千葉市議会 1997-12-09
平成9年第4回定例会(第3日目) 本文 開催日: 1997-12-09
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午後1時0分開議
◯議長(橋本 登君) これより会議を開きます。
出席議員は54名,会議は成立いたしております。
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日程第1
会議録署名人選任の件
2 ◯議長(橋本 登君) 日程第1,
会議録署名人選任の件を議題といたします。
私より指名いたします。24番・
茂手木直忠議員,25番・伊藤晶議員の両議員にお願いいたします。
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日程第2 代表質問
3 ◯議長(橋本 登君) 日程第2,代表質問を行います。
市民自由クラブ代表,21番・石橋毅議員。
〔21番・石橋 毅君 登壇,拍手〕
4 ◯21番(石橋 毅君) 平成9年第4回定例会の代表質問のトップを賜りまして質問させていただきます。
市民自由クラブの石橋でございます。
ただいまから会派を代表いたしまして質問させていただきます。
本年も余すところ3週間余りとなってまいりました。この1年を振り返りますと,さまざまな出来事がありました。本市にとりまして最も大きな出来事の一つは,
政令市移行後2回目の市長選挙において,松井市長が見事に6選を果たされたのであります。内外情勢が厳しい折,お体を大切にされ,しっかりした市政のかじ取りをお願いするものであります。
また,数少ない最近の明るいニュースといたしましては,
スペースシャトルコロンビアに搭乗した土井隆夫さんが,日本人として初めて船外での大変難しい作業を見事に成し遂げられ,無事帰還したことであります。
しかしながら,ここへきて景気の回復は思うように進まず,非常に重苦しいニュースが多いように感じられてなりません。総会屋対策問題などは暗い話題でありますし,
日本版ビックバン,つまり
金融システム改革を前に,多くの銀行などが生き残りをかけて,
バブル経済崩壊後に顕在化した不良債券の処理に追われている中で,先月,三洋証券,北海道拓殖銀行,山一証券,徳陽シティ銀行などが,相次いで経営破綻を来しております。そして国民の間には,金融不安や雇用不安がじわじわと起き始めているのではないでしょうか。
一方,国においては,
行政改革会議で,現行の22省庁を1府12省庁に,ほぼ半減する
中央省庁再編の最終報告を決定するとともに,
財政構造改革法を成立させるなど6大改革を鋭意推進しております。
このように,民間や国が世界的な大競争時代に勝ち抜いていくため,懸命な努力を重ねている中,千葉市においては,来年度から財源不足が見込まれており,今こそ徹底した
行財政改革に取り組み,21世紀においても活力ある豊かな千葉市を築くための基礎固めを図る必要があります。平成10
年度予算編成は,まさにそのための第一歩であります。
我が会派は,既に新
年度予算編成に関しての要望書を提出しておりますが,財政状況がかつてないほど厳しい中でありますが,新年度予算が,86万市民のさらなる市民福祉の向上に結びつくよう編成されることを強く望むものであります。
それでは,通告順に従いまして質問をしてまいりますので,市長初め執行部の簡潔で明快な答弁をお願いいたします。
初めに,市政運営の基本姿勢のうち,
財政構造改革法を受けての千葉市の取り組みについて伺います。
先月28日,
財政構造改革の当面の目標や地方財政の健全化などを規定した
財政構造改革法が成立いたしました。この法律では,
財政構造改革の当面の目標について,平成15年度までに一会計年度の国及び
地方公共団体の財政赤字の対国内総生産比を3%以下とすること。そして,地方財政の健全化について,
地方公共団体は
財政構造改革の当面の目標の達成に資するよう,国の
財政構造改革の推進に関する施策に呼応し,及び並行して
財政構造改革に努め,その財政の自主的な健全化を図ることとすると規定され,国及び地方の財政構造を大胆に改革し,財政の健全化を目指しております。
本市は,健全財政を堅持してまいりましたが,現行の地方財政の仕組みが,国の制度と密接に関連していることを考えますと,これからの財政運営は一段と厳しさを増し,大幅な財源不足が見込まれるのではないかと思われます。
そこでお尋ねします。
1点目は,このような状況下での本市の中期的な
財政見通しとその対応策について伺います。
2点目は,第6次5か年計画の実施が財源面から難しくなるものと思われますが,今後3年間の取り扱いについて,どのように考えているのか伺います。
次に,新
年度予算編成の基本的な考え方について伺います。
財政構造改革法において,政府は平成10年度の当初予算を作成するに当たり,一般歳出の額が平成9年度当初予算における額を下回るようにすると定め,
財政構造改革の目標達成に向けた取り組みの第一歩として,平成10年度の当初予算額の削減を打ち出しております。
本市の新
年度予算編成の基本的な考え方については,今議会冒頭の松井市長の報告により,おおむね理解いたしましたが,かつてない厳しい財政状況の中でも,市民生活に密接に関連した社会資本の整備や市民生活の質的向上を図るためのきめ細かな施策の展開など,充実した予算編成をしていくことが重要であると考えております。
そこでお尋ねします。
1点目は,新年度に重点的に取り組もうとしている施策について伺います。
2点目は,厳しい財政状況の中でありますが,景気対策として,
地方単独事業について,どのように取り組まれるのか,伺います。
3点目は,公共料金や各種団体への補助金の見直しについて,どのように考えておられるのか,伺います。
次に,自治省が策定した
行政改革推進のための新たな指針への対応について伺います。
先月14日,自治省は,地方自治新時代に対応した
地方公共団体の
行政改革推進のための指針を取りまとめ,各都道府県や政令市に通知したと報道されております。
本年7月に,
地方分権推進委員会の第2次勧告におきまして,地方分権の推進に当たり,
地方公共団体の行政体制の整備,確立を図ることが必要であるとされ,その趣旨を踏まえ,
地方公共団体の行政改革の一層の推進を目指した
行政改革大綱の改定が円滑かつ確実に行われるよう,新たな指針が策定されたものであります。
指針は,全国の
地方公共団体が,定員管理など削減目標をできるだけ数値化した
行政改革大綱に改めること。また,各年度の
取り組み内容を具体化した実施計画を策定することなどを主たる内容としているようであります。
そこでお尋ねします。
行政改革推進のための新たな指針への対応について,どのように考えておられるのか,伺います。
次に,県との連携について伺います。
千葉市は,
政令市移行により,県からさまざまな事務の移譲を受け,
大都市行政を推進しております。もちろん,一番若い政令市であるとともに,人口,財政規模とともに12番目であります。
したがいまして,街づくりなど市政を推進していく上で,県との連携は欠かすことができないと考えております。
しかしながら,最近,新清掃工場の建設用地問題を初め
都市モノレールの
耐震補強工事の経費など,さまざまな問題で県と対立しているかのように新聞紙上で取り上げられております。
そこでお尋ねします。
1点目は,県との懸案事項の解決について,どのように取り組んでいるのか。また,県との連携について,どのようなスタンスで取り組んでいるのか,伺います。
2点目は,県との共同事業として進めている
都市モノレールの耐震対策について,どのように進める予定か,伺います。また,費用の概算額と負担割合について伺います。
次に,総務・財政・企画行政について伺います。
初めに,
業務核都市の今後の展開についてであります。
千葉市は,
首都圏基本計画等において,
業務核都市の一つに位置づけられ,平成3年3月,第1号で,基本構想の承認を受けております。
現在,世界に開かれた
国際的業務核都市を目指し,
千葉都心地区と
幕張新都心地区を中心に,商業,業務などの諸機能の集積を図るとともに,
都市基盤整備等を進めております。
しかしながら,昨今の経済状況により,企業立地や市街地再開発事業が計画どおり進まず,また国の
業務核都市の育成整備に関する積極的な姿勢が見えないように感じられるのであります。
こうした中で,国は,現在,新しい
全国総合開発計画と
次期首都圏基本計画の策定作業を進めておりますが,
首都圏機能移転などの動きもあり,
業務核都市がどのような方向で位置づけられるのか,大いに関心を持っております。
そこでお尋ねします。
1点目は,策定中の新しい
全国総合開発計画などで,国は
業務核都市をどのように展開しようとしているのか,伺います。
2点目は,千葉市は今後,
千葉業務核都市の展開について,どのように取り組む考えなのか,伺います。
次に,情報公開の推進について伺います。
昭和58年,神奈川県が都道府県,政令市で初めて条例を施行してから早くも15年を迎えようとしております。現在,
情報公開制度は全都道府県,政令市を含め約400の
地方公共団体において制度化が図られ,運用されてきたところであります。
本市においても,平成6年10月から実施され,3年有余の実績につきまして,評価をするものであります。
しかしながら,
地方公共団体のより一層の行政改革の推進が求められている今日,
情報公開制度についても,その運用の実態を踏まえ,その内容の充実に努めることが必要であろうと考えております。
このような状況の中,千葉県は今議会に,公文書公開の特例を定める条例を提案しており,また東京都と横浜市では,情報公開に関する懇談会等において,条例の見直しについて検討していると伺っております。
松井市長は,さきの選挙の際,情報公開の推進を公約の一つとして掲げられており,我が会派といたしましても,市長と意を同じくするものであります。
そこでお尋ねします。
市長は,本市の
情報公開制度の見直しをどのように考え,またどのように進めていこうとしているのか,伺います。
次に,
市税収納率の向上について伺います。
我が国経済は,ここにきて足踏み状態が鮮明となり,企業の景況感も後退するなど,先行きに不透明感が高まってきており,このような状況は,市税の賦課,徴収にも厳しい影響を与えるものと思われます。
市税は,財政の根幹をなし,歳入の5割強を占める重要な自主財源でありますので,税収の自然増は期待できない現況下におきましては,課税客体の的確な把握とともに一層効果的な徴収対策を講じて,収納率の向上と市税収入の確保に努力を払う必要があります。
そこで,当局におかれましては,
市税徴収対策本部を設置し,
市税収納率の向上に努めておられるとお聞きしておりますが,具体的にどのような対策を考えているのか,伺います。
次に,市民・
経済農政行政について伺います。
初めに,企業誘致についてであります。
本市では,
幕張新都心地区で
未来型情報都市が整備されつつあり,また,緑豊かな環境に恵まれた千葉土気緑の森工業団地では,ハイレベルな研究機能の立地も進んでおりますが,昨今の景気低迷により,契約済みの企業の一部には,いまだに操業に至っていないものもあると聞き及んでおります。
また,市内の既存の工場などの状況を見ますと,一部ではリストラや工場のリニューアルなどをきっかけに,地価の安い地方都市への移転や工場の海外へのシフトなどが見られております。このような事態を手をこまねいて見ているわけにはいかないのであります。
都市が発展を遂げていくためには,活発な経済活動が行われることが必須条件であり,特に税収が伸び悩んでいる状況におきましては,今後,成長が見込まれている産業の育成や企業の立地促進は大変重要であります。
そこでお尋ねします。
1点目は,企業誘致を推進するために,どのような助成策を検討しているのかを伺います。
2点目は,どのような産業を誘致対象としているのか,伺います。
3点目は,企業誘致をどのような方法で推進していくのか,伺います。
次に,
都市型農業の振興について伺います。
去る9月,
千葉統計情報事務所が発表した本市の平成8年の農業粗生産額は約147億円で,県下第5位の位置にあります。
農業粗生産額の52%は,野菜,花卉,果樹の園芸部門であり,
都市型農業として生産性の高い経営が展開されているものと推測しております。
しかしながら,今日の農業を取り巻く環境は,就農者の高齢化,後継者不足,さらには輸入農産物の増大などさまざまな課題を抱えております。
このような状況の中で,21世紀に向け本市の立地条件を生かしながら,農業を魅力とやりがいのある産業に育てるためには,生産性の高い
都市型農業の振興が必要であります。
そこでお尋ねします。
1点目は,市民に新鮮で安全な農産物を将来とも安定的に供給するため,生産の担い手となり得る生産組織の育成強化が必要であると思われますが,見解を伺います。
2点目は,本市農業の中心である園芸部門を一層発展させるための基本的な振興策について伺います。
次に,文化の振興について伺います。
本市では,現在の
文化振興マスタープランの策定を進めているということでありますが,21世紀の初頭を見据えた長期的な文化振興の施策の全体像を明らかにするものとして,その結果を心待ちにしているものであります。
私は,その策定に当たり,今までともすれば見過ごしてきた文化の特性,すなわち文化事業,
文化資源等が本来持っている都市に活力と求心力をもたらし,国際交流を促進させ,町ににぎわいと経済に活力を与えるという特性に着目すべきであると考えております。今まで以上に地域の文化的魅力を向上させ,すぐれた都市文化を創造することが,都市の活力と求心力を強めることになります。
また,海外のすぐれた,そして多様な文化との交流も相乗効果を発揮し,社会や経済を活性化する大きな力となると考えられるからであります。
この点につきましては,多くの自治体で積極的な施策を展開しておりますが,特に,映像文化の振興から,先月上旬,東京渋谷で,
東京国際映画祭が開催されましたが,町の活性化と世界に向けて開催地を発信したことなどは,今後の千葉市の
文化イベントのあり方を考える場合に,大変示唆に富んだものであると考えております。
そこでお尋ねします。
世界に国際都市千葉を発信すると同時に,街のにぎわいを醸成し,社会や経済を活性化するため,国際的な文化事業を展開すべきではないかと考えますが,当局のお考えを伺います。
次に,
保健福祉行政について伺います。
初めに,
介護保険制度についてであります。
高齢化の進行等により,本市における寝たきりや痴呆等の介護を必要とする高齢者は,平成5年に5,851人でありましたが,平成12年には9,540人と7年間で1.6倍に増加するものと見込まれております。
高齢化と家族の小規模化,多様化が進む中で,高齢者と子供の同居率の低下と高齢者のみの世帯が増加しており,家族の補助機能が著しく低下しております。
このような状況を踏まえ,国においては,
高齢者介護の問題は,家族の問題から社会全体の問題としてとらえ,
介護サービス費用を国民全体で支える仕組みの
介護保険制度の創設を目指しており,本日,
介護保険法案が成立する見込みであります。
法案では,平成12年4月から,在宅,施設給付を同時実施することとなっており,その半年前の平成11年10月からは,介護申請の受け付けが始まるわけであります。準備期間を考えますと,2年に満たないわけであり,この期間に
モデル事業の実施,
介護保険システムの開発などの膨大な準備事務をすべて完了することになるわけであり,他の政令市においても,準備室の設置や
介護保険システムの開発に着手していると聞いております。
そこでお尋ねします。
本市においては,今後どのような準備を進めていくのか,伺います。
また,組織体制についても,どのように考えているのか,あわせて伺います。
次に,
子育て支援施策について伺います。
近年の児童と家庭を取り巻く環境は,核家族化が進行し,
夫婦共稼ぎ家庭の一般化,家庭や地域の
子育て機能の低下などの現象が顕著になってきており,また,出生数の減少により,少子・高齢社会への進行が大きな社会問題となってきており,千葉市議会といたしましても,本年4月,少子・
高齢化社会対策調査特別委員会を設置して,この問題に鋭意取り組んでいるところであります。
少子・
高齢化社会においては,経済活力の低下や労働力供給の制約,社会保障の負担の増大などの影響はもとより,子供自身が仲間の中でもまれる機会や我慢することなどを学ぶ機会が減少し,子供の社会性が育ちにくくなることなど,子供自身の健やかな成長への影響も懸念されているところであります。
したがって,このような社会環境の中では,だれでも安心して子供を産み,育てることができる
環境づくり,すなわち
子育て支援施策の実施が今後の重要な課題であり,また社会全体で取り組んでいかなければならない問題であると考えております。
そこでお尋ねします。
本市では,
保健福祉施策として,
子育て支援施策を具体的にどのように進めていこうとしているのか,伺います。
次に,市立病院の建てかえについて伺います。
市立病院の施設の老朽化,狭隘化が著しく進んでいることから,我が会派といたしましては,これまで早期建てかえを要望してきたところであります。
本年第1回定例会におきまして,我が会派の佐野議員が,新しい病院の概要をお尋ねしたところ,市長から,病床数は約380床で,高齢化に対応した診療機能の拡充を図るほか,救急医療や精神医療,緩和ケア,感染症等の
高度特殊医療の拡充,災害時における拠点的機能の対応を図りたいとの答弁をいただいたところであります。
そこでお尋ねします。
本年度,
建物基本設計等の事業を予定しているとのことでありますが,今後の進捗状況について伺います。また,今後の
スケジュールについても,あわせて伺います。
次に,環境行政について伺います。
初めに,
地球温暖化防止についてでありますが,
地球温暖化の原因となっている
二酸化炭素等の
温室効果ガスの
排出削減目標等を取り決める国際会議が,今月1日から10日まで京都市で開催されております。この会議では,国家間の具体的な
温室効果ガスである
二酸化炭素CO2などの削減目標について,法的拘束力のある議定書としてまとめることになっております。このまとめられた議定書により,我が国においては,法制化が検討されていると報道されております。
本市においては,平成7年3月に,千葉市
環境基本計画を策定し,
二酸化炭素排出量などの定量目標を定め,各種施策の推進等により目標達成に努めていることと思います。
そこでお尋ねします。
1点目は,千葉市は,京都会議を成功させるためにどのようなバックアップをしてきたのか,伺います。
2点目は,京都会議でまとめられた議定書の内容により,千葉市
環境基本計画の定量目標を見直す考えがあるのか,伺います。
3点目は,市の
地球温暖化防止に対する取り組みについて伺います。
次に,新清掃工場の建設について伺います。
新港清掃工場は稼働後23年を経過し,老朽化が進んでおり,代替施設の一日も早い完成が待ち望まれているところであります。
こうした中,新港新清掃工場の建設用地の譲渡問題について,このたび県市間で合意が見られ,今議会には県有地の取得費並びに建設予定地に立地する企業の移転経費が計上されております。これにより,新清掃工場の建設が前進することとなり,評価するものであります。
そこで,新清掃工場の整備内容について伺います。
これからの清掃工場は,単に焼却するための施設ではなく,
焼却エネルギーを最大限に活用し,地域の
エネルギーセンターとしての役割をも担うような施設整備が求められていると思いますが,どのような視点に立って新清掃工場の建設を進めようとしているのか,基本的な考え方について伺います。
都市行政について伺います。
初めに,
ポートスクエアについてでありますが,この施設は,千葉市で初めての本格的な民間活力を導入したプロジェクトであり,市有地を活用した総合体育館と
民間複合施設,つまりオフィス棟,ホテル棟,商業棟の建設事業であります。
そこでお尋ねします。
最近の新聞報道によると,
