弘前市議会 2012-03-06
平成24年第1回定例会(第2号 3月 6日)
平成24年第1回定例会(第2号 3月 6日)
議事日程(第2号) 平成24年3月6日
午前10時 開議
第1 一般質問
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本日の会議に付した事件
議事日程に同じ
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出席議員(34名)
1番 野
村 太 郎 議員
2番 菊 池 勲 議員
3番 外 崎 勝 康 議員
4番 尾 﨑 寿 一 議員
5番 蒔 苗 博 英 議員
6番 畑 山 聡 議員
7番 今 薫 議員
8番 小 西 勇 一 議員
9番 今 泉 昌 一 議員
10番 小田桐 慶 二 議員
11番 伏 見 秀 人 議員
12番 鶴ヶ谷 慶 市 議員
13番 鳴 海 毅 議員
14番 谷 川 政 人 議員
15番 石 岡 千鶴子 議員
16番 加 藤 とし子 議員
17番 竹 谷 マツ子 議員
18番 小山内 司 議員
19番 石 田 久 議員
20番 三 上 秋 雄 議員
21番 佐 藤 哲 議員
22番 越 明 男 議員
23番 工 藤 光 志 議員
24番 清 野 一 榮 議員
25番 田 中 元 議員
26番 栗 形 昭 一 議員
27番 宮 本 隆 志 議員
28番 三 上 惇 議員
29番 髙 谷 友 視 議員
30番 下 山 文 雄 議員
31番 藤 田 隆 司 議員
32番 柳 田 誠 逸 議員
33番 藤 田 昭 議員
34番 工 藤 良 憲 議員
地方自治法第121条による出席者
市長 葛 西 憲 之
副市長 小笠原 靖 介
教育長 佐 藤 紘 昭
監査委員 常 田 猛
監査委員 石 塚 徹
教育委員会委員 前 田 幸 子
選挙管理委員会委員長 松 山 武 治
農業委員会会長 横 沢 由 春
企画部長 蒔 苗 貴 嗣
総務部長 佐々木 富 英
市民環境部長 野 呂 雅 仁
健康福祉部長 髙 橋 文 雄
健康福祉部理事 小山内 溶 子
農林部長 蛯 名 正 樹
商工観光部長 山 田 仁
商工観光部観光局長 笹
村 真
建設部長 吉 﨑 義 起
都市整備部長 山 形 惠 昭
岩木総合支所長 清 野 光 則
相馬総合支所長 角 田 光 義
市立病院事務局長 三 上 善 昭
会計管理者 木
村 昌 司
上下水道部長 白 戸 久 夫
教育部長 大 谷 雅 行
監査委員事務局長 泉 谷 雅 昭
農業委員会事務局長 工 藤 金 幸
消防理事 木
村 誠 二
総務財政課長 花 田 昇
出席事務局職員
事務局長 碇 谷 明
次長 三 上 睦 美
議事係長 丸 岡 和 明
主査 前 田 修
主査 齋 藤 大 介
主事 竹 内 良 定
主事 蝦 名 良 平
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午前10時00分 開議
○議長(田中 元議員) これより、本日の会議を開きます。
ただいまの出席議員は33名で、定足数に達しております。
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○議長(田中 元議員) 日程第1、これより一般質問を行います。
一般質問の通告者は、19名であります。
順次、質問を許します。
まず、26番
栗形昭一議員の登壇を求めます。
〔26番
栗形昭一議員 登壇〕
○26番(
栗形昭一議員) おはようございます。栗形昭一です。
一般質問をさせていただきますが、その前に、今年度で退職されます
佐々木総務部長を初め、部長の方々、そして職員の方々、長年にわたり
弘前市勢発展と
市民福祉向上のために御尽力されてまいりましたことに対し、心から敬意を表し、心より感謝を申し上げます。
今定例会が最後の議会になると思いますが、御答弁かたがたよろしくお願いいたします。
それでは、質問させていただきます。今回は五つの質問をいたします。
一つ目は、まず最初に、市民所得が低下している中、市民が暮らしやすい市政運営についてお尋ねいたします。
弘前市の人口1人当たりの所得が、平成20年度で218万円であります。青森市が236万9000円、八戸市が272万2000円で、青森県10市の中で弘前市は6番目というまことに低い所得であります。
このように所得が低下する中で、市民は生きていかなければなりません。市長は、このような状況の中で市民が暮らしやすい市政運営をどのように考えているのかお尋ねいたします。
次に、
岩木川市民ゴルフ場の運営状況と
指定管理者制度についてお尋ねいたします。
このことについては、今までも質問してまいりました。現在、このゴルフ場の運営を債務超過した三セクを指定管理者としておりますが、果たして健全な管理運営ができるのか不安なところです。
先日の全員協議会において三セクの今後の経営方策について説明を受けましたが、直近の残高試算表が添付されていないので、現在、三セクの財務状況が把握できず、信憑性に欠けるところが見られます。
また、経営方策の文言の中で不思議な表現があります。本当に
弘前ウォーターフロント開発株式会社が作成したものか、ゴルフ場を市に寄贈したことを「寄贈され」と表現しています。このような言い回しは、会社自体は使わないでしょう。このような表現が幾つか見られます。これは、会社以外の者が書いたようにも見受けられます。
また、
債務処理計画の中で、長期預かり金の今後の対応について一口30万円の入会金は、
ゴルフ場造成の主要な資金として活用されたこと、造成されたゴルフ場は市に寄贈され、市民のための公共財産になっていること、そして寄贈に伴い、当社としては負債に見合う資産を喪失してとありますが、負債に見合う資産を喪失しての文言は当てはまらないのではないかと思います。
22年度の決算書を見ますと、流動負債と固定負債を合わせた負債総額は3億772万9579円であります。市に寄附したのは1億998万1000円相当の施設でありますので、寄附により、負債に見合う資産を喪失したとの表現は当てはまらないものと考えます。
いかにも、施設を市に寄附し、市民のための公共財産になっているから預かり金、つまり入会金の減額を示唆しているように見受けられます。
また、同じく
債務処理計画の中で、長期借入金の今後の対応について、
ゴルフ場造成費用に当てはめるために平成6年に1億円の借り入れをしていますが、22年度の期末残高が元利合わせて7030万円ですが、今後の対応で年間200万円の返済を見込めるとしておりますが、返済完了まで単純計算すると35年かかります。本当に大丈夫なのでしょうか。
市では、三セクの
直近残高試算表の提出を求めていないで、
債務処理計画を参考に判断しているようですが、直近の残高試算表はそのときの、その時点での
会社経営状況がわかる大変参考になる重要なものであります。
現状をしっかり把握しないで判断をするということは、結果ありきの判断とも思われます。
また、長期預かり金の返済についても、会社が総務委員会をつくって協議・検討することとなっているからという判断をしているようですが、これは判断するためのプロセスが間違っていると考えます。
判断するには、検討した具体的な結果がどうであったか、その結果をもとに判断をしなければなりません。一口30万円の入会金を返還していくことが可能かどうかであります。しっかりとした根拠のある具体的な結果が必要であります。
その結果を出さないままの計画は返済計画ではなく、納得のいくものではありません。これも結果ありきの判断ではないでしょうか。
また、第三
セクター評価委員会では三セクを整理するように意見を述べているにもかかわらず、市民懇談会を組織し、市民からの意見だということで、体育施設として位置づけをすることは、市から指定管理料を出しやすいような理由づけをしているようにも考えられます。このことは、ゴルフ場の位置づけと債務超過した三セクの問題はリンクはしていますが、分けて考えないと正当な問題解決にはならないと考えます。
市は、債務超過した三セクが債務をどう解決するのかを把握することであります。また、三セクではこれをしっかりと検討しなければなりません。まずは、執行役員で検討、次に役員会でしっかり検討するべきと思います。
そこで、伺います。
三セクの実態を把握するのに直近の残高試算表に基づく判断をするべきではないでしょうか。なぜ三セクに提出を求めないのか。今年度500万円の指定管理料を支払っていますので、それがどのように処理されているか、結果がどうであったか、収支などの数値が明記されている残高試算表の提出を求める必要があります。なぜ求めないのかお伺いをいたします。
次に、債務超過している会社を指定管理者とすることは、いかがなものでしょうか。健全な管理運営をすることができるのかを含めてお伺いをいたします。
また、
弘前ウォーターフロント開発株式会社は、今まで20年間
弘前市民ゴルフ場を管理運営してきましたが、年度決算で剰余金を生んだことがあるのかお尋ねをいたします。
次に、
弘前ウォーターフロント開発株式会社が会員を募り、入会金30万円を預かり、ゴルフ場の造成費に充て、完成した施設を市に寄附をしたということですが、このことは適正な方法だったのでしょうか。市に寄附をすることは、当初から国の指導による条件としているようですが、入会金を会員に返還できれば問題ないのですが、返還できないとするならば、会員のお金で整備した施設を資産に反映させないで、市に寄附をすることは適正な方法でないと考えますが、このことについてお伺いをいたします。
次に、三つ目の項目ですが、
自治基本条例制定についてお伺いいたします。
自治基本条例の制定を予定しておりますが、なぜ
自治基本条例を制定するのか。条例の趣旨と基本条例を制定すると何がどう変わるのか。そして、制定の手順はどうなっているのかお伺いをいたします。
次に、駅前再開発ビル旧ジョッパルの現況と今後についてお尋ねいたします。
民間会社が
債権回収会社とジョッパルの取得契約について合意をしたと聞いておりますが、その経緯と今後、市がどのようなことをどのようにかかわっていくのかお尋ねをいたします。
次に、今冬の降雪及び除排雪の状況と消流雪溝の計画についてお尋ねいたします。
ことしの冬は、例年にない大雪でありますが、その降雪と除排雪の状況をお尋ねいたします。また、ことしのような豪雪の際には、特に市民の生活や仕事に影響を及ぼしている状況で、市に対しても苦情や要望が多く寄せられたことと思いますが、担当部局もその対応に大変御苦労されていることと思います。
市民も雪に悩まされている現状ですから、必死なのであります。この雪の課題は、以前から研究検討を重ねていることは承知しております。
そのようなことから、この雪を克服するために市が将来的に消
流雪溝設置計画をつくり、設置にはいろいろな条件があろうかと思いますが、消流雪溝を推進して、市民と協働で雪対策をすることが必要かと考えますが、お考えをお伺いいたします。
以上で、壇上からの質問を終わります。
〔26番
栗形昭一議員 降壇〕
○議長(田中 元議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。
○市長(葛西憲之) おはようございます。
栗形昭一議員からの質問に対しまして、私からは、第3項目めについてお答えをいたします。
3、
自治基本条例制定についてであります。
自治基本条例は、自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び義務、議会及び市長の責務、情報の共有や市民参画・協働などの行政運営の基本原則を定めたものであります。
近年、国では地方分権や地域主権の確立を目指したさまざまな取り組みを進めており、このことにより、地域の課題は地域で考える自己責任と自己決定に基づいた自治体の行政運営が求められております。
一方では、急速な少子高齢・
人口減少社会の到来や市民ニーズの多様化などにより、社会環境が大きく変化する中で、従来の行政運営では、さまざまな課題に対応することが困難になってきております。
このような状況の中で、これからは市民、市民団体、事業者などが、議会、行政と一体となった新しい公共により、まちづくりを推進していくことが、活力ある、誇りの持てる弘前を実現できると考えたものであります。
市では、今年度から実施した
市民参加型まちづくり1%システムを初めとする各種施策により、市民がまちづくりに参画するシステムを構築し、また、市民団体などは、被災地支援、弘前バル街、
ひろさき合コンリーグ、
街歩きガイドなどの活動を自主的に行うなど、実際にまちづくりに対する参画意欲も高まってきております。
これらの状況を総合的に判断し、まちづくりに取り組んでいくための
基本的ルールや仕組みを定めた
自治基本条例の制定に着手することとしたものであります。
以上であります。
このほか、担当の部長及び教育委員会から補足説明と答弁をいたします。
○議長(田中 元議員)
市民環境部長。
○
市民環境部長(野呂雅仁) 続きまして、私から、3の、
自治基本条例制定についての、青森県内における
自治基本条例の制定状況と今後の
スケジュールについて補足説明をいたします。
まず、県内の
自治基本条例の制定状況でありますが、五戸町が平成16年7月1日に、八戸市が平成17年4月1日に、階上町が平成19年4月1日に、
佐井村が平成19年7月1日に、おいらせ町が平成21年4月1日にそれぞれ制定しております。
また、青森市や十和田市も現在、
自治基本条例の制定に向けて取り組んでいると聞いております。
次に、今後の
スケジュールでありますが、現在、想定していることといたしまして、まず公募市民などの市民の代表者で構成する弘前市
自治基本条例市民検討委員会を設置したいと考えております。
この検討委員会につきましては、当市の実情に合った、地域の特性を生かした
自治基本条例となるように、直接市民の声を聞きながら、調査・審議する附属機関として設置条例案を本定例会に上程しております。
条例案を御承認いただければ、4月から5月にかけて委員の募集を行い、7月ごろには検討委員会を設置し、勉強会や事例研究のほか、市民への説明会や意見聴取などを行い、平成24年度末までに
自治基本条例の素案等を記載した提言書案を作成し、中間報告として提出していただきます。
この提出された提言書案を市議会にお示しし、議員の皆様から意見などをお伺いすることとしております。また、庁内における
プロジェクトチームを組織し、行政の立場からも提言書案についての検討を行います。
その後検討委員会において、議員の皆様や市民、
庁内プロジェクトチームの意見などを踏まえ、提言書案の修正等を行い、平成25年度末までに提言書を作成し、最終報告として提出していただき、ここで検討委員会の取り組みは終了する予定としております。
提言書の提出後は、
パブリックコメントを実施し、市民からの意見などを踏まえて一部修正等を行い、
自治基本条例案を策定いたします。
条例案は、平成26年第3回
市議会定例会に上程し、平成27年4月1日の施行を予定しております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 企画部長。
○企画部長(蒔苗貴嗣) 私からは、第1の項目、市民所得が低下している中、市民が暮らしやすい市政運営についてにお答えをいたします。
市民所得については、県が、内閣府が示した
県民経済計算標準方式に基づく県民経済の計算の推計結果を用いて、各市町村別に推計しており、現時点においては、平成23年3月に
県企画政策部から公表された平成20年度
市町村民経済計算の数値が最新のものとなっております。
平成22年度以降、経済と雇用の問題を最重要課題として、
アクションプラン2010などに基づき、積極的に施策を展開してまいりましたが、その効果を反映した市民所得の数値は、残念ながらまだ取得できない状況にあります。
さて、最近の当市の人口1人当たりの市民所得の推移は、平成18年度が221万5000円、平成19年度は221万8000円、平成20年度は218万4000円となっており、平成19年度に比較して、平成20年度は3万4000円の減少となっております。
また、県民所得に対する水準は92.2%、国民所得に対する水準も79.3%となっており、県内10市中6位という決して高いとは言えない状況にあります。
当市を取り巻く地域経済の情勢は、長く低迷してきた景気が緩やかに持ち直しつつあるとされておりますが、なお予断を許さないところであり、引き続き
アクションプランの約束2、
ひろさき農業・産業おこしに重点的に取り組んでまいります。
昨年は、原子力発電所の
放射能漏れ事故による風評被害対策や築城400年祭など、どちらかといえば農業と観光に力点を置いて取り組んでまいりましたが、経済と雇用の問題は当市の最重点課題でありますので、引き続き市を挙げて対策を講じることとしております。
農業や観光はもちろんのこと、平成24年度においては、
ひろさき食産業育成プログラム、
オリジナル郷土グルメ創出事業負担金による食産業の振興、弘前のものづくりの未来を探る調査事業などによるものづくり産業の強化、仕事おこし・
雇用づくり事業などにより、経済の発展を目指したいと考えております。
各分野における積極的な施策の展開によって、地域の農業、工業、商業を活性化させ、結果的に地域産業の総生産の増大と雇用の確保を図ることが市民所得の向上に結びつくものと考えております。
産業の振興と市民所得の向上は、市民が暮らしやすい弘前を実現する上で重要な課題であり、スピード感を持って各種事業を展開したいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) 次に、2の項目、
岩木川市民ゴルフ場の運営状況と
指定管理者制度についてにお答えいたします。
市民ゴルフ場の平成23年度運営状況については、12月までの利用者数が3,969人で、3月の大震災の影響や残雪によるオープン時期のずれ込みなどもあり昨年同時期の4,341人と比較いたしまして372人の減となっております。
収入につきましては835万9200円で、昨年同時期の938万1520円と比較し、102万円余りの減収となっております。
昨年6月に提出された
経営改善計画での目標値まで、利用者数では、あと231人、収入では、あと64万2000円となっております。
次に、指定管理の考え方ですが、倒産法制上の手続が開始されている場合を除き、会社が債務超過となっている場合であっても、その状況にさまざまなケースが想定されるため、債務超過であることをもって、直ちに
指定管理業務を適正に行うことはできないとは言えないものであります。
次に、平成24年度の指定管理料の積算についてですが、平成22年度の決算額と24年度の事業計画書を参考にして、維持管理に係る経費と収入の見込みを勘案いたしまして算出したものであります。
残高試算表についてはそのものを確認したわけではございませんが、これをもとに事業計画などが作成されたものと理解しております。
以上です。
○議長(田中 元議員)
商工観光部長。
○
商工観光部長(山田 仁) 4の項目、駅前再開発ビル旧ジョッパルの現況と今後についてお答え申し上げます。
弘前駅前地区再開発ビルにつきましては、昨年9月30日に
株式会社マイタウンひろさきが、
複合商業施設として再生を図るという事業計画を発表したものであります。
その後、平成25年春のオープンを目指し、
テナント誘致や改修工事の設計などの業務を進め、同時に債権を保有する
債権回収会社と債権取得に向けて鋭意交渉を進めてきたところであります。
このたび、ようやく
債権取得交渉が基本合意に達し、市にも、先般、合意内容の報告があったものであり、今後、本格的な
テナント誘致や改修工事に入っていくものと期待いたしております。
事業者側の計画では、多様な機能を兼ね備えた時間消費型の
複合商業施設として再生を図ることとしており、市でも、弘前の玄関口である駅前・大町地区に活気とにぎわいをもたらすものであることから、これまでも補助金の活用についての助言など必要な支援と協力を行ってきたところであります。
また、
駅前市民ホールなど既存施設の取り扱いや
公共的利活用の可能性を検討するため、庁内に弘前駅前地区再
開発ビル利活用検討会議を設置したものでありますが、このたび
債権取得合意など一定の進捗があったことから、2月29日に
庁内検討会議を再開し、具体的な検討に入ったものであります。
この中では、
駅前市民ホールや
駅前市民課分室の再開に向けた問題点や課題の検証を進めるとともに、市民の利便性向上につながる
公共的利活用案を幅広く検討することとしております。
先日の検討会議では、子育て機能や
市民活動拠点のほか、
各種窓口機能など利便性向上につながる施設整備が望ましいなどの意見が出ていたところでありますが、今後、市民各層の意見を幅広く聴取するなどしながら、市としての利活用案を決定し、必要な支援・協力を行ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 建設部長。
○建設部長(吉﨑義起) 5の項目、今冬の降雪及び除排雪の状況と消流雪溝の計画についてにお答えいたします。
今冬は、12月16日に根雪となり、以降10センチメートル以上の降雪が10回続き、年末には、例年になく早い幹線道路の拡幅除雪に着手しております。
年明けの3日からは、再び断続的な降雪となり、通学路の確保、生活道路の排雪が必要となり、1月10日から一斉排雪を実施しております。
その後も、今季3回目となる寒波が1月24日から2月4日にかけて到来し、降雪に加え低温が続いたため、2月2日には、積雪深が123センチメートルを記録するなど、平成16年度、平成17年度に匹敵する豪雪となりました。
このため、市内各所で交通障害が顕著となったことから、幹線道路と準幹線道路については2回目となる拡幅排雪を進めるなど早目早目の対応により安全な雪道確保に努め、一定の効果が発揮できたものと考えております。
また、除雪車が入れない小路などは、例年以上に道路状況が悪化したことから2回目の排雪を行っております。
排雪についてこれからの対応ですが、幹線道路等については、幅員確保等支障がないところでありますが、生活道路においては路面状況が悪化した路線も見られることから、路面整正を実施し、交通確保に努めてまいりたいと考えております。
今季の除排雪経費については、通常除雪が約5億5800万円、拡幅・運搬排雪が約7億2200万円、小路排雪が約1億2500万円、雪置き場管理が約1億9100万円、その他凍結抑制剤散布や維持管理経費を含め、合計で約18億9000万円を要するものと見込んでおります。
このように、大きく膨らんだ除排雪経費により、当市では厳しい財政状況に直面していることから、市の負担軽減に向け、国土交通省を初め、政府関係機関に対し、社会資本整備総合交付金の増額及び幹線市町村道除雪費補助の臨時特例措置の適用、並びに特別交付税の配慮について支援を求めるなど、さまざまな努力を重ねているところであります。
次に、当市の消流雪溝は、市民の協力のもと、除排雪作業の効率化と冬期間の安全安心な道路空間の確保を目的に、延長約85キロメートルを供用しております。
消流雪溝の整備につきましては、現在、弘前市
アクションプランに盛り込み、消流雪溝第2次面的整備Ⅲ期計画事業により、平成23年度から平成29年度までの7カ年を整備期間とし、無電柱化事業が進められている仲町伝建地区及び周辺の関連路線約3.5キロメートルの整備を推進することとしております。
整備計画の策定に当たりましては、これまでに整備された消流雪溝の効率的な活用が図られる路線、自然流下または既存のポンプ施設を利用して安定した水源の確保ができる路線、雪解けの水を受け入れられる河川や水路が下流にある路線を基本に通学路、交通量、住宅の密集度や費用対効果などを総合的に勘案しながら整備路線を決定しております。
