第1波を経て重症患者や死亡者も少なくなり、冷静さを取り戻した今だからこそ、一旦立ち止まって、これまでの対応を振り返って検証し、今後に備えることが重要です。実際、各自治体でも次々と
新型コロナウイルス感染症対策の検証が行われ始めております。
名古屋市では、早い段階で複数のクラスターが発生した経験を基に、
クラスター対策の効果を検証し、国の指針より広範囲で患者の行動歴や
健康観察対象者を調べて感染を抑え込んだ経緯をまとめております。感染が疑われる人の搬送や病院の受入れ体制などの課題も挙げられています。
新潟市では、第1波の感染収束が見えた5月末までを振り返りの期間として、新潟市が取った対応状況と得られた成果、見えてきた課題及び今後必要な対応について、検査・相談体制、医療提供体制と社会経済活動への影響の視点で整理してまとめております。
兵庫県西宮市では、第2波以降に向け、市の全部署から対応や改善点などを記した検証シートを収集し、学校現場などのヒアリングも重ね、時期ごとに対応を記載、感染予防、経済対策など7分野の視点で検証し、報告書を発表しました。
群馬県では、7月9日、68人のクラスターが発生した有料老人ホームの検証結果を発表しました。初報からPCR検査の結果が出るまで4日かかったことがクラスターの発生を防げなかった最大の要因と結論づけています。対策として、初期探知の徹底、往診医との情報共有、保健所体制の整備、その他にも搬送手段の充実や原因不明の発熱3人以上でPCR検査を行うこと、施設における感染症対策と指導の強化などを挙げております。
その他、北海道では、議会からの要請で、政府より先に出した緊急事態宣言などを検証、京都府では、医療保健分野の対応について
ワーキングチームで検証、滋賀県では、休業要請が社会経済活動に与えた影響を検証、佐賀県でも、全国知事会の
ワーキングチームで課題を把握し、県の対応を検証、その他、新潟県、姫路市など、様々な自治体でこれまでの対策の検証作業が行われるようになってまいりました。
そこで、本市において、医療提供体制、
感染拡大防止対策、学校教育、保育所、子どもルーム、職員、組織、庁舎、それぞれについて、これまでの対応で、どういう課題が表面化し、それに対する備えとして、今後どのように対応していくのか、伺います。
また、
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、各地の自治体では、独自の条例が次々と制定されるようになってまいりました。名古屋市では、全国初の
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための条例が成立しました。市の責務として、正しい知識の普及啓発や情報の収集と発信、患者の人権尊重を挙げ、事業者は蔓延防止に必要な措置と従業員に対する質問や調査が円滑に行われるようにする努力義務を課しております。
市長は、感染の疑いのある者に対し、体温その他の情報提供と自宅等からの外出をしないよう求めることができるともされており、新型コロナが指定感染症に定められている1年間が過ぎると、条例も自動的に失効することとなっております。
長野県では、
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づかない県独自の外出自粛や休業要請といった措置について、県民に協力をお願いする根拠となる条例。岡山県総社市では、市の責務として、対策の迅速な実施と適切な情報発信、感染者や家族の個人情報保護など人権尊重、市民と事業者の責務として、対策への協力や事業の実施に関する適切な措置を求め、市長はマスクや消毒液などの配布や市の施設の利用制限、学校の休校や医療機関への支援を速やかに実施できる条例。沖縄県石垣市では、市の責務に空港、港湾における水際対策とPCR法等による検査能力の整備を明記し、事業者は事業の実施に関して適切な措置を取ることが努力義務とされ、患者、濃厚接触者、その家族や医療従事者その他に対する不当な差別を禁止し、観光客は、市の要請に応じて来訪を控え、やむを得ず来訪するときは、市の対策に協力する努力義務が課せられる条例。鳥取県では、クラスターが発生した場合、施設名などを公表すると定め、事業者に対し、自主的に営業自粛や施設の消毒を求め、実施しない場合、知事の判断で使用停止などを勧告できる条例。青森県むつ市では、飲食店に対して感染防止に関する取組の状況を市に報告するよう要請するほか、必要に応じて市が立入検査を実施する条例。栃木県那須塩原市では、感染者らを誹謗、中傷の被害から保護することに特化した条例。その他にも、コロナの次なる波や新たな感染症に備える仕組みとして、市民、事業者などに感染症対策への協力を求める条例、マスクや消毒液の配布を条例に明記して速やかな対応ができるようにする条例など、数多く制定されております。
そこで、休業や外出自粛を要請する根拠となる条例について、本市はどのように考えるか。これまでの感染動向を法制度の面から検証して必要な条例を制定する考えはないか、伺います。
質問の2番、PFS、
成果連動型民間委託契約方式及びSIB、
ソーシャル・インパクト・ボンドについて伺います。
我が国は、高齢者の介護や地方経済の活性化など、様々な課題に直面しているところ、そのような社会的課題解決のためには、行政による取組だけではなく、民間セクターのノウハウ等を積極的に活用することが求められております。
そのような中、公共サービスに民間セクターのノウハウ等を引き出し、個々の事業の費用対効果を高める仕組みである
成果連動型民間委託契約方式、いわゆるPFS、ペイ・フォー・サクセスの活用事例が国内で出てきており、政府として、その普及促進に取り組む方針が打ち出されております。
内閣府及び内閣官房が平成31年2月に地方公共団体及び民間事業者を対象として実施した調査によると、我が国では、同年2月時点において、17自治体で18件の事業が実施されていることが把握され、その後も活用事例が増加しているところです。
国も、内閣府に
成果連動型事業推進室を設置し、民間や関係府省から人材を登用し、2022年度末までに、医療・健康、介護、再犯防止の重点3分野でPFS事業を実施する自治体を100以上とすることを目標としています。
PFSによる事業とは、
地方公共団体等が民間事業者に委託等をして実施させる事業のうち、その事業により解決を目指す行政課題に対応した成果指標が設定され、
地方公共団体等が当該行政課題の解決のために、その事業を民間事業者に委託等をした際に支払う額等が当該成果指標の改善状況に連動する事業と定義されております。
PFS事業には、
地方公共団体等から民間事業者に対する支払額等が事業の成果指標の改善状況に連動するというリスクを民間事業者が負うとともに、事業の実施手法について、民間事業者に一定の裁量を持たせるような委託等の契約を行うことで、民間事業者の事業意欲をより一層向上させ、また、そのノウハウ等を引き出すことが可能になるといった特徴があります。
なお、PFSの一類型として、
ソーシャル・インパクト・ボンド、SIBがあります。
SIBとは、PFSによる事業を受託した民間事業者が当該事業に係る資金調達を金融機関等の資金提供者から行い、その返済等を成果に連動した地方公共団体からの支払額等に応じて行うものです。就労支援、糖尿病予防、心臓病予防等など、初期投資のかかる予防的な事業にSIBは有効とされ、ニューヨーク市等では、民間事業者の活動の
社会的インパクト、
行政コスト削減等を数値化し、自治体等がその成果報酬を支払うSIBの導入が図られ、民間資金の活用が進んでおります。
本市が行っている民間委託で、成果に連動した委託費を設定した例は、PFSで1件のみと聞いておりますが、PFS、SIBについて期待される効果や課題を含めた本市の見解、今後の取組についてお伺いいたします。
質問3、性犯罪・性暴力対策について伺います。
性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものであることから、その根絶に向けた取組や被害者支援を強化していく必要があります。フラワーデモや、
#MeToo運動など、被害に遭われた方や支援団体等が声を上げ、熱心に活動に取り組むなど、性犯罪、性暴力の根絶を求める社会的気運が高まってきています。
そのため、政府において、本年4月より、
男女共同参画担当の内閣府特命大臣を議長とする性犯罪・
性暴力対策強化のための関係府省会議が開催され、6月11日、性犯罪・性暴力対策の強化の方針が決定されました。性犯罪、性暴力の根絶は、待ったなしの課題です。事実、内閣府は、先週、2021年度当初予算の概算要求で、性暴力やDVの
被害者支援施策を拡充し、前年比で約2.7倍を計上すると発表しました。
性暴力の根絶や被害者支援のためには、各地方公共団体における取組も非常に重要であり、対策の強化が必要です。
そこで、本市の性犯罪・性暴力対策の現状について、政府の性犯罪・性暴力対策の強化の方針を受けての本市の対応について、2点伺います。
この方針を踏まえ、文部科学省も子供が性暴力の加害者や被害者、傍観者のいずれにもならないよう、教育、啓発内容の充実、相談を受ける体制の強化、わいせつ行為を行った教員等の厳正な処分、社会全体への啓発について、今後、取組が強化されることとなりました。