ホテルパシフィック千葉が来年3月末で,不採算部門を撤退するということでありますが,市としてこのような状況をどのように受けとめているか。また,対応策について伺います。
次に,組合施行の
区画整理事業や再開発事業の支援についてであります。
組合施行による
土地区画整理事業は,これまで土気南地区ほか23地区が完了しており,また,現在
南部蘇我地区ほか4地区が施行中であります。
一方,市街地再開発事業では,既に中央地区と新町地区の2地区において,組合施行で実施され,竣工に至っております。
現在,
準備組合等を結成し,事業化に向けて努力されている地区も多数あると聞いております。
区画整理と再開発は面的開発と立体的開発の違いはありますが,いずれも道路を初め
都市基盤整備による
スプロール化の防止,都市空間の創出,中心市街地の活性化に役立ち,健全で快適な市街地の形成に重要な役割を果たしてきております。
しかしながら,
我が国経済は,景気後退により,業務,商業,住宅需要の低下,土地価格の下落,開発利益の減少をもたらし,
都市開発関係の事業環境は大変厳しい現状にあります。
このような状況にあっても,両事業の街づくりに果たす役割が大きいことを考えれば,的確な支援をしていかなければならないものであります。
そこでお尋ねします。
区画整理や再開発事業の円滑な促進を図るためには,組合に対する支援措置について,どのような検討がなされているのか,伺います。
次に,
都市モノレールの
ルート変更について伺います。
現在工事を進めている千葉駅と県庁前駅については,平成10年度末に工事が完成するとお聞きしておりますが,一日も早い開業を望んでおります。今後は,
県庁以遠ルートの整備について,高い関心が寄せられてくるところであります。
そこでお尋ねします。
1点目は,平成7年に末広街道・青葉の
森公園ルートが発表されましたが,先月の新聞報道によりますと,青葉の森公園の北側を通るルートに変更になったとのことであり,
ルート変更の理由と経緯について伺います。
2点目は,県庁前から星久喜までの整備に向けての
スケジュールと着工時期について伺います。
次に,バス交通について伺います。
本市の街づくりは,
千葉都心地区を中心として,臨海部と郊外部に大
規模住宅団地が多く開発され,市街地が放射,環状型に拡大してまいりました。市街地の拡大に伴い,市民の足であるバス交通について,路線延長がなされるとともに,
都市モノレールの整備も進められ,都心部と郊外部の
公共交通機関が徐々に確保されてまいりましたが,近年,郊外における不
採算バス路線は徐々に廃止されており,住民は大変な不便を強いられております。
当局におかれまして,本年度,バス活性化検討調査により,行政のバス事業へのかかわり方やコミュニティバスのあり方について検討されているとのことでありますが,早急な対応をお願いするものであります。
さて,こうした中で,都心部の比較的人口が過密なところで,バス交通が不便なところがあります。一例を申し上げれば,中央区の新宿町では,路線バスのルートが少なく,お年寄りなどの交通弱者の方が最寄りの鉄道駅まで相当の距離を歩かざるを得なく,不自由な思いをいたしております。
武蔵野市や八日市場市などは,地元自治体が主体となり,コミュニティバスを運行していると聞いております。
そこでお尋ねします。
千葉市は中心市街地における交通過疎の解消を図れないものか,当局の見解を伺います。
次に,公園緑地行政について伺います。
初めに,緑と水辺の基本計画についてであります。
近年,環境問題は地球的規模での取り組みが求められる重要課題となっており,緑の重要性はますます高まってきているところであります。
このような中,平成6年に,都市緑地保全法が改正され,都市の緑に関する総合計画として,市町村が策定主体となる緑の基本計画が創設されたことは,大変意義深いことであります。
そこで,このたび市が策定した緑と水辺の基本計画についてお尋ねします。
1点目は,従来計画の緑のマスタープランと緑と水辺のネットワーク21世紀計画との関係はどのように整理されたのかを伺います。
2点目は,基本計画の内容と目標について伺うものであります。
3点目は,本市が目標とする緑と水辺の都市づくりに向けて,基本計画に盛り込んだ各種施策の着実な推進が必要であると考えますが,基本計画公表後の目標達成の取り組みについて伺います。
次に,姉妹友好都市公園の整備についてであります。
本市は,昨年,スイスのモントルー市及び中国の呉江市と姉妹友好都市の提携をし,世界の7都市と姉妹友好都市の関係を結び,国際交流を推進しております。
去る8月,若葉区の東寺山に国際交流グリーンハウスがオープンしました。ここを舞台に,来葉する外国人や在住外国人に日本の伝統文化の紹介や市民との交流が行われていることと思います。
私はここで一つの提案をしたいと思います。
本市は緑と水辺の都市宣言をしており,姉妹友好都市にちなんだ公園を整備してはどうかと考えております。財政状況の厳しい時代ですから,既存の公園やこれから整備する予定の公園の一角に整備したらよいと考えております。例えば天津市や呉江市と相談して,市内の公園の一角に中国式庭園をつくり,中国の方が来られたら,そこに案内すれば印象に残ると思います。
そこでお尋ねします。
国際交流の場,あるいは市民が日々散策しながら姉妹友好都市について理解を深める場ともなるような姉妹友好都市公園の整備についての当局の考えをお伺いいたします。
次に,県立幕張海浜公園内に進出予定のテーマパーク・レゴランドについて伺います。
去る4日,新たなテーマパーク・レゴランドの建設候補地として,幕張海浜公園を決定したとの報道がなされました。最近の不景気な経済状況の中では,明るく希望の持てるニュースであり,私としてはぜひとも実現していただきたいと期待するものであります。
そこでお尋ねします。
1点目は,レゴランドが決定したことに対し,地元市としてどのように受けとめるのか。また,レゴランド進出の経緯について伺います。
2点目は,テーマパーク・レゴランドとはどのようなものか,概要を伺います。
3点目は,今後の
スケジュールはどのようになっているのか,伺います。
次に,建設・下水道行政について伺います。
初めに,広域幹線道路の整備についてのうち,東京湾アクアラインについて伺います。
県民が長らく待ち望んでいた東京湾アクアラインが全国から注目される中,いよいよ今月18日に開通いたします。この事業は昭和41年から,約1兆4,400億円余の巨費と,建設省が調査以来31年もの長い歳月をかけ,ようやく完成したものであり,今世紀最後の超大型プロジェクトと言われております。
そこでお尋ねします。
東京湾アクアラインの供用は,本市の道路交通にも少なからず影響があると思われますが,今後どのような影響が生ずると予測しているのか,伺います。
次に,東京湾岸道路千葉地区専用部の計画について伺います。
本市の湾岸部における広域幹線道路である京葉道路と国道14号,16号は,利用交通量が膨大なため,交通渋滞が慢性化しております。道路はあらゆる都市活動を支える重要な施設であり,このような渋滞を解消するため,東京湾岸道路千葉地区専用部の整備を早急に推進する必要があると考えます。
こうした中,先般,経済会などの民間団体による建設促進期成同盟が設立されたことにつきましては,関係各位に敬意を表するとともに,大きな期待をしているものでございます。
そこで,東京湾岸道路千葉地区専用部の今後の見通しについて伺います。
次に,雨水対策について伺います。
今日,千葉市は大都市として,商業,業務機能の集積などに加え,高度情報化の進展により,都市機能がますます高度化しております。
このようなあらゆる機能が集積した都市において,台風や集中豪雨などにより浸水が発生した場合,道路冠水や床上,床下浸水などの直接的な被害だけにとどまらず,都市に集積している中枢機能管理機能が停止するなどの二次的被害が発生し,極めて大きな問題となるのであります。
本市においても,21世紀に向けて,雨水などの災害に強い街づくりが望まれているところであります。
そこでお尋ねします。
1点目は,恒常的に浸水被害が発生している地区や商業,業務機能の集積度が高い千葉駅を中心とする
千葉都心地区について,どのような水準で雨水対策の整備を図ろうとしているのか,伺います。
2点目は,急激な都市化の進展により,雨水が浸透しない面が増大しておりますが,その解消対策の一つとして打ち出している雨水の貯留,浸透事業など,総合的,体系的な雨水対策施設の整備についての基本的な考え方を伺います。
次に,教育行政について伺います。
初めに,学校の統廃合についてであります。
千葉市では,昭和40年代後半から50年代にかけて児童生徒数が急増しましたが,昭和60年代に入り,大規模団地の成熟や市街地のドーナツ化現象,そして昨今の少子化傾向により,徐々に児童生徒数が減少するに至りました。現在の児童生徒数は,ピーク時に比較すると,60%までに減少しており,各小中学校において,多くの余裕教室や空き教室が生じております。
一方,高齢社会を目前に控え,生涯学習ニーズの増大や老人福祉への対応などを視野に入れれば,私は思い切った学校の統廃合を行い,学校施設,学校用地を有効活用すべきではないかと思うものであります。
そこで,学校の統廃合について,当局の見解を伺います。
次に,学校図書館教育について伺います。
子供の活字離れ,読書離れが指摘され久しくなりますが,自由な読書活動の場として,さらに,豊かな心をはぐくむ心のオアシスとして学校図書館の充実は緊急の課題であります。心の教育は幼少時から始まり,そのため幼児期からの本との出会い,触れ合いが大切であります。そのような視点から考えると,読書教育は小学校の段階が特に重要であります。
本年6月の学校図書館法の一部改正に伴い,12学級以上の小,中,高等学校に,平成15年3月までに司書教諭を設置することが決まりました。学校での読書教育を推進する上で好ましいことだと思っております。
そこでお尋ねします。
1点目は,本市における司書教諭の有資格者の現状とその養成計画についてであります。
2点目は,学校図書館教育の一層の効果を上げるため,今後,図書館司書補助員の小学校への配置を重点的に進めていくべきではないかと考えておりますが,見解を伺います。
3点目は,学校図書館の機能を高め,理想的な学校図書館教育を推進するためには,どのような方策を考えているのか,伺います。
小中学校等における焼却炉の使用について伺います。
この問題につきましては,去る6日にも新聞報道がなされたところであります。学校に設置された小型焼却炉の使用によるダイオキシン等の有害物質の発生と児童生徒等の健康への影響が懸念されております。
このため,文部省を初め各都道府県市町村でさまざまな取り組みがなされております。千葉県においても,本年10月から,高校等の焼却炉を原則的に廃止との方針を示しております。
本市においては,9月議会で,現在は分別収集を徹底させるとともに,紙類の再利用などを図り,焼却炉の使用は,剪定した樹木,落ち葉などに限定し,そのための収集や管理体制などの準備を進めていくとの答弁がありました。
この問題につきましては,9月末に文部大臣が記者会見で,小型焼却炉の原則廃止の方針を打ち出したほか,10月31日付で,文部省から都道府県に対し,再度指導の通知が出されたとお聞きしております。
そこでお尋ねします。
文部省の通知内容はどのようなものであり,また学校焼却炉についてどのように取り組んでいるのか,伺います。
千葉市の場合は学校数も多く,クリアすべき問題も多くあり,これまでも検討や準備を進めてきたと思いますが,この問題は,児童生徒や近隣住民の健康にかかわる重要な問題ですので,積極的かつ適切な対応を求めるものであります。
最後に,図書館の開館時間の延長について伺います。
週休2日制が普及する中で,職員のローテーションなどにより,市民が直接利用する施設の開館日の増加,開館時間の延長が図られております。特に,市スポーツ振興財団の発足により,市の管理するほとんどのスポーツ施設は,年末,年始の数日間を除いて,年じゅう無休となり,開館時間も朝9時から夜9時までとなり,市民サービスは格段に向上し,評価するものであります。
しかしながら,他都市と比較すると,一部の施設に開館日や開館時間が少ないものが見受けられます。財政状況が厳しく,新しい施設の建設が難しくなってきている中で,既存の施設を最大限有効活用し,市民サービスの向上を図る観点から,人件費は多少かかりますが,全庁的に,市民が利用するすべての施設の開館日の増加,開館時間の延長について,再点検すべきであると考えております。
そこでお尋ねします。
本市の図書館の閉館は午後5時であり,勤労者などの利用のため,もう少し開館時間を延長すべきであると思いますが,見解を伺います。
以上で1回目の質問を終わります。
冒頭に申し上げましたとおり,簡潔で明快な答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
5 ◯議長(橋本 登君) 答弁願います。松井市長。
〔市長・松井 旭君 登壇〕
6 ◯市長(松井 旭君) ただいま
市民自由クラブを代表されまして,石橋議員より市政各般にわたる御質問をいただきました。
私からは,基本的な事項についてお答えをいたします。
初めに,
財政構造改革法を受けての本市の取り組みに関する御質問についてでございます。
まず,1点目の中期的な
財政見通しと対応策についての御質問でございますが,
財政構造改革法におきましては,平成12年度までの集中改革期間中における国,地方の財政収支の健全化に向けた対応策が定められたところであります。
中でも,社会保障関係費の抑制や,公共投資関係費の縮減,補助金等の削減措置などの国の一般歳出の抑制措置に加えまして,地方債の発行規模の抑制などの地方一般歳出の抑制措置が,本市財政に少なからず影響を及ぼすものと考えられるところであります。
また,一方では,景気の低迷等による市税の伸び悩みの中で,高齢化の進展等に伴う扶助費や減税補てん債等の臨時的な市債の発行に伴う公債費の増高などに加えまして,生活関連施設の整備,安全で災害に強い街づくりなど,市民生活の質的な向上を図るための施策に多額の財政需要が見込まれるところでございます。
そこで,これらの状況を考慮いたしまして,現行の行政水準を維持した場合を前提に,一定の条件下で,平成10年度から12年度の中期的な財政収支を試算いたしますと,普通会計ベースで,毎年度240億円程度の財源不足が見込まれるところでございます。
この財源不足の対応策といたしましては,財政運営の健全性を将来にわたって維持する必要がございますので,歳入面では,徴税努力による市税収入等の確保や受益者負担の適正化のほか,未利用市有地の売却を含めた対応などにより自主財源の確保を図るとともに,国庫支出金等の依存財源の積極的な確保に努めてまいりたいと存じます。
また,歳出面におきましては,さらなる行政改革の推進を図り,事務事業の徹底した見直しによる経費削減や事務執行の効率化を図るほか,人件費の抑制に努めるとともに,第6次5か年計画事業につきましても,事業の緊急性,重要性,熟度等を総合的に勘案し,事業期間等の調整を行うなどによりまして,健全財政を維持しつつ,市民福祉の向上に努めてまいりたいと存じます。
次に,第6次5か年計画についてお答えをいたします。
このほど,
財政構造改革法が成立をいたしましたことから,公共投資基本計画の期間延長や公共事業関係予算の抑制等により,本市の第6次5か年計画への影響がいよいよ現実のものとなってまいりました。
現在,千葉市財政対策会議の取り組む諸課題の一つとして,第6次5か年計画において,10年度から12年度に予定されている計画事業について,調整の作業を行っております。
具体的には,主に事業の実施期間の調整ということになりますが,10
年度予算編成方針にありますように,国の
財政構造改革等の影響を考慮しつつ,緊急性,重要性,効果などあらゆる角度から,真に優先すべき事業を厳選するとの視点に立って調整作業を進めております。
調整に当たりましては,厳しい財政環境下でありますので,実施期間を2年程度先送りせざるを得ない事業もあり得ると思いますが,市民生活に密着した分野については,極力配慮をしてまいりたいと考えております。
なお,最終的には,平成10
年度予算編成作業と連動しつつ,11,12年度も含めた向こう3年間の執行計画として,平成9年度末までに調整作業を完了したいと考えております。
次に,新
年度予算編成の基本的な考え方についての御質問にお答えをいたします。
まず,新年度に重点的に取り組む施策は何かとのお尋ねでございますが,少子・高齢化の急速な進展や国際化,高度情報化等社会経済情勢が著しく変化をし,市民の方々のニーズも複雑多様化しておりますので,これらに的確な対応を図る必要がございます。
このような中で,新年度の予算編成に当たりましては,国,地方を通じ極めて厳しい財政状況が予測をされ,本市におきましても,市税収入の伸び悩みに加え,公債費,扶助費等の義務的経費の増加が見込まれるなど,これまで以上に厳しい財政状況が予測をされるところでございます。
しかしながら,厳しい財政状況下におきましても,限られた財源を最大限有効に活用し,これまで以上に創意工夫をもって財源の重点的,効率的な配分を行い,市域の全体的なバランスに配慮しつつ,大都市にふさわしい生活環境の整備,推進に努めてまいりたいと存じます。
また,保健,医療,福祉,教育等の市民生活に密着した分野におきましても,きめ細かな施策の推進を図るほか,中央図書館・生涯学習推進センター建設事業など,継続しておる事業につきましても,着実な推進を図ってまいりたいと存じます。
次に,
地方単独事業への取り組みについてのお尋ねでございますが,
地方単独事業は,地域における金融支援策等と相まって,地域経済を支えるために重要な役割を担っており,また,大都市にふさわしい魅力ある街づくりを推進する上で欠かせないものであると存じております。
しかしながら,平成10年度におきましては,
財政構造改革の本格的な推進に伴いまして,国の公共事業予算の縮減が見込まれるほか,これまで
地方単独事業の主要な財源となっておりました地方債につきましても,発行規模の抑制が見込まれるところでございます。
したがいまして,単独事業の事業量をある程度抑制せざるを得ない状況にございますが,このような中にありましても,生活関連施設等の整備を推進する必要がございますので,事業の進捗状況,緊急度,投資効果等を勘案し,厳格な事業選択を行うとともに,都市整備公社の活用を含め,可能な限り財源と事業量の確保に努めてまいりたいと存じます。
次に,公共料金や各種団体への補助金の見直しについてのお尋ねでございますが,新年度は,歳入確保,歳出抑制にこれまで以上に創意工夫を凝らし取り組む必要があるところでございます。
そこで,使用料,手数料等の公共料金の見直しについてでございますが,行政内部の事務の効率化や経費の節減合理化の実施に加え,利用者に対するサービスの向上を図りつつ,受益者負担の原則に基づきまして,受益の範囲,国等における基準,類似施設との均衡,さらには市民生活への影響などを総合的に勘案いたしまして,その適正化を図ってまいりたいと考えております。
また,各種団体への補助金の見直しにつきましては,本市が各種団体に交付しております補助金は,市の施策上保護奨励すべき活動,あるいは公益活動の支援等を目的として支出をしておるものでございまして,その交付先も,教育,芸術,文化,スポーツ団体等広範多岐にわたっております。
これらの補助金につきましては,現在,
行政改革推進計画における見直し項目に位置づけ,その適正なあり方等につきまして種々検討を重ねているところでございますが,新規設定の補助金につきましては,スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底するほか,既設の補助金につきましても,1件ごとにその目的,効果,金額の妥当性を精査いたしまして,社会経済情勢の変化等により,所期の目的が薄れた補助金につきましては,廃止を行うなど,全面的な見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に,行政改革についての御質問にお答えをいたします。
