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平成 元年第 4回定例会−12月08日-04号

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  1. 札幌市議会 1989-12-08
    平成 元年第 4回定例会−12月08日-04号


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    平成 元年第 4回定例会−12月08日-04号平成 元年第 4回定例会                平成元年   第4回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 4 号)             平成元年12月8日(金曜日)午後1時開議   ――――――――─――――――― 〇議事日程(第4号) 第1 議案第1号から第9号まで(市長提出) 第2 議案第10号から第17号まで(市長提出) 第3 議案第18号(見延議員外8人提出)   ――――――――─――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成元年度札幌一般会計補正予算(第5号)  議案第2号 平成元年度札幌公債会計補正予算(第2号)  議案第3号 平成元年度札幌中央卸売市場事業会計補正予算(第1号)  議案第4号 平成元年度札幌交通事業会計補正予算(第1号)  議案第5号 平成元年度札幌高速電車事業会計補正予算(第1号)
     議案第6号 札幌市区民センター条例の一部を改正する条例案  議案第7号 札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案  議案第8号 財産の取得の件(公園用地)  議案第9号 市道の認定及び変更の件 日程第2 議案第10号 平成元年度札幌一般会計補正予算(第6号)  議案第11号 平成元年度札幌病院事業会計補正予算(第1号)  議案第12号 平成元年度札幌中央卸売市場事業会計補正予算(第2号)  議案第13号 平成元年度札幌交通事業会計補正予算(第2号)  議案第14号 平成元年度札幌高速電車事業会計補正予算(第2号)  議案第15号 平成元年度札幌水道事業会計補正予算(第1号)  議案第16号 平成元年度札幌下水道事業会計補正予算(第1号)  議案第17号 札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案 日程第3 議案第18号 札幌市議会議員定数及び各選挙区選出議員数に関する条例の一部を改正する条例案   ――――――――─――――――― 〇出席議員(68人) 議   長      吉 野 晃 司 君 副 議 長      工 藤   勲 君 議   員      宮 本 吉 人 君 議   員      武 市 憲 一 君 議   員      大 越 誠 幸 君 議   員      高 橋 忠 明 君 議   員      猪 熊 輝 夫 君 議   員      西 村 茂 樹 君 議   員      長 内 順 一 君 議   員      春 原 良 雄 君 議   員      関 口 英 一 君 議   員      千 葉 英 守 君 議   員      飯 坂 宗 子 君 議   員      福 士   勝 君 議   員      松 浦   忠 君 議   員      常 本 省 三 君 議   員      佐 藤 美智夫 君 議   員      佐 藤 寿 雄 君 議   員      室 橋 一 郎 君 議   員      川口谷   正 君 議   員      加 藤   斉 君 議   員      南   二 郎 君 議   員      吉 田 哲 男 君 議   員      小 田 信 孝 君 議   員      丹 野   勝 君 議   員      森   健 次 君 議   員      村 山 優 治 君 議   員      生 駒 正 尚 君 議   員      田 中 昭 男 君 議   員      柴 田 薫 心 君 議   員      山 田 信市郎 君 議   員      青 木   護 君 議   員      須 合 一 雄 君 議   員      富 田 新 一 君 議   員      澤 木 繁 成 君 議   員      伊与部 敏 雄 君 議   員      水 由 正 美 君 議   員      赤 田   司 君 議   員      本 舘 嘉 三 君 議   員      唯   博 幸 君 議   員      小 谷 俵 藏 君 議   員      八 田 信 之 君 議   員      小 川 勝 美 君 議   員      見 延 順 章 君 議   員      加 藤 隆 司 君 議   員      田 畑 光 雄 君 議   員      朝 川 利 雄 君 議   員      野 間 義 男 君 議   員      湊 谷   隆 君 議   員      宮 口 健太郎 君 議   員      政 氏   雅 君 議   員      常 見 寿 夫 君 議   員      磯 野 開 丈 君 議   員      長 岡 武 夫 君 議   員      斎 藤 忠 治 君 議   員      荒 川 尚 次 君 議   員      越 智 健 一 君 議   員      宮 川 新 市 君 議   員      山 田 長 吉 君 議   員      岡 本 修 造 君 議   員      滝 沢   隆 君 議   員      山 崎 七 郎 君 議   員      藤 田 雅 弘 君 議   員      山 本 長 和 君 議   員      吉 田 一 郎 君 議   員      高 橋 重 人 君 議   員      菊 田 勝 雄 君 議   員      菅 井   盈 君   ――――――――─――――――― 〇欠席議員(2人) 議   員      柿 崎   勲 君 議   員      田 畔   満 君   ――――――――─――――――― 〇説明員 市長         板 垣 武 四 君 助役         桂   信 雄 君 助役         勝 田 義 孝 君 助役         杉 本   拓 君 収入役        藤 井 憲 次 君 交通事業管理者交通局長長 部 幸 一 君 水道事業管理者水局長 出木岡 謙 三 君 総務局長       木 戸 喜一郎 君 企画調整局長     藤 田 幸 宏 君 財政局長       田 中 良 明 君 市民局長       本 間   雄 君
    民生局長       石 原 弘 之 君 衛生局長       島 中 貞 夫 君 環境局長       柴 田 浩 英 君 経済局長       伊 東 義 昭 君 建設局長       魚 住 昌 也 君 下水道局長      渡 辺 信 仁 君 建築局長       柳 町 菊 造 君 市立札幌病院長    竹 田   保 君 消防局長       谷   裕 之 君 教育委員会委員    冨士元   明 君 教育委員会教育長   荒 井   徹 君 選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君 人事委員会委員長   山 岡   暸 君 人事委員会事務局長  水 島 典 弘 君 監査委員       中 目 啓 市 君 監査事務局長     谷 口 政 範 君   ――――――――─――――――― 〇事務局出席職員 事務局長       鍛冶沢   徹 君 事務局次長      船 木 宏 通 君 総務課長       植 田 英 次 君 議事課長       坂 野   嵩 君 調査係長       大久保   裕 君 資料係長       沼 田 光 弘 君 議事係長       高 森 政 行 君 記録係長       谷 川 輝 雄 君 委員会一係長     土 屋   逞 君 委員会二係長     野辺地   正 君 書記         谷   葛 磨 君 書記         獅々堀 秀 利 君 書記         佐 藤 比登利 君 書記         木 内 二 朗 君 書記         吉 田 雅 博 君 書記         鈴 木 和 弥 君   ――――――――─――――――― ○議長(吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,64人であります。   ――――――――─――――――― ○議長(吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として猪熊輝夫君,長岡武夫君を指名します。   ――――――――─――――――― ○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。  田畔 満議員及び柿崎 勲議員は,公務出張のため本日の会議を欠席する旨,千葉英守議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。  本日市長から提案されます議案第17号 札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案につきましては,地方公務員法第5条第2項の規定により,議長は,12月7日付で人事委員会の意見を求めました。  本日の議事日程及び質問順序表はお手元に配付いたしております。以上でございます。   ――――――――─――――――― ○議長(吉野晃司君) これより議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第9号までの9件を一括議題といたします。  昨日に引き続きまして,代表質問を行います。  通告がありますので,順次発言を許します。飯坂宗子君。  (飯坂宗子君登壇・拍手) ◆飯坂宗子君 私は,ただいまから,日本共産党を代表しまして,市政の諸問題について質問をいたします。  私は,最初に,来年度予算編成の基本にかかわって質問をいたします。  一昨日の本会議答弁で,市長は,来年度予算は自分が議会に提案する最後の本格予算になるとした上で,19年に及ぶ市政を振り返りつつ,なすべきことはまだまだ多い。札幌市の現状に満足しているわけではなく,来年度予算では,各界から指摘されている懸案について,できるだけその解決を図るとともに,札幌市の将来に向けていまからその準備をしておく必要のある事業等についても配慮をしたいと述べられました。  そこで端的にお尋ねいたしますが,市長が今日やり残したと考えておられる事業は何なのでありましょうか。なすべき多くの事業とは何でありましょうか。また,市民各層の指摘を受けている懸案事項とはどんなものを指すのでありましょうか。さらに,将来に向けていまから準備すべき事業とは何でありましょうか,明らかにしていただきたいのであります。  私どもは,過日,市民の切実な市政に対する要望を踏まえて,308項目に上る予算要求書を市長に提出いたしましたが,市長は,この中に盛り込まれた市民の願いにどのようにこたえようとされているのか,基本的な姿勢についてお示し願いたいのであります。  あわせて,すでに参議院選挙で明確に示されました消費税の廃止を求める市民の審判を受けて,また議会の意向にも従って,引き続いて明年度においても,使用料・手数料を初めとする本市関連の公共料金に消費税の転嫁を行わないのかどうか,この際お尋ねをいたします。  次に,札幌市女性のための計画の推進についてお尋ねをいたします。  