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平成28年10月31日文教委員会−10月31日-01号

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  1. 船橋市議会 2016-10-31
    平成28年10月31日文教委員会−10月31日-01号


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    平成28年10月31日文教委員会−10月31日-01号平成28年10月31日文教委員会  平成28年10月31日(月)                                           午後1時30分                                        第4・第5委員会室 [議題] 1. 埋蔵文化財の調査、保存及び活用について 2. 船橋市文化振興基本方針(案)について 3. 船橋市図書館指定管理者候補者の選定結果について    ………………………………………………………………………………………………          13時28分開議 ○委員長(松橋浩嗣) ただいまから、文教委員会を開会する。    ────────────────── △傍聴の申し出について  全ての案件に関し、1人から傍聴の申し出があり、これを許可した旨、委員長から報告があった。    ────────────────── 1. 埋蔵文化財の調査、保存及び活用について      [理事者説明
    文化課長補佐 一番最初に埋蔵文化財の調査、保存及び活用についてということでご報告申し上げる。お手元にお配りした資料のご確認をお願いする。資料、3部構成で、資料1、資料2、それから、分布調査概要報告資料、冊子である。あと、3つ目が上野原遺跡について、資料3である。  それでは、説明に入る。  まず、市内の遺跡の調査状況報告についてである。資料1「船橋市における埋蔵文化財保護事業について(報告)」である。この中で、一番後ろにマップをつけている。これが市内約200カ所、遺跡、いわゆる埋蔵文化財包蔵地が市内にはある。裏面の一番下に船橋市の遺跡ということで一覧をつけている。次に、これも最後の資料であるが、埋蔵文化財取り扱いフローについてという資料を1枚つけている。市内の約200カ所ある埋蔵文化財包蔵地の中で土木工事等を行うときは、文化財保護法に基づいて届け出が必要となっている。事業者の方にはこういったフロー図を窓口で見せている。実際には、届け出の前に事前に協議依頼書を提出していただいている。年間約330件の協議依頼書の提出がある。  そして、工事の内容に基づいて、遺跡の取り扱いを判断している。それが、このフローで見ると、協議依頼書の提出、現地踏査とあり、左側のフロー埋蔵文化財包蔵地である協議が必要というほうに包蔵地内の工事は向かっている。そして、土木工事届けて、または通知とあり、工事で遺跡を破壊するような工事である場合は、工事の前に発掘調査を実施する。これが文化財保護の基本的な考え方である。それから、工事が比較的軽微なもの、基礎の深さが浅いもの、それから、既に行われた工事で遺跡がもう既になくなっているようなところは、右側の発掘調査不要というほうに流れ、慎重工事、または工事立ち会いという取り扱いになる。大きくは遺跡の取り扱いというのは、発掘調査、それから、慎重工事工事立ち会いという取り扱いになっている。  そして、発掘調査になった場合は、そのまま下のフローまで行き、記録保存、本調査を実施するという流れである。そして、まれに、市内の飛ノ台史跡公園博物館などのように、記録保存ではなくて、遺跡を物理的に保存する現状保存という取り扱いもある。詳細についてはまた後ほど報告する。  では、資料1の「船橋市における埋蔵文化財保護事業について(報告)」に戻る。報告1である。こういった、今申した通常の遺跡の保護業務以外に、埋蔵文化財保護普及事業にも力を入れてきた。そういった、約30年から40年間、こういった事前照会調整業務、調査・整理・報告書刊行事業に邁進してきたが、必ずしも開発行為と工事などに先行して遺跡を保護・保存する姿勢及び普及事業については、積極的とは言えない状況であった。しかし、平成26年度の海老ヶ作貝塚損壊事件を受け、国からも指導を受け、平成27年、28年度の市政執行方針では、遺跡の保護を掲げ、開発行為に先行して遺跡を積極的に保護し、普及事業に取り組む姿勢に転換して、これを実践してきたので報告する。  まず、市政執行方針への掲載である。平成27年度は海老ヶ作貝塚について、そして、今年度、平成28年度は「市民に愛され、育まれるまち」ということで、「飯山満1丁目に位置する取掛西貝塚縄文時代早期前半の希少な貝塚であることから、保存・整備に向けて、分布調査を実施してまいります」という市政執行方針を掲げた。取掛西貝塚については後ほど報告する。  そして、次に体制の強化をした。平成27年度は、今まで文化財係と1つにまとまっていたものを埋蔵文化財保護班、それから、歴史文化財班に分け、体制を強化した。埋蔵文化財保護に特化した班をつくった。それから、考古専門職員を増員して、昨年度4月に、16年ぶりに2名の考古専門職を採用して、今まで7名だったのが9名になった。また、10月は経験者採用ということで3名採用して、9名から合計12名になった。平成28年度は、班体制を係に変えて、埋蔵文化財保護係を設置した。また、考古専門職員をさらに増員して、4月に2名の経験者を採用、合計、現在は10名の体制である。平成28年度現在、埋蔵文化財保護係に4名、課長補佐1名、係長1名、係2名である。あと、埋蔵文化財調査事務所には所員8名を配置している。また、郷土資料館には、館長補佐1名、それから、飛ノ台史跡公園博物館には学芸員として1名配置している。  次に、新規に行った普及事業について報告する。まず、国庫補助事業を受け、地域の特色ある埋蔵文化財活用事業を実施した。これは、1つは、情報満載船橋遺跡マップ、先ほどごらんいただいた。これがコピーである。実際、もう一回り大きいサイズでつくり、おかげさまで大変好評で、配布が終了している。平成28年度はさらにわかりやすいイラストをたくさん入れ、小学6年生には全員配る予定で1万部を発行する予定である。それから、2番目に遺跡説明板を設置した。これが平成27年度は9基、それから、平成28年度は6から9基設置する予定である。両方とも200万円事業である。  次のページに進み、次の広報活動にも力を入れてきた。遺跡見学会を平成27年度5回実施した。今年度は既に3回実施している。あと2回、さらに開催予定である。それから、講座・展示・広報紙・ホームページ等にも積極的に広報活動を行っている。  あと、4番目に、遺物整理報告書刊行事業。これは民間の開発、公共工事に伴うもの以外、伴うものを緊急調査と呼んでいるが、それ以外のものである。これは海老ヶ作損壊事件に伴い、昔、発掘調査報告書が出ていなかったので、海老ヶ作貝塚(2次)の再整理事業を行っている。これが昭和48年の調査だったが、発掘調査報告書が出ていなかったので、今、埋蔵文化財調査事務所整理作業を行っている。プラスチック製の天箱に約500箱、土器・石器などの遺物がある。あとは関係土器として、破片ではなくて、形がわかる土器が約60個体以上ある。それから、損壊した4次地点の確認調査では、約17箱の遺物が出土しているので、これを合わせて今、整理作業に取り組でいる。また、既に報告書が出ている1次・3次調査地点の成果も合わせて、海老ヶ作貝塚総合研究報告書刊行予定である。これが30年度までの4カ年事業の予定で、一部国庫補助事業となっている。  次に、5番目、遺跡保護事業、新規に行ったものについて報告する。まず、取掛西貝塚保存・整備の準備ということで、全体は約7万6000平米ある、取掛西貝塚の中の未調査部分の5万1500平方メートルの畑部分を対象として、分布調査を実施し、遺跡全体の時期・様相を把握し、今後の市指定史跡化に向け、準備を行うため、平成27年度に予算を要求し、今年度、予算をいただき、地権者を訪問し、調査の承諾を得て、7月、8月に分布調査を実施した。これについては、後ほど2番目で説明する。  それから、先ほどの海老ヶ作貝塚(3次)は、実は、運動広場として遺構が保存されている。約6,700平方メートルあり、公園緑地課が管理している。平成30年度完成予定で、面積4.9ヘクタールの都市計画法による近隣公園として整備される予定であり、今、遺跡保存も兼ねた公園整備について、公園緑地課と協議中である。  次に、報告2として、通常の埋蔵文化財保護業務、いわゆる民間の開発、それから、公共事業に伴う緊急調査の業務について報告する。  それが、次のページ、3ページ目である。資料1として埋蔵文化財に関する統計資料として掲げている。平成27年度は、窓口・電話・ファクスの問い合わせが6,127件あった。これは、年々増加する傾向にある。埋蔵文化財が周知されてきた成果でもあると考えられる。それから、2番目の文書照会件数であるが、これが先ほどのフロー図で示した一番最初の協議依頼書の提出という部分になる。遺跡の取り扱いは、これがスタートである。これが平成27年度は330件と、増加している。これは東京電力の電柱1本も一つ一つ丁寧に、東京電力から提出されるようになり、それで、前年よりふえているということもあるが、増加傾向にある。そういった中で、330件の中で遺跡があると、答えたのが251件。それから、遺跡がないと答えたのが79件という内訳になっている。  次に、4ページ目、市の公共工事に伴い照会されたのが、昨年度は323件と、これも増加傾向にある。  