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平成 4年第二部決算特別委員会−10月22日-06号
平成 4年第一部決算特別委員会−10月22日-06号

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  1. 札幌市議会 1992-10-22
    平成 4年第一部決算特別委員会−10月22日-06号


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    平成 4年第一部決算特別委員会−10月22日-06号平成 4年第一部決算特別委員会            札幌市議会第一部決算特別委員会会議録(第6号)                 平成4年10月22日(木曜日)       ────────────────────────────────── 〇議題 付託案件の審査       ────────────────────────────────── 〇出席委員(34人)    委員長   西 村 茂 樹 君       副委員長  高 橋 忠 明 君    委  員  野 間 義 男 君       委  員  田 畑 光 雄 君  欠 委  員  山 田 信市郎 君       委  員  室 橋 一 郎 君    委  員  佐 藤 寿 雄 君       委  員  佐 藤 美智夫 君    委  員  武 市 憲 一 君       委  員  道 見 重 信 君    委  員  山 崎 七 郎 君       委  員  岡 本 修 造 君    委  員  工 藤   勲 君       委  員  赤 田   司 君    委  員  澤 木 繁 成 君       委  員  川口谷   正 君    委  員  畑 瀬 幸 二 君       委  員  田 畔   満 君    委  員  政 氏   雅 君       委  員  唯   博 幸 君    委  員  森   健 次 君       委  員  春 原 良 雄 君    委  員  柿 崎   勲 君       委  員  三 上 洋 右 君    委  員  加 藤 隆 司 君       委  員  小 谷 俵 藏 君
       委  員  村 山 優 治 君       委  員  千 葉 英 守 君    委  員  菊 田 勝 雄 君       委  員  高 橋 重 人 君    委  員  生 駒 正 尚 君       委  員  井 上 ひさ子 君    委  員  佐々木 周 子 君       委  員  中 嶋 和 子 君    委  員  菅 井   盈 君     ──────────────       開 講 午後1時     ────────────── ○西村 委員長  ただいまから,第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,山田委員からは欠席する旨の,また,吉野委員三上委員と交代する旨の届け出がございました。  それでは,早速議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第8項 学校保健費までを一括して質疑を行います。 ◆春原 委員  私は,静療院の分教室の部分と,それともう一つ,体育館を含めてちょっと質問をさせていただきます。  ここの分教室につきましては,ことしの7月28日でございますが,現地視察をさせていただきました。公明党の青年部,そしてまた婦人部を含めて,教室その他,また運動場を含めまして教育の現状,そしてまたその建物の実態などを見せてもらいました。行っていろいろとお話もさせていただきましたけれども,大変厳しい状況にあることは理事者の皆さんも十分ご承知だと思います。そんな部分で,このプレハブ教室は20数年使われていると。いろいろ事情はあるにせよ,聞いた話によりますと,今年度ですか,建てかえの準備をしたいと。もしかしたらできるんでなかろうかというような話,期待をされておったという部分がございました。それが,なぜことしできなかったのかと,これが1点でございます。  それからまた,2点目の運動場でございますが,のぞみ学園のあの廊下,病院というかその中を通過して教室や運動場に行かなきゃいけないと。このことにつきましても,体育時間その他を含めて,授業時間というのが決まっているわけでございまして,そういった部分をいままで知らん顔をしていたわけではないでしょうけれども,そのまま継続してきておったと。こんなことをあわせて,こういった部分を将来どういうふうに考えておられるのか。また,できなかった理由。この二つ,まず大きくは質問したいと思います。 ◎矢野 学校教育部長  ただいま委員からご指摘のありました静療院院内学級につきましては,ご指摘のように昭和49年に開設されたものでございまして,現在は平岸高台小学校及び平岸中学校の分教室として設置されております。  ご指摘のように,この学級はプレハブ校舎でございまして,施設的にも十分とは言えない面が多々ございます。分校化あるいは建物の改修など,教育環境整備につきましても,さきの5年計画に盛り込まれていたところでありますけれども,なぜできなかったかということでございますが,市立札幌病院平岸分院の再編成計画との整合性を図る必要が出てまいったものでございますから,やむを得ずそのまま今日に至ったものでございますので,ご理解をいただきたいと思います。  二つ目の運動場でございますが,これまた委員の指摘されるとおり,病院の廊下を通って体育館に行っていると。しかも,この体育館は,本来病院が設置した体育館でございまして,教育活動に使うという面では確かに十分とは言えない部分があろうかと思います。そんなことも考えまして,今後は市立病院と十分な連携を図りながら,条件を整えて早期に事業化するよう鋭意努力してまいりたいと,こんなふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。 ◆春原 委員  努力するということで,それは理解するけれども,いつごろまでに努力できるのか。ことしという話があったわけですから,来年度何とかひとつ計画にのせようと,こういう部分がはっきりしているのかしていないのか。それをしてほしいわけですよ。だから,これは父兄の思いとか,また,聞いてみますと,札幌市の子供の数が少ないとか,いろんな話があるんですね。よそから来ているからと,こういう話になりますと,ちょっとこれは大変なことなんです。そういったことを含めまして,再度答弁,いい答弁をひとつしてください。皆さんが安心するように。 ◎矢野 学校教育部長  ご指摘のように,各方面からこれは要望が多々上がっているところでございます。いま委員からお話がありましたとおり,その意を体しまして鋭意努力をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ◆春原 委員  もう一つ。実は,空き教室利用についてなんでございますが,この件につきましては本舘委員も今回の代表質問で,その使い方についてはいろいろ質問をして答えもいただいておるわけでございますが,平成元年の1定で柿崎委員が質問をされております。ちょうど4年たっているわけでございまして,当時,生徒数が減少しているとかなんとか言いながら,小・中合わせて107校だというんですね。そして,教室が688あると。さらに,5教室以上の空き室という部分で52校あるというふうに報告を受けておるわけでございますが,現時点でどれぐらいになっているのか,その辺をまず1点お聞きをしたいのであります。  それからもう一つ,もうはっきりそのときの話で質問をしておるわけでございますけれども,どういう利用が一番喜ばれているのかということでございます。その中で,ランチルームというお話が当時柿崎委員から質画されているわけでございます。これも4年を経過しているわけですから,もうそろそろこの辺で取り上げるべきでないのかと,このように思うわけでございます。食事環境の整備充実ということについては,非常に子供たちが期待をしている部分でございまして,何か一つアクションを起こしていただきたい。道内においても,目玉として大きな感銘を受けているというか,大変喜んでいるという地域もございますので,何とかひとつその辺をあわせてお答えをお願いしたいと思います。 ◎芳賀 総務部長  中学校の空き教室の現況につきましては,いまちょっと数字を当たっておりますので,後ほどお答えを申し上げます。  全体として,空き教室というか,余裕教室が出てきているのは小・中ともご指摘のとおりでございます。私どもとしては,従来からこういった部屋を利用して多目的教室,あるいは展示ホール,学校によっては郷土資料室といったようなものを整備をしてきているわけでありますが,国のほうでも,こういった部屋についての地域開放も含めて検討をされているようでございますので,今後,そういった意味での有効活用を図っていきたいというふうに考えております。 ◎古田 学校教育部参事  ランチルームについてお尋ねがございましたので,私からちょっとお答えをいたしたいと思います。  多目的教室を利用いたしまして,ランチルームに利用する方向で現在も検討を進めておりますし,すでに現在22校でランチルームを設置をして利用されてございます。今後とも,ランチルームの設置につきましては努力をしてまいりたいと思います。以上でございます。 ◎芳賀 総務部長  余裕教室の学校数でございますが,小学校は今年度49校ございます。中学校が27校。あわせて76校ございます。 ◆春原 委員  空き室の学校が減ってきていると考えられるので,それなりの努力はされていると思いますが,来年度の進め方として,そういった予定,また数を何とかしようという部分があるんでしたら,その数的なものも含めてここでご答弁いただけますか。ランチルームの件ですよ。よろしくお願いします。 ◎小原 総務部参事  来年度のランチルーム等についての整備はどうなっているかというお話でございますけれども,先ほど古田参事が言いましたように,多目的教室を利用してランチルーム等に充てていこうというのは,従来の,あるいは今日の私どもの考えでございまして,まだまだ多目的教室の整備が終わっていない学校もかなりございます。一義的にはそちらをまず優先的にやってからということで考えてございまして,特に,ランチルームという,委員ご指摘のような部屋はいまのところ考えてはございません。 ◆春原 委員  いまのようなことはまだ考えていないということでございますが,これも4年前の話でございます。そういった意味で,ひとつ何とか考えていただくという方向に進めてもらいたいと要望して終わります。以上です。 ◆三上 委員  わが自民クラブの最長老である吉野会長との委員会交代ということで,30年は早いであろうという別格からの質問であります。大変恐縮でありますが,これから質問させていただきたいと思います。  最近,新聞,テレビ,雑誌などのマスコミを通じて,性教育に関する報道や記事が大変多くなっております。これは,一つ目にはエイズ流行の問題,二つ目には青少年非行の問題,三つ目には小学校の保健に初めて教科書ができたことなどが背景にあるためと考えております。これらの記事の中には,大いに参考になるものもありますが,一方,内容としてはいかがなものか首をひねりたくなるようなものも少なくありません。性教育は,人間の生き方に大変大きな影響を与えるものだけに,本市の学校においてどのような性教育がなされているのか,大いに関心を持っているところであります。そのような観点から,性教育につきましてこれから幾つか質問をしたいと思います。  まず一つには,性教育の目的というのはどのようなものかお伺いしたいと思います。また,各学校へはどのようにしで性教育の目的や指導内容などについて指導しているのか。まず,この2点についてお伺いをしたいと思います。 ◎滑川 指導室長  性に関する指導の目的というのは,生命の尊重・人間尊重・男女平等の精神を基盤といたしまして,児童・生徒の発達段階に応じて,性に関する科学的な知識を理解させるとともに,健全な異性観を持たせ,これに基づいた望ましい行動がとれるようにし,人格の完成や豊かな人間形成に資するということを第一の目的としておるところでございます。  次に,2点目の各学校への指導についてでございます。  これは,市教委といたしまして,性に関する指導というのはきわめて早くから取り組んできておるところでございます。昭和51年には「性に関する指導の手引き」というものをつくってございます。さらに,63年にはいま問題になっておりますエイズ内容にも触れた改訂版を作成いたしまして,全教師に配布しております。その中で,性に関する指導の目標,内容,さらに計画や事例なども含めまして,各学校が計画的に実施できるように指導してきております。また,性に関する指導力を高めるということで,養護教諭とか,それから保健指導担当者,生徒指導の担当者等を対象とした研修会,それから,学校やグループによる研究委託事業も実施しているところでございます。さらに,62年度からは各学校に対して産婦人科医師による講師派遣事業も行なっておりまして,校内での研修の充実に努めてまいってきているところでございます。 ◆三上 委員  続いて,少し具体的な質問をしたいと思いますけれども,各学校では性教育の指導に当たり,どのような資料を利用して指導しているのか,これについてお尋ねをしたいと思います。 ◎滑川 指導室長  指導に当たる場合,どのような資料を利用しているかということでございますけれども,現在,各学校ではスライド,それからビデオなどの視聴覚教材,さらには,教員の手づくりによる挿絵,それから図,人形,TPシー卜,こういった資料を使って指導しているところでございます。これらの教材の選定や資料作成に当たっては,先ほども申し上げましたが,児童・生徒の発達段階とか,それから指導内容を考慮しながら,慎重に配慮しながらされているものと考えております。  なお,市教委といたしましては,性教育用のスライドというのをつくりまして,全小学校・中学校に配布して活用を図っているところでございます。 ◆三上 委員  ただいまのお答えの中に,副読本が入っていなかったわけですけれども,本市の学校ではこの副読本を利用しているところはあるのかどうか,この点についてお答えいただきたいと思います。 ◎滑川 指導室長  本市における性の指導に関する副読本の利用でございますけれども,現在のところ副読本を採用している,使っている学校はございません。 ◆三上 委員  ただいまの回答をお聞きしまして安心いたしました。といいますのは,実は,ここに東京書籍発行の性教育の本がございます。この東京書籍というのは,教科書出版においては全国で最大手の書籍会社でございます。ここで,1冊は小学生向けの「ひとりで,ふたりで,みんなと」。「性ってなんだろう」というサブタイトルが書かれてございます。もう1冊は,これは中高校生向けの「おとなに近づく日々」というタイトルの副読本でございます。私は,実は文藝春秋のコピーをとってきたんですけれども,9月号,これに「特集・『教育』のおもちゃにされる若者たち 性教育元年自慰のススメと革命のススメ」。それから,サブタイトル「これは『性教育』の名を借りた『思想教育』だ」。高橋史朗という明星大学の教授の論文であります。私は,この本を読んで大変興味がそそられ,この副読本を取り寄せて中を見たわけなんでありますけれども,中を見て実に驚いてしまったわけであります。この小学生の副読本は,露骨に男性や女性の性器を模写した挿絵とか,あるいはまた男女の性交場面の挿絵が掲載され,おまけに避妊にまで触れているわけであります。小学生に対してであります。さらに,中学校・高校向けの副読本では「とっておきのスキンシップ−性交」,セックスですね,というタイトルをつけて,まさに欲情をそそる写真や挿絵を交えて,実に6ページも割いて掲載してあるんですね。これを見たら,まさしくハウ・ツー・セックス,セックスの勧めであり,性器教育そのものであるわけなんです。  特に,近年青少年向けコミック誌ポルノまがいの露骨な性表現で青少年に悪影響を与えて,大きな社会問題となったことはご存じのとおりでありますけれども,幸いに,青少年健全育成条例の制定,あるいは改定等によりまして,これらの有害図書が規制されているわけであります。しかし,この副読本がもし教材だったとしたら,それじゃ一体有害図書とは何で,わいせつとは一体何なのかとわからなくなってしまうありさまであると,私はそう思うわけなんです。  いまも滑川指導室長がお話されておりましたけれども,そういう成長に合わせて,全人格的教育の一貫した姿勢でなされるべきであり,家庭における女母の姿,あるいはまた学校や社会生活を通してお互いにいたわり,尊重し高め合い,協調し合うことを学ぶ中に,愛の目的が人間としての人格の形成にあることを私は教えていかなくてはならないのではないか,このように思うんであります。それが,このような露骨な副読本を使っで性教育をしなければならないとしたならば,次にはヘアを見せたり,あるいはさわらせたり,実演して見せなかったら,性教育はできないんだというようなところまでつながってしまうんではないかと。  性交や避妊方法などについて詳しく教えているアメリカでは,かえってそのために10代の妊娠が増加して,性モラルの崩壊が社会問題になっている。事実,年間に10代の女性の110万人が妊娠し,約50万人が出産しているんです。このような状況がいま大きく取りざたされ,指摘されているわけで,まさしぐ性教育の弊害の何物でもないと,私はそう思うんであります。  この副読本には,さらに「両親の離婚は子供が理解してあげるべき」そういうような離婚を肯定する記述が載っておりますし,それから「抑圧的な性道徳や制度を打破せずして真の人間の解放はない」など,思想教育に踏み込むような記述さえしてあるんであります。  私は,学校が性教育を行うに当たって配慮しなければならないのは,これも滑川指導室長触れておりましたけれども,児童・生徒の成長,つまり発達段階や性意識や性行動の実態をしっかり把握することが大切だと,こう思うんであります。