弘前市議会 > 2007-06-20 >
平成19年第2回定例会(第2号 6月20日)

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  1. 弘前市議会 2007-06-20
    平成19年第2回定例会(第2号 6月20日)


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    平成19年第2回定例会(第2号 6月20日)   議事日程(第2号) 平成19年6月20日                     午前10時 開議 第1 一般質問 ――――――――――――――――――――――― 本日の会議に付した事件  議事日程に同じ ――――――――――――――――――――――― 出席議員(34名)          1番  今 泉 昌 一 議員          2番  小田桐 慶 二 議員          3番  伏 見 秀 人 議員          4番  鶴ヶ谷 慶 市 議員          5番  鳴 海   毅 議員          6番  船 水 奐 彦 議員          7番  松 橋 武 史 議員          8番  齊 藤   爾 議員          9番  谷 川 政 人 議員
             10番  加 藤 とし子 議員          11番  竹 谷 マツ子 議員          12番  小山内   司 議員          13番  三 上 直 樹 議員          14番  石 田   久 議員          15番  三 上 秋 雄 議員          16番  一 戸 兼 一 議員          17番  佐 藤   哲 議員          18番  越   明 男 議員          19番  工 藤 光 志 議員          20番  蒔 苗   宏 議員          21番  清 野 一 榮 議員          22番  田 中   元 議員          23番  栗 形 昭 一 議員          24番  宮 本 隆 志 議員          25番  三 上   惇 議員          26番  髙 谷 友 視 議員          27番  下 山 文 雄 議員          28番  山 谷 秀 造 議員          29番  藤 田 隆 司 議員          30番  柳 田 誠 逸 議員          31番  藤 田   昭 議員          32番  工 藤 良 憲 議員          33番  町 田 藤一郎 議員          34番  工 藤 榮 弥 議員 地方自治法第121条による出席者   市長               相 馬しょういち   副市長              高 畑   幸   企画部長             髙 橋 文 雄   総務部長             舘 山 利 晴   市民環境部長           泉 谷 章 弘   健康福祉部長           白 取 幹 人   農林部長             斎 藤 則 明   商工観光部長           尾 板 正 人   建設部長             小 寺 健 治   都市整備部長           須 藤 正 光   岩木総合支所長          石 澤   肇   相馬総合支所長          田 村 藤 作   市立病院事務局長         今 井 二三夫   会計管理者            福 真 幸 悦   水道部長             工 藤 英 樹   監査委員事務局長         鹿 内 隆 文   消防理事             尾 崎 善 造   総務財政課長           桜 田   靖   教育委員会委員          小 嶋 義 憲   教育長              石 岡   徹   農業委員会会長          横 沢 由 春   農業委員会事務局長        玉 田 一 麿   監査委員             山 形 一 郎   選挙管理委員会委員長職務代理   一 戸 鐵 弘   教育部長             成 田 雅 幸   全国スポーツ・レクリエーション祭推進事務局長 成 田   満 出席事務局職員   事務局長             油 川 亞 夫   次長               安 田   穣   議事係長             菊 池 浩 行   主事               前 田   修   主事               齋 藤 大 介   主事               竹 内 良 定   主事               蝦 名 良 平  ――――◇―――◇―――◇――――   午前10時00分 開議 ○議長(藤田 昭議員) これより、本日の会議を開きます。  