委 員 佐々木 肇 君 委 員 高 橋 重 人 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君
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開 議 午後1時
○関口
委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でございますが,
佐藤寿雄委員からは遅参する旨,届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第9款
教育費 第9項
社会教育費及び第4条の第4
表地方債のうち関係分を一括して質疑を行います。
◆原口 委員 私は,さきの
代表質問におきまして,生涯教育の推進についてお尋ねをいたしたところでございますけれども,それに関連しまして,全国生涯
学習フェスティバルについてお伺いをいたします。
平成6年度予算におきまして,来年の秋に本市において
開催予定の第7回全国生涯
学習フェスティバルの
準備経費として400万円が予算計上されておりますけれども,この
フェスティバルの
開催目的だとか内容であるとか,これに向けての本市の取組み等についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。
今日,人生80年と言われておりまして,国民一人一人が自分の人生をいかに有意義に,そして,生きがいを持ってどう過ごすかということが問われる時代を迎えました。市民の間にも,生涯学習という言葉がだんだん浸透してきているように思われるわけでございます。近年の急速な
技術革新であるとか,これに伴う
産業構造とか
就業形態の変化また,高齢化とか
国際化であるとか,余暇時間の増大といったような社会の急激な変化に適切に対応していくためには,学校だけの
教育システムといった枠組みを超えまして,人生の各段階において,
学習需要を踏まえた
学習機会であるとか,
学習関連施設を整備するなど,市民が主体的に学びたいときに学べる,そして,自己に適した手段・方法で,気楽に学習ができると,そんな体系的な
システムを構築していくことが重要であるというふうに,私は考えるわけでございます。
さきの
代表質問でのご答弁で,第3次長総の
部門別計画であります生涯
教育計画を推進するために,本年秋をめどに,生涯
学習推進構想を策定するというお答えが出されたところでありますけれども,この
構想策定のねらいとされる市民の
学習活動を支援する施策の
総合化体系化が図られるということは,本市の生涯学習の推進にとっても本当に大きな意味を持つと考えるわけであります。この構想が成案化されましたら,おそらく市及び
教育委員会は,広報誌であるとかパンフレットで,広く市民に
周知徹底を図られるというふうには思っておりますけれども,より効果的で,そしてインパクトのある
啓蒙啓発を図るためには,やはり具体的な生涯
学習事業を通じて行うことが一番肝要であるというふうに思うわけでございます。
その意味で,明年9月末に本市において開催される予定と伺っております全国生涯
学習フェスティバルは,市民に対して,生涯学習の具体的なイメージを植えつけるためには,またとない機会だというふうにも思いますし,また,そういう生涯
学習推進構想に基づいて,本市の施策の展開,推進を図る上で,
有形無形の成果が期待できるというふうに考えるわけでございます。
お聞きするところによりますと,この
フェスティバルは,生涯学習の推進を図るために,
文部省の提唱により,
平成元年から都道府県の持回りで実施されていると。そして,
文部省の提唱した目的を見ますと,こんなふうに書いているのですね。「子供からお年寄りまで,あらゆる世代の人々に,学習,文化,
スポーツなど,さまざまな分野で,学ぶことのすばらしさを体験できる場を全国的な規模で提供することによって,広く住民の
学習活動を活発にする」ということになっておりまして,きわめて大きな
イベントのように思われるわけでございます。
そこで,質問の第1点目でございますけれども,開催時期は,現在,作業を進めております本市の生涯
学習推進構想を策定してから,ちょうど1年後くらいになるのかなというふうに思いますので,この
フェスティバルの開催というのは,非常に時宜を得たものだというふうに考えます。本市及び市民にとって,どのような意義を持つととらえていらっしゃるのか。また,これまでの
開催経過等を踏まえて,この
フェスティバルでどんな成果を期待しているのか,まずお聞かせを願いたいというふうに思います。
それから,2点目でございますけれども,この
フェスティバルは,
文部省と
北海道が中心になって開催するようでありますけれども,開催地であります本市も主催者の一員として参画が予定されていると聞いておるわけでございます。そこで,
全国規模の大きな
イベントのようでありますので,本市としても,開催に向けたいろんな準備が必要になってくると思うわけでございますが,国や
北海道との
役割分担,それから,本市の準備の取組みについて,どのように考えていらっしゃるのか,あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
それから,3点目ですけれども,
全国規模の大がかりな
イベントであるということで,かなりの
開催経費がかかるのではないかというふうに思うわけでございます。国や
北海道との経費の
負担割合がどのようになっておるのか,そしてまた,本市が負担する
所要経費はどのぐらいになるのかお尋ねいたします。以上,3点お答えをいただきたい。
◎山
社会教育部長 全国生涯
学習フェスティバルの取組みについて,お答えを申し上げます。
まず,1点目の
フェスティバルの
開催意義についてでございますが,この
フェスティバルは,お話にもございましたように,
平成元年度から,
文部省が提唱して開催されている事業でございまして,教育あるいは
芸術文化・
スポーツなど幅広い分野にわたりまして,中身としては,展示会,講演会,あるいは
シンポジウム,さらには
学習見本市といった多種多様な
学習機会を
一定期間に集中的に提供して,広く市民が生涯学習についての理解を深め,みずからが主体的に
学習活動に参画するといったことへの動機づけを目的にしております。
北海道大会でございますが,これは,平成7年9月28日から10月2日まで5日間の予定で,
札幌市内の
公共施設でございます
学習関連施設を中心に行われる予定になっております。ちなみに,平成4年度の宮城県大会,それから,5年度は愛知県大会を行なっておりますが,いずれも100万人を超える参加者がございまして,
社会教育の国体版といったような大規模な
イベントでございますので,この期間中に実施されます行事,催し物を通じまして,多くの市民の方が,学ぶことの楽しさなり大切さを発見してくださればと期待をしているところであります。
また,
フェスティバルの成果でございますが,これまでの開催県の実績等から見ましても,生涯学習の
普及啓発,あるいは
学習情報の提供,
推進体制の整備の方策,こうした意味では,生涯学習の推進を図る上で多面的な成果が得られるものというふうに,大きく期待をしているところでございます。
次に,2点目の国,道との
役割分担,あるいは札幌市の準備の取組みでございますが,この事業の総合的な企画・運営につきましては,
文部省,
北海道,それから開催市であります札幌市,さらには,生涯学習に関係する企業や団体の
代表者で構成されます
実行委員会方式によって進められることになっております。
役割でございますが,
文部省は,
指導助言等の
総合調整という形でございます。
北海道は,
実行委員会の事務局を担当いたします。
実行委員会としましては,主催する開・
閉会式等の
メーン行事の
企画立案,あるいは
広報宣伝活動,さらには,いろいろな
各種団体への
参加要請等の役割を行うこととなります。また一方,札幌市は,
フェスティバル事業の充実を図るといった意味合いで,
実行委員会にまず参画をいたしますが,これとは別に,独自の主催事業なり,札幌市とかかわりの深い
芸術文化団体との間で
共催事業を行うことになります。このため,平成6年度から
教育委員会の中に専任の職員を配置して,全庁的な
推進組織あるいは,
関係団体等の
代表者で構成いたします
推進協議会のようなものを設置したいと考えております。
それから,3点目の
フェスティバルの開催に要する経費でございますが,これまでの開催例の実績を見ますと,
実行委員会経費としては,全体で約4億円程度かかってございます。その
財源内訳としては,今回の場合は
文部省と道がそれぞれ1億円ずつ負担をいたします。開催の市町村,札幌市についてはその
半額程度で,その他の運営につきましては,たとえば,
学習見本市の
出展小間料であるとか協賛金で賄うということで,4億円程度かかっているようでございます。
したがいまして,札幌市の所要額でございますが,これまでの例から見ますと,
実行委員会に対しまして5,000万円程度の負担が要請されるのかなと考えておりますし,そのほか札幌が独自に実施をいたします主催・
共催事業についても,所要の事業費を見込む必要があるのかなと,このように考えてございます。以上でございます。
◆原口 委員 いま,山部長のお答えで,
フェスティバルの概要については大体わかりました。
そこで,
フェスティバルの
開催期間中に実施されます事業の規模であるとか,
事業実施に当たっての基本的なお考えについてお尋ねをいたしたいと思います。
いま,具体的な
実施事業の計画については,今後,
実行委員会であるとか
教育委員会の中に担当のセクションを置かれるというふうなお話がございました。
社会教育の国体版と言われるような大きな事業だというお話でございますので,本市で開催された場合に,全体でどの程度の
事業規模を見込んでいらっしゃるのか,お伺いをいたしたいというふうに思います。
それから,本市が主催をしたり,他の
関係団体と共催をして実施する事業も結構な数に上るというふうに思いますけれども,本市の財政は非常に厳しい状況が続いているというようなことで,
実施事業の計画に当たっては,市民にとって非常に魅力のあるものを中心に,また,市民に
十分関心を持ってもらえるものを企画することが必要だというふうに思うわけでございます。最小の経費で最大の成果を上げるように工夫をしたり配慮しなければならないと思いますが,その辺に関してどのようにお考えになられているのか,お尋ねをいたしたいと思います。
◎山
社会教育部長 事業規模と
事業実施に当たりましての基本的な考え方のご質問かと存じますが,平成5年度の愛知県におきます大会を例にとりますと,全体の事業では254事業ということになってございまして,そのうち愛知県が行いましたものが187,
周辺市町村3市で行いましたものが67事業になってございます。これが,一つの目安になろうかと存じます。
北海道大会の具体的な
実施事業につきましては,今後,平成7年度に向けまして,
実行委員会や札幌市で予定をいたしております
推進協議会の中で具体的に検討させていただくことになろうかと存じますが,これまでほかの都市では,