日本には日本の文化と国民性,国民感情がありますし,また,父母や国民が納得し,期待できるような内容でなければ,いたずらにただ混乱を招くだけだと,私はこのように思うんであります。これらの副読本が怖いのは,何の規制もなく現場教師の裁量で使用されているやにも伺っているわけで,もしそうだとしたならば,まことに憂慮すべき事態だと思うんです。  幸いに,先ほどのお答えでは,札幌市では,こういった副読本は使用されていないということで,これは安心したんでありますけれども,実は,隣の江別市の学校で使われているというようなことを仄聞いたしました。けさ,9時過ぎに江別の教育委員会に電話をいたしました。学務係の担当者にお尋ねしましたら,自分の管内で使っているかどうかは把握していないということでございました。私は,江別第2小学校ということを仄聞しておりましたので,けさ校長に電話を入れました。そうしましたところ,実際に使われているということ。「それじゃ,皆さんに持たせているんですか」と言ったら「予算の関係で持たせてはいないけれども,40冊購入して,実際回して見せている」と言うんですね。こういう事実がわかったわけでありますけれども,本市において教育長は当然この副読本をお読みになっていると思うんです。  そこで最後にお尋ねしたいんでありますけれども,教育長はどのような感想をお持ちになっているか,率直なお考えを伺わせていただきたいのであります。 ◎藤島 教育長  ご指摘の副読本につきましては,マスコミ等にも取り上げられておりまして,さまざまな意見が出されていることは私も承知いたしております。現在,各市内の学校では,先ほど室長からお話がありましたとおり,副読本や資料集等を選定するに当たりましては,校内に選定のための委員会を設置しておりまして,その委員会で内容の吟味,それから経費等について十分慎重に検討して決定をしておると,こういう中で決められておるわけです。  いずれにしましても,性に関しまして指導するに当たっては,児童・生徒の発達段階に応じた指導がきわめて大切と認識しておりますので,私どもとしましては,今後とも補助教材の選定は慎重に慎重を期すよう指導に努めてまいりたいと,このように考えております。 ◆三上 委員  ただいまの教育長のご答弁によりますと,大体私の考えに沿っているような中身です。これは出版されているわけでございますし,書店でも売られていると。現に,私もこうやって自由に取り寄せることができた。そういうことから言って,教育長はこれはだめだとか,はっきり言えないんだと私は勝手に解釈するんでありますけれども,大方いまのご答弁で私の主張に沿ったものと,このように理解しております。  安心したんでありますけれども,先ほど話しましたように,江別の第2小学校というのは野幌なんですね。厚別からすぐなんであります。すぐそこまで押し寄せている。ということは,こっちまでいつ来るかわからないというようなことで,いま慎重に慎重を期して指導されているということでありますけれども,これからもその努力をやっぱり続けていかなければ,いつか蔓延してしまう。アメリカのようになってしまう。これでは,手おくれであります。私たちの古来からの日本の文化というものは,本当にすばらしいものだ,道徳もすばらしいものだと,このように思っております。そのようなことをこれから努力をされていかれますことを強く要望して,終わらせていただきます。 ◆井上 委員  私は,二つ質問があります。  学校整備大規模校の解消についてと,それから学校給食の問題について質問させていただきます。  まず,学校整備大規模校の解消についてお尋ねいたします。  昨年の決算委員会で,わが党議員が学校建設についてお聞きしましたところ,担当部長は,市の財政の問題,また,将来の児童・生徒の増加の推計が把握できないことを述べられました。私は,大規模校の解消の問題はそれなりに進んできており,ここまで来たのですから,少なくとも30学級,29学級以上のところは限られてきているのですから,財政的にも一気にやれると思うのです。また,幾つかの大規模校周辺人口増加の動きは明らかですから,これまた理由にならないと思うんです。現在,30学級の大規模校は小学校で5校,また中学校で1校,25学級以上の学校は小学校で27,中学校で14校ですが,マンモス校を解消して適正規模化を実現することがいま求められております。  そこで,お尋ねいたします。  1点目は,学校整備計画についてですが,本市として考えている適正規模24学級すべての小・中学校を整備するためには,計画を立てて時期を決めて取り組むべきと考えますがいかがお考えでしょうか,お尋ねいたします。  また,29学級以上の大規模校解消についてですが,30学級では小学校で幌西小学校小野幌小学校など,5校です。中学校では,前田中学校。また29学級,小学校で前田中央小学校伏見小学校清田南小学校,少なくともこれらについては時期を明確にして早急にマンモス校を解消すべきと考えますが,どう取り組むのか時期をお示しいただきたいと思います。  二つ目は,非常に具体的な問題ですが,一つは,前田中学校の新設分離についてです。この問題については,早急な解決が必要であるとの議論が議会でも再三にわたって行われてきたところですが,過日の本会議での答弁で,できるだけ早い時期に努力するとのことですが,現在,30学級の状態は放置できないのです。人口増加は明らかでありますから,来年度にも予算要求して着手すべきと考えますが,そのようになるのかどうかお尋ねいたします。  もう一つは,札苗北小学校ですが,実は,1年前に学校にお邪魔して実態を見ましたが,それは大変な状況でした。4月当初,29学級でスタートしましたが,もうすでに30学級となってしまい,図工室を半分にしてしまうなど,学校は四苦八苦しているのです。校区付近の一部地域が市街化区域に新たに編入されたことにより,さらに人口がふえることは明らかですから,児童の増加もまた明白であります。札苗北小学校についても,直ちに新設分離すべきですが,その時期を明確にしていただきたいと思います。  また,二つ目の学校給食の問題についてでございます。先ほどもお話がありましたが,私からもランチルームの充実と食器の改善の問題について質問いたします。  現在,市で実施しているランチルームは22校ですが,これは空き教室のあることが前提とされているために,たとえば児童急増の手稲区では1校だけ,南区でも1校だけとなっています。また,給配水設備や流し台のないランチルームもあります。異年齢集団との交流や,他学級の先生とも話し合いながら食事ができるランチルームは,いろいろな事情から一人で食事する状態になりがちな子供の生活を豊かに膨らませていく上でもとても大切です。ランチルーム実施校をふやして,施設整備など,一層の充実が必要と考えます。  また,国際公教育会議で,すでに,学校給食は子供たちに楽しく,居心地のよい雰囲気を与え,くつろげること,そして伸び伸びと振る舞えること,子供によい食習慣や清潔,食事作法,協力,仲間意識などを教えること,設備を整えること,できる限り子供たちは過密を避けてゆっくりした室内で,家庭の食卓を思わせるような円テーブルにグループごとに席に着くこと,備品類は子供たちが自分の持ち物のように大切に扱う気持ちを起こすようにという配慮で選定するなどがうたわれております。また,卒業生や父母からの声として,学校給食について圧倒的に多いのが,食器をかえられないのかという声だったと聞いております。楽しく給食をとるために,まずランチルームでの食器の改善は早急に行うべきと考えております。  そこで,2点お尋ねいたします。  一つ目は,本市のランチルームの今後の整備計画はどうなっているのか。計画として持っているのかどうか。それから,これから新築する学校や増改築のときには,整備していくべきと考えているかどうかお尋ねいたします。  二つ目は,給食の食器改善は急ぐべきと考えますが,いかがでしょうか。ランチルームで食器の改善を急いではどうかと私は日ごろ考えております。これについてもお尋ねいたします。 ◎小原 総務部参事  まず,大項目といいますか,最初のほうの大規模校の解消,整備計画等についてというお話でございます。  3点にわたってご質問があったと思いますので,まず,大規模校の解消についてでございますけれども,ご案内のように,本市では過大規模校の解消を学校施設整備の最重点項目ということで,積極的に今日まで小・中学校の分離事業を進めてきたところでございます。新たに今回策定いたしました新5年計画におきましては,その市政方針等は変わりませんが,分離新設事業校の中には相当数の不足教室が生じておりまして,過大規模校となることが明らかな学校についても,結果として,大規模校の段階で分離をするということで事業化をしてきてございます。今後も,個々の学校の事情によって早い段階からやはり分離が必要だというものにつきましては,教育環境の整備を含めまして努力してまいりたいと,こう考えてございます。  特に,義務教育学校の施設整備というのは生徒数,あるいは児童の数によって左右されるものでございまして,建設時期について明示せということでございますけれども,なかなか難しいということが実情でございますので,ご了承願いたいと思います。  それから,2点目でございますけれども,30学級,あるいは29学級以上の大規模校の解消を早くせと,あるいは明示してくれと,こういうお話でございますけれども,これらの学校につきましては,本年度建設を進めている新設校の開校によりまして解消される学校が数校ございます。また,今後,児童・生徒数が自然に減少してまいりまして,適正な規模になっていく学校がございます。それからまた,地域の発展に伴いまして,将来分離新設をする必要があるという学校が含まれてございます。いずれにしましても,分離新設を要するものにつきましては,児童・生徒数の推移を十分見きわめながら時期の検討をしてまいりたいと,こう考えておりますので,ご了解願いたいと思います。  それから,特に,前田中学校札苗北小学校の分離新設の時期についてということでございますけれども,前田中学校につきましては先般の代表質問等でもお答えしておりますけれども,できるだけ早い時期に新設すべく努力するという答弁をしてございます。現実的に,もう30学級を超えているという事実もございますので,できるだけ関係機関とも計らいながら努力してまいりたいと,こう考えてございます。  それから,札苗北小学校につきましては,ご案内のように,周辺の区画整理事業等も進んできてございます。これらにつきましても,住宅建設あるいは児童・生徒数の推移を見きわめながら新設分離の時期を決定していきたいと,こう考えておりますので,ご了解願いたいと思います。以上でございます。 ◎古田 学校教育部参事  給食の問題をお尋ねでございますので,私からお答えをいたします。  まず,ランチルームの件でございますけれども,学校給食の食事環境の整備につきましては,望ましい食習慣の形成に資するのみならず,食事を潤いのある豊かな生活体験の場とすることにもつながるものでございまして,学校給食が今後とも学校教育の一環として充実発展していくためには,不可欠な課題であると考えております。  先ほどの春原委員の質問にもお答えをいたしてございますけれども,本市といたしましてもそういう意味を踏まえまして,多目的教室を利用したランチ方式での学校給食を現在実施しているところでございます。しかし,ランチルームのみの設置はいまのところ困難でございますけれども,今後につきましても,多目的教室を利用した形での学校給食の実施になお一層努力をしてまいりたいと思います。  続きまして,食器の改善でございますけれども,現在使用しております食器はステンレス製でございまして,軽くて耐久性があるわけでございますけれども,一方,色彩感が乏しく,また,熱伝導率が高いわけでございまして,コップに熱い汁物を入れた場合持ちづらいと,こういう欠点がございます。最近は,強化磁器だとか,あるいは強化ガラスなど,家庭用の食器に比較的近い素材で,見た目に大変よい食器も開発されておるのでございますけれども,この場合は重さがステンレス製の3倍ございまして,作業上問題があるとか,また破損しやすいとかという欠点もございます。したがいまして,今後,耐久性だとか,あるいは耐熱性,あるいは重量面,いろいろな面からどんなものがよいか検討を加えながら改善に向けて努力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆井上 委員  学校整備のことについて,最重点項目として過大規模校については進めてきたということで,30学級,29学級ですね,これについてはやはり5年計画の中で確実に解消していくように強く要望いたします。  それと,私はそれを重点にしながら,適正規模校,これについてはそれをすべてすぐやれと言ったんじゃなくて,やはり5年計画の中ではそこまで進まないところもあると思うんです。だから,整備計画を立てて,時期を決めて取り組む,そこのところを強調したんですよ。そのようにぜひ検討を進めていただきたいと思います。  それと,前田中学校のことなんですけれども,できるだけ早い時期,具体的にやっぱり来年度,どんなに遅くても次年度に本当に要求をして着手していく,そこのところをもう一度明確にしていただきたいんですよ。  それと,札苗北小学校も本当に切実な,5年も前から地域の父母からも寄せられているたくさんの声があります。学校の主人公は子供たちですので,ここのところについてはもう一度ご回答をいただきたいと思います。  それと,給食の食器のことです。いろいろと障害もあるようにいま聞こえました。やはり体制も十分強化して,これからはぜひ取り組んでいく課題だというふうに思うんです。私も子供たちが3人おりますけれども,給食でうどんが出たら,袋を半分に手でちぎって,そして2回に分けて食べるんだということをずっと聞いておりました。先日,念願の道産小麦を使用したうどんの試食会が北九条小学校であり,同僚議員がそこに視察に行ったんですけれども,子供たちがまずうどんを食べるのに一番初めにしたのが,めんの入った袋をはしで押さえて半分に分けて,そして1回食べて,その後残りの半分を入れて食べる。これは,ふだんの副食用のカップですと小さくて,こうして食べるよりほかないんですね。汁もやっぱり薄れてしまいまして,せっかくおいしいうどん,私はもっとおいしく食べさせてやりたいというふうに思うんです。だから,器に子供を合わせていくのではなく,子供たちに使いやすく,安全で,本当に心の豊かさを届けることができる,それがいま食器の改善をする課題になっているというふうに思いますので,これについては強く要望しておきます。 ◎小原 総務部参事  特に,前田中学校札苗北小学校の新設分離をどうだと,こういうお話でございます。  ご案内のように,すでに30学級になってございますこの両校につきましては,来年,あるいは近い将来に向けまして,新設分離につきまして努力していきたいと,こう思っておりますので,ご理解願いたいと思います。 ◆中嶋 委員  私は,校則とエイズ教育の2点についてお伺いいたします。  3月に行われました予算特別委員会でも,わが会派の佐々木委員が校則についてお伺いいたしました。その折,荒井教育長のほうから,人間を信じる,子供を信じた形での校則のあり方ということを,教育委員会としても十分考えて学校に指導していきたいというふうに答弁していただきました。  9月から学校の週五日制が始まったんですけれども,その折,社会教育部のほうから「サタデープランの紹介」というチラシが学校のほうに配布されました。そこには「文部省が関係省庁,各種団体,機関等に協力を要請し,9月12日において関係機関等により実施される事業であります」と書いてあります。「札幌市内及び近郊におきまして,さまざまな業種の方々や,多くの団体等が趣旨に賛同されまして,9月12日には多種多様な事業が展開されますので,参加事業一覧についてご紹介いたしました」ということで「お父さんと子供の遊びの広場」ですとか,それから「神秘的な沼をたずねて」,また「森の音楽会」など,さまざまな事業が紹介されております。これらは,いずれも場所が青少年山の家ですね,南区滝野です。それから,定山渓の国有林ですとか,当別町の青山というふうに,かなり広い場所にわたっております。  それで,私は,このサタデープランはいいなと思うんですが,ただ,学校のほうから子供たちに配布されておりますいろいろなチラシを見ますと「校区外に出かけるときには必ず家の人と行きましょう」とか書いてあって,安全に過ごすためのチラシが家庭に配布されているようです。それで,ちょっとここのところで,この決まりの整合性がないものですから,実態に合わせた校則というものを十分検討していきたいというこの間の教育長のご答弁もございましたので,ぜひ趣旨を徹底させていただいて,各学校でこうした整合性がない決まりというものが渡りますと,親や子供も戸惑ってしまいますので,よろしく配慮していただきたいなと思います。  また,このサタデープランのほかにも,交通局のほうから出ておりますスタンプテーリングですか,大変人気がありまして,子供たちがいろいろな場所に行って体験を深くしているように聞いております。そこの点からも,少し矛盾な点が出てくるのではないかなと思いますので,この点について1点お伺いいたします。  2点目はエイズ教育ですが,エイズはいまも教育委員会のほうからご答弁がありましたように,豊かな人間性を目指すために行われるものと考えております。それで,正しい性教育が行われるということが前提でエイズ教育についてお伺いいたします。  ここ二,三日の新聞を見ておりますと,かなりエイズ感染を防げということで,文部省ですとか,それから厚生省も作戦本部をつくって動いているようです。文部省では,パンフレットをつくって都道府県の教育委員会などに配布しているようです。また,厚生省の発表によりますと,低年齢層へ感染が広がっているということが新聞に載っておりますので,非常に青少年のことを考えますと心配になってきます。それで,現在,学校においてはどのようなエイズ教育が行われているのか。また,来年度の文部省から発表されます計画についてもあわせてお伺いしたいと思います。 ◎滑川 指導室長  まず,学校週五日制にかかわっての校則の見直し等についてでございます。