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平成 5年第二部決算特別委員会−10月15日-06号
平成 5年第一部決算特別委員会−10月15日-06号

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  1. 札幌市議会 1993-10-15
    平成 5年第二部決算特別委員会−10月15日-06号


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    平成 5年第二部決算特別委員会−10月15日-06号平成 5年第二部決算特別委員会          札幌市議会第二部決算特別委員会会議録(第6号)               平成5年10月15日(金曜日)              ────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人(欠は欠席者)    委 員 長  大 越 誠 幸 君      副委員長  水 由 正 美 君    委  員  山 崎 七 郎 君      委  員  滝 沢   隆 君    委  員  湊 谷   隆 君      委  員  赤 田   司 君    委  員  伊与部 敏 雄 君      委  員  富 田 新 一 君    委  員  西 村 茂 樹 君      委  員  畑 瀬 幸 二 君    委  員  吉 野 晃 司 君      委  員  加 藤 隆 司 君    委  員  長 岡 武 夫 君      委  員  柴 田 薫 心 君    委  員  佐 藤 美智夫 君      委  員  高 橋 忠 明 君    委  員  村 山 優 治 君      委  員  三 上 洋 右 君    委  員  田 畔   満 君      委  員  唯   博 幸 君  欠 委  員  丹 野   勝 君      委  員  春 原 良 雄 君    委  員  柿 崎   勲 君      委  員  義 卜 雄 一 君    委  員  田 畑 光 雄 君      委  員  青 木   護 君    委  員  室 橋 一 郎 君      委  員  道 見 重 信 君
       委  員  菊 田 勝 雄 君      委  員  小 川 勝 美 君    委  員  横 山 博 子 君      委  員  井 上 ひさ子 君    委  員  佐々木 周 子 君      委  員  山 口 た か 君    委  員  菅 井   盈 君              ──────────────                開 議 午後1時 ○大越 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,丹野委員から欠席する旨の届け出がありました。  それでは,議事に入ります。  第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので終了いたします。  次に,第1項 商工費の質疑を行います。 ◆畑瀬 委員  私から,景気対策について数点お伺いをいたします。  この問題については,7日の第一部決算特別委員会において,わが党の大西委員が取り上げておりますので,重複を避け,中小企業に対する融資制度を中心にお伺いをしてまいります。  まず,景気の現状と先行き見通しについてであります。  いまさら申し上げるまでもなく,現在の経済情勢,戦後まれに見る厳しい不況に見舞われ,なかなか明るい兆しが見えてまいりません。経企庁がことし8月に発表した平成5年版経済白書で,今回の不況について,通常の景気循環的な要因にバブル崩壊の要因が重なったため,景気後退がより一層深刻なものになったという分析がなされております。  あらかじめ経済局からいただいた主要経済指標に関する資料を見ましても,大型小売店販売額新車登録台数なども個人消費を中心とした落込みが際立っております。また,企業の倒産件数も,これは2年になりましょうか,3年になりましょうか,それ以来,いまだに増加を続けているようであります。  こうした厳しい状況に対応すべく,国においては昨年10月に10兆7,000億円の総合経済対策を講じましたし,ことしも4月に13兆2,000億円に上る新総合経済対策を打ち出したところであります。公定歩合の引下げも平成4年4月1日以降4回に及び,現在史上最低の1.75%というきわめて低い率に設定されております。  一方,札幌市においても厳しい財政事情にありながら,積極的な景気対策を講じてまいったことはご承知のとおりであります。平成4年度は,総額349億円,今年度はこれを上回る353億円という,かつてない大型の補正予算を編成したところであります。しかしながら,景気はなかなかよくならない。  そこで,まず現在の景気動向について,どのような認識をお持ちであるのか,また,今後の先行き見通しについてどのように見通されているのか,最初にお伺いをしておきたいと思います。 ◎佐藤 商工部長  まず,景気の問題でございますが,最初に景気の現状についてお答えいたします。  主要経済指標を中心に昨今の市内の景気動向を見てみますと,公共工事請負額新設住宅着工戸数が好調に推移いたしまして,景気を下支えしてきたところでございます。春先には,鉱工業生産指数も上昇に転じるなど,一部に景気回復の明るい兆しが見受けられたところでございます。  しかしながら,景気回復の主役は,何と申しましても市民総支出の約6割を占めます個人消費や民間の設備投資でございますけれども,これらが依然として低迷を続けております。また,春以降の急激な円高や冷夏の影響もございまして,現在,回復に向けた動きに足踏みが見られ,予断を許さない厳しい状況となっております。  次に,先行きの見通しについてでございますけれども,個人消費と民間設備投資が早々に回復するといった状況にはございませんことから,当分の間,底をはう動きが続くものと思われます。  しかし,本市の場合,輸出依存型の企業がほとんどなく,円高の直接的な打撃は比較的少ないと考えられますことや,現在,鋭意進めております景気対策の効果が今後徐々にあらわれてくるものと考えられますことから,来年度以降においては,緩やかながらも回復に転ずるであろうと,こういう見方が一般的でございます。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  まだ当分の間,底をはうような動きが続きそうだというお話でございましたが,私もできればそうあってほしいと,この底の下にまだ底があって,二重,三重底があるというふうな状況だけは招きたくないなと,こう思っているところであります。  こうした厳しい経済情勢にあって,市内企業の大宗を占める中小企業は,いまどこも必死の思いで経営に当たっていらっしゃいます。間近に迫る手形の引落しをどうするかといった切実な問題も抱えながら,日々会社経営に当たっているというのが実態であろうと思うのであります。  そこで,頼りといたしますのは,本市の中小企業融資制度であります。昨年,本市はいち早く低利の経営安定特別資金を創設し,中小企業資金需要に対応してまいりました。また,今年度は一般中小企業振興資金,いわゆるマル札資金限度額引上げや一部利率の引下げ,あるいは信用保証付の任意化などの改善に踏み切ってまいりました。  資金名別にどのように改正したかといいますと,四つの資金に分かれますが,一つ目の運転資金の中の普通資金については,限度額2,500万円を3,000万円に拡大をしてきた。二つ目の運転資金の中の短期資金については,資金名を季節資金から短期資金という名称に変えて通年型とし,限度額を2,500万円から3,000万円に拡大をしてきた。三つ目には,設備資金を限度額2,500万円から倍の5,000万円にし,期間についても7年から10年に,据置期間についても6ヵ月以内から1年以内にと,このように限度額,期間を拡大してまいりました。四つ目の小規模事業資金についても,金利を0.1%引き下げ,経営安定特別資金と同率の金利にしてきた。  こうした対応をしてきたわけでございますが,この対応というのは,私が感じるところ時宜を得たものと,こう評価をいたしておりますが,これらの利用状況はどうであったのか。1点目として,昨年度の経営安定特別資金利用状況,2点目として,今年度これまでのマル札資金利用状況はどうであったのか明らかにしていただきたいと思います。 ◎高島 中小企業指導センター所長  お答え申し上げたいと思います。  中小企業融資制度利用状況の中の,まず1点目の経営安定特別資金利用状況についてのお尋ねでございますけれども,経営安定特別資金は,総件数で1,901件,金額では201億4,900万円でございました。このうち4年度の利用状況を見ますと,貸付額で予算額75億円に対しまして,決算額で90億5,320万円,執行率は120.7%になりまして,予算額を大幅に超える利用状況となっております。  融資件数の金額別で申しますと,500万円以下で41%,500万円を超えるものが59%となっております。  それから,2点目の今年度におきます一般中小企業振興資金マル札資金利用状況でございますけれども,4月から8月の件数で申しますと,約3,300件でございまして,前年対比で54.3%の増でございます。それから,金額では約224億円でございまして,前年対比84.9%増と大幅な伸びを示しております。このことは,景気の状況等もございますけれども,制度改正による効果がきわめて大きかったものと,そんなふうに考えてございます。  なお,その融資件数の金額別で申しますと,500万円以下では65%,500万円を超えるものが35%となってございます。以上でございます。 ◆畑瀬 委員  1点目として,マル札資金融資条件緩和について伺っておきたいと思います。  中小企業資金需要に積極的にこたえるために,融資利率や保証料率の引下げなどの融資条件を緩和して,現在のマル札資金制度をより利用しやすいものにするというお考えはあるのかどうかという点であります。ただいまお話ししましたように,4月1日に大幅な改正をしたことを承知の上で聞くということは,やはり幾ら改正してもまだまだ条件緩和を望む声が強い,そういう声があるものですから,あえてお伺いをしておきたいと思います。  それから,2点目といたしまして,ただいまの答弁にありましたように,マル札資金の平成5年度の利用状況は,4月から8月までの融資実績で,対前年の金額比較で実に85%近い,これまでにない伸びを示しているところであります。そこで,今後の利用状況を考えますと,現在の景気状況からしてますます利用割合が増加するものと考えられます。最近では,果たして札幌のマル札制度の予算は大丈夫なのだろうか,制限されるようなことはないのだろうかと,こういう声を耳にするわけであります。  確かに6月補正をした段階で,平成5年度分の予算額は232億円であります。この額は,平成4年度決算額238億円に匹敵する額となっているわけでありますから,残る5ヵ月半もつのだろうかと,心配の声が上がるのは当然のことだろうと思います。  これまで札幌市のマル札資金資金需要があればそれにしっかりとこたえてきた,制限したことはない,こういう実績を持っているわけでありますから,私ももしこのような心配があるとするならば,やはりそれを打ち消すような札幌市の姿勢というものが必要だし,聞いておきたいと,こう思うところであります。  そこで,今後のマル札資金利用状況の見通しと,それに伴う予算措置の考え方についてどう対処していくお考えか,この点は局長にお伺いをしておきたいと思います。 ◎高島 中小企業指導センター所長  今後のマル札資金につきましてのご質問のうち,1点目の今後の融資条件の緩和につきまして,私のほうからお答え申し上げたいと思います。  委員におっしゃっていただきましたように,本年度当初に信用保証の任意制,あるいはその融資利率の引下げ等の改正をさせていただきました。  また,加えまして,現在,信用保証料率現行1%を少しでも下げていただくように,北海道信用保証協会に対し要望をしているところでございまして,ただいま当協会の検討結果を待っている状況にございます。  今後におきましても,本市の融資制度の改善につきましては,適宜検討,努力してまいりたいと思っております。 ◎鈴木 経済局長  先ほども所長からお答えいたしましたように,マル札資金はわれわれの予想以上に多くの方々に利用されております。これからは,年末,そして年度末という資金需要期を迎えますので,一層需要は高まるであろうと,そういうふうな認識でおります。  そうなりますと,先ほど委員からもお話ございましたけれども,今年度のマル札資金の予算はほぼ年内には消化し尽くしてしまうのではないかと,私どもそのような見込みを持っておりますので,そうなりました場合には,きわめて財政的に厳しい時期ではございますけれども,12月補正でお認めいただくようなことで,これからいろいろ内部的に調整をし,また,そういう措置を講じてまいりまして,中小企業の皆さんの資金需要に先行的にこたえてまいりたいと,そう思っております。 ◆畑瀬 委員  ただいまの局長のご答弁で,市民の不安感というものが一掃されるのではないかなと,こう思っております。  前段にご答弁をいただきました融資条件の緩和の件,1%の保証料率,これは北海道の場合ちょっと高いのではないのかなと,私もこう思っておりますので,ぜひ引き続き力を入れていただきたいと思っております。  いずれにしろ,経済局におかれては昨今の経済情勢,あるいは札幌市の産業構造の特殊性という観点からして,このマル札資金,最近の銀行貸出残高の推移を見ておりますと,やはりまだまだ貸渋りの状況が続いております。こうしたときに,公的資金が市中に出回るという効果は大きいものがありますので,ぜひこれまで同様,このマル札資金の融資枠の確保について変化のないようにご努力をいただきたい,そのことを申し上げて私の質問を終わります。 ◆三上 委員  景気対策について,論点を1点に絞り質問をいたしたいと思います。  ただいまの畑瀬委員の質問にもありましたように,現在の経済状況につきましては大変厳しい状況でありまして,深刻な事態が続いております。この長引く不況の中で,本市が打った手だてとして,公共投資や中小企業融資など,積極的に景気対策を講じてきたことは私も承知をいたしております。特に,昨年度経営安定特別資金を創設したことについては,まことに時宜を得た施策であると高く評価をいたしているものであります。  しかしながら,これらの積極的な景気対策にもかかわらず,景気は一向に回復の兆しがない。もちろん一地方自治体の対策で,直ちに景気が好転するとは思えませんけれども,何とかしてほしいと,これが市民の率直な願いであると思います。  