札幌市議会 1993-10-19
平成 5年第一部決算特別委員会−10月19日-08号
平成 5年第一部
決算特別委員会−10月19日-08号平成 5年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会会議録(第8号)
平成5年10月19日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 35人
委 員 長 加 藤 斉 君 副委員長 上瀬戸 正 則 君
委 員 藤 田 雅 弘 君 委 員 岡 本 修 造 君
委 員 工 藤 勲 君 委 員 澤 木 繁 成 君
委 員 川口谷 正 君 委 員 猪 熊 輝 夫 君
委 員 大 西 利 夫 君 委 員 藤 原 廣 昭 君
委 員 越 智 健 一 君 委 員 長 岡 武 夫 君
委 員 小 谷 俵 藏 君 委 員 常 本 省 三 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 原 口 伸 一 君
委 員 常 見 寿 夫 君 委 員 政 氏 雅 君
委 員 本 舘 嘉 三 君 委 員 森 健 次 君
委 員 関 口 英 一 君 委 員 野 間 義 男 君
委 員 佐 藤 寿 雄 君 委 員 八 田 信 之 君
委 員 武 市 憲 一 君 委 員 千 葉 英 守 君
委 員 伊 藤 知 光 君 委 員 佐々木 肇 君
委 員 高 橋 重 人 君 委 員 荒 川 尚 次 君
委 員 生 駒 正 尚 君 委 員 飯 坂 宗 子 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君
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開 議 午後1時
○加藤[斉] 委員長 ただいまから,第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,野間委員からは遅参する旨,山田委員からは長岡委員と交代する旨の届け出がそれぞれございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第4款 衛生費 第3項 清掃費の質疑を行いますが,本日は,質問者が大変多い状況でございますので,演説は他の場所にしていただきまして,質問を絞って,簡潔にお願いをいたしたいと思います。
◆飯坂 委員 ごみ行政について質問したいと思います。
ごみ行政を考える場合に,ややもすると,
リサイクルと処理問題のみに重きが置かれる傾向があるわけですけれども,上流からごみが流されてきているのに,川下だけで議論をしていてよいのか,こういう指摘がありますように,近年のごみ急増の原因となっている製造元,すなわち企業責任についてメスを入れなければならないと考えます。まず第1に,ごみを回避する,ごみをつくらないということ。第2に,
リサイクルで減量化を図る。そして最後に,適正処理をする。こうした位置づけが重要だと思います。
きょうは,第1及び第2の問題を中心に質問させていただきたいと思います。
そこで,まず製造者の責任問題ですが,具体例を挙げたほうがよろしいと思いますので,たとえば
ペットボトルは軽くて割れないと,こういう便利さから,いまや
清涼飲料水を初め,しょうゆ,油などにも広がり,年間10億本製造されていると言われております。
国内メーカーで回収・再利用を図っているのは,京都府の1社のみと言われ,製造量の90%以上が
ごみ処分場に直行しています。本市の場合も,燃えないごみとして埋立地に運ばれています。
ペットボトルなどの
ワンウエー容器を野放しにしておきますと,ますます埋立地を圧迫すると,こういうことにつながります。再利用できないものは極力つくらない,このことが重要ですが,こうした
ワンウエー容器について,本市は企業や政府に対しどのような働きかけを行なってきたのか。
また,冷蔵庫などの家電の回収にしましても,必ずしもメーカーが責任を持って回収する,こういうシステムはまだ確立をしておりません。
回収システムがしっかり確立すれば,冷蔵庫,テレビあるいは洗濯機,こうした大型の家電が本市の大型ごみに出されると,こういうこともなくなるわけです。家電ごみの取扱いについても,どのような働きかけをしてるのかお尋ねをしたいと思います。
◎片桐
リサイクル推進室長 ただいまの
メーカー責任の問題でございます。
ワンウエー容器あるいは家電等,多々問題がありますが,札幌市におきましては,昨年条例を改正いたしまして,廃棄物の発生の抑制等を事業者の役割ということで規定をしたところでございます。
ただいまご質問の使捨て容器につきましては,国やあるいは業界団体を通しまして使用の自粛を要望しております。また,家電などにつきましては,全国的な対応が必要であるということから,私どもとしては
適正処理困難物についての指定を国に要望しておりますとともに,他都市とともに強く関係省庁に働きかけをしているところであります。
したがいまして,今後ともいろんな機会を通じて,このような働きかけを国や関係機関にしてまいりたいというふうに考えております。
◆飯坂 委員 国や関係機関にそういう申入れ,あるいは自粛,こういったことを行なっているということですが,私が聞いたところでは,たとえば大蔵省がお酒の瓶として500ミリリットルや750ミリリットルなど,こういった小瓶についても瓶をつくるということで,
酒造関係者に指導を始めているというふうに聞いております。これは,お酒の瓶だけではなくて,いま申し上げました
清涼飲料水なんかは圧倒的に
ペットボトルが多いわけですから,こういった業界とか
調味料容器など,こういったものにも再生可能な瓶を使用する,こういう指導を徹底するよう働きかけてはどうかというのが1点。
それから,それにいたしましても,
ペットボトルというのは最大量出回っているわけですから,これらについて回収義務といいますか,回収して再利用するというのをメーカーに義務づけるなど,こういった手だてもあわせてやっていかなければ,なかなか根本的な解決にはならないというふうに思うのですよね。この点については,今後どう取り組むおつもりなのかお聞かせ願いたいと思います。
◎片桐
リサイクル推進室長 再度のご質問でありますけれども,まず,容器の規格の統一の問題でございます。これは段々のご指摘のとおり,ごみの減量策といたしましてはきわめて有効であるというふうに私どもも考えております。
そこで,ことし8月でございますけれども,
全国都市清掃会議を通じまして,容器の規格の統一と,それから使捨て容器の自粛につきまして,国に要望をしてございます。これは,厚生省と通産省でございます。したがいまして,いまご指摘のことでもございます
農林水産省等とも関係をしてまいりますので,今後とも国あるいは関係の団体,これらに対して,引き続き強く要望してまいりたいと考えてございます。
◆飯坂 委員 いずれにしましても,この問題は本市だけではなくて,本当に全国的に頭の痛い問題になっているわけで,売るがためにこういう形で普及してきたという,製造者がどんどんつくって売れればいいという方向から,やはり地球環境を守る,そして再資源化をするという今日的な課題に方向転換をさせると,そういうことが必要だと思いますので,この点については,いまいろいろ今後の努力も示されましたけれども,ぜひ各都市とも力を合わせて国に働きかけていただきたいというふうに思います。
次に移りますが,そうは言っても,現実に膨大なごみ処理をどうするかと,このことが問題であります。ごみの減量・
リサイクルについてなのですが,まず家庭系のごみについてですけれども,本市は
集団資源回収団体にキロ3円の奨励金を支給したり,コンポストの購入に助成金を出すなど,一定の努力はしていると思いますが,ここで問題にしたいのは,瓶・缶の資源化についてなのです。
リサイクルをすれば,アルミ缶は97%,スチール缶は65%のエネルギーが節約できると言われております。また,一升瓶やビール瓶,あるいは洋酒やコーラなど,こういった瓶類はそのまま生き瓶として再利用できるのが15種類はあると言われております。こういうもののほかに,カレットとして再利用できる,こういうことも瓶の場合は可能なわけです。ですから,その辺の回収の強化が必要かと思います。
本市は昨年の10月から,東区の
モデル地区で瓶・缶の収集を実施しております。この1年間の実績を見せていただきましたが,瓶は55トン,缶は18トンという
モデル地区だけの数字なのですが,回収されております。この回収された瓶・缶は中沼の選別施設に運ばれまして,瓶は色別に,そして缶はアルミとスチールに選別され,関係業者に引き取ってもらっているというシステムになっているわけです。有価資源としても大変高い価値のある瓶・缶の回収率を高めるためには,いまの東区の
モデル地区をそのままというのではなくで,やはり全市的に広げるべきでないのか。また,もし全市で取り組むとなると,中沼の選別施設だけではとても対応できないと,こういう状況になるわけですから,このような選別施設を各区につくるべきではないのか。
私,中沼も見てまいりましたが,選別するだけですから,さほど大きな施設ではないのですね。こういう施設は各区の
清掃事業所等の付近だとか,合わせていろいろ工夫すれば設置できないことはないなというふうに見てまいりましたので,
モデル地区の全市拡大とあわせて,それを保障する選別施設の拡大についてどう考えるかお聞かせ願いたいと思います。
次に,新聞,雑誌等の古紙回収なのですけれども,本年9月現在の買取り価格を見てみますと,新聞は末端でキロ4円,問屋が9円50銭,雑誌は末端がキロ1円,問屋が2.5円となっております。たとえば新聞を例にとりますと,
資源回収団体が集めた新聞を
トン当たり4,000円で買った回収業者は,9,500円で売って差額の4,500円を手に入れるとなっているわけです。市民団体には,市からのキロ3円の奨励金と合わせまして
トン当たり7,000円入るのに対しまして,回収業者は
トン当たり4,500円という現状ですから,やはり何らかの支援策が必要だと考えますけれどもいかがか,この点についてもお答え願いたいと思います。
いまのは家庭系ですが,次に,
事業系ごみの減量・
リサイクルについてですけれども,
産業廃棄物につきましては,
中沼リサイクル団地の構想のもと,これから進められようとしておりますけれども,市内で1ヵ所でいいのかという指摘もありますが,この問題をきょうここで議論するつもりはありません。まず1ヵ所目,初めてという段階ですので,それは今後の課題ということにしまして,きょうは事業系の
一般廃棄物について。
本市は,本年から床面積3,000平方メートル以上の事業所に対しまして,
減量計画書を提出するよう求め,9月末を締切りにしておりました。資料をいただきましたら,昨日現在で,
対象建築物657件中58%の384件からこの計画書が提出されているというふうに伺っております。残り42%の事業所に対しましては,今後どう指導していくのか。一部の事業所だけが減量を進めれば効果が上がるというものではありませんので,この辺の徹底についてお示しを願いたいと思います。
またあわせて,廃棄物や再利用のための保管場所につきましても,床面積500平方メートルまたは3階建て以上の事業所に対し義務づけを行なっておりますけれども,これらの取組みについてもどの程度進んでいるのか,あわせてお示しを願いたいと思います。以上です。
◎福原 清掃部長 瓶・缶の問題と
資源回収業者の方々への支援のことについて,私から答弁をいたします。
いま委員からご指摘ありましたように,東区の
モデル事業につきましては,昨年の9月から実施をいたしまして,お話がありましたように全体で92トンほどで,私どもの当初の予定よりは量的には若干少なかったと思っておりますけれども,一応の成果を上げていると思います。
ただ,住民の方々に協力をしてもらうにはどうしたらいいか,あるいは収集体制をどうしたらいいか,あるいは選別体制をどうしたらいいかということで,いろいろ現実に悩んでおります。もう1年ぜひ東区で,いまやっている方法だけでなくて,ほかの方法も考えながら,当地区で試験的にやらせていただきたい。そういったことを踏まえて,その結果を見きわめながら,お話のございました施設等も含めて検討をさせていただきたいというふうに考えております。
それから二つ目は,
資源回収業者の方々への支援でございますけれども,これは私どもだけでなかなかできない非常に難しい問題でございまして,ことしの5月に全国の
都市清掃会議がございましたが,そこでも全国的に,何とか国で
リサイクルに対するそういう資源業者の方々の支援というようなことができないかということで要望もいたしております。
私ども自身で,札幌市としてどうするかということになりますと,住民の方々への援助といいますか,奨励金については差し上げておりますけれども,事業者の方々については,やはり市場経済という原則の中で,私どもから奨励金を出すということは非常に難しいのではないかというふうに考えております。しかし,業者の方々の実情は大変でございますので,いろんなご意見を伺いながら,札幌市としてできる支援策がないかどうか検討してまいりたいというふうに考えております。以上です。
◎片桐
リサイクル推進室長 まず,
減量計画書の関係でございますけれども,いま委員ご指摘のとおりの率でございまして,残る42%につきましては,今後文書で提出を促す,あるいは必要に応じて立入りを行うといったようなことで,完全実施に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
それから,
事業系一般廃棄物の保管場所の問題でありますけれども,昨年条例改正をいたしまして,3,000平方メートル以上の大
規模建築物,あるいは500平方メートル以上の準大
規模建築物につきましては,建築に当たりまして,私どものほうに事前に協議をしていただく。そして,その協議の段階で面積だとか,あるいは場所につきましては一定の基準を設けてございますので,その基準に合うような保管場所を設けていただくように,具体的に指導を行なっているところでございます。
◆飯坂 委員 ただいまのご答弁で,
モデル地区についてはもう1年検討させてほしいと,その後,
選別施設等も含めて検討したいという部長のご答弁だったのですが,先ほど申し上げましたように,瓶・缶というのは回収すれば再利用が可能な,最も確かなものなのですよね。これがされませんと,燃えないごみとして家庭から出されて,市が回収をして埋立地に持っていくと,こういうふうになっているわけですから。私の住んでいる地域は残念ながら
モデル地区でございませんので,燃えないごみに出さざるを得ないのですよね。ですから,このことには,さまざまクリアしなきゃならない課題はあるのだろうと思うのですけれども,姿勢としては,いつまでも
モデル地区での研究ということではなくて,やはりいいことがわかっているものであれば,一度にやるというような姿勢も必要でないかなというふうに思いますので,きょうは,来年からやりますというふうにはちょっとならないのかもしれませんけれども,取組みの姿勢については再度ご答弁をいただきたいと思います。
それから,回収業者に対する支援策なのですが,部長のご答弁の中で,市場経済という言葉が出てきて,これまでも経済行為だから,民・民間でやっていることだから,札幌市の税金を使うのはいかがなものかとか,そういう議論もあったと思うのです。しかし,いま本当に
リサイクルを進めていくというふうになりますと,どんどん市民団体が新聞,雑誌等を束ねて回収するとなってくるときに,それを持っていってくれる,買ってくれる回収業者が,採算が成り立たなくて,営業が成り立たなくてつぶれていくと,極端な話ですけれども,もしそうなった場合には,出てきた新聞や雑誌は全部,市が車を出して回収しなきゃならないと,こういうふうになるのですよね。そうでしょう。市民には出しなさいと,しかし,回収業者はいない。そうしたら,そのままというわけにいきませんから,市が資源回収のための車を出して回収しなければならないと,こういうふうになるわけですよ。実際に資源回収の日というのを決めて,月に何回かやっている自治体もあります。本市はそれをやっていないのですが。
そういうふうに考えてみますと,単に市場経済の問題でこのことを片づけていいのかなと。やはりこの
リサイクルを徹底するという点で,その一環として役割を担っている回収業者に対しまして具体的な支援策をとらなければ,先ほど申し上げた価格よりも,新聞でいうと1円,それから雑誌でいうと50銭ですか,さらにダウンするという動きもあるやに聞いておりますので,こういう状態ですから,やはりもっと
リサイクルシステムをどう本市の中で確立していくのかという立場に立って,支援策も具体的に取り組んでいただきたいというふうに思うのですが,このことについていかがでしょうか。
◎福原 清掃部長 ただいまの件ですけれども,後のほうの回収業者さんの支援の件なのですが,おっしゃる意味はよくわかるのですけれども,いずれにしても,個々の企業の方々に奨励金ということになると,非常に難しいのでないかと思うのです。
それで,先ほど申し上げましたように,業者の方が現在110社程度あるそうですけれども,ひとつ組織化といいますか,そういった形にぜひなっていただいて,そうすれば,私どもとしても,たとえばそういったところで組合なり何なりができて,共同事業なり何なりをするので支援というようなことであれば,そういうことも検討できるのかなというふうに考えておりますので,そういう意味で,ぜひ業界の方々ともお話合いをしたいというふうに考えているところです。
それから,先ほどの瓶・缶のほうは,よくわかりました。ただ,いますぐ来年から拡大ということではいま考えておりませんので,ぜひその辺はご理解をいただきたいと思います。そういうことで,いまのやっている試行を考えた上で,また考えさせていただきたいと思います。
◆飯坂 委員 回収業者への支援策については,どのような形になるかは別としても,関係者と話し合って進めたいという,具体的ではないのですけれども,前向きの答弁がなされたというふうに理解しました。
最後に,昨年の第1回定例会でのわが党の代表質問に対しまして,市長は減量化や
リサイクルを体系化した基本計画を策定したい旨の答弁を行なっております。
基本計画策定については,どこまで作業が進んでいるかについてお尋ねしたいと思いますが,2000年に向けての基本構想の中では,予想される総排出量485万トン,これは家庭系も事業系の一般も産廃も全部入っていますが,485万トンに対しまして,20%に当たる97万トンを再利用するという計画がつくられております。これは90年を
スタート時点にしていますから,90年からの
ごみ増大分だけを着目いたしますと100万トンふえると。この100万トンふえるうち,再利用の部分は90年に比べてどれだけふえるのかといいますと,24万トンということですから,ふえる分だけに着目しますと,そのうちの24%は再利用を促進したいのだと,このような計画になっているわけです。2000年に向けての目標値をいかに達成していくかということはもちろん大事なことなのですけれども,それと同時に,2000年といっても,来年度から入れますとあと6年ということですか,それぐらいの展望なのですね。それで,やはり10年,15年先を見越した減量化・
リサイクル基本計画が急がれるというふうに思いますけれども,この点についてどうお考えなのかお聞かせ願いたいと思います。
◎片桐
リサイクル推進室長 私ども札幌市清掃部といたしましては,清掃事業の基本計画というのを持ってございまして,現在の基本計画は昭和63年に策定をしたものでございまして,5年経過をいたしております。この間,ご承知のとおり,
廃棄物処理法の改正あるいは札幌市の清掃条例の改正等々,いろんな環境の変化がございました。したがいまして,この基本計画を練り直すに当たりまして,時代に即応したような内容の,つまりごみの減量だとか,あるいは
リサイクルといったことを踏まえた長期的かつ総合的な視点に立った基本計画でなきゃならぬと思っておりまして,そのための作業を現在鋭意努力をしているというところでございます。
◆飯坂 委員 長期的,総合的な計画に鋭意着手しているという話なのですが,この問題は,ことしの
予算委員会でもやりとりがありまして,年度内には策定したい旨の答弁もあったやに聞いています。私は,
予算委員会のときは二部でしたので直接は聞いてはいないのですが,そのように伺っております。そうしますと,いまのご答弁だと,その域から余り出ていないという感じがするのですよね。
それで,局長,策定すると市長が答えた内容でもありますし,また,早期につくらなきゃならないと,この辺のことについては認識一致していると思うのですが,問題はとういう作業日程で具体的に詰めていくのかと,ここが大事だと思うのです。それと,目標値を決めればそれでいいというものではもちろんなくて,決めたからには,それをどうやり上げていくかと,こういう具体的な施策が必要になってくるのですけれども,その辺について,めど,いつごろこの策定を完成されるのか。年度内にできるというのならいいのだけれども,いま聞いた感じでは,10月でこの段階でしたら,年度内果たしていくのかなと,こういう疑問もわくものですから,その点について見通しを明らかにしていただきたいと思います。
◎前田 環境局長
予算委員会のときは,おそらく年内というめどで回答したというふうに伺っていますが,一日でも早くつくりたいという気持ちは私も同じでありまして,実は,何回も私のところとキャッチボールをいたしております。しかし,ごみの推計というのは非常に難しい問題がございまして,いろんな角度からいま検討しておりまして,一つのめどとしては年度内には形をつくりたいと,こういう目標を持って,いまやっております。
◆飯坂 委員 繰り返しませんが,私がさきの質問の中で展開しましたように,減量・
リサイクルする上では分別をどれだけ拡大していくか,それから分別して出されたものをどうやって回収してきて,選別して,それを本当に資源化するのか,この辺が大事な点だろうというふうに思うのです。年度内に完成させるということでいまお話ありましたが,その点のところを絵にかいたもちにならないように,即実践できるような内容で完成させていただきたいということを申し上げて終わります。
◆藤原 委員 フロンガスの取扱いを含めた大型ごみの関係について質問をしたいというふうに思います。
この関係につきましては,この第3回定例議会の本会議でも市民ネットの代表者のほうから質問が出ているわけでありますけれども,ご承知のとおり,洗浄剤やあるいは発泡剤,またエアゾールの噴射剤として,または車や冷蔵庫,冷凍庫等の冷媒用としてフロンが多く使われているところでございます。ご承知のとおり,こうした取扱いについては,モントリオールの議定書第4回の国際会議などを含めて,これらの生産量を含めた取扱いの規制がされてきているところであります。
そういう状況の中で,一概に責任があるとは言えませんけれども,やはり業者やあるいは
販売メーカーの責任もあるわけでありますし,本市においても,現実として,いまごみとして出されている冷蔵庫の台数は約2万台という状況になっているわけであります。こうした課題がやはり急務になっていると思います。とりわけ,冷蔵庫には約100から150グラムのフロンガスが入っているというふうに言われております。2万台ですから,これが大気中に放射をされているとすれば,約3トン近くのフロンが毎年これから発散をされていくという状況になるわけであります。そんな意味では,ぜひ本市における今後の取組みはもちろん,これまでどういったような取組みをしてきたのか含めてお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
1点目には,一般可燃物あるいは不燃物などのごみ運搬収集費について,それらの委託料について,どのような予算を組んでおられるのか明らかにしていただきたいということでお尋ねをしたいと思います。
2点目には,そうした事業が展開をされている中で,本市の各清掃事務所及び委託業者が所有をしている車両で,清掃業務にかかわる用途別の保有台数について明らかにしていただきたい。同時に,委託業者の車両についての無線機器の設置については,どのような状況になっているのかお尋ねをしたいというふうに思います。
3点目には,大型ごみの委託契約の中で,こうした収集及び処理方法はどのようになっているのか。契約の中でうたわれていなければ,具体的にどこがどのような指導をしているのかお尋ねをしたいというふうに思います。
4点目には,ことしの1月1日から先月までに,大型ごみの収集の際に再利用可能なものとして,各区の清掃事務所で保管及び地域の
リサイクルマーケット等に無料で提供された数はどのようになっているのかお尋ねをしたいというふうに思います。
◎吉田 業務課長 ただいまのご質問の1点目,委託料の金額につきましては,一般収集,分別収集,大型収集,それから随時収集合わせまして16億800万円ほどでございます。これは,平成5年度のごみ収集委託料についてであります。
それから2点目の用途別の保有台数は,総計で直営車135台で月,火,木,金4日間は一般収集,それから水曜日につきましては分別収集を行なっていると。この135台の内訳については,プレスパッカー車が7台,パッカー車が128台となっております。それから,委託車につきましては,ごみ量の季節的な変動に合わせて配置しておりますが,最大稼働台数で申し上げますと,4月,5月,6月の時期になりますが,1日当たりでプレスパッカー車で62台,パッカー車で19台,平ボディーのダンプ車で11台の計92台となっております。
これを用途別に見てみますと,たとえば大型収集に当たる車で申し上げますと,月,火それから木,金につきましては15台平均ぐらい,それから水曜日になりますと40台。季節的な変動で,それが2割ぐらい上下するというような状況であります。
それから,委託車につきましての無線装備でありますが,これは一部を除いてほとんど装備しているということであります。
それから3点目で,委託の契約の中身についてでありますが,これにつきましては,収集運搬の業務を委託するという契約内容になっておりますので,担当の清掃事務所七つほどありますが,所長の指示によりまして,あらかじめ指定された収集区域,責任区域と言っておりますが,ここの地区において収集作業を行い,指定された施設に搬入するという状況であります。
それから4点目で,再利用のために別途収集した個数についてでありますが,これはおおむね350点ほどありまして,
リサイクルフェアを11回ほどやっておりますが,300点ほどは,そちらのほうで市民の方に提供したと,こういうことであります。以上であります。
◆藤原 委員 いまの答弁でも明らかなように,大型ごみの収集の際には,冷蔵庫を
リサイクル可能なごみとして集めていく手法は可能だというふうに思うわけであります。ただ,車の台数や予算的なものを含めて,これを見直しというか,予算措置をしていかなければならないわけでありますけれども,集める手法としては,何度も申しますように,大型ごみの使えるごみ,
リサイクル可能なごみの平ボディーのトラックで回収をしていくことは可能であるというふうに思うわけであります。
そういう状況の中で質問ですが,プレスパッカー車で処理できない大型ごみは,どのようなものがあるのか。その場合の収集及び処理はどういうふうになっているのかお尋ねをしたいと思います。
関連をして,平成2年5月から平成3年6月までを一区切りとして,先ほど申し上げたような大型ごみ収集の項目別の回収集約をされていると思いますけれども,それ以降についての集約状況についてはどのようになっているのかお尋ねをしたいというふうに思います。
◎吉田 業務課長 5点目のプレス車で収集できないようなものをどのように処理しているのかということでありますが,これは既存の収集車では積込みができないような処理困難なもの,オートバイですとかタイヤですとかホームタンク,あるいは危険なガスボンベとかでありますが,これにつきましては後日やむを得ず平ボディーダンプ車,あるいは事務所にありますパトロール車,各所に2台ほど配置しておりますが,これで収集しているということであります。
それから次に,冷蔵庫など大型ごみの調査についてでありますが,これにつきましては,本年4月から3分別収集ということで,大型ごみを分離収集していると,こういったための基礎資料といたしまして,平成2年度から4年度にかけまして,12品目について調査を行なったところであります。平成5年度は収集体制を変更したということでありますので,調査は行なっていないところであります。
◆藤原 委員 こうしたごみの出方については統計的な集約をしながら,いろいろな課題に向けての参考にしていかなければいけないだろうと思います。同時にまた,その項目についても,そのときどきにおいて追加されることは結構なことだと思いますけれども,平成2年度から実施をされた出されているごみの項目については,年度によって項目を変えないで,ふやすことはよしとしても,きちっとした統計的なものを今後も分別収集をさらに深める意味では,どういったごみがどのように出てくるのかということを集約をして生かしていくべきではないかというふうに考えるわけであります。
そういう状況の中で,冷蔵庫だけを申し上げますと,平成2年6月から1年間の統計の中で7品目がありますけれども,冷蔵庫は第5位の1万9,583台が大型ごみとして出されているわけであります。これを1週間5日間の回収でありますから4週として20日間の月平均で割っていきますと,1,632台が市内から出ている。1日平均に直しますと約81台。1区当たり平均しますと9台の冷蔵庫が出されてきているという状況であります。
ちなみに,平成元年の札幌市内における冷蔵庫を新しく購入した台数は,8万2,600台。バブル経済の影響もありまして,年々ふえてきておりましたけれども,平成4年度の販売実績は8万3,500台というような状況になっているわけであります。そういうことからいきますと,この2万台という数字,家電メーカーなどが,新しい製品を入れたときに古いものを回収をしていくという台数もかなりの分が含まれているのかもしれませんけれども,やはりこうしたメーカーの体制が十分でない状況の中では,大型ごみとして将来もふえ続けていく可能性もあるわけでありますし,あるいは,法律的な規制ができている中で,メーカー側も独自の回収を進めていくというような効果があらわれていくのかもしれません。
