札幌市議会 1994-06-06
平成 6年第 2回定例会−06月06日-03号
平成 6年第 2回定例会−06月06日-03号平成 6年第 2回定例会
平成6年 第2回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )
平成6年6月6日(月曜日)
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〇
議事日程(第3号)
開議日時 6月6日 午後1時
第1 議案第3号から第9号まで,議案第12号から第18号まで及び諮問第1号(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第3号 平成6年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)
議案第4号 平成6年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第2号)
議案第5号
専決処分承認の件(
一般会計予算の補正)
議案第6号 札幌市
選挙公報発行条例等の一部を改正する条例案
議案第7号 札幌市
恩給条例等の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
道路附属物自動車駐車場条例案
議案第9号 札幌市
交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第12号 財産の取得の件(
保養センター駒岡用地)
議案第13号 財産の取得の件(
バスターミナル施設等建物)
議案第14号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第15号 財産の処分の件(
工業団地用地)
議案第16号 町の区域を新たに画し,及び変更する件
議案第17号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第18号 市道の認定,変更及び廃止の件
諮問第1号 鉄道線路の道路への敷設についての意見に関する件
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〇出席議員(70人)
議 長 見 延 順 章 君
副 議 長 伊与部 敏 雄 君
議 員 藤 原 廣 昭 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 井 上 ひさ子 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 滝 沢 隆 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(1人)
議 員 常 見 寿 夫 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 木 戸 喜一郎 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 田 中 良 明 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長 土 榮 勝 司 君
水道事業管理者水道局長 石 原 弘 之 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 井 原 貴 男 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 松 崎 誠 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 前 田 悦 雄 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 松 見 紀 忠 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 手 戸 一 郎 君
消防局長 中 谷 多 宏 君
教育委員会委員 山 本 順 子 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 須 合 一 雄 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 東 山 誠 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 木 村 正 実 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 山 本 祥 一 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 尾 形 英 樹 君
書記 今 井 一 行 君
書記 山 本 扶 美 君
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〔午後1時開議〕
○副議長(伊与部敏雄君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,69人であります。
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○副議長(伊与部敏雄君) 本日の
会議録署名議員として工藤 勲君,青木 護君を指名いたします。
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○副議長(伊与部敏雄君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
常見寿夫議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,
見延順章議長は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(伊与部敏雄君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第3号から第9号まで,議案第12号から第18号まで及び諮問第1号の15件を一括議題といたします。
ただいまから代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
藤原廣昭君。
(
藤原廣昭君登壇・拍手)
◆
藤原廣昭君 私は,
社会党議員会を代表して,今定例会に上程されました諸議案並びに当面する市政の諸課題について質問をいたします。
私は,昨年7月の東区補欠選挙で大きなご支援をいただき,当選させていただきました。市民の市政に関する関心は高く,
市議会議員としての責任の重大性を認識しつつ活動しておりますが,市民は当面する施策はもとより,20年・30年先の札幌市の発展する姿にも大きな期待と関心を寄せております。札幌市の将来的諸施策の方向は,第3次
長期総合計画及び第2次5年計画などに示されていますが,あらためて当面する諸課題について,桂市長のご所見をお伺いします。
最初に,財政問題ですが,政治改革法問題や細川前首相の疑惑解明などの絡みもあり,
予算編成が越年し,各地方自治体とも,94年度
予算編成では苦労を余儀なくされたことはご承知のとおりであります。
その後,国の予算は3月4日国会に上程されたものの,
羽田首班指名直後,信義にもとる統一会派改新問題で社会党は政権を離脱し,政局は混迷を深め,5月23日から
少数与党政権下でようやく総括質疑が始まるという異常事態となっています。このため,予算は50日の暫定予算として組まれた後,さらに5月20日に40日の暫定の補正を行うという
綱渡り的予算が組まれています。
こうした事態に至ったことは,羽田政権の重大な失策であり,国民の多くもこうした政治空白を招いた内閣の責任について,厳しく指摘をしています。
さて問題は,こうした事態を受けて,自治体として予算執行上,影響は免れないのではないかということです。
そこで,質問の1点目ですが,本市の予算も国との関係で
地方交付税や
国庫支出金などへの影響があるのではないかと懸念されますが,この点どうなっているのかお伺いします。
次に,2点目は,93年度の
市税決算見込みと
収納対策についてです。
さきの第1回定例会でも見解を伺いましたが,5月末で
出納整理期間も終了し,
市税収入の実績も明らかになっているものと考えます。93年度の
市税収入は,前年度当初予算対比で2.5%増と,近年にない低い伸び率で計上したにもかかわらず,さきの第1回定例会で101億円の
減額補正が行われたところです。
また,収入率の面におきましても,
国民健康保険や保育料なども決して芳しいものとは言えませんが,特に
市税収入につきましては,ここ数年で大幅にダウンし,94%台の確保も難しい状況であるやに伺っており,
政令指定都市との比較でも,92年度決算では下から3番目となっています。
市税収入の確保につきましては,これまでも繰り返し指摘をしてきたところであり,景気に一定の明るさが出てきたとはいえ,重大な決意を持って臨む必要があると考えます。
そこでお伺いしますが,93年度の
市税収入は,
減額補正後予算額である2,739億円を確保できるのかどうか。また,94年度の
収納対策についての認識と対処のあり方について,あらためてお聞きをしたいと思います。
次に,福祉問題についてお伺いします。
昨年12月4日,
障害者基本法が成立し,都道府県,
政令指定都市に
地方障害者施策推進協議会を設置することが義務づけられました。本市では,これから障害者にかかわる
福祉計画を策定するということであり,国のこうした流れを積極的に受けとめていく上で大変重要なことと考え,評価するところです。
いまや
福祉先進国と言われる北欧の国々を初め,先進諸国では
ノーマライゼーション,すなわち障害者が地域で生活し,ともに生きるのが当たり前の時代になっております。また,障害者にかかわる施策の充実は,高齢者の福祉の充実につながっていきます。どんな元気な健常者でも年をとれば足腰が弱まり,目や耳も衰え,高齢化とともにさまざまな障害に見舞われることは避けられません。したがって,障害者の計画と高齢者の計画は密接でなければならないと考えます。だれもが文化的な生活を送り,社会参加をし,人生を全うする,そんな社会を私たちは求めています。障害者が地域で仕事をし,住宅に住み,在宅の
支援システムでしっかり生きていくことができれば,当然,高齢者や
社会的弱者が住みやすい社会になります。
そこで,私たちは,もはや障害者にかかわる計画は民生行政に限定されたものではなく,住宅,労働,交通機関,
まちづくり全般に及ぶものであり,そこまで大きな視野を持つべきだと考えております。
そこで,この計画を策定するに当たり,私は,障害者の就労の保障,住宅の確保,あるいは在宅支援の取組みを中心に問題提起を交えてお尋ねします。
障害者にかかわる
福祉計画という場合,まず雇用の問題があります。障害者の雇用の促進等に関する法律,すなわち
障害者雇用促進法においては,
民間企業は1.6%,官公庁は2%以上の雇用が義務づけられています。本市の雇用率は2.27%であり,さらに,わが党の指摘を契機に本年から点字試験も導入し,さらに
雇用率改善のために努力するということであり,評価しています。
さて,この場合,
市出資団体108社についても目を向ける必要があると思います。この出資団体が仮に
障害者雇用に率先して取り組むとしたなら,相当の雇用が進み,
民間企業に対し
雇用促進を指導する場合,すぐれたモデルとなるのではないかと考えます。また,
社会福祉法人においては福祉の最先端であり,職員数が少なくとも,その人に合った仕事を検討することにより,職場の確保は可能となることも考えられると思います。
一般就労に結びつかない場合でも,
精神薄弱者育成会に本市が図書館等の清掃業務を委託し,就労の場を確保している実績もありますし,障害者の
小規模作業所も数多くあります。また,本市の印刷や市の新しい施設等での清掃など,現在の障害者の作業所に仕事を委託できる場合も考えられますし,他都市では,公園の清掃や管理を委託しているところも見受けられます。一般企業で指導員がついて,就労の指導をするシステムの
ジョブコーチ制度などもあり,このように障害者にできる仕事を検討し,進めていくことで,福祉的な就労の場も大きく拡大できます。
そこで,今後の障害者の雇用確保の基本的な考え方について見解をお伺いいたします。
次に,住宅の問題ですが,これは障害者に限ったことではなく,
高齢化社会を迎えるに当たっての最重要課題でもあります。そのためには,
市営住宅の改造,新設に当たり,多少コストが高くなっても,後々役に立つということを考えれば,障害者,高齢者が住みやすい住宅とすることで大きく前進します。
この間,北海道が先鞭をつけ,厚生省が制度化した
障害者共同住居とも言うべき
グループホームというものがあります。これは,民間住宅を
社会福祉法人が借り上げて行いますが,国の予算の限界があり,なかなか認可されにくい状況にあります。
横浜市では,国の認可を待つのではなく,市独自の助成で
グループホームの目標値を掲げてつくっています。同時に,
公営住宅の
目的外使用ということで建設省が認可をし,
グループホームが全国的に幾つかできております。
そこで質問ですが,障害者や高齢者に対する
福祉施策との関連の中で,今後,
市営住宅の建設方針をどうされていくのか。また,さきに述べました
公営住宅の空き部屋を利用した
グループホームについてどう認識されるか,あわせて市長の見解をお聞きします。
次に,障害者への在宅ケアの問題ですが,2000年を目標に,本市でも
高齢者保健福祉計画が本年度から具体化していますが,計画では,
ホームヘルパーを最終年には常勤換算で910名に増員するとしています。現在の本市の
ホームヘルパー派遣回数は,高齢者と障害者はほぼ同じ状況にあります。ところで,
高齢者保健福祉計画では,高齢者の
