本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
吉野晃司君) 起立多数であります。よって,
平成元年第1回
定例市議会議案第19号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する
条例案等に対する
修正案は可決されました。
(
佐藤美智夫君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
吉野晃司君)
佐藤美智夫君。
◎
佐藤美智夫君 ただいま議題とされております議案29件のうち,
消費税関連の議案24件について,
継続審査の動議を提出いたします。以下,簡単にその理由を説明いたします。
消費税関連法案は,申すまでもなく,
高齢化社会,経済の
国際化等,わが国の
社会経済情勢の変化の中で,
税制全般にわたり基本的な見直しが必要であるとの認識に基づき,
税制改革の一環として,
所得税の減税,
直間比率の是正,所得,消費,資産等の均衡のとれた
税体系の確立の観点から成立したものであります。そして,法がすでに施行されている現在,
消費税法を遵守して行政を進めていかなければならないのは,地方自治体として当然の責務であると思うのであります。
一方,現在施行されている
消費税に関しましては,わが国において初めて経験する
間接税であるため,これが定着するには若干の修正が必要と思われますし,市民の間に種々のご意見があるものと承知をいたしておりますが,これにつきましては,現在,国におきましても,そのような声を受けとめて,
政府税制調査会の
フォローアップ小委員会などで種々の検討が進められておりますので,その推移を十分見きわめた上で結論を出すべきものと考えるのであります。
したがいまして,国における
消費税の取り扱いの動向が明確になるまで,
消費税関連条例分は
継続審査とすることが最も望ましいあり方であると考えまして,
継続審査の動議を提出するものであります。
これに対する
議員各位の賢明なるご判断,ご賛同を切にお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
吉野晃司君) ただいまの
佐藤美智夫君の動議に対し,所定の
賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
吉野晃司君)
起立少数であります。よって,動議は否決されました。
これより,修正可決された部分を除く議案29件に対する討論に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
まず,
佐藤美智夫君。
(
佐藤美智夫君登壇)
◆
佐藤美智夫君 私は,ただいまから,
自由民主党議員会及び
自民クラブ所属議員を代表して,全議案に賛成の立場から討論を行います。
まず,
継続審査中の議案第33号,第34号及び第35号,すなわち
交通局関係の
条例案についてであります。
本市の
交通事業は,
地下鉄を基幹とし,バス・電車がこれを補完するなど,将来を見通した総合的な交通網の整備を進めてきており,特に,昨年の東豊線の開業,さらに福住までの延長部の本年度中の
着工予定など,
市民生活の向上にきわめて大きな役割を果たしていることにつきまして,これを高く評価するものであります。
一方,
交通事業の経営状況を見ますと,マイカー利用の増大,週休2日制の普及などによる乗車人員の減少あるいは伸び悩み,人件費等の諸経費の増加等により,多額の累積欠損金が生じるなど,きわめて憂慮すべき状態にあります。
今度とも
交通事業が市民の足として重要な役割を担い,都市の発展に即応した総合交通体系の整備を図っていくためには,財政基盤を確立することが不可欠であります。そのためには,生産性の向上や諸経費の節減などの企業みずからの努力と,公共性を維持していくための
一般会計からの助成,さらに適正な利用者の負担が必要であります。
これを前提として今回の
料金改定案を見ますと,まず第1に,勤務条件の見直し,業務の外注化などにより能率的な経営を進めているものと評価できること。第2に,
一般会計から
交通事業に対する
財政援助について,現時点においてできる限りの処置をしていると判断されること。第3に,昨年改定したほかの都市と比較しても均衡がとれており,その上,電車・バスについては,通勤定期利用者の負担軽減を図るため,割引率の引上げ措置をとっていること。特に
地下鉄料金については,現在のわれわれが応分の負担をして後世の利用者に大きな負担を残さないよう,適時適切な改定が必要であることを考慮するならば,今回の改定案は妥当な水準であると判断されること。
以上の理由と,市営企業調査審議会で慎重に審議され,
交通事業の運営管理の方策に関する答申を十分に尊重した妥当なものであると総合的に判断するものであります。
次に,今
臨時会に提案された議案第1号及び第2号,すなわち水道局関係の
条例案についてであります。
