札幌市議会 1988-09-22
昭和63年第 3回定例会−09月22日-05号
議案第7号 昭和62年度札幌市
下水道事業会計決算認定の件
議案第8号 昭和63年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)
議案第9号 昭和63年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)
議案第10号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市
情報公開条例案
議案第12号 札幌市
恩給条例等の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第14号
札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第21号 財産の取得の件(公園用地)
議案第22号 財産の取得の件(芸術系新大学用地)
議案第23号 財産の取得の件(
札幌芸術の森用地)
議案第24号 財産の処分の件(
工業団地用地)
議案第25号 市道の認定及び変更の件
追加日程 第一部及び第二部
決算特別委員会委員の選任
追加日程 第一部及び第二部
決算特別委員会委員長の選任
日程第2 議案第26号 昭和63年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)
議案第27号
札幌市議会議員の報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案
議案第28号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の二部を改正する条例案
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〇
出席議員(68人)
議 長 吉 野 晃 司 君
副 議 長 滝 沢 隆 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 長 内 順 一 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 ロ 英 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 南 二 郎 君
議 員 吉 田 哲 男 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 須 合 一 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 見 延 順 章 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 朝 川 利 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 宮 口 健太郎 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 磯 野 開 丈 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 斎 藤 忠 治 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 宮 川 新 市 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 山 本 長 和 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 吉 田 一 郎 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇
欠席議員(2人)
議 員 山 田 長 吉 君
議 員 岡 本 修 造 君
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〇説明員
市 長 板 垣 武 四 君
助 役 桂 信 雄 君
助 役 蒲 谷 亮 一 君
助 役 勝 田 義 孝 君
収 入 役 朝 倉 賢 君
交通事業管理者
交 通 局 長 秋 山 忠 禧 君
水道事業管理者
水 道 局 長 藤 井 憲 次 君
総務局長 杉 本 拓 君
企画調整局長 伊 東 義 昭 君
財政局長 長 部 幸 一 君
市民局長 森 清 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 柴 田 浩 英 君
環境局長 本 間 雄 君
経済局長 木 戸 喜一郎 君
建設局長 魚 住 昌 也 君
下水道局長 出来岡 謙 三 君
建築局長 西 本 弘 君
国民体育大会事務局長 河 崎 快 二 君
消防局長 谷 裕 之 君
教育委員会委員長 勝 木 郁 郎 君
教育委員会委員 秋 山 喜 代 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 貴 志 功 君
監査委員 中 目 啓 市 君
監査委員 山 本 長 和 君
監査委員 吉 田 一 郎 君
――
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 船 木 宏 通 君
総務課長 丸 岩 公 充 君
議事課長 坂 野 嵩 君
調査一係長 大久保 裕 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 英 俊 彦 君
記録係長 谷 川 輝 雄 君
委員会一係長 田 中 博 之 君
委員会二係長 土 屋 逞 君
書 記 谷 葛 磨 君
書 記 獅々堀 秀 利 君
書 記 佐 藤 比登利 君
書 記 長 瀬 宏 君
書 記 木 内 二 朗 君
書 記 吉 田 雅 博 君
――
――――――――――――――――
○副議長(滝沢隆君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は64人であります。
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――――――――――――――――
○副議長(滝沢隆君) 本日の
会議録署名議員として常本省三君,常見寿夫君を指名します。
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○副議長(滝沢隆君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
岡本修造議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,
吉野晃司議長,青木 護議員及び政氏 雅議員は所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
また,
竹田市立札幌病院長は,公務のため本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。
昨日,市長から,
高橋重人議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各
議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(滝沢隆君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第15号まで及び議案第21号から第25号までの20件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
高橋重人君。
(
高橋重人君登壇・拍手)
◆
高橋重人君 私は,ただいまから,
日本共産党を代表し,当面する市政の重要問題について質問いたします。
まず最初の質問は,昭和62年度決算と財政問題についてであります。
この問題は一昨日来議論されておりますので,直ちに質問に入ります。
質問の第1は,62年度決算にも見られる本市の
財政運営についてであります。
他都市と比較しても財政力が弱いと
財政危機を強調し,
財政調整基金など積み上げてきた貯金を大きく取り崩す
財政運営を予算編成の特徴としてアピールしながら,決算では115億円の予定が20億円で済んだと,前年度に引き続き90億円余の
見込み違い,その結果,
財政調整基金の残高は220億円と指定都市のトップクラス,
市税収入についても,予算現額対比で83億円も上回っているのであります。
その一方で,歳出に見られる決算の特徴は,予算に比して,民生費では
生活保護費の7億円を初め,経常費で15億円もの不用額を出していること,つまり,大きく予算を残す決算となっていることであります。
歳入を低く見積もり,へそくりもつぎ込んでの
財政運営を強調しながら,毎度のことながらこれを使わないで済ます。その一方では,
母親餓死事件まで引き起こす生活保護の締めつけなど,社会的に最も弱い立場にいる人々への支出を押さえ込んで,剰余金を出して
健全財政を標榜する。このような
財政運営が板垣市政の特徴となっているのでありますが,市長は今回もまた,
見込み違いで済ませようというのでありましょうか。
財政当局が作成した資料によりますと,他都市と比較しての
本市財政の特徴は,
財政力指数などにあらわれた脆弱な
財政状況のもと,
義務的経費を抑え,平均以上の
投資事業を行うなど,
財政構造の弾力性や
財政硬直化などに配慮し,比較的健全性を維持する
財政運営を行っているとしているのでありますが,このことは何を意味するのでありましょうか。
財政危機を口実に,市民の命と暮らしにかかわる事業を極力抑え,また,施設はつくっても,運営は民間委託するなどして経費を浮かし,大企業本位の
まちづくりと施策に金を回す,そういうことではないでしょうか。62年度決算を振り返りながら,市長は本市の
財政運営について,市民にどう説明されるおつもりか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第2は,国の不当な
地方財政対策についてであります。
60年度1年限りの措置として強行された
国庫補助負担率の引下げが,61年度以降3年間の暫定措置として定着させられ,今日に至っているのでありますが,本市の場合,62年度分だけで,
補助負担率引下げに伴う影響額が150億円,
財源不足対策の35億円と合わせると185億円となっており,このうち77億円,累積では164億円が将来
返還義務を負うことになっているので,今後の
財政運営により一層の配慮が必要と市長は言われているのでありますが,国の不当な
地方財政対策と腰を据えて闘うべき時期に際会している今日の状況のもとで,どう認識され,64年度以降,
補助金カットの根絶に向けてどのような見通しを持っているのか,この際明らかにしていただきたいのであります。
一昨日,市長は,
補助金カットの問題の行く末について,なお予断を許さない状況にあると言われましたが,大蔵・自治両大臣による63年度限りとの約束にもかかわらず,国の64年度予算の
各省概算要求が,引き下げ前と引き下げ後の二本建てで行われていることなどを見るとき,国の不当な
補助率引下げ措置や
地方財政対策に対して,
地方自治体が一丸となって闘うことが以前にも増して重要になっていると考えるのであります。そこで,一方的な
補助金カットの回復と実情に見合う抜本的な
地方財政対策の確立に向けて,政府の悪政と断固闘う市長の決意について改めてお伺いするものであります。
また,62年度77億円,累計164億円の将来
返還義務を負うとされた
地方財政対策に伴う
特例的収入があることをとらえて,市長は,
財政運営に一層の配慮が必要と言われておるのでありますが,これらは
元利償還分を交付税で見ることになっているものであり,ことさらに厳しさを強調されると,これもまた,市民要求に対してのガードのように見受けられるのでありますが,いかがでしょうか。国の不当な
補助金カット等,
地方財政対策に伴う借金の押しつけについて,将来にわたって
地方負担にはさせない。現行の
交付税枠内での処理などさせないという強い決意で,実情に見合う交付税率の引き上げを含む
抜本的対策を要求すべき市長の明快な答弁を求めるものであります。
質問の第3は,今日最大の
政治的争点となっている消費税の問題についてであります。
過日,市長は,本
会議答弁で,消費税の問題について明言を避けながらも,直間比率の見直しや,所得・資産・消費の均衡のとれた税制への希望を表明されたのであります。
また,本年3月の
予算特別委員会において,私の質問に答えて,「行き当たりばったりで幾ら減税せ,あるいは
不公平税制をこう変えよ,あるいは
新型間接税はやめろ,どうとかこうとかといって,そのときそのときでやるのはもうかなわないと,私はそう思います。毎年のように中央政府に,ことしは
補助金カットはやめてください。ことしはこういう新たな財源を面倒見てくださいというのではなくて,長いこと,これはもう安心して,その上に立って仕事を進められる,長期展望に立った新しい税制をぜひつくってほしいと,こう私は考えております。」と述べられておられるのであります。
このような一連の
市長答弁から,市長は消費税に賛成なのではないだろうか。賛成どころか,その導入を期待しているのではないだろうか。政府の不当な
地方財政対策と闘って,市民と地方自治,
地方財政を守るとする立場ではなくて,市民に耐えがたい負担を強いながらの新税導入であっても,地方にも一定の配分があれば構わない,そういう立場に立っているのではないかと,市民の中に不安と不信も広がっているやに見受けられるのであります。そこで,この際改めて市長にお尋ねいたします。
負担能力のない者にまで,生活物資や公共料金の中に間接税をもぐり込ませて負担させるやり方,つまり,
竹下内閣の強引に今国会に持ち出した消費税について,これが担税力に応じた税負担という今日の日本の税制の基本を覆す,弱者への重税の押しつけになるとお考えにならないのかどうか。
生計費非課税の原則を覆すものになるとお考えにならないのかどうか。
不公平税制の最たるものとお考えにならないのかどうか,明らかにしていただきたいのであります。
また,「国政の場で十分審議を尽くし,国民の納得を得られるよう望む」との過日の本
会議答弁についてでありますが,国民の反対で昨年廃案になった売上税を上回る悪税であることがはっきりしている消費税は,すでに昨年,国民が「ノー」の審判を下したものとはお考えにならないのでありましょうか。2年前の衆参同日選挙で,時の
中曽根首相が「やらない」と国民に公約した
