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  1. 札幌市議会 1992-03-04
    平成 4年第 1回定例会−03月04日-04号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成 4年第 1回定例会−03月04日-04号平成 4年第 1回定例会                平成4年   第1回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 4 号)                平成4年3月4日(水曜日)             ――――――――─――――――――─ 〇議事日程(第4号)  開議日時 3月4日午後1時 第1 議案第1号から第85号まで(市長提出)             ――――――――─――――――――─ 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成4年度札幌市一般会計予算  議案第2号 平成4年度札幌市土地区画整理会計予算  議案第3号 平成4年度札幌市団地造成会計予算  議案第4号 平成4年度札幌市母子福祉資金貸付会計予算  議案第5号 平成4年度札幌市寡婦福祉資金貸付会計予算  議案第6号 平成4年度札幌市国民健康保険会計予算
     議案第7号 平成4年度札幌市老人医療会計予算  議案第8号 平成4年度札幌市基金会計予算  議案第9号 平成4年度札幌市公共用地先行取得会計予算  議案第10号 平成4年度札幌市砂防用地先行取得会計予算  議案第11号 平成4年度札幌市交通災害共済会計予算  議案第12号 平成4年度札幌市公債会計予算  議案第13号 平成4年度札幌市病院事業会計予算  議案第14号 平成4年度札幌市中央卸売市場事業会計予算  議案第15号 平成4年度札幌市交通事業会計予算  議案第16号 平成4年度札幌市高速電車事業会計予算  議案第17号 平成4年度札幌市水道事業会計予算  議案第18号 平成4年度札幌市下水道事業会計予算  議案第19号 札幌市証明等手数料条例の一部を改正する条例案  議案第20号 札幌市農業委員会事務処理手数料条例の一部を改正する条例案  議案第21号 札幌市区民センター条例の一部を改正する条例案  議案第22号 札幌市地区集会所条例の一部を改正する条例案  議案第23号 札幌市こども劇場条例の一部を改正する条例案  議案第24号 札幌市青少年センター条例の一部を改正する条例案  議案第25号 札幌市婦人文化センター条例の一部を改正する条例案  議案第26号 札幌市豊平館条例の一部を改正する条例案  議案第27号 札幌市手稲記念館条例の一部を改正する条例案  議案第28号 札幌市社会福祉総合センター条例の一部を改正する条例案  議案第29号 札幌市生活館条例の一部を改正する条例案  議案第30号 札幌市老人休養ホーム条例の一部を改正する条例案  議案第31号 札幌市墓地条例の一部を改正する条例案  議案第32号 札幌市火葬場条例の一部を改正する条例案  議案第33号 札幌市食品の製造販売行商等衛生条例の一部を改正する条例案  議案第34号 札幌市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例案  議案第35号 札幌市浄化槽保守点検業者の登録等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第36号 札幌市技能訓練会館条例の一部を改正する条例案  議案第37号 札幌市道路占用料条例の一部を改正する条例案  議案第38号 札幌市都市公園条例の一部を改正する条例案  議案第39号 札幌市屋外広告物条例の一部を改正する条例案  議案第40号 札幌市駐車場条例の一部を改正する条例案  議案第41号 札幌市立高等看護学院条例の一部を改正する条例案  議案第42号 札幌市下水道条例の一部を改正する条例案  議案第43号 札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第44号 札幌市立幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第45号 札幌市体育施設条例の一部を改正する条例案  議案第46号 札幌市民会館条例の一部を改正する条例案  議案第47号 札幌市公民館条例の一部を改正する条例案  議案第48号 札幌市青少年山の家条例の一部を改正する条例案  議案第49号 札幌市教育文化会館条例の一部を改正する条例案  議案第50号 札幌市青少年科学館条例の一部を改正する条例案  議案第51号 札幌市民ギャラリー条例の一部を改正する条例案  議案第52号 札幌市消防手数料条例の一部を改正する条例案  議案第53号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案  議案第54号 札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案  議案第55号 札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案  議案第56号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案  議案第57号 札幌市公設小売市場条例の一部を改正する条例案  議案第58号 札幌市無意根山荘条例の一部を改正する条例案  議案第59号 札幌市ユース・ホステル条例の一部を改正する条例案  議案第60号 札幌市エレクトロニクスセンター条例の一部を改正する条例案  議案第61号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件  議案第62号 平成4年度当せん金付証票発売限度額を定める件  議案第63号 札幌市職員の育児休業等に関する条例案  議案第64号 札幌市肢体不自由児母子訓練センター条例の一部を改正する条例案  議案第65号 札幌市福祉センター条例の一部を改正する条例案  議案第66号 札幌市精神薄弱者援護施設条例の一部を改正する条例案  議案第67号 札幌市畜犬取締り及び野犬掃とう条例等の一部を改正する条例案  議案第68号 札幌市火災予防条例の一部を改正する条例案  議案第69号 財産の取得の件(高等看護学院等用地)  議案第70号 財産の取得の件(公園用地)  議案第71号 財産の取得の件(札幌里づくり事業用地)  議案第72号 財産の取得の件(学校用地)  議案第73号 財産の取得の件(彫刻)  議案第74号 全国自治宝くじ事務協議会への千葉市の加入及びこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約変更の件  議案第75号 関東・中部・東北自治宝くじ事務協議会への千葉市の加入及びこれに伴う関東・中部・東北自治宝くじ事務協議会規約変更の件  議案第76号 市道の認定及び変更の件  議案第77号 二級河川指定についての意見に関する件  議案第78号 平成3年度札幌市一般会計補正予算(第5号)  議案第79号 平成3年度札幌市土地区画整理会計補正予算(第2号)  議案第80号 平成3年度札幌市国民健康保険会計補正予算(第2号)  議案第81号 平成3年度札幌市公債会計補正予算(第3号)  議案第82号 平成3年度札幌市病院事業会計補正予算(第2号)  議案第83号 平成3年度札幌市交通事業会計補正予算(第1号)  議案第84号 平成3年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第1号)  議案第85号 平成3年度札幌市下水道事業会計補正予算(第3号) 追加日程 第一部及び第二部予算特別委員会委員の選任 追加日程 第一部及び第二部予算特別委員会委員長の選任             ――――――――─――――――――─ 〇出席議員(69人) 議   長      見 延 順 章 君 副 議 長      湊 谷   隆 君 議   員      道 見 重 信 君 議   員      伊 藤 知 光 君 議   員      宮 本 吉 人 君 議   員      畑 瀬 幸 二 君 議   員      大 西 利 夫 君 議   員      義 卜 雄 一 君 議   員      長 内 順 一 君 議   員      柿 崎   勲 君 議   員      三 上 洋 右 君 議   員      上瀬戸 正 則 君 議   員      武 藤 光 惠 君 議   員      井 上 ひさ子 君 議   員      山 口 た か 君 議   員      福 士   勝 君 議   員      武 市 憲 一 君
    議   員      大 越 誠 幸 君 議   員      猪 熊 輝 夫 君 議   員      西 村 茂 樹 君 議   員      川口谷   正 君 議   員      加 藤   斉 君 議   員      春 原 良 雄 君 議   員      関 口 英 一 君 議   員      原 口 伸 一 君 議   員      千 葉 英 守 君 議   員      横 山 博 子 君 議   員      中 嶋 和 子 君 議   員      佐々木 周 子 君 議   員      高 橋 忠 明 君 議   員      常 本 省 三 君 議   員      佐 藤 美智夫 君 議   員      佐 藤 寿 雄 君 議   員      富 田 新 一 君 議   員      澤 木 繁 成 君 議   員      伊与部 敏 雄 君 議   員      丹 野   勝 君 議   員      森   健 次 君 議   員      村 山 優 治 君 議   員      八 田 信 之 君 議   員      飯 坂 宗 子 君 議   員      生 駒 正 尚 君 議   員      小 川 勝 美 君 議   員      室 橋 一 郎 君 議   員      柴 田 薫 心 君 議   員      山 田 信市郎 君 議   員      青 木   護 君 議   員      水 由 正 美 君 議   員      赤 田   司 君 議   員      唯   博 幸 君 議   員      政 氏   雅 君 議   員      本 舘 嘉 三 君 議   員      小 谷 俵 藏 君 議   員      長 岡 武 夫 君 議   員      加 藤 隆 司 君 議   員      荒 川 尚 次 君 議   員      田 畑 光 雄 君 議   員      野 間 義 男 君 議   員      越 智 健 一 君 議   員      工 藤   勲 君 議   員      岡 本 修 造 君 議   員      滝 沢   隆 君 議   員      山 崎 七 郎 君 議   員      田 畔   満 君 議   員      常 見 寿 夫 君 議   員      吉 野 晃 司 君 議   員      高 橋 重 人 君 議   員      菊 田 勝 雄 君 議   員      菅 井   盈 君   ―――――――――――――――― 〇欠席議員(1人) 議   員      藤 田 雅 弘 君   ―――――――――――――――― 〇説明員 市長         桂   信 雄 君 助役         杉 本   拓 君 助役         木 戸 喜一郎 君 助役         魚 住 昌 也 君 収入役        長 部 幸 一 君 交通事業管理者交通局長三 海   弘 君 水道事業管理者水道局長石 原 弘 之 君 総務局長       伊 藤 忠 男 君 企画調整局長     田 中 良 明 君 財政局長       高 田   恒 君 市民局長       本 間   雄 君 民生局長       大 長 記 興 君 衛生局長       高 杉 信 男 君 環境局長       大 野 雅 弘 君 経済局長       鈴 木 俊 雄 君 建設局長       平 賀 岑 吾 君 都市整備局長     広 畑 民 雄 君 下水道局長      井 原 貴 男 君 建築局長       関 谷 幸 正 君 市立札幌病院長    竹 田   保 君 消防局長       前 田 悦 雄 君 教育委員会委員    冨士元   明 君 教育委員会教育長   荒 井   徹 君 選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君 選挙管理委員会委員  向 川 武 夫 君 人事委員会委員長   山 岡   暸 君 人事委員会事務局長  水 島 典 弘 君 監査委員       野 島 廣 紀 君 監査委員       山 本   穫 君 監査事務局長     西 村 公 男 君   ―――――――――――――――― 〇事務局出席職員 事務局長       鍛冶沢   徹 君 事務局次長      櫻 田 直 己 君 総務課長       植 田 英 次 君 議事課長       坂 野   嵩 君 記録主幹記録係長事務取扱            谷 川 輝 雄 君 調査係長       深 村 康 雄 君 資料係長       沼 田 光 弘 君 議事係長       高 森 政 行 君 委員会一係長     山 内   馨 君 委員会二係長     野辺地   正 君
