札幌市議会 1993-03-01
平成 5年第 1回定例会−03月01日-02号
平成 5年第 1回定例会−03月01日-02号平成 5年第 1回定例会
平成5年 第1回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 2 号)
平成5年3月1日(月曜日)
――――――――─――――――――─
〇議事日程(第2号)
開議日時 3月1日 午後1時
第1 議案第1号から第50号まで(市長提出)
議案第51号(
共産党所属議員全員提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成5年度札幌市
一般会計予算
議案第2号 平成5年度札幌市
土地区画整理会計予算
議案第3号 平成5年度札幌市
団地造成会計予算
議案第4号 平成5年度札幌市
母子福祉資金貸付会計予算
議案第5号 平成5年度札幌市
寡婦福祉資金貸付会計予算
議案第6号 平成5年度札幌市
国民健康保険会計予算
議案第7号 平成5年度札幌市
老人医療会計予算
議案第8号 平成5年度札幌市
基金会計予算
議案第9号 平成5年度札幌市
公共用地先行取得会計予算
議案第10号 平成5年度札幌市
砂防用地先行取得会計予算
議案第11号 平成5年度札幌市
交通災害共済会計予算
議案第12号 平成5年度札幌市
公債会計予算
議案第13号 平成5年度札幌市
病院事業会計予算
議案第14号 平成5年度札幌市
中央卸売市場事業会計予算
議案第15号 平成5年度札幌市
交通事業会計予算
議案第16号 平成5年度札幌市
高速電車事業会計予算
議案第17号 平成5年度札幌市
水道事業会計予算
議案第18号 平成5年度札幌市
下水道事業会計予算
議案第19号 札幌市
職員定数条例の一部を改正する条例案
議案第20号 札幌市職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第21号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第22号 札幌市
勤労青少年ホーム条例の一部を改正する条例案
議案第23号 札幌市
写真ライブラリー条例案
議案第24号 札幌市
精神薄弱者更生相談所設置条例案
議案第25号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第26号 札幌市
水道事業給水条例の一部を改正する条例案
議案第27号
札幌市立高等専門学校の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第28号 札幌市
消防団条例の一部を改正する条例案
議案第29号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第30号 平成5年度
当せん金付証票の
発売限度額を定める件
議案第31号 札幌市
事務分掌条例の一部を改正する条例案
議案第32号 札幌市職員の
公務災害等に係る給付に関する条例の一部を改正する条例案
議案第33号 札幌市福祉地区及び福祉に関する
事務所設置条例等の一部を改正する条例案
議案第34号 札幌市
保健所設置条例の一部を改正する条例案
議案第35号 札幌市
屋外広告物条例の一部を改正する条例案
議案第36号 札幌市建築物における駐車施設の附置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第37号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第38号 札幌市地区計画及び再
開発地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第39号 札幌市
下水道条例の一部を改正する条例案
議案第40号 財産の処分の件(
土地区画整理事業用地)
議案第41号 市道の認定,変更及び廃止の件
議案第42号 二級河川の指定及び指定廃止についての意見に関する件
議案第43号 平成4年度札幌市
一般会計補正予算(第7号)
議案第44号 平成4年度札幌市
土地区画整理会計補正予算(第3号)
議案第45号 平成4年度札幌市
団地造成会計補正予算(第1号)
議案第46号 平成4年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第2号)
議案第47号 平成4年度札幌市
公共用地先行取得会計補正予算(第2号)
議案第48号 平成4年度札幌市
公債会計補正予算(第5号)
議案第49号 平成4年度札幌市
下水道事業会計補正予算(第3号)
議案第50号 財産の取得の件(学校用地)
議案第51号 札幌市
民間賃貸住宅家賃等助成条例案
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〇出席議員(69人)
議 長 見 延 順 章 君
副 議 長 湊 谷 隆 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 長 内 順 一 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 井 上 ひさ子 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 滝 沢 隆 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
――――――――――――――――
〇欠席議員(1人)
議 員 唯 博 幸 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 杉 本 拓 君
助役 木 戸 喜一郎 君
助役 魚 住 昌 也 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長三 海 弘 君
水道事業管理者水道局長石 原 弘 之 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 田 中 良 明 君
財政局長 久 元 喜 造 君
市民局長 本 間 雄 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 大 野 雅 弘 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 井 原 貴 男 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 竹 田 保 君
消防局長 前 田 悦 雄 君
教育委員会委員 山 本 順 子 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 向 川 武 夫 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 西 村 公 男 君
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 坂 野 嵩 君
記録主幹記録係長事務取扱
谷 川 輝 雄 君
調査係長 深 村 康 雄 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 高 森 政 行 君
委員会一係長 山 内 馨 君
委員会二係長 野辺地 正 君
書記 木 内 二 朗 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 今 井 一 行 君
――――――――――――――――
〔午後1時開議〕
○議長(
見延順章君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,68人であります。
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) 本日の
会議録署名議員として西村茂樹君,武藤光惠君を指名します。
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
唯 博幸議員は,所用のため本日から3月3日までの会議を欠席する旨,届け出がございました。
去る2月23日,
人事委員会委員長から,議案第20号 札幌市職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例案及び議案第32号 札幌市職員の
公務災害等に係る給付に関する条例の一部を改正する条例案に対する意見書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程,
請願受理付託一覧表及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第51号までの51件を一括議題といたします。
ただいまから代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。青木 護君。
(青木 護君登壇・拍手)
◆青木護君 私は,ただいまから,
札幌市議会平成5年第1回定例会におきまして,
自由民主党議員会を代表し,真摯に市民の立場に立って,また,躍進を続けるわが札幌市政のさらなる発展を願ってご質問いたします。
市理事者におかれましては,21世紀に向かって思い切った変革を決意され,さらには
桂市政折返し時点のいまこそ,将来の札幌市のあるべき姿を見通した桂市政の特色を打ち出すべきだと考えますので,思い切ったご答弁をくださるよう,冒頭お願いしておきます。
初めに,財政問題についてお伺いいたします。
わが国の経済は,いわゆる
バブル経済の崩壊に端を発した景気の後退局面から,依然として脱却できない状況が続いております。経済企画庁が毎月発表しております
月例経済報告におきましても,景気に関する総合判断について,本年1月以降は,従来の「減速感が見られる」という表現から「引き続き低迷している」という表現に変わっております。
そこで,こうした状況を受けた国の平成5年度予算は,公債残高が平成4年度末で176兆円を上回る見込みであるという,
わが国財政の構造的な厳しさに加え,景気低迷による国税収入の落込みなどから,
一般会計予算の規模は,前年度に比べ0.2%増の72兆3,548億円と,6年ぶりの超緊縮予算となったのであります。
その特徴としては,税収の大きな落込みの中で,景気にも十分配慮しながら,
建設国債発行額を過去最高の8兆1,300億円として,社会資本の整備の促進を図ることとしております。
また,
地方財政計画に目を転じますと,総額の伸び率は2.8%にとどまっており,やはり地方税の伸悩みや
地方交付税の減額の中で,地方債の発行により景気浮揚のための各施策を講ずるなど,地方財政も国と同一の基調となっております。
以上のような厳しい経済情勢の中で,まず本市の景気動向を見てみますと,
大型小売店や百貨店において,期待された歳末商戦が不発に終わって,その販売額が対前年度比7%台の減となるなど,引き続き個人の消費が振るわない状況となっていることや,倒産件数が相変わらず高い水準となっていることなど,全国と同様,景気の低迷が続いているところであります。
また,平成4年度の歳入を見てみますと,
法人市民税や
利子割交付金などについて大幅な減収が見込まれることから,市長は,このたびの議会に市税収入などを80億円減額する
補正予算を提案され,それに伴い,昭和57年度以来10年ぶりに
減収補てん債の発行を余儀なくされるなど,大変厳しい財政運営を強いられている状況となっております。
こうした状況にあって編成されました本市の平成5年度予算は,
一般会計で前年度に比べ3.9%増の7,098億円,特別会計で4.8%増の2,617億円,
企業会計で11.4%増の3,368億円,全会計で5.9%増の1兆3,083億円となっております。
そこで,具体的にその内容を見てみますと,まず歳入については,市税収入の前年度に対する伸びが,過去最低の2.5%増であることや,
地方交付税において昨年度より20億円もの減額が見込まれることなど,一般財源の伸びが期待できない状況の中で,良質の市債を積極的に活用する一方,基金の取崩しを前年度以下に抑えるなど,財政通の桂市長らしい,機動的にして手がたい手法を駆使し,財源確保に努められているところでございます。
こうした中で,貴重な一般財源ではありますが,さまざまな問題点が指摘され,廃止要望が出されていた
商品切手発行税を,税負担の公平を確保するという観点で平成5年度から廃止に踏み切ったことは,市長の英断であると考えているところでございます。
一方,歳出について見てみますと,その重点施策として,福祉,
景気対策,雪対策,
ごみ処理対策など,生活に密着した分野において,さまざまな新規施策も含め,従来の施策をきめ細かく拡充しており,とりわけ
坂道ヒーティングや公園の再整備などについて,わが党の主張をいち早く取り入れられましたことに対し,敬意を表するものであります。
また,
景気対策についても,昨年の第4回
定例市議会代表質問においてわが党の伊藤議員が主張いたしました,今年度の
補正予算後を上回る建設事業の事業量を確保すべきであるという内容を実現させ,特に単独事業については,前年度比13%という大幅な伸びを確保していることにつきまして,高く評価するところであります。
そこで,私見を交えまして,以下3点にわたりご質問をいたします。
まず第1点目として,市長は,本市の財政状況をどう認識されているのかということであります。
去る2月5日に発表された予算の概要を見てみますと,本市の財政状況について,非常に厳しいという認識を示しつつ,他方で,本市における健全財政は維持されていると述べられております。
財政調整基金などの基金の残高は減少傾向にあり,他方,市債の残高は膨らむ一方であり,
公債費比率も上昇傾向にあるのであります。
国保問題や地下鉄・
交通事業の問題も含め,本市の財政はどのような状況にあり,今後どういう方向に向かっていくのか,市長の認識を率直に示していただきたいと思うところでございます。
第2点目は,
景気対策に対する考え方についてであります。
景気対策に係る今年度の総額348億円にも及ぶ
補正予算での対応や,先ほど述べました5年度当初予算における取組みにつきまして,機敏かつ積極的な対応であると評価しているところであります。
しかし,本市の景気は,これまで経験したことのない様相を呈しているところであります。もとより景気回復のための手だては,自治体のみでは立てられるものではありませんが,本市はどのような予算を組み,どうこれを執行しようとしているのかということは,経済界はもちろんのこと,市民の関心の的となっているところであります。
景気対策をより実効性のあるものにするため,この予算をどのように執行しようとしているのか。とりわけ建設工事,物品発注に当たっては,地元業者への配慮について,さらに努力すべきであると考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
第3点目は,
行政改革への取組みについてであります。
わが党は,厳しい財政環境の中にあってこそ
事務事業の見直しなど
行政改革が必要であり,かつ,それは予算の中に目に見える形で具体化を図らなければならない重要な課題であると,機会あるたびに提言してきたところであります。
また,
行政改革にこれでいいということはなく,成長する組織にありましては,減量化など,その基本的な考え方を常に念頭に入れ,不断の努力を続けなければならないものであります。今回の各部1項目以上の
事務事業の見直しを含む総額24億円に上る経費の節減については,わが党としてそれなりに評価するところであります。
