議 員 斎 藤 忠 治 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 宮 川 新 市 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 山 本 長 和 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 吉 田 一 郎 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
――――――――─―――――――
〇
欠席議員(2人)
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 滝 沢 隆 君
――――――――─―――――――
〇
説明員
市長 板 垣 武 四 君
助役 桂 信 雄 君
助役 勝 田 義 孝 君
助役 杉 本 拓 君
収入役 藤 井 憲 次 君
交通事業管理者交通局長長 部 幸 一 君
水道事業管理者水道局長出木岡 謙 三 君
総務局長 木 戸 喜一郎 君
企画調整局長 藤 田 幸 宏 君
財政局長 田 中 良 明 君
市民局長 本 間 雄 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 島 中 貞 夫 君
環境局長 柴 田 浩 英 君
経済局長 伊 東 義 昭 君
建設局長 魚 住 昌 也 君
下水道局長 渡 辺 信 仁 君
建築局長 柳 町 菊 造 君
市立札幌病院長 竹 田 保 君
消防局長 谷 裕 之 君
教育委員会委員 村 田 忠 良 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君
選挙管理委員会委員 高 橋 光 義 君
選挙管理委員会委員 越 智
喜代秋 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 中 目 啓 市 君
監査委員 山 本 穫 君
監査事務局長 谷 口 政 範 君
――――――――─―――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 船 木 宏 通 君
総務課長 植 田 英 次 君
議事課長 坂 野 嵩 君
調査係長 大久保 裕 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 高 森 政 行 君
記録係長 谷 川 輝 雄 君
委員会一
係長 土 屋 逞 君
委員会二
係長 野辺地 正 君
書記 木 内 二 朗 君
書記 吉 田 雅 博 君
書記 鈴 木 和 弥 君
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) ただいまから,本日をもって招集されました
平成2年第1回
札幌市議会定例会を開会し,直ちに本日の
会議を開きます。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君)
出席議員数は,65人であります。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) 本日の
会議録署名議員として伊与
部敏雄君,
斎藤忠治君を指名します。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) ここに,謹んで報告いたします。
本
市議会議員 山田長吉君は,昨年12月18日,病のため急逝されました。
まことに
痛惜哀悼のきわみであります。
ここに,故
山田長吉君の逝去を悼み,弔意を表するため,
黙祷をささげることといたします。
議場内におられる皆様のご起立をお願いをいたします。
(起立)
○
議長(
吉野晃司君)
黙祷。
(
黙祷)
○
議長(
吉野晃司君)
黙祷を終わります。
ご着席を願います。
(着席)
○
議長(
吉野晃司君) ここで,故
山田長吉君に対し,
議員一同を代表して,
岡本修造君から
追悼の演説があります。
なお,ご遺族が
特別傍聴席においでになっておりますことを申し添えます。
岡本修造君。
(
岡本修造君登壇)
◆
岡本修造君
札幌市議会本
会議場は,今,
平成2年第1回
定例会の初日を迎え,
札幌市政のさらなる発展と
市民生活の一層の向上に向けて,厳しい論議が展開されようといたしております。
この論議に先立ち,私が
同僚議員を代表して故
山田長吉議員に対し
追悼の言葉をささげなければならないことは,まことに痛恨きわまりなく,私は,これに過
ぐる寂寥をいまだ知りません。
今,この本
会議場に
山田長吉議員の個性あふれる独特の風貌と,信念に満ちた堂々たるあのお姿を見ることはできず,あなたの議席は,いまやすでに空席となって,ただ,一輪の花が残るのみであります。
まさに人寿は金石にあらず,朝露のごときはかなき人の世を思い,私
どもは,寂漠としたやり場のない寂しさを,ただただかみしめるばかりであります。
あなたは,年の瀬も迫った,
平成元年12月,軽い風邪から肺炎を起こされ,最愛の伴侶であった奥様を亡くされて以来の心痛も重なってか,ついに
市立札幌病院に入院なさいました。しかしながら,
近代医学の粋を凝らした治療も,ご家族の手厚い看護も,そして私
たち議会関係者を初めとする多くの
市民の願いもむなしく,12月18日,巨木が静かに倒れるがごとく,忽然として黄泉の人となられたのであります。
