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平成 6年第二部予算特別委員会−03月18日-06号
平成 6年第一部予算特別委員会−03月18日-06号

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  1. 札幌市議会 1994-03-18
    平成 6年第一部予算特別委員会−03月18日-06号


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    平成 6年第一部予算特別委員会−03月18日-06号平成 6年第一部予算特別委員会             札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第6号)                 平成6年3月18日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人(欠は欠席者)     委 員 長  関 口 英 一 君        副委員長  大 西 利 夫 君     委  員  藤 田 雅 弘 君        委  員  岡 本 修 造 君     委  員  工 藤   勲 君        委  員  澤 木 繁 成 君     委  員  加 藤   斉 君        委  員  川口谷   正 君     委  員  猪 熊 輝 夫 君        委  員  藤 原 廣 昭 君     委  員  越 智 健 一 君        委  員  長 岡 武 夫 君     委  員  山 田 信市郎 君        委  員  小 谷 俵 藏 君     委  員  佐 藤 美智夫 君        委  員  常 本 省 三 君     委  員  宮 本 吉 人 君        委  員  原 口 伸 一 君     委  員  常 見 寿 夫 君      欠 委  員  政 氏   雅 君     委  員  本 舘 嘉 三 君        委  員  森   健 次 君     委  員  野 間 義 男 君        委  員  佐 藤 寿 雄 君     委  員  八 田 信 之 君        委  員  武 市 憲 一 君     委  員  千 葉 英 守 君        委  員  伊 藤 知 光 君
        委  員  佐々木   肇 君        委  員  高 橋 重 人 君     委  員  荒 川 尚 次 君        委  員  生 駒 正 尚 君     委  員  武 藤 光 惠 君        委  員  中 嶋 和 子 君     委  員  福 士   勝 君       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○関口 委員長  ただいまから,第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,政氏委員からは欠席する旨の届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,第9款 教育費 第1項 教育委員会費,第2項 幼稚園費,第3項 小学校費,第4項中学校費,第5項高等学校費,第6項特 殊学校費,第7項 高等専門学校費,第8項 学校保健給食費及び第4条の第4表地方債のうち関係分を一括して質疑を行います。 ◆小谷 委員  それでは,私から,障害児並びに生徒等にかかわる教育について,質問をさせていただきたいと存じます。  昨日は小学校の卒業式,そしてまた15日は中学校というようなことで,この卒業シーズンを境にして,札幌の気候も非常に春めいてくるというのが通例のように感じているわけでございます。また,子供たちも大きな期待と希望を持って,それぞれ進学をしていくわけでございます。  私は,こうしたことを考えながら,ここで,常日ごろ特に深い関心を持っております障害児教育について見解を述べながら,そしてまた,これに対するお考えをお聞かせいただきたいと考えるところでございます。  長期総合計画の中で,障害児教育についてこのように書かれております。教育の機会均等の観点から,障害児の教育機会の充実をはかるため,義務教育および後期中等教育の整備を促進する。児童生徒の社会参加への適応力をはぐくむため,福祉・医療機関や地域との連携の強化また,相談や指導などの,教育研究の充実をはかる。そのほか,3点4点というふうに,重要な事柄がそこに示されているのでございます。  また,障害児・障害者福祉については,早期発見,早期治療,教育,機能回復訓練,雇用の促進とともに,社会の理解と協力のもとで地域で安心して生活できるようなまちづくりを推進すると,こういうことが書かれております。  さらに第2次5年計画の施策の基本方針の中に,一つには幼児教育,二つには義務教育,三つには高等学校教育,四つ目といたしまして障害児教育という見出しがございます。そして,1,2,3,4,5と,それぞれ目的を明確にうたいながら,その実効を期すべき表現がなされております。特に,第1番目にうたわれていることは,障害の種類・程度に応じた適切な教育を行うため,遠距離通学の解消と適正配置を考慮しながら,特殊学級の整備を進める,このようにしたためられているのでございます。  とりわけ,第2次5年計画の施策の基本方針,いま申し上げましたことは,私は,最もこれから取り組んでいかなければならない重要なことであると,このように認識をいたしているところでございます。  まず,そういった観点から,ここに基本姿勢が述べられておりますが,この基本姿勢に基づいたご見解をあらためてここで,少しく具体的に教育長からお答えをいただきたいと思います。 ◎藤島 教育長  障害児教育に対する基本的な考え方についてでございますが,心身障害児に対しましては,その障害に基づく種々の困難を克服して,強く生きようとする意欲を高め,可能な限り社会参加,自立できるように育てることが肝要であり,そのためには,適切な教育を行うことが必要であると,このように基本的に考えております。  したがいまして,本市の教育推進の目標にも,特殊教育指導の重点を掲げ,市教委といたしましても力を入れて取り組んでいるところでございます。  具体策としましては,小・中学校に,特殊学級通級指導教室を設置するとともに,17園の市立幼稚園のすべてで障害児を受け入れ,さらには,可能な範囲で養護学校を設置するなど,現在,障害児の教育の機会拡充に努めているところでございます。 ◆小谷 委員  わかりました。  総論的なことにつきまして,いまご答弁をいただいたわけでございますが,これから,障害児教育の中で,とりわけ肢体不自由児にかかわる小学校並びに中学校の子供たちの実態について述べさせていただきたいと存じます。  私は,昭和54年に議席を得て以来,とりわけ,先輩議員でありました加藤 亨先生の影響もあったのかもしれませんが,特に,こうした障害児のことに関心を持ちながら,議会活動の中でのいろんな課題の一つとして取り組ませていただいてまいったわけでございます。そうした中で,いろんなお話を聞いたり,あるいはまた,障害児の方々に触れる機会を得ながら認識を高めてまいったわけでございますが,いまからちょうど7年前に,私自身も,実は,障害児とともに生活をするような状態に相なったのでございました。それまで見たり聞いたりしながらこの問題に取り組んでまいりましたけれども,自分自身が,孫との生活の中で身をもって体験をしながら現在に至っているわけでございます。いま,小学校1年でございますが,そういった私事も,これもまた,ただ単に私事としてでなく,身をもって体験をする,その条件に置かれているそのことが,この問題にこれからさらに大きく取り組まなければならない議会議員としての使命かなと,このように理解をいたしているところでございます。  さて,障害児,とりわけ肢体不自由児について申し上げますが,その前に,肢体不自由児でなくて,情緒障害であるとか精神薄弱,さらには言語障害,あるいは,その他の障害につきましては,先ほど教育長さんからお話がありましたように,特殊学級の中で非常に積極的に取り組まれていることは,私も十分承知をいたしているところでございます。しかし,一方,肢体不自由児に関しましては,その多くは養護学校に通学をいたしております。  肢体不自由児養護学校といいますと,札幌市が昭和47年に,美香保小学校・中学校に学級として開設をいたしましたつぼみ学級。当時の板垣市長さんが積極的に取り組まれて,札幌市の一つの大きな特徴として開設をされたものと聞き及んでおりますが,その後,さらに中央小・中学校にこれを移転させ,山の手養護学校の分校として位置づけされ,さらには,一昨年,小学校のみでございますけれども,立派な校舎の豊成養護学校が開校をいたしております。そのほかにおきましては,道立真駒内養護学校,さらには手稲養護学校を中心といたしまして,子供たちが通学をし,あるいはまた,手稲養護学校のように全寮制で,そこに寄宿をしながら,自分の体の健康増進のために,医療やリハビリを受けながら,一生懸命勉強にいそしんでいるわけでございます。  たとえば,真駒内養護学校の内容を申し上げますとその学校は,小・中学校,さらに高校もできました。新年度からは3年生まで全学年がそろうことに相なっております。そして,通っている子供たちは,その大半が札幌市内からの通学でございます。その通学の条件を,私はここでお示しをいたしたいと思います。  スクールバスによって長年通学をいたしております。しかし,スクールバスは,基本幹線2路線しかございません。私自身も時折,孫を乗せてそのバス停まで参ります。北のほうは北24条,帰りは23条で昇降するわけでございます。ほかの,10人ほどの親御さんが子供を連れて車で参ります。遠い人は,朝7時か,それより前に出てこられるかもしれません,私のところでも,7時10分には子供を車に乗せて出るわけでございます。当然,朝食を満足にとる時間がない。車の中で自分でとれる食事はとらせながら来ます。あるいはまた,24条の待合の路上まで来たときに,そこであらためてお母さんが食事をさせる。冬は特にバスがおくれがちである。30分おくれるかもしれない,1時間おくれるかもしれない,そういった合間を縫って食事をとらせます。そして,バスは,30人なり35人の子供たちを乗せて真駒内まで行きます。2路線あるわけでございますが。そして,バスの中には運転手さんのほかに介助員の方がお1人ついて,子供さんの面倒を見てくれます。バスの時間はどのぐらいかかるかといいますと,冬季間ですと,1時間から1時間半ぐらいかかる日もあるというふうに私は聞いております。そういたしますと,自宅から自家用車に乗せて停留所まで行き,そこでバスが来るのを待って乗せかえ,子供が学校に着くまで,2時間から2時間半の時間がかかるのが通例でございます。往復で考えますと,この倍になりますから,4時間なり4時間半も,バス及び車に乗っているわけでございます。  とりわけ,バスに乗っている間,ふだんであれば自分でトイレに行ける子供さんもおりますが,余り長い時間バスに乗っているために,かなりの子供さんが失敗をして,お漏らしをしてしまう,こういう実態もあるわけでございます。自分で食事のできる子供さんであればまだいいわけです。豊成養護学校を視察された議員の方々はよくおわかりだと思いますが,豊成養護学校よりは程度は上ですが,しかし,自分で食事のとれない子供さんもたくさんおります。  