しかし,現状は,先ほど申し上げたような状況の中で,冷蔵庫だけにおいても,年間約3トンに及ぶフロンがこの札幌市内の大気中に舞い上がっている。ましてや,1個の塩素で約10万個のオゾンを破壊するというデータがありますから,その3万トンの中にどれだけの塩素を含むかは正確にはわかりませんけれども,天文学的な数字になってオゾンを破壊していることは間違いないわけであります。また,札幌や筑波,あるいは鹿児島ですとか本州,沖縄のほうの4地点の観測においても,札幌市としては,ほかの都市よりもオゾンの量は多いけれども,これまでの実績から比べるとオゾンの量は大変少なくなってきているというような現実があるわけであります。そういう状況の中で,本市においては,現在の分別収集体制のシステムを生かした中で,こうした冷蔵庫の大型ごみの取扱いをしながら,フロンガスの回収をしていくような考えがあるのかお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
◎福原 清掃部長 非常に難しい問題でございまして,現在,各都市でもこの問題では非常に悩んでおります。
回収ルートといいますか,整備といいますか,技術的な問題,そういったものも含めて,一自治体でやるということは非常に困難な問題でもありますので,私どもとしては,以前から全国的に国の立場で,ぜひそういった回収ルートなり処理技術なり,そういったものを何とかしてほしいということで要望しております。
ただ,いま委員からお話がありましたように,札幌市ではどうするかということになると,回収するということであれば,ただ集めるということであれば,おっしゃるように,財政的な面はございますけれども,やってできないことではございません。ただ,集めたものをどうするかという後の管理体制が必要だと思います。そういうことで,代表質問でも市長のほうからお答えを申し上げて,いま衛生局のほうがいろんなことで考えて,検討会というようなことも含めながらこの問題に対処しようとしておりますので,清掃部としては,そういった中で衛生局とも十分相談をしながら今後対応していきたいというふうに考えております。
◆藤原 委員 環境局長にお尋ねをしたいと思いますが,そうした現状は一定程度理解できる面もあるのですけれども,環境局独自に回収をする判断と取組みはできないものなのか。いま関連して清掃部長のほうからも言われましたけれども,そうした管理の方法なども含めていろいろな課題はあるわけでありますけれども,どういったような課題が具体的にクリアをされれば,環境局としてはできるような状況になるのか,局長のほうから具体的にお答えをいただきたいと思います。
◎前田 環境局長 フロンの問題は,地球環境上の大きな一つの課題だろうと思います。そういう意味では,われわれとしても,できるだけそういうものをなくしていくようなもの,あるいは再利用するというようなことで考えていく必要があると思いますが,いま部長からお話がありましたように,最終的にどういう管理をしていくか,どういうふうに使っていくのか,どういうふうに処理をしていくのかということが一番大きな問題だろうと思います。そういう意味で,環境局としては,もしそういう体制の中で努力せというのであれば,回収その他については努力をしたいと思いますが,全体的な一つの概要といいましょうか,そういうものをつくり上げた上でやっていきたいと思っております。
◆藤原 委員 きょう,関連をして衛生局の環境管理部長にも同席を願っているわけでありますけれども,これらの問題については,国内においてもいろいろな法律が制定をされたり,あるいは本市においても市長が1992年1月にカナダで行われた第5回の北方都市会議の中でも,地球サミットに対する共同宣言に賛成の趣旨の署名などを行なったり,また,本市においてもこれまで札幌市の地球環境問題協議会というのでしょうか,そうした機関を設置をして,いろいろ取組みをされてきているわけであります。その元締めというか窓口は衛生局がなるのだろうというふうに思うのですけれども,具体的にこれまでどのような取組みをされてきたのか,そしてまた,フロンに対する認識をどのようにされているのかお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
◎稲垣 環境管理部長 フロン問題に対する認識と今後の取組みについてでございますけれども,フロン問題につきましては,地球環境を保全していく上で大変重要な課題であると認識をしております。
取組みについてでございますけれども,フロンの回収につきましては,本市といたしましては,まず市有のフロン使用施設からの回収を実施をしていくため,庁内に設置しております地球環境問題連絡協議会の中に部会を設置いたしまして,フロンの回収等について協議をしてまいりたいと考えております。さらに,フロンの使用状況や廃棄の実態についても調査を行なってまいりたいと考えております。
◆藤原 委員 環境局長からもそういうものについては積極的に協力をし,努力をしていきたいという趣旨の答弁があったわけでありますけれども,いまお聞きをしますと,衛生局の中では,連絡協議会の中に新たなフロン部会をつくるということでありますけれども,具体的にいつ設定をしていくのか,1点目にお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
同時に,これと並行して,庁舎内の公用車ですとか,あるいは各職場に配備をされている冷蔵庫の取扱いが主になるような議論になるというふうに思うのですけれども,それとは別に,こうした環境局や,たとえば中央市場にもいろいろな冷凍庫があります。または,交通局にも路線バスや観光バスを含めて,冷房にフロンを使用しているそれぞれの現場があるわけであります。そうしたところと協議会を設置をして,庁舎内だけの取組みではなくて,一般市民等にかかわる部類,または,これからの民間業者に対してもお手本となるような,見本となるような取組みをしていくような施策を検討していく協議会を設置する意向はないのかお尋ねをしたいというふうに思います。
◎稲垣 環境管理部長 フロン部会の設置につきましては,ことしの11月上旬を考えております。
それから,民間業者を含めた検討委員会の設置についてでございますが,現在,国においてフロンの回収・再利用に向けて地域実践
モデル事業を実施しているところでありまして,その動向を見ながら,システムづくりを含めまして検討してまいりたいと考えております。
◆藤原 委員 答弁漏れがあるわけであります。民間を含めた検討委員会というのは,市長答弁の4点目の回答でもあったわけでありますけれども,これではやはり遅いわけでありまして,市庁舎内のフロン対策部会のほかに,本庁舎内の関係機関との協議会を設置をしていただきたいと思うのです。
◎稲垣 環境管理部長 フロン部会のほかに検討すべきとのことでございますけれども,フロン部会はあくまでも庁内で実施するための部会でありますことから,ごみとして廃棄される冷蔵庫につきましては,別に環境部局と協議をしながら検討してまいりたいと考えております。
◆藤原 委員 環境管理部長のほうから,フロン部会の対策とは別に,関係する部局と対策を進めていきたいということであります。中央省庁においても
モデル事業が進められているわけでありまして,いろいろな対策が講じられているわけでありますので,ぜひ本市においてもこうした大型ごみを含めて,フロンの製品が出てくるごみ収集などに対する取組みを含めて,万全を期して取り組まれたいというふうに要望申し上げまして質問を終わります。
◆越智 委員
リサイクル団地に関して,前置きなしに質問3点。
まず1点目は,電話で聞けばいいこと。決算説明書の71ページ,調査費の内容について,あるのは1,000万ちょっと,これについて。
2点目は,これは上瀬戸議員のわが会派を代表しての代表質問の答弁にもあったわけであるけれども,第三セクターで団地をつくる。その第三セクターに対しての出資の状況,大変厳しいようにも聞いているし,常任委員会でも報告があったようであるけれども,その後の経過,どうなっているか。
3点目,これが質問の主要な点だけれども,この第三セクターの民間参入部門についてのこと。特に,廃コンクリートの
リサイクル。
聞くところによると,これは全体で70万トンの処理を計画をし,そのうちの32万トンが廃コンクリート,コンクリート殻の再生というふうに聞いているけれども,この廃コンクリートの処理についての原材料と言えばちょっと正確な意味ではないかもしれないけれども,材料の確保について。これは,いままで高度成長の時代は,あるいは都市再開発などが大きなプロジェクトとして進んでいた時代には相当の量が確保できたであろうけれども,昨今の経済情勢の中で,これからずっと継続して材料が確保できるかどうか,その見通しについて。
もう一つは,この事業の採算性の問題。
ご承知のように,この
リサイクルの製品は,砕石にかわるものとして使用するということであるけれども,バージン砕石なんて言い方はちょっと好きでないけれども,バージン砕石にしたって,ここに佐藤さんもいて関係のあれもあると思いますけれども,非常に付加価値の少ない安いもの,しかも,その中に占める運搬費の割合が高い,そんな性質の商品であるわけだが,その砕石にかわるものとして,廃コンクリートの
リサイクル製品が出ていくときに,民間企業として一体採算が合っていくのかということについて,私は非常に危惧を感じる。そこで,その採算性はどういう根拠で,あるいはまた,その販路についてはどんな見通しでこの計画をされたのかをお伺いをしたい。
なぜこんなことを言うかというのは,ご承知の方もおられる。先ほど飯坂委員から,製造者の責任についてもお話があった。私は,ご承知のようにもう30年もコンクリートを製造することを業として,多くの社員とともに頑張ってきたつもりです。地下鉄が最盛期のときには,本当に徹夜で地下鉄にコンクリートを納めなければならなかった。多くのみんなに無理をさせた。月に何百時間という残業をさせて納めた経験もある。その時期,自分の職業に非常に誇りを持って,これをやらなければ札幌の地下鉄できないのだと,学校の鉄筋化もできないのだと,そう言いながら頑張ってきたつもりだけれども,最近に至って,どうもそのコンクリートがコンクリート殻と言われるような殻になっちゃって,そして地球環境の問題もさることながら,札幌市の廃棄物処理に大変な迷惑をかけているように思うと,じくじたる思いがする。そんな観点から,いまのような質問をするので,原稿を読んで答えるのでなく,ぜひ自分の言葉でやさしく答えてほしいと思います。
◎片桐
リサイクル推進室長 お答えをいたします。
まず,第1点の決算でございますけれども,ご指摘の決算説明資料に,
リサイクル団地造成調査費1,035万1,000円余でございます。これは,ここに若干説明してございますけれども,環境影響評価というのをやってまいりました。環境影響評価といいますのは,大気汚染でありますとか騒音,それから交通量に伴う振動の問題,これらを一定の条件設定のもとに評価をしたわけでございまして,いずれもこの評価結果は問題はないという結論をいただいております。
それから,2点目の第三セクターへの出資の見通しの問題でございますが,いま委員ご指摘のとおり,排出者処理責任という大きな私どもの考え方がございまして,そういう観点から,一つは排出者の大もとであります建設業界,それから北海道開発にいろいろご尽力をいただいております北海道東北開発公庫など,さらに地元金融機関などにもご相談を申し上げておりますけれども,こういったところにこの事業のご理解をいただくといったようなことで,第三セクターづくりに実は出資をお願いをしたいということを申し上げております。
そこで,この出資をお願いをするに当たりましては,いま申し上げたように,排出者処理責任の問題,さらには札幌市が置かれております廃棄物の現状の問題,これらをよく説明をしながら,できるだけご理解をいただくように,しかも応分の負担といいましょうか,お願いをしておるところでございますけれども,まだ現段階では,それぞれ明確なご返答をいただいてはおりません。調整中ということでございます。
それから3点目は,民間部門の経営の問題でございますけれども,具体的に廃コンクリートのことでご質問がございました。
そこで,
リサイクル団地の民間企業というのは,もちろん廃棄物を受入れをして,できた再生製品を販売をして業として成り立たせる必要があるわけです。ということは,一定の処理規模のプラントを設置をするわけですから,その処理プラントの規模に見合った廃棄物が入ってきて,その廃棄物を再生をして,適正な値段で買っていただくということで,企業として成り立つことになります。
そこで,廃コンクリートについてちょっとお話を申し上げますと,私どもの推計では,平成2年度の実績で,札幌市域内の排出量がおおよそ50万トンあるだろうというふうに推計をしております。さらに,事業系廃棄物全体につきましては,札幌市としまして平成12年,西暦2000年を見据えた廃棄物の基本構想というのを持ってございまして,この基本構想によれば,現在50万トンのコンクリート殻が西暦2000年になれば80万トン程度,つまり1.6倍程度にふえるだろうという一応の予測をしてございます。
ただ,いま委員ご指摘のとおり,いろんな経済情勢の変化で,当然のことながら廃棄物の排出量というものは相当左右をされるということも事実でございます。しかし,そうは申し上げましても,せっかくつくった
リサイクル団地でありますから,良好な形で運営がなされなければならない。そのためには,一定量の廃棄物が安定的にこの
リサイクル団地に誘導されるような施策を行政が持たなければ,なかなか
リサイクル団地そのものの運営が大変だということも考えられます。
そこで一つは,域内処理を推進するという観点もございますが,札幌,江別,広島,石狩,この2市2町で実は札幌圏産廃対策会議というのを恒常的に連絡機関として持ってございまして,昨年12月でございますけれども,この2市2町で
リサイクル団地が本格運営になるまで,その間は一時的に民間の新規埋立処分場の許可は凍結をするという意思決定をしてございます。それから,もちろん札幌市域外の民間処理施設につきましては,北海道庁の許認可事務になってございますので,当然こういう施策を打つ傍ら,あわせて北海道との十分な連絡調整が必要だというふうに考えてございます。
それからもう一つは,排出者指導の関連でございますけれども,たとえば札幌市の指名業者でありますとか,あるいは札幌市が工事を発注する場合の市の関係部局,こういったところには,こういう改築工事の場合のコンクリート殻の搬入先は
リサイクル団地にお願いをすると,そういったお願い。さらには,純民間の工事も大量にあるわけですから,そういった純民間の工事については,関連業界に
リサイクル団地へ搬入するように協力をお願いをするといったような搬出者指導,それらの方策を考えてまいりたいというふうに考えてございます。
それから次は,採算性の見込みの問題でございます。
この採算性につきましては,先ほど申し上げましたように,
リサイクル団地の立地企業というのは,廃棄物の受入料金と販売料金,これで成り立つと。単純明快でございますので,その辺が成り立つような施策を札幌市としても具体的な施策としてとっていかなきゃならぬと。例を挙げて申し上げれば,できるだけ企業が再生製品をつくるに当たってのコストが安くなるような,そういう施策を考える。あるいは,たとえば公共事業で再生製品を使う量をできるだけ拡大をする。さらには,民間事業にも利用をお願いをすると。そういったような施策を,いわゆる公共関与といいましょうか,積極的に行政がお願いをするということで,企業の採算性を考えてまいりたいと思っております。以上でございます。
◆越智 委員 まず,出資について。
これは,お話のように,公的か公的に準ずる機関,東北公庫も含めての出資は確保できるであろうけれども,先ほどの排出者責任というか,私も含めてそうなのか,いまの環境ではなかなか多額の出資をしてこの事業を成功させる協力をしようと,そういう気持ちはあっても,現実には難しいのがいまの状況であると私は思うのです。
そこで,調整中という答弁であったけれども,調整調整でずっと先送りをしていっても,事業はもう発車しなければ大変なことになると私は思います。そこで,予定の出資に達しなくても,事業は発車をするのかどうか,このことの確認をひとつしたい。
その次,いまの原材料の確保について。
これまた本当に,細かく言えばいろんな問題があると思います。どうも材料が集まらなかったから,山から砕石持ってきて,バージン骨材とまぜて出さなきゃ,事業自体が民間では成り立たぬよというようなことになっては,これは仏つくって魂入れずのことになるから,本当に慎重に検討をして進めていく。そうでなければ,参入をしようとして,いま申し込んでおられる業者の方々だって,やはり一歩下がって考えざるを得なくなるのでないかと思うから,その辺の見通しを明らかに示すように早くしてほしいと思います。
それから,採算性の問題。
これは安いものだから,何ぼで売るのかわからないけれども,いまバージンの砕石だって立米3,300円ぐらいかな。そうすると,同じものを
リサイクルの製品を買うか新しいものを買うかといったら,それは新しいものを買うに決まっているのだから,よほど安くなければ売れないような気がする。しかも,その中に占める運賃,これは新しいものであろうと
リサイクルの製品であろうと,運賃は同じと。三千四,五百円で新しいものを売って,その中に占める運賃の割合は,おそらく750円から,いまはもつと安いような気がする。700円ぐらいになっていると思う。規定のダンプ1台8立米,700円だったら1回運んで5,000円。何千万もするダンプに運転手1人ついて運んで5,000円。採算性を言う余りに,それらの運搬業者であるとか,あるいはそれに携わるさまざまな業者に対して,いわゆる弱いところにしわ寄せがいくようなことであれば,こちらのほうがうまくいったとしても,他に大きな影響を及ぼすことになるのであろうから,採算性自体も慎重に検討をしていく必要があるように思います。
もう一つ,事業は人だと言われています。第三セクターといえども,それを経営する人がその事業に対する熱意を持って,本当に生涯をかけてこの事業をやるのだという熱意がなければ,この事業は成功しないと言えばちょっと語弊があるけれども,難しいように私は思います。同時にまた,それに参入するいろんないまの民間部門も,あるいはまた第三セクター部門も,廃油なんかもこのうちに入るのだろうけれども,皆さん意欲を持っていまやっておられるのに,主体である札幌市が及び腰だななんて思うようなことを植えつけたら,これはもう全然参入しなくなります。だから,最後に,局長か助役から聞きたいけれども,この事業にかける札幌市の意欲,意気込み,その決意も聞きたい。
これまた,何でこんなことを言うかというと,桂市長は,ごみ市長と呼んでくれと,けさの何新聞かの投書の欄にも書いてありました。ごみ市長と呼んでくれとまで言って,ごみ問題について,ことしのお正月からあれだけ言っておられる。そのごみ問題の解決のキーは,この
リサイクルにかかっていると私は思います。日本海にロシア連邦が廃棄物投げたことを言うわけじゃないけれども,それだけ地球環境全体として難しい問題の中で,ぜひひとつこの事業を成功させるように頑張ってほしい。
ちょうど岡本さんが横からいま何か言ったから,蛇足でもう一つ言うけれども,ごみ市長は桂さんじゃないのだよな,本当は亡くなった前板垣市長。岡本さんと私が一緒に選挙に出たあのときに,ごみ無料化をやらなかったら板垣さんは7,000票差で当選できなかった。あのことをいま思い出した。3月の末,告示直前だ。ある日突然,きのうまでごみ無料化絶対やりませんと言っていたので,どこへ行っても私もそう言っていたら,朝起きて新聞見たら,きょうからごみ無料化と,こうなった。その日がたまたま板垣さんと私とが15件回るお茶懇のその日になっちゃってて,2人で回った。板垣さん上手だから,うまくやったけれども,私は素人だから,どうもうまくいかなかった。政策をきのうからきょういきなり変えるということは,どんなに難しいかということがよくわかった。いま中央でも,どこかの党がそういう感じを受けているところがあるようだけれども,本当に難しいものだ。そういう意味では,ぜひひとつこの長年のごみに対するいろんなことについての,先の部分の決意を伺って,あとは蛇足と言ったから終わります。
◎魚住 助役
リサイクル団地にかける本市の決意ということでございまして,先ほどからもお話がありましたように,ごみの問題というのは古くてまた新しい問題であると。また永遠に続く問題であると,こう考えて,非常に重要な問題であると私も認識しております。
特に,
産業廃棄物というものにつきましては,先ほどからも話がございましたように,排出者がお金を出してそれをきちっと処理するということが建前でございまして,これがまだまだ市民,社会に浸透されていない。東京とか,特に人口の過密なところでは,いろんな社会問題が起こって,それによりまして公的な制裁があったり,いろいろなことがございますけれども,北海道の場合は,まだそこまできつくなっていないというのが現状でございまして,そういう観点から,排出者がいままでの行政の中のそういう緩いところに甘んじているというのが現状ではないのかと,こう考えております。
そういうことを実はいろいろ各方面にもご説明を申し上げて,地球環境の問題はございますけれども,まず身近な札幌市をきれいにするためにどうすればいいかというのは,われわれが日常出しているもの,また,企業が日常出しているものをきちっと処理していくということが大切であると。こういうような観点から,
リサイクル団地をつくっていこうと,こういうような立場で計画を立案したわけでございます。
いろいろの事情がございまして,こういう不況でもございますから,出資をお願いしている中では大変苦慮されていると思いますが,皆さんが前向きの姿勢で,市の姿勢につきましては十分理解をいただいて,できるだけのことはしたいと,もうしばらく待ってくれというような状況にございまして,近々その出資の全貌がわかってくるのじゃないかと,このように思っております。
しかし,もし私どもが思っていたほどの出資がそこで得られないとした場合はどうするかと申し上げますと,いままで2系列つくるべき予備機械を1系列にするとか,また,事業そのものを十分切り詰めるように見直していくと,こういうようなことで考えております。また,特にこういう新しい事業でございますから,市のほうから出向するか,そういうことにつきましてはこれからの検討事項になりますけれども,こういう株式会社を運営する方々にはそれなりの吟味した人を送り込んで,立派な会社にしていきたいと,このよううに考えております。
いずれにしましても,この
リサイクル団地の問題は本市においても最重要課題であると考えておりますので,この点につきまして私からも一言お答えして,皆さんにご理解をいただきたいと,このように思っております。
◆本舘 委員 ごみ袋の問題についてお伺いをいたします。
昨今のごみの激増というのは,まさに大量消費社会が生んだ鬼っ子だと思います。ごみで悩んでいるのは,ひとり東京都だけではないわけでございますが,最近の新聞で見ますとおり,東京都のごみの収集の半透明袋問題,これがいまやもう全国的議論になっております。いわゆるごみ袋騒動であります。
新聞報道によりますと,東京都は昭和49年からすでに分別収集の実施をしております。ところが,いまだに分別収集が不徹底だということで,これを徹底させるねらいもあって,中身が見えれば,燃えるごみ,燃えないごみがよくわかるだろうと。さらには,生ごみの中に刃物であるとかガラスの破片とか,危険物の混入などによっての収集作業の危険度が減るだろうと。こういったことで,10月1日から実施をされたと,義務づけをしようとしたと。ところが,やってみると,住民苦情がもう大変なことで,見る限りにおいては1日600件も苦情電話があって,まだ続いていると。こういうようなことで,結果的には猶予期間も含めて,この実施について先送りせざるを得ない情勢にあります。もうごみの有料化問題どころでない騒ぎになっております。
よく見ますと,苦情の内容の一つは,やはりプライバシーの侵害の問題であると思います。特に,問題になっているのは,ごみ袋に出した人の名前を入れろというところだろうと思います。それから二つには,東京都が指定した炭酸カルシウム入りの透明袋,これは現行の袋に対して非常に高い。1枚25円もする。倍以上の値段になって,しかも生産が追いつかないというようなことで,手に入らないというような事態も続いておりまして,メーカー側も東京都に対して指定の中止を要請しているというようなところであります。いずれにしても,住民からの評判というのはすこぶる悪いという印象を受けております。
しかし一方では,このごみの問題について,中身があったとしてもプライバシーの侵害にはならないという声もありますよ。たとえば,ごみ隠しをやめることがごみ処理の基本なのだと,こういうスタンスでいる考え方もあるわけでございますけれども,この問題が発端となって,外国まで飛び火しておりますね。この間の報道によりますと,ごみ袋問題では,イギリスの新聞の社説にまで載っていると。名前を入れるなんていうのは耐えがたいプライバシーの侵害であると。都民はこのことに対して闘うべきであるなんていう変なエールを送ったりしているという報道もあります。そういうことからいきますと,このごみ袋問題は全世界的な論議にまで発展しているという感を免れないと思うのです。特に,日本人以上に外国人はプライバシー保護については敏感ですから,こういうこともあるのでしょうけれども。
確かに映画俳優とかタレントだとか,あるいは有名人なんかの出すごみがねらわれるというおそれもあるかもしれません。そういうことはありますけれども,さらには一般大衆といいますか,一般市民生活のレベルに合わせましても,どうもそういう状態にいたしますと,あの家というのはどうもカップラーメンばかり食べているのだろうと,袋見たらカップラーメンだらけだと,こういったことが見えてくる。あるいは,この家は構えの割にずいぶんいいもの食べているなというようなこと,いわゆる生活の状態が推測されるというようなこともプライバシーの侵害に大きくかかわってくるのだろうと思います。さらには,銀行からの通知ありますね,督促状だとか。あるいはラブレターもあるかもしれないし,それからなかなか成績の芳しくない子供のテストの答案だとか,住民のサイドから考えれば,いろいろな問題があって抵抗があると。
さらに東京となりますと大人口を抱えておりますので,なかなかモラルの徹底は図られない。そういうことで,分別の分別がなかなかつかないというようなことで,業を煮やしてやったのでないかと思いますけれども,いずれにしても,東京都は少し急ぎ過ぎたのではないかと,こういう私は感想を持っているわけです。
私は,基本的にはこの先,透明袋もやむを得ないのかなと思うわけでございますけれども,何といってもこういった背景も受けて,住民の理解と協力なしでは問題が大きく残るだろうと,こういうような感じを持っているわけでございます。
そこで,この問題は大変重要な問題でありますし,直接局長にお伺いしたいと思うのです。特に,東京都の半透明問題が中心になって,つい最近,全国の大都市間の清掃の最高責任者会議があったやに聞いておりますので,そういうものも含めて,第1点は,東京都のごみ袋問題についての経緯について説明をしていただきたいなと思います。
それから二つ目,一連のごみ袋問題をどう受けとめて,さらに,今後本市としてはどう対応しようとしているか,この2点について,局長,直接お願いします。
◎前田 環境局長 プライバシー問題について,やはりごみの基本的な問題の一つだろうというふうに思っております。いま,るる住民の協力を得てやれということで,大事なアドバイスをいただきまして,ありがとうございました。
実は先週の14日に緊急的ではございましたけれども,13大都市の局長会議がございました。その中で,たまたま東京都の清掃局長から,実は全国的にこういうような問題で皆さんにご迷惑をかけているので,その経緯を説明をしたいということで,説明がございました。いま本舘委員から,るるお話がありましたけれども,報道されている部分というのがほとんどでありますけれども,新しい問題もございますので,その辺の経緯をちょっと説明をさせていただきたいと思います。
一つは,なぜ東京都はこういうような半透明袋を,ある程度強制的にやろうというふうに踏み切ったかという理由でありますけれども,4点ほど言っておりました。
一つは,ごみ捨て場が非常に窮屈になってまいりまして,もう間近にごみ捨て場がなくなるというのが東京都の実態のようでありまして,何としてもごみを減量したいということが一つであります。
それから二つ目には,現在2分別をやっているそうであります。燃えるごみと燃えないごみというふうに分けておりますが,実は都民の協力度が非常に低いということで嘆いておりました。したがって,その分別の慣習をぜひ確立したいと。そして,行く行くは2分別から細分別のほうに移行していくという展望の中でやりたいと,こういうことでございました。
それから3点目は,作業員の安全確保の問題であります。昨年1年間で150件の事故があったそうでありまして,中には失明もあったそうであります。そんなことで,安全性を図りたいということ。
それから,いま東京都内には24万ヵ所のごみステーションがあるそうであります。この24万ヵ所のごみステーションを何としても美観上きれいにしたいという,こういう4点を説明をしておりました。そういうことで,少しきついかもしれないけれども,ぜひ踏み切らざるを得ないという判断でやったと,こういう説明でございました。
ところで,その結果でありますけれども,いま説明がありましたが,毎日600件から650件の苦情とそれから激励もあるのだそうでありますが,そういうものがいま現在も続いていると,こういう報告でございました。
苦情の主な内容というのはどういうことかということで例示をしておりましたが,一つには,PRが少し足りなかったのでないのかと,急にやり過ぎたのではないかということが一つ。それから,炭酸カルシウムが30%以上混入したものを使えという一つの基準を決めたのですが,この理由は何かというと,実は焼却炉の発熱量の抑制に役立つのだそうであります。ところが,専門家から,それは大差はないという指摘を受けたのだそうであります。この辺がひとつまた大きな課題になっているようであります。それから,袋が大き過ぎるとか,それから単価が高いということもございます。それから,ごみの有料化の先取りではないかという意見もあると。それから,氏名の記入は必要あるのかというようなこと,これが主な苦情であります。逆に支持する意見としては,いまごろ遅過ぎると,もっとさきからそういうことをやるべきだったのだという支援の申入れ。それから,プライバシーの侵害ということには当たらないという意見。それから,半透明を使わないのだったら,それはそのまま残していけというふうな一つの申入れ。あるいはまた,マスコミ報道でこれだけの論議を醸し出したのだから,ごみ問題というのをこれから考えるのにいい機会になったではないかと,そのPR効果というのは50億円にも相当するよと,こういうようなことの話があったりして,ちなみに今回のPRのために東京都が使ったお金は幾らか,これは3億円だそうであります。
