言われています。そのように言っておるわけですが,じゃ教育の一環として意義づけられているのであれば,具体的にどのようにこれが教育の中で生かされているのか。何点か具体的に例を挙げてご説明をしていただきたい。
3点目は,
学校給食がこうやって行われているわけですが,
学校給食を含め,一般社会を見て今日の食生活という分野について,
皆さん方の健康という観点からどう評価しているか。この点を3番目。
4番目は,
皆さん方は
学校給食の中で米飯給食というものを,どのように評価され,位置づけをされているか。
とりあえず
学校給食の1点目の質問のうちの四つについて,先に質問させていただきます。
◆宮本 委員 (関連)
学校給食の民営化の問題で,道見議員,一応指摘で終わったようでありますけれども,私も関連で質問したいと思います。
先ほどの答弁で
学校給食の教育的配慮だとか,あるいは給食の内容の低下だとか,いろいろ申されておりましたけれども,じゃ
学校給食職員の方が
子供たちに,教育的にどういう直接的なかかわりがあって,そういうことをおっしゃるのか。これを,まず1点。
それから,給食の内容が低下するという話でありますけれども,道見委員がおっしゃっているのは,こういうことだと思います。給食調理員の民営化でありますから,栄養職員も一人はおりますし,さらに給食の内容については,
学校給食会から支給されたものを全部使う,その給食の中身も栄養職員から指示のあったものを使ってやるだけですから,そこの職員とかわっても,何ら中身については変わらないのであります。でありますから,いまの答弁では,質問の回答になっていないと,私は思うのであります。
また,新設校から云々という話がありました。これも,徐々にそういうものからやっていけば不可能ではないというふうに考えます。たとえば,病院給食が民営化されたのはご存じだと思います。あれは,朝・昼・晩3食,さらに休みも日曜も何もない,さらに,患者によってはさまざまな給食を提供しなきゃならぬ,こういったところでも民営化がかなったのです。その結果,患者さんは,おいしくなった,あったかくなったと言って喜んでおります。たった1食しかつくらない,そして,決められたメニューの中で決められた食材を使ってやるだけの問題なのです,ここをなぜできないのか。いまから決意をしなければ絶対にできないと思いますので,その決意について,もう一度お伺いします。
また,行政運営効率化委員会で検討していくという話でありますけれども,この問題を積極的に取り上げていく気持ちがあるのかないのか,この辺についてもご答弁願いたい。
◎古田
学校教育部参事 まず,道見委員からご質問のありました点でございますけれども,まず
学校給食の意義ということでございますが,
学校給食が開始されました昭和20年代の
学校給食は,食糧事情が悪いという状況の中で,成長期の
子供たちの栄養補給ということが主な目的でございました。また,量的にも質的にも,いかに物資を確保するかが大きな課題ではなかったかと思います。
その後,時代の流れとともに,現在においては,
子供たちが生涯を通して健康な生活を送ることができる食生活の基礎,基本を正しく理解し,食事について自己管理できる能力,習慣を身につけるためのものと位置づけられております。
さらに
学校給食は,準備,後片づけ,みんなで一緒に楽しく食べるという体験を通して,奉仕や協力,協調の精神,社会性を養い,また好ましい人間関係を育てることなど,多様な教育効果があります。したがいまして,
学校給食の果たす役割は今後ますます重要であり,このことを念頭に置きながら,
学校給食の運営に当たってまいりたいと考えております。
次は,健康という意味での今日の食生活にかかわる問題でございますけれども,健康という観点で食生活を考える場合,いろいろな考え方があろうかと思いますけれども,たとえば一つの考え方といたしまして,RFC,いわゆるたんぱくと脂肪と糖類のバランスということで,バランスのとれた食生活ということが言われるわけでございます。その中で,いま一番問題になりますのは,脂肪の摂取でございます。脂肪を多くとりますと,肥満の原因になりますし,また,そのことでいろいろな疾患が起きる。特に幼児期におけるこういう肥満というものは,その後の病気の原因を引き起こす大きな要素になるとも言われているわけでございます。
いまの
学校給食におきましても,こういった脂肪の過多を防ぐべく,いろいろ献立の工夫をしているわけでございますけれども,これからの
学校給食を考える上で,こういったバランスのとれた栄養素と申しますか,こういったことに特に留意をしてまいらなければならないのかなと,このように感じているところでございます。
それから,教育としての米飯給食の位置づけということでございますが,
学校給食は
学校給食法に基づきまして,教育の一環として実施されているものでございまして,
教育課程では,特別活動の中の学級活動の一つに位置づけられております。
学習指導要領におきましては,健康教育の重要性が強調されておりまして,これは家庭科,保健体育などの教科のほか,
学校給食もその一翼を担うものであります。
このような観点から,教員と栄養職員が協力し,年間
指導計画に基づいて,給食時間や学級活動の時間に望ましい食習慣を身につけさせるための指導を行なっているところでございます。
また,ポスター,展示物の掲載,給食だよりの発行なども行いながら,食生活の基礎,基本を正しく理解させるよう努めているところでございます。
続きまして,宮本委員のご質問の関係でございますけれども,宮本委員のおっしゃられている,調理業務そのものを民営化することによって教育的効果に影響を及ぼすものではないと,このことについては,そのとおりかと思います。
ただいま学校で行われている調理,給食の業務を変わらずやるということになれば,それはこれまで私どもが申しておりました,その作業を見ることによって教育的な効果があると,こういうことを一つの例として,理由として申し上げておりましたけれども,そういう観点に立ちますと影響はないと,こういうふうに申し上げたいと思います。
それから,決意なり,行政運営効率化委員会の中での位置づけということにつきましては,先ほど道見委員にお答えをしましたとおりでございます。そういうつもりで検討してまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。
◆道見 委員 古田参事の
学校給食法における教育の一環としての位置づけだとか,今日の食生活の認識,本当にその程度の答弁なのかと,
教育委員会全体として。滑川部長,この答弁でいいのですか。本当にそれだけの認識なのですか,現在。もしそうだとするのであれば,これは
教育委員会は大変な勉強をしてもらわんきゃならぬ。
私具体的に挙げて言っているのですよ,これ。どうなのですか。いやそれが最終答弁だって言うのだったら,その次の質問行きますけれども。もう1回確認してください。
◎滑川
学校教育部長 先ほど古田参事が答えたことに,ちょっとつけ加えさせていただきますけれども,この
学校給食の持っている役割というものは,私は大変大きいものがあるというふうに思っておるわけです。
とりわけ,戦後の給食から考えまして,現在,子供を取り巻く食環境が大きく変わってきております。特に,食べる物とか,それから食べ方に至るまで,非常に変化をしてきていると。もちろんその中には望ましいものもあるのでしょうけれども,私どもの目から見まして,やっぱり心配な面があります。
皆さんもご家庭でよくご存じだと思いますけれども,子供の健康から見て,本当に,子供がいま口に入れている物は大丈夫なのだろうかと,本当に安全なのだろうかということを非常に私も心配しているわけです。
そういった意味で,子供を取り巻く食環境というのは多彩になってきて,非常に豊かにはなってきているけれども,その半面,やはり危惧される面が数々あるというふうに思っているわけです。
したがって,子供の健康から考えまして,いま盛んに言われております子供の成人病とか,その他のことも,やはり私どもも食生活と結びつけて考えてみる必要があろうというふうに思っております。
したがって,そういったときに,子供の健康ということにつきましては,子供の口にするものすべて,私どもは十分意を用いながら,何とか
子供たちが安全な食物を口にして,さらに健康な生活を送れるように,そういうふうにやってやるのが,私どもの,また義務でもあろうというふうに考えているところでございます。
したがって,いま
学校給食におきましても,栄養士さんを中心にしまして,そういったことについて,いろんな研究を重ねていって,少しでも
子供たちに安全な,そして健康で望ましい食生活ができるように,いま工夫をしているところでございます。
しかしながら,これはあくまでも
学校教育という範疇の中でございまして,実際に
子供たちは365掛ける3の食事をしていますから,学校はわずか,そのうちの5分の1しか担っていないわけです。したがって,本来はこんなこと,ここで言っていいかどうかわからないのですけれども,家庭での食生活のあり方,家庭での食環境,そういったところを視点に置いて,この
学校給食問題を考えていく必要があろうと,それだけの意味が,私はあろうと思います。
今後,そういったことにつきまして,道見委員の指摘がありましたように,私どもも研究し,実践をまた深めてまいりたいと,父母に対する啓発もその中でやっていきたいと,積極的にやっていきたいと,このように考えております。
◆道見 委員 いま,部長の答弁で,その認識わかりました。本当に,最低それぐらいの認識していただかないと,これ大変な問題になっているのですよ。
私は,いま前段の四つの質問の中から,この米飯給食の質問をいたしましたが,いま実際に米飯給食を2回するという答弁をされてから,もう2年余り実施されないで今日に至ると。なぜ米飯給食を私は言うのかということは,いまの滑川部長の答弁につながることなのですよ。これは,いま5分の1しか
学校教育の中で担っていないと言うけれども,これ大変重要なことであって,確かに皆さんから言えば,米飯給食を何も
学校給食に要求する必要ないのでないかと,家庭でできないものを何で学校に持って来るのだという考え方があることは事実だと思うのですよ。実際,そう言っている先生もいるのですから。だけれども,この観点は,そういう部分だけから見れば,そういうふうになるのだけれども,実際は教育という観点からとらえたら,日本の伝統文化をどう守るかという見地と同じであるということなのですよ。いいですか。郷土芸能を守るだとか,日本古来の何を守るという位置づけで,教育の現場の中においても取り組むのと同じように,この食文化,このことは農政審議会でも昭和55年に言っているのですよ。日本型食文化を守らなきゃならないと,それを受けて,文部省も60年から米飯給食の推進ということも言っているのですよ。
ところが,何か米飯給食1回か2回やって,これは1回か2回のレベルの話じゃないですよ。こんなもの,
学校給食で毎日やらなきゃならぬ話ですよ。いいですか。そういうことで,この米飯給食は,何も単に米を1回,2回でなくて,いまの食生活,食文化の認識がいまされておったわけですから,それを確実に
子供たちの健康という意味合いの中から,これどう実施するかというふうに問うているわけです。働いている調理員の方が,はしがねっぱるから,茶わんがねっぱるから,作業条件が悪いから米飯給食に反対,そんなレベルの話じゃないのですよ,これは。何を考えているかということですよ。教育の現場において,これは大変重要な意義があるのですよ。なぜ,すぐできないのですか,米飯給食。
これはもう
教育委員会は,毎日やると。学校は少なくても。こんなのは何も極論でない。日本の伝統文化を失っていいなんていうことは,ありはしないのですから,そんなこと。守らなきゃならないのです,これは。
そして,米飯の消費が落ちたのは,パンを食べるようになったからなんて言う人がよくいるけれども,昭和35年から米の消費量なんか変わっていません。それから見れば2分の1に落ちているのですよ,消費量。2分の1。肉だとか何かというのは,3倍,4倍にふえているのですよ。
いま古田参事から,いみじくも話ありましたけれども,カロリーに占める脂肪の摂取割合の話出ましたが,米を食べて,みそ汁飲んで,ジャガイモだとか,大豆類だとか,野菜類食べていけば,カロリーの中に脂肪の占める割合なんていうのは,ほんの微々たるものになってくるのですよ。そうすれば当然,健康というものは,おのずから回復されていくのですよ。アレルギーの問題,アトピーの問題,ありました,過去,特別委員会で。
学校給食において,ホテルみたいに除去食品の話だとか,個別的に対応するなんてできるのですか。Aさんはこの料理,Bさんはこの料理なんて。みんな食からくる食原病だということは,
皆さん方の中にしっかり認識されているかどうかということですよ。その一つとして米飯給食の位置づけがあるのだということが,どれだけ認識されているかということですよ。栄養の係長来ていないから,直接答弁ができないかもしれないけれども。
そういうことで,米飯給食がそういう位置づけの中で,皆さんの認識の中で,1回が2回,2回が3回やっていく,それができないと。やれない原因が一体何なのか。やると言っているのですから,いつからできるのか。これを明快に言っていただきたいと思います。
◎藤島 教育長 るるお話ございました。私ももっともだと思っております。
しかしながら,やはりこれまで
学校給食という制度の中で,営々として築いたものがあるわけでございます。ですから,いま米2回にせよというお話については,さきの議会でも私も検討させていただくというお話を申し上げました。
それが,なぜなかなかできないかというお話でございますが,米飯が週2回になることによって献立全体を見直さなきゃならぬとか,あるいは,米飯給食がパン給食に比べて劣っているカロリーや栄養量を,どのように副食の中で補っていくだろうか。また,現在の施設・設備の中で回数増を図ることができないのか。たとえば,御飯を炊くかまが現在のかまでいいのかどうか。これらは300校の学校全部に及ぶお話になります。それから,食器の関係についても同じことになります。
ですから,そういった,いろいろ課題が多くございますので,それらについて検討させていただいていると,こういうことでございます。
いずれにしましても,私どもとしては,いま道見委員から,るるお話のありましたように,米飯の必要性というのは十分認めておりますし,そのことを前提として,実施時期をいま現在明らかにすることはできませんけれども,これから引き続き,給食会あるいは関係団体と精力的に協議を重ねて,できるだけ早期に実施に踏み切りたいと,このように考えております。以上でございます。
◆道見 委員 できるだけ早期ということですから,それを受けとめて,早期に本当にやっていただくと。もうそれができないのだったら,
学校給食やめたほうがいいですよ。お母さんに,本当の食事のあり方を学校のほうで示して,そして家庭でそれを身につけてもらうという,そういう教育の観点にかえていったほうがいいですよ。そのほうがずっと,教育の見地からいけば,レベルの高い話かもしれないですから。早急にやると言うのですから,それ以上,教育長,助役に答弁求めませんから,私の目を見ていただいて答弁していただくと,こういうことにしておきます。
そういうことに関連して,この
学校給食二つのうちの一つで,大きな質問の最後になりますが,私は健康に関して,
学校給食の中で食事をするということは,安全な食品,食材を提供してあげるということは,これ基本だと思うのですよね。安全な食材を提供するといっても,なかなか難しい面もあります。