そういう中で,私どものように,年寄りと若い者が同居をして子供の面倒を見ている家庭はまだいいのですが,両親2人だけ,あるいはお母さん1人で頑張っている家庭もある,そうした中で,それだけのハードな時間を費やして学校に行かなければならない,この現実が,義務教育として果たしてあっていいのかどうなのか,このことを私は考えざるを得ないのでございます。  豊成養護学校にいたしましても,お母さんは,朝連れていって,学校下校時まで待機をしていて連れてくる,これも大変なご苦労であろうと私は思います。  どうしたことか,私はふと最近よく感じるのですが,現在ございます養護学校,これは肢体不自由児だけでなくて,精薄等にかかわる養護学校にいたしましても,何か共通な場所に位置しているような感じがいたしております。それは,南側最南端,あるいは西側の最南端,山寄り,あるいは東のほうにつきましても,比較的奥のほうに位置しております。札幌は東西南北直径約30キロ30キロに及ぶわけでございます。そうした中で,養護学校の小学生なり中学生の子供は,この長い距離を,年々交通渋滞で,特に冬は車が思うように走らなくなる状態の中で通学をしている。この実態,果たしてこれでいいのかということを,先ほど申し上げましたように,私はつくづく感じているわけでございます。  確かに,校舎のすばらしさ,あるいは教育環境の条件,これは20年前30年前に比較しますと,目を見張るようなすばらしい状態になっている,このことは大いに感激をいたしているわけでございますが,残念ながら,いかに施設が立派であろうとも,受入態勢が立派であろうとも,肢体不自由という大きなハンディを背負って通学をしなければならない,あるいはそれ以外の療育センターであるとかプールとか,こういったところにも,週に何回かは通わなければならない。  こういう状態を考えるときに,この第2次5年計画の中にもありますように,私は,もっときめ細かな受入態勢の施設づくりが必要でないかと思うのでございます。単体でそれを,各区あるいは2区に一つつくるのが無理だとすれば,各種の障害を複合化した,そうした受入れの養護学校を,これから将来に向けてそうした指針をつくって,それに基づいていくのが当然の姿でないか。いまある学校は,それぞれ30年40年,古くは昭和20年代から,あるいは昭和30年代から開設しているものもあります。そういったことを考えるときに,いまこれからの時代において,ノーマライゼーションという言葉がよく使われておりますけれども,そういったところに特に力を入れていくのが,教育行政の最も重要なことでないかと思いますが,この辺についてのご見解を,いま一度詳しくお聞かせをいただきたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  現在,札幌市内には,盲・聾,それから養護学校は,道立,市立を合わせまして,13ヵ所に設置されてございます。  ただいまのお話のように,通学に長時間を要するケースがあることは,私どもも十分承知しているところでございます。養護学校の設置につきましては,これまでも,道と連携を図りながら,本市としても可能な限り取り組んできたところでございます。  ただいま委員からご提言のありました養護学校のあり方につきましては,その趣旨を十分に受けとめながら,今後の研究課題にさせていただきたいと,かように存じているところでございます。 ◆小谷 委員  ちょっといまひとつ,何かすきっと落ちないのですが,さらに加えさせていただきます。  これから道と協議をしながらという話であります。確かに,養護学校設置義務は,昭和54年に義務化になったと同時に,その設置義務者が都道府県ということになっておりますから,これは,道を切り離して,札幌市独自で考えられることでないことは十分承知をいたしております。しかし,札幌市は,そういった設置義務者とは別に,独自に,現在では豊成養護学校山の手養護学校,あるいは,高校としては豊明養護学校が設置されているように,立派に札幌市もこの役割を担っているわけでございます。  私は,そうしたことを考えたときに,積極的に道と協議しながら,設置義務者はそちらなのだから,できるだけそっちでやってくださいよということでなくて,札幌170有余万市民の子供たちの中に,多くのこうしたハンディを背負った子供がいるという認識に立って,もっともっと積極的に取り組まなければならない。そのためには,具体的に,いままで道とこうした障害児にかかわる教育問題について,何かの協議機関があるのかないのか。あるとすれば,どういった形でこれらの協議がなされてきているのかをお示しいただきたいと思います。  さらには,これは教育問題とあわせて,福祉にかかわる問題でもあろうと思います。そうした意味では,当教育委員会が札幌市の民生局と,いままでどのようなかかわりの中でこの問題について協議をし,その条件整備に取り組んでこられたのか,基本的には,そうしたことは,表現は文書の中にはされておりますけれども,具体的な事柄につきましてお教えをいただきたい。  さらには,もう一つここでお尋ねをしますが,障害を持つ子供さんの中で肢体不自由の子供さんが,札幌市内の小学校あるいは中学校にかなりな人数入学をし,そして勉強に取り組んでいることは,私は十分承知をいたしております。  1週間ほど前,機会を得まして,西区にある八軒小学校,さらには,先ほど前段で申し上げましたように,手稲養護学校,あるいは真駒内養護学校豊成養護学校を訪問し,いろいろ調査をさせていただいたわけでございますが,とりわけ,いま申し上げましたように,普通学級に,そうした子供さんがおります。たとえば,いま申し上げましたように,八軒小学校には,2年生に1人,3年生に1人,4年生に1人おられました。当然,この子供さん方は,重複的な部分もあろうかと思います。校長先生に,その子供さんをほかの子供さんはどのように見ておりますかと私は伺いました。そうしましたら,その子供さんが車いすで歩くときに両方から支え,あるいは後ろから押して,本当にいい福祉の心を子供たちに与えていますよと,こんなお話がございまして私もほっと胸をなでおろしたところでございました。これからも大なり小なり,普通学級にそうした子供さんが,親のご意向等もあって入ることは,これからも続くと思います。  そうしたときに,階段の問題があります。これらは解消していかなければならない一つの問題だと思います。特殊学級ですと1階に配置をされますから,そうした問題はないと思いますが,普通学級ですと階数等々を言うわけにはいきません。立派なことを言えば,エレベーターだとかエスカレーターだとか,スロープだとか,いろいろあると思います。しかし,まだそこまでの義務的条件には至っていない。こうした過渡期の中で,とりあえず一つの手法として,障害者がおられるご家庭にあるような昇降機だとか,そういう簡便なものを取りつけて,子供さんに対する対応ができないものかなと,こんなことを考えるわけでございますが,これらについてのご見解を承りたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  まず初めに,第1点目の市と道との連携についてでございますが,これまでも,知事,市長レベルの,道・市行政連絡会議,あるいは道・市教委連絡会議,さらには事務レベル打ち合わせ等を行い,養護学校の増設や札幌市内への設置などにつきまして,機会あるごとに協議し要望してきているところでございます。また,民生局との連携につきましても,必要に応じまして随時協議をしているところでありまして,今後とも引き続き行なってまいりたいと,かように考えているところでございます。  次に,2点目の普通学級に在籍する肢体不自由児への対応についての問題でございますけれども,本市における障害児の就学につきましては,ご承知のように,就学指導委員会の意見を求め,子供にとって適切な教育の場を保護者に勧めておりまして,十分な話合いの中で行なっているところであります。しかし,保護者と就学指導委員会の意見が異なる場合は,可能な限り保護者の意向を尊重しております。したがって,肢体不自由の子供が普通学級に在籍している実態もあり,これまで,玄関の段差の解消やトイレの改修など,可能な範囲で施設の整備を行なってきたところでございます。  ただいまお話のございました階段の昇降につきましては,各学校においていろいろと配慮しているところでございますが,市教委といたしまして,ただいま委員からご指摘のあった点も含め,具体的な対応策について,調査研究してまいりたいとかように考えております。以上です。 ◆小谷 委員  これで最後にいたします。  いま,それぞれについて,それなりのご見解を承ったわけでございますが,事が事だけに,なかなかこれがすとんと落ちるようなことには相ならないことも,私は十分承知をしながら申し上げているわけでございますが,昇降機の問題につきましては,これはそれほど経費のかかるものではないと,家庭用を一歩拡大した程度のものであれば,非常に安いものだろうと,こんなようなことも感じますので,できるだけ早い機会に,そうした条件整備をしていただくことを要望いたしておきたいと思います。  それから,この問題については,道教委といろいろ協議を重ねているということでございますが,冒頭にも申し上げましたように,遠距離通学,健康な者でさえ大変なのにもかかわらず,大きなハンディをしよった者がこういった遠距離通学を行わなければならないということは,私は,できるだけ早急に解決をしていかなければならない問題であると。でき得れば各区,あるいは2区に一つというような形の中で,その再配置をぜひ実現するための積極的な姿勢を,私はここであらためて承りたいと思いますが,この場合,担当の田中助役さんに,この施設にかかわる問題もありますので,承りたいと思います。 ◎田中 助役  ただいま小谷委員から段々のお話がございまして,私もお伺いしていて,非常に困っている方々がおるのだなということは,本当によくわかりました。よくわかりましたので,本当はここでいい返事ができれば一番いいのでありますけれども,いままでのいろんな経過等もありまして,それから,ただいま教育委員会のほうで答えたこともありまして,いましばらく検討の時間をいただきたいと思います。ご趣旨のことに関しましては,十分理解をしました。 ◆小谷 委員  それでは,つけ加えさせていただいてまことに恐縮ですが,ここで,やはり教育行政にかかわることでございますので,山藤委員さん,教育行政に携わる立場で,こういった問題をどのように認識されているかは私はよくわかりませんが,きっと深いご理解をされているものと期待をしながら,こういった現状についてのご見解を伺いたいと思います。これで終わります。 ◎山藤 教育委員  昨年11月に就任したばかりでございますので,新米でございますが,いま先生からいろいろお伺いいたしましたことを考えますと,大変重要なことだと存じます。これから皆様方といろいろ相談,研究させていただきまして,よりよい方向に進まなければならないというふうには存じておりますので,さようご認識いただきたいと思います。 ◆千葉 委員  小谷委員から,いま,熱情あふれる障害教育の問題,教育課題としては大変重要な問題であろうと思いますが,私も,本市における登校拒否,いわゆる不登校児童・生徒の対策についてお伺いをいたしたいと思います。  この問題につきましては,以前から,代表質問あるいは予・決算の特別委員会等で,それぞれの議員がいろいろこの対策についてお尋ねをし,そして,いろいろ提言を申し上げているところでありますが,しかし,一向に問題解決になっておらないということが言えるのではないかと,このように認識をいたしておるところでありますし,重要な教育課題でもあるわけでございます。  