札幌市議会 1992-01-23
平成 4年第 1回臨時会議案審査特別委員会−01月23日-05号
平成 4年第 1回
臨時会議案審査特別委員会−01月23日-05号平成 4年第 1回
臨時会議案審査特別委員会
平成4年第1回臨時会
札幌市議会議案審査特別委員会会議録(第5号)
平成4年1月23日(木曜日)午後1時2分開議
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〇付議事件
議案第1号 札幌市
電車乗車料金条例の一部を改正する条例案
議案第2号 札幌市
自動車乗車料金条例の一部を改正する条例案
議案第3号 札幌市
高速電車乗車料金条例の一部を改正する条例案
請願第69号〜第128号
市営交通の
料金値上げに反対する請願
陳情第134号
札幌市営交通の
料金値上げに反対する陳情
陳情第135号〜第139号
市営交通の
料金値上げに反対する陳情
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〇
出席委員(24人)
委員長 長 岡 武 夫 君 副委員長 猪 熊 輝 夫 君
委 員 山 田 信市郎 君 委 員 室 橋 一 郎 君
委 員 佐 藤 寿 雄 君 委 員 常 本 省 三 君
委 員 伊 藤 知 光 君 委 員 道 見 重 信 君
委 員 藤 田 雅 弘 君 委 員 富 田 新 一 君
委 員 西 村 茂 樹 君 委 員 大 西 利 夫 君
委 員 畑 瀬 幸 二 君 委 員 田 畔 満 君
委 員 森 健 次 君 委 員 春 原 良 雄 君
委 員 柿 崎 勲 君 委 員 小 谷 俵 藏 君
委 員 千 葉 英 守 君 委 員 荒 川 尚 次 君
委 員 小 川 勝 美 君 委 員 横 山 博 子 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 福 士 勝 君
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〇
欠席委員(なし)
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〇説明員
市 長 桂 信 雄 君
助 役 魚 住 昌 也 君
交通事業管理者 三 海 弘 君
交通局次長 土 榮 勝 司 君
企画調整局長 田 中 良 明 君
企画調整局理事 尾 崎 勉 君
財政局長 高 田 恒 君
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〇書記
委員会二係長 野辺地 正 君
書 記 常 野 正 浩 君
書 記 高 井 俊 哉 君
書 記 加 藤 寿 一 君
書 記 佐 藤 比登利 君
書 記 高 佐 三緒子 君
書 記 山 本 扶 美 君
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開 議 午後1時2分
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○長岡 委員長 ただいまから,
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にございません。
それでは,議事に入ります。
市営交通乗車料金の改定にかかわる議案3件及び
料金値上げに反対する請願・陳情合計66件を議題といたします。
初めに,昨日提出を要求いたしました資料について理事者から説明を受けます。
◎大友
管理部参事 お手元に配付しております
財政収支,これのついてまずご説明いたしたいと思います。
昨日お話ございました乗継料金の,いわゆる見直しをした結果の
財政収支でございますが,これでまいりますと,
累積欠損解消,これは今回の改正案では11年度に解消ができるというものが,13年度になりまして17億1,900万の利益が計上されると。
それから,資金面で申し上げますと,
累積資金解消は前の提案では5年度で3億4,000万でございましたが,これが10年度において1,200万の資金残という状況になるという
収支見通しでございます。以上でございます。
○長岡 委員長 それでは,質疑を行います。
◆富田 委員 昨日,資料の提出を求めた関係で,きょうの質疑順番ございますけれども,最初に発言をさせていただきたいと,こう思います。
ただいま
累積欠損金の収支の状況についてご報告をいただいたわけでありますが,これでいきますと,やはり種々論議の中で,当局が決断をされた乗継料金の提案したものを変更したと,こういう形の中で,その減少分を十分に確保し切れないような状況を感じるわけであります。そうなりますと,今後の
交通再建の中にありましても,やはりいろいろな支障を来たすような感じもしないわけではございません。
そこで,私はやはりこうした当局の決断によって,市民がいわゆる
公営交通としての信頼性を一層高めていくという観点に立てば,今回の乗継料金のたとえばバスの場合は20円に減額するというものを30円に戻すと,こういう中で逸走率というものも相当少なくなるんじゃないかと,あるいは,いままで予想されていたよりも乗客が離れないで済むんじゃないかと,こういう意味での増収分もあろうかというふうに思うわけですが,それらとそれ以外の
増収対策というものについて,この場合,どのような考え方できょうの試算になっているかということについて,まず1点お伺いしたいと思います。
同時に,これらの問題は,昨日までいろいろ質疑が交わされているわけでありますが,何といってもこの再建策というものを成功させなくちゃいけないということになりますと,
需要喚起にかかわる対策が,これは非常に重要だというふうに思うわけであります。
そこで,たとえばバスと
基幹交通である地下鉄と短絡をする,その短絡にありましても,たとえば南北線の麻生駅においては
中央バスと短絡をしていると,これらの短絡が本当にスムーズに行われているのかどうか,こういう点の実態把握なり,今後それらに見合う強化策というものをどう考えていくかということがあろうと思います。
これらはなぜかと,なぜこういう話をするかといいますと,昨日の話にもありましたように,たとえば南北線,従前に比べて乗客が非常に減少していると,そして加えてこの需要の将来的な見通しにあっても,平成7年においては対前年
比マイナスになると,こういうデータにもなっております。これはやはり
需要喚起策上からいっても十分なものでないんじゃないかというふうにも考えられます。私はやっぱりそういう問題についても,
企画調整局を含めて全庁的な取組みの中においてもそれらの対策がしっかり講じられるべきだというふうに思います。
同時に,ただいまのこの資料の中で,減収になる,いわゆる約4億円の減額になる部分の解消策というものを含めて提案をされている状況からしましても,やっぱり不安が出てくるということからいきますと,昨日の
大西委員の質疑の中で,たとえば
赤字路線である
生活路線の
一般会計からの繰入れというものについて,昨日は
企業管理者は
一般会計からの
財政支援も含めて対応してまいりたいと,このような答弁があるわけですけれども,こうなりますと,
一般会計からのほかにも何か考えていることがあるのかなというふうにもなるわけですが,これらの面のしっかりした考え方というものも聞いておきたいというふうに思うわけでございます。
同時に,この場合
事業管理者として,こういう
一般会計からの
財政支援というのを見込んでいるわけでありますが,問題は,財政当局がそうした支援体制というものをしっかり組んでいくのかどうかというのが今回のこの乗継料金の見直しによる減収分の確たる担保がとれるかどうかというところにかかわるんじゃないかというふうに考えますので,質問をいたします。
◎三海
交通事業管理者 まず,第1点目の乗継料金の見送りによる減収に対する
増収対策というご指摘でありますけれども,きのうの論議の中でも段々のご指摘がありましたとおり,今回の
料金値上げについては,相当大幅になる。しかし,
交通事業が再建をする意味で,何とか市民の方,利用する方にもご理解をいただきたいということで私ども提案をしておりますが,まして
バス事業については,そういう意味では
値上げ率が非常に高いということも含めて,前向きに乗継料金については検討するというお話をさせていただきました。その対策としてのいまのご指摘だと思いますけれども,いま私どもが考えて,あるいは決意をしていることは,きのうもお話を申し上げましたけれども,プリペイドカード,あるいはいろんな意味での乗客の対策を一層進める考えと,さらに,これは年間,昨年の実績でも相当数の観光客がございます。そういった観光客をぜひ私
ども市営交通に呼び込むような魅力のある企画商品をぜひ開発したい。あるいは麻生の問題にも,いまお話が2点目にありましたが,たとえば麻生におきましては,
中央バスは路上で短絡をしている,地下鉄駅に短絡をしているという実態があります。
バスターミナルのそういう容量の問題がありまして,現実的にはそういう対応がありますけれども,ぜひ,私どもがいま建てかえをいたします
バスターミナルの中に
中央バスも取り込んで,利用客の利便につながるような施策を含めて対応していきたいというふうに考えております。
あわせて,南北線に限って申し上げますと,たとえば段々の論議がございましたように,中間駅の設置等によって,
バス利用客に利便をまた図ると,そういうようなことも含めて,何とか乗継料金を見送ることによっての減収を
増収対策でカバーをしていきたい,そういう努力を一層させていただきたいというふうに考えております。
それから,最後にありました
赤字路線の問題,これ財政のほうからもお答えがあるかと思いますが,私は,きのう
一般会計を含めてというお話をしましたのは,
行政路線として残さなきゃならない路線は,これは
一般会計を含めてというお話の中には,まず
一般会計ありきという意味で申し上げたつもりではございません。私ども74路線営業している
バス路線の中で,今回徹底的な健全化をいたします。そういった中で,ほかの路線で生み出す増収をこういった
赤字路線にも対応していく,そういう意味で,そういうことの努力を積み重ね,さらにそういうことの結果として,まだ不足するものについては相応の
一般会計から負担をお願いをしたいと,そういうことで,赤字であっても,きわめて地域的に密着している
生活路線については,ぜひ存続するように努力をしていきたいと,そういう意味で申し上げたことであります。以上であります。
◎高田
財政局長 自動車事業に関します
一般会計からの補助についてでございますが,従来からも30億近い補助金額を
バス事業には投入をしてございます。これは
民間バスにはないことで,この補助につきましては,かっての
財政再建の中におきまして措置をいたしましたものをかなりそのまま今回までもずっと続けているものがございまして,その中身については,必ずしも
赤字路線だからこれだけの金額を入れるというやり方にはなってございません。かなり一律的な補助のあり方ということになってございます。
そういう中で,今回再建計画を立てるに当たりましては,向こう10年の中で
累積欠損を黒字に転化するという中での
一般会計の支援をどうするかということで,新たな補助というものを考えさせていただいたわけでございますが,ご指摘の中にございますように,
生活路線なり,それが赤字になるというようなことの中で,現実に
運行最低路線の評価というものが必ずしもきちんとした形で定まっているわけでございません。私どもとしては,少し時間をいただきながら,走っている路線,これについては今後東豊線の開通に従って整理されるようなものもございます。そういった中身の動く可能性も含めながら,今後どういうような収支になるのか,不採算路線であっても住民の方々にとってどうしても欠くことのできないものであるか,そういった評価をきちんと定めた上でしかるべき補助というものも考えていくべきであろうというふうに思っております。そういう中で,私
ども一般会計の役割を果たしていきたいと考えているところでございます。
◎三海
交通事業管理者 先ほど私の答弁の中で補足をさせていただきたい事柄がありますので,お許しいただきたいと思いますが,いろんな意味での
増収対策というお話をいたしました。その中で,きのうも
佐々木委員からご指摘がありました地下鉄駅等々におけるエレベーターの設置の問題,これはきのうも助役から,今後努力して10年間でぜひ未
設置箇所については頑張りたいというお話をしておりますが,それは一つには,そういうことを努力をすることは,私どもいま申し上げた,バスのみならず地下鉄も含めて,乗客誘致,乗客の拡大という意味につながります。そういう意味で,できるだけ早い時期に,未
設置箇所については設置するべく努力をしてまいりたいと,これをつけ加えさせていただきます。
◆千葉 委員 昨日から乗継割引の問題につきまして論議が展開をされ,いまも管理者からもご答弁をいただきました。現行30円を20円にするというやつを30円に据え置くということでございますので,段々のお話の中でご努力をされるということでありますから,ぜひひとつ市民の利用の利便という観点からも,あるいはバスの
利用減少につながるというおそれもあるわけでありますから,大変厳しい状況ではあるでしょうけれども,ぜひひとつご努力をいただきたいことを,わが会派としてもご要望をいたしておきたいと思います。
健全化あるいは
料金改定について,地下鉄・バスの部分についての質疑が非常に多うございますが,私としては
路面電車事業のことについていろいろ質問をしてみたいなと思っております。
札幌市の
交通体系というのは,言うまでもなく地下鉄を幹線として,バス,あるいは
路面電車がそれを補完していくという
交通総合体系になっているわけでありますをけれども,しかし,中央区の沿線地域にとっては,この
路面電車というものが唯一中心的な公共機関であるわけでありますから,
大変電車というものに愛着を持っておりますし,何としても存続をしていかなければならない,そういう意識が非常に高うございます。ですから,数年前にも「市電の会」というものを,地域の後援会というんですか,電車を守る後援会という位置づけの中で,電車をもっと利用していこうではないか,そして市電をもっともっと利用しやすいものにしていこうと,こういうことで頑張っているところであります。
また,
交通事業の再建という今回の事態の前からも,
電車事業所は労使ともに地域の中に入って,ぜひひとつ
需要喚起に協力をしてくれということを言い続けておりますし,私もその姿を見せていただいておりまして,大変前向きに頑張っているんだなということを痛感をいたしているところであります。
そこで,いま1路線1系統8.5キロ走っているわけでありますが,昭和54年当時1日当たり3万7,000人の乗客があったわけでありますけれども,年々3%ずつ減少し始めた。しかし,ここ1年,2年前ぐらいから少しずつ乗客がふえ始めていた,こんなことも聞いているわけであります。確かに
中央図書館ができましたし,住宅公団の
サンタウン等,新しい施設ができてまいりましたので,そういうこともあってふえてきたのかと思うんでありますが,そこで質問をさせていただきますが,最近の乗客増加の要因をどのように分析をされているのか,そして今後どのように推移をしていくのか,まずお尋ねを申し上げたいと思います。
それから,
乗客サービス業,まさに公営といっても,まさに
乗客サービス業である。きのうも何かそのようなお話もありましたけれども,まず乗せる側にとって一番大切なのは,やはり
サービスが行き届いている,あるいはその乗り物が快適である,そして一番大事なことは定時性であり,そして定速性であると,そういうものがきちっと守られて,乗せてもらう側というか,乗る側,その者の信頼を得ていくことになるのではないかと思うわけであります。
そこで,この再建の問題,いろいろと私も地域の方々にお話を申し上げておりますが,このことだけはぜひ言ってくれと,こういうこともありますので,お話を申し上げたいと思うのでありますが,電車の車両現在30両ございます。きのうのお話の中でも,30年以上走っているのが15台ですか,半分以上が30年以上走っているということで老朽化も非常に激しくなってきているわけでありますが,近年車両改装,改修っていうんですか,専門用語で言うと艤装改修というそうでありますが,大変車体もきれいになってまいっておるんですが,私もずいぶん乗る場面がありますし,これは何とかしなきゃならんなと思うのはステップの問題であります。非常に2段目というんですか,高うございまして,ご婦人の方々だとか,あるいはお年寄りの方々だとか,また
身体障害者の方々と,非常にあの階段というか,段は高過ぎる,何とか解消できないかということを私も前にお話を申し上げたことがあるかもしれませんけれども,何とか研究をしてくれということを申し上げておりますが,当時の段階では,なかなか構造的に難しいと,十分そのことはわかるんだけれども,何としてもそこまでならないということでありますけれども,その後,研究を続けるということを言ってくださっておりますが,その研究の成果はどのようになっているのかお尋ねをしたいと思います。
次に,
安全地帯の
ロードヒーティングという問題がございます。
これも長年ずっと取り組んでいることでありますけれども,私いつも申し上げているんですが,
安全地帯というのは電車の停留所だけであるという使命だけではなくて,やはり乗客を車から守るということが大きな使命の一つでもあるわけでありますが,この冬なんかも非常に雪が降りますが,非常に滑って危い。後ろのほうには,どんどんどんどん車が走ってくるというような状況の中で,
ロードヒーティング化を早急に進めなければならないと,こういうことでなかろうかと思いますが,現在何か6ヵ所ほどされておるわけでありますが,46ヵ所の停留所があるわけであります。こういう問題についてどのように考えておれるのか。あるいは,審議会の中でも
接近表示灯ということをぜひ増設すれと,こういうことも言われております。大変夜なんかは,電車がいつ来るのかなと,こんなことでずっと待っているんでありますが,なかなか時間表等もないということで,表示灯があれば,間もなく来るんだなというようなことも十分わかりますので,こういったことも
乗客サービスの一つになるんではなかろうかと思うわけであります。
それから,定時性,定速性を確保するためのご努力についてもお伺いをしたいと思うのでありますが,沿線の
交通混雑ということが当然ありますから,定時性,定速性を守っていくということは非常に難しいと思うわけであります。しかし,この中央区というのは,都心を走る乗り物でありますから,そのことはもう避けて通れないことであります。しかし,市の
交通部局ばかりでなくて,市の
総合交通体系の中で,いろんなことが解消できるんではないかと,そんな思いもするわけでありますが,先般も
都心交通対策協議会の中でも,いろいろ答申をいただいております。そんな中で,
交通混雑をどのように解決していくのか,あるいは
除雪対策はどのようにしていくのか,また,
違法駐車対策はどのようにしていくのか,こういう問題,あるいは一番問題になるのが信号機の問題であります。停留所の前の信号機は別としても,停留所から停留所の間の中間的な信号機については,何らかの方法でストレートに走っていけるということがあれば,1分でも2分でも早く目的地についていけるということがありますので,これらの問題も十分研究をされておると思いますし,当然道警との絡みもあると思いますが,その辺のことがどのようになっているのかをお尋ねを申し上げたいと思います。
◎入江
管理部長 順にお答えを申し上げたいと思います。
軌道事業でございますが,昨日も
大西委員のお話もございました。確かに中央区のシンボルとして,また札幌市全体にとりましても,街のロマンとしての一面もございまして,根強い人気があるわけでございます。その陰には,ただいま
