札幌市議会 > 1993-10-18 >
平成 5年第二部決算特別委員会−10月18日-07号
平成 5年第一部決算特別委員会−10月18日-07号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 1993-10-18
    平成 5年第二部決算特別委員会−10月18日-07号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成 5年第二部決算特別委員会−10月18日-07号平成 5年第二部決算特別委員会          札幌市議会第二部決算特別委員会会議録(第7号)               平成5年10月18日(月曜日)              ────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人(欠は欠席者)    委 員 長  大 越 誠 幸 君      副委員長  水 由 正 美 君    委  員  山 崎 七 郎 君      委  員  滝 沢   隆 君    委  員  湊 谷   隆 君      委  員  赤 田   司 君    委  員  伊与部 敏 雄 君      委  員  富 田 新 一 君    委  員  西 村 茂 樹 君      委  員  畑 瀬 幸 二 君    委  員  吉 野 晃 司 君      委  員  加 藤 隆 司 君    委  員  長 岡 武 夫 君      委  員  柴 田 薫 心 君    委  員  佐 藤 美智夫 君      委  員  高 橋 忠 明 君    委  員  村 山 優 治 君      委  員  三 上 洋 右 君    委  員  田 畔   満 君      委  員  唯   博 幸 君    委  員  丹 野   勝 君      委  員  春 原 良 雄 君    委  員  柿 崎   勲 君      委  員  義 卜 雄 一 君    委  員  田 畑 光 雄 君      委  員  青 木   護 君    委  員  室 橋 一 郎 君      委  員  道 見 重 信 君
       委  員  菊 田 勝 雄 君      委  員  小 川 勝 美 君    委  員  横 山 博 子 君      委  員  井 上 ひさ子 君    委  員  佐々木 周 子 君      委  員  山 口 た か 君    委  員  菅 井   盈 君              ──────────────                開 議 午後1時 ○大越 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  柴田委員からは欠席する旨,届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第4号 平成4年度札幌市交通事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成4年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆道見 委員  それでは,私から交通・高速電車事業に関して,共通して2点ばかり質問させていただきます。  その前に,管理者初め幹部の皆さん方,そして職員の皆さん方が一体となって再建に取り組んでおられるということに対して,まず心から敬意を表します。経営理念を定められて,交通局職員一丸となって,その経営理念の浸透を進めていくという努力をされているということを聞いております。本当に再建は大変だろうと思いますけれども,また,一つ一つつくる喜びも,一方においては皆さん方お持ちになって,実感しておられるのではないかというふうに思います。  2点ばかりの質問の中の1点は,何といってもわれわれの仕事は,市民を抜きにしてはあり得ないわけで,とりわけ交通局は,市民の皆さん方と直接多くふれ合っている職場のナンバーワンだろうというふうに思います。年間の利用人員から見れば,その数字が物語るように,常に市民の方は交通局と接していると。それゆえに,人と人の折衝,人の難しさというものも,皆さん方それぞれ体験されていると思います。  そこで,どこの企業もそうなのですが,一番苦労されるのは,職員の研修というのですか,どうやって経営のことを浸透をさせて,ともに市民のためにやっていけるかと。これをどうやって一人でも多くの方に隅々までその理念が徹底できるかと。これはやっぱり研修等を通してやる以外,私はないと思います。それで,ご苦労されて再建されているわけですが,その過程の中にあって研修がどのように行われているか。経営健全化前の状態と,それからいま健全経営を進めているわけですが,その後とはどういうような違いがこの研修の中に組み入れられているか。どのような内容になっているか。そして,交通局としては健全化前と健全化後を比べまして,どのように幹部の皆さん方はその研修について評価されているか。この件を第1点目としてお聞きさせていただきます。  第2点目は,私は去年の第2回定例会で,この交通事業については,公共事業として役所という枠組みはありますけれども,収益事業であるということは民間と同じわけですから,経営の近代化といいますか,経営に関して一人でも多くの民間人の意見を取り入れる必要があるだろうということで,交通事業管理者スタッフ部門として,民間人の経営委員会的な組織を設けたらということを提案させていただきました。理事者側の答弁といたしましては,現在,札幌市営交通問題懇話会があると,この懇話会を機動的に運営して,そしてこの懇話会を有効に活用させていただいて,その趣旨をこの懇話会の中に入れて補っていきたいと,こういうような実は答弁をいただいたというふうに記憶をしております。  あれからもう1年経過しております。再建も進めておりまして,この懇話会の活用を実際にそのように進めておられるのか,具体的にどういうようなことが,この懇話会に有効に生かされているのか,この件を2番目としてお聞かせをお願いいたします。以上です。 ◎淋代 事業管理部長  ただいま大きく2点のご質問がございましたが,まず第1点目の研修の計画,これが健全化前と健全化後ではどのように違うのかという点でございますけれども,計画前の平成3年度で申し上げますと,主に,運輸関係職員を対象といたします研修の中で接遇に関する時間を設けておりまして,実施回数は年約20回程度,1回当たり2時間から4時間程度の時間でございまして,これは,あくまでも教習所内での講義方式で平成3年度は実施をいたしております。  計画後でございますけれども,平成4年度からはそういった研修,民間企業に積極的に入り込んで,接客の実地体験をする中から民間企業サービス精神を学び取るというものを一つ目標にしております。二つ目には,特に指導的立場にある職員から実施をいたしまして,管理部門あるいは現場部門を問わず,最終的には全職員が体験をできるようにしたいということで,そういったことを通して意識改革の高揚を図り,さらにはイメージアップにつなげていくというふうに考えているところでございます。  対象者運輸関係職員にとどめないで,管理職員あるいは本局職員まで広げて,いま実施をしているわけでございますけれども,平成5年度で申し上げますと,接遇関係研修を総体では56回予定をいたしておりまして,期間も,3年度は時間でございましたが,5年度からは1日から長いものでは3日間ということで考えてございます。また,何よりもその特徴は,教室内の講義だけではなくて,専門の外部講師による接遇のロールプレイングと申しますか,実習を行なったり,実際に売り場で接客体験をするというような実地訓練に重点を置いているところでございます。  さらに,具体的に主な内容を申し上げますと,民間企業体験研修といたしまして,市内のデパート4ヵ所,4年度では3回40名,これは部課長でございます。5年度は23回370名,係長以下を予定をいたしております。デパートの売り場で接客体験をすることによりまして,接客の基本マナーを身につけるというのを目的にいたしております。  さらには,接遇訓練販売実習でございますが,5年度では20回約300名を予定いたしております。接客の言葉遣いマナー等の訓練をいたしまして,さらには接遇のミニコンテストといいますか,そういったものを実行いたしまして意識の高揚を図るとともに,ウィズユーカードの手売り販売を実施いたしておりまして,サービスの向上を身につけるつもりでおります。  三つ目といたしましては,社内アナウンスの研修。これは,5年度では7回152名を予定いたしております。これは,専門のアナウンス講師による指導を受けて,社内アナウンスの向上を図るということでございます。  四つ目には,現場体験研修ということで,5年度は6回87名,これは,本局の一般職員を対象といたしているものでございます。  さらに,これらの研修を通してどう評価をしているかという点でございますが,この研修は,交通局が新しく生まれ変わるためには,まず職員の意識から変えていこうということで,そのためには,幹部職員の意識から変えていく必要があるということで,私も昨年第1回目の研修に参加をいたしましたが,組合の役員につきましても,本年第1回目の研修に率先して参加をしていただいているところでございます。確かに普段使いなれない言葉や,あるいは姿勢の連続でございまして,心身両面において大変厳しい面もございますけれども,このような厳しい中からこそ,職員の連帯感が生まれてくるものと考えておりまして,きわめて有意義な研修であるというふうに判断をいたしております。  これらの研修の効果につきましては,長い目で見ていく必要があろうと思いますけれども,私どものところへは,「バスの運転手の対応が以前よりよくなった」,あるいは「電話の対応がよい」というお客様の声も多数寄せられておりますし,また,現実に毎年行なっております市民の声の集計結果を見ましても,接遇に関する苦情は減少をしてきておりますので,今後とも継続していくことによって,より一層の効果が期待できるというふうに考えているところでございます。  それから,経営のスタッフとしての懇話会活用状況についてでございますが,札幌市交通問題懇話会というのがございまして,その活用状況についてお話をさせていただきます。  4年度以降は,節目になる予算だとか決算の時期に開催をいたしまして,交通事業の経営上のさまざまな問題についていろんな角度からご検討をいただきまして,これまでに多くの貴重なご指摘,あるいはご提案等をいただいているところでございます。  そこで,ご指摘なりご提案を受けて実施しました内容といたしまして,まず,交通事業のより効率的,積極的なPRを展開すべきとのご意見がございまして,市営交通ガイドを平成5年度版からはよりわかりやすく利用しやすいものに一新をしたほか,地下鉄沿線の施設の紹介だとか,あるいは地下鉄・バスの利用方法等を詳しく紹介をいたしましたさっぽろ地下鉄マップなどを発行いたしまして,さらに職員の活性化策の一手法といたしまして,営業目標あるいは経営目標を各職場で掲げるべきであるとのご提言を受けて,本年の4月から経営理念の職員への浸透や,あるいは経営手法を設定をいたしまして,各職場で掲出するなどの展開を現在図っているところでございます。  また,このほかにもノーマイカーデーの効果的な働きかけや,あるいはプリペイドカードの積極的なPR方法など,多方面にわたりましての助言をいただいております。  また,現在,交通局では,東豊線延長開業に合わせまして,制服のデザインを変えるということを計画いたしておりますが,このために設置をいたしました札幌市交通局被服仕様選考委員会,この委員会の委員に,ただいま申し上げました札幌市営交通問題懇話会の委員さんが3名加わっていただくことになっております。今後は,さらに幅広く市営交通問題懇話会の活動,あるいは意見を取り入れて,少しでも多くの民間センス,あるいは経営感覚といったものを吸収させていただきまして,交通事業の活性化に努めていきたいというふうに考えております。 ◆道見 委員  懇話会が有効に機能しているということで,私も大変高く評価したいというふうに思います。  研修につきましては,いままで研修していなかったことをたくさん取り入れられていると。本当にゼロからのスタートと,ちょっと厳しい言い方ですが,そういうふうに私も受けとめております。それだけ皆さん方のほうで,本当に真剣になってやろうという姿が出ているのだなと。以前やっていた研修から見れば,同じ研修でも時間を何倍もかけているという,こういう苦労の跡がうかがえるわけです。  これ一般の民間企業も同じですけれども,値段が同じで同じものを買うとしたらどこへ行って買うかと,皆さんもお客さんの立場になって考えればおのずから答え出るわけです。同じ路線に市営交通と何かが一緒になって走っていれば,これはどういう基準で選ぶかといったら,まず何でも安ければいいです。安くてサービスがよければ,必ず消費者というのはそっちのほうへ向かうと思うのです。値上げのときだったか記憶が定かではないのですが,たしか小川委員から,新札幌から札幌駅までの料金体系を比較した話がありました。地下鉄は,大通で乗りかえて札幌駅まで行くので,必ずしも正確には対比できないにしても,同じ札幌駅へ行く目的で乗った場合,JRのほうが4割か半分近く安いという話をあのときたしかされていた記憶ありますけれども,同じ目的地へ行って値段が安ければ,そっちのほうへ行くのは,これはもう理の当然だと私は思いますよ。ですから週休2日で利用客が減るとか,景気が悪いから減るとか,そういう競争相手の比較で客観的に明らかに負けるという要素があることによってお客が落ち込むということは,当然,商売やっていれば考えられることなのです。  だけれども,研修というのは,そういうこととは関係なしに企業を評価するバロメーターでありますので,われわれ民間企業においても,社員研修というのは苦労して苦労して,もう終着駅のない課題なのですよ。そういう意味において,皆様方のご苦労は続くかと思いますけれども,もっともっと突っ込むだけ突っ込んでやっていただくと,こういうことがまずは大切ですし,私は努力すれば必ずできると。その例を私は代表質問でも出しましたが,昔,税務署の職員の窓口の対応は,これはもうワーストスリーに入っていたのですよ。ところが,最近は上位になっているのです。それは昼休みであろうが何であろうが優しく応対をすると,こういうこと。ところが,逆に公営企業の職員,バスでも地下鉄でもワーストの最下位のグループを争っているのです。だから過去,同じ公務員が最下位を争っていたのが上位にいっている職場もあるのですよ。ですから,そういう目標があるわけですから,どうか皆さん方もそのような形をねらっていただきたいと。  再質問をさせていただきますが,これだけ研修会をやってこられて,民間企業の中でこうやって多くの方が研修を受けられたわけで,皆さん方の評価は聞きましたが,職員が実際どういうような反応を示されておられるのか。そして,この研修の受講対象者の範囲をどこまで広げて考えておられて,またさらに,こういうことを何年ぐらいのスパンでやっていかれようとしているのか,この件を再度質問させていただきます。 ◎淋代 事業管理部長  3点にわたりましてご質問がございましたが,一つは,職員の反応はどうか。それから二つ目には,受講対象者の範囲はどこまでか。それから何年ぐらいで終わるのかというご質問でございます。  まず,第1点目の民間企業体験研修受講者の反応はどうなのかという点でございますけれども,私ども研修の最終日に1時間ほど時間をとりまして,受講者の感想なり,あるいは意見を聞く場を設けております。さらに,アンケート調査もそれに加えて行なっておりますが,その中では,大変有意義であっただとか,あるいは販売員の接客マナーを参考にし,今後業務に役立てたいというような意見が数多く出ております。また,アンケート結果につきましても,有意義であったというのが大半を占めているところでございます。  さらに,研修の開始当初は,やはり何といってもなれない仕事の体験ということで不安感もあって,職員間にそれなりの抵抗感がございましたが,現在では,研修終了者の話などが各職場に伝わってきておりまして,そのような研修に対する抵抗感というものも,かなりなくなってきたというふうに判断をいたしているところでございます。  それから,第2点目の受講者の範囲でございますけれども,現在実施いたしております民間企業体験研修,あるいは現場体験研修といった体験研修は,これは全職員を対象に実施をしていきたいというふうに考えております。  それから,終了のめどということでございますけれども,基本的には,当面は来年度に予定をされております東豊線延長開業時までに全職員について実施をしたい。さらに,ハード面イメージアップとあわせて,ソフト面イメージアップも向上させたいというふうに考えております。いずれにいたしましても,早い時期に全職員が体験できるようにしたいと考えておりますし,また,この種の研修は継続していくことが力であり,効果的でもあるというふうに判断いたしておりますので,今後も引き続ぎ実施をしていきたいと考えております。以上でございます。 ◆道見 委員  最後,要望をさせていただきます。  再建をされているご苦労の中で,本当に民間的な手法をどっぷり入れなければできない部署というのも現実にあると思うのです。それは,一つには,いわゆる資産の有効活用の分野だとか,職員の研修を含めた,企業でいう品質管理という分野ですけれども,こういうのはまさしく民間手法そのものだと思うのです。担当の教習所長という名前なのですか,いま。これも全く古い役職名ですね。教習所というと,何か自動車の教習所というイメージがあるのかどうかわかりませんが,もっと近代的な名称で,こういうのを担当している部署というのは,私も品質管理だとか資産の活用は民間から人材を投入すべきだという提案もしてまいりましたけれども,もっと明るい名称で,そして,課長職がいいのか部長職がいいのか,もっとそういう部署を格上げして,全面的に力を入れてほしいなと。  交通局が成功することで,全市の窓口が市民にとっていい窓口であったということのモデルケースになるのではないかと,私はそう期待をしております。よろしくお願いいたします。 ◆小川 委員  私も,市営交通について質問をさせていただきます。  市の交通局の職員の皆さん,現場の職員,あるいは事務・技術の職員の皆さんも,一昨年来,財政の健全化に向けて大変なご努力をされていると,こういうふうに私も認識をしています。しかし,市長の政策の選択の誤りが市民の市営交通離れを起こしている。この問題について,まずお尋ねをしたいと思います。  昨年の臨時市議会代表質問で,料金の値上げが乗客の逸走を招くということを質問させていただきましたけれども,市長は,いままで地下鉄なんかはないと,バス事業で若干あるだけだと,こういうふうに述べられました。それから,議案審査特別委員会で私は具体的事例を挙げて質問をいたしました。今回の決算を審議するに当たって,料金改定後の乗客の減少,どうなっているのかをあらためてお尋ねをしたいと思うのであります。  それで,監査委員皆さんから審査意見書が出されています。ここに一般交通,それから高速の輸送人員の実績対前年比較表が載っております。軌道事業で言うと,昨年1年間で,1日平均輸送人員が電車で510人減少しています。それからバス事業でいうと,1日当たり5,423人減少している。そして地下鉄でいいますと,1日当たり1万2人の減少を引き起こしています。  それで,前回の臨時議会委員会に配られました収入の説明,料金改定によってどういう収入増を図るかと,こういうご説明がありまして,そのときの資料であります。路面電車については,13.7%の料金改定で1億6,300万の増収を図る。バス事業では,14.7%の料金値上げで14億3,600万の増収を図る。地下鉄については,15.1%の値上げ率で47億4,800万円の増収を図る。3事業合わせて平均で15.0%の引上げ,増収額は63億4,700万円,こういう説明をされていました。  しかし,この決算を見せていただきますと,大幅な値上げをしたのでありますから,料金収入は当然ふえるわけでありますけれども,地下鉄では,47億の計画に対して38億しか伸びていない。いまこのように1日1万2人も落ち込んでいる。バス事業については,14億の増収計画に対して8億8,000万円しか伸びなかったと,こういうことであります。電 車についても,1億6,000万円の増収計画を立てていたわけですけれども,1億3,000万円にしかならないと。合わせて63億4,700万円の増収計画を立てていたわけですけれども,実際には48億1,000万円。こういうことで,乗客の逸走に伴って,当初議会に説明していたときよりも15億3,700万円も減収になっている,こういうことに示されているのではないかなと,こんなふうに思います。  それで,こういう大きな落込み,料金の値上げによる市営交通離れ,電車においてもバスにおいても地下鉄においても,乗車人員が対前年度比で1日当たり平均で減少をしていると,こういうことであります。だから,地下鉄で1万2人ということは,1年間に直すと全輸送人員で365万人減少していると,そういうことであります。しかも,市営交通がこれだけ乗客を減少させている一方で,JRについては,統計さっぽろで調べましたら,札幌市内の各駅,去年の3月とことしの3月の時点で,札幌市内の全駅平均で11%の乗客増になっております。JRの列車です。そのうち地下鉄と競合する駅,ここについては,新札幌で14.6%増,琴似で6.5%増,新琴似で13.8%増,こういうふうにJRの列車は乗客増になっております。それでは,地下鉄の競合駅で乗車人員はどういうふうになっているか,こういうふうに見ますと,新琴似と競合する麻生は,去年1年間で1日当たり平均803人,2.36%の減少であります。それから琴似でいいますと,1日乗車人員で1,044人,4.2%の減少,新さっぽろ駅を見ますと,1日で1,046人,4.1%の減少と,片方では14%,15%伸びているのに,地下鉄の駅はこうやって,特に競合駅で大幅に減少しているという事態をつくり出しています。これをどういうふうに評価されているのか,お尋ねをしたいと思います。  あわせて,昨年,地下鉄でいうと1万2人も減少いたしました。本年度,4月になったら1年たったのだからもう落ちていないのかどうなのか。これを,地下鉄ではどうなのか,バスではどうなのか,電車ではどうなのか,具体的にことしに入っての乗客の増減,推移についても,あわせてお示しをいただきたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,第1点目の料金改定による逸走,あるいはJRへの,これも逸走ということだと理解をいたしておりますが,これについてどういう評価をしているかという点でございます。  平成4年度の料金改定後の輸送実績を見ますと,ただいまご指摘のございましたように,前年実績を下回る結果に終わってございます。そこで,料金改定による乗客の逸走についてでございますけれども,これまで改定直後には人員減が見られるものの,年度を通して見たときには回復している状況にございましたが,今回については,5年度に入っても減少傾向にございます。そういったことから,落込みの要因がかなりふくそうをしているというふうに理解をいたしております。  この輸送の落込みの大きな原因といたしましては,週休2日制の拡大に伴う土曜日の利用人員の減や,あるいは景気の後退による都心部集客施設への出控え傾向,あるいはさらに申し上げますと,マイカーの増加等が主な原因と私どもはとらえております。  ただ,今回の料金改定によりまして,JRとの料金格差が一層広がったために,JRに隣接するバス及び地下鉄利用人員がJRに移行したという見方ができる,そういう傾向も多少あらわれておることも事実でございます。  