大型間接税そのものであり,明確な公約違反とはお考えにならないのでありましょうか。9年前,
一般消費税の導入はすべきでないとした国会決議に違反するとはお考えにならないのでありましょうか,お尋ねいたします。
また,昨年,
売上税反対を口にした市長が,いま国民の圧倒的な反対世論にかかわらず,
竹下内閣の手によって消費税がゴリ押しされようという状況のもとでも,なお,反対の態度を明確にしない理由は一体何なのか,明らかにしていただきたいのであります。
消費税は売上税とは違う,
大型間接税とは違うとでもお考えなのでありましょうか。本市議会に
消費税反対の多数の請願・陳情を寄せた多くの団体や市民がいま,市長の対応をかたずをのんで見守っているのであります。
消費税導入反対の市民世論と運動の先頭に,市長,あなたがいま立つべきと考えますが,いかがでしょうか。明快な答弁をいただきたいのであります。
次の質問は,
国民健康保険事業についてであります。
7月30日,厚生省は,さきの国会で改悪された
国民健康保険法に基づいて,1人当たりの医療費が厚生省で定めた
基準医療費の1.17倍を超える自治体を高
医療費指定市町村として,
国保医療費を削減するための計画,すなわち
国保事業安定化計画の作成を指示いたしました。
この
安定化計画の性格と問題点は,第1に,
国保財政の安定化と称しながら,
レセプト点検の強化を中心に,加入世帯の中の全受診世帯への医療費の通知を年4回以上行う。複数の
医療機関を受診した加入者の個別指導など,
医療機関と患者双方に圧力をかけ,
医療費削減に名をかりて,
医療そのものに新たな攻撃をかけようとしていること。
第2に,
安定化計画に基づく
事業推進の結果が,なお
基準医療費の1.2倍を超える自治体に対しては,昭和65年度から,超過分の一定額を自治体に負担させるという
制裁措置の導入によって,
地方自治体の財政をさらに圧迫し,国保料の引き上げを加速するなど,国保の安定化とは反対に,新たに矛盾を拡大するものであること。
第3に,
安定化計画の
作成対象市町村が,全国146市町村のうち,北海道では,本市を含めて,その6割に近い86市町村が対象とされるなど,北海道そして本市の医療がねらい撃ちにされていることであります。
こうした厚生省の指示に従って,本市でも
安定化計画作成の作業が進められており,9月9日の
国保運営協議会に,医療費の適正化,
保健事業の推進,保険料の適正な賦課徴収の充実強化,資格の適正化など,6項目からなる
本市国保事業の
安定化計画案の概要が示されております。
その内容は,過日の本会議での
市長答弁によると,これまで本市が実施してきたものがほとんどであること。しかも,医療費の適正化の実効性については,即効的なものがないというものであります。実効性がないというものをあえて計画として作成するという市長の態度は,単に政府追随というだけでなくて,真の
国保安定化,すなわち,安心して医療が受けられる,高い国保料を適正に抑える,そのための国の
財政措置を確立するという市民の切実な願い,要求から見ると,重大な問題点を指摘しないわけにはいかないのであります。
第1の問題点は,
国保安定化にとって決定的に重要な国の
財政援助の強化が全く欠落しており,
国保財政の安定化は望み得ないこと。市民の切実な願いにこたえていないこと。
第2は,健康検査,
各種スポーツ事業の推進,保健婦等による
健康教育及び訪問指導など,本来強力に進められるべき
保健施設事業の推進という項目が設定されてはおりますが,これらの事業が効果を上げて
国保財政によい影響を与えるには時間がかかり,当面している
国保安定化には間に合わないという実態にあること。
第3は,結果として,厚生省がねらっている
レセプト点検の強化,病院からお年寄りを追い出す
長期入院者の
教育事業,
資格証明書の交付などを通じた
受診抑制及び
医療費削減,医療の切り捨てのみが展開されるという問題であります。
わが党は,
安定化計画にあらわれているこうした
受診抑制や医療の切り捨て,その裏腹の関係にある,国の負担を被保険者や自治体の負担に転嫁するやり方に強く反対するとともに,国の
財政援助強化を軸とする国保の抜本的な再建を改めて強く主張するものであります。以上の立場から,以下6点の質問をいたします。
質問の第1は,
安定化計画についての基本的な考え方についてであります。
厚生省が
医療費削減という
財政的側面から,医療の性格を無視した不当な
制裁措置を導入しながら,
受診抑制,被保険者・
地方自治体への
負担転嫁を目的に,
安定化計画作成を指示してきたものと考えますが,このような
医療分野への
制裁措置の導入を含む今回の厚生省のやり方を不当とは考えないのかどうか。
安定化計画についでの市長の基本的な考え方についてお尋ねするものであります。
質問の第2は,
作成計画の
対象市町村の指定についてであります。
厚生省の今回の指定では,本市を含めて,北海道に対象を集中させておりますが,これは画一的な基準を一方的に設定して,初めから北海道をやり玉に上げる意図を持って,しかも,北海道・札幌市の実情,地方の特殊性を無視した,非科学的で不当なやり方であるとお考えにならないのかどうか,市長の見解をお尋ねいたします。
質問の第3は,北海道や本市の医療の実情についてであります。
よく言われる,
老人専門病院が多い,老人の
長期入院者が多い,このことが医療費を高くしている原因であると,このように言うのは,一つの現象をその本質でもあるかのように言う事実の歪曲であります。北海道は広域の
医療過疎地帯を抱えており,札幌に適切な医療を求めて流入してくるたくさんの道民がおります。この道民の要求と北海道の実情があって,本市に求められる
医療供給体制が整備されてきたのであり,現在の本市の医療及び医療費は,それなりの歴史的・
社会的背景と根拠が存在していると市長は考えないのかどうか。また,この実情を無視した今回の厚生省のやり方は,全く不当なものであるとお考えにならないのかどうか。市長は,本市の医療の実情,特殊性についてどのように考えておられるかを明らかにしていただきたいのであります。
質問の第4は,本市の
安定化計画の目標達成の見通しについてであります。
これまで成果を上げてきたという
レセプト点検は,どこまで成果が引き続くのか,重複受診が解消してどれほど
国保財政に影響をもたらすのか,限界は見え見えではないでしょうか。
長期入院者の
教育事業についても,もう破綻しております。市長自身が即効的なものがないと言っているように,
安定化計画でどこまでやれるのか,明らかにしていただきたいのであります。
基準医療費の1.17倍以下に到達させる目標年次をいつに設定するおつもりか。それが本当に達成されるという見通しを持っておられるのかどうか,市長の明快なる答弁を求めるものであります。
質問の第5は,
資格証明書の発行についてでありますが,わが党はこれに強く反対するものであります。
本市では,市民の強い反対があるにもかかわらず,10月保険証の更新時に合わせて,
資格証明書の交付を実施しようとしているのでありますが,保険証が未交付の状況の中で,死人が出ているという状況を見るならば,高い保険料が払えないという滞納者に制裁を加え,保険証を取り上げてしまうということは断じて許せないことであり,やめるべきと考えますが,市長はあくまでもこれを強行するお考えか,改めてお尋ねしておきます。また,現在,
資格証明書交付の対象者をどの程度と見ているのか,具体的な数字で明らかにしていただきたいのであります。
質問の第6は,長期入院患者の
教育事業についてであります。
これは,
安定化計画の中に盛り込まれる事業でありますが,細かい数字,内容は省きますが,対象者名簿2,899人のうち,在宅可能とされたのは,わずか4人という実態。しかも,これら4人の人たちも,皆それぞれ多発性脳硬塞や痴呆症があり,実際は退院を強制できないという調査結果から見ても,この事業の破綻はもう明確であり,やめるべきと考えますが,どうするのか明らかにしていただきたいのであります。
次に,議案第11号 札幌市情報公開条例について質問いたします。
情報公開は,政治や行政がガラス張りの中で行われてこそ,国民や市民の生活を守る政治が実現できるという民主政治の原点に立って,広く国民の知る権利を制度的に保障するために行われるものであります。
わが党は,情報公開制度の基本原則は,第1に,市民の知る権利を憲法が保障する基本的人権として,最大限実効的に保障するものであること。第2に,公的機関である本市の情報は,原則としてすべて公開され,市民の市政への参加を促進し,市民の福祉の増進に寄与するものであること。第3に,プライバシー保護は,個人の尊厳を守るため,最大限尊重されねばならないこと。第4に,市民にとって利用,活用しやすい制度でなければならないことであります。
この見地に立って本条例案を検討いたしますと,知る権利が明確に位置づけられておらず,非公開条項も多く,また,これに関連しているプライバシー保護についての施策も明確でなく,利用上の障害や運用上の問題も含まれ,重大な弱点,欠陥を内包していると思うのでありますが,基本的な事項について以下7点の質問をいたします。
質問の第1は,本条例を制定する基本的理念についてであります。
情報公開の目的は,住民の知る権利を最大限保障し,住民参加による公正で開かれた民主的市政を確立し,住民の福祉の向上と地方自治の本旨に即した
まちづくりに寄与することが最大の眼目に据えられ,特に,日本国憲法の理念に基づき,市の情報公開の責務と住民の知る権利の保障が明確に宣言される内容とするべきでありますが,市民の権利という表現はされてはおるものの,知る権利の積極的位置づけを鮮明にしておらず,また,公正で開かれた民主的市政の確立への方向性も欠落しているのでありますが,本条例を制定する基本的理念について,どのように認識しておられるか,まずお伺いしたいのであります。
質問の第2は,情報公開の責務についてであります。
本来,情報公開条例は,市民の知る権利を最大限保障するとともに,情報を管理している市がその情報を積極的に公開する責務を負っていることが,根本的原則であることは明白であります。その旨の表現が希薄であります。公的機関である本市の情報は,積極的に公開する責務を有しているとの認識をお持ちなのかどうか,明快な答弁を求めるものであります。
質問の第3は,非公開情報の範囲についてであります。
個人のプライバシーにかかわる情報や,行政執行上著しい支障が生じ,それが客観的に合理的根拠がある場合には,非公開情報の範疇に入れることは当然でありますが,実施機関の裁量の幅を可能な限り限定し,非公開情報の幅を狭め,制限的なものにしなければならないことは,情報公開の最重要な柱でなければなりません。しかるに,本条例案は,実施機関の自由裁量にゆだねる範囲を非常に多く規定しているのであります。
たとえば,本条例案第8条に,公開しないことができる公文書としてるる規定されている中で,市内部における政策決定の過程における情報など,意思形成に著しい支障が生ずるものは公開しないとしていたり,合議制機関が公開しないと決めたものは公開できなくしていたり,国や法人にかかわる情報について,協力関係あるいは信頼関係を著しく損なう情報は公開しないとしており,市民生活にどんなに著しい影響のある情報であっても,国や企業との関係を優先させて非公開にしているなど,重大な欠陥と言わざるを得ませんが,これらの情報を公開しないことは,情報公開を骨抜きにするものと考えますが,市長の見解を伺うものであります。
質問の第4は,制度の運用についての基本的姿勢についてであります。
非公開情報にかかわる条項については,本質的問題を持っているとともに,特に運用に際し,拡大解釈,自由裁量,判断の基準などがすべて実施機関の思うようにされ,市民の暮らしを守る上で切実な情報であっても,当局に都合の悪い情報は非公開にされる可能性がきわめて大きいのでありますが,運用に当たり,あくまでも市民の知る権利を尊重し,恣意的判断は行わず,市民生活と福祉の向上を基準にして運用していく考えを持っているのかどうか。意思形成過程の情報は市民参加の促進,市民こそ市政の主人公の思想に立脚し,積極的に公開する立場に立っているのかどうか,あわせて伺うもりであります。
また,情報公開の実施に当たっては,資料の収集整理は重要でありますが,全部局挙げて取り組まなければならない課題でありますので,今後の具体的な方針についても明らかにしていただきたいのであります。
質問の第5は,実施機関にかかわる問題についてであります。
議会や出資団体は,原則として実施機関になるべきでありますが,情報公開懇談会の提言でも,第三セクターは市から独立した法人であるから,実施機関にするのは適当でないとしながらも,これらは市民生活に密着した機能を持っているので,自的に情報を提供するよう市が指導することを求めているのであります。つまり,実質的には,情報公開の実施機関になることを指摘していると考えるものでありますが,第三セクターの設置目的から考えてみても,実施機関に加えることが公開制度の趣旨からも妥当であると考えますが,第三セクターを除外した理由は一体何なのか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第6は,費用負担のあり方についてであります。
提言でも,受益者負担の観点から,応分の負担を求めるのが適当であり,公開請求権の乱用防止に役立つと述べられておりますが,市長もこのように考えておられるのかどうか。本市が管理する情報は市民共有の財産であり,これを公開することによって市民の市政への理解と信頼を深め,市政への参加を促進し,市民生活の利便の向上と市政への発展に寄与すると,第1条目的の条項に規定している精神から見ましても,手数料を徴収することは,公開制度の利用抑制につながり,矛盾すると考えるものでありますが,いかがでしょうか。ご答弁を求めるものであります。
質問の第7は,プライバシー保護についてであります。
個人に関する情報は,みだりに公にされることがないよう最大限の配慮を行うと,運用上の取扱い基準を設け,さらに非公開公文書の中に,個人情報を含めて保護することにしているのでありますが,プライバシー保護については,川崎市のように個人情報保護条例を制定し,より積極的に対策を講じることが必要であり,むしろ情報公開条例と同時進行的に行うべきものと考えますが,現在の準備状況,いつの議会に提案し実施するお考えなのか,明らかにしていただきたいのであります。
次に,特別職の給与等の引上げについて質問いたします。
市長より諮問されていた特別職報酬等審議会から去る17日,市長及び助役の給与,議員報酬を平均して11.8%アップ,あわせて費用弁償についても引き上げる答申が出されましたが,市長は本日,答申どおり提案しようとしているのであります。