1975年の国際婦人年を契機として,平等,発展,平和を目指した婦人問題に対する取り組みが国の内外において活発となり,本市においても5年前,札幌市女性のための計画が策定されました。この計画は,両性の平等の実現を基本理念として,市民生活の広い範囲に見られる婦人問題の現状と課題を,市政の全般にわたって改めて点検し,女性に対するあらゆる差別の解消を目指して,10年にわたって推進すべき施策の方向を示したものであります。  本市は,この計画の主要課題として,七つの柱,すなわち,1,男女平等の教育と啓発活動の推進。2,女性の健康増進と母性保護。3,家庭生活の安定向上と働く女性の社会的環境の整備。4,女性の福祉の向上。5,女性の社会参加の促進。6,国際交流の促進と女性の平和への寄与。7,婦人文化センターの拡充を掲げ,その施策の推進を図ってきたところであります。  この10年計画も,ことし6年目に入り,残すところあと4年となりましたが,これまでの到達点を踏まえ,本計画の仕上げと,さらに引き続く次期計画に向けて,事業の一層の充実を図るために,以下4点の質問をいたします。  質問の第1は,女子労働に関する調査の実施についてであります。  札幌市女性のだめの計画では,七つの主要課題に関連する主な施策として,すでに実施されており,今後も推進していくもの108項目と,本計画期間中に新たに実施するもの21項目の合計129項目を掲げ,そのうち37項目を重点施策として位置づけております。  今日の遂行状況を見てみますと,新たに実施するもので,しかも,重点政策であります女子労働に関する調査の実施がいまだ手つかずの状態になっております。  本市における女子労働状態を60年国勢調査の結果から見ると,労働力人口は26万6,000人となり,15歳以上の女性人口に占める割合は42.4%にも上ります。労働力人口全体に占める女性の割合も36.4%となり,全労働者の3人に1人以上は女性という状況になっております。  本市の職業を持つ女性の数は,10年計画策定前の55年国勢調査に比べても,5年間で4万2,000人もふえ,労働力人口に占める割合も2%増となっているのであります。本市の計画策定時においても,女性の就労の特徴の一つとして,パート・アルバイトの男女比において,女性が78.3%を占め,しかも,パート・アルバイト全体の53.6%が主婦によって占められているとの現状分析から,女性のパート労働者の雇用形態,労働条件及び意識等について調査し,施策推進の資料とするとともに,雇用関係に資するための啓発資料を作成する,そのことを重点施策の一つに位置づけてきたのでありますが,なぜ6年も経過しながら,具体的な調査に踏み切れないでいるのか。また,本計画の中ではどのような調査をいつまでにしようと考えておられるのか,市長のご所見をお伺いいたします。  質問の第2は,パート労働者対策についてであります。  わが党は20年も前からパート労働者の問題を取り上げてまいりましたが,本年11月28日には,パート労働者のための日本共産党の立法提案及び立法提案大綱を発表したところであります。近年,パートで働く労働者がますますふえ,スーパーやサービス業では,パート労働者正規雇用労働者を上回るところも見られ,パート労働者は,いまや補助的な労働力としてだけでなく,基幹的な労働力の一部として日本経済を支える役割を担っているのであります。  ところが,一般労働者とほとんど同じ仕事をしていても,多くのパート労働者は,パートだからといって,賃金は低く,一時金や退職金ももらえない。社会保険や母性保護の権利もないなど,さまざまな面で差別され,また3ヵ月,6ヵ月といった短い雇用契約を繰り返し,更新して雇用されているところから,いつ解雇されるかわからないという不安定な状態に置かれております。  そこで,こうしたパート労働者の悩みにこたえるとともに,その待遇改善を図るために,本市においても相談窓口を設置し,担当者を配置して対応すべきと考えますが,いかがでありましょうか。また,パート労働者に対する不当な差別をなくすために,国に向けて新たな立法化を求めるべきと考えますが,そのようなお考えがおありかどうかお尋ねをいたします。  質問の第3は,女性の審議会等への登用についてであります。  女性の自立と地位向上を目指すために,政策決定過程への参加と登用の拡大は重要な課題として位置づけられ,昨年第2回定例会での私の質問に対する市長答弁でも,審議会等への女性の登用率を,今計画の最終年度までに15%に引き上げると決意を表明されたのでありますが,道が8年度までに20%を目指していることや,最近の女性の意識の高揚を考えますと,15%の登用率というのは,余りにも低い目標ではなかろうかと考えるものであります。  真に男女平等の確立と女性の地位を向上させるためにも,市民の半数を占める女性の意見を政策や方針に十分反映させることが必要であり,東京都のように50%を最終目標に明記している都市に学び,本市においても登用率の引き上げを図るべきと考えますが,いかがでありましょうか。また,本計画の前半5ヵ年では,おおむね10%前後と横ばいであった登用率が,本年3月末に札幌市審議会等への女性登用促進要綱を策定して以来大きく促進され,12月1日現在で13%に到達していることを考えますと,あと4年で15%を超えることは十分可能であり,目標の引き上げを求めるものであります。  とりわけ女性登用率がゼロパーセントの審議会が18,及び10%未満の審議会が11の,合わせて29もあり,全体の4割を占めており,これらの審議会においての登用率の引き上げと,登用に当たっては,市民各層,各団体からの登用を図り,広く市民の声が反映されるように配慮すべきと考えますが,今後の対処方針についてお示しを願います。  質問の第4は,市民の声を施策に反映させるためのアンケート等の調査についてであります。  本計画は,本市における男女平等社会の形成を目指して,男女の固定的役割分担意識を取り払い,女性の自立,地位向上,福祉の増進を図るための必要な条件づくりや環境整備を進める立場で,教育委員会,市民局,民生局を初め,全庁並びに各区にまたがって施策が推進され,保育や福祉など従前から引き継いで推進してきた108項目,並びに男女平等教育に関する指導書や副読本の発行,啓発広報誌の発行など,本計画で新たに取り組まれた19項目の施策など,一定の前進はありますが,市民ニーズから見てみますと,本年度の広聴レポートの中でも,「乳幼児保育園が少ない」,「延長保育や夜間保育を拡充してほしい」,「高齢者サービス事業の費用が高過ぎる」なと,改善を求める声がかなり見られます。  また,男女共同参加の社会を築いていくためには,女性の自立とともに,男性の意識啓発も重要なことから,市民各層男女意識調査や市民要望を把握するための総合的な調査活動を行い,本計画の積極的な推進と,次期計画へ向けての方向性を見出すべきと考えますが,そのような計画をお持ちかどうかお尋ねをいたします。  次に,登校拒否の問題についてお尋ねをいたします。  過日の文教委員会に提出された市教委の資料によりますと,昨年度の本市の小中学校における年間50日以上の長期欠席児童は,1,066名と初めて1,000名を超え,そのうち学校嫌いを理由とする登校拒否児童生徒は,小学校で0.06%の82名,中学校では0.58%の416名で,計498名にも及び,児童生徒総数が減少する中で,登校拒否児童生徒は増加の傾向,とりわけ小学校では58年度に比べて倍増しており,低年齢化の傾向も見られます。中学校では,この6年間横ばいとはいえ,総生徒数に占める割合は,小学校の10倍にもなっております。  登校拒否の態様は,無気力型が最も多く30.7%,次に,不安など情緒的混乱が24.1%,遊び・非行20.1%と,これら三つで約75%を占め,学校生活に起因するものは6.4%となっております。  全国的にも,昨年度は小中学校の登校拒否児童生徒が4万2,000人を超え,今回の文部省の調査では,学校へ行かなくなった直接のきっかけを大きく三つに分けて集計しておりますが,学校生活での影響が約40%で,家庭生活での影響や本人の問題を大きく上回りました。  しかも,学校生活の影響という中で,学業不振が最も多く,全体の15.4%を占め,2番目が友人関係14.4%となっております。  また,法務省人権擁護局が昨年11月から12月に調査をした不登校児の実態についての報告でも,各種施設に通園している不登校児に直接アンケートを行った結果,学校に行けなくなった原因として,「勉強がわからなかった」「勉強についていけなかった」「成績が落ちて先生や親から強くしかられた」と答えた者が回答者の約6割を占めております。  本来,子供は新しいものに絶えず興味と関心を示し,新しい知識を修得することに挑戦して,学ぶこと,遊ぶことに目を輝かせ,熱中するという特徴を持っています。学校はこうした子供たちにとって楽しいところ,大好きなところでなければなりません。登校拒否児童生徒がふえるのは異常な事態であり,それは子供たちが不正常というのではなく,子供たちを取り巻く状況の中に根本原因があると見るべきでありましょう。  5段階相対評価に象徴されるように,子供たちは何を身につけたかより,何番目になるかを求められ,学校教育の全課程を通じて,過激な競争に追い立てられております。徹底した詰め込み教育と競争原理の持ち込みが子供たちから学ぶ意欲を奪い,成長発達をゆがめ,学校になじめないたくさんの子供たちを次々と生み出してきたのではないでしょうか。  また,いじめや非行,校内暴力が減少したかに見えても,それは管理の強化によるものであり,時には,体罰も含めた生徒指導の厳しさが子供たちに恐怖感を与えて,登校拒否を招いている場合も見受けられます。  子供たちは,勉強でも遊びでも,みずから納得する場合に,これを全力で取り組みますが,上から一方的に抑えつけられたり差別されることには非常に敏感に反発します。子供らしさの発揮ができなくなったときから,学校が苦痛の場,恐怖の場となり,行けなくなるのではないでしょうか。  登校拒否,不登校児を抱える家族の悩みと苦しみは言語に絶するものがあります。学校に行けなくなった子供自身が最も苦しんでいることに目を向け,その解決を急ぐ立場から,以下4点の質問を行います。  質問の第1は,登校拒否の原因についてであります。  本市教育委員会の63年度調査結果では,無気力型,情緒的混乱など,子供の心理状況や身体的な状況に問題があって学校に行けない,つまり子供本人の責任のように受け取られる分析になっておりますが,なぜ学校に行けないのか,子供たちを学校へ行けなくしている原因については,明確にされていないと思うのであります。  文部省の調査結果でも,登校拒否に陥った直接のきっかけは,学校関係が4割を占めているわけですから,これらの事実を謙虚に受けとめ,学校教育のあり方に問題があるとお考えにならないのかどうか。子供たちが学校に不適応なのではなく,学校のほうが子供たちに適切に対応していない面があるとお考えにならないのかどうか,ご見解をお伺いするものであります。  質問の第2は,学習指導要領との関係についてであります。  歴代の自民党政府による反動的な教育政策は,すべての子供に行き届いた教育をという教職員集団の努力,親の願いをことごとく打ち砕いてまいりました。初任者研修制度の導入,教員免許への学歴差別持ち込みなど,教員統制も一段と強められようとしております。学習指導要領の改悪で日の丸,君が代の教育現場への強制や,非科学的で系統性に欠ける詰め込み教育がさらにひどくなり,中学校には大幅な科目選択制習熟度別学級編制などが導入され,差別,選別の能力主義教育が強められようとしております。  個性重視の美名のもとに,低学年から競争を強めて,できる子にはエリートコースを保障し,できない子には早くから見切りをつけようという冷酷な切り捨て政策を反映した新学習指導要領は撤回すべきと考えますが,教育長は,今度の指導要領の改定によって,子供たち登校拒否が一層増大するとお考えにならないのかどうか。