札幌市議会 1994-06-07
平成 6年第 2回定例会−06月07日-04号
平成 6年第 2回定例会−06月07日-04号平成 6年第 2回定例会
平成6年 第2回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 4 号 )
平成6年6月7日(火曜日)
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〇
議事日程(第4号)
開議日時 6月7日 午後1時
第1 議案第3号から第9号まで,議案第12号から第18号まで及び諮問第1号(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第3号 平成6年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)
議案第4号 平成6年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第2号)
議案第5号
専決処分承認の件(
一般会計予算の補正)
議案第6号 札幌市
選挙公報発行条例等の一部を改正する条例案
議案第7号 札幌市
恩給条例等の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
道路附属物自動車駐車場条例案
議案第9号 札幌市
交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第12号 財産の取得の件(
保養センター駒岡用地)
議案第13号 財産の取得の件(
バスターミナル施設等建物)
議案第14号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第15号 財産の処分の件(
工業団地用地)
議案第16号 町の区域を新たに画し,及び変更する件
議案第17号
札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第18号 市道の認定,変更及び廃止の件
諮問第1号 鉄道線路の道路への敷設についての意見に関する件
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〇
出席議員(70人)
議 長 見 延 順 章 君
副 議 長 伊与部 敏 雄 君
議 員 藤 原 廣 昭 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 井 上 ひさ子 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 滝 沢 隆 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇
欠席議員(1人)
議 員 常 見 寿 夫 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 木 戸 喜一郎 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 石 原 弘 之 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 松 崎 誠 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 前 田 悦 雄 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 松 村 郁 夫 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 須 合 一 雄 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 東 山 誠 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 木 村 正 実 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
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〔午後1時開議〕
○副議長(伊与部敏雄君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,66人でございます。
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○副議長(伊与部敏雄君) 本日の
会議録署名議員として
澤木繁成君,伊藤知光君を指名いたします。
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○副議長(伊与部敏雄君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
常見寿夫議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,
見延順章議長,
猪熊輝夫議員及び青木 護議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(伊与部敏雄君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第3号から第9号まで,議案第12号から第18号まで及び諮問第1号の15件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,
代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
義卜雄一君。
(
義卜雄一君登壇・拍手)
◆
義卜雄一君 私は,ただいまから
公明党議員団を代表いたしまして,当面する市政の諸問題につきまして質問をいたします。
初めに,人に優しい
交通対策についてお伺いします。
まず1点目は,
マイカーから
公共交通機関への誘導策についてであります。
ことしの
年頭記者会見において,市長は,平成6年度を初年度として,人に優しい
交通対策を積極的に推進し,従来の
車両交通の円滑な処理を中心とした政策から,今後は,
車両交通を適正な水準に誘導しつつ,環境や歩行者などへの配慮を大切にした
交通体系にシフトする政策をとられることを表明されました。
すでに,3月に全
庁関係部局を横断する「札幌市人にやさしい
交通対策事業推進会議」を設置され,4月には
駐車場案内システムがスタート,6月からは
違法駐車等防止条例の施行,さらに,
さわやかノーカーデーの拡充強化などの事業を実施されてきました。
ふえ続ける
自動車交通は,本市の
都市機能を徐々に圧迫し始めており,都心部や冬季間を中心とした
交通渋滞,騒音公害,排気ガスによる大気汚染,歩行者や
ハンディキャップを持つ人々にとって,必ずしも安心して歩ける街になっていないなどという問題が顕在化しつつありますので,わが党としても,このような新たな視点に立っての総合的な
交通対策への取組みは,時宜を得たものとして積極的に評価いたしており,全国的にも先駆的な事例になるものと大いに期待をしております。
しかし,このような事業の推進に当たっては,行政・市民・事業者の一体となった取組みが必要であり,中でも市民に共感を持ってもらうことが最も重要であると私は考えます。
私たちは,
日常生活あるいは
経済活動を行うに当たって車社会の恩恵を数多く享受している一方で,
自動車交通の増大は,先ほど述べましたようにさまざまな弊害を都市の中にもたらしていることも,また事実であります。
実際に,平成2年国勢調査の結果を見ますと,本市では,通勤・通学に
公共交通機関を利用する人が約54%にとどまっているのに対して,待つ必要もなく乗継ぎの面倒もない
マイカーのみ利用の人が約35%に上っております。これを昭和55年国勢調査と比較しましても,
公共交通機関利用者が5.6ポイント低下しているのに対して,
マイカーのみの利用者は5.5ポイント上昇しているとの結果が出ております。こうした傾向は,市民が
マイカーの利便性のみによる判断で選択を続けていく限り,ますます顕著になっていくものと考えるところであります。
したがって,
車両交通を適正な水準に誘導していくためには,市民があらためて
公共交通と
私的交通との分担関係を考え直し,不要不急の
自動車利用を自粛していくような意識の転換が求められると思います。
さらに,
公共交通機関の側が積極的に市民のニーズにこたえ,より快適で便利なものにしていくことが最も重要であると考えます。そのためには,
市営交通を初めとする事業者の不断の努力が不可欠なことは言うまでもありませんが,行政の側の積極的な誘導策も非常に大切であると考えます。
そこで質問でありますが,現在進められている人に優しい
交通対策の中で,市民に
マイカーの利用に対する意識の転換を求め,
公共交通機関を利用してもらうよう誘導する対策について,市長はどのように考えておられるのかお伺いします。
2点目には,
都市交通問題に対する
海外都市での取組みの状況と,本市の進むべき方向についてであります。
人に優しい
交通対策の目指す調和のとれた
交通環境の形成に成功した都市は,いまのところ国内にはないようでありますが,車社会の到来が日本より早かった欧米では,
公共交通機関の充実を図る一方で,
自動車利用の適正化を図るために,すでにさまざまな方策が試みられているようであります。
そこで本市では,将来を見据えた
大都市交通のあり方を調査研究するため,昨年の秋に
欧米先進都市の視察を行なったとのことであり,その報告が新聞記事などで紹介されていました。
私もその報告を読みましたが,それぞれの都市が長い時間をかけてこの
都市交通問題に取り組み,単に人・物の流れの問題としてだけでなく,環境,福祉,都心商業の活性化など多角的な観点から検討し,
まちづくりそのものとしてとらえていることに感銘したところであります。
また,交通問題に対する市民や企業の意識の高さや,コンセンサスの形成に向けて粘り強く努力している点も大変すばらしいと感じました。
たとえば本市の
姉妹都市のポートランド市では,ふえる一方の自動車に押されて1958年に
路面電車を全廃しましたが,その後,高速道路の建設に市民が反対したため,
路面電車を復活させ,都心部の料金を無料化するなどの政策を打ち出し,便利な
公共交通づくりに取り組んでいるとのことです。
また,ミュンヘン市では,郊外の駐車場を充実させ,料金も無料とする一方,都心部の
通過交通を抑制するため
歩行者専用の
ショッピングモールを整備し,自動車がこのモールを横断することを原則として禁止しています。
こうした欧米の
先進都市の取組みは,置かれている歴史や環境が異なり,市民意識も違う本市にそのまま当てはめるわけにはいきませんが,表にあらわれた結果を見習うだけでなく,そこまでに至った経過や努力を含めてよく研究をし,本市の実情に合った施策をじっくりと考えていくのに役立つと思います。
そこで,質問をさせていただきます。
私は,今後,
まちづくりと一体となった
総合交通対策が必要であると考えますが,市長は,
欧米先進都市の実践例をどのように評価し,
都市交通政策において本市のこれから進むべき方向にどのように取り入れていくのかお伺いします。
3点目は,高齢者や
身体障害者など,交通・移動に
ハンディキャップを持つ人たちのための
交通対策についてであります。
高齢化社会の進展や障害者の
社会活動への参加意欲の高まりに伴い,本市においても,いままで以上に高齢者や
身体障害者に優しい
交通サービスが必要になると思うのであります。
先ほど,
欧米先進都市においては,福祉的な観点からも
都市交通問題をとらえていることを指摘しましたが,本市の
都市交通を考える場合も同じように,従来の
健常者中心に健常者の視点から主としてつくられてきた
公共交通システムを福祉的な観点から見直していく必要があると思います。
せっかく敬老パスや
福祉パスなどが交付されても,
交通施設の構造や
運行サービスの不備のために移動につらい思いをしたり,あるいは移動を断念したりしている高齢者や
身体障害者の方は少なくありませんし,また,健常者であっても一時的に病気やけがをしたり,身重の方などは,同じように不便な思いをされていることでしょう。
そこで,お伺いします。
市長が提唱されている人に優しい
交通対策において,高齢者や
身体障害者が安心して生活できるような
まちづくりのために,今後どのような対策を実行していこうとしているのかお伺いしたいと思います。
次に,
痴呆性老人対策についてお伺いをします。
いま,わが国は,急な坂道を転げ落ちるようなスピードでこれまで経験したことのない