市長は7月26日の第1回審議会のあいさつの中で,前回改定から3年半余り経過しており,この間,民間企業従事者の賃金,本市一般職の給与が毎年改定されてきている。他都市においても改定を行っているとして,本市においても改定の時期が到来していると述べているのであります。しかしながら,現行に対し市長12万円,助役9万円,議員8万円,費用弁償2,000円という今回の大幅引上げは,どのような理由づけをしたとしても,市民的合意を得られるものではありません。
いま市民の中からは,私たちには負担と我慢を押しつけておきながら,市長,助役り給与を大幅に引き上げるのは断じて許せないとか,議員みずからが代表質問時間を減らしておきながら,他方で報酬などを引き上げるというのは納得できない等々の疑問と怒りに満ちた声が寄せられているのであります。
こうしたとき,今回の大幅引上げは実施すべきではありません。たとえば議員が議会の活動に専念して,勤労者としての平均的生活と議員独自の活動が保障される報酬というのが一つの基準とも言えるものでありますが,これとても,何よりもまず市民的理解が大前提であることは言うまでもありません。
まず,勤労市民の所得,実生活についてでありますが,この間,勤労者や本市一般職員の給与が毎年改定されてきたとはいえ,いまなお本道の勤労者の給与総額は,全国平均に対して93.9%という低い水準にとどまっているのであります。その上,国保料,保育料の連続値上げを初め,市営住宅の家賃など各種使用料・手数料の値上げによって市民負担を強いてきた結果,市民生活はますます圧迫されてきているのであります。
次に,他都市との均衡,いわば横並びについてでありますが,せめて他都市並みの行政をという市民の願いに対し,市長は常々,財政が苦しいということを理由に,福祉,教育,住環境など多くの市民要求に背を向け,抑え込んできておるのであります。いま急いで解決すべきことは,他都市と比較しておくれている分野の行政水準を引き上げ,市民要求にこたえていくことであり,市民に我慢を強要しながら特別職の給与や議員報酬を他都市並みに引き上げることではないのであります。
同時に市長は,よく財政基盤が脆弱であると述べられますが,確かに,
財政力指数を他都市と比較すると,本市の場合10政令市中下から2番目,第9位というレベルでありますから,特別職などについても,本市独自の対応があって当然と考えるものであります。
そこでお尋ねいたしますが,市長は,現行の給与や報酬の額では,市長や助役,議員が市民から負託された職務を全うでき得ない額との認識に立たれているのかどうか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第2は,第1回定例議会に,18年連続の国保料や13年連続の保育料の値上げ,そして30数項目の使用料・手数料の一斉値上げを提案,決定し,第2回定例会では,市営住宅家賃値上げの平均17%,最高で70%近い値上げが行われ,この10月から実施されようとしております。特に,年間総収入300万円の3人世帯,30万2,000円の国保料のように,総収入の1割以上もの高い国保科を強いるなど,市民要求に対してさまざまの高負担を強いてきていますが,これら市民に対して,どのような説明をなさるおつもりなのか,明らかにしていただきたいのであります。
わが党は,市民の理解や納得の得られない今回の市長給与や議員報酬の引上げ議案は見送るべきと考えるものでありますが,市長の見解を求めるものであります。
次に,食の祭典について質問いたします。
本年6月3日から10月30日までの150日間という長期間の食の祭典が,本市の月寒会場と大谷地会場を中心にして開かれております。本市はこの食の祭典に,昨年第3回定例会において,わが党の反対の中,2,500万の出捐金と5,000万円の補助金の支出を決めたのであります。この支出金を審議した昨年10月の総務委員会は,連続審査や審議の中断などを重ね,さらに注文もつけながらという経緯の後,やっと議決したものであります。市長提案の支出金がこのような審議経過をたどること自体異例であります。
これはなぜかというと,月寒・大谷地の両会場だけで,有料入場者を400万人という莫大な人員を見込みながら,市長提案や総務委員会の審議時点になっても,食の祭典の構想案があるのみで,基本計画や実施計画も決まっておらず,したがって,収支見通しなど当然決まっていなかったからであります。あと8ヵ月後に開会するというのに,このような準備状況であったのであります。
したがって,総務委員会の質疑で,道が主体になって実施するというが,赤字になったらどうするのか。本市中小零細企業への影響,デメリットはどうなるのか。道の責任ある幹部が財団に参画していないなど,何よりも準備期間が短過ぎるとの懸念や疑問,問題点が指摘されていたのであります。市の理事者すら懸念も表明されていたのであります。
このような状況でありますから,当時から食の祭典の成功は危ぶまれていたのであります。開会されて約4ヵ月たった今日,食の祭典は大変な不人気で,入場者も予想を大幅に下回り,資金繰りにも事欠き,50億円もの借入金で運営をつないでいる状況と言われ,このイベント終了後には,50億円とも80億円とも言われる膨大な赤字が予想されておるのであります。
この食の祭典は,東京の一広告会社の売り込みに,北海道開発庁が介在し,道に持ち込まれて実施されたイベントであるため,道民の要求や札幌市民の働きかけによって企画されたものではなく,文字どおり道民・市民不在の事業であるために,広範な道民や市民からそっぽを向かれたものであります。しかも,この膨大な赤字が道民にかぶされようとしておりますが,この赤字をだれがどのように処理するかは,市民にもかかわる重大な政治問題として浮かび上がっていますので,以下3点の質問を行います。
質問の第1は,食の祭典の入場者数についてであります。
月寒・大谷地の両会場で400万人の有料入場者を見込んでいましたが,大変な不人気のため,入場者が大幅に落ち込んでいると言われておりますが,今日時点で両会場それぞれ何人の有料入場者があり,終了時点で有料入場者はどの程度の人員と見込んでいるのかお示し願います。
昨年の総務委員会での質疑の中で勝田助役は,準備期間や道の計画について懸念を表明されていましたが,市長は,当初からこのような事態になることを予想されていたようにも見受けられるのでありますが,いかがでありましょうか。また,このような不人気の要因を,今日時点でどのように分析されておられるかもお尋ねするものであります。あわせて,今回の食の祭典は,大失敗であったとお考えになっておられるのかどうか,ご所見をお尋ねいたします。
質問の第2は,無料入場券に関してであります。
月寒・大谷地両会場とも有料入場券,ジュノスカードによっで入場させていたのであります。ところが余りにも評判が悪く,入場者が大幅に下回るという状況のもとで,途中から特別入場券という無料券が大量に出回ったのであります。区役所から,老人クラブなどに,無料の入場券を送りますので,必要枚数をお知らせくださいなどとの電話を入れておるのであります。いつから,この特別入場券という無料券が,どんな理由で何万枚出されたのか明らかにしていただきたいのであります。
オープン直後に入場した市民からは,駐車場に入場料,そしてパビリオンごとの入館料などを支払わされたのに,どうなっているのだ,おれたちはだまされたのかとの声が聞かれ,また一方,無料券を配られた市民からは,入場料だけただでも,入ればお金がかかるだろう,エビで鯛を釣るつもりなのかなどなどの声も聞かれるのであります。
さらには,各種のイベントごとにも割引入場券も出されているのであります。これらは,いずれも計画のずさんさ,見通しの甘さからの苦肉の策と思われますが,市民の間に広がっているこれらの不信に,どのようにお考えになるのか,ご見解をお示し願いたいのであります。
質問の第3は,赤字問題についてであります。
今日,新聞報道にあるように,道幹部が80億円を上回るとの見通しが出ているような膨大な赤字が予想されており,日本じゅうの各種博覧会の失敗の見本とまで言われております。市長は,この食の祭典の赤字がどの程度の金額になると承知されておられるのか。また,この膨大な赤字はどのように処理されるとの見通しなのか。道の責任と負担のもとで処理されるべきが,昨年の第3回定例会における市長の提案説明や,総務委員会における
財政局長の答弁からも明確と考えるものでありますが,いかがでしょうか。本市が負担するべき理由がないだけでなく,負担すべきものでないと考えるものであり,市長のご見解,対処方針をお示し願いたいのであります。
次に,篠路清掃工場に併設しているごみサイロの機能について質問いたします。
昭和61年6月,11億5,000万円の市費を投入してごみ貯留施設,ごみサイロが完成いたしました。この施設は直径50メートル,高さ37メートルという巨大なサイロで,これに40センチメートル前後に切断した廃木材と紙くずを1万トン夏場に詰め込み,ごみが減少する冬季間に取り出して焼却することを目的につくられたものであり,ごみ焼却量が夏・冬とも平準化を目指す施設として期待されたのでありますが,完成時から実際に1年足らずしか使用されず,無用の長物になりかねない状況になっているのであります。
すなわち,完成後の一昨年冬,約8,000トン貯留しましたが,破砕機と廃木材に打ち込まれているくぎなどの金属物とがぶつかり合い,火花が発生し,これが火種となって大火災を引き起こしかねない危険性が浮び上がったのであります。サイロの中に放水銃3基などが設置していても,大火災を予防できない。1万トンも貯留することができ得なくなったのであります。
そこで今度は,木材の圧縮施設,1億3,000万円かけて固形化する施設をつくり,この冬からこの方式で貯留することになったのであります。このようにすれば,1万トン貯留するのに四,五メーターの高さがあれば十分なのであります。また,今議会で契約発注した資源化施設が完成,稼働し,資源として売却処分が可能になるならば,このごみサイロは一層不要になるのであります。
こう見てまいりますと,このごみサイロは,十分な調査研究のないまま,実験段階で事業に付されてしまい,まともにはほとんど使用されず,逆に,能力いっぱい使用することは,防火上からも危険な施設と言わざるを得ないものになったのであります。
このほど,私どもはこの施設を視察をしたところ,巨大サイロの中に片隅に燃料固形物があるだけでありました。このごみサイロは,まだ実験段階にもかかわらず,11億円余に上る膨大な費用を投入し,事業化してしまったことに,市長はどのように考えられるのか。また,十分な調査研究の上で設置したならば,4分の1以下の費用で十分可能であり,多額のむだ遣いをしなくても済んだと考えるものでありますが,なぜこのようになったのか。責任あるご答弁を求めるものであります。
以上で,私のすべての質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず,財政問題についてでございます。
質問の第1点目の本市の
財政運営ということでございますが,市政執行に当たりましては,市民生活の一層の安定,向上を図ることを基本姿勢といたしまして,これまで全力を尽くしてきたところであり,すでに提案説明や昨日までの答弁の中でも申し上げておりますとおり,62年度におきましても,同様の姿勢で予算を編成し,また執行をいたしてきたところでございます。その結果として,議決をいただきました予算計上の事業をほぼ完全に執行することができ,また予想以上の市税の伸びに支えられて,基金の支消も最小限にとどめ得ましたことは,所期の目的を達成し,さらに厳しい財政の状況のもとにあって,財政の健全性も何とか維持できたものと,このように考えがおります。
質問の第2点目は,
補助金カットの復元と国の
地方財政対策についてでございます。
国の
地方財政対策は,通常の地方財源不足によるものと
国庫補助負担率の引下げによるものとがございましたが,ともかくも,各年度の財源運営に支障を来たさない推薦がとられてきたところでございます。しかし,この中でも,60年度末の補助負担率の引下げにつきましては,単に国の歳出削減のみを先行させたものであり,これまでも強く反対してまいりましたし,特に来年度に向けては,地方6団体はもとより指定都市もまた一丸となって,白本,青木要望で強い調子で訴えるとともに,指定都市市長と自治大臣との懇談会におきましても,直接強く要請をしてきたところでございます。
この決着にはなお予断を許さない状況にあると判断いたしておりますが,7月の概算要求の閣議における自治大臣の申し入れのとおり,国の責任が全うされ,国と地方の信頼関係が損なわれることなく,地方にとって納得のいく結論が得られるように,議会のご協力もいただきながら,国に対して強く働きかけてまいる所存でございます。
さらに,国と地方の事務配分のあり方とそれに伴う財源配分の見直しを行い,地方交付税法の定めによる抜本的な地方行財政制度の改正などが望まれるところでございまして,このような考え方に基づき,従前に引ぎ続き,今後におきましても,その実現に向けて粘り強く運動を行ってまいりたいと考えております。
第3点目の消費税についてでございますが,ご質問の中で,いろいろなご意見や疑問を述べられておられましたが,将来の税制がどうあるべきかにつきましては,現行税制をこのまま存続させることは,負担のあり方などに問題を残すことも考えられ,何らかの見直しは必要であると考えているところであります。この場合,
不公平税制の是正や担税力のない低所得者の方々に対しての税財政全般での十分な配慮など,総合的に検討さるべきものと考えているところでございます。
いずれにいたしましても,基本的には,国民の合意が得られる形で税制改革が進められるべきであるということを一貫して申し上げているところでございまして,この考え方は,従前から何ら変わるものではございません。したがいまして,一昨日以来ご答弁申し上げておりますように,現在,国政の場でいろいろと議論が始まっておりますことから,その審議動向を十分見きわめた上で対応することが適当であると,このように考えているところでございます。
次に,
国民健康保険事業についてでございます。
第1点目は,
安定化計画にづいての基本的な考え方でありますが,先日,自民党の山田議員のご質問にもお答え申し上げましたとおり,このたびの
安定化計画は,国保事業の運営の安定化と地域住民の健康保持を目的としているものであり,保険者としても,必要な対応については最大限の努力をしていくべきであると,このように考えております。
第2点目は,計画作成の
対象市町村の指定についてであります。