千葉委員もお話ございました,沿線にお住まいの市民の方々が,後援団体とも言うべき「市電の会」と,こういうのを結成していただいておりまして,
市電まつりでありますとか,いろいろな行事を初めといたしまして,ご協力をいただいております。非常にありがたく思っているところでございます。
乗客の伸びでございますが,確かに平成2年度には1日当たりの利用していただくお客様が2万5,000人程度と,過去の最低値を示すまでに落ち込んだわけでございますが,
職業安定所がハイカラな名前でハローワークと,こういうことで改名して沿線にいまお目見えをしたり,また教育大学の跡地にも,
中央図書館でありますとか,大規模な公団の住宅と,こういったものが完成したこともございまして,おかげさまでお客様は前年比5%の増加を見ているところでございます。
当然,その要因といたしましては,いま申し上げたようなこと,施設配置による集客効果,これが大きいわけでございますが,また,公害のない無
公害交通機関として,さらに観光客にも都会の一つのロマンとして見直されたと。それに,若干手前みそになって恐縮でございますけれども,第一線の現場の乗務員等の
定時運行へのひたむきな努力と,こうしたものが良好な結果につながっていると,このように認識をいたしております。今後も
サービスの向上と
需要喚起に努めまして,より乗客増の確保に努めてまいりたいと,このように考えております。
それから,定時性,定速性の関係でお尋ねがございました。こういったものを守り,また向上させていく手段といたしましては,信号の
電車優先信号システムと,こういったものも考えられるわけでございますが,道警といろいろ協議しながら導入の研究を進めてはおりますものの,まだ,特効策と,こういうものを得るまでには至っておりません。
電車優先信号システムを採用しております他都市では,たとえば公営では函館市,民営では広島市等がすでに一部区間で実施をしておりますが,逆に
交通渋滞を招いたり,乗降客のばらつきなどの要因から必ずしも効果的ではないと,このように聞き及んでいるところでございます。しかし,少しでも定時性,定速性を高めるということは大切なことでございますので,
路面電車の
運行実測データ,こうしたものをもとに,さらに道警等とも話し合いまして,改善に努めております。
信号待ちの時間が少し最近は減ると,こういうような結果を得ているところでございますし,これからもさらに研究をしてまいりたいと思います。
それから,ちょうどいまごろの冬のシーズンは,どうしても沿線の路上駐車と,こういうことが
定時性定速性の面では障害となるわけでございまして,沿線の代表であります市電の会の皆様方や
交通指導員の方のお力もおかりして,合同で,実は沿線の住民の方にチラシを配るなどの協力や呼びかけを行なっておりますけれども,これもさらに今後進めてまいりたいと,このように考えております。
それから,
安全地帯の
ロードヒーティング化につきましてお尋ねがございました。
いまありますと申しますか,既設の
安全地帯は,ご案内のように古いレールを曲げましてといいますか,枠にしまして,その中にコンクリートを流しただけのものでございまして,20年以上も経過し,老朽化も進んでございます。特に
千葉委員ご指摘のように,冬場におきますと滑る等がございまして危険でございますので,乗降客の安全確保と,また除雪作業の省力化と,こういう効果を考えまして,ヒーティング化を進めております。向こう5年間で10停留所,10の停留所を20ヵ所程度を予定いたしておりまして,計画どおり実施されますと,46ヵ所の
安全地帯の約6割がヒーティングを施した
安全地帯となると,こういうことに相なるわけでございます。
それから,電車
接近表示灯につきましてもお尋ねがございました。
接近表示灯は,カーブなどによりまして電車の接近が見えない場所に設置しておるものでございまして,一つ前の停留所を発車したときに,女性の声で,「間もなく電車が参ります」と,こういうアナウンスがされると同時に,ランプが点滅する仕組みになってございます。お客様のいらいら防止と,それから,お客様離れと,こういうことを防ぐためにつけておりますけれども,これもさらに効果的な場所に設置する方向で検討してまいりたいと,このように考えます。
それから,車両のステップの改善計画についてお尋ねがございました。
若干専門に及ぶことでもございますし,実際に改善を進めております
電車事業所長のほうからお答えをさせていただきます。
◎青木
電車事業所長
路面電車のステップの改善計画についてのご質問でございますが,電車の乗降口のステップは,現在,在籍車両30両のうち,新型電車6両については3段ステップになってございますので,大変お年寄りにも乗りやすい設計になってございます。
しかし,在来車24両につきましては,2段ステップということになっております。ので,高さが相当あり,お年寄りから乗りにくいというご意見をいただいております。そんなことで,いまいろいろ検討してございますが,在来車を新型電車並みの3段ステップに改善するということは,床下に機器配置がございますので,構造上非常に難しゅうございますので,経費の余りかからない方法で,2段ステップの高さを調整することで現在試作車を1両つくっております。実際にこれをつくりまして,営業路線でテスト運行してございます。このテスト運行の結果から見まして,特に問題がなければ,平成4年から5年をかけまして,在来車全部を改善したいと考えております。以上でございます。
◆千葉 委員 停留所の
ロードヒーティングの問題でありますが,いま5ヵ年の中で,約6割の
ロードヒーティング化ができると,こういうことでありますが,しかし,停留所というのは,これはもう平等でなきゃならないわけでありまして,やっぱりやるときには,みんな一遍にやってしまうということぐらいのことがなければなかなか大変だ。確かに財政的なこともあろうかと思いますけれども,これはもう早急にやっていくと。やっぱり乗客の安全確保ということが大切なことでありますから,ぜひひとつ,6割なんて言わないで,10割やれる,こういうことで取り組んでいただきたいと,こう思っております。これは要望にしておきます。
次に,
需要喚起策の問題であります。
この
需要喚起策を拝見をいたしましたけれども,地下鉄周辺に非常に重点が置かれているわけであります。私もこれ見て残念に思ったわけでありますけれども,やはり何としても沿線の
需要喚起が必要なわけであります。確かにこの資料を見る限り,電車事業は4年度で単年度黒字になる,8年度には累積赤字が解消されると,こういうことでありますけれども,しかし,これは3年置きに10%程度の値上げをするということが大前提になっているわけであります。これ地下鉄と違って電車の部分については,ある程度資本投下が終わっているわけでありますから,この
需要喚起策を一つでも二つでもすることによって,自賄いで運営ができていくわけでありますから,ぜひお願いをしたいと思っておるんですが,沿線周辺の土地の高度利用あるいは公用地活用,あるいは空地対策,これらを踏まえながら,どのように考えているのかお答えをいただきたいと思います。
◎尾崎
企画調整局理事 市電沿線の
需要喚起,特に高度利用,空き地対策等でございますけれども,基本的には,緩和型の地区計画制度など,地区の特性に応じた都市計画手法を活用して,高度利用することによって
需要喚起を図ってまいりたいと考えております。
また,老朽住宅が密集している,あるいは公共施設が不十分だという地区等につきましては,市街地再開発事業の適用についても検討していきたいというふうに思っております。
それから,沿線での未利用地等の対応でございますけれども,現在,これは市電沿線だけに限っておりませんけれども,未利用地についての実態調査をいま行なっております。したがいまして,この調査をもとに未利用地の土地所有者に対する緩和型制度の活用について,積極的に働きかけをして,有効活用を進めてまいりたいというふうに思っております。
それから,公的公共施設的な活用ということでございますけれども,市電沿線につきましては,市有地というのほ,ほとんど限られたところにしか現在はございません。これらについては,本当にこれは札幌市全体の貴重な財産でございます。しかも,これからまたいろんな全市的,中央区含めまして,いろんな施設建設といいますか,考えていかなきゃなりませんので,これらについては慎重に検討していきたいというふうに思っております。
◆千葉 委員 いまご答弁をいただいたんでありますが,沿線にはずいぶん公用地としてあいているところがあります。たとえば具体的に申し上げると,昔の水道局庁舎の跡地であります。いま旭山記念会館ということで利用されておりますが,その上は,まさに市の文書の倉庫になっているわけであります。あんな一等地に市の文書の倉庫なんていうことは,ちょっとわれわれ民間から出た者にとっては考えられないことでありますし,大変広い敷地を持っているわけであります。また,電車車庫の横にあります,いまは伏見小学校のグラウンドで一部使っておられるようですし,また,その後ろのところにも空地があります。これはもう何年も前に市が購入されたところでありまして,非常にそれからの実質的な計画が盛られていない。
あるいは中央保健所,いま新しく建てていただいておりますけれども,この跡地利用のことについても,こんな立派ないいところの跡地利用が,確かに都心の有効活用で大切な土地だと思いますけれども,もっとやっぱり積極的にこういうものをどうしていくかということも考えていかなきゃならないと思っております。
また,民地で,南6条の西15丁目,NTTの駐車場,これはもう私の小さいときからずっと駐車場になっているわけであります。こんな都心の一等地にずっと放置をするんでなくて,やはり民間にも,ぜひひとつ何かを建ててくれと,協力をするぐらいの市の対応があってしかるべきではないのかと,こう思うんでありますが,ぜひこの辺のご見解をもう一度お伺いしたいと思います。
◎田中
企画調整局長 いま
千葉委員のおっしゃること,私もそのとおりだと思います。電車の軌道のちょうど中側というのは,電車自身が本当に札幌市民に親しまれる乗物であると同時に,あの地域は本当に札幌市の,何ていうか,古くてよい時代からの続いているところであります。藻岩等の山並みの下にあったりなんかして非常に札幌らしい,懐かしい場所でもありますので,これから本当に大切に土地利用を考えていかなくちゃならんところだと思っております。
具体的にいま案がないので,申し上げることができないのは残念でありますけれども,ただいまの個々具体的な場所に関しましては,私たちもよく承知をしておりますので,お住まいの方々のご要望等もお聞きしながら,本当に,ずっと未来まで,将来まで使える,親しまれるいいものをつくっていきたいというふうに考えております。
◆千葉 委員 次に,電車とロープウェイとの連動による市民あるいは観光客の利用しやすい施策をという観点からひとつ申し上げたいと思うんですが,63年の2定でも私この問題,代表質問で取り上げさせていただきました。ロープウェイ施設の整備ということで,自然を利用して,子供さん方にも,若い人たちにも魅力ある施設づくりということでありますし,また,市電とロープウェイとを直接つないでやるぐらいの発想があってもいいんではないかというようなことを当時申し上げたわけであります。
そこで,少しダブるかもしれませんけれども,電車沿線のロープウェイは,電車沿線の最大の観光資源であります。ですから,こういうものも十分考えていかなきゃならんと思うんでありますが,このロープウェイ周辺の整備計画をどのように考えておられるのか。
それから2点目は,きのうも少しお話が出ておりましたけれども,ロープウェイ発着場に,横に渡辺淳一さんの記念文学館を建てるというような話も出ておりますが,この具体的な計画はどのようになっているのか,この2点をお尋ねしたいと思います。
◎上島 事業推進部長 まず第1点目の
路面電車を藻岩山のロープウェイの山麓駅に接続するということで,観光客等の誘致を図ったらどうかというお話でございます。電車をロープウェイに接続させることは,札幌の観光の大きな目玉になり,乗客増にもつながると思っております。
そこで,開発が可能な市街化区域の面積約2万7,500平米がありますが,これにつきまして,実は民活によりまして,
路面電車をロープウェイ駅に上げ,連結させることを条件に一体開発ができないかということで,昨年の7月以来数社に開発の打診をした経過がございます。その結果は,残念ながら,いまのところは投資額が大き過ぎると,採算ベースに合わないという意向が示されておりますけれども,電車をロープウェイ駅への接続につきましては,難しいという状況。ただ,ロマンのある事業でございますので,電車とロープウェイの有機的連携,それからロープウェイ用地の一体開発に努力してまいりたいと,こう考えてございます。
それから次に,渡辺淳一文学館のお話でございます。
これは,渡辺淳一さん,小説家でも医者でもございますけれども,この知人と関係者の方からの,実は藻岩のロープウェイ用地内を適地といたしまして,ここに文学館を建てたいということで,土地の借入れの申入れが昨年の秋にございました。ここの地区は風致地区に指定されておりまして,15メートルまでの高さ制限がございます。提案をされた案では,敷地面積は約1,000平米で1階にレストランを,2階に文学館を,3階にホールを設けた3階建ての施設計画を立てております。
文学館構想と,それから申入れに対しまして,局内で検討いたしました結果,文化的な資産活用も有効と判断をいたしまして,昨年の12月に土地の貸付けを行うことで基本的な合意はしております。現在,具体的な詰めを行なっているところでございます。
なお,今後のスケジュールとしては,ことしの春の雪解けを待ちまして,測量を行なって,その後具体的な設計に入るということの予定になっております。以上でございます。
◆千葉 委員 ロープウェイ周辺の開発の問題,お話を承って,民活でやりたいと,こういうことでありますが,ご答弁の中に,非常に何ていうかな,消極的だというような感じがあるわけであります。やはりあれだけの観光資源を持って,札幌市がやっぱりもっと,どうしていくんだということが,もっともっと論議をされて,そしてその上で民間にも協力を得ていくということが必要ではないかと思うんであります。
神戸なんかは私もよく行くんでありますが,あれだけの土地を本当によく,うまく利用しながら開発をしている。すばらしいと思うんです。やはり市が主導でどんどんどんどん事業を進めていく,そして民活も取り入れてやっていくと,こういうことが街のよさでもあるんではなかろうかと思うんですが,これだけの自然を持って,これだけの立地を持っておって,もっともっと開発がされていかなければならないと思うのでありますが,緑化推進部あるいは企画調整,そういうみんなの知恵を出しながらやっていくと,こういうことが大事でなかろうかと思うんですが,管理者どうですか,これ,ロープウェイ周辺の開発については,もっと積極的にやるという強い意欲をお持ちなんですか,ひとつ最後に。
◎三海
交通事業管理者 いま
千葉委員ご指摘のとおり,これは全庁的な取組みでということがまず必要かと思いますが,私ども
交通事業者の立場から申し上げますと,せっかくのロープウェイなり,それから,山麓駅のところには交通局の土地も持っております。したがって,
路面電車等含めて,連携のある活用の仕方というのは大変魅力のある話だと思いますし,積極的な取組みをぜひ進めてまいりたいと,そのように考えております。
◆荒川 委員 私からも4点ほどお尋ねをしたいというふうに思います。
最初に,いわゆる
需要喚起策についてであります。
喚起というのは,呼び起こすということでありますが,私は乗客誘致といいますか,そういうようなことをもっときちんと位置づけた対策が必要でないだろうかというふうに思うんです。
いただいた資料を見ますと,4年後に地下鉄で1日2万人の乗客増,8年後にプラスまた2万人の乗客増という戦略的な
需要喚起策というのがありますが,果たしてこれが戦略的なのかと思うようなことがあります。たとえば,平成8年度ですから4年後でないですか。この戦略的な
需要喚起策という第1次の2万人の乗客増対策というものの中に,生活工房札幌ファクトリーというのがあります。これはサッポロビールの跡地,いま北2条の東3丁目から4丁目,ここにかけて大規模に進められている再開発プランでありますけれども,年間700万人の集客を予想している。1日2万人ですよね。この集客を予想している札幌ファクトリー,これについて聞きますと,その1割ほどを地下鉄東豊線で見込んでいるというわけですね。そうしますと,年間70万,1日当た2,000人ということになるのではないかとは思うんですが,しかし,アクセスについて言えば,何ら市の交通局として積極的な対応策は見られないと思うんですよ。
聞きますと,サッポロビールの側では,循環シャトルバスを回して,利用客を誘致するという計画があるということなんですね。私は以前から言っているんですが,いま千葉さんも言われましたけれども,1日2万人もの需要があるところに,なぜ積極的なアクセスを行なって地下鉄につなぐというようなことをしないのだろうか。既存の北3条を走っている市営バス1系統,場合によってはそこで吸収しようとしているのかもしれませんが,あるいはお客さんに地下鉄のターミナル駅,バスセンター駅ですか,そこまで歩いてもらおうと,あるいは都心,大通なり,さっぽろ駅まで歩いてもらおうというふうに考えているのかもしれませんが,一方で,サッポロビールの側がシャトルバスを循環で回すというようなことを考えているのと対比するとき,戦略的な
需要喚起と言いながら,きわめてこれは待機の姿勢でないだろうかというふうに思うんですよ。
いま最近の新聞を見ますと,北3条の東8丁目には,今度は厚生病院が移築をすると,これもベッド数500ほどの総合病院ですから,外来患者もやはり1,000人ほどにはなるのではないかと思います。この入院者に対するお見舞いや,そういう需要というものを考えるときに,私が従前から言ってきたことですが,苗穂線の市電の復活,これはたとえば駅前通でピストン輸送になるような形をとる場合があるかもしれません。あるいは駅前通を回して北5条通を走らせて,一方で,市立札幌病院も桑園に移転するわけですから,こちらに対する患者さんや利用者の足を市電で確保する,地下鉄にもつないでいくというようなことを,やはり考えていいんじゃないだろうかと思うんですよ。
いま言いました中央区の中での苗穂地区あるいは桑園地区,私が従前にも申し上げてまいりましたように,都心部,中央区の中では交通過疎地帯となっているわけですね。バスは走っているには走っているけれども,非常にわかりづらい。歩くかタクシーを使うか,あるいはマイカーかというふうな人の移動が主体になっているところで,新たなこういう大型な施設が計画されて,需要が見込まれるときに,積極的に市電でつないで,地下鉄につないでというようなことを考えるのが,戦略的な
需要喚起策ではないのかなというふうに思うものですから,戦略的と言いながら,きわめてちぐはぐな対応についてどういうふうにご説明されるのか,まずお尋ねをしたいと思います。
それから,交通計画的な
需要喚起策というのがこの
需要喚起策の柱の一つになっておりますけれども,ここではパーク・アンド・ライド,自動車からの転換促進ということが大きな柱になっておりますのに,一昨日来の本委員会での質疑でも,この問題取り上げられておりますけれども,この交通計画的
需要喚起,パーク・アンド・ライド,こういうようなテーマにふさわしいような計画になっているかということですね。従前パーク・アンド・ライドという方式での駐車場の確保で言えば,二十四軒,澄川,自衛隊前,大谷地,それに厚別の副都心公社が経営する新さっぽろの駐車場,こういう形で700台ほど,そこで車を置いてもらって地下鉄に乗ってもらうと,こういう方式がとられているのに加えて,今度の新しい計画では,説明がありましたように,真駒内と大谷地で新たに600台ほど,これがパーク・アンド・ライドとして本市が