御案内のとおり,
地方分権推進委員会の第2次勧告におきまして,地方行政体制の整備確立を掲げ,
地方公共団体において行政改革を推進すべきであるといたしております。
このことを受けまして,自治省は先月14日に,新たな行政改革の指針を示したところでございます。この指針は,平成6年に自治省が示したものと基本的には変わっておりませんが,その主な特徴を申し上げますと,第1に,
行政改革大綱の見直し等による行政改革の一層の推進を求めておること。
第2に,具体的で目に見える行政改革に取り組むため,各年度ごとに可能な限り目標を数値化した実施計画を策定すること。
第3に,推進状況を住民に積極的に広報することなどにより,住民の理解と協力のもとで行政改革の推進を図ることといたしております。
私は,行政改革の推進に当たりましては,社会経済情勢に柔軟に対応することが重要であると存じておりまして,国の
財政構造改革の推進方策などを踏まえ,10月には行政改革懇談会を開催をし,さらなる行政改革の推進のため,広く御意見を伺ったところでございます。
自治省から示された数値目標の設定などにつきましては,すべてに取り入れることは難しい面もございますが,行政改革を推進する上では重要な課題でございますので,行政改革懇談会の御意見も伺いながら,行財政改善推進委員会で
行政改革大綱及び推進計画の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
平成10年度は,
行政改革推進計画の最終年次でございますので,財政対策とあわせまして,全庁挙げて積極的に取り組み,可能な限り平成10年度予算に反映させてまいりたいと存じます。
いずれにいたしましても,21世紀を目前に控えた今日,最少の経費で最大の効果をという基本理念に立ちまして,簡素で効率的な行政運営の実現を目指して行政改革を推進をし,豊かな市民生活と街づくりの推進のため努力をしてまいる所存でございます。
次に,
情報公開制度についてお答えをいたします。
情報公開の推進は,開かれた市政の実現のため重要であると存じております。
本市の
情報公開制度は,平成6年10月施行以来3年余りを経過をし,これまで約420件の請求があり,運用事例も累積してきておりますが,この間,情報公開に係る司法判断の流れや社会的な要請は,公開の拡大の傾向にあるのも事実でございます。
また,次期通常国会に提案が予定されている情報公開法との整合性を図る必要性もありますので,現行制度の内容について見直しを検討してまいりたいと存じます。
情報公開制度は,市民の方々の市政に対する理解と信頼を深めるための制度でございますので,その検討に当たりましては,この制度創設時と同様に,広く市民の方々の御意見を聞くべきと考えておるところでございます。
そこで,今後の
情報公開制度のあり方について,
情報公開制度運営審議会に来年早々諮問したいと考えております。
いずれにいたしましても,情報公開の推進は重要な課題でございますので,制度の改善のため努力をしてまいりたいと存じます。
次に,
地球温暖化防止条約京都会議に関する御質問にお答えをいたします。
まず,1点目の京都会議を成功させるためにどのようなバックアップをしてきたのかでございますが,市といたしまして,
地球温暖化防止に関する施策の充実強化に努めることが京都会議の成功に資するという認識のもと,各種施策を推進してまいりました。
特に,本年度は七都県市首脳会議の事務局として,幕張メッセにおいて,
地球温暖化防止をテーマとした七都県市環境セミナーを開催するとともに,
地球温暖化防止キャンペーンを実施をしてまいりました。
また,先月19日には,七都県市首脳会議において,
地球温暖化防止に向けてのアピールが行われましたが,このアピールを七都県市を代表し,京都会議に併設されたワークショップにおいて紹介するなど,そのPRに努めてきたところでございます。
次に,2点目の議定書により千葉市
環境基本計画の定量目標を見直すかでございますが,議員御指摘のとおり,千葉市
環境基本計画において,
二酸化炭素排出量を1990年レベルに維持するなどの
地球温暖化防止に係る定量目標を設定をしているところでございます。
市といたしましては,当面は,これらの目標の達成に向け最大限努力することが重要と認識をしておりますが,京都会議の議定書に基づき,実効性のある法令等の整備が予定されるところでありまして,それらの動向を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
次に,3点目の
地球温暖化防止に対する取り組みについてでございますが,
地球温暖化防止の取り組みにつきましては,本年4月に,市みずからが率先して,省エネルギーやリサイクルの推進を図るため,エコオフィスちばプランを策定いたしまして,各課に環境推進員を配置をし,全庁挙げて電気や上水道の使用料の削減,再生紙の利用促進などに取り組んでおるところでございます。
以上で終わります。
7 ◯議長(橋本 登君) 鶴岡助役。
8 ◯助役(鶴岡啓一君) 市政の基本姿勢についての御質問のうち,県との懸案事項の解決や連携への取り組みについてお答えいたします。
御承知のとおり,県と市が処理すべき事務事業については,法令や国の要綱,通達等により,それぞれ役割分担が決められております。しかしながら,実際に事業を推進する上では,相互に協力したり,県の御支援を受けなければ実現できない事業がございます。
御指摘の事業はこうしたものでございまして,これらの問題の解決に当たっては,個々に事務レベルの協議を重ねるとともに,毎年度,県市間懸案事項として取りまとめ,そのうち特に重要な事項については,市長から知事に文書で直接要望いたしております。
このほか,行政懇談会や千葉支庁管内の4市市長,議長会議等の会議を通じて,当面する県との諸課題等について,要望,協議を行っております。
現在,県も本市も極めて厳しい財政事情に立ち至っていますが,こういうときであるからこそ,互譲の精神に立って一つ一つの事項を解決していくことが大切であると考えております。
本市といたしましては,政令市として,基本的には対等の立場に立ち,県との連携の強化をさらに図り,県市相互の発展に努めてまいりたいと考えております。
次に,市民・
経済農政行政のうち,企業誘致についてお答えいたします。
現在の厳しい経済環境のもとで,御質問のような憂慮すべき事態が生じてきております。これに対処すべく地域経済の活性化と雇用の創出を図るため,全庁的な組織で検討を進め,このたび千葉市企業誘致等の推進方策を取りまとめたところであります。
御質問の第1点目の,企業誘致推進のための助成策でありますが,5種類の助成策を実施しようとするものであります。
その一つは,企業立地促進助成であります。
新たに本市へ立地するため,一定規模以上の投資を行った企業に対しまして,固定資産税等の額に応じた助成を行おうとするものでございます。
二つには,賃貸型立地促進助成でございます。一定の要件を満たす企業に対しまして,そのテナント賃借料の一部を助成しようとするものであります。
三つには,賃貸型情報機器助成でございます。賃貸型立地促進助成を受けた企業で,情報機器を賃借した企業に対しまして,その賃借料に対して助成しようとするものであります。
四つには,資金融資でございます。一定の要件を満たす企業に対しまして,10億円を限度とする設備資金や1億円を限度とする運転資金を,長期プライムレートのマイナス0.1%という極めて有利な条件で融資しようと考えております。
これにつきましては,市内企業が工場の再整備をしようとする場合も,対象とすることとしております。
五つには,雇用奨励金でございます。この奨励金は,市内在住者の一層の雇用の創出を図るため,新たに市内在住者を10名以上雇用した企業に対しまして助成しようとするものでございます。
次に,誘致対象企業でございますが,本市の次代を担う産業を育成するため,先端技術産業や地元雇用力の大きい成長産業を対象として誘致を進めてまいりたいと考えております。
次に,どのような方法で企業誘致を推進していくのかでございますが,成長産業を重点的に,今回取りまとめた企業誘致策をつけた上で,企業の進出意向のアンケート調査を実施してまいりたいと考えております。
そういう調査を通じまして,本市への立地可能性を探りますとともに,企業の立地に適した土地,建物等の情報収集に努め,本市の立地優位性や既存の産業集積の利点等を積極的にPRし,企業誘致を推進してまいりたいと考えております。
次に,質問6の都市行政の御質問のうち,
ポートスクエアについてお答えいたします。
ホテルパシフィック千葉がある
ポートスクエアは,商業,業務機能の集積を図ろうとしている新業務地区にありまして,その先導的役割を発揮させるため,体育館と一体となった業務,ホテル,商業施設を有する民間施設との複合施設として,事業コンペ方式により実現したものでございます。これらの経緯,及び今後市が展開を考えている再開発事業など,千葉市のポテンシャルを向上させようとする一連の動きの中にありまして,このホテルが撤退するということは,千葉都心のマイナスのイメージをもたらすことが大きいと懸念しております。
このようなことから,市といたしましては,ホテル機能の継続について最大限の努力をするよう,後継会社の選定などを含め,千葉市と土地の賃貸借関係にあります千葉新都心開発株式会社と,テナントであります株式会社ホテル京急の双方に対しまして強く要望いたしました。
最初に9月の上旬にこういう情報が入りましたので,9月中に私自身東京のホテル京急の本社にもお伺いし,社長にもお会いし,また千葉新都心開発の会社の社長にもお会いしまして,そういう要望をしたところでございます。
現在のところは,施設所有会社6社とホテル京急が,それぞれホテル機能の継続について鋭意検討している段階でありますが,市といたしましては,両者が早急に同じテーブルに着き,ホテル機能の継続に向けて協議を開始するよう要請しているところでございます。
いずれにいたしましても,今後ともホテル機能が継続されますよう最大限の努力を傾注してまいりたいと考えております。
次に,幕張海浜公園に進出予定のテーマパーク・レゴランドについての御質問にお答えいたします。
まず,進出について,地元市としてどのように受けとめているかとのお尋ねですが,世界的に有名なレゴ社のテーマパークが本市に進出することは,幕張新都心の魅力と集客力の向上に寄与するとともに,本市のイメージアップ,産業経済の振興等の面でも大きな役割が期待できるものと考えております。
また,進出の経緯についてですが,県は,レゴ社が極東地域にテーマパークの用地を探しているという情報に基づき,かずさII期地区への誘致を推進していましたが,レゴ社から,幕張海浜公園の一部を候補地としたい旨の申し込みがあり,県としては積極的に誘致を進めたところ,去る3日,レゴ社から責任者が県及び本市に来訪され,レゴ社として同地域を選定した旨の申し入れがあったものでございます。
次に,レゴランドの概要でございますが,県立幕張公園約72ヘクタールのうち,海側の約30ヘクタールの用地に,レゴ製品によるファミリー向けのレジャー施設で,遊びを通し創造力を育成することを目指したテーマパークをつくる計画と伺っております。
最後に,今後の
スケジュールでございますが,レゴ社は3年ごとに新テーマパークの開園を目指しております。現在,アメリカのカリフォルニア州に,1999年の開園に向けて,3番目のレゴランドの建設が進められているため,4番目の幕張のレゴランドは2002年の開園を目指したいと聞いております。
本市としましても,今後,レゴ社の具体的な計画内容を伺った上で,県と十分協議して取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
9 ◯議長(橋本 登君) 稲葉助役。
10 ◯助役(稲葉秀雄君) 私からは,御質問のうち3点についてお答えを申し上げます。
まず,市民・
経済農政行政の御質問のうち,所管でございます国際都市千葉を発信する文化事業の展開についてお答えをいたします。
議員お話のとおり,千葉市
文化振興マスタープランにつきましては,現在,これまでの基本調査に基づきまして,鋭意策定作業を進めておりますが,今年度は,各界の有識者の方々に御参加をいただいて,文化振興懇話会を設置をいたしますとともに,懇話会に三つの分科会を設けまして,それぞれ専門的な立場から検討課題につきまして討議をいただいておるところでございます。
また,国際的な文化事業の展開の必要性などにつきましては,市民ニーズにこたえる千葉らしい文化の街づくりや,あるいは目指すべき文化施策などについての分科会討議の中でも,積極的な御意見をいただいておるところでございます。
なお,議員御承知のとおり,本市では,ハイビジョンに焦点を絞り,隔年ごとにハイビジョン国際映像祭を開催しておるところでございますが,御質問にございました
東京国際映画祭のように,映画を正面からとらえた文化的事業として,世界各国から多くの作品が参加をして,10回目を迎えている成功例も承知をいたしております。
今後は,映像文化の振興という観点ばかりでなく,町ににぎわいをつくり出し,経済に活力を与えるとともに,世界に向けて国際都市千葉市が発信できるような文化事業の展開につきましては,積極的に検討してまいりたいと存じます。
次に,
保健福祉行政についてのうち,
介護保険制度に関する2点の御質問にお答えをいたします。
御承知のとおり,介護保険法につきましては,本日の衆議院本会議において可決成立する予定となっております。
本市といたしましても,平成12年4月の円滑な実施に向けまして,本格的な準備に取り組んでいるところでございます。
そこで,まず第1点目の,今後具体的にどのような準備を進めていくのかとのお尋ねでございます。
介護保険制度は,保健福祉局関係各課はもとよりでございますが,住民台帳,あるいは市民税等多くの他の部局の業務と関連がございますので,まず庁内に全庁的な検討組織を設置をして,具体的な対応策について検討をしてまいりたいと考えております。
なお,平成10年度の準備作業の主なものとしては,第1に,介護保険事業計画の作成のための基礎調査及び分析,2点目といたしましては,保険給付に必要なサービス量の設定,それから3番目が,コンピューターによる介護保険事務処理システムの構築等を行うほか,4点目といたしましては,本年度に引き続きまして,要介護認定
モデル事業の実施を予定をいたしております。
次に,2点目の組織体制についてでございます。
本年8月1日付で,保健福祉計画課内に,介護保険担当主幹を配置をいたしました。さらに,この11月1日より,職員5名を加えました
介護保険制度準備班を設けまして,具体的な準備作業に取り組んでいるところでございます。
また,平成10年度におきましては,介護保険法の施行に向けまして,事務の円滑な推進が図れるよう組織体制の強化をしてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,
介護保険制度の円滑な実施を図るためには,多くの検討すべき課題を短期間で解決しなければならないことから,今後とも鋭意努力をしてまいりたいと存じます。
次に,市立病院の建てかえについてお答えをいたします。
議員の御質問にございましたように,市立病院につきましては,高齢化対応機能,救急医療,
高度特殊医療等の診療機能の拡充を図るとともに,患者サービスの向上,経営の効率化を図る方向で事業を進めているところでございます。
本年度は,病院本体の基本設計,地質調査のほか,運営,情報,物品管理搬送システム基本設計など,ソフト,ハード面,両面から事業を進めているところでございます。
なお,今後の
スケジュールにつきましては,第6次5か年計画におきましては,平成10年度に用地の取得及び病院本体の実施設計を行い,平成11年度に建設に着手することとなっておりますが,現在,厳しい財政状況の中で,5か年計画の期間調整の作業を進めているところでございます。できるだけ建てかえ早期実現に向けまして,努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
11 ◯議長(橋本 登君) 建設局長。
12 ◯建設局長(染谷武夫君) 市政運営の基本姿勢の4番,県との連携についてのうち,モノレールの耐震対策についてお答えをいたします。
モノレールの耐震対策につきましては,平成7年2月県議会で,設計基準の変更があれば耐震診断を行い,必要に応じ対応するとの方向が示されました。このことから,県では,基準の変更を受け,平成8年度より各関係機関と協議をしながら,基本部分について検討したところ,一部に対策の必要性が認められまして,その主なものは,落橋防止の増設であり,軌道げたと支柱を連結することが必要になったと聞いております。
また,このための費用は,現在建設中のものを含めまして,約三十数億円と予測されておりますが,今後,諸条件を加味し,精査して決定されるものと認識いたしております。
なお,市といたしましては,執行方法や費用負担について,従来の事業手法と同様,モノレールの基本協定に沿って実施したいと考えております。
今後,県と密に連絡を取り合いながら調整してまいりたいと存じます。
次に,質問の7,建設・下水道行政についてのうち,所管の広域幹線道路の整備について2点の質問をいただきました。順次お答えいたします。
まず最初に,東京湾アクアラインの供用に伴う本市道路交通への影響についてでございます。
東京湾アクアラインは,首都圏中央自動車道路などと一体となって,首都圏の南回りのバイパスとして,さらに,川崎,横浜,千葉などを初めとする都市連携の強化と新たな地域連携を形成するための自動車専用道路でございます。
議員御承知のとおり,本道路は,12月18日に供用開始されるわけでございますが,開通されますと,本市から川崎,横浜,東海方面へのアクセスが,東京回りだけでなく木更津回りからも可能となりますので,交通の流れに大きな変化が生じるものと予想されております。
特に,本市は,交通の要衝として,県内の主要道路が集中しており,このため,東京方面及び木更津方面への交通が,市内混雑の大きな要因となっております。これらの通過交通が分散されることによりまして,市内の交通混雑緩和に大きな効果があるものと考えております。
また,災害時における代替路の確保,物流面でも大きな効果がもたらされ,市民生活においても,一層の利便性の向上が図られるものと期待しているところでございます。
次に,東京湾岸道路千葉地区専用部の計画についてお答えをいたします。
本路線は,東京湾岸道路の湾岸千葉インターから千葉都心を通り蘇我地区までを結ぶ全延長約12キロメートルの自動車専用道路でございます。
本市の湾岸部の交通需要を担う京葉道路並びに国道14号,16号の交通渋滞は慢性化しておりまして,これまで市といたしましても街路整備などを行い,渋滞解消に努力しているところでございます。
しかしながら,渋滞解消に至っていないのが現状でございます。こうした渋滞の抜本的解消,及び幕張都心と都市機能の集積,育成を目指す千葉都心や蘇我地区での各種プロジェクト推進のため,この道路を早期に整備する必要がございます。
このようなことから,その取り組み強化を図るため,本市と市内24の主要経済団体で構成する建設促進期成同盟会が結成され,去る11月26日に設立総会が開催されたところでございます。
また,総会後,調査の促進と早期事業化されるよう,国及び関係機関等に要望活動を行ったところでございます。
なお,今後とも一層の活動の強化を図り,早期事業化に向け努力してまいりたいと存じます。
以上でございます。
13 ◯議長(橋本 登君) 企画調整局長。
14 ◯企画調整局長(島田行信君)
業務核都市の今後の展開について,2点の御質問にお答えをいたします。
まず,国における
業務核都市のこれからの展開でございますが,本年10月,国土審議会計画部会から,新しい
全国総合開発計画の骨格を示しました審議経過報告が公表されました。この中の総論部分では,東京一極集中問題を解決するため,東京圏については,
