札幌市議会 1989-06-09
平成 元年第 2回定例会−06月09日-05号
議案第8号 札幌市
保健所設置条例の一部を改正する
条例案
議案第9号 札幌市
消防本部及び
消防署設置条例の一部を改正する
条例案
議案第10号 札幌市
消防団条例の一部を改正する
条例案
議案第11号 白石区及び西区の分区に伴う
関係条例の整理に関する
条例案
議案第12号
昭和天皇の崩御に伴う職員の
懲戒免除及び職員の
賠償責任に基づく債務の免除に関する
条例案
議案第13号 札幌市
税条例の一部を改正する
条例案
議案第14号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する
条例案
議案第24号 財産の取得の件(
公園用地)
議案第25号 財産の取得の件(
公営住宅用地)
議案第26号 町の区域を新たに画し,変更し,及び廃止し,並びに町の名称を変更する件
議案第27号 町の区域を新たに画し,変更し,及び廃止し,並びに町の名称を変更することに伴う
関係条例の整理に関する
条例案
議案第28号 市道の認定,変更及び廃止の件
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〇
出席議員(69人)
議 長 吉 野 晃 司 君
副 議 長 滝 沢 隆 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 長 内 順 一 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 南 二 郎 君
議 員 吉 田 哲 男 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 須 合 一 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 見 延 順 章 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 朝 川 利 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 宮 口 健太郎 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 磯 野 開 丈 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 斎 藤 忠 治 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 宮 川 新 市 君
議 員 山 田 長 吉 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 山 本 長 和 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 吉 田 一 郎 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
――――――――――――――――
〇
欠席議員(1人)
議 員 岡 本 修 造 君
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〇説明員
市長 板 垣 武 四 君
助役 桂 信 雄 君
助役 勝 田 義 孝 君
助役 杉 本 拓 君
収入役 藤 井 憲 次 君
交通事業管理者交通局長長 部 幸 一 君
水道事業管理者水道局長出来岡 謙 三 君
総務局長 木 戸 喜一郎 君
企画調整局長 藤 田 幸 宏 君
財政局長 田 中 良 明 君
市民局長 本 間 雄 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 島 中 貞 夫 君
環境局長 柴 田 浩 英 君
経済局長 伊 東 義 昭 君
建設局長 魚 住 昌 也 君
下水道局長 渡 辺 信 仁 君
建築局長 柳 町 菊 造 君
国民体育大会事務局長 河 崎 快 二 君
市立札幌病院長 竹 田 保 君
消防局長 谷 裕 之 君
教育委員会委員 冨士元 明 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 中 目 啓 市 君
監査事務局長 谷 口 政 範 君
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 船 木 宏 通 君
総務課長 植 田 英 次 君
議事課長 坂 野 嵩 君
調査係長 大久保 裕 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 高 森 政 行 君
委員会一係長 田 中 博 之 君
委員会二係長 土 屋 逞 君
書記 谷 葛 磨 君
書記 獅々堀 秀 利 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 長 瀬 宏 君
書記 木 内 二 朗 君
書記 吉 田 雅 博 君
書記 高 佐 三緒子 君
――――――――――――――――
○議長(
吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,66人であります。
――――――――――――――――
○議長(
吉野晃司君) 本日の
会議録署名議員として
大越誠幸君,
山崎七郎君を指名します。
――――――――――――――――
○議長(
吉野晃司君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(
鍛冶沢徹君) 報告いたします。
岡本修造議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
――――――――――――――――
○議長(
吉野晃司君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第14号まで及び議案第24号から第28号までの19件を
一括議題といたします。
昨日に引き続きまして
代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
生駒正尚君。
(
生駒正尚君登壇・拍手)
◆
生駒正尚君 私は,ただいまから,
日本共産党を代表して,当面する市政の重要問題について質問をいたします。
初めに,
消費税に関して3点の質問を行います。
質問の第1は,
消費税の
市民生活への影響についてであります。
日銀が5月19日に発表した4月
卸売物価指数によると,
国内卸売物価は,
消費税の導入により,前月比1.8%,前年同月比2.2%と,1980年以来,10年ぶりの
大幅上昇となっており,このことが
消費者物価を押し上げ,
物価高騰を招くのではないか,と懸念が市民の中にも広がっているのでありますが,市長は,本市において
消費税が物価にどう影響を与え,
市民生活をどう圧迫しているのか。実態をどのようにとらえ,どんな認識をお持ちか,市民の前に明らかにしていただきたいのであります。
質問の第2は,
消費税の廃止を求める市民の世論と運動に対する市長の評価についてであります。
市長は,過日の第1回
臨時市議会において,わが党議員の質問に答えて,
消費税に対する国民の反応は鎮静化しているという認識を示されましたが,これは,事実誤認も甚だしいと言わなければなりません。
最近新聞等に発表された
世論調査の結果を見ても,たとえば共同通信が4月中旬に行った
全国世論調査では,「
廃止要求」は65%と多数を占め,「
修正要求」の30%と合わせて,
消費税に対する批判は95%にも達しているのであります。しかも,この調査では,
消費税導入前の賛成5%が,導入後も賛成5%と全く変わらないのに対し,反対は,導入前の76%から,導入後に82%へと増加していることも明らかになっており,
消費税導入後,税の痛みを実感し,
問題点を目の当たりにして
反対世論が高まっていることを物語っているのであります。
また,同時期に
北海道新聞社が道内で行った
世論調査でも,
消費税に不満を表明する人は,「非常に不満」が52.6%,「不満」が25.1%となっており,合わせて78%にも達している一方で,「満足」は,わずか2%であります。さらに,
消費税の今後のあり方についても,「廃止すべきだ」が54.1%で過半数を占め,「改善すべきだ」39%と合わせると93%にも及んでおり,全国的にも,また道内を見ても,
消費税に対する批判と怒りが大きく燃え上がる一方で,廃止を要求する声が多数を占めているのであります。
また,
北海道商店街振興組合連合会や苫小牧,旭川,札幌などでの市商連でも
消費税廃止の方向が打ち出されているほか,
道書店組合では,
消費税廃止とあわせて自民党不
支持決議まで決めるなど,買う側だけでなく,売る側からの
消費税と
消費税強行政治に対する反発も,かつてない激しいものとなっているのであります。
市長は,このような市民の動き,道内の動きを承知の上で,なお鎮静化などと言い続けるおつもりか。
国民いじめ,弱い者いじめの天下の悪税「
消費税」の廃止を求める市民の世論と運動をどう受けとめ,これにこたえようとされるのか,改めて明快な答弁を求めるものであります。
質問の第3は,
公共料金への
消費税の転嫁問題についてであります。
5月の
臨時市議会で,市長は,名古屋などで
