これまた地元紙のこだま欄に身勝手過ぎる衆院解散との見出しで、国民の多くが、なぜ今なのかと強く疑問視する中で安倍首相が解散に踏み切ったとつづられていました。
集団的自衛権や
特定秘密保護法が問題となったときは国民の信を問うことなく、なぜ今なのかという思いは私も強く感じており、釈然としません。
アベノミクスという経済政策、
消費税増税先送りの是非を問うとのことでありますが、衆議院解散に伴う選挙費用は600億円とも700億円とも言われており、この経済政策のメリットを享受できない多くの一般庶民は、円安等によって引き起こされている生活必需品の相次ぐ値上がりに悲鳴を上げています。景気回復を実感している人は地方に来れば来るほど少ないと思います。こんな状況でも、みずからの経済政策の信を問うとして安倍首相は伝家の宝刀を抜いて解散に踏み切りました。我々国民は、首相のように切れ味鋭い宝刀はありませんが、宝刀ほどの威力はないにしても、貴重な一票があります。将来を見据えて、この貴重な一票を行使することにより、国民の大方の声を無視したような決め過ぎる政治に、みずから身を削る思いのない政治家に猛省を促したいものであります。
さて、前置きはこれぐらいにして、通告に従い質問をいたします。
まず最初の質問になりますが、南郷区の行政体制及び活性化対策並びに各地域の活性化対策についてお伺いいたします。
このことについては、昨年12月の定例議会でも質問をしたところでありますが、その際の御答弁として、
住民サービスの低下を招かないよう配慮しながら、多様な資源を活用した地域振興の拠点としての機能なども含めて、引き続き区役所各課と意見交換を行うとともに、住民の皆様の意見を十分に伺いながら、平成26年中をめどに総合的に検討を進めるとのことでありました。区役所各課との意見交換やどのような場で住民の意見を伺い、どのような意見が寄せられたのか、そして、その検討を進めた結果、どのような方向、結果が出たのか、差しさわりのない範囲で詳細にお聞かせください。
次に、
南郷サマージャズフェスティバルや
南郷アートプロジェクト等、南郷区では、
地域活性化のため、いろいろな施策が実施されてまいりました。
ジャズフェスティバルは合併以前からの歴史があり、それなりに地域の大きな行事として定着してまいりました。初めて開催した当時は、有名なジャズ奏者がそろっていたこともあり、他地域での開催が少なかったこともあって大きな脚光を浴びてまいりました。しかし、最近では、開催が長年続いてきたことや他の地域での開催がふえたこともあって、視聴者にもばらつきが見られるようになってきているように見受けられます。合併以降のそうした現状とそこから読み取れる課題、その課題に対する対応策について伺います。
また、
南郷アートプロジェクトも、南郷のあちこちに所を移しながら、地域住民を巻き込んで活発な活動を展開しており、それなりに評価をしているところでありますが、いまいち地域住民の参加が少ないような気がしております。南郷名画座も大変よい企画だと思っていますが、それらイベント等の現状と課題、課題に対する対策についてお伺いいたします。
このように南郷区ではいろいろなイベント等による地域の活性化が図られていますが、市内他地域、特に中心市街地以外の地域では活性化に対する取り組みはどのようになっているのか。本市では
市民奨励金制度がありますが、その制度を活用した事例等についてお尋ねいたします。
次に、
地域活性化のために
島守田園空間博物館や中世の水田跡等、歴史遺産の保存、活用についても昨年お伺いしたところですが、
田園空間博物館や中世の水田跡は活用次第で地域の魅力をさらに高めるものなので、地元住民の機運、活用実態等を踏まえながら総合的に研究してまいりたいとのことでした。中世の水田跡については、発見されて間もないことと、市役所OBの古舘氏が中心となって、地元住民を巻き込みながら、すまもり中世の田んぼ村と称して、田植祭、収穫祭や収穫感謝祭のイベントを仕掛けて、かなりのにぎわいと成果を見せたところだと理解しており、そのような段階なので、行政側との総合的な研究までは至っていないのかと思うところですが、何かのアクションがあったのであればお伺いいたします。また、その段階まで進んでいないのであれば、今後、市としてどのようにかかわっていくのか、何らかの計画があったらお知らせください。
次に、農業行政についてお尋ねいたします。
一生懸命働いているし、コストも削減している。それでもただ働きのような状態なんです。割に合わない。先日報道された市川地区の米農家のお話です。2013年度は
コンバイン購入により数十万円の赤字、2014年度はさらに厳しい状況に追い込まれているといいます。米の需要減退が進む中、豊作基調が続いていることなどから、在庫過剰で米価は暴落しています。全農青森県本部では、60
キログラム当たり7300円の概算金を決定したようですが、この価格は前年を3200円も下回るものであり、人件費を含む生産費の半分程度の金額です。
私も、自家消費をする以外は白米や庭先でのもみ販売をしていますが、