そういう意味で,いろんな意見がございましたが,いずれにいたしましても,都は3ヵ月半の計画期間を設けたと。したがって,平成6年1月17日から半透明袋の使用について実施したいと,こういう意思表示があって説明が終わりました。特に質疑応答はございませんでしたけれども,東京都としては問題意識を非常に深刻にとらえておりまして,何としても実施をしたいという意気込みだけは言っておりました。
以上が経過でありますが,いま,ごみ袋の受けとめ方という問題と今後の対応でありますけれども,ごみの分別だとか,あるいは減量には非常に役立つ効果はあるのだろうと思います。また,作業の安全という面でも一定の効果は期待できると思います。しかし一面,プラバシーの問題ということもあることは事実であります。われわれとしては,これは自治体全部そうですが,透明化問題というのは一つ大きな課題として,みんな悩んでおりますし,検討しております。したがって,もう少し東京都の推移を見守ってまいりたいと,こういうふうに考えております。
それから,札幌市としてはどうするのかということでありますが,すでにご案内のとおり,2月から,燃えないようなごみについてだけは,半透明で出していただくようにという協力をいただいてまいりました。いま余り徹底をしておりませんが,原則的には私はやはり住民の理解と協力がなければ成功しないと思いますので,その辺に力点を置いた施策を今後進めていきたいと,こういうふうに考えております。以上です。
◆本舘 委員 大変具体的によくわかりました。
それで,いま答弁ございましたように,東京都が発端となってごみに対する関心のいい機会でございますから,今後,本格的実施に入る場合には,市民の直接生活にかかわる問題ですから,公開の論議なんかも含めて徹底したPRをして,市民の理解と協力を求めていくべきだということを重ねてお願いをしておきます。
それから,私ひとつ考えるのは,ごみといったら何で黒だとかネズミ色だとかということなのですよね。もうちょっと楽しいものにならないか。ごみに楽しいもないけれども,出すのに楽しい工夫ができないかなと思うわけなのですよ。たとえば半透明の袋そのものでなくて,もしプリントができるならば,これにちょっと工夫すべきだと思うのですよ。ごみで,プライバシーなんかもいろいろ問題ありますよ。ごみに勝たなきゃならないということもあります。これは,だれでも考えている問題ですけれども,一つはごみの出し方,見える見えないの話になりますから。それから,日本人の意識というのは,大部分が中流意識だと。そこで,違うごみをなるべく出したくないという人もあるのではないかと思うのですよ。
そこで,こんな意識を受け取って,たとえば透明袋のところどころにいろんなプリントしてはどうか。たとえば海のものであれば,アワビの絵だとかエビ,それからマグロだとかタイの頭の絵とか,それから山のものであればマツタケだとか,それから野菜であればメロンだとかブドウの巨峰だとか,こんなのをところどころにプリントすれば,隣も向かいもみんな同じ袋で,いい絵がついていると。実際は苦しい生活の残滓が入っているにしても,なぜかこの絵を一見すれば,どこのうちも同じで,何か意味もなく気持ちが安らぐのでないかと,こう思うのです。しゃにむに全国一律ということは決して芸のあることだとは思いませんよ。こういったことも,今後,先になって考える価値があるかどうか,これだけちょっと,局長。
◎前田 環境局長 貴重なご意見として受けとめさせていただきたいと思います。
◆高橋[重] 委員 私は3点ほどお伺いします。
まず第1点は,先ほど越智委員からもお話がありましたように,市長がごみ市長と言われたいと言うほどごみ減量化に率先して取り組む姿勢を示し,100グラム減量作戦というものを展開しておる。すでにそういうことを提唱されてから10ヵ月たつ。本年度になってからも半年を経過しておるわけですが,今日まで,この運動の成果がどのようにあらわれておるか,いわゆる所期の目標を達成できるような市民の協力,理解が得られて,減量が進んでおるかどうか,その辺の現状についてひとつご答弁をいただきたい。
第2番目は,先ほど飯坂委員のほうからの質問に対して局長から,清掃の基本計画の作成について年度内にまとめたいというご答弁がありましたけれども,2000年の札幌市における事業系廃棄物処理基本構想という中に,485万トンという位置づけをして,これに対して資源化を図っていく,あるいは減量化も図るというようなことが出ております。
家庭系のごみは,そのうち57万トン予測をし,7万トン
リサイクルすると,こういうふうになっております。全体の12%を
リサイクル化していく。現在,1万トンの
リサイクルですから,現在と対比すれば7倍ということになりますけれども,私は,57万トンのうちの12%程度でいいのかどうかという気がいたします。
そこで,年度内にこの計画を作成するときに,この57万トンの中で,現在打ち出しておる7万トン以上の減量化・資源化・
リサイクル化を立てるべきではないかと思いますが,すでに局長と原局との間でいろいろキャッチボールをやっておると。その辺のところがどう検討の材料にされて,キャッチボールされておるのか。
リサイクル化が7万トンよりももっと進むという方向での検討がされておるのか,その点を明らかにしてほしいと思うのです。
それから3点目は,いま本舘委員からの質問にありましたごみ袋の問題ですけれども,先ほどの局長の答弁でも明らかなように,作業の安全性とか効率性という面からは,見えたほうがいいだろうという点は否めないと思うのですね。しかし同時にまた,プライバシーという市民生活にとって非常に大事な問題がありますから,この点でも十分配慮する。
そこで,私はいろんな袋が用意されて,いわば個人の選択性といいますか,自由に黒い袋を使いたい人は黒い袋,白い袋を使いたい人は白い袋という選択の自由があると。1種類の袋を義務づけして,これでなければ持っていかないとか,そういうことはすべきでないと思うのです。
それからもう一つは,ある種のごみ袋を決めて,これを買ってくださいという形での有料化になる心配がございます。そこで,義務づけと有料化しないということを確認をしておきたいと思いますので,その点でのご答弁をお願いします。
◎片桐
リサイクル推進室長 1点目,2点目,減量は進んでいるかという点,それから基本計画の中での家庭系ごみの7万トンの
リサイクル量の問題につきましてお答えをいたします。
まず,ことし1月にダイエット・プランを発表いたしまして,実は先般,市民に対しまして「さっぽろ・ダイエット・プランというのを皆さんご存じですか」というアンケート調査を実施をしました。この調査結果では,約7割の市民が,札幌市がダイエット・プランを展開をし,その行動を求めているということについて承知をしておるということでございまして,私どもとしては,相当このダイエット・プランについては市民の中に浸透してきているのではないかなというふうに考えてございます。
そこで,具体的にごみの量で試算をしてみますと,ことし4月から6月,この3ヵ月間のごみの量を前年同期と比較をしてみますと,実際のごみの量の単純比較では0.5%の減でございましたが,一方で人口増がございましたので,その人口増を加味して再度計算をしてみますと,実質は1.5%くらいのごみの減量がなされているだろうと。これがすべてこのダイエット・プラン,いわゆる減量運動の成果かどうかは必ずしも確認してはございませんけれども,私どもとしては相当このダイエット・プランの認識があって,ごみが減ったのではないかというふうに考えてございます。
それから,2点目の基本計画の問題でございますが,いま事業系廃棄物処理構想の中で付随的に家庭系廃棄物の減量
リサイクル量を,従前,平成2年度実績で1万トン,西暦2000年,平成12年で7万トンという数字で一応推計をしてございます。
そこで,実は平成3年度から集団資源回収,これにつきましては先ほどご質問がございましたけれども,奨励金を交付するなどして,相当な進展を見てございまして,平成4年度実績で3万3,000トンまでこれが伸びております。いま,相当実施団体数がふえておりまして,市域内では相当行き渡っているという実態にある。こういうことから考えてまいりますと,集団資源回収は,まあまあ4万トンかそこらあたりが,あるいは頭打ちかなということも考えられます。
そこで,いま私どもとしては一方でダイエット・プラン,1人1日100グラム減量をお願いをしてございますから,毎日われわれが100グラムごみの減量をいたしますと,1人につき1年間で36キロのごみの減量になります。これが170万市民で計算をいたしますと,おおよそ6万トンぐらいのごみの減量ということになりまして,したがいまして,西暦2000年構想のときには,従前
リサイクルされております1万トン,これに仮に1人1日100グラム減量を達成して,それが先々ずっと維持されるということになりますと,6万トンという一応の計算になりますので,その1万トンに6万トンを足して7万トンということで計上したものでございます。
なお,せっかくのご指摘でございます。私ともこれから基本計画を策定するに当たりまして,果たしてもっと伸ばすことができないのか,十分に検討してまいりたいと考えております。
◎前田 環境局長 有料化と義務づけの問題ですが,義務づけの問題については先ほども申し上げたように,住民の理解と協力が基本だと思いますので,その辺に力を入れていきたいと。最終的に自由制にするのはどうかという問題は,確かにいろんな問題がまたあると思いますけれども,そこまで考える前に,やはり理解を求めるということを基本に据えたいと,こう思っています。
それから,有料化の関係ですが,いまの段階では,市長の代表質問に対する答えもありましたけれども,いまの考え方としては,一般家庭について有料化するという考えは持っておりません。来年の4月から事業系が有料化になります。まずは,これをひとつ定着をさせて推移をみたいなと,こう思っております。以上であります。
◆高橋[重] 委員 最後の局長のいまの答弁で,事業系の
一般廃棄物の有料化に伴って,推移を見てというところにちょっとひっかかるのがありますので,その推移の後,一般家庭系の有料化だということになれば,これは問題ですので,その点,そうでないということを確認をしておきたいと思いますのが1点。
それから,片桐部長の
リサイクル化の中で,現在1万トンと,それから100グラム作戦が成功したら6万トン,合計7万トンだという算出の根拠はわかりますけれども,しかし,それはいまの現状を前提にしたやり方だと思うのですね。だから,たとえば先ほど指摘されているように,瓶とか古紙とか缶とかのより一層の資源化を促進すれば,もっといくだろうと思うのです。これから作成する基本計画の中では,そういういわば現実的なものも基礎に置きながら,同時に,より意欲的に取り組んでいくということを加えた基本計画にしていただきたい。この点をひとつ要望して,局長から確認のご答弁をいただきたいと思います。
◎前田 環境局長 そこまで考えて言ったわけでありませんで,4月から事業系が有料化になりますので,それに全力を注ぎたいという意味であります。
◆大西 委員 それでは,簡潔に質問をしたいと思います。前口上は省略をしたいと思います。
第1点目に,集団資源回収事業に関連してお伺いをいたします。
集団資源回収事業は,平成3年9月に集団回収奨励金交付制度としてスタートいたしました。本市が進めているごみ減量対策の中でも,この事業は一定の成果を上げていると私は評価をいたしております。
そこで質問ですが,この制度をスタートさせて以来,登録団体数,回収量,奨励金など増加傾向にあると聞いていますが,その状況についてお伺いをいたします。あわせて,この事業の今後の見通しについてもお伺いをしたいと思います。
次に,事業系
産業廃棄物の減量・資源化についてであります。
これは,先ほど飯坂委員のほうから質問がございましたので,そこは省略をいたしまして,本年4月1日から大
規模建築物,それから10月1日からは準大
規模建築物を対象に,条例や指導要綱で保管場所の設置計画書の届け出を義務づけたということであります。この状況については,飯坂委員のほうから質問がございましたので,私は,この効果がいまどういうふうにあらわれてきているのかということについてお尋ねをしたいと思います。
第3点目に,本市は平成6年4月から,現在家庭ごみと同様に無料収集をしていた小規模事業所約3万件,これについて大規模事業所と同様に民間の収集業者に処理費を支払う形をとり,実質的に有料に転換をする,こういう施策を条例制定の中に盛り込まれていると,こう承知をいたしております。
そこで質問ですが,この施策のねらいとその内容について,簡潔に説明をしていただきたいと思います。また,この事業によって,小規模事業所から搬出されるごみの量はどの程度になるのかお伺いをいたします。あわせて,この場合,民間収集業者の収集体制に問題はないのかお伺いをしたいと思います。以上,3点についてお願いします。
◎福原 清掃部長 1点目を私からお答えいたします。以下は推進室長から答弁いたします。
集団資源回収の登録団体数でございますけれども,スタートしたのは平成2年でございまして,当初は1,058団体でございました。それが,3年の下期では1,910団体,それから4年の下半期では2,244,現在は,9月末でございますけれども,2,400団体を超えております。
それから,量でございますけれども,当初
スタート時点では1万4,000トン前後でございました。それが,平成4年につきましては3万3,200トン,金額にして奨励金は9,900万円でございます。大体これを1団体平均にいたしますと,1団体5万3,000円程度の助成金になろうかと思います。それから,ことしは大体いまの時点で3万6,000トン程度を見込んでおりまして,金額にして1億円を超えるのではないかというふうに考えております。
それから,今後の見通しでございますけれども,この2,400団体というのは町内会ですとかPTAとか,タブっているところもございまして,私どもとしては大体全市的に網羅されたのではないかなというふうに考えております。したがって,団体数がこれ以上急激に伸びるというような予測をいたしておりません。量につきましても,先ほどちょっと室長から申し上げましたけれども,大体4万トン程度というふうに考えております。以上です。
◎片桐
リサイクル推進室長 2点目の
事業系一般廃棄物の保管場所の問題でございますが,ご承知のとおり,昨年条例改正を行いまして,一定規模面積以上の排出事業所につきましては,ごみと資源ごみをちゃんと分けて置けるような保管場所を義務づけをいたしてございます。
そこで,基本的には本年4月1日からこの条例は施行されているわけでございますが,事業者においては,すぐ新しい条例云々と,従ってくださいよということにもなりませんので,私どもこれを実施をするために細目を定めた指導要綱を持ってございまして,そこで事業者への周知期間も必要だということでございまして,この指導要綱につきましては本年10月1日から実施をしております。
そこで,この要綱制定以降,この要綱に従った建築物,これだけのごみの保管場所を設けますという事前協議を私どもしていただいておりますけれども,大
規模建築物3,000平方メートル以上で現在までで10件ございました。それから,準大
規模建築物で4件の合計14件の事前協議がございまして,中には若干面積だとか,あるいは基準に満たないというものもございまして,これらにつきましては十分指導し,理解をいただいております。したがいまして,この14件については基準違反等の問題はございません。
それから,3点目の小規模事業所のごみの有料化の問題でございまして,従前は,1日当たり排出量が40リットル以下の事業所につきましては,ごみステーションに出してよろしいという規定でございましたけれども,新しい条例は,すでに条例そのものは施行されていますけれども,小規模単独事業所の有料化につきましては,明年4月1日からの施行ということにしてございます。
そこで,この条例の趣旨でございますけれども,排出量にかかわらず,事業者責任を明確にするという観点で有料化を実施をするものでございまして,そのねらいとするところは,いわゆる排出抑制,ごみを減らしていただくというところに大きな視点がございます。そこで,委員ご指摘のとおり,事業所としましては,おおよそ3万件くらいあるだろうという推計をしてございまして,この3万件から出るごみの量がおおよそ年間5万トンと推計をしてございます。そこで,この事業系のごみをすべて有料で収集をするということになりますと,現行の許可業者が収集をすることになるわけですけれども,いま7社の現行の体制の中では,現実には難しいだろうというふうに考えておるところでございます。
◆大西 委員 いまお答えをいただきました点について,さらにお尋ねをしたいと思います。
第1点目は,先ほどちょっとお伺いをいたしましたが,大型建築物,それから中型建築物にかかわる保管場所の条例制定,指導要綱,これに関連してお伺いをしたいと思うのであります。
本市の条例及び要綱によりますと,当該関係者に対し幾つかの義務が課せられているわけであります。たとえば,建築確認前25日以内に担当課と事前協議をすること。あるいは,本年10月1日以降は,建築確認申請書に設置計画書審査済の書類を添付すること。あるいは,ごみなどの保管場所の基準を厳守すること,こういう一定の義務が課せられているわけであります。しかし,本市の条例を読んでみますと,第2章第2節第19条保管場所の設置規定,第2章第3節第22条保管場所などの設置基準の規定などによりますと,義務条項はありますけれども,違反した場合に罰則規定がどこにもないのであります。
そこで質問をいたしますが,法的な拘束力を持たない本市の条例の場合,違反者に対してどのような措置をとるのか。たとえば,確認申請のときに設置計画の審査済書の添付がないときは,添付させるために,どのような指導を行うのかお伺いをします。また,この場合,違反者に対して対抗条項をこの条例の中に入れなくていいのか,この点についてお伺いをしたいと思います。
それから2点目に,
事業系一般廃棄物の収集体制についてお伺いをいたします。
先ほど,来年4月1日から小規模事業所のごみも有料にすると。これは,民間の収集会社に収集をしてもらうのだと言われました。収集体制に問題はないのかという質問をいたしましたら,いや問題あるのだと,いまの体制で乗り切れるかどうか定かでないと,こういう答弁であります。しかし,これでは私は困ると思うのです。やはり本市がこういう施策を出した以上,小規模事業者に対しても,持っていくごみについては一切皆さん方に負担をかけない,あるいは心配をかけないということが大変裏腹の関係で,本市がきちっとすべきことでありますから,その点についてどうするのか明確にしていただきたいと思います。
次に,本年1月に出されました札幌市の
リサイクルシステム制定委員会の答申を私は読んでみました。これによりますと,現在のような独立した業者による収集体制では,幾通りにも分別された資源ごみを種類別に収集することは困難なので,効率的な一貫収集処理体制へ移行していくことが必要である。そのためには,広域的見地に立って,第三セクター化による収集処理体制の確立を進める必要があると指摘しているのであります。私も,現在の許可業者7社による収集方式は,同一地域内を各社がまちまちに収集をしてございまして,きわめて効率が悪いなと前から考えてございました。したがって,何らかの形で効率化を考える必要があるのではないかと,こう考えております。
そこで質問ですが,まず,許可業者7社は,この答申に対してどのような反応を示しているのかお伺いをいたします。また,本市では,この答申を受けてどう考え,この先どのようにしようとしているのかお伺いをいたします。
◎片桐
リサイクル推進室長 まず,保管場所の問題で,拘束力の関係でございます。
これは要綱でございますので,根拠は条例にありますけれども,具体的な細かい指導は要綱に基づいて行なっているということで,法的な拘束力と,仮に違反者があった場合に,その対抗措置をどうするかということになりますけれども,私も条例の23条によりまして,もし札幌市がお願いをしている状況が達成されない場合,これにつきましては改善勧告をすると。さらに,その勧告が受け入れられないという場合につきましては,氏名等の公表をするという条例の規定になってございまして,ここまでやれば,違反者に対しても相当な実効性が期待できるのではないかなというふうに一応考えてございます。
それから,事前協議をいただいておるわけでございますが,その際に,私どもの基準に適合すれば,審査済という確認の判を押すわけでございます。この審査済書につきましては,建築指導部に対しまして確認申請をする際に,必ず添付をしてくださいということで,要綱の中にそういう規定を設けてございまして,現時点ではそれぞれ建築主はこれを十分守っていただいております。したがって,今後は基本的にはこういう要綱に従わないという人はいないとは思いますけれども,仮に,万が一そういう事例が出た場合には,強力に指導を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
それから,次の小規模排出事業所のごみ収集の問題でございます。
いま委員ご指摘のとおり,現行7社体制というのは,一定の地域に7社がそれぞれ入り乱れて収集をしている。この問題につきましては,
リサイクルシステム制定委員会でも非常に効率が悪いということで強く指摘をされた事項でございます。
そこで,一つは,これに対する7社の反応はどうなのか,それから,札幌市の考え方はどうなのかというご質問でございますが,この答申を出しました
リサイクルシステム制定委員会,これは19人の委員会でございましたのですが,その委員の中に,収集業界の許可業者の代表の方も参加をしていただいて議論をしていただいたものでございまして,当然,今回の答申の内容については業界も十分承知をしているというふうに私どもは考えてございます。
それから,この答申に対する私どもの考え方といいましょうか,今後の方向でございます。
現在7社で
事業系一般廃棄物を収集をしておりますが,この7社体制になりましたのが昭和48年でございまして,それ以前はもっと数が多かったわけでございますけれども,順次整理統合を図りながら,現行の7社に48年になったということでございます。そこで,先ほど申し上げましたように,
リサイクルシステム制定委員会でありますとか,現在の収集体制が効率が悪いとか,いろいろな問題がございます。しかもさらに,今後はごみの減量あるいは分別収集という大きな問題もございます。そこで,私どもとしては,
リサイクルシステム制定委員会の答申の内容を尊重しながら,どのような体制がいいのか,十分効率的な収集体制確立のために検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
◆大西 委員 最後に1点お伺いをしますが,その前に,先ほどお伺いをいたしました小規模事業所の収集体制についてどうするのかという質問に対して,具体的な答弁がないわけであります。私は,第三セクター化をすることによってそのことは解消できると,こういうことなのか,それともほかの手法を考えているのか,そのことについてまずお答えをいただきたいと思います。
それから次に,第三セクター化の考え方についてはよくわかりました。この場合,これまで長年にわたって本市のごみ収集に尽力されてきました許可業者7社の今後はどういうふうになるのか。それから,その際,第三セクターとの関係についてどうなるのか,それについてもお伺いをしたいと思います。
◎片桐
リサイクル推進室長 リサイクルシステム制定委員会の答申の中で,
リサイクル団地にかかわる第三セクターの中にこの収集部門も取り入れてはどうかという答申の案でございました。そこで,私ども
リサイクルシステム制定委員会の答申どおりにいくかどうかは別にしまして,基本的には
リサイクル団地の関係の第三セクターを基本に据えながら,7許可業者の効率化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
そこで,仮にそういたしますと,現行の7許可業者はどうなるのかということでございまして,7社体制になりましてやや20年,準公益的,公共的な仕事を適正にやってきていただいたわけでございまして,私どもも職員の研修あるいは従業員の資質の向上,さらには,市民の信頼性の確保が図られるようないろんな研修だとか指導をしてきたところでございます。したがいまして,いま申し上げましたように,仮に第三セクターに集約をされたということになったとしましても,直接的な収集部門につきましては,従前のこれらの許可業者の方々が担当する形になろうかと思いますので,これら業者の方々の今後の問題につきましては,その事業の安定と,さらに育成,こういうことを十分に配慮してまいって,収集体制の効率化を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆大西 委員 一つ答弁漏れあるのだけれども,さっきの小規模事業所の収集体制について明確にしてくれと,これだけひとつ答えてください。
◎片桐
リサイクル推進室長 小規模事業所につきましては,3万事業所が一斉に出るかどうかという問題はございます。そこで,現行7社の体制のままですと,現在9,500ほどの事業所のごみ収集を行なっておりまして,これが仮に3万事業所全部をやるなんていうことは,とうていできません。
そこで,いま申し上げましたように,第三セクターを核として効率化を図るならば,たとえば一つの方法としては,第三セクターが基本的には収集業務の窓口になりますので,その具体的な収集作業は7社がやる。そうなりますと,たとえば地区割をするとか,そんなような方法になろうかと思いますけれども,そこら辺は今後許可業者の方々と十分打ち合わせをしなきゃならぬという状況でございます。
◆大西 委員 最後に,私は助役に要望しておきたいと思うのです。
先ほど本市の条例第23条に関連して,義務化に対して違反をした者に対する取扱いをどうするのか,このことであります。これは,建築指導課で建築確認を出すわけでありまして,したがって,そのときに審査済書がなければ建築確認はおろさないよというくらいの強い指導を,建築指導課としてもぜひやっていただかないと,せっかくつくった条例でありますから,骨抜きになったのでは意味がございませんので,ぜひこの札幌方式の条例を生かすという意味で,建築指導課と十分な連携をとりながら,この問題について強い指導を要望して終わりたいと思います。
○加藤[斉] 委員長 以上で,第3項 清掃費の質疑を終了いたします。
次に,第7款 土木費 第6項 公園緑化費及び公共用地先行取得会計中関係分を一括して質疑を行います。
◆中嶋 委員 2点について質問いたします。
中島公園の子供の国遊園地の移転整備計画が地元にも説明されました。この計画の中には,遊歩道の整備が盛り込まれております。ご存じのように,円山公園には原始林があります。これは,札幌市民の大切な財産と言えます。さらに,遊歩道が計画されているところには見事な杉林があります。この杉林は,お聞きしたところによりますと,杉林としては北限に位置するものだそうです。この遊歩道の計画によって,円山の原始林及び杉の樹林地に対する影響はどうなるのでしょうか。また,公園には小川が流れていますが,この小川が埋め立てられるということはないのでしょうか,この点についてお伺いいたします。
また,駐車場が整備されますが,この整備計画の中でも,雨水を地中に浸透させるような工法をとっていただきたいと思います。原始林に水が浸透するということは大切なことだと思いますので,この点についてお伺いいたします。
また次に,公園の地下融雪槽の設置についてお伺いいたします。
ことし6月に都市公園施行令が改正されましたが,これによって,公園施設に関する制限も緩和されて,占有物件の追加が認められました。9月の本会議では,公明党の質問に答えて,公園の活用策として,融雪のための熱源確保や公園本来の利用目的との整合性,さらには安全対策等に配慮した上で,融雪槽の設置について検討してまいりたいという市の方針が明らかにされましたが,この融雪槽の設置には疑問があります。もしこれが実施されるとしますと,住宅街をトラックが走ったりすることになりますし,それによります事故なども予想されます。また,夜間に作業を行うとなれば,騒音なども相当なものと思われます。また,雪は解けて地下に浸透して緑を育ててくれるわけですが,これを解かして流してしまうということは,環境面での悪影響はないのでしょうか。緑を守るべき公園緑化として,この影響についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。
◎上野 緑化推進部長 第1点目の円山公園の立体駐車場のアプローチの園路についてでございますけれども,現在,地下鉄より動物園までの主な歩行者のルートというのが,神宮の境内を通るルートと,それから市道円山線の歩道を通るルートと2路線がございます。しかし,神宮境内のルートにつきましては,敷地が公園用地でないというような問題がございまして,十分な整備が非常に難しいという状況にございます。また,歩道のほうのルートにつきましても,動物園へのアプローチという意味において,ちょっと魅力に欠けるなど,それぞれ問題があるというふうに考えてございます。このため,現在,既存の円山川沿いの園路を改良いたしまして,楽しく歩けるアプローチ園路というように,再整備をしていく必要があろうというふうに考えたわけでございます。
整備に当たりましては,ご指摘のございましたように,ここは円山原始林並びに杉の樹林地もございます。こういうものの保全については十分注意をいたすとともに,現在の雰囲気といいましょうか,そういうものも十分尊重してまいりたいというふうに考えてございます。また,小川につきましても,橋,そういうものを一部設置せざるを得ないと思いますが,埋め立てるというようなことは当然考えておりませんで,そういう景観も含めながら対応していきたいというふうに考えております。
