委 員 菊 田 勝 雄 君 委 員 小 川 勝 美 君
委 員 横 山 博 子 君 委 員 井 上 ひさ子 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 山 口 た か 君
委 員 菅 井 盈 君
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開 議 午後1時
○大越 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,丹野委員から欠席する旨の届け出がありました。
それでは,議事に入ります。
第6款 経済費 第2項 農政費のうち
農業委員会関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので終了いたします。
次に,第1項 商工費の質疑を行います。
◆畑瀬 委員 私から,
景気対策について数点お伺いをいたします。
この問題については,7日の第一部
決算特別委員会において,わが党の大西委員が取り上げておりますので,重複を避け,
中小企業に対する
融資制度を中心にお伺いをしてまいります。
まず,景気の現状と
先行き見通しについてであります。
いまさら申し上げるまでもなく,現在の
経済情勢,戦後まれに見る厳しい不況に見舞われ,なかなか明るい兆しが見えてまいりません。経企庁がことし8月に発表した平成5年版経済白書で,今回の不況について,通常の景気循環的な要因に
バブル崩壊の要因が重なったため,景気後退がより一層深刻なものになったという分析がなされております。
あらかじめ経済局からいただいた
主要経済指標に関する資料を見ましても,
大型小売店販売額や
新車登録台数なども個人消費を中心とした落込みが際立っております。また,企業の倒産件数も,これは2年になりましょうか,3年になりましょうか,それ以来,いまだに増加を続けているようであります。
こうした厳しい状況に対応すべく,国においては昨年10月に10兆7,000億円の
総合経済対策を講じましたし,ことしも4月に13兆2,000億円に上る新
総合経済対策を打ち出したところであります。公定歩合の引下げも平成4年4月1日以降4回に及び,現在史上最低の1.75%というきわめて低い率に設定されております。
一方,札幌市においても厳しい財政事情にありながら,積極的な
景気対策を講じてまいったことはご承知のとおりであります。平成4年度は,総額349億円,今年度はこれを上回る353億円という,かつてない大型の補正予算を編成したところであります。しかしながら,景気はなかなかよくならない。
そこで,まず現在の景気動向について,どのような認識をお持ちであるのか,また,今後の
先行き見通しについてどのように見通されているのか,最初にお伺いをしておきたいと思います。
◎佐藤 商工部長 まず,景気の問題でございますが,最初に景気の現状についてお答えいたします。
主要経済指標を中心に昨今の市内の景気動向を見てみますと,
公共工事請負額や
新設住宅着工戸数が好調に推移いたしまして,景気を下支えしてきたところでございます。春先には,
鉱工業生産指数も上昇に転じるなど,一部に景気回復の明るい兆しが見受けられたところでございます。
しかしながら,景気回復の主役は,何と申しましても市民総支出の約6割を占めます個人消費や民間の設備投資でございますけれども,これらが依然として低迷を続けております。また,春以降の急激な円高や冷夏の影響もございまして,現在,回復に向けた動きに足踏みが見られ,予断を許さない厳しい状況となっております。
次に,先行きの見通しについてでございますけれども,個人消費と
民間設備投資が早々に回復するといった状況にはございませんことから,当分の間,底をはう動きが続くものと思われます。
しかし,本市の場合,輸出依存型の企業がほとんどなく,円高の直接的な打撃は比較的少ないと考えられますことや,現在,鋭意進めております
景気対策の効果が今後徐々にあらわれてくるものと考えられますことから,来年度以降においては,緩やかながらも回復に転ずるであろうと,こういう見方が一般的でございます。以上でございます。
◆畑瀬 委員 まだ当分の間,底をはうような動きが続きそうだというお話でございましたが,私もできればそうあってほしいと,この底の下にまだ底があって,二重,三重底があるというふうな状況だけは招きたくないなと,こう思っているところであります。
こうした厳しい
経済情勢にあって,市内企業の大宗を占める
中小企業は,いまどこも必死の思いで経営に当たっていらっしゃいます。間近に迫る手形の引落しをどうするかといった切実な問題も抱えながら,日々会社経営に当たっているというのが実態であろうと思うのであります。
そこで,頼りといたしますのは,本市の
中小企業融資制度であります。昨年,本市はいち早く低利の
経営安定特別資金を創設し,
中小企業の
資金需要に対応してまいりました。また,今年度は
一般中小企業振興資金,いわゆる
マル札資金の
限度額引上げや一部利率の引下げ,あるいは
信用保証付の任意化などの改善に踏み切ってまいりました。
資金名別にどのように改正したかといいますと,四つの資金に分かれますが,一つ目の運転資金の中の普通資金については,限度額2,500万円を3,000万円に拡大をしてきた。二つ目の運転資金の中の短期資金については,資金名を季節資金から短期資金という名称に変えて通年型とし,限度額を2,500万円から3,000万円に拡大をしてきた。三つ目には,設備資金を限度額2,500万円から倍の5,000万円にし,期間についても7年から10年に,据置期間についても6ヵ月以内から1年以内にと,このように限度額,期間を拡大してまいりました。四つ目の
小規模事業資金についても,金利を0.1%引き下げ,
経営安定特別資金と同率の金利にしてきた。
こうした対応をしてきたわけでございますが,この対応というのは,私が感じるところ時宜を得たものと,こう評価をいたしておりますが,これらの
利用状況はどうであったのか。1点目として,昨年度の
経営安定特別資金の
利用状況,2点目として,今年度これまでの
マル札資金の
利用状況はどうであったのか明らかにしていただきたいと思います。
◎高島
中小企業指導センター所長 お答え申し上げたいと思います。
中小企業融資制度の
利用状況の中の,まず1点目の
経営安定特別資金の
利用状況についてのお尋ねでございますけれども,
経営安定特別資金は,総件数で1,901件,金額では201億4,900万円でございました。このうち4年度の
利用状況を見ますと,貸付額で予算額75億円に対しまして,決算額で90億5,320万円,執行率は120.7%になりまして,予算額を大幅に超える
利用状況となっております。
融資件数の金額別で申しますと,500万円以下で41%,500万円を超えるものが59%となっております。
それから,2点目の今年度におきます
一般中小企業振興資金,
マル札資金の
利用状況でございますけれども,4月から8月の件数で申しますと,約3,300件でございまして,前年対比で54.3%の増でございます。それから,金額では約224億円でございまして,前年対比84.9%増と大幅な伸びを示しております。このことは,景気の状況等もございますけれども,制度改正による効果がきわめて大きかったものと,そんなふうに考えてございます。
なお,その融資件数の金額別で申しますと,500万円以下では65%,500万円を超えるものが35%となってございます。以上でございます。
◆畑瀬 委員 1点目として,
マル札資金の
融資条件緩和について伺っておきたいと思います。
中小企業の
資金需要に積極的にこたえるために,融資利率や保証料率の引下げなどの
融資条件を緩和して,現在の
マル札資金制度をより利用しやすいものにするというお考えはあるのかどうかという点であります。ただいまお話ししましたように,4月1日に大幅な改正をしたことを承知の上で聞くということは,やはり幾ら改正してもまだまだ条件緩和を望む声が強い,そういう声があるものですから,あえてお伺いをしておきたいと思います。
それから,2点目といたしまして,ただいまの答弁にありましたように,
マル札資金の平成5年度の
利用状況は,4月から8月までの融資実績で,対前年の金額比較で実に85%近い,これまでにない伸びを示しているところであります。そこで,今後の