高齢化社会への道を歩んでおり,各自治体は
高齢化対策への施策の策定及び実施が急務となっていることはご承知のとおりであり,本市においても同様の状況下にあることは,言をまたないところであります。
国の統計によりますと,現在,わが国の65歳以上の人口は1,689万人で,総人口の13.5%を占めておりますが,西暦2000年には人口の17%に達し,さらに急増することが推測されております。このような中で,国は,
高齢者保健福祉推進十か年戦略,いわゆる
ゴールドプランを策定し,
高齢者福祉の基盤整備を進めておりますが,ことしの3月28日,前細川内閣のもとで
高齢化社会福祉ビジョン懇談会から21
世紀福祉ビジョンが閣議に報告され,
ゴールドプランを見直して,さらに目標水準を大幅に引き上げることなどが提言されております。また,厚生省が公表しました
国民生活基礎調査でも,家庭に子供がいる世帯の
平均子供数が20年ぶりに1.8人を割る一方,
高齢者世帯の割合が12%台に乗るなど,着々と高齢化が進んでいることが裏づけされております。
さて,本市におきましては,平成3年7月に,心豊かな
高齢化社会の実現を目指し,札幌市
高齢化対策指針が策定され,四つの
基本目標として「やさしさをまちのすみずみに」「だれでも,いくつになっても参加できるまちに」「安心して暮らせるまちに」「人生80年時代,一生豊かに」を掲げ,これに行政計画の
効果的推進を図るために五つの
システムとして「
生きがいづくりシステム」「保健・
医療システム」「
高齢者援護システム」「
市民組織活動システム」「
生活環境システム」を示して,これら
システムの有機的な連携を提唱しております。また,本年2月には,
高齢化対策指針の実施計画として位置づけられた札幌市
高齢者保健福祉計画が策定され,保健・医療・福祉の十分な連携のもとに,「高齢者が『いつでも,どこでも,だれでも』必要とするサービスを利用できる
体制づくりを進めていくもの」とされております。しかし,これら指針等に,現状を照らし合わせてみますと,誠に残念ですが,
病弱高齢者に対する保健・医療・
福祉対策,その中でもとりわけ
痴呆性老人対策の整備がおくれているように思われます。
私は,
高齢化社会への突入に伴って増加が予想され,現に社会的問題として市民の高い関心を呼んでいる
痴呆性老人対策に,札幌市として早急に取り組む必要があるものと考えるのであります。
本年4月に,
痴呆性老人対策として
市立札幌病院静療院に
老人性痴呆疾患センター及び同
専門治療病棟が開設をされ,
痴呆性老人に対する相談体制並びに急性期及び精神科的行動異常を示す
痴呆性老人に対する総合的な
医療体制がスタートしましたが,
慢性期患者に対する病棟はなく,
札幌市内の他の
医療機関にも設置されていないのが現状で,市内の
民間精神病院等に他の疾患を持つ患者とともに入院している状況にあるやに聞いております。また,
老人福祉施設として,
特別養護老人ホームが市内20ヵ所1,840床ありますが,実際に
痴呆性老人専用床を設けて処遇しているところは,札幌市稲寿園の38床のみであり,さらに
老人保健施設を見ましても,8施設740床のところ,
痴呆性老人を扱っている施設は2施設90床と,まだまだ十分とは言えない状況にあります。
最近の本市の65歳以上の人口は18万2,400人で,総人口の10.5%を占め,このうち
痴呆性老人は,国の
出現率等を参考に6.5%で推定しますと1万1,800人となり,平成12年には1万7,300人と予測されており,このことは,より一層
老人福祉施設及び
医療施設の整備を進めることはもとより,
在宅医療が大きな比重を占めなければ,対応することができない状態が生ずることは言うまでもありません。
そこで私は,この
在宅医療の推進が重要な課題であると考えるわけでありますが,そのためには,おのおのの病院・診療所が患者を待つという従来の医療の枠を越えて,医療としてのあり方を変え,地域に
総合的ケアシステムを構築し,その中で
在宅医療の
支援システムをつくらなければならないと考えております。具体的に申し上げますと,保健所,区福祉部,
医療機関,そして
地域住民が連携を持って
在宅訪問を実施し,
訪問看護や医師の
訪問診療に結びつけるなど,保健・
医療両面から支援を図ろうとするものであります。
現状では,
在宅支援施設として
デイサービス施設が市内に22施設あり,このうち
痴呆性老人を扱う
E型施設はわずか3ヵ所という状況であり,
在宅支援についても十分とは言えない状況にあります。
在宅支援は,
痴呆性老人のみならず種々の分野で叫ばれておりますが,在宅の要
援護老人を家族のみに押しつけるのではなく,
訪問看護指導を中心に,医師の訪問も織りまぜて,家族の不安にこたえ,さらに
ホームヘルパー派遣事業など
各種福祉サービスの利用を促し,これらを活用するなどの指導を行うことも大切であると考えるのであります。したがって,これから到来するであろう本格的な
高齢化社会に備えた
社会環境整備として,
在宅支援の推進は必要不可欠であると考えております。
国においても,平成6年度から
痴呆性老人の
徘徊探査システムの
研究開発をスタートさせるなど,
在宅支援方策の検討を重要視してきており,私は,その
研究開発に大いに期待しているところであります。
そこで,以下2点ほど質問したいと思います。
第1点目は,
痴呆性老人の
在宅支援を進めるに当たって,保健・医療・福祉の連携についてであります。
ただいま述べたとおり,急激な
痴呆性老人の増加により,援護を必要とする
痴呆性老人を介護する家族にとっては,精神的・身体的に負担が大きくのしかかり,特に女性に対する負担が大きく,女性の
社会活動の参加が妨げられることなどから,
在宅支援の充実が強く望まれております。この
在宅支援を進めるに当たって,保健・医療・福祉の連携を具体的に今後どのように進めていくのか明らかにしていただくとともに,これら保健・医療・福祉の連携を図るに当たり,
地域住民を含めた
ネットワークづくりが急務であろうと思われますので,その辺も含めてお伺いしたいと思います。
2点目は,
痴呆性老人の
在宅医療の推進についてであります。
在宅医療推進の必要性は,さきに述べたとおりでありますが,札幌市
高齢者生活実態調査によりますと,寝たきりや痴呆性の高齢者の約8割が
在宅介護を希望しており,住みなれた地域で家族とともに療養を望んでいるものと思いますが,反面,患者家族の負担は言い尽くしがたいほど深刻で,早期の
在宅医療の充実が望まれているものであります。
そこで,今後,この
在宅医療をどう推し進めていかれるのか,市長の具体的なお考えをお示し願いたいと思います。
次に,
余裕教室の
活用計画についてお伺いします。
昨年の4月に文部省が
余裕教室活用指針を出して以来,この問題については,種々議論されてきており,私も大きな関心を持っております。昨年の第2回
定例市議会でも,わが党が
代表質問をしており,その後も取り上げられておりますが,私は,その後の状況を踏まえて何点か質問したいと思うのであります。
さて,全国的に少子化が進んでおりますが,毎年5月1日現在で実施しております
学校基本調査によりますと,小学校の児童数は,昭和56年度をピークにその後減少に転じ,平成5年5月1日現在では876万9,000人で,前年度より17万8,000人減少しておりますし,中学校の生徒数では,昭和61年度をピークにその後減少を続けており,平成5年5月1日現在では485万人で,前年度より18万7,000人と,これまた減少しております。したがいまして,学校数も学級数も当然減少しておりまして,小学校では平成4年度から5年度にかけまして54校4,128学級の減,中学校では同じく8校4,678学級の減という大変な減少傾向を示しております。
本市においては,小学校の児童数では,昭和58年度をピークにその後減少に転じており,やはり平成5年5月1日現在では11万8,768人で,前年度比1,877人の減,同じように中学校の生徒数では,昭和62年度をピークに減少に転じ,5年5月1日現在では6万4,099人で,前年度比1,625人の減となっているのであります。
本州の大都市ではきわめて深刻な状況のようであり,聞くところによりますと,東京や大阪や神戸などでは,都心部の学校の統廃合により,歴史のある学校が廃校あるいは空き教室の取壊しなどもなされているようであります。
本市におきましても,私が知っているだけでも,都心部の小学校では全校で6ないし7学級というところが二,三校はあるわけで,近い将来,札幌市も他の大都市のような問題も起こってくるのではないかと思っております。
一方では,私の住んでいるもみじ台地区でも言えることですが,児童・生徒の減少が進む中で,高齢者の増加が顕著であります。この高齢者対策も重要な課題であり,本市においても老人保健福祉計画を策定し,福祉施設の整備に精力的に取りかかっておりますが,土地や施設の有効活用の面では,将来的には,
余裕教室の活用の一つとして福祉施設への転用も考えられるのではないかと思っております。
したがって,今回,私は,国の指針に沿った形での
余裕教室の活用について,積極的な観点から,この問題についてお伺いしたいと思います。
すなわち,この学校という,いわば社会的な財産に,もし余裕スペースが生じており,それを学校本来の教育機能に支障なく,市民のために有効に活用できる道が開かれたということであれば,こんな結構な話はないわけでありますから,どんどん活用すべきであるという基本的な認識に立って,これを推進すべきであると考えております。ちなみに,一昨年の7月に出されました生涯学習審議会の答申によりますと,生涯学習社会の構築を目指して,地域の学習活動を支援する観点からの学校づくりということが明確にうたわれております。
すでに札幌市においては,学校開放事業によってスポーツや文化事業など,市民の多様なニーズに応じて教室などの学校施設を一般の利用に供しておりますし,そのほかにも学校開放図書館,学校方式の児童育成会,あるいは情報化時代に対応したコンピューター教室の整備,さらには月寒中学校の中に設置されております心身障害児作業学習実技研修センターといったさまざまな事業を展開しており,その根底には,この
余裕教室の活用という考え方があると言えるわけであります。また,今年度は国の指針が出て初めての活用例と聞いておりますが,上野幌小学校の4階の
余裕教室を転用して厚別南地区センターを整備するなどの思い切った活用については,私は,市長のご英断を高く評価しております。
昨年来,学校の
余裕教室の活用促進について,庁内にプロジェクトをつくって,いろいろとご検討されたやに伺っておりますが,特に,今年度予算の中に
余裕教室の活用事業が具体的に盛り込まれておりますので,私は,すでに計画は策定されたものと判断して,次の2点についてお伺いをしたいのであります。
まず1点目は,本市における
余裕教室の活用に当たって,学校施設以外への活用,すなわち社会教育施設等への転用について,どのような基本的な考え方をお持ちなのか,広く
地域住民による学校の利用といった観点をも踏まえてお伺いをします。
2点目には,現時点で本市として活用できる
余裕教室について,学校施設としての活用と社会教育施設等への活用が一体どのくらいの数があるのか。その中で,特に社会教育施設等の活用について,今年度実施する厚別南地区センターのほかに,どんな活用方法を考えておられるのかお伺いをいたします。
次に,市立高校における定時制教育の充実についてお伺いをいたします。
私は,高等学校定時制における中途退学の問題について,生涯学習の観点から,所信の一端を述べさせていただきたいと思います。
先般,文部省から平成4年度の中途退学者数が公表されましたが,それによりますと,全国の公立・私立高校における中退者数は全国で10万1,000人で,3年度に比べて約1万2,000人,10.4%の減少とのことであります。この数値は,昭和57年に文部省が調査を始めて以来,過去最低の数値だということであります。これは,大変喜ばしいことではありますが,数値をもう少し詳細に見てみますと,全日制にあっては中退率が在籍の1.7%であるのに対して,定時制にあっては14.0%であり,実にほぼ8倍に上っているのであります。平成3年度・2年度はほぼ9倍であり,この数年,定時制の生徒の中退率は,全日制の生徒より,かなり高く推移してきているのであります。
私は,必ずしも中退率の数値だけを問題視してとらえているわけではありません。文部省は,中退問題への対応について,平成5年4月に全国都道府県