水道は,健康で文化的な
市民生活と活気ある都市機能を支える重要な基幹施設であり,常に高い安全性と安定した給水を確保することがその使命であります。長期的な展望に立って水源を確保し,大規模な施設の拡充整備を行い,給水サービスの向上を図ってきたことは高く評価するものであります。
さらに,昭和63年度から第1次施設整備事業に着手して,より信頼性の高いシステムの構築とストック機能の充実を目指して,給水量の増加に見合った施設の拡充整備はもとより,既存施設機能の維持向上のための改修・更新を行っております。
また,安定給水の基礎となる配水池の容量の増強,配水区域のブロック化,配水系統の相互融通,老朽管の更新等のサービスの質的向上を目指した事業にも取り組んでおります。
これらの事業は,本市の水道が都市機能の高度化等に的確に対応しつつ,今後とも安全安定給水を確保していくためにぜひとも必要なものであります。そのためには,健全な財政基盤が確立をされなければなりません。したがって,これらの事業の財源を確保することが,事業の確実な推進のために必要であり,このために必要最小限の負担を市民にお願いすることはやむを得ないものであります。
そこで今回の
料金改定案の内容を見ますと,生活用水などの負担増に十分配慮しており,所要事業の執行に支障を来たさないための必要最小限の改定と判断されます。
次に,第1回
定例市議会において
継続審査といたしました議案第19号等の
消費税関係
条例案についてであります。
平成元年第1回
定例市議会では,
消費税の転嫁について,諸般の状況を見きわめるため
継続審査としたところであります。しかし,すでに法律が施行され,本市も一納税者として実質的な負担が生じていること,また,
継続審査議案の中に交通及び水道の
料金改定も含んでいることから,急ぎ結論を出すべく,今臨時市議会が開かれたものと理解しているところであります。
そこで,
税制改革関連法案が成立した経過をいま一度考えてみますと,その柱は大きく四つから成っております。
その一つは,総額9兆2,000億円にも上る
所得税・住民税等の減税であります。二つ目は,サラリーマンの納税に対する不公平感の緩和であります。三つ目は,
消費税の創設により,わが国の
間接税の体系を近代化・国際化することにあります。最後の四つ目は,
高齢化社会に対応するためであります。
このような四つのねらいから
消費税は導入されたのでありますが,わが国では初めて経験する
間接税であるため,施行以後も,これについていろいろなご意見が国民の間から提示されている状況にあります。このため政府並びに自由民主党としては,国民の理解が十分得られるものへと,現在見直しの作業に入っているところであります。
しかしながら,現時点においては,現行の
消費税法に基づき各種の経済活動が営まれており,地方公共団体といえども,一事業体として,また一納税者として,
消費税法の趣旨に沿い,適正な転嫁を行う必要があります。こうした転嫁が認められないとなると,経費の面では
消費税が入ってきていることから,その分が赤字として残り,結局は次期あるいはそれ以後の
料金改定に回されることになります。いわば,
消費税相当分を先送りにしたにすぎず,かえって財政状況を悪化させ,市民負担を強いることになるのであります。
また,これらの
条例案が否決されても,
消費税が消えるわけではなく,
水道料金にしてもほかの料金にしても,すべて内税方式になるだけであり,料金の中にどのように
消費税が含まれているのかを市民に対し明示する必要があると考えるのであります。わが国が法治国家である以上,法に従う義務があり,加えて,北海道議会におきましても,
消費税の転嫁がすでに可決されているところであります。
以上のことから,提案されております
消費税関係
条例案を速やかに可決すべきであると主張するものであります。
以上で私の討論を終わります。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 次に,猪熊輝夫君。
(猪熊輝夫君登壇・拍手)
◆猪熊輝夫君 私は,ただいまより,
社会党議員会を代表いたしまして,今
臨時会の第一部及び第二部特別
委員会に付議されました議案29件について,議案第1号 札幌市
水道事業給水条例の一部を改正する
条例案を初め,同第2号及び継続中の議案3件,すなわち議案第33号ないし同第35号については賛成の立場で,また,継続中の議案24件,すなわち議案第19号ないし同第31号,同第36号ないし同第39号,同第41号ないし同第47号については反対の立場で討論を行います。
ただし,この中で,
消費税を除いて提案された交通及び
水道料金の値上げ議案,いわゆる議案第1号及び継続中の議案第33号ないし同第35号については,必ずしも是とは言えないものの,
理事者におけるさまざまな内部努力を種々勘案した上で,議案に対しては賛成の立場をとりました。しかし,これらに対するわが党の意見は,今後の行政運営に十分役立てられるよう要望しながら討論をいたします。