キログラム当たり80円ということで、昨年の価格より60円近く安く、約半値に近い状態です。本市は米ばかりでなく、多様な作物が栽培されておりますので、稲単作地帯や稲に対する依存度の高い地帯に比較すると、その影響は小さいのかもしれませんが、水稲を主体にした経営を行っている農家にとっては死活問題であります。このような厳しい農業情勢下にあって、担い手の現状はどのようになっていますか。できればわかる範囲で結構ですが、経営形態別にお伺いいたします。
全国的に担い手不足が大きな問題として指摘をされていますが、我が市でもそのような傾向にあるのではないかと推察されます。このような問題に対する対策はどのようになっているのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、
南郷そば振興センターの役割とそばの振興策についてお尋ねをいたします。
このことについても昨年の12月定例議会においてお尋ねをしたところですが、再度お伺いをしたいと思います。昨年の答弁では、行政が
作付奨励金等の給付を含めた生産支援を、付加価値の創造については地元振興のために設立された
グリーンプラザなんごう株式会社が担うということでありました。確かに行政としては
特産そば産地形成奨励金補助金や
南郷そば振興センター指定管理料等の名目で生産支援を合併以前から続けてこられ、生産者の方々もそれなりの恩恵を受け、感謝しているとのことであります。問題は、
グリーンプラザなんご
うのそば振興に対する姿勢にあるのではないかと考えている人がたくさんおりますし、私もそのように思っております。
今さら申し上げるまでもありませんが、
南郷そば振興センターは平成11年12月に竣工し、平成23年に乾燥施設等を増設した総事業費2億2400万円を投入した施設であります。
南郷そば振興センター条例の第1条には、市の特産であるそばの生産と消費の拡大を図り、もって地場産業の振興に資するため云々と書いてあります。振興のためにどれほどの役割を果たしてきたのかといえば、甚だ疑問の残るところでもあります。
この施設を設置するための予算計上をする際、当時の議員に対する説明では、
南郷そば振興センターを設置すれば、1俵当たり1万5000円で買い取りできるという話でありました。当時の相場からそのような金額を示したとは思いますが、それにしても、余りにも隔たりが大き過ぎると思います。最近3カ年の生産者からの
買い入れ価格は、1俵当たり、平成24年3000円、平成25年4500円、平成26年は、北海道や中国の産地が不作のため7200円ということであります。当初、生産者団体に対しては6500円という金額が提示されたようでありますが、その時点での相場が7000円強ということは私どもも既に把握していましたので、その金額提示に違和感を覚え、
グリーンプラザなんごうの思惑が見え隠れするような気がいたしました。
例えば平成25年の数字を参考にして計算いたしますと、38.3トン、851俵を4500円で買い入れております。玄そばで転売したものが555俵、それぞれ6300円と1万4000円強で販売されていますので、この部分で既に143万円の利益を上げているんです。加工販売したものと、いずれ加工して付加価値をつけて販売される
玄そば保管分を加えると、もっと利益が出るはずなんです。
南郷そば振興センターは利益追求のための施設としてつくられたわけではないと思いますので、再度その点を確認するためにお伺いしているわけです。
南郷そば振興センターは、収益が不安定なそば栽培を付加価値を高めて安定化を図るという思いが込められているのです。ちなみに、人件費を除いた生産費や
南郷そば振興センターへの支払いは、10アール当たり2俵の収量があったものとして計算いたしますと、1万300円ほどになります。そうすると、経費分のみをカバーするためには、最低でも1俵当たり5500円くらいは確保したいということになります。
グリーンプラザなんごうには、そのためにはどうすればよいかの努力が求められているわけですし、行政にはそういう方向での指導をお願いしたいというのが生産者や私の思いであります。残念ながら、ここ数年の傾向を見ていますと、消費拡大や付加価値をつけるための工夫、努力がいま少し足りないような思いがいたします。指導的立場といいますか、株式の大半を有する筆頭株主としての市の考え方をお聞かせください。
そばに関しての2点目の質問になりますが、平成27年度から
経営安定対策交付金の制度が変わり、認定農業者か、集落営農に参加する者でなければ対象にならないとのことであります。
農業経営改善計画等の書類提出が必要となり、収益性の低いそばを生産するために手間暇をかけたくないという声が、そば生産者のみならず、多くの農業者から聞こえてきます。
南郷ではそばの作付が90ヘクタールほどあり、その農地や米価暴落により耕作放棄地がふえることが予想されます。そばの作付等の振興策とあわせ、その対策をお伺いいたします。
次は、最後の質問になりますが、
南郷新規作物研究会議が今年度スタートいたしました。そこではどのようなことが研究されたのか、その経過と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