教育委員会教育長あての通知文の中で,就職や他の学校への転入学のように,積極的な進路変更により中退するケースなど,場合によっては新たな進路への適切な配慮が求められる場合があるとしており,生徒の状況を的確に把握した指導の重要性を述べております。私は,そのとおりであろうと考えます。しかし,中途退学することが,その生徒にとってよい結果につながる場合もあると理解しながらも,やはり定時制に学ぶ生徒の中退率の高さに言及せざるを得ないのであります。
もちろん,これからの時代は,学校教育だけで終わるのではなく,いつでも,だれでもが,どこででも学ぶことのできる教育の場や機会が用意される必要があります。すなわち生涯学習の観点からは,一度学校を離れて社会で働き,再度高校で学ぶことも大いに意義のあることであります。問題は,学校教育が制度的にも教育内容の面からも,生徒一人一人を大切にするようになっているかということであります。
ここに興味ある数値があります。先ほどの文部省の中退調査結果で,全国10万1,000人の中退者のうち53.6%が高校1年生であるということであります。多くは,新しい環境になじめなかったからでありましょう。問題は,なぜなじめなかったかであります。高校に入学し,1年もたたないうちに進路変更等で中途退学を余儀なくされる背景には,生徒一人一人にさまざまな理由があろうかと思いますが,私には,大きく2点が素朴な疑問としてわいてくるのであります。
すなわち,1点目に,中学校で生徒一人一人に合った適切な進路指導が十分なされて進路が決定されたのであろうか。そして2点目に,生徒を受け入れた高校,特に定時制にあって,日々の教育活動が生徒にとって充実した魅力あるものとなっているのだろうかということであります。
今日,中学卒業者の進学率は95%を超えており,まさに高校は国民的教育機関とも言うべき存在となった感がありますが,その分,目的意識を十分持たず入学する生徒がいることも事実であろうと考えます。
もとより,中途退学の原因がすべて学校教育にあるわけではありません。しかし,学習を続けたいと考えているにもかかわらず欠席日数が多過ぎて進級できないとか,たった1科目の単位が認定されなかったばかりに2年生に進級できず,1年生をもう一度やり直すことがいやで退学する生徒もあると聞いております。もちろん,本人に責任のある場合も多いのですが,進級や卒業の規定をもっと柔軟に扱うことができないのであろうかと思うのであります。
学校がつくった時間割で学習するのではなく,自分自身で自分の時間割をつくって学習していく
システムである単位制の高校は,この部分がきわめて弾力的であるとも伺っております。また,ある道立高校定時制においては,1年を前期・後期に分けて各学期ごとに単位認定を実施した結果,中退率が減少し,授業の出席率も目立って上昇したとのことであります。
文部省にあっても,「高校中途退学問題への対応」の通知の中で,第1学年,第2学年という学年の区分を設けない教育課程の編成・実施や,ある高校の生徒が他の高校に行って,一部単位を修得するといった高校間の連携による単位の認定について,積極的に取り組むよう求めているところであります。
私は,定時制に学ぶ生徒の状況が多様化してきており,当然のことながら,考え方もかつての生徒とは異なってきている今日,市立高校定時制が生徒のために,単位制課程の導入など何か新しいことを目指す必要があるのではないか,また,そのために教育行政として市教委がなすべきことがあるのではないかと思うのであります。
以上,申し上げましたことから,次の2点についてお伺いをいたします。
まず,1点目でありますが,本市市立高校における平成4年度の中途退学の状況はどうなっているか。また,市教委としてこれまでどのような対策を講じてきているのかお伺いいたします。
2点目として,本市市立高校定時制の活性化のために,そこに学ぶ生徒に希望と充実感を与えるような施策を市教委として検討すべき時期に来ていると思いますが,これについて教育長の見解をお伺いいたします。
次に,子育て支援についてお伺いいたします。
昨年の第2回
定例市議会においてわが党は,これからの社会の重要な担い手である子供たちの問題に関して質問をいたしましたが,きょうは,新しい時代に対応した子育て支援について質問したいと存じます。
近年,わが国の出生率の低下傾向は著しく,国等の各種データの発表あるいはマスコミ報道がされるたびに,ますます憂慮すべき状況となっていることを強く感じる次第であります。
平成4年の人口動態調査によりますと,平成4年のわが国の出生数は120万8,989人と,過去最低を記録しております。当然,これに対応した合計特殊出生率も低下しているわけでありまして,昭和48年の2.14から平成元年には1.57,平成3年が1.53,そして平成4年には1.50と過去最低の数値を更新し続けております。
特に,本市においては全国をさらに下回り,平成3年が1.30,同4年で1.27ときわめて低い数値となっているところであります。この数値は,活力ある人口構造を維持するための水準と言われております2.1を大きく割り込んでおり,このまま推移してまいりますと,次代を担うべき子供がますます少なくなり,今後のわが国の将来を考えますと,大変危惧すべき状態となっているのであります。
もちろん,この少子化傾向の原因は,幾つもの要素が重なり合った結果であり,主な原因としても,未婚率,特に25歳から29歳までの女性の未婚率が著しく上昇していることが挙げられ,また,それに伴って女性の初婚年齢もだんだん上がってきているわけであります。これらの上昇の理由としては,すでに多くの分析によって明らかにされているところであります。
すなわち,その一つは,女性の高学歴化や就労の増加による家事・育児労働にかかる費用の上昇であり,次に,将来の子育てに関する心理的不安や身体的負担等,結婚に伴うさまざまな負担であります。また一方,生活水準の向上に伴う独身生活の魅力の増大,結婚しないことへの社会的圧力の減少,女性の経済力の向上などが挙げられているわけであり,女性の生き方そのものの変化による要因も大きいわけであります。
ところで,少子化が社会に及ぼす影響を考えてみますと,人口構造,経済構造の変化,社会保障面での負担の増加,さらには子供自体が仲間の中でもまれる機会の減少等により,自主性や社会性の育成に支障を来たしていくということであります。今日,子供にかかわる問題,たとえば非行,犯罪,登校拒否など,大きな社会問題となっている事柄についても,少子化の影響によることが,あながち否定できないのではないかと考えるところであります。
このような実態からして,すでに子供の問題は親だけで考える時代は過ぎ去り,社会全体,地域全体がともに考え,費用負担を含め,大きく社会全体でともに支援する時期を迎えているのではないかと考えるものであります。
こうした状況の中で,先ごろ厚生省の高齢社会福祉ビジョン懇談会から「21
世紀福祉ビジョン」の提言が厚生大臣に提出されました。このビジョンでは,「少子・高齢社会に向けて」と副題がつけられているように,少子化対策においても子育て支援の総合計画,すなわちエンゼルプランの策定を早期に求める一方,働く女性の仕事と育児の両立を支援する社会的な仕組みをつくり上げることを提言しているところであります。
厚生省では,平成6年度の予算で,当面の対策としてエンゼルプラン・プレリュードと称し,さまざまな子育て支援対策を打ち出しておりますが,その中でも特筆すべき対策として,育児支援や子供を取り巻く環境改善の事業を進めるため,300億円の基金を創設して,ボランティア活動と民間サイドの事業支援を考えているように伺っております。
言うまでもなく,子供は,私たち大人世代を継承して次代を担う存在であります。それと同時に,社会全体のありようとしても,高齢世代,現役世代,年少世代のバランスのとれた社会が健全な姿であると思うわけであります。
わが国では,高齢化に対しては
高齢者保健福祉推進十か年戦略が策定され,本市においても,札幌市
高齢者保健福祉計画が策定されました。
私は,将来の社会を支えていく子供たちを健やかに伸び伸びと産み育てていく環境づくりがきわめて重要であり,
高齢化対策とともに,今後の社会にとって重要な施策として対応していかなければならないものと考えるものであります。
そこで,私は,少子化や高齢化の進行,あるいは子供や家族にかかわる諸問題を踏まえまして,本市が今後どのように少子化の問題に対応していこうとされるのか,以下2点について伺いたいと思います。
まず1点目は,少子社会に向けての今後の取組みであります。
4人に1人が高齢者になると予測されている21世紀の日本を考慮いたしますと,その担い手となる子供たちの未来を真に希望にあふれたものにしていくことが,私たち大人世代の責任であると考えます。
本市におきましては,保育所での子育てモデル事業の実施や保育料の3子以上の年長児の無料化など,子育てに不安を持っている若い世代に対する育児支援や子育て費用の軽減を図る施策など前向きに取り組んでおり,高く評価しているところでありますが,
高齢化対策において
高齢者保健福祉計画を策定したように,本市の少子化対策についても全庁的な組織を設置するなどして,このことに対応を始めるときが来ていると考えますが,市長のご見解をお伺いします。
2点目には,子供を産み育てやすい環境づくりとして,重要な役割を果たしているのが保育所であると考えます。その中でも,特に需要が高いと思われる延長保育についてであります。
女性の社会参画がますます拡大され,市民の意識も変化し,また,ニーズも多様化する中で,子供の健やかな成長を確保するとの基本的な視点に立った保育制度の多様化,弾力化等への対策が求められております。
平成6年度の国の予算では,民間サイドの子育て支援策として,駅舎内に保育クラブをつくるとか,全国のコンビニエンスストアで出産や育児に関する情報を24時間利用できるサービスなど,新しい事業も展開するようでありますが,特に,勤務時間の前後をカバーする時間延長型保育サービスについて4倍もの大幅な予算増が図られ,2時間・4時間・6時間の三つのタイプの延長保育を推進すると伺っております。国の予算は,まだ審議中でありますが,予算が認められた場合,本市においてこの延長保育をどのように拡充していくつもりか,お伺いしたいのであります。
最後に,公共施設の複合化推進についてお伺いします。
近年,地価が高値安定の状態を続け,さらに国内経済がいまだ停滞していることなどの影響から,本市においても用地取得がなかなか進まない状況にあると伺っております。このような状況のもとにおいでは,これまで以上に土地を有効に活用していくことが求められるものと思われますが,公共施設を複合化することは,従来から土地の有効活用の一つの手段として考えられているところであります。
また,最近では,施設に求められる役割の多様化への対応,あるいは利便性の向上など,土地の有効活用以外にも,さまざまな観点から公共施設の複合化に関心が高まりつつあります。たとえば,最近,首都圏などを中心に,学校施設の建設においてその複合化が進んできていますが,これは,学校施設を単なる学校教育の場としてとらえるのではなく,地域の公共施設の一部としてとらえ,活用していくという考え方に立つものであります。
具体例を申し上げますと,東京都中央区につくられた晴海中学校は,
特別養護老人ホームと保育園との複合建築でありますし,文部省のインテリジェント化構想を具体化したものとして知られる富山県滑川市の滑川中学校は,市の生涯学習センターとの複合化を図るとともに,地域の情報センターとしての役割をも担うものであります。これらは,ほんの一例でありますが,こういった学校施設の複合化は,今日の新しい潮流であり,地域社会の生活環境を向上させ,あるいは地域社会の文化的中核として機能するなど,その意義は大きいものがあろうかと考えるものであります。
公共施設の複合化については,このほかにも国におきまして種々の施策が検討されており,たとえば在宅福祉サービスの多様なニーズにこたえるために,本年度の予算案に在宅複合型施設建設に対する補助金制度が盛り込まれております。この在宅複合型施設というのは,
在宅介護支援センターを核として,在宅福祉に関連する複数のサービス拠点を併設した施設でありまして,利用者にとっては,1ヵ所で数多くのサービスが受けられることになり,その利便性が喜ばれるでありましょうし,また,行政の側にとりましても,土地の高度利用や人材の有効活用が図られるなど,非常に有用な方策ではないかと考えるものであります。
また,最近では,本市においても地区会館と連絡所等の複合施設のほか,児童相談所,発達医療センター,精神薄弱児通園施設など,五つの施設を複合化した児童福祉総合センター,あるいは中央区役所の一部と保健所,健康づくりセンターを複合化した施設などの例がありますように,公共施設の複合化が徐々に進んできているものと思います。