ホームヘルパーについては増員することになっていますが,障害者についてもレベルアップを行う必要があると考えますが,
障害者向けの
ホームヘルパーの確保について,基本的な考えをお伺いします。
また,全身性の
重度障害者への
介護料助成を本市独自の事業として,1990年10月から試行的に実施をし,93年度に
本格的実施に踏み切ったことは,大いに評価するものです。しかしながら,東京や大阪では同様の制度を活用して,
障害者団体みずからが
ヘルパー雇用をし,
在宅福祉を行なっていますし,本市でも
ヘルパー派遣を行なっている
障害者団体があり,この
介護料助成の充実が重度の障害者の自立を大きく援助している実態があります。
この全身性の
重度障害者に対する
介護料助成事業は,本市の
在宅福祉協会や
介護支援センターなどで行われている
ホームヘルプサービス事業と同様に,重度の障害者の在宅生活を支える大きな役割を果たしています。したがって,今年度において
介護料助成の増額を図るなど前進はしましたが,いまだ介護人の確保に苦慮しているとも聞いており,介護人のより一層の安定確保とサービスの充実を目指すために,大幅な増額措置をすべきと考えますが,市長の見解をお伺いします。また,1ヵ月の派遣時間の上限についても,実態に即して見直す考えはないか,あわせてお聞きします。
次に,
コミュニティ施設のあり方についてです。
区民センターや
地区センターなどの施設は,市民の文化活動や
コミュニティ活動の場として多くの市民に利用されています。しかし,間もなく迎える
高齢化社会,あるいは
ノーマライゼーション思想の高まりの中で,高齢者や障害者が健常者や子供たちとともに地域で生活する,いわゆる共生の社会が当然の社会となりつつある今日,これらの施設の機能もこれまでと変わってこなければならないと考えます。
そこで,これからの
コミュニティ施設を高齢者や障害者が幅広い市民と交流できる機能を持った施設として各区に整備するとともに,
ボランティア団体なども入り,
機能回復訓練施設なども併設することが時代の要請にこたえた施設と考えますが,市長の見解をお伺いします。
次に,
交通事業にかかわる諸問題について,特に,
地下鉄需要喚起策に関する諸問題についてお伺いします。
本市の地下鉄は,本年5月12日に懸案の東西線再延長部分,すなわち,琴似から手稲東間約2.8キロメートルの免許が運輸省から出たことに伴い,今後は,関係各機関のすべての許認可を本年度中には取得できる見通しであり,これに従って本年度中には着工の運びと聞いております。
さらにまた,
東豊線延長区間の
豊水すすきのから福住間の開業が本年10月14日に予定されており,
本市交通局は,本年度を
総合交通対策元年と位置づけています。1991年12月に策定された本市の
交通局経営健全化計画の
需要喚起策によれば,大きく四つの視点があり,一つは,
都市計画的な
需要喚起策であり,土地の
高度利用により,
地下鉄沿線の成熟促進を図る。
区画整理事業,開発行為などにより,住宅団地の建設促進を図る。
公共施設の配置,
民間施設の誘導など,
地域成熟先行プロジェクトの推進を図る。
交通局施設,用地の
高度利用を図るなど,
都市計画の視点で計画を設定しています。
二つには,
交通計画的需要喚起策です。バスの定時性の確保などの利便性の向上を図ること。バス道路の整備,
立体交差化,
バスターミナル設置などにより,バス・
地下鉄移動の連続性の確保を図る。地下歩道の設置など,他線との
駅間アクセスの改善を検討する。パーク・アンド・ライドの推進等により,
自動車交通からの転換を図ることなどを提起しています。
三つには,
戦略的施設配置等による
需要喚起策についてです。すなわち,
地下鉄沿線への大
規模公共施設等の効果的な配置の促進,新しい
名所づくりの推進,
民間プロジェクト計画事業への支援を図ることなどです。
四つには,そのほかの
ソフト施策として,
地下鉄需要につながるシティプロモートの展開,観光客の
地下鉄利用の促進,
コンコース等,
交通施設の市民利用,学校行事,区行事等の
地下鉄利用促進,そして最後に,全
市民向けPR活動の推進を図ることとなっています。
この
経営健全化計画によると,1992年度から96年度までの5年間に,
計画時点より1日約2万人の乗車人員の増加を見込んでいます。しかし,実際には92年度の決算では,1日乗車数84万6,000人となっており,計画より1日平均2万3,000人の減少を来たしています。さらに,93年度
決算見込みでは,1日平均約83万人となっており,計画より約5万人の乗車減となっています。
交通事業は将来を展望した事業とはいえ,一日一日の積重ねが目標数の到達であって,急に目標数が到来するものでないことはご承知のとおりです。
経営健全化計画の中で5年計画,すなわち96年度末には,当初
計画時点より1日平均2万人増の乗車数が達成できるのか,きわめて疑問に感じるのでありますが,市長はどのような見解をお持ちになっておられるのかお伺いします。
本市は,本年4月から
企画調整局に
地下鉄需要喚起担当部を設置し,部長以下5人のスタッフを配置しました。全庁的な観点に立って,特に
地下鉄需要喚起の推進を図ることはきわめて重要なことではありますが,あえてこの時期に担当部を設置するということは,担当部に
需要喚起を請け負わせる感じを持つものであります。この
地下鉄需要喚起の
担当部設置の意義についてお伺いします。
次に,
地下鉄需要喚起にかかわる19の
プロジェクト事業についてです。
この19の
プロジェクトがすべて完成されますと,
年間地下鉄需要が774万3,000人ふえることになっており,1日平均2万1,213人となり,数字的には1日2万人ふえることになっています。しかし,19
プロジェクトのうち5ヵ所の
プロジェクトはすでに完成し,事業が展開されています。それは,サッポロファクトリーで198万人,白石区南郷のスガイディノスで40万人,
エスパ琴似店で34万8,000人,
健康づくりセンターで5万4,000人,
白石温水プールで2万4,000人となっています。この5ヵ所における
年間地下鉄需要推計数の合計は280万6,000人です。同時に,この5ヵ所の施設は,すべて
東西線沿線に集中しています。
しかし,東西線の乗車数を見ると,92年度決算では,
経営健全化計画が策定された91年度と比べて,1日平均約4,600人の減少を示し,年間では約170万人の減少を来たしています。さらに,93年度
決算見込みでも,東西線は前年度に比べて1日約4,000人の減少があり,年間では約150万人の乗車減少を来たしています。
このように
地下鉄需要喚起策としての
プロジェクトは,事業が開始した5ヵ所の
地下鉄需要推計と大幅に乖離があります。さらに,今後の14ヵ所の
プロジェクト地下鉄需要推計にも,多くの疑問を持たざるを得ません。
具体的には,
音楽専用ホールが年間53万9,000人,北海道近代文学館が8万人,中島体育センター移転で65万人,大倉山の整備活用で125万4,000人,大規模アミューズメント複合施設で150万人,北海道テレコムセンター,行政情報センター等合築で12万人,円山動物園の充実で20万人及び子供の国移転整備で10万人,合わせて30万人,青少年科学館の整備充実で4万1,000人,芸術の森の充実で1万人及び高等専門学校の充実で7万7,000人,合わせて8万7,000人,コミュニティドームで13万人,東区温水プールで6万人,南区及び東区両老人福祉センターで5万人,札幌里づくり事業で4万人,札幌市職員研修所,職員健康管理センターの合築で8万6,000人,以上が97年度までに完成する
プロジェクトです。
これらの計画と実績の乖離は,今後の健全化計画の遂行に当たって憂慮せざるを得ません。したがって,私は,この計画が策定されて2年半にわたる実態を見るならば,ここで総点検を行い,この計画の
需要喚起策を見直すべきではないかと思いますが,市長の見解をお伺いします。
私は,特に
音楽専用ホールの
需要喚起推計数に疑問を感じております。
音楽専用ホールは,完成したならば,年間約33万7,000人の利用数を計画されております。そのうち80%が
地下鉄利用者であり,往復利用で年間約53万9,000人の
地下鉄利用を見込んでいます。しかし,これまでの中島子供の国遊園地の
地下鉄利用数は,入場者約40万人に対して37%しか見ていませんでした。中島子供の国遊園地の
地下鉄利用数が37%,
音楽専用ホールの利用数が80%という根拠は何なのか,明らかにしていただきたいのであります。
それと関連して,
音楽専用ホールは97年にオープン予定とされていますが,97年の何月を目標に竣工するのか,明らかにしていただきたいのであります。
また,さきの建設委員会でも明らかなように,約170億の総事業費の中で,24億3,000万円以上の一般競争入札の試行を行うことになっていますが,170億円は何分割して発注する考えなのか。また,入札の告示日並びに入札日についても明らかにしていただきたいのと同時に,試行はいつまでなのかお伺いいたします。
地下鉄需要喚起は,通勤・通学を基本にしながらも,通勤・通学の利用数のみでは経営健全化にならないことはご承知のとおりです。
ちなみに,東豊線の既設線を見ても,1988年12月2日の開業以来,東区の人口は約1万2,000人しか増加しておりません。したがって,
地下鉄需要喚起策を考えるならば,
地下鉄沿線の公共的施設の設置が重要であり,不特定多数の利用施設が
需要喚起を促すことは明らかであります。特に,用途地域の見直しによる土地の
高度利用もきわめて重要であります。
本市は,地下鉄東豊線開業を前提にして1986年に用途地域の見直しを行い,地下鉄駅周辺の用途地域の変更を行い,住居地域から近隣商業地域への変更を行なったと同時に,1991年においても,一部の用途地域の見直しを行いました。用途地域見直し即
地下鉄需要喚起策の向上につながるものでないことは知っております。東豊線の開業前後の1986年と1992年に
都市計画基礎調査が行われたと聞いておりますが,東豊線既設線の駅周辺の用途地域の変更により,東豊線の開業前と開業後の人口の動向並びに建築物の変更動向について,
都市計画基礎調査の結果を明らかにしていただきたいのと同時に,
地下鉄需要喚起に今後どのような影響を及ぼすことになるのかお伺いをいたします。
次に,まちづくりの諸問題についてお伺いします。
本市の緑豊かな自然と調和のとれたまちづくりに大きな役割を果たしてきた一つに,土地
区画整理事業,住宅団地開発,再開発事業の各事業があります。現在,本市の市街化区域は市域面積の約21%,2万4,000ヘクタール,市街化調整区域は約29%,3万2,685ヘクタールとなっており,土地
区画整理事業は施行中も含め,市街化区域の約25%,6,033ヘクタール,110地区,住宅団地は約1.7%,412ヘクタール,6地区となっております。
5年に1回実施される
都市計画基礎調査の市街化区域内の土地利用状況速報値では,同区域約2万4,000ヘクタールのうち,利用地は約1万9,700ヘクタール,82%,未利用地は約4,450ヘクタール,18%となっています。しかし,未利用地を分析すると,農地930ヘクタール,原野・森林の未整備空閑地1,460ヘクタール,土地
区画整理事業等が終わった整備済み空閑地2,060ヘクタール,これは未利用地全体の46%に及んでいます。このことは,1991年3月の市街化区域及び市街化調整区域に関する
都市計画変更計画書の中でも,未利用地が市街化区域全体に広く分布していると指摘しています。
土地
区画整理事業は,各種都市施設の総合的な整備改善を図り,宅地の効率的利用の増進,健全な市街地を造成する目的の事業です。しかし,これまでのこの事業は基盤造成に主体が置かれ,結果的に多くの未利用地が存在し,成熟したまちづくりになり切っていないのではないかと思います。これについて,第3次札幌市
長期総合計画の中でも,市街化区域の未利用地について,計画的な開発の促進,無秩序な拡大を抑制するとしています。
そこで,3点についてお伺いします。
1点目は,こうした未利用地の現状について,市長はどのようにお考えなのかお伺いいたします。
2点目は,さきに述べた状況を踏まえ,次の市街化区域の見直しが2ないし3年後に予定されていると聞いていますが,どのような視点を持ち取り組まれるのかお伺いします。
3点目は,宅地についてですが,第3次
長期総合計画で2005年までに建設を必要とする住宅戸数は約46万戸と想定されています。市営団地の建設計画は第2次5年計画に明記されていますが,本市が今後の土地
区画整理事業で供給する宅地の目標が不明確です。そこで,現在実施中の土地
区画整理事業で宅地供給の目標をどのように考えているのかお伺いいたします。
次に,本市が今年度から2004年までの10年計画で進める予定の東雁来第2地区土地
区画整理事業についてお伺いいたします。
施行予定地区は,都心から北東へ約7キロメートルに位置し,道央自動車道や国道274・275号線に接した地区です。この予定地区は,事業主体は違いますが,本市が過去に住宅団地として施行したもみじ台団地242ヘクタールに匹敵し,本市の土地
区画整理事業としては,これまでにない最大の事業規模と伺っておりますので,以下3点についてお伺いいたします。
1点目は,同地区の施行予定面積,総事業費及び基本計画の承認,
都市計画決定等,一連の手続の日程についてお伺いいたします。
2点目は,この地域のまちづくりの取組みについてです。
当然,地区計画は念頭に置かなければなりませんが,積雪寒冷地の生活で欠かすことのできない先駆的な雪対策を初め,
高齢化社会に対応した道路,公共利便施設や商店街の適正配置,雨水調整池の有効活用を当初から組み込むべきであると考えます。
また,今後のまちづくりとしては,緑の確保は地球環境問題の上からも重要であり,この地域は夢のグリーンベルト構想の一環として,緑豊かな自然と住環境等に配慮した21世紀にふさわしいまちづくり計画がなされるべきと考えますが,いかがお考えかお伺いします。