また,新学習指導要領は撤回すべきものとお考えにならないのかどうかお尋ねをいたします。  質問の第3は,教育条件の整備についてであります。  一人一人の子供たちにしっかりと基礎学力を身につけさせるためにも,また,その子の成育歴や家庭環境など多様化している今日の子供たちに対応した教育を進めるためにも,一人の先生が受け持つ生徒数を少なくするという教育条件の整備がどうしても必要と考えます。  法務省の調査結果では,登校拒否は,欧米諸国では見られない日本独特の現象との指摘がありますが,欧米諸国ではすでに25ないし30人学級で,しかも,場合によっては1クラスに複数の教員配置もされております。  一方,日本では,いまだ40人学級の計画も完了せず,本市においても,現在小学校5年・6年,中学校2年・3年が45人学級であります。しかも,基準を超えて編制するすし詰め学級は,10月31日現在,小学校で24校103学級,中学校で11校60学級の計35校163学級もあり,40人学級の学年でありながら44人ないし45人の学級や,45人学級の学年では48人ないし49人の超過密学級が23学級も放置されております。  文部省は,年度途中の学級増に見合う教員配置などで財政措置をとるとしているにもかかわらず,本市では過密・超過密学級を放置してきたのはなぜなのか。過密学級解消を積極的に図るために全力を挙げるべきと考えますが,今後の対処方針をお示し願います。  また,来年度は小6,中3の2学年のみが45人学級として残されますが,本市において年度途中の過密学級をつくらないために,4月の学級編制時に定数ぎりぎりのところや,児童生徒の増加が見込まれる地域では,教員を加配して,当初から1クラス増の学級編制を行うなど,例外なしの40人学級実現のために,積極的な対応を求めるものでありますが,いかがでありましょうか。市長並びに教育長の明快な答弁を求めるものであります。
     質問の第4は,当面の緊急対策についてであります。  登校拒否・不登校児を出さない学校づくりを目指すことが重要なことはもちろんでありますが,ふえ続ける登校拒否児童生徒に対する対策として,長期的に子供たちと家庭を援助できる体制が必要だと考えます。登校拒否問題の解決に当たっては,子供の立場から出発して,その人格と人権を尊重しながら,教育,福祉,医療にわたる総合的対策を保障することであり,同時に,こうした子供を抱える親の悩みにも親身に適切に応じられる専門家集団の形成が必要であります。  現在,本市の登校拒否・不登校児の問題に携っている公的機関は教育研究所,児童相談所などがあります。教育研究所における63年度相談状況を見ましても,222件中66.2%が登校拒否に関しての相談件数となっており,残念ながら,今後もふえる可能性を考えますと,これらの施設の増設とともに,児童福祉司,心理判定員,心理治療員,医師,看護婦などの専門家と必要な職員を配置し,設備と体制を整えるなど,機能の面での拡充並びに各機関の協力体制の強化が必要だと考えますが,今後の対応策についてお示し願いたいのであります。  次に,私は,来年度の公立高校配置計画に関して,端的にお尋ねをいたします。  過日本市議会の文教委員会において,教育長はかねて道教委から要請のあった市立高校での2間口92人の定員増について,来年度に限って,これを平岸高校及び新川高校で受け入れるとの方針を明らかにいたしました。これは,中学校における志望校の絞り込みの時期も近づいており,もし,本市が道教委の要請を受けなければ,中学卒業生のピークを迎える来年,受験競争に拍車をかけ,受験生と家族に一層の苦悩を押しつけることになるとの配慮から,筋論は筋論としながらも,現実的対応を余儀なくされたものとも受けとることができるのでありますが,そうだとしても,なお割り切れないものが残るのであります。  私は,今回の市教委の対応そのものはやむを得ないものとして,これを是としながらも,札幌市と石狩町を対象とした石狩第1・第2学区で,昨年度に引き続き公立高校の新設を回避しながら,既設校に応急対策的な間口増と学級定数増を押しつけてこれを糊塗するというやり方がとられていることについては,多くの市民とともに義憤を禁じ得ないのであります。  61年度以来の5ヵ年間を見ましても,石狩第1・第2学区の生徒増は,ピークとなる来年度で4,375人にも上るのに対し,公立高校の新設は61年度から63年度にかけて道立3校1,370人にとどまっており,あとはびほう策ともいうべき間口増と学級定員増が,道立で1,664人,市立で150人確保されて,トータルで公立の対応は3,184人となっているのであります。  このことが公立高校への進学を希望する生徒と父母の願いに反することは明らかであり,しかも,40人学級どころか,逆に学級定員が45人から46人へとふえ,過密学級による不正常な学校運営が続くのであります。  さらに加えて,改築なしの間口増は,必要な学校施設の一部を教室に転用することとなって,正常な学校運営さえ阻害することになるのであります。なぜ,生徒増にあわせて,受験地獄の解消を図るべく公立高校の新設を図り,公立高校への入学率を高め,ゆとりの授業を保障しようとしないのか。道教委は,来年度をピークに,今後中学卒業生が減少する見通しだからというのでありましょうが,当面する生徒増にあわせて,公立高校の配置増が,将来,公立高校への入学率の向上や,ゆとりの教育につながればそれは大いに結構なことというべきでありましょう。そのことは多くの父母,市民が望んできたのであります。そこで,市長並びに教育長にお尋ねをいたします。  道立高校の増設を抑え,とりわけ,この2年間は1校も新設せずに,異常な間口増と学級定数増で乗り切ろうとの道教委の対応について,なかんずく,市立高への間口増の押しつけをどのように受けとめ,どのように対応されてきたのか。昨年度の旭丘高校への2間口増の押しつけに続いて,来年度再び平岸高校と新川高校で,同じような対応を迫られることとなった今日,過去の道教委とのやり方について明らかにしていただきたいのであります。  2年前,当時の教育長は,間口増はとうてい受け入れられないと断り続けてきたが,道教委が市立高校での2間口増を見込んだ来年度の公立高校適正配置計画を発表したこの時期に至って,これ以上道の要請を断り続けることは,結果として,本市の子弟を中学浪人させることになり,やむを得ず間口増を受け入れざるを得ないと判断し,63年度単年度の臨時応急的措置として,旭丘高校に2間口増を行うことにしたが,明年度以降は道の責任において,新設校等を含む収容対策を講ぜられるよう,強く強く要請していきたいと答弁されましたが,全く同じことが今回も繰り返されているのであります。  2年前,本市と道教委との間でどのような確認がなされていたのか。また,本市の強い強い要請は,この2年間具体的にどのように行われ,道教委はこれに対してどのような対応を示して今日に至ったのか,この際市民の前に明らかにしていただきたいのであります。あわせて,今日の事態をどう受けとめているのかお答え願いたいのであります。  市長並びに教育長は,このようなやり方が本来的な生徒増対策や,受験地獄の解消対策とは言えないとの見解をお持ちであるのかどうか,明快な答弁を求めます。  また,今後,抜本的な受験地獄の解消策を道に求めるとともに,本市みずから市立高校の新設についても検討すべきと考えますが,いかがでありましょうか,お尋ねをいたします。  以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。 ◎市長(板垣武四君) まず第1点目の,平成2年度の予算編成の基本姿勢についてお答えを申し上げます。幾つかの内容がございますが,関連がございますので,一括してお答えを申し上げます。  来年度予算編成の基本方針につきまして,一昨日,高橋議員にお答え申し上げましたのは,この予算をより充実した内容のものとすることによって,私の長年にわたる市長としての締めくくりとし,その責務を全うしたいという決意を表明したものでございますけれども,少しくこの場合,補足をさせていただきたいと思います。  ご承知のように,札幌市は世界でもまれに見る急成長を遂げた都市でございますが,今後なお多くの可能性が期待されていることから,各分野において,それぞれの機能をさらに充実していかなければならない。特に,芸術文化の振興や産業経済の活性化の面では,なお一層の努力が必要であると考えております。これらのことにつきましては,各界の方々からそれぞれの立場から,種々ご指摘をいただいているところでございますが,こういったことを踏まえて,私は,まだまだなすべきことは多く,また,将来へ向けてのいろいろな配慮も必要であるという考えを申し上げたところでございます。  来年度予算編成に当たりましても,乳幼児の養育の問題や,心身障害者・精神薄弱者に対する福祉の向上,あすを担う子供たちのための教育の充実,市民生活に潤いと安らぎを与える芸術文化の振興などにつきまして,従前の実績を生かしながら,新たな見地に立ってより積極的な対応をするように,市の関係部局に指示を与えたところでございます。また,多くの方々から寄せられているご意見・ご要望につきましても,十分検討させていただきたいと,このように存じております。  次に,消費税につきましては,現在国政の場におきまして,廃止または見直しなどについて議論がなされている状況にございますので,その推移を見守ってまいりたいと考えております。  次に,札幌市女性のための計画の推進についてでございます。  1点目の市内女性パート労働者の実態調査についてでございますが,昭和60年度に北海道において「女子パートタイマー実態調査」,62年度には労働省において「就業形態の多様化に関する実態調査」等を行っており,各事業所の雇用の形態,労働条件,あるいは雇用労働者の意識等は,おおむねその傾向を把握できる状態にございます。しかし,本市といたしましても,来年度,市内の個々の雇用実態等につきまして,具体的に調査をすることで検討をいたしているところでございます。  2点目の相談窓口の設置についてでございますが,市内には専門の相談窓口として,職業安定所,婦人就業援助センター,パートバンク等が,国・道の機関として設置されております。  本市におきましても,広聴窓口に労働相談があり,労働基準局職員によって相談を受けておりますので,今後ともこれらの状況を見守ってまいります。  また,国に対する立法化への要望につきましては,労働省において十分な検討がなされました結果,今年6月に,「パートタイム労働指針」,大臣告示でありますが,というのが制定をされまして,これによりパートタイム労働対策を拡充強化することとしておりますので,今後の動向を見守ってまいりたいと思います。  3点目の,女性の審議会等への登用についてでございますが,審議会等へ女性を登用し,その意見を市民の生活や地域社会の発展にかかわる政策へ反映させていくということは,きわめて重要なことであると認識をいたしております。  目標値の引き上げにつきましては,当面,平成5年度までの目標値であります15%を,できるだけ早い時期に達成するように努め,その時点で新たな目標値を定めたい,こう考えております。  また,職務指定等がある防災会議,職務指定というのは,どこどこの局の何々課長といったふうな職務指定等があります防災会議などのように,女性委員が含まれていない審議会等,並びに10%未満の審議会等につきましては,今後,幅広い分野からの登用も含め,努力をしてまいりたいと考えております。  4点目についてでございますが,今後の社会情勢の変化に的確に対応した婦人施策の推進,また,新計画の策定に当たりましては,当然のこととして,市民の皆さんのご意見を十分に反映いたしたいと考えております。  具体的には,男女市民を対象に,婦人問題に関する意識調査の実施や,市民参加の各種懇談会の開催を考えているところでございます。  