次に、試掘の件数だが、いわゆるこのフロー図の中には、遺跡があるのかないのか判断するために行う小さい調査があり、これが23件実施している。  それから、次に5ページ目、土木工事等届け出等についてだが、遺跡の中での工事、これが243件である。それから、発掘調査の届け出が33件あった。それから、下の段にいき、昨年度は合計33件発掘調査を実施している。その中で確認調査、遺跡があるのかないのか、あった場合はどれくらいあるのかを見るための確認調査が8件、それから、いわゆる本格的な本調査であるが、テレビなどで移植など、細かい道具を使って調査してる風景をごらんになったことあるかと思うが、そういった本調査を25件調査している。これ、100平米でも1件、それから、5,000平米でも1件なので、大小、面積がさまざまある。  次に、6番目、照会件数の推移を示している。これも落ち込んだりふえたりしているが、平成21年はリーマンショックの影響で、開発も少なく、落ち込んでいるが、現在は増加傾向にある。  続いて、資料2として7ページ目であるが、平成27年度に実施した発掘調査整理一覧表である。先ほども申したように、33件の調査を実施した。また、市の事業として遺物整理を2件実施している。それから、いわゆる調査というのは発掘して終わりではなくて、出土した資料を整理し、詳細な図をつくり、写真・図面等を製図して、発掘調査報告書をつくり、刊行し、いわゆる皆様にその成果を還元して初めて終わるものであるが、そういった発掘調査報告書を4冊、刊行した。資料では、刊行予定と書いているが、既に刊行済みである。  それから、8ページ目であるが、今年度はさらに整理作業の分量が大変多くて、11冊刊行予定である。2番目の研究紀要は、飛ノ台史跡公園博物館発行予定である。  以上で、1つ目の報告を終了する。  次に、資料2として、「取掛西貝塚について」を報告する。カラーの地図が表紙になっている。今年度、予算をいただき、取掛西貝塚の全容を把握するために、分布調査を実施した。取掛西貝塚は飯山満町1丁目及び米ヶ崎町にある。この地図でいうと、赤い枠全体がいわゆる埋蔵文化財包蔵地、遺跡である。東西が500メートル、南北が130から180メートルある。遺跡の北側とか、それから、東側、そして西側、船取線が、そこは過去の造成工事によって土がとられて、遺跡が失われているが、まだ約7万6000平方メートル残っており、この台地全体に遺跡が広がっていることがわかっている。今年、東から(1)、(2)、(3)、(4)、(5)と番号が振ってあるのがわかると思うが、ここは既に開発されている。開発される前に発掘調査を実施して、縄文時代早期前半の集落及び動物儀礼跡……などが発見されている。それで、ことしはこの黄色い枠と青い枠の部分を2回に分けて、分布調査を実施した。分布調査というのは、畑の中を歩いて、土器とか石器を拾って歩く。土は掘らない。それから、貝などが散っている状況を見て、貝層があるかどうかを観察する。そして、貝の破片が散っているところはボーリングステッキという棒を突き刺して、下に貝層が埋まっているかどうかを確認する。もし貝層が埋まっている場合は、こつこつと音がして、土の表面には貝が少ししか見えていなくても、下には貝塚が埋まっているということがわかる。そういったことを調べる調査を実施した。結果、約7万6000平方メートル全体に、遺跡が広がっているということがわかった。  次に、調査の成果について具体的に話す。3ページ目、カラーの資料が出土資料である。それから、A3がこれまで、分布調査ではなくて、実際に開発に伴って発掘調査した成果である。これまでに5回の調査をしている。そして、真ん中の道路部分は発掘したが、両側にある住宅部分の下には、まだ遺跡を保存した状態で残している。そういった成果の中でまとめると、特に(5)地点のところ、ここから縄文時代早期前半撚糸文期というが、1万年前の貝塚と集落跡が発見されている。それから、2次に3、4地点、ここは関谷期、黒浜期の貝塚・集落跡縄文時代前期の約6,000年前の集落跡が発見されている。あと、約1万年前のヤマトシジミの貝層も発見されている。これは、東京湾東岸部……千葉県域のことをいうが、最古と評価されている。また、動物儀礼跡自体は、国内最古といわれている。(発言する者あり)1ページ目にまとめてある。今説明した。この取掛西貝塚自体が約1万年前の村の跡であり、貝塚であるということである。そして、評価、歴史的価値は、学識経験者などの意見も聞き、この2番目に「取掛西貝塚歴史的価値」ということでまとめているが、東京湾東岸における最古の貝塚を伴う集落ということである。それから、2番目、7万6000平方メートル全体に早期……約1万年前、それから、前期……6,000年前の集落が広がっているということは、関東地方最大級集落跡であると評価できるといわれている。また、これは日本列島定住生活が初めて始まったころの遺跡であり、船橋市のみならず、日本列島で定住が始まった時期の大切な遺跡であると評価いただいている。あと、東京湾の形成や自然環境変遷がわかる重要な貝塚ということで、約1万年前は東京湾がまだ30メートルぐらい低くて、今の水位まで達していなかったという、少し寒い時代であり、この遺跡だけを調べるのではなくて、東京湾全体や、当時の自然環境がわかる遺跡だという評価をいただいている。あとは、出土遺物自体、カラーで出しているが、こういった資料が縄文時代早期前半、1万年前の当時の社会や生活を復元できる内容を持つということで、研究者からも注目されている。  3番目、保存状況だが、先ほど少し、A3の折り込みで話したが、(1)から(5)地点のうち、1次、3次は既に全域で調査が終了しているが、それ以外の、(2)、(4)、(5)地点は、現在家が建っているが、その下は遺跡を現状保存している状況である。将来は、遺跡の保存・活用が可能なようになっている。また、繰り返しになるが、(5)地点から西側は、今は畑が広がっており、住宅が1軒あるのみなので、大変分布調査の成果で、土の残りもよく、遺跡が良好に保存されていることを確認した。これまでの取り組みとしては、これを見ていただければと思う。  今後の保存・整備活用について、取掛西貝塚自体、全国的にも貴重な遺跡であるので、船橋市の歴史的遺産として後世に継承することを目的として、遺跡の保存・整備活用を進めてまいりたいと考えている。開発相談があった場合は、保存・整備の方向で対応していくことを検討している。あと、2番目としましては、取掛西貝塚を核として、市民の方への遺跡の周知・普及啓発活動を活発化していきたいと考えている。  次に、分布調査の報告で、この冊子を見ていただきたい。先ほどから申しているとおり、この1ページ目の下の段に図で示しているが、7万6000平方メートル全体に縄文時代早期前期の集落が広がることがわかった。そして、かいつまんで話すと、こちらのグラフがある。10ページのグラフは出土というか、分布調査で採集した土器の分量をここに掲げているが、縄文土器、3,038点を採集している。その中で、ぐっとグラフが伸びているのが、約1万年前の早期のものが断トツに多いという成果を出している。  それから図版の8ページを見ていただけるか。この左上のところに石が載っていると思う。これが469から471採集の被熱れきと書いているが、土器や石器、それから、貝などがたくさん採集できるのはもちろんのことだが、実はこういった、焼けたれき、岩石がたくさん拾える。これは石蒸し料理に使ったれき、焼きれきと考えており、これも約1万年前のものと考えている。これについては記憶にとどめていただいて、鹿児島県の上野原遺跡のところでご説明したい。  では次に、3番目の資料、今度視察にいく鹿児島上野原遺跡についての資料を説明したい。これが取掛西貝塚とほぼ同じ時期の9,500年前の集落の跡である。既に国指定史跡になっている。位置は、鹿児島県霧島市国分の市街地南東部にある。鹿児島湾桜島を望む標高約260メートルの上野原台地の先端部にある。史跡全体の遠景はこのカラーの写真で示している。鹿児島湾に望み、桜島の噴煙が見えるという、すごいところだと思う。ここは皆様ご存じのとおり、有数の火山地帯であり、阿蘇の噴火もあったが、この右側の図に示した上野原遺跡というのは「あいら」と読むが、姶良カルデラという火山の大爆発で陥没したのが、この鹿児島湾の一部で、そこには桜島が2万5000年前の爆発で出現している。そして、上野原遺跡はそのカルデラを望むへりにある。ここの発掘調査では火山灰がたくさん見つかっており、火山と闘った縄文人の様子がわかるともいわれている。姶良カルデラ自体は2万5000年から2万9000年前の火山の大爆発で今、陥没して海になっている場所である。実は、発掘調査していると、関東地方でもこの姶良カルデラで噴出した火山灰を見ることができる。日本列島全体に、余りにも大爆発だったので、火山灰が飛散している。船橋でも1メートルぐらい掘ると、この姶良カルデラの白く光った火山灰を見ることができて、当時の爆発がいかに壮絶なものであったのかわかる。  あと、史跡整備地のことだが、お配りしたもので、上野原縄文森園内マップ。それと、この左側の図と合わせて見ていただけたらと思うが、遺跡自体は、国分上野原テクノパークという工業団地の建設に伴い、発掘調査が1986年から1997年まで行われている。私自身も霧島市の調査なので、詳しいわけではないが、大変いい資料が発行されており、これを見ながら説明する。これ自体は縄文早期だけではなくて、前期、後期、晩期、弥生時代古墳時代、中世と複合遺跡である。その中で最も特徴的なのが約9,500年前の国内では最古で最大級の集落、上野原遺跡発見ということで、1996年に発見され、97年に報道されている。この特に早期の部分が国指定史跡に指定されている。