    書記         佐 藤 比登利 君 書記         木 内 二 朗 君 書記         高 佐 三緒子 君 書記         鈴 木 和 弥 君 書記         今 井 一 行 君   ――――――――――――――――  〔午後1時1分開議〕 ○議長(見延順章君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,68人であります。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 本日の会議録署名議員として柿崎 勲君,福士 勝君を指名します。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。  藤田雅弘議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。  昨日,市長から生駒正尚議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。  本日の議事日程,請願・陳情受理付託一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) これより議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第85号までの85件を一括議題といたします。  昨日に引き続きまして,代表質問を行います。  通告がありますので,順次発言を許します。生駒正尚君。  (生駒正尚君登壇・拍手) ◆生駒正尚君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,当面する市政の重要課題について質問をいたします。  質問に先立って,私の文書質問に対する答弁書を,お忙しい中準備された職員の皆さんに心から感謝を申し上げます。  私の最初の質問は,核兵器廃絶平和都市宣言についてであります。  わが党は,1982年に初めて本市議会で核兵器廃絶平和都市宣言について取り上げましたが,それから10年たった昨年12月,本市議会は,全会派一致で平和都市宣言を行うことを求める決議を可決し,市長も議会の意向を尊重し,今月末までに宣言を行おうとしております。  1945年8月に広島・長崎に原爆が投下され,20万人を超える同胞が一瞬の間に命を奪われました。幸い命を取りとめた人も,その後,原爆後遺症により,常に命の危険にさらされるなど,被爆者の苦しみは筆舌に尽くしがたいものがあり,今日もなお,それが続いているのであります。  しかも,戦後,米ソ超大国を中心とする冷戦構造,軍事ブロックがつくられ,アメリカの核抑止力論や,片やソ連の軍事力均衡論によって,核兵器の開発は際限なく進み,もはや,全人類を何回も全滅させてもなお余りがあると言われる大量の核兵器が米ソ両国中心に蓄積され,人類の生存にとって,きわめて危険な状況がつくられてきたのであります。  そして,今日,チェコスロバキアやアフガニスタンに対する軍事干渉という大国主義,覇権主義の政治を進めてきたソ連が解体し,東西軍事ブロックの対立という世界政治の枠組みがこの1年間に大きく様相を変え,核兵器も軍事ブロックももう必要ないという世論の世界的な流れをつくり出して,戦後政治の一大転換点に立っているのであります。  このような情勢の中で,昨年秋,アメリカもソ連も核軍縮案を発表しましたが,これは戦後,長期に及ぶ米ソなどの覇権主義による核軍拡競争軍事ブロックの対立という政治が破綻したことを示すものであります。  また,これは同時に,反核平和の世論と運動が反映したものであり,どうせ核兵器はなくならないという観念的な言いわけを乗り越えて,核兵器の全廃に向けて前進する新たな条件を生み出すとともに,核兵器保有国にその意思さえあれば,核兵器の廃絶は可能であることを示したのであります。  日本共産党は,こうした核兵器をめぐる情勢の大きな変化は,世界史的にも重要な意味を持つものと考えます。私たちが生きるこの20世紀は,世界史的に見れば,諸国民の戦いと運動によって社会進歩の流れが世界的に広がった時代です。一つは民族の独立,民族の自由が人類史の中でも未曾有に広がった世紀だということです。もう一つは民主主義の拡大です。この点でも,20世紀は人類史に空前の進歩を刻んだ世紀です。  こうした中で,戦前の日本の弾圧,迫害のもとで,科学的社会主義の立場を鮮明にした日本共産党が,70年前の創立当初から,主権在民と基本的人権の擁護,侵略戦争反対と民族自決の尊重を掲げて闘い抜いたことは,日本と世界の社会進歩に大きな貢献をなすものでした。  逆に,このような社会進歩の流れに逆らったものは,厳しい歴史の審判を受けました。それは,第2次世界大戦を引き起こした日独伊のファシズム侵略勢力の敗北と,戦後はベトナム侵略戦争に敗北したアメリカの大国主義,覇権主義であります。そしていま一つは,スターリン以来,科学的社会主義の原則を踏みにじり,社会主義の道から逸脱し,他国の自由,民族主権をじゅうりんし,自国の国民の自由と民主主義を圧殺する官僚主義の道を歩んだソ連の解体,覇権主義・大国主義の敗北でありました。  日本共産党は,科学的社会主義の党として,戦後は現代世界の巨悪であるアメリカの大国主義・覇権主義を許さず,ソ連の横暴,覇権主義ともこの30年間闘い抜き,社会進歩の推進と,真に国民を幸せにする科学的社会主義の大義を守り,理論と運動を発展させつつ奮闘し,何より日本国民と人類の悲願である核兵器廃絶の実現に全力を挙げております。  いま本市が,核兵器廃絶平和都市宣言を行うに当たって,世界の平和と人類の幸福に大きく寄与できる立派な宣言となるように,また宣言を機に,本市が名実ともに非核平和都市にふさわしい内容の事業に取り組むことを期待しつつ,以下3点の質問をいたします。  質問の第1は,平和都市宣言記念事業についてであります。  わが党は,記念事業として,大通や本庁舎,区役所庁舎前などに宣言を記念するモニュメントや記念塔の設置,市民や平和団体などと平和集会や記念展の開催を初め,宣言を記念して平和への誓いを新たにする意味で,札幌平和の日を,たとえば札幌が米軍機で攻撃を受けた昭和20年7月15日などに定めるなど,市民とともに宣言の趣旨に沿った取組みを進めることが重要と考えますが,市長のご所見を伺います。  質問の第2は,国際活動に関してであります。  本市は,北方都市会議姉妹都市運動を通し,諸外国との交流を進めており,それ自体が国際友好の一環になっており,この関係を通じ,核兵器廃絶の輪を広げ,国際世論に貢献すべきですが,いかがでしょうか。  また,アメリカを初めとする核保有国の政府に対し,本市が核兵器廃絶平和都市宣言を行なった旨を通知し,核廃絶を訴える意義も重要であり,そうすべきと考えますが,市長のご所見を伺います。  質問の第3は,平和予算についてですが,宣言を機に,本市が核兵器廃絶平和都市にふさわしく,積極的に取り組めるように恒常的に平和予算を計上すべきと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねをいたします。  次の質問は,新年度予算の編成と各種料金値上げ問題についてであります。  新年度予算は,桂市政の最初の本格的予算であるとともに,新しい5年計画の初年度の予算となるだけに,多くの市民は,暮らしを守り,福祉の充実や子供たちの教育環境の整備を図るとともに,市民生活に直結した公共事業の積極的拡大で景気後退に歯どめをかける予算を強く求めていたのであります。ところが,提案された予算は,臨調行革による福祉・教育の切捨てと料金値上げを主導する自民党政府に忠実に従ったもので,市民の願いに背を向け,各種使用料・手数料などの一斉値上げを特徴としており,市民は怒りの声を上げているのであります。  その一方で,法人市民税の超過課税の税率引下げによる減税や,テクノパークに進出してきた本州企業などへの補助金と低利融資で67億円,サッポロビールに対する再開発補助金の追加3億4,500万の計上など,大企業にはさまざまな優遇措置がとられているのであります。市営住宅の建設戸数の削減,公園整備の後退,道路関係予算の削減などで,土木費は過去に例のないマイナス予算となるなど,景気回復にも背を向けた予算と言わなければなりません。  私は,市民の願いにこたえ,料金の値上げをやめ,福祉や教育の充実と市民生活に直結した公共事業の積極的拡大で景気の回復を図る予算を強く求める立場から,以下5点の質問をいたします。  質問の第1は,法人市民税についてであります。  歳入の大宗を占める市税は,前年比6.5%の低い伸びになっていますが,これは法人市民税の法人税割がマイナス7.3%,28億円も落ち込んでいることが影響していますが,その背景は,バブル経済の崩壊による金融・証券の所得の低下に加えて,資本金1億円以上の大企業等への法人市民税の超過課税の税率引下げによる7億2,000万円の減税があります。大企業への超過課税緩和による減税によって地下鉄や下水道事業への税源を減少させたのは,市長の政策選択の誤りであったことが新年度予算編成からも明白であると考えますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。  質問の第2は,大企業優遇の補助金と融資についてであります。  新年度も先端産業立地補助金が日本IBMなど4社を対象に,1億6,100万円の補助金が予算化されています。すでにテクノパークの富士通への5,200万円を筆頭に,3社に8,300万円の補助金が支出され,今年度,松下システムエンジニアリングに1,400万円の補助金も執行されようとしています。これらコンピューター企業は,市が造成した格安の,しかも整備された団地に進出しながら,市街化調整区域のゆえに,数年間にわたって都市計画税が課税されないだけでなく,貴重な土地税源として創設された事業所税分をそっくり補助金として受け取っていますが,これは二重,三重の大企業奉仕であり,ハイテクヒル真栄には,さらに日立,日本電気,リコーなどが進出を予定していますが,この補助金に加えて,これら本州大企業を対象に,1社10億円の低利融資制度が設けられているのであります。  これらの予算は,27億円もふえて総額で67億円を超えているのでありますが,ハイテクヒル真栄への企業進出が進むと,この立地補助金等は100億円,150億円と膨らんでいくと思われますが,その見通しを明らかにしていただきたいのであります。このような大企業向けの補助金等はきっぱり廃止すべきでありますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。  質問の第3は,使用料・手数料等の値上げについてであります。  1976年以来,選挙の翌年は各種料金の一斉値上げが繰り返されてきましたが,桂市長もまたこのパターンを踏襲し,48項目もの各種使用料・手数料の改定を提案しました。その内容を見ますと,芸術の森の駐車場料金66.7%もの値上げを初め,市の各施設の使用料をほぼ20%引き上げるなど,31項目で5億7,700万円の増収,また住民票の写しなど,手数料は10項目で12億8,600万円の増収,さらに移動公衆便所の利用料の50%値上げや,学校開放体育館の有料化など,諸収入は7項目で1億2,600万円の増収を見込んでいます。加えて,保育料は3.87%で7,900万円の値上げ,下水道料金は37.5%もの値上げで,初年度47億1,500万円の増収,4月から予定されている市営交通料金の値上げで59億5,800万円,関連する民営バスの同調値上げも10億7,000万円と推計され,水道や中央卸売市場,市立病院への新たな消費税の転嫁分8億9,200万円も合わせて,新たな市民負担の合計は147億円にもなり,1世帯当たりに割り返すなら2万2,000円にもなるのであります。  最近の物価値上げの原因は,公共料金と独占物価の値上げが引き金と言われていますが,今回の市の料金値上げが物価高騰を引き起こし,一層市民生活を圧迫することになりますが,市民生活を守ることが任務であるはずの市長は,こうした値上げによる市民負担増をどのように考えているのか。市民の理解と納得が得られると思っておられるのか,お尋ねします。  この4年間の消費者物価指数は8.3%の上昇ですが,これに対比しても,本市にかかわる公共料金の値上げ幅は異常と言わなければなりません。たとえば区民センター21.2%,テニスコ一トや野球場,サッカー場は22.2%もの値上げでありますが,この大幅な値上げの根拠を明確にお示し願います。  また,印鑑証明や住民票は250円を300円に値上げしようとしていますが,政令都市のほとんどが現在200円です。なぜ札幌だけがこんなに市民負担を求めなければならないのか,その具体的理由を明らかにしていただきたいのです。  一方,北電やNTTなどの地下埋設物や電柱などの道路占用料の値上げ幅を低く抑えている理由は何なのか。市民の共有財産である道路を利用して利益を上げているこれら企業にこそ相応の負担を求めるべきでありますが,いかがでありましょうか,お尋ねします。  わが党は,市民生活に直結した使用料や手数料などの値上げ撤回をあらためて強く要求するものであります。  質問の第4は,保育料の値上げについてであります。  保育料は,新年度3.87%アップの17年連続値上げであります。保育所に子供を預けている若い共働き世帯にとって,市に支払う各種料金の中で最も重い負担が保育料であります。この高い保育料と,その後の多額の教育費負担が,子供を生み育てたい,もっと子供が欲しいと思ってもなかなか生めない状況をつくり出し,今日の異常ともいえる出生率の低下を引き起こしており,札幌の将来,日本の将来が懸念されているのであります。市長はこの問題をどのように考えておられるのか,まずお尋ねします。  女性の社会参加との関連からですが,女性の社会参加,女性の就業が広がる中で,働き続けながら結婚し,安心して子供を生み育てられる社会的,経済的環境の整備が強く求められており,本市行政もその役割を積極的に果たさなければなりません。ところが,保育料は共働き世帯の家計の中で大きな比率を占め,家計を圧迫しており,このことが子育ての条件を阻害しているのでありますが,この問題を市長はどのように考えておられるのか。産休明け保育の充実や指定無認可保育所も含めた保育料の引下げが強く求められている状況の中で,値上げを強行しようとしている市長は,父母の願いや生活実態をどのように把握されているのか,女性の社会参加との関連も含めてお示し願いたいのであります。  低所得層の改定率に関してでありますが,今回の値上げは平均3.87%というものの,母子世帯などの低所得者のC階層,所得税非課税世帯には19.89%もの値上げ幅となっているのはなぜでしょうか。ここ数年の値上げは,これら所得の低い世帯の値上げ幅が大きいのはいかなる理由なのか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,保育料体系の見直しと減免制度についてであります。  本市が保育所に支払う措置費の子供1人当たりの費用,すなわち保育単価を上回る保育料をもつくり出している高い保育料体系を抜本的に改め,引下げを図るべきでありますが,いかがか。福祉行政としての保育料についての市長のご所見をお尋ねします。  あわせて,わが党が要求してきた,前年に比較し所得が大きく減少した場合などの保育料減免制度は,新年度からどのような内容で実施されようとしているのか,明らかにしていただきたいのであります。  質問の第5は,国民健康保険料についてであります。  新年度の保険料は,1世帯平均2%の値上げを発表しながらこれを撤回しましたが,この財源について,一般会計から繰入れをしないで保険料の収納率アップで埋め合わせるというのは筋違いであります。告示方式に基づく保険料率は,市民税額が確定してから自動的に算出されるものであり,これに基づいて賦課すべき加入者の保険料額が決まり,収納率は結果であり,収納率アップと値上げストップは連動しないのでありますが,いかがでありましょうか。なぜきちんと繰入れをしないのか,まずお尋ねいたします。  