まず,
消費税の関連するすべての議案についてでありますが,わが党は今日まで,
消費税に関連するすべての
条例案には反対の立場で臨んでまいりました。その結果,第1回
定例市議会に提案されていた議案はすべて
継続審査となっていたことは,ここに言うまでもありません。
また,過日行われた参議院の選挙結果が示すように,国民は,
消費税に対しては廃止せよという厳しい審判を下されたものと思います。
これらを踏まえながら,札幌市が民意を反映する立場で行政を行おうとするなら,
消費税に関連する
条例案については速やかに撤回することが市民の負託にこたえるものと考えます。したがって,
消費税に関連するすべての議案については反対の立場をとるものであります。
次に,
交通事業に関連する議案についてであります。
昨日の特別
委員会でも明らかになったように,市交通局が,
一般会計からの
財政援助を含め,それなりに努力されてきたことは十分理解できるものであります。しかも,今回の改定案は,
消費税分は分離し,市民負担を考えながら,赤字分すべてを料金に求めるとすれば,電車30円,バス40円,
地下鉄140円,それぞれ値上げしなければならないところ,3事業とも初乗り料金を20円アップに抑え,かつ実施時期についても,来年2月ということで市民負担を軽減し,さらには,今回の改定を行ってもなお赤字改定であることも理解するものであります。
しかし,だからといって,独立採算制を盾にとって市民負担を安易に求めることは許されないと思うのであります。また,
交通事業は,何よりも円滑な都市機能を確保するための重要な基盤的な施設でありますから,これを維持していくための大変な努力は当然不可欠であります。
そこで,今後の対応策として必要なことは,たとえば一つに,過大投資を抑制すること。二つに,福祉的対策を
交通事業の負担としないこと。三つに,都市計画上必要な部分については
一般会計で負担すること。四つに,総合的交通政策をとって,各輸送機関が有効に機能するようにすることなどの対策を講じながら,いまこそ抜本的,全市的な取り組みが必要だと思うのであります。
したがって,今後とも交通局が懸命な経営努力をし,さらに国に対しては,補助制度の改善を強力に働きかけ,
一般会計からの
財政援助を思い切って行う,このことを十分念頭に置きながら
交通事業を推進していくことを強く要望するものであります。
次に,水道事業に関連する議案についてでありますが,水道事業についても,
交通事業と同様,安易に料金負担を市民に求めることは許されるものではありません。しかしながら,今後は市民サービスの低下を生じることなく,かつ経営の
効率化に向けて努力を願いたいのであります。
そこで今後の財政健全化の方策として,一つには,
定山渓ダムの建設にかかわる
補助金と出資金及び長期借入金などの
一般会計からの繰入れについては,今後とも継続すること。二つには,今後とも建設と維持管理の両面にわたり業務を見直し,またシステムを高度化し,効率的な経営に向けて最大限の努力を行うべきであります。
以上,議案29件に対するわが党の意見・要望を交えて討論を行いましたが,それぞれの事項を今後の行政運営に十分反映されるよう強く要望して私の討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 次に,森 健次君。
(森 健次君登壇・拍手)
◆森健次君 私は,
公明党議員団を代表して,本臨時議会に付議されました
継続審査中の議案24件につきましては反対の立場から,また,議案第33号,議案第34号,議案第35号及び今回付議された議案第1号,議案第2号については賛成の立場から討論を行います。
最初に,
市民生活に与える影響が大きい使用料及び手数料に
消費税を転嫁する
条例案はすべて第1回
定例市議会に提案されたものでありますが,
消費税そのものが国会において十分な審議がなされず,世論の強い反対があったことから,本市議会でも今日まで
継続審査とされてきたものであります。
この間,
消費税を争点とした東京都議会議員選,そして参議院議員選が行われ,大多数の国民の審判は「
消費税反対」という考えが明確になったのであります。
公明党は,この悪税から
市民生活を守るため,党を挙げて
消費税廃止を訴えてきたところであります。
特に,地方公共団体の使用料や手数料は,市民から徴収しながら,それを国に支払う義務がないということから,あえて市民に負担を強いることはないと考えるのであります。つい昨年度に使用料・手数料の
料金改定を実施し,わが会派は,市民負担を最小限にとどめることでこの改定に同意したものであり,引き続いて今回
消費税転嫁による
料金改定を行うことは,断じて認めることはできないのであります。
次に,
交通事業の
料金改定にかかわる議案であります。
交通事業は,160万市民の足として不可欠なものであり,人口の増加や市街地の拡大に即応した形で整備していくことが望まれます。しかしながら,その財政状況は,自家用車の増加や休日の増加による乗車人員の減少,さらには