私から以上でございます。 ○議長(吉野晃司君) 荒井教育長。 ◎教育長(荒井徹君) 私から,初めに登校拒否問題についてお答えいたします。  1点目の登校拒否の原因についてでありますが,児童生徒が登校しない背景には複雑な要因がございまして,中には,その原因がなかなか見出せない事例も多くございます。しかし,児童生徒が登校しなくなるきっかけとして,家庭生活や本人の問題ばかりではなく,友人や教師との人間関係,学業の不振,あるいは進級や入学時の不適応など,学校生活からくるものもあることはご指摘のとおりでございます。  学校においては,日ごろから,授業の質を高めるとともに,校内での研修を通して,登校拒否についての理解を深め,その子の状態に応じた適切な援助を行ってまいりましたが,これからもその努力を続けていく必要があると考えております。  2点目の,新学習指導要領登校拒否との関係についてであります。  今回の指導要領の改定につきましては,さまざまなご意見もございますが,市教委といたしましては,一人一人の子供の能力を伸ばし個性を生かす観点が重視されて作成されたものと受けとめております。このことからも,新指導要領に基づく教育課程の実施が登校拒否の増加に結びつくものとは考えておりません。  3点目の教育条件の整備についてでございます。  学級編制は,4月に設定されております学級編制基準日の児童生徒数をもって行い,年度の途中においては,原則として編制がえを行わないことにしておりますが,人口が急増する地域では,例外的に行ってきているのが実態でございます。  お話のありました超過学級につきましては,いずれも2学期に入ってから急激に増加したものでありまして,この時期の学級解体は,児童生徒への心理的な影響も大きく,父母や学校からは,編制がえをしないよう要請があるものでございます。今後さらに超過が進むようであれば,学校とも協議をし,その対応を検討してまいりたいと考えております。  また,年度の途中においての超過があらかじめ見込まれる場合の4月の編制時の対応についてでございますが,40人の学級編制を維持していくことは望ましいことでありますので,今後とも道教委に対しまして,人口異動の激しい本市の実情を説明し,弾力的な編制について要請してまいりたいと考えております。  4点目の登校拒否への対応策についてでありますが,市教委では,毎月,各学校から,欠席しがちな児童生徒についての報告書の提出を求めて,その指導の状況を把握するとともに,指導の困難なケースについては,委員会内部に長期欠席児童生徒等対策委員会を設置して,個別に対応しております。  また,専門機関の相談体制についてでありますが,本市の教育研究所では,指導主事や研究員による相談を行うとともに,専門の医師3名を嘱託医として委嘱して,ケースによっては,研究所において医師の診断と助言が受けられる態勢をとっております。なお,本年度は,研究員を2名増員して,計10名として相談体制の強化を図ったところであります。また,各区並びに教育委員会内の少年相談室でも相談を行っております。  いずれにいたしましても,登校拒否の指導は,各関係機関と積極的に連携しながら,根気強くかつ慎重に指導に当たることが大切であり,このことから,市教委としては,学校,児童相談所,教育研究所,専門の医師など,広く関係人による懇談会,さらに,PTA指導者セミナーを開催をして,現状の把握や今後の指導のあり方について意見交流を行ったところであります。  今後とも,この問題については,早期発見に努め,温かく粘り強い指導を続けるよう努力してまいりたいと考えております。  次に,公立高校の配置問題についてでございますが,中学校卒業者の急増期における対策に関しましては,かねてより道に対し,道立高校の新設等を含めた総合的な対応を強く道に要請してまいりました。  これに対して道は,昭和61年度以降,高校3校を新設する一方,学級定員増や間口増を実施してきた経過がありますが,63年度には,本市としても,従前の学級定員増のほかに,やむを得ず単年度措置として,旭丘高校に2間口を増設したところでございます。この折に,次年度以降については道の責任において対応するよう文書で強く要望し,さらに昭和63年3月には,高等学校の早期新設に関する要望意見書が本市議会から道知事に提出された経過がございます。  しかしながら,平成元年度においても間口増の協力要請がありまして,私どもとしては,これまでの経過を踏まえて強く反論した結果,道立高校においてすべて措置されたところでございます。  平成2年度につきましても,重ねて協力要請があり,元年度と同様に対応をするよう強く申し入れをいたしましたが,明年度は,本市の中学校卒業予定者数がピークに達すること,また,道での対応はすでに限界に達しておりまして,これ以上の間口増は客観的に見て困難と判断されましたので,やむを得ず,平岸及び新川高校にそれぞれ1間口の増設を決めたものであります。  急増する中学校卒業者のためのこれまでの対応策は,本来的なものではなく,あくまでも臨時的応急措置と考えますが,このことにより,明年度は,本市中学校卒業者の高校進学の道を確保でき得るものと考えております。  なお,市立高校の新設につきましては,これまでも申し上げてきましたように,基本的に高校は道が措置すべきものであり,その考えはございませんが,今後は,臨時的応急措置の早期解消について,道に強く働きかけてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。   ――――――――─―――――――      休 憩 午後1時46分      再 開 午後2時16分   ――――――――─――――――― ○副議長(工藤勲君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問の続行であります。田中昭男君。  (田中昭男君登壇・拍手) ◆田中昭男君 私は,ただいまから,民社クラブを代表いたしまして,市政の幾つかの課題について,要望も交え,順次ご質問をいたします。  まず,国と地方の関係をめぐる諸問題についてお伺いをいたします。  国と地方の関係をめぐる問題につきましては,古くは昭和24年のシャウプ勧告や,それを受けて設置をされました地方行政調査委員会会議,また,現在までに22次にわたって設置をされております地方制度調査会や,2次にわたって設置をされました臨時行政調査会などにおきまして多くの議論がなされ,またその中から,多くの答申や報告が出されております。  一方,人口や経済・行政・文化等の諸機能が東京圏へ集中しており,さまざまな弊害が生じておりますため,4全総,第4次全国総合開発計画においては,今後におけるわが国のあり方として,多極分散型国土の形成を強く求めているのであります。  この多極分散型国土の実現のためには,さまざまな施策が考えられておりますが,地域の総合的な行政主体である地方公共団体が中心となり,それぞれ創意工夫を凝らして,自主的かつ広域的に施策を立案・実施していく行財政制度の確立が肝要であります。このような現実の問題から,国と地方の関係をめぐる問題は,まさしく,古くて新しい問題として問い直されているのであります。  このような状況の中で,臨時行政改革推進審議会,いわゆる新行革審では,国と地方の関係等に関する小委員会を設置し,国と地方の関係の見直しを検討しており,この小委員会からの新行革審に対する報告書が過日提出されております。この報告書は,基本的な考え方のほか,7本の柱から成っております。  まず,第1点目は,国・地方の機能分担等の見直しと,国と地方間の調整等であります。  ここでは,地域の主体性を強化し,多様な行政の実現を目指し,国の機能を純化していく視点に立って,国から地方への権限移譲や国の地方行政に対する関与等の改善を今後とも積極的に進めるべきであると述べているほか,地方公共団体に関する事案について,国に対して,全国市長会のような地方公共団体の全国的連合組織が意見を述べる仕組みについて検討することとしております。  次に第2点目は,地域行政主体の整備・多様化,広域行政への対応についてであります。  ここでは,国と地方の関係と地方制度等の大幅な改変を目指すべきだとしておりまして,都市自治体の果たしている役割に着目して,地域中核都市という新たな概念や,行政の広域へ対応するための都道府県や市町村の連合という新しい形の特別地方公共団体について報告しております。  次に第3点目は,地方財政の制度運用の改革と,団体間財政格差の是正についてであります。  ここでは,地方財政にあっても,国と同様,厳しく歳出の拡大を抑制していく必要があること,財政の健全化・効率化を進める上で,中期的な展望を踏まえた財政運営が必要であること。また,団体間の財政格差を是正することが重要であること等を述べております。  次に,第4点目は,補助金等の制度運用の改革についてであります。  ここでは,多くの補助金のうち,地方公共団体の自主性にゆだねられるべきものにあっては,廃止や一般財源化等が進められなければならないと述べ,一方,今後とも必要な補助金についても,その目的や条件の総合性・弾力性を高め,補助率についても,体系化・簡素化を進めるとしております。  次に,第5点目は,地方自治体の自己改革の推進として,行財政の効率化,事務監視の機能を充実するべきであるとしており,第三セクター方式は,地方財政上の位置づけを明確にし,その特性を生かしつつ,設立運営の適正化を確保していく必要があるとしております。  次に,第6点目は,地域活性化施策の総合的推進として,全国各地域の活性化を通じて,東京一極集中を是正し,多極分散型国土の形成を目指すことは国民的課題であると述べており,4全総の推進や,地方開発促進計画の策定の推進などについて報告しております。  最後に,第7点目は,改革の推進体制等ということで,内閣のリーダーシップのもとに,関係各省庁が一体となって,報告内容の実現に向けて積極的に取り組むよう要請しております。また,改革推進要綱を策定することや,民間有識者等から成る改革の実施推進機関の設置についても述べております。  以上述べましたように,この報告書は非常に広範囲のものとなっております。この中で,特に地方財政改革については,地方財政計画の歳出規模の伸び率を名目成長率以下にするという現在の地方財政運営の根幹にも触れかねない問題も提起されているところですが,今回私が特に取り上げたいと考えますものは,国と地方の機能分担,つまり権限移譲や,国の関与,必置規制の緩和に関すること,また,地域行政主体の整備,つまり,都道府県連合や,いわゆる道州制のことについてであります。  まず,国と地方の機能分担に関して,この小委員会の報告では,地域経済の振興,地域づくりや住民生活に密接に関連する行政分野等において,国から地方への権限移譲等を推進すると述べております。特に,地域中核都市に対しては,都道府県の事務権限を大幅に移譲することとしており,さらに,札幌市のような政令指定都市については,大都市圏における中枢都市としての機能を十分に発揮できるよう,国及び都道府県の事務権限の移譲範囲の拡大を図ることとしております。また,これに関連して,国から都道府県に移譲を行うものについては,必要な範囲で,現行政令指定都市に対しても移譲するものとしております。  私は,国と地方の機能分担を考えるときに,いままでは事務を上から下へ配分する,つまり,国から都道府県へ,都道府県から市町村へというように配分していくということが事務配分の根底にあったのではないかと考えます。この考え方は,まさに本末転倒の考え方ではないかと考えます。  まず,市町村の事務配分を最優先し,住民に身近な行政は可能な限り市町村が行い,市町村が処理できないものを都道府県が行い,都道府県が処理できないものを国が行うというふうに,下から上へ配分していくという考え方がぜひとも必要なのではないかと考えます。  