業務核都市等の総合的な育成,整備を推進することが明示されており,また各論部分におきましては,新たに
業務核都市相互間の機能分担と連携を図りながら,高次都市機能の集積を図ることについても,展開の方向が盛り込まれるなど,基本的には,これからも
業務核都市を育成整備する方向にあると理解できる内容になっております。
また,
次期首都圏基本計画の策定につきましては,現在,国土審議会で調査,審議が行われておりますが,まだ中間報告等の公表には至っておりません。
しかしながら,国土庁では,現在,これまでの
業務核都市整備を総点検するとともに,今後の
業務核都市の整備推進の方向を検討するため,
業務核都市将来展望検討調査,これを行っておりまして,本市もこのメンバーに加わっておりますが,この中で新たな展開方策が示されるものと考えております。
また,
次期首都圏基本計画にもこれらの結果が反映されるものと期待をいたしております。
いずれにいたしましても,
業務核都市の育成,整備は,今後とも国土計画において,首都圏の重要な政策として位置づけられるとともに,より積極的な対応が図られるものと考えているところでございます。
次に,これからの千葉市の取り組みについての御質問でございますが,本市の
業務核都市基本構想は,お話のとおり平成3年3月19日に,全国第1号として承認を受けたところでございます。この構想は,整備の方針といたしましては,東京都区部からの業務機能を初めとした諸機能の分散の受け皿として,重点的に育成整備し,21世紀を展望し,世界に開かれた国際的業務都市を目指すとされております。
今日まで一定の成果をおさめてまいりましたが,昨今の厳しい経済情勢によりまして,民間企業の進出や関連する基盤整備等におくれが見られております。今後より効果的に
業務核都市の育成,整備を推進するためには,業務を中心とした機能の受け皿だけではなく,生活面なども含め人々が集まる魅力を集積し,みずから成長する都市づくりを目指すことが必要であると考えております。
個性的な街づくりと各都市間の連携ネットワークづくりが重要なテーマになってくるものと思っております。
今後,七都県市首脳会議や首都圏
業務核都市首長会議などで,これらの点について調査,研究や意見交換等を行っていきたいと考えております。
また,先ほど申し上げました国土庁が実施をしております
業務核都市将来展望調査におきましても,本市の実情や考え方を述べるとともに,これからの
業務核都市制度の充実強化策や,
業務核都市の将来像について,積極的に提言等をしていきたいと,このように考えております。
いずれにいたしましても,東京一極集中問題は,まだ多くの課題を抱えております。関係者間で十分論議を尽くしまして,新しい潮流に沿った
業務核都市の育成整備をこれからも図ってまいりたい,かように考えております。
以上で終わります。
15 ◯議長(橋本 登君) 財政局長。
16 ◯財政局長(小川 清君)
市税収納率の向上策についての御質問にお答えいたします。
御承知のとおり,
バブル経済崩壊後の長期にわたります景気の低迷によりまして,納税を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。しかしながら,市税は重要な自主財源でありますことから,収納率の向上は重要な課題と認識いたしております。
したがいまして,現年課税分の年度内徴収の徹底と増高する滞納額の縮減を図るため,引き続き徴収対策本部を設置し,収納率の向上を目指してまいりたいと考えております。
具体的には,まず,現年課税分につきましては,納期内納付率を高める方策といたしまして,市税の納期告知や口座振替制度の加入の促進,さらには納税貯蓄組合の活動を通じての納税PRを多角的に実施し,納税意識の高揚に努めとともに,電話催告や臨戸徴収を積極的に展開いたしてまいります。
また,累積滞納者に対しましても,臨戸徴収や納税指導を徹底し,特に高額納税者につきましては,本庁を含め各区に配置してございます徴収担当主幹を中心に,厳正な滞納処分を含む重点整理を実施するなど,徴収対策に万全を期してまいりたいと存じております。
以上で終わります。
17 ◯議長(橋本 登君) 経済農政局長。
18 ◯経済農政局長(田中資造君)
都市型農業の振興について2点の御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。
まず,1点目の生産組織の育成強化についてでございますが,農業従事者の高齢化や後継者不足などが進行している中で,市民に新鮮で安全な農産物を将来とも安定的に供給するためには,生産の担い手となる生産組織の育成強化が大きな課題となっているところでございます。
したがいまして,今後とも農地の有効利用を図りつつ,園芸部門を中心とした産地の育成を図るため,農作業受託組織や農業経営支援組織の育成強化などに努めてまいる所存でございます。
次に,2点目の基本的な振興策についてでございますが,今日の厳しい農業情勢の中で,本市の特性を生かした生産性の高い
都市型農業の振興を目指すためには,本市の基幹作物であります園芸部門をさらに発展させることが重要な課題であると認識をいたしているところでございます。
そこで,平成8年度は,千葉市園芸振興計画策定委員会から,千葉市園芸振興計画に関する提言をいただきましたので,現在,この提言をもとにいたしまして,一つとして担い手の育成確保,二つとして生産基盤の確立,三つとして,安全な園芸品の生産,四つとして価格の安定,五つとして消費者との交流の5項目を柱とする園芸振興計画を策定しているところでございます。
今後は,この計画に基づきまして,生産性の高い
都市型農業を振興してまいる所存でございます。
終わります。
19 ◯議長(橋本 登君) 保健福祉局長。
20 ◯保健福祉局長(泉 真君)
保健福祉行政についての御質問のうち,稲葉助役答弁以外の部分についてお答えをいたします。
子育て支援施策についてでございますが,子育て支援の領域は非常に広い分野にまたがっておりますが,その中でも,福祉と保健の分野は,とりわけそのかかわりが大きいものと考えております。
そこでまず,子育て支援の基幹的事業ともいえます保育事業でございますが,現在,子育てと就労の両立が図れるよう,通常の保育に加えまして,時間外保育,産休明け保育,障害児保育などの各種事業を実施するほか,地域の方々の子育てを支援するため,一時的保育の実施や育児講座の開催,さらには異年齢児などとの交流を図ります地域交流事業を実施いたしております。
また,すべての乳幼児を対象とした支援策として,子育て家庭の経済的負担の軽減を図る乳幼児医療費助成事業や妊娠,出産,子育てを通じて各種の健康診査などを行います母子保健事業などを実施し,総合的な子育て支援の推進を図っているところでございます。
今後は,これらの事業のより一層の推進を図りますとともに,子育て支援の拠点として,育児相談,育児講座の実施やサークル活動の支援などを行います地域子育て支援センターの設置,また児童の養育が一時的に困難となった場合に,子供を預かるショートステイ事業などの子育て支援短期利用事業の創設など,新たな
子育て支援施策の実施に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
21 ◯議長(橋本 登君) 環境局長。
22 ◯環境局長(岩崎彦明君) 新清掃工場建設はどのような視点に立って進めようとしているのか,基本的な考え方についてとのことでございますが,21世紀に向けた資源循環型社会の構築を図る上で,地球環境の保全,廃棄物エネルギー利用の高度化,周辺環境との調和等に視点を置き,従来型の単に燃やして埋める廃棄物行政の転換を図ることが大切なことと認識いたしております。
このため,減量化,資源化を目指した焼却灰の全量溶融や,昨今社会問題化しているダイオキシン対策に万全を期すほか,新港地区の地域特性を生かし,周辺地域への熱供給及び公共施設への電力供給の可能性などについて,新エネルギー産業技術総合開発機構の補助金を受け,環境調和型エネルギーコミュニティ事業として調査,検討を進めているところでございます。
いずれにいたしましても,ごみ焼却によって発生するエネルギーを高度利用するためには,ごみ発電方式の熱回収効率を向上させていくことが必要不可欠となるわけでございまして,環境面での配慮,経済特性も十分念頭に置き,新たな観点からの施設整備に向け取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
23 ◯議長(橋本 登君) 都市局長。
24 ◯都市局長(石井和夫君) 都市行政についてのうち,鶴岡助役答弁以外について順次お答えいたします。
まず,組合施行の
区画整理事業や再開発事業の支援についてでございますが,本市の組合施行による
土地区画整理事業の状況は,ことしの9月に,千葉市土気南土地区画整理組合が解散いたしまして,現在,施行中の組合
土地区画整理事業は5地区でございます。
組合施行による
土地区画整理事業は,
スプロール化の防止や生活環境施設の整備改善などはもとより,良好な宅地供給が図られ,道路,公園等の公共施設の整備,改善が図られるなど,本市における
都市基盤整備の中で,公共団体施行によります
区画整理事業と同様,大変重要であると考えております。
組合事業に対する支援につきましては,昭和47年に,千葉市
土地区画整理事業助成規則を制定し,組合に対し調査,測量等の組合設立前経費,及び工事費として,都市計画道路等に準ずるものの用地買収費相当額の3分の1以内について助成しておりますが,近年の土地価格の下落等により,組合施行による
区画整理事業の運営が厳しい状況になっていることから,今後とも区画整理組合と連絡を密にして,事業内容のきめ細かな見直しを図るなど,適切な事業執行を確保するよう指導をしてまいりたいと考えております。
次に,組合施行の再開発事業の支援についてでございますが,現在,市中心部で組合施行の市街地再開発事業を計画し,活動している準備組合が8地区ございます。
都市計画決定に至るまでの段階では,準備組合と協力しながら,事業の熟度に応じて基本計画や推進計画策定業務を実施しております。
特に,初動期は,再開発事業に対する不安が多くあるため,専門知識を有したコンサルタントの派遣,及び準備組合活動を支援する助成措置を設け,補助金を交付しております。
また,現在の低成長経済状況のもとでは,事業規模,事業期間が過大とならないように,段階的な整備,建築費を抑えた低容積型再開発,比較的小規模な共同事業型の優良建築物等整備事業など,さまざまな事業手法を検討し,町づくりの観点から,地域の特性に合った適正規模の再開発を推進してまいりたいと考えております。
次に,千葉
都市モノレールの
ルート変更について2点の御質問がありましたので,順次お答えいたします。
第1点目の
ルート変更の理由及び経緯についての御質問でございますが,県庁前以遠の計画につきましては,平成6年度に千葉
都市モノレール路線計画検討委員会から,末広街道,青葉の森公園を経由して星久喜に至るルートの提言を受けたところであります。
その後,この提言に基づきまして,青葉の森公園内施設の利用実態や周辺状況の変化に対応したルート案の検討を行ってまいりました。
さらに,学識経験者等で構成いたします千葉
都市モノレール延伸計画懇談会を開催し,延伸事業の実現化に関し御意見を伺った上で総合的に検討した結果,実施ルートとして,青葉の森公園の北側を通るルートが,千葉市立病院,中央博物館,芸術文化ホールなど,利用者の多い公共施設に近くなり,モノレールの乗降客の増加が期待できること,さらには,路線の曲線が少なくなるため,速度と乗り心地性が向上することから,最適なものと判断をいたしたところでございます。
次に,2点目の,県庁前から星久喜までの整備に向けての
スケジュールと着工時期についての御質問でございますが,今年度より概略設計,環境アセスメント調査等に着手し,平成11年度末を目途に,都市計画法に基づく都市計画決定,及び軌道法に基づく特許の取得を予定しております。
これらの手続を終了し,施工認可を得て,事業に着手したいと考えております。
次に,バス交通につきましてお答えいたします。
中心市街地における交通過疎について,特に交通弱者対策はどのように考えているかとのお尋ねでございますが,議員御指摘のとおり,バス交通の確保ということは,交通局を持たない本市にとりまして,重要な課題であると認識しております。
したがいまして,昨今のバス事業者のリストラの一環による減便や廃止に伴います路線見直しの状況を踏まえて,平成9年度バス活性化検討調査として,バス交通へのかかわり方やバス事業者への支援方策,また,交通弱者対策や
高齢化社会,及び地域特性を考慮したコミュニティバス等について調査,検討を行っているところであります。
御質問の中心市街地につきましては,この中でその位置づけ等,検討をしてまいりたいと考えております。
次に,公園緑地行政についての2点の質問でございますが,そのうち千葉市緑と水辺の基本計画について,3点に順次お答えいたします。
1点目の,従来計画の緑のマスタープラン,及び千葉市緑と水辺のネットワーク21世紀計画,都市緑化推進計画との関係でございますが,本基本計画は,緑のマスタープランが示しておりました都市公園の整備や緑地保全地区の指定など,都市計画制度にのっとった目標及び施策,これと千葉市緑と水辺のネットワーク21世紀計画で示しておりました都市計画制度によらない公共公益施設や民有地の緑化の目標,及び施策を統合したものでございます。
したがいまして,本基本計画は緑の保全,整備と緑化の推進に関する施策を合わせた緑に関する総合計画の位置づけを持ち,従来の計画は本計画に発展的に移行するものでございます。
次に,2点目の計画の内容と目標についてでございますが,本市は,昭和59年に,緑と水辺の都市宣言を行い,緑と水辺を生かした快適な都市づくりに向けて,住宅地の緑地協定を初め,市民の皆様とともにさまざまな施策に取り組んでいるところでございます。
本基本計画は,21世紀を間近に控え,本市の都市づくりの目標である緑と水辺の都市の実現に向けて,緑の将来像,及び確保する緑地や緑化の目標を示し,具体的な施策体系を掲げる長期計画でございます。
計画の目標につきましては,西暦1995年,平成7年を基準年として,西暦2025年,平成37年までに市域内の永続性のある緑地の確保を,基準年における19%から30%とすること。都市公園等の整備目標として,市民1人当たりの面積を,基準年の15.3平方メートルから,26.4平方メートルとすること。
また,公共公益施設や住宅地,工場,事業所などの緑化を推進するため,一定割合の努力目標などを盛り込んだものでございます。
次に,3点目の基本計画策定後の取り組みについてでございますが,目標とする緑と水辺の都市づくりは,行政の力だけでは限界があり,公園緑地の整備,緑地の保全,緑化の推進を図っていくためには,市民,企業,行政相互の連携と協力は必要不可欠であると考えております。
そのため,今後さまざまな機会をとらえ,計画内容の十分なPRに努めることとしております。
また,道路,河川,学校などの公共施設の緑化を推進するため,庁内に関係部局から成る推進体制を確立することや,民有地の緑地保全,市民,企業による緑化推進活動への支援を行うなど,緑化意識の醸成に努めてまいりたいと考えております。
次に,市民が姉妹友好都市の理解を深める場となるような姉妹友好都市公園を整備してはどうかとの御質問でございますが,公園の整備につきましては,市民が日常のレクリエーション活動や散策などに親しめる公園から,週末のレクリエーション活動ができる大規模な公園まで,各種の公園整備を進めているところでございます。
その中には,稲毛海浜公園のように,日本庭園や茶室を設け,市民はもとより本市在住の外国人や本市を訪れる外国の方々に,日本の伝統文化を楽しんでもらえる公園もございます。
議員御提案の姉妹友好都市公園の整備につきましては,新たな御提案でございます。このため,関係部局との協議を踏まえ,施設の規模,内容等について,十分な調査,検討が必要かと存じますので,今後の研究課題とさせていただきます。
以上で終わります。
25 ◯議長(橋本 登君) 下水道局長。
26 ◯下水道局長(江藤 隆君) 下水道行政についての御質問にお答えいたします。
1点目の雨水対策の整備水準についてでございますが,市街地で恒常的に浸水被害が発生している箇所としまして,都川,不寝見川,蘇我駅,千葉公園周辺などが挙げられます。これらの箇所につきましては,早急に整備を要しますことから,おおむね5年に1回の大雨に対応できる施設計画としておりまして,現在,6次5か年計画期間内に浸水解消を図るべく,これまで幹線管渠であるとか,あるいはポンプ場の建設を積極的に進めてきたところでございます。
現在,財政状況が大変厳しいということから,5か年計画の期間を調整せざるを得ない状況でございますが,当該事業の緊急性が非常に高いことから,その中においても,優先的に整備を進めてまいりたいと考えております。
それから,人口,財産などの集積の高い千葉都心部につきましては,10年に1回程度の大雨に対応できる施設として,レベルアップをする計画にしております。ことし,下水道法の事業認可を得たところでございまして,今後,費用対効果を勘案しながら,段階的に施設の整備を図ってまいりたいと考えております。
次に,2点目の貯留,浸透施設などの総合的,体系的な整備の考え方についてでございますが,現在,みつわ台団地におきまして,67ヘクタールを対象としまして,貯留,浸透施設の整備を計画いたしております。このうち平成9年度末で12.5ヘクタールが完了する見込みとなっております。
それから,先ほど申し上げました千葉公園周辺の浸水対策事業の一環としまして,今年度から,公園周辺100ヘクタールにつきまして,浸透事業の適地を調査し,事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
さらに,民間ベースの開発行為におきましても,当該事業の積極的な活用を指導しておりまして,平成8年度末までにおおよそ11万トンの貯留,浸透施設が設置されております。
なお,関係部局におかれましても,歩道の透水性舗装であるとか,学校の校庭や公園等を利用した流域貯留浸透施設,あるいは大規模公共施設建設の際に,浸透升や雨水貯留施設の設置などの事業が実施されております。
いずれにいたしましても,それらの事業をより効率的,効果的に実施するためには,市域全体の状況を的確に把握し,事業間の有機的な連携を図る必要があろうかと考えております。
そこで,先般,企画調整局を事務局としまして,関係セクションから成る雨水循環研究会を設置したところでございます。
今後は,この研究会の中で,総合的,体系的な雨水対策の整備のあり方,あるいは推進方法等について検討を深め,事業効果を高めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
27 ◯議長(橋本 登君) 教育長。
28 ◯教育長(飯田征男君) 教育行政についてお答えをいたします。
初めに,学校の統廃合についてでございますが,本市の児童生徒数の将来推計値を見ますと,小学校では本年度が減少のピーク時で,その後はやや増加する見通しであります。また,中学校では,平成12年度が減少のピーク時で,その後は微増する見通しであります。
しかしながら,市内小中学校の空き教室の状況や,少子化傾向等を考えますと,統廃合は避けて通ることが許されない課題であると,このように思っております。
このようなことから,学校統廃合につきましては,現在,教育委員会内部に検討班を設置いたしまして,他の政令市等の実施事例等を調査するなど,統廃合に関する基本的な調査,研究等を進めているところであります。
今後,内部の調査,研究がまとまり次第,議会の代表,学識経験者等を含めた検討委員会を設置いたしまして,基本的な方針について検討を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,学校は地域における教育,文化の拠点施設であり,また地域住民にとっても,かかわり合いの深い施設でありますので,学校の統廃合につきましては,地元住民との合意形成は大変重要なことであり,住民の意向にも十分配慮しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,学校図書館教育についての御質問にお答えいたします。