しかし,景気の低迷の中で,民間企業は血のにじむような合理化を迫られており,本市に限らず,官公庁のいわゆる
親方日の丸的体質に対し,厳しい視線を注ぐ市民がいることもまた事実であります。
特に本市は,交通局において財政再建中であり,
一般行政部門を中心とする他の部局においては,交通局の取組みを他人ごとと考えるのではなく,同じ考え方でもって行政の減量化に取り組むべきであると考えるところであります。
そこで,今回の24億円の経費の節減の内容はどうなっているのか。今後,行政の減量化に向けて具体的にどのような取組みを行なっていくのか,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,先般の
釧路沖地震を踏まえて,本市の防災について質問いたします。
去る1月15日の夜に発生した
釧路沖地震は,本道全域から東北・関東地方にかけ広範囲に強い震度を記録いたしました。特に震源地に近い釧路では,震度6の烈震に見舞われ,死者2人のほか,負傷者が約500人出たのを初めとして,家屋の損壊や道路,ガス,電気,水道管等の
ライフラインが寸断される大きな被害が発生いたしました。釧路市におきましては,直ちに
災害対策本部を設置して,懸命の復旧作業に当たったところでありますが,冬季間ということもあって,都市ガスや水道の全面復旧に時間を要し,
市民生活に大きな影響を与えたところであります。
そこで,本市の
防災体制を見てみますと,
災害対策基本法に基づき札幌市
地域防災計画が策定され,防災組織,予防計画,応急対策,
復旧計画等が定められており,災害に対応する体制が整えられております。
しかしながら,札幌市
地域防災計画でいかにいろいろな方策を定めているとしても,日ごろからそれを施策としてどのようにして具体化していくのか。また,市民の皆様にそれを理解していただいて,どのようにして
防災意識を持ってもらうのかが非常に大切なことではないかと思うのであります。行政側からの日ごろの広報活動のあり方を,あらためて考えてみる必要があるのではないかと思うのでございます。
そこで,札幌市を考えてみますと,毎年9月1日の防災の日を中心にして,すべての関係機関と多くの市民の参加を得て
総合防災訓練を実施するほか,各区においても,おのおの区防災訓練を実施して,万が一の災害に備えるとともに,市民に対しても日ごろから防災の重要性を認識してもらうよう努めていることは十分承知しておりますが,幸いなことに,過去において大きな地震の被害はなく,また,都市基盤の整備に当たっても,過去の災害等を参考にして計画的に遂行し,人口170万を超える大都市としては,比較的安全な街であると言われているところであります。
過去における昭和27年と昭和43年のそれぞれの
十勝沖地震や,昭和57年の
浦河沖地震のように,全道各地に大きな災害を引き起こした大地震のときでさえ,札幌市の場合は,幸い大きな被害を免れることができました。その結果,逆に市民の防災に対する日ごろの意識は,決して高いものとはなっていないのが実態であります。
そこで,これらの現状を踏まえながら,今回の地震を教訓として,市民の自主的な
防災意識を高めるために,行政として今後どのように取り組んでいかれるのか,まず最初に市長のお考えをお伺いしたいのであります。
また,今回の
釧路沖地震では,電気,ガス,水道管等の
ライフラインが寸断され,特に都市ガスの長期間の供給停止は,
市民生活に多大な影響を与えたところであり,また一方では,通信手段であるNTTの電話が非常にかかりにくい状態が生じ,市民の安全確認のための連絡ばかりでなく,行政情報の収集伝達にも支障を来たしたと聞いております。
本市の
防災対策上も重要な問題でありますので,今後,関係各会社と,その指導監督に当たる
関係行政機関において,十分な対応策を講じられるよう要望するものであり,また札幌市においても,今回の
釧路沖地震を教訓にして,現在の
地域防災計画を再度点検し,
防災体制に万全を期することは,
市民生活の安全を確保する立場から最も大切なことではないかと思うのであります。私は,今回の
釧路沖地震に対する関係機関の調査結果や,釧路市の
防災対策本部での活動の実態等の資料を収集し,今後の本市の
地域防災計画に反映させていくべきではないかと考えているのであります。
そこでお伺いいたしますが,釧路は今回の地震で震度6の烈震を記録しましたが,本市の場合,地震の最大震度を5の強震と想定している理由をお聞かせいただきたい。
また,釧路市等における速やかなる職員の動員,各
防災関係機関との協力体制の確保,災害時の情報の迅速な収集と伝達及び医療機関との協力体制のあり方などの実態を調査研究し,今後の本市の防災行政の中に積極的に生かしていくべきであると思いますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,札幌市民にとって一番身近で要望の多い雪対策についてお伺いいたします。
深刻な都市環境問題となっていた
スパイクタイヤによる車粉問題も,良好な都市環境の保全を願う多くの市民や行政の積極的な取組みにより,平成2年6月,
スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律が施行され,平成3年3月には本市など近隣7市町が指定地域に選ばれ,問題解決に向けて大きく前進を見せ,これまで市民とともに推進してきた脱スパイク社会が現実のものになろうとしております。
しかし一方で,急激なモータリゼーションの普及とともに,道路整備の急速な進展とあわせて,冬季道路交通対策が重要な課題であると考えており,また市民の多くの共通の願いは,冬季間であっても,幹線道路はもちろん,補助幹線から生活道路に至る一体的・体系的な雪対策の推進だと思うのであります。つまり,冬季であってもより安心して生活できる冬季道路環境整備を進めることが,市民の期待にこたえることだと思うのであります。
こうしたことから,21世紀を展望する長期的な視点に立った雪さっぽろ21計画が策定される中で,昭和63年度から幹線道路を対象とした坂道ロードヒーティングをいち早くスタートしており,円滑な冬季交通確保の観点から,平成4年度までに167ヵ所の総事業費53億円を投入されたことは,市長を初め関係各位のご努力に対して深く敬意を表するものであります。
しかし,南区を初めとする坂道に暮らす多くの市民にとりましては,さらに
坂道ヒーティングの整備を期待しているのが実情であります。確かに本市が行なった
坂道ヒーティングの整備により,スタッドレス化に向けての対策がある程度達成されたものと思いますが,私は,快適な冬の都市環境づくりを現実のものとして,より走行しやすい冬季の道路環境を築くために,
坂道ヒーティングの整備を引き続き行う必要があると考えておりましたが,市長も実情を理解され,いち早く第2次
坂道ヒーティングの整備に対しまして決意されたことは,高く評価するところであります。
そこで私は,市長にお伺いをしたいのであります。
今後における第2次
坂道ヒーティングの整備計画の設置基準及び設置箇所数と年次計画についてお聞きいたします。
次に,この
坂道ヒーティングの維持管理費でございますが,現在の電気・ガス系の融雪システムは,年間の維持管理費が高額であり,施工費もさることながら,第1次整備の167ヵ所に対する維持管理費が年間4億円に達し,第2次
坂道ヒーティングを合わせると,平成9年ごろには約10億という膨大な維持管理費がかかることになり,本市として財政的に非常に厳しい状態になると思うのであります。
そこで私は,市長にお伺いいたします。
この維持管理費の軽減対策として,太陽エネルギー・地熱・清掃工場の廃熱・下水処理場の処理水等のローカルエネルギーの有効利用を図り,新しい融雪システムの調査研究に着手し,技術開発を積極的に進める必要があると考えております。
また,これらの地域エネルギーを利用した低コスト融雪システムが具体的に開発された場合,坂道に暮らす多くの市民の要望にこたえることができることはもちろん,都市部におけるビル廃熱等の利用についてもあわせて調査され,歩行者の安全対策上からも一歩進んだ取組みを期待するのは,私のみならず,多くの市民の願っているところであると思うのであります。
この点に関しまして,市長は今後どのように取り組もうとなさっておるのか,お伺いいたします。
次に,2点目の路面対策についてであります。
今冬の路面は従来になく滑りやすく,日中には外気温度がプラスとなり,夜間にはマイナスとなることから,昼間の融雪水が夜には凍結を繰り返す,いわゆる暖冬少雪の気象条件が原因だと言われておりますが,これに加えてスタッドレスタイヤによる影響がないとは言えないと思うのであります。このようなことから,路面が滑る,つるつる路面が発生するなど,都心での交通障害が発生し,
市民生活はもちろん,経済活動,産業活動に影響が出ていると思うのであります。
しかし,市長におかれましては,緊急路面対策として,砂・融雪剤の散布,除雪の強化及び除雪機械等の技術開発に努力されていることは敬意を表するものでありますが,そこで,今後も同じような気象条件の発生もあり得るため,抜本的な路面対策が必要であると考えております。今後どのような路面対策を考えておられるのか,お伺いいたします。
次に,JR札沼線の複線化計画についてお伺いいたします。
本市の大量輸送機関網といたしましては,地下鉄3線,JR3線を主軸に機能しているところであり,これらの整備・改良は,定時性の確保や,特に冬季に強い交通網の充実などの観点から,今後とも推進していく必要性があるところであります。
この機関網の一翼を担いますJR札沼線,いわゆる旧国鉄札沼線でありますが,最近の八軒駅から釜谷臼駅間における1日当たりの乗降人員の推移を見てみますと,昭和62年に約9,900人であったものが,八軒駅,新川駅,太平駅,百合が原駅,あいの里教育大駅の各中間駅が設置されたことや,あいの里団地を含め沿線地域の市街化の進展により,平成3年には約1万9,800人と,ここ5年間でほぼ2倍となっており,平成3年の朝ピーク時乗車率も160%に達している状況となっております。この間,JR北海道では,利用者の増加に対応するために,車両の増結や運行本数の増便を行なってきたところでありますが,単線構造であることや駅地上施設の制限により,いまや限界の状況となっております。
一方,JR線活性化にかかわる国の動向についてでありますが,平成4年6月に運輸政策審議会が行なった答申では,将来におけるJR線の混雑緩和を図るための都市鉄道の整備水準としては,ピーク時における乗車率を,3大都市圏では180%,札幌市等政令指定都市においては150%を目標に整備する必要がある旨,打ち出したところであります。
また,この整備に当たっては,鉄道が地域独占性を持った公益事業であるため,企業性のみならず,利用者利便の向上の観点から,鉄道事業者には必要な投資を計画的に進めることが期待されるところでございますが,この投資は膨大な資金を要することや,資金回収が困難であることから,民間企業ベースではリスクが大きいため,必要に応じ鉄道事業者に対する公的支援を行い,資本費の負担軽減を図る必要があることを提言したところであります。
以上の状況を踏まえ,今後のJR札沼線沿線における本市北部市域の市街化の進展や,当別地域などの開発による利用者の増加などを勘案いたしますと,基幹交通としてのJR札沼線の役割はますます大きくなり,将来に向けての輸送容量の増強は不可欠であると考えるのであります。
そこで,過日すでに新聞紙上でこのことは報道されたところでありますが,議会を通して札幌市の姿勢を明確にしておきたいものと,あえて質問するのでありますが,輸送力の増強と都市間輸送の強化を図る観点から,本市も積極的に参画した当該JR札沼線の複線化について,早期に取り組む必要があると考えるのでありますが,市長のご所見をお伺いいたします。
次に,高齢者の保健・福祉対策についてお伺いいたします。
本年1月末に,厚生省は平成3年版の老人保健福祉マップを発表いたしました。自治体ごとの高齢化率,ホームヘルパー,ショートステイ,デイ・サービスなどの利用状況,機能訓練,訪問指導の利用状況などをまとめたものでありますが,この中で本市は,大阪,神戸,北九州,福岡市などと同じ在宅福祉後進型と指摘されております。65歳以上の高齢者100人当たりの年間福祉サービス利用日数を見てみますと,全国都道府県・政令都市の中で,ホームヘルパーは最下位,ショートステイは54位,デイ・サービスが51位と,全国平均を下回っているのであります。
この数値は平成2年度の実績によるものであり,その後,平成2年10月に本市は,有償の在宅ケアを提供する在宅福祉サービス協会の設立や,平成4年2月には在宅介護支援センターに介護型のホームヘルプサービスを委託するなど,ホームヘルパーの供給主体の多様化を始めておりますし,また施設整備の中で,ショートステイやデイ・サービスの充実にも力を注いでおりますので,平成4年度の数値は相当好転しているのではないかと思っております。
しかし,人口の高齢化は予測以上の速さで進んでおり,また日本医師会が委託して行なった調査によりますと,平成37年の高齢化率は実に27.28%で,3.67人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢化社会を迎えるのであります。本市においてもここ数年,毎年高齢化率はおよそ0.5%ずつ上昇を続けてきており,本年は10%を超えることが確実となっております。このような急速な高齢化の進展に伴い,寝たきりや痴呆性などの介護を必要とする高齢者がますます増加することが予想されるのであります。
今後の高齢化対策に当たっては,高齢者やその家族がどのようなサービスを希望しているのか,そのニーズを的確に把握した上で,より細かく配慮した施策が何よりも必要となると思うのであります。したがいまして,実態調査をもとに策定される老人保健福祉計画は,市民の声が最大限に反映された計画になるものと大いに期待しておるところであります。
しかしながら,この計画は明年度策定されるため,施策の実施は平成6年度からになるのであります。高齢化の進展と強い市民要望を考えるとき,高齢化対策に猶予のときはないのであります。
そこで,質問の第1点目でありますが,平成5年度の予算編成に当たって,高齢者の保健福祉対策の基本的な視点をどのようなところに置かれたのか,市長のご所見をお伺いいたします。
質問の第2点目は,今後のホームヘルプサービス事業の展開についてでございます。
自宅で家事援助や介護を行うホームヘルプサービス事業,介護者の介護疲れをいやすときに利用するショートステイ事業,食事や入浴サービスを提供するデイ・サービス事業を合わせて在宅福祉の3本柱と言われておりますが,在宅福祉の中核となるのはホームヘルプサービス事業であります。このサービスは,在宅の高齢者やその家族の方々にとって最も生活に密着しているものであるところから,このサービスの充実については強い市民の要望があり,昨年の第3回臨時会で2件の請願と11件の陳情を全会一致で採択しているものであります。
提案されました予算案を見ますと,ホームヘルプサービス事業は,今年度を1億3,260万円上回る4億2,430万円を計上し,札幌市在宅福祉サービス協会の法人化に努めるほか,ホームヘルパーの増員にも積極的な姿勢を見せておりまして,私はこれを高く評価するところであります。
在宅福祉サービス協会は,地域に住む人々がお互いに助け合うという考え方のもとに,ボランティア精神に富んだ協力員を募集し,有償で家事援助サービスを行うものでありますが,設立直後の協力員58名,利用世帯14世帯から,約2年たった現在は協力員640名,利用世帯300世帯まで成長しております。この協会を4月から財団法人化し,あわせて直営のヘルパーを協会の職員とするとのことでありますが,今後の本市のホームヘルプサービス事業をどのように展開しようとしているのかお尋ねいたします。