このように,公共施設の複合化は一つの時代の流れであり,私は,土地の有効活用を図るだけにとどまらず,今後ますます多様化することが予想される市民ニーズや,増大する本市の財政需要を考慮したときに,国の新しい制度を活用していくことも含め,利便性と経済性に配慮した公共施設の複合化をさらに積極的に推進していくことが大変重要であると考えるものであります。
そこで,2点についてお伺いいたします。
まず,1点目でありますが,公共施設の複合化について,市長の基本的なお考えをお伺いします。
次に,2点目には,本市では昨年,公共施設の複合化を進める上での技術的な課題を調査されたと聞いておりますが,市長は公共施設の建設に当たりまして,その複合化について,今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
以上で,私のすべての質問は終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) お答えをいたします。
まず最初に,人に優しい
交通対策についてお答えいたします。
第1点目の
公共交通機関への誘導策についてでございますが,
公共交通機関は,自家用の自動車に比べて,その輸送力が高く,環境への負荷も少ない省エネルギー型の交通手段でありますことから,これへの誘導は,人に優しい
交通対策の中で最も重要な課題の一つであると考えております。
そこで,現在,誘導策として具体化に向けて検討を進めているものといたしましては,民間バスも含めたプリペイドカード式の乗車券の共通化でありますとか,パーク・アンド・ライド駐車場の整備促進,また,バスレーン強化などがありまして,さらに,この6月からはノーカーデーの日を毎月2回として,
マイカー利用自粛への協力を働きかけているところであります。その他の施策につきましても,今後広く関係機関と協議を進めながら,具体化に向けての検討に取り組んでまいりたいと考えております。
第2点目の
欧米先進都市の実践例に対する評価と本市の進むべき方向についてでございます。
これらの
先進都市でとられている施策は,車を否定するということではなくて,市民生活の中で自動車と
公共交通の機能をどう調和させるかという観点から,それぞれの都市が市民・事業者を含めて,長い期間にわたって試行錯誤を重ねながら選択をした結果であります。したがって,これからの本市の総合的な
交通対策を立てる上で示唆を与えてくれるものと考えております。しかし,お話にもありましたように,各都市の歴史的条件やその置かれた環境に違いがありますから,これらの施策の導入に当たりましては,本市の実情に合った方向で中長期的に検討してまいりたいと考えております。
第3点目の高齢者や
身体障害者のための
交通対策についてでございますが,この問題につきましては,こうした方々の
社会活動をより促進するために,今後さらに重要になると思います。これまでにも福祉の街づくり環境整備要綱を制定し,地下鉄駅へのエレベーターや車いす用階段昇降機の設置,低床バスの導入などに取り組んでまいったところでありますが,今後も
公共交通機関の附帯施設の改善促進等について,広く市民の意見を聞きながら,なお一層努力してまいりたいと考えております。
次は,
痴呆性老人対策についてでございます。
第1点目の保健・医療・福祉の連携についてでございますが,
痴呆性老人の早期発見から
在宅医療までの総合的な処遇に関する協力体制を確立するためのモデル地区をまず定めて,保健・医療・福祉の関係者から成る連絡協議会を設置し,その成果を踏まえて,その成果を全市的なものに広げていきたいと,このように考えております。
第2点目の
痴呆性老人の
在宅医療の推進についてでございますが,
高齢者保健福祉計画に基づき,保健婦による訪問指導の充実を図るとともに,
医療機関との連携を密にしながら,
在宅医療の拠点となります
訪問看護ステーションの計画的な整備を進めてまいりたいと考えております。
次は,子育て支援についてでありますが,1点目の少子社会に向けての今後の取組みについてでございます。
少子化は,単に人口構造の変化,人口の減少を招くということだけではなくて,それが社会
経済活動,社会保障制度などにも広範な影響を及ぼし,将来の健全な社会の維持,発展という観点からも重要な課題であると認識しております。特に,子育てに対する社会的支援のあり方は,多くの行政分野にわたる総合的な対応が不可欠でありまして,第一義的には国において対応していただくべきものと考えております。
そこで,国におきましては,ただいまお話がありましたように,高齢社会福祉ビジョン懇談会からエンゼルプラン策定の提言がなされているところでありまして,今後,具体的に計画が進められていくものと考えております。したがいまして,本市といたしましても,エンゼルプランに対する国の動きに大いに関心を持ちながら,今後,その動きに合わせて対応してまいりたいと考えておりますが,一方,本市独自にできます施策等につきましても,将来に向けて検討してまいりたいと考えております。
2点目の延長保育についてでございますが,本市では従来から,延長保育を初め,夜間保育,障害児保育,乳児保育といったような多様な需要にこたえるべく努めてきたところであります。ご指摘のとおり,本年度,国におきましては,少子化に対応した子育て支援対策の一環として大幅な予算を計上し,延長保育の拡大を計画しております。本市におきましても,なお一層,延長保育を初め,多様な保育需要にこたえてまいりたいと考えております。
次は,公共施設の複合化推進についてであります。
第1点目に,その基本的な考え方についてでございますが,市有地の有効活用を図るためにも,また,利用される市民の方々の利便性という観点からも,これは大変重要かつ有効な手法であることから,今後の公共施設の建設において一層活用していきたいと,このように考えております。
2点目の今後における本市の取組みについてでありますが,本市では,公共施設の複合化,高度利用などの検討に当たりましては,長期総合計画に基づく5年計画の策定・執行において,必要に応じて個別に検証を行いながら,関係部局間の調整を図っているところであります。
また,昨年,既存の複合施設を中心とする実態調査を行いまして,複合化を適切に進める上で検討すべき複合化の目的,敷地の選定,施設の管理等の事項について整理をして,その成果として,複合化検討のための書式を作成し,さらには,庁内PR用のリーフレットを配付することとしているところであります。
こうした実態調査の成果も生かしながら,今後,本市の公共施設の建設に当たりましては,土地の有効活用,サービスの効率的提供等の観点から,施設計画の初期段階より,十分調整を図りながら,国の施策の活用も含めて,複合化を一層推進すべきと判断される施設につきましては,より広い視野から積極的にその導入を図ってまいりたいと,このように考えているところであります。私からは以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君)
余裕教室の
活用計画についてお答えをいたします。
第1点目の社会教育施設等への転用の基本的な考え方についてでございますが,各学校において生じる
余裕教室は,まず,多目的教室・多目的ホールなど多目的スペースの整備を中心に,学校施設としての活用を最優先に考えております。その上で,なおかつ生じる
余裕教室について,当該学校の教育活動との関連,地域の特性,学習機会に対するニーズ,転用施設の規模及び他の関連施設の状況などを総合的に勘案して,社会教育施設としての活用,さらには地域コミュニティ施設としての活用を図ってまいりたいと,このように考えております。
第2点目の活用できる
余裕教室の数についてでございますが,現時点では,多目的教室・多目的ホール,ランチルームといった学校施設としての活用が予定されているものは,小・中学校合わせて136校483教室が見込まれております。これを除きますと,社会教育施設等に転用可能な教室数は,今年度,厚別南地区センターとして活用される上野幌小学校の17教室,さらに,今後活用が可能であるものは7校24教室と,現在のところ見込んでおります。
そこで,これら24教室の活用につきましては,これまでも行なってきております学校図書館の開放や文化系の学校開放事業などを引き続き拡充していくほか,市民に身近な生涯学習施設としての活用を今後とも鋭意検討してまいりたいと,このように考えております。
続きまして,定時制教育の充実についてお答えをいたします。
まず,第1点目の本市市立高校の平成4年度の中途退学の状況及びこれまでの市教委の対応についてでございますが,平成4年度の市立高校全日制7校における中退率は,在籍数の0.2%であり,市立高校定時制4校における中退率は14.9%となっております。平成3年度に比較いたしまして,全日制で0.1%,定時制で2.4%減少しており,全国の数値同様,過去数年間の中で最低の数値となっております。
次に,中途退学問題に対する市教委の対応についてでございますが,この問題につきましては,進路指導に関する教員の研修が何よりも大切であることから,市教委といたしましては,中学校並びに高等学校の教員を対象とした各種研修会を実施したり,進路指導の手引を発行して指導の一助としております。
また,市立高校定時制におきましては,情報処理教育の充実を図るため,昨年度までに定時制4校すべてにパソコンとワープロの教室を整備したところでございます。生徒の評判はきわめてよく,授業に大変意欲的に取り組んでいる状況が見られております。今後とも,施設・設備の充実に向け,努力してまいりたいと考えております。
2点目の市立高校定時制を活性化するための施策についてでございますが,市教委といたしましても,市立高校定時制を生徒にとって魅力のあるものにしていくことが,これからの生徒減少期に向けての,あるいは中途退学問題の有効な対策の一つとしてきわめて重要な課題であると,このように認識しているところでございます。
そこで,本年4月に市立高校定時制問題等についての検討委員会を設置をいたしたところであります。引き続き,この5月には調査研究等の実務的な部分を担当する専門部会を設置し,いずれも第1回の会議を開催したところでございます。この検討委員会及び専門部会の中で,市立高校定時制を魅力あるものとするための諸方策について学校関係者のご意見を伺い,市教委として施策に反映でき得るものを鋭意検討してまいりたいと,このように考えているところでございます。以上です。
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,30分間休憩いたします。
─────────────────
休 憩 午後2時6分
再 開 午後2時35分
─────────────────
○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。道見重信君。
(道見重信君登壇・拍手)
◆道見重信君 私は,ただいまから自民党市民の会を代表し,当面する市政の諸課題について,提案を交えながら順次質問をしてまいります。
今年は桂市政4年任期の最後の予算となり,厳しい税収入の中にあっても,市民福祉の向上,
交通対策,そして将来の
まちづくりに向けて積極的に取り組んでいることは,高く評価するところであります。
さて初めに,国の平成6年度予算審議の大幅なおくれによる本市の影響について質問をしてまいります。
連立与党は,今日の世界情勢,国内の景気状況を無視し,予算の審議もせず,権力闘争に明け暮れ,細川政権は無責任にも政権を投げ出し,あげくの果てに後任首相は3週間も決まらずという前代未聞の無責任さをさらけ出している始末であります。一方においては,ある党は政権に入ったり,離れたり,さらには消費税引上げ容認という政権・権力欲しさに迷走している状態であり,自民党政権下においては国民の前に消費税反対を旗印にして当選していったのをすっかり忘れた無責任な国民に対する裏切り行為であり,権力・ポスト欲しさの連立政権であり,国民生活のため,国家社会のためとは口ばかりのごまかしであることが証明されたわけであります。
そこで質問の第1点目は,国家予算が大幅におくれた今日,本市における予算執行上の影響は具体的にどのような形となってあらわれてくるのか,お伺いいたします。
質問の第2点目は,景気低迷が続いている今日,景気対策上,公共投資の役割は重要なものとなっており,3次にわたる景気対策による補正予算を本市においても取り組んできたわけでありますが,大幅におくれだ平成6年度国家予算との連動の中,本市としては公共投資の前倒しによる景気刺激策,あるいは単独事業の執行による景気刺激策をとることができるかどうかお伺いいたします。
質問の第3点目は,積雪の冬を控えている本市において,発注,いわゆる工事の平準化には大変ご苦労しているものと思いますが,平成6年度国家予算のおくれにより本市の公共投資も大幅おくれとなると,夏から秋に集中し,業界対応ができなくなる可能性を含んでいると考えるものでありますが,これらの対応をどのように考えておられるのかお伺いいたします。