それは,一つは値段の面。食材は,父兄が負担しますので,値段の問題とか,あるいは供給の問題とか,そういうことはいろいろあるかもしれませんが,やっぱり安全な食材を確保してあげるということが大前提だと思うのですね。
現実にこういう認識が高まっていって,道内でも名寄市,あすこには有機無農薬の大きな農場で団体が実践していると。そういうようなことも影響されているだろうと思いますけれども,しかし,そういうふうに具体的に網走地域,あるいは名寄地域なんかは,そういう無農薬有機農業だとか,そういう安全な食材を食卓に入れると,こういうようなことも実際に行われているわけですが,実際に札幌の
学校給食の現場として,一つは,そばアレルギーの問題から始まって,その後この地元道産物,札幌物,そういうものがどのぐらいの割合で食材として入ってきているのか,それが一つ。
二つ目は,有機無農薬あるいは低農薬まで広げるとしたら,どの程度の割合で現状の
学校給食の中で採用されてきているのか。これが二つ目。
三つ目は,輸入果物の件ですが,これは輸入果物を使わないということを安全性の面からとられたということで,私は,大変いいことだと思いますが,その後,果物はどのようなルートで,どういうようなものが札幌の給食の現場で上がってきているのか。
それから,そういうようなことを含めて,こういうような食材というものをどのように
教育委員会として,
学校給食の中で位置づけされて,これを積極的に採用しようとしているのか。どういうような考え方で臨もうとしているか,このことをお伺いいたします。
◎古田
学校教育部参事 まず,1点目の地元の農産物の使用状況でございますけれども,統計的にとったわけではございませんので,例を挙げて申し上げさせていただきたいと思います。
先般,新聞等にも出てございましたけれども,札幌の南区の藤野で産するリンゴ,これは低農薬のリンゴといたしまして,平成4年度から導入してございますし,また,札幌産のタマネギ,札幌黄,またF1でございますけれども,これにつきましては平成3年から導入をいたしております。それから,お米でございますが,これにつきましては,現在は北海道産のきらら397を使用してございます。また,うどんだとか冷麦等に使います小麦粉でございますけれども,これはチホク小麦を主体とした道内産小麦を使用しているという状況でございます。
それから,低農薬の使用割合でございますけれども,非常に多くの地域から品物の供給を受けている。それから,季節によって非常にその差があるということがございますので,その割合がいかほどにあるのかにつきましては,申しわけございませんが,把握してございませんので,お答えできないことをご了解いただきたいと思います。
続きまして,輸入果物の件でございますが,平成2年でございましたか,輸入レモンに残留農薬が検出されたと,こういう事態がございまして,輸入果物については,学校では使用を自粛しているような状況でございます。
その後,輸入のキウイ,それからバナナにつきましても,従来は協同購入として本市
学校給食会で扱っておりましたが,需要がなくなりましたものですから,平成4年3月から取扱い物資から除外をしてございます。
したがいまして,現在,果物につきましては,国産のリンゴ,ミカン,そういったものを含めまして,15種類ほどの献立に合わせまして使用している状況でございます。
それから,安全性をどのように位置づけしているかということでございますが,本市では,たとえば加工品につきましては添加物を除いたり,それから配合指定をした本市独自の規格品を使用してつくっておりますし,また,たとえば調味料でございますけれども,化学調味料は使わずに,削り節だとか,昆布,それから鳥がら,豚骨などの天然素材で直接だしをとっている。そういうふうに,でき得る限り天然物を使うなり,あるいは子供にとって害のないものを使用していくという方向で,給食業務に従事しているところでございます。以上でございます。
◆道見 委員 いま食材のことについて質問していて,札幌市はそれなりに努力されているなと,正直言って私は評価をしたいと思います。
何といっても,いままでるる質問してきましたが,これはやっぱり将来を担うこういう
子供たちの健康がどうあるべきかという,これは
子供たちというよりも,われわれ大人の責任だというふうに思うのですよ。
それを,何も子供にかこつけて質問しているわけでも何でもないわけですけれども,やはり教育の現場だけに,そういうものを持ち込むことに対して,
皆さん方にとっては不満があるかもしれませんけれども,しかし,これは教育だとか何とか悠長なこと言っている時間ない,それぐらい今日の子供の健康状態というのは大変なのですよ。おそらく
教育委員会だって,今後はやっぱり
子供たちの血液検査も入れていかなきゃならないですよ。そうやって,どれだけ子供の健康状態が悪くなっているかと,やはり正しく認識する必要が出てくると思うのです。その一環で食事をどうするのかと。どうやって安全な食事を
子供たちに入れていくかということは,これは何も
教育委員会だけではなくて,PTAを含めて一般社会にかかわる大きな問題であると,だから私は,あえて声を大にして言うわけです。
ですから,米飯給食の件について,教育長は早急にやると言ったので,私はそれを期待して待っておりますけれども,これは米飯一つというふうに言うかもしれないけれども,それによって副食材がどういうふうに変化していくか。それはもちろん七分づき,五分づきですよ,やるときは。でも,これは,いきなりできないと言うのであれば,とりあえず米飯を見直す。日本では,いま食文化を失っている,主食が失われちゃったのですよ。おそらく,子供に主食は何だと聞いたら,米と答えられない人が出てくるのじゃないですか,これひょっとしたら。やっぱり,おろそかになっている主食を原点に戻す。ここに私は,逆に教育の原点があると。こうお願いして,私の質問を終えたいと思います。以上です。
◆武藤 委員 私からは,まず就学援助制度の問題と小・中学校のファクシミリの整備について,この2点についてお尋ねしたいと思います。
まず最初に,就学援助制度の問題についてですが,札幌市の就学援助制度は,国の基準に基づいて昭和31年から行われていますけれども,年々認定率が減少してきています。
そこで,あらためてお尋ねするわけですが,就学援助制度とは一体どういうものであるのか,これに対する
教育委員会の認識をお尋ねしたいと思います。
それと,札幌市の行なってきたこの就学援助制度は,昭和62年の時点で,それまでの基準が生活保護の1.2だったのが,たまたま桂市長が教育長のころだったそうですが,この時点で生活保護基準の1.1と引き下げられています。また,そのとき同時に,車や住宅を所有している世帯には特別基準が設けられ,一般世帯よりもその基準が厳しい内容になっています。
この時点で,なぜ生活保護基準の1.2から1.1に低下させてしまったのか。この時点での基本的な考え方について,まずこの二つ,お尋ねしたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 ただいま就学援助制度についての考えが求められたわけですけれども,この現行の認定につきましては,法の趣旨,それから本市の財政事情等を勘案しながら,就学援助審議会の答申を受けて,昭和62年から生活保護基準の1.1倍に改定したものでございます。
この制度は,経済的な理由によりまして,就学が困難な場合に援助を行うものでございまして,その対象者が,第1に生活保護法に規定する要保護者,それから第2に,この要保護者に準ずる程度に困窮している世帯に限定するということが,この中身になっているところでございます。
それから2点目に,1.1の現行の基準に引き下げられたのはなぜかと,どういうことがあるのかというふうに問われておりますけれども,これは先ほど申し上げましたように,就学援助審議会の答申に基づいてやっているわけでございまして,その当時の記録というのは,私は定かでないのですけれども,そのときの答申の中身を見ますと,どのように検討されていったかといいますと,幾つか要素が挙げられているわけですけれども,一つはその中に,本制度は国庫補助対象事業であり,地方交付税の基準財政需要額の算定基礎となっていることから,国庫補助率の推移及び本市の財政力を十分勘案することが必要であると,そういった面から国庫補助率が下がってきたと。さらには,本市の財政から見て,非常に財政事情が悪かったというようなこと。
それからもう一つは,他都市の動向についても留意し,均衡のとれた制度運営を行う必要があるというようなことから,この1.1に引き下げる答申があったというふうに,私は伺っているところでございます。以上でございます。
◆武藤 委員 いま部長のほうから,るるお話がありましたけれども,過去の話,62年と言えば,過去の話にはなるのですけれども,1.2から1.1に引き下げたときの理由として,いま述べられたのは国庫補助率が下がったこと,それから本市の財政状況にもかんがみというお話でした。この制度そのものがどういう内容でつくられているのか。滑川部長のほうからもお話がありましたけれども,これは
学校教育法の第25条に基づいて,就学を
義務教育の円滑な実施に資することを目的するということで始められた制度なのですね。
ですから,経済的な負担ができなくて就学できないような子をなくそうと,こういう目的で始められたわけなのです。ですから,こういう
子供たちのことが,初めに出てこなければおかしいわけです。
ですから,
子供たちの状況がどうであろうと,お金の問題が先であったのかと。このことが理由で引き下げなければならなかったのか,そのことをもう一度
教育委員会の立場で,部長の言葉であらためてお尋ねしたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 これは,先ほどちょっと経済的な事情について話しましたけれども,この制度そのものの趣旨からいいまして,いま武藤委員が言ったとおりだというふうに思います。
しかし,これは,仮にその一方からだけでは決められない面も,やはりあろうかと思います。
したがって,この保護者を初めとする生活の状況,さらにその後,こちらから保護するための財政的な裏づけと,そういったものの両方が相まってこれが検討されていかなければ,片一方だけではなかなか難しいものがあろうかというふうに思っていますし,当時はそういった面から,総合的に検討されたものというふうに考えております。
◆武藤 委員 考え方の基本が違うのかなとは思うのですけれども,実際に1.2から1.1に引き下がったということは,改悪されたということだと私は認識するのですけれども,そう認識するのか,しないのか,これ1点。
それと,現在,不況下で市民生活も大変苦しくなっています。それは財政当局が一番知っているとおり,法人市民税を見ても,大変少なくなってきていると,そういう実態の中で,本来なら就学援助を受ける世帯が5年度,6年度とふえて当然なはずなのです。ところが,これが大幅にふえることもない。
そこでお尋ねしたいのですけれども,この就学援助の認定率が減ってきていると。こういう中で,私も小・中学生と子供を抱えて,就学援助の相談もたくさん受けてきましたけれども,実際に収入基準は合致しても,この就学援助制度の中で,これも他都市によってやり方が変わっているのですが,札幌市のやり方として,一般の教育費については個々人の口座振込。ところが,給食代については学校長あてに直接送られると。こういうやり方をしているものですから,収入基準が合致しても,
子供たちが区別されるような就学援助は受けたくないと,こういうような思いもありまして,実際には申請をしないという世帯も,中には多くあるわけなのです。
ですから,私はこの給食費一つ見ましても,札幌市がたくさんの方々に対して,決して門戸を開いた就学援助の制度を運用しているとは思わないわけなのですね。教育費は口座振込で送られてきているのに,これも振り込まれる月が遅いとか,いろいろな問題点もあるのですが,曲がりなりにも個人のプライバシーも尊重し,守るという立場から,口座振込で一貫してやられてきた,これは素晴らしい配慮だと思うのです。ところが,給食代だけはいまだ多くの市民から,教育費と一緒に口座振込にしてほしいと,一貫してこういう声もこの10年来上がってきているにもかかわらず,この点だけが変更されずに,申請したくてもできない人をふやし続けていると。この点についてどう考え,このような実施の仕方をしてきたのか。この2点について,お尋ねしたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 1点目について,私からお答えいたしますけれども,この制度がこの1.1にかわってきていましたのは,私は,あくまでも本市の現状といいましょうか,実態に応じたものだというふうに判断しております。社会的・経済的条件を総合的に判断して,その実態に応じてこういう結果になったものというふうに判断しております。
◎古田
学校教育部参事
学校給食費の取扱いについてお答えをいたします。
学用品費との扱いでのお尋ねでございますけれども,学用品費は通常保護者が個々に購入するものでございますから,銀行振込により直接保護者に渡す方法が,最も適切なものと判断をされるものではないかと思います。
一方,給食費でございますけれども,これは学校長が,いま,保護者から委任を受けて,その代理として扶助費を一括受領しているところでございますけれども,給食費につきましては,保護者ではなくて学校長が最終的にその処理をするということでございますので,事務の繁雑化を避ける,あるいは
学校給食の円滑な実施運営を図るという意味からも,学校長が代理で受領することが一番効率的ではなかろうかと,こう考えているところでございますし,また,文部省からも同様の事務処理を行うよう指導されているところでございます。以上でございます。
◆武藤 委員 いまの答弁なのですけれども,昨年,5年度の文教委員会で何が問題になったのか,
教育委員会の皆さんもご存じかとは思いますけれども,就学援助を受けている
子供たちが,一般の子供と違って,納入袋を差別されていたと。こういうことが,札幌市内の小・中学校,何校かで当時起こっていた。このことが,私も所属していた文教委員会で明らかになりました。
これは,たまたま起こったわけではないのですね。
教育委員会は,この事件が起こった後も,学校長を通じて,このようなことのないようにプライバシーが守られるように指示を与えた,こういう答弁しかありませんでした。
ところが,いま古田参事がお答えになったように,教育費は振り込むけれども,給食代については実務の合理化なのですね。実務の合理化,これが目的にあったということを,いまお答えの中から感じたわけなのです。先ほどの就学援助制度の基準の問題も,国庫補助率が下がったからだ,本市の財政状況だとか,最終的には社会的な状況もかんがみというお話ありましたけれども,実際にだれを対象にこういう制度がつくられているのか。ここのところに,なぜもっと目を向けないのか。このことが非常に腹立たしく感じられます。
これを受けているのは,
子供たちが安心して
義務教育を受けれるようにするため,そのための保障としてつくられた制度なのです。幾ら小学校や中学校の校長会を通じていろいろと指導したところで,それは去年の事件が起こって初めて指導したわけではないと思うのですよ。それまでにも何度も何度もやってきたのじゃないでしょうか。
実際に,PTAのお金というのは,中学校でいえば,多くのところでPTA会費として親から徴収するお金,
