札幌市議会 1988-06-08
昭和63年第 2回定例会−06月08日-04号
議案第12号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する条例案
議案第19号 財産の取得の件(
廃棄物埋立用地)
議案第20号 財産の取得の件(公園用地)
議案第21号 財産の取得の件(学校用地)
議案第22号 財産の取得の件(
バスターミナル施設等建物)
議案第23号 財産の取得の件(遊戯施設)
議案第24号 町の区域を新たに画し,及び変更する件
議案第25号 町の区域を新たに画し,及び変更することに伴う
関係条例の整理に関する条例案
議案第26号 市道の認定及び変更の件
諮問第1号
鉄道事業法第61条第1項ただし書の規定による鉄道線路の敷設許可についての意見に関する件
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〇
出席議員(70人)
議 長 吉 野 晃 司 君
副 議 長 滝 沢 隆 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 長 内 順 一 君
議 員 柿 埼 勲 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 南 二 郎 君
議 員 吉 田 哲 男 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 須 合 一 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 見 延 順 章 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 朝 川 利 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 宮 ロ 健太郎 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 磯 野 開 丈 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 斎 藤 忠 治 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 宮 川 新 市 君
議 員 山 田 長 吉 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 藤 田 雅 弘 君
議 員 山 本 長 和 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 吉 田 一 郎 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市 長 板 垣 武 四 君
助 役 桂 信 雄 君
助 役 蒲 谷 亮 一 君
助 役 勝 田 義 孝 君
交通事業管理者
交 通 局 長 秋 山 忠 禧 君
水道事業管理者
水 道 局 長 藤 井 憲 次 君
総務局長 杉 本 拓 君
企画調整局長 伊 東 義 昭 君
財政局長 長 部 幸 一 君
市民局長 森 清 君
民生局長 石 原 弘 之 君
衛生局長 柴 田 浩 英 君
環境局長 本 間 雄 君
経済局長 木 戸 喜一郎 君
建設局長 魚 住 昌 也 君
下水道局長 岡 貞 夫 君
建築局長 西 本 弘 君
国民体育大会事務局長 河 崎 快 二 君
市立札幌病院長 斯 波 光 生 君
消防局長 谷 裕 之 君
教育委員会委員 秋 山 喜 代 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 大 橋 八 郎 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 貴 志 功 君
監査委員 中 目 啓 市 君
監査委員 山 本 穫 君
監査委員 山 本 長 和 君
監査委員 吉 田 一 郎 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 山 本 浩 介 君
事務局次長 鍛冶沢 徹 君
総務課長 丸 岩 公 充 君
議事課長 坂 野 嵩 君
調査係長 大久保 裕 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 英 俊 彦 君
記録係長 谷 川 輝 雄 君
委員会一係長 田 中 博 之 君
委員会二係長 土 屋 逞 君
書 記 谷 葛 磨 君
書 記 獅々堀 秀 利 君
書 記 佐 藤 比登利 君
書 記 長 瀬 宏 君
書 記 木 内 二 朗 君
書 記 吉 田 雅 博 君
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○議長(
吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は66人であります。
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○議長(
吉野晃司君) 本日の
会議録署名議員として大越誠幸君,
宮口健太郎君を指名します。
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○議長(
吉野晃司君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(山本浩介君) 報告いたします。
小谷俵藏議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
本日の
議事日程,
質問順序表及び請願・陳情の
受理付託一覧表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○議長(
吉野晃司君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号,議案第6号から第12号まで,議案第19号から第26号まで,及び諮問第1号の17件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
小田信孝君。
(
小田信孝君登壇・拍手)
◆
小田信孝君 私は,
公明党議員団を代表して,ただいまより,当面する札幌市の課題について質問をしてまいります。
まず,私は,
まちづくりにおける人材の育成・確保の重要性について,それを申し述べ,本市ではいかに人材の育成,確保を図っていこうとされているのかについて,その基本的な方策をお尋ねいたします。
言うまでもなく,今日,地域の活力をいかに高めていくかの観点に立って,それぞれの自治体で
まちづくりへの
取り組みが積極的に進められており,
観光開発,イベントの展開など,もろもろの事業が百花繚乱,の感がございます。それぞれの自治体がその持てる独特の資源を見直し,あるいは掘り起こすことにより,地域の
独立的活力を強化し,市民福祉を高めていこうとする意欲がこれほどまでに高まったことは,かってないことであろうと存じます。そのよって来たる背景は幾つか挙げられると思いますが,やはり,情報化,技術革新,国際化,高齢化などに見られる
社会的潮流の大きな変化に伴う
インパクトとしてとらえることができます。
この
社会的変化を的確にとらえ,いかに乗り切っていくかによって,都市間の格差が大きく広がっていく時代となるわけでありまして,都市が相互に創意工夫を凝らし,切磋琢磨を図っていく,いわば,いい意味での
都市間競争の時代を迎えたと言えるのであります。とりわけ,経済の面で,全国的に最も立ちおくれていた道内の景気は明るい方向に向かっているものの,鉄鋼,造船,農業など,従来,
北海道経済を支えてきた基幹産業が,
産業構造の調整に直面して厳しい状況にあり,中枢機能など
都市機能の集積を背景に,経済の面でも全道的に大きな影響力を持つ本市も,本道経済の活性化に一段の努力が求められているところであります。
都市の活力の源泉はどこにあるかという
基本的認識でありますが,たとえば,豊かな自然環境,良好な
都市イメージ,地域独特の資源など,いろいろなものが挙げられると思います。私は,人材こそが
都市活動を支えるかなめと考えており,
まちづくりのためには,「みずからのまち」を愛し,ともに「まち」をよりよくしていこうとする市民こそ,何よりもかけがえのないものであり,その上で,高い
専門的能力を有する有為な人材が必要であります。
最近,自治省が取りまとめました「都道府県及び
指定都市における地域政策の動向」でも,特色的なこととして,地域の活性化の上で人材に着目する動きが目立ってきていることが挙げられており,私も,札幌の
まちづくりにおける人材の重要性について,一層思いを強くしているところであります。
そこで,この人の問題にどのように取り組んでいくかでありますが,一つには,新しい時代に常に柔軟に対応し得るよう,市民一人一人が個性と能力を伸ばしていく教育,福祉,文化などの着実な
環境づくりが求められるところであり,この点で,先般策定された第3次
長期総合計画の中で,伸びやかな札幌人をはぐくむことを基本課題の一つに取り上げ,
部門別計画,さらに,21
世紀プログラムで
札幌ライフ創造プログラムとして,体系的に施策展開を図ろうとすることに私は共鳴をするところであります。
しかし,もう一方で求められるのは,より積極的に札幌に有為な人材を引きつけること。さらには,内外から札幌に興味,関心を持ってくれる,
札幌ファンをふやしていくことであります。
振り返りますと,札幌は創建されて間もなく,海外の人材を登用して,その知識や技術を活用して
まちづくりを進めた歴史を持っており,札幌の置かれている立場や社会状況が大きく変わっている中で,この例にそのまま倣うわけにはまいりませんが,有為な人材を国内さらに海外に求め,積極的に
まちづくりに生かしていくという視点は,決して忘れてはならないであろうと思います。
今日,情報の資源化が言われておりますが,いかに情報化が進展しようと,人と人との直接的な触れ合いがより価値ある情報を生み出すのであり,このためには,情報交換と
人的ネットワークの輪を広げる交流の場を,積極的に創出していくことが重要であります。
札幌の魅力は,毎年の
市政世論調査で,市民の9割以上がまちに愛着を持っていることに示されているとおりでありますが,他都市の市民を対象にした各種の調査でも,札幌は「住んでみたいまち」として,上位に挙げられることが常であります。
これをもって本市では,いわゆる人材の誘致,定着化をすぐに見込めると結びつけることはできませんが,少なくとも,潜在的な可能性を秘めていることは確かであろうと思います。
さらに,最近,
北海道東北開発公庫が実施した
研究開発に携わっている方々を対象とした札幌の
研究環境に関する
アンケート調査でも,
政令指定都市の中で,生活環境に関する評価は
トップグループにあり,幾つかの課題があるものの,
研究活動の場として,本市は良好な環境にあるという結果も出ております。
また,人材の東京偏在が言われておりますが,道外で働く
道内大学出身の技術者の74%が北海道への
Uターン志望を持っており,
研究開発の分野については,人材の誘致・定着に明るい展望を持つことができます。今後,本市が国内外の人材を
まちづくりに生かしていく上で示唆するところもあろうと思いますので,私が聞き及んでいる範囲で,他の自治体の事例を若干申し上げたいと存じます。
まず,
大阪バイオサイエンス研究所の例であります。
これは,大阪市が産業界,学界の協力を得て昨年10月に開設したものであり,今後21世紀に向けて大きく開花することが見込まれるバイオテクノロジーの研究を推進しようとするものであり,
基礎研究の開発に市が主体となって取り組むことが注目されることはもとより,内外の研究者の採用などにより,人材育成への積極性が目を引きます。
また,大分県は頭脳立県を唱え,地域の活性化に積極的に取り組んでいるところとして注目を集めております。そこの大山町は,農業の町ではありますが,県内でも辺境に位置し,土地条件にも恵まれない地域であって,農業者の海外研修などを通じた