次に,観光行政について質問をしてまいります。
観光を考えるとき,経済的余裕,時間的余裕ということがまず頭に浮かんできます。今日の日本の現況を考えるとき,この経済的余裕と時間的余裕は大幅に改善されてきております。労働時間も年2,000時間を切り,平成9年度から労働時間の週40時間制が完全実施されると,週休2日制もほぼ完全に行き渡り,時間的余裕はますます確保されるものと考えますし,経済的にも,個人の可処分所得の伸びは鈍っているといえども,個人貯蓄の高さを考えれば,観光に消費される潜在的能力は十分にあるものと考えるところであります。
北海道の産業構造を見ると,製造業の比率は低く,農業と観光が大きな2大柱となっております。また,本市においては,第3次産業の比率が86.3%と圧倒的に高く,サービス業,特に観光に期待するところは大であります。
平成元年の推計によると,全道で観光による直接消費額は8,600億円,波及効果を考えると1兆2,300億円と推計されております。また,平成5年の雪まつりの観客数は204万7,000人,直接消費額は192億8,000万円と推計されており,いかに観光が大きな産業になっているかが証明されております。しかし,この観光も,黙って入込客が増加するというものではなく,ふだんからの着実なる対策を講じて成果を生むものと考えるものであります。
先般,私は,京都,神戸に観光に関し調査をしてまいりました。京都といえば,すぐ観光都市,修学旅行,史跡と連想され,押しも押されもしない日本一の観光地とだれもが考えるところであります。しかし,その京都でさえ,今日では国内観光地間の競争の熾烈化と海外の観光地との競争に対し危機感を持ち,21世紀に向けて政策構想を検討しているのが実情であります。この20年間,入込客は3,600万人から4,000万人で,このうち外国人は25万人から50万人と推計しております。一方において,国際観光振興会の資料によりますと,日本の海外旅行者数はこの20年間で228万人から1,200万人へと増加しているのであります。観光都市京都が危機感を持ち,21世紀に向けて観光王国の復活を夢見て努力していることは当然うなずけるところであります。多様化するニーズ,世代間の嗜好の違い,宿泊施設の高級化,そして個性化が進む中にあって,従来の発想だけでは観光客の増加は見込めないことが京都から学ぶことができるのであります。
さて,本市の観光といえば,京都市のような史跡観光の趣とは違い,一つは緑豊かな自然,二つ新鮮な味覚,三つ純白の雪,四つは近代的な街並み等々が観光資源として挙げられます。このことは,本市の観光が北の風土特性を生かした近代的な街並みそのものが観光資源であり,観光客にとって魅力のある街,それは私たちが住んでよい街に直結する課題でもあります。
本市は,平成2年度に札幌市観光基本計画を策定しており,その中に21世紀に向けた視点として,一つは国際化時代への対応,二つ情報化時代への対応,三つは高齢化時代への対応,四つ多様化する価値観への対応,五つは都市イメージアップへの対応を掲げております。このことは,京都市同様,揺るぎない観光都市としての役割を果たすと同時に,観光振興に対する市の姿勢があらわれているものと評価するものであります。しかし,現実の本市の観光客入込数の推移を見ると,平成元年度1,184万人,平成2年度1,263万人,平成3年度1,317万人,平成4年度1,273万人と,ほぼ横ばい状態が続いているのが現状であり,基本的計画に沿って新たなる創造がない限り,増加は見込めないことを意味しているものと考えるのであります。私としては,少なくとも現状の環境にあっても仙台市の1,500万人台の入込数の都市でありたいものと考えるものであります。
それで,私は,提案を交えながら,以下数八について,今後の観光行政について質問をしてまいります。
質問の第1点目は,観光行政と
まちづくりのかかわりについてであります。
本市の観光の特性は段々申し上げたように,北の風土特性を生かした自然観光であり,都市そのものが観光資源となっております。平成2年に策定された本市の観光基本計画の中で,「札幌はまさに,市民のための快適性と文化何を高める街づくりの結果,観光客にとっても魅力ある都市として,年間1千万人を超える観光客が訪れるようになったといえる。」と述べております。
そこで,具体的にどのような施策が観光的に魅力のある都市づくりとなっているとお考えか,代表的なものをお示しいただきたいと思います。また,このような
まちづくりの施策は,審議会等を含め市民提案によって計画実施されたものや,市の政策方針によって実施されたものがあると思いますが,どのように具体化されたか,あわせてお示し願いたいと思います。
質問の第2点目は,北の風土特性を生かした自然観光についてであります。
昭和63年度市政世論調査や,平成3年度の市政モニターの観光振興政策に関するアンケート結果に示されているように,市民の希望するイベントとして,花と緑を中心にした祭り,秋の味覚の大収穫祭,博覧会や見本市,音楽・芸能などの大会や祭りの希望が上位にランクされております。このことは,市民もまさしく自然と味覚が本市の観光の柱であると感じていることを証明しているものと考えられます。
本市のイベントの実態を見ると,春の息吹をいっぱいに受けて行われる5月のライラックまつり,そして本市を代表する雪まつりなど,北の風土特性を生かしたイベントが行われておりますが,私は,さらに市民アンケート第1位にもなっている花と緑を中心にした祭り資源の創造が札幌の観光に必要であると考えるものであります。幸いに,札幌の花はスズラン,札幌の木はライラックであります。私は,この札幌のシンボルをもっと資源創造すべきと考えるのであります。
まず第1に,札幌の花スズランといっても,果たして札幌に,世界,日本に誇れるスズランの群生地があって公園化され,道内はもとより,国内外からも観光客が訪れている姿がありましょうか。スズランは,時期になりますと北海道から空輸され,本州方面に出回るほど人気の高い花であります。大規模なスズラン公園,まさしく自然を生かした札幌らしい観光資源ではありませんか。札幌の花スズランの大規模公園を創造するお考えをお持ちかどうか,お伺いいたします。
さらに,札幌の本ライラックにつきましては,ライラックまつりが今年で36回目を数える歴史を持つようになってきましたが,札幌の木としてさらにアピールするには,スズラン同様大規模なライラック公園の創造も必要と考えますが,どのようにお考えになっているかお伺いいたします。
都市化した街では,札幌の鳥カッコウの声も聞くことのできない今日,自然を生かしたスズラン公園,ライラック公園の新たなる創造は,観光都市を目指す本市の大きな観光資源になることは間違いのないことと信じるものであり,市長の夢ある決断を求めるところであります。
さらに,私が平成4年第2回定例会で質問いたしました篠路地区にある五つの河川を利用した桜公園,そしてモエレの桜公園とが連動した北部方面の桜公園の完成を将来楽しみにしている市民の一人でもあります。
質問の第3点目は,国際化時代への対応と国際観光都市としての交流拡大策についてであります。
平成4年度に日本を訪問した外国人は,国際観光振興会の資料によると年間358万人となっており,そのうち札幌には5万6,000人が訪れております。しかし,この数字を見る限りにおいて,札幌は国際都市あるいは国際観光都市と言うにはほど遠い感がいたしますが,短期間に国際観光都市に成長するわけではなく,やはりこれも歴史を重ねた地道な誘致宣伝活動が必要になってくるものと考えられます。国際都市という役割を担うには,やはり何らかの形で国際的役割を分担する都市でなければならないと考えますが,本市の現状は国連の国際機関が存在しているわけでもありませんし,国際会議が頻繁に開催される都市でもありません。
平成2年度の国際観光振興会のコンベンション統計によると,参加者500人以上で,参加国5カ国以上の国際会議が開催された回数が多い都市は,パリの361回で世界第1位,続いてロンドンが268回で第2位,ジュネーブは166回で第5位,東京は81回で16位という現状であります。
本市が国際都市の仲間入りを目指すには,一つにはオリンピック等の国際イベントを開催する,二つは国際会議を誘致する,三つは
姉妹都市によるスポーツ・文化の交流をすることなどが必要であり,さらに可能であれば,国際機関を誘致することによって国際社会に貢献することができれば最も望ましいことと思いますが,いずれも簡単に答えが出るものではないと考えるのであります。しかし,地道でありますが,PMFの開催を着実に重ねることにより,新人音楽家の登竜門としての世界的役割を果たすことができるとすれば,国際観光都市として大きく発展することになるかもしれません。私は,何といっても国際的なイベントを積極的に創造することによって,本市の国際観光都市としての役割は大きなものとなってくるものと考えるのであります。
そこで,平成4年第2回定例会において,私は芸術の森を生かした札幌インターナショナル・ニューフェイス・アートフェスティバルを提唱いたしましたが,市長として,国際的イベントとして価値あるものとして具体的方向に向けて進めようとのお考えがあるかどうか,あらためてお伺いいたします。
そして,札幌の北の風土を生かすとすれば,雪まつりを中心としたイベントを積極的に宣伝することが必要となってきます。これまでも雪まつりの誘致宣伝活動は国内外において行われてきたようでありますが,20世紀最後の年である1999年には,この雪まつりも50回という大きな節目の年を迎えます。したがって,雪まつりのより一層の飛躍を目指し,国際的なイベントとしての地位を確固たるものにすべく,いまからさらに積極的な誘致宣伝活動を行うべきと考えるものであります。
そこで,海外,特に東南アジア,あるいは国内の雪のない南国地方において,現地でミニ雪像をつくり,観光キャンペーン,あるいは観光キャラバン隊の派遣などを積極的に展開するお考えはないのかお伺いいたします。いまこそ,行ってみよう,行ってみたいと思い起こさせる積極的なPR活動の展開が求められているものと考えるのであります。
質問の第4点目は,観光行政の積極的事業対応のための組織の拡大であります。
現在は経済局観光部となっております。他の政令都市を見ても,京都市のみが文化観光局となっておりますが,他の都市は経済局の一部または一課になっているにすぎないのであります。逆に,観光とは,行政が余り手を下さなくても民間ベースに依存することが主体で,補助金等を出すことによって観光協会等の民間がやってくれるという一つの側面とも受け取れるのであります。
私は,いまこそ,産業の大きな柱としての観光という位置づけがある以上,本市においては他都市とは違った積極的な組織のもとに事業展開すべきと考えるのであります。それにはまず,現在の観光部を観光と文化を統合した局に昇格すべきと考えるのでありますが,いかがお考えでありましょうか。
さらには,海外における誘致宣伝活動を充実し,積極的に展開するために海外駐在事務所を設置すべきと提案するものであります。特に,東南アジアにおける台湾,韓国,香港,シンガポールは経済水準も高く,観光需要としては今後ますます高まってくるものと考えるのであります。さらには,ミュンヘン,ポートランドは
姉妹都市でもあり,交流の機会をますます大きなものにしていかなければならない都市であります。このような都市への海外駐在事務所の設置について,市長はどのようにお考えなのかお伺いいたします。
質問の5点目は,観光都市にふさわしい美しい街,マナーのよい街の創造のための,いわゆるポイ捨て禁止条例の制定についてお伺いいたします。
観光客にとって訪れてよかった,また,私たちにとっても住みよい街というのは,都市景観,自然,味覚がよいことはもちろん重要な要素でありますが,そこに住む人々のマナー,心も大切であります。4月20日の新聞報道によりますと,
札幌市内の街路に投げ捨てられるたばこの吸い殻は,年間3億6,000万本,空き缶は約5,000万個にも達するという報道がなされておりました。私は,正直言って信じられない数字でありますが,道路あるいは川を見ると,推計といえども事実に近い数字かもしれないと考える一人でもあります。事実,麻生地区の有志の方々が市道の清掃ボランティアを実施しているわけでありますが,そのボランティアの一人の方は,余りのポイ捨ての多さとマナーの悪さを嘆いておられました。
最近,快適な環境を確保する意味から,全国各自治体においてポイ捨て禁止条例制定の動きが活発になろうとしております。新しいところでは,北九州市が第1回