利用状況を考えますと,現在の景気状況からしてますます利用割合が増加するものと考えられます。最近では,果たして札幌の
マル札制度の予算は大丈夫なのだろうか,制限されるようなことはないのだろうかと,こういう声を耳にするわけであります。
確かに6月補正をした段階で,平成5年度分の予算額は232億円であります。この額は,平成4年度決算額238億円に匹敵する額となっているわけでありますから,残る5ヵ月半もつのだろうかと,心配の声が上がるのは当然のことだろうと思います。
これまで札幌市の
マル札資金,
資金需要があればそれにしっかりとこたえてきた,制限したことはない,こういう実績を持っているわけでありますから,私ももしこのような心配があるとするならば,やはりそれを打ち消すような札幌市の姿勢というものが必要だし,聞いておきたいと,こう思うところであります。
そこで,今後の
マル札資金の
利用状況の見通しと,それに伴う予算措置の考え方についてどう対処していくお考えか,この点は局長にお伺いをしておきたいと思います。
◎高島
中小企業指導センター所長 今後の
マル札資金につきましてのご質問のうち,1点目の今後の
融資条件の緩和につきまして,私のほうからお答え申し上げたいと思います。
委員におっしゃっていただきましたように,本年度当初に信用保証の任意制,あるいはその融資利率の引下げ等の改正をさせていただきました。
また,加えまして,現在,
信用保証料率現行1%を少しでも下げていただくように,
北海道信用保証協会に対し要望をしているところでございまして,ただいま当協会の検討結果を待っている状況にございます。
今後におきましても,本市の
融資制度の改善につきましては,適宜検討,努力してまいりたいと思っております。
◎鈴木 経済局長 先ほども所長からお答えいたしましたように,
マル札資金はわれわれの予想以上に多くの方々に利用されております。これからは,年末,そして年度末という
資金需要期を迎えますので,一層需要は高まるであろうと,そういうふうな認識でおります。
そうなりますと,先ほど委員からもお話ございましたけれども,今年度の
マル札資金の予算はほぼ年内には消化し尽くしてしまうのではないかと,私どもそのような見込みを持っておりますので,そうなりました場合には,きわめて財政的に厳しい時期ではございますけれども,12月補正でお認めいただくようなことで,これからいろいろ内部的に調整をし,また,そういう措置を講じてまいりまして,
中小企業の皆さんの
資金需要に先行的にこたえてまいりたいと,そう思っております。
◆畑瀬 委員 ただいまの局長のご答弁で,市民の不安感というものが一掃されるのではないかなと,こう思っております。
前段にご答弁をいただきました
融資条件の緩和の件,1%の保証料率,これは北海道の場合ちょっと高いのではないのかなと,私もこう思っておりますので,ぜひ引き続き力を入れていただきたいと思っております。
いずれにしろ,経済局におかれては昨今の
経済情勢,あるいは札幌市の産業構造の特殊性という観点からして,この
マル札資金,最近の
銀行貸出残高の推移を見ておりますと,やはりまだまだ貸渋りの状況が続いております。こうしたときに,公的資金が市中に出回るという効果は大きいものがありますので,ぜひこれまで同様,この
マル札資金の融資枠の確保について変化のないようにご努力をいただきたい,そのことを申し上げて私の質問を終わります。
◆三上 委員
景気対策について,論点を1点に絞り質問をいたしたいと思います。
ただいまの畑瀬委員の質問にもありましたように,現在の経済状況につきましては大変厳しい状況でありまして,深刻な事態が続いております。この長引く不況の中で,本市が打った手だてとして,公共投資や
中小企業融資など,積極的に
景気対策を講じてきたことは私も承知をいたしております。特に,昨年度
経営安定特別資金を創設したことについては,まことに時宜を得た施策であると高く評価をいたしているものであります。
しかしながら,これらの積極的な
景気対策にもかかわらず,景気は一向に回復の兆しがない。もちろん一地方自治体の対策で,直ちに景気が好転するとは思えませんけれども,何とかしてほしいと,これが市民の率直な願いであると思います。
そこで私は,経済局の理事者にあえて申し上げますが,タイムリーな時期に効果のある
経済政策を大胆に展開していただきたい,こう思うのであります。といいますのは,景気が下がり始めたときには上昇の手だて,上がり始めたときは上がり過ぎないような手だて,つまりアクセルとブレーキの対策を講じるべきだということは,これはだれしもが感じていることだと思います。
現在まで経済局が講じてきた不況対策は最大限の可及的対策と思っておりますが,いま少しグローバルな全体的な対策ができないものかと,こう考えるわけであります。といいますのは,
融資制度が改善され,市民に大変好評を得て歓迎されておりますが,あくまでもこれは
つなぎ対策,つまり急場をしのぐためには非常によろしいのでありますが,もちろんこれによって景気が回復するといったものではありません。私が申し上げたいのは,そういったミクロな対策ももちろん大切であるが,マクロ,グローバルな対策,
経済局そのものの名にふさわしい対策を恒常的に講じたならば,いまのような事態を事前に察知して対策を講じたならば,少しでも防ぐことができるのではないか,こう思うのであります。
それは,たとえば
地価監視区域の問題もそうであります。この制度は,地価の高騰を防ぐ意味から一時市民からも歓迎されたものでありますが,いまでは抑制が,ブレーキが効き過ぎて,経済の活性化を阻害しているようなことが多々見受けられるわけでございます。あるいはまた,
幾ら金融政策で金利を下げたとしても,制約の網でコンクリートされた状況では,実際に経済界が活性化しておりませんので,実効が上がらないと。
そのほか不況対策の補正が組まれ,その結果,社会資本が充実する,これは私も認めるわけですけれども,本来の目的である経済の活性化,つまり
お金そのものが行ったり来たりするかというと,そうではない,そのように私は思うのであります。
そこで,あえて私は申し上げますが,実効性のある
経済政策を展開するための
景気対策,特に
経済対策担当セクションを経済局に設置して,経済局がリーダーシップをとりながら,全庁的な取組みを
恒常的システムとして設けることが必要ではないかと私は考えるのであります。そういったことを講じることによって,事前に景気の下降を防ぐと,そういう機能を果たすことができるのではないかと思うのであります。
これまでもそれなりの取組みをしてきたことは私は理解しておりますし,それなりの高い評価をしているのでありますが,いま一度全庁的な視点から
経済政策を検討・実施する
担当セクションを新設することについて,どのようにお考えになるかお伺いをいたしたいと思います。
◎鈴木 経済局長 全庁的な視点から
経済政策を検討し,実施する新たな
セクションをということでございますけれども,私
ども経済局は,これまでも常に
経済情勢の把握,分析などを行い,庁内の関係部局と密接な連携をとりながら,有効な施策をタイムリーに実施してきたと思っております。いろいろ公共事業の拡大だとか,金融施策の充実だとか,あるいは
土地対策等々ございますけれども,今後もまた単に
景気対策にとどまらずに,本市経済の恒常的な活性化ということを最大の課題といたしまして,全庁的な取組みの中で,われわれ経済局がその主導的な役割を果たしてまいりたいと,そう考えております。
◆三上 委員 全庁的な主導を十分果たしていくというような前向きの答弁をいただきましたが,これは非常に大事な重要なことだと私は思います。なぜならば,財政局は税収不足を嘆いております。このことは,素人でももう3年も前から予見をされたことであります。その辺は
佐藤商工部長は前税務部長でありますから,最も詳しく知っている部分でありますけれども,一方では,地価高騰を恐れて
企画調整局ではブレーキをかけると。一方では税収不足。これはお互いに相関関係があるわけですから,わかり切ったことでございます。そういうような予見されたことに対して,早目早目にバランスのとれた施策を施していく,幅広く検討していかなければならないと私は思うのであります。日ごろから経済分析を十分行い,先手先手で説得力ある建議を全