全国的に見ましても,平成4年度の,学校嫌いを理由にして年間50日以上欠席している児童・生徒は,小学生の場合1万436人,中学生で4万7,482人ということでありますし,これに年間30日以上50日未満欠席した者を含めますと,小学生で1万3,702人,中学生では5万8,363人ということで,教育課題というよりも,大きな社会問題の一つになってきているのではなかろうかと思っているところであります。  登校拒否の原因や背景には,学校,あるいは家庭,社会,それぞれの要因が,非常に入り組んで絡み合っております。また,小・中学校登校拒否と並んで,高等学校の中途退学も大きな問題となっているところであります。本道の平成3年度の高校中退者は4,054人となっているわけでありまして,その理由としては,進路の変更,学校生活,学業不適応,学業不振,あるいは家庭の事情等,さまざまな事情があるようであります。  この問題に適切に対応するためには,登校拒否は,どの児童・生徒にも起こり得るのだという基本的な視点が必要でありますし,学校や教育委員会においての取組みの充実が求められているわけであります。関係機関等との連携,あるいは,登校拒否問題への取組みのなお一層の充実が求められ,総合的な対応が必要でなかろうかと思うわけでございます。  そこで,質問をさせていただきたいわけでありますが,1点目は,本市における登校拒否児童・生徒及び高校中途退学者の現状はどうなっているのか。  質問の2点目は,この登校拒否,不登校児童・生徒についての原因は,どのように考えられるのか。まず,この2点をお聞かせを願いたいと思います。 ◎武田 指導室長  1点目の本市における登校拒否,いわゆる不登校児童・生徒の現状についてでありますが,病気などの理由によるものを除いて30日以上欠席した児童・生徒数は,小学生が3年度158人,4年度162人,中学生が3年度611人,4年度642人となっており,平成4年度の在籍児童・生徒との割合を他の政令指定都市と比較いたしますと,小学生は,12都市中7番目,中学生は10番目となっております。また,市立高等学校8校につきましては,平成3年度15人,4年度は18人となっております。  次に,高等学校の中途退学の状況につきましては,平成4年度の市立高等学校全日制7校において,在籍数の0.2%であり,定時制4校においては14.9%になっております。平成3年度に比べて,全日制では0.1%,定時制にあっては2.4%減少しており,4年度は,全日制・定時制ともに,過去数年間の中で最低の数値となっております。  2点目の登校拒否の原因についてでありますが,児童・生徒が登校しない背景には,家庭,学校,社会のさまざまな要因が複雑に絡み合っておりまして,その原因を特定することは困難であります。しかし,そのきっかけは,家庭生活や本人の問題ばかりではなく,友人や教師との人間関係,学業の不振,あるいは,進級や入学時の不適応など,学校生活からくるものも挙げられます。いずれにいたしましても,登校拒否は,どの児童・生徒にも起こり得るという視点に立ってとらえていくことが大切であると認識しております。 ◆千葉 委員  いま,小学校,中学校,市立高等学校の不登校児童の数字が出ました。ちょっと私の認識と違うのですが,確かに,在籍数の割合からいくと,政令指定都市中の比率が非常に低いと,こういうことをおっしゃりたいのだろうと思うのです。小学校の場合,50日以上不登校になっている子供の資料をちょうだいしているのですが,確かに,札幌の場合は,政令指定都市中7番目と,こういうことになっております。しかし,生の数字でいきますと,横浜が306,名古屋が206,その次に134と,こういう高い比率になるわけです。中学校の場合も,12都市中10番だと,こう言っておりますけれども,生の数字でいきますと,大阪が1,343,札幌が544ということで,上から6番目と,こういうことになりまして,教育委員会の認識と私の認識とでは,大分違っていると思っておるわけであります。  病気の子供はどうしても通学ができませんけれども,すべての児童・生徒が元気で毎日学校へ通うということが,本来の趣旨でありますから,指数が低いからということで安心はしていられないと。むしろ,不登校児童・生徒が全員通えるような対策が必要なのであって,私はあえて,不登校生徒ゼロ作戦というぐらいの大きな考え方がなくてはならないと,このように思っております。また,次代を担っていく子供たち,いま救ってやらなければいつ救ってやれるかと,私は本当にそのように痛感をいたしておりますので,ぜひ,この施策について積極的に頑張っていただきたいと思います。  そこで,教育委員会として,小・中学校における登校拒否児童・生徒の対策について,具体的にどのようなことをされているのか,質問したいと思います。 ◎武田 指導室長  小・中学校における登校拒否児童・生徒の対策についてでありますが,市教委といたしましては,実態を的確に把握するために,各学校から毎年提出されます長期欠席児童・生徒の報告書や,毎月実施している実態調査から,登校拒否の状況や指導の成果などの分析に努めております。  各学校に対しましては,毎年夏季及び冬季に行なっております指導の通知文の中に,登校拒否児童・生徒への指導の項目を設け,その中で,登校拒否は,どの児童・生徒にも起こり得るという視点に立って,児童・生徒理解を基盤とし,教師と児童・生徒の心のふれ合いを重視しながら,学校全体の問題として取り組むように指導しております。さらに,平成5年7月には,関係機関などとの連携を十分図るように通知を出しまして,学校における取組みの充実に努めているところでございます。  札幌市教育研究所では,今月,登校拒否等の対応に関する指導資料「子供を生かすQ&A」という冊子を発刊しまして,各学校に送付したところであります。また,平成3年4月に開設した月寒相談指導学級の実績や成果を踏まえまして,本年9月,中学生を対象とした2番目の相談指導学級を新琴似小学校内に開級する計画であります。月寒相談指導学級とともに,心を開放し,集団への適応力や自立心を育てるきめ細かな指導援助を行なってまいりたいと考えております。  なお,小学生も微増傾向にありますことから,小学生の対策についても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆千葉 委員  いまご答弁をいただいたわけでありますが,何か大変むなしい感じがいたします。というのは,教育委員会としては一生懸命やっているよと,こういうことをおっしゃりたいのだろうと思うのですが,毎年夏冬の指導の通知文の中に,登校拒否児童・生徒への指導について項目を設けている,教師と児童・生徒の心のふれ合いを重視しながら,学校全体の問題として取り組むよう指導してまいりました,昨年の7月には児童相談指導学級,関係機関との連携を十分図りながら,解決に取り組むよう通知して,学校における対応の充実を求めてきました,あるいは,教育研究所で「子供を生かすQ&A」を発行し,各学校に送付をしてきたというようなことがございましたが,こういう施策をきちっとやっていながら,毎年毎年不登校がふえてくると,こういうことは,なかなか私は納得できないのであります。やはり,この施策について,間違いというか,本来はもっと積極的にやっていかなきゃならなかったということではないかと思うのです。登校拒否の予防,あるいは早期発見対策がおくれたのではないかという気がいたしております。  そこで,私も皆さんのように専門家でありませんので,よくわかりませんが,これが本当に正しいかどうかわかりません。一つの提案でありますが,担任はもちろんのこと,豊富な経験を持っている校長,あるいは教頭,学年主任,生徒指導は一生懸命やってくれておるのだろうと思っておりますが,ここで養護教諭のあり方というものが大切になってくるのではないかという気がいたしております。養護教諭の果たす役割,これはやっぱり重視していく必要があります。なぜかというと,登校拒否の傾向のある生徒にとって保健室はかっこうの避難場所であります。しばしば保健室を訪れる生徒は不満や悩みを訴えて養護教諭の指導や助言を受けております。そういうことで養護教諭は,教室や日常生活の中では観察しにくい症状を早期に発見をして,指導の糸口を比較的見つけやすい立場にいるわけです。こういう方々に対する国の考え方もあるようでありまして,心の健康に関する相談活動の充実ということで,国のほうでは平成5年から,各都道府県において,思春期の悩みに対する支援事業ということで,地方交付税措置も行なっておりますし,また,養護指導に関する国の施策も,大きな人員の再配置というようなことも考えておられるようであります。  そこで,先ほど申し上げた学校内のこういうプロジェクトチームをきちっと位置づけるということが大事なのではないかという気がいたしますが,こういう考え方についてどうなのか,具体的に,本市が取り組んできている施策についてお答えをいただきたいと思います。 ◎武田 指導室長  ただいま委員からご指摘ありましたように,校内でプロジェクトチームを組む,あるいは全校体制で臨むということはきわめて大事なことだと思います。お話の中にもありましたが,早期発見・早期対応ということが,こういった登校拒否子供たちを救う手段としてきわめて大切だと思っております。  先ほども申し上げましたとおり,登校拒否の原因はさまざまな要因が複雑に絡み合っていることから,日ごろから,家庭と学校が連携を密にしながら,教職員が学校のあらゆる場面で児童・生徒一人一人をよく観察し,細かなサインを敏感に読み取るよう心がけて,早期に対応することが大切であります。そのためにも,いまご指摘いただきました全校体制,それは,各学校においては校長のリーダーシップのもとに,担任はもちろんのこと養護教諭も含めた指導体制を組んでいくことが大事でありますし,一方,校内研修によって,個々の教員の指導力の向上に努めることも大事だと思っております。  市教委といたしましては,指導資料の発行や研修事業を通して,各学校のそういった取組みが一層充実するように支援しているところでございます。 ◆千葉 委員  ちょっと言いづらいのか,やっておられないのか,突っ込みようがないのですが,養護教諭の活用などの部分についてどのように考えているか,後で答弁をいただきたいと思います。  資料をいただいていませんから,ちょっとわからないのですが,物の本によりますと,近年,保健室を訪れる児童・生徒が非常にふえているという現状が,札幌市においてもあるのではないかと。そのときに,やはり子供たちは信号を出していると。いろんな悩みや苦しみを言っている傾向があるというようなことも書いてあります。ですから,札幌市の場合も,そういう傾向があるのではないかなという気がいたしておりますので,この養護教諭の立場というのが大事な要素になっております。ふだんの教室やふだんの生活にはなかなか見えてこないことも,養護教諭にはいろいろと話したり,悩みを打ち明けているということもございますので,この対策について,本市がどのように考えておられるのか,お聞かせを願いたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  養護教諭のかかわりでございますが,ただいま委員が申されましたように,子供が本当に悩んで最初に行くのが,学校の中では保健室なのですね。そして,養護教諭に打ち明けるということで,まず最初に豊かな情報をつかんでいるのは,この養護教諭ではないかと思います。そういった意味で,私は,養護教諭というのは非常に大事な役割を果たしていると思っております。