本市教育委員会においては、平成25年度以降、児童生徒と教職員との関わり合いの中で起こる体罰やセクシュアルハラスメントに関する実態を把握するとともに、具体的な対策を講じ、よりよい学校環境をつくるために、市立小・中・特別支援・高等学校に在籍する児童生徒及び教職員、小学校・特別支援学校の保護者を対象としたアンケート調査を実施しており、7月に直近の調査結果が取りまとめられたと伺っております。
そこで、調査結果の概要と結果を受けての市の見解、今後の取組について伺います。
本市の教育現場においては、あってはならない性犯罪、性暴力事件が発生してしまいました。平成30年8月1日、女子児童に対する強制性交の疑いで、担任である
本市小学校教諭が逮捕され、8月22日に起訴、昨年12月23日に、千葉地裁で懲役14年の判決が下され、本年1月7日に確定しました。この犯人である元教諭は、本市の公権力行使に当たる公務員であり、犯行場所も本市小学校内、犯行に至る経緯も担任教諭として授業中に指導と称して連れ出して、犯行に及んだものであることを考慮すれば、本件犯行は、本市の職務執行性があることは明らかです。
私も娘を持つ親として、この教諭の犯行は断じて許すことができません。また、被害児童やその御家族のことを思うと、やるせない思いで胸が押し潰されそうになります。
本事件に対する市の受け止めと再発防止に向けた取組について、教育長に伺います。
本事件での被害児童数については、裁判上では7人となっておりますが、裁判においては、自らの撮影機材で犯行を撮影し、映像として客観的に裏づけられている部分のみ犯行を認め、途中で映像が途切れていた部分は、被害児童が証言しても責任を回避しており、映像として残っていないものも含めれば、恐らく実際の被害児童は7人だけではないと思われます。
最も安心すべき学校で、信頼する担任教師から卑劣極まりない本件犯行の犠牲となった被害児童たちは、以後の人格形成過程など長き将来にわたって、その被害と向き合い、痛みにさいなまれなければならないものであり、精神的被害は甚大であり、そのフォローが何よりも重要でありますが、被害者、被害者家族の精神面のフォローについてお聞かせください。
本件の管理監督責任については、校長の懲戒処分内容が減給10分の1、1か月ですが、事件の重大性、社会に与えた影響に比べ軽過ぎるのではないでしょうか。管理監督者の処分内容の妥当性について見解を伺います。
質問4、臨海部の製鉄工場からの粉じん対策について伺います。
今回は、令和元年第4回定例会での私の一般質問に対する答弁、及び昨年12月23日の
大気環境保全専門委員会からの臨海部における粉じん対策についての提言に対する本市の対応の進捗状況、また、本年8月24日に開催された令和2年度第1回
大気環境保全専門委員会会議について伺います。
大気環境保全専門委員会の提言を受けてのその後の本市の対応については、先週、同僚議員が質問されていらっしゃいましたので、私からは1点だけ、提言の今後の粉じん対策についての対策、ア、事業者による法令等の履行状況を適宜確認すること、に対する本市の対応についてお聞かせください。
令和元年第4回定例会におきまして、国によって策定された新しい
地域パートナーシップによる
公害防止取組指針に対する本市の取組状況を質問させていただきました。それに基づいて設置された市民、事業者、行政の3者メンバーによる粉じんに係る
地域コミュニティーの会合が残念ながら休止状態と伺い、その再開を求めました。
パートナーシップメンバーの再選定についての進捗状況について伺います。
また、昨年の第4回定例会において、粉じん対策に課題を持つ他の地方自治体と情報交換を行い、
地域パートナーシップの導入状況と成果などについて調査研究をしていくとの答弁がございましたが、他自治体との情報交換と、その内容、収穫について伺います。
8月24日に、令和2年度第1回の
大気環境保全専門委員会会議が開催されました。議題の1つに事業者の
粉じん飛散対策があり、そこでは、事業者側から4名の職員が自社の資料を基に
粉じん飛散対策を説明する場が設けられておりました。
そこで、2点お伺いいたします。
1つに、事業者側だけではなく、市民団体の調査、アンケート結果も、専門委員に提示するべきではないのか。
2つに、事業者側の説明だけではなく、住民側の声も聞くべきではないのか。
以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)
6 ◯議長(岩井雅夫君) 答弁願います。保健福祉局長。
7
◯保健福祉局長(山元隆司君)
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、所管についてお答えいたします。
まず、医療提供体制に係る課題と今後の対応についてですが、4月当初、感染者が急増した際、患者が入院するまでに時間がかかるケースも発生するなど、受入れ病床の確保が課題となっておりました。そこで、一般病院の病床確保や軽症者等の療養場所としての宿泊療養施設の開設等の対応を行ってまいりました。
今後については、冬の
インフルエンザの流行期に向けて、身近なかかりつけの医療機関での診療体制や休日救急診療所の体制について、現在、千葉市
医師会等医療関係団体と協議を進めております。また、病床確保につきましては、引き続き、県と連携しながらその確保に努めてまいります。
次に、
感染拡大防止対策に係る課題と今後の対応についてですが、感染拡大防止には、手洗いの励行、マスクの着用、健康状態の自己管理など、新しい生活様式の実践により感染予防と拡大防止に取り組んでいただくことが何よりも重要で欠かせないものと認識しており、市民の皆様お一人お一人に、それらを徹底していただくよう、しっかり周知をしていくことが必要と考えております。
そのため、本市では、市政だより臨時号や市ホームページ、各種SNS等で、感染予防に関する啓発や病床の稼働、市内の感染状況の情報発信を行ってまいりましたが、インターネットやSNSなどを使わない高齢者の方などには状況が伝わりづらいといった課題があったため、公民館などの市施設に
新型コロナウイルス感染症情報コーナーを設けて、紙ベースでの週報の掲示を行っております。引き続き、様々な媒体を活用してきめ細かな情報発信に努めてまいります。
次に、休業や外出自粛等を要請する根拠となる条例について、本市はどのように考えるかとのことですが、休業や外出自粛等の要請は、
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき県の権限において、広域での感染予防の観点で行われるものであり、本市として条例の制定については考えておりません。
最後に、これまでの感染動向を法制度の面から検証して、必要な条例を制定する考えはないかとのことですが、全国的な
新型コロナウイルス感染症対策に関する法制度については、国において、専門家や地方自治体等からの意見や要望を踏まえ、必要に応じて見直しが図られるべきであると認識しております。
なお、現在、感染者等の人権への配慮や
新型コロナウイルス感染症の蔓延の防止に必要な調査に協力いただけないケースなどの課題もあることから、必要な条例の制定等についての検討を開始しております。
以上でございます。
8 ◯議長(岩井雅夫君)
こども未来局長。
9
◯こども未来局長(峯村政道君)
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、所管についてお答えをいたします。
まず、保育所に係る課題と今後の対応についてですが、保育所は、社会経済活動が行われる上で、幼児を持つ家庭には必須の施設であり、どのような形であれ、開園し続ける必要があること、また、保育者、児童が互いに接する機会が多い上、低年齢児などはマスク着用が困難な環境に置かれていることから、いかに感染リスクを低減しつつ開園するかが大きな課題となっております。
対策といたしましては、引き続き、手洗い、換気、登園時の健康状態の把握などを着実に行うほか、昼寝の際にこれまで使わなかった部屋を使ったり、給食に時間差を設けるなど三密防止対策を行っているところでございます。このような状況においては、個々の保育士にかかる負担は大きく、保育士のケアも課題の1つとして考えております。機会を見つけて、本市として保育士に対し日々の御苦労をねぎらうメッセージを発出するなどの工夫を行っておりますが、引き続き、国の動向にも注視しつつ、対応を検討してまいります。
また、
緊急事態宣言下においては、利用者に登園自粛を要請したことにより、家庭での長時間の育児のストレスが原因で虐待につながることが懸念されると同時に、日々の児童の様子が把握しにくい状況が生じたため、特に配慮を必要とする家庭には、無理せず登園するよう勧めるなど、個別の対応も行ってきたところでございます。今後、再び登園自粛要請を行うこととなった場合には、こうした取組を徹底してまいります。
最後に、子どもルームに係る課題と今後の対応についてですが、子どもルームでは、感染拡大期の学校一斉休校の際に、朝から長時間にわたり児童を預かることによる感染リスクや長時間勤務する指導員の確保が課題であったため、教育委員会と連携して、通常授業の時間帯まで学校で預かり、放課後から子どもルームの時間帯としたほか、学校教室を借用した分散保育の実施など、一連の対策が感染リスクの軽減に大きく寄与したものと考えております。
今後も、引き続き感染防止対策に取り組むとともに、教育委員会と一層の連携を図ってまいります。
以上でございます。
10 ◯議長(岩井雅夫君) 総務局長。
11 ◯総務局長(山田啓志君)
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、所管についてお答えいたします。