地下鉄建設に伴う資本費の負担増によって,急激に悪化しているのが実情のようであります。
63年度末の決算額を見ますと,電車・バスの一般
交通事業では約22億円,
地下鉄事業では約1,000億円もの累積欠損金を抱えているのであります。
しかしながら,幾ら経営環境が悪化しても,
交通事業を停止させるわけにはいきません。また一方では,その赤字財政を多くの市民に多大な負担をさせるわけにはいかないのであります。
交通事業の経営の悪化は全国の地方公共団体が抱える共通の問題であるとはいえ,まだまだ企業努力を重ねることが必要であり,長期的な計画のもとに経営の健全化に取り組まなければなりません。
今回の改定に当たっては,職員の勤務条件の見直しや業務の委託,また
一般会計からの
財政援助の確保,さらには,
消費税の転嫁を避け,施行期間を延期するなど,その努力には一応の評価をしているものであります。今後も,市営企業調査審議会答申等も十分に考慮して,ますます企業努力を重ねることを要望して,今回の
料金改定はやむを得ないものと考えます。
次に,今回提出の議案第1号,議案第2号の
水道事業給水条例の改正であります。
水道事業もまた,
市民生活に欠くことのできないものであり,きれいな水が十分に給水されるものでなければなりません。幸い本市におきましては,本州都市に見られるような水道水の汚濁や水不足といった状態は免れているところであります。これまで,長期的展望に立って,水源の確保や給水施設の整備を計画的に実施してきた効果のあらわれであると考えます。将来,市内の総人口が200万と予想される平成17年にも市街地の水道普及率が100%が目標ということであり,その取り組みに高い評価をするのであります。
こうした安全と安定給水を計画的に確保していくためには,水道事業経営の安定が前提であります。この財政の健全化のために,昨年の第9次市営企業調査審議会の答申に基づいて,第1回
定例市議会に
料金改定を提案し,
継続審査となったところでありますが,今臨時議会に,
消費税の転嫁を見合わせ,
料金改定部分を提案してきたこと,あるいは,実施時期をおくらせて,市民負担の軽減を図り,必要最小限の改定にとどめる努力をされたと考えるのであります。
今後も,有収率を高め,経費の節減と内部の省力化に一層努められることを要望して私の討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 次に,高橋重人君。
(高橋重人君登壇・拍手)
◆高橋重人君 私は,日本共産党を代表し,本臨時市議会に付託されました
消費税転嫁条例案並びに市営
交通料金・
水道料金の値上げにかかわる
条例案29件すべてに反対の立場から,簡潔に討論いたします。
消費税は,3年前,衆参同日選挙において,政権政党である
自民党が「大型
間接税は絶対に導入しない」と選挙公約をした大型
間接税そのものであり,国民の反対を押し切って強行してきた弱い者いじめの最大の不公平税制そのものであります。札幌市民はこの導入に強く反対し,本市議会においても,何度も
消費税反対の意見書を可決し,議会の意思として
消費税反対を明確にしてきたところであります。
さらに,今回行われた
参議院選挙は,
消費税の是非が問われ,札幌市民は,圧倒的多数をもって
消費税反対という意思を示し,明確な審判を下したのであります。この市民の審判に従って,市にかかわる公共料金や使用料等への
消費税転嫁はやめ,関係
条例案の撤回こそ,市長が民意を尊重する立場に立つなら,当然とるべき態度ではないでしょうか。
ところが市長は,法が施行された以上,
消費税の転嫁は自治体の首長の義務であるとの立場を変えず,民意に逆らい,あくまで
消費税に固執している態度はまことに遺憾であります。
消費税は廃止してほしいという市民の切実な願いに背を向ける,このような市長の反市民的な政治姿勢は,とうてい許されるものではありません。よってわが党は,
消費税転嫁を行う関係
条例案は絶対に反対であり,当然否決するべきことを主張するとともに,
消費税そのものの廃止を強く要求するものであります。
次に,市営
交通料金の値上げを図るための
継続審査中の議案第33号,第34号,第35号の3件についてでありますが,第1回
定例会においては,
消費税を含めて初乗り20円値上げと説明されていましたのに,
参議院選挙で
消費税に厳しい審判が下された今日の段階では,同じ
条例案のままで,今後は
消費税を除いて初乗り20円値上げとの説明でありますが,このような説明では,市民の理解や納得を得られるものではありません。
市長は,
料金改定がこれ以上おくれると今後の事業運営に重大な支障が出ると言われたのでありますが,今日の交通財政の厳しい現実は,バス・市電から成る本市路面交通においても,他都市と同様に,ドーナツ化現象など都市構造の変化,マイカーの普及などの交通環境の悪化,