3点目は,約10.2ヘクタールのし尿処理場跡地は,まちづくりの上でも大変重要な核になると考えますが,その活用についてどのように考えているのかお伺いいたします。
次は,JR苗穂駅北側地区の再開発についてお伺いします。
JR苗穂駅周辺地域は,長い歴史を持ちながらもJR苗穂工場や民間の工場,倉庫等が多く,地域住民にとって,必ずしも住環境や交通の便には恵まれているとは言えない現状です。
地元の紀穂町内会では,1991年11月,環境改善,周辺整備等のアンケートを実施し,325世帯からの要望等を集約しています。その主なものを見ますと,道路,交通体系の整備,南北の往来ができる通路の整備,苗穂駅北口の新設,苗穂駅周辺を利用した新しい施設の導入などに高い関心が寄せられています。また,1993年10月には,関係連合町内会,東区商店街連合協議会等が中心となり,JR苗穂駅北側地区再開発協議会が発足し,市長へ要望書等が出されています。さらに,周辺企業や市内外の企業等も大きな期待と関心を寄せています。
ところで,JR札幌駅を中心とした南北の再開発は,駅周辺の高架化とも相まって,ようやく本格化の段階を迎えています。これと並行して,札幌駅の東西各駅周辺の整備が大きな課題となっている中で,西方面は,桑園,琴似,手稲各駅周辺は再開発の計画が着々と進んでいます。しかし,東側に目を向けると,苗穂駅,苗穂工場を中心とするこの地域は,都心からも半径3キロメートル以内に位置し,将来の札幌市域における土地利用を考えた場合,優位性の高い立地条件下にありながら周辺整備は立ちおくれているのが実態であり,私は,全市的のみならず全道的な観点からまちづくりを考えるとき,早期に土地利用計画を定め,均衡のとれた街並みとして再編整備していくことが望ましいと考えます。
本市は,1991年3月に札幌市都市再開発方針を見直し,JR苗穂駅北側の鉄東苗穂地区252ヘクタールを1号市街地とし,そのうち22ヘクタールを鉄東整備地区に指定しました。本年度800万円の予算で実施される苗穂周辺地区土地利用構想策定調査の対象地域は,苗穂駅の南北約300ヘクタールと聞いておりますが,JR北海道所有地約38.8ヘクタール,国鉄清算事業団用地約12ヘクタールと,まとまった約50ヘクタールという広大な敷地の活用が焦点になるものと考えます。
議会においても,この間,わが党を初め,他の会派からも代表質問,予算特別委員会等で貴重な意見や提言が数多く出されています。一方,このように,この地域の土地利用の検討をしようとしているときに,清算事業団用地が徐々に分譲されていることは,将来に禍根を残さないのか懸念され,そうした意味でも,この地域の土地利用構想を早期に示すことが必要ではないでしょうか。
そこで私は,今回のこの地区の土地利用構想調査エリアにおける今後の再開発計画を考えた場合,都心東部にあるJR苗穂工場は,甲子園球場が五つ楽に入る広大な敷地を有しており,それ自体が全体の都市整備の大きな目玉となり,このことで近隣地域への波及効果も大いに期待でき,本市の適切な関与とリードが必要と思います。したがって,土地利用に当たっては,核となる大規模施設が必要と思われますが,都心の既存業種との競合もあり,アミューズメント施設も含めた多角的な検討が望ましいと考えますし,
都市計画面でも都心東部のまちづくりを誘導していくことが可能と言えます。
ところで,肝心のJR北海道では,全道的な経営の視点からも,苗穂工場周辺の土地利用や工場再配置も含めた有効利用について積極的な姿勢にあると伝えられています。そういう意味では,最大地権者のJR北海道の意向が重視されることは当然ですが,本市としても積極的に土地利用について働きかける機が熟していると思われます。
そこで,2点についてお伺いします。
1点目は,再開発に向けての本市とJR北海道が相互のコンセンサスをより深めるために,すでに事務段階の意見交換の場を設けているとのことですが,この際,もう一歩レベルアップした具体化に向けた協議の場をJR側に提案する考えはないかお伺いします。
2点目は,本年度,土地利用構想を策定するに当たって中心となる施設のあり方は,大規模施設が当然視野に入れられるべきと思いますし,開発手法としては,たとえば,都市機能更新型土地
区画整理事業,いわゆる住宅都市整備公団の特定再開発事業などもあろうかと存じますが,これらについて市長はどのような見解をお持ちかお伺いします。
次は,環境問題についてです。
最初に,環境基本条例の制定に関してお伺いします。
本年4月,札幌市公害対策審議会は,「新たな時代に対応した環境行政のあり方について」をまとめ,市長に提出しました。この答申を受けて,市では新たな制度的枠組みとして環境基本条例の制定を柱に,環境プラザや環境情報システムの整備,環境教育,学習にかかわる基本方針の策定を目指すことを明らかにしました。
そこで,より積極的な環境行政の推進を望む立場から,何点かお尋ねします。
1点目は,市では新たな制度的枠組みとして,まず環境基本条例の制定を目指すとしていますが,この条例の必要性についてどのように認識しておられるのか。また,環境基本条例の基本的な性格や盛り込むべき項目の大要について,市長はどのように考えておられるのかお伺いします。
2点目は,この答申を受けて環境基本条例の条例化が進められると思いますが,私は,市民の意見を反映させるための方策や環境情報の提供に対する考え方については,条例の中に位置づけていくべきものと考えますが,どうお考えでしょうか。また,条例案はいつの議会に提出されるのか。さらに,条例策定までのプロセスについてもお伺いします。
3点目は,答申では,さまざまな行政分野にわたる環境問題に対応するため,庁内の横断的な体制と調整権限の整備を図る必要があると提言していますが,現在の縦割り行政の中でこうした点にこたえていくには,それなりの体制づくりと決意が必要かと思いますが,お考えをお伺いします。また,組織体制や調整権限の確立とともに,財政基盤の確立も提言されていますが,この点についてもどのように考えておられるのか,あわせてお伺いします。
4点目は,答申の中に,市民のだれもが安心して健康に暮らすことのできる生活環境を将来にわたって確保するという提言がなされていますが,わが党は,答申の中に記されている数々の環境要素に,食の安全が保障される食環境が加えられてこそ生活環境の質的向上が実現されるものと考えますが,条例で規定される環境の概念の中に食環境も含むべきと考えますが,見解を伺いたいと思います。
5点目は,環境基本条例と現行の札幌市公害防止条例や,札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例及び札幌市緑化推進条例など,これまで生活環境の保全や自然環境の保全などに一定の役割を果たしてきた条例とのかかわりはどのようになるのか,お伺いします。
また,環境基本条例は,文字どおり環境に関する総体的な条例になると考えますので,一般の条例と同じであっても他の条例より優位な位置を占めるものと考えますが,この点についての見解をお伺いします。
次に,環境教育にかかわってお伺いします。
今後の幅広い環境問題の解決のために,いわゆる環境教育の推進が強く求められています。特に,次代を担う子供たちが,環境を守ることの大切さについての認識を感受性豊かな心の中にはぐくむことは,環境に優しい社会を創造していく上で,重要かつ不可欠なことです。
本市では,教育目標の実現を図る目的で設定された1994年度札幌市教育推進の目標の第3部「各学校における配慮事項」の中で,環境教育を学校教育においても重要な課題として受けとめています。
そこで1点目として,札幌市の学校教育全体の枠組みの中で,この環境教育をどう位置づけて具体的に推進されているのか,現状と今後の取組方針をお伺いします。
2点目は,市内小・中学校28校において,牛乳パック容器の回収に取り組んでいる実践例が報告されていますが,これは環境教育の成果の一例ではないかと思います。93年度における「完全給食及びミルク校実施状況」によれば,小・中そのほかの学校合計303校で,年間飲用する数量は200cc紙パック容器で3,758万個に上ります。重量換算で約250トン,学校プールで4杯分に相当し,これだけの紙をつくるためには,原料として高さ8メートル,直径14センチの木を5,000本使うことになります。
飲用後の紙パックの処理状況は,リサイクル業者が回収する部分は9%で,残りは供給業者と学校で廃棄処分されています。一方,市内の小・中・高等学校では,93年度1年間で再生トイレットペーパーを69万4,000個,金額にして5,898万円購入しています。
ご承知のように,牛乳パックの原料は上質のパルプでありますから,再生すればトイレットペーパーなどに十分使えます。仮に市内303校で飲用する牛乳パックをトイレットペーパーに再生したとするなら,現在学校で購入しているものは,1ロール130メートルのシングルタイプを使用していますから,1リットルパックで10メートル再生できるとすると,57万8,000ロールつくれます。この数は,購入しているトイレットペーパーの8割余りに相当します。今日では,紙パック容器の分離処理技術も確立し,道内にも再生会社が1社操業中であり,リサイクルの条件は十分あると考えます。
私は,最終的には,飲用牛乳は牛乳瓶の利用に戻ることを強く望むものですが,牛乳パックをごみにしないという配慮は,立派な地球環境保護運動と言えると思います。28校で始まった小さな運動を大きな輪へと広げていく価値と必要性は十分存在すると考えますが,市教委の所見をお伺いしたいと思います。
次に,火葬場及び墓地問題についてお伺いします。
火葬場や墓地といいますと,どうしても暗いイメージがあり,都市施設としては目立たない存在として,どちらも住民から敬遠されがちな施設です。人は生を受けてからだれしもが人生の最後にお世話になるものであり,また,一つの命の終えんは,大きな悲しみであると同時に大変厳粛なものであり,残された家族や亡くなられた方に敬愛の情を持つ人たちにとっては,亡き人の霊を弔い,追憶の場でもあり,私たち市民にとって重要な施設であると認識しています。
さて,本市の火葬場ですが,明治時代から約半世紀にわたり,豊平火葬場に始まり,1944年に平岸火葬場に引き継がれ,戦後40年間使われてきましたが,周辺の目覚ましい発展とともに設備の老朽化により,1984年現在の里塚斎場に建設,移転されました。この里塚斎場は,2005年,200万人口にまで対応できるよう30炉を配備し,当時の最新技術の粋を集め,公害防止,省エネルギー対策などに万全を期し,また,外観についても周囲の環境と調和した近代的な設備として建設され,市民に利用されております。
そこで,里塚斎場の火葬件数を見ますと,92年度総数で9,449件,最高は1月の981件で,1日最高で68件,93年度9,038件で,12月843件,1日最高56件となっています。
今後,わが国は急激な
高齢化社会を迎えようとしており,国の試算によりますと,2010年ないし2020年には高齢人口の増加がピークを迎え,死亡者が現在の1.7倍から2倍になると見込まれています。このような状況から,全国的に各自治体がこれに対応した火葬場の整備に迫られております。
本市においても,今後の人口の増加や
高齢化社会の到来を考えますと,火葬件数は大幅に増加し,火葬場を利用する遺族が長時間待たされるような事態が生じ,里塚斎場だけでは対応し切れない日が予想より早くやってくるのではないかと思われます。そのような状況を考えますと,新火葬場の建設の検討をいまから始めてもよいのではと思うのでありますが,里塚斎場が完成後10年を経過したこの機会に,2点についてお伺いします。
1点目は,里塚斎場の現状を踏まえて,新火葬場の建設についてどのような見通しを持っているのかお伺いいたします。
2点目は,里塚斎場は東部の市域境界近くに立地しているため,遠隔地の住民には,交通状況にもよりますが,冬季は往復で約2時間近くもかかるほど不便な状況が続いており,今後は均衡ある利用の観点から,住民サービスの向上を図ることが必要と考えますが,いかがでありましょうか。
次に,墓地問題についてでありますが,墓地は他の都市施設と異なり,その役割を終わることなく未来永劫存続させていかなければなりませんし,常に行き届いた管理が求められるものであります。特に,札幌市民としてこの街に多くの貢献をしてきた方々が永眠の場所として札幌の地を求めるならば,その遺志に報いることも行政として当然の責務であり,都市施設として必要になってきています。
ここで,現在の市営里塚霊園の建設経過を見ると,本市では1960年度の候補地検討の開始以降,霊園用地の決定,
都市計画事業決定,用地買収を開始し,1966年から第1期墓地造成,第1回公募が始まり,1984年の第6期事業をもって66.6ヘクタール,2万6,565総区画の公募を終了しましたが,この間,検討から第1期工事まで約6年間,最終年度まで約24年間の事業となっています。そして,本市では1984年市営里塚霊園の公募を最後に,この10年余は市営霊園の整備はなく,市民の需要に対しては,札幌市民間墓地取扱要綱に基づいて許可をした
民間企業に全面的に依存してきています。墓地の供給を民間にゆだねることについては,行政にとって財政的負担を伴わないという利点があるものの,その経営状況によっては市民に大きな不安を抱かせます。
私は,札幌市も年々人口が増加するとともに都市化が一層進むにつれ,都市施設の一つである墓地は重要性を高めており,本来の
公共施設として行政が整備すべきものであると考えます。さらに,墓地は前段でも申し上げましたように永続的な施設であることから,長期的な視点で施策を講じなければならない施設です。とりわけ,今次
長期総合計画の最終年度は2005年であり,残り11年先であることを考えた場合,将来的な墓地について新火葬場建設問題とあわせ,市民が期待する市営霊園の整備も含め検討に着手すべき時期に来ていると思います。
