委 員 高 橋 忠 明 君 委 員 武 市 憲 一 君
委 員 道 見 重 信 君 委 員 藤 田 雅 弘 君
委 員 滝 沢 隆 君 委 員 湊 谷 隆 君
委 員 伊与部 敏 雄 君 委 員 澤 木 繁 成 君
委 員 富 田 新 一 君 委 員 大 西 利 夫 君
委 員 田 畔 満 君 委 員 政 氏 雅 君
委 員 唯 博 幸 君 委 員 丹 野 勝 君
委 員 春 原 良 雄 君 委 員 柿 崎 勲 君
委 員 長 岡 武 夫 君 委 員 小 谷 俵 藏 君
委 員 千 葉 英 守 君 委 員 原 口 伸 一 君
委 員 高 橋 重 人 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 小 川 勝 美 君 委 員 横 山 博 子 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 山 口 た か 君
委 員 福 士 勝 君
──────────────────────────────────
〇
欠席委員(なし)
──────────────────────────────────
〇説明員
助役 木 戸 喜一郎 君
助役 魚 住 昌 也 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 河 崎 快 二 君
経済局長 田 中 良 明 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
──────────────────────────────────
〇書記
委員会二係長 野辺地 正 君
書記 常 野 正 浩 君
書記 高 井 俊 哉 君
書記 加 藤 寿 一 君
書記 佐 藤 比登利 君
──────────────
開議 午後1時1分
──────────────
○猪熊 委員長 ただいまから,第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にありません。
なお,本委員会に付託されております陳情第15号について,6月24日付で2,357人の
署名追加があり,
合計署名者数は7万5,180人となりましたので報告いたします。
それでは,議事に入ります。
最初に,議案第1号中関係分に対する修正案を議題とし,
提案説明を受けます。
◆生駒 委員 私は,ただいまから,
日本共産党議員団を代表いたしまして,提案されております議案第1号,すなわち平成3年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中
保育料改定に関する部分について,修正案を提案いたします。
今回の16年連続の値上げに当たって,
札幌保育連絡会などから短期間のうちに寄せられた7万5,000人を超える
賛同署名を添えた
値上げ反対の請願・陳情が提出され,審議されております。わが党は,保育所を利用する家庭の
生活実態を見るならば,これ以上の負担増は無理であることから,
代表質問や
委員会質疑において,再三にわたって
値上げ案の撤回を強く求めてまいりました。現在の
保育料体系は,
保育関係者も含めて市民が合意できる適正なものとするために,抜本的に見直すべきであり,これが実現するまでの間,値上げは当然,見送るべきであります。ところが,市長並びに理事者は,
保育料体系の抜本的な見直しを約束したのでありますが,なお値上げだけは進めようとすることから,今回,わが党は
議案提出権を行使して,
保育料値上げの撤回を内容とする修正案を提案するものであります。
市長は今回,
平均改定率3.26%の
保育料値上げを提案されましたが,最近では消費税,
社会保険料の引き上げなどにより,
実質可処分所得の伸び率が2%台へと大幅に低下しているように,市民の
生活実態はきわめて急迫しているのであります。
これは長期的に見ても,実収入に対する税や
社会保険料などの非消費支出の割合が年々増加し,その反面,家庭で消費できる収入,すなわち市民の実質的な
生活実態を示す
可処分所得の実収入に対する割合は,15年前の1975年91.3%から,1989年84.9%へと大幅に低下していることにも如実にあらわれております。総務庁の
家庭調査年報によっても,昨年の国民の実収入の伸び率は,前年に比して平均で0.7%であり,保育料の改定率3.26%は,これをはるかに超えており,市民の
生活実態を無視したものと言わざるを得ないのであります。
こうした状況のもとで,保護者の負担を抑えるための
公費負担に伴う軽減率を引き下げ,保育料の値上げを恒例化させ,
保護者負担を増大させてきたことはとうてい容認できないところであり,
保育所利用者の
生活実態を無視した今回の値上げも認めがたいところであります。すでに皆さんもご承知のとおり,東京都は3年前から値上げをストップしておりますし,今年度から仙台,名古屋,京都,神戸の各都市でも,値上げを見送っているところであります。