次に,2点目の立体駐車場の雨水の処理についてでございますけれども,地下浸透工法の検討も含めまして,環境対策については十分考慮していきたいというふうに考えてございます。
それから,公園の地下の融雪槽の設置についてでございます。
融雪槽の設置につきましては,ただいまご指摘がございましたように,検討していかなければならない問題というのは幾つかあると思います。一つには,芝生,樹木への影響ということでございますけれども,これについては,公園の場合には,ある程度十分な土かぶりをとるというようなことによって,特に問題はないというふうに考えてございます。また,近隣の住宅街等への騒音公害等の懸念につきましても,そのようなことが起こらないように,公園の位置ですとか,その性格,規模等を十分に考慮をいたしまして検討していきたいというふうに考えております。以上です。
◆中嶋 委員 円山公園については,ぜひ公園の整備が終わりましても木が枯れたりしていないかどうか,ぜひ監視を続けていただきたいと思います。
あと,2点目の融雪槽なのですが,特に問題はないということですが,そこの公園の芝生ということだけではなくて,やはり雪は解けて貴重な資源だと思いますので,全市的に考えた場合に,雪を解かして下水管に流してしまうことで,どういう影響があるのかというところまでぜひ検討していただきたいと思いますが,この点についてお伺いします。
◎上野 緑化推進部長 公園のほうの樹木ではなくて,それ以外ということでございますけれども,ここでは新たに,たとえば木の生えているところから雪を集めてきて融雪をするというようなことではございませんで,通常雪捨て場へ投げているような雪を,そこで融雪させて流そうということでございますので,そういう意味では特段の影響もないというふうに思っております。
◆福士 委員 私のほうから,簡潔に3点ご質問させていただきたいと思います。
まず第1点目は,パークゴルフについてであります。
パークゴルフは,昭和58年に十勝管内の幕別町から発祥して,だれもが気軽に楽しめるスポーツでありますから,この10年間で全道各地に広がっていったスポーツでもあります。札幌市においても,5年前くらいから全市的な広がりを持っているわけであります。特に,西区では区民スポーツとして,区民センターが中心となって普及あるいは啓蒙を行なっているために,大変な競技者人口を抱えている。そういう意味では,西区だけの関係で約3,000人の競技者人口がいるという形になっております。
健康都市さっぽろを桂市長も提唱しているわけでありますから,市民が気軽に楽しめるスポーツを今後ますます盛んにしていくことにきわめて大きな意義があると思っているわけであります。これまでも野球だとかテニスだとかゴルフだとかゲートボールだとか,最近ではサッカーだとか,いろんな意味で市民の方々のスポーツに対する情熱,そういうものは決して低くはない。しかしながら,これらのものは,どちらかというと技術が伴うわけでありますから,だれもが気軽に世代を超えて楽しむという意味では,若干難しい要素があるというふうに思います。そこで,だれでもが楽しめるパークゴルフは,市民の健康づくり,高齢化社会等々において,異世代間の交流を図っていくという意味では妙手だと思います。
そこで,パークゴルフについて2点ほど質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目は,現在市内には何ヵ所のパークゴルフ場があるのか。民間のコースについてもあわせてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
2点目は,パークゴルフについて,どのように札幌市としては評価をしているのか,お聞きをしたい。パークゴルフというのは,名前のとおり,公園を利用してするスポーツでありますから,今後,公園内に積極的に造成をしていくのかどうか,公園の利用促進に関しては大いに有効だというふうに思いますが,この点どうなのかお伺いをさせていただきたい。
次に,前田森林公園の関係についてお伺いをいたします。
さきの代表質問で,森林公園の関係については,防風林の活用あるいはカナールの水質の問題等々について質問をさせていただきました。これは,あくまでも整備計画についてでありますが,今度は利便策について2点ほど質問をさせていただきたいと思います。
1点目は,休養広場にある火気使用のコーナーの関係であります。
最近は,市民のアウトドア志向と相まって,多くの市民の皆さんがバーベキューだとかジンギスカンだとか,これらを積極的に楽しんでいるわけでありますが,日曜日あるいは休日となりますと,現在ある面積では当然収容し切れないという問題がありますし,市民の皆さんからも拡張せよというご要望もたくさん出ているわけであります。そういう意味では,今後,ますます増加をする公園の利用者に対して,このコーナーを拡張する計画があるのかどうかお伺いをしたい。また,特に管理事務所の横にあるゲートボール場,利用が極端に少ないわけでありますから,ここを転用する方法論もあるというふうに思いますが,この点どうか,確認をさせていただきたい。
次に,レストハウス前のサンクガーデンについてご質問をいたします。
今年8月7日に手稲区民の手づくりであるていねふるさとコンサートが実施をされました。札響のメンバーによる金管だとか木管のアンサンブルを招き,大変盛況だったというふうに聞いているわけでありますが,こういうすばらしいセッティングをする,そういう意味では,ぜひレストハウス前にステージを設置すべきだと,こういう要望もきわめて多いわけでありますから,この点どうか,お伺いをさせていただきたい。
もう1点は,曙地区に計画をされております札幌市の住区整備基本計画に基づく地区公園についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
公園の計画地は,稲陵中学の向かい側でありまして,曙通に面した市街化調整区域一帯というふうに伺っているわけであります。地区公園は,面積は4ヘクタール程度と聞いておりますが,規模が大きく,各種のイベント等々,あるいは地域活動も積極的に行われる,そういう意味では,地域コミュニティーの核になる,こういうものでありますから,ぜひこの地域に公園を設置をする,さらには地元でも大いに期待をしているわけでありますから,レクリエーション需要に対応した施設もあわせて設置をしていくということが必要だというふうに思います。地元では,平成2年ころから区長懇談会などを通じて,この公園の設置を要望してきているわけでありますが,一向に計画が進んでいない,このようになっているわけであります。地域にとっては待望の施設であるこの公園が,現在どういう形になっているのかお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
◎高橋 公園管理課長 ただいまご質問のありました3点のうち,2点につきまして,まずお答え申し上げたいと思います。
まず,パークゴルフ場の関係でございますが,現況と今後の方針ということでございます。
まず1点目の現況でございますけれども,札幌市内には現在15のパークゴルフ場がございます。そのうち,三つの施設が民間の経営となっております。さらには,現在,2ヵ所においてパークゴルフ場を造成中でございますので,これが完成いたしますと,全部で17ヵ所になる予定でございます。
続きまして,パークゴルフ場の将来計画でございますが,福士委員もおっしゃっておりましたけれども,やはりパークゴルフは子供さんからお年寄りまで,どなたでも気軽に楽しんでいただけるスポーツということで,健康の増進,あるいはストレスの解消等,今後ますます広まっていくというふうに思っております。しかしながら,かなりこのパークゴルフ場は広いスペースを必要といたします関係から,既にある公園では,なかなか対応することは難しいというふうに考えております。したがいまして,今後,造成してまいります河川緑地とかあるいはグリーンベルトなど,こういった大規模な緑地等におきましては,地元の安全管理体制等が整った地域から,パークゴルフ場の設置につきまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
続きまして,第2点目の前田森林公園の整備関連につきまして,お答えを申し上げたいと思います。
一つ目には,まずバーベキューコーナーの拡張策でございますけれども,委員さんご指摘のとおり,確かに現在でも土曜日あるいは休日等は非常に混雑して,にぎわっております。そういう点から,一部拡張もいたしますし,さらには,委員さんのご指摘ございましたように,応急処置としまして,ゲートボール場が割とすいている日がございますので,そういったゲートボール場のあいている日は,これを一部緊急的に転用したいというふうに考えております。
それから,同じ前田森林の2点目の屋外ステージの設置についてでございますけれども,この前行われましたていねふるさとコンサートも,私もちょうど行って見ておりましたけれども,大変盛況でございました。したがいまして,今後とも,私どもとしましては,ああいった場所に仮設ステージを用意することは必要であろうというふうに考えております。
ただ,この場合,前田森林という,一応景観を重視した公園でございますので,それらに十分配慮いただいたような,たとえば組立て,取外しの容易な仮設のステージを設置するようなことで,ちょうどあの公園の花と木と水と音楽というような感じで,前田公園の効果が一層上がるような,そういったことが期待できるように,このステージを実現できる方向で検討してまいりたいと思います。よろしくお願いします。
◎上野 緑化推進部長 曙地区の地区公園につきまして,お答えをいたします。
お話のとおり,曙地区には住区基本計画に基づきます地区公園の計画がございます。平成2年度より区長懇談会に公園設置の要望が出されております。しかしながら,同時に,曙通に面しない形で設置を要望されておりまして,大変困惑をしている次第でございます。住区基幹公園である地区公園は,市街化区域内か市街化区域に隣接するということが原則になってございます。さらには,公園の出入りの確保,それから管理の上からも,必ず道路に面することが必要になってまいります。以上のことがございました上,地元の意向がまとまったというふうにも聞いておりませんものですから,計画を一時中断をしているという実情でございます。
◆福士 委員 パークゴルフの関係でありますけれども,全国でも10万人ぐらいパークゴルフ人口がいるというふうに言われておりますが,そのうちの約95%が北海道だと,こういうふうに言われております。札幌市では,会員として登録をしている方々については,いま現在2,000名ぐらいだというふうに言われておりますが,貸しクラブを使用して実際に行なっている方々は,2倍から3倍ぐらいいらっしゃると言われております。そんな関係等々含めて,まだまだ競技者人口がこれから拡大をしていくということになってまいりますし,先ほどの答弁では,15ヵ所のパークゴルフ場のコースがある。そのうち3ヵ所は民間だというふうに言われております。いずれにしましても,この15ヵ所のうち,18ホールということでは,民間の2ヵ所を含めて公共では1ヵ所しかない,こんな状況になっているわけであります。そんな関係等々含めて,やはりこれらを拡大をしていくということは,きわめて必要だというふうに思っております。
そこで,前田森林公園にも,ことし7月18日にパークゴルフ場が9ホールでオープンをいたしました。7月,8月,9月,この3ヵ月で大体700人ちょっといらっしゃる。クラブの持参使用者が大体2倍ぐらいいるというふうに想定をされますので,倍にすると1,400。さらには,貸しクラブ等々足し算をしていくと,3ヵ月間で3,000名を超える人が,この前田森林公園のゴルフ場を使用しているという状況になっております。そんな関係で,前田森林公園のゴルフ場,休日等々考えますと待ち時間ができるほどになっておりますから,札幌市内の3大公園の一つと言われて,あれだけの大きなスペースがあるわけでありますから,ぜひ9ホールを増設をする。そして,大会だとかができるような本格的な18ホールをぜひ設定すべきだというふうに思いますが,お伺いをさせていただきます。
さらにもう1点,地区公園の整備計画についてであります。
現在,計画が中断をしている。その理由としては,公園は道路に面していなければならない。しかしながら,それに対して反対の要望があったと。そういうことは私も聞いておりますし,理解をしているわけであります。
しかしながら,平成2年度から進んできたこの計画が,いまは完全に中断をしているわけでありますが,平成4年度の区長懇談会でこれらの要望が地元の連合町内会から出ているのを見ますと,運動機能的な地区公園を曙第2会館付近に新設をしていただきたい。その理由として,従来から曙通に接しないように新設を要望していたが,目下のところ,この沿線の市街化区域化が当面困難なことから,曙通に一部接しても可を前提として計画を推進をしていただきたい,こういう形にもなってきているわけであります。そういう意味では,時間の経過とともに公園に寄せる地域の皆さんの期待もきわめて大きくなってきておりますし,地元の意向も従来からは変わってきているというふうに思うわけであります。そこで,このような最近の状況を踏まえた上で,この公園の整備計画を今後どうしていくのかお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
◎上野 緑化推進部長 前田公園内のパークゴルフ場の増設についてでございますけれども,確かにお話のございましたように,非常にこの公園のパークゴルフ場は盛況でございます。そういう意味で,現在のコースに合わせて増設について検討してまいりたいと思いますが,隣接するにはちょっとスペースがございません。したがいまして,場所につきましては今後検討させていただきたいというふうに思っております。
それから,ただいまの曙地区の公園でございますけれども,地元の期待も大きくて,機運も高まってきているというようなお話でございます。特に,曙通に面する必要性をご理解いただけるということでございますので,計画の実現に向けて努力をしてまいりたいと思います。以上です。
○加藤[斉] 委員長 ここで,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時25分
再 開 午後3時45分
──────────────
○加藤[斉] 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き質疑を行います。
◆猪熊 委員 それでは,6項目質問させていただきます。端的に質問いたします。答弁は,理解することができれば結構でございます。
まずその1は,公園に関連をして質問をします。
いわゆる高齢化社会,さらには余暇社会といいますか,余暇利用という点で,その市民的な要望というのは高まってきていると。こういった点を考えていって,緑化推進部の今後の公園計画はいかに,これを第1点目お聞きをいたします。
2点目,豊平川緑地,現状でも野球場あるいはテニスコート,さらにはサイクリングロードを含めていろいろと活用されていることは承知をしています。私は,たまたま行き帰りともに河川敷の堤防道路を通るものですから,ついつい横目に見ながら,この緑地が本当に市民に開放されればという点で,日ごろ見ているところでございますが,逐次整備がされているな,こんな思いで実は見させていただいております。そんな点で,現状までの整備の状況,そして,これから市民の期待にどうこたえようとしているのかという点で,2点目お聞きをしたいと思います。
3点目は,いま申し上げましたとおり,野球あるいはテニスなど,従前からあるスポーツという点では,それなりにと言っちゃ失礼でございますけれども,そういった施設が整っているかなと実は見させていただいておりますけれども,いま福士委員からもお話ありましたけれども,最近注目を浴びているパークゴルフあるいはストリートバスケット,グラウンドゴルフなど,私もパークゴルフはいいなと思って何回かやらせていただいておりまして,これは家族ぐるみでできるというところになおよさがあるし,ゲートボールを悪く言う気はありませんが,殺し合いがないという点でもまたこれいいなと,こんな思いをしているところでございます。そういった新しいスポーツに対して,緑化推進部というのはその期待にしっかりとこたえて,具体化をしていくということが大事かなと思っておりますが,その辺についてどうお考えなのかと。緑化いわゆる公園関係,以上3点。
次に,動物園関係。
動物園関係でいいますと,芝生の整備,これ1点目お聞きをしたいと思います。
実は幼稚園や保育園など低年齢層の団体などで,動物園でいわゆる情操教育というものを意識をしながら,先生方が動物園へ引率をする。そして,動物とふれ合った後,おやつなどをみんなで口にしながら帰ると。遊具を横目に見ながら帰る,こういうことになろうかと思いますが,そのときに,あの動物園というのは,ご存じのとおり若干勾配があるものですから,せっかくお母さん方からつくっていただいたお握り,あるいは水筒に入れた飲み物などが転がるということで,段々畑のイメージなのですけれども,いま少し勾配を整備をして,もちろん全体的な景観なども意識をしながら,集団が集えるようなスペースで少し整備をしてはどうかなと。こんな思いでして,努力をしていることを否定しているつもりはありません。なお一層その思いをという考え方ですので,そんな点でいかがか。
それからもう一つは,専用バスの導入。
以前,私はシャトルバスという表現を使って言いました。この4月から,交通局は動物園,大倉山ということで,いわゆる専用バスというものを日曜・祭日運行するようになったと。ところが,どうも利用状況が悪い。PRも悪いなと思っておりますが,それに乗じて利用状況はきわめて低いと。そこで,アイデアを提供して,ぜひ利用者がふえるようにしてはいかがか。
たとえばトトロの猫,トトロの猫というのは私のように肥満でして,そして多くの子供たちを乗せることが可能である。実は厚別に機関車バスがありまして,幼稚園が運行しておりますけれども,大変ご近所の子供たちは,そこに夢を持って,乗りたい一心で定期に来るそのバスを見ていると,こういう状況がありますけれども,トトロバスなどというものをたとえば具体化をして,その定期運行をしたらどうか。しかし,これは交通局に買っていただいてやってもらうということになれば,いずれにせよ,大変な交通局ですから,助役,この場合,一般会計で用意すると。そして,これをもって有料バスとして運行してくれまいか。これが,僕は法律上可能かどうかというのは全く勉強はしておりません。しかし,子供に夢を持たせるという視点では大変よかろうと。そして,そのことが需要喚起に結びつき,さらに,動物園周辺の交通渋滞を解消するということにもこたえ得るとすれば,これはすばらしかろうと。
トトロの猫は例えですけれども,トトロの猫ばかり何台も走るわけにいきませんから,それはいろいろアイデアを出し合ってやられればよかろうと思います。(「クマも走らせればいい」と呼ぶ者あり)残念ながら,いま出ているクマを走らせると,怖がって乗らないということもありますから,それは適当でなかろうと思いますが,パンダバスなどというのはまたアイデアかもしれません。しかし,そんなことで工夫をされて,交通局へ寄贈して,そして定時運送いただくというようなことはいかがかと。
三つ目,これも以前に少しお話をさせていただきました。動物そして園舎,いま言ったグリーン地帯,あるいはいろいろな木などというものが配置をされています。その中に,従業員,いわゆる動物にかかわる人,あるいは売店,それから遊戯施設,こういった部分にかかわる人々がそこに存在をします。その部分も,動物園の構成メンバーの一員として灰色の服を着て作業をすることはいかがかと,こういうことでやりましたら,職員はモスグリーンの作業服になった。これも検討した結果ということで,僕は批判をする気はありません。とりあえずそこまでいったなと。それで,売店の人,実はどう変わるかということで期待を込めて注目をしておりましたら,白いエプロンになりました。僕は,率直に言ってエプロンはいまいちだと。だから,僕は千葉のディズニーランドまでという気はありませんけれども,そんなところに大きなヒントを得て,いま少しひねっていただいて,記念写真を子供たちが撮りたくなるような,そんな服装ということで,いろいろと創意工夫をしてはどうかと,3点目。
以上,それぞれ3点ずつ質問いたしますので,よろしくお願いします。
◎上野 緑化推進部長 緑化推進部関係の3点につきましてお答えをいたします。
まず,1点目の高齢化とそれから余暇社会に対応した公園の計画についてでございますけれども,将来の社会情勢それから市民のニーズ,こういうものは非常に多様になってまいります。そういうものを的確にとらえてまいることが必要であろうというふうに考えてございます。高齢化や余暇社会の到来に対応しました公園整備計画は,避けて通れないというふうに認識をいたしてございます。そこで,公園の施設計画に際しましては,世代間の交流を重要なテーマに据えると同時に,高齢者の利用に配慮していきたいというふうに思っております。
次に,2点目でございます。豊平川の緑地の運動施設の現状と将来の整備計画ということでございます。
豊平川の緑地につきましては,平成5年4月現在で,上流は石山橋から下流は雁来大橋まで,86.2ヘクタールの広大な緑地を現在市民にご利用いただいているところでございますけれども,この中の運動施設の整備状況でございます。野球場が5面,それから少年野球場が11面,サッカー場4面,テニスコートが25面,ゲートボールコートが16面,バスケットコート1面,パットゴルフ場が1ヵ所でございます。そのほかに,園路兼用のジョギングコースが11キロメーターとなってございます。そのほかに,芝生の広場でも自由に運動が行えるという状況でございます。
次に,将来の整備計画でございますけれども,河川敷の占用が可能な整備予定区域がだんだん少なくなってまいっております。河川管理者が行う護岸工事や高水敷の整備の進捗に合わせまして,運動施設を主体に市民の要望に十分対応しながら,緑地の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に,新しいスポーツに対して,アンテナを張って,利用可能な公園の計画を立てろというご質問でございます。
最近,非常に新しいスポーツがたくさん出てまいっております。先ほど委員がご指摘のように,パークゴルフを初めとしましてストリートバスケット,いわゆるスリー・オン・スリーというのでしょうか,そういうようなわれわれいままで余り聞いていないようなスポーツが大分出てきまして,それなりに市民の方に人気のあるものもございます。ただし,そういうようなニーズの多様化が市民の間に進んでいるということを十分理解いたしまして,今後,公園の中でできるものについては積極的に取り入れていきたいと。ただし,それには危険性ですとか,ある程度の面積の制限,そういうものもございます。そういうようなことで,場合によっては一定の規則といいましょうか,規制といいましょうか,そういうものも挟まってくるということもあろうと思いますけれども,基本的には市民の要望が強いものについては,対応していく努力をしてまいりたいと思っております。以上です。
◎魚住 助役 私から,シャトルバスにつきましてお答えいたします。
中島公園の遊園地が動物園に移るということもございますし,採算さえ合えば,交通局も自分のものでもできるわけでございますから,これは今後貴重な意見として検討してまいりたいと思います。
◎森永 円山動物園長 動物園関係についてお答えさせていただきます。
まず,第1点目の芝生の傾斜についてでございますけれども,円山動物園の敷地は全体が傾斜地になっております。芝生も若干傾斜がございます。しかしながら,幼児を含めまして大勢が1ヵ所で利用する場合においても,いままでそれほど影響はないと認識しておりましたが,お話のございましたお握りの転がる場所もございます。それで,今後,園全体の景観も配慮しながら,芝生の張りかえのときなどに極力機会をとらえて改善させていただくということで考えております。
2点目につきまして,いま助役のほうからお話がございましたように,私どもも交通局を初め関係部局といろいろ協議をしていきたいと考えております。
それから,3点目でございますけれども,動物園の売店の従業員の服装ということでございますが,売店の従業員の服装につきまして,円山動物園の中に4業者7売店ございます。それで,それぞれ制服がございますけれども,アルバイトの方がたくさん来まして,その方が絶えずかわるということで,お話にございましたような事実が確かにございます。それで,私どもといたしましても,動物園のイメージを上げるとおっしゃられた,そのとおり,私どもも同感でございますので,それにふさわしい被服を考えて,これについては売店に対してこの趣旨をよく説明させていただいて,そして協力を要請していきたいと思います。以上でございます。
◆猪熊 委員 再質問はしません。
心と体の健康という点で,まさに公園の時代ですから,ぜひひとつ予算の獲得を含めて積極的に取り組んでいただいて,市民の期待にこたえてもらいたいと思いますし,動物園関係も,子供の国があそこへ行きまして,私はそこに少し疑問を持っておりましたけれども,いまも変わりません。しかし,行くことになりましたので,子供たちの集う場所というのはあそこ1ヵ所になったかなと,こんな思いもしているところですが,建物の色合い,構造を含めて,ぜひ動物園に行ったときに動物にも触れることができたと,キリンさんの首の長いのも見たと,そしていろいろと乗り物にも乗ったと,とってもきれいなお姉さんとも記念写真撮ったと。こんな思い出がたくさん頭の中に残る形で家路につくことができるように,そんなことで,なお一層ご努力をお願いをして終わります。よろしくどうぞ。
◆小谷 委員 それでは,私から,これまでも環状夢のグリーンベルト構想,そしてその中で特に北部緑地の整備,中でも茨戸川緑地の扱いについて,機会あるごとに提案を含め,どのような手法で対応されるのか伺ってまいったところでございました。
申すまでもなく札幌市の都市景観,南に向かいましては西側には手稲山,そして東側には藻岩山にかかわるすばらしい景観が全市のどこにいても見受けられ,本当にすばらしい札幌市の財産であると。本市におきましては,海に面しているところが残念ながら1ヵ所もない,こういうことで,まさに山あり海なしの札幌市でございます。
ご承知のように,本市の中にあって,北部緑地の茨戸周辺は広大な大地と豊かな水面が広がる水郷地帯として,その空間はまさに北海道の原風景がパノラマのように展開をしていると言っても過言ではない貴重な地域であると,私は判断をいたしているところでございます。
こうしたグリーンベルト構想にかかわる関係では,すでに発寒川沿いにはサイクリングロードの用地買収が進められ,明年から築造工事が進められ,これは3川合流地点から進んでいくと伺っておりますが,平成10年には新川通まですべてを完成させたいということで進んでいるところでございます。
一方また,創成川につきましても,本年から創成川緑地ということで左岸側がいままでのイメージを一新させるという意味合いで,再整備がこの秋から,北の方向から進められ,これも平成10年の完成をめどにして鋭意取組みがなされているわけでございます。
実は,この茨戸川に関しまして,私も非常に大きな関心を持ちながら常々見ておったわけですが,特にきょうの朝も,まさに百聞は一見にしかずということではありませんけれども,現場へ行きまして,テルメのところからずっと河川管理道路を通りまして,ペケレット公園に至る間,そして山口幹線でしょうか,これを取り巻く状況を見てまいったわけでございます。
この茨戸川を中心とした周辺には,北の都札幌の環状夢のグリーンベルト構想に相応した自然の調和を重視した整備を図り,後世に本市が誇れる大切な財産として継承していくべきだということが,常々言われているわけでございます。このスケールの大きなプロジェクトは,多くの市民が期待を持って注目をしているところでありますが,これに関連いたしましては,去る10月12日の企画調整局関係の
決算特別委員会で市街化調整区域の土地利用構想について質問をいたしました。平成5年度中にゾーニングをまとめたいという回答があったところでございます。この茨戸川の部分については,土地利用構想における平地系緑地ゾーンに当たるのではないかと思うわけでございますが,土地利用のゾーン構想が煮詰まりつつあるとすれば,これと並行して緑化推進部においても具体的な緑地構想を描いていく必要があると思うのであります。現在,この計画は,どのような段階にあり,そして,今後どのような方向で進んでいこうとされているのか,この点につきましてまずお尋ねをいたしたいと存じます。
◎上野 緑化推進部長 茨戸川の緑地の整備につきましてお答えいたします。
環状夢のグリーンベルトの北部緑地における茨戸川周辺の整備に当たりましては,その基本的な考え方につきましては,ただいま委員のお話があったとおりと思っております。その上に立ちまして,この計画及び事業を実施する場合,これだけの大規模なプロジェクトでございますので,整備すべき前提条件が数多くございます。たとえば北部緑地全体の系統的な配置と連続化の検討,それから水面の活用がこの緑地の利用価値をきわめて高めるということから,茨戸川または発寒川,創成川,伏籠川などの河川管理者との協議,それから当地区が市域の境界に当たるということから,近隣自治体との協議でございますとか,また,先ほど委員からご指摘のございました企画調整局で進めております土地利用の構想との整合,それから農用地を含めました用地取得の可能性等,いろいろあるわけでございます。
現在,これらの前提条件の整理などの調整を進めているところでございますけれども,なお,今後はこの調整の進展と推移をよく見きわめながら,大枠の条件整理が整い次第,関係機関等のご審議をいただき,具体的な作業へ進めてまいりたいというふうに考えております。
◆小谷 委員 冒頭で申し上げましたが,この件につきましては,かねがね早くから取り上げさせていただいてまいりました。そういう中で,私もいままでの特別委員会等にかかわる会議録等を精査をいたした中で,これに対してどういう答弁があったかということを実はずっと調べていたわけでございます。
