交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 小 谷 勝 也 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 松 崎 誠 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 前 田 悦 雄 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員長 牧 口 準 市 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 杉 本 強 君
選挙管理委員会委員 大 橋 八 郎 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 東 山 誠 君
─────────────────
〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 木 村 正 実 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
─────────────────
〔午後1時開会〕
○議長(
見延順章君) ただいまから,本日をもって招集されました平成6年第3回
札幌市議会定例会を開会し,直ちに本日の会議を開きます。
─────────────────
○議長(
見延順章君)
出席議員数は,66人であります。
─────────────────
○議長(
見延順章君) 本日の
会議録署名議員として藤原廣昭君,柴田薫心君を指名します。
─────────────────
○議長(
見延順章君) ここに,謹んでご報告をいたします。
本
市議会議員 滝沢 隆君は,去る9月19日,病のため急逝されました。
まことに痛惜哀悼のきわみであります。
ここに,故滝沢 隆君の逝去を悼み,弔意を表するため,黙祷をささげることといたします。
議場内におられる皆様のご起立をお願いいたします。
(起立)
○議長(
見延順章君) 黙祷。
(黙祷)
○議長(
見延順章君) 黙祷を終わります。
ご着席を願います。
(着席)
○議長(
見延順章君) ここで,故滝沢 隆君に対し,
議員一同を代表して,
越智健一君から追悼の演説があります。
なお,ご遺族が
特別傍聴席においでになっておりますことを申し添えます。
越智健一君。
(
越智健一君登壇)
◆
越智健一君 私は,ただいまから
札幌市議会同僚議員を代表いたしまして,
札幌市議会議員故滝沢 隆殿のみたまに対し,謹んで追悼の言葉をささげます。
記録的な猛暑の夏を過ごし,秋の深まりの中で,平成6年第3回
定例市議会がただいま開会されました。
今任期最後の
決算審議に臨み,いまだかつてない厳しい
社会経済状況にあって,市民の負託にこたえ,
市民福祉の増進を図るため,本市議会には来たるべき21世紀に向けて確固たる道筋をつけるべく,将来を見通した真剣な論議が求められているのであります。
しかし,この重要な本会議場に,滝沢 隆議員,あなたの温容あふるるお姿を見ることができません。まことに痛恨きわまりない悲しみであり,その寂しさは言葉で言い尽くすことができません。
去る9月19日の明け方,夜半からの雨が静かに降り続く中で,あなたはご家族を初め多くの人々の心からの願いもむなしく,ついに長逝されました。余りにも突然の訃報に,私
ども同僚議員は人生無情のはかなさをあらためて感じ,深い悲しみに包まれているのであります。
思えば,あなたは昭和4年,樺太知取町において生をうけ,昭和20年に樺太知取工業を卒業後,昭和26年に電電公社に奉職されました。あなたの至誠温厚な人柄は職場において信望を集め,
全電通札幌市外電話局分会の書記長や
執行委員長などを歴任し,働く者の権利の向上に多大な貢献をされました。
昭和46年には,多くの職場の仲間や地域住民の信頼と期待を一身に担い,
本市市議会議員に初当選されました。以来,
常任委員長あるいは
特別委員長を初め,
議会運営副委員長,
議会選出各種委員など,6期24年にわたり数々の要職を歴任されました。その高い識見と豊かな経験による卓越した指導力が衆目の一致するところとなり,昭和62年には,第24代の
札幌市議会副議長に就任されたのでありました。
在任中の平成元年第1回定例会では,消費税の導入に伴う激しい論議が巻き起こり,本市議会では異例の会期延長が行われるなど,
議会運営も困難をきわめました。こうした中にあって,本市議会の長い伝統である議会の民主的な運営と
市民福祉の向上のため,議長を補佐しながら,難しい会派の調整に奔走し,その重責を全うされたのであります。