したがって,提案いたしました修正案は,こうした
保育所利用者の
生活実態に配慮し,今回の
保育料値上げを抑えるために,議案第1号,すなわち平成3年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中,歳入 分担金及び負担金より
保育料改定による増収分4,634万9,000円を
減額修正。そのための
財源措置として,歳入の
地方交付税に所要の額4,634万9,000円を増額修正したものであります。財源に充てる
地方交付税については,去る6月6
日本市議会ですでに可決された議案第26号 平成3年度札幌市
一般会計補正予算(第1号)において
仮称藤野南地区小学校の建築費を全額カットして,振興公社による立てかえ施行としたことに伴って,当初予算に計上されていた
地方交付税10億円が減額され留保財源となっておりますので,その一部所要額を本修正による減額分を補てんする財源として充てるものであります。
なお,
修正箇所のうち,参考と記した
修正部分は第一部
特別委員会にかかわるものですが,修正全体がわかるように参考として示したものであり,本委員会の
審査対象となるのはそれ以外の
修正部分であります。
以上,申し述べましたが,保育料の値上げを見送る内容となる
一般会計補正予算(第2号)の修正案に,
議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げまして,説明を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○猪熊 委員長 ただいまの修正案について質疑を行いますが,通告がありませんので終了いたします。
次に,本委員会に付託されました議案7件及び
修正案並びに請願・陳情2件を一括議題とし,討論を行います。
◆道見 委員 私は,ただいまから,第二部
議案審査特別委員会所属の
自由民主党議員を代表いたしまして,本
特別委員会に付託されました議案第1号中関係分と第2号及び議案第6号から第9号中関係分,さらに議案第22号につきましては,これにすべて賛成する立場から討論を行います。また,
保育料値上げに反対する請願と陳情各1件,そして本日,共産党から提案されました議案第1号の
補正予算の修正案につきましては,不採択の立場から討論を行います。
ご承知のとおり,本議会に提案されました
補正予算は,
桂市政初の
予算編成によるものであり,新政策を組み入れた本格的な肉づけ予算であります。
市長選挙で公約された政策,また,わが
自由民主党が政策協定で申し入れた事業等を考慮された
積極的予算編成であることをまず評価しておきたいと思います。さきの
提案説明で述べられた
躍動都市さっぽろの実現という市長の理念をベースに,いま新たな視点で気迫を持った桂丸が,21世紀に向けた船出にふさわしい予算案であります。
自由民主党としては,責任ある与党として,桂市政の支援を惜しまないことをつけ加えておきます。初の
予算編成は,公約の6本柱に沿って組み立てられており,以下,当
委員会関連の主な事業に焦点を当ててみたいと思います。
まず一つは,
生活都市すこやかサッポロの実現であります。
福祉充実を第1の政策に挙げたことが桂市政の特色であり,すべての市民が安心と潤いを毎日の暮らしの中で感じられる
市民福祉の街を実現させるということでありましょう。特に,
ノーマライゼーションの理念に基づいて,
地域福祉の推進に力点を置きながら,これからの
高齢化社会への
取り組みを一層,強化しようというものであります。このマスタープランとなるのが,策定中の札幌市
高齢化対策指針であります。これを基本に,今後の
高齢化社会への
取り組みが行われるわけであります。
具体的事業として,新しいタイプの
軽費老人ホームである
ケアハウスの建設や,西区への
シルバー人材センターの支部の設置などに事業費が計上されたのを初め,1区1館構想の最後であります厚別区の
老人福祉センターの建設に,早々着手することは,地域のお年寄りにとって,この上ないプレゼントとなります。今後の方向としては,1区2館といった複館構想,あるいは専用時間外の
一般開放等をぜひ考慮してほしいと思います。また,建設予定の
児童福祉センターには,
精神薄弱児の
通園施設や,
肢体不自由児母子訓練センターが併設されることになり,わが会派の要望が実現されたことを高く評価したいと思います。
次に,
躍動都市いきいき
サッポロの実現であります。
ここでも,
産業活性化の指針となるビジョンの策定と,それに基づく
活性化プロジェクトの展開は,本市の新たな
経済活性化プランであり,
中小企業と地場産業の振興に新しいインパクトを与えることになると思います。また,
大店法改正に伴い,
中小企業が大型店との共存のための助成や融資制度などについても,できる限りの対応をお願いしたいと思います。
