札幌市議会 1994-10-05
平成 6年第 3回定例会−10月05日-05号
平成 6年第 3回定例会−10月05日-05号平成 6年第 3回定例会
平成6年 第3回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 5 号 )
平成6年10月5日(水曜日)
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〇議事日程(第5号)
開議日時 10月5日 午後1時
第1 議案第1号から第9号まで,議案第11号,議案第12号及び議案第16号から第19号まで(市長提出)
議案第20号から第22号まで(
共産党所属議員全員提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成5年度札幌市各
会計歳入歳出決算認定の件
議案第2号 平成5年度札幌市
病院事業会計決算認定の件
議案第3号 平成5年度札幌市
中央卸売市場事業会計決算認定の件
議案第4号 平成5年度札幌市
交通事業会計決算認定の件
議案第5号 平成5年度札幌市
高速電車事業会計決算認定の件
議案第6号 平成5年度札幌市
水道事業会計決算認定の件
議案第7号 平成5年度札幌市
下水道事業会計決算認定の件
議案第8号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市
保健所設置条例及び札幌市
保健所運営協議会条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第16号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第17号 財産の取得の件(
工業団地用地)
議案第18号 市道の認定及び変更の件
議案第19号
株式会社札幌振興公社定款変更に係る
議決権行使の件
議案第20号 札幌市
高齢者等住宅改造費助成条例案
議案第21号 札幌市
福祉住宅条例案
議案第22号 札幌市
民間賃貸住宅家賃等助成条例案
追加日程 第一部及び第二部
決算特別委員会委員の選任
追加日程 第一部及び第二部
決算特別委員会委員長の選任
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〇出席議員(69人)
議 長 見 延 順 章 君
副 議 長 伊与部 敏 雄 君
議 員 藤 原 廣 昭 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 井 上 ひさ子 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 滝 沢 隆 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(1人)
議 員 小 谷 俵 藏 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
助役 石 原 弘 之 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 小 谷 勝 也 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 松 崎 誠 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 前 田 悦 雄 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員長 牧 口 準 市 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 須 合 一 雄 君
選挙管理委員会委員 杉 本 強 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 東 山 誠 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 木 村 正 実 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
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〔午後1時開議〕
○副議長(伊与部敏雄君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,66人であります。
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○副議長(伊与部敏雄君) 本日の
会議録署名議員として水由正美君,佐藤寿雄君を指名いたします。
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○副議長(伊与部敏雄君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
見延順章議長及び菅井 盈議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届出がございました。
昨日,市長から,荒川尚次議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(伊与部敏雄君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第9号まで,議案第11号,議案第12号及び議案第16号から第22号までの18件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。荒川尚次君。
(荒川尚次君登壇・拍手)
◆荒川尚次君 私は,ただいまから
日本共産党を代表して,当面する市政の重要課題について質問いたします。
なお,質問に先立って,私が過日提出した文書質問に対する
回答書作成のためにご苦労いただいた職員の皆さんに,この場をかりて心からの感謝を申し上げます。
私は最初に,市長の政治姿勢について質問いたします。
その第1は,4年間の桂市政についての総括であります。
桂市政を市民の立場で分析すると,まず暮らしの問題では,それまで棚上げされていた消費税の公共料金への転嫁が強行されたのを皮切りに,
上下水道料金の
大幅値上げや交通料金,
国民健康保険料,保育料を初め,軒並みの使用料・手数料の一斉値上げが行われ,また,
固定資産税の増税が進められ,
市民生活を圧迫してきたこと。
次に福祉の問題では,払いたくても払えない
国保滞納世帯に大量の
資格証明書が発行され,受診の機会さえ奪ってきた
国民健康保険行政や,同意書を偽造してまで
預貯金調査を進めた人権無視の
生活保護行政,
在宅福祉後進型と厚生省の
福祉マップでも指摘を受けた
高齢者福祉など,この期の福祉行政が弱者にきわめて過酷なものであったこと。
中小企業対策では,不況が深刻化する中で業者の要求にこたえてつくられた不況対策の特別融資が1年余りで打ち切られ,500万円までの無担保・無
保証人保証制度についても,銀行窓口での貸渋りや保証協会でのさまざまな条件設定によって形骸化が進んでいること。
このように,市民に負担と我慢を押しつけながら,ため込んできている札幌市の基金総額は,板垣市政の末期,1991年3月の1,438億円から
さらに増大して,ことしの3月末では1,570億円にもなっているのであります。
一方,桂市長のもとで大企業等への
法人市民税の超過課税が廃止され,5年間で35億円もの減税が進められ,
コンピューター関連大企業の進出に合わせての補助,融資力が引き続いて行われるなど,大企業への手厚い優遇策が継続,強化されていること。また,
大手ゼネコンなどの要求にもこたえる形で,2,400億円の事業費と800億円の市費を投入する
国際ゾーン構想が推進され,都心部に新たな過密の弊害を持ち込み,
リトル東京化を進める
市街地改造計画が促進されようとしていること。
さらに,この4年間,職員の不祥事が続発し,議会が2回の
綱紀粛正決議を市長に突きつける異常事態となったことや,
桂市長自身の後援会や選挙母体が,活動資金約3億円を
地下鉄建設業者などの企業献金や団体献金に依存してきたことが明らかになるなど,市政と企業の癒着構造が浮彫りになったこと。加えて,市政をチェックすべき議会の機能を低下させる3億円以上から5億円以上へと契約議案の対象縮小も強行されたのであります。
また,議会の自殺行為とも言える法定数を大きく下回る
市議会議員定数の削減も,わが党の反対を押し切って強行されました。
つまり,この4年間の桂市政は,一言で言えば,与党体制に社会党をも加える形で,議会の
チェック機能を低めつつ,市民に負担と我慢を押しつけて,ため込み基金をふやす一方で,政府追随,大企業優遇,市民不在の悪政が加速されてきたと言えると思うのであります。
いま,国政の舞台では,新旧連立の対立という形で悪政が競い合われる翼賛政治の体制が組まれておりますが,本市の市政を取り巻く状況は,その先取りとも言えるものであったと思うのであります。
さて,将来の
ごみ有料化を公言されるなど,桂市長はすでに2期目の市政担当にもかかわろうとしているようでありますが,市長は,みずからの4年間の市政を振り返って,私が述べましたような市民の厳しい審判,そして桂市政への総括について,どのように受けとめられるのか,市民の前に率直な見解をお示し願いたいのであります。
次に,
地方自治体の首長の果たすべき役割についてであります。
新旧連立が
国政レベルで
自民党政治を競い合う状況のもと,国民との矛盾がかつてなく深まる中,
政府言いなりではなく,「住民こそ主人公」の立場に立って,悪政の防波堤としての役割を自覚し,勇気を持って市政執行に当たる,このことがいまほど強く市長に求められているときはないと思うのでありますが,市長のご所見はいかがか,明らかにしていただきたいのであります。
地方自治法に定められた住民の安全,健康,福祉を守るとの自治体の使命にも照らして,見解をお示しください。
質問の第2は,スタートした
村山政権に対する評価についてであります。
昨年の総選挙では,自民か非自民かに争点があるかのようにマスコミ挙げて描き出しましたが,1年後のいまでは,もうだれもそんなことは言えなくなっています。それにかわって,いま持ち出されているのが,新連立か旧連立かの対決という新しい偽りのキャンペーンであります。しかし,これも
自民党政治の枠内での本流争いでしかありません。
たとえば,消費税の問題一つを見ましても,そもそも
消費税率アップを国民に公約した政党は一つもなかったにもかかわらず,新連立の村山内閣の与党3党も,痛みを伴う改革を標榜する旧連立の各党も,
消費税アップという増税路線では違いがないのであります。
日本共産党はすでに,
村山政権について,社会党の
自民党政治への劇的な一体化が進み,
社会党マイナス自民党はゼロという方程式が成立する状況から,国民にとって百害あって一利なしと,この内閣とその政策に対する
国民的包囲を呼びかけました。もともと,政権を評価する際に最も肝心なのは,国民の生活と権利にとってどうなのかという政治の中身の問題であります。
桂市政の与党でもある社会党は,9月の臨時大会で
自衛隊合憲・
日米安保体制堅持の方針を決定,
自民党政治の
全面的執行者になりました。その後,
村山自民党内閣は,矢継ぎ早に
入院給食費の有料化,
消費税率の引上げを中心とする大増税計画,
国連安保理の
常任理事国入り,
ルワンダ周辺への自衛隊の派遣など,国民にとってはより危険な方向へ悪政を加速させています。
そこで,
村山政権について,市長がどのような評価をお持ちなのか,市民の前に明確にお示しいただきたいのであります。
質問の第3は,市民の税負担にかかわる問題であります。
市長は,過日,村山内閣の
消費税率引上げ方針の発表にタイミングを合わせて,
地方消費税待望論を公言されたようでありますが,消費税が逆進性を持つ最悪の大衆課税として,社会的に弱い立場の市民に重くのしかかり,
市民生活を圧迫している現状をどう認識しておられるのか。
消費税容認の立場に立っての発言の根拠について明らかにしていただきたいのであります。
また,
消費税率の5%,あるいは6ないし7%などへの
大幅引上げも構わないとの立場に立っておられるのか,お尋ねいたします。
次に,市税の問題についてであります。
前年度決算における市税収入の詳細を見ますと,対前年度決算対比では全体で17億円の伸びでありますが,その内訳は,
法人市民税の約39億円を初めとして,市民税が50億円のマイナスとなった一方で,
固定資産税で49億円,
都市計画税で10億円のプラスとなっているのであります。つまり,不況を反映して
法人市民税が大きく落ち込み,譲渡所得の減少を中心に
個人市民税も若干落ち込む中で,土地・家屋への
固定資産税,
都市計画税がそれをカバーする勢いで伸びているのであります。
不況に関係なく,負担能力に関係なく,高く設定された評価額に向かって毎年の増税のレールが敷かれた
固定資産税,とりわけ土地課税は,それが市民の生活のための資産であれ,
中小零細企業の営業のための資産であれ,関係なく市民に負担を押しつけているわけであります。ことしの評価替えにおいて,土地の評価額が平均3.5倍に引き上げられ,
負担調整措置が講ぜられたといっても,あらためて長期にわたる新たな増税のレールが敷かれたことは,この問題をさらに増幅させることは言うまでもありません。
市長は,不況にも所得にも担税力にも関係なく市民に重くのしかかる
固定資産税,
都市計画税について,市民負担の現状に照らしてどう考えておられるのか。ことしの評価替えに当たって,28名39件もの評価に異議を唱える審査申出がなされ,いまだにその審理が継続している状況も踏まえて,市民の前に見解をお示し願いたいのであります。
質問の第4は,いわゆる
自治体リストラについてであります。
バブル経済崩壊に伴う不況の深刻化の中で,民間大企業から始まった
リストラをことしになって
地方自治体でも進めようとする動きが強まっています。自治省が新しい地方行革の推進について地方行政の
リストラ素案を6月に発表し,村山内閣はさらに,
消費税増税計画や
地方分権推進計画と結びつけながら,10月までに新
地方行政改革大綱を策定して,
自治体リストラの推進を政府の基本政策にしようとしております。
しかし,一方で,
地方自治体が住民自治の名に明らかなように,住民の合意を前提に,
住民サービスを主な仕事にした行政組織であることを考えなければなりません。問題なのは,
自治体リストラの重要な特徴は,犠牲にされるのが地域住民と
自治体職員だということです。それは,自治省のさきの方針を見ても,
リストラの課題として挙げられている項目が事務事業の見直し,定員管理の推進,組織・機構の見直し,民間委託の推進となっていることからも明らかであります。
9年前,
中曽根内閣が行政改革の名で地方に押しつけたのは,国の負担を軽減しながらの福祉,教育などへの攻撃と職員の削減によるサービスの切捨てであり,一方で,民間活力を名目とした
公共事業分野への大企業の進出誘導でした。今回,
地方リストラの名によるにせ行革の第2弾は,さらに激しく住民と地方自治に襲いかかろうとしています。これを受ける形で,本市はすでに保健所の
保健センターへの格下げや現業部門の民間委託の推進を検討しているとのことであります。
そこで,こうした住民不在の
リストラの名による偽りの行政改革の動向について,本市での検討も踏まえて,市長はどのように受けとめ,どう対処されようとしているのか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
次に,不況対策についてお尋ねいたします。
「
景気回復に明るい兆し」などの報道がありますが,市民は不況が引き続いて進行していると実感しており,特に雇用問題は深刻であります。
そこで,以下4点の質問をいたします。
質問の第1は,
景気動向についてであります。
戦後最大の長期化する不況のもと,9月9日の経済企画庁の
景気回復宣言がなされたものの,札幌の
景気動向は,この夏の異常な猛暑による扇風機などの売上げ増や,長期間買い控えていた自動車の更新など,個人消費の拡大もあって,デパートの対前年比がやっとプラスになったり,
新車登録台数が対前年比で上回ったものの,回復基調とは実感されず,設備投資は低下傾向で,しかも雇用面ではより深刻化しているのが実態であります。市長は,札幌の
景気動向をどのように認識し,どう見通されているのかお尋ねしたいのであります。
10月1日からの
入院給食費の