本市の場合は,医療費が全国平均の1.17倍を超えておりますために指定されたものでございますが,医療費の適正化につきましては,
安定化計画の作成にかかわりなく,当然に保険者として努力すべきものであり,むしろ,この機会に,国,道の協力も得ながら積極的に取り組むことによって,国保事業の安定化に努めるべきであると考えております。
第3点目は,本市の医療の実情と特殊性についてであります。
本市の医療の高い要因は,高度医療設備や老人病院を中心とする医療施設の恵まれた環境,その他,本市の置かれている
社会的背景や市民の意識の問題等が深くかかわり合っているものと思われます。したがいまして,本市の実態を分析し,医療費との因果関係を把握していくということは,大変重要なことであると考えております。
第4点目は,
安定化計画の効果と目標達成年次の見通しについてであります。
目標年次につきましては,ある程度長期的に考えざるを得ませんが,このたびの
安定化計画の内容が,これまでも本市で実施してきたものがほとんどでございますので,内容の充実強化を図り,長期的な展望に立って,粘り強く対応していくことが大切であると考えております。
第5点目は,
資格証明書の交付についてであります。
資格証明書は,保険料の
負担能力は十分にありながら,停滞をしているものに限って交付しようとするものでございます。ご承知のとおり,国保事業におきましては,保険給付を受ける権利と同時に,保険料を納付する義務も履行していただかなければ,保険制度を維持していくことはできません。したがいまして,その辺を十分ご理解をいただきたい,このように考えております。
なお,現在,
資格証明書の交付対象者につきましては,個別に納付相談等を実施しておりますので,最終的な交付件数につきましては,ただいまお答えできる段階ではございません。
第6点目は,長期入院患者の
教育事業についてでございます。
今回の
教育事業は,対象者全員の中から約1割を抽出して調査をした結果の数字でございまして,人数的には少なくなっておりますが,むしろこの事業の趣旨について,各
医療機関が深いご理解を示し,病院によっては,在宅に切りかえたケースも相当数ございます。したがいまして,それなりの効果があらわれているものと判断をされますので,今後,さらに継続をしてまいりたいと考えております。
次に,
情報公開条例案についてでございます。
まず,第1点目の本条例案の基本的理念についてでございますが,第1条にございますように,本条例案は,公文書の公開を求める市民の権利を明らかにし,また,情報公開の総合的な推進を図ることによりまして,市民の市政への理解と信頼を深め,市民の市政への参加をより一層推進いたしまして,地方自治の本旨にかなった市政の発展に寄与することを目的といたすものでございます。
したがいまして,知る権利につきましては,その内容を具体的に公文書の公開を求める市民の権利として保障し,市政への市民参加を一層推進しようとするものでございます。
第2点目の,情報公開にかかわる責務についてでございます。
この制度は,市が保有する情報を,必要最小限の公開できないものを除きまして,広く市民に公開するものでございまして,この条例の解釈及び運用に当たりましても,第3条にございますとおり,公文書の公開を求める市民の権利及び要望を十分尊重しなければならないと,こう認識をいたしているところでございます。
第3点目は,非公開事項の範囲についてでございます。
情報公開制度は,公開を求める者の権利を保障する一方,公開されることにより生ずる個人または社会的な不利益についても留意する必要がございます。これらが調整されて初めて市民の信頼にこたえ得る制度になると,このように考えているところでございます。
本条例案は,以上のことを考慮した上,実施機関の裁量,高橋さんは恣意的判断というお言葉をお使いになりましたが,実施機関の裁量の範囲を極力小さくするため,非公開事項を細分化して厳格に規定したものでございます。
第4点目は,制度の運用についてでございますが,先ほども申し上げましたように,この条例の解釈及び運用に当たりましては,公文書の公開を求める市民の権利及び要望を十分尊重しなければならないと,こう考えているところでございます。したがいまして,意思形成過程情報に当たるかどうかの判断につきましても,制度の目的を十分踏まえつつ対処してまいりたいと考えているところでございます。また,資料の収集につきましては,文書管理を徹底して,文書の確実な整理,保存に努める考えでございます。
第5点目は,出資団体についてでございますが,市の情報公開制度は,札幌市という組織体が保有する情報を公開するものでございます。したがいまして,市とは別個の法人格を有し,独自の経済活動等を行っている出資団体につきましては,条例でその活動に何らかの義務づけをするのは適当ではないと判断したものでございます。しかし,なお出資団体が果たしている役割や市民生活とのかかわり合いを考慮いたしまして,市がこれらの団体に関する情報の収集を積極的に行いまして,市を通じて出資団体に関するより多くの情報が公開されるように努めてまいる考えでございます。
第6点目は,手数料についてでございますが,制度を実施するに当たり,必要な経費をすべて市税によって賄うということは適当ではなく,受益者負担の観点からも,利用者の最小限の負担が必要であると,このように考えて有料にいたしたものでございます。
最後に,プライバシー保護制度についてでございますが,現在,実施に向けて検討を進めているところでございますが,成案が得られ次第ご提案申し上げ,明年度のできるだけ早い時期に実施いたしたいと,このように考えております。
次に,特別職の報酬等についてでございますが,去る9月17日に本市特別職報酬等審議会から答申をいただいたところでございます。
ご質問の第1点目についてでございますが,改定の必要があるかどうかを含めてご諮問申し上げたわけで,現行の報酬等の額で職務を全うできるか否かとはこれは別の問題であると,こう考えております。
第2点目についてでございますが,審議会におかれましては,当然のことでございますが,特別職の報酬等の額の決定に当たりましては,前回,昭和59年に報酬等の額が改定をされて以降における本市の一般職の給与改定の状況及び財政事情,民間の給与水準の実情,あるいは他の政令指定都市の特別職の報酬等の改定状況等を考慮の上,十分ご審議をいただいたものと,このように考えております。したがいまして,審議会からいただきました答申の額につきましては,あらゆる角度から総合的に勘案の上,決定された額であると考えられますことから,私は,これを尊重し,本日,議会にお諮りを申し上げたいと考えているところであります。
次に,食の祭典についてでございます。第1点目の入場者数につきましては,9月20日の時点での入場者総数は,月寒会場が80万8,000人,大谷地会場が42万5,000人で,合わせて123万3,000人でございます。財団法人食の祭典委員会では,会期末までに,両会場合わせて180万人を目標にして全力を注いでおられるところでございます。
私といたしましては,準備期間が少ないこと等,多少の危惧はしておりましたが,過去に本市で開催されたイベントにつきましては,いずれも成功裏に終了してきたことから,期待を持って,実は見守っていたところでございます。
このように目標を下回っている要因につきましては,マスコミ等にも報道されておりますように,開幕初期の気候的な条件,料金システム及びPR不足などが影響しているものと考えられます。入場者数は下回っておりますが,祭典の効果につきましては,終了後の調査,分析をまたなければならないと思っております。
次に,第2点目の特別入場券についてでございますが,財団が出店者や協賛企業等に対するお礼という意味で,それによる入場者増を図る目的で,8月上旬に10万枚発行したと,このように伺っております。
次に,第3点目の赤字問題についてでございますが,祭典の収支見通しにつきましては,現在,まだ,祭典が開催中でもあり,また,主催しております財団からの公式の発表がありませんので,承知をいたしておりません。
なお,赤字の問題につきましては,主催者であります財団が基本的に対応すべきものだと考えております。
最後に,清掃工場のごみサイロについてお答えを申し上げます。
ご質問にございましたが,ごみサイロの設置目的は,ごみの季節変動を平準化し,可燃性ごみの全量焼却を図り,あわせて地域暖房等余熱利用施設への円滑な供給を図るものでございます。しかし,昭和61年秋以来,景気の回復等によって,特に,事業系の可燃性ごみの増加に件い,冬期間においても可燃性ごみが焼却能力近くまで排出されましたことから,夏期間に排出されるごみの貯留は2,000トン程度まで減少したものでございます。しかし,現在,新たに計画をしております新発寒清掃工場の昭和68年度稼働による可燃性ごみの全量処理体制が整いますと,その後は,また季節変動平準化に対応できるものでございます。
一方,木材圧縮施設につきましては,当初貯留試験を行い,破砕したままの状態で61年の冬期に8,000トンを貯留し,種々観察を続けたところ,金属片摩擦等から火災の発生が懸念されましたので,昭和62年度において設置をいたしたものでございます。以上でございます。
(
高橋重人君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(滝沢隆君)
高橋重人君。
◆
高橋重人君 いま市長からご答弁をいただきましたが,重ねて再質問をしたいと思います。
まず,財政問題でありますが,市長のご答弁で,消費税に対する考え方では,私の質問に対して,まともに市長が質問に答えるのではなくて,いままで,従来述べてきた姿勢をさらに表明されたにすぎない答弁でありますので,まともに,ひとつ答弁をお願いしたいと思います。
まず私は,今回の質問の中で,このいま
竹下内閣が導入しようとしておる消費税は,衆参同時選挙,2年前に行われた衆参同日選挙での自民党の
大型間接税は導入しない。この札幌に来ても,時の
中曽根首相が再三にわたって国民に公約をしたと,そういう明々白々な事実があるわけでございますが,この公約違反であるのかないかということは,これはきわめて重大な問題であります。少なくとも,政党が,公約に違反をしてあえてやるというようなことは許されないことも明らかであるからであります。したがって,市長のご答弁には,これに対する見解が欠落をしておる。意図的に答弁を避けたとすれば,それは許せないし,もしここで明確な態度を表明をしたくないというのであれば,それも無責任な態度でありますので,やはり私の質問に対して明快に態度を表明していただくように再質問をするものであります。
また,売上税のときと今回の消費税はどうなのか,この質問に対してもご答弁がございませんでした。昨年のときには,ちょうど第1定例で,一斉地方選挙の前であり,わが札幌市議会においても,自民党の皆さん方も賛成をして
売上税反対の決議をしたわけであり,また,市長も「私も売上税には賛成できない」旨の答弁を行ってきたといういきさつはご存じのとおりでございます。
そこで,いま
竹下内閣が出そうとしておる消費税は,この売上税と比べてどうなのか。基本的に,いわゆる
大型間接税の一種であるという点では同じではないのかと私どもは考えますが,その点についての市長のご見解が明らかでありません。したがって,もし全く違うというものであれば,全く違うということを明らかにしていただきたいし,もし同じである,基本的に
大型間接税の一種であって同じであるとするならば,なぜ昨年の態度と今回の態度は違うのか。いや今回の態度も違わないというのであれば,はっきりとその点を明確に市民の前に明らかにしていただきたい,この点でございます。
また,市長は,ご答弁の中で,低所得者に対する問題では,当然,税制上の配慮がなされなければならない,このように言われました。消費税そのものが,いわゆる
不公平税制の最たるものであるという点について,こういう認識をお持ちかどうか。
不公平税制である消費税は,一方で認めながら,それにかかわる何か配慮ある,たとえば所得税の最低限度額の引上げであるとか,そういうことが仮にされたとしても,いま非課税世帯で所得税が課税されていない,こういう世帯にも消費税は待ったなしに課税されるわけでありますから,その点での市長のこの見解は,全く事実と相反する。いかに市長が弱者に思いを寄せていると言っても,それでは何ら生きたものになっていかない,このように考えますので,その辺の見解をもう一度明快にしていただきたい。以上が財政にかかわる再質問であります。
次に,国保の問題でありますが,国保問題につきましても,これは,
国保事業安定化計画が,果たして本市の問題に,本市の
国保財政にプラスになるのかどうなのか,これが問題であります。
市長の答弁では,保険者として,市は国なり道なりと協力をしながら,この機会に努力をしていく。市の努力は,いままでもやってきたし,これからもやっていくと。そういうことを私は聞いているのではない。
いま政府は,厚生省は,この国保
安定化計画というものを物差しにして,
基準医療費なども設定して,それを超えるところには,いわゆる自治体負担,これをかけようとしておる。そういうやり方に対して,一体どうなのか。これでは,一体安定化するのか。あるいは不当なんではないか。こういう厚生省のやり方に対する市長の見解を求めたのでありますが,それについては,明言を避けながら,この機会に努力をしていくというだけでは,これは,いかに努力をしても事態の改善にならないことは,いままでの経過が示していると思いますが,たとえば国保の累積赤字は,すでに62年度末で169億円,この膨大な赤字になっておる。そして,この赤字の要因というものは,医療費が増加をしてきた,あるいはまた,退職者医療制度なり老人保険のおくれなどによって,非常に多くの未補てん分が生じておる。こういうところに問題があるということを,いままでも明らかにしてまいりました。
そういうものには手を触れないでおいて,いや,この機会に努力をすると言っても,これはむなしいことになるのではないでしょうか。したがって,こういう
安定化計画については,きっぱりとした,毅然とした態度で対処するということが,いま求められておりますので,もう一度明快にご答弁をいただきたいのであります。これが,私の
国保財政に対する問題です。
それから,情報公開についてでありますが,第三セクターの問題です。