学校外における生活指導につきましては,従来から札幌市の小学校長会と,それから札幌市にあります学校教護協会というのがございますけれども,そこで指導指針として校外生活における目安といいましょうか,これを一応示してございます。各学校におきましては,この目安を参考にしながら,それぞれの学校の実態に会った基準を決めて指導しているというところでございます。現在,小学校長会及び学校教護協会におきましては,先ほどご指摘がありました学校過五日制の趣旨などを踏まえながら,目安の見直しを進めていっているところでございます。あわせて,各学校におきましても,この機会にそれぞれの実態に合わせて積極的に見直しが進められるように働きかけてまいりたいというふうに考えております。  次に,エイズ教育でございます。  ご指摘のように,エイズは世界各国で爆発的に増加しておりまして,深刻な社会問題となってきております。特に,20歳代を中心とした若い世代にも広がりつつあるということで,わが国にとりましても予防対策が緊急の課題になっていることはご承知のことと思います。  そこで,文部省では正しい教育こそがエイズ予防の一番効果的なワクチンであるという,こういう視点に立ちまして,具体的には本年10月に高校生用の指導資料を作成して,全高校を対象に配布しております。本市におきましても,過日,20日付をもちまして市立の各学校に配布したところでございます。さらに,11月には,小・中・高の教師用の手引も作成して,各学校に配布する予定になってございます。  また,去る10月14日には,都道府県,指定都市の担当者を対象にいたしまして「エイズに関する指導者のための中央研修」というのを緊急に文部省で開催しております。さらに,来年度の文部省の事業としまして,今度は中学生向けの教材を作成することにしているほかに,エイズ教育は地域と一体となって取り組んでいく必要があるということから,市町村の社会教育指導者向けの教材も作成する予定と,こういうふうに伺っておるところでございます。  ただ,本市のエイズ教育に対する指導でございますけれども,特に本市におきましては, 各学校において性に関する指導の中に位置づけて実施していくということが非常に大切になっております。市教委といたしましては,児童・生徒の発達段階に応じて,先ほど申しました性に関する指導のあり方に関する手引を作成して,その中に小学校から高校までずっと,具体的なエイズに関する指導の例を取り上げてまいっております。  次に,研修会も開催いたしまして,生徒指導の研修会とか,養護教諭研修会,それから保健指導担当者研修会と,こういったエイズにかかわる研修会も積極的に進めておりまして,昭和62年度からは先ほど申しました産婦人科医師による講師派遣事業の中で専門の医師を派遣しまして,その中で先生を初めとしまして,エイズ教育について研修を深めてまいってきているところでございます。
     いずれにしても,今後,関係機関とも連携をとりながら,実効のある指導を展開するように努めてまいりたいと,かように考えてございます。 ◆中嶋 委員  1点目の校則なんですけれども,見直しを進めているということで,よろしくお願いしたいと思います。各学校の校則なんかも少し取り寄せてみたんですが,トイレは自分の階のトイレを使うとか,何か非常に細部にわたって書いてありまして,こういうことは必要ないんではないかなと思われることも多々ありますし,また,ことし7月の「夏期における幼児・児童・生徒の指導について」ということで,藤島教育長のほうから通知と,それから参考資料として配布されている資料の中にも,外出のときにも生徒手帳ですとか。身分証明書は必ず携行するとか,外出のときは標準服が望ましいとかという項目もあるものですから,私の個人的な感想では,こういうことは余り必要ないのではないかなと思われるところもありますので,よろしくご検討をお願いしたいと思います。  エイズ教育なんですが,文部省のほうでも教育内容を充実してくるということで,体制も整っていくんではないかなというふうに思いますが,現在,高校3年生などはもうすぐ卒業してしまいますので,この教育にはちょっと間に合わないのではないかなというふうに思います。それで,札幌市立の高校も幾つかありますが,ここで高校3年生に向けては本当に急いでエイズに関する知識ですとか,それから知識を得るだけではなく,エイズの患者が実際ふえてきて,一緒に暮らさなければいけませんので,こうした人権問題ですとか,共生するための考え方とかというものをやっぱり教える必要があるんではないかなというふうに思います。緊急なんですけれども,ここ何ヵ月間の動きというものが新聞を見ていても非常に心配ですので,高校3年生についてぜひ急いでエイズ教育を行なってほしいなと思いますが,お考えをお伺いいたします。 ◎滑川 指導室長  市立高校の3年生に対するエイズ教育の実施でありますけれども,いままでも各学校において先ほど申しました産婦人科医師による講演会を開いたり,さらに保健の授業の中でエイズに触れてすでに指導されているところであります。しかし,いまご指摘のように,緊要な問題でもありますので,今後,各学校において十分指導がなされるようにまた働きかけていきたいと,かように考えてございます。以上でございます。 ◆道見 委員  それでは,私のほうから大きな項目4点ばかりご質問させていただきます。  まず最初に,グループに分けまして,子供たちの健康対策と,それから学校給食の効率化,いわゆる調理業務の民間委託について,まずこの点についてご質問させていただきます。  まず最初に,健康対策について。  この件については,私も昨年から質問をしているわけですが,あらためまして学校教育上において現在の子供たちの食環境,食生活の認識をどのような観点でとらえられているか。まず,学校教育の先生方の考え方をお聞きをしたい。  なぜこういうことをお聞きするかと申しますと,ご存じのように,健康に関する記事は新聞に載らない日はないぐらい,いま大変国民的に健康は問題にされております。特に,子供に限って言えば,アレルギーの問題,それから成人病の問題,こういうことが報道されております。私は,これはすべて食生活の変化からきていると,こういう認識があるものですから,それを学校教育の立場でどう認識されているか。  それから,やはり食環境を改めなければ最終的には子供の健康は取り戻せないだろうと。体は大きくなるけれども,本当の健康という観点からいくと,もう5歳から95%の子供が高コレステロールの状態になっている。これはもう大学の機関とか,その他で発表されているわけですから,先生方もご存じかと思いますが,少しでも日本古来の食事に近づける,戻すと,こういう努力を続けない限りにおいて,欧米式の食事を続けていれば,取返しのつかない日本の子供たちの健康状態になる。  私は,そういうことを認識した上で,以前から質問しているわけですけれども,一つ目は,これに関して米飯給食の問題。  代表質問で私やりましたが,本来ならば月曜から金曜日まで米飯給食はやるべきだと,こういうふうに考えておるんですが,現在は1回しかしていないということですから,いきなり5回となると先生方にも戸惑いがある。こういうことを50歩譲ったにしても,私は早く過3回までは持っていくべきだと,こういうふうに考えているわけですけれども,この米飯給食をふやすことに対してどのように検討されてきたか,それをお聞きいたします。  それから,この米飯給食については,米がなぜいいかということは,いまさらここで論ずるつもりはありませんが,米を採用するに当たって,白米じゃなくて,五分づきと言いたいところなんですが,最低でも七分づきを採用していくと。そういう食生活の子供の健康対策上,別に圧力がまの設備投資要りませんから,いつでもできることですから,この検討がどこまで進んでいるのか,それをあわせてお聞きいたします。  次に,学校給食の効率化,いわゆる調理業務の民間委託の件でございますが,るるこの件についても昨年からわが党の宮本議員,大越議員からも質問が出ておりますが,いわゆる民間委託に向けてどのようにその後検討されているかということであります。  それと同時に,なぜ民間委託のことを申し上げるのかというと,これは私も代表質問の中で話ししましたが,やはり効率化によってそこから得る効果というもの,先ほどの子供の健康対策,ランチルームの話もありましたけれども,そういう子供の健康対策だとか,あるいは輸入農産物の問題も出ておりますので,無農薬・有機農業の農産物を採用するとか,道産品を採用していくと,こういうようなことに振り向けれるわけですね。そういうような観点に立って,私は学校給食というものをもっと効率的にやるべきだと。  それで,なぜこういうことを上げるかというと,一番大きいのは,人件費の問題なんです。平成3年度において,一体この人件費がどれぐらいになっているのか。5月1日現在で調理員が732名,パートが624名,栄養士が172名,代替調理員が112名という人数になっておりますが,この調理員の方,あるいは栄養士の方の平均給与,1人当たり幾らぐらいになっておられるか。もし,これを民間の企業と比較することができるとすれば,これがどれぐらいの給与になっているか。このことについてお聞きしたいと思います。 ◎古田 学校教育部参事  まず,子供の健康対策でございますけれども,児童・生徒の食に対する教職員の認識についてのお尋ねでございました。  今日の国民の食生活は,平均的には向上を見せているわけでございますけれども,なお個々の児童・生徒を見ますと,偏った食事内容から来るカルシウムや鉄分等の微量栄養素の不足,あるいは脂肪によるエネルギーの過剰摂取など,多くの問題を抱えていることが指摘されてございますし,また,学校職員もそのように認識しているところでございます。  したがいまして,各学校における食生活に関する教育につきましては,現状の問題点を十分踏まえながら,学校給食という生きた教材を活用しながら指導内容の充実を図ってまいりたいと考えております。  それから,2点目の米飯給食の回数の問題についてのお尋ねでございます。  本市といたしましては,現在,週1回米飯給食を実施しているところでございますが,当面,週2回実施する方向で検討しており,現在,関係団体と協議を進めているところでございます。米飯給食は,子供たちに大変喜ばれておりますことから,できるだけ早く回数増を図ってまいりたいと考えております。  3点目の七分づき米を導入する件でございますけれども,さきの第2回定例市議会で委員の代表質問がございましてから,私どもといたしましても全国の実施状況,仮に導入する場合の手続等につきまして検討してまいりました。  まず,学校給食用米穀につきましては,食糧庁が定めた品位基準によりまして財団法人日本穀物検査協会の検定を受けた後,各学校に供給されるシステムになっております。七分づき米につきましては,品位基準がないために全国的に導入されておりませんが,栄養価が七分づき米に近い胚芽米につきましては品位基準がございまして,これにつきましては大阪府立の特殊養護学校と,青森県平賀町の小・中学校で実施されております。  胚芽精米を導入するに当たりましては,日本体育・学校健康センターの承認を得て,学校給食用胚芽精米利用実験実施要領に基づいて実施することになりまして,これによりますと,価格については精白米と同価格で学校に供給されます。しかしながら,胚芽精米の供給には,精米加工賃,あるいは胚芽精米の劣化を防ぐ特殊包装代,それから各学校へ輸送するための回数の増加,あるいは胚芽精米の消費が年々減少している状況の中で,胚芽精米専用の精米機の増設等の経費の増加が見込まれるわけでございまして,この増高する経費につきましては,先ほど申し述べました実験実施要領によりまして,行政側の負担と,こういうことにされておりますことから,仮にこれを実施いたしますと,毎年数千万円の本市の持出しになると思われます。  こんなことを考えますと,現時点で胚芽精米を導入することは困難な状況にあると,こういうふうに考えております。  それから,学校給食の効率化で,まず給与についてのお尋ねでございますので,これについてお答えを申し上げます。  調理員につきましては,本市の現業職員の平均給与から推計いたしますと,年間1人当たり平均でおおむね600万円でございます。また,市費負担の栄養職員につきましては,年齢構成が若いということもありまして,平均約410万円でございます。  なお,民間との比較ということでございますけれども,民間の資料を持ち合わせてございませんので,比較できないことをご理解いただきたいと思います。以上でございます。 ◆道見 委員  健康対策の中で,子供たちの健康の認識というのが,いまお話ありましたが,私も全く同じであります。これをどういうふうに変えていくかということが,これからの学校の教育上,私は大変重要だと。いまいみじくも給食が生きた教材と,こういうふうに言っておりましたが,学校給食が今日必要とするのは,私はこの部分だと思うんです。こういう給食を通じて,本来,家庭においてどういう食事をしていかなきゃならんかと,3食食べるとしたらどういうふうにしていかなきゃならんかということを教えていくと。こういう面で,ぜひ私は生きた教材として学校給食を持っていってもらいたい。  いま七分づきの話をされましたが,私は揚げ足を取る意味で言っているわけじゃないですけれども,できないという,そういう否定的というのか,後ろ向きじゃなくて,現状の認識として必要だということはわかっているわけですよ。ですから,どうしたらいいかと。51年の文部省の通達にもあるように,こういうミネラル類が不足しているから,強化米なり,七分づき米を採用することを進めると。食糧庁では逆に五分づきを希望すれば,各都道府県から要望があれば,それに応ずるとまで言っておるわけですから,もっともっと国民健康保険170億赤字になって,また一般会計の繰出しも170億もあるこの札幌市において,健康都市づくり宣言というのは特にやっておりませんけれども,これは非核都市宣言と並ぶ重要な健康づくりだと思うんですよ。  ですから,なかなか難しいと言って,何かしりすぼみするんじゃなくて,なかなか難しいから,やはりやるということで考えていかないとね,矢野部長。子供たち19万人を相手にしておるわけですよ。これは大変なことですよ。  アレルギーがたくさん出てきて,そういう子供たちに個別的に給食対応できるんですか,皆さん方。Aさんはそばアレルギー,Bさんは卵アレルギー,Cさんは何アレルギーと,ランチルームがホテルみたいになって,個人メニューできるんですか。食べ物によって,これを防げるんだということは医学者も証明しているんですから。私が口酸っぱくして言わなくても,それはご理解できると思いますので,七分づきについては時間がかかるというのであれば,これはどうか時間をかけて検討していただきたいし,こういう健康の認識を皆さんされておるわけですから,どうか将来の子供たちのために検討を重ねて,時期を見てまた質問させていただきます。  それから,学校給食の効率化,いわゆる民間委託の部分ですが,私は人件費のことについていまお聞きして,調理員,これは女性ですわね,平均600万ということを話しされました。私は,何も給料が安いのがいいと言うわけではありません。給料は安いよりか高いほうがいいのは当たり前ですけれども,しかし,常にこれが世間的に見てどうなんだと。いま民間との比較は調査上出ないというお話でしたですが,私も民間の調理員の女性の平均という資料は持っておりませんが,わが会派でもそういう専門家もおりますし,いろんな形を聞くと大体年間200万ぐらいでないかと,こういうふうに言われているんですね。5割アップしても300万。そうすると,600万の差額300万。調理員732人。パートはこれに準じてはいるけれども,おそらくパートは安いと思うんですよ。同じく働いていて,パートと調理員の給料の差というのは,同じ仕事をしていてもおそらく違っていると思いますが,それは細かく聞かなくてもいいですけれども。いわゆる,ここから生まれる作業効率,費用の節減というのは,大変なものだと思うんですよ,実際問題として。  財政局で1割の事業経費削減してくれと,平成5年も言うと言っている。一番高いのは人件費ですから,これ。世の中で一番高いのは何たって人件費。こういう学校給食を民間がやったからといって,学校給食の教育をゆがめるわけでも何でもないわけですよ。ですから,いきなり右左やるとなれば,これはいろんな各種団体の立場もあるでしょう。だから,とりあえずは新設する学校だとか,それから,定年退職になっていかれる方がいるとすれば,その分を補充しないで,それに相当するものを民営化していくと,こういうふうにやれば,何も難しいことではないわけでしょう。いま働いている1,000人近くの万全員に,交通局みたいにやめてくださいというわけじゃないですから。そういうことができるわけですから,そこら辺をどのように考えられて研究しているか,もう一度ご答弁をお願いいたします。 ◎古田 学校教育部参事  学校給食の効率化の問題でございますが,本市といたしましては,これまで残された中学校の完全給食の実施を最優先課題として取り組んでまいりまして,平成5年度には,小・中学校全校での完全給食が実施できる運びとなってございます。その実現のために小規模単独校の見直しによる親子給食の拡大や,また,それまでにもパート職員の積極的な活用,あるいは運搬業務の全面委託など,常に効率化を図りながら学校給食を実施してきたところでございます。  ご指摘の学校給食業務の委託化につきましては,これは重要な問題と受けとめておりますし,さらには学校給食の根幹にかかわる重要なことでございますので,関係団体との調整,職員の再配置,あるいは父母の理解を得ること等,大変大きな問題が山積みしておりまして,十分時間をかけて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆道見 委員  いまの時間がかかるということに対しては,大いに理解できますので,この件については,重要な課題ということで認識されておるわけですから,私どもとしては1年でも早くぜひ実施してもらいたいし,わが会派としても,市の行政で年間150億,10年間で1,500億を何とか効率化を考えようと,こういうふうにわれわれ研究しているわけです。