このことにつきましては,まず昭和60年1定で私は当委員会で取り上げたことがございました。そして,後半の詰めの答弁の中で,当時の大金緑化推進部長は,このことに関しましてこのような説明をいたして答弁をいたしておりました。「3川合流地点の北部の緑地の拠点の面積でございますが,これはいまのところ大体80ヘクタール程度を見込んでございます。それから,第2点目の整備の内容ということでございますが,これにつきましては,ああいった豊富な水を利用するということでございますから,いってみれば水郷公園的な,たとえばボート遊びもできます,あるいは魚釣り等,それからカヌーとかヨット,そういった舟遊び等もやれるような水辺レクリエーション地域と申しますか,そういった内容になろうかと思います。これにつきましては,今後さらに煮詰めていくつもりでございます。それから,約80ヘクタールの構想のそれぞれの土地の状況でございますが,80ヘクタールのうち,約半分の40ヘクタールは河川敷地等水面でございます。残りの40ヘクタールが民地ということになるわけで,そのうち民営の遊園地が約6.5ヘクタールございます。残りはいずれも現在のところは農地という内容でございます。以上でございます。」と,こうあります。ということは,その後の平成2年には,このときは熊井緑化推進部長が,質問に対して,この件について答弁をしているわけですが,いずれにいたしましても,ここの取組みについては非常に早い時点から検討がなされてきている,こういう経過を私は踏まえて,いま申し上げなければならないのでございます。
いま申し上げましたように,すでにこの時期から8年も9年も経過をいたしていますが,計画は具体的に前進していないわけですね。答弁は2回とも非常によかったのです。ところが,さっぱりなのです。こういったことで,この間,もう6年ぐらいたちましょうか,テルメの進出がありました。民間の事業がそういった意味で先行している印象を受けているわけです。
私は,グリーンベルトの形成において,民間事業が行なっているレクリエーション施設を否定するつもりは全くありません。それは,行政だけでこれだけの大構想を実行し実現していくということは,非常に難しいと,こういうふうに認識をいたしております。しかし,理想的なものをつくるということになりますと,計画に関しては,まず行政が先行して,きちっとしたフレームをしっかりとつくる,そして,その上に立って,ここは行政が事業実行をしていく場所ですと,ここは民間企業を誘導して,そういった立地環境にマッチしたすばらしいものをぜひつくっていただく,こういう考え方が非常に大切であろうと思うのでございます。
こういったことに関しまして,実はきょう午前中に下平尾公園計画課長さんを交えて,企画調整局の企画部長さん初め,おのおのの方といろいろ打ち合わせをいたしました。そういった中で,実はきょうこの席に企画部のほうからおいでをいただこうかなと思っておりましたが,下平尾課長さんは,いや,いままでこの件については,企画のほうと,全庁的な立場での検討の中に参画をし,十分論議をしていることで,すべて私は承知をいたしておりますと,こういう意味のお話もございました。大変心強い限りで,そういったことで企画調整局の方にはおいでをいただかないということになったわけでございますが,そういったことで,全幅の信頼をいたしております下平尾課長さんから,私はこの件に関してひとつぜひご答弁をいただきたいなと思います。
◎下平尾 公園計画課長 茨戸川緑地の整備計画につきましては,現在,企画調整局で進めております市街化調整区域の土地利用構想との整合を図りながら,現在検討しているところでございます。したがいまして,全市的な観点からのこの構想と並行しまして,緑化推進部の茨戸川緑地構想を検討しておりますので,その全庁的な結論を待って,条件が整い次第構想を公表してまいりたいと,そのように考えております。
◆小谷 委員 非常に歯切れはいいけれども検討が多いなと,いま,こういう横からの発言もあったようでございますが,いずれにいたしましても,大変大きな事業であるということで,なかなかそう思うように進展はしづらいと,こういう面もあろうかと思いますが,しかし一方,この周辺につきましては,重要な部分については平成2年の前半でございましたか,平成元年の後半ごろからでしたか,いろいろと農地等にかかわる関係で,何かしら複雑な動向がかなり潜在をし,そういう中で現在に至っているわけでございます。
したがいまして,こういった札幌市きっての,この場所しかない水辺空間を中心としたこうした施設ゾーンというものについては,積極的に取り組んでいかなければ,ますます難儀をすることになりはしないか。かつて札幌市内区域に,多くの現状有姿分譲的なものがあちこちに散在をしております。それが現在,いろんな形の中で土地利用をやろうと思っても思うに任せない足かせになっているのは,ご案内のとおりでございます。したがいまして,こういったことを考えますと,私は非常に大きな危惧の念を持ちながら,今後,いままでと違った新たな視点に立って,積極的に取り組んでいかなければならないであろうと思っております。こういったことで,新聞報道等にもありますように,相当大規模な民間開発としてのヤオハンの進出等も取りざたされているわけでございます。また,現在までの地権者も,そういった経過の中で非常に不安とか複雑な思いがいろいろあると思います。一日も早く本市がこの地域に関する官民の役割分担も含めて,具体的な構想を提示すべきであると,このように思います。
課長さんから,そういったいま行なっている協議の結果を受けてという話がありましたが,ちょっとそれではいつごろになるのかわかりませんが,そういったことも含めて,ここで局長なり助役から明快な方向性の答弁をいただきたいと思います。
◎前田 環境局長 その場所については,企画調整局長会議の中でもいろいろ議論をしてきた経過がございます。その場に私も参加をして,いろいろ経緯等もお聞きをいたしましたが,企画調整局で市全体としてどうしようかということで,いま結論を詰めているところでございますので,私からも,なるべく早くそういうことが示せるような働きかけはしていきたいと,こう思っております。いずれにいたしましても,そう遅くない時期に,そういうものの結論が早く出るように努力をしたいと思っております。
◆常見 委員 ちょっと私のほうから,代表質問でもやった件でありますけれども,公園におけますところの地下の融雪槽の問題等につきまして,ちょっと質問したいと思います。
板垣前市長は,20年にわたりまして市長の座を務められて,その功績というのは大変大きいものがあるということは,何人も認めるところであります。桂市長にかわりまして,約2年数ヵ月が経過をしているわけでありますけれども,また,桂市長は桂市長なりに大きく札幌の街というものを変えようとしておると。また,市民の側に立って,いろんな発想で行政のかじ取りをされているという格好であります。
行政ですから,各部局にそれぞれまたがっておるわけでありますけれども,私は大きく言いまして,桂市長になられてから大きな問題が数点あると思いますけれども,それを簡単に言えば,一つは,きょうの環境局にかかわりのあるところでありますけれども,前半議論になったところのごみ,清掃,
リサイクルの問題であると。これは,桂市政になって,先ほど助役のほうからご答弁がありましたけれども,これは本市の行政にとって最大限大事な行政の課題の一つであるという答弁をいただいたやに聞いても,その重要性というのがわかるわけであります。
いま一つは,ずっと雪は変わらないと思います。板垣市長の時代よりも住宅なんかがさらにマンション化をしています。それに,土地の有効利用という格好で値段が高くなっています。そうすると,1戸当たりに占める住宅地の面積というのは狭くなってきていると。ぎりぎりいっぱい家を建てている手前,この雪の問題というのは,板垣市政のよりもむしろ桂市長になられてからのほうが,議論としまして,行政の問題の大きく占める二つ目の点ではないかと,かように思っております。
さらにつけ加えれば,ちょっとこれは局が違いますけれども,20数年前より高齢化社会がぐんぐんぐんぐん進んできておるという格好で,老人福祉センター初め,老後をいかに有意義に生きるかと,また,楽しく快適に生きるかというところが,桂市長の選挙の公約でもある柱の一つに,高齢化にどう取り組むかということも現市長は提言をされて,市民の前に公約をされているわけであります。
かてて加えて,細かい問題というのは,駐車場の問題ですとか,それから大きく言えば交通の地下鉄の問題ですとか,いろんな面があると思いますけれども,それぞれ細かい点は別としまして,大きく言うと,私はごみ・
リサイクルを含めてのこの問題と雪問題と高齢化の問題と,こういう格好になりますが,きょう私は,その中でこの雪の問題に絞ってお話をさせてもらいたいと思います。
この問題というのも,どうしても局がまたがりまして,幸いすべて魚住助役のほうの所管だと思います。維持部のほうは建設局の所管でありましょうし,私がこれから申し上げたいとするところの公園における流雪溝の問題は,環境局であると。また,下水道を使っての流雪溝も去年から画期的に行われていると。これは下水道局で,最終終末処理に流すのは下水道であると。その3局が魚住助役の所管でありますので,私としても非常に質問がしやすいという格好でこの問題を取り上げさせていただきたいと思っております。
そこで,公園に完成するわけでありますから,代表質問で前向きな答弁を市長からいただいているわけでありますけれども,ことしのちょうど6月30日ですか,都市公園法の政令の改正によりまして,公園の利用範囲が非常に拡大されたという格好で,大体はわかりますけれども,具体的にどの部分がどう変わったかということで,ひとつこれは明確に示してもらいたいと思います。
二つ目には,公園の利用範囲の拡大によって,今後,公園づくりがどのように変わっていくのかという点であります。
3点目としましては,公園の地下の融雪槽の設置という格好で今回私は提案をしているわけでありますけれども,これについてどういった点が隘路になり,問題点として考えられているのかという点をまずお伺いをしたいと思います。
◎上野 緑化推進部長 まず,第1点目の都市公園法の政令の改正による公園利用の範囲の拡大についてお答えをいたします。
今回の政令の改正によりまして,都市林,また広場公園などが追加をされたわけでございまして,公園の概念が広がったことが一つございます。また,ゲートボール場ですとか温水利用型の健康運動施設,または自然生態園など,時代のニーズに合わせました公園施設が追加をされました。さらに,建築物の建ぺい率の制限も一定程度緩和をされたということによりまして,公園設置者の独自性の発揮が可能になったというふうに理解をいたしております。
次に,2点目の公園づくりがどのように変わっていくのかというご質問でございます。
前段で申し上げましたとおり,私ども公園設置者の自主性が一層公園行政に反映されることとなります。すでに今年度より個性あふれる公園の整備事業において実施中でございますけれども,利用者の方々のご意見を聞きながら,札幌の気候や風土など,地域の特性に密着したきめ細かな公園づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
次に,3点目の地下融雪槽の設置に当たっての問題点でございます。
まず第1には,熱源の確保が必要であろうというふうに考えます。第2には,公園の機能を損なわないということ。さらには,安全対策と適切な維持管理の4点に尽きるというふうに考えております。以上です。
◆常見 委員 そこで,いま最後のほうで問題点というのが三つ,一つには熱源の問題であると,一つは安全性であると,それからもう一つは機能を阻害しないという格好ですと。公園というのは大抵地面の上にあると,地面の下というのはない。逆の発想をすると,学校のグラウンドなんかも,地下のグラウンドというのはなかなかないわけでありまして,冬になると雪がただ積もっているだけであるという格好で,考え方によっては,学校のグラウンドも一部分を融雪槽に使えるのではなかろうかと。ただ,熱源が問題であろうというふうに,私は,いまちょっと広く解釈して答弁を聞いていたわけであります。
そこで,ロードヒーティングというと,現在は電気か灯油でやっていると。温水というのも一部あります。温水をつくるには,灯油をたいてお湯にして,それを通していると。私がここで申し上げたいのは,たとえば大規模公園なんかに融雪槽をつくる場合に,地下水の温水を使ってはどうかなということであります。ちなみに,日本は1,000メーターか1,500メーター掘れば,どこを掘っても大抵お湯が出てくるという地質でありますし,とりわけ火山地帯の北海道なりは,札幌は特に地の利があるというのですか,千五,六百メーター掘れば大抵お湯が出てくると。
私もいろいろ調べまして,私の調査によりますと,代表的なといいますか,既存の民間施設を含めて,各区で一つ一つ申し上げると,中央区で,それぞれが利用されていると思いますけれども,民間ではジャスマックというのがあると。これは,800メートルほど掘ったら,約28度ぐらいの温水が出てきていると。それから,北区では丸増というのが新道のところにありますけれども,これは約1,000メーター掘って,約38.4度の温水が出ていると。それから,厚別区においては,森林公園温泉では1,500メートル掘ったら37度のお湯が出てきていると。豊平区の里塚温泉なんかは1,500メートル掘ったら,ちょっと熱過ぎるぐらいの51度という,普通は40度前後が人間の人体には,ふろとしてはいい温度でありますけれども,51度と。
こういうような状況から見ますと,温水の使い方といいますか,これが融雪に何とか結びつかないものかと。掘るのには多少お金かかりますけれども,掘ると利用権は土地の地権者にあるから,当然札幌市の公園に掘れば,そのお湯の権利というのは札幌市にあるという格好ですから,これについて,ちょっとその辺,それを熱源として融雪槽につなげる考えはどうかという点を,局長にちょっとお聞きしたいと思うのですね。
さらに,政令の改正によって多角的に公園というものを使っていきたいという格好でありますから,いろいろな面で,先ほど福士委員からはパークゴルフのお話が出たり,猪熊さんからはレジャー時代であるし,公園をもっともっと多角的に利用をしなければいけないと。こういう話を総合して聞いていまして,私は,融雪槽は冬の施設ですけれども,その中に,たとえばお湯が出た場合に,大規模公園というのは各区に大体1ヵ所ぐらいはあると思います。多い区は1ヵ所ないし2ヵ所ぐらいのところもありますけれども,こういう大規模公園においては,市立の温泉などをやってはどうかなと思うのですよ。
というのは,近所で町営温泉で有名なのは,ゴルフ場と温泉を持っているという南幌がありますね。あれはなかなか立派な温泉で,入りごたえも非常にいいですよ。それから,長沼も町営温泉であるし,新篠津もありますし,さらに浜益ですか,あれはそんなに立派ではないですけれども,町営で温泉を持っていると。そちこちにありますから,こういったものをやるということは,私はそこに老人福祉センターを,できていないのは南区,東区ですか,東区はことし着工予定であるということで,あとの区はできていますけれども,鉄筋コンクリートの老人福祉センターよりも,そういったような公園の中にサブ老人福祉センターというのでしょうか,そういうものにお湯を引っ張ってくると。また,もう少し言えば,大規模公園ですと,その中に桜の木をたくさん植えて,そこで花見もできると,さらにパークゴルフもやれると,もう少しこっちではゲートボールもやれるとか,それから雪捨て場にも使えると。こういうトータル的な考えで,これは公園だけではできないと思いますけれども,民生なり建設局なり企画調整局なりいろんな面が,ある面は都市整備局もかかわってくるでしょうし,そういうトータル的な考えで公園の利用というものを考えてはどうかと。
いまの質問は,まず先に,雪に絞って答弁をもらって,あと,助役のほうからトータル的な,各部局にまたがるようなそういった施設を大規模公園に各区1ヵ所ぐらいずつつくっていってはどうかなと,これは将来的な考えもありますけれども,ちょっとその辺をお答え願いたいと思います。
◎前田 環境局長 温泉を融雪に使うというユニークな発想でありますけれども,いま聞いておりまして,きわめて関心を強くしたところであります。
いま,雪の対策については,実は桂市政の重大な一つの柱でありますから,部局が違ったとしても,それに対する対応策というのは,それぞれが考えなければならないと私は思っております。そういう意味では,もし公園の中にそういう温泉が出るということになりますと,雪のためにも利用できますし,それから先ほどちょっとお話がありましたように,健康施設の関係についても,これは十分使えると思います。
ただ,いままで温泉を掘ったということもございませんし,それから札幌市内の地質調査なりをある程度やらなきゃいけないと思いますけれども,きわめて可能性の高い一つの熱源だと私は思いますので,関係部局ともよくその辺を調整をとりながら,できれば実現の方向が見出せれば結構かなと,こんな気持ちでおります。
◎魚住 助役 雪対策にかかわって,いろんな多方面にわたるご提言をいまいただいたわけでございまして,まず雪さっぽろ21計画の中でも,いろんな熱源が言われているわけでございます。雪対策21計画の中では,いままでの機械除雪だけではなく,施設型の除雪が必要であるというような観点から,融雪溝だとか融雪槽だとか,いろいろなそういう施設がつくられているわけでございますが,この熱源としまして,ロードヒーティングなんかの場合は,地下鉄の廃熱だとか,たとえばガスだとか電気だとか灯油だとか,それから温泉地においては定山渓あたりでは温泉の廃湯を利用したものもございます。
いま,お話にもありましたように,札幌市内にはこれ以外に地下に熱があるわけでございまして,いまご提案にもあったように,地下を掘りますとかなり温水がわいてくる。地球環境の問題いろいろ言われている中で,化石エネルギーを使わないで,できるだけクリーンなエネルギーを使っていこうという観点も,この雪対策には大変必要なわけでありまして,そういう観点から,これに着目するということは非常に重要なことではないかと,このように思います。しかし,雪対策の目的だけでそういうことをやるということは,冬だけの効果しかないわけでございますし,また,高いものになるわけで,いろんなボーリングをしたり,またいろんな施設に対してこれを事業化することはなかなか難しいし,また多くの予算が必要なわけでございます。
そこで,これからの高齢化社会ということに着目されたのだと思いますが,その中で,老人ホームとか,老人のためのいろんな施設が必要になってくるだろうと思いますが,そういう施設に使うお湯として,地下の温水を揚げて,これを川にただ流すだけではなく,冬は雪を解かすことに使うことは,私どもも非常に前向きに検討しなくてはいけないことかなと,このようにいま思ったところでございます。
今後とも,いまのご提言を踏まえまして,雪さっぽろ21計画,また,雪の問題はただいま局長が申し上げたように,単なる建設局だけの問題でなく全庁的な問題でありますので,また,高齢化に対する対策も,同じく民生局だけの問題でなく市全体の問題でございますので,それらの計画といろいろ整合を図りながら検討してまいりたいと,このように思います。
◆常見 委員 助役,局長からそれぞれのご答弁があったわけでありますけれども,公園法が変わらなければこういう発想はないのですが,公園法が政令で変わったという格好でありまして,一つの物の考えなのですが,ふろという問題というのは,20年ぐらい前は,銭湯が非常に流行しておったと。個人のふろが出てきたのは,この20年か25年ぐらい前からで,どんどんどんどん各家庭に浴槽を持つようになったと。昔,おふろ屋さんというと,こういう言い方はちょっとまずいかもしれませんけれども,どちらかというと裕福な人がやった商売だと思います。ふろをやってサービスして,それで利益を上げる。そもそもおふろ屋さんで貧乏人はいないと言われるぐらい,おふろ屋さんというのはそういう方が多かったと思います。そもそも人を裸にしてお金をもらうわけだから,これ以上裕福な商売はないわけです。
ただ,いま市営住宅でもふろのない市営住宅というのは人気ないという格好ですよね。それぐらい個人のふろというのがはやってきたのですが,エイズの問題がふろとは余り関係ないということが明確になったら,郊外の大型の温泉がどんどんできたきたと。そうすると,うちのふろに入ると狭いので,1週間に1回ぐらいは500円なり1,000円出してでも,そういう大きいふろへ行って,サウナのついたところでのんびりやりたいと,こういうような発想にがらっとまた変わってきまして,そういう格好が各町だとか村で,町興しの一環として温泉を持って,町にどんどん人に来てもらおうと,ついでに何かを買っていってもらおうと,こういうような発想に変わってきたのでないかと思います。おそらくこういう公園を利用して,雪を解かしたり,ふろを沸かして温泉に入ってもらうという格好は,いままでは政令市ではまずないと思います。幸い札幌は,いま白石なんかでも川下というところにでかい公園をつくっている。新琴似のほうにも大きいのをつくろうとしているとか,モエレなんかも大きいのをやろうとしているとか,そういう場所でやることによって,料金も低料金で,民間のほうに影響を与えないような場所であれば,私は500円とか400円ぐらいの料金で,そういったものをどんどん市民なり区民が活用するために設置していくと,公園につくるというところに意味があるわけでありますので,これについての答弁は要りませんけれども,ぜひいろいろな角度で全庁的に検討をいただきたいということをお願いを申し上げて終わりたいと思います。
◆伊藤 委員 簡潔に質問をさせていただきます。
先ほどから,猪熊委員からは今後の公園計画,あるいはまた常見委員からは都市公園法の政令改正に関する質問等がるるございました。私からは,個性あふれる公園整備事業について数点お伺いをしたいと思います。
私,昨年の第4定の市議会の代表質問の中で,相当年数を経た公園を時代の流れに合わせて計画的にリフレッシュを図るべきではないか,こうした質問をさせていただきました。こうしたことが一つの契機にもなったと思いますけれども,本年度の重要な施策として,個性あふれる公園整備事業実施の運びになったこと,大いに敬意を表するところであります。
この事業は,マスコミ等にも取り上げられておりますように,住民参加の公園づくりとして期待をされ,市民の関心も高いようであります。事業箇所は年間20ヵ所というふうにお聞きをしておりますが,これだけの規模の再整備事業を計画的に展開するのは,全国でも例を見ないところであります。
ところで,今年6月末には,先ほどから出ておりますように,都市公園法の政令改正がなされたわけでありますが,本市の個性あふれる公園整備事業は,これに先立って計画をされたわけでありますだけに,地元の独自性を重視する事業として大いに私ども誇りにすべきではないかというふうに思っております。
これらを背景に踏まえ,二,三,お伺いをしたいと思いますけれども,まず第1点は,個性あふれる公園整備事業の進捗状況はどうなっているのか。
次に,今年初めて手がけたこの事業がもたらした効果,さらに今後,来年度以降,この事業の展開をどう図ろうとしているのか,2点目であります。
さらに3点目には,本年6月30日の都市公園法の政令改正がなされ,その改正の要点について私も資料をちょうだいをいたしておりますけれども,これらにより,どのような公園づくりが可能になったのか,事業への影響についてまずお伺いをいたします。
◎上野 緑化推進部長 個性あふれる公園の整備事業についてお答えをいたします。
まず,第1点目の進捗状況についてでございますけれども,本年度再整備予定は20ヵ所でございますけれども,5月ごろより,地元の方々と内容につきまして検討を進めてまいりました。現在,その大部分につきまして整備を着工いたしておりまして,年内には竣工の見込みでございます。
2点目の事業の効果と来年度以降の展開でございますけれども,この事業は地元の方々に再整備の計画づくりに参加していただくということを特徴といたしてございます。これまで,地元の方々との懇談では,さまざまなご意見等をいただいてきました。これがきっかけとなりまして,拡張に取り組む公園も出てまいりましたし,また地域の緑の核として,より一層の効果を発揮する例もございます。また,花壇づくりとその管理を地元が買って出るというような事例もございました。これによりまして,公園に対する愛着と関心が大きく増したものというふうに理解をいたしております。
また,来年度以降の取組みでございますけれども,平成6年度では22ヵ所,7年度で24ヵ所の再整備を予定いたしてございます。6年度予定の公園につきましては,本年度中に計画内容を地元の方々と検討をしてまいりたいというふうに考えております。
次に,3点目の都市公園法の政令改正による事業への影響でございますけれども,今回の改正によりまして,児童公園という名称が街区公園ということになりました。これは,利用者を児童に限定することなく,老人から子供まですべてを対象とすると。また,従来の児童公園に設置を義務づけられておりましたブランコ,滑り台,砂場などの施設が廃止をされまして,地域特性を生かした公園整備が可能となってまいりましたので,来年度以降実施の公園につきましては,より一層地元の方々と知恵を出し合いまして,個性的な公園づくりを進めてまいりたいというふうに思っております。
◆伊藤 委員 ただいまの答弁の中で,ことしに引き続いて平成6年度は22ヵ所,7年度は24ヵ所でしょうか,非常に積極的に取り組んでいっていただくようでありまして,非常に心強く感じているところであります。
日常活動を見ていますと,概して住民の方々は,市が一方的に物事を決めてしまうと,知らぬ間にいろいろの計画が公表されると,こうしたことに不安を持って,行政不信に陥ることも多々あろうかなというふうに思っているわけでありますが,そうした意味で,地域の方々と意見を出し合いながら公園づくりを進めるということは,非常に画期的なことではないかというふうに思っております。特に,公園のように,市民に親しまれて使われる施設にとっては,きわめて大切な視点であるというふうに思っているわけであります。これにより,ユニークな計画や将来の維持管理への参加につながるなど,成果も出てきているように思われるのでありますけれども,新しい事業における市民参加のシステム,すなわち地元との協議をどのように進めていかれたのか,次に具体的にお聞きをしたいと思います。
次に,政令改正により児童公園が街区公園と名称も変わったわけでありますけれども,砂場それからブランコ等の設置の義務がなくなったということであります。市としては,これらの施設を街区公園にはつくらないのか,この辺の方針についてもお聞きをしたいと思います。特に,市民要望の中に公園のトイレの問題が非常にあるわけであります。幼児や高齢者には特に必要な施設でありますだけに,政令改正により設置しなくてもよくなったわけでありますが,今後,どのような考え方でトイレを整備していくつもりなのか,あわせてお伺いをしたいと思います。
◎上野 緑化推進部長 個性あふれる公園整備事業における市民参加の具体的な協議の方法についてでございます。
この事業を進めるに当たりましては,各区に窓口になっていただきまして,地元の町内会長さんに呼びかけをしていただきました。一般的に参集していただいた皆様は,おおむね町内会の役員の方々でございましたけれども,再整備案を提示をいたしまして,数回にわたりまして協議を進めながら計画をまとめてまいりました。その中で,学識経験者などから成る委員会と,それから会長さんを初めとして老人クラブ,それから子ども会,婦人会等の各代表の方,それから幼稚園の先生などによる委員会を中心といたしましてプランを作成した例もございます。また,青空のもとで,整備予定地公園の現地におきまして,付近の方々に参集をいただきまして協議を行なったというような例もございます。今後とも,これらの事例等を参考にしながら,試行錯誤ではありますけれども,地元の皆様と一体となって進めてまいりたいというふうに考えております。
次に,政令改正による施設の設置方針でございます。街区公園は,先ほど申し上げましたように,その利用者の範囲が拡大されたところでございます。従来のブランコ,滑り台は今後設置しないというものではございませんで,それぞれの地域の特性を勘案して,その施設を柔軟に考えていきたいというふうに思っております。
また,トイレにつきましてでございますけれども,これにつきましては,原則として市街化区域で,かつ下水道の処理区域のうち2,500平米以上の街区公園につきまして,ご要望等を勘案して設置するように努力をしているところでございます。なお,それ以外の街区公園につきましても,利用の実態,立地条件等を勘案いたしまして,個々の対応を考えていく考えでございます。
◆伊藤 委員 いま,いろいろとご回答をいただきました。トイレ等についても,従来同様,さらにそれ以上積極的にというようなお考え方であるようでありますから,そうした意味では私どもも安心をさせていただきたいと思います。
先ほどの市民参加の問題でありますけれども,私は今後のまちづくりには,この視点なしに計画を進めることはできないというふうに認識をしている一人であります。どうかひとつ積極的にこうしたことの市民参加をぜひ取り入れていただきたいというふうに思います。
最後になりますけれども,市民参加の
モデル事業として,大きな成果を上げられますように期待をさせていただき質問を終わります。
◆生駒 委員 緑化,自然保護について3点お尋ねします。
1点目は,夢のグリーンベルトの北部緑地の整備に関してですが,一つは,茨戸周辺の北部緑地の位置づけと,どういう手法で進めるのかという点をお尋ねしたいわけです。
先ほど答弁もありましたけれども,現在ここの位置づけはグリーンベルトの一つとして北部緑地となっておりますが,どうやるかという点では,基本構想,それからそれを緑の問題で具体化した緑のマスタープランというところで出ております。一つは,局別事業概要という中にも,方針として大規模公園を配置するというふうに出ております。それから,森林,河川,草地を生かして整備をするというふうになっております。それから,それを図式化したものの中で,平地系として,ここは主として公有化を図って進めるというふうに,グリーンベルトのパンフレットにもこういう表現で明確に出ております。それから,緑のマスタープランでは,運動公園。長期計画の中では,茨戸公園一帯は特に本市の中でも数少ない水辺でのスポーツ・レクリエーションの展開が必要なところだというふうにされております。