自己負担化,間近に迫っている年金の改悪,税制改革の名による2段階増税,すなわち消費税の5%への引上げと2兆円の所得減税の廃止,
高速道路料金を初めとする
各種公共料金値上げの解禁など,国民負担が激増されようとしていますが,これは
景気回復に水をかけ,不況を長引かせることになることは必至でありますが,市長は,
村山政権のこれら施策が札幌の
景気回復に逆行するものとは考えないのか。
景気対策からも,2段階増税など,
国民負担強化をやめるよう申し入れるべきでありますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第2は,
景気対策の
補正予算についてであります。
今定例会には,
景気対策を初めとする
補正予算は何も提案されておりません。行政の現場から,住民要望にこたえるとともに,
地元中小建設業者向けの
景気対策として補正要望があったにもかかわらず,これらを抑え込んできたのはなぜか。
景気対策は現状で十分との認識なのか。今年度,
普通交付税の
見込み違いによる約60億円の余裕財源の使い道を含めて,今後の
補正予算を含めた対策をお示し願いたいのであります。
質問の第3は,
中小企業に対する金融対策についてであります。
地元中小企業の売上げ不振による不況が続いております。昨年は,2度にわたる
一般中小企業振興資金融資の原資の予算補正が行われましたが,今年度は補正がありません。昨年融資の返済金の回しで対処しようとしていますが,戦後最長の今回の不況を持ちこたえてきた
中小企業も,これから年末に向けて厳しい状況にさらされることになります。年末に向けて,これら中小業者に対し,運転資金などのスムーズな融資促進や,利用実績が年間わずか5件と極端に低い無担保・無
保証人保証制度の改善が急務でありますが,市長は,
地元中小業者の
金融支援対策,制度融資の改善にどう取り組まれるのか,
不況対策特別資金を復活させることも含めて見解をお示しください。
質問の第4は,雇用問題についてであります。
札幌管内の職安による
有効求人倍率は,6月で0.36,7月で0.38と依然として低い状況が続き,また,来春
卒業予定者の就職戦線は一段と厳しく,特に女子は一層狭き門になっています。
労働省学生職業センターの
求人動向調べによる道内の今春卒業者までの4年間の求人数の推移を見ると,年々低下しております。90年度と93年度を比較し,地域別で見ると,全道でマイナス43.5%,道央圏ではマイナス49.3%もの落込みです。学校種別では,大学で36.3%,短大・高専で33.7%,専修学校では実に70.4%もの落込みです。
すでに,来春
卒業予定者の就職活動も本格化し,内定者も出ていますが,昨年より厳しい状況です。
北海道高等学校教職員組合の高校生の
就職状況調査報告第1次によると,1.この3年間,求人数,求人件数とも激減傾向,2.道外,道内すべての地域で昨年度より求人件数の減少,3.1
企業当たりの採用人員の減,4.事務職系,ホテル・デパートなどの
サービス業での減少が顕著,5.女子の就職が特に厳しい,このことがことしの特徴となっており,来春卒業する若者たちはもとより,父母や教師を深刻な雇用不安に陥れております。
市長は,このような現状をどのように認識し,どう対応されようとしているのか。雇用問題は,国や道の問題として傍観するのでなく,市民の子弟の問題として受けとめ,学校現場任せにするのでなく,市長部局,教育委員会が一体になって取り組むべきでありますがいかがか,市長の決意と対処方針をお尋ねします。
次に,私は,高齢者の福祉対策について質問いたします。
まず,住宅対策についてであります。
ことしの8月に本市住宅部が作成した札幌市住宅基本計画は,高齢者の住宅問題の項を起こして,高齢者の住宅を取り巻く状況について,「日常生活の基盤である住宅の問題は,高齢者にとって非常に切実である。昭和63年住宅統計調査によると高齢者世帯の持家率は73%と全世帯平均の持家率より高いが,ひとり暮らし世帯に限って見ると約半数が民間借家に居住している。特に中央区には老朽化した民間借家が集中しているため,多くの一人暮らし老人が低水準な居住状況にある。また,高齢者同居世帯でも家族数に見合った広さがなく設備が十分でないなど,高齢者の住生活の要求を充足していない例が多い」と述べ,高齢者の生活にとって重要な位置を占める住宅が,劣悪・低水準に放置されている現状を分析しています。
しかし,その対策としては,「経済能力が低く住宅に困窮している高齢者や障害者に対して,安定した住宅の確保を図るとともに,使いやすい広さや安全かつ快適な設備を備えた住宅とそのまわりの環境を整備する」ことを基本方針としつつも,具体的な事業展開としては,「高齢者や障害者に使いやすい設備構造とケア付住宅の供給の拡充を図る」「高齢者と心身障害者のための住宅整備資金貸付金制度の拡充を図る」「高齢者・障害者等への配慮をした住宅を普及するため,設計ガイドの作成等支援を図る」などと,市民が求める新たな施策は回避しつつ,現状からほとんど前に出ていないのであります。
一方で,3年半前,1991年3月に札幌市住宅対策協議会の中間答申を受けて策定された札幌市地域高齢者住宅計画は,札幌市高齢化対策指針の住宅編との位置づけのもと,緊急的かつ重点的施策として,高齢者向け公営住宅の供給,公営住宅への優先入居と家賃軽減措置,民間借家の借上げによる家賃負担の軽減,公的援助による民間借家の建設促進,民間借家建てかえ後の継続居住の援助,高齢者住宅の居住水準の設定とその達成などを掲げているのであります。また,これらの緊急重点対策の詳細を見ますと,借上げ福祉住宅や民間借家の建てかえ後の家賃助成,福祉施設との複合化を図ってのケア付住宅の建設,高齢者仕様住宅や生活補助器具の普及,また,生活援助の拡充などが明記されています。
そこでお尋ねいたしますが,質問の第1は,3年半前の高齢者住宅計画と,今回の住宅基本計画との関連についてであります。
今回の基本計画では,高齢者にかかわる具体策が一般的・抽象的なものとなって,現状追認の感が否めないのでありますが,さきの高齢者住宅計画で緊急重点対策とされた具体的な新規施策が欠落してしまったのはなぜか,明らかにしていただきたいのであります。3年半前の高齢者住宅計画が今日も生きていると言うなら,借上げ福祉住宅,民間借家への家賃助成などの事業は,いつになったら実現するのか,それが全く実現しないのはなぜかお答え願います。
質問の第2は,今回私ども共産党議員団が条例提案している介護を必要とする高齢者などのための住宅改造費助成については,地域高齢者住宅計画でも補助器具の給付事業等の援助の拡大という形で,緊急重点対策にも位置づけられている施策と思うのでありますが,市長は,その必要はないと考えておられるのか,融資のみの対応で事足れりとお考えかお尋ねいたします。
次に,在宅福祉及び施設福祉についてお尋ねいたします。
8月下旬に厚生省が発表した93年版老人保健
福祉マップによると,札幌は全国の都道府県,政令指定都市の59自治体の中で,ホームヘルパー派遣事業を初めとする在宅福祉は全国最下位となっているのであります。また,
福祉マップのデータ以降の到達を見ても,この状況は変わりありません。
高齢者福祉の充実を公約に掲げて当選された桂市長のもとで,逆に
高齢者福祉が足踏み,あるいは後退している感すらあります。市長は,これら在宅福祉の立ちおくれをどのように考えておられるのか,また,どう改善されようとしているのかお尋ねいたします。
さらに,他政令都市より前進していると言われていた特別養護老人ホームの整備も余り進まず,8月末現在の入所希望待機者は428人にも達しているのであります。このような多数の待機者は,板垣市政時代にもなかったことであり,この面でも急速な施設整備が迫られていると思うのでありますが,市長はこの実態についてどう評価しているのか,抜本的改善策とあわせてお示しください。
次に,
国民健康保険行政についてお尋ねします。
いま,高過ぎる国保料と,医療を受ける権利を制限する
資格証明書の大量発行が大きな問題となっており,国保の改善を求める直接請求運動が展開されていることはご承知のとおりであります。
そこで,問題を絞ってお尋ねします。
質問の第1は,高過ぎる国保料についてであります。
わが党は,これまでも代表質問において,国保加入者の6割を超える人々が生活保護水準以下の低所得層であり,他保険に比べても高い国保料が賦課されることは問題であることを再三にわたって指摘してまいりました。
今年度の保険料で見ますと,2人世帯のモデルで年収186万円の加入者は,生活保護水準の低所得者であるのに12万2,330円もの保険料が賦課されております。これは,政府管掌社会保険の2.1倍,本市職員共済の1.6倍であります。年収420万円の場合,43万円の国保料となりますが,政管健保,本市共済がいずれも10万円台であるのと比していかに高いかがわかります。この所得階層では,国保料は政管健保の3.8倍,本市職員共済の2.7倍にもなっております。さらに,最高限度額の47万円となる年収600万円の国保世帯の保険料は,政管健保の2.8倍,本市共済の2.1倍であります。
わが党は,このように高い国保料の実態を示して,これまでも,国保料が加入者の負担の限界を超えていると考えないか,高いと考えないかと再三尋ねてまいりましたが,市長はこの点について一度も答えておりません。
そこで,あらためて伺いますが,本市の国保料が加入者の負担の限界を超えている,あるいは高いとお考えにならないのかどうか,市長の明快な答弁を求めるものであります。
また,所得が政令都市中,下から2番目の本市が,1人当たり保険料で最高となっていることをどう考えておられるのか,せめて政令都市平均の保険料を目指すべきではないのか,見解を伺います。
質問の第2は,
資格証明書の問題についてであります。
本市は,昨年12月1日,保険証の切りかえに際して,保険料の滞納を理由として制裁的に4,672件の
資格証明書と3,901件の短期保険証の大量発行を行い,8,573もの世帯に保険証をまともに交付しなかったのであります。これは,事実上,市民の診療を受ける権利,医療給付を受ける権利を抑制,侵害するものであり,住民の安全,健康及び福祉を保持することを地方行政の基本原則と定めている
地方自治法第2条の放棄とは考えないのかどうか。こうした制裁措置の即時廃止を要求するものでありますが,市長の見解と対応について明らかにしていただきたいのであります。
また,
資格証明書の対象としている悪質滞納者という概念でありますが,国も本市も限定した人々と説明してきましたが,わが党が代表質問で,現に
資格証明書を発行されたすべての人々が悪質滞納者であるのかどうかと尋ねたのに対し,市長はこれまでまともに答えてこなかったのでありますが,昨年12月1日に
資格証明書が発行された4,672世帯について,これを悪質滞納者と考えているのかどうか,明快な答弁を求めるものであります。
質問の第3は,国保財政への援助に関してであります。
ことしの春,本市が発行した市民向けの印刷物は,国保の累積赤字を挙げて保険料の収納対策を強調する一方で,一般会計からの繰入れが202億円にもなっており,これ以上の繰入れは限界であると述べておりますが,社会保障の一環として位置づけられ,年金暮らしになればだれでも加入することになる市民みんなにかかわる国保について,桂市長が一般会計からの繰入れの増額に消極的な態度をとっているのは遺憾であります。
一般会計からの繰入れの内容を見てみますと,当然繰入れを行うべき制度繰入分や事務費分を除外すれば,保険料軽減対策費は約100億円であります。この保険料軽減対策分を見ますと,この5年間,増額が図られるどころか逆に抑え込まれてきており,3年前111億円であったのが,今年度は98億円余に削減されております。大変だと強調してきた累積赤字は,かつての190億円から,今年度末には80億円,あるいは70億円へと大幅に減少する状況にありながら,何ゆえに市民が切実に求めている保険料軽減対策繰入分を減らさなければならないのか,その理由を明らかにしていただきたいのであります。
高過ぎる保険料に悩む市民のために,また,滞納克服にもつながる払いやすい国保料とするためにも,繰入れの増額を図るべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
次に,
入院給食費自己負担分の公費助成についてお尋ねいたします。
村山内閣のもとでの健康保険法の改悪により,入院患者の食費が10月1日より入院時食事医療費として1日800円,当面,1996年9月までは600円の有料化が国民の強い反対を無視して強行実施されたことは,まことに遺憾であります。
この改悪によって,とりわけ高齢者,障害者,母子家庭の人々が安心して療養できない,入院を控えざるを得ないなど,市民の中に懸念と不安の声が広がっています。
高齢者の場合,月に10万円近い年金がある人でも,現在の1日700円,1ヵ月2万1,000円の自己負担に加えて,1日600円,1ヵ月2万円近い支出増はきわめて重い負担となり,生活を根底から破壊することになります。障害者の場合も,おむつ代など,保険外負担を合わせると,基礎年金のほとんどが入院による医療諸経費で費やされてしまうという深刻な事態になろうとしています。
そこで,お尋ねいたします。
質問の第1は,この政府の国民皆保険制度を切り崩す重大な改悪と負担の強行に対して,市長はこれをどう評価しておられるのか。本市議会が昨年の第4回定例会で,全会一致で反対意見書を上げていることとの関連も含めて,市長の見解を伺います。
なお,広報さっぽろの10月号では,10月1日から制度が変わる旨,市民に知らせる記事を載せていますが,その中で,これが入院時の食事内容の充実のための制度改正であるかのように述べているのはどういうことか。市立病院などで,
入院給食費の本人負担とあわせて給食内容の改善が行われることになっているのか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第2は,東京都を初め,23都府県6政令市が実施している医療費給付事業の給食費自己負担分の公費負担について,継続することを明らかにしている状況を踏まえ,道に対して,医療費助成事業の
入院給食費自己負担分を継続して公費負担で賄うよう強力に申入れを行うべきと考えますがいかがか,いままでの市長の対応はどうであったのか,全道市長会の対応も含めてお答えください。
また,道が実施しない場合には,本市単独でも
入院給食費自己負担分の公費負担を実施すべきと考えますが,市長の見解をお尋ねいたします。
次に,教育行政についてお尋ねいたします。
質問の第1は,学校週5日制についてであります。
月1回土曜休日となる学校週5日制がスタートしてすでに2年が経過しており,来年度からは土曜休日が月2回に拡大される動きとなっており,このような状況を踏まえて,以下2点お尋ねいたします。
まず,学習指導要領の見直しについてであります。
現在の学習指導要領は6日制を前提としたものであり,月1回の週5日制でも,土曜日の授業数を3時間として年間30時間もの差が生じております。各学校では,学校行事の見直しなどで対応しておりますが,これが月2回土曜休日となりますと,年間60時間の差が生じることになります。
本市の小中学校における学校週5日制月2回実施研究校の研究集録を見ましても,学校行事として取り扱われていた炊事遠足などを家庭科,理科の授業として位置づけるなど,教科時数の確保と学校行事確保のために四苦八苦しており,カウントの仕方によってつじつまを合わせているという実態がうかがわれます。
また,高校の場合は,新学習指導要領で,全日制の場合,週当たりの授業時数は32単位時間を標準とするとなっているために,3年間で94ないし96単位の授業が展開されており,卒業に必要な80単位の修得単位数をはるかに超えております。
先生方から,月1回であれば何とかやりくりできたが,月2回となれば根本から見直さなければならない,教育課程の改定なしで週5日制を拡大することは,教育現場にかなりの負担が強いられるとの声も出されております。
現行指導要領のままで土曜休日が拡大されることにより,教育現場の矛盾が一層著しくなり,児童・生徒に無理を強いることになるとは考えないのかどうか。諸問題の解決のためには,文部省に対し週5日制に見合う学習指導要領の改定を求めるべきと考えますが,教育長,いかがでありましょうかお尋ねいたします。
次に,公共施設の増設と無料化についてであります。
土曜休日をどう過ごすのかは子供自身による選択にゆだねられるものでありますが,今後月2回に土曜休日がふえることを考えますと,本市としても児童・生徒の健全育成の立場から,社会教育施設,体育・文化施設の増設を図るべきと考えますがいかがか。