それから,第2点目の平成5年度の輸送実績でございますが,軌道で申し上げますと,対前年比でございますけれども,平成4年度との比較で96.8%,自動車で申し上げますと97.4%,高速電車で申し上げますと98%,これら3事業合わせまして97.9%という数字になってございます。以上でございます。 ◆小川 委員  電車・バス,それから地下鉄,ことしに入っても落ち込んでいると。96.8%,97.4%,98%というふうにご説明がありました。それじゃ電車・バス・地下鉄で,1日当たり乗車人員の数で言うとどれだけ落ち込んでいるのか,具体的数字でお示しください。 ◎淋代 事業管理部長  ことしの4月から8月までの累計で申し上げたいと思います。対前年比,電車で申し上げますと96.8ということでございますので,1日平均2万4,830名,自動車につきましては20万9,288名,高速電車につきましては58万6,527名,これが4月から8月までの1日平均でございます。 ◆小川 委員  それでは,その対前年の1日当たりの減少人員を具体的にご答弁願いたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  どうも申しわけございません。いま数字を精査しております。 ◆小川 委員  なぜ淋代部長がこの落ち込んでいる人員をあえて言わないのか。これ皆さんからいただいた資料をもとにして,ただ淋代部長がきちっと述べてくれればいいのですけれども,私の質問にあえて的確に答えない。こういうことでパーセントで述べる。それから乗車人員総数で述べる。1日当たり何ぼ落ちているのだと聞いているのに,質問に答えないような答弁されるから時間がかかるわけでありますので,それじゃ私がお答えをし,具体的にお示しをいたします。  淋代部長,答えますか,それじゃどうぞお答えください。 ◎淋代 事業管理部長  はい,申しわけありません。  電車で申し上げますと,累計では814名。それから路線バスで5,436名,それから地下鉄で1万1,687名と,こういうことでございます。 ◆小川 委員  いまご答弁をいただきました。電車では1日当たり,去年に比較して814人減少している。バスでいうと5,436人1日当たり減っている。地下鉄は去年は1万2人であります。ことしに入って,去年と比較してさらに1万1,687人減少していると。これは非常に大変なことだなと,こんなふうに私は思うわけであります。去年1日当たり地下鉄で1万人減少し,去年1万人落ちた上に,ことしになってさらに1万1,687人,ことし1年同じような推計で進むと仮定しますと,料金改定前に比較して,今年度の輸送人員というのは,1日平均で2万1,000人以上減少すると,こういうことになるわけであります。  そこで,事業管理者にお尋ねをいたします。全庁一丸となって,平成4年度から平成8年度までに地下鉄輸送人員の増を計画しております。そういう需要喚起策をとっております。さしあたり当面1日2万人ふやすことが,この需要喚起策の大事な柱になっています。そうすると,これは平成4年から8年までの5ヵ年でトレンド,いままでの推計で南北線も東西線も,そして東豊線も乗車人員が年間伸びてくると。この上にさらに需要喚起で2万人足すことによって,さらに第2次の需要喚起策で2万人に対して1日当たり4万人を増加することによって,地下鉄財政の健全化を図ろうというのが需要喚起策の柱であります。  ところが,いままでの推計どおり乗車人員が伸びてくるという前提の上にさらに2万人足すわけでありますけれども,今日ではそのトレンドとは逆な方向に向かって,去年は落ち込み,さらに今年度に入ったらさらに落ち込んで,すでに1日当たり2万人を超える減少。こういうことになったら,需要喚起で仮に2万人増になったとしてもプラスにならないということです。逆に,いますでに2万人減っているわけですから,これからまともな需要喚起策がとられたとして,1日2万人ふえたとしても,料金改定前の乗車人員をやっと確保するにしかすぎないと,こういうことになったら,市営交通,特に地下鉄財政の健全化の展望はどうなるのか,この点について管理者はどう考えておられるのか,お尋ねをしたいと思います。 ◎土榮 交通事業管理者  ただいま減少のことにつきましては,管理部長からいろいろお答えを申し上げました。一番大きいのは,料金改定の問題もありますけれども,この不景気が非常に大きな原因を与えているのではないかと,こういうふうに実は思っております。これは札幌市の地下鉄だけではなくて,全国的な傾向としてそういう状況にございますので,まず第一に景気が回復したときにやはり人の往来が多くなって,その部分で需要も回復していくのではないか,そういう期待を実は持っていますし,ぜひそうなっていただかないと,交通事業としては,一層困難な経営状況に陥るということでございます。  そこで,私どもとしては,交通局としてできるいろいろな施策を講じております。たとえば,土曜日のサタデー・テーリングであるとか,夏休みには夏休みのテーリングだとか,いろいろな交通局独自の事業を展開はいたしておりますけれども,これはなかなかこの需要の落込みを回復するまでには至りません。したがいまして,前回緊急の局長会議を開いていただきまして,その中で全市的なイベントだとか,そういうことの取組みをお願いをいたしております。  一方,いまどうするのだと,こう言われましても,なかなか利用していただけない状況にありますし,われわれでできるものは限られておりますけれども,限られた中で努力をして,やはり公営交通として安定した経営を続ける努力だけはしていかなければならないと,こういうふうに思います。 ◆小川 委員  長引く不況が市営交通,札幌市の地下鉄であるとか,あるいは電車・バスの乗車人員の減につながっていると。確かにそういう側面もあるだろうと思うのです。ただJR北海道は,去年14%とか15%という乗車人員をふやしながら,ことしに入ってもなおふやしています。特に地下鉄と競合する駅,ことし8月の対前年の乗車人員の伸びを見ますと,新札幌駅で7.9%乗車人員を伸ばしています。それから新琴似で11.6%,琴似で5.3%乗車人員を伸ばしています。こういうふうに,大きな運賃格差が,片方で地下鉄での乗車人員の落込みをつくり出しながら,JRのほうに移行させていると。これがやっぱり大きいわけでありますから,ただ単に不況だけではないということを頭に置きながら,乗客にはどうやって地下鉄に戻っていただくのかと,こういう対策を考えなければならないと思うのです。  そこで,次の問題についてお尋ねをいたします。  来年10月に東豊線の延長部分の開業をする。これに向けてウィズユーカードの直接方式を導入する。ウィズユーカードを直接投入して使えるようにするのと同時に,プレミアム,割引を考えていくということをあわせて検討されています。来年10月の東豊線のオープンで,きちっとそれに対応していくことになるのかどうか。  それとあわせて,先ほど管理者がご答弁されましたように,週休2日制の実施拡大という中で,今度通勤定期を買っても割高になる。週休2日制だ,さらには年次有給休暇を使うこともある,出張に行く日もある,こうなると,定期を購入しても,札幌市営交通の定期は割引率が低いために余りメリットがないと。今度はウィズユーカードを使おうと,こういうふうなことになるのでないかなと思われますが,そういうウィズユーカードのプレミアムとあわせて,定期の割引率を見直して,そして来年10月の東豊線の開業に間に合わせていくと。そういうことで,結局JRに移行している乗客を戻すとか,あるいは移行を食いとめるとか,そういう運賃上の格差の是正,こういうことを図っていくことが重要だなと,こんなふうに考えるのですけれども,これらに対してどう取り組もうとされているのか,お尋ねをしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,プリペイドカードの直接方式の導入でございますけれども,これはさきの委員会でもお話し申し上げましたが,来年の東豊線の開業時期に間に合わせるように導入を図っていきたいと,こういうことでございます。  それから,プレミアムつきのプリペイドカードの検討の件でございますけれども,これは,ただいまご質問のありました定期の割引率,これとの関連もございますので,これらについては,次回の料金改定の時期までに検討をしていきたいと,このように考えているところでございます。 ◆小川 委員  次回の料金改定で値下げすると言うのならわかりますよ,これだけ運賃格差が開いているのだから。たとえば,先ほどお話にありましたように,麻生と札幌駅,それからJRの新琴似と札幌駅との間で,定期でいうと,JRは5,870円ですよ,それから地下鉄は9,240円ですよ。4,000円近い開きになっているわけですから,これを料金改定時期に合わせて,料金引き下げてなお割引率も下げると言うのであるならば,これは市民も戻ってくるけれども,いまでさえ運賃格差のある上にさらに料金値上げをして,そして割引率を少しぐらい拡大したり,ウィズユーカードのプレミアムをつけただけでは,さらに乗客が逸走する,逸走に拍車をかけると,こういうことを申し上げておきたいと思います。  最後に,財政問題との関係で,地下鉄の建設費のほとんどを起債で賄ってきておりますが,この決算書の最後のほうに,いつ起債が発行されて,いま現在高幾らになっているかというのを見まして,ここの発行時期の利率が載せられております。公営企業金融公庫の起債であったり,大蔵省資金運用部資金であったり,そういう中に,いまなお年利8.2%と,こういう高い金利の起債が残っておりますが,以前に一部高い利率の起債を繰上げ償還した,こんな記憶もございますし,こういうような高い利率の金利については,今日の低金利時代に合わせて低利のものに借りかえすると,こういうようなことをすべきだと思うのでありますがどうなのか,お尋ねをしたいと思うのであります。 ◎淋代 事業管理部長  8%以上の高金利企業債でございますけれども,いま現在184億ほどございますけれども,低金利の今日でございます。借りかえということが一番望ましいわけでございますけれども,こうした高金利企業債の借りかえにつきましては,関係各都市等と協力をして,国に現在強く要望を重ねているところでございます。 ◆小川 委員  地下鉄建設というのは財政収支が30年,建設時に起債を借り入れてやるわけですけれども,金利の変動があって,高いときに借りたのは25年間とか28年間高いままでいくというようなことについてぜひ考えていかないと,インフレ下の金融引締めのときに借りると高い利率のままずっといくと。低利のときに地下鉄建設しようと思ったらこれは運輸省が認めないと,こんなことになると,大変な財政問題に発展しますので,ぜひこういうことを認めていくこと,そのことによって弾力的な起債の償還ができて,また,財政に悪影響を与えないようにするように,国に制度改善を強く求めるよう奮闘していただきたいと,このことを要望して終わります。 ◆山口 委員  私は,2点についてお伺いいたします。  1点目ですけれども,現代の移動の権利ということで,最近交通権という概念というか言葉が広まっておりまして,私どもも以前代表質問で使わせていただいて,交通権の確保ということが,交通局にとっても大きな命題だろうというふうに考えております。最近の新聞報道によりましても,交通権110番というような電話相談を行いながら,いわゆる交通弱者と言われる方たちにとって,交通がどうなのかというような取組みもされております。運輸省でも,昨年から全国の乗り物の優しさ指数を点検するというような取組みも始めておりますし,札幌市の交通においても,それは例外ではないというふうに考えております。  先日,視察で九州等に参りましたときも,地下鉄の中で,次の停車駅を表示するような,そういう表示システムがありまして,それは聴覚障害者の方だけではなくて非常に便利だなというふうに感じてきたのですけれども,それに関しましては,東豊線の新型車両から順次導入されるということで,非常に評価をしたいというふうに考えます。  そこでもう1点,別な角度から,地下鉄車両の中の車いすやベビーカーなどのスペースの確保についてなのです。