市長のご答弁にもありますように,第三セクターは,本市と違う法人格を有しておるので,条例で拘束をする,こういうわけにはいかないだろうと,私もそのように考えております。しかし,市長は,2年前の答弁でも,いわゆる出資団体,第三セクターについては,情報公開の実施機関として参入することが望ましいというような,そういうご答弁をされております。「積極的に情報公開に取り組むべきだと私も考えておる」,このように言われておりますので,いまの答弁では,その出資団体の情報を市が収集して,そして市を通じて明らかにする。これは提言でも言われておりますので,その点は大事な点でありますけれども,もう一歩踏み込んで,出資団体についても,いわゆる実施機関に準じる扱いにするような指導を行うべきでないか,私は,このように考えますので,その点でのご見解を,いま一度明確にしていただきたい,このように思うわけであります。
次の質問は,食の祭典です。(発言する者あり)
食の祭典については,市長のご答弁で,いわゆる入場見込みも,現在123万人,実行委員会では,見込みが180万と。当初400万を見込んでいた半分にも満たないという状況でございます。これについては,いろいろと,やはり問題のある企画であったと私どもは思いますが,市長のご答弁でも,準備期間が短いなど,いろいろな問題もあるやにご答弁もありましたけれども,この企画が本市に持ち込まれる経緯を見ましても,当初は,道の開発調整部の担当者が本市に来て,市の経済局の商工部や観光部,あるいは企画調整局の企画部にも話を持ってきた。しかし,そういういろいろな検討の結果,本市がこれに協力をするというのは,やはり問題があるのではないか,こういうようないきさつもあったやに私は伺っておりますので,こういう経過を見ましても,当初から,非常にこの食の祭典は,成功がおぼつかない,そういうことが心配をされていたんではないかと私は思いますが,そのようなことがなかったのかどうか。この点も明らかにしていただきたいのであります。
また,赤字の出てきた問題で,市長の答弁では,基本的には財団が対応すべきであると。これは,もうそのとおりだと思います。しかし,基本的にはというところに私はやはりひっかかりますが,これ,本来,市が7,000万円も7,500万円も出す。あるいは職員を10数人派遣をする,あるいは,全市的にも協力をする,そういうこと自体にもいろいろと問題がないわけではありませんけれども,いまになって考えれば,この赤字の一部といえども,負担を要求されるようなことになれば,これはきわめて重大な問題でありますので,この機会に明確に,一切のそういうことは引き受けすることはできないと,こういうことを明確にご答弁をいただくように要求するものでありますが,市長のご見解をお願いするものであります。(「議長,議事進行」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) ちょっと待ってください。質問していますから,もうすぐ終わります。
◆
高橋重人君 (続)以上,再質問を終わります。
○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。桂助役。
◎助役(桂信雄君) 私から,情報公開についてお答えをいたしたいと思いますけれども,出資団体も,情報公開の実施機関にすべきではないかと。また,懇談会の趣旨もそこにあるのではないかと,こういうようなご質問と承りましたけれども,先ほど市長からお答えをいたしましたとおり,今回,私どもが制定しようとする情報公開制度というのは,あくまでも札幌市としての,札幌市という組織体が持っている公の情報を市民にできる限り公開しようというものであります。したがって,多少の関連はあるとしても,出資団体までその枠を広げるというのは,出資団体が別個の人格を持った団体であり,そして,それぞれの社会的な活動をしているということを考えれば,強制的に,条例上,強制的に出資団体も実施機関として含めて情報公開の枠の中に入れるのは,これは問題があると,こういうことでお答えを申し上げたわけであります。
それでは,全くそれについては触れないかと言えば,本市としては,出資団体であるという関連から,本市が,当該団体からできるだけの情報を提供を受けて,そして,これを本市の責任において一般市民に公開する,そういう努力をしていきたい,こういうことであります。
なお,今日まで,情報公開条例を制定している政令指定都市,それから,主な都道府県において,出資団体を実施機関としている例はございません。以上です。
○副議長(滝沢隆君) 蒲谷助役。
◎助役(蒲谷亮一君) 消費税関係ですが,公約違反かどうかという点につきましては,私どもはその判断する立場にないわけでございまして,それらを含めて,現在国政の場で審議が行われておりますので,適正な結論が出るように願っているところであります。
それから,売上税のときと比較をして,態度が違うのではないかというお話ですけれども,市長が答弁申し上げておりますのは,国民が納得の得られるように慎重に審議をしていただきたいという点で終始一貫をしております。
それから低所得層の点につきましては,消費税のことだけに着目をいたしますと,確かに,従来非課税であった層が課税になりますので,その点については否定はできないわけですが,税だけでなく,制度,財政全般,いろいろ多角的に措置をいたして,全体として低所得層についても十分な配慮がなされるように,このように希望をしております。
それから,国民健康保険関係のことでございますけども,国保事業の安定化ということについては,これは,私ども何とかしなければならない事態でございまして,これは即効薬のようなものはありませんけれども,国も,今度は道もそうですが,それに私ども市も最善を尽くして,とにかく問題を解決していかなければならないと,このように考えております。以上です。
○副議長(滝沢隆君) 勝田助役。
◎助役(勝田義孝君) それでは,食の祭典につきましての心配する事項がなかったかと,これにつきましては,当然,当初から,期間も短いとか,いろいろな条件がありますし,これは当然危惧される事項がたくさんあったことも事実です。札幌市としまして,多くのイベントをいままで実施しておりますけども,最初から決して安易に計画し,安易に実施したものではありませんで,たくさんの心配事を持ちながらも実施して,成功に導いたと,こういうことであります。
それから2番目の,赤字の補てんにつきましてどのようになるかということにつきましては,これは基本的には,やはり財団が対応すべきものであると,こう考えています。ただ,財団の設立の経過からいたしまして,財団としては,当然,道に相談をして指導を受けることになろうと,こういうふうに考えています。以上でございます。
(
高橋重人君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(滝沢隆君)
高橋重人君。
◆
高橋重人君 いま三助役からそれぞれご答弁がありましたが,市長を補佐する助役が,市長のかわりに答弁をするということは,それはあってもいい問題は,あってもいいですよ。しかし,この消費税については,これは助役がかわりに答弁をするという性格のものではありませんね。
これはね,国と市との行政関係の問題で私は質問しているんではないのです。市長のこの政治問題,いま,消費税というのは国民的な,政治的な問題である。そういう問題について,板垣市長というのは札幌市長という立場で,単に札幌市と国との関係というような問題ではなくて,札幌市長,市民を代表する立場に立って,この消費税について,いまの時点でどうなのか。
私どもは,少なくとも,先般本市議会も反対の決議をした。こういう決議もあるという前提に立って考えれば,市長も当然反対をしていく,こういうことが政治姿勢としては望ましい,このように考えますが,(「そんなことはない」と発言する者あり)しかし,市長はそうではないと言うんなら,そうではないなりに市長の見解を私は明確にしていただきたい。
特に,この問題は民主主義の問題として,公約違反がかかっております。市長はよく,小中学校の開校式に行って,ごあいさつをされる。そういうときに,札幌市長として青少年に言うときには,やはり民主主義のあり方について語られることがあると思うのです。こういうような公約違反を認めるようなことになれば,重大なことです。したがって,これについて,市長はあいまいな態度でいくのか,それともはっきりするのかということは,私は問われていると思うのです。そういう点で,市長のご見解を,改めてご答弁を求めるものであります。
また,食の祭典について,勝田助役は市長と同じ,これは答弁なんですね。(発言する者多し)これは,やはりはっきりと,この本市のね,が言われる筋合いがないと,このことをはっきりと明言し切ることが,今後にとって重要ですので,そのように態度表明をひとつ明確にしていただきたい,このように質問します。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
○副議長(滝沢隆君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) あの,公約,
中曽根首相の言をとらえて,公約であるかないか,あるいは,大型消費税と売上税と,現在の消費税はどう違うのか。いろいろなお話がございましたが,私はそれらの問題は,もう,国会の場で,すでにハードルを越えていると思っております。したがって,現在この場で私はあれこれ申し上げることはいたしません。
○副議長(滝沢隆君) いいですか。もう一つ答弁残っていますから,勝田助役。
◎助役(勝田義孝君) よくは聞こえませんでしたけれども,現在財団でいろいろ調査中でございまして,明確な内容が承知しておりませんので,現在では,残念でございますが,ご回答のできる段階には至っておりません。
○副議長(滝沢隆君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時26分
再 開 午後2時55分
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○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。福士 勝君。
(福士 勝君登壇・拍手)
◆福士勝君 私は,ただいまから,民社クラブ議員会を代表いたしまして,当面する市政の諸課題について質問をいたします。
まず最初に,財政問題についてお尋ねをいたします。
昭和62年度は依然として厳しい
財政状況の中にあって,一般会計の歳出決算において,前年度に比較し,金額にして約307億円,率にして6.3%の伸びとなり,その予算に対する執行率を見ますと,98.4%と前年度より0.2ポイント上回る率となっているのであります。国の当初予算が,ほぼ前年同額,
地方財政計画が2.9%の伸びという超緊縮ムードの中で始まった62年度でございましたが,本市の決算において,6.3%の伸びを示し得たということは,緊急経済対策に伴う公共事業の追加などの要因もあるとはいえ,歳入確保の努力や,市民生活の向上に向けての市長の強い意欲のあらわれであると評価するものであります。また,執行率が98.4%と,きわめて高い数値となっておりますことも,予算化した事業をほぼ完全に執行したということのあらわれであると評価いたすものであります。
このように,昭和62年度決算を見る限りにおきまして,健全な
財政運営であったと言えると考えるものでありますが,それでは,長期的な視野に立脚して眺めた場合どうでありましょうか。
そこで,私が注目いたしたいのは,公債費の急速な増加についてであります。公債費比率のここ10年程度の推移を見てみますと,53年7.6%であったこの比率が,56年度で8%を超え,翌57年度では9%台に。さらに,59年度で10%を超え,本62年においては,ついに11.6%となっているのであります。まさに,ウナギ登りの上昇と言ってよいと思うのであります。
健全な
財政運営を考えた場合,それは単に当該年度限りで考えるものではなく,長期的視野に立って判断する必要もあるわけであり,まさに,最近におけるこの急速な公債費の伸びは,
財政運営の基本原則の一つである長期的財政安定の原則から見て,重視せざるを得ないのであります。
この公債費増加の背景といたしましては,昭和50年度以降の
地方財政における大幅な収支の不均衡や,景気回復のための公共投資の拡大などによって,地方債への依存が高まったことがあるわけでありますが,最近における増加要因といたしましては,
補助金カットによる
地方負担の増加に対して,その補てん措置の多くを地方債の増発により手当てしていることを見逃せないと考えるものであります。
公債費に関しましては,先日来の代表質問におきましても,全体的な見地から幾つかのやりとりがなされておりますので,私は,後段に述べました
補助金カットに対する補てんとして措置されている起債に問題を絞りましてご質問をいたしたいと存じます。
具体的な質問に入ります前に,若干この
補助金カット問題につきまして触れたいと思うわけでありますが,この問題につきましては,昨日の質問にもありましたので,重複を避けながら触れたいと思います。
昭和60年度に端を発したこの問題は,その後,幾つかの変遷を経て,現状では63年度までの暫定措置ということで継続されてきているものであります。私どもの認識といたしましては,この
補助金カット問題は,基本論議なくして,単に,国の歳出削減のみを先行させた措置と言わざるを得ず,暫定期限の切れる64年度以降には決して継続させてはならないと考えるものであり,昨日のご答弁にもありますように,市長におかれましても,関係団体ともども強く国に対して働きかけをしていただきたいと存じますが,ここで問題にいたしたいのは,そのことではなく,この
補助金カットに対する補てん策についてであります。
その補てん策といたしましては,地方交付税あるいは地方税による措置もありますが,補てん措置の多くが地方債の増発ということで手当てがなされてきているのであります。このことは,当面の
財政運営に支障を与えない措置であるという点では一定の理解ができるところでありますが,後年次にわたる元利償還のことを考えると,今後の
財政運営にとって重い負担となることが危惧されるところであります。
そこで,質問の第1点目は,62年度決算を踏まえ,60年度からの3年間でこの
補助金カットに対する補てんとして措置された起債額及び起債残高に占める割合はどの程度になっているのか。また,その元利償還額はどのぐらいなのか。さらに,この後年次にわたる負担に対して市長はどのように考えておられるのか,ご所見をお伺いしたいのであります。
