札幌市議会 > 1993-10-13 >
平成 5年第二部決算特別委員会−10月13日-05号
平成 5年第一部決算特別委員会−10月13日-05号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 1993-10-13
    平成 5年第一部決算特別委員会−10月13日-05号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成 5年第一部決算特別委員会−10月13日-05号平成 5年第一部決算特別委員会          札幌市議会第一部決算特別委員会会議録(第5号)               平成5年10月13日(水曜日)              ────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 35人(欠は欠席者)    委 員 長  加 藤   斉 君      副委員長  上瀬戸 正 則 君    委  員  藤 田 雅 弘 君      委  員  岡 本 修 造 君    委  員  工 藤   勲 君      委  員  澤 木 繁 成 君    委  員  川口谷   正 君      委  員  猪 熊 輝 夫 君    委  員  大 西 利 夫 君      委  員  藤 原 廣 昭 君    委  員  越 智 健 一 君      委  員  山 田 信市郎 君    委  員  小 谷 俵 藏 君      委  員  常 本 省 三 君    委  員  宮 本 吉 人 君      委  員  原 口 伸 一 君    委  員  常 見 寿 夫 君      委  員  政 氏   雅 君    委  員  本 舘 嘉 三 君      委  員  森   健 次 君    委  員  関 口 英 一 君      委  員  野 間 義 男 君    委  員  佐 藤 寿 雄 君      委  員  八 田 信 之 君    委  員  武 市 憲 一 君      委  員  千 葉 英 守 君    委  員  伊 藤 知 光 君      委  員  佐々木   肇 君
       委  員  高 橋 重 人 君      委  員  荒 川 尚 次 君    委  員  生 駒 正 尚 君      委  員  飯 坂 宗 子 君    委  員  武 藤 光 惠 君      委  員  中 嶋 和 子 君    委  員  福 士   勝 君              ──────────────                開 議 午後1時 ○加藤[斉] 委員長  ただいまから,第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項ですが,森委員からは遅参する旨の届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,第8款 消防費の質疑を行います。 ◆大西 委員  私は,救急救命士の活用と応急手当て普及啓発活動についてお伺いをいたします。  まず私は,救急救命士の活用についてお伺いをいたします。  国は,平成3年4月,救急救命士法を策定し,同年8月から施行されました。この法律は,救急隊員の行う応急処置範囲が拡大され,従来の搬送中心の業務から医療技術も含めたものに改められたのであります。これを受けて,本市では現在192名の隊員が救急活動を行なっており,さらに,この中から救急救命士資格取得研修をさせ,平成4年7月には,最初の救命士の運用が開始されたと承知をいたしております。さらに,本年6月には,2名の救命士が国家資格を取得するなど,短期間に,より高度化が進められているのであります。  一方,救命士発掘養成計画の事前調査によれば,今後5年間で中央研修所に毎年1名,本市消防研修所では20名を研修させ,平成9年度までに108名の救命士を養成されることになっているのであります。教育の内容は,基礎医学や救急医療科目,病院の実習やシミュレーションの実施などを,6ヵ月の長い期間教育するようになっているのであります。  そこで質問でありますが,第1点目に,救命士の行う救命処置の範囲は従来とどのように変わり,医師の具体的指示を必要とする処置の範囲はどのような内容になっているのか,お伺いをいたします。  2点目に,平成4年7月から運用が始まっているわけでありますが,現在までの救命士の出動回数と実際に処置したものの件数,また,その効果,救命率はどのような結果になっているのかお伺いをいたします。  3点目に,救急救命士法の施行に伴って,人的な養成だけではなくて,救急車など機動力の面においても,医療器具などの装備を配置した高規格的なものが要求されてきているようであります。  そこで質問でありますが,高規格救急車は,従前の救急車と比較してどの点が大きく違うのか。  また,現在すでに何台あって,今後の配備計画はどのようになっているのかお伺いをいたします。また,高規格車は1台どれくらいの価格で用意できるのか,あわせてお伺いをいたします。 ◎野村 警防部長  お答えをいたします。  第1点目の救急救命士の行う処置範囲等でございますけれども,従前の処置内容は,器具を用いない簡易な処置で,たとえば,後頭部をぐっと後ろへ反らしての気道確保等,あるいはマウス対マウスの人工呼吸,あるいは手による心臓マッサージ,包帯・三角巾等による止血,固定,このようなものでございました。これに対しまして,救急救命士救命処置は,心室細動を取り除くための電気ショック,静脈確保をするための輸液,特殊チューブなどを使いましての気道確保の3項目でありまして,これらにつきましては,いずれも医師の具体的な指示を必要とする処置であります。  2点目の救急出動の件数でございますが,きょうまでという先ほどのお話でございましたが,手元に4年中の資料しかございませんので,それによりましてご説明をさせていただきたいと存じます。  平成4年中の救急出動件数でございますが,総数3万9,786件,このうち救急救命士出動件数は508件でございます。この年におきましての救急救命士は,7月4日以降の1名でございますのでこのような数字になっております。そのうち,心肺停止等の傷病者5名に対しまして救命処置を行い,医師に引き継いでおります。これが内容でございます。  3点目の高規格救急車の特徴,従前の車に比べての差異等でございますけれども,まず,救急救命士が行う処置に必要な電気ショック等の装置,それから輸液ポンプなどの資器材が積載されていることが第1点でございます。それから,これらの器具を有効に使うだけの広いスペースがあると,これが二つ目。それから,走行中の振動が少ない,患者,傷病者に与える影響が非常に少ないというのが特徴であります。  それから次に,高規格車の現有数でございますが,ただいまのところ4台でございます。本年度中に9台,そして,平成9年までに全車24台を高規格車にする計画でございます。また,1台の価格でございますが,おおよそ3,200万円でございます。以上でございます。 ◆大西 委員  よくわかりました。  そこで,さらに質問を申し上げますが,第1点目に,平成9年度までに108名の有資格者を確保するということでありますが,この救命士の全市的な配置計画があるとすればお示しをいただきたいと思います。また,大量の有資格者を確保するには,現在の人員体制で無理はないのかどうか,そのことについてもお伺いをいたします。  第2点目に,高規格車の配備計画についてお聞きをいたしました。平成9年度までに合計24台ということであります。高規格車は,今日的時代の要請でありまして,その配備は急がなければならない,こう私は思うのであります。計画によりますと,平成6年から9年まで4年間で15台となっておりまして,年次別に見てみますと,平成8年には1台更新と,こういう年次もあるわけであります。これが時代の要請であるとすれば,もう少し計画を早めて,たとえば平成8年度の1台は平成7年度に組み込むなど,再検討されてはどうかと思うのですが,お考えをお伺いしたいと思います。  また,この場合,お聞きいたしますと,旧救急車の耐用年数などとの整合性の問題があるようであります。たとえば,私は,他地方自治体への転売や,各区役所や,引き続き各消防署に置いて,一般車に利用するなどの有効活用が可能ではないかと,こう思うのでありますが,見解をお尋ねしたいと思います。 ◎野村 警防部長  1点目の救急救命士配置計画についてでございますけれども,全救急隊に常時1名の救急救命士を乗務させるには,約100名を養成する必要がございます。 救急救命士養成計画に合わせまして,救急出動件数並びに搬送の所要時間,これは長ければ長いほど,救急救命士の必要性が増すという判断でございますけれども,そのようなことを十分考慮いたしまして,必要性の高い地域から順次配置をしていきたいと考えております。それから,救急救命士の養成に伴う要員につきましては,すでに措置がされているところでございます。  それから,2点目の高規格救急車整備計画を急げというご質問と理解いたしますけれども,ご指摘のとおり,できる限り早い時期に整備することが望ましいわけでございますけれども,この点につきましても,委員からただいまご発言ありましたのですが,車両の更新時期等も考慮しながら,救急救命士養成計画にあわせて,順次,高規格車を配備してまいりたいと考えておる次第でございます。 ◆大西 委員  おおよその考え方がわかりましたけれども,いま住民が病気になったときに,救急車の活用というのはかなりふえてきているわけでありまして,いまありましたように,医療資器材も設備をされた高規格車の配備というのは,住民にとってこれまた大変心強い味方でありますから,ぜひその辺についてもご検討いただきたいと思います。  次に私は,最近急速に拡大推進されてきております市民応急手当て普及活動についてお伺いをいたしたいと思います。  私は,つい最近ある会議で,アメリカのドリンカー博士による心肺停止からの蘇生率の研究の結果について聞く機会がございました。それは,救急隊が現場に到着する前に,現場に居合わせた一般市民などによる応急手当てが適切に実施されれば,停止から蘇生までの確率は,1分後で97%,2分後で90%,3分後で75%,4分後で50%,5分後で25%,10分後では0%になるというのであります。こうした研究の背景もありまして,アメリカでは住民による救急救命普及活動がかなり進んでいると,こう私はお聞きをいたしている次第であります。今日,傷病者の救命は,住民による協力が大変大切でありまして,特に応急手当ての普及は,救急隊員による処置と搬送,加えて医療機関での適切な処置などと同様に,救命率を上げる一つの大きな柱になるのではないか,こう私は考えるわけです。  さて,わが国は,本年3月に消防庁において,傷病者の救命のための「応急手当普及啓発活動の推進に関する実施要綱」が制定され,この10月1日から実施に移されたと,こうお聞きをいたしております。すでに神戸市では,市民に対する応急処置の講習会を実施し,指導体制については,専従員として消防OBなどを活用し,普及啓発活動に積極的に取り組んでいると聞いておりますし,本市においても,新聞などの報道によりますと,これらに対する一定の取組みを強めてきていると,こうお聞きをしているところであります。  そこで質問でありますが,第1点目に,普及啓発の全国的な活動基準を示した実施要綱とは,概略どのようなものか。その内容と,また,そのねらいは何か,少しわかりやすく,しかも簡潔に説明をしてほしいと思います。  2点目に,この要綱は,各区消防団や関係団体,企業,一般市民などとどのようなかかわりを持つことになるのか,お伺いをいたします。 ◎野村 警防部長  1点目の国から新たに示された実施要綱の概要とねらいについてでございますけれども,この要綱は,指導する側の者の位置づけと,受講者が実際に心肺蘇生法が行える一定のレベルに達するものでなければならないと,こういうことがねらいでございまして,その内容といたしましては,一つは,指導する者の資格を認定する制度,2番目に,市民に対する標準的講習会のカリキュラムの制定,三つ目には,講習を修了した者に対して修了証を交付する制度で,この三つが主なものでございます。  それから,2点目の消防団,事業所等とのかかわりについてでございますが,消防団の方々には,指導者として,地域の住民に対しての普及啓発活動をお願いすることになろうと思います。また,地区の住民,あるいは事業所等の従業員は,標準的講習会の受講対象,このような方を対象に講習会を進めていくと,こういう関係になろうかと存じます。以上です。 ◆大西 委員  再び質問しますが,第1点目に,国は,普通救命講習受講者を,各自治体人口の約20%をめどにしているようでありますが,本市の場合は,当面どれくらいをめどに進めようとしているのか,また,この場合の具体的な方策についてもお伺いをしたいと思います。  2点目に,応急手当て普及啓発活動体制づくりは,お聞きいたしますと,広く病院や,当市でいきますと衛生局,市民局などと関連をいたしまして,消防行政だけでは対応できない分野があるのではないかと,こう思います。そこで,この場合,横断的な推進組織が必要ではないかと,こう思うのでありますが,その点についてお伺いをいたします。  3点目に,実際に指導に当たっている消防署では,現場の第一線部隊が指導に当たっていることが多いと聞いております。指導中に火災や救急の指令が入ると,指導を中断して出動してしまうこともあり,せっかくの教育指導が中途半端にならないかと,こういう危惧があるわけでありまして,したがって,専任の指導員をもって取り組むことが必要ではないかと,こう考えるのでありますが,本市の考え方をお伺いしたいと思います。 ◎野村 警防部長  1点目の救命講習の受講者の目標数でございますけれども,消防庁では,地域住民の20%ぐらいが心肺蘇生の実技を身につけていれば,救命率の向上に効果があるという前提でこの制度を打ち出したわけでございますけれども,この数値につきましては,あくまでも消防機関を初めとするいろんな機関,団体が行う普及啓発の総体的な目標値でございます。したがいまして,札幌市消防局といたしましては,地域住民と密接な関係のある町内会をまず最初に主体と考えまして,普及啓発を実施してまいりたい。具体的な数字につきましては,まだちょっと不明確でございます。  それから,2点目の横断的な組織の必要性でございますけれども,1点目でもお答えしましたとおり,消防庁の考えの中には,いろんな機関,団体が連携を保って行うと,それを前提としてございます。したがいまして,これらの機関,団体等に対しましては,いずれ,しかるべき国の省庁等から,この問題につきまして指示,指導がなされ,その気運が盛り上がってくるものと考えられます。その機会をとらえまして,消防局といたしましては,その情勢に対処をしていきたいと,かように考えておるところでございます。  それからまた,3点目の指導体制でございますけれども,やはり現在の組織の中では,出向いて指導をするという体制に,若干問題がないわけではございませんので,公益法人の設立等も含めて,体制の確立について今後検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆大西 委員  最後になりますが,いま,いろいろお伺いをいたしました。10月1日からの施行でございますから,まだまだ緒についたばかりでありまして,具体的にこれをどう実行に結びつけ,効果を生んでいくかということは,これから先のことになると思いますが,いずれにいたしましても,この問題については市民が大変関心を持っている内容でございますので,ぜひ積極的な取組みをお願いしたいと思います。  最後に,私から要望を申し上げたいと思うのですが,今日の消防行政は,従来の火を消す消火活動中心から,予防や,特に救急救命の分野に変わってきているように私は思ってございます。特に,救急救命活動は,年々増大の傾向にあるわけであります。さらに,今回の普及啓発制度の充実強化を考えれば,いま若干の懸念も示されましたけれども,現在の人員体制で,本市の消防行政に支障はないのか,こういう心配が私にはあるわけでありまして,加えて,お聞きいたしますと,完全週休2日制もいまだできていない,こういうことになっているようであります。最小の人員で最大の効果を上げるということは,鉄則ではありますけれども,しかし,消防行政は,われわれ市民の命と財産を守ることを主たる業務としている大変大事な分野だと,こう私は理解をいたしておりまして,市の理事者はこのことを十分認識して,特に消防行政については,今日的な状況を踏まえて,積極的な対応をしていただくことを強く要望して終わります。 ◆小谷 委員  それでは私から,札幌市の消防局におけるヘリコプター活動状況等について質問をさせていただきます。  本市のヘリコプターにつきましては,昭和年代後半から,全国的なヘリコプターによる防災体制の確立が進められている中で,とりわけ,札幌市においてヘリコプターの導入というものが強く期待をされ,叫ばれてまいりました。そうした結果を踏まえて,平成3年3月に運航を開始したところでありますが,それからすでに2年半経過をいたしております。  これまでの活動状況を伺いますと,林野火災における空中消火を初めとして,交通事故や水難事故など,重傷を負った市民の搬送等を行い,とうとい命を取りとめるという事例もありますし,そのすぐれた機動性を遺憾なく発揮していることは高く評価し,また敬意を表するところでございます。特に,本年7月12日に発生をいたしました北海道南西沖地震においては,北海道広域消防相互応援協定に基づき出動をし,救助隊員や物資の搬送を初めとして,海上捜索活動災害情報収集などを行なったことは記憶に新しいところでございまして,あらためてヘリコプターの果たす役割の重要性を痛感をいたしているところでございます。  しかしながら,ヘリコプターは,一定時間ごとに定期整備が義務づけられているということでございまして,臨時整備を含めますと,年間約90日間飛行できない日があると,こういうことでございまして,すなわち,365日のうち90日間ですと,平均して4日に1日はフライトできない,こういう状況にあるわけでございます。たまたま北海道南西沖地震のときにも,整備期間中であると,こういったことで,即刻その要請にこたえることができず,結果として3日間出動がおくれたと,こういうことも聞いていたところでございます。  さらにまた,4年目には3ヵ月間,8年目には5ヵ月間という長期にわたる整備が必要になると,このように聞いているわけでございまして,ということは,90日プラス4年目には90日で180日間,まさに,1年のうちの半分はフライトができない。さらに,8年目には約5ヵ月間ということでございますから,このときはまた,これ以上フライトの日数が大きく下回らざるを得ない,こういう実態であるというふうに伺っておりまして,この間の災害対応を考えますと,市民の一人といたしましては,非常に気になるところでもあるわけでございます。  本市ヘリコプターの昨年のフライト実績を見ましても年間297回に及んでおり,特に今日の救急需要の伸びに伴いまして,あるいはまた,新しい札幌市立病院にもヘリポートが建設されるということになっておりまして,こういったことから,ヘリコプター活動要請は,札幌市内外を問わず,ますます増大をしてくるものと予測されるのでございます。こうしたことからも,やはりヘリコプターは,常にフライトができる態勢がまず必要であると,こういうふうに強く認識をいたしております。  そこで,お尋ねをいたしますが,すでに消防ヘリコプターを導入している東京消防庁を初めとする大都市においては,複数体制を整備し,常にフライトできる態勢をとっておりますが,特に,こういった中で仙台市,千葉市,広島市及び北九州市においては,本市と同様に1機体制であることから,これらの都市では,こうした整備期間中はどのような補完体制をとっているのか,この点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。 ◎笹森 管理部長  私から,他市における補完体制についてお答え申し上げます。  仙台市におきましては宮城県と,千葉市においては東京消防庁と,それぞれ協力体制がとられてございます。また,広島,北九州におきましては,福岡市と3都市におきまして応援体制を確立しているというふうに伺っております。 ◆小谷 委員  ただいまの答弁によりまして,他都市の対応というものがわかったわけでございますが,道内には消防用ヘリコプターとして1機しか整備されていないわけですから,現在北海道が保有している防災ヘリコプターとの連携では,機能的な違いを含め十分な災害対応が図れないと思うのでございます。すなわち,北海道が保有しておりますのは道警に委託をし,そして,警察業務を中心とする中での活用というふうに私どもは仄聞をいたしているわけでございます。  先ほども申し上げましたように,ヘリコプターは常にフライトできる態勢が不可欠であり,そのためには将来に向け,複数体制がどうしても必要と思われるのでございます。もちろん,ヘリコプターの整備に当たっては,本市のみならず広範囲な区域での活動が求められていることを考えますと,本市独自で複数体制を整備するのが望ましいのか,あるいはまた,北海道と連携を図って取り組むのが適切なのか,この点については,今後さらに論議を深める必要性があると思いますが,現在消防局では,複数体制についてはどのようにお考えになっているのか伺いたいところでございます。  前段で伺いましたけれども,札幌市以外で1機しか保有をしていないところにつきましては,他の所轄の県,あるいはまた,3市がお互いに応援体制を確立して,まさに実質的には複数体制になっていると,こういうふうに私は認識をいたしたのでございます。