委 員 佐々木 肇 君 委 員 高 橋 重 人 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君
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開 議 午後1時
○関口
委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項はございません。
それでは,議事に入ります。
最初に,第2款
総務費 第1項
総務管理費中
関係分,第2条の第2表継続費のうち
関係分及び第4条の第4
表地方債のうち
関係分を一括して質疑を行います。
◆伊藤 委員 それでは,私は,
行政運営効率化委員会と
出資団体の
見直しについてお伺いをいたします。
先日,わが会派の
千葉議員の
代表質問におきまして,
バブル経済の崩壊とその後の長期の厳しい不況という大きな時代の流れを受けて,本市の
出資団体の
あり方について,いままで以上に抜本的な
見直しを行う時期ではないかと質問をいたしたところでありますが,これに対して,
見直しをしていくという前向きの答弁がなされたところであります。
今回の
見直しを進めるに当たっては,
行政運営効率化委員会などを活用していくとお聞きをしているのでありますが,来年度の
市税収入が今年度予算よりも落ち込むなど,厳しい
減量経営に迫られている今日でありますだけに,このように
行政運営の一層の
効率化に向けて,組織を設け取り組んでいくことは,ぜひやっていくべきことであると私も考えているのであります。また,大いに成果を挙げることを期待するものでもあります。
そこで,質問の第1点目でありますが,この
行政運営効率化委員会が発足して以来,2ヵ月余りが経過をいたしました。これまで,
委員会の中でどのような議論がなされてきたのか,また,今後どのように取り組んでいくのか,まずお伺いをいたします。
次に,質問の第2点目でありますが,
出資団体の
見直しにつきまして,具体的にどのように進めていこうとお考えなのか,あわせてお伺いをいたします。
◎伊藤
総務局長 ただいまの第1点目の
行政運営効率化委員会の論議の過程でございますが,これは,先ほど委員もおっしゃいましたように,この
委員会の設置に当たりましては,
社会経済情勢の変化,あるいは
行政需要の
多様化に伴いまして,さまざまな
行政課題が生じてきております。それにいかに総合的に取り組んでいくかということで,昨年の12月20日に発足いたしまして,これまで
幹事会を4回開いております。
行政効率化委員会のほうは,
木戸助役を
委員長といたしまして,全局長がメンバーとして参加したわけでございますが,
幹事会のほうは,各
行政運営の
調整機能を持つ
関係局の
部課長で構成しています。たとえば,総務・
企画調整・財政・
市民局のそれぞれの
部課長で構成しています。
その中で主に検討されていることは,現在までにすでに
行政運営の
検討課題としていろいろ取り上げられているもの,さらに,新たにアイデアを出し合って,こういうものを
行政効率の問題として取り上げようというようなことを幅広く検討いたしまして,いまリストアップをしているところでございます。その中で,さらに,新
年度早々から取り組んで,さらに抜本的な改正・
見直しを伴うもの,そういうものについては,中長期的に
見直していかなければなりません。そういうものを,いま絞り込んでいる状況でございます。
そして,これについては年度内,この3月中に
委員会を開催いたしまして,より専門的な検討を加えるために,専門の部会を持ちたいというふうに思っております。したがって,この部会が設置されますと,新年度からはさらに本格的な検討に入るということでございます。
それからもう一つ,2点目の
出資団体の
見直しでございますが,これについては,現在,各
所管局に対して,各
出資団体の
経営状況とか,あるいは事業の
運営状況などをさらに掘り下げて聞いて,その検討を依頼しているわけでございます。この検討結果を踏まえまして,
効率化委員会に設置する
専門部会の中で,さらに各
所管局から事情を聞きまして,各団体の抱えている悩みとか,あるいは
問題点をさらに浮彫りにいたしまして,そして,今後の出資の
必要性,
経営状況の改善の方策などをさらに検討していきたい。
さらには,
出資団体全体を通じた問題として,たとえば,これから出資の
あり方,あるいは設立後の各局の指導の仕方,そういうことも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆伊藤 委員 この
行政運営効率化委員会のこれまでの審議の状況については,
幹事会で取り組むべき課題を調整している段階であると,こんなふうにいまご説明がございました。従前の
事務能率推進委員会を発展的に改組をして,より全庁的な体制として発足させたこの
委員会でありますから,この際,幅広く
行政運営上の課題をとらえていただいて,積極的に活動を行なっていただきたいと思うのであります。
先ほどの答弁で,年度内に
委員会を開催し,
専門部会の設置を決定するということでありました。現在の
審議状況の中で,どのような
専門部会を設置して取り組んでいくつもりなのか,まずお伺いをしたい。
さらにまた,
出資団体の
見直しについても,その意気込みというか,そうしたものは受け取れるわけであります。本市が積極的にかかわりを持っている団体,
熱関係の
株式会社3社,これは
北海道熱供給公社,それから
札幌エネルギー供給公社,さらにまた
北海道地域暖房,また,
レクリエーション施設を経営する3団体,
札幌リゾート開発公社,
札幌振興公社,さらにまた
札幌オリンピック手稲山記念ランド,また,
芸術文化に関する事業を行なっている4団体もあるわけですが,札幌市
教育文化財団,
札幌芸術の森,さらに
札幌彫刻美術館,
北海道文学館など,いろいろあるわけであります。
私は,それぞれの団体が設置をされた経緯や現在の状況は,それぞれ異なっているわけでありますから,これらの団体を一つにまとめることが,必ずしもいいというふうには思っておりませんけれども,現在の厳しい状況の中でありますから,より効果的に事業を実施していくという大きな視点から,さらに一歩進めて,団体の統合も含めた
見直しをしていく必要があると考えるのでありますが,このこともあわせて,お考えをお尋ねいたします。
◎伊藤
総務局長 専門部会の設置のことについてでございますが,現在のところ,どのような
専門部会を幾つ設置するかということについては,まだ具体的にはちょっと申し上げる段階ではございませんが,私ども一応基本的に考えていることは,一つの大きな柱として組織の
活性化の問題,
事務事業の
効率化の問題,それから
市民サービスの向上の問題,このような問題を取り上げて
専門部会を設置していきたいというふうに思っております。
また,さらにご質問の中の統合の問題についてでございますけれども,これについては,先ほど委員からもお話ございましたように,いろいろ需要があって大変難しい問題があるというふうに私どもも考えております。それは,たとえば,類似の事業であっても,それぞれの
出資団体の設立の目的・経緯,さらには,
出資比率とかいろんな問題がございまして,そう簡単にはいかない。しかし,私どもも,この統合問題については,どういう事業がそういうふうにできるのか,あるいはどういう形で可能なのか,そういうことも含めまして,この
専門部会で検討してまいりたいというふうに思っております。以上です。
◆伊藤 委員 この
委員会の進め方については,おおむね理解をさせていただいたところであります。いずれにいたしましても,この
委員会は非常に重要な使命を持った
委員会だというふうに認識をしているわけであります。この
行政運営効率化委員会の
委員長として,
木戸助役,ひとつ決意をお聞かせいただきたいと思います。
◎木戸 助役 いつの時代にあっても,行政のニーズというのは,そのときどきの時代の社会的な,あるいは経済的な背景をもって出てくるわけですから,やはりその時代その時代に適合した,しかも,将来に悔いを残さないような行政を進めていかなきゃならないわけです。そういう意味では,この
行政効率化につきましては,いま申し上げた趣旨に沿うような形で,ぜひとも積極的に進めてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
◆荒川 委員 私からも,第三
セクターの問題についてお尋ねをします。
第三
セクターと言われる形での
事業運営は,市が出資するなり貸付けをするなり,財政的にも深くかかわって,本来,公共的な使命を持つ事業を推進する,こういうことであります。いただきました資料によりますと,本市が出資している団体は106団体,本市の
出資金の総額が81億円,こういう状況にある中で,いま第三
セクターの
見直しが迫られる事態になっている。これは,全国の大都市の中で,すでに神戸,京都,大阪がそういう方向で動き出しておりますし,また,自治省の
研究会でも,かなり厳しい指摘が行われたということに端を発していると思います。
昨年まとめられた自治省の
研究会,第三
セクターの
設立運営等の
基本的あり方に関する
研究会の提言というものを見ますと,第三
セクターの安易な設立や適切さを欠く運営に対して問題も提起されているということで,具体的に触れておりますし,特に,
リゾート開発の
推進主体として第三
セクターが活用されたことから,第三
セクターが
環境破壊の
推進役になったという批判も出されている。また,こういう指摘もあります。経営が悪化した際に,
民間事業者が撤退し,
地方公共団体が株式の引受けを初め,責任を負わされる事例や,相当厳しい
経営状況に至っているにもかかわらず,将来的な見通しを踏まえた
問題解決の方途を検討せずに,
地方公共団体の一時
的財政支援等によって
場当たり的対応を行うにとどまっている事例もある,こういうような指摘も,国のほうからされている。
そこで,第三
セクターというのは,一体何なのか。