定例市議会で議決し,違反者には罰則規定があり,かつ悪質な場合は氏名を公表できるまでの厳しいものとなっております。一方,道内においても,函館市が平成5年3月の第1回
定例市議会で議決し,大きな話題を呼んだのは記憶に新しいところであります。全国的に見ても,平成5年12月現在,環境庁の調べによると,ポイ捨て禁止条例を73自治体がすでに制定し,また284自治体が検討中という状況であります。
本市においては,札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の第44条に,「何人も,道路,公園,河川その他の公共の場所に紙くず,空き缶,吸殻その他の廃棄物を捨てること等により,当該公共の場所を汚してはならない」と規定しております。条例を制定し,厳しい罰則規定があれば,それによってすべて街が美しくなるとは必ずしも言い切ることはできません。しかし,自然が観光のすべてであると言っても過言でない本市の現状を認識し,観光都市として大きな役割を将来とも担っていこうとするのであれば,北九州市のように思い切ってポイ捨て禁止条例を制定することが必要であると考えますが,いかがでありましょうか。
以上,観光行政について大きく五つの質問をしてまいりましたが,いずれも観光という視点から見た
まちづくりであり,市長の積極的な姿勢と決断を期待するものであります。
次に,Jリーグの誘致について質問いたしてまいります。
さて,昨今,プロ野球とともにJリーグを中心にサッカーの人口はますますその高まりを見せております。今日,サッカーがこんなに全国民に認知されてきた背景としては,一つは,世界各国においてホームタウン制のもとにプロサッカーリーグが行われ,非常な人気を得ていること。二つは,世界のトップクラスを決めるワールドカップサッカーの最終予選に日本チームが参加し,その魅力を国民が肌で理解し深めることができたこと。さらには三つ目として,国内においてJリーグがサポーターに支持され,順調にファン層を広げていることなどが挙げられると思われます。
特に,Jリーグについては,Jリーグが定めた加盟条件が市民の賛同,企業のバックアップ,行政の支援であり,これらが三位一体となり,単なる企業スポーツの域を脱皮し,地域と密着した市民のため,地域のためのスポーツへの発展を目指して発足したことが国民の共感を得ていると言えますし,また,サッカー本来が持っているさわやかさが,国民,ファンにアピールしているものと考えることができます。言いかえますと,Jリーグサッカーのチーム名が地域名を使用していることで証明されておりますように,Jリーグがいわゆる地域性を持った町興しになっていることであります。だからこそ,今日全国各地でJリーグ誘致が,地域,企業,行政の王者が一体となった運動として活発に行われているとも言えるのであります。
さて,本市も札幌青年会議所が先兵となり,8月末の達成を目標として,Jリーグ誘致に向けて30万人署名運動が開始され,桂市長も署名者の第1号として歴史の1ページを担いました。2002年ワールドカップ札幌大会誘致に向けて立候補している本市においてはタイミングのいい出来事であり,市民挙げてのJリーグの盛上りのための第一歩が始まったものと評価するものであります。
また,この30万人署名がスタートしたことにより,桂市長も署名後に,「Jリーグの持っているパワーを
まちづくりの活性化に活用できればすばらしい。2002年のワールドカップ誘致につなげていくこともでき,私もできる限りのことをしたい」また,「札幌ばかりではなく,全道的なイベントとして盛り上げてください」と述べられ,この運動の広がりについて期待を寄せられました。私は,このような盛上りを見せている市民の熱意の現状を認識され,今後,本市としても思い切った支援策を講じていただきたいと市長にお願いいたしたいのであります。
たとえば,最近においては調布市が昨年10月の定例議会において884万円を補正予算化していると聞いておりますことから,札幌市の支援策の一つとしてもこのような他都市の動向も念頭に入れていただきたいものと考えるところであります。
また,行政支援の大きなものとして施設づくりがあります。Jリーグ誘致先発都市は,積極的にスタジアムづくりを含め施設づくりが行われております。本市においても,2002年ワールドカップ大会誘致を控え,専用スタジアムが求められているのでありますが,Jリーグの誘致は単なるサッカーチームの誘致という性格にとどまるものではなく,スポーツを通したコミュニティーづくりであり,スポーツを楽しむことのできる環境の充実に貢献することをも目指すものとしていくべきであると考えるのであります。
そのような観点から見ますと,スタジアムが予定されている羊ヶ丘は単なるサッカーの競技場がある場所ということだけではなく,スタジアムを中心に各種スポーツなどの施設を整備した市民の憩いの場,いわゆる芸術の森のスポーツ版,スポーツの森的視点で開発されなければならないと考えるのであります。
市長も年頭の記者会見において,このような趣旨で羊ヶ丘の将来ビジョンを述べておられますので,ぜひともこの点を踏まえた計画にしていただきたいものと考えております。
いずれにしましても,Jリーグ誘致熱をさらに盛り上げるためには,市民の熱意と賛同,企業の協力,行政の支援が不可欠であると考えております。また,現在の取組状況を見ると,その中で,とりわけ都市の首長の意向,姿勢が一番重要であり,注目され,影響力を持っているものと私は考えるところであります。大相撲の本場所,また,プロ野球本拠地のない札幌市にとって,Jリーグは大きく期待するものであります。
以上のことを踏まえ,以下3点にわたるJリーグの誘致に係る質問をいたしてまいります。
質問の第1点目は,市長のJリーグ誘致を進めるに当たっての財政的支援についてであります。
私は,調布市において,チームづくりの前段としての誘致推進にも多額の経費がかかるため,これを補正予算において手当てをしていることを一つの事例として紹介しましたが,今後の本市におけるJリーグ誘致を一層盛り上げるためにも,市長がその熱意を明らかにするとともに,市が他の団体に先立ち財政的支援を明らかにすることが必要と考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
質問の2点目は,Jリーグ誘致に関する道内市町村との連携についてであります。
「Jリーグ12チームのうち,8チームが今年道内で夏合宿を予定しており,おのおのの市町村では受入れのための取組みを進めている」という記事が先日紹介されております。
私は,Jリーグ誘致の運動について,市長が「全道的なイベントとして盛り上げてください」と言われましたように,全道民のものにすることが必要と考えております。そのためにも,全道市長会の会長でもある桂市長が,道や関係市町村と連携を図り,Jリーグ誘致の推進を行うことが大切であると思っておりますが,この点についての市長のお考えについてお伺いいたします。
質問の3点目は,スタジアム等の計画についてであります。
今般,キリンカップサッカー大会に招待予定のアルゼンチンチームが,所属するマラドーナ選手に対する日本政府の入国拒否に対応して来日を取りやめる問題などが発生しましたが,このことにより,日本の2002年ワールドカップ大会誘致に影響が出るのではないかとの声も聞かれております。しかし,私はこれらのことによって,2002年ワールドカップサッカーの開催都市として立候補し,建設を約束した本市におけるスタジアムの建設計画が左右されるようなことがあってはならないと考えますし,将来のJリーグの開催を視野に入れたものとしなければならないと思っております。そのためにも,スタジアムはあくまでも,羊ヶ丘を芸術の森のスポーツ版として整備するための中核施設として位置づけるべきであり,市民スポーツの充実を目指すことなどの観点から建設計画が進められることを望んでおります。
すでに市長は,羊ヶ丘にサッカースタジアムを建設するという意向を表明されているのでありますが,この点に関して,現時点における市長の考え方について,あらためて確認をさせていただきたいと思います。
次に,冬季スポーツ振興について質問をいたしてまいります。
昭和47年,札幌市民はもちろんのこと,全国民が夢と感動のドラマに接した札幌冬季オリンピック,ジャンプで三つの日の丸は,国民に大きな勇気と夢を与えてくれたものと確信をしております。今年も,リレハンメルオリンピックでも日本選手の活躍を見ることができました。多くの子供たちが感動を胸にして,未来のオリンピック選手になることを夢見ているものと思います。
さて,本市は冬季オリンピックの開催地であり,雪国として冬季スポーツには恵まれている都市の一つであると考えるのであります。しかし,意外にも大都市でありながらオリンピックに出場するような有名選手はそんなに多く育っていないのに驚くのであります。
たとえば,ジャンプのオリンピック出場選手で,昭和47年札幌オリンピックから今年のリレハンメルオリンピックまでの7回の大会で34名の選手がエントリーされており,そのうち本市所在の高校出身者はわずか9名であり,出身地で見ればもっと少なくなるのであります。一方,スピードスケートは64名の選手がエントリーされ,本市所在の高校出身者は1名も出場していないのが現状であります。雪国の大都市札幌が,そしてオリンピックも開催した札幌が,スピードスケートにおいてはこの20年間見ても,オリンピック選手が一人も出ていない。また,ジャンプ選手もわずか9名しか出ていない現実を認識したとき,学校教育,社会教育を含め,本市の体育面において何か欠けているものがあると言わざるを得ません。
大倉山,宮の森ジャンプ施設があり,さらに第3のジャンプ施設が考えられている恵まれた本市は,スキー,スケートと冬季スポーツの振興の抜本的施策を講ずる必要があるものと考えるのであります。
そこで,質問の第1点目は,指導者の現状についてであります。
本市がこれだけ冬季スポーツ,とりわけジャンプ,スケートにおいて有力選手が出ていないのは,指導者が絶対的に不足しているのではないかと考えられますが,本市の現状において,オリンピック出場経験者が,教員あるいは教育委員会におられて指導に当たっているのかどうかお伺いいたします。
質問の第2点目は,指導者の確保でありますが,道内の冬季スポーツが盛んな市町村のように,スポーツ振興のためオリンピック出場経験者等を教育委員会職員として採用し,その指導に当たらせるお考えがあるかどうかお伺いいたします。
質問の3点目は,とりわけスピードスケートにおいては,この20年間オリンピック出場選手が一人も出ていないことは,本市というよりも,北海道の七不思議の一つになるというほどの出来事でもあります。私は,絶対的な指導者不足とリンク不足が起因しているものと考えるのでありますが,どのようなお考えをお持ちになっているのかお伺いいたします。
質問の第4点目は,冬季スポーツの振興対策であります。
スポーツが多様化していることは事実でありますが,しかし,冬季に限って見れば夏のスポーツのように多様化しているわけではありませんし,夏が終わって冬のスポーツへと移行しやすいのが現実であります。
冬季スポーツ少年少女団の育成,指導者の確保,教育におけるクラブ活動授業の見直し,施設づくり等々,本市が抜本的に対策を立てて冬季スポーツの振興,結果においてはオリンピック選手の輩出というレベルアップをしていかなければならないと考えますが,オリンピック開催都市市長の積極的な振興策を求めるものでありますが,どう具体的にお考えになっているのかお伺いいたします。
次に,広報行政について質問をいたしてまいります。
本市の市政を市民の皆さん方に知っていただく,あるいはご理解,ご協力をいただくには,まず基本的には広報活動が必要となってくるものと考えるのであります。このことは,広報活動が活発に繰り返されれば,それだけ市民にとっての市政への関心が高められるとともに,市政についての判断材料を多く提供することになり,市政が身近なものとなり,広報手段を通して市とのコミュニケーションをより多く図る結果となるものと考えるのであります。
本市においては,毎月定期的に発行される広報さっぽろを代表に,テレビ・ラジオ,新聞広告,電光掲示板,各部局で発行する諸印刷物,そして市長の定例記者会見等々のあらゆる角度で市民の皆様方に新しい情報を提供しております。予算で見ても,広報活動と車の両輪をなす広聴活動を含め,平成6年度で9億8,300万円余り,職員も各区,そして本庁の職員を含めると総員76名の規模であります。評価の高い広報さっぽろを含め,173万人の札幌市民に情報提供し,コミュニケーションを図ることは大変ご苦労のいることと考えるものであり,また,この広報広聴活動が成功すれば,一方においてスムーズな行政の執行にもつながるものと考えるのであります。