そこで私は,経済局の理事者にあえて申し上げますが,タイムリーな時期に効果のある経済政策を大胆に展開していただきたい,こう思うのであります。といいますのは,景気が下がり始めたときには上昇の手だて,上がり始めたときは上がり過ぎないような手だて,つまりアクセルとブレーキの対策を講じるべきだということは,これはだれしもが感じていることだと思います。  現在まで経済局が講じてきた不況対策は最大限の可及的対策と思っておりますが,いま少しグローバルな全体的な対策ができないものかと,こう考えるわけであります。といいますのは,融資制度が改善され,市民に大変好評を得て歓迎されておりますが,あくまでもこれはつなぎ対策,つまり急場をしのぐためには非常によろしいのでありますが,もちろんこれによって景気が回復するといったものではありません。私が申し上げたいのは,そういったミクロな対策ももちろん大切であるが,マクロ,グローバルな対策,経済局そのものの名にふさわしい対策を恒常的に講じたならば,いまのような事態を事前に察知して対策を講じたならば,少しでも防ぐことができるのではないか,こう思うのであります。  それは,たとえば地価監視区域の問題もそうであります。この制度は,地価の高騰を防ぐ意味から一時市民からも歓迎されたものでありますが,いまでは抑制が,ブレーキが効き過ぎて,経済の活性化を阻害しているようなことが多々見受けられるわけでございます。あるいはまた,幾ら金融政策で金利を下げたとしても,制約の網でコンクリートされた状況では,実際に経済界が活性化しておりませんので,実効が上がらないと。  そのほか不況対策の補正が組まれ,その結果,社会資本が充実する,これは私も認めるわけですけれども,本来の目的である経済の活性化,つまりお金そのものが行ったり来たりするかというと,そうではない,そのように私は思うのであります。  そこで,あえて私は申し上げますが,実効性のある経済政策を展開するための景気対策,特に経済対策担当セクションを経済局に設置して,経済局がリーダーシップをとりながら,全庁的な取組みを恒常的システムとして設けることが必要ではないかと私は考えるのであります。そういったことを講じることによって,事前に景気の下降を防ぐと,そういう機能を果たすことができるのではないかと思うのであります。  これまでもそれなりの取組みをしてきたことは私は理解しておりますし,それなりの高い評価をしているのでありますが,いま一度全庁的な視点から経済政策を検討・実施する担当セクションを新設することについて,どのようにお考えになるかお伺いをいたしたいと思います。 ◎鈴木 経済局長  全庁的な視点から経済政策を検討し,実施する新たなセクションをということでございますけれども,私ども経済局は,これまでも常に経済情勢の把握,分析などを行い,庁内の関係部局と密接な連携をとりながら,有効な施策をタイムリーに実施してきたと思っております。いろいろ公共事業の拡大だとか,金融施策の充実だとか,あるいは土地対策等々ございますけれども,今後もまた単に景気対策にとどまらずに,本市経済の恒常的な活性化ということを最大の課題といたしまして,全庁的な取組みの中で,われわれ経済局がその主導的な役割を果たしてまいりたいと,そう考えております。 ◆三上 委員  全庁的な主導を十分果たしていくというような前向きの答弁をいただきましたが,これは非常に大事な重要なことだと私は思います。なぜならば,財政局は税収不足を嘆いております。このことは,素人でももう3年も前から予見をされたことであります。その辺は佐藤商工部長は前税務部長でありますから,最も詳しく知っている部分でありますけれども,一方では,地価高騰を恐れて企画調整局ではブレーキをかけると。一方では税収不足。これはお互いに相関関係があるわけですから,わかり切ったことでございます。そういうような予見されたことに対して,早目早目にバランスのとれた施策を施していく,幅広く検討していかなければならないと私は思うのであります。日ごろから経済分析を十分行い,先手先手で説得力ある建議を全庁関係部局に提言していけるような,経済局の名にふさわしい組織体制の整備がやはり私は必要だと思うのであります。  より一層前向きに検討して,市民の生活安定のためにご尽力をしていただきたい,強く要望して終わります。 ◆義卜 委員  それでは,私のほうから,物産の販路拡大策についてお伺いをしたいと思います。  この問題は,ことしの1定の代質で,私,海外経済交流の推進ということが今後の本市の産業の活性化につながるであろうということで申し上げさせていただいたところでございます。これに対しまして市長のほうから,各種施策をより一層拡充し,そして海外との取引拡大に向けた機運の醸成をこれまでにも増して粘り強く図っていきたい旨のご答弁をいただいたところでございます。  そこで,本市物産の販路拡大対策についてお伺いをしてまいりたいと思います。  札幌産品といいますか,札幌を含めた近郊のさまざまな産品があるわけでございますが,これをいかにして継続的に長期的な展望に立って販路を拡大していくかということが,まさしく本市経済,あるいは産業の活性化に貢献していくものであると私はこのように思っております。  本市におきまして,昭和62年,札幌市の地場製品の開発を奨励するための制度としまして,地場製品開発賞というものを創設されまして,受賞企業の市場開拓を支援されてきたわけでございます。また,ファッション関係につきましても,ファッション産業の振興ということで,サッポロコレクションなどを開催してまいりまして,さっぽろプランドの紹介をして優秀な札幌の産品を掘り起こし,そして販路の確保と拡大に向けて努力をされてきたなと,このように思っております。  また,農産物,畜産物,あるいは水産物,これは北海道は非常に札幌も含めまして新鮮で良質な物が供給されるということで,各製造業界におきましても,いろんな創意工夫を重ねながら,新しい製品の開発に努力をされてきたと,このように思っております。  本市の場合,特に,食料品の製造業が占める割合というのが非常に高いわけでございますので,先ほど申し上げましたように,販路の拡大ということが非常に大切なことではないかと思います。  これまで札幌としまして,北海道内の各都市,あるいは,いろんな関係団体とともに北海道物産展というものをあちこちで開催してまいりましたけれども,これまでの総括的な本市としての販路拡大事業の概要と,どのような成果があったのか,まずこの点についてお伺いをしたいと思います。 ◎佐藤 商工部長  本市あるいは周辺町村の物産の販路拡大ということでございますが,札幌の物産の拡大事業につきましては,本市としても大分以前から積極的に取り組んできておるところでございます。  戦後間もなくの昭和25年に初めての北海道物産展が福岡と大阪で開かれまして,これが契機となりまして,物産展が毎年全国各地で開催されるようになりました。しかし,当時は北海道の物産が知られていなかったということと,輸送事情がよくないということで大変苦労の連続であったと聞いているところでございますけれども,物産展の成果が上がるにつれまして,業界の組織化が叫ばれるようになり,昭和27年には札幌物産協会が設立され,さらに同46年には社団法人化して組織を充実させ,会員数76社で現在に至っているわけであります。  物産展の会場数で見ましても,昭和40年では全国13会場であったものが,昭和50年には58会場,さらに昨年では102会場に達するまでになっております。また,買付け金額の面で見ましても,11億円という多額な買付け金額にまで成長しております。  さらに海外にも目を向けておりまして,昭和47年にハワイで北海道の物産と観光展を初めて開催したところでありますけれども,以後継続して開催されておりますし,また,平成元年からはロサンゼルス市においても新たな展開を図り,ことしも来月下旬にロサンゼルスでの第3回目の札幌物産展を開催することになっております。  このほか,東京,大阪の国際見本市でのPR,商談,それから海外で開催しております見本市,たとえばパリ,あるいはケルン,ミュンヘン等国際食品見本市への出店の援助,さらに地元で開く札幌国際見本市の出店に対する補助,そしてまた海外4姉妹都市に設置されております札幌市の常設展示場への商品の展示など,いろんな機会,手法を使って本市の物産の販路拡大の支援を行なってきているところでございます。 ◆義卜 委員  いまのご答弁の中では,さまざまな手法を使って海外での販路拡大,あるいは国内における販路の拡大ということで,一生懸命されてこられたということには,一応の評価といいましょうか,そういう認識を持っておりますけれども,先ほど来お話にございましたように,景気の低迷というときは,行政と関係団体,いまご答弁にありました札幌物産協会,こういう関係団体との連携を強化して組織の充実,そしてまた新たな強力な事業の展開ということが望まれるのではないかと思っております。  いまお話にございました札幌物産協会,46年に法人化されたということで,戦後の発足当初から大変なご苦労をされて今日に至っているわけでございます。いろんな長い歴史があるわけでございますけれども,やはり長い歴史があるということは,今日的に振り返ってみるならば,組織の活性化ということで指摘される面があるかと思いますし,また,何か新たな手法というものが必要であれば,協会の問題として改革すべきことかなと思います。  具体的に申し上げますならば,どのようにしたら,物産展の会場数がふえていくかと。そしてまた,どうしたら,いまお話ありましたような買付け金額,そしてまた数量を伸ばしていくことができるのかということだと思います。  本市としましても,いろんな今後の展開が考えられるかと思いますけれども,知恵を絞って本市の中小企業の優秀な商品の販路が,さらに一層拡大できるような支援をしていくべきではないかと,このように考えておりますが,ご見解をお伺いしたいと思います。  もう1点,先ほど申し上げましたように,海外に向けての販路の拡大ということでございますけれども,いまほどアメリカを中心として販路の拡大を図ってこられたということでございますけれども,これからはアメリカに限らずほかの地域,たとえば最近非常に成長を遂げております東南アジアの方面にも目を向けるということを検討してはいかがかと思いますが,ご見解をお伺いしたいと思います。 ◎佐藤 商工部長  物産展の会場数の増,あるいは買付け額,数量の伸び,これに対してどう取り組むかというお話でございますが,私どもとしては,この物産展の事業の窓口でございます物産協会とともに,一つには,新たな商品の提供とか有望商品を発掘するということによって,マンネリになりがちな物産展をさらに充実していくということがございます。それから,二つ目には,本市物産業界に一層の結集を呼びかけていくということがございます。また,三つ目には,常に消費者ニーズを先取りした商品開発の指導,育成に努めるということがあろうと思います。また,四つ目には,国内及び海外の新規市場開拓に努めること,こういうようなことが挙げられると存じます。  それから,海外での販路拡大の問題でございますけれども,お話にございましたように,海外での販路拡大につきましては,アメリカばかりでなくて,今後は東南アジアも含めまして,より効果的な地域や都市,こういうものを検討してまいりたいと思います。  いずれにしても,札幌発の優良商品を全国はもとより全世界に向けて推奨し,市場開拓をするように努力をしてまいりたいと,このように考えております。 ◆道見 委員  私のほうから二つばかりマル札資金に関連して質問をいたします。  いま畑瀬委員なり三上委員からるるお話ありました。私は,もっと生きた経済学で話したいと思います。 マル札資金をやっていただく,これは企業としては本当にありがたいことです。何といっても,何ぼ企業が赤字になっても,資金さえ回っていれば企業は倒産しないのですよ。交通局も1,700億赤字になっても,資金さえ回っていれば倒産しないのです。これが現実なのですよ。資金手当てをどうするか,これにマル札資金が非常に役立っている。資金があって,次に仕事があれば,金利が幾ら高くても借りれると,これが実際の企業なのですよ。金利が安く,金が借りれるのが一番いいですよ。だけれども,実際に働いている中小企業の方は,まず金が借りれるということが一つ。それから,仕事があれば何とかできると。不景気ですから仕事はない,金は貸してくれないとなったらこれは大変ですから,経済局が行うマル札資金というのは大変ありがたい。  そこで,わが会派の伊藤委員や,いま畑瀬委員が話ししました保証協会の任意制の問題,これは非常に大切なことなのですね。やっぱりプラス保証料を1%なり,0.8なり,若干幅があったにしても,金利が高くなると。仕事があれば金利高くてもいいというのが中小企業の本音ですけれども,しかし,実際に企業が銀行に借りに行くとき,まず担保を要求されて,保証人要求されて,信保付になるのですよ。そして,力のあるところは,信保付にならなくても貸すのですよ。ところが,本当に困っている企業は担保がないのですよ。ほかで借りているとか。  企業の実態の例を言うけれども,ある企業,自己資本率が43%の会社が,長期の設備資金をやるという場合において,長期ですから100%の担保を要求されるのですよ。100%の担保がなかったら,自己資本率43%の企業でも銀行から融資を受けられないのですよ。わかりますか,そこら辺のこと。  そういうことで,実態は,信保付が任意になるということは非常に前進した。もう一つは,信保付はやむを得ぬと,保証人だけで貸してくれる方法を探れないものなのかどうか。  これは,非常に複雑に絡んでいるのだよね。保証協会は,安全性のために銀行に対して担保を入れさせれと,おそらく要求すると思うのですよ。万が一のことがあったときは保険金が出ると。保険機構は国の機関だから,国のほうも何とか安全性を求めるとなれば。これ言っていること,建前と本音がぐるぐる回っているのですよね。だけれども,ほとんどの企業は,信保付になることはやむを得ぬと,1%高くなってもいいと。そして,うちの女房が保証人になってもいいと,実際それでも貸してくれないのです。  だから,そこが借りれるようになれば,本当の生きたマル札資金になるのだよね。これができないものなのかどうか。銀行に対して言えない。市役所は銀行じゃないから。ここの部分を何とか3者協議に基づいて受けやすくする。そしたら私はマル札資金は100%マル。いや,しゃれで言っているわけじゃないですよ。本当にマル。そういうふうになるのですよ。これが何とかできないかどうか。  もう一つ,これは過去に内部で検討した経過があるかどうかわかりませんけれども,信用保証協会を私は札幌独自でつくれるものだったらつくる交渉を大蔵省に対してしてほしいと。北海道これだけ広いのですから。九州だったら7県,県ごとに保証協会あるはずです。ですから,北海道はこれだけ広いのだから,札幌独自で保証協会をつくる。