初めに,司書教諭についてでありますが,議員の御質問にもありましたとおり,本年6月に学校図書館法が一部改正されまして,平成15年3月31日までに12学級規模以上の全小中高等学校に司書教諭を設置することになりました。このことは,学校図書館教育の一層の充実を図っていこうというねらいによるものでございます。
そこで,御質問の本市における小中学校の司書教諭の有資格者でございますが,現在,小中学校合わせて140人,内訳は小学校が101人,中学校が39名となっております。
また,司書教諭の養成計画につきましては,文部省の指導によりますと,1校平均2名の司書教諭の有資格者を養成することが望ましいこととされておりますので,本市といたしまして,猶予期間中の6年間で年間40名程度を養成しなければなりません。養成機関につきましては,地元の千葉大学が文部省の委嘱機関となっており,大学にも今後の養成計画について依頼しておりますので,その講習に参加させることで養成を図ってまいりたいと考えております。
次に,司書補助員の配置の見直しについてでございますが,読書が子供の感性を育て,知的活動を増進し,豊かな人間形成に大きく働くものであることは,だれでも認められるところであります。
これからの学校教育には,生涯にわたって子供みずからが学ぶ姿勢を身につけさせるとともに,他人を思いやるやさしさをはぐくむことが求められています。そのためには,よい本との出会いを持つことが重要であります。よい読書習慣の形成は,幼児期の親の読み聞かせがスタートであると,このように言われております。司書補助員のいる学校の子供たちは,いつでも利用できる学校図書館で本が読める喜びを味わっており,特に小学校では,図書館利用の読書指導が時間割の中に位置づけられて,司書補助員の読み聞かせによる読書への意欲づけも活発に行われているとの報告を受けております。
このようなことから,小学校低学年からのよい読書習慣を培っていく必要性がありますので,司書補助員の配置計画を見直し,小学校への配置を検討してまいりたいと,このように考えております。
次に,理想的な学校図書館教育をするための方策についての御質問でございますが,子供たちにとって魅力ある学校図書館にするためには,施設設備の充実を図って,図書館としての機能を高めていくことが重要でございます。学習指導に役立つ図書資料の配置を工夫し,学習センターとしての有効な活用を図るとともに,子供や学校の実態に応じて,視聴覚資料を整備し,情報センターとしての充実を図ることも必要であると,このように考えております。
また,公共図書館と小中学校の図書館のネットワーク化によって,子供の多様なニーズに応じられるようにし,情報教育にも一層役立ててまいりたいと考えております。
次に,学校焼却炉の使用についてでございますが,この問題につきましては,本年7月,文部省より,学校におけるごみの分別収集の徹底や校内における焼却処理の抑制廃止に努めることなどを骨子といたしました通知がございましたので,教育委員会といたしましては,従来より実施してまいりました学校現場での分別排出の一層の徹底を図り,また,関係部局や学校関係者との協力,協議を重ね,焼却炉の使用は,剪定した樹木,落ち葉に限定することとし,そのための収集体制や管理体制を整えるべく準備を進めてまいりました。
しかしながら,このたび,千葉県教育委員会から,11月26日付で,学校におけるごみ処理に係る環境衛生管理の徹底についてとの文部省通知がございました。この内容は,ごみについては,適切な処理方法,資源ごみのリサイクルの内容に応じ,的確な分別収集を進めるとともに,学校全体が環境保全の重要性を認識し,不用意なごみの排出の抑制や資源の有効活用を図りつつ,ごみの減量化をなお一層促進するよう,ごみの排出処理に関する指導に努めること。また,学校におけるごみの焼却については,ダイオキシン類等の有害物質の排出に対する安全性が確認されない限りは,原則として使用を取りやめ,廃止すること。また,学校については,校内での焼却処理から校外への回収への移行が速やかに行われるよう,地方自治体の関係部局に対し必要な要請を行うなど,十分な調整を図りつつ,学校におけるごみ処理に係る環境衛生管理の徹底に努めることなどとなっておりまして,学校におけるごみ処理の衛生管理の徹底を図るよう求められております。
次に,この通知を受けて,今後の取り組みについてでございますが,今般の文部省通知にもございますように,小型焼却炉でのごみの処理に伴うダイオキシン類等の有害物質の排出に関しまして,環境衛生上の危惧の高まりと,科学的知見の集積の努力が進められているものの,現段階では十分な解明がなされていない状況にあり,安全性が確認されない限りは,ごみ焼却炉は原則として使用を取りやめ,廃止するというものでございましたので,教育委員会といたしましては,これまで考えていた剪定した樹木や落ち葉についても,安全性の確認がされるまで,ごみ焼却炉による焼却は行わないことといたしまして,焼却炉の使用を全面的に休止してまいりたいと存じます。
教育委員会といたしましては,平成10年4月1日をめどに実施できるように準備を進めております。
最後に,図書館の開館時間の延長についてでございますが,議員のお話の中にもございましたように,市民サービスの向上を図る観点から,開館時間の延長は必要なものと認識をいたしております。
しかしながら,図書館の開館時間の延長については,職員配置等の解決をしなければならない問題がありますので,現在,調査,検討中であります。
なお,検討に当たりましては,他都市等の状況等も十分参考にしながら検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
29 ◯議長(橋本 登君) 石橋議員。
30 ◯21番(石橋 毅君) ただいま市長初め執行部の皆さんから丁寧な御答弁をいただき,おおむね理解いたしました。
そこで何点か要望させていただきます。
1点目は,
行財政改革のさらなる推進であります。
先ほど申し上げましたとおり,景気が足踏み状態を続けている中,民間企業は生き残りをかけた血のにじむような努力を重ねております。国も新しい経済社会システムを築くため,
財政構造改革,中央省庁の再編,介護保険法の制定など,さまざまな改革を進めております。
こうした状況を厳しく受けとめ,千葉市もさらに
行財政改革を推し進めるとともに,
介護保険法案の可決成立への動きなどをにらみ,本格的な
高齢化社会の準備を着実に進めていく必要があります。
また,松井市長初め執行部が一丸となって
行財政改革を推進し,この荒波を乗り越え,新しい時代を迎える体制を築き上げていただきたいと願っております。
2点目は,県との連携の強化であります。
千葉県は,約586万人の人口を擁し,全国6番目の県であり,18日の東京湾アクアラインの開通により,半島性からの脱却を図り,新しい東京湾時代に向け,さらなる飛躍が期待されております。
一方,我が千葉市は,政令市として
大都市行政を展開しており,本年は七都県市首脳会議の開催都市を務めたということであります。
聞くところによりますと,松井市長は,名座長として,首脳会議を円滑に進め,地方分権や温暖化防止のアピールを行うとともに,今後の首脳会議のあり方を改めるなど,多くの成果を上げられたとのことであります。
県都である千葉市の発展は,千葉県の発展に結びつくものであり,今後も難しい問題が生じたときは,トップ会談を開くなどして,県とは対等のスタンスに立ち,主張すべきことはきちんと主張し,協力すべきときは協力し,今以上に連携を強化し,市政の発展を図っていただきたいと願っております。
3点目は,
ポートスクエアの
ホテルパシフィック千葉の撤退の問題であります。
ポートスクエアは,中央卸売市場の跡地に本格的に民間活力を導入して建設した新業務地区の先導的なプロジェクトであります。景気が低迷しておりますが,官民の力を合わせて,このプロジェクトが目指したものを継続する努力が必要でないかと考えます。
そこで,よしんば,現在のホテルを経営する会社が残るにしても,はたまた別の会社がホテルを経営することになっても,市としても何らかの支援策,優遇策を講ずる必要があると感じております。ぜひ有効な手だてを打っていただきたいと思います。
4点目は,コミュニティバスの運行についてであります。
都市モノレールの開業により,バス路線網の見直しが行われました。また,バス事業者により,郊外の不採算路線が徐々に切り捨てられ,お年寄りや学生などの交通弱者が不自由な思いをしています。他都市ではこうしたところを中心にコミュニティバスの運行が始まっています。日の当たらないところに光を当てる,これが行政の使命の一つであると考えます。
千葉市においても,ぜひ積極的な取り組みをお願いするものであります。
最後,平成10
年度予算編成作業は,これから年明けにかけて大詰めを迎えることとなります。かつてない厳しい状況の中で,健全財政の維持を念頭に,健康,福祉,教育など,市民生活に密着した施策を最優先に取り上げるとともに,景気浮揚のため,地域経済の活性化にも配慮し,86万市民が希望を持って平成10年度を迎えるための予算案をぜひおつくりいただくことをお願いいたしまして,私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
31 ◯議長(橋本 登君) 石橋毅議員の代表質問を終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時1分休憩
───────────────
午後3時30分開議
32 ◯議長(橋本 登君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問を続けます。市政会代表,52番・藤井武徳議員。
〔52番・藤井武徳君 登壇,拍手〕
33 ◯52番(藤井武徳君) 市政会を代表して質問いたします。
既に9月議会で,私どもの会派の幹事長である斉藤議員が,来年度予算要望で総括的な質問をしていますので,私の方からは,財政的な視点と,環境の視点から問題提起をしていきたいと思っております。
今,日本にとって解決が迫られている大きな問題が二つあります。その一つが,国と地方の財政をどう建て直していくかであります。
皆さんも御承知のように山一証券が倒産しました。準大手のゼネコン3社,日産生命,三洋証券,拓銀などに続いたものであります。いずれも倒産に至る大きな要因があるものと思いますが,世紀末を控え,来年度,再来年度にはもっと大変な事態が予想されます。
ただ,民間はどんな状態になっても回復力がありますから,私は,心配していません。一番心配なのは,国,地方の放漫な経営とも言うべき財政であります。これをどう建て直すか。
二つ目は,環境保全にどう取り組むかであります。
御承知のように,12月1日から,京都で,気候変動に関する国連枠組み条約第3回締約会議,一般的には
地球温暖化防止京都会議COP3で,165カ国以上,各国代表2,000名以上,オブザーバーやNGO・非政府組織約6,400人,報道陣約4,000名の計1万2,000名以上の参加のもとに行われています。
大量生産,大量消費,大量廃棄に象徴される近代産業,近代文明は,わずか100年足らずで地球環境を取り返しのつかないぐらい傷つけてしまいました。今こそ,国,地方を挙げて,この環境問題解決と財政建て直しに全力を尽くしていかねばならないものと考えます。
以上,二つの視点から質問に移りたいと思います。
まず,市政運営の基本に,新たな財政と環境の視点を柱に,一つに,あらゆる施策によりよい環境に寄与する視点から,ISO14000導入を見据えての行政の推進を考える。
二つに,財政運営に複式簿記の視点で考える点であります。
ISO,別名イソと言ってますが,聞きなれない言葉と思いますので,少し説明させていただきます。
インターナショナル・オーガニゼーション・スタンダードゼーション(International Organization Standardization)の略で,国際標準化機構のことです。
ISOは,1947年,ロンドンで15カ国によって活動が開始されました。国際的な新システムとして900シリーズから始まったものです。現在90カ国が自国の規格としており,取得した企業も10万社を超え,日本では4,000社が取得しています。各国には独自の規格がありましたが,欧米の国家規格は,早くからISOに整合させる努力を続けてきました。日本は,御承知のようにJISマークがあります。ISOの規格を取り入れるのに,やや出おくれましたが,ISO9000を翻訳してJIS規格にするなど,整合化を着実に進行しています。
今や,ISOの認証をとらない企業では,ヨーロッパへの輸出は難しいし,やがて世界的趨勢になっていくと言われています。
ISOは顧客からの発想であります。製品を購入する場合,その企業の製品が本当に安心して購入できるかの保障がほしい,そこで顧客がその企業の品質システムを確認できる方法があれば便利ということで,ISO9000シリーズは,企業がしっかりした品質システムを持っているかをチェックするための規格です。ISO9000シリーズの認証を取得している企業ならば,顧客も安心して取り引きできるわけです。品質システムとは,作業がマニュアル化されて,文書化され,だれがやってもマニュアルどおりに作業ができる。責任と権限が明確にされている。こういうことでありまして,そういう中で,環境問題は世界的に取り組まなければならない課題となり,96年9月,国際環境マネージメントとして,ISO14000シリーズが制定されたものであります。
ISO14000の求めているのは,法的な環境基準を制定することではなくて,環境を管理するシステムをつくることです。企業が自主的に環境の負荷を低減するシステムを築いていくことが求められ,そのシステムが顧客に見えるような形にしていくことであります。
そのために,環境規格の要求事項は,1はトップダウンで遂行する,2は環境管理のマニュアル化,3番目は実行可能な目標を立てる,どの範囲までをその企業の責任にするか,原則的には,その企業が活動する上で発生するあらゆる環境負荷に対して考慮する,購入先の環境管理や製品が廃棄されるときの環境に対する影響も含まれていると言われております。
通産省工学院では,6月,地方自治体関係者を集めて,ISO14000の会議を行っております。本市からも2名の職員が参加しています。
現在,上越市,板橋区,千葉県白井町が進んでおり,来年早々認証を目指しております。洲本市では,来年度ISO9000シリーズの認証を目指し,14000へと進むようです。
京都市では,CO210%削減目標を決めるとともに,ISO14000認証取得を目指すといっています。
川崎市も準備を進めているなど,全国的に来年度は検討が一層進むようであります。
そこで質問いたします。
御承知のように,環境保全運動には,市民,事業者の理解と積極的な協力参加が不可欠です。それとともに,市自身が一つの事業者としての役割があります。
地方公共団体の最終消費,国民総生産の占める割合は7.2%ですから,事業者の模範となり,職員が一丸となって環境保全活動に取り組むことによって,市民,事業者の理解や積極的な参加を促す必要があります。そのためにも,市自身が事業者として率先してISO14000の認証を目指して,あらゆる施策に環境保全の視点でプランを作成するとともに,京都市のように,市独自のCO2削減目標をつくり,市民,事業者,行政が一体となり環境保全を進めていく。そのためにも,市民にも見えるISO14000認証が必要不可欠です。市長の御見解をお聞かせください。
千葉市は,かなり具体的なエコオフィスちばプランが既にあります。板橋区に比しても遜色がないものです。これを基礎に,各所管での環境面での施策の見直し等を含んだもの,手順などをマニュアル化し,文書化するなど,先進市を見習いながら,千葉市独自のISO14000をつくっていく必要があると考えますが,御見解をお聞かせください。
次に,財政に複式簿記の視点からあらゆる施策を見ていく問題です。
平成9年度の一般,特別,企業会計の総起債発行高は935億円です。公債費606億円,残高は6,752億円です。これに債務負担の設定額161億,返済額154億,残高637億円,さらに,土地開発公社の債務保証の設定額190億円,返済額22億円,残高が608億円があります。これらを合算すると,平成9年千葉市の借入金は,発生高1,286億円,返済高782億円,累積残高は7,998億円で,約8,000億近くにもなります。平成9年度の自主財源は2,280億円です。かなり深刻な事態であります。
前にもこの議場で,アメリカ合衆国の財政の例をお話しました。合衆国政府は,国がつくられたころから,基本的には赤字なしの方針で運営されてきた。歳入の分だけ使うのであって,それ以上は使わなかった。もっと経費が必要になったときには,税金や関税を引き上げることで歳入をふやした。良識的,繊細に運営されていた。一般的に政府は経費のために負債を抱えるのは,戦時中だけであった。そして戦争が終われば負債は解消された。政治家にとって,財政的責任こそが肝要とされていたのである。
これはすべての政府がそうであったと思うんですが,そのアメリカが,ジョンソン大統領から膨大な借金をつくり始めました。日本では福田総理大臣からであります。
とりわけ,国家の特別会計が利権とむだ金のブラックホールとなり,財政投融資と相まって,日本の財政を複雑にし,湯水のように金を使いまくってきました。そして日本の国の正確な借金の実態さえわからないほどにしてきたのであります。
平成8年度国債残高243兆円,地方債残高100兆円,旧国鉄債務や隠れ借金を入れて総額400兆円近い借金を抱え込んでいることになる。京都大学教授吉田和男さんは,著書「日本の国家予算」で述べています。
ところが,1年たたない今ごろは500兆円という数字が1人歩きしております。一般の企業が売り上げの5倍近い借金をし,しかもそのほとんどがこれまでの赤字を埋め合わせるためだったとすれば,史上最大の放漫経営というおまけがついて倒産であります。日本の財政も同じこと,既に破綻していると言ってもいいと思います。正確な借金の実態さえわからない,この国は一体どういう国だろうかと私は思います。その最大の要因が,公財政に複式簿記の視点がなかったからだと考えます。
今の国や地方の予算は,必要だから,要望があるから足らない分は借金をしてでもどんどん事業を進めていく,都市基盤は世代間の負担の公平を図るという名目であります。ところが,建物や設備は必ず耐用年数があります。複式簿記の特徴の大きな一つとして,減価償却があります。引当金を設定し,減価償却をしていく。だから更新時には困らないし,収支のバランスをいつも見て企業運営をしております。ところが,国や地方自治体は,耐用年数や減価償却という発想がないまま,どんどん建物や設備を借入金をしてまでつくってきています。
経済企画庁の試算によれば,社会資本の平均的耐用年数は32年とのことです。ちなみに廃棄物処理は15年,下水道は34年,道路は45年,最長で学校施設53年であります。会計学の常識では,耐用年数が32年ならば,20年以内の償還が原則であり,常識であります。それが赤字国債まで10年から60年償還になるという常識を逸脱している始末であります。
我々の子孫が使いものにならない公共施設を抱えながら,借金だけ残り,金利を払わなければならない悲惨な状況を知ったら,どんな気持ちになるでしょうか。千葉市もあと十数年もしたら,学校施設などの建てかえが一斉に始まります。
神奈川県の藤沢市は,7月に,普通会計について,全国で初めて民間企業式の決算報告を公表したそうです。複式簿記を導入,企業の貸借対照表と損益計算書に当たる報告書をつくる。草加市と越谷でも複式簿記を作成中と,6月1日の日本経済新聞は伝えています。
そこで,市長にお尋ねいたします。