次に,
快適都市うるおい
サッポロの実現であります。
ここでは,除排雪の強化策であります。雪さっぽろ21に基づいて,融雪槽や流雪溝など,新しい
排雪システムを整備する一方,通学道路や
幹線道路の運搬排雪が一段と強化された点は評価したいと思いますし,桂市政の最大の課題でもある雪対策については,わが会派としても協力を惜しまないつもりであります。特に,ここでつけ加えておきたいのは,今冬,除排雪のエースとして実施した
パートナーシップ制度の市民理解をもっともっと講ずる必要がありますし,さらには融雪槽や融雪機に対する
補助制度などを考慮して,市民と市が分担して
排雪強化を図っていく必要があると思います。また,交通の円滑化の切り札とも言える
鉄道高架事業で,
JR学園都市線が約2キロにわたっての
高架事業の
年度内着手は,新川通など4ヵ所の踏切が一挙に解消されるものであり,長い間の住民の希望がかなえられることになります。
以上,
市長提出の諸議案についての評価を述べてまいりましたが,桂市長初めての
政策予算は短期間のうちにまとめられ,内容についてもわが党の考え方と合致しており,積極的な予算であるとあらためて評価をし,賛成の意を表するものであります。
また,保育料の改定ですが,
指定都市の中でも
財政力指数が0.65という厳しい状況下にある本市が,保育料の軽減率が約4割と
指定都市の中でも上位にあり,道内他都市と比較しても大幅に軽減していることから,その
保護者負担の適正化を図りたいという意向は十分に理解できるものであります。また,
保護者負担についても,きめ細かな配慮をしていることは高く評価するところであります。しかし,何といっても保育料は本来,受益者である保護者が負担するのが原則であることは言うまでもないところであります。その保育料を大幅に軽減することは,市民の多大なる税金を投入することともなり,負担の公平を損なうことになるわけであります。したがって,国の
保育料基準額程度の今回の改定は,適正だと考えるのであります。したがいまして,
保育料改定にかかわる請願第32号及び陳情第15号及び
共産党議員提出の議案第1号の修正案は,
市民負担のバランスを著しく欠くものであり,とうてい受け入れることはできません。
最後になりますが,本
委員会質疑の中で,わが
会派議員から指摘・要望のあった事項につきましては,
理事者側におかれまして,その実現に向けて最大限のご努力をお願いして,私の討論を終わらさしていただきます。
◆澤木 委員
社会党所属委員を代表いたしまして,第二部
議案審査特別委員会に付託されました議案7件については賛成の立場で,請願第32号,陳情第15号については不採択,また議案第1号に対する修正案についても反対の立場で討論をいたします。
まず,それぞれの局別に申し上げますが,民生局,
衛生局関係についてであります。
最初に保育料については,確かに16年連続しての値上げという実態から,父母の負担の厳しさは察して余りあるものがあると思うのであります。しかし,段々の審議の中で明らかになったように,今日までいろいろと努力を重ねた結果,先ほども述べておりましたけれども,その軽減率が
指定都市及び
道内主要都市において上位に位置しており,またわが党の質問に対して,
階層間軽減率の
ランク是正については早期に思い切った調整を図るとし,さらに第3子以降については
年度内是正を明確にしたこと,及び第2子についても今後さらに減額を検討するとの姿勢を明らかにしたことから,一定の努力を多とし,改定はやむを得ないものと考えます。
次に,本市が
補助金等を出資している
社会福祉法人北翔会についてであります。
この北翔会に対して,道並びに本市の監査が行われた結果,
施設会計から個人負担すべきと思われる経費の支出,
施設会計で負担することは適切でないと思われる経費の支出,そして
社会通念上の範囲を越えていると思われる経費の支出など,適正を欠く支出が明らかになった。
社会福祉法人の公共性を考え,その経費は措置費,
補助金等の公的資金で賄われていることから,その運営は厳正に行われなければならず,本市は今後とも,法人の監査権を持つ道と常に連携を保ちながら指導を強めるよう求めます。
次に,
札幌保育園についてでありますが,この法人に関する三つの園と1施設については,次の点が指摘されております。第1に,毎年の繰越金が多過ぎること。
これは,人件費が札幌市
私立保育所連合会の基準を下回っていること。第2に,措置費,補助金を
施設会計で処理せず,
法人会計で行なっていること。したがって,
民間施設給与等改善費の停止条件を免れていること。第3に,
精薄施設に対して行われる補助金の申し出がなく,その理由が明確でないこと。第4には,
法人会計の繰越金が多く,明らかに法人の定款違反の行為を行なっていたことなど,まさに制度全体を否定するがごとき行為は,