そして,昨年11月には,地方自治の発展に対するすぐれた功績が認められ,藍綬褒章を受賞されたことなども記憶に新しく,その議会人としての活躍は,
札幌市政の上にさん然と輝いております。
私は,そのようなあなたと時期を同じくして市政に参画し得ましたことを,心から誇りに思うものであります。
とりわけ,福祉の問題に強い関心を抱いておりました私にとりまして,あなたが常に弱者の立場に立ち,
議会活動の多くを高齢者問題,保育所問題などに費やしていらしたお姿に深く共感しておりました。昭和48年12月には,私とあなたが順に代表質問を行なったことなども,懐かしい思い出となってしまいました。この演壇において,数多くの才知あふれる意見を開陳するあなたのお姿がいまもほうふつとして目に浮かぶのは,私ばかりではないものと存じます。
私の
議会運営委員長時代にも,あなたは副委員長として指導力,統率力を発揮される一方で,深い包容力を示され,円滑な
委員会運営にお力添えをいただいたことなど,いまあらためて感謝の念を深くしているところであります。
藍綬褒章受賞をお祝いする会でのごあいさつでも,高齢者問題に取り組む決意を述べられるなど,今後も市政の発展,特に地域格差のない
まちづくりの実現に向け,情熱を傾けておられたやさきの急逝でありました。10月14日には,あなたの地元に東豊線の延長部分が開通いたします。それを見ぬままに65歳の若さで人生を終えるとは,さぞかし無念であったことでありましょう。
そしていま,あなたのお姿なき議席を目の当たりにするとき,われわれの悲しみはさらに深く,痛惜の念耐えがたきものを覚えるのであります。
本市はいま,
高齢化社会の到来,地方分権の推進,地球環境問題とのかかわりなど,多岐にわたって難問題を抱え,昨今の厳しい社会情勢は決して予断を許さない状況にあります。しかし,いかに困難な時代にあっても,
市民福祉の後退は決して許されず,私
ども議会の果たすべき使命も,さらに重みを増しているのであります。
この最も重大なときに当たり,周囲に惑わされることなく市民の立場に立ち,終始一貫毅然たる態度をもっておのれの信ずる道を歩み,行動されたあなたを失った損失は,はかり知れないものがあります。いまや,再びあなたのけいがいに接することはかないませんが,
札幌市議会は,あなたのご遺志を受け継ぎ,市政発展のため全力を傾注することを,この本会議場において厳粛にお誓い申し上げるものであります。
強い個性の持ち主であったにもかかわらず,党派を超えて,だれからも滝さんの愛称で親しまれたあなたは,だれよりも郷土を愛し,だれよりも緑豊かな札幌の建設に情熱を燃やした人でありました。滝さん,願わくば,在天の光となり,
札幌市民と
札幌市議会のために,未来永劫ご加護を賜りますようにこいねがい,ただひたすらにご冥福をお祈り申し上げて追悼の言葉といたします。
─────────────────
○議長(
見延順章君) それでは,ここで
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
赤田 司議員及び
上瀬戸正則議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,それぞれ届出がございました。
去る9月6日
人事委員会委員長から,職員の給与に関する報告及び勧告が提出されましたので,その写しを各
議員控室に配付いたしました。
市長から,法人の
経営状況説明書が,また,
監査委員から,監査報告15件がそれぞれ提出されましたので,各
議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程及び請願・
陳情受理付託一覧表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
─────────────────
○議長(
見延順章君) これより議事に入ります。
日程第1,会期の件を議題といたします。
(
澤木繁成君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
見延順章君)
澤木繁成君。
◆
澤木繁成君 会期設定の動議を提出いたします。
すなわち,本定例会の会期を本日から10月26日までの30日間とすることを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
見延順章君) ただいまの
澤木議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,本定例会の会期は,本日から10月26日までの30日間と決定されました。
─────────────────
○議長(
見延順章君) 次に,日程第2,議案第1号から第22号までの22件を一括議題といたします。