地下鉄建設費負担の不合理性などの外部要因によって,地方公営企業法が志向する独立採算制はもはや破綻している現状に問題があるのであります。
11年も前に都市交通整備調査会が出した「公営バス事業の経営の安定化について」の第6次提案は,公営バスは交通のシビルミニマムを確保するための重要な手段,不可欠の交通機関との位置づけのもと,地方自治体の
一般会計で資本費の全額及び学生定期などの割引額を負担すべきとしたほか,行政路線などの運営費の一部についても
一般会計負担が必要と言い切っているのであります。
欧米の主要都市においても,バス事業に対してすでに資本費を公共負担とするほか,運営費に対しても公的補助が行われていることから見ても,抜本的な都市
交通事業の再建のためには,市民への料金負担に頼る破綻した独立採算制の枠組みを打破して,都市施設としての公的助成制度の確立は不可欠と考えるものであります。
また,今日の本市
地下鉄財政困窮の直接の原因についてでありますが,
予算特別委員会での質疑でも明らかなように,59年から国の行政改革の影響を受けて,
地下鉄建設費補助が
繰り延べされ,本市における本年度末までの影響額は,実に352億円の巨額に上るのであります。63年度の決算見込みで累積資金不足が119億円でありますから,
地下鉄建設に対する国庫補助の改悪がなければ,優に資金的に全く問題が生じないのであり,まさに,今日の
地下鉄の赤字,資金不足を来たした要因はここにあることは明白であります。
積雪寒冷の本市において,基幹交通としての
地下鉄の役割は,他の大都市以上に大きなものがあり,東豊線や東西線の延長は市民の共通の要求であり,一刻も早く実現させなければなりません。
同時に,膨大な設備投資を余儀なくされている
地下鉄の建設は,その将来にわたる採算に赤信号がともってきた今日の状況のもとで,建設費については,欧米各国のように国と地方自治体が全額公費負担する制度に根本的改善が緊急に求められているのであります。
国が建設費の70%公費助成を言いながら,みずからの支出は実質3割弱にとどめ,加えてその支出を先送りするなどの一方的措置を行政改革の名で強行してきていることについては,言語道断といわなければなりません。
地下鉄会計の赤字の真の原因は,
自民党政府のいわゆる臨調にせ行革による国庫負担補助制度の大幅改悪にあり,これらの問題の解決を図らないまま,赤字を理由に市民にツケを回すことには賛成することはできません。
次に,
水道料金の値上げについてでありますが,今日でも,大都市中最高の家事用料金が,1カ月の水道使用量16立方メートルの標準世帯で15.7%も引き上げられる今回の値上げは,
交通料金の値上げや
消費税実施に伴う諸物価高騰と相まって,
市民生活を直撃し,暮らしを破壊することは明白であります。
また,料金体系のあり方について,札幌の都市構造と需要構造から,大口利用者が地下水に逃げるということを理由にして,家事用料金は平均原価に近づける方向で改定する一方,従来からの大口利用者の料金については,他の大都市に比較して格安な料金設定となっているのであります。
水道を日常的には飲料水のみに使用し,予備的水源として位置づける一方で,地下水を常時大量にくみ上げている利潤本位の都心部などのビル・事業所等の水道利用に備えるため,巨費を投下して水道施設の整備が行われているのであります。多額の先行設備投資を,全加入者の70%を占める家事用利用の市民が
水道料金という形で負担をしており,きわめて不合理であります。
他大都市に見られる大口利用者に対する逓増制料金の設定は当然でありますのに,本市の逓増度は最低,2.6倍と低く,大阪市の6倍,川崎,横浜,福岡,名古屋の5倍台,東京,北九州,神戸,広島の4倍台,京都の3.5倍台などと比べても,大口利用者への優遇はきわめて顕著であります。
この際,他大都市並みの逓増料金を断固として確立すべきであります。そのことによって家事用料金の負担軽減を図るべきであります。それでは大口利用者が地下水に逃げるというのであれば,地下水くみ上げ規制を実施すべきでありましょう。
また,将来の人口増に対応するためのダム建設を初め,浄水や配水施設等の先行投資に対する
一般会計の繰入れ増はもちろん,
緊急貯水槽の整備など災害対策については,当然
一般会計負担とすべきことを強く主張し,反対討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 次に,田中昭男君。
(田中昭男君登壇・拍手)
◆田中昭男君 私は,ただいまから,
民社クラブを代表し,今臨時議会に付託されております29件の議案について討論を行ってまいります。
まず,議案19号から31号,36号から39号,41号から47号の,いわゆる
消費税関連条例案24件についてであります。
消費税は,昨年,国民的な大きな論議を巻き起こしながら,まさに拙速の形でスタートをいたしました。成立の過程で私どもが要望いたしました不公平税制の是正,将来にわたる福祉ビジョンの明確化,行政改革への取り組みなど,十分な論議のないままのスタートとなったことは,きわめて残念であります。この論議不十分,拙速によってスタートしたことが,今日の
