札幌市議会 1994-03-17
平成 6年第一部予算特別委員会−03月17日-05号
平成 6年第一部
予算特別委員会−03月17日-05号平成 6年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第5号)
平成6年3月17日(木曜日)
──────────────────────────────────
●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34人(欠は欠席者)
委 員 長 関 口 英 一 君 副委員長 大 西 利 夫 君
委 員 藤 田 雅 弘 君 委 員 岡 本 修 造 君
欠 委 員 工 藤 勲 君 委 員 澤 木 繁 成 君
委 員 加 藤 斉 君 委 員 川口谷 正 君
委 員 猪 熊 輝 夫 君 委 員 藤 原 廣 昭 君
委 員 越 智 健 一 君 委 員 長 岡 武 夫 君
委 員 山 田 信市郎 君 委 員 小 谷 俵 藏 君
委 員 佐 藤 美智夫 君 委 員 常 本 省 三 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 原 口 伸 一 君
委 員 常 見 寿 夫 君 委 員 政 氏 雅 君
委 員 本 舘 嘉 三 君 委 員 森 健 次 君
委 員 野 間 義 男 君 委 員 佐 藤 寿 雄 君
委 員 八 田 信 之 君 委 員 武 市 憲 一 君
委 員 千 葉 英 守 君 委 員 伊 藤 知 光 君
委 員 佐々木 肇 君 委 員 高 橋 重 人 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君
──────────────────────────────────
開 議 午後1時
○関口 委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
工藤委員からは欠席する旨の連絡がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第2款 総務費 第3項
市民生活費中関係分,第2条の第2表継続費のうち関係分,第4条の第4
表地方債のうち関係分,議案第24号札幌市
消費生活条例案,議案第37号 札幌市における良好な
交通環境を確保するための
違法駐車等の防止等に関する条例案及び議案第11号 平成6年度札幌市
交通災害共済会計算を一括して質疑を行います。
◆福士 委員 私は,今議会に提案されております札幌市
消費生活条例について質問をいたしたいというふうに思います。
この条例につきましては,平成2年の2定の
代表質問で,わが会派の当時の
田中昭男議員が質問をしているわけでありますが,この条例は,昭和49年のオイルショックの
狂乱物価対応策として制定されたものであり,現下の多様化した
消費者ニーズに的確に対応できる内容になっているとは考えられないが,今後ますます求められてくる
消費者保護を見据えて,本市の
消費者行政の基本法とも言える現札幌市
消費生活安定条例を改正する必要がある,こういう指摘をしたところであります。
当時の
板垣市長は,時の経過とともに
消費生活環境も大きく変化をしてきており,現行の
消費生活安定条例を幅広い消費者問題を対象とした内容にするよう早急に検討したい,そういう答弁をいただいた経過があるわけであります。
その後,この
市長方針に基づいて,
消費生活懇談会を設け,幅広く意見を聞き,その提言を受けとめて,
関係部局で速やかに検討を重ねてこられ今回の提案になったことに対しては,高く評価をさせていただきたいというふうに思います。
今回提案をされました条例の内容につきましては,先般の
市長提案説明で,市民の
消費生活の安定と向上を確保するため,
基本理念を定め,市及び事業者の責務並びに消費者の役割の規定,特に
生活物資等による危害等の防止,表示,包装及び取引行為の適正化等々に,その実効性を確保するため,事業者へ厳しい姿勢で臨むとしているわけであります。
また,最近,若者やお年寄りに多くなっている,
霊感商法等も含めた消費者の被害に対しても目を向けた内容になっており,わが会派としても納得のいく内容になっているというふうに思いますし,その実効に強く期待をするものであります。
そこで,2点について質問をいたしたいというふうに思います。
まず,第1点目でありますが,条例案の第33条に規定をしております
消費者訴訟の援助についてでありますが,先ほど申し上げましたように,最近の
マスコミ報道等々で見られますように,若者を
ターゲットにした,労せずしてもうかる話に乗っかってしまい,多額の借金をした若者の被害や,お年寄りを
ターゲットにし,高いつぼだとか印鑑などを言葉巧みに売りつける。少ない年金を失って困っているお年寄りの被害を初めとして,たくさんあるわけであります。特に最近は,ブームになっている建築物のリフォームをめぐる
トラブル等,当然,消費者の責任もあるとはいえ,本当に許せないような被害が続いている状況にあります。
このような状態に対応するために,他都市においても,その救済に目を向けているところでありますが,本市の今回の条例においても,第33条に,その救済についての規定を設けていることは,まことに時代にマッチをした内容になってきている,そういう評価ができるというふうに思います。
そこで,
消費者訴訟の援助の具体的な内容は,条例案の第4項の規定に,必要な事項は規則で定めるという点があるわけであります。そこで,規定されると思われる援助を行おうとする
訴訟費用の範囲は,どの程度に及ぶのか,まずお伺いをさせていただきたい。
さらに,
訴訟費用にかかわる貸付けの額はどの程度を考えられているのか,お伺いをいたしたいというふうに思います。
私の知るところでは,北海道では50万円,大阪,神戸などは,高くて250万円,京都,名古屋でも100万円以上という数字が出ているわけでありますし,現在の
訴訟費用を考えると,やはり他の
政令指定都市並みの金額が必要だというふうに思いますが,その点どうか,お伺いをいたしたいと思います。
それから,第2点目でありますが,現在,国の段階で論議をされておりますPL法,つまり,
製造物責任制度との関連についてご質問をいたします。
昨年の12月,
国民生活審議会と
法制審議会が,
PL制度導入について,それぞれの報告書をまとめて政府に提出をし,それに基づいて,政府は,PL法案の法制化の作業を進めているわけでありますが,いまの状況では,近い将来,この法案の制定が確実なものになってくるという状況になっております。
そこで,この法律が制定をされたら,
消費者条例とも関連をしてくるというふうに思いますが,そのことも考慮している内容なのかどうか,お伺いをさせていただきます。
◎藤田
市民生活部長 1点目の
訴訟費用の貸付けについてでございますが,まず,
訴訟費用の貸付けの対象範囲につきましては,施行規則を作成する中で検討いたしますが,基本的には,裁判所に納めます
裁判手続費用,あるいは
弁護士費用,その他,訴訟に要します
書証作成費用等を考えております。
貸付限度額につきましては,訴訟1件当たり100万円というふうに考えておりまして,所要経費1件分を予算計上しております。
2点目の
製造物責任制度との関係でございますけれども,いま
福士委員から段々お話がございましたとおり,現在,国の段階で種々検討されていますことは,
国民生活審議会の答申等々で承知をいたしておりますが,今回提案をいたしました
消費生活条例との関係等を検討する段階には至っておりませんので,法案が国会で成立した段階で,その整合性についてあらためて検討し,見直すべき点があれば,その時点で必要な手続をとりたいと考えております。以上でございます。
◆福士 委員 消費者を取り巻く環境が,国際化あるいは情報化,
サービス化,高齢化等々を含めて,急速な進展により大きく変化をして,多様化をしているというふうに思います。横浜,広島,福岡,北九州では,まだ
消費生活条例が制定をされていないというふうに聞いております。平成2年の2定の
代表質問で提起をさせていただいて,本市でもようやく提案をされた。そして,北海道では50万円であるが,100万円という数字が出たわけであります。今後,他の
政令市並みの引上げが出てくるというふうに思いますし,当然,貸付金は無利子とすべきだというふうに思っております。消費者の意見の
行政施策への反映,あるいは
消費者教育,さらには,消費者の自主的な
組織活動の推進など,総合的な施策の推進を積極的に進めていただきたいというふうに思います。
もう一つのPL法の関係でありますが,
消費者被害の救済を目的としたこの法案の策定が,大詰めを迎えている。しかし,まだそれらの状況が煮詰まっていないわけでありますから,ただいまのご答弁で理解をするわけであります。しかしながら,欠陥製品で被害を受け,
損害賠償を求めようとする。しかし,現在は,民法をもとに,被害者がメーカーの過失を証明しなければならない。そういう意味では,救済はきわめて狭き門だというふうに思います。しかしながら,これらの法案が成立をすることによって,製品に欠陥があったことさえ証明すれば,
損害賠償を受けられる,こういう制度になるわけであります。そういう意味で,法案が成立をした後,検討する,そして,消費者の被害を速やかに,さらには,幅広く救済をしていく,そんな必要な手続等々を積極的に進めていただきたいということを,今回は要望させていただきたいというふうに思います。
◆藤原 委員 私は,2点について質問をしていきたいというふうに思います。1点目については,今日大きな社会問題ともなっております米問題,2点目には,議案第37号の
駐禁条例にかかわる件についてであります。
最初に,米問題について進めていきたいというふうに思います。
ご承知のとおり,
社会党市議会議員会は,3月8日と14日に,独自に,それぞれ
札幌市内の卸業者2件,
小売販売店2件,そして,後日,
北海道食糧事務所長を訪ねて,これらの調査に基づく米の
供給確保に関する申入れを行なってきたところであります。
卸段階で確認をされてきたことは,昨年の9月における最初の
米パニック,そして,今回の2月における第2次のパニックというのが指摘をされてきました。いずれも,米の端境期,または,その近くに供給される時期に起こっていることが明らかになってきたわけであります。
北海道における前年消費量約38万トン,これに対して,昨年の凶作による,ことし10月までに不足する量というのは,約9万5,000トンというふうに,卸業界では指摘をされていたわけであります。しかし,
卸業段階では,いずれも毎月前年比100%以上,平均105%前後の供給をしているということが明らかにされてきたわけでありますが,その後,
小売段階に行きますと,なかなか要求をした量の米が,卸業者のほうから小売店に回ってこない,そうした悩みや苦労なども聞かされたわけであります。また,
卸業段階では,ブレンド米,あるいは
セット販売にするために,小袋か2キロや5キロ詰めの袋にするための手間によって,店頭に並ぶまでの時間がかかることなどについても明らかにされてきたわけであります。一方,消費者の側は,こうした状況の中で,安全性の問題や価格や量の問題含めて,店頭に行ってもなかなか買えない状況が明らかにされてきました。特に,市民局のほうにも寄せられているかなというふうに思うのでありますけれども,お米の注文をしますと,そのお店で販売をしている他の商品も買っていただけるのであれば,お米を何キロ売りましょうとか,あるいは,従前6,000円から7,000円前後していた米が,倍以上の価格で売られたというようなことも指摘をされてきたわけであります。
そういう状況の中で,1点目の質問として,この1月以降,本市において,市民から米問題の苦情や相談の状況については,どのような件数や状況になっていたのか,お尋ねをしたいというふうに思います。
2点目には,それらの市民の不安に対して,本市としては,どのような
不安解消策を講じられてきたのか,お伺いをします。
3点目には,米不足もさることながら,先ほど申し上げましたように,価格の値上がりも見受けられるわけであります。調べてみますと,本市は,国の農水省,または通産省からの
国庫補助事業として,
物価安定対策事業に基づく調査・監視を,毎月1回,本市の職員はもとより,
モニター約150名によって実施をされているわけでありますが,当然こうした調査を利用もしながら進めてきたのだというふうに思いますけれども,こうした調査を進める上で,どんな価格,あるいは,需給面での状況が出てきていたのか,3点質問をします。
◎藤田
市民生活部長 1点目の米に関する苦情・相談につきましては,1月に7件,それから2月に20件,3月は,15日現在で126件というふうになっております。
内容的には,国産来が買えない,あるいは,抱き合わせ販売に対する苦情が,当初は主でございましたけれども,次第に,外国産米を含めて米が買えないという苦情が多くなってまいりました。しかし,3月9日以降は,1日数件程度の相談件数となっておりまして,その内容も,外国産米の農薬使用など,安全性に関する不安を訴えるものが多くなっております。
2点目の消費者の
不安解消策等についてでございますけれども,米の需給及び価格等につきましては,国の責任において対処することになっておりますが,本市としましても,店頭からお米がなくなることは,
市民生活上無視できない事柄でございまして,一日も早く店頭に米が供給されることが,何よりも市民の不安を解消する手だてだというふうに考えておりまして,庁内の
関係部局と一体となって,
関係機関,業界等に,正確な情報の提供と速やかな供給について,再三にわたってお願いをしてきたところでございます。
3点目の米の需給,価格等の事柄でございますけれども,食糧庁が発表いたしました平成6米穀年度の
供給計画から考えますと,相当量の外国産米に依存しなければならないという判断で,ことしの1月以降,札幌市
物価消費者モニターに依頼をしております
生活物資等64品目の調査に加えまして,店頭に品ぞろえされております米の銘柄・価格等についても,調査をお願いをしてきたところでございます。1月,2月の調査結果では,国産米の銘柄が相当量出回り,需給の逼迫した状況は見られず,また,価格についても小幅な動きしか見受けられませんでした。
その後,2月の下旬になりまして,店頭に米がないとの苦情がありましたので,庁内の
関係部局と協議をして,職員による
店頭販売状況の視察,あるいは,業界からの事情聴取,
関係機関との協議を随時行いましたほか,この3月12日・13日には,
モニターにも協力をお願いし,需給の把握に努めてきたところでございます。以上でございます。
◆藤原 委員 いま,この間の本市における取組みなどについて報告がされたわけであります。きょうの新聞にも載っておりましたように,今月の19日から3日間,引き続き,またそうした調査が行われるということでありますけれども,こうした
モニターの活用なども含めて,新年度以降も,現在の状況が安定するまで,こうした
調査活動を継続していくべきだというふうに強く要請を申し上げたいというふうに思うわけであります。
再質問でありますけれども,いずれにしましても,昨年の冷害による凶作によって,現状では,
国産米単品のみでは,ことしの10月に新米が出るまで,市民に対する
供給体制が間に合わないことはご承知のとおりであります。また,ここ数年来の世界的な異常気象が各地で起こっている状況の中で,ことしは豊作になるとか,あるいは,従来のような平均の収穫量が見込めるというふうには,いまは予測ができないわけであります。
そういう状況の中で,また,米の一部自由化によって,今後私たちは,市民含めて,
日常生活の中でいままで以上に輸入米,外国産米と接する機会が多くなるのではないかと思うわけであります。そこで,市民が輸入米を食生活に上手に取り入れていくことは,これからの食生活や
日常生活の上で,必要不可欠な課題だというふうに思うわけであります。そんな意味におきまして,本市としては何か具体的な取組みができないのか,お尋ねをしたいと思います。
私個人の考えとしては,いろいろ各地でも,新聞等にも載っておりますけれども,調理師さんや,あるいは
消費者協会の皆さんの協力なども得て,
料理講習会などの開催ですとか,または,外国米に対する評価等もいろいろ出ておりますので,
札幌市内で生活をされている,また留学をされている外国人の皆さんとの交流も兼ねた場を持っていくことが大切でないのかというふうに思うわけであります。
さらに,3月14日に
北海道食糧事務所を訪ねた際には,米110番というような形の
専用電話を設置をして,消費者への対応をしているわけであります。本市においても,こうした状況の中で,市民とのホットラインなど,創意工夫した取組みが検討できないものかお伺いをします。
◎藤田
市民生活部長 市民が輸入米を食生活に取り入れていく上で,何か具体的な手だてはないかということでございますけれども,輸入米の炊き方,あるいは
料理方法につきましては,食糧庁がパンフレットを作成し,配布しておりますが,その配布枚数につきましては十分でありません。また,内容的にも全国一律のものでございますので,本市といたしましては,広報さっぽろ等で,外国産米をおいしく食べてみませんかという呼びかけをして,市民が工夫をいたしました
料理方法の
アイデア募集,また,
料理方法で悩んでいる市民からの問い合わせに,その事例を紹介するなど,専用の
電話番号を設定して,新年度早々に実施いたしたいと考えております。また,そのほかに,地域での
料理講座なども開催をしたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
◆藤原 委員 引き続き,次の質問に移らせていただきますけれども,ぜひとも,いま答弁されたような市独自の取組みを,積極的に推進されるよう要請するものであります。
次に,本市における
違法駐車等防止条例に関する項目についての質問に移らせていただきたいと思います。
ご承知のとおり,札幌市においては,
都心交通対策協議会が
平成元年に設置をされて,
ソフト面からの検討が進められてきたわけであります。そうした提言から,平成3年3月に,官民26団体から成る札幌市の
都心交通対策実行委員会が設置をされ,平成4年5月から取り組まれてきたわけであります。
昨年の10月の
決算特別委員会で,わが党の
大西議員からも,本市の
違法駐車禁止条例化に向けた質疑がされました。
市民局長から,平成6年度の早い時期を目指して検討するとの答弁があり,それから約半年足らずで条例案が提出をされたことには,心から敬意を表するものであります。
全国的にも,ことしの2月からは,横浜市など,約46の市区町で,こうした条例化が実施をされてきているわけであります。
政令都市においては,札幌以外に仙台市でも,いまそうした検討が進められており,残るのは,千葉市,名古屋市,京都市の3都市のみとなっているわけであります。