社会福祉法人に対する制度全体に影響を及ばすことになり,これはまた,道と本市が一体となった指導監査を強く要求し,改善を図ることを訴えるものであります。
次に,
老人ホームの施設における
各種選挙の実施についてであります。
指摘したいことは,第1に,入園者の
選挙投票に対する判断材料がほとんどないということであります。すなわち,
老人ホームの施設は
不在者投票指定施設になっており,
選挙期間中は立ち寄ることすらできないし,選挙前の通常の
政治活動についても,施設長の管理責任がきわめて強く,自由な施設での
政治活動ができない状況であります。
選挙公報は,各園に対して5部しか与えられておらず,道議に至っては公報すらないのが実態であります。同時に,記載に当たっては,立候補者の氏名一覧は投票者に示されておりません。また,記載時については,施設の関係者だけで
投票行為がされており,
施設ぐるみ選挙になりかねない状況であります。したがって,これらのことを踏まえて,施設外の
立会人等を設定すべきであることを強く訴えるものであります。
次に,
国民健康保険会計予算の補正についてでありますが,収納率が当初予算に比べて,約12%も低い81.4%の
決算見込みとなっております。
国民健康保険については,保険料を軽減するために,市費の繰り入れを毎年増額してしのいでおりますけれども,まじめに納入する人,事情はあるにせよ,未納になっている被保険者の不公平感がさらに収納率を低下させる原因になり,全庁を挙げて
収納率向上の努力を求めるものであります。
次に,
衛生局関係についてでありますが,
精神障害回復者への援助体制は少しずつ改善されておりますけれども,いまだ家族会が中心になっており,
小規模共同作業所など,適切な
指導員確保とそれに見合う人件費の補助については,早期に実現するよう研究を望むものであります。
次に,
建設局関係についてでありますけれども,このことは各会派からも集中的に出されて議論が展開された除雪問題であります。わが会派として,特に
パートナーシップ制度の試行に当たり,
トラック貸し出し制度などを含め,
市民負担の軽減と制度の簡素化を求めてまいりました。明年の除雪時期までには十分検討の上,実現に向け努力されることを望むと同時に,ロードヒーティングについても,
幹線道路のみにとどまらず,行く行くは段階的にであっても,
生活道路まで踏み込んで除雪対策に当たっていただきたい。これについては,前向きに検討するとの助役答弁でありましたので,大いに期待をするところであります。
次に,
経済局関係であります。
将来的には,大きな市場として期待されている
シベリア極東地域ですが,
姉妹都市のノボシビルスク市で開催される
シベリア見本市への出展は,積極的な
取り組みとして評価されております。ソビエトの
マーケット動向の調査,出展内容を十分検討し,その成果をより大きなものにしていただきたいことと,7月に開催されるシベリア・ファッションショーも,これが一過性のイベントに終わらせることなく,
ファッション分野の経済的な交流の発展にしっかり結びつくよう,強く要望するものであります。
次に,大型店の規制緩和に対応するための
中小企業等振興助成金が計上されましたけれども,その
交付手続の簡素化と
積極的活用のための努力を望むものであります。また,本市の産業構成は,商業・
サービス業を主体とした第3次産業は極端に傾斜しており,このことは11
政令都市中,
財政力指数は10位に位置していることから,第2次産業,つまり
都市型軽工業及び
テクノパーク等を積極的に進めていただきたいと思うのであります。
特に,次に請願第32号及び陳情第15号並びに議案第1号にかかわる修正案については,すでに
民生局関係で述べましたように,保育料の
父母負担の厳しさは十分に理解できるにしても,
保育園運営上の諸般の事情を考慮すれば,今回の改定はやむを得ないものと思うのであります。したがいまして,請願第32号及び陳情第15号については不採択とし,したがって,修正案については反対の意思を明らかにするものであります。
以上で討論を終わりますけれども,わが党の委員が申し上げました今
議案審査の中での経過につきましては,十分にその趣旨を生かしつつ,今後の市政の発展に役立てるよう強く要望いたしまして,討論にかえるわけであります。
◆春原 委員 私は,ただいまから,本
特別委員会所属の
公明党委員を代表いたしまして,本
特別委員会に付託されました
市長提出の議案7件に対しては,これにすべて賛成する立場から,また
保育料改定にかかわる請願第32号と陳情第15号及び
共産党議員提出による議案第1号の修正案については反対の立場から,以下,要望等も含めて討論を行います。
補正予算の
関係議案は,桂市長が提案されました初めての
政策予算であります。
市長公約に基づいて,六つの柱から組み立てられており,この肉づけ予算806億円に骨格の1兆1,106億円を加えると,1兆1,912億円となり,前年度当初予算と比較しますと,