消費税をめぐる国民的な混乱を巻き起こしている元凶であり,きわめて遺憾と考えます。特に,この混乱が私ども地方自治体にも持ち込まれ,問題を生ぜしめていることにも,改めて強い遺憾の意を表せざるを得ません。
本市議会は,本年度第1回定例議会において,この
消費税関連条例案をいずれも
継続審査とし,そして,今回の臨時議会を迎えたところであります。
現在,
消費税に関し私どもが置かれている状況は,
参議院選挙にあらわれました国民的な反対であり,また一方,全国市長会等で見直しを求めつつも,現実に存在する法にのっとって対処せざるを得ないとする市の
理事者の姿勢であり,また一方,
参議院選挙に,政府においても表明されている
消費税見直しの動きであります。
これらの条件を考慮に入れながら,一地方自治体における本議会として最も適当と思われる態度としては,昨日の
予算特別委員会以降,先ほどまでの経過がありましたが,この経過の上に立ち,私どもは,先ほど申し述べました私どもを取り巻く状況を再度照らし合わせて考えるとき,現時点で,市民に負担を求める
消費税関連条例案には賛成しがたいとする立場に立つことといたします。
次に,
継続審査中の議案第33号及び第34号並びに第35号についてであります。
これらについては,賛成の立場からの討論を行います。
本市におきます
交通事業は,市内における大量公共輸送の約6割を担い,
市民生活の重要な足として,また,本市発展の原動力として欠くことのできない基盤的施設であります。しかし,その財政状況は,輸送人員の減少あるいは低迷,
地下鉄建設に伴う資本費負担の増加などにより急激に悪化をし,昭和63年度末では,一般
交通事業で約22億円,
地下鉄事業で1,033億円に上る多額の累積欠損金を抱え,このまま推移するならば,今後さらに欠損金が増大し,事業の存続すら危ぶまれるというきわめて厳しい経営状況にあるのであります。
このような
交通事業の経営環境の悪化は,本市のみならず,全国の大量公共輸送機関が共通に抱える問題でもあり,また,民営事業者においては,さまざまな内部努力により赤字の克服に努めているのであります。
今回の
料金改定に当たって,交通局みずからの経営努力として,昨年12月15日に勤務条件の全般にわたる見直し,及び
地下鉄駅業務を初めとする直営業務の委託化など,かつて例を見ない
効率化について組合と大綱妥結し,現在,その詰めを急いでいる旨の答弁があり,
理事者のこうした努力に対しては,一定の評価をいたすものであります。
しかし,現在の
交通事業の置かれている経営状況,あるいは民営事業における経営努力から見るならば,まだまだ内部努力の余地があり,さきの市営企業調査審議会の答申を十分に踏まえ,さらに一層の
企業内努力が求められるのであります。
一方,本市
交通事業の経営改善は緊急を要する問題であり,市民の足を奪うような事態は何としても避けなければなりません。
効率化を初めとする企業努力については,
理事者からも,まず何を置いてもまず第1に取り組まなければならない課題であり,今後,全力を傾注していく旨の考えが示され,今回提案されている改定料金も,昨年
料金改定を行った他の大都市の料金水準と比較いたしましても,
市民生活に配慮したものとなっておりますことから賛成をするものであります。
次に,本
臨時会に提案されております議案第1号及び第2号について,賛成の立場から討論を行います。
今回の
水道料金の改定に至る経緯を顧みますと,前回は昭和59年度に改定を行い,当初予定の財政計画期間を1年延長して昭和63年度まで現行料金のまま事業運営を行ってきたものであり,この間の経営努力につきましては評価に値するものであります。そして,昨年の第9次市営企業調査審議会の答申を受けて,第1回
定例市議会に
料金改定を提案されたものでございますが,
継続審査となり,今回改めて
料金改定部分のみを提案する内容となっているものでございます。
そして,当初,
料金改定を2カ月おくらせて6月実施として提案されたところですが,今回の提案では,さらに9カ月おくれて2月実施となっており,水道事業にとりましては,当初から資金不足が予想される大変厳しい状況となっております。したがいまして,市長の提案にもありましたように,これ以上
料金改定がおくれますと,水道事業の財政状況はますます逼迫することになりますので,この影響により,市民に対する給水に支障を来たすような容易ならざる事態も予想されますが,これはぜひとも回避しなければならないものでございます。
今回の提案内容について見ますと,生活用水への配慮という観点から,家事用及び中小小売店の使用が多い小口径の使用料金について低廉化を行い,さらには,加入金については改定を見合わせるなど,市民負担の軽減に配慮した姿勢があらわれております。
このような点も考え合わせますと,今回の
料金改定は,必要やむを得ないものと考えざるを得ないものでございます。しかし,