それについて,地下鉄,都市によっては広い場所をとってありまして,大きな荷物があったりした場合も置けるようなスペースがとられているのですけれども,その確保につきまして,東豊線延長時の新車両,それから既設線についてどのようにお考えになっているか,お考えと今後の計画についてお示しいただきたいと思います。  それから,現在はまだまだエレベーターのある駅が少ないわけですけれども,そうするとどうしても階段などを利用しなくてはいけないという状況になっております。距離感とかがつかめない弱視の方たちなどのために,階段の端に黄色いラインが引いてあったりはするのですけれども,ほとんど色がはげかけて用をなしていないというような駅も多数見かけます。それらの整備についてどうお考えか伺います。  それから,2点目はバス事業についてです。  これまでは夏ダイヤと冬ダイヤで運行を行なっていたわけですが,昨年から,それが通年ダイヤになったというふうに聞いております。素人が考えますと,当然冬のほうが運行には時間がかかるはずではないかというふうに感じるのですけれども,通年ダイヤということが本当に可能なのかというふうな疑問も感じました。1年間行なってみてどうだったのか,ダイヤ通年化への背景,経過について1点目といたしまして伺います。  それから,2点目としては,その結果の経済効果はどうであったのか。  それから,3点目といたしまして,定時性の確保等でサービスの低下はなかったのかどうか。市民の苦情等がふえたのではないかという気もするのですけれども,その辺についてあわせてお伺いいたします。 ◎新村 自動車部長  バスの関係で3点ございました。  1点目は,通年ダイヤを実施したその背景でございますが,これは,最近における交通環境の整備に伴いまして,夏・冬における運行速度に差異がなくなったと。それからもう一つは,夏・冬における企業及び各種学校でございますが,この通勤・通学の時間帯が一定になってきたということで,状況の変化に対応いたしまして,昨年5月から,従来の年2回のダイヤを年1回の通年ダイヤに変更したわけでございます。  そこで,2点目の経済効果でございますが,いま申しましたように,いままでの2回から1回のダイヤ編成になりまして,ダイヤ編成のときに必要なダイヤ編成業務,さらにはワンマン放送テープの関係とか時刻表の作成,これらについて半減したということになりまして,約4,000万程度の経済効果が生じております。  次に,3点目の定時性の確保でございますが,基本的には,通常の場合,夏と冬との運行に要する時分差につきましては,おおむね2分以内の範囲でございまして,通年ダイヤ実施に伴う影響につきましては,昨年の場合はございませんでした。ただ,どか雪等で交通環境の悪化によって,恒常的におくれが生じた場合につきましては,適時停留所の表示時刻表を一部改正しまして,利用者の方々に可能な限りご迷惑はかけないと,こういうような方法で対応いたしております。  それから,遅延に関する苦情の関係でございますが,従前と比較しまして,全く遜色はないと,こういうことでございます。以上でございます。 ◎新関 高速電車部長  まず,車両における車いすスペースの関係でございますが,現在本市の地下鉄につきましては,1編成中に1ヵ所のスペースを設けてございます。東豊線延長開業に係る車両につきましても,それと同様な形で確保していきたいと思います。  既設線の関係では,南北線の初期導入車両につきまして,2,000系でございますけれども,これらのスペースについては設置されてございません。17編成程度ございますけれども,これらは平成6年から更新に入ってまいりますので,更新に当たっての車両につきましては,現在他線にも設置している水準で確保をしていきたいというふうに考えてございます。  それから,駅舎における平たん部と階段部の段差を識別するスコッチテープ,黄色い色で約50センチ幅で表示をしてございます。これは相当の方々が利用するところでございます。常時各駅部門で巡回等の中で,これが薄くなっている部分については,その都度,張りかえをするという形で対応してきております。 ◆山口 委員  交通権につきましては,今後ともそのような方向でやっていただけるというようなことですので,頑張っていただきたいというふうに思います。  2点目の通年ダイヤのことなのですけれども,いままでの苦情と遜色がないというようなご答弁で,苦情はあったけれども,このことによって特にふえたということではないというふうに理解をいたしますけれども,聞くところによりますと,運行計数器とか化学的なものに基づきまして,ダイヤを作成しているというふうに聞いておりますし,どの停留所で何名乗ったというようなことも,すぐにわかるようなシステムになっているというふうには伺っております。
     4,000万円の経済的効果ということで,やはり努力の跡を評価したいなというふうに思いますけれども,時間のおくれとしては2分ぐらいで許容の範囲ということでしたけれども,たとえば1停留所間で2分おくれたといたしましても,最後の10ヵ所目ぐらいになりますと,15分とか20分のおくれになるのかなと。そうしますと,やはり冬場などはどうしても苦情が出てくるのではないかというふうに感じますが,その定時性の確保につきまして,今後一層どのような計画,対策をお考えになっているのかということを伺います。 ◎新村 自動車部長  ただいまのご質問は,定時性を確保するために,今後どういう方策を考えているのだということでございますが,まず,基本的には路線の巡回を強化していくと。それから,バスの車内に搭載しております無線機が約100台程度ございますが,これを積極的に活用していくことによって,運行状況を的確に把握いたしたいと,こういうふうに考えております。とりわけ遅延が著しい日におきましては,たとえば主要バスターミナルに臨時的に職員を配置しまして,代替車両を投入して臨機応変に対応していきたいなと,こういうふうに考えている次第でございます。  次に,これらの施策と並行しまして除排雪の徹底,さらにはロードヒーティングの増設,バス専用レーンの拡大等,いろいろ交通環境の整備に向けて関係機関に積極的に働きかけていきたいなと,こういうふうに考えている次第でございます。以上でございます。 ◆山口 委員  それでは,最後に要望になりますけれども,先ほど道見委員のほうから接客についての質疑がございました。バスだけで1日6,600便が走っているということで,冬などはおくれることがどうしても避けられないと。その中でやはり職員の態度,運転なさっている方の一言などで,ずいぶん待っていた人たちのいらいらか解消されるというようなことで市民の方の声が届いております。ぜひ接客,接遇,それから職員研修のほうを頑張っていただきまして,一人でも多くの方に乗っていただけるような方策を考えていただきたいということを要望いたしまして終わります。 ◆西村 委員  私は,東豊線の豊水すすきの駅から福住までの,現在工事が行われております延長部分についての質問をしていくわけでありますけれども,とりわけ,いま現在工事が進められているこの延長部,平成4年度の決算を見ますと,3年度からの繰越額合わせて232億1,600万円と,昭和63年度に建設が始まって以来,繰越しなしで全額執行されているわけでありまして,この金額から見ましたら,工事も順調に進んでいるのかなと,こういうぐあいにうかがえるわけであります。  そこで,開業の時期なのでありますけれども,ことしの1定の予算議会の中で,わが党の伊与部議員の質問に対して,平成6年12月の開業予定をできるだけ早めるよう頑張りたいと。そして,ことしの秋ごろには,北海学園前駅の工区,この進捗状況がこれからの開通時期を大きく左右するであろうと,そういった見通しを持ちながら,何とか頑張っていきたいという決意表明があったわけでありますけれども,いまのこの現時点における工事の状況,とりわけこの学園前の工区,どのような状況になってきているのか。そしてまた,開業時期についても,その工事の状況からして,具体的に来年の秋という努力目標がある程度見通しが立ったのかどうなのか,その辺について,まず明らかにしていただきたいと思います。  そして,二つ目には,この東豊線が開業した後の乗客の問題なのであります。  先ほど小川委員のほうからも,近年,乗客数が激減をしていると。したがって,今後の再建事業に大きな影響が出てくるのではないかという,そんな危惧をされているわけでありますけれども,特にこの東豊線の延長部分に当たっては,ある程度の予測をしながら建設事業が進められているわけでありますけれども,果たしてこの開業に伴ってどの程度の需要増が生まれてくるのか。あるいは,いまありました見込み数が本当にそれだけできるのかどうなのか,それもあわせてまずお聞きをしておきたいと思います。 ◎若原 建設部長  現在の東豊線工事部の進捗状況について,ご説明をさせていただきます。  現在,工事は土木関係の構築,軌道,それから道路の仮復旧工事がほとんどの工区で終わっておりまして,9月末現在での進捗状況を申しますと,土木工事が97.2%,軌道工事が98.3%,それから建築工事が74%,電気設備工事が69.9%でございまして,全体で申しますと,進捗率は90.4%となっておりまして,順調に推移してございます。  今後におきましては,駅の仕上げ並びに各種設備及び運行管理システム等の建築・電気関係工事が中心となりまして,平成6年春からの列車の試運転,さらに駅務員等の教習訓練を経て開業ということになります。  開業予定についてでございますが,ネックとなっておりました学園前駅工区の見通しが立ったため,何とか12月開業予定を2ヵ月短縮できるめどがつくところとなりまして,今後,平成6年10月の開業に照準を合わせて努力してまいる所存でございます。以上でございます。 ◎淋代 事業管理部長  第2点目の東豊線延長部開業時の需要の見込みでございますが,これにつきましては,現状の需要の減少傾向,約1.6%程度減少しておるわけでございますが,そういったものを見込んで約6万程度開業によって見込めるというふうに判断をいたしております。 ◆西村 委員  いま,おおむね平成6年の10月開業にめどが立ったというそんな答弁をいただいたわけです。東豊線の開業に伴って,関係する豊平区民だとか,あるいは札幌市民にとってみれば,新たな交通体系の充実ということでは大変うれしいニュースであるわけであります。  しかし,そういった状況の中で,もう一つ側面から見ると,一番最初は,建設が始まるときには,平成7年3月末に開業するという予定の中で工事が組まれたわけでありまして,現行の継続費1,018億8,500万円,これが一つの基本になって平成7年3月末までの継続費として予算が組まれているわけであります。しかし,10月開業ということでありますから,おおよそ5ヵ月早まって工事が終わると。こうなっていきましたら,建設費,それに伴う人件費等々が浮いてくる計算になるわけであります。私どもでは5ヵ月短縮することによって20億円ぐらい浮くのではないかと,そういうぐあいに判断をするわけでありますけれども,この継続費の総額,最終的見通しは大体どのぐらいになっていくのか。その辺もあわせて具体的に明らかにしていただきたいと思いますし,また,平成4年の1定で継続費の減額変更を行なっているわけでありますけれども,今回も節約をし,節減できたこの費用というものがどのような形で処理をされようとしているのか,その辺について明らかにしていただきたい。  それと,もう一つはスケジュールなのですけれども,10月開業の見通しが立ったと言いますけれども,平成6年春ごろから試運転に入っていきたいということでありますが,来年の春といっても3月,4月,5月いろいろありますから,どのぐらいからこの試運転に入っていくのかもあわせて具体的にお示しをいただきたいと思っております。  それから,需要喚起の関係で,需要増加については約6万人もあるというぐあいに,いま答弁をいただいたわけでありますけれども,現在,週休増だとかバブルがはじけたという,先ほど経済効果の関係で大変減っているという話もございました。