一般会計においては6%,
特別会計においては7%,
企業会計では10%,これらをあわせて全会計の伸び率は7.1%であります。国の
一般歳出の伸び率5.3%,
地方財政計画の伸び5.6%を上回るものであり,市税が4%と大幅な伸びが期待できない中にあって,
財源確保に努められ,市税を大幅に上回る
予算規模は,桂市長の積極性がうかがえるのであります。
この中で,今後の本市の
行財政運営の指針となる次期5年計画の策定費が計上されたことに対し,大いに注目しているところであります。第3次
長期総合計画の早期実現,来たるべき21世紀への準備,
高齢化社会や国際化への対応,あるいは
快適都市の追求など5年計画に対する課題は多く,それだけに市民の期待は高いものがあります。期待にこたえる5年計画を策定されるよう,
関係部局の積極的な
取り組みをまず要望しておきます。
ここで,本
委員会関連の予算案と
委員会審議を通して,わが
会派議員が取り上げました事項について触れさせていただきます。
まず,福祉問題,特に
高齢化福祉についてであります。今回,予算計上されました
厚別老人福祉センターの建設,あるいは新しいタイプの
軽費老人ホーム,
ケアハウスの
建設補助といったハード面での整備はもちろんですが,
ノーマライゼーションを目指す
地域福祉事業であるふれあいの
まちづくり事業,あるいは
地域福祉基金造成などソフト面の
取り組みに,
福祉重点という
桂カラーが盛り込まれたことを大いに評価しておきたいと思います。特に,わが会派が
代表質問でも取り上げましたが,
施設福祉の充実を図る一方で,ホームヘルパー,デイ・サービス,ショートステイといった
在宅福祉施策の充実に一層の努力をざれるよう要望しておきます。また,障害者の就労問題もわが党の主要課題でありますが,今回,
精神薄弱者の
福祉工場が建設されることになり,
社会自立の道が開かれたことに大きな期待を抱いております。この運営については,生活面,賃金など待遇面で市の指導が不可欠であると思います。
次に,健康づくり事業についてであります。
東区に続いて中央区にも健康づくりセンターが建設されることになり,市民の健康増進の拠点施設として完成が待たれるところであります。一方,保健所が地域の健康づくりの核であるというのが,わが会派の持論でありますが,この保健所が住民組織や地域の医療機関等との連携を保ちながら,早い時期に区役所へ移管されるよう強く要望しておきます。
次に,これまでも何度となく取り上げてまいりましたが,新3種混合ワクチンの予防接種につきましては,本市が副作用の発現率が高いことから,その慎重な対応が特に求められますし,保護者の理解を得るための方策をぜひ強化してほしいと思います。
次に,経済振興策等に,
中小企業における人材の確保と人材の育成策についてであります。
言い古されてはおりますが,「企業は人」であります。優秀な人材を確保し定着させるためには,最近では快適な生活環境づくりが大切であると言われております。住宅面ではもちろん,文化・教育面,さらには自然環境といったゆとりを持って働ける環境づくりが人材確保に欠かせないものになってきつつあります。Uターン希望者の対応策,あるいは人材育成事業に対する行政の積極的な介入も必要と考えます。
また,新規の里づくり事業に大いに注目しているところでありますが,都市農業再生のための救世主として強く願っておるところでございます。そのための方策として,生産性を考慮することはもちろんですが,北国の大都市の特色を生かした観光農業エリアといったことも考慮してほしいと思います。
また,大店法の規制緩和による商店街の振興策としても,特色あるソフト事業の展開が望まれますが,ここでも人材育成が急務であり,市の援助が必要であります。
次に,保育料の改定問題についてであります。
平成3年度の保育料の運営費総額は約112億円が見込まれております。このうち,保護者の負担は約19億円で約17%,残る93億円は国と市が負担しているわけであります。さらに,国の基準に対する本市の軽減割合が約39%で,
指定都市平均の31.3%を上回っているのが現状です。本年は,多子家庭の軽減が国の基準を上回る配慮がされていること。さらに,階層間のアンバランスが著しいことから,これを是正するなど本市の
取り組みは評価できるものと思います。
市民負担の公平,限りある財源の有効活用を考えますと,受益者の経費の一部負担もやむを得ないと判断するものであります。
最後になりますが,わが会派委員が当委員会を通じて申し上げておりました要望,意見につきましては,今後の市政に反映されることを要望いたしまして討論を終わります。
◆千葉 委員 私は,ただいまから,自民クラブ議員会を代表いたしまして,本
特別委員会に付託されました
市長提出の諸議案に対しては賛成の立場から,また
保育料改定に反対する請願及び陳情,さらに
共産党議員提出の議案第1号の修正案については不採択の立場から,以下,簡潔に討論を行います。