第3点目は,在宅ねたきり高齢者訪問歯科診査事業についてでございます。
慢性疾患等により寝たきり状態にある高齢者にとりまして,かみ砕く力を維持・回復し,物をおいしく食べることは,生きがいのある生活を送る上できわめて重要なことであると考えております。しかしながら,このような高齢者は歯科医師による診療を受ける機会に恵まれておらず,口腔状態が不良である場合が多い現状にあります。国におきましても,80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標とした,8020運動推進支援事業を平成5年度から実施することとしております。
そこで,これらの在宅寝たきり高齢者の口腔状態の改善を図り,療養の安定と健康保持・増進を目的として,平成5年度から在宅ねたきり高齢者訪問歯科診査事業を開始することとしておりますが,いつからどのような方法で実施されるのか,その計画をお伺いいたします。
次に,水道事業の問題についてお伺いいたします。
本市の水道は,市政の飛躍的な発展に伴う給水需要の急増によく対応し,水源ダムを初めとして,浄水場や配水池,ポンプ場,あるいは4,500キロを超える配水管網など,基幹施設の計画的な拡充を図ってきた結果,いまや給水普及率98.6%,給水人口165万人を超える大規模水道に成長しております。
このために莫大な資金を投じたのでありますが,その財源は主に企業債に求めるとともに,あわせて国の補助金や
一般会計の繰入れなどに努め,市民の負担をできるだけ抑制することに努力を払いながら事業運営を推進してきました結果,今日,快適な
市民生活や活力ある都市活動の基盤としての水道が確保されているところであります。
高普及を達成した今後は,より信頼性の高い水道,高水準水道の構築など,事業内容も責務も多様化してまいります。新しい時代にはこれまでにも増して着実な経営,円滑な財政運営が求められるのであります。
そこで,まず,水道財政の健全化と財政基盤の強化についてお尋ねいたします。
水道事業は,平成元年度から4年度までの4年間を財政計画期間として,前回,料金改定を提示したのでありますが,計画外の事情から,原案からおくれること8ヵ月の平成2年2月となってしまいましたが,事業の執行に大きな支障を来たすこともなく乗り切ったご努力は多といたします。
しかし,財政状況を見ますと,企業債元利償還金や老朽化施設の維持管理費用を初めとする経費が年々増加し,経営努力を傾けてもなお平成5年度以降資金不足に転ずる見通しとのことであります。
さらに一方,昭和61年度以降累積が増大する欠損金が,平成4年度末には56億円,このままでは8年度末には250億円に達するおそれがあって,いまや財政悪化は,もはやきわめて深刻な状態にあると言わざるを得ないのであります。
かかる状況から,市長は,市営企業調査審議会に方策等について諮問を行い,昨年末にその答申を得たところであります。これに基づき,料金の見直しを含めて財政健全化策をお考えのことと思います。
そこで,質問の第1点目は,水道財政の健全化を希求するときに一番の問題は,大きく累積した欠損金であると思います。そもそもこのように欠損金が累積した根本原因は何か。また,審議会答申を踏まえて,この解消についてはどのような方針で臨まれるのかお伺いいたします。
次に,第2点目といたしまして,料金改定の考え方についてであります。
今回の審議会の答申に,財政基盤を強化するためには,料金算定の望ましいあり方とされる損益ベース方式を採用し,長期的な経営の安定化を目指すべきであるとされております。
そこで,市長は,このたびの料金改定に当たり,この提言にどうこたえようとしているのか。また,長期的な財政基盤の強化について,どのような見通しを立てておいでなのか,明らかにしていただきたいと思います。
さらには,何よりも
市民生活への影響が一番懸念されるのでありますが,損益ベース方式の採用により,本当に市民負担の急増につながらないのか,お尋ねいたします。
次に,水道施設の老朽化対策についてであります。
いまや創設以来55年を経過し,至るところで機能の低下が着実に進行しております。老朽配水管の改良・更新については,昭和59年度からの第7期拡張事業以降,積極的に取り組まれているようでありますが,浄水場や配水池などの基幹施設については,必ずしも十分な老朽化対策がとられていないのではないかと思うのであります。
過日,藻岩浄水場を視察した折,老朽化が進んでいる現実を見て,不安を覚えたところであります。折しも釧路沖大地震の直後であったことから,不安な思いは一層深刻なものでございました。現在進められている第2次施設整備事業では,この藻岩浄水場の改修を見合わせているようですが,本当に支障はないのでありましょうか。
また,
ライフラインとしての水道の安全性・安定性の確保は大きな課題でありますが,水道施設全体の計画的な老朽化対策が緊急不可欠と考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,公園緑化行政についてお伺いいたします。
市長は年頭のあいさつにおいて,札幌の緑の重要性について触れ,特に都心や市街地の緑が十分ではないという実感から,公園の整備やグリーンベルト構想を進めてきた成果を確認しつつも「ああ,何か落ちつくな,気持ちが休まるな」というような印象を人々に与える緑を市街地の中に育て上げていきたいと述べられており,私も同感であると同時に,非常に強く印象に残っているのであります。これを市長の緑化行政に対する並み並みならぬ決意のあらわれと受け取ったのは,私一人ではないと思うのであります。
さて,公園緑化行政に関しましては,昨年の第3回及び第4回定例市議会に連続してわが党が代表質問に取り上げ,相当数に達した,住民に身近な公園の個性ある再整備計画に取り組むべきであるとの提言を含めた質問をしてまいったわけでありますが,予算案において個性あふれる公園整備事業としてその具体的な展開が計画されたことは,先ほどの市長の決意のあらわれと大いに評価しているところであります。
私が日ごろ地域の方々と接する多くの機会において,緑化や公園に関する住民の関心は非常に強く,新たに公園を設置するという要望もさることながら,既存の公園をもっと使いやすくできないのか,もう少し特色のあるものに変えたらどうかという意見も数多く耳にするところであります。
そのような日常の実践を踏まえますと,この新たな事業への取組みはまさに時宜を得た施策であり,地域のコミュニティーの形成に大いに貢献し得る事業であると思うのであります。
伺いますと,設置以来20数年を経た児童公園などは,相当の数に達しているとのことであります。これらの公園の一つ一つが,地域の歴史の中で人々に親しまれ使われてきたわけでありますが,再度,時代の流れの中でリフレッシュさせていく必要がある公園も中にはあるのではないかと思うのであります。
そこで,新年度に実施を予定されております個性あふれる公園整備事業についてお伺いしたいのであります。
まず第1に,どのように対象公園を選定されるのか,その基本的なお考えをお示し願いたいのであります。
そして第2には,これらの公園をどのような方向に整備していきたいと考えておられるのか,基本的な視点というものをお聞かせ願いたいのであります。
さらに,これは私の持論でありますが,この種の事業が単発的に終わってしまうのでは全く効果が期待できないのであり,これを継続発展させていくことが重要であります。これに対する市長のご所見をお伺いいたします。
次に,道道小樽定山渓線及び道道京極定山渓線についてお伺いいたします。
ご承知のように,この道道小樽定山渓線は,本市の南区と小樽市を結ぶ唯一の道路であります。多くの観光資源を持っておりますことから,この道路沿いは数多くの市民及び近郊住民が訪れる憩いの場となっておりますし,市内中心部の混雑の影響を受けないため,北海道を訪れる観光客のための重要な観光ルートにもなっております。このように,夏場は観光道路として,広域交通網の一翼を担う大変重要な位置づけにあると認識しております。
しかしながら,冬期間につきましては,札幌国際スキー場までしか開通しておりません。このような現状を考えますと,道道小樽定山渓線の早期通年開通がぜひとも必要であり,市民や観光客,そして定山渓地域の振興に大きな効果を与えるものと考える次第であります。
この道道小樽定山渓線の通年開通の整備は,平成2年6月に策定されました札幌市観光基本計画においても掲げられております。例えて申しますならば,定山渓ダムや札幌国際スキー場といった観光資源を抱えるこの定山渓地域に,まず小樽・石狩方面の近郊客の誘導が図られることとなりますし,手稲・西方面の市民も含め,都心を通らず定山渓方面に抜けるルートが開通することは,冬の都心及び国道230号線の交通渋滞をかなり緩和させる効果もあると思うところであります。また,経済的効果の上昇も期待できます。
そこで質問いたしますが,第1点は,この道道小樽定山渓線の通年開通の見通しにつきましてお伺いいたしたいのであります。
また,第2点目といたしまして,このことによる定山渓振興に対する影響につきましてお聞かせいただきたいと存じます。
第3点目として,道道京極定山渓線の開通に対する動きもあわせてお伺いいたします。
次に,私は国民年金の学生免除についてご質問をいたしたいと思います。
国民年金は,昭和61年4月に基本年金制度が導入され,国民年金は,厚生年金,各種共済組合年金など,すべての公的年金の基礎年金として位置づけられたところであります。そして,この基礎年金制度は,原則として20歳から60歳までの40年間加入することを前提に,満額の老齢基礎年金を支給されることとなっているのであります。
しかし,学生については,従来は,制度上任意加入の扱いのため,卒業後60歳まで加入しても満額の老齢年金が受けられない仕組みとなっておりました。また,たとえば20歳を超えて在学中に障害者になった未加入者は,障害基礎年金が受けられない制度の仕組みでありました。このようなことから,平成3年4月からは学生も第1号被保険者として強制加入の扱いとされたところであります。
しかし一方で,保険料について考えてみますと,学生や自営業などの方の第1号被保険者が支払うこととなります平成4年度保険料は1ヵ月9,700円であり,年間にすると実に11万6,400円であります。このことは,収入のない学生に対しても,自営業などの方々と全く同様に年間11万6,400円を支払えということであり,結局,親が負担せざるを得ないことになっております。
このような学生を持つ親の年代を考えてみますと,生活費のほかに学費や住宅ローンの支払いなどで家計のやりくりが大変な上に,加えて,新たにかなりの額となります年金保険料の支払いまでとなると,ますます苦しいことになるのは明らかであります。現に,私のところにも学生の子を持つ親から,何とかならないかと多くの相談が持ち込まれております。
当然のことながら,学生も第1号被保険者として強制加入者になったことに伴い,申請免除制度が適用されることになります。その免除基準の選定に当たっては,親の負担が過大なものにならないことを配慮し,学生のいる世帯の平均的な消費支出を勘案して,一般免除とは別建ての基準が設けられたのであります。
そこで,平成4年度の学生免除基準を具体的に見てみますと,たとえば私立大学生を持つ4人世帯の給与所得者の場合では,世帯年収695万円程度までが免除基準に該当することになっております。しかし,この基準設定は,住宅ローン,税金の支払い等の非消費的支出が考慮されておらないため,生活実態とはかけ離れたものとなっていると考えるのであります。この結果,免除に該当しなかった多くの学生は未納者扱いとなり,障害者になっても障害基礎年金を受けられず,無年金者になってしまうというのが現状であります。
基礎年金制度は,保険料を支払うことによって,みずからの年金権を確保するのが大原則であることは承知しているところでありますが,学生を抱えて支払い困難な世帯については,無年金者をなくするためにも,国は親元の負担を配慮し,生活実態に合った免除基準に改正すべきではないかと考えるところであります。
そこで,本市としても学生の免除基準の緩和・改善を国に要望するべきでないかと考えておりますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,監視区域についてお伺いいたします。
わが党は,1月19日付をもって5項目から成る景気浮揚対策にかかわる要望書を市長に提出いたしました。その一つに,監視区域制度の撤廃を求めております。このことは,さきに道内の不動産業界5団体から,監視区域指定の早期解除を求める陳情が出されており,これを受けて昨年10月30日の総務委員会に諮られ,継続審査となっております。
この一連の動きは,不動産業界の立場から,法の目的とする土地の投機的取引の是正と地価抑制・鎮静化をねらった緊急的措置で,その効果はすでにある程度達成されたのではないか。現在は,逆にこの規制があることによって,正常な不動産の流通が阻害されております。また,届け出制度による時間的経過は,契約上に混乱を派生させている等々の理由から,何とか規制解除を考えてほしいという悲痛な要望であります。
これは,不動産業界の立場だけに絞った内容となっておりますが,間接的には景気浮揚策にもなる大変意義あるものと私は考えております。去る1月28日の衆議院予算委員会でも,わが党の石川要三代議士がこのことをただしたのに対しまして,井上国土庁長官は「都道府県と相談し,弾力的に取り扱う」と答えております。
本市といたしましても,地価対策につきましては,法律や国土庁からの運用指針に基づき,適正かつ厳正に運用していることと思いますが,地価の高騰が鎮静化した現在,緊急避難的措置としてのこの制度は,その目的を十分に達したと私は思うのであります。
不動産流動化の一方策として,不動産の流通は自由に任せるのが望ましいと考えますので,監視区域の撤廃等をお考えにならないのか,国土庁長官の弾力的に取り扱うという発言をどのように受けとめておられるのかも含めてご見解をお伺いいたします。
最後に,職員の市民対応についてお尋ねいたします。
民間企業にとって,電話による応対は企業の顔,営業の生命線として厳しく社員教育を徹底し,日常においても,規律正しく実践されております。翻って,本市においては一体どうであろうかと反省してみた場合,必ずしもよいとは言えない。ずばり言わせていただくと,問題のある職員もいるのではないかとさえ思います。
市職員の名誉を思い具体的事例は申し上げませんが,10数名の方にお伺いいたしましたところ,皆さんも同じような感想をお持ちでした。
そこで,職員研修計画がどのようになっているのかを見てみますと,接遇研修では,新規採用時の研修でかなりの時間をとり,その他の研修でも,コミュニケーションなど接遇関連の研修が数項目実施されているところであります。また,管理監督者研修では,部下の指導育成についてのカリキュラムが盛り込まれているとのことであります。
しかしながら,このことが実際に職場内における日常の教育・指導に生かされないとその効果が上がらないと言えるのではないでしょうか。現状では,係長を含めた管理職は,部下の日常のチェック・教育訓練が最も大切な職責の一つであるということを忘れているのではないでしょうか。そこまではいかないにしても,軽視されているのではないでしょうか。そのため,市民対応がまずかったり,あるいは,このたびのような不祥事が発生して新聞紙上をにぎわしたりするのも原因の一つだと思っております。