今後も消流雪溝の活用を図り、市民の活力による道路除排雪を目指し、雪に強いまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 26番。
○26番(
栗形昭一議員) 先ほど、答弁漏れがありますので、再度質問いたします。
これは、二つ目の
市民ゴルフ場についてでございますが、
弘前ウォーターフロント開発株式会社が、20年間
市民ゴルフ場を管理運営してきたわけですが、これが、年度決算で剰余金を生んだことがあるのか、その辺をお尋ねいたします。
それから、会員から入会金を募って、30万円を預かったわけです。それで、このお金で、市のほうにゴルフ場を造成して、そして、これを市のほうに寄附をしたと。これは、問題がないのかと。
ということは、預かり金を返還すれば当然問題はないと思うのですが、その預かり金を返還しないで、市のほうに、そのお金でつくった造作物、ゴルフ場を寄附をしたと。そうすると、当然貸借対照表、資産には計上されなくなるわけですが、この辺について本当に適正なのか、その辺をお尋ねをいたします。
それから、残高試算表についてでございますが、これは、答弁によって、それに基づいて方策を決定しているからと言われましたけれども、この残高試算表というのは、現金とか、資産、全部明記されております。
それを、なぜ提出をしていただかないのか。これは、私は、市のほうにも資料がないのかというふうに、一応伺いを立てたのですが、それは提出を求めていないということでありましたので、なぜ求めないのか、その辺をお伺い、これは答弁漏れでございますので、よろしくお願いします。
○議長(田中 元議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) ウォーターフロント開発株式会社、これまで剰余金を生んだことがあるのかということでございます。
会社の剰余金といいますか、利益は、一般的には償却前利益ということで、そういう項目で判断しているようでございますので、その償却前利益が黒字、赤字、それでお答えしたいと思いますが。
ゴルフ場がオープンしたのは、平成6年でございました。その後、数年間、償却前利益は赤字が続いておりました。それが、12年度か13年度でございますが、黒字に転換いたしました。それが、平成19年度まで償却前利益が黒字で推移しております。20年度から、また赤字に転落というような状況でございます。
それから、ゴルフ場の寄附についてでございますが。
会社から市に対して寄附されたわけですが、河川敷に造成された施設でありまして、そういう意味から建設省の河川法に基づいた許可が必要になります。
それで、当時、建設省ですが、占用許可は法人ではなくて、市に対して与える、法人に与えることはできないと。したがって、法人が造成したゴルフ場については、市に寄贈する必要があるというような枠組みがございましたので、そのような指導にのっとって、会社は市に寄贈して、市はそれを受けて、それを条例化して、建設省から河川占用の許可をいただいたというような状況でございました。
それから、残高試算表でございますが、これは、会社によって毎月作成される最も基本的な帳簿の一つであるわけです。その帳簿をもとにして、その年度年度の決算書がつくられるということでありまして、事業計画も当然そうであります。
ですから、そういう書類に当然ながら反映されているものというふうな理解をしておりまして、したがって、それを突き合わせるとか、もとの基本的なものを取り寄せるとか、そこまではいたしておりませんでした。
以上です。
○議長(田中 元議員) 26番。
○26番(
栗形昭一議員) それでは、何点か質問をさせていただきます。
まず、暮らしやすい市政運営についてでございますが、ある市民は、年金から介護保険料を引かれて、振り込まれるのは少額、とても暮らしていける金額ではありませんと嘆いております。
国民負担率の推移を見ますと、平成18年が38.6%、平成23年度実績見込みで40.1%、このように国民負担率も高くなってきております。
このような景気の低迷、市民の所得が低い状況の中で、租税負担、社会保障負担がますます多くなっております。国民健康保険料や介護保険料などを例に挙げると、給付がふえると収支のバランスをとるために保険料を上げる。しかし、市民は給料、つまり所得は上がらない。こういう中で市民は生きていかなければなりません。
所得の向上を図るための施策は当然しなければなりませんが、市民の生活に直結する租税負担、社会保障負担、つまり税金、国民健康保険料、介護保険料はどんどん上がってきております。今定例会にも介護保険料が、基準月額6,170円にするということも提案されております。
市の運営は、必要な歳出に見合った歳入を補うために、税や料金を上げ、収入をふやすことができますが、市民は租税負担や社会保障負担がふえても簡単に収入をふやすことができません。
経済が低迷している中では、もちろん給料も上がらない、むしろ右下がりの傾向の中では、家計簿は赤字になります。
こういうことから、これからの市政運営は、市民の租税負担や社会保障負担が市民の所得に対する割合、つまり国民負担率のような市民負担率を計算してそれに消費支出を加え、市民の実態を把握して市民の暮らしはどうか、市民の家計簿が赤字にならないか、家計簿を考えた市政運営と市の経営を考えたバランスのとれた市政運営が必要かと考えます。
市長にお尋ねをいたしますが、家計簿を考えた市民が暮らしやすい市政運営をどう考えておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
それから、
市民ゴルフ場についてでございますが。
まず、残高試算表についてでございますが、これは、方策について、いろいろそれをもとにしてつくられたということの答弁でありましたが、それは、そのとおりだとは思いますが、私どもが、この方策を見ても、今現在、会社がどうなのかということはわかりません。
これは、平成22年度末の決算書がもとになっています。そうしますと、今年度、500万円を、指定管理料を払っているわけですから、それが、どのように数値であらわれたか、例えば、現金が今どれくらいなのか、借入金は幾らなのか、その辺がしっかり出てきます。今現在の会社の状況がしっかり出てきますので、それはやはり、しっかりと把握するべきだと思います。これにあらわれていると言いますけれども、例えば預貯金、長期借入金、例えば平成23年12月末でもいいです。どのようなところに、どうあらわれているのか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
それから、ゴルフ場を寄附したということについてでございますが、預かり金を返還すれば当然問題ないと思います。しかし、その預かり金を返還しない場合の、それは問題ないのかと、その辺を再度お尋ねをいたします。
それから、
市民ゴルフ場の管理ですが、今まで20年間管理運営をしてきたわけでございますが、償却を入れると、今まで一度も利益を生んだことがないわけです。会社であれば、当然、償却をしなければなりません。そういう状況の中で、一度も利益を生んだことがありません。そして、営業利益を生んだ年度が、たしか平成13年度、それから18年度、19年度、これは、営業利益が多少出ています。
やはり、投資をしているわけですから、償却は当然しなければなりません。そういう償却をできないような運営状況、これはどう考えているか。本当に、健全な管理運営ができるのかどうか、その辺を再度お尋ねをいたします。
○議長(田中 元議員) 市長。
○市長(葛西憲之) ただいまの質問の中で、暮らしやすい市民生活ということについてのお尋ねがございました。
私は、やはり市民生活を考える上で、今おっしゃったような、例えば市民の家計簿であるとか、こういうこと。それから、もう一つは、市民負担率、こういったものについての試算をして、そういう二面性を持った形、そしてまた負担と給付の関係だけからのみ市の、市民に対する負担の求め方をするということではないやり方ができるのではあれば、私はぜひそうしたいと思います。
ただ、私は、負担と給付の原則を撤廃してしまったら、孫子の代までこの市政をしっかり運営していくということについて、責任を放棄したというふうにとらえられても仕方がないものではないかと思っております。
ただ、私は、やはり医療とか、あるいは子育てとか、教育とか、こういったこと、そういった環境だとか、自然とか、文化とか、一つの要素だけではなくて、さまざまな要素から構成される、そういう全体の、この弘前市が持っているさまざまなポテンシャルを生かしながら、この弘前の暮らしやすさというものを追及していくことが私は必要なことではないかと思っております。
それにしても経済・雇用というのは、市民生活の基盤となるものだと思っておりますので、これについては、早急に改善して、その上で市民の経済力というものを高めていく、その中で金銭的な問題、物質的な問題についての満足度というふうなものもあわせて高めていく必要があると思っております。
○議長(田中 元議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) まず第1点目の、残高試算表についてでございますが、確かに議員おっしゃるように、その毎月の動き、流れについて把握できるということでございますので、そのような御意見は参考にしてまいりたいと思います。
それから、寄附についてですが、これについては、通常どおり、一時預かり金と関連して、それが返済できるというのであればというお話だったわけですが、一時預かり金については、平成31年度から償還が始まるということでありまして、まだ間はあるわけですが、ただ、今からそういう行動を起こす必要があるということで、会社としては、新年度早々、総務委員会という組織を立ち上げまして、会員組織の中につくるということでありますが、その総務委員会の中で今後のあり方、どういうふうな方法があるのかとか、どういうふうにすれば会員にとって、あるいは市民にとっていいのかということを協議するとしているわけですので、市としては、その成り行きといいますか、動きを注目していきたいと思っております。
それから、利益に関してですが、営業利益は平成13年度からあるということでございますが、そのような会社に対してどうなのかということでありますが、これまでは、市は指定管理に移行するときもそうでしたが、公共施設を指定管理してもらっているということではありますが、市としては、それに対して一切支出、一切公費負担はしてきませんでした。
ただ、一つの例外として、たしか平成9年だったと思いますが、水害がありまして、その災害復旧には、市が直接経費で対応いたしましたが、それ以外は、一切市は負担してこなかったという過去があります。
その結果、どうなったかといいますと、施設が次第に荒れてきた、経年劣化がありますから、荒れて現在に至っているということで、それを施設の設置者として座視するわけにはいかないのだということで、それに対して歯どめをかけるということで、平成23年度、500万円の指定管理料を盛ったというものでございます。
それまでは、言ってみれば、議員おっしゃるように、施設と経営を一つのものにしてしまったような考え方をしていたのではないかという気がいたします。ただ、それは施設は施設、これは公の施設ですので、設置者である市に責任がありますので、そのような状況になれば市が責任を負う必要があります。経営に対しては負うことはできませんが、公の施設に対しては責任を負わなければならないというような観点から、こういう支出について応分の負担をしていこうということにしたものであります。
それで、それが、全体としてどうなっていくかということについては今後見守る必要はあると思いますが、経営については、私ども特にそれに対して関与するとか、手をかすとか、そういうことはございませんが、市は、市の応分の責任を果たすということの中で、今後どうなっていくかということだというふうに考えております。
以上です。
○議長(田中 元議員) 残り時間5分です。26番。
○26番(
栗形昭一議員) 市長には、それこそ家計簿を考えた市政運営をぜひお願いしたいということでございます。
それから、今、教育部長が答弁をされました。
この
市民ゴルフ場については、やはりしっかりとした管理をする会社でなければならないと思います。償却資産を償却して1回も利益のない。平成6年度は3200万円も売り上げがあったのです。平成7年度は3900万円。平成8年度は4400万円。こういう売り上げを上げているわけです。
そういう中で、償却をできない。それは、何らかが問題があるのかと思われます。会社の運営について、当初から。
ですから、この三セクについては、市のほうからも役員が、取締役が就任されております。そういうところからしっかりとした現在の状況を把握して、そしてまずは執行役員、そして役員会、これらでしっかりと検討することが必要かと思います。
やはり明確なものが、根拠がないと、これは公のお金を使うことはできないと思います。そこで、結論ありきのものでなく、しっかりとした状況を説明しながら、その説明によって、理解のできるような方法をとりながら進めていかなければならないと思います。
単純に結論ありきのものでなく、やはり将来がどうなるのか、そういうところをしっかりと見通しを立てながら、必要かと思います。
今現在の、今後の経営方策についての資料は、私はちょっと不十分だと、将来を見通せないということを指摘をして、一般質問を終わります。
――
―――――――――――――――――――――
○議長(田中 元議員) 次に、19番石田久議員の登壇を求めます。
〔19番 石田 久議員 登壇〕(拍手)
○19番(石田 久議員) 日本共産党の石田久です。ただいまから通告に従って、当面する市政の4項目について一般質問を行います。
一つ目の質問は、介護保険についてです。
第1に、介護保険料についてです。
新年度から65歳以上の介護保険料は、第4段階の基準額で現行6万4200円から7万4040円に15%も値上げされようとしています。反面、年金支給額がことし6月から0.3%引き下げられます。今まで十和田市が日本一高い保険料で5,770円でしたが、4月からは弘前市が県内で一番高くなり、かつ日本一高い保険料になってしまいます。
地元新聞を見た市民の皆さんから、「毎年年金が下げられているのに、介護保険料や国保料が大幅に値上げになるのが納得できない」「もうこれ以上の負担は無理。大切な年金から通帳に振り込まれる前に天引きです。これはひどい」「保険料払っている私たち、市民には全然知らせず、懇談会で高い保険料を決めたのか」「懇談会を傍聴させて、素案時には市民に知らせ、
パブリックコメントを行うべき」などたくさんの声が寄せられていますが、弘前市にも苦情など来ているでしょうか。来ているとしたらどのような内容でしょうか。また、市民の負担感をどのようにとらえているのでしょうか、市の見解を求めます。
第2に、低所得者への負担軽減についてです。
保険料は9段階から10段階に細分化したと新聞報道されました。第2段階の低所得者の方約9,300人は全体の20%を占めていますが、非課税世帯で年収80万円以下です。弘前市の老齢年金の平均は4万円です。低所得なのに今回の保険料の値上げでは月2,640円から3,040円と400円もの大幅値上げで、年間3万6480円にもなります。
68歳の男性から相談がありました。「年金月4万円で生活しています。国保料は払っていましたが、急にぐあいが悪く市立病院を受診したら、胃カメラ検査などで9,000円も払った。今介護保険料を滞納しています。払いたくても払えないがどうしたらいいのでしょうか、まだ生活保護は受けたくありません」、このような低所得者の方は本当に多いと思います。低所得者への独自の減免はあるのか、一般会計からの支援はあるのかお答えください。
第3に、第5期介護保険事業計画についてです。
第5期高齢者福祉計画・介護保険事業計画が、この4月から見直され実施されることになっています。この間、相次ぐ保険料の値上げと利用料負担、負担限度額を超えた分の自己負担や要介護認定基準の見直しによる軽度者排除、弘前市の慢性的な介護認定のおくれ、足りない施設とおくれた介護基盤施設など、見直しのたびに介護の社会化とは言えない制度になっています。
しかも、地域包括ケアシステムは、医療や介護を在宅へシフトし、社会保障における国の責任をゆがめ、共助に低められるねらいであることは明らかです。今回の見直しで、介護予防・日常生活支援事業はことし4月からは実施されないこととなったものの、保険料の値上げや徴収対象の増加、あるいはサービスの引き下げや対象の縮小を繰り返さざるを得ない根本的な問題を抱えています。
今回、介護報酬改定の答申で在宅サービス強化の名による生活援助の時間が60分から45分に短縮され、さらに報酬単価が引き下げられた問題です。生活援助は、ヘルパーが今でも時間に追われて仕事をしているのに、それをさらに削るもので、関係者からも大きな批判が沸き起こっています。
例えば、服薬確認と調理を毎日60分利用されている認知症のひとり暮らしの方は、ヘルパーの態度に非常に敏感で、しかも自分ができないことに対する不安感がある中、利用者に合わせて援助していく中でようやく笑顔が出てきます。これが45分に削られると症状悪化を招きかねないではありませんか。今でも「ヘルパーさんは時間ばかり気にしている」「話がしづらくなった」とする声が出されているのです。
弘前市の介護保険利用者は、後期高齢者75歳以上が85%を占め、介護受給者の74%は女性であります。あるヘルパーさんは「援助を通してその人らしく生きていけるようにお手伝いする大事な仕事です。生活は生命の活性化です」と言われています。
それが20分の細切れ介護・看護で介護者は暮らせるのでしょうか。厚生労働省は24時間巡回訪問サービスを始めます。その訪問時間は何と1回20分。この雪国で玄関の雪片づけからしないと入れないのに20分でできるでしょうか。ここにも効率的に回ればいいという厚生労働省の考えがありますが、一体20分で何ができるのでしょうか。顔だけ見て「あっ、きょうも生きているね」という安否確認しかできないのではないでしょうか。この改悪は断固見直すよう国に求めるべきです。市の見解を求めます。
弘前市内には、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅がたくさんふえています。入所するのに10万円から20万円もかかります。お金がある人は入所できますが、多くのお年寄りの方はその施設に入れません。お金の少ない方が入所できる特養ホームは待機者が680人と言われています。待機中にひとり暮らしや老老介護をしている方は孤独死で亡くなったり、サービスを受けたくてもその半分も受けられない状態です。今一番困っている人のために特養ホームをつくるべきだと思いますが、市の見解を求めます。
第4に、懇談会等のあり方についてです。
第5期弘前市高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たって、マスコミだけにオープンにし、新聞報道を見て保険料などが初めてわかったのですが、これでいいのでしょうか。保険料を払っているのは弘前市民です。市民の皆さんから介護保険課への問い合わせが結構あったと思います。議員でさえ今も中身がわかっていません。
全国の多くの自治体では、事業計画策定委員会(懇談会)等では傍聴を認めています。事業計画素案への
パブリックコメント募集も行っています。素案の状態でのホームページアップを行い、市民にも公開しています。弘前市は一切しておりません。これでは市民の怒りが当然起こると思います。まして県内一高い介護保険料が日本一高い保険料になるというのに、市民は蚊帳の外でいいのでしょうか、市の見解を求めます。
二つ目の質問は、国民健康保険についてです。
第1に、国保料についてです。
弘前市の1人当たり市民所得は、平成11年257万円、平成19年221万円、平成20年が218万円と10年間で39万円も減少しています。平成20年の県平均を100としますと、弘前市は91.6%、全国平均の74%となっています。
弘前市国保の特徴はとにかく低所得者が多いことです。平成16年の統計で世帯所得200万円以下が77%、一方400万円以上はたった5%にすぎません。そして今、所得200万円の家族4人だと国保料は45万9520円。高過ぎるから滞納が多いのです。青森県内では2番目に高いのです。
現在の弘前市の国保所得ごとの世帯数はどうなっているのでしょうか。平成16年当時より所得が下がっていると思いますが、現在の収納状況の実態もお答えください。
第2に、一部負担金減免についてです。
全国的にも一部負担金の減免が行われており、青森県内の近隣市町村でも行われています。ことし1月に、藤崎町、平川市、黒石市、青森市を訪ねて要綱をいただいてきました。多くの自治体では、生活保護以下や就学援助を受けている方が該当基準でした。
そこで、前回の12月議会で市長は可能性ということに研究したいと答弁を行いましたが、その後どう研究したのかお答えください。
三つ目の質問は、直営から民間委託についてです。
第1は、弘前保育所等についてです。
2月25日付新聞で弘前保育所等の5公立保育所を民営化する計画を発表し、随時保護者説明会を開催する方針を決めています。計画に上がっているのは、弘前、大浦、鳥井野、百沢、相馬保育所です。弘前保育所は平成24年1月、保護者、地域、保育士説明会、7月に公募し、25年4月民営化実施。大浦、鳥井野、百沢は平成26年4月民営化、相馬保育所は平成29年度以降にと発表されました。
弘前市は、1月に公立保育所の今後のあり方に関する説明会を突然発表し、公立保育所民営化についての方針を明らかにしました。あり方では公立保育所に一定の役割を認めつつも、弘前保育所の築46年もたつ老朽化施設の改修もできなくなっている原因は、公立の運営費、施設整備費をすべて一般財源化されたため、民営化することによって公立保育所の役割を投げ捨てることになりました。
弘前保育所等民営化の問題として、保護者からは「公立保育所民営化は、保育士が全員入れかわり、子供や保護者に不安をもたらすだけであり、子供や保護者にとってもメリットはないという実態があり、民営化はやめるべき」「保護者からは早く耐震化をやり、老朽施設の改修、改築による保育環境の改善をしてほしい」「園長先生やベテラン保育士がいて安心して預けられる」など、現在の保育所は子供だけではなく働く親にとって大事な場所であり、子育てを支えている施設であることが多くの市民にも認められています。
今回の弘前市の対応は、保護者に納得できる説明ができないまま、民営化、先にありきを押しつけようとするものではないでしょうか、市の見解を求めます。
第2に、東部給食センター等についてです。
安全で豊かな学校給食の充実を求める立場から質問します。弘前市は、教育の一環である学校給食を行財政改革の対象に上げ、学校給食を大きく後退させようとしています。1954年に学校給食法が施行されました。この法律は、子供の心と体の健全な発達を保証することを目的に学校給食を教育の一環として行うことを定めたことです。
食の外部化・多様化が進展し、生活環境の変化・多忙化などから朝食をとらない家族がいます。食習慣の乱れから子供の生活習慣病や肥満が見られ、栄養バランスの偏りなどが心身の発育に影響を与えているなど大きな社会問題となり、食の教育が重要視されることに至ったのです。2004年には学校教育法の一部改正があり、栄養教諭制度ができました。2005年には食育基本法の制定、2008年には学校給食法の改正が行われました。文部科学大臣が策定し、学校設置者が実施に努めることを規定しています。学校給食は、栄養補給のための給食にとどまらず学校教育の一環であるという趣旨がより明確となり、給食を生きた教材として食育を推進する上で重要な観点となるものです。