あなたが
幽明境を異にされてからすでに二月,ふと,まぶたを閉じると,この議場におけるあなたの熱弁と,
寸鉄胸をえぐるがごとき鋭い野次と,最近は,車いすながらも,なお凛然として議席に着かれたありし日のお姿が,いま鮮やかによみがえってくるのであります。
顧みるに,あなたは,大正6年2月17日,道南の地,函館に生をうけ,
昭和17年には
札幌鉄道教習所教官として,
勇躍赴任をされたのでありました。
あなたの卓越した見識と情熱あふれる人柄は,早くから多くの同僚,教え子に慕われるところとなり,やがて
労働運動の
中心的存在として,その才能を十二分に発揮し,縦横無尽の活躍をなされたのでございます。
資性濶達にして,志を常に
社会公共に置くあなたは,
昭和22年,戦後の混乱と疲弊の中,
地方自治法施行後初の選挙において,弱冠30歳で,
本市市議会議員として,見事,初当選の栄に輝かれました。
あなたは,それから3期12年間を,民衆の平和と幸福を願う
民主主義の理想に燃え,ただ1人の無所属,ただ1人の
労農党議員として,みずからの信ずるところに従い,
孤軍奮闘の
議会活動を展開されたのであります。
昭和46年からは,感ずるところあって,
自民党議員として議席を得られ,すぐれた慧眼と旺盛な
責任感をもって,
本市市政の推進に粉骨砕身,努力を重ねてこられたのであります。
あなたは常に,「大衆のための,大多数の
市民のための
市政」という変わらぬ理念に立って,数々の実績を積まれてまいりました。
昭和48年・
中小企業共済センターの設立に果たされた尽力,
経済公営企業委員長としてまとめられた
大型店対策への取り組み,
地下鉄建設への指導的な役割などはもとより,
昭和55年以来今日まで,
市民の間に好評を博している市庁舎の
ロビーコンサートも,まさに
山田議員の発案と努力によるものであり,
芸術文化の分野における貢献を初め,数々の功績は,まさに枚挙にいとまがございません。
市政の当面の課題を的確迅速にとらえ,その解決のために渾身の努力を傾注するあなたのこうしたお姿は,まさに
議会人としてのあるべき姿を内外に示したものであると言えましょう。
あなたは,若くして文筆にすぐれ,数々の著作をものにされる一方,
芸術文化に対する造詣も深く,みずから絵筆をとる才人でもあり,さらにまた,実にすぐれた
雄弁家でありました。その博識と鋭敏な視点を,巧みなユーモアに交えて展開する独特の語り口に,私たちは何度魅了されたことでありましょう。
昭和49年2月第1回
定例会の本
会議場において,あなたは,1時間の
代表質問を
ノー原稿で堂々とやってのけ,並みいる私
どもをあっと驚かせた出来事は,まさに
雄弁家山長の
面目躍如たるものがあったのであります。
あなたが残された数々の名演説は,
札幌市議会の歴史の上に
さん然として永遠に輝くものでありましょう。
あなたは
昭和58年,改選後の
定例会において,各会派の推挙により,
札幌市議会第18代
議長に就任されたのは,けだし当然の成り行きでございました。時あたかも,国が
財政再建の
具体策として,
国庫補助負担率の削減,
直間比率の見直しを柱とする
税制改革の方針を打ち出した時期であり,あなたは,
地方自治の尊厳を守るべく,全力を尽くして東奔西走されたのであります。
また,
北海道市議会議長会の会長として,
全国市議会議長会の相談役として,
議長会の
民主的運営と改革のため,大胆率直な多くの提言をなされたあの気迫は,各市の
議長の方々に多大の感銘を与えたのでありました。
また,
議会内にあっては,
毀誉褒貶を顧みず,みずから万全を尽くすべきとの自負をもって,難しい会派間の調整に当たられ,その職責を遺憾なく果たされたのであります。
幸いにも,私は,
山田名
議長を補佐する副
議長として,先輩の温情あふれるご指導をいただき,ともに職責を果たすことができましたことは,生涯忘れ得ざる貴重な体験でございました。
あなたは当時からすでに病を得られ,病身をおしてなお,毅然として事に当たられるお姿は,私
どもの心を深く打つものがございました。
議長室での憩のひととき,「岡本君,おれが死んだら,
追悼演説は君がやってくれよな」と,ぽつんと申されたことがありましたが,聡明なあなたは,すでにご自身の運命を悟っておられたのでありましょうか。すでにみずからの命の限界を悟りながら,残された日々に万全を尽くそうとするあなたの気迫が私
どもの胸を打ち,多くの人々が
人間山田長吉の偉大な人柄に頭をたれたのでございます。
昭和60年,「たかが
議長,されど
議長」の名言を残してあなたは
議長の職を去られましたが,何事においても,その信ずるところを憶することなく直言する一徹な姿勢こそ,あなたの最大の魅力でありました。
終始一貫,毅然たる態度をもってみずからの信ずる道を歩んだあなたは,
議会人はいかにあるべきかを,その言動を通じて私
ども後輩に教えられたのであります。
あなたの高遇な理念と
議会制民主主義にかけた情熱は,かたくななまでに
議会運営の原則を尊重して譲らず,
札幌市議会の
公開制を初め,全国に範たる
民主的運営の基礎を築く原動力となったのでありました。
山長さん,あなたは,
市民の圧倒的な支持のもとに当選8回,まさに
議会人の亀鑑として,
札幌市議会史上に
さん然として輝く足跡を残されたのであります。
札幌市はいま,間近に迫った21世紀に向けて,理想の都市を実現すべく邁進を続けております。しかし,昨今の激しい社会の変動は,本市に対しても大きな影響が予想され,決して予断を許さない状況にありますが,たとえ