需要喚起策としていま推進しようとしているものなんですね。この大谷地は交通局の用地の駐車場を立体化していこうということですね。これは駐車場を拡大できる条件があるからやるという場所だと思うんです。真駒内も高架下に駐車場を確保するということですから,これもそういう条件があるからやってみようというような程度のことではないのかなと思うんです。
パーク・アンド・ライド,そしてマイカーの都心乗入れを締め出していこう,そして本市の大量交通機関,地下鉄に乗客を誘致しようというからには,この程度のパーク・アンド・ライドでいいのかなということなんですね。当然のことながら,地下鉄の主要駅,交通の結節点になっているような駅に,パーク・アンド・ライドという名にふさわしいような,低廉で利用しやすい大型の公共駐車場,こういうものが
需要喚起策として計画されてしかるべきではないのかなと。いま現に本市の地下鉄の状況を見ながら,パーク・アンド・ライド方式として,ここに施設があれば,これは乗客誘致につながる,そういう地下鉄の駅はどれほどありますか。それにどのような対策,対応を持って臨もうとしておられますか。やれるところやってみて,それで
需要喚起などというのは,パーク・アンド・ライドという名に値しないと言ったら,これは極端な言い方になるかもしれませんが,もっと大胆にこういうことは進めるべきではないだろうかと。
この委員会での論議でも,競合するJRなどへの乗客の移動,それから,マイカーへの乗客の移動,これが乗客の低迷,減少を招いている,こういうふうにはっきりされているわけですから,マイカーから地下鉄に乗り移ってもらう。このパーク・アンド・ライドというのは,私はもっと本腰を入れて,必要な駅に具体的な検討を加えて,その実現を図っていくというような姿勢が必要ではないかというふうに思いますので,この点についてお答えをいただきたい。
それから,
バスターミナルの問題です。
いま工事が行われている地下鉄東豊線の福住までの延長区間で,
バスターミナルというのは福住
バスターミナルですね。福住
バスターミナルだけでいいのかなという問題です。月寒であるとか,美園であるとか,こういうところに
バスターミナルが設けられるということが,乗客の移動の状況に即して検討されたのかどうかですね,必要がないのか。
中央バスの東豊線への短絡が全体で7割というような話がありました。これはまた乗継問題とか絡んできますから,それはまた後でお尋ねをしますが,本当に地下鉄を利用してもらうための駐車場と,それから
バスターミナル,こういうような施設,これを交通計画的
需要喚起策という中に必要なものを計画するという,そういう姿勢が必要ではないかと思うんですが,東豊線は福住の
バスターミナルだけで事足れりということなのかどうか,これ考え方をお示し願いたい。
福住につなぐバスは福住以遠のバスでしょう,お客さんは,福住以遠と福住から都心寄りの需要とで見れば,ずっとこちらのほうが多いんじゃないでしょうか。そういう人たちを地下鉄につなぐ
バスターミナルというものが計画されないというのは,これはどういうことなのか明らかにしていただきたいというふうに思います。
それから,
需要喚起策のもう一つの大きな柱,それは都市計画的
需要喚起策というふうに銘打っておられますけれども,ここでは,交通局の施設,用地の積極的活用ということがうたわれております。そして,一昨日来の論議の中でも明らかになってきておりますけれども,現在,利用している事業用地についても,これを地価の3%程度の地代で民間に貸し,そして建物を建てらせて,そしてこれを施設の有効活用というふうにして一定の収入を見込む,こういうことなんですが,私は,特定企業に利益を提供するようなこういうやり方よりも,むしろ先はど言いましたパーク・アンド・ライド方式,こういうものをこういう施設に併設するというようなことを考えたはうが,むしろ旅客誘致に,
需要喚起につながるのではないかなというふうにも思うんですよ。
たとえば施設の有効活用のところで計画されているのは,地下鉄の琴似駅の
バスターミナル,この上に8階まで建物をかさ上げして,それを民間に使ってもらうという施設の有効活用というのがありますが,地下鉄の琴似駅と言えば,私はやっぱり,札幌市の地下鉄駅の中でも重要な交通の結節点だと思うんですね。パーク・アンド・ライド方式を本気で考えるならば,やはりこういうところに駐車場が必要ではないのかと思うんですよ。ここにたとえば立体的な駐車場を確保して,そしてマイカーの地下鉄誘致を図るとかいうことをなぜ考えないのか。民間に提供することによって何ぼかもうかるというようなことは,必ずしも施設の有効活用,
需要喚起という意味ではきわめて狭い考え方ではないのかなというふうにも思うものですから,この点についても明らかにしていただきたいと思います。
それから,資料でいただきますと,主要な交通局の保有地ということで,
交通事業会計が所管する用地,また,高速電車事業会計が所管する用地,一覧表でいただきましたけれども,どういうわけか,この中に屯田の用地が含まれていないんですね。
私は,そのことについて問い合わせましたところ,資産活用というようなことで,計画が当初はっきりしてなかったから財政計画にも盛り込まなかったというんですが,これは平成5年度から始まる住宅供給公社が主体となっての土地区画整理事業,この計画地域内に組み込まれているものなんですね。しかも,住宅供給公社が区画整理事業の主体者となってこれを推進する上で,3分の1の用地を確保しなければならない。したがって,交通局が所有するこの15万平方メートルの用地の3分の1について,平成4年度くらいにはこれを取得して,つまり交通局は住宅供給公社にこれを売り払うということが,言ってみれば見込まれるものなんですね。そして,ちなみに3分の1を売ったらどれほどになるかったら,8億1,200万円という数字が出てくるんです。この8億1,200万円という間もなく遊休地を処分することによって,それでもなお3分の2は残るんですよ。3分の2は区画整理で,おそらく金額的には3倍,4倍と,もっと高くなりますか。そういう,これ平米1万6,200円の計算ですから,造成すればやっぱり20万や,坪でですよ,というようなことになるでしょうから,やっぱり5倍にも,4倍にもなるんじゃないかと思うんですが,こういう遊休地について,今回の財政計画に全く含められていない。しかも,来年度にも8億1,200万円という金が,3分の1の処分が行われるならば入ってくるということになっているにもかかわらず,これが財政計画に盛り込まれない。残った3分の2についても,10年計画の財政計画に全く盛り込まれてこないというのはどういうわけなのか。この点もお尋ねをしておきたいというふうに思います。
また,ほかに交通局が所管する遊休地はないのか。処分可能な用地などはないのか,この点についてもお尋ねをしておきたいというふうに思います。
全部やりますか,これ,しゃべるだけでも相当初めにかかっちゃいますけれども,四つテーマがあるんです。分けていいですか。これでまず答弁ください。
◎尾崎
企画調整局理事 需要喚起策の中に取り上げております大規模施設のアクセスといいますか,足の問題,これは全然考えられていないんじゃないかということでございますけれども,私どもとしては,ご指摘のことについては十分承知をいたしております。これはいまの札幌ファクトリーに限らず,大倉山をさらに魅力を高めるために再整備も考えるべきではないかということも大きなテーマといたしております。
それらについても,当然それじゃ足をどうするんだという大変難しい問題も含まれております。それから,札幌ファクトリー等については,都心に等しい地域でございます。したがって,これらの大規模施設については,それのアクセス等を含めまして,今後これらのあり方について検討するということにいたしております。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 パーク・アンド・ライド駐車場の関係でございますけれども,
需要喚起策としてのテーマにふさわしい内容となってはいないんでないかと。従来700台で,今回合わせて600台ということで,この程度でいいのか,さらには,どのような駅がパーク・アンド・ライドとして必要なのかということでございます。
そこで,パーク・アンド・ライド駐車場が必要な駅というのは,当然パーク・アンド・ライドの機能を果たすべき駅ということでございますので,地下鉄の末端駅,もしくは主要駅ということが該当するんではなかろうかというぐあいに考えております。たとえば南北線ですと,麻生ですとか,真駒内,さらに東西線ですと,琴似ですとか,大谷地ですとか,新さっぽろ,東豊線でいきますと,栄町ですとか,福住,そんなようなものが当面考えられるのではないだろうかというぐあいに考えてございます。
そこで,本市といたしましては,地下鉄駅の末端駅ですとか,先ほど申し上げました主要駅においてパーク・アンド・ライド駐車場を設置してまいりたいと考えております。しかしながら,整備に当たりましては,地下鉄駅周辺の土地が高いと。多分坪100万円以上するような土地ではないのかということと,たとえば立体駐車場にいたしますと,自走式で4階建てぐらいになりますと,通常1台当たり300万から400万かかると言われております。そんなようなことも一方ではございます。
そこで,今回の需妻喚起策で考えましたのは,公共用地の複合利用ですとか,遊休地の有効利用,そんなようなものに重点を置いて,とりあえず積極的に取り組んでまいりたい。
そこで,お話にございましたように,具体的には,地下鉄大谷地駅の駐車場の立体化によりまして450台,さらには真駒内の高架下を利用して150台,このようなものを今回の5ヵ年で取り組んでまいりたいというぐあいに考えています。
また,さらに適地を探しながら今後とも取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
それから,
バスターミナルは福住のみでよいのかということでございます。
当然のことながら,福住の
バスターミナルの果たす役割といたしましては,福住駅から東側の方面の地域が中心になろうかと思います。
そこで,その中間の部分はどうなのかということでございますけれども,今回の
バス路線,地下鉄の延長に伴いまして,月寒中央ですとか,いろんな主要駅ができてございます。そこで,現在の
バス路線の状況等を見ながら,どこに一番接続をすればベターなのか,なおかつ,また
バスターミナルという接続の方法もございますけれども,通常のバスタッチで,バスベイで対応できるものでしたら,そんなようなことで対応してまいりたいと。そんなようなことで,大きくは現在のところ,大きい便数が集中いたします福住につきましては一般
バスターミナル,その他の駅につきましては,バスベイ,もしくは若干のバスプール方式的なもので対応してまいりたいと,このように考えております。私の関係は以上でございます。
◎上島 事業推進部長 琴似
バスターミナルの上空部を使って,パーク・アンド・ライドの立体駐車場を利用したらどうかというお話でございます。
ご承知のとおり,あの
バスターミナルは,琴似栄町通は大変な交通量がございます。特に二十四軒手稲通との交差点につきましては,パスターミナルからのバスの出入りもありまして,信号機は三現示方式となっておりまして,そのためか交通事故も多く発生しているということを聞いてございます。そういった場所に駐車場ビルを建設すること,パーク・アンド・ライドを含めて,ますます
交通混雑に拍車をかけることになりますので,当面は駐車場の立地にはなじまないのではないかと,こう考えてございます。
それから,民活による資産の有効活用,相手方に不当な利益というようなお話ございました。
私どもは,経営の健全化ということで,
増収対策の一環といたしまして,民活による資産の有効活用を図っていくと。これは,賃貸料の収入だけではなくて,その資産を活用することに伴う,その地域の活性化と乗客誘致等にもつながることを期待しているもので,今後とも積極的に進めてまいりたいと,こう考えております。
なお,民間業者に不当な利益というご懸念につきましては事業化をする方にとりましては,赤字を出してまでも活用はする考えはないということでございますので,したがって,適正な利潤を得ることは当然でないかと,こう思ってございます。
それから次に,屯田地区に所有する交通局用地の譲渡の関係でございますけれども,実はお話もありましたけれども,北海道住宅供給公社が平成5年度に予定をしております屯田中部地区の区画整理事業にこの用地が含まれるということで,昨年の12月の中旬に,土地の3分の1について譲渡の申入れがございました。公社が区画整理を施行する場合につきましては,建設省の通達によりまして,3分の1以上の土地を所有する必要があるということで,地主である交通局に対しても土地の譲渡を申し入れてきたものでございますけれども,今回は基本的な合意を求めるものでございまして,公社の買収時期,土地の面積,それから譲渡価格等については,今後詰めることとしているところでございます。
それから,土地の資産活用の考え方でございますけれども,基本的には,きのうも申し上げましたけれども,基本的には処分をしないで有効活用を図ってまいりたいというのが基本姿勢でございます。
◎大友
管理部参事 ただいまの屯田地区の土地の,いわゆる用地,これが財政計画に入ってないというご指摘でございますが,ただいまご説明いたしましたように,この財政計画策定時は,まだ不明確なそういった不確定な要素もございますので,一応算入はしておりません。そこで,これがもし売却が決まりましたら,当然これは売却収益から,これはその当時企業債で借りておりますので,その売却に伴う部分の企業債を償還して,その残額については,資金剰余というようなことで発生してまいりますので,これは将来的には,たとえば平準化債あるいは一借り,そういったものを借金の減少を図るということに使わせていただくとぃうようなことでご了解いただきたいと思います。
◆荒川 委員 それぞれに説明がございましたけれども,
需要喚起策というものがどの程度の意味合いを持っているかという点では,本委員会でもずいぶん議論されてまいりましたが,今回の再建計画の柱が,労働者に対する合理化,労働強化,市民に対する
料金値上げ,このことに主眼が置かれて,この
需要喚起策というのは,それに彩りを添えた程度のものというふうに言ってもいいのではないかというふうに思うんです。
最初に申し上げましたように,喚起などということでなくて,やはり乗客誘致という立場で,私はもっと積極的に腹を決めて,こういう問題,いま指摘したような問題について取り組んでいかなければならないということを申し上げて終わらせておきたいというふうに思うんですが,パーク・アンド・ライド,マイカーの都心乗入れを抑制して,
市営交通に乗客を誘導する,この点では,これは言ってみれば交通局にやらせないと。市の行政としてこれをやっていこうという考え方なんでしょう。だから,パーク・アンド・ライドの駐車場の建設費用などというのも,交通局に負担させるものではないんだと思うんですよね。それなら,もっとちゃんとしたものをしっかり組み立てて,そして順次進めるという本当の
需要喚起策,マイカー乗入れ規制の乗客誘導のパーク・アンド・ライド方式を徹底して進めてほしいというふうにこれも要望しておきたいと思います。
それから,最後に,屯田の用地について財政計画に盛り込まなかったのは,話が具体的になってきたのが12月の中旬だと,そういう新しい話だったから盛り込まなかったというんですが,市民に対して負担を求め,場合によっては安全輸送にさえ懸念を与えるような経費節減をやろうと,職員に対しても言ってみれば血を流してもらうというような話もどこかで出ていましたが,そういうことを言っている割に,どうして8億の金が財政計画に乗ってこないというのは,私はおかしいと思うんですよ。
いままで何度も交通の
料金改定が行われてきました。そのたびに遊休地の処分というようなことも重要な長期の財政計画の中に盛り込まれてきたんですよ。相手も決まらない,どれだけで売れるかわからない。しかし,これくらいは,財政計画に見込めるというものを見込んできたんです。それが,具体的に12月の中旬に3分の1売ってくれという話があったものまで財政計画に盛り込まない。これがはっきりした段階では,当然ながら予算としてこれは企業債の残高の返還あるいは資金剰余として有効活用されると,そんなの当たり前のことなんです。どこにも出さなかったら大変なことになる。しかし,計画としていま10年見てわれわれの前に示しているときに,これがそういうような理由で盛り込まれないことを当然視することができるだろうか。管理者,この点についてどうですか。私はこれはおかしいやり方だと思いますから,きちんとした答弁をいただかなければ,なお質問続けますが。
◎三海
交通事業管理者 ただいまの屯田用地の関係では,いま私ども参事からご説明したやつは,私も聞いてて,これはもう申しわけないというような感じでおります。
ただ,私どもが年末に控えて,いろいろ計画した中では,不透明な事柄については,再建計画の精度を高める意味では疑問視をしておりましたので,そういう配慮があっての事柄だと思いますが,結論から申し上げますと,これは今回の論議の中で,健全化委員会が継続して存続し,この再建計画を検証していくという事柄を確認をされておりますし,結果をどうするんだと,決算委員会でご報告する決算時期にはっきりする,あるいは常時,常任委員会で検証した結果の取扱いを決めていくという中で取組みをさせていただいていますので,この辺については,答えをはっきり見詰めた時点で再建計画の中に取り組んで,再建計画を修正してまいりたいと,そういうふうに考えております。
◆荒川 委員 いまの件ですけれども,きのう委員会での論議の経過をくぐって,乗継制度の改悪についてはこれを撤回して,バスについては現行どおりでいくと。その4億をどうするかという議論しているんですよね,きょうにかけても。プリペイドカード一生懸命売って,何とか穴埋めしたいとかいう話はしているんですよ。ところが,なぜ8億の金はそういう議論の中に出てこないのか。これは乗継ぎの割引制度をいまのままで残すだけでなくて,定期の議論されている割引率を引き上げるというような
乗客サービス,本当の乗客誘致策にも活用できるんじゃないでしょうか。その点で,私は,結果として盛り込まない形できたわけですから,計画の修正も今後行なっていくということは当然のことですが,やはり私,全部つまびらかにして,交通局の財政事情はこうですというふうにわれわれの前に出した議論をしないと,やっぱりおかしいんじゃないかなと思うんですよ。
そして,用地の処分のそのことによる財源見込みなんていうことは,いつもやってきたことだから,やったことのないことじゃないんだから,さっきも言いましたように,これはやっぱり私おかしいということをあらためて指摘しておかなければならんというふうに思います。
さて,次に移ります。
需要喚起策についてお尋ねしてきましたが,本当の
需要喚起,これは何か。もうこれは,この委員会の議論の中でも明らかですが,これは,安くて便利な
市営交通の確立,このことに尽きるんです。そういう意味では,きのう,うちの小川委員が,料金の競合,JRとの大きな格差の問題,乗継問題から定期の割引率の問題まで含めて論議を進めましたけれども,定期の割引率について,委員会でのやりとりの中で,割引率の引上げについて検討するような話があったかのように聞いているんですが,そういう答弁どなたかからありませんでしたか。