1世帯平均保険料が据え置かれても,政府管掌の健康保険と比較しても3倍,本市職員共済と比べても2倍の高い保険料であることに変わりがなく,高過ぎる実態にあるとの認識を市長はお持ちなのかどうか,お尋ねいたします。  また,毎年所得割の比率を1ポイントずつ削り,逆に所得に関係なく,赤ちゃんからお年寄りまで一律の1人当たり負担となる均等割の比率を1ポイントずつふやしてきた結果,低所得者には新年度もまた値上げされるのでありますが,市長はこの低所得者への値上げは苛酷とはお考えにならないのか,お尋ねいたします。  わが党は,国民健康保険に対する国の負担を大幅にふやすよう求め,少なくとも,臨調にせ行革で削減された補助率をもとに戻させ,保険料を引き下げるべきと考えるものであります。  また,本市国保加入者の実態,すなわち加入世帯の6割が年間2,000円のみの市民税均等割世帯,応益割のみの低所得者であることから,国に対して7割,5割,3割の軽減制度の実施を求めるとともに,本市が国に先駆けてこれを実施すべきでありますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。  さらに,年収2,000万円を超える市長の共済掛金が年間39万円であるのに,国保料の最高額はさらに2万円値上げし,44万円に,しかもこの限度額対象収入を100万円引き下げ,年収600万円の世帯に最高額44万円をかぶせようなどとの改悪は,市民が納得しないと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。  国保の最後に,収納率についてお尋ねいたします。  2年度の国保料の収納率は81%程度とのことでありますが,特別収納対策室がつくられてどのような成果があったのか。また,このための超過勤務手当を初めとする人件費や事務費などはどの程度かかっているのか。職員の大変なご苦労の割には,思うような成果が上がっていないように見受けられるのでありますが,いかがでありましょうか。高過ぎる保険料を少なくとも1世帯2万円程度は引き下げるなど,思い切って保険料の引下げに踏み切り,市民に理解を求めていくべきと考えますがいかがか,お尋ねします。  保険料の引下げがないまま,ただ収納率のアップを言っても,本市加入者の所得実態や生活実態から見て困難であり,無理が生じると思うのでありますが,いかがでしょうか。生活保護への誘導などとあわせ,血の通った温かい対応も必要だと思うのでありますがいかがか,お尋ねいたします。  次に,下水道事業について質問をいたします。  質問の第1は,前回の料金改定の際に示した財政計画,整備計画の大きな狂いについてであります。  7年前,本市は,当時なお32億円の資金的余裕があったにもかかわらず,ルール変更で,新たに汚水にかかわる一般排水の資本費として,支払利息の2分の1を料金算入に加える措置をとったこととあわせて,平均33.4%,4年間で市民に126億円の負担増を求める下水道料金の値上げを強行したのであります。  4年サイクルを想定しての前回1985年,昭和60年の料金改定の際に示された財政計画では,値上げをしても,4年後の63年度末には4億円余の資金不足になるとしていたのでありますが,実際はそれが27億円余の資金残と31億円もの見込み違い,それで,この7年間予定した2次にわたる整備計画,すなわち第4次と第5次の5年計画を何と310億円もオーバーさせ,超過工事を行なって帳じり合わせをやったにもかかわらず,現在なお実質12億円余の資金的余裕があり,納税準備金なども含めた資金残は,今日27億5,700万円となっているのであります。  市長は,このような財政計画,整備計画の大幅な乖離,見込み違いを市民にどう説明されるのか。結局,前回の値上げは早過ぎた,上げ過ぎたとはお考えにならないのかどうか。なお27億円もの手持ち資金がある中で,いまなぜ値上げなのかと多くの市民が疑問を抱いている点にもこたえて,まず明らかにしていただきたいのであります。  質問の第2は,消費税を含めて平均37.5%という今回の大幅値上げについてであります。  前回の料金改定以来のこの7年間の消費者物価指数の上昇率は,本市の場合8.6%となっていますから,その4倍を超える下水道料金の値上げは,全く異常としか言いようのないものであります。市長は,この程度の市民負担は別にどうということはない。市民生活への影響もさほどではないとお考えでありましょうか,お尋ねいたします。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)とんでもない話だ。  また,本市の料金体系が他都市と比べて家事用など一般排水は高く,大企業など特定排水に低く設定されていることは周知の事実であります。10トンまでの基本料金比較で,現行料金の440円でも,最高が470円,最低が295円という他都市の料金設定状況のもとで,本市は指定都市中,上位グループでありますのに,今回の570円への改定が通れば,これは間違いなく最高料金となるでありましょう。  一方で大口利用者の場合,改定料金で月1万トン以上の単位料金を比較すると,本市は223円で,京都,大阪,名古屋に次いで12都市中,下から4番目,最高の福岡が355円でありますから,その3分の2の料金ということであります。加えて,本市は他都市に例を見ない良質水として,ビルの冷房用水などの料金を半減させる大企業優遇の特別料金さえ設定しているのであります。他都市が一般家庭の料金を抑えて,大口排水者に応分の負担を求めるとの考えを明確にして,累進度を6ないし7倍にも設定した料金体系をとっているのと違い,本市は大企業優遇で3.9倍の累進度にとどめているのであります。  市長は,むちゃくちゃな値上げを市民に求める前に,都心部のビル林立などで膨大な設備投資を余儀なくさせている大企業などに応分の負担を求めつつ,現行料金体系を見直し,一般市民の負担軽減を図るべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。  質問の第3は,従来,一般会計で負担してきた一般排水の資本費を市民負担に転嫁する問題についてであります。  今回示された財政計画では,5年後には262億円余の資金不足になっているとしていますが,そのうちの152億円余は資本費相当分,つまり,従来一般会計が負担するものとしてきた一般排水の汚水区分にかかわる市債の元利償還金の2分の1相当額を新たに市民に下水道料金として押しつけようとするものであります。なぜ,基幹的都市施設であり公共事業である下水道において公費負担が削減されるのか,その分,市民負担とされなければならないのか,とうてい市民の理解を得られるものではありません。  市長は,中央の下水道財政研究委員会が第4次提言あるいは第5次提言で,汚水は資本費も含めて原因者負担,つまり料金負担が適当としていることに従ったと言われるのでありましょうが,これは一つの考え方であって,下水道財政や料金負担のあり方を規定するものではありません。現に他都市を見ても,いまだに横浜市は,汚水にかかわる一般排水分の資本費については30%しか使用料対象としていないではありませんか。福岡は38%,神戸は40%,川崎は43%,北九州は45%しか使用料対象としていないではありませんか。今日札幌がそうであるように,仙台,広島には50%を使用料対象として,残りの50%は一般会計が負担するものとしているではありませんか。  他政令都市の状況に照らしてみても,前々回の料金改定時に,一般排水については,雨水はもちろん汚水についても,設備投資にかかわる費用は全額公費負担で,下水道使用料は汚水処理にかかわる費用,すなわち維持管理費を賄うものとしていたルールを改悪して,資本費中,元金償還分の2分の1を市民負担としたのに続いて,7年前,前回の料金改定時には,これに利息分も加えて資本費全体,すなわち元利償還費の2分の1を市民負担といたしましたが,今回はこれに追打ちをかけて,資本費の全額を料金負担とするものであり,余りにも急激なこのような市民負担の押しつけは異常と言わなければなりません。市長がにしきの御旗とされる下水道財政研究委員会の提言について言えば,第3次提言では,下水道は河川,道路など,他の基幹的な公共施設と同様,その建設については,原則として公費負担とすることが適当としていたではありませんか。  また,汚水については,資本費も原因者負担とした第4次提言,第5次提言においても,使用料が著しく高額となるときは,公共下水道の公共的役割から,使用料の対象とする資本費の範囲を限定することとしているではありませんか。消費税込みで37.5%もの下水道料金の値上げは,まさしく著しく高額となる典型でありましょう。市長は,汚水分については,設備投資にかかわる膨大な費用も含めて,何が何でも全額料金負担としなければならないとお考えなのでありましょうか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。  次に,福祉行政について質問いたします。  まず,高齢者の福祉についてであります。  高齢者の福祉充実は,市長の選挙の目玉であり,新5年計画でも重点課題とされているのでありますが,強調される割には内容が伴っていないというのが私の実感であります。新5年計画に盛り込まれなかった高齢者福祉の諸課題が多数ありますが,いま市民が実現を切実に求めている施策についてお尋ねいたします。  第1は,老人福祉センターの複数館構想に関しててすが,今度の5年計画では,公立がなかった東区と南区に設置することにより,両区では民間と合わせて2館ということになります。わが党は,新5年計画で老人福祉センターの複数館構想に着手すべきことをあらためて強く求めるものでありますが,東区・南区の2館目設置が複数館構想を本市として固めたことを意味するのかどうか,お尋ねします。  第2は,入浴サービス事業についてでありますが,市民の運動が実って昭和52年度に実施されたとき,3年も風呂に入っていなかったというある寝たきりのお年寄りが「ありがたいことです,天国に来たようだ。」と,しみじみと語ったように,大変喜ばれた制度です。その後,幾つか改善が図られましたが,15年たってようやく今回,月1回の入浴が2回になるというのが現状です。お年寄りの人権を守る,人間の尊厳を守るという発想に立てば,月に1回,2回というのではなく,少なくとも週1回は入れるよう待ったなしで改善すべきと考えますが,市長にそのお考えがおありかどうかお尋ねいたします。  第3は,在宅の寝たきりのお年寄りを介護する家庭への介護手当の支給についてであります。  寝たきりのお年寄りを介護する家族の苦労は,言葉に尽くせない大変なものがあります。現在,ほとんどの政令都市が介護手当を支給しているのに,本市が実施しない理由は何でしょうか。本市でも速やかに支給実施に踏み切るべきと考えますが,市長にはそのお考えがおありかどうかお尋ねいたします。  第4は,ケア付住宅についてでありますが,本市の高齢化対策指針にも盛り込まれている市営住宅と老人福祉施設との複合化によるケア付住宅を,新5年計画において整備を進めるべきと考えますが,そのお考えがおありかどうかお尋ねいたします。
     次に,障害者の福祉についてであります。  第1は,国連障害者の10年の総括と,その後の障害者の福祉の計画についてでありますが,この問題は,昨年の12月議会の代表質問でわが党の井上議員がお尋ねしたところ,木戸助役より,総括についてまとめに入るところである旨の答弁がありましたが,ことしが障害者の10年の最終年であります。総括と計画策定をどのように進めるのか,作業開始とまとまる時期はいつになるのか,あらためてお尋ねいたします。  第2は,障害者の小規模共同作業所への助成改善についてであります。  今回,精神・身障ともに共同作業所の助成が一定,引き上げられることになりますが,わが党が従来から指摘してきた精神と身障の共同作業所に対する助成水準が,依然として川崎・横浜・京都並みの助成額にはなっていないこと。また,格差不整合が解消していないことは,まことに残念であります。本市議会は,すでに共同作業所への助成改善を求める陳情を全会一致で採択しておりますが,その内容も,助成額の引上げと精神・身障の格差解消ということでありました。  こうした問題の原因は,道の低い補助基準に本市の助成水準を合わせていることと,また,身障と精神の格差不整合がある道の助成水準に無理やり対応させた基準としていることにあります。こうした格差や不整合を生じる矛盾した基準についてどのように考え,どう解消しようとしているのか。また,京都・川崎・横浜市並みの水準に速やかに引上げを図るべきと考えますがいかがでしょうか,お尋ねいたします。  第3は,厚生省が昨年新たに制度化した聴覚障害者情報提供施設の設置についてでありますが,関係団体からの設置要望もあり,本市でも新制度を受けて設置すべきと考えますが,そのお考えがおありかどうか。  また,道内の他の都市に設置された場合でも,政令市の本市はその後でも設置が可能であるのかどうか,あわせてお尋ねいたします。  次に,まちづくりについて質問いたします。  質問の第1は,市営住宅建設についてであります。  市民の要望が強い市営住宅は,かつて1,300戸を建設したこともありますが,建設戸数が年々減少していることは問題であります。最近の着工ベースで見た場合でも,平成元年度は777戸,今年度は632戸に建設ペースが落ち,新5年計画の初年度となる新年度予算では,何と440戸へと落ち込んでいるのであります。こうした建設戸数の減少の理由は何でありましょうか。また,今後は市営住宅建設を減らしていくという基本的な考えを固めて臨んでいるのでありましょうか。市長の市営住宅増設についての基本的な考え方をお尋ねいたします。  質問の第2は,お年寄りや障害者の住宅の確保に関連してであります。  豊平や月寒に古い市営住宅の建てかえや住戸改善が進められておりますが,こうした改善や建てかえの際に,単身者も入居できるケア付市営住宅をふやしていくべきと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。  また,民間共同住宅の借上げ制度や家賃補助制度の新設により,住宅を借りるのに困っているお年寄りや障害者の住宅確保を援助すべきと考えますが,そのお考えがおありかどうかお尋ねいたします。  質問の第3は,地下鉄のエレベーター設置についてですが,新5年計画では,今後10ヵ所の地下鉄駅を整備するということを明らかにしていますが,ここまできた以上,残る未設置駅について,さまざまな障害があるとしても,全訳にエレベーターを設置するとの方針を確立して臨むべきと考えますが,エレベーター設置についての市長の基本的な方針についてお尋ねします。  質問の第4は,小河川の自然を大切にした潤いのあるまちづくりについてであります。  私はこれまでも,小河川の自然を保全し,ネットワークとして位置づけた潤いのあるまちづくりを提唱してまいりましたが,過日の答弁で,それぞれの河川に適した環境整備を積極的に進めるとの姿勢が示されたことは,まことに喜ばしいことであります。  