戦前からある政令都市は,五つ保証協会がつくられてあると。戦後は許可になっていないようですけれども。私は,いまの保証協会のあの体質といったらちょっと批判になってしまうけれども,やっぱり切磋琢磨させると。中はいいけれども,小零細企業に役立つマル札資金に持っていくために,どっちみち市が補償するのであれば,損失補てんするのであれば,独自に札幌市が保証協会をつくると。過去交渉したことがあるのかどうかわかりませんが,過去の経過と,これからそういうことを真剣に大蔵省なり国に働きかけていく考えがあるかどうか。これができれば,私は物すごく金融政策はいいものになると,こう思っているのですがいかがでしょうか。 ◎高島 中小企業指導センター所長  信用保証にかかわるお尋ねの1点目の信用保証の弾力的運用のご質問でございますけれども,中小企業者にとりましての融資の円滑化,これは非常に大事なことでございます。この円滑化につきましては,昨年来数度にわたりまして,金融機関,あるいは北海道信用保証協会に対しまして,資金需要に積極的に対応をしていただくよう,特段の要請を文書で何回も行なってきております。  いまのお話の北海道保証協会の取扱いの件につきましても,ある意味では信用保証協会のほうでご検討いただく件でございまして,今後ともいまおっしゃいました中小企業の金融の円滑化を積極的に推し進めるために,機会あるごとに金融機関,そして北海道信用保証協会に対しまして要請し,努力してまいりたいと,そういうふうに考えます。以上でございます。 ◎鈴木 経済局長  2点目について私からお答えいたします。  ご承知のように,信用保証協会制度は,中小企業の信用力が弱い,あるいは担保力が弱い,そういう企業に対しまして,信用補完をする役割を持っているものでございます。したがいまして,今日のように中小企業が非常に厳しい状況にある中では,特に信用保証協会の真価というものが期待されるわけでございますけれども,いまご提言ございましたことにつきましては,貴重なものとして受けとめて,今後検討させていただきたいと,そう思います。 ◆横山 委員  私も,この不況の中で大変苦しんでいらっしゃる中小零細企業の皆さんへの融資の問題についてお尋ねしたいと思います。  不況の状況については,畑瀬,そしていま三上,そして道見,それぞれの委員からいろいろなお話がありましたので,そこのところは省きながら,ぜひ経営安定特別資金,この問題について引き続き検討していただきたい。  大変な不況で,先ほど畑瀬委員のご質問に対してお答えになっていらっしゃいますが,数字を見ても,たとえば冷夏で札幌市の場合は,観光客も少ない。新聞なんかを見ると,お弁当屋さんなんかも不況で大変だというお話も見受けられるわけです。  特に札幌市はサービス業に依存をしている。ですから,札幌市の業者の皆さんというのは,この冷夏で大変なダブルパンチというか,そういう状況になっているということなのですね。それで,ぜひことしの3月まで実施されていた経営安定特別資金,これを復活させていただきたい。  それともう一つ,いま信用保証協会のことが話題になっておりましたけれども,実際に,いまの制度資金を活用したいと銀行に行ったときにどんなことが起きているか。利用が大変ふえている,到達で85%にもなっている,大変人気が高い,それが即利用しやすいということになっているかというと,決してそうではないのですね。
     たとえば銀行の窓口に行って融資の申込みをする。どんなふうに対応されるかというと,あなたのところは,実績がありません,そう言って断られる。そういう実績がないところこそ,いま道見委員が小零細企業というふうにおっしゃいましたし,局長も信用度の低い企業に対してというお話もありましたけれども,そういう企業が救いを求めているにもかかわらず,銀行は貸渋りをする。  4月20日の陳情審査のための常任委員会の中で,この問題を私も指摘をさせていただきました。その後,いま指定銀行は市内で300に及ぶというふうにお聞きしておりますけれども,その銀行に対して,できるだけスムーズに融資を行うようにこの間大変ご努力をしていただいたということもお聞きをしております。  しかし,依然としてそういう窓口での対応があると。この現状をどう受けとめて,どうご認識なさるのかお聞きしたいと思うのです。本来制度融資というのは,先ほどもお話ししたように,銀行との関係,実績がない,少ない,そしてまた銀行から借りられない,そういう融資を受けるのが困難な企業に対して,この制度融資というのは大いに活用されなければならないにもかかわらず,いま銀行ベースで制度融資の実施が行われているということに対してのご認識,ぜひお聞かせを願いたいというふうに思います。 ◎高島 中小企業指導センター所長  1点目の経営安定特別資金の復活という件にかかわりましてでございますけれども,先ほど来ちょっと申し上げておりますけれども,平成5年度からマル札資金制度の大幅な条件改善をしたところでございます。その改善点としては,まず信用保証の任意制,あるいは利率の引下げ,あるいは限度額の引上げ,あるいは償還期間の延長等がございます。特に小規模事業資金につきましては,金利を特別に0.1%下げまして,現行では3.4%の非常に低利な資金になってございます。  これらマル札資金の大幅な改善の結果等から全体の利用状況は非常に好調でございまして,昨年に比べまして2倍近くも伸びているところでございます。中でも,これも先ほど申し上げましたけれども,500万円以下の融資額の利用,これは全体の6割を超える状況にございます。  このことから,中小零細企業者にとりましても,広くご利用いただいているものと考えてございまして,マル札資金で十分対応できているものと認識してございます。  なお,今後もマル札資金の充実には努力してまいりたいと,そんなふうに考えてございます。  それから,2点目の金融機関の窓口対応にかかわりましてのご質問でございますけれども,経営環境が大変厳しゅうございまして,本市としても,資金繰りが悪化している皆さんの金融円滑化を図るため,融資制度をご利用いただきたいというふうに考えているわけでございます。そこで融資相談や,あるいは融資手続を受けます各金融機関の窓口の対応はきわめて重要でございます。それで,本市といたしましても,制度融資を含めました中小企業金融全般にわたりまして,その円滑な活用の推進等につきまして,先ほどもちょっと申し上げましたけれども,文書等により各金融機関に要請してきているところでございます。  なお今後におきましても,機会あるごとにその件にかかわりまして金融機関に要望してまいりたいと,そんなふうに考えてございます。以上でございます。 ◆横山 委員  銀行の対応については,引き続き,ぜひ円滑な活用ができるようにご努力をお願いしたいというふうに思います。  経営安定特別資金の延長についてですが,全国的にも先がなかなか見えてこない不況の中で,名古屋市,また尼崎,豊中,それぞれの全国の市で特別資金の復活というか,延長というか,行われているところなのです。いまのマル札資金と安定特別資金とは当然条件が違います。ですから,より融資が受けやすいように,そしてまたこの特別資金の目的に沿って融資が受けられる,救済をする,支援をする,そういう立場でぜひ復活ということをお願いしたいと。  それで,それを進める上で,たとえばこれは兵庫県の尼崎の実例なのですけれども,市の担当部局の皆さんが実際に業者の生活実態調査を行なっているのですね。生活と営業の実態をじかに調査をして,何とか救済をしようと。企業ですから,当然企業努力ということも求められます。私は4月の委員会のときにもお話ししたかと思いますけれども,しかし,企業の努力だけでは賄い切れないいまの構造的な不況を,やはり行政として支援をしていく,そういう姿勢を見せるべきではないかと。そういう意味では,尼崎で行われている,市の原局の皆さんが実際に事業所に出かけていって,その実態調査をするというのは大変積極的で,本市でもぜひそういうことを実施していただけないものか。  それと同時に,窓口の対応について,これも豊中市で行なっているのですけれども,申込みの窓口はあくまでも市でやっていると。申込みを受けた後,市の職員の皆さんが金融機関にあっせんをする。制度融資ですから,当然行政がこのように関与していくということは大変重要なことではないか。制度融資を利用する,活用する場合に,こういうふうな形で,何とか札幌市でも銀行任せではなくて,中小企業センターであれば,相談の窓口のところに直接融資の申込みもできるような,そういう機構ができないものかどうか,こういう改善をお願いしたいというふうに考えますが,その点でいかがでしょうか。 ◎高島 中小企業指導センター所長  1点目の企業の実態を把握しながら融資制度を運用すべきでないかと,そしてまた具体的方法についてのご意見等ございました。委員がおっしゃるように,実態をとらまえて,そして融資制度をそれに合わせながら実行していくと,その点は,そのとおりというふうに考えてございます。  ただ,実態把握の方法として,先生から具体的にたとえば職員が企業のほうに行くなどというお話ございましたけれども,そういう方法がとれるかどうかは別にいたしまして,今後とも実態把握に努めながら,融資制度の運用を図っていきたいと,そんなふうに考えてございます。  それから,融資制度の窓口を,たとえば他市のように市でできないかという件でございますけれども,本市の融資制度の窓口は金融機関でございまして,23の金融機関で支店を入れますと300ぐらいの支店でお受けしているということになります。ということは,300の窓口で企業の多くの皆さんのご相談に応じているのがいまの制度であるというふうに考えてございまして,現段階では,いまの制度がより企業者にとってもいいものであると,そんなふうに理解してございます。 ◆横山 委員  ぜひ積極的に改善をしていただきたいというふうに思います。  この冬,どう年を越したらいいのかと。実際に6月に全商運で,北海道で営業と生活の実態調査を行なった中でも,大変業者の皆さんの厳しい生活ぶりが浮彫りにされてきています。ですから,業者の皆さんの暮らしと営業を守る視点で,ぜひ踏み込んだ施策を進めていただきたいというふうに要望するのと同時に,先ほど,マル札資金,いまの推移ではほぼ予算額よりも大幅にオーバーするであろうと,現在85%の到達率で,12月にも補正をお願いしたいというようなご答弁がありました。もし補正をというふうにご検討をされるのであれば,ぜひこの特別資金の復活を重ねてお願いしまして,終わりたいと思います。 ○大越 委員長  次に,井上委員の質問に移りますけれども,井上委員からは,次の農政費にかかわる質問もここで同時にするかもしれないと。したがいまして,その点委員長として許しますから,委員の皆さんにはご理解をいただきたいと思うのと,説明員の皆さんには,あるいは農務部に関する質問も出るかもしれません。これもご協力をいただきますように,委員長からお願いをさせていただきます。 ◆井上 委員  米不足の問題に関して4点質問させていただきます。  1点目は,私たちの食べる米が,どれぐらい不足しているかということです。  8月15日の作況指数を見ますと95,9月15日で80。80であれば200万トン不足だと報道されておりますが,きょうが最終のそういう指定の日になっていると聞いております。そういう中で,どれぐらいの米が不足しているのか,この見通しについてまずお尋ねいたします。  2点目は,米の需給と価格についてです。  米が店頭から消えた,また,米の銘柄によって店頭には置いていない。私も調査しましたけれども,10月の前半まで札幌市内でもこういうことが起こっておりました。市の消費者センター,また区,商工課などにも相談が実際来ているというふうに聞いておりますけれども,この米のない状況はどのように押さえられているのでしょうか,お尋ねいたします。  2番目の二つ目は,価格の問題です。  食糧庁は,凶作による米の価格の高騰を防ぐために価格の調査,それから販売業者への監視,また,指導を強化するということで,各都道府県と食糧事務所に通達を出しました。物が不足になれば,価格のつり上げはいままでにも何度かありました。売るほうが売惜しみをするということになりますと,当然価格の高騰が予想されます。そういう中で,非常に心配な面が出ております。本市としても価格の高騰が起こらないように対処すべきだというふうに私は考えますが,これについてもお尋ねいたします。  また,3点目は,加工用米についてです。  実は,加工用米を扱っている方から直接お話を聞く機会がありました。いままでですと,1等,2等,3等,それ以下の米が回ってきて,米がたくさんとれたときにはどんどん利用してほしい,そういうふうになっている中で,ことしは米のふるい目も最低にして食用に回しているので,加工用米を扱っているところには米が入らない,本当に死活問題だということで非常に怒っておりました。市は,これらのことをどのように把握されているのか,そしてまた対応をされようとしているのかお尋ねしたいと思います。  4点目は,緊急輸入と復田の問題です。  緊急輸入という事態,そして減反を進めてきたのに,新聞の報道によれば今度は復田をする,こんな場当たり的な政策は生産者を踏みにじるものだというふうに私は思うのです。国の農政の失敗だと言わざるを得ません。そういう中で,先日来日したアメリカのエスピー農務長官に対して畑農水相は,相当な量を米国から輸入するということも言っているのですね。そういう中で,国の農政の見解について,ぜひここでお聞きしたいと思います。  それと,いまもお話ししましたけれども,米不足から,来年度以降,水田をつぶしてきたのをまた復田させる,こういう報道がされております。全体では10万ヘクタール,そして道では4,000ヘクタールですね。この復田の意向調査も行われたというふうに聞いております。本市は,これについてどのような対応をされたのか,この4点についてお聞きいたします。 ◎佐藤 商工部長  後段の輸入問題,あるいは復田問題を除く点につきましてお答えを申し上げたいと思います。  まず,第1点の米不足の見通しというお話でございますが,9月15日時点の作況指数では80ということでございますので,従来からの生産数量からしますと大体1,000万トン前後でございますから,200万トン不足かなというふうに言われておるところでございますけれども,まだこの10月の発表はございませんので,憶測でお答えするというのは控えさせていただきたいと存じます。  それから,品不足等にかかわる問い合わせ状況でございますけれども,私ども商工部を含め,区の広聴,あるいは消費者センター等に20数件ほどの問い合わせが参っております。その多くは,店頭に米がないということでございました。