しかし,広報の効果というものは,結果を形として見ることができないので,現実に広報を通して市民に市政の姿がどの程度見えてきているものかつかみづらい点でもあります。それは,一つは受けとめる市民側の意識の問題,二つは市の情報提供の方法の問題,三つはマスコミの記事としての取扱いの問題等々,さまざまな要素が絡み合ってくるものと考えるのであります。
最近は,スパイクタイヤに端を発した雪問題,環境に視点を置いたごみ問題は,一つの社会問題としてその話題性,あるいは市民の関心が大きいということもありますが,いろいろな広報手段を通して市民によく知らされたケースの代表例であると思います。しかし,これらの問題も市民協力が前提となったテーマであるがゆえに,担当部局の体系的な取組みがあって広報効果が大きく上がっているものと思われます。また,別の角度から言えば,広報というものを最大限に活用しなければ成功に導いていくことができないテーマであると認識したからこそ,活発な広報活動が行われたものと考えるのであります。
したがって,広報広聴は,それぞれの部局がよりよい行政サービス,福祉の向上にそれぞれの事業を結びつけるには,市民という協力者が常にいて初めてなし得るものだと真剣に認識したとき,その手段・手法を効率よく,そしてタイミングよく発揮することになるのではないかと考えるのであります。人々の好みが多様化し,行政の需要がますます増大しつつある今日,市民の協力は一層不可欠なものとなるのであり,このように市民と行政が一体となって事業に取り組む姿勢が今後とも求められてくるものと考えるのであります。
このような視点から見て,果たして本市の広報行政は本当にうまくいっているのかと考えた場合,まだまだ問題提起をしなければならない点があるのであります。すなわち,一つに効率的な広報手段の活用,二つは民間の人材を活用した職員の意識啓発,三つは対外的な広報活動の展開等が挙げられます。
そこで,質問の第1点目として,効率的な広報手段の活用について質問をいたしてまいります。
広報にとっては,どの情報をいつの時点で市民に知らせるかということと,どの媒体がより広く市民に情報を伝えることができるかということが大きな課題であります。手段としては幾つもの方法が考えられますが,特に私が効果が高いと考えるものの一つにテレビ・ラジオがあります。人々の活字離れの傾向が言われて久しいものがある中で,テレビ・ラジオといった視聴覚媒体から受ける影響はますます大きくなりつつあります。本市としても,時世に応じて現在のテレビ・ラジオを媒体とした広報にもつと力を入れるべきと考えますが,いかがでありましょうか。
また,市民の注目を集めるためには,特に重要な施策や課題については話題性のある著名人などを起用した番組制作を積極的に行い,より一層の広報効果を上げる必要があるのではないかと考えますが,いかがでありましょうか。
活用を図るべきものとして私が考えますもう一つの手段は,新聞の広告であります。新聞は,ほとんどの市民が毎日目を通すものであり,そこに紙面購入をしてでも札幌市の市政広報をすることも市民へのPR効果が高いと考えるのであります。たとえば,重要な施策などについては新聞の1ページぐらいのスペースをとり,わかりやすい解説を加えて,市民の理解と協力を求めるようにしてはいかがでありましょうか。
いずれにせよ,費用のかかる話でありますが,広報部門こそ時代の流れに即応した効果的な手段の活用が求められているのであります。
質問の第2点目は,民間の人材を活用した職員の意識啓発についてであります。
平成5年度に広報課以外で発行された広報印刷物は574件,3億1,600万円と集計されております。それぞれの印刷物は個別の必要性があって発行されているものでありましょうが,市民にとっては多くの印刷物の中のどれに注目すべきか迷うことも出てくるのではないかと思われます。また,本市においては,昨年から月1回の定例市長記者会見を実施するなど,報道機関への広報活動にも努めているところでありますが,比較的重要と思われる情報が一部の報道機関でしか取り上げられていないこともあります。このような問題を解決するには,全庁的な広報意識の啓発があらためて必要になってくるものと考えるのであります。
広報については,よく一人一人が広報マンという意識が必要であると言われております。これは,広報そのものはある程度専門的で,そのための感覚というものも必要な分野でありますが,それぞれの事業を担当する職員にも,単にその事業の完成を目指すだけではなく,いつの時点でいかに市民に広く知らせるかという意識,心がけを常に持つことが必要であるということではなかろうかと思われます。
そのためには,単なる職員同士での啓蒙にとどまらず,民間の力や知恵を生かした努力も必要ではなかろうかと考えるのであります。特に,製品の売行きが自分の会社の運命を左右するような民間会社においては,非常に斬新で印象に残るような広告が目につきます。また,取材する立場にある報道機関の記者などからは,外から見た意見として市民の視点に立った非常に示唆に富む指摘を受けることができるのではないかと思うのであります。
そこで,このような民間の豊富な人材を活用して,職員の広報意識の啓発を図るようなことは考えられないかと思うのでありますが,いかがでありましょうか。総合的に広報意識が高まることにより,各部局間の連携力が向上し,さらには報道機関への効果的な情報提供にもつながるのではないかと考えるのであります。
質問の3点目は,対外的な広報活動の展開であります。
市民へのきめ細かで効果的な広報の展開のほかに,都市間競争が激しくなってきている中にあって,札幌市が21世紀を迎えても活力ある魅力的な都市として生き残っていくためには,全国に向けた広報,つまり対外的な情報発信活動が必要になってきていると考えるのであります。都市の魅力やビジョンを発信することは,全国に札幌の存在感をアピールし,イメージアップにもつながることであり,ひいては観光客の動員はもちろんのこと,経済効果の大きいコンベンションや企業の誘致力を高めるものであります。さらに,札幌のファンといいますか,札幌を応援してくれる人たちをふやすことにもなり,これらの人々を通して,国や大企業に札幌の力となるような働きかけを期待することもできるものと思われます。
また,今後,本格的な
高齢化社会を迎えるに当たって,いままで以上に若い人たちが集まってくるような都市でなければ活力が失われていきます。Uターン,Jターンの若者がふえている中で,若い人たちの受け皿となるような都市を目指すからにも,対外的な情報発信活動がますます重要となってきています。
札幌は,本州その他の大都市と異なって,近くにライバルとなるような大都市がなく,一見すると都市間競争は差し迫った緊急課題のように思われませんが,都市への望ましいイメージは一朝一夕に築けるものではなく,時間のかかるものであります。そこで,将来,札幌市が本市の魅力やビジョンなどを全国に向けて継続的に広報していくお考えがないか,お伺いいたします。
以上,広報広聴について質問をしてまいりましたが,173万市民は,国政よりも道政よりも最も身近に接するのが市政のことであります。予算を有効に生かし,より一層の知恵と工夫を凝らして,さらに努力されることを期待するものであります。
最後に,篠路地域の
まちづくりについてお伺いいたします。
平成2年度から地元と話合いが進められておりました篠路住宅団地の開発につきましては,一たん白紙に戻ったこともあり,私もその成り行きを心配しておりましたが,このたび事業化の見込みがつきましたことは大変喜ばしく,関係の皆々様方のご努力に敬意を表するとともに,一刻も早くすばらしい街ができることを心待ちにしているところであります。
同時に,この団地を含む篠路駅周辺地域は,現在の第3次長期総合計画において地域中心核として位置づけられており,団地開発を一つの起爆剤として将来の篠路地域の拠点となることを期待し,また,そのようにしていかなければならないと思うのであります。しかし,篠路の古くからの中心である駅周辺地域の現状については,多くの課題があることも事実であります。たとえば,駅西側には広大な未利用地が残っており,駅前にふさわしいにぎわいのある土地利用とはほど遠い状況にあります。また,道路について見ますと,東西を走る幹線である横新道などが未整備であり,踏切部の渋滞が著しく,今後の団地開発や札沼線の複線化により,一層の渋滞が懸念されるところであります。また,団地開発に伴い,駅前広場や駅前通の整備も今後の課題であろうと思います。
さらに,何よりこうした個々の問題の根底にある最大の課題は,鉄道により分断されている市街地の一体化の問題であります。その上,横新道が都市計画決定どおりオーバーパスで実施されますと,二重の分断となることも危惧されるところであり,整備のあり方を含め,
地域住民の十分な合意のもとで事業化を進めていく必要があるものと考えるのであります。このことについて,地元においては鉄道の高架化を切望しているところであり,その実現については種々の困難な問題があることは承知しておりますが,私は,将来の
まちづくりのため,この地元の声を,札幌市として環境整備を図りながら粘り強く取り組んでいくことを強く要望するものであります。
それとともに,両市街地の均衡ある発展を図っていくためには,団地開発と駅前周辺整備,道路等の公共施設整備と再開発等の面的整備を一体的に進める必要があると考えるのであります。
そこで私は,以上の観点から,篠路住宅団地の開発に関連し,当面する駅周辺の整備に関し,次の2点について質問いたしてまいります。
質問の第1点目は,札幌市として,この駅周辺の開発をどのように進めようとしておられるのか。また,東西両市街地の一体化を図る上で,自由通路や駅舎の橋上化についても検討する必要があると考えますが,その点あわせてお伺いいたします。
質問の第2点目は,この団地と交通結節点とのアクセスについてでありますが,一つはJR篠路駅への道路,二つ目に地下鉄栄町へ通ずる篠路通など,関連する道路の整備についてどう取り組もうとしておられるのかお伺いいたします。
以上で,私のすべての質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から数点についてお答えをいたします。
最初は,財政運営についてであります。
第1点目の国家予算の成立のおくれによります本市への影響についてでございますが,昨日もお答えをいたしましたとおり,去る5月20日に暫定予算が追加補正をされまして,当面必要となる分については措置されておりますことから,本市に対する特段の影響は現時点においてはないものと考えております。しかしながら,予算成立がさらにおくれることがあれば,本市への影響が生じることが懸念されますし,景気の回復に対して心理的な影響が生じることも予想されますことから,国においてはみずからの責任を深く自覚し,予算を早期成立させるように強く望むものであります。
第2点目の景気刺激策についてでございますが,本市の平成6年度予算におきましては,普通建設事業の着実な増額を図り,特に地方単独事業につきましては10.2%の伸びを確保して景気に十分配慮した内容となっております。また,その執行に当たりましては,従来と同様に積雪寒冷地であるという本市の地域特性を考慮し,国とも十分協議を行い,上半期で約9割の早期発注を目標としているところでもありますので,その達成に全力を挙げることが肝要であると考えております。
3点目の国家予算成立のおくれに対する工事の発注についてであります。
いよお答えをいたしましたとおり,暫定予算の措置等によりまして,現在のところ予定どおりの工事が行われているところでありまして,特に支障はございませんが,今後とも国の動向について十分注意を払い,おくれのないよう適切な対応を図っていく所存であります。
次に,観光行政について逐次お答えをいたします。
第1点目の観光行政と
まちづくりとのかかわりについてでございます。
施策の代表的なものといたしましては,お話にありましたけれども,芸術の森の建設,PMFの開催,大通公園のリフレッシュ事業,都心部のロマネット事業,さらには現在整備を進めております里づくり事業,さらには大倉山の再整備事業といったようなものが挙げられますが,いずれも観光客の皆様にも満足いただけるものと思っております。
これらの事業につきましては,市民各層の意見や提言をいただくとともに,観光基本計画の趣旨,内容も十分考慮しながら,関係部局間で協議調整を図りつつ実施してきております。私は,市民にとって住みよい街であることが
まちづくり施策の基本であると考えておりまして,札幌の場合,こうして具体化されたものが訪れる人々にとっても大きな魅力の一つとなるものと考えております。