また、過日、
ワイン産業創出フォーラムが開催され、市民約140人ほどが参加されたとの報道がありました。
ワインづくりが始まるまで3年、よいワインができるまで10年の長い時間が必要だとのことですが、高齢社会を迎えている現状から見ると、時間を要し過ぎるのかなとの思いがありますが、
八戸ワイン産業創出プロジェクトに係る経過と計画に対する現在の進捗状況及びこの
プロジェクトに対する市民、特に原料となるブドウの生産地になるであろう南郷区民の反応等をお伺いし、壇上からの質問を終わります。
〔8番冷水保君降壇〕(拍手)
○議長(
田名部和義 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)おはようございます。冷水議員にお答え申し上げます。
まず平成26年中に検討された南郷区の行政体制の検討結果とその対応、今後の方向性についての御質問ですが、昨年12
月市議会一般質問において冷水議員にお答えいたしましたが、南郷区の今後の行政体制のあり方については、
住民サービスの低下を招かないよう配慮しながら、多様な資源を活用した地域振興の拠点としての機能なども含めて、平成26年中をめどに総合的に検討を進めることとしておりました。今年度、具体に検討を進める中で、9月には地元自治会から、現在市民生活課が所管する窓口機能とあわせ、地域振興課が所管する
南郷サマージャズフェスティバルや
産業文化まつりといった地域の産業、文化を支援する部署を平成27年度以降も当面継続してほしい。災害対応等の観点から職員数を大幅に削減しないでほしいといった意見、要望をいただいたところであります。
市といたしましては、合併後、行財政改革を進める中で、全庁的にスリムで効率的な組織づくりを目指してきたところであり、南郷区役所についても、本庁への事務の一元化や必要に応じて機構の見直しを図る一方で、南郷区固有の取り組みについては、継続して区役所が所管することにより、南郷区の地域振興に努めてまいりました。また、今年度で計画期間が満了する新市建設計画については、計画期間を10年間延長し、新市のまちづくりを一層推進するため必要な手続を進めているところであります。
これらを総合的に勘案し、検討した結果、
南郷区役所廃止後の新年度の行政体制として、新たに南郷事務所を設置したいと考えております。この南郷事務所では、現在、地域振興課が担っている
南郷サマージャズフェスティバルや
島守田園空間博物館事業など、地域が有する多様な資源を活用した地域振興策について引き続き所管するとともに、市民生活課が提供している
各種窓口サービスのほか、
島守市民サービスセンター、
南郷診療所等の出先機関についても所管することになります。
一方、現在、地域振興課が所管している道路の維持補修及び除雪業務については、建設部に移管し、事務の一元化を図りますが、緊急時の対応等も考慮し、現在の区役所庁舎内への担当職員の配置を考えております。
今後、南郷区地域協議会において新たな行政体制について、地元の皆様に説明を行うとともに、具体の職員の配置については、市全体の人事異動の作業の中で新年度の業務量に必要な職員数の配置に努めてまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(
田名部和義 君)
南郷区役所長
◎
南郷区役所長(佐藤卓 君)次に、
南郷サマージャズフェスティバルや
南郷アートプロジェクト等による
地域活性化の現状と今後の課題について、並びに市民奨励金を活用した中心市街地以外の地域の
取り組み事例についてお答え申し上げます。
まず1点目の
南郷サマージャズフェスティバルの入場者数の現状と課題についての御質問ですが、平成2年に始まった当
フェスティバルは今年度で25回目の開催となりました。入場者数については、これまでの
最大入場者数は平成9年度の約5800人、
最少入場者数が平成2年度の約1100人となっております。また、合併後は、2000人台で推移し、最近では、昨年度は約1700人でありましたが、今年度はより多くの集客を図れる魅力的な出演者を招聘するため、予算を増額した結果、約2300人となっております。最近の音楽業界の状況を見ますと、ジャズ系の音楽は全国的に見ても、コンサートの開催回数や入場者数が減少している傾向にあります。また、
南郷サマージャズフェスティバルについては、
来場者アンケート結果などから、若年層の入場者数が少ないということが判明しており、若年層の入場者数を増加させることが課題であると認識しております。今後は、若年層が入場し、集客数の増につながるような出演者の構成について、主催者と協議しながら研究してまいります。
次に、2点目の
南郷アートプロジェクト及び南郷名画座の現状と課題についてですが、市では、平成23年度から南郷区を舞台に地域の方々と
アーティストとの交流により、
地域活性化に取り組む
南郷アートプロジェクトを実施しており、今年度で4年目を迎えました。
南郷アートプロジェクトでは、これまで