第2点目は,このように起債残高がふえ,公債費が増高してまいりますと,少しでも金利等について,償還する上で有利な起債を行うことがいままでにも増して重要なこととなってくるわけであります。さきの第1回定例市議会において,わが党の菅井議員が,この有利な起債ということで,自治省が63年度の目玉事業として創設された,「ふるさとづくり特別対策事業」について質問をいたしました。その後半年が経過をしております。すでに,幾つかのプロジェクトを申請し,採択の内示を受けていると聞いております。具体的にどのような事業が対象となっているのか。また,従来の起債と比べて,どのように有利になっているのか,お伺いいたしたいのであります。次に,都市緑化についてお伺いをいたします。
札幌市は,手稲山から藻岩山,空沼岳,西岡丘陵へと続く南西部の山地・丘陵地形と,生振からモエレ沼,米里,野幌原始林に至る平地系の広大な自然緑地が市街地を取り囲んでおり,これが独自の札幌の個性を形成しております。
これらの自然緑地については,本年3月に策定された第3次長期総合計画におきましても,市街地を取り巻く自然緑地は,水源の涵養,災害の防止,大気の浄化,レクリエーション資源などの機能において,快適な都市生活に不可欠な環境として位置づけられるとし,都市空間計画の第1点目に,自然緑地の保全活用と,緑に囲まれた市街地の形成を図ることを挙げているのであります。
昨今のライフスタイルの多様化や,自由時限の増大に伴う自然の中でのスポーツ・レクリエーション活動,あるいは芸術文化活動の場としての自然緑地の効用にも着目され,保全を基調としつつも,その活用を図ることにより,緑地の創出を一層促進するという観点に立ち,森林浴やバードウォッチング,観光農園等,市民が自然に親しむことができるよう多角的な利用を促進するとされているのであります。
また,公園緑地の整備・保全に当たっては,昭和52年に制定された緑化推進条例,あるいは昭和57年に策定された緑の基本計画に基づき,樹林地等の保全,公園・道路・河川などの公共施設や民有地の緑化,公園等の樹木や街路樹の育成等,市民・事業者と一体となったさまざまな緑化事業が展開されてきております。
私も,都市の健康を守り,つくり,はぐくむことは,ゆとりと潤いのある快適な街づくりを進める上で,非常に重要な要素であり,今後も自然と調和した都市環境を築き,次代へ継承すべく,総合的な緑化行政を展開していく必要があると考えているところであります。
そこで,私は,これら緑の保全・育成にかかわる諸施策のうち,本市の大規模プロジェクトの一つである環状夢のグリーンベルト構想への取り組みと,市街地における現況樹林の保全について,市長の所見をお伺いしたいのであります。
まず第1点目の環状夢のグリーンベルト構想についてでありますが,この構想は,札幌の街を森林や公園緑地,河川緑地等を主体として,自然を生かした広大な緑の輪で包むというものであり,まさに21世紀の市民への壮大なプレゼントと言えるものでないかと期待をしているところであります。昭和57年に着手以来6年余りが経過し,東区のモエレ沼公園,西区の前田森林公園,白石区の山本地区のごみ埋立て跡地等,着々と事業が進んでいるものと聞いております。
しかしながら,このように市が積極的に事業化を進めている区域については着々とグリーンベルト化が進んでおりますが,公園緑地等として整備を予定されていない区域では,山地系のグリーンベルトは民有林が大半であり,また平地系の区域については,農地としての土地利用が図られている現状にあります。
これらの区域につきまして,山のほうの民有林については,現状では樹木が生い茂り,緑の景観になっているわけでございますが,聞くところによると,さまざまな開発への思惑があったり,山林所有者から開発業者へ転売されたりと,決して安定した土地の状況にあるわけでないということであります。グリーンベルトの構想によりますと,これらは風致地区の指定により保全を図るとされておりますが,現在まで指定は進まないようであります。
一方,平地系につきましても,農地の一部はいわゆる現状有姿分譲をされ,原野化されているところが相当あるように見受けられるのでありますが,この農地については,昨今の農業を取り巻く大変厳しい情勢を考えますと,今後,さらに原野化が進んでいくことが予想され,グリーンベルトとしての機能がだんだん損なわれていくのではないかと危惧されるわけであります。このため,市としても,拠点地区の整備についてなお一層の事業の推進を図るとともに,拠点をつなぐ緑地帯を形成すべき区域につきまして,山地系,平地系を含めまして,この壮大な構想を推進する立場からも,その保全と積極的な活用を図るための方策を早急に講ずる必要があるのではないかと考えるのであります。
そこで,この環状夢のグリーンベルト構想の実現に向けた各事業の進捗状況,さらに,グリーンベルト構想を推進する立場から,山地系,平地系の拠点を結び合わせる部分について,今後どのように実現を図っていくのかお伺いしたいのであります。
次に2点目の,市街地に残された樹林地の取り扱いについてでございますが,本年は本市創建120年に当たり,創建以来今日まで,本市発展の歴史は,原始林を切り開き,市街地が外延的に拡大していった歴史でもあります。
ここに,最近出版された「北海道森と木の文化」という図書を開きますと,開拓当時の札幌の森林の様子は,円山などの市街地に近いあたりは,トド松の多い黒々とした森林であったらしい。また,街の中はアイヌ語でメムと呼ばれたわき水のあふれるところに,ハルニレなどの原生林が点在していたようであります。
このような光景は,もう市街地では目にすることは不可能であります。その面影を植物園や北大の庭などでわずかにうかがうのみであります。
札幌市緑の基本計画を見ましても,昭和52年当時の市街化区域の樹林地はわずかに7%にすぎないのであります。これを見るまでもなく,市街地の中に辛うじて残されている樹林地は,まさに緑の文化財とも言うべき貴重なものであります。これらの樹林地を保全することは,新しく物をつくり出すことに比べますと,きわめて地味な,目立たない事業でありますが,私は全力を挙げてこれに取り組むべきだと思うのであります。
これらの樹林地は,大半が民間の方々の努力で辛うじて残されていたり,開発の過程で残されているのが現状だと思うのでありますが,これら,市街地内の樹林地の減少傾向にどのように歯どめをかけようとしているのか,その取り組み状況についてお聞きしたいのであります。
さらに,本市の独自制度である緑化推進条例に基づく緑化協議制度は,開発許可制度と連動し,樹林地を含む開発行為には保存効果を上げていると聞ているのでありますが,この制度により残地させた樹林地の協議成立後の保存について,どうフォローされているのか,開発圧の中で2次開発にさらされているのではないかと危惧するものであります。市が積極的に残地林に対して,保存措置を講ずるべきだと考えるのでありますが,ご所見をお伺いしたいのであります。
次に,スパイクタイヤ問題についてお伺いをいたします。
去る6月2日総理府の公害等調整委員会におきまして,スパイクタイヤの製造を65年12月末で,販売を66年3月末で中止するとの調停が成立いたしましたことは,すでにご存じのことと思います。これは,長野県,東北6県及び本道の弁護士・市民グループが国内のタイヤメーカー各社を相手に起こした調停事件でありますが,長い間,大きな社会問題として世の中を騒がせてまいりましたこの問題が大きな転換を迎えることになったもので,今後はようやく確固たる終結に向けて,さまざまな対策が進められるものと考えております。
私ごとですが,私は議員をさせていただくようになる以前から,この問題とかかわり合いを持ち,早期解決を願っていた一人でありますので,調停の成立を特別の思いで受けとめたものであります。
と申しますのは,60年7月に札幌市が抜本的な解決策を図るため設置いたしました札幌市スパイクタイヤ問題対策審議会に,当時は札幌地区同盟の
事務局長の立場でありましたが,審議委員の一人として参画をさせていただいたものであります。
当時の審議の過程を振り返ってみますと,ごの問題に対する世論は,今日とは雲泥の違いがありまして,車粉問題を全面解決するにはスパイクタイヤを禁止するしかないとするものの,スパイクが普及定着した現状を考えたとき,使用禁止はあくまで将来のこと,まずは段階的にやれることから手をつけるべきとの意見が大勢を占め,答申に反映されたものであります。健康・環境を優先させるべきか。交通安全が優先かの二律背反する論議が繰り返される中で,ともすれば交通安全面が強調されがちであり,こんなに早く今日の状況が訪れるとは夢にも思えないものでありました。
この調停の結果については,多くのマスコミが取り上げ,私も万感の思いでこれに接したものでありますが,数日後の朝日新聞の天声人語の欄にも,非常に含蓄のある文章が載っておりました。
一部を紹介させていただきますと,「自動車文明に待ったをかけたのだと思う,ちょっとだけど。脱スパイクタイヤ運動を進めてきた北国の人々がそう言っている。脱帽する思いでその言葉を読んだ。」「一つには,取り返しのつかない健康被害を未然にくいとめたこと,歴史的な四大公害訴訟の苦い例に見られるように,これまでの公害病の対策はたいてい後追いだった。二つには,ともすると車優先の世の中で,その便利さにブレーキをかけても守るべきものがあることをはっきりさせたこと。そうしたなかだからこそ,この市民運動の成果に拍手を送りたい。運転者はだれもが粉じん公害の加害者だが,同時に被害者にもなる。このことを忘れなければ,雪道でスピードが出せなくなるなどといって不満を口にする人はいるはずもない。」以上のような内容でありました。
従来,とかく雪国だけのローカル問題として扱われがちであったものが,初めて全国的な扱いで論評されたこと。そして,この問題にかかわってきた多くの人たちの気持ちを的確に表現しており,事柄の重大さに改めて感じ入ったものであります。このたびの結果は,この論評にもありますように,市民運動の成果が大きなかかわりを持ったことは言うまでもありません。そんな中で,これが札幌発生の市民運動に端を発していることに,特に意義を感じているものであります。
と申しますのは,60年に本道において申請のありました公害調停がそのベースにあるからであります。この時点では,スパイク製造中止に当たっては,社会的な合意が必要との条件が付されましたが,その後の全国的な脱スパイクの流れの中で,今回の納得いく調停結果となったものであります。したがいまして,私もこの市民運動の成果を大いに評価するものでありますが,決して,これだけで今日に結びついたものとは思っておりません。札幌市の行政としての積極的な取り組みがあったればこそと考えるものであります。
車粉対策を積極的に進めてきた自治体は仙台市や松本市がありますが,本市のように多額の予算を用い,行政としての責務を果たし,その上で住民の協力を仰いだ例はほかにはないのであります。特に,都市としては初めてスパイクタイヤ使用規制条例を定め,啓蒙・啓発活動を進める一方,解決の決め手はスタッドレスであるとの判断をいち早く持ち,それに合わせて冬季の道路環境整備に力を入れてきたことが,調停の合意に際し,大きな役割を果たしたと考えるからであります。メーカー各社が厳し過ぎるとも思える内容の受諾を決断した背景に,一つには,本市のモニター制度によるスタッドレスの普及と,モニターから寄せられたスタッドレスに対する多くの信頼の声があったからと考えられるのであります。
さて,札幌市においては車粉対策に対する約10年の取り組みがあり,今日,その努力が着実に実り,たとえば,スタッドレスタイヤの普及は27.5%,39万8,000台中10万9,000台にまで高まり,さらに,その約80%は一冬を通して装着走行している状況と,スパイクタイヤ使用規制条例が効果を発揮し,規制期間中のスパイクタイヤの装着は著しく減少するとともに,その結果,確実に環境が改善され,その成果のもとに,来年度は条例の強化・見直しを予定し,さらに問題の解決を前進させるところでありますが,このたびのスパイクタイヤ製造販売中止調停は,車粉の全面解決へのめどを与えてくれたもので,私は,市のこれまでの努力を無にしないためにも,いままでの実績に自信を持ち,調停を生かすことで一気に収束に向こうべきと考えます。そこで,2点市長のご所見を伺います。
まず第1点は,来年度に予定されるスパイクタイヤ規制条例の見直しについてであります。
さきの第2回定例議会において,市長はスパイクタイヤの製造販売中止の調停結果を大いに歓迎し,今後の対策に反映していくとのお考えを述べられておりましたが,札幌市が目指したものは,スパイクタイヤの全面使用禁止であり,その達成の可能性が明示されたこのたびの調停を真に生かすためには,私は,条例見直しに際し,期間規制の現行条例を単に強化拡充するだけではなく,これに加えて,スパイクタイヤの販売が中止された後の昭和66年4月以降の札幌市における使用全面禁止を打ち出すべきと考えます。
本市におけるスタッドレスタイヤの普及は順調に進み,今年度は50%を超える状況と予想されますし,通産省の指導によるスパイクタイヤの製造販売量削減も年ごとに進み,今後スタッドレスタイヤの普及は飛躍的に増大するものと考えます。したがって,条例改正時に全面使用禁止を打ち出しても,2年間の猶予期間がありますので,スムーズな実施が可能と考えるものですが,いかがでしょうか,ご所見をお伺いをいたします。
第2点目は,国の法制化等,全国的な対策についてであります。
スパイクタイヤ問題は自動車に起因するものであり,その広範囲にわたる走行性から,早くから広域的な解決策が必要とされてきました。さきの公害調停においても,「申請人及び参加人らは,国や地方公共団体に働きかけ,スパイクタイヤの使用禁止に関する法制化及び行政施策が図られるよう最善の努力をするものとす」という調停条項が盛り込まれておりましたが,私も,このことが実現しない限り,やはり全面解決にはならないと考えております。
しかるに,この時点での国の見解は,地方での対応がまず必要であり,その結果をまって国での対応を考えていきたいとする消極的な姿勢であったと報道されておりました。その後,9月8日,環境庁長官がようやく,3年以内に国の法制化を検討したい旨の意向が示されたようでありますが,関連省庁との協議が必要条件であり,これをもって,確実に法制化が図られるとは受けとめておりません。
そこで,この意向を早急に実現に向けさせるためには,今後,全国自治体の結集した働きかけが必要になると思われます。市では調停後,いち早く国の省庁に対し,法制化等に関する要望活動をとられてきたこと。また,宮城県や仙台市においても,独自に要望活動されたことを承知しているところでありますが,自治体個々の活動には,やはり限界があるものと思われます。この問題をここまで進めてきた札幌市の功績は多大であり,また,道内の自治体間の連携を先導してきた役割は自他ともに認められていると考えます。そこで,これを契機に,より一層のリーダーシップをとり,この問題に悩む全国の自治体に結束を働きかけるなど,もう一努力していただきたいのでありますが,いかがでありましょうか,ご所見をお伺いをいたします。