ただいまの出席議員は34名で、定足数に達しております。  ――――――――――――――――― ○議長(藤田 昭議員) 日程第1、これより一般質問を行います。  一般質問の通告者は、18名であります。  順次、質問を許します。  まず、17番佐藤哲議員の登壇を求めます。   〔17番 佐藤 哲議員 登壇〕(拍手) ○17番(佐藤 哲議員) 17番佐藤哲であります。  合併後、初の統一選挙を経て、藤田新議長のもとで行われる初めての6月定例議会のトップバッターとして、市勢のさらなる発展を願い、通告に従い質問をさせていただきます。  まず、1、地域医療について伺います。  (1)津軽地域、病院機能再編についてお尋ねをいたします。  津軽地域保健医療圏自治体病院問題で、県を中心として進められていた中核病院設置構想の計画が宙に浮いております。  青森県の計画では、市立病院と国立弘前病院との合併再編案でありましたが、実現は極めて難しい状況に至っております。  ここにあって、黒石市長鳴海弘道会長を中心とする津軽南市町村連絡協議会が、自治体病院再編が進んでいない問題で中心自治体である当市に対して具体的な再編が進むよう要請をしております。  津軽の中核である弘前市の市立病院を中心とした病院再編を実現し、救急と臨床医療研修の中核病院をつくることは医師不足解消と救急を含む当市の医療の充実のためにも不可欠であります。  周辺自治体の窮乏も踏まえ、津軽の中心都市としての自覚と責任のもと、主導的役割を果たす義務があります。どのような計画を持っているか答弁を求めます。  (2)マンパワー不足輪番制度維持について質問をいたします。  各病院とも慢性的医師不足と、看護師の入院患者との割合10対1から7対1への引き上げで、人手の確保に苦しんでおります。  当市立病院にあっても、今議会に市長より議案第46号として、救急医療の増加への対応と配置基準の見直しに伴う看護師の増加への対応として、市立病院の職員の定数増加を求めて改正をしようとしております。まことにもっともで必要なことであると思っております。  近年、患者数の増加や勤務医不足、診療の専門化などから、参加病院の2次救急輪番制離れが大きな問題となっております。  これ以上離脱する病院をなくし、制度を維持することは、市民のみならず、周辺自治体住民の不安を取り除くためにも絶対に必要なことであります。  まず、弘前市救急輪番制協議会でどのような議題として話し合われているのか、どのような対策を持っているのか伺います。  (3)はしかへの対応と実態について質問します。  関東地方を中心としてはしかが流行しており、大学や高校を中心として休校が相次いでおります。  たかがはしかと思うなかれ。かつては「天然痘は器量定め、はしかは命定め」と言われたほど怖い病気なのであります。  予防接種は1978年10月から開始されておりますので、30歳以上の成人であれば抗体を持っていると考えてもいいのでありますが、個別接種ということもあり、全国的に見て接種率が低いことと、15歳から22歳までのワクチンの力の弱まる時期の年齢層の抗体を持たない人たちがふえたことが今回の学校の休校騒ぎとなっているのであります。  ことし、当市の看護学生を調べたところ、10%以上の学生に抗体が見られませんでした。妊婦がはしかにかかると30%が流産・死産するといった結果も出ており、韓国では、四、五年前に大流行した結果、影響の大きさから国を挙げて撲滅宣言を出したくらいであります。  この病気は、空気感染を伴いますから社会的に対処する必要があります。ワクチンは、自分がかからないこととともに感染させないことで社会の防衛になるという二つの役割を持たせることとなります。  このことを踏まえて、対応と実態について問うものであります。  (4)訪問介護最大手コムスンの虚偽の申請問題と同業他事業者の実態についての質問です。  全国的に見ても、初めにコムスン弘前城東ケアセンターについての申請の際、実際には雇用していなかった非常勤の訪問介護人を雇用していたかのように書類に記載し、昨年7月に県の指定を受け、ことし4月の監査で虚偽が発覚いたしました。  その後、兵庫県のコムスン豊岡立野ケアセンターの虚偽の発覚につながり、全国的な広がりを見ていって今日に至っているのでありますが、厚生労働省の指定打ち切りの各県への異例の通知を見ても事の重大さが感じさせられるのでありますが、一方で、同業の他事業者はどうなのかと心配になってくるのであります。この点について説明を求めます。  次に、2番目として、観光行政について伺います。  (1)弘前公園を中心とした道路案内板のわかりづらさについて伺います。  城下町特有の道路の狭さも手伝って、高速道路や国道7号線へのアクセスの悪さとわかりづらさは、道不案内の観光者には、観光都市弘前の住民の一人として全く申しわけないの一言に尽きるのであります。