それを代表質問で私のほうからしたわけですけれども,その中に学校給食が位置づけされているということをつけ加えて,早急にしていただくことを要望して,この件は質問を終えたいと思います。  次に,中学校における1単位時間の授業の件と教員研修について質問させていただきます。  まず,中学校における1単位時間,俗に言う1時間授業ですね,これが50分授業と私は認識をしているんですが,45分授業をやっている学校もあると,こういうふう,に聞いておるわけですが,この実態,50分と45分の学校が市内でどれだけあるのか,これをまずお聞きをしたい。  それから,教員の研修ですが,学校の長期休業日における教員研修と,いわゆる通常の勤務時間というか,授業日における教員の研修,これがどのような内容で行われているか,この二つとりあえずご質問いたします。 ◎滑川 指導室長  1点目の中学校における1単位時間の実態でありますけれども,今年度の例でいきますと,年間を通して50分で授業を行なっている学校は18校ございまして,昨年度よりは3校ふえております。また,45分で行なっている学校は32校ございます。その他43校残るわけですが,その43校につきましては,50分と45分の併用で現在行なっているというのが実態でございます。  次に,長期休業日以外での研修の実態でございますけれども,平成3年度では,教育研究所で17の研修講座を172日間にわたって開催しておりまして,2,993人がこれに参加しておりますし,指導室で行なっている初任者研修を初め16の研修会を63日間にわたって開催しておりまして,これまた2,525人参加しているところでございます。以上です。 ◆道見 委員  いま1単位時間の話をしたわけですけれども,学校の授業時間というのは50分でしょう。これが45分になっているということは,5分生徒が損しているわけでしょう。本来なら50分授業を受けれるものが45分になっていると。それも正規どおり50分の授業をやっている学校は中学校で93校のうち18校しかないと。2割しか正規の50分授業をやっていないということですね。算術で割ればそういうことになるわけです。5分をだれが損するかというと,子供が損しているんじゃないか。こういうことが学校指導で許されるんですか。  私は,過去,記憶ありますけれども,3分間で漢字の書取り5問だとか,5分間で算数の試験やらされましたよ,最後に。僕はできなかったですけれども,それが非常に印象強く残っていますよ。そういう時間帯が何らの理由によって,たとえば6時間授業だったら1日30分その授業がカットされていると。何ですか,これ。こういうことが実際行われている。どういう指導をされているか,それちょっとお聞きしたいです。どのような指導を過去やって,今後どのような指導をしていこうとしているのか。 ◎滑川 指導室長  45分で行なっている学校への指導についてでございますけれども,いまご指摘のように,これは1単位時間,条例で50分というふうに定められているわけですけれども,これは学習効果を上げるのに最も適切な時間ということで定められているものでございます。私どもといたしましては,1年通して50分で授業するように,校長先生を対象とした行政執行説明会だとか,それから,いろんな研修会を通じて指導してきているところでございます。そういった意味で,今後とも適切な運用がなされるように,粘り強く指導してまいりたいと考えております。 ◆道見 委員  何か最後,もごもごもごと室長の答弁終わったんですけれども,要は1単位は50分が正規の授業であると,そういうものに指導していきたいと,こういうことなんですね。これは,お母さん方,お父さん方聞いたら,問題ですよ。50分の授業を45分で終えてみた。北海道は冬という問題があるから,冬は雪とかなんかとか,冬ダイヤというのも企業なんかにありますから,たとえば冬だけは45分を何かの部分で使っている,そういう学校もあるのかもしれません,それは。そういう許容範囲でトータル的に許される部分もあるのかもしれないけれども,こういうことが公然として行われているということは,権利とか,義務とかという言葉よく出ますけれども,子供の授業を受ける権利を学校の先生がみずから奪っていると,そう言っても過言ではないんでしょう。  今後,教育委員会はふんどし締めて,やはり子供がしっかり50分の授業を受けられると,こういうような指導をやっていかないと,室長,何か自信あったかなかったか聞き取れないような答弁で終わったようだけれども,これじゃ困るんですよ。これは,もっと子供たちが本当に正しく授業が受けられると,こういう体制。  それから,教育研修についていま答弁ありました。  確かに市の主催で行う研修も,教育委員会の努力もあって,長期休業中,いわゆる夏休みとか,冬休みに行う研修がふえてきたということは認められます。しかし,月1回土曜日休むということがことしからふえてきたという中において,授業は50分を45分にするわ,どうしてもやむを得ぬ場合は除くとしても,先生方が本来子供にしていなきゃならない授業時間中に研修に行っていないと。夏休み,冬休みにやればできるものをやっておると。これどうなんですか。どうなんですかって言ったって,これは許すわけにいかないわけです。とんでもない話,場合によるけれども。  実際問題として,やむを得なくて,夏休み,冬休みにできない場合あると思うんですよ。宮本議員の代表質問にもありましたが,京都市の例なんか用いて説明していた点は,幹部の皆さん方もおわかりだと思いますが,京都市などは,夏休み,冬休みなどを主体的に指名研修を実施しているということなんですから,わが本市においても,もっと休業日における研修と,こういうものを組んでいかなきゃならぬと。  現在,休業日以外の講座を17の研修講座172日間にわたってやっていると,こういうこと。あるいは指導室では,初任者研修を初め,16の研修は63日間。初任者研修なんていうのは,夏休み,冬休み,がっちりやったほうがいいんですよ。子供たちの授業どうなっているかなと心配しながら研修やるよりも,がっちりやったほうがいいんですよ。指導室の初任者研修,これ文部省の指導要綱に基づいてやっているわけでしょう。こういうようなもの,それから市でやっている17の172日,それから初任者研修を初めとした16研修63日,これを改善する考えがないのかどうか,具体的にどういうふうに改善していこうとしているか,あわせて聞かせていただきたいと思います。 ◎滑川 指導室長  先ほど長期休業日以外での研修の例を申し上げたんですけれども,この長期休業中,いわゆる夏休み,冬休みにどのくらいの研修が開かれ,先生が参加しているかとちょっと申し上げますけれども,平成3年度におきましては,教育研究所におきまして四つの講座で19日間,894人の先生がここに参加しております。本年度の夏期休業中の実績では,8講座23日間1,107名の教員がこれに参加しておりまして,昨年の例と比較いたしますと,213名増というふうになっております。さらに冬期休業中におきましても,今年度は新たに1講座3日間の研修講座を設ける予定でございますので,私どもはご指摘のありました点を踏まえながら,引き続きこれに向けて努力していきたいと,かように考えております。 ◆道見 委員  最後に要望も含めて終えたいと思います。  授業時間だとかこういうものは,教育の基本的なことですよね。この基本的なことがこういうような状態になっている。僕は,新聞で大きく取り上げてほしいんですよ,きょう記者の方いますけれども。こういう実態で置いておくということは,許されない。ですから,私は教育委員会の幹部の方は,ふんどし締め直して,本当に子供たちが授業を受けられる環境をつくってもらいたいし,それから,これ最後,余計かもしれないですけれども,聞き及んでいるところによると,こういうような実態の学校は,どっちかというと組合活動が強いと。組合活動は大いにやって結構だけれども,そういうことで教育現場がゆがめられると,こういうふうになっちゃいかぬと,こういうことを要望して終わります。 ◆赤田 委員  まず最初に,教員配置の問題についてであります。  小学校の場合は,教師1人で全教科を教えることができるようになっておりますけれども,中学校の場合は,取得している資格に基づいて教科担任ということになっているわけであります。 そういう中で,市立病院の中にあります長期入院中の子供のためのひまわり学級ですけれども,ここで中学校の教師が現在3名配置されておりますけれども,3名の教師の取得している資格をすべて合わせても,全教科にならないというふうに聞いているわけであります。 そこでどうしているかというと,資格のない教科も教えているということになっているわけでありまして,病院で言えば,内科の医師が外科の手術もやるだとか,小児科の先生が眼科も見るということになるわけであります。 教師の場合は,法的には問題はないそうですけれども,しかし,専門外の教科を持たされるということは,教師にとっても,いわゆるスキーは得意だけれども,不得手な水泳のほうを教えさせられると同じように,非常に意欲もわかないだろうし,教育の成果にも影響が出るのでないだろうかと思うわけですが,改善の方法はないものかどうかお尋ねをしたいんであります。  それから次に,来年の公立高校の収容率についてです。  全道では,中学校の卒業者の74.4%を高校で収容できるようになっておりますけれども,札幌では石狩第1学区,第2学区合わせて60.9%にしかなっていない。 前年対比で,中学校の卒業生は126人しか減っていないわけですが,収容率は全道平均の13.5%も低く抑えられている。 ということは,それだけ札幌の受験戦争が厳しくなるということになるわけでありますけれども,市教委のほうでは道教委に対して,どのような働きかけをしてきたのか。 この収容率の低さに対して,どのように対応しようとしているのかお尋ねをしたいのであります。  それから,高校教育の中で,いま問題になっているのは,年々増加しております中退者であります。 これは,不登校,登校拒否の問題を含めて,非常に深刻な社会問題になつっているわけであります。 高校の進学率は,限りなく100%に近くなっている。 ということは,義務教育と変わらないというふうになっているわけでありますが,そういった中で,高校を中退すると,その後の進学,就職,いろいろと厳しい制約があって,人生にも大きく影響されるんでないだろうかと思うわけであります。 全国では前年度12万人の中退者があったそうですけれども,札幌め場合には,懸念されるような状態にはなっていないのかどうなのか。 中退者の出る原因をどのようにとらえているのか,あるいは中退者を出さないために,どのような取組みをしているのかお尋ねをしたいのであります。  それからもう一つ,高校教育で問題になるのは,公立と私立の授業料格差であります。 これは,10年ぐらい前ですと,8対1ぐらいの格差がありましたけれども,その後,私学助成等の成果もあってか,いまは5分の1弱,4分の1強というふうになってきておりますが,それでもまだまだ大きな格差がつくられているわけであります。 そういった格差解消のために,どのような取組みをしているのかお尋ねをしたいのであります。  それから次に,教員の海外研修の問題についてお尋ねをしたいのです。  海外研修のために派遣されている教師の数,市教委が旅費負担で派遣しているのが,1990年以降で毎年15人,それから,国費負担で派遣されているのが1990年以降で15人,合わせて30人となっております。 目的も同じ,日程もほぼ同じになっておりますけれども,市教委から支給されている旅費と国費では,非常に大きな格差がつくられていると伺っているのでありますけれども,これ文部省のほうに訴えて増額をさせて,市教委が負担する人たちと同額にするようにできないものかお伺いしたいのであります。  それから,海外の教育制度や教育事情等,日本とは非常に大きな違いがあると思うわけであります。たとえば校地の広さ,校舎の建て方,それから,授業内容も生活の実態も違っておりますし,海外では制服もないし,塾もないと聞いております。それから,授業日数も非常に違うわけでありまして,それは学校五日制がすでに定着していることによってそうなっているんでないかと。  たとえばベルギーの授業日数は年間170日,日本の243日と比較して73日間も違うというふうになっているわけであります。それから,先ほど来いろいろと話が出ておりましたエイズの感染者も海外では非常に多くなっていて,ノストラダムスが予言した20世紀末に人類が滅亡するというのは,エイズが原因でないかということも,海外に行ってひしひしと感ずるという,放置できない問題だということだそうですけれども,海外の視察を通じて学ぶものが非常に多いのでないかと思うわけでありますが,それが札幌市の教育の改革や向上のために,どのように生かされてきたかお尋ねをしたいのであります。  それから,札幌にいる7,000人の教師の中には,夏休みあるいは冬休みを利用して,自費で海外に研修に行って学んできている人がたくさんいるわけであります。公費で行けるのなら公費で行きたいという希望者も,非常に多いのでないかと思うわけでありますけれども,この派遣の希望者を見ると,去年は1.8倍,ことしは1.6倍にしかなっていないわけですが,選考基準だとか,募集方法に問題はないのか。何回希望しても外されているという,そういう実態はないのかお尋ねをしたいのであります。  それから次に,五日制の問題についてお尋ねをしたいと思います。  臨教審の第2次答申に基づいて,明治以来続いてきた学校六日制が五日制に移行しようとしております。本年度は2学期から月1回,来年は1学期から月1回という計画は示されているわけですけれども,その後一体どうなるか。月2回,3回とふえていくのか,完全実施のめどは立っているのかお尋ねをしたいのであります。  それから,指導要領によって,年間の授業時間数が定められているわけですが,六日制の中で定められた時間数が五日制に移行する中で,改定しなくても支障を来たさないのかどうなのか。この指導要領に基づく標準時問というか,年間の授業時間というのは,拘束力を持っているのかどうなのかお尋ねをしたいのであります。  それから,五日制のための先導試行として,文部省が実験校を指定して,調査研究を行なってまいりました。実験前に,父母を対象にアンケート調査したときには,五日制になると学力が低下して入試に影響する,塾を喜ばせるだけだ,受け皿が足りない,土曜日を削った分が月曜日から金曜日に上乗せされるんでないか,子供が問題行動を起こして教師はますます忙しくなるだけという,そういう理由で,70%以上の人が反対をしていたそうでありますけれども,実験後のアンケートによりますと,多少の条件はつけられておりますけれども,五日制のよさが認められて,70%以上の人が賛成になっているということです。しかし,依然として札幌市内には,いまなお不安を抱いている父母がいるのではないかと思うわけでありますけれども,そういった父母に対する理解を深めるというか,五日制の啓蒙啓発のためにどのような取組みをしているのかお尋ねをしたいのであります。  それから,五日制というのは,ただ単に休みを1日ふやすというだけではなくて,子供たちを変えていこうという教育改革ではないかと思っているわけであります。いわゆる従来のような詰込教育,あるいは授業のわからない者は切り捨てるという新幹線教育,あるいは,テスト,テストの明暮れということで,心身ともに疲れ果てている子供たちの心にも体にもゆとりを与えようという,そういうねらいがあると思うわけであります。ところが,五日制を実施した学校によっては,休みになった日に学校に子供が集まってきて,そこに教師も配置されているところもあったということであります。これは過渡的現象だろうとは思いますし,子供が来るのにほうってもおけないという教師の温かい思いやりもあったのではないかと思うわけでありますけれども,休みになった学校に子供が集まって,そこに教師がいて,教師的なまなざしで子供を見ているということば,五日制にそぐわないのでないかという気がするわけでありますが,以上についてお尋ねをしたいと思うのであります。 ◎芳賀 総務部長  最初に,私にほうから2点目の公立高校の収容率に関連するご質問と,4番目の公私格差のご質問にお答えをいたします。  2点目の収容率に関する問題でございますが,道との関係では,これはもう先生十分ご承知だと思いますが,適正配置計画が今年度の場合もさきに発表されております。  ご指摘のような収容率という意味では,札幌市の場合は,全道平均に比べて低いという実態がございます。これは多分,私立学校が札幌市に集中をしていると,いわゆる道の実施部局として,公私のバランスの問題だろうというふうにわれわれ理解はしておりますが,そういうことになっているのは事実でございます。  私どもとしては,公立高校の収容率の確保ということでは,子供たちはもちろんでありますが,保護者,父母の皆さんのご心配もまた一層深まる時期でもございますので,例年この時期に道教委に対して,札幌市としての考え方を実は文書でまとめて申入れをしているところでございます。収容率に関しましては,昨年度の収容率を確保すること,さらには40人学級を踏まえて高校の新設ということも具体的に要求をし,要望行動を行なっているところでございます。  4点目の私立学校に対する助成の関係,あるいは公私間格差の関係であります。  これまた十分ご承知だと思いますが,私立学校法における私立に対する助成措置につきましては,本来的に国,都道府県の責務ということでございます。札幌市としては,単費で教材教具の補助をしておりまして,お話の中にありましたとおり,今年度若干なりとも引き上げましたが,そんな意味で,市としての援助もできるだけふやしていきたいというふうには考えております。  基本としては,やはりただいま申し上げましたように,国あるいは道の助成措置を待つということで,私どもこれまた繰返し毎年度強く要請を申し上げているところでございます。以上でございます。 ◎矢野 学校教育部長  ご質問の市立病院内にございますひまわり分校のことにつきまして,私のほうからお答えを申し上げたいと思います。  教職員の配置の件でございましたけれども,本年度の児童・生徒数と教職員の配置につきましては,4月当初,児童・生徒は小学校が4名,中学校が3名でございまして,小中各1学級,教員5名で道教委に認可されたものでございます。  その後,6月中旬には小学校児童数が13名にまで増加いたしまして,学校の事情等を考慮しながら学級編制の認可変更を申請し,7月1日付で新たに1学級が認可され,教員1名の定数が追加されてございまして,現在,小・中学級合わせて6名の教員で授業を行なっているところでございます。  ご承知のように,このひまわり分校は,市立病院内に入院している児童・生徒のための分校でございまして,その性格上,入退院が非常に激しいわけでございます。したがって,人数に変動があったり,あるいは子供に教える教科にもまた変動が来るといったような実態があるわけでございます。  これに対応してどんな改善方法を考えているかということでございましたが,東米里小・中学校が母体校になってございまして,そこの教員と絶えず指導交流を行なっていますと同時に,私どものほうからも積極的に各教科の指導内容,あるいは指導技術等の資料を提供させていただいて,子供たちに迷惑のかからない配慮をいたしているところでございます。今後とも一層子供たちのために,そういった指導方法なり,内容についての充実,あるいは子供たちに迷惑がかからないように努力してまいりたいというふうに考えておりますので,よろしくご理解をいただきたいと思います。以上でございます。 ◎滑川 指導室長  私のほうから,先ほどありました高校中退の状況と,それから教員の海外派遣事業,さらには学校週五日制にかかわる事柄について,まとめてお答えしたいというふうに思っています。  まず,札幌市における高校の中退状況でございますけれども,全日制の7校がございまして,ここではこの3年間,毎年全生徒の0.3%となってございます。 この数値は,平成2年度の全国の中退者の率が1.5%でございますので,これらと比較しまして,きわめて低い数値でございます。定時制につきましては,平成元年度18%,平成2年度と3年度も17%でございまして,中退者は減少しております。全日制と定時制を合わせますと,中退率は平成元年度では2.2%,それから2年度では2.0%,3年度では1.9%減少の傾向にございます。  なぜそのようになるのかという原因でございますけれども,詳しく一つ一つについては当たってございませんけれども,主に中退の理由となっているのは,進路を変更したいと。入ったけれども,また,その中で変更したいというものが一番多うございます。そのほかに学業不振によるもの,それから家庭の事情によるものというのがございます。中退者の大部分は,現在就職している者が多うございます。