公共料金転嫁条例案を撤回する動きが出ていることについて,「困ったものだ」と感想を述べられましたが,自治省の調査でも,今日,
政令都市で
消費税転嫁を実施したのは広島市のみ,
都道府県でも,
普通会計分の
消費税上乗せ見送りは,半数近い21
都道府県に上り,全国3,200市町村の3分の1が
消費税転嫁を全面的に見送っているのであり,これを「困ったことだ」などと言って済ますこと自体,市民にとっては許されないことであります。困ったことだというのは,むしろ市民の市長に対する感想でもあります。
市長の「法律が決まった以上,これに従って
消費税をかけねばならない」という持論が,全国の
政令都市の中では,すでに孤立した実態にもある中で,改めて市民の願いと要求にこたえ,
消費税関連条例を撤回し,市民とともに政府に
消費税の廃止を求める考えはないか,
お尋ねをいたします。
次に,
非核都市宣言について,市長の見解を伺います。
5月8日発売された
アメリカの
週刊誌ニューズウィークは,24年前の1965年12月5日に,
アメリカ海軍所属の
空母タイコンデロガが,
ベトナム戦争の
作戦行動を終えて横須賀港に向かう途中,
水爆搭載機A4
Eスカイホークを
沖縄近海で海に転落させた事故を報道しました。
その後,
アメリカ政府は,
水没事故を認めるとともに,
核物質プルトニウムが海中に漏れていることも明らかにし,
日本国民に大きな衝撃を与えています。水没した核弾頭の型は,B43型で,
広島型原爆の約70倍の威力を持ったものです。
パイロットもろともに約5,000メートルの海底に沈んだ核爆弾は,水圧により
核物質が海中に漏れ,
深層海流に乗って1秒間に4メートル移動していると言われていますが,事故を起こした空母は,2日後に横須賀港に入港しているのであります。
これまで
日本政府が言い続けてきた
事前協議が,全くまやかしであることが暴露され,
日本国民の悲願とも言うべき非核三原則,すなわち,「つくらず,持たず,持ち込ませず」の原則が踏みにじられている実態が明らかになったのであります。
こうした
水爆水没事故と
核物質の汚染に,
沖縄県民はもとより,
日本国民が怒りの声を上げるのも,当然至極と言わなければなりません。すでに
沖縄県議会,
神奈川県議会が,
水爆水没事故の
全容究明を求める意見書を
全会一致で採択をしています。
ところで,今回の
水爆水没事故は,
北海道に住む
札幌市民としても見過ごすことのできない事故であります。なぜなら,
北海道は,
アメリカの
軍事戦略の
対ソ最前線基地として強化され,「核のやり」と言われる米国のF16
戦闘機による超低空の
対地攻撃訓練の実施や,
核戦争想定の
日米軍事演習が急テンポで実施,強化されているからであります。まさに,
日本列島は,
日米軍事同盟のもとで,
核攻撃基地にされ,戦争の
危険そのもの,そして,絶えず核事故の危険にも直面しているのであります。
マスコミの
世論調査では,国民の8割近くが非核三原則に賛成し,七,八割の人々が,持ち込ませない,持ち込まないという方針が守られていないとの不安を抱いています。
日本共産党は,こうした危険な実態をなくすために,非核三原則を厳格に守る非核の政府の実現を国民に訴えているのであります。また,わが党は,これまでも本市議会で,
板垣市長に
非核都市宣言を行うことを強く求めてまいりましたが,これに対して市長は,あえて宣言という形式を踏まなくてもいいと述べ,
非核宣言を拒否されてきたことは,まことに遺憾であります。
そこで市長に伺いますが,質問の第1は,今回の
水爆水没事故は,まさに非核三原則を踏みにじる
核持ち込みを証明したものであり,しかも,
放射能汚染を引き起こした事故を長期にわたって隠し続けてきた
アメリカの態度は,日本の国民をばかにした許しがたいものとお考えにならないのかどうか。
市長自身が述べた,「市民の心に定着している平和の心」をも裏切るものとお考えにならないのかどうか,市長のご所見を伺います。
質問の第2は,
核持ち込みの事実が証明された今日こそ,本市でも
非核都市宣言を行い,平和を願う市民の期待にこたえるべきと考えますが,そのお考えがおありかどうか。改めて市長の見解を伺うものです。
質問の第3は,
北海道民並びに
札幌市民に
核戦争の脅威を与えている
北海道を舞台とする
日米軍事演習の
即時中止を,市長より
アメリカ政府及び日本の政府に強く要求すること。また,米軍のF16
戦闘機を含む米軍機が札幌市上空を飛行させないとの宣言を本市が行うべきと考えますが,市長には,そのお考えがおありかどうか
お尋ねをいたします。
次に,河川の
自然保護について質問いたします。
わが党は,この問題をたびたび指摘してまいりましたが,利水,
治水優先の
河川行政を,川の親水性を高める観点から根本的に見直し,人も緑も水も,そこにすむ鳥や虫や魚たちも共存共栄できる
河川行政を目指すこと。そのために,河川の自然を保全,復活することを
河川事業の中にしっかりと位置づけることを改めて強調するものであります。
そこで,以下5点の質問をいたします。
質問の第1は,
まちづくりにおける川の位置づけ,
重要性についてであります。
特に,市街地における河川は,貴重な
都市空間のネットワークを構成するものであり,どんな
中小河川も貴重な自然を残しており,また,
自然復活の
可能性を秘めているものであります。したがって,潤いのある
まちづくり推進のために,特に川の自然を保全,復活させ,川を生かした
まちづくりを進めるべきと考えますが,
まちづくりにおける川の位置づけ,
重要性についての市長の基本的な
考え方について改めて
お尋ねいたします。
質問の第2は,
豊平区内で厚別川に合流する山部川の
河川工事についてでありますが,山間地を流れるこの川も,付近に数軒の民家があり,
護岸工事はやむを得ないとしても,豊かな自然が
コンクリートブロックに取ってかわられるのは,まことに残念であります。できる限り自然を保全することが必要であり,要所は
コンクリートブロックで固めることはあっても,そのほかは,でき得る限り自然のままにすること。また,古来,日本の
河川事業で使われてきた蛇かごや自然石での護岸など,景観上も自然に調和するやり方をとるべきと考えますが,いかがでありましょうか。今後の
護岸工事がどのように進められるのか
お尋ねをします。
また,現在進められている
河川工事は
防衛庁予算によって行われており,これは,
山部川上流部にある広大な
自衛隊の
西岡演習場から大雨の際に生ずる大量の洪水に備えたものであるとも聞いているのでありますが,そうだとすれば問題であります。すなわち,
自衛隊の
演習場で生ずる洪水に備えるために,
河川工事の規模を拡大し,それだけ自然を破壊するというのは許しがたいことであります。
演習場内で生ずる洪水は,本来,
演習場内で
自衛隊が処理する対策をとるべきと考えますが,いかがでありましょうか
お尋ねをいたします。
質問の第3は,
月寒川についてでありますが,本来,自然のまま治水上も大丈夫との専門家の意見も耳にしており,
ホタルブロックを採用するというものの,画一的なやり方は遺憾であります。
そこで,まず,
ホタルブロックで本当にホタルが回帰するのかどうか。回帰のためにどんな工夫がなされるのか
お尋ねをします。また,かなり広い河川敷のところもありますが,川幅は,これに合わせて広く確保して,流れを緩やかにするなど,生物がすみやすくすること,工事を予定している区間でも,人家のない
林業試験場側は,人工の手を入れずに,でき得る限り自然を多く残すべきと考えますが,いかがでありましょうか
お尋ねをします。
質問の第4は,
吉田川についてでありますが,この川の護岸は,コンクリートでほぼ垂直のため,人が川に近づけない状況となっていますが,公園地内,住宅地を含めて,階段をつけて人が川におりられるようにするなど,改善されるようでありますが,どのように改善され,いつまでに完成するのか
お尋ねをします。
質問の第5は,鴨が飛来し,そこでひなを育てている川の保全についてでありますが,北野の
厚別川高木橋付近では,流れが速くてひなが流されてしまう。また,これから
河川工事が進められる
月寒川では,鴨が来なくなってしまうのではないか。
吉田川でも同様の心配がされております。たとえば,厚別川については,中州をつくって鴨がそこにすめるようにする。また,これから工事が行われる
月寒川,
吉田川については,鴨がやってきてそこにすめるような工夫をすべきと考えますが,いかがでありましょうか
お尋ねをします。
次に,
埋蔵文化財保護について質問をいたします。
札幌市民がみずからの地域の歴史を知り,
先住民族の遺跡とともに,周辺の自然と住環境を守り,真に人間らしい潤いのある生活を営んでいく上で,歴史的,
文化的環境である
先住民族の遺跡を守る課題は,一層,緊要になっております。
本市教育委員会が体制をとって,
埋蔵文化財の
発掘調査を本格的に開始した昭和47年度から63年度までに100の
遺跡発掘が行われましたが,このうち,ほとんどが道路,
団地建設など開発に伴うためのものであり,調査・研究上の必要性からではなく,開発によってやむなく発掘してしまわなければならないというのが実態であり,現在,この点が,
遺跡保存にとって最大の
問題点であります。
ところで,昭和47年以来の本市の
取り組みを見ますと,注目すべき前進面がありました。それは,第1に,調査・研究の前進によって,