取掛西貝塚と近い時期だが、この園内マップで申し上げると、この右上の隅、5番となっているところが国指定史跡になっている。この園自体は約36ヘクタールあるということだが、国指定史跡になっているのは、その一部分の早期前葉というが、約9,500年前の集落などが見つかった部分が指定されているということである。これが1999年1月に指定されている。  内容としては、縄文時代早期前葉、約9,500年前の竪穴住居跡52軒、それから、石蒸し料理施設集石遺構、取掛でも先ほどお話しした、焼きれきが出土している状況ととても似ていると思う。集石遺構、それから、薫製料理の施設といわれている連穴土坑16基。そして、縦穴住居跡の埋まった土の中には、桜島起源の約9,500年前の火山灰が含まれており、この住居は9,500年ごろに埋まったんだなということがわかったということである。  2枚目、3枚目にも図を示しているので、合わせてごらんいただきたい。この国指定史跡になった評価としては、南九州地域における定住化初期の様相を典型的に示す大集落で、日本列島縄文時代開始期を知る重要な遺跡という評価がされている。そして、実は、土地としての史跡を指定しているわけだが、ほかに遺物、文化財国重要文化財になっており、それが2ページ目のこのつぼなどがある写真。右下の、これは、実は縄文時代早期後葉といい、先ほどよりも少し新しい。約7,500年前の出土遺物で、これは国の重要文化財になっている。767点ある。  そして、こういった経過の後、2002年10月に、鹿児島上野原縄文の森が誕生している。縄文時代の景観をつくる、縄文体験のできる史跡整備を狙いとして、整備した体験型史跡公園であるとされている。実は、この前、文化庁の方にお目にかかることがあり、その調査官の方がいうには、約10年がたって、森が育って、遺跡から外観が見えないとのことである。そうすると、いわゆる現代風のものが見えず、また、音も遮蔽されているということで、目と耳で縄文時代を体感できるということをおっしゃっていた。あとは、ここの史跡に立つと、右側には桜島の噴煙、それから、そのときの状況にもよるようだが、左側には新燃岳の噴煙が見え、この景観がよくわかるとおっしゃっていた。  そういった中で、約36ヘクタールが史跡整備されている。そして、1番、縄文の森展示館ということで、右側。この園内マップでいうと、右側の1番は博物館があり、左側は、鹿児島県立埋蔵文化財センター及び調査をしている埋蔵文化財調査センターもこの中に置かれている。総合的な様相をなしている。  今度は、次のページの図をごらんいただきたい。左の上に南九州と日本列島縄文文化の比較ということで示しているが、年代測定の方法がだんだん変わってきて、一番上に1万2000年前とあるが、今は約1万6000年前とされている。これは草創期である。それから、今申し上げている早期っていう言葉がよく出てくると思うが、これが大体1万1500年ぐらい前から6,400年ぐらいまでの間を今早期というふうにいっている。そして、1万年前の左側に炉穴とこの年表に書かれているが、これが上野原遺跡で発見された炉穴である。この炉穴って一体何なんだろうっていうことだが、この出土した土器の下にこの炉穴の図を示しているが、少しわかりづらいので、3ページ目、今度「かごしま考古ガイダンス」という資料をお借りしたが、ここのカラーのところに連穴土坑とあるが、これが炉穴のことである。大小2つの穴をトンネルでつないで、大きな穴のほうに火をたいて、小さいほうに穴の上に肉をつるして煙でいぶして薫製をつくった施設と推定されている。  ちなみに、この2ページ目の下の石、集石遺構は取掛西貝塚でも発見されている。ちなみに、今の炉穴は取掛西貝塚では発見されていない。実は、この炉穴が関東地方で出現するのは、もう少し待たなくてはいけなくて、約7,000年前ぐらいである。実は九州で始まった炉穴の文化は少しずつ緩慢な速度で、日本列島の東のほうに文化が伝わっていくが、この関東地方にこういった炉穴の文化が伝わったのは約7,000年ぐらい前である。ちなみに、飛ノ台貝塚も約7,000年前の貝塚であるが、こういった炉穴が200基ほど見つかっている。  ちょっと集石土坑に話が戻るが、この集石というのは、現代のニューギニアなどでも事例があり、火で石を焼き、焼き石をつくる。その上にニューギニアの場合はバナナの葉っぱなどで魚や肉など包み、蒸し焼き料理をつくる施設ということである。縄文時代もこういった使い方が、いわゆる葉っぱで食材を包んで焼いたということが想定される。取掛西貝塚でも多数発見されているが、屋内で、家の中で調理するのではなくて、屋外で調理していたと考えられる。今話したことが、この左上の年表で相対的にごらんいただければと思う。  あとは、こういった約9,500年前の住居跡が発見されており、それを現地では復元して、10軒ほど当時の集落を復元して見せているということである。  駆け足ではあったが、以上で、報告を終了する。    ……………………………………………… [質疑] ◆金沢和子 委員  聞きたいこと、たくさんあるが、先に、すごく不思議。どうしても聞きたいことが2つあって、どうして蒸し焼きと薫製なのか。(笑声)いやいや。だって、普通に焼けば早いし、いろいろ大変なわけでしょう。わざわざ穴を連穴式に掘ったり、葉っぱなどで蒸して……どんな地域性があって、この蒸し焼きや薫製をつくることになったんだろうって、すごい不思議。そこはもう解明されているのか。 ◎文化課長補佐 薫製自体は保存のため。要は……。 ◆金沢和子 委員  保存。 ◎文化課長補佐 はい。肉などを保存するための調理法。当時は冷蔵庫とかもないから、保存するための調理法といわれている。あとは、今おっしゃったように薫製にする、それから、石蒸しは蒸すと……あと、土器がこの時代はもうあるので、土器で煮炊きをする。焼く、煮るも、いわゆる調理法といっても幾つも使い分けていたということだと思う。  ちなみに、飛ノ台の炉穴は薫製ではなくて、火を下から炊いて、いわゆる土器を炊いたたき火の上に乗せて、煮炊きをした施設であって、いわゆる穴の上に肉をつるした薫製ではないんじゃないかとも考えられている。そういった炉穴の研究も進んではいるが、最終的に解明され切ってないところもあるし、また、集石遺構にしても、約1万年前のそういった調理施設がどういったものであったのかも、まだまだ取掛西貝塚をしっかり調べて解明していく課題と考えられている。 ◆金沢和子 委員  これは感想のようなものだが、その保存が必要な気候状況だったのかなっていうのは、しょっちゅう海に行けば何かがとれるとか。しょっちゅうとれる状況があれば、保存はきっとしなくてもいいでしょうし、当時は刺身のように生で食べるっていうことだってあったかなと思う。それをわざわざ加工するっていうのは、きっとその必要性が、その当時あったのだろう。まだ寒かったのかもしれないけどね。だから、それが解明されたら、すごくいいなと、知りたいなということ、改めて思った。  あと、資料の関係で少し教えてほしい。  残念なことに、この遺跡の発見は開発との関係で発見されることが多くて、事前に目星をつけて発掘をするというよりは、何かのきっかけでそれが出ることによって、遺構が発見されるってことが多いと思う。例えば、これ、南九州の上野原なんかも巨大な工業団地というと、船橋にもあるし、千葉県にもあるので、かなり広い面積の開発と感じる。でも、そもそもメインは開発であろう。だから、これが残るっていう、その残り方。よく残ったなっていうのがある。だから、例えばこの上野原のような経験が船橋でも役に立つのかなと思うので、ちょっとお聞きしたい。これ、36ヘクタール残ったわけではなく、36ヘクタールのうちのごくわずかな部分が多分残ったということだと思う。その残った理由というか、どのタイミングで、要するに、十何年だ……86年から97年、11年ぐらいかけて調査している。その調査の期間は多分開発はされなくて、11年間調査をして、その発掘結果を国に報告をして、ここだけという、何かその手続のところが少しわかると参考になるかなと思ったが。 ◎文化課長補佐 はい。あの……。 ◆金沢和子 委員  現地で聞いたほうがいいか。 ◎文化課長補佐 ああ。すいません。あの……残存状況が……。(発言する者あり) ◆金沢和子 委員  ええ。(発言する者あり) ◎文化課長補佐 残存状況もあったと思う。(発言する者あり) ◆金沢和子 委員  うん。いや。あの……すいません、いいか。 ○委員長(松橋浩嗣) はい。どうぞ。 ◆金沢和子 委員  知っていてもらったほうがいいかと思う。まあ……あの(発言する者あり)うん。もっと現地行ったら、細かい話が聞きたい。だから、参考までにね。じゃあ、それは皆さん、現地で聞けとの要望なので、現地で聞くことにする。  だから、開発行為で残すって至難のわざなので、私たちとしては、買ったほうがいいというふうに常々思う。特に取掛の場合には、既におおよそのことがわかっているので、地権者の方に同意を得て調査を進めるっていうのはありだが、その後、どうやって保存するかってなった段になれば、やっぱり買うしかないんじゃないかというふうには思うが、その……購入する、しないの判断、残すときの。さっきの上野原じゃないが。そのあたりの判断はどのタイミングでされることになっていくのか。もう買ってもいいと思うが。はい。 ◎生涯学習部長 だんだん開発の波が押し寄せてくるのかなというのは、ちょっとわからないが、開発行為があれば、文化課のほうにも事前協議ということで相談が来るので、そこで情報を探知できるということが1つなので、その辺がポイントかなと。