この面の見直しが急がれると考えておりますが,どのようなおつもりか,ご所見をお聞かせいただきたいと思います。
以上で,私の質問をすべて終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
見延順章君) 答弁を求めます。柱市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,数項目についてお答えをいたします。
まず最初に,財政問題についてでございます。
第1点目の本市の財政状況に対する認識についてでございますが,本市を取り巻く財政環境を見ますと,他の大都市と比較して財政基盤が脆弱であり,また昨今の経済情勢などと相まって,非常に厳しいものがあると認識いたしております。
とりわけ,平成5年度予算におきましては,市税など一般財源の伸びが見込めない状況の中で,
地方交付税措置のある有利な市債の活用を図りますとともに,
財政調整基金及びまちづくり推進基金を取り崩したものでありますが,これらの市債や基金の活用に当たりましては,将来の財政負担や安定的・継続的な行財政運営の確保のための配慮も必要であり,後世の市民のためにも,引き続き健全財政は堅持していかなければならないものと考えているところであります。
なお,国民健康保険会計につきましては,年々増大する医療費の中で,被保険者の負担軽減を図りながら,最低限の保険料改定を行い,さらには
一般会計から201億円余りもの繰出しを行うなど,累積赤字の解消に向けた財政再建を着実に進めることにしております。
また,地下鉄や電車・バス事業につきましても,総額77億2,100万円に及ぶ財政支援策を初め,内部の経営効率化策等も講じており,経営健全化計画の確実なる進捗を図っているところであります。
第2点目の
景気対策についてでございますが,本市における景気動向を見てみますと,個人消費,設備投資,雇用情勢など,いずれも低迷が続いておりますことから,平成5年度の予算編成におきましては,特に景気の影響を受けやすい地元の中小企業への配慮から,生活道路の整備,公園の再整備事業や児童会館の建設など,本市単独事業の大幅な増額に努めたところであります。
また,予算の執行に当たりましては,4年度の上期発注率92%と同程度を目標として,引き続き早期発注に努めますとともに,安定的な物品発注を行うなど,景気浮揚に,より実効性を発揮できるよう十分配慮してまいりたいと考えております。
第3点目の
事務事業の見直しについてでございますが,本市では従前から,
事務事業の委託化を初めとして,あらゆる角度からの行政の減量化について取り組んでいるところであります。平成5年度におきましても,個々の
事務事業に着目した各部1項目以上の見直しを目標として実施をしたところであります。
その内容といたしましては,所期の行政目的がほぼ達成された事業の廃止や縮小,あるいは業務の委託化や一元化など,各般の観点から17億3,300万円の節約を図りましたほか,時間外手当4億3,500万円,賃金2億3,200万円の縮減を行い,その結果,総額24億円の経費の節減を図ったところであります。
今後とも
事務事業の見直しに当たりましては,市民サービスの低下を招かないよう配慮する一方で,レスペーパー運動の展開や職員一人一人の創意工夫により,事務処理,手続等の見直しを行い,行政みずからの減量化に努めることといたしております。
次に,防災に関するご質問でございます。
札幌市におきましては,安全で住みよいまちづくりを目指して,従来から種々の施策を講じてきているところでありますが,災害による被害を最小限に食いとめるためには,市民の皆様に自主的な
防災意識を持っていただくことも大変重要なことであります。
そこで,お話にもありますとおり,毎年,多くの市民の皆様の参加を得て防災訓練を実施するほか,さらにきめ細かく連合町内会等による自主防災組織の結成の推進・育成,防災にかかわる研修会の開催など,地道に努力を行なってきているところであります。
今後も,これらの施策をより効果的に実施してまいりたいと考えておりますが,今回の
釧路沖地震の経験をも踏まえて,災害時の被害を防ぐために,家庭内でできる安全対策等をわかりやすく解説したパンフレットを作成し,防災に関する知識をより一層普及させ,いざというときの心構えを市民の皆様に知っていただくなど,自主
防災意識の醸成をさらに図っていきたいと考えております。
次に,本市の
地域防災計画で,想定地震の震度を5の強震としていることにつきましては,本市におけるこれまでの地震の発生状況,今後の発生の見込み等を含めた総合的な地震対策のための基礎調査を,大学の専門家に委託して実施をし,昭和56年にまとめられました札幌市地震対策基礎調査の結果に基づいて策定したものであります。当面は,これに基づき札幌市の地震対策を講じてまいりたいと考えておりますが,前回の調査からすでに10年余り経過しておりますし,都市も大きくなり,さらに建物の構造等も変化してきておりますので,震度想定を上げることの必要性等について研究してまいりたいと考えております。
また,今回の
釧路沖地震における釧路市等の対応の実態を,今後の本市の防災行政の中に積極的に生かしていくことにつきましては,釧路市等,被災地の災害復旧作業が終了した後,いろいろな状況が報告書等の形で明らかになってくるものと思われますので,本市の実情とも照らし合わせて,十分に調査検討の上,反映し得るものにつきましては,積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
次は,雪対策についてお答えをいたします。
まず,第1点目についてでございますが,快適な冬の都市環境づくりを着実に推進し,より走行しやすい冬季道路環境の整備を図るため,平成5年度は30ヵ所の設置を予定しており,平成8年度までに150ヵ所を設置する第2次
坂道ヒーティング整備計画を立案したところであります。
その設置基準といたしましては,道路勾配が4%以上で,道路幅員が10メーター以上の補助幹線道路,歩道設置済み道路,そして交通量が多く地域内の交通確保が特に必要な道路,こういったいずれの項目にも該当する道路を対象としております。
また,
坂道ヒーティングの維持管理費用の軽減策でございますが,ご指摘のとおり,ローカルエネルギーの有効利用を図る観点から,積極的に調査研究に取り組んでいく考えであります。
次に,2点目の路面対策についてでございます。
ご案内のとおり,今冬は暖冬気象もあり,予想以上に滑りやすいつるつる路面でありました。この対策といたしましては,公害のない凍結防止剤の調査研究や凍結しにくい舗装材の研究に努めるとともに,お話がありましたローカルエネルギーの有効利用を図るなど,総合的な路面対策に取り組んでまいる考えであります。
次は,高齢者の保健・福祉対策についてでございます。
第1点目の予算編成に当たっての高齢者の保健・福祉対策の基本的な視点についてでございますが,5年度は,厳しい財政状況ではありますが,社会福祉の充実を計画的に進める重要な時期でありますので,保健サービスと福祉サービスの充実・強化に意を用いたところであります。
たとえば,地域に開かれた共同利用型の訪問看護ステーションの設置,在宅福祉3本柱の充実,特別養護老人ホームの整備など,将来に向けての着実な布石となる施策について積極的な取組みを行なったところであります。
第2点目の今後の本市のホームヘルプサービス事業の展開についてでございますが,多様なニーズに応じた適切なサービスを行うために,札幌市在宅福祉サービス協会を法人化し,組織・運営基盤を確立した上で,本市から身分移行した常勤のホームヘルパーを核としながら,さらにパートヘルパーや有償ボランティアを配置した体制づくりの促進,在宅介護支援センターを活用した介護型のホームヘルプサービスの充実,民間シルバーサービスの活用など,幅広い事業展開を行なってまいりたいと考えております。
第3点目の在宅ねたきり高齢者訪問歯科診査事業についてでございますが,寝たきり状態にある高齢者にとりまして,健康を回復し,生きがいのある生活を送るためには,歯の治療を行い,かみ砕く力を維持・回復することがきわめて重要なことと認識しております。したがいまして,本市といたしましては,歯科医師会の協力を得て,平成5年度の早い時期から高齢者宅を直接訪問する歯科診査事業を実施いたしたいと考えております。
これら事業の実施によりまして,保健・福祉サービスの一層の推進を図ってまいりたいと考えているところであります。
次は,水道事業についてお答えをいたします。
質問の第1点目は,欠損金が累積した原因についてであります。
これまで水道料金の算定は,多額の投資を要する拡張期にありましたことから,損益収支ではなく,当面の資金収支の均衡を図る資金ベース方式を採用してまいりました。しかし,施設の建設が一段落して,事業の重点が維持管理に移行する現段階におきましては,支払利息などの資本費や施設の維持管理経費が増高しつつある一方で,給水収益の伸悩みから損益収支の悪化を招くことになりまして,次第に欠損金が積み重なったものであります。
申し上げるまでもなく,累積欠損金は,公営企業としての健全経営が保たれていないことをあらわしておりますので,早期にこれを解消すべきものと考えております。
次に,第2点目の料金改定の考え方についてであります。
従来のような資金ベース方式では,新規の施設整備の財源は,常に借入金に依存せざるを得ませんでしたが,施設の維持・向上を確保する事業の割合が増大していく中で,将来の再投資のための資金を確保していくことが緊急の課題であり,このため損益ベース方式を採用することとしたものであります。このことによりまして,借入金依存の財政構造が改善され,長期的に財政基盤の強化につながっていくものと考えております。
また,今回採用する損益ベース方式による料金の改定率は,資金ベース方式をわずかに上回る程度にとどめましたので,市民負担の急増にはならないものと考えております。
特に生活用水への配慮という観点から,家事用・公衆浴場用及び小口径料金の軽減措置を講じたところであります。
次に,水道施設の老朽化対策についてでございます。
ご質問のとおり,半世紀を超えた本市水道にとりまして,老朽化対策は,水道システム全体の信頼性を確保し,安全で安定した水道を構築する上で,最も重要な課題の一つとして認識しているところであります。
昭和59年度から重点的に実施をしてきております老朽管の改良・更新事業に加えて,今後は,ご指摘のありました藻岩浄水場を含めた基幹施設につきましても,緊急性を勘案しながら改良・更新事業を計画的に実施してまいりたいと考えております。
次に,監視区域制度についてお答えをいたします。
ご指摘のように,さきの国会で国土庁長官の発言は,私も承知をいたしておりますが,これは,この制度が恒久的なものではないという本来の趣旨を述べたものであると国土庁から聞いているところであります。
いずれにいたしましても,この制度の運用に当たりましては,国から指針が示され,常に地価動向及び土地取引動向等を把握し,制度の厳正かつ的確な運用が求められておりますので,今月下旬に公表が予定されている平成5年地価公示価格や今後の地価動向,不動産流通市場の状況調査等の結果を踏まえ,国土庁や北海道などの関係機関と調整を図りながら対応してまいりたいと考えております。
最後に,職員の市民対応についてでありますが,私も,職員が市民に対して適切な接遇を行うということは,円滑な市政を進める上で最も基本的なことであると認識をしております。
したがいまして,今後ともきめ細かな研修などを通じて,職員一人一人が心の通い合った接遇を身につけ,実践できるように努めるとともに,管理監督者における資質の向上と部下指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。私からは以上です。
○議長(
見延順章君) 木戸助役。
◎助役(木戸喜一郎君) 私から,JR札沼線の複線化計画と国民年金の学生免除についてお答えいたします。
まず,JR札沼線の複線化計画についてでございます。
国は,鉄道事業の強化を図るため種々の施策を講じておりますが,その中で,平成3年度から鉄道整備基金を活用した都市鉄道整備助成業務を開始したところであります。
JR北海道では,この制度を導入してJR札沼線の複線化を図りたいとしておりますが,この場合,国の助成とあわせて,地元自治体の財政的支援が前提となりますことから,関係する本市及び北海道に対して協力要請をJR側から行なってきたところであります。
本市といたしましては,JR札沼線の輸送能力の増強により地域住民の利便性の向上が図られることから,複線化は望ましいことと判断し,平成5年度からの実現化に向けて努力してまいりたいと,このように考えております。
次に,国民年金の学生免除についてであります。
学生の申請免除基準は,親の負担が過大にならないように配慮し,このため一般の免除基準とは別建てで定められておりますが,現状ではお話のように必ずしも十分ではないと認識しております。
本市といたしましても,無年金者をなくするためにも,学生の免除基準のみならず,一般の免除基準も含めて,その緩和・改善について全国都市国民年金協議会等を通して国へ要望してきたところでありますけれども,今後も引き続き強く要望してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
見延順章君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,2項目につきましてお答えいたします。
まず,公園緑化行政についてお答えいたします。
お話のありました個性あふれる公園整備事業についてでございますが,事業の対象となる公園は,児童公園を中心に開設後20年を一応の目安として,各公園ごとの住区カルテを作成し,立地条件,人口特性,公園の配置状況等を分析し,再整備の必要性の高い公園を選定しており,平成5年度には20ヵ所を予定しております。
整備の方向性としましては,緑あふれる公園とすることを基調に据え,地域の特性を生かした個性的な公園とするため,たとえば子供たちの創造性をはぐくむ多様な遊びの広場,住民の交流を生み出す地域のふれ合いの場にするなど,それぞれに特色を持った公園にいたしてまいりたいと考えております。
また継続して取組みをとのお話でございますが,平成5年度よりスタートさせ,その効果等を勘案しつつ,引き続き進めてまいりたいと考えております。
次に,道道小樽定山渓線及び道道京極定山渓線についてお答えいたします。
第1点目の道道小樽定山渓線の通年開通の見通しについてでございますが,この道路につきましては,新ルートの工事が昭和63年度から北海道により進められているところでございます。この区間は山岳地域で,通年施工も不可能なため,その完成までには10数年かかる見込みと聞いております。
本市といたしましても,この新ルートの市域内部分の事業を行う予定であり,一日も早い開通を図れるよう北海道の事業と調整しながら進めてまいりたいと考えております。
次に,第2点目の定山渓振興に対する影響についてでありますが,通年開通が実現されれば,周辺観光地との有機的な連携が図られ,定山渓地域の振興に大きく寄与するものと期待しております。
次に,第3点目の道道京極定山渓線の開通に対する動きについてでございますが,道道としての整備は,工事費の点から難しい状況にあり,国道として整備することを近隣市町村と期成金をつくり陳情しているところでございます。しかしながら,この実現には,なお相当の年月が必要かと考えております。以上でございます。
○議長(
見延順章君) ここでおよそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時25分