スーパー,量販店,さらには個人商店の一部において米が一時的になくなるという状況はあったようでございますけれども,今週に入りましてからは本州米の新米が入るとか,あるいは来週早々には道内産の新米が出荷されるということでありますので,米不足と言われた状況は早晩解消されるものと,このように考えております。また,市民からの問い合わせがあった場合にも,そのようにお答えしているところでございます。  それから,価格の問題でございますけれども,大幅な値上げに対しましては国レベルで指導監督が行われるということになっておりますので,今後とも北海道食糧事務所や,あるいは道などの関係機関と連携をとりながら価格動向についての情報収集に努めたいと考えておりますし,また,われわれ市内部としましても,市民局の消費者センターなど関係部局と密接な連携をとりながら対応してまいりたいと思っております。  それから,加工米業者が米不足になっているのではないかと,その状況をどう把握しているかということでございますけれども,加工米については他用途利用米,あるいは特定米穀などを主要原料といたしますみそ,しょうゆ,あるいは米菓子などの団体がございます。こういう業界団体へ問い合わせてみたところ,いまのところはまだ具体的な影響はあらわれていないということでございました。しかし,本市としては今後も適宜,そういう団体等から事情をお聞きしまして,状況把握に努めてまいりたいと,こう思っておるところでございます。以上でございます。 ◎坪田 農務部長  緊急輸入と復田の問題につきまして,私から答弁をさせていただきます。  まず,米につきましては,国の需給制度に基づきまして各地方自治体が実施しているものでございます。現時点では,この制度による需給の調整,その政策展開が必要ではないかというふうに考えております。しかしながら,米というのは日本人の主食でもございますので,食糧の安全確保の点からも需要に見合った必要量はぜひとも確保すべきものと考えております。  2点目の復田でございますが,今回の復田の措置につきましては,各生産者の復田の希望を調査した上で実施される予定と聞いております。しかしながら,本市の場合は立地条件などから復田が非常に難しく,希望もなく,復田は実施されない見込みでございます。以上でございます。 ◆井上 委員  米不足については,9月15日で80ということですから,大体予想では200万トン,これが70になった場合は200万が300万,そういう形で予想されるのですね。これについては,いままでも,私たちもそうですけれども,生産者,それから消費者団体も150万から200万トンの確保は必要だというふうに国にも求めてきました。しかし,国においては,財政効率を優先させる中で,100万トンを適正水準にして,ずっとやってきたのです。ところが,10月末での在庫を見ましても,30万トンぐらいしかない状況で,非常に綱渡り的な需給計画を行なってきているのです。これらを本当に安定的にできるように,私は米の需給計画を設定していくように,市としてもこれを国に対して,道に対して求めていくべきだというふうに考えます。これについては,もう一度ご答弁をお願いいたします。  2番目の,一時的に米がなくて,いま大分出てきている,そういうふうなご答弁でした。店頭に出ていないところも,実際に歩いてみましてありました。だけれども,お得意さんには渡す,そういう小売店もあって,非常に小売店でもご苦労しているのですね。米の卸売からの出荷が,例年の半分ぐらいになっていると,そういうことが依然として起きておりますので,この辺をきちんとこれからも指導していっていただきたいというふうに思います。  2のことです。これについては,いま,きらら397で4%の値上げ,こういうふうなのも出ていまして,大幅な値上げは国レベルで考えていくということで回答もありました。また,本市についても消費者センター,関係部局とそういう形で対応していくというご答弁もありましたので,その辺は引き続き進めていただきたいというふうに思います。  3点目の加工米についてです。  これについても,具体的にはまだ皆さん把握されていないというふうに私は見ているのですが,これからそういうことが出てきたら,調べていくといまご答弁ありました。こういうのを取り扱っているのは大手だけじゃないのですよね。小さいところでも精米機を持っているところでやっておりますので,十分見ていただきたいというふうに思います。そして,中小企業への影響も出てきております。これに対しての支援についても,いま中小企業マル札資金のこともお話に出ておりました。十分配慮していくように要望しておきます。  4点目の緊急輸入,それから復田の問題です。  札幌市としては,復田について希望されなかったということで,非常に私も残念に思います。私どもの生駒議員も何度もここで取り上げてきました。本市でも昭和44年には水田が4,000ヘクタールもあったのが,現在では50ヘクタールにも減ってきている。大幅に水田が減らされ,減反の押しつけがやられてきたと。都市の中での水田を守っていくという立場で非常に難しい問題はあると思うのですけれども,それ以上に,長い間減反を押しつけてきた中で,米をつくる意欲を失う,そういうことがこれによってできてきているというふうに思います。今回国が進めた減反によって大凶作,そして米の見通しのない需給計画の中でこういうふうになってきていまして,私は国に対して,札幌市民の食を守る立場としても厳しく指摘していただきたいというふうに思います。これは要望しておきます。 ◎鈴木 経済局長  米の安定的供給につきましてでございますけれども,これは非常に重要なことでございまして,私どももぜひそうでなきゃならないと思っております。現行の食管制度の中で,必ずそういうことが確保されるであろうと思っておりますけれども,今後また,道や食糧事務所などとも連携をとりながら,そういうことに努力をしていきたいと,そう思っています。 ◆井上 委員  要望になります。私もいま天候の問題などもお話ししてきましたけれども,不作が続いても安定的に見通せるような,そういうことを求めていただきたいというふうに思います。  それで,要望2点あります。加工米が輸入されるということがありまして,その中身を見ますと,子供たちのお菓子,せんべい,それからみそ,しょうゆ,そういう形で使われていく加工米です。そういう面では,さきの委員会の中でも,米の安全の点検の問題が出されました。十分にこの辺の対策を講じられるように求めておきます。  また,もう一つは商工課の体制についてです。連日皆さんも新聞を見てのとおり,米の問題が出ないときはありません。そういう中で,実際に足で調査するということもあって,非常に努力しているというのも私も今回わかりました。しかし,米がない,そういう中で市民がパニックを起こさない,そういう適切な指導も求められておりますし,中小企業のそういうところを守る上でも,ぜひともこの体制を充実されますことを求めて,私の質問を終わります。 ○大越 委員長  以上で,第1項 商工費の質疑を終了いたします。  次に,第2項 農政費のうち関係分の質疑を行います。 ◆青木 委員  ことしの異常気象は大変なものでございまして,いろんな面で影響を受けております。本市におきましても,水道局などは水が売れなくて大変苦慮しているという話を聞いておりますが,特に農業はご承知のとおり,大被害をこうむっております。  それで,本市の水稲及び野菜の作況,どんな状態にあるのか調べてあったらお知らせをいただきたいと思いますし,その対応をどう考えているのかまずお答えいただきたいと思います。 ◎坪田 農務部長  私からお答えさせていただきます。  異常気象による農作物の作況とその対策ということでございます。  ただいまのご質問にありましたとおり,全道的な冷夏の影響から水稲が特に悪く,9月15日現在の道の作況調査によりますと,道の水稲の作況指数というのは46となっております。また,本市につきましても特に水稲が悪うございまして,作況指数37程度と予想しております。しかし,野菜につきましては本道の基幹作物でございますタマネギだとか,あるいはホウレンソウを初めといたしまして,全般的に平年並みに近い作況と把握をしております。  次に,本市の対応でございますけれども,水稲の被害が懸念されました9月に,札幌市異常気象農業対策推進協議会というものを設置をいたしまして,特に水稲につきまして,病害虫の対策だとか,適期刈取りなどの営農指導を実施してきたところでございます。  しかし,先ほどから質問ございましたとおり,本市の水田というのは転作が非常に進んでおりまして,いま現在73ヘクタールというのが作付の面積でございまして,このうち自家用米がかなりの部分を占めてございます。したがいまして,被害額で想定しますと,約5,000万程度予想しておりますけれども,水稲につきましては共済制度も確立しておりますし,また,救済を必要とする農家につきましては制度資金等の融資の道もございますので,これらによって対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆青木 委員  次に,農業振興地域の問題でお尋ねしたいと思います。  農業の使命は,新鮮かつ良質な農畜産物を生産することはもちろんでございますけれども,緑豊かな自然と良好な環境を提供するという重要な役割も果たしております。本市の農業粗生産額は年間約100億程度でございますけれども,石狩管内では第2位という実績だと伺っております。山林地域とともに,すぐれた都市景観を形成しているものと私は理解しておるところでございます。  それで,昨今の農業を取り巻く環境は農薬問題に加えまして,冷害を受けて一段と厳しさを増しております。そこで,農務部が昨年度行いました地域農業実態調査によりますと,経営主の平均年齢は59.5歳ということで,60歳以上の農家が過半数を占めております。そのうち,後継者がいる農家はわずかに15%程度で,高齢化が進んでいるのはご承知のとおりでございまして,まことに深刻でございます。しかしながら,その中においてもまだ4割ぐらいの農家の方々が,長期にわたって農業を続けていきたいという意思を持っているところでもありまして,このことは大変頼もしく期待しているところでございます。一方,高齢化や後継者難によりまして,規模の縮小や離農を避けられない農家があるということは,これまた大変憂慮すべき問題だなと考えているところでございます。  そのような中で,本市が見直しを進めております農用地区域は,土地の利用の規制を伴いますことから,市街化区域編入や都市的土地利用を期待する農家から,除外の要望が大変強く出ております。このことにつきましては,本市はすでに各地区ごとに説明会を行なったり,大変困難な状況の中でおおむね理解なり納得が得られて,現在,本案作成に取り組んでいると聞いております。  そこで第1点目といたしまして,地域の生の声として,地元農業者からどのような意見や要望があったのか,これに対して本市はどう対応していくのかお伺いいたします。  次に,農用地区域の見直しにつきましては,国の法令等で規定されております。これによりますと,除外については公用・公共用施設用地として計画が決定した土地,周辺農地を含めても20ヘクタール程度の団地規模に満たない区域,さらには山間地域で長期的に見て農地の保全が困難な区域などに限定されているところでございます。また,編入については,農用地区域に含まれていない集団的農用地や,現在の農用地区域に隣接する農地等については新たに設定すると聞いております。  そこで2点目として,このような基準に従って具体的に見直しを行なった結果,農用地区域はどの程度の規模に落ち着くのかお伺いいたします。お願い申し上げます。 ◎坪田 農務部長  それでは,二つの質問に対してお答えをいたしたいと思います。  まず,1点目の地区の説明会における農業者の意見への対応ということでございます。  農用地区域見直しの地区説明会につきましては,本年の6月から7月にかけまして,17地区を対象といたしまして実施をしたところでございます。その結果,地元の農業者から多くの意見や要望がございました。これらを簡単に要約いたしますと,まず除外の意見といたしましては,高齢化や担い手不足によって農業経営が困難であり,いつまでも農用地区域として土地利用を拘束されたくないという意見がございました。また,農用地区域に設定されていると,市街化区域の編入や都市的な土地利用の足かせになるなどの意見がございました。これらの意見につきましては,先ほどお話もございましたが,運用通達が改正されまして,農用地区域見直しのスパンが従来の10年ごとから5年ごとに短縮されたことによりまして,社会経済情勢の変化に的確に対応した見直しができるということになりました。また,市街化区域の線引き見直しの時期と合わせまして,今後農用地区域の見直しを行うということで,大方の理解を得たところでございます。  それから一方,農業施策に対する要望についてでございますが,高齢化や後継者難ということで,耕作ができなくなった農地や,あるいは借り手,買い手のない農地への対応,あるいは農用地区域内の助成策の強化充実,それから市民農園の開園支援などもございました。これらにつきましては,今後,農地の情報の提供,あるいは新たな助成策の創設も含めました農地の流動化事業を推進いたしまして,既存の補助事業等の強化とあわせまして,市民農園事業につきましては計画策定などを実施いたしまして反映していきたいというふうに考えております。 ◆青木 委員  農業問題は大変難しくて,特に都市近郊農業というのは厄介なことでございますので,農業者の立場に立ってひとつ事を解決していっていただきたいと思います。  次に,南区の農業事情は,山間,傾斜地や狭隘な土地の多いところで,耕地条件,自然条件から見て,必ずしも農業に適しているとは言えない厳しい農業環境で経営が行われてきた地域であります。集団として農用地の確保が非常に難しい区域であります。  そこで,現在取りまとめ中とは思いますけれども,特に南区における農用地区域の取扱い状況についてお願いいたします。農用地区域を含めた農業振興地域整備計画の見直し完了時期はいつごろになるのかお伺い申し上げます。 ◎坪田 農務部長  南区の取扱いについてでございます。  まず,第1点目の南区の見直しの状況でございますけれども,現在,石山地区,簾舞地区,砥山地区,それから滝野・真駒内地区及び藤野地区の5地区におきまして,129ヘクタールの農用地区域を設定しております。  今回の見直しによりまして,石山地区38ヘクタールは山間地域で,将来とも農業利用が困難な地域と認められますので,この地域全体を除外する考えでおります。次に,簾舞地区9ヘクタール,砥山地区2ヘクタール,これにつきましては,周辺部の農地を含めまして規模が小さく,面積要件を満たさないため,区域全体を除外する考えでございます。それから,滝野・真駒内地区59ヘクタールございまして,これにつきましては,現況山林と山林を含んだ孤立した農地が21ヘクタール,これらを除外する一方,介在いたします農地を編入する考えでございまして,見直し後は38ヘクタール程度になる見込みでございます。