今、弘前市が行おうとしている東部給食センターの民間委託は、この学校給食法の目的を著しく阻害するものと言わざるを得ません。
全国的にも学校給食の民間委託は、偽装請負の疑いがあり、2006年、厚生労働省は「偽装請負の解消に向けた当面の取組について」との通達を都道府県労働局に通知しています。2007年、滋賀労働局との協議の結果、計画中の業務委託内容では、職安法または労働派遣法に抵触する可能性があり、今回の民間委託導入については見送り、時間をかけて調査研究する必要があると判断しました。また、兵庫県においても偽装請負の疑い灰色と兵庫労働局からの回答があり、民間委託を見合わせています。
なぜ、学校給食の民間委託は偽装請負の疑いがあるのでしょうか。請負契約は、発注主と労働者との間に指揮命令関係を生じないことになっていますが、労働局によれば、調理場、設備、備品、機械類は市のもので、学校栄養職員が献立をつくり、食材を購入し、その指示のもとに民間業者の調理員が調理をする。この指示命令の行為に偽装請負の疑いがあり、この調理員は実態としては派遣労働に当たるのではないかという見解です。
これが全国の小中学校の25.5%で実施している民間委託での問題点の一つとなっています。偽装請負を回避しようとすれば、丸々業者にすべてを任せてしまうか、あるいは調理業務の民間委託をやめて直接責任を持つかどちらかしかないのです。
市は昨年の12月に債務負担行為額を設定し、ことしの2月に契約することにしています。余りにも急であり、委託は4月1日からとなっています。今、東部給食センターには35人の職員が働いています。職員はどうなるのでしょうか。そして西部給食センターも民営化するのでしょうか、弘前市の見解を求めます。
四つ目の質問は、雇用対策についてです。
今春卒業予定の高校生の就職内定率は、2月20日現在で77.6%と青森労働局が発表しました。大学生の就職内定率は、昨年12月で71.9%と過去2番目の低さであり、県内の有効倍率は0.52倍と報道されましたが、弘前市内での就職状況はどのような状況なのか。仕事おこし、雇用創出事業の到達点や緊急雇用などで4月から何人の雇用が増加するのでしょうかお答えください。
以上、壇上での一般質問を終わります。
〔19番 石田 久議員 降壇〕(拍手)
○議長(田中 元議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。
○市長(葛西憲之) 石田久議員からの質問に対しまして、私からは、第4項目についてお答えをいたします。
4、雇用対策についてであります。
雇用対策につきましては、市政の最重要課題であるととらえており、弘前市
アクションプラン2010に基づき、これまで雇用機会の創出や起業家の育成などの事業を積極的に展開してまいりました。
その中で、主要な事業の一つであるひろさき仕事おこし推進事業は、失業者等を雇用しつつ地域課題を解決するビジネスプランを民間企業等から募集し、資金的な支援をすることにより新たな仕事づくりと雇用機会の創出を図ろうとするものであります。
平成22年度は5件の事業を採択し、新規雇用人数は15人、23年度は22年度の継続分としての16人のほか新たに5事業を採択して13人を新規雇用しております。
次に、県の基金を活用して雇用機会の創出を図るふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出事業についてでありますが、平成21年度は394人、22年度は248人、今年度は377人を雇用し、3年間で延べ1,019人の雇用機会を創出いたしております。
ふるさと雇用再生特別対策事業につきましては今年度で終了いたしますが、緊急雇用創出事業については地域人材育成事業及び震災等緊急雇用対応事業を来年度も継続することとしており、236人の新規雇用を予定しております。
続いて、弘前管内のこの春に卒業予定の高校生の就職状況についてですが、弘前公共職業安定所の発表によると、平成24年1月末現在、就職内定率は72.2%で前年同月を0.6ポイント下回っております。
この主な原因は、前年同月と比較して43人の求人が減少したためで、海外経済の減速や円高の影響などから、特に製造業において求人数の減少が目立っております。
また、県内の大学生の就職状況は、青森労働局の発表によると、平成23年12月末現在、就職内定率は66.3%で前年同月を1.2ポイント上回っております。
一方、市の就労支援策といたしましては、昨年6月から8月にかけて市内の102の事業所を訪問し、新規高卒者の雇用枠の拡大と早期の求人票の提出について要請を行ったところであります。
また、昨年11月10日には高校卒業予定者を、さらにことし2月23日には大学卒業予定者を対象とした就職面接会を弘前公共職業安定所などと市が共同で開催をし、未内定者のマッチングの機会増大を図ったところであります。
さらに、未就職者が出た場合の対策として地元企業で6カ月間の実践研修を重ねてスキルアップを図る実践型ジョブトレーニング事業や新規高等学校卒業者雇用奨励金制度などを設けており、これらの周知と活用を一層図ることにより、1人でも多くの生徒が就職できるように支援を強化してまいりたいと考えております。
以上であります。
このほか、担当の部長等及び教育委員会から答弁をいたします。
○議長(田中 元議員)
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(髙橋文雄) 続きまして、1の項目、介護保険について。(1)介護保険料についてにお答えいたします。
介護保険料は、第5期介護保険事業計画で見込まれる3年間の給付費総額のうち、65歳以上の第1号被保険者が負担しなければならない額、具体的には介護給付費総額の21%を同被保険者数で割り返して算出いたします。
今後3年間の事業計画では、高齢化がより進行するとともに、介護サービス受給者数も増加することから、第4期計画と比較すると、給付費総額で約58億9000万円増加し、総額で約508億9000万円になるものと見込んでおります。以上のことから、第5期の介護保険料を月額で6,170円と設定し本議会に提案しているところであります。
また、保険料負担段階については、第4期の被保険者の負担能力に応じた、きめ細かな保険料段階の設定という市の方針を維持し、第5期ではさらに第3段階を分け所得金額が120万円のところで細分化する提案をし、低所得者層への配慮を行うこととしておりますことから、第5期の保険料段階は実質10段階となる予定であります。
なお、保険料段階の多段階化については、市町村の裁量により実施できるものであり、多段階化する際には、基準額を負担する層を中心として、所得が低い層と高い層とのバランスをとりながら介護事業必要額を徴収するように設定しております。所得段階をより細かに多段階化し、基準額に掛ける割合を2倍以上とする市町村も見受けられますが、被保険者の収入状況など各市町村の特性があるため、これ以上の多段階化については慎重に対応したいと考えております。
第5期保険料の月額が新聞紙上で発表後に、市民の方からのお問い合わせのお電話やまた引き上げになるのかとのお電話などいただいておりますが、丁寧に説明することにより、多くの市民の皆様には御理解をいただけているものと考えております。
次に、(2)低所得者への負担軽減についてにお答えいたします。
低所得者の保険料負担軽減については、保険料負担段階第1、第2及び第3段階は介護保険法施行令に定められている標準割合を下回った割合の設定、具体的には第1及び第2段階は0.5から0.493に、第3段階は0.75から0.74にすること、また第3段階及び第4段階を細分化してそれぞれ特例段階を設定することを本議会に提案しております。
さらに、当市では平成15年4月から独自の低所得者層に対する保険料軽減措置を条例化しており、対象となる第1段階から第3段階の方のうち、例年70人前後の方が軽減措置を受けております。
保険料軽減の要件は、収入については生活保護基準をもとに1人当たりの収入額が42万円未満を基準とし、同居者が1人増すごとに44万円加算することとしております。また、その方の資産や預貯金状況などについても基準を設けてございます。
この軽減制度については、広報ひろさきに年間四、五回掲載し周知に努めておりますが、今後も継続して広報に力を入れたいと考えております。
次に、(3)第5期介護保険事業計画についてにお答えいたします。
厚生労働省が、去る1月25日に社会保障審議会に諮問し了承された平成24年度介護報酬改定については、介護職員の処遇改善の確保や地域区分の見直し等、全体で1.2%の介護報酬改定や訪問介護における時間区分の新たな創設や見直し、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設等が盛り込まれております。
まず、訪問介護のうち、調理や掃除など生活援助が中心である場合のホームヘルプ所要時間の設定が、これまでの30分以上1時間未満が20分以上45分未満へと、1時間以上であるものは45分以上とするもので、時間区分別の評価の見直しをしたものでございます。これらは、居宅サービス費用の算定基準となるものであります。
次に、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスは、介護職員や看護師が深夜や早朝を問わず訪問し、食事や排せつの介助、医療的ケアなどを行う地域密着型サービスであり、介護する御家族の負担軽減や安心につながるものの、一方で移動距離が長く、時間がかかる場合は、職員派遣等、事業所もそれなりの態勢を整えなくてはなりません。また、当市においては、夜間対応型訪問介護事業者の指定がないことから、第5期事業計画では、現在ある訪問介護や訪問看護を活用することとし、新たな導入は行わないものとしております。
施設サービス等については、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の施設が日常生活圏域ごとに整備されており、整備の度合いも県内3市の中で高いことから、第4期事業計画に引き続き、新たな整備は行わない方針としております。
次に、(4)懇談会等のあり方についてにお答えいたします。
当市の高齢者福祉計画及び介護保険事業計画を審議する弘前市高齢者福祉計画等懇談会委員については、これまでの計画策定では、保健医療や福祉、住民代表などの各団体関係者により構成されておりました。第5期事業計画策定に当たっては、弘前市
アクションプラン2010に掲げている各種審議会公募枠の大幅増により、女性の枠についても配慮しながら、広く市民の意見を取り入れるため、公募枠を設け、結果、懇談会委員16名中、一般市民公募委員は3名、女性委員では6名構成で審議を行っていただきました。
懇談会は昨年8月から3回にわたり開催され、すべてマスコミに公開されておりまして、その会議内容が報道されているものでございます。
本計画は、介護保険法、老人福祉法によって3年ごとに計画の見直しを行うものであり、地域の課題等を把握するための高齢者等の市民アンケートを毎回実施してきてはいるものの、これまで
パブリックコメントは実施してこなかったものでございます。
パブリックコメントの実施については、弘前市
パブリックコメント制度実施要綱の目的にかんがみて、計画策定内容等の市民への公開や透明性の確保の観点から、実施を前提として検討していきたいと考えております。
続きまして、2の項目、国民健康保険について。(1)国保料についてにお答えいたします。
当市の国民健康保険料の平成23年度当初賦課の内容につきましては、賦課された総世帯件数は3万3041件であり、所得階層の内訳を申し上げますと、総所得金額の合計が33万円以下の世帯が11%、33万円から200万円以下の世帯が45%、200万円から500万円以下の世帯が15%、500万円を超える世帯が3%となっております。そのほか、未申告及び所得金額が発生しない世帯の割合は26%であります。
世帯構成別では、単身世帯が50%、2人世帯が31%、3人世帯が11%、4人世帯が5%、5人以上の世帯の方が3%となっております。
次に、資格証明書の発行件数ですが、平成24年1月末現在では902件で、昨年同期の938件と比較しますと36件の減少となっております。
資格証明書の交付については、今後も慎重に対応してまいりたいと考えております。
次に、(2)一部負担金減免についてにお答え申し上げます。
一部負担金の減免措置は、国民健康保険法第44条に支払いまたは納付義務を負う世帯主または被保険者が震災や風水害などの災害により死亡や資産に重大な損害を受けたとき、また干ばつ、冷害等による農作物の不作などの理由で収入が減少したときなど、生活が著しく困難となった場合において、その方の申請を受け保険者の判断により医療費の支払いの免除や減額及び猶予することができると規定しております。
平成22年9月に厚生労働省から全国に示された一部負担金の減免制度に基づく通知では、新たに入院療養を受ける被保険者が属する世帯で、その世帯の収入が生活保護基準以下で、かつ預貯金が生活保護基準の3カ月以下のいずれにも該当する世帯を含めると示されました。
この基準に基づいて一部負担金を減免した場合には、国が特別調整交付金で減免額の2分の1を補てんするとしておりますが、残りの2分の1は当市の国民健康保険事業の中で負担することとなります。
一部負担金の減免制度につきましては、保険料に影響するという課題があることから、まず、一時的に生活困窮となった被保険者を救済する手だてとして、他市の取り組みを参考にするとともに、あわせて一部負担金減免制度の設置により、どのように国保加入者の負担となるのかなどの面も検討し、平成24年度中に結論を出したいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員)
健康福祉部理事。
○
健康福祉部理事(小山内溶子) 続きまして、項目の3、直営から民間委託について。(1)弘前保育所等についてお答えします。
それではまず、弘前保育所等、公立保育所の民間への移譲について、現在の方針を御説明いたします。
弘前市内には65カ所の認可保育所があり、60カ所の民間保育所と弘前・大浦・鳥井野・百沢・相馬の5カ所の公立保育所が、3月1日現在で4,982人の就学前児童の保育をしております。このうち、6.6%に当たる328人が公立保育所に在籍しております。
当市における公立保育所の民間移譲の実績としましては、平成14年4月に、旧岩木町において岳暘保育所・駒越保育所の2カ所が、また旧弘前市においては、平成18年4月に石川保育所・桔梗野保育所の2カ所が民間移譲されています。
公立保育所の民間移譲については、現在、その方針を地域や保護者を対象に説明会を開催している段階であります。
このうち弘前保育所については、保護者などの理解を得て、改めて議会へお諮りし、議決後に移譲先を公募、決定という段階を経て、早ければ平成25年4月から民間移譲したいと考えているところであります。
弘前保育所など公立保育所は、国・県からの保育所運営費負担金や延長保育などの特別保育事業を行うための補助金が廃止されたことにより、その運営は、すべてが市の一般財源によるものとなっておりますが、民間保育所には、国・県の負担金のほか補助金など手厚い財政支援があります。
市の限られた財源の中で、今後ますます増大することが予想される保育ニーズにきめ細かく対応していくために、また現在、公的な支援が少ない、家庭で保育される子供たちへの支援を充実させるために、国や県からの歳入を確保し、コストを抑えながら子育て施策の事業効果を上げていくことが必要となっています。
保育所が制度として成立した当初は、公が施設を設置し、保育に欠ける子供の保護を行う必要がありましたが、現在に至るまでの間、民間のすぐれた社会福祉法人等が保育所を運営し、公立以上のサービスを提供してきております。
また、民間保育所の柔軟性や効率性を生かして、保育の質を確保しながら、延長保育や休日保育など多様な保育ニーズに迅速かつ効率的に対応していくため、公立保育所の民間移譲を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) (2)東部給食センター等についてお答えいたします。
学校給食センター調理業務の民間委託については、国が示した学校給食業務の運営合理化の手法であり、パートタイム職員の活用や共同調理場方式の採用と合わせて、地域の実情等に応じて推進することとされております。
当市においては、既にパートタイム職員を活用し、共同調理場方式も採用していることから、学校給食センターの民間委託については、行財政改革の一環として集中改革プランの中で平成18年度から検討を始めたものであります。
今回の東部学校給食センターは、平成23年11月に民間委託の実施方針を決定したところであります。準備行為としては平成22年度から進めてきたところでありますが、米の備蓄や黒石市への学校給食の提供という課題に対し支障になるものではございません。
委託後のパートタイム職員の雇用については、委託業者に任せられることとなりますが、市といたしましては、委託業者に対し再雇用を推奨しながら、市の再雇用もあわせて調整し、パートタイム職員が職を失うことのないように配慮したいと考えております。
また、委託後における労務管理等については、厚生労働省青森労働局の指導を受けて、調理等業務委託仕様書を作成しておりますので、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準がございますが、この基準に適合しているものと考えております。
なお、児童生徒の食の安全と地産地消を旨に、献立及び食材の購入は、これまでと同様直営により実施するものであります。
以上です。
○議長(田中 元議員) 19番。
○19番(石田 久議員) 答弁ありがとうございます。若干再質問させていただきますけれども、まず介護保険についてなのですけれども、懇談会等のところですけれども、
パブリックコメントはこれから検討すると、実施ということなのですけれども、今全国の中核市の介護保険の実態調査というのが行われました。これを見ますと、先ほど私が壇上でも質問したように、第5期の事業計画の策定委員会の開催状況が弘前でもあるわけですけれども、ほとんどのところの自治体がこういう委員会とかは全部公開でやっています。
それから、委員会の資料のホームページの掲載も、素案のときから全部市民にわかるようにやっているわけですけれども、そこのところが、先ほどのところでは
パブリックコメントだけは答弁しましたけれども、この辺についてはどうなのか。やはり市民はすごくわからない中で新聞報道を見て初めてわかる。そういう中で、今回の議会においても保険料だけが議会にかけられて、あと中身は知らない中で4月からスタートするわけです。
特に、私12月議会でも質問したのは介護認定のおくれだと。これは今回の第5期からどうなるのかなと思ったら、これはひどいです、今も。
2月25日に介護認定を申請したら、何と調査に来るのは4月3日なのです。来るだけで1カ月かかるのです。私、この間青森市の介護保険担当に行きましたら、青森市は10日間で来ます。それで30日以内に介護の認定書が御自宅に来るわけです。だから不満はないのです。たとえ30日以内におくれた場合は、謝罪して文書も一緒に行っているのです。
しかし、弘前市はこの13年間ひたすら二、三カ月待たされる。では、何が違うのかなといいましたら、調査員の、申し込んだら訪問する調査員が青森市は倍です。そこからもう全然違って、こういうことが第5期の事業計画の当たり前のところがどうなのかと。これが今でも全然実施されていないところをぜひここのところを改善、第5期ではぜひ市民の声を、これを30日以内にしてもらいたいというところです。
そこのところ少し、第5期の
パブリックコメント、それから委員会の公開、それからホームページのところはどのように検討しているのか再度質問したいと思っています。
それから、ちょっと時間がありませんのであれですけれども、それから国保法第44条のところは、24年度中にこれを検討するということですけれども、もう藤崎町も平川市も黒石市も全部やっています。先ほど生活保護以下の方と言っていましたけれども、就学援助を受けている、つまり生活保護基準の130%、ここも5割減免とかそういう形でやっています。
ですから、私全部自治体訪問しましたけれども、弘前市はそういう各市町村の調査とかは行っているのかどうか、これを24年度にきちんとやるというふうにぜひ検討していただきたいと思います。そこのところ、2点目のところお願いします。
それから、東部給食センター、先ほど教育部長のお話ですけれども、実はこれは情報公開で弘前市東部学校給食センター民間委託の実施についてというものをいただきました。
その中で、民間委託が適正な請負となるよう青森労働局に問い合わせで市が食材とか調達しても問題がないことを確認しておりということが綿々とさっき教育部長が答弁しました。私、これを持って青森労働局に行きました。そしたら何と言ったかといいますと、さまざまな問題があると指摘されました。そういう意味では、今の答弁は一体どうなっているのかなと思っています。
例えば、12月議会でも市直営の栄養士を入れるということを言いましたけれども、青森労働局では弘前市採用の栄養士だけが献立をつくるのか、委託された栄養士は共同でやるのはだめですよ、一緒にやると偽装疑いになりますよ。それから、例えば民間委託になった場合に給食を運ぶ移送車がある、各小学校に。これはもし委託をした場合は、民間委託された場合は、運送会社は直営でなければならないとか、かなりきめ細かく、私、市職員ではないのですけれども、いろいろ指摘されまして、それから組織体系図での総括責任者は受注者なのか、それから調理責任者、管理栄養士は委託業者なのか、弘前市の栄養士か。同じ事務室で同じだと問題がたくさんあると言っているのです。
こういうことが、この中で先ほど教育部長が答弁した内容と青森労働局のこの違いがなぜなのか。私これを持って、滋賀労働局や兵庫労働局では弘前と同じ民間委託している場合は先ほどの偽装請負の疑いになるけれども、青森労働局はどうして許可したのですかということでこれを1枚ずつめくったのです。そうしたら指摘箇所がいっぱい出てきました。
ですから、これが教育部長が今答弁したことと、それから、これから民間委託をやる中で、これは本当に今後のためによくなるのかといえば違うと思うのですけれども、その認識についてもう一度お願いいたします。
○議長(田中 元議員)
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(髙橋文雄) まず、介護保険料の件でございます。
公開ということにまつわって3点ほどあるのですけれども、私どもとしては、報道機関にお知らせしているという部分だけをとられますとちょっとつらいのですが、公開をしているというふうには考えてございます。それから、資料のホームページ等の掲載につきましては、今後手順ということを考えてできるだけしたいものだと思っております。懇談会に市民の皆様にも入ってもらうということは物理的ないろいろなこともあるかもしれませんので、その辺については他市の状況等も見ながら検討させていただきたいなと思います。
それから、介護認定のおくれの件でございます。これは大変、法でも規定されている30日以内ということがおくれていることについては本当に改めておわび申し上げる次第ですが、やはりそれらについては体制のとり方など、今この介護保険料の中での算定ということでのお話ではちょっとお答えできませんが、組織体制などについてはできるだけスムーズにいくように相談をしていきたいと思っております。