現在,国及び千葉市の財政状況をどう認識されているのか,御見解をお尋ねいたします。
2点目は,複式簿記の視点で,今後施策の見直しを思い切って行うべきだと考えますが,御見解をお聞かせください。
3点目に,千葉市の財政状況や施設状況,県との整合性を図り,ハード面からより一層ソフト面への施策に大きくシフトしていく必要があると考えますが,御見解をお聞かせください。
2番目は,
地球温暖化防止のためのCO2削減計画について質問いたします。
京都市では,独自のCO2削減計画をつくりました。京都市域における
二酸化炭素排出量を2010年までに1990年レベルの90%に抑制することを目指す計画です。京都市
地球温暖化対策地域推進計画であります。この本がそうであります。さらに,この概要版がございます。この概要版が非常にわかりやすくて,表紙に,私たちの地球が危ない,地球市民として未来の京都のためにということで,1ページ目には,2010年までに二酸化炭素の排出量を1990年レベルから10%削減します。
3ページ,4ページには,
地球温暖化問題がどういうふうになるかということがわかりやすく図入りで示しております。
さらに,京都市
温室効果ガスの排出の実態と将来の予測が図入りでわかりやすく説明してあります。
さらに,
地球温暖化防止について,目標達成の手だてとして,3者協働というのを明らかにしています。大事なんで紹介させていただきますと,
地球温暖化は大量生産,大量消費,大量廃棄を伴う社会経済活動に起因していることから,市民のライフスタイルや事業者の行動様式を二酸化炭素など
温室効果ガスの排出の少ないものに変えていくことが必要です。
また,社会を構成する市民,事業者,行政などが協働して地球環境保全の取り組みを展開していくことが必要だと述べて,事業者,市民,行政の役割,行動指針を明らかにし,さらに具体的に,例えば,家庭でできることとして四つ挙げております。家族全員が率先して省資源,省エネルギーに取り組む。2点目に,環境家計簿を作成して,実態を把握しながら取り組む。3番目に,省資源,省エネルギーにかかわる目標を設定して取り組む。4番目に,省資源,省エネルギーに配慮した生活を習慣化する。
そしてさらに,家庭でできる省エネルギーの活動とその効果ということで,例えば,具体的にテレビの視聴時間を1日1時間短縮すると,年間でどれだけ量を使って,CO2をどれだけ削減するか,そして家計簿の節約になる。こういうことまで明らかにして,家庭でできる具体的な対策として,6項目上げているのであります。
さらに,事業系事務所でできること,産業部門でできること,運輸部門でできること,廃棄物部門でできることを具体的にわかりやすくしております。
そこで質問いたします。
このように市民にもわかりやすい形で,市のCO2削減計画をつくる必要があります。そのために市が事業者としてISO14000の認証のもと,目標を明確にし,さらに市行政のあらゆる施策に環境の視点を入れた政策を市民にわかりやすく示し,不退転の決意と行動で,市民,事業者の理解と協力を得る運動として発展させていくことが大事だと考えますが,御見解をお聞かせください。
続いて,企画調整について質問いたします。
現在の5か年計画は,今の財政状況から見ても,早急に見直しせざるを得ないと考えます。見直しの一番の大事な点は,必要だから,要望だからということで,膨大な借金までして,借入金までして事業を進めることは,もうそろそろやめるべきであります。何よりも今の千葉市の財政をどう建て直すのか,複式簿記の視点と環境保全をどう施策に生かしていくかという視点で,すべての事業を総点検することであります。
例えば,ごみを燃やさないで本物技術でリサイクルできれば,清掃工場が3工場体制から2カ所,あるいは1カ所でも可能なこと,あるいは毎年膨大な借入金で下水道工事を進めていくあり方,今の農村集落排水事業のあり方,これでいいのだろうか,千葉市の再開発をどうするのか,マリンスタジアムのあり方,あるいは過去の建設,設備建てかえの問題など,すべての分野を総点検する。そして,施策の中心をハードからよりソフトな施策に展開し,市民の要望にどうこたえていくかを明確にし,優先順位などを決めていく。しかも,ISO14000だけでなく9000をも認証する中で,行政の透明性と一貫性を図っていく。そんな計画に改めていく必要があると考えますが,御見解をお聞かせください。
続いて,財政について質問いたします。
9年度で債務が,元金で8,000億近くであります。このまま推移するならば,四,五年で1兆円を超えます。財政の専門的な立場から,千葉市のこの財政をどう建て直していくのか,その具体的な処方せんをお尋ねしたいと思います。
私は別に皮肉で言っているのではありません。そこで,私が考える財政の建て直しの処方と財政局の考える処方と間違いがないのか,原則的な点をお尋ねしたいと思うからであります。
まず原因を考えます。これには異存はないと思います。原因がわからなければ対策は出てこないからであります。結果的には,千葉市の収入を超えた膨大な借入金をして事業に当たったことにあると思いますが,いかがでしょうか。
ならば,建て直すための最も大事な点,大原則は借入金を減らして財政をスリムにすることにあると思いますが,いかがでしょうか。
しかし,いきなり一挙に減らすことは無理であります。段階を経る必要があると思います。
まず第1段階として,今までの体質を変える第一歩として,借入金は前年度の返済額を上回らない額を設定する。そのことによって借入金を大きく抑制していく。それでも利息に当たる分は残高は残ります。
次に,第2段階として,借金残高をふやさないこと。それには借入金は公債費のうち元金の額を超えない範囲で事業を抑えていく原則を確立する。そしてその施策を考える。いかがでしょうか。
第3段階として,全事業を見直し,余り金のかからない方法を真剣に考えて,どうしても最低必要な施策をやっていく中で,借入金を減らして,ある段階まで残高を計画的に下げていく。10年間ぐらいのスパンで取り組んでいく。このような方法と段階が必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。
二つ目は,ISO14000でも,エコオフィスちばプランでも,財政部の果たす役割が大きいものがありますが,今後の具体的な対応をお尋ねいたします。
次に,廃棄物行政についてです。
ここでは,ごみは出さない,燃やさない,埋め立てないなど,資源化する政策の転換を図る課題について質問いたします。
その前に,11月29日産経新聞の記事を紹介させていただきます。
見出しに,「ダイオキシンとの関係調査へ,所沢周辺に出産異常,厚生省,火葬場の排出実態も」ということで,「厚生省は28日までにダイオキシン類による汚染調査の一環として,産業廃棄物処分場が集中している埼玉県所沢周辺での死産と先天奇形の発生状況と,2番目に火葬場からの排出実態,二つの調査を始めるということです。埼玉県の調査では,19日の参議院環境特別委員会で,所沢市の通称くぬぎ山周辺で流産など出産時の異常が多発し,ダイオキシンとの関係が疑わしいとの指摘があり,実態を把握することになった。調査は,所沢,狭山,川越など計6市町村のすべての病院と助産所で,平成8年から9年の2年間に生まれた約2万人を対象に,死産や奇形の見つかった例などを調べる。
厚生省の担当者は,ダイオキシンが奇形を発生させることは,動物や細胞レベルでは確かめているが,人での因果関係は確認されていない。まず同地区での発生状況を把握したいと話している。」,まさに大変な事態と言わなければなりません。
また,最終処分地の問題でも,今,全国で廃棄物廃棄トラブルも,岐阜県の御嵩町を含めて全国で二百数十件も起こっており,厚生省の試算では,現在の処分場は二,三年で満ぱいになる。新たな埋め立て処分場の建設を加味しても,このまま推移すれば,2008年には,全国ベースでの容量がゼロになると言われています。
このように,ダイオキシン,最終処分場に対する抜本的有効な施策は,ごみそのものを出さない,燃やさない,埋め立てない発想でしかあり得ないと考えます。
しかも,その抜本的な解決のための本物技術が誕生しているのであります。もしごみを燃やさないで済むようになれば,過渡的な措置を含めて,千葉市の焼却工場は,現在の3工場体制から2工場,将来的には1工場体制でも可能になりますだけに,少し時間をいただいて問題提起をいたします。
最近,文部省は,小学校,中学校の焼却炉の廃止,農水省は,農業用ビニールの焼却を禁止しました。それはなぜか。そこにはそれを解決する技術の裏づけがあったということを,私は最近わかりました。ここにあります月刊「貿易と産業」10月号ですが,これは,通産省発行の雑誌であります。その中に,産業特集として,注目のリサイクル企業,アイン・エンジニアリング株式会社,急速に熱い注目を集め始めた木材と廃プラスチックのリサイクル技術というタイトルで,埋めない,燃やさない,壊さないを3大原則に,木材と廃プラスチックの再生技術を確立した。本誌6月号で既に紹介したが,その後,産業界初め教育界なども関心が寄せられ,急速に本格的なリサイクル産業への道を歩み始めたとして,次のような記事が載っております。
現在,プラスチック類の処理方法は限られている。代表的なものが,消煙装置等を取りつけた焼却炉による焼却であり,処分場での埋め立てである。中には自動車のバンパーのような再資源の試みがあるが,塗料などの付着した異物の除去が最大の難題であると言われている。バンパーの場合,溶融法や溶剤法,サンドブラスト法があるが,品質,二次公害の対策で,ランニングコストが高いという課題を抱えている。
また,年間20万トンが廃棄されている農業用ビニールフィルムの場合でも,付着した農薬や泥などの異物を水で再資源化を図ると,やはり水に溶け出した異物が二次公害を引き起こすことになり,その対策に膨大なコストと労力が必要になる。ところが,アイン・エンジニアリングの開発した乾式清浄法は,これらの分離効率,システム構築運用性,コストパフォーマンス,二次公害発生等の難題を脱常識の発想と技術でクリアした。
水や溶剤,熱処理を全く使用せずに,衝撃摩擦という意外な力で廃材を処理するのだ。こう言っております。
そこで詳しく述べられておりまして,これで実は,倒れた木や建築廃材などもこれと同じように,小さく切ってやることによって,例えば,プラスチックはバージン材とほぼ同じものになる。そして,水分を含まないきれいな木の粉になる。この洗浄された木の粉末とプラスチックを特殊ミキサーに入れて混合し,木質顆粒状のペレットにする。このペレットを押し出し機で成形すれば全く新しい木材が誕生する。こう紹介しているわけです。
そこで私は,この問題は千葉市の19%の焼却ですので,きょうは議長の御承認をいただいて,資料を持ってまいりました。これが木材と倒れた木だとか廃プラスチックをやった木であります。これは,古いバンパーを使ったパレットであります。実は,これによってどういうことが起こったかというと,強度は,ヒノキやナラなどといった高級木材並みで,伸縮性もアルミと同等の数値で,しかも水に強く,吸水性はほとんどゼロで腐ることはない。虫も食わない。しかもこの木材は何回でも再処理することが可能ということで,これがその実物であります。
さらに,今まで,牛乳パックの再処理は,水処理を使い,非常に二次公害を起こすということで,私は批判的であったんですが,乾式の技術によってこんなにティッシュペーパーになっております。
それからさらに,これは建設省が,ここに非常に重要な点があるんですが,建設省が環境フェアということで,贈呈用にボールペンを使っています。このボールペンを贈呈用に使って,これは街路樹の剪定した木であります。その中に,建設省はこういうことを言っています。この再生木材は,従来の木材と比べて強度,耐久性が抜群である。この再生木材を建設業関係の利用として,コンクリート型枠材への利用などを検討しています。建設省中部技術事務所ということで,建設省までがこの廃材を使って,プラスチックを使ったボールペンをペアで出しているのであります。
しかも,価格はベニア板やラワン材などの合板よりもずっと安く,建築業界では,いずれ建築資材の4分の1をこの技術で占めると言われています。
ドイツのBMW,92年にプラントを導入し,バンパーをリサイクルし,ボルボ,ルノー,プジョー,ベンツもこの技術を採り入れています。ホンダとは合弁会社をつくり,トヨタ,三菱も内装に使っています。このように,自動車業界もこの技術によってリサイクルが可能になったということであります。
容器リサイクル法が施行され,この法律の施行にあわせて,東京都の稲城市,狛江市,府中市の3市で,多摩川衛生組合でこの技術を使った再処理プラントをつくり,来年度稼働を目指して今実証実験を開始しています。この模様は,NHKおはよう日本,なるほど経済,未来派宣言でも取り上げております。
従来のペットボトルなどのリサイクルは,先ほど述べましたように,水や洗剤でボトルの内部を洗浄することから始めなければなりません。21の工程が必要ということで,手間と費用がかかるだけではなくて,排水による二次公害も深刻な問題であったわけです。乾式洗浄で,水や洗剤を一切使わず,洗浄,再資源化ができます。したがって,コストも,従来の水洗い処理では,再プラスチック,1キロ約200円でした。バージンプラスチックはキロ100円ですが,この方式ではキロ80円で済み,採算性が高く,原料として売却し,この多摩川衛生組合では,原料として売却し,鶏卵パックなどに再生するシステムが完成しているということであります。この施設費用は,用地費を除き2億3,000万円であります。この技術によって,農業用ビニール,牛乳パック,アルミ箔のついた紙パックの容器,植物油用のポリエチレンボトル,洗剤用プラスチックボトル,自動車の複合プラスチック部品,トナー用カートリッジ容器,回路基盤,漁網など幅広い利用が可能だということであります。
以上,大変長くなりましたが,ペットボトルが完全にリサイクルできることを皆さんにぜひ知っていただきたいと思い,長くなりました。
ちなみに,千葉市の平成8年度焼却ごみ,事業系を含み28万6,000トンのうち,プラスチック類が約19%で5万4,000トンあります。
次に,生ごみ,汚泥を堆肥化する問題であります。
生ごみの厨芥類は約14%で,4万トンです。そのほか下水道汚泥が1万8,929トン,衛生センターの汚泥で5,200立米を焼却しています。
10月22日,京都府の亀山市の土づくりセンターに行ってきました。ここでは畜産のふん尿を堆肥化するセンターで,農水省が60%,府,市がそれぞれ10%,合わせて80%の補助金でつくられたものです。この技術を提供している業者の方は,これで生ごみ,下水道の汚泥も肥料化できますと言っていました。
また,生ごみを堆肥化している地方自治体は,盛岡市の10万人を初めとする山形県の長井市,広島県の因島市,岡山県の船穂町など40の自治体で行っています。
隣の韓国のプサン市では,14万世帯が行っておりまして,企業も,法律をかえて義務づけています。
もはや,生ごみや家畜のふん尿,汚泥は資源であるという視点から,焼却からリサイクルへかえていくことが求められています。
次に,千葉市の焼却工場で焼かれています紙類が約46%,13万2,000トンですが,この中に漫画本など雑古紙は,リサイクルされることなくほとんど焼却されています。
ここにありますトイレットペーパーは,雑古紙100%無漂白であります。再生紙を利用したトイレットペーパーはよく見かけますが,それらはすべてえりすぐりのバージンパルプの産物である牛乳パックや,企業や印刷屋さんから出た上質を使い,しかも漂白しています。漂白剤はもちろんのこと,漂白に伴う大量の水,小さなこの1巻だけで洗濯機の2杯分の水を使います。このトイレットペーパー1巻当たり90メーター,通常は60メーターで,価格も安いものであります。町田市の障害者団体がつくっていますが,私の願いは,トイレットペーパーは,すべてのメーカーで雑古紙にすることであります。
続いて,千葉市の残り21%,6万トン,そして不燃ごみが1万5,000トンでありますが,ごみの終局のリサイクルともいえる阿部正弘さんが開発したLFLストーンがあります。これは真空気圧法と無機常温結合方法によって,ごみを約70%,シリカーハード,珪素を30%と水を全体量の25%から30%加えて曲がる石にしてしまうものでありまして,これは既に瓦業界では製品になっております。今,民間企業と提携でいろんな商品が誕生し,開発されているということであります。
私,今,この技術について調査中ですので,詳しいことはまたの機会に報告させていただきますが,以上,このように長くなりましたが,ごみは資源であり,リサイクルでき得る技術が次々と開発されています。
地球温暖化防止のためには,やらねばならぬ現実的な課題になっていることを,ぜひ同僚議員の皆さんや執行部の皆さんに知っていただければと思います。
そこでお尋ねいたします。
廃棄物行政は,環境の視点から,出さない,燃やさない,埋め立てないで資源化する方向に転換する必要があると考えますが,御見解をお聞かせください。
2点目に,プラスチック類は焼却ごみの19%を占めています。これを分別し,プラスチックを資源化するためのリサイクルセンターを市の施設として,あるいは外部委託などを積極的に対応していく必要があると考えますが,御見解をお聞かせください。
3点目に,生ごみの堆肥化を真剣に考える時期にきていると考えます。とりあえず,ホテルやレストランなどの需要家から進め,戸建ての家庭や協力していただける団地などにも広げていくことが課題だと考えますが,御見解をお聞かせください。
4点目は,雑古紙を燃やさないでリサイクルしていくために,市自身の施設,あるいはCO2削減にもトイレットペーパーは,雑古紙を使用していくことに積極的な取り組みを求めますが,御見解をお聞かせください。
続いて,安全で安心な農産物を提供する環境型保全農業の推進についてであります。生産者,消費者の視点からに移ります。
先日,農業委員会で農業委員業務必携,全国農業会議所発行をいただきました。この本がそうであります。その冒頭に,急がれる農業,農村の活性化への取り組みと題して次のように述べられています。非常に重要な問題提起ですので,紹介させていただきます。
「21世紀を目前にして,戦後の
我が国経済社会を形づくってきた制度,施策の見直しとなって具体化しています。農業もその例外でなく,ガット農業合意という新たな貿易の自由化体制のもとで,国内農業の生き残りをかけた取り組みが進められています。そういう中で今最も重要な農政問題として急がれるのは,力強い農業経営とそれらの経営が地域の農地の利用や生産において相当部分を占めるような農業構造を作り上げ,そのことを通じて農村の活性化の実現です。」そして,その具体的な取り組みを見る前に,農業,農村を取り巻く現状と課題ということで,三つのことを挙げています。
一つは,消費者に顔の見える国内農産物を望む。
第1は,食料,農業,農村に対する消費者からの強い期待がある。消費者は安全な農産物を強く求めています。
2番目に,無農薬や低農薬栽培,有機栽培といった農薬,化学肥料等によらない農産物に対する関心と需要が強く,レストランのチェーン店を展開する外食産業では,原料をすべて有機栽培による農産物の使用に切りかえるところが多くなってきていますし,スーパー等の量販店では,有機低農薬栽培の表示や生産国,生産県を表示するところが多くなっています。このことは,消費者の食料の安全に対する関心が非常に高まっていることを物語っている。
3点目に,食料供給に対する不安や,農業,農村が持っている国土,環境,景観等の維持,保全に対して強い期待を持っている。
以上,三つの視点を上げて,これらは,農業,農村に対する国民,消費者の理解,すなわち国民合意を得る契機にもなります。さらに見方を変えてみると,商売としての農業条件が拡大されてきており,農業外からの農業,農村への熱いまなざしが向けられている。こう述べているのであります。