この遺跡の貴重性というのを、やっぱり国・県と協議していきながら、市指定遺跡も念頭に置いて、その辺を整備保存の検討していかなければならないけれども、でも、まだまだそこまで来てないので、開発、相談に来れば、当然、委員が言ったとおり、買う選択肢も当然あるし、その前に市の指定遺跡にするには、地権者の同意が必要になるので、そういった手続を踏まえていきながら、そういった個別の相談をしていくと。将来は、国・県と相談しながら、今回視察へ行くところも、一部は国の指定遺跡になっているので、そういった選択も当然出てくると思っている。現段階では、明確にはまだお答えできないが。 ◆金沢和子 委員  前回、海老ヶ作のときもそうだったが、罰則がないじゃないか。だから、協議している間にも、工事が進んでしまうということは想定ができるので、早い段階で購入なり、保存なりの手法をやっぱり検討していただければと思う。 ◆島田たいぞう 委員  今の話だが、国はどこまで……まあ言えないというのが現状だろうが、重要視っていうか、重要文化財、あるいはそういうものに指定というか、ある程度、当たってみて考えているニュアンスっていうのはどうなのか。本当にそういうものなのか。 ◎生涯学習部長 まだ分布調査終わって、概報が出て、これも国・県にも報告しているところであり、平成21年にこれだけの発見があったっていうようなことで、遺跡見学会や、広報に載せているので、ここの貴重性っていうのはまあほぼわかっていただいていると。ただ、全体的にどうなのというのが1つ課題になっている。あと、縄文の早期と前期か、ここで何千年って差があるので、この何万平米全体はどういった状況なのかというのは、今後調べていかなきゃわからないので、その点も踏まえて、来年度以降やっていかなければいけない。そこについては、国や県と協議しながら進めていきたいとは思っている。 ◆島田たいぞう 委員  どのぐらいかかるの。その……全体的に把握して、そうだという答えが出るのは……できるのは。 ◎生涯学習部長 調整区域内なので、農地があるのが先ほど説明したとおり、5万平米以上ということで、5万平米全体を調査するのは、時間がかかるので、ポイントを絞ってやったらどうかっていうのは、国・県からアドバイスをいただいているので、それについては必要な予算は必要かなとは思っている。  時間的には、やはり、先ほど担当が申し上げたとおり、調査するだけじゃなくて、報告書もつくらなければいけないと。それをいろんなところで説明して、普及していかなければいけないというのもあるので、時間はかかるのかなと。ただ、ぜひ上野原へ視察に行ったときに、その辺の国指定遺跡まで行ったスケジュールなども確認してきたいとは思っている。 ◆島田たいぞう 委員  ここはね、鹿児島の場合は、ほら、工業団地で調整区域だよね。だから、開発は、そう簡単にもともとできない。(生涯学習部長「うちのほうか」と呼ぶ)いやいや。(生涯学習部長「あ、向こう」と呼ぶ) だから、そういう意味では、お互いのバランスを見ながらということで。鹿児島のように、そうなるってことで……本当にそうなのかという、確証というか、確認というか、それを得ない限り、一歩、手出せないよね……踏み込めないのが現状じゃないかと思う。やっぱりところどころ掘っただけじゃ、恐らく全体はわからないでしょうからね。そこの時期の見きわめが大事なのかなという気がした。 ◎生涯学習部長 先ほど説明したけれども、取掛西貝塚歴史的価値ということで、一応5項目にまとめてあるので、これは学識経験者の意見も踏まえて、まとめたので、参考にしていただければと思う。 ◆島田たいぞう 委員  各会の方と協議するのは、それはそれで結構だが、協議しないで、宅地開発の場合も出てくる。例えば……全体の話をしている。協議の場で初めて、目で見るなりをやっているわけでしょ。ところが、全然協議に来ないで、いきなりやった場合。この前の、貝塚はそうなんでしょう。海老……。 ◎文化課長 前回の海老ヶ作貝塚については、開発が伴ったので、宅地課にもう申請が(島田たいぞう委員「ああ、そうか。あれはもうしていたんだ」と呼ぶ)出ていた。はい。それ以外に文化課にも埋蔵地の包蔵地ということで、協議に来て、その段階で事業者と話をするようになった。 ◆島田たいぞう 委員  出てこないものにしたらどうなの、協議って。 ◎文化課長 開発の要件を満たさないものということか。 ◆島田たいぞう 委員  そうそうそう。 ◎文化課長 そこは……。 ◎文化課長補佐 開発行為は、500平米以上の開発は必ず宅地課から回ってくるようになっているので、その中で遺跡にかかるものは必ず協議をして、工事で遺跡が破壊される場合は、発掘調査を実施している。それ以外の500平米以下の場合……これが個人住宅などが該当する。実は、全てが全てではないが、先ほどグラフにも示したとおり、だんだん増加傾向にあり、遺跡のことは周知されつつある中では、自主的に個人住宅の工事でも皆さん、申請を出してくださる状況になっている。不動産の重要説明事項に遺跡の有無を書く義務があるので、そういった中でも、不動産関係の方がこちらに回ってきて協議する状況に、今なってきた。 ◆島田たいぞう 委員  例えば開発をしたい人と、待っていてくれという人で協議してもらうわけでしょ。何年間も待つわけでしょう。その調査が終わり、報告書が出るまで。その間の云々っていうのは、やっぱり企業がずっと、我慢してやるほかないよね。その辺とのバランス、国との関係は、何か出ているのか。そこが一番、重要なのかなと思う。 企業側は、どんどん開発をして、金として戻ってこなければならないよね、それに対して。ところが、こっちはこっちで調査をやっているので、発掘でもたもたしているうちに2〜3年すぐたっちゃうよね。もっと本格的になると、5年、10年たつじゃないか。企業は、その間、我慢できないで、どうするのって話で、この前のような事件が起きたと思う。その辺は何かあるのか。 ◎文化課長補佐 そういう意味でも増員体制図り、迅速に調査を行うということは努めている。20年ぐらい前は半年ぐらいお待たせしたこともあったかと思うが、最近は、申請出していただいてから、2カ月ぐらいで調査に入るように、迅速化は努めていて、現場の調査が終われば、実際、その保存目的でない遺跡の場合は、工事に入っていただいているので、発掘調査報告書ができるまでお待ちいただくのではなくて、現場の調査が終わったら、工事に入っていただくという流れをとっている。 ◆島田たいぞう 委員  その辺、お互いに、考え方が両方あるわけだから、できれば、そういうような部分を注意して、迅速かつ速やかに結果を出していただいて、早く報告していただきたい。  あと、海老ヶ作のときの損壊以降に、国や県から指導したいと受けているわけでしょう。それが、ここに書いてある内容か。報告して、お互いに調整して、こういうことを進めていくということで、了解はとられているのか、国も県も。 ◎文化課長 先ほど説明した2年間にやってきたことというのは、実は海老ヶ作損壊後に国に行き、指導を受け、このような形で……普及啓発にやはり劣っていたのではないかという部分を指摘されたので、それができるような体制を組み、実際に普及啓発をこの2年間やってきた。これは国からの指導もあっての2年間ということである。 ◆島田たいぞう 委員  看板などが大きな普及啓発か。 ◎文化課長 そちらのほうも普及啓発の国庫補助を受け……。 ◆島田たいぞう 委員  あ、国庫補助受けているのね。 ◎文化課長 はい。説明板の設置や、先ほどお見せした遺跡マップだが、あちらも包蔵地がこんなにたくさんあるんだということを皆様に知っていただこうということで、このマップをつくった。 ◆島田たいぞう 委員  もう1ついいか。学校教育の中では、例えば近くの小学校での教育っていうのは、ちゃんとされているのか。 ◎文化課長 そちらについても、従前より、今回の海老ヶ作とは全く別に普及啓発活動ということで、埋蔵文化財調査事務所の考古の学芸員が学校へ遺物を実際に持って、子供たちに見せたり、それから、学校が飛ノ台史跡公園博物館へ、6年生になると、縄文の授業があるので、現地へ赴いて、学芸員の指導を受けると。それは従前よりやっている。 ◆島田たいぞう 委員  できれば、近隣にある小中学校が隣はここだというね……見学会……やるか、やらないかは別問題として……ああ、どうぞ。 ◎文化課長 今、普及啓発の中に含まれているが、学校の用地の隣で、昨年、一昨年と、たまたま大きな遺跡があり、本調査になっている。それについては、近隣の小学校が実際に遺跡の発掘現場まで来て、現地を調査、見学をし、また、近隣にお住まいの皆様にも周知をして、見に来ていただくと。そのような活動は日々続けている。 ◎埋蔵文化財調査事務所長 私どもの事務所では、2年半前に私が来たときに考古の職員が3名であった。今、8名ということで、2倍以上で発掘の作業を行っているので、かなりスピーディーになったのではないかと思っている。また、埋文事務所のホームページのほうに力を入れているので、その中でどんなことをやっているのかということを市民の方にPRした結果、いろんな団体の方から事務所を見学化してほしいということが、今までなかったが、ここ1年、2年の間に何件かあった。これについては、今以上にPRのほうに努めていって、遺跡の発掘のほうにご理解いただきたいと思っている。    ────────────────── 2. 船橋市文化振興基本方針(案)について      [理事者報告] ◎文化課長 それでは、昨年、平成27年度と平成28年度の2カ年をかけて、文化振興基本方針を策定している最中だが、概要を説明させていただく。資料は、文化振興基本方針の素案と、本日お配りしたA3に体系の流れが書かれている。こちらのA3の資料をお手元にご準備いただきたい。  文化は教育、福祉、まちづくり、それから、観光等に幅広い分野と関連が深く、大きな波及効果を有している。本方針策定に当たっては、このような観点を踏まえつつ、地域の人々を育んできた歴史・風土等を反映し、特色ある文化振興の進むべき方向を示すことができるよう検討してきた。