そこでお伺いしますが,1点目は,墓地の供給を民間霊園にゆだねて以来,この間,本市における墓地需給がどのように推移してきたのか。さらに,民間霊園による墓地供給体制はいつまで続けられることになり,その需給状況はどのように予測されているのかお伺いします。
2点目として,本市の将来的な墓地について,長期的視点から今後どのように検討されるのか,市長の見解をお伺いします。
次に,雪対策についてお伺いします。
本市が今日まで取り組んできたさまざまな努力,特に,脱スパイクタイヤ対策として他市には見られない高いレベルの路面管理を初め,雪さっぽろ21計画に沿って,除排雪のレベルアップとともに,流雪溝,融雪槽,坂道ヒーティングなどの雪対策施設整備が着実に進められていることは,雪対策にかける市長の並み並みならぬ決意を示したものであり,高く評価するものです。
さて,ここ数年における本市の降雪量は,1990年度に気象台観測史上最大の降雪に見舞われた以降,91年度,92年度と平年を下回っておりましたが,93年度の冬は2度目のどか雪と季節外れの大雨に見舞われ,最終的には累計降雪量が5メーター71センチを記録するなど,自然が相手とはいえ,いまさらなから雪対策の重要性を痛感させられました。また,脱スパイク社会の到来に伴い,92年度,93年度と,当初予想もし得なかった凍結路面が発生し,市民や各関係機関にとっては深刻な問題となっておりますし,市の担当職員も市民の要望や苦情に十分な対応が図れなかったとの声も耳にしたところです。このように,いままで重要課題として積極的に取り組んできたとはいえ,私は,さらにいま一歩踏み込んで積極的に雪対策に取り組まざるを得ないのではないかと考えます。
そこで,以上述べたような観点から,以下5点についてお伺いいたします。
1点目は,雪さっぽろ21計画の早期達成についてです。
今冬の状況を顧みますと,大雪のため雪堆積場には計画量の約1.5倍の雪が搬入され,何とか処理することができたものの,先行きには容量的に大いに不安を感じさせ,特に河川敷にある雪堆積場は,将来的には撤退せざるを得ないとの話もあります。雪対策事業は際限がないと言われておりますが,市民の生活に直結しており,社会経済活動に対しても非常に影響するものですので,雪さっぽろ21計画を前倒しをして執行され,21世紀までにと言わずに早期に達成されるべきだと思いますが,市長のお考えをお伺いします。
2点目は,凍結路面対策についてです。
確かに,脱スパイク社会の到来によって車粉被害は消え,車道を中心に見違えるようにきれいになりましたが,一方では,当初予想もし得なかった,いわゆるつるつる路面の出現により,われわれは新たな課題を背負うことになりました。追突・接触事故やのろのろ運転による交通渋滞で,交通機関や運送業には大きな影響を与えており,市民からは多くの要望・要求もあり,この3月には連合北海道札幌地区連合からも凍結路面対策を中心とした要望が出されています。
市は,この冬,凍結路面対策として環境に優しい凍結防止剤の散布や試験舗装などさまざまな対策を行い,昨冬よりはよかったと私は感じていますが,いまだ運転者の不安を解消するまでには至っていません。
そこで市長は,今冬の対策をどう総括し,今後はどのような方針で臨もうとしているのか,お考えをお伺いします。
3点目は,生活道路対策についてです。
生活道路にかかわる除排雪は,快適性を求めるニーズの高まりと相まって,一番身近で深刻な問題として根強いものがあり,特に今冬のような大雪では,車が交差できない,歩行者も満足に通行できないという状態が間々見受けられました。この市民に一番密着した生活道路の今後の対策をどう考え,どう展開していくおつもりなのか,市長のお考えをお伺いいたします。
4点目は,市民参加の歩行者対策です。
車を対象とした凍結路面対策はいろいろ実施されていますが,歩行者を対象とした対策については,特にこれといったものは実施されていません。北欧では,冬季間の歩道の転倒事故は行政の責任となっています。本市では,消防局の資料によれば,冬季間毎月約200人が転倒して救急車で運ばれており,これからの
高齢化社会に対応するためにも,高齢者が冬でも安全に歩行できるような何らかの対策を検討する必要があると思います。たとえば,歩道や交差点に砂や凍結防止剤を散布するとか,歩道の傾斜部分にゴムチップ舗装を敷設するとかが考えられますが,これらを市がすべて実施するとなると,その対象となる箇所が相当数に上るため,対応は困難かと考えられます。
そこで,地元の商店や市民が路面状況を見ながら,みずから歩道や交差点に砂や凍結防止剤を散布するような市民参加の,いわゆる一握の砂運動なるものを考案するなど,市任せの雪対策から市民みずから参加する方策を検討してはいかがかと思うのですが,市長のお考えをお伺いいたします。
5点目は,小型融雪槽にかかわる融資制度の適用拡大についてです。
市は,今年度予算に小型融雪槽の融資制度として予算を計上し,現在その制度を策定しているとのことですが,私は宅地内に設置し,みずから進んで玄関前などの雪を処理するということで,市民はもちろん,市民参加という点では市にとっても大変有意義な制度であると思います。しかしながら,最近各家庭に急速に普及しているロードヒーティングについても,市民は小型融雪槽と同様に冬季の生活環境の向上に大きな役割を果たすものと期待しています。
そこで,この制度を宅地内に設置するロードヒーティングにも適用すべきと思いますが,この点について市長のお考えをお伺いいたします。
以上をもって,私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,私から数点についてお答えをいたします。
まず最初は,財政問題でありますが,第1点目の国家予算成立のおくれによる本市予算への影響についてでございますが,まず
地方交付税につきましては,年4回の普通交付税の交付のうち,4月と6月の概算交付分が暫定予算に計上されておりまして,4月交付分として前年度普通交付税総額の4分の1がすでに交付されております。また,
国庫支出金につきましては,積雪寒冷地域における一般公共事業について,当初予算案のおおむね7分の4の事業費が暫定予算に計上されており,社会保障関係費などの経常経費についても,今国会の会期末である6月29日までに最低限必要となる分が暫定予算で措置されているところであります。
このようにして,本市の予算執行の上で国家予算成立のおくれによる特段の影響は,現時点では生じていないところでありますが,今後,その成立がさらにおくれることがあれば本市への影響が生じることが懸念されますことから,予算の早期成立を望むものであります。
次に,第2点目の平成5年度の
市税決算見込みと今後の
収納対策についてであります。
まず,市税の見通しにつきましては,現在決算整理中でございますので,確定的には申し上げられませんが,現計予算であります2,739億円は確保できるものと考えております。しかしながら,市税をめぐる環境はまことに厳しい状況にありますので,今後,決算内容を詳細に分析した上で,さらに適切な
収納対策を講じてまいりたいと考えております。
具体的には,高額滞納者及び累積滞納者が著しく増加している傾向にありますことから,これらの滞納者の整理を重点としながら,夜間及び休日の納税折衝,臨戸訪問による納税指導の強化,財産の差押え及び差押え財産の公売促進など,滞納事案に即応した効果的な
収納対策を一層進めてまいる所存でございます。
次に,福祉問題についてお答えをいたします。
第1点目の障害者の雇用についてでございますが,本市ではこれまでも障害者の方々の自立と社会参加の促進を図るために,
公共施設に働く場を確保したり,福祉工場を開設するなど,雇用の拡大に努めてきたところであります。また,福祉的な就労につきましても,授産施設の整備や
小規模作業所の充実などを図っておりますが,今後ともなお一層障害者の方々の就労の支援に努めてまいりたいと考えております。
第2点目は,住宅問題についてでございます。
まず,障害者・高齢者向け
市営住宅の建設方針についてでございますが,平成4年度からは室内の段差解消,手すりの設置等の高齢者仕様を実施しております。また,車いす使用の方々につきましては,日々の生活に配慮した間取りや,入居者の意向を取り入れた設備の設置や高さの調整等を行なっております。今後とも高齢者や障害者が住みやすい
市営住宅の供給を推進すべく努めてまいる所存でございます。
2番目の
公営住宅を活用した
グループホームについてでございますが,建設省,厚生省が協議の上で,平成4年から試行的に実施をしているところでありますので,その推移を見ながら今後研究してまいりたいと考えております。
第3点目の障害者に対する
ホームヘルパーの確保についての考え方であります。
ホームヘルプサービスは,
在宅福祉サービスの中でも最も重要な施策の一つと考えておりますので,高齢者に対するサービスと一体的な事業として実施しております。したがいまして,昨年度障害者の方々を対象に行いました実態調査の結果なども踏まえて,障害者に対する
ホームヘルパーの確保については,より柔軟で効果的なサービスの提供ができるよう,今後ともこの事業の充実に向けて努めてまいりたいと考えております。
第4点目の全身性
重度障害者介護料の助成事業における介護料の増額についてでありますが,この事業は,単独事業として平成5年度から本格的に実施を図っております。今年度は,介護人をより確保しやすいものとするために,介護料の増額を行なったところでありますが,今後とも市民ニーズに対応できる介護制度の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に,福祉問題の5点目の
コミュニティ施設のあり方についてでございますが,本市では,市民の文化活動や
コミュニティ活動の場として,また,子供からお年寄りまでの幅広い市民の交流の場として,
区民センターや
地区センターなどを設置しておりますが,これらの施設の高齢者や障害者への対応につきましては,福祉の街づくり環境整備要綱に基づきまして施設の整備を行なっているところであります。今後におきましても,昨年度策定いたしました
高齢者保健福祉計画や,これから策定を予定しております障害者
福祉計画での検討を踏まえるとともに,市民の利用実態や他の施設の整備状況を見ながら,時代に応じた整備を研究してまいりたいと考えております。
次は,環境問題について,私から環境基本条例の制定についてお答えをいたします。
第1点目の環境基本条例の必要性についてどのように認識をしているかということでございますが,今日の環境行政は,従来の法律や条例が対象としている枠内では対応が困難となってきておりますので,本市といたしましても,制度的枠組みの整備を図るべく環境基本条例を制定して,今後の幅広い環境問題に対応していく必要があると,このように認識をしております。
次に,条例への基本的な内容等についてでございますが,新たな時代に対応していく環境行政の理念的な条例を想定しております。
第2点目の条例への位置づけについてでございますが,市民の意見反映等については重要な項目でありますので検討してまいります。また,条例制定に向けましては,早い時期に本市の素案を固めて,市民各層の意見も踏まえて条例原案を作成し,できれば平成7年中の提案を考えているところであります。
第3点目の組織体制,調整権限及び財政基盤の確立についてでございますが,今後の幅広い環境問題に対処していくためには,それなりの体制の整備が必要であり,財政基盤の確立とともに今後検討してまいりたいと考えております。
4点目の食環境についてでございますが,条例を策定していく中で検討してまいりたいと考えております。
第5点目の環境基本条例と現行の他の条例とのかかわりについてでございますが,内容的には環境保全の分野について基本的な理念や施策を定めるものでありますから,その意味においては,環境に関する他の条例の基本的な方向性を示すものになろうかと考えております。
次は,火葬場問題についてであります。
第1点目の新火葬場建設の見通しについてでございますが,本市の人口が200万人といま予想しております平成17年には,既存の火葬場だけでは対応が困難になるものと推計されます。そこで,次期5年計画の中で新火葬場についても検討していく必要があると考えております。
第2点目の建設場所につきましては,本市の総合的な土地利用を踏まえて,市民の利便性や周辺の環境も考慮しながら検討してまいりたいと考えております。
次は,霊園整備についてであります。
第1点目の墓地需給の推移と予測については,民間霊園での対応によりまして,市民の需要に見合った内容で推移をしてきております。また,今後の見通しにつきましても,おおむね平成17年までは対応が可能であろうと考えております。
第2点目の将来的な墓地の検討についてでありますが,次期5年計画の中で市民の意識調査を実施するとともに,今後の墓地のあり方などについて長期的視点からの調査検討に着手していきたいと,このように考えております。
次は,雪対策についてお答えをいたします。
まず,第1点目の雪さっぽろ21計画の早期達成についてでございますが,実施に移してから3年が経過して,この間除排雪のレベルアップを図るために,さきの第1回定例会でお答えをしましたとおり,その受け皿となる雪対策施設に重点を置き,整備を進めているところであります。現在,本市を取り巻く財政環境は厳しい状況にはありますが,市民の雪対策に寄せる期待と要望が非常に強いことは十分承知いたしておりますので,21計画達成の前提となる施設整備を鋭意進めながら,計画全体の早期達成に努めてまいりたいと考えております。