あわせて,学校週5日制に伴う公共施設無料開放を実施していないのは,12の政令都市中,札幌市と福岡市の2市のみであり,月2回土曜休日実施に合わせ,本市においても無料開放を決断すべき時期に来ていると考えますがいかがでありましょうか,市長の決意のほどをお聞かせ願います。
質問の第2は,学童保育についてであります。
現在,文教委員会において,9万5,000人余の署名のついた札幌市学童保育連絡協議会などの請願が審議され,継続審査となっておりますが,学童保育の充実を願う父母・関係者の願いは緊急かつ切実なものがありますので,来年度予算編成に向かうこの時期にあらためてお尋ねをしておきたいと思います。
まず,留守家庭児童対策の新たな発展・展開の方向に関してであります。
本市教育委員会が進めてきた児童会館の100館構想も先が見えてきた段階であり,その次の構想展望を明確にすべき時期に来ているものと考えますがいかがでありましょうか。
今後の留守家庭児童対策の新たな発展・展開に当たっては,これまでの歴史的経過から三つの方式が存在している現実を踏まえるならば,どれか一つに絞り込むということではなくて,学校方式,民間方式,児童クラブ方式のそれぞれの内容充実の方向で取り組むべきものと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねします。
次に,児童クラブ開設と既設の学校及び民間施設との併存に関してであります。
この問題は,長い間親しんできた既設の学校方式や民間施設方式の存亡にかかわる問題でありまして,これをめぐって毎年大きな問題となってきたものであります。とりわけ移行問題が生じたときに,父母など関係者が問題にしているのは,現行の児童クラブの保護機能の問題と,子供が通学している学校との距離,位置の問題であります。
移行に当たって,こうした父母とのトラブルを解消するために,専用室の確保,専任指導員の配置など,父母が納得し得るように思い切った児童クラブの保護機能の充実を図るべきと考えますがいかがでしょうか。
また,児童クラブと学校などの位置関係など,具体的状況や既設の育成会父母・関係者の強い要望を十分に考慮して,同一校区内に開設する児童クラブとの併存を認める現実的な対応を検討すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
次に,学童保育における障害児に対する施策についてでありますが,これは急がなければならない課題であります。学童保育における障害児の対応について,教育委員会から民生局への報告も出されており,今年度中に策定される札幌市障害者福祉計画に盛り込まれるものと思われますが,この点いかがか。
また,具体的に指導員の加配など,受入態勢を検討すべきであり,少なくとも経済的にも運営が困難な中,現に障害児を受け入れてきている民間方式育成会に対して,速やかに障害児加算など助成強化を図るべきと考えますがいかがか,お尋ねします。
質問の第3は,学校プールの整備についてであります。
今日の本市の小学校のプール設置は205校中159校で,設置率は78%,中学校では94校中22校と23%であります。
小学校の場合,残されたプール未設置校は約5分の1という段階にまで来ているのでありますから,学校用地などの関係で物理的に設置が困難な学校を除いて,少なくとも次の5年計画でプール設置を完了させる,そのことによって一気に不公平を解消する,こういう取組みがいま必要だと思うのでありますがいかがか,まずお尋ねいたします。
また,中学校のプール設置についてでありますが,小学生は水になれ親しみ,遊びながら水泳の楽しさを身につけるということで水泳授業の意義があると思いますが,本格的に種目別の水泳競技に親しむべき中学校で,水泳指導が半ば放置されているのは問題であります。したがって,増設が足踏みしている現状を改善して,新たな意気込みで中学校のプール設置を促進すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
次に,学校プールへの温水シャワーの設置についてでありますが,今日,プール設置校中,温水シャワー未設置校は小学校43校,中学校で18校もあります。大人のプールは温水プール,もちろん温水シャワーとなっているのに,子供たちが冷水シャワーでよいはずもありません。早急に温水シャワー未設置校の解消を図るとともに,道内でも千歳市などですでに行なっている温水シャワーのボイラーを活用してプールの水温を引き上げる工夫なども,本市としても大いに進めて,冷夏の対応や利用期間の延長に役立てるべきと考えますがいかがか,前向きの答弁を求めるものであります。
私の最後の質問は,市民スポーツの振興についてであります。
近年,市民のスポーツに対する要求は大きく高まり,見るスポーツから参加するスポーツへと大きな変動が見られ,多様なニーズにこたえる本市の体育行政もまた求められているのであります。
そこで,市民スポーツの振興に関して,以下2点の質問を行います。
質問の第1は,スポーツ施設の整備促進についてであります。
教育委員会が所管する体育施設や学校開放事業を見ても,緑化推進部が所管する公園併設の体育施設を見ても,人気スポーツであるテニス,野球,バレーボール,バドミントン,卓球などは高い利用率を示しており,とりわけ勤労者が集中利用する土曜日,日曜日,祝日,あるいは夜間の需要が高いことがわかります。
本市教育委員会は,市民のスポーツ活動の意識や実態など,社会体育に関する必要な調査を行うこととしておりますが,これが10年に1度とされ,ここ7年間も放置されているのは問題であります。今日,市教委として,市民のスポーツ活動の実態や意識動向をどのように掌握しているのか。種目別スポーツの需要と供給の実態に照らして,施設整備の現状で何が不足しているかを明らかにするとともに,次期5年計画に盛り込まれるべき体育施設整備の重点課題は何なのかお示し願いたいのであります。
質問の第2は,スポーツ施設の整備目標やスポーツ振興策,そしてスポーツ情報や施設の利用申込みの一元化についてであります。
市内に本市が所管するスポーツ施設がどれほどあって,その利用がどうなっているか,問題点や改善策,そして不足する施設の増設計画はどうなっているかを調べようとすると,教育委員会の体育部,環境局の緑化推進部,そして区の土木部などにそれぞれに当たらなければ,まとまった資料を手にすることはできません。まして,施設を利用する市民は,縦割り行政の弊害をもろに受けて,たとえばあいているテニスコートを利用する場合でも,体育施設や区役所,スポーツ振興事業団など,場合によっては水道局にまでそれぞれに問い合わせて申し込まなければなりません。
また,テニスコートでも野球場でも,スポーツ施設を多く持っているのは公園を管理する緑化推進部ですが,そこには施設を活用したスポーツ教室など種目別スポーツの普及を図るような,つまり市民スポーツの振興を促進するような施策は見当たりません。ただ,施設を貸し出すのみであります。
市民スポーツの振興にかかわる本市の所管が教育委員会の体育部だとするならば,施設の所管はともかくとしても,その運用や市民サービスは一元化すべく調整すべきではないでしょうか。公園などに併設されているスポーツ施設も含めて現状を押さえ,整備計画を立案して,スポーツ施設の整備促進についても一元的に推進すべきではないでしょうか,お尋ねいたします。
以上で,私の質問はすべて終わりました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) では,私から数点についてお答えいたします。
まず最初に,私の政治姿勢についてでございます。
第1点目の市政の総括と首長の役割についてでございますが,一昨日の代表質問でもお答えを申し上げましたように,私は,市民の皆様にお約束をしてまいりました躍動都市さっぽろの実現に向けて,全力を挙げて取り組んできたところであります。その結果,お約束をしたことにつきましては,そのほとんどについて,任期中に実現し,あるいは実現のめどをつけることができるものと考えております。
私といたしましては,この4年間,将来を見据えながら,札幌市や札幌市民のために最善と思われる施策を実施してきたつもりでありまして,このことについては,多くの市民の皆様にもご理解をいただけるものと考えております。
また,私はかねてから,札幌はみんなでつくるみんなの街ということを申し上げてきておりますように,まちづくりの中心は市民であるという考え方のもとに,これまでも札幌を愛する市民の皆様とともにまちづくりを進めてきたところでありますし,これからもそのような考え方で,市民福祉の向上のために,なお一層努力してまいるつもりであります。
2点目の
村山政権に対する評価についてでありますけれども,私といたしましては,この難しい社会経済情勢の中にあって,生活の安定と向上を願う国民の期待にこたえて全力で努力していただくよう願っております。
次に,第3点目の市民の税負担についてであります。
まず,消費税についてでありますが,今回,国の税制改革大綱が取りまとめられ,負担累増感の強まっている所得課税について減税措置を講ずるとともに,少子化,高齢化の進展に伴って生ずるさまざまな財政需要にも適切に対応できるよう,
消費税率引上げと地方財源の拡充の方向が打ち出されたものでありまして,このような背景を考慮いたしますと,必要な措置であると考えております。
次に,
固定資産税及び
都市計画税の負担についてでありますが,
固定資産税は,資産の保有に対し,資産価値に応じて応分の負担をしていただく性格を有する税でありますし,また,今回の評価替えにおきましては,税負担の急激な増加を招かないよう総合的な
負担調整措置が講じられているところであり,市民負担に配慮された内容になっているものと考えております。
次に,第4点目の地方行革についてでございます。
昨日の代表質問でもお答えしましたとおり,まだ国からの正式な連絡はございませんが,社会経済状況の動きが激しく,また,行政需要が多様化・複雑化している中で,こうした変化に適切に対応していくために,行政運営を点検するということは,これは当然必要なことであると考えております。
このようなことから,本市におきましても,組織の活性化や事務事業の見直し,さらに市民サービスの向上の観点から新たな取組みを進めてまいりたいと考えているものであります。
次は,不況対策であります。
第1点目の市内の
景気動向につきましては,本市が取りまとめております主要経済指標の動きや企業経営動向調査の結果から見ますと,公共工事や住宅着工が好調に推移していることに加えて,所得税等の減税や,この夏の猛暑といった影響もありまして,個人消費にもようやく明るさが広がってきたことなどから,現在,景気は回復基調にあると認識いたしております。
ただし,設備投資や雇用の面では,まだ厳しい状況が続いておりますので,今後の推移をこれからも十分注視してまいる所存であります。
また,国の施策の景気に対する影響についてでございますが,いずれも行政サービスの水準と負担との関係にかかわる問題でありますから,それぞれの課題ごとに適切な結論が得られるべき問題であろうかと存じます。
第2点目の
景気対策の
補正予算についてであります。
今年度は,当初予算において,地方単独事業を初めとする普通建設事業の着実な増額,
中小企業金融対策の大幅な拡充など,でき得る限りの
景気対策を盛り込んだものであります。さらに,7月の臨時議会におきましても,早期の事業発注などにも配慮し,補助・単独合わせた公共事業の追加を行なったところであり,現時点におきましては,予算化されている事業の確実な執行に努めてまいりたいと考えております。
なお,幸いにして当初予算計上額を上回った
普通交付税につきましては,今後,必要な補正に対応するとともに,財政の健全性の回復をも考慮に入れ,有効に活用してまいりたいと考えております。
第3点目の
中小企業に対する金融対策についてであります。
今年度の一般
中小企業振興資金予算は,ただいま申し上げましたとおり,
景気対策にも配慮して,補正を行なった5年度予算を大きく上回る額としたところであります。
また,融資制度につきましては,
中小企業の皆さんがより利用しやすいように大幅な改善を行なったところであり,このことから,今年度の利用状況は大きく伸びております。したがいまして,現行制度は,資金需要に十分対応できていると認識をしており,今後もその充実に努めてまいりたいと存じております。
次に,第4点目の雇用問題についてであります。
来春卒業予定の大学生,高校生等の就職活動が例年になく厳しい状況にありますことは,私も承知をしておりますし,懸念もしております。
本市といたしましても,現在,各学校において就職担当部での企業訪問を従来にも増して積極的に展開し,求人開拓に努力をしております。さらにまた,市内全域で就職が決まっていない新規学校卒業者を対象とした就職面接会等も開催できるように,すでに関係機関に働きかけをしております。
いずれにいたしましても,道,国等の関係機関と連携を密にしながら,できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。
次は,国民健康保険でございます。
まず,第1点目の保険料についてでございますが,高齢化の進展や疾病構造の変化などによりまして,医療費は年々増加をしております。したがって,他の健康保険と比較をした場合には,お話のとおり,保険料が高額となっておりますことは,私も承知をいたしております。
そこで,本市では,毎年多額な繰入れを行なっているほか,保険料の改定にも十分配慮するなど,加入者の保険料を軽減,抑制するために最大限の努力を払っているところでございます。
次に,第2点目の
資格証明書についてでございます。
本市では,法の規定に基づいて,十分な負担能力があるにもかかわらず故意に滞納している世帯や,たび重なる納付相談にも応ずることなく長期間滞納している世帯につきましては,やむを得ず
資格証明書を交付しておりますが,これらにつきましては,今後とも事前に十分な折衝機会を設けるなど,できる限り実態の把握に努め,慎重に対応してまいりたいと考えております。
次に,第3点目は,国保財政への援助についてでございます。
本市では,これまでも保険料の抑制に努め,厳しい財政事情の中から可能な限りの一般会計からの繰入れを行なってまいりましたが,今後もなお,低迷する社会経済状況などを勘案して,できるだけの努力を続けてまいりたいと考えております。
次は,
入院給食費自己負担の公費助成についてであります。
このたびの国における
入院給食費の見直しは,入院医療と在宅医療等との負担の公平化を図ることのほか,看護料の保険外負担などの解消を図る観点から行われたものでありまして,また,低所得者の方々の負担については配慮されておりますし,やむを得ないものと思っております。
したがいまして,北海道が行なっております医療助成においては,この法改正の趣旨を踏まえ,
入院給食費の自己負担導入に踏み切ったものと思いますので,本市では道の補助の範囲内で対応してまいりたいと考えております。
なお,北海道市長会におきましては,北海道に対しまして,市町村の事務体制が整備されるまで,自己負担の導入時期を延長してほしい旨,要望いたしております。
また,今回の制度改正の内容につきましては,市民の理解を深めるために,広報さっぽろにその内容を掲載し,周知を図ったところでございますが,お尋ねの入院時の食事につきましては,各医療機関におきまして,今後,メニューの多様化等の食事の改善を促進することになっていることについても触れたものであります。私からは以上であります。
○副議長(伊与部敏雄君) 田中助役。
◎助役(田中良明君)
高齢者福祉について,私からお答えをいたします。
第1点目の高齢者住宅計画と今回の住宅基本計画との関連についてでございます。
お話にもございましたが,札幌市住宅基本計画は,札幌市住宅対策協議会の最終答申を受け策定したものであり,住宅政策各分野における施策を総合・体系化したものでございます。また,中間答申を受けて先行して策定いたしました札幌市地域高齢者住宅計画は,この住宅基本計画の部門計画の一つとして位置づけされておりまして,したがって,両計画は整合いたしております。
そこで,お尋ねの民間借家への家賃助成等についてでございますが,高齢者等に対する住宅の供給は,まず基本的には公営住宅による直接供給により対応すべきと考えておりますが,あわせて補完的に家賃助成等も実施すべきと存じております。現在,国におきまして,民間,公団により建設される賃貸住宅を借り上げ,家賃減額助成を行う特定目的借上公共賃貸住宅制度が実施されようとしておりますので,本市といたしましては,この内容について検討し,でき得ればこの制度を取り入れてまいりたいと考えております。