しかしながら,単に養護教諭だけに任せておけばいいということではなくて,先ほどお話ありましたように,まず,養護教諭と担任が密接な連携をとりながら,さらにそれを学校全体の仕組みの中で,その子をどのように抱え込んでいくかということを考えながら,全校体制でもってそれを解決していくということが,一つ大事でないかというふうに思っています。  そこで,養護教諭のことでございますが,養護教諭としては,不登校にかかわる専門的な研修というのは非常に一生懸命に現在行なっております。あらゆる研修会を通して,積極的にこの研修を進めているところでございます。  さらに,養護教諭の配置の問題でございますけれども,義務教育におきましては,第6次の教員配置改善計画というのがございまして,これにより,平成5年度では,32学級以上の小・中学校に2人の養護教諭を配置することになり,札幌市内においては,札苗北小学校と前田中学校の2校が該当してございます。さらに,平成6年度になりまして,今度は,32から30学級以上の小・中学校に,養護教諭を複数配置するというふうに改正され,屯田小学校,上野幌東小学校の2校が,現在該当する見込みになってございます。また,高等学校につきましては,第5次の学級編制及び教職員配置計画により,30学級以上の学校については,平成10年度をめどに複数配置をすることになっており,札幌の市立学校では,開成高等学校が平成6年度から複数化される見込みとなってございます。  こういったように,人の面でも,今後充実を図って,積極的に対応していかなければならないと,かように考えているところでございます。 ◆千葉 委員  最後にしたいと思いますが,次は,市立高校の登校拒否対策であります。中途退学者ということになろうかと思いますけれども,この対策と,退学後の進路指導についてお伺いをしたいわけであります。  確かに,高校というのは義務教育ではありません。それぞれの個々の責任において進学をしていくということは,十分承知しているつもりではあります。実態としては,4年度で,市立高校で18人退学者がいたということが,先ほど言われておったわけであります。せっかく高校まで行って,中途でやめなければならないということは,大変不幸なことであります。  そこで,小・中学校と違って高校の場合は,対応もおのずと違ってくると思いますが,市立高校の登校拒否対策についてどうされているのか。  それから,質問の2番目は,中途退学生徒の対策について,あるいは,退学後の進路指導について,どう対応されてきているのかをお尋ねをしたいと,このように思います。  実は,私の知るある高校生が,家庭の事情で学校をやめるということになったわけであります。思春期で,いろんな思いがあったわけでありまして,担当の先生に,やめたいと,こういう話をしましたら,はいそうですかという,簡単なことで,何も相談ができなかったと,こういう実態があるように聞きましたし,ほかの方々からも,そのような非常に寂しい対応があったように聞いております。ですから,子供たちにとっては人生の岐路でもありまして,これから進むべき進路,大変不安があろうかと思います。また,親としても,どうしてやったらいいのか,また,どのような方向へ向けていってやったらいいのか,情報すらもないということで,むだな数ヵ月,あるいは数年を過ごさなければならないと,こういう実態もあるようでございます。  そこで,質問の3番目としてお尋ねをしたいのですが,思春期でありますから,悩みや思いが非常にあって,心が揺れ動いているということでありまして,全道の高校校長会の調査結果では,総体の3割の方々が,退学してしまったけれども,もう一回再入学というか編入学をしたいと,こういう希望を持っているようであります。いままでの対応でありましたら,一度退学をしてしまったら,復学するということはなかなかできづらいということをお聞きをいたしておりますが,国においても,最近はこの辺を十分考慮をしてくれるようになってきたわけであります。  学校不適応対策調査研究協力者会議において,平成4年12月に,高等学校中途退学者問題についての報告書を取りまとめてもらって,それを受けて,中途退学者が高校に戻りたいと希望する場合には,積極的に受け入れるなど,開かれた高等学校教育の仕組みを整えることなどの観点から,具体的に提言を受けて,平成5年4月には,都道府県教育委員会に対して,高等学校中途退学問題への対応について通知をしたということであります。  その中に,各学校においては,特色ある個性的な教育の展開を一層推進することが肝要であることから,総合学科,全日制課程の単位制高等学校入学者選抜など,高等学校教育改革の制度改正を踏まえて,中途退学者への総合的かつ積極的な取組みを求めていると。各都道府県,各学校においては,通知の趣旨を踏まえて一層の取組みが望まれると,こういうことでありますし,それを受けてかどうかわかりませんが,道の教育長がこういうことを言っているのですね。これは,議会の議事録の中から抜粋してきたものでありますが,学校へもう一度行きたいといった場合に,教育長,どうしますかという質問に対して,各学校においては,中途退学した者から学校復帰の申し出があった場合,その後の事情の変化や学習意欲などを勘案し,再入学に配慮するよう指導していると,こういうことを言われておるわけでありますが,本市として,これを受けてどのように編入学に対応されていこうとしているのか,あわせて質問をさせていただきたいと思います。 ◎武田 指導室長  1点目の市立高校の登校拒否生徒の指導についてでありますが,各学校におきましては,教育研究所などの各種専門機関や専門員との連携を密にしながら指導に当たっており,その結果,平成4年度は,約半数の生徒が登校できるようになっております。しかしながら,数の上では少ないものの,市教委としては重要な問題ととらえておりまして,各学校において,生徒理解を積極的に進め,教育相談の充実を図るよう指導しているところであります。  また,登校拒否生徒の進級や卒業認定につきましても,きめ細かな対応ができるよう指導しているところでございます。  2点目の中途退学者への対策でありますが,平成4年度について申し上げますと,退学の理由は,全日制・定時制合わせて,進路変更が全中退者の36%,学校生活・学業不適応が25%になっております。これまでも,札幌市教育推進の目標の中で,高等学校教育指導の重点の一つに教育相談活動の充実を掲げまして,こうした生徒について,どんな進路が最適なのか,各学校にきめ細かく相談活動を行うよう指導してきたところでございます。今後とも,生徒の将来の生き方にかかわる進路指導の充実を図るよう指導してまいりたいと考えております。  3点目の中途退学者の編入学の件でございますが,ご指摘のように,昨年4月,「高等学校中途退学問題への対応について」という通知が文部省から出されました。編入学につきましては,各学校ごとに校内規定で定めることとしておりますが,本市の市立高校定時制につきましては,従来から積極的に中途退学者の編入学を認めてきております。全日制にありましては,今回の通知を受けて校内規定を見直し,今後,編入学が可能となるよう取り組んでいるところであります。市教委といたしましても,今後,生徒一人一人に適切に対応できるよう,各高校に指導してまいりたいと考えております。 ◆千葉 委員  不登校児童・生徒,中途退学者を出さないさまざまな施策が必要なことは十分私も承知をしているつもりであります。子供たちが,毎日健康で明るく学校に通えるように,ぜひ,いろいろな施策を積極的に展開をしていただきたいと,こうお願いをするところであります。  最後に,教育長から,この不登校児童・生徒の対策についてのご見解をお聞かせをいただいて終わりたいと思います。 ◎藤島 教育長  いまの先生のお話のとおり,私どもも,数は少のうございますけれども,これは大変重要な課題と受けとめておりまして,誠心誠意,その解消といいますか,解決に努力を傾けたいと,このように考えております。今年度の予算の中で,新琴似小学校に相談指導学級をつくろうとしているのも,私どもの取組みの一つでございます。ご理解をいただきたいと思います。 ◆武藤 委員  私からも,障害児教育に関して3点の質問をさせていただきます。  まず1点目,特殊学級の設置状況についてですが,全市の特殊学級の設置状況を見ますと,各区によって,あるいは小・中学校によっても,大変なばらつきがあるのではないかと思うわけなのです。
     たとえば,白石区でいいますと,私の住んでいるところですけれども,小学校でいけば,7校に12学級の設置がされています。また,中学校ではさらに少なくなって,たったの2校5学級という設置状況になっています。札幌市内の各区で最も多いところは豊平区なのですが,ここでも,小学校では8校18学級,そして中学校にいきますと,5校で16学級となっています。どこをとってみても大変少ない,もっと身近なところに特殊学級を設置してほしいというのが,特殊学級に通っている多くの親たちからの要望として,毎年のように声が上げられているところです。こういう設置状況にあるのはなぜなのか,何を基準にこういう設置の仕方がされているのか,まず1点目,お尋ねしたいと思います。  2点目は,養護学校高等部についてです。  ことしも,2月18日に,高等部の合格者が発表されました。全道的には,またしてもたくさんの不合格者を出すという結果になりました。その受験を前にして札幌市が行なったのは,豊成養護の1間口減,そして,母子通学であること,こういう厳しい条件のもとでは,受けたくても受けれない状況をみずからつくっているのではないか,こういう問題についても,私は12月の代表質問で指摘したわけですが,ことしの合格発表後,札幌市として,どのようにその結果を受けとめているのか,この点についてもお尋ねします。  3点目には,これも私たち共産党が,昨年の決算特別委員会以来指摘している問題ですが,豊成養護学校の給食室の問題です。  ことしに入ってから,文教委員会で,早速,豊成養護学校の給食の状況を視察してまいりました。これは委員会で審議はされていませんが,参加された多くの委員も,本当に大変な状況だということが手に取るように理解されたのではないかと思っています。この給食室の問題につきましては,昨年の決算特別委員会で,給食が必要かどうか,いろんな答弁がありましたけれども,もうそういう段階ではないわけなのです。昨年の私どもが指摘した決算特別委員会以来,教育委員会では,この問題についてどのように検討されてきたのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  まず,1点目の設置基準でございますけれども,この特殊学級の設置につきましては,私どもとしましては,市内の児童・生徒の分布状況といいましょうか,対象となる生徒の人数とか,そういったことを勘案しながら決めているところでございます。具体的には,道の基準に準じまして,4名程度いる場合には設置をするということで,いま取り組んでいるところでございます。  それから,2番目の豊成養護高等部の問題でございますけれども,確かに,今年度は1間口減になりました。間口につきましては,道の基準によって行なっているわけですけれども,実際に,何名進学してくるか,対象となる児童・生徒がどのぐらいいるかということで決まってくるわけでございます。今年度の場合には1名ということでございますので,学級が1減になったということでございます。  それから,3番目の給食室の問題でございますが,これも,昨年の決算特別委員会でもお答えいたしましたけれども,児童数の増加に伴う校舎の増築時を一応のめどと考えております。