私どもがたびたび指摘していたことがすべて集約されています。農薬,化学肥料一辺倒の農業は,国民の健康を大きく脅かし,土壌の劣化を含め環境悪化の要因の一つにもなっています。特に,水田等から出るメタンガスは,CO2をふやす大きな原因の一つであります。それだけに,環境保全型農業への転換は,緊急かつ重大な市政の施策の一つだと考えます。
そこで質問いたします。
地球規模で
地球温暖化防止のためのCO2削減が求められているとき,環境保全型農業への転換が急いで求められているときに,同じ千葉県の中でも千葉市の取り組みがおくれているのは一体なぜだろうかということであります。その原因と今後の取り組みについて,環境保全型農業への御見解とともに,担当する局長の御見解をお尋ねいたします。
ことしの4月,幕張に本社があるジャスコで,琉球大学・比嘉照夫教授,高松市市場長・久保隆彦さんを講師に,70名の仕入れ担当者が集まり勉強会を行った模様を久保さんから聞いたとき,私はショックを受けました。それは,スーパーの生き残りをかけた真摯な取り組みです。既に関東地区では,らでしゅぼうやや瑞雲,大地の会などが,直接消費者を相手に,無農薬野菜や健康食品を意欲的に取り組み,消費者の大きな支持を得ています。これらの商品の提供に千葉市の農家が参加しているということは聞いていません。これらの事態がこのように推移するならば,市場は無用の長物になりかねませんし,町の八百屋の存在さえ消えていくのではないかと思います。消費者のニーズにこたえられない商品は消えていくことは資本主義の鉄則であります。
こういう事態をどう考え,今後どう対処していくのか,担当局長の御見解をお尋ねいたします。
続いて,市民の健康,環境をよくしていくためにも,市が直接関係する給食に,安全で安心できる農産物,畜産物を提供していく必要がISO14000の視点からでも,非常に大事だと考えます。中学校での給食で,無農薬のニンジンを取り組んでおりますが,小学校,保育所,市立病院へも範囲を広げ,品数をふやしていく取り組みについて,将来,特養施設を広げていくことについて,御見解をお尋ねいたします。
続いて,水であります。
水道,プール等の塩素障害除去でありますが,5月1日,和歌山市の温水プールを視察しました。このプールは,FTIという波動技術を使っています。プールに大きな垂れ幕がありました。水が変わった,塩素のにおいがしない,目が痛くならない,体がつるつるする,水が柔らかく感じるとあります。プール特有の匂いが一切しない気持ちのいい場になっています。
FTIのセラミックのバイパスがある機械室で,ポリ容器に入っている塩素20ケースの中のふたを開けてみると,塩素のにおいが一切しないのには,私はさすが驚きました。しかもこのプールの水を使ったサツキが生き生きとしていました。同じ和歌山市の本庁のサツキと大違いであります。
これと同じような技術でFFCというのがあります。新潟市の名門ホテル・ホテル新潟では,ここでは給水塔にセラミックスを入れています。二度ほど訪ねましたが,森林浴のような非常にいい場になっています。宿泊客でロシアの方は体臭が強く,部屋のにおいがなかなかとれないということですが,ホテル新潟はそんなことはないという話を聞いた東京のあるサウナ業者が,そんなばかなことはないということで,ホテル新潟に泊まり,その説明と実際を見て,納得し,サウナにセラミックスを入れたそうです。ホテルに張りめぐらされている水道管を伝わって,その波動でにおいを消していく。しかも水質もクラスターが非常に小さくなって,よくなっているというデータもあります。この技術は民間プールにも使われ,小牧市の民間の温水プールも見てきました。和歌山市のプールと同じであります。
さらに,山形県の松山町で,町会議員の佐藤さん,私の友人でもありますが,経営している特別養護老人ホームにこの技術を導入し,コンクリートにこの水を使い,給水塔と風呂場にセラミックスを使うことによって,ホテル新潟のような森林浴的ないい場になっています。
また,食事の米も,この技術でできたものを使っているとのことです。そのことによって,居住者,介護する人がみんなにこにこしている。特に,健康面で非常にいい結果が出ているということであります。
例えば,ある人は,小さいときに脳に先天的な障害があり,つんのめりにしか歩けず,人の介添えが必要だったのが,ところがこのホームに入居して1年足らずで1人で歩けるようになり,スプーンでしか食べられなかったのが,はしで食べれるようになったということであります。
私は,この施設を二度尋ねましたが,二度目の研修会のときに,佐藤さんからそのおばあちゃんを紹介されましたが,にこにこして歩いておりました。
このように,健康面ですばらしい成果が数多くあると佐藤理事長は言っておりました。改めて健康にとって水の果たす役割の重要さを痛感いたしました。
今,これらの施設に視察者が多いとのことでありました。今,全国でFTIやFFCの技術を使ったプールが10カ所以上あります。来年度は,プールの生き残りをかけて急ピッチで業者がこれらの技術を使うのではないと言われています。ぜひ,千葉市の温水プールにも,このような技術を生かしていただきたいと考えますが,御見解をお聞かせください。
次に,プール,ホテル,特養でもそうですが,この波動技術によって場が非常によくなります。そうすると,そこに居住している人,働いている人も非常に気分がよくなります。特に,特養や病院などで働く人は,介護すると,患者などの悪い気をもらうと言われています。いやしろ地,ゼロ磁場と言われるいい場をつくることは大変大事なことと考えます。そして,水質が非常によくなりますので,市役所などの施設,病院,特養などの波動のセラミックスの設置を考えるべきだと考えます。
ぜひ,さきに述べたホテル,特養,プールなどを見ていただき,御検討をいただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
次に,水道です。
千葉市の水道は利根川の末端だけに塩素をかなり使っていると言われていますが,御承知のように,塩素をあまり使うとトリハロメタンの発がん性物質になります。私は,これらの波動の技術の導入で解決できるのではないかと思います。これらの点で,千葉市の水道局も,ぜひ先ほど上げたようなところを見ていただいて,ホテルや特養,プール,これらの技術の開発者にも会って,調査,研究を進めていくことが大事だと考えますが,御見解をお聞かせください。
続いて,地下水についてでありますが,これもある菓子工場の排水に,この技術を使ってのデータですが,96年4月27日,BODが986ppmあったのが,3カ月後の7月28日には,100分の1,8ppmになっています。
今,水処理には,FTIやFFCの技術,あるいは微生物,その他にいろんな技術が出ています。ぜひ調査,研究され,実験し,一日も早く具体的な実践に入っていただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
続いて,最後の下水道事業について質問いたします。
平成9年度予算で,事業費590億円のうち,財源内訳は,起債278億円,47.7%,繰入金105億円,使用料89億円,そして国費であります。さらに,債務負担設定が,寒川ということで92億円あります。合わせて下水道の9年度の借入金は370億円でありまして,公債費は107億円であります。一つの局で,一般,特別,企業会計の起債増額935億円のうち278億円は29.7%,約30%であります。年々起債残高がふえていく中で,起債残高1,838億円,債務負担106億円になります。これは,一般,特別,企業起債残高の6,753億の29.32%にもなっています。
こういう状況が,当分,10年以上も続いていくことになります。今の千葉市の置かれた財政状況では,こんなことが10年以上も続くことは到底考えられません。担当局としては,この財政状況をどう考えているのか,御見解をお聞きします。
二つ目に,こういう財政状況のもとでは,かなりの思い切った事業の延伸,優先順位の事業選択など見直しが求められていますが,御見解をお聞かせください。
3点目に,汚泥の問題です。
公共下水の汚泥が現在1万8,929トン,環境局所管の汚泥が5,000立米焼却されていますが,CO2削減の環境面から見て,焼却ではなくリサイクルの方向に転換すべきだと考えます。特に,環境局所管の汚泥は堆肥化が可能であります。一日も早く焼却しない方向で対処すべきだと考えますが,御見解をお聞かせください。
公共下水の汚泥は,量的な問題や質の問題で堆肥化はすぐ無理だと思いますが,今,リサイクルの技術がどんどん進んでいますので,将来は資源化に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思いますが,御見解をお聞かせください。
8の都市行政については,時間の関係で割愛させていただきまして,第1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
34 ◯議長(橋本 登君) 答弁願います。松井市長。
〔市長・松井 旭君 登壇〕
35 ◯市長(松井 旭君) ただいま市政会を代表されまして,藤井議員より市政各般にわたる御質問をいただきました。私からは基本的な事項についてお答えをいたします。
初めに,あらゆる施策によりよい環境に寄与する視点から,ISO14000導入を見据えての行政の推進についてお答えをいたします。
ISO14000の環境マネージメントシステムについてでございますが,認証の取得に向けて努力しておる自治体があることは存じております。
市といたしましては,よき事業者,消費者として,環境に配慮した視点からこの環境マネージメントシステムの趣旨に沿ったエコオフィスちばプランを本年4月に策定をいたし,環境にやさしい取り組みを全庁的に実施をしておるところでございます。
また,このプランの
取り組み内容及び結果につきましては,千葉市環境白書により,毎年度公表してまいりたいと考えております。
しかしながら,このプランは,行政みずからがつくったもので,顧客の立場に立ってつくられたISO14000とは,お話のとおり,性格を異にしているものでございます。
環境都市を目指してCO2の削減計画等を進めていくためには,行政のみならず,市民,事業者の方々の理解と協力を得ながら,環境保全のための率先行動を行っていくことが不可欠となります。
そこで,今後は,エコオフィスちばプランを一層充実させるとともに,ISO14000の認証取得の必要性も十分視野に入れながら,全庁的に環境問題に取り組んでいきたいと考えております。
次に,国及び市の財政状況をどう認識しておるのかとのお尋ねでございますが,国の財政状況は,バブル経済の崩壊以降,長引く景気低迷の対応として,平成6年度以降,所得税減税措置や累次の景気対策による特例公債を含む公債発行の増大により,平成9年度末の公債残高が254兆円となる見込みであります。また,平成9年度においては,国債費が一般会計の21.7%となり,政策的経費を圧迫するなど,構造的な厳しさは,主要先進国の中で最悪の危機的状況に陥っており,経済情勢を展望してみても,経済成長率は大きく望めず,
高齢化社会が進展する中で,社会保障の歳出増加圧力は引き続き強いものがあり,このような状況を踏まえ,財政構造の改革が急務であると認識をいたしております。
また,本市の財政状況につきましても,歳入の大宗を占める市税収入が,景気低迷や制度減税の影響等を受け伸び悩む一方,歳出では,国の相次ぐ景気対策の対応や市民福祉の向上を図るため,生活関連施設の整備を初め各種の施策の推進のために,土地売り払い収入や財源対策債,さらには財政調整基金などの財源の活用によりまして,市民生活の質的向上に努めてきたところでございます。
そこで,現在の財政状況は,景気の回復に力強さが欠け,市税収入の伸びは期待できず,また基金残高の減少や土地売り払い収入などの臨時的財源の限界がある一方,公債費や扶助費の義務的経費の増加のほか,大規模施設の完成に伴う維持管理費の増等によりまして,経常収支比率が上昇傾向にあることなどから,今後の財政運営の弾力性の確保を図ることが重要な課題として認識をいたしております。
次に,複式簿記の視点で今後施策の見直しを思い切って行うべきだというお尋ねでございますが,施策の見直し等につきましては,社会情勢や決算状況等を検討しながら,常に予算に反映しているところでございます。
複式簿記につきましては,現金の収支のほか,資産や負債の状況を把握することができ,長期的な視点から,資産,負債の管理がしやすく,経営状況が分析できるとされております。
議員お話のとおり,建物や設備等の施設は耐用年数があり,将来には建てかえの必要が生じますので,今後の減価償却等を勘案し,これらの視点を考慮しながら,施策展開に努めてまいりたいと存じます。
次に,千葉市の財政状況や施設状況,県との整合性を図り,ハード面からより一層ソフト面への施策に大きくシフトしていく必要があるとのお尋ねでございますが,財政事情は,国,地方を通じ,バブル崩壊を契機とした景気低迷による税収の大幅な減収と累次の経済対策を講ずるための公債の発行等により,厳しい財政状況に直面をしておるところでございます。
このような状況のもとでの財政運営に当たりましては,社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズに的確に対応するため,なお一層の簡素にして効率的な行政の実現を図るとともに,国の財政構造対策における
地方公共団体への箱物行政の抑制は,一つの転換期に来ておることと認識をいたしております。
限られた財源の中で,各施策の厳しい優先順位の選択や県との整合性を図り,中・長期的視野に立って,市民の要望にこたえるソフト面の一層の充実を図るなど,きめ細かな施策の展開が必要であると考えております。
以上で終わります。
36 ◯議長(橋本 登君) 環境局長。
37 ◯環境局長(岩崎彦明君)
地球温暖化防止のための二酸化炭素削減計画についてお答えをいたします。
御指摘の
地球温暖化対策地域推進計画につきましては,本市においては,平成6年3月にとりまとめをし,現在の千葉市
環境基本計画と一体となって,総合的,効果的な推進を図ることとしております。
この千葉市
環境基本計画では,人と自然との共生関係を大切にし,環境にやさしく潤いのある街エコシティちばをスローガンとして,エコシティちばの実現のため,21世紀に向けて目指す四つの環境像を設定し,その一つとして,地球にやさしく,資源を効率的,循環的に利用した街を掲げまして,147の具体的施策を明確にし,2010年までに二酸化炭素の排出量を1990年レベルに維持することを目指しています。
また,行政みずからが事業者,消費者として,率先して環境に配慮した行動に取り組むエコオフィスちばプランを本年4月に策定いたしまして,環境への負荷の低減目標を定めて取り組んでおります。
いずれにいたしましても,
地球温暖化防止京都会議で定められる議定書の内容や国の動向,及び他都市の削減計画なども参考にしながら,千葉市独自の削減計画に向けて,市民,事業者の協力を得ながら,積極的に温暖化防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,廃棄物行政の将来について,環境の視点から4点の御質問をいただきました。
初めに,燃やさない,埋め立てない,資源化する方向への転換はどうかとのことでございますが,ごみを出さないことにつきましては,我が国は昭和40年来の経済成長を経て,物質的には豊かな国となり,その結果,大量生産,大量消費,大量廃棄を生み出す結果となったわけでございます。その結果として,御指摘のとおり,ダイオキシン問題や最終処分場の確保などの課題が発生したものと認識をしております。
このような中で,産業界においても,再資源化に向けて各種の技術開発に取り組んでいること,さらにリサイクルの先進国であるドイツでは,急ピッチでこの取り組みが進められていることも承知いたしております。
本市も,議員御指摘のことは重要なことと認識いたしておりますので,現在実施しております生ごみ減容処理機の普及などの充実を図るとともに,技術開発の推進動向の情報把握に努め,減量,再資源化に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に,プラスチックの資源化についてでございます。
お話のありました技術を初めといたしまして,国や企業を中心に,新たな技術開発が急ピッチで進められており,その動向に注目をし,また期待しているところでございます。
今後は,これら技術,用途に合った行政,あるいは民間の体制,さらには他市の先進事例なども十分調査,研究いたしまして,プラスチック類のリサイクルに向けた対応を検討してまいりたいと存じます。
次に,生ごみの堆肥化でございますが,現在,市では生ごみの発生源でのごみの減量化と再資源化が有効であることから,平成5年度から,市の公共施設3カ所へ導入をし,減量と再資源化を進めております。引き続き,5か年計画に基づき設置に努めてまいりたいと存じます。
今後は,発生源対策として,市の施設はもとより,ホテルやレストラン等の民間事業所にも,生ごみの減量,資源化の一方策として普及を図ってまいりたいと考えております。
また,市民に対しては,コンポスト容器と家庭用生ごみ減量処理機の購入者に対し補助金を交付し,ごみの減量と再資源化を図っておるところでございます。
今後は,これらの手法により処理された堆肥の活用方法が新たな課題として発生することが予想されますことから,堆肥の受け入れ先などの流通ルートを初めとする堆肥の事業化システムについて,民間企業の動向などを調査いたしますとともに,関係部局と連携をとりながら検討をしてまいりたいと存じます。
次に,雑古紙のリサイクルの促進についてでございますが,雑古紙などから再生される衛生紙を使用することは,雑古紙の利用促進につながるほか,紙パックなどの上質古紙の他用紙への使用転換のためには,有効な手法であると考えられます。
また,国や企業におきましても,紙から紙へのリサイクルのほか,他用途への転換につきましても研究が進められておりますので,今後,機会をとらえまして,事業者に古紙,特に雑古紙の配合率の高い製品の開発,生産,販売を要請いたすとともに,市民に利用促進を呼びかけるほか,消費者として公共施設で使用いたしますトイレットペーパーにつきましても,雑古紙の配合率の高いものを使用してまいりたいと考えております。
次に,水についてのうち,地下水汚染の浄化にFTI,FFCの技術や微生物を用いた技術を導入したらどうかとの御質問にお答えをいたします。
FTI,FFCに関する技術,また微生物を用いた技術につきましては,これらの技術を植物の育成に応用したり,プールや池の水浄化などに利用している事例があることは把握しているところでございます。
市では,現在,地下水汚染の浄化につきましては,環境庁が浄化方法として紹介している曝気により汚染物質を除去する地下水揚水法を
モデル事業として実施しております。
また,紹介事例の一つとして,環境庁が千葉市で実施をしている微生物による汚染物質を無害化するバイオレメディエーション法に協力するなど,意欲的に取り組んでいるところでございます。
したがいまして,議員御指摘の技術の採用等につきましては,開発状況等の情報収集に努めるなど,今後の課題とさせていただきたいと考えております。
次に,下水道行政のうち,衛生センターから発生する汚泥をCO2削減の環境面から見て,焼却ではなくリサイクルの方向に転換すべきではないかとの御質問でございますが,当施設は,平成7年8月に,汚泥の焼却を前提とした一連のシステムで稼働しております。
御指摘のとおり,地球環境を保全する上で,CO2削減は大事な課題であると認識しておりますので,施設の改造等,経費の面や肥料の利用先の確保などの調査をするとともに,他の資源化の方法等も含めて検討してまいりたいと考えております。
以上で終わります。
38 ◯議長(橋本 登君) 企画調整局長。
39 ◯企画調整局長(島田行信君) 企画調整行政の5か年計画の御質問についてお答えいたします。
第6次5か年計画につきましては,先ほど市長がお答え申し上げましたとおり,国の
財政構造改革により,公共事業を中心として,財政面で抑制が行われることなどが見込まれておりますので,現在,必要な範囲で計画事業について,事業期間等の調整を行う作業を鋭意進めているところでございます。