そういったことから考えますと,北海道の中における札幌というものは,まさに孤立をした,ほかの大都市との応援体制の確立は不可能であると,こういう立地条件を考えるときに,いま申し上げましたように,札幌市独自の複数体制,あるいは道との連携による複数体制,こういうものの確立が絶対に必要不可欠なものであると,このように認識をいたしておりますのでお伺いをいたします。  また,この機会に,操縦士にかかわる件につきまして触れさせていただきたいと思います。  平成3年3月からのヘリコプター活動に当たりましては,熟練をしたパイロットが必要であるということで,防衛庁を初めとするところから,フライト経験の豊かな人材を誘導をしたのでございまして,あるいはまた整備士につきましても,そういうことがあったと思います。しかし,本市消防局内におきましても,かなり以前から,パイロットとしての資格保持者がいるということを私どもは仄聞をいたしており,こうした方々が一日も早く実動体制の中に組み込まれて活動していくことをこいねがっていたわけでございますが,この辺の動向は,現在においてはどのようになっているのか,お示しをいただければありがたいと思います。 ◎笹森 管理部長  2機体制についてお答えいたします。  ご指摘のとおり,ヘリコプターをフルに活用するに当たりましては,2機体制が必要不可欠かと存じます。現在,自治省消防庁におきまして,航空消防体制の強化を図るために,各都道府県に対しまして,消防・防災ヘリコプターの整備を積極的に進めているところでございます。このようなことから,本市におきましても,国及び道の整備計画等の動向を見きわめながら,積極的に検討してまいりたいというふうに思っております。  それから,後段ございましたパイロット等の養成についてでございますが,このたびヘリを購入した際に,2名のパイロットに来ていただきました。そのほか,いま先生のほうからお話ありましたように,従前の消防職員の中から1名養成をしておりまして,このたび国家試験に通って,すでに3名でフライトをしております。以上でございます。 ◆小谷 委員  わかりました。それでは,最後に要望を申し上げておきたいと思います。  本市ヘリコプター複数体制については,国及び道の整備計画等を見きわめながら,積極的に検討していきたい,こういう答弁をちょうだいいたしました。都市化の進展や都市構造の変化,あるいはまた高速道路の整備等の中で,災害も年々複雑多様化する傾向にあるわけでございますが,大地震,高層ビル火災等,一たび災害が発生をいたしますと,その災害が甚大となる潜在的危険性も増大をしてきている昨今であります。また,ヘリコプターを活用して,病院収容までの時間を飛躍的に短縮し,救命率の向上を図っていくこともますます求められているところであります。  さきの南西沖地震を大きな教訓として,いかなる場合にも即刻要請にこたえていくためには,複数体制の実現以外に方策はないと,このように確信をいたしているわけでございまして,複数化というのは非常に経費もかかることは十分承知をいたしておりますが,できるだけ早い時期に整備されることを強く要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。以上です。 ◆伊藤 委員  それでは,私からも救急救命士法に関連をして,少し突っ込んだ質問をさせていただく予定でおりまして,先ほど大西委員から,かなりそうしたことを突っ込んで質疑がございましたので,重複を避けて二,三点,簡潔にまとめてお伺いをいたしたいと思います。  近年の救急出動件数は増加の一途をたどっているわけでありまして,平成4年度では約4万件に届かんとするほど救急需要が増大をしている状況であり,また,消防局では,平成3年度から高規格救急車の整備に着手をしております。また,本年9月からは,救急救命士の独自養成を開始したところでありまして,救命率の向上を目指して,救急業務の高度化を積極的に推進をしているところであります。こうしたことから,平成9年までに,札幌市内のすべての救急車が高規格救急車となるようでありますし,さらに約100名の救急救命士が養成されることになります。まさに,新たな高度救急体制が構築をされるわけでございまして,まことに心強く感じているところでございます。  そこで,まず救急救命士の活動に関して2点ほどお伺いをいたします。  第1点目としては,救急救命士と医師の連携方法についてであります。  救急救命士の業務の中で,電気ショックなどの高度な救命処置を行う場合は,医師の具体的な指示が必要であると救急救命士法に定められているわけであります。迅速な処置をしなければならない救急現場において,具体的にどのような方法で医師の指示を得る体制をとっているのか,1点目であります。  次に,救急救命士と連携する医療機関,現在は市立札幌病院と札幌医科大学医学部附属病院の2病院というふうにお聞きをしております。今後,独自養成による多数の救急救命士が活動をすることになる一方,救急出動件数の増加に伴って,救急救命士救命処置を必要とする傷病者も増加をしていくことが予想されるわけであります。そこで第2点目は,果たして現行の2病院のみで,将来的に十分対応していけるのかということであります。  次に,3点目もまとめてお伺いをいたしたいと思いますが,ただいまの救急救命士に関連して,救急救命士の業務は,医師の指示のもとに,心肺機能が停止状態になった患者に対していち早く心臓への電気ショックなどを行い,救命に結びつけることであります。しかし,肝心な救急車の到着が遅くては,せっかくの救急体制が十分に生かされないという結果にもなりかねないわけであります。すなわち,通報を受けてから迅速な出動指令により,救急車をいち早く現場に到着させてこそ,救急救命士による高度な救命処置が生かされ,救命率のより一層の向上につながると私は考えているところであります。  そこで,一昨年の特別委員会であったと思いますけれども,私のほうから取り上げさせていただきまして,その後何度か質疑の対象になってまいりましたが,119番通報の受付けと同時に,通報電話の設置場所,所有者の氏名,電話番号などが判明し,救急や火災などの迅速な出動指令に大きな威力を発揮するという発信地表示システムについて,これは非常に重要なことでありますだけに,再度お伺いをいたしたいと思います。  さきの委員会では,7都市がすでに導入済みというふうに伺っているのでありますけれども,他都市におけるその後の導入状況について,これもあわせて3点,まずお伺いをいたします。 ◎野村 警防部長  私から,ただいまの3点につきましてお答えを申し上げます。  1点目の救急救命士と医師との具体的な連携方法についてでございます。  救急救命士の乗車する救急車は高規格救急車でございますけれども,これには自動車電話,それから心電図伝送装置というものが搭載されておりまして,これらを利用いたしまして,医師と直接会話をしながら,同時に心電図とか血圧値,このようなものを医療機関のほうへ,お医者さんの待っているところへリアルタイムで伝送いたしまして,必要に応じまして医師の指示を得ると,こういうことでございます。  それから,2点目の将来的な連携体制についてでございますけれども,確かに,この後,救急救命士の数や出動件数が増加してまいりますと,現行の2病院のみでは対応し切れなくなるということが十分考えられるところでございます。そこで,本市の救急業務のあり方につきまして,専門的な立場から多角的に検討を行い,それを救急業務に反映していくと,こういうことを目的といたしまして,平成4年の4月に発足いたしました札幌市医師会,それから国公立病院において救急医療に携わる医師などを構成員といたしました札幌市救急業務検討委員会,これにおきまして,現在鋭意検討を行なっているところでございます。  それから,3点目の発信地表示システムの前回質問以降の普及状況についてでございますけれども,前回お答えいたしましたが,すでに導入しているのは,京都,大阪,東京,横浜,神戸,仙台及び豊中の7市でございました。それ以降,尼崎,福岡,船橋,高岡,松山,それから,鳥取県西部広域行政管理組合及び滋賀中部地域行政事務組合の五つの都市,二つの団体が,平成4年度末までに導入済みでございます。さらに,市原,新潟及び富山の3都市が,平成5年度に導入を決定しているという情報を得ております。以上でございます。 ◆伊藤 委員  ただいまのご回答の中で,1点目,2点目については理解をしたところであります。  3点目の発信地表示システムの導入が,大都市のみならず中小都市にも広がりつつある状態であるとのことであります。前回も申し上げましたとおり,このシステムは,災害弱者はもとより,すべての市民にとりまして,万一の際にはきわめて心強く,また,救急業務の高度化を支える大きな要素の一つにもなる,きわめて効果の大きいシステムでありますだけに,これらはぜひとも早く導入すべきであるというふうに私も考えているところであります。このシステムの導入につきましては,さきの委員会等で前向きな姿勢が示されておりますが,いつ導入をされるのか,最後に局長さんにお伺いをしたいと思います。 ◎中谷 消防局長  この発信地表示システムにつきましては,先生のお話のとおり,かねてから議会側からも,ぜひ早急につけるようにというご要望がございました。まさに,われわれが119番を受け付けまして,その時点で情報を判断するわけでございますから,一刻を争う状況の中で速やかな行動をとるため,このシステムは非常に有効であるわけでございますけれども,残念ながら,ちょっとランニングコストが高いということで,非常にわれわれ慎重にならざるを得なかったのでございます。しかし,大都市にも中小都市にもどんどん広がりつつある今日の情勢にかんがみ,できれば来年度にも,ぜひこの実現に向けて,市民のためにお役に立ちたいと,こういう姿勢で頑張っていきたいと,このように考えております。 ◆伊藤 委員  いま局長さんのご答弁で,何とか来年度には導入をしたいという力強いお言葉もちょうだいをいたしました。最近は,やはり高齢化の中で,お年寄りだけのご家庭,あるいはまたお一人の住まいということが非常に多くなってきております。したがって,このシステムは,そういう方々にとっても非常に強力なシステムでありますだけに,一日も早くご導入をいただくように要望をして終わります。 ◆武藤 委員  私からは,救急車による特殊搬送についてのみお尋ねいたします。  本市の計画では,高規格救急車への切りかえは,平成9年度までに全車やるということが先ほどのお話にもありました。ところで,この高規格救急車の問題なのですが,この高規格車は,ストレッチャーやすべての機器が固定化されているため,ストレッチャーに乗せられないものは搬送できないという,こういう問題が実際に起こっています。とりわけ問題なのは,新生児を搬送する際に使われている搬送用保育器の問題です。既存の救急車は,もろもろの機器が固定されていないため,これまでも問題なく乗せることができました。ところが,高規格救急車が現在4台導入されており,その高規格車では,この搬送用保育器を搬送できないと。病院の産婦人科で救急車を呼んだときに,高規格車が来てしまって搬送できなかったと。いままで使われている既存の救急車をそのかわりに持ってきてもらって,やっと命からがら赤ん坊を搬送できたという,このような事実もあるわけなのですけれども,実際に,このように高規格救急車に乗せられないものというのは,この搬送用保育器のほかにあるのかどうなのか。  それから,その導入に当たっては,このような問題が起こることを,事前に消防局として押さえていたのかどうなのか,まず,この2点についてお尋ねしたいと思います。 ◎野村 警防部長  ただいまのご質問の中で,高規格の救急車をつくる当初におきまして,大型の保育器が積載可能かということを検討したのかどうかということが1点と,それから,大型保育器のように傷病者が乗っている大型の固定されたもので,高規格救急車に積めないものがほかにもないかと,このようなご質問でよろしゅうございますね。  1点目の大型の保育器を積めないことにつきましては,事前の高規格車の開発研究の際に,若干情報が不足した,配慮がやや欠けていた面があるというふうに,現在の状況では思っております。  それからもう1点,大型保育器のように大型のもので,なおそれ以外にも積めないものがあるのではないかというご指摘でございますが,現時点ではちょっと思いつかないわけでございます。以上です。 ◆武藤 委員  高規格車そのものは,私も何度も中を見せていただいていますけれども,人命救助の立場から考えてもすばらしい性能の車だと思っているところです。しかし,実際に先ほどお話ししたような事例も含めてあるわけでして,規格車を導入するなという問題ではなくて,こういう搬送をする場合に,どうしなければならないのかというのが今後の課題ではないかとも思うわけなのです。  そこで,皆さんのところから資料をいただいていますけれども,実際に,平成4年度中における新生児の搬送状況ということで,これを見てみますと,397人の新生児が救急車を使って搬送されているわけなのですね。この397名のうち,大型保育器・小型保育器,合わせて176人と,こういう数も実際に出ているわけなのです。ですから,決して無視できない数であるということもさることながら,今後,平成9年度までに,その更新時ごとにすべて切りかえていくわけなのですが,いわゆる搬送用保育器で搬送する際,すべてが高規格車になってしまったら,これらのものは搬送できないということにもなりかねないわけなのです。そこで,消防局として,いま皆さんにお示ししたその数から見ても,この保育器を搬送する場合,また,これに類似したものを搬送する場合,すべて高規格車にしてしまっていいのかどうなのか,その点についてちょっとお答えいただきたいと思います。 ◎野村 警防部長  この件につきましては,ただいま委員のご指摘のとおりでございます。今後とも,大型保育器等の搬送が可能な救急車を確保してまいりたいと,このように考えております。 ◆武藤 委員  確保したいということなのですが,それは,高規格車だけにするのではなくて,搬送できるような救急車もきちんと確保して置いてくださると,こういうことなのでしょうか。 ◎野村 警防部長  そうでございます。 ◆中嶋 委員  私は,ラジオアイソトープ,放射性同位元素についてお伺いいたします。  同じ元素を持つ物質,同位元素のうち,陽子と中性子の数が違うため放射線を出しながら安定した物質に変化する性質のものを放射性同位元素,RIと言います。これを利用した施設は,私たちの身近に意外にたくさんあり,医療,工業用などに広く利用されております。  放射線は,微量でも人体に悪い影響を及ぼします。また,一たび事故が起きますと,その影響は相当なものと思われます。私たちの身近なところでも,1989年には,東京大学附属病院敷地内にRIが放置されていた事件がありました。また,92年には,金沢大学医学部・薬学部のごみ置き場から,通常の100倍もの放射能が検出されました。また,92年には,東京都アイソトープ総合研究所でも被曝事故がありました。先日の朝日新聞によりますと,87年から91年にかけて行われました科学技術庁の調査では,全国104ヵ所の水道水から,ストロンチウム90など,3種類の放射性同位元素を見つけたということが報じられていました。これは,放射線治療を受けた患者の汗や尿が,病院の下水から川に流れ出たためと思われます。
     さて,私たち生活クラブ生活協同組合の中で,脱原発社会を目指して活動を続けております,さようなら原子力発電の会のメンバーは,消防局からいただきました資料をもとに,放射性同位元素届け出施設を地図の上に落としていきました。さらに,RIが使用されている病院なども地図の上に落としてみました。その結果,消防局に届け出がなされていない施設が幾つかありましたので,調査をお願いいたしましたところ,医療法に基づく届け出は,保健所を通して都道府県知事に出しているためとわかりました。科学技術庁長官を通して届け出がなされている消防局とは一致がしていないものとわかりました。市民と消防局の調査でこのことがわかったわけですが,いざという場合に備えて,RIの保有施設の把握は一元的に行うべきと考えますが,この点についてお伺いいたします。  次に,防護服等の増強についてお伺いいたします。  現在は,中央区に,防護服やガイガカウンターが置かれているということですが,ぜひふやして,どの区でも,事故が起きた場合に対応できるようにしていくことが大事だと考えますが,この点についてもお伺いいたします。  また3点目は,知ることは事故を未然に防ぐために非常に大切なことと考えますが,RI消防装備について,市民に知らせることも重要と思いますが,この点についてもお伺いいたします。  最後に,職員の皆さんの訓練についてお伺いいたします。  放射能は危険なものですし,現在は,原発労働者の被曝が問題となっております。また,1985年に起きました日航機の御巣鷹山の墜落事故の際には,飛行機の中にラジオアイソトープが積まれていたと言われています。このとき,放射性物質輸送対策会議が開かれて,防衛庁から市ヶ谷の総監部に,事故機には放射性物質が積まれていて,現場付近に散乱しているという情報があり,自衛隊員は現場にすぐ入らずに待機していたという情報があります。そして,知らずに下の村から消防団員が現場に駆けつけて救助が始まったということが,「北の大地」という雑誌に広河さんという方の署名入りで載っておりました。このことが事実といたしますと,市民の安全を守る立場にある職員の皆さんの訓練は,非常に大切なものと考えますので,訓練をしていくことが大事と思いますが,この点についてもお伺いいたします。 ◎野村 警防部長  私から,ただいまの4項目につきましてお答えをいたしたいと思います。  1点目のラジオアイソトープを保有している施設の把握についてでございますけれども,ただいまもご説明していただきましたけれども,放射性物質を取り扱う施設というのは,法律に基づきまして,科学技術庁長官の許可が必要なものと,それから,都道府県知事への届け出だけで済むものの二つがございます。このうち,科学技術庁長官の許可を要するものは,自治省消防庁,そして所轄の都道府県知事を通じて,それぞれの消防本部のほうへ送られてくる。札幌の場合は,北海道知事から消防局へと情報が送られてくるものでございまして,これらについては,かなりの詳細な部分にわたって十分掌握しているところでございますけれども,一方,知事に届けるだけで済むものについては,私どものほうに届ける義務がないわけでございまして,これらについては,ご指摘のとおり,十分把握していない面がございました。今後は,いろいろ関連機関と情報を交換しながら,この把握に万全を期してまいりたいと考えております。  それから,ちょっと後先になりますけれども,消防隊の訓練,RI災害に対処する訓練でございますけれども,警戒区域の設定,それから避難誘導,測定器の取扱い,このようなものにつきましては,日ごろからそういうものを活用しながら訓練に取り組んでいるわけでございます。  それから,防護服の増強についてでございます。  そういう関連施設から火災が発生した場合に,まず,そこの施設の放射性取扱主任者と十分協議をいたしまして,警戒区域を設定します。そして,立入りの制限,避難の誘導,それから2次災害の防止と,こういうことに重点を置きまして,慎重に行動しなければいけないというふうにしております。したがいまして,防護服を着る場合は,そこへ入ったらどんどん放射線を浴びるのだよという,言うなれば汚染地区,こういう中においてのみ防護服を着用するということでございますので,そういう限られた範囲の中で行動することを考慮いたしますと,現在の防護服の数で足りるものと,このように考えております。  それからもう一つ,ラジオアイソトープに対する消防装備の市民に対する広報でございますけれども,現在は通常の火災などで使用いたします装備と同様に,市民の方々が消防の施設を見学される,そういう機会に一緒にご説明をしているということでございますので,これだけを特段取り上げて積極的に広報する必要はないのではないかと,このように考えているわけでございます。以上でございます。 ◆中嶋 委員  私たちが作成いたしましたRIマップによりますと,RIの取扱施設は中央区が一番多いのですが,病院などを抱えております北区も中央区と同じぐらいにありました。また,豊平区,東区も多くなっておりますので,ぜひとも,中央区に次いで多いところから順に備えていくようなことも考えていただきたいと思います。 ◎野村 警防部長  確かに,その区によって,施設の多少がございます。そういうことを十分考慮に入れながら,再配置について今後考慮をしていきたいと考えております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  放火に関して質問をさせていただきたいと思っています。これだけですので,ある面では一問一答と,こうなろうかと思いますが,お許しいただきたいと思います。  実は,昭和62年,このときに連続放火事件が多く発生をして,さあどうするかということで,消防局挙げての取組みをしてきたと。しかし,残念ながら結果としては,いままでで一番多い123件の放火ということで一年を終えていると。それを受けて,実は私,63年の予算議会で,この件について取り上げさせていただきました。そういった中でいろいろとやりとりをさせていただきましたけれども,消防局の大変な努力によりまして,いわゆる手引書なるものをつくられて,いろいろ聞くところによりますと,4ヵ月有余にわたって内部で検討されて,こういったものをつくって,それぞれ各区,地域に配って,何としても放火事件から市民を守っていこうと,こんな努力をされたという点は,率直に申し上げて高く評価をしたいと思います。