周辺市町村も含めて会場を分散しながら行なっていたといった形から,
北海道大会については,市町村は札幌市のみでございますので,本市を会場とする1
都市集中型の開催が想定されるのではないかと思います。そんなことで,事業数としては,愛知県の例で67と申し上げましたが,これよりも少し少なくなるのではないかと考えてございます。
また,本市が独自に行います主催・
共催事業につきましては,委員からご指摘もございましたように,厳しい
財政事情の折だということもございまして,私どもとしましては,
新規事業をむやみにふやすといったようなことは極力避けまして,
既存事業のレベルアップを図ったり,市民が身近に楽しめるような事業に
創意工夫を凝らしながら,効果的・効率的な事業の推進を進めてまいりたいと,このように現段階では考えてございます。以上でございます。
◆原口 委員 最後に,私から要望させていただきたいと思うのです。
来年の秋にそういう大きな
イベントをやられると,生涯学習の推進にとって非常に有効な,大事な
フェスティバルだというふうに思うわけですが,この
フェスティバルを1年で,やったということで切ってしまったのでは,市民に生涯学習に対する必要性の意識を定着させるためには,ちょっと弱くなるのだろうと。そんなことで,この生涯学習の推進というのは,こういう事業の積重ねが,事業の継続性が大事なのだろうというふうに私は考えるわけでございます。それでなければ,生涯学習に対する
市民意識が深められていかないのではないかなと,こんなふうに私は思います。
そこで,この
フェスティバルが終わりましても,
一定期間,毎年のように,本市独自の
ミニフェスティバルといいますか,そういうようなものを,ぜひ
教育委員会の
社会教育の事業として続けていっていただきたいなと,こんなふうに要望させていただきたいと思うわけです。これからも,そういう本市独自の
ミニフェスティバルが継続してできるようにご研究をいただきたいというふうに要望しまして,終わらせていただきます。
◆本舘 委員 生涯
教育全般につきましては,その視点であるとか展望,あるいは,
総合センターの位置づけであるとかねらい,こういった問題については私も
代表質問で触れておりますし,その後の
代表質問や
特別委員会等でもいろいろな角度から質疑もありまして,ほぼ5年計画に沿って問題も整理されており,答弁もされておりますので,この際,繰返しはしないことにいたしまして,今回は,ちょっとじみな問題でございますが,
社会教育,特に
成人教育に関係いたしまして,若干お伺いをしたいと思います。つまり,市民の
学習要望であるとか,
現代的課題への対応をどうするかといったことであります。
その背景といたしましては,最近の市民の学習熱というのは,きわめて目を見張るようなものがございます。市教委や
区民センター等の事業のほか,マスコミを初め,多くの
民間企業も参加した
カルチャー教室であるとか講座が開設されておりまして,多くの市民が学習をしているところであります。この
学習活動の高まりというのは,いわゆる
高学歴化技術革新,あるいは
国際化高齢化,自由時間の増加,さらには
家族構成の変化などによるものと言われておりますけれども,社会の変化に対応して,市民の
学習要求もきわめて広範,かつ,多岐に及んでいるところであります。
また,これらの学習熱に対応いたしまして,
学習機会を提供する側の状況を見てみますと,先ほど述べたように,
教育委員会や
区民センター等の
公的機関では,
成人学校を初め
高齢者教室だとか
女性学セミナーであるとか
市民環境講座など,216の事業で367の講座が実施されていると聞いております。実に,
参加入員は合計で240万人を超えるというような
盛況ぶりであります。もっとも,この中には,
社会教育の一環ですが,秋の
火災予防運動などに,市民が18万人も参加しているということがございますが,最低の5人も含めて,実に多くの人々が参加をしているという実情でございます。また,これとあわせて,
民間カルチャーセンター等でも,語学から手芸に至るまで,実に多種多彩な分野に及んでいるのが実態でございます。
そんな中で,
教育委員会等公的機関が行うものは,民間が単に学習者の趣味に応じた講座を開設するのとはちょっと異なりまして,つまり,行政の役割を踏まえて
社会的要請にどうこたえていくかという
社会的要請にこたえる課題,あるいは,本市独自の課題や,その解決に役立っていくテーマを念頭に置いて設定していく必要があるのではないかと思うわけであります。
そうした意味で,昨年は,人権,開発,
教育等の分野で,先住民が直面する問題について,
先住民族国際年があって,全国的に多彩な行事,取組みがございました。また,ことしは,
国際家族年であります。家族年の目的は,概略を言えば家庭の重要性を強調して,現在の
経済社会,人口問題が,家庭や家族にどれほど影響を与えているかということを追求していって,
家庭政策を策定して実施することだと,あるいは,女性,子供,青年,高齢者,障害者などが,家庭と家族に大きく影響する問題について国際的な活動をすること,こういうような意義づけがされているわけであります。つまり,政府も,そして民間も,家庭や家族についての意識,関心を大いに高めていこうということでございます。
こういうようなグローバルな問題に関して,広く市民に理解,啓発を求めるということは,
社会教育の大きな役割であると考えるわけであります。特に,本年のテーマというのは,現在わが国で特に問題とされております
家庭教育の低下,こういった観点から,家庭の
教育力を回復していくということに大きくつながっていくものと考えるわけであります。
そこで伺いたいのは,いままで
社会教育として,こういった国連の提唱するテーマに関し,どのような事業を実施してきたのか。また,本年のテーマは,特に
社会教育にとって重要なものと考えておりますが,どんな取組みを考えているか。まず,この2点についてお伺いをしておきます。
◎山
社会教育部長 国連が提唱いたしますテーマに関し,
社会教育としてどのような取組みをしているのかというご質問でございますが,市民の方々に対する
学習機会,これは,お話にございましたように,
民間事業あるいは行政の行うものまで,幅広い分野で提供されてございます。
講座の内容につきましては,いわゆる民間と行政のすみ分けがなされているとはいいつつも,語学など,一部民間で競合する部分もございます。
教育委員会などの
公的部門が行う事業につきましては,基本的には行政の役割を踏まえて,社会的な要請にこたえる課題であるとか,本市が抱えている
行政課題の解決に資するといったテーマを中心に設定していくべきものと考えておりまして,たとえば,
高齢化国際化情報化など,現代的な課題を扱うために,新たに昭和59年から
シティセミナーを開催するなど,そのときどきの流れを踏まえまして,時宜に応じた
講座編成に努力をしているところであります。
そこで,ご質問の国連が提唱いたします,いわゆる世界的な問題に関しての
社会教育の取組みでございますが,国連が提唱している
国際年,これは昭和32年から数えますと,実に26の
国際年がこれまでにあるわけでございます。近年を例にとりますと,平成5年は人権,開発,教育,
保健衛生などの分野で先住民が直面する問題について
国際協力をいたします先住民のための
国際年でございましたが,
教育委員会としましても,これに先駆けまして,平成4年から5年の2年間にわたりまして,先ほども申し上げました
シティセミナーにおいて,民族学の入門,あるいは,
アイヌ文化を理解するといったコースを設定をし,それぞれ4回実施をしたところであります。
また,ことしは
国際家族年でございますので,家庭の
教育力,これはお話にございましたように近年低下しているというふうに言われてございまして,私どもも,その回復に向け,これまでも,たとえば,あすの親のための学級,あるいは
家庭教育学級,3歳児
セミナーなどを実施してまいったところでございます。特に,ことしの
国際家族年に関連しまして,市長部局でもいろんな事業を予定しているというふうに聞いておりますが,これらと連携をとりながら,
成人教育事業サイドとしましても,
シティセミナーのほかに,たとえば,
家庭教育に関する
シンポジウムなどの
記念事業を予定いたしておりますし,いろんな団体で行われます
家庭教育に関する事業への後援,こうしたものを積極的に実施するなど,家族問題の理解,啓発を進めてまいりたい,このように考えてございます。以上でございます。
◆本舘 委員 こうした問題は,民間ではなかなか扱いにくいし,
公的機関がやるべき大きな使命の分野であると思うわけであります。
それで,先ほども申しましたように,市民の
学習要求の高まりの背景としては,
国際的技術革新であるとか
高度情報化など,社会の変化に対応しようとしていることが大きな要因であるということを申し上げましたけれども,一例を挙げますと,いまわが国の経済界を席巻しているのは,いわゆるリストラ,企業の再構築というか,こうした問題が大きな話題になっておりますし,これに対応していくためには,経営者の努力というのもさることながら,働く者みずからが,自己の
職業能力向上のため学習していくことが必要であることは当然であります。しかし,現実を見ますと,それを学ぶには経費がかかると。あるいは,自分の
学習要求に適した講座とかカリキュラムがなかなかないというようなところから,せっかく意欲がありながら,学ぶことができない人たちもたくさんいるやに聞いているわけであります。こうした場合,行政が先導的に,あるいは,動機づけのための
学習機会を提供していく役割が大いにあるのではないかと考えているわけであります。
そこで,本市の
社会教育において,現在,市民の
職業能力向上のためにどんな取組みをしているのか。また,時代のニーズであるとか変化に対応して,今後どのような対策を考えているのかお示しを願いたい。
また,昨年の秋ですか,生涯
学習関連で,
企業内教育であるとか
民間教育の実態などについて調査を実施しているはずですけれども,その
調査内容もあわせて答えていただきたいと思います。
◎山
社会教育部長 市民の
職業能力の向上のためにどのような講座を取り上げているのか,また,関連する
実態調査等の中身についてもあわせてお答えをということでございます。
最近の著しい
社会情勢の変化に対応していくために,市民の方々,とりわけ仕事に携わる方々の
学習要望といったものは,非常に高いものがあろうかというふうに考えております。
そこで,私どもも,昨年8月でございますが,ご質問にございました生涯
学習関連実態調査といったものを実施いたしております。この
実態調査は,大きく三つございまして,企業の生涯学習に関する実態を調べたのが一つでございます。もう一つは,民間
スポーツクラブの概況といったもの,三つ目には,民間カルチャーセンターでのいろんな概況等,大きく三つの部門についての調査をいたしてございます。
とりわけ,いわゆる