また,市町村も,その規模や能力等に大きな違いがあるのでありますから,一律・画一的な権限移譲ではなく,規模や能力等の大きな都市・自治体に対しては,より一層の権限移譲を行うことが必要なのであります。さらに,その権限移譲を受ける自治体については,一層の行財政能力の充実を図る必要があるのであります。  次に,行政の広域化に対する対応でありますが,小委員会報告におきましては,都道府県同士や市町村同士の連合,さらには,大都市圏における都市連合制度の導入を図るものとしております。  この連合というのは,広域的見地から,公共施設の整備,産業の振興等について総合的な計画を策定し,一体的な実施を必要とする事業を共同して実施するためのものであると説明されております。また,この連合体には,国あるいは都道府県の権限を移譲したり,この連合体の財政基盤の確立のため,制度的な条件整備を行うこととしているのであります。  都市化の進展や交通機関の発展などによる人々の生活の広域化は,現在の市町村の区域をはるかに超えており,この傾向は今後も拡大していくものと考えられます。本市におきましても,第3次長期総合計画において,札幌市を中心とする60キロメートル圏を札幌複合交流圏として設定し,近隣市町村との連携・協力関係の中で,相互補完的に圏域のより高次な機能集積を図り,国際的に魅力に富んだ地域にするための総合的環境整備を推進中であります。  このような状況で,現在でも広域的な行政機構として,一部事務組合による特定事務の広域的共同処理や,各種協議会による関係行政機関の特定問題への協力対応があるのでありますが,私は,これらの制度だけで,今後拡大していくであろう広域化に果たしてうまく対応していくことができるかどうかという疑問を持っており,新たに制度を創設するための検討が必要であると考えております。  以上,新行革審の国・地方関係小委員会の報告書について述べてまいりました。この報告を受けた新行革審では,年内を目途に,審議会としての答申をまとめる予定と聞いておりますが,これらの動きに関連して,2点についてお伺いをいたします。  質問の第1点目は,この小委員会報告の,特に権限移譲や広域的な行政組織の部分に対しての評価についてであります。  小委員会報告が出された後の新聞報道によりますと,さまざまな団体から,国と地方の財源の再配分,地方自主財源の充実について触れられていないということや,個別の権限移譲項目が抽象的であるというような批判が行われているわけでございますが,市長は,この小委員会報告の特に権限移譲や広域的な行政組織の部分を中心に,どのように評価されておられるのかお伺いをいたします。  次に,質問の第2点は,権限移譲なり国の関与,必置規制の具体的事項の緩和に関することであります。  この小委員会報告には,それぞれ,総論と具体化すべき項目が述べられておりますが,過去におけるこの種の報告がそうであったように,報告されたものが現実のものにならずに終わってしまうのではないかという危惧を私は持っております。そこで,この報告書の内容を現実のものにしていくために,今後,本市としてどのような働きかけをしていくおつもりなのかお聞かせをいただきたいのであります。  次に,本市における治安対策についてお伺いいたします。  申すまでもなく,私どものこの札幌が犯罪や交通事故のない安全な街であってほしいというのは,市民すべての願いであると思いますし,公共の安全と秩序が維持されることは,市民が安心して暮らし,明るく住みよい街づくりを進める上からも,大変重要なことであります。しかし,最近の状況を見るとき,果たして,本市の公共の安全と秩序が十分保たれていると言える状況であるかどうか,私は札幌市民の一人として,非常に憂慮すべき事態にあるのではないかと危惧しているところであります。  その理由といたしましては,昨年の本市における刑事犯事件が約3万6,000件,交通事故は約8,500件発生し,この数はいずれも前年を大幅に上回っており,本年に入ってさらに増加する傾向にあると聞き及びますとき,今後ともこの傾向が続くとなると,ますます深刻な状況にあるのではないかと懸念されるからであります。  このような状況の中でさらに危惧されることは,最近頻発しております暴力団による発砲事件であります。  2月9日,西区の発寒地区において,暴力団による発砲事件が発生して以来,ほぼ市内全域で,しかも,一般住宅地域においても頻繁に発生し,今日まで,発生件数も23件を数えているのであります。  こうした発砲事件は,いずれも暴力団同士の対立抗争から発生をしており,さながら市街戦と称されるほどに激化しているのであります。こうした暴力団同士の対立抗争による発砲事件の頻発によって,いわゆる組事務所の付近住民はもちろん,一般市民の平穏な生活が脅かされているのであります。機動隊が警戒する中で通園をする幼稚園児,警察官がガードする中での通勤・通学,こうした状況の中で,いま市民からは,札幌は無法の街なのか,どうして住民の平穏が守られないのかという声が沸き上がっているのであります。  私は,こうした市民を不安に陥れている発砲事件の頻発に,激しい憤りを感じているところであります。同時に,この種の治安対策,基本的には警察行政によるところとは理解をしておりますが,ここまで市民が不安に陥れられている現実の中で,警察行政とも相協力しながら,本市としてなし得るところの検討を強めていただきたいことを強く要望するものであります。  さて,一方,市民生活にとって,特に周辺部の人口が急増している新興住宅街の地域住民にとりましては,治安対策上,派出所の設置要望が切実な要望として強くあり,私自身も,昭和62年にも,分区に伴う関連施設として警察署や派出所の増設について質問したところであります。そのときにも申し上げましたが,警察署や派出所が設置をされれば,治安の確保がすべてなされるということではありませんが,住民にとりましては,安全に生活する上で大きなウエートを占めていることもまた事実であります。  そこで,治安対策の直接的な窓口となる派出所の設置状況について,私なりに調べた結果から申し上げますと,他の政令指定都市と比較した場合,現在,本市には派出所が92ヵ所設置されておりますが,1派出所当たりの人口比較をとってみますと,他の政令都市がおおむね1万2,000人から1万3,000人に対して1派出所であるのに対し,本市は約1万8,000人であり,他の政令都市比較で5,000人も多い人口を1派出所が受け持っているのであります。また,本市の人口増に対する派出所の設置の推移については,詳しいデータをそろえるには至りませんでしたが,おそらくこの10年ぐらいの増設はなく,現在の92ヵ所のままで至ってきているのではないかと推察をされます。
     さらには,派出所の各区バランスを見ますと,厚別区,豊平区,西区の1派出所当たりの人口が約2万4,000人,市平均の1万8,000人を6,000人も多く受け持っている現状にあり,こうした新興住宅地,人口急増地帯から市民の派出所設置の要望が強いのも,無理からぬ話であると考えられます。  治安対策は,基本的に警察行政と認識しており,派出所の設置についても,国との関連,道内他地域との関連で非常に困難なことであり,その中で,日常,市内の警察関係者が多大のご苦労をされていることは十分承知をしながら,こうした現状にあるとき,市民の不安解消のため,札幌市として,人口増の特に激しい厚別区,豊平区,西区への派出所の設置について,道警ほか関係方面に強く要望する必要があると考えますが,市長のご所見をお伺いをいたします。  次に,青少年科学館についてお伺いをいたします。  青少年科学館は,北国札幌の特色を踏まえた理工系の科学館として,市内の小中学生はもとより,地方からの修学旅行生などにも大変人気のある施設となっておりますことはうれしく思います。世界初の人工降雪装置や,道内で最大規模のプラネタリウムなど,ユニークな設備はもちろんですが,宇宙,北方圏,原理応用をテーマとした200件近い展示物が未来社会をほうふつとさせ,また,宇宙へのロマンをかき立てる想像の場として,子供たちの夢がたくさん詰め込まれていることが,人気の施設となっている理由であろうと思います。そして,ほとんどの設備が,見るだけでなく,実際に手に触れて科学を実感できるといったことが,子供たちだけでなく,お年寄りやご婦人を初めとして,大人の入館を促していると思うのであります。  昭和56年に開館し,この5月には入館者数が300万人を超えたということでありますから,年間37万人を超す人たちが利用したというものであります。私も時折見せていただきますが,いつも新しいものが展示されていたり,展示物がかわっていたりしており,館の皆さんのご努力には敬意を表したいと思います。  特に,子供たちの夏休みや冬休みといった時期には,おもちゃのサイエンス,あるいはまたマイクロロボット大会,水と空気の大マジックなど,私たち大人も十分楽しめる企画が行われており,ついつい夢中になってしまうといったものであります。  また,夜空のファンタジーとも言えるプラネタリウムは,画面が変わるたびに思わず感動させられてしまうのであります。2度・3度と足を運びましても,その都度新たな感動を覚えるのであります。まして,子供たちにとっては,まさに夢の世界であり,知らず知らずのうちに科学の目が養われ,関心が深まっていく画期的な社会教育の場であり,その役割を十分に果たしていると思うのであります。  しかし,科学の世界は日進月歩と言われており,私たちが日ごろマスコミ等で耳や目にする中でも,新しい言葉といえば科学の世界のものが多く,その進展に目をみはるものを感じていることを思いますときに,この青少年科学館を取り巻く情勢もどんどん変化していることでしょうし,この科学館も今後,新たな展開を模索される時期ではないかと考えるのであります。  現在の青少年科学館は,博物館の分野では,自然科学の中の理工系博物館ということであり,その中でも基礎物理部門が主軸になっております。そして,特別企画などのときに,ロボット展示やコンピューターなど,応用物理の世界が顔を見せるといった形になっているのであります。  こうした現在の青少年科学館の展示構成から目を転じてみますと,最近では,バイオテクノロジーといった生命科学の世界,あるいはセラミックや形状記憶合金といった新素材,はたまた超伝導といった言葉も耳にするようになっており,それらが私たちの生活の中に大きくかかわっていることなどを聞きますと,こうしたことも科学館で日常的に学習できたらと考えますし,フロンガスや酸性雨などの問題が報道されますと,環境科学のことも気にかかるわけであります。  さらには,つい最近のサンフランシスコ地震を思うと火山の問題,あるいはしんかい6000の報道などを見聞きしますとき,これら地球物理の世界はどんなものなのかと,つい考えるのであります。そうした科学の世界が幅広く,そしてタイムリーに理解できるものがあれば,子供たちの科学への興味は一段と高まるものと思うのであります。  そこで,質問の第1点目ですが,この本市の青少年科学館も開館8年目に入ってきており,やがて開館10周年も間近に迫っていることを考えますときに,申し上げましたような,最近の科学界を取り巻く環境からいって,5年・10年というスパンでの新たな展開が必要ではないか,新しい試みがプラスされてもいい時期ではないかと考えますが,今後の青少年科学館の構想について,どのように考えておられるかお伺いをいたします。  第2点目は,直接科学館の展示物にはかかわりませんが,現在,科学館の問題として,団体来館者に対して,大型バスの駐車場の確保の問題,あるいはまた団体来館者に対するオリエンテーションや食事のスペース確保の問題が聞こえておりますが,これらの問題に対して,どのように対応される予定かお伺いをいたします。  最後に,厚別区にかかわる問題について1点。これは,厚別区役所に近接をいたします市有地の活用についてでございますが,お伺いをいたします。  