庁関係部局に提言していけるような,経済局の名にふさわしい組織体制の整備がやはり私は必要だと思うのであります。
より一層前向きに検討して,市民の生活安定のためにご尽力をしていただきたい,強く要望して終わります。
◆義卜 委員 それでは,私のほうから,物産の
販路拡大策についてお伺いをしたいと思います。
この問題は,ことしの1定の代質で,私,
海外経済交流の推進ということが今後の本市の産業の活性化につながるであろうということで申し上げさせていただいたところでございます。これに対しまして市長のほうから,各種施策をより一層拡充し,そして海外との取引拡大に向けた機運の醸成をこれまでにも増して粘り強く図っていきたい旨のご答弁をいただいたところでございます。
そこで,本市物産の
販路拡大対策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
札幌産品といいますか,札幌を含めた近郊のさまざまな産品があるわけでございますが,これをいかにして継続的に長期的な展望に立って販路を拡大していくかということが,まさしく本市経済,あるいは産業の活性化に貢献していくものであると私はこのように思っております。
本市におきまして,昭和62年,札幌市の地場製品の開発を奨励するための制度としまして,
地場製品開発賞というものを創設されまして,受賞企業の市場開拓を支援されてきたわけでございます。また,
ファッション関係につきましても,
ファッション産業の振興ということで,
サッポロコレクションなどを開催してまいりまして,さっぽ
ろプランドの紹介をして優秀な札幌の産品を掘り起こし,そして販路の確保と拡大に向けて努力をされてきたなと,このように思っております。
また,農産物,畜産物,あるいは水産物,これは北海道は非常に札幌も含めまして新鮮で良質な物が供給されるということで,各製造業界におきましても,いろんな創意工夫を重ねながら,新しい製品の開発に努力をされてきたと,このように思っております。
本市の場合,特に,食料品の製造業が占める割合というのが非常に高いわけでございますので,先ほど申し上げましたように,販路の拡大ということが非常に大切なことではないかと思います。
これまで札幌としまして,北海道内の各都市,あるいは,いろんな関係団体とともに
北海道物産展というものをあちこちで開催してまいりましたけれども,これまでの総括的な本市としての
販路拡大事業の概要と,どのような成果があったのか,まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
◎佐藤 商工部長 本市あるいは周辺町村の物産の
販路拡大ということでございますが,札幌の物産の拡大事業につきましては,本市としても大分以前から積極的に取り組んできておるところでございます。
戦後間もなくの昭和25年に初めての
北海道物産展が福岡と大阪で開かれまして,これが契機となりまして,物産展が毎年全国各地で開催されるようになりました。しかし,当時は北海道の物産が知られていなかったということと,輸送事情がよくないということで大変苦労の連続であったと聞いているところでございますけれども,物産展の成果が上がるにつれまして,業界の組織化が叫ばれるようになり,昭和27年には
札幌物産協会が設立され,さらに同46年には社団法人化して組織を充実させ,会員数76社で現在に至っているわけであります。
物産展の会場数で見ましても,昭和40年では全国13会場であったものが,昭和50年には58会場,さらに昨年では102会場に達するまでになっております。また,
買付け金額の面で見ましても,11億円という多額な
買付け金額にまで成長しております。
さらに海外にも目を向けておりまして,昭和47年にハワイで北海道の物産と観光展を初めて開催したところでありますけれども,以後継続して開催されておりますし,また,平成元年からは
ロサンゼルス市においても新たな展開を図り,ことしも来月下旬に
ロサンゼルスでの第3回目の
札幌物産展を開催することになっております。
このほか,東京,大阪の
国際見本市でのPR,商談,それから海外で開催しております見本市,たとえばパリ,あるいはケルン,
ミュンヘン等の
国際食品見本市への出店の援助,さらに地元で開く
札幌国際見本市の出店に対する補助,そしてまた海外4姉妹都市に設置されております札幌市の
常設展示場への商品の展示など,いろんな機会,手法を使って本市の物産の
販路拡大の支援を行なってきているところでございます。
◆義卜 委員 いまのご答弁の中では,さまざまな手法を使って海外での
販路拡大,あるいは国内における販路の拡大ということで,一生懸命されてこられたということには,一応の評価といいましょうか,そういう認識を持っておりますけれども,先ほど来お話にございましたように,景気の低迷というときは,行政と関係団体,いまご答弁にありました
札幌物産協会,こういう関係団体との連携を強化して組織の充実,そしてまた新たな強力な事業の展開ということが望まれるのではないかと思っております。
いまお話にございました
札幌物産協会,46年に法人化されたということで,戦後の発足当初から大変なご苦労をされて今日に至っているわけでございます。いろんな長い歴史があるわけでございますけれども,やはり長い歴史があるということは,今日的に振り返ってみるならば,組織の活性化ということで指摘される面があるかと思いますし,また,何か新たな手法というものが必要であれば,協会の問題として改革すべきことかなと思います。
具体的に申し上げますならば,どのようにしたら,物産展の会場数がふえていくかと。そしてまた,どうしたら,いまお話ありましたような
買付け金額,そしてまた数量を伸ばしていくことができるのかということだと思います。
本市としましても,いろんな今後の展開が考えられるかと思いますけれども,知恵を絞って本市の
中小企業の優秀な商品の販路が,さらに一層拡大できるような支援をしていくべきではないかと,このように考えておりますが,ご見解をお伺いしたいと思います。
もう1点,先ほど申し上げましたように,海外に向けての販路の拡大ということでございますけれども,いまほどアメリカを中心として販路の拡大を図ってこられたということでございますけれども,これからはアメリカに限らずほかの地域,たとえば最近非常に成長を遂げております東南アジアの方面にも目を向けるということを検討してはいかがかと思いますが,ご見解をお伺いしたいと思います。
◎佐藤 商工部長 物産展の会場数の増,あるいは買付け額,数量の伸び,これに対してどう取り組むかというお話でございますが,私どもとしては,この物産展の事業の窓口でございます物産協会とともに,一つには,新たな商品の提供とか有望商品を発掘するということによって,マンネリになりがちな物産展をさらに充実していくということがございます。それから,二つ目には,本市物産業界に一層の結集を呼びかけていくということがございます。また,三つ目には,常に消費者ニーズを先取りした商品開発の指導,育成に努めるということがあろうと思います。また,四つ目には,国内及び海外の新規市場開拓に努めること,こういうようなことが挙げられると存じます。
それから,海外での
販路拡大の問題でございますけれども,お話にございましたように,海外での
販路拡大につきましては,アメリカばかりでなくて,今後は東南アジアも含めまして,より効果的な地域や都市,こういうものを検討してまいりたいと思います。
いずれにしても,札幌発の優良商品を全国はもとより全世界に向けて推奨し,市場開拓をするように努力をしてまいりたいと,このように考えております。
◆道見 委員 私のほうから二つばかり
マル札資金に関連して質問をいたします。
いま畑瀬委員なり三上委員からるるお話ありました。私は,もっと生きた経済学で話したいと思います。
マル札資金をやっていただく,これは企業としては本当にありがたいことです。何といっても,何ぼ企業が赤字になっても,資金さえ回っていれば企業は倒産しないのですよ。交通局も1,700億赤字になっても,資金さえ回っていれば倒産しないのです。これが現実なのですよ。資金手当てをどうするか,これに
マル札資金が非常に役立っている。資金があって,次に仕事があれば,金利が幾ら高くても借りれると,これが実際の企業なのですよ。金利が安く,金が借りれるのが一番いいですよ。だけれども,実際に働いている