再 開 午後3時
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○副議長(湊谷隆君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。澤木繁成君。
(澤木繁成君登壇・拍手)
◆澤木繁成君 ただいまから,社会党議員会を代表いたしまして,今議会に提案されております諸議案並びに当面する市政の諸課題に対して質問をいたします。
まず最初に,税・財政問題であります。今日的社会情勢から見た大きな課題として,どうしても所得税減税と地方分権についてお伺いをいたします。
いわゆる
バブル経済の崩壊により,かつてない不況のあらしに見舞われていることはご案内のとおりであります。特に個人消費の低迷は,昭和40年に全国の百貨店売上げの統計をとり始めて以来,昨年初めて前年度を3.3%下回り,スーパーマーケットを中心としたチェーンストアの売上げも,昨年は前年比0.5%しか伸びず,最も低い伸び率になったと報じられております。
このような状況を受けて,所得税減税を求める声は日増しに高まり,経済界,労働界など,各界各層から吹き上がっているのが今日の実態であります。平成5年度予算を審議している今国会でも,社公民3党が一様に赤字国債を発行してでも所得減税を実施すべきと迫っているのであります。
特に,減税の規模にもよりますが,低所得者ほど限界消費性向,すなわち,ふえた所得のうち消費に回る割合が高く,したがって,下に厚く上に薄い所得減税ほど,景気浮揚効果が大きいと言われております。加えて,地方自治体の側から言えば,地方税に影響の出ない戻し税方式がベターであると言えるのであります。
以上の諸点を踏まえ,細部の問題は国会の議論にゆだねざるを得ないとしても,この時期,市長としても,
市民生活を守り,かつ本市の景気回復とこれによる税収増のためにも,国に対して所得税減税の実施を求めるべきと考えますが,市長の決意のほどを伺いたいのであります。
次に,地方分権についてお尋ねをいたします。
財界や労働界などでつくる政治改革推進協議会,いわゆる民間政治臨調は,今年1月3日,地方分権に関する緊急提言を発表いたしました。緊急提言では,東京一極集中を是正するには,明治維新や戦後改革に次ぐ分権革命に取り組むことが必要だとし,地方分権法の制定などを提唱しております。
基本法の内容として大きく3点挙げておりますが,第1に,国の行政は外交,防衛,経済協力と税制,社会保障制度などの管理とし,これ以外の事務業務は地方自治体に委譲する。
第2は,分権化を監督する(仮称)地方分権推進委員会を設け,政府提出法案の審査や内閣への勧告権限を与える。
第3には,3年から5年くらいの猶予期間を設け,各省庁と自治体の機構改革などの体制整備をする,などを挙げております。
これらは,同時に発表された,衆参両院議員及び全国の知事,市長1,459人を対象として実施されたアンケートに対する答えで「中央集権化は行き過ぎ」が全体の96%,さまざまな提言や答申で地方分権が指摘されながら「進んでいない」とする回答が90%にも達しており,地方分権を求める声がきわめて強いことを受けて出されたものであります。
私ども地方議会に籍を置く者として,このような答申や提言が行革審や地方制度調査会などからたびたびなされながら,十分な成果を上げていないことにきわめて大きな不満と不信を抱くものであります。
そこで質問に入りますが,財政問題の大前提として,この地方分権に対する市長の考え方を伺いたいのであります。
質問の第1は,今回の政治改革推進協議会の緊急提言について,基本的にどのように受けとめ,あわせて,このアンケート調査に参加されたかどうか。参加されたとすれば,どのような回答をされたのか伺います。
質問の第2は,地方分権を確立させるためにどのような行動をとるのかということであります。
もちろん,この問題は市長一人の問題ではありません。われわれ議員も,たとえば自分の所属する政党や国会議員にも働きかけるなど,それぞれの立場で行動しなければならないことは言うまでもありません。
同時に,市長としても,全国市長会などによる運動,道選出国会議員の参加を求めてフォーラムを開くなど,一歩先んじた行動を強力に進めるべきと考えますが,その決意のほどを伺います。
次に,今議会に提案されました本市財政についてであります。
政府は,昨年12月26日の閣議で総額72兆円余の平成5年度予算案を決め,国会において論議が展開されているところであります。平成5年度
地方財政計画の特徴は,一口で言えば,国にとって都合の悪いものは一般財源化するなどしてすべて
地方交付税に算入し,これによって足りなくなった
地方交付税は後年次に精算,つまり返済するとして借金にしたいということであります。
まず,
地方交付税総額は前年度比2,441億円,1.6%減の15兆4,351億円となっておりますが,一方で,
地方交付税法附則第3条の規定により,特例措置として4,000億円減額,すなわち地方自治体から借りたこととし,これについては平成6年度から平成13年度の各年度の
地方交付税に加算して返済することにしております。
実は,この特例措置による
地方交付税の減額措置は,今回に始まったことではなく,最近だけでも平成3年度5,000億円,4年度8,500億円と,3年連続で行なわれているものであります。そして,平成5年度に返済しなければならない加算額のうち,2,924億円を平成9年度以降に繰延べするというものであります。
さらに,平成5年度
地方交付税で措置するとしていたもののうち,一つは平成4年度までの国庫補助負担率の引下げ措置に伴い,
一般会計から交付税特別会計に繰入れを予定していた2,511億円,二つには平成5年度国民健康保険制度の見直しから540億円など,合計4,317億円を平成9年度以降に繰延べすることとしているのであります。
また一方では,国庫補助負担率の引下げを恒久化と称し,これによる投資的経費の平成5年度の地方財政への影響額5,200億円について,交付税上の措置を講ずることとし,その利払い費の90%を
一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしております。
加えて,補助金を廃止して一般財源化するとして,平成5年度保健所運営費交付金や,国民健康保険にかかわる事務費負担金の一部など,1,555億円を地方自治体に肩がわりさせ,その分は交付税で措置するとしております。
そこで質問に入りますが,第1点目は,以上述べてきましたような
地方交付税の特例減額の返済分,あるいは国庫補助負担率の変更,恒久化,その他の経過措置などにより,国が地方に払わなければならない返済分の総額及び平成5年度分は幾らになるのか,そのうち本市分はそれぞれ幾らになるのかを伺います。
第2点目は,国庫補助負担率の恒久化に伴う影響額などの補てん措置として,特例債を発行し,その元利償還から再び交付税で措置するというやり方で,一見地方自治体にとっては何ら実害がないかのように見えますが,本当にそうであるのか。資金繰りの問題,利率の問題,将来の返済の担保の問題など,全く実害がないとは言えないのではないかと思いますが,いかがでありましょうか。
第3点目は,このような地方財政の運営について,市長はどのように考えておられるのか。また,これの解消のため,国に対してどう働きかけようとするのか,伺うものであります。
次に,
地方財政計画と平成5年度予算案における歳入見積もりについて伺います。
予算案中,市税収入の大部分を占める市民税について,個人市民税の所得割については5.6%増の976億円余,法人税割については17.8%減の293億円余を計上し,市税合計でも2.5%増の2,840億円余を見込んでおります。
ところで,地財計画では,個人市民税の所得割については12.5%増を見込んでおり,本市の見積もり5.6%とは,実に倍以上の6.9%もの差があります。逆に法人税割については,地財計画が10.6%の減に対して,本市は17.8%の減を見込み,市税合計でも,地財計画の6.4%増に対して2.5%と増加率を低く抑えているのであります。つまり増加の見込めるところはその率を低く抑え,減額のところは大きく計上しているのであります。
余りにも地財計画との差が大き過ぎるのではないでしょうか。地財計画の伸び率に達しないまでも,もう少し歳入を見込めるのではと思うのであります。歳入見積もりについては,石橋をたたいて渡る安全策をとったのだろうと思いますが,歳入がふえれば,それだけ当初予算で事業が拡大できるわけでありますから,ここは目いっぱい歳入を見込んで,不況対策などの意味も含めて事業を拡大する必要があると思います。
そこで最後に,本市の歳入見積もりが,地財計画と大きく開いた理由はどこにあるのか伺うものであります。
次に,福祉問題について3点伺います。
本市は,保育所の8割が私立ときわめて依存比率が高くなっております。そこで,俗に言う公私格差についてお伺いいたします。
私立保育所連合会の給与基準は,国の行政職俸給表に基づいており,具体的には新採用の保母で1の4号俸,14万4,400円であります。一方,本市の保母は15万2,300円で,これは国の俸給表で言うと1の7号俸に当たり,3号俸7,900円の格差になっております。勤続年数6年で,民間は17万7,900円,公立は19万3,600円で,格差は1万5,700円と,勤続年数を重ねるごとに格差が拡大するのであります。
いま申しました数字は,民間で目標としている私立保育所連合会の基準で比較したものであります。目標値ですからこのような格差であり,実際はこの差よりももっと大きいのが実情であります。たとえば,民間保育所では在職15年で19万円余,同年数で市は26万円余となっており,その差は7万円弱であります。また,民間保育所の間でも大変な格差があるのであります。
行政としてどのような立場で保母の給与について指導するべきであるか,ぜひお考えいただきたいのであります。
子供を預ける親の立場からすれば,公立でも民間でも市から措置されるわけで,違いはありません。ただ,民間の場合は,バザーをするといった大変さはあり,これも10万円を超えるような収益があるわけではありません。民間の保母さんの低賃金とご苦労には,身につまされるものがあります。
東京都では,民間給与表について都並みにしております。本来であれば市の委託事業ですから,本市でも格差分を助成し,公私格差がなくなるよう努めることが必要であります。それは目標としても,現状の公私格差は少なくしなければなりません。
いま,民間の措置費の支払基準は,国の行政職の2の3号俸をベースにしております。したがって,私保連基準であれ,国の支払基準を全体が超えた場合,措置費で賄えなくなるのが実情であります。
人件費は当然の必要経費でありますから,最低目標として私保連基準の給与体系にすべきであり,それで不足する分は,本市で補充することが必要と考えるのであります。
昨年来,民間保育所の繰越金が問題となっております。累積繰越金が大幅に出た場合,補助金をカットすることは制度上ひとつの考え方でありますが,民間保育所が国の勧告に従ってベースアップを行うと,毎年200万円の原資が必要になってまいります。まだ保母の年齢が低い場合は余剰金が出てまいりますけれども,総体が2の3号俸を超えると施設は赤字となり,まじめに給与を支払い,不足が出て,あとは知らないということにはなりません。
市の責任のもとで,当面は私保連基準を目標に整理し,指導を強めるとともに,不足分を市が補うとの対応をすべきと考えますがいかがでありましょうか,お伺いをいたします。
次に,留守家庭児童対策についてであります。
この間,国は留守家庭児童対策の充実を図るため,厚生省児童家庭局長が平成3年に「放課後児童対策事業の実施について」という通知を出しております。
具体的には,おおむね20人に1名の職員を配置すること。場所として,児童会館のほか,保育所や学校の空き室,団地の集会室など,身近な社会資源を活用すること。また,就学直後における環境の変化に対応するため,保育所退所後おおむね1年程度の児童を一時保育事業の中で5名程度受け入れ,保育所退所児童の情緒の安定,安全を図るとしております。
本市は,教育委員会が主管部局となり,子供の健全育成を推進する社会教育の観点から,留守家庭児童の対応を児童会館の児童クラブに一元化する方向で進めてきております。児童会館100館構想に合わせた充実であり,評価に値することは言うまでもありません。しかし,利用児童が小学校低学年であることからも,小学校区に1ヵ所が理想ではないかと考えるのであります。そのことから言えば,まだまだ足りない現状にあります。
そこで,児童会館児童クラブ方式に加えて,厚生省が打ち出している放課後児童対策事業などに基づいた,学校の空き教室や保育所などを使った学童のための保育を積極的に取り入れてはどうでありましょうか。教育委員会が単独事業としての児童会館児童クラブ方式と並行して,さらに充実すると言えるのではないでしょうか。
留守家庭児童が利用できる施設の拡大を求めている親子はたくさんおりますし,地域の子は地域で育つを原則として,小学校区に1ヵ所の留守家庭児童利用施設を併用方式で進めるためにも,必要な場所に放課後児童対策事業などを取り入れることを願うものであります。
また,児童会館児童クラブでの障害児の受入れについてお伺いをいたします。
障害児が保育所で健常児とともに育っておりますが,その後,学校に入った後も児童クラブに入会できるような温かい対応を考えられないものかどうか,お伺いをいたします。
次に,高齢化社会についてであります。
2020年を頂点に,超高齢化社会を迎えようとしております。本市も現在,札幌市老人保健福祉計画を本年秋の策定に向け作業中でありますが,高齢者や障害者が地域で生活する場合,地域の人とふれ合い,友だちづき合いをし,困った場合は助けてもらうことが大変重要であります。
本市は,地域の町内会活動の推進に向けて,連絡所が大きな役割を果たしてきましたし,民生委員も町内会単位で組織されております。また,高齢者や障害者の介護,除雪,買物など,地域町内会単位でボランティア組織があり,一番身近なところで援助する地域の福祉施設や作業所,そして高齢者,障害者と手を取り合う活動を進める,そのような社会を実現できることが理想であります。高齢者や障害者が住みよい地域づくりを,いまから進めていくことが必要なのであります。
そこで質問ですが,現在,区社会福祉協議会が中心となり,地域ボランティアの振興策を検討していると聞いておりますが,連絡所の果たす役割も重要になってくると考えますので,そのあり方についてご所見を伺いたいのであります。
次に,未整備地区の整備促進についてお伺いをいたします。
この問題については,本市のまちづくりと並行して,市内各区に点在する下水道布設未整備地域及び認定道路の対象となる私有道路の早期整備の促進についてであります。
ご承知のように,第3次長期総合計画のうち,第1次5年計画は昭和63年から始まり,平成4年からは第2次の5年計画がスタートしたわけであります。
市長の所信表明や各予・決算における提案説明の中でも,今後のまちづくり構想に当たっては,新規に進められるまちづくり構想は大々的に述べておられるのであります。
私はこの機会に,長年,各常任委員会や予・決算特別委員会などで理事者に申し上げてまいりましたところでありますけれども,集落が形成されている未整備地域に居住する市民に対しては,生活環境整備の促進によって,本市のまちづくりの中で新しく開発されるものと,開発のおくれている既成市街地との調和を図ることもまた大切であり,同時に,市民の不公平感をも取り除くという意味では,市政執行上,きわめて重要な政策課題であると思うのであります。