そういう状況の中で,昨年の
決算委員会の中でも,この
実行委員会における成果としては,当初実施したころは,1人1日平均50件程度の車の移動の指導などが行われたけれども,昨年の秋段階では20件程度に減少してきたという成果も報告をされました。また,
荷さばき作業の自粛時間についても,幾つかの大型店舗では,そうした取組みがされてきていることも報告をされました。また,札幌の広報誌や幅広い
PR活動に努めてきた結果,都心部に立ち寄った市民に対してのアンケートでは,3割がこの
実行委員会の活動を知っている,さらに9割以上の方が,今後も継続すべきだというような評価をされているわけであります。
一方,苦労している点については,あくまでも協力をお願いをするという任意の性質のものであり,非協力的な方に対する
街頭指導には,指導員の方も大変苦慮をされているということが報告をされてきたわけであります。
このように,官民一体となって,札幌市の
都心交通対策実行委員会が取り組まれてきているわけでありますけれども,車両の移動を行うにしても,
法的裏づけがないために,活動にはおのずから限界があるというふうなことが,昨年の
決算委員会の中でも,
状況認識の見解として述べられてきたわけであります。そして,この条例化については,いままでの経緯を踏まえて,札幌にふさわしい方式の条例化に努力をしていきたいということでありました。
そういうことを踏まえながら,1点目としては,この
条例制定に当たり,参考とした他都市の条例,または
本市条例の独自性について,どういったものがあるのかお尋ねをしたいと思うわけであります。
特に,横浜市の場合には,これは異例ではありますけれども,悪質者に対して
公表制度という項目も設けられているわけであります。そういう状況の中で,本市の条例の独自性というようなものをお聞かせ願いたいというふうに思うわけであります。
2点目には,どうしても,こうした取組みは,全市的な施策として展開をしていかなければなりません。こうした条例の制定により,全市を対象にどのような施策を展開していくのか,まずは2点お伺いをいたします。
◎新見
交通安全防災対策室長 違法駐車条例につきましてのまず最初の,
条例制定に当たって参考とした他都市の条例ですとか,札幌市の独自性についてでございますが,札幌市の条例は,政令市で一番早くつくりました川崎市を初め,ほとんどの
条例制定済みの自治体と同様に,
モデル条例案を基本にしたものでございます。
その中にありまして,本市独自の条例としての性格や内容などを,どのように持たせるかということを検討したところでございますが,その結果といたしまして,一つとしては,条例の精神や目的がわかりやすく読み取れ,また,市民の理解が得られるような,ちょっと長くなりましたけれども,条例名としたというのが第1点でございます。
2点目は,
基本理念を独立した条項で明確にいたしまして,本市が今後の
行政課題として取り組む人に優しい
交通対策の精神を盛り込んだ点でございます。
三つ目といたしましては,みずから行う
事業活動においても,
違法駐車が生じることがないよう努めるなど,事業者の責務を明確にした点でございます。
さらには,四つ目といたしまして,
積雪寒冷地という特殊性がございますので,たとえ適法な駐車といえども,
除雪作業の支障とならないように努めなければならない旨を明文化したなどが,本市の条例としての特殊性と言えるものであると思っております。
なお,横浜市につきましては,いまお話がありましたように
制裁的色彩が強い
公表制度をも付加した条例であるということは承知しておりますが,横浜市もこの2月から運用を開始したばかりでございますので,今後の状況等その推移を見守ってまいりたいと,そのように考えております。
次に,全市的な施策の展開に関してでございますが,この条例は,市民・事業者・行政が一体となって,おのおのの自覚と相互の理解・協力によってモラルの高揚を図り,
違法駐車等を防止することを目的としているものでございまして,これは,全市的に展開されるものでございます。そのためには,条例の制定の趣旨・目的等につきまして,十分に理解・協力をいただくことが必要であり,広報啓発活動の果たす役割は,そういう点では非常に重要でありますので,広報さっぽろを初め,新聞やチラシ,ラジオ等のいろいろな広報媒体を利用し,また,交通安全運動ですとか,さわやかノーカーデー運動等の各種のキャンペーンや,日常的に行なっております交通安全の啓発活動等と連携を図りながら,継続的で効果的な広報活動を全市的に展開してまいりたい。さらに,区役所等とも十分連携を図りながら,自主的な地域活動を支援するなど,市民意識の高揚を図ってまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆藤原 委員 いま,
条例制定に当たって参考にした点,特徴点など,また,
PR活動についての答弁がありました。やはり,
基本理念ですとか,または,本市における積雪などいろんな面で評価できる面も多々あるかというふうに思うわけであります。
しかし,先ほど申し上げましたように,いかにして実効性を伴っていくかということからしますと,
公表制度とか,あるいは,極端でありますけれども,初めに罰則ありきではなくて,やはりこうした面からも多面的に考えて,実効性を上げていかなければいけないのでないかというふうに思うわけであります。しかし,制度の精神や過去の取組みから,一概に,他の都市が
公表制度にしたから,本市もそれを導入すればいいというわけでもありません。そんな意味では,これから実施をされるわけでありますので,そうした実施や取組みの経緯を踏まえて,今後,必要であれば,こうしたことも一つの検討課題として取り上げていくべきではないかというふうに指摘をしたいわけであります。
次に,こうした
公表制度を含めて,初めに罰則ありきではなくて,いかにして市民にこうした協力を浸透させていくかという点でありますけれども,この
違法駐車防止重点地域については,従来から約17ヘクタールの地域が指定をされ,その一部がこれまで
実行委員会の中で委託をされて実施をされてきました。今回は,少し,その対象地域が広がってくるわけでありますけれども,今回指定をした地域の指定理由について,1点目お伺いをしたいというふうに思うわけであります。
また,2点目に,将来的にこうした地域の拡大も含めてうたっているわけでありますけれども,こうしたことをどのように考えているのか。その際には,どういった基準,条件が根拠になっていくのか,明らかにしていただきたいというふうに思うわけであります。
重ねて,横浜市の場合などについては,条例の中に,第三者機関的な存在の設置も含まれているわけであります。この本市の条例を見ますと,そこの地域に指定をされた町内会,あるいは商工会,または,そこに住む市民などの意見を尊重してということでありますので,極端な例を言いますと,そこに居住する方々のかなりの反対があった場合には,指定地域にしたくても,でき得ないというような矛盾が生じてくることになるわけであります。そんな意味においては,ぜひとも,この取組みを浸透させる意味でも,第三者的な機関というようなものを設置でき得なかったのかということを指摘せざるを得ないわけであります。ぜひともこうした機関の中に,多くの団体や市民が入って,これらを有効活用し,市民,あるいは事業者の意識の高揚を図っていくべきではないかというふうに思うわけでありますけれどもいかがお考えか,お尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
次には,重点地域における助言・啓発活動で,先ほども,いろいろご苦労されていることを報告したわけでありますけれども,現在は,調べてみますと,委託をしております法人格の団体の約8名程度の方が,週約1.5回平均で巡回をされているわけであります。そんな意味においては,今後こうした条例化によって,配置人数や実施回数がどのようにふえていくのかお伺いをしたいというふうに思いますし,一番大切なことは,1週間全部やられるというふうには思わないわけでありますが,こういう街頭啓発が行われていないときでも,この重点地域と判断できるような何らかの表示というようなものが必要になってくるのではないかというふうに思うわけであります。
道交法の中でも,いろいろな標識,あるいは,黄色の点線による駐車禁止の指定が設置をされているわけでありますけれども,やはり法的な根拠を持つものでなくて,条例に基づく市民の意識の高揚を求めて,こうした取組みをしていくとすれば,お年寄りから小さな子供までが,一目瞭然,この地域がそうした指定ゾーンだということがわかるような取組みを,目と耳でしていかなければいけないのでないかというふうに思うわけであります。
私の個人的な考え方でありますけれども,たとえば,道警にお願いをして,法律的には,いま駐車禁止の丸い看板が立っていますけれども,歩道の縁石のところに,黄色の点線のペンキを塗っていただくというようなことも可能かどうなのか。または,路面の歩道側に何センチ幅かの色を塗って,道路のカラー化をして,夏の間については,そうしたことがだれにでもわかるような,冬季の場合には,そうしたものに取り組めないというような状況もありますけれども,そうした点についてどう考えているのか,明らかにしていただきたい。
特に,横浜市の条例を見た限りでは,ただ単に,看板にここは駐車禁止ゾーンですとか,従来のような丸の形の標識を張ってあるとかという状況が目につくわけでありますので,ぜひとも本市独自の創意と工夫のある表示を6月までにご検討されるよう指摘を申し上げたいというふうに思うわけであります。
◎新見
交通安全防災対策室長 まず,重点地域予定区域の指定理由についてでございますが,この区域は,
違法駐車に関する調査結果や警察の取締件数などから,特に
違法駐車等が多い地域で,加えて,バス路線がふくそうしていることなどから,交通渋滞が著しい地域でありまして,また一方,地元や
関係機関との連携・協力体制が確立しているということから,指定することが適当であると判断したところでございます。
重点地域の将来的な拡大につきましては,
違法駐車の実態調査結果や,バス等の路線状況,駐車場の整備状況,市民からの要望,警察からの情報等,地域における状況を多角的に把握して,人的・経費的な状況をも勘案しながら,今後検討してまいりたいというふうに考えております。
また,第三者機関の設置につきましていろいろとご意見いただきましたけれども,重点地域の指定及び解除の判断基礎となりますのは,
違法駐車の状況など,あくまでもその地域の実情が主となることから,専門的な知識や判断は,必ずしも必要としないのではないかというふうに思われますし,また,条例の中で,当該地域の住民組織等の関係団体の意見を聞くとともに,関係行政機関とも十分協議するということになっておりますので,いまのところ設置は予定しておりません。
次に,重点地域における助言等の活動についてでございますが,10名の人員を配置して,週2回実施することを考えております。この人数,回数につきましては,他の政令市等の状況をも参考にし,決めたところでございまして,現在の
実行委員会での8名体制,週1.5回程度よりも,街頭活動が強化されるというふうに思っております。
また,その地域が重点地域であるということがわかるようにいろいろ工夫しながら,ただいまご意見をいただいた点等も参考にしながら,街頭啓発日以外であっても,理解と協力が得られるような表示板を設置するなど,周知啓発に努めてまいりたいと思っております。
◆藤原 委員 長くなって恐縮でありますけれども,まとめていきたいと思いますし,また,最後の質問を何点か申し上げたいというふうに思うわけであります。
具体的に,
実行委員会のこれまでの
街頭指導と,6月以降,条例に基づく
街頭指導の助言などについての違いなどはどうなっているのか。当然,いまも
街頭指導に当たっている指導員の方は,そうしたマニュアルを参考にしながら,市民に臨機応変な対応をしているかというふうに思うわけでありますけれども,そうしたマニュアルづくりを含めて,どう,実効性の確保に向けていくのかということであります。
先ほども申し上げましたけれども,他都市の中には,こうした車の利用者に対するいろいろなトラブルの中から,指導員というか,市の条例に基づいてこういう作業をしているということをわかってもらうために,身分証明書の携帯,これは,委託されたところの団体の身分証明書ではなくて,札幌市の条例化によって,こうした取組みをしている者だという名前を入れた身分証明書を携帯しているわけであります。そんな意味では,指導員の方が実際にご苦労されている中で,板挟みに遭わないような,そして,その中でどう実効性を高めていくことができるのかということで現在考えられていることがありましたら,お伺いをしたいというふうに思うわけであります。
いずれにしても,こうしたものは,罰則ありきとか,あるいは,すぐに効果を期待できるというものではないわけであります。そんな意味におきましては,ぜひ,全市民,そしてまた近隣市町村にも協力を呼びかけていくような取組みをしながら,一層の高揚に向けて,関係者の皆さんのご努力をご要請申し上げながら,最後の質問に回答いただきたいと思うわけであります。
◎新見
交通安全防災対策室長 実行委員会の
街頭指導と,今回の条例に基づく
街頭指導に,どういう差異があるのかと。それと,実効性の問題についてでありますけれども,
実行委員会が実施している
街頭指導と,今回札幌市が制定します条例に基づく街頭活動の内容につきましては,
違法駐車等の防止に理解と協力を求めるという点については,基本的には同様でございます。しかし,性格的には,条例という,いわば,自分たち独自の意思で定めた立法形式によりまして,確固たる法的な根拠を与えられて,市の直接的な事業として取り組むことになるわけですので,市民の皆様方の積極的な理解と協力が得られるものと,われわれも期待しております。
そこで,実際の街頭啓発に当たりましては,条例の趣旨を十分に説明するなど,市民の皆さんの自覚と協力の必要性について,十分に理解を得られるように,いろいろな形で工夫してまいりたいと思っておりますし,また,特に悪質な場合にありましては,警察との連携も,いままで以上により密接にするなど,効果的な活動を実施するように配慮しながら,実効性の確保に十分努めてまいりたいと思っております。
◆常本 委員 私も,米問題について,私見を交えながらお尋ねをしていきたいと思います。
いまのこの米不足というのは,明けても暮れても,皆さんも見ていらっしゃると思いますが,テレビでやっています。また,新聞も,私も3紙とっていますが,三つ開いてみても,米のことが書かれているということで,まさにもう米,米,米,米という状況で,私は,この事態というのはちょっと異常だととらえておる1人です。米の専門家じゃありませんから,実態わかりませんが,いろんな情報からも。
異常な状況というのは,余り騒ぐと,結果的にはその何倍もの異常な結果が生まれてくるということになろうと思うのですね。昔から,ことわざで,うそも十遍言えば本当になるというようなことで,事実,米はありませんが,だから余計なくなっていくということかと思います。店頭にも出てみました。やっぱりありませんでした。多分,全くないわけじゃないのでしょう。並んで買うというような情報が出ていますので,ちょっと米が出れば,並んで買ってしまうということかと思います。
その異常性なのですが,たとえば,鎖国が解かれたばかりの明治維新のころなんかでも,こんな話があるのです。いまだったら笑い話ですけれども。外国人が生の肉を食べて,それでまだ足りなくて,血をコップについで飲んでおると。それから,また違った者が見た情報では,石けんを食べながら,油をぺろりぺろりと飲んでいたと。酒ならまあぐっと飲むのでしょうけれども,ウィスキーだったらぺろりぺろりですわね。まさに,ワインを飲み,あるいはまたチーズを食べ,ウィスキーを飲んでいるのがそんなふうな情報となって伝わるものですから,みんなも,おれも1回髪の色の変わった人を見てみようと思って,食事しているところを遠くから恐る恐る見ていると,実際それと同じことやっているのですな。これまた事実だということで,また次の者に伝える。それに近いような,全く異常な状況にあると見るべきじゃないかと私は思います。同じようなことは外国でもありましたね。1938年ですか,「火星人の襲来」というラジオ放送をやったのだそうですが,これがまさに本物のニュースであるかのようなものだったのだそうです。その結果,ニューヨークが大混乱に陥ったということがあったようですね。これは皆さんもお聞きになっていると思いますが。私が申し上げたいのは,この異常性から来ている,いまの米不足の問題かと思います。
それで,この状況をどんなふうに認識しておられるのか,あるいは,これまでどんな対応をしてきて,これからどう対応しようとしているのか等々をお尋ねしたかったのですが,先ほどの藤原委員の答弁で大体出ていると思います。やっぱり基本的には,市の行政というよりは農林水産省,あるいは食糧庁,あるいは出先の食糧事務所,こういうところが,こういう状況をしっかりとらえて対応していかなきゃどうしようもない問題なのですね。したがって,ここいらに対して強力に,ちゃんとやってますやってますと,テレビで見る限りはそんな答弁していましたが,要請をしていかなきゃならぬと思います。現実に米がないわけですから,そういう意味での対応をどういうふうに考えておられるか,お尋ねをしておきます。
◎藤田
市民生活部長 先ほどご説明をいたしました
関係機関,あるいは北海道との連携の中で,現在私どもがいただいております情報を整理いたしますと,米につきましては,先週の土曜日から徐々に出回り始めまして,きょう以降来週にかけて,さらに相当量が出るというふうに伺っておりますので,一応は,お米につきましては,徐々にでございますけれども,店頭に並んでくるという状況と認識をいたしておりますので,当面,市民がお米を買いたいといってもないという状況は,関係者の努力で徐々に解消されていくのでないかなと,こういうふうに考えております。
したがって,国等に対する要望等につきましては,そういった出方をもう一度今週の末に確認をさせていただいて,いまの米の不足から,市民の不安が続くようであれば,適時適切に,これからも対処していきたいというふうに考えております。以上でございます。
◆常本 委員 そろばん勘定からは,確かに,現時点でも,計算は,米がある理屈になっていると私は見ているのですよ。したがって,異常な状態には異常な対応をしないと,これは解決しない。要するに,まず,ある時期,買っても買っても,これでもかというぐらい,店頭に並べる努力ですよね。そして,何ぼでも並んでいれば,もう買いだめしているのだから買う必要ないので,むしろ,買いだめしている人はしばらく買わないでいい。