私,小川委員が,きのうJRとの比較で議論をいたしましたが,他都市との比較でも,たとえば本市の地下鉄の通勤割引というのは30%ですよね。ところが,東京では39%とか,あるいは神戸,福岡,仙台,こういうところでは,割引率が35%というふうに定期の利用者をふやすためのこういう割引を実施しているんです。
きのう委員会でも定期の問題で,畑瀬委員が相当突っ込んで議論しておりましたけれども,定期が週休二日に伴って利用が落ち込んでいくという問題については,いまのところそういうことがないかのような答弁があったようですが,それは違いますよ。審議会に配布されている資料,この中で明確にこういうふうに言っているんですから。「週休二日制普及の影響について」ということで,週休制の普及の
交通事業に及ぼす影響,平成元年度の調査によれば,乗車人員ベースで全交通で9.2%のマイナス,地下鉄で8.8%のマイナスの結果であり,その主因は,定期券利用者の18.1%のマイナス,これが大きいと言っているんですよ。そして,週休二日制についても,当時の普及率75.2%,平成元年度調査ですよ。これを考えれば,現在はさらに大きな乗車人員の減になっているものと考えられるというふうに,定期利用の大きな落込みが
市営交通離れの一つの要素になっているということを調査に基づいて分析をしているんですよ。週休二日制がそれに輪をかけているというふうに言い切っているんですよ。にもかからわず,まだ,いまのところ余り影響ないようなことを言って過ごしているというのは,私はおかしいと思うんですよね。
こういう審議会の資料があるのに,まだ週休二日の影響ということで,定期どうこう考えなくてもいいと言い切っているわけですから,これはやっぱり委員会に対して,やっぱり交通局側の資料,考え方というものに基づいた正確な対応を欠いていると私は言わざるを得ないんです。
そこで,この定期の割引ですね,乗客誘致のやはり大きな一つとして,定期を多く利用してもらおうと,そのために利用しやすい定期にしていこうということは,私,これは重要な乗客誘致策だと思うんですよ。
その点で,たしか私はどなたかから,今後定期の割引については,週休二日もこうなってきているから,将来にわたって検討していかなきゃならないだろうというような話が,答弁があったと思うんですが,いま一度定期の割引率の引上げということについての考え方を明らかにしていただきたい。その必要があると考えているのかどうか。
そして割引率現在の地下鉄30%,通勤で言えば。これを5%引き上げれば,これはさっきも言いましたように,他都市ではやられていることですから,どれくらい減収になるのか。減収一方でははじけないんですよ。
市営交通から離れている人たちが戻ってくるということがあるわけですから,減収一方でははじけないんだけれども,ちなみにいまの財政計画の定期の割引率を5%引き上げることによってどれはどの金額になるのか,このことを明らかにしていただきたい。
それから,乗継制度ですね。
バスについては,いままでどおり残すということですが,それとても,乗継制度の当初の乗り継いでも料金は同じという乗継制度の本来の趣旨から大きくかけ離れてきているというのはもう紛れもない事実ですよね。6回にわたって乗継制度が改悪されてきていますから。今回バスについては,これを見送るというふうにしたにしても,乗継制度で負担が引き上がるから直行便を利用するとか,ほかの交通手段を利用するとかいう人が相当出ているということは,小川委員もきのう指摘したとおりですよね。
私が乗継問題で懸念するのは,
中央バスとの東豊線での乗継ぎなんですよ。いま
中央バスは,10円割引でしょう。10円割引の乗継制度ですよね。市営の場合は30円引きでしょう。これ地下鉄と
中央バスを乗り継いでも10円割引にしかならない,乗り謎ぐことによって大幅な負担増になるということになれば,市民は直行便を利用する。札幌の交通圏というのは30分圏,これが主流だと言われています。30分圏の中で,乗り継ぐだけでも負担だと。ましてや料金の負担増がかぶさるということになれば,乗り継がなくてもいいと,直行で行くと。
中央バスだって全部を乗り継ぐということでもないし,経由させるという手段を多く福住から都心寄りではとろうとしているようですけれども,この
中央バスが東豊線開業に合わせて,乗継制度を少なくとも今日の札幌市営がやっているようなバス30円引きというところに合わせなければ,せっかくの地下鉄東豊線は,これは生きてこない。市民はこれに乗ってこないというふうにも思うものですから,
中央バスの乗継ぎについて,東豊線の開業,これに合わせてどういう見通しと決意を持って望もうとしているのか。この点明らかにしていただきたいというふうに思います。この点まずお尋ねをしておきます。
◎三海
交通事業管理者 まず,第1点目の定期の割引の問題でありますけれども,これは委員ご指摘のとおり,確かに私どもいま札幌市の場合は,地下鉄で30%というような率にさせていただいています。これは率を引き上げるということになりますと,減収が当然伴う話でありますので,今回私どもが抱えている
交通事業の再建に当たっては,ぜひこれは堅持をさせていただきたいというようなことでお願いをしているのでご理解をしていただきたいと思います。
ただ,定期の客離れという問題は,いま段々のご指摘がありましたように,週休二日制の徹底あるいは労働時間の短縮等によって,確かにそれは問題になると理解をしております。したがって,今回はこういう形でお願いをしておりますけれども,次回いつになるかわかりませんが,次回以降の形では,定期の割引についてはぜひ再検討をさせていただきたいと,そのように考えております。
それから,地下鉄のいま30%の割引率を5%引き上げることによって,どのぐらいの影響額というようなお話がありました。きわめて概算ですけれども,1%引き上げることによって2億減少されます。したがって,5%ということになりますと,年間10億の減収に相なります。
それから,3点目の
中央バスの関係ですが,私ども東豊線福住まで営業開始をすることによって,これは札幌市全体の公共交通機関のあり方の一つとして,都心にはできるだけ大型車両を乗入れをすべきでない。都心の
交通混雑を解消する意味でも,終点駅等々とでバスを短絡するべきだというような内容で,
中央バスのはうで福住まで開業時点で再編成の形として,先はどお話がありましたように,70%再編成をしたいと,短絡をしたいというお話が,計画があります。しかし,これはこれからの推移で,
中央バスと協議を進めてまいる考えでありますし,私どもとしては,もっともっと短絡率を高めていただきたいと,そのように考えております。
そこで,問題になるのは,10円,30円の割引率のお話であります。
今回,いまお話のとおり,私どもも30円の割引から20円に,見方を言えば改悪という言い方になるかもしれませんが,20円に引下げをさせていただいたのは,原案で引き下げさせていただいたのは,
中央バスが10円ということで,審議会の論議の中でも,利用者の中に,やはり公平を図るべきでないかと,利用者の不公平の均衡を図るべきでないかというご指摘もありました。したがって,私どもは30円から20円にし,
中央バスについては,ぜひ10円から20円にしていただきたいと,そういうことを
中央バスさんのはうにお願いをするという意味も含めて20円にさせていただきましたが,段々の経緯の中で,乗継料金については30円を踏襲するということに進めざるを得ないという状況になりましたので,ぜひ
中央バスにういては,そういう経過はありますけれども,10円を20円に引き上げていただいて,これは一遍に30円になりますと,これやっぱり経営の問題にかかわる話だと思いますので,少なくとも10円を20円に引き上げていただきたいというようなことで,今後
中央バスと折衝を進めてまいりたい,そのように考えております。
◆荒川 委員 いまの
中央バスに対する割引改善の今後の折衝に当たっての考え方ですが,市営バスは30円でやるのに,
中央バスは20円でやってくれということで初めから臨むなどということは,やっぱり私おかしいと思いますね。結果として,仮に20円でおさまる場合があるかもしれませんが,当然のことながら,市民に対しての乗継ぎはこういう形でやられているんだから,
中央バスも協力してほしいと。これは
中央バスだって短絡することによって,都心の渋滞地域に入ってこなくていいわけだから,その分の経費は浮くわけですから,やっぱり少なくとも
市営交通がやっている割引でお願いするという姿勢で臨んでもらわなければ,私は市民納得しないと思いますので,その点やっぱり管理者,答弁変えてもらわないと,ちょっと私納得できませんが。
◎三海
交通事業管理者 いま非常に私,短絡的なお話をしましたのは,いままでの,これまで
中央バスとの再編成と絡んで,今回の問題がこれ急に出てきた話ではなくて,従来からある問題であります。したがって,いままでの経過を含めて,一遍に30円は難しいかなという判断のもとに20円というお話をいたしましたけれども,基本的には私どもの取り組んでいるような30円と同じような形でいくべきだということは重々承知をしております。交渉に当たっては,そういう取組みからスタートをしたいと思っております。
◆荒川 委員 次に,
一般会計からの
財政支援の問題に移っていきたいと思います。
昭和53年都市交通整備調査会が出した第6次提言というものの中で,通学割引などについては,これは
一般会計が負担すべきものというふうに答申をしておりますよね。そして,一昨日来議論になっておりますように,今回の本市の市営企業等調査会の答申でも,赤字の
行政路線に対する
一般会計からの補てんということが盛り込まれています。
私,前回の
料金改定のときの論議を思い起こしてみましたけれども,あのとき
一般会計から一般交通に対する,地下鉄を除く電車・市電・バスですね,これに対しての新たな財政援助というのは10億上積みになったんですね。10億上積みになった。しかも,その詳細については,最初の段階では明らかにならなかったけれども,これだけはふやしてもらうというつもりだと言って,財政計画が従前よりも一般交通で10億上積みされた補助金を計上したものなんですよ。そういう前回の
料金改定などと比較して,今回地下鉄に対しては,膨大な新たな
一般会計負担が見込まれておりますけれども,一般交通について言えば何が新しく出てきたのかなということです。
これは余剰人員対策としての長期貸付金,これは貸付金ですからね,そして,その利息分を見ると。これはこういうことをやるわけですから,当然でしょう。そのほかに新たなものというと,国が新たにスタートさせた障害者に対する割引,これを
一般会計で見ていきましょうという分ですよね。私は,都市交通整備調査会がもう14年も前に提言している定期割引については,これは通学定期というふうに第6次提言では言われましたが,こういうものについては,
一般会計が持っていこうと,あるいは今回の審議会が出した
行政路線への赤字補てん,数字に少なくとも盛り込むぐらいのことをやって当然じゃないかと思うんですよ。
先ほどの議論でも,地下鉄の東豊線の新規開業,これに合わせて
バス路線の再編が行われる。その前に,路線ごとに調査をしながら,新しい補助というものについて検討するかのようなお話がありましたが,審議会の答申に盛り込まれているようなことが,財政計画に具体的に数字となってあらわれる,これ当然でないかと思うんですよ。なぜこういうことが,新たな
一般会計からの
財政支援として盛り込まれないのか,この点について,これは管理者,どういうふうに考えているのかお尋ねをしておきたいと思うんです。管理者の答弁いかんでは助役にもお尋ねしたいと思いますが。
◎三海
交通事業管理者 ただいまのご質問ですけれども,確かに審議会の中で,そういう事柄の答申もございました。私どもも
交通事業を担当する者としても,当然そういうことをしなければならない,そういうふうにするべきだという,日ごろから財政局との話でもそういう形で持っております。ただ,今回
財政支援の中に含まなかったのは,私どもの都合もあります。一つは,バスの再編成について整理が,事柄が進みませんでした。これはいままでのご審議の中でお話をしていますとおり,東豊線福住までの開業が平成6年に予定しておりますけれども,そういう時期に合わせて,これは
中央バスとの絡みもありますが,
バス路線の抜本的な再編成をやりたいと。そのためには,自動車部長からも昨日お話をしたように,路線ごとの実態調査,そういったものの積み重ね,あるいは地域における
生活路線の位置づけ,そういったものを整理した上で
バス路線の再編成をする。そういう中で,いままでのとられていた
財政支援のルールでなくて,新たなルールできちっと整理をするということで私ども財政とも取組みをしております。しかし,そういう私どもの再編成の整理がこの場合まだ進んでおりませんので,既存のルールで
財政支援を決めさせていただいたという経過がありますので,ご理解をいただきたいと思います。
◆荒川 委員 地下鉄のところに相当目が行っておりましたけれども,予定よりも早めて臨時議会という形で
料金改定と再建計画が出されてきた過程で,本来整理をして,新しいルールとして確立すべき
一般会計からの
財政支援が後回しになったというような感じがしてならないんですね。
いま管理者,路線ごとの再編に向けての案が固まっていなかったから要求できなかったかのような言い方しましたけれども,ちゃんと審議会には,
バス路線1本ごとの収支が出ているじゃないですか。
市営交通,この74路線で10億という赤字だというのをちゃんと1本ずつ出ているじゃないですか。現在のこれでどうして要求できないのか,私は納得できないんですね。しかも,審議会がああいう答申を出しているのにもかかわらず,それがなされない。これからだと,下手すれば2年後ぐらいになるかもわからないような話を聞かされているんでは,これは今回の
料金改定というのは,やるべきことをやらないで,市民にだけしわ寄せが来たかのように市民に受けとられてもこれはしょうがない。さっきのある金も計上しないようなやり方といい,やはり私はおかしいと思うんですよ。
魚住助役,審議会の答申が出る前に,値上げのための議会招集というようなことをやりましたから,答申にああいう内容が盛り込まれると知らんかったというようなことになるのかわかりませんが,しかし,どうして今回のこれだけ大論議をしながら,10年あるいは30年にわたって財政計画を立てようというときに,審議会が提起したり,あるいは都市交通整備調査会が古くから提言しているような
一般会計からの補助が採用されないのか,どう考えているのか,今後どうするのか,あらためて明らかにしていただきたい。
◎三海
交通事業管理者 いまご指摘ありましたように,審議会での資料の中で74路線の
赤字路線,路線別の資料も出しました。そういう論議もいたしました。しかし,いま委員のおっしゃるように,
赤字路線だから,じゃ,すぐ廃止していいのかと,そういうことにはなりません。(発言する者あり)しかし,これはやっぱり再編成全般の整理の中で,きちっと路線ごとの位置づけをする必要があります。それらを踏まえて,じゃ,そういう路線についての
財政支援はどうあるべきかと,これはやはり議会ともご相談をして決めなきゃならない事柄だと,そういう整理が実は間に合わなかったと,そういうことを申し上げております。
◎魚住 助役 いま管理者から,1本1本の赤字とか,そういうものはこれは出ているわけでございますけれども,実際なぜ赤字になったかとか,その要因は何であるかと。しかし,これは赤字であっても残すべきなのかどうかとか,そういうことを今後煮詰めていった中で,これは政策的に別の観点から支援を分けると。現在ある支援の中から実際は,この分はその分ですよと,こういうような区分けをされることになると思います。現在の場合は,全林の収支をひとつこれが健全化が図られるように一応
財政支援をしたと。個々につきましては,分析をもって,これはこういう分野でこれだけのものになりますよと,こういうように,それはできるだけ早くその作業を進めましてこれは明らかにしてまいりたいと,このように思います。
◆荒川 委員 赤字だから,ただくれと言えるものではないというようなことを管理者は言われたんですね。この審議会の答申は,こういうふうにしているんですよ。市
一般会計から財政援助を行うことが必要であると言い切ったものの一つに,不採算であっても行政上運行を余儀なくされる路線の赤字相当分,赤字相当分ですよ。これは
一般会計が出して当たり前なんだと,やりなさいと言ったんですよ。それを,管理者,切っていいものかどうか,そのことも検討するとか,私,何も路線を切れなんて言ってないんだから,ここに書かれているように,必要な
行政路線,その赤字相当分を
一般会計からもらいなさい,
一般会計から出しなさいと言っているわけですから,この部分についてだけは審議会の答申を無視したと,こういうことなんですか。
助役ね,急いでやるというけれども,答申は,この答申を受けて市長が
料金改定を提案する前提になったものですよ。これ出たの後ですけれども,議会招集の後ですけれども,招集を決める後ですけれども,しかし,このことについて,いまそのような言いわけをしているようでは,私はこれは市民納得しない。そう思いますので,あらためて,これは助役答弁をいただきたい。
◎魚住 助役 私の記憶違いでなければ,この答申を受けた後に,この議会について,招集につきまして,お諮りいただいたというふうに思っております。
◆荒川 委員 審議会無視ということで,本会議で横山議員が質疑をいたしましたけれども,議会運営委員会に値上げのための臨時議会を開きたいと諮ったのは1月6日,部会が最終答申を部会として決めたのが1月7日,総会がこれを決めて市長に答申をしたのが1月8日です。ですから,値上げのための臨時議会を諮ったのは先だと。このことは私,本会議でやりとりしていますから,これ以上議論しようと思いませんが,そういうような答弁をされちゃだめですよ,助役ね。そのことはいいから,
一般会計からの
行政路線に対する赤字相当分の補助というものについて,どう処理していくのか,どう受けとめているのか。これはだれも解釈違うような書き方してないよ。これだれ見てもわかる。赤字相当分出せと言っているんですね。この点についてもう一度はっきりさせていただきたい。
◎魚住 助役 今回の収支計画は,総体的にこの収支が健全化が図られるようにやったものでありまして,トータルの形の中にはそういうものを含めた中で支援をされていると。ですから,いま委員が言われたようなことを明らかにせということになりますと,個々の
赤字路線をつぶさに,またこれを精査して,これいまの内部努力とかそういうものを全部入れまして,どういうような格好になるのか,そういうことが,これはまた政策路線であるというようなことになれば,これを全部積み上げて,現在の
財政支援の中から,この部分はそちらのほうですよと,このように明らかにできると,こういうことを申し上げているわけでございます。
◆荒川 委員 そしたら,不採算路線というのは一体何なのか,
行政路線というのは一体何なのか。札幌市営企業,このバスは,要らないところにバスを走らせていますか,必要のないところにバスを走らせていますか。必要のあるところにしか走らせてないでしょう。そこで,不採算になっている部分については,これは
行政路線の赤字補てんになってくるんじゃないですか。そこは,余りぐちゃぐちゃしないで,はっきり,やっぱりこれを受けとめるということが私必要だと思うから,再度助役の答弁をお願いします。
◎魚住 助役 審議会の答申を最大限にこれを受けとめていくと,このように考えておりますので,
赤字路線につきましては,先はども申し上げているように,いまの中にも入っておりますし,今後ともそういう必要な路線につきましては,赤字であってもこれは支援をしていくと,このように考えております。
◆荒川 委員 最後に,私は,真の都市交通の再建,このために何が必要かということでお伺いをしたいというふうに思います。