去る11月6日に待望久しい厚別区が発足したところでありますが,この厚別区は,1点集中型の都市構造を,大都市にふさわしい多核心型都市に計画的に移行させようという厚別副都心構想が推進をされてきた地域であります。  振り返ってみますと,昭和30年代から住宅団地開発の先鞭となったひばりが丘団地を初め,青葉町団地,さらには大規模住宅団地であるもみじ台団地といった市施行の住宅団地が次々と造成をされるとともに,区画整理事業も盛んに実施され,都市基盤整備の進行に合わせて,人口の定着が急速に進んできたのであります。  これに対応して,厚別副都心構想の核となる厚別副都心団地の開発が行われ,行政,文化施設,交通施設,商業業務施設の計画的立地・整備に努められた結果,現在では,地下鉄東西線の発着駅,JR千歳線の拠点駅,また,区内はもとより,江別方面を含めた交通結節点としての機能を持ち合わせるとともに,デパート,ショッピングセンターなどの商業施設,郵便局などが整備をされてきております。  また,行政施設を見ますと,区役所を初め区民センター,図書館,体育館,温水プール,保健所,消防署が完備されているのに加え,全市的な施設として青少年科学館があるのであります。このように,地域住民の生活利便性が高い中で厚別区がスタートしましたことは,非常に喜ばしいことと考えております。  今後は,11万区民が手を携えて,もっと住みよい,住んでよかったと思えるような心の通い合う地域づくりを,区民が主体となって積極的に推進していかなければならないという気持ちをひしひしと感じているところであります。私は,そのためには,区民の創意工夫によるいろいろなイベントを通して,区への愛着,言うならばふるさと意識の醸成を図ることが肝要だと考えるのであります。  このことを踏まえまして,厚別区役所に近接して所在する市有地の活用についてお尋ねをいたしますが,この土地は,科学館公園に隣接しているとともに,区役所とは道路1本隔てたところにある約6,000平方メートルの貴重な公共空間であります。  聞くところによりますと,まだ利用計画は決まっていないとのことでありますが,私は,地下鉄駅の出入口にも近いこの土地を,区民が区民祭りを初めさまざまなイベントに利用できる場として,ぜひ確保していただきたいのであります。そうできますれば,区民の憩いの場として,また触れ合いの場として大いに活用されることになると考えるのであります。そこで,この土地の今後の利用についてどのようなお考えをお持ちなのか,市長にお伺いをいたします。  以上で,私の代表質問のすべてを終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(工藤勲君) 答弁を求めます。板垣市長。 ◎市長(板垣武四君) まず初めに,国と地方の関係をめぐる諸問題についてでございます。  まず,第1点目の新行革審の国と地方の関係等に関する小委員会の報告に関する評価でございます。  この報告では,社会経済活動の広域化と都市化に対応した地域行政の展開を図るために,地方重視を基本的方向として,非常に広範囲にわたり,数多くの提言がなされております。この内容につきしては,今後,地方6団体を初め,各方面で十分議論されることと思いますけれども,現段階で申し上げますならば,ご質問の権限移譲につきましては,都市等の規模,行財政能力に応じた機能配分を進めるとしている点,また,特に政令指定都市については,国及び都道府県の権限の移譲範囲を拡大すると述べている点で評価ができるものと思います。  また,広域的な行政組織につきましては,連合という新しい制度を提言し,行政の広域化に対応していこうという点では注目されるものだと思います。ただ,その具体的な検討は地方制度調査会等で行うと述べるにとどまっておりますので,今後,これらの機関での審議の経過を見守ってまいりたいと存じます。  第2点目の,権限移譲等の具体化に向けての今後の働きかけでございます。  権限移譲等につきましては,従来から,地方自治の基本的問題として問われてきたものであり,これまで地方制度調査会,臨時行政調査会,臨時行政改革推進審議会等の答申におきまして,数多くの提言がなされ,これらを契機に,関係機関に働きかけを行い,十分とは言えないものの,それなりの成果が得られていると考えております。  今回の小委員会の報告につきましても,近く答申の運びになる予定ですが,地域の主体性の強化という面から,権限移譲等について,全国市長会などの地方6団体などとも連携をとりながら,関係機関に働きかけをしていきたい,こう考えております。  次の質問でございますが,昨今の交通事故,暴力団による発砲事件等,市民を脅かす事故・事件の発生につきましては,まことに遺憾に思っているところでございます。本市といたしましては,住民と協力をしながら,安全な街づくりのために一層の努力をしてまいる所存でございます。  そこで,ご質問の派出所の設置についてでございますが,住民は,派出所が安心して暮らしていくための身近な施設として考えておりますので,その設置につきましては,機会あるごとに道警察本部へ要望してきたところでございます。道警察本部といたしましても,本市からの要望を十分承知してくれておりますし,また,効率的な警察行政を推進するために,人口増の著しい地域についての設置を検討していると伺っております。したがいまして,ご要望の趣旨等を踏まえ,今後とも道警察本部に対して強く働きかけを行い,市民生活の安全確保に努力をしてまいりたいと考えております。  次に,青少年科学館の問題についてでございます。  1点目の将来構想についてでございますが,ご指摘のように,現代の科学技術は急速な進展を見せており,科学館といたしましても,こうした状況に即応していくことが求められております。全国的に見ましても,このような情勢を踏まえ,各都市とも新たな展開を模索をしている実情でございます。すでに生命科学系の新しい分野を導入している都市もありますので,本市といたしましても,21世紀につながる新しい分野について,鋭意調査検討を進めたいと,このように考えております。  第2点目の,団体利用者に対する大型バス駐車場及び食事スペース等の確保についてでございます。  青少年科学館の団体利用者は,年間約12万人を数えておりまして,大型バスの利用もかなりございます。したがいまして,現在,館に隣接した南側の専用駐車場のみでは狭隘でございますために,厚別区役所向い側の,後でご指摘がありました空き地を利用し,対応しているところでございます。また,食事のスペース等につきましては,旧厚別出張所の建物を今年度中に一部改修をして,当面これを活用してまいりたいと考えております。  最後に,厚別区役所に近接する市有地の活用についてでございますが,この土地は,厚別副都心の団地開発事業の中で,行政的な土地利用を図る目的で確保したものでございます。厚別区役所が現在のところに建設されましたことから,この土地は区役所周辺に残された貴重な公共空間であり,私も,地域新時代に向けてこれは大切にしてきた土地でございます。したがいまして,今後予想される施設需要なども十分見きわめながら,ご提言の趣旨を含めて,地域にとって最もふさわしい利用計画について検討を進めたい,このように思っております。以上でございます。 ○副議長(工藤勲君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。  (朝川利雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(工藤勲君) 朝川利雄君。 ◆朝川利雄君 委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案9件を,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) ただいまの朝川議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) ご異議なしと認めます。よって,議案第1号から第9号までの9件は,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。   ――――――――─―――――――                  議  案  付  託  表  (平成元.定4) ┌───┬────────────────────────────┬──────┬────┐ │番 号│       件             名      │ 付託委員会 │備  考│ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌一般会計補正予算(第5号)       │総務    │別  表│ │第1号│                            │環境消防  │参  照│ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌公債会計補正予算(第2号)       │総務    │    │ │第2号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌中央卸売市場事業会計補正予算(第1号) │経済公営企業│    │ │第3号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌交通事業会計補正予算(第1号)     │経済公営企業│    │ │第4号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌高速電車事業会計補正予算(第1号)   │経済公営企業│    │ │第5号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│札幌市区民センター条例の一部を改正する条例案      │総務    │    │ │第6号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案       │文教    │    │ │第7号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│財産の取得の件(公園用地)               │総務    │    │ │第8号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│市道の認定及び変更の件                 │建設    │    │ │第9号│                            │      │    │ └───┴────────────────────────────┴──────┴────┘ 別   表  議案第1号 平成元年度札幌一般会計補正予算(第5号)中,   1 第1条第2項の「第1表歳入歳出予算補正」のうち,    歳   入     第8款 地方交付税      第1項 地方交付税───────────────────┐     第12款 国庫支出金                    │      第2項 国庫補助金───────────────────┤     第13款 道支出金                     │      第2項 道補助金────────────────────┼─→総  務     第17款 繰越金                      │      第1項 繰越金─────────────────────┤     第19款 市債                       │      第1項 市債──────────────────────┘    歳   出     第1款 議会費      第1項 議会費─────────────────────┐     第2款 総務費                      │      第2項 企画調整費───────────────────┼─→総  務