埋蔵文化財台帳作成当時に確認された
埋蔵物包蔵地は,従来把握されていた100ヵ所から451ヵ所となり,現在は500ヵ所が確認されるに至りました。このうち,発掘可能な遺跡は300ヵ所以上存在しているとのことであり,きわめて喜ばしいことであります。この間,第一線で地道でハードな仕事に励んでこられた
関係職員のご苦労に,心からの敬意を表するものであります。
第2に,
埋蔵文化財調査資料室の変遷についてでありますが,昭和50年,わが党が
埋蔵文化財調査資料センターの建設の問題を提起した当時,
調査室は狭い時計台に置かれ,それが
北光小学校に移され,さらに,
信濃小学校に移され,出土した
埋蔵文化財が箱や南京袋に詰められて,転々と所を変えていたのでありますが,それが現在は,
教育委員会の中に展示室とあわせて設置されており,いま,新
中央図書館の新設とあわせて,
教育大学跡地に本格的な
埋蔵文化財センターとして建設されようとしているのは,まことに隔世の感があります。
第3に札幌で発掘される
遺跡文化財は,古い物で約8,000年前というのが定説でありますが,この間,旧
白石役場跡及び豊平区羊ケ丘で約1万6,000年前の旧石器が,散発的にではあるが発見されたことにより,札幌における人間の歴史が,一挙に旧石器時代にまでさかのぼることができる
可能性と期待を与えたという点であります。
現在,このような前進を土台に調査・研究と遺跡の保存の課題を統一的に,かつ積極的に推進することが求められていると思うのでありますが,以下2点の質問をいたします。
質問の第1は,
埋蔵文化財遺跡についての基本的な
考え方についてでありますが,一部には,札幌の遺跡にはよい物がない,大した物が出ないと論じられることがありますが,このような
考え方は,札幌の
遺跡保存の
取り組みを消極的にさせる,
考古学史料に対する間違った俗論であります。
考古学史料は,それぞれが特有の価値を持つと同時に,対等の価値を持つものであり,
北海道,札幌市の全歴史を明らかにする上で,また,
アイヌ民族などに対する差別観を克服し,正しい全面的な歴史観を確立,定着させる上で,さらには
ふるさと意識が希薄になりつつある都市化した本市において,地域の古い地形や自然とあわせて,
埋蔵文化を調査・研究・保存することは,子供たちの
ふるさと意識をはぐくむ教育上の観点からも,きわめて重要な価値,意義を持つものと考えますが,市長の基本的な
考え方について改めて
お尋ねをします。
質問の第2は,遺跡の保存についてであります。
現在,本市でも行われている遺跡の発掘は,そのほとんどが開発によるものであり,その結果,遺跡そのものは破壊,消滅する記録保存の方法がとられております。この場合,遺跡そのものを原形保存する方法の
重要性を強調したいのでありますが,この間,2ヵ所について,本市が意識的に保存を決めたことは評価するものであります。
一つは,平岸天神山のチャシでありますが,市内に残された唯一のチャシが,緑地公園化とあわせて保存されることになり,また,もう一つは,東月寒あやめ野中学校敷地の遺跡の最も重要な部分の包蔵地を遺跡の森として保存するものであります。
このように,川や沢,丘など,いま私たちが見ても,明らかに昔の地形がわかるところ,地形が生きている環境とあわせて,たとえば道央に多数出土し,本市の遺跡の中でも特徴的なけもの捕り用の落とし穴であるTピット群,あるいは,旧琴似川水系の遺跡群など,保存に値する遺跡が存在すると思うのでありますが,いかがでありましょうか。また,その中から選定して,遺跡公園として原形保存すべき箇所を今後ともふやすべきと考えますが,いかがでありましょうか。市長の対処方針について
お尋ねをいたします。
次に,ウタリ生活館の増設について
お尋ねいたします。
わが党は,昨年の12月議会においても,この問題について,アイヌ新法の制定やアイヌの生活と権利の保障を初め,アイヌの問題の民主的解決を図る見解と提案を示しながら
お尋ねをしたところでありますが,今回は,それを踏まえながら,問題を限定して
お尋ねをするものです。
わが党は,アイヌの人たちのコミュニティー活動の拠点となる生活館の増設は,関係者から切実に求められており,どうしても来年度予算で建設すべきと考えるものであります。ウタリ協会札幌支部の会員は,昭和46年発足当時,36世帯でありましたが,今日では300世帯になり,白石区本通20丁目の生活館は余りにも狭く,アイヌの人たちの新年の集いやウタリ協会支部総会などは超満員の状況となっております。
さらに,会員数が増加する中で,この春の総会で,市内を3支部に分割することとなり,アイヌの人たちは,白石の生活館のほかに,二つの生活館の設置を強く求めております。
また,全市的集いなどにも十分対応でき得るセンター的生活館を,交通至便な市内中心部にどうしても設置してほしいと強く求めております。私も,これら新年の集いや総会に参加し,当然の要求としてこれを支持しているものであります。私は,最近,この3月にオープンした旭川市の
市民生活館を見てまいりましたが,面積は822平方メートルで,本市の生活館の延べ面積199平方の4倍以上の広さのものであります。旭川の数倍も多くアイヌの人たちが住んでいる本市の場合,センター的生活館は,少なくともこの規模以上のものが必要であり,早急に設置すべきであります。生活館の増設,特にセンター的役割とそれにふさわしい規模の生活館の整備を図り,アイヌの人たちへの施策を具体的に目に見える形で積極的に前進させるべきと考えますが,市長の対処方針を
お尋ねをいたします。
次に,私は,世界・食の祭典にかかわる赤字処理の問題について質問いたします。
この問題について,わが党は,すでに,巨額の赤字が予想されていた昨年9月の第3回
定例会において市長の見解を問い,また,本年の第1回
定例会予算特別
委員会においても,赤字を本市が負担すべきでないとの立場から市長の考えをただしてきたところでありますが,市長を初め理事者は,繰り返し,赤字問題については,主催者である財団と道が基本的に対応すべきものとの答弁を行ってきたところであります。
ところが,5月上旬,札幌市が財政支援をを決断したとの新聞報道が行われ,市民を唖然とさせたのであります。また,過日の本会議で,市長は,市内でのイベント開催に対するマイナスイメージを早期に払拭する必要があり,また,今後の市政を推進する上から,道の協力が不可欠であることを強調しながら,赤字の早期解決について検討を進めている旨の答弁を行いました。これは,これまで市長が議会に示してきた態度を大きく変えるものであり,全く遺憾であります。
食の祭典は,88億円という赤字が明白になり,各種イベントの最悪の見本になっており,道議会においては,道政上の重要な失政として,その原因や責任が議論され,重大な政治問題となっているのであります。
先般,食の祭典問題調査特別
委員会の調査報告書が発表されましたが,道幹部の姿勢に問題があり,実質的にこの祭典を指導した道には,きわめて大きな責任があると明確に指摘しているであります。
わが党は,市長が食の祭典関連の補正予算を提案した62年9月議会で,食の祭典に本市が2,500万円の出捐金や5,000万円の補助金を出す意義は全く認められないと強く反対をしてきたところであり,また,本市議会でも,補正予算の継続審議という異例の取り扱いがなされ,当時から赤字を懸念する論議もあったのに対し,市理事者は,赤字の心配はないと繰り返し答弁され,赤字の場合,主催者である財団と道が基本的に対応すべきとの態度を表明されていたのであります。
このような経過から見ても,本市が財政援助を行うことは全く不当であり,どのような理由をつけようとも,市民が納得できないことは当然であります。わが党は,あくまでも道の責任において処理すべきであり,これを市が支援すべきでないことを重ねて主張し,以下3点の質問をいたします。
質問の第1は,食の祭典の評価と市長の責任についてであります。
市理事者は,これまで議会に対して,赤字にならないとの見通しを明確に述べながら,市民の血税を補助金や出捐金として出費してきたのであります。その結果はごらんのとおりでありますから,市長は,みずからの見通しの甘さや判断の誤りについて,議会と市民に対して明確に釈明し,責任を明らかにすベきでありますのに,過日の本会議では,「ご承知のような結果になったことは,きわめて残念であります。」と,みずからの責任を明らかにすることを回避した,きわめて無責任な答弁を行ったことは,まことに遺憾であります。市長は,市民にどのように釈明し,責任をとるのか,明確にしていただきたいのであります。
また,食の祭典の評価に関してでありますが,いま赤字が問題となっていて,
札幌市民がそれを負担することになるのかどうかが問題となり,市民の重大関心事となっているときに,市長は本会議の答弁で,無神経にも「赤字はともかく」などと述べるとともに,答弁全体の脈絡とかかわりなく,突然,祭典の開催による経済効果は,市内分で413億円との推計があると述べたのでありますが,これは,事業の失敗によって巨額の赤字をつくり出した食の祭典の評価にかかわる重大発言であり,また,「赤字はともかく」というのは,失敗した食の祭典に市民の貴重な血税を投入してきた市長の責任の自覚の欠如,無反省ぶりを示すものであり,市長の政治感覚を疑いたくなるのであります。
そこで,改めて,失敗した食の祭典についての市長の評価を
お尋ねをします。また,不謹慎きわまりない「赤字はともかく」という答弁は撤回を要求するものでありますが,いかがでありましょうか。