複式簿記と環境保全の視点から,すべての事業を総点検すべきとの御提案は,
財政構造改革法の成立や温暖化防止京都会議の開催という中で,21世紀におきます経済社会情勢を展望いたしますと,新たな視点からの示唆に富んだ御提言と受けとめております。今後,市民の環境意識の高まりを背景に,日進月歩の科学技術を的確な判断のもとに,可能な限り行政に取り入れていく必要があるものと認識をいたしております。
また,普通会計で整備をいたします建物や設備につきましては,将来の建てかえを考えますと,企業会計におきます減価償却などの考え方に基づく視点で,施策の検討を行うことも必要なことと考えておりまして,勉強を深めてまいりたいと思います。
40 ◯議長(橋本 登君) 財政局長。
41 ◯財政局長(小川 清君) 財政についてと水についてのうち,水道,プール等の塩素障害除去の所管についての御質問にお答えいたします。
まず,財政運営における借入金の抑制策についてでございますが,市債の活用に当たりましては,これまで市民生活関連施設の整備や都市機能の充実施策を計画的に推進するための財源として,財政負担の平準化と世代間の公平を図る見地から,適切な活用に努めてきたところでございます。
しかしながら,平成4年度以降の国の景気対策や地方財政の財源不足に対応した臨時的な地方債の発行,さらには平成6年度以降の減税補てん債の発行などにより,市債残高が年々累増し,一方,償還財源となる市税収入が,長引く景気の低迷や減税の影響から伸び悩みの状況にあることから,地方債許可制限比率が上昇傾向にございます。
このため,平成10年度以降の健全財政の維持を図るため,市税等歳入の積極的な確保に努める一方,行政改革の積極的な推進により,事務事業の見直しや事務執行の効率化による経費の節減を図るとともに,5か年計画事業の調整等による歳出の抑制に努めていくことが必要であると考えております。
また,あわせて,議員お話の,借入金を抑制すること,これは重要なことと認識しております。
しかしながら,今後の財政需要を考慮いたしますと,急激な抑制は困難なものと考えております。
したがいまして,市債発行に当たりましては,極力抑制を図りながらも,計画的かつ適切な活用に努めてまいりたと存じます。
次に,ISO14000シリーズ並びにエコオフィスちばプランに対する具体的な対応についてお答えいたします。
近年,環境保護に対する意識が大きく高まり,行政,事業者,市民が一丸となりまして,環境への負荷を少しでも減らすための積極的な努力が求められているところでございます。
このような中で,1996年9月に,環境マネージメントシステムとしてのISO14000シリーズが国際的な規格として発効されました。
本市におきましては,1997年4月に,千葉市環境保全率先実行行動計画としてのエコオフィスちばプランを策定いたしたところでございます。
ISO14000シリーズとエコオフィスちばプランのいずれにおきましても,環境保全や資源保護の観点から,実行行動計画に基づく具体的取り組みの中で,財政部に課せられた役割は極めて大切であると認識いたしております。
そこで,具体的な対応でございますが,一つには,財やサービスの購入,使用に当たっての環境保全への配慮といたしまして,庁舎から排出される不要古紙については,分別収集し,製紙工場でトイレットペーパーとして再生しているところでございます。
今後も,引き続き再生紙の使用を積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
また,環境にやさしい低公害車としての電気自動車,天然ガス自動車につきましても,計画的,継続的に導入してまいりたいと存じます。
二つ目として,庁舎や公用車の維持管理に当たっての環境保全への配慮といたしまして,現在,電気使用量,ガス使用量及び公用車の燃料消費量の削減に努めておるところですが,今後も継続的に削減を図ってまいりたいと考えております。
三つ目として,行政事務執行に当たっての環境保全への配慮といたしまして,冷暖房温度の適正化やエレベーター運転の効率化,及び高効率型照明器具の採用など,省エネルギー,省資源の対応に努めるとともに,公用車のエアコンのフロン対策についても,引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
今後におきましても,より一層の環境保護の観点から,ISO14000シリーズの環境マネージメントに関する基本的な考え方を見据え,エコオフィスちばプラン2000年時点での目標値に向けて努力してまいりたいと存じます。
また,京都市での
地球温暖化防止京都会議での議定書の内容を踏まえた中で,千葉市独自の削減計画がなされた段階において,所管といたしましても,計画達成のために努力してまいりたいと存じます。
次に,本庁舎における波動セラミックスの設置についてお答えいたします。
波動セラミックスの基本作用といたしましては,水の改質及び水の媒体による土壌の改質が考えられております。この作用を本庁舎において取り入れることになりますと,飲料水への適用が考えられますが,飲料水は,水道法に基づく水質基準によって厳正に管理されておりまして,飲料水として適する水として利用者へ供給されております。ここに波動セラミックスを設置したときの効果を考えますとき,この検証はかなりの専門的になりますので,今後,情報収集に努めるとともに,関係部局と協議してまいりたいと考えております。
以上で終わります。
42 ◯議長(橋本 登君) 経済農政局長。
43 ◯経済農政局長(田中資造君) 安全で安心な農産物を提供する環境保全型農業の推進について,生産者,消費者の視点から問うの御質問のうち,2点の御質問にお答えいたします。
初めに,環境保全型農業への取り組みがおくれているが,その原因と今後の取り組みについての見解をとのことでございますが,環境保全型農業につきましては,化学肥料,農薬等の多投入による環境汚染や安全農産物の供給に対する消費者ニーズの高まりの中で,重要な施策の一つであると認識をいたしております。
本市では,環境保全型農業が,経営,経済的にも成り立つ農業生産のあり方について,調査,研究するため,県内の自治体に先駆けまして,平成4年度より,農政センター内に栽培試験圃を設置するとともに,生産農家にも平成7年度から実践展示圃を設置し,生産技術の習得と普及に努めているところでございます。
また,平成8年度より,環境保全型農業推進員を委嘱いたしまして,講習会や先進市の視察などを行い,生産の普及,啓発に努めているところでございます。
さらに,本年8月には,環境保全型農業推進指針を策定いたしましたので,今後この指針に基づきまして,各種の事業を推進してまいる所存でございます。
次に,消費者のニーズにこたえられない商品は消えていくことについてどう考え,今後どう対処していくのかとの質問でございますが,県内では,無農薬栽培に興味を持つ農業者が自発的にグループ編成をし,生産活動を行っていることは認識をいたしておるところでございます。
本市においても,安全な農産物の生産に努めているところでございますが,特に,消費者ニーズの高い有機農産物などの生産につきましては,既に取り組んでいる農業者も含め,先ほど申し上げました技術の習得もかなり進んでまいりましたので,生産の拡大も図られるものと考えております。
現在,本市の主要品目でございますホウレンソウ,ニンジンなどの生産の拡大に努めており,平成10年度には市場出荷されますことから,消費者の期待にこたえることができるものと存じます。
今後とも,生産技術の普及を図るほか,関係部局との連携により,販路の拡大にも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
44 ◯議長(橋本 登君) 教育長。
45 ◯教育長(飯田征男君) 教育委員会所管の2点の御質問にお答えいたします。
まず,安全で安心な農産物を提供する環境保全型農業の推進について,生産者,消費者の視点から問うとの御質問のうち,小学校の取り組みについてお答えを申し上げます。
小学校では,給食用の食材料を学校単位で近隣の業者より購入しており,給食費を考慮しながら納入業者と協議し,無農薬や有機栽培のジャガイモやミニトマトなどの野菜を使用する学校が少しずつふえているとの報告を受けております。
しかしながら,学校単位で無農薬や有機栽培の野菜を安定的に調達することは難しい面がございますので,教育委員会といたしましては,小学校全体での各種野菜の年間使用量などについて,調査,検討を進めながら,千葉市中央卸売市場など,関係部局と緊密に連携しながら,各小学校に対しての情報の提供や指導に努め,新鮮で安全な給食用食材料の購入に努めるよう指導してまいりたいと考えております。
次に,水に関する御質問のうち所管についてお答えをいたします。
温水プールの塩素障害除去についての御質問でございますが,8月に三重県津市のFFC装置を設置している私営のパビリオン,及びFTI装置を備えている和歌山市が管理運営しております温水プールに職員を派遣して調査いたしてまいりました。その結果,温水プールでは確かに塩素臭がないことを確認するとともに,ゴーグルをつけなくても目を赤くしている子供たちが少なかったという報告を受けております。
今後,FTIやFFCの技術を導入するかどうかにつきましては,プールの大きさや利用状況などを踏まえ,さらに調査を重ねる必要があると考えますので,試験的運用の必要性も視野に入れながら,研究を深め,関係部局と協議しながら対応してまいりたいと,このように考えております。
46 ◯議長(橋本 登君) 保健福祉局長。
47 ◯保健福祉局長(泉 真君) 給食への無農薬野菜の提供についての御質問のうち,所管の保育所などについてお答えをいたします。
保育所,市立病院などでは,地域社会の一員として,また地元業者の育成などのため,給食材料を各施設単位で地元の商店などから購入をいたしております。
保育所,市立病院,特別養護老人ホームにおける給食材料として,無農薬農産物を利用することが望ましいことと考えており,できるだけ購入するよう,保育所,市立病院などを指導いたしております。
各施設においても,個別に多種類にわたる給食材料を無農薬や有機栽培の野菜で購入することについて,努力をいたしておりますが,安定して購入するためには,流通ルートの確立が必要と考えられます。
今後は,各施設の各種野菜の年間使用量などについて調査するとともに,新鮮で安全な給食材料を購入するため,中央卸売市場など,関係部局と緊密に連携をしながら検討を行い,給食の質の向上に努めてまいりたいと存じます。
次に,水についての御質問のうち,所管についてお答えをいたします。
水道水やプールの水を良質で体にやさしい水にするFTIやFFCの技術を病院や特別養護老人ホームで活用することにつきましては,今後,他都市の事例などを調査いたしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
48 ◯議長(橋本 登君) 水道局長。
49 ◯水道局長(麻生綱維君) 水道,プール等の塩素障害除去についての御質問のうち,水道への波動技術についてお答えいたします。
水道施設の管理及び運営に関しましては,消毒その他衛生上必要な措置として,給水栓における水の残留塩素を0.1ミリグラム・パー・リットル以上保持するように塩素消毒をすることとされております。
しかしながら,この塩素と水道原水中に存在する有機化合物が反応してトリハロメタンなどの発がん性物質を生成するなど,昨今の水質に係る水道利用者の関心の高まりは,水質管理の重要性とともに認識いたしております。
御提言の水道への波動技術につきまして,調査,検討を行うとともに,水道事業者の使命でございます安全な水の供給のため,国,県を初め関係機関等の情報収集に努めてまいりたいと思います。
50 ◯議長(橋本 登君) 下水道局長。
51 ◯下水道局長(江藤 隆君) 下水道行政についての御質問にお答えいたします。
初めに,財政状況をどう考えているのか,また事業の見直しの見解はとのお尋ねでございますので,これらについて関連がございますから,一括して答弁させていただきます。
下水道整備は,これまで本市の計画行政の中でも最重要施策の一つに掲げられ,普及率の向上を目標に,積極的かつ計画的に事業推進を図ってきたところでございます。
その結果,企業債の発行額や残高が年々累増し,大変厳しい状況下にあることは御指摘のとおりでございます。このため,使用料や国庫補助金等の財源確保に最大限の努力を払うほか,建設及び管理の両面からコスト縮減に努めるなど,経営の改善合理化に積極的に取り組んでいるところでございますが,これにも限界があり,財源確保の有効な手段として,企業債や債務負担行為に依存せざるを得ない状況でございます。
今後とも,的確な財政収支計画を立て,健全な下水道財政の確保に向けて最大限の努力を払いますとともに,市全体の財政状況にも十分配慮しつつ,事業の優先度を勘案しながら,事業計画や計画期間の調整を図るなど,効率的かつ効果的な事業推進に努めてまいりたいと考えております。
次に,下水道汚泥の焼却はCO2削減の面から,リサイクル化の方向に転換すべきではないかとのお尋ねでございます。
本市では,下水道汚泥の有効利用を図るため,昭和56年から59年にかけまして,下水汚泥の肥料化の実験を行いましたが,その結果では,汚泥中に含まれます重金属の濃度が,特殊肥料の基準値を上回るおそれがあるということから断念した経緯がございます。
現在,下水汚泥は全量埋め立て処分をしておりまして,その減量化を図るために,焼却と溶融という処理を行っているところでございます。
議員お話のとおり,地球環境に負荷を与えないために,CO2の削減は非常に重要な課題でございますので,今後,技術開発の動向を見ながら,下水汚泥の資源化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
52 ◯議長(橋本 登君) 藤井議員。
53 ◯52番(藤井武徳君) 御丁寧な答弁ありがとうございます。
2回目は要望を述べさせていただきます。
先日,私の友人がイラクを2週間訪ねまして,イラクの最高紙幣250ディナール,今,ちょっと壇上のところへ置いてきましたんですが,記念にいただきまして,湾岸戦争以前は,この紙幣2枚で豪華なヨーロッパ旅行ができたそうです。それが今やチップでしか,それも1枚では喜ばれないということであります。国民は大量の紙幣で買物をし,医薬品を含め品不足でひどい状況だそうです。アメリカや国連の対応は果たして正しいのか疑問を持ったと言っています。
このイラクの状況は人ごとではありません。政治の責任で紙幣を紙くずにしてはなりません。それは余りにも国民に大きな犠牲を強いるからであります。
どうしても私どもの世代で借入金づけの体質を変える必要があると考えます。さきに具体的に提案しましたように,起債,債務負担の発生を第一段階として,前年度の返済額内に抑えることであります。9年度に比して言えば,発行を60%にまず抑える。それでも利息分が残高で残ります。第2段階として,借入金残高をふやさないために,前年度の元金分で発行を抑える。これは9年度の発行比でいえば45%に抑える。そして第3段階として,借り入れ残高をある一定段階で減らすためには,前年度の元金返済額以内で抑えていく。これは9年度比でいえば,45%以下に抑えていけば可能なことであります。
これは,大変なことであります。しかし決して不可能ではありません。私思います。例えば,公共下水事業,要は市民が快適な生活が送られ,河川などがきれいになればいいわけです。既に性能のいい合併浄化槽は,5ppmまでの実績が出ています。これは公共下水の数値と同等かそれ以上であります。この問題に詳しい私ども会派の議員の試算によれば,数をまとめて発注すれば1基50万円でできるとのことであります。7万世帯ですから,大変乱暴で極端な言い方ですが,350億円あれば全世帯にすぐにでも下水道が可能になるわけであります。
54 ◯議長(橋本 登君) 時間を延長します。
55 ◯52番(藤井武徳君) (続)今,千葉市の財政が大変な状況にあって,思い切った政策の転換が私は必要と思います。そもそも合併浄化槽の取り扱いが,旧清掃局にあることがおかしいことであって,本来,下水道局の所管であるべきだと私は考えています。農村集落排水事業もしかりであります。
また,ごみを燃やさないでリサイクルしていく,今の産業の転換のピッチは非常に速うございます。まして最終処分場がゼロベースになるという背水の陣ですから,そういうときの転換は過去の例が示すように,日本の歴史の近代の歴史を振り返ってみても,日本人は見事なほど乗り切ってまいりました。意外と新港の建てかえ工場さえ必要ないかもしれません。そうなるような最大限の努力をすべきだと私は考えております。
そのほかいろいろな事業を検討し直す必要があります。そういう思いを込めて,企画,財政,市長に質問したわけであります。改めてすべての事業を総点検し,千葉市の財政体質を思い切って転換させることを要望いたします。
次に,環境問題ですが,来年度ホウレンソウとニンジンが市場へ出荷されるとのことであります。農政センターの御努力を高く評価します。できれば,これらが給食で使われることを願うとともに,一日も早く中学校や小学校,保育所,市立病院,特養などで,品数もふやして,安心で安全な野菜,米,畜産物が提供されるよう御努力をお願いします。
とりわけ,小さいお子さんや病人,お年寄りを抱えている保健福祉局所管の特段の御努力をお願いいたします。
千葉市の農家も環境保全型農業に大きく転換されるよう,農政センターが情報の発信基地になるような,そのことがCO2削減に大きく寄与することになりますので,一層の御努力をお願いし,まさに首都圏の中で農業が活性ある農業として発展されることを期待しております。
日本は世界有数の森林国でありながら,熱帯雨林の大量輸入により,熱帯林を破壊していると非難されております。実際,アジアの熱帯林で伐採された木材の60%以上は日本向けであります。エコオフィスちばプランにもありますように,コンクリート型枠材は熱帯木材を使わないように,関係する部局での御努力を望みます。
ごみを出さない,燃やさない,埋め立てないで資源化し,リサイクルしていくことに一段の御努力をお願いいたします。
プールに塩素障害除去装置を一日も早く設置するとともに,関係する部局ではぜひ現地を見ていただき,調査,研究をされ,それぞれの施設で実現できるよう要望いたします。
千葉市の独自のCO2削減計画,京都市などを大いに参考にされ,一日も早く確立され,発表されることを望みます。
私としては,京都市並みを目指していただきたいと考えております。そのために,ISO14000認証取得を目指して,トップダウンで自主目標を決め,環境管理のマニュアル化を文書化し,手順,責任体制を明確にし,内部の監査,外部の国際機関の監査を受けることで,常に市民に透明にし,自分たちの決めた目標を常に達成するという厳しい立場に市自身が立って,不退転の決意でCO2削減計画に基づき実行することによって,市民,事業者の理解と協力をいただき,環境都市千葉市になり得るものと確信しております。
いずれにしても,財政問題,環境問題,我々世代が解決の糸口と方向性の礎をしっかり築いていこうではありませんか。そのことを強く期待し,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
56 ◯議長(橋本 登君) 藤井武徳議員の代表質問を終わります。
以上で本日の日程は終了いたしました。
明日は,午前10時より会議を開きます。
本日は,これをもって散会いたします。御苦労さまでした。
午後5時4分散会
───────────────
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
千葉市議会議長 橋 本 登
千葉市議会議員 茂手木 直 忠
千葉市議会議員 伊 藤 晶
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