議案第1号から第19号までの19件は市長の提出によるものであり,議案第20号から第22号までの3件は
共産党所属議員全員の提出によるものであります。
まず,議案第1号から第19号までの19件の提案説明を求めます。桂市長。
(市長桂 信雄君登壇)
◎市長(桂信雄君) ただいま上程をされました諸案件につきまして,逐次,提案の趣旨とその概要をご説明申し上げます。
まず,平成5年度各
会計決算につきまして,その概要をご説明申し上げます。
平成5年度は,第2次5年計画の2年次目に当たり,この計画に盛り込まれた事業を着実に推進し,軌道に乗せる重要な年であり,また,市民の皆さんとともに個性的で活力と魅力に満ちた躍動都市さっぽろの実現を図るため,一段と厳しい
経済環境のもと,
社会福祉の充実と実効性のある
景気対策の実施,さらには重要課題の確実な推進などに配慮いたしまして,六つの施策を柱に予算編成を行いました。
特に,
景気対策につきましては,当初予算に加え,国の
経済対策に関連して補正予算を3次にわたって編成し,生活に密着した
公共事業の追加や
中小企業のための
金融対策の拡大を図るなど,平成4年度に引き続いて積極的に景気回復に取り組んだところであります。
この執行に当たりましては,収入につきましては,予算に計上されました歳入の完全な確保に努めますとともに,支出につきましては,事業の早期発注にも配慮しつつ,事業の
年度内完全執行を目標といたしまして,周到な計画のもとに,最小の経費で最大の効果を上げるよう努めたところであります。
この結果,各会計とも予算計上の事業をほぼ完全に執行し,所期の目的を達成することができたと考えております。
しかしながら,景気低迷の影響により,市税が現行の
地方税制度ができて以来最低の伸び率にとどまり,2年連続して
減収補てん債の発行を余儀なくされる一方,
国民健康保険事業や
交通事業の
健全化対策などの課題も多く,
財政環境はかつてない厳しい状況にありまして,今後の
財政運営に当たりましては,思い切った事業の見直しによる行政の効率化や限られた財源の効果的な投入など,より一層の努力が必要であると考えております。
次に,主要事項の執行結果につきまして,六つの施策の柱に従いまして,その概要をご説明申し上げます。
第1に,
すこやかサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,
社会福祉の充実につきましては,
高齢者対策として,保健・
福祉サービスの具体的な目標量を定める
高齢者保健福祉計画を策定するとともに,
ホームヘルプサービス事業につきまして,
在宅介護支援センターを新たに1ヵ所開設するなど,
在宅福祉の充実を図りました。また,新たに在宅の
寝たきり高齢者に対する
歯科訪問診査を実施するとともに,屯田西など6ヵ所の
デイサービスセンターの増設を行い,このうち3ヵ所で痴呆性の
高齢者専用の
デイサービス事業を開始しました。さらに,
特別養護老人ホーム1ヵ所及び
ケアハウス2ヵ所の
新築費補助を行うとともに,札幌市稲寿園を改築したほか,市内で8番目の
老人福祉センターを東区に建設しました。
次に,
障害者福祉施策として,
心身障害者の
小規模授産施設運営費補助金を引き続き大幅に増額するとともに,市内で初めての
身体障害者福祉工場の新築に対して補助を行なったほか,福祉の
街づくり環境整備事業として,地下鉄駅へのエレベーターの設置,公園内の
身体障害者用トイレの設置などを着実に進め,障害者の方々が安心して快適な生活が送れるような
環境づくりを推進しました。
さらに,
児童福祉の総合的な施設として,
児童相談所に
精神薄弱児通園施設などを併設した
児童福祉総合センターを平成5年11月に開設するとともに,
精神薄弱者更生施設や
私立保育所の新築に対して補助を行いました。
次に,保健・医療体制の充実につきましては,市民の
健康づくりの
拠点施設として
中央健康づくりセンターを平成5年9月に開設しました。また,
市立札幌病院本院の
移転新築工事を平成7年度の完成に向けて引き続き行うとともに,静療院の
一般精神病棟について,
デイケア部門や
身体合併症病棟などを整備するための設計を行なったほか,
老人性痴呆疾患対策のための
専門治療病棟を新築しました。さらに,道内唯一の
救急救命士養成所を開設したほか,
市立札幌病院に
救命救急センターを設置しました。
次に,快適な住宅や宅地環境の整備につきましては,継続分も含め1,050戸の
市営住宅の建設を行うとともに,
中間所得階層に良質で低廉な住宅の供給を図るため,
特定優良賃貸住宅供給事業として,新たに
家賃補助を行いました。
次に,防災体制の充実につきましては,
消防力強化のため,西消防署を移転新築するとともに,
消防科学研究所を開設したほか,
消防ポンプ車と