そのことは言うまでもなく63年,平成元年の放火による火災というのは,2位,3位ということで,下位に位置するようになったということで,大変な努力をされたなと。そして,いろいろ聞きましたら,さらにこの冊子が全国の消防本部で,この考え方が大きく反映されて,全国的なマップの基礎資料になっていると,こういうことですので,札幌市消防局が全国的に果たしてきた役割は大変大きなものがあると,こう高く評価をしたいと思っています。  しかし,率直に申し上げて,努力をしたにもかかわらず,ある面ではモグラたたきの現象かもしれません。上位にあるコンロあるいはタバコ,こういったものを原因とする火災の件数が年々下位に位置する,いわゆる件数が減ってきたという状況の中で,残念ながら,放火というのがここ3年間1位ということで,不名誉な記録が札幌市にありましても数字として出てきていると。もちろん昭和62年の123件から比較をいたしますと,平成2年が86件,平成3年が90件,平成4年が83件ということで,成果としては評価をするところでございますが,残念ながら,1位というこういった不名誉な状況にあるという点で,あえて私が発言した63年の3月以降,具体的な放火の分析,内容,さらには,その具体的取組み,こういったことについて,まず一つはお聞かせをいただきたいと,こう思います。 ◎近江 予防部長  放火火災に対する取組みにつきましてお答えを申し上げます。  最初に,放火火災の状況でありますが,昭和63年から平成4年までの5年間で,札幌市内で420件発生しております。その内訳を申し上げますと,建物への放火が282件,車両への放火が72件,その他自動販売機,ごみなどへのものが66件となっております。これらの放火で行為者が判明したのは106件でございます。このうち,自殺行為によるもの57件を除く49件についてその動機を申し上げますと,うっぷん晴らしによるものが約70%と大半を占め,その他は犯行の隠ぺい,保険金詐欺などであります。年齢的には,20代から40代が83%で最も多く,発生時間につきましては,夜間に集中をしておりまして,全体の78%を占めております。  次に,放火防止の取組みでございますが,昭和63年7月,放火防止対策要綱を定め,さらに活動マニュアルを作成し,消防局及び各区ごとに設置をされております放火防止推進会議を毎年開催しているところであります。しかし,放火防止の原点は,何と申しましても市民一人一人の自己防衛が基本でありますことから,地域や事業所などに対し,広報活動等を通じて,放火されない環境づくりの徹底を呼びかけており,特に連続放火発生時には,警戒パトロールの強化,巡回広報,対策会議等,町内会や防火関係団体及び行政機関の方々とも連携をとりながら,種々の防止活動を行なっているところであります。以上であります。 ◆猪熊 委員  よくわかりました。  そこで,角度を変えていま一度質問をしてみたいと思っているのですけれども,いままでご答弁をいただいた具体的内容というのは,どちらかと言うと,消防局を中心にした,ある面ではハードな面での対策と言っていいのかなと,実はこう考えているところなのです。しかし,いまご説明あったように,いわゆる放火犯が捕まったというか,はっきりしたのが106件ということで,その分析をしていって,うっぷん晴らしというのが,自殺行為を除けば約70%だと,こうなってきます。そこで,このうっぷん晴らしというものが鎮静化することは大変大事なことであろうと,あえて言えば。あるいは,自殺行為が放火に結びついていかないように,ある面では自殺という思いに至る市民が低下をしていく,そういった人方が出てこないことを期待したいと思うのです。  そんな点で,私なりに勉強させていただいているところですが,こういった行為に出る部分を大都市特有なものとして分析をされている,いわゆる都市の病理現象だというようなことで,ある面では必然性がありますという分析をされている方がいるところなのですけれども,そこにあえて甘んずることなく,札幌市の消防局がハード面で取組みをしたという点が,一つの成果としてここに出てきたと。しかし,残念ながら,いろいろな努力の過程で,こいつがモグラたたきのごとく,またもたげてきて第1位と,こうなっているところでして,このハード面での対策とあわせて,まちづくりということで,こういった現象を踏まえて,こういった方向に結びついていかないように,市民に心豊かに日常生活を送っていただくために,施策の中でどう生かしていくかと。こういう形で展開をしていけば,いわゆるハードの面とソフトの面,あるいは間接的なハードの面,こういったものの中で生きてきて,本当の意味での快適な都市づくりという方向を目指していくことになるのではないかと,こう実は思えてならないわけです。  そこで,この場合,いわゆる放火犯ということで逮捕されるということになりますから,消防局が,そこに至る状況を把握したり,最終的に行為に出た心理,そういったことを分析をするというのはなかなか難しい立場にある。そんな意味で,警察の協力をいただいたり,あるいは精神科など専門的な立場の人方の協力をいただいて,数少ないデータといえども一定の分析を加えて,札幌市がさらに都市づくりに反映をしていくと,こういう方向を目指すべきではなかろうかなと,こう思うのですが,これを消防局に聞いたら,わしらのほうは消すだけだと,あるいは,火が出ないように防火意識を高めるということで努力をしなきゃいかぬのだと,こういうポジションだということになるようなのですね。  そこで,先ほどから目線を送らせていただいているところなのですけれども,助役が一番適当な立場にあるのかなという感じがするものですから,そういった立場で,こういった事件が本当に減少していく方向を目指すために,あえてそこに予算を費やして,専門的な調査,研究をしていただき,分析をしていただいて,それらを都市づくり,すなわちまちづくりに生かしていただきたいものだ,あるいは,生かすことが結果として難しいのだという結論が出たとしても,その調査研究というのは値があるのではないかと,こう思えてならないものですから,ぜひひとつ助役のほうから,高い次元での答弁を求めたいと思います。 ◎木戸 助役  お答えいたします。私は消防の専門家でありませんけれども,ちょっと別な角度からの質問でございますのでお答えをしたいと思います。  特に,自殺行為とか,あるいはうっぷん晴らしのために放火するというのが,いまお話がありましたようにかなりな数あるようでございますけれども,やっぱりそういうことにならないようにする施策というのも必要だと思います。しかしながら,これは年代層によっても違いますでしょう。たとえば,若年層であれば教育の問題にかかわっている部分があるでしょうし,それからまた,働盛りの人であれば,いろんな家庭の状況だとか経済状況だとか,いろんな要素が絡まってそういう行為が起こるのだろうと思います。あるいはまた,本来なら治療しなければならないような病気を持っている人もいるかもしれませんし,いろいろあると思います。したがって,なぜ自殺なり,あるいは放火でうっぷん晴らしするかというような,そういう人たちの動機について調べてみるということは大事なことだと思いますけれども,言うは易しく,なかなか難しい話だと思います。  したがって,そういうような研究をしている人がおれば,あるいは,そういう専門的な立場の人からいろんな意見を聞いてみるということはできると思います。そんなことで,できるだけ,そういう自殺行為やうっぷん晴らしが行われないようにするために,これは市民一人一人が,それぞれの家庭においてもきちんとした教育をしなきゃいけませんし,それからまた学校教育や社会教育の面でも,やはりバックアップしていかなきゃならない部分だと思います。非常にこれは難しくて抽象的な物の言い方で申しわけないのですけれども,そういうようなことが必要だと思います。言ってみれば,健全な魂を持った人をつくるということが大事なわけですから,そんな意味では,いろんな角度から消防局をバックアップするような施策をとっていく必要があるだろうと,このように思っております。以上です。 ◆猪熊 委員  名答弁という言葉も投げかけられているようですから,あえて再質問ということはしません。ただ,社会増という形で札幌市に外部から入ってくる,あるいは自然増という形で生まれてくると,そういう形で,いわゆる人間形成に必要な条件というものを家庭単位で,地域単位で,必要な刺激を与えていくということになっていこうかと思うのです。しかし,残念ながら,大都市ゆえに,豊かな心を持って札幌市にぽんと飛び込んだと,しかし,大きなうねり,波の中ではじかれていくという部分が存在をする,一般論として。だから,そこではじかれないように,まさに細かいところにまで行き届いたまちづくりという点で,さあどうするかと。  助役が言われたとおり,教育委員会の問題でもあり,また市民局の問題でもあり,あるいは衛生局の問題でもあるということで,多局にわたって意識をされたまちづくりが,いわゆるソフトの面も含めて互いに少しずつ気遣いをしながら,まちづくりのための具体化を進めることによって,1人でも2人でも,そういった結果として事件に走る部分を食いとめることができたとすれば,その都市づくりというのはすばらしいものだろうと,こう思うものですから,あえて発言をさせていただいたのです。札幌市はすばらしい努力をされているのです。他の大都市はふえる傾向にあるのです。世界的に見ても同じなのです。しかし,札幌市は,ふえる傾向に歯どめをかけて頑張っている,このことをひとつ大きな自信として受けとめていただいて,ソフト面に,そして多局挙げて,こういったところを意識したまちづくりということに取組みを願いたいものだと,こう申し上げて終わります。 ○加藤[斉] 委員長  以上で,第8款 消防費の質疑を終了いたします。  ここで,理事者交代のため,委員会を暫時休憩いたします。              ──────────────                休 憩 午後2時21分                再 開 午後2時23分              ────────────── ○加藤[斉] 委員長  委員会を再開いたします。  第2款 総務費 第3項 市民生活費及び交通災害共済会計を一括して質疑を行います。 ◆藤原 委員  防災計画に関してご質問を申し上げたいと思います。  防災関係につきましては,各原局に多岐にわたりましていろんな課題がありますけれども,このたびは,市民局に関係をする項目についてのみご質問をさせていただきたいと思います。  北海道における地震災害史によりますと,1611年,慶長16年に三陸沖地震,マグニチュード8.1の規模から記載が残っており,現在まで約84回発生していることになります。一方,本市における震度4以上の地震は,1985年,明治18年に発生したものから記録されており,現在までに約10回程度に及んでおります。これまで1年に2回以上地震で北海道が被害を受けたのは,ことし1月の釧路沖,また,7月の北海道南西沖地震を含めて17回に及んでいます。これらに基づきまして,国は災害対策基本法を昭和36年に制定をいたしまして,同法の42条に基づき,本市においても昭和38年,条例第1号として,札幌市防災会議条例を定めたところであります。  ご承知のとおり,1990年に北海道庁がまとめた地域防災計画では,道内周辺に六つの地震が想定をされております。具体的に,マグニチュードの高いものから申し上げますと,北海道東部地震マグニチュード8.25,次に後志沖地震マグニチュード7.75,3番目に日高中部地震マグニチュード7.25,4番目に留萌沖地震マグニチュード7,5番目に石狩地震マグニチュード6.75,釧路北部地震マグニチュード6.5となっております。これらのうち,ことし1月の釧路沖地震は,冒頭申し上げました1番の北海道東部地震として,それから2番目の後志沖地震は,ことし7月の北海道南西沖地震として起き,予測が立証をされております。  本市にとって最も心配されるのは,5番目の石狩地震で,札幌では震度6と見込まれております。本市の地域防災計画の災害想定の項目の中の地震災害対策計画では,想定地震二つのモデルをしております。一つは,十勝沖地震,海洋型巨大地震,マグニチュード8クラスで,市内の震度は4から5と想定をされております。これは,道庁の防災計画の中で予測をしている日高中部地震に該当するものと言えます。二つ目には,石狩湾地震,直下型大地震,マグニチュード7クラス,市内では震度5と想定をされております。これは,先ほど述べた道の防災計画の石狩地震に該当するものと言えるわけであります。  こうした状況の中で,本市も地域防災計画を策定し,数々の防災事業を推進しているわけでありますが,特に災害時における住民の安全な避難場所の確保と,情報収集の手段としての防災行政無線の整備は重要な施策の一つとなり,本市においても,そうした整備が具体的に進められておりますが,現状はどのようになっているのか。また,今後どのような整備を進めていくのか,基本的な考えを室長のほうにお伺いをしたいと思います。 ◎新見 交通安全防災対策室長  ただいま,避難場所と防災行政無線の整備につきましてご質問がありましたが,現在,避難場所として指定しております箇所は,公園ですとか学校などを中心にいたしまして,広域的な避難場所が48ヵ所,また一般避難場所が1,273ヵ所となっておりまして,これらの場所につきましては,表示板を設置するなどの整備を行いながら市民の皆さんに周知しておりまして,今後も市街化が進んで,人口が増加していく地域を重点にしながら,避難場所について適切な場所を選定いたしまして,適正な配置を確保するよう推進していきたいと,そのように思っております。  次に,防災行政無線に関してでございますが,現在のシステムにつきましては,昭和42年から運用してきました地方行政無線が老朽化したということとあわせて,その無線は通信障害地域が多かったと。その点を解消するために,新しいシステムといたしまして,昭和60年から整備に着手いたしまして,昭和63年の4月に開局したものでございます。その後,厚別区,手稲区の分区に伴う整備などをしながら,現在は本庁舎,各区役所,土木事業所ですとか清掃事業所などの施設に設置してあります固定局などが81局,道路パトロール車に積んでありますような車両搭載型の無線機ですとか,携帯型無線機などの移動局284局を整備いたしまして,日常の一般業務に広く活用している状態でございます。  今後の整備でありますが,まだ固定局として設置していない水道局,交通局,教育委員会につきましては,現在工事を進めておりまして,来年早々にも運用ができる予定でございますし,また市立札幌病院につきましては,移転新築に合わせて整備を予定しております。そういう意味で,災害時における各施設との情報収集,伝達のより一層の充実をこれからも計画的に進めてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。 ◆藤原 委員  再質問でありますが,ご承知のとおり,ことしの6月30日に,省令によって都市公園法の施行規則の一部が改正をされました。これは,いままで公園に,災害対策のためといえども設置をできなかった耐震性の貯水槽,そして放送設備及びヘリポートが,都市公園に災害応急対策に必要な施設として設置できることが新たな項目として加えられたわけであります。  本市においては,公園を初め多くの場所,いまご答弁のありました広域避難場所48ヵ所,一般避難場所1,273ヵ所として指定をされており,大地震や大火災などの災害時に,これらの場所に避難をしてきた住民に対して,正確な情報の伝達が必要になってくると思うわけでありますが,その一つとして,今回の都市公園法施行規則の改正に伴い,とりあえず広域避難場所として指定をされている都市公園に,本市がいま具体的に運用を進めている同報系の防災無線の設置を検討していく考えはないのか,室長にお尋ねをしたいと思います。 ◎新見 交通安全防災対策室長  防災行政無線の整備につきましては,先ほどもお答え申したとおりでございますが,ご質問の広域避難場所となっております都市公園への同報系無線につきましては,設置しておりません。  この同報系無線につきましては,昭和53年に国において制度化されたシステムでございまして,指定都市におきましても,広域避難場所に同報系の無線を設置しているのは,川崎市と大阪市のみでありまして,そのほかの,すでに設置しております自治体が実際に運用をした結果として,現在の同報系無線のシステムにつきましては,たとえば風向きですとか風の強さ,豪雨等の気象条件によって聞こえたり聞こえなかったりするという問題,特に,都市部では高層ビル等の影響で電波の伝搬障害が出たり,都市騒音の影響が非常に強いということや,季節によっては電離層の影響で混信するという問題。それと,整備に当たって経費がかかる等々の問題が指摘されているわけでございます。このため,昨年7月に郵政省におきまして,都市部に適合した新しい同報系無線システムに関しまして検討するということで,都市における高度防災同報無線システムに関する調査研究会というのを発足させて,現在,調査研究を進めているところでございまして,これらの動向を見きわめてまいりたいと,そのようにいまは考えております。 ◆藤原 委員  先ほどの質問でも申し上げましたように,あえて情報収集の手段という表現をしたのは,本市の防災計画を見ても,本市内部または他の公的機関との連絡体制や,情報収集を定めた項目は見当たっても,避難を呼びかけたり,避難する市民に正確な情報や,市がどんな救援体制をとろうとしているかなどが不十分だというふうに考えるわけであります。いま室長のほうからも答弁がありましたけれども,仮に広域避難場所1ヵ所当たり幾らぐらいかかるのか,また,広域避難場所全体に設置をするとどのくらいの予算措置が必要なのか,室長にお尋ねをしたいと思います。  続いて,局長に答弁のお願いでありますけれども,いま室長が答弁されたように,同報系無線のあり方については,電波監理局の調査研究会が昨年発足して,平成6年から7年にかけて答申が出されることになっております。先ほど申し上げたように,もうすでに法的には何ら問題はなく,今後は本市の判断と,この電波監理局の調査研究会の答申に基づく具体的な対応が目前に迫っているわけであります。  本市においては,第3次札幌市長期総合計画の中で,現在第2次5年計画が進行中であります。これらの課題は単年度で実現できるものではなくて,中長期的な計画の中で対応していかなければならない課題だというふうに考えます。したがって,第3次,次期の5年計画で,これらの課題について,ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。慣例からいきますと,こうした計画は1年前倒しで始められるということでありますけれども,平成8年度で終了予定のいまの5年計画を,引き続き3次計画として8年度から進めるに当たっては,平成7年度の夏ころに,そうした取りまとめが行われるというふうに思います。市民局におかれましては,その前段の部内のいろいろなヒアリングの中で,こうした課題がぜひ実現できるように,財政局あるいは企画調整局,そして公園管理の維持をしている環境局とも実現に向けてご検討をいただきたいと思いますけれども,市民局長のお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。 ◎新見 交通安全防災対策室長  それでは私のほうから,経費につきましてのご質問でございますので,その点お答えいたします。  同報系無線1ヵ所当たりの所要経費につきましては,市内のいろいろなところに広域避難場所が点在しているわけでございますので,そういうところをカバーするためには,新たな電波の伝搬実験ですとか,基地局の整備等を図る必要もございます。また,広域避難場所も1ヵ所当たり,少なくとも3ヵ所ないし4ヵ所の屋外の受信装置を設置する必要もあろうかというふうに考えられますので,これらの室内の受信装置1ヵ所につきましても,拡声器ですとかアンテナ,アンテナを支える柱,パンダマストと言うそうですけれども,そういう柱ですとか,非常電源装置等々の設備も必要になってくるわけでございます。こういうことを考え合わせまして,広域避難場所1ヵ所当たりの同報系無線の設備につきましては,これはもう本当に概算で出しているわけでございますけれども,1ヵ所約1,200万円程度は必要とするだろうと。それが48ヵ所でございますし,また,そのほかに先ほども申しました基地局の整備等の経費もかかりますので,全体としては,概算で5億5,000万程度の経費がかかってくるのではないかというふうに,現時点で試算してございます。以上でございます。 ◎大野 市民局長  次期5年計画との関連性の問題でありますが,私どもといたしましては,いま段々部長の答弁がありましたように,この種の中身の問題といいますか,課題といいますか,そういうものがまだ十分解明されていないというか,まだまだ研究の余地があるということで,6年から7年にかけて,これらの問題点の解明が行われます。基本的に,私どもは,やはり避難市民に対して的確な情報を提供するということが絶対必要だというふうな理解はしておりますけれども,ただ,いま申し上げましたようなことから考えますと,いま5年計画でどうのこうのと言うよりも前に,いま言われた問題の解明がまず必要だろうということと同時に,防災計画の中で,広域避難場所には管理責任者というのが配置されることになっております。したがって,その中で補助者が数人つきますから,そういう中での情報の伝達というのは,私どもは可能であろうというふうに考えておりますけれども,ただ,藤原委員の言われているような,そういう同報系のものがあることが,より一層好ましいというような考え方が出てくれば,私どもは十分検討に値するものだというふうに理解をしています。