そこで,基本的に言うと,どういう手法をとるのかということがここに出ているわけです。ですから,いま企画調整とも局長会議で協議をしているという答弁が局長からありましたけれども,公園緑化としてこれらの明確に示されている基本構想,マスタープラン,本市の方針を書いた文書等々から見て,公有化を主としてという点,それから農用地の活用ということがはっきり出ております。そうしますと,この点,調整をしつつも基本的に明記された公有化,この場合,農地の活用というものも買収をしてでもやるという関連も含まれているやに私は理解します。そうしますと,これは一向に進んでいないという中で,実際には合流地点の各川の上流部分のサイクリングロード等々整備されてきているけれども,肝心かなめの茨戸周辺,ここがこういう位置づけがされているわけですから,また,一定の手法的なものも明記されているわけですから,調整の中でもこの点をはっきりさせてやっておられるのかどうか。つまり,手法としてもこういう点を踏まえてやっていこうとされているのか,この点をお尋ねしたいのが1点。
もう1点は,なかなか進まない中で,ヤオハンの進出という形が取りざたされております。したがって,本市が本当に公共的に公有化してということになれば,ヤオハンの大規模な商業施設も含めたレジャー施設という形になれば,これがどう整合性を持ってくるのか。その点で,これまでの基本構想,マスタープラン,本市の方針から見れば,ヤオハンの進出はかなりの部分で矛盾するのではないかと思われますので,この点どうなのかお尋ねをしたいと思います。
次に2点目は,用地買収による自然保護に関してですけれども,現在,市が買収して,緑地保全地区ということでやってきておりますけれども,これの進展ぐあい,平成4年度で買収はどのぐらい進んで,平成4年度末で未買収はどのぐらいになったのか。それから,保全地区は5年度で実際どう進むのか。それから,都市環境緑地帯,起債がつくという新たな制度がつくられた中で,5年度ではかなり思い切ってやれるという条件になったのではないかと思うのですが,この辺,どういう形で用地買収をしながら保全地区あるいは都市環境緑地というものを整備されていくのか,基本的な点をお尋ねしたいと思います。
二つ目は,精進川の緑地保全についてでありますけれども,精進川を見ますと,公共緑地の指定,網のかかっているところが限られております。平岸14丁目より上流部だけになっておりまして,13丁目以降は豊平川の落ち口まで網がかかっていないという点で,この下流部は,特に道の河川の環境整備事業でふれあいの川という形でやられているものですけれども,特にがけ地の部分が道路ののり面になっていたりということで,公共的な土地だから大丈夫だろうということで,かけていないのだろうと思うのですが,この点,ぜひ緑が切られないようにということで拡大をしていただきたいと思うのですが,この点どうか。
精進川に関しての2点目は,実際に安心していた緑が切られてしまったという問題です。
ここは,平岸のがけの上,下が中の島2条4丁目,5丁目ですけれども,中の島の側にマンションが建てられました。どうして緑が切られてしまったのかというその経過についてお尋ねをしたいわけであります。これは開発行為の申請が平成2年6月18日に出まして,事前審査が行われて,平成2年7月4日,その後2回にわたる関係課長会議が開かれています。企画,道路,自然保護,宅地。これがなかなか決まらないということで,路政課の話によりますと,また宅地課の話によりますと,きわめて異例な取扱いであったというのを私は聞いております。
この土地は,実際には袋地であるわけです。上が平岸1条側で道路がないと。下側は環状通の立体交差で遮られ,西は精進側,南側は土現の職員宿舎がある。これは,もともと建物は建てられない土地であるわけです。ところが,これを建てるために申請をして,関係課長会議がやられたと。しかし,結論が出ない。そのときに指導したのが,土現との話で,精進川に橋をかけてもらいなさいと。しかし,橋はかからないと。斜めの橋をつけなけばならない。そこで,道路用地であり,そののり面である平岸側に3階からのマンションの通路をつけて,それでやりたいと。そこがなければできないということなので許可されたと,こういうことですね。
ところが,道路占用許可がおりたのが平成4年4月1日,ここまでかかったわけです。河川占用許可がおりたのは,同じ平成4年6月15日。これを申請したのが4年5月ですから,約1ヵ月後に河川の占用許可がおりて,約60度斜めの橋がつくられた。これは道議会でわが党の議員団が質問いたしましたけれども,現在,斜めの橋は構造例上はつくる場合があるけれども,しかし,最近の札幌では全くないということで,つくられないというふうに一般的にはされております。その結果,もともと上の緑を切らなくても,この橋ができれば,そこから工事もやれて,そこから通路もできてということであった。ところが,この場合は,道路占用許可が平成4年4月1日,河川占用許可申請が4年5月ですから,上の通路がつくようになって1ヵ月足らずの間に,河川の土現との話をつけるための申請が行われて,これがおりたということで,いずれにしても,緑が切られたと。この間,土現との問い合わせその他,窓口になった路整課の話でも,どういう理由で許可されたか,どういうことで協議がされたか,きわめて不透明なものが多い。私も,きわめて不透明なものが多いというふうに思います。
結果として,平岸側のがけ,これは通路部分の緑が切られたわけですけれども,その点で,この辺,この経過についてどのように認識しているのか。それから,自然保護としては基本的にどうのように対処したのか。それから,1ヵ月足らずの間のこの部分の連絡が十分あれば,切らないで済んだというふうに思われないのかどうか。対応がやはり甘かったのではないかと私は思いますので,この点をお聞きし,そして前段の,こういうことが下流部で起こらないように,ぜひ緑地の指定を広げてほしいという点の見解をお尋ねしたいわけです。当面,これだけ。
◎上野 緑化推進部長 環状夢のグリーンベルト構想のうちの手法につきまして,私のほうからご答弁申し上げます。
グリーンベルト構想のうち平地系につきましては,河川や平地帯を活用いたしまして,ごみの埋立跡地の利用を図るなど,主として公有地化を進めながら拠点的なところでは運動公園,それから総合公園を配置していく計画となっております。すべてを公共の公園事業によって実施するというふうには考えてございません。
また,ヤオハン等の問題でございますけれども,これにつきましては,現時点で私どもこの計画の内容を承知いたしてございません。このことは協議があった段階で判断をしたいというふうに考えております。
◎岩渕 参事 2点目の緑地保全地区都市環境緑地の買収についてお答えをいたします。
質問の第1点の4年度の緑地保全地区の買収と4年度末の未買収地の状況でございますけれども,緑地保全地区は,現在札幌市に20地区,40.2ヘクタールを指定してございます。平成4年度の買収につきましては,1ヵ所,0.35ヘクタールでございます。しかし,平成4年度までに公有化,すなわち札幌市のほかに国とか北海道,あるいは公団が用地を持っている緑地保全地区は,先ほど申し上げました20地区,全体で40.2ヘクタールのうちの約76%に当たる30.5ヘクタールが公のものとなっております。したがいまして,平成4年度末に残っております,まだ民間が所有している用地面積は9ヵ所で,約9.68ヘクタールでございます。
次に,5年度の緑地保全地区の買収状況と現在の買取り希望及び今後の見通しでございますが,平成5年度までに私どもに買取り希望の申し出があったのは4ヵ所,4.17ヘクタールでございます。これらの買収につきましては,本市の財政状況が厳しい折から,国の予算状況に合わせまして,毎年国庫補助事業で9,000万円ずつ買収をし,本年度も1ヵ所,0.35ヘクタールの買収をするところでございます。
この種の保全関係の予算につきましては,国におきましても大変厳しい状況にございますが,私どもも,今後国に対して一層の増額を求めるなど努力をしてまいりたいと考えております。
3点目の都市環境緑地債による緑地保全地区の買収についてでございます。
この起債事業につきましては,緑のマスタープランなどにおいて保全対象とされている緑地や,緑地保全地区の買収などが対象となっておりまして,本年度は33地区,21ヘクタールを買収する予定となっております。
この環境緑地事業債は,特に市街地に接した保有林の保全が急務となっておりますので,これらの民有林の買収に当たって優先的に活用を図っていきたいと,このような基本方針を持っております。したがいまして,先ほど申し上げました既存の緑地保全地区の買収につきましては,先ほど申し上げました国の補助制度を活用し,事業を進めていく考えでございます。
それから次に,精進川の緑地保全でございますけれども,ご指摘の件は,まさしく生駒委員のおっしゃっているとおりでございます。このマンション建設敷地はめくら地ではございますけれども,市道に接しておるものでございますので,接道義務というものが生じますので,マンションを建てたいという方がおりましたら,それはやはり接道義務ということで,取りつけの橋梁なり道路は占用として認めなければならないことになっております。ただ,その場合に,先ほど生駒委員のお話にもありましたように,下流の精進川に土現で橋梁をかけてもいいと認められれば,確かに上のほうののり面の木を切らなくて済んだのは事実でございます。しかし,私どももいろいろ行政指導をいたしましたけれども,そういうような状況でございましたので,道路と接するということで,こういうのり面でございますので,マンションの3階部分に渡るように橋を認めざるを得なかったので,やむを得ず認めたわけでございますが,その場合でも,私どもとしては,できるだけ木を切らないようにとか,あるいはマンションの建設に当たりましては,緑化協議の中で,できるだけ緑を確保するということで積極的に努力をしたつもりでございます。
それじゃ,残ったところの緑地をどうするかということでございますけれども,おっしゃるように,私も基本的には残していくべきであると考えておりますので,今後は,実態調査の上,道路管理者である札幌市の道路管理,河川管理者は土現でございますが,そういった関係の方と十分協議を進め,一つの例といたしまして,緑保全地区とか緑地保全地区の指定を行うように努力をしながら,緑の保全について検討していきたいと思っています。以上でございます。
◆生駒 委員 精進川の問題では,いま緑地指定の調査をして,実態を押さえて検討していくということですから,これはこれでぜひやっていただきたいと思います。
結局,下流部をよく見ていかないと,こういうことが起きてくる。途中,公園なんかで部分的にはやられているのですけれども,その点は見ていっていただきたいというふうに思います。
それから,夢のグリーンベルト,北部緑地のことですが,いま上野部長の答弁では,「すべて公共でやるとは考えていない」と言いました。その点で問題は,これだけ本市の方針が主として公有地,公共でやると。しかし,運動公園というのは何ら手がつけられないと。農用地の活用といっても,実際は何も進んできていないと。こうなりますと,何かの進出をとにかく待っているという対応にしか見られないと思うのです。
そこで,テルメの問題について,自分たちは余り承知していないということであります。しかし,実際にはこの間の企画調整の段階でのいろいろなやりとりを見てみますと,相当差し迫った問題になってきているというふうに私は思います。ですから,そういった点で,前田局長,上野部長は承知していないと言ったけれども,企画調整との調整をやる場合には,当然このことが念頭にあってやられているのじゃないかというふうに思いますが,その場合に,先ほどの私の質問で明確に答えられていないと思うのですよ。結局,運動公園,大規模公園の配置,主として公有化ということで,どの部分をどうやるのかという,これは小谷さんの質問にもありましたけれども,全く手をつけてこないで,そしていま,すでに大規模な民間の計画というか,これがずっと取りざたされているわけですよ。農地が動いたというところまでいろいろな話が出ているわけですよ。この段階でも,まだ本市の軸となる,根拠地となる運動公園なりというものがないわけですよ。これでは,すべて公共でとは考えていないと言いますけれども,まずは民間からやって,その上でという姿勢にしか見えないのですけれども,この点,基本的な明記された方針から見て,どういうふうにこれを進めるのか,ここのところをもう一度やはり明確にしていただかないと。ヤオハンの進出を念頭に置いてやられているのじゃないかな。そして,公共のほうが出ない間に,それが先行してというふうになったら,どうなりますか。整合性がないのじゃないか,あるいは矛盾するのじゃないですかと私は聞いているわけですから,この点お答えいただきたいと思います。
◎前田 環境局長 企画調整局長会議の中で議論されたことを,ある程度ご説明すればわかると思うのですが,実は初めて私も先日参加をいたしましたが,そのときに,いろいろプロジェクトで検討したことの整理をいたしました。各原局の,たとえば農地であれば経済局長の立場でいろいろと物の考え方や意見を言う。それから,環境局であれば環境局長の立場でいろいろ議論をすると。そういう意見交換をした中で,いろいろな問題点等がございました。特に,ゾーンを決めていくということは,果たしてそういうことができるのかどうかというところまで突っ込んで検討をいたしました。結論が出ないで,持ち帰っていろいろ検討する段階であります。したがって,まだそこまで決定する段階に至っていないということであります。
そのときに,環境局の立場として申し上げたのは,主として公有化ということが原則ですが,しかし,民間を排除するものではございません。したがって,大きな緑構想に反しない範囲内のものであれば,ある程度環境局としては了解せざるを得ないと思います。そういう立場をご説明申し上げ,そしてゾーンの設定については,平地系も山林の関係もございますけれども,その辺を今後どういうふうに詰めていくかということを持ち帰って,いま私のほうから指示をし,事務レベルで検討をしている段階であります。
それから,ヤオハンの進出の関係については,全くそういうことを前提にして議論をしたものではございませんので,私の立場としても,ヤオハンの状況については全く承知をいたしておりません。
◆生駒 委員 「主として公有化」ということを,いま言われました。これは外すことのできない方針として出ているわけです。それで,実際に民間であるテルメのあの状態は,もともと中央バスのところを買いましたから,ああいう状態ですが,木戸銭を払わないと入れないわけですよね,本当に使おうと思えば。言ってみれば,用地は私有だけれども,水は国のものなのですよ。ましてや,周辺の河川敷は国のものなのですが,あそこを独占してしまっているでしょう。そういうことになれば,周辺をどんなに整備したって,ああいうふうにされると,水郷としての自然を市民が釣りなどで自由に親しむことができなくなるのです。まさに,水辺が奪われるのですよ,私有地が周辺にあるために。ですから,そういった点では,用地周辺がそういう形で野放図に押さえられると,自然の独占が起きるのですよ。これはまだ結論が出ないようです。自然の独占はあってはならないこと,民間にやらせるということの中には,やはり重大な問題があるのですよ,そういった点,十分認識して対処をしていただきたいというふうに思います。
最後に,あと一つだけで終わりたいと思います。
土取りの関連での自然保護の問題です。
現在,本市内では相当多くの土取りが行われております。それで,ここを緑化推進部の立場で,どのように緑地の保全をするかという観点で取り組んでいただきたいというところからご質問いたします。現在,規制法対象の区域は,ほとんど南区,豊平区に集中しておりまして,未実施のものもありますが,ほとんどが施行中です。それで,南区で36件,70ヘクタール,豊平区で22件,40ヘクタール,その他で5件,6ヘクタールで,合計116ヘクタールがいま土取りで,火山灰をとる,跡を資材置場に使うという形で緑がはがされております。この点,自然保護の観点からのチェック,土取りの抑制という点で,自然保護のサイドとしてこれにどうかかわり,どう関与しているのか。また,基本的にどういう態度で臨んでいくのかという点をお尋ねしたいと思います。
二つ目は,この問題に関連して,具体的な問題で有明小学校裏の土取り問題,これはいままだ申請されておりませんが,事前協議という段階であります。これは有明129番1,6.85ヘクタール,かなり大きなものですが,ここから土取りで54万3,000立米をとりたいという事前協議です。ことし1月20日こ事前審査のための書類が出ておりますけれども,実際はいろいろな問題があって,なかなか進んでいないというふうにも聞いております。
有明小学校は,ご承知のようにユニークな自然教育というものをやってきた,ここの山を借りて教育がやられてきたと。それから,現場に行ってみましたけれども,あそこは厚別川流域で,その上の山林,森林地帯ということで,相当緑が濃いなという印象なのですが,ここのところにある有明1号線市道,細い山道です。行ってみましたら,この該当区域から車で3分走ったら,あっという間に開けたところに出ました。広島町です。その広島町のほうは,もう更地になっていて,中には道路工事か建設屋さんか,そういう事務所が2軒くらい建っておりまして,ここがはがされると二,三分で広島側の開発地域とつながってしまうという状況でした。したがって,この土砂の運搬そのものが野菜等に与える影響とかいろいろな問題があります。道路が細いために,相当な道路工事をやらなければ土砂を運び出せないという地域でもあります。問題は,厚別川の南部分の森林地帯と思われているところが,ここを土取りをすれば,完全にこのベルト地帯が切られてしまうというものですね。その点で,先ほどの答弁の中でも緑地債という問題やその他も出てまいりました。したがって,1番目の質問にありましたように,私は一般的にこういうものを活用して,土取りについての中での緑地保全という観点を貫いた対策をとっていただきたい。
それから,有明小学校のところについては,ここのベルトが切れてしまうというところをどう考えて対処されるのか,ぜひ保全する方向で考えていただきたいと思うわけですが,お尋ねをしたいと思います。
◎岩渕 参事 ただいまの土取りと自然保護の関連についてお答えをいたします。
ご承知のとおり,土取り行為は確かにいろいろな問題はございますけれども,しかしながら,都市の経済活動の必要性という意味からも,正当な土取りは認められるということで,ご承知のとおり,本市に土取り等に関する指導要綱というのがございまして,この要綱に基づき,関係各課が集まりまして協議した上で許可している実態でございます。
ただ,私ども自然保護の観点から申し上げますと,そういった場合でございましても,たとえば森林法に基づく地域森林計画対象民有林の場合は,何とか少しでも土取りの面積を少なくしていただくとか,あるいはできるだけ土取りの中に現状林地を残すとか,あるいは土取りした跡地は必ず緑化をするとか,あるいは植栽をするとか,そういったことが法の規定にございますし,また,私どもの緑化推進条例にも緑化協議制度というのがございますので,そういったことを活用しながら,できるだけ緑がなくならないように指導をしているところでございます。
また,有明小学校の裏山の話が具体的に出てまいりましたけれども,まず一つは,この付近,いまおっしゃっているきわめて限られた場所という意味ではなくて,もう少し広い範囲でこの一帯の森林は,本市の市街地を取り巻く環状グリーンベルトの一部として重要な位置づけにあると,私はそういう認識をしているところでございます。
先ほどのお話とちょっと違うのですが,実は土取りの林地開発申請がすでに提出されておりまして,石狩支庁まで上がっておりますが,いまいろいろな土砂搬出に当たり,当然のことながら地元農家との問題とか,それから有明小学校の裏でございますので,教育的見地から果たして山を切ったらいいのかどうかとか,いろんな問題がございます。したがいまして,そういった問題を念頭に置きながら,当該地の保全について,いまいろいろと関係者の間で私どもも協議を行なっているところでございます。以上でございます。
◆生駒 委員 精進川の問題も,それから有明小の裏の保全の問題も,前向きの答弁というふうに受けとめておきたいと思います。
それで,北部緑地,茨戸の問題は,ヤオハンの進出は承知していないと。これが11月,12月で突如として出てくるようなことにでもならないのか,なるのかという点では,きわめて不透明な答弁と言えます。これは,今後十分見ていきたいと思います。終わります。
◆長岡 委員 山田委員に交代をしてもらって,私がこちらで質問をさせていただきますが,かなり質問者が多いので,できるだけ簡潔に質問をさせていただきます。
本市が昭和59年に白旗山都市環境林の基本計画を策定して,いままでの営林事業は当然そのまま継続をしながら,市民がふれ合うレクリエーション施設の整備として,今日まですでに市民にいろいろな開放をしてまいっていることは,私もよく承知しておりますが,多くの市民の森林浴はもちろんのこと,さまざまなウォッチング,そして山菜とり等幅広く,都心から10キロぐらいのところにあるこの山が,四季折々の変化を見せてくれているわけで,大変楽しみなことであります。
そこで,質問でありますが,先ほども猪熊議員からの質問の中にありました余暇利用,特にアウトドアライフ,家族連れで野外に出る機会がだんだんと多くなるわけでありますが,市民ニーズの受け皿としても,このような環境の場所をもっと有効活用することが最も望ましいことであろうと思うわけであります。ふれあいの森など,現在の運営されている内容,そしてその利用状況について,さらに今後どのような方針で整備を進めていこうとされているのかお伺いをいたします。
◎岩渕 参事 ただいまのご質問にお答えいたします。
まず,ふれあいの森の運営状況でございますけれども,いま段々のご質問の中にございましたように,一つは,市民参加行事といたしまして,春の森林ふれあいデーとか,あるいは四季ごとの自然観察会,7日間の陶芸教室,あるいは夏休みの親子木工会など,市民ニーズを考え,各種行事を行なっております。
それからまた,施設を開放する事業といたしましては,あそこに木工館がございますが,そういった木工館を利用した木工芸教室とか,あるいは先ほど申しましたけれども,陶芸愛好団体に対する陶芸窯の貸出事業,そういったようなことがございます。
また,今年度,特別に北海道新聞野生生物基金1周年記念ということで開催されました秋の森のフェスティバル,これは市も協力したわけでございますけれども,募集人員700名のところに2,000名の応募がございまして,市民の自然に対する関心の高さがうかがえたところでございます。
次に,どういった利用状況であるかということですけれども,オープンの期間が5月から10月ということでございまして,昭和61年の開設当時,そのころは約2万人の方にご利用いただきましたけれども,昨年,一昨年はそれぞれ4万人という利用者があり,年々ふえてきておるところでございます。
次に,今後どういった方向で運営をしていくかということになりますけれども,ふれあいの森事業については自然が相手の事業でございますし,したがいまして,自然というものに対する市民のいろいろな考え方や要望等もございますので,この点につきまして十分配慮をしながら,何とか市民の方が本当に楽しく自然とふれ合えないものかといったようなことを念頭に置きながら,整備を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆長岡 委員 ただいまのご答弁で,これからというよりも,すでにいままでの市民の志向からいって,非常に利用が多くなってきていると。これからますます市民に利用されることが当然予想されるわけであります。この山は滝野のすずらん国営公園とは最も近接をしているところでありますが,面積が約1,100ヘクタールと,滝野のほうは約400ですから3倍に近い,こう規模も大きいわけですし,ゆったりとした中にすでに林道も整備されて,一つの基礎的な手はもうかけられている。こういうことは全く幸いでありますが,いま申し上げましたように,もっと利用していただきやすいように,さらに私がここで申し上げたいことは,障害者や高齢者にも優しいといいますか,ソフトな受入れができるようにできないものかと。
たとえば最近は,これはスポーツ面ですが,車いすのマラソンやバスケット,それから高齢者に対しては,先ほどもお話がありましたゲートボールやパークゴルフ等々,市街地では比較的いまのノーマライゼーションの環境づくりがされているわけでありますが,本能的にこういう自然の環境林の中で鳥のさえずりを聞くとか,また渓流からの水音,樹木からの香り,草木といいますか,草花の四季の変化であるとか,そういう自然にふれて,安らぎと満足を感じ,これが精神的にも非常に安定し,特に都市砂漠といいますか,これから逃れるというか,そういう安らぎを求めるところとして,健康維持のためにも大きく寄与することになるであろうと思われるわけであります。そこで,いま申し上げましたように,この山の自然を障害者や高齢者が健常者と一緒になって利用できるようにソフト面の整備にもう少し工夫をしていただいて,本市独自のノーマライゼーションの森。
私は実は7月に,神戸のすでに整備されておりますしあわせの村というところにちょっと行ってまいりました。ここも面積は約300ヘクタールぐらいあるのですが,神戸はご案内のように,大変いろいろと工夫をされているところでありまして,ここはどちらかというと福祉のハード面の整備が非常に活発というか,これは他市になかなかないぐらい進んだ,まさしく障害者と健常者が一緒に利用できるようなホテル級のものであるとか,あるいはスポーツセンターであるとか,プールであるとか,そういう神戸らしい整備をしているのです。
札幌はそういう意味で,先ほども水郷の話がございましたが,非常にスケールの大きいものが立地としてというか,素地として備わっている。まさしくこの1,100ヘクタールもある,先ほどのことを水と言うならば,これは山,これはペアというか,そういう展開ができるというのは,神戸と対照的な自然というものを本物に生かしていくのは,まさにこれからは大いに値があると。そんなことで,このようなことを実現させるべきと考えるのでありますが,その点についてお伺いをいたします。
◎岩渕 参事 ただいま長岡委員から段々のお話がございましたけれども,私も,たとえば車いすの方,あるいは盲目の方が白旗山に入りまして,木の香りをかぐとか,あるいはせせらぎの音を聞くとか,健常者だけではなくて,身障者の方もそういった面で利用できると,そういうことを何とか実現せよとおっしゃっているのでないかと思います。したがいまして,私どももそういった整備をするに当たりましては,いろいろと地形上の問題だとか,わかりやすく言えばトイレの問題をどうするとか,具体的にいろいろな問題はございますけれども,そういった問題を十分検討しながら,何とか実現するようなことで進めていきたいと思っております。以上でございます。
◆長岡 委員 いまのご答弁で,これからの前向きの姿勢ということがうかがえるわけであります。この市有林はもう事実上の森林公園として,ふれあいの森であるとか,お話のありましたように自然観察の森等の開放が進められているわけですから,それをさらに本当の素地価値といいますか,そういうことで,さらに配慮をしたノーマライゼーションの森づくりという,これからのまさしく高齢化社会に向かっていくための受け皿であろうと思うわけでありますので,積極的にこの整備をしていただくことに期待を寄せるところであります。
さらに,緑の基本計画にもございますように,21世紀の緑のまちづくりの担い手というのは,次の代の子供たちであるわけでありますが,このためにも,教育の面にもかかわります。障害者であるとかあるいは高齢者というのは福祉の面ですから,先ほどいろいろお話のありましたトータルでこれを考えていかなきゃならぬということは当然だと思いますが,子供たちのためにも,私は本物の自然観察そして体験学習などを通してやる情操,さらにはこういう知識の高揚を図っていく,それがマナーよく社会性というものを子供たちに植えつけていくことだと思いますし,そういう施設の中に,私は森林博物館を次期の計画に当然入れるべきであろうと,こういうことを強く要望いたしまして質問を終わります。
◆関口 委員 大変時間がかかって,外はとっぷりと暮れて,子供のことを質問する時間にはふさわしくなくなりましたけれども,私は動物園の科学館について,とりわけ子供と科学館のかかわりという観点から,若干の質問を申し上げたいと思います。
あらかじめ伺ったところによりますと,平成4年度,動物園の入園者は79万5,000何がしと伺っております。
それで,まず質問でありますが,この入園者のうち,動物科学館に全体として何万人入ったか。そのうち,中学生以下の子供が何人入場したか。これは正確なカウントはないようでありますけれども,推計で結構でありますが,お知らせをいただきたい。
それから,二つ目でありますが,科学館で動物相談を実施をしております。これも,いただいた資料では,電話の相談件数しかわかりませんが,817件だそうであります。内容も,家庭のペット,犬,猫から始まって,金魚,爬虫類,それから昆虫,非常に幅広い種類に及んでいるようでありますし,さらにまた,それらの飼育方法だとか病気だとか繁殖法だとかについての多岐にわたる相談があるというふうに資料ではお見受けをしますし,さらにまた,子供や一般市民だけではなくて,大学生だとか専門研究者といいますか,そういった方々の問い合わせもあると,こんなことでございました。
そこで,この点3点ほどに分けて質問いたしたいと思うのであります。電話の件数817件と聞いておりますが,科学館に直接おいでになって相談をするというか,質問をしている件数も相当あるだろうと思いますが,それらを合わせるとどのくらいの動物相談の件数になるのだろうかと,これが一つであります。
それからさらに,そのうちの中学生以下の子供の相談はどのくらいで,子供たちの相談といいますか,質問の傾向とか特徴があれば,その点についてもお聞かせをいただきたい。