しかし,それにしてもこの落込みの中で6万人を確保するということは,僕は至難のわざではないかというぐあいに考えております。  そこで,需要増加対策として,それぞれまちづくりを含めながら,一般会計を含めながら,全庁を挙げてやっているわけでありますけれども,この東豊線の開業に伴って,またこれをめどにしながら,具体的に交通局における需要喚起策として,どのような形でまちづくりを進めていこうという考え,あるいは一般会計にどういった要請をしながらこの需要喚起策に対処しているのか,その辺も具体的に明らかにしていただきたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  ただいまの4点のご質問の中で,私のほうから,1・2点目につきましてご答弁をさせていただきます。  いま,委員のご質問にありましたように,現行の継続費は1,018億8,500万円でございますが,平成7年3月に開業することを前提にいたしまして設定をしているところでございます。開業が5ヵ月早まりまして,平成6年10月末までに開業するといたしますと,人件費等の建設諸費,これが約5億円,それから建設利息で約17億円,合わせて約22億円の建設費が節減となるということに相なります。  それから,継続費の最終的な見通しでございますけれども,5年度の執行状況なり6年度の所要額につきまして,来年度の予算を組む段階で精査をさせていただきまして,総額を固めた後に継続費の変更につきましてご提案をさせていただきたいと,このように考えております。 ◎若原 建設部長  まず,来年に入ってからの試運転についてでございますが,来年に入りますと,いろいろ運行管理システムだとか設備指令システム,あるいは信号保安装置等につきましての検測車走行が,おおよそ3月ごろから入る予定をしております。さらに,実車デバックと申しまして,これらのシステムが正常に働くかどうか,このチェックをやりますが,これをおおむね4月ごろから開始すると。最終的な教習訓練,これの訓練開始をおおむね8月ごろからやる予定で考えております。  それから,東豊線延長部の環境整備についてでございますが,委員のご意見のとおり,地下鉄沿線にふさわしいまちづくり計画の推進は,重要な都市課題と考えております。したがいまして,健全かつ合理的な土地の高度利用の推進を基本方針といたしまして,東豊線工事部沿線においても諸施策を講じております。  具体的に申し上げますと,学園前駅,豊平公園駅,美園駅の3駅の沿線の用途地域については,すでに住居系から商業系に変更するとともに,末端駅でございます福住駅隣接のバスターミナルを併設する再開発地区においては,高度利用市街地適用による容積率の緩和を実施する等,沿線成熟の促進を図っております。  また,豊平墓地跡につきましても,需要喚起に結びつくまちづくり計画と整合のとれた施設の誘致について検討していると聞いております。  交通局といたしましても,今後とも地下鉄沿線としてのふさわしいまちづくりのあり方を具体的に検討する中で,結果的に需要喚起に結びつく諸施策の実施について,一般会計に引き続き強く働きかけていく所存でございます。 ◆西村 委員  わかりました。開業に向けて,ぜひ取組みに一層努力をしていただきたいと思っておりますし,とりわけ来年の10月という一つの大きなめどができたということでありますから,その見通しの中でぜひ需要喚起策も含めながら進めていただきたいと思います。  ただ,そこで,私は気になることがあるのですけれども,10月に開業ということになっていきますと,どうしてもクリアしなければいけないことがございます。それは,中央バスとの協議の関係があるわけであります。これは開業の1年前にはしっかりと協議を整えておかなければ,開業はできないわけであります。もう10月の見通しがついたという状況でありますから,おそらく中央バスとの協議がそれぞれ行われていると思うのでありますけれども,果たしてそれがどの程度まで進んでいるのか。そして,具体的にどの時期までにこのことを取りまとめようとしているのか。  平成元年12月の中央バスとの覚書も実はあるわけであります。これは,市営バスの路線の移譲及び附帯事業,その他便宜供与の方法により行うことと,こういう3点の話がされております。議会でもいろんな角度から議論をされております。私どもとすれば,なるべく路線移譲ということよりも何とかという期待はありますけれども,しかし,中央バスとの協議が大きな山場を迎えている段階で,どういった形でいま協議がされて,どの時期に具体的にこの協議を整えていこうとしているのか。その辺についても具体的に,いまの段階でのお話をお聞かせ願いたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  東豊線延長にかかわりまして,中央バスとの補償協議の状況でございますが,交通局といたしましては,中央バスが強く主張するバス路線の移譲につきましては,実は私どもの自動車事業運営の基盤にかかわるものでございますことから,附帯事業なり,あるいは便宜供与の方法によることを基本として今日まで進めております。その影響額は,先般お話し申し上げましたとおり12億3,600万円ということでございますので,その5割程度を目標にして協議を進めているところでございます。また,附帯事業,便宜供与の内容につきましても,交通局だけではなくて市長部局も含めて全市的に検討したものを中央バスに提示をし,その後,理解を求めてきているところでございます。  しかし,一方,中央バス側は,附帯事業及び便宜供与による補償は,バス事業そのものに直接利益が少ないことから,きわめて消極的な考え方を示しておりまして,路線の移譲を基本に影響額の8割程度の補償を強く求めているところでございます。  これに対しまして,交通局といたしましては,新たな補償手法といいますか,方法といいますか,双方の利益につながるような路線の交換,あるいはまた路線を特定した共同運行,そういったものを提案し,現在その具体的な詰めの段階に入っているところでございまして,できますれば今月中には基本的な事項についての協議を整えまして,遅くとも細部も含めて年内には整理をしていきたいなと,こういうふうに考えております。 ◆西村 委員  大変大事な部分なのですよね,ここの部分というのは。少なくともいま答弁いただいた中にあったように,本当に本市の自動車事業運営の基盤にかかわることでありますから,基本に置いていた一つは,影響額の12億3,600万円の5割程度を目標として協議を進めてきたと,こういう答弁がございました。しかしという段々の話で,中央バスの考え方も出てきているよという話がございました。したがって,その段階ももう整理をしなければならない時期に来ていることは重々わかりつつ,私は,いま現在そこに働いている職員が,大変職場で不安を持ってこの推移を見ていると思うのであります。特に,いま再建策として労使一体となって,それこそそこで働いている職員も汗を流しながら血みどろになってこの再建事業に取り組んでいる,このさなかにあって,いま実際自分たちの職場がどうなっていくのかという,そういった不安さえ醸し出している状況の中での中央バスとの協議事項になっているわけであります。  したがって,こういった補償の問題も含めながら,やはり重点に置きながらやられると思うのでありますけれども,これらの状況というものは当然議会にもつぶさに報告をしながら,とりもなおさず,職場の職員の理解も深めていかなければいけない課題だろうというぐあいに考えているわけであります。  そんな意味では,管理者にお聞きしたいのでありますけれども,これらの中央バスとの大きな山場に向かって,職員との整合性をどう図っていくのか。どういうぐあいに理解を求めていこうとしているのか。これから再建事業も含めながらやっていこうという片側での考え方と,もう一つは,来年10月の開業に向かってクリアしなければいけない協議と,こういった二つの側面を持っている大事な問題でありますから.まずもって職員の理解を得られる方策をどのように考えているのか。その辺についても,中央バスとの交渉に当たっての考え方をお聞かせ願いたいと思います。 ◎土榮 交通事業管理者  東豊線に関連いたしまして申し上げますと,東西線の延長のときにも,実は補償協議を1回行なっておりまして,その際に職場での混乱があったということは私自身も聞かされております。そういう意味で前回の轍を踏まないように,職員にもよく理解していただけるようなことをしなきゃいかぬという認識は当然持っております。  そこで,今回の補償協議に当たりましても,組合の意向等も十分配慮しながら交渉をいま進めているという段階でございます。ただ,いま管理部長からもご答弁させていただきましたように,中央バスのほうもこれまた社運をかけてと言ったらあれですけれども,向こうも大変厳しい状況でございますし,双方それぞれの立場で非常に厳しい状況にございます。そうした中で,結果としていろいろな内容になってこようかと思いますけれども,いずれにいたしましても,職員に不安のないような措置を十分行いながら,また職員にも理解を求めていきたいと,そういう努力もしていきたいと,こういうふうに思います。 ◆西村 委員  そこで,最後になりますけれども,いまその決意があらわれたわけでありますけれども,しかし,いま後段言われましたように,中央バスも社運をかけてという話がございました。私はそういった意味では,別に中央バスがどうなってもいいという話ではないのですけれども,交通局にしても再建事業を営んでいる,まさにその真っただ中で,やはり職員と一体となった取組みも求められていくと思うのですよね。そうなれば,当然中央バスも社運をかけていると同時に,交通局もまさに社運をかけてやっていると思うのですね。そんな意味では,職員の理解を得られるように努力すると言いつつも,やはり路線移譲という一つの大きな問題がここに横たわってきているという先ほどの答弁があったわけですから,そうなったときに,またぞや自分の職場を失ったらどうなるのだと,こんな不安だってあるのですよ。先ほど,不安を取り除くようなという話があったけれども,それじゃ不安を取り除くためにどういった決意を持っているのか,もう一度お聞かせを願いたい。 ◎土榮 交通事業管理者  交渉の結果どうなるかということに大変大きく左右されるわけでありますけれども,交通局の中でいろいろな方策を考えて,仮に路線移譲があったという前提だとすれば,交通局からどうのこうのということではなくて,交通局の中で,しかも再建計画を立てておりますから,そういう計画の中にも含めてございますので,そういう意味で不安のないように職員にもよく理解していただくような手だてをしていきたいと,そういうことでございます。 ◆西村 委員  要望します。  もうこれ以上やっても協議事項で,いま実際に中央バスとやっているさなかですから。私は,少なくとも,いま再建策に取り組んでいる職員の姿を見ながら,やはりぜひ職員に不安を与えない,どういう結論になったにせよ,やはり職員を守っていくのだという,そういう立場でひとつこの協議を進めていただきたい。特に,時期も,今月中にある程度,先ほどの答弁でしたら基本合意を求めながら,年内にある程度の中身をまとめていきたいということでありますから,それだけに短期間であろうかと思いますけれども,ぜひそういう取組みをしていただきたい。そのことをあえて要望を付しておきます。以上です。 ◆村山 委員  前段,4名の委員の皆さんが質問をされました。その合間を縫って質問をさせていただきたいというふうに思っております。大体質問される問題点がいまのところは似たり寄ったりかなと,こんなような気もしているところでございます。  そこで,数年前から交通事業会計を何とか立直しをしなければいけないということで,全庁一丸となって一生懸命努力をし,その再建計画を市民の前に提示をしまして,一生懸命努力をされていらっしゃるところでございます。私も,原局の皆さんと何回か東豊線の延長の件につきまして,東京で一緒に政府のほうに陳情をさせていただいた経緯もあるわけでございます。