     これらに向けまして,できるだけ中退者をなくするために,各学校では生徒の入学時における適応指導を重視して,教科の学習だとか,それから学校行事,部活動,さまざまな場面で生徒一人一人が学ぶ充実感といいましょうか,生き生きとした高校生活を送ることができるよう−に努力をしてきているところでございます。今後とも,そのように努力をするように指導していきたいというふうに考えてございます。  次に,教員の海外派遣でございます。  これは,現在札幌市におきましては二つありまして,文部省が主催するものと,市単独でやっているものがございます。文部省は,短期,長期の派遣二つございます。札幌市が独自に行なっているのは,中学校の英語担当教員の派遣と,それから高等学校の教員の海外派遣,さらには教員の国際理解教育に関する研究委託と三つございまして,本年は,合わせて35名派遣する予定でございます。  これらにおいでになった方々は大変喜んでおりまして,研修の成果をまとめて交流を図ったり,または,各種研修会において講師としてその成果を発表するとか,さらには校内におきましても,児童・生徒の授業に生かすなど,大変大きな成果を上げてきているところでございます。  先ほど申しました国の事業と市の事業では,派遣するのに差があるのではないかと,こういうことでございます。確かに文部省と比較いたしますと,市のほうが非常に高くて,文部省と若干差が出ておるのも事実でございます。ちなみに文部省の短期事業で言うと,16日間で国庫20万,それから札幌市の場合には,国際理解で15名派遣しているものは,同じ16日間で45万ということでちょっと差があるわけでございますけれども,これは主催者が違うということもございますけれども,機会あるごとに私どももこれまで要望してきたところでありますし,今後とも文部省のほうに要望していきたいというふうに考えてございます。  次に,選考にかかわる問題でございます。  選考にかかわりまして,札幌市で派遣する場合には,それぞれ公募いたしまして,応募者からテーマをもらいまして,そのテーマを検討いたします。さらに一人一人に面接をいたしまして,テーマと合致した研修内容であるかということをよく見まして選考をしているところでございます。中には,何回か外れる場合もございますけれども,特段これについては制限ということは現在設けてございません。そういったところでございます。  次に,学校週五日制にかかわってでございます。  初めに,実施の見通しについてでございますけれども,ご承知のように,学校週五日制は,この9月から月1回実施されておるわけですけれども,今後1回から2回と段階を追って,最終目標であります完全学校週五日制に進んでいくものというふうに考えております。  しかしながら,完全学校週五日制の実施に当たりましては,国がその時期をまだ明示しておりませんので,現段階では,その見通しを申し上げることはちょっと困難でございます。  次に,学習指導要領の見直しについてでございます。  前に私どもも答弁の中で申し上げてまいりましたけれども,月1回または2回の導入であれば,学校の行事とか,それから学習内容の精選,それから指導方法の改善によって,十分対応できるものというふうに考えてございます。  市教委としましては,文部省の学校週五日制の研究協力校の実践だとか,それから本市が行なっております学校研究委託の実践研究の成果を踏まえながら,教育課程の編成のあり方など,今後,研究を深めてまいりたいというふうに考えてございます。  それから,3点目になりますけれども,父母への啓発活動についてでございます。  この円滑な実施に向けては,市民の理解というものが大前提になります。したがいまして,市教委におきましても,父母向けのリーフレット,それから「PTAさっぽろ」の特集号を全保護者に配布をいたしました。また,全市の家庭には広報さっぽろやケーブルテレビなどを通しまして,趣旨の理解を図ってまいりましたし,関係団体との懇談会を持ちながら,その啓発に努めてきたところでございます。  また,各学校におきましては,保護者に対する意識調査,さらには「学校だより」,PTA総会,各学級における懇談会などによりまして,この五日制の理解と協力を求める働きがなされてきたわけでございますけれども,今後とも,学校過五日制の趣旨の十分な理解を得るために,これから積極的に私どもも啓発活動を行なっていきたいと,かように考えてございます。以上でございます。 ◎中辻 社会教育部長  私のほうから,学校過五日制の4点目の学校開放運営のあり方に関連してのご質問にお答えをいたします。  この学校開放につきましては,私ども,子供たちのいろいろな体験を充実させるための選択肢の一つ,あるいは遊び場の一つとして実施をしたところでございます。  そこで,この運営につきましては,やはり地域。家庭の教育力の活性化を図るということで,いろいろな地域の方のご協力を賜りたいという考え方から,各PTAが中心となりまして,校下の特性を生かしながら,地域の関係者に呼びかけまして,運営体制を組織化していただく,これが私どもの基本とした考え方でございます。そして,全市的な学校週5日制協議会を設置をいたしまして,関係団体に協力を呼びかけますとともに,個別的にも,スポーツ少年団や子供会などの青少年団体に協力を依頼しているところでございます。  初回の9月12日の開放当日は,学校関係者の方々も地域のボランティアの一員,あるいはPTAの一員としてのお立場で自主的に参加をされた方もあったというふうに伺っておりますが,いずれにいたしましても,私ども今後とも,先ほど申し上げました基本的な考え方に立ちまして,各校の運営組織体と十分協議をして事業を進めますとともに,引き続き,いろいろな地域青少年団体等に協力を呼びかけるなどの努力を積み重ねながら,円滑な定着を目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。 ◆赤田 委員  高校の収容率の問題ですけれども,札幌は確かに低くはなっているけれども,札幌市内には私立の高校があるので,それでバランスがとれているのでないかと,そういうことでございました。そこで必要になってくるのが,さっき言ったように,公私の経済的な負担の格差解消ということになるわけでありまして,札幌市も単費で助成しているという努力は認めるわけであり,ますけれども,それでも,なおいまやはり隣同士で公立に行っている子供は月8,000円の授業料,私立の場合は3万円もという,こういう違いがあるわけです。これからどんどん高校生の数も減ってくるわけですし,私学助成,学校に対する教具教材の助成のほかに,直接助成なんかも考えられないものか,このことについての答弁の内容は大体予測できるのでありますけれども,あえてお尋ねをいたしたいのであります。  それから,ひまわり学級のことについてですけれども,できるだけ迷惑をかけないようにしますということはわかるんですが,私が問題として提起したのは,できる限り有資格者による教科担任が好ましいのでないかということなんでありまして,それを補充する意味において,各学校で定年退職をした人たちに時間講師になってもらったりして,経験豊かなベテランがたくさんいるわけですから,そういった人たちを配置してあげるだとか,そういったことが考慮できないものかどうか,もう一度お尋ねをしたいのであります。  それから,教師の海外派遣の問題についてですけれども,視察した内容は,レポートにして提出されるということになっていると承っております。しかし,これはそういう形ですと,ほんの一部の上司だけが目を通すだけになってしまっている。私は,そういったものをまとめて1冊にするかなんかして,多くの教師が目を通すようにしたらいいのでないかと。そうでないと,ほんの一部の人しか学んできたものを理解できないということになると,宝の持ちぐされになるわけですから,そうではなくて,もっと幅広く目を通すことができるようなことを考慮できないかどうかということであります。  それから,五日制の問題について。完全実施の見通しは困難だと,これだけの答弁でございましたけれども,私は,五日制というのは子供たちにとって必要,それを文部省も認めて実施に踏み切ったわけですから,だとするならば,一日も早い完全実施を目指すべきでないか。文部省の指示待ちではなくて,こちらの側からも要請していくという,そういう強い姿勢が必要でないだろうかと思っているわけであります。  子供たちにとっては学ぶだけではなくて,休むということも非常に貴重な教育の場になるんでないだろうか。たとえば,テストだとか入試のための授業だけをやるのではなくて,もっと大きな視野に立って見詰めなければならないのでないだろうかと思っております。子供たちというのは,21世紀の担い手になるわけですから。  20世紀というのは,私たちによって地球環境を物すごく汚したり破壊したりしているわけですが,そういう地球環境を21世紀に守るためには,子供たちに宇宙的な視野,あるいは哲学者的な発想だとか,あるいは詩人の感性だとか,文学者の表現力だとか,そういったものが求められているわけですから,そういったことに役立つ五日制を推進するためには,こちら側からもアクションをかけるという,そういう姿勢が必要でないだろうかと思うんでありますが,いかがなものかと思うのであります。  それから,五日制に不安を抱いている理由として,受け皿が足りないのでないかということがあるわけであります。受け皿とは一体何かということですけれども,子供たちが,無料で,あるいは安く楽しく使える体育館だとか,美術館だとか,博物館だとか,あるいはグラウンドだとか,児童会館だとか,プールだとか,そういったものだと思うのでありますが,そういったものを五日制の推進に合わせて,増設させるという取組みが必要でないだろうかと思うのであります。たとえば児童会館なんかも,これまでのようなペースを五日制に合わせて早めていくという,そういったことができないものかどうかということであります。  それから,先ほどのご答弁では,地域青少年の人たちとも協力してやっていきたいということですけれども,子供たちと一緒に遊んでくれたり,指導してくれるボランティアの人が確保されなければならないのでないか。それがないから,どうしても教師が当てにされるのでないかと思うわけでありまして,市教委のほうで積極的に取り組んで,ボランティアの指導員なんかを確保するようにすべきでないかと思うわけでありますが,いかがなものかお尋ねをしたいのであります。 ◎芳賀 総務部長  私学助成に関して再度のお尋ねでございますが,繰返しになると思いますけれども,私立学校法あるいは私立学校振興助成法ということで,国,都道府県の役割というふうになりつつも,札幌市としては,教材教具という名目でありますが,学校に対する助成を少しずつ積み上げてきているという実績も,一方でお認めをいただいているだろうというふうに考えます。  実際に,直接保護者に渡さなくとも,学校に渡しても私学経営の健全化につながり,ひいては父母負担の軽減にいささかでも寄与しているというふうに私どもとしては理解をいたしておりますし,前段の基本的な私立学校の管理運営費そのものに対する直接助成については,引き続き国,道に対して,拡充方要請をしてまいりたいというふうに考えておりますので,ご理解を願いたいと思います。 ◎矢野 学校教育部長  ひまわり分校にかかわっての教員の件でございますけれども,委員のおっしゃるとおり,その教科の資格のある先生が直接子供に教えるということは大事なことであり,また,私どもも必要なことだというふうに考えておりますが,何せ定数の問題もございますし,あるいは定年退職者の配置ということも大変貴重なご意見をいただきましたので,十分参考にさせていただいて,今後の検討課題とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎滑川 指導室長  海外派遣の成果のまとめの問題でございますけれども,これは,従来も文部省の派遣の場合にはまとめをつくりまして,全部ではありませんけれども,配布してございます。それから,札幌市におきましても,まとめをつくりまして,必要に応じていろいろな研修会にコピー等をして,それに役立てておるわけでございますけれども,もう少し多くの人に触れるようにということでございますので,何らかの形でまた今後考えていきたいというふうに考えております。  それから,学校過五日制の完全実施に向けてでございますけれども,これはまだ始まったばかりでございまして,これからどのようになっていくか,私ども推移を見ながら考えていかなきゃならないと思いますけれども,完全になっていった場合に,質問のあるようなことも予想されますので,今後あらゆる機会に,またそのような事態には要望してまいりたいと,こんなふうに考えてございます。 ◎村井 社会教育部参事  学校五日制にかかわって児童会館の早期建設ということでございますけれども,児童会館につきましては,学校週五日制の実施に当たり,その果たす役割は大きいものというふうに考えてございます。  したがいまして,厳しい財政事情ではありますけれども,年間5館ないし6館のペースで建設を進めておりまして,5年計画終了時には100館の実現に向けて,今後も努力してまいりたいというふうに考えております。 ◎中辻 社会教育部長  ボランティアの指導者の確保についてお答えを申し上げます。  市内にはいろいろ子供会ですとか,ボーイスカウト,ガールスカウト,あるいは海洋少年団,スポーツ少年団等すぐれた指導者がたくさんいらっしゃいますので,私どもこれからも先ほどの基本線に沿って,青少年女性部等の関連部局とも連携をとりながら,指導者の確保には一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ○西村 委員長  ここで,委員会を暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後2時59分       再 開 午後3時21分     ────────────── ○西村 委員長  委員会を再開いたします。 ◆森 委員  私は,61年以来取組みをいただいております格技場に関してお尋ねをいたします。  最近の教育現場におきましては,不登校児童・生徒のことが大きな問題として取り扱われておりますが,昭和60年ごろには,中学生の非行の問題が連日新聞に報道されるなど,大きな問題として取組みをなされておりました。  そこで私は,たしか昭和60年の3定と記憶しておりますけれども,日本古来の柔道,あるいは剣道の武道を通して,心身ともに健全・健康な青少年の育成を願いつつ,かつまた,そういった非行少年対策の一助になればと各中学校への格技室設置を提言をいたしました。以来7年間,格技場設置に積極的に取り組んでいただきましたことを感謝申し上げる次第でございます。  そこで質問でございますけれども,格技場設置が非行対策に有効であったと私は感じているわけでございますけれども,教育委員会としては,どのようにお感じになっているか,お答えをいただきたいと思います。  2点目は,格技場の設置校数と設置率についてお尋ねをいたします。とりあえず二つお願いいたします。 ◎滑川 指導室長  お答えいたします。  格技場設置の効果ということでございますけれども,ご指摘のように,非行の発生と絡みまして,いろいろと施策的に設置されていった経緯もございます。中学校における問題行動の発生件数とのかかわりでございますけれども,格技場設置を始めたのは昭和61年度でございまして,このときには171件あったものが,昨年の場合には121件と,おおむね3割の減少になってきているところでございます。  この問題行動の発生件数が減少したことにつきましては,何よりも学校の努力というものと,さらに地域関係機関との協力が大きな要因になっていると考えます。  