職業能力に結びつくと言われます企業の関係での調査でございますが,これは,調査対象企業52社にお聞きをいたしております。これは,一部上場企業と,それから地場の大手企業を含めまして52社ということでございますが,調査いたしましたところ,企業内での職業に関する生涯学習研修の実施状況でございますが,回答がありましたのは27社で,研修を実施している企業,これは全体の40%にとどまってございます。比較的大きなところの会社を調査対象としたわけでありますが,それですら40%にとどまっているという状況でございます。
どういった研修内容かということでございますが,パソコンなりワープロ等の情報処理が72%,次いで,事務・技術系のいろんな免許取得等を含めた資格取得,あるいは経理事務というのが大きな割合になってございまして,いわゆる企業として,これらの
職業能力の向上がいま求められているという状況がうかがえるところでございます。
私どもも,従来より,市民の
職業能力向上に向けましては,
成人学校で簿記,あるいは会話,話し方教室,ビジネスマナーなどの講座を実施して,非常に多くの方々のご参加をいただいているところでありますが,一方では,多くの要望がありました情報処理系につきましては,施設,機材,人材等の関係から,これまで実施を見送ってきた経過がございます。しかしながら,平成6年度から,北星学園女子短期大学でございますが,ここで,大学機能を社会に拡張していくという意味のエクステンションセンターというのを開設をすることとなりまして,私どもとしても,ここの施設,機材,講師の提供を受けながら,
成人学校,あるいは
シティセミナーの科目として,市民から要望の高い情報処理系のパソコン講座を来年度から実施をすることにいたしました。これは,いわゆる大学の公開講座とは別の,教育機能を市民に開放するという,一つの新しい試みというふうにも考えてございますし,企業や大学との連携を密にしながら,今後とも,可能な限りこうした事業の拡大に努めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。
◆本舘 委員 わかりました。
ただいまの部長の答弁によりますと,本市の企業の調査数が多くないので詳しくはわかりませんが,この調査対象からいきますと,5分の2ぐらいの企業で,
企業内教育を行なっていると。そして,その中の最も高い教育要求は,調査結果でいきますと,72%もの内容が情報処理に関するものであると,こういう答弁でございました。
それに対して本市は,施設,機材,人材が用意できなくて実施を見送ってきたと,こういうことです。つまり,一番要望の高いことについて,本市は対応をしてこなかったというような感じを得ているわけであります。もちろん金をかければいいというわけではございませんけれども,この調査で見る限り,本市の対応は,3番手4番手以降の対応に力点といいますか,体面を保ってきたような対応ではなかったかなと。嫌みではないですよ,そういうふうに感ずるわけなのですね。
いま部長の答弁でいきますと,今年度からは,市教委と大学が連携するのだと。そして,大学の持っている機能を社会に拡張していくということですから,これは人の手を借りてでも,時代のニーズに非常に合っているという分野ですから,これは大いに期待をしておきたいと思います。
そこで,最後,教育長,つまり,急激な
技術革新であるとか社会変化というものは,青少年期における教育だけではもう間に合わないと。社会人になっても,次から次と新しい知識技術が要求され,また必要となってきているのだと。そこで,高度で,もっと専門的な,体系的なりカレント教育というのですか,そういうものが時代の要請となっているのは,もう間違いない事実だという観点から,社会人に対する能力開発,その
学習機会を提供するあり方なのですが,大学の社会人入学などとあわせまして,体系的に研究していくことが大変重要だと考えているわけです。そのような先を見通した研究といいますか,構想というものがあるのであれば,ぜひ,教育長に最後にお伺いしておきたいと思います。
◎藤島 教育長 ただいまの本舘委員の,学校教育を終了した後の社会人に対して行われる高度で専門的な,そして体系的な再教育,リカレント教育という言葉で言いあらわされておりますが,これの推進が,企業を中心に
社会的要請として取り上げられていると,こういうご説でございますが,私も,まさにそのように理解をしております。
国におきましても,現在,パイロット事業ということで,全国5地域で試験的に実施をされております。本市におきましても,生涯学習の一環として,今後大きな課題になると思われますこのリカレント教育部門の推進につきまして,現在,学校長,あるいは
社会教育関係団体の代表並びに学識経験者で構成いたします社会
教育委員会議で,目下研究協議をしていただいております。
一方,この方面,いわゆる大学の部門での受入れはどうであったかといいますと,このリカレント教育,あるいは
成人教育の一環としての大学の受入れについては,かなり前からそういうご要望があったわけでございます。
市内の22の大学・短期大学につきまして調査を行なったところ,社会人のために特別入学枠がある大学・短大が,いま10校を数えております。従来,大学のこの手の開放といいますか,それは,公開講座,この程度の枠を出なかったわけでございますが,だんだんそういう市民ニーズにこたえるべく,いま申し上げましたとおり,特別入学枠がある大学・短大が10校,それから,科目別の履修制度,あるいは聴講生を受け入れる大学・短大が市内の大学・短大22校のうち20校に至っております。私どもとしましては,今後ともそういった拡大,あるいは制度の充実といいますか,特に資格につながっていくような内容の充実のため,これから大学との協力,連携を一層深めていく必要があろうかと,このように考えております。
いずれにいたしましても,社会
教育委員会議におきまして,研究協議をいただいておりますことから,ただいまご提言をいただきました内容につきまして,十分に施策に反映させていきたいと,このように考えております。以上でございます。
◆荒川 委員 私は,学童保育の問題についてお尋ねをいたします。
現在,本市議会の文教委員会に,9万5,000名もの署名をつけて,札幌市学童保育連絡協議会から,共同学童保育所の助成の充実,学校方式の育成会の無料化,児童クラブの保護育成機能の充実,あるいは専任指導員の要望,対象児童年齢の引上げ,障害児の受入れ,そして,児童クラブ開設校区であっても,必要であれば,他の方式による学童保育も認めて併存させてほしいと,こういった内容で請願が出されております。
振り返ってみますと,ちょうどいまから13年前,私が市議会の文教委員会に所属していたころ,当時岡本文教
委員長でございましたが,市民の切実な学童保育に対する助成を求める請願・陳情が議会に寄せられたのを受けて,1年ほどにわたって審議が行われ,12年前に,民間方式に対する,いわゆる共同学童保育に対する札幌市の助成制度がスタートしたと,こういう時代がありました。
いまから六,七年前に,さらには,施設確保が困難な民間方式の育成会,いわゆる共同学童保育などへの助成の強化市の対応の強化,こういうことを求めてたくさんの請願・陳情が,また多数の署名をつけて市議会に寄せられ,これまた1年2年という審議経過をくぐった中で,札幌市
教育委員会は,突如として児童会館での児童育成会方式を打ち出して,それと競合するその他の方式についてはここに吸収していくというような提起を行なって,大変な問題となりました。
それから5年余り経過して,いまでは,実際に競合した他の方式について,学校方式であれば経過措置というのは考えていないわけですが,この4月から児童会館に移行するという
教育委員会の方針を受けて,たとえば,中央区の中央小学校の学校方式の育成会,あるいは,豊平区の豊平小学校の育成会,ここと
教育委員会との話合いが現在も進められており,4月実施などということはとうてい不可能と,今後どうしていくのかという現実的な問題を抱えております。2年間の経過措置をくぐった民間方式,いわゆる共同学童保育所への補助打切りということが,現実対応としてどうなのか。今後もさらに,新たに競合する共同学童保育所が次々に出てくる中で,関係者,市民の中からは,補助打切りをやめてほしいと,こういう強い声も出されておりますし,現に,児童会館での児童クラブとバッティングした民間方式の共同学童保育所が,市の助成を打ち切られながらも,なお継続して子供たちの育成に当たっているという事例も見受けられるわけです。
一方で,ついこの3月9日,議会の文教委員会で,これらの請願の初審査が行われ,大変時間をかけた議論が行われております。私も,テープでそのやりとりについて聞かせてもらいましたが,問題になっているのは,今後の本市の学童保育事業をどう進めるのかということでありますし,これほど切実な市民の願い,請願に,どうこたえるのかという問題であります。また,障害児に対する加算制度というものをやらなくていいのか,あるいは,児童会館での児童クラブの保護育成機能の充実ということを進めなくてもいいのか,こういう議論に集約されていたというふうに思うのであります。
そこで私は,その場での教育長などの答弁も踏まえて,4点お尋ねしたいというふうに思います。
一つは,今後の学童保育事業のあり方であります。
各中学校区に児童会館を建設する,いわゆる児童会館100館方式,その中での児童クラブ開設というのが,
教育委員会の学童保育対策,留守家庭児童対策の新しい目玉として打ち出されたわけでありますが,5年計画が間もなく終わろうとしております。6年度7年度8年度と,5年計画が最後の5年まで行ったとして,ようやく100館は達成できると思いますが,新年度で新たにできる小学校を含めて205小学校,100館の児童会館の中で,いま現在は57児童クラブの開設ですから,新規の部分でこれに対応するというやり方では,せいぜい行っても70児童会館くらいでしか児童クラブの対応はできないと思うのですね。そうすると,200を超える小学校の中で3分の1しか,この児童会館方式というのは対応できないわけで,これが主流などとはとうてい言えない,そういう実態になるというふうに思うわけです。
一方で,学校方式の育成会はふやさない,こういう方式を固めて,新たな拡大ということは全く考えられていないどころか,競合するという形で,これを年々縮小してくると。そうすると,札幌市の学童保育対策,留守家庭児童対策の主流は,やはり共同学童保育所,民間方式の育成会,実態から見れば3分の1程度と言われておりますが,札幌市が標準規模を設定して,その2分の1の助成を行うこの民間方式,共同学童保育が依然として札幌市の学童保育事業の中心になるのではないかと,私はそう考えるわけです。
そこで,教育長にお尋ねしたい最初の質問は,教育長が,
教育委員会として学童保育を進める,こういう考え方にしっかり立っているのかどうかということであります。
過日の文教委員会で教育長は,「児童会館,あるいは
社会教育,さらには札幌市の
教育委員会,こういう立場での留守家庭児童対策には限界がある」,こう言っております。いま
教育委員会がやっている3方式の留守家庭児童対策というのは,学童保育事業なのか,それともそうでないのか,まず,このことをはっきりしていただきたいというふうに思います。
次に,児童会館での児童クラブと競合する学校方式,民間方式の移行の問題,継続の問題であります。
先ほども申し上げましたように,現に,中央小学校の学校方式育成会,豊平小学校の学校方式育成会は,いまだに