第2点目の介護を必要とする高齢者などのための住宅改造費助成についてでございます。
高齢者住宅計画におきましては,高齢者の方々が在宅生活を継続させていくために必要とされる特殊寝台や,入浴補助用具などの生活補助器具の給付等による援助の拡充に努めることといたしております。
また,高齢者や高齢者と同居するための住宅の改造につきましては,昭和48年度から低利の改造資金を融資することで住宅改造の促進を図ってきており,平成6年度からは,限度額の引上げや貸付対象者を拡大するなどの改善を図り,内容の充実を図ってきたところでございますので,今後とも本制度の運用により実施をしてまいりたいと考えております。
第3点目の在宅福祉及び施設福祉についてでございます。
初めに,老人保健
福祉マップについてでございますが,これは国庫補助対象事業のホームヘルプサービス,デイサービス,ショートステイの3事業のみを比較したものでございまして,他都市が実施していない本市独自の福祉事業は含まれておりません。また,他都市に比べて本市は病床数が圧倒的に多いことなど,本市の地域の特性が加味されていないものとは思っておりますが,本市といたしましては,本年度から実施しております高齢者保健福祉計画を着実に達成することにより,改善を図ってまいりたいと考えております。
また,施設の整備につきましては,待機者の解消を図るべく,本年度90床の増設を図るほか,今後におきましても計画的な整備を進めるとともに,本市単独で施設整備費補助制度の創設及び借入金の利子補助の上積みを行うなど,積極的な対応をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 教育行政及び市民スポーツの振興について,私からお答えいたします。
1点目の学校週5日制についてであります。
まず,学習指導要領についてでありますが,学校週5日制の月2回の実施に向けて,これまで幼・小・中の合わせて13校・園に研究委託をし,調査研究を進めてまいりました。また,市立高等学校におきましても,校長会等で月2回の実施に向けて調査研究を重ねてきたところであります。
市教委といたしましては,これらの研究成果等を踏まえ,今後,月2回の実施になった場合においても,行事の精選や指導内容,指導方法の工夫改善により,現行の学習指導要領で対応できると判断しております。
しかし,学校週5日制が完全実施される場合には,学習指導要領の見直しが必要になるものと考えており,これまでも国に対し,指定都市教育委員教育長協議会等を通じて,学校週5日制の早期完全実施に向けての展望提示と諸条件整備について要望しているところでございます。
次に,学校週5日制に伴う公共施設の増設と無料化についてであります。
ご承知のとおり,学校週5日制の趣旨は,休業日となる土曜日を含めた休みの日を子供に自由に過ごさせ,自主性・社会性をはぐくみながら,余暇の有意義な過ごし方を学んでもらうことにあり,学校現場でも,子供たちに休みをどのように使うかを自分自身で考えることが大事であると指導しているところであります。その趣旨からいたしますと,各種施設の利用も子供にとっては選択肢の一つであり,これまでも児童会館,図書館,青少年科学館,温水プール等の整備拡充を図ってきたところでありますが,今後とも,子供たちが喜んで学び,遊べる施設の整備と運営に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
また,学校週5日制の実施に伴い,特定の土曜日に限って公共施設を無料とすることにつきましては,日曜,祝日や夏休み,冬休みでの利用とのバランスを欠くことや,これまでも申し上げてまいりました受益者負担の原則という面からも,現在のところ考えておりませんので,ご理解をいただきたいと存じます。
2点目の留守家庭児童対策についてお答えをいたします。
まず,留守家庭児童対策の新たな発展・展開の方向についてでありますが,現在,児童会館は1中学校区1児童会館の基本方針に基づいて整備を進めており,現5年計画で100館が達成される見込みであります。したがいまして,その後の留守家庭児童対策につきましては,次期5年計画策定時までに児童の健全育成のあり方等,総合的に研究していく考えでございます。
次に,児童クラブと学校及び民間との併存についてでございますが,現在,本市が実施している留守家庭児童対策は,札幌市児童健全育成事業実施要綱の定めにより,1小学校区1方式で実施している事業であり,目下のところ,この方向で進めたいと考えております。
また,児童クラブの保護機能の充実についてでございますが,ご承知のとおり,児童クラブは児童会館事業の一環として,留守家庭児童の安全確保と健全育成を図るために開設しているところであり,きめ細やかな指導を行うために指導員1名を増員し,さらにクラブの子供たちが優先的に使用できる部屋としてクラブ室を充て,円滑に運営されているものと認識しているところでございます。
次に,障害児に対する施策についてでございますが,本市が策定作業を進めている障害者福祉計画や国,他都市の動向を見きわめつつ,さまざまな角度から研究してまいりたいと,このように考えております。
また,障害児の受入れについてでございますが,1年生から3年生までを対象に,児童クラブ及び学校方式で数人,民間方式で30数人入会しているのが現状であり,これらはいずれも関係者との協議の上,現状の指導体制で対応できる範囲内で受け入れているところであり,現在のところ指導員を加配するなどの特別な措置は考えてございません。
3点目の小・中学校のプール整備につきましてお答えをいたします。
まず,小学校のプールにつきましては,現5年計画におきまして,新設,改築を合わせ72校の整備を計画的に進めているところでございます。これによりまして,現計画最終年度の平成8年度末には,全校の約9割に当たる小学校にプールが整備されることになります。市街化調整区域内で下水道が未整備でありますとか,あるいは校地面積が狭隘であるなど,難しい要件の学校もございますが,今後もさらに整備に向け努力してまいりたいと考えております。
次に,中学校のプールの設置促進につきましては,中学校においては,現在,格技場の整備を最重点として進めているところであり,格技場の整備状況を見ながら,今後検討してまいりたいと考えております。
最後に,温水シャワーの整備とボイラーの活用についてでございますが,温水シャワーの整備につきましては,新設あるいは改築に合わせ,昭和63年から整備を進めているところであり,また,既設プールで温水シャワーの未整備の学校につきましても整備を進めており,今後も鋭意努力してまいりたいと考えております。
また,温水シャワーのボイラーの活用につきましては,施設構造や技術的な面,省エネルギーの観点などから調査する必要もございますので,今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
次に,市民スポーツの振興についてお答えをいたします。
1点目のスポーツ施設の整備促進についてでございますが,本市では,これまで市民の健康・スポーツに関するアンケート調査を行い,スポーツ施設のあり方の基礎的事項を把握してまいりました。これらの調査を参考にしながら,長期総合計画に基づく5年計画を策定し,学校開放の促進や区体育館及び公的温水プールの建設などを推進してまいりました。さらに,時代に即応した市民ニーズをとらえ,休館日の廃止や夜間の利用時間の延長などに踏み切るなど,積極的に市民サービスの向上に努めているところであります。
なお,施設の需要と供給のバランスについては,いろいろな見方があり,判断が難しいところであります。いずれにいたしましても,今後の施設整備のあり方については,市民スポーツの振興という観点に立って,既存施設の有効活用を含め,次期5年計画に向けて鋭意検討してまいりたいと,このように考えております。
次に,2点目の質問でございますが,ご指摘のとおり,屋外施設を中心に,教育委員会,環境局,市民局等,多くの部局がさまざまなスポーツ施設を所管しており,それぞれに申込み方法や市民サービスの態様が異なっております。したがいまして,今後関係部局と協議を重ねながら,これらの問題を改善すべく努力してまいりたいと考えております。
また,スポーツ施設の整備計画の一元化につきましては,さまざまな問題がございますが,今後検討すべきものと考えてございます。以上でございます。
(荒川尚次君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(伊与部敏雄君) 荒川尚次君。
◆荒川尚次君 市長の答弁で,3点再質問をいたします。
その一つは,4年間の市政に対する総括の部分でありますが,市長は,自分は努力してきたと,やろうとしてきたことは大体やってきた,だから市民にも理解してもらえると思うと,こういうような答弁をされたわけでありますが,私は,具体的に暮らしの問題でも,福祉の問題でも,まちづくりの問題でも,政治姿勢の問題でも,桂市政に対する市民の厳しい批判,そういうものがあるということを申し上げて,市長の見解をただしているわけですから,そういう批判について(発言する者あり)黙って聞きなさい。そういう批判について,あなたはどう受けとめるのか,そのことを答えなきゃだめなんですよ。いや,市長は,そういう批判はないというふうに考えているんだとしたら,そう答えてください。これが一つ。
それから,消費税の問題です。
消費税の問題でも,市長はさらっと消費税の引上げ,政府が進めようとしているこの増税路線について,これは必要な措置だというふうな見解を述べられたわけですが,私は一方では,現在の消費税に苦しんでいる市民の実態,そのことについても申し上げて,逆進性があって,しかも,弱い立場の市民に重くのしかかるこの消費税を認める根拠は何かということについてもお尋ねしているのですが,それについてのお答えはありません。そのことについて,あらためてご答弁をいただきたいし,今後,市長は
消費税率の
大幅引上げについても,これは必要な措置だというふうな判断を持っておられるのかどうかも,この際はっきりさせてもらいたい。
それから,三つ目は国民健康保険の問題です。
国民健康保険,高過ぎて払いたくても払えない,そういうこの現状は,私がるる申し上げましたように,大体,今日,本市の
国民健康保険料は政管健保の3倍,本市職員共済,その2倍という状況になっているわけで,市長も他保険と比して保険料が高額となっているということは認めているわけですね,いまの答弁で。認めるならば,下げる立場で検討するのが当然ではないかと思うわけですが,高過ぎる保険料を下げるという立場で検討する考えは全くないのかどうか,この点はっきりさせていただきたい。
それから,この約1万世帯,国民健康保険加入世帯の5%に正規の保険証が渡っていないわけです。私がとりわけ重視した
資格証明書の発行,この世帯も5,000世帯近くにも上っているわけで,市長は,これについて,十分な負担能力があるにもかかわらず故意に滞納している,そういう人々か,相談にも応じない世帯,こういうような言い方で,私がこれらの世帯は悪質滞納者だと考えているのかどうか,こうお聞きしたのに対してはまともに答えていない。しかも,市長は最後に,今後も事前折衝を強めて対応していきたい,こう言っているわけですが,この5,000弱の
資格証明書の発行世帯,その事前折衝,かつて私,予・決算委員会でもこの問題取り上げていますが,大多数の世帯とは事前折衝がないままに
資格証明書が事務的に発行されているわけですよ。そのことについて,市長はどう考えているのか,事前折衝を強めて対応と言われるからには,そのことについてもはっきり見解を示していただきたい。以上です。
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私のまず,ほぼ4年間経過したこの期間の私自身の評価についてでありますけれども,現実,荒川議員のように,私の市政に対して厳しいご意見があるということは,これは事実だというふうに思います。しかし,私自身,総体的に申し上げさせていただければ,できるだけの努力をし,また,大方の市民のご理解はいただけたと,このように思っているのでございます。
それから,消費税についてでありますけれども,先ほど申し上げましたように,一方で減税を行い,そしてまた一方ではもろもろの財政需要が発生しているこの状況の中では,
消費税率の引上げということはやむを得ないのではないかというふうに申し上げました。ただし,現在,消費税の中で,現行の消費税のことについて言われている現行制度のいろんな問題点,これらは今後,
消費税率引上げまでの間にいろんな議論がされて,より国民に理解されるような方向の整理が行われることが望ましいと,このように思っております。
それから,大幅な引上げを望んでいるのかということでありますが,大幅というのはどの程度のことを言うのかわかりませんけれども,理屈の通る,国民が納得する税率の引上げであれば,これはやむを得ないものではないかというふうに思います。
それから,国民健康保険のことについてですが,高過ぎると私は申し上げておりません。国民健康保険の保険料は,医療費にどうしても連動するものでありますから,この医療費が年々増加している,そういう状況から言えば,他の健康保険に比較して保険料が高額であると,そのことは認めますと,このように申し上げたわけであります。したがって,これを下げるというのは,まず医療費が下がるということが大前提でなければいけないと。もちろん医療費が下がらないからといって,あるいは医療費が上がるからといって,それをそっくり保険料で回収しようとは思っていませんし,これまでもそういう姿勢でやってまいりました。国からの補助をいただくとか,あるいは徴収率を高めるとか,それから一般会計の繰入れをふやすとか,そういうことで措置をしてまいりましたし,これからもそういう姿勢は貫きたいと,このように思っております。
それから,悪質滞納者かどうかということですけれども,そういう表現を私はあえて使いませんけれども,もっと誠意のある対応をしていただいたほうがいいのではないかと思う方々がおられるということでありまして,そういう方々には,できるだけ会う機会をつくって,そして実情をよくお聞きした上で相談に乗っていきたいと,こういうことを申し上げたわけであります。以上です。
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,およそ20分間休憩します。
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休 憩 午後2時22分
再 開 午後2時46分
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○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。中嶋和子君。
(中嶋和子君登壇・拍手)
◆中嶋和子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表して,当面する市政の諸課題について質問いたします。
まず初めに,財政問題について伺います。
93年度の決算額は,一般会計7,532億8,435万円,特別会計は6,277億460万円で,歳入総額1兆3,809億8,896万円,歳出総額1兆3,811億2,346万円となりました。歳入においては,国の総合経済対策を受けて大型の
補正予算を組んだにもかかわらず,景気の低迷が続き,市税収入は現行地方税制のもとでは過去最低の伸びとなりました。また,不納欠損額や収入未済額も増加しています。今後も,さらに収入未済額をなくす努力が必要と考えます。
また,
消費税アップもスケジュールに上ってきました。しかし,具体的な行政改革もないままに安易な増税策をとることは,市民の政治不信を募らせる結果になります。
そこで,今後の財政運営について伺います。
93年度の予算編成の際は,各部単位で1項目以上の事務事業の見直しを行なってきました。これからもこのような見直しは必要ですが,一律に見直すということは前年度の予算枠を認めるということであり,硬直した財政運営につながることも考えられます。目的を達した事業,これから力を入れるべき事業については,政策的に判断する必要があります。たとえば,本市の下水道は普及率が97%に達しております。このような場合,いつまでも前年度に比較して下水道局の予算を編成する必要はないと考えます。