今回の議案中,
補正予算案は桂市長にとって初の編成によるものであり,市民への約束を盛り込んだ初めての
政策予算でもあります。このことは,
提案説明の中で市長の気持ちが込められた所信表明で力説され,これまで市民に訴えてこられた基本理念,
躍動都市さっぽろを軸に5本の基本姿勢,そして6本の柱に分けての具体的施策,これらの実現に向けて大きく一歩踏み出したものと言えます。この短期間の
予算編成で,よくここまで考慮できたものと評価するものであります。もちろん,すべての公約を盛り込むことは不可能であったと存じますが,今年度中に策定が予定されております次期5年計画の中に,桂市政の特色がふんだんに盛り込まれることと期待するものであります。
さて,本委員会に付託されました
補正予算案の中から,主な事業内容について述べさせていただきたいと思います。
まず,
民生局関係であります。
桂市政の重点項目の一つに,「平和と安らぎに満ちた
市民福祉のまちづくりを進める」があります。21世紀に向けて,高齢化が進む中,
施設福祉の充実は不可欠でありますが,これからはソフト面,つまり心のサービスといったことの充実が望まれております。こうした流れの中で,いち早くボランティア活動,あるいは在宅福祉の振興など
地域福祉の充実に力点を置いた
取り組みは,当を得たものであります。
次に,
衛生局関係であります。
何といっても,健康づくりセンターの建設を高く評価したいと思います。市民の自主的な健康づくりの支援を目的とした施設であり,平成5年のオープンが待たれます。せっかくの施設ですから,民間のスポーツクラブなどにはない栄養指導,生活指導といった機能を持たせたり,特に,心の健康づくりについての新しい展開を要望しておきたいと思います。
次に,
建設局関係であります。
やはり,雪対策であります。通学路の運搬排雪の大幅延長,さらには
幹線道路の運搬排雪の評価,また坂道ロードヒーティングが年度内72ヵ所の整備費が計上されたことは,公約実現の早い
取り組みであり,敬意を表するものであります。今後は,住民みずから排雪ができる流雪溝の整備を可能な限り進め,また融雪槽や融雪機などへの補助なども検討されるべきと考えます。また,この冬,初めて試みられた
パートナーシップ制度は,PR不足もあって市民理解が欠けていたように思われますので,この制度が早く軌道に乗るよう,市の一層の努力を求めるものであります。このほか,北区の屯田防風林をそのまま生かした,全く新しい街路づくりを実施されますが,こうした手法が全市的に採用されることを期待したいと思います。
次に,
経済局関係でありますが,今回,計上された里づくり事業は,農業者にとって新しい活路を見出す切り札になってほしいと願うものであります。同時に,本市農業の実情を十分見きわめて,農用地の見直しに積極的に取り組むことを,再度,要望しておきたいと存じます。
また,新しい工業団地の造成が3地区で具体化され,一日も早い分譲が待たれるのであります。しかし,自動車解体業や古紙廃品回収業は,こうした工業団地の対象外の業種であります。住宅街でのトラブルを解消するためにも,こうした業種についても,何らかの手だてを考えるべきと思います。難しい問題もあろうとは存じますが,全庁的な
取り組みで打開策を練っていただくよう要望いたします。
最後に,保育料の改定であります。
保育料は,受益者である
保護者負担と,国と市の公費で補われております。本市の保育料は,国の基準額の4割を軽減しており,
指定都市の中でも上位の軽減率であり,道内では最高の軽減率となっているものであります。今年度は,多子家庭などの軽減に配慮していること,あるいは後年次負担を避けるためにも毎年度の改定はやむを得ないものであり,今回の改定は適正であると考えます。こうした意味で,共産党議員から提出されました修正案は,
市民負担の公平さを著しく欠くものと思います。請願第32号と陳情第15号及び議案第1号の修正案については,反対の立場を明確にしておきたいと思います。
以上,種々述べてまいりましたが,桂市長の初めての
政策予算が,厳しい財政状況下にあって,最大の努力をされた内容であることから,より適切に,より効果的に執行されることを期待いたしますが,わが会派が質疑を通して指摘をし,あるいは要望いたした点につきましても,的確な
取り組みを期待し,私の討論を終わります。
◆高橋[重] 委員 私は,日本共産党を代表し,第二部
議案審査特別委員会に付託されました案件中,議案第1号 平成3年度札幌市
一般会計補正予算中関係分に反対,残余の議案6件には賛成,及びわが党が提出いたしました議案第1号中関係分に対する修正案に賛成,並びに請願第32号,陳情第15号を採択すべき立場から討論を行います。
まず,議案第1号
一般会計補正予算にかかわる
保育料値上げについてであります。