資材搬送車を効率的に運用する
消防シグマシステムを引き続き導入し,全消防署に整備しました。
第2に,いきいきサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,産業の活性化と
中小企業対策につきましては,
景気対策として
中小企業金融対策資金貸付金を大幅に増額するとともに,商店街の魅力を高めるためのイベントなどに対して引き続き補助を行いました。また,高度な技術を習得するために
中小企業が行う
技術者派遣研修に対して新たに助成を行うとともに,異業種交流を推進するための助成や
経営体質強化のための講師派遣を引き続き行うなど,地場産業の振興に努めました。
次に,工業の振興につきましては,
新川地区工業団地の
造成事業を継続して行うとともに,
東雁来地区などで新たに工業団地を造成するための調査を行いました。
次に,観光の振興につきましては,
観光客誘致キャンペーン活動を拡大し,それまでの東京に加えて大阪でも行なったほか,
札幌都市圏の各市町村と連携し,住民の余暇意識と
観光レクリエーションに関する実態調査を実施しました。
次に,農業の振興につきましては,農業や自然とふれ合う緑地空間と新たな
都市型農業を支援するための拠点を創出する
札幌里づくり事業の第1期事業として,平成7年のオープンを目指し,
センターハウスや
農業指導センターの建設などを行いました。
第3に,
おおらかサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,
学校教育の充実につきましては,
小・中学校3校の新築を初め,継続分を含めて
小・中学校13校の増築及び4校の改築を実施したほか,格技場,
学校プールなどの整備を実施し,さらに,
高等専門学校につきまして,学生会館を建設するとともに,専攻科を設置するための基本設計を行いました。
次に,
社会教育の充実につきましては,
児童会館の100
館構想達成に向けて,改築1館を含む6館の建設を行うとともに,大規模な
野外教育施設となるワイルトピアの建設に向けての基本計画の策定を行なったほか,自然との
ふれ合い体験学習の場となる
北方自然教育園野外教室の改築のための設計を行いました。さらに,
青少年科学館につきまして,環境系・生命系分野の導入整備に向けての基本設計を行なったほか,円山動物園の充実を図るため,熱帯鳥類館の建設設計を行いました。
次に,芸術文化の振興につきましては,平成9年夏の完成を目指して,質の高い音楽活動が期待されている音楽専用ホールの建設に向けての設計を行うとともに,札幌芸術の森をより充実させるため,アートホールの増築などの第3期工事に着手したほか,写真ライブラリーをサッポロファクトリー内に開設しました。
次に,スポーツ・レクリエーションの充実につきましては,大倉山ジャンプ台について,FIS公認基準に適合させるための基本調査を実施するとともに,競技場周辺を魅力あるゾーンとして整備するための大倉山再整備構想を策定しました。また,四季を通じてスポーツを楽しめる全天候型施設であるコミュニティドームを東区栄町地区に建設するための基本計画の策定を行なったほか,西区農試公園内に工事を進めていた屋内広場を平成5年12月に開設しました。さらに,手稲区で市内で6番目となる屋内温水プールの建設工事に着手しました。
第4に,うるおいサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,廃棄物処理対策につきましては,1人1日100グラムからのごみ減量を呼びかけるさっぽろダイエット運動を推進するとともに,生ごみの減量のために引き続き家庭用コンポスト容器購入に対する助成を行なったほか,家庭系ごみの収集を2分別から3分別に細分化し,市民・事業者・行政が一体となったごみの減量に一層努めました。また,事業系ごみの減量とリサイクルを促進するリサイクル団地の造成調査を行うとともに,企業の自主的なごみ減量を支援するさっぽろダイエット推進事業所登録制度を創設しました。さらに,老朽化した中沼処理場にかわるし尿処理施設として,下水投入による処理を行う手稲クリーンセンターの建設に着手しました。
次に,環境保全の推進につきましては,自動車公害防止対策として,大型ディーゼル車の最新規制適合車購入資金の貸付けを引き続き行なったほか,環境情報の提供を充実させるため,街頭表示装置の更新を行いました。
次に,都市緑化の推進につきましては,街区公園等を地域の特性に合った魅力ある個性的な公園として再生させる個性あふれる公園整備事業に着手しました。
