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平成 6年 6月 定例会-06月13日-02号

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  1. 八戸市議会 1994-06-13
    平成 6年 6月 定例会-06月13日-02号


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    平成 6年 6月 定例会-06月13日-02号平成 6年 6月 定例会 議事日程第二号  平成六年六月十三日(月曜日)            午前十時開議 第一 一般質問     ───▲・▼───  本日の会議に付した事件 議事日程に同じ     ───▲・▼─── 出席議員(三十七名)    一番  田名部 和 義 君    二番  工 藤 雄 剛 君    三番  伊 藤 彰 亮 君    四番  秋 山 恭 寛 君    五番  佐々木 秀 男 君
       六番  工 藤 智 幸 君    七番  吉 田 淳 一 君    八番  山 口 広 道 君    九番  伊 藤 圓 子 君   一〇番  中 村 文 男 君   一一番  笹 倉 啓之介 君   一二番  前 澤 時 廣 君   一三番  山 内 正 孝 君   一四番  大 館 恒 夫 君   一五番  吉 田 博 司 君   一六番  東 野 礼 二 君   一七番  坂 本 美 洋 君   一八番  清 水 悦 郎 君   一九番  荒 川 重 雄 君   二〇番  藤 川 友 信 君   二一番  田名部 定 男 君   二二番  神 田 洋 一 君   二三番  内 城 国 雄 君   二四番  中 村 元 博 君   二五番  上 田 善四郎 君   二六番  谷 地 先次郎 君   二七番  中 村 当次朗 君   二八番  西 野 陽 一 君   二九番  苅 田 重一郎 君   三一番  小笠原 要 七 君   三三番  越 田   巌 君   三四番  岩 織 政 美 君   三五番  大久保 忠 亥 君   三六番  上 村 武之助 君   三七番  松 田 岩 雄 君   三九番  斉 藤 健 治 君   四〇番  玉 懸 忠 国 君   ───────────── 欠席議員(一名)   三八番  河 村 正太郎 君   ───────────── 地方自治法第百二十一条による出席者   市長      中里 信男君   助役      須藤 昭雄君   収入役     福井 政美君   企画部長    北澤 美達君   総務部長    工藤 俊雄君   財政部長    村手  聡君   経済部長    金子 英夫君   健康福祉部長  川越 精作君   生活環境部長  伊藤 公隆君   建設部長    日影  廣君   都市開発部長  宇部  晃君   下水道部長   関川伊佐夫君   教育長     巻  長吾君   教育部長    松川 芳男君   自動車運送事業管理者           安藤 行夫君   市民病院事務局長           八並 壽雄君   監査委員    荒谷 勇一君    ───────────── 出席事務局職員   事務局長    船越  進   次長      漆澤  惇   議事課長    大高 勝武   課長補佐    荒谷 正孝   議事班長    菅原 勝彦   主任主査    工藤  哲   主査      千葉 憲志     ───▲・▼───   午前十時 開議 ○議長(佐々木秀男 君)これより本日の会議を開きます。     ───▲・▼─── △日程第一 一般質問 ○議長(佐々木秀男 君)日程第一一般質問を行います。  順次質問を許します。    ────────────   三十四番 岩織政美君質問 ○議長(佐々木秀男 君)三十四番岩織政美議員の質問を許します。岩織議員  〔三十四番岩織政美君登壇〕(拍手) ◆三十四番(岩織政美 君)一九九四年六月定例議会に当たり、日本共産党議員団の一員として質問します。  まず、地方消費税創設の問題であります。  去る六月二日、全国市長会総会において、地方消費税の創設など、地方税財政の強化を求める決議をしたと報じられております。消費税の現行三%について、我が党は多くの国民とともに速やかな廃止を求め、地方行政にかかわる消費税徴収も見合わせるべきであると主張してきたところであり、さらに現在、羽田内閣のもとで、七%から一〇%もの消費税増税を押し進めようとしていることについて厳しく批判し、国民の信を問えと訴えております。  ところで、全国市長会においては、いつのころよりか、地方自治の推進のためと称して、現行消費譲与税を独立税としての地方消費税に組みかえよと国に求めてきているのであります。これにこたえて政府税制調査会は、昨年十一月中旬の答申において、税の帰属地と消費税との関係や、国境税調整の問題、納税コストの観点から、困難ではないかなどの意見があったとし、今後、消費税のあり方の見直しと並行し、検討を加えることが必要であると述べて、結論先送りとしながら、消費税増税と関連させて、その創設を検討するとの姿勢を示しております。  これを受けて、十二月三日、地方六団体の代表で構成している自治権確立対策協議会は、地方税財源確保緊急総決起大会を開き、地方独立税としての地方消費税の充実強化を求める趣旨の決議を行っております。  以上の内容を見るとき、消費税の存続を求め、さらに地方税の充実強化として、消費税増税も是認していく態度であるものと見受けられ、住民の意思に反する極めて重大な問題を含んでいると言わざるを得ないのであります。  そこで第一点として、全国市長会決議の内容と今日までの経過について示していただきたい。  第二点として、中里市長自身の消費税及びその増税に関する基本的態度が問われてまいります。消費税の見直しについて、市長はこれまで、国の動向を見きわめていくという態度でありましたが、今度は、市長会として国に地方消費税を求めているというみずからの問題にかかわっております。したがって、地方消費税創設についてどういう見解を持ちながら、全国市長会に臨んできたのか明らかにしていただきたい。  次に、文化行政の問題であります。  全国の都市における文化行政推進の取り組みは顕著でありますが、都市行政問題研究会では、二月十七日の総会において、文化行政と都市のあり方についての報告書をまとめております。  この報告書にも反映されておりますように、各都市において既に文化振興財団や基金、条例等を整備し、市民の総合的な文化活動の支援や文化行事の推進、施設運営などを専門的に推進しており、成果を上げております。  最近視察してまいったところでも、姫路市の芸術文化賞事業城郭研究室セミナーベルギー現代美術展、市民オペラ、コンサート、文学セミナー、歴史・文化研究助成、伝統工芸村整備事業、総合文化誌「バンカル」年四回発行などの多様な取り組み、出雲市のふるさと文化町事業、倉敷市の文化振興基金事業、益田市の文化スポーツ振興財団及び基金条例など、それぞれ独自の内容で文化活動を進めており、津和野なども含めて、文化的香りのある都市づくりの先例は、本市に対して、現状からの脱却を切実に促すものであります。
     そこで、本市の文化行政推進を求める立場から、次の三点について質問します。  第一点は、文化的都市づくり推進について。言うまでもなく、中里市長は文化都市建設を高く標榜しておりますが、いまだにその全体像が明確でありません。八戸の風土、歴史と伝統を基調にした文化都市八戸をどう実現していくのか。市民団体、文化人ら住民参加の協議を深めながら具体化していくべきものと思いますが、いかがでありますか。  第二点は、内外文化交流推進について。八戸市民の音楽、演劇活動の水準が高く、目覚ましい活動を展開していることは御承知のとおりであります。八戸の文化的価値を高め、創造性を豊かにし、活動の一層の成果を上げるためにも、内外他都市との文化交流推進は極めて有意義であり、関係者からも強く求められていることであります。巻教育長の開明的な見解を期待するものであります。  第三点は、本市の文化振興条例制定、振興財団、基金等の創設を求めるものであります。前段で述べたように、報告書記載のとおり、今後の文化都市推進には必要なものと提言されておりますこれらの制度について早急に検討を進めるべきであります。文化活動について、行政は支援する立場を柱とし、市民の創造的な文化活動の環境づくりに努め、各文化活動に対する行政指導的な対応は極力なくしていくべきものと私は考えております。とかく潤いの少ないまちと言われる本市の文化的環境づくりのために、市長の前向きの見解を求めます。  次に、子どもの権利条約発効と市の対応について、教育長の見解を求めます。  一九七九年の国際児童年に子どもの権利条約草案の審議が始まり、十年の論議を経て、一九八九年三月の国連人権委員会で草案採択され、同年の第四十四回国連総会で採択された子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)に関して、我が国では二年間の歳月を経て、ことし三月二十九日に国会で承認され、五月二十二日に効力を生ずることになりました。  この条約は、子供の基本的人権の尊重を実現するため、生命に対する固有の権利、思想・良心の自由、差別の禁止、経済的・社会的及び文化的権利、社会保障の権利など包括的に詳細に定めてあります。  この条約の規定に基づいて、我が国が行うべき必要な諸施策や、予算措置、立法措置、また各分野での改善など、課題が多いのでありますが、ここでは学校現場に直接責任を負うている教育行政のあり方に関して触れてまいります。  第一に、文部省は、子どもの権利条約発効に先立つ五月二十日付で、各都道府県教育委員会に通知を行い、その中で、教育活動全体を通じて基本的人権尊重の精神の徹底を一層図っていくことが大切であると述べる一方において、今各学校で深刻な問題となっている新学習指導要領の見直しの必要を認めておりません。  条約第二十九条で、「児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること」とうたっておりますが、学校現場では、内容が難しい、量が多過ぎる、速度が速過ぎる、子供がついていけないという問題で苦悩している現状であります。  例えば、このほど二小学校運動会で話されている内容を紹介しますと、授業時間を運動会準備のためにつぶせなくなってきたので、種目の選定ではできるだけ簡単なものにするしかないという事例であります。今の新学習指導要領のもとでは、クラスの三分の一が理解すればよい、他の子供は理解できなくても次に進んでいってよい、こう言われています。  最近、学歴社会の弊害と見直しが論じられるようになってきておりますが、子どもの権利条約でうたっている子供の人格、才能並びに精神的、身体的能力を最大限度まで発達させるという内容にほど遠いのが今の学校教育のあり方であると言わねばなりません。  また、文部省通知は、日の丸、君が代についても、今後とも指導の充実を図るとして、特定の価値観を強制することも改めようとしておりません。  さらに、各マスコミでも指摘されているように、権利条約第十二条・意見表明権に関して、文部省通知は、意見表明権については必ず反映されることまでをも求めているものではないとして、条約の精神に反する指導を押しつけ、校則の行き過ぎまでをも容認するものとなっております。  これらの点からも、子どもの権利条約が発効し、大きな期待を寄せられながらも、文部省通知はその積極的な意義を認めず、従来どおりの方針に固執しようとしていることは明らかであります。よって、八戸市教育委員会においては、この子どもの権利条約と文部省通知の問題をどのように受けとめているのか見解を示していただきたい。  第二点、この権利条約を学校現場においてどのように生かそうとしているのか。第一に、この条約の内容を広く児童生徒及び父母に知らせることが大切と思うのでありますが、一定の予算も伴いながら実施していく考えがあるのかどうか。  第二に、この条約の精神を学校現場において生かしていくために、専門的なメンバーによる検討を進めることが必要と考えますが、いかがでありますか。  御承知のように、この条約は、二年以内に国連にその実施状況を報告することも義務づけており、八戸市においても、子供の状態の変化について把握していかなくてはなりません。市教育委員会の積極的な対応を求めるものであります。  次に、環境基本法に基づく市条例制定について、市長の見解を求めます。  三月議会において、八戸南浜海岸開発問題に関連して、環境基本法の規定に基づく市の対応が求められていると私から指摘したのであります。その際、北澤生活環境部長は、環境の保全に関して、地方公共団体としての相当程度の対応が求められている。今後速やかに勉強し、適切に対処するように取り組んでまいりたい、このように答弁されております。  昨年十一月施行の環境基本法について一定の評価を持ちながらも、アセス法制定の伴わないこと、事業者が負うべき負担の国民への責任転嫁など、大きな弱点のあることも我が党は指摘しております。しかし、施行された法に基づき、地方自治体として最大限の対応を進めることもまた重要なことであり、改めてこの法に基づく市条例制定を強く求めるものであります。そこで、これまでの検討内容と今後の見通しについて述べていただきたい。  また、後段触れてまいるところの八戸南浜調査検討報告書の内容にあるA区域開発について、この基本法第二十一条三項に基づく市としての対応をどうするのか、あわせて示していただきたい。  最後に、八戸南浜調査検討報告書と市の対応について質問します。  さきの三月定例議会でも取り上げましたが、その直後に、県の八戸南浜調査検討報告書が作成され、大須賀・白浜ゾーンの海岸保全整備構想の素案が示されております。その全体内容の問題点については、さきにも指摘したとおり、開発行為が厳しく規制されている種差海岸A区域及びB区域の広大な地域を含む一帯の開発計画であることであり、レジャー施設を大きく取り入れながら、関係住民の意見を一部からしか聴取せず、実質的に官学のみの構想をまとめていることであります。  県行政が主体となったこの種の事案で、なぜ八戸市民の頭越しに一方的に推進しようとするのか、まことに不可解であり不愉快であるとするのが、私のみならず多くの関係者の率直な心情であります。  繰り返して指摘しますが、この南浜海岸一帯では、過去に地権者の駐車場設置問題と現状復帰命令、釜ノ口地区の県土木部による民間払い下げと買い戻し問題、種差ゴルフ場開発計画と白紙撤回問題、そして、東山画伯碑建立問題と相次いで大きな問題が生じております。  そこでは共通して、関係住民、団体を含む市民の訴えがようやくに実り、事なきを得つつ、種差名勝地の保存管理と住民の生活環境維持の基本線が保たれてきているところであります。  県では、防災対策も大きく打ち出しておりますが、事防災問題に関しても、その地域で長年にわたり生活を続け、潮流、風向、岩礁など、その特徴を詳しく身につけている地域住民の意見を聞かずに、真の有効な防災対策はあり得ないものであり、この点でも行政の一方的な計画推進であると言わねばなりません。  以上の点を指摘しつつ、四点について質問します。  第一、この報告書には、三月議会で中里市長が答弁されたところの種差名勝地保存管理計画を尊重し、関係団体及び市民のコンセンサスを得ながら検討されるように県に強く要請するということについて、どのように反映させているのか。  第二、産業及び自然等への影響についてどのように承知しているのか。沿岸漁業者の間から、既に操業に支障あるとして容認できないとする強い反発の声が出ており、自然への影響についても、これまでの諸事例からも強く憂慮されております。  第三、市民団体及び関係住民の意見反映をどのように進めるのか。報告書では、地元関係者や関係機関等と協議の上とあるが、その具体的な内容についてどうなのか。  第四、問題の多い報告書の内容を全面的に見直しするよう市から県に対して求めるべきであるが、どうか。  以上について明確な答弁を求めます。  これで壇上からの質問を終わります。  〔三十四番岩織政美君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)岩織議員にお答え申し上げます。  まず最初に、全国市長会における地方消費税創設の決議の内容と経過を示せ、こういうことでございました。  住民生活に密接に関連する地方行政は、年々ますます大きな役割を担うことが求められております。こうした期待にこたえ、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限委譲を行い、地方団体の自主性、自立性を高めるとともに、そのための地方税財源の充実強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務とされております。  平成五年六月、第一二六回国会におきましても、国から地方への権限委譲、地方税財源の充実強化と、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図る地方分権の推進に関する決議がなされたところであります。また、平成五年十月の第三次行政改革審議会の答申におきましても、地方自治体の財政基盤の強化を掲げ、地方自治体が自立的、主体的に行財政運営を行うことができるように、地方税財源の充実強化を図っていくことといたしております。  一方、全国知事会、全国市長会等の地方六団体も、平成五年十月に、税制改革に当たっての要望といたしまして、地方自治の原点に立ち返り、現行の消費譲与税地方独立税としての地方消費税へ組みかえるなど、地方分権の推進に即した地方税制を確立するよう強く要望したところであります。  このような背景のもとに、去る六月二日に開催されました第六十四回全国市長会総会におきまして、地方税財政の充実強化に関する決議の中で、現下の地方財政は巨額の借入金残高を抱える中、景気の低迷を反映いたしまして、大幅な税収不足が生じたことに加えまして、所得税、住民税の特別減税が実施されるなど極めて厳しい状況にございます。  このような中で、地域の特性を生かしつつ、増大する行財政需要に的確に対応するためには、地方分権の推進に即した安定的な地方税財政の確立が強く求められておるといたしまして、抜本的税制の見直しに当たっては、地方分権の推進に即し、地方独立税としての地方消費税を創設をすることという内容とする決議を行ったものであります。このことについて、市長の見解と対応はどうかというお尋ねでございました。  地方分権が時代の大きな要請となっております今日、その裏づけとなる自主独立財源としての地方税の充実確保は極めて重要であると認識をいたしております。また、今後の高齢化社会に対応する福祉施策の充実、生活基盤の整備、環境保全対策等、地域の特性を生かしつつ、増大する行財政需要に的確に対応するためには、地方団体の歳入を支える安定的な税体系を確立することが重要と考えております。  去る六月二日の全国市長会の決議も、こうした観点に基づきまして行われたものでありますが、現在、抜本的税制の見直しについては、政府税制調査会等、国政の場におきましていろいろと議論されておるところでもございまして、今後の動向を見守ってまいりたい、このように考えております。  次に、文化行政でございます。文化施設等を含めた将来の文化都市づくりについてどう考えているか、こういうことでありました。  近年の国土開発や都市開発の進行に伴いまして、地域の伝統的な生活様式の変化、自然環境の悪化、文化財の消滅などの問題が深刻化してきておる状況であります。このような社会構造の変化の中で、国民の間では文化に対する志向がかつてないほど高まりつつございまして、地域において保存伝承されてきた歴史的建造物や、史跡、名勝、地域の伝統的な芸術や、風俗、習慣などに目が向けられるとともに、特色ある文化活動や、伝統文化を生かしたまちづくり対策の充実が求められております。  当市におきましても、これまで、八戸市発祥の地とも言える史跡根城跡において、中世の城館の復原を進めてきておりまして、また世界的にも有名な是川遺跡につきましては、縄文学習館を建設し、当時の生活を視覚的、体験的に学習できるよう施設の充実に努めてまいったところであります。  また、芸術文化につきましては、八戸市公会堂を初め、文化教養センター南部会館等、既設の文化施設の効率的活用を図るとともに、平成四年度から市の重点事業といたしまして、これは仮称でございますが、県立文化ホールの建設を県に要望をいたしております。また、平成六年度には、教育委員会に文化課を新設をいたしまして、文化行政の強化も図ってきたところであります。  まちづくりは都市の魅力創造であるという理念に基づきまして、市民のどなたもが潤い、安らぎ、喜びが実感できるたくましい産業文化都市ということを理念に掲げて、今後ともさらに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、市民による文化活動が活発化し、内外交流が盛んになることが望まれるが、考え方を示せという内容でございました。このことについては、議員は特に教育長という指名がございましたので、教育長の方から答弁を申し上げます。  次に、文化振興条例制定や、他都市においてそういう例や、文化振興についての基金の設置が多く見受けられるが、どのように展望しているのか、こういう内容でございました。  文化振興条例は、住民と自治体が一体となって推進する文化の創造と振興に関する基本的事項等を内容といたしております。文化振興条例を制定している都道府県は四団体、市町村は二団体であります。  一方、文化振興につきましての基金設置の目的は、美術品購入、芸術文化振興博物館等施設建設基金等が主なものでありまして、設置している都道府県は三十一団体、市町村は七団体となっております。このようなことから、文化活動を支援するために、文化振興条例の制定及び基金の設置につきまして、さらに調査研究をしてまいりたいと考えております。  次に、子どもの権利条約発効についてのお尋ねでございました。