しかしながら,本校はまだ開校して2年を経過したばかりでございまして,現在の児童数で,将来の学校規模を確定することは困難でございますので,市教委といたしましては,今後の児童の推移を見ながら,その実施時期について検討してまいりたいと,かように考えておりますので,もうしばらくお時間をかしていただきたいと思います。 ◆武藤 委員  1点目の特殊学級の設置状況についてですが,道の基準というお話もありましたけれども,私は,実態をどう押さえているのかということがやはり大事ではないかと思うわけなのです。  たとえば,何とかふやしてほしいということで,私も含めて白石区の方もこの間いろいろ運動を進めてきました。白石区にある日章中学校というところでは,言語,難聴,こういう学級が置かれています。そして,知的障害者のためには柏丘中学校が置かれているわけなのですが,ここの学級というのは,普通学級だけでも大変多い数なのです。ですから,特殊学級が入ると30学級になってしまうのですね。こういうようなもろもろの事情を,皆さん方はどこまで認識されているのか。当然,白石区については,中学校の場合,地域的なバランスも考えながら,早急に特殊学級をふやすべきではないか。これは,もう待っているわけにはいかないぐらいな状況がうかがわれるわけなのです。こういうふうに30学級になる学校というのは,白石区の柏丘中学校だけでなく,北区や東区においても1校ずつあります。ですから,そういう全体像の中で,きちんと問題の重大性をとらえているのかどうか,この点についても教えていただきたいと思います。  もう一つ,私はいろんな特殊学級を見学もさせていただいてきましたけれども,白石小学校というところでは,大変すばらしい教育をやっているわけなのです。ここの学校では,子供たちができるだけ特殊学級という枠を超えて,普通学級子供たちとできるだけ交流をさせたい,それから,普通学級の先生たちも特殊学級子供たちと仲よくなりたい,こういうような目的で,特殊学級のクラスに普通学級の先生の写真を全部飾りまして,名前まで張っている,こういうことをやっているわけなのです。そして,自分のクラスの前を普通学級の先生が通ると,何々先生ということで,子供たちが声をかける。普通学級の先生も,なれ親しんで,特殊学級子供たちを,何々ちゃんということで,自分たちも名前を覚えられているから,先生のほうも子供たちの名前を覚えなくちゃいけない,こういうように,すばらしい交流が図られています。そして,1週間に1回は給食の交流,それから,朝の会の交流,できるだけ,一緒にやれるところは一緒にやっていこうじゃないか,こういう目的も持たれているわけなのです。運動会ももちろん一緒に取り組みます。練習も一緒に行う。こういうすばらしい教育内容が,全市の特殊学級教育の中で,果たして普及されているのだろうか。  いろいろ調べてみましたら,この白石小学校の先生たちと個別の交流のある大谷地小学校とか,こういうところでは,ずいぶんとこのことが普及して,同じようなことも行われているようです。ところが,問題なのは,1クラスしかないという学校なのですね。こういうところでは,なかなか横のつながりもなく,また,1クラスしかないために,学校の中でも割と隔離されてしまっている,こういうような事態も特殊学級の中では起こっているわけなのです。ですから,学級数に関係なく,横の連携した,札幌市一本の特殊学級教育というのもぜひ検討すべきではないかと思っているわけなのですが,この点についてもお尋ねしたいと思います。  それから,養護学校高等部の問題なのですが,1間口減にしたというのは,いまお話あったとおりなのです。ところが,道内の養護学校中学部の卒業者の進学率というのは,全国でも最低だという指摘が,ここ何年来されてきているところなのです。多いところでは100%に達し,また,90%を超えている自治体がどんどん生まれてきているというのも事実なわけです。ところが,北海道は34.7%,全国最下位だと,こういう指摘を受けて,多少ふえたけれども,まだまだ40%ちょっと出たところなのですね。そういう状況の中で,ことしは1人しかいないから1間口減らしたという滑川部長のお話がありましたけれども,本当にそうなのかどうか。そこでも,やはり事実を軽視しているのではないかという気がしてなりません。なぜならば,私が先ほど指摘しましたように,豊成養護学校というのは,受ける前から条件つきなのです。母子通園でなければだめだと,ここが最大のネックになっているのです。ですから,真駒内養護にしても豊成養護にしても,それから過年度の卒業生にしても,何とか高等部に進学させたい,だけれども,親の都合で子供を学校に行かせられなくなってしまう学校が豊成養護だということで,入学試験を受ける前からあきらめざるを得ない,こういう実態が,実際にたくさん生まれています。こういう実態を,教育委員会として押さえていないのか。押さえていないから,ことしは1名しか受けないから1間口減ったのだと,減らしても大丈夫なのだと,こういうご答弁をなさっているのかどうか,もう一度,はっきりお答えしていただきたいと思います。  それから,給食室の問題なのですが,去年も先ほどと同じ答弁をしているのですね。児童数がこれからどうなっていくのか,この辺の推計値を見ながら給食室の設置を決めるのだと,こういう答弁は,昨年の決算でもありました。しかし,あのときにもう一言言っているのですね。これから先,思ったよりも児童数はふえないだろうと,だから,当初見込んでいた年度よりは早めなければならない,こういうお話もあったはずなのです。ですから,その点について,どのぐらい早めようという検討がなされたのか,その内容についても,もう一度具体的にお示しいただきたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  第1点目の白石区の問題でございますけれども,確かに,ご指摘のとおり,柏丘中学校については大変ニーズが多い状況にございます。実は,特殊学級というのは白石区に1校しかないわけでございます。これについては経緯がございまして,白石区が厚別区と分かれたために,厚別区のほうに2校いったというような状況がございまして,白石区に一つ,柏丘中学校が一つ残っているわけなのです。  ご指摘にありましたように,かなりの距離通ってきている実情にあることは,私も十分その点について承知しているところであります。したがって,何とかそこに一つ設けたいというふうに考えて,いま努力しているところでございますが,対象となる生徒の人数とか校舎の状況等を踏まえながら,今後とも,この実態に応じた特殊学級の整備に鋭意努めてまいりたいというふうに考えております。その点でご了解いただきたいというふうに思ってございます。  それから,もう一つ,白石小学校の交流の例を出されましたが,全くそのとおりでございまして,できるだけ,障害のある子もない子も,一緒に交流をするということは両方にとって非常に大事になってくることだというふうに思いますし,これからの教育でやっぱり考えていかなければならないというふうに思っています。  実は,その点につきまして,私どもは,札幌市教育推進の目標というのを毎年出しております。その中で,特殊教育指導の重点の一つに,交流教育の積極的な推進ということで,それぞれが壁を取り払って,交流する場をうんと広げていこうと。ただいまありましたように,給食もそうでございますけれども,行事を通しまして積極的に交流をしていこうということで呼びかけてございまして,各学校の許される状況の中で,それぞれ工夫して交流をしているところでございます。  それから,3番目に,豊成養護にかかわる母子通学でございますけれども,実態を押さえているかということでございましたけれども,この豊成養護学校につきましては,生徒の実態から,生命の安全保護のもとに機能回復訓練を行うことが重要な教育内容の一つになっておるところでございます。これは,家庭と学校が連携を図りながら,親と教師が一体となって,力を合わせて指導に当たることが不可欠な条件になっているわけでございます。したがって,このことから,本校の場合には,母子通学が入学の条件になっておりますので,この点は,ぜひご理解いただきたいというふうに思っております。  4点目の豊成養護の給食室の問題でございますけれども,これにつきましては,ご指摘にありましたけれども,推移を見ると同時に,早い時期に実施するように検討してまいりたいと,かように考えております。 ◆武藤 委員  高等部の問題なのですけれども,命にかかわる,そういうお話,いまされましたね。これは,親が子供を離すというときに,どの段階でも同じような思いをして子を離すわけなのです。障害児においては,いま全国的に教育的にも医学的にも求められていることは母子分離なのです。ここのところで,全国で親と一緒に高等部に通っているところ,何校あるというのでしょうか。私は,ここが受験したくてもできないでいる最大のネックになっている項目ではないかと思っているわけなのです。お母さんが一緒に登校できない子供たちは,それではどうしたらいいのだろうか。ここに対しての責任をどう感じているのでしょうか,この点についても,最後にお答えください。  数の問題にしても間口の問題にしても,道ということがしばしば答えに出されていますけれども,私は,政令指定都市札幌として,その役割を果たすためにも,道がどうのこうのという以前に,札幌市に住む障害児,この子供たちは札幌市が面倒見るのだと,やはりこれぐらいの気概を持った障害児教育をやるべきではないかと思うわけなのです。ですから,そのぐらいの決意をもって,将来的に,障害児すべての子を本当に迎え入れることができるような障害児教育を求めて,この点については終わりたいと思います。  最後の質問なのですが,いま障害児教育の問題について,るる述べさせてもらいましたけれども,本市におきましては,新年度,障害児のための中長期計画が策定される予定になっております。この中で,障害児教育の問題,あるいは留守家庭児童対策の障害児の問題,これらが当然加わってくるとは思いますけれども,教育委員会として,この計画策定に当たって,どのようにかかわっていくのか,最後にこの点だけお答えいただきたいと思います。 ◎滑川 学校教育部長  先ほど,母子分離が全国的にどのぐらいかということを聞かれたのですが,私ども,具体的な数については押さえてございません。  それから,豊成養護学校高等部に入れなかった子供たちをどうするかという問題があるわけですけれども,そのことにつきましても,先ほどの答弁の繰り返しになると思いますが,道との機能分担を果たし,連携をとりながら,また道とも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから,二つ目の中長期計画についてでございますが,この点につきましても,私どもも十分検討しながら,これについて積極的にかかわってまいりたいというふうに考えております。以上。 ◆中嶋 委員  私は,まず,学校給食用の米について質問をさせていただきます。  これに関しては,昨日の市民局の質問でも米に対する質疑が行われましたので,私ばかりでなく,他の会派の先輩議員も大いに心配なさっていることと思いますが,昨年の決算特別委員会でも質問させていただきましたので,引き続き質問いたします。  昨年の質問のときには,道産米は確保できるというお答えをいただいたのですが,ここに来まして,米の事情もずいぶん変わってきたようで,15日の新聞報道を見ますと,この時点では,学校給食用の米は確保できるというような報道でしたが,昨日の新聞報道を見ますと,参議院の農林水産委員会で,畑農水省が方針変更ということで,学校ごとの判断で,米の使用については対応するというふうな方針を述べられたようです。