南郷文化ホールでのダンスとジャズをかけ合わせた公演を初め、地域の方々と
アーティストとの協働により、ダンス作品や映画を創作する取り組みや
アーティストに実際に地域に住んでもらい、地域の人たちと一緒に地域課題の解決を試みる
アーティスト定住実験プロジェクトなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
各
プロジェクトの実施に当たり、
ダンスパレードなどダンスを中心とした作品をつくる
プロジェクトでは、地域内の施設等を活用しながら、神楽や虎舞、えんぶりなどの
郷土芸能団体や
地元消防団員と、また、映画をつくる
プロジェクトでは、学校を中心とした地域の方々と連携するなど、多くの方々にかかわっていただくことができたと考えております。
5年目となる平成27年度は、これらの方々を初めとする地域の皆様の御意見を伺いながら、さらに多くの地域の方々にかかわっていただけるよう、今後の方向性について検討してまいります。
また、南郷名画座につきましては、平成21年度に指定管理者の自主事業として始まり、平成22年度から市主催の事業として実施してきております。
南郷名画座では、これまで
南郷文化ホールにおいて、八戸にゆかりのある映画を中心に35ミリフィルムで上映してまいりました。上映の際には、トークイベントや関連資料のロビー展などを実施することで、来場した方々に楽しんでいただいているものと考えております。入場者につきましても増加傾向にあることから、今後も引き続き
南郷文化ホールを活用して南郷名画座を継続していきたいと考えております。
次に、3点目の市民奨励金を活用した中心市街地以外の地域の
取り組み事例についてですが、市では、市民による自主的な公益性のあるまちづくり活動を支援する元気な八戸づくり
市民奨励金制度を平成18年度より実施しております。この制度は、市民活動団体及び地域コミュニティ活動団体を対象としており、そのうち、地域コミュニティ活動団体が奨励金を活用したのは、これまでの9年間で24事業となっております。その中で議員御質問の中心市街地以外の地域で取り組まれた事業は23事業で、ここ2カ年の取り組みといたしましては、美保野地区の美保野・金吹沢地区里山づくり、豊崎地区の八戸市小学生駅伝豊崎大会、是川地区の是川の歴史再発見!、南郷地区の中世の田んぼ跡活用による島守の活性化事業の4つの事例がございます。
美保野地区の美保野・金吹沢地区里山づくりでは、国蝶オオムラサキの再生を目的に環境整備を行った結果、地域の自然がより豊かになり、人々の憩いの場となったほか、活動への参加者が、地域住民だけではなく、福祉施設や鴎盟大学にまで広がり、新たな交流も生まれております。八戸市小学生駅伝豊崎大会は、元気で活力あるまちにするため、大会を通じて地域人材の発掘、育成とイメージアップを目的とした事業で、地域の団体間の連携促進や参加校の児童の交流などといった効果があらわれております。
是川の歴史再発見!は、地域のよさを住民に再認識してもらい、観光地として盛り上げるために、地域の遺跡や歴史的建造物をまとめた、是川縄文の里MAPを作成し、マップを活用した見学会を開催する事業となっており、見学会には多くの市民が参加し、是川地区の歴史に理解を深めております。また、中世の田んぼ跡活用による島守の活性化事業では、約700年前から米づくりが行われていたことを受け、地域の活性化のために、中世の水田跡地での米づくり体験などを通した市民交流イベントを開催しております。今後も、
市民奨励金制度により、
地域活性化に向けた取り組みを支援していきたいと考えております。
次に、
島守田園空間博物館や中世の水田跡活用対策の研究結果と今後の対応についてお答え申し上げます。
昨年10月、
島守田園空間博物館に含まれる南郷区島守地域の巻及び沢代地区の農地の一部が鎌倉時代後期のものと見られる水田跡と推定されました。これを契機として、水田跡の保存、活用を通じて地域貢献を目指す民間団体が組織され、本年から市の元気な八戸づくり市民奨励金の交付を受け、地域に伝わる農具などを用いた田植え、田の草取り、稲刈り、収穫祭などの農作業イベントを開催しており、実施に際しましては、
島守田園空間博物館の指定管理者のほか、地域の営農組合が連携、協力していると伺っております。
島守田園空間博物館は、島守盆地の地域資源をそのまま博物館の展示施設に見立て、保存、継承を図ることにしておりますので、水田跡につきましても、保存、活用に取り組む民間団体の主体性を尊重するとともに、活動を支える各団体を支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
田名部和義 君)冷水議員
◆8番(冷水保 君)南郷区の行政体制については大幅な変更がない、現状維持というふうな感覚で捉えてもいいのかと思いますが、ただ、1点だけ、道路維持関係とか除雪の関係を建設部のほうに移管するということで、一般廃棄物のところでもちょっと問題になりました積雪の多さが南郷区の場合は非常に多いというふうなことで、適切に除雪をしないと、また住民の方々から苦情が出るのかなという思いがあって、担当者も事務所のほうに配置をするということでございますけれども、その辺はきちんとした対応をしていただければということで御要望申し上げておきます。