職員や組織に係る課題と今後の対応についてですが、課題としましては、組織の観点では、
新型コロナウイルス感染症対策の中心を担っている保健福祉局において新たな感染症に的確に対応していくためには、感染状況に応じ組織の
マネジメント機能について強化を図る必要がございました。また、感染予防や健康管理などの観点では、在宅勤務などによる出勤者削減に取り組みましたが、
在宅勤務専用端末が不足していたことや職員が感染した場合の
対応マニュアルの作成に時間を要したことが課題として挙げられます。
対応といたしましては、年度途中に局次長や
医療衛生部参事などの配置を行い、
マネジメント体制の強化に努めたほか、今年度中に在宅勤務専用の通信機器を1,000台まで拡充する準備を進めているとともに、4月初旬に整備した職員の感染予防に関する
対応マニュアルについては、最新の情報を適宜反映させ、その都度周知しております。引き続き、
新型コロナウイルス感染症対策に係る職員や組織に関する課題を把握し、的確に対応を図ってまいります。
以上でございます。
12 ◯議長(岩井雅夫君) 財務局長。
13 ◯財政局長(小池浩和君)
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、所管についてお答えします。
庁舎に係る課題と今後の対応についてですが、本庁舎では、窓口で接する職員及び来庁者への対応として、必要とする所属に対し、飛沫感染防止用のシートを配布するとともに、庁舎の出入口に消毒液を設置いたしましたが、材料等が品薄状態で、希望する物品の調達に時間を要したことから、今後は、感染症対策における備蓄管理を徹底してまいります。
以上でございます。
14 ◯議長(岩井雅夫君) 総合政策局長。
15 ◯総合政策局長(神崎広史君) PFS・SIBについてお答えいたします。
本市の見解及び今後の取組についてですが、期待される効果としては、民間事業者の最新の知見が活用され、よりきめ細やかな行政サービスが提供されるとともに、事業の費用対効果が向上し、賢明な支出、いわゆるワイズスペンディングが図られること、民間事業者の公共サービスへの参入機会が創出されることなどがある一方、適正な成果指標や評価方法、成果に連動した報酬の支払い条件の設定などが課題として挙げられます。
また、SIBについては、初期投資を民間資金で賄うため、資金提供者の確保や社会課題の選定を行う上で偏りが生ずる可能性があることなどの課題もあると考えております。
本市としては、多様化する行政課題の解決に向けた新たな公民連携の有効な手法の1つと考えており、今後、国が策定する成果指標等に関するガイドラインや新たな支援施策などの状況を注視しつつ、民間事業者のノウハウも活用しながら、PFS・SIBの導入について検討してまいります。
以上でございます。
16 ◯議長(岩井雅夫君) 市民局長。
17 ◯市民局長(稲生勝義君) 性犯罪・性暴力対策についてのうち、所管についてお答えいたします。
まず、本市の性犯罪・性暴力対策の現状についてですが、本市では、県内における性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターであります公益社団法人千葉犯罪被害者支援センター及びNPO法人千葉性暴力被害者支援センターちさとへの支援を行っております。
また、男女共同参画センターにおきましては、デートDV予防講座などを実施しているほか、毎年11月に国が行っています女性に対する暴力をなくす運動の期間に合わせて、パープルリボンキャンペーンを展開するなど、性犯罪、性暴力の予防、啓発に努めております。
最後に、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を受けての本市の対応についてですが、方針の内容は、今年度中に策定予定の国の第5次男女共同参画基本計画に反映されることが示されております。
本市といたしまして、その内容を踏まえ、ワンストップ支援センターの周知とともに、男女共同参画センターでの講座内容の充実や参加しやすい実施方法の検討など、性犯罪、性暴力の根絶を目指す社会の環境整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
18 ◯議長(岩井雅夫君) 教育長。
19 ◯教育長(磯野和美君) 性犯罪・性暴力対策についてお答えします。
本市の受け止めと再発防止に向けた取組についてですが、初めに、本市の元教諭による事件で被害に遭われた児童及び保護者の方々に対し、教育委員会を代表いたしまして心よりおわび申し上げます。
わいせつ行為は、被害者の心に取り返しのつかない大きな傷を残すものであり、極めて悪質で許すことのできない重大な人権侵害であると認識しており、市内の全ての学校において、改めて公務員倫理の徹底、綱紀の粛正及び学校における性犯罪、性暴力防止に取り組み、信頼回復に努めてまいります。
再発防止に向けては、教職員の研修の充実、学校等における児童生徒に対する教育や啓発の内容の充実、児童生徒がSOSを出しやすくなるよう相談を受ける体制の強化、校内でわいせつ行為が行われないよう、必要な環境の整備、外部の有識者を含む子供への性暴力防止対策検討会での再発防止策の検討などに取り組んでおり、引き続き、性暴力のない安全で安心な学校づくりを目指してまいります。
以上でございます。
20 ◯議長(岩井雅夫君) 教育次長。
21 ◯教育次長(大野和広君) 初めに、新型ウイルス感染症対策についてのうち、所管についてお答えします。
学校・教育に係る課題と今後の対応についてですが、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い一斉休校となったことから、学習保障としては、学習プリントやドリルパーク、学習動画コンテンツなどを活用して家庭学習に取り組めるように促しましたが、個々の取組状況などの違いから十分な学習保障につながらなかったことが課題と捉えております。
そこで、学習指導員を学校再開後の本年7月より配置し、内容の定着が不十分な児童生徒へのきめ細かな個別指導やチームティーチングなどの取組を通して子供の学びの保障に努めております。
また、感染拡大防止の観点から、現在、市立学校において、同居家族を含めた健康観察を継続するとともに、エアコンを活用しながら効率のよい換気を行うなどの対策を講じております。
新型コロナウイルスについては、日々、様々な情報等が国から発信され、新たな対策等に適切かつ迅速に対応していくことが課題であり、文部科学省などからの指針や通知について、変更点を整理した上で各学校に周知し、感染症対策に取り組んでおります。
次に、性犯罪・性暴力対策についてお答えします。
まず、調査結果の概要と結果を受けての本市の見解、今後の取組についてですが、昨年度の調査では、教員からの体罰は、市立小・中学校で3件、セクシュアルハラスメントを受けたと回答した児童生徒は67人でした。前年度と比較して、それぞれ減少しているものの、体罰やセクシュアルハラスメント行為は重大な人権侵害であり、あってはならないことであります。
本市では、昨年度、教育職員課内にコンプライアンス班を設置するとともに、今年度は、さらに職場におけるセクシュアルハラスメント等の防止に関する指針の学校版や体罰、セクシュアルハラスメント等の防止リーフレットを改訂し、電子メールで個人に直接周知することにより、教職員に対する意識啓発を図るほか、研修を強化するなど、引き続き、体罰、セクシュアルハラスメントの防止に取り組んでまいります。
次に、被害者、被害者家族の精神面のフォローについてですが、被害者及び御家族の方々、周りの児童生徒の心のケアにつきましては、被害者保護を最優先に考え、事案発生直後にはスクールカウンセラーを指導、助言するスーパーバイザーを派遣するとともに、スクールカウンセラーによる継続的に心のケアを行う体制を整えております。
最後に、管理監督者の処分内容の妥当性についてですが、管理監督者を含め、職員の処分に当たっては、懲戒処分の指針に基づき服務監理委員会に諮った上で厳正に判断しております。
以上でございます。
22 ◯議長(岩井雅夫君) 環境局長。
23 ◯環境局長(米満 実君) 臨海部の製鉄工場からの粉じん対策についてお答えします。
まず、環境保全専門委員会で提言された、対策アの法令等の履行状況の確認についてですが、平成30年度から立入検査を強化しておりますが、今年度は
新型コロナウイルス感染拡大防止のため立入検査を控えていたところでございます。
次に、
パートナーシップメンバーの再選定の進捗状況についてですが、他自治体における事業者、地域住民、自治体の3者が情報共有を行う組織について調査をしているとろでございます。他自治体の状況を参考に、引き続き、本市における情報共有の手法について検討してまいります。
次に、他自治体との情報交換の内容と収穫についてですが、本年2月に、本市と同様に高炉を有する製鉄所が所在する加古川市と情報交換を行ったところでございます。同市では、住民代表、県、市、事業者から成る協議会を組織し、情報交換を行っていると聞いております。
当該協議会の組織は、事業者、県、市がそれぞれ2人から3人以内と、住民代表が環境審議会会長、町内会連合会会長や地区の住民など計24人以内で構成されており、幅広い立場の住民が参加している点などについて、本市でも参考としてまいります。