第2点目の凍結路面対策についてでありますが,平成5年度は中長期的な視野に立った対策として凍結対策試験舗装などに着手し,また,即効的な対策としても新たにCMAを主要交差点に散布したところであります。この結果,道警交通部によるスリップ事故の調査によりますと,昨冬と比較して2次指定地域を中心に全道的に発生件数が増加している中にあっても,札幌圏は事故件数が約16%減少し,また消防局の調査によりますと,歩行者の転倒事故も5%減少しております。このことは,市民やドライバーの経験や意識の向上が大きく貢献したことはありますが,それに加えて,本市の凍結路面対策も効果を上げた結果と見ていいのではないかと考えております。今後も新たな手法を積極的に試み,さまざまな対策を組み合わせて凍結路面問題の解決に向けて努力してまいりたいと考えております。
3点目の生活道路対策についてでございますが,市が生活道路の隅々まで排雪を行うことは,これはもう財源的にも,また,排雪先の確保など除雪体制の面からも困難であります。基本的には,雪さっぽろ21計画の一つの柱であります市と市民の,いわゆるパートナーシップの精神で対応してまいりたいと考えております。具体的には,本格実施して2年が経過いたしました除雪パートナーシップ制度や,従来から実施をしております市民助成トラック制度を活用することでありまして,今後とも市民の協力を得ながら,これらの制度の定着化に努めてまいりたいと考えております。
第4点目の市民参加の歩行者対策についてでありますが,ただいまお話ありましたことは大変貴重なご提言と受けとめております。これからの
高齢化社会に備える意味でも,歩行者対策は重要な課題と認識しておりますので,市民参加を含めた対策を検討してまいりたいと考えます。
第5点目の小型融雪槽にかかわる融資制度の適用拡大についてでありますが,この制度は本年度から始まる制度でございまして,まずはこの普及拡大を図ってまいりたいと,このように考えているところであります。私からは以上であります。
○副議長(伊与部敏雄君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) まちづくりにつきまして,私からお答えいたします。
まず,未利用地にかかわる諸問題についてでございます。
1点目の未利用地の現状についてでございますが,昭和55年からおおむね5年ごとに実施されている過去3回の
都市計画基礎調査の結果を比較しますと,本市の整備済み空閑地の利用地への転換率は,いずれも調査ごとに33%ずつとなっており,今後もある程度の割合で利用地への転換は進んでいくものと考えております。
しかしながら,ご指摘のとおり,基盤整備済みの空閑地が多く介在することは,効率的なまちづくりを進める上での問題点の一つでございまして,特に
地下鉄沿線等においてそのような部分も見受けられることは,
高度利用を促進する観点からは大きな課題であると認識しております。
これら未利用地の利用地への転換は,地権者の意向や社会経済情勢の動向に左右されることもあり,なかなか効果的な解決策は見つからないものでありますが,本市といたしましても従来より基盤整備済み,未整備を問わず,規模の大きな未利用地を所有している地権者へのアンケート調査の実施や,比較的新しい
都市計画制度である緩和型地区計画制度のPRも行いながら,開発意欲の喚起と利用地への転換を促してきたところであり,今後もこのような努力を行なってまいりたいと考えているところでございます。
次に,第2点目の市街化区域の見直しの視点についてでございます。
次回の市街化区域の見直しに際しましては,第3次札幌市
長期総合計画における土地利用基本構想の理念を踏まえ,将来の人口,産業を適正に収容し得る市街地の規模となるよう,さきの
都市計画基礎調査の結果等も考慮しつつ,北海道を初め,関係行政機関との調整を図りながら,慎重に検討してまいりたいと考えております。
第3点目の土地
区画整理事業による宅地供給の目標についてでございますが,現在施行中の事業は21地区,施行面積約840ヘクタールであります。これらの事業が完了した場合には,良好な住宅地として新たに約300ヘクタールが供給可能になると考えております。
次に,東雁来第2土地
区画整理事業についてでございます。
第1点目の事業の概要につきましては,施行面積は約213ヘクタールで,総事業費としましては,おおむね475億円を予定しております。今後の手続といたしましては,平成6年7月に国から基本計画の承認を得て,平成7年9月に施行区域の
都市計画決定を行う予定でございます。
第2点目のまちづくりについてでございますが,本地区の土地利用につきましては,南側約66ヘクタールを流通・工業系,北側約147ヘクタールは住居系として位置づけております。本地区は,豊平川を初めとして自然環境に恵まれておりますので,これらの特性を生かし,地区内の公共公益施設を結ぶ緑道を基本に,緑のネットワークの形成を図るなど,人に優しい緑豊かなまちづくりを目指したいと考えております。
また,雨水調整池の活用につきましては,その位置が緑道や公園などに接しておりますので,公園的な活用を含め,多目的な利用を図ってまいりたいと考えております。
雪対策等につきましては,事業費との関連もございますので,事業を進める中で,その可能性につきまして検討してまいります。
第3点目のし尿処理場跡地の活用でございますが,その一部を地区公園と下水道ポンプ場用地に活用し,残る用地につきましては,開発の動向を見きわめながら本地区の土地利用にふさわしい施設の設置を検討してまいります。
次に,JR苗穂駅北側地区の再開発についてでございます。
ご質問の第1点目のJR北海道との協議の場の設定についてでございますが,当該地域につきましては,地元の動向等を踏まえ,将来の土地利用の基本的な考え方をまとめるべく,今年度調査を行うものでありますが,その場合,JR苗穂工場の移転問題も検討材料となりますことから,JR北海道との公式の協議の場が必要でありますので,しかるべき時期に,その規模及びランクづけ等につきましてJR側と協議をしていきたいと考えております。
次に,2点目の中心となる施設のあり方についてでございますが,お話にございましたように,当該地区は,都心から至近の距離にありますことや,高速自動車国道のジャンクションや地下鉄駅にも囲まれた交通の要衝でありますことから,広域的な視点や既存の都心機能との適切な役割分担,21世紀に向けてのすぐれた都市空間の形成,さらには市民的コンセンサスなどにも配慮し判断していかなければならないと考えております。
また,整備手法についてでございますが,可能な限り地元の理解と協力のもとで事業展開を図るべきであり,その意味で土地
区画整理事業の適用が望ましいと考えますが,なお,土地利用構想の策定,基盤整備の方向などを整理する中で適切な整備手法について検討してみたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 田中助役。
◎助役(田中良明君)
地下鉄需要喚起策につきまして,私からお答えをいたします。
最初に,
地下鉄需要喚起の取組みについてでございますが,第1点目の第1次2万人
プロジェクトにつきましては,平成3年12月末の市営交通
経営健全化計画の柱の一つとして策定以来,全庁を挙げて取り組んでいるところであり,2万人
プロジェクトによって
地下鉄利用実績の減少傾向に一定の範囲で歯どめをかけているものと考えております。
しかしながら,
地下鉄利用は,景気の低迷や週休2日制の普及などによって2年連続して前年を下回るという前例のない事態に直面していることから,今後に計画している
音楽専用ホールやコミュニティドームなどの各事業を着実に進めるとともに,新たにイベントの新設や充実を図るなど,ソフト面での施策を積極的に推進し,さらに総合的交通対策の視点をも加味することによって,一層需要を喚起してまいりたいと考えております。
第2点目の
地下鉄需要喚起担当部の設置の意義につきましては,地下鉄東西線延長計画に関して事業化の見通しが立ったことから,延長部分の終点駅周辺のまちづくり計画を確実に実施する必要などにより,担当部制をとって組織の充実を図ったものでございます。
第3点目の
地下鉄需要喚起策の見直しにつきましては,先ほどのご答弁とも重複するものでございますが,今後とも当初計画の
プロジェクトを着実に進めるとともに,リンケージ・アップ フェスティバルや厚別区役所前広場でのリサイクル市など,
需要喚起の効果が期待されるイベントなどを積極的に実施してまいります。
また,総合的交通対策の視点からも,さわやかノーカーデーの月2回の実施とこれにあわせたエコキップの発売や,民間バスも含めたプリペイドカード式の共通乗車券の導入検討など,人に優しい交通対策として公共交通機関への誘導を積極的に推進してまいりたいと考えております。
需要の回復には景気動向などが大きく影響するものと考えられますが,本市といたしましては,健全化計画の目標を着実に達成できるよう,今後とも全力を挙げて取り組む所存でございます。
次に,2万人
プロジェクトの主要施策の一つでございます
音楽専用ホールについてお答えをいたします。
第1点目の中島子供の国遊園地と
音楽専用ホールとの
地下鉄利用率につきましては,中島子供の国遊園地は,平成4年4月に実施した利用実態調査に基づいたものであり,
音楽専用ホールは,平成4年度に市内のクラシックコンサート会場で実施しましたアンケート調査の結果に基づいて推計したものでございます。その利用率の違いでございますが,施設の利用形態,世代層,さらには利用時間帯などが異なることにより生じるものと推測をしております。
次に,第2点目の建設のスケジュールにつきましては,平成9年2月末に本体工事の竣工を予定しており,その後,オルガンの設置工事及びオープン準備を行い,同年7月の第8回パシフィック・ミュージック・フェスティバル開催時にオープンをする予定でございます。
第3点目の工事の発注方法につきましては,建築主体工事は3本,機械設備工事は5本,電気設備工事が4本の計12本に分ける予定でございます。
その中で,建築主体工事1本を本年度試行する一般競争入札の対象とし,入札の告示日は6月7日,入札日は7月14日を予定してございます。また,本格導入につきましては,本年度の試行結果を踏まえ,平成7年4月1日をめどに検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,東豊線既設線の駅周辺における用途地域変更前後の人口,建物の動向についてお答えをいたします。
当該駅の周辺につきましては,昭和63年の地下鉄開業を前提にして,昭和61年に用途地域を容積率300%の近隣商業地域へ変更しております。そこで,昭和61年時点と平成3年時点の
都市計画基礎調査の結果を比較いたしますと,沿線のおおむね徒歩圏内における居住人口は,5年間で約1割増でございまして,全市人口よりも若干高い伸びを示しております。また,同区域内の建築物の延べ床面積は,この間約5割増でございまして,全市平均の3割増に比べまして大幅に高い伸び率となっております。
さらに用途地域の変更部分に限って見ますと,建築物の延べ床面積が商業系施設を中心として約7割増加をしまして,結果として全建築物の平均容積率が約65%から約120%へ上昇し,総じて
高度利用かつ商業系への方向へ土地利用が変化している状況でございます。
地下鉄沿線の用途地域につきましては,駅周辺は商業核の形成を目指して,また,後背地は高密度な住宅地の形成を目指して,それぞれ
高度利用が可能な容積率を設定しております。ご指摘のとおり,市街地が急激に変化するとは考えられませんけれども,時間の経過とともに
高度利用が着実に進行し,ひいては地下鉄の需要増へ結びつくものと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 環境問題に関する教育についてお答えを申し上げます。
第1点目の環境教育の現状と今後の取組みの方針についてでございますが,市教委といたしましては,環境教育の重要性を考え,札幌市教育推進の目標に位置づけるとともに,学校における研究課題等にも取り上げているところであります。
本市におきましては,すべての学校において環境や環境問題に対する豊かな感受性や見識を持つ人間の育成を目指して,それぞれの学校の実情に合った課題を取り上げながら,教育活動のすべての領域で積極的に実施をしております。いずれにしましても,環境教育は人類の生存にかかわる地球規模の重要な課題と認識しており,学校教育においても積極的に推進してまいりたいと考えております。
2点目の牛乳紙パックのリサイクルについてであります。
各学校におきましては,環境教育の具体的な取組みとして,空き缶のリサイクルやサケの飼育,河川の汚染状況や酸性雨の調査,あるいは地域の環境活動など,学校や地域の実態に合った教育活動をさまざまな領域を通して工夫しながら行なっており,着実な広がりと深まりを見せております。
ご指摘のございました牛乳紙パックのリサイクルにつきましても,学校の実情に即した多様な環境教育の一環として取り組まれているものであります。
このような環境教育にかかわる実践は,児童・生徒の発達段階を踏まえながら,今日的な課題に取り組もうとする体験的な教育活動であり,新しい教育のあり方にも沿うものであると考えております。市教委といたしましても,今後とも各学校の実態を踏まえ,地域の特色を生かした主体的な環境教育の取組みがさらに充実していくよう指導してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時27分
再 開 午後3時
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○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。村山優治君。
(村山優治君登壇・拍手)
◆村山優治君 私は,ただいまから自由民主党議員会を代表いたしまして,Jリーグの誘致を初め,当面する市政の諸問題について質問をいたします。
まず最初に,Jリーグについてでありますが,サッカーをわが国により広く,より深く根づかせるため,競技場を初めホームタウン環境の整備を行い,地元住民が心行くまでトップレベルのサッカーとふれ合えることを目指すことを目的として設立されております。