ただ,それにはまだ若干時間がかかりますので,いまここで,次の5年計画でということについての結論めいたことは控えさせていただきたいと,このように思います。 ◆藤原 委員  最後に,要望も含めて発言を終わりたいと思いますが,いま局長のご答弁も,補助者がつくのでそうした対応については可能かというご趣旨でありましたけれども,実際に,こうしたマグニチュード4以上の地震が想定される場合には,道路ですとか橋とかそうしたものに,大変な被害が想定をされまして,原局を含めて,パトロール車なり,車などで補助の人が,そうした地域に到達することはなかなか難しいというふうに考えるわけであります。  ことしの8月19日に,消防庁は災害発生時に情報の収集伝達をする市町村防災行政無線のうち,屋外の拡声器や家庭に配置をした受信機での取組みをするように,各都道府県を通じて要請をしているところであります。またこれは,7月の南西沖地震でも,奥尻町が気象庁から津波警報が来る前に,町独自の判断として,防災無線で町民に避難を呼びかけたという実例があるわけであります。また,道庁は8月23日に,道内の市町村と消防事務組合に対して,震災対策を一層充実させるよう通達を出しているところであります。  そんな趣旨におきまして,都市は災害に弱く,これでいいという万全の対策はありませんけれども,現在進めている札幌市でのハードの面,またソフトの面が,被害を最小限に抑えるために,本市の実情に即した計画がこれからも取り組まれていきますようお願い申し上げまして,発言を終わります。以上であります。 ◆原口 委員  私は,都市景観について大きく2点お尋ねをいたしたいと思います。  1点は,条例化についてであります。もう1点は,都市景観のシミュレーション技法の導入についての,以上2点についてお尋ねをいたします。  本市では,これまで,市民文化面でのソフト事業におきまして,雪まつりであるとかホワイトイルミネーションなど,国際的なイベントにまで発展したものを初め,最近ではPMFであるとか芸森の事業など,芸術文化について大きな成果を上げておりまして,市民文化の向上のために皆さん方が大変意を尽くしているということにつきましては,私は高く評価をいたす次第でございます。こうした文化事業を実施するに当たりまして重要なファクターであるところのステージ,つまり,本市のまちづくりにつきまして,特に個性と風格を兼備え,そしてまた,潤いあふれる雰囲気を醸し出すような,そんな都市景観をぜひつくって,そういうものをどんどんどんどんやっていただきたいという観点からお尋ねをいたす次第でございます。  それで,質問の第1点は,都市景観条例についてであります。  現在,本市の都市景観行政は,昭和63年4月1日に施行されました都市景観要綱に基づきまして,大通地区,それから札幌駅前通の北街区というものを形成地区に指定をしまして,それを手始めとして,本市の景観の保全,向上を図っているわけでございますけれども,全国的に見てまいりますと,条例化をしている市町村が最近大変多くなってきたということがわかりました。  たとえば,その市町村全体を総合的に景観地域に規定している,そういう市町村が全国で約60市町村,そしてまた,函館の西部地区のように特定の地域だけを規定しているところが約40市町村,合わせて100を超える市町村が,景観の条例化を行なっているわけであります。それで,政令都市を見ましても,神戸市,名古屋市,福岡市を初めとしまして,5都市がすでに条例化を行なっているわけでありますし,また,仙台市,広島市が,条例化に向けていま検討を進めているというふうに聞いておるわけでございます。  なぜ,こうした地方自治体が多くなってきているのかということを考えてみますと,やはり国におけるほかの法律の美観地区だとか地区計画制度といった,本来景観の保全と向上を目的としてつくられたいろいろな制度が,都市全体を意識したものでないということが一つと,それから,景観そのものは,その市町村の固有のものであると,各都市固有のものであると,そんなようなことで,一律に規定することが困難であるということにほかならないと私は考えるわけでございます。  したがって,本市におきまして,芸術文化の一層の向上を図る上からも,先ほど申し上げましたステージといいますか,まちづくりの,また街並みの整備を促進するために,都市景観条例の制定が急務であると私は考えるわけでございますが,この点につきまして最初にお尋ねをいたします。  2点目は,景観の整備検討手法についてであります。  先日,私は上京中に,景観を意識したまちづくりを進める上での検討に当たりまして,コンピューターを利用した,いわゆるパソコンによる景観シミュレーション,そういう手法を実施している市町村の新聞報道を目にいたしました。そして,その後私なりに,実際の利用がどういうふうになっているのかということを調べてみたわけでございますけれども,パソコンの画面に,建物の外観だとか植栽とか,壁の色であるとか建物の形だとか,いろんなことが次から次と画面の中で変換していくのですね。そういう技法を見まして,非常に驚いたわけでございます。  これまで私たちは,新築の建物が,でき上がったらどういうものになるかを思い描くときには,手書きのパース図から,形態であるとか色彩であるとかというものを思い描くわけでございますし,また,こうしたらいいのになというふうに思いましても,その場の,絵を見たときの感覚だけでは臨場感が実際にはないわけでございます。特に,都市の街並みといいますか,こういうふうな該当の建物の,周囲の建物との釣合いといいますか,つながりといいますか,そういうものについては,とうていパース図ではわからないというふうになるわけでございます。  いまお話し申し上げたような,そういうパソコンによる景観シミュレーションの技法というのは,政令市でも神戸市が始めまして,実際に数都市ですでに導入をいたしているようであります。  そこで質問でございますけれども,本市の景観行政を進めるに当たって,こうした景観シミュレーション技法を導入するお考えはないのか。以上2点についてお尋ねをいたします。 ◎長嶋 文化部長  第1点の都市景観条例についてでございますが,平成4年度からスタートいたしました第2次5年計画で,市域の景観特性の把握を目的とした調査を行い,札幌にふさわしい都市景観の方向性を示す基本計画を策定することとしておりますので,この中で,条例化について検討してまいりたいと考えております。  第2点目の景観シミュレーション技法の導入についてでございますが,政令指定都市で構成しております都市景観推進協議会の平成元年度の共同調査で,景観シミュレーション技法について調査を行なった経緯がございます。その調査でも,景観の指導や助言に際しまして,景観シミュレーションは有効であるという結果が出ておりますが,その運用方法が非常に専門的でありまして,もっと簡易に運用できるソフトウェアの開発が待たれていたところでございます。その後,この技術開発の進展は目覚ましく,原口委員が調査されましたとおり,推進協議会の共同調査時点より運用が簡便で,さらに導入価格も低廉なものが開発されてきております。したがいまして,本市といたしましても,景観形成地区であります大通や駅前通の年間100件を超える相談に対しまして,より効率的な業務執行を図る上からも,今後導入に向けて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆原口 委員  それでは,これで最後にいたしますけれども,ただいまの第1点のお答えにありましたように,都市景観の基本計画を現在立てていらっしゃると。それが,今後の本市の都市景観の方向性を明確化するということで,大変重要なことだというふうに思うわけでございます。そこで,平成4年度から本市の都市景観基本計画策定作業が始められているわけでございますけれども,これまでの進捗状況についてお尋ねをいたします。  そして,条例化の検討結果がはっきりするのはいつごろになるのか,あわせてお答えをいただければありがたいと思います。  最後に要望も入れさせていただきますが,この景観シミュレーション技法をぜひ導入していただいて,外国からも大勢の皆さん方がこの札幌にいらっしゃるわけでございますので,なるほど札幌らしいというふうな,そういう個性と品格を備えた街に,ぜひつくり上げていっていただきたい,こんなふうに要望させていただいて終わります。 ◎長嶋 文化部長  景観基本計画の進捗状況でございますが,平成4年度は現況把握といたしまして,主に夏と冬の調査に主眼を置き,その調査区域を65の景観ゾーンに分けて,それぞれの現況と特徴をまとめ,課題の整理を行いました。また,本市の景観特性を把握する上から,地形,水辺,緑といった自然的要素,都市基盤及び土地利用などの空間的要素,歴史や生活・季節,国際性などの生活・文化的要素の三つの要素の視点で,景観特性を整理したところでございます。このほか,庁内関係部局に対しましてアンケート及びヒアリング調査を行いまして,景観に配慮した施策の実施状況や,この基本計画に盛り込むべき事柄などについての意見を聞いたところでございます。5年度の計画といたしましては,4年度の基礎調査をもとに,本市特有の景観構造の類型化と景観形成の視点及び課題の整理,景観モデル地区の抽出を行なっているところでございます。  次に,条例化の検討結果についてでございますが,お示しできますのは,基本計画の策定が,現時点で平成7年度にわたり込むことが予想されますことから,平成7年度から8年度になるものと考えております。以上でございます。 ◆関口 委員  それでは,私から,文化芸術施設について何点かご質問を申し上げたいと存じます。  本市では,平成3年に芸術文化ホール建設基本構想を策定いたしまして,その中核の施設として音楽ホール,演劇ホール,能楽堂,この三つの施設を位置づけたわけでございますが,このうち音楽ホール,これはもう設計コンペを終えて,現在設計作業に入っているわけでありますが,まず1点目として,この進捗状況と今後の建設のスケジュールについてお尋ねをしておきたいと思います。  2点目といたしましては,基本構想では,音楽ホールに続いて演劇ホール,能楽堂が整備されるということになっておりまして,今次5年計画の中に調査費として計上されているものでございます。昨年の私の代表質問の中で,桂市長は,状況が進展しているのを見れば少し早めなければならないかなと,こういうご答弁をいただいたところでございます。さらにまた,現在の演劇や能の活動状況も,演劇では昨年の「キャッツ」のロングラン,それからいま「オペラ座の怪人」,これも大変盛況のようでありまして,11月以降もさらに延長公演をするというようなことが決まっているようでございます。さらにまた,能におきましても,先般,麻生球場でいわゆる薪能,そしてまた知事公館における芝能なども行われまして,数千人の市民が集ったと,こう報告をされております。  そういうことで,いろんな分野で市民の関心が大変に高まっている状況でございます。したがって,一刻も早くと,関係者は望んでいるわけでありますが,本市の財政事情もありますけれども,こういう状況を考えた場合に,できるだけ早い機会に事業をスタートさせるべきではないかと,こう考えておりますが,考え方をお示しいただきたいと思います。  それから,3点目でございますが,これが大変重要な問題でありまして,通常,ホールなり施設ができてしまうと,ああできたということで,何か全部終わったような気持ちになりがちでございます。立派なホールはできたと。しかし,そのホールがやはり有効に活用され,その運営が成功しなければ,これはまさに宝の持ちぐされであり,そしてまた,巨額の税金をむだ遣いしたと,こういう批判を浴びることになるわけでございます。その意味で,音楽ホールの運営,そしてまた後に続くであろう演劇,能楽堂等々の運営について,お考えをお尋ねをしたいと,こう思うわけでございます。  そこで,運営主体,それはどういう形態で持つか,そしてまた,どういう内容でどういうものを所管しながら,この運営主体がつくられなければならないか。これは各都市でもいろんな施設を運営するに当たって非常にご苦労もし,苦心もしているものだと聞いておりますが,施設をつくる以上は,やはり運営面にしっかりソフト面を確立することが何より大事であろうと。音楽ホールも着手したばかりですし,演劇や能楽堂については将来ということでありますから,まだしっかりとした結論に達していないことは想像できるわけでありますが,何分大事なことであり,その基本的な方向だけでもお聞かせをいただきたいと,こういうことでございます。  そこで質問申し上げますが,一つ目は,いわゆる官主導型の運営主体を考えるのか,あるいは民主導型のものを考えていくのかということになりますが,当然,これらの施設は,官だけで成功するわけはございませんし,しかも民間のノウハウや活力というものを最大限に活用する,参画をしてもらうというふうに考えれば,民主導型の運営主体になるのだろうと,こう思いますが,その点について考え方をお示しいただきたいと存じます。  さらにまた,二つ目でありますが,音楽ホールはいまもうかかっていますから,当然これの運営主体についても積極的に考えられていると思うのですが,これの運営主体は,これからできる演劇ホール,あるいは能楽堂,それらのものを含めた形で,総合的な施設の管理運営に当たるそういう主体を考えるのか,それとも,音楽は音楽,演劇は演劇,能楽堂は能楽堂と,こういうふうな個別の運営主体を考えるのか,この辺のことだと思います。私の意見を申し上げれば,個別につくったのでは,文化財団であるとすれば文化財団だらけになってしまって,しかも,行政が縦割りで,横の連携がというようなことが批判されますけれども,各施設ごとに縦割りの組織といいますか,個別の組織では,いわゆるこの縦割りの弊害があって,それぞれの施設が持つノウハウや相互の経験交流が成立するのが難しくなるだろうと。そういう意味でも,私は,二つなり三つなりの施設を一つの組織で運営するような組織形態を考えるべきではないかと。その中で,各ジャンルのノウハウを交流し合って,よりよい運営と,そしてまた,文化活動の振興を図るべきではないかと,こう考えておるのですが,この点についてのご見解をお示しいただきたいと思います。まず,この3点,よろしくお願いします。 ◎長嶋 文化部長  ご質問の第1点の音楽専用ホールの現在の進捗状況と今後の建設計画についてでありますが,現在は,昨年実施をいたしました設計協議の入選案をベースにいたしまして,札幌交響楽団や地元音楽関係者のアドバイスを取り入れながら基本設計を進めておりまして,近々,ホールの基本的なデザインも含めた平面プランを固める予定であります。その後,引き続き実施設計に入りまして,平成6年8月ころには工事に着手いたしたいと考えております。ホール本体の完成は,平成9年2月ごろを予定しておりまして,開設準備をした後,9年7月の第8回PMF開催時にオープンする計画でおります。  次に,第2点目の演劇専用ホールと能楽堂の建設計画についてでございますが,この二つの施設は,平成3年度に策定いたしました芸術文化ホール建設基本構想の中で,音楽専用ホールの次の段階に整備すべき施設として位置づけられておりまして,今次5年計画では,それぞれ500万円の調査費を計上しているものでございます。  私どもといたしまして,演劇や能に対する市民の関心の著しい高まりは,十分認識いたしておりますことから,昨今の厳しい財政状況の中ではありますが,基礎調査だけでも早い段階で実施できるよう努力してまいりたいと考えております。  第3点目のホール運営に関する基本的な考え方でございます。  現在建設を進めております音楽専用ホールにつきましては,その高度な機能を生かした芸術性の高い音楽の殿堂でありますとともに,多くの市民が参加できる音楽体験空間としてのホールを目指しております。それを実現するためには,具体的にどうしたらよいのか,PMFなどの札幌の特色を生かし,高度な芸術空間と身近な音楽空間を融合させたホール運営をいかにして行うか,現在内部で検討を進めている段階でございます。  さらに,運営主体の組織につきましても,芸術施設にふさわしい弾力的な活動が行えるような,また,民間活力も取り入れることができる柔軟な運営体制とするため,既存組織の見直し問題や文化施設の将来展望も踏まえまして,幅広い角度から検討を行なっておりまして,ここ1年ほどの間に一定の方向性を見出していきたいと考えております。以上でございます。 ◆関口 委員  いまご答弁がございまして,その中の運営に関する答弁で,弾力的で創造的な活動が行えるような組織,運営主体を検討していきたいと,こんなふうな考え方のご説明がございました。もちろん,創造的で弾力的な運営組織,運営の形態というものは非常に重要な問題でありますので,できるだけ,あるゆるニーズに対応できる運営組織体を考えていただきたいと思うわけであります。  そこでまた,さらに続けまして,組織形態があって,ホールがどんな機能を持つのか,これも大変重要なことだろうと私は思っております。これはある人の言葉でありますけれども,ホールをつくるのではなく音楽をつくる,あるいは演劇をつくる,札幌の文化をつくる,こういうふうに施設をつくるときには考えるべきなのだと,こういうことを言った方がおりまして,私はまことに的を射た言葉だなと思って関心して聞いたわけであります。  その意味から言いましても,たとえば音楽ホールでは札幌交響楽団,そしてまたPMF,こういうものが,新しくできるホールのメーンとなるのは当然でありますし,また,音楽ホールのソフトの中心になるのだろうと思います。これもまた私は当然だと思うわけであります。さらにまた,この音楽ホールを含めまして今後の演劇,あるいは能楽堂,さらに,将来続けば何かあるのかもしれませんが,いわゆるそういう施設の機能として,従来の貸し館で文化活動を行なって,札幌の市民がそれを見て終わる,いわゆる文化を消費するという形が,従来の札幌における文化の姿でなかったかと。  もちろん市民の間,あるいは行政においても,当然,生産的な文化の活動もあるわけですから,全部消費だとは申し上げませんし,そしてまた消費も,これはむだだという意味ではなくて,文化の消費も大変重要な蓄積を持つわけでありますから,無価値だと思っているわけではございませんが,それよりまたさらに進んで,いわゆる文化の生産をする,そういう都市になっていくべきだとも考えていますし,さらに,行政が現在進めております芸術の森,そしてまたPMFにつきましても,消費型というよりも文化生産型の事業ではないかと。そういう意味では,札幌市も,消費型の文化から生産型の文化をつくり出す都市へ発展をしていきつつあると認識をしておるわけであります。そういう意味では,今度新しくつくられる音楽ホールも演劇ホールも,あるいは能楽堂も,文化を生産するという機能を十分に持たせるべきではないのかと,そういう考え方を,私は強く持っているわけでございます。  そこで,簡単に言うと,その劇場なりホールなりが,作品あるいは文化,あるいは芸術というものをプロデュースする能力,そういったものを備えるべきだろうというふうに思っているわけであります。その考え方について,市当局のご見解をお尋ねをしておきたいのであります。  もう一つは,運営の仕方なり何なりというものが決まったとしても,それは決まったということだけであって,その決まったことを実現する準備段階というのは相当の期間を要することになるわけであります。いずれにしても生産型の施設にするとした場合に,そういう文化的な資源,そういうノウハウを持った団体や個人や組織があるのかないのか,そういったものをやはり発掘をしなければなりませんし,それをホールや施設の運用にどのように力を貸してもらうかというような作業もありますし,もろもろの準備が必要だろうと思います。