わが党は,16年連続値上げがいかに大きな負担を共働き家庭に与えているのか,その実態を明らかにしながら値上げの撤回を求めたのでありますが,市長はわが党の指摘や7万5,000余の署名に込められた市民の願いに全く耳をかさず,かたくなに値上げを実行しようとするその政治姿勢はまことに遺憾であります。高い保育料に苦しめられている市民の
生活実態,特に婦人の働く権利が実質的に奪われてしまっている実態について認識しているのかという
代表質問に対して,桂市長は詳細は知らないと答弁され,市民は唖然とさせられたのであります。また,本市の保育料が高いという認識を持っていないかとの質問に対し,理事者は高いとは考えていないと答弁され,市民生活の実態を考えた保育料のあり方を検討するのではなく,ただひたすら値上げ路線に固執している態度は,とうてい容認し得ないのであります。
質疑の中でも明らかになりましたように,
保育料体系の抜本的見直しを理事者も表明されているのであります。理事者が,高い保育料の見直しが緊急の課題になっている現状において,いま行政としてやるべきことは,値上げは見送り,市民合意の料金体系をどう策定するかであります。市長は,毎年度改定することが負担の公平という観点から,適切な措置であると答弁されましたが,この考えこそ改めなければなりません。受益者負担を当然の前提にして,本来,国,自治体が果たすべき責任を回避する態度だからであります。市長の答弁にあるように,国,市,保護者がそれぞれ応分の負担をすることが原則であるとしても,国,市が市民生活の実態を十分に配慮し,市民生活や婦人の働く権利を守る立場で対処すべきことは,保育行政の基本であります。この基本から逸脱し,
父母負担の強化は当然であり,生活苦を訴えている父母の声を聞こうともしない態度は容認し得ず,
保育料値上げに反対するものであります。ご承知のとおり,東京都は3年前から値上げをストップし,また,今年度は仙台,名古屋,京都,神戸の各市が値上げを見送っているのであります。したがって,わが党が提案した修正案の可決を強く求めるとともに,請願・陳情の2件は採択すべきであります。
次に,本
議案審査を通じ,わが党が質疑の中で明らかにしてきた問題であります。
第1には,除雪にかかわる問題であります。
今冬は特に豪雪ということもあり,わが党も2月に市長に対して,
補正予算を組んででも市民の要求にこたえるよう強く申し入れてまいりました。また,桂市長も選挙政策の中で,完全除排雪を約束されていたのであります。今回の
補正予算で小・中・高の通学路の排雪,ロードヒーティングの促進などが計画され,一歩前進は見られるものの,
生活道路の排雪の拡大強化,パートナーシップ制の抜本的改善による住民負担の軽減化,隘路になってきた雪捨て場の確保のための公共的空地の確保,ロードヒーティング化の一層の促進,老人・身障世帯の排雪の援助体制の確立,除雪の障害になっている狭隘な道路の電柱の共架化など,一層の努力を強く求めるものであります。
第2は,市営住宅についてであります。
老人・身障者向け市住の不足は深刻であります。希望者は直ちに入居できる住宅建設計画を立てて実行すべきであります。高家賃の市営住宅をつくり出していますが,所得の実態に見合った市営住宅用地代が高騰し,政策家賃制度の導入が必要であります。また,市営住宅の空き住をつくり出している大きな要因である,高い地域暖房料の引き下げも図るべきであります。独身勤労青年の住宅問題は,公団に入ればよいという態度では解決されません。公住法の改正を国に要求するなど,制度改正を含む
取り組みが重要であり,これを強く指摘しておきます。
第3は,大型店にかかわる問題であります。
日米構造協議を背景に,大店法の改正により,大型店の大量進出が地元小売業者の営業と生活に深刻な影響を与えているばかりでなく,環境に及ぼす影響も大きく,重大な都市問題となっております。地域商業活性化対策として,1,200万円計上して,環境影響調査を計画されておりますが,市の各セクションが協力して,大型店の企業責任と企業負担を明確に求め,市民生活の影響を未然に防止することは当然であります。同時に,商業への影響を調査し,地元
中小企業を擁護する姿勢を明確にするべきであります。特に,北区茨戸地域に進出が報道されましたヤオハンについては,市長を初め市関係者の全く知らない中での出店表明であり,本市の夢のグリーンベルト構想計画からも,
長期総合計画の土地利用計画からも,またこの地域に一大水郷森林公園を待望している市民の願いから見ても,またここで営農している農家と農用地を保護する上からも容認し得ないものであり,理事者が答弁された,一私企業のために都市計画を変更することはないという立場を堅持し,毅然とした態度を強く求めるものであります。
以上で討論を終わります。
◆山口 委員 私は,市民ネットワーク北海道を代表しまして,当委員会に付託されました諸議案につきまして簡潔に討論いたします。
保育料値上げについてのみ申し上げます。