市長の公約でありますから,早いうちにその延長実現に向けて頑張っていきたいなと,こういうふうに思っている一人でもあるわけでございます。  そこで,この平成4年度の交通事業会計も,健全化計画の目標を若干上回る結果が出てきているわけでございまして,それにつきましては,本当に皆様方が夜遅くまで努力をされていらっしゃる,本当に敬意を表したいところであるわけでございます。よく私もこの委員会でも申し上げたことがあるのでありますが,先ほども接客という話がございました。私は,乗っていただく利用していただく,そういうような気持ちに立っていただかなかったら利用客はふえないだろうと。お客さんには,ぜひ利用してくださいというようなことを申し上げました。それには,やはりいろんな接客,あるいはまた環境,こういったものもきちっと整備をしていかなければだめであろうと,こんなことを述べたことがございました。  このごろ新聞紙上を見ますと,昔はよくバスの苦情やなんかもずいぶん載っておりました。しかし,このごろは,皆様方が努力している結果で,その成果が出ているのではないかなと思うのでありますが,結構好感を,そしてまた喜んでいただけるような記事が載ってまいりました。そういう意味では,本当に私も,言ってきたことが少しずつ反映されてきているのかなというふうに思っております。  そこで,札幌市の公共交通でありますけれども,昨年もことしも減少をしているというお話がございました。私は,どうしてこう減少しているのかなと。先ほど管理者の答弁にもございましたけれども,バブルの崩壊だとか,景気の低迷だとか,あるいはまた週休2日制の拡大と,こんなことが一番の要因になっているのかなというようなお話でございました。まさに,私もそのとおりではないかなと,こう思っております。しかしながら,いま前段で申し上げましたけれども,きちっとした利用のしやすいような整備をすることによって,またお客さんもふえてくるのではないかなと。私は,ここのところが一番大事なような気がしております。それは,やはり市民の意識と申しましょうか,市営交通に対しての認識をもう一回改めていただけるような施策を考えていかなければいけないのではないかなと,こういうふうに思っております。  いま,札幌市内にも事業系の車,あるいはまた自家用系の車が75万台前後あると,こう言われております。平均しますと,大体2.5人に1台というふうなデータが出るわけでありますけれども,しかしながら,私もときどき見ますけれども,いまの若者も自分専用の車がどうしても欲しいということで,おそらくそう遠くないうちには2人に1台と,こんなような時期も来るのではないかなと。そうなりますと,都心部の交通混雑だとか,あるいはまたこれらの排気ガスによる環境汚染だとか,また社会的ないろんな心配,問題が出てくるであろうというふうに思っておるわけでございます。  そこで,お伺いをしたいのでありますけれども,マイカー通勤についてでございます。  利便性が優先をしているものですからマイカーで通勤をされる。こういう方々がかなり多いようであります。そこで,先ほども申し上げましたけれども,利便性優先の考え方を転換をしていかなければならないだろうと。これをいままでどのようにとってこられたのか。そしてまた,今後,市営交通を多くの市民の方に利用していただく,そういうような施策をどのようにとっていかれるのか。基本的にその考え方をまずお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  ただいまご質問ありましたように,モータリゼーションの時代に入りましてから,市営交通事業は,まさにある意味では宿命的とも言える大変厳しい環境にさらされていることは事実でございます。  そこで,私どもといたしましては,これまで乗客サービスの向上を主にアピールする乗客誘致策を展開してまいりました。これに加えまして,大量輸送機関が本来的に持つ輸送効率,あるいは省エネルギー性や社会的使命についても,あらためて強く市民の皆さんに訴えさせていただきました。マイカー利用から公共交通機関への転換を促進したいというふうに常々私どもは考えているところでございます。  このために,まちづくりや,あるいはパーク・アンド・ライドの駐車場の整備など,都市交通体系上必要なものについては全市を挙げての取組みがもとより重要でありますが,交通局につきましてはすでにご案内のとおり,たとえば夏休みスタンプテーリングにおいて参加児童に地下鉄の省エネ性をPRしたり,あるいはまたノーマイカーデーの割引乗車券の検討を行なっているなど,この取組みを始めているところでございます。幸い,市民の意識も非常に高くなってきておると判断しているわけでございますが,的確な運動を展開していけば,都市環境の改善と交通事業乗客増の対策,これが一石二鳥の効果も期待できるというふうに考えているところでございます。今後とも関係機関と十分連携をとらせていただきながら,適切な手法で市民の皆さんに対する啓発に努めてまいりたいと,このように考えております。 ◆村山 委員  この再建計画,これらに基づいてかなりご苦労されている。そしてまた,先ほども申し上げましたけれども,徐々にいい兆しが出てきているということであるようでありますから,ぜひひとつまた一生懸命努力をして,継続をして頑張っていただきたいなというふうに思っております。  もう1点お伺いしたいのは,現在,本市の交通事業を支援する出資団体,第三セクターと申しましょうか,これらがいま札幌交通開発公社,それから交通事業振興公社,この2社があるわけであります。特に,公益法人であります交通事業振興公社,この公社が設立をされたときにうたっているのでありますが,交通問題に対する市民意識の啓発,この言葉があるわけでございます。したがいまして,交通事業のPRは時代に合った柔軟性のある展開をしていかなければいけないであろうというふうに思っております。  そこで,この交通事業振興公社でありますけれども,いままで本市のほうに対してどのような協力体制と申しましょうか,支援と申しましょうか,こういうものをとられてこられたのか。そしてまた今後,いまこの厳しい折でありますから,私は個人的に,さらに一層の協力体制をしいていただかなければいけないだろうと,こう思っておるわけでございます。その点についてお伺いをしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  いまご質問のありました出資団体,これは二つご指摘のようにございます。  現在,札幌交通開発公社では,すでに業務拡張にあわせて民間人の登用を積極的に図りまして,先見性を持った経営を進めているところでございます。  また一方,札幌市の交通事業振興公社でございますが,これにつきましては,その設立当初の目的でございます市民の意識の啓発などによる交通事業の利用促進事業というものを積極的に現在推進しているところでございます。  市民の啓発に関する具体的な事業等につきましては,先ほど多少申し上げましたが,夏休みスタンプテーリングだとか,あるいはメトロクリスマス,あるいはさっぽろ地下鉄マップなど,これらは私どもとこれらの団体とタイアップをしながら事業を進めさせていただいているものでございまして,したがいまして,今後もこういった事業につきましては,交通局も含めてトータルで,グループ団体という位置づけの中で事業展開を図っていきたいと,このように考えております。 ◆村山 委員  わかりました。ぜひひとつ努力をお願いしたいと思います。  それから,再三再四それぞれの委員からご質問があるわけでございますけれども,昨年10月に販売,使用開始をされましたプリペイドカードでございます。われわれもいろんな冠婚葬祭に行きますと,ウィズユーカード,こういったカードをいただくことがあるわけでございます。これらの冠婚葬祭の利用,あるいはまた収集だとか,あるいはその利用,これらを含めて,昨年もある程度の目標販売額,販売数,これらを上げたと思うのでありますけれども,この辺の状況についてはどのようになっておるのかお伺いをしたいと思います。  それから,このプリペイドカード,先ほど小川委員からもお話がございましたけれども,プレミアムがつくということであります。それとまた,定期券の関連性の問題も指摘をされていたところでございます。そこで,このプリペイドカードでございますけれども,これらを何とかひとつ民間の交通機関と連携をとって利用できないものかなと,こんなことを思ったものでありますから,その辺はどのようにお考えなのかお伺いをしたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  まず,第1点目のプリペイドカードのその後の状況と申しますのは,販売状況と今後の計画ということで受けとめさせていただきたいと思いますが,ただいまご指摘にありましたように,昨年の11月から供用を開始しまして,小銭の要らない便利なカードということで,販売促進の一つの目玉になっているところでございますが,4年度の実績で申し上げますと,発売額が9億6,000万円,販売目標をほぼ達成したところでございます。また,本年度の8月末での実績で申し上げますと,販売額は7億8,000万円となっておりまして,本年度の目標額20億円と比較をして順調にその売上げを伸ばしているというふうに考えております。  販売促進策といたしましては,今後お客様の多様なニーズにこたえるために,8月以降このカードデザインをある程度シリーズ化を図って,できるだけ使いやすいようにするということで考えておりまして,大変好評を得ているところでございます。  それから,2点目のプリペイドカードを今後どのように発展させるか,他社バスと共同で利用できるようなカードができないかということでございますが,プリペイドカードの今後の展開につきましては,たとえば地下鉄で申し上げますと,区数6区までございますけれども,区数ごとに回数券で料金を引き落とす回数券タイプのカードをつくるだとか,あるいは先ほども出ましたが,プレミアムつきのカードの検討をしていると。それに加えまして,市民の利便性向上の観点から,JRあるいは他社バス等と共通使用できるようぜひとも実現をしたいなということで,私どもの今日の大きな検討課題にいたしているところでございます。 ◆村山 委員  わかりました。  やはり他社との連携によりまして,さらに一層市民が利用しやすいようになるわけであります。そうなりますと,本市の市営交通機関を利用される喚起策につながってくるだろうと,こう思いますので,ぜひひとつさらに検討を重ねていただきたいというふうに思います。  最後になりますけれども,先ほど西村委員からも質問がございました地下鉄東豊線の福住までの延長についてでございます。  先ほどの中央バスへの路線の移譲,これがやはり職員のいろんな部分にもかかわってくるのかなと,こんなふうに私なりに受けとめさせていただいたのであります。来年の10月に開業されるということでございますが,開業するに当たっては,やはり職員をそちらのほうに配置をしなければいけないだろうというふうに思っております。そこで,5駅ができるわけでありますけれども,これに対して一体どのぐらいの職員の方々が必要になってくるのか,まず1点お伺いをしたい。  それから,2点目でありますけれども,再建計画の中で880人の職員の削減ということをうたっていたわけでございます。そこで,先ほどの路線移譲をしたら職員は要らなくなるのじゃないかと。あるいはまた,私自身,かなり職員を配置しなければいけないだろうと,こう思っているのでありますけれども,新規採用をされて配置をされるのか,あるいはまたその中でのやりくりをされるのか,その辺をお聞かせを願いたいと思います。 ◎淋代 事業管理部長  東豊線延長部の開設にかかわりまして,その必要人員が何名か,そしてそれはどういう手だてをされるのかと,こういうご質問かと思いますが,私どもでは,ただいま現在では100名程度必要になるというふうに見込んでございます。