また,ご指摘のありましたように格技場の設置に伴いまして,生徒の心身を鍛えることにも十分役立っておりますし,さらに生徒にとりましても,多様な活動ができるようになったということも一つの要因というふうに理解してございます。 ◎小原 総務部参事  格技場の設置数と設置率を示せと,こういうことでございます。  中学校の格技場整備につきましては,本年度建設を進めております4校を含めまして,合計26校設置してございます。なお,設置率は約28%というふうになる見込みでございます。以上です。 ◆森 委員  非行少年に対する有効は,合わせ技もあるようですけれども,28%で30%近いダウンと。合わせ技,学校の先生方の努力も含めての効果というようなお話がございましたけれども,その中で予算も伴うことですから,大変だと思いますけれども,7年間たって28,%の進捗率ということでございます。もうちょっとスピードアップができればなというような感じはするわけですけれども,いまのような別棟での設置方法であれば,いろんな用地の関係からだんだんと難しい問題が惹起されてくるであろうというようなこともお聞きしております。  そこでご提案でございますけれども,屋内体育館を改築する場合には,立体的に組み込んで格技場を設置してはどうかと。あるいは現在新設校においては,格技室は設置されていないようですけれども,これも新築されるときにそういったものも取り込んで進めていくならば,この進捗率アップに大いに役立つんじゃないかなと,こう思います。7年間で28%の達成率ですと,あと倍の14年でも100%にはいかないのじゃないかなと。そうすると,いま入っている小学校1年生はおろか,生まれた子供までが全部中学校を通過しても設置できていない学校があるのじゃないかなと,こういう単純計算ができるわけですけれども,そうであってはならないなと。やはり予算も伴うかもしれませんけれども,そういった努力も含めて早期に完成されますように願うものですから,ご提案を申し上げる次第でございます。いかがでしょうか。 ◎小原 総務部参事  中学校におけます格技場の設置の方法ということでご提案いただきました。中学校におけます改築あるいは新築の時点で,ご提案のとおり,当初から屋内体育館に立体的に組み込んでいくということはいかがかということで,これは非常に土地の有効利用という側面から非常によろしいといいますか,参考になるご意見だと考えてございます。  したがいまして,当面,屋内体育館の改築の予定のない既設の中学校の増設こつきましては,従来どおり別棟に建てざるを得ないということになります。今後,屋内体育館が古くなって改築する,あるいは新築するというときに当たりましては,たとえば屋内体育館の開放用管理棟の上にそういう格技場を設ける,あるいは体育館の下にそういう格技場を配置する等の方法が考えられますので,委員のご提案の趣旨に沿った格好で格技場の整備に努めてまいりたいと,こう思っております。 ◆小谷 委員  それでは,私から学校施設の整備にかかわる件で3点,さらに障害児,なお生徒にかかわる関係につきまして3点,合わせて6点お尋ねをさせていただきます。  まず,前段の3点を先に質問させていただきますが,学校施設の整備基準の見直しと,こういう観点に立って質問をさせていただきたいと思います。  まず,学校施設の整備基準の見直しですが,札幌市では,申し上げるまでもなく,徒歩生活圏を住区という単位でとらえまして,1住区に1小学校,2住区に1中学校という形の中で設置をされることを目標とされているわけですが,札幌市のまちづくりの基本である住区整備計画により小・中学校のこうした配置を進めているわけであります。この徒歩生活圏である住区は,おおむね1キロメートル四方ということを想定をして,1住区当たりの最終的な人口がおおむね1万人という数字を志向をしているわけでございます。  そういった中で,札幌市は24学級を学校規模としてとらえております。文部省の方針としては,適正基準規模というのは12学級から24学級,こういうことになって,24を超えますと,これは過大規模校ということに相なるわけですが,札幌市は,その適正基準の上限の24を基本にして現在まで取り組んでこられております。  ご承知のとおり,実は,小学校については昭和60年から,中学校については63年から,それぞれ児童・生徒が減少期に入ってまいりました。過去5年間で小・中合わせて1万数千人が減ってきている,こういうふうに伺っているわけでございます。  そこで,今後の児童・生徒の減少期への対応,あるいは教育環境の向上という観点から,現行の学級規模の標準を24から,これから学校新設をしていく場合に18学級というふうに考えていく必要も出てくるのでなかろうかというふうに考えるわけでございます。  昨今の世相といたしましては,1単位の出生率が非常に減ってまいりまして,1.5前後と,こういうふうになっているわけでございまして,これから新しくどんどん宅地開発がされていくところへは若い方々が中心に入居されていくと,このように考えるわけですが,そういう意味からも,いまの24規模というものがこのまま将来とも24が好ましいのか,18を志向していく必要があるのか,私はむしろ志向していく必要があると,このように考えますが,ご見解を承りたい。  次に,未完成校に関する整備についてお尋ねをいたします。  昭和50年代の児童・生徒の急増期に多くの学校が建設をされてきたところでありますが,建設後,児童・生徒の増加が見込まれないために,完成しないままの状態にあるものが最近相当数見受けられるわけでございます。  そこで,まず未完成校は何校あるのか,また,このうち当分増築の見通しが全くない,このように考える学校は何校ぐらいあるのかお伺いをいたします。  次に,3番目といたしまして,そういった中で余裕教室ができてきているわけですが,これらの小・中校にかかわる余裕教室について質問をさせていただきます。  現在都心部,あるいは既成住宅地の学校では,かなりそういった意味で余裕校ができてきている傾向にあります。これら余裕校を,大いに地域の生涯教育の場といいましょうか,そういった中で活用していくことがこれから必要でないか,このように考えるわけでございます。  生涯教育は,年齢を超えた教育と,こういうことになるわけですが,将来全く生徒数の,あるいは児童数の増加が見込めない学校の空き室については,そういった生涯教育の場として大いに開放,利用していくことが必要でなかろうかと。また,それがこれからの,特に老人社会と言われる高齢化時代へ向けた一つの大きな対応でなかろうかと,こう考えるのでございます。  かつて私ども近くのお年寄りの方から,よくそういったことで意見を言われたことがあります。近くにある,たとえば消防出張所のふだん使っていないスペースをお年寄りめ活動の場に利用することができないか,あるいはいま申し上げたように,学校の空き室を使うことができないのか。福祉の面では老人憩の家,憩いの間というようなこと等にも非常に積極的に取り組んでいるわけですが,いかんせん,なかなか財政事情,いろいろなことで思うように進んでいない面もあろうかと思いますが,私は,こうした時期に学校の空きスペースを大いに利用して,地域の皆さんに使っていただき,そしてそのことが生涯教育のすばらしい役割を果たせるものでなかろうかと考えますが,ご見解を承りたいと思います。まず以上,3点。 ◎小原 総務部参事  第1点目でございますけれども,現在行われている24学級規模の基準を18学級にしてはいかがというご提案でございます。  今後の児童・生徒数につきましては,当面減少傾向を続けてございますが,出生件数がやや回復の兆しも見えているということから,将来再び児童・生徒数が回復傾向に転じることが予想されるわけでございます。  仮に標準の学級規模を小さくいたしますと,将来札幌市におきまして,小・中学校が足りないという事態が発生する可能性が出てまいります。したがいまして,基本的には24学級を原則といたしまして,個々の学校の整備につきましては,地域の状況を十分調査しながら,慎重に検討してまいりたい。ご提案されましたことにつきましては,研究課題としていきたいなと,こう考えてございます。  それから,2点目でございますけれども,未完成で増築の見通しのない学校が幾つあるかということでございます。  本市におきまして現在建設中の小学校4校を含めまして,小学校が203校に相なります。それから,中学校が93校ということで,このうち小学校80校,中学校33校につきまして,将来の増築計画を持っているところでございます。  これらの学校のうち,近い将来学級数が増加して増築しなければならないというような学校は,小学校で23校,中学校で25校ありますので,残る小学校57校,それから,中学校につきましては8校でございますが,現状のままの状況で推移するであろうと,こう考えてございます。以上でございます。 ◎芳賀 総務部長  余裕教室の関連で,私からお答えをいたします。  本日冒頭に,春原委員のほうにもお答えをいたしましたけれども,現在のところは,学校の中の施設の余裕部分として活用しているところが多いわけでありますが,ご指摘のように,相当数余裕が生じてきている学校も出てまいりましたので,さらにまた地域に開放していくということで,国のほうでも本年度全国調査を実施をいたしておりまして,その結果を来年度当初に「小・中学校の余裕教室の有効活用に関する整備指針」という形でまとめて出されるというふうに伺っております。それらが出されましたら,私どもとしてもその指針に沿って,ご指摘にありましたような,広く地域の住民の方々が気軽に利用できるような,加えて生涯学習の拠点としてふさわしい機能を備えた施設として整備をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆小谷 委員  いま答弁の中で,18学級規模というのは非常に難しいであろうと。しかし,今後いろいろな角度から検討をしていく必要はあるということで伺ったわけです。  そこで,私,たとえば近くにある学校で考えますと,たしか昭和54年か5年の建設だったと思いますが,昭和50年前後,そして55年ぐらいにかけての学校にこういった現象がかなり多いところがあるのでないかと,このように認識をいたしております。昭和56年からは学校の形態もゆとりのスペースというようなことの中で,かなり構造的にも大きく変化をしてまいってきているわけですが,それ以前の学校を中心にそういったことを感じているわけです。  児童の正面玄関はできた。しかし,通用玄関ができないまま,10何年経過をしている。あるいは特別教室ができ上がらない。さらには,この昭和56年度から行われてきたゆとりとのかかわりの中で,いわゆる異学年,二学年ぐらいを同じ一つのスペースの中でいろいろと学習をさせる,そういうことが行われつつあると,こういうふうに聞いているわけでございます。そこで,もう全く児童なり生徒がふえない,こういうところについては,思い切って教室の壁を抜いて,2教室なり4教室,廊下を挟んで4教室なども使って,そういった学習の場として供しているというところもあるやに伺っております。しかし,これからの長期展望に立って,なかなかそこまで思い切ったことはできないということの中で現状,非常に狭隘な状態の中で子供たちが学び,生活をしているというところもあるわけです。  どういう弊害があるか。これはやはり構造的,あるいは配置上の問題,こういうものがあると思います。たとえば子供たちが避難訓練などをするときには,これは指導の先生がいてやるわけですから,非常に構造的に難しさがあっても,それはクリアはしていくわけでしょうが,実際災害が起きたときに,果たしてこれで,子供たちを完全に安全に誘導できるだろうか,こういうこともあるようでございます。あるいはまた,グラウンドへ出て休み時間遊ぶ。しかし,戻る,出ていく,この時間に大変な時間を要する。こういったことの中で,非常に貴重な遊び時間も余り子供にとっては大した役に立っていない。子供たちは大変かわいそうだと,こういう現象。あるいはまた,正面玄関一つしかないために,そこにはお客さんはもちろんのこと,たとえば冬は除雪機を置くとか,その他もろもろの利用の仕方ということの中で,非常に玄関が狭い,げた箱とげた箱の間が通路としても非常に狭い,そういうようなことがあるわけでございます。  私は,やはりこういったことをぜひとも解消をしていただきたいと思うわけです。そのためには,将来そういう見通しがこの数年間にはなかなか見出せないとしても,何らかの手だてをして,これらの改善を図っていくづきでないかというふうに考えるわけでございます。  一方,話がちょっと横道にそれますが,たとえばいま中島公園に音楽堂ということで,これは札幌市への補助金,それから,市費,あとは起債ということで,札幌市が基本的には丸抱えで大きな施設をつくろうとしております。しかし,これは札幌市が将来に向けた国際都市,そして札幌市の特徴としては私は大事なことだと思いますが,やっぱり何といっても子供たちというのは,あすを担う大切な宝であるわけですし,全市民的な立場でこういうものの解消に取り組んでいただきたい,こう思うわけですが,その辺についてのご見解を承りたい。 ◎小原 総務部参事  委員がご指摘されます学校等につきましては,確かに古い学校につきましては,そういう部分が残存していることは承知してございます。  私どもとしましては,いろいろ社会状況等,あるいは学習要領等が変わっていく中で,まず整備しなければならない教室等,あるいは特別教室等がございまして,現在はご案内と思いますが,多目的教室を早く整備していこうということでやっておりますし,不足する特別教室等につきましても,そういった空き室,あるいは余裕教室を活用しながら整備していこうということで,そちらのほうにお金をかけて進んできておるわけでございます。  それから,一方,確かに機能的といいますか使い勝手的には,いま言われたような格好で階段が一つ,あるいは玄関が一つで非常に難儀をかけているという部分もあろうかと思いますけれども,それらにつきましても,徐々に手を加えつつきてございます。抜本的にすぐという話にはなかなかまいらないかと思いますけれども,できるだけそういう不便を抱えているものにつきましては,できるだけ努力してまいりたいと,こう考えておりますので,ご理解願いたいと思います。 ◆小谷 委員  できるだけ何とか前向きに取り組んでいきたいと,こういうことでございますので,ひとつ強くその点について要望いたしておきます。  次に,障害児生徒の教育条件の充実ということについて3点お尋ねをいたします。  まず,市立幼稚園における障害幼児の受入態勢についてでございます。  これについては,札幌市立の幼稚園は申し上げるまでもなく障害児を中心にして,各区2園,中央区はいまのところ1園しかないわけですが,整備をされて,運営をされているわけでございます。  しかし,この障害児につきましては,内容的には情緒障害だとか,それから精薄だとか,いわゆる心身で言えば心のほうですか,こういう子供たちを対象にした運営をなされている,体制となっている。こういうことですが,かねがね私は,肢体不自由,身のほうですね,そういった子供たちについても何とか市立幼稚園で受け入れることができないか,こういうことを痛切に感じ,機会あるときにはそういったご提言を申し上げてきたように記憶をいたしておりますが,これらについて,いまどのような状況になっているのか,お尋ねをさせていただきたいと思います。  次に,特殊学級の適正配置ということでお尋ねをさせていただきたいと思います。  札幌市におきますこういった心身障害児にかかわる就学状況というものは,ことしの春の資料でいきますと,200校に対して延べで79校,実質49校,そしてその中に,これは小学校ですが,620名がそこで勉学にいそしんでいる,あるいはまた中学生についても409名ということで,大変大きな成果をおさめているわけでございます。おおむね4校に1校程度がそういったことで特殊学級を設置して,その教育の場として取り組んでおられるということで,高く評価をするわけでございます。  ただ,そこで私感じるのは,先ほどの学校の空き室云々ということも申し上げましたが,この周辺部においては,非常に生徒の増加が著しい区域があるわけでございます。これから近年中,さらには5年,10年,あるいは15年ぐらいかかるかもしれませんが,あるAという学校から3校も次々と新設校をつくっていかなければならない,そういう計画にも相なっているわけです。ところが,その学校には特殊学級が併置をされている。併置をされていることはすばらしいことなんですが,当初空き室利用をもってそこに設置されたそれが,果たしてそういう増減の著しい学校に適切なものかなと。もっと安定した学校への適正配置も考えていく必要があるのでないか。一回配置したらもう全然動かないものか,場合によっては十分検討して,それは変更もあり得るということなのかお尋ねをしたいと思います。  それから,3点目としては,豊明高等養護学校の整備についてですが,これにつきましては,私どもの会派の原口議員も昨年の4定でこれらに関連して質問をいたしましたし,また,森議員もこの1定で質問をされておりますし,中嶋委員も特別委員会で質問されているわけです。そこで,その後,大分この校舎もでき上がりつつあるといいましょうか,かなり工事が進捗をしている,こういう中で,その進捗状況,あるいはまた取り巻く周辺の環境整備というようなものが現在どうなっているのか。そして,その学校の内容として特徴,どういうところに力点を置いているのか,これらについてお尋ねをいたしたいと思います。以上です。 ◎矢野 学校教育部長  障害児教育にかかわっての1点目でございますけれども,市立幼稚園の障害児の受入れについてでありますが,平成4年度までの本市市立幼稚園の募集に当たっては,ただいまご指摘いただきましたように,市といたしまして,精神発達遅滞,情緒障害,言語障害の疑いのある幼児を対象としていたわけでございます。  そこで,平成5年度からは,障害種にとらわれずに心身に障害の疑いがあり,幼稚園における集団の活動が可能な幼児ということで受入れを改めることにいたしているものでございます。