けさの毎日新聞を見ていましたら,本間さんという前橋市の16歳の高校生なのですが,お母さんが100キロ近く米を買っているということで,母親を非難して書いているのです。皆さんの中で読まれた方もあると思いますが,「母は,国産米100キロ近くを買いだめした。私が,『何でそういうことをするの』と言うと,『愛する家族のためよ』と息巻いて答える。そして,『あんたはひとりで輸入米でも食べれば。お弁当には毎日パンを買って食べなさい』。さらに,『おばあちゃんは買わなかったんですってね。欲しいなんて後で言われたらどうしよう』とも言う。」,この子供のしっかりしているところはこの後なのですが,「買った米は古い第2冷蔵庫にある。これで夏までは大丈夫というわけだ。私は,米問屋が古米を抱えて大損になればいいさとさえ思っているのに,母は,米の値段が2倍になっても買うかもしれないなどと言うのだ。日本の経済を陰で支えてくれている主婦たち。そして,多分私もその買い置きの米をしばらく食べるであろう。米不足が騒がれているのなら,輸入米とブレンドされても仕方がないと思う。ブレンドがいいとは思わないけど,政府も大変だと同情してしまう。」,この一番最後の,政府も大変だと同情してもらっておるのだけれども,子供のほうがよっぽどしっかりしているのですな。
政府のいまの対応は全く悪い。だから,様子を見ておってやれなんていっても,尻たたいてやらないと,この異常な状態に対応できないと思うので,できれば尻たたいてもらいたいと思うわけです。以上です。
◆森 委員 私は,時計台の修復事業についてお尋ねをいたします。
一昨年来,時計台については大変な市民論議になりました。ご存じのとおり,現在地に保存するのか,それとも移転保存になるのかという議論でございまして,その結果,現在地に保存という方向が昨年示されました。それを受けまして,さきの
代表質問で唯議員が取り上げております。私,再度詳しくお伺いをいたしたいと存じます。
唯議員が
代表質問で取り上げたのは3月1日でございまして,たまたま今月7日に,アメリカのモンデール駐日大使が札幌を訪問されております。その際,わざわざ時計台を訪れて,アメリカと北海道の協力関係を示す重要なシンボルを保存してきた札幌市民の努力に感謝されているとともに,時計台を大切に守ってきた歴史を踏まえ,さらに,アメリカと北海道の友好のきずなが強められていくことを希望されたと聞いております。その際,札幌市にも感謝状を寄せられております。市長がたまたま北方会議のため留守だったので,代理の助役が受け取ったそうですけれども,ここにコピーがございますので,一部紹介をさせていただきたいと思います。
「拝啓。このたびの札幌訪問の機会に,貴市が,アメリカと北海道の協力関係を示す重要なシンボルを,誠意を持って,保存されていることに対し,深甚なる謝意を表するものであります。歴史的な札幌時計台の時計は,1881年以来,数えきれない札幌市民にとって,まちの目印であり,歴史の証人的存在となりました。ボストンのハワード・クロック社製の時計が,113年間にわたり,一度も止まったことがないというのは,ひとえに札幌市民のたゆまない努力のおかげであります。この札幌伝説の一部を成すのが,1933年から,日々ねじを巻き,維持管理をしている親子二代でありますが,彼らのすばらしい仕事ぶりゆえに,時計の主要部品がオリジナルのままで,まるで新品のように作動しているといえます。」
この後若干続きますけれども,こういった一市民の協力をいただいて,今日の時計台があると。さらに,本市は,国際都市として,年々経済・文化の交流も盛んになっておりますし,時計台も札幌の貴重な文化遺産として,その存在意義もますます高まるでありましょうし,それゆえに,私どもには,大切に保存し後世に伝えていく使命があるのではないかと考えるのであります。
そこで,質問の第1点目でございますけれども,文化庁の新規事業採択の内示は5月の連休明けであると,これは本会議で明らかになっております。その後大した時間もたっておりませんけれども,現時点でどのような感触で,当局としてどう受けとめているのか,お示しをいただきたい。
それから,2点目は,修復工事の内容,予算規模,さらに,事業期間についてでございます。
これらの問題,中身については,文化庁と協議を重ねている最中でございましょうし,まだ詰めるところもあろうかと存じますけれども,本市としての,現時点における考えをお示しいただきたい。まず,二つお答えいただきたいと存じます。
◎長嶋 文化部長 質問の第1点の修復事業の着手の感触についてでございますが,先月末に,文化庁が行いました全国の要望聴取の機会に,時計台の傷み状況を説明いたしまして,早期着手を要望してまいりました。その際,時計台を現状のままで長く放置しておけないことにつきましては,十分に理解をいただいたものと考えております。また,修復を担当する専門技術者につきましても,全国の要望箇所を考慮しながら,配置が可能かどうか検討されるとの感触を得てまいったところでございます。現時点では,着手時期につきましては,まだ明確になっておりませんが,早期着手に向けて,さらに努力をしてまいりたいと考えております。
次に,第2点の修復事業の内容及び予算規模,事業期間についてでございますが,まず,修復の内容につきましては,屋根の全面ふきかえ,外壁の修理及び煙突や棟飾り,さらには時計文字盤などの傷んだ部分の修理を行いますとともに,消火設備や火災報知設備など,防災施設の全面更新を行うものでございます。予算規模につきましては,今後文化庁の審査を受けて詰めていくことになりますが,補助対象事業として,おおむね4億円程度を考えてございます。事業期間につきましては,傷み箇所の解体調査を実施していく中で変動することもございますが,約27ヵ月を予定しております。
また,以上の補助対象となる事業のほかに,市の単独事業といたしまして,重要文化財の指定から外されております東階段やトイレの改修,展示内容の見直し,上下水道,電気設備の更新などを予定してございまして,これらの事業内容につきましては,修復事業との関係もございまして,今後,文化庁と協議を重ねた上で決定したいと考えております。
◆森 委員 いまのご答弁で,補助対象事業となるのはほぼ4億円程度と。さらに,本市独自の工事部分もあるのでないかということを考えれば,さらにプラスアルファになるなと,こう感じるところでございます。
工事期間が,27ヵ月かかるというお話でございました。2年と3ヵ月,大変長い期間です。修復工事をやっていることも知らないで,道内あるいは道外からの観光客が,時計台を見ようかなと思って来たときに,シートですっぽり囲われていて,うかがい知ることができない,それが27ヵ月,2年と3ヵ月続くということになれば,せっかく来ていただいたお客様に,何とか満足してもらう方法はないものかということを私考えるわけです。たとえば,作業しているときに,正面だけでも透明なシートで覆って,一部見れるようにするとか,そういうことも工夫の一つとして考えてみてはどうかなと,こう思いますけれども,そのお考えをお示しいただきたい。
それから,2点目です。周辺の環境整備についてですけれども,この問題についても,市長は,「市民論議の中では,時計台のシンボル性を高め,時計台に配慮したまちづくりを行政と市民が一体となって取り組むべきであるとの趣旨から,短期・中期・長期にわたるさまざまなご意見,ご提言をいただいているところであります。これら環境整備につきましては,可能なものから取り組むという姿勢で,その整備計画の検討を進めているところでありますが,特に,ご指摘のありました北側ビル広場との関係や時計台の敷地のあり方などにつきましては,修復事業との関連の中で事業化できるように検討してまいりたい」と,このように答えておりますけれども,原局としては,すでに図面を描いていると思うわけです。それで,具体的にどのような整備方向,考えを持っているのかお聞きしたい。
時計台を,札幌市を代表する文化的なシンボルとしてクローズアップさせるための周辺整備をどのように考えているのか。さらに,正面の混雑を解消するために,どのようなことを考えているのか。
私が,時たまあそこの前を通ると,観光に訪れたお客さんが写真撮りをしています。道路まではみ出て撮っている人もいらっしゃる。非常に危険で,もし車にでもはねられたり,接触したりという事故があれば,どうするのかなと,こういう心配を抱いている一人として,そういった解消についても,何かお考えがあるのか。その整備の構想を,ちょっとイメージのわくようなお答えをしていただきたいなと,こう思います。
◎長嶋 文化部長 まず,修復工事中の見学者対策についてでございますが,ご提案のございました,工事期間中に時計台の一部だけでも見えるように工夫してはどうかということにつきましては,工事の安全性などの面から,多くの制約もあるところでございますけれども,今後,文化庁と協議をし,時計台を訪れていただき,多少とも,その雰囲気を味わってもらえるような努力をしてまいりたいと考えております。
また,周辺整備の内容についてでございますが,一昨年の市民論議の中でいただいた貴重な提言に留意しつつ,基本的には,時計台が生き生きとして,一層親しまれる雰囲気づくり,時計台を大切にする気持ちを醸成する環境づくり,そして,落ちついた雰囲気で見学できるようにしたいと考えております。
こうした考え方から,具体的には,敷地内に散策路を設けたり,周囲の鉄さくを見直し,北側ビル広場との連続化を図るなど,さらには,ご指摘のございました正面のたまりスペースを拡大することなどにつきまして,
関係部局,さらには隣接ビル所有者等の協力をいただきながら,早急に事業化を検討し,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
なお,ご指摘のございました写真撮影の場所の問題につきましても,限られた敷地でございますが,文化財としての景観に配慮した上で検討してまいりたいと考えております。
◆森 委員 連休明けに文化庁の非常によいご返事がいただけるように,なお特段のご配慮をお願いしたいと存じます。
続きまして,札幌芸術の森建設に関してお尋ねをいたします。
この事業は相当以前からやっておりまして,昭和59年からやっております。1期,2期,3期に分けて,相当な事業費を投入してやっております。1期目は55億,2期目は昭和63年から平成3年までですけれども,35億5,900万,第3期目は平成4年から7年,34億2,700万,第4期目はこれからですけれども,8年から10年にかけて,総額120億から150億を見込んでの事業でございます。
その中の,平成5年から7年の継続費をもって予算計上されております15億9,200万,この計上されております事業の財源についてお尋ねをいたします。
地方公共団体がこうした文化施設を建設する際に,近年,国においてもいろんな手当てを考えてくれております。たとえば,建設に関する起債の元利償還金の約半分を地方交付税として措置される地域総合整備事業債という,本市にとっては大変有利な制度が誕生しておりますけれども,今回の継続費について,その制度を活用しているのか,その内容についてお知らせをいただきたい。
それから,あわせて,事業建設などのハード面だけでなく,日常の維持管理など,
ソフト面でも新しい支援策が始められたようでありますけれども,その制度が芸術の森に対しても適用されているのかどうか,お示しをいただきたいと思います。
2点目です。芸術の森の利用状況についてです。
ただいま申しましたように,1期,2期,3期とやっておりまして,札幌市長総の3次5年計画が始まりました昭和59年にスタートしているわけですけれども,このときの施設の考え方として持たれたのは,市民の自由時間の増大,生涯学習への意欲,また,生活に潤いをもたらすため,芸術文化活動の身近な施設の整備,それから活動の場の提供,活動の機会の充実,組織・指導者づくりなど,市民の自主的な芸術文化活動に対する支援活動を充実するため,北国の風土に応じた個性的な芸術創造のために,札幌芸術村を建設するのだと,このようにあります。そうでありますから,多くの市民の方々の利用があってこそ,施設建設の目的が達せられるわけであります。
質問に入りますけれども,建設後の利用状況,施設の利用状況というと非常に複雑多岐にわたりますので,それは結構でございます。入場者数の当初見込みと,その後の現在に至る推移をお示しいただきたいなと,こう思います。
◎長嶋 文化部長 ご質問の第1点の芸術の森建設費の財源についてお答えいたします。
芸術の森建設に当たりましては,地域総合整備事業債のうち,ふるさとづくり特別対策事業の指定を受けまして,事業に着手しているところでございます。現在の計画では,総事業費の約56%の17億9,500万円を,この起債で充当する計画でございまして,したがいまして,約9億円前後が,後年次に地方交付税として措置されるものと考えております。
また,ご指摘にもございました維持管理面に対する支援措置は,平成4年度から始められておりますが,芸術の森を初め地域総合整備事業債によって整備した施設全体として,平成4年度実績では,1億3,100万円の地方交付税措置がなされております。
次に,第2点目の入園者数の推移についてでございますが,昭和59年の2月にまとめました基本計画によりますと,年間当たりの芸術の森の入園者数は,およそ10万8,000人ぐらいと見込んでおりました。それが,オープン時の昭和61年度には,わずか9ヵ月間で27万5,000人が,また,翌62年度には30万5,000人の人々が芸術の森を訪れております。各年度ごとの入園者数を申し上げますと,63年度は23万人,
平成元年度は20万5,000人,2年度は26万5,000人,3年度は24万4,000人,4年度は29万3,000人となってございまして,毎年25万人から30万人で推移してきておるところでございます。以上でございます。
◆森 委員 入場者数が最近横並びしているという推移でございます。一方,施設は年々事業費をつぎ込んで拡充,充実しているわけですから,私は,もっともっと多くの市民の方々に利用していただきたいと,このように考えるわけですね。ですから,たとえば,催し物も,もっと市民の方々に来ていただけるような内容のものに,当然考えてやっているのでしょうけれども,もっと来ていただくような努力をするとか。きのうでしたか,新聞に載っておりました。東京芸大のいろんな文化遺産を,今度全国の施設にお貸しして見ていただくという発表もありますから,そういったものも活用して,事業に当たったらいいのじゃないかなと,こう思います。
本当に文化・芸術を育てるには,大変お金がかかるものだなあということを,あらためて私も実感しております。事業費もそうですけれども,年々の運営管理費,ことしも4億7,100万余り計上されておりますし,ずっとこれはかかっていくのだと思います。先ほども申しましたように,これだけの大きな事業費を使ってのせっかくの芸術の森でございますので,たくさんの人に来てもらい,市民の文化・芸術に対する意識を高めていただきたい。
私は,3年ほど前,イギリスに行ったとき,イギリスの大英博物館,あるいはピカデリーサーカスのわきに,名前忘れましたけれども美術館がございまして,ゴッホの「ひまわり」ですとか,われわれも,聞いたことはあるけれども実物は見たことのないような展示物がたくさんありました。大英博物館の中には,ジャパンコーナーもありまして,日本では見たこともないようなものも展示されていると。
こういったところに,たまたま小学生ぐらいだと思いますけれども,先生に引率された子供たちが来て,そこで絵の説明を受けたり,あるいは写生をしたりしているのですね。小さいときから,こういった一流のものに接しているということは,これはすばらしいことだなと思いました。そのとき入場料は無料でしたね。ただ,気持ちがあれば,少しでも寄附してくださいといって,おさい銭箱みたいなのが置いてあるわけですけれども,中身見ましたら,幾らか入っておりました。
それは余談にしても,多くの人に見ていただくという観点からは,見ていただけるものを提供して,たとえば,小学生でも中学生でもいいですから,札幌の子供たちがそういうところへ来て,少しでも鑑賞していただいて,そういった文化的意識を高めていただくようにすればどうなのかなと,こう思いますし,市民の団体客の誘致というのですか,来ていただくという方策をとることが,入場者の数を上げていくのにはよき方法じゃないかなと,こう思います。たくさんの人が来れば,生涯学習という意味からいろんな施設をまた整備しなければならないのではないかなと思いますけれども,まだ7年8年9年残っておりますので,そういった中で,さらに大勢の人が来られても十分対応できる施設整備ということも,これまた大事でなかろうかなと,こう思いますので,あわせて,団体客を含めた入場者数の増加を図る
ソフト面の対策,あるいは,施設整備の対策などについて見解を示していただきたいと思います。これをもって,質問を終わります。
◎長嶋 文化部長 芸術の森の入園者増を図るための団体客の誘致策についてでございますが,確かに,総入園者に対します団体入園者の比率は約10%と,この種施設に比べまして,低くなってございます。
近年は,修学旅行生の誘致や旅行会社との連携を図るなどして,団体客の集客に力を入れる一方,市内の学校の見学会や団体客の見学パックなどを検討しているところでございますが,ご指摘のとおり,今後は団体客の誘致へ向け,
ソフト面,ハードに面におきまして,対策を図ることが急務であると考えております。
そのため,平成6年度におきましては,美術館のボランティア解説員を市民公募いたしまして,作品解説のサービスの充実を図り,また,将来的には,現在活動している芸術の森演劇研究会などによる小演劇の公演なども検討しておりますし,ハード面につきましても,今後の計画におきまして,生涯学習の観点も含めまして,団体による製作体験にも対応でき得る工房施設の充実について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆武市 委員 いま,大英博物館の話が出ましたので,私は,札幌市の博物館の建設についてお尋ねをいたします。
この問題は,過去10年ぐらい前,大体昭和58年ぐらいから,各会派代表の委員なり議員から,幾度となく本会議場,さらには,この特別委員会の中でも,必要性を訴えながら,質問が出ておりました。しかし,数年前ぐらいから,札幌市は本当に博物館を建てる気があるのかどうかと,こういう疑問までわいてくる,そんな感じがいたします。
そこで,あらためて,札幌市は,博物館を必要と感じておられるのかどうか,まずこれが1点。
そして,2点目は,予算書を拝見いたしました。平成6年に調査費が150万円ほどついておりますが,いまさら何を調査しようとしているのか。この2点,お願いをいたします。
◎長嶋 文化部長 博物館構想についてお答えいたします。
博物館は,
市民生活にかかわりの深い重要な施設でございまして,質の高い都市環境を実現する上で,その整備は必要なものであると考えております。