このことは教育長の方から答弁を申し上げます。  次に、環境基本法に基づく市条例制定についてということでございました。環境基本法につきましては、平成五年十一月十九日公布されておりますところであり、その内容は、従来の公害対策基本法とは大きく異なってまいりまして、自然保護、環境影響評価──環境アセスメントでございますが、地球環境問題等を加えた広範囲に及ぶものとなっております。これまで市では、公害防止条例生活環境保全条例等を制定し、各種問題に対処してきておるところであります。  環境基本法の趣旨を組み込んだ条例の制定は、熊本県、大阪府、川崎市等、一部地方公共団体で既に制定されておりますが、環境全般にわたりますことから、この内容を勉強中でございます。今後、類似他都市の動向も見ながら検討してまいりたいと考えております。  次に、八戸南浜調査検討報告書についてのお尋ねでございました。  環境基本法は、環境保全に関する基本理念、国・地方公共団体等の責務、国・地方公共団体の環境保全に関する基本的施策、環境審議会等について定めたもので、個別の具体的な法規制や法的措置に関しては、それぞれの法令の定めるところによるものでございます。  南浜地区の一部等は、文化財保護法によりまして、名勝種差海岸として指定をされておりますほかに、青森県立公園条例によりまして、種差海岸階上岳県立自然公園としての指定も受けておるところでございます。指定区域外の開発等に当たりましては、それぞれの区分等により規制されることとなっております。八戸南浜調査検討報告書は構想の素案を策定したものでありまして、今後、計画策定に当たりましては、それらの規制する法令の検討についても行われていくものと理解をいたしております。  次に、三月議会で市長答弁の市の意見はどのように反映されているのかという内容でありました。  八戸南浜調査検討報告書は、平成四年及び五年度の二カ年にわたり、八戸南浜の沿岸域を対象としまして、保全と利用のあり方を検討し、今後の八戸南浜の沿岸域にかかわる保存、防災、利用の各視点から、総合的な保全、利活用の指針案、これは案でございますが、及び海岸保全整備構想の素案として策定されたものであります。  三月議会でも答弁いたしましたとおり、先ほど議員もお述べになっておりましたが、今後、県の計画策定に当たりましては、名勝種差海岸を取り巻く自然環境や社会的環境を踏まえた保護の基本的な方針といたしまして、文化財指定区域にかかわる名勝種差海岸保存管理計画を保存管理の指針として踏襲することとなっております。  また、環境基本法に基づいて保全整備計画を検討し、地元関係者や関係機関等と協議の上、計画を進めていくことにつきましても、県及び委員長に申し入れて、報告の中に文書表現を追記するなど、市の意見反映に努め対応してきております。  今後も、県の計画策定に当たりましては、名勝種差海岸保全管理計画等の尊重、関係団体の意見及び市民のコンセンサスを得ながら検討されるように強く要望してまいりたいと考えております。  次に、沿岸漁業者は、モーターボート、プレジャーボート等で漁業に影響があり、同意できないと言っているがどうか、こういう内容でございます。  沿岸漁業者は、モーターボート、プレジャーボート等で漁業に影響があり、同意できないと言っているがということにつきまして、八戸南浜の沿岸域は、海岸特有の自然環境がすぐれた県立自然公園区域でありまして、さらには名勝、史跡等の文化財が分布する地域でもあります。一方、市民のレクリエーションの地として、八戸市を代表する観光地ともなっております。また、沿岸漁業の場として、つくり育てる漁業の振興を図っている地域でもありまして、このように多様な海岸空間を有している地域であります。  以上のような沿岸の諸条件から、八戸南浜調査検討範囲は約九キロメートル区間でありますが、このうち、海岸保全区域が指定されております大須賀・白浜地区につきましてのみ、海岸保全及び整備構想を検討し、海岸保全利用方針の素案が示されておりまして、他の地区につきましては、具体的構想ではなく、将来のイメージにとどめるといたしております。したがいまして、現在、大須賀・白浜海岸は海水浴等の利用がなされておるところでもありまして、また、現段階で沿岸漁業への影響について定かでございませんので、今後、地元関係者及び関係機関の意向を見きわめながら、調査研究をしてまいりたいと考えております。  次に、名勝種差海岸保存管理計画のA地区、B地区への影響をどのように考えているのかということでありますが、名勝種差海岸保存管理計画を尊重し、景観の維持、生態系の保護に努めるとともに、関係団体及び市民の意見を聞き、A地区については、原則として現状変更しないこととし、またB地区については、現状変更を最小限の範囲にとどめるように努力をしてまいりたいと考えております。  次に、自然保護団体、地域住民の意見反映についてはどのようになっているかということでございます。県では、自然保護団体、地域住民の意見を反映させ、理解を得るために、検討会を予定していると伺っております。  次に、報告書に問題があり、地元自然保護団体、住民の同意が得られるものではないので、市長は見直しを求めるべき、また、保存管理計画に対してどうするのか、こういうことでございました。  八戸南浜調査検討報告書は、将来の八戸南浜の沿岸域にかかわる保全及び利活用について素案を作成したものでありまして、この調査検討を進めるに当たりましては、八戸市文化財審議会委員を初め、動物、植物専門等の学識経験者、地元地域団体代表、県市関係者から成る八戸南浜を考える会を県の審議機関として設立をし、その意見と指導を受けてこの報告書がまとめられたものであります。  また、今後、県では、この構想素案について、地元自然保護団体や地元関係住民の意見及びコンセンサスを得るための検討会を予定すると伺っておりまして、報告書の見直しを求める考えは持っていないところであります。  名勝種差海岸保存管理計画につきましては、報告書の中で、保存管理計画の指針を保存管理の柱として踏襲することと明記されておりまして、これを尊重してまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(佐々木秀男 君)教育長 ◎教育長(巻長吾 君)文化行政のうち、内外文化交流推進について、私からお答えを申し上げます。  市民による文化活動が活発化し、内外交流が盛んになることが望まれるが、考え方を示せという内容でございました。  近年、地域社会の変化や国際化が進むにつれまして、他の地域や諸外国との交流が進みまして、文化交流も行われるようになってまいりました。当市の文化交流におきましても、国内では県民文化祭、国民文化祭等への参加を初めといたしまして、鮫神楽の国立劇場出演、国外では、今年度で十回目を迎える中学生の中国訪問、平成五年八月一日にフェデラル・ウェイ市と姉妹都市提携をいたしましたことによりまして、小学校五校の姉妹校の締結、中学生、高校生から一般市民に至るまでの教育文化交流、さらに今後予定されております、すずかけ女声コーラスのイタリア・チェルタルド市との合唱交流、世界地方十字路会議の八戸開催等、あらゆる分野においての目覚ましい文化活動を展開しております。  このように文化活動を通じての文化交流は、お互いの文化を向上させるだけではなく、新たな文化をも創造していくものと考えております。このたび、市が地方拠点都市の指定を受けたのを機会にいたしまして、地方拠点都市重点事業の一つであります文化推進事業の計画策定に取り組んでいるところでございます。  次は、子どもの権利条約発効について、その一番目に、文部省通知市教育委員会の見解について申し上げます。  平成六年五月十六日に児童の権利に関する条約が公布されましたのに伴いまして、文部省では、平成六年五月二十日に、各都道府県教育委員会に対して、この条約についての通知を出しております。  それによりますと、本条約は、世界の多くの児童が、今日なお貧困、飢餓などの困難な状況に置かれていることにかんがみ、世界的な視野から、児童の人権の尊重、保護の促進を目指したものであります。また、この条約は、基本的人権の尊重を基本理念に掲げる日本国憲法、教育基本法等と同じ立場をとるものでありまして、本条約の発効を契機といたしまして、一層児童生徒の人権に配慮し、一人一人を大切にした教育の充実が図られるべきことが述べられております。  市教育委員会といたしましては、現行学習指導要領の理念に基づきまして、学校教育指導の方針を定め、児童生徒一人一人のよさや可能性を認め支え合う、受容と共感の教育の実現に努めてきたところであります。この条約の発効を機に、各学校における教育の質的向上を一層図りたいものと考えております。本条約の趣旨及び内容の周知徹底を図るためにも、今後とも基本的人権尊重の精神に即した教育活動の一層の充実に取り組むよう各学校を指導してまいります。  次に、権利条約を生かすための具体的な対応について、専門委員会を設置する考えはないかとのお尋ねにお答えいたします。  本条約の内容とその趣旨につきましては、文部省の通知に従って、その概要及び全文を各学校に配付するとともに、市立学校長会、生徒指導協議会等を通じて教職員に周知してまいります。学校の教育活動全体を通して、児童生徒の基本的人権尊重の精神の徹底を一層図ってまいります。  保護者に対しましては、青少年健全育成協議会や連合PTA並びに各学校の保護者集会等の機会をとらえまして、この条約の内容を知らせてまいります。  なお、児童生徒に対しては、全校集会、学年集会等を通して、この条約の存在や意義について理解させるよう努めてまいります。本条約の趣旨を生かすために、児童生徒においては、児童会、生徒会等を通じて、その主体的な活動を支援してまいります。  保護者におきましては、PTA集会、地区懇談会等を通じて、児童生徒の人権の尊重についての情報交換の充実を図ってまいります。  教職員においては、校長会、教頭会、小教研、中教研等の組織を通じて、人権尊重の教育の推進を図ってまいります。  したがいまして、議員御提案の専門委員会の設置につきましては、県教育委員会の指導を仰ぎながら、他都市の状況等を見て研究してまいりたい、このように考えているところでございます。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)岩織議員 ◆三十四番(岩織政美 君)まず、市長の答弁の地方消費税について、市長は全国市長会の内容だけ述べられて、みずからの地方消費税に賛同しているのか、積極的なのか、消極的なのか明確に述べられておりませんので、今後、増税ということもあり得るわけですから、すべてあなた任せで、市長は何も述べないでいくということなのかどうか、もう一度お答えいただきたい。  それから、南浜海岸問題ですけれども、再質問ですが、今の市長の答弁をずうっと全体を通してまして、詳しくこの検討が進められていくとした場合、関係団体、市民、関係住民、いろんな問題が派生してくるということは、市長の答弁の中にもにじんでいるわけです。ですから、現在の報告書の内容というものは非常に問題が多いものだということが、今の答弁にも私は反映されている、こう受けとめております。  ですから、市長の答弁では、今後、検討会を県は予定しているということですが、その内容は定かではないんですが、どういう内容なのか、もしわかっておったら、さらに示していただきたいわけですけれども、この素案がそれぞれの市民関係団体の意見を取り入れて大きく変わりゆくこともあり得る、こう私は見るわけです。そのような展開になっていった場合でも、市は、市長とは言いません。八戸市は、今の素案の内容について一切見直しを求めないという考えなのかどうかですね。それとも、関係住民、団体の意見がもっともである。  例えば今触れられておりますように、種差名勝地の保存管理計画との矛盾の問題、それから、地域のそれぞれの生活、自然環境ですね。そういうものに影響があり得るというようなことが出た場合でも、どうなのかという。ですから、現在において見直しを求めないということのようだと私は受けとめるんですが、将来も見直しを求める考えは一切ないということなのか、あり得るということなのか、そこをもう一度明確にお答えいただきたい。  それから、三点目ですが、これまで私がそれぞれの方々から聞いたことによりますと、市の当局では、この大きな問題である南浜海岸の報告書の資料をいただきたいということで、マスコミや関係者、関係団体、市民が直接要請したのに対して、出すことはできないという態度であった。私は極めて遺憾なことだ、こう思うわけです。  これまでの経緯からして、種差海岸を含めたあの南浜一帯をどのようにすればいいのか。本当に住民、関係団体が納得できる内容で意見の見解を求めるためには、これまでの検討内容を市民に示さない限り検討は不可能なわけです。ところが、それをまだ出せない。出すわけにはいかないということは一体どういうことか。
     聞くところによれば、県はそういう姿勢だということで、市は従わざるを得ないということのようであったようですけれども、やはりこういう態度は改めてもらわなきゃならない。このことについてどのように考えているのか、三点目ですね。  それから四点目、これまでは市も九百万、県も九百万、一千八百万円の調査費で報告書がまとめられてきたわけです。今後の事業費はどのように見込まれているのか。年次計画の内部の検討はどのようになされておるのか。今後の事業展開に当たってのその概要ですね。事業費も含めて示していただきたい。  とりあえず以上です。 ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)私からお答えした方がいいものを先にお答えを申し上げます。関係部長の方からも申し上げますが、まず地方消費税の問題でございます。  私は、地方自治体の責任者といたしまして、地方分権の今日の趨勢の中で、地方税財源の確保が最も大事なことだ。基本になければ、その分権ということもなかなかに目的を達成することは容易でないだろう。このような認識を持っておるところであります。  そこで、分権とは、国と地方とのその関係を明確にする、こういう意味にあると思っております。それには事業もさることながら、財源がついてこなければ、その目的は達成できないわけでございます。したがいまして、この消費税にばかりこだわるわけではありませんが、財源をどうするかということを国で考えていただきたい。特に今の税制改革の中で、地方自治体、全国六百六十三市があるわけですが、(「市長、簡単にお願いします」と呼ぶ者あり)その市長がそれぞれ意見を述べ合って、そのようなことを決議をした、こういう経緯でございます。  簡単にということで申し上げますが、一つは、報告書を出すことはできないか。これは部長の方から。これはちょっと聞いておりませんのでわかりませんが、それから、事業計画の費用等はどうかということでありますが、今は素案でございます。素案を計画に移してくるでしょうと思いますが、まだそこまで行っていないわけです。それと文化財保護法、それから、県立公園の条例のもとに保存管理計画というものを策定されておりまして、それを踏襲する、尊重すると言うておるわけでありますから、議員が御心配されるようなことにはならないのでしょう。もちろん市としては、その法令、条例等は遵守する立場で、また、地域住民の意見は十分に尊重していかなきゃならぬ。この基本姿勢は貫いてまいりたい、こう思っております。  以上です。 ○議長(佐々木秀男 君)建設部長 ◎建設部長(日影廣 君)南浜報告書についての検討会の具体的な内容というようなことでございますが、県におきまして、今後、この報告書の内容、あるいはまた地元の意見等を集約するための検討会、あるいはまた説明会ということになろうかと思いますが、近いうちに開いていきたい、このように伺っております。具体的な内容については、これから詰めることとなろうかと思います。  それから、資料の要請に対して、資料を出してくれなかったというようなことでございますが、現在、部数が非常に少のうございまして、皆さんにおあげするだけの部数がまだないというようなこともございまして、やはり公平を欠いてはまずいというようなこともありまして、そのようなことで対応している、このように考えております。  それから、事業の年次計画というようなことでございますが、まだ素案の段階でございまして、まだ年次計画というような具体的な内容のものは持ち合わせてございません。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)岩織議員 ◆三十四番(岩織政美 君)今の答弁は、ひとつ部長、ちょっと違うんじゃないですか。部数が少ないから示していなかったということは、どうぞ見てください、コピーもいいですよということでは、これは十分対応できることで、そういうことがなかったわけですから、要するに、見せることができないということなんです。皆さんのところが持っておるものを見せて、必要であればコピーはいいですよぐらいは当然すべきであった。ですから、これは、まだ関係団体、市民、マスコミには示したくないという、そういう県の姿勢があったということで私は受けとめておりますので、今後こういうことはないように、情報公開、大事な問題を含めて、市民に明らかにして、一緒に検討するという姿勢を貫いてほしい。これは強く指摘しておきます。  それから、いろんな自然とか、それから沿岸の影響について、今後、ちゃんと法にのっとった環境影響評価、アセスをやるべきだと思うんですが、部長、どう思いますか。 ○議長(佐々木秀男 君)建設部長 ◎建設部長(日影廣 君)今御指摘のありました件につきましては、そのとおりだと、このように考えております。進めてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で三十四番岩織政美議員の質問を終わります。    ────────────   二十二番 神田洋一君質問 ○議長(佐々木秀男 君)二十二番神田洋一議員の質問を許します。神田議員  〔二十二番神田洋一君登壇〕(拍手) ◆二十二番(神田洋一 君)一九九四年六月議会に際し、引き続き、日本共産党議員団の一員として、通告に従って順次質問してまいります。  まず第一に、八戸製錬の鉱滓処理問題についてであります。  八戸製錬が、操業当初より長期間にわたって砒素、鉛、カドミウムなどの有害物質を含んだ鉱滓を、これまでに判明しているだけで県南の七市町村、三十二カ所に大量に搬出し、環境汚染を引き起こしてきたことが判明したのであります。そして、この鉱滓が、こともあろうに教育の場である学校の校庭にまで持ち込まれ、校庭の土壌から、国が示した土壌汚染対策指針の含有参考値の五五・六倍の砒素、十三倍の鉛が検出されたことは県民に不安を与え、全国的にも注目を集めたのであります。  環境問題が地球的規模で深刻化し、人類の生存基盤が脅かされ、環境保全の取り組みの強化が叫ばれているときに引き起こされたこのたびの事態は、企業の経済活動のあり方、そして、青森県、さらには国の環境行政のあり方を根本から問うものになっています。  その第一に指摘しなければならないのは、八戸製錬の企業活動のあり方であります。全国八カ所の亜鉛製錬工場の中で、自前の鉱滓の産業廃棄物処分場を持っていないのはただ一つ八戸製錬所だけでした。亜鉛製錬後に排出される鉱滓にカドミウムや、砒素、鉛などの有害物質が含まれていることを百も承知の上で、学校現場にまで持ち込んでいたのは犯罪的行為とも言えるものであります。八戸製錬は、この鉱滓を有価物であると称して、今日において、なお不法に搬出してきたことを合法化しようとしていますが、鉱滓が使用された施設の大部分は、無償ないし、ただ同然で提供され、またその処分を当時の次長を先頭に、産業廃棄物処理業者に打診していた経過からも、鉱滓は紛れもなく産業廃棄物なのであります。  第二に問われているのは、青森県の環境行政であります。六戸町などの自治体では、環境保健センターという県の公的機関の証明書が安全のお墨つきとして受け入れていたのです。県が土壌汚染の環境基準ではなく、産業廃棄物にかかわる判定基準という規制を大幅に緩めている基準値と比較したデータを示して、鉱滓を安全なものとして見せる手助けをしていたことは許せるものではありません。  また、最大の堆積場である六戸町金矢の十二万トンに及ぶ鉱滓は、粉じん施設として届け出が必要なのにもかかわらず、二年の間、何の対策もとられず黙認されていたのであります。さらに基準を大きく超える有害な重金属が検出されたにもかかわらず、人体に影響なしとして、かたくなにデータの公表を拒み続けた青森県の態度は、県民、関係自治体の憤激を呼び、県政への不信を一層募らせることになったのであります。まさに県は、県民に背を向け、徹頭徹尾企業を擁護する姿勢をとり続けてきたのであります。  第三に、このたびの鉱滓問題で明らかになったことは、国が、全国の製錬所から排出されている鉱滓がどのように処理されてきたのか、その実態さえ把握しておらず、また、鉱滓の処分方法についてのガイドラインもこれから検討していくという環境行政のお粗末さがさらけ出されたことであります。  以上、これまで明らかになった点について概括的に触れましたが、以下、こうした立場に立って、市長に具体的に質問してまいります。  まず、学校施設等からの撤去については、当然とはいえ、比較的早目に対応したのでありますが、いまだ残されているところがあります。それぞれの鉱滓について、今後の対応を伺うものであります。  その一は、大量に残されたままの六戸町金矢堆積場の十二万トン、第二に、八戸卸センターに使用した六万三千トン、そして第三に、市内売市地区社有地の三千トンについてです。社有地は区画整理地区にあり、鉱滓は露出はしていないものの、土地そのものはだれでもいつでも立ち入りできる状態にあり、囲いも看板も何もないもので、地域の人もほとんど気がつかないで入り込める状態になっており、このままでよいはずはありません。そして、加えて、八戸製錬所内に堆積している撤去した土砂まじりの鉱滓を含めた二十数万トンについてであります。  次に、三たび取り上げるのは、いまだに企業も県も固執している有価物という判断についてであります。