最後に、市民団体の調査結果等も専門委員に提示すべきではないのか、及び住民側の声も聞くべきではないのかについては、関連がありますので、併せてお答えいたします。
幾つかの市民団体の調査、アンケート結果が提供されており、本市としても状況を把握しているところでございます。
大気環境保全専門委員会は、事業者の取組の効果の検証方法を検討するための組織であることから、検討に必要な項目について適宜情報提供してまいります。
以上でございます。
24 ◯議長(岩井雅夫君) 岡田慎議員。
25 ◯9番(岡田 慎君) 御答弁ありがとうございます。2回目の質問を行います。
コロナ感染症対策の事後検証については、神戸市が7月7日、政令市で初めて
新型コロナウイルスの第1波での対応全般について適切であったかどうかを検証する250ページにも及ぶ詳細な報告書を作成しました。プロジェクターのほうに映してありますけれども、検証チームは市幹部で構成し、医療体制や広報、学校園、事業者向けの支援策など、テーマごとに課題と今後の備えを示しました。
神戸市のホームページで誰でもダウンロードできるので、私も拝見しましたが、ほとんど全ての対応と課題、今後の備えが網羅されていて、非常に参考となりました。私が見た中で一番秀逸な出来の報告書でありました。こういった感じの分厚い冊子、報告書になっております。
そこで、本市においては、対策全般の全庁的な事後検証として、コロナ対策の過程や効果の検証を行う予定はあるか。詳細な事後検証報告書を作成して、広く市民に公開し、情報を共有すべきではないか、伺います。
条例については、感染者等の人権への配慮や感染症の蔓延の防止に必要な調査への協力に必要な条例の制定等についての検討を開始しているとの答弁でした。
感染者の増減や医療体制の逼迫状況は地域ごとに異なり、条例を制定することで、それぞれの課題に機敏に対応でき、自粛要請や誹謗中傷に対する自治体の姿勢や考えも住民に伝えられるので、ぜひとも早急に制定をお願いいたします。
PFS・SIBについて。
PFSやSIBは、特にきめ細かな対応が必要な予防医療・介護分野で有効と言われております。具体例としては、東京都八王子市では、大腸がんの早期発見、早期治療による市民の健康寿命の延伸、及び医療費の適正化を目指し、前年度未受診者への大腸がん検診の受診、また要精密検査判定者への精密検査受診勧奨を実施し、民間事業者がAIを活用して各人のリスク要因を個別に伝えるオーダーメイド勧奨通知を郵送した結果、大腸がん検診受診率が9%から26.8%へ、精密検査受診率が77%から82.1%に向上しました。試算では、市負担分の医療費約1,700万円の財政効果があったとされております。
また、福岡県大牟田市では、市内全ての通所介護・通所リハビリテーション施設を対象に、施設利用者の要支援・要介護度の維持、進行抑制を目指したサービスを実施し、民間事業者の取組により、被保険者及び市負担分の介護給付費約4,100万円の財政効果があったと試算されております。
予防医療・介護分野以外でも、幅広く活用されております。
大阪府池田市では、フリースクール事業による不登校の子供への相談、通学指導を通じた自立支援事業で活用され、神奈川県鎌倉市の本庁舎の管理業務等に係るコスト削減支援業務事業では、エネルギー市場や技術革新動向等の市場環境を踏まえ、既存業務の現状分析、コスト削減等の施策立案及び適正化に向けた活動支援を実施し、本庁舎の維持管理費のコスト削減の成果を上げました。
いずれも、成果連動型とすることで民間事業者の事業意欲をより一層向上させ、また、そのノウハウ等を引き出すことができた結果であります。
ソーシャル・インパクト・ボンドは、行政と事業者のほか、資金提供者という新たな主体の参入に伴って、資金提供者が参入し得るための条件設定の検討に要する負担の発生や成果指標とその評価方法など、関係者間での合意形成を図る上での検討事項の増加に伴う意思決定の難易度が上がる等の課題が生じるので、導入のハードルは高く、まず、
成果連動型民間委託契約方式による事業、PFS事業の導入を積極的に図るべきで、さらに言えば、民間委託では常にPFSの可能性を検討すべきではないかと考えますので、推進のほど、よろしくお願いいたします。
性犯罪、性暴力について。
政府決定の性犯罪・性暴力対策の強化の方針を受けての本市の対応については分かりました。本市の現状の取組は全く足りていないと思いますので、今後策定予定の国の基本計画の内容を踏まえ、答弁以外の施策の推進もお願いいたします。
また、本市においては、来年度からの第5次千葉市地域防犯計画が策定されることと思いますが、そちらへの落とし込みも要望いたします。
管理監督者の責任については、懲戒処分の指針に基づき服務管理委員会に諮った上で厳正に判断したとのことですが、懲戒処分の指針には、処分量定の判断材料として、非違行為、違法行為のことですが、非違行為の動機、態様、結果、社会に与える影響、司法判断なども考慮事項となっており、非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき、または非違行為の結果が極めて重大であるとき、また、非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき、そして処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたときは、指針の標準例に挙げる処分の種類よりも重くすることもあり得るとあります。
また、今回の懲戒処分は、刑事裁判の第1回公判で、被告人が被害児童1人に対する起訴内容を認めた時点で行われましたが、その後の裁判過程で、その他6人の児童に対する犯行が明らかになりました。犯罪の全容が明らかになった判決後に改めて処分をすべきだったのではないでしょうか。見解を伺います。
そもそも、服務管理委員会の構成メンバーは、教育次長、教育総務部長、学校教育部長、生涯学習部長、総務課長及び教育職員課長と、全員事務局職員です。身内の処分はお手盛りとなり、甘くなりがちでございます。
以上を踏まえ、改めて処分の妥当性について見解を伺うとともに、服務管理委員会委員のメンバーの半数以上は、専門家たる弁護士など第三者にすべきではないのか、伺います。
今回の犯行の特徴の1つは、判決の量刑理由でも指摘されているように、児童に対する担任教師としての絶対的な立場を悪用し、長期間にわたり本件犯行を反復累行していた。また、担任する学級の生徒であった被害児童らに対して、教諭である被告人への畏怖あるいは信用を利用し、指導等と称して高圧的な態度で臨んだり、そういう1人の担任による児童に対する支配性が挙げられます。
そこで、この解決策として、教員がチームで学年全体を担う全員担任制の導入を強く要望いたします。
学校の学級編制及び教職員定数に関する法律である公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に従い、1学年の生徒数でその学年の学級数が決まり、学級数に応じて教員の定数が決まります。学級数と教員の定数は法律で決まりますが、1つの学級に必ず1人決まった学級担任を設置しなければいけないという法律はありません。教員の配置は学校の裁量、つまり校長の裁量で1つの学級に複数の担任を置く複数担任制、学級の担任ではなく教科の担任を置く教科担任制、そして複数の教師が複数の学級を順番に、あるいは同時に担任する全員担任制など、様々な工夫ができます。
実際、東京都千代田区立麹町中学校では、2018年度から学級担任を固定せず、学年の全教員で学年の全生徒を見る全員担任制をいち早く採用しております。1、2年生には各6人の教員が配置されており、その全員が4つあるクラスの担任という立場でクラス運営に携わっております。複数の先生が全ての学級を回るということで、教員の個人差による学級格差をなくし、学級崩壊のリスクを下げます。
生徒たちにとっては、幅広い教員と関わり合いを持ち、価値観を広げられるメリットがあり、3者面談は保護者と生徒が教員を指名する形をとっております。どの学年も、週に1回教師間で会議を行い、日常的に情報共有を図っているため、全員担任制にして、逆にコミュニケーションが劇的によくなったとの声も上がっております。教師の側も1人でクラスのトラブルを抱え込むことがなくなり、負担の軽減にもなります。
小学校については、大阪市立大空小学校で、固定担任制を廃上して全員担任制が導入されております。ちなみに、国のほうでは、小学校高学年を対象に教科担任制の導入についての検討がされておりますが、全員担任制は担任を誰にするか、教科担任制は教科、科目は誰が教えるのかの問題であり、別次元なので両立は可能です。
全員担任制は校長の裁量で実現可能と申し上げましたが、富山県南砺市教育委員会は、2019年9月30日、全ての市立小中学校17校で、従来の1学級1担任の体制を見直し、複数の教員が学年全体や2つの学年を指導するチーム指導の導入を決定しました。同市教育委員会は、導入の経緯について、教員に経験や得意分野で個人差があることから、特に担任が全教科を教える小学校では、児童の学びに違いが生じるおそれがあるとして、1学級1担任制の見直しに乗り出したと説明しています。
各科目や特別活動をそれぞれ得意な教員が中心となって実施することで、授業の質の向上を図るほか、若手教員が業務を通じてベテランから学ぶOJTにつなげています。授業の準備にかかる教員の負担を軽減したり、朝礼を担当しない教員は2時間目から出勤できるようにして、教員の長時間勤務の解消も図られます。学年をまたいで合同指導する教科は、学習指導要領が2年間での履修を示す図工や音楽などで、教室の広さや各学級の人数といった学校の実態に応じて柔軟に対応でき、教員数の増減はありません。