本市の一般交通,市電・市バスについて,昭和48年から57年までの10年間,国の第2次再建制度の適用を受けて,再建すべく努力をしましたね。しかし,この再建制度というものをくぐって,なお,いま抜本的な再建論議をしなければならんというところに,国の再建制度は再建にあらざる再建であったと言わざるを得ない。そのことは,先ほど私が申し上げました都市交通整備調査会の第6次提言で,再建制度やってみたけれども,赤字がむしろふえているということを明確に指摘していますよ。そして,はっきりと,いわゆる資本費についても,それから
行政路線や,あるいは割引,こういうものについては
一般会計が持たなきゃだめなんだということを打ち出したわけです。
そして,いま全国の都市交通を見ても,国が再建指定したときに,新たに制度として採用したようなものが,全部やられているだけでなくて,それを上回る形での
一般会計からの支援が行われて辛うじて維持しているということだと思うんです。
私は,この抜本的な都市交通の再建,
公営交通の再建のために,国にいまどう向かおうとしているのか,この点についても明らかにしていただきたいし,もともと料金は認可料金ということで,ほかをにらみながら国が決めてくるという一方で,それでは賄い切れない赤字を現に
一般会計が補てんをするという形で運営されているわけですから,当然,この現状に見合う
一般会計からの財政支出を国が交付税などで措置する,これは私,当然だと思う。地下鉄の建設補助を抜本的に改善するということとあわせて,この
一般会計からの膨大な
公営交通に対する財政支出をきちんと需要額で見てもらう,交付税で措置してもらう,こういうことも,交通サイドだけではなくて,これは助役やらなければならないことだと思うんですが,その点についての決意もお示しをいただきたい。以上です。
◎魚住 助役 昨日,小川委員にもお答えいたしましたけれども,いままでもいろんな機会をとらえまして,国に対して支援方につきまして,また要望をしてきておりますけれども,今後ともこれらにつきまして,大蔵を初めとしまして,自治省も含めまして,いろんな方向にまたご支援をいただくように要望してまいりたいと思っております。
◆荒川 委員
札幌市営交通が大変だということが,マスコミで市民に知らされていますよね。そういう中で,市民がどういう受けとめ方をしているか。私,新聞の投書欄に目を通すんですが,そこで何度も議論されているのは,議員も無料パスを返上したと,どこもやっていると。このお年寄りの敬老パスについても,これは返上すべきでないかという議論が何度も新聞の投書欄に載ってくるんですよ。市民が本当に私は善意だなと思うんです。
しかし,これは重大な錯誤があるでしょう,これはね。敬老パスがなくなったら,
市営交通の財政にとっても大変なことになる。敬老パスは交通局が発行しているものじゃないですね。
一般会計が15億円を交通局に払って,ラッシュでない時間帯に,すいている時間帯にお年寄りに利用してもらって,そして健康保持にも努めてもらう,これはもう大変いい施策だと思うんですが,こういうふうに,われわれも敬老パスを返上しなきゃならないんじゃないかというような,そこまでやっぱり市民の心配が広がっているという中で,私は,
料金改定だ,合理化だと,
一般会計からもいままで以上には出しましたというだけではなくて,本来真剣になって追求しなければならない多くの課題のやり残し,これはやっぱり早急に取り組みながら,今回のように準備が十分整わない,資料の整備も進まない中での
料金改定というようなものは,やはりむちゃなやり方だと,市民の納得を得られるものではないということを最後に指摘して終わります。
◆室橋 委員 今回の経営健全化は,3点セットと,それから料金の改定をして,本市の
交通事業の使命を果たそうということであります。
そこで,経営努力といいますか,企業内努力,これ880人人員を削減するという,そこまでははっきりしたんですけれども,先日,佐藤委員からも細かい点について質問がありました。なかなかこれから細かい点については,難しい問題がたくさんあろうかと思います。
それからもう一つは,
一般会計からの繰入れ,
財政支援でありますけれども,いままで60年からことしの平成3年度,これ予定でありますけれども,60年度は110億何ぼ,61年120億何ぼ,62年120億何ぼと,こうずっときて,元年で170億,ここでちょっと補助金が多くなっているわけでありますけれども,3年度は190何億になっております。この7年間を平均しますと,年間149億になります。そこへ今度新しく
財政支援を10年間で755億をやろうと。1年にすると75億5,000万,これを足すと二百二十四,五億になります。これは赤ちゃんからお年寄りまで,1人平均1万3,200円くらいになります。1世帯4人くらいとしますと,大体5万3,000円ぐらい,助成といいますか,補助金を出していると,こういうことであります。ですから,これはいろいろな考え方はあろうかと思いますけれども,やはり限界というものも私はあるのではないかと思います。
そこで
需要喚起策,私はこれに大変期待をしている。これをやることによってほとんどの市民が潤いといいますか,喜ぶことばかりです。その中で市の施設を沿線に張りつけるんだと,こういうようなこともありますけれども,しかし,私は市といいましても限界があると思うんです。そこでこの間,尾崎理事,民間に大変期待をしていると,こう言っていました。この
需要喚起策の中で用途見直しもやるということ入っておりました。そこで,先般,総務委員会の資料が提出されておりまして,それを見ました。
私はこの用途地域の見直しに期待をしておりました。52ヵ所,360ヘクタールだと。それでこの前の見直しはどれくらいやったのかと,1,200ヘクタールくらいだと。3分の1以下です。もちろん,もろもろのことは聞いておりますけれども。しかし,いま,土地の所有者は,前回のような用途地域の見直しを望んでいる方が多いわけです。再三このことは私たちも企画調藍,計画部に要望といいますか,お話をしていたところであります。しかし,結果的には,いま言った360ヘクタールにしかならない。どうして今回こういうことで前回の1,200とこんな差が出て,それを押し切ってまでも,ちょうど
需要喚起策にもいいんだから,私は見直しを,まだまだ1,200なんて前回よりも多くと思って期待していたんですけれども,なぜそこまで頑張ちなければ,頑張るったらおかしいですけれども,なぜこういう手法を用いたのか,その辺のことをちょっと具体的にひとつ聞かせていただきたいと思います。
◎田中
企画調整局長 いまの室橋委員のお話は,再三いろいろな方から聞かされておりまして,私もすでに参っているんでありますけれども,ちょっとここで少し弁解でもありませんが,お話させていただきたいと思います。
そもそも用途地域の変更の面積が前回と比べて少ない,あるいは多いという議論というのは,これは必ずしも比較をする意味があるかないかということは,ちょっと言葉が悪くて済みませんけれども,そう思うんですよ。それは結局,何回も見直しを重ねていきますと,そんなにめったやたらに用途が変更するという要因はそんなにないんです,5年に1遍ですとね。
そこで,今回はそうは言っても,まさに地下鉄沿線なんかを中心として,主として高密度利用ができるように配慮したつもりではいるんです。
それから,いまご質問になかったけれどもお話させてもらいますと,ちょっと関連がありますので言わせてもらいたいんですけれども,いわゆる,たとえば住居地域から商業系とかというふうなことになりますと,言ってみれば,建ぺい率とか容積率が,あるいは高さが多く使えるから,それだけ土地の利用が高まるということでありますけれども,それであるならば,そういうことを実際できるようにしたほうがいいんではないかと。これは全国的な趨勢でありますけれども,要はゾーン的に全体をそういうふうに押し上げる余裕は,本当にそういう施設をっくりたい方,あるいは企業,そういう方のために配慮をすべきではないかと。言ってみれば,都市計画の本論ではありますけれども,そういう制度ができたんですね。まあ緩和型と称しておりますけれども。言ってみれば,いろいろな公共施設の整備に協力をいただいたり,あるいは特に都心周辺で住居系のものに取り組む場合には,最大限一定の基礎ベースに5割増しぐらいのボーナスが出るという制度ができておりますので,私はこれをまず活用させていただきたいというふうに考えております。そういうことによって,本当にいいまちづくりができると思います。したがって,個々にいろいろな相談を受けてまいりますので,そういう体制も強化しますので,何とかご理解いただきたいというふうに考えております。
◆室橋 委員 いま局長言っているのは,地区計画を推し進めていくということですね。しかし,これはよく聞いてみますと,実際半年も1年もかかると言うんです。経済というのは生き物なんですよ。そして建物建てるというと,はしたなお金でないんです。億単位です,ひょっとすると。そうなると,そんな1年も先の話なんかしていられないんです,建て主のはうにしてみると。ただ,局長の言っているのはわかるんです。それで推し進めていく,そこまで私もわかるんです。きちっと事前にできていれば,それに所有者もあわせてやるんですから,何も日にちもかかるとかそんなあれもないんです。だから,なぜそれが,言っていることはよくわかるんですけれども,もらったやつ見ますと,2月から原案縦覧と地区計画のほうもなっているんですけれども,それじゃ見直しの具体的な何かはあるんですか,具体的に何平米ぐらいをやろうとしているとか,あったらひとつ。
◎田中
企画調整局 まず,この制度の運用に当たっては,時間がかかるんでないかというふうなご指摘がありましたけれども,これはまだ実際にやったことがないものですから,本当に半年かかりますとか1年かかりますということはまだ言えない。なるべく早くやりたいと思います。そこで,半年でもいいんですけれども,確かにそれは世の中が生きていますから,動いていますから,少しでもスピーディーにやることはわかるけれども,しかし,やっぱりまちづくりはもっともっと腰を据えてやるべきものでありますから,半年ぐらいはやっぱり我慢してもらわなくちゃならんというふうに私は思うんですね。ちょっと言葉が悪くて失礼しますけれども。
それから,具体的に,いまいろいろな地区計画等に関してどのぐらいを考えているかというお話がありましたけれども,言ってみれば地区の方,所有者とか地権者とか,そういう方の申請があって,うちがそれを審査をさせていただいて初めてなるものですから,これはむしろ,むしろというか,私たちのほうではちょっと把握しづらいものであります。したがって,ちょっといま具体的た何ヘクタールとか何パーセントぐらいということはお答えができません。
◆室橋 委員 2月に原案縦覧とかなっているのは,どういうあれなんですか,地区計画のところに。これは何なんですか。その辺のことをちょっと説明してください。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 地区計画の縦覧につきましては,福住の
バスターミナル,これは再開発地区計画制度を適用するということですので,その地区計画の案を2月にかけるということでございます。
◆室橋 委員 何を。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 福住の
バスターミナル計画。
◆室橋 委員 福住だけ。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 私のいまの記憶ですと,いまの福住のやつが2月のときに上がっていくというぐあいに理解をしております。
◆室橋 委員 そうしたら,たとえば所有者がいて申請をしたと,そうするとすぐそれに対応して,いま6ヵ月なら6ヵ月ぐらい我慢してくれということかもしらんけれども,それに向かって努力をしていくと,こういうことですね。沿線のほうなんかは。地下鉄沿線も含めて。
◎田中
企画調整局長 ちょっと前後して失礼しましたけれども,基本的には,地下鉄の沿線を中心にして,高度利用市街地というものをすでに設定をしておるんであります。そういうところを主としてこういう新しい制度を使ってやりたいと。もちろんそれ以外であっても,地域の中心核的なところに関しては適用されますけれども,そもそも私たちが考えているのは,主に地下鉄の沿線であります。
それから,ちょっといまの縦覧,これからいろいろ進めていくに当たりまして,ちょっとまだ私たちもよくわからない面がありますからあれですが,とにかくいま盛んに各区を回って,この新しい制度,仕組みに関しまして一生懸命PRをしております。それによって反応があると思われますんで,そういうものを把握した上でもって,また,この5年計画の間にはどのぐらいのものが可能だということは,後日またご報告ができると思っております。
それから,いまちょっとお話ありましたけれども,用途地域の変更に当たりましては,もちろんいろいろな都市計画の手続をとりまして,最終的には建設大臣まで判こをもらいに行くわけでありますけれども,やはりこれは大きな国の全体の物の考えというものが入ってきます。もちろん実質的に私たちのものがベースでありますけれども。そこで国としては,たとえば地価がある程度抑制になったといえども,やっぱり日本の国の中ではいっても,どういうときでも地価が高騰する要因を含んでいますから,そこら辺の注意もしなくちゃならぬということもありますし,いろいろな公的な土地利用に関しては優先すべきでないかというようなこともありまして,全体として,用途地域の変更は余り大幅にはしないでおこうということがまず1点あります。
それからもう一つ,いまのことに関連しますけれども,いま8種類の用途地域がありますけれども,これはちょっときめが粗過ぎると。しかも,たとえば準工業とか何か,何でもいいような野放しのやつがあるじゃないかと。そうではなくて,もっときめ細かくきちっとやろうということがありまして,大体いま聞いていますと,8種類が15種類ぐらいになるというふうに聞いているんですよ。これが早くいけば来年度,要するに本年中に法制化も進むというふうに聞いておりますんで,そこら辺も見てから,また新しい用途地域に見合った見直しか近くあるだろうということなんですね。したがって,いま今回は,5年5年やっているのは,大都市の中では,うちと仙台ぐらいなんですよ,ほかの都市は全部見送っていますから。そういうような全体的な国の背景もあることをちょっとご理解いただきたいと思います。
◆室橋 委員 とにかく
需要喚起策にも間に合うように,そういう申請が出ましたら,だめなものはあれですけれども,いいものはどんどん取り入れて,そして速やかに認可というか許可というか,なるように,ひとつ最善の努力をお願いをしたいということを要望して終わります。
◆常本 委員 私は,
市営交通の再建策の一番の善策は民営化,これは一番いいと。JRがその証明をしてくれていますし,二つ目には,一般財源で補てんするというのは,基本的には邪道。先ほどの敬老パスとか,あるいは極端な
赤字路線でどうしても必要なところの継続をしなければならんとか,こういう一部のものは了解できますよ。それは了解できますが,基本的には,一般財源で大きく補てんをしていくというのは邪道なんです。これは,民間の企業あたりが頑張ってやっている事実があるからですね。しかし,今回の再建策は全庁挙げて取り組んでおることでもあるし,何とか成功するように頑張ってやってもらいたい。だから容認はします。容認はしますが,そういうことを前提に,それじゃ民間企業の精神をしっかり取り入れてやってもらいたいということの中から一,二お尋ねをします。
まず,一つの例として言いますが,各駅に該当することですが,私は澄川こ住んでおるので一番よくわかるからそれを基本にちょっと申していきたいんですが,民活となると,やっぱりステーションデパートのようなものを取り込んでいいんじゃないかなと,こう思うんです。札幌市いま170万ですから,5方向に走っていますが,もうすぐ6方向に向かっていくけれども,1方向当たり30万人ぐらいの人が住んでいることになりますよね。30万人の都市を道内見渡して見ますと,札幌以外の大都市です。それらの都市は,駅を中心に最近発展してきていることだけは間違いないんですね。そんなことで,各方向の駅をステーションデパー卜的にもっと,しかも交通局がお金出すんじゃなくて,民活を取り込む方向でやったほうがいいと思う。いま私は澄川を例に取って言いましたけれども,真駒内も同じ。それで,たとえばあそこは上走っておりますから,1階,2階が地下鉄の路線,あるいは地下のほうはすぐ前にフードセンターあるんですが,これは大変発展しているんですよ。したがって,そんなようなスーパーを取り込む,あるいは2階,3階,4階は官公庁に対して貸し出していく,区役所入ってもいいぐらいですよ。その他,たとえばいまの教育委員会とかいうものが。そうすると市民が使うには,乗りかえれば市内のどこからでも行けますよね。というようなこと。
それから,もったいないからそれ以上上はまたマンション等で使っていく,あるいは駐車場も取り込むというようなことで,ステーションビル的なものを,これは民活ということですから,相手あってのことですのでそういうことができないかどうか。民間企業の精神に立ってひとつ検討をしてもらいたいと思います。これが一つ。
それから,秘密のトンネルがたしかあるはずなんですね,この裏のほうに。直接見たことないからわからんけれども,すぐ市役所の横のほうにあるやに聞いています。これは東豊線つくったときに必然的にできたので,埋めてしまうのもったいないからそのままふさいで残してあるやに聞いていますが,ここまで苦しいんだから,これもやっぱりちゃんと使っていけば,相当な収入に結びっくんじゃないかなと思うんですよ。これらもどんなふうになっているのか。特に都心は地下も有効に使えますから,これらの活用も考えてみる必要があるんじゃないかなということで,この二つについてお尋ねをします。
◎尾崎
企画調整局理事 第1点目の,地下鉄の駅を核として周辺一帯を取り込んだ高度利用といいますか,再開発を進めるべきじゃないかというご指摘でございます。これはご指摘のとおり,地下鉄の沿線自体の高度利用は促進をする必要がありますし,それから地下鉄の駅,そしてそれにかかわる交通局用地といいますか,それを主体とした再開発ということをやっぱり積極的に今後は進めていくべきだろうと私も考えております。だだ,委員ご指摘のとおり,いずれにしても,これは民活ということでございますので,相手のある話でございます,これは。したがいまして,再開発の1号市街地として位置づけられております麻生駅とか,あるいは琴似駅,こういう主要駅につきましては,いまのようなお話を受けまして積極的な働きかけ,そういうことを進めていきたいというふうに思っております。
◎田中
企画調整局長 東豊線の下にある地下空間スペースといいますか,それでありますけれども,前にも何回かお話しましたけれども,現在の地下鉄の駅のコンコースとか広場とか,あるいは休眠しているいろいろなスペースに関しては,これは大いに活用して,乗降客の方々への
サービス,市民への
サービス,あるいはこれがひいては
需要喚起につながるということで,いろいろなことを検討しております。その中の一環として考えていくべきだろうと考えておりますが,たとえば,いまの市役所のところを下りていきますと,通常のスペースよりも東豊線のところが少し余裕がありますんで,そことまた接続しておりますんで,たとえばですけれども,市民ギャラリー的なものだとか,そういうものをつくってそしてそれでいろいろな有効活用していきたいなというふうにいまちょっと考えております。ただ,
物理的にどうなっているかということと,私まだ入ったことありませんから。それから,たとえば消防法をクリアできるかとか,そういうこともありますので,ちょっと検討させていただきたいと思っております。