行財政改革も進めている中で、人員削減等の管理もきちんとしていかなければならないということは、私ども、こういうような立場にいる者にとっては全く理解できるわけでありますけれども、住民の方々というのは、そのことよりもまず先に、自分たちの利便性を優先した考え方を持つと思いますので、そういったことも十分配慮しながら、いずれまた人員削減等もしていかなければならないと思いますが、できれば緩やかな変更という形で進めていただければ、地域住民にとってもありがたいのかなということで、ここについては要望を申し上げておきたいと思います。
それから、
南郷サマージャズフェスティバル、
南郷アートプロジェクト地域活性化について、南郷は、他の地域から比較いたしますと、比較的いろんな仕掛けがなされているんだろうと、地域の方々は理解していると思いますし、私もそのように理解をしておりますが、どういうイベントを仕掛けたとしても、やっぱり地域の方々みずからがみずからの思いでこの地域を活性化していくんだということがなければ、なかなか盛り上がらないという気がいたしております。
ジャズにしても、当初は、先ほど冒頭でお話し申し上げましたように、非常に有名なジャズ奏者の方々が最初のころはそろっていました。ですから、非常に脚光を浴びてきたところもありますけれども、やはりどうしても長年やっていますと、マンネリ化をしてきているということがありますし、旧南郷村の村民の方々にとっては、ジャズってなんだという思いがあったんだろうと思います。ですから、地域の伝統芸能とのコラボもしたときもありますし、もともとジャズについては、日本国内のみならず、世界的に見ても、その発達経過から見ても、いわゆるメジャーな音楽ではない。マイナーな音楽、黒人のエレジーとしてニューオーリンズから発祥してきたと。今はもうニューオーリンズから場所がかなり移っているようでございますけれども、そういった部分があって、なかなか地域の人たちもなじみにくかったのかなという思いがしております。
ですから、そういうジャズに人を集めるためには、何かもう少し年度ごとに斬新的なものを捉えていかなければいけないのかなと思っておりますが、特にプロだけではなくて、アマチュアの方々もかなり活用してもいいのではないか。あるいはもしかすると、学生といいますか、高校生なんかを活用することにはいろんな障害があるのかもしれませんが、そういったことの活用も、もしこれから長年続けていくとすれば必要なのかなと思っています。
この間ちょっとテレビ報道を見ていましたら、石巻の高校生と兵庫県の伊丹高校、石巻のほうが人数が少ない、伊丹のほうまで行って合同演奏したり、それから伊丹のほうから石巻のほうに来て合同練習したりという取り組みも、震災復興という意味も含めながら取り組んでいるところもございます。そうした仕掛けを考えていく必要があるのではないかと思いますが、そのことについて再質問としてどのようにお考えになっているのかということをお聞かせ願えればと思います。
それから、
市民奨励金制度の問題なんですが、9年間で24件、件数的には多いのか少ないのか、いろいろ判断基準があると思うんですけれども、24万都市の中で年間3件弱ということはそんなに多くないのかなと。そうすると、取り組み意識として、この奨励金制度の周知が十分になされているのかどうか、その辺が第1点です。
それから、制度上使うためにはそんなに難しくはないと思うんですけれども、いろいろ使い勝手の問題で余り使われないのか。あるいは予算的に例えば年間5件とか6件しか見ていないとか、いろんな部分があると思うんですが、もう少し使ってもらって、地域の方々みずからがこの地域を盛り上げるために努力をしていけるような仕組みが、もうちょっと楽に使えるというんですか、使い勝手がいいような状態になってくればいいのかなと思うんですが、その辺についてもお聞かせをいただきたいと思います。
一番いいのは、住民の方々がみずからいろんな計画をして、市に対して助成要請みたいな形でやる住民発想からスタートすれば一番いいと思うんですが、ただ、なかなか今の段階ではリーダー不足だとか、そういうような部分があって、それも取り組みが難しいのかと思いますけれども、その辺が現在どういう状況になっているのか、詳しく再質問の中身もお知らせしていませんでしたので、もしかすると、よくわからない部分もあるかもしれませんが、わかっている範囲でお答えをいただければと思います。
それから、
島守田園空間博物館もそうなんですが、私も協議会の役員としてかかわっておりまして、どうしても生かし切れていないという思いが拭い切れなくて、いろんなお話はしているんですけれども、なかなかそこの部分に入ってきて一緒にやりたいということが行動として、アクションとして起きてこないと。協議会の中にはいろいろな部会があるんですけれども、ほとんど生かし切れていなくて、直売所部会が唯一恒常的に活動しているという感じでございます。