     そういったことを考えた場合に,その前段として,いろいろ研究はなさっているのでしょうけれども,より多くの市民といいますか,いろんな人たちの意見,知恵を結集する必要があるというふうに思うわけであります。しかも,それも大変急いだ形で行われるべきでないかと思うわけです。  そこで,とかく音楽は音楽関係でもって音楽の問題を検討する,演劇もまたしかりと,こういう形ではきわめて不十分だと。したがって,総合的に広い範囲で,たとえば市民共間のパブリックシアターとでもいいますか,こういう観点から,より多くの人々の知恵を集めるという意味で,市民文化団体あるいは企業,その他の方々により多く集まっていただいて,これは市当局なり何なりを拘束するというものではなくて,より多く市民の意見を反映させて,親しみの持てる施設にしていくということも含めて知恵を提供してもらう。ですから,そういう懇談会,あるいはその他のいろんな手法があろうかと思いますけれども,そういうものをやっていただいて,できるだけすぐれた方向を見出していただきたいと,こう考えておりますが,その点についての考え方をお示しいただきたいと思います。 ◎長嶋 文化部長  第1点目の演劇専用ホール,能楽堂の基本的なあり方についてでございますが,これら施設につきましても,音楽専用ホールと同様,単に貸し館事業にとどまらず,札幌発の文化を創造できるような機能などを持つ施設を目指すべきものと考えております。ただ,具体的にどのような機能を付加するかなどにつきましては,市民・企業・行政の役割分担の問題も含めまして,今後の調査の中で検討してまいりたいと考えております。  第2点目の運営に関する幅広い意見の聴取についてでございますが,先ほど申し上げました芸術文化ホール建設基本構想を策定する際に,芸術関係者,学識経験者,そして市民と経済界の代表から成る芸術文化ホール建設懇談会を設置いたしまして,これまで,運営方法も含めたご意見をいただいてきたところでございますが,ただいまご指摘の中にもございましたように,さらに具体的に幅広くご意見を伺うことも大変重要な課題であると考えておりますので,今後はこの懇談会をベースとしながらも,たとえば,フォーラムやパネルディスカッションのような形で,多くの方々からご意見をいただく場を設けるなど,よりよいホール運営についての検討を積極的に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○加藤[斉] 委員長  ここで,委員会を休憩いたします。              ──────────────                休 憩 午前3時15分                再 開 午後3時36分              ────────────── ○加藤[斉] 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  休憩前に引き続いて,質疑を行います。 ◆武藤 委員  私は,3点お尋ねいたします。  まず,1点目は米不足の問題ですが,ことしの冷害で米不足が社会問題ともなり,全国的にはいろいろな状況がすでに起こっています。たとえば,「米泥棒が全国で208件を超す」これは先週の新聞です。また,お米を買いに行ってもお米が店頭にない。そうかと思うと今度は,ある人は,10キロ30袋ですから300キログラム買い占めた,こういう消費者まで出ているように,消費者の中では,この冷害による米不足が大変な問題になってきています。そういう中で,関係機関の発表では,8月15日の作況指数を95と発表し,9月15日には80という作況指数が発表されています。10月15日,あと数日ですが,これが今年度最後の作況指数となるわけですが,消費者センターとして,この10月15日の作況指数について,どういう見通しを持っていられるのか,その点についてまずお尋ねしたいのと,もう1点は,現在,市民が安心できるだけの在庫があるのかどうか,この点についてもお尋ねしたいと思います。  2点目の問題は,灯油の円高差益還元の問題です。  これは,わが党の代表質問でも市長にお尋ねしているところですが,市長は,関係機関とも十分に密接な連絡をとりながら努力をしたいという前向きな答弁もなさっているところですが,石油元売り会社は仕切り価格を少しずつ下げてきており,前年の同時期と比べても,確かに価格は引き下げられています。しかし,必ずしも円高差益が十分に還元されている価格ではないのではないかと思うのですが,消費者センターとして,現在の灯油価格を円高差益が十分に還元されているものと認識されているのかどうか,また,今後の価格の変動の見通しについてもお尋ねしたいと思います。  3点目は,消費者会館の建設の問題についてです。  これは,現5ヵ年の中でも,消費者会館の設置調査を行うということで盛り込まれているところですが,消費者生活懇談会の提言の中でも大きな柱の一つとして,消費者会館の建設が必要だということを述べています。現段階で,消費者センターのほうで,現5ヵ年の計画に盛り込まれている設置調査を行う準備が整っているのかどうなのか。場所の設定についても,どの辺まで検討が進められているのか,その点についてもお尋ねしたいと思います。以上3点です。 ◎藤田 市民生活部長  お米の問題でございますけれども,米の不足の状況につきましては,おっしゃるとおり,今月の2日,3日ごろから大型スーパーなどで一部まとめ買いがございまして,通常の購買量を超えた取引が行われ,スポット的にお米が陳列されていない店舗があったと理解をしております。例年この時期につきましては,古米から新米への切りかえが行われます端境期でもありますし,年間では最も在庫が少なくなる時期でもございます。とりわけことしは,例年なら出回り始める道産米も冷害の影響で収穫がおくれておりますし,さらには台風被害,冷夏の影響で,他府県米の入荷がおくれていることなど,悪い情報が重なっております。しかし,道産米につきましては,先週あたりから集荷が始まっておりますし,今月中旬以降,きらら397も販売が開始され,他府県米につきましても順調に入荷が見込まれると伺っておりますので,一時的な現象ではなかろうかと考えております。  これからの見通しにつきましては,作況指数が95,80というお話がございましたけれども,所管官庁であります食糧事務所からは,道内には,例年の必要量に見合った在庫があり,当面,供給についての心配はないというふうにお伺いをしております。  いずれにいたしましても,主食米は大事な生活必需品でございますので,私どもの相談窓口,あるいは各区での苦情相談の機会に,消費者に正しい情報をお伝えするとともに,一つには,先買いやまとめ買いについてはしないこと,まとめ買いがさらに供給不安をあおること,必要に応じて必要な量だけ購入したほうがおいしく食べられること等々のこともあわせてPRをさせていただきまして,不安の解消に努めているところでございます。  次に,灯油の小売価格と円高差益の関係につきましては,平成2年秋の湾岸危機以降,国内の石油元売り各社は,灯油等の石油連産品について,為替レートと石油価格の変動状況を翌月の卸売価格に反映させる月決め方式を採用しております。また,本市で実施しております小売価格の調査結果でも,昨年の10月以降,ほぼ原油輸入価格の変動と同じような傾向で値下がりをしておりますので,円高差益の還元は小売段階にも反映しているものと考えております。  いずれにいたしましても,本会議でもお答えいたしましたように,本市のような積雪寒冷地における灯油は,市民生活に欠かすことのできない生活必需品でありますので,これから需要期を迎えますので,今後とも価格調査等を通じて注意深く見守るとともに,関係機関とも十分連携を図って,適切に対処してまいりたいと考えております。  最後の消費者会館の拡充につきましては,この3月に消費生活対策懇談会から提言をいただいておりまして,その中にも機能の拡充については盛り込まれておりますので,その趣旨を踏まえて検討しているところでございます。以上でございます。 ◆武藤 委員  1点目の米の問題なのですが,いま,消費者があれこれ騒いでいるのを一時的現象だと。それから,当面,在庫の問題に関しては心配がないというお答えでした。しかし,各関係機関,政府だとか食糧事務所が発表している内容を見ますと,先ほど申し上げた作況指数,8月15日で95,9月15日で80,今月の10月15日では70にもなるのじゃないかというような,一部のそういう報道もされているところなのです。現在,政府米が確保されているとはいっても,わずか35万トン。来年の6月までの主食用米需要量というのは576万トンです。作況指数がすでに85を割っているわけなのですけれども,作況指数85の場合を見ましても,総生産量というのは850万トンになるわけなのですね。すでに,この数字を見ただけでも,来年の6月までは何とかなる,さらにプラスアルファ,何とかなるだろうと,政府も確かに心配はないと言っています。だけれども,一部では加工米の輸入,これは20万トンとも言われていますし,それからもっと大きな数も,70万トンはどこの国からというように,いろんな国々からの輸入も見込まれて,いま,政府のほうでも進められているそうです。そういう中で,消費者センターのところに市民からのいろんな問い合わせが来たときに,実際に在庫は大丈夫なのだと,札幌市民の胃袋を守るだけ十分にあるのだと言える根拠が,本当にこれであるのだろうかという不安も感じるわけなのです。  いま,いろいろな数字を申し上げましたけれども,今回の不作というのは,決して冷害だけではなくて,もう一つ,稲のいもち病という病気が今年度は大流行しているわけなのですね。皆さんもご存じだと思いますけれども,このいもち病というのは,ことしはやったから来年はもうないというものではなくて,来年度もこの影響を受けるだろうと言われている稲の大きな病気でもあるわけなのです。ですから,政府が言っているように,来年度の作付を見込んで大丈夫という根拠というのは,非常に薄いわけなのですね。ですから,皆さんがいま関係機関からいろいろ指摘されている作況指数と見合わせた中で,札幌市民が食べる米については大丈夫なのだという根拠は,非常に薄いのではないのかなという不安もあるところなのです。その点について,もう少し具体的に,大丈夫だという根拠についてお伺いしたいと思います。  それから,価格の問題なのですが,きょうの新聞報道にもありましたけれども,きらら397が値上げする,4%の値上げだということで,今回の米不足の問題が,行き着くところ,買占め,売惜しみ問題と,いろいろ報道もされていますけれども,実際にそういう問題も起こってきていますし,さらに値上げがどんどん続けられている,お米が店頭から消えた時点で,翌日から値上げしている,こういうような事態は,当然皆さんもご承知のことと思いますけれども,値上げをさせないような,皆さん方の役割として,各業者との話合いも必要になるのではないかなと思うわけなのですけれども,価格の安定の問題,これから先,皆さん方はどう予想していらっしゃるのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。  それから,灯油の問題なのですが,ご努力なさってくださるということで,ぜひ頑張っていただきたいと思いますけれども,実際に昨日12日には,市民生協と業者間の話合いも行われまして,その中でも価格の問題がいろいろ議論になっているわけなのですね。現在,皆さん方のところでまとめていらっしゃる資料を見ても,一番新しい資料でも,平均価格43円台になっています。これは最初に申し上げましたとおり,ずっと値下げになってきているのですが,昨日業者が生協に提示した金額は,リッター当たり46円と,こういうような中身になっていて,昨年度の需要期,シーズンの初めのときは43円で生協と業者との間の話合いがついたにもかかわらず,今度の段階では46円だということまで,きのうの話合いで行われているそうなのです。これには,まさしく円高差益なんてどこに反映されているのかというような数字なのですけれども,その辺,皆さん方は,どのような受けとめをしていらっしゃるのか,その点についてももう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。  それから,3点目の消費者会館の建設の問題では,この1月の経済公営企業委員会,交通関連の委員会の中でしたけれども,その中で,手稲東地域に総合公共施設をつくるのだということも発表されていますけれども,その中に,一部には消費者センターもという声が上がっているかのようにお聞きもしているのですが,その点での具体的な中身はないのか,お聞きしたいと思います。 ◎藤田 市民生活部長  1点目のお米の供給量の問題ですけれども,お米の供給につきましては,いずれにしても食管制度の中で供給されることだというふうに理解をしております。したがって,昨今,いまお話のございました不足等の問題については,私どもも監督官庁である食糧事務所といろいろ協議をさせていただいておりますけれども,当面必要とする量については,道内にきちっと在庫があるから,供給については心配がないというふうにお伺いをしておりますし,また,いまおっしゃったお米の総供給量といいますか,日本全国の米供給量は,報道されているように,仮に1,000万トンだといたしまして,作況指数が仮に80で10月末の数字が確定いたしますと,単純計算で200万トン不足すると,こういうことになろうかと思いますけれども,92年産米の全国のお米の流通データで,ちょっと大ざっぱに申し上げますと,政府米が約170万トンから180万トン,それから自主流通米が390万トン,他用途米が40万トンでございますので,合計しますと約600万トンが米流通ルートを流れて消費されていると,こんな結果が出てまいりますので,来年夏以降,どの程度不足をするかということにつきましては,これからどんな推移でそういったことが動いていくのか,見守る必要があるのではなかろうかと考えております。  それから,お米の小売価格につきましては,基本的には食管制度の中で決まっていくものだというふうに理解をしておりますけれども,適正な価格を超える値上げに対しましては,食糧事務所が強力な監視,指導を行うというふうに,私どものほうにもおっしゃっておりますので,本市といたしましても,関係部局,関係機関と連携をとりながら対処してまいりたいというふうに考えております。  灯油の価格の問題でございますけれども,灯油の小売価格も基本的には経済活動の中で価格が決まっていくものと考えておりますけれども,私どもが毎月,灯油の小売価格についての調査,監視をこれからも引き続いて行なってまいりますので,価格の高騰や需給の逼迫した状態が見られた場合には,必要に応じて関係機関とも十分連携を図って,適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。  3点目の消費者会館の拡充につきましては,委員のお話にもございました,地下鉄東西線の需要喚起策の一環として検討をされております手稲東のまちづくり計画の中で可能性を検討しているところでございます。以上でございます。 ◆武藤 委員  灯油の問題にしてもお米の問題にしても,消費者センターとして,やはり消費者の権利を守る,保護をするという立場に立って,いまお答えいただいたように,監視をきちんとしていただくということをぜひお願いしたいと思うのですが,消費者センター自体が,困ったときには消費者センターにというような状況もまだまだつくられていないわけですね。ですから,今回の米騒動の一連の,この1週間の動きを見ましても,実際に消費者センターに来た相談件数というのは,わずか10件とお聞きしています。各区役所で4件,そのうち南区が2件,商業課に来たのが7件だと,こういうような状況からすれば,米はあるから心配するな,買いだめするな,売惜しみするなと中で言っていても仕方ないわけですよね。ですから,いま,段々のお話がありましたけれども,そういうことを消費者にもきちんと正確に伝えるために皆さん方の一番のお仕事である市民に対しての啓蒙啓発,やっぱり外に出て訴えていただくことにもぜひ力を入れていただきたいということをお願いしまして終わります。 ◆中嶋 委員  私は,まず初めに消費者行政,次に女性計画,最後に大通地区の景観整備についてお伺いいたします。  ことし3月には,本市の今後の総合的消費者行政のあり方について消費生活対策懇談会からの提言を受け,現在,消費生活条例の制定について検討が進められております。この進捗状況と,制定の時期はいつごろになるのかについてお伺いいたします。  また,昨年の3定において私たちは,消費者の保護ばかりでなく,権利についても明示することが大切と述べてきました。先月行われました消費者まつりは,多くの市民でにぎわいましたが,このまつりの中でも,権利コーナーが設けられておりました。現段階で明らかにできる範囲でよろしいのですが,この権利についても教えていただきたいと思います。  次に,第2次女性計画策定の進捗状況と策定時期及び計画策定後の女性センターの事業の推進についてお伺いいたします。  私は,男女の固定的な役割分業意識の解消を図り,男女の共同参画型社会の実現に向けて本市も努力すべきと申し上げてまいりました。ことし3月に第2次女性計画に関する提言が出され,現在,第2次女性計画の策定が進められております。この進捗状況や策定時期についてお伺いいたします。  次に,計画策定後の女性センターの事業の推進についてお伺いいたします。  現在,女性センターは,サークル活動や各種の講座,グループ企画事業等,また講演会などに使われております。第2次女性計画策定後は,いままでより以上に,女性がみずからの意思で活発に行動する際のセンターとして機能することが重要と思われますが,そのためには,今後どのような事業の推進を考えておられるのかお伺いいたします。  最後に,大通地区の景観整備について伺います。  本市では,88年から施行した都市景観要綱に基づいて,大通地区を都市景観形成地区に指定してまいりましたが,大通公園そのものは再整備事業が進んでまいりました。しかし,両側の民間の建物を見ますと,余り美しいとは言えず,広告などもなかなかにぎやかな印象を受けまして,大通公園との一体化がまだ図られていないような気がいたします。また,イルミネーションの整備なども進めておりますが,両側の広告塔,ネオンサインが大変にぎやかでして,ああしたことにも配慮をしていく必要があるのではないかなと思います。そこで,景観形成地区に指定してから,これまで本市としてどのような景観指導をしてきたのかお聞かせください。また,策定いたしました景観形成基準は守られているのかどうか,この点についてもお伺いいたします。 ◎藤田 市民生活部長  条例作成作業の進捗状況と見通し,考え方についてのお尋ねだと存じますけれども,新しい条例の制定につきましては,委員のお話にもございました消費生活対策懇談会から,この3月に提言をいただいておりまして,その趣旨を踏まえて検討をしております。現在,たたき台をもとに関係部局と協議中でございまして,この先,懇談会での審議等を経て,原案をまとめてまいりたいというふうに考えております。  条例制定の見通しにつきましては,平成6年の第1回定例市議会に提案できるよう,諸準備を進めているところでございます。  条例作成の考え方でございますけれども,委員のお話にもございました,一般に言われております消費者の知る権利,あるいは選ぶ権利,安全性を求める権利など,消費者の権利を市民と一緒に確立していくことを基本に,消費者・事業者・行政がそれぞれの立場で役割を果たすことが,結果として権利を確立し,市民生活の安定と向上に結びつくような条例にしたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。 ◎中平 青少年女性部長  私から,女性計画の策定等についてお答えをいたします。  最初に,女性計画策定の進捗状況と策定時期についてでありますけれども,本年度に入りまして,札幌市女性計画のための行政推進会議及び同幹事会で計画の策定に当たっております。女性計画提言委員会から出された提言などをもとにいたしまして,新計画の目的を男女の共同参画型社会の形成を目指すことといたしまして,それに基づいた基本目標,課題,施策の方向について体系づくりを行いまして,現在私ども事務局におきまして,この体系と各局の施策案との調整を図りながら,計画素案づくりを進めているところでございます。今後は,計画素案の策定と計画原案づくりを行いまして,3月末までに計画の策定を終えたいと考えております。  次に,計画策定後の女性センターにおける事業の推進についてでございますが,現在,女性センターでは,女性の生活文化の向上と活動の推進を図るため,各種の講座,講演の開催,さらには,女性活動の促進事業などを実施しておりますが,第2次女性計画は,男女の共同参画型社会の形成を目的としておりますことから,男性向けの講座など,男性をも対象とした事業,それから女性団体,サークルの自主企画事業への支援,さらには,広く市民の求める事業の把握などに配慮をしていく必要があるのではないがと考えております。以上でございます。 ◎長嶋 文化部長  第3点目の大通の景観整備につきましてお答えいたします。  景観形成の指定地区内での建築物の新築や屋外広告物の表示,移転,変更などにつきましては,建築確認申請や広告物設置許可申請などの手続を行う前に,そうした行為の届け出をしていただくことにしておりまして,その時点で,計画に対する指導や助言をいたしております。  その指導方法といたしましては,大通地区の場合は,大通の景観形成基準に従い,たとえば,建築物であれば歩道から3メートル以上の後退距離をとるよう指導しておりますし,屋外広告物はできるだけ規模を縮小するとともに,大通の景観を損なうおそれのあるものに対しましては,色彩の変更などを促しております。また,専門的な知識を必要とする場合につきましては,都市景観委員会からのアドバイスを受け,指導をしているところでございます。この大通地区も景観形成地区に指定いたしましてから5年が過ぎておりますが,これまでのところ,景観形成基準は非常に大きく作用しておりまして,地区指定以後の案件につきましては,遵守されております。  また,その成果といたしましては,建築物の場合は歩道から3メートル,壁面を後退していただいておりますので,より広い歩行者空間がつくり出されてきておりますし,けばけばしい広告物につきましては,デザインの変更や下地の色と文字の色を反転していただいたりしておりますので,大通にふさわしい景観が徐々に形成されてきているものと思っておりますが,大通全体の景観が整備されるには,長い時間が必要となります。いずれにいたしましても,市民及び地元関係者の協力と理解を仰ぎながら,今後とも努力してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆中嶋 委員  徐々に形成されてきているということですが,先ほど原口委員からも景観条例についての質問がありましたが,さらにもっときれいな大通にするために,神戸市のようにアーバンデザイン室などを設けて,すべての建築物がアーバンデザイン室を通るというようなことも将来考えていく必要があるのではないかなというふうに思いますが,この点についてお伺いいたします。 ◎大野 市民局長  都市景観そのものの物の見方でありますが,いわゆる都市づくりの中で,いかに地域に見合った形のものをつくっていくか,都市らしい特徴をどうやって出していくかということが,その原点にあると思います。私どもとしては,いろいろな施策の展開の中で,そういう視点を絶えず持ちながらやっているわけでありまして,特に,そういうことについて,いま部長からお話ありましたような都市景観委員会等をつくりまして,そこで,それらについて十分ご議論してもらって対応しているということでございます。したがって,組織としてのアーバンデザイン室みたいなものはございませんけれども,形の上ではそれに類似したような形で,すでに執行しているというふうに私は理解をしております。  