教育委員会と移行の問題をめぐって話合いを続けております。私も,地元の中央小学校の父母の皆さんとの話合いの機会を持ちましたし,
教育委員会と父母会の話合いにも同席させてもらいました。ここで父母の皆さんが強調していることは,12月になって,4月から移行だということを初めて言ったと,こういうようなやり方では,父母の納得を得る時間としてはとうてい足りないのではないか。そういう時間的配慮は必要ないと考えるのか,あるいは,これで十分だと考えているのか,こういうような点が一つであります。
それから,移行の受け皿となる児童クラブが,子供の放課後の生活の場及び安全が守られる場であると果たして言えるのかという問題であります。
この問題は,古くて新しいテーマであります。児童会館での児童クラブ方式が提起されたときから,多くの父母,市民が,この同じ命題で児童クラブ方式に対する懸念を表明してきたわけであります。児童クラブと競合する学校方式,民間方式の移行を強行しない,こういう考え方は,ある程度,たとえば継続期間とかいう形ではありますが,それにしても,それは経過措置であるということだと思うのであります。いま現に4月1日の実施などとうてい無理な,現に話合いが行われている中央小学校,豊平小学校の移行問題について,教育長は過日の文教委員会で,4月1日のスタートを目指してさらに努力するのだと,こういう答弁を繰り返しているわけですが,現に3月22日,ここまで来て4月1日のスタートはあり得ないと。今後,さらに父母と話合いを進めていくというような答弁をこの機会にいただきたいと思います。
2年間の経過措置が切れる民間方式の援助の継続という問題について,この前の文教委員会でも,うちの生駒議員が資料をもとに追及しておりましたが,児童会館での児童クラブを開設しても,0,1,5と,こういうような児童定数の児童クラブがあります。57児童クラブの中で一けたにとどまっている児童クラブ定数,現行定員といいますか,それは8ヵ所にも及ぶということが文書質問に対する資料でも出てきているわけであります。こういう現状について,0であっても1人であっても児童クラブを開設しているのだから,現に子供たちの健全育成に役割を果たしている民間方式は,何が何でも継続の2年間が切れたら切るのだと,こういうことなのか,現状に照らして再検討しようということになるのか,本会議での教育長の答弁がありますけれども,なお同じ答弁を繰り返すのか,さらに今後の検討課題だということなのか,そこのところを明らかにしていただきたいということであります。
3番目に私がお尋ねしたいのは,児童会館児童クラブの周辺の環境の問題であります。
私がかつて市役所に勤めていたころ,児童会館というのは,児童公園に隣接して建設され,子供たちは思い切り児童公園を使って外遊びができる状況になっていたわけでありますけれども,現状は変わってきております。
いただいた資料によりますと,児童クラブを開設している児童会館57館のうち,会館の周辺に広場があるというのはわずか8館であります。200メートルから250メートルの範囲に公園があるというのが48館,周りに広場も公園もないというのが1館と,こういうような資料をいただいております。やはり児童会館というのは,児童公園に付随して,子供たちの外での遊び場をしっかりと確保して建設すべきだというふうに私は考えるのですが,なぜこういうふうに変わってきているのか。安上がりに,用地の面積を縮小したがためにこういうことになったのかというふうにも思うのですが,児童クラブに本当に保護機能があるのか,いままでの民間方式や学校方式の学童保育事業と同じように,子供たちが放課後を過ごすことができるのだろうかという父母の心配の一つに,周りに広場もない,遊び場もない,そこまで連れていって,ちゃんと子供たちの面倒を指導員が見てくれるのだろうか,こういう懸念が表明されているわけでありますから,児童クラブが併設されている児童会館の周辺の環境問題について,どういう考えを持っているのか。
ことし新たに円山の児童会館が改築され,ここに児童クラブが開設されるということになっていて,これと競合する民間方式の共同学童保育,2年間の経過措置をくぐって補助打切りと,こういうふうにも打ち出される中で,
教育委員会と父母との話合いの中で,この円山児童会館の広場の問題も大きなテーマになっております。いままで児童会館に付随していた広場が,今度は全くなくなって,これが前にある地区会館,それと後ろにあった児童会館の複合施設になり,広場となっていた部分を含めて,建物以外のスペースはみんなアスファルトで固めた駐車場になる,どうしてこういうことになるのか。いままでの児童会館の機能さえ失われるようなことにどうしてなるのか。そこで,児童クラブということで,本当に子供たちが生き生き放課後を過ごせるだろうか,こういう父母の強い疑問の声が出ているわけですが,具体的にこの円山でどうしてこういうことになっているのか,どう対応しようとしているのか,このことについても明らかにしていただきたい。
4点目に,教育長は本会議の答弁でも過日の文教委員会でも,障害児加算については考えない,こう言っております。いま,幼稚園でも障害児を受け入れる,それを公立幼稚園が率先して進める,こういうふうになっておりますし,保育園でもそうです。もちろん義務教育の小・中学校には,障害児を受け入れる義務があるわけですね。そういう点で,学童保育事業で障害児の加算を考えないというのはどういうことか。障害児に対する指導員のかかわりというのは,一般児童とは違うわけですから,それだけ,その障害児に指導員がとられるというのは当たり前のことです。その点で障害児加算を考えないということは,現状に合わないのではないかと思いますので,あらためてお答えをいただきます。以上です。
◎藤島 教育長 前段の,私の文教委員会での答弁に関連するご質問が二,三ございましたので,私から,その部分についてお話を申し上げたいと思います。
いわゆる留守家庭児童対策としての児童健全育成事業でございますが,3方式でいまもやっている,これからもやっていくのではないかという点でございますが,まさに,私どもとしては児童会館を主体としながらも,なおかつ学校方式,それから民間学童保育,これは,これからも当然やっていかなければならないと,このように考えております。それらの内容充実について私どもも努力すると,こういうご答弁を申し上げたつもりでございます。
それから,2番目の,限界があると申し上げましたのは,現行制度,つまり,要綱の範囲内で,るる私ども事業を進めてきたわけですが,段々のお話の中でございましたように,高学齢児受入れの問題であるとか,あるいは時間延長の問題であるとか,助成の問題,それから最後にお話のありました障害児の問題,こういった保育機能のご要望が最近大変強くなってきているわけです。これらについては,現行の制度上にはないわけでございまして,そういう意味で限界があると申し上げているわけでございます。その点が,実は,現在その移行措置の段階でいろいろと問題になっているわけでございます。
例えて申し上げますと,いわゆる学校方式は競合するから,児童会館への移行をお願いしたいと,そういった場合に,高学齢児童の受入れであるとか,あるいは時間延長の問題,こういった問題については,私どものこれまで進めてきた現行制度の中にはないわけでございますので,新しい課題であろうかと思っております。いわゆる保育機能全体についての見直しといいますか,それは私ども今後の大きな検討課題であると,そういうようにとらえております。
健全育成事業の進め方につきましては,先ほど荒川委員のお話がありましたので,繰り返すつもりはありませんが,私どもとしては,保護という側面を持ちながらも,保護者と行政が責任を分かち合う,いわゆる健全育成事業という視点でこの事業を進めております。しかし,現実に,保育機能という面が非常に要望されていることは,先ほども申し上げたとおりでございます。責任を分かち合うというバランスが,ややもすると崩れやしないかと。ここら辺の議論が基本的に必要でないかと,私はこのように考えているところでございます。
◎村井
社会教育部参事 2点目の移行に伴う問題でございますけれども,時間的に配慮が足りなかったのではないかということでございますが,私どもの留守家庭児童対策の学校方式につきましては,予算を伴う問題でございますし,実質的には,予算がある程度決まった段階で父母の方と話し合うということから,1月に入ってからの話合いになったということでございます。私どもといたしましては,あくまでも強行するということではなくて,理解をいただきながら進めていきたいというふうに思っております。
それから,2年間の経過措置でございますけれども,いま教育長の答弁がございましたが,要綱上で,扱いとしては2年間の経過措置についてうたわれておりますので,私どももそれに沿って進めていきたいというふうに思っております。
それから,3点目の環境問題でございますけれども,児童会館の建設に当たりましては,基本的に児童が最も利用しやすい場所ということで選定をしております。周囲の環境にも十分配慮しながら整備を進めているところでございます。
お話のありました円山児童会館につきましては,改築工事もほぼ終わりまして,4月中旬にオープンを予定しているところでございます。改築前は,会館は単独館ということでございます。当時,隣接地に市民局所有の空地がございました。したがって,そこを市民局から借用して広場ということで使っていたのでございますけれども,今回の改築に当たりまして,地元期成会から複合施設化の強い要望がありまして,市民局との協議の結果,円山連絡所,地区会館,児童会館の3施設が,同一建物に入る複合館となりました。建物の配置についても,敷地の有効利用を考えながら現在のようになったものでございます。
いま地元との話合いの中で,円山の民間方式の父母会等から広場の要望が出てございます。しかしながら,当該地区には円山公園や,近くに児童公園もありますし,また,円山小学校のグラウンドも利用できるということから,児童の活動には支障がないものと考えております。
◆荒川 委員 教育長の答弁の部分から再質問をいたします。
教育長が言われた釈明は,限界のゆえん,それは新しい課題として,保育機能全体の見直し,これが今後の検討課題であり,いわゆる保育機能要望,その関連で限界があるというふうに考えたと言われたように聞きました。現在のやり方からいけば限界があると,こう言ったのであって,
教育委員会や児童会館,
社会教育がやれないことだと考えたわけではないと,こういうことですか。それ,確認しておきたいのです。
そして,
教育委員会がいまやっている3方式は,保護機能も含めた学童保育であると。それは,事業の内容に少しずつの差はありますよ,学校方式,民間方式,児童クラブ方式。しかし,保護機能を持っての学童保育事業という性格を否定することはできないと私は思うのですが,いまの
教育委員会の対応の範疇を超える要望があるというのは,具体的にそれぞれ出ているものはそうだと思います。しかし,今後の検討課題ということも言っておられて,いまの要綱でのやり方では限界だということなら,それはそれで私わかりますが,
教育委員会が,