中小企業の方は,まず金が借りれるということが一つ。それから,仕事があれば何とかできると。不景気ですから仕事はない,金は貸してくれないとなったらこれは大変ですから,経済局が行う
マル札資金というのは大変ありがたい。
そこで,わが会派の伊藤委員や,いま畑瀬委員が話ししました保証協会の任意制の問題,これは非常に大切なことなのですね。やっぱりプラス保証料を1%なり,0.8なり,若干幅があったにしても,金利が高くなると。仕事があれば金利高くてもいいというのが
中小企業の本音ですけれども,しかし,実際に企業が銀行に借りに行くとき,まず担保を要求されて,保証人要求されて,信保付になるのですよ。そして,力のあるところは,信保付にならなくても貸すのですよ。ところが,本当に困っている企業は担保がないのですよ。ほかで借りているとか。
企業の実態の例を言うけれども,ある企業,自己資本率が43%の会社が,長期の設備資金をやるという場合において,長期ですから100%の担保を要求されるのですよ。100%の担保がなかったら,自己資本率43%の企業でも銀行から融資を受けられないのですよ。わかりますか,そこら辺のこと。
そういうことで,実態は,信保付が任意になるということは非常に前進した。もう一つは,信保付はやむを得ぬと,保証人だけで貸してくれる方法を探れないものなのかどうか。
これは,非常に複雑に絡んでいるのだよね。保証協会は,安全性のために銀行に対して担保を入れさせれと,おそらく要求すると思うのですよ。万が一のことがあったときは保険金が出ると。保険機構は国の機関だから,国のほうも何とか安全性を求めるとなれば。これ言っていること,建前と本音がぐるぐる回っているのですよね。だけれども,ほとんどの企業は,信保付になることはやむを得ぬと,1%高くなってもいいと。そして,うちの女房が保証人になってもいいと,実際それでも貸してくれないのです。
だから,そこが借りれるようになれば,本当の生きた
マル札資金になるのだよね。これができないものなのかどうか。銀行に対して言えない。市役所は銀行じゃないから。ここの部分を何とか3者協議に基づいて受けやすくする。そしたら私は
マル札資金は100%マル。いや,しゃれで言っているわけじゃないですよ。本当にマル。そういうふうになるのですよ。これが何とかできないかどうか。
もう一つ,これは過去に内部で検討した経過があるかどうかわかりませんけれども,信用保証協会を私は札幌独自でつくれるものだったらつくる交渉を大蔵省に対してしてほしいと。北海道これだけ広いのですから。九州だったら7県,県ごとに保証協会あるはずです。ですから,北海道はこれだけ広いのだから,札幌独自で保証協会をつくる。戦前からある政令都市は,五つ保証協会がつくられてあると。戦後は許可になっていないようですけれども。私は,いまの保証協会のあの体質といったらちょっと批判になってしまうけれども,やっぱり切磋琢磨させると。中はいいけれども,小零細企業に役立つ
マル札資金に持っていくために,どっちみち市が補償するのであれば,損失補てんするのであれば,独自に札幌市が保証協会をつくると。過去交渉したことがあるのかどうかわかりませんが,過去の経過と,これからそういうことを真剣に大蔵省なり国に働きかけていく考えがあるかどうか。これができれば,私は物すごく金融政策はいいものになると,こう思っているのですがいかがでしょうか。
◎高島
中小企業指導センター所長 信用保証にかかわるお尋ねの1点目の信用保証の弾力的運用のご質問でございますけれども,
中小企業者にとりましての融資の円滑化,これは非常に大事なことでございます。この円滑化につきましては,昨年来数度にわたりまして,金融機関,あるいは
北海道信用保証協会に対しまして,
資金需要に積極的に対応をしていただくよう,特段の要請を文書で何回も行なってきております。
いまのお話の北海道保証協会の取扱いの件につきましても,ある意味では信用保証協会のほうでご検討いただく件でございまして,今後ともいまおっしゃいました
中小企業の金融の円滑化を積極的に推し進めるために,機会あるごとに金融機関,そして
北海道信用保証協会に対しまして要請し,努力してまいりたいと,そういうふうに考えます。以上でございます。
◎鈴木 経済局長 2点目について私からお答えいたします。
ご承知のように,信用保証協会制度は,
中小企業の信用力が弱い,あるいは担保力が弱い,そういう企業に対しまして,信用補完をする役割を持っているものでございます。したがいまして,今日のように
中小企業が非常に厳しい状況にある中では,特に信用保証協会の真価というものが期待されるわけでございますけれども,いまご提言ございましたことにつきましては,貴重なものとして受けとめて,今後検討させていただきたいと,そう思います。
◆横山 委員 私も,この不況の中で大変苦しんでいらっしゃる中小零細企業の皆さんへの融資の問題についてお尋ねしたいと思います。
不況の状況については,畑瀬,そしていま三上,そして道見,それぞれの委員からいろいろなお話がありましたので,そこのところは省きながら,ぜひ
経営安定特別資金,この問題について引き続き検討していただきたい。
大変な不況で,先ほど畑瀬委員のご質問に対してお答えになっていらっしゃいますが,数字を見ても,たとえば冷夏で札幌市の場合は,観光客も少ない。新聞なんかを見ると,お弁当屋さんなんかも不況で大変だというお話も見受けられるわけです。
特に札幌市はサービス業に依存をしている。ですから,札幌市の業者の皆さんというのは,この冷夏で大変なダブルパンチというか,そういう状況になっているということなのですね。それで,ぜひことしの3月まで実施されていた
経営安定特別資金,これを復活させていただきたい。
それともう一つ,いま信用保証協会のことが話題になっておりましたけれども,実際に,いまの制度資金を活用したいと銀行に行ったときにどんなことが起きているか。利用が大変ふえている,到達で85%にもなっている,大変人気が高い,それが即利用しやすいということになっているかというと,決してそうではないのですね。
たとえば銀行の窓口に行って融資の申込みをする。どんなふうに対応されるかというと,あなたのところは,実績がありません,そう言って断られる。そういう実績がないところこそ,いま道見委員が小零細企業というふうにおっしゃいましたし,局長も信用度の低い企業に対してというお話もありましたけれども,そういう企業が救いを求めているにもかかわらず,銀行は貸渋りをする。
4月20日の陳情審査のための常任委員会の中で,この問題を私も指摘をさせていただきました。その後,いま指定銀行は市内で300に及ぶというふうにお聞きしておりますけれども,その銀行に対して,できるだけスムーズに融資を行うようにこの間大変ご努力をしていただいたということもお聞きをしております。
しかし,依然としてそういう窓口での対応があると。この現状をどう受けとめて,どうご認識なさるのかお聞きしたいと思うのです。本来制度融資というのは,先ほどもお話ししたように,銀行との関係,実績がない,少ない,そしてまた銀行から借りられない,そういう融資を受けるのが困難な企業に対して,この制度融資というのは大いに活用されなければならないにもかかわらず,いま銀行ベースで制度融資の実施が行われているということに対してのご認識,ぜひお聞かせを願いたいというふうに思います。
◎高島
中小企業指導センター所長 1点目の
経営安定特別資金の復活という件にかかわりましてでございますけれども,先ほど来ちょっと申し上げておりますけれども,平成5年度から
マル札資金制度の大幅な条件改善をしたところでございます。その改善点としては,まず信用保証の任意制,あるいは利率の引下げ,あるいは限度額の引上げ,あるいは償還期間の延長等がございます。特に
小規模事業資金につきましては,金利を特別に0.1%下げまして,現行では3.4%の非常に低利な資金になってございます。
これら
マル札資金の大幅な改善の結果等から全体の
利用状況は非常に好調でございまして,昨年に比べまして2倍近くも伸びているところでございます。中でも,これも先ほど申し上げましたけれども,500万円以下の融資額の利用,これは全体の6割を超える状況にございます。
このことから,中小零細企業者にとりましても,広くご利用いただいているものと考えてございまして,