社会情勢がどのように変わろうとも,
市政の後退は許されず,私
ども市議会の果たすべき使命も,重かつ大と言わざるを得ません。
この最も大切なときに,
札幌市議会の輝ける
指導者であるあなたを失った損失は,まことにもってはかり知れないものがございます。
人は死して一たび去らば,いずれのときにか帰らん。いまや,再びあなたの
けいがいに接することはかないませんが,
札幌市議会は,あなたのご遺志を引き継ぎ,
札幌市の発展に全力を傾注することを,この本
会議場において厳粛にお誓い申し上げるものであります。
能文家として知られたあなたは,みずからの著書の中で,「私の回想は,
議員を引退してからゆっくり語ることにする」と書かれましたが,私
どもは,ついにそれを手にすることはかないませんでした。
故人は,白雪のごとく土に入りてすべて声なし。おそらく,あなたは泉下にあって,誇りと栄光に満ちた72年の生涯をゆっくりと回想されていることでありましょう。
山長さん,長い間,本当にご苦労様でした。そして,本当にありがとうございました。
願わくは,在天の光となり,栄光ある
札幌市議会と,そして
札幌市民のために,未来永劫にわたってご加護を賜りますようにこいねがい,ただひたすらご冥福をお祈り申し上げて
追悼の言葉といたします。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) それでは,ここで
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(
鍛冶沢徹君) 報告いたします。
滝沢
隆議員及び
飯坂宗子議員は,所用のため本日の
会議を欠席する旨,また,田畔満
議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
監査委員から
監査報告10件が提出されましたので,各
議員控室に配付いたしました。
本日市長から提案されます
議案第20号
札幌市
職員給与条例等の一部を改正する
条例案につきましては,
地方公務員法第5条第2項の規定により,
議長は
人事委員会の意見を求めました。
本日の
議事日程及び
陳情の
受理付託・取下げ
一覧表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
――――――――─―――――――
陳 情 受 理 付 託 一 覧 表
(
平成2.定1) (
平成 2. 2.14)
┌────┬────────────────────────┬────┬────┬────┐
│番 号│ 件 名
│受 理│付 託│付 託│
│ │ │年 月
日│年 月
日│委 員
会│
├────┼────────────────────────┼────┼────┼────┤
│陳 情│常設の
市立能楽堂設置に関する
陳情 │元.12.15│元.12.18│総
務│
│第233
号│ │ │ │ │
├────┼────────────────────────┼────┼────┼────┤
│陳 情│札幌市
居住原子爆弾被爆者援護対策に関する
陳情 │ 2. 1.12│ 2. 1.17
│厚 生│
│第234
号│ │ │ │ │
├────┼────────────────────────┼────┼────┼────┤
│陳 情│私立保育所に対する
予備保母雇用費助成の増額に関す│ 2. 1.12│ 2. 1.17
│厚 生│
│第235
号│る
陳情 │ │ │ │
└────┴────────────────────────┴────┴────┴────┘
陳 情 取 下 げ 一 覧 表
(
平成2.定1) (
平成 2. 2.14)
┌────┬───────────────────┬────┬────┬────┬────┐
│番 号│ 件 名
│受 理│付 託│取 下
げ│付 託│
│ │ │年 月
日│年 月
日│年 月
日│委 員
会│
├────┼───────────────────┼────┼────┼────┼────┤
│陳 情│保育所の
公私格差是正のための
補助金増額│63. 2.29│63. 3. 1│ 2. 1.24
│厚 生│
│第 66
号│に関する
陳情 │ │ │ │ │
├────┼───────────────────┼────┼────┼────┼────┤
│陳 情│札幌市北区篠路町拓北の一部地域の
市街化│63. 6.27│63. 6.30│ 2. 2. 1│総
務│
│第152
号│区域編入に関する
陳情 │ │ │ │ │
├────┼───────────────────┼────┼────┼────┼────┤
│陳 情│札幌市内の
農用地指定解除に関する
陳情 │元.10.14│元.10.17│元.12.28
│経 済│
│第225
号│ │ │ │ │公営企業│
├────┼───────────────────┼────┼────┼────┼────┤
│陳 情│私立保育所に対する
予備保母雇用費助成の│ 2. 1.12│ 2. 1.17│ 2. 1.19
│厚 生│
│第235
号│増額に関する
陳情 │ │ │ │ │
└────┴───────────────────┴────┴────┴────┴────┘