◆藤田 委員 それでは,これ21日からですか,始まったのが。大体延べ12時間ぐらい審議が尽くされております。とりわけ,わがほうの委員もいろいろ具体的な問題についての質疑が交わされてまいりました。ただ,非常に重要であると同時に,不確定といいましょうか,平たく言えばいろいろ心配が余りにも多過ぎる。きわめて不透明だということから,それぞれ十分なる納得が,よしわかったぞといったような,そういう状態に立ち至っていないことは確かであります。言ってみると,非常に残念だと言わざるを得ません。しかし,計画でありますから,そのことはこれから十分銘記をして,やっぱり一生懸命取り組む以外にないんだろうと思っているんです。ただ,
一般会計のように,それぞれの手続に従って,ルールに従ってそれをやるというより,交通会計というのは,結果に対しての責任を持つということは,これは企業の精神でありますから,そういう意味でいろいろと難しい問題も出てくるであろうけれども,この点はぜひクリアしてもらいたいと思っているんです。私はそういう意味で,これから二,三,どうしてもこの場合聞いておきたいことがあります。
その一つは,最初に
企画調整局に所管をいたします,とりわけ担当部長をしている山屋部長,あなたにお尋ねをいたしますが,これはわがほうからもいろいろ質問ありました。同時に,荒川委員からもいろいろと出てまいりました。問題は,かつて昭和55年の陸交審,あるいは市の総交審,あるいは議会としての決議案,これが実に11年の経過をたどってまいりました。11年ですよ。しかし,その結果が今日どういうことになっているかということになってまいりますと,私は一言に言って,余り真剣に取り組んでいなかったと言わざるを得ないんです。この点を十分,反省ではなくして,これからどう取り組むかということなんですよ。私は,
中央バスの関係はこれから申し上げますが,要は当事者である交通局が,あるいはその総合企画をする
企画調整局がやることでしょうが,最終的には市内における交通の総合計画なり実施についての権能を持っているのは,言うまでもなく運輸局長です。国として当然その責務を持っているわけでありますから,当然のように,そういった形に対してどういう働きかけをしてきたのか,今日まで。具体的に過去10年間における経緯をひとつご説明いただけませんか。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 54年,56年の総交審,それから55年度の陸交審に基づきます都市
交通体系,これは地下鉄を基幹といたしましてバスを補完するような
交通体系でございますけれども,その中で種々提言をされてきてございます。その中で現在までの状況でございますけれども,地下鉄の整備につきましては,これが出ましたのは55年でございますんで,それ以降の東西線の延長ですとか,さらには東豊線の開業,さらにはいま福住までの延長と。地下鉄のついてはこのようなことで進捗をしてきているところでございます。
バスの再編につきましてほ,53年当時,要するに南北線延長当時ですけれども,市営バスにつきましては,全部で短絡が46路線という状況になってきてございます。それとはなかなか対照にはなりませんけれども,現在のバス再編短絡の状況でございますけれども,全市合計で1万2,400便バスがございまして,そのうち直行が34%,短絡が66%という状況でございます。
さらに,バス優先・専用レーンでございますけれども,これにつきましても,バスの定時性と効率的な輸送を図るようなことでございます。そのようなことで優先対策をやってきていますけれども,近年は少ないんですけれども,当時の54年には専用レーンが35.7キロ,優先信号が23基,平成2年時点ですと,専用レーンが11区間52キロ,優先信号については32基という状況になっております。
また,さらに乗継施設の整備といたしまして,当時と比べまして,地下鉄の延長に伴いまして,後に
バスターミナルの整備も進めてきておりますし,JRにつきましては,駅前広場の整備が全部で11ヵ所整備をしてきてございます。しかしながら,地域によってはまだまだ不十分な部分もございます。したがいまして,今後とも
交通体系の確立に向けまして,利用者の利便性,快適性の向上,そんなようなことを考えまして,公共交通機関の利用促進を図っていく必要がございます。
そこで,今後のことでございますけれども,交通局など関係機関と連携をとりながら,これら審議会の答申事項を推進すべく全力を挙げて取り組んでまいりたいと,このように考えております。
◆藤田 委員 大変,部長,私の舌足らずといいましょうか,そういう理解をしていただかなかったようでありますから,重ねてご質問いたします。
問題は,札幌市の街というのは,言うまでもなく一極集中型になっている。そういう意味で,将来の基幹輸送というのはJR在来線を強化する。二つ目には,地下鉄が基幹輸送だという位置づけをしているんですね,これは何回も言っておるわけですが。そのためには,先ほど来数多く出ていましたが,できるだけ都心部については大型のバスはこれは遠慮してもらう。もっとはっきり言えば,それは規制をしたいというのが腹なんです。同時にマイカーについても,これは極力遠慮をしてもらおうというのが精神ですよ。だとすれば,今日までわずかに市営のほうについては,地下鉄の延長に伴ってバスの再編成をしたことに伴ってのそれぞれ地下鉄の駅の短絡はやりました。これはJRにいたしましても白石等がございます。あるいは
中央バスについては麻生の一部がございますが,しかし,ここ11年たって,これは部長,ほとんど進んでいないと言っていいんでないでしょうか。と思うんですよ。そうでないと,先ほど段々の話,わがほうの委員からもいろいろあったし,きょう荒川委員がかなりしつこく,きのうも小川委員もかなりしつこくやっていました。これは本来,乗継ぎによって,それが民営のJRなり
中央バスより,乗継ぎをしてなおかつ料金が高くなるなんていうことは,これは言うまでもなく,幼稚園の子供だって,どっちを選択をするかということになってくると,おのずからわかるわけでしょう。そのためにはどうするかということが重要なんです。私は少なくともこれらの点については,すべての主要なところについては,ぜひ地下鉄なりJRの在来線に短絡をさせるということを絶対使命だと思っているんですよ,これは。しかも緊急の課題なんです。と言いながら,11年たって一向に進んでいないんですよ,部長これは。重ねて,その計画,具体的にどうしてきたのか,あるいは,それぞれ原局である
企画調整局なり,業者同士である交通局がやったならやったとしても一向に進んでいない。その場合にはだれといったら運輸局長ですね。そうでしょう,権限持っていますのは。それはどういうふうになされたのか,簡潔にひとつ答えてください。
◎山屋 交通計画・土地対策担当部長 先生のご質問にございましたように,効率的な公共交通網を形成をするためには,地下鉄の延長に伴いまして,地下鉄と近接または並行する路線を整理したり統合したりして,地下鉄へ短絡する
バス路線の再編成というのは非常に重要だと思っております。
そこで,いままでのことでございますけれども,それは当然のことながら,
バス事業者間の経営の問題もございますし,地域の住民の方の要望も一方でございます。したがいまして,いままでのところ,JRバス,
中央バスなどの民間
バス事業者の協力をいただきながら順次行なってきたのが現実だと思っております。
これからのバスの再編についてでございますけれども,これまで同様に,効率的なバスの運行,定時性の確保の面から,極力地下鉄へ短絡すべきものと考えております。また一方では,既存の
バス路線の果たしてきた役割,
生活路線的なものもございますでしょうし,そのようなものもございますんで,そういうようなことを含めながら,これからやはり総交審,地交審にのっとったような精神に基づいて再編計画を進めるべきだというぐあいには考えております。
◎田中
企画調整局長 運輸局に対して何も働きかけをしていないんではないかというお話がございますけれども,確かにストレートに働きかけはしていなかったと思いますが,しかし,藤田委員もご承知のとおり,前の陸交審,現在の地交審ですか,それが運輸局長の諮問機関としてありますけれども,常に運輸局はそこの諮問機関を通していろいろな方針を決定していますが,その委員にはうちの札幌市長が入っています。それから,その部会には,わが
企画調整局の部長2人と交通局の部長2人が入っています。その中において常にわれわれが主張しているのは,何とか地下鉄に乗ってくれるように短絡をしてはしいということは再三繰り返して申し上げておりますので,それが間接的には運輸局のほうにも通じておりますし,またご意見もいただいて,そういうことを運輸局のほうの基本方針として示されております。
それから,具体的に余り進んでいないのでないかという話があります。私の経験として,ちょっと個人的で失礼ですけれども,私はちょうど東豊線が開通のときは東区長をしておりました。当然にして東豊線が開通しましたから,バスの路線の変更という問題が起きてきたんですよ。そうしますと,これは本当にびっくりしたんですけれども,とにかくいままでの
バス路線を全部生かせと,残せというご意見の方が大変多いんです。まさに都心直通便を残してくれという要望も多かった。私は,非常に,交通局の立場もあるし市役所の立場もあってえらい苦労しましたけれども,よく調べてみると,確かに直通便のはうが便利なところもあるんですよ,地域によっては。したがって,そういうところも見きわめながらやっていかなくちゃなりませんし,また,民間のバスはバスのいろいろな既得権みたいのがありますから,そこら辺もありますけれども,これからは本当に民営,JRさんのほうと話をしながら,なるべく短絡してもらいたいと。そして,なおかつ,単にお願いではなくて,街の中でもって,こんなに動き回るのが,走行スピードが遅いんだったら,地下鉄に短絡したほうが民間としても有利だというような環境もやっていって,道路整備等もして促進をしていきたいというふうに考えております。
◆藤田 委員 この問題については,ちょっと一時保留をいたします。なぜかというと,まず,東豊線における福住の延長に伴うバスの再編成問題が当然出てまいりましょう。そうですね。そこで,先ほど来段々の質問も出てたし,わがほうの畑瀬委員でしたか,
大西委員からも話をしたことですが,つまり
中央バスが全体の70%は福住まで延長した際については駅に短絡をしましょうと。しかし,30%については従前どおり都心部に直通をしたいという考え方を持っているようですね。私はこれは重大だと思っているんですよ。しかし,乗る乗客に選択権は,先ほど言ったように便利で安いほうに向きます。
しかし,総合的な交通対策,交通の政策から言えば,これはどうするかということは私は重要だと思っているんです。その点を言っているんです,問題は。
だから,あくまでそのことを踏まえて,全部地下鉄なり地下鉄駅に短絡をしてもらうということは最大の使命だと思っているんです。当然,料金もそれらのもろもろの問題もクリアしなければだめですよ,これは。もちろんしなければならんことは前提です。だから,そういう点について,これは局長,同業者間で
中央バスにお願いしてみましょう,あるいはJRにお願いをしてみましょうと言っても,これはそれぞれの企業としての使命がありますよ。既得権もあります。そんなことは簡単にできるんなら,11年何で黙って経過を市営がたどってきたんですか。問題は,その委員に市長が入っていようとだれが入っていようと,札幌市の最終的な責任である市長はもちろんやらなければならんけれども,もっとその上に運輸局長というのはその権能を持っているんです。権限を持っているんですよ。札幌市長は持っていないんです。全体の市民の行政という立場ではやれますよ。だから,私はそこまでいかなければこの問題というのは解決できないじゃないですかと,こう申し上げているんです。
重ねて,この福住までの延長に対して,一体交通局としては,いま考えている,いろいろ協定がありましょう。一部に,きのうの質問によりますと,その協定というのは,民法上の双務契約に等しいと言うから,それを簡単にほごするわけにいかないでしょう。ただ,具体的には,どこの路線をどうするかということについての各論はこれからでありましょう。しかし,路線を全く
中央バスに与えないままに,観光バスでありますとか,それら施設の共用等では簡単に終わりそうもないですね。だから,その場合,路線は譲るなら譲って仕方ないでしょう,これは。そういう協定をしちゃったんだから。私は,少なくとも全便を福住駅に短絡をするということは,これは最大の使命だと思っているんですよ。この点どうですか,やるかやらぬか。相手はもちろんありますよ。
◎三海
交通事業管理者 段々のお話の中で,
中央バスが7割というようなお話がありましたけれども,これは何回も申し上げておりますように,福住までの地下鉄の延長の工事にかかわりまして,福住駅に
バスターミナルを設置をする,
バスターミナル設置をするためにはどういったような,
中央バスが,あるいは市営バスがどういう形で
バスターミナルを利用するか,それがきわめてベースになる数値でありますので,これは何年か前に,
中央バスのほうから,地下鉄が福住まで整備された場合の
中央バスの再編成計画はどうあるかということで,
中央バスの一方的な答えとして約7割程度は短絡をしたいと,そういう数値であります。
そこで,いま藤田委員からご指摘ありましたように,私どもとしては,特に
交通事業担当者としては,100%短絡していただくことが最大であります。したがって,できるだけ,100%というのは,これは中身を申し上げますと,
中央バスは都市内交通ばかりでなくて都市間交通も受け持っております。千歳,室蘭方面からのお客さんもあります。そういうお客さんに対応した便を福住までで打ち切るということは,営業政策上非常に問題があるということも理解をできますので,100%とは言い得ませんが,できるだけの便数は福住に短絡していただくべく,これから
中央バスと相談をさせていただくと,協議をしていただくというような考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。
◆藤田 委員 時間がたってくることを気にもいたしますが,管理者,私は決して,本当は路線移譲はすべきでないと思っているんですが,いずれにしても協定をしていますでしょう。しかし,どこの路線かはこれからの問題ですから,これはその次の正念場ということになりましょう。しかし,いま言ったように,都市間輸送の任務になる,たとえば特急,急行にまでは私は言っているんじゃないですよ。この点,やっぱり最終的には市長の出番をし,あるいは運輸局長が前面に立ってやるような形にならんといかないと思っているんですよ。
ここで運輸行政を批判をするわけでありませんけれども,往々にしていままでの運輸局というのは,路線の調整にしても運賃にしても,これは運輸局長の権能ですね。ところが,そういった場合については,それぞれ業者間でいろいろ相談をしてくれ,こういう式ですよ,言ってみますと。これは考え方によっては,独禁法違反だなということにもなりかねないのでありまして,この点はもう少し,運輸局長は毅然とした態度をもって全体的な交通の総合対策を立てていかなければ,決してよくなっていかないと思っているんです。この点,ぜひひとつ,そこまで根性を据えてやってもらいたいと思います。その点,重ねて次のときの答弁にあわせて答えてください。
次は,例の地下鉄が余りにもどうも建設費に金がかかる。当面の資本費だけが4,100億だとか4,700億という形なものはあるもんでありますから,これは大変なものであります。しかし,今回360億というのが
一般会計からの一応措置としてはなされました。しかし,これとても焼け石に水だと私は思っているんです。しかし,言うまでもなく,いままで段々のわがほうの委員も言ったように,いかに地下鉄建設には金がかかるかということについて,どうやら国のほうも,当初運営費補助は建設費補助に変わってきた。そして,一括補助は現在は10年が5年になった。ことしの平成4年の国家予算のあれを見てまいりますと,どうやら一括ということに踏み切ってくれそうな内容であります。しかし,ただ1%ぐらいカットしようかなんていう動きはささやかれていますが,ともあれ,これはやっぱり国のほうとしても,地下鉄にはいかに金がかかるか,そして重要であるかということを,どうやら今日に至って認識をしてきたんだろうと私は思うんです。
したがって,このことは,たとえば当初から建設費補助にし,一括ということになってきた場合について,現在,たまたま起債の実際の残額としている4,000億何がし,あるいは4,700億というものは相当大きく数値は変わってきているんです,実際に。そのことを考えてまいりますと,私はこの際,いろいろと努力をした結果だろうとは思いますが,つまり
一般会計のほうについては,この金を何とか補助をして,地下鉄の再建のためにもっとやっぱりすっきりした形で取り組むことはできないだろうかと思っているわけですよ。それだけに地下鉄というのは,言うまでもなく単なる輸送の任務を果たしてというより,きのうですか,小川さんかだれかが言っていた,本来道路にかわるものが地下にいったということにおいては,本来道路をつけるとすれば,これは大変な買収費から補償費からといったら大変な金でありますから,それらのことを考えますと,私は決して一方的な無理なことじゃないんでないかというふうな考え方を持ちますが,この点いかがでしょうか。
重ねてずっとやってしまいます。次はバスの問題でありますが,いろいろと努力をして,つまり収支の関係では平成4年度には一応黒字にしましょう。当初11年と言ったのが,累積のですよ。これが乗継ぎの関係で若干延びるとは言いながら,何とかそれもクリアしようという状態が出てまいりました。しかし,問題は,先はど来いいろいろ議論があったように,一体,不採算路線というのは何かということになってきますと,これはいろいろ議論があります。しかし,盛んに道見委員とか佐藤委員は,民間ベースにおける原価主義というようなことを言われているようですが,交通の場合では決してそうではありません。
言うまでもなく,北海道の南ブロック,これは私経営のバスが7社ありますね。その7社の一つの平均的な数値,そして公営が札幌,函館,苫小牧,この3都市あります。それらのことを含めて運輸省のほうで審査をして,一応標準原価というものを立てて,じゃどうしようかということを算定してくるわけです。そうですね。その算定の内容がどういう形になっているかということについては,どうも運輸省は明らかにしないですよ。運輸局も明らかにしません。しないけれども,問題はこれらのことについて,やっぱりある程度の,
一般会計としてはどういう面について,なるほど平成6年度中に福住までの延長に対して再編成をやりたい,特にこれは
財政局長のほうから,既存の
バス路線についてはもう少し手を加えていかなければ,中によってはむだなところもありはしないだろうかと,この点ももう少し合理的にやることによって増収を図れやしないかということの,何か指摘というより助言があったようであります。私はこの点については異論はありません。しかし,その結果がやはりどうしても採算のとれない路線があるとすれば,先ほど来言っているように,
一般会計でしかるべき措置をしようということまではわかりました。しかし,ただ,それでもって,なるほど棲準原価から見てこうなったから,あるいは標準原価の上に立って総合的な原価を計算をして,この点はこうだから
一般会計の補助をするなんていう,そう簡単には僕のほうでは受け取れないものでありますから,もう少し中身の問題について,とりわけ
財政局長のほうから,どういうところについてどうするかといったような点についてひとつ基準をお示しいただけませんか。具体的なところまでとは申し上げません。
◎三海
交通事業管理者 最初の運輸局長に対する要望の件についてお答えをします。