マスコミもこぞって疑問符を投げかける中で、県の環境保健部は、販売実績などを踏まえ、状況を見ながら産廃に該当するか判断すべきだろうと、将来見直しがあり得ることを示唆はするものの、基本的には、一部無償で譲ったとはいえ、産廃とは言えないという態度を崩そうとはしていない。そこで改めて、これまでの鉱滓はすべて有価物という判断に対して疑問をぶつけてお考えをいただかなければなりません。  ①これまでに出荷したと報告されている約百十万トンのうち十万トン近くが無償で提供されていること。  ②これまでの鉱滓の産出量百三十五万トン余りのうち、現在の総在庫量が三十六万トン、二六・五%が売れ残っており、これは何と全生産量の六年半以上分に当たる量であること。  ③八戸製錬所以外の製錬施設はすべて産廃処分場を自前で持っており、鉱滓は産業廃棄物であり、産業廃棄物を生み出すものであることは業界の常識となっていることであります。  ④金矢の堆積場を確保する直前まで、産廃業者と再三にわたり交渉し、トン当たりの値段まで示されていたこと。  ⑤当時の環境庁長官が対策を指示したという新聞報道では、長官自身が、鉱滓など産業廃棄物の安全なリサイクルを図るためと述べていることなどなど、枚挙にいとまがありません。  もう一つの新聞報道を紹介します。それによると、大平洋金属八戸製造所は、うちの鉱滓には有害物質は含まれておらず、質が違うので単純には比較できないと前置きした上で、半分は有価物、残りは南郷村の産業廃棄物処分場で、現在まで約四十万トンを処分していると語っているそうであります。つまり、無害でも、売れ残ったものは産廃処分をしているということなのです。  市長、八戸製錬が信頼を回復するためには、まずきちんと産廃処分を行うこと以外にありません。地元市長の立場から速やかに認めて、きちんとした対策をとられるよう、県や企業に対して進言すべきではありませんか。市長の御決断を求めるものであります。  今度の一連の経過の中で、いま一つ浮かび上がってきたのは、鉱滓のリサイクルの確立問題です。有害物が環境に溶け出すことが明らかになった今、これまでのように、そのまま路盤材などに使用することはできません。私は、鉱滓は産廃としてきちんと処理すべきものであると求め続けてきたのですが、同時に安全なリサイクルの可能性を否定するものではありません。  現に下水道汚泥かられんがをつくり出している広域下水道事業体も視察してまいったことがございます。既に鉱滓を化学処理し、無害化した上でコンクリート固化するというプラントも考えられているといいます。広い意味でのごみ減量化にもなるものと思うんですが、市長の所見を伺います。  次に、こうした企業活動による、あわや環境破壊という事態の再発防止のための対策をいかにお考えか伺います。  次いで、公害防止条例と公害防止協定の見直しについてであります。  市の最近の公害防止対策の中で、現在造成中の北インター工業団地の誘致企業に対して、原則としてすべての企業と公害防止協定を結ぶという基本方針と、その実際の推進については率直に評価するものであります。  しかし、今回のような産業廃棄物の適正な処理については、より一層明確に規定しなければなりません。そのためにこれら協定及び条例を見直す考えはないか、あわせて、特に三者協定事業所の産廃処理について、協定に基づき総点検する必要があると思われるんですが、この点についても伺います。  最近、八戸製錬のリストラが大きく報道されました。今度の一連の鉱滓対策のために、既に十億円を超える出費が出ていると見られていますが、事態はもっと深刻な背景を持っているようであります。  全国の亜鉛製錬の八事業所のうち、今年中に神岡と秋田の二カ所の製錬所が閉鎖されることになったそうであります。円高不況の影響ももちろんあるのですが、それよりもガット・ウルグアイ・ラウンドによる関税率の引き下げ、自由化が決定的なインパクトになっていると言われています。市長、このラウンド交渉の妥結による亜鉛製錬業界への影響はどのようなものか伺いたいのであります。  最後に、鉱滓問題の一連の経過に対する市長の見解を改めて問うものであります。  第二の質問は、農業行政についてであります。  去る三月定例会においても、県の基本方針を中心に、市の基本構想についても質問をいたしたところでありますが、そのときはまだ策定されていませんでした。  このたび基本構想(案)がまとまり、関係機関や総合農政審議会に諮られています。農業委員会の席上でも若干の意見を述べさせていただいたのでありますが、今後の八戸市の農業の柱となると思われる地域政策であり、改めて取り上げたものであります。その概要については、私が述べるまでもないことでありますが、質問に密接に関連することでもあり、その大筋をなぞって私なりにも整理をしてみたいのであります。  基本構想は、正式には農業経営基盤強化の促進に関する基本構想となっており、国の新政策、県の同名の基本方針を受けた八戸市版としてつくられたものです。平成十四年を最終目標年度として、この十年間に他産業従事者並みの労働時間で、他産業並みの生涯所得を実現できる担い手農家を二百戸と、組織経営体一組織を育成するために、農地流動化の促進など必要な援助を行い、モデルに見合う規模の拡大を進め、この担い手などの経営体が、十年後には地域の農業面積の五〇%のシェアを実現していくことを打ち出しています。  しかし、この構想の中で見過ごすことのできない問題点があります。そのうちで基本的問題点は、十年後の農家戸数を二五%減少として二千九百六十六戸としているのに、そのわずか六・七%の二百戸の農家の育成を目指したものでしかなく、残りの二千七百六十六戸に関しては一行も触れられていないばかりか、この担い手をつくり出す協力部隊としての位置づけで、とても農業基盤強化の名に値するものではないということです。  しかも、真っ先に掲げた基本的な方向の中では、(1)経営感覚にすぐれた担い手の育成確保、(2)多様な需要に対応した産地づくり、(3)強力な流通戦略の展開、(4)流通加工への取り組みなどによる付加価値の増大の四つを進めていくことが必要であると力説しながら、実際に具体的に取り上げられているのは(1)だけ、(2)以下については全く顧みられていないのであります。これは、八戸市の構想だけの欠陥ではもちろんありません。そもそも新政策が持っている基本的な問題点であると私自身認識するものでありますが、市長の見解を求めるものであります。  次に、個別的問題点について述べます。  他産業並みの労働時間と所得を目指しているはずなのに、私の試算によれば、ほとんどすべてのモデルで、その主たる従事者は年間三千時間から五千時間の労働が必要という計算になりました。一番多いモデルは、何と五千三百四十八時間という年間労働時間、超過労状態となるのです。これは一体何と説明するのでありましょうか。  第二の問題、モデルの経営体は、水稲や畑作などの組み合わせで、農地の買収や借り上げによってその経営面積を一定の水準以上にすることは必要です。しかし、その作物ごとに集計すれば、現在の八戸市内の作付面積以上の集積が求められる例が幾つもあるという不思議な結果が出てくるのであります。  その例が牧草地、現在、五十ヘクタールに減っているのに、構想では最低八十四ヘクタールが必要です。同様に桃、あるいは根菜野菜などが指摘されるのであります。これは単に農地の流動化では解決し得ないものと思うのですが、この点についても御説明いただきたいのであります。  次に、県の示した基本方針との関係について伺います。もとより、県の方針を受けて作成されたのですから、既に指摘した基本的問題点などはそのまま受け継いでいます。しかし、八戸市として地域の実情にできるだけ合わせたいと、幾つかの独自の、私から言わせると緩和策が講じられていると思っています。この努力については多としたいと思います。  しかし、問題は、県の方針との乖離が問題になりはしないかという率直な心配があります。それは具体的には、モデル経営体の農地面積規模、離農農家世帯数、流動化面積率などであります。これについて市長はどのように考えておられるのか伺うものです。  次に、この構想について、関係機関や市の総合農政審議会の中ではどのような意見が出されているのか、お知らせいただきたい。  さて、先日の地元紙には、「世増ダムに水力発電」という見出しで、東北電力が前向きに検討しているとの情報が大きく報道されました。これまでこのダムは、かんがい用水、水道用水の供給と、洪水調整機能を目指した多目的ダムとして進められてきたのですが、来年度からはいよいよダム建設という今の時期、工事の全体計画や利用計画に影響が出るのではないかと思うのですが、特に農政面から見ての影響についてどのようなことが考えられるのか伺うものであります。  次の質問のテーマは、平和問題についてであります。  特に来年は終戦五十周年に当たっており、半世紀という大きな節目を迎えようとしています。既に仏教で言えば、ことしが五十回忌ということで、法要などがマスコミに登場し始めています。当時、十代から二十代だった方々も、六十代、七十代になられ、今日では、国民の多くは戦争を知らない世代となっています。こうした中で、戦争体験を語り継ごう、記録を残そう、遺品や生活用品を集め、保存しようという動きが広がってきています。市の社会教育課も既に収集を始めておられるとお聞きしています。また、鮫のある町内会でも、集めようと呼びかけておられるそうです。大変うれしいことです。  聞き及んでいるところによれば、市内在住者の中には、広島の原爆に遭われた人、東京大空襲から命からがら逃げてこられた人、ビルマ戦線から生還された人、そして、硫黄島の四十人の生存者のお一人もおられると伺っています。歴史はいずれは風化するものです。四十九年の歳月は、既に多くの記録や記憶を風化させ、埋没させたに違いありません。しかし、あの国民の体験は必ず後世に伝えなければならないのではありませんか。今でなければ残せない、伝えることができないもの、発掘できなくなるものも相当ありましょう。  市長、あなたはちょうど半世紀目の八月十五日を迎える歴史的市長として、市の行政みずから、こうした仕事に取り組むことは任務の一つとお考えいただきたいのです。こうした立場に立って、市長、教育長に幾つかの提言と要請をさせていただきます。  その一は、かの戦争による市民の被害の実態をできるだけ明らかにしていただきたいのであります。  その二は、戦時遺跡の発掘と、当時の写真などを集めた展示会の開催、体験文集の編さんと発行、語る会、語り継ぐ会などの催し等を市民ぐるみで進めていただきたい。  戦時遺跡と言えば少々大げさになるのですが、例えば敗戦の色濃くなった昭和十九年十月、本土決戦に備えて、八戸永久築造工事が始められ、翌二十年三月までのまさしく厳冬期に、九十八万人余の人員を投入し、上り街道の天狗沢付近を中心に島守から館地区にまたがる広大な地域にトーチカ陣地をつくり、地下ごう、地下道などで結んだ、まさしく長城のようなものでしょうか。こうした当時の築城跡が今もところどころに壊れかけて残っています。  この工事には当時の市内の中学校、女学校、そして、高等科の生徒はもとより、弘前、青森、盛岡、秋田からも動員されたという記録が残っています。中里市長の出身校の秋田鉱専の皆さんも──秋田大学の前進であります。秋田鉱専の皆さんもはるばる動員の中に加えられていたと聞き及んでいます。  こうした遺跡を調査し、全貌を明らかにするとともに、後世に残すべきものは一部整備、修復なども加えて、一年後には市民にも公開、紹介すべきものと思うのです。  なお、このときには鮫の臨時砲台、蕪島の魚雷発射施設も同時につくられているそうです。  その三は、平和の鐘の一斉打鐘を呼びかけていただきたいという要請です。終戦や原爆投下のその時間に特別鳴らしていただく鐘を私たちは平和の鐘と呼んでいます。市内の寺院などにお願いをして、五十年目の八月十五日の正午を初め、六日、九日の原爆投下記念日にも、全市の平和の鐘に合わせ、市民がそれぞれの場で犠牲者のために、平和のために黙祷しようではありませんか。市長にその音頭をおとりいただきたいのです。  その四は、すべての小中学校を初めとする教育機関が平和学習に力を入れる年ということで、教育長から呼びかけていただきたいのであります。学年によっては、社会科などで取り入れられている学年もあるようですが、実際に八戸で起こった事実や体験なども活用した学習は、子供たちに身近なものとして、いつまでも心に刻まれるのではないでしょうか。  最後のお願いは、五十周年に向けて、八戸市もぜひ平和宣言都市の仲間入りを実現していただきたいのであります。秋山市長のときにも取り上げましたが、そのときは、非核宣言都市の要請でありました。このたびは平和宣言という形で、だれもが賛同できる宣言の実施を強く要請するものであります。文化都市を目指すと言われる市長のリーダーシップが問われる事業と位置づけ、一連の終戦五十年の取り組みを進めてくださるよう改めて心からお願いを申し上げ、壇上における質問を終わります。  〔二十二番神田洋一君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)神田議員にお答え申し上げます。  まず、八戸製錬の鉱滓処理問題について、それぞれの鉱滓に対する今後の対応はどうか、こういうお尋ねでございました。  まず一つには、八戸総合卸売センター敷地内の鉱滓についてでありますが、卸センターの敷地はコンクリート擁壁で区画された上にアスファルトで塗装されておりますことから、溶出による周辺への影響はないものと考えられますが、県では周辺環境モニタリング調査を実施中でございます。  なお、溶出の心配はないものと思われますが、今後とも環境モニタリングを継続するように、県及び事業者へ要請してまいりたいと考えております。  次に、行政区域外への鉱滓についてでありますが、金矢地区を初めとする行政区域外の鉱滓につきましては、一義的には県が指導すべき立場にあるものと理解しておるんですが、市の誘致企業でもありますことから、道義的に責任は感じておるところであります。  次に、八戸製錬熊の堂社有地の鉱滓についてであります。同敷地は主要部分はコンクリート擁壁で区画された上に、表面は五十センチメートル以上覆土されておりまして、県による周辺環境モニタリングでも、特に問題となるような数値は出ていないところであります。  なお、溶出の心配はないものと考えられますが、今後とも環境モニタリングを継続するように事業者を指導してまいりたいと考えております。  また、コンクリート擁壁で区画されていない部分につきましても、擁壁の設置について検討していると聞いておるところであります。さらに必要があれば、立ち入りを防止するためのフェンス、看板の設置等を要請したいと考えています。  製錬敷地内の鉱滓についてでありますが、県によりますと、今後、販売実績や販売計画の見通しがなくなった場合は、産業廃棄物として処分するように指導することもあり得るとの見解でありまして、その判断を受けて、県とともに指導してまいりたいと考えております。  なお、鉱滓を有価物とすることについての判断についてでありますが、有価物とする判断につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律並びにその運用に伴う厚生省環境衛生局環境整備課長通知に基づくものであります。  県によりますと、今後、販売実績や販売計画の見通しがなくなった場合は、産業廃棄物として処分するよう指導することもあり得るとの見解であると伺っております。そのことを踏まえながら、市としての対応をしてまいりたいと思います。  次に、路盤材として不適合ではないかというお尋ねでございました。従来、路盤材としても使用してまいりましたが、今後は、その使用に当たりまして、国有地にかかわる土壌汚染対策指針にのっとり、県と協議しながら指導してまいりたいと考えております。  リサイクルの問題であります。鉱滓のリサイクルにつきましては、現在、セメント副原料等として利用しており、さらにその他の利用につきましても、企業側では種々検討していると聞いております。  なお、鉱滓の無害化技術の開発につきましては、県と協議しながら指導してまいりたいと考えております。  次に、再発防止対策でありますが、今回の問題を契機に、現在、国においても鉱滓等のリサイクルの実態調査と、環境保全上のガイドラインの作成作業が進められておる段階でありまして、その結果を踏まえた上で、県と協議しながら企業を指導してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、このたびの鉱滓問題につきましては、事業者としても積極的に真剣に取り組んでおるということ、私どもも敬意を表しておりますし、なお、今後とも誠意を持ってやっていただきたいと願っております。
     次に、公害防止条例、公害防止協定の見直しについてであります。前段で申し上げましたように、現在、国におきましても、鉱滓等のリサイクルの実態調査と環境保全上のガイドラインの作成作業が進められておる段階でありまして、その結果を踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。  次に、ガット・ウルグアイ・ラウンドによる関税撤廃引き下げ品目の中に亜鉛、鉛が含まれておる。これが実施されれば製錬業界は大打撃を受ける。国内の製錬所は閉鎖すると言われている中で、八戸製錬所の影響はどうか、こういう内容でございました。  一九九三年十二月に妥結したガット・ウルグアイ・ラウンド、新多角的貿易交渉なわけでありますが、それによりますと、鉛、亜鉛の地金関税が、一九九五年から五年間で段階的に、鉛六六%、亜鉛四六%の引き下げをすると聞いております。国内の亜鉛地金価格の推移を見ますと、かつてはトン当たり三十三万円前後のときもありましたが、現在では十四万円程度まで下落をしておりまして、亜鉛製錬業界は大変厳しい状況に置かれているものと認識をいたしております。  このような中で、製錬業界では、経営努力によるコストダウンを図り、競争力のある強い製錬所への生産集中など、製錬所再編の動きが現実化していくものと見られております。円高を初めとする製錬業界を取り巻く厳しい環境のもとで、八戸製錬所ではいち早く事業の再構築に取り組み、先を見据えた施策を実施していると聞いておりまして、このたびの新ラウンドによる影響も必ずや乗り越えていかれるのではないかと考えております。  次に、鉱滓問題の経過に対する市長の見解はどうか、こういうことでございました。今回の鉱滓問題はまことに残念な出来事でありまして、企業側並びに行政にとりましても、反省すべき多くの点を残した課題と考えております。つきましては、鉱滓の性状の把握及びその使用方法等について、全国八カ所の製錬所の実態を調査し、国、県の指導を受けながら適切な対応をしていかなければならないもの、このように認識をいたしております。  いずれにいたしましても、県、市で誘致した企業でもございまして、雇用の場としての産業振興面の配慮もさることながら、地域住民の健康確保が第一義であることを基本に、今後とも行政運営に努力をしてまいりたいと考えております。  次に、農業行政でございますが、まず一つには、基本構想では担い手農家育成が全農家の一割にも満たない計画であり、九割以上の農家の扱いはどうするのか、こういうことが最初でありました。  市の農業経営基盤強化の促進に関する基本構想は、平成五年度を初年度といたしまして、十年先の平成十四年度を目標年度として策定したものであります。基本構想策定までの経過としましては、当市農業における気象、土地、都市的条件等の特性を反映していくために、農家意向調査の実施や、農業関係団体担当者会議において協議、検討し、さらに市農業委員会、市内農業協同組合の意見、要望を徴してきたところであります。  また、六月三日には、八戸市総合農政審議会に諮問し、答申を得てきたものであります。特に基本構想の基本的な考え方としましては、都市近郊型複合経営の推進、さらに担い手農家と兼業農家等との連携と調和のとれた農業振興の推進、三つ目は、行政と農業団体等との連携による農業振興の推進、さらには市民農園、学童農園の設置等による市民との交流促進等を十分配慮しながら、農業振興の推進に努めていくことといたしております。  基本構想の内容では、農業を職業として選択をし、やりがいのある経営を確立できる担い手農家を育成するための農地の集積や、連檐化を促進して、経営基盤の強化に関する施策についての指標及び目標を定めておるものであります。  この担い手農家育成の農地の集積や連檐化の促進に当たりましては、小規模な兼業農家や、生きがい農業を行う高齢農家、土地持ち非農家等と十分に話し合い、連携協力していけるよう配慮していくものといたしております。兼業農家や生きがい農業を行う高齢農家の農業生産に当たりましては、営農指導、生産物の共同出荷及び加工への取り組み等は、担い手農家と一体的に推進をしていくものといたしております。  御参考に申し上げますと、平成十四年度の目標は、総農家戸数二千九百六十六戸、うち担い手農家数が二百一戸、そのうち個別経営体二百戸、組織経営体が一組織という内容であります。  次に、基本構想では担い手農家の育成確保に重点を置かれており、産地形成、流通、加工への取り組み等が欠落しているのではないかというお尋ねでありました。基本構想は農業経営基盤強化促進法に基づき、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体の育成に向けた農地の流動化と、担い手農家育成に関する基本的な考え方の指標を提示しているものであります。したがいまして、産地形成や流通加工等の取り組みに当たりましては、八戸市農業計画に基づき推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、基本構想で示された営農類型をもとに労働時間、経営面積を試算すると、設定したモデルが現実的ではないと考える。これをどう考えるか、こういうことでございました。  基本構想の営農類型は、将来とも農業で自立していこうとする農業者が、地域性、土地条件を配慮して進めることによりまして、到達可能と思われる経営の指標を例示したものであります。  この指標は、当市農業の地域特性、すなわち水稲や、野菜、花卉、果樹、畜産等の都市近郊型複合経営で、作目によっては、ビニールハウスの施設利用と露地栽培を組み合わせた営農類型といたしております。