マル札資金で十分対応できているものと認識してございます。
なお,今後も
マル札資金の充実には努力してまいりたいと,そんなふうに考えてございます。
それから,2点目の金融機関の窓口対応にかかわりましてのご質問でございますけれども,経営環境が大変厳しゅうございまして,本市としても,資金繰りが悪化している皆さんの金融円滑化を図るため,
融資制度をご利用いただきたいというふうに考えているわけでございます。そこで融資相談や,あるいは融資手続を受けます各金融機関の窓口の対応はきわめて重要でございます。それで,本市といたしましても,制度融資を含めました
中小企業金融全般にわたりまして,その円滑な活用の推進等につきまして,先ほどもちょっと申し上げましたけれども,文書等により各金融機関に要請してきているところでございます。
なお今後におきましても,機会あるごとにその件にかかわりまして金融機関に要望してまいりたいと,そんなふうに考えてございます。以上でございます。
◆横山 委員 銀行の対応については,引き続き,ぜひ円滑な活用ができるようにご努力をお願いしたいというふうに思います。
経営安定特別資金の延長についてですが,全国的にも先がなかなか見えてこない不況の中で,名古屋市,また尼崎,豊中,それぞれの全国の市で特別資金の復活というか,延長というか,行われているところなのです。いまの
マル札資金と安定特別資金とは当然条件が違います。ですから,より融資が受けやすいように,そしてまたこの特別資金の目的に沿って融資が受けられる,救済をする,支援をする,そういう立場でぜひ復活ということをお願いしたいと。
それで,それを進める上で,たとえばこれは兵庫県の尼崎の実例なのですけれども,市の担当部局の皆さんが実際に業者の生活実態調査を行なっているのですね。生活と営業の実態をじかに調査をして,何とか救済をしようと。企業ですから,当然企業努力ということも求められます。私は4月の委員会のときにもお話ししたかと思いますけれども,しかし,企業の努力だけでは賄い切れないいまの構造的な不況を,やはり行政として支援をしていく,そういう姿勢を見せるべきではないかと。そういう意味では,尼崎で行われている,市の原局の皆さんが実際に事業所に出かけていって,その実態調査をするというのは大変積極的で,本市でもぜひそういうことを実施していただけないものか。
それと同時に,窓口の対応について,これも豊中市で行なっているのですけれども,申込みの窓口はあくまでも市でやっていると。申込みを受けた後,市の職員の皆さんが金融機関にあっせんをする。制度融資ですから,当然行政がこのように関与していくということは大変重要なことではないか。制度融資を利用する,活用する場合に,こういうふうな形で,何とか札幌市でも銀行任せではなくて,
中小企業センターであれば,相談の窓口のところに直接融資の申込みもできるような,そういう機構ができないものかどうか,こういう改善をお願いしたいというふうに考えますが,その点でいかがでしょうか。
◎高島
中小企業指導センター所長 1点目の企業の実態を把握しながら
融資制度を運用すべきでないかと,そしてまた具体的方法についてのご意見等ございました。委員がおっしゃるように,実態をとらまえて,そして
融資制度をそれに合わせながら実行していくと,その点は,そのとおりというふうに考えてございます。
ただ,実態把握の方法として,先生から具体的にたとえば職員が企業のほうに行くなどというお話ございましたけれども,そういう方法がとれるかどうかは別にいたしまして,今後とも実態把握に努めながら,
融資制度の運用を図っていきたいと,そんなふうに考えてございます。
それから,
融資制度の窓口を,たとえば他市のように市でできないかという件でございますけれども,本市の
融資制度の窓口は金融機関でございまして,23の金融機関で支店を入れますと300ぐらいの支店でお受けしているということになります。ということは,300の窓口で企業の多くの皆さんのご相談に応じているのがいまの制度であるというふうに考えてございまして,現段階では,いまの制度がより企業者にとってもいいものであると,そんなふうに理解してございます。
◆横山 委員 ぜひ積極的に改善をしていただきたいというふうに思います。
この冬,どう年を越したらいいのかと。実際に6月に全商運で,北海道で営業と生活の実態調査を行なった中でも,大変業者の皆さんの厳しい生活ぶりが浮彫りにされてきています。ですから,業者の皆さんの暮らしと営業を守る視点で,ぜひ踏み込んだ施策を進めていただきたいというふうに要望するのと同時に,先ほど,
マル札資金,いまの推移ではほぼ予算額よりも大幅にオーバーするであろうと,現在85%の到達率で,12月にも補正をお願いしたいというようなご答弁がありました。もし補正をというふうにご検討をされるのであれば,ぜひこの特別資金の復活を重ねてお願いしまして,終わりたいと思います。
○大越 委員長 次に,井上委員の質問に移りますけれども,井上委員からは,次の農政費にかかわる質問もここで同時にするかもしれないと。したがいまして,その点委員長として許しますから,委員の皆さんにはご理解をいただきたいと思うのと,説明員の皆さんには,あるいは農務部に関する質問も出るかもしれません。これもご協力をいただきますように,委員長からお願いをさせていただきます。
◆井上 委員 米不足の問題に関して4点質問させていただきます。
1点目は,私たちの食べる米が,どれぐらい不足しているかということです。
8月15日の作況指数を見ますと95,9月15日で80。80であれば200万トン不足だと報道されておりますが,きょうが最終のそういう指定の日になっていると聞いております。そういう中で,どれぐらいの米が不足しているのか,この見通しについてまずお尋ねいたします。
2点目は,米の需給と価格についてです。
米が店頭から消えた,また,米の銘柄によって店頭には置いていない。私も調査しましたけれども,10月の前半まで札幌市内でもこういうことが起こっておりました。市の消費者センター,また区,商工課などにも相談が実際来ているというふうに聞いておりますけれども,この米のない状況はどのように押さえられているのでしょうか,お尋ねいたします。
2番目の二つ目は,価格の問題です。
食糧庁は,凶作による米の価格の高騰を防ぐために価格の調査,それから販売業者への監視,また,指導を強化するということで,各都道府県と食糧事務所に通達を出しました。物が不足になれば,価格のつり上げはいままでにも何度かありました。売るほうが売惜しみをするということになりますと,当然価格の高騰が予想されます。そういう中で,非常に心配な面が出ております。本市としても価格の高騰が起こらないように対処すべきだというふうに私は考えますが,これについてもお尋ねいたします。
また,3点目は,加工用米についてです。
実は,加工用米を扱っている方から直接お話を聞く機会がありました。いままでですと,1等,2等,3等,それ以下の米が回ってきて,米がたくさんとれたときにはどんどん利用してほしい,そういうふうになっている中で,ことしは米のふるい目も最低にして食用に回しているので,加工用米を扱っているところには米が入らない,本当に死活問題だということで非常に怒っておりました。市は,これらのことをどのように把握されているのか,そしてまた対応をされようとしているのかお尋ねしたいと思います。
4点目は,緊急輸入と復田の問題です。
緊急輸入という事態,そして減反を進めてきたのに,新聞の報道によれば今度は復田をする,こんな場当たり的な政策は生産者を踏みにじるものだというふうに私は思うのです。国の農政の失敗だと言わざるを得ません。そういう中で,先日来日したアメリカのエスピー農務長官に対して畑農水相は,相当な量を米国から輸入するということも言っているのですね。そういう中で,国の農政の見解について,ぜひここでお聞きしたいと思います。
それと,いまもお話ししましたけれども,米不足から,来年度以降,水田をつぶしてきたのをまた復田させる,こういう報道がされております。全体では10万ヘクタール,そして道では4,000ヘクタールですね。この復田の意向調査も行われたというふうに聞いております。本市は,これについてどのような対応をされたのか,この4点についてお聞きいたします。