84年度から93年度までの過去10年間の本市の決算状況を目的別に見ますと,土木費が一番多く,30%前後となっています。民生費は約20%と,ほぼ割合が決まっているようにさえ感じられます。大型の
景気対策を行なったにもかかわらず,その効果も見られず,
法人市民税が落ち込んでいることを考えると,発想の転換が必要です。高齢者保健福祉計画の施設整備とマンパワーの充実を前倒しで実現することなどが公共投資や雇用の増加につながり,不況対策にもなると考えられます。
そこで質問ですが,今後の財政運営は,前年度に比較して予算額を決めるということではなく,局ごとに目的を達した事業については,大幅な見直しを行いながら進める必要もあると考えますがいかがでしょうか,お伺いいたします。
次に,第三セクターのあり方について伺います。現在,108を数える本市の第三セクターのあり方について質問いたします。
まず初めに,第三セクターの設立と検証について伺います。
第三セクター設立に当たっては,企画構想の段階で事業の内容,採算性,第三セクターの適否,参画を求める企業の基準,民間との役割分担,人材の確保等,明確な見通しを立てることが大変重要になります。また,税金を出資することから,市民に対し,その設立の趣旨や自治体としての経営に対する関与や責任の範囲等の情報を提供する必要もあります。本市が設立した第三セクターがそのような検討を十分経てきたのでしょうか。安易な考え方で設立したものの,赤字続きで存続も危ぶまれる札幌エネルギー公社等は,当初から見通しの甘さが指摘されてきたのです。このような事態を招かないためにも,さきに挙げたような設立時の考え方を明確にすることが早急に必要となっております。
さらに,第三セクターが設立されてから,社会情勢の変化等により,その存在意義が薄らいだものや,性格の似た団体が複数設立されたりという問題を抱える場合があります。例を挙げれば,1957年設立の株式会社札幌振興公社と1972年設立の札幌市土地開発公社があります。両方とも公共施設建設のための土地を先行取得し,売買する事業を行なっておりますが,後発の土地開発公社は,国の法律の制定に伴って設立され,その性格は,既存の札幌振興公社と全く同じものでした。
昨年度の決算では,土地開発公社の土地取得額93億9,500万円,処分額126億9,400万円に対し,札幌振興公社の土地取得額2億1,500万円,処分額19億3,200万円でした。この数字からも,札幌振興公社の役割が終わっていることはだれの目にも明らかです。しかし,統廃合の動きが全く見られないのは,一体なぜでしょうか。役員におさまっている市の退職者への気兼ねや,ポストの順送りが習慣になっていることが大きな要因としてあるのではないでしょうか。
このような批判にこたえるためにも,第三セクターの設立後,市民ニーズ,経営環境,採算性等を定期的に検証する必要もあると考えます。
神奈川県では,昨年,第三セクターの見直しの方針をまとめ,財団法人神奈川県公園協会と財団法人神奈川県自然公園協会の統合を含め8団体を4団体に統合したのを初め,財政的支援の見通し等,抜本的な改革を進めています。
そこで質問ですが,第三セクター設立の考え方について,2年前から検討を始めたと聞いておりますが,結果についてお尋ねいたします。
また,行政運営効率化委員会で議論されている設立後の定期的な検証の方法についてもお知らせください。
次に,第三セクター白書について伺います。
第三セクターに対する自治体の関与については,
地方自治法第243条3の2により,2分の1以上の出資団体については,議会に対し経営状況についての書類を提出することになっています。本市では,決算時,法人の経営状況説明書が配付されておりますが,現在記載されていない人事や業務の詳しい内容についても記載することが望ましいと考えます。
神戸市は,企業的都市経営を目指していると言われており,議会においても外郭団体の経営のチェックを厳しくしており,1977年から外郭団体に関する特別委員会を設けています。委員会の審議の資料として,第三セクターごとの報告書を担当部局が作成しており,設立の趣旨や人事,事業計画,予算及び決算,計画対比や数年分の実績等,多岐にわたり記載してあります。この報告書で外郭団体の全容がわかり,議会の議論が活発になるのではないでしょうか。
2点目の質問として,現在配付されている説明書の項目に加え,人事やより詳しい財政・事業内容についても記載し,第三セクター白書と言えるものを作成してはどうでしょうか,お考えを伺います。
3点目に,市民セクターについて伺います。
市民セクターといいますと聞きなれない言葉ですが,公的セクターと産業セクター,官民共同の第三セクターに次ぐ第四セクターと言われています。これには農協,生協などの協同組合や町内会等がありますが,新たな形として,みずから出資し事業を行うワーカーズ・コレクティブ等の自主的組織があります。
米国などでは,NPO,ノン・プロフィット・オーガニゼーション(非営利機構)の市民セクターが数多く活動しています。その運営は,政府や産業界からの仕事や助成金及び市民のカンパなどで行われています。
日本では,NPOのような自主的な市民セクターが余り育っておらず,本来,市民と行政が協力して行うことまで行政や企業の手で行われてきました。しかし,近年,市民も多様な活動を展開するようになりました。
本市では,施設の管理運営を第三セクターに委託することが多くなっています。その運営が行政主導で行われるとき,前例を踏襲することになりがちです。
他都市では,市民セクター,いわゆる第四セクターによる方式があり,新しい市民参加の形と言えます。たとえば,武蔵野市では,市民公募によるコミュニティ委員会が自主企画でコミュニティセンターを管理運営しています。また,川崎市や町田市では,地域福祉の担い手として,NPOの一つであるワーカーズ・コレクティブがミニデイサービスセンターを運営しています。
そこで質問ですが,市民利用施設の管理運営を第三セクターに頼るばかりでなく,多様な市民セクターによる方法も考えていく必要があると思いますが,市長のご見解をお伺いいたします。
質問の第3番目は,市立病院について伺います。
市立病院移転新築工事が完了し,いよいよ来年秋より事業が開始される運びとなりました。本市の病院事業を見ますと,1891年現在地に移転以来,実に100余年間,総合病院として地域医療に大きな役割を果たしてきました。特に,近年の救急医療の実績により,昨年4月,国から救命救急センターの指定を受けており,札幌市のみならず,2次医療圏全体に大きな貢献をしていることは高く評価いたします。さらに,今年度の静療院老人性痴呆疾患センターの開設は,注目を集めているところです。
しかしながら,医療を取り巻く環境と課題は,近年大きく変化してまいりました。高齢化社会の進行に伴い,疾病構造の変化や高齢障害者の増加,日本特有の寝かせきり老人や社会的入院が社会問題化しています。そのため,国は86年には,地域医療計画による病床規制を初め,総医療費の抑制策をとり始めます。すなわち,2025年にピークに達するとされる超高齢社会を前にして,これまでの医療のあり方の変更という基本線に沿って,92年医療法改正のほか,診療報酬の改定などを行なってきています。これは,戦後のとにかく医療供給体制の充足を一義的に追求してきた医療の形を根本的に見直し,収容型医療から在宅医療,在宅ケアへと,その流れを変えていこうとするものでした。
このような状況の中,民間の医療機関では療養型病床への転換を初め,生き残りをかけた根本的な見直しを行なっています。この医療のゆがみは,老人福祉の立ちおくれにより,介護の医療化が進行した結果であると言われております。
本市においても,高齢者保健福祉計画が今年度よりスタートし,在宅福祉3本柱のほか,訪問看護,老健施設の確保などが図られつつありますが,決して十分とは言えません。さらに,これまでの医療への反省から,患者の権利の確立,インフォームド・コンセント,ホスピスへのニーズなど,課題は山積しております。
このような医療,福祉の大転換の中で,本市立病院が自治体病院として今後どのようなあり方を目指すのか,いまほど問われていることはないと言えましょう。
私は,市立病院経営の理念を探しましたが,見出すことができませんでした。5年計画には,「高度・専門医療体制と迅速・適正な診療システムを備えた近代的総合病院として移転新築する」と載っているのみです。高齢化社会を前にした全市的な課題に対して,役割を果たすという意識,在宅医療への支援についてはほとんど考えられていません。
一方,93年度の年間延べ患者数は81万1,736人で,前年度と比べ1万7,640人の減少,91年度と比べると2万9,245人の減少となっております。新築移転によってこの減少に歯どめがかかり,経営的に軌道に乗るのでしょうか。決算状況を見ますと,年度末で17億7,560万円の欠損金のほか,本院移転新築事業等の建設改良事業196億円のうち188億円が企業債であり,この償還などを考えると,経営環境は今後さらに厳し くなることが予想されます。
これまで,占床率を上げることが収益につながるとの見解から,占床率の向上を目指してきたと聞いております。そのため,治療と看護を明確に分けずに,一つの病棟に急性期治療を要する患者と療養を目的としている患者が混在しているのが現状です。しかしながら,改正医療法では,急性期病床と療養型病床を分離することの必要性が提示され,すでに医療界の大きな流れになっています。この10月の診療報酬の改定に伴って施行される新看護体系においても,平均在院日数が30日以内において初めて経営的見通しが立つものであり,平均在院日数40日以上の市立病院においては,一層厳しい経営を余儀なくされることと思われます。
昨年の決算特別委員会では,特定機能病院の可能性についても答弁をされておりますが,先ごろ,北大病院と旭川医大がその指定を受けたところであり,市立病院が指定を受ける可能性はほとんど考えられません。
今日,市民が求めているのは,療養・在宅ケア体制の充実であり,それを後方で支える療養型病床を持った医療機関の存在ではないでしょうか。市立病院が時代の要請に対して,どう対応されようとしているのかが見えてきません。そこで,政令指定都市の市立病院の状況を調べてみました。仙台市では,市立病院の将来構想が策定されていますが,さらに新たなビジョンの必要性が認識されています。また,終末医療やホスピスなどの自主的研究会が定期的,継続的に行われています。神戸市では,2度にわたる経営改善に取り組んだ後,新たに1996年までの新市民病院経営計画を策定しています。高齢社会を視野に入れて急性期を過ぎた患者への療養型の治療,福祉施設,在宅などとの連携が掲げられております。また,チーム医療による高齢者の総合的な外来診療として,老年科の試みが始まっております。横浜市でも,市立病院の理念を策定していく予定で,昨年12月に発表した総合計画「ゆめはま2010プラン」の中では,緩和ケア病棟の整備を掲げています。そのほか,北九州市,千葉市,大阪市でも,自治体病院のあり方の再検討に入っているいま,わが札幌市立病院だけが,建物が新しくなることでよしとしてはいられないと思います。
そこで質問いたします。
1点目として,これまで述べてまいりましたことを踏まえ,変革期の医療はどうあるべきか,自治体病院としての理念を早急に確立すべきと考えます。また,医療・保健・福祉にかかわるすべてのスタッフとボランティア,家族をも含めた研修病院という位置づけも重要であると考えます。民生局,衛生局を初め,広範な市民も含めた自治体病院のあり方委員会を設置し,検討を始めるべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。
また,監査意見書には,未処理欠損金が依然として増加の傾向にあり,企業債の償還などで経営環境は今後さらに厳しくなると分析されており,「一層の効率的・合理的な経営を推進し,財政基盤の充実を図るとともに,公的医療機関としての使命達成に万全を期すよう要望する」と結ばれております。
そこで質問の2点目として,経営基盤の確立についてどのような方策を考えておられるのかお伺いいたします。
現在混在している急性期医療と療養型医療を分離することが,経営的にも,また市民のニーズからも重要です。そして,医療・福祉の連携のモデルをつくることが,自治体病院がとるべき一つの姿であると考えます。市長のお考えをお示しください。
質問の3点目は,現病院の跡地利用についてです。
現在地の歴史的な流れも踏まえ,広く市民の医療・福祉等に貢献し得るような利用の仕方を考えるべきと思いますが,市長のお考えをお伺いいたします。
最後に,女性職員の登用について伺います。
本市は,ことし4月,男女の共同参画型社会を目指すさっぽろ計画,すなわち第2次女性計画を策定しました。女性の自立と地位向上を目的とした第1次女性計画に続いて展開される第2次女性計画では,男女の固定的な役割分担意識や女性への偏見を解消するために,女性問題は男性問題でもあるという認識のもと,257の施策が盛り込まれております。あらゆる分野での男女共同参画の促進は基本目標の一つとして掲げられ,これを実現するためには,政策・方針決定の場への女性の参画促進は大切な課題です。現在,約18.5%の本市の各種審議会等の女性委員の割合を30%に引き上げることも目標の一つになっていますが,できるだけ早期に実現するように望むものです。
各種審議会や企業,公的団体等における女性の参画促進と並んで,本市の女性職員の登用促進と職域の拡大も重要です。
本市の今年度の職員の採用人数は185人で,このうち女性は76人で41.1%となっています。政令指定都市の中では,広島市55.0%,川崎市51.5%と続き,平均は37.5%となっています。しかし,女性職員が増加傾向にあるとはいえ,業務の内容や職域という質的な面においては,まだまだ偏りが見られます。たとえば,94年の本市の役職者は局長職が1名,部長職が16名,課長職が24名,係長職が166名,合計は207名で全体の7.1%となっています。今年度の職員総数1万7,338人のうち,女性は3,775人で21.8%ですから,もっと女性の役職者をふやす努力が必要です。
また,職種別の内訳を見ますと,207人の女性役職者のうち看護婦78人,保母31人,保健婦25人と続き,すべての職種とはなっていません。数はふえつつある女性職員ですが,役職者も職域も限られているのが現状です。
しかし,女性職員の育成に取り組む自治体も見られ,東京都では,91年5月に全国初の女性副知事を誕生させました。このほかにも女性の幹部や中堅層の厚さもあって,さまざまなポストに女性が配置され始めています。たとえば,総務課長,財務課長などの内部管理の中枢部門への進出を初め,清掃事務所所長など,ハード部門への進出も見られます。管理職だけでなく,いままで不得手とされた税務部門の滞納整理事務を初め,都バスの運転手,清掃作業員等にも女性が進出しています。
この一方で,女性の職場と言われてきたところにも,看護士や保夫がまざり合い,男性の職域の拡大も進んでいます。高齢化,情報化,国際化が進む中で,
地方自治体の行政需要も多様化しています。これからの自治体経営は,個性や意向を尊重した適材適所の人材の活用が求められています。
そこで1点目の質問は,女性職員の役職者への登用について伺います。
女性職員の職場配置や仕事の与え方に配慮し,計画的,意識的に育成することにより,役職者をふやしていくべきと考えますが,市長のお考えをお示しください。
また,助役・局長にも女性を登用すべきと考えますが,あわせて伺います。
2点目は,職場配置の偏りの是正について伺います。
本市でも,女性がいない職域や消防局のように女性の職務内容が限定されているところがあります。また,反対に女性が多い職域もあります。男性職員と女性職員の職場配置の偏りは是正していくことが必要と考えますが,市長のお考えをお示しください。
3点目は,教育委員会に伺います。
教員は女性が多い専門職の一つですが,小学校,中学校等の学校別や校長,教頭といった校務別に見た場合,まだまだ男女の役割分業が残っていると考えられます。93年度の本市の教職員等の採用は,男性は49人,女性は66人です。採用は女性のほうが多くなっていますが,校長や教頭となると女性は極端に少なくなります。小学校では,202人の校長のうち女性はたった5人です。中学校では,94人の校長は全員男性です。男女平等教育を推し進める立場にある教育委員会は,もっと女性の役職者をふやしていく努力が必要と思いますが,教育長のお考えをお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。最後までお聞きくださいましてありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,数点についてお答えいたします。