また、個別経営体では、農業経営年間総労働時間一人当たり二千時間程度で、年間農業所得八百五十万円程度を確保することができるような経営体を育成することを目標といたしたものであります。  労働時間、経営面積におきまして、現実的でないとの御指摘でありますが、営農類型の中での労働時間は、現時点における機械設備や圃場条件及び作業体系から算出しておるものであります。したがいまして、今後において、高能率機械の導入、生産技術等の改善と、農地の連檐化を図ることによりまして、労働時間が短縮されるものと考えております。  また、営農類型の経営面積については、担い手農家が、八戸平原開発農地や西八戸台及び西台地等の農地で、野菜、果樹牧草等の規模拡大を図っていくことによりまして、達成が可能と考えておるところであります。  なお、県が策定した基本方針におけるモデル的営農類型の経営面積、離農率及び農地流動化率から見て、市の基本構想ではいずれも低い数字となっているが、これらの整合性はどうなっているのか、こういうお尋ねでございました。  農業が職業とし選択し得る魅力とやりがいのあるものとなるように、年間農業所得については八百五十万円程度、年間総労働時間については一人当たり二千時間程度の目標を設定しておりますことは、国の基本方針、市の基本構想いずれにおいても同様であります。  県の基本方針におきましては、青森県農業の特徴であります土地利用型農業の占める割合が大きいことから、年間農業所得八百五十万円程度を確保するためには、経営面積の拡大が必要でありまして、そのため離農率、農地の流動化率を高く見ているものであります。  一方、市の基本構想では、二十四万人を超える消費人口を抱えているという立地条件、また、冬期間の少雪多照という自然条件を生かしました野菜、花卉の施設園芸と、地域特性である都市近郊型複合経営を強力に推進し、単位面積当たりの収益性の高い集約的農業経営を目標といたしております。  このように、有利な地域特性を十分生かした農業経営によりまして、県の基本方針と比較しまして、より少ない経営面積、離農率、農地の流動化率により、八百五十万円程度の所得目標を達成することが可能であると考えております。  次に、この基本構想を定めるに当たっての農業協同組合、総合農政審議会等関係団体の意見を伺いたいということであります。  基本構想を定めるに当たりましては、農業経営基盤強化促進法施行規則第二条の規定に基づきまして、農業委員会及び市内各農業協同組合の意見を徴しました。市内三農業協同組合からは、基本構想についてはおおむね妥当との回答を得ております。意見、要望等につきましては、一つには、地域の実情に合った農業生産の促進、次には、地域の特性を生かした生産性の高い農業の実現、三つ目は、経営基盤及び土地基盤整備の推進、四つ目は、個々の経営体が創意と工夫を重ねた経営改善等々であります。  また、六月三日に開催されました八戸市総合農政審議会に諮問いたしましたところ、農業経営基盤強化の促進に関する基本構想は妥当であるとの答申を得ております。  各委員の意見、要望といたしましては、平成十四年の農業所得八百五十万円の適否、環境保全という視点の必要性、農地集積の基礎となる土地基盤整備への行政支援、さらには年間を通じて収入が得られる経営体の育成、また五番目には、農家育成対策のため、行政任せにすることがないような農業関係団体等におけるみずからの任務の自覚と農業者自身の自助努力等々であります。  以上のような意見を集約をしまして、八戸市総合農政審議会から答申書に、今後、基本構想実現のため最善の努力を払うとともに、農家の経営改善に必要な財源の確保を図り、重点的かつ効率的な施策の展開に努め、農業所得の向上を図られたいとの意見が付されました。  これらの意見を踏まえまして、今後は、基本構想の実現へ向けて、市内各農業協同組合、農業委員会並びに関係機関等と連携を密にしながら、各種事業の推進に努めてまいりたいと考えております。  なお、農業委員会の意見につきましては、神田議員におかれましては、去る五月十九日に開催された農業委員会農政部会に農業委員として出席されておられますので、説明は省略をさせていただきます。  次に、世増ダムの概要、そしてまた、八戸平原総合開発事業の農業用水を含めた利水への影響はどういうことか、こういうお尋ねでありました。  まず概要でありますが、世増ダムは、洪水の調節及び農業用水、上水道等の水源確保のための多目的ダムとして建設されるものであります。ダムの建設は、平成四年度からダム本体着工に向けまして、工事用道路を施行をしております。ダム本体建設は平成七年度から始める見込みで、完成は平成十三年度の予定となっております。ダムの形式は重力式コンクリートダムで、堤高は五十二メートル、堤頂の長さは二百四十メートル、総貯水容量は三千六百五十万立方メートル、湛水面積は百七十七ヘクタールであります。  東北電力が世増ダムに参加することにより、八戸平原総合開発事業の農業用水を含めた利水影響はどうか。  国は世増ダム建設に伴いまして、現在ある東北電力島守発電所の取水口の水没によりまして、発電ができなくなることから、東北電力に対して、島守発電所の代がえとして、世増ダムに水力発電を導入する意思を打診をいたしましたところ、参加することで、現在、国と東北電力の間で調整がなされておりますが、具体的な事項につきましては協議中であると聞いております。  水利用の影響につきましては、ダムから農業用水、上水道に使用するために放流される水を発電に利用することから、利水量等には影響はないとされております。  次に、終戦五十年に向けての取り組みでございました。  終戦の前後、市民の中には戦争の被害をこうむった人たちがおり、その実態について、五十年を契機に調査しておく必要はないか、こういうことでございました。時間があれば申し上げたいんですが、平和に対する神田議員の御熱意には大変傾聴するものがございました。  私も体験者といたしまして、この地球上で何が一番不幸なことかと申しますと、悲惨なこと、不幸なこと、これは戦争でありましょうと思っております。何としても次の世代の方々には経験をさせたくないものが戦争である、このような認識をいつも持っておるところであります。市民の中には、戦争の様子や被害について知らない世代が多くなってきております。  市ではこれまで、大久保議員の御提言を受けまして、空襲等による被害等の関係資料を「広報はちのへ」を通して、市民の協力を得ながら、その収集に努めております。現在、当時の空襲予告ビラを初め、機銃により貫通したたんす、写真やコピー等による当時の雑誌の切り抜きなど、数点ではありますが、戦争に関する資料が寄せられております。  時間も参りまして、若干急ぎますので。また、市立図書館には当時の様子をまとめた小冊子「ある戦中生活の証言」──これは戦争を語り継ぐ会八戸地方委員会発行でございます──や「八戸海戦を知っていますか」などのほか、数点の資料を保存をいたしております。さらに当時のことにつきましての記録や被害の実態等につきまして、市民が話を寄せてきております。八戸空襲のみならず、戦争被害等、今後も継続して資料の収集や調査を進めてまいりたいと考えております。  次に、戦時遺跡の発掘や写真展、体験文集及び語る会などについて、現在具体的にどのように考えているのかということでございます。  第二次世界大戦下の八戸市において、昭和十九年から本土決戦に備えまして、館地区や是川地区などで要塞をつくるために、八戸永久築城の緊急工事が行われました。このほかに鮫地区では臨時の砲台の建設、蕪島では魚雷発射施設がつくられました。これら各地域に点在する遺構が、年月を経まして、現在どのように残されているかについて現地踏査を行った上で、その記録保存のための方法などについて研究をしてまいりたいと考えております。  また、写真展や、体験文集や、語る会などについても、資料の収集調査を継続中でございまして、次世代へ継承する歴史的資料として大切に記録保存してまいりたいと考えております。  次に、終戦記念日に市内の寺院、教会等の協力を得て、市内寺院で一斉に平和の鐘を鳴らす考えはないかというお尋ねでございます。  このことにつきましては、これまで当市が対応してきた事例としましては、広島市長及び長崎市長の依頼を受けまして、両市に原爆の投下された八月六日午前八時十五分と八月九日午前十一時二分に、原爆死没者の慰霊並びに平和祈念の黙祷を実施していただくよう、「広報はちのへ」を通じまして市民に周知するとともに、庁内放送を通じて、来庁者の皆様方と職員の協力をお願いしてきておるところであります。また、終戦記念日には、厚生省からの依頼により、正午に庁内放送を通じて黙祷を実施してきたところであります。  議員御提言の平和の鐘につきましては、各寺院並びに教会等の御協力を得てできるものかどうか、研究をしてみたいと考えますし、また、他市町村等の取り組み等についても調査し、対応してまいりたいと考えております。  次に、小中学校における平和学習等でございます。これは教育長からお答えを申し上げます。  次に、平和都市宣言についてであります。我が国は、平和憲法の精神と、世界で唯一の被爆国であるという事実を踏まえまして、非核三原則を国是として堅持してきたところでもありまして、今後も戦争のない平和な社会を望むことは国民の最大の願望であると考えております。県内では、青森市、五所川原市等が既に非核都市宣言、または平和都市宣言をしておりまして、全国的にもいろいろ形態はありますが、宣言都市がふえてきている状況であります。また、宣言の方法は、議員の提出による議会の決議によるもの、また、市長が議会の決議を経るものの二通りがありまして、議員提出による決議が多いようでございます。  来年の終戦五十年の行事に向けて、当市も平和都市宣言をすべきとの御提案でありますので、今後、議会とも相談しながら検討してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○議長(佐々木秀男 君)教育長 ◎教育長(巻長吾 君)全小中学校等における平和学習等について、終戦五十年に向けて、市内全小中学校の児童生徒が平和の大切さについて学ぶ機会を設ける考えはないかについてお答えを申し上げます。  八戸市では、国際理解を深め、平和を維持するための教育活動を学校を中心に、家庭や地域社会も含めた広い視野に立ち推進いたしております。  学校教育における平和についての学習は、平和愛好の精神、正しい人権意識、人類福祉に貢献しようとする価値観や態度の育成を目指し、全教育課程の中で、各教科、領域を通じて行われております。  具体的に国語では、戦争を題材とした文学教材が系統的に配列されており、戦争の悲惨さや平和のとうとさについて考えさせております。社会科では、歴史学習の中で、地域の出来事を教材化した小学校用副読本「わたしたちのすむ八戸市」や、中学校用副読本「わが郷土八戸」を活用し、戦争時の写真や体験談等をもとに、平和の大切さについて学ばさせております。道徳においては、生命を尊重し、他人を思いやる心を育てることをねらいとした指導をしております。  終戦五十年に当たる来年は、平和の大切さを理解させるには大変よい機会であると考えております。これからも、八戸市における戦争中の生活の様子、空襲の体験等を生かした学習を通して、平和の大切さについて考えさせてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)神田議員 ◆二十二番(神田洋一 君)時間がちょっと少ないようですからあれですけれども、鉱滓問題で二点再質問します。  条例や協定の見直しについては、これは国の動向を見てというふうなことですから、これはこれで、そのときにまたあれしますが、現在もう既に結ばれている三者協定事業所、これに対する総点検、これを行う考えがないかどうか。いわゆる産廃というふうな項目が全部あるわけですので、その点をひとつお聞きしたいということ。  第二点は、先般の公害対策審議会の中では、かなり厳しい意見等が出されたやに聞いております。その審議会で出された主な意見について概要をお知らせいただきたい。  以上、とりあえず。 ○議長(佐々木秀男 君)生活環境部長生活環境部長(伊藤公隆 君)お答え申し上げます。  現在締結しております三者協定の見直しについてでございますが、これは、いろいろと今後検討してまいりたいと思います。  それから、公害審議会のあれでございますが、主な意見でございますが、実際の影響等について、漁業にかかわる影響についてということが問題になったのでございます。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)神田議員 ◆二十二番(神田洋一 君)せっかく新しい部長さんのデビューを飾っていただこうと思ったんですが、ちょっとあれでございますが、総点検、三者協定事業所に対する改めての総点検をお願いしたい、これが第一点です。  それから、農業行政等についてはいろいろありましたけれども、要するに、見直す考えはない。いろいろ今の形の中で十分だというふうなことなんですが、個別にしても、基本問題……。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で二十二番神田洋一議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午後零時 休憩    ────────────   午後一時 再開 ○議長(佐々木秀男 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行いたします。    ────────────   八番 山口広道君質問 ○議長(佐々木秀男 君)八番山口広道議員の質問を許します。山口議員  〔八番山口広道君登壇〕(拍手) ◆八番(山口広道 君)平成六年六月定例会に当たり、市政クラブの一員として、あらかじめ通告してあります三項目について順次質問してまいりますが、その前に、新年度早々、根城コミュニティセンター並びに八戸ニュータウン児童館のオープン、花卉市場の開設、そして今月の二十四日には縄文学習館の開館を迎えるなど、待望してまいりました諸施設が順調に進展の運びとなりましたこと、衷心よりお喜び申し上げます。  さらにまた、憂慮しておりました国の一九九四年度予算案が、ようやくさきの八日夜衆院本会議で可決され、参院での審議を待つ運びとなり、国への依存度の高い地方自治体の立場からして安堵しておられるところだと思います。審議が順調に進み、早期に予算成立の運びとなりますことを、ここに強く念願いたしまして、第一点目の質問に入らせていただきます。  七年度の最重点事業の中に新規要望事項として盛り込んでおられる新産都市財政特別措置の延長についてお伺いいたします。  新産業都市の制度は、昭和三十七年に決定された全国総合開発計画において、地域開発の核となるような総合的都市機能を備えた工業開発拠点地区を建設することにより、当時問題となりつつあった大都市における過密、地方の農山漁村における過疎に歯どめをかけ、国土の均衡ある開発、発展を図ることを目的としたものであります。  この新産都市の指定をめぐっては、空前絶後と言われる陳情合戦が繰り広げられ、三十九道県、四十四地域が名のりを上げた中で、先人先達の御努力により、昭和三十九年三月三日、八戸地区が指定を受けることができたのであります。三十年前のことであります。  昭和四十年には、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、通称、財特法が成立し、各種の税財政上の優遇措置がとられ、国庫補助率のかさ上げ、起債充当率の引き上げ、重要港湾にかかわる港湾工事の市町村の経費負担の免除等、新産都市建設の原動力となってまいりました。このことが、戦後日本の高度成長を確実なものにし、世界にうらやまれる日本をつくってきたのであります。  八戸地域においては、工業用地の造成、輸送用施設の整備、都市用水の確保、住宅、上下水道、教育、厚生施設の整備など、工業立地条件の改善と都市基盤の整備が計画的に進められた結果、鉄鋼、非鉄金属、紙、パルプ、化学、食料品等を中心とした工業集積がなされ、北東北随一の産業都市として成長してきたのであります。そして今、産業の高度化、生活基盤の整備、二十一世紀を目指した港湾整備など、新産都市の最後の集約に取り組んでいると認識しておるのであります。  この間、四回にわたる財特法の延長が行われてきたところでありますが、今回の五次の財特法の延長については、新聞報道等によりますと、所期の目的は既に達したなどと、きわめて厳しい状況にあります。  そこで、市長に御質問いたしますが、新産業都市建設促進法及び財特法は、当市にどのような恩恵をもたらしてきたのか。また、新産都市財政特別措置の延長について、どのようにして推し進めていこうと考えておられるのか、御所見をお伺いするものであります。  次に、都市計画法及び建築基準法の改正による新用途地域についてお伺いいたします。  昭和四十六年四月一日から実施された用途地域制度以来、二十数年もの長い年月を経た今日、用途の指定にそぐわない不合理だと思われる地域が多少なりとも生じてきている昨今であると感じておりますし、長期にわたり、それぞれの地域が相も変わらず従来のままであるということは、発展をなし得ているのかというところでもあります。  とりわけ、市街化区域、市街化調整区域のあり方は、都市形成上極めて大きな比重を占めるものであり、ひいては住民に不利益をもたらしかねない、まさに重大かつ重責を持つものであると認識している一人であります。  用途地域制度は、御承知のように良好な市街地環境の形成や住居、商業、工業などの適正な配置によって機能的な都市活動を確保することを目的としたものであり、これまで秩序あるまちづくりに大きな役割を果たしてきたものと理解しておるところであります。  聞くところによりますと、平成四年の都市計画法及び建築基準法の一部改正により、用途地域の種類が現行の八種類から十二種類になり、従来定められていた用途地域を改正法の施行の日から三年以内に新用途地域に指定がえすることになったようであります。  申すまでもなく、この制度は建築物の用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制、誘導するもので、住宅の建設を初め、商業等さまざまな活動に影響を及ぼすものであり、それだけに市民も高い関心を寄せているものと思うのであります。
     そこで、この制度の概要と当市における新用途地域の指定がえについて、今後のスケジュールをお聞かせ願いたいのであります。  次に、最後の質問になります色覚異常についてであります。  教育にかかわる色覚問題に対して、本市の場合、他市に先んじて前向きにとらえ、積極的に善処してこられたことに対し敬意を表するところであり、関係者の方々も他都市に誇れるまちであると理解しておられるところだと思います。  その一つの要因として、色覚異常を持つ親たちのために、東京に次いで全国二番目の相談所、色覚一一〇番を八戸に平成二年に開設し、また、広島大学助教授で理学博士の城雄二さんとの共同執筆ではありますが、「クレパスの色が見分けられますか」を出版されたアイサークル青森支部代表の八戸にお住まいになる玉井純子さんら、関係される方々によってさまざまな運動を展開してこられたことにより、近年、当地域もにわかにこの色覚問題について理解度が高まってきたものと思います。  運動の一つに、平成四年に小中学校十二校を試験校として蛍光チョークを使用していただき、その結果、色覚の異常を持つ児童生徒はもちろんのこと、近視、そして普通の児童生徒にとっても見やすく、また、チョークの粉が飛散しにくいなど好評を得たのであります。  そうして、五年度から市内小中学校に推奨し、予算措置をとってこられたことは、異常を持つ児童生徒、保護者はもとよりのこと、関係者各位にとっても朗報であったのであります。このことに連鎖して、県内外にも大きく波及していかれることを期待してやまないところであります。  去る四月の新聞紙上に掲載されていたところによりますと、学校の定期健康診断は、現在、身長、体重、視力、色覚など十二項目の実施が決められているようでありますが、文部省は、平成七年度から、色覚検査については、現在、小学一年、小学四年、中学一年、高校一年の四回実施しているところを小学四年の一回だけに減らす案のようであります。小学一年の検査で子供が色覚に異常があるということに気づく親が大半を占めるということでもあり、法改正に伴い、小学四年一回だけの検査となりますと、いささか不安を抱かずにはいられないのであります。  文部省もそれなりの諮問機関からの答申を受けての考えであろうと思いますが、市内の小中学生を対象に調査した色覚異常者の割合は約二十人に一人、千人弱程度が異常者であるということであります。こうした現実をしかと踏まえて考慮をし、対策を講じていかなければならないことは、当然しごくのことであると思うのであります。養護教諭のみならず、教職員の方々も、色覚について、それ相応の知識を得ておかなければならないことは職務の一つであるはずであります。  そこで、色覚についての一点目の質問でありますが、色弱など色覚異常の子供に対する指導上の留意点を具体的に盛り込んだ初の教師用手引書を文部省が十万部作成し、平成元年にすべての小中高に配布してあるはずでありますが、ほこりをかぶり、片隅に置かれることなく、活用が図られておられるのか、お伺いいたします。  二点目の質問でありますが、養護教諭は健康にかかわるもろもろのことについて研さんを積まれ、色覚についても十分な知識を持って職務についておられると思います。しかし、前段申し上げたように、法改正により小一、中一、高一の検査が廃止された場合、さらに熟知されてよりよき指導を図っていかなければならないものと考え、研修等の充実を求めるものでありますが、御所見をお伺いいたします。  三点目の蛍光チョークの利用状況についてでありますが、申すまでもなく、事実大変好評であるということで推奨し、使用させているわけであります。値段の高いことは重々承知しておりますが、実態は周知徹底されて使用されておられるのか、その利用状況についてお伺いをいたしまして、質問を終わります。  