次に,雪対策の推進につきましては,坂道ヒーティングについて,新たに補助幹線道路150ヵ所の整備に着手することとし,平成5年度は,40ヵ所の整備を行いました。また,発寒流雪溝及び発寒融雪槽の整備を引き続き行なったほか,新たに琴似流雪溝の整備に着手するなど,雪対策施設の充実を図りました。さらに,マルチゾーン除雪を新たに18ヵ所で実施して,除雪体制の一層の効率化を図るなど,冬の生活環境の向上に努めました。
次に,都市交通基盤の整備につきましては,地下鉄東豊線の延長工事を平成6年10月の開業に向けて引き続き進めるとともに,地下鉄東西線延長のための調査を行いました。また,JR札沼線の八軒駅からあいの里教育大駅までの複線化及び一部高架化を図るための事業に対する負担を行なったほか,都心交通対策の一環として,新たに駐車場の位置や空き情報等を提供する駐車場案内システムを整備しました。さらに,真駒内パーク・アンド・ライド駐車場の整備や中島公園の再整備構想を進めるなど,地下鉄需要喚起策を推進しました。
このほか,生活環境基盤の整備として,引き続き都市基盤施設である上下水道,道路などの整備を積極的に推進しました。
第5に,ふれあいサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,国際交流の推進につきましては,風格ある国際都市を目指して,JICA国際研修センターを中心とした国際交流研修エリアを白石区に整備するため,中核施設となる国際交流施設や職員研修所などの設計と用地の測量を行いました。
次に,芸術文化等のイベントの推進につきましては,パシフィック・ミュージック・フェスティバル1993を開催したほか,'93札幌国際見本市に参画しました。また,第2回目の札幌国際デザイン賞を募集したほか,2002年に開催されるワールドカップサッカーの招致活動のための負担を行いました。
次に,市街地整備の促進につきましては,再開発事業では,継続している4地区に加えて,新たに地下鉄福住駅地区及びJR桑園駅北口地区に対して助成を行いました。また,土地区画整理事業では,新たに手稲東地区など3地区の調査を行うとともに,組合施行の地区を含めて15地区について継続して事業を実施しました。さらに,大通北線など7路線において電線類地中化の整備を行うとともに,南4条の市電架線のセンターポール化に着手したほか,地下における歩行者空間の整備と総合的な地下利用についての基本計画の策定に着手しました。
第6に,みんなのサッポロの実現のための施策の成果であります。
まず,地域活性化の推進につきましては,それぞれの区の特性を生かした
まちづくりを一層進めるため,引き続き区のふれあい街づくり事業を実施するとともに,コミュニティ施設の整備として,厚別西地区センターを平成5年11月に開設したほか,西消防署と併設のはっさむ地区センター及び栄地区センタこの建設を行いました。さらに,連絡所・地区会館につきましては,円山地区を全面改築したほか,八軒中央地区の新設,富丘西宮の沢地区の移設を行いました。
次に,市民参加の推進につきましては,市民の企画による市民参加型イベントとして各世代が交流し合う,さっぽろふれあい事業を実施しました。また,国際先住民年記念事業として,アイヌ民族特別事業を行いました。
次に,女性の社会参加の促進につきましては,男女の共同参画型社会を目指すさっぽろ計画を策定するとともに,働く女性を支援するため,延長保育を行う保育所を2ヵ所ふやし,あわせてそこで早朝の時間延長を新規に実施しました。
以上,平成5年度各会計の事業執行の概要につきまして申し上げましたが,議案第1号から第7号までの各
会計決算につきましては,決算書のほかに歳入歳出事項別明細書,決算説明書その他の決算に関する書類及び
監査委員審査意見書を添付いたしており,また,継続事業年度が終了した継続費につきましては,報告第1号及び報告第2号の精算報告書をあわせて提出いたしておりますので,詳細につきましては,これらを対照,検討の上,ご認定をいただきたいと存じます。
以上で,各
会計決算の説明を終わりまして,次に,その他の諸案件の説明に入らせていただきたいと存じます。
まず,議案第8号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案は,北区,東区及び厚別区に地区センターを設置することに伴い,それぞれその名称及び位置を定めるものであります。
なお,これらの地区センターにつきましては,本年11月下旬から明年3月上旬にかけて逐次開館する予定であります。
次に,議案第9号 札幌市
保健所設置条例及び札幌市
保健所運営協議会条例の一部を改正する条例案は,保健所法が改正され,その題名が地域保健法に改められたこと等に伴い,関係する2条例につきまして,所要の規定整備を行うものであります。
次に,議案第10号は,
市立札幌病院使用料及び
手数料条例の一部を改正する条例案であります。