質問の第2は,赤字の処理に対する本市の負担についてであります。
市長は,過日の本会議で,赤字処理に対する本市の負担について検討を進めている旨の答弁を行いましたが,これは,これまでの経過から見ても重大な方針の変更であり,議会と市民に対する背信行為であると言わなければなりません。しかも,道と道議会で,責任問題についてはまだ結着がついていない段階で,早々に支援の方向を示唆するということは,物事の順序から言っても問題であり,納得できないものであります。
また,5月20日,わが党議員団が勝田,杉本両助役に会って食の祭典で申し入れを行ったときに,両助役は,正式に道からの要請を受けていないと断言され,さらに5月23日に,私はわが党の道交渉の席上で,道が札幌市に支援を要請したのかどうかをただしたときにも,道の幹部は要請はしていないと答えているのでありますが,そうだとすればおかしなことです。道の要請は,いつ,だれから,だれにあったのか,明らかにしていただきたいのであります。
また,もし道からの要請もないというのであれば,要請もないのに支援に動き出すという特別な理由が何なのか,その理由について明らかにしていただきたいのであります。
質問の第3は,食祭の赤字処理をめぐる市長選挙絡みの政治的取引の問題についてであります。
板垣市長の後継者に対する横路陣営の支援と引きかえに,本市が赤字処理に協力するという政治的取引について,一部マスコミの報道もなされており,市民の不信と怒りを呼んでいるのでありますが,このような事実はあるのかどうか。また,不明朗な政治的取引で市民の血税をむだに支消するようなことがあってはならないとの立場から,明快な答弁を求めるものであります。
以上で,私のすべての質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 答弁を求めます。
板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず,
消費税問題についてでございます。
第1点目の
消費税の
市民生活への影響についてでございますが,この問題は,今回の税制改革全般を通じて判断をすべきものだと考えております。しかし,
消費税導入に伴う便乗値上げ等,物価の動向には重大な関心をもっており,物価の調査,監視につきましては,職員並びに150名の札幌市物価消費者モニターにより,生活必需品67品目を調査対象として毎月実施しているところでございます。
この調査結果の範囲で申し上げますと,特に便乗値上げと断定をするものは認められないと判断をしておりますが,今後とも,この問題につきましては,国,道との連携を密にして物価の調査,監視を継続して行い,
市民生活の安定に意を用いてまいりたいと考えております。
次に,第2点目の
消費税に対する評価及び第3点目の転嫁問題について,関連がございますので,一括してお答えを申し上げます。
この
消費税につきましては,シャウプ勧告以来最も大きな税制改革の中で創設されたものであり,消費全体に課税する間接税としては,わが国では初めてのものでありますことから,これに戸惑いを感じ,その結果としていろいろなご意見が出されている状況にあると思われます。昨日の国会の
代表質問でも,この点について各党から,さらに
消費税関連問題について質疑応答が行われているところでございます。
しかし,法がすでに施行されている現在におきましては,自治体の長としては,法に基づき行政を進めていくということが当然の責務であると考えております。したがいまして,ただいま継続審査中の
条例案につきましても議会において鋭意ご審議をいただきたいものと存じております。
第2は,
非核都市宣言についてでございます。
まず第1点目の
水爆水没事故でございますが,私は,米国の態度がご質問のようなものだとは思っておりません。なお,この事故につきましては,今後,政府において調査・究明がなされるものと考えております。
また,第2点目の
非核都市宣言につきましては,これまでも再三議会で申し上げてまいりましたように,市民一人一人の心に平和を求める気持ちが強く定着していることを確信しておりますし,このことは,宣言という形式を踏むか否かによって,いささかも変わるものではないと思っております。
次に,第3点目の
日米軍事演習及び上空飛行についてでございます。
これにつきましては,国民の安全に責任を持つ政府が,日本国憲法の枠の中で,世界各国の情勢を踏まえた上での現実的な対応をしているものと受けとめており,私から演習の中止等を要請することなどは考えておりません。
しかしながら,米軍機の低空飛行訓練につきましては,道内において騒音苦情等が問題になってきていると認識をいたしております。これに対しましては,国や道などから,機会あるごとにその善処について申し入れを行っているところであり,本市といたしましても,市民に不安をもたらすことのないように,今後の動向に重大な関心を持ってまいりたいと考えております。
次に,河川の
自然保護についてでございます。
第1点目の河川に対する基本的な
考え方についてでございますが,河川は,都市における水と緑のアメニティ空間として,地域社会に潤いを与え,市民の安らぎと憩いの場として,また自然との触れ合いの場としても重要な役割を果たしていると私は認識をいたしております。
したがいまして,治水上の安全性を高めることを基本とし,可能な限り自然との調和と親水性にも配慮した整備を今後とも積極的に推進してまいりたいと考えております。
第2点目の山部川の整備についてでございますが,この河川は,昭和56年の大災害を初め,再三過去においてはんらん被害を起こしており,治水安全性確保の観点から,厚別川の合流点上流約1.8キロメートルを整備区間といたしております。また,この河川は山間部特有の急勾配で,流速の速い川でありますので,この特性を考慮して,
コンクリートブロック2面張りによって恒久的整備を進めているところでございます。
次に,
自衛隊の
演習場から流入する雨水の処理についてでございますが,一般に,河川に自然に流入する雨水は,これは河川管理者が処理するのが当然であると考えております。したがいまして,本河川につきましても,本市が整備を進めているところでございます。
次に,第3点目の
月寒川の整備につきましては,治水上の安全性と自然環境との調和をどのように図るかを検討してきたところでございます。その結果,治水上から,現在の川床を掘り下げて,洪水を安全に流下させ得る断面を確保する必要があり,現在の自然環境をそのまま残すことは困難でございますが,できるだけ自然環境を復元いたしたいと考えております。このため,工事の後には再びホタル等が生息できるように,水草等を植栽できるホタル護岸ブロックを使用する等,工夫を凝らした整備を行うものでございます。
このホタル護岸は,姫路市などに見られますように,全国的にも実績があり,十分効果が期待できるものと考えております。
第4点目の
吉田川の整備についてでございますが,付近住民の方々からも,水辺に親しめる川として整備要望がございますので,今年度基本調査を行い,その結果をもとに事業化について検討してまいりたいと考えております。
次に,第5点目の,鴨が飛来する河川の整備についてでございますが,市街地の河川などで見られる鴨の姿は,本当にほほえましく,市民が自然と触れ合える貴重な場でもございます。したがいまして,河川の整備に当たりましては,治水上の安全性との調和を図りながら,このような環境の保全にも配慮をしてまいりたいと考えております。
次に,
埋蔵文化財の問題でございます。
第1点目の基本的な
考え方についてでございますが,
埋蔵文化財は,わが国の歴史,文化を知るために貴重な資料であると考えております。現在,市内で発見されております
埋蔵文化財は,本市の歴史と文化を正しく理解するためには,いずれも貴重なものであり,これを調査し,大切に保存しながら後世に引き継ぐとともに,次代を担う子供たちにもさまざまな場面で有効に活用させることが望ましいことと考えております。
2点目の
埋蔵文化財の保存についてでございますが,
埋蔵文化財包蔵地に係る開発行為等に当たりましては,従来から,その保存について必要な協力をお願いいたしております。
また私どもも,お話にありましたように,平岸天神山のチャシを保存いたしますし,今後もそのような努力を続けてまいりたいと考えております。
次に,ウタリ生活館の増設についてでございます。
本市が設置をいたしております生活館の昭和63年度の利用状況を見てみますと,その利用回数は162回,利用人員は2,100人となっており,これを平均いたしますと,まあ2日に1回,また1回の利用人員が約13人となるのでございます。したがいまして,当面,ウタリの方々のコミュニティ活動の場としては,まあ機能しているものと考えております。
なお,お話にありましたように,現生活館が,集会によっては狭いといった点につきましては,どうか,先日オープンをいたしました社会福祉総合センター,あるいは適当な市の施設をご利用いただきたいと存じます。
また,道においては,ウタリの方々の文化遺産の継承,保存等を目的としたセンターを中央区の北2条西7丁目に建設をする予定と伺っておりますので,私といたしましても,その完成を待ち望んでいるところでございます。
最後に,世界・食の祭典の赤字処理問題についてでございますが,関連がございますので一括してお答えを申し上げます。