人づくりにより,特産物を幾つか生み出し,
一村一品運動の先駆けとなっております。
さらに,石川県では,
創造頭脳集団「
流動研究員」制度を設置し,国内外の大学,
先端企業等からハイレベルな研究者を
流動研究員として招聘して,シンクタンクを組織することにより,
先端的研究のためのタイムリーな人材の確保を図っております。
一方,外国の例では,古くは
米国マサチューセッツ州のルート128,カリフォルニア州のシリコン・バレーが,それぞれ
マサチューセッツエ科大学,
スタンフォード大学を中核に
研究人材が次々にスピン・オフし,先端産業の
拠点づくりの先駆けとなっております。
同じく米国の
クリーブランドクリニック,ここは人工臓器,臓器移植の分野で世界的なメッカとなっているところであります。個人病院からスタートした
クリーブランドクリニックは,
人工臓器移植の分野の
世界的権威を招聘することにより,その人脈を活用して,人が人を呼ぶという結びつきで一流の人材が集まり,今日の隆盛を誇っているというようなことであります。
幾つか事例を申し上げましたが,要は,21世紀に向けて
社会経済が大きく変化する中で,札幌の風土・特性を踏まえた
研究開発力の強化,
文化的土壌の形成,さらには,広く
まちづくりを進める上で,人材の役割がますます高まっていくことを強調したいのであります。
そこで,本市の将来展望に立って,より人材を
まちづくりに積極的に生かしていく方策について,以下数点,市長のご所見を承ります。
第1点目でありますが,本市が今後都市としての魅力を高め,
国際都市としてより大きく飛躍していく上でも,経済的な活力にあふれたまちであることはもとより,世界に向けて文化的な創造力や発信力を持った都市であることが不可欠と考えております。
市長は,
札幌芸術の森,
芸術系大学の開校等の積極的な
取り組みにより,札幌の
文化的土壌の形成に努力されておりますが,こうしたハード面の器の整備も重要なことでありますが,それをより効果的なものとする上から,本市が力を入れていく分野で,一流の人材の招聘,さらには,交流の機会を積極的に拡大することにより,人の面から
インパクトを与えるような積極的な
取り組みについて,何かお考えがあればお聞かせ願いたいのであります。
第2点目は,
研究開発の分野についてであります。
本市産業の高度化,活性化を図る上で,
研究開発機能の強化は,ぜひ取り組まなければならない課題でございます。本市は北大,札幌医大などの大学を有し,大学人の
研究人材は豊かなようでありますが,民間の
研究機関の立地が東京圈などに比較して相当に劣るため,総体として,
研究人材の蓄積はまだ不十分なものがございます。
前段,私は,
研究開発の強化を通じた
地域活性化に真剣な努力を傾注している国内外のさまざまな事例を申し上げましたが,本市といたしましても,市内の
研究人材をより厚みのあるものとしていく上で,取り組もうとしていることがあればお聞かせ願いたいのであります。
第3点目は,札幌に興味や関心を持つ国際的な
ヒューマンネットワーク,言ってみれば,
札幌ファンをいかにより広げていくかということについてであります。
今日,グローバルに,さまざまな人が多様な分野で交流を特つ多面的な交流の時代になっております。すでに,本市も,
北方都市会議の
継続的開催,
姉妹都市交流,さらには
国際見本市等のイベント,コンベンションの開催などを通じて,ますます国際的な
ヒューマンネットワークが広がり,密度の高いものとなっており,このことが市民活動や産業活動などの面で大きな刺激となり,その活動を活発なものとしていることは言うまでもございません。
第3次札幌市
長期総合計画において,国際的な平和と発展に貢献し得る
都市づくりを掲げておりますが,私は,国際的な
ヒューマンネットワークの蓄積と広がりこそ,その原点と考えるものであり,本市はそうした方向で相当な実績を有していると自負しているわけですが,今後,どのように取り組まれようとしているのか,考え方をお聞かせ願いたいのであります。
次に,私は,
中央東地区の
まちづくりについて伺います。
札幌は,創建以来,新しい
理想都市を目指し,
フロンティア精神に燃えた
先人たちのたゆみない努力によって築かれた都市であります。このことは,昭和61年に策定された札幌21世紀構想において,開拓当初からの大胆な
まちづくりの構想と
実験的精神は,わが札幌の誇り得る伝統であり,新しいものを積極的に取り入れ,札幌の風土に適合させていこうとする伸びやかな
精神的伝統をさらに21世紀に向けて伝えていくことは重要な使命であると提唱されており,この基本的な考え方は,第3次札幌市
長期総合計画においても,より具体的な事業・施策の展開が図られているところであります。さらに活力ある
地域社会を実現するため,市民の連帯と
まちづくりへの
積極的参加が不可欠なものであり,行政の施策と民間の新しい発想や資本力が互いに役割を分担し連携することが,最も重要ではないかと考えるのであります。
ところで本市においては,都市部の
まちづくりのあり方について,すでにさまざまな場で論議されてきており,また,
先人たちが残してくれた都市内の貴重な空間としての
北海道教育大学札幌分校の
跡地利用の問題や,最近では,桑園や東札幌等の旧国鉄の
跡地利用の問題について,市民も高い関心を寄せているところですが,私は,これらの
跡地利用の問題についても,地域の特性を生かし,地域全体の活性化を図るための核として,官民が協力して知恵を出し合い,広い地域を対象に,互いに連携のとれた
事業展開を図っていくことを強く希望するところであります。
そこで市長のご所見を伺いたいのでありますが,
サッポロビールの第一工場が昭和64年に恵庭市へ移転を予定しているとのことですが,その跡地4.3ヘクタールの
跡地利用にかかわる事柄であります。
中央区東部地域は,札幌市の都市再
開発方針において,196ヘクタールが1号市街地に指定され,さらに,当街区を中心とする22ヘクタールの地域は,
中央東地区整備促進地区として位置づけられています。また,
サッポロビールの第一工場は,明治9年にわが国初の
ビールエ場として,また,官営の工場としてスタートしたものです。現在の
赤れんがの工場の一部は昭和26年に建てられたと聞いていますが,観光客でにぎわう
サッポロビール園の
赤れんがと同様に,
アーチ構造を多用し,鉄製の柱を使用した,
北海道開拓時代の雰囲気を残す貴重なものであり,付近には教会や
札幌軟石づくりの倉庫等もあって,味わい深い街並みとなっています。
そこで質問ですが,この
サッポロビール第一工場の
跡地利用計画は,地域全体の計画の中でどのようになっているのか。また,私としては,開拓時代の街のイメージもぜひ残していただきたいと考えますが,このことについて市長のご所見を伺いたいと思います。
2点目ですが,この跡地に面している北3条通についてであります。
昔は市電も通っていた幹線道路であります。そこで,もっと緑豊かなシンボル的な道路として再整備できないものかと考えます。地域の活性化のためにも,また市民の憩の場としても整備すべきと思いますが,市長のご所見を伺いたいのであります。
次に,
国民健康保険についてお伺いいたします。
来たるべき
高齢化社会を迎え,
医療保険制度の拡充は,行政に課せられた重要な課題であります。そのためには,各種の
医療保険制度間の給付と負担の公平化に向けて制度改革を進めるとともに,医療費の適正化に取り組んでいくことが要請されているのであります。特に,
国民健康保険事業の
安定的運営なくして,わが国の
医療保険制度の確立はないと言っても過言ではありません。そこで,私は,国保の制度面の問題について若干述べてみたいと思うのであります。
すでに
新聞報道等でご承知のとおり,
国民健康保険法の一部改正案が国会で可決され,本年度から
国保制度の改革が実現される運びとなったところであります。
国保運営については,その
構造的要因から,財政状況がきわめて厳しいものがあり,安定的な運営を確保するために,本市国保においても苦しい
事業運営を余儀なくされております。本市議会におきましても,重要課題として真剣に審議を重ねてきているところでありますが,一保険者の努力には限界があり,何としても抜本的な制度改正に期待せざるを得ないのであります。
国保の構造的な問題のうち,
老人医療費の増大に伴う負担問題については,老人保険制度の改正等,一連の改革を通じてその公平が徐々に図られてきたところでありますが,今回の改革は,新たに低所得者に着目した改善,さらには,医療費の地域差問題等,国保が構造的に抱えている問題について,国と地方が共同して取り組む仕組みをつくり,国保の安定化を図ることになっているのであります。しかしながら,今回の制度改正において地方負担の導入が図られた点については,きわめて不満と言わざるを得ません。さらにまた,基本的な問題である一元化との関係が明確になっていないのは,まことに残念なことであります。
時代の推移とともに人口の高齢化が進み,さらには,
産業構造の変化,医療の質的向上などの構造的問題を十分認識した上で改革を図っていく必要があり,単にその財政運営だけを考えるのではなく,保健,医療,福祉といった関連施策の展開状況を総合的に見渡しながら,その健全化に取り組むべき時代に入ってきていると私は痛感するのであります。したがって,本市においても,ひとり国保だけの問題ではなく,本市が抱える大きな都市問題として,関連部局が一体となった
取り組みがぜひとも必要であると考えているところであります。
今回,従来の国と市町村の体制に加え,新たに都道府県の役割が位置づけられ,国においては,国保の長期的安定に向けた体制の基礎づくりができたものと評価しているようでありますが,全体的には地方負担を導入することになっており,その分を地方交付税の特例加算等で措置されるとしても,65年度以降の展望はなく,地方にとってはまことに不安定な一面を抱えていると言わなければなりません。
また,国保の抱える構造問題に対する
取り組みを通じて,現在市町村が最も苦労している保険料の問題についても,国においては,取り組む体制ができ,国保運営の安定化が図られることになると考えているようでありますが,実態は,福祉医療制度からかなり後退した内容となっており,今後さらに改善されるべき大きな課題と思うのであります。
さて具体的な改正の内容について見ますと,まず第1が,低所得者問題に対応する保険基盤安定制度であります。
国保制度は,申し上げるまでもなく,構造的に保険料の負担能力がきわめて低い被保険者の割合が高く,国保財政の不安定要因となっており,その解決が
国保制度の社会保険としての基盤安定を確保していく上で重要なポイントとなっております。このため,低所得者の保険料軽減相当額について,国が2分の1,都道府県・市町村がそれぞれ4分の1ずつ負担し,被保険者の保険料負担を緩和して保険基盤の安定を図るという内容になっております。
第2に,医療費の地域差問題に対応する地域医療費適正化プログラムであります。
全国約3,300市町村の国保の医療費には相当の地域差があり,とりわけ平均を大幅に上回っている地域の医療費については,適切な対策を講じ,運営の健全化に努める必要があるという考え方から,
地方公共団体が一体となって取り組むシステムが導入されることになっております。
まず,医療費が全国的に見てきわめて高い市町村を厚生大臣が指定し,その医療費について国・都道府県及び市町村が協力して適正化を図り,運営の健全化に努めるもとの,厚生大臣の定める指針に基づいて安定化計画を策定することになっております。しかしながら,著しく医療費の高い地域に,医療費抑制策の効果を上げさせるための具体的な権限を与えることなく,単に地方に安定化計画を作成させるのは,手段を与えないで結果だけを求めることになり,その実効にいささか疑問を感じているところであります。
また,この安定化計画に基づいて適正化努力をしても,なお,ある一定基準を超える著しく高い医療費の一部分について,現行の国保負担の対象外とし,保険料で2分の1,国・都道府県及び市町村が共同して6分の1ずつを負担することになっております。この負担は,63年以降の医療費の実績に基づき65年度以降に行うことになっておりますが,私は,とりわけ医療費の高い本市国保財政への影響を危惧しているところであります。