     GPSを利用したカーナビを登載している車であればよいのではありますが、皆が皆そうでもありませんし、とりわけ亀甲や城西の駐車場に車を置いて桜見物に来る方々については、道順を聞かれても答えに窮するのであります。  道路案内板がしっかりしていれば、それを伝えることも可能となりますので、ぜひ、もう一度検討いただきたく市側の説明を求めるものであります。  市民からも多くこの点について改善を求められておりますので、善処できますようお願い申し上げます。  (2)りんご公園の施設充実を提案いたします。  先般、市の施設見学に参加いたしました。何億も費やした建物に比べて、りんご公園の内容の不備についてはどうしたものかと思ったのであります。  りんご専業をなりわいとしている私の感想ではありますが、試験場でもなし、充実したりんご園でもなし、満足できる遊び場もなし、特別珍しい見るものもなしで、農業を中心とした問題改善に力を入れている相馬市政として改善を急がなければならないと思ったのであります。  弘前に来たならば、弘前公園とともにりんご公園に行って、りんごの歴史、品種の変化、作業の歴史的変遷、道具の改良の歴史、津軽農業の機械化の変遷が一目にでき、しかも社会科の教育にも利用できる施設の充実をすべきと提案をいたします。  観光客とともに、多くのりんご栽培に携わる農業関係者も当市に多数来ております。その人たちにインパクトを与える施設の展示品の充実には、さほどの大金がかかるとは思えません。  箱物一つを建てた思いをしたならば、立派な、全国に胸を張れる展示物を提示できるかと思います。  古い道具、農具、機械を年代別に並べ、時代背景と使用用途のパネルを取りつけることで、ここでしか体験することのできない社会教育の場として、消費者のみならず生産者も来てみたいと思う市民全体が利用できる公園とすることが可能となるのであります。  また、公園に来ている小学生も多くおります。遠足に来ております。雨の降った場合、100人規模の人たちが逃げて弁当を食べる場所がないのであります。  ぜひ、大きなスペースをつくってもらい、冬でも集いやイベントが可能な場所の提供を行い、展示物の充実を図ることが、年間来場者15万人をふやしていく方法であると思いますので提案を申し上げます。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。   〔17番 佐藤 哲議員 降壇〕(拍手) ○議長(藤田 昭議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 佐藤哲議員からは、二つの項目にわたる御質問がございますが、私は2項目めの、観光行政を問うの、(2)にお答えいたします。  (2)りんご公園の施設充実を提案する。  現在のりんご公園は、平成14年にリニューアルオープンしておりますが、整備に当たっては、第1期工事を平成9年度から13年度にかけて実施しております。  主な工事内容としましては、りんごの家の増改築、旧農家住宅の移設、農機具格納庫及び土蔵の建築、催し広場、ピクニック広場及びアクセス道路の整備並びにわい化苗木の植栽などであります。  リニューアルオープン後の来園者は、県外修学旅行生りんご作業体験を初め観光客の増加や、春の「りんご花まつり」、秋に実施している「りんごと米の収穫祭」などの各種イベントや企画展の開催により、当初予想の2万3000人を大きく超える10万人台となっております。  そのために、第2期工事として、平成16年度から平成17年度に修学旅行生のための教育作業園の取得とあわせて駐車場の拡張整備を行っております。  現在、旧農家住宅に展示されている農機具等は、りんご公園リニューアルオープンに際して、市民からの寄附等の御厚意で展示しているものであります。  市民のりんご公園に対する関心が高いこともあって、現在でも市民からの寄附の申し込みがありますが、農機具等の展示については展示スペースの確保や風雨対策が必要となることなど、現在のりんご公園内施設の配置状況等からせっかくの御厚意に沿えない状況であります。  御提案の農機具の歴史や先人の技術の功績につきましては、当面、写真やパネル等で紹介できないか検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。  