次に,公共施設のあり方と有効利用についてお伺いをいたします。
近年,余暇時間の増大と生活の質の分化に伴い,地域の住民は,精神的に充実した豊かで潤いのある生活への志向を強め,教育,文化,スポーツ・レクリエーション等の分野への関心を高めておりますし,また同時に,自分が居住している地域の個性を評価・認識し,地域の連帯を強化する中で,行政への市民参加,ボランティア活動やコミュニティー諸活動を活発に展開しております。
こうした中で,本市では,第3次長期総合計画を推進するための基本的な姿勢として市民参加を掲げ,参加による
まちづくりや行政と民間のパートナーシップの推進などを基本として,計画の実施を図ることとしているのであります。
また,これまでの行政運営にいたしましても,昭和47年4月の区制施行以来今日まで,七つの行政区を核とした街づくり・地域づくりが確実に推し進められるとともに,地域の特性や市民の意識と行動に基づく生活圏の広がりを,近隣住区・地区・地域の各段階に分けて設定するとともに,各段階に応じた都市施設の配置を図ることによって,年齢段階や趣味などに応じた市民の自主的な活動を促すための条件整備を行ってきているところであります。
このような努力の結果,本市における都市施設の整備水準はかなり高く,生活圏の広がりに対応する施設として,区民センター・地区センター・地区会館が整備されるとともに,住民に最も身近な施設であります市民集会施設の建設も,市の助成金制度を活用して,住民の手によって盛んに行われているのであります。
また,年齢段階に応じた施設として,老人福祉センター・勤労青少年ホーム・青少年会館・児童会館などが設置され,さらに,婦人文化センター・体育館・図書館など,目的に応じた施設についても数多く設置されておりまして,いずれにつきましても,多数の市民の利用が図られているのであります。
申し上げましたように,各種の都市施設が整備されているとはいえ,新たな施設建設に対する住民の要望は依然として強く,地区的によりきめ細かな対応を図る上から,市として前向きな姿勢で取り組んでおられることを高く評価するものでありますが,今日的な課題であります行財政改革に対応し,かつ,市政の基本としております幅広い意味での市政参加をより実のあるものとするためにも,こうした施設のあり方や,さらには,有効利用という観点から,いま一度原点に立ち返った検討が必要と考えるものでありますが,いかがでありましょうか。こうした意味から,以下3点についてお尋ねをいたします。
まず第1点は,こうした区民が身近に利用する施設整備に当たっての理念についてであります。
申し上げましたように,都市施設か全市的に見た場合の充足度はきわめて高いと評価をするものですが,今後の方針として,身近な施設についてどのような観点に立った施設づくりを進めようとしておられるのか,基本的な考えを聞きたいのであります。
その2点目は,限りのある財源の中で数多くの施策を進めなければならないという状況では,すべての市民要望に直ちにこたえることは事実上不可能なことであり,緊急度や優先順位によって逐次整備せざるを得ないことは理解をしております。しかし,当面している住民要望に少しでも早くこたえることは,行政としての責務であると考えるものであり,この間の対策として,たとえば既存施設の利用情報を整備することによって,これら施設の住民による有効活用や有機的な活用が図られると考えるものであります。
私が調査したところによりますと,一般的なコミュニティー施設の利用志向,時間帯の第1は,平日の午前中という結果が出ております。しかし,一方,利用の実態上,午前中の利用がほとんどないという施設も存在しているのであります。こうした情報を整備し,市民に提供することによって,施設の有効活用が可能となり,当面の対策ともなると考えるものでありますが,いかがでありましょうか。
質問の第3点目は,施設の複合化についてであります。
市長は,その方針として,可能な施設は複合させるとし,これまで数多くのそうした複合施設が実現しているのでありますが,これをより一層進めますことは,財政的な有利さはもちろんですが,利用する市民の側にとって,単一機能施設では得られない利便性が確保されると考えるものであります。
先ほどの調査では,平日の午前中の利用志向が最も高いと申し上げましたが,午前中は事実上利用されない児童会館があるように,施設の複合化によって,一つには,利用時間帯の違いによる相互の補完利用が可能となり,利用便益の向上が期待できますし,二つには,縦のつき合い,いわゆる異世代間の交流による縦のコミュニケーションが生まれるという効果も期待されるのであります。
こうした意味合いからも,施設複合による利点はきわめて高いと考えるものでありますが,単に二つの施設を合わせて一つにするということではなく,複合によってそれが有機的・効果的に機能するということがポイントでありますから,このような思想を今後施設建設にどう生かしていかれるのか,市長のご所見をお伺いをいたします。
次に,分区に伴う諸問題についてお伺いをいたします。
本市には現在,五つの出張所と67の連絡所があります。これらの出張所は,市政と市民とを結ぶ一番身近な窓口となっており,また,各種住民組織の活動の大きなよりどころとなっております。
出張所においては,住民異動や戸籍の届け出,印鑑登録など,区役所の総合窓口とほぼ同様の業務が行われており,一方連絡所においては,住民票の写し,戸籍の騰抄本,各種証明などを請求し,翌日にはこれを受領することができます。また,出張所・連絡所を通じて住民の要望・意見を市政に反映させ,市からの伝達事項が住民に周知されております。
こうした出張所・連絡所が所管している人口の規模でありますが,本年8月1日現在の本市人口は161万6,924人となっており,現在72ヵ所ある出張所・連絡所のうち,白石区の厚別出張所にあっては,その所管区域の中に5連絡所が設置されておりますので,この厚別出張所を除く71所の出張所・連絡所について,8月1日現在の人口で1所当たりの平均人口を算定しますと,2万2,774人となります。一方,現西区の管内には,現在1出張所・8連絡所がありますが,本年11月には発寒地区に連絡所が新設されますので,これを加えると10所の出張所・連絡所となります。
今回ご提案の分区線に従ってこの10所を区分しますと,新手稲区は1出張所・2連絡所,新西区は7連絡所となります。64年分区時における新手稲区及び新西区の想定人口は10万3,600人及び19万1,100人となっておりますので,これにより1所平均人口を算定しますと,新手稲区3万4,533人,新西区2万7,300人となります。全市人口は本年8月1日現在,一方,新手稲区及び新西区の人口は64年分区時でありますから,この間に1年強の時点の違いがあるにしましても,新手稲区・新西区とも,1所平均人口は全市のそれを大きく上回っており,特に新手稲区と全市との比較では,1万2,000人に近い格差が生じることになります。
もちろん,出張所・連絡所について論ずる場合は,その人口規模ばかりではなく,地域の歴史的経緯,地理的条件,面積的要件,市街地としての熟成度等,種々の要素を勘案すべきと考えますが,今回ご提案の分区線を設定した理由の一つには,新手稲区側には,開発適地がまだまだ散在しており,今後ともまだまだ人口増が見込まれるということがあります。しからば,連絡所1所が所管する人口規模の面で,新手稲区と全市との間の格差はますます広がっていくと言わざるを得ず,連絡所の新設等の対策が急務と考えるのであります。
また,厚別地区についての住民要望への対応や住民組織関係などば,出張所で所管せず,5連絡所が地域を分けて担当しているのに対し,手稲地区については,前田連絡所・手稲鉄北連絡所が所管していない富丘・手稲本町・稲穂・金山・星置の5地区は,手稲出張所において所管しているのであり,その区域は約3,500ヘクタール,市街化調整区域を除いても700ヘクタール強という広大なものでありますから,これを単純に廃止することは,著しいサービスの低下を招くものと言わざるを得ないのであります。
したがいまして,私は,手稲出張所の業務のうち,住民異動や戸籍の届け出,印鑑登録などの業務が新手稲区役所に移管されるにしても,市政の窓口として,また住民組織活動のよりどころとしての機能は存続させるべきと考えるのであります。
分区を行う最大の意義は,住民にとって地域格差のない公共サービスが受けられるようになるという点にあります。幸いにして市長におかれましては,分区関連の区役所・区民センター・保健所等の施設の建設に着々と取り組んでおられますことは,まことに心強く感じるところでございますが,分区を円滑に行うためには,こうした施設の建設や市内部の事務的業務ばかりではなく,分区に伴い分断されることになる各種住民組織もまた円滑に再編されなければなりません。
特に新手稲区と新西区との分区線は,二つの連合町内会傘下の三つの町内会を分断するものでありますから,これら町内会を初めとする各種住民組織に対しては,その再編等について,行政としても積極的に支援策を講ずる必要があると考えるのであります。
そこで,新手稲区における人口増の対策として,また住民組織再編のための支援策の一つとして,連絡所の新設とこれに伴う所管区域の再編ということについて,市長のご所見をお伺いしたいのであります。
まず,質問の第1点目であります。
分区に伴い,現在の発寒及び東手稲両連絡所の所管区域の一部は新手稲区に属することになりますが,現手稲出張所の広大な所管区域や新手稲区の連絡所1所平均人口を考慮すれば,この新手稲区に属することになる区域について,これを所管する連絡所を新設するとともに,隣接の手稲出張所・前田連絡所を絡めた所管区域の再編が必要と考えます。また,分区に伴い分断されることになる住民組織が分区時に混乱することのないように配慮する必要があります。したがいまして,住民組織再編のための助言役として,また相談・調整の窓口としての連絡所を,事務室を賃借する等,仮庁舎ででも明年度早々には開設する必要があると考えますが,この点について市長のご所見をお伺いをいたします。
続いて,第2点目の質問であります。
第1点目に質問いたしました連絡所の新設に伴う所管区域の再編により,仮に手稲出張所管内の富丘地区が新連絡所の所管区域に移管されるといたしましても,手稲出張所の所管区域には手稲本町・稲穂・金山及び星置が残りますので,手稲出張所の市政窓口としての機能及び住民組織活動のよりどころとしての機能は,分区後も維持する必要があり,これを連絡所として残すべきと考えますが,この点について市長のご所見を伺いたいのであります。
さらに,質問の第3点目であります。
星置地区や金山地区におきましては,土地区画整理事業や民間デベロッパーによる開発行為が各所において進行しており,今後,特に急速な人口増が見込まれます。特に星置地区につきましては,現手稲出張所管内にあっても,JR函館本線により他地区とは分断されております。したがいまして,現手稲出張所が連絡所として存続するとしても,近々連絡所が必要になると考えますが,この対策についてどのようにお考えになっているのかお伺いしたいのであります。
最後に,西区土木事業所の跡地活用についてお伺いいたします。土木事業所の配置との関連で,連絡所等の設置についてであります。
現在の西区土木事業所は手稲宮の沢に設置されておりますが,分区いたしますと,ここは新しい手稲区の区域になり,西区の区域からはずれてしまうのであります。一方,中央区土木事業所は西区西野にあるところから,このことによって,行政区と一致しない事業所が2ヵ所となるわけであります。
そこでお尋ねいたしますが,手稲区には事業所を新設する計画と聞いておりますので,申し上げた西区と中央区の二つの事業所をどのように取り扱うおつもりなのかお聞きしたいのであります。
さらに,手稲区につきましては,先ほど申し上げましたように,連絡所や地区会館の新設を望む声が強く,行政としてもその必要性を認識しているものと考えますが,手稲区の区域となる宮の沢地区に要望のある連絡所の位置は,現在の西区土木事業所付近が最適であり,たとえばこの事業所を移転させることが可能であれば,これの跡地を活用して連絡所・地区会館等を複合させた施設を設置することが住民の要望にかなうものと考えますが,市長のご所見をお伺いしたいのであります。
以上をもちまして,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず,財政問題についてでございます。
その第1点目の
補助金カットに関する問題でございます。
昭和60年度から62年度までの3年間で
補助金カットに対する補てんとして措置されました起債についてでございますが,3年間の起債額合計は約147億円になっておりまして,62年度末一般会計起債残高約3,959億円に占める割合は3.7%でございます。その後年次負担についてでございますが,元利償還総額で約241億円でございまして,64年度は8億9,000万円,65年度は10億4,000万円,66年度は12億8,000万円と年々増高してまいりまして,地方交付税でその全額ないし80%が措置されはするものの,ご指摘にもございましたように,公債比率等も徐々に上昇してきておりますので,今後の
財政運営において,それらの諸情勢について十分意を用いてまいる所存でございます。
第2点目のふるさとづくり特別対策事業についてでございます。
この事業は,地域の特性を生かした魅力あるふるさとづくりのために実施する単独事業で,昭和63年度から昭和65年度までの3ヵ年の中で事業がスタートし,おおむね3年間で一定の事業効果を上げることのできるものが対象になるものでございます。
今回採択を受けました事業は,大通公園再整備事業,芸術の森第2期建設事業,屋内長水路プールの建設事業,新中央図書館建設事業などでございまして,約150億円程度の事業でございます。事業費の75%は起債で措置をされまして,従来からございます街づくり特別対策債と同様に,その元利償還金の約50%につきまして交付税措置がありますほか,さらに,プールや図書館などの建物の整備を除きまして,事業費の15%が当該年度に交付税措置されるものでございます。具体的に今年度交付税に算入されたこの15%相当額は約1億5,000万円になっております。今後も,できるだけ多くの事業が対象となるように努力をしてまいる所存でございます。
次に,都市緑化についてお答えを申し上げます。
第1点目の環状夢のグリーンベルト構想の取り組み状況についてでございますが,拠点となる緑地等につきましては,ご質問にもございました前田森林公園等7ヵ所の公園緑地,モエレ等4ヵ所のごみ埋立地のほか,芸術の森や酪農団地など,全庁的に取り組み,総合的に推進をいたしております。