これは,入院時食事療養費制度の創設などを内容とした健康保険法等の一部改正に基づき,新たに入院時の食事療養に要する費用の額を定めた厚生省告示が制定され,本年10月1日から実施されることに伴い,法令の適用を受けない診療等にかかわる食事療養に関して所要の規定整備を行うものであります。
次に,議案第11号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する条例案は,手稲区に手稲曙温水プールを設置することに伴い,その名称及び位置を定めるものであります。
なお,この温水プールは,本年11月中旬に開設する予定であります。
次に,議案第12号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案は,中央区円山西町8丁目ほか4地区に児童会館を新設することに伴い,それぞれその名称及び位置を定めるものであります。
なお,これらの
児童会館につきましては,本年12月中旬から明年3月中旬にかけて逐次開館する予定であります。
次に,議案第13号から第15号までは,いずれも
工事請負契約締結の件であります。
まず,議案第13号は,札幌駅北口地下施設の新設にかかわる土木主体工事でありますが,これは,札幌駅北口広場総合整備事業として,札幌駅北口に地下駐車場,地下歩道及び都心北融雪槽を整備するものでありまして,これらの施設の総施工面積約2万2,000平方メートルのうち,5,000平方メートルを施工するものであります。
次に,議案第14号及び議案第15号は,公営住宅富丘高台団地2棟の新築にかかわる主体工事でありまして,総戸数132戸,総延べ面積1万2,224平方メートルであります。
以上3件の工事請負契約につきましては,地方自治法施行令第167条の規定により,指名競争入札を行いましたところ,各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので,このたび,それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
次に,議案第16号及び議案第17号は,財産の取得の件であります。
これらは,山本処理場用地及び山口処理場用地並びに
新川地区工業団地造成事業用地を取得しようとするものであります。
このほか,議案第18号及び議案第19号につきましては,議案末尾に記載の理由によりご了解をいただけるものと存じますので,説明を省略させていただきます。
なお,報告第3号は,調停にかかわる専決処分の報告であります。
以上で,ただいま上程をされました各案件の説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
見延順章君) 次に,議案第20号から第22号までの3件の提案説明を求めます。横山博子君。
(横山博子君登壇)
◎横山博子君 私は,ただいまから,私ほか8名の日本共産党所属議員が共同して提出いたしました議案第20号 札幌市
高齢者等住宅改造費助成条例案,議案第21号 札幌市
福祉住宅条例案及び議案第22号 札幌市
民間賃貸住宅家賃等助成条例案について,この提案の趣旨を説明いたします。
まず,議案第20号 札幌市
高齢者等住宅改造費助成条例案についてであります。
この条例は,介助を必要とする高齢者,障害者に対して,新築,改築を除外した住宅改造に要する費用を助成しようとするものです。
具体的に申しますと,60歳以上の高齢者で介護を必要とする人及び1級から3級に該当する障害者に,住宅の改造費用の一部または全部について助成を行おうとするものですが,次に,この条例案の提出に至る背景について述べさせていただきます。
本市建築局住宅部が8月に発表した住宅基本計画の中でも,高齢者特有の身体機能の低下や車いす使用に伴い,住宅の階段,浴室,トイレなどの性能が不備であったり,周辺の利用施設が不十分な状況にあり,自立した社会生活を続けることが難しくなっているとして,高齢者が住みやすい住宅と住環境の整備普及を図る必要がある。また,障害者の住宅問題でも,これまで住宅は健康な人を対象としてきたため,障害を持ったときには改造する場合が多い。一般的に,障害者の住宅の改造では大きな経済的負担がある。
高齢者対策と同様に,経済的,そして技術的な援助の拡充が今後の課題となると指摘しています。
高齢者や障害者にとって,自立した生活ができる居住水準の確保と,安全,快適さを配慮した住宅が必要になっており,そのための公的な支援がいま急がれていると考えます。
東京都江戸川区では4年前から,60歳以上の高齢者及び身体障害者手帳の交付を受けている方で日常生活で介助が必要な場合,車いすを使っても暮らせるように住まいを改造する費用を全額助成する住宅改造助成が実施されております。この間の実績を見ますと,最高助成額は392万円余で,この制度は大いに喜ばれ利用されています。