2点目の大規模なスズラン公園とライラック公園についてでございますが,現在,国営公園として整備が進められております滝野すずらん丘陵公園では,5,100平方メートルにわたって約200万株のスズランを植栽し,市民や観光客に開放しているところであります。また,ライラックにつきましては,本市の総合公園としてすでに整備を始めている川下公園のメーンテーマとして位置づけておりまして,世界のライラック約200品種3,000本を植栽し,平成10年度には約2ヘクタールのライラックの森が完成する予定であります。これらができ上がりますと,札幌の新しい観光名所となるものと思われますが,なお今後におきましても,ただいまご提案がありましたスズラン,ライラックを取り入れた公園づくりにも工夫をしてまいりたいと考えております。
3点目の札幌インターナショナル・ニューフェイス・アートフェスティバル構想につきましては,平成4年の第2回定例会でもお答えいたしましたが,札幌芸術の森は西暦1999年の完成を目指して,現在第3期建設計画の整備を進めているところでありまして,この芸術の森を世界に誇れる施設としていくためにも,ソフト面の充実は重要な課題であります。したがいまして,ご提案のございます大変夢のある大きな構想も含めまして,将来,芸術の森のフィールドで国際的なイベントが展開できれば大変すばらしいものと考えておりまして,その実現に向けて今後とも鋭意努力してまいりたいと考えております。
次に,雪まつりを含めた札幌観光の誘致宣伝活動についてであります。
従来から,香港,韓国,ハワイ,オーストラリアなどとの交流事業を通じて,また,国際観光振興会の日本観光展や,本市が主催する海外での物産と観光展などでも札幌の観光のPRを行なってまいりました。さらに,海外で行われる雪氷像コンクールに制作隊を派遣して雪まつりのイメージアップにも努めているところであります。さっぽろ雪まつりも5年後には第50回という記念の年を迎えることになりますので,いままで以上に積極的な誘致宣伝に努めていきたいと考えております。
4点目は,観光行政のための組織の拡大についてであります。
本市の場合,観光の特徴として,街自体が観光資源であるという基本的な考え方のもとで,すべての部局の施策が広い意味で観光施策であると考えております。したがいまして,これまでも,よりよい
まちづくりのために組織を強化してきたところでございますが,今後とも市民ニーズや時代の要請などを考慮して,より効率的な組織について研究してまいりたいと思います。
次に,海外における誘致宣伝活動のための海外駐在事務所の設置についてでございます。
本市では,これまでも
姉妹都市や観光協会の提携団体,国際観光振興会の海外事務所,さらには企業の海外支店などを通じて誘致宣伝活動を行なってきたところであります。今後もこうした活動を強化していくとともに,現在職員を派遣しております自治体国際化協会のソウル及びニューヨーク事務所なども活用しながら,本市観光のPRにも努めていきたいと思っております。
5点目は,いわゆるポイ捨て禁止条例の制定についてであります。
ご指摘のとおり,空き缶やたばこの吸い殻などによる散乱ごみの問題につきましては,多くの都市がその対応に苦慮しているところでありまして,その対応策としては条例を制定している都市もございますが,いずれにいたしましても,市民一人一人の良識ある行動がその解決の基本となるものと考えております。したがいまして,本市といたしましては,他都市の制定した条例の効果などを十分研究するとともに,当面はパトロールなどの強化や市民意識の高揚・啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に,Jリーグの誘致についてお答えいたします。
第1点目の誘致を進めるに当たっての私の熱意と財政的な支援についてであります。
Jリーグチームを誘致し,これをホームタウン化することにつきましては,
まちづくりの活性化の面からも大変すばらしいことでありまして,先日Jリーグのチェアマンにもお会いをいたしまして,その協力要請を行なってきたところであります。
また,昨日もお答えいたしましたとおり,現在サッカー協会が中心となって設立準備が進められておりますJリーグをつくる会において,今後,財政問題も含めて諸課題の検討が行われると聞いておりますので,本市としてもお手伝いできるものについては支援をしてまいりたいと考えております。
第2点目のJリーグの誘致に関連する道内市町村との連携についてでございます。
現在,設寺準備が進められておりますJリーグをつくる会が中心となりまして,今後の誘致とホームタウン化の推進のあり方についての検討が行われることになると思いますが,全道的視点から運動を進める必要性や,行政独自の課題も生じるものと思われますので,道や関係市町村と密接な連携を図ってまいりたいと考えております。
3点目のスタジアム等の計画についてであります。
北海道農業試験場の一部移転に伴う跡地利用につきましては,現在におきましてもサッカー場を核としたスポーツエリアとして整備することがふさわしいと考えております。また,全体の施設計画につきましては,ご指摘の件も参考とさせていただきながら,今後なお時間をかけて具体的に検討してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
○議長(見延順章君) 木戸助役。
◎助役(木戸喜一郎君) 広報行政について,私からお答えいたします。
第1点目でありますが,まず,テレビ・ラジオなどの視聴覚媒体の活用についてであります。
これらの媒体の影響力には大変大きなものがあり,今年度から広報課の中に新たに映像担当の専任主査を設けたところであります。また,これまでも特別番組を制作し,著名人に登場願って,本市の重要施策を広く伝えるように努めてきたところであります。今後とも,ニューメディアの効果的な活用を含めて視聴覚に訴える広報活動を強化してまいりたいと考えております。
また,新聞の活用でありますが,従来は比較的小さなスペースでお知らせ広告を掲載しておりましたが,今年度からはこれを集約しましてスペースの拡大を図り,体裁を一新したところであります。そこで,今後は本市の重要施策を中心に,タイムリーでわかりやすい新聞広報となるよう,内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
第2点目でありますが,各部局の連携と報道機関への効果的な情報提供のためには,ご指摘のように職員の広報意識の一層の啓発を図っていく必要があると思われます。今年度に入り,「広報ノススメ」と題した職員向けの広報ハンドブックを作成して各部局に配付するなど,職員の意識啓発には努力をしているところでありますが,さらに,内部だけの対応にとどまらず,民間の広告制作担当者,あるいは現役の報道関係者などを招いて,職員を対象に研修の機会を設けることなども検討してまいりたいと考えております。
第3点目の対外的な広報活動についてでありますが,現在は札幌を訪れる多くの人たちから,札幌は住んでみたくなる街との言葉をいただいております。しかしながら,ワールドカップサッカー開催などのコンベンション誘致に見られるように,近年は国内の各都市間の競争が激しくなってきており,外に対する積極的なPRが重要になってきております。ご提案のように,今後,札幌の存在感と魅力を継続的に全国にPRしていくような対外向け広報を研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 篠路地域の
まちづくりにつきまして,私からお答えいたします。
まず,1点目の篠路駅周辺の開発についてでございますが,篠路駅周辺地区につきましては,北区北部の地域中心核としまして一層の育成を図る必要があることから,これまで地域の方々と協議しながら,活力と個性ある街を目指した構想づくりに取り組んできたところでございます。
そこで,ご質問の駅周辺の開発方針についてでございますが,鉄道で分断されている東西市街地の一体化を図ることを基本に,駅を中心とした
交通体系の整備と,駅周辺未利用地等の開発が連動した総合的な整備が必要であり,自由通路や駅舎の橋上化につきましても,そうした整備の中で具体化していくことが望ましいと考えております。
構想の実現に向けましては,地域における開発動向など,なお多くの課題がございますが,かねてより懸案でありました住宅団地の造成に着手する見通しが立ったいま,駅周辺の整備も急がれますので,今後,さらに駅東西にわたって最大の地権者である篠路農協を初め,関係地権者等への一層の働きかけを行い,適切な面整備手法の導入を図って早期の事業化に努力してまいりたいと考えております。
2点目の篠路住宅団地と交通結節点とのアクセスについてでございますが,この団地から発生する交通を円滑に処理するためには,大量交通機関と連携のとれた道路体系づくりが重要と考えております。したがいまして,近接するJR篠路駅へのアクセスのため,開発にあわせて新たに駅前道路及び駅前広場の整備が必要であることから,今後,都市計画決定に向けて具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
また,地下鉄栄町駅へ通じる関連道路の整備についてでございますが,現在,篠路通や東15丁目・屯田通,百合が原公園通等について整備を進めているところであり,今後もこれら道路の早期完成に向け努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 冬季スポーツ振興について,私からお答えをいたします。
ご質問の第1点目と第2点目につきましては,指導者の現状と確保の関係でございますので,一括してお答えをいたしたいと思います。
ご指摘のとおり,教育委員会にはオリンピック出場経験のある指導者はおりません。義務教育におきましては,発達段階に応じた基礎的体力づくりを主眼としながら,生涯スポーツの素地を培い,一方,社会体育においては市民スポーツの振興と環境整備に努めるなど,総合的な見地からの適切な人材確保を考えており,傑出したスポーツ選手ということでの採用については現在のところ予定いたしておりません。指導者につきましては,それぞれの競技団体において,専門分野の知識や情報のもとで,その確保を図っていただくことが望ましいと考えております。
したがいまして,本市といたしましては,今後とも市内の競技団体を統括する札幌市体育連盟を通して援助を行い,各競技団体の活動を支援する中で,ご指摘のような有力な選手を輩出するよう努めてまいりたいと考えております。
第3点目のスピードスケートにおける指導者と施設の現状及び対策についてであります。
スケート連盟のお話によりますと,現在20名程度の指導者が活躍しており,さらにその拡充を図りたいと伺っております。また,スケートリンクにつきましては,市内には屋外の円山競技場,真駒内屋外競技場があり,屋内では月寒体育館を初め5館が設置されております。一方,野外リンクの造成につきましては,都市の温暖化現象の中,その設置・維持は非常に困難な状況にあることから,現在ある施設を中心にさらに利用されるよう,その内容充実等に努めてまいりたいと考えております。
第4点目の冬季スポーツの振興対策についてでありますが,スポーツ少年団につきましては,子供たちみずからの選択に基づき,学校外でスポーツ活動を行う場として大きな期待を寄せているところであります。本市といたしましては,札幌市体育連盟等関係団体を通して,スポーツ少年団の育成拡充を要請してまいるとともに,これまで以上に側面から支援をしてまいりたいと考えております。
また,原田冬季スポーツ振興会や,アイスホッケー連盟等が行うスケート教室の開催,指導者の海外派遣研修,交流大会などに対し援助を行なっており,冬季スポーツの振興に役立ててまいりたいと考えております。
なお,冬季スポーツの専門的研究施設として,北海道大学には体育指導センター,北海道教育大学札幌校には冬季スポーツ教育研究センターが開設されております。これらの機関から提供される科学的データやトレーニング方法は,指導者の養成や一流選手の育成にいまや欠くことのできないものとなっており,競技団体の有益な活用並びに今後一層の成果に大きな期待を寄せているものであります。
いずれにいたしましても,競技団体等とも連携を図りながら,市民の冬季スポーツ振興に努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,明6月8日午後1時に再開いたしたいと存じますが,こ異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後3時41分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 伊 与 部 敏 雄
署名議員 澤 木 繁 成
署名議員 伊 藤 知 光...