教育委員会から来る助成金,両者が出したお金で給食代を計算する人件費を賄っているのです。これも私,予算か決算のところでお話ししたことなのですが,十分な人件費も保障されないために,実際に各小・中学校の実務はこのぐらい大変なのです。その上
教育委員会が,実務の合理化だと言えば,全くそういう内容を黙認しながら,さらに実務の合理化だといって,給食代も個々人に渡すのじゃなくて,一括で校長に払い込むようにしていると。これを本当に合理化だと言うのなら,個々人が普通の
子供たちと同じように,自分たちで封筒に入れて納めていくのも,
皆さん方の手を煩わすことはない,合理化へつながることにはならないのでしょうか。
その点どうなのかというお尋ねと,そして,どうしてこういう物事を考えるときに,この制度を活用している実際の親の立場に立って物事を検討しようとしないのか。どうして,すべて財政の枠や自分たちの都合が先にくるのか。この辺についての考え方は,とっても納得できないわけなのですが,すべての物事がこのように処理されてきているのかどうなのか。実態調査とか,それから学校に対して意見を聞くなり,アンケートをとるなり,こういうことをいままでにしたことがあるのかないのか,この点についてお答えください。
◎古田
学校教育部参事 物事を処理するに当たりまして,すべてがすべて合理的な方法が果たして適当かどうかということにつきましては,一概には言えないかと思います。
それは,その場合その場合に一番適合したものをと考えてやっているところでございますけれども,もちろんこの給食費の扶助につきましては,プライバシーの保護ということは大切なことでございますし,これは昨年の委員会でもご質問をいただき,また,お答えをしていましたとおり,これについては指導の徹底を図る必要があろうかと思いますし,それについては鋭意努力をしたいと思うところでございます。
ただ,子供から徴収するという扱いについてでございますが,これは昨年,具体的な方法の中で不適切な例があったわけでございますけれども,学校長が集金をするに当たって,給食費だけではなく,PTA会費あるいは諸会費,そういったものの中で,一括扱うことによって,給食費が払われているか払われていないかわからないような形をとるという方法をとってきたわけでございます。その方法によって,一部に不適切な扱いがあったところがあるわけでございますけれども,そういうことを含めて,プライバシーと申しますか,それに従事,それを受け得るべき人の保護につきましては,もちろん留意をしていきたいと思うわけでございます。
◆武藤 委員 納得いくご答弁はいただけそうもありませんけれども,この問題については,これを最後にしたいと思うのですけれども,実際に就学援助の認定基準である生活保護費の1.1という基準は,これは生活保護よりも1割多いという基準ですから,これでいきますと,就学援助で入ってくる収入,1ヵ月の助成される金額は,子供1人当たりで十数万円になるのですね,給食代を含めて。このほかに医療があります。
ですから,病気になったり,この就学援助の範囲で医療にかかると,十五,六万円いってしまうわけですね。これが子供1人ではないわけですから,そうなると,この金額を引いただけでも,1.1ちょっと上回っただけの世帯,就学援助を辛うじて受けれなかった,認定されなかった世帯というのは,同じような教育費がかかったことを前提にすると,実にすべて生活保護以下の生活になってしまうわけなのです。
ですから,1.1というのは,決して生活保護基準の保障をするものではないということを,ぜひ念頭に置いて,この問題についても多くの市民から,すでに何度も何度も重ねての要望も出ているわけですから,この点についてもぜひ見直しをかけていただきたい。
それと,給食費の問題なのですが,やはり多くの人たちが安心して活用できる制度にするために,何としてもこの給食代,銀行振込で。実際に北海道の中ではたくさんの市町村でやっているわけですから,札幌でできないわけがない。
また,文部省が,たとえそう言ったとしても,文部省の言いなりになるような行政であれば,市民の立場に立った行政やれるわけがないわけですから,やはり利用する側の立場に立った検討をしていただきたいと思うのです。これをまず要望して,次の2点目に移らせていただきます。
2点目は,小・中学校のファクシミリ整備の問題です。
これは,私たちが第2回定例市議会の
代表質問でも要望し,取り上げたところなのですが,その中で,教育長の答弁で,使用頻度,導入に伴う事務量の状況,効率的な機種の研究など,現在,調査検討しているところでありますという答弁で終わりました。
それから,久しくたっていますけれども,この調査検討がどのような内容で進んできているのか。この点について,お尋ねしたいと思います。
◎上島 総務部長 小・中学校のファクシミリの整備についてお答えをいたします。
現在まで,広く学校の運営上の観点から,ファクシミリを活用する対象事務の抽出と選定,それから業務量の増減状況,他都市の整備状況,導入経費等について総合的な調査検討を進めてきているところでございます。
現在,
教育委員会全体の広範な整備事業の中での位置づけ,それから優先事業の選定等の課題について,導入時期を含めまして,さらに検討している段階でございます。以上でございます。
◆武藤 委員 検討する段階で,当然財源的なことが問題になると思うのですが,すでに何年かけてやるのか,それは,これから調査の結果出てくることだと思うのですけれども,いま検討されている金額で具体的な数字が出ていれば,その点についてお尋ねしたいのですが。
◎上島 総務部長 いま,検討している段階でございます。強いて申し上げれば,高等学校にいま入れているのが約50万円ぐらいですから,学校数掛ければ経費が出てきますけれども,その程度で,後はまだ申し上げられません。
◆武藤 委員 ぜひとも来年度には入れてほしいということで,聴力障害者の方々の協会初め,札幌市や
教育委員会に対しても,何度も何度もこの間,要望書ないし直接お話も伺っているところだと思うのですけれども,これは本当に切実な問題なのですね。
やはり私は,
教育委員会のやる気の問題だろうと思うのです。たとえば,いま財政的にどうなのかというお話で,入れるとすれば,高校でいま入っているのは約50万円だという話もありましたけれども,実際にこの間,今年度で整備されるコンピューター教室,これは平成2年度から平成6年度の5年間で中学校に23台,小学校で3台,すべての学校の整備が終わるわけなのです。この金額からすれば,ただごとじゃないわけですね。
ですから,そういう
学習指導要領に基づいてコンピューター教室の整備が必要だったと。実際に国から3分の1の補助が出るから,これを機に一気にということで,
教育委員会がその気になれば,一気にこのようなこともやることができるのだということが,この5年間でもはっきりと示されたわけなのです。
ですから,このファクスの整備問題においても,お金がないからできないのだとか,そういう立場ではなくて,やはり先ほど1点目の就学援助制度の問題でも強く要望しましたけれども,本当にいま必要としている人たちの声に耳を傾けることが,いま最も必要なのですね。
札幌市の手話通訳者おりますけれども,実際に,その周りにも各区で手話通訳の方々がボランティアで一生懸命やっていらっしゃいます。ところが,こういう人たちは,小・中学校の参観日にも出向いていっているのです。そういう人たちが,身内でも何でもないのに,お母さんもお父さんも聾唖者だということで,担任の先生がその人に電話をかけてお願いしてボランティアの方から親にファクスで流してもらう。こういうことが当たり前のように行われてきているのです。ですから,このぐらい,本当にいま必要としているのは,決して一部の意見ではなくて,多くの障害を持った方々にとっては,切実な願いでもあるわけですから,決してお金がないからできなかったということのないように,前向きなご検討をいただくことを要望しまして,終わらせていただきます。
◆中嶋 委員 私は,不登校についてお伺いします。
不登校のうち,特に本市
教育委員会で出しております登校拒否児童・生徒への指導及び出欠の取扱いについてお伺いいたします。
94年の8月に出されました文部省の学校基本調査によりますと,年間30日以上欠席した小・中学校の児童・生徒数は,全国で7万5,000人というふうに発表されました。
昨年度,年間30日以上欠席した本市の登校拒否児童・生徒は,小学校で187人,中学校で609人の合わせて796人というふうにお伺いしました。
この不登校は,管理教育の結果でもありますし,問題の解決にはさまざまな努力をこれからしなければいけないというふうに,私は思います。
昨年,文部省が実施いたしました登校拒否の小・中学生本人と保護者,学校の3者に対する聞き取り調査を行なったところです。これによりますと,小学校では,学校では家庭に原因がある,また親は本人に原因がある,子供は学校に原因があるというふうに,3者の意見というのが食い違っております。このようにふえ続ける中で,文部省としても民間施設に通う登校拒否の
子供たちについても,指導要録上出席扱いにするように制度改正を行なったところです。本市でも,昨年7月1日に,各学校長に登校拒否児童・生徒への指導及び出欠の取扱いについての通知を出されたと伺っております。
そこで,1点目の質問なのですが,まず札幌市内においては,民間施設に通う
子供たちの数というのはどれぐらいになるのか。また,これらの民間施設との連携というのは非常に大切だと思いますけれども,どのような連携をとっておられるのか,まずお伺いいたします。
◎武田
指導室長 まず,民間施設で相談指導を受けている本市の児童・生徒数についてお答えいたします。
毎月,各学校から長期欠席児童・生徒の報告というのが参りますが,この報告によりますと,平成5年度においては,小学生が8名,中学生が15名,合わせて23名が通っております。
2点目の民間施設との連携についてでありますが,学校において,施設に通っている実態が把握された段階で,施設への電話や訪問などにより出欠の状態や生活の様子,変化などについて連携を図っております。
また,学校からだけではなくて,民間施設のほうからも,電話や学校への訪問,書類等による連携も図られております。
次に,市教委と施設との連携についてでありますが,学校から報告のあった施設につきましては,市教委から直接出向くなどして,通知の趣旨の理解と,学校との一層の連携をお願いしているところであります。
また,施設の中には,直接市教委に来られまして,積極的に連携を求めていくこともあります。こんなことでございますので,今後とも実態把握と連携に努めてまいりたいと考えております。
◆中嶋 委員 ことし,この通知の中で,民間施設についてのガイドラインというのも出されましたが,この中の解釈が,学校によって判断がまちまちのところがあったようにも聞いております。子どもの権利条約も批准されましたし,やはり子供の立場に立った見解というものが大事かなというふうに思いますので,まちまちな判断というのはやはり余り好ましくないと思いますけれども,市教委としてのお考えをお伺いしたいと思います。
◎武田
指導室長 校長の判断によりまして,児童・生徒の指導要録上の取扱いに差異が生じないのかということについてでございますが,この通知の趣旨は,ある施設に通っていれば出席扱いにするとかしないとかを判断するという,施設に対する適否の評価をするものではございません。あくまでも,相談指導を受けている児童・生徒の状況や実態などを十分把握し,学校と民間施設が連携をとる中で,努力が認められる場合には,指導要録上出席扱いとすることによりまして,評価し,支援しようとするものであります。
したがいまして,結果として差異を生ずることもございます。
市教委といたしましては,今後とも各学校が民間施設と十分連携を図り,児童・生徒の状況を的確に把握し,適切に判断が行われるよう指導してまいります。
◆中嶋 委員 来年はぜひ,ことしのようなことが起こらないように要望したいと思います。
私は,不登校というのは,学校とか,私たち大人に対する
子供たちの異議申立てであるというふうに感じておりますので,子ども権利条約も批准されましたけれども,まだまだ子供をめぐる問題というのは,解決しなければならない大きな問題がありますので,ぜひともきめ細かな対応をお願いしたいというふうに思います。
◆福士 委員 私から,さきの
代表質問で展開をさせていただいた中から,2点ご質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず第1点目は,いま中嶋委員からも質問がありました不登校の関係であります。
札幌市における5年度の登校拒否の数字につきましては,小学校では微増傾向,そして中学校では減少傾向,こういう数字が出ているわけでありますが,全国の出現率を見てみますと,まだまだ数字が上がっている。しかしながら,皆さんの大変なご努力の結果で,札幌市については,数字が低位を示しているというふうに思います。
そこで,登校拒否の出現率の関係でありますけれども,大都市ほど高くなっている,こういう数字があらわれているわけでありますが,現に大阪,あるいは川崎,さらには名古屋においては,依然として増加傾向が出ているわけであります。
札幌は,そういう意味では,政令指定都市の中で,174万人を擁し,第4番目に児童・生徒を多く抱えている,こういう状況でありますから,他の政令指定都市と比較した場合,どういう状況になっているのか,まず1点お伺いをさせていただきたい。
さらには,いま中嶋委員から質問もありましたけれども,民間の施設に通っている,そういう
子供たちとのかかわり合いの関係であります。確かに,文部省から通知が来,それを市教委が受けて,昨年の7月,ガイドラインを添付をして小・中学校の校長に通知をしたところ,出欠の関係でばらばらで統一性がない,そういう新たな問題に波及をしてきたわけであります。
実態的に,籍のある学校での統一性がない,ばらばらという状況が生まれたわけであります。いずれにしても,これの関係は,私塾に通う生徒がいらっしゃって,たとえば13の学校で私塾に通わざるを得ない場合,10校が出席を認める,3校で出席を認めない,こういう現実があったりするし,中学校で卒業する,そのことに対して出席扱いになっている。しかし,前段の作業の中では,出席になるという話が学校長からないわけでありますから,進路を選択をする流れの中ではやはり幅がなかった,こういう問題も確かに出てきているわけであります。
私は,市教委がそういう通達をした,確かにいろんな流れがあるから,なかなか思ったような形にならないにしても,こういう状況があったということは,決してよいことではないというふうに思います。
確かに,先ほどご答弁がありましたように,民間の教育施設あるいは学校,そして市教委の連携作業がきわめて重要だというふうに思っておりますけれども,市教委がこれらの関係で通達後,各学校に対して具体的にどのように指導したのか,お伺いをさせていただきたい。
それと,学校長の裁量にゆだねる,判断をゆだねた,こういうことになっているわけであります。しかしながら,結果として,生徒の間に差が出るかっこうになったことも事実だというふうに思います。
それらの関係を含めて,連携に統一性がなく,動揺や戸惑いがご父兄の方々,
子供たちにもあったというふうに思いますけれども,これらの関係についてどう見ていたのか,まずお伺いをさせていただきたいと思います。
◎武田