◎佐藤 商工部長 後段の輸入問題,あるいは復田問題を除く点につきましてお答えを申し上げたいと思います。
まず,第1点の米不足の見通しというお話でございますが,9月15日時点の作況指数では80ということでございますので,従来からの生産数量からしますと大体1,000万トン前後でございますから,200万トン不足かなというふうに言われておるところでございますけれども,まだこの10月の発表はございませんので,憶測でお答えするというのは控えさせていただきたいと存じます。
それから,品不足等にかかわる問い合わせ状況でございますけれども,私ども商工部を含め,区の広聴,あるいは消費者センター等に20数件ほどの問い合わせが参っております。その多くは,店頭に米がないということでございました。スーパー,量販店,さらには個人商店の一部において米が一時的になくなるという状況はあったようでございますけれども,今週に入りましてからは本州米の新米が入るとか,あるいは来週早々には道内産の新米が出荷されるということでありますので,米不足と言われた状況は早晩解消されるものと,このように考えております。また,市民からの問い合わせがあった場合にも,そのようにお答えしているところでございます。
それから,価格の問題でございますけれども,大幅な値上げに対しましては国レベルで指導監督が行われるということになっておりますので,今後とも北海道食糧事務所や,あるいは道などの関係機関と連携をとりながら価格動向についての情報収集に努めたいと考えておりますし,また,われわれ市内部としましても,市民局の消費者センターなど関係部局と密接な連携をとりながら対応してまいりたいと思っております。
それから,加工米業者が米不足になっているのではないかと,その状況をどう把握しているかということでございますけれども,加工米については他用途利用米,あるいは特定米穀などを主要原料といたしますみそ,しょうゆ,あるいは米菓子などの団体がございます。こういう業界団体へ問い合わせてみたところ,いまのところはまだ具体的な影響はあらわれていないということでございました。しかし,本市としては今後も適宜,そういう団体等から事情をお聞きしまして,状況把握に努めてまいりたいと,こう思っておるところでございます。以上でございます。
◎坪田 農務部長 緊急輸入と復田の問題につきまして,私から答弁をさせていただきます。
まず,米につきましては,国の需給制度に基づきまして各地方自治体が実施しているものでございます。現時点では,この制度による需給の調整,その政策展開が必要ではないかというふうに考えております。しかしながら,米というのは日本人の主食でもございますので,食糧の安全確保の点からも需要に見合った必要量はぜひとも確保すべきものと考えております。
2点目の復田でございますが,今回の復田の措置につきましては,各生産者の復田の希望を調査した上で実施される予定と聞いております。しかしながら,本市の場合は立地条件などから復田が非常に難しく,希望もなく,復田は実施されない見込みでございます。以上でございます。
◆井上 委員 米不足については,9月15日で80ということですから,大体予想では200万トン,これが70になった場合は200万が300万,そういう形で予想されるのですね。これについては,いままでも,私たちもそうですけれども,生産者,それから消費者団体も150万から200万トンの確保は必要だというふうに国にも求めてきました。しかし,国においては,財政効率を優先させる中で,100万トンを適正水準にして,ずっとやってきたのです。ところが,10月末での在庫を見ましても,30万トンぐらいしかない状況で,非常に綱渡り的な需給計画を行なってきているのです。これらを本当に安定的にできるように,私は米の需給計画を設定していくように,市としてもこれを国に対して,道に対して求めていくべきだというふうに考えます。これについては,もう一度ご答弁をお願いいたします。
2番目の,一時的に米がなくて,いま大分出てきている,そういうふうなご答弁でした。店頭に出ていないところも,実際に歩いてみましてありました。だけれども,お得意さんには渡す,そういう小売店もあって,非常に小売店でもご苦労しているのですね。米の卸売からの出荷が,例年の半分ぐらいになっていると,そういうことが依然として起きておりますので,この辺をきちんとこれからも指導していっていただきたいというふうに思います。
2のことです。これについては,いま,きらら397で4%の値上げ,こういうふうなのも出ていまして,大幅な値上げは国レベルで考えていくということで回答もありました。また,本市についても消費者センター,関係部局とそういう形で対応していくというご答弁もありましたので,その辺は引き続き進めていただきたいというふうに思います。
3点目の加工米についてです。
これについても,具体的にはまだ皆さん把握されていないというふうに私は見ているのですが,これからそういうことが出てきたら,調べていくといまご答弁ありました。こういうのを取り扱っているのは大手だけじゃないのですよね。小さいところでも精米機を持っているところでやっておりますので,十分見ていただきたいというふうに思います。そして,
中小企業への影響も出てきております。これに対しての支援についても,いま
中小企業の
マル札資金のこともお話に出ておりました。十分配慮していくように要望しておきます。
4点目の緊急輸入,それから復田の問題です。
札幌市としては,復田について希望されなかったということで,非常に私も残念に思います。私どもの生駒議員も何度もここで取り上げてきました。本市でも昭和44年には水田が4,000ヘクタールもあったのが,現在では50ヘクタールにも減ってきている。大幅に水田が減らされ,減反の押しつけがやられてきたと。都市の中での水田を守っていくという立場で非常に難しい問題はあると思うのですけれども,それ以上に,長い間減反を押しつけてきた中で,米をつくる意欲を失う,そういうことがこれによってできてきているというふうに思います。今回国が進めた減反によって大凶作,そして米の見通しのない需給計画の中でこういうふうになってきていまして,私は国に対して,札幌市民の食を守る立場としても厳しく指摘していただきたいというふうに思います。これは要望しておきます。
◎鈴木 経済局長 米の安定的供給につきましてでございますけれども,これは非常に重要なことでございまして,私どももぜひそうでなきゃならないと思っております。現行の食管制度の中で,必ずそういうことが確保されるであろうと思っておりますけれども,今後また,道や食糧事務所などとも連携をとりながら,そういうことに努力をしていきたいと,そう思っています。
◆井上 委員 要望になります。私もいま天候の問題などもお話ししてきましたけれども,不作が続いても安定的に見通せるような,そういうことを求めていただきたいというふうに思います。
それで,要望2点あります。加工米が輸入されるということがありまして,その中身を見ますと,子供たちのお菓子,せんべい,それからみそ,しょうゆ,そういう形で使われていく加工米です。そういう面では,さきの委員会の中でも,米の安全の点検の問題が出されました。十分にこの辺の対策を講じられるように求めておきます。
また,もう一つは商工課の体制についてです。連日皆さんも新聞を見てのとおり,米の問題が出ないときはありません。そういう中で,実際に足で調査するということもあって,非常に努力しているというのも私も今回わかりました。しかし,米がない,そういう中で市民がパニックを起こさない,そういう適切な指導も求められておりますし,
中小企業のそういうところを守る上でも,ぜひともこの体制を充実されますことを求めて,私の質問を終わります。
○大越 委員長 以上で,第1項 商工費の質疑を終了いたします。
次に,第2項 農政費のうち関係分の質疑を行います。
◆青木 委員 ことしの異常気象は大変なものでございまして,いろんな面で影響を受けております。本市におきましても,水道局などは水が売れなくて大変苦慮しているという話を聞いておりますが,特に農業はご承知のとおり,大被害をこうむっております。
それで,本市の水稲及び野菜の作況,どんな状態にあるのか調べてあったらお知らせをいただきたいと思いますし,その対応をどう考えているのかまずお答えいただきたいと思います。
◎坪田 農務部長 私からお答えさせていただきます。