全国的に見て医療費の高い自治体に対し,医療費水準の是正計画をつくらせ,国と地方が一体となって医療費対策に取り組むことはきわめて重要なことでありますが,その一方で,従来と違った地方の負担体系を設けることにつながります。医療費の適正化といっても,非常に難しい問題が関連してくると思われますが,私としては,医療費増大の大きな要因の一つに,医療制度そのものに起因するものがあると思うのであります。したがって,医療費適正化を進めることも重要でありますが,国みずからが現行の薬づけ・検査づけを促進するような医療給付制度を抜本的に見直すべきではないかと思うのであります。
第3が,高額医療費の発生に対する高額医療費共同事業についてであります。
高額医療費共同事業は,従来から,国保連合会が実施する保険者の共同事業として,ほぼすべての都道府県で行われておりますが,地方交付税の特例加算等により,都道府県に対し地方財政措置が講じられることになっており,市町村国保の保険経営の安定化を確保するため,都道府県にも参画をさせ,その助成により事業の強化・拡充を図りたいと国は考えているようであります。これについては,従来から,各都道府県連合会が主体となって共同事業が実施されておりますが,今回の改正により,都道府県のより一層の支援,助成を義務づけているものであります。
第4は,以上のような改革と国保全体の財政状況を勘案して,老人保険拠出金への国庫負担の見直しもあわせて行っております。
すなわち,
老人医療費拠出金に対する国庫負担率は,現行の56.1%から52.4%に削減されたのであります。この国庫負担率の削減は,老人の加入率が高く,
老人医療費が総医療費の2分の1を占めている本市国保財政にとっては,大きな打撃を受けるのではないでしょうか。このたびの制度改正はいろいろな問題点を含んでおりますが,制度改正に国が重い腰を上げ,本格的に取り組む姿勢が見えたことにはある程度評価できるものの,今後さらに国保事業安定化のために,引き続き抜本的な制度改正が行われることを強く期待しているところであります。
そこで,次の諸点についてお伺いいたします。
質問の第1点目は,今回の改革の中で焦点となっている地方負担についてであります。
今回の一連の制度改正により,63年で本市は3億5,000万円のメリットがあると試算しておりますが,来年度以降の問題として,特に本市に影響があると思われる老人保険医療費拠出金にかかわる国庫負担率の引き下げによる影響については,今後どのようになっていくのか,その見通しをお示しいただきたいのであります。
質問の2点目は,地域医療費適正化プログラムに伴う安定化計画についてであります。
本市では従来から,レセプト点検等,可能な限り医療費適正化対策を積極的に実施しているところでありますが,安定化計画の実施によって,現在よりさらに医療費抑制の効果があるのかどうかお伺いしたいのであります。また,地域医療費適正化プログラムが実施される65年度以降は,本市国保財政にとってどのような影響が出るのかをお示しいただきたいのであります。
質問の第3点目は,今回の制度改正と一元化の関係についてであります。
厚生省は,高齢者対策企画推進本部報告に基づき,60年代後半のできるだけ早い時期に
医療保険制度の一元化を目指しておりますが,今回の制度改正は,一元化構想の中でどのように位置づけられているのかお伺いしたいのであります。
次に,老人福祉に関し,昨年10月に実施されたお年寄り生活実態調査について伺います。
わが国における人口の高齢化は,諸外国に例を見ない速度で進行しており,21世紀初頭には,国民のほぼ4人に1人が65歳以上の高齢者という本格的な高齢社会が確実に到来しようとしておりますことは,すでにご承知のとおりであります。
第3次札幌市
長期総合計画によりますと,人口の高齢化が従来の予測を上回る速度で進展するものと予測されております。すなわち,この計画の第3章「計画の基本指標」の人口において,65歳以上人口比率が昭和60年の7.5%から14.9%へと2倍に高まり,実数でも,11万5,000人から29万7,000人へと2.58倍に増加するものと予測しております。また,独居老人世帯については,1万3,000世帯から3万6,000世帯になるものとされており,高齢化の進展は全国平均よりもやや遅いとはいえ,これまで経験したことのない高齢社会に向かって着実に進んでいるところであります。
こうした中で,市民の一人一人が長い生涯を安心して生きがいを持って過ごせるような長寿社会を実現するためには,人生50年時代につくられた既存の諸慣行や考え方を見直し,人生80年時代にふさわしい社会システムをつくり上げていく必要があると思います。
本市におきましては,これまで,
高齢化社会対策にかかわる中長期計画の総合的な実施を図るため,高齢化対策連絡協議会を設置し,さまざまな施策を推進しているほか,この4月からは,医療福祉の総合的サービスを提供するため,高齢者等サービス総合調整推進会議を発足させるなどの努力を重ねているところであり,こうした本市の
取り組みを評価するものであります。
高齢者対策を推進するに当たっても,お年寄りの市政に望む声を把握するとともに,お年寄りの生活の実態を把握して初めて,有効かつ市民に喜ばれる施策が可能となるりであり,そういう意味で,昨年10月に,65歳以上の在宅の方2,000人を対象に36の調査項目について,民生児童委員のご協力により行われた「お年寄り実態調査」の結果について,大変関心を持っているのであります。結果集約分析は近々公表の運びということでありますが,この機会に3点についてお伺いします。
まず第1点は,お年寄り実態調査は,昭和47年以降5年ごとに実施しているということでありますから,前回の調査は昭和57年であります。伺うところによりますと,今回の調査項目は,前回とほぼ同様に,年齢・性別・居住状況・健康状態・就労・経済状況,そして老人の意識調査まで多岐にわたり調査を行っているのであります。
私は,老人人口が急激にふえる中で,健康な人がふえるなど,老人の実態が多様化していることから,その意識も変わっているのではないかと思うのでありますが,今回の調査でどのような点で変化や特微かあらわれているのか,数字を挙げてお示しいただきたいのであります。特に,寝たきり老人や痴呆性老人など援護を要するお年寄りについてお教えいただきたいのであります。
次に2点目として,前回の実態調査後,市長は
高齢化社会のためのプロジェクトチームを強化し,さらに社会福祉審議会に諮問し答申を得るなど,調査結果を活用してまいりましたが,今回の調査は前回とほぼ同様といいながらも,できるだけお年寄りの生活実態を明らかにするという観点から,調査項目の設定に当たっては,十分検討を加えたとしており,調査結果を詳細に分析しているとのことでありますが,さきに述べた社会福祉審議会の答申や第3次
長期総合計画にも関連することでありますが,今後,この分析結果をどのように行政に反映させていかれるのか,市長のお考えを伺いたいのでありまず。
第3点目として,これまで,寝たきり老人や痴呆性老人のための施設づくりなど,本市は全国でも高い整備率を誇っておりますが,健康で楽しい老後を過ごすための方策については,今後さらに重要になってくると考えます。いまや人生80年時代といわれ,高齢化が進む中で,お年寄りのニーズも,健康はもちろん,住環境や就労,地域でのボランティア活動,趣味を生かした生きがいなど多様化していると思うのであります。このようにニーズが多様化する中で,
高齢化社会においてお年寄りの知識・経験を生かし,生きがいのために
地域社会で活動していただく方策を考える時期であると思うのであります。
健康づくりセンターや老人福祉センターなどの施設の充実も必要でしょうが,健康なお年寄りが健やかに老いるため,本市の特性を生かした施策,たとえば,地域のお年寄りが互いに助け合うようなシステム等について研究すべきと考えますが,いかがでありましょうか,お伺いいたします。
次に,図書館行政について質問いたします。
多くの市民の方々が設置を希望し,また利用している図書館について,その概要を見てみますと,現在,本市図書館の蔵書は,62年度末で110万冊,利用冊数も370万冊となっており,これは全国の
政令指定都市の中でも相当上位にあることは明らかであり,行政当局の市民ニーズに対する積極的対応のあらわれであり,一方,札幌市民の文化の高さの証明であると考えるのであります。
その図書館について,私なりの現状分析を行ってみますと,まず施設数では,昨年12月,西区の曙図書館がオープンしたことにより,64年11月予定の分区に先駆けて1区1図書館建設の完成を見たところであります。これにより,市内における図書館施設は,図書館法に基づくものが9館,区民センターの図書室7室,移動図書館のステーションは58ヵ所,貸出文庫61ヵ所になるのであります。
また,高齢者の方々のために大活字本をそろえ,体の不自由な方々に対しては,郵送料を全額負担して貸出しサービスを行うなど,含め細かいサービスを行っているところであります。今後より一層積極的な展開を期待し,また,そのことが,生涯学習における市民への図書館サービスの提供にも結びつくと考えるものであります。
また,現行5年計画の中で建設が予定されている新中央図書館についても,すでに設置場所も内定し,規模についても,59年にオープンした名古屋市立図書館に次ぐ広さであると,9,000平方メートルという大規模な施設で,大変結構なことと考えるものであります。そこで私は,今後の図書館行政について,以下3点について質問いたします。
その第1点は,新中央図書館の今後のあるべき姿についてであります。
すなわち,現在の中央図書館は約3,000平方メートル規模であり,新たにつくられる新中央図書館はその3倍の規模となっています。オープンスペースを多くして,市民が好きな本を自由に取り出せることを主眼とするとか,蔵書の構成に意を注ぐとか,市内各地区館とのネットワーク化,また,化石等の埋蔵文化財調査センターを併設するとか,種々の考え方が示されておりますが,この図書館について,今後教育委員会はどのような活用のお考えをお持ちなのか伺いたいと思います。
第2は,図書館建設の今後の方針についてであります。
今後とも市民の図書館施設に対する要望は根強いものがありますので,市民が気軽に来ることができる場所に図書館を設けることは,現在の地価の状況等から見て,予算上なかなか困難と思われます。そこで,私なりに集めた資料によりますと,文部省は現在,社会教育局を生涯教育局に衣がえし,だれでも学習できる施設を全国的に整備していく方針であり,その一手法として,従来の公共施設同士の複合化から一歩進んで,駅前ビルや再開発ビルの中に図書館や公民館等の社会教育施設を設置する等,公共と民間の連携による複合化の動きがあります。
例として挙げますと,仙台市のパルシティー,厚木市のシティープラザ,多摩市のザ・スクェア等々,再開発ビルの一部を社会教育施設として利用しているのでありますが,本市においては,この点どのように考えておられるのかお尋ねしたいと存じます。
第3点は,図書館の利用促進についてであります。
日本図書館協会の調査によっても,従来,図書館は閲覧が中心であったのが,今後の図書館利用は,貸出しが主体になるものと予想しております。また,5月19日新聞紙上で扱われていた調査記事では,「読書ぎらい今どき高校生」と題して,一月に1冊も本を読まない生徒は40%というデータが公表されていました。活字文化というものの重要性を認識するならば,これは憂うべき状態と言わざるを得ません。教育委員会としても,今後いかに市民に活字に親しんでもらえるか,すなわち,図書館の市民の利用についてどのような方策を考えておられるのか伺いたいと存じます。
最後に,西区問題についてお尋ねいたします。西区の分区に伴う町名整備等についてお伺いいたします。