すなわち,国際ゾーン構想,里づくり構想,あるいはホワイトドーム等々の建設も結構でありますが,新しいまちづくりが進めば進むほど,いま申し上げました未整備地区の開発のおくれが一層目立つと同時に,その格差は広がる一方であることから,これらとのギャップを埋めるためにも,企画調整局ないしは都市整備局のサイドから,さらに前向きに解決に向けて検討すべきものであると考えるのであります。
そこで,いま申し述べた現状と考え方を前提として,次の3点について質問をしてまいります。
まず,下水道の未整備地区の整備促進についてでありますが,本市の下水道普及率は今年度で96.9%となっており,これは大阪,神戸に続きまして全国第3位の普及率であります。この普及率は,本市の人口増加と都市の発展に伴って,生活環境整備に力点を置いた大きな成果として評価されるものでありますが,しかし,これまで述べてまいりましたように,下水道の未整備地区に居住する市民にとっては,本市の下水道普及率96.9%という,声高らかに叫ぶ数字が何とむなしく,はかないものとなって聞こえるでありましょうか。
私は,このことが決して行政の責任だけと言うつもりはございません。地元住民の協力,土地所有者の協力がないために測量もままならず,地積確定ができないなど整備できない要素がたくさんあるわけで,そのような事情から整備がおくれていることの実態については認識をしているものであります。
さて,調査によりますと,下水道未整備の代表的な懸案地区は,平成元年度末延長で11.4キロメートル,このうち平成2年度から4年度にかけての整備延長が4キロメートルということでありますから,今年度末以降の未整備延長は7.4キロメートル,20ヵ所ということであります。
そして,この代表的な地域とは,中央区は円山西町地区の1,035メートル,北区新川西地区の2,540メートル,南区藤野地区の70メートルの3地区とされておりまして,用地関連や地形的に低地であること及び河川改修のおくれなどであり,地元及び土地所有者の協力が必要でありますけれども,低地問題や河川問題などは,行政側の努力によって解決される部分もあると思われるのであります。
これら代表的な地域を事例として申し上げましたが,このほかにも地理的条件や集落の形成状況は異なるものの,依然として下水道未整備のまま残る地域もあるのであります。
いずれにいたしましても,何もかも全地域について整備ということにはまいりませんので,いま申し上げました代表的な地域についての整備の促進方について,現在までの状況と,今後の課題にどのように対処しようとしているのか伺いたいのであります。
次に,水道の未整備地区についてであります。
これまた条件的には下水道の未整備と同様の部分がありますが,特に市街化調整区域内の未整備が圧倒的に多く,その代表的な地区を申し上げますと,中央区では盤渓,南区では北ノ沢地区,藤野地区,石山地区,常盤地区,東区は東雁来地区及び中沼地区等々,その合計戸数は約980戸に上るのであります。
この水道管布設未整備については,道路の問題や諸権利の問題もさることながら,整備費に多くの資金を投入しなければならないことから,水道局の試算によりますと,いま申し上げた地域の布設整備に約30億円の予算で完了できるという話であります。
ところが,今日現在,
一般会計からの水道に対する財政援助は,調整区域内における配水管布設費として,エキノコックス対策費を含め2億円の無利子での長期貸付けのみであり,あえて申し上げるならば,緊急貯水槽設置にかかわる半額援助のみであります。
したがって,これでは余りにも厳し過ぎるのではないかと思うのであり,約30億円のお金で整備できるのであれば,全額援助と言わないまでも,いま一歩踏み込んで
一般会計からの繰出しはできないものか。そのことによってさきに申し上げた地域が救済されるならば,安い執行予算と思われるのでありますけれども,いかがでありましょうか伺います。
次に,認定道路の対象となる私有道路の扱いについてであります。
現在,本市の舗装率は,簡易舗装も含めて98.8%と全国第1位の成果を上げており,これまたその努力を評価するものであります。
しかし,この対象となる私有道路は全市で約400キロメートルとなっており,これは市街化区域内300キロメートル,調整区域内100キロメートルということであります。
これら認定道路の対象となる私有道路は,特に中央区に集中しており,円山西町,宮の森,山鼻地区を中心に,白石区では菊水地区がその代表的な地域であります。これまた,寄附の拒否,地権者の所在不明や地図混乱等々,それなりの理由によって解決できない地域であり,このことが結果として公共上下水道管の布設等が難しい,舗装がされない,除雪がされないなど,行政サービスが受けられない地域であります。
しかしながら,区画整理事業や再開発事業で整備できるかと言えば,それも難しいというわけでありますから,何をもとにして解決を図ろうとするのか,全くお手上げの状態と言わざるを得ないのであります。
そこで,これもさきに申し上げましたように,下水道の未整備地区と同様に,これら認定対象となる私有道路の問題解決に当たっては,行政の責任と同時に,関係者や地権者の協力を求めなければならないのは当然としながらも,まずは行政側の積極的な解決姿勢を示す必要があると思うのであります。
そこで,次の4点についてお尋ねをいたします。
まず第1に,認定対象となる私有道路の取扱いの基本的な考え方についてお尋ねをしたいのであります。
第2には,寄附拒否者に対しての考え方でありますが,今後もすべて寄附のみに頼るだけでよいのかということであります。やはり,必要に応じて一定の補償まで発展させる時期に来ていると思うのでありますが,その考え方をお尋ねしたいのであります。
第3に,地図混乱地区及び不在地主の調査などについては,現在も担当部局において実施しているものであり,いま一歩速やかに進めることはできないのか,お尋ねをするものであります。
第4に,これらの諸問題に対して対処していくためには,相当な事務量となることから,機構上の強化を図らなければならないと思うのでありますが,これら専門的な部署の新設など新たな体制づくりをし,行政として積極的な姿勢を示すべきと考えますが,いかがでありましょうか。
いずれにいたしましても,これまで申し上げてまいりました未整備地区にかかわる課題解決のために,長い歴史的な交渉経過を踏まえてきたものであり,簡単に解決できるものとは考えておりませんが,行政としていま一歩進めた姿勢を示すことによって,関係市民への参加の意欲を与えていくことにもなるのではないかと思うので,決意を新たにした理事者の答弁を求めるものであります。
次に,公営企業関係についてお尋ねをいたします。
交通と水道でありますが,最初に,
交通事業の再建計画についてお伺いをいたします。
平成4年度を初年度とする
交通事業の経営健全化計画は,4年度の決算見込みでは,財政的には経常収支が大幅に好転し,順調にスタートすることができたと聞いております。しかし,その内容を見ますと,料金改定による増収と職員削減による人件費の減少が財政面での好転の大きな要因となり,需要,すなわち乗車人員はむしろ落ち込んでいるのであります。
人件費の軽減については,経常的に努力していかなければならないものではありますが,この効果を今後も同様に見込んでいくことは不可能であり,限界があるのであります。ともあれ,
交通事業の再建の基本は,需要をいかに伸ばしていくかということであります。
健全化計画においては,地下鉄の新規需要を平成4年度を初年度とする第2次5年計画で1日2万人,次の5年計画で1日2万人の合わせて1日4万人の需要の伸びを確保するため,大規模長期プロジェクトの実現に取り組むこととしており,また,地下鉄沿線開発の民間活用についても,市長が関係機関に要請しているところであります。
しかし,景気後退ということもあって,早くも再建計画の初年度である平成4年度の地下鉄需要は,1日62万人の計画が60万7,000人になり,1万3,000人の下方修正をしております。経営健全化のための施策を安易に料金改定に求めることであってはならず,その前提としての内部努力と,将来に向かっての明確な経営改善目標を示すことにより,市民の理解を得ることが大切であります。
企業債償還負担の軽減努力についてであります。企業債の元利償還負担が,今後も引き続き負担増加となってくると予想されますが,企業債未償還残高及び元利償還負担がどのように推移していくのか,その見通しと,その償還負担の軽減策としてどのような施策を考えておられるのか,平成5年度においての経営健全化計画で予定している1日63万人を1万4,000人減少させて1日61万6,000人とし,需要の減少傾向を大きくしているのであります。
長期的な再建途上においては,景気の変動による影響は当然に受けるものでありますが,景気の変動とは別に,労働時間の短縮の流れの中で,今後週休二日制がさらに拡大するのは確実でありますし,需要減少に拍車がかかるのではないかと思うのであります。
本市は,全庁挙げて
交通事業の需要喚起を提唱し,特にプリペイドカードの販売や,各種事業による乗客誘致に懸命に努力していることについては評価をいたしますが,さまざまな厳しい状況下にあって,今後の
交通事業の再建については,大きな不安を抱かざるを得ないのであります。
いま,
交通事業全体で約5,020億円の借金を抱えており,これに対して金利だけでも年間約290億円の支払いを要し,さらに赤字が累積約2,020億円になっており,
一般会計からの持出しも年々ふえる傾向にあり,全市民的な問題としてとらえねばなりません。
同時に,市営
交通事業は本市の基盤施設であり,将来にわたって市民の足としての役割を果たしていかなければならないものであります。こうした状況において,市長はどのように交通の再建を推し進めていこうとしているのか伺いたいのであります。
次に,地下鉄東豊線延長部の開業に伴う中央バスとの補償問題について伺いたいのであります。
地下鉄東豊線の豊水すすきのから福住までの建設は順調に進み,平成6年12月開業に向かって準備が進められていることはご承知のとおりであります。同時に,これと関連して,この地域の主な輸送機関であります中央バスへの補償問題が,解決すべき大きな課題として残っているのであります。この補償問題につきましては,中央バスとの間で,開業の1年前,すなわち本年末までに決定することで合意していると聞いておりますが,残された時間も少なくなり,具体的な補償内容が明らかになってもよい時期ではないかと思うのであります。
東豊線延長部開業に伴う中央バスの影響額を算出するために,昨年5月に中央バスと共同で利用者の実態調査を行なったと聞いておりますが,その影響額はどの程度となるのか,明らかにしていただきたいのであります。
また,その影響額をもとに,本市はどのような方法で補償しようとしているのか,市長の見解を伺いたいのであります。
次に,水道事業についてお伺いをいたします。
水道事業財政の現状について見ますと,平成4年度末に見込まれる累積欠損金は56億5,100万円とされ,このままでは,新財政計画期間の最終年度である平成8年度末には250億円以上に達する見込みであります。
こうした財政悪化は,これまでの市勢の伸展に伴う給水需要の増加に対応するための施設整備の財源を企業債という借入金に求めざるを得なかったため,この元利償還金の負担が増大していること,あるいは本市の需要構造に基づく給水収益の伸悩みに起因すると言われております。
昨年末の第11次市営企業調査審議会答申にもありますように,今後こうした償還負担がますます増加して,財政構造が硬直化する傾向にあるために,これまでの企業債依存体質を改善し,長期的な見直しに立った水道事業の経営健全化努力を具体的に開始しなければならない時期に至っていると考えるのであります。
本市の水道料金は,従来から資金ベースにより算定されてきましたけれども,資金ベースによる料金算定方式では,当面の資金需要を賄うのみで,新規事業の資金需要は恒常的に借入金に頼らざるを得ないものとなり,また,その償還負担を後年次へ先送りする結果となるものであります。こうした意味で,このたびの料金改定案では,審議会答申に沿って損益ベースによる料金算定方式に移行する内容となっておりますが,長期的な財政健全化という点では,一応うなずけるものがございます。その前提としては,内部努力と将来に向かっての明確な経営改善目標を示すことにより,市民の理解を得ることが大切であります。
そこで,4点についてお伺いをいたします。
第1点目は,企業債償還負担の軽減努力についてであります。
企業債の元利償還負担が,今後も引き続き負担増加となってくると予想されますが,企業債未償還残高及び元利償還負担がどのように推移していくのか,その見通しと,この償還負担の軽減策としてどのような施策を考えておられるのか伺いたいのであります。
第2点目は,このたびの料金改定に含まれている損益ベースによる料金算定方式への移行について。
損益ベースによる算定方式といっても,料金算定期間内の収支の均衡を図るだけのものから,実体資本維持のための資産維持費を見込むものまで,その目的とするところにより料金原価は異なるものであります。課題となる借入金依存体質からの脱却による財政健全化を図るためには,料金原価の中に資産維持費を算入して,再投資資金を確保するための自己資本の充実を図り,その結果として長期的な経営安定化を求めるべきであり,この場合,料金原価の増大による市民負担の急激な増加が危惧されるところであります。
したがって,損益ベースの移行に際し,この点について将来への展望を含めてどのように考えておられるのかお伺いをしたいのであります。
第3点目は,需要拡大についてであります。
本市の水道需要構造は家事用比率が高く,大口需要がきわめて少ないものとなっており,さらに大量に使用する事業体は,地下水依存が高いのが実態であります。このことは,地盤沈下や水質汚染の危険をはらんでいるものであります。このことは機会あるごとに言われてきたことでありますけれども,いま一度あえて申し上げます。つまり,地下水を規制することで,こうした危険を防止し,一方で地下水使用の規制により,水道の大口使用者の増加と,これに伴う給水収益の増収が可能であり,結果として現在の逓増料金制を見直して,家事用利用者の負担軽減もできるものと考えますが,この地下水規制と水道需要拡大策をどのように考えておりますか伺いたいのであります。
第4点目は,企業用資産の有効活用についてであります。
平成元年の地方公営企業法施行令の一部改正などによる土地の有効活用の用途拡大,これを活用した附帯事業の推進など,事業の多様な展開による経営の活性化と収益確保策として注目されており,他の事業体においてもさまざまな試みが行われつつあります。
このたびの審議会答申でも,資産,資源,施設の有効活用を積極的に図るべきであると提言いたしておりますが,本市としても,水道事業が保有する土地,建物などの資産の有効活用を積極的に検討し,市民の利用が可能なものは開放し,一方で収益を確保できる活用方策を推進すべきであると考えますが,以上4点についてお伺いをしたいと思います。
次に,教育問題についてお伺いをいたします。
最初に,教員の免許外教科担任の問題についてであります。
申すまでもなく,中学校の教員は免許のない教科を教えることはできませんが,学校における教員配置によっては,必ずしも全教科の担当者が適正に配置されない場合も多く,やむなく数学の教員が体育を,国語の教員が音楽を教えなければならない実態が依然として続けられつつあることは,きわめて遺憾なことと言わざるを得ません。
道教委によれば,道内では,平成3年度に免許外教科を担当したケースは3,265件に上り,本市でも昨年9月1目現在で216件に及ぶと聞いております。