本市においても,現在,このJリーグチームの設立を目指す市民運動の輪が広がりを見せており,この運動の一つとして実施されているのが,札幌青年会議所が行なっている「札幌にプロサッカーチームを」という署名活動であります。そして,この記念すべき第1番目の署名人に桂市長が選ばれ,先般,署名をされたところであります。この市長の署名によって,多くの市民にJリーグ設立に大きな期待を持たせるとともに,チーム設立運動に向けて,一層のはずみをつけることになると思うのであります。
私自身,このチーム設立の事業が多くの道民・市民に熱烈にサポートされると同時に,企業などの支援を受けて本市に誕生することを心から願っている一人であり,本市にJリーグが誕生し,将来,Jリーグの頂点を目指すことになれば,街の活気も市民の熱気もいかほどかと想像しているところであります。
また,Jリーグの「地域にスポーツ文化を根づかせる」という理念と,そのまちづくりへのインパクトの強さを考えると,Jリーグ設立の事業は,近年の本市におけるソフト面の一大事業の開発として位置づけられてよい,重要な意義を持つと考えることができるのであります。
これまで,本市においては,さまざまなイベントなどのソフト事業が実施されておりますが,その中でも,特にさっぽろ雪まつりの開催,PMF音楽祭の創設,スポーツに目を転じれば宮様スキー大会の開催などは,その目的,規模の大きさ,継続性などにおいて,わが国はもとより世界に誇れる一大事業であり,札幌市民が大切にしなければならない事業であります。
市民が誇ってよい,これら事業については,子供たちの素朴な雪だるまづくりから生まれた雪まつり,バーンスタインの熱意から札幌を開催地としたPMF,北国ならではの地理的必然性などを生かした宮様スキー大会など,それぞれ一様ではありませんが,特徴としては,関係者のご努力は申すまでもなく,まず道民・市民に支持され,企業の協力とご支援を受けながら,行政も積極的なバックアップをすることによってつくられていることであります。そして,何よりも札幌らしさを感じることができる個性あふれる事業になっているのは,大通公園があり,芸術の森があり,冬季スポーツを楽しめる自然と諸施設と歴史的に蓄積されてきた環境整備と結びついて,これら事業が発展してきているということであります。
さて,Jリーグの誘致についてでありますが,現在,Jリーグに加盟しているチームは12チームがあり,さらに加盟を目指して正式に名のりを上げているのが9チームと,全国各地でJリーグを目指す動きは非常に激しいものがあります。このようなサッカーを通じた地域活性化を一つの旗印とした動きを見ますと,まきにJリーグを通しての都市間競争が始まっていると言えるのではないでしょうか。
これらJリーグを誘致するためには,札幌市民の盛り上がりはもとより,道民の皆さんのご支援をいただきながら,行政,議会,そして一番重要な企業のバックアップ等々,それぞれの立場におられる皆様方の役割が着実に実行されて初めてJリーグを誘致することができると思うのであります。
聞くところによりますと,一例ではありますが,東京都の調布市が昨年6月の定例議会の中で,全会一致で誘致に向けての議会決議をされ,10月の定例議会では,Jリーグチーム誘致推進に要する経費884万6,000円を盛り込んだ補正予算が可決されたとのことであります。また,福岡市,神戸市,仙台市を含めた数都市がJリーグ誘致に向けた活発な活動をされていることも仄聞しているところであります。
ことし12チームのリーグが,来季は14チーム,そしてその翌年は16チームに拡大する見通しでありますが,現在だけでも,先ほど述べましたチームが虎視たんたんとJリーグ入りを目指した運動を行なっており,本市においては,このような現状を直視しながら,Jリーグ入りを目指す取組みを進めるべきであると思うのであります。
市民の皆さんの中からは,ぜひとも札幌にホームチームをという声の割には,清水市,大分市など,サッカー王国とも言える他都市に比較して,札幌のサッカー基盤が必ずしも強いとは言えない現状であるからこそ,市長にもぜひ頑張っていただき,今後,本格的に札幌にJリーグチームの設立を目指す市民の声を一つにしてほしいと思っているところであります。
Jリーグ設立の趣旨には,参加条件を見ても,一番求められているのは,競技場の整備とともに,練習及び選手育成のための施設環境の整備などのホームタウン制の確立であり,地域に根差した地域のチームづくりが最大の眼目であると考えます。また,このようなJリーグの理念に着目し,本市におけるJリーグ設立運動を考えた場合には,まちづくつと結びついたホームタウンの実現が可能であり,他都市にはないオリジナリティーのあるJリーグ設立ができると思っております。
このような基本的な考え方に基づき,以下3点のご質問をいたします。
まず第1点目でありますが,札幌をホームチームとするJリーグチームの設立についてでありますが,現在,札幌青年会議所が中心になって30万人を目標とした署名活動が行われており,また,仮称ではありますが,Jリーグをつくる会の設立の動きがあります。市長は,このJリーグチーム設立に当たり,マスコミ等々にもできる限りの応援をしていくと述べておりましたが,本市としての基本的な姿勢をどのように考えておられるのか,まずお伺いをいたします。
第2点目には,Jリーグのホームタウン化に当たっての諸課題への対応についてであります。
すでに承知のことと思いますが,Jリーグへの参加の条件として,参加団体の法人化,ホームタウン制度の確立,スタジアムの確保,チーム組織,選手・指導者のライセンスなどがあり,これらをクリアすることが必要であります。この中には,スタジアムのほかに練習施設や選手育成のための施設など,本市としてもまちづくりの観点から検討が必要と思われるものもありますが,解決すべき課題が広範多岐にわたり,専門性を有する内容も多く含まれているのは確かなことであります。
したがいまして,今後,札幌市としてこれらの課題にどのようにかかわりながら取組みを進めてまいる所存なのか,そのお考えをお伺いいたします。
第3点目でありますが,Jリーグの競技施設についてであります。
2002年ワールドカップサッカーの国内開催地に立候補したことにより,市長は,豊平区の羊ケ丘にサッカー場をつくることを表明されておりますが,この施設の完成までの期間,Jリーグの試合は,昨年同様,厚別公園競技場を使用することになりますが,ことしもその試合が7月3日にはベルマーレ平塚対横浜フリューゲルス,9日にはジェフ市原対ベルマーレ平塚,10日には横浜フリューゲルス対浦和レッズ,16日には清水エスパルス対ジェフ市原の4試合が開催されることが決定しております。しかしながら,この施設をJリーグ公式試合で使用するためには,Jリーグの基準に沿った施設内容とするよう改善をしなければならないと聞いております。
そこで,厚別公園競技場のJリーグの基準に沿った改修の考え方はどのようなものなのか,また,改修に当たっては,その費用をどの程度試算されているのか,お伺いをいたします。
次に,北海道新幹線についてお伺いをいたします。
北海道新幹線をめぐるこれまでの動きを振り返りますと,昭和44年に策定されました新全国総合開発計画において,国土の発展に活力を与えるため,東京−福岡間を結ぶ第1国土軸に加え,東京−札幌を結ぶ新たな国土軸の形成を図るべく,高速交通機関による交通ネットワークの構築が叫ばれたところであります。これを受けて,昭和45年に,高速輸送体系の形成が国土の総括的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ,新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り,もって国民経済の発展と国民生活領域の拡大に資することを目的とする全国新幹線整備法が制定されました。
まさに,新幹線整備は国家
プロジェクトとして位置づけされたわけでありますが,この法律に基づき,昭和48年には,青森−札幌間の北海道新幹線,盛岡−青森間の東北新幹線,高崎−大阪間の北陸新幹線,福岡−鹿児島間及び福岡−長崎間の九州新幹線の5線について,整備計画が定められたところであります。しかしながら,当時の国鉄の経営状況の悪化もあり,昭和57年に出された臨時行政調査会の基本答申において,整備新幹線計画は当面見合わせるとの方向が打ち出され,これにより新幹線整備がストップされたのであります。
その後,昭和62年1月には,整備新幹線の着工凍結解除が閣議で決定されるとともに,同年策定された第四次全国総合開発計画において,地方圏の発展を促進するためには,地方主要都市を連絡する全国的なネットワークを早期に完成する必要があるとされ,北海道新幹線の建設に着手する方向が示されたところであります。この四全総では,全国1日交通圏の拡充を目指しており,盛岡から札幌までの新幹線を整備することは,わが国の分散型国土運営にとって大きな役割を担うものであるとともに,国家
プロジェクトとして整備され,昭和63年に開業した青函トンネルの利用促進を図る上からも不可欠なものであると期待されるところであります。
このような考え方に立って,昭和63年8月には,北陸新幹線,東北新幹線,九州新幹線鹿児島ルートの3線が優先着工されることが決められ,残念ながら北海道新幹線は先送りとされたのであります。また,この決定とあわせ,見送りになった北海道新幹線,九州長崎ルート,北陸新幹線の未着工区間については,5年後に見直すこととされたのであります。
昨年は,この基本スキームの見直し年に当たったわけでありますが,北海道内においては,新幹線の早期実現に向けた活動が,市民,経済界の中で大きな高まりを見せているところでありますし,本市議会におきましても,昨年3月に全会派一致をもって早期着工を求める決議を行なったところでございます。
この基本スキームの見直しに当たり,わが政府自民党は,北海道新幹線の建設着手を進める立場から努力してきたところでありますが,その後,政権の交代もあり,見直し作業に時間を要したわけであります。ことし2月の連立政権における大蔵,運輸,自治の大臣申し合わせ事項では,一つ目には,従来の整備計画は,北海道新幹線を含め,すべて維持されること,二つ目には,現在整備を進めている3線5区間以外については,新たな財源を見出すことを前提に,平成9年以降新しい基本スキームを検討し,その成案を得ること,三つ目には,未着工区間について,従来の建設推進準備事業を推進するとともに,ルート未発表区間については,地元調整が整うことを前提として,ルート公表を行うための調査を促進し,環境影響評価を推進することとされております。
今後,北海道新幹線につきましては,平成9年にも行われる基本スキームの検討時期までに,ルートを初め,駅の位置,並行在来線の取扱いなどについて,北海道が中心となって関係自治体,JR,鉄道建設公団で協議を進める必要があるものと考えます。
私は,東京一極集中の是正が叫ばれる中,首都圏から遠距離にある北海道におきましては,空港機能の拡充とあわせ,鉄道運輸の充実による時間距離の短縮を実現させることが,札幌はもとより北海道の活性化につながる道であると確信いたしております。国で進めている四全総の見直し点検作業の中におきましても,これからの地域活性化のかぎを握るのは人の交流であろうと指摘されているところでもあります。
フル規格の新幹線においては,いずれ時速300キロ台の実現が可能だと言われており,東京−札幌間を4時間前後で移動できる時代も夢ではないと考えられます。この時間距離の短縮が実現すれば,既存の新幹線で見られるような新規利用客の誘発も十分促進されるものと考えられます。
また,東北新幹線の盛岡開業後における沿線への企業立地の著しい伸びとともに,設備投資の目覚ましい拡大状況を見ますと,北海道の産業経済面へのプラス効果も必ずや大きなものがあるだろうと期待されるものであります。
北海道新幹線の整備に当たりましては,建設費用が1兆3,000億円とも言われており,財源面での課題も横たわっておりますが,21世紀のわが国の均衡ある発展を図るための重要な交通基盤として,国家
プロジェクトの観点から,早期に実現されることを強く望んでいる次第であります。
このような立場からお伺いしたいと思いますが,札幌市も北海道新幹線の早期実現に向けて,北海道とも連携をとりながら,今後検討を進めていく必要があると思います。北海道新幹線に対する基本的な認識と札幌市の取組みについてお伺いをいたします。
次に,パークゴルフの振興についてお伺いいたします。
本市においては,昭和51年に健康都市さっぽろを提唱して以来,市民一人一人が自発的にスポーツに親しめる環境づくりに努めるとともに,市民の健康づくりを積極的に支援することを基本目標として諸施策を展開し,市民スポーツの振興を促進されている体育行政のこれまでの取組みについては,高く評価するものであります。
一方,スポーツが私たちの生活を豊かにすることに欠くことのできない要素である今日,私は,これからも新しい発想を取り入れながら,市民ニーズにこたえる諸条件の整備を積極果敢に進め,市民のスポーツに対する関心をさらに高めていくことが肝要であろうと考えるものであります。
文部省の調査によりますと,スポーツと呼ばれるものの種目が400以上あるようでありますが,私は,近年,新しい動きが見られるニュースポーツの中で,とりわけその発祥の地が北海道からというパークゴルフについて,今後の展望を含めご所見をお伺いしたいのであります。
昨年11月に公表されました総理府の国民生活白書では,これまで豊かさが実感できないと言われてきている中で,近年の自由時間の増大なども相まって,ゆとりと働きがいのある生活を志向するようになってきていると提言されております。