豊平区で見ますと,最近になって,月寒川,三里川などの一部について,自然保全や親水性に配慮した整備に努力の跡がうかがえるようになりました。しかし,ほとんどの河川が,治水のみの見地からコンクリートブロックで画一的に整備され,潤いを失ってしまっているのも現実であります。今後,多自然型の川づくりに取り組むとのことでありますが,この場合,既存の護岸河川についても,潤いのある水辺として再生させていくとの考え方に立って取り組むべきと考えますが,いかがでしょうか。特に中の島,平岸の境界を流れる精進川は環境整備を行うべきと考えますがいかがでしょうか,お尋ねいたします。  次に,食品の安全対策について質問いたします。  まず,輸入食品の残留農薬の問題に関してであります。  いま問題となっているガット・ウルグアイ・ラウンドのドンケル合意案が日本にも受入れを迫っている残留農薬の国際統一基準の内容は,わが党が独自に入手した資料によると,日本の基準と比べて,最大15倍もの残留農薬を認め,さらに,日本では基本的に農薬が残留してはならないという扱いになっているディルドリンやエンドリンについても,使用を前提とした残留基準が設けられているように,これを受け入れれば,日本の食糧の安全が重大な脅威にさらされる恐るべき内容のものです。この重大な状況に当たり,市民の命と健康を守る責務を持つ自治体の長として,政府が現在進めている残留農薬基準策定作業の撤回と,国際統一基準の受入れを政府が拒否するよう強く求めるべきと考えますが,いかがでありましょうか。  あわせて,安全な食糧は日本の大地からの立場に立ち,いま重大な局面を迎えている米の輸入自由化反対を政府に申し入れるべきと考えますが,市長の見解並びに対処についてお尋ねします。  次に,食品安全条例の制定についてでありますが,いま食品添加物や残留農薬問題などにより,食品の安全性が大きな社会問題となっていることは周知のとおりであります。こうした状況のもとで,食品の安全確保を目的として,市民が食品の安全チェックに参加し,行政と一体となって有害食品の排除,安全な食品の確保を推進するための食品安全条例の制定を検討すべきと考えますが,そのお考えがおありかどうかお尋ねいたします。  次に,ごみ・リサイクルについて質問いたします。  質問の第1は,ごみ処理基本構想・基本計画の策定についてであります。  本市のごみ減量化の取組みは,市民のリサイクルへの参加の広がりや,本市が相当の予算を投入しての取組みに見られるように,新しい前進を開始したものと見ることができますが,同時に緒についたばかりとも言えます。大量に発生するごみの問題は,現代の大量生産,大量流通,大量消費,大量廃棄という現実の社会・経済のメカニズムから生まれており,現代社会の構造,生活様式,文化様式,価値観と接点を持つ構造的矛盾に起因する問題であります。したがって,ここから企業,行政,市民がおのおの果たさなければならない責務が生じているのも当然のことであります。それだけに,ごみの問題の解決は,単純かつ一面的な対応や対症療法的な対応では解決しないことを意味しています。したがって,いまごみ問題での科学的,総合的,長期的,計画的な対応が必要となっているのであります。  現在,さまざまな課題がありますが,ごみ問題は高齢化対策と並んで,市政の諸課題のうち,戦略的な課題として位置づけるべきであり,ごみ問題の現状分析を科学的に行い,問題点を洗い出し,行政課題,政策課題を摘出し,課題に対する政策と方法を長期計画として総合的,計画的に示しながら,その中軸にリサイクル計画をしっかりと据えた内容のごみ処理基本構想,ごみ処理基本計画を策定して取り組むべきと考えますが,市長にはそのお考えがおありかどうか伺います。  質問の第2は,リサイクルに必要なストックヤードの確保についてであります。  集団資源回収への助成制度がスタートして,市民の参加が一層広がろうとしていることは,まことに喜ばしいことです。市民のリサイクルの取組みをさらに発展させる上で,いまストックヤードを確保することが必要となっています。回収された資源は,回収業者を通して最終的に原料として使うメーカーにおさめられるシステムとなっていますが,現実は,紙,鉄くず,瓶の価格が下がり,回収業者の商いが成り立たなくなることから,回収資源を引き取れないという状況も生まれています。  こうした状況がさらに広がり,資源回収が進み,物がダブつけばリサイクルのシステムが壊れてしまうことになります。リサイクルのシステムを守り,リサイクルを発展させる上からも,価格が安いときに回収業者の経営が持ちこたえられるように,回収資源を保管できるストックヤードの確保など,回収業者への援助を検討すべきと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねをします。  最後に,教育・文化行政について質問いたします。  質問の第1は,障害児教育に関してであります。  まず,豊明養護学校の移転についてでありますが,市街地の中で用地が確保されなかったという理由で,遠い茨戸に移転されることには問題を感じるのであります。小・中学校は,用地困難と言われる中でも通学区内に確保しているのでありますから,むしろハンディを背負っている養護学校の子供たちにこそ,便利なところに学校を建てるべきと考えるからです。養護学校の規模が大きくなり,用地も広い土地が必要となっているのであれば,当面必要な規模での移転改築を行い,生徒が増大する分については,学校を分けてでも便利なところに設置すべきであったと考えますが,この点も検討されたのかどうか,お尋ねいたします。  また,茨戸に学校ができた場合の交通機関は,最終的には中央バスとなりますが,栄町や麻生などの地下鉄駅から学校までのスクールバスの配置など,必要な交通アクセスの確保について万全を期すべきと考えますが,どのように対処するのかお尋ねをいたします。  次に,平岸静療院にあるのぞみ学級の分校化と校舎の整備についてであります。  新5年計画で実施とのことですが,事業がおくれてきているだけに,速やかに整備すべきであります。整備の時期は5年計画の早い時期に行う必要がありますが,時期はいつになるのか。また,おくれてきた理由についてお尋ねします。  質問の第2は,図書館の設置についてであります。  図書館のあり方は,その都市の市民文化の水準をあらわすバロメーターとも言われており,3万人から4万人の人口の地域に1館が望ましいとされております。ところが本市は,現在1区に1館の状況で,20万人に1館,豊平区では28万人に1館というのが現状です。センター図書館も整備された現在,当然,地区図書館の複数館構想を立てて積極的に整備すべきと考えますが,いかがでしょうか。  質問の第3は,時計台の現在地保存に関してであります。  いま時計台の移転問題の新聞報道がなされていますが,「中島公園への移転説」とか,「市長の意向が強く反映」とか,「鶴の一声」という活字が踊っております。この引き金になっているのは,市当局が「時計台の現在地保存の是非について」という文書を作成して論議を開始する意向を示したことによります。しかし,この問題は1966年(昭和41年)論議の末に本市議会で,現在地保存とする旨の意見書を決議して決着がついている問題であります。しかも,本市では,すでに現在地での大修理をことしの秋から取りかかる方針を決め,文化庁に対して国庫補助の申請を行なってきている中での移転論議は,全く唐突なものであります。本市が作成した文書では,市民各層の意見を聞くこととして,これまで市民から出されている意見として5項目を挙げておりますが,現在地保存をするとした市議会の決議を尊重する立場も明らかにさせず,ただ論議してくれというきわめて無責任なものであり,問題を感ずるものであります。市長は現在,昭和41年に決めた市議会の現在地保存の立場に立っておられるのかどうか。それとも,今回の論議開始は移転を前提とした立場からのものであるのかどうか。あわせて,今秋から着手する予定の時計台大修理のために文化庁に行なっていた国庫補助申請を,異例にもわざわざ断ったということが事実とすれば重大な問題と考えますがいかがか,市長の見解を伺います。  質問の第4は,博物館の建設についてでありますが,この課題は昭和61年から調査・研究が開始されて6年になりますが,依然としてテーマを絞り込めないでいるようでありますが,取組みの内容と到達点についてどのように考えておられるのか。そのためにも,テーマは北方都市札幌にふさわしく,札幌,北海道はもちろんのこと,アジア大陸とのかかわりを持たせた北方都市の歴史,民族博物館的なものに,また博物館の目玉にシベリアの凍土から出土する巨大な本物のマンモス象を据えることを検討したらよいと思いますがいかがでしょうか,お尋ねいたします。  これですべての質問を終わりました。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。 ◎市長(桂信雄君) 私から数点お答えをいたします。  まず,平和都市宣言についてのご質問でありますけれども,これまでにも述べてきましたように,さきの議会の決議を尊重いたしまして,今月末までには宣言を行いたいと考えているところであります。  ただいま,宣言後の取組みにつきまして,平和都市宣言を記念した事業など,いろいろと具体的なご指摘もございましたけれども,一昨日,社会党の加藤議員にもお答えをいたしましたとおり,他の自治体の取組みなどを研究したいと考えており,札幌市としてどのような取組みをなすべきなのかは,今後検討させていただきたい,このように思います。  次に,新年度予算の編成と各種料金値上げ問題についてであります。  まず,第1点目の法人市民税の超過課税についてでありますが,このことにつきましては,昨年の第3回定例市議会において,税制の抜本改革に伴う答申の趣旨を尊重いたしましたほか,他の指定都市や都道府県等の見直しの状況,さらには中小企業の経営基盤の強化と地場産業の振興に配慮するなど,総合的に勘案してご提案を申し上げ,議決をいただいたところであり,平成4年度では,これに基づき予算の編成を行なったところであります。  次に,第2点目の先端産業立地補助金等についてでございますが,この制度は,本市工業の高度化を図るために,市域内において先端技術産業等の成長性の高い工場や試験研究施設を新設または増設する企業に対して,補助金の交付あるいは融資のあっせんを行うものでございまして,この制度利用への関心は,技術力,開発力を重視する昨今の企業情勢から,今後も続くものと考えられます。本市として,技術開発企業の立地を進めることは,地元企業の高度化,雇用の安定,企業基盤の強化を図る上からも重要な施策であると考えております。  次に,第3点目の使用料・手数料等の改定についてであります。  一昨日の常本議員のご質問にお答えをしましたとおり,使用料・手数料につきましては,市民生活にかかわり合いの深いものが多く,できるだけ市民に負担をかけないよう心がけるべきでありますが,特定の受益者に対するサービスの対価であるという性格からいたしましても,社会・経済情勢等の変化に対応した見直しを適時適切に行なっていくことが必要であると判断したところであります。  なお,個々の改定についてでありますが,区民センターや公園施設等の使用料及び印鑑証明等の手数料につきましては,この4年間における人件費や物件費などの経費の増加分等を基礎としており,また,駐車場使用料や道路占用料等につきましては,他都市の状況や類似施設との均衡等を勘案し,必要やむを得ない範囲で改定をお願いしているところでありますので,ご理解をいただきたいと存じます。  第4点目は,保育料の値上げについてであります。  まず,出生率の低下の問題に関連してのお尋ねでありますが,出生率の低下の要因といたしましては,結婚や子育てに関する国民の意識変化や,子育てに対するさまざまな負担感の増大などが指摘されているところであります。基本的には,国レベルでの総合的な対応が肝要と考えておりますが,本市といたしましても,保育行政を初めとして,地方レベルでなし得る施策の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に,保育料にかかわる市民の意向についてであります。  保育料の引下げの要望等がなされていることは承知いたしておりますが,本市の保育料については,国の徴収基準額と比べて大幅に軽減しており,政令指定都市の平均や道内他都市と比べても,相当低い水準となっております。年々上昇する保育経費や国の徴収基準額の改定状況等を勘案し,保護者の方にも応分の負担をいただくことが適切と考える一方,女性の社会参加の実態や多子家庭の負担の増大に配慮して,軽減の拡充を図りつつ,平均3.87%の改定をお願いするものであります。  また,低所得階層の値上げ幅についてでございますが,本市の階層別保育料体系については,国の基準と比べ,C階層では7割近い大幅な軽減となっている一方で,D階層の一部では軽減率が極端に低いという状況にあることから,昭和63年11月に,本市の地方社会福祉審議会の意見具申を踏まえて,これまでも,均衡のとれた階層別保育料体系とするため,軽減率の調整を行なってきており,このため,C階層の改定率がD階層を上回る内容となったものであります。  次に,保育料体系の見直しと減免制度についてでありますが,保育経費は施設の規模の大小により差がありますことから,本市では,平均的規模の保育単価を踏まえて保育料を設定することが合理的と考えております。この結果,一部階層においては大規模保育園の保育単価を上回る部分もありますが,先ほど申し上げましたように,階層間の軽減率調整を今後とも進めていく中で解消していきたいと考えております。  また,前年に比較し所得が大きく減少した世帯の保育料の減免については,所得激減世帯を救済するために,その状況に応じた減免を行うなどの減免基準の改正を行いたいと考えております。  次に,5点目の国民健康保険料についてでありますが,ご質問が関連しておりますので,一括してお答えをいたします。  国民健康保険は,医療費を中心とする歳出に連動して保険料の改定をしなければならない仕組みとなっておりますが,1世帯当たりの平均保険料については,可能な限り,被保険者の負担を緩和するため,平成4年度においては,一般会計から総額で約198億円,被保険者1人当たりで5万7,157円の繰入れ措置を行うこととしております。この1人当たり繰入額は,政令指定都市中第1位の金額でありますので,本市の厳しい財政事情を勘案いたしますと,これ以上の繰入れはできないものと判断しており,今後の収納対策に全力を挙げて取り組み,財源を確保したいと考えております。  また,今回,限度額を2万円上げ,応能割と応益割の賦課割合を50対50に変更し,あわせて特例減額の見直しをすることによって,負担の公平を図ろうとするものでございます。  