この問題に対する基本的な
考え方につきましては,一昨日宮本議員のご質問にお答えを申し上げたとおりでございます。
この祭典は,当初,
北海道の活性化を目指し,道から強い熱意をもって協力要請があった際に,本市といたしましましても,市内における食産業の振興につながるであろうと。また,この祭典が広く市民にもたらす大きな効果などに期待をして,道の要請に応じ,出捐・補助を初め,職員の派遣等できる限りの協力をしてまいりました。しかし,この祭典がこのような結果に終わったことは,本当に残念に思っております。その原因と責任につきましては,道議会で現在審議中であり,その推移を見守っております。
なお,経済の波及効果という点からは,現実に投資と消費があったわけで,このことにより,経済の波及効果等として,全道で640億円程度,また市内分では413億円程度と推計をされております。
この赤字処理につきましては,道から正式要請を受けておりませんけれども,
北海道の案を作成するに際し,4月下旬に副知事から助役に打診がございました。
なお,一部マスコミ報道の件についてでありますが,これにつきましては考えたこともございません。
いずれにせよ,本市としても,市民にご理解をいただきながら,この赤字を早期に解決することが必要であると考えておりますので,検討を進めてまいりたいと存じます。
○議長(
吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――――――――――――――――
休 憩 午後1時46分
再 開 午後2時15分
――――――――――――――――
○副議長(滝沢隆君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。福士 勝君。
(福士 勝君登壇・拍手)
◆福士勝君 私は,ただいまから,民社クラブ議員会を代表して,当面する市政の諸課題について質問をいたします。
私に与えられた時間はきわめて限られたものでありますので,この際,
板垣市長が第1回
定例会の冒頭,市政の基本方針について触れられた中で,厚別,手稲の新しい区の誕生に伴って,「地域新時代」の幕明けとして将来を展望した「先行的かつ計画的な市政を遂行する」と述べられておりました。このことに関連して,地域発展の諸問題に重点を置いて質問をいたします。
まず,用途地域の見直しについてお伺いいたします。
札幌市の
まちづくりは,
北海道開拓の拠点として創建されて以来,島判官の
まちづくり構想に基づいて計画的な整備が進められて,その発展の基礎が築かれたのであります。その結果,都市の発展に伴い,大正8年には,都市計画法の適用が行われ,昭和8年には用途地域,11年には,都市計画道路と,それぞれの大要が定められたのであります。
その後,昭和43年には,都市計画法の大改正が行われたのでありますが,新都市計画法に基づき,昭和45年7月には市街化区域の線引き指定がなされ,48年6月には,新たな8種類の地域区分による用途地域の全面見直しがなされたのであります。
本市の市街化区域及び用途地域については,その後2回の見直しがなされ,計画的な市街地整備への誘導をしようとしてその効果を上げておりますことは,私も十分認識しているところであります。
このうち,用途地域につきまして,市街化区域内のマクロ的計画として,住居,商業,工業等の用途の適正配分を行い,都市機能の維持増進を図り,住居の環境を保護し,商業,工業の利便を増進しながら,公害を防止する等適正な都市環境を保持するため,建物の用途,容積,形態等についてお互いの守るべきルールを定めるものであり,本市の目指す快適な市街地環境の創出を図る重要な制度であります。
しかしながら,都市は生き物でありますので,それらの運用に当たりましては,経済社会情勢の変化に対応した適切な見直しを図っていく必要があると考えるのであります。
最近の新聞報道によりますと,東京都では,急激な都市化に対応するとともに,高地価時代の住宅事情の改善を図るため,都心地区内における第1種住居専用地域の大幅な緩和を含む用途地域の見直しを行うことが報じられておりました。
また,建設省においては,事務所需要の強い都心部への居住人口の呼び戻しと土地の高度利用を促進するため,立体的な用途規制,あるいは居住と生産の両機能を適切に維持する建物規制等について見直し作業を始めたようでありますが,これらが制度化されますと,本市の都心部における人口呼び戻し等にも有効に活用されるのではないかと思うのであります。
そこで,私は,第3次札幌市長期総合計画の中で示されている
都市空間計画の具体化を図る有効な手段であり,魅力ある本市の
まちづくりを進める上で重要な制度であります用途地域の見直しについて,3点ほどお伺いをいたします。
第1点目は,この用途地域の見直し時期についてでありますが,市街化区域及び市街化調整区域の線引き見直しについては,平成2年度を目標として見直しを行うと伺っておりますが,用途地域の見直しについて,いつごろを予定されているのかお伺いをいたします。
次に,第2点目は,見直しに当たっての基本的な
考え方についてであります。
先ほど述べましたように,用途地域の見直しに当たっては,経済社会の変化に的確に対応して行うべきであり,本市の目指す
まちづくりの方向を具体化するとともに,各地域や地区の特性を十分生かしながら,民間活力が有効に発掘されるよう十分配慮して見直しを行うべきだと考えますが,見直しに当たっての基本的な
考え方についてお伺いをいたします。
最後に,地域構造の変化に対応した地域の均衡ある用途地域の見直しについてでありますが,特に低未利用地の開発や,各地域の生活都心の整備,あるいは経済の活性化等のための規制誘導を図るための有効な方策であり,全市はもとより,今後の各地域の発展のかぎを握るものであると考えているのであります。
11月に分区が予定されています手稲区を例にとりますと,現在,商業系の用途地域が指定されている地区としましては,JR手稲駅南口等わずか3地区にすぎないわけであります。手稲区内には,現在,下手稲沿いや石狩・手稲通り沿い等に商業施設が張りついております。あるいは,前回の用途地域の見直しの後,JR函館本線に二つの中間駅が誕生する等,地域の構造も大きく変わってきているのではないかとの認識を持っているわけでありますが,私は,これらの地域の変化に対応した用途地域の見直しが必要かと考えるのでありますが,この点についても,次回の見直しの中でどのように反映されようとしているのか,市長のご所見をお伺いをいたします。
次に,緑化イベントの開催についてお伺いをいたします。
昭和61年の夏,北区百合が原公園で開催された「'86さっぽろ花と緑の博覧会」が成功のもとに終えんし,はや3年の時間が経過しようとしております。思い起こしますに,この博覧会が都市の生活に潤いと安らぎを与える花と緑を主役にした本市で初めてのテーマ設定で行われたものであり,真に市民に喜ばれ,評価されたイベントであったと考えております。
昨今,昨年開催された世界・食の祭典のてんまつが大きな社会問題として世論を騒がせている状況のもとで,改めてこの博覧会の成果を評価してみる必要があると考え,当時の記録をひもといてみました。
イベントの成果を占う入場者数は,目標130万人,有料100万人に対して,有料のみで148万人に達し,収支決算では,決算額22億円に対して2億7,000万円の剰余金が生まれ,また寄贈・協賛等で公園施設として存置された財産は,金額に換算すると3億6,000万円にも達したとあり,さらに経済の波及の面でも,総生産誘発額324億円,花卉造園関連18億円をもたらし,会場周辺地域の公共施設の整備促進も十分に図られたとされております。
また,会場となった百合が原公園の整備促進と知名度の高まりの面では,その後の公園の有効活用に多大な影響を与えたと考えられます。
一方,博覧会の目的の一つであった緑化意識の普及啓発の面でも,「花や緑に興味・関心を持った」95.2%,「自宅に花や緑を置いてみたい」70.2%等,十分な成果を得られております。
この成功の要因には,時代の流れに合致したテーマ性と,テーマを生かす上で最適な気候・風土,国際都市を目指す札幌の環境,過去幾度となくイベントを成功させてきた札幌の資質,周到な計画,十分な準備期間等,多くの事柄が考えられると思われますが,何よりも,公園を舞台にという市民になじみのある会場で,だれもが喜ぶ内容で展開されたことにあると私は考えております。
しかし,このように大成功と言われる成果を残したイベントも,1回だけの単発で終わってしまったのでは,意味合いが半減するものであり,特に公園を利用した緑化イベントにあっては,定期的に継続して開催して初めて真の効果があらわれてくるものと考えられます。そろそろ次回の計画が提示されるものと期待をもっているところでありますが,このような観点から,2点について市長のご所見をお伺いをいたします。
まず第1点目は,緑化イベントの定期的な開催についてであります。
イベントを成功させるには,周到な計画と十分な準備が必要であり,思いつくままに安易に開催できるものとはもとより考えておりませんが,既存の公園あるいは公園の開設に合わせ,テーマもポイントを絞って計画すれば,運営組織も事業規模も最低限に抑えた展開が可能と考えられます。
さきの花と緑の博覧会の経験を生かし,改善すべき点は改善し,規模より内容を重視した,冬の雪まつりに匹敵する夏の花と緑の祭典を定着していただきたいと考えます。