指導室長 他の政令都市と比較した本市における登校拒否児童・生徒の状況についてでございますが,平成5年度において,学校嫌いを理由に年間30日以上欠席した児童・生徒出現率,これは全児童・生徒数に対する登校拒否児童・生徒数の割合でございますが,これで比較いたしますと,札幌市の小学校は0.16%でありまして,12指定都市中7番目でございます。また,中学校におきましては0.94%でございまして,11番目となっております。いずれも全国平均を下回っておりますが,今後とも改善に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に,民間施設に通う児童・生徒の出欠の取扱いと,それに伴う学校への指導についてでありますが,登校拒否児童・生徒の中には,民間施設に通いながら,学校復帰に向けて懸命に努力をしている児童・生徒もございます。
このような努力に対しまして,学校として評価し,支援するため,平成5年7月に小・中学校長に通知を出しまして,学校と民間施設との間に十分な連携が図られていることなど,一定の要件を満たす場合には,校長の判断により,施設において相談指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができるようにしております。
市教委といたしましても,この通知の趣旨が一層理解されますよう校長会等において指導に努めるとともに,学校から報告のあった民間施設とも連携を図っているところでございます。
◆福士 委員 ただいまの答弁でありますけれども,学校に対して指導なり,通知なり,流れをつくってきたと,こういうことでありますけれども,しかしながら,それらの関係,たとえば中学校では校長会の関係で,市教委が出向いて説明をする,理解を求める。小学校長会にたとえば通知をする,そういうことは方法論ですから,言いわけでありますけれども,結果として,各児童・生徒の関係に不統一性が出た。さらには,学校長や先生にもいろいろ考え方がございますから,民間の教育施設を教育機関として認めたがらない,こういう校長先生もいらっしゃるように聞いておりますし,さらには民間に通学をするのは一時的なもので,将来的には認められない,そういう状況でありますから,民間にずっと任せるという関係になったとしても,学校が卒業という形で認定できるのかどうか,複雑ないろんな大きな問題があるやに思います。
しかしながら,実態としてこういう形になっているわけでありますから,市教委がせっかく文部省の方針転換を含めて各学校に通知,通達をしたわけでありますから,これらの流れを見て,民間の教育施設に通っている小学生が8名,あるいは中学生が15名ですか,23名の生徒の皆さんが,学校に行けない,しかしながら,民間の学習施設で学習をしている努力に対しては,やはり評価をしていただきたい。そういう意味では,統一性を持って,ぜひ,今後ともこの通知の趣旨がさらに徹底されるように市教委の活動を見守ってまいりたいと思いますので,よろしくお願いをいたしたい。
そこで,この問題もそうでありますが,登校拒否の問題,きわめて複雑な問題であります。先ほど出た学校や社会,あるいは本人の問題等々が複雑に絡み合って起こっているわけでありますから,なかなか難しい状況にあることも事実であります。
しかしながら,この登校拒否の問題,地道に前向きに,粘り強く解決に向かって努力をしていかなければならないわけでありますから,学校としての原因はなかったのか,あるいは,
子供たちに対して具体的にどのような指導をとってきたのか。今後,こうした
子供たちを出さないためにはどうしたらいいのか。これらの関係を整理をしながら,学校が教育の原点に立ち返る,こういう姿勢がさらに求められている,こういう問題だというふうに思います。
いずれにしましても,各学校の中では校内暴力だとか非行の問題等々は反社会的な問題でありますから,きわめて外に目立つ問題,そういう意味では,学校内で体制が整えられて,結局,早期発見をし,対応をしていく,こういう関係になってくると思います。しかしながら,登校拒否の児童・生徒については,周囲には大きな影響を与えない,陰に隠れた問題でありますから,なかなか発見ができず,対応がおくれている,後手に回っているという実態があったやに思います。
いずれにしましても,児童・生徒が存在感あるいは充実感,そういうものを学校に求めているわけでありますから,さきに教育長も,そういう学校づくりに努力をしていくという答弁がなされております。
そういう意味では,ぜひ市教委としてこの登校拒否問題について,前段の中嶋委員の質問の趣旨もございますし,いろんな角度から,今後,いままでと違うような形の具体的な登校拒否対策をどう実現をしていくのか,お伺いをさせていただきたいと思います。
◎武田
指導室長 市教委としての今後の取組みでございますが,登校拒否問題の解決に向けて,これまでも学校への指導助言,学校研究委託事業や教員研修など,積極的に取り組んできたところでありますが,今後さらに一層の充実を図るため,これまでの学校や相談指導学級などにおける取組みの事例や成果をまとめた指導事例集の発行を計画しておりまして,全教員に配付する予定でございます。
また,一層,効果的な指導のあり方などについて協議するため,連絡協議会の設置についても検討しているところであります。
このような取組みによりまして,各学校が教育の原点に立ち返り,児童・生徒が存在感や充実感を味わえるような学校づくりに努めるよう指導してまいりたいと考えております。
◆福士 委員 ただいまのご答弁で,さまざまな要因が複雑に絡み合っている,こういう問題でありますから,なかなか思ったような形に展開をしていかない。しかしながら,小学校では増加傾向にあり,中学校では減少傾向にある。それが繰り返されている,こういう関係であるから,委員会,市教委の積極的な,もっともっと温かい,幅の広い,奥の深い実効ある取組みを切に要望させていただきたいというふうに思います。
もう1点の学校図書館の充実施策についてお伺いをいたします。
平成2年,文部省の教育改革実施本部が刊行いたしました情報の進展と教育では,これまでの教育は読み書きそろばんと言われておりましたが,今後は読み書きに情報活用能力,これらを基本として重視をしていく,こうなってきているわけであります。
情報化の進展の中で,私たちの身の回りには膨大な量の情報があふれているし,さらに拡大をする,そんな傾向になってきているのも事実であります。当然,
子供たちの中にも,そういう情報過多の関係があるわけでありますが,的確に活用する能力を養い,培っていく。そういう意味で,
学校教育が果たすべき役割というのがあるやに思います。それに求めるのが,学校図書館。学校図書館の整備5か年計画が文部省から発表されて,いろんな形の中で,これらの実行できる道あけが出てきたわけでありますから,それらの関係についてぜひ前向きに進める,そういう観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。
文部省による指導書,
教育課程の一般論,これらを見てみますと,小・中学校とも,
教育課程実施上の配慮事項として,教材・教具の活用と学校図書館の積極的な利用を掲げているわけであります。
それらの関係で,学校図書館が今後果たしていく役割というのはきわめて大きくなってきているというふうに思います。
学校図書館が,昼休みあるいは放課後だけかぎがあけられているという実態,あるいはかぎがかかったままの学校図書館があるというようなことがありますけれども,あくまでも,学校図書館は余暇施設ではなくて,学校の授業の中で積極的に活用される,そういう図書館であるべきだというふうに思っております。
そういう意味では,これから学校図書館の関係については,児童・生徒が自ら学ぶ力を育てる学習センター,あるいは情報センターというような形での役割を担っていく,そういう流れが出てくるというふうに思います。教育長の
代表質問に対する答弁でも,それらの関係が十二分に反映をされた答弁になってきているわけでありますから,そんな観点から2点質問させていただきたい。
まず第1点は,昭和28年に制定された学校図書館法の第2条,この中に図書だとか視聴覚教育関係の資料等々,収集あるいは整理・保存をして,そして児童・生徒及び先生が利用をしていくと規定をされているわけでありますけれども,それらの関係について,札幌市における現状,あるいは今後の整備・活用に大きな目を向けていかなければならない。そういう意味では,本市独自の
システムにより,共同利用でき,各学校に貸出しもしているというふうに
システム化がされているわけでありますから,これらの現状について,まずお伺いをさせていただきたい。
さらに,視聴覚資料等も含む多様な情報を提供していく,あるいは情報化等々の能力の基礎を培う場として,学校図書館はどのような現状にあるのか。
さらには今後,学習センター,情報センターとしてどのように整備をし,活用を図っていこうとしているのか,お伺いをさせていただきたい。
さらに,2点目の質問は,学習センターあるいは情報センターとして,学校図書館を整備をしていく。当然,そこにはそれを支える専門の職員の配置の問題が出てくるというふうに思います。
さきの
代表質問で,学校図書館法の中で,当分の間司書教諭を置かなくてよいと,こういう形で附則が出ている。しかしながら,40年経過をして,一向に進んでいない,前に向いていない,こういう問題があります。
そこで,道教委あるいは国に対して要望活動を続けてきている,こういう答弁でありますけれども,具体的にどういう要望活動になっているのか,お示しをいただきたいというふうに思います。
◎上島 総務部長 学校図書館の施策の充実の第1点目について,私からお答えをいたします。
まず,学習図書の共同利用
システムの現状でございます。
いわゆる一斉読書だとか,それから一斉学習用図書,これらの図書につきましては,学級単位で利用いたしますので,同じ本を40冊ないし50冊単位で用意をする必要がありまして,冊数も膨大になりますことから,各
学校ごとに用意することは,校舎のスペースから困難ということで,これらの図書は拠点校を定めて配置をいたしまして,拠点校以外の学校では,ここから借り受けて利用するという本市独自の共同利用
システムをとってございます。各学校が共同利用する図書を預っているということで,寄託図書館と言っておりますけれども,寄せる託す図書館と書きまして,寄託図書館と称しておりますけれども,現在,小学校で32校,中学校で7校に設置し,蔵書の冊数は40万冊を超えております。
各学校では,利用したい本を電話で申込みをいたしますと,配送業者の手で届けられるという仕組みにしておりまして,年間の利用総数も三十数万冊にもなってございます。
この寄託図書制度におきまして,視聴覚資料等の整備,活用までは範疇に入っておりませんけれども,この寄託図書館を統括し,学校図書館のかなめとなるサービス機関であります学校図書館情報センターには,平成5年度にコンピューター
システムを導入をし,情報化への道が開かれたところでございます。
次に,視聴覚教材にかかわる学校図書館の充実と,今後の整備,活用についてでございます。
各学校で,視聴覚教材等の資料を活用した授業は積極的に行われているところでありますけれども,平成4年度の学校図書館の現状に関する調査の結果によりますと,それらの資料が必ずしも学校図書館で総合的に管理されていない学校が多いという実態がございました。
こうした現状を踏まえまして,札幌市の教育研究協議会では,それまでの図書館研究部と視聴覚研究部を発展的に統合する中で,さまざまな学習資料を総合的に整備し,活用するための実践研究の体制を整えたところでございます。市教委といたしましては,今後とも,学校図書館のさまざまな資料を学習に活用するためのこうした実践研究を積極的に支援し,学校図書館が名実ともに情報センター,学習センターとして活用されるよう働きかけをしてまいりたいと考えてございます。以上でございます。
◎滑川
学校教育部長 学校図書館の専門職員の配置につきまして,どのような要望をしているかということにつきまして,私からお答えいたしたいと思います。
国に対しましては,平成6年7月ですけれども,指定都市教育委員教育長協議会を通じまして,司書教諭の配置など,教職員定数配置基準の改善を図られたいという要望書を提出しておりますし,また,道に対しましては,同様に平成6年7月に北海道都市
教育委員会連絡協議会を通じまして,
学校教育の基礎的施策としての学校図書館の重要性とその専門性にかんがみ,専任司書教諭の配置について,実態に合わせた配置ができるようご配慮願いたいという要望書を提出しているところであります。今後とも国の動向を見守ってまいりたいと,かように考えております。
◆福士 委員 ただいまの答弁で,学習センターあるいは情報センターについては,従来,蔵書をふやす,こういうことだけに目が向けられていた。しかしながら,今回の地方交付税の措置の関係については,学校図書館整備5か年計画の中でも言われているように,やはり蔵書ばかりではなくて,CDだとか,さらにはビデオ等々の視聴覚に訴える,こういう教材についても積極的に購入をしていく,これらが児童・生徒が求めている流れの大きなウエートになってきているというふうに思いますので,ぜひこれらについて,積極的な対応策をお願いをさせていただきたいというふうに思います。
さらに,もう1点の司書教諭の問題であります。いま部長に答弁をしていただきました。確かに,一生懸命努力をしてやられてきているというふうには評価をさせていただきます。しかしながら,この問題は,40年間前に進んでいないという関係がありますから,先般,道議会でもこの問題が提起をされていろいろと論議をされている。そういう状況で,札幌市としても積極的に先兵となって動く,動かせる,こういうことで,ぜひご努力をいただきたいという意味を含めて質問をさせていただいているわけでありますから,よろしくお願いをしたい。
そこで,現在,本市の小学校あるいは中学校において,司書教諭の資格を持っている先生方は何人いらっしゃるのか,お伺いをさせていただきたい。
さらには,学校の図書館担当教員の中にも,司書教諭の資格を有している方がいらっしゃるというふうに思いますが,その発令状況はどうなっているのか。
さらにもう1点は,大学において司書教諭講習講座が開講されている,この受講実態をどう把握しているのか。
さらには,これらの有資格者を拡大していくため,どのような方策がとられているのか,お伺いをさせていただきたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 ただいまの質問に,順序ちょっと不同になると思いますけれども,お許しいただきたいと思います。
まず,本市に司書教諭が何人いるのかということでございますけれども,平成4年12月時点の調査でちょっと古くなりますけれども,小学校におきましては27名,中学校においても27名,合わせて54名でございました。
それから,平成5年度に北海道教育大学札幌校で開講されました司書教諭の講座に7名の教諭が受講しております。さらに,平成6年度は北海道教育大学岩見沢校で開講されました講座に2名受講して資格を得たところでございます。これが本市の実態になってございます。
市教委といたしましても,先ほど委員からるるお話ありましたように,学校図書館の重要性を教職員に理解していただき,この講習講座の開講を先生方に周知して受講を促し,有資格者をふやすように努めているところでございます。