地方自治体が,なぜこういう方式で公共・公益的な事業を推進しなければならないのか,私もいろいろ勉強させてもらいました。
振りかえってみましても,本市の場合は,
札幌振興公社,ほとんど札幌市が出資しての
不動産会社の設立は一番早いと思うのです。これは,急増する人口の中での
都市施設整備,そのための
公共用地の
先行取得,こういうことを主な使命にして役割を果たしていた。
自治体の仕事が,
借金一つにしても国の
地方財政計画に縛られ,そして起債の許認可という枠に縛られ,自由にいかない中で,将来を見越して必要な土地を,
株式会社にして銀行から金を借りて,土地の手だてをしていくという点での
札幌振興公社の役割というのもあったと思います。
オリンピックと前後して,
学校建築では屋体が次年度に回されるので,それを早めて,
振興公社がこれを建ててしまって,そして,
オリンピックなどにもこれを活用した後で,学校の屋体として
一般会計が買い取る,こういうやり方もありましたし,
それなりの歴史的な役割は果たしてきたと思うのです。
そして,いまから20年ほど前に,
土地開発公社が法定されて,本来,
地方自治体は,自治法のもとでは本来の
地方行政,それ以外の事業というのは,
地方公営企業としてやるものとされていたのではないかと私は思っているわけですが,こういう形で,法的にも第三
セクターの道が開かれた。80年代に入って
中曽根内閣のもとでの,いわゆる
民活推進路線,
行革路線といいますか,こういうものの中で,開発や
リゾート,あるいは施設の管理,あらゆるものに第三
セクターの活用という方向が求められて,札幌市も大体そういう流れの中で,今日の
出資団体106というところまで来ていると思うのですね。
そこで,あらためて第三
セクターの役割。行政が
単独行政としてやるか,あるいは
公営企業としてやるか,それではうまくいかない,そういう分野を第三
セクターという形に位置づけたと思うのです。しかし,いまの106団体,本来行政が
直轄直営でやるべきものさえ第三
セクターにやらせているものはないだろうか。民間の
株式会社でやっても構わないようなものに本市が金を出して,第三
セクターとして手厚く保護しているようなものはないだろうか。
それから,さっきたまたま例に挙げました
振興公社と
土地開発公社,いまではもう役割はダブっていますよね。
土地開発公社も
公共用地の
先行取得,どんどんできるようになっているし,
管理業務まで枠が広げられてきていますから,いままで
札幌振興公社が果たしてきた役割は,
土地開発公社が,法にきちんと定められた公社が肩がわりできるようになっているのではないか。
あるいは,私どもが本市の
出資段階から問題を指摘して反対した
札幌エネルギー公社,いまから8年前に出資して事業が設置された。そのときの説明とはまるで違って,あの
ヒートポンプ自体がもう役に立たない,地下鉄の
廃熱利用などというものではない,一
熱供給事業になって,しかも札幌市が3億6,000万の30%の出資,5億の貸付け,さらに5億の貸付けと10億の貸付けまできて,いまだに手厚い保護をしているこの事業の目的は,札幌駅の北口に展開する
事業体のビル群に対する
熱供給,こういう点で,果たしてどれほどの
公益性があるのか。
熱供給公社で,なぜこれを肩がわりできないのか。
いまになってみれば,札幌市のかかわっている,いわゆる第三
セクターの問題もほころんで表に出てきている。マスコミなどでもそのことが報道されている中でいま
伊藤委員の質問にもありまして,あらためて,
見直しをし,そのための体制をとるということでありますが,本来,行政が直営でやるべき
市民サービス,それを安易に第三
セクターに肩がわりさせているようなものは,
見直しの機会にきちんとまたもとに戻すというような考えも含めて
見直しがされるのか。この際,すっぱりと札幌市は手を切ると,そして,会社として独立させるというようなことも考えての
見直しなのか。あるいは,同じような目的で,現に事業をしているような団体の統合というようなことも含めての
見直しになるのか,そのあたり,あらためてお聞きをしたいというふうに思うのです。
◎伊藤
総務局長 出資団体の
見直しの内容だと思うのですけれども,先ほどもちょっとお話ししましたように,これから
専門部会において,
見直しについては十分協議していただきたいと思っています。したがって,いまここで具体的な中身で申し上げられるものはございません。ただ,一般的にいいますと,第三
セクターの
必要性というのは,
官民協力により,さらに住民の
サービスの向上,あるいは
業務能率の
効率化といいますか,そういうものについて,設立することによって,さらに一層
事業効果が上がるということで設立されているわけでございまして,これは,たとえば,
自治体がやるよりはさらに機動的でもありますし,また,弾力的な
事業展開,あるいは
市民サービスができるということで設立されているわけであります。従来,設立については,それぞれの意義あるいは効果があったと思いますが,それらについても,時代の変化がございますので,今後,その
専門部会で検討してまいりたいと思います。
◆荒川 委員 具体的な中身に触れては今後検討ということで,いまの段階では余り詳しく言える状況にないと,それはわかりますから,基本的な
考え方について再質問をしたいというふうに思うのです。
この第三
セクターというのは,
公共性があって設置されるものですよね。第三
セクターの設置というのは,何点かに集約された
考え方があると思うのです。たとえば,市がやるよりも安上がりにできるというようなことも,効率的にやれるとかということで推進される場合もありますよね。それから,市がやるにしてはちょっと
公共性にプラスアルファの要素が入ってくる,しかも資金の借入れとかいろんなこともあるしということで,
株式会社という形にしながらとる場合もありますよね。
この第三
セクターの中で,2分の1の出資の場合は,議会にも
事業内容について報告があるし,4分の1以上の場合には,市の監査の対象にもなると。そのほかに,
総務局長が指定する,4分の1以下であっても,そういう法人,14団体もあるということで資料をいただいています。
どういう形態にしろ,この
公共性というのは貫かれての第三
セクターだと思うのですが,その点で,何ぼかのファクターに分けて,いま札幌市は106団体の第三
セクターを擁しているのだというふうな,整理した札幌市の
考え方というのはあるのですか。
今回の
予算議会でも,新たに消防に
防災協会という
財団法人がつくられて,100%,札幌市が3,000万円出資するというのが出ていますし,
株式会社札幌リサイクル公社,これも,札幌市が100%出資,3億円を出して新たにつくろうという形で,まさに各局に,第三
セクターというのは必ず持つものというような勢いで現に広がっているわけですが,性格的にどういうふうに,現在の106団体にこれ二つ加われば108になるのかな,性格づけで整理していますか。
◎伊藤
総務局長 特に,第三
セクターの
設立基準といいますか,そういう基準の種類に分けて,どの団体がどの基準に該当するとか,どういう目的でこれは設立したとか,そういうふうな分類はございません。
ただ,一般的に申しますのは,先ほど言いましたように,委員からも先ほどお話しございましたように,何といっても
公益性のある
事業団体であるということが大前提でございます。したがって,やはり
住民サービスの向上,むしろ,第三
セクターにやらせたほうが
事務能率が向上するとか,いろんな
メリットがあると思います。たとえば,
株式会社でありましたら,先ほどお話しございました民活といいますか,民間の活力を導入して民間の経営の
ノウハウ等,そういうすぐれたものを導入しながら展開をするというようなこともございます。そういうことで,やはり
公共性を保ちながら,民間の力を得て,
住民サービスの向上に寄与するというのが一つの基準であります。
そういうことで,いままで,各局におかれても,そういう設立の判断をしてきたわけでございまして,いま言った分類はないですけれども,
それなりの意義,
メリットがあっての設立であるとわれわれは考えておるということでございます。
◆荒川 委員 余りはっきりした答弁ではないのですが,それぞれには,吟味して第三
セクターをスタートさせたとは思うのですが,明確な,体系づけた基準がないままに106まで来ているのかなと,いまの局長の答弁からはちょっと,そういうことでいいのかなという気がしますよ。私,いま,これ以上言いませんけどね。
次に,最近,第三
セクターの問題について,いろんな学者や
研究者が物を書いていますし,提言も行なっています。そして,私がいま見ている「
行政組織の改編と第三
セクター」という本,学者・
研究者が共同執筆しているものですけれども,その中で,こういうふうな指摘があります。一つは,
自治体の第三
セクターの
問題点として第1に挙げられるのは,
自治体の
住民サービスが,
一般行政部門での
直営方式から公社や第三
セクターといった
出資法人部門に移しかえられ,
一般行政部門の役割や責任がきわめてあいまいになっていることである。それからもう一つは,
リゾート開発や都市再開発の担い手として設立された第三
セクターが,農村や都市の
環境破壊の
推進役になっており,また,これらの第三
セクターが,
自治体と民間大企業の癒着による汚職,乱脈,倒産など,不祥事の中心になっていることだ,事例をいろいろ言いながら,こういう指摘があります。
そして,本来公共的な使命があるからといって,行政がかかわる第三
セクターを民主的にチェックし,統制する必要があると言って,第1に,形式上は
自治体と
株式会社なり公社なり,その第三
セクターは別個の法主体であるが,第三
セクターの設立に始まり,人事の面でも
財政的支援の面でも,両者は一体的な関係にあると。したがって,そのような実態を前提にすると,
地方公共団体は,
外部的統制を行う資格に欠けるところがあると言ってよいと。現に,
地方公共団体と
地方公社との癒着による
病理的現象として,