本日は策定委員会により策定された船橋市文化振興基本方針の素案をごらんいただく。  本策定委員会の進め方としては、文化振興を取り巻く環境の確認、それから、本市の現状把握するため、多方面へのアンケート、文化団体との意見交換会、庁内照会を実施し、そこから課題抽出し、課題解決に向けて検討をしてきた。  では、配付した素案に沿って説明をさせていただく。冊子のつくりだが、本編が43ページまである。その後ろに資料編をつけている。資料編は歴史的背景を含む各地域の特徴、それから、文化団体の意見交換会等について、また、5種類のアンケートの結果から成っている。  それでは、本編から説明する。  まず、第1章、基本方針の策定に当たって本方針の前提となる部分について書かれている。基本方針の位置づけと目的が1ページ、それから、基本方針の期間が2ページに記されている。こちらの方針の根拠となる文化芸術振興基本法は、おおむね5年から6年の期間で基本的な方針を見直しを図り、国が平成32年に見直しを行うので、それを踏まえて本市も見直すように、今期は平成33年度までの5年間の期間とした。  次に、3ページには文化を取り巻く環境が書かれている。本方針策定に当たっては、平成13年度に制定された文化芸術振興基本法が根拠法令となる。その第3条には、国の責務、それから、4条には地方公共団体の責務として、「地方公共団体は基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と記されている。国は既に第4次の基本方針を策定しており、今期は文化芸術資源で未来をつくるをサブタイトルに、文化芸術立国の姿を明示している。その中で特に大きな特徴は、2020年、オリンピック・パラリンピックを契機とした文化プログラムの実施である。本市においても文化プログラムを実施することによって、地域の文化を国内外に示す好機となるということが期待されている。
     次に、4ページから5ページについては、この方針の文化についての捉え方を書いてある。本方針での文化の定義となる部分について書いたものである。文化振興基本法の中では、地方公共団体においては地域に応じた施策を策定することになっている。本市の特徴として、この5ページの図4に記されているように、芸術文化、伝統文化、生活文化のような文化分野を今日のような活発な活動に導いた、密接にかかわってきた風土も今後の文化振興に欠くことができないと捉え、総称して文化とした。また、文化活動を行う人、支援する人、かかわる人を文化の担い手、さらに、こうした文化、文化の担い手、文化活動とその成果、施設などを総じて文化資源と捉えることとした。  これらを前提とし、進むことになるが、次に、第2章は、船橋市の文化的な特徴を書いている。この方針の中の8ページから10ページは、文化の拠点となっている各施設についての記載である。さらに進み、11ページから13ページは、各市内……各地の特徴が書かれている。文化振興の拠点と各地域に息づく多様な文化は、さらにこの本編の後ろについている資料編の、前後して大変申しわけございませんが、資料編の2ページから6ページに、この地域の歴史の背景等に、詳細が書かれているので、またお時間のあるときにごらんいただきたい。  これらの状況から、14ページになるが、船橋市の文化振興の現状や強みや課題というものを出た。今後進むべき方向を導き出すには、まず、現状分析、それから、課題の抽出、課題解決が必須となる。そこで、現状を知るために実施したことは3項目あった。  まず、市内でさまざまな活動をしている文化団体との意見交換会である。こちらも資料編の8ページに状況が記されているので、後ほどごらんいただきたい。また、次に5種類のアンケート、そちらの詳細についても資料編の9ページから31ページ、最後には庁内照会も資料編の32ページから40ページと、行ったり来たりしてしまうが、その資料編とごらんになりながら、進めていただければと思う。  このような状況から、強みのほうは、今後も当然、生かしていくことになるが、着目すべきは15ページ以降の課題であった。これらの説明については、本日お配りした、A3の資料、課題抽出から出てきた、導かれた課題、基本的な考え方、それから、基本目標までの流れをまとめているので、こちらをごらんいただきたい。船橋の文化的な特徴を踏まえた施策を展開するために、この文化振興に必要な基本的な考え方を6点でまとめ、さらに基本方針を策定委員会の中で検討をした。  次に、第3章の基本方針になるが、本編の24ページ以降と合わせてごらんいただきたい。市民アンケートでは、鑑賞したり、活動をしなかった理由として、きっかけがないという回答が多く、また、中・高生のアンケートでも施設整備よりも、鑑賞や活動環境の整備が求められたことから、市民の皆様が行ってみたくなるような情報発信をすることで多くの方が文化活動を始めたり、楽しんだりすることにつないでいきたいと考え、「気づき始まる」というメッセージをここでつくっている。さらに、この気づき、始まるという基本目標を具体的にしていくために、施策として2点、具体的に記載をしている。  次に、2点目は、「学び楽しむ」ということで26ページに詳細が書かれているが、市民アンケート調査結果から、文化活動は地域の人々が生きる楽しみを見出せるというような回答もあった。文化活動を新たに始め、楽しめるような、生涯にわたって切れ目のない活動を行う基盤となる拠点を整備する施策をこの学び、楽しむというキャッチフレーズを使って推進をしていこうとなっている。取り組みとしては、文化活動の受け皿となる団体の支援や、それから、団体と団体のマッチング、環境整備、船橋を特徴づけるイベントの取り組み等を行っていくことが必要ではないかと意見をいただき、26ページ、27ページに記載をした内容になっている。  次は、「育みつながる」という項目になる。こちらは28、29ページである。このキャッチフレーズが出てきたのは、子供のころから創造的な体験をすることで、豊かな心が育まれ、その後の人生においても影響を与えることになり、将来の文化の担い手として期待をされていく、また、文化に触れることで船橋を誇りに持ってもらうことが期待をされるということで、持続的に地域の魅力を高め、町の活力を、子供たちを育成することで町の活力を生み出すことになるのではないかということで、こちらの「育みつながる」という目標が掲げられた。取り組みとしては、子供の鑑賞や体験プログラムの実施、アウトリーチ活動の推進等が挙げられている。  最後に、「活かし伝える」という項目である。こちらは30ページ、31ページに詳細が記載されているが、古来より人々の営みがあった船橋市は都心に近いながらも、地域に残る文化が数多くあり、地域の祭りや、地域学習などを通して、大切に残されている。このような地域の文化を大切にするとともに、地域ごとの特徴を生かしながら、船橋全体が生き生きと活動できる基盤になるといいなというところでこの項目が出ている。具体的には、地域の文化資源を生かした施策、文化資源の保護・活用、それから、次世代に地域の文化資源を受け継ぐ、伝えるような取り組みも非常に重要ではないかということが策定委員会の中でも出ていた。  さらに、今申し上げたその基本目標を推進していくための体制が今後は問われていくことになるので、そちらについては、35ページ以降に文化振興の推進体制が書かれている。基本方針を着実に推進して、実効性を高めるために推進体制を整えることになった。今期は、平成33年度までの5年間の総合指標を、35ページに記してあるが、船橋市を文化が盛んな町と思っていただける市民の割合を60%を目指そうということになっている。ただ、総合指標を目指すことも含め、この文化振興を行政だけで推進することは非常に困難なため、この推進体制の中で、仮称だが、船橋市文化振興推進協議会というようなものを設立して、文化の担い手が一体となって施策に取り組めるようにしたいと考えている。  最後になるが、第5章、40ページ以降になる。この基本方針の特徴といえると思うが、この方針に沿った具体的な取り組みとして、本期間中に推進する2つの重点プロジェクトを掲げた。重点プロジェクト1は、芸術・歴史エリアプロジェクトである。こちらが40、41ページに記載をしている。今期は基本方針スタートの年でもあるので、まず、船橋駅周辺の文化施設による効果を最大限に引き出せるよう、駅周辺の文化施設を芸術文化創造エリアと称して、文化振興の拠点として明確化をしたいと考えている。  次に、このプロジェクトの背景には、文化財の方面では歴史を皆様にお知らせをしているところだが、この文化振興部門に余り歴史の部分を意識していなかった。この船橋駅周辺は、現代に至るまで船橋大神宮を有する歴史的地区でもあるし、また、中世から近世の初めまでは、特徴ある歴史あるまちづくりがあり、今日のにぎわいを築いているという背景があるので、文化振興の拠点にするということで、歴史をひもといた上で、船橋らしさがあらわせる町の魅力を発信する必要があると考え、こちらの項目に入っている。さらに、文化の担い手、人材育成ということで、子供たちへのアウトリーチを各文化施設と連携し、実施していきたいと考えている。  次に、重点プロジェクト2である。こちらはふなばし遺産プロジェクトという名称にしている。先ほども専門職から話があったが、市内には有形・無形、それから埋蔵文化財等、数多くの文化財が残されている。このような文化的遺産をふなばし遺産と名づけ、活用するプロジェクトを推進したいと考えている。まず、1点は、所蔵作品のデジタルアーカイブ化である。昨年、吉澤野球博物館から美術作品、野球の資料と合わせて美術作品も寄附をしていただいている。