次に,司書教諭の発令に関する問題でございます。確かにご指摘のとおり,司書教諭の有資格者が,必ずしも各学校の校務分掌の中で学校図書館の担当になっていないという現状もございます。それにはいろいろ理由があるわけですけれども,一つは,先ほど委員からご指摘がありましたように,学校図書館法で附則によりまして,当分の間,司書教諭を置かなくてもよいということになっていること。さらに,それに加えまして,それぞれの学校の事情に合った幅広い校内の人事を考えていくということ。さらに,仮に司書教諭有資格者であっても,必ずしもその学校の学校図書館の校務分掌を担当することを望んでいる者ばかりでないというような実態もございます。それらが絡みまして,必ずしもそのような現状になっていないわけでございます。
今後,市教委といたしまして,どう取り組むかということでございますけれども,今後,司書教諭の積極的な活用を図るために,一つは,教職員養成系大学等によりまして,多くの学生に資格をとらせていくということが一つであります。それからもう一つは,司書教諭有資格者の確保ができるように,司書教諭講習の積極的な受講の促進に努めること。さらに,在職中の教職員にありましては,現在,札教研の学校図書館部の研修がございますし,さらには道,市の学校図書館協議会の研修などもございますので,それらを支援し,さらには,それぞれの学校長にも,図書館についての理解と認識を深めていただくように積極的に働きかけまして,司書教諭を発令し,機能することができるような条件整備に今後力を入れてまいりたいと,かように考えておるところでございます。
◆福士 委員 それでは,最後に要望になるわけでありますが,いずれにしましても,発令をしていない,全道的に見ても発令ゼロでありますから,当然,札幌市も発令をしていない。全国的に見ると,司書教諭の関係は,都道府県全体では100%司書教諭の有資格者がいる。あるいは市町村でも約60%ぐらいいらっしゃる。しかしながら,この発令について見ますと,市町村では98.4%,あるいは都道府県では93.6%が発令をしていない,こういう実態になっております。しかしながら,平成5年10月27日こ文部省から,これらの関係について発令を促進をすること,あるいは先ほどご答弁をいただきましたけれども,受講を促進する,こういう通知が来ているわけでありますから,その辺,市教委も,ぜひそれらの対応策を検討していただきたいと思います。
いずれにしましても,先ほどご答弁にもありましたように,資格がなくても,本当に頑張っている大ぜいの先生方がいることも十分承知をしております。しかしながら,学校図書館がより活性化をするためには,何といっても人が必要であります。そういう意味では,ぜひ
子供たちが読書を通じて情報を育む,あるいは情報を活用していくために,ぜひとも早急に司書教諭の配置が必要だというふうに思っております。図書館の充実に力を入れていく,こういう基本的な関係があるとするならば,これらの法律をどう整備をしていくのか,それらを急ぐことが,私はぜひとも必要だというふうに思いますので,司書教諭の要望活動も積極的にやる,それらを含めて,ぜひよろしくお願いしたいと要望して終わりたいと思います。
○武市 委員長 ここで,3時30分までの20分間,休憩をいたします。
──────────────
休 憩 午後3時10分
再 開 午後3時31分
──────────────
○猪熊 副委員長 委員会を再開いたします。
◆大西 委員 私は,大きく2点について質問をしたいと思います。
その第1点目は,各学校に配分されております学校管理運営費についてであります。
ここ数年,逼迫した本市の財政状況のもとで既存の施策や事務事業の全般にわたる見直し,あるいは再構築が行われ,一般行政経費の徹底した削減がなされているにもかかわらず,職員の皆さんのご努力によりまして,円滑な学校運営が行われていることを私は評価しているところであります。しかしながら,6年度半ばである現在,学校現場からの非常に厳しい声を耳にするのであります。それは,学校に対する予算の配分が実態に合っていないのではないか。やりくりをしているけれども,やりくりはもう限界だと,あるいは修繕などは先送りをして,そういった費用を当面の学校の運営費に流用していると,あるいは追加の加配も相談しているのだけれども,
教育委員会のほうからはゼロ回答だと,こういう厳しい意見が学校の現場から聞こえてくるのであります。学校現場では,相当の苦労を強いられているのではないかなと,こう私は思うのであります。経費の節減は,本市の財政事情からすると当然のことでありまして,したがって,教育予算といえども聖域ではないと,こう私も考えております。しかしながら,子供の教育上,必要なものまでもカットされているとすれば,ゆゆしき問題であると思うのであります。
そこで,4点について質問をしたいと存じます。
その第1点は,管理運営費の執行形態についてであります。どの種の経費が
教育委員会で直接執行されて,また,どの種の経費が各学校に割り当てられ,執行されているのか,その比率もあわせてお伺いをしたいのであります。
第2点目は,各学校に対する予算の配分はどのようになっているのか,その考え方と積算基準についてお尋ねをしたいと思います。
第3点目,学校割当て予算の執行について,各学校に対し,どのような指導をしているのかについてお伺いをしたいと思います。この場合,一方的な配当通知で処理されているとは思いませんが,ここ年々,学校に対する配分がカットをされているわけでありまして,その通知を受け取っただけでは,各学校に混乱を生ずるおそれがあります。どのような指導をされているのか,具体的にお答えをいただきたいと思います。
第4点目です。学校管理運営費の適正化を進めるため,検討委員会を
教育委員会の中に設けたと,こうお聞きをしております。これまでの検討の中で何か成果があったのか,また,今後の見通しについてもあわせてお伺いをしたいと思います。
以上,4点についてお尋ねをします。
◎上島 総務部長 学校運営管理費について,私からお答えいたします。
1点目の学校運営管理費予算の経理区分でございますけれども,
教育委員会で直接経理をしているものは,すべての学校に共通する水道・電気・ガス・電話料の経費,及び警備や施設維持管理等の委託業務等の経費,それから計画的に整備をいたします大型の備品,教材の購入経費,また一括契約をすることによりまして購入単価が安くなる物品の購入経費,その他30万を超える比較的大規模な施設修繕等の経費を
教育委員会で執行している。
また,各学校に割当てをしている予算の経理につきましては,50万未満の物品の購入経費,それから30万未満の施設とか備品の修繕経費等でございまして,これらの経理を分担していると。
この分担の理由は,経費を節約したり,また事務の軽減,それから効率的な予算執行を図ることからで,その割合でありますけれども,
教育委員会の直接経理分は約70%,学校分は30%になっておりますけれども,
教育委員会で執行している70%のうちの約62%は,すべての学校で使用する電気・水道・ガスの使用料でございます。
次に,2点目の各学校予算の積算基準でありますけれども,毎年度,予算の確定した段階で前年度の実績等も踏まえまして積算基準単価を定めてございます。その積算内訳を申し上げますけれども,需用費,燃料費,役務費,教材費,図書費等につきましては学級数割を,それからトイレットペーパー等の需用費は児童・生徒割を,それから校舎の修繕費とかガラスの清掃,備品購入費については面積割を,それから校舎の修繕費については建築経過年数を勘案いたしまして,それぞれ加算措置を講じております。
それから,さらに各費目とも一定の水準が必要でありますことから,学校の規模にかかわらず,定額割当てをしているところでございます。
それから,3点目の学校への指導等でございます。この指導につきましては,毎年4月に学校長を対象に行政執行説明会を行なっておりまして,さらには,教頭,事務長,それから,学校事務職員に対しても,それぞれ具体的な取扱いの説明を行なってございます。効率的で効果的な予算の執行についてお願いをしているところでありまして,今後とも適切な執行について留意をしていく所存でございます。
それから,4点目の学校運営管理費の適正化検討委員会でありますけれども,ことしの4月に,学校長,教頭,教員,事務長,そして事務職員を代表する学校職員の代表者,それから
教育委員会の関係課長を含めました合計21名で構成する委員会を設置をいたしまして,児童・生徒の学習環境に影響をさせることなく,また,学校運営に支障を来たさない範囲での運営管理費の適正な執行とそのあり方について調査を行い,研究をしているものでございます。
現在までに,この委員会での検討の中で,電気暖房校の契約電力を第二融雪電力へ切りかえることや,各教室のサーモスタットに上限温度をロック式にすることによりまして,相当のランニングコストの軽減があることが判明しておりますので,可能なものから実施をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆大西 委員 いま積算基準についてご説明をいただきました。学級数あるいは児童・生徒数についても配慮されておりますし,また,修繕費などについては,施設の面積や建築の経過年数,こういったものも勘案されているということで,各学校への配分は調整されているようであります。しかし,それにもかかわらず,各学校現場で非常に厳しいということは,それぞれの予算科目ごとの総量の積上げが実態に合致していないのではないか,こう考えるものであります。
私の調査でありますが,19学級ある小学校では,平成5年度の予算約330万円に対して決算が440万円,差引き110万円の赤字,特に一般消耗品費では,予算50万円に対し決算92万円と約倍額,環境整備費では,予算5万円に対し決算36万円,約7倍となっているのであります。
また,12学級を擁しているある小学校で調べてみますと,配当額は,いわゆる予算額は267万に対して決算は390万円,差引き130万円弱が赤字になっているわけであります。この学校においても,特に一般事務費で,予算27万円に対し決算が65万円,約2.5倍,備品修繕費,予算25万円に対し決算46万円,約2倍となっているのであります。
そして,これらの赤字は,年度の最終に
教育委員会から補てんされているようであります。したがって,その年度では最終的には学校の赤字はゼロになると,こういう手法を使っているようであります。
この両学校に共通していますのは,総配分額に対し,総支出額が大幅に膨れ上がっているということ。すなわち,いずれも赤字が大幅に出ているということであります。そしてまた,支出科目別予算の執行は全く正常に行われていない,これはやりくりの関係でこうなっているのだと思いますけれども,そういうことが明らかにわかるわけであります。これは各学校に対する配分額の絶対数が少ないこと,科目別支出のアンバランスは,少ない中での科目流用をしなければ運営ができないこと,こうしたやむを得ない事情によるものと考えられるわけであります。しかし,こうしたことを考えますと,各学校に配分する予算は,ただいまの答弁では,前年度の実績も勘案しながらと,こう言っておりますけれども,この予算に対する決算の状況を見てまいりますと,必ずしもそうなっていないのではないか,こう私は考えるわけであります。そこで,やはり学校現場で,実情に合う積算基準というものを,この際,速やかに見直す必要があるのではないかというふうに考えるわけでありまして,この見解をお伺いしたいと思います。
また,予算執行途中での流用措置などの運用が厳しく制約されているのかどうか,このこともあわせてお尋ねをしたいと思います。
2点目に,適正化委員会の検討結果についてお答えをいただきました。ランニングコストの軽減や水道,光熱費の節約など,一部実現したものもありますし,検討されている課題もたくさんあるようであります。それも児童・生徒の学習環境に影響もなく,さらに,学校運営に支障を来たさないというものであれば,私は大変結構なことだと,こう思うのであります。
そこで,この学校現場と
教育委員会が一体となって検討し,生み出された節減予算はどのように運用されるのか,学校管理運営費に還元されるのかどうか,この点についてお尋ねをしたいと思います。
◎上島 総務部長 お答えをいたします。
1点目の現在の積算方法,積算単価の基準により,割当てをされた予算がそれぞれの学校の実情に合致しているのかどうかということでありますけれども,5年度の決算で申しますと,ご指摘にありましたように,一部の科目で予・決算の乖離があるのは事実でございます。しかし,執行段階での流用等の運用措置におきまして,図書費等一部の科目については流用はできないこととしておりますけれども,その他の科目の流用につきましては可能でございまして,それぞれの学校の実情等を踏まえた適正な執行を学校にお願いしているところでございます。
また,積算基準の精査,見直しにつきましては,現在,各学校の実態調査を行なっているところでありまして,今後とも適正な基準の設定を行なってまいる所存でございます。
それから,2点目の節約により生み出された予算の学校管理費の還元でありますけれども,いま札幌市では行政運営効率化委員会を設置いたしまして,全市を挙げて行政の効率化に取り組んでいるところでございます。したがいまして,節約に対する還元という考えではなく,行政運営効率化の視点に立った見直しは不可欠でありますし,また,本来の行政目的達成に必要な経費の確保も,当然欠くべからざるものであると考えております。このような考え方をもとにしまして,
教育委員会といたしましても,学校運営管理費の個々の事業内容について精査をする中で,たとえば新たに取り組む必要のある事業やレベルアップ事業に対して,予算の確保に鋭意努力してまいる所存でございます。以上でございます。
◆大西 委員 私は,ぜひ積算基準について,前年度のその学校の実績,それからその年度に起きるであろう特殊な要因,そういったものにもきちっと対応できるような,そういう積算基準をぜひつくっていただきたい,こう思う次第であります。
最後に要望になりますけれども,段々のお答えの中で
教育委員会の考え方,おおむねわかりました。経費の節減や事務事業の見直しは,本市の財政事情からすれば当然と言えば当然のことであります。しかしながら,これからの社会を担う子供の教育は何にも増して重要でありますから,したがって,教育上,必要な予算まで制約されることがあってはならないことだと私は思うのであります。このあたりを十分に踏まえて必要予算を確保していただくとともに,今後とも,このことを念頭に置いた
学校教育行政の継続を期待するものであります。
さて,2点目の質問に入りたいと思います。2点目の質問は,本市の弱視教育の現状と今後についてであります。
道内の小・中学校における弱視児童の教育は,昭和46年4月に初めて,創成小学校と中島中学校に弱視特殊学級が設置されたときから始まったと聞いております。開設当初は指導形態や
指導内容,また方法など,さまざまな困難を抱えての出発だったとも聞いているのであります。そして,20年たちました昨年,
学校教育法施行規則の一部改正によりまして,従来の弱視特殊学級から弱視通級指導教室と改められたのであります。すなわち,従来1学級として1学校に帰属されていたものが,本来的な生徒の在籍校から指導教室のある学校まで週何回か通うと,こういう制度に改められたようであります。この学級へ通級している生徒の皆さんは,両眼の視力が,矯正しても0.1以上0.3未満のもの,また,視力以外の視力機能障害が高度のもので,点字による教育を必要としないもの,さらに通常の学級での学習におおむね参加ができ,一部特別な指導を必要とする児童・生徒が対象とされているのであります。この