汚職収賄事件が時に社会問題になる。
第2に,第三
セクターに対する
民主的統制としては,
執行機関以外のものによるシステムが重要だ。ところが,現在では,議会による統制,
監査委員による統制は,形骸化していると。これは,法的な体制の背景があるわけですけれども。また,住民による直接の
統制制度は存在しない。近年の第三
セクター,
地方公社の拡大は,住民によるコントロールの及ばない
自治体行政部門,
公共部門を拡大しているという意味を持ち,
住民自治の観点からは問題だ,こういう指摘がありますけれども,いま言ったような指摘について,これをどのように受けとめますか。
木戸助役,どうですか。
◎木戸 助役 いま,いろいろな指摘がございました。第三
セクターをつくるときは,やはりその
公益性が重視されなきゃならないわけです。そして,それがまた住民の福祉につながらなきゃいかぬ。しかしながら,行政がやる場合よりは,やはり運営の
効率化も図れるし,あるいは弾力的な運営ができることによって
住民サービスにもつながるというような事例もたくさんあるわけです。本市では,そういうような
考え方に立って,いろいろな第三
セクターをこれまでつくってきたわけで,そしてまた,
それなりに機能を発揮してきたと私は確信しております。したがって,いまお話のあったような
環境破壊の問題とか,あるいは何か住民のサイドから見て不正が行われているというような印象を持たれるということはございません。
しかしながら,いま
見直しを図ろうとしているのは,そうはいっても,時代のニーズがだんだん変わってきているのだから,見直すところは
見直して,あるいは,
リストラを図るところは
リストラを図って,よりその効果を上げるためにやろうと言っていることでありまして,いま
荒川委員がおっしゃられた例は,よそにあるのかもしれませんけれども,札幌市にはないというふうに確信しております。
◆中嶋 委員 私は,各種申請書の押印の
見直しについてお伺いいたします。
この件については,昨年の10月の決算特別
委員会でも,申請書の押印の廃止について質問したところです。
すでに,東京都を初めとして各
自治体では,押印の廃止に取り組んでいるところもあります。決算特別
委員会のときのご答弁は,行政文書のA4版化に合わせて,可能な限り廃止に向けて取り組んでいきたいということでした。この4月からA4版化に取り組まれるということですので,押印廃止に向けて準備が進められてきたことと思います。この検討がどのように行われて,また,検討の結果,どのくらい押印が廃止できるのか,見通しについてお伺いいたします。
◎吉本 庶務部長 押印の廃止についての取組状況でございますけれども,
市民サービスの向上になるという,こういう視点を持ちまして,特に,市民の方々にご利用いただいています各種施設の申請書などを中心に全庁的な
見直しを行いました。
その結果,廃止できるものといたしましては,たとえば,区民センターですとか地区集会所,あるいは青少年センター等々のコミュニティ施設,あるいは,教文会館や市民ギャラリーなどの教育文化施設,あるいはテニスコートなどの体育施設など,市民の方々が日ごろご利用されています施設のほとんどのもので押印を廃止できる見通しだと,こんなふうに私ども,いま考えてございます。
また,市民利用施設以外の申請書でありましても,たとえば,市営住宅の入居の申請でございますとか,在宅福祉
サービスの申請など,多くのもので押印の廃止ができるものと考えております。
なお,使用料関係などで,公金の還付なんかありますけれども,こういうものは従来どおり押印をしていただくと,こういうふうに考えております。
その結果,廃止できるものとできないものと,それぞれございますけれども,市民利用施設の取扱件数で申し上げますと,大体年間,約220万件が該当いたしますけれども,すでに実施済みのものも含めまして,97%の申請手続で押印の必要がなくなるという見通しでございます。以上でございます。
◆中嶋 委員
市民サービスが向上して,市民にとってはすごくいいことだなと思いますが,この廃止が行われましても,市民に対して,このことを上手にPRしていかないと生きてこないのかなと思います。このPRについては,どのように考えておられるのかお伺いします。
◎吉本 庶務部長 いまPRのお話がございました。私どもも,やはりPRは積極的に進めていかなければならないと,こういうふうに思っております。
具体的には,広報さっぽろでございますとか,あるいは,区役所や区民センターなど,市民の皆さんがよくご利用なさいます施設には,押印の廃止状況が一覧できるものを掲示をいたしましたり,あるいは,報道関係の方々にもご協力をいただきながら,いろいろな機会を通して積極的にPRしてまいりたいと,このように考えております。以上です。
◆中嶋 委員 97%のものが廃止できるということでしたが,残りのものについても,法律で定められているものはきわめて数も少ないと思われますので,もう少し可能なものがあるのではないかなというふうに思います。今後の
見直しもぜひ進めていただきたいと思います。これは要望です。
◆藤原 委員 私は,国際部にかかわりますJICAの関係について質問を進めていきたいと思います。
昨年の第3回の定例議会における決算
委員会でも質問をさせていただきましたけれども,重ねて,JICAの誘致に当たってこられました市長以下関係者の皆さんに敬意を表するものであります。しかし,実際に新年度を迎えるに当たりまして,本市のJICAに対する土地の貸付けなどが,これから具体的に始まっていこうとしているわけであります。
そこで,1点目の質問は,昨年の決算
委員会における答弁でも,貸付面積が約8,300平米というふうに報告をされておりましたけれども,新年度の予算書を見ますと,わずかではありますが,8,500平米に変更になっております。この増加した理由についてお伺いをしたいというふうに思います。
2点目には,使用料または貸付料金の算定要領に基づいて,貸付額が算定をされてくると思いますけれども,当面,この夏から国際研修センターの工事も始まる予定でありますけれども,この工事期間中の土地の貸付額は,どのように設定をしているのかお尋ねをいたします。
仮に,先般も申し上げましたように,算定率,非営利ということで100分の5の本市の基準に基づいて,減額をして貸し出す場合,または,それを上回って貸す場合などがあり得るとすれば,あわせて,その理由と根拠についてお伺いをします。
3点目には,工事が始まり,やがてオープンする際には,この土地の貸付料の算定をどのように考えておられるのか。あわせて,JICA側や外務省,さらには自治省にどのような折衝や働きかけをして今日に至っているのかお伺いをします。
次に,4点目として,これらがオープンするに至って,貸付期間中の貸付料金の改定方法などについてはどのように考えられているのか,お尋ねをしたいと思います。
◎佐藤 国際部長 JICAの研修センターの土地にかかわるご質問4点でありますが,まず第1点目であります。
昨年の第3回定例会決算
委員会で,貸付けの予定面積は8,300平米というふうに申し上げたと思います。今回JICAへの貸付面積については,8,300ということで考えております。これは,国際部のほうで8,500平米は買取りをすると。そのうち,8,300はJICAの施設に貸与するということになりますが,残りの200平米は,あそこに白石の交番がございます,あの交番を移転させることにはなりますけれども,現在の面積に若干プラスして,200平米を交番用地としてお貸しをするということの内訳で,トータル8,500でございます。
それから,第2点目の工事期間中の土地の貸付けの率,あるいは根拠について,どのようにお考えかということだと思います。3点目のこれまでの交渉の経過ということと絡むのですけれども,一昨年の国の予算が成立する段階で,札幌市にJICAの施設が決まったという段階のあたりで,外務省としては,土地の貸付け料金については,外務省から見て適正な価格,いわゆる配慮という言葉もあるかもしれませんけれども,外務省から見て適正な価格になるようひとつご検討願いたいという話が,実は誘致の一つのあれとしてあったのは事実でありました。
そんなような方向の中で,現に法的な問題が絡んできますので,自治省との絡みが出ます,その中で,札幌市の公有財産の貸付基準があるので,その基準に照らしてやってほしいと,極端に言うと,減額,減率については好ましくはないというのが自治省の見解であります。それを受けて再度外務省のほうに,そのことも含めて,いろんな理由づけがさらにできないかということでいろいろと検討はしております。
そういう中で,3点目に絡むのですけれども,工事期間中と,それから工事後の実際に建物ができて運営に入るのは平成8年を予定していますけれども,外務省とは,そのときの貸付率について,具体的にこうということはまだ決めておりません。
私どもが考えて,なおかつ自治省,外務省にお話ししているのは,少なくとも工事期間中につきましては,札幌市サイドの施設の建設に伴う車両等の出入りがどうしてもあります。そういうことで,でき得れば,2ヵ年の工事期間中については,外務省から見て適正な価格になるように調整はしたいと思っていますし,その旨,自治省,外務省にもお話はしています。ただ,最終的な結論はまだ出ておりません。
それから,実際に供用開始,平成8年の段階では,多分自治省の意向といいますか,札幌市から見てもいいわけでありますから,そういう方向で,さらに外務省とも協議調整をしてまいりたいと思っています。
それから,4点目,建物ということで30年の貸付けの担保にはなろうかと思いますけれども,固定資産評価額が改定になる3年に1度について,基準価格の
見直しは出てこようかというふうに考えております。以上であります。
◆藤原 委員 いま,外務省のほうから適正な価格というような表現がありました。一歩踏み込んで,本市としては,どの程度,適正な価格に近づけようとしているのか,具体的な数字をもし検討されていれば,報告をいただきたいというふうに思うわけであります。