西区の分区境界線につきましては,さきにその原案が示されたところですが,この案によりますと,現在の発寒,手稲宮の沢地区内に設定されることになります。この両地区につきましては,町の区域が広大であることから,住所がわかりずらい地区であり,地元では,以前から町名整備及び住居表示の早期実施を要望していたところでありますが,種々の事情から分区境界線の設定が難しい状況にあったため,両地区とも町名整備が行われないまま現在に至っています。分区境界線及び区名につきましては,今後正式決定の運びとなりますが,多くの市民の方々が発寒地区などの町名整備の実施時期等に深い関心を持っていることから,分区にかかわる町名整備に関してあえて質問するものであります。
そこで,このたび示された分区の案では,現在の発寒及び手稲宮の沢地区が二分されるごとになり,二つの区に同一町名が存在することになるため,いずれかの町名の変更が必要ではないかと考えます。また,西区側に手稲東,手稲平和等々の町名が存在することになり,新区の名称が仮に手稲区になった場合,手稲東という町名はわかりずらい,そして間違いを引き起こすおそれがあるため,こうした西区側の手稲がついた町名の変更が必要と思われます。そこで,分区にかかわる町名整備等に当たっての基本的考え方をお聞かせ願いたいと思います。
さらに,町名整備の実施時期でありますが,分区による区名変更と同時に町名整備を行うことにより,市が行う住民票等の書きかえ,関係住民が行う住所変更手続が一度で済むため,同時実施が最善の方法と考えますが,その考えがあるのかお聞かせいただきたいと存じます。
次に,手稲地区におけるコミュニティ道路づくりの延長について伺います。
手稲北口に位置する樽川通をコミュニティ道路として位置づけて整備したことは,まことに時宜を得た事業であると評価しているところであります。この楢川通は,分区された時点での区の中心どなる地域に位置することから,私はさらに,都市計画道路を新川まで延長し,区のシンボルロード事業として整備すべきと考えますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。
また,その先に,環状夢のグリーンベルト構想の一つとして整備を進めている前田森林公園があるが,その公園までをコミュニティ道路として整備し,緑のネットワーク形成を図る考えはないか,あわせてお伺いしたいと存じます。
以上で,私の質問は全部終了いたしました。ご清聴いただきありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) まず第1に,
まちづくりにおける人材養成確保についてお答え申し上げます。
ご質問の第1点目の,芸術・文化分野の人材強化と交流機会の拡大についてでございますが,本市が個性的な
国際都市として発展するためには,質の高い芸術・文化環境の整備が大きな課題でございます。こうした環境整備が市民の関心を高めることになりますし,また,内外の芸術家,文化人が札幌に注目をし,交流活動の場として活用することにもつながるものと期待されます。その一つの試みが
札幌芸術の森の建設であり,現在,デザイン系を中心に開設に向けて検討を進めております
芸術系大学やアート団地計画なども,すぐれた人材を集めることに大いに資する事業と考えております。
また,芸術・文化交流の機会の拡大につきましては,第3次札幌市
長期総合計画の21
世紀プログラムの中に盛り込んでおります国内及び国外との交流に結びつくイベントの開催等,積極的な事業の展開を図ってまいりたいと存じます。
以上,いささか抽象的に過ぎる答弁になりましたが,一つだけ具体例を申し上げたいと思います。
芸術の森の正面,橋を渡りますとすぐ池がございまして,その池の中に白く浮かんでいる彫刻は,フランス一流彫刻家のマルタ・パンという人の作品でございます。これは数千万円かかっておりますが,つい最近に,同じマルタ・パンさんと同様に一流の作家であるというピエール・セッカリーという方が札幌をご覧になって,そしてぜひ,日仏交流の先駆けという意味で私も彫刻を札幌市に寄附したい,こういうことで,そのセッカリーさんの「幻想の鳥」という花崗岩で刻んだすばらしい彫刻ですが,一昨日,前田森林公園で除幕式を行ったところであります。
また,世界一流のアメリカ人の作家であるイサム・ノグチという方が札幌へ来られまして,芸術の森やその他公園を見ながら,自分も作品をぜひモエレ沼公園の中に置きたいと,こういうような意向を示されてることもございましたが,芸術とか文化の分野で交流の輪が拡大をしていっているという一つの例として申し上げた次第でございます。
ご質問の第2点目の,
研究開発に携わる人材の強化についてでございます。
本市産業の高度化,活性化を図る上で,
研究開発機構の強化は不可欠であると認識をいたしており,
研究開発の場と機会の整備を通じて人材の育成強化を図っていくことは必要であると考えております。そのために,本市は,地域特性を生かしながら,情報化,技術革新の変化に対応すべく,他都市に先駆けてエレクトロニクスセンターを中心とする札幌テクノパークを建設をし,このたびはまた,産・学・官の協力により総合情報センターを設立したところでございます。また,計画中の真栄地区の工業団地は,
研究開発型の産業団地を目指すものであり,このような特色のある施策事業を今後とも,着実に推進をしてまいりたいと考えております。
第3点目の
ヒューマンネットワークの形成についてでございます。
本市は,姉妹都市あるいは友好都市との民間団体等の提携,
北方都市会議,国際見本市の開催等を通じて国際交流の輪を広げ,経済交流の促進に努めてまいりました。今後はその一層の拡充を図り,
国際都市に必要なより多様な人のネットワークを形づくっていくことが大切であると考えております。そのため,先ほど申し上げました札幌21
世紀プログラムの中では,市民の国際感覚の高揚,
国際都市にふさわしい市民の温かい受け入れ態勢づくり,札幌の特性を生かした魅力的な国際交流活動の機会の創出など,国際的な交流や結びつきを強めるプロジェクトを立てており,その方向に沿って積極的に事業を進めてまいりたいと存じます。
マルタ・パンさんの制作費は約2,500万でございました。今度のセッカリーさんのは,これは材料費と作品の運搬賃だけで,300万そこそこであれがいただけたと,こういうことでございます。
次に,中央区の東地区の再開発についてでございます。
ご質問の
サッポロビール札幌工場第一製造所は,昭和60年3月に策定をいたしました都市再
開発方針の1号市街地内にある,約4.3ヘクタールと大変まとまった土地であり,移転に伴う跡地の開発につきましては,本市も大きな関心を寄せているところでございます。
本市といたしましては,同製造所跡地が都市再
開発方針の中で,都心隣接地にふさわしい商業業務機能の拡充を図るべき地区として位置づけており,また,同製造所の隣接地では旧永山邸周辺地区市街地再開発事業が施行中でございますので,現在,
サッポロビール株式会社が策定中の製造所跡地の利用計画につきまして,これらを十分踏まえて策定をするように指導を行っているところでございます。
また,第一製造所にあります
赤れんがの建物を残すことにつきましては,私も同じような考えを持っておりますので,これを保存する形で開発していただくように要請をしているところでございます。
次に,2点目の北3条通の再整備についてでございますが,北3条通は,道庁赤レンガを起点として,古い札幌のイメージの残る道でありますことはもちろんでございます。同製造所
跡地利用計画の進捗動向に合わせて,さらにはまた,周辺の都市景観にも配慮をしながら,今後,ご提案の趣旨を生かす方向で検討してまいりたいと考えております。
次に,
国民健康保険の問題についてでございます。
第1点目は,国庫負担率の引き下げによる本市における影響でございますが,63年度で約5億円の負担増となります。64年度以降においても
老人医療費の増高に連動して負担増となる見込みでございます。
2点目は,地域医療費適正化プログラムに伴う安定化計画についてでございます。
医療費の著しく高い市町村につきましては,厚生大臣の指定に基づいて計画を策定することになりますが,本市がこの指定を受けることはほぼ間違いございませんので,近く示される国の指針内容に注目をいたしているところでございます。いずれにいたしましても,具体的な指針が明確になった段階で,国,道の力をかりながら,効果のある安定化計画の策定に努力をしてまいりたい,こう考えております。
また,医療費の適正化が図られない場合は,65年度以降,保険料や市の負担の増加につながることになりますので,安定化計画の実施に当たりましては,全力を注いでまいりたいと考えております。
第3点目は,今回の制度改正と一元化との関係についてであります。
お話にございましたように,厚生省では,60年代後半のできるだけ早い時期に,
医療保険制度の一元化を目指しておりまして,今回の制度改正は一元化への条件整備の一過程として位置づけております。したがいまして,私どもといたしましても,今回の制度改正につきましては,当然その一環であると認識をいたしております。
次に,お年寄りの生活実態調査についてでございます。
昨年の10月に本市が行いましたこの調査は,65歳以上のお年寄りの実態を把握し,より適切な老人福祉施策の推進のために役立てることを目的として,2,000人のお年寄りを対象に実施をしたものでございます。
第1点目のその特徴についてでございますが,昭和57年の前回の調査時に比べて,この5年間で,総人ロでは13万4,721人,すなわち9.3%の増加となっているのに対しまして,65歳以上の人口は2万9,281人の増,比率にして30.7%と大幅に増加をいたしております。その中で,ひとり暮らしのお年寄りは前回とほぼ同じ9.8%でございましたが,夫婦のみの世帯は,前回の28.5%から31.3%に増加をしており,その結果,お年寄りだけの世帯が増加の傾向をたどっていることが明らかになりました。また,入院の状況について見ますと,有病者63.5%のうち,8.6%のお年寄りが入院治療を受け,全国平均の5.6%を大きく上回っております。
次に,寝たきり老人は出現率が2.5%であり,この結果から,市内の寝たきりのお年寄りは約3,100人ぐらいになろうと推定をされ,その3分の2が女性となっております。また,今回初めて調査を実施いたしました痴呆症のお年寄りにつきましては,その病状がきわめて複雑でございまして,プライバシーを尊重しなければならないことなどもございまして,実数の把握が十分に行うことはできませんでしたが,個々の症状について申し上げますと,極度の健忘を示した者が2.4%,疑い深いという症状と申しますか,方が2.6%,そのほか夜と昼のとり違いあるいは突発性の外出・帰宅不能など,老人性痴呆と判断されるお年寄りの実態が明らかになったと,こういうふうに考えております。
第2点目の,調査の分析結果をどのように行政に反映させていくのかと,こういう質問でございますが,社会福祉審議会や高齢者等サービス総合調整推進会議,あるいは高齢化対策連絡協議会等で有効に活用していただくとともに,必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
次に,ご質問の第3点目についてでございますが,長い人生経験をお持ちのお年寄りの知識あるいは経験は,社会の貴重な財産でございます。この知識や経験を生かし活躍する場を確保するということは,お年寄り自身の生きがいにも通じ,きわめて大切なことであると考えます。
今回の調査におきましても,今後,社会奉仕活動に参加したいとするお年寄りは,すでに活動している数を上回っている,そういう状況にございます。ご指摘のとおり,特に福祉の分野におきましては,地域福祉へ移行する中で,お年寄りを含めたマンパワーの確保が重要であり,その担い手としてのお年寄りの活動をシステム化するということにつきましては,本市としても積極的に研究してまいらなければならないと考えております。
私からの最後に,西区問題についてでございます。その1点目の西区の分区に伴う町名整備についてでございます。
町名整備を実施する場合の基本的な考え方につきましては,町名はできるだけ従来の名称に準拠し,同一または紛らわしい類似の町名が生じないよう留意するとともに,地域住民の意向を尊重することが基本でございます。したがいまして,分区により二分される発寒及び手稲宮の沢地区の町名設定,並びに区名と町名の関係につきましては,地域の方々の理解と協力が得られるように,十分協議をさせていただいて,地域にふさわしい町名を設定したいと考えております。