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) 次に,昨年12月13日の本
会議において同意の議決を行い,先ごろ
監査委員に選任されました山本 穫委員から,各位にごあいさつしたい旨の申し出がありますのでご紹介します。
山本委員。
◎山本穫君
監査委員に再任されました山本でございます。
選任に当たり,
議会のご同意をいただきましてありがとうございました。未熟者ではございますが,責任の重さを肝に銘じまして努力するつもりであります。どうか皆様のご指導,ご鞭撻をお願い申し上げます。
簡単ですがあいさつといたします。(拍手)
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) これより議事に入ります。
日程第1,会期の件を議題といたします。
(朝川利雄君「
議長」と呼び,発言の許可を求む)
○
議長(
吉野晃司君) 朝川利雄君。
◆朝川利雄君 会期設定の動議を提出いたします。
すなわち,本
定例会の会期を本日から3月19日までの34日間とすることを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○
議長(
吉野晃司君) ただいまの朝川
議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,本
定例会の会期は,本日から3月19日までの34日間と決定されました。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) 次に,
日程第2,
議案第1号から第49号までの49件を一括議題といたします。
いずれも市長の提出によるものであります。
提案説明を求めます。板垣市長。
(市長板垣武四君登壇)
◎市長(板垣武四君) ただいま上程をされました
平成2年度予算を中心とする諸案件の説明に先立ちまして,私の5期にわたる市長としての経験を振り返りながら,一言所信を申し述べさせていただきたい,このように存じます。
市長として,私が,初めて
市民の皆様に選ばれ,
市政担当の重責を担いましたのは
昭和46年5月のことでございます。
ここに19年という長い年月を経過し,ただいまご審議をお願いしようとしております
平成2年度予算その他の案件は,私にとりまして,みずからの責務において,その執行を見守ることのできる最後の案件になるわけでございまして,格別の感慨を覚えるものがございます。
私は,市長に就任いたしました際,若々しく,未来に無限の可能性を秘めた,この「ふるさと
札幌」を,都市の魅力と心の安らぎに満ちたすばらしい街にいたしたいと考え,このことを
市政執行の最大の目標として掲げました。以来,一貫して,この実現に向けて,なし得る最大の努力を傾注をしてまいりました。
この間,石油危機に端を発する地方財政危機でありますとか,集中豪雨による災害など,幾多の困難に直面いたしましたが,
市民,市
議会,一丸となってのご協力により,これらの厳しい試練を乗り越え,今日の
札幌を築いてまいりました。
いま,ここに,この19年間の広範多岐にわたる
市政の歩みを逐一ご説明申し上げることは避けますけれ
ども,その概要につきまして,若干触れさせていただきたいと存じます。
私は,常に,長期的な展望に立って,各時代に即応した施策を計画的に展開していくことが必要であると考え,当選いたしましたその年に
札幌市長期総合計画を策定いたしたのを初めとして,
昭和51年には新長期総合計画を,
昭和63年には第3次長期総合計画を,それぞれ策定いたしたところであり,さらに,これに基づく5年計画を定め,確実な財政計画の裏づけのもと,各種事業を推進してまいりました。
まず,
市民生活の基盤整備につきまして
昭和46年度と比較しながらその進展の状況を申し上げますと,地下鉄の延長は,当時1線12.1キロメートルであったものが,現在では3線39.7キロメートルにまで拡充され,さらに5.6キロメートルの延長工事が進行している状況でございます。また,水道普及率は78%から98%へ,下水道の普及率は19%から95%へと飛躍的な普及促進が図られており,このほか,道路,公園,学校,公営住宅といった都市基盤施設につきましても,量及び質の両面において格段の充実がなされているところでございます。
また,文化施設につきましては,次代を担う青少年を初め,
市民の豊かな人間性を涵養する目的から,特に力点を置いて整備を進めてきたところであり,教育文化会館,区民センター,婦人文化センター,青少年科学館,
市民ギャラリー,芸術の森,こ
どもの劇場などが,香り高い文化の創造の場として充実されてきているところでございます。
次に福祉施策について申し上げますと,当選後速やかに実施をいたしました老人医療費の助成及び心身障害者交通費の助成を手始めに,乳幼児医療費の助成,老人交通費の助成,在宅老人のデイ・サービス等といったきめ細かな社会福祉の充実や,老人福祉センター,社会福祉総合センターに代表される各種福祉施設の整備に努めてきたところでございます。
次に,イベントについて申し上げますと,冬季オリンピック大会に始まり,北方都市
会議,国際見本市,アジア冬季大会,花と緑の博覧会,国民体育大会などを開催し,いずれも,多くの
市民の参加と協力を得て,成功裏に終了いたしているところであり,本年度も,来月には第2回のアジア冬季大会が開かれますし,私の任期終了間際には,これもビッグイベントであるユニバーシアード冬季大会が控えているという状況でございます。これらのイベントを通じて世界の国々の人たちと友好と平和の輪を広げられたこと,さらには,この