委員ご指摘のとおりだと考えます。たまたまいまの運輸局長は昨年12月に新しくかわった方ですが,思い起こせば,五十五,六年時代に運輸局の自動車部長を担当された方であります。最終的には,運輸省の自動車局の主要なポストのほうから運輸局長にお見えになった方。したがって,札幌のいま抱えている問題は十分承知をしております。確かに
中央バスとは,私
ども市営交通の関係では,当事者間で話合いなさいというような形でいままで
中央バスの補償問題取り組んでおりました。本来的には,当事者同士の話合いでなくて,第三者的なところで仕切りをすべきだというふうに考えますが,いままでのいきさつがありますのでそうはまいりませんけれども,そういう意味では,今回,運輸局長には私ども,先般も要望しております。運輸局長にはこれからも強く要望して,必要であれば,そういう権限があるというようなお話ありますけれども,そういう権限を使っていただいて,行司役を務めていただきたいと,そのように考えております。
◎高田
財政局長 私のはうから2点ばかりお答え申し上げます。
まず第1は,地下鉄の補助の問題についてご指摘がございました。お話にもございましたように,地下鉄の補助制度については,過去いろいろな形での要求が国に対してなされまして,そうした積み重ねの結果が,今日やっと公共事業並みにある程度出されるというようなところになってきました。これらは現実の財政の仕組みに基づきまして,各自治体もそれに対して,やはりいろいろな観点から国に対して主張をし,要望を続けた成果ではないかというふうに思っております。したがいまして,これからの地下鉄建設については,かなりそういう面では公共事業的な観点での取組みというものが出てこようかと思います。必ずしもすべて満たされたというわけでございませんので,今後さらに,いろいろな問題については国に対しての要求をしなければならないというふうに思っているところでございます。
そういう中で,過去になされた地下鉄建設については,過去のルールに基づいてされております。したがいまして,現在のルールと当てはめてみると,かなりの差が出てくるではないかということになるわけで,そういったものでいろいろ地下鉄の収支がおかしくなっているというような事態,これは本市だけではないわけでございます。そういったものをどういうふうに国に考えてもらうかということ,これは非常に重要な問題で,私ども,交通局だけでなく,財政局も含めて国のはうに働きかけをしております。ただ,非常にこれについては壁が厚い部分がございます。
と申しますのは,いま現在,もうすでに建設されている地下鉄については,過去のルールにおいても収支がとれるという保障をもって国のほうは認可をしているところがございます。その内容については,実際,計画と現実は違うということもあるわけでございますが,認可する時点においては,そういうはっきりした位置づけでもって地方公共団体も申請をし,運輸省も認可をしたという現実があって現在の運営になっているというところもありますので,私どもとしても,過去をさかのぼるというのはなかなか非常に難しい部分がありますが,現実にこういった地下鉄財政がおかしくなりますと,
一般会計そのものにも大きな影響を与えるということで,そういう観点から,国に対してもそれなりの
財政支援というものをお願いし,来年度に向けても,それなりの成果というものは得られたのではないかと思いますが,今後そういった個々の自治体の実情というものも十分踏まえながら,具体的に要望していかなければならないというふうに考えております。
それから次,バスの問題でございます。
今回の健全化策の中におきましても,地下鉄に対する対応とバスに対する対応というのは,おのずから違うことで私ども考えております。と申しますのは,地下鉄というのは,資本費負担によってこれだけの財政赤字が発生しているということがございますが,バスについては,人件費の問題ありますが,路線そのものについても,いろいろな問題もあるというふうに私どもは考えております。
バスについては,いろいろ収支の見方がございます。私どもやはり一番厳しく見るべきと思いますが,そうした中においては,現状の神助金というものをすべてはいだ形で見た場合,つまり
民間バスと同じベースで見た場合に,営業収支がどうなっているかということでございますが,これはほとんど赤でございます。したがいまして,本市の公営バスは,すべて走れば
赤字路線だというようなことになるわけでございます。そうしたときに,今後こういう
バス路線をどういうふうに考えていくかということは非常に大きい問題で,全部不採算路線でいいということで片づけられるかどうかでございます。
実際にバス運営を行うに当たって,最初からすべて不採算だということを前提に営業を行う,これは国のほうで,運輸省のほうで,いろいろな認可なり交通に対する責任を持っているところであっても,そんなわけにいかないと思います。ある程度は不採算というものがあっても,やはり採算とれるものもなければならないというところではないかと思います。そういった面で,本市の営業収支赤というものが,現実どういう理由でもって成り立っているのかということは,今回の健全化の中でかなりまた姿が変わってまいろうかと思っております。そういうことも見きわめる必要もありますし,また,現実に地下鉄との関係というものを,もっと整理をしていかなければならないこともございますので,私どもとしても,そういったものを交通局とあわせていろいろ検討をいたしまして,やはり
一般会計として,そういった公営企業に対する役割というものを十分考えながら,適切に今後補助制度というものを考えていきたいというふうに思っております。
◆藤田 委員 これでやめます。先ほど地下鉄の資本費の関係ですけれども,これは当面360億の特例債これをもってしては,いつまでも赤字を背負っていかなければならんということについては,大変な負担だと私は,精神的にもいろいろの面にですよ。そういう意味では,区切りとして
一般会計のほうで何がしの思い切った措置をしない限り,全体が今度は新しいスタートの上に立って再建をやるわけですけれども,そのあたりは特に重要視しながら考えてもらいたいと思っています。
バスについては,いまいろいろ話がありました。なかなかこれは,本来であれば乗車料収入に対する人件費というような形がくるんでしょうが,しかし,いま公営の場合についての多くは,たとえば補助をひっくるめた形でやむを得ないじゃないかといったような意見も出ているわけです。それがいいかどうか議論ありますよ。それにしても,総合原価ということは,これはやむを得ないと思いますよ。しかし,なおかつその上に立ってもどうしても赤字が生ずるという,しかし住民のためにどうしてもやらなければならんというような問題が出た場合に,とりわけ今度の福住等をめぐって,路線の再編成が中心になるわけです。これには必ずといって便利になるところ,あるいは不便になるというところで,多くの住民からの問題が出てくるでしょう。どうしてもやむを得ず残さなければならんといったことについては,やっぱりはっきりした,
一般会計でこれは見なきゃいけないといった点をしておきませんと,そこに働いている職員を初め,幹部だってそうでしょう。幹部だって,何か話によると,係長倒れて救急車でゆうべ病院に入ったということでありますが,そのように心をひとつ一新をして頑張ろうというときに,一体どうなるんだというような心配事があったんではならんわけでありまして,この点もひとつ
財政局長,十分心してやってもらいたいと思います。この点,特にそういう意味では,委員長の魚住助役も十分肝に銘じて,市長はたまたまいらっしゃいませんけれども,十分なる対応をしてもらいたいということを強く要望申し上げまして終わります。
○長岡 委員長 以上で質疑を終了いたします。
ここで委員会を休憩し,4時30分に再開の後,当委員会に付託された全案件に対する討論・採決を行います。
──────────────
休 憩 午後3時59分
再 開 午後4時30分
──────────────
○長岡 委員長 委員会を再開いたします。
ここで,討論・採決に入る前に,北方都市会議から帰札されました市長からごあいさつをいたしたい旨の申し出がございましたので,市長お願いをいたします。
◎桂 市長 それでは,委員長さんの特別のお許しをいただきまして,私,ただいま委員長さんからお話がありましたように,北方都市会議,モントリオールで開催されておりましたが,昨日向こうを出まして,ただいま戻りました。この間,委員の皆さん方には大変熱心にこの問題にご審議をいただきまして,それらの情報は向こうでも逐一札幌から連絡がありまして,その状況は知らせていただいておりました。質疑もこれで終了したようでありますし,その間,私が不在であったことは大変申しわけないことであったと思いますけれども,この後の討論を十分承って,これからの行政に生かしていきたいと,こう思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
○長岡 委員長 付託されました議案3件及び請願・陳情66件につきまして,一括して討論を行います。
◆常本 委員 私は,ただいまから,本委員会に付託されました市長提案の諸議案に賛成の立場から,また,本委員会に付託されました請願並びに陳情のすべてを不採択とする立場から,自民クラブ,民社クラブ並びに自由民主党の
議案審査特別委員会委員を代表いたしまして,以下,簡潔に討論いたします。
本市の
交通事業は,昭和2年に市電事業,昭和5年に市
バス事業がそれぞれ発足し,また,昭和46年には冬季オリンピック大会に合わせて地下鉄南北線が開業して以来,今日まで市民の足として活躍をしてまいりましたが,特に地下鉄は,その将来展望のもとに,東西線,東豊線と順次建設が進められ,現在までに営業キロ数は39.7キロメートルに達し,都市の基幹施設として,本市の発展に重要な役割を果たしてまいりました。
しかし,地下鉄建設の積極的な推進の一方では,短期間に大規模な投資を行なってきたことに伴う資本費負担の増大,東豊線の輸送人員計画の未達成,人件費の増大などの要因により,
交通事業の経営状況は加速度的に悪化し,今日,抜本的な対策を立てなければならない事態に立ち至ったのであります。
このような状況は,
交通事業についての従来の考え方を根本から見直して,
交通事業と都市計画との整合性を真に確保することを初めとして,縦割りの行政の排除と総合行政の一層の推進,さらには,公営企業に欠けていると言われる経営感覚の徹底などに精力的に取り組む姿勢がなければ,打開できるものではないと考えるのであります。
昨年の9月以来,全庁を挙げて経営健全化の取組みが行われ,880人に及ぶ大幅な職員の削減を含む経営効率化を初め,
需要喚起を図るためのまちづくり,さらには
一般会計からの
財政支援などを内容とする,あらゆる角度からの健全策が短期間のうちに取りまとめられたことは,適切な対処と評価するものであります。
このような一連の対策にあわせて,今回,交通料金の値上げが提案されたわけでありますが,市営企業調査審議会の公正な審議による答申を踏まえて検討が加えられた結果であり,能率的な経営のもとに,健全な企業運営を確保していくためには,適切な原価を基礎にすることが基本的に必要なことであります。
また,
交通事業の再建が最重要行政課題であるとしても,
一般会計からの
財政支援にはおのずと限界があることや,他都市の交通料金の状況から勘案しても妥当であり,このたびの値上げはやむを得ないものと考えるものであります。
本市のような積雪寒冷地帯においては,市民の足として地下鉄の利便性,快適性はだれもが認めるところであり,また人口が膨張し続ける本市の均衡ある発展のためには欠かすことのできない交通機関であります。
種をまいてから収穫するまでは,労力もかかり,時間もかかるわけでありますが,現在の
交通事業健全化の努力が将来の札幌市の発展に大きく寄与するものであり,子々孫々まで大きな財産となって残ることは忘れてはならないのであります。
今後は,経営健全化策に基づき,
交通事業の立直しを実施していくわけでありますが,累積赤字を解消するためには30年以上の長期間を要するとされており,時宜に応じ,適切な検証を重ねながら,着実な取組みがなされなければなりません。
組織は人からと言われるように,企業経営にとって職場の活性化につながる職員の意識改革もまた重要な課題であります。利用者に対する一声運動や現場職員と一体となった管理職の勤務体制を推進するということでありますが,これらのことはすぐにも実施できることでありましょうし,また,市民の親しみやすい
市営交通の確立のためにも積極的な取組みを期待するものであります。
また,経費節減策のアイデアの募集や勤労意欲を高める施策の検討,表彰制度の活用等も考慮すべきであります。
また,
需要喚起策は,再建策においてきわめて大きなウエートを占めており,いかに多くの市民に
市営交通を利用してもらえるか,この対策に知恵と努力を結集しなければなりません。このためには,これまで以上の強い決意を持って,市民と行政が一体となったまちづくりを推進し,将来を見通しながらまちづくり行政に創造性を付加し,新しい価値を生み出していくことが必要と考えるのであります。
需要喚起策の実施に当たっては,新たな機構の設置と都市経営的な視点からの行政運営の推進がなされるということでありますので,各種の施策が早く軌道に乗り,その努力が実を結ぶよう大いに期待するところであります。
また,再建策の推進により,できるだけ早期に市民の待望の地下鉄延長に展望が開けることを強く期待するものであります。以上で,私の討論をすべて終了します。ありがとうございました。
◆畑瀬 委員 私は,ただいまから,
議案審査特別委員会に所属する社会党の委員を代表いたしまして,今特別委員会に付託されております議案3件について賛成の立場で,請願・陳情66件については不採択の立場で討論を行います。
まず,議案については,
料金改定と
交通事業再建の前提条件となる内部努力,
需要喚起策,
財政支援がおおむね明らかとなったこと,今回改定を予定しているバスの乗継割引料金を20円から30円に再考したこと,同時に,通勤定期を次回改定期に見直すことが明らかにされたことから,今日の厳しい状況にある市営
交通事業を再建するには,改定は長期的に見てやむを得ないものと判断したところであります。
初めに,内部努力についてであります。
昨年の暮れ,本市
交通事業を再建するための内部努力として,労使の間で880名の人員削減をすることで決着を見ました。まさに,労働組合がみずから再建のための苦渋の選択と努力をされたことを高く評価したいと思います。
しかし,このことによって市民
サービスの低下と安全輸送が守られないということがないように努めるべきであります。
また,交通局から他に異動を余儀なくされる職員に対し,本人の希望が十分にかなえられるよう,配置転換先については全庁的に最善の努力をすべきであります。
また,人員削減を除く内部効率化による経費の節減額として205億2,000万円を計画していますが,地下鉄車両の出庫率アップによる経費の節減も進めるべきであります。現在,札幌市の線別車両出庫率は,南北線で77%,東西線で75%,東豊線で67%となっています。
一方,他都市の中で参考になりそうな福岡市は83%,京都市,仙台で79%になっています。3都市では,予備車両として3編成から4編成残しているのに対し,本市は5編成から6編成残しており,その差が本市の出庫率を低くしている原因になっています。
予備編成車両が少なくなれば出庫率は上がり,車両購入費や補修費を含め大きく節減できることになります。
ちなみに,その効果額は,1編成当たり南北線で約10億円,東西線で約9億円と試算できます。このことから,本市においても出庫率を他都市並みに近づけるよう積極的に努力し,可能な限り節減を実施すべきです。
次に,
需要喚起策についてであります。
これからの地下鉄の需要を喚起,創出するには,沿線開発,またはまちづくりが大きな役割を果たすことが大切なことです。今回出されている乗車利用状況の推移は,平成4年度61万9,826人,5年度62万9,396人,6年度63万9,393人,7年度71万500人,8年度72万5,875人,プラス需要増加策としてのまちづくりによる利用増を2万人としています。
この乗車見通しが予想以下に狂いが生じてくると再建の見通しがつかなくなることから,健全化対策委員会で単年度ごとに検証し,議会にもその都度報告すべきであり,もし予測以下で
交通事業会計に影響を及ぼす場合は,
一般会計で補てんしてでも全庁的に取り組むべきであります。そして,今後二度とこのような破産状態に追い込むことなく,また職場に大きな犠牲を強いたりすることは許されません。
わが党の質問に対し,公営
交通事業としての役割を将来とも継続していくとの強い決意が表明されましたが,市民の足を守るためにも民営化をすべきでないことを強く求めるものであります。
また,
バス事業の
増収対策について,目新しい増収策が示されない点は不満が残ります。ぜひ,路線貸切事業の拡大や定期観光路線への路線観光バスの導入,定期観光バスの夏場集中方式,加えて深夜バス,送迎バスの継続など,収入に寄与する課題は積極的に取り組むべきと考えます。
あわせて資産の有効活用についてであります。
今回の質問に対し,土地利用などを含め,啓明や円山
バスターミナルなど,12ヵ所の活用を図るとの回答があった資産の活用は,収入財源として大変大事なことであり,積極的な取組みをすべきであります。
さらに,東豊線延長に伴う
中央バスとの権益調整については,早急に金銭による解決を図るべきであります。また,現行直通バスは,すべて地下鉄駅に短絡すべきであります。
次に,
財政支援策として,
一般会計からの755億円の繰入れはあるものの,地下鉄建設時の約4,800億円の起債利息が年間302億円にも及んでおり,この膨大な建設起債を早期に償還することが再建につながる基本であることから,現在の約4,800億円の地下鉄建設未償還残高のうち,繰上償還のできる民間債559億8,500万については,基金の活用を含め
一般会計からの長期貸付で償還し,身軽になるべきであります。
今回,福祉政策に対する
一般会計からの
財政支援として,地下鉄既設駅のエレベーター設置に対する財政措置が計画されています。15年間で50億,15駅にエレベーターを設置する計画となっていますが,15年間は余りにも長過ぎます。高齢化社会への阻害,ノーマライゼーションの進展,設置駅との不公平解消などの観点から,早期設置への市民要望は強く,また一方で,
料金改定により市民負担を強いるわけでありますから,15年と言わず10年に短縮して,早期にエレベーターを設置し,市民
サービスの向上に努めるべきであります。
また,
バス事業は,地下鉄開業前は
市営交通の主役でありましたが,地下鉄開業後は,本市の交通戦略の変更により,地下鉄の補完役に回ってきました。このため,バス会計は,乗車収入の大幅減となり,構造的に赤字状況を迎えることになってきました。
現在,全路線74線中55線が
赤字路線であります。不採算であっても,行政上運行しなければならない責任を負っているのが公営企業としての厳しくも,また重要な使命であります。よって,行政上どうしても必要な路線の赤字相当分は,市営企業調査審議会の答申にもあるように,合理的な基準のもとに
一般会計から繰り入れる必要があります。
さらに,
バス路線の見直しに際しては,市民ニーズを十分把握するとともに,利便性向上や定時性の確保に努めるべきであります。
さらに,電車事業については,沿線地域の中心的な公共交通機関となっているとともに,観光都市さっぽろを強調する上で大事な交通手段であります。よって,今後もその存続に全力を挙げていくべきであります。
次に,料金についてであります。
バスの乗継料金の改定は,マイカーへの移行に一層拍車がかかり,乗客離れが顕著になると思われます。