そのほかの項目については、担当の部長から答弁いたします。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) 続きまして、(1)弘前公園を中心とした道路案内板のわかりづらさについてにお答えします。  弘前公園は史跡として国の指定を受けており、春は桜の名所として知られているほか、秋のもみじ、冬の雪燈籠、本丸から臨む岩木山など、四季折々の魅力を醸し出し、通年で多くの観光客が訪れております。  弘前公園周辺道路案内板につきましては、道路利用者の便宜を図るため、県や市の道路管理者が地名、方向、主な観光施設などを示した道路案内標識を設置しているほか、市が弘前圏域サインナビゲーション整備事業で整備した公共施設や観光施設を案内誘導する看板があります。  また、東日本高速道路株式会社が設置した東北自動車道への案内標識も設置されております。  このように、各種案内板が設置されておりますが、場所によっては案内誘導の流れがわかりにくい箇所があるほか、弘前文化センター、市立観光館、藤田記念庭園などが位置する周辺は案内板がおおむね充実しているものの、弘前公園北側亀甲通り周辺では不足している現状にあります。  市では、平成22年度の東北新幹線新青森駅開業に向け、多くの来訪者の利便向上を図るため、観光客を受け入れる態勢づくり、さらなる観光客の誘致を積極的に進めていくこととしております。  今後、このような取り組みを進める中で、観光資源が集積している弘前公園周辺につきましては、観光客にわかりやすい案内の表示について、道路案内板を設置している関係者に働きかけてまいりたいと考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 市立病院事務局長。 ○市立病院事務局長(今井二三夫) 大きい項目の1、地域医療を問う。(1)津軽地域、病院機能再編についてにお答え申し上げます。  自治体病院機能再編計画は、平成10年1月の、当時の自治省財政局長から出された通達「地方公営企業の経営基盤の強化について」に基づくもので、青森県においては自治体病院再編成検討委員会の審議を経て、平成12年12月に「青森県自治体病院機能再編成指針」を策定しております。  この指針では、自治体病院が抱えている医師確保や経営健全化などの課題解消を目的に、自治体病院の機能再編成を推進するため、県主導により自治体病院機能再編成計画を策定することとしております。  県内を六つの保健医療圏域に分け、津軽圏域にあっては、弘前市立病院、黒石病院、藤崎病院、大鰐病院、平賀病院、浪岡病院、そして板柳中央病院の7病院が対象とされたところであります。  計画策定のための協議の経緯についてでありますが、まず、平成13年7月に第1回津軽地域保健医療圏自治体病院機能編成推進協議会が開催され、県主導で機能編成計画の策定に取り組むことを各自治体の首長が了承したところであります。  そして、平成14年2月に第1回ワーキンググループが開催され、県からは、弘前市立病院と黒石病院を統合し、新たな中核病院を建設し、広域連合等で運営することなどを主とした素案提示がありましたが、反対意見が多く、合意を見なかったものであります。  その後、平成17年3月に再び推進協議会を開催し、浪岡病院を除く、その他六つの自治体病院の再編について、弘前市立病院国立病院機構弘前病院の統合、黒石病院の医療機能の絞り込み、藤崎病院と板柳中央病院の廃止または指定管理者制度の活用、平川病院の廃止、大鰐病院の療養・一般ケアミックス対応などを内容とする基本的な枠組み案を提示しましたが、この案に対する具体的な進展がないまま、時間が経過したところであります。  この間に、運営主体が異なる弘前市立病院国立病院機構弘前病院の統合の困難さが顕在化したこと、あるいは、医師不足や経営状況の変化など自治体病院を取り巻く環境が著しく変化し、平川病院の診療所移行など新たな枠組みを構築する必要性が生じたところであります。  このことから、県は本年5月31日に推進協議会を開催し、平成17年3月に提示した弘前市立病院国立病院機構弘前病院との統合などを柱とする基本的な枠組み案を白紙に戻し、検討し直すことが提案され、委員から了承されたところであります。  今後のことにつきましては、県はベストな再編ではないかもしれないが、現状に即した枠組みを圏域内の市町村と協議し、今年度中に新たな枠組みを検討することとしたところであります。  市立病院といたしましては、機能再編問題を議論する以前に、圏域内の自治体病院の現状や課題について、さらには圏域内の医療問題について、あるいは自治体病院の経営や機材利用等においての連携の必要性など相互に情報交換を重ね、理解し合う必要性があると判断し、6月7日に圏域の6自治体病院の事務長・事務局長会議を開催して意見交換を行ったところであり、今後も継続的にこの勉強会を開催していくこととしたところであります。  