札幌が国際的にも北の拠点都市として注目されていることを考えますとき,大変喜ばしいことでありますと同時に,光栄なことであると考えるものでございます。
このほか,ごみ収集の無料化,環状夢のグリーンベルトの着手,テクノパークの造成,鉄道高架の開通,また,近くは分区の実施など,思い返しますと,数限りなく脳裏に浮かんでまいりますが,これらの施策の成果は,いずれも
市民の生活を守り,より豊かにいたしたいという願いを込めて,
市民とともに努力を続けてきた結果であると信じるものであり,この成果があったからこそ,大多数の
市民の皆様の「
札幌に住み続けたい」という評価につながっているものと考えております。
平成2年度は,ただいま申し上げてまいりました一定の成果の上に立って,懸案の事項を一つでも多く解決いたしますとともに,
札幌の将来に向かって,いまから準備をしておく必要のある事業につきましても十分配慮いたしたいという決意を持ちまして予算編成に臨んだものでございます。
次に,
平成2年度予算編成方針につきましてご説明を申し上げます。
本市の財政状況は,景気の持続的拡大傾向を反映して,市税収入が着実に伸びてきているものの,その先行きには不透明感も増しており,財政運営に当たりましては,今後の財政動向に十分注意を払う必要があり,また,膨大な累積赤字を抱える国民健康保険会計や交通・高速電車事業会計のことを考えますと,決して楽観は許されない状況にあると考えるものでございます。
平成2年度の予算編成に当たりましては,職員一人一人の創意と工夫とにより,これまで以上に効率的かつ合理的な行財政運営に努め,多様化する
市民ニーズに適切にこたえるべく,政策的経費に重点的に財源を振り向けるよう,最大限の努力を払ったところでございます。
特に,
平成2年度予算は,私が市長として提案する最後の本格予算であり,長年にわたる市長としての締めくくりとして,着実に明日につながる予算にいたしたい,こう考え,新しい時代に対応した施策を積極的に盛り込んだところでございます。
この結果,
平成2年度の各会計の予算規模は,公債会計を除きまして,一般会計6,169億5,000万円,特別会計2,255億8,583万4,000円,企業会計2,692億1,517万7,000円。合計1兆1,117億5,101万1,000円となり,これを前年度と対比いたしますと,その伸び率は,一般会計7.2%の増,特別会計4.6%の増,企業会計4.2%の増,合計6.0%の増となるものでございます。
中でも,一般会計の伸び率は,
昭和57年度以来の高い伸びとなっており,国の一般歳出の伸び3.9%,地方財政計画の伸び7.0%などを勘案いたしますと,精いっぱい努力をいたした結果があらわれている,このように考えているところであり,懸案となっております事項,当面必要とされる施策などにつきましても,ほぼ盛り込めたものと考えている次第でございます。
これより,各会計予算の主要な内容につきまして,
平成2年度予算の重点施策といたしております3本の柱に従い,逐次ご説明を申し上げます。
その第1は,「活力あるさっぽろの推進」でございます。
札幌が21世紀に向けてさらに発展し続けていくためには,いままで培ってきた活力をより一層高めることが必要でございます。
そのためには,まず,それぞれの地域がその個性を発揮しつつ,みずから考えみずから行う「地域新時代」の構築が必要であり,このための施策といたしまして,9区体制のスタートを契機に,各区の実情に応じた独自性のある事業の展開が必要と考え,新たに「区の個性ある街づくり」事業を設け,住民参加のもとに地域の活性化が図られることを期待いたしております。
また,都心の顔づくり事業,大通公園リフレッシュ事業の推進を通して,政治・経済・生活・文化の中枢である都心部を,北の拠点都市の象徴的な都市空間として再整備することにいたしております。
さらには,国の「ふるさと創生」1億円事業として,デザイン分野における国際的な顕彰制度である「
札幌国際デザイン賞」を創設し,本市の特色あるカラーを打ち出してまいりたいと考えております。
次に,地域産業の活性化のための施策でございますが,まず,本市産業の今後の方向性を探る基本的な調査研究を,
平成3年度までの2カ年にわたり実施することにいたしており,また,先端産業を初めとする都市型産業の集積を図るため,引き続き,ハイテクヒル真栄やアート団地の整備を進めることにいたしております。
このほか,先端産業立地促進対策の推進,工場立地情報バンクの設置など,産業振興に資する施策を講ずることにいたしており,さらに,定山渓地域の振興など,観光都市づくりにつきましても配慮いたしているものでございます。
その第2は,「魅力あるさっぽろの推進」でございます。
次代を担う子供たちに,そして世界の人々に誇り得る
札幌を築き上げるためには,固有の風土特性の中で形成されてきた
札幌の魅力を一層高めることが必要でございます。
このためには,まず,国際中核都市としての機能の充実が必要と考えており,天神山国際ハウスのオープンを初め,国際的コンベンションといたしまして,ユニバーシアード冬季大会,
札幌音楽祭,
札幌国際見本市を開催することにいたしており,また,国際交流事業といたしまして,瀋陽市との友好都市提携10周年記念事業,ポートランドやシンガポールとの交流事業を実施することにいたしております。