また、茨城県取手市では、本市と同様に大変残念な事件の反省を生かして、全中学校で全員担任制を導入することを決断しました。2015年11月に、取手市立中学校の3年生がいじめを受け、自らの命を絶ちました。この悲劇を教訓に、取手市教育委員会は、今年度から学級運営を教員1人にせず、複数の教員が協力し合い、各学年の複数の教員が学級担任を交代でリレーしていく全員担任制を市内の中学校6校で導入いたしました。
市教育委員会は、1人の教員では気づけない生徒の異変や困り事に気づくことができる、担任が固定されないため生徒は自分が話しやすい教員に悩みを打ち明けることができると導入のメリットを挙げています。取手市では、中学校だけではなく、小学校14校でも全員担任制の趣旨を生かした仕組みを取り入れる予定だそうです。
固定担任制、1人担任制を廃止すれば、学級王国と言われるような問題もなくなるに違いありません。一部の強圧的な指導で子供たちを支配するようなこともなくなり、教育活動の透明性は高まります。不適切な指導や体罰、犯罪も減ると考えます。このように、様々なメリットのある全員担任制ですが、本市の事件の再犯防止策としても、本市も全員担任制を導入すべきと考えますが、見解を伺います。
粉じん問題については、対策アについて、
新型コロナウイルス感染拡大防止のため立入検査を控えているとのことですが、立入検査は屋外であれば三密を避けて行えるのではないでしょうか。併せて、本年中に立入検査を行う意思はあるかについても伺います。
提言の粉じん対策ウには、事業者、地域住民、千葉市の3者間における情報共有を図ることとありますが、地域住民グループが行った調査やアンケートといった情報はどのように共有され、活用されていくのか、伺います。
提言の附帯意見(2)の環境目標値の見直しについて、先週の答弁では、令和3年度末に策定予定の次期環境基本計画に合わせて見直しに関する検討を進めていくとのことですが、具体的に、環境目標値は何を参考に、どのように進めていくのか、伺います。
1回目の答弁で、市民団体の調査等は、検討に必要な項目については、適宜、専門委員会に情報提供していただけるということですが、新しい
地域パートナーシップの趣旨も踏まえ、直接住民の声を聞く場も設定していただきたいと思います。議会の常任委員会などでは、住民の請願を審議する際、一旦休憩という形をとり、その間に請願者が意見を述べる機会を設定しております。専門委員会会議の中でも、直接住民側の意見を聞くことが難しければ、常任委員会での請願者の意見陳述のように、休憩中という方法でぜひ住民の声を聞いていただきたいのですが、見解を求めます。
以上で、2回目の質問を終わります。
26 ◯議長(岩井雅夫君) 答弁願います。総合政策局長。
27 ◯総合政策局長(神崎広史君) 2回目の御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。
まず、対策の過程や効果の検証を行う予定はあるかについてですが、現在、本市がこれまで実施してきた対策について、医療、市民生活、経済等の分野ごとに、課題とその対応に係る方向性を取りまとめているところです。これまでの対応を振り返り、取りまとめを行うことで、今後必要な対策につなげるとともに、再び同様の危機に直面した場合に、より迅速かつ効率的な対応を可能とすることを目的としております。
最後に、事後検証報告書を作成して、広く市民に公開し情報を共有すべきではないかについてですが、現在取りまとめている資料は、完成後にホームページに掲載し、公開する予定です。市民の皆様をはじめ、多くの方に御理解いただけるよう、要点を絞り、分かりやすい内容とすることに努めてまいります。
以上でございます。
28 ◯議長(岩井雅夫君) 教育次長。
29 ◯教育次長(大野和広君) 性犯罪・性暴力対策についてお答えします。
まず、犯罪の全容が明らかになった判決時に改めて管理監督者の処分をすべきだったのではないかについでですが、当該管理監督者の処分に当たっては、部下職員が懲戒処分を受けたことに対して、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていたという監督責任を理由に処分を決定しております。
次に、処分の妥当性及び服務監理委員会の委員についてですが、職員の処分に当たりましては、個々の事案の内容を踏まえ判断しております。また、服務監理委員会の委員は、事務局及び学校の状況に精通している者である必要があることから、内部の委員で構成することが妥当と考えております。なお、審査に当たりましては、必要に応じて弁護士等の意見を確認しております。
最後に、本件の再発防止策としても、全員担任制を導入すべきについてですが、本市では、小学校に専科教員、中学校に副担任を配置するとともに、教務主任、学年主任等、複数の教員が学級経営に関わっております。全員担任制、複数担任制につきましては、先進事例の実施内容、効果等について、今後、研究してまいります。
以上でございます。
30 ◯議長(岩井雅夫君) 環境局長。
31 ◯環境局長(米満 実君) 臨海部の製鉄工場からの粉じん対策についてお答えします。
まず、本年中に立入検査を行う意思はあるのかについてですが、今年度は、
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出されたことに伴い、感染拡大防止に万全を期す観点から立入検査を控えており、緊急事態宣言が解除されたあとも、その実施の可否を慎重に見極めていたところですが、その後の感染状況の動向などを踏まえ、感染拡大防止の措置を講じた上で立入検査を再開することとし、先月、立入検査を実施したところでございます。今後も、感染拡大防止の措置を講じた上で、南西系の強風時を中心に立入検査を実施してまいります。
次に、地域住民が行った調査やアンケートなどの情報の共有、活用についてですが、地域住民が行った調査やアンケートなどについて、事業者が行う粉じん対策の推進の一助となるよう、提供者の意思を確認した上で事業者に情報提供するなど、今後も様々な形で情報共有に努めてまいります。
次に、環境目標値は何を参考にどのように決めていくのかについてですが、環境目標値は、千葉市環境基本計画で定められていることから、次期計画を策定する中で検討することとなります。策定に当たっては、千葉市環境審議会に諮問し、答申をいただくこととなりますが、答申に際し審議会に具体的な内容を検討する専門委員会の設置を予定していることから、当該専門委員会で他都市の状況など、様々な情報を基に検討していただくことを考えております。
最後に、専門委員会で一旦休憩の形を取り、住民の意見を聞いていただきたいが、見解を伺うについてですが、粉じん対策を進める上で、住民の皆様の御意見を伺うことは重要であると考えており、本市では様々な機会を通じて状況を把握しているところでございます。
大気環境保全専門委員会は、事業者の取組の効果の検証方法を検討するための組織であることから、検討に必要な項目を適宜情報提供することとしており、現在、直接住民の意見を伺うことは想定しておりません。
なお、新しい
地域パートナーシップの趣旨である事業者、地域住民、行政の3者間の情報共有を促進することは重要であると考えていることから、本市における情報共有の手法を引き続き検討してまいります。
以上でございます。
32 ◯議長(岩井雅夫君) 岡田慎議員。
33 ◯9番(岡田 慎君) 3回目は、要望を申し上げます。
コロナ感染症対応の事後検証について、最初の質問で、本市のこれまでのコロナ感染症対策の対応の一部分について、課題、今後の備えについて伺いました。限られた時間内ですので、答弁もほんの一部の限られた回答になることはやむを得ません。また、前日には、我が会派の白鳥議員が経済施策、PCR検査、学校の働き方改革の検証について質問をされておりました。事後検証報告書の作成に当たっては、要点を絞り、分かりやすい内容とすることに努めるとのことですが、当局におかれましては、これまでを振り返り、どういう事態が発生し、どういう対応を行い、それがどのような結果をもたらしたのか、効果があったのか、なかったのであればどうすればよいのか、次なる備えはどうやっていくのかといったことが市民全員で共有できるように、神戸市のように全対応を網羅した詳細な事後検証報告書を作成、公表していただけるように要望いたします。
性暴力、性犯罪について。
読売新聞9月25日朝刊一面のトップ記事、プロジェクターのほうで映しておりますが、全国の公立小中学校での教師によるわいせつ行為の調査結果記事が載っておりましたが、具体的な事件として、真っ先に本市の名前が挙がっております。
多くの教職員の皆様は、1年365日、子供たちのことを第一に考え、子供たちに寄り添い、真面目に、真剣に、真摯に、責任感と使命感を持って頑張っていらっしゃるにもかかわらず、自校の児童に対する教師の性犯罪、性暴力事件といえば千葉市と、悪しき事件を起こした市として、今度もマスコミで紹介され続けていくことは、残念でなりません。
本市教育委員会は、この二度と起こしてはならない事件を起こした市として、全員担任制の導入という大きな改革を行って、このような事件の撲滅に向けた真摯な取組と姿勢を市民に示し、子供たちや市民、国民の信頼を取り戻さなければならないのではないでしょうか。いきなりの全校への導入が難しければ、当初はモデル校として実施してもよいと思いますので、子供たちのために、ぜひとも御検討をお願い申し上げます。