そこで,平成6年度におきまして,これまでの調査を踏まえて,国際化や情報化への対応も考慮し,本市にふさわしい博物館の基本的なテーマにつきまして,市民各層や有識者の意見を伺いながら,引き続き,調査検討を進めてまいりたいと考えております。
◆武市 委員 いまの答弁をお聞きしますと,大体10年前にそのお話がされているのであれば,なるほどと,こう感じます。でも,いまの答弁を聞いておりますと,大体いまから8年ぐらい前,昭和61年に逆戻りと。逆に,後退をしたのではないかというぐらいの感じを受けます。
ここに,議会の記録があります。いまから7年から8年ぐらい前,61年から62年,当時は教育委員会が所管をしておりましたから,教育長が答弁をしております。博物館構想はどうだと,こう聞いたら,庁内にプロジェクトチームを編成するなどして,内外のいろいろな意見を拝聴しながら,博物館構想について検討を進めてまいりたいと。さらに,建設時期につきましては,次期5年計画の中で建設時期を明らかにしてまいりたいと,61年にこう答えている。
63年に,私も
代表質問に立ちました。そのときに,これも教育委員会がまだ所管しておりまして,新博物館の特徴,そして,基本的性格はと,こう聞きますと,はっきり答えております。道内には,本格的な自然史系の博物館がなく,本市は,きわめて豊かな自然に恵まれ,自然史系の博物館を中心とした博物館について検討してまいりたいと,こう答えているのです。そして,日程はと,こう聞きましたら,基本構想の策定に着手いたしました今期の5年計画で十分にベースを固め,次期5年計画で完成のめどを探ってまいりたいと,こう答えております。
それを,一応裏づけるように,予算措置がどうなっているかといいますと,昭和62年に100万の調査費でした。それが,昭和63年になりまして,500万つけているのです。一気に500万つけて何をやっているかというと,海外博物館現状調査ということで,丹青という民間の博物館専門の企業に,海外のアンケート調査を委託している。そして,有識者やら庁内のいろんなプロジェクトチーム,さらには部内の会議の経費にも充てています。そして,他都市の博物館調査,こういう中身なのですね,この予算の使われ方は。そして,いよいよ
平成元年,1,000万予算がつきました。ここで何をやっているかというと,博物館基本構想設計委託,これも,民間の丹青というところに400万で委託をしております。調査ではなく,基本構想設計ですからね。そして,そのほかに,庁内アイデア会議資料作成の事務,さらには,他都市博物館の調査,これで約716万使っております。
ところが,教育委員会から市民局に移ったころから,どうも変になっているのです。平成2年・3年・4年・5年と,調査費は100万,99万,89万,87万と。そして,何をやっているかというと,他都市博物館の調査,事務費と。これが,ずっと2年から5年まで続いているのです。この4年間まるっきり同じ。
そして,先ほど私,63年の答弁を紹介しましたが,それによりますと,今期5年計画で基本構想の設計,次期5年計画で完成のめどと,途中まではしっかりと先ほどお話ししたように進んでいたのです。答弁にもあった,63年の次の年に400万で丹青に基本構想の設計を委託しているわけですから,これは順調に進んできたと。当時の今期5年計画というのは,平成4年で終わります。桂市長が当選してから,この5年計画を1年繰り上げたということはありますけれども,それにしても平成4年。
ところが,平成6年になって,先ほどの答弁をお聞きいたしますと,博物館の基本的なテーマについて,市民各層や有識者の意見を伺いながら,引き続き,調査検討を進めてまいりたいと考えておりますと,これはどういうことなのですか。
そこで,
平成元年,丹青に基本構想計画を委託したのに何か問題があったのか,この中身に。さらには,札幌市の基本テーマというか,基本構想そのものに大きな変更が出てきたのか,この辺2点,しっかりとお聞かせをいただきたいと思います。
◎長嶋 文化部長 まず,
平成元年度に業務委託をいたしました博物館調査の内容についてでございますが,北方都市の暮らしをテーマといたしまして,博物館調査を専門としております民間会社に委託して行なった内容でございます。
その調査の概要を申し上げますと,この博物館は,三つのゾーンに分かれてございまして,まず,中核ゾーンといたしまして,北方都市とネットワークを形成した情報センターの設置や最新の視聴覚機器を用いた発見劇場などがございます。また,北方都市の文化を展開するゾーンといたしまして,北の人々の演劇・音楽・祭典などが楽しめるパフォーマンス広場のほか,レストラン街やファッション通り,あるいは,酒場通りなどが設けられてございます。さらに,北の自然環境をあらわすゾーンといたしまして,広大な敷地の中に池,森,さらには散歩道などを配置し,北方圏の各都市の街並みや自然の姿を再現しようとするものでございます。これらにつきましては,特に国際化の対応,集客性が高く,既存の施設と競合しないというようなことで,市民参加型の博物館を想定したものでございます。
それから,博物館構想のテーマの変更についてでございますが,テーマといたしましては,当初の人間と自然の共生から,さらに北方都市の暮らしということで,調査の幅を広げてございまして,これは,基本的な性格を変更したということではなく,札幌市の国際化の進展という状況などを踏まえまして,より広い視野のもとで,北方圏の人々の生活や文化を紹介するという考え方を発展させたものでございます。
◆武市 委員 基本的な性格を変えたものではないと。ただ,国際化等に対応するために,いわば,ちょっと幅を広げて調査をしてもらったのだと。
これ,余り言いたくありませんが,まず確かめておきたいのは,調査ということではないですね。基本構想の設計でありますから,設計から実施設計に入って建設と,こういうことですから,調査という段階ではないと,私は認識をしているのです,先ほどの委託の段階で。これは余り言いません。大分困るでしょうから言いませんが,いずれにしても,構想は変えていないと。でも,ちょっと幅を広げたと。
しかし,委託をして出てきたものは,北方圏の都市の街並みを再現して,その中にレストランを置き,物を食べてもらおうというのですか,それから,毛皮を売るようなファッション街ができたり,さらには,いまお話を聞きますと,演劇ができたり,それから音楽が聞けたり,お祭りも楽しんでもらえるようなパフォーマンスの広場もありますと。お酒を飲んでもらう酒場もありますと。こんなような計画が出てきた。
いまお話を聞きますと,私の頭の中のイメージは,長崎にできたハウステンボス,さらには,道内の芦別のカナディアンワールド,こんなようなテーマパークが,どうしても頭に浮かぶのです。これは,自然系というよりも,人文系に近いのじゃないですか。人文系と言ったほうがいいぐらいのものではないかと,こう感じるのです。したがって,これは基本的性格を大きく変えたものではないと,こう幾らおっしゃっても,何となくぱちっと落ちません。
さらに,かなりの規模で,北方圏の街並みを再現しようというわけであります。そして森もつくったり,池もつくったり,散策路もつくったりということでありますから,これはもう大変な経費もかかるだろうと。もちろん,この丹青から出てきたものには,建設費の見積もりも出てきておりましょうから,これがどの程度のお金がかかると出てきているのか。
それともう一つ,本気になって,こういう感じの,いわばテーマパーク的な博物館を進めようとしているのか,この3点お聞かせください。
◎長嶋 文化部長 博物館構想の基本テーマが人文系ではないかというご質問でございますが,国際化などの観点から視野を広げたため,テーマの中に人文系も,また自然系も,幅広く含むようになったということでご理解をちょうだいいたしたいと存じます。
第2点目の
平成元年度に調査させました博物館建設の見積額につきましては,用地取得費を除きまして,約500億円を想定してございます。
このままの形で推進することにつきましては,困難であると思われますので,調査の中の情報センターの設置とか,あるいは北方都市の交流などといった考え方には見るべきものものもございますので,これらを十分精査いたしまして,本市の博物館構想策定のための資料として活用していく考えでございます。
◆武市 委員 私は,テーマパークそのものを全面的に否定しているということではないのです。ただ,やるからには,やはりハウステンボスだとかディズニーランドのように,何千億もかけて,そしてしっかり本気になってやるのだったら,それはそれで成功するかもしれません。しかし,いま道内で,カナディアンワールドにしても,それから石炭の歴史村にしても,お客さんが減り,そして経営も大変だと,こういうようなお話を聞きます。だから,中途半端なものをやるのであれば,これは将来に不安を残すという感じが私はいたします。確かに,博物館に一度来た人に二度,三度と足を運んでいただけるような,魅力のある知的レジャー的な要素というのは必要だろうと思います。しかし,博物館というのは,一方ではやはり学習の場であり,調査研究の場でなきゃならぬ,こういう側面も持っているわけですから。確かに,お客を集めるために,遊びの要素,これも必要でありますが,それだけを考えると,やはり将来に問題を残すのではないだろうかと,私はこう思います。
それと,政令市の中で,札幌と横浜が未整備の都市ということで最後まで残りました。横浜は,ことしの6月オープンするということでありますから,最後はやはり札幌だけになってしまったのです。非常に残念だと思いますが,しかし,急いで箱だけつくって,中身どうでもいいと,こういうことにはなりません。したがって,中身が何といっても大切なのが博物館です。余りくどくど私は言いません。
そこで,先ほどお話をさせていただいたように,自然系を中心としながら,いま答弁のあったように,丹青から出てきたちのすべてが悪いというものではないと思いますから,そういう部分のエキスといいますか,取り入れられるものは取り入れながら,本来ですと,もう建設にかかってなきゃならぬときですからね。ですから,しっかりとした構想そのものを,ここ一,二年中にばちっと決めますと,こういう答弁ができますか。
◎大野
市民局長 博物館のことについてでありますが,近年,従来になかったいろいろな概念といいますか,そういうものを使った博物館というのが非常に多くなってきているということはご案内のとおりだと思います。それだけに,私ども,これからの博物館の基本テーマをどういう形で決めるかという意味では,そういう関係からいくとかなり戸惑いを感じているのですけれども,しかし,いま段々のお話ありましたように,私も,いま武市委員の言われたご趣旨といいますか,そういうものについては十分理解もできます。したがって,これからは,いまお話のあったことを基本に据えながら,そうは言っても,いままでにいろいろと調査研究をしてきておりますから,そういうものを踏まえつつ,さらに検討を加えながら,私としては,平成7年度までに,とにかく決定できるように努力をしたいと,このように考えております。
◆武藤 委員 私から,2点にわたって質問させていただきます。
まず,第1点目ですが,先ほどからも続いていますけれども,やはり米問題を中心に質問をさせていただきます。
今議会には,議案第24号ということで,札幌市
消費生活条例案が提案されています。この条例案が提案されるに至っては,先ほどもお話がありましたけれども,これまでにあった札幌市
消費生活安定条例,この中身だけでは,今日の消費者問題に対処するには非常に不十分であると,総合的な
消費者行政の推進が求められているという中身を受けての今回の提案となっております。
そこで,お尋ねしたいことは,昨年来起こっている米問題について,現在提案されている条例案から見ると大変中身は不十分なのですが,現行の
消費生活安定条例,このもとで,米問題の処理ができなかったのか,この点について伺いたいのです。
私,去年の3定でも,お米が不作で大変不足になっていると。これに対して,消費者センターとして,どのように認識をし,どのような手だてを尽くそうとしているのか,こういうお尋ねもしました。それから,あの9月当時でも,すでに米がない,店頭に並んでいない,そしてまた価格も非常につり上がってくるのではないか,こういうような状況というのは,十分に予想されていたことなのです。そのことに対して,答弁では,道食糧事務所が大丈夫だと言っているから,大丈夫なのだ,このような答弁が繰り返されただけでした。
私は,あらためてお尋ねしたいのですが,その大丈夫だと言った答弁とは全く裏腹に,今回このように,お米もない,それから1万円台のお米があちこちで売られるようになってきた,こういうような事態が実際に起こっているわけです。
札幌市にある
消費生活安定条例の中では,その目的に,「物価の高騰その他経済の異常な事態から
市民生活を守り,その安定を図ることを目的とする」このように,目的が明記されています。この点に関しまして,この条例が今回の米不足の問題で,どのように扱われてきたのか,この立場・目的に沿って,米問題をどのように皆さん方が認識し,現状をどのように把握してきたのか,まずこの点についてお尋ねしたいと思います。
また,2点目なのですが,この間,輸入米が入るのが遅かったということもありまして,確かに不足の問題がありました。しかし,国産米を求め,多くの人たちが列をつくる事態も片方では生まれています。そういう中で,大きな問題となって浮上してきているのが,弱者に対する問題です。
この問題では,けさもラジオや新聞などでも報道されていましたが,お米を買うのにあちこちのお店を歩いていた高齢者が倒れてしまった。それを見かねた小売店の人が,その人に限り優先的に米を供給するようにしたいと,こういうことがうれしい知らせとして報道されています。現在病気の方だとかお米を買いに行けない人たちは,何とか弱者救済をということで,声も上げられているのですが,消費者センターとしては,この点についてお考えがあるのかどうなのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。
また,もう1点,最後になりますけれども,今回提案されています札幌市
消費生活条例,このことに関してです。
この内容は,大変いろいろなことが盛り込まれています。私も,他の政令市といろいろ比較してみましたけれども,本当にこの中身が実施されるのであれば,いままでにないような消費者の権利が守られるのではないか,こういうような感想も持ったところです。
しかし,現在の消費者センターの内容からすると,何倍もの業務量をこなさなければならない,そういう事態も片や生まれるのではないか。今回提案されている議案そのものは,7月1日から施行しようということになっていますから,まだ時間はあるわけです。さらには,7月1日以降,審議会もつくられるということです。その中でも,いろいろな議論がさらにされるとは思うのですが,この新しい条例案,これを実際に実施するための,その体制の強化も検討されているのかどうなのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。
◎藤田
市民生活部長 最初のお米の問題でございます。
1点目の条例の適用についてでございますけれども,国は,5年産米が異常な不作となりましたので,米の
供給計画に相当量の輸入米を充てることにいたしました。3月以降,輸入米が本格的に出回ることになってまいりましたが,中国米を中心といたしまして,輸入がおくれぎみになったことなどから,国産米の追加割当てを行ないまして,消費者の需要にこたえることとしております。
このような中で,今月の上旬には,米の供給が円滑に行われない状況も見受けられましたが,追加割当てや輸入米の手当てで,その後かなりの量が出回っていること,また,国産米は,自主流通米になってございますので,自主流通米につきましては,食管制度のもとで,全国農業協同組合連合会と卸売業者の取引価格は,上限が規制されていること等もありますので,現時点では,札幌市の条例を適用する考えはございません。
それから,2点目の実態の把握についてでございますけれども,先ほど藤原委員にも申し上げましたとおり,ことしの1月から,
物価消費者モニターによる調査を実施し,また,職員による
店頭販売状況の視察などによりまして,実態把握に努めております。
それから,3点目の弱者対策のことでございますけれども,実は,私もけさの
マスコミ報道で知ったわけでございます。いままで食糧事務所等の
関係機関といろいろ連絡協議をさせていただいた中では,こういったお話は出ませんでした。したがって,私どもも,そういった対策等については承知をいたしておりません。むしろ,私どもの立場からいたしますと,先ほど来申し上げておりますとおり,
市民生活上でお米が店頭にないということが,一番の問題だと,こういうふうにとらえてずっと対応してまいりましたので,お米が店頭にない事態を一日も早く解消することが,市民の皆さんの不安を解消することだということで,きょうまで取り組んできましたので,そういったところまでは,実は考えておりませんでした。
それから,条例にかかわることでございますけれども,体制の強化につきましては,今日的な消費者問題に対処するために,新年度から苦情処理と,これにかかわる
事業活動の調査,指導に当たる係長職1名の増員を予定してございます。以上でございます。
◆武藤 委員 私は,いまの答弁を聞きましても,消費者センターを初め
市民生活部自体が,消費者に責任を持てるような,そういう実態把握をしてきたとは感じられないわけなのです。
たとえば,先ほどの藤原委員に対する答弁の中でも,いまお話ししたことを,おっしゃいましたよね。
モニター150人,そして,この
モニターが,価格調査を中心に要請されていたのですが,実際は,店頭にお米がなかったから,価格調査が十分にやれなかった問題。それから,市の職員の皆さんが,あちこちの小売店に出向いていって調査をする。確かに努力はなさっていると思います。しかし,本当に消費者センターとしての役割を果たせるような,そういう実態調査が必ずしも行われてきたのか。そして,そのつかんだ事実を,多くの消費者に対して公表するような,十分にそういう役割を果たしてこられたのかどうなのか,ここのところも非常に疑問なわけなのです。
ですから,消費者を守るという立場で考えると,現行の
消費生活安定条例,これに基づいても不十分な中身でしかできない,そういうところが,今度つくられるすばらしい条例案の中身を本当に実現させていけるのだろうか,こういう不安も片や持ったわけなのです。
そこで,皆さんのほうからいただいている資料でも,最近の米に関する相談状況,この中では,品不足の問題が一番多いわけなのですけれども,安全の問題も出てきているわけなのです。確かに,保健衛生法に基づいて,衛生局の担当だと言えばそれまでですが,衛生局でいろいろ吟味した内容を消費者にお知らせするのが,消費者センターの役割なのではないでしょうか。