しかしながら,これらの職員については,来年度の予算編成時までに必要人員を確定すべく現在作業を進めておりますけれども,この必要人員の確保につきましては,平成3年度に策定をいたしました経営健全化計画の当初計画どおり,全員局内部の配置転換等により,必要人員の確保を図ってまいりたいと,このように考えております。 ◆村山 委員  ちょっと要望だけさせていただきます。  いまの部長のお話ですと,局内でやりくりをするということでございますよね。そうなってきますと,ほかのバス路線ですとか,電車路線だとか,こちら側のほうの職員の方々もそちらのほうに行っちゃうのかなと,こう思うのですけれども,その分やはりほかの職員の方々を圧迫する部分も出てくるのか,こう思っております。しかしながら,当初の目標で決めたことでありますから,ひとつ余り圧迫しないような程度で一生懸命努力をしていただきたいことを要望させていただいて終わります。 ◆丹野 委員  私のほうからは,地下鉄の大きな観点では二つになりますけれども,その前段として,地下鉄の投身事故防止対策についてお伺いいたします。  段々のお話がありまして,本市地下鉄への皆さん方の真剣な取組みがいかに大変な中で行われているかということを痛切に感じさせていただきましたし,また,その努力に対してもあらためて敬意を表します。  いままでの各委員の質問とちょっと視点が違うのかなと思いますし,また,余りささやきたくない感じの中身の問題になるのかなというような思いもあったのですが,一度この点は議論しておいたほうがいいなと,こういう判断で質問をさせていただきます。  ご承知のとおり,46年に南北線の開業ということで,当時は東京,大阪,名古屋に次いで4番目と,しかも,全国で初めてのゴムタイヤを導入した札幌新方式ということで,これは大変に新聞等にも書かれまして,本市のまちづくりの中に近代的な一つの交通事業がスタートしたのだなと,当時は市民からも大変な評価をいただいてきたのじゃないかなと,このように判断しているわけであります。  この地下鉄につきましては,その後,東西線,それから東豊線,そして先ほど西村委員,また村山委員からもお話ありましたように,東豊線の延長という部分で,本市の目標である50キロメートルの計画に対しては,現時点においては着実に進んできているのかな,このように判断しているわけであります。これらの事業を振り返ってみますと,もう20年を超えているという部分で,お聞きしますと,この期間に約36億余の人たちを運んでいるということで,地下鉄事業の効果の大きさというものをあらためて感じた次第であります。  また,冒頭に申し上げましたように,4番目というこの取組みの状況から見て,当時の本市職員の皆さん方の考え方というのは,相当先を読んで進んだ行動を考えに示されて実行されたのだなと。当然,前板垣市長,そしていまの桂市長がそれを受け継いで頑張っているわけでありますけれども,それらの姿勢についてもあらためて敬意を表する次第であります。  そこで,そのような状況の中でも,各委員から段々の指摘等もありましたし,また,取組みの中身についてもいろいろ議論がありましたように,現在,交通局全体が大変な合理化政策を進めていると。このような部分は,これは他人事であってはいけないなと。当然われわれも本当に真剣に悩み,心配し,そういう立場に立つからこのような議論が活発にされたのじゃないかなと,このように思うわけであります。  そこで,ちょっと冒頭に申し上げましたようにそれらの議論と方向性が違うのでありますが,地下鉄開業以来今日まで,投身事故が毎年発生してきたという部分であります。これは,当初地下鉄ができるとそういうことが予想されるなという思いは私自身も持っておりましたから,地下鉄の歴史をずっと見守ってきたわけでありますけれども,ことしに入ってもうすでに11件,余りうれしくない数でありますけれども,数えていると,こういうことであります。全体で,現在までどのぐらいの件数になっているのか,それをひとつ示していただきたい。  二つ目は,地下鉄駅全駅に対してどのぐらいの箇所でこういう事故が起こっているのか。それから,これは資料がもしあれば示してほしいのですが,事故による年間の負担額といいますか,費用ですね,そういうものがもしわかるのでしたら示してください。それから,他都市の状況についても把握していれば示していただきたいと思います。  それから三つ目は,この事故に対して,交通局がさまざまな防止対策を講じてきたと思うわけでありますけれども,今後の対策についてどのように考えているのか。また,当然政令都市としてほかの都市の交通事情,同じような問題で悩まれている自治体,それらとの連携などがとられていて,何かの方向性が見えているのかどうかお示しいただきたいと思います。 ◎新関 高速電車部長  まず,投身事故の過去から現在までの件数ということでございますが,46年12月に開業して,翌年直ちに発生しまして,きょうまで件数でいいますと133件発生しております。年平均でいいますと,約6件平均という状況でございます。現在では3線で42駅ございますけれども,駅ごとで見ていきますと,発生していない駅のほうが少のうございまして,約30をちょっと超える駅で発生をしてございます。  それから,この事故にかかわる交通局側の負担ということでございますけれども,この種の事故が発生した場合,当然それに対する対応が出てまいります。これらにつきましては,関係者にご負担をいただくということできておりまして,過去発生した事例で額的に大きなものは280万を超える額についてご負担をいただいたというケースもございます。  それから,他都市の状況でございますけれども,過去5年間で各都市どういう状況になっているかということで,本市に比較的近いところの部分で調査をいたしましたが,東京都の交通局関係では30件発生をしてございます。名古屋市の交通局では21件,横浜市では6件。本市の場合はこの5年間で43件ということでございますので,他都市に比べまして若干高い発生の状況になってございます。  これからの対策についてどう考えているかということでございますけれども,開業以来この種の事故が絶えません。したがいまして,私どもとしては,早い時期から実はホームの進入部に安全さくの設置をする,あるいは進入部の照明をふやしまして明るくする,あるいは車内にいのちの電話のステッカーを張りまして,悩み事がある方はそちらに相談をするようなPRもしてございますし,各ホームには,命を大切にしてほしいというポスターも掲示をして防止策に当たってきたわけでございます。また,関係者が死に至るのをできるだけ避けたいというようなことで,列車の前の排障器の大型化,あるいは簡便に脱着できる方式,あるいは走行路面が滑るような道床板の改良などをやってきたわけでございます。  今後の対応でございますけれども,各都市とも情報交換等をやっておるわけですが,なかなか100%防止できる決め手となる方式について実は見出せないということで,各都市とも苦慮しているというのが実情でございます。今後とも,他の事業者とも十分意見交換をする中で,有効な防止策等が見出せるのであれば模索をしていきたいと,このように考えているところでございます。 ◆丹野 委員  計画外のさまざまな出来事という形で起こるわけですから,それらに対する対策という部分については,当然頭を痛めていかなきゃならない問題なのかなと,このようにある程度割り切ったような理解の仕方をしないと納得できない感じもするわけでありますけれども,ただいま当局として,さまざまな取組みをされてきた,そういう取組みをしているけれども,これらの事故は依然として続いているということであります。  そこで,かつて他都市を視察したときに,これは外国でも見たわけでありますが,国内でもありましたのでお伺いするわけでありますけれども,他都市では,ホームドアと呼ぶのでしょうか,これの採用をしているところがあります。これを見たときに,確かに限られたスペースの中にたくさんの人がいる。そこに乗り物が入ってくる。さまざまな心理状態の人がいる昨今の社会情勢の中で,特にそういう場に行くと,何となく投身してしまうというようなことは考えられていいわけでありますし,そういうことが起こって133件という大きな件数にもなってきているように考えるわけです。  そこで,この部分については,これからもそういう出来事がどんどん重なっていくだろうと。これは,地下鉄の事業を開始したときから背負った宿命的な問題じゃなかろうかなと,このように判断するわけでありますけれども,それらのことにつきましても,やはり人命尊重という立場でいくならば,人のやることですから,そういう事故防止になるような考え方を,さらに突っ込んで対応していかなきゃならないのじゃないか,こういうふうに思うわけであります。  そこで,他都市でやっているホームドア等を採用すれば,地下鉄という限られた部分での質問でありますけれども,この部分においては100%事故防止になるのではないかと,このように考えるわけであります。そこで,そういう施策を導入してはいかがかと,このように思うわけでありますけれども,これらについて考えがあれば示していただきたいですし,あわせて,もし導入するとした場合にどのぐらいの費用がかかるものなのか。概算でも結構ですから,もしそういう費用額が出ておりましたらお示し願いたいと思います。 ◎新関 高速電車部長  投身事故防止のために,ホームドアの導入の考えはないのかというご質問でございます。  東京では,営団の一部の路線で実はホームドアを採用してございます。新交通システムのところでも採用されているところがございます。これは,ホームと列車が運行するところを遮断するという形でございますので,列車が運行しているときに人がそこの進路に入るのを防げると。そういう意味では,非常に防止策としては決め手になるものかなというふうに思います。ただ,すでに設置されていますところは,あらかじめ建設当初からホームドアを設置するということで設置をされています。私どものように,すでに営業を開始しているところで,営業を継続しながらこのホームドアを設置することはなかなか難しいだろうというふうに考えてございます。  営団の例等で,この設置の費用がどの程度かかるのかということで,私どもでも推計をしてみました。これで見ますと,1駅平均約4億を超える膨大な額になります。いま42駅ございますけれども,全部設置をするということになりますと,200億に近い費用が必要になるということでございます。  それからもう一つ,実際に列車運行をしている営団の状況では,列車がホームに到着し,あるいは出発時のドアの開閉との時間差,ほぼ15秒前後とっておるようでございます。そういうような状態で,私どもの路線で現在の朝ラッシュの3分ないし3分半の運行間隔を維持しながらいくということになりますと,現在61編成,車両を持っておりますが,さらに11編成ほど用意しなきゃ現在の運行水準を確保できないというようなことがあります。あわせまして,乗務員等の人員増につながってくるということがございますので,効果としては100%かと思いますが,私どもとしてはなかなかこれを導入することは無理というふうに考えているところでございます。 ◆丹野 委員  大変な額になるということで,本当に驚いておりますけれども,この部分につきましては,これ以上議論しても,本市の交通事業,特に地下鉄事業についてはクリアなかなかできないという部分だけがはっきりしましたから,これ以上求めませんが,ちょうど市長もいらっしゃいますので,私の考え方だけお伝えしておきたいと思います。  構造上の問題で無理だということで,これは本当にそのとおりだなと思います。それで,現実に軌道車が走っていますと,それを運転する方もいらっしゃるわけです。運転する方にしてみれば,常にそういう要素を抱えて運転しているということですから,私たちの日常の心理状況とはかなり違うのじゃないかと,このように思います。そういう心理状況の中にあって,しかも,いろいろと意見として申し上げたい,そういう立場にあるのでしょうけれども,それすらも言えないというような,そんな部分じゃなかろうかなと,こんなふうに思った次第なのです。