確かに,労働時間の短縮による週休2日制の普及あるいは学校教育における平成4年9月からの学校週5日制の実施に伴い,生活にゆとりを求める社会への移行が少しずつ浸透しつつあると思われるのであります。これは,21世紀に向かっての新しい価値観の胎動であり,私が申すまでもなく,皆様もすでにご承知のことと思うところであります。
また,本市の学校週5日制研究委託校における意識調査では,保護者の週5日制に対する賛意,すなわち「賛成」「よかった」「どちらかというとよかった」を含めますと,導入前の平成4年6月の30.4%から導入1年後の平成5年10月では51.8%と,大幅な伸びを見せておりますが,このことは,週5日制に対する保護者の理解も一段と浸透してきているものと考えられるのであります。
こうした豊かな余暇時間を有効に活用し,家族とともに生活や健康のためにも,地域や人々との交流を積極的に行い,生きがいを求めていこうとする考えも広く浸透して,スポーツ・レクリエーション活動に積極的に取り組む市民がふえている状況にあります。
さらに,本市の平成4年度の余暇をテーマとした市政世論調査の報告書によりますと,「平日の自由時間が現在よりもふえた場合,どのようなことをしたいと思いますか」との質問に対して,第1位が趣味・スポーツで,全体の50%を占めており,そのほかに健康を維持するための活動が27%となっております。ここでも,健康のためにスポーツやそのほかの活動に取り組もうとする強い姿勢を読み取ることができるのであります。
そこで,今日,生涯スポーツの振興が叫ばれるようになり,仲間とともに心地よい汗を流したり,交流を深めることを目的とするレクリエーション的なスポーツが行われるようになってきております。このような状況において,年齢や体力に応じて,いつでも,どこでも,だれでもがスポーツに親しめるニュースポーツの普及が盛んになりつつあると思うのであります。
その代表的な例として,パークゴルフ,ゲートボール,ミニバレーなどが挙げられるわけでありますが,特にパークゴルフにつきましては,昭和58年に幕別町で生まれましたが,その名のとおり公園の有効活用という発想を生かし,身近で,いつでも,だれでもが気軽に楽しめるスポーツとして急成長を続けております。私の仄聞するところによりましても,「三世代スポーツに最適」「健康になった」「病後のリハビリとして始めた」など,人気の一つに健康面を挙げる人が多くおります。これを裏づける科学的調査が,昨年,文部省の外郭団体・日本レジャースポーツ振興会によってまとめられ,プレー中の健康面について評価できるとして報告されております。
このパークゴルフは,ゴルフに似たルールで18ホールに設定されており,1ホールの距離が100メートル未満と短く,芝生の上でボールを打って,ホールにできるだけ少ない打数で入れることを競うもので,いわばゴルフのミニ判と言えるものであります。
昨年9月には,10周年記念事業の一環として幕別町において第7回パークゴルフ国際大会が開催され,過去最高の21カ国,代表331人の参加者が集い,壮快な汗を流し交流を深めるなど,国際親善のかけ橋となったところでもあります。
手軽でおもしろいパークゴルフを身近な例から申し上げますと,私の住んでいる西区,特に発寒地区におきましては,パークゴルフが盛んに行われるようになり,近くの公園では,日曜日など,子供からお年寄りまで老若男女の楽しそうな笑い声が絶え間なく聞こえてくるのであります。
この普及とともに,小さなパークゴルフ場は逐次整備されており,現在のところ,札幌市内でパークゴルフができる場所といえば,西区に6ヵ所,北区,厚別区,南区,手稲区にそれぞれ2ヵ所,豊平区に1ヵ所,さらに民間の施設を含めると,市内には17施設が設けられております。また,札幌パークゴルフ協会の会員は約3,000人と聞いておりますが,愛好者については,1万人を超えると推計されております。これを全国的に見ますと,148市町村に400ヵ所を超えるコースが設けられており,さらに愛好者は平成5年度に10万人を超えて,6年度では13万人にも及ぶと推計されております。
このように,さらなる広がりを見せているパークゴルフの普及発展のためにも,これまで以上に条件整備を進めていく必要があるものと考えるものであります。また,生涯スポーツを振興する上で,ビッグ大会の開催など,受け皿としてのイベントを用意することも必要なことと場えるのであります。そうした中で,パークゴルフへの関心や興味を揺り動かし,近くのパークゴルフ場へ気軽に足を運ぶような働きかけができる施設づくりを願うものであります。
そこで,豊かな生活を送り,健康の維持増進を図る上での基本とされる,楽しみながら歩くということを大切にし,屋外で身近に手軽に取り組めるパークゴルフへの考え方,振興策についてお伺いをいたします。
まず第1点目でありますが,パークゴルフの愛好者が今後さらにふえ続けることを想定しますと,全市的な大会,あるいはまた全道的な大会などのイベント開催はもとより,これまで国際的なイベントを数多く経験し,受入態勢等が整っていることを考えあわせますと,近い将来,札幌市においても大規模な大会の開催を望む声が高まることは,自明の理と言わざるを得ないのであります。こうした観点から,パークゴルフ場の整備について,現在のところ既存の公園などに設置しているようでありますが,もっと大きな施設の建設を考えてみてはいかがでしょうか,お伺いをいたします。
2点目は,パークゴルフ協会の活動が全市的な広がりを見せている中で,今後,教育委員会として,その援助や育成についてどのように考えていかれるのか,あわせてお伺いをいたします。
次に,行政手続法の制定に伴う新たな行政手続への対応についてお伺いをいたします。
今日,わが国におきましては,
都市計画の策定,水道や下水道の整備といったまちづくりや各種福祉サービスの提供などのさまざまな分野で,行政が市民生活に深くかかわっているところであります。したがいまして,行政当局にとりましては,公正で透明な行政運営を進めることが従来に増して求められていると思うのであります。
また,すでに欧米諸国と肩を並べるほどに成長したわが国においては,国際社会における主要な一員としての役割を果たすために,国際化に対応した行政運営が求められているところでもあります。
そこで私は,より公正で透明な,そして国際化に対応した行政運営を進めるに当たっては,各種許認可等の処分や行政指導などのさまざまな手続,すなわち行政手続について法的に整備されていることが必要不可欠であると思うのであります。
わが国における行政手続の法的整備について見てまいりますと,たとえば,一定規模以上の土地を造成する場合の開発許可や建物を建築しようとする場合の建築確認などの,いわゆる処分というものがございます。このような処分の手続につきましては,処分を行う前になされるべき事前の手続と,処分に不服がある場合の不服申立てなど,処分があった後になされることとなる事後の手続に分けられるものであります。
このうち事後の手続につきましては,昭和37年に行政不服審査法という法律が制定されております。これまでも,この法律に基づいた措置が講じられてきたところであります。
しかしながら,処分の前になされるべき事前の手続につきましては,すべての処分に共通した法律,すなわち一般法というものがなく,個々の法律にゆだねられていたところであります。そのため,これまで行政の事前の手続について,その不備や不統一が指摘されております。
また,わが国,とりわけ地方公共団体の行政運営においては,市民の行政ニーズにきめ細かくこたえるため,さまざまな行政指導が行われており,私は一定の成果を上げてきたものと思うのであります。しかしながら,行政指導についての法的整備がなされていなかったことから,行政指導を行う場合の適正なルールを定めておくほうが望ましいと言われてきたところでもあります。
これを踏まえまして,政府においては,臨時行政改革推進審議会,すなわち第3次行革審が平成3年12月に提出した行政手続法要綱案に沿って,処分に関する事前の手続や行政指導について定めた行政手続法案を取りまとめ,これを第128回臨時国会に提出し,同法案は,昨年秋の衆参両院の本会議において全会一致で可決され,成立したのであります。
本市におけるこれらの事前手続につきましては,これまでも法令に基づいてその適正な執行がなされていたものと思うのでありますが,私は,この法律によって,今後,市政運営における公正の確保と透明性の向上が,より一層図られることになると期待するものであります。
さて,この行政手続法は,遅くとも本年11月上旬までには施行されることになっております。聞くところによりますと,国においては本年10月施行の予定で準備を進めているとのことでありますが,この法律は,さまざまな法律に基づいて地方公共団体が行う許認可等の処分について適用されるものであり,その内容といたしましては,許認可等の処分をする前には,あらかじめ処分のための基準や標準的な処理期間を定めて,これを公にしておかなければならないなど,その施行前に相当の準備が必要になるものであります。
また,これらの処分につきましては,本市で広範囲にわたって存在するものでありますことから,行政手続法は,おそらく本市の相当数の部局にかかわるものであると考えるのであります。
そこで私は,行政手続法への取組みにつきまして,以下2点についてお伺いをいたします。
まず1点目は,行政手続法に関する本市の準備についてであります。
あと4ヵ月後,遅くとも5ヵ月後には施行されることとなります行政手続法について,これを円滑に実施するためには,本市職員の一人一人がこの法律の内容について理解をした上で,全市を挙げてこれに取り組む必要があると思うのであります。
また,法律に基づく処分につきましては,全国的な視点に立った,関係省庁からのさまざまな見解や指針を踏まえて,その準備を進める必要があると思うのであります。
そこで市長は,行政手続法について,札幌市としてどのような体制で準備しようとしているのか,その考え方をお伺いいたします。
2点目には,本市が条例等で独自に定めている処分などの取扱いについてであります。
本市におきましては,法律に基づく処分のほかにも,札幌市屋外広告物条例に基づく屋外広告物の許可といった,条例や規則で独自に定めている処分が相当程度あると思うのであります。行政手続法第38条によりますと,条例や規則で独自に定めている処分などや,また,地方公共団体が行う行政指導につきましては,行政手続法の直接の適用はないものの,行政手続法の趣旨にのっとった措置を講ずるよう努めなければならないとされております。したがいまして,本市が条例や規則で独自に定めている処分や行政指導などにつきましても,行政手続法に準じた対応をすることが必要であると考えるのであります。
そこで市長は,このような条例や規則で独自に定めている処分などの手続について,どのように対応されるのか,その考え方をお伺いいたします。また,その時期についてお考えがあれば,あわせてお伺いをいたします。
最後に,西区の諸問題について3点お伺いをいたします。
まず第1点目でありますが,旧中の川の環境整備についてであります。
西区におきましては,かねてから区民全体の念願でありました地下鉄東西線の延長が決定され,先般報道されましたとおり,いよいよ平成7年には琴似駅から仮称手稲東駅までの約2.8キロについて,平成10年度の開業に向けまして,工事に着手されることになったところであります。
また,地下鉄延長の終点となる仮称手稲東駅周辺においては,現在,二十四軒・手稲通の整備が進められており,今後,地下鉄事業に合わせた手稲東まちづくり事業や民間の面的開発事業及び大型建築事業が相次いで積極的に進められ,この地区が今後大きく発展することを大いに期待しているところであります。
そこで,仮称手稲東駅の付近にあり,二十四軒・手稲通の横断が予定されている旧中の川の環境整備についてお伺いをいたします。
この河川は,二級河川中の川が西野川合流点付近で切りかえられた後の残水路であり,切りかえられた箇所を起点に,発寒地区を二分する形で北に流れ,西野・屯田通付近からJR函館本線沿いに西向きにルートを変え,追分川と合流した後,新中の川に注ぐ延長4.8キロメートルの二級河川で,西区にとっては主要な河川であります。
この川は,西区の発展と深くかかわってきた歴史ある河川でありますが,過去には,川幅の不足からたびたび洪水,はんらんが発生する暴れ川でもありました。このため,堤防を築いたり,また,排水機場を整備したり,早くから治水事業に取り組んでまいりましたが,現在では,西野・屯田通付近より下流側の2.7キロメートルについて河川改修が行われており,治水対策が着実に進められております。
この旧中の川の河川改修に当たりましては,近年社会的要請となっている環境整備に重点が置かれており,たとえば,現在改修工事が進められている区間の,下流からJR函館本線までの1キロメートルについては,炭鉱排水として地域住民に親しまれてきたところであります。地域のシンボル河川として,平成5年度に建設省より,ふるさとの川モデル事業の認定を受け,生き物に優しく,自然豊かな水辺づくりを目指した多自然的な環境整備が実施されております。また,最上流の西野川合流点付近で行われた切りかえ工事のときには,残された貴重な原始河川や自然林を保全する環境整備が行われることにより,いまでは周辺地域のオアシスとなっております。このように,旧中の川では,河川改修に合わせて環境整備を実施することにより,河川空間が憩いと潤いのある水辺として新たに創出され,地域のまちづくりに大きな役割を果たしていることは,高く評価できるところであります。
このような状況の中で,私としては,今後進められる終点駅周辺のまちづくりに関連して一つ気になることがあるのであります。
函館本線より上流は,現計画での治水安全度が確保されており,当面改修工事の必要性がないことは十分承知しております。しかしながら,国道5号線から市道15号線の区間約500メートルについては,都市化が進む中で,自然のままの岸辺や豊かな自然林が残されており,手稲山からの清流も流れ,いまなお原始のたたずまいを有している箇所であります。また,この場所は地域の子供たちにとって,魚とりや水遊びのかっこうの場所となっており,夏には子供たちの歓声でにぎわっているところであります。