昭和67年度までの現5年計画では,このうち,前田森林公園など4公園がほぼ完成する予定でありますが,引き続き次の5年計画ヘと息長く実現を図ってまいりたいと考えております。
また,拠点をつなぐ区域についてでございますが,民有林が大半を占める山地部分につきましては,今年度創設をした森林保全基金を活用して,市民の森の造成を図るなどの保全に努めてまいります。また一方,平地部分につきましては,地域的な特性を生かしながら,拠点を結び合わせたグリーンベルトを形成していくことを基本に考えております。
具体的には,高齢化や余暇時間の増大など社会状況の変化に対応したスポーツ・レクリエーション施設の配置,また,ご指摘の農地の保全を含め,有効的に土地利用を図られるように検討を進めているところでございます。
第2点目の,市街地に残された樹林地の取り扱いについてでございますが,ご指摘のとおり,市街化の過程で残されている樹林地は,民間の方々の努力によるものも多く,大変貴重なものでございます。したがいまして,都市緑地保全法による緑地保全地区の指定及び緑化推進条例による保存樹木等の指定を行うほか,開発行為においても緑化の協議を行うなど,種々の制度を生かして保全に努めているところでございます。
また,ご指摘の緑化協議制度による残地林につきましては,昭和53年度制度発足以来の協議に基づき,残地の件数は139件で,その面積は474ヘクタールに達しております。しかしながら,これらの保全は,その大部分が開発者にゆだねられているのが現状でありますので,今後は,協議の中で,条例に基づく緑保全地区の指定等の保全措置を講じてまいりたいと考えております。
次に,スパイクタイヤ問題についてお答えをいたします。
まず,1点目の来年度の市条例の見直しについてでございますが,札幌市としての基本姿勢は,スパイクタイヤの将来的な全面禁止でございます。これまで,その目的に向かって,段階的な諸施策を講じてきたところでございます。スパイクタイヤ製造・販売中止の調停成立など,この問題を取り巻く状況の変化と本市の現状などを考えますと,ご指摘のように,昭和66年以降のスパイクタイヤ使用全面規制を打ち出し,市の対策の終点を明示してもよい時期に来ていると,こう言えますが,国レベルでの問題解決の可能性が見えてきておりますので,その動向を見きわめる必要があろうかと考えております。したがいまして,条例改正に際しましては,市民の意向把握,関係機関との協議も十分に行い,その時点で,最善の内容にしていく考えでございます。
次に,2点目の国への対応についてでございますが,さきに環境庁長官がスパイクタイヤ使用規制の法制化を検討する旨の意向を示しました。このことによって,国の取り組みが急速に前進してきたものと認識をいたしておりますが,なお,関係省庁間の調整などの課題が残されているものであり,実現に向けて今後もまた要請を続けていく必要があると,こう考えております。
ご指摘のとおり,国のレベルヘの働きかけにつきましては,結集した力のほうがより効果を発揮できると考えているところでございます。本市といたしましては,これまでも全道市長会,北海道,主要都市スパイクタイヤ対策推進協議会などを通じて,環境庁を初めとする関係省庁に使用規制の法制化等の要望活動を行ってきたところでございます。
今後は,この問題に共通の悩みを持つ仙台市・松本市などの連携を強化しながら,この連携の輪を全国に広げ,結集した力をもって,国への要請等,最大の努力をしてまいる所存でございます。
次に,公共施設のあり方と有効利用についてでございます。
1点目の身近な公共施設の基本的な考え方ということでありますか,地域,地区,近隣住区の各段階構成に応じて,かつまた,成熟度合いを見きわめながら適正な配置に努めてまいりました。近年,高齢化社会の進展,女性の社会参加などに伴い,日常の市民活動はますます高度化・多様化してきておりまして,今後の施設づくりに当たりましては,地域の実情を十分配慮し,施設の利便性・機能性・設置場所やあるいはまた運営方法などを総合的に検討して,それらの整備充実に一層努めてまいりたいと考えております。
2点目の,施設利用の情報提供の問題でありますが,ご指摘のありましたように,市民の利便の向上や施設の有効利用をさらに高めるために,町内会との連携を密にするなど,広報活動に工夫を凝らすように検討してまいりたいと考えております。
3点目の施設の複合化についてでありますが,ご提言のように,複合化による利点を十分認識して取り組んできたところでございますが,今後とも,連絡所・地区会館と児童会館,地区センターと連絡所の併設など,住民の利便向上を一層図るために,配置計画上可能なものについては複合化を進めてまいる考えでございます。
最後に,分区に伴う諸問題についてでございます。
第1点目の,分区に伴う連絡所の新設についてでありますが,まず,分断される住民組織が円滑に融和・活動するためには,その拠点となる連絡所が必要であると考えております。したがいまして,来年度早々には,宮の沢及び発寒地区に,仮設でも,まず連絡所を開設したい,こう考えております。
第2点目の,手稲出張所の連絡所としての存続についてでございますが,手稲出張所は,これまでも住民組織のよりどころとして役割を果たしてまいりましたので,分区後におきましても,これは連絡所として存続をする考えでおります。
第3点目の,星置地区の連絡所設置についてでありますが,ご指摘のように,JR星置駅の開業や宅地造成などによりまして人口の増加が見込まれますので,将来連絡所を設置すべく,予定地の確保に努力をしたいと考えております。
第4点目の,西区及び中央区の土木事業所の取り扱いについてでございますが,区制発足以来,地域に密着したきめ細かな行政サービスを行うために,1区1事業所の設置を基本方針として,各種事業の整備拡充を図ってまいりました。ご指摘の両事業所につきましては,木造に加え,建築後20年ほどを経過していることから,老朽化が進み,また,周辺環境も著しく変化をしている状況もございますので,将来的な土木事業所の配置,さらには予定地の確保のことについても十分配慮しながら研究してまいりたいと考えております。
このことから,宮の沢地区の連絡所の位置及び施設の内容につきましても,ご提言にございましたように,地元の意向を勘案しながら検討を進めたいと,こう思っております。
以上であります。
○議長(吉野晃司君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。
(見延順章君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(吉野晃司君) 見延順章君。
◆見延順章君 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案20件のうち,昭和62年度の決算にかかわる議案については,委員35人から成る第一部決算特別委員会及び委員34人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ただいまの見延議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案20件のうち,昭和62年度の決算にかかわる議案については,委員35人から成る第一部決算特別委員会及び委員34人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,またその他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――
――
――――――――――――――――
○議長(吉野晃司君) ここで,日程に追加いたしまして,ただいま設置されました第一部及び第二部決算特別委員会の委員の選任を議題といたします。
本件につきましては,委員会条例第5条第1項の規定により,当職から指名します。
各位のお手元に配付の委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお,第一部及び第二部決算特別委員会における発言のための委員の交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行っていただくことといたします。
――
――――――――――――――――
第一部
決算特別委員会委員名簿
宮川 新市 野間 義男 朝川 利雄
加藤 隆司 青木 護 佐藤 寿雄
佐藤美智夫 常本 省三 高橋 忠明
武市 憲一 山崎 七郎 滝沢 隆
宮口健太郎 水由 正美 富田 新一
吉田 哲男 南 二郎 加藤 斉
松浦 忠 山本 長和 田畔 満
唯 博幸 森 健次 小田 信孝
春原 良雄 柿崎 勲 吉田 一郎
小谷 俵藏 八田 信之 千葉 英守
菊田 勝雄 高橋 重人 飯坂 宗子
菅井 盈 福士 勝
(委員数35人)
第二部
決算特別委員会委員名簿
山田 長吉 越智 健一 田畑 光雄
見延 順章 須合 一雄 山田信市郎
柴田 薫心 室橋 一郎 大越 誠幸
宮本 吉人 藤田 雅弘 岡本 修造
工藤 勲 湊谷 隆 赤田 司
伊与部敏雄 澤木 繁成 川口谷 正
西村 茂樹 猪熊 輝夫 常見 寿夫
政氏 雅 本舘 嘉三 丹野 勝
関口 英一 長内 順一 磯野 開丈
長岡 武夫 斎藤 忠治 村山 優治
荒川 尚次 小川 勝美 生駒 正尚
田中 昭男 (委員数34人)
――
――――――――――――――――
○議長(吉野晃司君) さらに,日程に追加いたしまして,第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任を議題といたします。
(見延順章君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(吉野晃司君) 見延順章君。
◆見延順章君 第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任につきまして,指名推選の動議を提出いたします。
すなわち,第一部決算特別委員長に佐藤寿雄君を,第二部決算特別委員長に斎藤忠治君をそれぞれ選任することの動議であります。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ただいまの見延議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,第一部決算特別委員長に佐藤寿雄君が,第二部決算特別委員長に斎勝忠治君がそれぞれ選任されました。
――
――――――――――――――――
○議長(吉野晃司君) 次に,日程第2,議案第26号から第28号までの3件を一括議題といたします。
いずれも市長の提出によるものであります。
提案説明を求めます。板垣市長。
(市長板垣武四君登壇)
◎市長(板垣武四君) ただいま上程をされました議案第27号
札幌市議会議員の報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案,及び議案第28号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案,並びにこれらに関連する議案第26号 昭和63年度札幌市
一般会計補正予算につきまして,提案の趣旨と概要をご説明申し上げます。
これらは,本市議会議員の報酬及び費用弁償,市長及び助役の給料並びに非常勤の行政委員会の委員等の報酬の改定と,これにかかわる経費の追加を行おうとするものでございます。
これらの報酬等につきましては,昭和59年12月の改定以来据え置かれておりますが,この間,本市の一般職の職員の給与は毎年改定されており,また,他の政令指定都市におきましても,本市が前回改定をした後に,すべての市が特別職の報酬等の改定を行っている状況にございます。
そこで,本市におきましても,市議会議員の報酬及び費用弁償並びに市長及び助役の給料の額について検討する時期に来ているものと判断し,去る7月26日,札幌市特別職報酬等審議会に諮問をいたしましたところ,同審議会においては,慎重に審議を重ねられ,9月17日に,これらの報酬等を本年10月1日から増額改定するよう答申がなされたところでございます。
この答申に基づき,他の政令指定都市の報酬等の改定状況等を種々検討いたしました結果,答申どおり改定することが適当であると判断したものでございます。
また,非常勤の行政委員会の委員等の報酬につきましても,これらとの均衡を図るため改定しようとするものでございます。
以上の報酬等の改定にかかわる一般会計の補正総額は6,533万1,000円であり,この財源といたしましては,
市税収入をもって充てるものでございます。
以上で,ただいま上程をされました各案件の説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(吉野晃司君) ただいまの市長の提案説明に対し,質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) 質疑なしと認めます。
(見延順章君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(吉野晃司君) 見延順章君。
◆見延順章君 委員会付託の動議を提出いたします。
すなわち,ただいま議題とされております議案第26号から第28号までの3件を,総務委員会に付託することの動議であります。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ただいまの見延議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,議案第26号から第28号までの3件は,総務委員会に付託されました。
――
――――――――――――――――
○議長(吉野晃司君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明9月23日から9月26日までは委員会審査等のため休会とし,9月27日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――
――――――――――――――――
○議長(吉野晃司君) 本日は,これで散会いたします。
――
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散 会 午後3時57分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 吉 野 晃 司
副議長 滝 沢 隆
署名議員 常 本 省 三
署名議員 常 見 寿 夫...