それから、国保料の減免の件でございます。議員おっしゃるとおり、他市の様子などを今一生懸命調査させていただいております。市民の実態ということについてはなかなか難しいかもしれませんが、やはり先ほど申し上げましたように、減免の基準の設定などにより保険料へ跳ね返る部分がどのようなことになるのかとか、やはり知ってもらうための周知期間のことであるとか、実際にはやはり医療費が払えないというふうな問題が起きてくる場合には、前に議員がおっしゃっていたような制度、それから医療機関についてのお知らせをして医療機関の方々によく理解をしてもらわないとだめだということなど、そういったことについて24年度中に結論を出していきたいというふうに考えておりますので御理解いただきたいと思います。
以上です。
○議長(田中 元議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) 東部給食センターの委託の問題ですが、確かに給食業務を委託することについては前提としてさまざまな問題があるということは確かであります。したがって、我々もそれを認識しておりましたので青森労働局まで出かけていって、一つ一つについて問題がある、その問題をどうクリアするかについて相談しながら、ここまでこぎつけてきたということであります。
例えば、栄養士のことでありますが、業者の中にも栄養士がおります。その栄養士は市の栄養士と共同して献立をつくるということではないわけです。献立をつくるのはあくまでも市の栄養士が献立をつくって、その献立に基づいて委託業者が調理して、その調理の中で業者のほうの栄養士が機能していくというやり方でありまして、その辺は注意しているところであります。
それから、配送については、これは別に委託業者に委託しまして配送業務をしていただいているということであります。
それとあと、人材派遣との区別ですが、人材派遣でありますと、人を派遣してその人間がその現場に行って現場の人間のそれぞれ指示をしてもらってその指示のとおり動くというようなことになるのです。ですから、我々もその辺誤解のないようにということで、あくまでも委託業者は代表の人間を設置してもらって、東部給食センターには我々の職員も残りますので、その職員との窓口はあくまでも委託業者の代表の人間とやりとりするということで考えておりました。
それから、認識ということでありますが、直営であるから食育とかに資するのだと、教育の一環として行えるのだと。一方、委託にすれば教育の一環として行えないのだということでは決してございませんで、これまで同様食育に関しては、私どもとしても栄養士を各学校に派遣するとか、これまでどおり力を入れて行ってまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(田中 元議員) 石田議員、残り時間あと5分です。19番。
○19番(石田 久議員) やはり青森労働局に行きましたら、こういう「労働者派遣・請負を適正に行うために」というのが出されました。これ、37号のやつです。これで、労働派遣か請負かの違いをきちんとやっているのですけれども、今の教育部長のお話ですと、労働局のほうでは同じ、つまり事務所の中に弘前市直営の栄養士と民間委託の栄養士が一緒に、これもだめなのですよ、わかりますか、そういうところまで。
ですから、ここはさまざまなことがありますけれども、本当にこれが全国的にも、国会でも問題になっているのです。そこをいや違うのだと、弘前は違うのだと言っても、ほとんどのところは地元の弘前市の栄養士は直営1人だけ入って、あとは全部民間委託のいろいろな方が管理職だとかそういうのが来ているのですけれども、そこが今問題なのです。
これは請負ではなくして、そういうところを教育部長のほうは、ですから私もわからない部分があったので室長とそれから指導官の方と2人、これ1時間突き合せて説明してもらいました。まず、どこどこがだめなのかというものを指摘されました、私でさえも。それを今簡単に言ってこれを通そうというような部長のあれですけれども、やはり今の質問ですと、はっきり言って中身については、もうとにかくやってしまおうというような今の教育部長の答弁なのですけれども、やはり違うと思っているのです。
それと、この中にはちょっと気になったのは、総務財政課意見というのが入っています。学校給食センターは地域防災計画で災害時に被害地への炊き出しを出されているけれども、これは民間委託された場合は災害時の対応に支障がないかどうか懸念すると書いてあるのです。そういう中で、保健体育課では青森労働局と相談し協定することを検討していることですが、こういうことをきちんと企画課防災担当に合議するとともに協議しなさいと書いてあるのです。
しかし、労働局では私が壇上から説明した中では、やはり偽装の、はっきり言って請負の疑いがあるのですというのが青森労働局の考え方なのですけれども、でも今の教育部長は違うのだと、それは適正にやっていると。ここはこのままでいいのかといえば、やはり全国的な問題になっているわけですから、ここのところをきちんと説明してもらわないと。4月からこれをやるということも、ちょっと私、腑に落ちないのです。それは市のほうでかなり進めて、業者も選定していると思います。これはうわさを聞くと地元業者ではないような話もされていますけれども、ここはもうずんずんずんずん民間委託ありきで全部進んでいるけれども、実際労働局に行ったらそうではないのだと、偽装請負の疑いがあるというところまで指摘されて、それは違うのだというのは、ちょっとそれは納得できませんので、そこのところをもう一度説明してください。
○議長(田中 元議員) 教育部長。1分でまとめてください。
○教育部長(大谷雅行) 市の雇用している栄養士については、机は教育委員会の保健体育課にございます。
それから、災害についてですが、これは委託業者と災害の際の協定を取り結ぶということで異論のないように対応していきたいと思います。
それから、あとさまざまな問題があるということですが、我々もそのように受けとめておりますが、それでいいのだということではなく、くどいくらい青森労働局には今後も確認していきたいと思います。
以上です。
○議長(田中 元議員) 昼食のため、暫時休憩いたします。
午前11時58分 休憩
――――――――◇――――――――
午後1時00分 開議
○副議長(藤田隆司議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
9番今泉昌一議員の登壇を求めます。
〔9番 今泉昌一議員 登壇〕
○9番(今泉昌一議員) 9番今泉でございます。
きょうは、5項目にわたり質問を通告しておりましたが、そのうちの3項目までが午前中のトップバッター栗形議員と重なってしまいまして、同じ部屋にいるのですが、申しわけございません。
ですから、ダブったところはさらっと流していきたいと思います。
まず、1番目、
岩木川市民ゴルフ場についてでございます。
これは、また平成24年度にも指定管理料が盛られておりまして、そのことにつきましては来週からの予算特別委員会でまた詳しく質疑があると思います。
ですから、ちょっと私はその質疑に、予算委員会の前に幾つか確認しておきたいことがございますので、この場で質問させていただきたいと思います。
1月30日に全員協議会がございまして、そのときに今後の経営方策という中期経営計画が私たちに提出されました。そのときに私が質問したことに関しまして、はっきりとしたお答えをいただいてなかったように思いますので、再度この場で確認をさせていただきたいと思います。
一つは、返済計画について金融機関ときちんと合意ができているのかどうかということです。別に金額まで細部にわたっての合意でなくても、少なくともあそこに書かれていたような元本は返して、利息は払わないと、このような返済方法は合意ができているのか。
と申しますのは、私も銀行に借金を申し込まなくなってから10年以上たちましたが、少なくても私が経営に携わっていた時代は、一般的には元本は据え置くけれども、元本はいいから利息だけは返してくれというのは金融機関の一般的な態度だったように思います。
今回の元本にだけ繰り入れして、利息は要らないというのは銀行経営にしてみれば決して得策ではないはずなのですが、そういうことに関しては合意ができているのかどうか、まずこれをお伺いしたいと思います。その後、確認したのかどうかということですね。
それから、1月30日には、この会社の場合、平成31年から始まる預かり金の返済が一番の大きな問題だと。にもかかわらず、出された計画書は平成28年度までだと。
やはり、きちんとここで経営計画を示すというのであれば、平成30年度、いわゆる平成31年3月現在での資産のあり高を示せるような計画が必要だろうと。再提出を求めたはずです。その件はどうなっているのか。
それから、そのときは、質問はしたのです。短期借入金は一体何なのだと。そしたら、それは年度の初めに借りて年度の最後に返して額は変わらないのだというふうな回答でしたけれども、だとしても、仮に額は変わらないにしても、通常の金融機関から借りているのであれば、支払い利息は発生しなければいけないのです。
ところが、我々に提出された計画書では支払い利息ゼロだと。これは一体どういうことなのでしょうか。こういった点を、まず最初に確認をさせていただきたいと思います。
次に、東部給食センター調理等事業委託につきましてでございます。
午前中に石田議員が質問しておりましたが、私はちょっと違う角度で質問したいと思います。
まず、漏れ伝え聞きますところによりますと、石田議員もちょこっと言っておりましたけれども、どうやら地元の業者ではないらしいと。それで、プロポーザル方式で業者を選定したのですが、そのときに選ばれた業者が失格になったというふうな話を聞きました。その辺の経緯につきまして、それと今、では現状その交渉状況はどうなっているのか、そこをお知らせ願いたいと思います。
3番目は、災害時の避難態勢につきましてでございます。
私、去年2回ほど県が主催する地域防災マエストロ育成研修会――何だかよくわからないですけれども、に出ました。
それは、各町会の代表、町会長とかそれに準ずる人が集まって、その町会単位、あるいは地域単位での、いわゆる防災をどうしようかについて勉強する会だったのです。
それで、私もいろいろな町会長と直接お話をする機会、その場で得ました。そこで町会長たちが心配しているのが、大きく二つありました。
そのうちの一つは、ハザードマップは一体いつになれば新しいのができるのかと。書かれている情報が古い、そのことを心配している町会長が複数いらっしゃいました。ですから、そのことについて市はどのように考えておられるのか。
もう一つは、実は、その研修会でのワークショップのテーマが、いざというときに隣に住んでいる寝たきり老人を助けられるかというテーマでワークショップを行ったのです、四つぐらいのグループで。
そしたら、結論がどのグループも助けられないとなってしまったのです、町会長たちが集まって議論したら。
なぜかというと、余りにも情報がなさ過ぎる。隣に、まず町会内にどういう方が住んでおられるのか、実際町会でもきちんと把握していない。まして、災害時に助けを、支援を必要としている、市ではリストを持っているはずですが、それがオープンというか、知らされていないので、町会でもどこにだれを助けに行っていいのかわからないという意見がたくさん出たのです。
それで、町会によっては自分たちで自主的に、毎年、いわゆる町会の基本台帳みたいなものを更新しているような町会もございます。
でも、それを全部の町会にやれと言ったって難しい話ですし、やはり市のほうがせっかく災害時要支援者リストというものを持っているのであれば、やっぱり私はそれをもう少し町会にもオープンにしてもいいのではないかと。またオープンにしてほしいというふうな声がありました。そのことについての見解をお尋ねしたいと思います。
4番目は、
自治基本条例でございます。
これは、できれば市長にお答え願いたいと思っているのですが。
私は、平成22年第4回定例議会で、この件について実は質問しております、項目は違いますけれども。
自治基本条例を制定しないのかと、してほしいという願いを込めて。
そうしましたら、そのときの市長の答弁が、議事録が今ここにないので一言一句そのとおりでないかもしれませんが、まずは市民主権システムに掲げた施策を一つ一つ実行していって、その上で
自治基本条例制定に向けての機運が高まれば制定に向けて検討したいという、私ははっきり言えば余り前向きな答弁に聞こえなかったのです。ちょっとがっかりしたのです、あのとき。
それが、平成22年第4回だから、12月。それから1年3カ月たって今議会には、いわゆる制定に向けた市民検討委員会を設置する条例案とか、あるいは補正予算が出ていると。
そこで、市長に質問しますが、この1年3カ月の間、条例制定に向けた機運の高まりというものを一体どのあたりからどのように感じて、今回の一歩前に踏み出すことになったのか。そこについて、具体的に教えていただければと思います。
最後、雪対策について。
これも本当は総括的な質問をしたいなとも思ったのですが、まだ現在進行中なので、きょうは具体的なことを二つ、三つだけ質問させていただきたいと思います。
一つは、空き店舗、空き地の前の除排雪でございます。具体的な例をここで挙げてしまえば百石町、あるいは親方町の坂の上など皆さんももし機会があったら歩いてみていただきたいと思うのですけれども、除雪はします、それで店舗があればその店の人が除雪された雪を片づけます。流雪溝があればそこに落とす。
ところが、空き店舗、空き地ですと、だれも片づけない。こんもりと盛り上がってしまっている。そこがスロープになっている、非常に危ないのです。そこを通行しようと思えば、歩行者が。
その雪の山を避けようと思えば、車道にはみ出さなければいけないと、このような状況が複数目につきます。
そこで、お聞きしますが、このような空き店舗、空き地、空き家の前の除排雪については、市はどのような方針で臨んでいるのかということ、それでどのような対策をとられるのか。建前は大体わかりますけれども、市民の安全という観点でどのような対策で臨まれるのかをお聞きしたいと思います。
二つ目は、やはりこれも実際、私に電話が来た件なのですけれども、指定管理をしている施設の除排雪の問題です。
ある人から電話が来ました。ちょっと来てみてくれと。その施設に行きました。そしたらもう業者が入る以前の問題なのです。小屋は屋根雪でつぶれかかっているし、屋根から落下した雪で窓がふさがれているし、非常口までふさがれてしまっている。非常口がもう非常口として用がなさなくなっていると。
それで、指定管理料の中には当然そのような経費も入っていると思いますが、ことしの冬のようなこの記録的な豪雪の場合、そういった指定管理施設の除排雪に対する、いわゆる費用負担、市の関与とは一体どうなっているのか、そこを改めてお聞きしたいと思います。
三つ目は、ことしの冬に土淵川があわやはんらんという事故がございました。私、近所の人に聞いたらやっぱりおっかなかったと、あとわんつかだと。見るほうはわんつかだと思いますよね。
それで、その結果、土淵川に流れ込む流雪溝がしばらくの間、使えなくなってしまいました。それでその流雪溝を利用している道路沿いの住民も非常に困ったというような事故がございましたが、その事故の原因と今後の対策について、まずこの場ではお聞きしたいと思います。
以上、5項目ですが、よろしくお願いいたします。
〔9番 今泉昌一議員 降壇〕
○副議長(藤田隆司議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。
○市長(葛西憲之) 今泉昌一議員からの質問に対しまして、私からは、第3項目めについてお答えをいたします。
3、災害時の避難態勢についてであります。
洪水ハザードマップは、市内を流れる岩木川、平川、後長根川、腰巻川が大雨によって増水し、堤防が決壊したり、排水できずにはんらんした想定で、国土交通省及び青森県が作成した浸水想定区域をもとに、想定される浸水の深さや範囲、避難場所などの情報を取りまとめたもので、平成21年3月に作成し、その後、毎戸に配布しているものであります。
洪水ハザードマップの改定につきましては、国土交通省及び青森県の浸水想定区域が変更になった場合に改定する必要がありますが、その際には、最新の状況や住民の意見などを踏まえまして、避難場所などの見直しも行いたいと考えております。
なお、現在の住居や浸水の状況ごとの避難行動を示した「逃げどきマップ」については、他市町村での作成例や来年度実施する防災アセスメントを踏まえ、今後の洪水ハザードマップ改定時または新たに印刷する場合に作成できるか検討してまいりたいと考えております。
お尋ねの中にございませんでしたが、質問通告の中に入ってございましたので、あえて申し上げたいと、このように思っております。
災害時要援護者情報については、個人情報保護の問題もありまして、市と地域での情報共有は今後の検討課題であると考えております。
現在、市では災害時等支援活動対象者マップを作成し、民生委員に配布しております。災害が発生した際には民生委員のほか、消防や消防団によって要援護者に対する支援が行われることとなっており、今後、自主防災組織の結成が進めば、これらと連携した支援活動も検討してまいりたいと思っております。
避難所に関しては、即座に開設する必要性や運営上の問題があるため、公の施設を指定しているものであります。
民間施設との提携につきましては、現在、災害時に事業所等が地域貢献の一環として、被災者救援のため、保有する資機材などを提供してもらう弘前市防災協力事業所登録制度により、自社ビル等を避難場所として提供できるところを登録しており、この制度の活用により、民間施設を避難場所として利用できるよう進めてまいりたいと考えております。
これもお尋ねにございませんでしたが、また、福祉避難所に関しては、八戸市などの事例を調査し、民間福祉施設を避難所として活用するなど早期の設置に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でありますが、議員、聞き取りの段階でさまざまな御質問をされております。できれば、その内容についてしっかりと整理をして、その上で登壇していただき、しっかりとした質問をしていただければと思います。それがあれば、もっともっとスムーズなやりとりができるものと考えております。
私、あえて質問されていなかった項目につきましても事前のやりとりの中で把握した問題につきましてお答えをしたということでございます。
以上であります。
このほか、教育委員会及び担当の部長から答弁いたします。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) 1、
岩木川市民ゴルフ場についてお答えいたします。
市は、ゴルフ場という公共施設の設置者として良好な利用環境を維持する責任があることから、平成23年度において維持管理経費の一部を指定管理料として支出いたしました。
また、同時にゴルフ場という施設のあり方について市民懇談会で議論していただくとともに、指定管理者である
弘前ウォーターフロント開発株式会社に対し、今後の
指定管理業務を支障なく遂行できるかどうか、中長期的な展望に立った経営方策の提出を求めたところであります。
この経営方策は、1月20日に市に提出され、1月30日に議員全員協議会で説明させていただいたところであります。
経営方策の中で償還について銀行の了解を得ているのかということでありましたが、銀行に対してはこのたびの経営方策そのものをお示ししているとのことであります。
次に、長期預かり金の償還が始まる前年の平成30年度までの長期計画が必要ではないかということにつきましては、経営方策では、会員組織の中に総務委員会を設置して長期預かり金の対応策を協議・検討することとしておりますので、その検討内容を注視してまいりたいと考えております。
また、短期借入金につきましては、会社と個人とのやりとりになりますが、貸借対照表などによりますと利息はついていないようであります。
いずれにしても、市といたしましては、収支計画を初め
債務処理計画など、提出された経営方策について引き続き進捗状況を確認してまいりたいと考えております。
続きまして、第2項目、東部給食センター調理等事業委託についてお答えいたします。
東部学校給食センターの調理等業務委託の経緯等について御説明いたします。
まず、業務委託を進める上で前提となることは、委託後においてもこれまでと同様に安全安心な、おいしい給食が継続して提供されることであります。
このことから、委託業者の選定については、単に価格だけの競争とならないようにプロポーザル方式、企画提案方式でございますが、これを採用することとし、参加事業者の学校給食に対する考え方や安全対策、調理体制等を提案してもらい、審査した上で優先交渉権者及び次点交渉権者を決定する手法といたしました。
審査については、公募委員を含む学校給食懇談会委員及び栄養教諭等計10人で組織いたしました選考審査委員会を設置して実施いたしました。
企画提案方式への参加者については、市内に大規模な給食業務受託の実績を持つ事業者がないことから、弘前市物品・役務業務者名簿に登載されている事業者に範囲を拡大して公募し、特に緊急時や災害時等においても迅速に対応できる者の条件として、市内に営業拠点を有する者または委託契約の日までに営業拠点の設置を確認できることとして、計11項目の参加資格要件をクリアできる事業者としております。
今回の企画提案方式の採点方法では、満点を200点といたしまして、配分としては能力点を170点、価格点を30点にすることで、能力点に重点を置いて判断できるよう配慮いたしました。
採点した結果、参加事業者の能力点に差が少なかったことから、相対的に価格点の影響が大きくなり、結果的に県外の大手事業者2者が優先及び次点交渉権者となりました。
また、審査会後に優先交渉権者となった事業者が参加資格要件を満たしていないことが判明したため、その事業者を失格とし、次点交渉権者と契約交渉を進めているところであります。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員)
市民環境部長。
○
市民環境部長(野呂雅仁) 続きまして、4の項目、
自治基本条例についてにお答えいたします。
自治基本条例は、自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び義務、議会及び市長の責務、情報の共有や市民参画・協働などの行政運営の基本原則を定めた最高規範性のある条例であります。
このような条例の制定に取り組んでいくためには、市民、市民団体、事業者などが議会、行政と一体となってまちづくりを推進していくという意識を持つことが必要であると考えております。
市では、
市民参加型まちづくり1%システムなどの各種施策を今年度から実施したことにより、市民がまちづくりに参画するシステムを構築し、また、ボランティア団体の被災地支援を初め、弘前バル街、
ひろさき合コンリーグなど、自主的な活動が活発に行なわれるなど、実際にまちづくりへの参画意欲が高まってきていることから、
自治基本条例の制定に着手することとしたものであります。
その取り組みとして、まず
自治基本条例に関する事項について調査、審議する弘前市
自治基本条例市民検討委員会を設置したいと考えております。
公募市民などの市民の代表者で構成するこの検討委員会が、当市の実情に合った地域の特性を生かした
自治基本条例となるように、直接市民の声を聞きながら、条例に盛り込む項目や内容などについて自主的に検討していくことが望ましいと考え、附属機関として設置条例案を本定例会に上程しております。
検討委員会において、平成24年度末までに提言書案を作成し、中間報告として提出していただきます。その後、提出された提言書案を市議会にお示しし、議員の皆様から意見などをお伺いすることとしております。
また、庁内においても