社会教育事業,児童会館での事業などとしてやる場合に無理だというようなことだとすれば,また議論をしなければならないと思うのですが,そこのところをもう一度はっきりしていただきたい。
そして,この100館方式の後の学童保育,留守家庭児童対策,その展望について教育長にお尋ねしたいと私は思っているのですが,先のことは今後の検討課題だというふうに言ってこられているわけですよ。しかし,教育長,あなたは
教育委員会の責任者ですから,横に助役がおられようとも,
教育委員会の考え方というのをあなたが教育長としてしっかり持って,行政当局と折衝するということは当然必要になってくるわけです。文教委員会では,もし仮に200館の児童会館,全小学校区で児童会館を建てていくとしても,財政的な制約があって,年間5館とかという形で建てていけばずいぶん先まで時間がかかるというようなことを言っておられるのです,もし仮にと言っていますけれどもね。教育長自身は,小学校区に一つずつ児童会館が必要だと。中学校区としてやってきたのはいま終わりに近づいているわけですから,次の段階としては,いままでの倍,200館を超える全小学校区に児童会館を建設し,そこで,留守家庭児童対策,学童保育もやるべきだというふうにお考えですか。それとも,中学校区に一つ児童会館ができれば,もういいのじゃないかというお考えですか。そこのところを聞かせてくれませんか。
それから,村井参事のお答えで,一つ,バッティングする学校方式の移行廃止というものを強行しないで,なお父母と話し合っていくという点は了解しますが,強行しないということと,やっぱり納得を得るような
教育委員会の努力が一方で必要なのだということとを,あわせて考えて対応していただきたい。これは,そのことを申し上げて終わります。
障害児の加算についても,これは教育長からのお答えが必要でないかと思うのですけれども,近い将来でもこのことを検討したいということになるのか,全くそういうことは必要ないと考えているのか,もう少しはっきり言っていただきたい。
それから,円山の児童会館の問題で,いままで地区会館は,市民局から用地を借りていたと,そして広場にしていたのだと,それを取られたというようなことです。私は図面もいただいていますが,児童会館がいままで建設されていた建物の敷地の部分でさえ,3分の2以上が市民局所管の用地ということになっているわけです。もちろん広場として使っていたグラウンド,これも市民局所管の用地だったと。したがって,複合施設にした場合に,空きスペースは児童会館のものとならない。こういうことで駐車場になっていくわけですが,私は,複合施設というのは,それぞれの施設の機能を十分確保して初めて成り立つものではないかと思いますし,仮に,札幌市の中で用地の所管が市民局であったり教員委員会であったりしても,現に
教育委員会が児童会館として確保して使っていたような敷地,そういう機能というものは,複合施設の中でも当然確保するという立場に
教育委員会がなぜ立たないのか。そういうことで,どうして父母の理解が得られるのか。円山公園があるとか,児童公園があるとか,学校のグラウンドがあるとかいいますけれども,ずっと離れているわけですよ。児童会館児童クラブの指導員が,幹線を越えて子供たちをそういうところまで連れていって遊べますか。遠くに公園があればいいなどということで,糊塗するようなやり方は,私はきわめて許せないと思うのです,児童会館児童クラブの環境の問題としても。いままで広場があったのだから,会館に伴う駐車場もありましたよ,前のほうに会館があったのだから。駐車場は,私の感じでは五,六台とめられる駐車場ありました。裏には,子供たちがキャッチボールができるぐらいの広場があって児童会館があった。それを全部駐車場というのではなくて,少なくとも,子供の広場を,たとえ狭くても一定程度確保して,いままであった程度の駐車場を確保すると,こういうような形になって当然ではないかと。子供のことをないがしろにするような姿勢というのは,私はだめだと思いますよ。その点,あらためて。
◎藤島 教育長 限界説でございます。私が,何か責任を回避しているというようなお話に受け取れたのですが,そういうつもりは毛頭ありません。
ただ,現行要綱を中心とする制度の中で,この制度というのは長い経過の中で,議会でいろいろご議論いただいてできているわけです,その制度によって,いま留守家庭児童対策を行なっているわけでございまして,その制度を超えるようないろいろなご要望があると,そういった意味で私は限界があると申し上げているわけでございます。したがいまして,そういった新しいご要望がるるございますが,そういったものについては,今後十分,私ども
教育委員会としても,あるいは議会としてもいろいろ議論されるべきだと,このように考えております。
それから,もう1点,中学校区に一つのいまの児童会館でございますが,これを小学校区にやるべきかというお話でございましたが,私は,いま時点で小学校区に1館ずつ児童会館をという考え方は持ってございません。と申しますのは,いま留守家庭児童対策で取り組んでいる対象児童は約3,200名でございます。これが5,000とか,あるいは1万とかというような形であれば別でございますが,いわゆる需要といったものもこれからカウントする,あるいは調査していかなければならないだろうと,こう思っております。そういったものも今後の検討課題の一つになろうかと,このように思っております。
それから,障害児加算のことでございますが,これもいまるるお話ししましたように,いわゆる新しい保育要望の中の1項目でございます。したがいまして,いま私どもは,児童会館に身障者用のトイレだとか,あるいはスロープ,こういったものは設けておりますけれども,それは,個々の保護者とご相談の上,児童会館の健全育成に支障のないような範囲内で受け入れるという配慮を行なっているわけでございまして,障害児加算というような一つの制度化された考え方で進めるという考え方はございません。以上であります。
◎村井
社会教育部参事 児童会館の土地のことでございますけれども,従来,児童会館を建設するに当たっては,適正規模である1,200平米,これは児童会館を建設するための敷地でございまして,特に広場用地については確保していない状況でございます。したがいまして,いま,円山児童会館についてのお話でございますけれども,ここについても,今回,児童会館としての機能を相当充実いたしましたし,私どもも,児童会館としては満足しているところでございます。特に,地元からの強い要望もありまして,複合施設ということでございますので,現状ではやむを得ないのではないかというふうに思っております。
◆中嶋 委員 私は,図書館について伺います。
まず初めに,豊平区分区後の図書館について伺います。
昨年の3定において,私どもは,今後の図書館計画について質問いたしました。1区1館構想があり,すでに全区に完成いたしましたので,残すところは,豊平分区に伴う新しいほうの区に建設すると,すべての区にできることになります。
図書館は,言うまでもなく,赤ちゃんから高齢者までが利用できる教育文化施設であり,区役所や土木事業所などの
公共施設と比べますと,より市民のため,市民にとって使いやすい施設であることが求められています。
そこで,区のあり方について考えたとき,図書館は特に市民参加で施設づくりをすべきと思い,昨年の3定において提案をしたわけです。市長のお答えは「お話のありました施設の建設に当たっては,地域住民の意見が反映できるように配慮してまいりたい」というものでしたので,それを踏まえ,3点お尋ねいたします。
初めに,豊平区分区に伴う図書館の建設について,設計費が地区図書館建設設計費,分区関連施設基本設計として400万円が計上されておりますが,その場所,建設時期,規模などはどうなっているのかお伺いいたします。
2点目として,これまでの地区図書館建設の段階で,市民参加など,地域の方の意見,提案を取り入れた形でつくったことがあるのかどうか。あれば,どの図書館で,どのような形で行われたのかお伺いいたします。
3点目として,豊平分区に伴う図書館について,計画の段階から,地域の市民への説明や,提案を受けたり議論などをしたりする場を設定するお考えはおありでしょうか。以上,3点お伺いします。
◎井田 中央図書館長 図書館問題についてお答えいたします。
まず,分区に伴う図書館整備についてでございますけれども,1点目の建設場所,建設時期等についてでございますが,関係部局及び豊平区と協議し,また,地元の皆さんのご意見等を参考にして,ことし秋までに結論を出したいと考えております。また,規模につきましては,既設の地区図書館と同じ,延べ床面積1,200平方メートルといたしたいと考えております。
2点目についてでございますけれども,市民参加につきましては,最近改築した山の手図書館を例といたしますけれども,区役所と協議いたしまして,利用者代表,学識経験者,町内会など,市民の方々12名と懇談会を持ち,要望等を盛り込んだ中で改築を行いました。
3点目についてでありますけれども,豊平区分区に伴う図書館建設につきましても,山の手図書館と同様の手順で進めてまいりたいと考えております。以上です。
◆中嶋 委員 建設場所によって,当然デザイン等は変わりますし,また,他の施設との複合であれば違った問題が出てきます。たとえば,厚別図書館は区民センターとの複合施設になっていますが,2階の閲覧室へ行く階段を区民センターと共用することになっているために,図書館の中に階段がなく,2階に閲覧室があることを知らない市民がいるということです。また,天井が低く圧迫感もあるということですので,ぜひ,設計が完成する前に,図書館職員はもとより,図書館をよく利用する市民や,子供への読み聞かせをするボランティアの方たちなどの幅広い意見を取り入れることを要望いたします。
2点目として,1区1館後の図書館をどうするのかという計画が,本市にはいまのところありません。生涯教育のお話もいま出ましたけれども,高齢化社会を迎えることや,また,学校の週5日制も拡大されることから,将来の図書館計画を策定すべきと考えますが,分区以降の図書館整備についてのお考えを伺います。また,計画策定の際のメンバーについてはどう考えておられるのか,あわせてお伺いいたします。
◎井田 中央図書館長 今後の図書館整備計画の1点目でございますが,平成6年度中には,総合的な図書館行政のあり方の検討に入りたいと,こういうふうに考えております。
2点目でございますが,その検討に当たりましては,学識経験者,あるいは図書館行政に明るい有識者の方々などから広くご意見をいただけるような場を設けたいと,こういうふうに考えております。以上でございます。
◆中嶋 委員 最後に要望ですが,広く意見を伺いたいということですので,ぜひ,公募によるメンバーなども考えていただきたいと思います。
◆川口谷 委員 私も,留守家庭児童対策について質問,あるいは私の考えも含めまして,いろいろ発言をさせていただきたいと思います。
荒川委員とは極力重複を避けてお話をしたいと思いますが,札幌の留守家庭児童対策は,いまもやりとりございましたように,児童会館,学校,民間の三つの形態で運営をされていると。これはお互いに承知のところであります。このことは,根拠としては,札幌市が内々,要綱として定めている札幌市児童健全育成