また,町名整備の実施時期につきましては,ご提案のとおり,公簿類の書きかえ等を伴うことから,できるだけ住所変更が一度で済むように,分区と同時期に実施したいと,こう考えております。
第2点目の,手稲地区におけるコミュニティ道路の整備促進についででございます。
樽川線のコミュニティ道路の整備は,62年度までにJR函館本線から下手稲通までの整備を終えておりまして,本年度は引き続き稲山通までの区間を整備する予定でございます。その先の新川南通までの区間につきましては,現在,都市計画決定の手続を進めているところでございまして,計画決定後整備をしてまいりたいと考えております。また,前田森林公園に至る区間につきましては,道の新川環境整備計画とも調整を図りながら今後検討をしてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
○議長(
吉野晃司君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) 図書館行政について,私からお答えをいたします。
第1点目の新中央図書館の今後のあるべき姿についてでございますが,新中央図書館の機能については,まず高度情報化社会に対応すべく,資料の整備に全力を注ぐほか,市内各図書施設とのネットワーク化を図って,各地区図書館がそれぞれの特色を生かすことができるように努めてまいります。あわせて,国立国会図書館,道立図書館また市内各大学との相互連携を積極的に進めてまいります。
二つ目に,新しいメディアの活用でありますが,最近の傾向としては,ビデオ,フィルム,カセット等の利用が伸びてきております。これについては,教育文化会館に設置されている視聴覚センターとの連携を強化し,市民のニーズにこたえてまいりたいと考えております。
三つ目には,北方圈の拠点都市として,国際情報コーナーを設置し,国際交流プラザとの連携を図りながら,諸外国の情報や資料を市民に提供するほか,外国の方々には本市の歴史や文化などの現況をアピールしてまいりたいと考えております。
2点目の図書館建設の今後の方針についてでございますが,文部省は去る4月,生涯学習関連施設のネットワーク形成に関する懇談会を設けまして,公共,民間も含めた形での生涯学習の
拠点づくりのための具体策をまとめる方針としております。本市の場合は,ご質問にありましたとおり,すでに各公共施設に多くの図書施設を有しておりますが,なお文部省は,この懇談会の結論を待ってモデル計画づくりに着手すると聞いておりますので,本市においても,この計画の策定を待って,生涯教育の視野から十分検討してまいりたいと存じます。
第3点目の図書館の利用促進についてでございますが,貸し出し冊数が年々増加している反面,ご指摘のとおり,本を読まない世代がふえていることも事実であろうと存じます。こうした活字離れを防ぎ,より図書館の利用を願うために,幼児とその母親を対象とした読み聞かせ会やそのリーダー養成に努力しており,さらに多くの方々が読書に親しむため,映画会,講演会,関連資料の展示会等を実施してまいりました。今後ともこういった事業や新たな企画を通して,市民の読書意欲の向上を図り,あわせて,親しまれる図書館づくりのため一層努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時6分
再 開 午後2時36分
――
――――――――――――――――
○議長(
吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。千葉英守君。
(千葉英守君登壇・拍手)
◆千葉英守君 私は,ただいまから,自民クラブ議員会を代表しまして,本市が当面する幾つかの課題につきまして,提言を交えながら質問いたしたいと存じます。
私にとりましては,初めての代表質問でありますだけに,やがて訪れる21世紀を目前にしている現在,本市としてどのようにして
まちづくりを進めていくべきかは重大な関心事であります。すべての市民が,住んでよかったと心から思う街札幌,これを目指すことは,ひとしく市民の願いであります。このような
まちづくりを明確に見据え,まず私なりの考え方を申し上げ,そして市長のご所信をお伺いいたします。
私は,まず,四つの視点から私の考え方を申し述べてみたいと思います。
その一つは,市長が目指していらっしゃる21世紀
都市づくりについてであります。
市長は,本年度よりスタートした第3次札幌市
長期総合計画において,計画の基本課題の一つに,国際性を高めるという考え方を明らかにしております。その推進のための21
世紀プログラムでは,三つの柱の一つに,世界に結ぶサッポロプログラムを掲げ,そのためのプロジェクトや主要事業を打ち出しております。
いま,全国の都市では,国際化,情報化など新しい潮流の中で,21世紀に向けてどういう
都市づくりを進めていったらよいかについて真剣な検討が行われておりますが,これらの動向を時代趨勢として受け身で対処するのではなく,各都市が主体的,積極的な施策を講じていってこそ,21世紀の活路が開かれるものと信ずるものであります。
次に,二つ目として,本市が打ち出した都市構想の着想に到達したこれまでの本市の歩みを見ますと,創建時における外国人技術者の導入,雪まつりや各種スポーツイベントの開催,
姉妹都市交流など,本市が人や文化の交流の面で多くの成果を上げていることは十分評価できるのであります。ただ,北海道全域に言えることかと思いますが,今後の国際交流の上で重視されるであろう経済交流において,全国の他の地域より大分おくれをとっていることは否めない事実であります。それは単に,道内経済の実態,
産業構造などの要因のみでなく,物や情縁の交流を支える交通・通信基盤など施設整備のおくれが主たる原因として指摘されております。そのため,国内外の直接的な窓口である石狩湾新港や新千歳空港の整備などのプロジェクトに大きな期待がかけられ,しかも,これらの交流基盤を活用し,人や文化さらには経済の交流を活発化せしめることが課題であります。
次に三つ目として,今後の都市構想に最も影響を与えたと思われるイベントとして,
北方都市会議が挙げられます。昭和57年2月,札幌市で初めての
北方都市会議が開催され,ことし2月に第3回がカナダのエドモントン市で開催されました。ことしの会議は,ショーケース'88として,
北方都市会議に合わせて「第2回冬の都市フォーラム」と「国際見本市」が同時に開催されました。札幌市の行政上の立場からの発表や商品の出展が大きな話題を呼んだと報道され,全体として大きな成功をおさめた会議であったとお聞きをいたしておりますが,この成功は,人,物,情報の交流イベントを同時期に連動し開催し,相乗効果をうまく引き出したところにあったと考えられます。
次に,四つ目として,
国際都市というものの持つ意義についてであります。昭和50年代後半から急速に進展しつつある国際化,高度情報化の新しい潮流に対して,地方自治体,特に都市はどういう対応をしていったらよいかという問題であります。
国際化とは,ともすれば国家レベルの課題と思われがちでありますが,今後の国際化は,国家レベルから地方レベル,特に東京から全国の地域レベルに拡大していかなければなりません。また,情報化の進展に対応して,全国に情報通信ネットワークを整備するとともに,各地域固有の情報を世界へ向けて発信できるようにすることが,きわめて重要であります。そして,わが国の国際化の中で,諸機能の集積を背景として,海外との直接的かつ多面的な交流の場として,都市の役割は一段と高まっていくものと予想されます。したがいまして,もし札幌市が国際化への対応を的確に進めなければ,おそらく札幌ひいては北海道地域全体の経済の活性化や,市民の福祉の向上にとって大きな問題を生ずることは容易に予測されるところであります。
以上,
国際都市として本市が21世紀に向けてさらに大きく羽ばたこうとするこの時期にあって,以上,市長が目指すところの「21世紀
都市づくり」着想に到達した本市の歩んだ歴史,そしてまさに好機とも言うべき
北方都市会議を初めとする大きなイベントの開催,かくして国際化へと次第に脱皮を図るその準備が一歩一歩確実に階段を上る兆しが見えたことを率直に申し上げ,次に質問いたしたいと存じます。
そこで第1点目の質問として,今後の札幌市の国際交流の進め方についてであります。
札幌市は,わが国の大都市の中でも唯一北方圈に位置しており,その地理的,気候的特性を生かした国際交流を進めておられます。特に,
北方都市会議はひときわ光るものであり,その一層の発展を期待しているところであります。その本部が札幌市に置かれ,本市は
北方都市会議のさらなる発展に努力しなければならない立場でありますが,今後の展開のためには,行政のみならず,各界から構成するシンクタンクをつくる必要があるのではないかと思います。
特に,
北方都市会議の都市間ネットワークとの連携により,北方圈共通のテーマについて考えるシンクタンク,たとえば北方地域問題研究所のような機関が必要になるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。おそらく,国際的な研究・開発など,より多様な交流機会の拡大につながるものと期待できるものであります。このようなことを含めまして,今後の札幌市における国際交流の進め方及び交流の対象について,市長のご所信をお尋ねいたします。
次に,2点目の質問は,札幌市の国際化への対応を図っていく上で,
国際都市としての魅力についてお尋ねいたします。
もとより
都市づくりの上で,たとえば道路・交通機関の整備,公共施設の建設に当たって,これからは標識,案内板,表札など,外国語表示をすることは当然であり,さらに,市民のホスピタリティーを高めるための施策を講じる必要があると常々思っておりますが,海外からの訪問者が困らない
都市づくりは,
国際都市にとっては当然しなければならないことであり,ハード面,ソフト面の対策を着実に図るべきだと考えます。
まず,
国際都市としての魅力についてでありますが,世界の中で指折り数えられるような
国際都市は,やはり長い都市形成の歴史の中で,他の都市にはない政治,経済,芸術などの諸分野で独自の機能や魅力をはぐくみ,かつ,それが世界に広く認められるための絶えざる努力が積み重ねられて今日に至っていると思うのであります。
わが国においても,東京,大阪,京都など,国際的なかかわりの中で都市としての集積が高い都市ほど,歴史的過程の中で重要な役割を果たし,今日に至っているのであります。しかし,わが国の都市あるいは地域が国際社会において直接海外の都市との結びつきを深めていかなければならない今日,全般にその独自性が未成熟な状況にあるのは否定できないところであります。
そこで,札幌市としては,これらの新しい課題にいかに対処していくかについてお尋ねいたします。
すでに,札幌21世紀構想や第3次札幌市長総計画の策定を通じて,十分検討がなされたこととは存じますが,札幌市は,どのような
国際都市をイメージし,どのような手段を持ってその実現を図ろうとするのか。きわめて長期的な課題になろうとは存じますが,
国際都市を目指す市長のご見解をお伺いいたしたいと思います。
続いて第3点目の質問は,国際化として,とりわけ重要な
都市機能である情報機能の整備についてお尋ねいたします。
今後,国際的な人,物,経済交流の増大に伴い,情報交流の量の増大,質の変化が予測される中で,そのことにかかわる
都市機能,とりわけ情報
研究開発の整備が,21世紀に向けて重要な課題になってくるものと予想されます。
情報機能に着目いたしますと,情報の受け手あるいは発信する側として,情報通信基盤を整備すること。もう一つは,世界が札幌に注目するような情報発信都市としての情報創造の問題とに大きく分けることができましょう。札幌市は,郵政省のテレトピア構想の指定を受け,「スノートピア計画」に基づく