さらに,将来に向け,国際化に対応した施策のより一層の充実が望まれることから,国際交流推進基金につきまして,元年度
補正における基金の造成とあわせて拡充を図ることにいたしております。
次に,
芸術文化の振興のための施策でございますが,個性と風格のある
芸術文化の創造を目指して,引き続き,芸術系高等専門学校や,芸術の森,新中央図書館及び埋蔵文化財センターの建設を進めることにいたしており,9月にオープン予定の芸術の森美術館におきましては,その記念事業としてロダン展を開催することにいたしております。
また,音楽ホール,能楽堂など
芸術文化施設に対する新たな
市民の要請に対応すべく,このための調査も行うことにいたしております。
次に,スポーツ・レクリエーション施設の充実のための施策でございますが,ユニバーシアード冬季大会の会場となる宮の森ジャンプ競技場,大倉山ジャンプ競技場及び白旗山スキー距離競技場の整備をいたしますほか,
平成3年度で40周年記念を迎える円山動物園をより魅力あるものとするため,動物科学館の建設やこ
ども動物園の充実を行うことにいたしております。
その第3は,「住みよいさっぽろの推進」でございます。
子供からお年寄りまで,快適で暮らしやすく,将来とも住み続けたいと思う
札幌をつくり出すためには,健康で思いやりにあふれ,安らぎに満ちた住みよさをより一層高めることが必要でございます。
このためには,まず,社会参加と連帯の精神に支えられた地域福祉を充実させる必要があり,このための施策といたしまして,在宅福祉サービス協会の設立,全身性重度障害者介助の助成,在宅介護支援センターの設置,地区社会福祉協
議会の全区設置,シルバー人材センターの支部設置,手稲区の老人福祉センターの建設など,ソフト,ハードの両面からきめ細かな福祉サービスの提供を行うことにいたしております。
また,本格的な高齢化社会の到来を迎え,地域における福祉活動の促進が重要視されておりますことから,これに対応すべく,従来のボランティア基金を地域福祉振興基金に名称変更いたしますと同時に,幅広い事業展開ができるよう基金の拡充を図ることにいたしております。
次に,
市民要望の最も多い雪対策の推進についての施策でございますが,これまで,行政が直接タッチしていなかった生活道路の排雪につきまして,行政と住民が連携してこれを行うというパートナーシップ制を導入いたしたいと考えており,
平成2年度におきましては,その試行を実施することにいたしております。
このほか,これからの雪対策につながる事業といたしまして,融雪槽の建設,降雪予測気象レーダーの整備などを行うことにいたしており,また,スタッドレスタイヤの普及に対応しその促進を図る見地から,坂道ヒーティングの整備を進めることにいたしております。
次に,健康・安全対策の充実のための施策でございますが,高層ビル火災,林野火災あるいは急病患者搬送などへの体制を強化するため,消防ヘリコプターを導入することにいたしているのを初め,市内はもとより,道央圏の基幹病院としてその中心的役割を担っている
市立札幌病院の移転新築のための実施設計,災害に強い下水道をつくるアクアレインボー事業の推進,健康づくりセンターを併設した中央保健所建設のための基本設計などを行うことにいたしております。
次に,環境保全の推進のための施策でございますが,今
議会におきまして元年度予算の
補正としてお願いしております環境保全推進基金の創設を受けまして,その果実の活用により,環境フェアなどの環境保全推進事業を実施することにいたしております。また,美しいまちづくりを推進するためのごみ処理体制の充実を図るため,引き続き新発寒清掃工場の建設を進めるとともに,ごみの減量化,資源化の促進につながるごみ資源化工場を操業開始することにいたしております。
次に,交通対策の推進のための施策でございますが,円滑な都市交通機能の確保のためには,地下鉄など大量公共輸送機関の整備とこれに有機的に連結した交通体系の確立が必要であり,このため,
平成6年度の開通を目指して地下鉄東豊線の延長に本格的に着手することにいたしており,また,自転車利用者の増加に対応して,暫定路上駐輪ゾーンの整備を含めまして,駐輪場の整備を行うことにいたしております。
以上,
平成2年度予算の重点施策につきましてご説明を申し上げましたが,このほか,幌平橋架けかえのための実施設計を含む23橋の橋りょう整備や,川下公園の新規着手を初めとする80カ所を超える公園造成など,道路,公園,住宅,教育といった各分野におきましても,従前に増して充実した事業を盛り込んでおりますことを申し添えたいと存じます。
次に,歳入の主なものにつきましてご説明を申し上げます。
まず,市税につきましては,景気の堅実な好調さを反映して,前年度対比10.1%増の2,503億円を計上いたしており,市税収入の一般会計歳入に占める割合が,
昭和44年度以来初めて40%を超えるものとなったところでござます。
次に,地方交付税についてでございますが,市税の増等による基準財政収入額の伸びなどを勘案し,前年度より28億円減の782億円を見込んでおりますが,年度途中の
補正財源として45億円を留保し,当初予算においては737億円を計上いたしております。
次に,市債についてでございますが,主として単独事業の財源として有効に活用する趣旨から,できる限りの確保に努めますとともに,公債償還に交付税措置のある有利な起債の活用な