〔八番山口広道君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)山口議員にお答え申し上げます。  まず、新産都市の財政上の特別措置の延長についてということでございます。新産業都市建設促進法、さらにそれに伴いますところの財特法が当市にどのような恩恵をもたらしてきたのか。また、これらの財政特別措置の延長に向けての今後の取り組みについてはどうか、こういうことでございました。  まず、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、いわゆる財特法でございますが、それはその適用年限が平成七年度となっておりますが、当市における国の財政特別措置の実績を見ますと、指定を受けましてから平成五年度までの高率補助の総額は約八十六億円となっております。  また、新産業都市基本計画との関連で、港湾修築費の市の負担は不要となっておりますが、その総額は約百八十五億円と推定をされております。合計いたしますと二百七十一億円になるのでございますが、これを平成五年の換算でまいりますと約四百四十億円にも達するんでしょうかというような状況でございます。大変にこの措置は私どもの自治体にとりましてはありがたいこと、何としても必要なこと、こう考えております。  このような財特法の支援を受けながら、生産基盤及び生活基盤の整備を進め、工業開発を基軸として人口の地方定住と国土の均衡ある発展の一翼を担ってきたことは、先ほど議員もお述べになっておるとおりでございます。  しかしながら、当地区の現状は港湾、道路、下水道等については整備途上の段階にありますことや、産業構造の高度化へのさらなる対応が求められるなど、所期の目的を達成するには至っていないという現状でございます。特に申し上げますと、下水道でございますが、これは現在、普及率三六・二%、全国平均は四七%、イギリスは国単位でまいりますと九六%でございます。  そこで、建設省は将来に向かいまして、二〇〇〇年までに七〇%前後、二十一世紀におきましては九〇%近くに持っていきたい、前後に持っていきたい、こういう方針を立てておるところでございますが、現在、その普及率の差を見ましても、これは大変におくれておる、何としてもこれも進めていかなきゃならぬ。港湾整備計画につきましても、ポートアイランドを今進めておりますが、平成七年までに三十五ヘクタール、十二年までにプラス五十ヘクタール、トータル八十五ヘクタールの建設をしなきゃならぬということで、さらには、八太郎二号埠頭の整備を今進めていただいているわけであります。  そのほかに、港湾計画の変更等によりまして、八戸港の港湾整備はまだまだこれからだ、こういう段階にございまして、何としてもそれを進めるには、この財特法が極めて大きな役割を果たしてもらうものだ、このように考えております。  さらに、また先ほどお述べになっておりましたが、現在進められております第五次基本計画はバブル経済崩壊前に計画されたものでありますために、その後の経済情勢の変化により、製造品出荷額の伸び悩みや誘致企業数の激減など、当初は予想し得なかった厳しい状況に置かれておるのが現状でございます。このような状況を打破するためにも、いま一度財特法及び基本計画の延長をお願いし、新産都市の仕上げを図っていかなければならないもの、このように考えております。  今後は新産業都市協議会を中心に、全国市長会、市議会議長会等の地方六団体との連携を密にしながら、関係諸機関に対し、適用年限の延長を強力に働きかけてまいりたいと考えております。つきましては、議員各位の御支援、御協力をお願いを申し上げたいと思います。  次に、都市計画行政でございます。新用途地域制度の概要と今後のスケジュールはどうか、こういうことでありました。  議員御指摘のように、平成五年六月二十五日に施行されました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律によりまして、住環境の保護、市街地形態の多様化への対応を目的に用途地域の種類が八種類から十二種類になり、この改正に伴いまして、法の施行の日から三年以内に、従来定められていた用途地域を新用途地域に見直しをした上で、指定がえすることになりました。  新制度は、住居系の用途地域を従来の三種類から七種類に変更したのが主な内容でありまして、その概要は、一つには、従来の第一種住居専用地域を低層住宅の良好な環境を保護する第一種低層住居専用地域と、床面積が百五十平方メートル以下の小規模な店舗の立地を認める第二種低層住居専用地域に区分されたことであります。  次には、従来の第二種の住居専用地域を、床面積が五百平方メートル以下の店舗を銀行等の立地が可能な第一種中高層住居専用地域と、床面積が千五百平方メートル以下の店舗等が可能となる第二種中高層住居専用地域に区分をされたことも一つであります。  次には、従来の住居地域が床面積三千平方メートル以下の店舗等の立地が可能な第一種住居地域と、三千平方メートルを超える店舗等の立地が可能な第二種住居地域及び道路の沿道において、自動車関連施設等の立地が可能な準住居地域に区分したことであります。  当市におきましての新用途地域の指定がえのスケジュールでありますが、昨年度に引き続きまして、本年度も建物等の用途、規模等の現況調査を進めるとともに、これをもとにいたしまして、分析検討を加えて、平成七年度中をめどに新用途地域への指定がえをしたいと考えております。  次に、教育行政の色覚異常についてのお尋ねでございました。これは教育長の方から御答弁申し上げます。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)教育長 ◎教育長(巻長吾 君)教育行政については、私からお答えを申し上げます。  色覚異常について、初めに、色覚問題に関する指導の手引きの活用状況について申し上げます。  文部省は、平成元年に色覚問題に関する指導の手引を作成し、全国の小中学校に配布いたしました。この手引には、色覚異常に係る指導のあり方について、学習指導、生徒指導、進路指導の各領域での留意すべき事項が細かく記載されております。各学校では、この手引を参考にして定期健康診断を行ったり、日常の授業において蛍光チョークを使うなど、指導に配慮いたしております。  今後とも、色覚に異常のある児童生徒に配慮した指導が一層きめ細かく行われますよう、指導の手引の活用について学校訪問等で指導、助言してまいります。  次に、色覚に異常のある児童生徒に配慮した指導を行うためには、養護教諭の研修を充実させる必要があると思うが、現状はどうかについてお答え申し上げます。  養護教諭は学校保健に関する実態把握に携わるだけでなく、心身の健康に問題を持つ児童生徒の個別指導や健康増進に関する指導に直接かかわりを持つ重要な役割を担っております。  したがって、議員御指摘のとおり、色覚に異常のある児童生徒の指導に際しましても、学級担任との連携や情報提供など、養護教諭の果たす役割は極めて大きなものがございます。幸い、八戸市の養護教諭の研修に対する意欲は高く、児童生徒の抱える心身の健康や学校保健にかかわる課題についての研修を積極的に実施しております。  さらに、色覚問題については、数年前に色覚異常の子を持つ親の会の代表を招いて勉強会を開催するとともに、色覚問題に関する手引の活用についても研修しているところでございます。今後とも、色覚検査のあり方等を含めた研修を一層充実させ、日常の活動に生かすよう指導、助言してまいります。  三つ目は、学校における蛍光チョークの利用状況について申し上げます。  色覚異常の問題につきましては、これまで田名部定男議員、吉田博司議員にお答えしてきたところでございます。蛍光チョークの使用につきましては、平成五年度から全国に先駆けて市内小中学校を対象に、色覚に異常のある児童生徒に対してだけでなく、わかる授業を展開する上でも効果があるということからいたしまして、その使用について各学校に指導、助言をしてまいりました。  学校訪問等を通して、その利用状況を見ますと、ほとんどの学校で使用しており、児童生徒の反響も良好であると理解いたしております。今後も、機会あるごとに、その使用について指導、助言してまいります。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)山口議員 ◆八番(山口広道 君)丁寧なる御答弁、まことにありがとうございました。何点かについて、お願いと要望を申し上げたい、こう思います。  財政特別措置の延長についてでありますが、この財特法によって四百四十億、大金を、財政支援を受けてこられたということでございますが、本当に多大なる恩恵にあずかってまいったところでございます。港湾、下水道等々これからだ、所期の目的を達成するには至っていないとの答弁でありましたが、まさにそのとおりであろうかと思います。非常に財政厳しい本市でありますことからも、ぜひぜひ総力を挙げて五回目の延長、これをクリアしていただきたいということ、これはまさに論をまたないところだと思います。  私ども議員も責務として支援していかなければならない場面であろうかと思います。なかなか容易でない状況だと伺っておりますが、ここ一番、市長の手腕の見せどころということで、大いに頑張っていただきますことを衷心よりお願い申し上げる次第でございます。  新用途地域についてでありますが、生活に直結することからも、市民は高い関心を持っておられると思います。ということは、私ども議員にもいろいろ市民の方々、聞いたりすることが多いと思います。ですから、内容のことはもちろんでございますが、いろいろ経過についても、時を見て私ども議員に報告していただきたいものだな、こう思います。部長さん、ひとつ、そのタイミングを見計らって、いろいろその内容経過等教えていただければありがたい、こう思います。  次に、色覚問題でございますが、万般、よくやっておられるな、御答弁をいただいて本当にそう思いました。まさに、この蛍光チョーク使用については、全国に先駆けて我が八戸が行ったということ、なかなか八戸市先進地というべきもの少のうございますが、これは本当に全国に誇れることでございましょうかと思います。本当にありがとうございました。  そこで、財政部長さん、この蛍光チョークも結構高うございまして、予算措置を講じていただかないと──予算を講じておるんですが、いろいろ色覚に取り組むに当たって十分な予算だと、こうなかなか考えにくいところでございまして、財政負担を強いるような大きな金額ではないと思いますから、ひとつ十分な予算をとっていただきたい。ここをひとつ強く御要望申し上げさせていただきまして、質問を終わります。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で八番山口広道議員の質問を終わります。    ────────────   三十三番 越田巌君質問 ○議長(佐々木秀男 君)三十三番越田巌議員の質問を許します。越田議員  〔三十三番越田巌君登壇〕(拍手) ◆三十三番(越田巌 君)六月定例会に当たり、以下四項目について質問をいたします。  質問の第一項は、八戸市総合健診センターの施設拡充についてであります。  近年における医学、医療の急速な進歩や社会環境の複雑化は国民の疾病構造にも大きな変化をもたらし、主要死因の中から結核や急性伝染病などの感染性疾患を後退させ、それにかわって日常の食生活や運動、ストレスに起因するとされる脳卒中、がん、心臓病、糖尿病など、いわゆる成人病が上位を独占し、これらの予防対策が保健衛生行政の主流をなしているものと認識をいたしております。  また、健康に対する意識も、ただ病気の状態ではないからという消極的な考え方から、精神、身体ともに活力にあふれた状態という積極的な考え方に変化をしており、健康保持増進の三大要素として、栄養、運動、休養の調和のとれた生活環境が大きく取り上げられるようになってきております。  八戸総合健診センターは、地域住民の健康保持、増進を目的に掲げ、成人病予防を主眼に、予防検診の充実による疾病の早期発見、健康教育による自己意識の啓発高揚を図ることを焦点に、八戸市、八戸医師会、八戸商工会議所の三者が協力の上で、昭和五十三年、その業務を開始し、広く一般住民及び企業の各種健康診断等を行ってきたところであります。この間、同センター、役職員の不断の御努力によって、業務実績も年度を追うごとに上昇をし、経営内容もまた、高く評価をされている状況だと承知をいたしております。  そこで、次の二点についてお尋ねをいたしますので、市長の御所見を伺いたいのであります。  第一点、健康業務実績及び経営実態と今後の見通しについてであります。  第二点、検診者へのサービス向上も含めた取り組みを考えれば、現施設では既に限界に達しているのではないかと思うのでありますが、同施設拡充について、どのような対応を考えておられるのか、この際、明らかにしていただきたいのであります。  質問の第二項は、沼館地区再開発問題についてであります。  同問題については、去る二月、中心商店街の商業者が大規模商業核店舗進出阻止協議会を組織し、総決起大会における反対決議や大規模商業核店舗配置計画の見直しを求めて、県あるいは市、そして当市議会に対しても陳情活動を展開されてきたところであります。  このような情勢を踏まえて、市は開発を最終的にスタートさせる都市計画決定の市長告示について保留の措置をとるという経緯をたどってまいりましたが、その後、四月六日、八戸商工会議所会頭が中里市長を訪れて、会談の結果、親水機能を伴ったにぎわい空間を目指す八戸ポートルネッサンス21計画による開発推進の妥当性については双方の意見が一致されたとした上で、市長は、この会談で、市全体の発展のためには計画の方向転換はできない。したがって、商工会議所側も、神戸製鋼、そして地元の共存共栄に向けた努力をしてほしい旨を要請したとされております。  そして、商工会議所会頭もまた、解決をしないわけにはいかない。今後、神戸製鋼及び地元商業者に対しても何らかの提案をしたい。私にはイメージがある、こう述べられたと伝えられております。  これは、あくまでも当時の新聞報道を根拠とした私の認識でありますが、客観的に見た場合、この一連の流れからして、これはまさしくトップ会談であると市民は見ているであろうし、私もまた、そのような位置づけをしている者でございます。そうだとすれば、この会談が持つ意義は極めて重いものがあり、関係者は事の重要性を肝に銘じ、論議をすべきだと思うのであります。  世の中の方向性が規制緩和に動いており、関連の深い大店法の改正もまたそのらち外ではございません。それを裏返して申し上げれば、このこと自体が生活者主体に目を向けたものであり、これらの変化を考えるとき、今回の開発問題を私に言わせていただければ、正直なところ、一般市民不在の論議が続いていると思えてならないのであります。  現に、八戸市域外の近隣地域においても、大型店舗の進出が見られている中で、このまま告示保留を続けていくならば、行政としてもまた、八戸市の将来にとっても決して得策ではないのであって、取り越し苦労かもしれませんけれども、憂慮すべき事態にまで発展しかねない要素をはらんでいると考えるものであります。  したがって、今後の推移に注目していかなければならないといたしましても、告示保留の解除の手段として、場合によっては、例えば、市民投票的なものも必要なのではないかと思うのでありますが、このことについて、市長の御所見をお願いしたいのであります。  質問の第三項は、河原木蓮沼地区の水害対策についてであります。  私が、今ここで指摘しようとしている地区は蓮沼一の一に所在し、東側に馬淵川浄化センター、北側、すなわち海寄りは県道八戸百石線、また、西側は八太郎山から県道に通じる防衛庁道路、そして、南側は八太郎山に囲まれた約二十万平方メートルの工場敷地であり、現在十社以上の各社が企業活動を展開している場所であります。この地区は、昭和五十年代後半から集中豪雨時には大量の雨水流入が激しく、工場敷地内は水没し、ときには工場内の床上浸水を生じるなど、早急にその取り組みが求められているのであります。  その概要を申し上げれば、一、県道八戸百石線の道路が水路のようになり、構内正門から雨水が流入する。  二、北側の八太郎山からがけを伝わって雨水が流入し、それによってしばしばがけ崩れが発生する。  三、防衛庁道路は側溝がないため、八太郎山台地の雨水が道路を水路がわりとして県道方面に流れ、その途中から工場敷地内に流入をし、道路、路肩が崩れて土砂が構内に落ち込み、側溝をふさぐという事態を起こしておる。  四、防衛庁道路下の排水路、これは八太郎山台地からの排水路と思われるのでありますが、ここからは、通常、少量の水が構内側溝に流れており、豪雨時にはその水量が激増する。  五、北陵中学校からの排水路は、防衛庁道路東側側溝を通じて、側溝が途切れたところから道路下マンホールに入り、鉄工団地の排水路につながる仕組みになっているが、集中豪雨時には道路東側側溝よりあふれ出し、道路上を流れている。また、マンホールのふたが水の勢いで持ち上げられ、五十センチくらいの噴水状になり、路上に流れ、工場敷地内に流入する。  説明がくどくなって恐縮なのでありますが、以上のような実態に置かれているのであります。  ところが、所管をする役所が、例えば、八戸百石線は県八戸土木事務所、また、防衛庁道路は、当然のことながら防衛庁施設局関連、そして、県道から八戸港までのかかわりが八戸港管理事務所等々、その管轄が国、県などとまちまちであり、敷地内の各社がその対応に頭を悩ましているのが従来の経緯なのであります。  水害発生時の状況等については、今ここで申し上げることは省略をいたしますけれども、要は、工場敷地内が域外からの大量の雨水によって大きな被害を受けているという現実に着目をされて、その改善に御配慮をいただきたいということと、前段で申し述べたとおり、それぞれの役所が所管が入り組んでいるため、市当局としての相談窓口となる担当部署を決めていただき、被害防止のための適切な取り組みと御指導をお願いしたいのであります。  以上について、市長の御見解をお尋ねをいたします。  最後の第四項は、(仮称)八戸港ポートアイランド連絡橋の路面凍結対策についてであります。  八戸港は、国際貿易港を目指して物流需要の増大及び船舶の大型化、近代化、そして、コンテナ船等輸送形態の変化への対応ができる港として、今まさに新たな視点に立って、生まれ変わるべく、その工事推進に拍車がかけられている状況と言えましょう。  港湾造成そのものが水面下の作業に多くの時間がとられるため、その進捗の度合いがどの程度なのか、外見からは推しはかることができにくいのでありますが、最近、夢の大橋の最高所、一番高いところから見渡すとき、八戸港の中核となるであろうポートアイランド第一期工事分の外枠工事の状況も肉眼で確認できるくらいに水面上に形づくられており、そして、何といっても陸上とポートアイランドを結ぶ連絡橋の主塔が大きく目を引く状況にまで工事が進み、喜ばしいことだと考えております。  この橋梁の特徴は、港内の水質浄化及び小型船舶の航行によるけた下空間の確保から、主橋梁部分はPC斜張橋という主塔に傾斜角を持たせた我が国初めての特殊橋梁だと承っております。専門用語でこのように説明いたされましても、はっきり申し上げて私にはぴんとこないのでありますが、要すれば、八双の斜めに構えた、とにかく格好のいい連絡橋なんだなと自己流に解釈をしているところであります。  さて、私は最近どうもこの連絡橋のことで気がかりになっている点が一つございます。それは、この橋梁総延長取りつけ部分を含めまして三百六十メートル、幅員二十四・三メートルとなっておりますが、一体、道路面の凍結防止対策はどのようになっているのかということであります。詳しく調べた上での発言ではありませんので、的はずれになるかもしれませんが、港湾内、すなわち海上にかけられるこの種の橋梁という前提からするならば、寒冷地とされる北東北、そして、北海道を含めましても、既存するものでは、我が国の最北端に構築されるものではないでしょうか。もちろん、これまでの設計段階で専門的立場から種々検討されたと思いますが、安全対策を含めて、当然、凍結防止対策を講ずべきだと考えるものであります。このことにつきまして、市長のお考えをお聞かせ願いたいのであります。  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。  〔三十三番越田巌君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)越田議員にお答えを申し上げます。  まず最初に、八戸市総合健診センターの施設拡充についてでございます。健診業務実績及び経営実態の概要と今後の見通しはどうか、こういうお尋ねでございました。  財団法人八戸市総合健診センターは、地域住民の健康保持増進並びに意識の啓発行為を図るために設置されまして、昭和五十三年十月から業務を開始しております。この間、八戸市医師会、八戸商工会議所等、関係機関の力強い御支援によりまして、検診実績は毎年伸びておる状況であります。御参考に申し上げますが、開設翌年の昭和五十四年度は五万八千六百二十四件、五年目の昭和五十七年度は八万五千八百七十一件、十年目の昭和六十二年度は十二万四千九百七十三件、平成五年度は十八万三千九百八十件となっておりまして、昭和五十四年度から見ますと、三倍以上と伸びているところであります。  このため、増加する検診者に対応するため、これまでに乳がん検診、大腸がん検診、肺がん検診などを追加しまして、検診内容の充実を図りながら、巡回検診車、乳房エックス線装置、超音波診断装置などの検診機器の整備に努めてきたところであります。  経営状況につきましては、平成四年度の事業収益は約七億三千五百万円で、収入支出の差額四千七百万円を計上いたしております。さらには、平成五年度におきましても、前年度に比べて七・八%増の七億九千三百万円、収入支出の差額六千二百万円を見込んでおりまして、順調に推移しておると思っております。今後も、健全経営を図りながら、医学の進歩におくれることのないよう、検診内容の充実を図ってまいりたいと考えております。  同施設拡充の取り組みにつきましては、八戸市総合健診センターは設立当初、一日当たりの検診者を百人と想定をして建設された施設でございまして、平成五年度では一日当たりの検診者が二百六十人となっておりまして、このため、各検査室が狭隘となり、検診者に不便をかけておりますほか、検診機器の増設にも支障を来しておるところでございます。  このことから、去る五月十六日に八戸市医師会、八戸商工会議所、八戸市総合健診センター及び八戸市の四者が増改築整備について協議、検討いたしました結果、検診者へのサービスの向上と受け入れ体制の強化を図るために、増改築が望ましいとの意見でありました。