市民は,あの百合が原公園の花の祭典の再現を望んでおります。すでに3年の時間的経過がありますが,今後四,五年ごとに,欲を言えば小規模のものを挟むことで期間を短縮し,定期的に継続した開催を図るお考えがあるのか,ご所見をお伺いをいたします。
第2点目は,次回の開催についてであります。
現在,数多くの公園の造成が行われておりますが,この中にあって,長い年月をかけて整備が進められてきた西区前田森林公園が,平成3年度には待望の完成と承知をしております。この公園の規模と性格は,緑化イベントを開催するには最適と考えますし,また,さきの博覧会から5年目であり,2年間の準備期間もとれますので,開催は十分可能と考えます。
さきの博覧会では,百合が原公園の整備促進も目的の一つであり,区域の半分について集中的な整備費の投下が必要であったと思われますが,前田森林公園の場合は,開設の時期に合わせれば,事業費の主体はイベント開催に必要な最小限の仮設経費と花卉の植栽費程度であり,最少の経費で最大の効果を上げることも可能と考えるものでありますが,いかがでありましょうか。
また,その後一定の期間を置いて完成する豊平区平岡公園,東区モエレ沼公園などの開設に合わせて,各地域での開催を計画していただければ理想と考えるものでありますが,いかがでありましょうか,あわせてご所見をお伺いをいたします。
次に,学校給食の問題についてお伺いをいたします。
学校給食は,戦後わが国の食糧需給が非常に困難な時代から飽食の時代と言われる現在に至るまで,児童生徒の心身の健全な発達と国民生活の改善に大きく寄与してまいったことは,いまさら申すまでもありません。
また,
平成元年3月に文部省から新しい学習指導要領が公示され,新たに「生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない」とされ,健康教育の
重要性が強調され,学校給食が健康教育の一環としてますます重要な位置を占めてきたところであります。
札幌市としても,学校給食の実施については,これまで真剣に取り組んでこられ,現在,小学校では完全給食を実施し,また中学校にあっては88校中72校で完全給食を実施し,81.8%の実施率となっており,残り16校でミルク給食を実施しております。平成2年度では,完全給食率が86.5%となる見通しで,他の指定都市が全体できわめて低い実施状況にある中で,福岡市に次ぐ実施率となっており,この点高く評価するものであります。
そこで,中学校の完全給食についてでありますが,ただいま申し上げたとおり,ミルク給食校が今年で16校,来年度で12校となることから,ミルク給食校の完全給食校化は本当にあと一歩というところまできており,父母の完全給食を願う声はますます強まっているものであります。
中学校の完全給食の問題は,議会でもしばしば論議されているところでありますが,
教育委員会は整備の基本方針として,学校の新増改築に合わせて整備していく考えを示しております。札幌市においては,つい最近まで,児童生徒が急増期にあったこと,住宅地が郊外に伸びていること,老朽校舎の改修,40人学級の推進などで,給食室の整備まで手が回らなかった事情は十分理解できるとしても,完全給食をしていない学校が少なくなればなるほど,完全給食を実施していない学校の生徒や父母からの要望も強くなり,不公平感が強まるのであります。
現在のミルク給食校の大半は,空き教室がないなどの施設的な問題から,給食施設ができず,今日まで先送りされてきた学校ばかりで,いわば条件の悪い学校であることは承知をしておりますが,特にこの状況が,南区が4校,西区が6校となっており,分区後は西区3校,手稲区3校となり,その大部分が現在の両区に存在している実態が,父母の不公平感を助長するばかりでなく,市民感情としても受け入れがたいものであり,いまや完全給食の早期実現は父母や地域の切なる願いとなっております。
さきの議会で,教育長から,中学校の完全給食を早期に実現するため,従来の新増改築に加えて,何らかの方策も考えていきたい旨の答弁がありました。そこで,私は,この際札幌市は教育的配慮と英断をもって,完全給食の実現により積極的に取り組んでいただきたいと考えるものであります。中学校の完全給食100%に向けて具体的にどのように取り組んでまいるのか,
板垣市長のご所見をお伺いをいたします。
次に,児童の健全育成について,とりわけ児童会館が地域の児童育成の拠点施設となるための方策について,提言を交え質問をいたします。
児童会館は,下校後の子供たちが自由で開放された時間を,遊びや各種の行事に参加することによって,楽しみながら,さまざまな体験をし,子供同士で学び合う場であります。いまの子供たちにとって,学校や家庭で得られない異年齢の子供の交流が図られる貴重な社会教育施設であります。
今年は,中島児童会館が全国初の児童会館として誕生してちょうど40周年を迎える節目の年であります。私はこの際,今年を児童会館元年として,新しい視点で再スタートするため,児童会館の一層の整備促進と運営の活性化を図るべきだと考えます。
そこで質問の第1点は,児童会館の建設計画についてであります。
昨年度,第3次長期総合計画が策定され,その第1次5年計画で,児童会館の建設の整備水準を中学校区に1館とし,平成4年度までに78館としております。ここ10年以内には中学校が100校になるとの想定から,100館が目標と聞いておりますが,私は,特に分区が予定されている手稲区においては,他区と比較して未整備地域が多いことから,建設を急ぐ必要があると考えております。また100館計画全体がもっと早期に達成されるべきとも考えます。
その理由の第1は,児童会館の利用者は,その大部分が小学生であり,その日常の行動範囲から考えて,小学校区に1館が望ましく,次の目標として設定する必要があると考えるからであります。理由の第2点は,昨年度本市議会でも論議された留守家庭児童対策としての児童クラブを開設する必要があります。教育長のご所見をお伺いをいたします。
質問の第2点目は,建設計画にも増して重要な児童会館の機能・運営についてであります。
6月3日の新聞報道で,来月2日に中島公園を会場に,第1回の「さっぽろっ子まつり」が開催されることを知りました。従来から行われていた「子どもノミの市」とあわせて,全市児童会館56館の合同で多彩な催しが計画され,1万人の参加を見込んだ大イベントであります。これは児童会館元年にふさわしく,画期的な企画であり,ぜひ成功させ,さらに次年度以降にもつなげていってほしいと大いに期待をしております。
しかし,私は,この種の全市規模の行事にあわせて,毎年各区ごとの児童会館が合同で組まれている行事が,会館職員,指導員だけで実施されていることに不十分さを感ずるのであります。地域における児童会館の役割を児童育成関係者や父母に周知し,その協力を仰いで,連携を強めるきっかけにすべきと考えますが,ご所見をお伺いいたします。
さらに,児童会館の指導の目標として,下校後の子供たちの自由な交流の中から自主性,社会性を養い,文化的素養を培うとされておりますが,私は,これらを効果的に達成するために,特に集団での遊びや行事の中で集団づくりを重視し,子供のリーダーを養成していく具体的なプログラムが必要だと考えます。子供たちみずからがリーダーとなって,児童会館の運営や企画に参加することが魅力ある児童会館につながると思われますが,いかがでありましょうか。
質問の第3点目は,施設の時間外の活用についてであります。
児童会館は地域に身近にあることから,以前から時間外の地域開放が要望されながら,必ずしも十分とは言えない状態であります。単に経費等予算的な問題もあり,また,昨年4月に
教育委員会に一元されるまでには各区の管理下にあったこともあり,区ごとのアンバランスも目立ったわけでありますが,私は,
教育委員会が現在進めている運営
委員会方式(地域の自主管理方式)をもっと積極的に会館に適用し,開放を促進すべきだと考えます。地域の子供の城として,町内会,児童委員,子供会等,児童育成関係者,婦人ボランティア等の協力を得るためにも,組織づくりに本腰をいれるべきだと考えますが,教育長のご所見をお伺いをいたします。
次に,分区の問題についてお伺いをいたします。
いよいよ手稲・厚別両区の分区が5ヵ月後に迫ってまいりました。この分区問題につきましては,これまで何度も議会の
代表質問などで取り上げられてまいりました。そこで私は,JR手稲駅北口周辺地区の開発に関するマスタープランについて質問をいたします。
旧手稲町時代から手稲地区の中心市街地として栄えてきた駅南口周辺は,今日にあっても,市西部地区の交通や商業の拠点としての役割を担い,発展を続けております。
一方,駅北口周辺地区は,近年,前田地区を初めとする大規模な宅地開発の進展や幹線道路網の整備,手稲駅北口の開設などと相まって,人口の増加が続き,一大住宅地を形成しており,今後さらに発展するものと期待されております。
本市の
まちづくりの基本となる第3次札幌市長期総合計画において,手稲本町と前田地区は,地域中心核,つまり地域の生活都心と位置づけられ,公共施設,商業・業務・文化施設の集積を計画的に図るとともに,再開発を促進し,個性豊かで住民が親しめる街づくりを進めていく地域とされております。
現在,駅北口地区では,手稲区の分区基幹施設である手稲区役所,区民センター,保健所の建設が急ピッチで行われていますし,駅前西側では,早くも地元商店街による集団店舗の建築が進んでおります。