これについて,市教委はどのように考えておられるのか。また,国産米を確保されているのかどうかお伺いいたします。 ◎古田 学校教育部参事  学校給食用の米でございますけれども,これを取り扱ってございます北海道学校給食会に確認をしましたところ,今後とも国産米を供給するということでございますし,銘柄につきましては,道産米のきらら397とのことでございます。  また,学校給食に,学校の判断で輸入米を認めるとの報道がなされてございますけれども,それは,たとえば,他国の食文化を学ぶという教育上の配慮から,学校の判断で使うこともあり得ると,こういう趣旨であると考えております。しかし,市教委といたしましては,基本的には,必要量が確保されております国産米を,引き続き,学校給食に使用していく考えでございます。 ◆中嶋 委員  わかりました。  次に,政府米から自主流通米に変更することとか,また,補助金の引下げが行われて,保護者の給食費の負担がふえるのではないかというような心配もあるのですけれども,どの程度影響があるのかについてお伺いいたします。  次に,ことしは中学校で,男女とも家庭科が必修になりまして,また,来年度からは高校でも男女ともに家庭科を学ぶことになっておりますが,小・中・高等学校の家庭科室の整備状況についてお伺いいたします。 ◎古田 学校教育部参事  1点目の給食費の問題でございますけれども,国産米でございますが,本年5月から11月までは,政府米から自主流通米に切りかわることになってございますので,これによりますと,1食当たり1円20銭,年間にプールいたしますと,1人当たり約48円の増額になると試算されます。  しかし,給食費につきましては,米のほかパン,めん類,牛乳,おかずなど,食品全体の価格の動向をもとに決められることになりますので,現在,校長会,PTA協議会などの代表で構成されております札幌市学校給食運営委員会で審議をいただいているところでございます。これまでの審議経過によりますと,米のそういう状況はございますけれども,来年度の給食費は現行据置きの方向にあると,こう伺っております。 ◎坂本 総務部参事  家庭科教室ということでございますけれども,中学校につきましては,家庭科教室というのは整備しておりません。調理室,それから被服室というような形で整備をしているところでございます。小学校の家庭科教室につきましては,平成5年度末で,小学校203校中194校に設置されております。整備率は96%で,未整備校9校になっております。 ◆中嶋 委員  9校ということですが,授業はどんなふうに行われているのか。また,今後の整備状況というのはどんな計画になっているのか,お伺いいたします。 ◎坂本 総務部参事  家庭科教室につきましては,平成4年度4校,平成5年度3校と,整備をしてきたところでございますが,9校につきましては,多目的室等の特別教室を使いながら授業を行なっているところでございます。  残り9校につきましては,現状では施設的な余裕がないこと等がありまして未整備になっておりますが,児童数の推移や施設の状況を見ながら,設置に向けて鋭意努力していきたいというふうに考えております。 ◆福士 委員  山の手養護学校の校舎増築,さらには高等部の重複学級の設置についてお伺いをいたします。  昨年の第3回定例会の決算特別委員会において,山の手養護学校の校舎整備に関する質問をいたしました。このたび,平成6年度予算に山の手養護学校の校舎増築と高等部の重複学級の費用が計上されているわけでありまして,市教委の温かい配慮と積極的な姿勢を高く評価をさせていただきたい。さらには,市長の英断に対しても深く敬意を表したいというふうに思います。  ご存じのように山の手養護学校は,国立療養所西札幌病院に入院をしている子供たちを対象にして,医療と教育が密接に連携をとり,きめの細かい指導をしている学校であります。病弱教育に情熱を注いでいる教職員,そして,病気を克服しようと一生懸命に励む子供たちの姿には,本当に心を打たれるわけであります。卒業式で,「小さなときから病気で入院してしまい,お父さんお母さんに親孝行ができなくてごめんなさい。でも,いつもお父さんお母さんが,寂しいのを我慢して頑張っていることを思い出し,私も一生懸命勉強に頑張りました」こういう子供の言葉を聞いたことがあるわけであります。体は病気にかかっていても,心は明るく,希望を持って意欲的に生きようとする子供たちの姿に,大きな感動を覚えたものであります。  いずれにしましても,本校は開校当時に比べると,車いすを使用する子供たちがたくさんふえてきている,そういう意味では,障害の状況が大きく変わってきていること,さらには,建築後およそ20年を経過をしていること等々を考えますと,校舎の狭隘化と学校生活の不便さ,あるいは不自由さというのは,最近とみに目立ってきているという状況にあります。病気に打ちかとうと懸命に努力をしている子供たち,そういう子供たちでありますから,なお一層,少しでもよい教育環境の中で勉強させてあげたい,そう強く願っているところであります。  いずれにしましても,これまでも,小学校あるいは中学校には重複学級があったわけでありますが,高等部に設置をされていないわけでありますから,肢体不自由や知的なおくれなど,病弱以外の障害がある生徒というのは,進学の道が閉ざされていた,こういう形になっているわけであります。  平成2年に,高等部に重複学級を設置する親の会というのが設置をされて,いろんな運動展開をしてきた。道教委あるいは市教委に対しても,一生懸命話合いをさせていただく,そして,署名簿も1万5,000ぐらい集め,精力的な行動展開をしてきた。私も当初から携わっておりますけれども,道教委の姿勢というのは,どちらかというとかたくなで,木で鼻をくくったような感じがあった。しかしながら,市教委は,現状の壁が厚く,きわめて難しい要素があるけれども,とにかく話合いのテーブルに積極的に応じていただいたという経過もございます。運動の輪を拡大し,粘り強く進めてきた,そういう運動展開の過程の中で,このたびようやく実現の運びになってきました。そういう意味で,子供あるいは父母にとっても,大きな喜びだというふうに思いますし,本当に感謝をさせていただきたいというふうに思います。  そこで,質問でありますが,山の手養護学校は,国立療養所の西札幌病院に併設をされた学校でありますから,病院の敷地内にある。そういう状況の中で,増築ということになりますと,当然,病院だとか厚生省との関係が生じてくるというふうに思いますが,この点問題はないのか,まずお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 ◎滑川 学校教育部長  山の手養護学校の増築に当たりましては,国立西札幌病院及び厚生省地方医務局と,昨年来ずっと協議を進めてきたところでございますが,現在の校地内で増築することの了解を得ているところでございます。今後,工事が進められることになりますが,引き続き,病院及び厚生省の理解,協力が得られるものと考えておるところでございます。 ◆福士 委員  病院だとか厚生省の理解,協力が得られたということでありまして,安心をするわけでありますが,今回の増築に当たって,父母の皆さんの期待というのは,きわめて大きいわけであります。市教委では,どのような校舎整備を計画しておられるのか,具体的にお聞かせをいただきたいというふうに思います。 ◎坂本 総務部参事  山の手養護学校の増築計画につきましては,同校の既設校舎と国立西札幌病院を連絡している渡り廊下の部分を解体いたしまして,同位置に,鉄筋コンクリートづくり3階建て,延べ699平方メートルを増築するものであります。増築内容につきましては,重複障害者用の教室3教室,訓練室2室,図書室を設置するとともに,エレベーターを1基新設するものであります。また,既設校舎につきましては,解体部分に位置する用務員室の復元と,狭隘化の著しい高等部職員室の拡張,さらに,老朽化している既設エレベーターの改修などを,あわせて実施する予定であります。  なお,このことによりまして,小学部が1階,中学部が2階,高等部が3階に整備されることになっております。以上でございます。 ◆福士 委員  ただいまのご答弁で,学部ごとに教室を配置する,あるいは,障害に応じた指導のできる訓練室等々が設置をされる,エレベーターが新設される,そういう意味で,施設が一層充実をするわけで,完成する日が待ち遠しいわけであります。  そこで,校舎の増築及び高等部の重複学級設置によって,これまでに比べてどのように教育内容の充実が図れるのか。さらに,あわせて教員配置についてどのようになるのか,お聞かせをいただきたいというふうに思います。 ◎滑川 学校教育部長  校舎の増築及び重複学級の設置によりまして,これまで,中学校を卒業しても進学できなかった重複障害の生徒を,今後は高等部で受け入れることができるようになったわけでございます。これにより,知的障害のある生徒に対しましても,小・中・高,一貫した教育が可能になり,作業学習を取り入れたり,また,遊びを通して指導をするなど,一人一人の実態に応じたきめ細かな指導ができるものというふうに考えております。また,図書室や理科室が整備されることから,子供たちが自由に図書資料を活用したり,伸び伸びと実験できるなど,教育内容の一層の充実が図れるものと期待しているところでございます。  なお,現行の教職員配置基準による重複学級は,生徒3名で1学級設置することができます。教員配置数の増が予想されまして,より手厚い教育が可能になるものと考えておるところでございます。以上。 ◆福士 委員  ただいまの答弁で,二重のハンディを背負う子らに,高等部重複学級の認可をと,こういうスローガンで一生懸命運動してきた重複学級を設置する親の会の方々のご苦労にも感謝をしたいというふうに思います。いずれにしましても,小・中・高の体制が,ようやく山の手養護学校に実現をしたわけでありますから,今後とも,病気を克服して生き抜くための力となる養護,あるいは訓練等々にかかわる関係についても重要視され,なお一層充実した教室等々,環境整備が実現をしたわけでありますから,これからも,子供たち,あるいは父母の皆さんのご期待にこたえられるよう,市教委にさらなるご努力をお願いをして質問を終わります。 ◆宮本 委員  私は,教育委員会にかかわる三つの質問,大きく分けて,学校5日制について,学校給食について,さらに英語教育についてを質問いたします。  大きな一つといたしまして,学校5日制についてでありますが,平成4年9月に導入された月1回の学校週5日制は,子供の学力が低下するのではないか,子供に,ゆとりある学習をと言いながらも,他の曜日に負担がかかるのではないか,あるいは,非行,塾通いが増加するのではないかという懸念がされたところであります。本市においては,おおむね順調に実施されていると伺っているところであります。  私は,かねてより,週5日制については,社会の趨勢から,いずれは導入をしなければならない問題であると考えておりましたが,その前に,教育環境整備,すなわち,本州各県においては,当然として実施をしている研修のあり方の問題,北海道だけの特異な問題である主任制の拒否の問題,また,父母・子供抜き,すなわち,主権者抜きで交わされた組合と道教委との協定書の問題,国旗・国歌の学習指導要領違反の問題などを初め,多くの課題を解決してから実施すべきであると主張をしてまいりました。このような立場から質問をいたします。  