     また、国では急速な人口の高齢化、疾病構造の変化等、地域保健をめぐる状況が著しく変化をしてきておりまして、地域住民のニーズに密着した総合的なサービスの充実に対応するために、本通常国会に地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案を提出をいたしております。  この法案が成立いたしますと、今まで保健所が行ってまいりました母子保健事業等が市に委譲されること、さらに、市における地域保健の拠点施設として、市町村保健センターが位置づけられております。市町村保健センターは、住民の健康相談、保健指導及び健康診査、その他地域保健に関し必要な事業を行うことを目的とする施設でありまして、既存の八戸市総合健診センターと機能分担を明確にしながら、保健と福祉の一体的なサービス供給に努めてまいりたいと考えております。  次に、沼館地区の再開発問題についてでございます。この問題は、一般市民不在の論議が続けられておる都市計画の決定告示の保留を解除する一つの手段として、市民投票的なものを実施することを考えてはどうかという内容のお尋ねでございました。  この問題につきましては、議員の御発言の中にもありましたとおり、去る四月六日に商工会議所会頭と会談をしまして、神戸製鋼と地元の業界の共存共栄に向けた努力をお願いしたところでございます。その後、商工会議所では四月十四日に沼館再開発地区大規模商業核店舗進出阻止協議会の幹部を含んで神戸製鋼との意見交換を行うとともに、四月二十五日には商工会議所の会頭が全部の部会である十一の部会長から意見聴取を行ったと聞いております。  また、市におきましても、阻止協議会に呼びかけまして、五月二十三日に庁内関係部──これは企画、経済、建設、都市開発部でございますが──の部課長と阻止協議会幹部との意見交換を行うとともに、今後もそういう機会を設けていくことで一致をいたしておるところであります。  現在は、このように商工会議所及び市におきまして、それぞれ努力を重ねておるところでございまして、この協議の中で何とか双方の合意が得られるように一層の努力をしてまいりたいと考えております。  なお、市民投票的なものはどうかということに対しましては、御意見として承っておきたいのであります。  次に、河原木蓮沼地区の水害対策でございます。  河原木蓮沼地区は台風等により工場敷地が浸水被害を受けており、道路及び水路の管理者に対し水害対策に関して相談してきたところだが、これにかかわる管理者が多いため、水害防止に対応をする担当を決め、被害防止への取り組み等、適切な指導をせよ、こういう内容でございました。  河原木字蓮沼地区の工場敷地に流入する雨水対策の対応につきましては、八戸市建設部港湾河川課を窓口といたしまして、それぞれの関係機関である海上自衛隊、これは八戸航空基地の管理隊でございます。八戸土木事務所及び八戸港管理事務所と協議を進めてまいりたいと考えております。  なお、当面の対応といたしまして、県道からの雨水流入防止を図るために、側溝ふたの改善を八戸土木事務所に要請してまいりたいと考えます。  また、流末排水路の維持管理につきましても、八戸港管理事務所に要望してまいりたいと考えております。  次に、(仮称)八戸港ポートアイランド連絡橋の路面凍結対策についてでございます。  (仮称)八戸港ポートアイランド連絡橋は、ポートアイランドと背後地幹線道路とを結ぶ臨港道路の一部を形成するものでありまして、将来、増大が見込まれる港湾取り扱い貨物等の物資の効率的な輸送を図る目的で計画されたものであります。青森県が総事業費約八十億円で平成三年度から施行しておりまして、平成七年度に暫定二車線の完成予定で整備が進められておるところであります。  当該連絡橋の路面凍結対策につきましては、特に消雪、融雪施設は計画されていないのですが、気象並びに路面状況等に応じた管理で対応すると伺っております。  市といたしましては、議員もお述べになっておったようなことで、冬季における気象条件の厳しい海上に位置しておりますことから、安全上、特に凍結防止対策について、県に強く要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔傍聴席にて発言する者あり〕 ○議長(佐々木秀男 君)傍聴人に申し上げます。  静粛に願います。 ○議長(佐々木秀男 君)越田議員 ◆三十三番(越田巌 君)それぞれについて要望を申し上げたいと思います。  一番の健診センターの施設拡充でございますが、八戸市を含めました関係四者が一体となって、極めて前向きの姿勢で、その具体化に向けて取り組まれており、心強く思うものでございます。また、地域保健対策強化法案の成立をにらみまして、新たな展望の中で拠点施設づくりにお考えも示されまして、ありがとうございました。今後の大いなる努力を期待しております。  二番目の沼館再開発問題についてであります。  私は、事態の収拾の処理に御苦労されております市長並びに会議所会頭、そしてそれに関係する方々の御努力は大変なものだろうということで、その御努力に対しては敬意を表するものであります。こういう難しい物事の処理の流れの中においても、大抵の場合、それぞれにそれぞれの山場は必ずあるものだし、もし山場がなければ、あえてその山場をつくってやらなければ、問題の解決には至らないものだと、私は先輩からこういうふうに教えられております。  そこで、今回の再開発問題にこれを当てはめて、私は私なりに考えをめぐらせてみましたが、この問題の山場は、先ほど演壇で申し述べたトップ会談から引き続いた今日現在あたりが本当の山場なのではないかと、議員の一人として三カ月に一遍の定例会ですから一つの節目だと考えまして、きょうの質問と相なったわけであります。  トップ会談で、前提となるポートルネッサンス21計画による開発推進の妥当性については双方が一致したと言われており、そのことの上に立って、市長がおっしゃられておる共存共栄ということと、商工会議所の会頭が言われたイメージ提案とは、この収拾の前提として見れば、私はそんなにこの二つの間には距離感がないものだなというふうに受けとめているわけであります。  したがって、今ごろ一歩でも二歩でも、本当に前進した形でという期待感も込めて見ておったわけでありますけれども、その後の経過を新聞などで見ている限りにおきましては、おか目八目でございますけれども、本題よりも、二つのキャップが話し合って提案されている内容よりも、むしろ過去形の手続なり、手順なりに問題がすりかえられているように、私には見えてならないのであります。  当事者でございませんので、事の真相そのものを私自身の肌では感じておりませんけれども、少なくとも新聞等で見れば、そういう感じがしてならないわけでございます。  そこで、これも感じですが、もし仮に反対されている方々が、もしここにおられるのであれば、大変な失礼な言い方になることになりますけれども、どうも見ている限りにおいては、いつどこで上げた旗をおろされるのか。あるいはまた、そのタイミングを探しているのか。どうも私にはぴんとこないものがあるわけでございます。これでは共存共栄という言葉も、イメージの提案という言葉も、それらの共通項を探って提案をするためのトップ会談というものの意味合いが非常に薄れてきているのではないかと私は独断をしておるわけでございます。  トップの合意は、恐らくこれは文書にはないわけでありましょうから、いずれにしても、トップという形でお認めになっているのであれば、少なくとも普通の組織であれ、普通の機関であれ、トップの二人が合意されれば、これはその後には一つの話し合いというものは、それを基礎にして話し合われるのが当たり前のことではないでしょうか。国際関係でも、日本の首相とアメリカの大統領が話し合いをすれば、その線上で解決する、それに努力をするというのが当たり前だというふうに私は考えておるわけであります。  先ほど市長は、そこから御答弁の中で、計画の推移を十分に見ながら、これまた当たり前のことでありましょう。しかし、私はトップ会談の位置づけというものに対して、もう一遍反省をして考える必要があるのではないかというふうに考えるわけであります。  せっかく立った機会でありますから、告示保留についても一言私は言っておきたいと思います。  あの時点で告示保留をしたということについては、その市長の決断は私は間違いでない、そのように考えております。あのように反対行動が起こされて、議会の方にも陳情書が出されておる、そのような段階でありますから、その時点ではそうせざるを得なかったというふうに思うわけでありますが、現時点でこのことをよく考えてみなければならないと思うわけであります。今の行政は、その仕組みのやり方がいい悪いは別といたしまして、国、そして県、そして市という段階と流れの中で、その結びつきの中で大方の物事が処理されているのが自明のことわりでございます。  そういう現実の中で、告示保留という措置をそういつまでも放置していいのかどうかという問題が生じてくるわけであります。さすれば、長くなれば長くなるほど、今後における市が企画推進するさまざまな事業に全く影響なしと言い切れるでありましょうか。建前論はこの際は抜きにして、それは私は全くノーだというふうに考えるわけであります。これが現実の国の政治であり、そして県、市のつながりだと私は思うわけであります。だとすれば、やはり保留というこの問題は、このまま引き延ばしておきますというと、決して市のプラス効果にはならない。その作用はマイナス効果に働くのではないかというふうに私は思えてならないのであります。  国と国との交渉で、よく国益、国益という言葉がございますけれども、国益があるとするならば、市にとっても市益というものが必要だと思います。その意味合いにおいては、市全体の発展というものが基礎になければならないというふうに考えます。そういう時点からとらえますというと、生活者優先ということで、このことについても、いわゆる保留問題についても、市長は早い機会に決断をつけるべきだというふうに私は考えておるわけであります。  今、それぞれの関係者が、いろいろと市長あるいは会頭のトップ会談、それらの経過を見て、いろいろと御苦労をなさっておるのは、私も冒頭で言ったとおりでございます。まさに民主主義は時間がかかるものでございまして、民主主義のために一生懸命やっておると思うわけであります。  私が先ほど提案した市民投票的という、的という一字も入れましたけれども、これだってまさしく民主主義の、何といいますか、原則の始まりでございますから、私もそういうことがあってしかるべきではないか。いつまでもこういう事態が続くならば、こういう事態というのは何も初めてやることじゃないわけでありまして、的をはずせば、他の市町村でもたくさんこういう事態をやっているではありませんか。やはり最後までどうしても決断がつかなければ、そういうことも場合によっては行なわなければならないということも申し上げたいのであります。  いろいろとぶしつけな失礼な言葉が随所に入っているかもわかりませんけれども、それは友情をもってひとつ御容赦を願いまして、三番目の河原木蓮沼地区の水害対策に移りたいと思います。  先ほどの市長のお話のとおり、窓口として港湾河川課に決定されるということなので、まことにうれしく存じ上げるとともに、雨水流水の維持管理についても当面行っていくということでございますから、御答弁は了承をいたします。  なお、先ほど私が挙げた中にも、まだまだ二つ、三つ問題点がございますので、これも調査検討をされまして、どうかあの地区から排水の問題をなくしていただきたい、このように申し上げる次第であります。  連絡橋、これも結論的に申し上げれば、県が進めている事業でございますから、市長、御答弁されましたとおり、強く県の方に要望されていただきたい、そのことに尽きるわけであります。よそのことをとやかく申したくありませんけれども、スパイクタイヤからスタッドレスに変わったこの一年でございまして、この経過の中で青森のことを申したくありませんけれども、あのベイブリッジでも非常に凍結問題で、具体的中身は省略をいたしますけれども、がたがたがたがたあったようでございます。  陸奥湾の一番奥地にあるのが青森の港でございまして、太平洋を眼前にして受けているのは八戸の港でございます。立地されておる条件が違います。海上気象関係も違います。梅雨の季節風の強弱はすべて皆さんの御承知のとおりで、いわゆるしばれが全然違うわけでございますから、初めての橋でございますし、ベイブリッシがいいからここもいいんだというような考え方では私はだめだと思いますので、ひとつ市長、その点についても、私も素人でありますけれども、どうもそういう予感がしてなりませんので、どうか来年の平成七年度の年度末には渡り初めをやらなければならんわけですから、その期待を込めまして、私の質問を全部終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で三十三番越田巌議員の質問を終わります。    ────────────   二番 工藤雄剛君質問 ○議長(佐々木秀男 君)二番工藤雄剛議員の質問を許します。工藤議員  〔二番工藤雄剛君登壇〕(拍手) ◆二番(工藤雄剛 君)御質問をいたします。  最初に、県施設の県都一極集中について御質問をいたします。  この問題は、最近たびたび登場する議題であり、激することの少ない冷静な中里市長でありますが、この件につきましては、許容を超えたふんまんの情をお持ちだ、こう聞いております。議会も理事者も市民も同じ思いである、そういう同じ認識に立って、ただこの問題を問題提起に終わるのではなく、どうするのかという点を含めまして、御質問をいたしたいと思います。  いかに一極集中なのか。例えば、教育文化施設におきましては、青森市に県立図書館、郷土館、浅虫水族館など十三カ所、我が八戸市には三八教育事務所、種差少年自然の家、このわずか二カ所。例えば、体育施設では、青森市に総合運動公園、体育館、スケート場など四カ所、八戸市は皆無であります。ゼロであります。これから予定されている芸術パーク、そして話題のサッカー場とどこまで続くのでありましょうか。少しく乱暴な言い方でありますが、県民の県民による青森市民のための施設をつくるべし、こういうことでありましょうか。我々は、等しく県の恩恵を受ける権利を有するのであります。三分の一県民の受益者のため建て続けられている、その不平等を何と感ずるのか。改めて市長の思いをお聞かせください。これが質問の第一点であります。  二番目は、この問題にどう対処するのかということであります。  県都中心に設置し続ける考えを正当とし、この状況をさらに増幅させるのか。それとも、県施設は青森、八戸、弘前という三極の構図の中で、可能な限り県民に等しく恩恵を与えるべきという、そういう考えを確立させるのか。今ここで県を廃して藩を置くなどという大それた議論をするつもりはありません。県施設、それは県庁所在地にある施設という認識ではなく、県民が等しく使用する施設という認識に立ち、県民がそれほど不便を感ぜず、行ったり来たりできるエリア、例えば、商圏あるいは通勤圏、そういう圏と符合する生活圏という単位での設置を基本とする考え方を確立させなければならないと考えるのであります。  今、一極集中に憂慮する県下の他市町村とともに、県施設の設置のあり方について、県都中心から生活圏中心へと移行すべき、そういう議論を始めなければならないと考えるのであります。その先導者としての役割を八戸市が負うべきと考えるのであります。もちろん、県、そして県都をいたずらに刺激してはならず、協調しなければならぬのは大きな前提でありましょう。  しかしながら、施設は字のごとく施すところであります。施しは等しくあるべきということが協調すべきという前提のまたさらに前提になり得るものである、このように考えます。県庁所在地だから仕方がない、当然だという考え方の方が、生活圏にあるべしという、その考え方より上回っているような感がいたします。この県施設は生活圏にあるべしという常識、認識、それらを他市町村との連携のもと、進める気はないのか、お伺いをいたします。  二点目は、日ごろの県に対するさまざまな要望類について、市は市選出県会議員との間で連絡、あるいは協議といったものをどのように行っているのかという点であります。  この問題につきまして、市選出あるいは近隣の選出県議と大いに協力を図り、解決しなければならぬことであります。この点、どのような対処がなされているのか、お伺いをいたします。  三点目は、次期知事選という大それた題になりましたが、今、候補者につきまして大いに話題となっているところであります。今、ここでだれがいいとかだれが悪いとか、そういう点ではなく、県政はバランスを考え、推進させなければならず、県都が栄えることによって県が栄えるなどという考えをお持ちの方はふさわしくはありません。集中か、それともバランスか、どのような感覚をお持ちの方が県政をつかさどる知事となるべきか、市長としての見解をお伺いいたします。  次に、八戸駅西地区の区画整理事業について御質問をいたします。  当地は市施行による事業として、北奥羽の拠点となるべく、八戸駅を中心とした地方拠点都市事業とも絡み、今、出発したわけであります。各町内の代表者から成る促進協議会も既に結成をされ、地元住民の高い機運の中で八十ヘクタールに及ぶ現況測量等の必要な調査も今進めたところであります。区画整理事業は地元の理解と協力、そして機運の中で成立するものであります。当地区の住民には長い間において、新幹線イコールいつのことやらという条件反射的思いが必然的に植えつけさせられたと表現してもいい、そういう感じを持った地域であります。  今また、住民の間にはフルかミニかという不確定要素の不透明な状況が漂っております。期待と裏腹に、どんどん住宅が建設される状況のもと、事業着工がおくれればおくれるほど負担は大きくなり、機運は小さくなります。  中里市長が市長初当選後、新幹線を待たずしてユートリー、駅広整備という英断を下されました。今、この事業に関して決まらぬものが決まらなければ、来るべきものが来なければという、そのちゅうちょを超えて、ミニかフルかの不確定要素よりもはるかに確定要素が広いエリアに存在するわけでありますから、できることから進めるべきと考えるのであります。この点を踏まえ、その状況、今後の展開につきましてお伺いをいたします。  最後に、八戸学生寮についてお伺いをいたします。  昭和三十三年に八戸市民の愛情と期待によって、江古田に建設されました八戸学生寮は、御承知のとおり三十七年の歳月を経て、ときどきの改修を得ながらも老朽化が著しく、さらには居住機能としては何とかクリアできつつも、当世代の感覚からはほど遠く、満足にほど遠い建物として、二年前に上村議員、さらに二年前には坂本議員と、その対応策について提議がなされましたが、四年前の時点で市長も老朽化に対する問題意識も十分に認識され、千坪の土地の有効利用を考慮しつつ、本来的な設立の趣旨を尊重しつつ検討しなければならぬという見解でありました。  建設当時から大学進学率も向上し続け、在京の大学生の数も相当数増加したわけであります。しかしながら、定員は二人部屋から一人部屋への改装の際、半減したわけであります。この学生寮の恩恵に浴する学生の比率も、当時に比べれば小さな比率になりつつあることも事実であります。私の心細い試算でありますが、不正確かもしれませんが、昭和三十年代には在京大学生の一〇%前後、現在では一%か二%、その前後の学生しか入居していない、そういう計算になるのであります。この数字の上に立った検討もしなければなりません。  快適な学生のニーズに見合った建物であれば、申し込みが急増するという予測も考慮しなければなりません。親にとって大変な負担軽減となるはずであります。当地に昭和三十二年決定されました公園設置という都市計画の規制下にある事情があるにせよ、一つの建物が老朽化し、新築しなければならぬほどの長い歳月の間、単に都市計画規制の網をかけて、将来的にも実行しない、できない都市計画なのであれば、そのことを都に主張、理解を求め、土地の有効利用、駐車場、資産運用、その道を探ることによって、財政事情という壁を超えることができるような、可能性があるような、そんな感じがするのであります。このことは、設立した趣旨を超えないものである、このように考えます。  別の言い方をしますと、工夫をすることによって解決できるかもしれない、こう考えるのであります。昭和三十年代の経済状況、困難な市財政の中から数少ない市単独の学生寮を誕生させたとうとい情熱を考えれば、金がないないと言わず、今ある状況の中でこの問題にアクションを起こすことは可能であると考えます。  東京のど真ん中、故郷を離れた幾十人かの若者が八戸弁で語り合えるねぐらは八戸の宝であります。この八戸市学生寮、ここ数年来の課題に、どのような道のりをつけるのか、市長に御質問をいたします。質問を終わります。  〔二番工藤雄剛君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)工藤雄剛議員にお答え申し上げます。  まず最初に、県施設が県都に集中していると思うが、その現状と、それに対する市長の見解を問う、こういう内容でございました。  現状におきましては、医療、教育、スポーツ、文化、芸術、福祉の県施設は数少ないこともありまして、青森市に、県都に集中していることはお説のとおりでございます。  東京一極集中是正、多極分散による国土の均衡ある発展の受け皿づくりを目指す地方拠点都市政策のもとに、本県では、平成五年二月に八戸地域が第一次指定を受け、今年度には弘前地域が第二次指定の見通しとなっておるわけであります。その趣旨は、もう前にも申し上げておるわけですが、地方拠点都市は多極分散の受け皿の都市をつくる、それは県内における原則として県庁所在地以外の第二、第三の都市を整備して受け皿にしていこう、こういう趣旨が込められておるわけでございます。  