また,駅前の中央部には,三楽株式会社の工場跡地が広がっているのを初め,その周辺に民間地権者の遊休地あるいは農地があります。言うまでもなく,手稲区役所など中核となる行政施設が完成し,手稲区が発足をしますと,この地が新しい区の行政の中心となるわけであり,街づくりに相当の時間を要するとしましても,近い将来には,新生手稲区の顔になる場所でもあります。
そういう意味におきまして,駅北口周辺には,手稲区の住民にとりまして,名実ともに生活都心として,またシンボルゾーンとしてふさわしい街にならなければならないと私は考えるものであります。地域住民にとりましても,この地区がどんな街に形づけられていくのか,大きな関心を持たざるを得ません。11月に区役所などが開設しますと,当然新たな人や車の動きが発生しますし,行政サービスや新しい経済活動も生まれてまいりますが,たとえば,周辺の土地にも新しい動きが出てくることにもなりましょう。
先ほどお話しましたように,北口周辺は,ほとんどが民間企業などの所有する土地でありますから,ほうっておきますと,たとえば,土地の切り売りや地上げ,乱開発など,将来性を買う無秩序な動きが大いに心配されるところであります。
そうならないためにも,行政がしっかりした街づくり基本構想を早期に示し,民間開発を積極的に誘導していくことが重要な意味を持つものであることは言うまでもありません。
冒頭申し述べましたとおり,市長は今年を「地域新時代の幕明けの年」と位置づけ,分区を契機に,それぞれの区が個性ある街づくりに一層力を入れるという趣旨のことを言われました。私は,手稲駅北口の開発について,いまこそ札幌市の指導力,調整力をフルに発揮し,個性あふれる街づくりを強力に推進すべきものと考えるのであります。
市におきましては,民間開発の誘導指針となるマスタープランを11月の分区時までに作成するということで,現在作業を進めていると伺っておりますが,私は,このマスタープランが21世紀に向けた街づくりの基本構想となることを大いに期待をしているところであります。
そこで
お尋ねをいたしますが,このマスタープラン策定にかかわる開発の基本構想及びプランニングの進捗状況と見通しについて示していただきたいと思うのであります。
最後に,バス路線網の整備についてお伺いをいたします。
この問題につきましては,一昨年の第4回
定例会において,分区後の区役所・区民センター等,公共施設への利用者の足を確保するため,バス路線の整備を市としてどのように進めていかれるのかという
お尋ねに対して,市長から,関係バス事業者に対して積極的に働きかけていく,とのお答えをいただいたところであります。
その後,議会においても,この問題は何度か取り上げられ,また,地域からも,発寒地区函館本線南側地区から区役所に至る路線の新設要望が出てまいりました。これらを受けて市も,これまでに運輸局,関係バス事業者に対して改善方を強く要望してきたことは十分承知をしております。
しかしながら,分区を間近に控えていまなお,区役所等に至るバス路線が整備される見通しが立たず,地域住民の不満感は増すばかりであります。確かに,この地域については,市営,JR,中央バスの三者の権利関係が錯綜しており,また,バス道路の未整備などの問題もあり,路線の新設は難しい事柄であることは十分理解をしております。しかし,市民の足を守る立場から,市長には,この問題の解決に向けて,誠心誠意,最大限の努力をしていただきたいと思うわけであります。
私は,この問題はやはり,バス事業者間の営業権利の調整が最大の関門であろうかと思います。特に要望の強い発寒地区の輸送を担う市営バスが,この地域のバス路線再編成の先導的立場に立って,他事業者との交渉を精力的に進めていくべきだと考えます。そこで,市として,稲積線の延長などバス路線の整備についてどのような見通しをお持ちなのかお伺いをいたします。
以上で,私の
代表質問のすべてを終了いたしました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。
板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず,用途地域の見直しについてでございます。
第1点目の用途地域の見直し時期についてでございますが,現在,市街化区域の見直し作業を進めておりますので,それに引き続き,平成3年度をめどに行ってまいりたいと考えております。
第2点目の用途地域見直しの基本的
考え方と第3点目の地域構造に対応した用途地域の見直しにつきましては,関連がございますので,まとめてお答えを申し上げます。
用途地域制度につきましては,ご指摘のありましたように,第3次長期総合計画の土地利用構想の実現を図る有効な手段の一つとして考えており,都市の発展に対応した良好な市街地形成の誘導を図る重要な制度でございます。したがいまして,次回の見直しに当たりましての基本的な
考え方といたしましては,現在の土地の利用状況や建物の変化の推移等をよく見きわめ,さらには,お話のように地域の特性や構造の変化をも十分踏まえながら,活力に満ちた健全な都市の発展がより一層促進されるような検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,緑化イベントの開催についてでございます。
第1点目のイベントの定期的開催についてでございますが,ご質問にもありましたように,私もイベントの開催には,テーマの設定,内容及び資金などについて周到な計画と準備が必要であることはもちろんでございますが,何よりも継続性と市民の皆さんの支持が大切であると考えております。このため,昨年度から,花博の成果を踏まえ,百合が原公園を会場に,ユリの開花期に合わせて百合が原公園まつりを開催しているところでございます。今後もこのような催しを継続的に開催をしてその拡充を図ることによって,夏の花と緑の大きな祭典につながるよう努めてまいりたいと考えております。
第2点目の次回の開催についてでございますが,ご質問にもありましたように,平成3年度に完成をする前田森林公園,現在整備を進めておりますモエレ沼公園,これなどは,その規模と特色において,札幌を代表する公園に育っていくものと考えております。これらの公園は,その地域の人々だけでなく,市内外の多くの人々にも親しんでいただき,緑化意識の啓発を図っていく必要がございますので,開設の時期に,それぞれの公園の特色を生かした緑化イベントを検討してまいりたいと,このように考えております。
次に,学校給食の問題につきまして,特にご指名がございましたので,私からお答えを申し上げます。
中学校のミルク給食校の解消につきましては,従来から努力をしてまいりましたが,今年度は新たに3校で完全給食を実施をし,また,来年度は4校が完全給食の実施に移れるように施設を整備しているところでございます。
しかしながら,学校の新設や増改築の機会にあわせて整備をしていくという現在の方針のままでは,早期に完全給食の実施を図るということが困難な学校も出てまいります。
また,一方,お話にるる述べられました父母の方々の要望が切実なものとなってきていることは,私も十分承知をいたしております。したがいまして,これらの学校につきましては,この5年計画の中で実現できるように努力をしてまいりたいと考えております。
次に,分区に伴う問題についてお答えを申し上げます。
第1点目のJR手稲駅北口周辺地区の開発に関するマスタープランについてでございますが,ご指摘のとおり,JR手稲駅周辺は,新しい手稲区の地域中心核として位置づけられており,地域特性を生かした街づくりを誘導していく必要があると,このように考えております。したがいまして,現在は,当地区の望ましい土地利用のあり方について検討を行っているところであり,駅を中心とする地区を商業・業務地区とし,その後背地には,中高層住宅を主体とする高度利用住宅地及び一般住宅地を適正に配置することを土地利用の基本として考えております。
また,駅や新区役所への人やまた車の流れ,地権者の開発動向等にも配慮をする必要がありますので,これらの状況を踏まえ,土地利用計画としてのマスタープランを11月の分区時をめどに策定をしてまいりたいと考えております。
第2点目の分区に伴う手稲区のバス路線の整備についてでございますが,市営バスにつきましては,路線整備に必要な関係事業者との間に,圏域,料金など,その調整に日時を要する問題もございます。しかし,さきに本会議でお答えを申し上げましたように,今後とも精力的に調整を進め,手稲区役所の開設にあわせ,路線の延長及び増便の実現を図りたいと考えております。以上であります。
○副議長(滝沢隆君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) 最後に,残りました児童の健全育成について私からお答えいたします。
第1点目は,児童会館の建設計画についてであります。
昨年度策定の5年計画におきましては,新しい整備基準として,1中学校区に1児童会館を原則といたしまして,計画発足時の50館を,目標年次の平成4年度までに78館とする計画であります。児童会館は児童の健全育成のための拠点であり,地域住民からも設置要望の強い施設でありますので,分区が予定されている地域の未整備地区を含め,引き続き目標達成のため鋭意努力したいと考えております。
第2点目は,児童会館の機能・運営についてであります。