粉じん問題について、指針には、地方自治体には、事業者と地域住民を結ぶコーディネート役を担うことが期待される。そのためには、事業者、地域住民、地方自治体の3者会合の開催や住民同士が協力して行う取組の支援を行うことが望まれるとあります。
1回目の答弁の加古川市の協議会では幅広い立場の住民が参加している点など、本市でも参考にするとのことも踏まえ、早急に再開を実現するよう強く要望いたします。
また、重ねて申し上げますが、新しい
地域パートナーシップによる
公害防止取組指針には、地方自治体においては、地域住民が実施したモニタリング情報を有意義に活用することが望まれるともあります。地域には、定期的にモニタリングやアンケートを行っている団体もあります。本来であれば、降下ばいじんの調査結果が出て、その解析が行われ、主要な発生源も確定されたわけですから、それに基づき、住民の声を聞くために市自らが住民アンケート、調査を行うべきですが、市当局がかたくなにその姿勢を拒む以上、そういった地域団体のモニタリングやアンケート結果も有意義に活用すべきです。国の指針に従って、ぜひ有意義に活用してください。
以上にて、一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
34 ◯議長(岩井雅夫君) 岡田慎議員の一般質問を終わります。
一般質問を続けます。20番・田畑直子議員。
〔20番・田畑直子君 登壇、拍手〕
35 ◯20番(田畑直子君) 未来民主ちばの田畑直子でございます。通告に従い、一般質問を行います。
まず、初めに、千葉市における医療体制についてです。
国では、少子・超高齢化を踏まえ地域医療構想を定め、病床の機能分化や連携を進めるため、2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、地域ニーズに即した医療提供体制を構築することとしています。県では、医療提供体制の確保を図るため、千葉県保健医療計画を定め、2次医療圏ごとに地域医療構想調整会議を開催し、関係医療機関と共に今後の対応等について話し合われています。
千葉県保健医療計画によると、千葉医療圏の推計は、急性期の過剰と回復期、慢性期の不足が示されています。昨年9月に厚生労働省によって公表された再編、統合も視野に入れた検証が必要とされる高度急性期や急性期を担う公立、公的の424病院の中には、青葉病院も含まれており、先月までに具体的な方針を示すよう求められていましたが、新型コロナの影響によって延期されたとのことです。
このような中、本市では市立病院再整備基本構想において、今後の方向性を定めました。
そこで、今回は両市立病院を中心とした回復期への対応や地域医療の充実、在宅医療との連携について伺います。
初めに、保健医療計画についてです。
医療法が一部改正されたことを踏まえ、今年4月に一部改定がされましたが、その内容と本市の影響について。
大きく2つ目に、両市立病院について。
まず、医療人材の確保についてです。
質の高い医療を提供していくためには、安定的な人材の確保が必要です。本市人口10万人当たりの医療施設従事看護師数は、全国平均より低い水準にあり、今後、さらに確保が困難になると予想されていることから、計画的に配置をすることが必要と考えます。
そこで、職員の配置状況と研修体制、評価について、さらに新病院設置を踏まえた今後の確保と育成について伺います。
2点目に、経営改善に向けた取組として、機能評価係数IIについて伺います。
機能評価係数IIとは、DPC参加における医療提供体制全体としての効率改善への取組を評価した数値ですが、この実績の評価と今後どのように係数を上げていくのか、伺います。
次に、地域連携についてです。
──────────────────────────
午後3時40分開議
49 ◯議長(岩井雅夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続けます。24番・村尾伊佐夫議員。
〔24番・村尾伊佐夫君 登壇、拍手〕
50 ◯24番(村尾伊佐夫君) 皆さん、こんにちは。公明党千葉市議会議員団の村尾伊佐夫でございます。
通告に従い質問を始めます。通告は少し漠然とした表現になっていますけれども、順次、様々な視点から提案を踏まえ、具体的に伺ってまいります。
初めに、1の災害時及びコロナ禍における対策についてのうち、地区防災計画について伺います。
主な防災計画には、国が立案する防災基本計画、それを基に自治体が立てる地域防災計画がありますが、地区防災計画は、公明党の推進で2013年に成立した改正災害対策基本法に基づくもので、災害が起きたときに、いつ、どう動くのか、事前に何を準備するのかなど、地域住民が自発的に立てる計画のことであります。
閣議決定された2019年版防災白書によりますと、地区防災計画の策定に取り組んでいる地域が、2018年4月現在で全国3,206か所に上っていることが分かり、計画策定に対する機運の高まりが感じられるところであります。地区防災計画の最大の特徴は、計画を立てる単位に制限がない点にあり、町内会、自治会をはじめ、マンション管理組合、企業、NPO法人、商店街、学校、医療・福祉施設などが想定されております。
さて、東日本大震災では、地震や津波で行政機関が麻痺する中、
地域コミュニティーを中心とした共助が避難所運営などで重要な役割を果たしました。今後、発生が危惧されております首都直下地震などの大規模災害に備え、特に自助と公助をつなぐ共助を強化する必要があり、地区防災計画を整備する意義は、ここにあると考えております。
内閣府の分析では、地区防災計画を策定した166事例のうち、市町村の働きかけで計画の策定に動き出したケースが全体の7割に上っているとお聞きしております。例えば、岐阜県下呂市小坂町にある落合地区は、2016年度国のモデル事業として、学識者がアドバイザーとなり、地区防災計画を策定しました。同地区は、人口約200人、高齢化率50%の集落で、当初は、災害は人ごとと議論が進まなかったようですけれども、災害リスクを洗い出す中で、住民の意識が変化して、少人数で逃げるため3から5世帯ごとに声をかけ合って避難する発想が生まれ、避難訓練の充実が図られました。その結果、昨年の西日本豪雨では、早い段階で住民が安全な場所に避難できたとのことであります。
そこで伺いますが、地区防災計画の策定について、地域の主体的な取組を後押しするために、本市はどのような支援を行っているのか、お答えください。
次に、風水害を踏まえた取組について伺います。
私は、平成26年第3回定例会において、予想される風水害に対して、あらかじめ時間軸を定め、災害に備えるタイムラインの考えについてお聞きいたしました。答弁では、異常気象など変化する事象に迅速かつ的確に対応を図れるよう、様々な災害を想定し、
対応マニュアル等の精査を高めているとの回答でありました。
こうした中、平成29年6月までに、国管理河川を対象とした避難勧告等の発令に着目したタイムラインが全国730市町村で策定されていると伺っております。今後とも、タイムラインの考え方を含め、時間軸を定めた対応については、刻々と変化する気象情報や被害の状況などを的確に捉え、起こり得る事象を想定し、早めの対応が図られるよう求めるところであります。
さて、タイムラインは、行政の取組でありますが、最近は、台風や豪雨などに備えた行動予定表、マイ・タイムラインの作成を住民に呼びかける自治体が増えております。平成27年の関東東北豪雨で、多くの人が逃げ遅れた反省から始まった取組で、台風の発生情報などが出た時点から避難までの行動を時系列で整理しておくものであります。
スライドを御覧ください。
例えば、台風が近づきそうな場合には、台風の進路をチェック、常備薬や持ち出すものを確認する。注意報や警報が発令されたら、携帯電話の充電、避難しやすい服装に着替える。避難勧告が出たら、火元や戸締まりを確認し、安全な場所に移動を開始する等、整理するものであります。また、住んでいる場所や家族構成、年齢などによって災害対策が異なることから、自らの行動計画を時系列で定めておくことは重要であると考えます。
そこで伺います。
本市においても、市民一人一人の防災意識、避難意識を醸成させることにつながるマイ・タイムラインの作成を促進する取組を検討すべきと考えますが、お答えください。
次に、被災者支援システムについて伺います。
同システムは、阪神・淡路大震災の被害を受けた兵庫県西宮市で開発され、現在は、開発元の地方公共団体情報システム機構、J-LISによって全国の自治体向けに無償公開、提供されております。被災者台帳の作成や罹災証明書の発行、全国から寄せられる救援物資や備蓄品の出納管理など、災害時に必要な様々な機能を有しております。
総務省によりますと、2019年4月時点で、同システムを運用している自治体は、全1,741市区町村のうち、約2割の387市区町村にとどまっているようであります。
そこで伺いますが、本市の同システムの導入状況と過去の運用事例があれば、お答えください。