ども考慮の上見込んでいるものでございまして,地方財政対策により措置される分やNTT株式の売却収入による無利子融資分をも含めまして,約585億円を計上いたしております。
以上のほか,その他の歳入につきましても可能な限り計上いたしているところであり,繰入金につきましても,財政調整基金64億円,減債基金20億円,まちづくり推進基金29億円など総計で約119億円を投入することにいたしているものでございます。
なお,その他の歳入のうち,保育料につきましては,保育経費の増加,国の基準の改定など諸般の事情を勘案し,平均3.83%の改定をお願いいたしており,また,国民健康保険料につきましては,依然として高い医療費を反映し,本来であれば約23%程度の改定が必要なところではございますが,被保険者の負担抑制に配慮し,一般会計から前年度に比較して約23億円増の約130億円を繰り入れることにして,平均保険料を据え置くことにいたしております。
以上で,
平成2年度各会計予算の説明を終わりますが,予算に盛られているすべての事業につきまして,全力を挙げて執行し,
市民の負託にこたえてまいる所存でございます。
また,執行のための職員体制につきましては,逐次既定の職員定数の見直しを行い,増員を最小限にとどめますとともに,職員の活性化を推し進め,最少の人員で最大の行政効果を上げるよう,職員一丸となって対処してまいる所存でございます。
なお,
議案第19号から
議案第29号までにつきましては,ただいま申し上げました各会計予算に関連するものであり,いずれも,以上の説明または
議案末尾に記載の理由によりご了解をいただけるものと存じますので,これらにつきましての説明は省略をさせていただきます。
次に,一般
議案につきましてご説明を申し上げます。
まず,
議案第33号は,
札幌市
公設小売市場条例の一部を改正する
条例案でございます。
これは,本市が小売商業の経営の近代化等を目的として設置しております公設小売市場につきまして,当初の設置目的を十分果たしたと考えられる5カ所の公設小売市場を民営化するためのものでございます。
次に,
議案第35号
札幌市
火災予防条例の一部を改正する
条例案は,危険物等の貯蔵及び取り扱いに関する
社会情勢の変化に対応するため,消防関係法令の改正に合わせ,危険物等の貯蔵及び取り扱いについて所要の改正を行い,
市民生活の安全確保を図るものでございます。
次は,
議案第37号 訴えの提起の件でございますが,これは,市営住宅の家賃の滞納者に対し,住宅の明渡しと滞納家賃等の支払いを求める訴えを提起しようとするものでございます。
このほか,
議案第30号から
議案第32号まで,
議案第34号,
議案第36号及び
議案第38号につきましては,
議案末尾に記載の理由によりご了解をいただけるものと存じますので,説明を省略させていただきます。
なお,報告第1号は,調停にかかわる専決処分の報告でございます。
次に,
議案第39号から
議案第45号までは,
平成元年度予算の
補正に関する
議案でございますので,一括してご説明申し上げます。
この
補正予算の内容は,大別して二つございまして,その一つは,予算執行の過程におきまして年度内に措置が必要となったものであり,二つには,国の施策に関連して新たに措置する必要が生じたものでございます。
以下,
一般会計補正予算につきまして,
補正内容の区分に従いご説明申し上げます。
まず,予算執行上の必要性から行う
補正でございますが,第1に,生活保護費,身体障害者福祉費,精神薄弱者福祉費,児童保護措置費などの扶助費におきまして,主として件数あるいは単価の増により不足を生じる見込みとなっておりますところから,それぞれについて合わせて24億7,200万円を増額するものでございます。
第2に,多額の累積赤字を抱える国民健康保険会計につきましては,
昭和63年度をもって59年度末までの累積赤字の解消を図ったところでございますが,依然として高い医療費の影響などから,60年度以降も単年度赤字を生じている状況にあり,元年度末の見込みでは,この累積が約200億円に達するような状況となっておりますことから,この計画的な解消を図るため,国民健康保険支払準備基金に20億円を造成するものでございます。
なお,
平成2年度におきましても,当初予算において同様の措置を講ずることにいたしております。
このほか,国際交流推進基金の造成費として2億円,財団法人地方公務員等ライフプラン協会に対する出捐金として200万円,財団法人北海道健康づくり財団に対する出捐金として1億1,600万円,ユニバーシアード冬季大会に対する寄附金のまちづくり推進基金への造成費として2億円をそれぞれ追加することにいたしております。
次に,国の施策に関連する
補正でございますが,第1に,高速電車事業会計への繰出金でございまして,国において
平成元年度までに一部繰り延べられておりました
地下鉄建設費補助金等の回復措置を講ずることにいたしておりますので,これに対応する一般会計分として141億800万円を繰り出すものでございます。
なお,これに関連して,高速電車事業会計におきましては,
地下鉄建設費補助金等の繰延回復額として,国庫分及び一般会計分を合わせて353億3,200万円の
補正をいたすことにしているところでございます。
第2に,将来に備えるための基金の造成でございまして,これは,
平成元年度の地方交付税におきまして,