事業実施要綱,そして,その目的として,児童クラブ方式を基本とし,そのほか学校なり,あるいは民間方式の3形態で運営するのだというところに発しているというふうに思います。これは昭和57年に制定をされ,その後年次を経て,改定をされながら今日に至っていると,こういうふうに理解をしております。
もう一つ,留守家庭児童対策実施要綱というものも定められていて,これは留守家庭児童対策として,児童会館での事業の大綱を定めると,こういうふうにされておりまして,これは昭和62年,63年の,いわゆる児童会館を基軸とする留守家庭児童対策をやるのだというところから始まった要綱だというふうに私は理解をしております。なお,その中で定めておりますことは,児童会館の整備が図られるまでの経過的措置として運営をされる学校ないし民間の児童会館については,別に健全育成実施要綱を定めると,こういうような表現をされています。
こうした要綱なり実施要領の定めというのは,いまも荒川氏からお話がありましたように,昭和57年なり,あるいは昭和62年から63年,議会における大変さまざまな論議を経て定められていったというふうに考えておりまして,このこと自体は,非常に私は大事なことだろうというふうに思います。したがって,私がこれからお話をすることは,こうした点を踏まえた発想で今後の充実を求めたいと,こういう立場に立つわけであります。
その後,平成4年に至りまして,第3次長期総合計画の第2次5年計画,平成4年度から8年度の中で100館構想というものが初めて明らかになってきたと,こういう経過があったと思います。そして,8年度末には100館になるというのがわれわれお互いの理解の中にあるわけであります。しかしながら,この留守家庭児童対策をめぐりましては,陳情・請願が出され,なお多くの議論があることはお互いに承知をしております。これは,振り返ってみますと,どうも5年単位でさまざまな問題が持ち上がるということがあるように私には感じられます。先ほど申し上げた昭和57年,62年,いま,昭和で言えば69年になるのですか,大体5年単位です。つまり,私は,時代の流れからいえば,3年ないし5年で非常に世の中の変化が起きる,当然なことだと思うし,そういう状況を踏まえて柔軟に,見直すものは見直していく,こういう姿勢がやはりすべからく必要だろうというふうに思います。
特に,最近は女性の社会進出というものが非常にいろいろ取りざたをされている。1.53ショックというものなどもあって,特に札幌市においては,東京に次いで特殊出生率の低下が見られるという状況にあることを考えますときに,そのことと女性の社会進出という面を考えますと,勢い,子供を持つ親にしてみれば,社会に進出をするためには,学齢期の子供の健全な育成,あるいは保護というものに期待するところは当然大きくなるという社会背景があるというふうに思うのです。
欧米の例を引くまでもなく,そうしたものに対する手だてを講じている北欧諸国などでは,近時,徐々に特殊出生率が回復をしてきているというデータもございます。しかし,残念ながら,日本あるいはイタリアなどでは,年を追うごとに下がっていくと。このままでは,日本という国は消えてなくなるのではないかという極端な議論さえされています。こういう状況に対して,女性の側からはどういう声があるかというと,たとえば,こういうふうにおっしゃる女性がおります。
「人間らしい生活を犠牲にした経済成長のゆがみが,出生率低下という形で噴出をしている。産みたい女性が産めるような社会保障を整備することが必要だ」と,こういうふうに批判をしておられる。私は,本当に的を射た指摘だというふうに思うのですね。
そこで,私は,札幌市における留守家庭児童対策の一層の充実を求めるという観点から,荒川氏とは違う立場で,意見も含めて申し上げたいわけです。
3方式の,児童クラブあるいは育成会で指導を受ける子供たちの数というのは,先ほどもございました3,158人,これは平成5年現在の数字でありますけれども,3方式のいずれもが運営されていない小学校区というのは79校区に及ぶというふうに,私の調べによると出ております。つまり,これは,先ほど教育長が言いましたように79の校区すべてに需要があるかどうかという問題はありますよ。しかし,少なくとも,相当部分の校区には,なお需要があると,潜在化していると言わざるを得ないわけです。したがって,今後の展開のあり方としては,そういう空白区に対して着目をするということ,このことは当面の重要な問題だろうというふうに思います。ただ,そうは言いながらも,最初に申し上げました100館構想というものがありますから,これはやや辛抱しなければいけませんけれども,今後の課題として,やはりそこから私は着手すべきだろうというふうに思います。
そこで,100館構想の中学校区単位の児童会館について一つ分析をしてみますと,中学校区単位でありますから,留守家庭児童,小学校1年生から3年生を対象とする場合に,これは通館距離の問題あるいは,児童会館の偏りの問題等々によって,中学校区単位ではしょせん無理があるということは,お互いにこれはよく理解できるところではないかなというふうに思います。そういたしますと,これから先の留守家庭対策のあり方としては,空白を埋めるということとあわせて,中学校区単位ではなお不十分な点を埋めていくということにならざるを得ないのではないかなというふうに思います。
もう一点,民間方式の問題であります。
私も何ヵ所かいろいろ見せていただいたり聞かせていただいたりはしておりますけれども,民間方式は,どうしても民間の間の格差というものも避けられない。つまり,民民の間の格差という問題もありますし,それから,個々一つ一つとってみても,非常に劣悪な状況にならざるを得ない状況があります。どういうことかというと,経営上の問題などもあって,最初に借りた家が,築後20年でも25年でもいい,とにかくそこで児童育成会をスタートさせる。そして,10年たつ,15年たつ,ほかに移りたくてもなかなか代替の借家がない,あるいは,たまたま借家があっても,行く先の近隣の方々の理解がなかなか得られない。子供たちが騒いでやかましいとか,たとえば,隣に看護婦さんがおられ,あるいはタクシーの運転手がおられたり,昼間寝ておられるというようなことなどもあって,新しい場所に移ることができないといったような問題等々,ことしの冬などは,雪の下になってつぶれそうなところで留守家庭対策をやっているという状況もあるわけであります。したがって,どうしても民間の経営というのは,不安定にならざるを得ない。札幌市が,運営費の半分は助成しておりますけれども,どうしても保護者の負担がふえざるを得ないという状況が生まれてくることは避けられないというふうに思うのです。
もう一つ学校方式をとってみますと,自分がふだん通っている学校にそのまま居残って,そして,授業全体が終われば,廊下も使い,体育館も使い,場合によってはグラウンドも使ってそのまま生活をし,5時には帰ると,これは子供にとっては非常に都合のいいことだろうと思いますけれども,一方,学校を管理する側にしてみれば,ほかの児童との違いがどうしても出てくるわけですから,ほかの子供たちから,なぜ彼らはいつまでも学校に居残りしているのか,おやつを食べているのかといったような管理上の問題は,どうしても起きてこざるを得ないだろうというふうに思います。
こうして見てまいりますと,それぞれ三つの方式の中で,利点はあると思うのです。しかし,短所もある。児童会館方式といえば,異年齢間の交流ができるということもありましょうけれども,しかし,ケースによっては,大きい子供との間で,場合によってはいじめられることもあるのじゃないかといったようなことも寄せられております。そういう意味で,学校方式は,民間もない,何もないという場合に,非常に展開をしやすい手法ではないかなというふうに私は思うのです。ただ,最初に申し上げましたように,児童会館を基軸とするという一つの方向づけがありますので,それを踏まえつつも,不足なところについては,やはり私は順次手だてをしていかなければいけないというふうに思います。
さて,今後の問題についてでありますけれども,留守家庭児童対策の方向として,これまでやってきた児童会館の建築というものが100館に到達した以降のことを考えますと,予算のことなどもにらんだ場合に,大事なことは,現実的に,実務的に,本当に子供を保護し,あるいは育成には何がいいのかということを私なりに考えてみたわけであります。そうすると,どうしてもやっぱり小学校区単位に展開することがベターではないかなという結論に至ったわけであります。
過去に,児童会館を建設するに当たって,建築費だけで一体どれだけかかったかということを調べてみましたら,5年間で43億円支出をされています。1館当たり,単純平均ですけれども,1億5,000万円かかっています。これは大変多額な金額です。ところが,児童育成会は,せいぜい子供が30人前後使用すればいいということ,あるいは,現在でも一般住宅を借りて会を運営していることなどを考えますと,余り豪華なものをつくるのではなくて,小学校区単位にもっと現実的な,小規模な専用の施設を展開すべきでないかなというのが,私のいま持っている考え方であります。
そういたしますと,43億を単純に割ってみますと,4,300万円の建物をつくるとすれば100館できるわけですね。5年間で割れば,1年間に20館ずつ展開できるという非常に単純な計算が成り立つわけであります。最近の税収不足の問題とか,それから,効率的な行政運営等々を考えますと,本当に現実的な選択としては,4,300万円程度のものでいいから,小学校区単位に展開するという方向を今後の検討の中でぜひ考えていただきたいというのが私の意見であります。
そこで,質問であります。
1点目は,こうした多様化するニーズに対応するために,
教育委員会だけではなくて,もっと全庁的なレベルで留守家庭児童対策というものを考える時点に来ているのではないかなというのが一つであります。5年ごとに議論が蒸し返されているように思いますので,働く女性の立場からも,ぜひその点で,全庁的な観点での検討ということについてお答えをいただきたいと思います。
それから,2点目でありますけれども,留守家庭対策というのは,つまりは高齢化対策でもあるというふうに思います。これは一々私が申し上げるまでもないことでご理解いただけると思うのですが,次の社会というのは,まさに子供たちが担っていくわけでありますし,そしてまた高齢化というのは,少子化と裏腹な関係にありますので,そういうことから考えますと,高齢化対策と同等,あるいはそれ以上の施策があってしかるべきではないかなというのが私の考えであります。こうしたいまの時点に立って考えるとすれば,新しい留守家庭児童対策の5年計画というものについて検討してみてはいかがかなというのが二つ目の考え方であります。この点についてもお答えをいただきたいと思います。