ただ,先ほど原口委員にもご説明申し上げましたように,都市景観についての市民の理解といいますか,関心度が非常に高まってきております関係で,非常に多くの相談件数がございます。したがって,それらに対してどう対応するかということについては,非常に苦慮しているところでございますが,それらについても,これから徐々に,先ほどのようないわゆる機械化といいますか,そういうことも図りながら,できるだけ市民にこたえるように努力をしていきたいと,このように思っております。以上です。 ◆猪熊 委員  2点,お聞きをしたいと思います。  1点は,コミュニティ活動に関連をして,いま1点は,仲よし子ども館関連でお聞きをいたします。  最初に,コミュニティー関係ですけれども,2点質問いたします。  地域コミュニティ施策の変遷,これについて,当初からどういった形で肉づけをしたり,カットをしたりということで今日に至っているか。  それから2点目,いわゆる施設面で,これをどう充実をさせ,今後どのように進めようとしているか,この2点。  それから,仲よし子ども館の関係ですけれども,言うまでもなく,昭和35年から札幌市の独自事業として今日こ至っていると,こういうことでございまして,昭和53年,約2万6,000弱をピークにいたしまして,今日漸減をしてきている。そして,聞くところによりますと,ことしあたりはトータル7,000人,そして今後も減る傾向かなと,こんな見通しもあるやに伺っておりますけれども,現状の押さえ,認識,そして将来の見通し,こういったものについて,どういったとらえ方と見通しを立てていらっしゃるか。  それから2点目,これは私の持論でして,二部にいるときにも発言をさせていただいておりますが,いわゆる就学前幼児に対する行政のかかわり,こういった観点でお話をさせていただきますと,現状の中で,国の施策では,幼稚園と保育園ということで二つに分かれようかと思いますが,札幌市はあえてそこの間に仲よし子ども館ということで,ある面では行政の立ちおくれを補完をしてきた,こういうことになるのかなと思います。  私は,いま時点での少子化傾向,とりわけ1.53ショックというようなことで,全国的に,まさに驚きとして受けとめたと,こういう経過がありますけれども,平成4年度の札幌市の特殊出生率は1.27,まだ公式には明らかになっていないようですけれども,もうすでに1.27という数字で押さえられていらっしゃる。そして,今後も当面減少傾向をたどるであろうと,こう言われているところです。  この就学前幼児に対する施策のあり方として,戦前戦後,とりわけ戦後のあの混乱期の中で,ある面では貧困救済的な福祉施策の視点での保育行政,そして都市化などを中心にした地域環境が子供たちから奪われていくというような関係での補完機能としての幼稚園行政というような両立てできたという点ですけれども,ここに及んで,いま一回どうあるべきかを問うべきだと。そして,その方向は,保育一元化という方向で行くべきではないかと,私はそう考えているわけですけれども,長く就学前の幼児と強くかかわり,その特徴として市民に理解を求めてきた立場で,どういった見解に立つか,あえて,その考え方を聞かせていただきたいと思います。以上です。 ◎高橋 地域振興部長  私から,コミュニティ施策の変遷と施設面での充実はどうかという点についてお答えをしたいと思います。  まず,コミュニティ施策の変化でございますけれども,区制施行以前につきましては,明確な形でのコミュニティ施策というものは必ずしも整ってはいなかったというふうに思いますけれども,47年の区制施行に当たりまして,これをある程度明確化したものでございます。集約いたしますと,区の市民部に市民課を設けまして,その中に住民係や青少年婦人係を設け,その任に当たったこと,町内会を身近なコミュニティーの単位として位置づけをいたしまして,行政区域に合わせての再編成と,当時の出張所,現在の連絡所でございますけれども,この区域に合わせて,連合町内会の結成をお願いしたこと,3番目としては,町内会への助成金制度をこのころから設けたこと,それから4番目として,旧出張所に併設されていました地区集会所でございますけれども,これを地区会館といたしまして,住民の運営にゆだねたこと,さらに申し上げれば,青少年や婦人団体の組織化や育成,こういったもの,あるいは活動プログラムの提供を行なったということが,この47年の区制施行に当たって整えられたことかと思います。  その後,いろいろな施策をつけ加えてきております。49年には,区民センターの建設をいたしまして,各階層別の団体や各種サークルへの活動の場の提供というものを行なっております。その後,区民センターを拡充してまいりましたけれども,さらに補完するという意味合いから,地区レベルの施設でありますコミュニティセンターや地区センターの建設を行なってまいりました。それから三つ目としては,連絡所の充実がございます。昭和53年に,住民の活動の拠点としての位置づけをいたしまして,その新設をいたしたわけでありますけれども,それまでは係相当でございましたものを,課相当への格上げをして,役割を明確化したわけであります。それから,4点目は,助成制度の充実強化でございますが,町内会への助成の増額でございますとか,町内会館建設費助成の増額,連合町内会単位に行われております事業に対する特別事業助成,区民主催の区のシンボル事業に対しますコミュニティフェアの助成と育成,こういったものが挙げられると思います。さらに,平成2年から始まりました区の個性あるまちづくり事業,現在改称して,ふれあいまちづくり事業と申しておりますけれども,これによる各種の展開などが挙げられると思います。  コミュニティ活動は,住民の自助的,自主的な活動でありまして,行政はそれを支えていくという立場にあることはご承知かと思います。住民は,コミュニティーづくりのための諸活動を推進するという役割分担を持っておりますし,行政は,それを支えるための周辺整備ということを行なっていく必要があろうと思います。そのためには,ハード・ソフト,両面で支援していくということが必要だと思っております。ソフト面としては,行政が行うものといたしまして,住民組織育成のための物心両面にわたる助成,それから,コミュニティフェア事業やふれあいまちづくり事業などの推進による連帯意識の醸成,それから,諸活動を行います実践団体の称揚,士気の高揚につながるというふうに思います。さらに,青少年団体や女性団体の育成,コミュニティリーダー及びその後継者養成のための研修会の実施,こういうものがソフトウエアとしては行なってきていることでございます。  次に,施設面の充実と今後の進め方というお尋ねがございました。  本市が設置しておりますコミュニティ施設のうち区民センターについては,地域住民の生活文化,教養の向上,あるいはコミュニティ活動の助長を図る,こういう目的を持って設置をしているわけでございますけれども,これらについては,すでに各区に配置が完了し,一応は市民の要望にこたえられる水準となったものというふうに考えています。  そこで,現在,区,これを地域としてとらえますと,地域と近隣住区との中間に位置する地区レベルの施設,これの拡充を図るために,地区センターの配置に力を入れているところでございます。これにつきましては,二,三の連合町内会の区域を対象といたしまして,地区ごとの人口や交通の利便性,あるいは他の既存施設の配置状況等も考慮しまして,区ごとの緊急度合いを勘案しながら,計画的に配置しているところでございます。昭和60年の北白石地区センターを皮切りにいたしまして,実は,あす引渡しを受けます厚別西地区センター,これをもって8館目となります。今5年計画が終了いたします8年度には,合わせて14館,区民センター,コミュニティセンターと合わせますと26館の中核施設が完成するという格好になろうかと思います。  それから次に,もう一歩地域に踏み込んだ施設として地区会館があります。これは,連絡所としての任務や活動,連合町内会の区域を単位とした団体の活動拠点を主目的にして,連町単位に建設しているものでございますけれども,現在は61会館となっております。これにつきましても,さらに連合町内会の新設でございますとか分割,こういったことに伴いまして連絡所が設置されていくことになりますけれども,それに合わせてさらに整備を進めていきたいと,こう考えているところでございます。  そのほか,他部局において設置しているものとして,老人福祉センターでありますとか,勤労青少年ホーム,児童会館,地区図書館,市営住宅の集会所等がございます。これらの施設は,単一目的,あるいは特定の利用者のための施設というふうに,目的を持って整備されてきたものでございますけれども,いずれも地域コミュニティーの活動と密接に結びついているものというふうに考えております。したがいまして,これらの施設とも相互の連携をとり,ネットワークづくりをしていく必要があるというふうに考えているところでございます。  さらに,私どもの施設ではございませんけれども,市民みずから建てている市民集会施設というのがございます。これらについては,先ほども申し上げましたが,建設費の補助をいたしているわけでございますけれども,これも逐次,限度額のアップや単価の改定を行なってまいりました。今後におきましても,さらなる充実を図ってまいりたい,かように考えているところでございます。 ◎中平 青少年女性部長  仲よし子ども館についてお答えを申し上げます。  1点目の現状認識と将来見通しということでございます。  仲よし子ども館の参加幼児数の現況についてでございますけれども,お話にありましたように,本年度におきましては7,991人となってございます。そして,この2年間で毎年約1,100人ずつ減少している現状でございます。今後とも,この傾向は続くものというふうに考えております。さらに,本年度の年齢別構成比は,3歳児が94.1%で,ここ数年来3歳児のウエートが確実に増加してきております。参加幼児数の減少の原因といたしましては,先ほど委員のお話にありましたとおり,少子化,あるいは出生数の減少及び幼児教育施設の充実等が挙げられると思います。  そこで,当面の対策といたしましては,行政効率及び集団指導効果の面から,平成6・7年度に向けて運営方法の見直し,具体的には,極端な少数会場及び職員定数の見直しを進めております。さらに,その後の見通しにつきましては,3歳児総数の減少よりも子ども館への入館者の減少の割合が大きいこと,一方,現在参加している3歳児を持つ母親としては,家庭教育の補完機能よりも幼稚園就園前の集団活動の体験の場として仲よし子ども館をとらえておりまして,子供を集団になれさせるという意識が圧倒的に多いという現状がございますので,これらを踏まえますと,抜本的な見直しが急務となっております。そこで,仲よし子ども館の事業転換を図るべく,積極的に検討してまいりたいと,このように考えております。  2点目の幼児対策についてでございますけれども,保育一元化というお話でございますが,これにつきましては,法体系及び制度上から難しい問題であるというふうに考えております。しかしながら,お話にありましたように,子ども館がこれらの一部を担ってきたということからお話をさせていただきますならば,最近,文部省が3歳児就園策を積極的に打ち出したこと,また,労働省及び厚生省が,女性職域拡大並びにこれに伴う保育行政の充実策を進めてきておりますので,今後ともそれぞれの施策が充実強化されていくものというふうに考えております。そこで,幼児教育の充実が図られていく中で,私どもといたしましては,幼児教育の諸施策のあり方について,総合的な観点で関係部局との連携を密にして,調査研究等を進めてまいりたいと,こんなふうに考えております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  コミュニティー関係について,まず最初に質問をしたいと思っています。  段々のお話の中で,みずからの施策の肉づけ,そして施設の肉づけと,関連する諸施設とのネットワークを含めて,いずれにせよコミュニティ活動に寄与していきたいと。そのことで足り得るだろうと。まだ不十分だという話はしておりませんから,これでいけると,こういうとらえ方だろうと,こう思うのですけれども,僕は,いま市民局を中心にして,相当ねじを巻いた施策の展開をしていかなければ間に合わないのでないかと懸念をしている課題を,実は感じます。それは言うまでもなく,高齢化の問題です。  実は,大きく社会問題になる以前の課題として,老人クラブの結成に当たって,札幌市は50名を単位として初めて補助対象にしますと,こういう経過で,以前,相当広域に老人クラブをつくってきたという経過があります。そして,現状では,逐次単位町内会単位に老人クラブができつつあります。ところが,残念ながら,ここに壁が一つあります。週1回,あるいは1ヵ月に2回,例会をやろうとしたときに,場所を確保することが難しい,こういったことで,老人クラブが単位町内会単位でできるテンポが,きわめてスローになっています。しかし一方で,単位町内会につくるということが,コミュニティ活動の中での受け皿という点で大変大事だということは,市民局の立場でも十分ご認識いただけようと思うし,従前から,高齢化問題で関係部局の一員として,その議論に参加をしてきているという兼合いからいって,強い関心を持っている課題の一つであろうと,こう思うわけです。  それで,単位町内会,そして女性部,あるいは子ども会,こういった部分と高齢者とが一体となって,いわゆる声かけや助合いや,行政として具体的に施策化してきているデイサービスの部分を含めて,もうすでに一定程度は地域のつき合いの中で,現実の課題としては行われている部分もあるわけですね。しかし,まだまだ不十分だということで行政が請け負って,ある面では,それをデイサービスとして施策化して展開をしてきている,こういうことになるわけですけれども,あくまでも,それも地域のコミュニティーのふれ合い,いわゆる連帯感とか思いやりとかという,連帯感を部長は触れられたけれども,そういったことがしっかりと全体化していく過程の中で,言っている施策というものは,その中身を伴って成果としてあらわれていくだろうと。そしてそのことが,高齢者の方の生きがいに結びついていくということだけは間違いのないところだと思います。しかし,もうすでに札幌市は,高齢化人口というのは10%を超えたと。そして,明らかにウナギ登りで上っていこうとしているわけですから,21世紀に入る前のこの七,八年間で,それらの受け皿というものを市民局で,それぞれの関係部局とネットしながら,どこまで単位を縮めた形で場の設定というものを確保していくかということを大いに意識して事業展開をすべきだと,僕はこう実は考えているわけでございます。  それは,あえて高齢化の問題でお話をしましたけれども,週5日制,週休2日,もうすでに5割弱まで札幌市も全体化してきた。そして,隔週あるいは月1含めて,相当の実態。しかも,それは進行していくだろう。さらに,学校が月1の週休2日,これが,来年,再来年には隔週ということになることだけは間違いない。しかも,近い将来は,毎週ということになることを予想せざるを得なかろう。そういったときに,いわゆる余暇利用という点で,家族で,地域でということを想定をして,もちろん市民局ばかりではありませんけれども,そこでの市民局の果たす役割,これは場所だけではないと思いますが,場の提供という点で大いに意識をしなきゃならぬ部分ではなかろうかと,こう実は感じます。  さらにもう一つは,少子化の問題について,単に働く女性,あるいは価値観の変化,あるいは核家族化,こんな形で片づけていいのだろうかと思えるような気もしている者の1人ですけれども,そんな点でも,市民局の果たす役割はないのだろうか。あるいは,健康。いま健康問題が本当に大きくクローズアップされておりますけれども,そんな点で,いわゆる余暇利用との連動をさせながら,そういった部分も意識をするとすれば,外だけではなく器という形での受け皿づくりにも,市民局としては,市民の健康ということにも大いに関心を持ってというようなことで,あれやこれやを意識をしながら,市民局が他部局と連携をとって,さあどうすると,こういうことになれば,現状のテンポでは遅過ぎはしまいかと。それともう少し単位を縮めた形で,施設の対応というものをすべきでないか,こう実は考えますけれども,そのことについての見解はいかにということでお聞きをします。  それから,子ども館の関係ですけれども,相当減少してきている。ある面では,表現悪いですけれども,谷間対応,いわゆる保育園,あるいは幼稚園の行政の立ちおくれをどう補完をするかという点で,原田市政の中で誕生したと。この役割というのは,よくわかるけれども,それから減少していって,さらに追打ちがかかっていこうと。そして,集団という形で,なかなか形をなし得ないというところまで行くのではなかろうかと,こんな思いをします。しかし,そのときに,即刻ばさっと切ってしまうと,路頭に迷うというか,集団を期待しているお母さん方の思いを,ある面では裏切ることにもなりかねない。したがって,そんな点では,僕は保育一元化という視点で,それを飲み込む体制というものを速やかにつくるべきだと。先ほど法体系からいって難しいなどということですぱっと答弁をされたのだけれども,そうではなくて,預かっている,あるいは施策を展開していっている立場で,いまの国の施策はどうも矛盾があると。だから,そんな点で,ぜひ改めてもらわなきゃいかぬよというようなことを含め,なおかつ,父母の負担というものを軽減する形での受け皿というものをどうつくっていったらいいかということで,国に対して物を申すぐらいの情熱を持っていいのではないかと思うのです。そんな点で,わずかといえども明らかに飲み込めるようなことを含めて,念頭に置いて,今後の見通しというものを立ててほしいものだと,あえて強く意見を申し上げておきたいと思っています。  今度は,保育一元化の問題なのです。  先ほども少し触れさせていただきましたけれども,幼稚園の実態どうなっていますか。表現悪いですが,人狩りという言葉が行き交うような状況にあることは,皆さんご存じのとおりだと思う。広域的に,小学校区などとはほど遠い単位の中で,幼児に入園いただくような働きかけをしていると,こういう現実の矛盾があるわけです。それから,保育園自体もいまや長時間保育という形で,とめどなくと言っては失礼ですけれども,大変な事態を招いている。しかし,私は,小学校区単位にこういった施設というものが計画的に配置されていくことが大事であろうと。そして,子供が少なくなろうとしているいまこそ,そういった点で大転換をするために,大いに検討をいただく時期ではないか,こう実は考えるわけですけれども,法体系だけではなくて,実践過程を踏んだ上でどう考えるかという点で,もう一回聞かせてもらいたい。 ◎高橋 地域振興部長  いま猪熊委員から,段々のお話がございました。私も,地域における連帯感の醸成でございますとか,あるいは地域福祉の増進と,こういう目標の中で,市民局がいろいろと他の部局に対してお話をしていくということについては,委員と同じような考え方を持っているわけであります。  いまお話にありました民生局における高齢化の問題,あるいは衛生局における健康づくり運動の問題,教育委員会における生涯学習の取組みの問題,こういったものがいろいろございまして,それは,それらの施策の中で独自に目標を掲げてやっておることではございますけれども,私どもも,コミュニティーの推進という立場から,これまでもいろいろと意見を申し上げてまいりましたし,その反映に努めてきたというふうに思っております。今後におきましても,区役所ともども,住民の視点から,そういうことに対してお話を申し上げていくつもりでございます。 ◎中平 青少年女性部長  一元化は難しいというようなことで片づけるなと,こういうご指摘であったのですけれども,確かに,おっしゃるご意見はよく理解できるわけでございますが,私どもといたしましては,やはりいろんな法制度上の問題もございますので,それらを含めた上で,先ほどもご答弁申し上げましたように,私ども青少年女性部としては,やはり幼児教育の諸政策のあり方について,総合的な観点で調査研究を進めていきたいと,こんなふうに思います。 ◆猪熊 委員  コミュニティーの関係で,時期的には大変ですよという点ではご認識いただけようかと思うのです,急がなきゃいかぬという点で。  それからもう一つは,単位町内会を中心にして集会施設をある面では大変な出費をしながらやってきている。それで,限度額を引き上げたり,単価を引き上げたりということで,それなりに努力をしていますと,こう言われました。現実の問題としては,そういった器の資金を集めることも大変ですし,建物を建てた後の維持管理もまた大変なのですね,これ。そんな点で,小出しすればいいという考え方は持っていらっしゃらないと思うけれども,現実として,経過を見れば小出し論なのですね。だから,いま,本当に将来をおもんぱかってやったときに,桂市政,そしてそのスタッフの面々というのは,あのときに思い切ってくれたからこそ,いま高齢化社会,こんなになったけれども,大したものだなと,次の世代の人方がこう語り合えるように,いま英断をするときでないかと,僕はそう思うのです。  そんな点で,単に限度額をぼちぼち上げるというのでなく,抜本的に検討されたらよかろうと思うし,それからもう一つは,自己資金を集めるという点で,集め切れないやつどうしているかといったら,銀行から借り入れている組織もあるわけですよ。ですから,そんな意味でいえば,無利子・無担保でそういう町内会に融資という形でお貸しをするというようなことを含めて,これを本当に考えていかなきゃ大変なことになるということで,僕はあえてこの機会に,根本的に検討いただくことを強く求めておきたいと,こう思います。  