料金改定は,直接市民に負担を求めるものでございますから,市民に納得を得られるような事業運営を行っていく必要がございます。
今後につきましては,経費の節減に努めるとともに,経営の
効率化を図る一方,昨年の審議会答申にもございました漏水の防止,私道への配水管,配水補助管の布設,さらには,利用者に対するきめ細かなサービスを可能にするシステムの導入など,一層の給水サービスの向上に努め,市民から信頼され,理解と協力を得ることができるような水道事業の経営を行い,市民の負託にこたえるよう,職員一丸となって事業に取り組まれることを強く要望いたしまして私の討論を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) ほかに発言がなければ,討論を終結し,採決に入ります。
この場合,分割して採決を行います。
まず,議案第1号及び第2号並びに
平成元年第1回
定例市議会議案第33号から第35号までの5件を一括問題といたします。
議案5件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
吉野晃司君) 起立多数であります。よって,議案第1号及び議案第2号並びに
平成元年第1回
定例市議会議案第33号から第35号までの5件は可決されました。
次に,先ほど修正可決された部分を除く
平成元年第1回
定例市議会議案第19号から第31号まで,同第36号から第39号まで及び同第41号から第47号までの24件を一括問題といたします。
議案24件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
吉野晃司君)
起立少数であります。よって,
平成元年第1回
定例市議会議案第19号から第31号まで,同第36号から第39号まで及び同第41号から第47号までの24件は否決されました。
――――――――─―――――――
○議長(
吉野晃司君) 次に,日程第2,請願第68号及び陳情第179号の2件を
一括議題といたします。
委員長報告を求めます。
経済公営企業委員長 森 健次君。
(森 健次君登壇)
◎森健次君 経済公営企業
委員会に付託されました請願第68号
市営バス元町北環状線の復活と北光線の増便に関する請願及び陳情第179号
地下鉄南北線北12条駅から
東区役所までの
市営バス路線復活等に関する陳情について,その審査結果を報告いたします。
主なる質疑として,バス路線再編成後の利用実態について調査を行い,当該請願・陳情にかかわる部分については,早急に集計・分析を行うべきと思うがどうか。
バス路線の再編成に当たって,住民への説明が十分なされていないという声があり,また,今日まで地元の不満が続いているが,どのような対応を行ってきたのか。提出者が行った住民アンケートの結果によれば,元町北環状線の復活及び北光線の増便が行われれば,これからの路線を利用する住民は多数であるとの傾向が見られるが,これについて交通局としてどのように考えるか。
バス路線の再編成は,札幌地方陸上交通審議会及び札幌市総合交通対策調査審議会の答申に沿った基本方針に基づいており,また,東区商業基本計画との関連も含めて実施するとの市の考え方であるが,実態として,東区はこの方針どおりになっているのか。市内には,地元要望を受けて調整した結果,基本方針どおりに行われていない路線も数多くあるが,当該請願・陳情にかかわる路線についても,利用実態を勘案し,住民の要望を生かしたものにすべきと思うがどうか。
請願第68号について,代替の路線を新設したことにより,ある程度の住民要望は満たしたと思うが,現状での願意が満たされていないのはどの部分か。元町北環状線を復活させた場合,
地下鉄東豊線及び南北線の乗車人員がふえる見込みはあるのか。また,北光線の増便が東豊線の利用率向上につながる見込みはあるのか。交通局が実施した乗客利用実態調査の結果を見ると,元町北環状線にかかわる各停留所の乗降客のうち,
地下鉄東豊線開業後のバス路線再編成によって,73.9%の利用者が代替の輸送機関に移行したとのことであるが,交通局として,この実態をどのように受けとめているのか,等がございました。
これらに対し,
理事者から,バス路線の再編成については,札幌地方陸上交通審議会及び札幌市総合交通対策調査審議会の答申の趣旨に沿って行っている。
請願第68号の元町北環状線の復活について,代替路線が新設されたこともあり,復活要望が強い地域は北18条から元町駅周辺であるが,当該地区は
地下鉄東豊線の駅勢圏内であり,乗客利用実態調査の結果からも,利用者の大半が
地下鉄に移行している状況にあると考える。また,北光線の増便については,
地下鉄への移行等により,利用者が大幅に落ち込んでいることから,現行便数で十分輸送需要に対応しているものと判断される。
陳情第179号について,旧バス路線利用者の大半が
地下鉄に移行したものと推測できること。天使病院が,東豊線北13条東駅から300メートルの至近距離にあり,北大病院,医大病院等市内の他の大病院の