事業展開を図っております。特に,本年3月に札幌市などの出資により設立した総合情報センターは,雪と寒さという北国の厳しい自然条件を克服し,円滑な道路交通を確保するため,降雪予測と降積雪・凍結感知の二つのシステムの構築並びに各種情報の創造・提供の役割を持っており,21世紀に向けて先駆的な実験を継続する都市の新しい事業として大変期待しているところであります。
一方,昭和61年1月に,札幌ニューメディア研究会から,「高度情報化に伴うニューメディア活用のあり方について」という提言が出され,「北方の気候風土に適合した高度情報拠点都市」の実現を図るべきことが提言されております。ここでは,高次な情報の蓄積・発信と,情報の高度な活用に向けての対策が種々提言されており,市民生活,文化,産業,
地域社会など,あらゆる面で情報通信技術を主体的に利用し,新しい時代にふさわしい生活の利便性,快適性,安全性を追求するとともに,
国際都市としての高度な情報基盤を整備していこうと提言が盛り込まれております。
私は,21世紀を目指した国際
都市づくりを積極的に推進するためには,情報基盤の整備はぜひとも強力に進めていかなければならないと考えております。
そこで,お尋ねするわけでありますが,63年度予算におきましては「札幌インテリジェントシティ構想」の策定が計上されておりますが,まさに高度な
都市機能の要請にこたえるために盛り込まれた施策であり,評価しているところであります。しかし,この構想の策定に当たっては,国際化,情報化の潮流を的確にとらえ,総合的かつ体系的な展望のもとで行わなければならないと思いますが,どのような視点で取り組まれようとしているのかお尋ねいたします。
次に,私は,市長の公約でもあり,63年度から計画されております「ふるさとづくり特別対策事業債」の活用による大通公園の改修・改築について,さらに,第3次
長期総合計画に盛り込まれている都心における快適な道路空間の創出策について,もう一つは,旭山記念公園隣接地の市有地約17ヘクタールという広大な土地の活用策について,日ごろ私が考えておりますことを申しながら,市長のお考えをお尋ねいたします。
本年,本市は創建120年を迎えたわけであり,さまざまな記念行事が予定されておりますが,このような歴史の節目に当たり,そのポイントを,単に歴史が刻む連続上の一つのポイントとしての意義だけでなく,最も大切な時点であることの認識を持って扱われるべきだと思います。
なぜならば,私は常に,過去に学び,現在を知り,未来への展望を捕捉しなければならないことの重要さを知っているからであります。特に,本市の場合,昨年6月には札幌21世紀構想を策定し,引き続きことしは,その具現を目指した第3次長総計画と新5年計画の策定に見られるとおり,もはや新しい時代への転換を迫まられている時でありますし,しかも,国際化社会,高度情報化社会,そして
高齢化社会と,社会の流れは,どれ一つとってみても,いまだかって体験したことのない新しい潮流が渦巻くその中に船出しようとしているのが札幌の姿であります。
かくして私たちの郷土札幌が,新しい発展段階を迎えつつ,本市が今後とも幾世代にもわたって個性ある住みやすい街として住み継がれ,永遠に札幌らしくあり続けるような展望と指針に基づいた
まちづくりが,いまこそ真に求められている最も重要な節目であると思います。
こうしたことから,私は,前段に申し上げた計画案に目を通しながら感じますことは,本市にとってこの120年は,いわば助走の期間であり,いよいよこれからが,大きな夢や希望を持ち,さらに強い意思や情熱を燃やして大空に向かって飛び立とうとしている若い都市への方向を目指す,その充実感が評価できます。
それにいたしましても,いささか不安感もないわけでもありません。それは一体何であろうかと申しますと,端的に言って,21世紀の札幌が,豊かな緑や自然的環境が果たして調和を保ち得られるであろうかという点でございます。国際性をあらゆる分野で追求し,発揮するということは,とりもなおさず札幌らしさを重視するということですし,香り高い芸術や文化の源泉もまた,この土地の風土としてごく自然であります。さらに,美しい都市景観という課題の根底として,緑はまさに不可欠のものであります。このような
まちづくりにあって,重要な分野である自然の保全や都市の緑化には,その政策的な位置づけは,言うはやすいことながら,これを実際に行うのは,大変困難な問題があろうと言えるのであります。
たとえば樹木を取り上げても,大通公園両サイドのイタヤ・カエデの大木が70年以上の歳月を経ているように,大変時間がかかるということ。また,都市計画の代表的な柱である道路,住宅,下水道,公園のうち,公園以外は強力な財政基盤を持っていることに比べ,都市緑化の主役である公園は,事業制度の歴史も浅く,財政基盤もきわめて脆弱であり,したがって,緑の重要性を幾ら標榜しても,なかなか目に見えてはかどらないということ。非常に重要である緑化の問題にしても,課題山積という現状からして,今後,本市の緑化行政がどうあるべきかは,衆知を結集して取り組むべきことと考えますので,以上の観点からお尋ねいたします。
質問の第1点目でございますが,札幌の緑のシンボルとも言える大通公園の改築についてであります。
このことについては,昭和63年度予算に2,000万円の計画査定費を計上し,64年度から新しいふるさとづくり特別対策事業制度に財源を求めて改築するということでありますが,大通公園については,私がいまさら申し上げるまでもなく,先祖が残してくれたすばらしい財産であり,市民の大多数が注目と関心を持って見守っているところであり,大通公園ほど,全国的に見ても市民の生活の中に定着し,愛され,利用されている都市空間は数少ないわけで,これこそ市民の誇りの場所でもあると言えるのであります。
私は,今日の改築が昭和の大改造として位置づけられ,50年後あるいは100年後にわたって後顧に憂いのないよう取り組んでいただきたいと思うのは,あえて私一人ではないと信じております。したがって,長い期間と歴史に耐えられるような政策方針,将来を見通し,何が大事なのか,市長はどのような観点をもってこれを進められようとしておられるのか,基本的なお考えをお尋ねいたします。
質問の第2点目は,第3次
長期総合計画に盛り込まれた,都心における潤いのある快適道路空間の創出についてであります。
去る5月8日の新聞に,連休期間中,昨年に引き続き,道庁の池にマガモの親子2家族23羽がよちよちと道路を横切って引っ越したことや,5月26日の新聞にも,市内の交通量の多い中心部を,マガモ親子が2時間半にわたって散歩した光景と,それを見守る市民の記事が報道され,まことに心なごむ思いでありました。都心部がますます高度化し,集積度を高めれば高めるほど,自然との距離が遠のいてしまうことほど悲しいことはありません。どんなに文明を発達させても,自然との共存やきずなを失ってはならないということを,マガモの親子が私どもに如実に教えてくれたわけであります。
私は,いつも南9条通,すなわち中島公園と旭山記念公園をつなぐ道路を通って市役所に参りますが,春の新緑から秋の紅葉,そして雪景色と四季折々の沿道の並木の美しさに心を慰められております。緑濃き都心づくりの決め手は,これら道路空間の緑化が担っていると言えます。これまでも「開拓使の道」,「開墾と美術の道」という景観散歩道を設定してこられましたが,これは,いずれも大通以北であります。そこで,私から一つの提案を申し上げます。
私は,都心部の大通公園から中島公園,旭山記念公園,そして円山公園を結ぶ周囲約9キロの長方形のラインを考えてみました。大通と中島という都心の公園が,円山・旭山という札幌の代表的な公園と,しかも,天然記念物にも指定されている藻岩・円山の豊かな自然資源の入口につながっているのであります。そこで,これら四つの公園を結ぶルートについて,たとえば「緑の景観散歩道」のような位置づけをして整備を行い,快適な歩行者空間の創出を図るということはいかがなものでありましょうか。市長のお考えをお伺いいたします。
質問の第3点目は,旭山記念公園の隣接地約17ヘクタールの土地利用についてであります。
先ほどの四つの公園中,大通公園は,近く,昭和時代の大改造が始まるわけでありますし,中島公園は,先年,大改修を終えたばかりであり,さらに,鴨々川ではホタルの養殖等の試みが進むなど,札幌らしい本来の姿への趣向が楽しみであります。また,円山公園は,動物園を含め,従来より有数の市民行楽の場でもあります。そこで,残る旭山記念公園でありますが,これは札幌創建100年を記念した公園と承っております。ここは札幌の市街を一望できる景観上すばらしい場所として,また,イベントを行う美しいロケーションであり,広く市民に知られており,また,藻岩山や円山との自然歩道によってつながっていて,身近な自然との触れ合いの場として,とてもかっこうな場所であります。
そこで,創建120年を期して,隣接の市有地約17ヘクタールを公園としで使うことになれば,特色ある植樹,また,野外キャンプ場など,青少年の活動の場としても,市民の憩いの場としてもさまざまな夢を膨らませ得ることは,市民への大きなプレゼントであり,後世にもすばらしい遺産を残すことにもなるのであります。こうした意味からも,これを計画し,実行へのめどに着手しようというお考えはないかどうかお尋ねいたします。
次に,本市の未来を担う子供たちの健全育成について,2点お尋ねいたします。
私は,これまで本市の
まちづくりについてお尋ねしてまいりましたが,この
まちづくりには,個性あふれる創造性豊かな人材の育成が,きわめて重要であろうと考えております。そのためには,昨年の臨時教育審議会の答申において示された,教育改革を進めるための重要な課題である生涯学習体系への移行を主軸とする教育体系の総合的再編成の観点に立った施策が必要であります。
一方,いま,国際化時代,高度情報化時代,
高齢化社会など,大きな課題として掲げられております社会の変化は,子供の成長過程にさまざまな影響を与えておりますが,とりわけ核家族問題と出生児数の減少による少子家庭の増加は,祖父母と接したり,多くの兄弟姉妹との切磋琢磨する機会を少なくしております。さらに,学歴の偏重は,塾通いや学業優先となり,家事の手伝いや社会参加活動を軽視する傾向が往々にして見受けられるのであります。
本来,この時期は子供にとって,集団の遊びや異年齢集団のグループ活動を通じての交流による,社会性,協調性など社会的ルールを知り,互いに助け合う心や思いやりなど,たくましい心と体がはぐくまれるものであり,この時期での異年齢集団のグループ活動こそ,人間形成に重要な要素があるということは,青少年の社会参加促進についての青少年問題協議会の建議に述べられているところであり,その強力な推進に大きな期待を寄せているところであります。また,遊び自体に,人間形成に必要ないろいろな要素が含まれて,遊びの文化があるはずであります。
元来,子供に必要な発達過程があるはずでありますが,それをおくらせる四つの問題,すなわち,一つは自主性や能動性の不足,二つは,基本的生活習慣の形成の不十分さ,三つは,社会性の未熟さ,四つは,生活体験の不足であります。
本市は,これらに対応すべく,児童会館の整備,さらに,こども劇場,大規模宿泊施設の整備などを積極的に推進してきており,特に,児童会館は,新5年計画で全市で78館の整備となり,子供たちの健全育成に大きな効果が得られるものと,昨年は,延べ120万人もの子供たちが利用し,その社会性,自主性の育成に大きな成果を上げております。
また,地域子供会やスポーツ少年団の各種少年団体に加盟している子供は,7万1,000人に及んでおります。これらの少年団体は,ほとんど市民のボランティアによってその活動が支えられており,今後,それらに対する育成援助を積極的に行う必要があろうと考えます。
新5年計画における子供の施策を見ますと,おのおのの分野において取り入れられており,市長の熱意には敬服しているところでありますが,そこで,これらの施策を進めるについて,私なりの考え方も申したいと思います。