それから,仲よし子ども館の関係でいえば,検討・研究するなんて言っていたってだめなのですよ。法律というのは,国民のためにあるのですから,あんばい悪いなといったら,改めなきゃいかぬわけですよ。都合が悪いなと,要するに,国民一人一人のためになっていないなとすれば,改めていただくしかないわけですから。長く経過をして,状況が変わってきたとすれば,状況に合うように先行きを見通して改めるということは大事なことですから,そこを思い切って国に反映すると,こういう姿勢こそ大事じゃないですかと。これは,あえて強く意見を申し上げておきたいと思います。もう一つ,青少年女性部という点で,いわゆる母親対策,いま保育行政や,あるいは保健所行政の中でこれをやってきていますけれども,女性部と名のつく以上,そういった動きを十分承知しながら,しっかりと子育てを含めて,お父さんももちろん大事な視点ですけれども,お母さん方が子供たちとの信頼関係をもとにして,子育てができるようにという点で,女性部の果たす役割というのがあるということを念頭に置いて,この場合質問しません,大分意見出てきましたから,しっかり受けとめていただいて,これからの見通しについて検討をいただきたいということを強く申し上げて終わります。よろしくお願いします。 ◆飯坂 委員  私は,二つのテーマで質問をさせていただきたいと思います。  第2次女性計画についてと仲よし子ども館についてなのですが,それぞれ3項目ずつ質問ございますので,この場合分けて,順次質問させていただきたいと思います。  まず,第2次女性計画についてですが,ご承知のように,今年度で現10年計画が終了するというところから,現在,次期計画の素案作成の段階であると,先ほどもそういうお話がありました。計画策定の中心部隊となっております行政推進委員会,すなわち,木戸助役が委員長となり,教育長,市民局長を初め関係局長ら20名で構成している行政推進委員会や,あるいは各部長職35名で構成している幹事会などで,現在どういう議論がなされているのか,また,新計画の特徴は何か,まず明らかにしていただきたい,これが1点です。  次に,現計画は七つの主要課題を柱に,129項目の施策を掲げて進めてきたところでございますが,次期計画では,どんな柱立てで策定しようとしているのか。本年3月にまとめられました女性計画提言委員会の提言の中では,先ほどもお話ありましたように,男女共同参画型社会の形成を目指して,男女の固定的役割分担意識を解消,とりわけ男性の意識改革が強調されております。また,提言に先立って実施された市民意識調査の中では,市民が行政に求める女性施策のナンバーワン,そしてナンバーツーは,介護と保育体制,これは男女ともに1位,2位とが出ているわけですね。このことは,今日の市民の置かれている状況を反映していると思います。これら介護,保育行政の充実について,次期の計画にどう位置づけようとしているのか,お示しを願いたいと思います。  また,わが党がたびたび取り上げてきた政策決定の場への女性の積極的登用や,男女平等教育を推進するための教師用指導書や副読本の内容改善,充実,これらを図ること,さらには,提言委員会が,たとえばパート労働者の住民検診の促進など,各領域ごとに具体的な提言を行なっているわけですが,このような提言の内容を次期計画にどのように反映されようとしているのか,あわせて伺いたいと思います。まず,以上です。
    ◎中平 青少年女性部長  1点目の新計画の特徴でございますけれども,これにつきましては,長い歴史の中で築き上げられました「男は仕事,女は家庭」などの,男女の固定的な役割分担意識が,いまもなお慣習や慣行として社会に存在しておりますことから,これらの解消と,それに伴う,いまお話にありました男性の意識改革と自立,これを目指すことが特徴と考えております。  2点目以降でご質問ありました,提言や市民意識調査の結果を踏まえた柱立て等というようなことでございますが,基本的には,(1)といたしまして,あらゆる分野への男女共同参画の促進,(2)といたしまして,男女平等観に立つ教育と啓発の推進,(3)といたしまして,女性が働くための条件整備,(4)といたしまして,高齢化社会への対応と女性の福祉の充実,(5)といたしまして,健康の保持・増進と母性保護の推進と,これらの5本を柱として考えているところでございます。これらは,いま述べました計画の特徴とするところや,あるいは意識調査でランキングが上でございました保育,介護問題についても,体系的に位置づけをしており,男女の共同参画型社会の形成に向けての課題や,具体的な施策の展開をしてまいりたいと,こんなふうに考えております。 ◆飯坂 委員  ただいまのご答弁で,次期計画の特徴と五つの柱立てについてはわかりました。具体的な施策についての詳細につきましては,今後の原案策定を待たなければなりませんけれども,来年度から新10年計画がスタートするということで,この10年計画策定とあわせて,当面,初年度に当たる来年度,何から手をつけるのかと。これも同時進行で,いまの段階で進めていかなければ間に合わないというふうに思うのですよね。そこで,来年度の計画,何から手をつけていくのかと,このことについて,現段階で具体的に考えていることがあればお示し願いたいと思います。 ◎中平 青少年女性部長  初年度でどんなことをやるのかと,どういうことを目標とするのかと,こういうご質問でございます。  ただいまお答えを申し上げましたように,第2次女性計画の目指すところは,あらゆる分野における男女の固定的役割分担意識の解消と,くどいようでございますが,男性の意識改革と自立でありますので,男性向けを主体に,企業や家庭等を対象にした意識啓発が重要であると,こんなふうに考えております。  そんなことから,新計画のスタートの初年度といたしましては,男性意識啓発に関するパネルディスカッションの開催や,啓発誌の発行を検討してまいりたいと,こんなふうに考えております。 ◆飯坂 委員  男性の意識改革に重点を置いて,男性向け啓発誌などから手をつけていきたいと,こういうご答弁でしたけれども,男女共同参画型社会というのは,やはり具体的な実践の中で意識改革も進むのだろうと,こんなふうに私は考えているのです。それで,今後新計画案が策定された段階で,その具体的な施策も形となってというか,項目として的に出されてくるだろうというふうに思いますので,きょうの段階では,まだそこまで行っておりませんので,出た段階で,このことについてはまた議論を深めていきたいと,このように考えております。  次に,仲よし子ども館についてですが,先ほどの猪熊委員の質疑の中でも見直しなどという話があったわけですけれども,そこで,あらためて私からもお尋ねしたいと思いますが,1960年に発足した仲よし子ども館,ことしで34年目を迎えているわけですが,当初,開設したときの役割と,それからまた今日果たしている役割というのは,時代の流れに沿って,やはり若干変わってきているのかなというふうに,私自身も感じておりますので,まず,今日仲よし子ども館が果たしている役割についてどう踏まえているのか,これを明らかにしていただきたい。  それから二つ目は,現況についてですが,1クラスの幼児定数及び通館距離はどうなっているのか明らかにしていただきたい。  それから3点目は,先ほどの見直しの話ですが,現在120会場,これを来年度から20会場削減の100会場にする計画があるやに聞いておりますけれども,その理由は何か。また,そのことによって節減できる経費はどのくらいと見込んでいるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎中平 青少年女性部長  第1点目の現段階におきます子ども館の役割ということでございますけれども,仲よし子ども館は,一般家庭機能では果たし得ない集団の場を母と子に提供するという性格に加えまして,都市における家庭教育の補完機能を果たすという役割を持っているというふうに認識をしております。また,参加しております3歳児の母親といたしましては,幼稚園就園前の集団活動の体験の場としてとらえておりますので,子供を集団にならさせたいという意識が強いという現状にもございます。  2点目の1クラスの幼児数,通館距離等についてでございますが,指導員の幼児を受け持つ定数は,3歳児については23名,4・5歳児については30名でございます。また,子ども館への通館距離でございますが,歩いて通える範囲を基本としておりますが,一部においては,地形的,あるいは子供の数が極端に少ないなど,地域特性により,例外的に会場間の距離が最大で約3キロ離れている場合もございます。  3点目の統廃合の理由と経費の問題でございますが,子ども館への参加幼児数は,幼児教育機関の整備充実,あるいは幼稚園における2年保育の定着によりまして,4・5歳児は大幅に減少してきております。加えて,3歳児におきましても,3歳児総数が減少しているにもかかわらず,幼稚園入園者が増加している傾向にあり,子ども館への参加幼児数は減少してきております。さらに,今後におきましても,幼稚園教育の振興策などを考えますと,参加幼児数は一層減少していくものと予想されているところでございます。  このような減少傾向に対しまして,集団指導効果,あるいは行政効率の面から,当面の対応といたしまして,会場の統廃合をすることといたしまして,参加幼児数60から80名程度を標準規模として,極端な少数会場は統廃合の対象としたいと考えているところでございます。また,統廃合によりまして節減できる経費は,約1億2,000万円,人件費19名分で1億450万,運営費1,600万円と考えております。以上でございます。 ◆飯坂 委員  ただいまのご答弁で,子ども館が果たしている役割ということでご説明ありましたが,先ほど来お話が出ていましたように,核家族化,そして少子化,これが進行する中で,子育て中の母子対策としても,今日この仲よし子ども館の果たす役割は,一方では大変重要になってきているのでないかなというふうに思うわけです。子ども館を通じて,初めて同年齢の子育てをしている母親との交流が始まり,そして,日常生活においても孤立した子育てではなくて,やはり子育ての輪が広がる,母親の輪が広がるということが一つの魅力になっているわけです。会場削減ということになりますと,こうした母子交流の場が事実上失われていくのではないか,こういうふうに思うわけですけれども,このことは,仲よし子ども館の目的に照らして,逆行するというふうにお考えにならないのかどうか,これが1点目です。  それから2点目は,確かに,幼稚園の就園率というのは高まっていると思うのです。しかし,これ資料をいただきましたので見ましたけれども,5年度の幼稚園の就園率は3歳児で19.6%,子ども館は44.4%ということですから,2倍以上子ども館に通ってきているわけですよね。このことは,先ほど申し上げました母子同時参加という特徴とともに,父母負担の格差,これも大きな要因になっているのではないかなというふうに考えますので,現在,幼稚園と子ども館の父母負担,それぞれどの程度になっているのか明らかにしていただきたいと思います。  それから3点目は,先ほどのご答弁では,3歳児が23人,4・5歳児が30人と,こういう定数だということでしたが,ご存じのように,夏は野外の公園,そして冬は会館等のホールで行なっている子ども館としましては,母子参加といっても,1クラスの人数が多いのではないかと。幼児減少のこの時期こそ,1クラスの定員を減らしたクラス編成をすべきではないか,このように考えます。このことにつきましては,一昨年の委員会でもわが党の井上議員が,せめて20人以下のクラスにしてはどうかと,こういうことも申し上げているわけなのですが,今後の定数についてはどのように考えているのか,お示し願いたいと思います。  それから4点目に,通館距離ですけれども,歩いて通える範囲を目安にするということでした。しかし,この削減計画によって,歩いて通える距離が確保されるのだろうかと。削減計画によって,1キロ以上離れてしまう会場というのはどれぐらい生じるのか。また,最も遠くなる会場はどこで,何キロ離れることになるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎中平 青少年女性部長  1点目の会場の統廃合によって役割が逆行するのではないかという点でございますけれども,会場の統廃合につきましては,先ほど申し上げましたように,集団指導効果あるいは行政効率の面から行うものでございまして,子ども館の役割については十分生かされるものと考えております。  それから,2点目の費用負担でございますが,子ども館では,母親学習受講料として年1,800円,それから幼稚園につきましては,市立で月額8,000円,私立につきましては格差がありますが,標準的には約1万6,000円というふうにとらえております。  それから,3点目のクラスの受持ち定数でございますが,3歳児1クラスの受持ちにつきましては,従前から検討してまいりましたが,保育所等,他の幼児教育機関を参考に,現在23名を平成6年から20名にしたいと,こんなふうに考えております。  それから,4点目の会場の統廃合に当たって,全市的な視点から,通館距離及び交通の利便等を総合的に勘案し,最も効率的な会場配置を行うことにしておりますけれども,お尋ねのありました1キロ以上になる会場は9会場というふうに考えております。  それから,一番遠い会場につきましては,丘珠ひばりの3キロメートルというところでございます。以上でございます。 ◆飯坂 委員  削減計画の目安にしている1会場60人から80人ということなのですが,これも余り根拠ないと思うのですよね。仮に,この仲よし子ども館の1会場が40人・50人なら意味がないということにはならないというふうに思うのですよ。要するに,削減するために,60ないし80という基準を設けて,それに合わせて統廃合するというふうに受け取られても仕方がないのではないかなというふうに考えます。しかも,いまお話ありましたように,削減によって1キロ以上離れる会場が9会場も生じる,あるいは最も遠いのは丘珠ひぼり,これは東区ですよね,これが日の丸公園に行かざるを得ないとなりますと3キロ,当然これ,歩いて行けませんからバスを使うと,こういうふうになろうかと思います。しかも,冬の場合は日の丸会館に通うにしても,吹雪などで大変積雪量も多い丘珠の地域で,3キロ通えというのは,これは統合ではなくて,結局廃館を意味することになるというふうに思うのですよね。ですから,人数だけで機械的に統廃合するというのではなくて,利用者の立場に立って,やはり必要なところは存続させるということが必要だというふうに思いますが,この点についてはいかがでしょうか。 ◎中平 青少年女性部長  先ほど来ご答弁申し上げていますように,会場の統廃合につきましては,やはり参加幼児数が60から80名程度を基準規模というような考え方で,繰返しで申しわけございませんが,集団指導効果,行政効率の観点に立ってやっていきたいと,こんなふうに考えております。 ◆飯坂 委員  行政効率という言葉がここで出てくるというのは非常に残念だというふうに思うのですが,いずれにしましても,この削減計画で節減できる経費は1億2,000万でしたか,これは最大減らした場合の試算だというふうに思いますけれども,この1億2,000万がなければ,札幌市政が成り立っていかないというような額ではないと思うのですよね。そういう点では,今日の子育て環境のもとで仲よし子ども館が果たしている役割,このことについてもう一度見直しをして,市民ニーズがある限り,削減の方向というのではなくて,むしろ内容の充実改善,こういう方向で努力していただきたいと思います。先ほど来,父母負担も,子ども館は年1,800円,幼稚園については,月額で8,000円とか1万6,000円ですから,年にしますと,奨励金があるとしても,公立で,年額にしますと9万6,000円,私立ですと19万2,000円と,こういうことですから,3歳から3年保育をさせたいと思っても,なかなかかなわないと。経済的にもそういう負担はできないという世帯もやはりあると思うのですね。そういった意味では,ぜひその点も考慮して,子ども館の存続ということで,再検討をしていただきたい,そのことを申し述べて終わります。 ◆荒川 委員  私は,端的に,舟券売り場の問題でお尋ねをします。  舟券売り場の問題については,いまから5年前に清田地区に設置の動きが出て,地域では大問題になって,当時の板垣市長も地元の反対の声に積極的にこたえる形で,関係行政機関などへも申入れをしたという経緯があります。そして,それが4年前に,今度は薄野地区に進出の動きが出てきて,町内会などに一応の説明がされたという段階で,薄野の環境問題としても,道営競馬の馬券売り場とあわせて,この舟券売り場については反対だと,こういう声が強く出されて,これが立消えになったという経緯がありますが,最近,9月の末,各新聞が一斉に,中央区の南4条西11丁目,以前4条市場という古い歴史のある市場があった場所を8階建てのビルディングにして,その1階はパチンコ屋,スーパー,2階・3階を競艇の券売所にするというような地元に対する説明があったと。市に対しても,そういう申入れがあったという報道がなされました。私も,事前に市のほうから,どういうことなのかお聞きをしております。ことしの6月に,大阪の瑞穂グループという企業,それから,この建物敷地を確保している地元の内山建物,そして,地元商店街の一部の役員,こういった方々が市に説明に来ている。そのときに,市民局の地域振興部ですけれども,過去の事例などについても説明をし,札幌市の基本姿勢というものも話したということで,その後,市に対しての動きはないのだと,こういう話なのですが,新聞報道などによっても,地元には一定の説明がされて,しかも,それに対して地域環境の悪化を懸念する住民が反対の運動に立ち上がると,こういう状況にもなってきているということでもありますので,これはやはり,きわめて重要な問題だというふうに思うのです。  そこでお尋ねしたいのは,この競艇の舟券売り場を設置しようというこの動きをどうとらえているのか,施行者となる自治体は一体どこになるのか,そこら辺の状況についてお示しいただきたいし,地元の反応についてどのように掌握しているのか。また,本市の対応の基本について,あらためてこの場でも明らかにしていただきたい。以上です。 ◎高橋 地域振興部長  いま荒川委員から,これまでの経緯についてお話がございましたけれども,全くそのとおりでございます。その中で,どこの自治体がおやりになるのかとか,あるいは開設予定年月日でございますとか,こういうものは私どもには明らかにされておりません。これは,民間企業が行えるものではなく,自治体である競技施行者のみが行え得ることでございますけれども,ここからは何ら連絡がございません。したがいまして,私どもでは,公式にお話を伺ったという状況にはないわけでございます。  それから,本市の基本姿勢でございますけれども,これは何度も前市長の時代からお答えをしておりますし,現市長も一昨年本会議でお答えをしておるとおりでございますけれども,公営競技についての競技場,あるいは場外発売場,こういうものの設置については,あくまでも地元住民の意向というものを尊重しながらでございますけれども,抑制するという立場で対処してまいりたいということは,繰返し申し上げているところでございます。  それから,地元の反応ということでございますけれども,私どものところへお話に来られたのは6月の半ばと先ほど委員からもお話がございましたけれども,9月の半ばごろから,この地元への説明が持たれたようでございます。現在,私どもの知り得る範囲では,地元の連合町内会を中心として,これには反対の意思を表明しております。 ◆荒川 委員  こういう動きは,いつの場合も大体同じような動きになってくるのですよね。私,4年前の薄野地区での動きについてお話ししましたけれども,いまから4年前の8月29日の新聞のコピーを私ここへ持って来ましたけれども,市にはきちんとした形で説明がないけれども,地元にはこういうことをやるといって説明に入ったと。それで,地元では,地域の振興にとってそれもいいのではないか,いや,環境悪化につながるという両論が出ているというような,新聞記事のほうが先行してくるのですよね。  今回の場合も,やはり市に対しては公式の申入れというか,要請というか,それではないのだと。大体にして,公式のそういう話というのは,施行者である自治体がやるものなのだと,こういう部長のお話ですが,行って地元で説明をし,様子を見て大体いけるなという段階になって初めて,その施行者である自治体が顔を出してくるということになるのじゃないのかなと。これは清田の場合も,それから薄野の場合も,どこが施行者であるか,どこの自治体が開催者であるのかというのはわかりませんでしたよね。だから,そういう意味では,私は,いまのこの動きというものを軽視するわけにはいかないなと思っているのですよ。  それで,今後どういうふうな形で具体的になってくるか,地元の連合町内会もこれに反対の意思表示を行なっているという状況ですから,この問題についての対処方針というのは,明らかだと思うのです。部長から,札幌市の基本姿勢は変わらないと。地元の意向を尊重しながら,ギャンブル施設については,新たなものについてはこれを抑制すると,それが札幌市の基本姿勢だと,こういう話があったのですが,そういうことであれば,やはりいままでもやってきたように,もっと踏み込んだ市の対応が,もうあってもいいのじゃないかなと,私は思うのですよ。  この点について決められているのは,地元の同意,それから警察の同意というものを証明する書類を付して運輸局のほうに申請すると,こういうことになっていますよね。その地元の意向とのかかわりで札幌市の対応があるということなのですが,亡くなった板垣市長は,そこのところについては,これはいまから5年前の第2回定例会で非常に明快に答えています。