三つ目でありますが,いまも申し上げましたけれども,具体的に100館以後のあり方として,留守家庭児童対策,あるいは児童そのものに対する育成対策の専用施設として,これは学童保育だけに矮小化する必要はないと思うのでありますが,小規模でもいいから小学校区単位に大量に展開することのほうが私は望ましいと思いますし,これまでの児童会館建築の予算の実績などから追いかけてみても,かなり現実的に可能な話ではないかなというふうに思うのでありますけれども,その点のお考えをお示しいただきたいと思うのです。そして,そのことによって,非常に格差が多い,経営が不安定だと言われている民間の施設等も順次引き受けて,そして公的なものに移行していくと。私の結論として,究極は,子供の対策というのは,すべて公的に受けていくというところに落ちつかせないと,いつまでも問題を引きずるだろうというふうに思うものですから,こういうふうに申し上げるわけであります。以上,3点お答えをいただきたいと思います。
◎村井
社会教育部参事 1点目の留守家庭児童対策を全庁的な体制でということでございますけれども,いまのお話につきましては貴重なご意見と受けとめておりますし,将来的には審議会のような検討の場も必要になろうかと存じますが,とりあえず
教育委員会として,児童会館100館以降の児童の健全育成のあり方,ご指摘の市民ニーズなどを総合的に研究するため,内部検討を進めるとともに,学識経験者を交えた検討会議などを設けたいというふうに考えてございます。
質問の2点目,3点目でございますけれども,お話にございました学童対策5年計画,あるいは小規模専用施設の大量設置につきましても,貴重なご提言と受けとめまして,今後検討する中で参考にさせていただきたいというふうに思っております。以上であります。
◆川口谷 委員 全部貴重な提言ということで,何となくうるかされそうな気がするわけです,これはひがみかどうかわかりませんが。
問題は,先ほども言いましたけれども,5年前後を経て繰り返し問題になるということは,問題の本質的なところまで踏み込んだ解決がまだ行ってないということだろうというふうに私は思います。
ただ,持ち上げるつもりはありませんけれども,札幌の留守家庭児童対策というのは,他市との比較においては,私は高いレベルを維持しているというふうに思いますよ。どこへ行っても,100館も児童会館を展開して,そして児童クラブをやると,こういうところは,私は余り知らないわけでありまして,そういう意味では,もっと自信を持って展開をしていただきたいというふうに思います。昭和62年,63年におけるあの論議というのは,私は大事にしなければいけないというふうに思うのです。
それと,繰返しになりますが,やはり最後の落としどころというのは,公的施設によって子供を賄う,保護するのだ,健全育成するのだというところをしっかりと踏まえて展開していただかないと困るというふうに思うのです。
あわせて,さまざまなニーズのことを申し上げました。検討に当たりましては,先ほども言われましたけれども,たとえば障害児の受入れに際しての加配の問題,時間延長の問題,もう一つは,育成に当たっての子供に対する指導のあり方,これは,学校を終えてきても,学校の授業の延長のようなカリキュラムを組んで,そして綿密な指導をするという方もおられるというふうに伺っております。それではいかぬのではないかと。子供は,小さいうちは大いに遊ばせて,体力をつけて,その中から考える,そうした子供を育てるということが必要ではないかなという意見もあります。そういう観点も含めて,社会的ニーズは非常に多様化しているわけですから,それらを総合して検討していただきたいと思います。
最後に,学識経験者を交えてということでありますが,この場合,学者先生は比較的,理論的に物事を整理をされるという傾向があろうかと思いますので,経験者の中には現場の第一線でやっておられる方々の声も反映できるようなことを踏まえてやっていただきたい,このことを申し上げて終わりたいと思います。
◆常本 委員 私は,ワイルトピアの建設計画につきまして数点お尋ねをしてまいります。
今日,都会生活では,子供から大人まで自然とふれ合う計画がきわめて少なくなってきておる。なかんずく,この
北海道にあって札幌市は顕著な例だと思います。50年前には20万の人口でした。それが,いまや170数万。そして,平成17年200万ということですから,あと10数年で20倍というような大都市になるわけですが,そんな中で,自然とのふれ合いというのはますます少なくなっていくということです。
私の子供のころを振り返ってみますと,放課後は,かばんをひっ担いだまま,山学校とか川学校とか町学校とかとやったのです。放課後ならまだいいほうで,山学校とか町学校とかという名前は,学校へ行くつもりで出たけれども山だけ行って,キノコとったり弁当食って帰ってきたということから山学校と,こんなことを言っていたのです。それでもこのぐらいのばかで済んでいるから,結構それも勉強になったと思うのです。あるいは山ブドウをとったり栗とったり,川へ行けばドジョウやカニ,特にカニなんかを弁当箱に入れて,山でとった薪で煮て食ったこと何回もあります。地ガニというのですが,ちょっと腕だけに毛が生えているやつですね。あるいはまた,町学校なんていうと,かじ屋さんだとかおけ屋さんだとか,それからいまはなくなりましたが馬蹄を売っているところ,そんなところにしゃがみこんで,30分でも1時間でも見ている。だけれども,これ本当に勉強になるのですよ。皆さんも体験されたと思います。ここにいる委員も私と同じように田舎出身の人多いですから。かじ屋さんなんかは,日常生活のものは大抵あそこでつくってしまうのですね。どんなふうにできていくかおもしろいものだから長い間見ていた。結構それで勉強になっているのですね。すなわち,いま振り返ってみると生きた野外教育を体験してきたと思います。言うならば,自然が先生である。そしてまた,友達がいろいろ遊んで歩きながら知恵をかしてくれる。友達も先生であったという経験を,私どもの時代には多くの人がしてきた。大都会になったがゆえに,そういうものから遠ざかりつつあるというのが現状であります。
近年,日本社会では,働き過ぎを反省した結果,大人においては週休2日制,それから,子供にあっては学校週5日制というのが,逐次進みつつあるわけですね。そんなことで,これから先,野外教育の時間がずんずんふえていくと思いますが,私は,この野外教育,教育というと何か抵抗を感じるので,自然に教育が生活の中でなされていくというとらえ方のほうがよかろうかなと思うのです。英語教育なんか最たるもので,これも,自分自身でいうと,単位を取るためにある程度時間はかけているのですよね。ところが,ちっとも物になっていない。本当に恥すかしながら物になっていないのです。生きた教育の場で過ごしておったら,多分少しぐらいはしゃべれたり聞けたりできたと思うのですが,単位を取っただけで,それでも何とかごまかしながらくぐってきたということですけれども,やはり生きた教育というのは大事だと思います。
そんなことで,本市のいまの状況をちょっとつらつら見ますに,野外教育の施設としては,青少年山の家,それから青少年海の家,それから滝野の自然学園と,この三つの施設が本市にありますけれども,平成5年度を見ますと,小学校とか中学校とか青少年の団体,678団体,6万3,521名が利用したということですね。こういうことの参加もよろしいかと思いますが,こういう団体のみならず,家族とか,あるいは近所の人たち,隣同士の友達,こういう人たちが連れ合って参加をするような施設,こういうものをこれから設けていく必要があるのじゃないかと思います。
先ほども本舘委員のところで,ことしはちょうど
国際家族年ということですし,家族ぐるみでもいいし友達同士でもいいでしょう,そういうことで利用できるようなものにしてもらいたいという希望から,いまるる例を申し上げてきました。
そこで,お尋ねですが,一つには,既存の野外教育施設とどういうふうに違う施設を目指して,建設計画の基本方針を策定されるのかということが1点。
二つ目には,建設場所,施設の規模,施設の内容についてもお伺いをします。
三つ目には,完成年度,今年度以降の建設実施計画,あわせて,それに要する総事業費についてもお尋ねをします。
最後になりますが,ワイルトピアという名称をいまつけておられますけれども,これは,建設構想全体のために設けたということですが,そろそろ先が見えてきた段階に入っておりますので,名は体をあらわすと,また,これから利用される市民から親しまれるような名称を考えてつけるべきだと思いますが,以上4点についてお尋ねをします。
◎村井
社会教育部参事 ワイルトピア建設に当たっての基本方針についてでございますけれども,既存の野外教育施設につきましては,ご質問ございましたとおり,学校の団体を主たる利用対象とした集団宿泊研修の場としております。仮称ワイルトピアにつきましては,家族,小グループを初めとする一般市民を主たる対象にしております。また,この施設は,自然環境に恵まれており,身体的,運動的活動のみならず,自然観察活動のほか,自然環境を理解するための学習機能,創作的機能を持つ自然体験型の生涯学習施設を目指すものであります。
したがいまして,建設に当たっての基本方針といたしましては,次の四つを柱としております。一つは,自然から学ぶ,自然との調和を目指す施設。二つ目は,いつでも,だれでもが利用できる施設。三つ目といたしまして,多様な活動,体験ができる施設。そして,四つ目に,人と人との交流の場となる施設。以上の四つを柱として,基本計画の策定に当たっているところであります。
次に,2点目の仮称ワイルトピアの施設概要についてでありますが,まず建設予定地につきましては,多様な自然体験活動ができ,人為的な手が極力入っていない豊かな自然環境であること,建設地までの基盤整備が最小で済むこと,また,予定地までのアクセスがある程度確保されていることなどを勘案した結果,南区定山渓の豊平峡ダム下流の国有林内の約15ヘクタールを予定し,現在,所管の札幌営林署と協議を進めているところであります。
次に,主要施設につきましては,管理棟,学習棟,格納棟を各1棟,宿泊棟及び常設テントを各10棟,観察棟4棟のほか,野外炊事場,トイレを各1ヵ所,また,キャンプファイアなどのための広場3ヵ所及び駐車場1ヵ所を建設する予定であります。
収容人員につきましては,宿泊棟に100人,常設テントサイトに70人,フリーテントサイトに130人の計300人を設定しております。
なお,施設建設に当たりましては,先ほど申しました基本方針の,自然から学ぶ,自然との調和を目指す施設を踏まえ,自然環境,地形を極力生かして,造成は最小限にとどめ,建築物につきましても木造のログハウス的な外観にするなど,環境に調和した施設づくりを基本とするとともに,宿泊施設についても,家族,小グループの利用に対応し,小部屋にするなど配慮していく予定でございます。
3点目の今後の
事業実施計画につきましては,6年度において建築及び造成の基本設計と造成の実施設計を行い,また,自然環境保全のための環境影響調査などを実施する予定であります。7年度においては,建築の実施設計及び上下水道施設などの基盤整備工事及び造成工事を実施し,8年度に管理棟,宿泊棟などの建築工事を行い,同年秋のオープンを目指しているところであります。
また,総事業費といたしましては,現在のところ,約13億程度を想定いたしております。