ある職員の方に私も聞いてみましたけれども,なかなか口をかたく閉ざして,一生懸命頑張りますと,それだけのお話でしたから,その痛いほどの心理状況といいますか,こういう部分,なかなか言えない部分なのかな,こういう思いでとらえておりました。  そこで,これはまとめとして私の考えを申し上げますと,この事業をこれからも続けていくわけでありますから,当然一つの方向としては,安全運転というそういう呼びかけ,そして先ほどの答えにありましたように,さまざまな防止策を講じて市民に理解をしてもらう。こういうやり方で当面いくしかないだろうと思うのでありますけれども,先ほど申し上げましたように,人命尊重という基本的な概念に立ちますと,当然これは減らなくて,貯金みたいにふえていく悲しい出来事ですから,この部分がどんどんどんどんふえていった暁にたくさんの議論が出てきた,さあどうしようか,同じ繰返しでいって果たしていいのかな。そして,こういう地下鉄事業を抱えている他都市においても,同じような問題を抱えていると判断しますから,当然その立場では,その方策等の意見交換などもされるのじゃなかろうかと思うわけであります。そこで,私のほうとしては,この質問をした趣旨は,ホームドアをつけろという立場での主張でありますから,これはいまできないにしても,長い期間かかってでも解決の方向に持っていけるような努力をしていただきたい。特に,政令指定都市のそういういろいろな首長の皆さん方とのお話の中で,そういう点の取組み方の意見交換がなかったかどうか。また,現市長としてこういう状況をかんがみたときに,国に対して今後どのような施策をとっていくお考えなのかをお伺いできればと思います。 ◎桂 市長  地下鉄の投身事故についてですけれども,これは乗り物に限らず,世の中のいろんな組織が利便性を増せば増すだけ,危険性もその一方では大きくなるということは現実の問題であろうというふうに思います。ですから,常にそういった側面を考慮しながら,まちづくりについても相当な対応を図りながら進めていく必要がある。特に,投身事故の場合には,それにプラスして人間の物の考え方といいますか,あるいは社会環境から受ける人間の精神的な圧迫というか,そういうものは,これからもさらに世の中が進歩すればますます大きくなってくるだろうというふうに思います。
     ですから,事故に対する体制というものは,いまおっしゃったように,一市が考える問題を超えて,世の中全体でそういったものへの取組みということは,これは大きな社会問題になってくるということは十分予想されます。そうかといって,いま直ちにこれに対する適切な対応策があるわけではありませんけれども,少なくともそういった環境の変化といいますか,あるいは仕組みの変化というか,そういうものに対応し得るような,そういう努力,また研究というか,それはさらに続けていかなければいけないと,こういうふうに思っております。 ◆丹野 委員  市長のいまのお話ごもっともでありまして,私自身も質問しながら,これからもそういう視点に立っての努力はさせていただきます。前段の質問は,以上で終わります。  次に,ウィズユーカード,これは簡単に終わりますけれども,現在間接方式をとっております。先ほどの質問にもありましたように,これらを直接改札方式に切りかえていくということであります。このカード対応機器の設置状況,これをひとつ示してほしいと思います。  それから,この機種は何種類もあるのかどうか。価格はどのぐらいなのか,お示し下さい。 ◎新関 高速電車部長  カード対応機の関係でございますけれども,現在は委員ご指摘のように間接方式で,券売機で乗車券を購入いただいて改札を通っていただくということになってございます。券売機のコーナーにつきましては,全体で75コーナーあるわけでございますけれども,これにつきまして,25コーナーについては複数配置,他については単数配置ということで,現在ご利用をいただいています。  カードの直接方式につきましても,先ほど来出ましたように,東豊線延長開業時には直接方式に移行するという計画で進めてございますので,本年度5年度と6年度にわたりまして設置をするという状況でございます。いまのところ改札機を設置するところが78ゲートございますけれども,本年度については19ゲート,残りについて6年度に設置を予定しているということでございまして,価格については,おおよそ1,000万程度の機器でございます。ただ,いまのカード対応機の設置につきましては,開業しまして20年を超えている改札機等がございますので,それの更新時期に合わせてカード対応機を導入していくという計画で進めているものでございます。 ◆丹野 委員  ウィズユーカードについては,先ほどの質問のお答えにもありましたように,確実に収入が高まっているように感じます。ですから,この機器の設備については,これはもう積極的にやっていくことが本市にとってはプラスであろうと,このように思うわけでありますけれども,東豊線延長開業時と,このあたりに焦点を合わせているようなお答えでありましたけれども,早期に直接改札機を利用できる状態にしていけば,先ほどのお答えにありましたように効果大ということですから,そういう考えがあるのかどうかあらためてお伺いします。  それから,昨年のスタート時に,これ写真,新しい機械だと思うのですけれども,こういう機械を取りつけたわけでありますが,1ヵ所の機器のところでは,かなり利用する側に迷いもあったり,トラブルもあったように思うわけでありますけれども,これらの改札機の設置に対してお考えを示していただきたいと思います。以上です。 ◎新関 高速電車部長  このカードにつきましては,先ほどもありましたように非常に好評を得ているわけでございます。これがさらに直接方式になるということになりますと,現在以上に利用者にとっては利便さが増すということがありますことと,私どもとしても,いわゆる前売りの制度でございますので,そういう意味でのメリットもあるわけでございます。したがいまして,できるだけ早い時期に直接方式に移行したいという考えでございます。  東豊線開業時につきましては,この直接方式とあわせまして,電車,バスのほうの3事業のカード化も一緒に行うという予定でございますけれども,これらについて利用者が,新方式に一括で移行していきますとなれるのに時間がかかるということもございますし,また,私ども設置の段階では技術的な調整期間も必要となってきますので,試行の意味も含めて,すでにスタートしています地下鉄の間接方式を直接方式に移行するのを,ただいま計画しております東豊線の延長開業時とは切り離してでもできるだけ早い時期に実施をしたいと,そういう面で努力をしたいというふうに思っているところでございます。  なお,券売機スタート時1台というところで,委員指摘のように混乱した向きもございますので,こちらの改札機の設置につきましては,各ゲート2台設置ということで考えてございます。 ◆横山 委員  大変お疲れだと思いますので,簡単に1点だけ質問をさせていただきます。  先ほどの山口委員の質問にも関連をいたします。いよいよ車いすが使用できるスペースのある車両が東豊線開通に伴って導入される。同時に,南北線の既設の線でも,来年度から車両更新が進む中でそういうスペースを確保していきたいというご答弁をいただいて,大変うれしく思うのです。地上に上ればエレベーターが設置をされて,そしてこのように車両の内部も一定程度改良されると。いよいよ障害を持っている皆さんでも,本当に自立した生活を送ることができるような環境整備が随時進められている中で,ホームから地下鉄に乗る場合に,要するに車いすに乗った方が地上から地下鉄のホームまでは自力で来たとしても,車両に乗るときに,残念ながら人の手を借りなければならない。わずか10センチのホームと車両との段差ですけれども,ここがなかなか困難と。何とかここのところを改良していただけないかというのが,多くの車いすで暮らしていらっしゃる方たちの要望であるわけです。いろいろこれまでもご検討はいただいたかと思うのですが,いま大変技術が発達した中で,そういう改善・改良が可能ではないかと私は希望するのですけれども,その点いかがでしょうか。  その場合に,たとえば先ほど1編成1ヵ所車いすのスペースを確保すると。そうであれば,1編成1ヵ所,あの国際マーク,車いすのマークをホームに設置しまして,ここは車いす専用の乗降口ですよというような表示をしていただきながら,そこのところだけ改良していただくというふうにならないものか。そのことを1点お尋ねしたいと思います。  もう1点は,やはり先ほど山口委員が,東豊線開通に伴って次の停車駅の表示がされるようになると。いま,それぞれの車両を見ますと,路線の表示がされていますけれども,しかし,札幌市外からおいでの方がもし乗った場合に,たとえば北海道近代美術館に行きたいとか,円山公園に行きたいとか,そういった場合にどこの駅でおりたらいいのか,また,その乗継ぎのバスはどの路線に乗ったらいいのか,それがわからないわけですよね。そこまで親切な表示ができないものか。お聞きしますと,なかなかスペースがなくて難しいのだというお話も伺っているのですけれども,たとえばいまいろいろ車内に広告が掲示されていますけれども,乗降口の下のほうの段ではなくて,広いほうの上の段に少し大きなスペースをとっていただいて,少なくともそれぞれの停車駅の近くの公共施設,そしてまた乗継ぎの路線バスなどの表示をしていただけたら大変親切ではないかというふうに考えますが,いかがでしょうか。 ◎新関 高速電車部長  一つは,ホームと車両との段差の解消の関係でございます。  委員もご存じかと思いますけれども,現在札幌ゴムタイヤ方式になってございます。列車に満車の状態,空の状態で,50から60ミリの浮き沈みが出てまいります。満車時の一番下がったところでの車両の床面が,ホームより上になければならないというのが現在の特殊鉄道規則の規定でございまして,なかなかこの辺を技術的に解消するのは難しいところかなと。  ただ,現実にはどのようにしているかといいますと,確かにご利用される方のお1人でご利用したいというお気持ちはわかるわけですけれども,そのようなことがあるものですから,駅務員が介助という形でパネルを用意しまして乗りおりをしていただいているというのが状況でございます。  また,ご提案として,スペースを確保しているところについて,自力で乗りおりできる工夫ができないかということでございますが,先ほど言いましたようなことがございまして,なかなかその部分については難しいのかなというふうに考えてございます。  それから,次駅表示,車内に乗継ぎの状況,あるいは施設等の案内等を含めたものが必要ではないか,考えられないかということでございますけれども,これはご存じのようなスペースの中で,利用される方が十分満足できるような表示をしていくというのはなかなか困難でございます。ただ,私どもとしては,交通のガイドブック等,委員おっしゃったようなことがわかるパンフ類を作成してございまして,各駅に備えてございますので,それらをご利用いただければ大変ありがたいというふうに思っております。 ◆横山 委員  まあそうそっけないご返事をなさらないで,ぜひ積極的にご検討いただくと。特に,この10月1日からは福祉の街づくり環境整備要綱も具体化をされて,さらにその整備の拡充をしていくということですので,技術的には私はわかりませんけれども,ぜひ何らかの形で実現をさせていただきたいと。  同時に,案内の表示も,実際に東京都の山手線なんかには,都内の交通網なんかが車内に掲示をされているわけですね。ですから,お気持ちさえあれば可能だというふうに思いますので,ぜひご要望して終わりたいと思います。 ○大越 委員長  以上で,議案第4号及び議案第5号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,明19日午後1時から水道局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。              ──────────────                散 会 午後3時18分...