さらに、その前には、清川家からも寄附をいただいた貴重な美術資料があるが、現在、まだ美術館が建設されてない中で、市民の皆様にいつでもごらんいただけるように、高再生画像を使用し、デジタル化をしたデジタル美術館という、仮称であるが、そのような形にして、皆様に少しでも早く見ていただけるような取り組みをしようということを考えている。  また、無形文化財の中には、後継者の不足等、問題もあり、消滅する可能性もあるので、その担い手の育成や新たな保存の機運を醸成すると、そういうところも今回のふなばし遺産の中には、遺産プロジェクトの中に含まれている。さらに、埋蔵文化財については、開発に先んじて貴重な遺跡を保護できるよう、関係機関と連携を図り、地域の皆様へ積極的に情報発信、普及啓発するという施策もこの中で講ずる。  最後に、文化情報サイトを開設したいと考えている。文化課の仕事も文化振興と文化財と、2部門あるが、それが1つになった情報というのは今までなかったので、今後、文化情報サイトで一括して見れるように、皆様に文化情報をお送りできるようなサイトができればいいなということで、その開設を今回取り組もうというのがこの文化遺産のプロジェクトに入った。  本方針の策定を機に、初めて多方面の調査・分析、それから、文化団体の方の意見を聴取することができた。文化振興は心豊かで活力ある社会の形成にとって、非常に重要で、意義を持つと考えている。市の基本理念である「生き生きとしたふれあいの都市・ふなばし」を実現していくためにも、本方針を着実に進めていかなくてはいけないので、以上の本方針を明確にしたいと考えている。    ……………………………………………… [質疑] ◆坂井洋介 委員  この基本方針で幾つか、「気づき始まる」から、「活かし伝える」まで、施策も書かれている。しかし、この具体的な展開と書かれているが、何か、全体的に抽象的だなと、具体的じゃないのかなと……できれば、これ、全部、何をやるのか聞きたいところだが、時間もかかるので、一番わからなかった「学び楽しむ」……ページでいうと26ページ。この施策の1番の具体的な展開というところで、文化団体の活動を展開されるようにということで、意見交換の場を設けるとか、その受け皿となる団体を支援する……これは何をするのか、ちょっと非常に見えにくいので、何か事例があれば、聞かせてもらいたい。それと、その下の段に行くと、「民間施設の利用やまちなかで行われる文化事業の充実など」というところで、どういった民間施設の利用を考えているのか、この具体的な例を示していただけるとありがたい。 ◎文化課長 まず、文化団体の意見交換の場を提供するというところだが、今回、全市団体といわれる文化団体の方たちに集まっていただいた。その中で、今までは個別で活動されていた方が、実は意見交換会を機に、自分たちの活動と、ほかの団体との活動がひょっとしたら一緒に、連携してできるのではないかというようなお話も、出てきたので、それをすることで、さらに自分たちの活動の幅が広がり、いろんな方に参加してもらって楽しめるきっかけを今まで以上に皆さんに伝えられるのではないかというのが1つである。  あと、文化振興の拠点の整備というのは、民間施設、私どもの全て直営でやっている文化施設、あとは、公園は公園協会のアンデルセン公園の中に子ども美術館等もあるので、そういうところとも連携をしながら、何かできるといいなというのを、ここに書いている。この具体的なものについては、先ほど推進体制で申し上げた、仮称だが文化振興推進協議会のような活動を通じてどのような活動ができるかということを詰めていこうと考えているので、いろんな方たちの意見を伺いながら、プランを練っていくというような形である。 ◆坂井洋介 委員  民間施設というのは具体的にあるわけじゃないのか。民間施設の利用と書いてあるが。 ◎文化課長 先ほど申し上げたアンデルセン公園や、それから、民間施設、ららぽーと、商業施設、それから、民間のホールで勤労市民センター、直接は行政がかかわってないところを総称して民間としている。 ◆坂井洋介 委員  もう1点、42ページで、ふなばし遺産プロジェクトだが、この中では現在、船橋市に常設展示する環境がないから、デジタル処理をして公表していこうということが書かれているが、デジタル処理をして公表することはいいが、この常設展示する環境がないのであれば、つくるっていう、その施設を。そういう検討はされなかったのか。 ◎文化課長 まず、建物をつくるという話は、なかなかすぐにできるところではないので、今現在、できることとしては、年に、ことしは3回になるが、所蔵作品展ということで、市民ギャラリーのほうで一般の皆様に少しでも部分的だが、見ていただこうということで、実際には所蔵作品展で作品をお見せしているのはある。それから、今期だったか、まだ正式なお話にはなかなか実現、今検討をしているところはあるが、京成船橋駅の東地区。そちらの民間の開発される再開発ビルの中に美術館を入れたお話というのは、今期だった……9月、一度、議案等説明会の中で少しお話をさせていただいたところだが、そこがあるので、可能性はなくはないという状況にはなっている。 ◆坂井洋介 委員  先ほど、いろいろ資料をいただいたが、船橋市、せっかくの貴重な遺産がたくさんあるわけだから、常設の展示する環境をつくっていただくように要望する。 ◆島田たいぞう 委員  何点か、すいません。  振興基本方針は、これ方針だよね。さっき、具体的に云々って話があったが……大変申しわけない……ありきたりな言葉が続いていると思ったが、その後、33年以降にやろうということなのか。それとも、並行して、その実施計画なり、個別計画なりを考えているのか。 ◎文化課長 この個別については、資料の……。 ◆島田たいぞう 委員  最後。 ◎文化課長 はい。最後に各課に照会をかけて、各課で文化に関する事業をやっているので、それがもう既に個々の活動になっているところと、これからはここに私どもがこれから立ち上げていこうとしている文化振興推進協議会と協議をして、PDCAの中に入れていただければと考えている。 ◆島田たいぞう 委員  今までの既存のものを、資料編で確かに計画があって後援してくというが……申しわけないが、1ページの基本方針の策定に当たって、位置づけが、個別計画が振興計画の基本方針か。ちょっと違うと思っている。もっと上じゃないかと思う。例えば総合計画があって、その下あたり、あるいは並列・同時でこの文化振興計画の基本計画があって、そして船橋の町をどういうふうに文化的にしていくのかがいろんな分野に当たっているよと。そして、どうするのって話ならわかるが、図書館サービスと子供の読書活動と、生涯スポーツ……それはそれなりに文化というか、まちづくりの1つの起点でいいと思うが、何か違うのではないか。それは議論されて、こうなったのか。 ◎生涯学習部長 一応、ここは議論した。文化分野の基本方針っていうことで、計画と違うのかとの話だが、今までこういったもの、一切なかったっていうことがあるので、文化分野の個別の計画の位置づけと私らは捉えている。上位には当然、教育ビジョンとかあるので、委員の意見とすれば、もうちょっと上じゃないかということだが、一応生涯学習部としては、いろんな分野が所管しているので、文化分野の一分野の位置づけというふうに考えている。 ◆島田たいぞう 委員  なるほど。この前の教育長の所信表明の中で、文化についてのこの計画を、一言も触れてない。街角ミュージシャンなど細かい話は出ていたが、その上にもっと位置づけとして、文化振興計画があって、並列的にまちづくりの中でこういうものをやっていくと。だから、方針の下に、個別計画をつくって出すならわかるけど、方針が、ここに位置づけられているのは、いかがなものかと思う。それは、皆さんが議論して、その結果、出たなら、しようがないと思うけど、ちょっと違うなという気がする。期待するものの度合いが大きかっただけに、出されたものを見て、もうちょっと何か考えることがあったのではないか……と率直に思ったから、今意見を言っている。あとプロジェクトでも、何かただ情報の処理を集めて収集すると言っても、それを表面化するというだけであって、具体的に何をやりたいの。船橋のまちづくり、どうしたいの。施設づくりもそうだし、美術館もそうである。 もう1つは、ダイナミックに……町を文化的にしていくんだというところが見えない。その辺はどうお考えか。 ◎文化課長 先生のいうことは当然のご指摘と思っている。一応、位置づけとしても、どうしても文化部門がやる事業ということになるので、後期基本計画の中に、こちら、個性豊かな市民文化の創造という項目が既に入っており、それもたった2ページの中に非常に大きいことから小さいことまで書かれているというところが事実である。これを整理しないと、まずはだめかなという位置づけで、今回はこの方針をつくった。  なので、目指すべき方向は、この後期基本計画に書かれているふるさと船橋への愛着を抱いている状態と、あえてここを目指しているところはそういうつくり方をしたという理由である。  また、先ほどもちょっと申し上げたが、文化担当部署だけでは、船橋の文化をダイナミックに変えていくようなことは、なかなか難しい。それは、非常に今回痛切に感じている。そのために、各分野、それから、専門家の方の知恵を拝借しながら、協議会を設置し、その中で今まで一部門ができなかったようなことも考えられるのではないかと期待をした上で、こちらの推進協議会をつくっていこうと考えている。 ◆島田たいぞう 委員  目指すべき姿としてふるさと船橋、愛着と書いてあるからこそ、さっき言った話になるのかなというふうに思う。  あと、もう1つ。このパラリンピック、オリンピックと書いてある、国の文化プログラム、これはどういうふうに船橋の中に位置づけて明確に具体化されているの。