また,本市内の中学校でも,特定教科の担当教員のやりくりがつかず,長期間にわたって担当教員が不在という現実もままあるやに聞いております。本市教育委員会もこの問題を重視し,問題解決のために長年努力を重ねてきていることとは思いますが,不正常な現状は依然として残されたままであります。
言うまでもなく,教員の免許制度は学校教育制度の基本をなす問題でありますが,こうした不正常な現実は,文部省が行う現行の教員配置の制度に基本的な問題があるためであります。すなわち,文部省は学級数によって教員数を決めておりますが,これを教科ごとの定員制にしなくては,現状の抜本的解決はあり得ない問題であります。
地方の教育委員会としては,教員の適正な配置について,より一層強力な要請を国に対して行うべきであり,一方,地方独自の教員配置のあり方について,さらに工夫を重ねる必要があると思うのであります。
以上のことから,3点についてお伺いをいたします。
まず第1点は,免許外教科担当教員が,免許外の教科を担当している本市中学校の実態は,果たしてどうなっているのかということであります。
その第2点目は,こうした不正常な現実が生じた原因は,きわめて不合理な教職員配置基準によるものと思うのでありますけれども,また,そのほかにその原因として考えられるものがあるのかどうか伺いたいのであります。
第3点は,この問題は古くから指摘されている問題でありますが,本市教育委員会は,従来までいかなる努力を続けてきたのか。また,今後はどのような対策をとろうとしているのか,教育委員会の見解を伺いたいのであります。
次に,業者テストにかかわる問題について伺います。
文部省の高校教育改革推進会議は,去る1月26日,高校入試の改善策をまとめた最終報告を提出しております。その中で,以前より問題となっている業者テストについて,中学校側に対しては,私立高校の入学者選抜に当たり,テスト結果を提供してはならないこと,授業の中に業者テストを持ち込んだり,教員の関与を禁止する厳しい内容の要請が行われ,一方で,学校側にもテスト結果を求めないよう強く要請し,しかも,直ちにこれを実施するよう求めております。
文部省は,これを受けて平成6年度入試に向け改革を実行するよう,異例の業者テスト禁止の通知が行われたのであります。
本市におきましても,中学校3年生を対象に行われる財団法人北海道文化協会の統一学力テストの成績が,一部私立高校に入学選抜の参考資料として提供されているという指摘もあり,中学校が進路指導の重要資料としているABCテストの平均点と内申点で生徒を輪切りにし,それによって受験校を決めるという事実が指摘され,文協テストが一般に言われる業者テストと実質的に何ら変わらぬことが論議を呼んでまいりました。つまり,業者テストの偏差値が選抜の基準として重きをなしていることが指摘され,高校の入学者選抜は,公教育にふさわしい資料によって行われるべきであることが関係者の間で主張されてきたのであります。
今回の改革推進会議の報告でも,中学校の進路指導は,生徒の適性,関心などに基づき総合的に行われるべきとし,偏差値に依存した進路指導を厳しく戒める内容となっております。今回の報告は,定着している偏差値教育を否定する意味からいえば,一定の評価がなされるものでありましょう。
しかしながら,そもそも偏差値教育がかくも全国的に定着した原因は,文部省が戦後,強引に推し進めてきた大学区制を中心とする高校入試制度にあり,偏差値によって生徒を機械的に分類し,区別せざるを得なかった入試制度の欠陥によるものであることは,余りにも明らかであります。
したがって,この点の改革をなおざりにしたまま,偏差値教育の弊害のみを叫ぶのは,きわめて一方的な見解と言えましょう。高校入試制度を改善し,総合制,男女共学制,小学区制などの高校三原則による整備を行い,希望者全員の入学を実現することなしには,この問題の抜本的解決はないと言わざるを得ません。
さて,これらの動向によって最も懸念されることは,業者テストの排除を入試制度の基本的解決なしに性急に実施することによって,教育現場の混乱が予想されることであります。本市教育委員会としては,生徒に対する悪影響を最小限に食いとめるためにも,きわめて柔軟かつ賢明な配慮のもとに適正な方策を講ずるべきと考えるのであります。
以上の観点から,4点について見解をお伺いしたいと思います。
第1点目は,まず,文部省が指摘する業者テストとは一体いかなるものを指すのか。本市で行われているいわゆる文協テストといえどもその範疇にあるものと思われるのですが,いかがでありましょうか。
第2点目は,本市における文協テストは,教育現場ではどのように利用されているのか,その利用状況についてお伺いをいたします。
第3点目は,文部省からのいわゆる業者テスト禁止の通知によって,本市において利用されている文協テストの取扱いはどうなっているのかお伺いをしたいのであります。
第4点目は,今回の業者テスト禁止の通知は,入試制度の欠陥を何ら解消するものではないと思われますが,その性急な実施により予想される教育現場の混乱について,どのような配慮がなされようとしているのか,本市教育委員会としての明確なる見解をお伺いしたいのであります。
最後に,雪対策についてお伺いをいたします。
平成12年度までの10年計画で雪さっぽろ21計画を策定し,冬でも魅力あるまちづくりを実現するため,除雪パートナーシップ制やマルチゾーン方式による除排雪体制の確立,流雪溝や融雪槽等の施設整備など,日常的な生活道路を確保するため日夜努力されている現場職員,作業従事者にも敬意を表するものであります。
しかしながら,行政に対する要望は,常に除排雪にかかわるものが上位を占め,いかに市民の不満が強いかをあらわしているのであります。特に,家の周りの除雪をするときに,雪捨て場がない,除雪車が間口に残していく雪に困っているなどが不満の大きな原因となっております。
本市の平成4年10月1日現在の推計で,65歳以上のひとり暮らし世帯は約2万2,331世帯,夫婦のみの高齢者世帯で3万5,747世帯あります。今後の高齢化社会を迎えるに当たり,かつノーマライゼーションの促進による在宅福祉社会の中で,高齢者世帯,障害者世帯の除排雪についての対策が強く求められているのであります。
平成3年には429世帯が区社会福祉協議会でのボランティアの努力によって除排雪を行なっておりますが,確かに地域の助合いの意味からすると大切なことではありますけれども,これで将来とも十分対応していけるということは決して言えないのであります。
そこで,質問の第1点目は,今冬からマルチゾーン方式による除雪体制が試行されました。これは除雪作業の効率化とレベルアップを図ることとしておりますけれども,このエリア内の高齢者世帯,障害者世帯で,除排雪が困難な世帯を事前に把握し,玄関間口の除雪をきめ細かくするなどの方法を講ずることによって,その対策ができると思うのでありますけれども,いかがでありましょうか。
また,最近では,一般家庭用の融雪装置が開発されておりますけれども,本市が実施した調査によりますと,価格面でユーザーの希望価格が30万円から40万円に対し,実態は60万円から70万円と高価格で,行政に何らかの助成策を求める声が多いと聞いておるのであります。したがって,現在の利用者を収入面から見ると,約半数は700万円以上の年収がある所得層であり,一般普通世帯はもちろん,低所得者層に普及されるまでには至っておりません。
そこで,質問の2点目は,このことから,年金生活をする高齢者世帯や,障害を持ちながら生活をする低所得の人たちが,家庭用融雪装置を設置する場合における助成策を講ずることにより,除排雪弱者対策をすべきと考えますが,市長のお考えを伺いたいのであります。
さらに,一般生活道路の排雪に当たっては,従来の無料貸出しトラックにより町内会単位での排雪作業から,新たに市民,市,除雪業者の3者がそれぞれに役割分担しながらのパートナーシップ制度を導入し,全市的にこの制度の普及を目指しておりますが,利用する住民からは負担が高過ぎるとの声も聞かれるのであります。
実際に,今冬でパートナーシップ制度で除排雪を申請した地域は94ヵ所あり,この状況を分析してみますと,平均では1世帯当たり2,314円とはいえ,負担額が一番低い地域で1世帯当たり323円,一番高い地域では1世帯当たり6,511円,これだけ負担をしている地域もあるわけであります。その格差が余りにも大き過ぎるということであります。
その要因には,地域内に10メートル以上の道路及び計画的に排雪を行う幹線道路や通学路は市が全額負担することになっており,郊外と都心部によっては,対象路線の多少,あるいはその地域の負担世帯数によって1世帯当たりの負担額に不公平が生じていると考えられるからであります。
したがって,質問の3点目は,除排雪のパートナーシップ制度を活用する地域住民の負担の公平化を図るため,たとえば1世帯当たりの負担額の上限を3,000円程度に設定し,不足分については市が負担することで,全市的にこの制度が活用されるよう取り組むべきと考えますが,市長の考え方をお聞かせいただきたいのであります。
最後,4点目でありますが,ことしの冬季間における特徴として,路面の凍結による車のスリップ事故や歩行者の転倒事故が多発しております。この要因は,異常気象による寒暖の差が激しかったことですが,ドライバーからすると,事故の危険性から
スパイクタイヤに戻してもらいたいとの悲鳴も出ているほどであります。
本市では,建設委員会の中で,緊急対策として市内主要交差点400ヵ所に凍結防止剤の散布を実施することにしましたが,今後,収来にわたって雪国札幌としての万全な道路整備体制を確立しなければなりません。先ほど青木議員の質問に対して答弁がありましたけれども,下り坂を含めたロードヒーティング化の面整備については,平成5年度で30ヵ所と言わず,前倒しをしてでも早急に整備すべきと思うのですが,あらためて伺いたいのであります。
また,歩行者がつるつる道路で転倒し,救急車で病院に搬送された人数が,昨年12月の1ヵ月で248人,前年12月93人に比較して2.6倍になっているのであります。さらに分析すると,札幌市内の居住者が232人で93.5%と圧倒的に多く,年齢別で40歳以上が213人で全体の86%を占め,重傷者は37人で15%に当たるものであり,当然歩行者対策も急ぐ必要があります。本市としてどのような対策をしようとしているのか明らかにすべきでありますが,いかがでありましょうか。
本市としても,冬季における路面整備のための凍結防止用舗装の開発研究はもとより,あらゆる角度での取組みが望まれます。平成5年度予算で新たに土木技術センター研究費が500万円計上され,充実を図るとされておりますけれども,これでは十分とは思われません。しかし,いまさら
スパイクタイヤ時代には逆行できません。また,歩行者の安全を守るためにも,土木技術センターの普及及び体制の充実を明確にし,十分な予算づけも図るべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。
以上で,私の質問のすべてを終了いたしました。ご清聴ありがとうございます。(拍手)
○副議長(湊谷隆君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) それでは,私から数点お答えをいたします。
まず最初に,税・財政問題についてであります。
第1点目の所得税減税についてでございますが,ただいまご指摘がありましたように,引き続き低迷している景気の浮揚策の一つとして,所得税の減税が論議の焦点となっているところでありまして,
景気対策の手段といたしましては,減税は公共投資などと並んで財政がとり得る一つの措置であろうと考えております。
この点につきましては,減税のための財源をどうするかなどのこともありますので,国政の場で論議を尽くしていただくべき問題であると認識をしているところであります。
第2点目の地方分権についてでございますが,まず,今回の政治改革推進協議会の提言につきましては,細部については異論もありますが,地方分権に向けての一つの方向を示したものとして評価をいたしております。
アンケート調査につきましては,私としては,権限,財源をあわせた地方分権を進めるべきであり,その際に,大都市には十分な配慮が必要であるという観点から回答をしたところでありますが,基本的なところでは,おおむね今回の提言の趣旨に近いものであると思っております。
次に,地方分権に向けての行動でありますが,この問題につきましては,全国のすべての自治体に影響のある事柄でありますので,従来から全国市長会や各指定都市と連携して,国や地方制度調査会,行革審に対し意見を述べたり,要望を行なってきたところであります。今後も関係団体等と連携をとりながら行動してまいりたいと考えております。
第3点目の本市の財政問題についてであります。
まず,
地方交付税の特例減額等に係る国からの返済分等の額についてでございますが,いわゆる法定加算額として
地方交付税の総額に後年度加算すべきものとされている額は,平成6年度から平成13年度までで約4兆1,300億円であり,このうち平成5年度の地方財政対策によって後年度加算すべきものとされた額は,約1兆1,200億円であります。
なお,これらの額のうちの本市分についてでありますが,
地方交付税の交付額は,個々の地方公共団体の基準財政需要額と基準財政収入額との差として算定されるものであり,国と地方との貸し借りの額について,その影響分を個々の団体ごとに算定することはできないものと考えております。
次に,国庫補助負担率の恒久化に伴う影響額等の補てん措置についてでございますが,補てんのための特例債の元利償還金につきましては,各年度の償還に合わせて,その全額が将来にわたって
地方交付税により措置されることになっておりますので,とりたてて実害があるという認識はしていないところであります。
次に,地方財政の運営についてでありますが,平成5年度の地方財政対策における特例減額や法定加算の繰延べなどは,国の厳しい財政状況や公経済における国と地方の役割を考慮しながら,地方において必要な事業費を確保した上での措置であり,個々の地方公共団体の財政運営に支障を来たすものではないと考えているところであります。
今後とも地方財政の運営に支障を生ずることのないように,
地方交付税総額の長期的かつ安定的確保につきましては,他の都市とも連携をとりながら,適時適切に国に対して要望してまいりたいと考えております。
次に,平成5年度の市税予算の見積もりについてでありますが,
地方財政計画の市町村税収入と本市の市税予算の伸び率が大きく異なる理由は,主として平成4年度の
地方財政計画の見積もりが低かったことにあると考えております。すなわち,本市におきましては,
地方財政計画の伸び率を参考とはいたしておりますが,市税予算は,それぞれの税目ごとに税収実績などを見きわめながら積み上げて見込んでいるところでありまして,現時点で可能な限りの額を計上しているものと考えております。
なお,他の政令指定都市の平成5年度の市税予算につきましても,すべての都市におきまして,
地方財政計画の伸び率を下回っている状況にあります。
次に,福祉問題についてでございます。
1点目の民間保育所職員の待遇改善についてでありますが,民間保育所職員の給与につきましては,私保連で定めました基準給与規定を一つのガイドラインとして,基本的には各法人において独自に定められるものでありますが,適正な施設運営をするためには,良好な職員処遇がきわめて大切であります。
また,民間保育所の人件費が赤字となった場合の補てんについてでございますが,これは措置費体系上,給与の交付基準に加え,勤続年数に応じて民間施設給与等改善費が支弁されており,私保連基準で実施をいたしましても,現状の平均勤続年数の実態から考えますと,直ちに欠損が生じることにはならないものと思っております。