        第7款 土木費                      │      第5項 都市開発費───────────────────┘     第11款 諸支出金      第2項 他会計繰出金────────────────────→総  務   2 第2条の「第2表債務負担行為補正」(追加)──────────→環境消防   3 第3条の「第3表地方債補正」(変更)─────────────→総  務   ――――――――─――――――― ○副議長(工藤勲君) 次に,日程第2,議案第10号から第17号までの8件を一括議題といたします。  いずれも市長の提出によるものであります。  提案説明を求めます。板垣市長。  (市長板垣武四君登壇) ◎市長(板垣武四君) ただいま上程をされました議案第17号 札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案及び議案第10号から議案第16号までの各会計補正予算につきまして,提案の趣旨と概要をご説明申し上げます。  これらは,職員の給与改定とこれにかかわる経費の追加が主なものでございます。  国は,本年度の国家公務員の給与につきまして,人事院の勧告どおり平均3.11%の給与の引き上げを本年4月1日から実施することを内容とする給与法改正案を,現在開会中の第116回臨時国会に提案をいたしております。  本市職員の給与につきましても,本年9月6日に平均3.03%の改定を内容とする本市人事委員会の勧告が行われており,この勧告及び国の措置内容等を考慮いたしまして,所要の改正をしようとするものでございます。  給与改定の主な点につきましてご説明申し上げますと,行政職及び医師職の給料表を国に準じて改定するとともに,諸手当につきましては,本市人事委員会の勧告に基づき,扶養手当,通勤手当,初任給調整手当,住居手当,期末手当及び勤勉手当を引き上げるものでございます。  なお,これらの改定の実施時期につきましては,国の取り扱いと同様に本年4月1日とするものでございます。  以上の給与改定に伴う本年度の所要経費は,全会計を合計いたしまして,共済費の財源率改定等による所要額11億40万6,000円を含め,60億682万3,000円でございますが,今回の補正は,一般会計及び各企業会計の7会計におきまして既定予算で不足が見込まれる経費を追加するものでございまして,特別会計につきましては,全額既定予算の範囲内で措置することにいたしております。  これらの補正予算の内容といたしましては,まず,一般会計は36億5,233万円を追加するものでございまして,その財源は全額地方交付税をもって充てるものでございます。また,各企業会計を合わせた補正額は,総額9億8,040万6,000円となるものでございます。  以上で,ただいま上程をされました各議案の説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○副議長(工藤勲君) ただいまの市長の提案説明に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) 質疑なしと認めます。  (朝川利雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(工藤勲君) 朝川利雄君。 ◆朝川利雄君 委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案8件を,各位のお手元に配付の議案付託表(第2号)のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) ただいまの朝川議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) 異議なしと認めます。よって,議案第10号から第17号までの8件は,各位のお手元に配付の議案付託表(第2号)のとおり,関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。   ――――――――─―――――――                 議 案 付 託 表 (第2号)  (平成元.定4) ┌───┬────────────────────────────┬──────┬────┐ │番 号│       件             名      │ 付託委員会 │備  考│ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌一般会計補正予算(第6号)       │総務    │    │ │第10号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌病院事業会計補正予算(第1号)     │厚生    │    │ │第11号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌中央卸売市場事業会計補正予算(第2号) │経済公営企業│    │ │第12号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌交通事業会計補正予算(第2号)     │経済公営企業│    │ │第13号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌高速電車事業会計補正予算(第2号)   │経済公営企業│    │ │第14号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌水道事業会計補正予算(第1号)     │経済公営企業│    │ │第15号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│平成元年度札幌下水道事業会計補正予算(第1号)    │環境消防  │    │ │第16号│                            │      │    │ ├───┼────────────────────────────┼──────┼────┤ │議 案│札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案       │総務    │    │ │第17号│                            │      │    │ └───┴────────────────────────────┴──────┴────┘   ――――――――─――――――― ○副議長(工藤勲君) 次に,日程第3,議案第18号を議題といたします。  本件は,見延順章君外8名の提出によるものであります。  提案説明を求めます。見延順章君。  (見延順章君登壇) ◎見延順章君 ただいまより,私外8名の連署をもって提出をいたしました議案第18号札幌市議会議員定数及び各選挙区選出議員数に関する条例の一部を改正する条例案について,提案の趣旨をご説明申し上げます。  本案は,白石区及び西区の分区の施行に伴う関係選挙区の選出議員数を定めるとともに,あわせて,平成3年に予定されております一般選挙における議員定数及び選挙区選出議員数を改めようとするものであります。  まず,分区に伴う関係区の選出議員数の改正でありますが,その内容は,現行の白石区11人を白石区6人,厚別区5人に,また,西区11人を西区6人,手稲区5人にそれぞれ改めようとするものであります。  分区後の知事告示人口に基づく比例配分では,白石区7人,厚別区4人,西区7人,手稲区4人となります。しかしながら,厚別区及び手稲区の状況を見ますと,昭和60年国勢調査以降の人口の伸び率が,白石区及び西区では年1%前後と鈍化傾向にあるのに比し,両区では年6%前後と全市的にも際立って高い率を示しており,さらに,今後とも人口の確実な増加が予測されますことから,さきに申し述べました定数配分としようとするものであります。  次に,平成3年の一般選挙にかかわる議員定数及び選挙区選出議員数の改正についてご説明をいたします。  昭和60年の国勢調査に基づく本市の人口は154万2,979人であり,この場合の議員の法定数は76人となります。さきの昭和62年一般選挙においては,諸般の状況を考慮して70人に据え置いたという経緯から,今回,分区に合わせて改正しようとするものであります。  その第1は,議員の定数を現行定数の70人から71人としようとするものであり,これは,地方自治法第91条第1項に基づく法定数76人から,同条第2項を適用し,5人減員しようとするものであります。  議員定数については,行財政改革の進展の中で,全国的に見直し,抑制の趨勢にあり,昭和63年12月末現在で,すでに約96%の市議会において減数条例が制定されている状況であります。もとより,議員は,市民の代弁者として民意をより的確に市政に反映させるべき使命を有しており,定数はそのための重要な要件ではありますが,一方,執行機関に対するのと同様,議会における自主的な組織運営の効率化もまた,市民のひとしく要望するところとなっております。  本市議会においても,組織運営の効率化をより積極的に推進しようとする立場から,昭和58年の改選時以降,減数条例を施行し,議員の定数については,極力抑制し,市民の負託にこたえるべく努力をしてきたところであり,このような観点から,今回も全区の見直しによる定数増を,最小限の1人にとどめようとするものであります。  その第2は,選挙区別選出議員数でありますが,各区の行政需要の把握と民意の反映について,現状と著しい変動を生じないことを考慮しつつ,中央区については1人減員,分区後の白石区及び西区については,各1人を増員しようとするものであります。  分区に伴う条例改正が施行された場合,この3区においては,人口比例定数との差が2人となりますが,2人減員となる中央区については,昼間人口が著しく多いなどの特殊事情を考慮し,これを1人減にとどめ,相対して,2人増員となる白石区及び西区については各1人増とすることによって,全区的に人口と各選挙区選出議員数との均衡に配慮したものであります。  以上,議員各位におかれましては,ただいまご説明を申し上げました趣旨に深いご理解を賜りたく,慎んでお願いを申し上げまして,議案第18号に対する私の提案の趣旨説明を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(工藤勲君) これより質疑に入ります。  通告がありますので,発言を許します。生駒正尚君。  (生駒正尚君登壇・拍手) ◆生駒正尚君 日本共産党を代表しまして,ただいま提案されております議案第18号 札幌市議会議員定数及び各選挙区選出議員数に関する条例の一部を改正する条例案について質問をいたします。  質問の第1は,歴史的に進められてきた地方議員削減の運動との関連についてであります。  1950年代から開始された町村合併により,議員は半減させられており,いま進められている議員減員条例による地方議員の削減も,歴史的に見るならば,地方自治そのものを形骸化しようとする財界,政府,自民党の意識的な取り組みと無関係でないだけに,きわめて危険なものと言わなければなりません。  1982年の第2次臨調の基本答申が出された後,サンケイ新聞など一部マスコミによる異常なキャンペーンが展開され,さらに臨調第3次答申,第2次市町村合併促進法の制定,政府の地方行革大綱についての通達などなど,地方議員の大幅削減に向けて,政府と財界は意識的な取り組みを執拗に繰り広げてきたのであります。  今回の提案が,こうした政府,財界の取り組みと深いかかわりを持つものと考えますが,提案者はこの点どのようにお考えでありましょうか,見解をまず伺います。  