改定による逸走率は,前回並みの2.3%を見込んでいるとのことでありますが,これを上回ることも懸念されるところであります。そこで,今回改定を予定しているバスの乗継割引を30円から20円にした点を再考されたことは的を射た判断であります。
同時に,週休二日制が拡大しつつある中で,通勤定期は普通料金,回数券と比べて必ずしもメリットがあるとは言えず,時代に合った抜本的な見直しが必要であります。次回改定期には,乗客離れにならないよう魅力ある通勤定期に見直すべきであります。
また,
市営交通の値上げは,民間交通機関の値上げにまで波及し,全市民に負担を及ぼすこと必至であります。よって,この健全化策の実現は,本市の至上命題であり,これまでのような対応のおくれにより,またも今回のような大合理化と大幅な市民負担の強要というパターンは二度と許されないのであります。
市長は,この点を十分認識の上今後行政執行されるよう強く要望いたします。
以上で,私の討論を終わりますが,今回の議案審議の中でわが先の委員が申し上げました指摘事項や意見については,今後の
交通事業の再建に的確に反映されるよう求めまして,討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
◆春原 委員 私は,ただいまから,本特別委員会に所属する公明党議員団を代表して,本会議から付託されました議案第1号から議案第3号までの交通乗車料金条例の一部を改正する条例案3件につきましては賛成の立場から,また,請願60件,陳情6件については不採択の立場から,以下簡潔に討論を行います。
本市の
交通事業は,40数年にわたり市電・バスを主体に,また46年以降は都市交通のかなめとなる地下鉄の導入が図られ順次拡大され,いまや市内における交通輸送の約6割を分担しており,市民の足としてなくてはならない存在となっているのであります。
特に,地下鉄については,他の大都市に見られない急速な建設が進められ,冬季間においても,安全,快適,定時性が確保され,市民生活及び経済活動に対する貢献度ははかり知れないほど大きいものがあると思います。
しかしながら,一方で資本費負担の増大,計画輸送人員の低迷,人件費の圧迫などの要因から,
交通事業の経営が危機的状況となっているのであります。
そこで,昨年来,企業努力,
需要喚起策,
一般会計より
財政支援の三つを柱として精力的な健全化計画により,現在,
交通事業の将来に一筋の光明が見えつつあります。
これまでに至る議論を踏まえて,今回一連の対策にあわせて
料金改定の提案がされたのでありますが,わが会派としましては,以下の理由により今回の改定はやむを得ないものと考えるものであります。
まず,経営健全化の柱である内部効率化であります。
当初の予定を下回ったとはいえ,880人の人員削減計画は一定の評価をできるものであります。また,
需要喚起策もいままでにない発想が見られ,全庁挙げてこれに取り組む姿勢が強く感じられるのであります。
さらに,貴重な一般財源である
一般会計からの
財政支援が今後10年間,755億円が見込まれており,これ以上
財政支援はないくらいの限界まで見込んでいるのであります。特に,これからの高齢化や雪対策,ごみ問題,教育問題等緊急を要する課題が山積する中での交通への
財政支援は,これが限度に近いと思われるのであります。したがって,利用者にも一定の負担をしてもらうのはやむを得ない措置であると考えます。
この
料金改定によると,他の大都市の水準並みであることを考えると,その改定率もやむを得ないと考えます。
したがって,ここであらためて
料金改定には賛成し,請願・陳情には,残念ながら,その願意に沿いかねることを表明いたします。
最後に,本委員会を通して,わが会派委員の質問要望でありますが,資産の有効活用については,相手を見つける手法や遊休地の有効活用,本局庁舎の活用について積極的に取り組んでいただきたいのであります。
また,JR新琴似駅と麻生駅の連絡の検討もぜひ行なっていただきたいと思います。
バス事業については,再編成に当たっては,市民生活との関連も検討され,市民に理解を求める努力を要望いたします。特に,今回の質疑の中で明らかにしたバス乗継料金の据置きについては確実に実行されることを要望しておきます。
地下鉄の
需要喚起のためにも,現在考えられているほかに,知恵の出し合い,工夫も行なっていただきたいと存じます。たとえば,各区の物産やイベント計画の創設等ももっと考えられてはいかがかと思います。
さらに,
需要喚起の有効なシステムとしてプリペイドカードの早期実現を図っていただきたいと存じます。
外郭団体についても,より活性化の必要があると存じます。これらもぜひ今後検討されるようお願いしておきます。
以上,限られた時間の中で述べてきましたが,経営の健全化は,何と言っても職員の意識改革であります。利用していただくとの考え方で,今後労使ともに協力をして健全化に当たられるよう強く要望して,私の討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
◆小川 委員 私は,日本共産党を代表し,本委員会に付託されました議案第1号から第3号の
市営交通料金の値上げにかかわる条例改正案に反対し,値上げ反対を求める請願・陳情66件の採択を主張する立場から,簡潔に討論を行います。
今日の本
市営交通の膨大な赤字につきましては,第1に,とりわけ地下鉄建設については国の責任が明白であります。地下鉄事業は膨大な建設費を必要とするにもかかわらず,政府の独立採算の押しつけ政策のもとで,そのほとんどが借金で賄われ,その元利償還が経営を大きく圧迫しています。
札幌市の場合,昨年度の決算を見ると,元利返済だけでも522億円を超えていますが,国と市の補助金が合わせて163億円,料金収入は299億円,広告収入を加えても492億円です。地下鉄の収支は,30年間で採算がとれる計画となっていますが,現在のように元利償還が膨らむ時期には,もともと人件費も運営経費も出てこない仕組みになっています。このことは,昨年度の各都市の地下鉄事業の決算状況を見れば一層明らかです。すでに不良債務を抱えている名古屋,神戸,福岡や横浜を初め,各都市とも財政的には厳しい経営状況にあります。
都市交通整備調査会の第5次提言でも明らかなように,世界の地下鉄の建設費はアメリカでは連邦80%,州及び市が20%負担,イギリスでは政府4分の3,大口ンドン市4分の1の負担となっているなど,国と州や市の
一般会計で建設されており,運営費は料金収入で賄うというのが常識になっています。さらに,今日ではニューヨーク,パリ,ロンドンなど世界の各都市は,建設費補助だけでなく運営費にも補助が行われています。
したがって,わが国においても,地下鉄は大都市における不可欠な郡市施設として明確に公共事業に位置づけ,国庫補助制度を抜本的に改善することが決定的に重要であります。したがって,事態の根本的打開のためには,街路事業並みの4分の3補助など,国の補助制度の抜本的改善を政捌こ強く求めることが急務であります。
さらに,すでに建設された地下鉄の借金,起債についても,既特例債,新特例債だけでなく,すべての起債の元利償還についても国が責任を持っ補助制度に改善させるべきであります。また,一般交通への繰入れについても,地方交付税の算入措置をするなど,国の財政的裏づけをとらせるべきであります。
また,第2に,札幌の地下鉄特有の赤字にかかわる部分についてです。これは
一般会計が負担すべきであります。
従来,札幌の地下鉄は,地下鉄を掘り続けていれば,認可路線ごとに10年間分割で補助金が入ってくることから,補助金が各年度切れ目なく入り,一定率以上のインフレが進行し,多額の借金が実質的に目減りする。補助金でつないでいるうちに,古い路線から順次20数年たち黒字に転化する。そのうちに経営も改善できるであろうと,こんなことを議会で説明されてきました。
しかし,全額借金で建設されても,元利償還は30年の長期だから,当面の市費負担は少ないと,こういうことから,少なくともまちづくりができるなどと,地下鉄がまちづくりの牽引車と,こういう位置づけのもとに,そのために東西線の大通駅の西端からバスセンター駅の東端まで1,335メートルに及ぶ,しかも2層ものコンコース,実質的な地下歩道の整備をも,都市計画上の観点から地下鉄事業に上乗せさせるなど,これらは交通局サイドの計画だけでなく,本庁サイドの要求,ときには前市長じきじきの指示で行われました。
したがって,これまでの市の政策としてまちづくりのために地下鉄建設に過度に負担させた経費は,もちろん
一般会計が負担すべきでありますし,エレベーターやエスカレーターの設置にかかわる費用,これについても当然
一般会計が負担すべきであります。
そして次に,第3に,今日の高い
市営交通料金は,市民の
市営交通離れをより一層促進することであります。
本委員会においての質疑で指摘しましたように,市長は本会議の答弁で,地下鉄は乗客の逸走については逸走はないと,市バスは若干だと,楽観的な答弁をしておりますが,札幌市統計書や交通局提出の資料によっても,地下鉄についても乗客の逸走,地下鉄離れが明白であります。
たとえば,南北線の乗車人員,1日当たり56年度で33万4,134人が,東豊線開業前の62年度で31万9,000人に落ち込み,1日当たりで1万4,531人,年間で530万3,815人も落ち込んでおります。
このことは他の路線でも同じで,建設計画時の乗車人員と実際の乗車人員の比率は年々低下しています。これが今日の地下鉄財政の最も深刻な問題であります。この乗車人員の落込みは,高い料金に根本原因があります。このため,市民はやむなくマイカー利用や運賃の安いJRに移行しているのであります。
特に,今回の値上げは,消費税分も織り込むと,あるいは乗継割引の改悪,こういうことも行われて,運賃格差を一層拡大し,乗客の逸走を激しくするだけであります。
事例を挙げれば,もみじ台団地からバス,地下鉄を乗り継いで,現在320円が今回の値上げ改悪で400円。バスの乗継割引を据え置いても390円,一挙に片道で70円値上げになります。JRバスの直行便に乗れば,現在200円,値上げで220円になりますが,片道で運賃格差は170円にもなります。1ヵ月の通勤定期では,乗継ぎが1万6,570円で,直行便は9,500円,7,070円の格差になります。
さらに,地下鉄とJR運賃の比較をすれば,新さっぽろ駅からさっぽろ駅までで地下鉄は250円が今度290円となり,JRは230円。片道で60円もの格差。しかも定期の割引比率は,地下鉄は通勤3割,中高大の通学割引は6割でありますが,JRは通勤53.3%,通学は70.4%引きであります。
新さっぽろからさっぽろ駅間で見ると,今回の値上げで,地下鉄は1ヵ月の通勤定期は1万2,180円,JRは6,800円。1ヵ月の格差は5,380円であります。さらに,JRは割引率がさらに高い6ヵ月定期も発行しています。
企業は,安いほうの定期代しか通勤手当として支払わないわけでありますから,市民が
市営交通を離れていくのは当然であります。このような運賃格差が市民の
市営交通離れを一層引き起こしているのであります。市民が,「地下鉄も料金を値下げしたら利用するよ。」と述べているのは当然ではないでしょうか。
世界の地下鉄料金は,ニューヨーク全線均一で110円,パリ115円,ロンドン92円なのであります。札幌の地下鉄は全国一高い料金となりますから,世界一高い料金となるのであります。しかも,今回の
財政再建計画によると,3年サイクルでさらに10%ずつ値上げしようというのでありますから,異常と言わざるを得ません。
需要喚起策をとっても,この乗車人員は見込みどおりにならず,これが実際には,絵にかいたもちに終わるのではないかと危惧するものであります。
全運輸省労働組合が,「滅びゆく公共交通」という本を出版し,今日の自民党政治を厳しく批判し告発していますが,まさにこの本のとおり突っ走ろうとしているのが本市のやり方であります。
わが党は,市民から
市営交通を遠ざけ,市民への高い負担,大収奪を押しつけるやり方,さらには合理化による安全輸送についても不安が残る今回の合理化や
市営交通の
料金値上げには反対であります。
また,従前の
料金改定のときには,遊休資産の売却に伴う収入を財政計画に盛り込んでいたにもかかわらず,今回は,すでに明らかになっている高速会計の所有する屯田用地の売却を財政計画に見込まないなどのずさんなものであります。
さらに,第6次提言で明らかにしている通勤割引への繰入れや審議会が答申した市バスの
行政路線への赤字補てんも先送りし,今回の財政計画にも盛り込んでいないというものであります。これは,今回の値上げ議会が余りにも準備期間がないにもかかわらず,値上げだけを急ぐ余りの結果であります。
わが党は,このような料金の値上げに強く反対し,討論を終わるものであります。(拍手)
◆佐々木 委員 私は,市民ネットワーク北海道議員会を代表して,本
議案審査特別委員会に付託されました議案第1号から議案第3号までに反対し,議案に関連した請願・陳情合わせて66件の採択をすべきものとの立場から討論いたします。
市営交通は,市民の日常的な移動手段として利用され,特に自前の交通手段を持たない市民の足となるべき公共の福祉の意味合いを強く持っていると考えます。多くの市民が本当に便利だと思い,気軽に乗れる料金を用意することが求められていることは申すまでもありません。
多大な赤字を抱え,危機的状況にある市営
交通事業を再建しなければならない。そのために内部努力もし,
需要喚起もする,
財政支援もするつもりだから,市民も同時並行で負担してほしいと言われても,すぐに応ずるわけにはまいりません。なぜならば,いままで何度もそう言われてきましたが,振り返ってみれば,市民負担と一定の財政援助があっただけではなかったでしょうか。私は,市民に負担を求めるときは,さきに申しました三つの努力を力いっぱい続け,これだけやってきた。しかし,いま少し不足なので,ここは市民にも負担をしていただきたいというのでしたら納得できると思います。
これは代表質疑でも申しましたが,これまでの事業運営を見ますと,2年前の第9次答申に示されてきたことが再び指摘される等,内部努力や
需要喚起に残念ながら大きな努力を積まれた跡が認められません。経営状況がこれまでに至った経営責任にいたしましても,第9次答申時の市長や管理者もかわり,その他の管理職にいたしましても多数の配転があったりと,その責任の所在も不透明になっております。
今回提案された改定案は,平均では14%となっておりますが,地下鉄の3区以上の上げ幅及び乗継料金の2区以上の上げ幅が18%から22%という大幅なものであり,さらに定期券の上げ幅にもはね返っており,家計に与える影響ははかり知れず,納得できません。
今後の再建のかなめとなります健全化策のうち内部効率化については,880人の削減を含む合理化による市民
サービスの低下や安全の確保については,十分な配慮を持って進めるべきと考えます。
需要喚起策については,何と言っても,どうすれば市民が
市営交通に乗りたくなるかを第一に考えることが必要ですが,利用者に訴える方策が少なく,民活を前提としたものが多いように思われます。
パーク・アンド・ライドの整備にしましても,都心に車があふれてからではなく,そうならないようにいまから対応していくことが必要と考えます。それには,いままでの待つ経営姿勢から,市民の中に積極的に入っていく,企業人として当たり前のことをやっていくのだという意識を忘れないことが求められております。
財政支援策の中のエレベーター設置については,多くの市民が待ち望んでおります。福祉の街づくりの視点からも,財政の許す限り,早い時期の実現を目指す必要があると思います。そうすることが,市民の足として定着する早道となるはずです。
また,計画にはないひばりが丘駅,西18丁目駅,乗降客の多い麻生駅等,早期設置に向けて積極的に努力されると表明されたことは評価しております。
私は,機会あるごとに,地下鉄の延長につきましては,再建のめどがつくまでまずは凍結をと申してまいりました。一日も早く再建を図ることが第一の急務だと考えます。
延長は,現在の
交通事業運営が軌道に乗るめどがつき,延長部についての厳しい目で見た収支予想の見通しが立たなければなりません。現在の東豊線の例を挙げるまでもなく,市民の財産である地下鉄が札幌市全体の財政を揺るがし,市民の負担を増すことにもつながるのです。
以上,申し上げましたように,再建策とともに示された今回の改定案については反対いたします。あわせて,改定案に反対する請願・陳情66件については採択すべきものと考えます。以上で,私の討論を終わります。(拍手)
○長岡 委員長 以上で討論を終わり,直ちに採決を行います。
この場合,分割して採決を行います。
最初に,請願第69号から第128号まで及び陳情第134号から第139号までを一活して問題といたします。
以上の請願・陳情66件を採択すべきものと決定することに賛成の委員のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○長岡 委員長 起立少数であります。
よって,請願・陳情合計66件は不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,議案第1号 札幌市
電車乗車料金条例の一部を改正する条例案,議案第2号 札幌市
自動車乗車料金条例の一部を改正する条例案及び議案第3号 札幌市
高速電車乗車料金条例の一部を改正する条例案の,以上3件を問題といたします。
以上 議案3件を可決すべきものと決定することに賛成の委員のご起立を求めます。
(賛成者起立)
○長岡 委員長 起立多数であります。
よって,議案第1号から第3号までの3件は可決すべきものと決定いたしました。
続いて,意見書案についてお諮りいたします。
地下鉄財政の危機的な状況を打開するためには,国庫補助金を増額し,資本費負担を軽減することが必要であることから,お手元に配付の地下鉄建設費に対する国庫補助の拡大を求める意見書案を,当委員会所属議員全員によりまして本会議に提案いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○長岡 委員長 異議なしと認め,そのように決定させていただきます。
以上をもちまして,本委員会に付託されました全案件の審査を終了いたします。
──────────────
○長岡 委員長 一言ごあいさつを申し上げます。
このたび,
市営交通の重大なときに直面をいたしまして,そのための臨時議会,そしてまた,この特別委員会でございました。各委員には,非常に限られた日程の中で精力的に取り組んでいただき,活発な質疑,そしてまた論議をいただきました。
また,議事運営に当たりましては,各派の理事はもちろんのこと,ベテランの猪熊副委員長に補佐をいただきまして,無事に終了させていただきました。委員会の目的を果たし,ここで委員長として皆様方に,このご協力に深く感謝を申し上げる次第でございます。
なお,理事者におかれましては,昨年の7月以来,いまだかつてない非常に
交通事業の厳しい危機に直面をした中で,この再建策につきましては,膨大な量の作業に積極的に取り組んでいただきまして,強い信念を持って,かなり大英断をもってこれに臨まれたことは,私といたしましてもかなり高い評価をいたしたいと存じます。
要は,これからの執行に当たりましては,全庁一致,さらにまた,議会も当然総力を挙げてこのことに取り組んでいかなければならないことだと思っております。
どうかひとつ,これからなお一層の,健康に十分留意をしていただきまして,ごぬ力をされますように祈念を申し上げまして,私のあいさつにかえさせていだきます。ありがとうございました。
──────────────
○長岡 委員長 これをもちまして,
議案審査特別委員会を閉会いたします。
──────────────
閉 会 午後5時15分...