ですから、もう一回役員会等を開きながら、中世の水田、すまもり村もできれば部会の中に参画をしてもらって、そこで協議会のほうで事務的なことをお手伝いしながら、もう少し活用できるような方法を考えていきたいと思いますので、そのことについては行政のほうからも一応、金銭的な支援というより、アイデアとか、そういったものを出していただければありがたいと思っていますので、佐藤所長も田植えとか、収穫祭には私もちょっと行けなくて、行ったのかどうか確認はしていないんですけれども、できるだけそういった場に足を運んで、こうあればいいのかなということを、古舘村長さんでも結構でございますし、田園空間の総合案内所のほうに事務局もおりますので、ぜひ御提言をいただきたいと。
この間事務局長が11月の末に交代をいたしまして、新しい局長を採用いたしまして、なれてはいませんけれども、むしろ私はなれていないほうがいいと。前のものを覚えてから新しいものを取り入れていきたいというような話をしておりましたけれども、前のことは余り気にしないで、どんどん新しい方向で進んでほしいということを言っています。どうしても前のことを先に覚え過ぎると、最初からマンネリ化になってしまうという思いもありますので、できれば、佐藤所長だけではなくて、部長さん方もぜひ島守のほうのイベントに足を運んでいただいていろんなアドバイスをいただければと。中にいれば割と見えないものも、外から見ると見えてくるという側面もあると思いますので、そういった部分で御指導をいただければと思います。とりあえずこの奨励金制度の部分についての再質問に対するお答えをお願いいたしたいと思います。
○議長(
田名部和義 君)
総合政策部長
◎
総合政策部長(大坪秀一 君)それでは、冷水議員の市民奨励金に関する再質問についてお答えを申し上げます。
まず、この奨励金制度の周知の方法でございますけれども、まず募集に当たりまして、市の広報、ホームページ等で、また、市民活動サポートセンターわいぐの登録団体等に対しまして周知を行っております。また、交付後の翌年度におきましては、活動成果発表会ということで、はっちなどを活用いたしまして、市民の皆様方に紹介する場面を設けております。
この奨励金のより一層の活用をしていただくということで、これまで何度か制度の見直しを進めてきております。最近では平成25年度におきまして、それまで事業拡大支援コースと地域づくり応援コースというコースがあったのでございますが、応募が少なかったということもありまして、それをまちづくり支援コースというコースに統合、さらに補助率もアップいたしまして見直しを行いましたところ、平成25年度は4団体、平成26年度は7団体という形で見直しの効果があらわれてきたものと考えております。
今後の課題といたしましては、地域活動の一層の促進を図るために、奨励金制度を活用した団体のフォローアップを行う必要があると考えております。そのため、奨励金を交付した団体へのアンケート調査などを行いまして、制度の効果等を検証しながら、参考となる活動事例がありましたら、市ホームページとか広報、市民活動団体パネル展などを活用いたしまして、市民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
田名部和義 君)
南郷区役所長
◎
南郷区役所長(佐藤卓 君)先ほど
ジャズフェスティバルと地域の方々とのかかわり合いについてということで質問があったかと思います。私が南郷区役所に行ったときも、意外と南郷の方々はさほどジャズに熱狂はしていないなという感触を受けたわけでございますけれども、現在、中沢中学校にジャズバンド部ができて長年やっていらっしゃる。それから地元の南郷の文化ホールにおいても、専属というんですか、あそこを本拠としたジャズクラブができて、それぞれ
ジャズフェスティバルも参加なさっていたと、こういうことですので、将来は本当に自分でジャズに親しまれる方が南郷でもふえていくのかなと1つは期待しております。
あと、いわゆる実行委員会が主催でございますけれども、以前はどちらかと言えば業者丸投げとか、行政がほとんど主導するという傾向にあったようでございますが、最近は実行委員会の中にも若手の方が大分入ってきまして、どのようなメンバーがいいのか、どのようなコースがいいのかということまで議論しておりますので、今後もそのような方向で展開して、できるだけ地元と一体となった
フェスティバルにしたいと思っています。
○議長(
田名部和義 君)
総合政策部長
◎
総合政策部長(大坪秀一 君)先ほどの再質問に対する答弁で若干補足させていただきたいところがございまして、申し上げたいと思います。最初の答弁で9年間で24件という数を申し上げましたけれども、これは地域コミュニティ団体に対する助成でございまして、本奨励金につきましては、そのほかの市民活動団体というテーマごとに活動している団体の方々にも奨励金を交付してございます。それらを合わせますと、9年間で全体では70件という数字となっておりますので、補足させていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(