そのような趣旨からまいりまして、当市は知事から承認をいただきました地方拠点都市地域基本計画に基づき、英知と躍動感あふれる都市機能の充実と地域産業の高度化、それによる魅力ある就業機会の創出を図るとともに、潤いに満ちた居住環境の整備を行い、真にゆとりを創出し得る地域社会の形成を目指し、平成六年度、そのスタートをしたところでございます。  しかしながら、その実現には国、県の御支援は不可欠なものだと考えております。特に、当市におきましては、先ほど申し上げました医療、教育、福祉、スポーツ、文化、芸術等の面での都市の魅力創造と申しましょうか、ソフト的な都市の魅力創造には、まだほど遠いものがございまして、十分ではございません。これを市の財政のみで対応するということは困難な状況と申し上げたいのであります。  当市の活性化と若者の定住促進に資するためにも、そのような考え方で県施設の設置を強く期待をいたしまして、平成二年度に県立八戸高等技術専門校の短期大学への昇格を、また、平成三年度から(仮称)県立文化ホール、県立運動公園の設置等を要望してきたところでございます。これらの県施設の設置につきましては、今後も引き続いて要望してまいりたいと考えております。  次に、県施設の県都集中に対処するため県内市町村と連携をとり、県施設のあり方についての検討会等を設置する考えはないか、こういうお尋ねでございましたが、議員御提案のことにつきましては、御提言として受けとめさせていただきたいと思います。  次に、市選出県会議員と市とが連携をとり、一体となって県施設の県都一極集中問題に対処すべきと思うが市長はどう思うか、こういうことでございました。 市選出県議会議員の方々には、これまで国、県への重点事業要望に対する御支援をいただき、また、そのときどきの事柄について御支援、御協力を賜ってきたところでございます。  平成七年度の重点事業要望として、一つには(仮称)県立文化ホール、二つ目は県立職業能力開発短期大学校、さらに県立運動公園、四番目は県立八戸第一養護学校高等部等の県施設の設置及び第三次救急医療施設の設置にかかわる財政支援についても、市選出県議会議員に説明し、特段の御支援を賜ることとなっております。  今後も、これまで同様、県議会議員と連携をとりながら、県施設の設置に対処してまいりたいと考えております。  次に、知事選に関連いたしまして、バランス感覚のある人材が適任と思うが、市長はどう考えるか、こういうことでございました。  我が八戸市は新産業都市建設指定を三十九年に受けまして以来、今日まで、その基盤整備、道路、港湾あるいは上下水道、さらには産業振興等々、この基盤整備の面で大変に青森県当局の積極的な力添えをいただいてまいったと思っております。深く感謝を申し上げておるところでございます。  ただ、今日御案内のように、まちづくり、都市の人口定住、また、若者の定住という面から見ました場合に、そのような社会資本プラス医療、教育、福祉、芸術、文化等のソフト的な分野の整備が必要な時代に入ってきておると思います。それが都市の魅力の大きなウエートを占める時代になってきておる、こう思っております。そのことがまだ我が八戸市としては、みずからの財政力をもってしては、それを整備することがなかなかに厳しい状況でございます。  そういう面におきまして、今後とも国、県のお力をお借りしたい、こういうことで、先ほども申し上げたようなことで努力をしていきたいと思っております。  特に、今後は地方拠点都市の思想、先ほど申し上げましたようなこと。さらには、他県の状況、例えば秋田県は横手市に二百億円を投じてふるさと村をつくった。さらには、今、鹿角市に県立のスポーツ施設を建設しようか、こういうこと。岩手県は、二十八カ所にも及ぶ県立病院を持っておる等々のことを考えますれば、本県におきましても、今後は目を向けていただけるものだ、そういう時代になりましょう、こういう大きな期待をかけておるところでございます。  したがいまして、冒頭に先ほども申し上げました。感謝を申し上げながらお願いをしてまいりたい、これが私の考え方でございます。  次に、八戸駅西地区土地区画整理事業について、現在までの進捗状況と今後のスケジュールでございます。  八戸駅西地区につきましては、土地区画整理事業に必要な諸調査として、市街地環境評価、現況調査、測量、基本構想及び基本計画の作成のための調査等を実施してきたものでございます。  しかしながら、土地区画整理事業の区域及び事業計画等を定めるには、新幹線フル規格化に伴う必要な用地拡幅の設定と取得の方法等、具体的な方針が必要でございまして、これが提示されていない現状におきましては、土地区画整理区域の設定及び具体的事業計画を策定できない状況でございます。  今後、西地区の八十ヘクタールにつきましては、市施行によるものとして、八戸駅周辺地区整備開発調査や周辺公共施設等、これは国道四五四号線、浅水川改修計画、県道3・3・8号線、駅東西との連絡道、駅舎等との調整と土地利用のあり方等について、県及び建設省等の指導を得ながら、関係機関及び関係する促進協議会並びに権利者等と協議をし、前述の条件が提示された場合、できるだけ早い時期に事業化ができるように事務を進めてまいりたいと考えております。  次に、八戸市学生寮についてでありますが、築後三十七年を経過して老朽化が著しく、学生のニーズに合わなくなってきた。定員増や土地の有効活用も考慮した上で建てかえるべきだ。市長の考えはどうか、こういう内容でございました。  八戸市学生寮は、多くの市民及び企業の方々からの御寄附をいただいて、昭和三十二年十二月に現在地である東京都練馬区に建設され、今日に至っております。この間、八百五十名余の有為な人材がこの寮を巣立ち、政治、経済、文化など、あらゆる分野で活躍され、当市発展のための原動力になっておりますことは、学生寮設立の趣旨が生かされて開花し、実を結んだものでありまして、まことに喜ばしい限りでございます。  市といたしましては、学生寮の運営に対して昭和三十五年から補助をしてきておりまして、特に施設の維持管理につきまして、昭和五十五年に三千三百万、平成元年に三千七百十万、そして平成三年には九百万を助成して、建物の改修等に努めてきたところでございます。  しかしながら、議員御指摘のとおり、築後三十七年を経過した学生寮は老朽化が著しく、現代の学生のニーズに合わなくなってきておりますために、建てかえの必要性は感じておるところであります。建てかえに当たりましては、敷地の有効活用を十分に考慮する必要がございますが、現在学生寮の敷地には、都市計画上、公園予定地の網がかけられておりまして、大きな障害となっております。  しかしながら、交通の便などを考えると、現在地での建てかえが最も望ましいために、土地の有効活用や定員増の問題も含め、八戸市学生寮の経営主体である財団とも十分協議した上で、今後財政状況等を勘案し、研究、検討してまいりたいと思っております。  かつて、学生寮につきまして、大分踏み込んだお答えを申し上げた経緯がございました。当時は市民病院約百五十億ですとか、清掃工場百億と言われる時代でございましたが、そのころの積算、ある程度のものは聞いておるんでございますが、財政事情がどこまで、今どれくらいかかるのか、かなり状況の変化もあっておりますので、今研究しておるところでございますが、十分に今後とも詰めて、どこの時点で手をかけるのか、今後とも研究してまいりたい、こう思っております。
    ○議長(佐々木秀男 君)工藤雄剛議員 ◆二番(工藤雄剛 君)御答弁ありがとうございました。  再質問はありませんが、要望につきましても、質問の中でたくさん述べましたので多くは申しませんが、先ほど、県とうまくやっていかなければならない、こういう御意識の上でしょうか、感謝しつつお願いをする、こういう姿勢というんですか、産業の面で八戸市が他市よりも県からお力を得たという、そういうものがあるわけでありますが、私は産業面というものは、そこに産業が栄える、位置する要件が、要素がこの八戸にあった。ですから、産業というものは、いわば青森県の全体の経済を潤しているということも言えるし、いわば文化施設、体育施設に関しましては、これはそういうことを余り気にせず、等しく受ける権利を有する、こういうふうに考えるわけであります。ですから、感謝しつつも、少し怒りながら、お願いをしてみたらいかがかと思います。終わります。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で二番工藤雄剛議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午後二時五十五分 休憩    ────────────   午後三時  十分 再開 ○議長(佐々木秀男 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続行いたします。    ────────────   二十四番 中村元博君質問 ○議長(佐々木秀男 君)二十四番中村元博議員の質問を許します。中村議員  〔二十四番中村元博君登壇〕(拍手) ◆二十四番(中村元博 君)平成六年六月定例会に当たり、公明党の議員の一人として、市長並びに理事者に質問してまいります。  まず第一点、港湾行政についてお伺いいたします。  これまで八戸港は、多くの先輩の方々の並み並みならぬ努力で、北東北地域の漁港、工業港、そしてまた商港として、この地域の流通拠点として重要な役割を果たしてまいりました。  八戸港を取り巻く情勢は、新たな企業立地や東北自動車道八戸線の開通など、高速交通体系の整備によるフェリー航路の充実など大きな変化をもたらすとともに、この数年来、当初計画を上回り、内航、外航貨物の取り扱い量は三千万トンの大台を超えるほどに成長してまいりました。これも、国や県による八戸港の整備促進が図られたためであります。そして、この発展をさらに推し進めるために、昨今の輸送におけるモーダルシフトを取り入れるとともに、この地域の発展とさらなる活性化を促すために、コンテナ輸送に取り組む必要があったのであります。  私はこれまで、本会議を通じて港の発展のためには、神戸、東京の例を見るまでもなく、行政はポートセールス等に積極的に、業界と一緒になって取り組むことが他港との競争に勝つことになるのですよということを訴えてまいりました。  昨年五月に中里市長みずから、港湾管理者である青森県と一緒になって、運輸業界、商工会議所等と取り組んでいただいたポートセールスが、東北で初めての定期コンテナ船の誘致に成功したことは御案内のとおりであります。いよいよ八戸港の国際物流拠点の実現に向けて、その運動は緒についたものと私は思っているものであります。その実現に向かって、今後いろいろな困難な局面に直面することもあるかと思いますが、八戸港の将来と北東北のあしたを願いつつ取り組んでいただきたいと存じます。  県は早速、ガントリークレーンの設置に向け、岸壁の整備とコンテナヤードの整備に取り組んでおるところでありますが、その進捗状況と完成見込みとクレーンの耐用年数についてお知らせいただきたい。同時に、ポートセールスの状況についてもあわせてお伺いいたします。  次に、テクノスーパーライナーについてお伺いいたします。この問題についても本会議でたびたび申し上げてきたところでありますが、二十一世紀に向けて、世界経済社会の活力ある発展を図るため、その基幹となる輸送体系を飛躍的に進展させることが今望まれているところであります。  中でも物流の高速化、すなわち輸送時間の短縮化を図ることが強く要請をされ、海上輸送部門においても、こうした時代に即した革新的な貨物輸送方式の実現が期待されております。それは同時に、トラックによる高速輸送が、排ガス問題による地球環境の汚染化や労働力不足をあわせて解決することになるのであります。  速力五十ノット、時速九十三キロ、貨物積載量一千トン、航続距離五百海里(九百三十キロメートル)以上のいわゆる海上新幹線で、しかも輸送機関として定時性を保つため、荒れた海でも航行できる外洋型の新型超高速貨物船の設計技術の確立を目指して、平成元年度から研究が進められておるところであります。  聞くところによりますと、この五年間の研究により、技術的には実現は可能であるとし、平成四年から六年度にかけて模型実験船を建造をし、実海域で海上試験が行われておるようであります。このテクノスーパーライナーの誘致運動は、北日本では八戸を初め、苫小牧、小樽、仙台、新潟などが運動をしているところであります。  そこで、テクノスーパーライナーの現状と、今後の八戸誘致に向けての取り組みについてお伺いいたします。  第三点目としては、第九次港湾整備計画の取り組みについてお伺いいたします。  先ほど来申し述べてまいりました八戸港の整備については年々行われてきたのですが、特に新産業都市に指定以来、飛躍的に整備が進むと同時に、年とともに港域が拡大される中で、中央防波堤第一、第二ともいまだ未完成であります。そして、国際物流拠点として整備が急がれる中で、第二号埠頭、河原木二号埠頭、ポートアイランドの完成と、その中にコンテナ埠頭の設置とテクノスーパーライナーの誘致、また、輸入促進地域指定によるFAZ構想、第二ポートアイランドの造成や、将来の八戸港としての八太郎北防波堤から市川漁港までの位置づけ等々、八戸港の整備促進を図らなければならないわけであります。  現在の第八次港湾整備計画は平成七年度で終わります。第九次計画は、年度中にそのめどをつけなければなりませんが、その位置づけと今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、第二点目として新産業都市の財特法の適用年限の延長についてお伺いいたします。この件では、先ほど山口議員の質問があったわけですが、重複いたしますけれども、私なりの視点で質問いたしてまいりますので、よろしくお願いいたします。  新産業都市、工業整備特別地域の指定は、昭和三十七年に定められた全国総合開発計画において、地域開発の核となる地方工業開発拠点を建設をし、当時から問題になりつつあった大都市集中型の開発に歯どめをかけ、国土の均衡ある発展を図ることを目的として定められました。住宅、道路、港湾、下水道、また教育施設など、特定施設にかかる国庫補助率のかさ上げをし、その都市の生産及び生活基盤や関連施設の整備を進め、地域格差の是正と雇用機会の創出を図ってまいったところであります。  我が八戸市も昭和三十九年に指定になり、その後、四度にわたる財特法の延長により着実に進めてまいったところでありますが、これも平成七年度で期限切れになるのであります。その間、企業誘致が進められ、紙、パルプ、鉄鋼、亜鉛、飼料コンビナート等が進出をし、工業集積地として変容してまいりました。  一方、港湾については、旧来の鮫港に八太郎第二工業港が建設をされ、今もその整備が進められているのであります。住宅、道路、下水道等の整備が進められており、国土の均衡ある発展が図られておりますが、しかし、この地域では、今後とも地方に対する助成が不可欠であります。  また最近、国土庁は本年四月、地域の独自性を生かし、新たな産業振興策を検討をし、二十一世紀地域政策研究所を設け、今年の秋まで、これまでの新産工特地域の見直しを行うと報道されております。  そこで、財特法の延長について、市長はこのことをどのように受けとめ、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。  第三点として公園行政、特に南部山公園についてお伺いいたします。  今、高度な技術社会の進展の中で、二十四万市民の方々が潤いと豊かさを感じられる生活をする環境づくりが八戸市にとっても重要な課題であります。あわせて人生八十年時代という高齢化社会の中にあって、はつらつとした市民生活を支え、活力のある地域社会づくりを進めることは、行政として最も大切なことであります。幼児から高齢者まで、すべての市民が生涯を通じて積極的に家から出て、楽しみや生きがいを見つけ、多くの人々との交流を深め、心と体の均衡のとれた健康の維持推進と、生きがいづくりの拠点施設として整備が行われる必要があります。  その意味からも、八戸市としては、昭和六十一年から取り組んでいる昭和天皇在位六十年記念事業の一環として整備が進められている南部山健康公園の事業が市民から期待されておるところであります。  去る平成四年、十九億円余りで完成した体育館、屋内プールやトレーニング室等々をあわせ持ったコミュニティ施設を中心に、各種の野外スポーツ施設や、緑豊かな中に花見を楽しんだり、子供たちが伸び伸びと遊ぶことのできる芝生広場など、平成十年完成に向けての整備が行われております。  そこで、この事業の現在の進捗状況と、南部山公園のアクセスとしての取りつけ道路の整備計画の見通しについてお伺いいたします。  第四点として、浅水川の安全対策についてお伺いいたします。  一級河川浅水川は八戸の西部の農村地帯を流れる川であり、母なる川馬淵川に尻内表河原地区で合流しております。古来、この地域の田んぼや畑作地帯を流れる川として、地域住民にとっては生活と切り離すことができない親しみと愛着とを感じてきた川であります。そのため、地域の老人クラブの方々が早くから浅水川をきれいにする会をつくり、ごみや川の清掃を行ったり、ポスターをつくり、子供たちに川の大切さを教えてきたと聞いております。しかし、その川、中小河川も一たび豪雨に見舞われるとはんらんをし、しばしば被害をこうむってきたところであります。  今、県ではこの被害をなくするため、放水路を整備する計画になっておるところであります。今回私が申し上げる安全対策とは、浅水川のガードレールや安全立て札がなされておるかどうかということの質問でございます。この川の沿線には豊崎小学校、三条小学校、西園小学校があり、また幼稚園や保育園もあります。  二年前、公明党として各学校の通学路の安全対策を調査したことがあります。学区の中に河川がある地域として調査をしたところ、豊崎小学校ではほぼガードレールが設置してあり、三条小学校では、学校がある左岸では、正法寺から三条小付近まではガードレールがあるのでありますが、右岸では全くガードレールがなく、この付近から下流まで両岸ともにほとんどガードレールがない状況であります。  今年春、左岸である尻内中央公園の前の堤防のところで小さな子供さんが川に転落しました。幸い大事に至ることなく事なきを得ましたが、安全対策がほとんどないのであります。川の両岸ですので、市道のところと河川敷のところがあり、道路の管理者が違っておるわけでありますが、浅水川の安全対策がどのように現状は行われておるのか、今後の対応策をお尋ねいたします。  最後に、三四〇号線の改良についてお伺いします。  第一点は、平成二年度から行われている国道三四〇号線の安全施設整備事業五カ年計画のこれまでの進捗状況と、今年度の事業計画についてであります。  このことについては、これまで何度か本会議で取り上げてきたところでありますが、八戸高校付近から二ッ家間の六百八十メートルの歩道の拡幅をしなければ、この道を利用している小中学生の子供たちや地域住民の安全を守ることが非常に困難であります。国道自体が急な坂道であり、なおかつ急カーブの道であります。その上、一日一万三千台からの交通量があるのであります。特に冬期間の積雪時にはさらに危険度が増すのは言うまでもありません。  つい一カ月ほど前にも、N不動産の石垣に大型車が歩道を乗り越えて激突する事故がありましたが、幸い日中の歩行者がない時間帯でしたので、事故に巻き込まれることもなかったようであります。住民にとっては四六時中このような危険が待ち受けているのであります。  地元では一日も早い事業の完成を待っておりますが、その進捗状況と今年度の事業計画についてお知らせいただきたいのであります。  次に、長者中学校前の歩道橋の点検についてであります。今申し上げたように、危険な国道三四〇号線にかかっている横断歩道橋が、ことしの二月の大雪の際、融雪設備が故障しており、一両日、子供たちは深い雪の中を歩いて渡り、階段途中が凍る状態になっておったのであります。故障は、県土木事務所の点検の結果、意外と重く、その後十日余りかかったようであります。市内には多くの歩道橋がありますが、冬期間に入る前の事前点検がどのように行われているのか、その対応についてお伺いいたします。  この項の三点目として、図南小学校交差点の信号設置の見通しについてお伺いいたします。この三差路の信号機については、以前から地元の方々の要望があったところであると同時に、平中交差点から笹子交差点の間には信号機は一カ所もなく、先ほど一日一万三千台の交通量があると申しましたが、その車がスピードを緩めることなくこの交差点を通過する場合が多く、危険きわまりないのであります。  この春に、県土木事務所、八戸市、八戸警察署の立会調査が行われましたが、その後の信号設置の見通しについてお伺いをし、この席からの私の質問を終わります。  〔二十四番中村元博君降壇〕(拍手) ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)中村元博議員にお答えを申し上げます。  まず、港湾行政でございます。  ガントリークレーン設置の進捗状況とポートセールスの取り組みはどうか、こういう内容でございました。  まず、ガントリークレーンでございますが、設置の進捗状況につきましては、港湾管理者であります青森県が八太郎一号埠頭E岸壁において事業を実施しておるところであります。さきに議員もお述べになっておるようなところです。既に補強のための基礎杭工事が完了し、現在、レール架台工事を施行中でありまして、レール敷設は七月中旬ごろ完成する予定となっております。クレーン本体は神戸港で船積みをされまして、七月上旬に八戸港に陸揚げ後、架設、整備、点検が行われ、七月末完成の予定となっております。  なお、ガントリークレーンの規格につきましては、つり上げ荷重が五十トン、最大高さ七十五・五メートルでございます。また、ガントリークレーンが設置されるE岸壁におきまして、既設の大型クレーンでありますアンローダーは、コンテナ船が接岸していない場合には、従来どおり使用可能であると聞いております。  