子供たちの一番の悩みは,何といっても普通教科書の利用ができず,拡大しなければ見えないということであります。そのために父母の負担はあらゆる分野で大きく,その解決策を行政に求めているのであります。
そこで,数点についてお尋ねをいたしますが,その前に,実はきょう,その生徒が使っている教科書を借りてまいりました。これが普通の大きさの教科書でありまして,これが弱視の子供の使っている教科書であります。これだけ膨大で大きいものであります。そして,これを見てもわかりますように,こちらの普通の教科書のほうはカラー刷りでありますが,こちらはお母さん,お父さんたちが自分たちで色を塗ってこういうふうに色をつけたものであります。これは全部白黒のコピーをとってこういうふうに全部色をつける,こういう作業があるわけであります。
そこで,質問に入りますけれども,第1点目に,本市の弱視学級に通級している児童・生徒の実態についてでありますが,生徒数はいま何名ぐらいいらっしゃるのか。また,通級学級を実施している学校名を明らかにしていただきたいと同時に,これらの生徒に対する教科書の対応はどのようにされているのか,お伺いをいたします。
2点目に,弱視児童育成父母の会というのがありますけれども,このたび,この会が全会員の皆さんに行なったアンケートの結果がここにございます。これによりますと,拡大教科書をつくってほしい,費用負担は
義務教育中の児童なので無料で配付してほしい,また,挿絵などの色つき部分はカラーで拡大してほしい,こういう三つの意見が大部分であります。私は,この父母の皆さんにも直接声を聞かせていただきましたけれども,子供の親としての切々たる訴えがあるのであります。私は,これらの要望は当然のことであると考えますが,
教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。
第3点目に,これら弱視学級に対する先生方への指導はどのような内容のものか。また,指導の方法についてもお伺いをしたいと思います。
あわせて,本市は,通級による指導の対象はどのような障害の範囲に規定しているのかについてもお伺いをいたします。
◎滑川
学校教育部長 まず,第1点目の弱視における児童・生徒の実態と教科書の対応についてでございますけれども,現在,本市におきましては,東札幌小学校,中島中学校,日章中学校に弱視特殊学級を,さらに創成小学校には通級指導学級を設置しておりまして,5月1日現在で,小学校でいいますと20名,中学校2名,合わせて22名の弱視の児童・生徒が地域の小・中学校から通級し,指導を受けておるところでございます。
この弱視の児童・生徒が使用する教科書につきましては,国の制度に基づきまして,本市で採択いたしました教科書を無償で配付しておりますけれども,一人一人の障害の状況に応じて学級担任が,先ほど示されましたように拡大コピーをしたり,また,父母やボランティアの方が拡大教科書を作成しているところでございます。
なお,市教委といたしましては,弱視学級に設置しているコピー機をことしの3月に更新をさせていただいたところでございます。
2点目の拡大教科書の製作と無料配付についてでございますけれども,拡大教科書の製作と無料配付は,先ほど委員からお話ありましたように,弱視のお子さんをお持ちの父母の方の願いは,市教委の私どもといたしましても十分理解しているところでございます。
しかしながら,現在,国で製作しております拡大教科書というのは,盲学校で使用している教科書を拡大したものであります。したがいまして,通常の小・中学校で学ぶ弱視の子供にとっては,教科書が違うために使用することができないものであります。
また,拡大教科書を別途製作する場合は,多額の経費を要するとされているところでございます。さらに,弱視の児童・生徒の教科書は,一人一人の障害の状況によって,文字の大きさとか,さらに文字の太さもそれぞれ異なりまして,すべての弱視に共通して使用できるものでないために,どのようなものがよいのか現段階では研究が必要とされておりまして,市教委独自の拡大教科書を製作して配付することは困難な状況にあるところでございます。
3点目の教師に対する指導並びに対象児についてでございますけれども,まず,弱視通級指導教室及び弱視特殊学級の対象児についてでありますが,先ほど委員のお話にありましたように,両眼の矯正視力が0.1以上0.3未満,または視力以外の視覚の障害機能が高度で,点字による教育を必要とせず,通常の学級の学習をおおむね参加ができて一部視知覚訓練など,特別な指導を必要とする児童・生徒を対象としているところでございます。
市教委といたしましては,小・中学校の弱視通級指導学級及び弱視特殊学級の担任に対しましては,
教育課程・年間
指導計画作成の手引というものを作成して配付してございます。また,一人一人の障害の状況に応じた適切な指導がなされるように
指導方法,
指導計画の具体例を示しながら指導に役立てているところでございます。
さらに,小・中学校の学級担任につきましては,「学級担任のための心身障害児指導の手引」というものを作成いたしまして,これを配付し,可能な限り配慮して指導するようにしておるところでございます。
また,
指導方法は,視覚障害からくる学習の困難を軽減するために,文字や絵を拡大したり,単眼鏡とかルーペ等を使用して,見えにくいものをよく見えるようにする学習が中心になっているところでございます。
◆大西 委員 いま,るるご説明をいただきました。本問題について,すべてを解決するには財源が大変かかると,こういうことであることはよくわかりました。しかし,この問題は,ひとり本市だけの問題ではなくて,全国的な課題であると思います。したがって,この際,全国的な取組み状況について,先進的な取組みをしているところがあれば,ぜひひとつお聞かせをいただきたいと思います。
第2点目に,現在,弱視教室の設置校である2校に,白黒の拡大コピー機を1台ずつ配置されているとのことであります。カラーで印刷されている絵などは白黒になるために,親が自分でカラーコピーを行なったり色を塗ったりして,経済的・精神的負担を強いられているのが現状でありまして,普通の児童は,カラー印刷されている教科書をそのまま使用していることを思うときに,市教委としては,可能な限り公的な補助をするなど,温かい配慮をすべきと考えますけれども,この点についての見解をお伺いいたします。
◎滑川
学校教育部長 拡大教科書の全国的な状況についてでございますが,先ほどお話いたしましたように,拡大教科書は,国において,盲学校で使用している教科書を拡大して製作しております。その使用につきましては,現在,盲学校に在籍する弱視の子供を対象に,文部省で調査研究が行われているところでございます。また,他の指定都市におきましても,独自に拡大教科書を作成している都市はなくて,ボランティアが作成したものや,拡大コピーにより対応しているのが現状であります。
◎藤島 教育長 公的な補助ということについて,私からお答えをいたしたいと思います。
教材を拡大して使うということは,弱視の子供さんたちにとって,学習をする上で大変欠かせないものだと,これは大西委員のおっしゃるとおりだと思います。そうした意味で,そういった教材を製作するのに要する経費の補助,それらの経費的な補助がいいのか,あるいは,現物のいわゆる支援がいいのか,そこら辺については,私ども前向きにこの問題について検討してまいりたいと,このように考えております。
◆大西 委員 最後に要望を申し上げておきたいのですが,本問題については,確かに財源問題,これは大変な問題であると思います。したがってだめと,こういうことではなくて,将来にわたって,いま言われていますように,
子供たちの
学校教育,こういったものを十分配慮していただきながら,国の中でもいろいろ検討されているようでありますから,ぜひ将来は拡大教科書というところまで私は追求していただきたいなと,こう思っているところであります。
また,弱視教室にいま白黒コピー機が配置をされているわけでありますが,ぜひ近い将来,色刷りにするだけでも一歩前進でありますから,カラーコピー機にかえると,こういう検討もあわせてぜひお願いをしたい,こう思います。以上,要望を申し上げて質問を終わります。
◆原口 委員 私は,学校週5日制の月2回実施についてお伺いをいたしたいと思います。
去る10月7日の3定の本会議におきまして,文教委員会委員全員による,学校週5日制の早期完全実施を国に求める意見書と,こういうものを採択いたしました。これに先立つ10月6日に,国におきましては,文部省が学校週5日制の月2回実施を検討する協力者会議というものを発足させました。こういうことから,現在月1回行われております学校週5日制は,おそらく来年の春から月2回実施されるという見通しが強くなってきていると思います。
文部省は,学校週5日制月2回実施を検討する資料として,全国に先駆けて,月2回実施している学校週5日制の調査研究協力校の小・中・高・特殊学校,そういう諸学校の保護者に対して意識調査の集計結果を発表いたしております。その意識調査の集計結果を見ますと,学校週5日制の月2回実施に対して,66%の保護者が賛成と答えているということでございます。その調査研究協力校が,月2回の実施をする前には51%だったということから比べてみますと,着実に賛成の方がふえてきているということが言えると思うわけであります。こういうふうに賛成の保護者がふえてきているという背景には,各学校が
指導内容の改善であるとか,それから
指導方法を工夫するなど,
学習指導の一層の充実に努めてきたこととともに,保護者に対する地道な啓発活動といいますか,そういうものをずっと続けることによって,家庭であるとか地域の理解が深まってきたことの証左だろうというふうに思うわけであります。
子供たちというのは,本来,生活の場であります自然であるとか,それから地域社会に積極的にかかわることによって,心を弾ませ,そしてわくわくした気持ちを持ちながら育っていくものだというふうに私は考えます。懐しいふるさとだとか,それから子供のときに疲れを知らずに野原を走りめぐったと,そういう思い出は単なる郷愁ではないと思うわけです。それは,
子供たちが創造性豊かにたくましく育っていくと,こういうことのための大きな要素であろうというふうに私は考えるわけです。
ですから,
子供たちを取り巻く家庭であるとか地域社会が,その役割を見直していくということが大切なことであろうというふうに考えます。
私は,いままで過度に
学校教育に依存してきた,そういう傾向があったと思うのですけれども,これまでのそういうような教育全体のあり方を見直して,そして家庭や地域の教育力の回復を願う,そういう学校週5日制の趣旨から考えましても,家庭や地域社会の理解が大切であると思うわけです。学校週5日制というのは,
学校教育にとりましては,明治5年の学制の発布以来の一番大きな変革をもたらすものであると言われております。今後,学校と家庭と,そして地域においては,これから求められる教育のあり方について,さらに理解を深めていかなければならないと思いますし,学校週5日制の確かな定着に向けて,それぞれの連携をより一層強めていかなければならないと,そういう必要があるというふうに考えるわけです。
そういう観点から,2点についてちょっとお尋ねをいたしたいというふうに思っております。
まず1点目は,学校週5日制の月2回の実施について,先ほどの意識調査では,66%の方が賛成だということでありますけれども,逆に考えてみますと,まだ3分の1の保護者の方が,やはり不安を感じているということが言えるのだと思います。そうした保護者の方々の不安を取り除き,理解を得るために,より一層の啓発活動が必要だと思うわけでございますけれども,このことについて,市教委は今後どのように取り組んでいかれようとしておるのか,この点についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
それから,2番目に保護者の意識調査の結果を見ますと,全国的には66%という数字でございましたけれども,本市では,賛成が74%に上るということでございまして,
教育委員会のご努力を高く評価したいというふうに思うわけでございますが,74%といいましても,まだ4分の1の保護者の方が不安を感じていることも事実でありまして,その不安は子供の学習負担の増加であるとか,学力水準の低下であるとか,それに伴う授業時数の確保であるとか,それから塾通いの加熱などにかかわるものであろうというふうに考えられます。これまで市教委では文部省の考え方と同じく,学校週5日制というのは,月2回までは現行の
学習指導要領で対応できるというふうにいままでは述べられておりました。いまお話ししましたような,こうした不安について,これからどのように対応していこうとされておるのか,この点,2点目としてお伺いをいたしたいというふうに思います。
◎武田
指導室長 学校週5日制月2回実施にかかわる保護者への啓発活動についてお答えいたしますが,保護者の意識調査につきましては,ただいまご指摘いただきましたとおり,全国平均で66%の賛成がありますが,本市の調査研究協力校の結果について見ますと,これもご指摘いただきましたように,各学校のさまざな努力によりまして,全国平均を8ポイント上回る74%が賛成をしております。
いずれにいたしましても,ご指摘のとおり,近い将来,学校週5日制の月2回の実施が予想されますことから,各学校では月2回の実施に向けて,保護者の方々にその趣旨の理解を深めていただくために,今後とも,学校だより,学年・学級だより,PTAの広報誌,あるいは懇談会などのさまざまな機会を通して,さらに啓発活動を積極的に行なっていかなければならないと考えております。
また,市教委におきましても,各学校に対しまして,調査研究協力校の成果を積極的に伝えるとともに,いままでと同様,保護者に対する啓発活動はもとより,地域住民に対しましても,広報さっぽろや
教育委員会の広報誌「かけはし」などによるPR活動や関係機関等の懇談会を実施するなど,積極的に理解を深める取組みを進めてまいりたいと考えております。
2点目の保護者の不安への対応についてでありますが,学校週5日制月2回実施に対する保護者の不安は,ご指摘のように,学習負担の増加や学力水準の低下などに対する不安であると理解しております。各調査研究協力校では,
学校教育全体を見直し,行事の精選,週の時間割の工夫,また,
指導内容や
指導方法の工夫・改善を図ることによりまして,このような不安を解消できるという見通しを持っております。
また,学校週5日制の趣旨を生かすためにも,子供の学力を単に知識の量だけではかるのではなく,みずから進んで学ぼうとする力も含めてとらえる必要があると考えております。こうした学力に対する見方の転換と,教育全体についての意識改革が教師にも保護者にも求められております。
市教委といたしましては,こうした考えに立ちまして,先ほど申し上げました,さまざまな啓発活動を進めてまいりたいと考えております。
また,塾通いの加熱につきましては,学習塾関係者に対して,市教委といたしまして,これまで2度にわたって協力の要請をしてきたところであり,今後も状況の推移を見ながら対応してまいりたいと考えております。
◆原口 委員 そこで,市内の各学校では,月1回の学校週5日制の実施において,学校行事の精選であるとか,それから指導の内容や方法の工夫改善といいますか,そんなことであるとか,その地域に開かれた学校としてやっていこうというようなことなど,学校や地域のいろんな事情に応じてさまざまな工夫をされてきているというふうに伺っております。学校週5日制がそのねらいを達成していくためには,行政や学校が,子供の育成のために必要な条件整備を図ることであるとか,それから,家庭や地域社会の教育力を向上させていくための支援をしていく必要があるというふうに私は考えるわけであります。そういう意味からも,月2回の実施に伴って,各学校では一層条件整備に努めるとともに,家庭や地域との連携を深めていくことが必要になってくると思われます。