田名部和義 君)冷水議員
◆8番(冷水保 君)御答弁ありがとうございました。件数がちょっと私の聞く部分とそうでない部分のミスがあったみたいですけれども、70件といいますと、かなりの件数になるんですが、いずれにしても、今後もその周知方の徹底を図りながら、先ほどフォローアップしていきたいという話でしたが、やっぱりそのことが大事ですし、やった結果の検証といいますか、制度というのはいつも同じではなくて、検証しながら、こういうふうに変えていこうということによって、より中身が充実してくると思いますので、ぜひそういう部分を含めて検討をしながら、市民に使われる、使われるということは、それだけ活力が生まれてくるということですので、そのことをお願いしてこの項については終わりたいと思います。
○議長(
田名部和義 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)それでは、私からは、(3)
南郷新規作物研究会議の研究経過と今後のスケジュール並びに
八戸ワイン産業創出プロジェクトに係る経過及び今後の予定についてお答え申し上げます。
当市では、国内需要の減少により、南郷地区の農業経営を支えておりました葉たばこの生産縮減に対応していくため、ことし5月に
南郷新規作物研究会議を創設し、その代替作物として、気候と土壌への適応性の高いワイン用ブドウ等を選定いたしました。研究会議につきましては、これまでに3回開催をし、ワイン用ブドウの品種選定、生産方法及びワインの醸造方法の検討等を行っております。
また、7月には当市の
八戸ワイン産業創出プロジェクトが総務省の機能連携広域経営推進調査事業に採択され、ピノ・ノワール、メルロー及びシャルドネ等のワイン用ブドウの試験栽培を今年度内に開始することにしており、ことし10月に生産面積約1ヘクタール分の公募を行い、応募をいただいた7名の農業経営者に委託することとしております。さらに11月にはさまざまな経営規模と成り立ちのワイナリーの先進地調査を実施するとともに、ワイン文化の定着と発信を目的とする八戸
ワイン産業創出フォーラムを開催したところであります。
今後の予定につきましては、平成29年度にワインの試験生産を開始し、平成31年度までにワイン用ブドウの生産面積1.5ヘクタール、生産量10トンを確保することにより、ワインの6キロリットルの醸造を目標にしております。
ワイン産業につきましては、ブドウの生産からワインの醸造、そして運搬及び販売等と裾野が広く、さらには地域の努力によっては多くの付加価値の創出が期待できることから、地域経済の活性化や雇用の創出に資するものであると理解しており、引き続き
プロジェクトの推進に努めてまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(
田名部和義 君)
農林水産部長
◎
農林水産部長(山本寧 君)次に、本市の農業における担い手の現状及び課題とその対策についてお答え申し上げます。
農林業センサスによりますと、当市の農業就業人口は、平成17年の4205人から平成22年までの5年間に897人減少し、3308人となっております。農業経営体につきましても、平成17年の1721経営体から平成22年までの5年間に148経営体が減少し、1573経営体となっており、経営種目別では、水稲が60経営体、野菜が3経営体、果樹は10経営体の減少等となっております。また、当市の農業就業人口の平均年齢は約65歳であり、担い手の減少に加えて、高齢化の進展が著しいことが、当市だけでなく、我が国農業の課題になっております。
当市では、この担い手の減少と高齢化に関する対策として、今後地域の中心となることが見込まれる新規就農者等に対し、年間150万円を最長5年間給付する国の青年就農給付金事業による支援を行っており、平成24年度からことし11月末までに12名の新規担い手が誕生しております。さらに、経営感覚にすぐれた多様な担い手を育成するため、平成22年9月に八戸学院大学と農業経営者の育成に関する協定を締結し、農業経営に特化した八戸農業ビジネスナイトセミナーの開催等により、農業による起業者の育成や他産業からの新規農業参入を促進することにしております。今後とも、国、県及び関係機関との連携を図りながら、みずからの発想と戦略による特色ある農業施策を推進し、引き続き経営感覚にすぐれた多様な担い手の育成に努めてまいります。
以上です。
○議長(
田名部和義 君)
南郷区役所長
◎
南郷区役所長(佐藤卓 君)次に、
南郷そば振興センターの役割とそば振興策についてお答え申し上げます。
初めに、
グリーンプラザなんごう株式会社について申し上げますと、同社は、
南郷そば振興センターの管理運営のほかに、道の駅における農産物直売所、宿泊、レストラン、清掃、ジャズの館の管理運営など多くの業務を行うほか、新そばまつりや雪蛍まつり、グリーンツーリズム窓口業務など
地域活性化事業を展開しております。また、
ジャズフェスティバルや南郷