また,平成8年度のオープンの際には,本市の貸付けに基づく基準を尊重してほしいという自治省からの要請があると。本市においても,それに基づいて,外務省なりJICAと折衝をしたいということでありました。本市の算定率については,市長の決裁によってそれを下回ることもあり得ますけれども,「適正な価格」という自治省の表現は本市の条例にも定まっております,非営利の場合には100分の5が原則というふうに受けとめているのかなと思いますので,ぜひそういった方向になるように,関係機関にも働きかけをしていただきながら,札幌市民の財産の一部であります土地に対する有効的な運用を含めてお願いを申し上げたいというふうに思うわけであります。
そんな意味で,最後に,工事期間中における適正な価格というのは,どの程度で設定をしているのかお尋ねをしたいと思います。
◎佐藤 国際部長 外務省から見て適正な価格ということにつきましては,これまでの経過の中で半分ぐらいの値ということが頭の中にはあります。そのことについても,自治省の担当の課とはお話しさせていただいておりますけれども,もう少し時間が要るかなということでございます。
◆藤原 委員 いま,半分という表現がありましたけれども,一方的な解釈でいきますと,100分の5のさらに半分ということで,2.5程度の貸付料金の設定になるのかなというふうに理解をするわけであります。その辺についても,基本的に言えば自治省の意向から少し外れるわけでありますけれども,誘致したいきさつもありますし,何が何でもそれを四角四面に取り仕切ればいいというものではありませんけれども,本市にとって,ぜひ有利になるような交渉の進め方をお願い申し上げまして質問を終わります。
◆原口 委員 私は,北方都市市長会議について質問させていただきたいと思います。
今月の5日から10日まで,アンカレジで開催されたわけでございますけれども,第6回の北方都市市長会議,桂市長を初め,事務局を預かっていらっしゃる理事者の皆さん,大変ご苦労さまでございました。
この北方都市市長会議,ことしから名前が変わったわけですけれども,まず,1981年に故板垣市長が提唱されて,翌年,第1回が本市で開催をされた。第3回目のエドモントン大会からは,ウインターシティーズ・ショーケースというのですか,そんなものも一緒に開催をされ,産・学・官・民という総合的なコンベンションとして発展をしてきたのは,大変うれしいことだというふうに思っております。現在では,各方面からいろいろ注目をされているところでございまして,本市が提唱して,それが世界的に広まっていったと,大変喜ばしいことでございます。
そこで,簡潔に質問させていただきますけれども,第1点目は,本市が提唱して,本年,憲章をつくった。そして,北方都市会議から北方都市市長会議というふうに名前が変わったわけでございますけれども,その名称変更の経緯について,まず第1点目お尋ねをします。そして,あわせて憲章の中身についてお知らせをいただきたいなというふうに思います。
それから,第2点目は,北方都市市長会議の組織,それから運営,そして,今度会員制度になるということでございますけれども,会員となるための基準等について,まずお尋ねをいたしたいと思います。
◎佐藤 国際部長 まず,北方都市市長会議の名称変更に伴った経緯についてでございますけれども,1990年の第4回のトロムソ会議,そして1991年の札幌での第5回モントリオール会議の予備会議におきまして,出席都市の中から,一つには事務局経費についてでありますが,札幌市が全額負担するということについて,果たしていかがなものかなと,われわれ出席都市も一部を負担してはというような意見が,この二つの会議で出ておりました。それから,2年前の1992年の第5回のモントリオール会議でございますが,参加都市が過去で一番多くて,11ヵ国34都市でございました。これまでにない非常に大きな会議でありましたけれども,この際も,これに伴って,経費が非常にかかると,会議自体の経費もかかるという意見もあり,なおかつ,その資金調達は大変だと。また,さらに,一部の都市からは,参加都市の数だけ競っていいものかというような意見もありました。また,中には,たとえば,入りたいのだけれども,会員都市の基準が明確にないので,その辺を明確にしてはというような意見があったわけです。
そのような経過を受けまして,昨年,今回の本会議の予備会議として,アンカレジで行いました。そのときに,過去の,これまで申し上げた意見等を含めまして,新たに会費を納めていただくと。大きな額ではありませんけれども,応分の額を納めていただく,いわゆる会員制の導入を,昨年,札幌市側から役員都市のほうに申入れをしまして,昨年の予備会議では大筋の合意をいただきました。その後,事務局で詰めまして,ことしの1月から正式に,北方都市市長会,まず会議の前に市長会という会を,スタートしたところであります。そして,この北方都市市長会が行う事業で一番大きいのが,いままでやっておりました北方都市会議,この名称も北方都市市長会議と変えたわけです。ですから,いままでのは北方都市会議ですけれども,今度は会費を取って会員制にすることで参加市長さんの意識を強く持っていただき,過去の経過からも,名前もさらに「市長」を入れまして,北方都市市長会議というふうに改めたものであります。
それから,チャーターでありますけれども,英文と日本語のチャーターになっています。会の目的から会員の資格,役員構成,それから,総会,理事会,
幹事会,事務局,そしてメインの北方都市市長会議というものについて細かく記載してあります。それから,会費についても,わかるような形のものがついています。全体としては,13章の65条から成っているものであります。
それから,2点目ですけれども,市長会の組織及び運営,または会員となるための基準というご質問でございます。北方都市市長会では,会の組織及び運営,また会員基準などについては,この北方都市市長会憲章を作成しまして明確に規定しております。
組織につきましては,いまも申し上げましたけれども,会員都市の全員で構成します総会というものがございます。それから,役員都市で構成します理事会というものを設けてあります。そのほかに,役員都市の上級の実務者から成る
幹事会というもの,合わせて三つ持っております。なおかつ,北方都市市長会の事務局については,これまでとおり本市に置くという内容でございます。
それから,運営の方法としては,総会,理事会は,2年に1回の北方都市市長会議に合わせてやると。そして,
幹事会につきましては,北方都市市長会議の前の年に,事務局があります本市で
幹事会を開いて,翌年の本会議のいろんなことについて打ち合わせをすると。そして,翌年は本会議ということであります。
それから,会員の基準でありますが,基本的には北方圏の都市と。北方圏の都市というのは一つ理屈があるのですけれども,北方圏の都市で構成することになります。
そして,モントリオールまで過去5回やっておりますので,これまでの5回のうち2回出席した都市については,会に入るという意思があれば,創設会員という形で迎え入れますし,また,新たに市長会に入会をしたいという方につきましては,入会申込書で理事会のほうに諮って承認をするという,通常会員といいますか,こういう形で会員の基準は決めてございます。それで,なおかつ入会の都市については,理事会が審査する条件としては,なるべく地理的に近づかない,なるべく離れた都市,北米大陸,アジア,そしてヨーロッパを一つの大きなゾーンにしていますけれども,なるべく一つのエリア,区域の中で,なるべく近い都市にならないように,そういう配慮を理事会でして,決定することになっております。
それから,現状での会員数でありますが,今回は,アンカレジの総会に先立って,その場で6都市の会員になりたいという市長さんからの申入れがありまして,結果的には22都市が新しく北方都市市長会のメンバーということになっております。以上でございます。
◆原口 委員 いま,るる詳しく説明をいただきまして,概略わかったわけでございます。年会費を徴収すると,開催市の負担軽減を図るためにそういうことになったということで,それは了解をいたしておりますし,また,そういうことが,この会議をずっと継続的に進めていく上で大切なことだろうというふうに思っております。
そこで,その年会費の算出基準はどういうふうになっているのか。というのは,22都市の中には,人口が何百万人もいるところから,新聞報道には,何千人くらいしかいないところもあるというようなことも出ておりました。先ほど,憲章のこともお話をいただきましたけれども,憲章の趣旨を知らないで出席した市長もいるのでないかというようなことが新聞には出ておりました。そんなことで,年会費の算出基準がどういうふうになっているのか,これを教えていただきたいと。
それから,最後に,せっかく市長いらっしゃっていますので,今回の第6回の会議は,コミュニケーションとか健康であるとか,輸送,ビジネスと,こういうふうなことで,四つのテーマでこの会議を進められたということだと思いますけれども,今回の会議の成果について,市長からお話しいただければ大変ありがたいと思います。以上です。
◎佐藤 国際部長 私のほうから,年会費の算出根拠についてご説明を申し上げます。
年会費の算出の根拠でございます。これは,一つには都市の人口の規模,それから,その都市が所属する国の国民1人当たりの国内総生産額,いわゆるGDPですけれども,この二つで決めております。この二つの数字は,いずれも国連の統計資料によるものであります。
ちなみに,都市人口につきましては,五つの区分にしてございます。たとえば,ゼロから10万人まで,それから,10万から30万,30万から50万,50万から100万,100万以上という五つのランクに分けてございます。
それから,GDPにつきましては,三つの段階に分けてございまして,年間のGDPがUSドルですけれども,ゼロから5,000ドル,それから,5,000から1万5,000ドル,そして1万5,000以上と,三つのランクで区別しておりますので,合わせて15のランクがあるということになってございます。