お米の問題についても,きちんと取り締まる。それから,現在300万トン以上もヤミ米だと言われている,そういうご時世ですから,多くの消費者が,どんなに不安な思いでいるのかと,こういうこともきちんと押さえた上でなければ,安心できる情報というのも提供できないのじゃないかと思うのです。ですから,本当に皆さん方が,もっともっと実態調査をやらなくちゃいけないと思っているのだけれども,できないという認識でいるのかどうなのか。人手不足,たとえば,現状でも13名か14名の消費者センターの職員ですよね。この中で170万もいる札幌市民の消費実態をつかむというのは,大変ご苦労のかかることだと思います。そういうような体制の不備から,やりたいのだけれども,まだまだやれない状況にあるのかどうなのか,この点についても,ひとつお知らせいただきたいと思います。
それと,弱者救済の問題なのですが,実は,私たち共産党として,先日,
北海道食糧事務所に対しても申入れを行なってきたところです。この中で,実はこういう回答がありました。弱者に対しての要請を私たちもしたわけなのですが,道食糧事務所として,弱者対策の一環なのですが,実態として,高齢者だとか障害者,お米の確保が大変だという人がいれば,道食糧事務所に知らせてほしいと。道食糧事務所の責任で,近くの小売店を紹介して,確保できるように,食糧事務所として責任を持ってやっていきますと,こういう回答を得ているわけなのです。ですから,札幌市のほうに,そのことが何ら伝わってきていないというのは問題であるわけなのですが,ぜひ,この点を確認していただいて,積極的にPRも兼ねて,弱者救済の先頭に立てるようにやっていただきたいと。この点について,どう受けとめていらっしゃるか,お考えをお尋ねしたいと思います。
◎藤田
市民生活部長 段々のお話がございましたけれども,私どもは,米のことに関しましては,食管制度の中で,国が一元管理されている事柄だという基本認識に立っております。先ほど来申し上げておりますのは,条例を適用して云々ではなくて,
市民生活上で困っているのは,一元管理であってもやはり市民の皆さんの口にお米が入らないと,ここのところが,一番私どもにとって最初にしなければならない事柄ではないかなという認識で取り組んだわけで,そういうふうに申し上げました。
しかも,お米の問題につきましては,これは札幌市だけの問題だけではなくて,全国的な問題でもございますので,条例を適用して云々ということになりますと,それはむしろ,国段階で,一般的に言われております生活2法というのがございます。ご承知かと思いますけれども,一つには,国民生活安定緊急措置法でございますし,それからもう一つは,生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律,この二つが生活2法と言われているわけですけれども,条例云々ということになれば,やはりそういった,国レベルで取り組まれることと一緒,もしくは,そういった法律の発動を促すようなことが,より効果的でないかということもございまして,そういった判断をするためには,やはり
関係機関,あるいは所管官庁等と連絡協議を密にして,判断をすることが適当ではないかというふうに考えておりましたので,そういった協議もしながら,そういった動向も見ながら,現時点では,私どもの立場では,条例を適用することは適切ではないというふうに考えているところでございます。
それから,弱者の問題につきましても,先ほど来申し上げました食管制度の中で行われるべきことだと思いますので,食糧庁とも十分協議をしてみますけれども,いままでの窓口相談の中で,いま武藤委員がおっしゃった相談等につきましては,向こうとの協議の中で,その部分については,食糧事務所が直接対応したいということで,段々の説明をした後で,食糧事務所のほうに申し送ったり,あるいは,直接ご本人から食糧事務所のほうに,その実情を説明していただくことで対応してまいりましたので,これからもそういった形で進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆武藤 委員 なかなかかみ合わない議論をしているのかなと思うのですけれども,私は,いま提案されている札幌市
消費生活条例,このものが,本当に充実した内容として実施されることを切に願うからこそ,皆様方にも要望しているわけなのです。
現行の生活安定条例,この中で言っている生活関連物資というのがありますよね。この中には,現在は確かに米は入っておりません。しかし,これは毎年毎年見直されるそうですね。現在60数品目あるそうですが,米は国の問題だと言い切ってしまっていいのかという疑問もいまの答弁から感じ取りました。
米は国民の主食です。札幌市民にとっても大変大事な問題です。ですから,米の流通,価格含めて,ここで述べられている生活関連物資,ここの中に緊急事態だということできちんと位置づけた取組みを,条例に基づいてやるべきじゃないかと思うのですね。そうしなければ,またいずれ,同じような問題が起こったときに,今度は新しい条例の中でどうなのか。この中でも,米は国の問題だからといって外されてしまうのか。市の責任,それから業者の責任,消費者の責任,それぞれの役割を明記して,そして消費者の生活を守るのだという,そういう目的でつくられた,そのためには業者も取り締まろう,市長も,市民の生活を守るためには,業者にも物を言い,各関連機関にも物を言っていこうと。それが,今度つくられる新しい生活条例ではないのでしょうか。
ですから,その中身を実際によりよいものとして実施していくためにも,やはりもっと前向きな,米は国の話だと言ってしまえば,もう何も前進がないわけですから,ぜひ,本当に消費者の立場に立った議論ができるように,もっと前向きに検討していただきたいと思います。
それから,弱者救済の問題ですが,すでに,私たちは,先ほど申しましたような回答をいただいていますので,札幌市としても,その中身を確認してもらって,ぜひ消費者センターが窓口になって,相談がないからしないというのではなくて,そういう受け身ではなく,ぜひ能動的にPRをしていただきたいというのがお願いですので,ぜひ検討していただきたいと思います。
次に移りますが,仲よし子ども館の問題です。
仲よし子ども館も,2年ごとに,見直しというよりも削減が行われてきています。平成6年度におきましても,廃止会場数が20ヵ所というように,大幅な削減が実施される予定になっております。
そこで,お尋ねしたいのですが,仲よし子ども館が2年ごとに削減されてきている,その削減の基準というものが何なのか,そこのところをまずお尋ねしたい。
2点目には,1年間に1,000人からの児童減と,こういう実態も片やあるわけなのですが,このまま続いていくとどうなるのかという心配も当然予想されるわけなのです。将来的な見通しについてもお尋ねしたいと思います。
◎中平 青少年女性部長 1点目の見直しの基準といいますか,削減の基準はどうかということでございますが,いまお話がありましたように,ここ毎年1,100人ずつ減っているのが実情でございますので,段々のお話ありますように,集団指導の効果及び行政の効率という観点から,開設会場の見直しをしているというのが実態でございます。
それで,どのような規模がそれでは適切かと,こういうようなことになろうかと思いますけれども,それにつきましては,いまお話し申し上げましたように,集団規模の指導が仲よし子ども館の特徴といいますか,そういうことになっておりますので,幼児教育施設の設置基準等を参考にしまして,あるいはまた,仲よし子ども館が実施しております週2回の集団参加というようなことから,遠足や運動会などの行事をより楽しく実施する,あるいは,毎回の遊びを充実するというようなことが体験できる規模といたしましては,やはり4クラス80人程度が適当でないかと,こんなふうに考えておりまして,これに基づきまして,先ほどお話がありましたように,平成6年度においては20会場を削減し,100会場で実施をしたいと,こんなふうに考えているものでございます。
それから,将来の見込みでございますけれども,これにつきましては,少子化,あるいは出生数の減少に加えまして,ご存じのように,文部省が3歳児の積極的就園政策を打ち出したこと,それから,3歳児の総数が減少していること,それらのことから,幼稚園入園者が増加しているという傾向が顕著になってございます。さらに,今後におきましても,いまお話し申し上げましたように,幼稚園教育の振興が促進されまして,子ども館の参加幼児数が一層減少していくということが予測されております。そんなようなことから,将来方向の検討がやはり急務であるというふうに考えておりまして,現在,それらの作業を進めているところでございます。
なお,進めるに当たりましての検討事項といたしましては,一つは,国等では,労働省,厚生省が,女性職員拡大及び保育行政等の充実策を推し進めていること。それから,2番目といたしましては,本市では,母親を対象といたしまして,たとえば,幼児をもつ母親のためのセミナー,それから,子育て支援モデル事業,子育て相談,あるいは,子育てひろばという事業を実施しております。それから,3番目といたしましては,地域でも,市民みずからが子育てのためのサークルを結成し,活動している。こういうようなことが行われておりますので,これらを念頭に置きまして,幼児に対する施策のあり方,あるいは,母親に対する施策のあり方について,各区の指導員を交えた検討の場を設けるとともに,
関係部局とも協議を重ね,仲よし子ども館の制度の抜本的見直しを行なっていきたいと,こういうふうに思っております。
◆武藤 委員 最初のお答えですと,4クラス80人という一つの基準があるということでした。これも,幼稚園の設置基準に基づいて,あれこれご検討なさっているということですね。私も幼稚園の設置基準,ちょっと勉強させてもらいました。その中では,確かに,1クラスが40人以下であることと,こういう規定も述べられていますし,それから,新設する幼稚園については,2クラスであってもいいと,こういう基準も片やあるわけなのですね。
それと同時に,私は,仲よし子ども館がどんどんどんどん削減されていく中で,皆さんからいただいた資料を見て非常に気になったのは,確かに,4・5歳児はゼロという会場が毎年ふえてきています。しかし,3歳児は,減っているとはいえ,やはりどこの会場でも,4・5歳児に比べると,非常に大きな数を占めているわけなのです。ですから,仲よし子ども館自体が新しい対策を練るべきじゃないか。
なぜ仲よし子ども館の3歳児にこんなにたくさん集まってきているのか。4・5歳児が幼稚園に移っているのだという実態は,数字の上からも確かに明らかです。仲よし子ども館の3歳児に,各会場なぜこれだけたくさんの子供たちやお母さんが集まってくるのか。いろいろ,実際に行っている人たちからも話は聞いてきました。皆さん方のところで出している「なかよし」と,こういうのを仲よし子ども館で出していますよね。これを読ませていただいたのですが,実はこの中に,子ども館参加の動機,きっかけは何かということで答えている部分があります。「幼稚園就園前に集団になれさせる」これが圧倒的な理由。「友達をたくさんつくってあげたい」「同じ年齢の友達が欲しい。地域にいてはなかなか3歳児というのは友達もつくっていけない」,こういうようなことがるる書かれています。私は,ここに,3歳児が集まってくる一つの要因があるのではないか,こういう気がしたわけなのです。
ですから,4・5歳児のクラスがなくなって,3歳児のクラス,2クラスしかなくなったから削減では,余りにも3歳児そのものに対して,非常に冷たい行政にならないのかなという感じもしています。結局3歳児は,近隣の会場に分かれていくわけですから,そこにいた子供たちが,仲よし子ども館から外されるのかと言えば,そうではないときっとおっしゃると思うのです。近場の会場に二つに分かれたり,統廃合がやられているわけですけれども,現在2クラスになって,少なくなれば削減せざるを得ないという,その実態の陰には,職員体制の問題がないのかなと思うわけなのですね。現在2チームに分けて5名ずつの職員,先生で,移動していますね。このクラス編成で,ちゃんと4クラスあれば,5名の体制でちょうどいいのですけれども,クラス編成されたときに少なくなっちゃうと,5名の先生が余ってしまう,こういう実態もあるわけですよね。こういうところから,やむを得ず会場を削減せざるを得ない。
私は先ほど,できれば3歳児中心の対策を考えるべきじゃないかというご提案を申し上げたのですけれども,職員体制も5名1組じゃなくて,3歳児2クラスの会場も存在させるために,3人で1チームとか,こういう職員体制も考えることができないのかどうなのか,この点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
◎中平 青少年女性部長 職員体制の問題でございますけれども,おっしゃることはわからないわけではございません。しかしながら,総体といたしまして,参加幼児数が減っているという状況からまいりますと,会場をふやして実施するということになりますと,行政効率の問題,あるいは指導効果の問題というようなことから,現時点ではなじまないというような判断をしているところでございます。したがいまして,おっしゃるのは4人体制,あるいは3人体制ということでございますけれども,現行の5人体制でこれを実施していきたいと,こういうふうに考えております。
◆武藤 委員 子供のクラス編成の数についてもなのですが,たとえば3歳児は20名で1クラスを編成すると。幼稚園の場合は,1クラス40名ということになっているのですけれども,札幌市の公立の幼稚園を見てみますと,この数が,実はどんどん減ってきているのです。現在,定員が1クラス35名編成でやっている,そういう公立幼稚園も,3ヵ所4ヵ所ぐらい出てきているのですね。ですから,その40という数は,規定の数ではありませんし,私はやっぱり,その場その場で,その実態に合わせた独自のものを確立させていくことが必要ではないかと思うのです。
ですから,先ほども読み上げましたけれども,お母さんや地域の利用者が言っている仲よし子ども館で一番大事なことは,いずれ4歳5歳,幼稚園に行くに向けても,やはりその前に,3歳児だからこそ仲よし子ども館に上げたいのだと,こういう人たちが,身近な場所で会場を利用できるようにするために,そのための手だてを考えていくことが当然必要になってくるのじゃないかと。ですから,将来的な見通しについても,数が減ってきたから削減だ,会場閉鎖だということではなくて,ぜひとも前向きに,この問題についても検討していただきたいし,2年後に仲よし子ども館がなくなってしまうというのであれば,余りにも悲しい話だと思うのです。
ですから,今後の課題になるとは思うのですが,3歳児に対してどういう教育が必要なのかという点もぜひ考慮に入れながら,できるだけ近くの会場に通えるという,こういう状況を確保していただけるようご努力も願いたいし,今後の課題として真剣にお考えいただけるよう要望しまして,終わりたいと思います。
○関口 委員長 ここで,委員会を暫時休憩をいたします。
──────────────
休 憩 午後3時10分
再 開 午後3時26分
──────────────
○関口 委員長 委員会を再開いたします。
質疑の続行でございます。
◆中嶋 委員 私は,第2次女性計画,それから
消費生活条例,コミュニティカルテの3点についてお伺いいたします。
まず初めに,94年度から実施する第2次女性計画の推進についてお伺いいたします。
私たちは,これまでも定例会や予・決算の特別委員会でも,女性問題の取組みについて質問してきました。
昨年,本市の女性企画課で開催しました講演会がありまして,市民会館で行われたのですが,私も横浜女性フォーラムの館長でいらっしゃる有馬真喜子さんのお話を聞いてきました。そうしましたら,有馬さんは,1975年のメキシコで行われた国連の第1回婦人会議に出席なさったそうですが,そのときの印象が大変強くて,ワルトハイム国連事務総長のあいさつが印象に残っているということでした。「女性差別ほど大がかりな差別はほかに例がない。これは基本的に不正であり罪悪」という格調高いスピーチで始まったということです。また,スウェーデンのパルメ首相は,「女性はもっともっと社会に参加を。しかし,それと並行して進めなければならないのは,男性はもっと家庭に参加を」というふうに述べられたということです。それで,女性の権利拡張で頭ががちがちであった有馬さんは,とてもびっくりして,新鮮な印象を受けて,目が覚めるような思いをしたということでした。
私も,1970年代に学生だったわけですが,このころは,ウーマン・リブ運動が盛んで,そのウーマン・リブから運動は進んでまいりまして,いまはフェミニズム運動へと進んでいると感じます。
国においても,85年の国連のナイロビ会議で,婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略の採択が行われ,これを受けて行動計画を策定したところです。さまざまな法改正なども行われてきましたが,次の2000年に向けては,チャンスの平等から結果の実質的な平等へ向けての取組みが推進されなければならないというふうに思います。
そこで,現在の女性の計画は,女性の自立と地位の向上及び福祉の推進を図るために総合的に行われていますが,今度策定されます第2次女性計画の基本的な考え方と計画期間についてお伺いいたします。
また,次に,第2次女性計画は,どのような体系のもとに進められていくのかについてお伺いいたします。
また,3点目に,計画の推進体制についてお伺いいたします。
現在の計画は,女性のための行政推進会議が主体となり,全庁的な調整を図りながら進められておりますが,第2次女性計画は,どのような推進体制で行われるのか,ぜひとも全庁的な取組みにしていただきたいと思いますが,この点についてお伺いいたします。
◎中平 青少年女性部長 女性計画についてのご質問でございまして,1点目は,その基本的な考え方と計画期間ということでございます。
まず,新計画を「男女共同参画型社会を目指すさっぽろ計画」といたしまして,その取組みに当たりましては,基本的人権の尊重と両性の本質的平等を
基本理念に置きまして,その基本的な考え方といたしましては,一つ目は,男女の意識改革への積極的な取組み,それから二つ目は,あらゆる分野への男女の共同参画の促進,三つ目は,育児・介護などへの男女の相互協力及びその社会的環境整備を図る,この3点を念頭に置きまして,計画を総合的に推進していきたいと考えております。
なお,計画期間につきましては,本年4月から10年間といたしたいと考えております。
それから,2点目の計画の体系でありますが,いま1点目で申し上げました基本的な考え方に基づきまして,一つ目は,男女平等観に立つ教育と啓発の推進,それから二つ目といたしまして,あらゆる分野への男女共同参画の促進,三つ目は,高齢化社会への対応と女性の福祉の充実,これらを含め,5本の柱立てをいたしまして,その実現に向けて施策の推進をしてまいりたいと,このように考えております。