私は,学校週5日制は先生ばかりではなく,父母や地域の人々,あるいは社会教育にかかわっている人などに,教育についてあらためて考える上で,大きな影響を及ぼしているものと考えております。  平成4年2月に,文部省の調査研究協力会会議から,「社会の変化に対応した新しい学校運営のあり方について」との審議のまとめが出されたところであります。それについて,私なりに解釈をしてみますと,5日制の問題は,これからの次代に生きる望ましい人間を育てるという視点から大きくとらえ,その上で,さまざまな面で学校に依存していた部分の教育のあり方を見直し,あらためて学校の果たす役割と機能を再検討するとともに,教育力が低下していると言われる家庭や地域社会の教育力の回復を図ることが大切であり,これらのことが学校5日制の本当のねらいであると思うのであります。学校・家庭・地域社会の持つ子供への教育機能が有効に発揮され,生涯学習社会を築く一つの方向であると言っているものと考えております。  私は,学校週5日制の問題は,教育改革の根本にかかわる問題提起として,真っ正面から取り組む必要があると考えております。反面,学校として解決すべき課題も多くあると考えております。私のような素人には,冒頭に申し上げましたように,重要で,かつ深刻な問題を解決しようとはせず,先生方の休みだけを先取りするような姿勢に見えるのであります。しかし,この問題については別な機会にさせていただきまして,本題に入ります。  たとえば,授業時間の確保とか学習指導要領の見直しとか,教育の量の問題が論議されているが,私は,これらの量の問題より内容,すなわち,質の問題が大切であると思うのであります。現在の教え方で,子供たちに厳しい時代を生き抜いていく力がつけられたのだろうかなどといった,教員一人一人の自覚とそれを支える研修が必要と考えるのであります。一部には,完全学校週5日制の早期実施を言う方々もいるようでありますが,拙速は避けるべきで,課題を解決しながらすべきであると考えております。  そこで質問でありますが,市教委としては,月2回,あるいは完全実施に向けて,今後,さらに解決しなければならない課題としては,どのようなものがあると考えているのかお伺いをいたします。  大きな二つ目として,学校給食の問題についてでありますが,昨年の2定において,道見議員から質問がありましたように,教育といえども経済性は無視できないことから,給食の調理業務の民間委託化などを取り上げていたところであります。これについては,行政運営効率化委員会で検討されているということでありますので,その推移を見ながら別の機会にしたいと思います。きょうは,給食における食残しを含めた生ごみの問題についてであります。  現在,本市は,桂市長のごみ1人1日100グラムダイエットということで,ごみの減量を全市挙げて展開しているところであります。そこで,学校においての取組みはどうなっているのだろうか。学校全体から出るごみの量は,平成4年度では6万5,120キロリットル,そのための処理費は,年間1億7,000万円もかかっているそうであります。そして,その中身を見ると給食の食残しである生ごみが大きなウエートを占めているというのであります。  学校におけるごみの減量化対策としては,当然,給食の食残し自体を減らすことが第1であり,次には,残された物を早期にじんかい化する方法があると思います。給食を食べ残すということは,大変ぜいたくということだけではなく,むだでもあり,教育上も好ましくないことであります。このことについて過去何度も論議があり,市教委においても,ランチルームを整備したり,また,献立の工夫などをしていることは聞いているところでありますが,依然として食残しが減っていない状況なのであります。  そこで,質問をします。  1点目として,市教委として,学校に対し,ごみ減量についてどのような指導をしているのか,また,その成果はどうなっているかお伺いします。  質問の2点目は,すでに,生ごみを発酵処理するコンポスト製造機があると聞いておりますが,これらに対して検討したことがあるのか,また,学校でこうした機械の導入ができないのか,お伺いをいたします。  大きな三つ目として,学校における英語教育についてであります。  ご存じのとおり,私たちが受けた英語教育は,文法中心の英語教育であり,実際には使えない英語であります。話すことのできない英語教育であったのであります。しかし,最近は,話せる英語ということで,コミュニケーション能力に重点を置いてきていると聞いております。遅過ぎた感もありますが,大変よいことでありますので,おくれを取り戻すという意味で,積極的に取り組んでいただきたいと考えております。  4月から,高等学校でも,新学習指導要領で,会話に重点を置いた内容になっていると聞いているところであります。本市においては,これまで4人の英語指導助手が外国人教師として,日本人の英語教師と共同授業を行なっているのでありますが,8月からは8人体制に増員されると伺っております。そこで,4人体制の中では,どのような派遣が行われていたのか,8人体制になったときは,どのような計画で学校に派遣することができるのかをお伺いいたします。 ◎滑川 学校教育部長  第1点目の学校週5日制にかかわって,解決しなければならない課題についてお答えしたいと思います。  ご指摘のように,学校週5日制の完全実施は,一つ一つの課題を解決しながら,段階的に導入していくことが必要であると,このように考えております。各学校におきましては,学校週5日制の月1回の導入に伴い,その趣旨を踏まえ,さまざまな取組みを重ねてまいりましたが,月2回の実施に向けましては,今後,それぞれの学校において,学校生活全体を見通しながら,基礎・基本を重視するとともに,いま求められております,学力を一層身につけさせることのできる教育課程の編成に努めていくことが必要であると考えております。  また,学校週5日制の月2回の実施につきましては,研究委託校のアンケート調査によりますれば,条件が整えば賛成という数字も含めますと,70%近い父母が賛成しておりまして,理解は徐々に深まってきていると考えております。しかし,父母の中には,学習負担や学力の低下について不安もあることから,引き続き,各学校において一層の努力をするとともに,不安の解消に向けて,片や地域に働きかけ,学校週5日制について理解を深めていくことが必要であると考えてございます。  さらに,学校週5日制という教育改革の実現のために,委員からご指摘のありましたように,教育の質的な向上を図ることが不可欠であることから,各学校におきまして,日々子供に接する教員一人一人の指導力を向上することも課題の一つであると,このように考えてございます。以上です。 ◎芳賀 総務部長  ごみに関連したご質問でございますが,学校で出されるごみにつきましては,札幌市のダイエット・プランが,市民一人一人の自覚に負うところが大変大きいということと同じように,学校施設においても,それぞれの学校における取組みの姿勢が,まず第一義的に重要であろうというふうに考えております。  ご質問の前段の関係でございますが,昨年度は,各学校に対しまして,平成4年度の実績であります学校別のじんかい等処理業務実績表というものを配付をいたしました。非常に膨大なものでございますが,個々の学校のごみ排出の現状を周知をするということとあわせて,その学校と同規模の学校との量の比較等ができるようなことで配付をいたしました。食残しへの指導のお話も出ましたが,これらとあわせて,古紙回収の徹底,あるいは使い捨て商品の購入の自粛,あるいは,ごみの分別の徹底といったようなことで,指導を行なってきたところでございます。結果は最終的には出ておりませんので,見込みでございますが,金額にして,大体前年度に比べて430万円ほど節約ができたかなというふうに考えております。  それから,後段のコンポスト製造機の導入の関係でございますが,ご指摘のありましたのは,高速発酵コンポスト製造機であろうと思います。これの活用につきましては,4年度から,処理方法の異なる2機種の,業務用小型機を対象にしまして,すでに,市内の刈岬校に設置をいたしております。特に,冬季間における性能テストを中心に実施をしてきておりますが,これまでのデータでは,生ごみ約60%が減量され,寒冷期でも夏場と同じような効果が得られるということが確認されております。あわせて,処理後のコンポストは,教材園等に利用することが可能であり,また利用いたしております。以上でございます。 ◎武田 指導室長  英語指導助手の派遣についてお答えいたします。  これまでの4人体制におきましては,高等学校では1校約1ヵ月,中学校につきましては,おおむね4ないし5日の派遣を行なっております。しかし,4人体制では,各学校からの派遣要請に十分こたえられない状況であります。現在の計画では,着任は7月末を予定しておりまして,2学期からは8人体制で臨むことになります。このことにより,高等学校につきましては,さらに長期的な派遣も可能となります。また,中学校におきましても,各学校の要請にこたえられるように検討しているところでございます。したがいまして,ご指摘にありました今後の英語教育の方向に向けて,一段と充実した内容が期待できるものと考えております。 ◆宮本 委員  まず,大きな一つ目の,学校週5日制の完全実施をする前に多くの課題があるということがわかりましたが,学校教育では,教育の質的向上を図るためには,教員の資質の向上を図ることが特に大切ではないかというふうに思うのです。  私は,小・中学校における教員は,それぞれ免許を取得され,専門的な知識は当然持っていると思いますが,それ以上に,小・中学校,特に低学年においては,社会性や心の問題,さまざまな人間性の問題,そういうことに対して幅広い,オールマイティな教師,さまざまな課題を真摯に受けとめる姿勢を持ちながら,自分の生きざまや人生を,子供たちに胸を張って語りかけることのできる人間性豊かな教師像が,いまは求められていると思います。本市の大多数の教師はそうであると思いますが,そうでない教師がいるとすれば,一部であっても,教育界という立場からは大きな問題であると思います。私は,教師の資質の向上,そして,教育内容の充実こそが重要な課題であると思っております。  そこで,教師の資質の向上に大きな役割を果たしている教員の研修について,本市の現状と平成元年度よりようやく本格実施ができるようになった初任者研修の成果についてお伺いをいたします。  大きな二つ目でありますが,コンポスト製造機の検討については,もうすでにテストをしていて,それなりの成果が出ているとのご回答でありました。この機械は,聞くところによると,かなり高価な機械でもあるということで,経費の面での問題もあろうが,それにしても,環境の保持とリサイクルという観点から,全校は無理にしても,集配の行き届きにくい市街地周辺の学校からでも導入をしてはどうかと考えておりますが,この点についてお伺いをしたいと思います。  大きな三つ目は,英語教育であります。  これについて,4人が8人になったのですから,2倍になったわけであります。いまのお話では,以前の体制からかなり突っ込んだ,あるいは長期的な配置ができるということでありますので,まだまだ足りないと思いますけれども,より積極的な取組みをお願いいたします。  さらに,小学校での英語教育についてお伺いをいたします。  現在,文部省では,小学校での英語教育の研究開発校を指定して,実践教育をしていると伺っております。早期の英語教育の必要性はわかるが,その前に,国語教育をしっかりやるべきだとの意見もあります。