それと同時に,納めるものについては,アメリカドルで納めていただくと。その15のランクで最小の金額は,1年間500ドル,1ドル100円としておよそ5万円,それから,最高につきましては,GDPで1万5,000ドル以上あるところについては,11万5,000ドルということになります。ちなみに,本市の場合は,年間で11万5,000ドルと,約150万という会費の区分になってございます。以上でございます。
◎桂 市長 今回の北方都市市長会議の評価,それから成果についてですけれども,今回,第6回目の北方都市会議ですけれども,実質的には,市長会議と銘打っては最初の会議でありました。
市長会議と名称を改めたことの意義の一つに,より実効性の上がるといいますか,実用的な項目について,各都市の専門家の知識をそこに傾注した,各北方都市の市民に還元し得る議論というか話題というか,そういうものになるべく持っていこうというねらいがあったわけです。そういう点から見れば,今回は,いまお話があった四つのテーマについて,専門家を招いて,そして,それを基礎にして,国情上との違いはありますけれども,各都市間で非常に熱心な議論があったということが一つ。
それから,都市が本当に
市民サービスのために必要とする,既存の知識の積重ねではなくて,実態に基づいた貴重な情報の各都市間の交流のための情報ネットワークの構築に向けた小
委員会の設置,それから,特に北方圏を意識したごみの処理の
あり方,それからリサイクル,これについての小
委員会というものの設置が決まりまして,これからそれぞれ興味を持つ都市が参加をして,何らかの結論が出されると。しかも,それは各都市にとって必ず有益なものになるような結論に持っていこうというムードが非常に高まったという点では,従来の会議とは違った雰囲気であり,また,そこに意義を見出そうという意欲が認められたと,私は,そのように思って帰ってまいりました。
◆高橋[重] 委員 私は,今年度予算に100万円計上されております平和事業の問題について質問します。市長もおられますので,ぜひ,市長からもご答弁をいただきたい,このように思います。
まず,いまの国際情勢を考えてみますと,ソ連が崩壊をして,米ソの対立がなくなったと,こう言われているのが一つの特徴であります。しかし,依然としてアメリカが核兵器での世界制覇を捨てていない。従来と同じように,核戦略に基づく世界制覇,こういうことを考えておる。そういうことからいきますと,米ソ対決による核戦争の驚異というものは,確かにちょっと後退はしましたけれども,核戦争そのものがなくなった,あるいは,その驚異がなくなったということにはならないという点で,きわめて重大な問題をはらんでいるだろうと思います。
最近の資料によりますと,アメリカの持っておる核は1万500発,旧ソ連,現在のロシアの代表する一連の国で持っているのが1万5,000発,そして,イギリス,フランス,中国の3ヵ国は,それぞれ200発ないし500発と言われておるのが現状のようであります。
こうした中で,クリントン政権は,いま申し上げましたように,ソ連が崩壊したにもかかわらず,依然として核戦略を強めており,超大国としての力を,核兵器を背景にして示しておるというところに大きな問題があります。
もう一つ,最近問題になっておりますのは,いわゆる核拡散防止条約をめぐる問題です。
1995年ですから来年,この条約の再検討会議が行われる直前,北朝鮮がこの条約から離脱をするということがあって,北朝鮮の核武装ということが現実的な問題になっておりまして,これもきわめて重大な問題であります。しかし,同時に,核拡散防止条約を見る上で重要なことは,5大国の核保有国が,この条約によって,あたかも自分たちが核を持つことが当たり前である,自分たちの核保有を正当化する,こういうことに問題があるわけです。
そこで,やはりそうした核保有に対して,全世界的な批判の目を集中する,核の廃絶を要求していく,こういう運動がますます重要になっております。しかし,アメリカは,この核廃絶については,クリントンが大統領になった以後,かってのレーガン,ブッシュ政権よりもむしろ後退したと,このように言われております。クリントン大統領が国連総会やいろんなところで演説をしておる,その記録を整理して,いろいろ報道されておりますけれども,核廃絶ということには何ら触れようとしていないということが特徴であり,また,国連において,あるいは世界の非同盟諸国等において核廃絶を要求する国連の決議,こういうことがなされようとすれば,アメリカは,その運動をつぶしにかかる,核廃絶運動を敵視する,こういうようなことが,クリントン大統領の政権の中で一段と強められておるというのが特徴だと言われております。
こうした動きを見るにつけても,本市が核廃絶の都市宣言を行い,その宣言に基づいて
事業展開を進めるという意義は,ますます重要になっておるだろうと。非核
自治体のみならず,政府においてももちろん努力をするべきでありますし,また,いろんな市民団体が力を合わせて核廃絶の運動を強めていく,そしてまた国際的にもそういう運動を発展させる,こういうことは,ますます重要になるのではないか,このように考えるわけであります。
そこで伺いたいわけですけれども,こうした状況の中で,本市が100万円の事業予算を組んだ。最初500万,昨年は100万,ことしも100万と。事務当局に伺いますと,100万でも全力を挙げて事業を展開していきたい,そういう決意も聞いております。しかし,予算的に見れば,やはりちょっと寂しいのじゃないか,もう少しお金をかけて,もう少し内容のある事業に取り組んでもいいのではないか。これは,私のみならず,核問題に,あるいは平和問題に関心を持ち,注目をしておられる多くの市民の共通の気持ちではないか,このように思います。
そこで,質問の第1は,これはぜひ市長にご答弁をお願いしたいのですが,こういう世界の情勢,核の存在についてどのようにこれを受けとめて,そういう状態に対して,本市の都市宣言に基づく事業の位置づけをどう考えておられるか,この点,まず認識についてお伺いしたいと思います。
2番目には,具体的な
事業展開にかかわるわけですが,昨年8月の世界平和連帯都市会議に伊藤
総務局長が参加をされたと。昨年の3定のときに私が質問をして,そこでの宣言の内容を広報等で市民に周知するということを求めました。これは実行されました。私は,やはりそういう重要なことは市民に知らせて,市民の啓発を大いに進めるということが大事だと思います。その宣言の中に,いろいろ重要なことが書かれておりますけれども,世界平和に貢献する人材育成の教育と世論形成に積極的に取り組むと,こういう文章があります。このことは,
地方自治体の
事業展開の中で非常に重要な分野だと思います。そういう点で,どのようにこれが具体化されるのかお聞かせいただきたいと思います。
また,市民にPRする上で,私どもはいろんなことを言ってまいりました。パネルばかりではない。宣言やったんだということを周知する上からも,宣言塔,いろんな形態のものありますが,そういうものを設置するとか,あるいはモニュメントをつくるとか,さらにまた,継続的に市民の啓発を進める上で,平和会館の建設であるとか,そういういろんなことがあるだろうと。あるいはまた,広島,長崎という被爆した都市と平和運動を進める上での交流の促進等々,いろいろあるのではないかと思いますけれども,100万の事業には,当然そういうものは盛られておりません。これは,私たちばかりでなくて,いろんな方から言われているにもかかわらず,なぜこういうものが具体化しないのか,非常に残念な思いをするのですが,その点も明らかにしていただきたいと思います。
それから,本市は,白石区に北海道ノーモアヒバクシャ会館というのがございます。3年前に設置されたものであります。これは,平和への願いを込めて,被爆者を中心とした原爆に反対する多くの人の募金活動やその他の協力の中でつくられた会館であり,いまでも小・中学校の見学とか,あるいは親子連れによる見学とか,規模は小さいですけれども,平和のとうとさ,あるいは原爆の恐ろしさを勉強する,非常に貴重な施設になっております。市民が自主的につくり上げた,こういう平和の願いを込めた運動に対して,特にこういう会館を設置することに対しては,やはり
自治体が物心両面にわたって支援をする,このことはきわめて大事だと思います。その点,どう位置づけられておるのか,この点も明らかにしていただきたいと思います。
さらに,市長,北方都市会議に参加されて帰国をされたわけですが,本市の国際的な活動が非常に大事だと思います。何しろ,核兵器を持っているのは,アメリカでありロシアであり中国,わが姉妹都市を提携しておる3ヵ国ですね,そういう重要な所。ですから,国際的な分野における働きかけ,これは非常に重要だと思いますが,この点での市長の理解と位置づけ,そして,どういうようなことをされておられるのか,あるいは今後されようとするのか。私は,前に非核宣言の英訳をして,各国に送付したらどうかということを申し上げましたところ,それは実行されたと。非常にその点は大きな成果だと思いますが,一層その努力を続けることが必要だと思いますので,その点でのお考えをお示し願いたい。以上であります。
◎桂 市長 平和,あるいは非核の問題につきましては,本会議の生駒議員のお話,それから,ただいまの高橋重人議員のお話で,非常にスケールの大きな立場での平和問題についてのお話がありまして,私も大いに勉強させられました。
しかし,おっしゃるとおり,東西の冷戦はなくなったとはいいながら,現実に地球上のどこかでは,冷戦時代以上のきわめて残酷な戦いが,部分的ではありますけれども続けられていると。一体,これをどうわれわれは受けとめればいいのか。これは,国の施策に回すということだけでは済まないのではないかという気持ちがいたします。しかし,それは,核があるから,ないから,また核のあるところを非難していればいいというものでもないと思うのです。