私も江戸川区の視察の折,実際に改造したお宅を見せていただきました。脳梗塞で倒れた夫を妻が介護しているお宅で,手すりをつけ,段差を解消し,トイレ,浴室,玄関の改造を行い,車いすで玄関に取りつけられた昇降機で自力で外出できるようになりました。室内でも,ある程度は自分の力で用を足すことができるようになったと,生き生きと話していました。どんな障害を持っていても,できるだけ人の世話にならずに生活したいというのが,多くの人々の願いであり,住環境を整備することで,寝たきりにならずに自立した快適な生活を送ることができるのです。
今日,多様な日常生活補助具が開発されており,住宅改造で,よりこれらの生活用具の有効利用も促進できます。
体が不自由になっても,住みなれた家を離れずに暮らしたい,自立した生活を送りたいという多くの人々の願いにこたえて,住宅改造に対する助成制度を本市においても急いで実施すべきと考えます。
今回の私どもの提案にかかわる対象世帯数や,それに伴う予算額等については,当局に実態を掌握した関連資料が整っていないこともあり,正確な推計は困難ではありますが,寝たきり実態調査で,今年度の65歳以上の寝たきりの高齢者と推計された1,480人中,6ヵ月以上臥床状態にあることを条件とされている道の介護手当の受給者が437人と推定されていることから,この差引きによる1,043人が介助を必要とする高齢者であり,住宅改造の対象世帯のベースになると思われます。
なお,住宅改造の中枢を占めると思われる持ち家に居住する高齢者関連世帯の割合は,約7割と推計されております。
また,本市の高齢者世帯の住宅調査では,住宅改善計画を持っている,あるいは考慮中と答えた割合は13.3%であります。
障害者については,身障1級から3級までの肢体不自由児・者が約1万8,000人となっております。
所得制限なしで持ち家に限定し,60歳以上の高齢者及び障害者に住宅改造費用を助成している人口58万人の東京都江戸川区の場合,助成実績は年間約500件,助成額の平均は64万円,年間予算は約3億円ということでありますから,本市でほぼ同様の制度を実施した場合,人口規模からいっても10億円程度で済むのではないかと考えます。
なお,条例案にも明らかでありますが,私どもは,大家さんの了解をとれることを条件に,借家の改造も対象としております。
また,市長に規則の規定をゆだねた助成限度額は,300万円程度が適当と考えるものであります。
次に,議案第21号の札幌市
福祉住宅条例案及び議案第22号の
札幌市民間賃貸住宅等助成条例案は,いずれも昨年の第3回定例会に提案したものの再提出でございますので,ポイント部分に絞って簡潔にその内容を説明いたします。
まず,
福祉住宅条例案でありますが,これは札幌市が民間の共同住宅を借り上げる形で,高齢者や障害者のための福祉住宅を確保し,関係市民に低家賃で供給しようというものであります。
次に,民間賃貸住宅家賃等助成条例は,民間の賃貸住宅の建てかえ等を理由に立退きを迫られ,転居先の住宅を確保するための経済的負担に困窮している高齢者世帯や障害者世帯に,新旧家賃の差額と転居費用などを助成しようとするものであります。
この二つの条例は,いずれも所得制限を設けて,低所得の方々に限って援助の手を差し伸べようとするものであります。
今回,私どもが新たに提案した住宅改造費助成条例とあわせて,福祉住宅条例,家賃助成条例を再提案したのは,高齢者や障害者のための住宅対策がきわめて立ちおくれている中で,この三つの条例をセットで実現することが,市民の願いにこたえるものと考えるからであります。
市営住宅での対応とあわせて,これら高齢者,障害者への住宅施策の展開こそ,本市住宅対策協議会の答申に盛り込まれた施策であり,これにこたえて3年前に作成された本市高齢者住宅計画でも,緊急かつ重点対策として打ち出されているものであり,高齢者福祉を重点公約とされた桂市長に,その実現を迫るのは当然のことであります。
同僚議員各位のご理解とご賛同をお願いして,提案説明を終わります。(拍手)
○議長(
見延順章君) お諮りします。
ただいま説明のありました議案22件のうち,議案第1号から第9号まで,議案第11号,議案第12号及び議案第16号から第22号までの18件につきましては,議事の都合上,その議事を延期することとし,議案第10号及び議案第13号から第15号までの4件につきましては,これよりその議事を続行いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
これより,議案第10号及び議案第13号から第15号までの4件に対する質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)