次に,低所得者への対策についてでありますが,国民健康保険は,保険料と国庫支出金を財源とした保険であり,制度上,低所得者であっても応分の負担をしていただかなければなりません。しかしながら,低所得者につきましては,6割・4割の法定軽減措置のほかに,本市独自の2割軽減を実施しており,減免措置を含めると,加入者の約40%に当たる7万世帯,金額にして22億円の軽減減免措置を講じているのであります。  次に,軽減措置の拡大についてでありますが,保険料の軽減を初め,賦課等に関する事項については,政令で一定の基準が定められております。したがいまして,本市独自で軽減率を引き上げることはできないものと考えておりますが,軽減制度の拡大につきましては,今後も機会あるごとに国に要望してまいりたいと考えております。  最後に,特別収納対策についてであります。  高額滞納者の解消及び収納対策の見直しを図るために,昨年の4月に特別収納対策室を設置し,訪問徴収を初め,各種の収納対策を展開したことにより,滞納世帯の納付意識も徐々に変化してきているところであります。新年度はさらに体制を強化して,収納率の向上を図ってまいりたいと考えております。  なお,平成3年度における対策室にかかる費用は1億3,000万円と見込んでおります。  なお,ただいまのお話の中で,年収2,000万円を超える市長云々という言葉がございましたけれども,もしも私のことを指しておっしゃったのであれば,私はこれまでに,退職手当を除いては,年収2,000万円を超える収入はございませんので,誤解のないようにお願いをしたいと思います。  次に,下水道事業についてお答えいたします。  まず,第1点目の前計画と実績との乖離についてでございますが,財政計画につきましては,主として計画策定後の円高による大幅な経済情勢の変化が好影響をもたらしたものであり,また,整備計画につきましては,国庫補助金等の大幅な増額確保ができましたことから,下水道の普及促進等に努めたものであります。  次に,手持ち資金がある中での値上げということについてでありますが,今後の財政収支を見通した場合,平成4年度末から資金不足が見込まれますことから,健全な事業運営上必要と判断したものでございます。  なお,この資金残につきましては,今後5年間の財政計画に織り込んでございますので,実質市民負担の軽減に資するものと考えております。  次に,第2点目の市民生活への影響についてでございますが,このたびの料金改定は,標準世帯について他の大都市と比較いたしますと,平均をやや下回る程度となっており,多様化する市民要望にこたえ,事業を進めていく上からもご理解をいただきたいと,このように思います。  また,使用料体系における累進度についてでございますが,一昨日の加藤議員のご質問にもお答えをしましたように,本市の排水実態は,水消費型の事業所等が少なく,累進度を引き上げますと負担の公平を欠くおそれがございますことから,現行程度の累進度を維持してまいりたいと考えております。  最後に,ご質問の第3点目の汚水分資本費の全額算入についてでございますが,これにつきましても,一昨日のご質問にお答えをいたしましたとおり,受益者と受益の範囲が特定できる汚水分につきましては,汚水私費の原則に従うのが至当であると判断をし,市民に応分の負担をお願いするものでございます。  次に,教育・文化行政のうち,私から時計台の現在地保存と博物館の建設についてお答えいたします。  まず,時計台の現在地保存に関してのご質問でございますが,私は,昭和41年市議会での時計台の現在地保存の意見書を尊重し,さらに,文化財は現在地保存が原則という見地を十分認識しつつも,この札幌を象徴する貴重な文化財である時計台を末永く後世に伝えていくため,いま大規模な修復をする前に,いま一度市民論議を経ることは,決して意義のないことではないと判断したところであります。  次に,博物館の建設についてでございますが,昭和63年度までは,本市の自然と歴史の特性を主体とした自然史系の博物館について調査・研究をしてまいりました。しかしながら,この種の博物館は,既存の北海道開拓記念館や埋蔵文化財センターなどと競合する面があることなどのことから,平成元年度以降は,今後ますます進展する国際化の現状を考慮して,北方都市の生活や文化等,さらには北方都市会議の成果などを取り入れたものについても調査・研究を続けてきているところでございます。いずれにいたしましても,これまでの調査・研究を踏まえて,広く北方都市を視野に入れて,札幌にふさわしい博物館について慎重に検討を加え,第2次5年計画の中で,基本的性格など一定の方向を見出していきたいものだと考えております。私からは,以上でございます。 ○議長(見延順章君) 木戸助役。 ◎助役(木戸喜一郎君) 私から,福祉行政と食品の安全対策についてお答えいたします。  最初に,福祉行政についてでございます。  まず,高齢者の福祉についてでありますが,第1点目の老人福祉センターの整備については,民立の老人生きがいセンターを代替施設と位置づけ,東区,南区以外の区から優先的に整備をしてきたものであります。したがいまして,新5年計画では,公立未設置の東区,南区について整備をすることとしたものであり,ご質問の複数館構想につきましては,その後に,老人福祉センターの利用状況等を十分見きわめながらあらためて検討してまいりたいと考えております。  第2点目の入浴サービス事業についてでありますが,この事業は,寝たきりのお年寄りを介護されている家族を支援するため,昭和52年に特別養護老人ホームにおける入浴サービスとしてスタートして以来,昭和63年には訪問入浴サービスを導入し,サービスの充実を図っているところであります。入浴回数につきましては,他の政令市の実施状況や利用者に対するアンケート調査を勘案しまして,月2回にレベルアップを図るものであります。  第3点目の介護手当についてでありますが,これまでも代表質問においてお答えしておりますとおり,本市としては,まずは家庭や地域で安心して暮らすことができるよう,各種在宅福祉サービスの一層の充実を図ることで家族の負担を軽減してまいりたいと考えております。  第4点目のケア付住宅についてでございますが,市営住宅と老人福祉施設の複合化については,市営住宅の建設計画に合わせて整備に努めてまいりたいと考えております。  次に,障害者の福祉についてでございます。  第1点目の国連障害者の10年の総括とその後の計画についてでありますが,昨年第4回定例市議会でもお答えいたしておりますように,国連障害者の10年については,本年いっぱいをもって終了することになりますので,これまでの経過や実績も踏まえた上でまとめに入りたいと考えております。  なお,本市はこれまでも,ノーマライゼーションの実現に向けて,障害者の社会参加と充実促進に努めており,障害者の10年以降においても引き続き福祉施策の推進に努めてまいりたいと考えております。  第2点目の障害者の小規模共同作業所への助成改善についてでありますが,この助成は,北海道の補助基準や施設の運営実態などを考慮しながら,平成4年度においては大幅な増額を図るとともに,格差の是正にも努めたところであります。今後も,障害者に対する支援につきましては十分配慮してまいりたいと考えております。  第3点目の聴覚障害者情報提供施設の設置についてでありますが,この施設は一昨年社会福祉八法が改正されたことに伴い,平成3年度に国において事業化されたもので,身体障害者更生援護施設として位置づけられるものでございます。この施設における業務は,字幕あるいは手話入りのビデオカセットの製作や貸出し,手話奉仕員等の設置並びに派遣,情報収集等であり,いずれも本市においてすでに身体障害者福祉センター等で事業を実施しており,現在十分に機能しているものと考えております。  なお,道内他都市が先に設置した場合でも,その後に設置することは可能でございます。  次に,食品の安全対策についてであります。  輸入食品の残留農薬につきましては,現在,国において,各国の食生活のパターン,衛生状態等が異なっている状況を踏まえ,米など食品の安全性確保の観点から検討しているところであり,本市といたしましても,その結果を踏まえて対処してまいりたいと考えております。  また,食品安全条例の制定につきましては,食品衛生法などの関係法令を適切に運用し,食品の監視及び検査体制を充実することにより,食品の安全確保を図ることができると考えております。私からは,以上でございます。 ○議長(見延順章君) 魚住助役。 ◎助役(魚住昌也君) 私から,まちづくりとリサイクルについてお答えいたします。  まちづくりの第1点目の市営住宅の建設についてでございますが,現在,本市の住宅事情は,住宅戸数が世帯数を相当数上回っているほか,住宅の質的向上も着実に図られてきております。これらの状況を踏まえて,新5年計画におきましては,今後の人口増加率の傾向や居住水準未満住宅の状況,あるいは市営住宅の応募状況などから,3,200戸の市営住宅を建設する予定といたしております。また,その供給に当たっては,高齢化社会に向けた設備等の充実を図るほか,需要の多い種別の住宅の割合を高めるなど,市民の要望を十分組み入れた計画としております。いずれにいたしましても,市営住宅の果たす役割の重要性については十分認識いたしており,国の予算枠や用地の確保など,事業の環境には大変厳しいものがございますが,今後とも計画的な住宅建設に努力してまいりたいと考えております。  第2点目の高齢者及び障害者の住宅の確保についてでございますが,まず,ケア付市営住宅につきましては,生活相談員を配置した麻生団地方式を基本に拡充を図ってまいりたいと考えております。  次に,高齢者や障害者の住宅借上げと家賃補助制度の新設についてでありますが,高齢者などの住宅に困窮する低所得者に対する施策につきましては,基本的には,公営住宅による直接提供により対応していくべきと考えておりますが,他都市の制度も含め研究してみたいと考えております。  第3点目は,地下鉄のエレベーターの設置についてでございます。  本市では,体の不自由な方々やお年寄りなどがより一層社会参加ができるように,公共施設等の整備を進めているところであります。地下鉄駅のエレベーターの整備につきましては,福祉のまちづくりの観点から,新5年計画におきまして10ヵ所整備することとしたものであります。今後につきましては,ご承知のように,既設駅におけるエレベーターの整備は,構造上の問題や用地問題等がございますので,これらについて逐次解決を図りながら,できる限り多く設置できるよう努力してまいりたいと考えております。
     次に,4点目の河川の環境整備についてでございますが,一昨日,常本議員にもお答えしましたように,治水とあわせて,それぞれの河川に適した環境整備を行なってまいりますが,お話のありました護岸された河川の再整備につきましては,河川敷の有無の問題もあり,長期的な課題としてとらえてまいりたいと考えております。  なお,精進川は北海道が管理している河川でございますが,環境整備の条件が比較的整っていることもあり,今後とも引き続き要望してまいりたいと考えております。  次に,ごみ・リサイクルについてでございます。  第1点目のごみ処理基本構想・基本計画についてでございますが,本市はこれまでも,第3次長期総合計画に基づいてごみの減量化・資源化に取り組んできたところでございます。さらに,地球環境問題等の今日的な課題にも対応したごみ減量計画を策定する必要があるため,ごみ問題懇談会や,リサイクルシステム制定委員会を設置したところでございます。したがいまして,今後,これらの検討結果を踏まえ,減量化やリサイクルを体系化した基本計画を策定したいと考えております。  第2点目のリサイクルに必要なストックヤードの確保についてでございます。  回収業者の事業活動は,集団資源回収を積極的に推進していくためには欠くことのできないものと考えておりますので,ストックヤードの確保など,その振興につきましては,業界の動向,他都市の状況等を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(見延順章君) 荒井教育長。 ◎教育長(荒井徹君) 教育・文化行政のうち,教育問題について私からお答えいたします。  1点目の障害児教育に関して,まず,豊明高等養護学校の移転先についてでありますが,作業実習室の増設やグラウンドの確保など,本校の教育内容の一層の充実と間口の拡大を図るためには,2万平方メートル程度の用地が必要と考えまして,あわせて教育環境も十分考慮し検討した結果,現計画の北区西茨戸を適地と判断したものであります。また,通学のための交通機関は,主として地下鉄,中央バスを利用することになりますが,都心部から40分程度で通学可能であり,バス停も学校予定地にきわめて近いところにございます。今後は,中央バスに対して,通学バスの運行や増便について要望してまいりたいと考えております。  次に,静療院院内学級の分校化及び校舎の整備についてであります。  昨日の森議員のご質問にもお答えしましたが,平岸分院の新たな再編成計画との整合性を図る必要が生じてまいりましたので,これらについて,その時期も含め十分に検討してまいりたいと考えております。  2点目の図書館の整備構想についてでありますが,私どもは,これまで1区1図書館配置計画を立て,9区すべてに図書館を建設してまいりました。現5年計画では,新中央図書館の移転新築を機会に,地区図書館・区民センター図書室とのネットワーク化を図るとともに,地域に密着した地区センターに図書室を設置し,図書施設の充実を図ってまいりました。新5年計画におきましても,新たに設置される地区センター7ヵ所のすべてに図書室を設置することとし,これら地区センター図書室ともオンラインで結んで,図書施設の全市的なネットワーク化を進め,全体としての図書館機能を高めていきたいと考えております。今後とも,図書館行政につきましては,地域の発展状況,関連施設の配置状況など,総合的に研究・検討し,市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(見延順章君) ここでおよそ30分間休憩いたします。   ――――――――――――――――      休 憩 午後2時14分      再 開 午後3時16分   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 代表質問の続行であります。  この場合,生駒正尚君から,答弁漏れがあるとのことで再質問の申し出がありますので,これを許します。生駒正尚君。 ◆生駒正尚君 答弁漏れが,米の輸入化自由化の問題等々何点かありますが,この質問については絞ってお尋ねをいたします。  特に,市長の答弁の中で,時計台の現在地での移転問題でありますけれども,これは実際いろいろ報道されているように,論議をしたいというふうにしてやっておりますが,いまの状況では,たとえば文化財保護審議会,これが寝耳に水であるとか,あるいは強い批判の意見を出している。