そこで,私は,常日ごろ言っていますけれども,平和というものに対する一人一人の認識というか,確固たる思いというか,そういうものがやっぱり決め手になるのではないかと。いつも私は言っていますけれども,ユネスコ憲章の中に,戦争というものは人の心の中に発生するものであると。したがって,われわれ一人一人は,心の内に平和のとりでを築かなければならないと,そういうことをユネスコ憲章の中でうたっていますが,私は,全くそのとおりだというふうに思います。そこには,民族を超えて,あるいは宗教を超えて,平和というものへの思いというか,それを確固たるものとして自分の心の中に一人一人がとりでを築くということ,それがまず大事なのであって,いろんな施設をつくったりなんだりというのも必要ですけれども,それによって自分の心がどれだけ固められるかということがむしろ問題なのであると。私は,そういう意味では,これは非常に難しく,また,辛抱の要ることだなというふうに思っております。
それから,平和都市宣言につきましては,これまで姉妹都市を含めてほかの都市にもお送りいたしましたし,今回,北方都市会議にも持参をして,参加した都市にも札幌市の姿勢を示してまいりました。しかし,私は,再度申し上げますけれども,そういうことも大事だけれども,結局は一人一人が本当に平和に対してどれだけの覚悟を持っているかということが一番大事なのだというふうに,いまの時代を通じて,私の感想に近いのですが,そういう思いをいたします。
◎伊藤
総務局長 それでは私のほうから,そのほかの問題についてご答弁いたします。
平和都市会議の市長会議の中での人材育成の研修でございますけれども,私どももいろいろ事業を展開しているわけでございまして,その予算の中で,たとえば各部局においても平和に関するような事業をまた展開しているわけでございます。その中で,直接人材育成ということではないわけでございますけれども,たとえば,いろんな国際交流の中での,海外から来ている研修生の研修とか,そういうような国際交流を通じて,また,その研修を通じてまた平和に貢献するということも,人材育成の一つではないかというふうに考えております。
今回100万円という予算ではございますが,先ほど来たびたび申し上げておりますように,あくまでも,私どもは,市民一人一人が平和都市宣言,これについて理解を深めていただく,あるいは,そういう平和についての趣旨の理解を深めていただくと,そういうようなことで,それぞれ啓発をしてきたわけでございまして,私どもも,新年度におきましても,これらのPRについては一層努めていきたいというふうに思っているわけでございます。
それから,ヒバクシャ会館については,昨年の2月にラジオ放送を通じて,ヒバクシャ会館の紹介をさせていただきました。今後もこのような形でご支援をしていきたいというふうに思っております。以上でございます。
◆高橋[重] 委員 市長,答弁されて退席されました。何か一方的に市長の言葉を聞かされましたけれども,私の見解とは違うのですよね。市長はお忙しい方ですから,ここばかりじゃないでしょう。しかし,答弁途中で退席というのは,ちょっとやっぱり問題を残すところだと思いますね。どうなんでしょうか。これは,ある意味では重大な,議会の審議をどう考えるかということにかかわる問題につながるわけですよ。よほど重要なことがあるでしょう。しかし,やはり議会の開会中は,われわれ議員も,何かがあってもやはりここに出席をして,質疑に参加をして議論を深めて,市民の要求の実現,市民の負託にこたえるということが使命ですから,僕は,市長も同じ責任があると思うのです。北方都市会議があるとかそういうときには,議会の日程をずらしてでもとか柔軟な対応は,当然議会側と議事運営上相談をしながらやることはありますけれども,いま開会して予算審議をしている中に出席してみずから答弁して,そして,ちょっと見たら,私メモしてたのですが,頭を上げたらいないと,これはまことに許されない。この責任は今後とも追及していきますよ。そのことを申し上げておきます。
それで,市長おりませんので,局長か助役に答弁していただきたいと思いますが,一人一人の心の問題,一人一人が平和を大事にしようということは,市長が言われるまでもなくそのことは大事なので,その上に立って,そうした理解を深めるためにどう運動を進めるかということです。そう言いながら,それは施設の問題でありません,何だかんだと言って,結局あいまいにしてしまう,ここに問題があると思うのですね。
先ほど市長は,核保有国を非難するばかりが能ではないなんて言いましたけれども,そういう
考え方だったら平和は守れませんよ。核はなくなりませんよ。持っておるのがいいのか悪いのかが問われておるわけでしょう。われわれは,持っているのがだめなのだと言っているのですよ。持っているのがだめだ,だからやめなさい,廃絶しなさい。ところが,持っておる国を非難するばかりが能ではない。じゃ,われわれは,持っておるのはだめだけれども,心の中で平和を念願しましょうなんていうような理解の仕方は,そもそも,3年前に宣言をした,この宣言の精神とも完全に食い違いますよ。そういうような
考え方で,北方都市会議に行って宣言文を配りましたと言っても,心が伝わっていかぬじゃないかというふうに私は思います。
引き続いて,これ,市長がおられるときにまた議論をしたいと思いますが,事務レベルにおいても,一層努力をするようにお願いをしたいと思います。何しろ来年は被爆50周年ということです。とにかく,50年たっても,核の驚異はなくなっていない。そして,唯一被爆国の日本国民ですから,これは広島,長崎の人たちだけの問題ではない,こういう立場で努力をしていただくように,特に市民団体がいろいろ粘り強い運動を強めている,まさに,心を大事にして運動している人たちがたくさんおる。この人たちに,物心両面の援助をする。特に,庁舎を大いに使ってもらうとか,あるいはいろんな角度で認識を深める運動を進めるとか,そういうことをやる。あるいは,国際的には,いま平和運動をやっている団体の皆さん方は,核廃絶の平和条約を結べと。これはもちろん,アメリカ,ロシア,こういう国の問題です。国連の問題です。そういうことについて,札幌市長が,この宣言に基づいて一肌脱いでいく,こういうことが大事なのですよ。廃絶条約がない,その中で勝手なことをされて,核拡散防止条約だなんて抑えながら,自分たちは持っていて当たり前なんだと言っておるやり方に,やはり批判を向けていく,このことをひとつ努力をしてほしい。引き続いて議論をすることを申し上げて終わります。
○関口
委員長 市長の退席について,
委員長として一言弁明をさせていただきたいと存じます。
一通り市長から,市長の見解が述べられまして,見解の相違は私も理解をいたしましたけれども,事前に用務のメモが入っていたようでございましたので,市長の退席について,
委員長としてうなずきました。適切な処置でなかった点については,関係の委員に深くおわびを申し上げたいと思います。
◆川口谷 委員 顔を上げたら市長がいなくなったという事件がありまして,ちょっとあれですけれども,最後に,市庁舎を使わせろということもあったかと思いますけれども,その市庁舎の管理の問題につきまして質問をいたします。
予算書を拝見いたしますと,本庁舎の維持管理費として12億2,000万円が計上されています。これは,昨年の予算対比でやや下回っておりまして,先ほど来,いろいろと
効率化の問題についてやりとりもありましたけれども,数字だけ見れば,いろいろと努力の跡もその数字の中にうかがわれるかなというふうに思います。
さて,本庁舎の件でございますけれども,本庁舎はご存じのように,昭和46年,約22年から23年前に建設をされましたけれども,当時の,人口は105万人,現在は170数万人と,こういうことになっております。そういう意味では,単純に数字を比較すれば,人口は160%もふえているという状況になろうかと思います。これにつれまして,業務量も非常に増大するのは当然であります。市民ニーズに対応するために,新しい機構などもできてきて,そして,庁舎の狭隘化もそれに伴ってさらに加速をしているというふうに私には思えます。
しかし,新しい機構などができ,職員数が増加しても,庁舎そのもののスペースは広がらないわけであります。事務の
効率化やOA機器の導入という,そういう意味での合理化の努力にも限界があって,今日,本庁舎から民間のビルにそれぞれ,やむを得ない状況のもとに,各機関が部分的に出ていかれているということも理解はするわけであります。
ただ,市民の側から見ますと,これは業界の方々も含めまして,非常にタコ足状態になっているという状態については,不便をかこっているという声が,私どもにも寄せられています。また,市の機構をとってみても,1局で二つ,本庁舎と民間ビルに分かれているところもございますね。環境局の緑化推進部ですとか,それから建設局の用地部,あるいは
市民局の青少年部などありますし,また,教育
委員会はずっと西のほうに,それから,下水道は,近いですが,すぐそこのビルというようなこと,水道,交通は,それぞれ企業会計ということでビルを建てておられますけれども,やはり結構遠いところにあります。ということで,市民・業界の方々も含めて,非常に不便をかこっています。あるいは,市自体も不便をかこっていると思います。
そこで,質問でありますけれども,現在の民間ビルの借上状況と,これにかかわる94年度予算の内訳はどういうことになっているのか,お示しをいただきたいと思います。これが1点目です。
それから,2点目でありますけれども,私が二,三申し上げた市民の声というものをどういうふうに受けとめておられるのか,これらについて,また真剣に検討してこられた経過があるのかどうか,この点も2点目としてお答えをいただきたいと思います。
3点目でありますけれども,今後の民間ビル借上げに対する対応とタコ足の解消のために,どういう対策をとっていこうとされるのか,これについてお答えをいただきたいと思います。
◎吉本 庶務部長 庁舎の借上げの関係でご質問が3点ございましたけれども,現在,私ども総務局が所管して庁舎を借りていますのは,安田生命,それから大通のバスセンター,それから札幌芙蓉ビル,住友信託銀行,この4ヵ所でございまして,面積的には4,200平米程度借りてございます。家賃としましては,室料でございますね,共益費も含めまして,6年度は2億5,790万円ぐらいの家賃になるのかな,こんなふうに思ってございます。