最初に,財政問題についてでございます。
今後の財政運営についてでありますけれども,私といたしましては,これまでも各年度において,さまざまな角度から政策的検討を加え,行政の継続性にも留意しながらバランスのとれた財政運営に努めてきたところであります。このような観点から申し上げますと,局ごとに目的を達した事業については大幅な見直しを行うべきであるという考え方につきましては,ただいま中嶋議員が挙げられました具体的な例についてはまた別の見方があり得るとは存じますが,基本的にはそのとおりだろうと思います。今後とも,行政効果や施策の優先順位等を考慮し,目的を達成した事業の廃止を含むスクラップ・アンド・ビルドに努めてまいりたいと存じますし,この場合,これまでもお答えをしてまいりましたとおり,いま市民が何を望んでいるのか,将来の市民ニーズがどうなるのかということを十分に把握し,柔軟で機動的な予算編成を行なってまいりたいと考えております。
次に,第三セクターのあり方についてであります。
まず,第1点目の出資団体の設立の考え方についてでございます。
出資団体に関しましては,これまでも所管局はもとより,出資団体調整委員会などにおきまして,さまざまな指導調整を行なっているところではありますが,ご質問にありましたような,設立に当たり検討すべき事項の一層の整備や設立後における定期的な検証の手法につきまして,すでに設置をいたしております行政運営効率化委員会におきまして,さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,第2点目のいわゆる第三セクター白書の作成についてであります。
ご質問の中でも言われておりますとおり,2分の1以上の出資団体につきましては,
地方自治法に基づき,当該年度の事業計画及び前年度の決算に関する書類を法人の経営状況説明書として取りまとめ,毎年度,決算議会に提出しているところであります。ご提言につきましては,今後,他都市の状況などを調査し,また,議会のご意向を十分承りながら検討してまいりたいと思います。
3点目の市民利用施設の管理運営についてであります。
施設の管理運営につきましては,市民の皆様が効果的に利用できるよう,それぞれの施設の形態に応じた管理運営方式をとっているところであります。ご質問の趣旨にございます,いわば市民主導型の管理運営方式についてでありますが,ご承知のとおり,本市ではすでに地区センター,地区会館,児童会館,それからおとしより憩の家及び一部の老人福祉センターなど,各種の施設においてそのような方式を取り入れて,一定の成果を上げているところであります。今後とも,市民の皆様がより一層利用しやすい施設運営を図っていきたいと思っております。
次に,女性職員の登用に関して3点ご質問がありましたけれども,うち2点についてお答えをいたします。
まず,第1点目の女性職員の役職者への登用につきましては,従来から男女の区別なく,能力,適性に応じて行なってきております。今後につきましても,男女共同参画の促進を基本に,研修を通して女性職員の意識の高揚を図るなど,より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,第2点目の職場配置の偏りの是正につきましては,女性職員の占める割合が比較的低い企画・計画事務や対外折衝事務を行う部署にも女性職員を積極的に配置することにより,女性職員の職域の拡大を図ってまいりたいと考えております。私からは以上であります。
○議長(見延順章君) 田中助役。
◎助役(田中良明君) 市立病院についてのご質問のうち第3点目について,私からお答えを申し上げます。
ご質問は現病院の跡地利用についてでございますが,新病院への移転後には,およそ2ヘクタールの面積を有する都心部の貴重な大規模用地となりますことから,この利用につきましては,現在,慎重に検討を重ねているところでございます。今後も,広く全市的な観点から,市政発展のための有効な利用について,引き続き検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 手戸
市立札幌病院長。
◎
市立札幌病院長(手戸一郎君) ご質問の第1点目でございますが,市立病院におきましては,高度医療の推進,地域に密着した医療の実践,研修病院としての充実,受診医療環境の整備ということを大きな目標として,社会経済情勢の変化に対応しつつ,医療の実践に当たってまいりました。一方,自治体病院のあり方に関連して,近年の高齢化社会における対応をより着実に行うためには,医療と保健・福祉の連携強化を図っていくことが必要であると,かねてから考えてまいりました。
高齢化の進展と医療法などの改正を背景に自治体病院が行う医療のあり方は,社会的にも制度的にも変わらざるを得ない状況にある現在,なお一層,保健・福祉との連携を強化していくことが求められており,その観点からも,市立病院の今後の運営につきましては,関係部局はもとより,各自治体病院及び関係医療機関との連携を一層密にしつつ,あるべき姿の検討を深めてまいる所存でございます。
第2点目の経営の視点からの急性期医療と療養型医療の分離についてでございますが,これは,医療機関におきます役割分担のあり方にかかわる問題でございます。札幌市のように都市における医療機関の場合,急性期から療養型までのすべてを病院で行うという病院完結型の医療ではなく,それぞれの医療機関の機能分担と相互連携の推進がまず必要であります。
そこで,新病院におきましては,札幌市医師会とともに新しく地域医療室を設置し,病院と病院,病院と診療所間などの連携を深めることにより,地域医療における中核的役割を果たしながら,そのことにより一方では,在院日数の短縮の実現が期待できることなどもあり,あわせて,経営基盤の確立に資することとしてまいりたいと考えております。
○議長(見延順章君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 女性職員の登用についてのご質問のうち学校教育における女性の役職者登用につきまして,私からお答えをいたします。
市教委といたしましては,校長,教頭への登用に当たりましては,人格,識見,指導力が特にすぐれ,かつ,定められた資格を有する者の中から優秀な人材の選考に努めております。各学校長に対しましても,年功,性別にとらわれることなく,積極的に適任者を推薦するよう求めているところであり,年々女性管理職も増加しているところでございます。今後とも,女性の学校経営への積極的な参画を促すなどの努力をしてまいりたいと,このように考えております。
○議長(見延順章君) ここで,およそ20分間休憩いたします。
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休 憩 午後3時17分
再 開 午後3時36分
─────────────────
○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。福士 勝君。
(福士 勝君登壇・拍手)
◆福士勝君 私は,ただいまから民社クラブを代表いたしまして,平成5年度決算を初めとして,当面する市政の諸問題について順次質問をしてまいります。
まず初めに,財政問題についてであります。
平成3年4月,バブルの崩壊とともに始まった景気後退は,第2次石油ショック後の不況期をしのぐ戦後最も長期にわたるものとなり,わが国の経済社会に深い傷跡を残しているのであります。ようやく最近になって政府の
景気回復宣言が行われるなど,
景気回復に向け,明るい兆しが見られるようになってきたものの,平成5年度は,本市も含め全国的に,このいわば平成不況の真っただ中にあったのであります。
このような経済状況を踏まえて,まず今回の決算についてその評価と特徴を総括してまいります。
平成5年度の一般会計歳出の決算額を見ますと,7,522億円で前年度に比べて7.7%増と,NTT無利子貸付金の繰上げ償還という特殊要因があったものの,平成4年度決算における7.5%を上回る高い伸び率を確保しております。
これは,市長が,かつてないほどの苦しい財政状況の中にあっても,市民の声を真摯に受けとめ,積極的に対応された結果であると思うのであります。市長は,国の総合経済対策と相まって,3次にわたる
補正予算を組んで市内景気の下支えを行なったのを初め,雪対策,さらには高齢化施策などにも積極的に対応されました。
財政は苦しい時期でありましたが,市民サービスは後退させないという市長の決意が,この決算から十分に読み取ることができるのであり,この点,私は高く評価したいのであります。
一方,歳入に目を転じますと,平成5年度は,過去に例を見ないほど財源の確保が困難な年でありました。特に,市税収入につきましては2,744億円で,前年度に比べ17億円,0.6%の増にとどまったところであり,これは,現行の地方税制度が施行されて以来,最低の伸びであったわけであります。中でも
法人市民税は,景気低迷の影響をまともに受け,前年度より39億円もの減収になっております。また,景気に左右されにくいと言われる
固定資産税でさえも,前年度決算額を上回りこそいたしましたが,不動産不況による収納率の低下により,当初の予算計上額を年度途中に17億円ほど減額しても,なお予算割れを起こしたのであります。
この結果,平成5年度における市税収入の歳入全体に占める構成比率は36.4%と,前年度より2.5ポイントも減少したのであります。また,地方交付税についても,特例的な基金費措置がなくなったという事情があったものの967億円で,前年度に比べて65億円,6.3%の減になっているのであります。この結果,平成5年度は,市税,地方交付税という主要一般財源の合計額が前年度より減ってしまったという状況だったのであります。
したがいまして,当初予算に計上した事業はもちろん,
景気対策で追加した多くの事業の執行に当たり,市税,地方交付税の落込みを市債の借入れ777億円で賄ったわけであります。これは,平成4年度の市債決算額583億円に比べ194億円,33%の増であり,これが今回の決算における大きな特徴なのであります。
私は,このような厳しい財政状況の中でも,市民サービスの低下を来たさず,積極的な事業執行を行うために,市債の借入れにより,やりくりを行うことについてはやむを得ないものと考えておりますが,また一方では,前年度に比べ33%増という大幅な借入れを行なった場合,今後の財政運営に大きな負担をもたらすのではないかと危惧の念もあるのであります。
以上のように,今回の決算について私なりに総括してまいりましたが,これらの状況を踏まえ,市債及び公債費に関連して質問をいたします。
そこで質問でありますが,まず第1点目は,良質な市債の活用についてであります。
市債は借金でありますから,単にやみくもに伸ばすのではなく,可能な限り元利償還金に地方交付税措置のある良質な市債を活用し,後々の世代の負担が過大なものにならないよう十分配慮すべきものであると考えております。市長も,平成5年度予算における提案説明で,「元利償還金に地方交付税措置のある良質な市債の活用に配慮した」と述べておりましたが,平成5年度決算及び平成6年度予算における良質な市債の活用状況はどうであったのか,この点,まずお聞かせいただきたいのであります。
次に,2点目でありますが,市債の増大に伴う将来負担についてであります。
平成5年度決算における市債にかかわる財政指標を見ますと,公債費比率が12.0%から13%に,起債制限比率が9.1%から9.6%に,それぞれ高まってきております。また,平成6年度は,当初予算での市債発行額は前年度予算に比べて34.2%増となり,これに住民税の特別減税等に伴う減税補てん債を加えますと,実に前年度予算比で62.7%増にもなるのであります。この結果,平成6年度末の市債残高は,一般会計に限って見てもついに6,000億円を超え,これに伴う将来の公債償還額の負担も増大していくことになるのであります。
私は,これによって,今後本市の財政が硬直化していくのではないかと心配するものでありますが,この点,市長は,今後公債費比率や起債制限比率についてどのように見通され,将来負担についてどう判断されておられるのか,お考えをお伺いいたします。
次に,人に優しい冬道対策についてお伺いをいたします。
全道的に記録的な猛暑だった夏も終わり,一日一日秋が深まる中で,北国に住む私たちにとって,来たるべき冬への備えを意識しなければならない時期になってまいりました。
人口170万人余の大都市が,一冬に平均で5メートルもの雪が降る中で経済社会活動を維持していることは,世界的にもまれな事例と言えるのであります。これも,市民や行政が雪に立ち向かい,雪を克服するために知恵や努力を積み重ね,継続してきたからにほかなりません。しかし,雪問題は,昭和53年度以来,連続して市民要望の第1位を占めており,このことは,雪の問題にまだ課題が多く,今後も一層の取組みの強化が必要であることを示していると考えます。
さらに,近年,雪問題に関して,非常に滑りやすい凍結路面という新たな課題が発生しております。市民と行政の協力による脱スパイクの取組みが青い空を取り戻し,本格的なスタッドレス時代を迎えた平成4年度の冬に,まるで磨かれた鏡のような非常に滑りやすいつるつる路面と呼ばれる凍結路面が,都心部や幹線道路で頻繁に発生し,スリップ事故や交通渋滞によるバスの遅延などで
市民生活に大きな影響を与えてきました。
当時,行政側では,問題を深刻に受けとめていたものの,非常に滑りやすい凍結路面の発生は当初予想していなかった事態であり,市民の要望や苦情に対して十分な対応ができなかったと聞いております。このような経緯から,昨年度は,市が前向きの姿勢で積極的に凍結路面対策に取り組んだと私は思っております。
たとえば,市の庁舎周辺に8種類の試験舗装を実施しておりますが,私が見たところでは,このうちの何種類かは雪や氷の付着が少なくなっており,幾ばくかの効果があったと考えるのであります。また,交通量の多い主要な交差点で実施した環境に優しい凍結防止剤CMAの散布についても,1月の後半ごろに滑りやすい凍結路面が発生した時期があったものの,一冬を通して見れば,路面状態は前年度と比較してかなり改善されたように感じております。このほかにも除雪機械を改良した粗面形成装置の開発や路面整正の強化など,さまざまな工夫や努力があったと聞いております。
実際,道警が発表したこの冬の事故統計によると,昨年度から新たにスパイクタイヤ規制が行われた地域でスリップ事故が大幅に増加している中にあって,札幌圏ではスリップ事故件数が16%減少しております。これは,ドライバーがスタッドレスタイヤになれたということも,もちろんあると思いますが,市の積極的な取組みが寄与している部分も大きいと思われ,非常に滑りやすい凍結路面問題の解決に向けた糸口が見出せたのではないかと考えております。だからといって,今後も5年度のレベルで十分であるとは市民も思っていないはずであり,今年度の冬は,より一層の対策の拡充強化が必要であると私は考えるのであります。
ところで,これまで申し上げたのは車道に関することでありまして,これとは対照的に,歩行者を対象にした対策については,これといった具体的な対策があるようには見受けられず,市の取組みが不足しているのではないかと私には感じられるのであります。
消防局の資料によれば,昨年度は12月から3月までの4ヵ月間の間に約700人が転倒して救急車で運ばれていますが,実際の転倒者は,この数字の何倍にもなるものと思われます。高齢化社会を迎えつつある現在,冬でも安心して歩くことができる対策,今日的に言えば人に優しい冬道対策が求められており,本市として何らかの取組みを検討する必要があると考えるのであります。
たとえば,横断歩道のロードヒーティング化であります。札幌市が国や道内の他の市町村に先駆けて昭和63年度からスタートした坂道ヒーティングは,1次整備167ヵ所を平成4年度で完了し,引き続き5年度から2次整備を実施しているわけでありますが,熱エネルギーによって融雪を行うロードヒーティングは,冬季間も夏場並みの路面を確保することができ,冬季交通対策の決め手と言えるものであります。そこで,これを歩行者対策として横断歩道に適用できないものかと私は思うのであります。