この新5年計画によりますと,社会教育の分野においては,青少年センター整備,また,児童福祉の分野でも,児童相談所の機能強化を含めた施策の整備等が掲げられております。率直に申し上げまして,現在の青少年センターは,青年が主に施設を活用しており,子供のセンターとは言えず,また,児童会館は,確かに全域に広がっておりますが,地域の子供の施設であり,全市的な子供の健全育成を図るセンターではありません。いまだ本市に子供の中核的施設はないのであります。たとえば,地域子供の会のリーダー研修については,近年,急激な増加を示しており,その対応については,施設を含め,その内容の充実がきわめて重要な時期であります。
そこで,市長にお尋ねいたします。
質問の第1点目は,新5年計画で言う青少年センター整備・拡充の中では,青年と子供がそれぞれに抱えているさまざまな課題があろうと思いますが,特に,子供たちに対してどのような配慮を行おうとしているのか,基本構想についてお尋ねいたします。
私は,他都市に子供のための中核的施設がないかと思い,先般,東京都の児童会館,厚生省のこどもの城,神戸市のこべっこランドを視察してまいりました。これらは,それぞれ中核的な施設として機能しており,特に,神戸市こべっこランドは,昨年11月にオープンしたもので,児童センターと児童相談所から或る総合児童センターでありました。
この施設は,遊びを通じて子供の友情や連帯感を育て,個性や創造性を豊かにし,体力を増進させ,技術,社会の適応力や国際性をはぐくむとともに,多様な児童問題の予防,解決のための活動を行い,また,児童福祉施設団体のネットワークをつくり,センターとしての役割を果たす子供の宮殿として位置づけ,児童にとって必要な機能を集約し,全体が一つのグループ活動を行い得るようにして子供たちに対応していく考えを示しており,まだ半年余りの段階ではありますが,先駆的実験をしているのであります。
本市においても,昨年の青少年問題協議会の建議にも述べられているように,青少年センターの整備・拡充にあっては,単に活動の場にとどまらず,育成活動の拠点,情報の収集,提供及び相談機能の充実が求められているわけであります。さらに,児童福祉の分野においても,対象は限定されますが,同様のことが望まれているところであります。
昭和59年6月に,札幌市青少年育成団体連絡会議では,先ほど来申してまいりました中核的機能を兼ね備えた「こどもの城」の青写真を作成する準備に取りかかった経緯もあるとお聞きをいたしております。新しい時代の要請にこたえて,激動する社会の荒海にいや応なくもまれる子供たちを,心身とも健全に育成するためには,調査,研究,情報提供,相談業務等について,分野ごとに行うのではなく,総合的に対応することが必要であり,真の市民サービスにつながるものと考えるのであります。
そこで,第2点目でありますが,施設面では,子供の新しい遊びや創造的な学習,子供の指導に当たる育成者の研修,あるいは各種少年団体の活動拠点となり,また,機能面では,児童会館のネットワークをつくり,その活性化を図るとともに,子供の調査,研究,情報提供,相談業務など,総合的な機能を兼ね備えた21世紀を目指した大型児童センターを本市に設置してはどうかと考えますが,市長のご所信をお伺いしたいと思います。
次に,交通事業にかかわる路面電車の活性化についてお尋ねいたします。
本市の公共交通機関における電車のシェアは,地下鉄の新線並びに延長開業のたびに低下を余儀なくされ,現在では約2%にまでなっております。しかし,都心市街地が車ラッシュの目まぐるしさを増せば増すほど,路面電車は,単なる郷愁を超えた都市ロマンとして人々の心をとらえ,札幌市民はもとより,全国の電車マニアや観光客にも人気を呼び,いわば札幌の顔の一つとして見直されてきているところであります。今後とも,電車を市民のかけがえのない足として,また,観光資源として確保していかなければならないと思います。
考えてみますと,路面電車の歴史は,昭和2年12月に札幌電気軌道株式会社から軌道事業を買収したことに始まり,莫大な資金を投資して軌道事業をみずから経営しようとしたことは,路面電車が,将来の都市交通のかなめとしていかに重要視されていたかがうかがえるわけであります。当初16.3キロメートルの営業路線が,昭和39年度においては25.0キロメートルの営業路線を保持することになり,経営面においても,健全経営を維持するなど,きわめて安定した成長を遂げてきたのであります。
しかしながら,昭和40年代の自家用車等の普及,道路混雑,交通信号機の増加など,これらによって表定速度の低下を招来し,電車本来のあるべき機能を低下し,加えて,昭和46年12月に地下鉄南北線の開業を契機に,札幌市内の交通体系が大幅な変革を見,電車事業については,地下鉄東西線の開通を機に,一時全廃の方向が打ち出されたのであります。しかし,地下鉄の恩恵を受けない地域にとって,唯一の交通機関であるその存続を望む声が高まり,市長の決断によって,ついに西4丁目から山鼻を回ってすすきのまでの8.5キロメートルの路面電車の存続が決定いたしたのであります。
電車の存続が決定してからは,大々的に施設の整備計画を立てられ,乗客の安全,快適性,定時・定速性の確保など,乗客サービス向上を図り,電車事業の運営に努力を払われてきたわけでありますが,こうした努力にもかかわらず,利用客は年々減少を続け,その財政状況も悪化の一途をたどり,電車事業の経営環境の厳しさは,より一層加速化されてきたのであります。
私は,こうした現状を心配する立場から,そこで,提言を交えお尋ねいたします。
先日,電車事業所からロープウェー電停前を通って,南19条通を歩き,藻岩山ロープウェー山ろく駅と,さらに,終点の山頂までゴンドラに乗り現状を視察してまいりました。自分の住みなれた街とは言いながら,改めて眼下に広がる大札幌のすばらしい景観に,わが街に住む満足の実感を味わってきたのであります。そこで,この恵まれた自然立地をさらに利便性を生かし,もっと観光資源としても活用しなければならないと考えたわけであります。
そのためには,現在の電車の停留所からロープウェーの入り口に至る道路は,かなり車の交通量の多い重要な幹線でありますが,もっと歩行者にとっても,快適な道路として急速に整備すべきと考えるわけであり,その歩道には藻岩山環境との調和を配慮した花木を植栽し,季節を通じ変化があり,何度でも行ってみたくなるような遊歩道で,つい歩かされてロープウェーに達する,健康的で楽しいものにできないものでしょうか,お伺いいたします。
次に,第2点目として,ロープウェーは,昭和60年8月よりスタートした株式会社札幌交通開発公社によって,交通局の手から離れ,経営され今日に至っておりますが,何といっても,利用客の誘致が重要な課題であります。これまでも,公社になってから,藻岩山山頂を利用したイベント等を開催し,本市の観光資源の一つとしてさまざまな誘致対策に努力されてこられたことは私も承知をいたしておりますが,さらに,施設整備の面からも,もっと積極的に整備をし,利用の誘致策を講じてはいかがかと思うのであります。
たとえば,山ろくあるいは索道下に小動物を集めた牧場を設置するとか,自然を活用した子供向けの冒険公園のようなユニークな施設づくりに,山頂には景観を生かしたログづくりのレストハウスとか,高山植物園など,ともかく子供と若者にも魅力ある
環境づくりを行って,集客をいかにして図るかということ。また,さらに,電車車庫及び隣接している現在の遊休の市有地を利用して,電車と直接ロープウェーが短絡するような新たな施策が前向きで考えられないものかどうか。そして,もっと市民に,また観光客に便利に親しみやすい自然の場として大いに利用され,それがロープウェーの経営の安定と,ひいては,路面電車の活性化につながるのではないかと考えるわけでありますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,身体障害者スポーツ振興について,お願いを含め,お尋ねいたします。
ご存じのとおり,身障者スポーツの振興の契機につきましては,振り返ってみますと,昭和39年11月に,世界22カ国から成る369名が参加した東京パラリンピック第一部国際大会,また,全国から480名が参加した第二部国内大会の開催がともに大成功に終了したことに伴い,身体障害者スポーツに対する国民の関心が急速に高まっていったのであります。そして,国は翌年第1回岐阜県大会を開催するに当たり,毎年,秋季国民体育大会の開催都道府県において,全国身体障害者スポーツ大会を開催することといたしました。
以来,過去四半世紀にわたり,身体障害者の自立と社会参加の促進と理解を深めるために,スポーツの果たしてきた役割は大きく,その振興が全国的に推進されてきているところであります。
スポーツを通じて友を知り,社会性を養い,明るい心と自立心を育てていくことは,健常者であれ,また,障害を持った方々にとっても,おそらく同じ思いであろうと思います。ましてハンディを克服しようとする方々にとっては,スポーツはどれほどあしたへの希望と生きる活力を生み出すことでありましょう。
私はスポーツが大好きです。したがって,健常者や障害者にかかわりなく,幅広くスポーツ団体の仕事をこれまでも手伝わさせていただきました。こうした立場から,私は平素考えておりますことは,特に体にハンディを持った方々にスポーツを行っていただきたいことであります。体の障害に合った楽しみながらできるスポーツ,遊び心を持ったスポーツを開発し,スポーツを通じて,もっともっと体カヘの自信と明るい夢や希望を大きくはぐくんでいっていただきたいと思うのであります。
札幌では,身障スポーツ競技大会が年々盛んになってきており。競技種目も陸上競技,卓球,アーチェリー,水泳,盲人野球,聴覚障害者のバレーボール,車いすバスケットボール,車いすマラソンと多様化してきております。
これらの種目の中で,選手は一生に1度全国大会への出場する切符を手にすることができるのであります。それは,多くの選手に出場していただくチャンスを生み出すもので,選手たちの真剣なスポーツに対する真摯な態度には敬服するものがあります。
このように,全国大会への出場参加も多く見受けられるようになってきております。その意味においても,より一層,多くの身体障害者の方々がスポーツに参加できるような
環境づくりなど,施策の推進を行政当局にお願いをいたしたいと思います。
そこで,第1点目の質問でありますが,本市における身体障害者スポーツ人口の拡大策についてでありますが,特に,最近では全国的にも,重度障害者を初め,広くスポーツヘの参加促進策が課題であろうと言われておりますが,本市としてどのように取り組もうとしているのか,市長にお尋ねいたします。
次に,2点目の質問のはまなす大会についてでありますが,「きみがうて,希望の鐘をエルムのまちに」をスローガンに,時計台の鐘が鳴る北の都,札幌で「第25回全国身体障害者スポーツ大会」はまなす大会の開催が昭和64年9月30日から10月1日までと,いよいよ来年に迫ってきたわけであります。
全国大会に私自身,何度か選手団役員として参加し,開催県民・市民の心温まる歓迎を受け,開会式,競技会,閉会式,あるいは触れ合い広場,後夜祭の場で大きな感動を味わってきたところであります。そして,その都度脳裏に浮かんだのは,身体障害者スポーツ大会の生みの親でもあるルードイッヒ・グッドマン博士の言葉であります。「失われたものは数えるな,残されたものを最大限に生かせ」,この名言を思い出します。
札幌での,このはまなす大会は,全国からおよそ2,500人の選手・役員の方々をお迎えし,大会参加総数は1万数千人に上るとお聞きをいたしております。
そこで,お尋ねいたしますのは,身障国体であります「はまなす大会」の準備状況についてであります。また,大会を成功させるためには,たくさんのボランティアや市民の理解と協力がぜひとも必要であるわけで,昨年の沖縄県,一昨年の山梨県大会におきましては,実に1万人以上のボランティア等の協力体制を確立させ,触れ合い運動を展開し,まことにすばらしい大会であったと語り草になっており,また,この大会は2日間のイベントでありますが,それを機会に,いかにしてノーマライゼーションの精神を道民・市民に持っていただき,最も身近に考えて実践していただける絶好のチャンスであろうと思います。
また,大会当日の車の渋滞で,選手団輸送に大きな障害がなければよいがと危惧をいたしております。
そこで,本市が大会に対するPR,啓発を行うに当たり,はまなす大会を支える市民の方々のご協力をどのように仰ぎ,準備・推進されていこうとするのでありましょうか。また,ボランティアの養成について,どのように計画されておられるのかお伺いいたします。