それから三つ目でありますが,相談は単に学問的な知識だけではなくて,実務的なといいますか,実際的な経験とか知識がなければ,対応ができないというものも相当あるようですし,あるいは専門家などの相談もあるということでございますので,その辺,動物相談の対応体制と申しますか,その辺がどのようになっているか,これが大きく分けた二つ目でございます。
それから,大きい三つ目でありますけれども,私は昭和62年第4回定例議会で代表質問をさせていただいて,当時,まだこの科学館は構想の当初の段階であったようでありますけれども。質問させていただいた経過がございまして,その当時,いろいろ検討されている中身では,いわゆる参加・体験型の施設といいますか,設備等についても構想の中でいろいろ検討をされていたと存じております。
現在,予算の関係とか,それからいわゆる科学館と名づける以上は,やはり科学的な観点から疑問のあるようなものは取り入れられないというようなことで,現在のような科学館の姿になっているわけでありますが,もちろん現状の内容がうまくないとかということではなくて,科学館である以上それに沿った施設でなければならぬということは十分認識をしております。
ただ,私は素人でありますけれども,素人的な判断で見ますと,一般市民とかあるいは子供たちといった人々が主な対象になっている科学館であります,そういう意味では,いまの科学館はやや学術的な側面が強いのではないかと素人的に感じております。もちろん科学館でありますから,学術的に適当なものでなくてはいけないことは理の当然でありますから,そのことは結構だと思いますが,欲を言えば,もう少し平易で楽しみながら活用できる,そんなものがさらに市民にとって,子供にとって身近な科学館になるのではないかと感じます。
そこで,いまもふれあいコーナーという形で,参加・体験型の部分があるわけでありますが,将来この部分をふやすというのも,ずいぶんお金もかかりそうだというお話もありますから大変だと思いますけれども,ふれあいコーナーの部分の将来の展望というが,計画といいますか,そういった点でどのようにお考えになっているのか,とりあえず大きい3点お伺いして,ご答弁をいただきたいと思います。
◎森永 円山動物園長 それでは,お答えさせていただきます。
第1点目でございますけれども,平成4年度の動物科学館の入館者数でございますが,全入園者数の約6割に当たる48万人となっております。そのうち中学生以下の入園者でございますが,これは約半分の25万ということで推計しております。
次に,動物相談についてでございますけれども,件数は,直接科学館に来られたのが約1,500件でございます。電話によるものと合わせますと,2,300件ということでございます。
2点目の中学生以下の子供からの相談件数につきましては,電話によるものは90%以上がお母さんから来るということでございます。直接来られる場合には,全体の約半分近くに達して800件ほどでございます。また,相談内容でございますけれども,身近に飼っておりますザリガニとか,それからカメとか,こういう小さな動物に関するものが多いようでございます。
3点目の相談体制についてでございますけれども,現在,前動物園長の金田さんとか,それから小学校を停年退職されました理科の先生など,専門的な知識の豊富なスタッフをそろえております円山動物園協会に委託してやっております。それで,3人体制でいま実施しているわけでございます。また,その内容によりましては,直接動物園が対応することもございます。
最後の3点目でございますけれども,動物科学館の当時の構想につきましては,模型の馬にシミュレーションを設備しまして,動物とのスピード比べとかいろいろな参加型のものを考えていたわけでございますが,委員のおっしゃったとおり,ある一部ということになったわけでございますので,これからは現有施設につきまして,人気度や更新時期などを勘案いたしまして,ご提案にございましたような新たなものも入れていきたいということでございます。可能な限り検討を進めてまいる予定でございます。以上でございます。
◆関口 委員 ふれあいコーナーの充実というのは相当お金もかかるということでありますし,スペースの問題もありましょうが,子供たちも大変喜んであそこを利用しているようでありますから,ぜひ将来に向けてひとつ検討努力をお願いをしたいと存じます。
さらにまた,いま答弁にもありましたように,子供の入館者が25万人,それからあそこへ来て質問する動物相談が800という答弁でございました。
ふれあいコーナーや動物相談の関係を考えますと,科学館と子供たちとのかかわり,非常に大きいものがあるように存じます。私どもの身近にいる子供の生活を見ていましても,その辺の石ころをひっくり返したり,あるいは土をほじくったり,雑草の根っこを分けたりして何か虫を見つけて,この虫は何という虫だとか,あるいは,この毛虫は毛の色が非常にきれいだけれども,これはガになるのかチョウになるのかとか,あるいはこの虫は何を食っているのだとかいろいろ聞かれるのですが,ほとんど正確かつ全部答えられる知識が残念ながらないと。こんな経験は,私ばかりでなくて,たくさんいらっしゃるのだろうと思います。
これらのことを見ていますと,子供の好奇心の強さというものに非常にびっくりするというか,感動を覚えるくらいすごいものがあるのだなと感ずるわけであります。たとえば科学館のひよこのふ化器のところを見ていますと,あそこへ子供たちが群がって,卵が割れて出てくる,それが大きくなっていく姿が順次示されている。あの生き物に対する関心を見ていますと,子供たちがあそこに群がって喜んでいる姿を見ると,これらの子供たちの好奇心に努めてこたえてやりたいという気がするわけです。
そこで,科学館に,さっきも例にありましたように,虫だとか家庭のペットでも小さなもの,ペットでなくても身近にいるカエルだとか,さまざまな子供たちの生活の中でふれ合う生物,こういったものについて,あの一角に飼育コーナーを置いて,生きた虫とか,それから置けるものはいろいろ考えられるのでしょうが,そういったコーナーを設けて,子供たちの好奇心にこたえてやってもらいたいと考えているわけでございます。その点について,園長のご見解を承りたいと思います。
◎森永 円山動物園長 科学館の中に,昆虫など身近な小動物のコーナーを設置してはどうかというご提案でございますけれども,私ども動物園といたしましても,かねがねそういうものがあったらいいなということで感じておりました。
市内に生息しておりますクワガタ,それからカエルとかサンショウウオのような水生動物,そういう身近な動物を展示いたしまして,生息環境の仕組みや飼育方法をわかりやすく解説するなど,子供たちが楽しみながら学ぶことのできるコーナーをつくるよう努力してまいりたいと考えております。
◆関口 委員 それでは最後に,局長にお願いというか,要望して,もし所見をいただければと思いましてお伺いをいたします。
虫のコーナーですから,虫は1センチか2センチの小さなものでありますし,虫の大きさと同じように,費用もそうかかる話ではないような気がします。
そこで,胸三寸とか胸五寸とかという言葉がありますけれども,虫の大きさに例えれば局長の胸2センチぐらいで済む話であります。したがって,子供たちのこういう喜ぶ姿を見たいし,ぜひ局長から何とか来年度に向けてプレゼントをしていただけるようにご見解を承って質問を終わります。
◎前田 環境局長 自分の子供のころをいま思い出しまして,虫には本当に興味を持ちますし,子供に対して与える夢というのは非常に大きいものがあると思います。ぜひ実現できるように努力をさせていただきたいと思います。
◆千葉 委員 私は,公園内における運動施設,体育施設の施設管理について,あるいは利用方法の改善について,それから公園の文化性,文化的利用,活用及び利用促進についての2点について質問をさせていただきたいと思います。
先日も,間もなく完成されます西区八軒の農試公園にありますミニドームを一足先にちょっと見てまいりました。19億円かけただけあって,すばらしい施設になっておるわけでありまして,市民の皆さん方にも大変喜ばれる施設になるのではなかろうかと,このように思っております。
長総を拝見をしたわけでありますが,そこにこんなふうに書いてあるのですが,拠点となる公園緑地を整備し,市民の多様なスポーツ・レクリエーション活動の場として活用する。あるいは,都市基幹公園の整備については,総合公園や運動公園を各区に配置するといったことで,これらの施策が着実に一歩一歩前進をしているということで,関係者の皆さん方のご努力にまずもって敬意を表しておきたいと思います。
さて,今後の都市公園等の整備状況,今5ヵ年で大体市民1人当たり十四,五平方メートルということになるのでしょうか,また長総では,市民1人当たり40平方メートル以上を目標とするということになっているわけでありますけれども,前段で申し上げたスポーツ施設,体育施設がどの程度配置になるか知りたいところであります。また,モエレ沼公園の整備につきましても,体育施設が整備されるというふうに聞いております。建設に当たっては,建設省の建設補助が2分の1という高い補助率になっていると。本来,教育で行われる体育施設,文部省の補助ということになりますと大変低い補助率ということでありますから,公園内に体育施設をつくるということは大変有利になってくるわけであります。
実は財政のほうから資料をちょうだいして,どんどん緑化のほうで体育施設がふえていく実態を見たわけであります。たとえば野球場,これは緑化で持っている施設でありますが,有料,無料という施設がありますが,平成5年度で181ヵ所野球場があるわけです。
それに比べて,教育委員会は野球場が5ヵ所ということになります。それからテニス場,これも有料,無料ありますけれども,緑化推進部では196ヵ所あります。教育委員会ではわずかに24ヵ所という実態になっているわけであります。今5ヵ年の中,あるいは長総の中で,公園づくりとともにどれぐらいの体育施設というものができていくのか,数字がわかれば教えていただきたいと思っております。
それから,公園にできる運動施設,体育施設というのは,基本的には社会体育施設であるのかどうか,これもひとつお聞かせをいただきたいと思います。
質問の3点目でありますが,体育施設としての施設管理についてであります。
体育施設,運動施設の建設に当たっては,国のそれぞれの施策の中で有利な財源を使って建設するということで,皆さん方大変ご努力をされておると思うのでありますが,つくるまでは,そういう財源等のことがありますからそれぞれの所管になるのかもしれませんけれども,つくり上げた後は,スポーツ施設の管理のあり方ということで,実はいろいろ体育部からも資料をいただいたわけでありますが,ハードな面とソフトな面の管理があるわけであります。
そこで,施設的なハードの部分については,緑化推進部のほうで十分やっていただいていると思うのですけれども,ソフトの面で,たとえば多くの人が気軽にスポーツを楽しめるスポーツ教室などを実施して普及に努める,あるいは利用者ニーズに対応した使用時間及びプログラムを設定する,また,より多くの人に利用してもらえるPR活動を積極的に行うだとか,円滑な運営計画を策定するため,各競技団体と連絡をとり合い,競技日程を調整するだとか,それから指導者を配置し正しい運動方法を指導するとともに,利用者相互の調整を図っていくなとなど,いろいろソフトの面で管理運営に必要な部分があるわけであります。そういった意味では,なかなかソフトな部分まで対応ができないのではないかと,こんなふうに思っているわけでありますが,段々の話の中にスポーツ施設がだんだん増加していくということがあるわけでありますけれども,市民のニーズにこたえるためにも,また高齢化社会を迎えていくためにも,ある意味では専門的な施設管理が必要になってくるのではないかと思っております。たとえばスポーツ振興事業団というのがございますけれども,こういうところに管理委託をする考えがないのかどうかをお尋ねをしたいと思います。
次に,公園の文化性,文化的利用促進策についてでありますが,ことしも7月23日でありますが,旭山記念公園において,さっぽろ旭山音楽祭が開催をされました。ことしで6回目を迎えまして,約1万人の市民が旭山記念公園を訪れました。女性の市民コーラスが夏の夜空に響き渡るという,とても感動的な場面でありましたけれども,市長もいつも応援に駆けつけてくださっておるわけでありまして,この音楽祭は全く市民の手づくりによって行われておりますし,地元の音楽愛好家の発案によってこれまで成長し,そして発展してきたものであります。こういった文化の薫りの高いイベントによって,公園の知名度や公園に対する愛着も一層深まって,文化性,文化的公園として成長していくものだと確信をしているところであります。
本市には現在200ヵ所を超える公園がありますけれども,真に市民に愛され利用されているかと考えましたときに,施設の整備といったハード面の充実はもちろんでありますけれども,いかに有効に利用してもらうかというソフト面での文化性,文化的な公園行政の充実が立ちおくれているのではないかという懸念があるわけであります。先週も実は行ってまいったのですが,南区の滝野にあります国営公園において,公園緑地管理財団によって年間約46件の行事が催されていると聞いております。市内の公園では,大通公園を別といたしまして,百合が原公園のゆりまつりや,公園を利用した市民祭りなどは目にいたしておりますけれども,どうもそう多くは見受けられないということであります。もちろん公園といっても大小さまざまな規模のものがありますから,これがすべて対象になるとは思いませんけれども,地域を代表するような大きな公園において,文化的イベントあるいは祭りなどがさまざまな形で展開されることになりますと,これが大きな地域文化に発展する兆しとなるのではないかと思うわけであります。
欧米においては,パークス・アンド・レクリエーションといったことで,公園行政とレクリエーション行政が結びついて事業が展開されると聞いております。そんな意味で,市民がさまざまな公園を活用した文化的イベントなどを行える施設づくりと,ソフト面での支援体制を考えるべきと考えるわけでありますが,そこで質問の1点は,本市の公園での文化的イベントの実態はどのようになっているのか。
それから2点目は,先ほどから申し上げておる文化性,文化的な公園づくりが必要であると思うけれども,活用,利用促進を含めて,これからの本市の公園づくりについて基本的な考え方があればお聞かせをいただきたいということでございます。
◎上野 緑化推進部長 まず,公園の運動施設につきましてお答えをいたします。
現5年計画,さらには長総の中におけるスポーツ,運動施設についての計画でございますけれども,長総の計画につきましては,なかなか具体的にお示しをするというのは難しい状況にございます。現5年計画の中で考えてみますと,野球場,テニスコートそれからゲートボール場,それぞれ30ヵ所程度ずつ見込まれているという状況でございます。
また,これらの公園の運動施設につきまして,いわゆる社会教育施設なのか,それとも公園の施設なのかというご意見だろうと思います。私どもとしましては,これは公園と一体的に計画をされている施設でございます。したがいまして,公園施設という面が非常に強いと思いますが,半面,社会教育施設という面も持っていることもまた事実でございます。
それから,たとえば公園の利用面でのソフトといいましょうか,こういうものの利用についてということでございます。これにつきましては,私どもも公園の施設の一つとして一体的に管理をしているわけでございますが,そういう中において,いろいろ利用面でのソフトの提供がされるところがあれば,それについてはわれわれも受け入れていく所存でございます。しかし,これにつきましてもいろいろ難しい問題もございますので,個々の中で検討していくべき筋の話ではないだろうかというふうに考えてございます。
それから次に,公園の文化性についてでございます。
公園のイベントにつきましては,最近,各地区の運動会でございますとか夏祭りなどで非常に使われているわけでございます。大きいものでは,大通の雪まつり,夏まつりというようなものもございます。そういう中で,最近では住民の手づくりによる,いわゆる旭山音楽祭でございますとかていねふるさとコンサート,または最近行われました東区の燃えれわが街といったような取組みがされております。こういうような市民からのソフト面といいましょうか,文化的利用というようなものが大きく広がりを見せてきていることは事実でございます。
ただ,それに対しまして,私ども確かにご指摘のございますように,こういうソフト面について緑化行政という中で,やや取組みがおくれているという実情でございます。したがいまして,今後は,これらを配慮した公園づくりというようなことを心がけていかなければいけないだろうというふうに考えております。
◆千葉 委員 公園内の運動施設,体育施設の部分の再質問でありますが,公園の中の一部だから一体的な管理でなければならないというようなご答弁がありましたが,実は教育委員会から資料をちょうだいしたのですが,美香保公園の中には美香保体育館あるいは美香保公園野球場ということで,これの管理が美香保体育館ということで教育委員会の所管になります。それから,豊平公園の中に公園温水プールもありますが,札幌市のスポーツ振興事業団で管理がされているところであります。
本来,社会体育施設の管理というのは,スポーツ振興事業団がやるものということで,第三セクターをあえて設置をしたということになるわけでありまして,先ほど申し上げたソフト面が非常に重要視されている昨今でありますので,先ほど部長からご答弁をいただいたこととはちょっと矛盾をしていることがあるのではないかという気がいたしておりますので,この辺のご見解をもう一度お願いをしたいと思います。
それから,方向をちょっと変えて質問をしたいと思いますが,市内の体育施設はかなり整備をされてきておりまして,市民の皆さん方には大変親しみやすい施設として,あるいは四季を通じて楽しんでいただいているわけでありますが,現在,札幌市で管理している体育施設の部局,調べてみますと,教育委員会の体育部,緑化の公園管理課,下水道局,各区の土木管理課,各区の市民部,それから水道局と,こういう各部局にわたって管理がなされているわけであります。たとえば野球をやりたいが,どこへ行ったらいいのだろうということで,円山球場がいいなということになると,円山の総合運動場,それから,円山の坂下グラウンドがいいなということになれば,緑化の公園管理課へ行かなければならない。それから,先ほど申し上げた美香保公園の野球場なら,美香保の体育館にいかなければならない。それぞれの施設を管理しているところに聞かなければわからないと,大変不便なわけでありますが,市民にとっては,公園にあろうが別なところにあろうが,体育施設ということになって,一体化になっていなければおかしいのではないかと思うわけです。
そこで,いろいろ調べてみたのですが,仙台とか東京とか神戸においては,地域サービス情報システムを開発をいたして大変効果を上げているということであります。すべての施設をネットワーク化していくということで,どこにいてもその情報がわかるようなシステムでございますけれども,本市もこういうコンピューター化にちなんでオンライン化をして情報の一元化をするということで,ぜひオンライン化を導入していただきたいということで質問をしたいと思いますので,この2点についてお願いをいたします。
それから,公園の文化性,文化的な利用促進についてでありますが,長総の完成時には,先ほど申し上げたように,市民1人当たり40平方メートル以上ということで,ヨーロッパと同等,あるいはそれ以上の公園がつくられるということで,大変期待をしておるわけでありますが,ただ,莫大な資金をかけていく,あるいはぎんぎらぎんのぴかぴかの公園というよりは,むしろ品格と落ちつきのある公園が必要だと思うわけであります。市民の方々がその公園をどう利用して,どう使いこなしていくかという積重ねが大事であろうと思っているわけであります。昨年から第2次5年計画がスタートしておりますけれども,札幌らしい個性と質の高い生活文化を創造していくと,躍動都市を目指していくのだと,そして21世紀に向けた風格あるまちづくりを進めていくということでありますから,まさにこの部分であるわけであります。
この文化性,文化的な公園づくりというのは,緑化推進部だけやれとは決して申しません。各部局にもいろんなことでネットワークがなされていかなければならないということがありますので,助役あるいは局長,この辺の公園のあり方について基本的な考え方があれば,ぜひひとつお示しをいただきたいとお願いを申し上げます。
◎上野 緑化推進部長 公園の維持管理と利用情報の一元化につきまして,私からご説明いたします。
公園内にございます運動施設につきましては,公園を訪れた方々に気軽に利用をしていただくということを目的といたしてございます。そういう意味での公園の一施設として設置をいたしているところでございます。公園内の他の施設との一体的な管理それから運営が,総合的に判断して,よりベターであろうというふうに考えてございます。
また,利用情報の一元化についてでございますけれども,困難な問題もございますけれども,非常に貴重なご提言と受けとめまして,今後,関係部局と協議をして,他都市の事例等もよく調査をし,研究をしてまいりたいというふうに思っております。
◎前田 環境局長 公園づくりに文化性をどう取り入れるのかということだろうと思いますが,やはり市民の文化性というのは,志向が非常に上がってきていることは事実だと思います。これは,公園づくりに限らず,すべての建物あるいは環境整備においても文化性が必要だろうと思います。できるだけそういうようなことを取り入れる観点で,公園づくりを進めてまいりたいと考えております。
◆高橋[重] 委員 それでは,私は2点質問いたしますが,一つは,川と緑あるいは水と緑という問題です。
北区にはご存じのように,いろんな河川が流れていて,低地帯をつくっていて,先ほど来茨戸川の問題が議論されておりますが,そのほか小さな河川がたくさんあります。また,公園と隣接しているところもある。その公園にある水を生かして,環境をよりよくしていく,また自然を守ると,いろんな役割があると思います。
そこで,一つは創成川の公園的利用ということをかねがね私も主張し,また,地元からも要望のあった問題ですが,緑化推進部においては,これを公園的に利用する計画を立てて事業化を進めるということでございますけれども,これをどういうような内容のどういうような計画で進めようとされているのかについて,まず明らかにしてほしい。
それから,篠路みどり公園というのがございます。宅地開発に伴ってつくられた近隣公園ですけれども,ここに伏籠川支川排水という小さな川が流れておりますが,何せ水源がありません。そこで,水たまりになって,その水が腐敗をして悪臭を放つというような状況です。似たような例は屯田のみずほ公園にある屯田川,これもやはり公園の中にあって遊水池的な,子供が水辺遊びができるように設計が非常によくされております。しかし,金気の水しかない。これも悪臭と汚れ,とても清流というようなものとはほど遠い,こういうようなところがございます。
また,屯田防風林がございまして,北区の自然環境の非常にいいものとして市民の親しみを受けておるところですが,ここが今度街路事業として緑の確保を図っていくということになったようです。あの屯田防風林の中に水を引っ張ってきて,屯田川なり東屯田川に水を流せばいいということは指摘されておりまして,いろいろ具体的な研究もなされておるということですが,いずれもこれは河川課絡みの問題であります。こういう問題になると,事業を進めるのは河川課ということになるわけですけれども,問題の性格はやはり緑化推進部に深いかかわりがあるということです。
こういうような点について,これらの公園の中にある川あるいは隣接する川,そこに水がない,あるいは清流がない,こういう問題についてどういうように認識され,どういうふうにこれに対処するのか。河川課とどういうような協議をされているのか,あるいはしようとされているのか,その辺のところも明らかにしてほしいと思うのです。
それからもう一つは,あいの里公園の中にある遊水路にかかわるポンプアップの施設が公園の中につくられました。遊水路そのものはあいの里公園外にあって,あそこは住宅公団が計画的につくった団地です。そして,川をつくろうということで遊水路をつくって,水を流そうとしたわけですが,水がない。そこで,あいの里公園内にポンプ施設をつくって,そこから揚水して流すと。その揚水した水の一部をあいの里公園の中にあるトンネウス沼に通水をすると。そして,通水施設をつくりました。そのつくったところが,第2次自然といいますか,あの近くのもとの地主さんに伺いますと,うちのじいちゃんが造林したところで,一定の自然をなしているところだと。そこに植生もあって,自然の植物が非常に繁茂していて,環境がある程度整備されております。ところが,その工事に当たって,それをばっさばっさと切ってしまって,つくったわけです。よく聞いてみると,揚水した水をトンネウス沼に流す施設だと。そうだとすれば,そんなことをしないでも,地下水路か何かをつくって,もっと自然を保存した形での工事ができなかったものかどうかということが地元からも指摘をされ,これも河川課の関係なのですけれども,河川課のほうでは復元するように指導していきたいと申しております。
そこで,これは公園の中の工事ですので,当然緑化推進部に事前の照会があって,こういう工事をやるけれどもどうかというような形で進められたのではないかと思いますが,緑化推進部として,ああいうやり方に了解をされたのかどうか私は疑問に思ったところなのです。その辺でどういうふうに対応されたのか,一連のその辺のところも明らかにしていただきたいなと思います。これが一つの問題です。
次は,冬の公園の利用のあり方です。
先ほど常見委員のほうから,公園の下に融雪施設をつくってという壮大なる計画も出されましたけれども,私のは,現在ある比較的大規模な公園が冬どうなっているのかという問題なのですね。公園と言えば,やはり夏に使うというのが主たる役割だと思いますけれども,せっかくある施設ですから,冬にももっと使ってもらう。中でも,最近人気のある歩くスキーというのは,本当にたくさんの人がやっております。ところが,歩くスキーは豊平区のほうとか山岳・山林地帯のほうにはあっても,東区・北区のほうの平原地帯のほうには余り整備されていないという状況ですね。私は,大規模な公園,これからモエレ沼公園もいよいよ完成する,あるいは百合が原公園がある,いま挙げたあいの里公園だって10ヘクタールで結構大きい。結構こういう公園を使った歩くスキーコースの整備あるいは貸出スキーの用意だとか,そういう形で,もっと冬の公園の利用を活発化するという点で何か具体的に取り組むべきだと思うのですね。その点でのお考えをお示し願いたい。以上です。
◎上野 緑化推進部長 まず,創成川の緑地の整備につきましては,河川管理者でございます開発局の石狩川開発建設部の了解を得まして,3川の合流点からJR学園都市線までの4.7キロメーターを今月末に造成に着工いたしまして,平成10年度に完成を予定いたしまして,現在工事を進めているところでございます。内容的には,地域の要望もございまして,桜並木などを植栽する,または休憩施設,トイレ,水飲み台等の設置を計画しているところでございます。
また,河川の水を活用した公園の問題でございます。
個々の公園については,確かに隣接をして河川が流れている,または公園の中を水が流れているという公園がございます。そういう公園につきましても,水と緑というのは一体になった公園に安らぎを与える施設でございますので,非常に貴重なものというふうに考えてございます。そういう意味からも,今後とも諸条件が整いますれば,河川管理者といろいろ協議をしながら,そういう水質の確保というようなことについても対応していきたいというふうに考えます。
また,先ほどのトンネウス,あいの里の公園内の遊水路への水の確保の問題でございますが,私どもが聞いている範囲内でございますけれども,当初計画では沼からポンプアップをして遊水路に流す計画を立てていたと。しかしながら,水質が悪いということと水が少ないということもありまして,井戸を掘ることに変更をしたというふうに聞いております。また,水路の造成に当たりましては,既存物を避けまして,これを縫うように配置をいたしているというふうに聞いております。また,市の河川課より,雨のときには沼へ流すように指導されまして,そのための装置も設置しているというふうに聞いてございます。
百合が原公園の歩くスキーのコースの設置でございますけれども,冬季の公園利用を促進するという立場から,実現に向けた努力をしてまいりたいと思っております。なお,具体的なコースづくりにつきましては,地元の北区とも協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
○加藤[斉] 委員長 以上で,第6項 公園緑化費などの質疑を終了いたします。
ここで,理事者交代のため,委員会を暫時休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後6時30分
再 開 午後6時32分
──────────────
○加藤[斉] 委員長 委員会を再開いたします。
議案第7号 平成4年度札幌市下水道事業会計決算認定の件の質疑を行います。
◆川口谷 委員 それでは,4年度決算の状況につきまして,大きく二つに分けまして質問をさせていただきたいと思います。
まず,1点目でありますけれども,今次の決算は,昨年値上げの後の最初の決算でありまして,その執行状況を特に関心を持って拝見をさせていただいたところであります。値上げに際しましては,大分議論もありました。当時のやりとりの中では,昭和60年から7年間値上げは据え置かれてきたということでありますとか,汚水の私費負担という原則に立ち返って,一般会計の負担をなくしていくと,これも大いに議論のあったところであります。さらに,雪対策に力を注ぐといったようなことが当時いろいろ議会で審議をされて,値上げは決定をされていったということであったと思います。
そういうところで,収益的収支について見てまいりましたけれども,営業収益が422億円ということで,予算対比で9億円の減であります。営業費用では6億5,000万円の減ということで,営業費用が同じく4億5,000万円の減,差引きで予算対比で申し上げますと約3億円強の経営の好転ということが決算書上拝見することができます。それぞれこの1年間,努力をされてきた結果としてこういう数字になったのだろうと思いますけれども,昨年の予算審議の際に,もう一つ見落とせないのは,今後予定する効率化等という説明がございまして,その中で大きく四つほど掲げて,技術革新の導入でありますとか,業務委託の拡大,業務の見直し,効率化下水道資産・資源の有効活用,こういうことを掲げて値上げはするけれども,一方で効率化を図ると,だから,ぜひ認めてほしいということであったと思います。