地下鉄駅からの距離も,おおむね300メートルから500メートルであることなどから判断して,路線の復活は困難であると考える。バス路線の設定等に当たっては,厳しい財政状況の中ではあるが,市民の利便を基本とし,全市的に行った利用実態調査の結果を踏まえ,地域住民の要望もできる限り取り入れながら行いたい,等の答弁がございました。
次に,討論を行いましたところ,共産党・菊田委員からは採択すべきものとの立場で,
自民党・越智委員,
社会党・伊与部委員,
公明党・常見委員及び
自民クラブ・
長岡委員からは不採択すべきものとの立場で,それぞれ意見の表明がありました。
続いて採決を行いましたところ,
賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(
吉野晃司君) ただいまの
委員長報告に対し,質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
吉野晃司君) 質疑がなければ,討論の通告がありませんので,採決に入ります。
請願第68号及び陳情第179号を採択することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
吉野晃司君)
起立少数であります。よって,請願第68号及び陳情第179号は不採択と決定されました。
――――――――─―――――――
○議長(
吉野晃司君) 最後にお諮りします。
各位のお手元に配付の閉会中
継続審査申出一覧表記載の請願・陳情につきましては,各委員長から,閉会中
継続審査といたしたい旨の申し出がありますので,その申し出のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――
閉会中
継続審査申出一覧表
(
平成元.臨4)
┌──────┬─────────────────┬─────────────────┐
│
委員会名 │ 請 願 │ 陳 情 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │ 第 16 号 〜 第 19 号 第 64 号 │ 第 10 号 第 16 号 第 24 号 │
│ │ 第 69 号 │ 第 46 号 第 50 号 第 54 号 │
│ │ │ 第 57 号 第100 号 第106 号 │
│総務 │ │ 第108 号 第123 号 第125 号 │
│ │ │ 第132 号 〜 第134 号 第152 号 │
│ │ │ 第170 号 〜 第173 号 第200 号 │
│ │ │ 第201 号 第203 号 第207 号 │
│ │ │ 第208号 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │ 第 21 号 第 40 号 第 44 号 │ 第104 号 第105 号 第159 号 │
│文教 │ 第 58 号 第 61 号 第 62 号 │ 第175 号 第204 号 第209 号 │
│ │ 第 71 号 │ 第210 号 第215 号 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│環境消防 │ │ 第176 号 第180 号 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │ 第 28 号 第 54 号 第 55 号 │ 第 20 号 第 28 号 第 52 号 │
│ │ │ 第 53 号 第 55 号 第 56 号 │
│厚生 │ │ 第 65 号 第 66 号 第 71 号 │
│ │ │ 第110 号 第166 号 第177 号 │
│ │ │ 第202 号 第211 号 〜 第214 号 │
│ │ │ 第216 号 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │ 第 36 号 │ 第 2 号 第 8 号 第113 号 │
│建設 │ │ 第135 号 第136 号 第153 号 │
│ │ │ 第158 号 第167 号 第185 号 │
│ │ │ 第198 号 第199 号 第205 号 │
├──────┼─────────────────┼─────────────────┤
│経済公営企業│ 第 53 号 │ │
└──────┴─────────────────┴─────────────────┘
――――――――─―――――――
○議長(
吉野晃司君) 以上で,本
臨時会に付議の案件はすべて議了いたしました。
これをもって,
平成元年第4回札幌市議会
臨時会を閉会いたします。
――――――――─―――――――
閉 会 午後2時11分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 吉 野 晃 司
署名議員 高 橋 忠 明
署名議員 田 畔 満...