最後に,藤野地区21ヘクタールにつきましては,周辺部の孤立した農用地区域5ヘクタール程度を除外する考えでございます。  したがいまして,南区では,見直し後は54ヘクタール程度になる見込みでございます。 ◆青木 委員  要望を申し上げます。  南区の農用地区域の取扱いにつきましては,ただいまお聞きいたしました。しかし,南区には緑豊かな自然と,これにマッチした滝野すずらん公園や芸術の森などの市民憩いの施設があります。地域振興の観点に立ちますと,緑を保全しながらも良好な都市環境づくりに貢献する農業は,今後とも必要であると私は考えております。南区では,特に恵まれた自然条件を生かしまして,果樹農園農家が庭先販売や入園もぎ取りなどに創意工夫を凝らしており,観光農業に意欲的に取り組んでおるところでございます。  そこで,まず第1に,南区の農業の特色でありますこの観光農業について,従来にも増してきめ細かい配慮,支援をお願いしておきます。  また,札幌里づくり事業で移転する農業センターの跡地利用が何かと取りざたされておりますが,ここを小金湯地域の発展の基盤といたしまして,地域農業を支援する場として有意義な活用を図っていただきたいと,この2点を要望して質問を終わります。ありがとうございました。 ◆佐々木[周] 委員  私も,本市の農政につきまして2点質問いたします。  最初に,本市で生産された有機農産物の利用拡大についてお伺いしたいと思います。  現在,スーパーや八百屋さんなどに行きますと,ありとあらゆる野菜,果物が並んでおりまして,食欲をそそっているというわけなのですけれども,その反面,季節感がなくなったということを感じております。ただ,それだけではなくて,いろいろな問題が起きているような状況にあります。その一つは,肥料のやり過ぎで病気になる作物がふえているというようなこと。たとえば,3年ぐらいは肥料をやらなくても十分作物はできるというふうな道のほうの研究の結果も出ているそうです。また,連作障害で病気が発生している。これは,大規模農業を産地指定をして,同じ作物を何年もつくり続けることによる弊害が出ているというようなことです。また,見かけは同じでも,露地でつくられた物と,ハウス物とでは,ハウス栽培の物の栄養が半減している。そういうような状況にありまして,私ども消費者といたしましては,農産物についての不安がますます募っているというふうな状況です。  私たちは,いつも安心しておいしくいただける農産物が,いつも身近で生産されて,それが手に入る,そういうことを望んでいるわけなのです。そしてまた,成長期にあります子供たちには,とりわけ安心して食べさせられる農産物が供給できればなというふうに思っているわけです。  そこで質問なのですけれども,91年度に地場生産の有機栽培された野菜を給食に取り入れようということで,試行的に始まったということを伺っておりますけれども,それが好評だったために,昨年度は拡大されたとお聞きいたしました。それで,2年間のその実績と,それから供給形態,学校にどのような形で供給されたのか。そういうようなことについて最初にお伺いいたします。 ◎坪田 農務部長  学校給食に提供されました減農薬農産物の実績でございますが,平成3年度につきましては,東区の全小・中学校を対象に,約15トンのタマネギを供給いたしております。また,平成4年度につきましては,東区及び北区の全小・中学校76校でございますが,これを対象に約37トンのタマネギを供給しますとともに,リンゴにつきましては南区の全小・中学校41校を対象に,南区簾舞地区で生産されましたリンゴ約6.5トンを供給しております。これが実績でございます。 ◆佐々木[周] 委員  供給形態,産直方式でなさっているようだったのですけれども,わかりました。  それで,タマネギからリンゴまでと,少しずつではありますけれども,量も種類も拡大しているということで,これについてはさらに進めていただきたいなというふうに思っているわけです。  給食の是非ということが一時話題になりましたけれども,子供たちが給食に提供された野菜が市内のどこそこでつくられたものだということを想像するということは,社会科で農業を勉強するよりは,身をもってつくられた状況ということを勉強することができる,本当にいい教材にもなっているのじゃないかなというふうに私は思いました。  また,生産者にとりましても,販路が安定するということで,今後もますます有機低農薬野菜の生産意欲というのも高まってくるのではないでしょうか。そういうふうに私は思っています。都市で農業を続けるのは,農業に対する情熱だけではなかなか難しいということは,本当によくわかるわけです。そのために,安定した販路と価格があるということは,生産意欲を高めることができるわけです。ということから,本市が地場の農産物,それも有機低農薬野菜の購入を積極的に拡大するということで,先ほど来私が申し上げている有機農業をより一層拡大することができるのじゃないかというふうに思います。  そこで,二つ目の質問なのですけれども,これまでの供給実績を踏まえながら,小・中学校での拡大及び本市での保育園,または特養老人ホームなど,食事を提供している施設がもっとたくさんあるわけですけれども,そちらのほうにも供給を拡大してはいかがでしょうか。また,そのためにいろいろ各部局との連携というのも必要になるわけですけれども,その関係した部局との協議会などをおつくりになって,そのことについて実現に向けて相談していく,そういうことも必要と思うのですけれども,それについてもお伺いしたいと思います。 ◎坪田 農務部長  減農薬農産物の消費拡大と,それから保育園だとか,あるいは老人ホーム等への拡大をしてはどうかというご質問でございますけれども,市内で減農薬栽培をする農家というのは増加をいたしまして,特に子供たちの学校給食という形で消費拡大をするということは,大変望ましいことと考えておりますし,また,私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えております。  このため,減農薬農産物の生産流通に関しまして,各農協,あるいは生産組織,あるいは各関係機関と十分連携を密にとっているところでございますけれども,協議会の設置につきましても今後十分検討してまいりたいというふうに考えています。  なお,拡大をしてはどうかということでございますが,生産者の生産意欲が伴いませんと,なかなか拡大につながりませんものですから,これらにつきましては私どもも関係農協と十分対策を練りまして,拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐々木[周] 委員  いまのお答えのように,ぜひ積極的に進めていただければと思っております。よろしくお願いしたいと思います。  次に,私も農地保全の基本的な考え方についてお聞きしたいと思うのですけれども,都市における農地はどのような意味を持つかということを考えてみますと,もちろん食糧の生産の場ではありますけれども,都市景観に潤いを与える緑地空間ということで,大変重要なものだと考えております。  現在札幌市は,人口の集中によりまして,農地を宅地として確保していくと。先ほどの青木委員の質問に対しましてのお答えで,ずいぶん解除している部分がふえてきているというふうにお聞きいたしました。それを将来の札幌市全体の発展をとらえた中で,しっかりと進めていっていただきたいということを考えております。10年たった後に,気がついたときには虫食い状態で農地が残っているというようなことにならないように,後世に悔いを残さないような考え方で進めていただければと思います。  日本と旧西ドイツの農業生産の経営を対比するということがよくあるのですけれども,ある農業の研究者によりますと,ドイツでは経済哲学者シューマッハーという方の提唱した農業の三つの目的が十分生かされているということなのです。その一つは,人間と生きた自然界の結びつきを保つ。それから二つ目は,人間を取り巻く生存環境に人間味を与え,これを気高いものとすること。三つ目は,真っ当な生活を営むに必要な食糧や原料をつくり出すこと。こういうことが旧西ドイツの農業政策に貫かれているということが,都市景観としても本当にいい状況で農地が残されているということにあらわれているというふうにその方はおっしゃいまして,私も同感だなというふうに感じているわけです。  さて,札幌では,先ほども言いましたように都市化がどんどん進んでいます。宅地や,それからごみの埋立地に,優良な農地が転用されているというわけです。現在,市街化調整区域にはおよそ3,500ヘクタールの農地があるということなのですけれども,先ほど来のお話の中から,高齢化だとか,後継者がいないことなどで農業をやめる方が多くて,農地面積も年々減少しているということで,本当にいつまでこのような状況が続くのかなということで,私もとても不安な思いでおります。
     私は,先ほど申しましたように,生産の場だけではなくて,潤いのある緑地空間であって,また最近東京などではよく言われるのですけれども,都市全体がヒートアイランド化していると。そういうことを防ぐ役目もあるということから,できるだけ積極的に保全すべきだというふうに考えているわけです。札幌市民にとりましても農地を先人からの財産として大事に大事にとっておいて,そしてまた子孫に残すというふうに市民も一緒に努力したいものだというふうに思うわけです。  質問なのですけれども,札幌を魅力ある都市空間とするためには,農地の保全は欠かすことができません。本市として,現在調整区域にある3,500ヘクタールの農地の保全について,どのような考え方で進めようとなさっているのか,これについてお聞きしたいと思います。 ◎坪田 農務部長  農地保全の考え方ということでございますけれども,農地保全の取組みにつきましては,いま佐々木委員のほうからもお話ありましたとおりに,生産の場ばかりでなくて,緑豊かな自然環境の維持ということで,まちづくりの中でも欠くことのできないものと私も認識をいたしております。そんなことで,先ほど来の青木議員の質問にもご説明いたしましたが,いま農用地の見直しをやっておりまして,本市におきましても市街化調整区域にあります集団的な優良農地につきましては,農用地区域を設定いたしまして,保全を図ってきておるところでございます。  いずれにいたしましても,今後とも,都市的土地利用の問題もありますけれども,農地を保全していくという基本的な考え方に立ちまして,各種施策を実施していきたいというふうに考えております。 ◆佐々木[周] 委員  そこのところでは,ぜひ頑張っていただきたいと思います。  日本では,往々にして開発担当者は開発一辺倒,それから自然保護などはその部署部署で一生懸命やると。そうして,意見を闘わせる中で,力関係で往々にして方向性が決まってしまうという状況があるのではないかなというふうに私は感じているのです。本来であれば,担当する当事者一人一人が開発と自然の保護,あるいは景観などとの間を調整する,それをできるだけのポリシーと申しますか,将来的な考え方と申しますか,そういうようなものを持った中で進めていくということが求められているというふうに思います。  もう一つ質問したいことは,農務部としてのただいまのお答えのような考え方を,本市の都市計画の中に反映していただきたいと思うのですけれども,そういう場があるのかどうか,それについてお願いしたいと思います。 ◎坪田 農務部長  本市の都市計画その他の中で,農地を保全することについて反映していく場があるのかどうかということでございますけれども,いま現在,ご承知のとおり,企画調整局が中心となりまして市街化調整区域の土地利用構想というものを実は策定中でございますが,私ども農務部もそのプロジェクトの一員ということで参画をさせていただいております。この中では,特に農地の保全という観点から,農地のゾーニングということについて現在検討しております。そんな意味で,これからの市街化調整区域の土地利用の中で大きな位置づけになろうかと。また,私どもも農地のゾーニングということでできるだけ保全をしていく,そういう場で意見を述べていきたいというふうに思っております。 ◆佐々木[周] 委員  私がさっきも申しましたように,ポリシーを持ち続けた中で,都市計画上の農地の保全ということを,将来的な何十年も先の札幌を想定した中でぜひ進めていただきたいと思います。これで終わります。 ◆赤田 委員  都市農業の振興発展を目指して280億円もの予算をかけて里づくり事業が去年から進められております。これだけのお金をかける事業を失敗させるわけにはいかないという見地から,幾つかお尋ねをいたしたいと思っております。  この事業につきましては,市民対象の事業と農業者対象の事業とに分けて,非常に具体的な内容が示されております。市民対象の事業としては,農産物の手づくり体験,試食,ふれ合い,イベントというふうになっておりますけれども,果たしてこれだけの事業で農業の振興発展ができるのかどうかという素朴な疑問を抱かざるを得ないのであります。  農業を振興させるということは何かということですけれども,端的に言えば,農家の人たちが丹精を込めてつくった作物が,常に適正な価格で買い取られて,そのことによって生活が安定し,再生産が保障されるということではないかと思うわけであります。生産者と消費者を直接結びつける里づくり事業が推進される中では,かつてのように,せっかくつくったタマネギやキャベツを値が合わないということでブルでつぶしたり,牛乳をどぶに捨てたりということがなくなると,そういうものに結びつくものでなければならないのでないかと思っているわけですが,この市民向けの具体的な事業の中にそういったことが含まれているのかどうなのか,市内でとれる食べ物は市民の皆さんぜひすべて買い取ってくださいというアピールがあるのかどうなのか,お尋ねしたいのであります。  それから,私は大戦直後の飢餓時代を生き抜いてきておりますので,食べるものなら何でもおいしく食べられるほうですけれども,最近の消費者の意識というのは非常に変わってきておりまして,見た目の色や形にこだわる人が非常に多くなっております。先ほどもお話がありましたけれども,有機栽培の結果としてつくられるものに多いのですが,先の割れた大根だとかニンジン,これはいまもう買おうとしておりません。それから,粒のそろっていないタマネギも相手にされていないし,曲がったキュウリだとか,虫の食った野菜というのは人間の食べるものでないと思われているわけでありますが,そうではなくて,そういったものこそ安全な食べ物でないかと思っているわけです。