また,この運動の中心となっている日本青年会議所(JC)の1984年の一般提言では,定例会の開会を一定期間停止をし,臨時議会の開会のみで議会を運営するとか,委員会を廃止するか,特別委員会のみの委員会構成とすることなどを挙げていますが,このことは,地方議員の削減運動が,議会の機能,権能を弱めていく動きの一環として進められているとはお考えにならないのかどうか。JCの提言についての見解をお尋ねをします。  質問の第2は,議会制民主主義と議員定数削減の問題についてであります。  今回の議員定数削減の提案は,民意反映という見地から,議会の権能,議会の活動を強化する課題に目をつぶり,代議制度のもとでぎりぎりの数に設定されている議員法定数を,前回の2議席減よりさらに上回る5議席を削減するものでありますが,これは,憲法と地方自治法によって保障されている議会制民主主義に重大な制限を設け,形骸化させるものであること。議会への民意反映を抑制するものと考えますが,この点,どのように説明されるのかお尋ねをします。  質問の第3は,1票の重さの軽視についてであります。  現在,本市を含む大都市では,人口が20万人ふえるごとに議員定数を4人ふやすことになっていますが,これは,人口5万人に議員1人ということであります。したがって,今回の提案で5議席を削減するということは,人口25万人にかかわる票が切り捨てられるということになるものであります。たとえば,人口21万人の釧路市では,議員定数が40人であって,このことを見ても,本市の市民の1票が,いかに軽く扱われているかがわかるのでありますが,提案者は,人口25万人の人々にかかわる市民の票を切り捨てることになる今回の5議席削減が,本市市民の1票の重さを軽視するものとはお考えにならないのかどうか。また,議員法定数の76人が多過ぎるという理由は何なのか,お尋ねをします。  質問の第4は,人口がふえ続けている本市の特殊性が考慮されたのかどうかについてであります。  今回の提案は,60年国勢調査に基づく議員定数の設定でありますが,国勢調査時点と現在を比較すると,すでに11万人以上の人口がふえており,次回選挙,1991年の選挙時までにさらに人口がふえるのは必至でありますから,次の定数是正までの間,実際の人口から見たあるべき議員法定数は80人となりますのに,実際の議員定数は,今回,5人を削減した71人のままで推移し,法定数と実際の議員定数との乖離は9議席,人口にして45万人分の乖離となるのであります。提案者は,このことについてどのようにお考えでありましょうか。これは,当然のことと考えておられるのかどうか。また,人口がふえ続ける本市の特殊事情についてどう考慮されたのかお尋ねをします。  あわせて,提案説明では96%の市議会で減数条例が制定されていると言われましたが,政令指定都市での実施状況については,どのように掌握されているのかお尋ねをします。  質問の第5は,区ごとのアンバランスについてでありますが,提案内容を見ますと,71人定数とした場合,2減としなければならない中央区は1減にとどめ,厚別区,手稲区については,それぞれ1増とする配慮を加えたとされているように,現職議員に対する政治的な思惑を絡めた配当によって,当然8人となる白石区,西区をそれぞれ1減の7人とし,12人となるべき豊平区は1減の11人に据え置くなど,きわめて不平等な議員配当となっているのであります。  また,法定数の76人の場合と比較した場合,中央区,北区,東区,厚別区,手稲区の5区は,これに見合った数になっておりますが,白石区,豊平区,南区はそれぞれ1減,西区の場合は2減となるなど,不当な格差がつけられ,矛盾を拡大していることについて,提案者はどのように市民に説明されるのか。法のもとでの平等に反するものとはお考えにならないのかどうか,お尋ねをします。  質問の第6は,議員の役割についてであります。  議員をふやさなくてもよいという市民の声が一部にあるようですが,この問題の本質は議員に対する,議会に対する市民の不満のあらわれであり,市民が願っているのは,議員はしっかり仕事をやってほしい。また,市民生活の実態とかけ離れた報酬については,これを抑えてほしいということではないでしょうか。したがって,提案者が言われる抽象的な議会の組織,運営の効率化ということを単純に議員定数の削減に結びつけることは,本質を見ないものと言わなければなりません。  いま,政府,財界が進めている行政改革なるものが,大企業優遇の行財政や,軍事費は削るどころか温存拡大して,国民負担の強化とあわせて,教育や福祉,生活関連事業に犠牲かしわ寄せされていることに対し,広範な国民の反対の声が高まっているように,むだや不当な経費を削って,国民生活の必要な分野に思い切って予算を投入することこそ市民の願いであり,そのために議員が,議会が役割を果たすことを強く求めているのではないでしょうか。
     行政のむだを省くと同時に,民意を反映して行政をチェックすべき議会の権能を充実させることこそ,市民の負託にこたえるわれわれ議員のとるべき態度であり,役割であると考えますが,いかがでありましょうか,お尋ねをします。  また議員の役割,特に,大都市の議員の役割について,どのように考えておられるのか。本市の議員の仕事は,減ってきているのかどうか。提案説明での,議員の定数については極力抑制し,市民の負託にこたえるというのはどういうことなのか,あわせてお尋ねをします。  以上の諸点について,明確なる答弁を求めるものであります。(拍手) ○副議長(工藤勲君) 答弁を求めます。見延順章君。  (見延順章君登壇) ◆見延順章君 生駒議員の質問に対して答弁を申し上げたいと存じます。共産党の質問ですね。  質問の第1点目についてでありますが,さきの提案説明でも述べましたように,今回の減数は,議員定数を極力抑制し,市民の負託にこたえるべきとの考えに基づいて行ったものであります。このことは,まさに,最小の経費で最大の効果を上げるという地方自治法の趣旨に合致するものでありまして,決して,地方自治の精神に反し,議会を形骸化するものと考えておりません。  なお,第2次臨時行政調査会の答申に基づく行政改革は,地方行政の減量化,効率化を求めておりますが,これは,あくまでも権限移譲を含め,国と地方の機能分担,関係のあり方の見直しを前提とするものであります。したがって,画一的,一方的な規制については,地方の独自性,自主性を守る立場から,これには毅然と対応すべきものということは言うまでもありません。  さらに,JCの関係でありますが,JCの発言や行動については,この場合,感想を差し控えさせていただきたいと存じます。  次に,質問の第2点目と第6点目は,相互に関連をいたしますので,一括してお答えを申し上げます。  議員定数は,人口規模によって決定されますが,これはあくまでも一般原則であって,地方自治法第91条第2項では,条例で特にこれを減少することができるとされております。  また,最小の経費で最大の効果を上げるということは,地方自治法第2条にうたわれている地方公共団体の事務執行上の大原則であり,このことは,執行機関のみならず,議決機関としての議会にもまた,当然に求められているものであります。この原則に立ってみれば,議員数についても,ただ無条件に法定数をもってよしとするのではなく,より少ない人数で,いかにして民意を的確に反映させ,住民の代表として執行機関を監視し,よりよい市政の発展に寄与するという議会の役割を果たすかという姿勢が必要と考えられます。このことは,複雑多岐にわたる大都市行政においても,議員みずから不断の努力による発言と行動により十分に可能となるものでありますし,また,そのことが,市民の要望するところと認識するものであります。  また,本市の議会費が一般会計に占める割合は,平成元年度で0.29%であり,これは,他指定都市と比較しても第7番目に位置をし,決して高いものとは言えないのであります。本市議会が昭和58年の改選時以降,減数条例を施行し,議会費の伸びを抑えつつ,70人の議員活動により市民の負託にこたえてきたという実績は,市民の理解と評価を高く得ているものと思います。  次に,質問の第3点目についてでありますが,50万人以上の市における加算分のみをもって論じられているものであり,それをもって1票の重みを云々することはできないと考えます。  71人とした場合の議員1人当たりの人口は2万1,732人,指定都市との比較においても,決して多いものではありませんし,76人案をした場合には2万302人と,それほどの差異はないのであります。  なお,指定都市において減数条例を実施しているのは,本市を含め5市であり,名古屋市が13人,横浜市及び大阪市が6人,福岡市が4人と,それぞれ減じております。  質問の第4点目についてでありますが,将来の推計人口に基づく法定数についての質問についてでありますが,これにつきましては,法定数が確定された段階で改めて論議をすべき問題であり,今議会では,それに言及をできず,答弁の限りではございません。  質問の第5点目についてでありますが,区別議員数については,人口比例により配分することが原則であることを認識しております。しかし,特別の事情があるときは,おおむね人口を基準とし,地域間の均衡を考慮して定めることができるという裁量も,同時にまた有しているのであります。  今回の改正案による区別議員数は,地域間の均衡を図ることと,さらに,投票価値に大きな格差が生じることがないよう前提としながら,大都市の特殊性等を十分考慮して定めたものであり,この結果として,議員1人当たり人口の最大区と最小区の格差は,改正前の1.354倍から1.297倍に改正され,このことから見ても,全区の区間格差は是正されたものと考えているのであります。以上でございます。  (生駒正尚君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(工藤勲君) 生駒正尚君。 ◆生駒正尚君 本会議での質問はこの程度にして,総務委員会での質問をやりたいと思いますので,この程度で終わりたいと思います。 ○副議長(工藤勲君) ほかに発言がなければ,質疑を終了いたします。  (朝川利雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○副議長(工藤勲君) 朝川利雄君。 ◆朝川利雄君 委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案第18号を総務委員会に付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) ただいまの朝川議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) 異議なしと認めます。よって,議案第18号は総務委員会に付託されました。   ――――――――─――――――― ○副議長(工藤勲君) お諮りします。  本日の会議はこれをもって終了し,明12月9日から12月12日までは委員会審査等のため休会とし,12月13日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(工藤勲君) 異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。   ――――――――─――――――― ○副議長(工藤勲君) 本日はこれで散会いたします。   ――――――――─―――――――      散 会 午後3時18分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長           吉  野  晃  司  副 議 長           工  藤     勲  署名議員           猪  熊  輝  夫  署名議員           長  岡  武  夫...