もちろん,ロードヒーティングは,建設費に加え,設置後の維持管理費も高いことは十分承知しておりますが,たとえば札幌駅前通や地下鉄駅周辺など,人通りが多い場所に限定し,さらに熱源に未利用エネルギーを活用するなど,ローコスト化の工夫をして横断歩道ロードヒーティングを実現できないものでしょうか。もっとも,市内には信号交差点だけでも約3,000ヵ所あると言われておりますので,いま提案しました設置箇所を限定した横断歩道ヒーティングのみでは,とても市内全域に対応し切れませんから,他の手法も含めた総合的な歩行者対策が必要だと思うのであります。
そこで質問でありますが,まず1点目として,本年度の凍結路面対策についてどのように取り組まれようとしているのか,市長のお考えをお伺いいたします。
2点目でありますが,今後の冬道の歩行者対策について,市長はどのようなお考えなのかお伺いをいたします。
次に,交通事業についてお尋ねをいたします。
平成4年度から実施してまいりました交通事業の経営健全化計画は,5年度決算において累積欠損金が交通事業会計では計画に比べ約42億円好転し,また,高速電車事業会計においても約77億円好転するなど,順調な進捗となっております。しかし,その一方,利用者はバブル崩壊後減少の一途であり,4年度では地下鉄・バス・電車の合計で前年比1.2%の減少,5年度ではさらに前年比で1.9%の減少となっております。
この要因として,もちろん景気低迷の影響が少なくないとは思いますが,マイカーの増加や週休2日制の拡大など,景気の好転によっても解消する見込みのない,時代の進展に伴う,いわゆる社会現象の変化によるところも非常に大きいものと考えるのであります。
これまでのところ,交通局の内部努力で支出を大きく抑えることにより,何とか利用者の減少による収支の悪化を食いとめておりますが,最も深刻な地下鉄では,健全化計画との需要の乖離は1日3万7,000人となっており,内部効率化での対処は間もなく限界となることは明らかであり,健全化計画確保のための手だてを早急に講ずる必要があります。特に,今後延長する地下鉄東西線の沿線開発や,バスの乗継ぎ等の地下鉄へのアクセスの確保は特に重要であり,これによる需要確保の成否は,交通事業の将来に大きな影響を与えるものであります。
一方,こうした厳しい事業環境下にあっても,安全運行の確保は,交通事業として最優先に取り組まなければならないものであり,また,ウィズユーカードのプレミアムなど,時代に合ったサービスの提供を市民は常に求めております。このような課題山積の中で,事業を継続・発展させるために最も必要なことは,健全化計画を進めるための確固たる経営の基本方針であり,そうした経営姿勢を交通事業に携わる職員に理解させ,目的意識を持って業務に当たらせるようにすることであります。
公営企業の目的は,公共の福祉と企業性の発揮であります。これは,民間企業と同様の経済性や効率性を求めることによって,適正な料金で安定的に市民のニーズにこたえることを期待しているものであります。
そこで質問でありますが,まず1点目として,現在どのような経営方針を持って事業を進めているのか。また,将来の交通事業の目標をどのように持っているのかお伺いをいたします。
次に,現在,全市的にまちづくりを中心とした需要喚起策が進められておりますが,利用者を確保するためにはサービス面の向上もきわめて大切なことであると考えるのであります。市民の財産である市営交通に対して,市民は民間事業以上のサービスを期待するのは当然であり,より厳しい目で市民対応を見ているところであります。その結果が,交通事業に対する市民の要望や苦情として新聞等に載ることもたびたびでありますが,こうした意見に適宜・的確に対応することこそが,市民の交通事業に対する理解につながるものと考えております。厳しい事業環境を乗り切るためには,市民の信頼が不可欠であります。
次に,2点目でありますが,信頼を得るためには,日常のサービスの積み重ねが最も重要でありますが,利用者サービスの向上にどのような考えで臨んでいるのかお伺いをいたします。
次に,教育問題についてお尋ねをいたします。
まず,学校図書館の充実施策についてであります。
昭和23年,文部省が刊行した「学校図書館の手引」には,学校図書館は新教育を進める学校の心臓部であると強調されておりました。当時,新設され始めた学校図書館の乏しい図書を子供たちはむさぼるように読んだものだと聞いております。学校図書館は,子供たちの心のオアシスであったのであります。
本年4月に開催されました子供と本の議員連盟の設立記念フォーラムは,学校図書館を学校教育の中心に置くことを宣言するアピールを全会一致で採択いたしました。このように重視される学校図書館ではありますが,いま果たして本当に学校教育の中心に心臓部として存在しているでしょうか。かつて活字に飢えた子供たちがいたことを忘れたかのように,読書離れが叫ばれているいま,私たちがしなければならないことは,子供が豊かな本の世界に触れることのできる環境をつくることではないでしょうか。
本来,子供たちは本好きであります。読書のきっかけさえあれば,読書意欲は見違えるように高まります。子供たちと本との豊かな出会いの場として,さらに,新しい教育に対応する情報との出会いの場として,学校図書館が整備充実されることを私は強く訴えるのであります。
いろいろな事柄に興味や関心を持ってさまざまな情報と出会い,意欲的にみずから調べ,調べたことをまとめ,表現していくことで,知識や理解が生きたものとなってさらに深まり,みずから学ぶ力が身についていきます。しかし,現在の学校図書館は,こうした力を育て,手助けしていくに足る機能を備え,学校教育の心臓部となり得ているでしょうか。
学校図書館の充実・振興を図るには,第1に,豊かな蔵書と施設環境の整備,そして第2には,読書指導に当たる専門職員の配置が必要であると私は考えるのであります。
このような観点から,以下質問してまいります。
まず1点目として,文部省において平成5年3月に学校図書館整備5か年計画を発表し,学校図書館の充実を図ろうとしております。これを市教委はどのように受けとめ,本市の学校図書館をどのように位置づけて整備しようと考えておられるのか,お伺いをいたします。
次に,専門職員の配置についてであります。
子供を本や情報に出会わせる役割を果たすのは司書教諭であります。学校図書館法は,学校図書館の専門的職務を担当させるため司書教諭を置かなければならないと規定しているものの,その附則において,当分の間置かないことができると記され,昭和28年の法律制定以来,40年余にわたって,「当分の間」が続いているのが現状であります。
専門的な知識を持った教師の指導によって学校図書館がより活性化され,子供たちに読書を通して情操をはぐくませ,情報を活用する能力を高めさせることが適切にできるようになることを考えますと,司書教諭の配置について努力すべきと思うのでありますがいかがでありましょうか,お尋ねをいたします。
次に,登校拒否問題についてであります。
この8月に文部省は,平成5年度の学校基本調査の結果を発表いたしましたが,この中で登校拒否について,学校嫌いを理由に30日以上休んだ小学生は,全児童数の0.17%に当たる約1万5,000人,中学生は全生徒の1.24%に当たる約6万人,合計すると7万5,000人に上り,この問題に,依然として歯どめがかかっていない深刻な実態が明らかになりました。
私は,これまでも議会において登校拒否問題を取り上げ,これに対する市教委の対応策を求めてきたところであります。登校拒否の原因や背景については,ただ単に学校だけの問題ではなく,家庭や社会,本人の問題等が複雑に絡み合って起こっていることは承知しているつもりであります。
文部省は,平成5年11月に,登校拒否状態に陥った児童・生徒本人と保護者や教師に対して,直接聞取りによる実態調査を行なっております。この調査によると,登校拒否に陥ったきっかけを,学校は家庭に,保護者は本人に,本人は学校にあると回答し,3者の認識の違いが浮彫りにされました。
私がここで問題にしたいのは,この問題に対する学校の認識と対応のあり方であります。確かに,本来は家庭においてなすべきしつけや,日常生活における対話の不足,家庭不和の問題等から,家庭に心の居場所がないケースも多々あろうかと思います。しかし,だれもが楽しく学ぶ場である学校が,必ずしも子供たちにとって,心の居場所となっていないという現実があるのではないかということであります。
心の居場所とは,子供にとって自己の存在感が実感でき,精神的に安定して生活できる場所という意味であると思います。つまり,学校における心の居場所とは,子供にとって教師が心から尊敬でき,かつ,その教師から信頼されている,また,学ぶことが楽しく個性や創造性が十分に発揮でき,クラスメートと仲よく充実した毎日が送れるということではないかと考えます。
本市においては,心理的要因で,登校したくても登校できないでいる子供たちに対応するため,平成3年4月,月寒中学校内に相談・指導のための施設を設置し,成果を上げていると聞いております。また,今年の9月には第2の施設が完成し,今後の成果が期待されているところであります。
こうした行政の取組みに対して敬意を表するところでありますが,施設を幾らたくさんつくったからといって,この問題の根本的な解決にはなっていかないのではないかと考えます。現に,登校拒否状態に陥って悩み抜いている子供や親はまだまだたくさんいるわけで,こうした子供や親は,一体どこに,だれに救いを求めたらよいのでありましょうか。いっとき各種相談機関や病院に救いを求めたとしても,最終的に頼れるのは学校以外にはないのではないでしょうか。子供や親は,学校に救いを求めているのであります。
そこで質問でありますが,1点目として,札幌市における平成5年度の登校拒否児童・生徒の実態と推移はどのようになっているのか,お伺いをいたします。
次に,2点目でありますが,登校拒否問題に対してどのように認識し,今後どのような対応を考えているのか,市教委の見解をお伺いいたします。
次に,フリースタイルスキーの振興についてであります。
本年2月,ノルウェー・リレハンメルにおいて冬季オリンピックが開催され,日本選手の大活躍は私たちに数々の大きな夢と感動を与えてくれました。ノルディックスキー複合団体が2連覇を達成したほか,ラージヒルジャンプ団体の銀メダル,さらにはスピードスケートの銅メダルなど,合計5個のメダルを獲得したことは,いまだ記憶に新しいところであります。
一方,フリースタイルスキーにおいては,日本選手として初めて女子モーグル種目に札幌で生まれ育った高校2年生が出場し,堂々の第11位と健闘いたしました。また,その後,フィンランドで開催されたジュニア世界選手権で見事優勝をいたしました。彼女の活躍にすがすがしい感動を覚えたのは,私ひとりだけではないと思うのであります。
このフリースタイルスキーは,ノルディック,アルペンに次ぐ第3のスキー競技として,近年特に注目を浴びてきているのであります。こぶの密集した急斜面を滑るモーグル,整地された緩斜面を音楽に合わせて演技するバレエ,ジャンプ台を使って空中での演技力を競うエアリアルの3種目があります。わが国ではわずか15年と歴史は浅いのでありますが,その華麗さ,ダイナミックさ,自由奔放さが現代の若者に受け入れられ,新たなウインタースポーツとして,ここ数年で急速に広まってきた競技なのであります。
そこで私は,このフリースタイルスキーについて,今後の展望も含めご所見をお伺いしたいと思います。
1988年のカナダ・カルガリーオリンピックにおいて,3種目とも公開種目として採用されて以来,アルベールビルではモーグルが,さらにリレハンメルではエアリアルが正式種目として採用され,次回の長野オリンピックでも,リレハンメルと同じ2種目が正式に採用される予定となっております。
さて,フリースタイルスキーの競技人口は,全日本スキー連盟への登録者が約300名で,そのうち本市には約150名がおり,そのほとんどがモーグル種目であります。その中には日本のトップレベルの選手が多数おり,全日本指定強化選手として,ワールドカップなど世界のひのき舞台で活躍しているのであります。
モーグルにおいて世界に通じる選手が徐々に育ってきていることは喜ばしい反面,エアリアル,バレエについては世界とのレベルに差があることも事実であります。この競技種目に対する札幌市の状況を見ますと,指導者が8名と少なく,また,民間施設を使用している状況にあります。加えて,国際的な大会や全国レベルの大会が札幌で一度も開催されたことがないなど,市民のフリースタイルスキーに対する認知度が高まっていないのが現状であります。
すでにオリンピック種目として取り入れられていることを考えますと,フリースタイルスキーの振興について,もう少し前向きに進めていく姿勢が必要ではないかと思うのであります。さらに,世界とのレベル差のあるエアリアル競技力向上のためには,練習施設についてもあわせて考えていく必要があると思うのであります。
先ほど申し上げましたとおり,エアリアルは空中高くジャンプして回転する,いわゆる空中演技を競う種目であり,高度なわざを身につけるためには,夏場にウオータージャンプ台を使った練習が欠かせないと聞いております。また,エアリアル競技には危険が伴うため,全日本スキー連盟では,選手がそのわざを使える水準に達しているかどうかを夏場にウオータージャンプ台を使用して認定をした上で,冬の競技会への参加を認めているのであります。
しかし,昨年までわが国のウオータージャンプ台は福島県の猪苗代町に1ヵ所しかなかったため,本年の7月に,個人がテイネオリンピアスキー場内に小規模なウオータージャンプ台をつくり,選手の育成を図っております。ところが,この台は仮設であるため,設営や維持管理に必要な費用の捻出に大変苦労していると聞いております。
そこで質問でありますが,1点目として,スキー環境に恵まれた本市として,フリースタイルスキーのより一層の普及向上を目指し,指導者の確保及び選手の育成・強化を図るべきだと思うのでありますがいかがか,ご所見をお伺いいたします。
2点目でありますが,全国あるいは国際競技大会の誘致・開催についてであります。ジャンプなどのように全国あるいは国際レベルの大会を開催することによって,世界のレベルにより近づき,さらに,市民の関心も高まってくるものと思いますが,今後,フリースタイルスキーについて,これらの大会を誘致・開催するお考えがあるのかどうか,ご所見をお伺いいたします。
3点目は,エアリアル競技の振興を図るためには,行政みずからがウオータージャンプ台を建設して選手の育成をバックアップしていくべきと考えますがいかがか,ご所見をお伺いいたします。
最後になりますが,手稲区の諸問題についてお伺いをいたします。
まず,児童会館の整備についてであります。
本市の児童会館は,1中学校区1児童会館を目標に整備を進めており,現在84館の児童会館が,子供の城として大いに利用されていることは大変喜ばしいことであり,今年度も5館を整備することで,オープンに向け工事も順調に進んでいることと思います。
児童会館は,児童の文化的素養を培い,校外生活を豊かにし,異年齢の遊びを通して地域における児童の交流をより一層深め,次代を担う青少年の健全育成を図る上で大きな役割を果たしております。また,近年における少子化の傾向は一段と顕著になり,核家族化も一層進む中にあって,本年4月には子どもの権利条約が批准されるなど,子供を取り巻く環境は大きく変化しているところであります。
このような社会情勢が変化する中で,子供みずからが豊かな心,たくましい体を育てる場として,また,各種サークル活動を通して地域住民の生涯学習や交流を図る場として,さらには,女性の社会参加の増大による子育て支援の場としての児童会館の果たす役割は,以前にも増して大きなものがあると考えております。
手稲区内においても,昨年度の前田しらかば児童会館に続き,本年度も手稲西中学校区内の星置地区に児童会館の整備が進められており,地域の子供たちや父母及び町内会等の多くの人たちがオープンを待ち望んでおります。しかしながら,新陸中学校区には児童会館がいまだ整備されておらず,新陵中学校区の位置する新発寒地区に近接する児童会館としては,いなづみ児童会館がありますが,新発寒地区との間に中の川が流れ,この川を渡るには下手稲通の共栄橋しかなく,遠回りになる児童が多い上に,下手稲通の交通量も多い状況にあります。
そこで,この中学校区の児童会館の整備をどのように進めようとされているのかお伺いをいたします。
次に,JR手稲駅周辺地区の整備についてであります。
手稲駅周辺地区の整備については,昨年の9月,南北両駅前広場の拡張整備,コミュニティ機能を備えた自由通路の設置,そして狭隘化の著しいJR駅舎の自由通路と一体となった改築・橋上化を柱とする整備基本構想がまとめられ,提言が出されました。