そこで,質問でありますけれども,1点目として,営業収益の減ということが一つございますし,もう一方で営業費用の節減ということがございますけれども,これらの中身について少しく具体的な説明をいただきたい。それから,営業外費用の減でありますけれども,これらの理由についてもご説明をいただきたいと思います。
時間の関係もありますので,資本的収支についても質問を申し上げます。
資本的収支の収入面では,企業債の収入がやや減とはなっておりますけれども,建設改良事業は順調に遂行されたと判断しております。平成4年度というのは,第6次整備5年計画,平成4年から8年の初年度として大変重要な時期に当たっているというふうに考えております。言ってみれば,本市の下水道事業の最後のピークの段階に差しかかっていると,こういう理解をしております。これまで5次にわたる整備計画を見てまいりましても,最大の規模は,第3次の昭和55年から58年の1,900億円の投資が行われた,これが最高の数字でありまして,それに次ぐ第6次整備計画の初年度と,こういうふうに位置づけられるわけであります。そこで,こうした初年度でありますけれども,過去の年次計画を見てまいりますと,それぞれ1年間繰上げ達成をされているという状況にございます。
質問でありますけれども,1点目は,未整備地区の解消についてでありますけれども,北区の新川西でありますとか南区の藤野・簾舞地区,東区の丘珠それからモエレ・中沼地区,こういったところの未整備地区の整備の進捗状況はどうであるのかについてお答えをいただきたい。
同じく,雪対策であります。
雪さっぽろ21計画の一翼を担うということで,雪対策にも積極的に取り組んできたはずでありまして,汚水調整池,雨水調整池,これらは冬季間には融雪槽として活用するということなど,あるいは流雪溝への処理水の供給,それから下水管への投雪の実験等々,言ってみれば,こういう公約をされておられたわけでありまして,これらの整備状況,進捗状況についてもお答えをいただきたいと考えています。
資本的収支の2点目でありますけれども,建設工事にかかわって,本日の新聞報道もありましたが,大手ゼネコンの贈収賄事件が連日伝えられているわけであります。本市の下水道工事受注業者の中にも,報道されている業者も見られます。名前を申し上げてかわいそうな気もいたしますけれども,悪いものは悪い。大成,ハザマ,清水,西松,三井,挙げればまだ本当はあるのでしょうけれども,私が,この決算書から拾った大きな事業の受注業者の中にこうした業者が見られます。大変けしからんわけでありまして,いずれも本市では指名停止のしかるべぎ処分が行われているわけでありますけれども,今後,これらゼネコンを指名しない場合の第6次整備計画への影響といったものもやはり一方ではあろうかと思いますし,景気対策との関連もやはり目配りしておかなければいけないのではないかなというふうに思いますが,処分の実効が上がっているのかどうかなどを含めて,これらの点についてお答えをいただきたいと思います。
それから,資本的収支の3点目でありますけれども,昨年は62億円,平成5年度は52億円のいわば景気対策としての下水道サイドの大型補正予算が組まれて,それぞれ執行されているわけでありますけれども,私は土木とか建設あるいは下水関係,こういう事業においては,やや業種的に偏りがあるということは否めないと思うのですけれども,特に地場の企業に対するこうした補正予算の波及効果というものについては,どういうふうにとらえておられるのか,これについてもお答えをいただきたいと思います。以上です。
◎白藤 総務部長 私のほうから,決算の営業収支に関する,まず一つは,営業費用の具体的な節減あるいは不用の内容,それから2点目の営業外費用の減った理由,この二つにつきまして簡潔にお答えをいたします。
まず,営業費用の経費節減の内容でございますけれども,主として維持管理にかかわる経費でございまして,執行に当たりましては,効率的に行うということを主たるものとして考えまして,業務量の見直し等により,委託料の関係で約1億3,100万,それから保守管理の徹底により,施設や機器の延命等を図り,修繕費で約8,500万,それから契約電力の節減,運転方法の改善等によりまして,動力費で約7,000万円などの経費の節減を図ったところでございます。
次に,営業外費用の関係でありますけれども,これは二つございまして,一つは企業債の支払利息の関係でございます。これは,皆さんご案内のとおり,金利の軽減,これは数次にわたりまして行われたことによりまして,その支払利息が予算に対しまして減った金額が約3億2,500万円ございます。そのほか,一時借入金利息の減というものが主な内容でございます。以上でございます。
◎小林 工事部長 それでは,私から2点ばかりお答えいたします。
まず,未整備地区の解消につきましてでございます。
新川西地区につきましては,いわゆる地図混乱地区でございますけれども,用地測量を段階的に実施しておりますので,それに合わせまして平成7年度までに整備を完了したいと考えております。それから次に,藤野・簾舞地区ですが,大きくは3ヵ所ばかりに分かれるのですが,1ヵ所は同じく地図混乱地区でございまして,これも確定測量を受けまして整備の見通しが立ってございます。他の2ヵ所でございますけれども,これがちょっと問題でございまして,流末の下水道用地が確保できないということで,現在地権者と鋭意交渉中でございます。それから,丘珠・モエレ地区につきましては,区画整理事業等によりまして流末幹線の整備がされておりますので,これも平成7年度までには片づくだろうと考えてございます。
それから,雪対策の進捗状況ということでございますけれども,5年計画では,厚別融雪槽,発寒融雪槽,それから発寒の流雪溝,創成川の融雪管,それから直接投入ということでメニューを挙げているのですが,現在のところ,厚別の融雪槽につきましては,ご承知のように,ことしの1月にオープンしております。それから,発寒の融雪槽につきましては現在工事中でございまして,平成7年の2月から運転を開始するということで考えております。発寒の流雪溝も同様に工事中でございまして,平成7年1月からということで,来年もまた工事,1年ございます。創成川の融雪管は,ことし工事にかかりまして,4ヵ年の継続事業でやってございますので,平成9年1月から運転開始ということになると思います。直接投入につきましては,ことし発寒で1ヵ所実験をしてございます。そういうことで,トータルで申しますと大体30から40%の進捗状況だろうと。ほぼ5年計画どおりというふうに解釈しております。以上でございます。
◎小西 管渠担当部長 それでは,私のほうから残り2点についてお答え申し上げます。
まず,第1点目の大手ゼネコンの贈収賄事件に関することでございますけれども,大手ゼネコンの贈収賄事件につきましては,甚だ遺憾でありまして,本市におきましても全庁的に該当の業者に対しては指名停止処分を行なっているところでございます。したがいまして,下水道工事におきましても,もちろん指名から除外をされております。現在,下水道工事を行う業者といたしましては,いま名前が挙がりました業者以外にも,地元業者を含めまして施工実績や優秀な技術力を有する業者が数多くありますことから,ただいまご質問ありました事業計画の遂行や,今後の景気対策事業については何ら影響がないものと判断をいたしているところでございます。
それと,もう1点の景気対策の補正事業についてでございますけれども,平成4年度には62億円,平成5年度には52億円と2ヵ年にわたりまして大型補正を実施したところでございますけれども,補正の対象工事の選択につきましては,できる限り地元業者が施工可能な工事を中心に選定しておりますことと,あわせて下水道事業は対象となる業種も土木・建築工事を初め,機械それから電気設備工事というふうに,すそ野の広い事業でありますことから,地元企業への波及効果は十分期待できるものと判断をいたしているところでございます。
◆川口谷 委員 最初の収益的収支のところで再質問をいたしますけれども,一つは,営業費用の節減に大変努力をされたという部分については,それなりに理解をいたしました。白藤部長が言うと,何でも本当らしく聞こえますので,そう受けとめざるを得ないわけでございます。
そこで,これは値上げ1年目の年でもありまして,経常収益率の経年的な変化を見ましたところ,好転をしております。これは当然のことだと思いますけれども,今後の見通しについて,財政計画との関係で追加でご説明をいただきたいと思います。
それから,再質問の2点目になりますけれども,決算書の企業債明細書というのを拝見をいたしました。金利の問題でありますけれども,現在,特に平成4年の企業債の部分で言いますと,金利水準は4%台の低水準にあります。過去には8%という,言ってみれば現在のレベルの倍の金利のものもございます。これは素朴な疑問として,借金をした場合は,金利の高いものから返していくというのは,われわれの生活上の一つの知恵として持っているわけでして,当然企業たる下水道においても,高い山から崩していくのは当然のことだろうというふうに思うのですが,金利の負担軽減という立場から,もっと借りかえなどの工夫ができないものかということで,ひとつお答えをいただきたいと思います。特に,大蔵省の資金運用部の残高が,下水が持っている企業債残高3,002億円のうちの1,230億円近いものがあります。ぜひともこれは何とかつぶしていけないものかという気持ちが素朴にいたしますので,お答えをいただきたいと思います。
◎白藤 総務部長 1点目の平成8年度までの財政計画の収支見通しでありますけれども,平成4年度,つまり料金改定をさせていただきまして,収支の状況が好転をしたわけでありますけれども,ご案内のとおり,景気の低迷によりまして,今後,私どもが頼りにいたしております料金収入が大きく落ち込んでおりまして,この傾向がいつまで続くかという不安材料はございますけれども,一応収入の減をカバーすべく,支出面におきましては,先ほどの効率化に加えまして,金利の引下げというものが私どもにとりましては大変好都合な結果が出ております。さらに,最近になりまして,円高差益の還元ということで,電力料金も10月,11月と2回にわたりまして今後下げられるということでありますので,これらも期待しつつ,私ども大まかな試算をしている段階におきましては,何とかお約束をいたしました平成8年度までの財政計画については堅持していけるだろうという見込みに立っております。
2点目の高金利の企業債の借りかえの件についてでございますけれども,私ども3,000億のうち,いま委員がご指摘になりましたように,政府債のうちで一番大蔵省資金運用部資金が多うございます。これも高金利のものが残っております。ただし,これは私どもの事業に限らず,一般会計も含めたすべての事業に対しまして,一たん融資をした当時の金利については,償還が終わるまでこれは一切変更しないというのが大蔵省資金運用部資金の考え方でございます。したがいまして,これに対しては,今後,これからいろんな努力をしてまいりますけれども,どこまでこの牙城を崩していけるかということが一つの問題かと考えております。
一方,政府債のうち公営企業金融公庫の資金につきましては,7.5%以上のものについては,原則借りかえを認めるということになっておりますけれども,これはいま私ども大都市のように,高普及率を達成しておりますような地方公共団体には該当しない,中小の市町村もしくは下水道財政の基盤が非常に弱いと,それから先行投資が大きくありまして,起債を借りながら事業を行なって,償還をするに当たりまして負担をする相手がいないというようなところを優先的に借りかえを認めるということですので,現在は私どもは該当しませんというのが実態でございます。
一方,民間資金につきましては,10年単位で30年の償還年限のうち10年ごとの節目に借りかえを行うという建前になっておりまして,これにつきましてはきちっと借りかえを行なって,金利の低減,これは経営にも大いに寄与いたしますので,4年度も実施をいたしましたし,5年度以降も続けてまいりたいと,このように考えております。
政府債については,それでは全く手がないのかということでありますけれども,これは私ども事業を行う者にとりまして懸案事項になっておりますので,大都市協議会の仲間とも協議をしながら,来年度の予算に向けまして,国への要望書の中に織り込みながら陳情を行なってまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
◆川口谷 委員 ぜひ金利の軽減という意味では,いま力強い決意の表明がありましたので,ひとつ頑張っていただきたいと思います。これは,高速電車もそうですが,それに次ぐ,いわば投資産業たる下水道としては,金利を軽減するというのはきわめて経営上大きなファクターになるというふうに思いますので,一段の努力をお願いをしたいというふうに思います。
それと,7.5%以上のものについてということでもありますけれども,これをさらに踏み込んで,7%未満のものについても,その牙城を打開するための努力をいただきたいと,こういうふうに思います。
次に,資本的収支の関係に戻りますけれども,未整備地区につきましては,一部を除いてかなり順調に推移しているような答弁いただきました。しかし,なお残っている部分もあるわけでして,ひとつ残った部分については,さらに全力を投入していただきたいなというふうに思います。
投資的な部分での一つは要望になりますが,地場の企業に対してはお答えがありまして,悪いことをしたゼネコンでなくても,十分地場に技術力があるということでございますので,むしろこの際思い切って地場の企業に対するシフトがえということも大いにやるように努力をいただきたいと思います。
もう一つ,私は今回の総合経済対策,景気対策に伴いまして下水が第6次で立てた計画,4年から8年というものが,先ほども答弁ありましたけれども,言ってみれば,4年度に62億円,5年度に52億円という補正をしたことに伴って,5年間1,700億の事業計画がかなり前倒しになった。少なくとも2年間で110億ちょっとのものが前倒しとして執行されているわけであります。そういたしますと,過去の年次計画を見ましても,5年のものが4年で達成をされているということなどを考えてみますと,当然6次計画も早期に計画達成ということも考えられるのではないかなというふうに思いますけれども,一方,これは巨額の財源を必要としますので,この事業の執行上,財政当局との折衝の面でもやや難しい面が出てきはしないかなというふうに思います。しかし,事業そのものは前倒しで早期に完成されることは市民にとっては望ましいことでありますので,この2年連続の大型補正が行われたことと財政計画との関係はどういうふうになっていくのか,これについて局長のほうからひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
それと,先ほど電気料金の話がございましたけれども,この10月及び11月から料金が円高差益の還元などで引き下げられると。これの還元効果ということについても,数字でお示しをいただきたいと思います。以上です。
◎白藤 総務部長 私のほうから,電力料金の円高差益の還元の内容についてご説明申し上げます。
今年度,私どもの事業では,処理場,ポンプ場を含めまして,北電に対する総体の電力料金の支払いは19億7,000万円程度と考えておりました。それが10月あるいは11月と2回にわたります還元の内容で今後試算をいたしますと,3月までの約半年ちょっと切れますけれども,約6,400万円程度支払いが軽減できるものというぐあいに考えております。私からは以上です。
◎松見 下水道局長 大型補正と財政計画との関係でございます。
ご指摘のように,国の経済政策に向けまして,下水道事業といたしましても,ご質問にございましたように,昨年度62億,今年度52億という大型の補正予算を計上したところでございます。この財源といたしましては,国庫補助金と,その残余の部分につきましては全額起債でございます。この起債の借入利息につきましては,ただいま総務部長から申し上げましたように,幸いにも平成3年度末以降,この利率が低減傾向にございます。したがいまして,当初の財政計画と比較いたしますと,支払利息全体で相当の減少が見込まれるという状況にございますので,補正の部分につきましてはこの枠の中で十分対応できるだろうというふうに考えてございます。
それから,補正で実施をいたしました事業につきましては,ご指摘のように,今次5ヵ年の後年次の部分を順次繰り上げて実施をしてきているというものでございます。したがいまして,残りの3ヵ年の事業執行をどうやっていくかというあたりが課題になるわけでございます。このことにつきましては,今後の下水道を取り巻く環境とか情勢の変化あるいは,とりわけ市民要望の強い雪対策と,こういったようなものを十分考慮しながら,毎年度の予算の中で,その都度議会にお諮りをしながら事業を進めてまいりたいと考えてございます。
◆森 委員 大凶作をもたらしました冷夏も終えまして,最近の近くの山には雪便りが聞かれるようになりました。
そこで,私は雪対策に貢献をいたします下水道局施設,エネルギーの有効活用に大いに注目する一人として質問をさせていただきます。
雪と人の生活は,昔からさまざまな取組みをなされて今日こ至っておりますが,また,今後も永遠に続いていく課題であろうかと思います。昔の話は別にしまして,近年,本市におきましては,建設局が主体となりまして排雪それから除雪を主体に雪と取り組んでまいりましたけれども,排雪をされた雪は河川敷地に野積みにされ,そして春の雪解けを待つと,こういったパターンでございましたけれども,近年,河川の環境汚染ですとか,あるいは美観の破壊ですとか,嫌われるという存在になりまして,だんだん河川敷地も使いづらくなった。こういったところに下水道局施設,エネルギーの活用によって,クリーンな雪処理がなされるようになりまして,冬の雪から市民の生活環境を守る雪対策にも大きなさま変わりを期待してきたわけでございます。
厚別融雪槽,安春川流雪溝が供用されているのはご存じのとおりでございます。さらには,先ほどもちょっとお話がありましたとおり,現在は発寒の融雪槽,流雪溝あるいは創成川融雪管など施設の拡大に取り組まれていることは,雪対策への積極的な取組みとして大いに注目もし,また期待をしているところでございます。
なお,厚別融雪槽につきましては,私もことしの2月,直接現場を見せていただきました。ダンプがたまたま来ておりまして,ダンプから投入された雪は1回水中に沈むわけですけれども,出てきたときには,もうほとんどが解けてしまっていると。こういったすごい熱エネルギー,それから流速エネルギーには目をみはったわけですけれども,この厚別融雪槽に対しまして,最近,いきいき下水道賞が建設大臣より受賞された旨報道がありました。このこと自体は,この施設整備に触れました私としても大変うれしいことでございますし,札幌市民にとりましても,また下水道局にとりましても,大変名誉であり,喜ばしいことと感ずるものでございます。
そこで,質問の一つですけれども,この賞はどのような意味を持つ賞なのか,お伺いをいたします。
二つ目には,ことし1月から3月まで,実は下水管に直接投入する実験が西区発寒の鉄工団地を通過する幹線においてなされたわけですけれども,1定のときには,まだ実験中ということもありまして,その資料がまとめられていなかったと。今日,その調査結果がまとまったやにお聞きしましたので,どのようなお話をいただけるのか,この二つお尋ねをいたします。
◎小林 工事部長 まず,いきいき下水道賞についてお答えいたします。
お話のように,いきいき下水道賞というのは,昨年,建設省が創設した制度でございまして,国民の目に触れにくい下水道を見える下水道として,すぐれてアピール性のあるそういう事例を大臣表彰する制度でございます。これによりまして,下水道の役割を広く国民に紹介し理解を深めていただく,こういうことを目的としたものでございます。
このたび,札幌市が受賞いたしましたのは,このうち下水道資源利用部門でございまして,このほか水環境回復部門等合わせて4部門がございまして,ことしは全国から特にすぐれた10市町村が大臣表彰されてございます。
次に,直接投入の実験結果についてお答えいたします。
昨年の実験は,水量,水深の確保ということから,大口径の幹線で実施をし,あわせて,せきを設けて実施してみました。また,騒音対策という問題がございますので,夜間人口の極力少ない地区ということで西区発寒の鉄工団地を選定した次第でございます。
実験の結果でございますが,通常のせきを設けない状態では,ダンプトラック1台の投雪で流れがせきとめられてしまいまして,実用化は困難だという結論に達してございます。
一方,せきを設けた状態では,流量の少ない早朝時でも雪詰まりの問題はなく,スムーズな投雪が可能でございました。
しかし,実用化に当たりましては,1パーティーの最低必要量が1日2,000立米ということもございますので,連続投雪が可能かどうかということがございます。この件につきましては,今後,検討を進めていきたいと,そう考えてございます。
また,騒音につきましては,トラックの荷台からの投雪音,投雪後のあおりの打撃音,それから走行音,誘導笛,これらがいろいろ予想されますけれども,当初予想されたとおり,あおりの打撃音が非常に大きくて,これが騒音規制上の60ホンという値を超えてございます。今後は,より厳しくなります住宅地に接近するという条件での実施も考えなければならないということでございますので,このあおりの細工,遮音,それから昼間投雪への切りかえなど,いろいろ複合的に検討を進めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。
◆森 委員 いまのお話によりますと,まだまだ実用化についてはクリアしなければならない問題があるやに伺いました。そこでまた,今年度も実験を続けるであろうと思いますので,今年度の実施方について,あるいは下水道は合流式,分流式がございます。ただいま合流式においての実験がなされているようですけれども,今後は分流式においての取組みも必要かと思いますので,そういう部分も含めて基本的な考え方について再度お答えをお願いします。
◎小林 工事部長 今年度の調査予定についてお答えいたします。
ただいまご報告いたしました発寒地区につきましては,ことしも引き続き実験を継続すると。それと,新たに周辺の都心部,具体的には中央区の教育文化会館の前に投雪口を設けまして,同じような実験をしたいと。ただ,実験内容につきましては,いまほど申しましたように,実際にどれだけ投雪できるかという可能量の問題がございますので,投雪間隔を制約せずに,排雪の実態に合わせた投雪を試みたいと,そう考えてございます。さらに,ダンプトラックのあおり音の低減につきましても,いろいろ試行錯誤してみたいと考えてございます。
それから,より広範な今後の取組みということでございます。
集約的に申しますと,まず大幹線であること,それから交通アクセスがいいこと,それから騒音問題がクリアできることと,これが場所選定の条件になります。それから,分流式の話も出ましたが,本市の35%が分流式でございますけれども,分流式の汚水管に雪を直接入れるということは,現行法上は禁じられてございます。そうしますと,直接入れるのじゃなくて,ヒートポンプ等の形でもって熱を取り出して,間接的に利用すると,そういう利用形態が考えられます。そういうこともあわせまして,今後,トータル的にどうするのがいいか,そういうことで多面的に検討を進めていきたいと考えてございます。以上でございます。
◆森 委員 下水道の熱エネルギーに注目する一人として,最後お願いを申し上げます。
既設の管に投入するには,さまざまな技術的あるいは地域的問題があるのだなと,お話でこう感じました。せっかくの市民の生活環境をよりよくする事業が,騒音問題という非常に厄介な課題を抱えて,一朝一夕にはなかなか難しいなという気もするわけですけれども,しかし,雪対策に対する下水道局施設の持つエネルギーは非常に魅力的でございますので,もっともっと積極的に利用を図られるべくいろんな技術開発なり調査研究を進めていただきたい,このように思います。
なお,本市では粉じん公害からクリーンな生活環境を守るということで,ご存じのとおりスパイクタイヤが中止になりました。いま,建設局では坂道ヒーティングを大いにやっているわけですけれども,その熱エネルギーは電気,ガスに頼っているところが主流でございまして,非常に維持費がかかるという頭の痛い問題がございます。
最近の新聞報道によりますと,下水の熱を熱源として利用し調査していくというような記事が載っておりましたけれども,お聞きするところによると,先ほどちょっとお話がありましたヒートポンプ方式だと。これになりますと,現行の維持費が2割ないし3割安くなるということでございますので,非常に魅力的でございますので,この研究,取組み方にも大いに意欲を燃やしていただきたい。また,その他多角的に取り組まれることを要望いたしまして終えます。
◆中嶋 委員 最後に,下水道の浸水対策についてお伺いいたします。
ことしの札幌の雨は,4月から9月までで340ミリと昨年の半分程度と,例年になく少ない量とのことですが,本州方面では,長雨による農業被害が深刻でした。また,九州地方では,8月の集中豪雨や台風による被害が相次ぎました。さらに,関東地方は台風11号による被害が大きく,新幹線を含めたJR線や地下鉄が浸水などのため各地で不通となりましたし,神田川などがあふれて,中野区では一時避難勧告を出しました。まさに都市型災害と言えるわけですが,札幌市でも1981年に市街地一帯が水浸しになったということをお聞きしました。すでにこの災害から10年以上の歳月が流れておりますが,災害は忘れたころにやってくると言います。ふだんから災害に対する十分な防止策を怠ることはできないと思います。
そこで,最初の質問ですが,下水道による浸水対策はどのような考え方で計画が立てられているのかお聞かせください。また,浸水対策には長い年月と膨大な費用がかかるとお聞きしていますが,どの程度まで計画が進んでいるのかについてもお伺いいたします。
◎小林 工事部長 浸水対策の基本的な考え方ということでございます。
本市は,昭和40年代の後半から市街地の都市化に伴う地面の浸透能力の減少,それが原因になりまして下水道の整備区域の中でもって浸水を起こすという,非常に逆転した現象が出てきております。ただいま申しました1981年と申しますと昭和56年でございますが,あの記憶に新しい大型台風の中でもって大きな被害を起こしたわけでございます。
こうした状況を背景にしまして,抜本的な浸水対策に乗り出したのが,現在実施しておりますアクアレインボー計画でございます。
計画の基本的な考え方でございますが,まず,降雨の強さにつきましては,従来5年に1度の雨を対象にしておりましたものを,10年に1度の雨までレベルアップしようという考え方でまずやってございます。この考え方に基づきまして,旧計画区域である都心の5キロ圏を主に対象にいたしまして,能力の不足している既設の下水管を増強するということと,それから流末のポンプ能力の不足を増強するということを2本の柱にして計画を立ててございます。また,雨水の地下浸透もあわせて推進していこうということで考えてございます。
事業の進みぐあいということでございますけれども,昭和53年から抜本的な対策に取り組んでございますが,現在までで1,100億ぐらい事業費を投入してございます。拡充管渠でもって110キロばかりやってございます。主要な幹線につきましては,一部を残しほぼ完成してございますが,今後はそれに取りつく準幹線を主体にして整備を進めていきたい。計画の進みぐあいにつきましては,おおよそ半分程度は終わったろうと。まだ半分ございますので,この先10年程度をかけて実施をしていきたいと考えてございます。以上でございます。
◆中嶋 委員 浸水対策の考え方や進捗状況についてはわかりましたが,次にお伺いしたいのは,たとえば56年,1981年並みの大雨が降ったとすれば,浸水状況はどうなるのでしょうか。また,ことしの東京のような雨が降った場合はどういう状況になるのでしょうか。
◎小林 工事部長 ことしの東京の雨ですが,雨の降り方は東京と札幌で規模が違うものですから直接は比較できないのですけれども,確率論的に物を申しますと,ほぼ56年の雨と匹敵する雨であろうと考えてございます。
こうしたときに,現在どうなるのかというお話でございますが,雨の降り方,たとえば降雨の長さ,それから降雨の強さ,また土の湿りぐあい,また河川の水位の状態と,そういう要因がございまして,雨による雨の流れ出し方と申しますか,それは一概に言い切ることはなかなか難しい面がございます。
また,東京の進みぐあいですけれども,聞くところによりますと,ようやく5年に1度のレベルが完成した程度で,これから10年レベルまで上げていこうと,そういう状態のようでございまして,今回のテレビ報道の情景は,ちょうどわれわれが10年前に経験した昭和56年の状態と,そう考えてよろしいかと思います。そういうことから申しますと,現在の本市の進みぐあいから申しまして,今回の東京のような状況は少なくともないだろうと。したがいまして,56年のような降り方はないだろうと考えてございます。
この点につきましては,いろいろ難しい面がございますので,現在,コンピューターを使ったシミュレーションが技術的にレベルが上がってきてございますので,今後,残された地区についてシミュレーションを加えながら,どこを優先すべきかということで事業推進を図ってまいりたいと考えてございます。
◆中嶋 委員 ただいまお聞きしまして少し安心しましたが,しかし,まだ50%の進捗状況ということですので,今後も十分に浸水対策を行なっていただきまして,災害に備えていただきたいと思います。
○加藤[斉] 委員長 以上で,下水道事業会計の質疑を終了いたします。
以上をもちまして,本委員会に付託されました全議案に対する質疑をすべて終了いたします。
次回の委員会は,10月22日午後1時から,付託されました全議案に対する討論及び採決を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
──────────────
散 会 午後7時20分...