時計台を守る市民の会,ここでも,このことについては守るという方向で動いています。強い批判もすでに出ておりますけれども,やはりこの時点で市長は,この問題について,起きている現状についてよく認識をして,釈明をして,そして41年の市議会での決議を尊重するという立場をきちんと明確にすべきでありました。  しかし,その点での答弁で言いますと,十分尊重するとしつつも,認識しつつもということを言って,これを論議をすることは意義がないことではない,こう答えました。問題は,これは提起されている問題は,いつ,いかなる場合でも,これはこれだけいろんな論議をしようとしているんですから,市として41年決議をきちんと尊重すると,ここをはっきりさせるべきですが,しつつもと言いながら,論議は意義のないことではないというのは,これは開き直りですよ。一般的な論議じゃないんです。さきに述べたように,もうこの問題では関係の団体がきわめて強い批判の声を上げている。こういう中で,何を論議するんですか。そういう問題だと私は認識しておりますので,そういった点できもんとした答弁をいただきたいと思うんです。  たとえば,その点で言いますと,各会派に対する説明が1月の30日から2月の5日に行われたと言っております。時計台を守る市民の会には,2月の4日にこれを意向を伝えたと言っています。文化財保護審議会には,2月3日に伝えて,アポイントメントによって2月3日,2月6日,2月7日にそれぞれ個別に会ったと説明しております,いただいたのでは。しかし,2月29日の審議会の中では,これは紛糾したんです。問題は,そういう各会派への接触,時計台を守る市民の会への接触,文化財保護審議会のメンバーに対する接触の中で,これは大いに論議をしていくと。あるいはまた,文化庁に対する大修理のための補助を,これを先延ばしするということを,これを合意を,あるいは同意が得られるという感触を得たのですか。それとも,同意をするというふうに,その時点で確信を持ってつかまれたのですか。そういった点で,こういうものがないうちに審議会を開いて紛糾をすると,こういうことになったのではないですか。  そういった意味で,拙速であり,やり方としても非常にこれは何かを急いでいる。何かその他の理由があるのではないかと疑わざるを得ない,そういう内容があると思うんです。そういった意味で,この状況を踏まえていかがか,答弁をお願いします。 ○議長(見延順章君) 桂市長。 ◎市長(桂信雄君) 時計台問題については,先ほどもお答えいたしましたとおり,昭和41年市議会での時計台の現在地保存の意見書があることは,私も承知をいたしております。しかし,それ以来,市民の内外から,この現在地にあることについてのいろんな意見があることを私は承知をいたしております。加えて,今回の大修理というのは,おそらくほとんど永久に近い大修理になるだろうというふうに思いますから,この機会に,専門家の意見はもちろんですけれども,広く一般市民の意見を,議論を経ておく必要があるだろうと,こういうふうに私は感じているのであります。そのことについて,何ら議論の余地がなしと,こういうのであれば,それは一つの意見でありますけれども,私はそのようには思っていない,こういうことを申し上げているわけです。  (「委員会でやれ」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 生駒議員に申し上げます。  きちっと答弁されていますから,見解の違いだけでは再々質問というのは認めるわけにいきません。ほかに答弁漏れがあれば,あるという判断があれば質問してください。だけど,この問題では見解の相違でありますから,いたし方ありません。いいんですか,それで。  そうしたら,再々質問だけ1回だけ認めます。認めます。やってください。  (「議事進行」と呼ぶ者あり) ◆生駒正尚君 それでは,いまの答弁でありますけれども,まことにはっきりしていない答弁だと思うんです。私は,現状を踏まえて,いまの状態で論議に実際に入れない状況にあるんじゃないかと,紛糾しているじゃないですかと,混乱しておりますよと。ですからね,この問題ではなお委員会でもやりますけれども,当局から出たこの文書はきわめていいかげんなものです。出所不明。部局の名前も出していない。怪文書ですよ,これは。こういうもので論議を開始するといっても,これは重大な問題でありますから,委員会の中で,それは再度追及をさせていただきますので,終わります。 ○議長(見延順章君) 次に,山口たか君。  (山口たか君登壇・拍手) ◆山口たか君 私は,市民ネットワーク北海道を代表し,今定例議会に提案されました議案85件並びに市政の諸問題につき質問いたします。  昨年4月の統一自治体選挙以降,市民ネットワークは生活者の立場から幾つかの問題提起をしてまいりました。この1年を振り返りますと,世界的には,戦後世界を支配してきた東西対立の二極構造の消滅,朝鮮半島をめぐる和解への動きなど,予想をはるかに超えた目まぐるしい展開を見せています。また,南北問題,つまり北が南を収奪するという構造が一層明確に浮かび上がってくる一方で,民族自決への動きが民族間対立という形をとり,地域紛争として顕在化してきています。しかしながら,なおしばらくの時間と紆余曲折を経ながらも,世界の大きな流れは平和への希求,人権の確立,環境保護へと向かうものと思われます。まさにグローバルに考えローカルに行動する,ローカルに考えグローバルに行動する,すなわち地球と地域をトータルに考え行動する,いわばグローカリズムとも言うべき視点が求められていると言えます。  この間の国連での動きを振り返りますと,国連女性の10年,国際障害者年,子供の権利条約など,差別撤廃と人権の確立が大きなテーマであり,1993年は世界先住民のための国際年,国際先住民年とすることが決議され,日本も昨年3月,国連人権委員会で賛成しております。  市民ネットワークでは,この間,女性,子供,在日外国人の人権について発言してまいりましたが,一人一人の人権を大切にする世界の動きと連動していくことが,国際化を目指す本市としても大きな責務であると考えるからです。  次に,国内の動きを見ますと,国の経済政策の失敗としてのバブル経済の破綻に伴う景気の後退が国の予算にも反映し,地方自治体にもその影響が及び,経済の不安定な状態が続くものと考えられます。経済優先,産業社会の行き詰まりがだれの目にも明らかになっていく一方で,市民の政治不信,無関心が一層進行しています。オルターナティブな社会づくりへの展望がいまこそ求められている時代はないと言えます。市長には,こうした状況を踏まえ,まさにグローカルな視野を持って市政執行に当たられることを強く要望いたします。  次に,新5年計画と,今議会に提案されました諸議題について述べさせていただきます。  今議会は,また市長の初めての予算編成であり,市民は大きな期待の一方で,厳しい目で市政方針及び予算案を注目しております。一般会計予算は歳入で6,829億円,このうち市税収入は2,770億円で,前年度と比べ6.5%増となっております。しかし,その内訳を見ますと,法人税は前年比5.2%減,景気の減速化がはっきりあらわれており,今後の市政執行に不安を抱かざるを得ないのであります。昨年夏以降,全市民の注目を集めました交通事業再建へ向けての多くの議論をむだにしないためにも,健全化対策を実行に移していく1年目であり,市長にとりましても大変厳しいスタートと申せましょう。その中で,福祉の充実など,民生費に比重を置かれたことは,まだまだ十分とは申せませんが,すこやかサッポロへ向けて一歩前進と考えられます。また,歳出におきましては,一般事務的経費の10%削減を挙げておられますが,これは当然とも言えますし,ぜひ全力で取り組んでいただくことを強く要望いたします。  しかし,一方,使用料・手数料を初め,下水道料金など,大幅な市民負担の増加につきましては,納得できない点も多々あります。この4年間での諸経費の値上がりは確かに理解できます。しかし,使用料で約20%,下水道料金で37.5%という大幅な値上げには驚きを禁じ得ないのです。使用料値上げを検討しますと,一見取るに足らない金額に見えます。しかし,少額でも,多方面にわたる一斉の値上げによって,市民には多額の負担増となります。交通料金の大幅値上げも予定されており,経済が下降の中,ベースアップも多くは期待できないサラリーマン家庭にとり,実質可処分所得はマイナスになることも考えられます。一斉にではなく,何年かに分けてといった措置はとれなかったのか。これは素朴な,しかし圧倒的な市民が抱いている疑問です。この素朴な疑問に対する市長のお考えをお聞かせください。  次に,学校五日制についてお伺いいたします。  学校五日制について検討してきた文部省の,社会の変化に対応した新しい学校運営等に関する調査研究協力者会議は,2月20日最終報告を出しました。この報告によりますと,導入の時期は92年度の2学期が適当であること。年間の標準授業時数,単位数は変えないとされています。授業時数を変えないで五日制が導入されるということは,教科外の活動や学校行事が削減されることにつながり,ゆとりのある教育から逆に遠ざかるのではないでしょうか。もとより,五日制そのものを否定するわけではありませんが,十分な準備と検証なしに見切り発車することに,親たちは大きな不安を抱いております。真にゆとりのある学校五日制が実施されることが,教育権を持つ父母の願いです。  明治以降,週六日制教育を行なってきたこれまでの仕組みを大きく変える学校五日制を,どのように考え,どのように進めていこうとしておられるのか。教育長の経験もあり,教育に造詣が深い桂市長が,提案説明の中で市民に明らかにされなかったことは大変残念でした。  市民ネットワーク北海道では,学校五日制に対するアンケートを実施しました。集計までの期間が短かったにもかかわらず,回答が多く寄せられ,父母の関心が高いことを示しています。600人にアンケート用紙を配布し,現在のところ400人から回答がありました。「学校五日制に関する情報はどこから入りますか」という設問に対して,97.9%の人がテレビ,新聞など,マスコミからと答えています。肝心の学校,PTAなどからという回答は32.5%でした。さらに,「学校五日制になると本当にゆとりのある教育を受けられるようになると思いますか」という問いには,87.4%の人が「いいえ」と答えています。マスコミからの情報のみで,五日制に不安を感じている親が多い実態が浮かび上がってきます。この新しい制度の導入に対し,教育委員会は父母に対する経過報告や情報提供を十分に行なってこなかったのではないでしょうか。  さらに,「今後,議論を深めるためには,どこでの話合いが大切と考えますか」という質問には,親や子供たち,PTA,地域の中,学校の職員会議,教育委員会,地方自治体,文部省など,実に多くの回答があり,今後,さまざまな場で議論を深めていく必要のあることがはっきりしております。自治体によっては,すでに自主的に市民との討論集会を開催しているところもあります。  そこで,質問の1点目として,PTAで十分話し合うことはもちろんですが,地域の住民も参加した小学校区単位の市民集会などを開くべきと考えますが,お考えをお聞かせ願います。  また,学校五日制についての意見や疑問点,不安なことがあれば書いてくださいという問いには,さまざまな意見が寄せられました。この中には,土曜日に仕事に出なければならない家庭の子供たち,特に低学年の場合どうしたらよいのだろうかと心配する声もありました。  91年度札幌商工会議所の第1回会員総合意識調査結果によりますと,週休二日制の導入率は,完全週休二日制はわずか8.8%,変則型を含めた週休二日制は57.1%,その他9.8,全く実施していない企業が33.8%と,約3分の1を占めています。特に,従業員が5人未満の小規模企業では,6割近くが導入されておりません。  質問の2点目として,この調査結果からも明らかなように,週休二日制を全く実施していない企業が多いという実態があり,子供だけが家に残るという状況が生じてくると思われますが,この点について教育委員会はどのように考えておられるのかお伺いいたします。  最後に,質問の3点目として,現行の公教育の中で別学体制になっている特殊諸学校・諸学級に学ぶ子供たちの学校五日制についてお伺いいたします。  障害を持った子供たちへの対処は,一層の配慮が必要です。障害児学級在籍児童・生徒については,すべてのケースにわたって丁寧な調査を重ねた上で,父母の意見を尊重し,必要かつ十分な人的措置をすることが必要と考えますが,教育委員会のお考えをお聞かせください。  次に,先住民族の人権について質問いたします。  先ほども申しましたが,1993年は世界先住民のための国際年,「国際先住民年」と決定されております。1986年9月22日,当時の中曽根首相が,知的水準発言に伴って,日本は単一民族国家であると発言し,アイヌ民族から厳しく糾弾され,多くの市民のひんしゅくを買うとともに,世界的な批判を浴びました。日本列島や北方諸島には,古くからアイヌ民族が住んでおり,固有の言語・風習・文化を持ち,自然とともに生活しながら独自の歴史を築いてきました。しかし,15世紀中ごろには,本州からの和人による支配が強くなり,狩猟民族として生き農耕になじめないアイヌ民族に対し,1899年,北海道旧土人保護法を制定し,独自に築いてきた歴史を踏みにじり,一方的に法のもとで日本国民に同化させようとしました。私は,アイヌ民族がアイヌモシリ,つまり人間の大地と呼ぶ北海道に住む者として,アイヌ民族の誇りを傷つけながら繁栄を得てきたことについて深い痛恨の念を持たずにはいられません。  1984年,北海道ウタリ協会では,長年にわたるアイヌ民族に対するべっ視を正し,権利を回復するためのアイヌ民族に関する法律,いわゆるアイヌ新法を制定すべきとの結論に達しました。国際先住民年を1年後に控え,アイヌ新法の早期制定が望まれるものと考えます。  そこで,質問の第1点目として,市長は公約として,みんなのサッポロの中で,先住民族の生活・文化・歴史を大切にしますと言っておられますが,アイヌ新法の早期制定の実現に向け,今後,新たな施策を考えていらっしゃるのかどうかお答えください。  また,2月26日付の新聞報道によりますと,政府のアイヌ新法検討委員会は,4月上旬に札幌市を初め各地を視察し,関係者から意見聴取を行うということです。これは,新法制定に向けての大きなステップとなると思います。  質問の第2点目として,この機会に国や道に対しても積極的な働きかけをすべきと考えますが,市長の考えをお聞かせください。  次に,アイヌ民族に関しての歴史教育についてお伺いいたします。  小学校の教科書の中には,アイヌ民族に関する記述はごくわずかしかありません。本市では,教育委員会で発行している教師のための教育課程年間指導計画の中の指針と,子供たちには副読本として,社会科「わたしたちの札幌」があるにとどまっています。