第2点目は,市民の声をどう聞いているのかということでございますけれども,庁舎の分散化によりまして,市民利用で不便さが増しているのは間違いない事実だというふうに私どもは認識しております。
そこで,お尋ねの第3点目の今後についてどういう
考え方かということでございます。現在15階の行政情報室がございますけれども,この行政情報室が平成7年の5月に菊水の行政情報センターのほうに移ることになりますのでこの空きスペース,大体1,000平米ございますが,この1,000平米に,いま近隣民間ビルを借りられています部局の一部を持ってきたいと,こんなふうに考えております。
なお,電算開発のために借りております芙蓉ビル,これも開発事業が終了いたします7年度中,これで返還する予定としております。以上でございます。
◆川口谷 委員 ただいまの答弁ですと,来年の5月には行政情報センターが移転をすると。これを受けて,1,000平米ですか,民間ビルに入っているところが一部戻ってくることになるようでして,部分的にタコ足解消ということになろうかと思いますけれども,それであったとしても,民間の借上状態は,まだずっと続くわけですね。
同じ札幌市の機構にあって,一つは交通局のビル,この事務室に余裕スペースが生じているというふうに伺っております。もちろんこれは,企業会計たる交通局の健全化策の中で大いに努力をされているようでありますけれども,これがなかなか,最近の民間ビル全体の空室化というか,空洞化というか,そういうことによって,非常に難儀を来たしているようでありますね。この際,札幌市と交通局という関係でいけば,一番これはややこしいことがないわけですから,スムーズに貸し借りがいくだろうし,お互いのためになるのだろうというふうに思うのです。どうでしょう,本庁の部局を何とか検討いただいて,交通局の部屋を借りて生かす方法がないものかどうか。この辺,検討はされたのだろうと思うのですけれども,ぜひお考えをいただいて,再度答弁をお願いしたいと思います。
◎吉本 庶務部長 いま,交通局庁舎のお話ございました。交通局におきましても,健全化の関係の中で,空きスペースの活用について,現在鋭意検討を進めているところでございます。
状況を申し上げますと,現在1階部分で300平米,それから2階部分で185平米程度が,いま空き室の状態になっておりますけれども,現在,この努力の中で,1階は借り手と調整中と,こういうふうに聞いております。そうすると,残る部分は2階部分ということで,約185平米程度となりますと,40人程度の職員の収容でしかなくなると,こう思います。そういたしますと,一つの部二つの課程度しか移転できないと。それから,市政の円滑な推進ということで,1部2課程度のものを持っていきました場合に,他方,多面的には,逆に事務処理の遅滞を招くとか,そういうようなことも考えられるところでございます。
いま,交通局の庁舎の関係につきまして,私どもも鋭意,交通局で対応しておりますけれども,いまみたいな事情がございますので,すぐに,私どもの部,あるいは課を向こうのほうに持っていくということはなかなか難しいと思います。いずれにいたしましても,市民の利便性を今後十分に考慮いたしまして,庁舎の狭隘化解消に向けましての対応を図っていきたいと,こんなふうに考えております。以上です。
◆藤田 委員 先ほど伊藤さんと荒川さんがご質問になりました第三セクあるいは,市が出資をいたしております団体等に関係をする問題について,それぞれ理事者から答弁がありました。つまり,
行政運営効率化委員会を設け,
幹事会あるいは
専門部会等によって鋭意検討するということでありますし,同時に,
伊藤委員のほうに答弁になった内容については,経営状態でありますとか,経営の改善でありますとか,そういったことをひっくるめて具体的に検討するということであります。
さて私は,これらの問題を,検討させる場合に,一般的には問題を具体的に,項目として,これとこれとこれについて検討をしてほしいといった問題提起を与えてするのが一般的だと考えるのです。今回,この問題については,先ほど,
伊藤委員に答弁になった項目以外に,具体的にそれぞれ
検討課題を与えているのかいないのか。いなければいないで結構ですが,与えているとすれば,どういう項目があるのか,これをまずお尋ねをいたします。
◎伊藤
総務局長 検討項目については,先ほども言いましたように,今後できる
専門部会において,さらに具体的に検討していただくということでございまして,いまこの段階で,そのことについてお話することは控えさせていただきたいと思っています。
◆藤田 委員 控えさせてもらいたいということは,局長,それは余り適切な表現だと思っていないのです。
余り多くを言おうとは思いませんけれども,本来,私は,この第三
セクターなり市が出資をする団体等については,
それなりの設立当時の経緯もありましょうし,今日における成果というのがあると思っている。一般的に言うと,行政というのは,議会で予算を決めて,そして,いろいろの法律であるとか条例であるとか規則によってそれを忠実に実行していく,これが行政なのです。ところが,企業会計になってまいりますと,この行政とはいささか内容を異にいたします。それは,多くは,企業会計については,やった結果に対しての責務を持つというのが,大まかに企業会計の
あり方なんです,ご存じですね。
だとすれば,この第三
セクターなりそれらの関係というのは,それらの手続はほとんど必要としないわけです。さきにも言ったように,2分の1出資した場合については,議会に対して法律的に報告の義務を負う,4分の1以上については,市の監査を入れることができる,それ以外については,全くといっていいほど,市の行政としては具体的にどうのこうのするあれがないわけです。
もう一つは,それぞれわずかなりの出資をした金額については,これは公的な金でありますから,どういうふうに管理をされているかについては,それぞれ管財課のほうに対して報告をしなきゃならぬ義務が生じております。それ以外は,すべて原局の責任,原局の指導と助言によって,それらの事業が行われていることは実態なのです。
だから,一つの例を申し上げれば,そういうような状態の中で,今回,積極的に問題の解明をしようかということについては,全体的な,各自治本の中にもありましょうし,先ほど
荒川委員の言ったように,自治省自体が,いま分権でありますとか規制緩和等をひっくるめて法律改正に手をつけようとしている,そういう中にあって,さきにマスコミ等においても,市長がその
考え方を大まかに意思表示をした点もございますから,そのあたりを私は承知していますが,どういう項目について,手を加えようとしているのか,検討させようとしているのか,重ねてお尋ねをいたします。
◎伊藤
総務局長 先ほど,控えさせていただきたいというお話をしましたが,実は,そのことも含めて,これは今回の
専門部会で幅広く検討していただくということでございます。したがって,現時点では,どういう項目というかそういうものは,全く白紙でございまして,それは幅広く検討していただくということで考えております。
◆藤田 委員 わかりました。
私は,重ねて一,二点,ぜひその検討の中に,
専門部会になりますかどうか,その中でぜひ検討していただきたいということがあります。
その一つは,言うまでもなく,これは,法律的には2分の1ですね。市長といいましょうか,監査が手を入れられるのは4分の1,それ以外については全くその内容を,それぞれ原局は承知をしていることでしょうが,とりわけ,議会は全く関知することはできないとは言えませんよ,言えませんが,あえてそのことを公表して,それがどうのこうのという議論をすることは許されていないのです。この第三
セクターなり出資をする場合についての議論は,議会の中でもかなりありました。しかし,結果については,ややもすると,どうも余り具体的な議論がされた経緯がないんです。
いま,都道府県あるいは政令市の中においても,この4分の1以上の出資についても,議会に何らかの報告的なものはする必要があるのでないかということが,いろいろ事件が起きているものでありますから,そのこともひっくるめていろいろと話題になっているわけです。この点,ぜひその検討
委員会の中で何とか検討を,その中に含めてできないものかどうか,これが1点。
二つ目は,人事について,天下りという問題がよく言われます。その表現は,余り私は好きではありませんけれども,それぞれ業績に功をなしてきたその専門的な知識をもって仕事につくということは,私は結構だと思っているのです。ただ年齢の関係は,もう少し考える余地があるのでないかと思っているのです。年齢が何歳ということは言いませんが,そういうふうに考えます。この2点,その検討
委員会の中で,検討をする
考え方があるのかどうか,この点,お答えをいただきたいと思います。
◎伊藤
総務局長 第1点目の議会の関与といいますか,議会に対する報告,この点についても,法律上は,ご承知のように2分の1以上の
出資団体については議会に報告義務があると,それから4分の1以上については,監査事務局の監査があるということでございます。しかし,他都市といいますか,他の
自治体の例もございます。法律上そうなっていますが,果たして,その基準を下げるのがどうなのかということもございますので,その辺も含めて
専門部会のほうで検討するテーマの一つに挙げたいと思います。
それからもう一つは,先ほど天下りというお話ございましたけれども,退職職員の
出資団体への再就職の件だと思います。これについても,年齢のことについては,実は昭和62年に,それまでの年齢を改正しまして基準を変えた経緯がございます。高年齢社会になってきますので,自治省あるいは国のほうも,職員の定年制の引上げ等も,いまいろいろ検討されているわけでございます。そういう中においての職員の定年後の取扱い,身分の取扱い,あるいは再就職の問題も含めて,年齢も含めて,さらに検討してまいりたいと思っております。