なお、自治体病院の機能再編成問題は、簡単に結論を出せるような問題ではありませんが、圏域内の住民の生命と安全を守るための重要な問題だと考えておりますので、今後とも県主導のもと、関係市町村等と連携を図りながら研究に努めてまいりたいと考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) 続きまして、(2)マンパワー不足輪番制度維持についてにお答えいたします。  救急輪番制には、平成19年度は市立病院、国立病院機構弘前病院、健生病院、弘前小野病院、弘愛会病院の5病院に参加いただいて実施しておりますが、医師のマンパワー不足の問題等により、厳しい運営を強いられております。  近時、救急輪番制から脱会された2病院においては、それぞれ医師の高齢化と医療の専門性によることが直接の脱会理由であると伺っておりますが、そこに至る遠因の一つとしては、平成16年度から必修化された医師臨床研修制度が推測されるところです。  市は医師確保のため、平成17年度から青森県国民健康保険団体連合会が行っている医師確保対策大学連携特別事業に協力して、地域医療に欠かすことのできない医師の地元への定着について引き続き努力してまいりたいと存じます。  次に、救急輪番制については、国・県・市による補助事業が平成17年度は市の単独補助事業となりました。18年度からは、市からの委託事業として国立病院機構弘前病院に対しても財政支出を可能として実施しております。参加病院への財政支援については、課題ととらえ検討してまいりたいと存じます。  また、南黒地域など弘前市外からの救急患者の受け入れについては、平成19年1月に平川市から国保平川病院の救急告示の廃止に伴い、輪番制参加病院等で構成される第2次救急輪番制参加病院等協議会に受け入れの申し入れがありましたが、これまでも参加病院の御協力により弘前市外の患者も受け入れているところであり、今までどおりの対応をするということで協議会において合意されたところであります。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 市立病院事務局長。 ○市立病院事務局長(今井二三夫) 続きまして、市立病院におけるマンパワー不足への対応についてお答え申し上げます。  市立病院における救急輪番制度への対応につきましては、当院の勤務医が主に対応してきたところであります。  しかし、輪番制度への参加を取りやめる病院が出たことから、取りやめた分の輪番を残りの病院で対応しなければならなくなったため、当院においても輪番回数がふえたところであります。  このため、医師及び看護師への負担が増大し、特に医師にあっては週休もままならないような過重労働になってきており、公立病院としての使命である夜間等の救急医療への対応や、病院の理念である安全で質の高い医療の提供において、その対応が危惧される状況となってきております。  これらの医師や看護師の労働環境の改善は急を要する状況でありますことから、病院経営の対策を図るとともに、医師や看護師の過重労働解消のため、本6月議会定例会に医師、看護師等病院職員の定数増のための条例改正案を御提案申し上げているところであります。  このような対応をすることにより、勤務医の労働条件の改善とともに、マンパワー不足の解消にもつながるものと考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) 続きまして、(3)はしかへの対応と実態についてにお答えいたします。  はしかの予防接種については、昭和53年に義務化実施されておりますが、平成6年からは努力義務となりました。  昭和53年以前は、ほとんどの人が自然感染を経験し免疫がついていましたが、予防接種の義務化後、はしかの流行は減少したものの、ワクチン接種による抗体は年月がたつと弱まることもあり、効果的な免疫をつけるため、平成18年6月より、1歳から2歳未満と翌年度小学校に入学予定の幼稚園などの年長時期に2回接種を行うこととなったものであります。  今年、首都圏を中心にはしかが流行した理由としまして、ちょうど現在大学生の年齢層の方は予防接種を終えていたけれども、免疫抗体が低下していたことやアレルギーの心配などから予防接種を一度もしていない人もいたこと、さらに、この年代は広範囲な行動を伴うことから、感染機会が増して集団発生したものと推測されております。  はしかは、麻疹ウイルスの空気感染・接触感染などによって起こる急性の感染症です。予防には予防接種が有効です。  