コンテナヤード整備の進捗状況につきましては、県が、八太郎一号、二号埠頭の間に整備中のコンテナヤードは既に路盤工が完了しておりまして、今後、防護さくの設置、アスファルト舗装、冷凍コンテナ用電源、照明設備等順次施行し、七月末完成の予定となっております。  ポートセールスの取り組みについてですが、東南アジアコンテナ定期航路の開設に向けまして一段と本格化をしてきておるところでありますし、船会社でありますPIL社のスケジュールによりますと、第一船の入港は八月下旬ごろに予定をされておりまして、これに先立って、輸出用の空コンテナを搬入するための寄港が八月の初旬ごろに見込まれております。  航路は八戸、日立、基隆、香港、シンガポール、ジャカルタ、香港、高雄、苫小牧、八戸というようなコースでございます。八戸港には十六日間隔で寄港することとなっております。  昨年から、官民一体となって、コンテナ定期船の八戸港寄港に向けましてポートセールスを実施しておりまして、首都圏及び北東北三県の企業、商社等の荷主延べ百数十社を訪問しまして、コンテナ定期航路開設のPRをするとともに、利用を呼びかけてまいりました。  また、昨年度末に、北東北三県の企業、商社等二千八百社余りに対してコンテナ貨物の利用アンケート調査を実施いたしましたが、その際、アンケートとともに、東南アジアコンテナ定期航路開設のPR用パンフレットを配付いたしました。さらに、「広報はちのへ」に東南アジアコンテナ定期航路開設の記事を掲載するなど、多方面にわたりPR活動を展開してきたところであります。  今後も引き続いて、八戸港PRパンフレットの配付や、新聞広告の掲載を行うとともに、従来にも増して地元や首都圏の企業、商社を訪問するなど、官民挙げてきめ細かなポートセールスを展開してまいりたいと考えております。  次に、テクノスーパーライナーの開発に関する最近の状況及び八戸港への誘致の見通しと取り組みについてのお尋ねでございました。  テクノスーパーライナーの研究開発につきましては、運輸省の指導のもと、造船大手七社で組織するテクノスーパーライナー技術研究組合により、平成元年度から平成六年度までの六カ年計画で進められておるところでありまして、いよいよ今年度は実海域での実験が行われることとなっております。  実験船は二つの方式がありまして、揚力式、いわゆるF型でございます。これは既に完成をし、もう一方の空気圧力式──いわゆるA型と呼んでおりますが──もこの六月中に完成が見込まれております。実験は七月から、大阪湾、長崎沖及び房総半島沖において行われる予定となっておりまして、今世紀中の実用化に向けてテクノスーパーライナーの研究開発は順調に進んでいると認識をいたしております。  運輸省によりますと、今年度は、これら特定海域での準技術的な航海実験を行い、実験データを分析した上で、来年度に広域的、総合的な実験に入る予定になっております。  テクノスーパーライナーの誘致につきましては、その平成七年度の実験港に八戸港が指定されることが当面の目標であると考えております。しかしながら、現在、北海道、東北地方におきましても、十数港が名乗りを上げるなど、日本各地の誘致活動はますます激化しておりまして、予断を許さない状況となっております。  このような状況の中、誘致に向けた従来からの活動を一層強化するとともに、八戸港の有利性を地理的条件、輸送需要、港湾施設、交通網など、さまざまな角度から整理をいたしまして、PR用資料としてまとめるなど、より理論的な観点から八戸港をアピールしてまいりたいと考えております。  さらに八戸港への誘致に向けまして、流通等関連業界に対するPR活動を進める一方、国の七年度予算をにらみながら、地元選出国会議員の支援も得た上で、県、八戸商工会議所、八戸港振興協会とともに官民一体の積極的な運動を展開してまいりたいと考えております。  次に、第九次港湾整備五カ年計画の取り組みについてのお尋ねでございました。八戸港は北東北の物流拠点となる港湾として位置づけられておりまして、平成三年度を初年度とする第八次港湾整備五カ年計画におきましても、これに沿った外郭施設、係留施設、埠頭用地などの整備が進められてきたところでございます。また、貨物の陸上輸送から海上輸送へのモーダルシフト及びコンテナ化に対応する大型岸壁の整備についても、建設が順調に進捗をいたしておるところであります。  先ほど議員もお述べになっておりましたが、貨物量も三千万トンに達している。もう中村議員は港湾につきましては専門家でいらっしゃいますから、大変精通しておられるわけでございますが、そのような貨物、それから、施設整備ともに順調に今日まではやってきたと思っております。  さらには、港湾関係者、市民の長年の夢でありましたポートアイランドの工事についても、全体面積八十五ヘクタールのうち、第一期工事分三十五ヘクタールが、当初の予定どおり平成七年度の完成に向けて順調に進んでおります。  国は、平成八年度を初年度とする次期の第九次港湾整備五カ年計画について、平成六年十一月ころから、各港湾管理者に対してのヒアリングを実施し、平成八年二月ごろに閣議決定というスケジュールを予定しております。  港湾管理者である県では、国のスケジュールに対応しながら、各港湾の持つ特性、重要性をかんがみながら、積極的に取り組んでいくこととしておりまして、市といたしましても、外貿コンテナ定期航路の開設、輸入促進地域やテクノスーパーライナーへの対応、第二人工島構想、八戸港を取り巻く状況が変化してきておりますことから、県に対しまして、これらを踏まえ、二十一世紀の八戸港を考えた整備計画の策定を要望してまいりたいと考えております。  特にまた、先ほど漏れていますが、特定重要港湾の格上げも必要になりましょう、このように考えております。  次に、新産業都市建設及び工業特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の延長についてでございます。  このことは、山口広道議員に答弁したとおりでございますので、重複する部分もございますので、重複しないように申し上げたいんでございますが、我が国の戦後四十九年の歴史を顧みましたときに、資源の乏しい、国土の狭い国、これをいかにして生きていくかということで、昭和二十五年に国土総合開発法ができております。それに基づいて全国総合開発計画、さらにそれに基づいて新産業都市建設促進法、これは地域格差の是正というのが主目的であったわけであります。その後四十四年に、全国を高速交通ネットワーク、高速道や新幹線で結んで、これ国土の均衡ある発展ということで、大規模開発、拠点開発、それで生まれたのがむつ小川原開発でございます。  新全総の後は昭和五十二年でございます。人口定住構想ということで三全総が生まれたわけです。その後、四全総、昭和六十二年、これは一極集中を是正しながら国土の均衡ある発展、こういうような一連の総合開発計画の中で進められてきておるわけでありますが、その中で、テクノポリス法ですとか、あるいは頭脳立地法、今日では拠点都市整備法ですとか、いろんな地方の開発のかかわる法律等も出てきておるわけでございます。  それら等を勘案しながら、国土審議会におきましては、前回のこの時限立法の期間延長に当たりまして、もう当初の目的を達成したのではないか、いいのじゃないか、こういう議論もあったわけでございます。  しかし、これは、全国の市長会の中にも新産都市協議会がございますが、どちらの都市でも、前に山口議員にも申し上げましたとおり、生活基盤、産業基盤整備がまだ目的を達成していない、地域格差の是正ということはまだ先だ。そういうことでありますから、期間を延長して、なお今後とも国の、県の配慮をしてほしい、こういう要望が強いわけでございます。  現在、国土審議会におきまして、審議会の委員の方々が、この全国の新産都市を調査をする。こういうことで、実態調査に入っておるところでございます。我が八戸市にも、八月には調査においでになる予定になっておりますが、前から申し上げているように、現地を見ていただき、まだまだ目的を達成していない状況を御判断いただいて、何としてもこの期間延長をお認めいただきたい、このような運動を展開してまいりたい、こう考えております。  次に、南部山公園の整備の進捗状況でございますが、南部山公園は、昭和六十二年度、昭和天皇陛下在位六十周年記念事業の一環として、全国で二十八カ所指定されたものであります。議員も先ほどお述べになっておりました。  当公園の中心的な施設であります温水プール、体育館、管理棟につきましては、平成元年度に着手をしまして、平成四年十月一日にオープンして以来、平成四年度は四万人、平成五年度は八万六千三百人に利用されておりまして、市民の健康、文化活動等、多様なレクリエーションの場として活用をされております。  その進捗状況でございますが、平成六年度末までには、多目的広場、これは桜並木、東屋、芝生広場でございます。加えまして花見広場、桜百十本、ヤマツツジ六千五百株、梅二百本、ジョギングコース千百メートル等が完成する予定となっております。  今後の整備計画といたしましては、池周辺の散策路と、テニスコート、わんぱく広場等を整備する計画となっております。平成五年度の整備進捗率は、事業費ベースで約六二・七%となっておりまして、今後、さらに事業の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、利用客に不便をかけている国道四五号からの取りつけ道路の整備計画の見通しを示せ、こういうことでございました。  南部山公園は平成四年十月に開設以来、平成五年度末まで約十二万人余の利用客で大変市民に活用されております。議員御指摘の国道四五号北バイパスのアクセス道路──市道見立山高館線でございますが──の整備計画の見通しについてですが、現在、国道四五号北バイパスは暫定二車線で供用開始されておりまして、建設省では四車線の実施整備計画の見通しが立て得ないとのことでございまして、したがいまして、国道取りつけ道路の具体的な計画を立てられない状況でございます。  当面の対応といたしまして、現在利用されております国道沿いと沼沿いにあります市道見立山高館線の部分改良及び待避所の設置を今年度予定をいたしております。  なお、国道四五号北バイパスの拡幅整備の促進について、建設省にさらにお願いをしてまいりたい、こう考えております。  次は、浅水川の安全対策でございます。三条小学校付近の安全防護さくは整備済みであるが、その他未整備箇所について、今後どのような計画をしているのか、こういうことでございました。  浅水川は県管理の河川でございまして、左岸、右岸の堤防天端部分は、河川管理用道路及び地域の道路として使用されておりまして、このため県では、安全対策として、三条小学校を中心とした歩行者の多い地区からガードパイプ及びガードレールを設置してきたところでございます。  なお、防護さくの未整備区間につきましては、平成六年度、左岸の一番町地区、平成七年度以降は右岸を整備する計画と伺っております。
     市といたしましても、早期に防護さくを完成していただくよう、今後とも働きかけをしてまいりたいと考えております。  次に、国道三四〇号線の改良でございます。交通安全施設の整備事業の今年度の計画及び進捗状況はどうか、こういう内容でございました。  当事業は県事業でありまして、工事概要は、総事業費七億円、道路延長約七百メートルの区間を約二・五メートル東側に拡幅し、歩道を整備するもので、事業期間は平成四年度から七年度までの計画で進めておるものでございます。もう議員は十分御承知のとおりでございます。  平成四年度の事業費は三千二百八十万円、用地取得面積は百四十七平方メートルとなっております。平成五年度の事業費は七千百万円で、用地取得面積五百八十七平方メートルであります。平成五年度末の進捗率は一四・八二%となっております。平成六年度事業につきましては、用地取得や建物移転補償などを実施する予定でございます。  平成七年度におきましても、引き続き用地取得と、移転補償、一部歩道整備工事に着手したい計画と伺っております。この事業は、当初計画では平成七年度となっておりますが、これまでの事業費の推移を見ますと、事業期間が延長となる見通しと伺っております。  なお、市におきましても、この事業が早期に完成するよう県に強く要望してまいりたいと考えております。  なお、御参考までに申し上げますと、3・3・8号、八戸ニュータウンから長者までの橋梁でございます。高さ五十メートル、長さ二百八十メートルになりましょうか。これが平成八年を目途に工事が今進められております。これが完成いたしますと、あの三四〇号線のダンプですとか、あるいは大型トラック等の交通はかなり緩和されるのじゃないでしょうかと思っております。しかしながら、それはそれで、この三四〇号の改良にも力を入れてまいりたい、こう思っております。  次に、長者中学校前の歩道橋が、降雪時にロードヒーターが作動していない状況にあったが、点検はどのようにしているのか。市内全域の歩道橋の点検はどうか、こういうお尋ねでございました。  国道三四〇号線の長者中学校前の歩道橋は県が管理をしているものでありますが、ことし一月下旬の降雪時にロードヒーターが作動していないことが判明いたしましたので、二月中旬に修繕を行ったと伺っております。また、市内の歩道橋には国管理のものが十九カ所で、冬期間は業者に委託し、毎月点検を実施しておるとのことでございます。県管理の歩道橋は八カ所で、二年に一回の点検を行っていると伺っております。市管理の歩道橋は十四カ所ございまして、毎年点検を行って維持管理に努めておるところでございます。  次に、三四〇号線の交通量が多い。先ほど一万三千台というお話もございましたが、それだけに事故防止のための市道長者山下二ッ家線との交差点に信号機設置の要望書が町内会等を通じて提出されているが、この状況はどうか、こういうことでございました。  国道三四〇号線は、狭隘な上に交通量が多く、交通事故発生の危険度が高い道路でございまして、平成五年度から交通診断の対象箇所の一つとして検討してきたところでございます。平成五年度の診断結果では、Y字路のため、信号機の設置には交差点の改良が必要であるために、県に対して、交差点改良の促進を要請しながら、信号機設置について県公安委員会に働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)建設部長 ◎建設部長(日影廣 君)ガントリークレーンの耐用年数についてお答えを申し上げます。  青森県におきまして現在進めております八太郎一号埠頭のE岸壁に設置するガントリークレーンでございますが、これまで神戸港に設置されておりましたものでございます。既に二十年を経過しているとのことでございますが、メンテナンスの後、八戸港に設置されるものでございまして、承りますところによると、十年以上は使用可能、このように見込んでいる、このように伺ってございます。  以上でございます。 ○議長(佐々木秀男 君)中村議員 ◆二十四番(中村元博 君)多岐にわたる質問でしたけれども、大変ありがとうございました。御答弁ありがとうございます。  一点だけお聞きしたいんですが、国道三四〇号線ですね。これの安全施設の整備計画については、もう先ほど話したとおりですが、これまで三回地元説明会があったんですね。  そういう中で、最近地元の方々から、もちろん国の予算もついこの間衆議院が通って、今は参議院でやっていることもあるんでしょうけれども、少しくその後、さっぱり県の方はおいでになりませんよという話なんですよね。ですから、当然私は、予算のこともあるんでしょうけれども、説明会の後、いわゆる土地の立会調査だとか、あるいはまた事前調査が行われているのかどうなのかなと思っていたものですから、その点について何かわかったら、ひとつお知らせいただきたいんです。 ○議長(佐々木秀男 君)市長 ◎市長(中里信男 君)先ほども申し上げたんでございますが、予算の額につきましては申し上げましたね。私はこれは、予算が到底御期待に沿えるようなことじゃないんでしょうなという感じでおります。  と申しますのも、これは地元の地権者の御協力もいただかなければならないわけでございますが、八戸土木事務所の現在の予算でございますが、もう御案内のように、今市民病院に向けましての3・3・8号、新井田トンネル工事、さらには先ほど申し上げました橋梁工事、さらには尻内橋の架替工事等々、その他県道にまつわる課題が非常に多うございまして、私も先日、土木事務所長に会いましたら、もう八戸土木の予算は最近では八十億を超すようになりました。このようなことでございまして、かつて私が現職におりましたころの倍から三倍ぐらいになっているんですなという感じでございまして、相当に厳しい中で、盛んに土木事務所は予算をふやしてくれておるという状況ではありますが、三四〇号につきましては、決して期待に沿えるようなことではないと思いますけれども、努力をしているということだけは私も思っているんです。  今後とも、今議員の御発言に対しまして、県土木部の方に対して要請をしてまいりたい、こう考えております。 ○議長(佐々木秀男 君)中村議員 ◆二十四番(中村元博 君)はい、ありがとうございました。  あとは要望で終わりますけれども、港湾行政について先ほどるる申し上げたわけですが、コンテナとかいよいよ始まるわけでございまして、もちろん始まったからといって、私はなかなかにしてこれは大変だろうなと思っていますよ。ですから、先ほどそちらでも、演壇で申し上げたわけでございますが、いろいろ困難するようなことは当然私は出てくるだろうと思うんです。その際には、ぜひひとつ行政並びに、もちろん業者の方々、一生懸命やらなきゃいかんと思っていましたものですから、どうかひとつバックアップのほどよろしく申し上げたいなと思っております。  それから、ガントリークレーンが、中古品ですけれども、十年使えるというお話を聞きました。非常にありがたいことですね。これが、港湾九次計画の中で言えば、次をどこに移すのかという問題があるわけですけれども、二号埠頭が五年後ぐらいにはできるわけで、その後、ポートアイランドだというと十二年になるわけですね。ですから、また移すとなれば、これは経費もかかるわけですからね。十年使えるということは、ある意味では、ポートアイラドの方ができた際には、そちらにつながっていくのかなと思ったりしているものですから、その辺ひとつメンテナンスもよろしくお願い申し上げたいと思っていました。  それから、テクノスーパーライナーですが、まさに今、海上テストしているわけでございますけれども、今後、荷役をどうする、荷役を受けたらどうするのかというのは、運輸省がまだ決まっていないみたいですね。もちろん本船の上、それから岸壁の方がどうなるのか。その辺がこれから検討になるでしょうから、その辺の状況とか情報をいち早く私はつかまえていただきたい。それが、次の港に入っていく段取りが出てくるわけですから、そういう情報を早くつかまえていただいて、運動を進めていただければありがたいなと思っていました。もちろん何を運ぶかということもあるわけでございますけれども、やはり総合的にこれは検討していただいてと思っております。  それから、財特法については、先ほど私もちょっと懸念したわけですが、いわゆる今までの新産事業に対する国庫補助というようなことで、今後もぜひひとつ強力に進めていただきたい。もちろんこれは県が窓口でございましょう。同時にまた、市長会等もあるでしょうから、市長会の中にも、私は部会があるんじゃないかと思うんですけれどもね。そういう面で、いろいろ部会を通しても、中央に向かって声を大にしていただければありがたいと思っていました。  南部山公園については、いわゆる国道から入っていく道路、あの国道自体の四車線がまだ決まらないというようなことですよね。私は、ちょうど四月に南部山公園に行ってみようと思って行ったんですが、ちょうどあのときに、水道工事をやっていましてね。いわゆる駅の周辺の道路が通れなかったんです。そうすると、ずうっと迂回しなきゃいかんというようなことですから、体育館に行ったら、体育館の館長さんも大変苦慮しているらしくてね。いや、実はそれなんですよと。ぜひ道路は早目に整備しないと、今の年間十二万人といいましたか。大体五月ごろから夏場にかけては多いんですね。五月ごろ五千人、夏場は一万四千人ぐらい使っているんですね。  そういうようなことで、立派な設備をつくっているわけですが、そのアクセスがきちっとできていないと、市民の方々も大変な御苦労をするわけでございまして、これはぜひひとつ。  四号線からの直接のアクセスはともかくとして、今の駅の周辺の道路も整備していただきたい。一部すれ違いができるようにという、さっき市長の答弁がございましたが、できれば拡幅でやった方が私はいいんじゃないかなと思っていましたものですから、そこはひとつ御検討していただきたいと思っております。  浅水川については大変ありがとうございました。六年度に左岸の方を、七年度には右岸の方をやっていただくということですね。ありがとうございました。  ただ、この浅水川は、八戸の玄関にもあるわけでございましてね。いわゆる八戸駅からの一番近い親水設備にもなるわけでございますよ。ですから、ガードレールをつければいいというものでなくて、私は、やはり総合的な文化的なものを踏まえた防護さくをつくっていただきたいなと思っているものですから、この点についてはひとつ御検討いただきたいと思っていました。国道三四〇号線についてはそういうことですね。  あと、長者中学校の前の横断歩道橋、まさにそういう状況でございまして、私は、ここだけでなくて市内にはたくさん歩道橋があるわけで、どうなっているんだろうなと思って、お聞きしたったんですが、やはり事前の点検をよくしまして、そういうことがないように、ぜひ対応いただきたいと思っていました。  信号については御検討いただくということでございますので、どうかひとつ一日も早い実現を目指して、御努力いただければありがたいと思っていました。  以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(佐々木秀男 君)以上で二十四番中村元博議員の質問を終わります。  これをもって本日の日程は全部終了いたしました。  明日も午前十時に会議を開きます。     ───▲・▼───   散 会 ○議長(佐々木秀男 君)本日はこれにて散会いたします。   午後四時四分 散会...