産業文化まつりへのイベント参画などの地域貢献も求められております。このような中で同社が行っているそば振興策としては、そば生産支援の面では、コンバインによるそばの刈り取り及び玄そばの乾燥、選別、地産地消という面では、そば粉の加工や道の駅レストランで南郷そばとしての提供、販売の面では、乾麺の開発、販売や玄そばの転売などがございます。このうち、玄そばの転売業務を見ますと、混入している小石や茎などの除去を行うための人件費や出荷されるまでの保管料などの経費が発生するため、安定した利益を期待できるものではないと聞いております。このようなことから、玄そばの買い取りを含めたそば振興策については、会社の業務全体及び経営状況を見た上で進めるべきものと考えております。
次に、国の経営所得安定対策の見直しに伴うそば振興策についての御質問ですが、国の経営所得安定対策における畑作物の直接支払交付金及び米、畑作物の収入減少影響緩和対策の対象者要件について、平成27年産からは、認定農業者、集落営農及び認定新規就農者に変更されることになっております。これ受け、当市では、ことし8月から認定農業者及び集落営農に関するセミナーや説明会を計3回開催しており、来年6月末の加入申請期限までに認定農業者への移行や集落営農組織の設立を促進することにしております。また、南郷地区を対象として、平成元年から特産そば産地形成奨励金事業を行い、そばの刈り取り料に対する経費補助を行っており、奨励金事業の実績に基づくそばの作付面積は、平成26年は81ヘクタールの見込みとなっております。そばにつきましては、昭和40年代から南郷地区で作付され、地域の特産であり、また、耕作放棄地対策としても有効な作物であると理解しており、引き続き作付を振興してまいります。
○議長(
田名部和義 君)冷水議員
◆8番(冷水保 君)時間がなくなってきましたので、そば振興に関しては要望だけ申し上げたいと思いますが、先ほど壇上で申し上げましたように、転売がほとんどの数量を占めていると。当初の目的の付加価値をつけるという部分に関しては数量が余り多くないんです。38.3トンのうち、転売が25トン、玄そばの加工分として1.3トン、それから玄そばの在庫保管、要するに、1年間使っていくための在庫が12トンぐらいということで、そのほとんどが、50%以上が玄そば販売ということになっていますので、ここの部分にいかに付加価値をつけるかによって
買い入れ価格に大きな影響が出てくるということですので、やっぱり生産者の方々から見ますと、この付加価値をつける努力が少し足りないのではないかと。やっぱりいろんなところにセールスということを進めながら、どうしたら付加価値をつけられるのか、あるいは生産者の方々ともう少し協議を密にしながら、いろんな方々から意見、アイデアを聞いて付加価値をつけるための努力をもっとしてほしいと。そのための指導なり筆頭株主としての役割を行政に求めたいということですので、確かに相手は筆頭株主といえども、民間会社がやっているわけですから、どれだけ関与すればいいのかの問題はあると思うんですけれども、やはりそういうときは原理原則に返って、何のためにつくられたのか、付加価値をつけるためだったと。それだったら、それなりに努力をしているのかということについて、もう少し指導的な役割を果たしてほしいということで、時間がないのでここは要望だけにとどめておきたいと思います。
それから、これはワインのほうとも関係がある。先ほど市長から、ポスト葉たばこということでのお話がありました。葉たばこがどういう形で南郷、特に島守に入ってきたのかといいますと、昭和15年に初めて導入されました。当時は10アール当たりの、いわゆる単金と称していますが、188円です。1反歩です。26.8アールの耕作から始まりました。平成23年に初めて万円台の売り上げ、2万216円、137アール、昔の単位で言いますと、1町約4反ということです。以来、昭和48年に20万円台、昭和49年に30万円台、昭和51年に42万円台、それから平成元年が52万円台、一番高かったのが平成6年の69万1000円、これは平均でございます。そのときの平成元年の面積は高くなったときにもう減り始めているんです。127町ぐらい。一番多かったのが昭和51年から昭和56年にかけてなんですが、180ヘクタールぐらいです。ですから、もう昭和56年以降はどんどん減ってきていると。減ってきている理由としては、要するに高齢化によって働けなくなったということと、それから2度の廃作奨励金がありましたので、その時期に大幅に減ってきているということなんですが、現実としては担い手不足で減ってきているという現実がありますので、新しい作物をつけるときに取りつくのかという心配を私は心配しているわけです。いろんな試験をやって、さあ、やりましょうといったときに、試験栽培については7名ほど応募があったということなんですが、最終的に原料確保をしなきゃならない――終わります。
○議長(
田名部和義 君)以上で8番冷水保議員の質問を終わります。
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