最後の名称についてでございますが,このワイルトピアという名称につきましては,ご質問にありましたように,建設構想全体を指す名前ということで仮につけたものでございます。施設の名称につきましては,昨年の予算委員会におきましてもご指摘をいただいているところであり,市民の方々に親しみを持たれ,また,わかりやすいといった点などを十分勘案して検討してまいりましたが,近く決定いたしたいというふうに考えております。以上でございます。
◆常本 委員 私は南区ですから,この場所にはもう幾度も行っていますし,多分皆さんも,豊平峡を訪れられた方は多いと思いますので,よく承知しておられると思いますけれども,本当にいい場所ですよね,自然がいっぱいというところです。したがいまして,こんなところに広く市民が,多様な立場で,だれでも使えるということのようでございますから,あと2年半ばかりになりますが,ぜひここにすばらしい施設つくってもらいたいと思います。
なお,建物とか設備といったハードな部分だけじゃなくて,ソフトな部分にも十分留意して進めてもらいたいと思います。たとえば,建設場所が定山渓の豊平峡の国有林ですから,あんなところですと,町の明かりからうんと離れているわけですよ。したがって,空気が大変澄んでいてきれいだということで,星座の観察とか,あるいは天体観測とか,こういうものなんかに利用する場所としては適当だと思いますので,そんなものも考えてみたらどうかと思います。
なおまた,冬の利用も考えていただいたほうがよかろうかと思います。そういう面で,先ほどの基本計画の中にこれらも含める考えがあれば,私がいま申し上げたような冬とか,それから天体観測とか,お尋ねをしておきたいと思います。
◎村井
社会教育部参事 ワイルトピアにおける活動の内容についてでございますけれども,自然環境保全の観点からも,自然環境に影響のある活動は極力避けるようにしたいというふうに考えております。
また,活動プログラムは,完成されたものを単に提供するのではなくて,利用者の
創意工夫が生かされるようなものにしていきたいというふうに考えております。したがいまして,キャンプ,野外炊事といった既存施設で行なっている活動のほかに,植林や枝払い,落ち葉クラフト,また,昆虫や野鳥観察のほか,冬季間においては歩くスキーや山スキーといった活動を想定いたしております。今後,それぞれの専門家の方々のご意見をいただきながら,具体的活動のプログラムについて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
ご提案のありました星座観察,天体観測につきましても,ワイルトピアの立地条件,活動目的に適したものと思われますので,利用者が手軽に使える天体望遠鏡を備えつけるなど,取り入れる方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
◆常本 委員 大いに期待しています。あと2年半というとすぐたってしまいます。じゃんじゃん進めてください。以上です。
◆武藤 委員 私から1点,PTA活動に対する支援活動について質問いたします。
これは,昨年の決算特別委員会のときにも,部活動やPTA活動の補助金についてお尋ねしたところですけれども,札幌市は,PTA活動に対してもいろいろな形で補助をしているわけです。札幌市にあるPTA協議会運営費,これに対しても補助していますし,また,札幌市各単位PTAに対しても運営費の補助を行なっています。そして,独自にPTA指導者の研修費ということでも予算にきちんと盛り込まれています。
これは大変すばらしいことだと思うのですが,その内容はどうかといいますと,PTAの予算・決算を見ましても,ここしばらくは,この補助の枠が非常に少なくなってきている。金額そのものは変わらないというのは根底にあるのですが,実際に単位PTAに行きますと,生徒数が減少しているために,この運営費補助の基準の計算の仕方が学級数や児童数から割り出されるため,この各単位PTAに来る補助金というのは毎年非常に少ない額になってきています。
ところが,各単位PTAで,このお金をどのように使っているかといいますと,実際には,昨年の決算特別委員会でも指摘したところですが,子供たちの給食費,そしてPTA会費,こういうものを計算する人,お金を実際に扱う職員を配置するための人件費としてすべてが使われているわけなのです。児童数が減ったからといって,その業務が変わるのかといえば,さほど変わるわけでもありません。ですから,この人件費というのは,単位PTAの予算の中でも,いま現在ですと大体平均1ヵ月7万円の予算を組んでいるところが,単位PTAでは圧倒的に多いのですが,これよりも下回る補助金しか来ないわけなのです。これが,児童数が減ったということで年々減ってくるわけですから,各単位PTAにおいては,非常に苦しい財政を抱えて,やりくりが大変という実態が生まれています。
そこで,こういう実態を
教育委員会としてどのように押さえ,運営費が実際にどのように使われているのかという調査などを行なったことがあるのかどうか,この点についてお尋ねしたいと思います。
また,2点目,こういう状況の中で,何とかPTA会費も上げないで,そして,父母負担をできるだけ軽くしたいというやりくりで必死なPTAの活動なのですが,実は来年,日本PTA全国研究大会,こういうものが札幌で行われることになりました。もちろん
北海道や札幌市においても,補助金を出す対象の研究大会になるとは思うのですけれども,すでに札幌市PTA協議会からも
教育委員会に対して要望が出ているとおり,この大会に対しての補助金を出してほしい,こういう声も上げられていると思います。こういう種類の大会を札幌市としてはどのように位置づけ,どのような枠で補助金を出すのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。
◎山
社会教育部長 まず,PTAに対します補助金の実態,あるいはその額等についてのご質問でございますが,PTAに対します補助は,市のPTA協議会,区のPTA協議会,さらには小・中学校の各単位PTA会,この三つに対して補助を行なっております。とりわけ,各単位PTAにつきましては,いまご指摘がございましたように,一つの算出方法の基準がございまして,基礎額,小学校2万2,000円,中学校5万7,000円でございますが,このほかに,学級数割,児童・生徒数言リという形になってございまして,児童・生徒数の減少,あるいは,それに伴います学級数の減少によりまして,交付額が減少する傾向にございます。ただ,私どもといたしましては,運営費に伴います一部補助という考え方でございますので,一定の基準に基づいて,生徒が少なくなれば減少していく,これはやむを得ないものと考えておりますし,ご理解をいただきたいと存じます。
何に使っているかということにつきましては,いま申し上げましたように,PTAの具体的な事務に伴う補助でございますので,主に人件費に使われているというふうに承知をいたしております。
2点目でございますが,日本PTA全国研究大会への補助についてでございますが,このPTA大会,第43回になります。これは来年の8月22日から24日までの3日間,日本PTA協議会が主催をして札幌市で行われるというふうな予定になっておりまして,それに伴います補助については,昨年10月とことしの2月に,この大会の事務等を行う札幌市PTA協議会から,経費の一部補助についての要請がございました。私どもとしましても,今後PTA協議会が行います事業の中身等十分協議をさせていただきながら,一つには,
北海道にも要請が行っており,補助をする考えでございますので,
北海道や,それから過去の開催都市での状況,あるいは,昨年の8月に全国高等学校PTA連合会の
北海道大会が行われておりますので,そうしたいろんな事例を参考としながら,来年度の予算要求に向けまして,会場費として一部補助の考え方を検討してまいりたいと思っております。以上でございます。
◆武藤 委員 1点目の運営費補助の問題なのですけれども,実は,4月からの新年度において総会が開かれるわけなのですが,その議案についていまPTAの中でいろいろ議論されています。いろんな学校を見てみましても,PTA会費を値上げしなければならない,こういうような事態が生まれているわけなのです。一番足を出している項目が何かといえば,先ほどもお話ししましたように,1ヵ月7万円かかる人件費なのです。児童・生徒数が減った分,予算が少なくなっちゃう。ほかの事業を切り崩すわけにもいかず,その分を何とか会費の値上げで埋め合わせをしようと,こういう事態も多くの小・中学校で生まれています。
先ほどもお話ししたように,実際に使われている内容が人件費だということで,雇われた人がやっている仕事は,PTAの仕事だけじゃなくて学校の仕事も請け負っているのだと,この辺をぜひご理解もいただきたいなと思うわけなのです。PTAそのものの組織は自主的組織ですから,全面的に責任を負うとか,そういうことには必ずしもならないだろうと思いますが,ぜひ,学校の業務を一部担っている人を雇っているわけですから,その点も考慮した上で,運営費補助の値上げということも前向きに検討していただけないかなと。
現在,PTA会費を1ヵ月30円50円上げるということでも,単位PTAの中では大変な議論になるわけなのです。収納が非常に悪いという問題も片やありますけれども,現在,札幌市にとっても大きな問題である市民の暮らしは,不況下で大変苦しくなってきているわけなのです。そしてまた,4月の新年度からは,材料費の値上げが予想されているために,給食費も値上げされるかもしれない,こういうような事態まであるわけですから,その点についても,できるだけ義務教育の中で父母負担を大きくしないで軽くするという立場からも,ぜひ,補助金の枠を広げてくださるようあらためて要望したいと思います。
2点目なのですが,日本PTA全国研究大会,もちろんこれも自主的にやられる大会なのですが,先ほど原口委員のお話の中でもありました生涯
学習フェスティバルの問題,これも実際に来年度開催するとすれば,本市としても,6年度からいろいろな準備に入るのではないでしょうか。そういうのと同じように,この日本PTA全国研究大会,これも,来年の開催に向けて,すでに大通小学校に事務局を置き,専任者を1人配置して,事業に向けた実務が始められています。そういう中で,ぜひ要望された額を補助金として出すだけではなく,予算を組むとすれば,当然7年度の予算に盛り込まれるだろうと思うのですが,もうすでに事業に向けて開始されている作業がありますので,せめて,少しでも人の配置の助けになるように,この6年度で要望にこたえるべく,何とか補助金の一部でも支給することができないのかどうか,この点についてお尋ねしたいと思います。
◎山
社会教育部長 大会の事前準備のために,もうすでに行なっているところでもありますので,実質上は平成7年でございますが,6年度からの補助についてということかと存じます。
大規模な大会となりますと,前々年から準備をするということで,作業が大きくなっていくということについては,私どもも承知をしているところでございますが,任意団体が主催で行います事業の場合,大会開催に対する市の補助といいますのは,開催年度補助,いわゆる大会補助を原則といたしておりまして,お話の前年度からの補助,準備補助といったものについては考えてございませんし,また,困難かと存じております。以上であります。