これらの整備について,地域住民が切望していることは言うまでもなく,鉄道により分断されている南北市街地の一体化を図り,この地区を手稲区の中心地にふさわしい街にしていく上で,ぜひとも実現していかなければならないと考えますが,他方,市の一存で進めることのできない種々の難しい問題があることも承知しており,私は昨年の第3回定例市議会において,その早期実現のためには行政と市民とが相協力して進めていく必要があるという観点から,市の取組み姿勢などについてお伺いしたところであります。
市としても事業化に向けて鋭意,検討・努力されていることと思いますが,さらにその後の状況として,本年2月いわゆる大規模小売店舗審議会の結審を受け,駅北口のメルシャン酒造工場跡地における大規模な商業施設の開発計画が進められており,計画によれば来春早々に着工し,平成8年の春には開業の予定であると聞いております。これができることにより,商業核としての拠点形成が図られるのに加えて,JR手稲駅及び手稲区役所周辺の開発についても,一層促進されるものと大いに期待されるのでありますが,整備基本構想においては,利便性・快適性の高いまちづくりを目指し,自由通路を中心に,南北街区の主要施設をスカイウエーなどにより,つなげる歩行者空間のネットワーク化が提案されております。
この提案について私は,南北を通じるネットワークの広がりを持つことによって,集い,行き交う人々の交流がさらに活発になり,それぞれの個性を生かした両地域の一体的活性化に寄与するところが非常に大きいと考えるのでありますが,その実現は,北口のメルシャン開発計画が明らかになったいまこそ急がれるのであり,この機会を逸することなく,市として適時適切,積極的に誘導していく必要があると思うのであります。
そこで質問でありますが,まず第1点目として,駅周辺の整備計画,特に懸案であります南口駅前広場の拡張問題につきまして,現在までの全般的な取組み状況と今後の方針をお聞かせ願いたいのであります。
2点目でありますが,駅北口における商業施設の開発計画についてでありますが,この大規模開発を活用し,自由通路や橋上駅と結ぶスカイウエー等の整備をあわせて図っていくべきではないか。そして私は,これらが南北駅前広場の整備ともあわせ,同時一体的に整備されてこそ,各施設のそれぞれの効用が相乗的に発揮されることになると考えるものであり,この場合,早期実現の願望を込めて,市長のご所見をお聞かせいただきたいのであります。
以上で,私の代表質問のすべてを終了いたしました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず最初に,財政問題についてお答えいたします。
第1点目のいわゆる良質な市債の活用状況についてでございますが,平成5年度決算では市債収入額777億円のうち79%に当たる614億円が,また,平成6年度の現計予算に計上いたしております市債収入額984億円のうち76%に当たる748億円が,いずれも地域総合整備事業債など,交付税措置のある市債でありまして,将来的な公債費負担の軽減に配慮しているところであります。
第2点目の今後の公債費比率や起債制限比率の見通しについてでございますが,ご指摘のとおり,平成5年度決算数値では公債費比率と起債制限比率が,前年度に比較いたしましてそれぞれ1%,0.5%上昇しておりますが,これらの比率を政令指定都市の中で見ますと,本市の公債費比率は低いほうから4番目,起債制限比率にあっては2番目と,いずれも低い水準にあります。
今後,大幅な市債の増加を継続するようなことがなければ,当分の間,平成5年度とほぼ同じ程度の水準で推移するものと見込まれますことから,将来の財政運営に支障を来たすことはないものと考えているところであります。しかしながら,本市は,他の政令指定都市と比べてその財政基盤が脆弱であるなどの問題を抱えておりますから,私は,市債の活用に当たっては,より一層慎重な姿勢が求められると考えておりますので,今後とも有利な市債を適宜・適切に活用することもあわせ,将来的な負担の増大を極力抑制すべく努力をしてまいりたいと考えております。
次は,人に優しい冬道対策についてでございます。
第1点目の今年度の凍結路面対策についてでございますが,昨年度からさまざまな対策を行なってまいりました。今年度は,凍結抑制効果があったと認められる,いわゆる,たわみ性の試験舗装の実施でありますとか,除雪機械の改良を引き続き行うとともに,凍結防止剤でありますCMAの交差点散布をさらに拡大強化するなど,より積極的な取組みを行なってまいりたいと考えております。
第2点目の今後の冬道の歩行者対策についてでございますが,ご提案にありました横断歩道ヒーティングにつきましては,省エネルギーの観点から,下水熱を利用した交差点ヒーティングを今年度実験する予定でありまして,今後も可能性について研究してまいりたいと考えております。
なお,当面の歩行者対策としましては,CMAの交差点散布の強化に加えて,砂箱を交差点にも設置して,歩行者の方にまいていただくといったようなこともモデル的に実施してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,歩行者対策につきましては,これからの高齢化社会に備える意味でも重要な課題であると認識しておりまして,ご提言の趣旨を踏まえて,さらに検討してまいりたいと思います。
次は,手稲区の諸問題のうち,JR手稲駅周辺地区の整備に関してでありますが,これは一括してお答えをいたします。
駅の周辺につきましては,お話のとおり,手稲区の拠点形成のためにその南北両駅前広場,自由通路,橋上駅化といった交通結節機能の充実を図ることを重点に取り組んでおります。そのうち,かなめとなります南口駅前広場の拡張につきましては,現在の駅前広場の西側街区及び駅舎側へ拡張することで,関係の地権者に対し協力要請をしており,早期の事業化のため,本年度中にはこれら整備の基本方針を固めたいと考えております。
また,北口地区における商業開発に関連して,南北市街地の一体化のため,自由通路と手稲区役所等とを結ぶスカイウエーの設置につきましては,当該開発者において整備することで内諾を得たことから,この機会を逃さず,建設省所管の優良建築物等整備事業などを導入し,その実現を図っていきたいと考えているところであります。私からは以上です。
○議長(見延順章君) 土榮交通事業管理者。
◎交通事業管理者(土榮勝司君) 私から,交通事業についてのご質問にお答えいたします。
第1点目の経営方針と将来の交通事業の目標についてでございます。
まず,経営方針につきましては,職員の意識改革の一環として,昨年来,経営理念を定め,当面の目標を,第1に利用者のニーズを的確に把握する,第2に信頼にこたえ得るサービスを提供する,第3に利用の拡大を図ることといたしまして,企業職員としての自覚を促すとともに,職場の活性化を図り,職員が一丸となって経営の健全化に当たる考えであり,現在,着実に当面の目標について実行しているところでございます。
また,交通事業の将来の目標についてでございますが,今後とも
市民生活を支える市営交通機関であり続けるために,ご質問にもございましたとおり,公営企業として健全な経営を確立し,市民の信頼にこたえ得る事業経営に心がけてまいりたいと考えております。
第2点目の利用者サービスの向上についてでございますが,市民の皆さんの信頼を得,また,支持を受けるためには,常に時代に合ったサービスを市民の皆さんに提供する必要があり,それが経営の基本であると認識をいたしております。
こうした観点から,交通局におきましては,ご利用者から寄せられましたさまざまなご意見や要望を集約,整理をいたしまして,次の事業展開に生かすことを目的としたサービス向上プロジェクトを7月に発足をさせ,ご利用者の声を大切にした対応をすべく,現在,サービス面の強化に積極的に取り組んでいるところでございます。こうした取組みが,結果として乗客増につながるものと確信をしているところであります。以上でございます。
○議長(見延順章君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 私から,教育問題と手稲区の諸問題のうち児童会館にかかわるご質問についてお答えをいたします。
1点目の学校図書館の充実施策についてであります。
まず,文部省の学校図書館整備5か年計画は,学校教育における学校図書館の重要性をこれまで以上に明確に示したものと受けとめ,市教委といたしましては,学校図書館を児童・生徒がみずから学ぶ力を育てる学習センター,あるいは情報センターとしての役割を担うものと位置づけております。
文部省の示している数量基準は,全国学校図書館協議会蔵書基準とほぼ同一のものであり,本市はこれまでこの基準に沿って整備を行なってきております。また,学年や学級が一斉に使用する図書につきましては,別に市内49の拠点校に重点的に配備し,各学校に貸し出して共同で利用できる本市独自のシステムを設けておりまして,学校図書の有効活用を図ってきているところであります。
いずれにいたしましても,今後も計画的に整備充実を図ってまいりたいと考えております。さらに,学校図書館の図書資料を積極的に学習に活用するための実践研究についても,鋭意進めてまいりたいと考えております。
次に,司書教諭の配置についてでありますが,これは国及び道の所管であることから,北海道都市教育委員会連絡協議会を通じて,これまでも北海道教育委員会並びに国に対して要望しているところであり,ことしも重ねて要望活動を続けているところでございます。
2点目の登校拒否問題についてであります。
まず,本市における平成5年度の登校拒否児童・生徒の実態とその推移でございますが,平成5年度の登校拒否児童・生徒の実態につきましては,学校嫌いを理由に年間30日以上欠席した児童・生徒数は,小学校は全児童の0.16%に当たる187人,中学校は全生徒数の0.94%に当たる609人,合わせて796人となっております。前年度に比べますと,小学校では25名,0.02%の増加となり,中学校では逆に33名,0.03%の減少となっております。これを全国の出現率,小学校0.17%,中学校1.24%と比較いたしますと,本市の場合,小学校・中学校とも低い数値を示しております。
次に,登校拒否問題に対する認識と今後の対策についてでございますが,登校拒否は,ただ単に学校だけではなく,家庭や社会,本人にかかわる要因が複雑に絡み合って起こっており,一度登校拒否状態に陥ると長期化するなど,対応の難しさを実感しております。しかしながら,児童・生徒が存在感や充実感を味わえるような学校づくりに努めていくことが,何よりも登校拒否を未然に防ぐための基本であると認識しております。
市教委といたしましては,これまで学校に対して指導資料の配付や通知等による指導・助言,教員研修の開催や学校研究委託の実施,相談員制度の充実等に努めてきたところであります。また,平成3年度には月寒中学校に相談指導学級を設置し,本年9月には新琴似小学校に二つ目の学級を開設し,登校拒否児童・生徒が学校へ復帰できるよう努めているところでございます。
今後とも,各学校においては教員の資質向上はもとより,家庭及び関係機関との連携を図りながら,早期発見・早期対応に向けて全教師が一致協力して当たる校内体制を確立するよう,よりきめ細かな指導・助言をしてまいりたいと,このように考えております。
3点目のフリースタイルスキーの振興についてお答えをいたします。
最初に,指導者の確保と選手の育成・強化についてでございますが,本市出資の財団法人原田冬季スポーツ振興会では,指導者の海外研修に助成しており,昨年度はフリースタイルスキーの指導者が派遣され,研さんを積んでいると伺っております。
また,今後の普及振興を図るために,札幌フリースタイルスキー少年団に対し,本市が助成を行なっている札幌市スポーツ少年団へ加入するよう働きかけるなど,側面から支援をしてまいりたいと,このように考えております。
次に,フリースタイルスキーの全国あるいは国際大会の誘致・開催及びウオータージャンプ台の建設の2件につきましては,札幌スキー連盟等関係団体の意向,並びに競技人口の推移及び既存の施設の状況等を踏まえながら,今後,調査検討を進めてまいりたい,このように考えております。
最後に,新陵中学校区の児童会館整備についてでございますが,児童会館の役割につきましては,ご指摘のとおり大変重要なことと認識しておりますので,その整備に当たっては,児童の日常生活圏にある身近な施設として,1中学校区に1児童会館を基本に整備を進めております。
ご質問の新陵中学校区につきましても,区と十分協議をいたし,今5年計画の中で整備を進めてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。
(澤木繁成君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(見延順章君) 澤木繁成君。
◆澤木繁成君 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
すなわち,ただいま議題とされております議案18件のうち,平成5年度の決算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部決算特別委員会及び委員35人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ただいまの澤木議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案18件のうち,平成5年度の決算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部決算特別委員会及び委員35人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
〔付託表は巻末資料に掲載〕
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○議長(見延順章君) ここで,日程に追加いたしまして,ただいま設置されました第一部及び第二部決算特別委員会の委員の選任を議題といたします。
本件につきましては,委員会条例第5条第1項の規定により,当職からお諮りをいたします。
各位のお手元に配付の委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお,第一部及び第二部決算特別委員会における発言のための委員の交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行なっていただくことといたします。
〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕
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○議長(見延順章君) さらに,日程に追加いたしまして,第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任を議題といたします。
(澤木繁成君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(見延順章君) 澤木繁成君。
◆澤木繁成君 第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任につきまして,指名推選の動議を提出いたします。
すなわち,第一部決算特別委員長に武市憲一君を,第二部決算特別委員長に荒川尚次君を,それぞれ選任することを求める動議であります。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ただいまの澤木議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,第一部決算特別委員長に武市憲一君が,第二部決算特別委員長に荒川尚次君がそれぞれ選任されました。
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○議長(見延順章君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,明10月6日は委員会審査等のため休会とし,10月7日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後4時24分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 伊 与 部 敏 雄
署名議員 水 由 正 美
署名議員 佐 藤 寿 雄...