虫が食っているということは,農薬がほとんど使われていないということを意味するわけですし,曲がったキュウリでいぼがついて白い粉が噴き出しているのは,若さと健康を保つために最も必要な栄養化が含まれているそうですけれども,そういったものが市民に買い取られるようになれば,これまでは出荷の基準から外されて捨てていたものに付加価値がついて,生産者にも喜ばれるし,消費者にも役立つのでないかと思うわけですが,そういった消費者教育的なことが市民対象の具体的な事業の中に含まれているのかどうなのか,お尋ねをいたしたいのであります。  それから,農業者向けの事業ですけれども,低農薬栽培の技術指導,農家の自立支援・活性化,農産物の付加価値の向上というふうになっております。この中で私たちが最も望んでいるのは,低農薬栽培の確立でございます。これは,農家の人たちもできることなら農薬なんか使いたくないと思っている。しかし,農薬を使わないと生産量が低下してしまう,あるいは出荷の規格から外される。だから心ならずも必要以上の農薬を使っているというのが現状であります。そういう人たちのために,必要最小限の低農薬栽培の技術指導をするために,どういう役割を果たそうとしているのかお尋ねをしたいのであります。  それから,農家の自立と活性化ということについてですけれども,里づくり事業のおかげで,これまではもう農業をやめて都会に行きたいと思っていた若者が,希望と意欲を持って後継者になるようになってきたとか,あるいは農産物の価格もおかげさまで安定してきたと,そういうふうなものにならなければ成功と言えないのでないかと思うわけでありますけれども,里づくり事業を推進される中で本市の農業人口がどのように推移をするのか。耕作面積だとか,あるいは生産量がどのようになっていくと予測しているのかお尋ねをいたしたいのでございます。  それからもう一つですが,里づくり事業計画用地の中に私有地が点在をしておりまして,円満な買収のために関係者が大変な苦慮をしているということを聞かされておりましたけれども,この用地買収の見通しは一体どうなっているのか。1期から3期までの長期計画についての見通しについてお尋ねをいたしたいのでございます。以上です。 ◎坪田 農務部長  まず,第1点の市民向けの里づくり事業の内容でございますが,いま赤田委員からもお話がございましたとおり,この里づくり事業の中では,大きく市民向けと農業者向けということで事業を展開したいというふうに考えています。  特に,市民向けにつきましては,農畜産物の手づくり体験事業ということで,みずからが実際に手づくりをしていただいて,そうして農畜産物の価値を認識していただこうという体験事業を実は考えています。具体的に申し上げますと,農畜産物の加工関係の施設を設けまして,その中で研修等をしていただきたいというふうな事業展開を考えてございます。  また,もう一つにつきましては,市内の農畜産物を利用いたしました,市内産の飲食事業といいますか,レストラン,これを大いに取り入れた中での飲食事業を展開し,市民に大いに食べていただこうと。また,後段でも申し上げますが,ふれあい農園等で実施をいたします事業の中で,市民みずからが生産した農産物を自分たちがみずから飲食していただくような炊事の場などの展開を考えております。それと,あと大きな事業といたしましては,ふれあい農園事業,あるいはふれあい牧場事業という事業の展開でございまして,これは市民農園,あるいは学童農園,あるいは体験農園という中で,実際に多くの市民にそこで物をつくっていただき,そして収穫を体験していただこうと。あるいは,幼児教育等の場といたしまして,ふれあい牧場等の中で中小家畜に接するような,そういう場を想定しているところでございます。  次に,消費拡大の関係でございますけれども,ここの事業の中でどう消費拡大に結びつくのかというようなことであろうかと思いますけれども,里づくり事業におきましては,農家が自分たちで生産しました規格外品を含めました農産物もファーマーズマーケット事業等の中で,あるいは常設した売店,あるいはいまお話しいたしました飲食事業,さらには収穫祭,あるいは農産物の品評会等々の中で大いに消費拡大をしていきたい。そして,市民に札幌産の農産物を大いにPRをしていきたいというようなことでの結びつきを考えてございます。  次に,低農薬栽培の消費者向けの教育といいますか,どう反映していくのかということでございますけれども,先ほど来答弁いたしておりますけれども,低農薬の栽培の技術指導につきましては,従来から農業センターが中心になってやっております。また,里づくり事業の中で,技術指導センターというものが中核になりまして,消費者の健康,安全,そして本物志向の有機農産物,あるいは低農薬栽培というものについての教育,あるいは試験等の場を持ちたいというふうに考えておりまして,それらを通じまして生産者はもとより,消費者への啓発を図っていきたいというふうに考えてございます。  その次に,農家の自立・活性化の中で,特に農家の人口と,それから農地面積がどのように推移するのかというお話でございます。  いま現在,農地面積が4,500ヘクタールございます。農家戸数が約2,200戸と,これが平成2年のセンサスの数字でございまして,これは今後とも札幌市につきましてはふえることはなかなか難しいと。過去の推移からいきますと,年々減っていくというふうに想定をしております。そういたしますと,長総等の中で私ども推計をいたしますと,平成17年につきましてはおおむね農地面積につきましては1,200ヘクタールぐらいまで最低ラインとして落ち込むのでなかろうかというふうに想定をしています。そういうものにどういう形で歯どめをかけるかという中で,この里づくり事業も農業の活性化,そしてまた市民の理解の中での展開で,その下降線に歯どめをかけるような大きな一翼を担っていきたいなというふうに実は考えてございます。  それから,用地の買収につきましては,おおむね計画の面積,1期事業につきまして42ヘクタール,これはすでに買収可能,あるいは買収の見込みがすべて立ってございます。中身といたしましては,本市の取得分35ヘクタールと,農協の取得分が6.2ヘクタールでございます。それから,2期と3期の取得につきましては,平成7年から9年にかけまして取得をいたす計画でございまして,事業用地29ヘクタールにつきまして取得をしたいと考えています。これらにつきましては,関係部局と十分協議をいたしまして,地域に入り,ご理解をいただいた中で,取得に向けて作業を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆赤田 委員  最質問のしやすくなるようなご答弁だったと思っております。事業内容につきましてどうなっているかということで質問して,説明を受けると,そんなこと電話で聞けと言われてしまうのでありまして,それで私あらかじめ里づくり事業の計画書だとか,パンフレットだとか,そういったものを取り寄せて,内容は読ませていただいております。その上で,農業振興のためにこういう事業が加味されているのか,もし入っていないとしたら加えたらいいのでないかということで,生産者と消費者を直結させることによって農産物価格の安定を図らせる,あるいは食文化に対する市民の意識改革をしてもらう,食べる物は大切だという価値観の育成の中で,これまで捨てていたものが付加価値をもって食卓に上るようになるのでないかと。そういったことで,質問というよりも提言をさせていただいたつもりでいるわけですが,そのことについて,もう少しはっきりした当局の意向を聞かせていただきたいと思っているところでございます。  それから,非常に関心の高い低農薬農業の問題についてですけれども,真剣に取り組んでいるということはわかりましたけれども,この問題というのはなかなか難しい問題だと思っております。たとえば,私のふるさとのリンゴ園の経営者が,春先1回だけ農薬を使用してリンゴをつくる。だから,それを支援してほしいと言われて,有志一同で1本幾らのオーナーになって,低農薬栽培を支えようとしたのですが,年1回の農薬の使用では年々花の数が少なくなっていって,したがって実も少なくなって,そのうちに大量の病虫害が発生して,リンゴの本そのものを切り取ってしまわなければならなくなってしまったわけであります。低農薬栽培の難しさというものを目の当たりに見ているわけであります。  農家の人たちは,農薬を使いたくないと思っても,生活がかかっておりますから,テストをしながら栽培をするというわけにいかないわけであります。それで,出荷の規格に合うものにしようと思ったら,6回か7回かけて,いい農薬を10回以上もかけてしまう。タマネギなんか,いま市内で生産しているのは,10回以上の農薬が降りかかっていて,つくっている農家の人は恐ろしくて食べる気がしないと言っているわけです。  そういった中で期待されるのは,公共機関であります市の農業センター,実験農場,それらが今度里づくりの施設の中に統合・並立して農業研究指導センターになろうとしております。そういったところでいろんな実験をして,そしてこの果物,この野菜なら,この程度の農薬でちゃんと作物になりますよ,出荷できますよということを指導・助言してくれる,そういう役割を果たしていただかなければならないと期待しているわけですが,その期待にこたえる体制になっているのかどうなのか,お尋ねをいたしたいのでございます。  それから,里づくりの中に併設されることになった総合機関,農業研究指導センター,いま農家にとって共通の悩みというのは,後継者がいない,育たない,嫁の来手がないという,そういった問題ですけれども,その機関が市民にフルに活用されることによって,農業後継者養成大学的な役割を果たすことによって,そういった悩みを解消させていくべきではないかと思うわけですが,そういった期待にもこたえられるものになっているのかどうなのか,お尋ねをいたしたいのでございます。 ◎坪田 農務部長  まず,第1番の付加価値化の問題でございますが,この具体的な支援策ということでございますけれども,現在札幌の市内でもって,婦人部等が中心となりまして減塩梅漬け,あるいはメロン漬けなどの加工というものに実は取り組んでおります。私どもといたしまして,農産物はただつくって市場に出すというのじゃなくて,それに1点自家的に手を加えることも付加価値に大変つながることと考えています。そんなことで,近年,特に外食産業の業務用,加工用野菜の需要が非常に増大するというような中で,この事業の中でこういう付加価値を高める加工事業等の支援強化を図っていきたいというふうに考えています。  一例といたしましては,いま建設をいたしておりますセンターハウス,この中で加工体験施設などを利用いたしました農業者の技術研修の場や,あるいは経営セミナー,あるいは市内,道内等の食品業界との交流会等の中で,付加価値の高い農産加工品の開発に結びつけていきたいというふうに考えております。  次に,低農薬栽培についてのセンターの役割の関係でございますけれども,先ほどご説明もいたしましたが,新しい研究指導センターの中で,従来農業センターも実施しております有機低農薬栽培の試験について引き続き実施をいたしたいというふうに考えています。これにつきましては,一般市民ももちろん参画のできるような形で窓口を広げた事業展開をいたしたいというふうに考えておりまして,今後ともこの事業の推進には力を入れていきたいというふうに思っています。  なお,2期以降の中で有機資源活用施設の建設等も計画の中にございますので,これらを含めて事業展開を図っていきたいというふうに考えてございます。  次に,新センターの役割の中での教育研修機能をどう考えるのかということでございますが,いま委員からお話のございましたとおり,担い手の育成,あるいは確保というのは非常に重要なことでございますし,また,きわめて難しい問題でもございます。私どもといたしましては,関係団体が一丸となりまして,そういう強化策を総合的に実施していく必要があるのではないかというふうに考えてございます。里づくり事業におきましても,先ほどお話ございました農業研究指導センターの中に営農相談室というようなものを設けまして,その中で試験調査圃場での実地研修なども実施する考えでございます。また,情報の伝達をするということで,流通情報,これらについて自己の経営に役立てるような,そういうコンピューター操作,これらも新たな若い担い手の育成につなげたいということで,学べるような場を実は創設したいというふうに考えてございます。そんな中で,担い手,それから新たな若い農業者の教育研修の機能を展開したいというふうに考えております。 ◆赤田 委員  先ほどの答弁の中で,平成2年度の統計資料によりますと,農家戸数が現在2,200戸,農地面積は4,000ヘクタールと。これをふやしていくのは難しいと。将来,耕地面積は1,200ヘクタールになるのでないかと予測しているという答弁でございました。それに歯どめをかけるための里づくり事業だというようなお話だったのですが,それでは農業の振興発展のための計画ではなくて,農業防衛計画にしかならないのでないかと思って,非常に失望,落胆をしているところなのです。  西暦2000年の地球上の人口は60数億になって,飢餓人口は30億になるのでないかという学説があります。食糧の自給率の向上というのは,歴史的なテーマとなっているわけですけれども,にもかかわらず,先ほど佐々木委員のほうからも都市内の農地保全の重要性を求める声が出ておりましたけれども,そういった状況の中で農業をやめて都会に出てくる人はいるけれども,都会を捨てて農業をやろうという人はいない。農地がつぶされて宅地や公園にはなるけれども,不毛の土地が開拓されて豊かな農地に変えられてもいないわけであります。  そういった中で,都市生活者の中で生まれが農村出身という人,私も,生まれは農家の次男坊でした。ただ,悲しいかな,耕作する土地がないので都市に出てきていまこういったことをやったりしているのですけれども,都市生活者の中で,できることなら,退職金でほんの少しでもいいから農地を買い取って,小規模農業ならやってみたいという希望を持っている人がいます。そういう人たちから相当の数,相談を受けているわけですが,その場合,農業を守るための農地法がネックとなって,その希望が阻まれているわけであります。後ろに農業委員の山崎さんもおりますけれども,農地法の第3条,第6条の規定で,農業を営む者の下限面積というのが定められております。札幌では1ヘクタールから1.5ヘクタールの農耕地を購入しなければならないということになっている。本格的な専業農家でなければならないということになっておりますし,農業を営む場合には,営農実績だとか,経営能力だとかということの審査も非常に厳しくなっているわけです。ですから,農業をやめる人はいてもやる人はいないということになってきているわけであります。  私は,農業を振興させて食糧の自給率を高めていくためには,里づくり事業の中で農業に触れて学んだ市民で,小規模農業ならやってみたいという人たちのために道を開いてやる努力をする必要があるのでないだろうか。そのためネックになっている法律なら,国に訴えて変えてほしいという取組みが必要でないだろうかと思うわけですが,いかがなものかお尋ねをいたしたいのでございます。 ◎鈴木 経済局長  農業の担い手確保の問題につきまして,いまいろいろお話ございましたけれども,私も全く同感でございます。札幌市のような都市農業の中で,高齢化,あるいは後継者難ということでどんどん農地が不耕作地帯になっていく。そういう中で,何とかして農地を保全していかなきゃならない,農業を守っていかなきゃならないとしても,農業をやる人がいなくなっていることは現実の問題でございますから,そういう中で新しい農業従事者をどう確保していくのかということは非常に重要な問題でございます。いまお話のとおり,農地法によって,簡単にリタイアした人や,あるいは脱サラの人が農業をやるわけにはいかないというような状況にあるのが現実でございます。したがって,私どももこれから,かなりこれは難しいことかもしれませんけれども,努力目標としてそういう関係法令なりの改正について,関係機関といろいろ協議していかなければならない,いきたいものだと考えております。 ◆赤田 委員  いま局長からの答弁をいただきました。それで,もう一回局長にお尋ねしたいのですけれども,里づくり事業の計画書のタイトルには,都市と農村の共存と,そのための交流・ふれ合いということになっているわけですが,現実の問題として,いまのところ日本の都市生活者と農業者との間には意識のずれがあるのでないかと思っています。私は心情的には生産者の立場ですけれども,いまの立場は市民であり消費者になっております。その市民の人たちからよく聞かされることなのですけれども,農家の人たちは書類に判をつくと国からいろんなお金が出てくると。街の中小企業はどんな書類をつくってもどこからも金なんかおりてこないと。農業は非常に手厚い庇護を受けているという意識で見ている人が多いようでありますけれども,そういった意識を持ったまま農業者と交流・ふれ合いをしても,真のふれ合い・交流にならないのでないかと。  私が視察に行った北欧のスウェーデンでは,やはり都市生活者と農業者との間には収入格差があって,都市生活者のほうがずっと高くなっております。それに対する政府の考え方ですけれども,農業に従事している人たちは国家にとって非常に大切なことをしていただいている。ですから,その人方の都市労働者との収入格差は国家が保障するのは当然だという考え方を持っている。都市に住んでいる人たちも,それは当たり前だという受けとめ方をしているわけですが,日本ではまだそこまでいっていないのでないかと思うわけですけれども,里づくり事業の中でそういったものも克服していくべきではないだろうかと思っているわけですが,いかがなものかお尋ねをいたしたい。 ◎鈴木 経済局長  里づくり事業の大きな目的の中に,先ほども申し上げましたけれども,市内の農地はどんどん不耕作地がふえていきます。したがって,そういう農地を最大限に活用して,そして市民に土や緑に触れる場を提供していく,そして,消費者・市民の農業に対する理解を深めていく,そういう大きな目的がこの里づくり事業にあるのでございます。したがいまして,そのためにいろいろ試験技術機関も設けておりますし,あるいは体験,実験する場も設けてございます。そういう意味で,里づくり事業をご理解いただきたいと思います。 ◆道見 委員  私も,農家生まれの9人兄弟の末っ子でありまして,畑があれば農業をやりたいと思っていた一人であります。私の田舎では,1戸分というのは5町,皆さんご存じのように5町あれば農家は食っていけるということから1戸という言葉が生まれたそうですけれども,分家ができなかったので,いまここで立たせていただいております。赤田委員なり,佐々木委員の質問に重なる部分もありますが,やめるというわけにもいかない。質問の過程で重なっていると,こういうふうにご理解していただきたい。  先ほどから農地の保全の話がいろいろ出ております。私は,要は最終的には農家が食っていけるかどうかという部分だろうというふうに思うのです。農家が食っていければ農業が栄えるはずですが,実際はそうじゃないと。わかりやすく言えば,サラリーマンをやっているほうが収入がいいということだから農業が滅びていくと。私は,後継者がいないから農業が成り立たないということではないと思っております。後継者はいるのだけれども,農家に魅力がないと。そこにネックがあると。  ですから,そこで本市は都市型農業の推進をすると言っているわけですけれども,この都市型農業を推進するということは,どういう農業を描いているのか。農務部は,どういうことを本市における都市型農業ということの旗印で進もうとしているのか。これが第1点。  第2点は,先ほどるる低農薬,有機の話が出ました。私もこれに関連して。私はむしろ無農薬有機農業のほうの推進でありまして,私も実際に農業法人を持ってやっております。無農薬有機農業でやって,立派にタマネギもイチゴもアスパラもとっております。果物はやっておりませんので,赤田委員の話はちょっと私は実感できませんが,いわゆる人間と同じで地力があれば最終的に虫も逃げていくわけです。これが究極の農業でありますから,おそらくそこまでいかないのだろうというふうに思います。それで,都市型農業をやる場合には,この有機農業,無農薬,私は有機というのは大した問題はないと。こんなのは,当然農業としては皆さん考えていることであって,要は化学肥料を使わないで限りなく無農薬にするかと,ここへ向けての農業者に対しての本市の取組み方の具体的な方針なり,方向性,スケジュール。いまの答弁の中で触れておりましたが,センターだとか,農業実験の段階の話をしておりますが,現時点で農業者に対する取組み方をどういうふうに描かれているのか。  また,これは先ほどから何回も出ているように,消費者の問題というのは非常に大きいのですね。消費者がどうとらえてくれるかということ。これは農業を理解する上においても大事ですし,曲がったもの,あるいは虫食いのものを抵抗なく手に入れるというのも,結局消費者教育というか,広報というのか,そういう部分だろうと思うのですね。この間,月寒ドームで北海道の有機農業のあれやりましたですね。今度も生活クラブが月寒ドームで同じことをやると。こういうふうに,消費者段階でもどんどんやっていくと。これは総合的に生産者と消費者の連携の部分で,非常に重要な部分だと思うのですよ。だから,こういうものに対して消費者対策を農業対策も含めてどのような形で進もうとされているのか,まずそれをお聞きさせていただきます。 ◎坪田 農務部長  まず,第1点目の都市型農業というのはどんなものかというご質問でございます。  先ほど来のご質問にも答弁しておりますけれども,本市の農業といいますのは,農畜産物の安定的な供給ばかりでなくて,いわゆる緑地空間だとか,あるいは景観の保全といった,そういう公益的な役割も果たしているというふうに考えております。また,農業体験を通じまして,学ぶ,あるいは憩う,そういう場の活用というものも今後農業に求められる大きな役割になろうかと思います。  そんな中で,大消費地という立地の中で有利な展開を図るために,都市型農業というものを新たに展開したいというふうに実は考えているわけです。たとえば,消費者と直接的に交流いたします産地直販,これはすでにそういう面もございますが,これらも今後進めていきたい。それから,消費者ニーズをとらえました,まさしく有機農業というニーズでございますが,これらの取組みも今後進めるべきでないか。それから,農畜産物の高付加価値化を図るような,先ほど来も答弁申し上げましたが,加工事業への取組みも図るべきじゃなかろうか。あるいは,地域に立脚しました観光農業の展開,あるいは余暇活動などと今後大いに結びつく,そういう体験型の農地の活用,そしてそういうようなものを展開いたしまして,都市と調和いたしました都市型農業を支援していくべきじゃないかというふうに私は考えてございます。  次に,有機農業でございますけれども,現在までの取組みとスケジュールということで,消費者に対しての対応を含めてご答弁させてもらいますが,基本的に有機農業というのは土づくりということになるのではなかろうかというふうに思っております。そんなことから,昭和55年から本市といたしましては有機資材でございます泥炭の配布事業を実は実施をいたしております。いま現在も継続しております。  また,農業センターだとか,実験農場につきましては,生産者の技術支援を目的といたしまして,各種栽培試験も行なっております。本年度は,特に基幹作物でございますタマネギ,カボチャにつきまして,農家に減農薬栽培のモデル圃場を設置をさせていただきまして,試験等も行なっております。  また,消費者の理解を得るための生産者と消費者の交流会なども実施をしてきたところでございます。  今後のスケジュールでございますが,先ほども申し上げましたとおり,有機農業といいますのは土づくりに非常に時間がかかるわけでございます。そんなことから,栽培技術もまだ確立されていない面が多々ございます。また,有機質といいましても,その有機質の素材の確保だとか,あるいはつくられた有機農産物の価格の問題,あるいは流通,その他多くの課題がございますので,生産普及には相当の時間が必要でないかというふうに考えてございます。  いずれにいたしましても,今後,生産者,あるいは消費者の両面から理解の得られるような普及啓蒙に努めてまいりたい。そしてまた,有機農業推進に取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆道見 委員  答弁されていることについては,言っている意味はわかるのですよ。言っている意味はわかるのですけれども,生産者側に立って質問しますと,生産者側に頭を置いて話すと,果たしてそれで都市型農業として農業者が自立できるのかなと。天下の札幌市の農務部長がしたその答弁で,札幌市の農家がそれで自立できるのかなと。専業農家が515戸あると。その515戸も含めて,本当にそれで札幌市の農業が自立できるのかなと。こういうように,言っている意味はわかるのですけれども,再質問させていただきます。  先ほど里づくり事業の中で,いろんな手法,消費者,あるいは農業者に対するかかわりについて話がありましたが,この里づくり事業の計画の中に,非常に札幌市としてすばらしいことを取り入れた。私が代表質問の中でも話ししましたクラインガルテンの手法を取り入れているのですね。この手法を取り入れるということは,これは,いわゆる都市と農家,畑とのふれ合いを通じて健康を保つということの趣旨です。もう100年以上前のドイツの法律です。この手法を取り入れるというときに,もう里づくり事業が具体的に進んでいるわけです。1期,2期,3期と,スタートしている。こういうことをやるときに,化学肥料を入れて農薬をかけて市民の方がそこにふれ合うという理屈には,私はならないと思うのですよ。ですから,有機農業には相当時間がかかるのはわかるのですよ。農林省も言ったように,有機のマークなり無農薬のマークをもらうには3年かかるわけですから。いま結論を出しても,来年から3年間かけないと,そのマークはとれないようになっているのです。ですから,相当期間かかるのはわかるのだけれども,具体的に農家に対して,限りなく無農薬,最初は道が言っている3割減,クリーン農業,そういうところからスタートして,具体的にどの品種を対象にしてそういう農家を育成していくというのか,そういう都市型農業を進めていくかということは,相当時間がかかるといえども,スケジュール的なものは当然天下の本市の農務部は描いているべきだと思うのですよ。いや,描いているはずだと思いますよ。坪田部長,そんなに抜けていないと思いますから。やっぱり農家に対して本市の農業が生き残っていくための協力を求めていくわけですから。そこら辺がどうなっているのか。  それから,最初の段階で国とか道とのかかわりというのは私はあると思うから,そういう国,道の農業試験場とのかかわりで,どういうふうにその中で技術的にも進めていこうとするのか。そういうことを五つの農協の指導者に対しても積極的に進めて,モデル事業なりを設定してやっていかないと,これは実効にならぬと思いますよ。いまの答弁は言葉ではわかるけれども。具体的にと言ったときに。それが一つ。再質問の2番目。  1番目の都市型農業について再質問させていただきます。  答弁るる赤田委員なり佐々木委員の中にも出ておりましたから,ダブっているものは省いて結構でございますが,都市型農業を推進していくと。515の専業農家はもちろんそれによって食べていかなきゃならぬという大前提があると思うのですね。平成17年に1,200ヘクタールになるという,防衛じゃなくて,全く後ろ向きにならざるを得ないことが起きるかもしれないですけれども,しかし,農業が都市型農業で生きれるとするのであれば,先ほど言った農畜産の加工,具体的にどういうようなことを描いて,里づくり事業との結びつきでも結構です,どういうふうなことを考えてやろうとしているのか。  それから,観光農業と言いました。確かに,簾舞とか向こうに行けば,車で走っておったらあります。売っている。じゃ,観光農業というのは,この都市型農業においてどういう位置づけで農務部として考えておられるのか。  それから,体験農園事業,これは里づくりなんかで言っておったことなのだろうと思います,あるいはふれあい農園だとかと,区主催でやっていますから,そういうものだというのであればそれでいいのですが,体験農業をやると。これによって農業への理解を深めるということでありましょうから,ダブっていれば答弁は要りませんけれども,こういうのがどういうふうになろうとしているのか。  それから,水田は私どもの篠路地域にあります。南区にも一部あると聞いていますが,札幌の都市型農業において作付のその品目は,何を品目として考えて奨励をしようとしているのか。タマネギはわかりますよ。タマネギだけだというのか,いずれにしてもどういう品目を考えているか。  それから,再質問の1番の5番。専業農家が515戸あるとなっています。専業農家は,最低でもこれだけで食べていってもらわないと専業農家になりませんが,この専業農家の営農規模というのはどの程度を描いていて,その専業農家は何の品目を描いていて,そこまでのレベルを考えているのか。そういうレベルの人が現在何人いるのかわかりませんけれども,どういうような専業農家の規模,品目含めて考えておられるか。これが1番,2番の先ほど質問したのの再質問。  3番目の質問として,これら先ほどからるる有機だとか,減農薬,いろんな話が出ています。道はクリーン農業を宣言,農薬を3割減。都市型農業を里づくりで280億,先ほど言ったようにかけていくわけですよ。私は,札幌市の農業政策として,これだという部分で農家に対して,農協に対して,一緒になってやっていくには大きな柱が必要だと思うのですね。