本市の保育料は,軽減率39%であるから高くないと市は認識していらっしゃいますが,その一方で,他の政令
指定都市の中間ぐらいまで軽減率を下げていくような考えも見られ,これは納得できるものではありません。
代表質問でも申し上げましたが,保育料が高いか安いかは非常に難しい問題であり,現行の81通りの階層別,年齢別保育料も判断を困難にしています。安くて助かっているという意見,高くなってもいいから保育内容を改善してほしいという意見もあり,市民ネットとしても,必ずしも値上げに常に絶対反対という立場ではありません。しかしながら,現実では特にDランクの勤労共働き世帯の多くが,重い負担感を持っているのが実情であります。
さらに,私は市の保育園の姿勢に一言申し上げます。女性が一生の間に産む子供の数が1.53人にまで下がったことを,多くの女性はむしろ当然と受けとめています。仕事を続けるか,育児に専念するか。仕事を続けても,乳幼児を抱えての共働きは,
本当に身も心もくたくたになって,仕事をあきらめざるを得ないのが実情です。今回,多子家庭への軽減が配慮されますことは評価すべきではありますが,子育てや教育にお金がかかり過ぎ,女性にばかり負担がかかるいまの社会では,多くの子供を望んだとしても,あきらめざるを得ないのです。労働時間を短縮し,育児休暇や育児時間を確保し,男性と女性がともに仕事も子育ても伸び伸びとできるような環境づくりが急務と考えます。本市は,そのような時代の要請を素早く読み取り,保育園を初め,充実した子育て環境づくりのためにお金を使うことを惜しまないという姿勢を示すべきと考えます。
また,軽減率において,他の政令
指定都市より上位を維持し続けること。保育料制度の見直しを行い,適正な
保育料体系をつくることを強く要望いたします。
以上の理由で,保育料の値上げに反対いたします。
したがいまして,市民ネットワーク北海道は,議案第1号中関係分に反対し,第1号中関係分に対する修正案に賛成,請願第32号及び陳情第15号を採択すべきと考え,残余の6件の議案に賛成との立場を明らかにいたしまして,討論を終わります。
○猪熊 委員長 以上で討論を終結し,直ちに採決を行います。
この場合,分割して採決いたします。
最初に,請願第32号及び陳情第15号を一括して問題といたします。
請願第32号及び陳情第15号を採択すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○猪熊 委員長 起立少数であります
よって,請願第32号及び陳情第15号は,不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,議案第1号中関係分に対する修正案を問題といたします。
議案第1号中関係分に対する修正案を可決することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○猪熊 委員長 起立少数であります。
よって,議案第1号中関係分に対する修正案は否決されました。
次に,議案第1号中関係分を問題といたします。
議案第1号中関係分を可決すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○猪熊 委員長 起立多数であります。
よって,議案第1号中関係分は,可決すべきものと決定いたしました。
最後に,議案第2号,議案第6号から第8号まで,議案第9号中関係分及び議案第22号を一括して問題といたします。
以上の議案6件を可決または承認すべきものと決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○猪熊 委員長 異議なしと認めます。
よって,議案第2号,議案第6号から8号まで,議案第9号中関係分及び議案第22号の6件は,可決または承認すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして,全案件に対する審査を終了いたしました。
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○猪熊 委員長 ここで,退任のごあいさつを申し上げます。
副委員長を初め,理事の皆さんのご協力はもちろんのこと,委員の皆さん,さらには理事者の皆さん方のご協力をいただきまして,きょう,この場を迎えることができました。あらためて,心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
以上で,簡単ですがあいさつにかえます。ありがとうございます。
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○猪熊 委員長 これをもちまして,第二部
議案審査特別委員会を閉会いたします。
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閉会 午後1時53分...