これについて,文部省の意図はどのようなものか,また,今後の見直しについてお伺いをいたします。 ◎滑川 学校教育部長  教員研修の現状でございますが,市教委が行なっている研修は,指導室と教育研究所で行なっているところでございます。指導室では,初任者研修を初め15の研修を行なっておりまして,教育研究所ではコンピューターの活用など,44の講座を実施しております。平成5年度では,指導室関係では,57日間にわたりまして,延べ1,906人の教員,研究所におきましては,267日にわたって,延べ5,332人の教員が,この研修に参加してございます。これらの研修は,いずれも実践的な内容を重視するとともに,たとえば,登校拒否児への指導というような,今日的な教育課題にこたえるような内容の充実を図っておりまして,それぞれの学校の教育に十分生かされているものと考えておるところでございます。  次に,初任者研修は,ご承知のように,校外におきましては,年間30日程度,校内におきましては60日程度実施しているところでございます。校外での研修につきましては,救急法や水泳などの実践的な研修,さらには,新しい学力観に基づいた授業の実践的研修や,さらに,施設の視察なども行なっております。また,校内においては,生徒理解とか,教科指導,父母との対応のあり方などについて,年間を通したスケジュールに基づいて研修が行われているところでございます。  こうした研修によりまして,初任者の実践的な指導力の向上はもちろんのことでございますが,初任者の研修に刺激されて,学校全体に,研修を大切にする雰囲気が生まれていることも大きな成果であると考えておるところでございます。 ◎芳賀 総務部長  コンポスト製造機の関係でございますが,お話にもございましたとおり,機器の本体が相当高額であるということ,あるいは電気代,それから,発酵菌を買って投入をしていくということで,購入費の関係等々で経済的にはなかなか大変な経費負担になるということでございますが,ご提言のありました処理変更について幾つかということですので,いまの試行の形で,何校かさらに広げていきたいと,こういうふうに考えております。 ◎武田 指導室長  小学校の英語教育について,私のほうからお答えいたします。  ご承知のとおり,文部省では,国際理解教育の一貫として,小学校に平成4年度2校,5年度2校の研究開発校を指定して,実践研究を行なってきたところでございます。平成6年度は,さらに12校を新たに指定して,引き続き,研究を続けていくと聞いております。  その内容としましては,児童が遊びなどを通して楽しく英語を使えることを意図しているものであります。しかし,小学校に英語教育を導入するには,教員の養成,教材の開発,そういったもののほかに,教員免許法など,解決しなければならない課題があります。したがいまして,文部省におきましては,実践研究の成果を見きわめながら,小学校における英語教育や国際化への対応のあり方について,今後検討されるものと承知しております。 ◆宮本 委員  一つ目でありますけれども,本市において,教員研修が,量・質とも充実し,年々大きな成果を上げているとのお答えですが,初任研は,幼稚園は,夏休み・冬休みに実施しているが,小・中・高ではそうでないというふうに聞いております。また,5年研修,15年研修などは,他府県では全員が受けているのでありますが,本市ではそうされていないようであります。この件についても,引き続き別な機会に取り組みたいと思います。  子供にとって教師との出会いは,自己の人生を左右しかねないほど大きなものであります。また,研修のあり方について,他の都市で実施されているように,夏休み・冬休みの休業期間の有効な活用を図るよう主張しておりますが,今後の問題について,市教委として再度検討していただくよう,さらに,5日制完全実施に向けては拙速を避け,十分時間をかけ,慎重な対応をするよう強く要望いたしまして,この件は終わります。  次に,二つ目でありますが,ただいまのお答えによりますと,市教委においても努力をしていることは理解をするところでありますが,ごみの減量化は本市の緊急課題でありますので,さらなるランチルームの整備拡充や,食器の改善などを初めとする食事環境の整備,また,米食のときは食残しが少ないと聞いております。そこで,ことしは無理にしても,米食回数を増すとか,献立の工夫をしたり,さらには,バイキング方式を考えるなど,食残しを減らすために,今後も引き続き努力をしていただきたいことを要望して,これも終わります。
     3番目も要望になりますけれども,国際化と言われてすでに何年も過ぎておりますし,また,国際都市さっぽろという点からも,市民の皆さんが英語を読めて,書けて,話せるということが理想であります。英語を必要とする立場の人や専門的な立場の人は別として,一般の市民においては,読めなくても書けなくても,話すことだけでもできれば,国際都市さっぽろの市民として,外国の人たちとコミュニケーションを交わせるのであります。ぜひ,21世紀を担う子供たちが国際社会において活躍しやすいように,この点についても,より積極的な推進を図れるよう要望して質問を終わります。 ◆生駒 委員  アイヌの文化・歴史の啓発と民族教育について,簡潔にお尋ねしたいと思います。  国連は,ことし,1994年から,国連先住民の十年事業,これを決めて取り組むというふうになっております。教育委員会として,これをどう受けとめて取り組んでいくのか,基本的な考え方について,1点目にお尋ねします。  2点目は,これまで教育委員会で作成してきた指導資料の第4集がいま作成をされているようであります。内容を若干お聞きしますと,60年からの第3集まで,これまでに発行されておりますが,それらを総括して,現時点では,いわゆるアイヌの人たちが,国際先住民年というような形で国連にも出かけていくと,そういう新たな到達の中で,さらにどういう啓発を教育委員会としてやっていくかといった新たな取組み,こういう内容になっているようであります。その点で,第4集は,これまでの3集と比べて,どんな特徴を持つものになっているのか。  それから,これをどういうところに配付していて,どのように活用されているのかといった点についてお尋ねをしたい。  それから,平成6年からの,アイヌ民族に関する研修会等の予定,計画は,具体的にどうなっていくのか。  それから,各学校で,この問題にどのように取り組まれているのかについて,概略お尋ねしたいと思います。 ◎武田 指導室長  1点目の国連の先住民の十年事業についてでありますが,このことは,昨年12月21日の国連総会で,1994年12月10日から向こう10年間を先住民の十年とすることを採択したものであります。この事業について,市教委といたしましては,昨年の国際先住民年同様に,民族問題について広い視野から考えなければならない重要な問題と受けとめており,関係部局と十分な連携を図りながら対処してまいりたいと考えております。これまでも,アイヌ民族の歴史・文化などを学習することは,人権尊重の教育の上からもきわめて大切なことであると考え,推進してきたところであります。平成6年度の札幌市教育推進の目標におきましても,今日的な課題として人権尊重の教育を掲げ,その中で,アイヌ民族の歴史や文化については,発達段階に応じて,広い視野から正しい認識を深めるよう各学校に示したところでありまして,今後とも,なお一層人権尊重の教育が充実されるよう努力してまいりたいと考えております。  2点目のアイヌ民族の歴史・文化などに関する指導資料についてでございますが,市教委では,昭和60年から,アイヌ民族の歴史・文化などに関する指導資料を第3集まで発刊してまいりました。3冊とも,これまで2度増刷しまして,それぞれ1万部以上発行し,本市の全教員に配付するとともに,毎年,新任者にも配付しております。  ご質問にありますアイヌ民族の歴史・文化等に関する指導資料第4集につきましては,8,500部印刷いたし,本市の全教員に,3月末に配付する予定でございます。  また,これまでの3集との違いということでございますが,これまでの3集は,主として,アイヌ民族の歴史や文化などに対する理解を深めることを中心としたものでありましたが,この第4集は,国内外の民族にかかわる今日的な課題につきまして記述するとともに,これまでのグループ委託の研究の成果を生かして,アイヌ民族の歴史や文化などに関する教材化と授業について,具体的な実践例を示したものであります。市教委といたしましては,各学校が発刊の趣旨を十分に理解して,これまでの指導資料とあわせて,日々の学習に活用していくよう指導してまいりたいと考えております。  次に,アイヌ民族に関する研修会でございますが,市教委といたしましては,昭和57年度より,ウタリ協会などの協力を得まして,これまで,本市の全教員を対象として,春,秋合わせて22回の研修会を開催してまいりました。その成果として,アイヌ民族の歴史・文化などに対する正しい認識と理解が深まってきていると考えております。  今後は,春の研修会につきましては,現地視察の場所などについて,学校の要望やウタリ協会札幌支部の意向を酌みながら検討してまいりたいと考えております。また,秋の研修会につきましては,講演だけではなくて,ムックリの製作など,実技的な要素を加味した内容を取り入れる等,日常の実践に直接役立つ研修の充実に努めてまいりたいと考えております。  3点目のアイヌ民族教育の学校における取組みについてでありますが,これまでも,各学校に示している年間指導計画の中に明確に位置づけまして,小・中学校の社会科などに具体的な学習内容を例示し,積極的に実践されるよう指導するとともに,グループ研究委託などにより,実践研究を進めてまいりました。各学校におきましても,研修会などによるアイヌ民族の歴史や文化に関する理解の深まりや,ウタリ協会札幌支部の方々のご助言やご協力などによりまして,アイヌ民族教育に関する授業実践が着実に行われるようになってきております。  たとえば,小学校社会科におきましては,アイヌの人々の昔の実際の遊びを体験したり,アイヌ民族の伝統工芸でありますアッシ織の文様をつくったりするなど,アイヌの人々の生活に触れる授業実践などが行われております。  市教委といたしましては,今後とも,各学校において,児童・生徒の発達段階に応じたアイヌ民族の歴史や文化に関する授業実践が充実するよう指導してまいりたいと考えております。 ◆生駒 委員  第4集によって,委託研究も含めて実践化していくという段階で,この指導資料が使われる,また,学校現場でも体験的な取組みになっていくということであります。ぜひこれを推進していただきたいと思います。  それから,総括的な内容で私が注目したのは,60年ごろのアイヌ民族に対する理解は,これは第1集を出したころの理解で,中曽根総理大臣の単一民族国家論の域を出すというのが,これは総括をしたと。つまり,そこには限界があるという整理がされているのは,大変私は気に入ったわけであります。そういった正しい総括の上に立って,現時点での国際化という中での取組みをしていくのだというふうになっております。ぜひ推進をしていただきたい。  あわせて,ウタリ教育相談員の増員及び待遇改善の問題も,これまでも言ってまいりましたけれども,ぜひ要望して終わりたいと思います。 ○関口 委員長  第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会は,3月22日午後1時から,教育委員会のうち社会教育部,体育部,中央図書館及び青少年科学館関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時20分...