プロジェクトチームを組織し、行政の立場から
自治基本条例に関する勉強会や事例研究などを行い、検討委員会が作成した提言書案についても内容等についての検討を行います。
さらに、職員を対象とした研修を実施するほか、
自治基本条例制定後の具体的な取り組みや進行管理方法などについて検討することとしております。
市民、議会、行政がそれぞれの立場で
自治基本条例について検討を重ねながら、よりよい
自治基本条例の制定に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員) 建設部長。
○建設部長(吉﨑義起) 5の項目、雪対策について。まず、建設部所管についてお答えいたします。
通常、除雪で寄せられた雪山については、基本的に市民の皆様に処理をお願いしているところであり、百石町通りの空き店舗前の雪山についても同様に、店のオーナーや土地所有者が処理することになります。
また、この通りには消流雪溝も整備されていることから、市では基本的に排雪路線には組み込んでいないものであります。
雪山による歩行者空間の解消は全市的な課題となっておりますが、流雪溝に投雪されない雪山については、地元の皆様で処理していただくことになります。
そのための一例として、町会のボランティアや弘大ボランティアなどの活動によるボランティア除雪での対応も考えられます。
次に、今冬の釜萢水系流雪溝の休止につきましては、低温による流雪溝内での水温の低下と豪雪による投雪量の増大が複合し、流雪溝の流末である土淵川蓬莱橋の下に雪が大量に流れ込み堆積し、土淵川の水位が上昇したものと考えられます。
この対応については、県と協議し重機による雪の取り除き作業を実施したところであり、現況復旧したことにより流雪溝の使用を再開しております。
また、当流雪溝の水源である一野渡地区の釜萢堰においても、投雪が行われ閉塞したため、これを手作業により除去する必要となり、復旧に要する期間として15日間の使用休止となったものであります。
今後の対策として、豪雪時には、流末である土淵川と水源となる釜萢堰においてパトロールの強化を図り、円滑な利用ができるよう適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
消流雪溝の整備につきましては、現在、消流雪溝第2次面的整備第Ⅲ期整備計画に基づき、仲町地区及び周辺の関連路線の整備を中心に効率的な消流雪溝ネットワークの構築を目指し、整備を進めております。
流雪溝は、弘前市道路除排雪基本計画に定めております流雪溝及び消流雪溝整備基本方針に基づき、安定した水源の確保ができること、雪解け水を受け入れる大きな河川、水路があること及び自然勾配で水が流れることなど要件に合致することが必要であるほか、通学路となっているか、交通量が多いか、住宅が密集しているかなどの検証と費用対効果を総合的に検討しながら整備路線を決定することとしております。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員) 総務部長。
○総務部長(佐々木富英) 5の、雪対策について。指定管理施設の雪処理に係る経費についてであります。
指定管理者には、利用者が快適に利用できるよう良好な施設の維持管理が義務づけられており、通路等の雪処理については、通常の施設の維持管理に関する業務として指定管理料に含まれるものでありますが、今冬は記録的な豪雪となったことから大がかりな除排雪が必要となり、市が除排雪を実施した施設もあります。
今後とも、市はこのような想定以上の事態が発生した場合は、指定管理者とも協議を行い、施設の設置者として適切な施設の管理運営が行われるよう臨機応変に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(藤田隆司議員) 9番。
○9番(今泉昌一議員) まず、市長ですね、書いてきた原稿をそのまま読むのであれば何も対面で、あるいは壇上でやりとりする必要がない。通告するときにはこういう内容だというけれども、三つ――再々質問まで許されている中で、あるいは意見、要望を述べるというのであれば、どこでどの質問をするかはやはり私たち議員側にあると思うのです。
あらかじめ、だれかが書いてくれた原稿をただ読んで、おまえ、質問をしないのが悪いとするのであればそれは違うだろうと。
例えば、今の建設部長の流雪溝の今後の計画というところも、午前中の栗形議員の質問でわかりました。だから、しませんでした。
やっぱりただ原稿を読み合うだけではなくて、お互いの質問、お互いの意見を聞きながらしっかりとした質疑をしましょうよ。私は、まずそれをお願いしたいと思います。
その上で、
岩木川市民ゴルフ場について。
銀行との話し合いが一応合意を得ているという話でした。元本を繰り入れて利息を入れないという。私も、それこそ10年も前の話なので、一応それを元金融機関にいた友人に聞いてみましたところ、最近はそういうこともやるのだと。元本を繰り入れて利息は要らないと。
それで、それはどういう場合かというと、いわゆるこの先改善の見込みがない企業にそれを適用する場合が多いのだそうです。つまり、元本を減らして、いわゆる不良債権を減らしにかかっていると。
本当にその企業がまた立ち直るのであれば、さっきも言いましたように銀行にとっては元本というのは資産ですから、下手に資産を減らすようなことはしない。
ところが、その元本の償還すら難しそうだという場合には、最初に元本を繰り入れてしまうのだというふうな話をしておりました。
それから、次に、先ほど短期借入金は個人からの借り入れだというふうなお答えでした。それは何か1月30日の質問とはちょっと違ったかなと。1月30日に私聞いたのは、仮受金勘定が平成22年度末と平成28年度末とで200万円ふえていると。これは一体何なのだと聞いたら、それに対しては個人からの借り入れだというふうな答弁があったように思います。
それは、それとして、個人からの借り入れがもうふえると、個人からの借り入れに頼る、ふやして最初からつくる計画なんていうのはやはりこれも尋常ではないだろうと思います。
以上のことを考えますと、私は本当にこの会社がきちんとこの先経営していけるのかどうか、私は大いに疑問なのであります。
弘前市第三セクターの運営に関する基本指針、これ定めていますよね。その第3条の(3)廃止・縮小、次に掲げる第三セクターについては、廃止・縮小を検討するものとする。そのイ、経営状況が悪化し、将来の経営状況の改善が見込まれない第三セクターは廃止・縮小を検討するとなっているにもかかわらず、市は指定管理料を出して、さらに指定管理をさせようとしている。
今回のこの計画書の何を見て、どこを見て、市はこの会社が経営をやっていけると判断したのか、そこをお知らせいただきたいと思います。
それから、東部学校給食センターについてです。
失格になった業者は、過去に食中毒事件を起こしていました。それも1回ではありません。2回、3回と。それから脱税も犯していました。事故米の流通ということもやっていました。それから、もう一つ言えば、いわゆる汚職事件にもかかわっていたとされている業者です。そのような業者をまず通してしまった、一たんは。
それはなぜかというと、提出された書類を見て、プロポーザルでしょうからそこの会社の人が来て、いろいろないいことをしゃべってそれで通ってしまう。
私は、ここがすごく危険だろうと思うのです。これが地元の業者であればその会社がどんな会社なのか、今までどんなことをやってきたのか、どんな社会貢献をしているとかわかりますけれども、中央から業者を呼んで、単に書類とプロポーザルだけで判断しようとするからこそ、今回のようなそういう過去にいろいろ問題があった業者を選定してしまうというふうなことになってしまったのではないかと思うのです。
先ほど部長の答弁にもありました。選ぶ際の業者の要項、今は事務所がなくても、契約時までに事務所を開設、確認できればいいという項目があるということは、最初からそういう地元以外の業者を呼び込もうとしたと、私にはそのようにしか考えられないのです。
何で弘前の子供たちが毎日食べる給食を、他地域の業者を呼び込んでまでやらせようとしたのか、やらせなければいけないのか、私はそこについて大いに憤りすら覚えております。
現在は事務所がなくてもいいと、後から適当につくればいいと、契約時までに確認できればいいと、早い話、契約時までに机1個、電話1本引けばいいというくらいの、なぜそのような業者の集め方をしたのか、そこについてお聞きしたいと思います。
4番目、
自治基本条例です。
市民主権システムについていろいろやったと。まちづくりに対する市民の参加の機運が高まったという御判断でしたが、例えば12月議会でもお話ししましたように1%システムはまだまだ道半ばだと思うのです。十分な成果は出ていないと思います。
その中で、それでもあえて踏み切るのであれば、私は
自治基本条例の制定には前向き、賛成だったので、それはあえて言いません。
ただ、やり方です。
自治基本条例は、地方自治体の憲法とも言われております。憲法というのは、先ほど法律の先生にも確認しましたが、国家が国民に対して約束することなのです。国家が国民の権利を保障する、国家が国民に対して国家はここまではするけど、後は介入しないと。おまえたちやってくださいと。国家が国民に約束したものが憲法なのです。
であれば、
自治基本条例は、行政が、自治体が地域住民に対して約束するような性格のものだと思います。それをいきなり市民検討委員会で検討させる。私はこの手法は違うのではないかと。
まず、皆さん方が、あるいは我々も含めて行政に携わる、地方自治に携わる人間がどれだけ、では行政の責務とは一体何なのだと。役所の仕事はこうなのだと、市民の権利をこう守っていかなければいけないのではないかということを、まず庁内でしっかりと検討する必要があるのではないかと。
いきなり市民検討委員会というやり方には、私は大いに疑問を感じるのですが、それにつきましての見解をもう一度お聞かせ願いたいと思います。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) まず、ゴルフ場に関しての御質問でございますが、銀行債務に関連しまして、銀行サイドでの元本繰り入れという話でございましたが。
今回は、そこまで私、突っ込んだことは、会社と銀行の間でなされたかどうかということについては把握しておりません。
ただ、今までのこれまでの経緯の中では、そういう方法がなされたことがあったと、銀行と会社の間でですね、これまでの中でそういう元本に繰り入れていただいたということがあったという話は聞いております。
それから、銀行の対応なのですが、そういう有利な対応をしていただいていると。それからもう一つは、青銀からは当初1億円のお金を会社は借りました。その際、当然契約書を交わすわけですけれども、その契約書の中には毎年毎年返済していくという内容になっておりますが、それが20年度から22年度までの間、3年間返済することができないでおりました。それは、まさしく契約違反ということになるわけでありますが、それであっても銀行としては一括返還とか、そういうような債権者としての請求手続をとらなかったということが、逆に言うと銀行の一つの対応の仕方、態度ではないかというふうに言っておりましたし、私もそのようにとらえていいのでないかと思っております。
それから、短期借入金のことでございます。
貸借対照表には、短期借入金、長期もありますが、短期借入金と仮受金という項目もございました。仮受金は――仮に受けるお金ということでございますが、それは聞いてみましたら、短期借入金というのは1年間ということで契約書も取り交わしているものであると。ただ、仮受金のほうはそこまで至らずに、随時、臨時的なことに対して個人からお金を借りる。それを計上してあるものです。それで、それが22年度末では144万円あったというような説明でございました。
ただ、それにしてもそれが28年度末の貸借対照表にも出てきておりまして、その額がふえているということになっておりますので、この辺についてはちょっと釈然としない面も私もありますので、これについては再確認してまいりたいと思います。
それからあと、第三セクターの取り扱いの指針ですが、これには思わしくないところについては廃止なり、縮小なりを考えるべきだということであって、それに基づいて第三セクターの点検評価委員会が設置されて報告書が作成されて、それが平成21年1月に提出されました。その内容も段階的に、ウォーターフロント開発でございますが、事業としてゴルフ場も含めての話だと思いますが、段階的に清算、廃止すべきだというような提言をいただいておりますが、ただ私ども改革プランを作成いたしまして、施設そのものに焦点を当てた設置者としての責任の負い方があるのではないかということで指定管理料の支出を考えたわけでございますが、それ以降、この評価委員会、会議を何回か開いております。一番最近の会議ですと、ことしの1月に開かれておりますが、その会議録はホームページに公開もされておりますが、委員の大勢は会社の存続を前提とした意見をお話ししております。中には、そうではない委員もいらっしゃることはいらっしゃいますが、大勢としては存続を認めた上での意見ということになっております。
それで、私どももそういう施設と会社を分けて考えるべきだということが一つ、それからあと、社会体育施設を良好な環境を維持していくために指定管理料は応分の負担をするわけですけれども、できるだけ少ない額で、できるだけ市民に負担をかけない額、少ない額を負担するという考え方がございます。
そういう考え方からいきますと、今のウォーターフロント開発株式会社は、ゴルフ場を指定管理しておりますが、その指定管理するために必要な管理棟、クラブハウスでございますが、管理棟を会社が所有しております。あと、駐車場も会社が所有しているということがありまして、そういうことを考えれば市が直営でやるにしても、また違う会社なり、団体なりに指定管理させるにしても、そういう経費が余分にかかってしまうということが一方にございまして、現在の会社に指定管理してもらうのが一番経費が少なくて済むと。
それで、会社の今後につきましては、経営方策に銀行債務につきましては銀行と今後交渉していくと。そしてまた、長期預かり金については会員の中に総務委員会を設置してどのように対応していくか協議、検討していくというような方向性を打ち出しておりますので、市としてはそれを注視、見守っていきたい。随時確認しながら見守っていきたいというような考え方でございます。
東部給食センターでございますが。
まず、失格ということのお話でございますが、今回の業務委託に関しまして企画提案実施要領というものを定めております。その実施要領の中には、参加資格要件を確認基準日というふうに設けておりまして、それを業者が参加表明書を提出した日から、参加表明書を受理した日から委託契約を締結するまでの日の間までに参加要件の確認をするというようなことで進めておりました。
それで、事業者から参加表明書が提出されたのが、ことしの1月16日であります。それで、それに基づきまして企画提案書が提出されたのが1月23日、それから優先及び次点交渉権者を決定したのが2月2日ということであります。
それで、その後、当方で一つ一つといいますか、優先、次点交渉権者について詳細に要件をクリアしているかどうか確認いたしました。その過程でこれまでの間、複数回、食品衛生法に違反する事実があって、指導を受けているということが判明いたしました。
また、これと前後しまして、他の業者からもそのような情報が入っております。これについて保健所等にも確認したわけですけれども、事実であるということで失格としたわけでございます。
当初、要項の中には要件をきちんと明記しておりまして、11項目あります。その中に、10番目には過去3年以内に食品衛生法に基づく営業処分を受けていないことという条件がありまして、これは各業者当然十分承知した上での参加表明であります。
ただ、その問題の会社につきましては、支店が申し込んできたわけですが、北東北支店ですが、支店が過去そういう処分を受けていなければ大丈夫だと思ったというような誤解がそこにあったようです。もちろん、本社が保健所から営業許可を受けていますし、本社が法人格を持っておりますので処分も本社が受けると。それで本社は各支店、営業所をすべてをカバーしておりますので、やはりその支店でなかったからといって責任を逃れることはできないということから失格というふうにしたものでございます。
それから、地元以外の業者ということでありますが、やはり一番最初、私どももやはり地域経済の活性化、地域経済を回しながら活性化していく、これは非常に大事なことだとは考えております。当然のことであります。
ただ、この業務を考えた場合、市内にそれをできる業者、このような大規模な委託というのは今回が初めてですので、経験がないことは当然であります。経験がないのはいいのですが、ただそれをできるような業者を調べてみました。やはり数が限られてきますし、実際に手を挙げてくるということになりますと、さらに限定されたものになるのではないかという危惧がございました。
一方では、そういうことがございまして市内に営業所、あるいは契約の日までに営業所を設置できる業者、市内に営業所を持っている業者というのも結局限られてきますので、そうであるならばやはり営業所を持ってきてくれればいいということも参加条件に入れたわけです。それで広げまして公に募集いたしました、公募いたしました。その結果、先ほど御説明したような結果になったということになります。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員)
市民環境部長。
○
市民環境部長(野呂雅仁)
自治基本条例についての再質問でございますけれども。
今回こういうふうな形で検討委員会を設置したのは、新しい公共を担う市民、議会、行政がそれぞれの立場に立ちながら同じスタートラインに立って一緒に策定していくことが重要であるということの考えから設置したものであります。
それと、今回これを策定していく過程で、最終的には、現段階ですけれども27年4月の施行ということでございまして、相当長い期間を設定してございまして、じっくりと検討が固められるというふうな考え方を持っております。
以上でございます。
○副議長(藤田隆司議員) 9番。
○9番(今泉昌一議員) ゴルフ場の件ですが、部長もいみじくもおっしゃったように仮受金というのは、臨時にちょっと足りなくなった場合に個人的に、個人からちょっと使わせてもらうとか、確かにそういう性質もあると思います、いろいろなケースあると思うけれども。それが、最初から200万円もふえる予定だというのは、臨時にちょっと使うものが、これは、やっぱりおかしいと。
今確認していただけるということでしたので、でもこれ、予算委員会が終わってしまってから確認した答えをもらっても仕方がないので、いつまでに確認していただけるのか、それをちょっと御答弁いただきたいと思います。
その上で、それからもう一つ、それを抜きにしても、例えば先ほどの答弁の中にもありましたけれども、長期預かり金の返済について年度変わってから総務委員会をつくってそこで検討するという答えを見守りたいのだという答弁でしたけれども、この話はいつから出たのですか。もう償還しなければいけないのは最初からわかっていることですし、少なくとも去年の3月議会でもさんざん議論されました。去年の6月の全協のときも出ました。
もうてっきり検討が進んでいて、ある程度の方向が見えたのかと思ったら、何もこれから、4月から委員会をつくって検討します、ちょっとこれはひどいなと。
それから、この経営計画書の今、私が指摘したような、あるいは栗形議員が指摘したようなこともあってこの計画書の策定だって、こんなものは半年も、6月に出してちょうだいといって1月に出るようなものではないですよ、これ、やる気になれば。
金融機関との折衝とか、長期預かり金の、いわゆる債権者との折衝とかそういうものがあれば長引きますけれども、それすら行っていないで、ただ数字を羅列するのであればもっと早くできてきているはず。
私はこういう点からいっても、申しわけないけれどもこの会社、
弘前ウォーターフロント開発株式会社の今の状況、誠意がない。やる気がない。能力がないと判断せざるを得ないのです。
本当にやる気があって、本当に誠意があったらもっとスピーディーにいろいろなことが決まっていくはずなのです。去年の3月にあれだけもめたわけですから、ここで。
それでも、まだこの会社に指定管理をさせますかというところが、私が一番疑問だと思っております。
続いて、東部給食センターです。
地元の業者には経験がないからといって経験させなかったら、いつまでたっても地元の業者は育たないわけですよね。それは私、担当課にも言ってきました。
もう一つは、プロポーザルのあり方、今回の選定の方法です。さっきも言ったように、単に書類とか、説明だけで決めれば、その会社の実情もわからないまま変なところ選んでしまうと。こういうこともあるけれども、詳しくというか、いただいた資料を見ますと、能力点では地元のある業者が一番高かったのです。能力点というのは、いわゆる提案した内容ですよね。その中には先ほど石田議員とのやりとりにも出てきた食育の問題もあったろうし、環境に対する配慮もあったろうし、災害時の対応もあったろうし、あるいは衛生管理の面もあったろうし、そういうすべてのことを含めた能力点では地元のある業者が一番高かったのです。
ところが、残念ながら価格点となると、地元の業者はかなわなかった。さっき能力点と価格点の差は170対30だ、能力点を重視したといっても、現実には能力点一番高いところは落っこっちゃったわけです。
さて、価格点だと。
では、価格点とはどうやって決めたのかなと、単純に出てきた総額を点数化しただけでしょう。詳しく言いますと、ある中央の業者はパートの調理員、時給680円、地元のある業者はパートの調理師で880円、パート調理員820円、地元の人を雇用したい、地元の人が安心して働けるような待遇で雇用したいという思いが裏目に出ちゃうのですよ。
弘前の人は680円も払えばいいと思っている業者が勝ってしまうのです。ちゃんと経費の内容を一つ一つまで精査して決めるのでなかったら、プロポーザルにする意味がないではないですか。
私は、ここでもう一回、今度市長に確認したいことがあるのです。平成22年の第3回定例会で、項目はちょっと違うのですけれども、地元の経済が元気になるには、地元の企業が元気にならなきゃだめでしょうと話したら、それは同感だとおっしゃってくださったのです、市長は。
私は、これから先もいろいろな市の業務が、今までやってきたことが民間に委託されていくと思いますけれども、確かにそれは効率化とか、合理化とかそういう側面もあるけれども、ある一面では地元の企業に仕事をしてもらって、そこで地元の雇用が発生して地元の経済が活発になるという、そういう思想があるべきだと思うのです。
ただ安いから中央、安いから中央とやっていっているのでは、私は地元の経済はよくならないと思う。その辺についての市長の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○副議長(藤田隆司議員) 市長。
○市長(葛西憲之) 今泉議員から御指摘のあった点については、私も地元でできるものについては地元にと、これは当然の話だと思っています。
その精神については、これからも引き続いて私の方針としてもそれを貫いていきたいと思っています。
さまざまな今回の案件のような場合の考え方については、プロポーザルにおいてその価格の中身にまで入っての議論、そこまでしなければならないということについての御指摘は御指摘として、そういう考え方もあるのかなというふうなことを私も今認識をいたしました。
ただ、今回のケースにおいては、やはり競争性を高めるというふうなことの大前提もまたあったということもまた、一つの観点としてあるというふうなことについて御理解をいただきたいと思っております。