     2点目の特殊学級の設置場所の件でございますけれども,対象となる児童。生徒の人数や通学距離などを勘案しながら,適正な配置にこれまでも努めてきているところでございます。今後とも,各学校の児童・生徒数の推移や教室の利用状況などを把握・検討しながら,ただいまお話いただきましたような適正な配置に一層努めてまいりたいと,このように考えてございます。  3点目の豊明高等養護学校の整備についてでございますけれども,間口が拡大されることは当然でございますが,職業教育の充実を目指しているものでございます。これは,本校の卒業生が社会自立,あるいは社会参加するために不可欠なものと考えておりまして,従来から行なっている木工,印刷等のものに加えて,クリーニング,セメント加工など,新しい作業種を取り入れ,実習施設を充実させたいというふうに考えているものでございます。あわせて学科につきましても,現在の普通科から職業科への変更について,道と協議を進めているところでございます。  そういったことから,校地もかなり大きくなりますし,グラウンドを設置いたすことがまず大事であるとも考えておりますし,生活訓練室や実習のための調理室,視聴覚室など特別教室も新たに設けまして,教育内容の充実をさらに進めてまいりたいと,このように考えているものでございます。以上でございます。 ◆小谷 委員  大変積極的に取り組まれている,こういう姿勢は高く評価をさせていただきたいと思います。  そこで,一,二点ここでさらにちょっと加えて質問させていただきますが,いま職業教育の充実ということで,大変ご熱心に,そして内容の非常に充実した取組みがなされつつあるということを評価しつつも,でき得れば,将来において職業課程ということへ発展をさせていく可能性が何とかないのか,取り組めないのかと,こういうことを実は考えるわけですが,これらについてのご見解を承りたい。  それから,間口が今度大変大きくなりまして,現在105という在籍人数が今度は172名,こういうことに相なるようでございますが,いずれにいたしましても,この学校の位置,その他もろもろの条件を考えたときに,前に中嶋委員からスクールバスを運行することができないかと,こういうような質問が出されていたように理解をいたしております。しかし,それには十分自力で通学ができるという条件の子供を対象にと,こういうことに相なっているようでございます。それはそれとして,理解はできるわけですが,札幌市内大変広域化をしております。端から端まで20キロあるいは25キロもあるのかなと,こういうふうに考えるわけですが,健常な生徒でも,たとえば公立の高等学校なども南学区,北学区というふうに分かれているわけです。ましてや障害を持っている子供さんが,3回なり4回も乗り継いで学校まで到達しなければならないという状況を考えたときに,私は何らかの緩和施策というものが講じられていいのでないかと。たとえば通学バスの件もありますが,もう一つは,寮制度を何とか導入して,遠隔の子供ほ寮生活をしながら,そこで学校教育を受ける。こういうようなことも,これからいますぐにできるかどうかは別として,取り組んでいくべきでないかと,こういうふうにも考えられるわけですが,これらについてのご見解を承りたいと思います。以上です。 ◎矢野 学校教育部長  最初のほうの点でございますけれども,これは,私,先ほど職業科へ変更して,いわゆる社会自立を促していきたいということを申し上げましたが,委員の言われる職業課程と同意であろうというふうに考えておりますので,よろしくご理解をいただきたいと思います。  2点目の交通事情等通学距離ということでございますが,確かに場所と通学の関係で課題があろうかというふうに考えております。一つは,高等学校の生徒であるということと,それから将来社会に出ていった場合に,何らかの形で会社への出勤など通勤が必要になってくるということにかかわって,いわゆるそれも一つの訓練になるであろうというふうにわれわれ押さえておりますけれども,相当距離が遠くなるような状況の子供も考えられないわけではないわけでございます。実際に開校してみて,そういった状況がどうなってくるのかということも,また,われわれ十分把握していかなきゃならない問題の一つだというふうに考えておりますので,開校後,十分その辺の事情を把握しながら,委員の言われる意を体しまして,検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆小谷 委員  わかりました。  あと要望としてつけ加えておきますが,一つは,もちろんそういった生活訓練という意味では大変大切なことだと思いますが,それにも許容範囲というものがあるわけですから,かなりな遠隔の生徒に対しては,何らかのそういった方法を考えていくべきだと思いますので,取り組んでいただきたいということと,もう一つこれは資料として後ほどちょうだいをしたいと思いますのは,この豊明養護学校にかかわる生徒のそれぞれの自宅の分布状況,それぞれの方面でどうなっているか,これを資料として後ほどいただければと思います。以上です。 ◆生駒 委員  私から,4点お尋ねしたいと思います。  一つは,小・中学校の教員配置,定数改善についてであります。  その中の一つの問題は,中学校の教科別の定数の改善についてですけれども,現在,中学校の免許外教科担当ということが実際にございます。これは,各学校で進路指導あるいは生活指導というものが非常に大変になってきているという中で,教師相互が協力し合うということで分担をするわけですけれども,そのときに免許を持たない教員がその教科を担当しなければならないと,こういう状況が実際あって,大きな負担になっているわけです。これは,実際にどういう実態になっているのか,数字でお示し願いたい。  それから,こういうことが生じる原因と解消策について,どのように考えているか。  私は,これが今後本当に解消に向かうためには,根本的には教科別の定数改善が必要と思いますけれども,これは文部省とのかかわりになりますけれども,これまでどのように働きかけてきたのか,今後,これがどう推移していくのか見通しについてもお尋ねをしたいと思います。  二つ目は,教員配置の定数の問題ですけれども,基準を超えて編制される学級の解消ということがこれまでも問題になりましたけれども,そのための教員の配置であります。  いま,小・中学校40入学級ということで実現いたしましたけれども,すでに父母の中では35人学級にしてほしいという,そういう大きな流れがあります。この中で,すでに40人の基準を超えて学級編制せざるを得ないというのが実態になっています。  これはどういうふうに解消されていくのかなというふうに思いますけれども,去年,小学校では29校31学年55学級,これがことしになって31校38学年114学級。中学校でも同じようにふえているということになります。これの解消のためには加配教員,これは他都市でもやっているところがありますので、本市の場合は道費教員でありますから,道に対して加配教員を求めて,基準内の配置にしていくべきじゃないかというふうに思いますのでこの点お尋ねをいたします。  それから3点目は,大規模校への養護教員の複数配置についてです。  一つ目は,現在相当保健室,それから養護教員の位置づけが変わってきたというふうに聞いております。ご承知のように,不登校の子供の増大,子供の悩みの深刻化,心因性の健康障害,相談をしたいと,こういう子供がふえていると。これは,文部省の全国調査では,1日5,000人が保健室登校というデータも出ておりますけれども,本市においても,やはりそういう子供たちがさまざまな社会状況の中で,実際に出ている。そういった点で現在の保健室の位置づけ,養護教員の位置づけ,役割が非常に大きくなってきていると思いますけれども,この点どのようにお考えか。  2点目は,実際に業務量が相当ふえておりますので,特に大規模校での業務量の増大,この点をどのように把握され,そしてどのように対処しようとされておられるのか,お尋ねをしたいと思います。  特に文部省では,今年度,大規模校に養護教員を加配するという動きを示したようでありますけれども,どういう動きになっているのか,これは本市にかかわってくるのかどうかお尋ねをしたいと思います。  次に,障害児教育の問題ですが,1点目は,前に私もお尋ねいたしましたけれども,学習障害児,LDと言われておりますけれども,この問題についてです。  学習障害児については,日本では比較的最近になってクローズアップされてまいりましたけれども,症状はさまざまということで,一定の定義がされているようでありますけれども定まらないという状況で,対処もまたなかなか確立しないという状況であります。知能が普通であるのに,特定の教科の学習が極端に苦手であるとか,能力が高い場合であってもなぜか失敗する。その失敗したことがわからない。周りから不思議な子供と,こういうふうに見られているということで,本市内でも親の会がつくられて,子供たちを集めてゲームを指導するというような活動に取り組んでおりますが,実際に学校でのいじめ,就職差別,無理解による偏見があるというふうに訴えております。  そこでお尋ねしますけれども,本市教育委員会としては,この学習障害児に対する対処は進められてきたと思いますが,どのようにやられてきたのか,どういう到達点にあるのかをお尋ねしたいということです。  指導室教育研究所において,実践的にケースとしても学習障害児の実際について把握されたことがあるかどうか。それから,現場の先生方の理解を深めるために,情報提供など,現段階で取り組んだことは何かということです。  それから,文部省の動きがあります。この問題についての文部省の動きがどのようになってきているかもお尋ねしたいと思います。  障害児教育の2点目は,先ほどから議論されております特殊学級の設置についてです。特に,設置基準について絞ってお尋ねしたいと思います。  現状では,学級が少ないために通学区を二つ,三つ,四つと越えていかなければならないという悩みが出ております。これはとりわけハンディをしょった子供たちが,整備がおくれているために,さらに普通の学級の子供よりも負担を負うという,こういうことになっているわけでありますから,どうしてもこれは改善を図っていかなければならないものだと思います。  私,川崎市を視察してびっくりしたんですけれども,設置は基準が1名。したがって,実態として2名,3名,1名という,そういう教室がずらっと並んでいる。本市の場合を見ますと,多くは五,六名,あるいは七,八名,そして20名以上というのがかなりあります。30名を超えているところもあります。  どうしてこうなるのかということについてでありますけれども,その一つは,学級数が1ヵ所の学校に集められて,三,四学級という形でまとめられているということによって在籍数が大きくなっているというのが一つ,現象的には。  それから,設置基準の問題ですけれども,これは都道府県が認可するものであって,本市の場合は,道の学級設置基準によって設置基準が4名以上とされている。そめために,それ以上ということに縛られていて,実際3名いても,その地域に学級はつくられない,こういう問題があります。  先ほどの答弁の中でも,空き教室,学校のスペースを見てというのは論外。これは先ほど言ったように,普通の子よりもハンディを負っているのに,さらにハンディ,負担を負って,遠くまでいかなきゃならない。学級がないためにそれが起きている。こういうことですから,中心点は設置基準をどうやって変えて,そして細かく各地域につくっていくか,このことによって問題を解決すべきだと私は思うんです。  そういった点で,道に対して改善を求めてきたのではないかと思いますけれども,どうだったのか。今後,これはどうしても変えてもらわなきゃならぬというところでぜひやっていただきたい,この点どういう対処をするのか。  それから,現に2名,3名というところがあります。教育上1名では集団としてどうかという議論もありますから,少なくとも3名いれば,これは4名の基準の中ででも実行して,そして設置基準の改善を求めていくというふうに本市が積極的に取り組んでいくべきと思いますので,この点どのようにお考えかお尋ねをいたします。  それから,障害児教育の3点目は,これもずいぶん議論されています。平岸静療院の院内学級の校舎整備ですけれども,簡単にずばりとお聞きします。市立病院と市教委との協議で,なぜ前5年計画であったものがおくれたのかという内容については,私は聞いております。その問題ではありません。  問題は,先ほどの答弁にもありましたけれども,これはもういまこの段階で,来年度は予算要求をしてやっていくんだということを,教育委員会は,これだけおくれてきた場合に明らかにすべきだと私思います。予算要求をされたのかどうか,この点明確にお尋ねをしたいと思います。  次に,障害児教育の最後の点ですけれども,いわゆる障害児の通級の制度化,これはすでに本市でもやられております。これは,普通学級に籍を置きながら特殊学級に通う,指導を受けられると,こういうものですけれども,文部省が設置した,これに関する調査研究協力会議が,4月にこの点で提言,報告をまとめて文部省に出しております。本市は,これを先取りして進んでおりますから,この点では,問題は教員の上積み等にかかわってくるだろうと思いますが,実際どうなっていくのか,かかわりについてお尋ねをしたいと思います。  次に,大きい三つ目の問題ですが,議論の中で,学校給食の問題でありますけれども,効率化の問題で議論がありまして,まるで子供対象に効率化をするようなそういう議論もされておりますけれども,いわゆる委託問題「これは重要な問題である,本市の学校給食の根幹にかかわる問題である」というご答弁がございました。  私どもはこの点では,民間委託はだめだということを一貫して言ってまいりましたし,多くの市内の父母の方々のはっきり出されている意見はこういうものであって,何回も議論がされてまいりましたけれども,この問題は,自校方式がいいか,親子方式かという議論,これは一方。もう一つは,センター方式という議論もくぐって,本市としての態度はこれまで,学校でやる親子給食が基本なんだというふうに決着がついてきている問題だと私は理解しておりますけれとも,その点で,本市の学校給食にかかわる基本方針について,明確にお尋ねをしたいと思います。  最後に,四つ目の問題は,きょう現場の教員を,まるで機械か何かのように扱うような議論で,ずいぶん休みが多くて,遊んでいるのじゃないかなどという誤解を生ずるような論議もありましたけれども,この点でお尋ねをしたいと思います。  私は,学校に長期休業があるのは当然だと思っておりますけれども,この長期休業の中で,教師は実際に遊んでいるのですか,これが質問です。長期休業の休みの位置づけはどのようにされて,教員は,この過密なスケジュールの中での教材研究などをどこでやっているのか,長期休業中の教員の過ごし方についてお尋ねをしたいと思います。以上です。 ◎矢野 学校教育部長  たくさんのご質問がございましたけれども,私の関係するところを順次申し上げたいと思いますが,もし抜けているところがございましたらご指摘願いたいと思います。  まず,教員の定数にかかわってのことでございます。  これは,ご承知のとおり,文部省の基準にのっとって40人学級というもとで教員が配置されておりますけれども,教科外の担当数を示せということでございました。合計で216名という数になってございます。  これ,どうして起こるのかということでございますが,いまちょっと申し上げました教員定数の関係で,何学級では何名の教員というふうに定められております。私どもが各学校に教員を配置するに当たっては,いわゆる免許外教員にならないように十分配慮して,教員異動なり,配置をいたしているところでございますけれども,学校でそれぞれ教科の指導以外に,校務分掌でさまざまな授業以外の業務をやっておりますところから,持ち時間のバランスをとるために,若干,ある教科に免許を持っていない先生が手伝いをするということがございます。そんなことから,校長が1年間の学校教科指導の経営をしていくに当たって,十分な指導効果が上がるように運営をしていっているところでございますけれども,持ち時間の平均化も図らなければならないということもありまして,若干そのようなことが起こっているというのが実態でございます。  これらの解消に当たって,委員のほうから教科別定数といったようなことがございました。一つの考えとしてお聞かせいただいておりましたけれども,これは現在の教員定数の関係の問題から,非常に難しい面があろうかなというふうに思ってございます。何とか校内で先生方が協力し合いながら,できる限り子供たちにいい条件のもとでの授業ができるように配慮するよう,私どもも努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。  それから,保健室と養護教諭の位置づけでございますけれども,ご承知のように,学校における保健室というのは,子供にとって体の面,あるいは健康,保健の面で指導をする中心の場所になっているところでございます。  養護教諭は,そういった子供たちへめ指導を中心に各学級担任,あるいは学年の所属の先生方と一致協力をしながら保健業務に当たっているところでございますけれども,ご指摘のように,最近の子供の状況からいって,養護教諭の仕事は年々増加をしていることもまた事実でございます。そんなことから,各学年が学年体制を整えながら,養護教諭との連携のもとで子供たちへの指導を行なってきているところでございますし,学級指導なり,学級会活動といった中で健康維持を図っていくための養護教諭からのいろんなアドバイスをいただきながら,相互連携をとって指導をしているところでございます。  次に,養護教諭の将来の見通しでございます。  ご質問の答えとばらばらになるかもしれませんけれども,将来的には30学級以上の学校に対して養護教諭を複数配置をするというふうな方向が出されているようでございます。現在は,3学級以上の学校につきまして1人の養護教諭を配置するとしているところでございます。  それから,あらかじめ余裕を持って学校に教員を配置できないのかという点でございました。  これは,先ほども申し上げましたとおり,現在の教員の配置基準から,あらかじめ余裕を持って配置するということは非常に難しい問題であろうというふうに考えております。  