それは,これだけ食品の安全とかなんとかと叫ばれているわけですから,里づくりに先ほどのクラインガルテンの手法も導入するのですから,いまの時期にこういう事業を成功させるには,そういうクリーン農業の宣言と言ったら道庁と同じような言い方になるから,地球に優しい農業宣言かなんか,要するにそういうたぐいの,たぐいというのはちょっと無責任な言い方かもしれませんが,言わんとする意味はわかりますね,そういうような宣言をして,札幌市の農業はこういう方向で都市型農業を進めると。そういうクリーンな何か,思いつかないですけれども,そういう宣言をやって,本市の農業を前進させると,こういう考えはあるかないか。以上です。 ◎坪田 農務部長  私から,4点ばかりご質問について答弁させてもらいます。  前後してしまうかもしれませんが,まず第1点目といたしまして,有機農業の関係の具体的なスケジュールということで,何か具体的に持っているのでないのかというようなご質問でございます。  これにつきましては,先ほども答弁をさせてもらいましたが,有機農業を進める上においては,生産者ばかりでなくて,もちろん消費者の理解がなくては展開できないのでなかろうかというふうに考えてございます。そんなことから,私ども農務部サイドといたしましては,生産者のいわゆる取り組む姿勢,それとまた消費者がそれを受け入れる,そういう窓口を広げていただく,そういう両面で今後とも事業を展開していきたいというふうに考えます。  本市につきましては,まだこの有機農業は出発して日も浅い,試験調査その他ではすでに2年ほど前からやってございますが,実際に生産の場に落ちるまでに相当の期間が実はかかってございます。そんな中で,今後ともいろんな課題,先ほど申し上げましたけれども,つくられたものが円滑に消費者の口に入る,またそれなりの価値として認めてもらえる,そんな中でこの事業の展開がされていくのでなかろうかと思います。  それと,市内の農業者というのは,従事者でいきますと大体2人ぐらいという,非常に手のない中での事業でございますので,現実に除草剤その他一切農薬を使わないでやるとなりますと,相当の時間と手間がかかるというような問題もございますので,いずれにしてもそんな問題も解決してまいりたい。  里づくりの中でも,そういう消費者の理解を得るような,お話にございました市民農園,あるいは体験農園の中でそういう有機的な物の取組みも図ってまいりますので,この事業の展開にできるだけ合わせた中で,具体的な施策の展開を図っていきたいというふうに思っておりますので,若干のお時間をおかりしたいというふうに思っております。  それから,2点目でございますけれども,都市型農業の中で,いわゆる加工事業だとか,観光農業だとか,体験農園というようなものをうたっております。その中身はどうで,どんなような事業を展開しようとしているのかというご質問でございます。  加工事業につきましては,すでに市内で2ヵ所ばかり婦人部その他の組織で事例がございます。里づくりの中で,生産者の農畜産物を加工できる場,実習の場,そして消費者も研修できる場,そういう両面を持った事業の展開をいたしまして,その中で新たな品目,あるいは開発も探っていきたいというふうに考えています。  それから,観光農業についてでございますが,これはもう南区が立地上,果樹地帯ということで,すでにサクランボだとかリンゴ等で定着をしております。私どもといたしましては,これらを集団的にどうのこうのするということには,もうすでにならない。もう個々の農家でそれなりの素地ができているということでございますので,地域に合った新しい素材の導入等について農業研究指導センターの中で研究をし,それを落としていきたいというふうに考えています。  それから,体験農園でございますが,これは里づくりでモデル的に実は展開をさせていただきまして,これらの利用状況等を十分見きわめながら,今後できることであれば各区にそういう事業の展開をつないでいきたいというふうに考えてございまして,これが遊休化する農地その他の活用にも十分つながるものというふうに実は考えてございます。  それから次に,専業農家の規模のとらえ方の質問があったかと思いますが,札幌の場合,基幹作物はタマネギでございます。それと野菜,花というのに大きく分けられるわけでございます。道の示したガイドポストによりますと,私ども札幌市と比較にならないほど規模が大きい指標を立ててございます。道見議員もご承知のとおり,札幌というのは専業農家でも非常に多品目の栽培をされておるというようなことから,専業的なとらえ方というのは非常に難しい。単作の専業となりますととらえにくいわけでございますが,仮にタマネギについて想定をいたしますと,大体5ヘクタールぐらい想定されるのでなかろうか。それから,野菜のホウレンソウを例にとりますと1ヘクタール,これは2.5作ぐらい可能でなかろうか。施設化率で大体50%ぐらい。それから切り花,これは近年非常に成長している作物でございますが,これにつきましては70アール,施設化率で大体70%ぐらいというようなことが,専業的な位置づけでの経営につながる面積かというふうにとらえてございます。  それから,都市型農業の品目でございます。  実は,品目というのは,各産地とも非常に年々,種苗関係の発達によりまして変わってきてございます。いま現在,私どものとらえておりますのは,たとえば野菜につきましては,もちろんタマネギというのは基幹ではございますが,カボチャでは大浜みやこというのが一つのブランド的な位置づけになってございまして,これらも今後の都市の中で育つものというふうに考えています。それから,山口のサッポロメロンだとかというものもございます。それと,あと農業センター等で開発しました葉ネギがございます。あるいは先ほどお話ししましたホウレンソウ,これもポーラスターという名前で実はブランド的な位置づけをされております。いずれにしても,札幌につきましては,こういう野菜類を主体とした栽培が都市型の農業の主力になっていくのでなかろうかというふうにとらえております。以上でございます。 ◎鈴木 経済局長  宣言についてですが,委員が有機農業にかける情熱につきましては敬意を表するところでございますけれども,有機農業の推進に当たりましては,やはり先ほど来もお話ございますように,生産者と消費者,そして流通関係者の機運の盛り上がりといいますか,その連携が非常に重要なことだと思いますし,現在そういうことで努力をしているわけでございます。  先ほどもお話ございましたけれども,現在,札幌市には2,200戸の農家がございます。 その中で,何らかの形で有機農業に挑戦している農家というのは30戸弱ぐらいだと認識しております。したがいまして,いま,われわれは,1軒でも多くの農家に有機農業というものを理解してもらう。その努力がまず大切でないか。そして,そういうことに理解を示し,実践をしようとする農家に対して,市なり,その他の機関で精いっぱいの支援をすると,そういうことが大切でないかと考えております。 ◎坪田 農務部長  先ほどの答弁で一つ答弁漏れございまして,追加して答弁をさせてもらいます。  農業センター,実験農場における有機栽培試験,あるいは国との連携ということでございましたが,すでにご承知のとおり,農業センター,実験農場につきまして有機質の肥料の施用の効果試験だとか,あるいは減農薬,無農薬栽培における病害虫の発生状況及び収量,商品性の試験,そして農薬を使用しない場合の病害虫の防除方法などの調査を実施しているところでございます。まだこれという結論には至っておりませんが,これらについては継続して今後ともやっていきたいというふうに考えています。  また,国,道等の研究機関との連携についてでございますが,これらの試験につきましては,毎年国,道の試験場と意見交換を行いまして,その中で試験計画を組んでおりましで,今後とも連携を密にいたしまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上です。 ◆道見 委員  農務のことは坪田部長にお任せしますので,とにかく都市型農業で本当に生きていくと。私がなぜこれだけしつこく言うかというと,札幌の農業も,ほかの産地農業に最終的には負けてしまうという危惧をするからなのです。タマネギなんて言っておりますけれども,それはもうほかの産地と規模が数倍違うわけです。十勝農業がタマネギに力を入れたら,丘珠という名前があっても勝てないということになってくる。たとえタマネギといえども,死んでしまうかもしれないのですよ。だから,いま農務部でおっしゃっていました観光農業なんかは生きれる道。  私,この間,十勝に視察に行ったとき,十勝のああいうところでさえ観光農業の部分を取り入れて,たとえばイチゴ,それをお菓子屋さんに無農薬のものを入れるとか,そういう道を切り開いていっているのですよ。こんなに消費地の高いところで。お菓子屋さんたくさんありますよ,大きい会社など。そういう方向にモデルとして育てていくとかという,まさしくそういう観光も含めた中で私はぜひお願いしたいと。それは要望になります。  もう一つ要望,財政の課長さんここに見えておられるのでしょう。この有機農業の推進事業費300万5,823円というのは決算にのっておりますけれども,これだけ大きくクローズアップされている都市型農業推進に当たって,農務部がこれでいいと言ったからこの予算で決算をやったというのかもしれませんけれども,私は,農務部から要望が出たら,たとえ1億になっても100%認めると,こういう体制で全市的にこれは取り組んでいただきたいと。これは助役にもお願いして終えておきます。 ○大越 委員長  以上で,第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に,議案第3号 平成4年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆山口 委員  私は最後ですから,簡潔に1点についてだけ質問いたします。  曲がったキュウリやふぞろいなリンゴも食べ続けながら生産者を応援したいと思っている消費者の立場からお伺いいたします。  市場における放射線照射ジャガイモの入荷についてです。  日本では,現在,食品衛生法によって食品への放射線照射は禁止されておりますが,なぜか唯一ジャガイモだけが芽どめのために許可されておりまして,現在,士幌町でアイソトープ照射センターが稼働し,年間約1万5,000トンが全国に流通しているというふうに言われております。これは,放射能汚染食品とは異なりまして,コバルト60などのガンマ線をイモに当てて発芽を防止するということで,長期保存を目指すものだというふうに思いますけれども,照射によりまして食品の成分が化学変化を起こしまして,それまでに食品になかった新しい物質が生じるとか,それから発がん性や遺伝毒性を持つものなどがありまして,ネズミの実験などでも繁殖率が低下するとか,子宮が小さくなるとか,体重減少などが確認されております。大阪市の中央卸売市場などでも,81年から毎年コンスタントに入荷をしておりますし,最近では群馬県で学校給食に照射ジャガイモが使われまして問題になっております。現在,群馬県下34の市町村議会に学校給食に照射ジャガイモを使わない陳情・請願が出されておりまして,継続審議,あるいは採択になったところも12あるというふうな状況です。  一番の問題点は,照射をしたかどうかというのが検査できないということなのですね。放射能汚染食品などと違いますから,中から放射性物質が検出されるというようなことがないわけで,見た目も全くわからないし,検査機器も開発されていないと。ましてや,小売段階で小分けにされて1キロとかになりますと,全く消費者には選択の余地がないというふうな状況になって,非常にこれは大きな問題ではないかというふうに考えます。  そこでお伺いしますが,本市の中央卸売市場に照射ジャガイモが流通しているのかどうか。しているとすれば,どれぐらいなのか。照射ジャガイモについてどのように市場としてはお考えになっているのか,お伺いいたします。 ◎佐藤 中央卸売市場長  照射バレイショにつきましては,昭和49年の1月11日から士幌町農協でこの事業が実施されております。昭和50年になりまして,東京都の学校給食でこのバレイショが使われているという問題が出まして,当時社会問題になりました。このことを受けまして,札幌市場につきましては,自主的な業界の申し合わせ事項ということで,市場では取り扱わないということで今日まで来ておりまして,照射バレイショの取扱いというのは一切ございません。 ◆山口 委員  それを確認できて,いまちょっと安心をしておりますけれども,なぜこのような質問をしたかと申しますと,実は私ども,ことし,昨年と2年連続で札幌市内の食品業者,流通業者54社に,照射ジャガイモに関するアンケートを行なっております。その中で,積極的に照射ジャガイモは扱わないのだと宣言した企業に関しましてはポジティブリストというものをつくりまして,社名を公表するというような,これはイギリス等でも行われている運動ですが,そのリストづくりということで2年連続アンケートを行いました。54社中回答は22社でありましたけれども,担当の部局名,それから担当者名もきちっとほとんどのところが記入をして回答をしていただきましたので,これはかなり精度の高い回答だというふうに考えているわけです。  その中で,照射ジャガイモが札幌市内に出回っている可能性についてどう思うかという質問があるのですが,出回っていると明確に肯定したところが実は3社ございました。それから,可能性としては大いにあり得るとしたところが1社ということで,札幌は,一応士幌からも出荷自粛地域という了解事項があるように思われておりましたが,それが崩れている可能性も実は高いのではないかということが想像されるわけです。いまのご答弁では,市場ではということでしたので,産直とか,市場外流通という形で入ってきているのかなというふうにも思いますけれども,さらにその中で,照射を推進する側からの商談があった,商談を受けたのが3社ということですから,今後ますますこの照射ジャガイモが入ってくる可能性は高くなってくるのではないかというふうに感じます。  最近,アメリカのカリフォルニアでは,大規模な照射施設が稼働を始めまして,これは明らかにガット以降の日本をターゲットにしたものだというふうにも言われておりますので,その辺のところで,最後,今後もこの申し合わせ事項を継続していかれるおつもりがあるかどうか,あるべきだと考えるわけですけれども,それについてお伺いして質問を終わります。 ◎佐藤 中央卸売市場長  今後ともこの申し合わせ事項は続いていきます。
    ○大越 委員長  以上で,議案第3号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,18日午後1時から交通局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。              ──────────────                散 会 午後3時48分...