ただ、今後そのプロポーザルをどう進めていくのか、このことによって地元がどう参入してくることができるのかどうか、このことに真摯に向き合っていくということにつきましては、私もそのとおりだと、このように思いますし、今後の私のこれからの民間委託を進める上での大きな参考とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) ゴルフ場の指定管理の件についてでございます。
市は、指定管理をさせている立場として指定管理のための協定の一方の当事者であります。そういう意味で、意思疎通を図りながら指定管理させていきたいというふうに考えております。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 9番。
○9番(今泉昌一議員) 答弁漏れでした。仮受金について再確認をしていただけるということでしたけれども、それはいつまでにやっていただけるのか。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) できるだけ早く再確認いたします。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 時間になりました。
――
―――――――――――――――――――――
○副議長(藤田隆司議員) 次に、18番小山内司議員の登壇を求めます。
〔18番 小山内 司議員 登壇〕(拍手)
○18番(小山内 司議員) 議長の登壇を許されました憲政公明の小山内でございます。
私は、書いた原稿をそのまま読み上げますが、通告に従い、この地域に引き継がれた400年の歴史的遺産と自然遺産を生かした、心豊かで活力あるまちづくりを目指して一般質問をさせていただきます。
2月21日、これまでにない最大予算規模となった平成24年度の予算案745億3000万円が公表されました。
新聞紙上では、これに匹敵する大きな見出しで、ゴルフ場指定管理料計上も掲載され、また、今定例会にもこの指定管理料に関する請願書が提出されているところであります。
岩木川市民ゴルフ場につきましては、これまで地方自治法及び弘前市指定管理者の指定の手続等に関する条例に基づいて、平成18年と平成22年の2回にわたって弘前市指定管理者の指定を受けており、この指定に当たっては議会の議決を経ております。また、この議会の議決に当たっては、あらかじめ常任委員会においても十分審議がなされておりますが、今また関心が高まる中で改めて検証しなければなりません。
この
岩木川市民ゴルフ場に、弘前市は三つの権限と役割を担っております。
一つ目は、弘前市は
岩木川市民ゴルフ場の設置者であります。平成2年、弘前市は、岩木川河川空間の都市的有効活用と自然環境の保全及び都市景観の向上を図るため、基本構想と基本計画を策定・申請、平成4年6月には、岩木川緑地として都市計画区域に決定されております。また、河川緑地を
市民ゴルフ場として活用するための工作物の設置に当たっても河川法に基づいた許可を受けているところであります。
第2点目は、
弘前ウォーターフロント開発株式会社――以下、「会社」といいますが、この会社に25%を保有する筆頭株主であります。
この会社の設置に当たっては、ゴルフ場の管理運営とゴルフ場及びスポーツ施設の建設を目的としており、定款第2条にはっきり規定しております。その管理運営を受託するためには、地方公共団体が4分の1以上出資し、かつ取締役及び監査役の半数以上の職員が派遣されていることが要件とされておりました。また、このゴルフ場及び関連施設の建設に当たっては、建設協力金として一口30万円のゴルフ愛好会員を募ったところ、最終的には742口、2億2260万円の賛同者を得ておりますが、この資金をもって会社がゴルフ場の工事一切を一括発注し平成5年の春、竣工を見た、いわば民の資金と活力をもって建設された施設であります。その後、建設されたこれらの施設は、国土交通省が所管する岩木川緑地内に設置されていることもあり、しかも河川敷地内を占用する土地の権利、占用権が弘前市に帰属することもあって、平成5年11月、これらを弘前市に寄附をしたという経過をたどっております。
第3点目は、公の施設となったゴルフ場の管理運営に当たって、弘前市は会社を指定管理者として指定しました。この指定管理者の指定を行う場合には、地方自治法や手続等の条例によって業務の範囲、管理の基準、協定の期間、管理経費等を締結しなければならないという規定があります。
第1点目は、基本協定と年度協定について。
協定の一方の当事者であります弘前市として、これまでの経緯と現在の基本的な考え方についてお伺いいたします。
この基本協定につきましては、現在、平成22年4月1日に締結された協定の途上にあり、また、この協定の取り消し等についても具体的に協定書に定めておりますが、会社の経営悪化等をもって協定期間内においても取り消しできるのか。さらに、この基本協定には、当初、第9条において市は管理業務に要する経費を支弁しないと規定しておりましたが、これを平成23年7月20日に指定管理料を支払うことができると改正し、また、指定管理料は甲乙協議の上、弘前市の予算の範囲内で年度協定を定めることとするという項がつけ加えられております。
平成24年度において、これらの要件をどのように整理をしてきたのかお伺いいたします。
第2点目は、指定管理料の積算についてであります。
地方自治法第244条の2には、指定管理の指定手続等について、指定管理者に支出をする委託費の額等、細目的事項については、市と指定管理者との協議により定めることとし、別途両者の間で協定等を締結することが適当であると例示されております。
また、同条の第8項には、公の施設の利用料金は、指定管理者の収入として収受させることができると規定しておりますが、まさに、ゴルフ場の利用料金はこの項に該当する取り扱いであります。
しかし、公の施設に利用料金は、一般的には市の歳入として調定され、施設に係る管理運営費は設置者である弘前市が全部支払っているという状況にあり、その施設にどれだけ市の持ち出し分があるのかわかりづらい面を持っております。
ゴルフ場のように会社の収入として収受させている施設は唯一といってもいいと思いますが、この結果、利用料金等の不足分を指定管理料として積算されるため、会社の赤字補てんという誤解が生まれる要因になっております。
また、この基本協定書には、会社の業務報告書や業務実施状況の確認を求めることができ、会社の財務、経営状況を設置者として確認できる状況にあったわけでありましたが、これまで弘前市は会社をどのようにとらえ、把握してきたのかをお伺いいたします。
第3点目は、国土交通省許可要件の変更についてでありますが、さきにも述べましたとおり、国交省の許可要件は
岩木川市民ゴルフ場としての設置であります。
しかし、これまでの利用状況、今後の客足等を見てもゴルフ場だけでは会社の立て直しは困難な状況に追い込まれており、弘前市第三
セクター評価委員会においても指摘や提案がなされているところでございます。
今後、社会体育施設として多様な事業を展開し、またそれに見合った料金の徴収等も必要と考えますが、国交省の許可要件の変更とその時期をどのように考えているのかお伺いいたします。
大きい項目の第2点目は、観光資源の整備についての、(1)当市が指定されました「東北観光博」の取り組みについてであります。
昨年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けました東北地方の復興の一環として、国は東北観光博という事業を立ち上げました。この事業は、東北地域全体を一種の博覧会場と見立てて、東北6県に30カ所程度のゾーンを設置し、ゾーン観光の拠点には観光案内人等を常駐させるようであります。
また、旅行者が好みの旅行プランを組み立てられるような着地型商品の企画や提供をする事業に、およそ8億円の予算を見込んでいるようでありますが、当市もこのゾーンに入っており、さくらまつりも間近に迫っている状況の中で、当市がどのようにかかわり、どのような事業を展開していくのかお伺いいたします。
第2点目の市民中央広場の整備についてと第3点目の主要地方道弘前岳鰺ヶ沢線周辺の文化財の整備につきましては、関連がありますので一括して質問をいたします。
私は、平成23年第3回定例会の一般質問で、中国人集客を取り上げましたが、先般、県においても中国人集客を観光のかなめとする施策を打ち出し、また、中国版ツイッターによると、本県サイトは福島県に次ぐ第2位に入っており、本県の注目度の高さをうかがわせております。
また、市長もさきの所信表明で弘前ならではの景観を市民とともに築き上げていくことを掲げておりますので、私は市民中央広場に隣接する民家や会社等の改修を図って拡大、整備の上、弘前公園に隣接する四季を通したイベント広場にして、当市の観光拠点にすることを提案するものであります。
さらに、裁判所から藤田記念庭園までの県道には、旧弘前図書館や外人教師館といった当市を代表する文化財が林立しておりますが、見えにくい、アピールできにくい状況にありますので、ライトアップ等でその効果を図るためにも笹森記念体育館等の移転を図ってはどうか。また、旧第八師団の官舎であった市長公舎を藤田記念庭園に誘導するための観光施設に整備するよう提案するものですが、御見解をお伺いいたします。
最後の、合併の検証、新市建設計画の財政計画とこれまでの経緯についてであります。
1月24日に提出された弘前市合併検証委員会の合併検証報告書によりますと、一般職員の減員に伴う人件費削減等により新市建設計画に示された財政計画にほぼ沿った形で経過していると一定の評価を行っておりますが、私は少し項目ごとに比較を行っていきたいと思います。
その、(1)歳入における地方債と国庫支出金等の経緯についてでありますが、特に、地方債の借入金は財政計画よりも約25億円を超える額になっており、2月21日に公表された平成24年度の予算案では約58億円増を計上しておるところであります。
一方、国庫支出金及び県支出金の合計額では22年度以降36億円以上の伸びを示しておりますが、これらの要因と関連等についてお伺いいたします。
第2点目の、歳出における扶助費と人件費についてであります。
生活保護などの扶助費は、年々増加の一途をたどっており、財政計画との比較においても、毎年約20億円以上の増加を示しております。24年度の予算におきましても約38億円増を計上しておりますが、このような義務的経費の増加は23年度の比較においても投資的経費を圧迫するとともに財政の硬直化を招く要因、要素にもなりますがこのような状況をどう見ているのか。一方、人件費においては検証委員会においても一定の評価を行っておりますが、ばらつきはあるものの確かに財政計画よりも約3億円以上の減を見ています。
しかし、これまでの早期退職者の続出で補正を行ってきた経緯がある中で、財政計画よりもなお3億円が減っているのはどのような要因があるのか、予算決算の経緯等においてもお伺いいたします。
第3点目の、新市まちづくり基金についてでありますが、平成18年度に造成された新市まちづくり基金においては、向こう10年間の所要額のうち歳入においては約42億円が地方債と普通交付税として見込み、歳出においては約49億円を積立金と公債費と見込んでおります。また、この造成に当たっては、合併特例債を借り入れることができ、後に元利償還金の70%が交付税に算入されることになっておりますが、これまでの活用と経過をお伺いして、壇上からの一般質問を終わります。
〔18番 小山内 司議員 降壇〕(拍手)
○副議長(藤田隆司議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。
○市長(葛西憲之) 小山内司議員からの質問に対しまして、私からは、第1項目の(1)及び第2項目の(1)についてお答えをいたします。
1、
岩木川市民ゴルフ場について。(1)基本協定と年度協定についてであります。
まず、
岩木川市民ゴルフ場についての総括的な考え方を説明をいたします。
岩木川市民ゴルフ場は、これまですべて利用料金で賄う方法で指定管理をさせてきましたが、社会的な変化もあり、利用者が減少し維持管理も思うようにできない状況が続いており、その結果、施設の傷みが進んで現在に至っております。
市は、ゴルフ場という公共施設の設置者として、良好な利用環境を維持する責任があることから、これ以上の施設環境の悪化を回避するため、平成23年度において維持管理経費の一部を指定管理料として支出いたしました。
また、同時に、ゴルフ場という施設のあり方について市民懇談会で議論していただくとともに、指定管理者である
弘前ウォーターフロント開発株式会社が今後の
指定管理業務を支障なく遂行できるかどうか、中長期的な展望に立った経営方策の提出を求め、平成24年度以降の対応は、それらを総合的に判断するとしていたものであります。
一方、平成21年1月の第三セクター点検評価報告書では、当該事業は段階を踏んで清算を求めると提言されておりますが、当時と現在とでは状況が変わってきております。
昨年7月の第2回評価委員会では、報告書策定当時も委員を務めていた委員から、当時の報告書は今すぐの清算は困難であり、出資者とよく話をしてほしいとの意味合いであるとの見解をいただいているほか、本年1月の第3回評価委員会では、
市民ゴルフ場の必要性については委員全員が理解を示しております。最低限必要な指定管理料は見る必要があるなどの意見もいただきました。
ゴルフ場の設置者である市といたしましては、会社の経営とゴルフ場とは分けて考えるべきであると判断し、改革プランを策定、実施しているところでありますが、点検評価報告書をいただいた平成21年1月とは明らかに意見内容は異なっているものであります。
私は、市民懇談会から提出された提言書や第三
セクター評価委員会の意見、また、議員全員協議会の意見を総合的に判断し、
市民ゴルフ場は社会体育施設の一つとして存続すべきとの結論に達したものであります。
その上で、今後の維持管理において、現在の会社による指定管理を継続することが、市の財政負担が最も少ない、市民に一番負担のかからない効率的な方法であると考え、当初予算案に指定管理料を見込んだものであります。
また、長期預かり金などについては、会員組織の中に総務委員会を立ち上げて対応策を協議するとのことでありますので、具体的な方向性が見出されるよう期待しているところであります。
次に、(1)基本協定と年度協定についてでありますが、指定管理者による
岩木川市民ゴルフ場の管理に関する協定書には、指定の取り消し等について定めた条項があります。この条項は、
岩木川市民ゴルフ場に限らず、すべての指定管理の協定書に定められている一般的なものであります。
当該指定管理の協定は、平成22年度から25年度までの4年間について、議会の議決を経て行われたものであり、条項にある内容に該当しない場合には、協定期間内の指定の取り消し等はないものと考えております。
また、協定書では、指定管理料は甲乙協議の上、市の予算額の範囲内で年度協定に定めるとしております。
平成24年度の指定管理料については、本議会に指定管理料の予算案を提出しているところであり、議決された後に指定管理者と協議し、年度協定を締結することになるものであります。
次に、2、観光資源の整備について。(1)当市が指定された「東北観光博」の取り組みについてであります。
昨年3月の東日本大震災は、我が国に甚大な被害をもたらし、被災地では現在も復興に向け懸命に取り組んでおられます。幸いにも被害を受けなかった当市も、被災地域の復興のため、各関係機関・団体と連携して支援活動を続けているところであります。
震災後は、原発事故の影響もあり、被災地域のみならず、全国の観光地においても旅行を自粛する動きが続いておりましたが、その後、国や地方自治体において、旅行客の回復に向けたさまざまな施策を展開したほか、民間の旅行会社、観光事業者や宿泊施設でも、独自の企画やPRに取り組み、観光客の入り込みは徐々に回復を見せてきております。
このような中、観光庁では、東北地域全体を一種の博覧会会場と見立てて、大きく落ち込んでいる東北地域への旅行需要の喚起と地域主体の新たな観光スタイルを実現するため、東北観光博覧会を開催するものであります。
旅行会社や交通事業者等と連携して東北地域への送客を強化するとともに、東北の主要な観光地域28カ所を核となるゾーンとして設定して、地域独自の観光コンテンツの提供を行うなど、地域が主体となった持続的な取り組みの定着を図ることとするもので、当市も弘前ゾーンとして指定をされております。
主な展開といたしましては、各ゾーンに地域観光案内人が常駐する旅のサロン・旅の駅を設置し、旅行者へ滞在プログラムの紹介や地域の魅力をアピールするほか、東北観光博パスポートの導入や東北観光博ポータルサイトの作成を行うこととしております。
3月18日からの本格オープンに先立ち、1月30日には東北観光博ポータルサイトが開設され、東北観光博覧会がプレオープンいたしました。
28ゾーンのうち、先行ゾーンに選定された弘前を含む8ゾーンがポータルサイトの中で紹介されているほか、弘前市観光案内所では、旅のサロンとして、地域観光案内人に選任された観光コンシェルジュによる案内対応が始まっております。
市では、関係者や市民とともに、先人から引き継いだ多くの地域資源の掘り起こしや磨き上げのほか、街歩きをキーワードに、人と人との触れ合いや、おもてなしの心を持った受け入れ態勢の整備も進めてまいりました。
東北の一員として被災地を元気づけるという思いも込めて、これまでの取り組んできた成果を生かしながら、旅行者の皆様が東北地域、そして弘前のファンになってもらえるよう温かく歓迎したいと思っております。
以上であります。
このほか、教育委員会、担当の部長等及び副市長から答弁をいたします。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) 第1項目、
岩木川市民ゴルフ場についての、(2)指定管理料の積算についてお答えいたします。
市は、平成23年度において維持管理費の一部を指定管理料として初めて支出いたしましたが、それ以前の指定管理においても、協定書に基づき毎年度の収支予算や収支決算書の提出を受けており、会社の経営状況が非常に厳しいという認識はあったところであります。
しかし、利用料金制を続けてきた経緯から管理業務に要する経費を支弁しないとの協定もあり、有効な手段を持てないまま推移したものであります。
次に、市は会社の筆頭株主ではありますが、会社と市とは別個の主体であり、会社経営はあくまでも会社の責任で行われるべきものであります。一方、市はゴルフ場という公共施設の設置者であり、その立場で維持管理経費の一部を指定管理料として支出するものであります。
また、維持管理についてでありますが、
市民ゴルフ場は社会体育施設の一つとして市にとって必要な施設であることを踏まえながら、市民に最も負担がかからない方法を考慮する必要があります。
維持管理の手法としては、現在の会社に指定管理させる方法のほか、市の直営や別な指定管理者による管理が考えられますが、例えば、市の直営や他の指定管理者の場合は管理棟や駐車場などが現在の会社の資産であるため、利用者の受け付けや車の駐車に支障が生じます。これらを整備するとすれば、新たな整備費が必要になるほか、既存施設を借りることができるとしても新たな経費が発生します。
また、直営では、維持管理経費においても、人件費が増加するとともに、ゴルフコースの管理は専門的知識を有する業者に委託する必要があることから大幅な経費の増加になることが考えられます。
これらのことから、現在の会社を引き続き指定管理者とすることが、市の財政負担が少ない最も効率的な方法であると考えております。
次に、(3)国土交通省許可要件の変更についてお答えいたします。
社会体育施設等のあり方検討市民懇談会からは、
市民ゴルフ場は必要であるという意見とともに、緑地運動公園的要素を含む憩いの場、ジュニア層への解放やニュースポーツを考慮した敷地利用、ジュニア料金や各種割引の料金設定など、利活用を促進するためのさまざまな意見が提出されております。また、第三
セクター評価委員会でも、シニア層への拡大やリハビリ利用などの意見が出されております。これらの意見に対応するためには、整備が必要で時間を要するものや条例改正が必要なものもあります。
今後、会社とも協議しながら、できることから取り組むとともに、さまざまな意見を踏まえて将来的にどのような姿がふさわしいのか検討したいと考えております。
河川占用の許可要件の変更については、施設の整備計画の作成段階で、国土交通省に対して相談や協議が必要になるものと考えておりますが、国土交通省においては、ニュースポーツ等を加える場合でも現在の地形や施設、工作物を変更しないのであれば、特段、許可要件の変更は要しないとしております。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員)
都市整備部長。
○
都市整備部長(山形惠昭) 2の項目、観光資源の整備についてのうち、(2)市民中央広場周辺の整備と活用についてお答えいたします。
市民中央広場は、平成20年7月9日に国の認定を受けた弘前市中心市街地活性化基本計画では、にぎわいの場、地域イベントなどの交流拠点として、また、平成22年2月4日に国の認定を受けた弘前市歴史的風致維持向上計画では、良好な景観形成が図られ、歴史的風致の維持及び向上に寄与する広場として位置づけております。
広場の整備に当たりましては、平成23年度から平成24年度までの2カ年にわたり社会資本整備総合交付金を導入し、中心市街地活性化広場公園整備事業の一つとして実施しているところであります。
事業の内容は、既存施設の有効活用と使いやすさの向上を目的に、老朽化した施設の改修を行うものでありまして、園路整備約180メートル及び既存低木の整理などを主なものとする工事費について、平成24年度当初予算案の中で御審議いただくこととしております。
また、広場に隣接する県道弘前岳鰺ヶ沢線の土手町スクランブル交差点から三上ビルまでの区間及び青森銀行弘前支店から青森地方裁判所弘前支部手前までの区間において、平成23年度から平成26年度にかけて、青森県施行による電線類地中化等の事業が予定されていると伺っており、バリアフリー化など、この事業との連携も念頭に置いて進めたいと考えております。
この計画の全体構想では、広場拡張も位置づけられておりますが、多額の投資が必要となることや関係者の方々の事情との兼ね合いもあることから、新たな用地取得を前提とした整備につきましては、直ちにこれを行うことには難しいものがあります。
したがいまして、御質問の趣旨も視野に入れながら、まずは現有の施設改修により機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
広場の活用等についてでありますが、市民中央広場はこれまで、弘前さくらまつり臨時駐車場や弘前ねぷた及び津軽剛情張大太鼓の展示場、朝市の会場、各種パレードの集合場所などとして利用されております。
新年度は、まちなかをりんご色に染める、まちなかりんごだらけ事業など通年観光に向けた新たなイベントも計画されておりますので、今回の市民中央広場の改修と相まって、さらなる有効活用が図られていくものと思っております。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員)
商工観光部観光局長。
○
商工観光部観光局長(笹村 真) 続きまして、2の項目の、(3)主要地方道弘前岳鰺ヶ沢線周辺の文化財の整備についてにお答えします。
県道弘前岳鰺ヶ沢線周辺には、文化財等の建築物が集積しておりますが、旧市立図書館や旧東奥義塾外人教師館がある追手門広場は県道からは見えないのが現状であります。