それから,3点目の推進体制でございますが,計画を全庁的に推進していくための助役を委員長とする「札幌市女性のための行政推進会議」の中に,今後生ずる課題や問題点を協議検討していく専門部会を設置し,また,有識者から意見,助言をいただく計画推進懇談会の開催,さらには,地域等において,みずから女性計画の推進に取り組む市民組織の自主的活動の促進を図ってまいりたいと,このように考えております。
◆中嶋 委員 計画が充実しているようなので,ぜひとも男女共同参画型社会が早く実現するように願っております。
あと,私たちは今回の
代表質問で,審議会のあり方について質問いたしましたが,現在,本市では,審議会の女性登用率を20%を目標にして頑張っているところですけれども,ナイロビの将来戦略の勧告では,指導的地位につく女性の割合の目標値を30%というふうにしております。また,昨年出されました女性計画提言委員会からも,女性の登用率を30%とするように提言されております。日本では,平均寿命ですとか識字率ですとか衛生環境などは世界のトップクラスということですが,いろいろな社会的な状況を考えますと,女性が政策を決定する場に参加するということが非常に少なく,これはやっぱりもっと進めていかなければいけないというふうに思います。副知事が女性になったりとか,また,今回の連立内閣で3人の女性の閣僚が誕生したりとか,少しずつ進んではきていますけれども,第2次女性計画においては,審議会の女性の登用率の目標割合というものをどれくらいに設定されておられるのか,お伺いいたします。
次に,
消費生活条例についてお伺いいたします。
私たちは,前にも
代表質問で,
消費者行政について質問いたしまして,
消費者条例は,消費者の保護から,やはり権利を盛り込んだものにしていくべきだというふうに質問いたしました。今回の条例を見ますと,七つの権利が盛り込まれております。神戸市では消費者の主権,それから,東京都では権利が五つ入っていまして,それから見ますと,七つということで,いい条例ができたなというふうに思います。また,環境や資源への配慮ということで,そうした項も設けられまして,いい条例ができたなというふうに評価したいと思います。
これから,この条例が生き生きとしたものとなり,これを市民としては使いこなしていかなければいけないと思いますが,この中で,審議会がつくられるようですけれども,いつからスタートするのか。また,この審議会には,ぜひとも女性の登用率を高くしてほしいと思います。いままでの審議会というのは,なかなか女性を途中からたくさん入れるというのは難しい面も多々あるようですけれども,新しい審議会ですので,ぜひとも50%を目標にしていただきたいなというふうに思います。
また,消費者団体との連携を図りまして,
消費生活条例の第4章ですか,そこを見せていただきましたら,総合的施策の推進としまして,消費者の自主的な
組織活動が推進されるよう,必要な施策を講ずる旨を規定するというふうにありますが,ぜひとも,生活クラブ生協など,たくさんの消費者団体もありますので,ぜひ横の連携を図っていただいて,運動を充実させていただきたいと思いますが,この点についてお伺いいたします。
◎中平 青少年女性部長 私から,各種審議会の女性の登用率の目標値ということでお答えをいたします。
第2次計画では,その目標値をおおむね30%にしたいと考えておりまして,この達成に向けて努力をしていきたいと,こういうふうに考えております。
◎藤田
市民生活部長 消費生活審議会の設置時期でございますけれども,
消費生活条例の施行期日は,ことしの7月1日でございますので,7月上旬の設置に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
それから,審議会への女性の登用に関することでございますけれども,いま段々中平部長からお答えしましたとおり,本市におきましては,札幌市女性のための計画に基づきまして,札幌市審議会等委員への女性登用促進要綱を定めておりますので,
消費生活審議会への女性登用につきましても,この要綱の趣旨を十分踏まえてまいりたいと考えております。
それから,2点目の消費者団体連絡会等の設置にかかわることでございますけれども,消費者の自立した行動を促進していく上で,消費者みずからが自主的な
組織活動を推進していくことは,
消費者行政の目的にかなうものでございます。本市といたしましても,消費者団体の健全かつ自主的な発展のために,消費者団体相互の連絡,協議の場が必要であろうと考えておりますので,本市が,それぞれの消費者団体に呼びかける形で,消費者団体の連絡会議的なものを開催したいというふうに考えております。以上でございます。
◆中嶋 委員
消費者行政では,昨年の3月ですか,札幌市
消費生活対策懇談会から提言が出されまして,この中に,消費者会館のことが述べられております。私も総務委員ですので,総務委員会の視察で,札幌
消費者協会に行って中を見せていただきましたが,結構狭くて,仕事も大変なのではないかなというふうに思いました。それで,やはりこういう消費者会館のようなものがありますと,大変いいというふうに思いますけれども,この建設についてはどんなふうにお考えなのか,お伺いいたします。
また,設置する場合には,やはり交通の便利なところがいいと思うのですけれども,この点についてもお答えをいただけたらと思います。
◎藤田
市民生活部長 消費者センターの建設についてでございますけれども,現状では,テスト室,実習室等については,かなり手狭だというふうに認識しておりますが,当面は,現有施設の各部屋の配置の見直し等で有効活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
また,将来的には,今5年計画で,消費者会館の設置調査を予定をしておりますので,さらに,いま委員からお話がございました
消費生活対策懇談会の提言もございますので,これらを踏まえて,設置場所,規模,機能等について,今後十分検討を進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆中嶋 委員 最後になりましたが,ことしの予算書を見せていただきまして,「みんなのサッポロ」ということで,コミュニティカルテの作成として500万円,町内会加入率アップの方策を検討するための調査・分析ということで500万円予算計上されておりますけれども,これは,一体どういう目的で,また,どんな内容で調査をなさるのかについてお伺いいたします。
◎高橋 地域振興部長 コミュニティカルテのお尋ねでございますけれども,市内の各地域におきまして,地域を単位として組織されている町内会などの,いわゆるコミュニティ組織というものがあります。また,一定の目的や各階層別によって組織されている,たとえばPTAでございますとか,婦人団体,青年団体,老人クラブ,さらに,文化団体やスポーツ団体などの住民団体があるわけであります。このうち町内会は,地域住民の福祉向上や,住民相互の連帯感の醸成を図ることを目的に組織されているものでございまして,その地域に住んでおられる方はだれもが加入できる基本的な,基礎的な,包括的な地域組織ということが言えると思います。しかしながら,近年,町内会の加入率の低下という,従来からの地域コミュニティ組織のあり方に変化の兆しが見受けられております。このような傾向の原因と,その対処方策,こういうものを探るために,町内会の現状把握を中心にして,先ほど申し上げた他の住民団体とのかかわりなども調査・分析しようと,こういうものがコミュニティカルテでございます。
対象といたしましては,連合町内会単位を考えておるわけでありますけれども,幾つかの類型に分けまして,たとえば地域中心型地区とか,既成市街地型地区とか,こういった似通った地区類型ごとに,加入率の高い町内会,それから低い町内会,これらを取り上げまして,生活利便施設の状況ですとか,公園や街路樹などの生活環境に関する事項,それから,コミュニティ行事とか花いっぱい運動ですとか道路清掃,そういったような住民活動,さらに,他の住民団体との関係など,町内会の活動状況について調査を実施することにいたしております。これらのデータを比較して,相違点を分析することによりまして,各町内会の現状を知る資料として取りまとめたいと。その成果については来年度以降になりますけれども,それぞれの町内会へ提供いたしまして,活用してもらおうと,こういう考え方で進めたいと思っております。
◆中嶋 委員 町内会の現状を知ったり,市内の様子ですとか,いろいろなことがどうなっているかということを知ることは,町内会に提供して役立ててもらうというよりは,むしろ,行政がきちっとこの状況を把握して,考えなければいけない問題だと思うのですが,どうして,これを町内会のために交付するのかということが,いまひとつ,私としては理解できません。
それと,昨年の第3回の定例会でも,区役所について質問させていただいたのですけれども,区民参加の仕組みというところ,私,各政令指定都市の分を調べてみたのですが,はっきり言いまして,本市の市民参加の仕組みというのは,非常にシステムが限られていまして,少ないのですね。それが,主にこの町内会を中心に,市民の意見を聞くというふうになっていまして,もちろん町内会の方にはいろいろなことをお願いしてきたり,まちづくりに協力していただいて,町内会の意見を聞くということは大切なことだと思いますが,しかし,町内会というのは市民のすべての意見ではありませんので,たくさんの意見を聞く,そういうシステムというものを用意することが行政の責任だと思います。
政令指定都市でなくてもいろいろなものを用意しているところはもちろんあるのですが,神戸市などは,いろんなシステムを用意していますし,川崎市なんかも充実しているなというふうに考えます。この区民参加のシステムは,都市によってずいぶん違うのですね。ですから,札幌市でももう少し研究していただきたい。この町内会加入率の低下の陰にある問題点というのは行政の責任だと思うのですね。町内会をアップすることが問題解決じゃなくて,ここで解決できないことを,きちっとシステムとしてつくり上げていって,問題解決ができるように持っていくのが,私は大事だと思いますので,この辺についてどんなふうにお考えなのかお伺いしたいと思います。
◎高橋 地域振興部長 私どもは,いささか意見が違うように思っております。たとえば,地域住民相互の連帯感の醸成を図って,心のふれ合うまちづくりをしようと,こういう考えのもとに,いろいろなコミュニティーに対する助成,その他の措置を行なってきておりますから,これは,その一環とお考えいただきたいと思います。
また,いまお話のございました市民参加の問題でございますけれども,これは,平成4年度に街づくりサッポロ会議でも提言がございました。私どもといたしましては,これは市民局だけでなくて,全庁的に取り組むべき問題というふうに考えておりますから,行政運営効率化委員会の専門部会等の中でも大いに検討していきたいと,こういうふうに考えております。
◆中嶋 委員 そうすると,市民参加のシステムというのは,これとは別に準備して計画していくというふうに認識してよろしいのですか。
◎高橋 地域振興部長 コミュニティカルテは,先ほども申し上げましたように,地域のハードとかソフトの現状を中心に把握するものでありますから,これで市民参加の仕組みまで検討するというのは,ちょっと無理なことだと思っています。しかしながら,市民参加のあり方というのは重大なテーマだというふうに考えておりますから,別途協議をさせていただく,検討させていただくということでご答弁申し上げました。
◆長岡 委員 私は,豊平区の分区問題について,簡潔に質問をいたしたいと思います。
現在,市内9区の中で,人口が最も多い豊平区の分区,このことにつきまして取り組んできた調査準備委員会が,昨年の9月に素案を発表し,説明をされてきたわけでございますが,その後,地元の意見ももちろん聞きながら,これを含めて,現在の状況はどのようになっているのか,お伺いをしたいのであります。
もう1点は,今後は,当然,区役所を初めとする施設配置であるとか,さらに,建設にかかわるスケジュール,これがどのようにこれから進められていくのか。この2点についてお尋ねをいたします。
◎高橋 地域振興部長 いまお話がございましたように,昨年9月16日でございますけれども,庁内組織でございます札幌市豊平区分区問題調査準備委員会,これにおいて,分区の時期,区割線,そして新区役所の位置の3点を分区素案として決定をいたしまして,総務委員会において報告させていただいたところでございます。すなわち,分区時期につきましては,平成9年の秋とし,区割りについては,現在の清田出張所管内に加えて月寒東5条19丁目の一部を入れること。そして,新区役所の位置としては,平岡1条1丁目とする素案でございます。
その後,関係住民の皆様へ,素案内容をご提示申し上げ,種々のご意見をお伺いしたところでございますけれども,それらのご意見を集約いたしますと,分区時期,区割線,さらに新区役所の位置について,基本的な合意が得られたというふうに思っております。
ただ,関連するご意見といたしまして,区役所の配置,あるいは周辺整備の計画,幹線道路の交通量増加,駐車場対策等々の問題が提起されたところでございますので,今後の計画策定の段階で,その辺を考慮しながら進めていきたいと,そういうふうに考えているところでございます。
それから,今後のスケジュールでございますけれども,平成6年度には,この分区素案をもとに,区役所用地にかかわる具体的な取得のための交渉,それから,区役所建物の配置,その他関連施設の配置計画など,諸作業を進めまして,いまは素案でございますけれども,これを札幌市の分区原案とするようにしたいと考えているわけであります。
平成7年度には,分区関連の条例改正を進めまして,新区役所の建設の着手に入りたいと,このように考えているところでございます。
◆長岡 委員 もちろん素案でございますから,これから具体的に,いまご答弁のありましたように,今年度から順次,そのスケジュールを進めていかれるということで,ご期待をするわけでございますが,いまご答弁ありましたように,平成9年度分区ということになりますと,まだ3年半ほど期間があるわけでございます。
私は,昨年1月に横浜市の港北区と,それから緑区,この2区が4区に分区になるという実態,ちょっと興味がありまして,進めている状況を見に行ってまいりましたが,港北区と港区は,多分ことしの七,八月でしょうか,分区のスタートですが,昨年私が行きましたときには,すでにニュータウン行政サービスセンターという名称で,これは港北区から分かれるところなのですが,いわゆる人口急増地帯で,仮設とはいいながら,なかなかしっかりしたプレハブの建物があり,その中には区長予定者ももちろんおられて,機構内容も非常に充実した,いわゆる新しい住民対応をしている現場を拝見してまいりました。
本市も,今年度の予算書に,清田分庁舎建築費4億6,900万と載っているわけでございますが,いま私が横浜の例を申し上げましたような,これから分区までの新区予定地域住民に対する行政需要対応として,こういう準備がなされるかなと,こう理解しているわけでございますが,それでよろしいか。そして,その内容についてお聞かせいただきたいのでございます。
◎高橋 地域振興部長 分区を予定しているこの地域でございますけれども,現在9万5,000人ほどの人口を抱えております。年間おおよそ3,700人ぐらいの,非常に高い人口の増加を示し続けております。今後も,この地域開発が一層進むというようなことになりますから,この地域から現在の豊平区役所まで,かなり遠距離になろうかと思っております。したがって,来庁される方々の利便,あるいは,現出張所窓口のより一層の拡充,さらに分区までの準備もございますし,それから,もう一方で,現豊平区役所が非常に狭隘に苦しんでいると,こういったような形もございますから,平成6年度におきまして,いまお話のありましたように,清田出張所及びコミュニティセンターに分庁舎を設置して,増加する行政需要に対応してまいりたいと,こういうように考えているところでございます。
◆長岡 委員 分区前の行政サービスは,分庁舎によって住民対応業務をしたいと。これは,いままでの分区の準備になかった新しい施策として,私は高く評価をするところでありますが,その機構,いわゆる機能について,もう少し具体的にお聞かせいただければと思います。
この分庁舎がスタートしていくのは,もちろん今年度だと思いますが,それから,平成9年までというのは,先ほども申し上げましたように,まだ期間があるわけで,いわゆる開発が進んでいる地域の張りつきというのは,やはりカーブになっていくわけで,それの対応として,スタート時点の規模というのでは,これはまた低下になっていくようなこともあろうかと思いますので,その辺の見通しといいますか,その規模がそのままなのかどうか,それをまずお聞きしたいわけでございます。
それから,これは当然のことなのですが,先ほどのスケジュールにもございましたように,当然,これから区役所を初め諸施設整備を進めていかなければならないわけですが,いままで分区をした例を見ますと,分区時点で諸施設が全部満度に整っているということではなくて,すべてが終わるのは,分区以後にまたがることも多いと思います。しかし,むしろ新区住民のニーズというのは多様なものもありますが,やはり重点的な整備,たとえば体育館であるとか,あるいは文化施設であるとか,そういうものから重点的に整備をしていっていただきたい。これは要望であります。
それから,もう1点は,これもいままでの私の質問の中でも何回か申し上げてきたわけでありますが,現在の豊平区役所は,非常に足の確保といいますか,交通機関,あるいはアクセス等々,まことに不便で困ると。いつまでたっても,こういう不満,不評というのが残っているというのは,大変残念です。東豊線の延長部のことしの秋の開通によって,これは十分そのことも考慮されているわけでございますが,これからの分区に際しましては,これらの過去の経験を十分に生かされるというか,反省ももちろん含めて,こういう機会に地域の中心核としての整備をしていく。もちろん利便性の高い立地を生かして,これからの新しい,意欲的なまちづくりも当然含めた周辺整備を,積極的に推進をしていただきたいということを強く要望いたしまして,一応質問を終わりたいと思います。
◎高橋 地域振興部長 前半部にございました機構の問題についてお答えをさせていただきます。
現在の清田出張所は課でございますけれども,これを部に昇格をさせまして,その中に,総務課,納税課,課税課の3課の体制をしきたいと考えています。そのほかに,この分庁舎内に,部相当でございます福祉部の分室を設けまして,これには福祉課,そして国保年金課の2課を設けたいと考えております。したがいまして,土木部と市民部の一部を除いて,福祉,保護,国保,こういった機能はすべてここで用が足りるのではないかというふうに思っておるわけであります。これは,おおよそ10月ぐらいに発足させたいと考えておりますし,また,お話にございましたように,スタート時の体制のままで進むわけではなく,年々充実をさせたいというふうに思っているところでございます。