まだ全然案がないのか。 ◎文化課長 まだ具体的に文化庁、担当省庁からもおりてきてない。今回、策定委員のメンバーの中にその関係者をあえて2名ほど入れているのは、私どもも文化プログラムが多分、実施することになるだろうというのは予見できたからである。ただ、何も情報がないので、国でそういう活動をされている委員の方が入ってくだされば、少しは情報もいただけると思ったところだが、やはり、まだ具体的には、こちらまでおりてくるような状況ではないので、これは引き続き、この委員の先生方とは情報交換しながら進めていければと考えている。 ◆島田たいぞう 委員  今回のこの振興計画の中には何もないってことか。 ◎文化課長 いえ。現状では、まだ入ってはこないが、今回、これは5カ年の計画になっているので、当然、この冒頭の社会環境の背景の中にも入れたが、今後、文化オリンピックの話は出てくるのではないかと考えているので、そのときは、船橋としても、やはり都心に非常に近いので、こちらから行く方ばかりではなく、逆に都心から船橋へ足を運んでもらえるような何か事業ができればいいなと考えているので、そこは文化プログラムの話が出たら、具体的にしていくことになるとは思う。 ◆島田たいぞう 委員  それは1つよろしくお願いする。  もう1つ、この文化振興の推進についてというのは、恐らく重点プログラムの後に持っていくべき……筋立てであって、まず、重点のプログラムがあって、それをどのように推進していくかが文化振興の後だと思う。チェック機能として、順序がこう……こういうふうになっちゃったのか。よくわかんないが。これ、何か違うのではないかと思って、さっきから見ていて。 ◎生涯学習部長 これについては、意見は意見として伺うが、文化の振興の推進に向けて、当然、基本的な考え方、基本目標、それに伴う施策の展開、あと、参考資料の中にこの基本目標ごとの事業体系も入れているので、そういったものについて、毎年チェックしていきたいということで、PDCAサイクルを回していくと。その中で、総合指標を設定したのは、これは大きな目標なので、そういった評価体制も必要だろうということで、36ページの2番目に体制づくりとして、協議会を設置したいという構想を入れている。最後のほうに、重点プロジェクトは、第5章を起こしているわけだが、意見は意見として承っておく。 ◆島田たいぞう 委員  率直に言って、やっぱり文化の担い手、それから、いろんな機会がある施設づくりをされて……それをどのように推進しているのかどうか、本当に重要なプロジェクトをやっているかどうかっていうのをチェックする機構がこういう協議会なのかなと。そして、協議会の中で新しい、いい意見が出たら、またここへ反映して、進めて実施計画なり、個別計画をつくっていくというふうに思ったものだから……一応意見として言わせていただいた。 ◆鈴木ひろ子 委員  文化の振興、非常に未来を描きながら、楽しく、今、拝見させていただいたが、アーティストバンクがあったり、文化財の話があったり、アーカイブ化の話もあり、事実、進めていくと、案外と市民の皆さんにもそういう気持ちが非常に船橋の場合、強くて参加してくださる方も多いし、中には本当に一流の方もたくさんいて、非常に大きい広がりがあるように思う。やっぱりその都度その都度、その足かせというか、ストップしてしまうのが、箱というか、場所の不足、施設の不十分さ、設備の不十分さというのがアンケートにもあった。やはり、進めば進むほど、そこに皆さん行き着くところがあると思う。というのは、船橋自体が62万人を超えて、大きい都市になってきているから、既存のものでは大分手狭になってきているし、施設としても不十分になっている。例えばピアニストや、バイオリニスト、一流の方が船橋に、小さいときから家庭で特別な教育を受けた方ではなく、本当に普通に公立の小学校の教育を受けている中で優秀な管弦楽部の指導者の先生がいらっしゃる。普通に公立の教育で一流になられた方がいっぱい今いらっしゃって、その方たちがたくさん、今船橋に帰ってきている。そういう方たちが、ぜひ子供たちのためにと演奏してくださると、実はもう音響が全然よくない……音が吸われてしまう天井など、不十分で見ていてもったいない。もっともっと子供たちやお客様とか、市民の方に感動していただけるすばらしい演奏だけど、それが生かせないところが、いろんなところで大分見られることが多くなってきている気がする。今後、ここに具体的なことが書いてはなかったが、その箱というか、そういうところに対しては、具体的な計画があるのか、どういうお考えを持っているのか、もしあれば、伺いたい。 ◎文化課長 施設の整備については、全庁的に今、計画を立てているところではあるので、その全体的なバランスの中で実施していくことになるとは思う。現在の文化ホールがあと25年ぐらいで65年を迎える予定なので、どうしても、建て替えなのか、新たに建てるのかというのは、当然事前に計画を立てていくことになるのかと考えられるので、どういう活用の仕方というのは今後の話になってくるとは思う。それも含めて、やはり担当課というよりも、市の全体的なバランスを考えてのことになってくるのかなというふうにしか、今は答えられないが、少なくとも文化ホールは、あと数十年と見えているので、検討していかなくてはいけない施設になってくると考えている。 ◆鈴木ひろ子 委員  文化ホールもそうだが、何か小さいところでいいと思う。200人とか300人のスケールできちんとしたところがあると、非常に船橋市の規模だと使い勝手がいいのかなという気がする。あと、オリンピックもあるので……そもそも船橋って、多分、今、英語のパンフレットもないと思う。誘致じゃないが、オリンピックに向けて、海外からのお客様が来るとか、観光とか、いろんなことがあって、市を発信していくことに重点を置いて活動されている市って、まず最初に英語のパンフレットをつくって、ばんばんまくじゃないが、そういうことをずっと前から始めているところも多い。そういう意味で、恐らく船橋はないと思う。それも重ねてやっていただいたほうが、もう時期的に4年切っているので、必要なのかなと……ここでお願いしたいと思う。 ◎文化課長 実は、先ほど話した設置板だが、やはりそれも英語表記が必要であろうというところで、これから新しく設置する場所については、どうしても限られたスペースに書いていくので、何カ国も無理だが、せめて英語表記は入れていこうと、少しずつ設置板のほうは実施をしている。  また、船橋の文化財という本もあるので、それも英語表記ができたらいいと検討している。 ◆鈴木ひろ子 委員  箱のこと、英語のインターナショナルな部分、一流の遺跡、人材的にもここから育った方が、今すごく活躍されている。ここに帰ってきてくださる気持ちのある方もたくさんいらっしゃるので、それを十二分にこちらで生かせるような形を、いろんな意味で整えていくような方向でやっていただければと思う。 ◆金沢和子 委員  3点ほど。  まず、日程のことである。これは、素案ですよね。確定するのはいつぐらいになるのか。 ◎文化課長 こちらの素案をまず、議会に報告させていただく。この後、11月15日から1カ月間、パブリック・コメントをかけさせていただき、ご意見いただいた後、策定という流れになる予定である。 ◆金沢和子 委員  資料でつけていただいたA3の後ろに策定委員名簿がある。この委員さんたちは素案をつくってくださったメンバーの皆さん。今後のかかわりぶりはどうなるのか。 ◎文化課長 策定委員会のメンバーは素案をここまでつくっていただき、あと、パブリック・コメントの後は、委員長とその内容をまた検討するということになっている。 ◆金沢和子 委員  そうすると、パブコメが終わった後に、最終的な詰めを委員長さんとされて、29年の4月1日から、5年間の計画になるわけだから、そうすると、最終的な完成版は3月ぐらいになるのか。 ◎文化課長 一応2月ごろの予定をしている。 ◆金沢和子 委員  そうすると、2月ぐらいにはということね。完成品ができるまで、皆さんからどんどん意見を聞いたらいいと思う。先ほどちょっと気になったのは、オリンピック・パラリンピックの関係で、文化オリンピックっていう言い方をされるのかな。27ページのところにも出てきたが、その関係の方は策定委員さんの中にいるというような話だったが、どの方か。 ◎文化課長 まず、委員長の太下委員が国の文化審議会の文化政策部門の委員でいらっしゃるのと同時に、この文化オリンピックの関係で活動されている。あと、小野木委員も文化プログラムをプロデューサーというような形でかかわることになる予定だそうである。まだ決まってはいないが、その2人は、これからもかかわっていくと聞いている。 ◆金沢和子 委員  すごい。そういう方が入って議論されていたのか。余りよく知らなかったものだから。  あと、2点ほど。まず、基本計画の4章の文化振興の推進に向けての中で、それぞれ市民や、地域で、文化の担い手の役割分担が出てくると思うが、38ページのところに行政という部分が出てくると思う。先ほど、先番議員からも議論があった、この行政の役割、素案だと、1、2、3、4、5、6の6項目しかなくて、この具体化というのは、それぞれの課ごとになるというか、だから、6項目しかないし、余り具体的でもないので、この具体的な中身が今後、それぞれの協議会なり、実施計画の中で出てくるということでよろしいか。 ◎文化課長 この後、推進協議会だけではなかなかできないので、私たちの予定の中では作業部会や、そういう実務ができる部会をつくっていかなくては、なかなか具体的な活動にはつながらないのではないかという議論は出ている。 ◆金沢和子 委員  だんだん細かい話になっちゃうみたいなので、この辺にしておくが、やっぱり気になるのが、主に文化といったとき、例えばその地域の皆さんにご協力いただくとか、あるいはその波及効果もあって、多角的に、さっきもまちづくりとの関係で話されていた方もいるが、その一番最後の公民館と図書館のところがやっぱりちょっと気になっていて、今、公民館の課題としては、正規職員の方がいない。地域の基幹館には正規職員の方がいて、それぞれの地域の館は非常勤の方ですよね。非常勤1人、館長さんが正規職員だったか。やっぱり社会教育を推進して、生涯学習の一環として各種事業をやる際には、職員の方の配置の体制が厳しいと思うのと、図書館も今後指定管理していく中で、市の行政の計画をやっていただくには、事前にかなり言っておかないと、やれないだろう。話が違うってことになるので、公民館と図書館での推進、各種事業を行う体制はこれからどうしていくのだろうって、ぱっと見て思ったが、何か検討されているか。 ◎生涯学習部長 公民館は基幹公民館体制ということで、あと、地区公民館という体制になっていて、地区公民館には正規職員は1名(後刻「2人ないしは3人配置」と訂正)、それプラス非常勤と。基幹公民館には事業担当職員もきちんと置いているので、そういった中で全部でカバーしながらやっていくということが今現在でも行われているわけだから、そこは連携をとりながら、情報交換とりながら、今後もやってく体制っていうことになろうかと思う。  図書館については、指定管理館と直営館で残る西書館がある。そういった中で、今後、指定管理館の協力を得ながら、今まで以上の事業を行っていく形で成り立っていくと思う。 ◆金沢和子 委員  わかった。公民館の体制は、今の体制のまま、要するに基幹館があって、地区館があって、事業担当がいてという感じで、このままの体制でやっていくと。それで、図書館については、西図書館が基幹館のような役割を果たし、連携をとりながらやっていくというような理解でいいか。 ◎生涯学習部長 現状はそういう体制っていうことである。現時点では、そういう体制で、来年4月以降の図書館については、そういった形と。公民館については、現状の体制のままと考えている。 ◆金沢和子 委員  わかった。図書館はこの状況の中では、現状の体制のままということか。(生涯学習部長「あ、公民館はね」と呼ぶ)公民館は。ごめんなさいね、言葉が足りなくて。  最後に人材育成の部分について伺う。この間、基金などもいろいろやっていただいて、人材育成について、少し進んできたかなという部分もある。やっぱりアンケートの中で、さっき紹介のあった、一流に触れるという機会を持つことがやっぱりとても大事だと思う。その一流に触れる機会を持つにも、やっぱりお金のあるなしで、触れる機会が狭まってしまうことがあってはならないと思う。もちろん、高いお金を出してでも、すごいものが見たい人もいなくはないと思うが、行政として、人材を育成する観点からは、なるべく低額で、しかも質の高いもの、あるいは無料や低額の教室などの実施がすごく大事だと思っている。そこで、心配なのが、この間、船橋市が、利用料や使用料を、どんどん引き上げてくるような動きがあって、お子さんたちが使うにもなかなか大変になってきたら、大変だと思う。なので、そういう人材育成と経済的な部分は、やっぱり考えていっていただきたい。市が行う事業になってくると思う、そういった人材育成事業。そこは例えば有料にするとか、参加者に参加費用をとるとか、そういう方向性になっていく。そこが、すごく心配。 ◎生涯学習部長 具体的にどういうことを言っているのかわからないが、要は、例えば使用料……私どもは許認可業務は余りないので、手数料はないが、使用料ということであれば、それは一番代表的なのはスポーツ施設の使用料もあるし、公民館の使用料もあるが、これはやはり企画財政部がつくった使用料の基本的な見直しの考え方があるので、それに沿って必要な検討はするべきと思っている。それ以上は何を答えていいのかわからない。 ◆金沢和子 委員  すいません。抽象的過ぎた。お子さんたちや保護者の方が一流のものに……ちょっと言い方がよくないが、本当にすばらしい芸術やスポーツ、そういったものに触れる際に、市内のお子さんと一緒に行く保護者の方、そういう方たちがそんなに高い料金で鑑賞したり、参加をしたりって、そういうことがないようにしていただきたい。だから、それは今後検討していただけるのかなという意味である。 ◎文化課長 もちろん、お子さんたちに機会を与えるために、高価なチケットを購入してというような話にはなかなかならない。今後も続けるかどうかはわからないが、現在、ニューフィル千葉さん等のオーケストラのゲネプロに近隣小学校のお子さんを招待して聞いてもらうとか……それは安価でやっていると聞いている。また、実際にステージに上がるアーティストの方に協力を得て、お琴、合唱、中学校の合唱部、箏曲部のお子さんたちがプロのアーティストと同じステージに上がると。そういうときは、もちろん自分たちの出番が終われば、無料で公演を見せてあげるような企画をする中で、子供たちに、全員とかいう事業はまだやっていないが、一流の人たちに接する機会を、現在もつくってはいるので、今回、これを出すことで、もう少しまた踏み込んだものができたらいいなと。そのあたりは、文化課と、あと現場との連携や、協議が必要になってくるとは思う。今後もそういう形では続いていくだろうと思う。 ◆金沢和子 委員  パブコメでも、多分出てくると思うが、ぜひ要望しておきたいのは、例えば今、合唱発表会とかやっている学校は、学校によっては、市内のホールが使えないので、習志野文化ホールまでお金を払って行っている。あそこは最高のホールなので、決してだめではない。ただ、皆さん、電車に乗って行くわけである。だから、やっぱりそれなりの負担をしてやっている。それから、市内でも管弦楽で日本一になっているような中学校もある。でも、やっぱりそこでも楽器が買える、買えないで、やる、やらないっていうのが決まってしまうような現実もある。だから、子供たちが自分がいい演奏をしたり、あるいはすばらしいスポーツをしたりということに、保護者の負担が大きかったり、あるいはやむを得ず、市外へ行くという状況があるのを前提に、人材育成の観点からは、そういう経済的負担を軽くして、なるべく参加がしやすいものをぜひ計画の中で検討していただきたいと要望する。          15時23分休憩          15時39分開議 ○委員長(松橋浩嗣) それでは、会議を再開する。  生涯学習部長から発言がある。 ◎生涯学習部長 先ほどの文化振興基本方針の中で、地区公民館の職員の数、常勤職員……正規職員ともいうが、「2人ないしは3人配置」ということで、訂正させていただく。すいません。    ────────────────── 3. 船橋市図書館指定管理者候補者の選定結果について      [理事者報告] ◎社会教育課長 船橋市中央図書館、船橋市東図書館及び船橋市北図書館の指定管理者候補者の選定結果について説明する。  平成28年第1回定例会で議決をいただいた船橋市図書館条例に基づき、平成29年度から指定管理者制度を導入する。本日報告する指定管理者候補者は市議会の議決を経て指定管理者として指定される。指定議案は平成28年第4回船橋市議会定例会に提出する予定である。お配りした資料をごらんいただきたい。  船橋市図書館指定管理者選定委員会を設置した。資料の1、船橋市図書館指定管理者選定委員会開催経過にあるとおり、4回の会議を行った。2、選定委員会委員をごらんいただきたい。選定委員会の構成については、表のようになっている。指定管理者募集をしたところ、3団体からの応募があり、その中から、4、選定結果の(1)指定管理者候補者として選定された団体にあるとおり、船橋市中央図書館、東図書館及び北図書館の指定管理者候補としてTRC・野村不動産パートナーズ共同企業体が選定されたことを報告する。  次のページをごらんいただきたい。選定の理由については、(2)選定の理由にあるとおりである。なお、(3)にある、次順位者についてだが、次順位者として選定された者については、指定管理者候補者との協議が調わない場合に、指定管理者候補者として協議を開始する。協議が調った場合、市議会へ指定の議案を提出する。この場合の指定期間は、指定管理者として指定される日から平成34年3月31日までとなる。次順位者は記載のとおり、ヴィアックス・東急コミュニティー共同企業体とするものである。書面審査及び面接審査の評価項目と審査結果は3ページから4ページの記載のとおりである。  指定の期間は4ページの最後に記載してあるとおり、平成29年4月1日から平成34年3月31日である。    ────────────────── ○委員長(松橋浩嗣) このほかに何もないか。      [「なし」と呼ぶ者あり] ○委員長(松橋浩嗣) 本日はこれで散会する。          15時42分散会    ────────────────── [出席委員]  委員長   松橋浩嗣(公明党)  副委員長  高橋けんたろう(新成)  委員    斎藤忠(公明党)
           坂井洋介(日本共産党)        金沢和子(日本共産党)        長野春信(船橋清風会)        小平奈緒(自由民主党)        鈴木ひろ子(市政会)        三橋さぶろう(民進党)        島田たいぞう(研政会) [傍聴議員]        石川りょう(新成)        浦田秀夫(市民社会ネットワーク)        長谷川大(研政会) [説明のため出席した者]  秋山教育次長  佐藤生涯学習部長  二野社会教育課長  田久保文化課長  金子中央図書館長  高木埋蔵文化財調査事務所長     その他 課長補佐、係長、班長 [議会事務局出席職員]  委員会担当書記 関谷議事課主任主事          菅原議事課主事...