現在、当市の観光拠点である観光館のリニューアルについて検討しておりますが、陸奥新報社側の県道から観光館及び追手門広場へ人の流れを誘導する通路をつくり、広場全体の回遊性を高め、観光客や市民にとって、より使いやすく魅力を感じる空間を演出するという案も示されております。今後、その構想のまとめに向け、関係者とともに作業を進めますが、旧市立図書館等へのアクセスなど、どのような演出ができるかあわせて検討したいと考えております。
また、弘前市長公舎――旧第八師団長官舎でありますが、この市長公舎につきましては、平成24年度に現在地から引き家により県道沿いに移転して保存修理工事を行い、平成25年度には庭園部分等の外構工事を実施し、完成する予定であります。
これらの整備により、青森銀行記念館から藤田記念庭園まで、つながりを持った魅力的なエリアになるものと思っております。
また、移転完了後には、市長公舎のライトアップも考えており、青森銀行記念館、旧東奥義塾外人教師館、旧市立図書館、ミニチュア建造物群、市役所、市長公舎、藤田記念庭園、さらに弘前公園内のライトアップと合わせ、弘前の夜の魅力も一層向上するものと思っております。
弘前公園周辺は、藩政時代の建造物、明治・大正期の洋風建築、前川國男設計の建築物など当市の観光資源が集積しておりますので、その魅力の充実や情報発信なども工夫しながら、さらなる誘客に努めてまいりたいと思います。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員) 副市長。
○副市長(小笠原靖介) 項目3、合併の検証、新市建設計画の財政計画とこれまでの経緯についてお答えいたします。
(1)歳入における地方債と国庫支出金の経緯についてであります。
まず、歳入の地方債の状況についてであります。
平成17年2月に策定した新市建設計画の財政計画と実際の予算とを比較いたしますと、平成21年度以降は各年度とも約25億円以上の増となっております。
地方債には、主に普通建設事業の財源として活用する地方債のほか、臨時財政対策債などがあります。この臨時財政対策債は、本来、国が地方交付税として地方の一般財源の不足分を交付することになっておりますが、このうち国の財源不足分を特例的に地方債として発行が認められたものであります。
新市建設計画の財政計画では、平成19年度から、この臨時財政対策債が本来の地方交付税に振りかえになるものとして推計しておりますが、実際には現在も地方債として発行しており、実際の各年度予算の地方債が財政計画の地方債より増額となっている大きな要因の一つであります。
このほか、地方債の増加要因は、小学校校舎耐震化事業、市民会館・博物館の大規模改修事業など財政推計時には見込んでいなかった普通建設事業によるものであります。
続きまして、国庫支出金を含む国県支出金であります。
新市建設計画の財政計画と実際の各年度予算とを比較いたしますと各年度において増減がありますが、特に、平成22年度からは実際の予算額のほうが36億円以上の増となっております。
平成22年度を例に申しますと、差額約36億円に対し、子ども手当の創設による国庫負担金の増が約20億円で、その他、生活保護費負担金などの伸びによるものであります。
次に、(2)歳出における扶助費と人件費についてでございます。
まず、扶助費の各年度予算額と新市建設計画の財政計画と比較しますと、平成22年度以降、実際の予算額が25億円以上の増となっております。その要因といたしまして、国県支出金同様、平成22年度に子ども手当が創設されたことや年々生活保護費が伸びていることなどが挙げられます。
このように、扶助費が年々増額していること、あわせて人件費と公債費を合わせた義務的経費が合併以降増減はありますが50%を超えており、財政の硬直化などの影響を危惧するところであります。
これにつきましては、本年2月17日、閣議決定された社会保障・税一体改革大綱において、例えば、生活保護法の改正も含め生活保護制度の見直しに具体的に取り組むとしておりますので、市といたしましてはこれを注視してまいりたいと考えております。
次に、人件費についてであります。
新市建設計画の財政計画では、平成24年度の人件費は96億8600万円となっておりますが、平成24年度一般会計予算案では90億6200万円となり、財政計画に比べ6億2400万円少なくなっております。
市では、厳しい行財政環境を踏まえ、定員適正化へ取り組んでまいりました。その結果、平成23年4月1日の職員定数は1,427人となり、平成18年4月1日の職員定数1,549人から122人減少しており、これは新市建設計画で想定した平成18年度からの10年間で71人の職員を削減するとした計画を大幅に上回っているものであります。
このように、財政計画で見込んだ職員の削減数を上回る職員の削減があったことから、財政計画による人件費の額と、各年度の予算額または決算額との間に大きな差異が生じているものであります。
次に、(3)新市まちづくり基金についてでございます。
弘前市まちづくり振興基金は、平成18年12月に、地域住民の連帯強化及び地域振興のための事業の財源に充てる目的で造成されました。平成18年度から3カ年度で合計30億5000万円を積み立てており、その財源として95%は合併特例債を充てております。積み立てた一部は国債により運用し、ほかの運用分も合わせて年間1300万円ほどとなっており、これも基金に積み立てております。
一方、財源とした合併特例債の償還についてですが、既に償還が始まっており、その元利償還金相当額の70%は普通交付税により措置されております。
また、活用につきましては、平成22年度までの実績で申しますと、例えば、市民の交流と地域づくり支援補助金など10事業に約549万円を充当しており、当面、運用益の範囲内で基金の設置目的に沿った事業に活用してまいります。
○副議長(藤田隆司議員) 18番。
○18番(小山内 司議員) 御答弁ありがとうございました。
ゴルフ場についてでありますけれども、市長及び教育部長、答弁しておられますが、私も壇上で説明しましたとおり、市としては三つの権限を持っているわけでありますが、答弁を聞きますと、設置者である弘前市と25%を保有する筆頭株主の答弁が一緒に聞こえて、非常に、最後に部長は別個のものであると強調しておりましたけれども、やはりその25%の出資をする株主として、現在は25%の場合は調査権は今のところ「できる規定」になっておりますので、やっぱり事業主としての市の考え方が果たして、明快に資本勘定、あるいは収支勘定をそのまま、この議場で答弁していいのかなという疑惑は持ちました。ただ、これは答弁要りません。
そこで、教育部長にお伺いしたいのでありますけれども、現在、指定管理をしている社会体育施設はどのくらいあるのか。そして、その体育施設に対して、収支、多分ゴルフ場1社だと思いますけれども、収入は市の歳入調定をし、係る一切のものは歳出として市が払っているわけですので、この辺のバランスというのですか、収支、代表的なものでいいですから、その辺を、収支バランスがどうなっているのか、どのぐらいの持ち出しがあるのか、その辺を具体的にお願いしたいと思います。
それから、これから指定管理を指定する場合に、ゴルフ場の施設だけではなくして、これからいろいろな体育施設というものをゴルフ場に持ち込んだ場合には、この管理指定というものはどう行おうとしているのかお伺いしたいと思います。
そしてまた、これを市が直営で行った場合の経費というものは、比較においてどのくらいの試算をしているのかお伺いしたいと思います。
それから、まちづくりでありますが、現状、私は笹森記念体育館を移設、極端に言えば取り壊して、あそこからライトアップをして、そして県道から見た目の観光というものを提案、前にも言ったことがあるのでありますが、ところが、回答では回遊アクセス、どうしたらいいのかというような思案をするということでありますが、一番いいのは、私は、笹森記念体育館をどちらかに移設していったほうが非常に見た目がいいのではないかと思っているわけであります。
それから、唐突ではありますが、せっかく藤田記念庭園まで文化財が林立しているわけですから、その駐車場として水道部をどこかへ移設していただいて、あそこの場所について公設駐車場とかあるいは禅林街を利用する駐車場にしてはどうかということを提案いたします。
それから、合併の検証でありますが、財政通の副市長から御答弁をいただきました。
さきに発表された弘前市の起債残高24年度末で814億円ということで、1年745億3000万円ですので、1年以上の財政が借金なわけでありますけれども、この起債の弘前市の償還のピークというのはいつになるのか、その辺を教えていただければ。
それから、合併特例債、あれはたしか5年ですので、もう終わりかと思いますけれども、これまでの使用の状況というものをどうなのかお伺いしたいと思います。
それから、合併してから5年を経過しておりますけれども、これまでの財政状況、あるいは財政を取り巻く環境等をどう見て、今後、どう進めていこうとしているのか、できれば副市長に、財政通の見通しをお願いしたいと思います。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 教育部長。
○教育部長(大谷雅行) ゴルフ場以外の社会体育施設の管理形態ですが、これはすべて
指定管理者制度によって管理していただいております。
ただ、ゴルフ場の場合は
指定管理者制度ではありますが、利用料金制度をもって行っております。利用料金で管理してもらうと、22年度まで100%でしたが23年度500万円を指定管理料として見込んだことによって、併用していると、利用料金と指定管理料、これを併用している施設になります。
それ以外の19の施設でございますが、
指定管理者制度ということで、指定管理料、維持管理にかかわる経費は指定管理料と市が直接持っている、直接経費で持っている経費を合算した経費になります。そして、使用料はそのまま市の歳入に入ります。そういうふうに仕組みが若干違っております。違った上で御説明いたしますと、まず経費でございますが、これは19施設の合計の経費になりますが、およそ4億2170万円であります。これは、百沢スキー場は入っておりません。収入のほうですが、使用料として歳入に入る額でありますが、約6235万円でありまして、大体この収入の割合が15%というふうになっております。
したがって、残りの85%を持ち出しということになっております。
それから、河川敷のゴルフ場の今後、市民懇談会からも意見が出ておりますが、さまざまなニュースポーツとかスナッグゴルフとかグラウンドゴルフとか、さまざまなニュースポーツも考えられるのではないかという提言があります。
現在の施設を見ますと、ゴルフ場に使っている北側に1ヘクタールほどのスペースがございます。ここも占用許可を受けているわけですが、これを整備していけばそういう可能性も出てくるということになります。これは、今後検討していく必要があると思っております。その検討の過程で会社とも相談しながら、管理形態は会社とも相談しながら検討していくということになろうかと思います。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 副市長。
○副市長(小笠原靖介) 私からは、平成18年に合併して5年を経過するが、その間の財政状況と今後の動向を含めどう見ているのかということについてお答えしたいと思います。
平成17年2月の新市建設計画策定時には想定し切れなかった、例えば三位一体改革とか平成16、17年度の豪雪、あるいは政権交代といったように、さまざまに社会環境は変化してきております。これによって、市財政もさまざまな影響を受けてまいりましたけれども、その間、工夫を重ねて合併に伴う国、県からの補助金、あるいは合併特例債などを有効に活用して合併戦略プロジェクト事業などに取り組んでまいったということでございます。
平成24年度の予算にも、合併時には見込んでおりませんでした小中学校校舎の耐震化事業とか、あるいは市民会館などの大規模改修事業、そして庁舎の改修事業など今ある施設を今後も長く使用していくため、さまざまに有利な財源を活用できるということを考えて、今現在取り組む必要があるということで考えております。
市の財政としては、これまでも非常に厳しい状況ながらも、例えば今冬の豪雪対策のために取り崩す前までは財政調整基金を20億円維持してきたということで、財政健全化法の各指標の基準も満たしてまいりました。
そういうことで、今後も引き続き行財政改革に取り組み、経費の削減に努めることはもちろん、国・県補助金の獲得など新たな財源確保の工夫とか、あるいは中期財政計画を毎年度見直ししながら中期的な財政状況を把握し、各種財政指標がどういうふうに動いていくのかということにも留意しながら取り組むことによって財政の健全性は確保できるものと見ております。
○副議長(藤田隆司議員) 企画部長。
○企画部長(蒔苗貴嗣) 私からは、3の項目に関しての、合併特例債のこれまでの状況と起債償還のピークをどう見ているかということについてお答えをしたいと思います。
合併特例債、合併後、平成23年度までの発行状況ですが、まちづくり振興基金の分も含めて、今年度末の発行見込み額というのは約110億4000万円となっております。
それから、市債の償還のピークでありますけれども、中期財政計画で28年度までの計画を立てているわけですが、この間、庁舎の増改築あるいは市民会館など、合併特例債を活用した大規模な事業が今後も予定されてございます。それらを加味して判断すると、平成32年度ころに市債の償還のピークが来るのではないかと見ております。
以上であります。
○副議長(藤田隆司議員)
上下水道部長。
○
上下水道部長(白戸久夫) ちょっと前後いたしましたけれども、上下水道部を移転して、その跡地を公設駐車場としてはどうかという御提案についてでございますけれども。
茂森の上下水道部庁舎につきましては、岩木庁舎の耐震化工事などが終了した後に岩木庁舎のほうに移転する方向で現在庁内で検討を進めておりますけれども、移転後の跡地利用についても今後検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(藤田隆司議員) 18番。
○18番(小山内 司議員) 懇切丁寧な答弁、ありがとうございました。
それでは、意見要望を申し上げたいと思います。
ゴルフ場につきましては、計画の当初から順を追って調べてみましたが、建設は会員を募って資金を集め、完成後はそのまま市に寄贈、管理運営につきましても、利用料金のみをもって運営し、公的資金は一切導入しないという第三セクターの理念や趣旨をそのまま実行した模範的な施設であったと言えます。
いかんせん、市長も答弁しておりますとおり、社会環境等の変化等もあって赤字経営に追い込まれた現状にありますが、これまで設置者である弘前市がなぜその経営状況を把握してこなかったのか、答弁を聞いても悔いの残るところであります。
今、出資金の25%は調査権を行使できる規定になっておりますので、この辺の条例等の整備を行って、事業計画や予算、決算等を議会にも提出できるように改正をお願いしたいところであります。
また、岩木川の河川空間は、自然環境の保全や景観から市民は潤い、いやしなどの恩恵に浴しており、ただそのまま眺めているというわけにはいかない状況にあると思います。
今冬の雪置き場としても大きく貢献しており、岩木川河川空間は必要不可欠な敷地であります。市民一丸となって知恵を絞り、岩木川緑地を有効利用できることを考えなければならないと思います。
次に、観光資源の整備についてでありますが、今定例会に全部改正の弘前市景観条例が提案されております。この条例案は、景観法の制定に伴い、建築物等の形態、色彩、その他の意匠や一定の地域において景観の保全、形成の視点から制限を加えられることができるようになりますので、それこそ20年後、30年後を見据えたまちづくりの整備をお願いするところであります。
最後の合併の検証についてでありますが、24年度の予算を見ますと、745億円の半分は生活保護などの扶助費や借金返済のための公債費、すなわち義務的経費であります。23年度の52.3%よりもやや改善されておりますものの、50%前後は今後とも確実に占めていくものと予想されます。また、学校の耐震化や老朽施設の改善等で建設事業が前年度比56%増と注目されておりますが、それでも88億円台であります。旧弘前市においては、最近まで100億円近い額をキープしており、合併してもなお88億円台というのは厳しい額と言わざるを得ません。一層の事業の取捨選択を求められております。
最少の経費で最大の効果の出る予算執行をお願いいたしまして、一般質問を終わります。
ありがとうございました。
○副議長(藤田隆司議員) 暫時、休憩いたします。
午後2時55分 休憩
――――――――◇――――――――
午後3時20分 開議
○議長(田中 元議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
15番石岡千鶴子議員の登壇を求めます。
〔15番 石岡千鶴子議員 登壇〕(拍手)
○15番(石岡千鶴子議員) 弘前市民クラブの石岡千鶴子です。
本日最後の登壇となりました。市勢の限りない発展と福祉向上を願い、通告に従い一般質問をさせていただきます。
まず、
自治基本条例についてであります。
自治基本条例は、基礎自治体の憲法とも言われ、自治体運営の根元、根幹に関する総合的なルールの骨格を定めるものです。基本法として、住民の権利と義務、議決機関、執行機関、自治体運営のシステム、財政などを住民にわかりやすく定めるとともに、条例の策定や解釈の指針を示し、住民の行政への参画と協働の仕組みを定める条例であります。
そしゃくして言えば、住民、事業者、行政のそれぞれの役割と責務を明らかにし、自己決定、自己責任に基づく参画の仕組みを制度とし、保障していくためのツール、手段が
自治基本条例と言えます。そのため、ほかの条例とは異なる幾つかの特徴を有しております。その一つに、自治体の行政計画の頂点に位置する基本構想や総合行政計画などの上位に位置し、それらの策定指針となること。さらに住民の権利を明確にし、市の組織、運営に関する基礎的事項を網羅した総合条例であることなどが挙げられております。
自治基本条例は、地域の憲法ともいうべき性格上、ほかの条例にありがちな行政からの押しつけ、すなわち、行政当局主導で条例案を用意すべきではなく、本来であれば、
自治基本条例の素案は住民からの直接請求案によるものが望ましいはずです。
そこで、今なぜ「
自治基本条例」制定なのか。その背景について。また、制定に向けた今後の
スケジュールについてお伺いいたします。
また、この条例制定に向けて行政がかかわるとしても、そこには当然求められるべきかかわり方が存在すると考えております。
まず、
自治基本条例について研究しなければなりませんが、その内容、情報は広く住民に伝えられる必要があります。具体的な制定運動は、行政内部にとどまらず、議会や地域住民にまで広がらなければならず、そのための施策の工夫が行政には求められているはずです。市民への周知と住民のための住民による自治に転換させる大事な
自治基本条例に向けた市民の意識高揚をどう図っていかれるのかお伺いいたします。
さらに、
自治基本条例を絵にかいたもちに終わらせないためには、行政当局の職員の意識と理解が成否を大きく左右するものと考えます。そのため、職員の研修にも十分な時間とエネルギーを割く必要があると考えますが、その点についてもお伺いいたします。
次に、農業行政についてであります。
ことしの冬は、昨年末からの断続的な降雪が続き、記録的な豪雪だった平成17年、18年に匹敵する年となりました。
弘前市は、1月17日に豪雪対策会議を設置し、雪害事故防止や除雪困難者への対応に追われてきたところでありますが、農業分野でも雪の重みでりんご樹の倒木や枝折れ、農業用ハウス等の農業施設の崩壊など、被害の未然防止に農家の方々は多大な労力をもって奔走してきたところであります。
農家にとって、生産基盤である園地へ向かう農道除雪のおくれは、被害を拡大させる要因にもなりかねないことから、近年にない豪雪で、住宅街の除雪に追われて農道にまで手が回らなかったということであってはならないと思っております。
過去においては、りんご関係では平成17年の豪雪で118億円、翌18年の豪雪でも30億円という甚大な被害が出ております。過去の教訓を踏まえ、今年度の農道除雪の進捗状況をお伺いいたします。
3月に入り、りんごの剪定作業が本格化すると同時に、被害の状況も徐々に明らかになっております。もう既に豪雪だった平成17年、18年よりひどいという農家の声を多く聞くようになりました。雪解けが進むこれから、枝先を巻き込みながら沈降するため、枝折れが起こりやすいと言われております。これは枝折れなどによる収量の減収はもちろんのこと、開花時期のおくれや玉伸びが悪くなる傾向があることから、一刻も早い対応が必要となります。
そこで、雪害に対する調査状況とそれを踏まえ、どのような認識でおられるのかをお聞きします。
また、雪の多い年は野ネズミや野ウサギの被害も多い年と言われています。豪雪だった平成18年のネズミやウサギによって被害を受けたりんご樹約2万7000本、それに伴う減収量は795トン、被害額は約3億3000万円以上と報告されており、たかがネズミ、ウサギと侮れません。
枝折れを防止するための融雪促進剤、枝折れした箇所への塗布剤、野ネズミ等対策としての忌避剤など、今後の対応、対策についてお伺いいたします。
3の項目、東北新幹線・新青森駅からの2次交通である奥羽本線の苦情に対する対応についてであります。
東北新幹線全線開業から2年目を迎え、新幹線を利用し、奥羽本線に乗りかえて弘前へ来られる観光客等の数が増加していると聞き及んでおります。
それは、青森県を初めとする行政や関係団体が一体となってPRをしてきたたまものと喜ぶべきことではありますが、一過性に終わるのではと不安を募らせる課題もないわけではありません。
それは、東北新幹線からの2次交通である奥羽本線の乗り継ぎ、アクセスの問題です。
時間帯によっては通勤ラッシュと重なり、重いトランクを引きずりながら立ったまま弘前に向かう観光客の姿を幾度となく見かけました。3時間20分余りの快適な新幹線の旅を終え、まだ夢心地の中で在来線のホームへとおりていくと、冬期間では、まず雪のためブレーキやポイントの故障で乗り継ぎ列車のおくれがアナウンスされ、いつ来るとも知れない列車を寒風吹きすさぶ暗いホームで、まるで八甲田山の雪中行軍の軍隊のようにじっと耐えている利用客。エスカレーターを下ったわずかな風よけスペースに寒さで身を縮め列車を待つ観光客を見るにつけ、何とも哀れで申しわけなく、強い憤りさえわいてくるのです。待ち時間は15分や20分は当たり前で、ややもすれば30分以上待たされた上やっと乗り込めた車中にあっても、途中幾度も特急列車等の待ち合わせ時間などでとまることとなり、快適な新幹線の旅をすべて帳消しにしてしまう旅となってしまうのです。
それは観光客だけでなく仕事で利用する方も同様で、乗るはずだった新幹線に雪のため奥羽本線のおくれで乗れなかったと嘆くビジネスマンなどの苦情を多く聞くようになりました。
東北新幹線全線開業は、弘前市民にとって、また利用客にとっても、むしろ利便性、快適性、高速化などすべての点において、後退してしまった陸の孤島であると言っても過言ではありません。
今後、観光を初めとする産業振興のかぎとも言える新幹線を最大限に活用するためには、新青森駅から弘前駅間の2次交通に重大な課題があると言わざるを得ません。
弘前市は平成23年度、県への最重点要望事項として奥羽本線川部―青森間複線化及び高速化の促進について要望を出されておりますが、その後どのような改善がされたのかをお伺いいたします。