これからこの地域が地下鉄延長に合わせ,
公共施設や都市施設が計画的に整備され,古い街並みがビルの高層化あるいは複合化等により一新され,都会的でモダンな景観となり,さらに人口がふえ,地下鉄の
需要喚起にもつながるなどについては,もちろん異論のないところでありますが,一方,旧中の川にあるような,水と緑の豊かな自然環境もまた,市民にとっては安らぎの場としては重要な空間であります。したがいまして,このような自然は貴重でかけがえのない財産であるという認識のもとに,この自然の残されている約500メートル区間については,ぜひいまの自然環境を生かしながら,市民にとって身近で憩いと潤いのある水辺空間として環境整備する必要があると思われるのでありますが,市長はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。
2点目は,八軒中学校区の児童会館の整備についてであります。
本市の児童会館は,児童の文化的素養をはぐくみ,また,放課後の児童の生活を豊かにするとともに,学年を越えての遊びやスポーツ活動,子供同士の交流を通じて,児童の社会性や社会的規範を育てることをねらいに,1中学校区1児童会館を目標に整備を進めているところであります。このことは,次代を担う青少年の健全育成を市政の重要な柱としていることのあかしであり,その目標達成に向けての日ごろのご努力に敬意を表する次第であります。
私は,子供の数が減少しているいまこそ,子供同士の交流の場として,また,家庭や学校では体験することのできない活動の場として,児童会館の役割は以前にも増して大きなものがあると考えるのであります。
また,児童の利用しない午前中には,お母さんたちのミニバレーやバトミントン,夜間・休日は老人クラブの舞踊や社交ダンス,子供たちの剣道などのサークル活動を通して,地域住民の生涯学習や交流の場としても利用されており,その整備が地元から大いに喜ばれているところであります。
さらに,女性の就労の増大,核家族化などの社会背景の中で,児童会館で開設している児童クラブ事業は,働く女性が安心して子供を産み育てる環境整備の上からも大きな役割を果たしているものと評価するものであります。
このように,地域の児童の健全な育成や女性の社会参加促進,住民の交流の場として大きな役割を果たしている児童会館の整備目標が一日も早く達成されることを願うのは市民の総意であります。
ところで,八軒地区についてでありますが,この地域は,北海道に屯田兵村が設けられた以前の明治4年に,二十四軒地区と同様に,山鼻地区から移転してきた開拓農民8戸が入植したことにちなんで名づけられております。また,近隣の屯田兵村との関連も深く,石狩浜から吹きつける強い北西の風と湿地帯という悪条件にもかかわらず,明治以来長い間,札幌近郊の純農村地帯として琴似地区の発展に大きく尽くしてきた歴史的に由緒ある地域でもあります。
その中にある八軒中学校は,父兄の方々が畑の中の通学路づくりに汗を流され,地域の方々の努力と情熱によって昭和36年12月に誕生した中学校であります。また,西区の10校の中学校の中でも歴史が最も古く,この地域は高度経済成長期に住宅地域として発展してきたところでありますが,児童会館は現在のところ整備がまだされていないのであります。このような状況の中で,この地域の子供たちや父兄及び町内会等の多くの人たちは,八軒中学校区の子供の城として一日も早い児童会館の整備を切望しているところであります。
そこで私は,この中学校区の児童会館の整備を今後どのように進めようとされているのかお伺いしたいのであります。
最後に3点目でありますが,公園の整備についてであります。
今後の,さらにふえ続ける
高齢化社会及び少子社会に対応した豊かな心を持った市民をはぐくむためには,子供たちから高齢者まで伸び伸びと自由に遊び憩える場所,すなわち公園の機能の充実が必要ではないかと考えるものであります。
昨年6月に改正された都市公園法施行令においては,それまで児童公園と呼ばれていたものが街区公園へと名称変更となりましたが,これは,想定する利用対象を児童に限定することなく,幅広い年齢層に対応できるよう考えられたものであり,そのことは,ブランコ,滑り台,砂場といった児童対象の遊戯施設の設置義務の条項が同時に削除されたことでもおわかりのことと思います。
一方,本市におきましては,すでに各方面から好評を博しております個性あふれる公園整備事業,いわゆる公園のリフレッシュ事業が年間20ヵ所程度ずつ進められており,周辺環境の変化や地域の実情に合った再整備の目標を掲げ,新たな時代に対応した公園機能の充実が図られているものであります。
ところで,このリフレッシュ事業については,開設後おおむね20年を経過している施設の老巧化した公園が対象ということになっており,この基準に合わないものについては対象外ということでありますが,それほど古くない公園においても,ちょっとした発想の転換で公園の機能の充実や地域社会への貢献が図られるものであると考えるところであります。
このような観点から,地元住民の要望も踏まえて,西区八軒にある北っ子公園の拡張整備について伺いたいのであります。
この公園は,当初代替用地として確保したものであり,長方形の当該代替用地の南側に,いわゆる八軒北小学校側に10メートルの道路を築造して14の宅地に分割したものであります。しかしながら,その後,この近隣には街区公園がなく,地域住民,町内会からぜひ公園にしていただきたい要望が数多く出されたため,市当局において調査検討を行なった結果,昭和63年3月に街区公園として整備され,供用開始されたところであります。この間,地域の住民が集うコミュニティー形成の場としての利用はもちろんのこと,近隣に八軒北小学校,八軒中学校があることから,多くの学童の遊び場,憩いの場として利用されており,子供たちの健全な心身の発達をはぐくんでいく上で重要な役割を担った公園となっているところであります。
ところで,前段で申し上げましたが,この公園の南側に隣接する道路は,種々の事情により平成2年から車両の通行どめを行い,歩行者のみの利用となっており,現在は主に公園と一体となって子供たちの遊び場に利用されている状況にあります。そこで,公園に隣接し,いまやその機能を失っておりますこの道路を公園の用地として拡張整備し,その機能を高めるべきであると考えますがいかがでありましょうか,ご所見をお伺いいたします。
以上で,私のすべての質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,まず私からお答えをいたします。
初めに,Jリーグの誘致についてであります。
第1点目のJリーグチームの設立に当たっての本市の基本姿勢と2点目のホームタウン化の進め方につきましては,関連をいたしますので,あわせて答えさせていただきます。
2002年ワールドカップサッカーの開催都市に立候補いたしております本市といたしましては,多くの市民がJリーグ設立の趣旨に賛同し,ホームタウンを目指すことは本市にとっては好ましいことであると思っております。
このホームタウン化に当たりましては,ご指摘がありました諸課題があることから,サッカー関係者はもとより,道内経済界,道民・市民が一丸となってホームタウンの推進をしていくことが必要であると考えております。
現在,サッカー協会が中心となりまして設立準備が進められておりますJリーグをつくる会におきまして,諸課題の検討を行うことになると聞いておりますので,本市としてもお手伝いできるものについて支援をしてまいりたいと考えております。
3点目の厚別公園競技場にかかわるご質問についてでありますが,Jリーグからの要請では,芝生席の一部をベンチ席に改修すること,フィールド部分のゴールラインからゴールラインまでの距離不足を改良すること,照明設備を設置することの3点が課題となっております。
現在,市内の各団体等にJリーグの札幌ホームタウン化に向けての動きがありますし,また,多くの市民がJリーグ観戦を楽しみにしていることから,できるだけ多くの試合を札幌で行なってもらうためにも,これらの改修に向けて具体的な検討を進めているところであります。
次に,北海道新幹線についてであります。
第1点目の北海道新幹線に対する基本的な認識についてでありますが,この北海道新幹線が整備されますと,首都圏などとの時間距離が大幅に短縮されますことから,人,物,情報の交流が一段と促進されますし,国土面積の2割を超える広大で豊かな自然を有する北海道にとりましては,産業面あるいは観光面での地域の振興に大きな意味を持つものと期待しております。
このように21世紀のわが国の均衡ある発展と地域活性化の実現を図る上で,高速交通体系の骨格を形成することになります新幹線はきわめて重要な役割を担うものでありますし,また,エネルギーの効率,環境への負荷などの面からも,新幹線が持つ特性は評価されるものと認識しておりますことから,ぜひ国家的
プロジェクトとして整備されるべきものと認識しております。
次に,本市の取組みについてでありますが,昭和53年に北海道新幹線建設促進札幌圏期成会,そして昭和60年には北海道新幹線建設促進期成会に参加をいたしまして,これまで会員の皆様と協力をしながら,政府・関係機関への陳情,要望活動などを進めてきたところであります。
今後は,次期基本スキームの検討時期に当たります平成9年に向けまして,北海道新幹線に関する広報活動を初め,地元調整が必要となる諸条件の整備などにつきまして,これらの期成会とも十分連携を図りながら,新幹線の早期実現への取組みを進めてまいりたいと考えております。
次は,パークゴルフの振興につきまして,まとめて私から答弁をさせていただきます。
近年,全市的に見ましても,ニュースポーツと言われる種目が数多く普及し,各地域で盛んに行われている現状にあります。中でもパークゴルフにつきましては,昨今,子供からお年寄りまで幅広く好まれ,気軽にできるスポーツとして好評のようであります。
そこで,第1点目のパークゴルフの大会可能な大きな施設建設についてでございますが,現在のところ,コースについては近隣公園や河川敷などを利用して設置されてきております。しかし,大きな大会を行うには狭いという声も聞いております。そういうことから,大きな大会が円滑に開催できる施設の確保につきましては,その必要性も含めて今後検討を進めてまいりたいと考えております。
2点目の協会への援助や育成についてでございますが,全市的な大会については今後も側面的に援助してまいりたいと考えております。また,組織の育成につきましては,協会の活動が全市的な広がりを持った中で,札幌市体育連盟へ加盟をしていただき,今後さらなる発展をされるように期待をするものであります。
次に,行政手続法の制定に伴う新たな行政手続への対応についてでございます。
まず,第1点目の行政手続法に関する準備についてであります。
現段階では,所管の省庁からの具体的な指導や指針がまだ明らかにはなっておりませんが,本市といたしましては,この4月1日付で全庁的に行政手続法を推進する組織を設置したところでありまして,その準備に漏れがないよう対処してまいりたいと考えております。
2点目の本市が条例等で独自に定めている処分などの取扱いについてでございますが,ご指摘にもありましたように,本市が条例や規則で独自に定めている処分は相当あります。また,本市ではさまざまな行政分野において行政指導を行なっているところでもあります。したがいまして,これらの処分や行政指導などにつきましては,行政手続法の定める手続に準じた措置を講じる必要があるものと考えるものであります。また,その時期につきましては,国等の動向を踏まえながら,平成7年4月をめどに準備を終えたいと考えているところであります。私からは以上です。
○議長(見延順章君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 西区の諸問題につきまして,私からお答えいたします。
まず最初に,旧中の川の環境整備についてでございますが,旧中の川の国道5号線から市道15号線の区間には,ご指摘のとおり貴重な自然環境が残されておりますので,良好なまちづくりの上からも,地域の人たちにとって自然とふれ合える憩いと潤いの場となるような環境整備が必要であると考えております。
整備に当たっては自然景観や生態系に配慮し,これらの保全を図り,また,積極的に樹木や水生植物などの植生を行うとともに,市民が水辺で遊んだり散策ができる親水施設も取り入れ,地下鉄や街路の整備と整合を図りながら実施していきたいと考えております。
次に,八軒中学校区の児童会館整備についてであります。
児童会館の役割につきましては,ご指摘のとおり大変重要なことと認識しております。その整備に当たりましては,児童の日常生活圏にある身近な施設として,1中学校区に1児童会館を基本に,今5年計画で100館達成に向け整備を進めております。
ご質問の八軒中学校区につきましては,現在まだ整備されておりませんが,児童会館の必要性については私どもも強く認識しているところでありますので,平成8年度までには整備を進めてまいりたいと考えております。
次に,西区八軒8条西6丁目にございます北っ子公園についてでございますが,この公園は昭和63年に設置されたもので,地域住民に親しまれ,利用されているところでございます。したがいまして,この公園の拡張整備につきましては,地元住民の意向等も十分聞きながら,ご質問の趣旨に沿うように今後検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,明6月7日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後4時5分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 伊 与 部 敏 雄
署名議員 工 藤 勲
署名議員 青 木 護...