そこで,すでに月2回の実施を行なっている調査研究協力校の成果については,これまでもときどき伺っているところでありますけれども,そこで得た研究の成果を,新たに月2回実施するべく望んでいる他の各学校にどのように伝え,そして指導援助をどのように図ろうとお考えなのか,これについてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
◎武田
指導室長 各学校に対する今後の指導についてでありますが,本市の調査研究協力校では月2回の実施に向けて,
教育課程の編成のあり方,学校運営のあり方など,多岐にわたって実践研究を深めまして,その成果を本年2月,研究集録にまとめまして,それを各学校に配付したところであります。今年度は,この研究集録をもとにしまして,学校週5日制月2回実施のための具体的な指針となる資料として
教育課程上及び学校運営上の対応,教員の研修体制,家庭や地域との連携などにかかわる参考資料をただいま新たに作成しているところであります。この資料が完成次第,できる限り早くこれを全市の学校に配付しまして,各学校が月2回の実施に向けて円滑に準備が進められるよう,積極的に指導・助言に努めてまいりたいと考えております。
◆原口 委員 ぜひそういう手引書といいますか,そういうものを早急につくっていただいて,現場で混乱が起こらないようにひとつお願いをいたしたいと思いますし,
教育委員会や学校は,さらに
子供たちの望ましい人間形成を図るためにも,
学校教育だけでなくて,家庭や地域社会における子供の生活にも十分配慮をしていただきまして,今後とも積極的に,家庭や地域社会に対する働きかけを行なっていっていただきたい,こんなふうなことを要望させていただきまして,終わらせていただきたいと思います。
◆井上 委員 私の場合,三つの質問があります。子どもの権利条約と学校週5日制について,先にお尋ねしたいと思います。
子どもの権利条約についてなのですが,2定で条約の受けとめ方,また,この条約に関連した文部省の通知についてお尋ねしましたら,あの時点では,まだ通知が来ていないということで,答弁をされておりません。それで,ここは大切なところですから,あらためてお尋ねしたいと思います。
子どもの権利条約に込められた精神と,これに定められた子供の権利を生かして,いまの教育の現実の矛盾を少しでも打開してほしい,そういう期待を込めていたわけです。教育行政は,これにこたえて,条約の趣旨を図る責任を負っているというふうに思うのです。しかし,この条約の意義について,非常に消極的な姿勢だということを指摘しなければなりません。権利実現について制約的な行政解釈を示して,この方向に沿うように実は趣旨の徹底を求めているのです。それが文部省の通知で,この通知を学校に手紙をつけておろしたわけです。どういう形で非常に消極的なのかと言えば,先ほどから問題になっております日の丸,君が代,子どもの権利条約を定めた子供の思想,良心及び宗教の自由についての権利,これを通知では,国旗・国歌でもない日の丸掲揚,君が代斉唱を国旗・国歌を尊敬する信条と態度を育てるものであり,今後,指導を充実すべきだとして,そういう形で推進を強調した手紙をつけられているわけです。だから,そういう意味では,本当に文部省の反動的な姿勢がこの中にあらわれているということで厳しく指摘しなければならないのです。この文部省の通知をどのように受けとめられているのか,1点お尋ねいたします。
もう1点は,全庁的な取組みの中では,青少年女性部を中心に,権利条約の実効ある取組みをいま進めていくということで昨日も答弁されているのですが,この条約が他の条約と違う特徴があるというのは,広報義務があるということで,やはり先生向けのパンフレット,また子供に対しても知らせること,知らせていくことが,いま権利条約が発効されたという,その第一歩につながっていくというふうに思うのですね。それで,こういうことは検討されているというふうに思うのですが,これについてお尋ねいたします。
権利条約の主人公である子供そのものについても,昨日,青少年女性部のところで質問いたしましたら,子供向けの冊子をつくっていく方向が示されております。それで,これについては,ぜひ専門家である
教育委員会の,また先生の,そういう声を反映されるような,編集委員も編集委員会をつくってやるように私も求めてきておりますので,ぜひそういうところにも入って,このパンフ作成にご努力をいただきたいというふうに思います。
それと,学校週5日制についてです。
これは,
代表質問の中でもいたしましたが,どうしても納得できないのです。実は,週5日制のスタートから2年が経過していて,先ほどもお話ありましたけれども,来年から月2回の方向で動いております。そういう中で,子供や親にとってはこの5日制がよかったと,そういうふうに札幌市民の皆さんも答えておられるわけですが,子供と先生にとって,かえって学校が過密になっていないだろうか,そういう心配を持つわけです。現在,週1の授業時間でも,その授業を確保するために児童会や生徒会,行事の活動時間が削られている。現場の先生からそういうふうな訴えもあります。今回の答弁の中では,実験校の成果を踏まえて,2回になっても行事の精選や
指導内容,
指導方法の改善によって対応できると,そういう答弁をされているわけです。私も,この5日制の月2回実施研究された,これをずっと読みました。しかしやっぱり,これは例ですけれども,学習発表会,これもいままでは行事として扱われていたのが,7時間は行事として,また練習や表現の工夫ということで8時間は国語に振り分けられる。練習効果音楽として2時間は音楽にいく。また,大道具・小道具製作,これが4時間図工にいく。教科の学習として
指導計画の中に位置づけられて振り分けていっているのですね。現場においては,先ほどの生徒会,児童会が少なくなっているということとあわせて,非常に四苦八苦している実態がこの中からも明らかに出ているわけであります。
そういう中で,あらためてお尋ねいたしますけれども,こういう現場の指導,いまの
指導要領のままでいって本当に大丈夫なのだろうか。私は,非常にそういう面では,これらの調査も踏まえて大変な状況になるというふうに思うものですから,これについてあらためてお尋ねいたします。
◎滑川
学校教育部長 児童の権利に関する条約について,私からお答えいたします。
1点目にありました児童の権利に関する条約にかかわる通知についてでありますけれども,この通知は条約の理念を全体にわたって述べるとともに,その趣旨に従って,児童の人権に十分配慮し,一人一人を大切にした教育を今後一層進めるよう,その充実を求めたものと受けとめているところでございます。市教委といたしましても,条約の趣旨を踏まえた教育の一層の充実に努めていかなければならないと,かように考えているところでございます。
第2点目の児童・生徒及び教員に向けての啓発資料の作成についてでございますけれども,児童・生徒向けの啓発書につきましては,条約の内容をわかりやすく解説した外務省作成のリーフレットを,本年の7月に市内の各学校のすべての学級に行き渡るように配付したところでございます。教員向けの資料につきましては,この条約の本文を小冊子にまとめまして,市立学校のすべての教諭に配付するよう,現在準備を進めているところでございます。
なお,委員から指摘のございました,市民局における児童・生徒向けの啓発資料を作成する計画があるとのことでございますけれども,このことにつきましても,今後協力の要請があれば積極的に協議してまいりたいと,かように考えておるところでございます。
いずれにいたしましても,市教委といたしましては,今後さまざまな機会をとらえ,この条約の趣旨が広く理解されるように,あらゆる機会をとらえて頑張ってまいりたいというふうに考えております。
◎武田
指導室長 学校週5日制についてお答えいたします。
このことにつきましては,これまでもたびたびお答えしてまいりましたように,月2回の実施になった場合においても,行事の精選や
指導内容,
指導方法の工夫・改善によりまして,現行の
学習指導要領で対応できると判断しております。市教委といたしましては,各学校に対して調査研究協力校の成果を積極的に伝えるとともに,保護者,地域住民に対しましても理解を深める取組みを今後とも進めてまいりたいと考えております。
◆井上 委員 先ほど部長がお答えになったのは,私の聞き違いかというふうに思いたいのですが,この条約については私どもも全体的に子どもの権利条約,これは子供の人権を尊重し確保していく,そういうことが詳細に書かれているということはきっと同じだというふうに思うのですけれども,この文部省の通知もそういうことで受けとめておられるのか。これをもう一度お尋ねしたいと思います。
それと,パンフレット。教員向けのパンフレットがそういう形で計画されているということで,ぜひ先生のところに配付して,より一層この子どもの権利条約を進めていかれますように期待するものです。
それと,学校週5日制についてなのですが,このご答弁は
代表質問のあれと同じですので,これについては私としてはいただけません。それで,ずっと気になってこの研究校の調査を見ているのですけれども,授業時数の確保に努力し,行事などの振りかえが,もう大体研究校ではやられているのですね。なぜこれに振りかえるのかということなのですけれども,それは年間の総授業時数というのがありまして,その授業時数が決まっている中で,勉強の水準を落とすわけにいかない,それを指導しているのですね。だから,その中でそれは落とされないと。そのほかにどうするのかというと,先ほど来言っている,こういう行事,修学旅行,その他を振りかえていかざるを得ないのですね。だから私は,ここの,ところが非常にひっかかりまして,この授業時数の確保,これが固定的なものなのかどうなのかということをずっと考えていたのですよね。それで,もっと弾力性を持たせて,ここのところを市教委としてそういう方向でいけるのであれば,やはり現場の先生,そして本当にそこで授業を受ける
子供たちにとっても,週5日はもう大体皆さんが求められる方向で動いているわけですから,改善の方向にいくのでないかなというふうに思うのです。それで,ここのところで市教委の考え方をお尋ねしたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 先ほどの児童の権利に関する条約の文部省通知でございますけれども,この通知のかがみ文の中に幾つか書いてございますが,そこの中の中心になっているところは,先ほど申し上げましたように,児童の人権に十分配慮し,一人一人を大切にした教育が行われなければならないことはきわめて重要なことであり,本条約の発効を契機として,さらに一層教育の充実が図られていくことが肝要でありますというふうに書いてございます。したがって,私どももこれを受けまして,全くそのとおりであるというふうに評価をしているところでございます。
ただ,その後に,この教育に関して展開していく場合の留意事項として,先ほど井上委員からご指摘にあった,具体的な項目につきまして8点ほど,その取扱いについての留意事項が示されているというふうな構成になってございます。
いずれにいたしましても,一番大事なのはこの条約の本文でございますので,それに従いまして私どもも,この通知のとおり実践をしていきたいというふうに考えているところでございます。
◎武田
指導室長 年間の標準授業時数についてお答えいたします。
各学校における年間の授業時数は,
学習指導要領で示している各教科などの目標を達成し,内容を理解するための時数として,
学校教育法施行規則によって年間標準授業時数として定められているものであります。
したがいまして,各学校におきましては,それぞれの学校の実態などの諸条件も十分考慮しながら,年間の授業時数を定めているものと受けとめております。
◆井上 委員 先ほどの子どもの権利条約については,やはり子供の人権の尊重をどういうふうにして私たちが守っていくかということで具体的に規定した,こういうものでありますので,ぜひともこれは教育行政に反映させていただきたいと思います。
それと,いま年間授業時数のことを言われましたけれども,これについては,いま月2回の週5日制に移行していくには,研究校のあれでは大丈夫だというふうにおっしゃっているのですけれども,やはり最終的には新
学習指導要領の見直しの方向でいかなければ,ここのところは本当に矛盾が膨らんで,授業時数に振りかえていく。そうしたら,残った教科はどうなっていくのだろうかという,そういう心配にもなっていくわけですね。だから,これについては,私はやっぱり
学習指導要領の見直しの方向でいかなければならないということをいま指摘したいと思います。
それで,これを見ていまして,非常に研究され,すごくご苦労しているのは,厚別区の学校だと思うのですけれども,学校行事は,教科で育てる面とは違った豊かな体験をし,心を育てていく上で大切な領域である,時数を減らさず学校行事をやっていきたい。しかし,行事で時数をとると余裕時間がなくなる。このジレンマを解決しなければ,2週・4週の土曜休日は不可能であると,こういうふうに書かれております。
また,小学校の高学年,これについては全体的にその余裕時間がやっぱり少なくなっているのですね。そういう厳しい実態がこの中からもうかがうことができました。やはり週5日制について,これから月2回行う方向でいっているのですけれども,現場の実態をもっとつかんでいただいて,そして国に向けても積極的に働きかけていただきたいというふうに思います。
次に,免許外の教科担任の解消についてお尋ねしたいと思います。
これについては,何度も私ども取り上げてきておりますが,2点あります。国語の先生が理科を教えたり,社会の先生が英語を教えたり,免許を持たない教科を教える免許外教科の担任について,教える先生も教わる
子供たちも大変であります。私たちの周りを見ましても,低学年から
子供たちは勉強がわからなくなっている,進み方がとっても速くなっている,親が集まると,そういう声が聞こえてきていまして,非常に問題になっております。そういう中で,私は免許外教科担任は本来あってはならないというふうに思うのです。そこで,免許外教科担任の実態についてお尋ねいたします。また,どのように改善に向けて取り組まれてきたのか,これもあわせてお尋ねいたします。
また,必要な教科の教員配置がされない中で,免許外の教科を担当しなければならない状況が,長い間の問題となってきております。そういう中で,何度かの議論の中でも指定都市の
教育委員会の会議,また国,道に対しても要望してきているというふうに思うのですが,この間の国の動き,道教委の動きをどのように把握されているか,これもお尋ねしたいと思います。
◎滑川
学校教育部長 1点目の中学校における免許外教科担任の実態についてでございますけれども,平成6年では延べ194人の教員が所有免許以外の教科を,週当たりで言いますと合計1,036時間担当しております。これは,昨年に比べますと延べ人員では14人の減,1週間当たりの担当時間数で言いますと98時間の減少ということで,若干でございますけれども改善が見られているところでございます。