地元ということについての定義づけもこう言っていますよ。これは清田のときの問題ですけれども,「本市といたしましては,単に清田地区を中心とした生活圏の問題としてではなく,安全快適な都市の全体イメージと健全な市民生活を保持する上から,世論の動向や議会の意見等を尊重し,対応していきたい」と言って,具体的に市としても反対だと,だめだという申入れを関係行政機関には行なっているのですよ。地元というのは,単に町内会だけでないよと,札幌市の都市のイメージということも含めて,市全体で,この問題については受けとめるのだと,こういう対応をかつてしてきているわけですし,あの道営競馬の馬券売り場の決着がついた2年前の本市議会の総務委員会でも,ギャンブル施設に対する札幌市の対応は,いささかも変わらないと,基本姿勢は同じだということを当時の市民局長が述べて,けりをつけているという経緯もありますので,もう一歩踏み込んだ,この問題に対する市の対応についてもお示しいただけませんか。 ◎高橋 地域振興部長  競艇に関しましては,競馬あるいは競輪と違いまして,地元市長の同意というものが前提となっていないものであるのはご承知だと思います。これは,運輸局長の行政指導に属する範囲のことというふうに私どもはとらえております。そういう中で運輸大臣の確認を受けるには,地元と管轄警察との調整がとれていることを証明する書類,こういうことを言っているわけであります。その場合の地元と申しますのは,板垣前市長がお話し申し上げたのは,これは札幌市役所としての,札幌市長としての姿勢でありますけれども,運輸局長あるいは運輸省の言っている地元というのは,いささか意を異にしているのかと思っています。これは,あくまでも影響を及ぼす範囲と,こういうような言い方をし,それは運輸局長の判断にゆだねることとなっているわけでありますけれども,そういう中で,最低限,地元の連合町内会単位というのは,私どもとしては,最も小さい単位だろうというふうにとらえているところであります。  今後は,そういった中で,どのように行なっていくかということでありますけれども,これは,運輸局にも確かめておりますけれども,まだ運輸局でも話を聞いておりません。したがいまして,これが今後どういう展開をするかということになるとすれば,地元がすでに反対の意思を表明している以上,これ以上進まないのではないかというふうに私ども判断しているところでありますけれども,なお,さらにいろいろなことが起きるとすれば,それぞれの時点で適切な対処をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆生駒 委員  2点ありますが,文化の問題と地震災害対策に関してです。  それで,先に文化の問題をやらせてもらいたいと思います。  4・5年度の埋蔵文化財の発掘調査についてですけれども,北海道,特に札幌は,開拓の歴史からが歴史であるかのようなということで,北海道の歴史,札幌の歴史の空白の部分をはっきりさせていくという点で,地味ではありますけれどもきわめて重要な仕事だという点でお尋ねしたいのです。4・5年度の埋蔵文化財の発掘調査ですけれども,学術的な整理という点では時間がかかりますので,いまはっきり言える点でお尋ねしたいと思うのですが,一つは,4年度に手稲富丘地区に遺跡が出ておりますが,その特徴は何か,これは簡単でいいです。  二つ目には,札幌里づくり事業内で遺跡が出ておりますですけれども,その特徴は何かと。特に,札幌の北部低地では,いまから1,000年ほど前の擦文時代のものが出るということでありましたけれども,今回は約2,000年前のものが出ているということですが,特にこの遺跡の発見の意義についてお尋ねしたい。  3点目は,平岸の児童会館建設用地から,狭い地域に密集したお墓や住居址が出たと。4,000年ほど前のものというのが定説でありましたが,これももっとさかのぼるという点で,どういう特徴を持つものか。また,天神山遺跡というのはすでに有名でありますけれども,山の上にある遺跡とのかかわりはどうか。  それから四つ目には,これらの調査のまとめ,そして報告書はいつごろになるか。  5番目には,発掘調査出土品については,やはり現地に置くというのが非常に重要,その前には,本当は現地での保存ということが一番大事なのですが,発掘された以上,これがどこか1ヵ所に集められると。現地から離れてしまうということでなくて,やはり現地で見れる,そこで勉強できるというふうにすることの重要性を私は言ってきましたけれども,これはできる限り地元での展示というふうにしてほしいと思うのですけれども,この問題ではどのように取り組まれてきたか。平岸のやつは,現地,新しい児童会館に展示をしてほしいと思いますが,どうなるのかという点です。 ◎長嶋 文化部長  平成4年・5年度の埋蔵文化財の発掘調査につきまして,お答えを申し上げます。  まず,手稲富丘地区では,縄文時代中期約4,000年前,後期約3,000年前,続縄文時代中ごろ約1,500年前の土器や石器とともに墓跡を36個発掘いたしております。  次に,東区丘珠地区では,昔の豊平川左岸の自然堤防上の遺跡を発掘いたしました。上層からは,札幌の北部低地に一般的な擦文時代約1,000年前の竪穴住居跡11件を発掘し,その50センチから1メートルほどの下層からは,続縄文時代初頭約2,000年前のたき火跡 150ヵ所以上と,多数の土器・石器を発掘いたしております。従来は,札幌の北部低地に人が住み始めたのは約1,000年前からと考えられておりましたが,今回の発見で,さらに1,000年以上も古くなることが明らかとなり,札幌の地形の形成を明らかにする上で貴重な発見と言えます。たき火跡からは,多数のサケの骨が発見され,この地が,サケ・マスの,いわゆる漁業基地として使われていたのではないかと推測いたしております。  また,平岸地区は,昔から生活に快適な環境であったと思われ,約8,000年前の縄文時代の初めから続縄文時代までの各時期の土器・石器とともに墓跡165個,住居跡11件を発見いたしております。今後の整理作業を通して,遺跡の性格づけを行う予定でおります。  これらの報告書につきましては,手稲富丘地区は今年度,その他の地区は平成6年度に作成する予定でおります。  発掘出土品は,従来から発掘地や,その近隣の児童会館や小・中学校などで展示活用をいたしております。今後も平岸地区の新設の天神山児童会館を初め,多くの施設に展示し,活用を図る方針でおります。以上であります。 ◆生駒 委員  いまのはそういうことで,ぜひ平岸児童会館にも展示ができるようにしていただきたいと思います。  次に,地震災害対策に関してですけれども,個々,どういう対策をとるかという計画の問題ですが,これはいろいろ感じた点で言うと,計画の見直しが必要ではないかというふうに思った点がありましたので,その点をお尋ねしたいと思うのです。  現在の地域防災計画の中に地震対策というのが入っております。その内容は,昭和56年に発行された調査報告書というのが前提になっているようですけれども,この地域防災計画の中では,想定地震が十勝沖地震と石狩湾地震(直下型),これを想定してつくられているということです。  そこで,お聞きしたいのは,石狩湾地震は,市の計画ではマグニチュード7,道の計画では6.75になっています。この違いは一体どういうことかということをお尋ねしたいのです。  2点目は,本市の計画では,地震の強さがマグニチュード7でありますけれども,震度は5となっております。道の計画では,マグニチュードが下がって6.75であるのに,震度は6となっております。この震度の違いの理由,どういうふうに考えたらよいのかお尋ねしたい。  それから三つ目には,震度1の違いは,6,7を直下型で受けたことは,われわれありませんから,実際どうなるのかということですが,この震度1が6と5の違いで乖離して,それを想定してやっていた場合,被害想定が違ってくるのではないかと思います。その点で,本市が低く見ているのはなぜなのか。それから,震度1の違いでは,やはり想定の違いについて変えなきゃ,想定被害に相当の狂いが出てくるので,対応が違うのじゃないかと思うものですから,この点,どういうふうに考えているか。  それから四つ目には,道と市との計画の整合性という点で,これは一体どう考えたらいいのか,見直し,あるいは調整ということが必要ではないかというふうに思っているものですから,お尋ねをしたいと思います。 ◎新見 交通安全防災対策室長  ただいま,北海道と札幌市の想定地震のマグニチュードなり震度なりの違いについて,どうなのかというご質問でございますが,札幌市の地域防災計画の地震災害対策につきましては,その策定に当たりましては,昭和33年・34年の,2年度にわたって,札幌市地震対策基礎調査を専門家に委託して行いまして,その結果を昭和56年3月に作成され,報告書という形で出てまいりましたので,それを基本にしたところでありますが,その中で,日本海側の想定地震は,天保5年,西暦で言いますと1834年でございますけれども,天保5年の石狩地震をモデルとして,札幌市及びその周辺の地震活動の研究成果に基づきまして,札幌市と地震の震央との距離を70キロメートルとした石狩湾地震を想定して,そのマグニチュードが7クラスと想定したものでございます。  一方,北海道におきましては,札幌市よりもおくれて昭和63年3月に,北海道における地震災害の地域特性に関する調査研究というものを,これも専門家に委託して行いまして,当市と同様に,天保5年の石狩地震をモデルといたしまして,それをそのまま想定地震として設定しまして,マグニチュード6.75というふうにしたものでございます。  いずれも,そのモデルとなりますのは天保5年の石狩地震を基準として想定されたものでございますが,結果として違いがあるということは,調査の手法,またはまとめの手法,また,調査機関等の相違のためではないかと思われます。なお,札幌市の表現につきましては,そういう面で若干幅を持たせたマグニチュード7クラスというふうにしたものと理解しているところでございます。  次に,想定地震の違いと被害の関係のご質問でございますが,いまも申し上げましたとおり,札幌市も北海道も想定モデルは天保5年の石狩湾地震ということで,いろいろな古文書などの記述から,諸現象を調べた結果,マグニチュードが6.7程度と。その震度は,札幌では震度5程度であったろうと推定されておりまして,これは道も札幌市も同じ立場に立っております。そのモデル地震をもとに,想定地震を算出したわけですが,本市の場合は,市内の地盤を172ヵ所の統計区ごとに調査し,その地表面の最大加速度を求めて,出た結果が,気象庁の震度階では震度5に相当するということで,震度5の想定をしているところでございます。  一方,北海道の場合は,想定される震度分布を札幌市,小樽市,石狩町,厚田村等々,石狩湾を取り囲む広い区域としてとらえまして,札幌市内では,北大構内1ヵ所のみでしたけれども,この広い区域11ヵ所の地下構造調査を実施した上で,震度分布を最大震度6というふうに想定したということでございます。  したがいまして,札幌市も,北海道が行なった調査も,いずれも震源が石狩湾という想定をし,また,地震の規模も同様の地震を想定しているものでございますが,震度の相違につきましては,その調査の手法なり,算出する手法の相違というものであると考えております。また,一般的には,震度5よりも震度6のほうが被害が大きくなるということは,私も十分認識しているところでございます。  そこで,北海道と札幌市との想定地震の整合性の問題になってくるわけでございますが,北海道では,「北海道の想定地震との整合性を図る必要があると考えるが,現時点では,調査の時期や想定のための手法の違いから,専門家などの意見をまたざるを得ない」というような見解を示しておりますし,また,釧路沖地震や今回の南西沖地震の教訓をもとにしまして,地震対策に関する調査研究を行なって,北海道の地域防災計画に反映するよう検討したいということも聞いております。  いずれにいたしましても,本市といたしましても,北海道の地震に関する調査研究の結果を参考にいたしまして,この想定地震の整合性も含めて北海道とも十分協議し,また,連携をとりながら,札幌市の地震対策を推進していきたいと,このように考えているところでございます。以上でございます。 ◆生駒 委員  要するに,地震の予知ということが大変難しいということです。しかし,われわれ素人からいうと,いまの説明では,わかったような気もするけれども,やっぱり違いがありますからよくわからない。それから,7にしたのもおおむねにしたりということで,かなりいい加減と言ったら専門家に怒られますけれども,そういう要素がかなり強いというのはわかります。  それで,特に,この被害想定が出ている中で大きい問題は,液状化なのですね。つまり,水と砂の層で,そこの地盤が崩れると。場合によっては,砂の層が水と一緒に地表に飛び出すと,つまり,緩くなって建物が倒れたり,片方だけ行くとそっちがつぶれるとか,これのことで,想定被害の数字も載っておりますけれども,これまた難しい問題で,東京方式だとか愛知県方式とかいうものがあり,特に液状化現象によるものが圧倒的にそれを占めていますが,人的被害は東京方式では負傷者153,死者80,これは札幌のことですけれども,愛知県方式では負傷者1,906人,死者140と,こういうふうに違ってきます。  それで,いま言ったこの震度によっての違いが生じてくるという問題と,それから,液状化危険地域というものが,この調査では図面で示されております。それで,先ほども出ていた天保5年の,いまから149年前ですけれども,石狩湾の地震ということですが,実は,この調査報告の中に出てくる液状化現象の想定地域は,茨戸の一部,篠路の一部,手稲前田の一部というふうにして,北方地域ですね,札幌の北の部分。そこで,いわゆる液状化の状態が北大遺跡の中から出てきたという発表があります。こうしますと,いわゆる液状化が,いま地震考古学というものが正式にあるのかどうかわかりませんけれども,あって,たとえば応神陵なんかが断層で一部崩壊が起きて,定型の前方後円墳でなくなっているとか。つまり,年代と合って,そういう地震があったというのは遺跡の中に出てくると。これは北大遺跡の中に出てきた。液状化が遺跡の中にはっきり出ていると,こういう研究が発表されました。  そうすると,現在の計画で,札幌北部のほうにしてもあくまでも想定なのですよね。ですから,そう見ますと,北大というふうになってきますと,北区の密集市街地等にまで,過去はこういう状態があったと。そうしますと,液状化危険地域が広がらないかと。いまの示したままでよいのかどうかという点が心配になってくるわけですけれども,この点どうお考えになるか。  それから2点目は,被害想定の中に出てくる目安というか項目は,先ほど言った人的被害,それから火災等も出てきます。あと,建物でいうと木造建築物しか出てこないのですね,この被害想定の数字の中に。これでいいのかなというふうに思うのです。というのは,特にこれも液状化との関係ですから,新潟地震で,5階ですか4階ですか,コンクリートの棟が見事にひっくり返っていますね。建物が壊れもしないでころんとひっくり返ってしまうというのが出ています。そうすると,木造建築物の被害想定だけでいいのかどうか。対象に入っていない理由は何なのか,この辺をお尋ねをしたいなと思うのですけれども。 ◎新見 交通安全防災対策室長  液状化の危険地域の問題についてのご質問でございますけれども,先ほどお話ししました,本市が委託をして実施しました札幌市の地震対策の基礎調査では,札幌市の全市域の地盤を36のモデルに分類しまして,また,先ほども言いました172の統計区ごとに,そのモデル地盤における液状化の危険度を調査し,その結果として,北部の一部の地域において液状化の危険性があるというふうに判定しているものでございます。  ご質問にもありましたように,北大農場の敷地の埋蔵文化財の発掘現場から,150年前の地震の液状化の跡が見つかったということは,われわれも承知しておりますけれども,その天保の地震から150年と現在とでは,液状化の発生要件であります地盤ですとか地下水位などの諸条件も変化してきているとも考えられますし,また,建物などの基礎構造等も改善されていると思われますので,一概に危険であるとは言えないのではないかと。本市といたしましては,専門的な立場に立って判定されました調査結果を尊重してまいりたいと,このように思っているところでございます。  また,液状化に関しての,高層ビルを含めた危険地域に関する見直しの点でございますけれども,本市の基礎調査の結果では,鉄筋・鉄骨のコンクリートの耐火構造物の危険度につきましては,「液状化危険地域と粗悪な宅造地を除いて,その構造自体の損壊は,ほとんど想定されない」というふうに,地域防災計画ではそういうふうな被害想定をしております。ただ,液状化などの軟弱な地盤への中高層建築物の建設に当たりましては,建築士が事前の,地盤調査などに基づきまして,建築基準法なり建築構造基礎設計指針等によりまして,構造計算を行なって安全を確認して設計しているということで,被害の防止を図っているところでございます。  しかしながら,本市の被害想定も約10数年前に想定したものでございますし,その後の都市基盤の整備などが進みまして,また,都市環境も変化しておりますので,先ほども申し上げましたように,北海道の地震対策に対する研究の結果なども踏まえながら,液状化の問題も含めた本市の被害想定についても,なおまた研究してまいりたいと,このように思っております。 ◆生駒 委員  いまそういうふうにお答えになりましたけれども,150年たって大分変わっているということです。それはそうだと思います。  それで,札幌扇状地というのは函館本線までで,あれを過ぎると,ずっと湿地帯だったのですね。したがって,旧琴似川というのが北大の中を通って,それに対する支流がケネウシ川とか,それからサクシュコトニ川とか,無数の名のない川もあるし,名前がつくだけでもこれだけありますし,そういう地帯なのですよね。だから,液状化の問題で危険だと言われるのは,2メーター程度のところに地下水がたまって,俗な言葉で言いますと砂を溶かすということで警戒するということですけれども,10メーター下の地盤が実際どうなっていて,地下水脈が実際どうなっているかという問題は,150年たって大分水は引いただろうというのですが,地下10メーターまで引いたのか,そういったものの調査は実際やられたのかどうかということにもなりますけれども,やっぱり不安はあるわけです。そうなりますと,特にそういう地下水脈が二,三メーターのところにはないけれども,10メーターのところに出てくるということになると,それが今度コンクリートの土台部分になってくるわけです。そういう関係で,そこは大丈夫かという問題が実際出てくるわけですね。  ですから,これはいまの答弁では,専門的にもう少し深めていくというか,そういう必要性も言われましたので,いずれにしても,整合していない問題やこういう問題は,もっと煮詰めていく必要があるだろうというのが僕の感想です。  それで,地震計の設置,地震予知の観測体制をやっぱり国,道に要望して,特に日本海側,北海道関係の奥尻のああいう地震もありましたけれども,結局ないのですね,こっちに一つも。お金が相当かかるという話も聞いていますが,この辺,言ってみれば,日本海側というのは地震が少なかったので大したことはないという意識が強いのですが,しかし,実際に地震を起こすのは活断層で,これがかなりの数で海底にあるということが映像で出されましたね。そういう発表をされる機会が余りなかったのです,地震が少ないということで。  したがって,そういう状況もありますから,ぜひ観測体制を強化する,これを国や道に働きかける。予知というのは非常に大事なのです。その点で,ぜひ働きかけていっていただきたいと思うのですが,この点でのご答弁をいただきたいと思うのです。 ◎新見 交通安全防災対策室長  日本における地震予知に関しましては,地震予知連というところがございまして,そこで中長期的な見通しを立ててやっているわけでございまして,その中では,全国に8ヵ所の特定観測地域と2ヵ所の観測強化地域というのを指定しております。北海道におきましては,釧路や根室地域の北海道東部が特定観測地域と予知連に指定されております。そういう形で,国が責任を持った体制で,各関係省庁とも連携をとりながら,国が観測の強化に取り組んでいるところでございます。  また,そういう中で,ことしの7月に地震予知連絡会の特定観測地域部会で,いまのそういう特定観測地域について見直しを検討したいというふうな動きになっております。そういう新聞報道もされておりまして,今回の北海道の南西沖地震なども基礎データとして参考にしながら,本道の日本海側を含めた検討がなされるだろうというふうに言われておりますので,それらの動きなり,北海道の防災会議地震専門部会において,最近の地震活動などの報告等を受け,いろいろ打ち合せしている経緯もありますので,それらの推移を見守りながら,札幌市といたしましても,北海道に対して機会をとらえながら伝えてまいりたいと,このように思っているところでございます。 ○加藤[斉] 委員長  以上で,第3項 市民生活費等の質疑を終了いたします。  次に,第5款 労働費 第1項 労働費中関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが,10月15日午後1時から,教育委員会のうち総務部,学校教育部,教育研究所及び高等専門学校事務局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもって終了いたします。              ──────────────                散 会 午後5時41分...