異常気象による農作物の作況とその対策ということでございます。
ただいまのご質問にありましたとおり,全道的な冷夏の影響から水稲が特に悪く,9月15日現在の道の作況調査によりますと,道の水稲の作況指数というのは46となっております。また,本市につきましても特に水稲が悪うございまして,作況指数37程度と予想しております。しかし,野菜につきましては本道の基幹作物でございますタマネギだとか,あるいはホウレンソウを初めといたしまして,全般的に平年並みに近い作況と把握をしております。
次に,本市の対応でございますけれども,水稲の被害が懸念されました9月に,札幌市異常気象農業対策推進協議会というものを設置をいたしまして,特に水稲につきまして,病害虫の対策だとか,適期刈取りなどの営農指導を実施してきたところでございます。
しかし,先ほどから質問ございましたとおり,本市の水田というのは転作が非常に進んでおりまして,いま現在73ヘクタールというのが作付の面積でございまして,このうち自家用米がかなりの部分を占めてございます。したがいまして,被害額で想定しますと,約5,000万程度予想しておりますけれども,水稲につきましては共済制度も確立しておりますし,また,救済を必要とする農家につきましては制度資金等の融資の道もございますので,これらによって対応してまいりたいというふうに考えております。
◆青木 委員 次に,農業振興地域の問題でお尋ねしたいと思います。
農業の使命は,新鮮かつ良質な農畜産物を生産することはもちろんでございますけれども,緑豊かな自然と良好な環境を提供するという重要な役割も果たしております。本市の農業粗生産額は年間約100億程度でございますけれども,石狩管内では第2位という実績だと伺っております。山林地域とともに,すぐれた都市景観を形成しているものと私は理解しておるところでございます。
それで,昨今の農業を取り巻く環境は農薬問題に加えまして,冷害を受けて一段と厳しさを増しております。そこで,農務部が昨年度行いました地域農業実態調査によりますと,経営主の平均年齢は59.5歳ということで,60歳以上の農家が過半数を占めております。そのうち,後継者がいる農家はわずかに15%程度で,高齢化が進んでいるのはご承知のとおりでございまして,まことに深刻でございます。しかしながら,その中においてもまだ4割ぐらいの農家の方々が,長期にわたって農業を続けていきたいという意思を持っているところでもありまして,このことは大変頼もしく期待しているところでございます。一方,高齢化や後継者難によりまして,規模の縮小や離農を避けられない農家があるということは,これまた大変憂慮すべき問題だなと考えているところでございます。
そのような中で,本市が見直しを進めております農用地区域は,土地の利用の規制を伴いますことから,市街化区域編入や都市的土地利用を期待する農家から,除外の要望が大変強く出ております。このことにつきましては,本市はすでに各地区ごとに説明会を行なったり,大変困難な状況の中でおおむね理解なり納得が得られて,現在,本案作成に取り組んでいると聞いております。
そこで第1点目といたしまして,地域の生の声として,地元農業者からどのような意見や要望があったのか,これに対して本市はどう対応していくのかお伺いいたします。
次に,農用地区域の見直しにつきましては,国の法令等で規定されております。これによりますと,除外については公用・公共用施設用地として計画が決定した土地,周辺農地を含めても20ヘクタール程度の団地規模に満たない区域,さらには山間地域で長期的に見て農地の保全が困難な区域などに限定されているところでございます。また,編入については,農用地区域に含まれていない集団的農用地や,現在の農用地区域に隣接する農地等については新たに設定すると聞いております。
そこで2点目として,このような基準に従って具体的に見直しを行なった結果,農用地区域はどの程度の規模に落ち着くのかお伺いいたします。お願い申し上げます。
◎坪田 農務部長 それでは,二つの質問に対してお答えをいたしたいと思います。
まず,1点目の地区の説明会における農業者の意見への対応ということでございます。
農用地区域見直しの地区説明会につきましては,本年の6月から7月にかけまして,17地区を対象といたしまして実施をしたところでございます。その結果,地元の農業者から多くの意見や要望がございました。これらを簡単に要約いたしますと,まず除外の意見といたしましては,高齢化や担い手不足によって農業経営が困難であり,いつまでも農用地区域として土地利用を拘束されたくないという意見がございました。また,農用地区域に設定されていると,市街化区域の編入や都市的な土地利用の足かせになるなどの意見がございました。これらの意見につきましては,先ほどお話もございましたが,運用通達が改正されまして,農用地区域見直しのスパンが従来の10年ごとから5年ごとに短縮されたことによりまして,社会
経済情勢の変化に的確に対応した見直しができるということになりました。また,市街化区域の線引き見直しの時期と合わせまして,今後農用地区域の見直しを行うということで,大方の理解を得たところでございます。
それから一方,農業施策に対する要望についてでございますが,高齢化や後継者難ということで,耕作ができなくなった農地や,あるいは借り手,買い手のない農地への対応,あるいは農用地区域内の助成策の強化充実,それから市民農園の開園支援などもございました。これらにつきましては,今後,農地の情報の提供,あるいは新たな助成策の創設も含めました農地の流動化事業を推進いたしまして,既存の補助事業等の強化とあわせまして,市民農園事業につきましては計画策定などを実施いたしまして反映していきたいというふうに考えております。
◆青木 委員 農業問題は大変難しくて,特に都市近郊農業というのは厄介なことでございますので,農業者の立場に立ってひとつ事を解決していっていただきたいと思います。
次に,南区の農業事情は,山間,傾斜地や狭隘な土地の多いところで,耕地条件,自然条件から見て,必ずしも農業に適しているとは言えない厳しい農業環境で経営が行われてきた地域であります。集団として農用地の確保が非常に難しい区域であります。
そこで,現在取りまとめ中とは思いますけれども,特に南区における農用地区域の取扱い状況についてお願いいたします。農用地区域を含めた農業振興地域整備計画の見直し完了時期はいつごろになるのかお伺い申し上げます。
◎坪田 農務部長 南区の取扱いについてでございます。
まず,第1点目の南区の見直しの状況でございますけれども,現在,石山地区,簾舞地区,砥山地区,それから滝野・真駒内地区及び藤野地区の5地区におきまして,129ヘクタールの農用地区域を設定しております。
今回の見直しによりまして,石山地区38ヘクタールは山間地域で,将来とも農業利用が困難な地域と認められますので,この地域全体を除外する考えでおります。次に,簾舞地区9ヘクタール,砥山地区2ヘクタール,これにつきましては,周辺部の農地を含めまして規模が小さく,面積要件を満たさないため,区域全体を除外する考えでございます。それから,滝野・真駒内地区59ヘクタールございまして,これにつきましては,現況山林と山林を含んだ孤立した農地が21ヘクタール,これらを除外する一方,介在いたします農地を編入する考えでございまして,見直し後は38ヘクタール程度になる見込みでございます。最後に,藤野地区21ヘクタールにつきましては,周辺部の孤立した農用地区域5ヘクタール程度を除外する考えでございます。
したがいまして,南区では,見直し後は54ヘクタール程度になる見込みでございます。
◆青木 委員 要望を申し上げます。
南区の農用地区域の取扱いにつきましては,ただいまお聞きいたしました。しかし,南区には緑豊かな自然と,これにマッチした滝野すずらん公園や芸術の森などの市民憩いの施設があります。地域振興の観点に立ちますと,緑を保全しながらも良好な都市環境づくりに貢献する農業は,今後とも必要であると私は考えております。南区では,特に恵まれた自然条件を生かしまして,果樹農園農家が庭先販売や入園もぎ取りなどに創意工夫を凝らしており,観光農業に意欲的に取り組んでおるところでございます。
そこで,まず第1に,南区の農業の特色でありますこの観光農業について,従来にも増してきめ細かい配慮,支援をお願いしておきます。