昭和56年度発行分までの財源対策債の償還にかかわる経費や,地域福祉の促進,快適な生活環境の形成等に資するための地域振興基金費といった経費を措置する内容となっておりますことなどから,これに対応して,減債基金90億円,まちづくり推進基金8億5,000万円,地域福祉振興基金2億円,環境保全推進基金4億円をそれぞれ造成することにいたしております。
以上によります一般会計歳入歳出予算の
補正総額は295億4,800万円となり,この財源といたしましては,国庫支出金等の特定財源を差し引き273億7,300万円の一般財源を必要といたしますが,今後増額が見込まれます地方交付税を初め,市税,地方譲与税などをもって充てるものでございます。
次に,債務負担行為の
補正でございますが,いずれも,国庫債務負担行為としての公共事業の追加に伴うものでございまして,道路新設改良事業4億3,000万円,河川整備事業1億9,700万円,街路事業10億900万円,公園整備事業5億600万円につきまして債務負担行為を設定し,本年度内に請負契約を締結しようとするものでございます。
次に,繰越明許費の
補正でございますが,北8条通及び苗穂丘珠通の街路事業におきまして,用地
取得にかかわる関係権利者との調整に予想以上の期間を要しましたことから,事業費の一部を翌年度に繰り越すものでございます。
次に,土地区画整理会計でございますが,一般会計の債務負担行為の追加で申し上げました内容と同様に,国の施策を受けて4億円の債務負担行為を設定するものでございます。
次に,公債会計でございますが,これは,後ほどご説明いたします高速電車事業会計の
補正予算に伴う市債を整理するためのものでございます。
次に,病院事業会計でございますが,診療報酬の改定等による診療収益の増及びこれに関連しての薬品費,医療材料費等の不足が見込まれますことなどから,所要の
補正を行うものでございます。
次に,高速電車事業会計でございますが,さきに一般会計のところでご説明いたしました
地下鉄建設費補助金等の繰延回復額353億3,200万円を増額いたしますとともに,これに伴って資金が好転いたします結果,発行を予定しておりました資本費負担緩和分企業債が不要となりますので,この整理をいたしているところでございます。
なお,国及び一般会計からの今回の措置により,高速電車事業会計の資金収支は一応好転をいたしますが,
平成2年度末の累積欠損金は約1,093億円にも上ると見込まれ,同じく累積欠損が約55億円と予想される交通事業会計と同様,今後の企業経営に当たりましては,一層の努力が必要であると考えているものでございます。
次に,下水道事業会計でございますが,これも一般会計と同様の国庫債務負担行為に伴うものでございまして,管渠布設事業につきまして14億円の債務負担行為を設定するものでございます。
以上で,
平成元年度予算の
補正につきましての説明を終わりますが,このほか,
議案第46号は,
平成元年度
一般会計予算にかかわる
補正の
専決処分承認の件でございまして,今月18日に行われます衆議院
議員選挙に伴う経費の
補正を,去る1月24日市長において専決処分いたしましたので,これを報告し,承認を求めるものであり,また,
議案第47号から
議案第49号までにつきましては,
議案末尾に記載の理由によりご了解をいただけるものと存じますので,説明を省略させていただきます。
以上で,ただいま上程をされました各案件の説明を終わりますが,何とぞよろしくご審議のほどをお願いを申し上げます。
○
議長(
吉野晃司君) お諮りします。
ただいま説明のありました
議案49件につきましては,議事の都合上,その議事を延期いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) ここで報告いたします。
本日,高橋重人君から,
会議規則第62条第1項の規定による文書質問が提出されました。
その内容は,1990年度補助事業及び委託事業の超過負担調べほか4項目であります。
理事者におかれましては,2月21日までに答弁書を提出されるよう求めます。
――――――――─―――――――
1990年2月14日
札幌市議会議長 吉野 晃司様
議員 高橋 重人
文書質問について
会議規則第62条第2項の規定により,別紙の通り文書質問を提出いたします。
尚,回答は2月21日までに得られるように希望いたします。
質問趣意書
1 1990年度補助事業及び委託事業の超過負担調べ
2 1990年度負担金,補助金及び交付金の交付先一覧
3
札幌市,
札幌市土地開発公社及び株式会社
札幌振興公社が1989年度に取得した500平方メートル以上の土地調べ
(取得目的,所在地番,地積,
取得価格,
取得月日,旧所有者別に)
4 1990年度に売払いを予定している100平方メートル以上の土地調べ
(各会計別に,所在地番,地積,売払い予定先,予定価格)
5 市有地の貸地状況調べ
(貸付先,貸付地所在,地積,貸付開始日,貸付料)
以上
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) お諮りします。
本日の
会議はこれをもって終了し,明2月15日から2月19日までは
議案調査等のため休会とし,2月20日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――
○
議長(
吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。
――――――――─―――――――
散 会 午後1時53分