学級編制の基準日以降は,学級解体を伴うような編制替えは行わないのが原則でございまして,これは4月スタートに当たって学級の集団,あるいは学級経営のスタートに当たって,やっと固まってきた集団の仲間づくりが年度途中でまた崩れるという心配もございます。したがいまして,大幅な超過が見込まれない限りにおきましては,若干の定数を超えた学級経営もまた現状としてはやむを得ないのではないかなと,こんなふうに考えているところでございます。  それから,障害児教育にかかわって,静療院院内学級(のぞみ学級)の施設整備についてでございますけれども,これは,先ほど春原委員のご質問にもお答えしたわけでございますけれども,市立病院との十分な連携を図りながら条件を整えて,早急に事業化するように努力してまいりたいというふうに考えてございます。  それから,特殊学級の設置の基準についてでございますけれども,特殊学級設置の認可は道が行うこととなっておりますが,従来から札幌市の場合は,開設時の在籍が4名で一つの学級が開設できるということになっております。しかし,委員からのご指摘もありましたように,地域の実態によっては弾力的な対応も必要であるというふうに考えておりまして,これまでも道と協議をしてまいったところでございます。とりあえず,めどとして児童・生徒4人に対して一つの学級ということでございますが,年度途中で,これが3人あるいは2人に減じても,その学級は存続させていくという方向で道と話合いをしておりますけれども,今後なお実情に応じまして,一層道に強く要望を働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。  とりあえず,私のほうから以上のことについてお話を申し上げさせていただいて,LDのかかわりについては,研究所長のほうから。 ◎吉岡 教育研究所長  障害児教育の第1点目の学習障害児についてお答えをいたします。  まず,文部省の動きはどうなっているかということでございますが,本年の6月に文部省におきまして,調査研究協力者会議が設置されました。全国に10校の研究協力校を設けて,実践研究にいま着手したところでございます。また,平成3年度から4年間,国立の特殊教育総合研究所というところで,基礎研究が始められているところでございます。  ご質問の中にもありましたが,このようなことでございますので,学習障害児についての定義,あるいは判断の基準についてはまだはっきりしておりません。そういうことでございまして,研究所に相談に来る中から,どれぐらいの学習障害児がいるかというその把握の件につきましては,いまのところはっきりしておりません。しかしながら,特に障害が見当たらなくても,学習上なかなか理解が困難だという相談が少しふえてきておりますので,そういう子供につきましては,一人一人の実態に即しまして,指導室,それからその子の学校と連携をとりまして,ケース・バイ・ケースで相談をいたしているところでございます。  それから,教員へのこのことについての情報の提供,あるいは講習の件でございますけれども,研究所におきまして研修講座を設けております。また,講演会も全教員を対象にいたしております。 、それから,研究所の研究課題の一つといたしまして取り上げて,現場の先生方ともども研究をしているところでございます。 以上でございます。 ◎古田 学校教育部参事  大きな3点目の学校給食についてお答えいたします。  本市における学校給食の実施形態は,現在,自校方式及び親子方式を基本として実施しているところでございます。以上でございます。 ◎矢野 学校教育部長  私の関係で残っておりました教員の長期休業中における勤務の件,まず,そのことからお答えを申し上げたいと思います。  夏期休業中などの長期休業中は,教職員にとっては勤務日に当たっているわけでございます。文部事務次官通達や道教委教育長通達によりまして,教育が特に教育職員の自発性,創造性に基づく勤務に期待する面が大きいこと,及び夏休みのように長期の学校休業期間があること等を考慮して,教育公務員特例法の第19条及び第20条の規定の趣旨に沿いまして,積極的に長期休業期間を校外研修として活用することが求められているところでございます。そこで,長期休業中におきましては,教員みずから自発的な校外研修に活用することといたしているところでございます。  それから,もう1点の特殊教育にかかわって,障害児の通級の制度化ということでございますけれども,通級の制度化につきましては,文部省において平成2年の6月に調査研究協力者会議を設置し,本年3月に最終報告が出されております。これによりますと,言語障害など軽度の心身障害児を対象に通級を制度化いたしまして,教育課程に明確に位置づけるとともに,教員定数の改善を図るなどとされているところでございます。この考え方でございますけれども,各教科等の指導は通常の学級で受けながら,心身の障害の状況等に応じた特別な指導を特殊学級で受けることというような規定の内容になってございます。  現在,文部省において,学校教育法施行規則等関係法令の改正など,来年度からの実施に向けて準備を進めていると聞いているところでございます。  本市におきましては,国のこういった制度を受けながら,これに基づいて道と十分連携をとりながら適切に対応してまいりたいと,このように考えているところでございます。以上でございます。 ◆生駒 委員  ご丁寧な答弁いただきましたけれども,教員配置の問題は,内部努力ということですね,基本的に言うと。  それで,教科別の定数の改善,それから,基準を超えて編制される学級の解消のためにも,年度当初で学級解体が起きないようにやるんだといって弾力的にいろいろやってきたけれども,出てきて,去年よりもまたふえていると,こういう実態がもうずっと続いているわけでありますから,内部努力だけではなくて,定員増でやっていくという,そういう方向でやっていただきたい。  養護教員については,大規模校のところでというふうに動きがあるようですけれども,これはさらに働きかけを強めていただきたい。  障害児教育の問題についても,答弁ではやむを得ないと思いますけれども,特に特殊学級の設置基準,これについては,本当にここを変えなければ,先ほどの答弁でも,いま柔軟に対応しているというのは,設置基準を割った場合でもいる者は2人,3人でも置いているんだと,こういうことですから,問題は3人いても開けないというここです。これを変えていくためには,設置基準そのものを変えていく努力を強く要望しておきたいと思います。  それから,学校給食については,ご答弁のように,本市が到達したのは,現在の形態のように学校で学校給食をやる,調理をやるという,こういうことでありますので,わかりました。以上で終わります。 ◆佐々木 委員  私は,大きく2点についてお聞きしたいと思います。  一つ目は,代表質問の中の原発にかかわる見学学習についてなんですけれども,先日の代表質問の答弁の中で,学習の中で賛否両論を取り入れているということでしたけれども,その内容について,まずお示しいただきたいと思います。  もう一つなんですけれども,原発を見学するに当たって,事前にも学習をするということがあったかと思うんですけれども,その点についても,内容についてお示しいただきたいと思います。  大きいもうーつの点は,小学校における道具類のリサイクルについてお伺いしたいんです。  最近,本当にマスコミなどで環境とリサイクルという言葉は,もう毎日のように,湯水のように流れているというか,そういう感じなんですけれども,小学校の中で,算数セット,それから鍵盤ハーモニカと呼ばれるピアニカですね,そのことについてなんです。  いま小学校に通っている子供たちは,調べましたところ12万ちょっとという感じで,1学年約2万人ぐらいだと思います。1年生に入るときに算数セット,それから,鍵盤ハーモニカなどを買うことになっているんですけれども,それを使い終わったときどうなっているかというふうに考えてみましたら,最終的にはほとんどが燃やせないごみとして出ているわけです。算数セットというと,贈答用品のノリの3点セットみたいな,そんな感じの大きさと,鍵盤ハーモニカというのはこのぐらいの大きさですね。それが,毎年毎年2万個ずつごみになっているような状況が見られております。  ことしから学校でも環境教育ということが取り入れられまして,子供たちにあらゆる面から地球環境についての勉強に役立たせています。本市におきましても,「ぼくら環境探検隊」という副読本がつくられておりまして,子供たちが勉強しているのですけれども,その中で札幌市のごみの現状,大切な資源やエネルギーが捨てられているというような状況だとか,子供たちが,もしみんなが漫画の本を捨てたらどうなるのかということをここに書きまして,学習の中に取り入れているという現状です。私は,いま申し上げました算数セット及び鍵盤ハーモニカを生きた教材,先ほどそういう言葉をどなたかおっしゃっていたんですけれども,私も生きた教材にできるのじゃないかというふうに考えているわけです。  算数セットは2年生で終わると思うのですけれども,自分たちが使い終わった後,今度1年生で入ってくる子供たちにそれをまた使ってもらう。それから,鍵盤ハーモニカも6年間使ったら,中学校に入るともう使わないのですけれども,それをまた1年生に回す。ただ,鍵盤ハーモニカの場合は口をつけるところがありますので,そこの部分は,やはり個人個人で用意するということになるんですけれども。そういうことで大切に使うこと,それから,資源のむだ使いをしないこと,それから,ごみにしなくてもいいのだよということを,本当に現実的に子供たちに教えられるということが考えられます。  他の政令市を幾つか調べてみましたけれども,名古屋市では3年前からそれを実施しております。先ほど言ったように,鍵盤ハーモニカの吹き口,マウスピースというんですけれども,これは個人で用意しています。また,大阪市でも同じように行なっていました。本市でも,私立の幼稚園や保育園では鍵盤ハーモニカについては,すべて園に備えつけていて,やはりマウスピースだけ買っているというふうな状態でした。  いまの世の中,資源のこと,ごみのことを毎日のように言っている,このような世の中になっておるのですけれども,学校でも使い終わった後は,次の人に回して使うと,子供に本当に生きた教材として生かすことができると思うので,回して使うということについて検討をしてみてはいかがかと思うのですけれども,このことについてもお答えいただきたいと思います。 ◎滑川 指導室長  まず,泊原発所の見学にかかわってでございますけれども,実際に実施した学校につきまして,いろいろと私もお聞きしたところでございます。子供たちを全部で五つのグループに分け,事前にそれぞれテーマを設けまして,そのテーマについて子供たちが事前学習をすると,こういうことをまず一つ行なってございます。  それから,事後でございますけれども,帰ってまいりましてから,これは時間的には一月ぐらいたっていますけれども,それぞれのテーマに基づきまして,これは父母も交えて,全体でこの泊原発見学学習についての発表を行なってございます。  その中で,たとえば1組の発表の中で「私たちと電気」,「なぜ原子力発電か」。次に「反対の声,賛成の声」というところで,実際に賛成の声,反対の声をその中で生かしていく。4番目に「省エネルギー」と。たとえばそういう形で,子供たちが両方の意見があることをその中で学んでいると,こういうことでございます。  それから,2番目の教材のリサイクルにかかわってでございますけれども,確かに私もこの教材につきましては,資源としてこれを大切にして,粗末にしてはならないということについては一致しているところでございます。  現在,各学校においても,たとえばいま例に挙げましたピアニカなどを買えない子供につきましては,口のところだけ買っていただいて,それを利用していただいているということもございます。算数セットは日常的に毎日使うものですから,子供ですから,すぐなくしちゃったり,ふぞろいになっちゃうものですから,これを次に譲るという現状には,なかなかなっていかないわけですけれども,何らかの形で各学校においてそういったことも行われているようでございます。以上でございます。 ◆佐々木 委員  原発のことに関してですけれども,事前にそういうふうな各班ごとに学習した,また,事後についても研究発表というか,そういうことで父母も交えてしたということで,それは大変よかったと思います。  それで,私もそのことについて関心を持ちまして,いろいろ聞いてみたのですけれども,事前学習というか,行く前に北電のパンフレットだけ全員に配付されていたという状況がありました。そして,その後,その説明を聞いた父母の中から,ちょっと異議がありまして指摘されまして,原発の運転にかかわった問題点を書いたパンフレットなどを子供たちにも配付したほうがいいのじゃないかというふうに要請された後,各班に1部ずつなんですけれども,何校かパンフレットが配付された。これは父母からの指摘がなかったならば,北電からのパンフレットだけで済ましたのじゃないかということが危惧されます。  北電のパンフレットには大きな問題点があると私は思います。それは,原発周辺の放射能を年間0.05ミリシーベルトに管理している,そして自然放射能に比べるとずっと少ないということを,以前泊原発が稼動したときには,20分の1ですという感じでテレビのコマーシャルに乗っていたんですけれども,そのことについても,地球上の自然の放射能と人工的につくられる放射能については違いがあるわけなんですね。  地球が生まれたとき,約45億年前には,放射能はもう充満してたわけですね。そして生物がその10億年後に生まれたときに,放射能と共生できるような形でどんどん進化していったわけです。そして人類が生まれたときには,体の中でそれがちゃんと排泄きれるような生態系というか,そういう能力が備わった上で人類が生活してきたわけです。ですから, いま自然界に放射能はあるんです。ラドンだとか,いろいろあるんですけれども,それもそれなりに排泄される。けれども,それも多量に浴びると,発がんの原因となるということは十分わかっているんです。  その中で,体の中のカルシウムの化学的性質に似ているストロンチウム90なんですけれども,これは骨に沈着する。それから,甲状腺ホルモンをつくるのに欠かせない天然沃素にまじった放射性沃素131は甲状腺に取り込まれるというわけですね。これはよくヨード剤などが,泊原発でも保健所だとかなんかに保管されているというのですけれども,何か事故が起こった場合,それ以上に取り込まないようにということで,子供たちに多量のヨード剤を飲ませるということになっているのですね。  放射能は,細胞の中で遺伝子を破壊する本当に悪い働きをするわけで,大人はもう成長がとまっていますから,余り影響はないのですけれども,子供たちには強い影響があるわけですね。  私,これは予算委員会のときに,学枚でのエックス線撮影のことについて質問したのですけれども,それが国でもリスクのほうを大きく考えるということで,来年度からは小・中学校は全員にするのは中止になりました。そのときの教育委員会のほうからの答弁の中でも,微量の放射能でも受けなくてもいいのであれば,それは受けないほうがいいというふうなお答えがありました。  そういうことからも,原発の運転には微量の放射能が出るということで,これは道で出している監視の結果報告書なのですけれども,この中にもちゃんと報告されています。  さらに,90年の10月24日には,本市議会におきましても,原発の運転に関して出てくる放射性核廃棄物についての幌延の貯蔵工学センターについては,立地に対して反対の意見書が上がっているわけなんです。
     そういうことで,いろいろいまの社会状況から考えてみますと,学校というのは,子供の安全と生命を守るべき社会的に重要な位置が求められているところです。そういうようなところで,子供の健康を害するような,そういうような情報に敏感になっていただきたいなということを強く申し上げたいわけです。  いままでいろいろ言ったわけなんですけれども,勉強するためとは言いながら,このようなリスクを背負ってまでわざわざ原発現地,それも微量ではあるけれども,被曝の可能性があるわけなんです。その構内に入ることは避けるべきではないかと私はいまでも思っておりますけれども,いま一度このことについて,ご見解をお示しいただきたいと思います。  あとの部分,これは要望になるのですけれども,先ほども滑川室長からお答えありましたけれども,いままでは消費社会,大量消費・大量生産ということで,そういうような社会だったのですけれども,いま世界的にそれが見直されております。そういうところで,子供たちに書物に書いたもの,口で言うこと,見ただけって,そういうことじゃなくて,自分たちの使ったもので,そういうことが習慣づけられるということが,生きた教材として生きると思いますので,ぜひそのことを検討していただけるということなので,前向きにお願いしたいと思います。 ◎滑川 指導室長  1点目でございますけれども,さきに代表質問で教育長が答弁したとおり,市教委としましても,各学校が見学学習コースを選定するに当たりましては,事前に十分下見をするなど慎重にしながら,特に,安全性には一層配慮するように校長会等を通して指導してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆佐々木 委員  原発のことについては,そういうお答えだけということで,とても残念なんです。子供の健康というのでしょうか,それは本当に社会的にもいろいろ問題があるということはもうわかっていることだと思うんです,世論が二分しているところでもありますが。ですから,十分そのことを各学校に,議会においてこういう指摘があったということを伝えていただきたいと思うのです。ぜひ,それは要望として強く訴えておきます。 ○西村 委員長  第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了します。  次回の委員会ですが,あす午後1時から教育委員会のうち社会教育部,体育部,中央図書館及び青少年科学館等の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後4時42分...