3年生の副読本を見ましても,アイヌ民族が生活していたことに関しては「札幌のまちのむかしむかし,ここにすんでいたのは,野原でしかをおい,川でさけをとっていた,心うつくしいアイヌの人たち。そして,この地にうつりすみ,くまざさをやきはらい,原始林をきりひらいたのは,体たくましいかいたくしゃたち。」と表現され,現在も先住民族として暮らしていることは記されておりません。また,和人による侵略を伝える記述がなく,教師の歴史観に任されており,歴史的事実が伝わっておりません。たとえ低学年であっても,歴史の事実を理解することは十分に可能と考えます。  1986年に道が行なった調査によりますと,70%のアイヌ民族の方が何らかの差別を受けたことがあると答えております。この背景を考えますと,これまでの教育では,アイヌ民族に対する侵略の歴史を教えることなく,また,虐げられた先住民族の痛みを知る,人間性をはぐくみ,人権を尊重するという最も大切な視点が欠落していたと言えるのではないでしょうか。  本市では,かつて桂市長が教育長であった1982年から,アイヌ民族教育相談員を置き,さらに教師対象の研修会を開くなど,努力を重ねていますが,教育委員会では,相談員による学習担当の回数も押さえていない状態であり,研修会の参加者は延べ1,500名にも満たず,満足のいくものとは思われません。  そこで,質問の第3点目として,教育課程年間指導計画及び副読本の中に,指導学年に合わせた和人の侵略によるアイヌ民族の歴史の記述をすべきと考えますが,いかがでしょうか。  また,子供たちにアイヌ民族の生活・文化・歴史を大切にする生き方を指導するため,相談員の学習回数をふやしたり,教師の認識を深めるため研修会の充実を図ることが必要であります。これは,教育委員会の努力だけではなかなか難しいと思われますが,教育委員会とすべての教師が枠を越え,ともに取り組むことが不可欠と考えますが,お考えをお聞かせ願います。  次に,福祉政策についてお伺いします。  1番目は,福祉のまちづくりについて質問いたします。  ことしは国際障害者年から10年,完全参加と平等を旗印に,障害者みずからがノーマライゼーションの理念を広く社会に訴え続けてきた10年でもありました。本市でも,1981年に福祉の街づくり環境整備要綱を作成し,それに基づく整備が図られてきたと伺っておりますが,本当に人に優しい街になっているのでしょうか。残念ながら,これまでは健康な男性を中心とした考えの上に街がつくられてきたと言わざるを得ない状況です。しかし,本庁舎での点字ブロック敷設,現在進行中のエレベーターの整備を初め,地下鉄南北線でのエレベーター設置も始まりました。新年度の予算にも,福祉のまちづくり整備に4億2,535万円が計上され,街づくり要綱の見直しにも着手することとなり,近年,ようやく福祉の視点での整備が進んでまいりました。  整備要綱の7によりますと「施設管理者等は,対象施設を福祉環境整備指針に沿って整備改善しようとする場合には,市長と協議するものとする。」また,環境整備要領第3の第1項には,上記の協議は「建築基準法の規定に基づく確認申請又は計画通知がなされる前に,福祉環境整備協議書を提出させて行うものとする。」となっております。しかし,現在の本市要綱では,あくまでも施設管理者が整備改善しようという意思がある場合にのみ行う協議であって,強制力のあるものではありません。その意思がなかったり,要綱そのものが周知徹底されていなければ整備は進まず,現実にも事前協議はほとんどされていない状況です。  また,今後,民生局がどんなにすばらしい要綱を作成されたとしても,建設局や建築局等と連携がとれていないと何の意味もありません。要綱には,歩道は平たんにすることと書かれているにもかかわらず,景観を重視した凸凹の歩きにくい歩道や,車いすでは回転できない狭い障害者用トイレ,水道の蛇口が高過ぎて手が届かない車いす用住宅の台所など,現在の公共設備を見ても例を挙げれば切りがありません。  本年1月横浜市では,高齢化社会に対応し,福祉の都市環境づくり推進指針との整合性を図る趣旨で,建築基準条例の改正を行い,スロープ化,手すりの設置,道路の幅などが明確に規定され,4月1日より施行されます。これにより,対象建築物すべてに強制力が働き,高齢者,障害者,子供,妊産婦などにとっても,優しい街,優しい建物実現へ一歩前進したと考えられます。そこで質問です。  第1点目として,現在,市には,民生局や環境局など,各局部長14名によって構成される福祉の街づくり推進協議会がすでに1989年に発足しております。しかしながら,現実には年に一,二回開催されただけで,協議会として機能しているとは言えません。実効性のある庁内の横断的な協議機関が不可欠であると考えますが,どのようにすれば機能するのかお答えください。  また,民生局以外の局にこそ,この福祉のまちづくりの視点を持っていただくことがぜひとも必要と考えますが,あわせて市長の考えをお伺いいたします。  第2点目として,福祉のまちづくり市民委員会のような場を設け,そこでの意見を新しい要綱づくりに反映させることを提案いたします。その場には,専門家や学識経験者だけではなく,異なった障害を持つ複数の障害者や高齢者,幼児を持つ母親も参加すべきと考えます。そのような考えはおありでしょうか。  第3点目として,以上のような観点を含め,将来的には札幌市建築基準法施行条例の改正を検討すべきと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。  次に,在宅福祉について伺います。  厚生省の高齢者保健福祉推進十か年戦略によりますと,1993年中に各自治体での高齢化福祉計画の策定が求められております。すでに自治体の中には,プロジェクトを設置し,取組みを開始しているところもあります。この施策は,各市町村の創意とやる気に大きく左右され,自治体間に新たな格差を生じるものと思われます。札幌が高齢者や障害者にとって安心して暮らせる街になるのかどうか。その意味で,本92年度は計画づくりのかなめの年とも言えるのではないでしょうか。このたびの5年計画では,人材育成,特にヘルパー増員が盛り込まれておりません。  そこで質問の第1点目として,今後,在宅福祉充実について,ホームヘルパーの増員計画をどのように進めていかれるのかお伺いいたします。  2点目に,一昨日の本会議で,市は,現在の市のホームヘルパーの在宅福祉サービス協会への移管について答弁されております。市直営のヘルパーがなくなることになりますが,委託により責任の所在が不明になることが危惧されます。ホームヘルプ事業の責任主体はどこなのか明らかにしていただきたいのであります。  次に,公共施設での熱帯材の使用について伺います。  新年度予算を見ますと,(仮称)児童福祉総合センターを初め,総工費1億円以上の建築事業が22件ほどございます。これらの工事には,コンクリートを初め,大量の木材が使用されるわけですが,地球環境保全のため,これらのうちの熱帯材の使用を削減すべきとの立場から3点質問いたします。  本年6月ブラジルで開催される地球サミット「環境と開発に関する国連会議」には,先進国と途上国合わせて百数十ヵ国の首脳と,環境問題に取り組む各国の市民団体が一堂に参加する,今世紀最後で最大の国連会議と言われております。これは,地球環境に対し世界が多大な関心を抱いていることの何よりものしるしだと思います。  1989年,地球温暖化をめぐる初めての環境省会議で,日本は環境破壊の犯罪人だと言われたことは,私たちに大きな衝撃を与えました。日本は世界の熱帯広葉樹丸太材の50%を輸入し,これまでフィリピン,インドネシアなどの熱帯林を伐採し尽くし,はげ山にしてしまいました。現在,90%以上はマレーシアのサバ州とサラワク州に依存しております。1988年の国連食糧農業機構(FAO)の調査によりますと,世界の森林面積は40.5億ヘクタール,熱帯林の面積は17億ヘクタール,このうち1,700万ヘクタール,日本の国土面積の45%相当が毎年消失しております。輸入された熱帯材の20%は建築用型枠合板,いわゆるコンパネとして,平均2.7回使用し,使い捨てられております。これは,1年間で富士山の1,200倍の高さに匹敵します。  熱帯林には,気候を調節し,安定させ,地球の温暖化を防ぐ役割がある上,地球の半数以上の生物が生息しています。いま,1億5,000万年もの歴史を持つサラワク熱帯林は壊滅の危機にさらされ,むき出しになった地表や濁った川,次々と滅亡していく動植物のために,先住民族の多くが病気や栄養失調に苦しんでいます。また,大量伐採に反対する先住民が逮捕される事態も起こっております。サラワクと,この北国札幌は何のつながりもないとお思いでしょうが,市の建築事業におきましても,また多量のコンパネが使い捨てられております。  外国を見ますと,ドイツでは130,イギリスでは37の自治体が公共建築に熱帯材を使用しない条例を制定したり,使用しない政策を採用しております。ドイツ連邦会議与党の若手議員25名は,日本の熱帯材乱伐と政府開発援助を批判し,日本製品ボイコットのアピールを発表しました。1990年,サンフランシスコ市でも条例を制定し,姉妹都市の大阪市にも同様の条例制定をするように働きかけがありました。その結果,昨年10月に着工した「展示館インテックス大阪新6号館」を,熱帯材を使用しないモデル事業に指定し,アルミやブロックを使用,総量の6割を削減する計画を進めております。建築業界の先頭を切って熱帯材を外側に薄く使うだけで,内側に針葉樹の間伐材を使用した,いわゆる複合合板の試験施工を始めた企業も出てまいりました。  以上の状況を踏まえ,お伺いします。  質問の1点目として,道の調査によりますと,1年間全道で使われるコンパネは1,000万枚とのことですが,現在,本市の公共事業における熱帯材コンパネの使用状況をお知らせください。  質問の2点目として,ごみの問題ともかかわってまいりますが,使用済みのコンパネはどのように処理されているのでしょうか。  質問の第3点目として,公共建築の現場から率先して熱帯材の使用見直しをすべきと考えますが,本市の考え方をお尋ねいたします。  次に,クリーンエネルギーシステムの活用についてお伺いします。  私たちが使用しているエネルギー資源の大半は海外に依存しております。1991年の湾岸戦争は短期間で終結し,第1次,第2次オイルショックのときのような混乱は起こさずに済みましたが,石油は中東の情勢に左右され,常に不安定な状況にあることはご承知のとおりです。地球に埋蔵されている化石燃料には限りがあり,二酸化炭素による地球温暖化や窒素酸化物,硫黄酸化物による環境汚染は大きな問題となっております。また,原子力発電は,放射能による汚染と廃棄物の問題を考えた場合,決して経済的で安全なエネルギーとは言えません。  私たちは,生活者として,従来のようにエネルギーを多く使うことが豊かで便利な生活であるという考えがすでに時代おくれであると気づいています。私たちにとって,真に豊かな生活とは,かけがえのない地球環境をこれ以上傷つけず,子孫に残していくことではないでしょうか。そういう意味でエネルギー問題を考えたとき,地球に優しく,クリーンで,使っても枯渇することのない再生可能なエネルギーを地域分散型として利用していく道を考えていくことは,北海道最大のエネルギー消費地である札幌としてぜひ必要と考えます。  今回の5年計画策定に当たり,市民ネットでは,太陽光発電を含め,地球に優しいエネルギーを取り入れる提案をいたしました。新年度の事業計画を見ますと,デイ・サービス事業の充実や入浴サービス,特別養護老人ホーム増設の補助など,給湯設備に取入れ可能と思われますが,わずかに新築の市立病院にコジェネレーション(熱電併給システム)を設置する以外は,新エネルギーの採用は全くありません。青少年科学館の整備などは,まさに活用にふさわしい施設と考えます。  現在,札幌市内でソーラーシステムを取り入れている小学校は3校あります。豊平区の東山小学校では,太陽熱を利用し,60度から70度の温水を1日当たり500リットルつくり,給食の食器洗浄と生徒の手洗い用に使用しております。1990年,ローカルエネルギー開発利用実態調査によりますと,東山小学校における代替効果は,重油に換算して年間893リットル,通常の約40%の削減になっています。それにもかかわらず,1983年以降,石油価格が安値安定のため,新規に採用されておりません。  一方,通産省資源エネルギー庁は,1991年10月,太陽光発電・燃料電池・フィールドテスト事業を今年度に行うことを発表しました。これは,公共施設の太陽光発電導入に対し補助金を出し,一般普及の素地の形成を図るもので,すでに27の団体が名のりを上げています。そこで,質問いたします。  札幌市もこのような補助システムを積極的に利用し,クリーンエネルギーシステムの普及に力を入れていただきたいと思いますが,市としての考えをお聞かせ願います。  最後に,本市における公文書の西暦使用についてお伺いします。  長く続いた昭和が終わって早くも4年目,平成という元号も市民に定着したように見受けられます。しかし,このたびの新5年計画の策定に当たり,市民ネットワークは,第3次長期総合計画も検討させていただきました。これは,昭和63年から昭和80年までの基本政策と主要施策ですが,その際痛感したことは,元号使用による不便さです。昭和80年だけは西暦2005年とただし書きがついておりますが,残りのデータはすべて昭和で記されております。長期総合計画を立案する際,昭和が途中で終わるということが考えられなかったのでしょうか。昭和80年は,永久にやってきません。また,エレクトロニクスセンターに外国のお客様を案内した折にいただいたパンフレットも元号で記されており,担当の職員の方は,計算をして西暦に直してから説明をしていらっしゃいました。  この元号とは,私たちにとって一体何でしょうか。天皇1代に一つの元号とする1世1元の元号制度は,1868年を明治元年としたときに定められたものです。天皇陛下の死によって,きのうまで続いた時代が突然いや応なく終了させられ,翌日から違う時代が始まり,そのことに多大なエネルギーが費やされます。  1979年に成立した元号法が根拠となり,いまだに使われておりますが,その条文は,「1.元号は,政令で定める。2.元号は,皇位の継承があった場合に限り改める。3.附則 この法律は公布の日から施行する。昭和の元号は,本則第1項の規定に基づき定められたものとする。」という大変短いものです。