さて、コロナ禍で対応の遅れが課題となった特別定額給付金について、この被災者支援システムを活用したことで、迅速な給付を実現した自治体がありました。奈良県の平群町であります。同町では、当初、給付金に対応したシステムの開発を民間企業に委託する予定でありましたが、コロナ禍で大幅な開発の遅れが見込まれ、断念いたしました。そこで、被災者支援システムが持つ義援金の配布機能が活用できないかを考え、開発元のJ-LISなどと相談、連携を図り、給付金に対応したシステムの改良につながり、給付金の申請、支給事務に合わせた同システムの改良版が同町で活用されました。結果、給付台帳や申請書類の作成、口座振込の管理などが可能となり、申請書の発送から約1か月後には、93.2%の給付率に達したようであります。
J-LISでは、平群町の先進例から、システムの特別定額給付金対応版を全国に無償リリース、8つの自治体で導入されたと伺っております。
また、被災者支援システムの機能を応用し、独自にシステムの改良を行ってきた西宮市では、これまでも新型
インフルエンザのワクチン接種の申請や消費税の引上げに伴う臨時給付金の支給等に同システムを活用したとお聞きしております。
被災者支援システムは、住民基本台帳をベースにしていることから、同システムの改良によって、災害時のみならず、平時にも世帯などを対象にした申請、給付への対応が可能であります。
そこで伺いますが、特別定額給付金の課題を踏まえ、平時から申請給付に関する対応が可能である有用性の高い被災者支援システムの活用を検討すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
次に、避難所となる学校施設について伺います。
学校施設は、子供たちの学習、生活の場でありますが、災害時には、地域住民の避難所として利用される重要な施設であります。文部科学省では、平成28年6月に、熊本地震における被害を踏まえ、有識者による検討会を設置し、今後の学校施設の整備方策について検討がなされ、平成28年7月に防災部局が中心となって、教育委員会等と連携し、学校施設ごとに避難所として求められる役割、備えるべき機能等を明確化するとともに、優先順位をつけた整備が重要であることなどについて緊急提言が示されました。
その後、平成29年4月及び31年4月に、学校施設における防災機能向上の観点から、避難所となる全国の公立学校施設の防災機能の保有状況等について、文部科学省から調査があったと伺っております。
同省では、その調査結果を受け、令和元年8月に、各地域の実情等を踏まえ防災部局及び地域の関係者等との適切な協力体制の構築や、避難所となる学校施設の防災機能の強化を一層推進するよう、学校設置者に対して求めたとお聞きしております。
そこで、改めて、避難所となる学校施設の防災機能の現状における認識と今後の取組の考え方について、お答えください。
続いて、学校の避難所利用計画について伺います。
平成29年4月に、内閣府より平成28年度避難所における被災者支援に関する事例報告書が出されており、その中の学校側との役割分担について事例が示されております。
ある自治体において、避難所として使用されたほとんどの学校では、役所の職員ではなく学校の先生が運営されており、先生たちは学生や卒業生のボランティアのサポートを受けながら、3交代の時間態勢でシフトを組み、班分けの運営、避難者の中からリーダーを決めて動くなど、ふだんの取組を生かした運営を行い、また、一定の時間が経過して避難所が落ち着いた後の運営については、自治体や住民が行い、教職員は校舎の点検や児童の安否確認などを行うなどの役割分担ができたことで、スムーズな学校再開につながった。また、炊き出しなどの日程や場所、内容などの情報を学校と共有し、学校業務と重ならないように配慮ができたと紹介されております。
このように、避難所運営については、学校側が積極的に関わる必要があり、避難所となる学校施設の効果的な活用のためには、発災直後から学校再開、撤収までの各段階で、体育館、校舎等の学校施設を避難所として、高齢者や障害者等に配慮しつつ、かつ、コロナ禍における避難所の3密対策を含め、具体的にどのように利用するのか、防災部局と連携を図り、学校ごとに施設管理者としての学校長、避難所運営委員会、PTAなどの関係者が事前に調整することが求められております。
そこで伺いますが、本市の各校ごとの避難所利用計画の策定に関する現状の取組状況についてお答えください。
次に、コロナ禍における行動変容の取組について伺います。
新型コロナウイルスの感染防止には、手洗いの励行やオンラインの利用など、新しい生活様式の実践が重要となります。しかし、頭では理解していても、無意識のうちにおろそかになってしまうこともあります。
こうした中、人間の心理や癖を踏まえた工夫をすることで、望ましい行動を自発的に促す、ナッジの活用が試みられております。ナッジはもともと英語でそっと後押しをするという意味で、行動経済学では、個人の選択の自由を残しつつ、ちょっとした伝え方の工夫などにより賢い選択を促す手法と定義されております。
2017年にノーベル経済学賞を受賞した米国の行動経済学者リチャード・テイラー教授が提唱されました。手間や費用を抑えながら高い効果を上げられる手法として、欧米の公共政策で広がっているとお聞きしております。
国内の取組事例を紹介いたしますけれども、人は矢印が目に入ると、自然に追いかけてしまう。こうした習性を手指消毒の徹底にナッジとして早くから活用しているのが環境省であります。同省は本年3月、本省の各部屋の入り口にある消毒液に向けてテープなどでつくった矢印マークを貼り、消毒への協力依頼や感謝を伝えるメッセージも掲示しました。工夫しなかった場合と比べ、消毒液の使用量は約3倍に増加、てきめんに効果が上がったとのことであります。
また、京都市、宇治市では、イエローテープ作戦として同様の取組をしております。市庁舎の入り口に設置した消毒液に気がついてもらえるよう、床面に黄色い矢印型のテープを貼り付けて消毒に協力してもらえるよう工夫をしております。スライドのとおりでございます。
また、茨城県つくば市では、石けんで手を洗いましょうというメッセージやウイルスをイメージしたシールを作成し、庁舎内の全トイレで、人の手に触れやすいドア鍵やペーパーホルダーなどに貼って、感染リスクを可視化することで注意喚起を促し、手洗いの励行につなげております。
新型コロナとの闘いは長期戦が予想される中、誰もが自発的に好んで行動しやすくなるようなポジティブな使い方の工夫が必要であり、多くの人に無理なく習慣化してもらうには、ナッジが非常にかなっていると考えます。
そこで伺いますが、行動経済学ナッジを用いた感染防止に関わる庁舎管理についての本市の見解について、あわせて感染症対策の効果を高めるためにもナッジを広く活用することについて、お答えください。
次に、2の支援が必要と考える方への取り組みについて伺います。
初めに、相談窓口の重層的支援の取組について伺います。
政府は、新しい地域福祉の在り方として、地域共生社会という考え方を提唱しておりますが、これは、高齢者や障害者、子供など、全ての世代のあらゆる境遇の人たちがお互いに支え合うことができる社会であり、その実現に向け、相談窓口を整備するための社会福祉法が本年6月に改正されました。
一方、現行の地域福祉の体制は、各自治体の相談窓口が多岐にわたっており、親の介護であれば高齢者福祉サービス、障害者の場合は障害福祉サービス、ひきこもりに対しては生活保護や精神保健、貧困問題については生活困窮者自立支援、子供のいる家庭には子育て支援など、それぞれ分野ごとに相談先となる担当課が分かれております。
ところが、現実は複雑かつ複合的な悩みを抱えている市民が多く、例えば、子供のひきこもりが長期化し、就職しないまま50代になってしまった中高年と高齢化して80代となった親が同居し、生活に行き詰まってしまう8050問題が顕在化しております。また、介護と育児の問題を同時に抱えて負担が過重になってしまうダブルケアに苦しむ家庭も存在しております。
相談窓口が分かれているために、複数の問題に悩む人がたらい回しにされるうちに相談を諦めてしまったり、また、それぞれの相談窓口の担当者間で情報がなかなか共有されず、必要な支援が行き届かないことも少なくないと考えております。
そこで伺いますが、これらの複雑化、複合化する生活課題に対応するため、市民の相談支援の体制強化の取組についてお答えください。
さて、今回の社会福祉法の改正では、地域住民の様々な悩みに包括的に対応するため、相談窓口を一本化する市町村の取組を後押しするとしており、一本化された窓口の大きな特徴は、断らない相談支援を目標としているという点であります。世代や分野で分けずに、地域住民のどのような内容の相談にも一元的に応じることで、現行の制度では対応できなかった要望への取組も進めることを目指しております。これにより、誰にも相談できないまま地域から孤立して問題を深刻化させてしまうことが生じることを防ぐことができると考えております。
公明党は、地域共生社会の実現を強く推進してきておりますが、昨年の5月、当時の菅官房長官と根本厚生労働大臣に令和時代の人材プランと題した提言を行いました。同提言の中で、断らない相談支援の充実を要請、これを受けて、政府が昨年6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針、骨太の方針にも断らない相談支援の充実が明記されております。また、厚生労働省の有識者検討会は、昨年の12月、市町村による断らない相談窓口の設置を後押しするための最終取りまとめ案を了承、ここで示された方針が今回の社会福祉法改正に反映されております。
また、断らない相談支援とともに、地域の様々な組織と連携することや住民同士が支え合う地域づくりなどの事業を推進する市町村に対して、国と都道府県は交付金を支給し、財政的支援も行うとお聞きしております。