ご指摘のように,児童会館の運営に当たっては,その質的内容を一層充実させることが肝要であります。これまでも,児童会館では家庭,学校,地域の連携を基本理念として,青少年育成委員,体育指導員,町内会役員,子供会指導者などのご協力をいただいてまいりましたが,今後もこれを推進するとともに,各区ごとに実施をしております合同ブロック行事等につきましても,より積極的なご協力をお願いし,これら地域の指導者,ボランティアとの密接な連携のもとに,多角的な館の運営を図っていく考えであります。
また児童会館の重点的な指導目標は,遊びを通して,異年齢集団の中で,子供たちがグループごとに活動したり,高学年のリーダー養成を進めるなど,将来の社会生活に必要な基礎を体験させることにありますが,今後ともこの指導目標に沿って,子供たちが一層意欲的,自主的に利用できる児童会館を目指してまいりたいと考えております。
第3点目は,児童会館の時間外活用についてであります。
現在,児童会館の地域開放の方式につきましては,使用の都度申請をしていただく方式と,ご指摘の地域住民に自主的に運営していただく運営
委員会方式の二通りの形態がございます。特に,地域に根差した児童会館とするために,地域の方々の理解と積極的な参加をお願いし,運営
委員会方式による開放をさらに推し進め,地域における子供たちの活動の拠点として,また開かれた社会教育施設として,その機能をより充実させてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(滝沢隆君) 以上で,
代表質問は全部終了いたしました。
(朝川利雄君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(滝沢隆君) 朝川利雄君。
◆朝川利雄君
委員会付託の動議を提出いたします。
すなわち,ただいま議題とされております議案19件を,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任
委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) ただいまの朝川議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) ご異議なしと認めます。よって,議案第1号から第14号まで及び議案第24号から第28号までの19件は,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり,関係の常任
委員会にそれぞれ付託されました。
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議 案 付 託 表
(平成元.定2)
┌────┬────────────────────────────┬─────┬────┐
│番 号│ 件 名 │付託
委員会│備 考│
│ │ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│
専決処分承認の件(国民健康保健会計予算の補正) │厚生 │ │
│第 1 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│
専決処分承認の件(
公共用地先行取得会計予算の補正) │ │ │
│第 2 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤建設 │ │
│議 案│
専決処分承認の件(
砂防用地先行取得会計予算の補正) │ │ │
│第 3 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│ │総務 │別 表│
│第 4 号│
専決処分承認の件(
一般会計予算の補正) │文教 │参 照│
│ │ │建設 │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│札幌市
防災会議条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 5 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤総務 │ │
│議 案│札幌市
区民センター条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 6 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│札幌市
福祉地区及び
福祉事務所設置条例の一部を改正する条例│ │ │
│第 7 号│案 │ │ │
├────┼────────────────────────────┤厚生 │ │
│議 案│札幌市
保健所設置条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 8 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│札幌市
消防本部及び
消防署設置条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 9 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤環境消防 │ │
│議 案│札幌市
消防団条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 10 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│白石区及び西区の分区に伴う
関係条例の整理に関する
条例案 │ │ │
│第 11 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤ │ │
│議 案│
昭和天皇の崩御に伴う職員の
懲戒免除及び職員の
賠償責任に基│総務 │ │
│第 12 号│づく債務の免除に関する
条例案 │ │ │
├────┼────────────────────────────┤ │ │
│議 案│札幌市
税条例の一部を改正する
条例案 │ │ │
│第 13 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│札幌市
体育施設条例の一部を改正する
条例案 │文教 │ │
│第 14 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│財産の取得の件(
公園用地) │ │ │
│第 24 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤ │ │
│議 案│財産の取得の件(
公営住宅用地) │総務 │ │
│第 25 号│ │ │ │
├────┼────────────────────────────┤ │ │
│議 案│町の区域茎新たに画し,変更し,及び廃止し,並びに町の名称│ │ │
│第 26 号│を変更する件 │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│町の区域を新たに画し,変更し,及び廃止し,並びに町の名称│総務 │ │
│第 27 号│を変更することに伴う
関係条例の整理に関する
条例案 │ │ │
├────┼────────────────────────────┼─────┼────┤
│議 案│市道の認定,変更及び廃止の件 │建設 │ │
│第 28 号│ │ │ │
└────┴────────────────────────────┴─────┴────┘
別表
議案第4号
専決処分承認の件(
一般会計予算の補正)における昭和63年度札幌市一般会計補正予算(第9号)第1条の「第1表地方債補正」(変更)のうち,
地区センター建設費─────────────────────────┐
区役所及び区民センター建設費────────────────────┼──→総 務
札幌芸術の森建設費─────────────────────────┘
道路整備費────────────────────────────────→建 設
屋内長水路プール建設費──────────────────────────→文 教
社会資本整備特別債────────────────────────────→建 設
芸術系新大学周辺整備費──────────────────────────→総 務
――――――――─―――――――
○副議長(滝沢隆君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明6月10日から6月13日までは
委員会審査等のため休会とし,6月14日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――
○副議長(滝沢隆君) 本日はこれで散会いたします。
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散 会 午後2時55分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 吉 野 晃 司
副 議 長 滝 沢 隆
署名議員 大 越 誠 幸
署名議員 山 崎 七 郎...