◆生駒 委員 大きく3点お尋ねします。
違法駐車等防止条例とウタリ対策については,確認の意味でお尋ねしますので,簡潔に答弁をお願いします。それから,博物館については,丁寧にお答えをお願いしたいと思います。
違法駐車等防止条例についてですが,これは,条例によって,都心部の重点地域を決めて,ここでの過密対策をとるということでありますが,一つ目は,やはり都心部への交通流入対策をきちっとやるということが前提になろうかと思います。
それで,過日の企画調整局の論議の中でも同じ理事者が,1人の人ですけれども,一方では,流入対策をとると。つまり,抑制をするという点での問題を言いながら,一方では,都心部にさまざまな大規模な公共施設をつくって,そして,車両を都心に呼び込むと,こういう矛盾した答弁ありましたけれども,これはまことに遺憾だと思うのです。
そういった点で,市民局として,条例を定めて都心での
交通対策をとるという趣旨からいっても,都心への交通流入を抑制するということが前提になると思うのですが,この点,はっきりさせて取り組むべきと思いますが,どうか。それで,新年度,市民局に全庁的な組織の事務局的役割を持った機構をつくると,こういうふうになっておりますが,こういった前提をはっきりさせながら,どんな取組みになるのか,決意も含めて基本的な点を1点目お尋ねしたいと思います。
2点目は,条例そのものについての質問でありますが,一つは,全市的にかかわりを持つということで答弁がありました。その中では,市民の意識の高揚を図るということで,幾つかの答弁がされておりましたけれども,実際は,重点地域というものを指定しながら,しかし,全市が対象になるという中での,条例の持つ実際上の効能,効果,性格というものは,いまひとつちょっとはっきりしないのですが,精神条例的なものになるのかどうか,この点1点。
それから,2点目は,重点地域についてですが,これは,やりとりの中で,重点地域指定の基準等についての答弁もございましたが,結論的に,いわゆる
実行委員会をつくってやってきた都心部のこの地域を指定して,実際には予算的にも見ていくというふうになっておりますが,言ってみれば,1年に1ヵ所ふやすとか,2年に1ヵ所ふやすとか,そういう逐年的に拡大が図られていく,そういうような考え方になるのかどうか。そうではない,そうであるという点,お尋ねしておきたいと思います。
それから,3点目は,条例では,関係行政機関への要請ということが規定されておりますが,この場合に,さまざまな
関係機関がありますが,
交通対策上,効果があるのは,公権力を持った警察でありますが,この力というのは
交通対策上大きいわけです。そういうわけですけれども,実際,本条例を制定することによって,警察と本市との関係がどのようなことになるのか。つまり,警察行政の取締りということの中で,やむにやまれずとか,緊急とか,いろんな事例が,都心であっても出てまいります。その場合に,機械的に市民が法的な処置を受ける,処罰される,こういう点で,本市が,言ってみれば警察行政の先を走る,お先棒を担ぐというような格好になったのでは,私は困ると思うのですが,この点,どういう関係になるのか,お尋ねをします。
次に,大きな2点目のウタリ対策についてであります。
この問題は,重ね重ね,機会あるごとにお尋ねしてまいりましたけれども,アイヌの人々の生活,権利の保障,それから,特にいま民族的共感の根源となっている言語を守る,そして,歴史的,民族的文化を継承・保存・発展させていくということを,行政として本当に力を入れてやっていただきたいと思っているわけで,その点からお尋ねします。
1点目は,機構改革ということで,ウタリ対策が民生局から市民局に移ってくるということであります。本格的に市民局として,ウタリ対策に取り組んでいくと,こういうことであります。この点で,二部の審議の中で,民生局長は,わが党の質問に,単に福祉の問題だけではないということを含めて,伝統文化の保存・継承,国際交流等々を含めて,総合的な見地から市民局に移管すると,こういう答弁をされておりますが,こういった課題を引っくるめて,何をやるのかという点で,抱負も含めて基本的な考え方を1点目にお尋ねしたい。
2点目は,新年度予算では,国連先住民の十年事業として,これは民生ですね,これは引き継がれてないですね,100万円組まれております。これも,4月に入ってからの引継ぎになると思いますけれども,積極的に取り組んでいただきたいと思いますが,100万円ぽっちでは問題だなというふうに思っているわけであります。この点,どういう事業になっていくのか,知り得ればお示し願いたい。
3点目は,これまで市民局サイドで取り組んできたアイヌ民族の文化の保存・継承というものの概要,これは引き続きやっていこうということになろうかと思いますが,どういう分野があるのかという点を簡潔に明らかにしていただきたい。
4番目に,道の事業でありますけれども,いま河川事業の中で,アイヌ語の河川名を併記した標識の設置という事業が進められようとしております。その点では,川だけでなくて,こういったものに配慮をして,つまり,札幌の歴史そのもの,地名もアイヌの言葉になっているわけでありますが,その点に配慮した文化事業としての位置づけから取り組んでいただきたい。また,川の点でも,ぜひこれを意識して札幌市の取組みとしても進むように配慮をしていただきたいという点,4点目。
5点目,新生活館の建設は,ずいぶんと論議をされてまいりましたが,これは,民生局長答弁によりますと,市長も,いまの生活館ではなかなか不自由だと。特に,その中では重要な伝承文化・儀式に取り組む場合は火を使うという点では,いまの生活館では非常に不十分であるという点で,市長も,そういうことがやれるようなものが必要ではないかと漏らしているというふうにも聞いておりますが,こういった点を踏まえて,ぜひとも新生活館の建設に向かって取り組んでいただきたいと思うわけですが,この点どうか。
6点目は,新年度から,国連先住民の十年が始まるわけでありますけれども,これはやはり本市としても,計画化して取り組んでいくべきと思いますが,この点どうか,お尋ねをいたします。
大きな3点目の博物館の問題ですが,先ほどの論議の中でも,問題があるということがはっきりしたのだと私は思います。実際に,この間,いろいろな取組みについてまとまったもの,市の方針書等々,これはしつこく言ってきましたけれども,なかなか出てこないと。私が持っているの,紙2枚ほどしかありません。あと書き取ったものがちょっとありますけれども,それしかない。やっぱり問題だと思うのです。
そこで,お尋ねしますけれども,質問の1点目は,なかなかそういうものも出てこないということ,出さないということの中で言われてきたのは,先ほども論議ありましたが,テーマが絞り切れない,こういうことでした。テーマが絞り切れない,まとまらない,ずっとこれを言ってきたのです。そこで,一体どんなテーマとどんなテーマがあって,まとまらないのか,主なものを明らかにしていただきたい。
質問の2点目は,教育委員会が調査してまとめられたものというのは,印刷物で若干あります。先ほどの答弁の中では,それと基本的に変わらないのだという答弁がありましたから,これは重要な点であり,それを前提にして物事を考えていくということが,私は必要だし,そのことを求めていきたいと思うのです。しかし,これまた,そう言いながら,途中でまた方向が違っちゃうというふうになったのでは困りますので,もう少し問題点を明らかにしておく必要があると思うのです。
「人と自然」というのが教育委員会の中でまとめたテーマですよ。もっと言うと,自然史的なものへと。いま市民局に移ってから出たのは「北方都市の暮らし」。このこと自体比較しても,相当な違いがあります。僕,これ議論できると思いますよ。だけれども,これでは,それぞれこれだけの行数しかなくて,全く抽象論議になるのです。
そこで,もう少し踏み込んで明らかにしておいてほしいと思うのですが,このメーンのスローガン,テーマじゃなくて,踏み込んだという点は,展示の基本ということです。これは,教育委員会がまとめたものも出されておりますし,市民局サイドで,こうだというものも対比して出されておりますけれども,違う点と共通点,具体的にはっきりさせてください。以上。
◎新見
交通安全防災対策室長 違法駐車等防止条例に関するご質問に,まずお答えいたします。
市民局に新たにできる機構が,一体どんなような性格で,基本的にどう考えるのかという点でございますけれども,平成6年度から,新たなステージに立った総合的な
交通対策として,人に優しい
交通対策を推進するということになりまして,これに対応するために,市民局に
交通環境対策部というものを新設いたします。
人に優しい
交通対策の推進に当たりましては,関連部局が非常に多岐にわたるため,プロジェクト方式の札幌市人にやさしい
交通対策事業推進会議を設置いたしまして,その中で,各部局間の問題意識の共通化を図るとともに,各部門ごとに,具体的な,今後対応すべき施策の検討,体系化を図ることになりました。そこで,
交通環境対策部は,このプロジェクトの事務局として,総体的な連絡調整や施策の取りまとめ等を行うとともに,当面,取り得る施策といたしまして,今回,議会に上程しております
違法駐車等の防止条例に関する事業並びに現在環境管理部が所管しております「さわやかノーカーデー」に伴う事業の移管を受けながら,事業主管部としての取組みをしていくということで,新しい部を設置することでございます。
次に,この条例はどういう性格のものなのだと,ちょっとわかりづらいというお話でございますけれども,基本的には,先ほども申しましたように,制裁的な条例という条例ではございません。あくまでも,市民の皆様と事業者,行政の3者,官民が一体になって,モラルの向上を図りながら,
違法駐車の防止を図って,市民の皆さんに
交通環境のよい,安全で快適な状況をつくるというのが目的でございますので,そういう意味からいきますと,モラル条例といいますか,精神的な条例という性格が強いものだと思っております。
また,そういう意味では,重点地域の指定につきましても,いろいろな支障が生じている中でも特に対策が必要な地域というふうに条例の中で条件をつけておりますので,その中で運用していく所存でございますので,毎年毎年定期的に拡大していくということでなく,重点地域の拡大につきましては,当面予定していないものでございます。
また,警察行政のお先棒を担ぐのじゃないかというようなお話もございましたけれども,警察行政のために制定する条例ではなく,あくまでも札幌市の都市問題を解決するために,本市の事業であります人に優しい
交通対策の一環として,限られた空間であります道路を,市民がみんなで守り育てると。そして,安全で快適な生活環境を形成しようという趣旨で制定しているものでございますので,そのようにご理解をいただきたいというふうに存じます。以上でございます。
◎藤田
市民生活部長 1点目のウタリ対策に関します新年度の取組みでございますけれども,
市民生活部の中に,主幹1名,主査1名を置きまして,ウタリ施策にかかわる庁内の調整,事務事業の把握など,総合的な窓口を所管するほか,ウタリ生活館の運営,ウタリ住宅建築等の貸付け,国連先住民の十年事業を担当することとなります。また,いままで本市が行なってまいりました施策には,それぞれに経過と考え方がありますので,新年度早々に,庁内に,
関係部局で構成する連絡組織を設けまして,いままでの経緯等も踏まえて対処してまいりたいと考えております。
2点目の国連先住民の十年事業でございますが,シンポジウムの開催等を考え,100万円の予算を計上しております。
それから,4点目の,段々のお話がありましたアイヌ語を語源とする河川名等々の事柄,それから5点目の生活館の問題,それから6点目の十年事業の計画化につきましては,先ほど申し上げました庁内の連絡組織の中で,関係者の要望等も踏まえて十分検討,対処してまいりたいと考えております。
また,生活館に関しましては,議会でご審議中とも伺っておりますので,その意向等も体して,検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◎長嶋 文化部長 アイヌ民族の文化の保存・継承につきまして,お答えを申し上げます。
アイヌ民族の文化の保存・伝承に対する助成といたしまして,その代表的な事業といたしましては,新しいサケを迎える儀式,アシリチェップノミの伝統行事に対する補助でございます。これは,アイヌ民族の精神文化を伝えるものであり,道内のアイヌ古式舞踊保存団体も参加してございまして,市民との交流の場となっていることから,この儀式が復活されました昭和57年度から,毎年補助をしてきているものでございます。このほかに,芸術文化振興助成金を活用いたしまして,アイヌ民族と諸外国の先住民族との伝統文化の紹介や音楽舞踊の合同演奏といった国際芸術文化交流事業にも助成しております。また,アイヌ民族と沖縄の生活文化の学習会への子弟の派遣交流活動に対しましても,助成を行なってきているところでございます。
それから,第3点目の博物館についてお答え申し上げます。
テーマを絞り切れないというようなことで経過をしてきているわけでございますが,先ほど,武市委員にもお答え申し上げましたとおり,当初,テーマにつきましては,人と自然との共生ということで,その後,より視野を広げるという意味で,北方都市の暮らしをテーマとして調査研究をしてまいったわけでございます。
展示の基本ということでございますが,共通とするところは,人と自然というようなこと,歴史的なこと等が考えられると思いますが,違う点につきましては,北方圏の人々の文化あるいは生活を紹介しながら,エコーミュージアム的な構築をしていくというようなところではないかと存じております。以上でございます。
◆生駒 委員 1番目2番目の点はお答えいただきましたが,駐車場条例についてはそういうことで,若干一番最後の警察のお先棒担ぎになるのを懸念するわけでありますが,これは見ていきたいと思います。
それから,ウタリ対策については,新しい機構でやるということでありますので,大いに期待をして見ていきたいというふうに思います。
博物館ですけれども,違うのは,北方圏の人々の暮らしと文化を新しく入れたということかな。出されているのはきわめて現代化した発想ですよね。そうすると,当初まとめられた「人と自然」という中にある,たとえば「北方圏の」って,これどっちも北方圏来ますけれども,自然を積極的に活用したアイヌ,原始,古代の人々の生活と自然のかかわりを明らかにする,これは展示の基本です。1番目のテーマだけでは,はっきりしないのですよね。それから,命の進化,命の誕生,大気の生成など,自然界の仕組みを明らかにする,本市の自然と人の歴史の特性を明らかにする,これは,いわゆる自然史的なものをはっきりさせて取り組むという,こういう基本があるのですが,市民局サイドになると,かなり現代的というか,その発想が強くて,表現上も余り出てこないと。対比していますけれども,そうなっております。
さらに,展示の概要というのもあります。これを見ますと,教育委員会でまとめたものは,1部,これは,いわゆる自然と人と都市ということで出ておりますが,第2部では,狩り,耕す,すなどり,摘み,これはアイヌ,原始,古代の人々の具体化ですよ。それから,第3部の自然のところで,氷河時代から地球誕生まで。そして,その中に札幌の人類の登場からずっと出ていますね。これ,市民局のほうでまとめたやつを見たら,コミュニケーション・ワンダーランドだとか,管理ゾーンだとか情報ゾーンとか,さっき答弁にもあったように,レクリエーション,何だかそういうものばかり出てきて,ずいぶん変わったなという感じを受けてしまうわけです。
ですから,答弁では基本的には変わらないのだというふうになっておりますから,当然私がいま言ったような点が入って,踏まえられてやっていくというふうになるのかどうかですね。
武市さんが言っている自然史的なものとなりますと,アンモナイトなのですよ。北海道が世界に誇れるものといったら,ビールとかなんとかとやっていますけれども,アンモナイトなのですよ。6000万年前前後の時期のアンモナイトが,一斉に道内で多種類にわたって出ているのですよ。これがどんどん流出しているのですね。世界に誇れるものといったら,北海道の中ではそれぐらいですよ,実際。細々あるけれども。だから,そういう問題を位置づけて,北海道の札幌と,しかも,いいものが道内からどんどん流出しているのですよ。しかも,学術的にも相当価値が高い。これは,自然史の中で位置づけて,やはりきちっとしていくとかね。
あるいは,私前から強調してまいりましたけど,現代的に言うと,アイヌ民族が北海道にいて,開拓記念館にしても,開拓の歴史から始まって,いわゆる,そういうさかのぼった部分の研究資料というものはきわめて不足しているという中で,やはり,民族歴史的なものをきちっと位置づけると。これは,人文系と言いますけれども,武市さんと僕が矛盾するわけでないですよ。両方やればいいのですからね。
学術的に言うと,大陸,いわゆるオホーツク沿岸と北海道の関係というのは,昔から関係があると言われていますけれども,考古学の点でも相当共同研究が進んできていますね。しかも,自然でも結びつきがある。そういう点,教育委員会が前にまとめた点で言うと,テーマの中に踏まえられていると,入っているわけですよ,はっきりと。そうであれば,そういう方向を,しっかりと踏まえてやってほしい。ぜひ,そういうものを含めたものをやってほしい。
特に,レジャー的なレクリエーション的なものだけが勝つようなものでは,本当の勝負にならぬと。やはり本当にいいもの,学術的なもの,それをきちっとやって,市民に理解される,そういう工夫をした博物館と。博物館本体を,きちっとやるという点で,前からあります教育委員会がまとめた人と自然,共生という,この点を踏まえたものでやっていただきたいと思うわけですが,その点,まとめて答弁していただいて,答弁によっては終わりたいと思います。
◎大野
市民局長 博物館について段々のお話がございました。
従来からの物の考え方からいきますと,いま生駒委員が言われたような,たとえば人文系とか自然系とかと,形が固定化しちゃっているわけですよね。だから,私どもとしては,せっかく札幌に博物館をつくるなら,札幌らしさを出すべきでないかと。そのためには,ある程度,従来の固定的なものにとらわれる必要はないだろうと。そういう意味では,従来の歴史的なもののほかに,さらに未来を見越したといいますか,そういうものを含めたことまで,この際考える必要があるのではないかというようなこともあって,いわゆる自然の共生というところから,北方圏の暮らしというところまで,少し範囲を拡大してみようじゃないかということでなかったのかなと。これは,あくまでも私の推測ですけれども。