また,札幌里づくり事業で移転する農業センターの跡地利用が何かと取りざたされておりますが,ここを小金湯地域の発展の基盤といたしまして,地域農業を支援する場として有意義な活用を図っていただきたいと,この2点を要望して質問を終わります。ありがとうございました。
◆佐々木[周] 委員 私も,本市の農政につきまして2点質問いたします。
最初に,本市で生産された有機農産物の利用拡大についてお伺いしたいと思います。
現在,スーパーや八百屋さんなどに行きますと,ありとあらゆる野菜,果物が並んでおりまして,食欲をそそっているというわけなのですけれども,その反面,季節感がなくなったということを感じております。ただ,それだけではなくて,いろいろな問題が起きているような状況にあります。その一つは,肥料のやり過ぎで病気になる作物がふえているというようなこと。たとえば,3年ぐらいは肥料をやらなくても十分作物はできるというふうな道のほうの研究の結果も出ているそうです。また,連作障害で病気が発生している。これは,大規模農業を産地指定をして,同じ作物を何年もつくり続けることによる弊害が出ているというようなことです。また,見かけは同じでも,露地でつくられた物と,ハウス物とでは,ハウス栽培の物の栄養が半減している。そういうような状況にありまして,私ども消費者といたしましては,農産物についての不安がますます募っているというふうな状況です。
私たちは,いつも安心しておいしくいただける農産物が,いつも身近で生産されて,それが手に入る,そういうことを望んでいるわけなのです。そしてまた,成長期にあります子供たちには,とりわけ安心して食べさせられる農産物が供給できればなというふうに思っているわけです。
そこで質問なのですけれども,91年度に地場生産の有機栽培された野菜を給食に取り入れようということで,試行的に始まったということを伺っておりますけれども,それが好評だったために,昨年度は拡大されたとお聞きいたしました。それで,2年間のその実績と,それから供給形態,学校にどのような形で供給されたのか。そういうようなことについて最初にお伺いいたします。
◎坪田 農務部長 学校給食に提供されました減農薬農産物の実績でございますが,平成3年度につきましては,東区の全小・中学校を対象に,約15トンのタマネギを供給いたしております。また,平成4年度につきましては,東区及び北区の全小・中学校76校でございますが,これを対象に約37トンのタマネギを供給しますとともに,リンゴにつきましては南区の全小・中学校41校を対象に,南区簾舞地区で生産されましたリンゴ約6.5トンを供給しております。これが実績でございます。
◆佐々木[周] 委員 供給形態,産直方式でなさっているようだったのですけれども,わかりました。
それで,タマネギからリンゴまでと,少しずつではありますけれども,量も種類も拡大しているということで,これについてはさらに進めていただきたいなというふうに思っているわけです。
給食の是非ということが一時話題になりましたけれども,子供たちが給食に提供された野菜が市内のどこそこでつくられたものだということを想像するということは,社会科で農業を勉強するよりは,身をもってつくられた状況ということを勉強することができる,本当にいい教材にもなっているのじゃないかなというふうに私は思いました。
また,生産者にとりましても,販路が安定するということで,今後もますます有機低農薬野菜の生産意欲というのも高まってくるのではないでしょうか。そういうふうに私は思っています。都市で農業を続けるのは,農業に対する情熱だけではなかなか難しいということは,本当によくわかるわけです。そのために,安定した販路と価格があるということは,生産意欲を高めることができるわけです。ということから,本市が地場の農産物,それも有機低農薬野菜の購入を積極的に拡大するということで,先ほど来私が申し上げている有機農業をより一層拡大することができるのじゃないかというふうに思います。
そこで,二つ目の質問なのですけれども,これまでの供給実績を踏まえながら,小・中学校での拡大及び本市での保育園,または特養老人ホームなど,食事を提供している施設がもっとたくさんあるわけですけれども,そちらのほうにも供給を拡大してはいかがでしょうか。また,そのためにいろいろ各部局との連携というのも必要になるわけですけれども,その関係した部局との協議会などをおつくりになって,そのことについて実現に向けて相談していく,そういうことも必要と思うのですけれども,それについてもお伺いしたいと思います。
◎坪田 農務部長 減農薬農産物の消費拡大と,それから保育園だとか,あるいは老人ホーム等への拡大をしてはどうかというご質問でございますけれども,市内で減農薬栽培をする農家というのは増加をいたしまして,特に子供たちの学校給食という形で消費拡大をするということは,大変望ましいことと考えておりますし,また,私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えております。
このため,減農薬農産物の生産流通に関しまして,各農協,あるいは生産組織,あるいは各関係機関と十分連携を密にとっているところでございますけれども,協議会の設置につきましても今後十分検討してまいりたいというふうに考えています。
なお,拡大をしてはどうかということでございますが,生産者の生産意欲が伴いませんと,なかなか拡大につながりませんものですから,これらにつきましては私どもも関係農協と十分対策を練りまして,拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆佐々木[周] 委員 いまのお答えのように,ぜひ積極的に進めていただければと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
次に,私も農地保全の基本的な考え方についてお聞きしたいと思うのですけれども,都市における農地はどのような意味を持つかということを考えてみますと,もちろん食糧の生産の場ではありますけれども,都市景観に潤いを与える緑地空間ということで,大変重要なものだと考えております。
現在札幌市は,人口の集中によりまして,農地を宅地として確保していくと。先ほどの青木委員の質問に対しましてのお答えで,ずいぶん解除している部分がふえてきているというふうにお聞きいたしました。それを将来の札幌市全体の発展をとらえた中で,しっかりと進めていっていただきたいということを考えております。10年たった後に,気がついたときには虫食い状態で農地が残っているというようなことにならないように,後世に悔いを残さないような考え方で進めていただければと思います。
日本と旧西ドイツの農業生産の経営を対比するということがよくあるのですけれども,ある農業の研究者によりますと,ドイツでは経済哲学者シューマッハーという方の提唱した農業の三つの目的が十分生かされているということなのです。その一つは,人間と生きた自然界の結びつきを保つ。それから二つ目は,人間を取り巻く生存環境に人間味を与え,これを気高いものとすること。三つ目は,真っ当な生活を営むに必要な食糧や原料をつくり出すこと。こういうことが旧西ドイツの農業政策に貫かれているということが,都市景観としても本当にいい状況で農地が残されているということにあらわれているというふうにその方はおっしゃいまして,私も同感だなというふうに感じているわけです。
さて,札幌では,先ほども言いましたように都市化がどんどん進んでいます。宅地や,それからごみの埋立地に,優良な農地が転用されているというわけです。現在,市街化調整区域にはおよそ3,500ヘクタールの農地があるということなのですけれども,先ほど来のお話の中から,高齢化だとか,後継者がいないことなどで農業をやめる方が多くて,農地面積も年々減少しているということで,本当にいつまでこのような状況が続くのかなということで,私もとても不安な思いでおります。
○大越 委員長 以上で,議案第3号の質疑を終了いたします。
本日はこれをもって終了し,次回は,18日午後1時から交通局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。
それでは,散会いたします。
──────────────
散 会 午後3時48分...