○関口
委員長 第1項
総務管理費中
関係分等の質疑を終了いたします。
次に,第12款 職員費及び議案第19号 札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案を一括して質疑を行います。
◆武藤 委員 私から2点の質問をいたします。
まず,第1点目は,教育研究所の教育相談室に配置されている指導主事の増員についてです。
2点目は,ウタリ生活相談員の待遇改善についてです。
まず,第1点目ですが,札幌市の障害児教育においても,教育研究所は大変重要な役割を果たしています。そして,その中にある教育相談室では,現在,室長1名,指導主事2名,嘱託職員3名という体制の中で,年間900件以上の相談業務が行われています。すでに,相談者の中には,去年の12月に相談を予約したけれども,その予約日が6月でなければ来ないという,こういう事態も報告されているところです。
このような中で,平成元年度から教育
委員会では,指導主事を何とか1名増員してもらいたいということで,予算要求もされていたと思いますけれども,職員部として,この問題をどのように受けとめてきたのか,お答えいただきたいと思います。
◎大門 職員部長 確かに,いま,武藤委員がおっしゃいましたように,平成元年から,教育研究所の相談業務について,毎年1名ずつの定員の要求があったことは事実です。
私ども,職員の定数を査定するに当たりまして,それぞれの職場からその事情を聞きながら,本当に必要なのかどうかと,こういった観点でいろいろ協議させていただきながら,職員の定数というものを決めているわけでございます。実は,いろいろお聞きしてみますと,おくれが出ている原因が,どうもその相談が,2月3月に非常に集中するのだと,こういうようなことも,実はお聞きしております。そういったこともありまして,実は,平成3年度に,幼児の心身障害児の教育相談ということで,主事1名も配置した経緯もございますし,また,4年度には,これに関連いたしまして,情操教育指導の指導主事ということで1名を増員して,体制強化を図ってきたと。直接かかわるかかかわらないかは別にしまして,教育研究所については,そういった形で体制を強化してきたつもりです。
しかし,先ほど申しましたように,就学前の幼児の相談というのは,どうしても2月3月,この時点に集中するということでございまして,そこに果たして職員1名を配置することがいかがなものかと,こういうような観点で,内部で努力をお願いしたいということで,お願いしてきたわけでございます。しかし,そういった事情にあるとすれば,われわれといたしましては,さらに,こういった集中をしないような事務の執行の方法について,ぜひ内部で検討をいただいた上で,なおかつ人が足りなくなれば,この場合は,非常勤職員等の配置をもって運用すべきであろうなと,このように考えておりますので,今後は,この点について,教育研究所ともあわせて協議をしてまいりたいと,このように考えております。
◆武藤 委員 職員部のほうでは,この教育相談業務そのものを本当に理解しているのだろうかという思いがしました。
たとえば,私は,今年度文教
委員会に所属させていただいておりますけれども,これは,文教
委員会でも,教育
委員会のほうから,この障害児教育一般の説明を受けたときに,平成元年から1名の増員を何としても実現してもらいたいということで,かなり頑張って予算要求してきたのだと。私たち文教
委員会は,それを受けまして,早速視察に出向いてきたところです。そこでは,二人の主事の方々が,本当に大変な,平成4年度では451件,これが1人の指導主事の方が受けている相談件数なのです。
そして,いま部長がおっしゃったのは,2月,3月に集中すると,この認識もとんでもない話なのですね。たとえば,現在の各小・中学校含めた特殊学級に入るには,就学指導
委員会をくぐらなければならず,そして,なおかつ,札幌市として,道にも報告しなければならないのです。ですから,2月,3月では,すでに時遅し。こういうような実態からすれば,相談者が電話をかけて予約したときに,何ヵ月も待たせるのではなくて,少しでも早く対応するためには,やはり受け皿づくりが必要ではないかと思うのです。
現在,室長1名,指導主事2名,嘱託3名おりますけれども,主役は,あくまでも指導主事。私たちも視察に行ったときに非常に驚きましたけれども,相談に来たお母さんやお父さん,この親に対応するのが指導主事であって,配置されている嘱託員3名というのは,子供の遊び相手をしたり,子供の動向を観察する,こういうことが,ちゃんと役割分担されているのです。ですから,嘱託職員が幾らふやされたとしても,指導主事の役割を果たせるものではないと。だからこそ,教育
委員会の要望自体が,正職で指導主事を1名何としても配置してほしいという理由が,ここにも明確にあらわれると思うのです。
ですから,その点について,また,今年度の予算見ましても,1名を配置するというような状況にはなっていませんけれども,教育
委員会のやり方に問題がある,そう本当にお考えなのかどうか。
それから,もう一つは,指導主事と嘱託職員の役割をどう認識されていらっしゃるのか,その点についてもう一度お尋ねいたします。
◎大門 職員部長 現在のやり方に問題あると,こういうようには私ども考えておりません。しかし,その多くの原因が,私どもが聞いている限りでは,2月,3月が非常に大変だと,特にその点を強調されて,お話を聞いておりましたので,その意味においては,もっと早くからその部分の相談を受けるなり,そういったことに工夫をすべきでなかろうかと,こう申し上げているわけで,何も,問題があるというふうには考えておりません。
また,非常勤の方が携わっている職務につきましても,非常に重要なものであると,認識としてはこのように感じております。
◆武藤 委員 教育相談自体について,部長は,ほかに代行できる機関がおありとお考えなのでしょうか。
それと,現在のこの実態について,先ほどから部長がおっしゃっているように,たとえば2月,3月の時期,私は,もっと早い時期にこそ必要だと思うのですけれども,当面,新年度から1名ふやせれないとした場合,教育
委員会の要望に対して真剣に考え,
それなりの配置を考えるお考えがあるのかどうなのか,この点についても,もう一度お尋ねします。
◎大門 職員部長 先ほど来申していますように,この業務は非常に重要だという認識は私ども,本当に持っております。そういう中で,私どもがかねてから聞いていた中身としましては,何回も申し上げますように,2月,3月の部分が強調をされながら説明を受けていたものですから,そういった中で,何か工夫をしながら,それを解消する方法を図ってくださいと,こうお願いしたわけです。なお,今後とも,教育
委員会とは十分協議して対応してまいりたいと,このように考えております。
◆武藤 委員 教育
委員会のほうとも話し合ってということですが,これまでにも教育
委員会の要望は,ことごとく踏みにじられているわけですので,ぜひ前向きに,現地調査もという声も上がっていますけれども,ぜひ実態に合うような前向きな検討をしていただきたいと。ぜひとも,人の配置も具体的に考えていただくことを強く要望して,2点目に移ります。
2点目は,ウタリ生活相談員の待遇改善についてですが,現在,本市に設置されているウタリ生活館は,アイヌ文化の保存・継承,さらには,アイヌの方々の生活相談等,実にさまざまな業務が行われています。現在,この生活相談員の方の待遇は,第2種非常勤職員という身分が保障されています。ところが,先ほど申しましたように,やっている業務の内容を含めて,何としても待遇改善をということで,実際にアイヌの方々からも,強く札幌市に要望されているところです。私たちも何度となくこの問題を取り上げてきましたが,実際問題として,なかなか改善の方向に進もうとはしていません。あらためてこの点について,第2種非常勤職員のこの身分を変えるおつもりがないのかどうなのかお尋ねしたいと思います。
◎大門 職員部長 身分の変更については,現在のところ考えておりません。
◆武藤 委員 大変簡潔な答弁でしたけれども,昨年の1定で,やはりわが党の生駒委員がこの問題で質問をしております。そのときは,たまたま,きょうもいろいろ議論されている北方都市会議に含めた議論になっているのですが,そのときに,伊藤
総務局長を初め国際部長,そして大門職員部長,皆さんが,それぞれ口を合わせて,先住民についての意識は当然十分持って,前向きに考えていきたいのだというようなことを答弁なさっているのですね。そして,たまたま昨年は国際先住民年だということもありました。そういう中で,十分認識を持って取り組んでいきたい,この中身を,私たちも大変うれしく思って,さて,この1年何に取り組まれるのかということで眺めてきましたけれども,予算書には,目に見えるような成果はあらわれていませんでした。
そこで,あらためて北方都市会議の問題には触れませんけれども,国際先住民年の1年間,この中で,どのような意識を持って,何に取り組んでこられたのか。その中で,ウタリ生活相談員の身分の問題については,議論されたことがなかったのか。今後,この点についてどうお考えなのか,その点についてあらためてお尋ねします。
◎大門 職員部長 第2種非常勤の身分の問題につきましては,最近,特に国のほうでも,雇用の形態の
あり方という中で,いろいろ研究もされているようであります。したがいまして,それらの状況を見ながら,私どもも今後考えていく必要があるだろうかなと。直ちに,その身分をどうするという問題は別にしまして,検討していく時期に来ているなと,このような認識は持っております。
また,処遇が改善されていないと,こういうことだったかと思うのですけれども,そういうわけではございませんで,これは当たり前かもしれませんけれども,報酬の改定は毎年行なっております。そのほかに,休暇制度なり福利制度の充実という形で,給与とは別な形で,非常勤全体の待遇改善を図ってまいりましたし,また,同じようなことで,今後とも,これについては改善を図っていきたい,努力していきたい,このように考えております。