最後に,私見として市長にお願いであります。
いままで申し上げましたとおり,来年ははまなす大会が本市で開催するに当たり,ぜひことしの京都大会には選手団とともに行っていただけないでしょうか。そのことは,選手団にとっても大変な励みにもなり,来年の大会成功に向けて,市長の熱意が市民の間にも伝わると確信いたしております。
以上申し上げましたことについて,市長のお考えをお示しください。
以上,すべての質問を終わらせていただきますが,ふなれな点も数多くあるとは存じますが,市長の明快なご答弁を賜わりますよう,お願いをいたします。
長時間にわたってのご清聴を感謝し,質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
◎市長(板垣武四君) 初めに,国際化,情報化に対応した
都市づくりについての質問について,お答えを申し上げます。
第1点目の,今後の札幌市の国際交流の進め方についてでございます。
札幌市はこれまで,姉妹都市・友好都市交流を初め,
北方都市会議を提唱するなど,独自の国際交流の推進に努めてまいりました。特に,本年はエドモントンで開催をされました第3回
北方都市会議では,本市に同会議の委員会事務局が置かれることになり,新たな役割を担うことになったわけでございまして,今後は,わが国における北方圏交流の拠点都市にふさわしい
都市機能をさらに充実し,北方圏諸都市との交流を一層進めてまいりたいと存じます。
また,本市の国際化をより幅広く進めていく上では,技術,文化,都市問題など,さまざまな分野での独自の
研究開発を進めることも今後の課題と考えられますので,例示的に挙げられました北方地域問題にかかわるシンクタンクなども,今後の課題として十分に検討してまいりたいと存じます。
第2点目の
国際都市としての魅力づくりについてでございます。
目指すべき
国際都市さっぽろのイメージでございますが,本市が実施をいたしました世界各国の主要都市に対する調査の結果によりますと,
国際都市と言えるためには,世界的なリーディング産業や企業の集積,国際的輸送交通の要衝,コンベンション機能,世界的な大学,研究・文化施設,質の高い都市環境と市民の国際感覚などが,重要な成立要件として挙げられております。
国際都市として,いずれも十分に配慮していかなければならない課題でございますが,私といたしましては,
国際都市として必要な
都市機能や都市基盤の整備に積極的に取り組んでまいりますと同時に,市民が自分の「まち」として誇りを感じるような都市魅力づくりが重要であるとの認識のもとに努力をしてまいる所存でございます。
第3点目の
国際都市としての情報機能の整備についてでございます。
本市には,郵政省のテレトピア構想のモデル都市の指定を受けまして,スノートピア計画というのを立て,事業を推進しておりますが,そのねらいは,都市の情報感度を高め,情報を産業活動,都市計画,市民生活など広範な分野で活用して,
都市機能の向上と市民生活の質的向上,すなわち都市のインテリジェント化を図ろうとするものでございます。
ご質問のインテリジェント・シティ構想は,再開発事業などの都市計画事業の中で,インテリジェントビルの建設など,高度情報化に対応した
まちづくりを積極的に進めようとするものでございます。したがいまして,情報化の推進に必要な基盤の整備にこの構想が活用されるように,具体的な構想の策定を進めたいと考えております。
次に,緑化の問題についてのご質問でございますが,第1点目の大通公園の改修につきましては,本市の歴史とともに歩み続けてきた公園であり,都市の緑のオアシスとして,札幌市民のみならず,全国的にも親しまれております。この公園のすばらしい価値を継承し,さらにこれを高め,次代に引き継ぐことを基本に据えております。
その上で,一つには,大木を育成し,緑あふれる公園にいたしたいと考えております。今後,都心の土地利用がますます高度化される中で,季節感や生命の息吹きを与えるものは花や樹木でございます。大きくそびえる大木に触れる憩いの空間を提供したいものと考えております。
二つ目には,人々が集い,多彩なイベントが開催できる公園にしたいと考えております。大通は都心の広場,コミュニィティーの場として,時には,世界の人々の交流の舞台としても機能してまいりました。本市がさらに発展するためには,人々の交流を通してお互いに理解し合うということが大切でございます。さまざまな出会いのある自由な空間に整備をして,さらに,公園とその両側の道路の整備,沿道の建築物等の誘導を通じて,大通地区全体の統一性を持った整備をしていきたいと考えております。
第2点目の,中島公園等四つの公園を結ぶ道路の整備についてでございますが,快適な都市環境をつくる上での大変貴重なご提言でございますので,これは今後の研究課題にさせていただきたいと,このように思います。
第3点目の旭山記念公園隣接地についてのご提言でございますが,その場所は都心からきわめて至近な距離にあり,本市にとって,都心周辺に残された貴重な財産でございます。かねてから,この土地の活用について,あれこれ検討を進めているところでございますが,今後,ご提案の趣旨も含め,その有効な活用策を検討してまいりたいと存じます。
次に,路面電車の活性化の問題でございます。
まず1点目の,路面電車の活性化を図るために,市電とロープウェーとを結ぶ道路を遊歩道として整備してはどうかと,こういうご提案についてでございますが,この道路は,近い将来拡幅をする予定をいたしております。この拡幅の際に,潤いのある歩行者空間として整備を進めてまいりたい,このように考えます。
次に,2点目のロープウェーの乗客誘致策についてでございますが,私も,ロープウェーの経営安定は,いかに魅力ある施設及び
環境づくりをしていくかにかかっていると考えているところでございますが,ご承知のとおり,その地域は天然記念物の原生林であり,また風致地区に指定をされている等の問題もございます。しかし,お話のございました,いろいろ挙げられましたいずれの乗客誘致策も,これは貴重なご提言であり,これからの事業の活性化策を検討する上で,十分研究をさせていただきたい。
ちなみに申し上げますと,かつて大刀交通管理者の時代に,一部牧場にしたり,あれこれいろいろこう,やりかえた経緯がございます。それらも参考にしながら,十分に検討させていただきたいと思います。
身体障害者スポーツ振興についてでございます。
まず第1点目の身体障害者スポーツ振興の拡大策についてでございますが,スポーツは,市民の健康の維持増進や潤いのある生活づくりに重要な役割を果たしており,特に,身体に障害を持つ方には,スポーツを通じて,体力の維持向上を図り,みずからの障害を克服していくためにも大いに役立っていると存じます。
さらには,各種行事に参加をすることによって,障害を持つ方への市民の理解も深まり,ノーマライゼーションの理念が定着する契機ともなりますことから,スポーツ人口の拡大は重要な課題であると私も考えております。
本市といたしましては,札幌市身体障害者福祉協会と共催をして,今年で17回目を迎えた札幌市身体障害者スポーツ大会を初め,車いすバスケットボールや車いすマラソン,盲人野球など,各種のスポーツ大会を積極的に開催をして,スポーツの振興を図ってまいったところでございます。
また,新たな競技種目の開発は,スポーツ人口の拡大に大きく寄与することから,国においても大きな課題として取り組んでおり,このたび,重度身体障害者用の競技種目としてビーンバック投げというのがあります。それから,あるいは車いすテニスを指定したところでございます。本市といたしましても,可能な競技につきましては,積極的に取り入れてまいりたいと存じます。
さらに,今年度は北海道と札幌市が中心となって,北海道身体障害者スポーツ振興協会というのを財団化する計画で準備を進めておりますので,この財団を通じて,スポーツの組織的活動とスポーツ人口の拡大が一層図られていくであろうと,このように期待をいたしております。
第2点目は,第25回全国身体障害者スポーツ大会の準備状況についてでございます。
ご承知のとおり,昨年4月,北海道に第25回全国身体障害者スポーツ大会準備室が設置をされ,同年8月には実行委員会が組織されたところでございます。さらに,本年4月には,その準備室を推進室といたしまして,準備体制の強化が図られております。また,市民の協力体制についてでございますが,全国各地から訪れる大勢の選手役員を真心を持って温かく迎え,希望と友愛の祭典にふさわしい大会にするために,触れ合い運動推進協議会と,まあ仮称でございますが,というのを設置をして,市民一人一人が身体障害者に対する理解と認識を深める運動を展開してまいりたいと存じます。
なお,大会の運営に必要な役割を果たします手話通訳者を含むボランティアを初め,コンパニオンや競技役員の養成につきましても,学校や競技団体のご協力のもとに,具体的に講習を行っているところでございます。
このはまなす大会が北の都にふさわしいものになりますように,今後とも関係機関や諸団体などとも密接な連携をとりながら準備を進めてまいる所存でございます。
なお,私といたしましても,これまで全国身体障害者スポーツ大会に参加してみたいと幾度か思いながら,その機会が得られませんでしたので,秋の京都大会には,できる限り機会をとらえて参加してみたいと存じております。以上でございます。
○議長(
吉野晃司君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) 私から,児童の健全育成についてお答えいたします。
第1点目の青少年センターについてでありますが,この施設は,青年サークルや子供会などの活動を促進し,青少年の健全育成を図るために設置したものであります。
しかし,現状は建物も老朽化してきておりまして,また,最近の青少年の広範なニーズを満たすには狭隘になっておりますので,できるだけ早い時期に整備・拡充することで計画しているものでごさいます。基本的な考え方といたしましては,一つは,利用率の高いホール・音楽練習室を拡充するとともに,情報の収集・提供のための情報資料室や,青少年活動に当たっての相談,助言のための相談室を設けて機能の充実を図る。
一つは,特に,子供会を初め,少年団体から強い要望がありますところの日常活動のための連絡室や,研修・会議,名種行事に活用できる多目的室を新設し,子供たちの交流活動の拠点を確保する。
一つは,青少年の社会参加活動を促進するため,ボランティアルームやサークル交流室を設置し,社会参加活動の場を確保するなどを考えておりまして,具体的な計画を立案するに当たりましては,関係団体などのご意向を参考にしながら進めてまいりたいと考えております。
次に,第2点目の大型児童センターの設置についてでありますが,児童の健全な育成の場とあわせて,児童に関する各種の調査・研究及び指導者の研修等,児童のための
環境づくりを推し進める中核的施設としての大型児童センターは,新たなご提言であり,一つの課題として受けとめてまいります。今後,ご指摘のありました他都市の状況などの調査を進めるとともに,前段で申し上げました青少年センターとのかかわりなども配慮しつつ,来たるべき21世紀社会に向けて,本市にふさわしい施設のあり方を探ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
吉野晃司君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明6月9日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よってさよう決定されました。
○議長(
吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。
――
――――――――――――――――
散 会 午後3時43分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 吉 野 晃 司
署名議員 大 越 誠 幸
署名議員 宮 口 健 太 郎...