いずれにいたしましても,民間保育所職員の給与につきましては,措置費の改善が基本でありますので,国に対し,引き続きその改善について強く要望してまいりたいと考えております。
2点目の留守家庭児童対策についてでございますが,留守家庭児童対策の充実についてでございます。
ご指摘のとおり,留守家庭児童対策事業の対象学年は,小学校の低学年児童でありますことから,小学校区単位でこれらの児童に対応する施設があることが望ましいと考えております。
したがいまして,現在127ヵ所の受入施設がありますが,より身近なところで利用できるようにするためには,どのような施設が活用可能なのか検討していきたいと考えております。
次に,児童会館児童クラブでの障害児の受入れについてでございますが,現在,児童クラブでは,障害の程度を考慮しながら保護者の方々と個々に相談をし,受け入れております。
今後におきましても,引き続き可能な限り受け入れるよう努力をしてまいりたいと考えております。
3点目の地域ボランティアの振興策についてであります。
ボランティア活動は,あくまでも住民の自主的かつ奉仕的精神によるところから,地域の代表的住民組織である区社会福祉協議会が中心となって,その組織化,定着化が進められておりますが,地域実情に精通した連絡所の果たす役割も大きく,十分な連携を図りながら,地域ボランティアの振興を支援してまいる考えであります。
次に,公営企業の諸問題についてでございます。
まず,
交通事業の再建計画についてでありますが,輸送人員につきましては,さまざまな変動要素に左右され,その年々の需要の浮き沈みは避けられないものでありますことから,基本的には長期的にとらえていかなければならないものと考えております。
ご指摘のように,平成4年度と5年度につきましては,景気の低迷,週休二日制の拡大などの影響により,計画を下回る需要を見込まざるを得ない状況となったところでございます。
そこで,輸送人員の確保についてでございますが,輸送人員は,健全化収支上の基本となるものでありますことから,この需要の落込みにつきましては,今後の景気の回復に期待する一方で,交通局内部の努力といたしましては,人件費など経費面の節約を図ると同時に,地下鉄プリペイドカードの直接方式,さらには電車・バスへの導入拡大など,より一層の利便性の向上を図ることなどによって,新たな需要の喚起に努めてまいりたいと考えております。
さらに,健全化計画の需要喚起策に基づく公共施設の地下鉄沿線への優先配置,民間開発の誘導促進など,その実行に向けて,全庁挙げて積極的な取組みを進め,需要の創出を図ってまいる所存でございます。
いずれにいたしましても,市営
交通事業は市民の大切な財産でありますので,再建計画に大きな狂いが生じないよう,最大限の努力を傾注してまいる所存であります。
次に,地下鉄東豊線延長に伴う中央バスとの補償問題についてでございます。
まず,影響額につきましては,昨年5月の乗客実態調査に基づき推計いたしましたところ,影響路線数は18路線,約12億3,600万円の減収になる見込みであります。
そこで,この影響額に対する補償方法についてでございますが,平成元年12月に中央バスと取り交わしております覚書では,路線移譲及び附帯事業その他の便宜供与で補てんする内容としており,今後ともこの覚書を尊重し交渉を進めてまいりますが,現時点では具体的な補償方法まで詰まっていない状況でございます。
この問題につきましては,双方の経営の根幹にかかわる大きな事柄でございますので,慎重に対応していかなければなりませんが,年内には基本的な合意が得られますよう,精力的に交渉を進めてまいる所存であります。
次に,水道事業についてお答えをいたします。
まず第1点目は,企業債償還負担の軽減策についてでございます。
企業債未償還残高及び元利償還金の推移につきましては,仮に今後の企業債借入額を平成5年度予算額の90億円と同額といたしますと,未償還残高は平成13年ごろ,元利償還金につきましては平成17年ごろをそれぞれピークとして,その後は徐々に減少していくものと推計しております。
また,償還負担の軽減策につきましては,短期間のうちにその効果を期待することはできませんが,まず,単年度ごとの企業債借入額を極力抑制し,負担の軽減を図る一方で,これまでにも増して国に対する補助制度あるいは起債制度の改善要望を継続して続けてまいりたいと考えております。
第2点目の損益ベースへの移行についてであります。
損益ベースによる料金原価には,ご質問にもございましたように段階がありますが,このたびの改定案では,平成8年度末に予想される累積欠損金を解消しようとするものでありまして,資産維持費等は原価に算入しておりません。
しかし,将来的には市民負担に配慮しつつ,再投資資金を確保するため,自己資本の充実による長期的な経営の安定化を目指したいと考えております。
第3点目の地下水規制と水道需要拡大策についてでございますが,本市におきましては,これまで地下水の使用量に大きな変動がなく,また,著しい地盤沈下が認められないことから,直ちに規制する状況にはないと考えております。
しかしながら,地下水汚染地区においては,公衆衛生上の観点から,今後とも水道水の使用を指導してまいる所存でございます。
なお,こうした状況から,地下水使用の規制による需要の拡大は,当面は難しいものと考えております。
第4点目の資産の有効活用につきましては,ご指摘のとおり,今後の水道事業経営の重要な課題であると認識をいたしております。現在,平岸配水池の上をテニスコートとして利用するなど,一部取り組んでいるところでございますが,一方で,水道施設は市民の生命に直結する施設でありますので,その活用方法につきまして慎重に配慮しながら,他都市の状況をも調査しながら積極的に検討してまいる所存であります。
いずれにいたしましても,市民の負託にこたえる水道事業の経営のため,今後とも経営健全化の努力を続けてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○副議長(湊谷隆君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 未整備地区の整備促進と雪対策につきまして,私からお答えいたします。
まず,未整備地区の整備促進についてお答えいたします。
第1点目の下水道未整備地区の現状と整備促進についてでございますが,ご指摘の懸案地区のうち,北区新川地区につきましては,いわゆる地図混乱地区ではありますが,地積確定の作業が順次完了してきており,用地確定に合わせて平成5年度から整備を進める予定でございます。
また,南区藤野地区につきましては,近隣の開発行為に伴い,ルート変更による用地の確保が可能となりますので,ここ数年で解決できるものと考えております。
また,中央区円山西町地区につきましては,用地の権原確保に向けまして,これまで地権者と交渉を進めてまいりました。しかし,解決までにはいましばらく時間がかかる状況にあります。
今後とも地元の協力をいただきながら,引き続き用地解決に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に,第2点目の市街化調整区域内における水道未整備地区の整備にかかわる
一般会計の繰出しについてでございますが,公営企業については独立採算を原則としており,公営企業または経費の性質上から,その負担になじまないものにつきましては,地方公営企業法等を根拠にして
一般会計から繰出しを行なっているところであります。
ご質問の件につきましては,水道施設そのものの整備であることから,本来的には,
一般会計の負担においてではなく,水道事業全体の収入において賄われるべきものと考えております。
次に,第3点目の市道認定についてでございますが,まず第1に,認定の基本的な考え方につきましては,昭和46年以降,認定基準を順次緩和し,平成4年度までに約1,200キロメートルの私有道路について認定をしてまいりましたが,今後も寄附を受け認定するよう努力をする所存でございます。
第2に,寄附拒否者に対する考え方についてでございますが,近年は,地価高騰により土地に対する価値観も変わり,寄附を拒否する方々が多くなってきているのも事実でございますが,今後とも土地所有者の協力を得ながら認定を進めていきたいと考えております。
第3に,地図整備事業についてでございますが,平成4年度までに24地区,約770ヘクタールを実施してまいりましたが,今後ともご指摘の趣旨に沿うよう積極的かつ粘り強く土地所有者間の調整に努めてまいりたいと考えております。
なお,第4につきましては,地区ごとの整備課題につきまして,より一層関係部局の連携を図りながら対処する所存でございます。
次に,雪対策についてお答えいたします。
まず,第1点目の高齢者世帯や障害者世帯に対する除雪につきましては,ご指摘のとおり,各区の社会福祉協議会によるボランティア活動が行われております。
さらに,除雪弱者対策を充実させるため,現在,札幌市雪対策推進会議の市民協力部会において検討を重ねているところであり,平成5年度中をめどにその方向性を示したいと考えております。
次に,2点目の家庭用融雪装置の助成策についてでありますが,この装置の普及は,今後の高齢化,あるいは宅地の狭隘化を勘案した場合,本市の雪対策上,有効な施策となり得ることから,検討してまいりたいと考えております。
次に,3点目の除雪パートナーシップ制度についてでございますが,2年間の試行を経て,本年度から本格実施しているところであります。この制度はまだスタートしたばかりであり,雪さっぽろ21計画の基本施策として確立するためには,さらに改善を重ねて,より市民の皆様にご理解していただけるものにしなければならないものと考えております。
なお,市民,市,除雪企業の3者が相互に連携し,役割を分担するという制度の基本的な考え方の意識を高める中で,市民負担のあり方についても公平化を図るよう検討してまいりたいと考えております。
次に,4点目の路面整備等についてでございます。
まず,
坂道ヒーティングにつきましては,冬季の路面管理において最も有効な施策であることは十分認識しており,これまでも特に重点的に整備を行なってまいりました。しかし,何分にも建設費,維持管理費等のコストが膨大となるため,財源等を考慮しまして第2次整備計画を策定したものでございます。
したがいまして,まずはこの計画に基づき整備を進めてまいりたいと考えております。
次に,歩行者対策と土木技術センターの拡充についてであります。
現在考えられる歩行者対策としましては,車道の対策と同様に,融雪剤や砂の散布,ロードヒーティングなどがありますが,2次的影響やコストなどの問題を含んでおります。
そこで,今後は凍結しにくい舗装材の研究や氷結路面を削る機械の開発など,土木技術センターの拡充を図る中で,長期的に研究開発をしてまいりたいと考えております。
土木技術センターの機能及び拡充につきましては,その機能等が十分果たせるよう,業務内容を見直し,現在,体制整備を検討しているところでございます。
また,業務内容に合わせた予算づけをしてまいりたいとも考えております。以上でございます。
○副議長(湊谷隆君) 藤島教育長。
◎教育長(藤島積君) 教育の問題について,私からお答えいたします。
1点目の免許外教科担当教員の実態についてでございますが,市立中学校において,平成4年度で延べ216人の教員が,所有免許状以外の教科を週当たり合計1,166時間担当しており,これは全学校の週当たり総授業時数の2.2%に相当いたします。
2点目の免許外教科担当が生じる原因についてでございますが,現行の教員配置は,いわゆる標準法に基づく北海道の教職員配置基準により行なっております。しかし,この配置基準は教科別ではなく,学級数に基づくものであるため,各学校においては,持ち時間数や担当する校務分掌等への配慮から,ご指摘のような状況が生じております。
3点目の免許外教科担当の解消のための対策についてでございますが,これまでも各学校の校長と,翌年度の人事にかかわる協議をあらかじめ行い,計画的な教員の採用及び必要に応じた教員配置をして解消に努めております。今後も複数免許状所有者の採用や教員異動の際に留意する等,努力してまいりたいと考えております。
また,学級編制及び教職員の定数につきましては,国及び都道府県の所管となっておりますので,本市としましては,指定都市教育委員会と十分連携を図りながら,道や国等関係方面へ強く要望してまいりたいと,かように考えております。
次に,業者テストについての1点目でございますが,文部省の説明によりますと,業者テストとは,志望校選択のための偏差値等の資料を得ることを目的として,民間業者が作成するテストであり,採点処理などすべて業者が行うものということであります。特に,そのテスト結果だけで私立高等学校への入学が決定されるような利用の仕方が問題点として指摘されております。
本市の中学校が利用しているいわゆる文協テストは,民間業者が作成しているものではなく,財団法人である北海道教育文化協会が作成しているものであります。実施に当たりましては,各学校が自校の生徒の実態に即して,問題の修正や採点等について適切な配慮がなされており,集計処理等についても各学校が行なっております。
経費につきましても,本州の業者テストは1回の料金が1,000円から2,000円でございますが,文協テストは1回200円前後であります。また,本市では,文協テストの結果のみで進学先が決定されることはございません。
このように比較してみますと,文協テストは文部省の言う業者テストの範疇には入らないものと,かように認識しております。
2点目の文協テストの利用状況についてでございますが,市立中学校93校の全校が利用しております。利用回数につきましては,平均して中学1・2年生では年間2回程度,3年生では5ないし6回程度となっております。
また,結果につきましては,自校における進路指導の一参考資料として利用されております。
3点目の文部省の通知による文協テストの取扱いについてでございますが,通知の中で,公益法人作成のテストについては,学校が協力して問題の作成や採点に携わるなど,それぞれの学校が教育活動として行うものであれば,一つの方策であると認めており,あわせて,進路指導の参考資料を得るために利用すべきものと条件をつけております。
したがいまして,文協テストは全面禁止を求めている業者テストには該当しないものと解釈いたしております。
しかしながら,文協テストの利用につきましては,テスト結果を高等学校に提供しないことを初め,行き過ぎや誤解を招くことのないよう早急に検討し,適切に利用されるよう指導してまいります。
4点目の文協テストの今後の取扱いについてでございますが,校長会や札幌市進路指導協議会等の協力を得ながら,改善のための組織をつくって検討を進め,生徒や父母に不安や混乱が生じないよう対処してまいります。以上でございます。
○副議長(湊谷隆君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明3月2日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(湊谷隆君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――――――――――
○副議長(湊谷隆君) 本日は,これで散会いたします。
――――――――――――――――
散 会 午後4時26分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 湊 谷 隆
署名議員 西 村 茂 樹
署名議員 武 藤 光 惠...