次に,免許外教科担任の解消のための対策でございますけれども,学校におきましては,単に先生方の持ち授業時間のみを平均化するのではなくて,総合的な校務分掌の割当ての中で,免許外担当の解消に努めるよう学校長に要請しております。また,必要数に応じた教員配置に努め,今後とも,この複数免許の所有者の採用を含めた計画的な教員の採用をしてまいります。
さらに今度は,学級編成及び教職員の定数につきましては,国及び都道府県の所管になっておりますので,本市といたしましては,先ほど申し上げましたけれども,指定都市
教育委員会と連携を十分図りながら,国や道,関係方面に強く要望してまいりたいというふうに考えているところでございます。
2点目の国及び道の動向でございますけれども,国は本年度からこの免許外担当教員の解消のために,5学級以下の中学校に非常勤講師を配置した場合の補助授業というのを開始しております。また,道におきましても,それを受けまして,ことしの10月1日から改善効果を調査するための,試験的なことでございますけれども,14の管内に各1名,合わせまして14名配置いたしました。
なお,国におきましては平成7年度予算要求の中で事業の拡充を図っているところでございます。これが全国的な,また道の動向でございます。
◆井上 委員 免許外の担任が若干減っているというふうにいまおっしゃったのですけれども,現状としては余り変わっていないなというふうに私思います。そういう中で,これは非常に新しい先生なのですけれども,希望に胸を膨らませながら入って,社会の先生になりたかったけれども英語になった,圧倒的に英語が少ない中で,免許外の授業をしなければならないということで,先生自身も大変だけれども,教わる
子供たちも日々の中で本当に大変な状況がつくられるのだというふうに私思ったのです。やっぱりそういう意味では,いま生徒が急減している,こういう大都市の中でも,このことが非常に問題になっているというふうに思うのですよね。
それで,2点目にお答えありました,5学級以下の学校において非常勤講師の補助授業がつくられるということで,それはそれとしていままで本当に求めてきたところですので,これについては,札幌でも5学級と言えば福移中学,豊羽,定山渓,東米里など,こういう学校でもいま大変な中にあるわけでありますから,これについては,より拡大していくことを求めたいというふうに思うのです。その生徒が急減している大都市の中で,やっぱり私は異常な事態だなというふうに思うのですよね。これについては,国会の議論などを通じて,小規模については経過的な措置というふうになっているのですけれども,当然大規模校の中ではあってはならないことだという,そういうふうな形で議論にもなっていて,こういう姿,やっぱり本来あるべき姿でないというふうに私認識するものですが,これについては,どんなお考えでありましょうか。
◎滑川
学校教育部長 大都市ではどうかということでございますけれども,これは配置につきましては,先ほど申し上げました,国,道によっているために,この学級編成の教員の定数につきましては市独自で配置するということは,いまのところ考えてございません。しかし,先ほど述べましたように,本市としては,今後ともこの指定都市
教育委員会と十分連携を図りながら,道や国,関係方面に強く要望してまいりたいというふうに考えております。
◆井上 委員 免許外教科担任を解消することについて,やはり大都市においても市独自でやっているところもあります。そういう中でいま,わかる授業を展開していくためにも,本市でも本当にそういう取組みが求められているというふうに思うのです。この免許外の教科担任,これについては先ほど,前年度よりは幾らか解消したというふうにおっしゃっていましたけれども,これからも
子供たちの人数がだんだん減少してくる,そういう中で先生もおられるわけですから,そういう方向に向かっていくように,定員増の問題も含めまして,ここのところは指摘しておきたいというふうに思います。以上です。
◆宮本 委員 私は,最後の質問になりますので,なるべく予定時間に終わらせたいということで努力をしてまいります。
学校教育における本市のボランティア教育について質問をしたいと思います。
先ごろ,ボランティアで有償ボランティアだとか,さらにはボランティアで時給幾らなのなんていう話題があったというふうに小耳に挟みまして,私この話を聞いて愕然としたのですね。ボランティアってこんなものなのかな,ボランティアで見返りを求めるなんて。そして,このボランティアに対する意識がこれぐらいしか持てない人がいるということに関して,本当にがっくりしたのですよ。そこで,このようなことがまた記事になりますと,ボランティアで給料をもらえるのだと,あるいは給料をもらえなかったらボランティアをしないなんていうことになったら大変だなという,もう本当に切実な気持ちで質問させていただきたいと思います。
ご承知のとおり,わが国は高齢化社会が急速に進んでいるところでありまして,札幌市においても65歳以上の老年人口が現在約10%であると。さらに,平成17年ころには,これが約2倍になるのでないかというふうに予想されているのでございます。このような高齢化社会の進む中で,住みなれた地域で暮らしたいとの要望が高いところから,本市においては民間福祉活動の推進役として,民生委員やボランティアグループ,町内会住民らの参加,協力を得ながら,地域福祉ネットワークを進めていると聞いております。また,先ほどから話題になっております学校5日制がまた進む中で,
子供たちの受け皿として,
子供たちが非行に走ったり,あるいは塾通いにいってしまうようなことのないように,子供のころから社会参加を促すというような建前から,地域ボランティアなどを含め,いろいろと検討をしていると聞いております。また,これらにかかわらず,さまざまな分野でボランティアが必要であるし,また,大事なことではないかというふうに思うのです。このようにボランティアに対する期待が高まっているところでありまして,そんな観点からまず1番目に,ボランティア活動における欧米諸国と日本と,この比較の中で,現状と意識の違いについて,まず最初に質問したいと思いますが,よろしくお願いします。
◎武田
指導室長 ボランティア活動の現状と意識についての欧米諸国との違いについてでございますが,平成5年に総理府が行いました15歳以上の国民を対象としての意識調査によりますと,現在ボランティア活動をしている,あるいは過去にしたことがある者は30.1%となっております。また,ことし4月に発表された他の調査によりますと,これは日・米だけの比較でありますが,自分がボランティア活動をしている高校生の比率は,日本が4.3%,アメリカ65.5%となっております。この調査は,高校生の親も対象にしておりまして,それによりますと,子供と同じように大きな差が見られ,アメリカではボランティア活動が,社会的に日常的な活動となっていることがわかります。いずれにしましても,ボランティア活動に対する各国の対応は,その背景に宗教観とか,長い伝統としての文化がございまして,一概にその状況を比較することは難しい問題であると考えますが,わが国においても,近年その意義が重視されていると考えております。
◆宮本 委員 ただいまの数字を聞きまして,さらに愕然としております。本当に経済大国日本なんて言って威張っていられる状況ではない。この心の問題というか,認識の問題というか,これは本当に世界に恥ずかしい,本当に諸外国からたたかれる問題もこの辺にあるのでないか,こういうふうな気がするのでございます。
また,わが国においてもボランティア教育が見直され,
学校教育においても重視されているということを聞きまして,若干安心したところでありますけれども,私は,ボランティア意識というのですか,ボランティアに対する考え方というのは,やっぱり子供のころからきちっと育てておかなければ,いまの親が悪いと言っているけれども,その親が受けた教育もまた悪かったのでないかと思うのです。そんなことから,やっぱりこれからは豊かな心を持ち,たくましい人間を育成することが本当に望まれているし,そのためには他人を思いやる心,あるいは感謝する心,公共のために尽くす心などを育てることが絶対必要であるというふうに思います。最近の子供は特に生活体験が少なくて,いろんな機会にふれることが少ない。そんなことで,学校5日制で
子供たちに余暇を与えて,そしていろんな体験をさせようという試みがいま盛んに行われて,話題になって,いまの質問の中にもそれぞれから出ておりました。これは本当に大事なところでありますし,それだけになおさら私は,子供のころからこういった教育をしておく必要があるのでないかというふうに思います。
また,これらの教育というのですか,福祉の視点を教えるということは,いま盛んにお話にありましたように,本来は,本当に家庭であるいは地域社会の中ではぐくむものだというふうに思います。
しかし,先ほど申しましたように,われわれを含めていまの親は,先輩方は別ですけれども,私どもは戦後の新制教育を受けております。その中で,私も覚えはないのですが,道徳だとか,ボランティアだとか,こういった教育を受けた覚えがないのです。でありますから,子供にこういうことを教えるというすべを知らない。だから,私は日本の戦後の新制教育というのは,本当に世界に名立たる高等教育,すばらしい教育をやっておりますし,いまの経済発展に結びついたのも,こういった人材の育成がこうなっているのだというふうに思いますけれども,私が何度も申しますように,学力重点主義の教育じゃなくて,やはり心の教育,これが欠落していたと言ったら怒られるかもしれないけれども,力が入っていなかったのでないか。こういうことから,やっぱりボランティア意識にもこういったような感覚しか持てない人が出てくるのではないかというふうに思います。私も子供3人おりますけれども,子供の教育は絶対失敗してはならないのだと。あるいは,子供の教育の結果はいま出ないのですね。20年・30年後になって出てくるのです。そのときに失敗したと言ったって,もう後の祭りなのですよ。私も子供3人おりますけれども,3人の子供それぞれ,やっぱり親として後悔することがあります。そういう知識があったらな,そういうことを教えられていたらな。まさか子供に,おまえは失敗作だと言えませんから,私は一生懸命育てておりますけれども,前にいらっしゃる先生方も現場の教育の中で,いろいろそういった私が申すような心の痛みは,一つや二つ持っているのではないかというふうに思うのです。だから,なおのこと,子供の教育は必要であるし,大事だ。また,
学校教育においても子供が積極的にボランティア活動を行い,いろんな生活を通じながら,また社会生活上のいろんなことに触れながら,そして自分が社会参加しているという意識を持って初めてそういったものも生まれてくるし,大事なところではないかというふうに思うのです。
そんなことで,2番目の質問をしたいと思います。札幌市の
学校教育においては,ボランティア教育はどのように取り組まれているのか。その現状をお聞かせ願いたいと思います。
◎武田
指導室長 学校におけるボランティア教育の現状についてでございますが,現行の
学習指導要領では小・中・高等学校ともに,社会奉仕の意義や命のとうとさを理解させることをねらいとしておりまして,学校行事やクラブ活動の中での奉仕活動がこれまで以上に重視されるようになっております。ご指摘のように,各学校,幼稚園におきましては,日ごろ学習活動に利用している公園や河川の清掃,あるいは近隣の高齢者施設との交流など,園児・児童・生徒の発達段階や地域の実態に応じまして,地域に根差したボランティア活動を実践しているところでございます。
とりわけ,幼稚園や小学校低学年に対しましては,思いやりやいたわりの心を育てる指導に努めているところでございます。
◆宮本 委員 いまボランティア教育に取り組まれているお話がありましたけれども,私はこのボランティア教育は単にそういった面でなく,いろいろな授業や教科の中でも,その気になればできるということをちょっと言いたいと思うのです。と申しますのは,現在道徳の時間がございますから,そういうところでボランティアについて教えていくとか,あるいは論議をするとか,こういうこともあるだろうし,それから国語や社会においても,国語というのは,端的に言えば文章を読んで理解をして,そして発表できる,あるいは字を覚える,漢字を覚えると,こういうことでしょうけれども,そういうものを教えるに当たっては必ず教材が要ると思います。この教材の中に,物語の中にボランティア教育を入れ,そして国語の中で通じていくということ,そういったことやら,ましてや社会科なんていうのは,まさにボランティア教育の宝庫でないかというふうに思うのです。こういった中で,やはりそういった教科書を選ぶとか,つくってもらうとかしながら,ふだんの教科の中でも,大いに取り入れていける問題ではないかなというふうに思うところでございます。
また,そんな状況の中でさらに大事なことは,やはり
子供たちにボランティア教育をするに当たりまして,だれが教えるのかということになると先生なのですね。この先生がボランティア意識やボランティアに対する勉強をしていなければ,特に経験の低い先生方は
子供たちに教えることなんてできないです。いまの学校の先生ですと,大卒の人はすぐ担任を持つのですね。経験のない先生に担任を持たれた子供,やはり大変です,これ。そういう状況の中で,先生方が失敗をしたら,子供に大きく影響してくるのであります。少なくとも,先生方も真剣にこの問題に取り組みながら,ボランティアの勉強をしていただきたい。
そこで3点目に,ボランティア教育に対する教員の理解を図るために,市
教育委員会はどのように取り組んでいこうとしているのか,お伺いをしたいと思います。
◎武田
指導室長 市教委といたしましては,ボランティア教育を含めまして,人間尊重の教育が何よりも大切であると考えまして,札幌市教育推進の目標の中に,配慮すべき今日的課題として各学校に示し,心の通じ合うふれ合いや奉仕的な活動を重視した指導が行われるように努めております。
また,グループ研究委託というのがございますが,それらを通して勤労生産,奉仕的行事のあり方について研究を進めまして,
校内研修などに活用できるよう,その成果を各学校に配付しているところでございます。市教委といたしましては,今後ともボランティア教育についての理解が図られ,
子供たちの発達段階や地域の実態に応じて,なお一層指導を充実するよう,教員の研修授業の中にも取り入れていきたいと考えております。
◆宮本 委員 最後に要望を含めて終わりたいと思いますが,子供にとって先生というのは非常に大きな影響力があるのですね。また,極端なことを言えば,私前の質問の中でも言ったことがあるのですが,自分自身を振り返ってみても,先生の好き嫌いによって,あるいは先生の資質によって,得意な教科,不得意な教科,これが出るぐらい大きな影響を持っているのです。ですから,少なくともこのボランティア教育においても,先生の資質というのは非常に重要な面を占めているということでありますので,ぜひそういった面に力を入れられて,今後ボランティア教育を発展していっていただきたいと要望して終わります。
○武市 委員長 これで,第1項
教育委員会費等の質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが,10月20日午後1時から,
教育委員会のうち
社会教育部,体育部,中央図書館及び青少年科学館関係の質疑を行いますので,定刻までご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時...