したがって,これからは,やっぱりそうは言っても,今日地球の置かれている状況からいきますと,人間と自然という問題は避けて通れないわけでありますから,そういうものをある程度基本に置きながら,テーマとしては,これだということよりも,むしろ,先ほどちょっと申し上げましたように,過去・現在・未来といいますか,そういうものをある程度通した中での内容といいますか,そういうことを少し考えていく必要があるというふうに理解をいたしまして,先ほど武市委員のご答弁に申し上げましたように,委員の言われている中身についても,十分私としては理解できますので,そういうものを基本にしながら,なお,それに検討を加えていきたいと,こういうことでございますので,ご理解をいただきたいと思います。
◆生駒 委員 どうも浮ついたような,未来だとか何とかといって,別な要素をぐっぐぐっぐ入れているという,そういう印象がするのです。簡潔に答えてくれればいいのだわ。踏まえてやりますとかさ。だから,余り余計なことを言わないでほしいのです。
そこで聞きますけれども,いままでやってきたものの出し方,どういう調査をしてどうだという,ここの点で言うと,いま,芸術の森主幹のところでやっているでしょう。あと,それをどこの企画会議にかけて,どこの研究会議にかけて,どこの審議会にかけてとかという,市内部のそういうものが余りはっきりしない。これだけの大きなものをやるのに。芸術の森主幹と言えば,大きな事業を抱えてやっているわけでしょう。そこで片手間にやって,しかも,その都度明らかにされた内容を出さないで,はい,決まりましたって出てくるような仕掛けで,局長にそうやって,任せてくださいみたいなこと言われたって全然だめです。体制上,どこで実際調査研究,あと民間委託でしょう,丹青,それに市の専門官というか専門家というか,そういう人が入って整理しているのか,この辺がわからない。芸術の森主幹のところでやってきたのですか。それ以上はどこで検討したのですか。
僕は,これだけのものをやるとすれば,体制として主幹は独立させてやるくらいの,そしてさらに,全庁的討議だとか,学識を含めた討議だとか,そういう機構をつくって,そして議会にも見えるようにするとか,大いにいろんな注文を聞く。いろんな意見が出,もっと絞れなくなるというふうになるかな。だけれども,そこをやらないと,これははっきりしなくなるのだわ。
その点では,教育委員会でやってきたものが,市民局に移った段階で,どこで何をやっているのかわからなくなったという,そういうことでもあるのですよ。その点で,やはりもう少し全庁的にというか,市民局として,かつてのものを踏まえながら,責任を持って議会にも明らかにするという形をとって進められるような機構をぴしっとやるべきだと思うのですけれども,どうでしょうか。
◎大野
市民局長 いずれにいたしましても,こういう構想をつくる段階では,まず核になるところが必要であります。その核がたまたま,いま,芸森の主幹のところでやっているということでありますけれども,いずれにしても,私どもは,この種の大きなものというのは,いろんなセクションにまたがりますから,そういう意味では,今後全庁的な組織も必要でしょうし,さらには,ある程度具体化した段階では,こういうものを検討する外部の委員会みたいなものも必要になってくるというふうには思っています。これは,これから先の話ですけれども,いずれにいたしましても,いま段々の話がありましたようなことを,私どもも十分意図して,これから作業を進めさせていただきたいと思います。
◆生駒 委員 やっぱりいまの答弁では,いつになったらきちっと置くのかなと,いつになったら体制をとるのかなと,こういうふうになるわけだ。いままでも相当かかってきたでしょう。だから,これはここまで来ているから,速やかに,博物館担当の主幹なりそういう機構をつくってやっていくと。これまでかかっているわけですから。これ,掘ると,何ぼ金かかって,これどこ行ったのだと,こうなるのですよ。だから,そういった点で,やはり決意込めてやっていくと。そうでないと,やっぱり博物館つくりたくないのかなと,長期計画にも位置づけているのにと,なるのですよ。そういった意味で,もう一度,助役,やはり責任ある体制とってやっていくという方向での答弁がなければ,ちょっとおさまらないと思いますよ。
◆武市 委員 (関連)先ほどで私も納得をさせていただいたのです。しかし,いまのこのやりとり聞いておりますと,また逆に戻っているような感じがするのですよね。ということは,もう10数年前からずっと検討されて,そして
平成元年に,基本構想計画というのはそこで委託しているわけですよ。そうは言っても,いろいろ国際化の問題があって,もう少し視野を広げたいと。したがって,丹青から出てきたものに,いわばエキスを入れながら,基本構想の策定の基本は変わりませんと,こう言っているわけですから,これは先ほどの答弁のように,7年までしっかりやりますと,こういうことなのですね。ですから,それだけを答えればいいのですよ。それを,さらに検討つけて,そして,これから庁内のプロジェクトチームにどうだとかこうだとか,内部会議がどうだとかというのは,これはもうずっと前からあるはずなのですよ。先ほど私ご披露しましたけれども,61年からプロジェクトチームを庁内に設置して,ちゃんとやってきているのですよ。そして,内部のこともちゃんとやっている。有識者の方からもいろいろ聞きながらやってきて,そして,基本設計というのを一たんつくったのですよ。ところが,いろいろ国際化の問題等もあるから,視野を広げながら,それをもう少し検討したいということで今日があると先ほどの答弁で私は理解しました。したがって,7年まで本気になってやるかどうかと,そのことだけ答えると,生駒さんも納得すると思いますよ。ぜひ,しっかり,はっきりもう一度答えたほうがいいですよ。
◎大野
市民局長 先ほど武市委員の質問にお答えいたしましたように,7年にはできるように,とにかく頑張りたいと思いますが,組織的なことについても,なお私どももこれからいろいろと出てくると思いますので,頑張ってまいりたいと,このように思います。
◆川口谷 委員 それでは,最後の質問になりますけれども,音楽ホールの運営主体について質問をいたします。
音楽ホールにつきましては,ことしの夏にいよいよ着工ということで,きのうでしたか,うちの猪熊委員が,別な角度から非常に激高した問題ではありますけれども,9年完成の予定で,市民が非常に待望した施設ということで期待をかけております。完成は9年の2月というふうに言われておりますから,あと残り3年弱になります。2月に完成をして,その年の7月のPMFの第8回のオープニングに間に合わせると,こういうことであります。
さて,その音楽ホールでありますけれども,実施設計に入りまして,建物そのものは順調にこれは回っていくだろうというふうに思いますけれども,そこで並行して考えなければいけないこととして,このホールをどのように運営をしていくか,その内容でありますとか形態等々,言ってみれば,ソフトウェアの問題が一番大事ではないかなというふうに思います。このことは,札幌に限らず,先行した,そういうホールを持った各都市においても,いろいろと苦労されているということを伺っておりまして,それだけに,私どもとしましても,そういうことにならないような運びを期待をしているわけです。
きょう,そこの特別委員長席に座っておられる関口大先輩が,去年の10月の決算議会の中で,この運営主体について,非常に格調の高い質問をされております。先ほど博物館のところで,何やら共産党と自民党さんが共闘の感じでやっておりましたが,音楽ホールに関しては,公明党と社会党が足並みをそろえていきたいと思うのです。このときに関口委員が質問された内容というのは,基調としては,私がいま申し上げたようなことではありますけれども,せっかくのホールが宝の持ちぐされになってはまずいということでありますとか,あるいは,そのための運営のあり方,そして形態等々について,ソフトをしっかりしなさいと,非常にじゅんじゅんと質問をされております。
それに対する答えとして,当時文化部長,現在もそうでございますけれども,高度な芸術空間と身近な音楽空間を融合させたホールをいかに運営するか検討中ですと。組織についても,弾力的な運営のため,民活を採用しながら,ここ1年ほどの間に一定の方向性を見出していきたいと,こういうことでありました。芸術文化ホール建設懇談会というのがございました。現在もあると思いますが,いろいろご意見をいただいたところであるけれども,さらに幅広く,フォーラムやパネルディスカッションというものも行なって,多くの方から意見を聞いていきたいと,こういうことであったと思います。
私も,こうしたやりとりを伺っておりまして,事は順調に進んでいくだろうというふうに期待をしていたところであります。
しかし,最近,こうした音楽ホール,あるいは演劇ホール,能楽堂等々に,非常に関心を持って運動を進めておられる団体なり個人の方,二,三の方から,どうもこの音楽ホールのいわばソフトウェアについての市の取組み状況が見えてこないと,大丈夫なのだろうかという声が寄せられているわけであります。
そこで,質問の第1点目であります。
昨年の第3定から半年が過ぎたわけでありますけれども,今日現在の運営主体についての検討結果について,どういう状況にあるのか,お示しをいただきたいと思います。さらに,ホールの積極的な運営に不可欠な自主事業の展開方針などについても,検討結果があればお答えをいただきたいと思います。
2点目でありますけれども,運営手法を検討する最初の段階から,やはり市民の幅広い意見というものを取り入れて,そして,市民の参加意識を盛り上げていって,自分たちの街の音楽ホールという意識が醸成される,こんなことが,非常に私は大事だと思います。そうしたことを通して,自発的な活動を促進する,こういうことが期待できるというふうに思います。
たとえば,適切かどうかはあれですけれども,昨年からことしにかけてのJリーグの熱気ぶり,これはやはり,スポンサーとともにサポーターが,燎原の火のごとく広がるということが,今日の盛況を招いているというふうに思うのですけれども,札幌で,音楽ホールをめぐって,音楽芸術活動で急にそこまで期待できないにしても,そういうところにも大いに学ぶ必要があるというふうに思うのです。
さきに答弁でも引用いたしましたけれども,多くの方々から意見を伺う場というものを設けてこられたのかどうか,そこのところについてもお答えをいただきたいと思います。以上2点です。
◎長嶋 文化部長 まず,ご質問の第1点の運営主体の問題と自主事業の展開方針についてでございますが,自主事業の展開方針につきましては,基本的には,地元の音楽事務所などの民間活力を生かすことを原則としながら,民間では採算面などの観点から展開しづらい地元音楽家による演奏会シリーズや,各種音楽ジャンルの研修会など,地道な音楽芸術の振興につながる事業を中心に,また一方で,世界水準の音楽の場を提供する事業についても展開してまいりたいと考えております。
それを実現するにふさわしい運営主体につきましては,自由で柔軟な活動ができること,また,企業メセナなどの民間活力を取り入れること,さらには,公共設置のホールとしての公平性と札幌市の音楽芸術の育成という使命を担えることなどの諸条件を総合的に判断いたしますと,やはり財団で運営するのがふさわしいであろうと考えております。
その場合,施設ごとに新規財団をつくることは,果たしていかがなものかと。むしろ,札幌市全体の芸術文化の将来展望を踏まえ,既存財団を見直し,活性化する中で,積極的な事業展開を行うべきでないかという観点から,現在,庁内の
関係部局と協議を行なっている段階であり,来年度の早い時期に,運営主体について,まず方向づけをしたいと考えております。
第2点目の市民の幅広い意見の取入れについてでございますが,運営主体を決定した後に,具体的な運営方法を検討してまいりたいと考えておりますことから,平成6年度の前半にも,多くの方々から意見を伺う場を設け,それを運営手法の検討過程に反映させてまいりたいと考えております。
◆川口谷 委員 少し詳しい丁寧な答弁をいただきましたので,私もよく注意をして聞いていたのですが,要するに,去年,関口委員がいろいろ質問された内容については,まだ手がついていないと,簡単に言うと,そういうことではないかなというふうに思います。
来年度の早い段階でということは,つまり,平成6年度の早い段階でというふうに私は受けとめたわけでありますし,あるいは,6年度の前半に多くの意見を伺う場を設けてということも,つまり,新年度の中で,言ってみれば,昨年の指摘事項について取り組んでいくということだろうというふうに受けとめました。そういう意味では,やはり不十分さは否めないというふうに思います。
最初にも申し上げましたが,やはり大事なことは,施設もさることながら,それをいかに運営していくかというところが大事ではないかなというふうに思います。
特に音楽については,たとえば,ベルリンフィルであるとかウィーンフィルなど,世界的なレベルのオーケストラを呼ぶとなれば,リードタイムは4年ないし5年というふうに言われています。そうすると,もうこの時期ですから,ベルリンなりウィーンフィルは手が届かないだろうなというふうに思うのですが,やはり,市民に世界レベルのものを提供しようということになると,できるだけ早く態勢を整えていくということが,私は重要だろうと思います。
さらに,安定した運営を行うために,基金の造成についても積極的に検討を進める必要があると思います。もうことしの春に着工という段階ですから,もっと精力的に,運営主体なり基金の問題等について取り組むべきだというふうに思いますけれども,あらためて見解を伺いたい。
また,市民の幅広い意見を取り入れる,このことについては,この札幌には,幸い全国的にも注目をされたオルガン設置期成会活動でありますとか,サッポロシアターパークプロジェクト,STPというふうに略しておりますけれども,こうした熱心な市民活動が行われています。これは,貴重な存在だというふうに思います。人的資源でもあるというふうに思います。STPは,こういうような,1期,2期,3期の活動の日程をつくって,いま第3期に入りまして,今後2年間,さらに民間から寄附を募って,今後の演劇ホール,あるいは能楽堂のための活動をやると,こういう呼びかけのファイルまでつくって活動しておられる。本当に頭の下がる思いをいたすわけですが,いわば,そうした文化ボランティアの活力や企業メセナ,こういったものを掘り起こすということが,ホールの運営に役立つことは論をまたないというふうに思います。そこで,ぜひ,ここの部分についても見解をお示しをいただきたいと思います。
◎長嶋 文化部長 第1点の基金の造成問題も含めました精力的な運営問題の検討についてでございますが,ご指摘のとおり,世界水準の活動を行うホールとするためにも,できるだけ早く組織体制を整えるべきだと思いますので,安定した運営のための財源措置問題も含めまして,早急に庁内で調整を行いまして,幅広く市民の意見を取り入れながら,運営問題の整理をしてまいりたいと存じております。
また,第2点目の市民の文化ボランティアの取込みでございますが,現在,ホールの運営などにつきまして検討を進めている中で,音楽家協議会などの専門家団体だけでなく,お話にもございましたオルガン期成会やSTPなどの積極的な文化活動を行なっている市民団体とも連携を密にいたしまして,情報交換を行なっているところでございます。ホールの完成に向けまして,ホール運営を支援する中核的な市民ボランティア組織として,たとえば,ホール会員の募集やホールの自主事業の企画やPRなどに積極的に参加し,活躍してくれるものと期待をしているところでございます。以上でございます。
◆川口谷 委員 最後にいたします。答弁としては,言葉は伝わってまいりますけれども,問題は,何をどうやってきたかということ,あるいは,どうやるかというところが,これから大事だというふうに思います。どうか,今後拍車をかけて,この問題を早急に仕上げていただきたいというふうに思います。
先ほども紹介をいたしましたが,たとえば,市民団体の関係で言いますと,STPのメンバーには,たとえば音楽団体協議会,音楽家協議会,北海道吹奏楽連盟,あるいは,札幌合唱連盟,札幌交響楽団等々,言ってみれば,札幌における音楽界ではそうそうたる団体が入っておられる,個人も入っておられる。そして,何でも言ってほしいと,われわれは手足になってやってもいいと,あるいは,市が一番苦手とする市民一人一人のところに対する働きかけは,自分たちも担いたいと,こう言っているわけですから,連携はもちろんとっていただきますけれども,やると言っているのだから,遠慮しないで,お願いするところはどんどんお願いしていくと,こういうことで,積極的にやってもらいたい。
それと,企業メセナ,いま,たまたまこういう経済状況ですから,このSTPにしましても,非常に財源を確保するのに苦労しております。しかし,これは企業と市民,あるいは行政との長いこれからの先を見通したときに,企業といえども,ときどきの上がり下がりに余りとらわれない,文化面に対する理解も僕はあると思いますので,そういうところにも向けて,ぜひメセナの掘起し,こういうところにも重点を置いてやっていただきたいと,こういうふうに思うわけです。
先ほど来,文化部長は,いろんなサイドから球が飛んできて大変なようでございますけれども,最後に,いま,種々私が申し上げた部分に対する総括的な決意をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
◎大野
市民局長 いま,川口谷委員の段々のご意見については,私も十分理解できるところでありますし,特にSTPとの関連では,私どももある程度,定期的とは言いませんけれども,情報交換をしながら,お互いに協力し合うということについては,常々話し合っているところでもございます。
それから,メセナにつきましても,いま言われたとおり,やはり企業の文化に対するご理解といいますか,そういうものを日常から深めてもらう動き,あるいはPRといいますか,そういうものを私どももやっていかなければならないだろうと,こういうように感じております。いずれにいたしましても,この運営主体につきましては,あるいはまた,もう一つ組織体制の確立については,急がなければならないだろうというふうに思っておりますと同時にまた,そのオープニング行事につきましても遺憾のないように,これから進めてまいりたいと,このように思っております。以上でございます。
○関口 委員長 第3項
市民生活費等の質疑を終了いたします。
次に,第5款 労働費 第1項 労働費中関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会は,明日午後1時から,教育委員会のうち総務部,学校教育部,教育研究所及び高等専門学校事務局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
──────────────
散 会 午後4時58分...