そこで伺いますが、令和3年4月から実施予定の断らない相談窓口など、重層的支援体制の整備事業について検討を開始すべきと考えますが、お答えください。
次に、死亡手続や葬儀、相続関係を一括した相談窓口、いわゆるおくやみコーナーの整備について伺います。
死亡を伴う手続には、区役所等での市民税や介護保険などの手続のほか、税務署での所得税、相続税の申告、法務局での不動産登記及び公共料金などの名義変更など多岐にわたり、遺族にとって大きな負担となっております。こうした背景から、身近な人が亡くなった後の諸手続について、担当職員が分かりやすく案内するおくやみコーナーを設置する自治体が増えており、本市でも、市民要望に応えて設置すべきと、昨年の第3回定例会の代表質疑で伺ったところであります。答弁では、他都市の事例を参考にして、御遺族の方の負担軽減につながるよう、窓口の設置に向けて検討していくとありました。
そこで改めて伺いますが、提案から1年がたとうとしていますが、これまでの整備に向けた検討状況についてお答えください。
次に、障害者に寄り添った支援について伺います。
初めに、日常生活用具費支給事業についてであります。
同事業は、重度の障害を持つ方に対し、日常生活がより円滑に行われるよう、障害の種類や程度に応じて、必要な日常生活用具に係る費用を給付する事業であります。
日常生活用具の申請は、原則として障害者手帳の所持が要件となっておりますので、手帳が交付された後、用具の申請を受理した後、その日以降の購入分について給付が行われるとお聞きしております。市障害者自立支援課によりますと、手帳の交付には、市の審査などを経て、長くて申請日から1か月程度かかる場合があると伺っております。
こうした中、先日、私はオストメイトの方から相談を受けましたが、ストマ装具は、障害者手帳の交付以前から必要でありますが、自己負担となり、用具は高額で月に1万円以上かかるそうで、かなりの負担となっているとのことでありました。
そこで伺いますが、日本オストメイト協会によりますと、オストメイトは身体障害者4級に相当すると記してあり、対象者の立場に立てば、給付対象となる方については、身体障害者手帳が交付されてからではなく、医師の診断書により給付対象となるようにと考えますが、当局の見解を求めます。
次に、障害者の超短時間雇用について伺います。
最短で1日15分でも報酬をもらうことができる就労モデルとして、超短時間労働を東京大学先端技術センターの近藤武夫准教授が提案しております。近藤准教授は、15分のような超短時間からでも、職場で役割を持って働くことができる働き方とそれを構築するための地域社会システムや雇用環境づくりのために取り組んでいらっしゃいます。
一方、障害者雇用として国が認めているのは、週20時間以上であり、そこをクリアしなければ、障害者の法定雇用率に算定されておりません。働く意思や能力があっても、長時間安定して働くことが困難な場合には、就労継続支援A型、B型事業所といった福祉的就労を選択せざるを得ないのが現状であります。もちろん、福祉的就労は、障害者の就労支援として重要であると考えておりますが、さらに障害者の社会参加を広げるためには、障害者の個々の特性に応じた雇用の創出が必要であると考えております。
こうした中、神戸市では、東京大学の共同事業で、短時間雇用創出プロジェクトとして、短時間雇用創出コーディネーターを配置し、障害者と短時間雇用に取り組む企業をマッチングする事業を実施しております。
そこで、働く能力を持っているのに障害の状況から長時間にわたり安定して働くことが困難な障害者が存在することから、勤務時間が1日15分や数時間といった超短時間である会計年度任用職員を任用することについての考え方について、及び神戸市のような社会における雇用環境の仕組みづくりの創出について、お答えください。
以上で、1回目の質問といたします。御答弁、よろしくお願いいたします。(拍手)
51 ◯議長(岩井雅夫君) 答弁願います。総務局長。
52 ◯総務局長(山田啓志君) 災害時及びコロナ禍における対策についてのうち、所管についてお答えいたします。
まず、地区防災計画の策定について、本市はどのような支援を行っているのかについてですが、昨年の台風などの災害対応を踏まえ、地域の中で助け合う共助の重要性をこれまで以上に強く認識したところでございます。
現在は、地区防災計画の策定に対する支援は行っておりませんが、各地域では、それぞれの実情を踏まえ、避難所運営委員会や自主防災組織における活動マニュアルや避難行動要支援者名簿を活用した支えあいカードなどの作成に取り組んでいただいているところでございます。
本市といたしましても、これらの取組への支援を引き続き行うとともに、他都市における地区防災計画策定支援の先行事例を調査するなど、地域活動を支援するための方策について検討を進めてまいります。
次に、マイ・タイムラインの作成を促進する取組を検討すべきと考えるがどうかについてですが、各家庭において日頃から災害のリスクを認識し、発災時には自らの判断で的確な避難行動を取ることが重要であると認識しております。
本市では、市民一人一人が的確な避難行動を取るために必要な防災情報を確認できるよう、今年度からウェブ版ハザードマップの運用を開始し、国が作成した避難行動判定フローと併せて市ホームページ等で広く周知しているほか、災害情報の入手方法等を記載したチラシを土砂災害の危険性がある地域に戸別配布するなどの取組を行っているところでございます。
今後は、当該ハザードマップ等をより多くの方々に活用していただけるよう、あらゆる機会を捉え周知に努めるとともに、他都市におけるマイ・タイムラインなどの事例研究を積極的に行い、各家庭での防災対策を促進する取組の検討を行ってまいります。
次に、本市の被災者支援システムの導入状況と過去の運用事例についてですが、本市では、東日本大震災を受けて改正された災害対策基本法で、市町村長が罹災証明書を遅滞なく発行することとされたことや被災者台帳を作成することができるとされたことなどを踏まえ、平成26年度に同システムを導入しております。
また、同システムにより、大規模災害時の円滑な罹災証明書発行及び被災者台帳の作成などが可能となり、平成27年の竜巻被害では、罹災証明書の発行や被災者支援制度の案内等に活用しております。
次に、特別定額給付金の課題を踏まえ、平時から申請、給付に関する対応が可能である有用性の高い被災者支援システムの活用を検討することについてですが、本市の被災者支援システムを平時利用するためには、バージョンアップ等が必要であり、一定の改修費用と期間を要するほか、今後、新たな給付金事業に活用していくためには、当該事業に対応したさらなる改修が必要となることが見込まれます。
現在、行政のデジタル化に向けた議論が活発化している中、公金の受け取り手続の簡素化、迅速化に向けた国の検討も進んでいることから、これらの状況を注視し、今後、同様の給付金事業の実施に際しましては、被災者支援システムも含め検討を行い、迅速な給付に最適な手法により適切に対応してまいります。
最後に、本市の各校ごとの避難所利用計画の策定に関する現状の取組についてですが、学校施設におきましては、これまで体育館での避難者収容を優先していたところですが、
新型コロナウイルス等感染症対策として、特別教室や普通教室を積極的に活用することや地域の集会所やその他の避難先の活用など、分散避難への方針転換を図っているところでございます。
避難所における避難スペースの割り振りや使用方法などについては、各市立学校へ教室等で優先的に避難者を受け入れることを通知したほか、避難所運営委員会へ避難所開設運営の具体例を示したところでございます。
今後は、この通知や具体例の内容及び各学校の実情を踏まえ、避難所運営委員会ごとに具体的な運営方法等の検討を進めてまいります。
以上でございます。
53 ◯議長(岩井雅夫君) 教育次長。
54 ◯教育次長(大野和広君) 災害時及びコロナ禍における対策についてのうち、所管についてお答えします。
避難所となる学校施設の防災機能の現状における認識と今後の取組についてですが、学校施設については、児童生徒の学習、生活の場であるとともに、災害時には地域住民の避難所として重要な役割を担っていることから、学校施設の安全性、防災機能の確保は極めて重要であると考えております。
このため、本市では、これまで校舎等の耐震化を行うほか、外壁改修等の老朽化対策や体育館のつり天井の落下防止等の安全対策、さらにバリアフリー化の推進など、防災機能の向上に取り組んでまいりました。今後は、引き続き大規模改造工事に合わせたスロープの設置による段差解消や多機能トイレの設置を行うとともに、照明器具や建具等の非構造部材の落下や転倒を予防するための点検を計画的に実施し、適切に維持管理を行うことなどにより、防災機能の一層の強化を図ってまいります。
以上でございます。
55 ◯議長(岩井雅夫君) 財政局長。
56 ◯財政局長(小池浩和君) 災害時及びコロナ禍における対策についてのうち、所管についてお答えします。
行動経済学ナッジを用いた感染防止に係る庁舎管理についての本市の見解についてですが、本庁舎では、出入口への消毒液の設置やエレベーターにおける3密の回避をお願いするポスターの掲示など、来庁者及び職員に対して
新型コロナウイルス感染防止対策への御協力をお願いしております。
感染防止対策を進める上で望ましい行動を自発的に促すナッジの活用は有効と考えますので、庁舎管理においてもさらなる伝え方の工夫を進めてまいります。