     当時の大平首相は,「元号法案は,いかなる事態でも元号使用を義務づけるものではないし,国民生活に何ら変わりがない」と答えております。しかし,昭和64年1月7日で昭和が終わり,公私を問わず多数の文書が刷り直しに追い込まれ,本市でも2,000万円を投じ,徹夜で刷り直しや書きかえが行われました。コンピューターのデータを平成に変える作業にも3ヵ月を費やしており,国民生活に何ら変わりがなかったとはとても言えません。また,市民生活に深くかかわりのある市役所,区役所,学校の書類は,一部での併記を除き,ほとんどが元号で記されております。  元号法が成立した時代と現在は,比べものにならないぐらい情報化・国際化が進んでおり,元号使用は外国との交流に際しても不便この上ないばかりでなく,日本国内でのみ通用する元号にこだわることは,日本の国際化の内実までもが疑われるのではないでしょうか。また,世界的視野を持った子供を育てるためにも,西暦を積極的に取り入れることが不可欠であると考えます。新聞によりましては,すべて西暦使用となったものもございます。高齢化対策指針など,21世紀にまたがる施策は,西暦,元号併記の部分もありますが,まだまだ大部分は元号のみで記入されている現状を踏まえ,質問いたします。  質問の1点目として,21世紀を目前にし,国際都市さっぽろとして,公文書及び市発行印刷物は西暦を原則とするお考えはないかどうかお伺いします。  質問の2点目として,段階的措置として,すべての公文書,市発行印刷物において西暦と元号を併用すべきと考えますが,いかがでしょうか。  以上で,私の代表質問を終了いたします。最後までお聞きくださり,ありがとうございました。(拍手) ○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。 ◎市長(桂信雄君) 私から,数点についてお答えをいたします。  まず最初に,使用料・手数料の値上げについてでございます。  使用料・手数料につきましては,一昨日来お答えをしてきておりますように,特定の受益者に対するサービスの対価であるという性格からいたしまして,社会・経済情勢等の変化に対応した見直しを行なっていくことが必要であると,このように考えております。  その改定時期についてでございますが,使用料・手数料については類似するものも多く,それぞれの均衡を考慮しながら適時適切に見直しを行なっていくことが望ましいものと考えているところであります。  次は,先住民族の人権のうち,第1点目と第2点目のアイヌ新法に関するご質問について私からお答えをいたします。  北海道旧土人保護法は,今日は,もはやその存在意義はほとんど失っているものと思われますので,アイヌの人たちの権利が十分に尊重されるための新しい法律の制定が必要であると考えております。  国におきましては,北海道開発庁を中心とする関係省庁によるアイヌ新法問題検討委員会で現在検討中であると聞いております。本市といたしましても,今後とも北海道と協調しながら,その実現に向けて,それぞれの立場から国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  また,新たな施策につきましては,全道的に公平な施策が行われる必要がありますので,アイヌ新法の制定等を見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。  次に,福祉政策についてでございます。  まず,福祉のまちづくりについてでございますが,第1点目の福祉の街づくり推進協議会については,昭和56年,福祉の街づくり環境整備要綱を制定して以来,建物や道路,公園について,体の不自由な方やお年寄りが利用しやすいよう整備改善を進め,国際シンボルマークを交付してきたところであります。しかし,より一層の実効性を上げる必要から,平成元年2月,まちづくりに関係の深い庁内の部長で構成をいたします札幌市福祉の街づくり推進協議会を設置し,この間,PRパンフレットを作成し,関係者や建築士事務所への文書による協力依頼など,具体的な推進策もとってきたところであります。  もとより,福祉のまちづくりを進めるに当たっては,民生局のみならず広く全庁的な推進体制が不可欠であると考えますので,推進協議会に実務型のプロジェクトをつくるなど,組織強化を図り,なお一層効果が,実効が上がるように努めてまいりたいと考えております。  第2点目は,要綱見直しに伴うご提案でありますが,すべての方々に優しいまちづくりを進めるために,体の不自由な方やお年寄りはもちろんのこと,幅広い市民の意見が反映されるようにしてまいりたいと考えております。  第3点目は,札幌市建築基準法施行条例の改正についてでありますが,今後,他都市の状況を調査し,研究してまいりたいと考えております。  次に,在宅福祉についてでございます。  第1点目のホームヘルパーの増員計画についてでありますが,新5年計画におきましては,特別養護老人ホーム等における介護型のヘルパーや在宅福祉サービス協会の拡充を図り,ホームヘルプサービス事業の一層の充実に努めることにしております。具体的には,今年度に現状やニーズを把握するための調査をし,国が示す策定指針を踏まえ,平成5年度に策定します老人福祉計画において確保すべきホームヘルパーの人数を明らかにしてまいりたいと考えております。  第2点目は,委託に伴うホームヘルプサービス事業の責任主体についてであります。  本市の直営ヘルパーの移管につきましては,一昨日加藤議員のご質問にもお答えをしましたとおり,今後,十分検討してまいりたいと考えておりますが,仮に委託することとした場合においても,事業の実施主体はあくまでも本市でありますので,派遣世帯,サービス内容及び費用負担の決定は本市が行うこととなり,その責任のもとに適切な水準のサービスを提供するものであります。  私からのご答弁の最後に,公文書の西暦使用についてお答えをいたします。  本市の公文書や刊行物における元号の表記につきましては,わが国において元号による表示方法が一般的に広く行われているという事実を踏まえて,これを使用しているものが多いわけでございますが,情報化・国際化が急速に進展する中で,これまでも,国外向けに発送する公文書等はもちろんのこと,観光パンフレットなど,諸外国の方々の利用を念頭に置いた印刷物の発行に際しましては,西暦表示が多くなっておりまして,今後とも使用目的等に応じた表記をしていきたいと考えております。  また,すべての公文書,印刷物における元号と西暦の段階的な併用の導入についてでございますが,その種類が多く,使用目的等も多様でありますので,他都市の状況等も参考としながら,併用することが適当なものについては随時取り入れていきたいと,このように考えております。以上です。 ○議長(見延順章君) 魚住助役。 ◎助役(魚住昌也君) 私から,公共施設での熱帯材の使用とクリーンエネルギーシステムの活用についてお答えいたします。  公共施設の熱帯材の使用の第1点目の,本市公共事業における熱帯材の型枠用合板の使用の状況でございますが,わが国では,年間約300万立方メートルの熱帯材が型枠用として使用されていると言われております。本市の公共事業におきましては,約3,500立方メートル,枚数にしまして約19万枚が使用されているものと推定しております。  次に,第2点目の型枠使用後の処理についてでございますが,これらの型枠用合板は平均3回程度使用した後,民間住宅の内外装の下地等に再利用されるほか,本市のごみ資源化工場における固形燃料の原料などとして利用されているところでございます。  第3点目の熱帯材の型枠用合板の使用見直しについてでございますが,たとえば合板の転用回数をさらにふやす方法,熱帯材以外の合板の使用,その他いろいろな方法などが考えられるわけでございまして,本市といたしましては,これらの方策につきまして,コスト面での比較検討なども含めて,今後,調査・研究してまいりたいと考えております。  次に,クリーンエネルギーシステムの活用についてでございます。  お話のありました,地球環境に優しいクリーンエネルギーの活用につきましては,重要な課題であると認識しており,これまでも,ソーラーシステムの公共施設への導入や都市排熱を利用した地域冷暖房事業の推進など,省エネルギーや環境改善に努めてきたところでございます。その実用化に当たっては,採算性などの問題もございますが,今後におきましても国の研究成果等を参考にしつつ,地球環境保全や資源の有効活用といった視点に立って,実現可能なものから具体化してまいりたいと存じております。以上でございます。 ○議長(見延順章君) 荒井教育長。 ◎教育長(荒井徹君) 教育に関する問題について,私からお答えをいたします。  初めに,学校五日制についてのご質問ですが,第1点目の地域住民参加の市民集会の開催についてであります。  学校週五日制につきましては,これまでも関係者から意見や要望を聞いてきたところでありますが,今後とも広くご意見をいただくとともに,PTAを中心に話合いを進め,さらに町内会等を通して,地域の方々にもその趣旨が十分理解されるよう努めていくことが大切であると考えております。  第2点目の子供だけが家に残るということについてでありますが,子供が家庭や地域において自由な時間を自主的に過ごすことは,学校週五日制の大きな意義の一つでもございます。したがいまして,子供たちが図書館や体育館,また児童会館などの施設を有効に活用できるよう,その条件整備に努めるとともに,地域との連携を深めながら,子供たちが進んで参加できる子供館や,スポーツ少年団のような活動の場を広めていくことが大切であると考えております。  第3点目の障害のある子供たちへの配慮についてでありますが,このことについては,私どもといたしましても大切なことと受けとめておりますので,その対応策について今後十分検討してまいりたいと考えております。  次に,先住民族の人権についてのご質問のうちの第3点目,アイヌ民族に関しての歴史教育についてであります。  初めに,アイヌ民族の歴史の指導につきましては,市教委が作成している年間指導計画で,小学校3年生から中学校3年生までの社会科の中に特に位置づけております。また,小学校3・4年生の副読本においても,アイヌ民族の歴史や文化等を取り上げております。ご指摘の和人の侵略によるアイヌ民族の歴史は,小学校6年生と中学校2年生で学習することとなっており,それぞれ子供の発達段階に応じた指導がなされているところであります。  次に,アイヌ民族についての学習や教員の研修会についてでありますが,子供たちがアイヌの方々から直接お話を聞く機会を持つことは有意義なことでありますので,ウタリ教育相談員等への協力依頼や,アイヌ民族に関する博物館などの見学学習のあり方について,さらに工夫してまいりたいと考えております。また,市教委では,昭和57年から年2回の民族教育に関する研修会を開催しており,今後とも教育の今日的課題にこたえるため,北海道ウタリ協会本部や札幌支部のご協力もいただきながら,研修の充実に努力していきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(見延順章君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。  (佐藤寿雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長(見延順章君) 佐藤寿雄君。 ◆佐藤寿雄君 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案85件のうち,平成4年度予算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部予算特別委員会及び委員35人から成る第二部予算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ただいまの佐藤議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案85件のうち,平成4年度予算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部予算特別委員会及び委員35人から成る第二部予算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。  〔付託表は巻末資料に掲載〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) ここで日程に追加いたしまして,ただいま設置されました第一部及び第二部予算特別委員会の委員の選任を議題といたします。  本件につきましては,委員会条例第5条第1項の規定により,当職から指名をいたします。  各位のお手元に配付の委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。  なお,第一部及び第二部予算特別委員会における発言のための委員の交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行なっていただくことといたします。  〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) さらに日程に追加いたしまして,第一部及び第二部予算特別委員会委員長の選任を議題といたします。  (佐藤寿雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長(見延順章君) 佐藤寿雄君。 ◆佐藤寿雄君 第一部及び第二部予算特別委員会委員長の選任につきまして,指名推選の動議を提出いたします。  すなわち,第一部予算特別委員長に柴田薫心君を,第二部予算特別委員長に澤木繁成君を,それぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ただいまの佐藤議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,第一部予算特別委員長に柴田薫心君が,第二部予算特別委員長に澤木繁成君がそれぞれ選任されました。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) ここで,請願・陳情の特別委員会付託についてお諮りをします。  各位のお手元に配付のとおり,保育料の値上げ反対を内容とする請願第129号及び陳情第178号から第183号までの7件につきましては第二部予算特別委員会に,また,市公共料金等の値上げ反対を内容とする請願第130号から第140号まで及び陳情第184号の12件につきましては第一部または第二部予算特別委員会にそれぞれ関係分を付託いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) お諮りをいたします。  本日の会議はこれをもって終了し,明3月5日から8日までは委員会審査等のため休会とし,3月9日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。   ――――――――――――――――      散 会 午後4時11分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長           見  延  順  章  署名議員           柿  崎     勲  署名議員           福  士     勝...