最後に、国立大学法人弘前大学在籍の外国人留学生に対する支援についてであります。
このたび、弘前大学では、10年という長きにわたって就任された遠藤学長が退任され、新たに佐藤敬新学長の新しい体制下のもとで歩まれることになりました。弘前大学が弘前へ創設されてから半世紀余り、弘前市にとっては教育、研究、人材育成以外にも、医療はもちろん、地域の産業や経済など多岐にわたる分野で連携・協力関係にあります。
新しく学長になられた佐藤敬学長の達成すべき大きな三つの柱の中の一つに国際化がうたわれており、世界に開かれた大学として飛躍しようとしております。
弘前大学に在籍する外国人留学生のうちの約半数が交換留学生や半年から1年間という短い期間にわたる留学生ですが、正規の留学生と言われる学生をさらにふやしていこうというやさきに、残念ながら昨年3月11日の東日本大震災による影響で150名余りいた留学生が130人までに減り、今後どのように呼び戻し、ふやしていくかが課題だと話されておりました。
現在、弘前市では私費で来る外国人留学生の経済的負担の軽減及び修学環境の整備を図るため、私費留学生就学援助金として、約40名の留学生に月額1万5000円の援助を行っており、留学生らに感謝されているところではあります。
しかし、私費で来る外国人留学生の大方は経済的に困窮した学生であり、一にも二にも資金援助は欠かせず、大学側としてもこの財源確保に頭を痛めております。
そこで、弘前市が現在行っている40名の学生に月額1万5000円の就学援助金を、20名に減らしてでも月額5万円に増額する弘前市のさらなる援助を仰げないものかと、大学側から具体的な要望をあずかっております。
また今後、観光の国際化に伴う弘前市として、受け入れ態勢の整備の充実や円高を背景とした、海外への経営拡大を視野に入れた民間企業の増加も近い将来考えられることから、語学プラス能力を兼ね備えた有能な人材として、弘前大学で勉強した外国人留学生の活用も十分視野に入れた先駆的な取り組みが必要になってくると考えます。
しかし、大学を卒業したからといって、企業や会社にとって即戦力になるわけではありません。日本語のスキルアップも含め、数年間のインターンシップという経験をさせることも必要であろうかと考えるところです。
現在、青森県庁内では、既に留学生によるインターンシップの取り組みが行われていると伺っております。学都弘前、そして進取の精神を持つ弘前市としても、まず庁舎内での留学生インターンシップの取り組みをするべきと考えますがお伺いいたします。
以上、壇上からの一般質問を終わります。
〔15番 石岡千鶴子議員 降壇〕(拍手)
○議長(田中 元議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。
○市長(葛西憲之) 石岡千鶴子議員からの質問に対しまして、私からは、第1項目についてお答えをいたします。
1、
自治基本条例について。(1)今なぜ「
自治基本条例」制定なのか。その背景についてであります。
国では、平成12年4月に地方分権一括法を施行したのを契機に、地方分権や地域主権の確立を目指したさまざまな取り組みを進めております。このことにより、自治体には地域の課題は地域みずからの責任で考え、解決していくという自律性、独自性を持った行政運営が求められております。
一方、急速な少子高齢、
人口減少社会の到来や市民ニーズの多様化などにより、社会環境が大きく変化する中で、従来の行政運営ではさまざまな課題に対応することが困難になってきております。
このような状況の中で、未来に向け、活力ある、誇りの持てる弘前を実現していくためには、市民、市民団体、事業者などが、議会、行政と一体となった新しい公共により、まちづくりに取り組んでいくための
基本的ルールや仕組みを定めた
自治基本条例が必要であると考えたものであります。
市では、今年度から実施した
市民参加型まちづくり1%システムを初めとする各種施策により、市民がまちづくりに参画するシステムを構築しており、また、市民団体などは被災地支援、弘前バル街、
ひろさき合コンリーグ、
街歩きガイドなどの活動を自主的に行うなど、実際にまちづくりへの参画意欲が高まってきていることから、これらの状況を総合的に判断して、
自治基本条例の制定に着手することとしたものであります。
(2)制定に向けた今後の
スケジュールについてであります。
制定に向けた今後の
スケジュールでありますが、まず、公募市民などの市民の代表者で構成する弘前市
自治基本条例市民検討委員会を設置したいと考えております。
この検討委員会は、当市の実情に合った、地域の特性を生かした
自治基本条例となるように、直接市民の声を聞きながら、条例に盛り込む項目や内容などについて調査、審議する附属機関で設置条例案を本定例会に上程しております。
条例案を御承認いただければ、4月から5月にかけて委員の募集を行い、7月ごろには検討委員会を設置し、勉強会や事例研究のほか市民への説明会や意見聴取などを行いながら、平成24年度末までに
自治基本条例の素案等を記載した提言書案を作成し、中間報告として提出していただきます。
この提出された提言書案を議会にお示しし、議員の皆様から意見などをお伺いすることとしております。
また、庁内における
プロジェクトチームを組織し、行政の立場からも提言書案についての検討を行います。
その後、検討委員会において、議員の皆様や市民、
庁内プロジェクトチームの意見などを踏まえ、提言書案の修正等を行い、平成25年度末までに提言書を作成し、最終報告として提出していただき、ここで検討委員会の取り組みは終了する予定としております。
平成26年は、
パブリックコメントを実施し、市民からの意見などを踏まえて一部修正等を行い、
自治基本条例案を策定いたします。
条例案は、平成26年第3回
市議会定例会に上程し、平成27年4月1日の施行を予定しております。
以上が、現在想定している主な
スケジュールであります。
(3)市民への周知と意識高揚をどう図るかについてであります。
自治基本条例は、市民、市民団体、事業者などが議会、行政と一体となって、まちづくりに取り組んでいくための
基本的ルールや仕組みを定めたものであることから、
自治基本条例の意義や必要性を市民に十分理解してもらうことが重要であると考えております。
そのための取り組みとして、専門家を招いての講習会や市民フォーラムを開催して、広く市民への周知を図りたいと考えております。
また、検討委員会においても、随時、市民への説明会や意見交換会を行うほか、市のホームページなどを活用して、活動状況や会議内容について詳細な情報の公開及び提供を行い、
自治基本条例に対する市民の意識高揚を図ってまいります。
(4)庁内職員の研修についてであります。
自治基本条例は、自治の基本理念を明らかにするとともに、市民の権利及び義務、議会及び市長の責務、情報の共有や市民参画、協働などの行政運営の基本原則を定めた最高規範性のある条例と考えております。
この条例を頂点として総合的な政策や立法の体系を構成していくものであることから、庁内全職員が
自治基本条例について十分な知識と理解を持って条例の具現化に向けて取り組んでいくことが必要であります。
そのための取り組みとして、庁内の
プロジェクトチームによる庁内職員を対象とした定期的な勉強会や研修会の実施などを考えております。
いずれにいたしましても、市民が主体の協働によるまちづくりを推進していくために、
自治基本条例の制定に取り組んでまいります。
以上であります。
このほか、担当の部長から答弁をいたします。
○議長(田中 元議員) 農林部長。
○農林部長(蛯名正樹) 続きまして、2の項目、農業行政についてにお答えいたします。
まず、(1)農道除雪の進捗状況についてであります。
今年度の積雪深は、アメダス弘前の観測データによりますと、第1回目のりんご樹園地雪害調査直前の1月28日時点では、平年値の50センチメートルより大幅に多い92センチメートルでありました。
これは、豪雪であった平成16年度の同期の82センチメートル、17年度同期の112センチメートルと比較しても同程度の積雪状況となっております。
農道除雪は、平成15年度以前ではりんご樹の剪定など春の農作業を支援するため、3月に入ってから実施するのが通例でありました。
しかし、平成16年度及び17年度は豪雪で積雪量も多かったことから、それぞれ予算を増額し、16年度は2月26日から、17年度では2月10日から、それぞれ除雪作業を開始しております。
今年度もこのような豪雪状況を踏まえ、弘前市農業生産推進協議会を中心とし、1月30日、31日に、りんご園の雪害状況を調査したところ、一部に枝折れなどの被害が確認され、今後、拡大することが懸念されたことから、優先度の高い路線から早期に着手するため、予算を1000万円増額補正した後、2月11日から除雪を開始し、2月23日までに115キロメートルの路線を完了したところであります。
残りの路線についても、引き続き2月下旬から道路維持課の直営班により除雪を行っており、今後の農作業の支援に努めているところであります。
次に、(2)雪害に対する調査と今後の対応についてであります。
本年2月末現在における農業用ハウスの被害状況は、全壊20棟を含め全体で35棟、被害額は1012万2000円となっております。
また、りんご樹の被害状況については、1月末に行った調査時点で一野渡地区などで幹折れが確認されたところでありますが、例年以上に園地の積雪が深く、被害実態の確認がこれまで難しかったことから、2回目の被害状況調査は3月中旬に実施することとしております。
市では、農道除雪を例年より前倒ししておりますが、今後雪解けが進むことにより枝が下に引っ張られ、枝折れなどの被害が広がっていくおそれがあります。
このため、市のホームページやFMアップルウェーブのほか農協等の有線放送を通じて、園地での被害防止作業を早急に行うよう、農家の皆さんへ呼びかけを継続してまいります。
市といたしましては、被害を受けた農業用ハウスの修復費用やりんご園地での融雪剤等に対する支援策の検討を現在進めているところであります。
さらに、雪解けを待って被害状況の全容把握に努め、りんご樹の被害対策について必要な支援策を今後検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 企画部長。
○企画部長(蒔苗貴嗣) 続きまして、3の項目、東北新幹線・新青森駅からの2次交通である奥羽本線の苦情に対する対応についてお答えをいたします。
東北新幹線が全線開通してから1年以上経過いたしましたが、奥羽本線との乗り継ぎにかかわる不満の声は、新聞報道においてもたびたびなされております。
市では、県への重点要望事項として、奥羽本線の利便性及び快適性の向上及び奥羽本線弘前―青森間の高速化等による機能強化の実現について要望しており、具体的な内容は、津軽地域と秋田県北をつなぐ特急列車の運行確保、新幹線と奥羽本線とのスムーズな接続ダイヤの設定、ホームにおける雪や寒さ対策、車両の高クオリティー化などであります。
一方、県では青森県鉄道整備促進期成会において、青森―弘前間の全線複線化や高速化等、奥羽本線の利便性向上についての要望活動を続けております。
平成23年度においては、当市も同会の会員として、県と合同でJR東日本秋田支社への要望活動に参加しております。
また、県では東北新幹線全線開業活用推進協議会を設置して、利用者などから寄せられた意見、改善要望などを踏まえ、2次交通、新幹線駅舎とその周辺の利用環境などの改善に向けた取り組みを促進することとしているところであります。
市といたしましては、今後とも県及び沿線市町村などと連携をとりながら、奥羽本線の利便性及び快適性などの向上について、JR東日本に対し粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
続きまして、4の項目、国立大学法人弘前大学在籍の外国人留学生に対する支援についてにお答えをいたします。
当市では、留学生に対する支援として、弘前市私費留学生就学援助事業及び留学生パスポートひろさき事業を実施しております。
弘前市私費留学生就学援助事業は、経済的負担を軽減し、就学環境の整備を図るために、要件を満たす私費留学生に対して前期、後期それぞれ約40名を対象に月額1万5000円を支給するものであります。平成22年度は前期、後期を合わせて実人数49名に対し、総額679万5000円を支給しております。
一方、留学生パスポートひろさき事業は、当市に対する理解を一層深めてもらうために、市内の博物館などの文教施設や体育施設を無料で利用できるカードを発行するもので、平成22年度では84名の方に発行しております。
先般、弘前大学長に就任された佐藤学長は、弘前大学が取り組む重点的課題の一つに国際化の推進を掲げており、留学生の受け入れを含めた弘前大学の国際化への取り組みが、今後より一層加速することが予想されます。
弘前市私費留学生就学援助事業などの市の事業に対する御要望につきましては、弘前大学の考え方などをしっかりとお聞きし、現行制度の見直しが必要か慎重に検討してまいりたいと考えております。
経済や社会のさまざまな場面で国際化が進展する今日において、留学生の視点や評価は、当市が国際化を進める上で大変重要であると言えます。この認識のもと、現在、市役所での留学生のインターンシップの受け入れについて、平成24年度からの実施を目指し、弘前大学国際交流センターと協議を行っております。
市といたしましては、留学生に対する支援事業は、単に留学生の就学環境を整えるばかりではなく、国際交流、国際親善の観点から、市民との多くの交流を通じて日本や弘前の文化への理解を深めていただくこと、さらには長期的な目標としては、当市と母国とのかけ橋として活躍していただくことを念頭に置いて、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(田中 元議員) 15番。
○15番(石岡千鶴子議員) 再質問、2点お願いします。
自治基本条例でありますが、市長が掲げる
アクションプランの中にはPDCA、プラン、実行、チェック、アクション、この循環を、スパイラルを進めていくというふうに常々おっしゃられております。
この循環の中には、市民に対する公表、対話、協働、そしてさらに参画、政策過程においても、どんどん市民が参画をしていく、こういった望ましい本来あるべき姿が書かれております。行政と市民がお互いの情報を共有しながら、行政の一翼を担う、ともに進んでいく。こうなると、議会、議員、そしてその市民から選ばれた我々議員や議会の位置、整合性というものはどのようになるのかなというふうにある種考えます。
よく使われる表現の中に、行政と議員、議会は車の両輪のように進めていくというような表現がよく使われますが、果たしてこの言葉は今後適切であるかどうか、こういう議会の位置、整合性を伺いたいなというふうに思います。
それから農業、これは、新聞報道でも報道されておりますが、平川市ではもう除雪が3回ほどやられております。そして、青森市も枝折れとかの対策に対して塗布剤そして融雪剤の助成に向けて1日からもう既に受け入れております。
私は、ある意味、こういう農業対策というのは、スピードを持ってやられるべきであろうかなというふうに思っているところではありますが、除雪、雪の、ことしは例年にない平成17年、18年に匹敵するような豪雪であるということは、もう既に1月を過ぎた段階からわかっていたわけであります。
そういった中で、農林部長、そして市長も含めて園地を見る、そして視察をするといったことがあったのかどうか、そこのところをお伺いします。
○議長(田中 元議員) 市長。
○市長(葛西憲之)
自治基本条例の制定に取り組むに当たって議会とのかかわりについてということでございますが。
市民、議会、行政が一体となってまちづくりに取り組んでいくための
基本的ルールや仕組みを定めたものが
自治基本条例であります。
したがって、議会の皆様の意見等を十分に踏まえた上で
自治基本条例が制定されなければならないと考えております。
そのための取り組みとして、検討委員会が作成した提案書案を議会にお示しをし、意見などをお伺いすることとしております。検討委員会は、議員の皆様からの意見等を尊重しながら提案書案の一部修正等を行い、提言書を作成することとなります。
いずれにいたしましても、市民、議会、行政がそれぞれの立場で
自治基本条例について検討し、協議を重ねながら、よりよい、そして弘前らしい
自治基本条例の制定を目指したいと考えております。
○議長(田中 元議員) 農林部長。
○農林部長(蛯名正樹) 園地の被害状況等を確認されたのかということでありますが、私、2月15日に除雪作業が開始されて、幹線道路に除雪車が入っているところを見に行っております。
そのときは、たまたまアップルストリームのほうで取材したいということで同行して、あと農家の人たちの声もとって、アップルウェーブ等を通して動画で農作業の雪おろし等を早く進めるようにというふうなこともやっております。
その時点でも、やはり東目屋から相馬のほうに入って行ったときで1メーター20から50センチと、深いところは2メーター近く雪もありました。
また、かなり老齢樹、あるいは若木においても枝折れ等が散見されたというふうな実態は把握しております。
そういう意味で、これらの対策に対する支援制度等について早急に今、詰めている段階です。これらについては、制度上、1月等にさかのぼって支援をできるような制度についても今検討しておりますので、それらについてはもう少し時間をいただきたいと思っております。
以上です。
○議長(田中 元議員) 15番。
○15番(石岡千鶴子議員) 大変短いのですが、要望をもって終わらせていただきます。
自治基本条例でありますが、やはり、よく表現される行政と議会は車の両輪、これは少し進化して、地域住民、市民、行政、議会は同じフィールドの中で、同じ位置づけの中で進められていくもの、そして、行政と市民を結ぶかけ橋に、議員、議会はなるべきという新しい発想のもとで、この
自治基本条例というものも位置づけていかなければいけないのかなというふうに思うところです。
あらゆるフォーラム、インターネット、そしてまた住民調査、住民の意識調査なども含めて、これは住民とともに進めていかなければならない。住民が主役になる大事な
自治基本条例となることですから、十分時間をかけて練っていただきたいなと。
これは、実は2年ほど前に、石川県羽咋市に行政視察に行ってまいりました。
自治基本条例の先駆け、先駆的な取り組みをしている本吉市長がまず唱えた
自治基本条例でしたので、ぜひその地域に行って地域の方々の生活ぶりを見てみたいというのが第一でした。
ところが、昨年、その前に行われた市長選で落選してしまったという状況を目にし、せっかくつくった
自治基本条例が形骸化をしていたという、大変残念な行政視察に終わったわけです。
それは、何をもって私たちの弘前市に反映させるべきか、それは市長が今、就任されてからずっとスピード感を持って、常に前に前にと進まれているその姿勢は大変すばらしいものだと思います。でも、気がついたときにはだれもいなかったと、振り向いたときにはだれもいなかったというようなことがないように、常に市民の成熟した民意を受けて前に進めるように、人の気持ちを変える、意識を変えるということは大変時間のかかる作業であります。
ましてや、こんな大きな住民主権というものに向かっては、世代がかわるのではないかと思われるほど、気の長い時間を要することもあります。そういったことから、十分練り直して、市民のための
自治基本条例であるということをまずやっていきたいなと。そしてまた、弘前市の憲法でありますから、つくる以上は、たとえ地方自治法やほかの法律と整合性がとれなくても、国や県の法律と堂々と渡り合えるくらいの気概を持ってつくっていただきたいなというふうに思うところであります。
次に、農業であります。
こういう豪雪の年は、二度三度、融雪剤を使わなければなりません。当然、農業の現在の経営というのは、去年おととし、りんごの高値ではありますけれども、今までの経費とか借入金を補えるだけの額にはなっておりません。それで、かなり経営的にも圧迫をする融雪剤の購入、それから枝折れのところに細菌、病気が入らないような塗布剤、そういったものも大量に使うことになります。
そういった際に、やはりやるよと、これはもう補正を組んでも何してもやるのだというような気概を市民のほうに、農家の方々に見せていただければ、それなりに農家の方々も前向きに取り組めるものであろうかというふうに思っております。
とにかく、平成17年、18年の豪雪で、何億円という被害を農家の方々は受けたわけです。そういった農家の痛みを犠牲にした年であったからこそ、その教訓をもとにこれからの政策に生かしていただきたいなというふうに思うわけです。
トップセールスもいい。台湾へ行って輸出りんごで売るのもいい。ところが、いいりんごをつくって何ぼのものであることを肝に銘じて、行政運営をしっかりお願いしたいなと思うところであります。
それから、今回3月1日号の広報誌を見て、大変感動をした記事があります、それから新聞報道にも。
三和の町会で、市民参画1%事業を使って除雪をする。これは、今までにない、本当に感動した記事であります。同市の三和町会は、住民による地元農道の除雪に取り組む。今年度は、
市民参加型まちづくり1%システムに採用され、農道維持管理事業費48万円の交付を受けて、剪定のために早期の除雪を望む声が多く、自分たちでやることにした。これはまさに今までにない、陳情・要請型の行政から、地域住民が考えて、自分たちに何ができるかという、大変、市長が今まで取り組まれてきた本当に、これが成果にあらわれてきた事柄だなと思っております。
それから、山岸堰の改良事業ですが、U字溝を購入して自分たちでやる。これは、やはり特筆すべき事柄で、市長が唱える市民参加型が徐々に根づいてきているなというふうに思うところでありますので、これは、リーダーがあるからその地域はできたのではなくて、弘前市全域の、我も我もと思うような波及効果をしていただきたいなというふうに切に思うところであります。
あと、留学生は、よろしく、前向きに検討していただきたく、留学担当の先生に色よい返事を持ってくるからと私は言ってまいりましたので、市長は中学生に対しても海外に留学をするというような予算も盛られております。それはそれですばらしいことであって、多分優秀な子供たちが選出されて、海外へ勉強をされに行くのだろうなというふうには思うのですが、いながらにして、弘前大学に来られている外国人留学生を大いに活用する、当然、国際交流、そして親善という名のもとで弘前市もそれなりにお金を出すわけであるわけでありますから大いに活用するべきだというふうに思っております。
そしてまた、弘前市が何ぼじぇんこ出しても、どうせ母国に帰ってしまうのだから、というような消極的な考えもないわけではありません。
でも、弘前に住んで勉強をし、弘大にいた人たちが世界に人的資産として散らばっていく、そして仕事をしていくということは、まさに国際貢献であろうかというふうな認識のもとで、ぜひ前向きな検討をお願いしたいなというふうに思います。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
○議長(田中 元議員) お諮りいたします。
本日の一般質問は、これにて打ち切り、あとの一般質問は明日行いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田中 元議員) 御異議なしと認めます。
よって、本日の一般質問は、これにて打ち切ることに決定いたしました。
次の本会議は、明7日午前10時開議とし、その日程は、一般質問の続行を予定しております。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時03分 散会...