はしかの流行や感染による肺炎や脳炎などの合併症を減らすためには、ワクチンの接種率を90から95%以上に維持する必要があると言われています。  市では、はしかの予防について、6月15日号の広報ひろさきで周知したところでありますが、引き続き定期接種対象者及び定期対象年齢から外れた人に対しても、広報や乳幼児健診、集団予防接種会場などで接種勧奨を行ってまいりたいと考えております。  次に、(4)コムスンの影響と他事業者の実態についてにお答えいたします。  今回の株式会社コムスンの一連の不祥事については、東京都において同社の利用者からの苦情やヘルパーから内部告発が相次いだため、東京都は平成17年度に実地指導を行い、不適切な対応の改善を求めましたが、改められなかったことが発端となっております。  このため、東京都は平成18年12月に同社事業所の一斉立入検査を実施したところ、管理者の不在や雇用実態のない虚偽の人員配置の申請をするなどの法令違反の事実が発覚しました。  このことから、平成19年4月、厚生労働省は全都道府県に対し、広域的に事業展開をしている事業者への一斉監査を指示し、青森県が県内の大手事業所を監査したところ、コムスン弘前城東ケアセンターにおいて、指定申請時からホームヘルパー1名の雇用実態がない事実を確認したところであります。  5月に入り、県では、この事業所から聴聞をすべく作業を進めていたところ、5月7日に同事業所から5月1日付の事業所廃止届書が提出されたため、その廃止届書を受理し、処分には至らなかったものであります。  また、本来受け取ることのできない、平成18年8月分から平成19年4月分までの介護報酬の返還の指導を行っております。  当市には、5月10日に県高齢福祉保険課から一連の経過について連絡がありましたが、当市におけるこの事業所の利用者は生活保護受給者を含め4名、市に対する返還額は約172万円となっております。これらの利用者は、弘前城東ケアセンター廃止後は他の事業所を利用していることを担当のケアマネジャーを通じて確認しております。  また、本件に関して関係者からの相談や苦情がなかったことから、当市ではほとんど影響がないものと考えております。  訪問介護事業者の指定及び指導・監督は都道府県が行いますが、年1回の集団指導や定期的な実地指導が行われており、一部の事業所で書類上の不備が指摘されている事例があると聞いております。  弘前市内には、5月末現在、訪問介護事業所が62カ所ありますが、これまで指定取り消しとなった事例はございません。  市では、介護保険事業所のうち、地域密着型サービスである認知症対応型デイサービスやグループホームの指定及び指導・監督を行いますが、県との情報交換を密に行いながら、地域密着型サービス事業所の指導を進めていきたいと考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 17番。 ○17番(佐藤 哲議員) 順次、再質問をさせていただきます。  先ほど、病院機能の再編について答弁がありました。そのときに、今、地域の6病院が意見交換をしている状況にあると。そしてまた、答えの中に「簡単にはいかない」「研究する」という言葉がございました。  平成13年から病院機能の再編問題について、いろいろ会議が行われてきたわけでありますが、先ほどの説明を聞いたとおり一歩も進んでない。6年、7年。一歩も進んでいないわけです。  まして、一歩も進んでいない中で、今行われているのは研究する、まだ意見交換をしている、そういう段階。これは、救急医療とも絡めて非常に大事な問題であると思うのです。  2004年、国が新人医師の臨床研修制度、先ほども答弁にもありましたけれども、これは2年間の研修を義務化するというものをつくったわけです。  もともと、昭和42年に研修病院を国がこしらえてまして、日本内科学会が管理していたのでありますが、これ、青森県がやってなかったのです。ですから、青森県以外の中央の都市には結構あるのです。  おまけに、先ほどの2004年の臨床研修制度をつくったときに、2年間の研修医の義務化に、もともとは無料でやらせたのですけれども、今度、医者に有料でお金を払った。そうすると、安い大学病院等々に人が来ない。  そういう結論になったのが、結局は地方の医師不足ということになっているわけです。このことについてどう考えているか。  それから、病院の再編問題というのは、藤崎の病院が管理委託になっていたと。それと、平川の病院が病院ではなくて診療所にしたと。そうすると、今まで津軽地域でベッド数の問題があって大きな病院をつくれなかった。今こそチャンスだと思うのです。  もたもたしている場面ではない。今が機能の再編を行う一番のチャンスであると思うのです。  これを外したら、また津軽全域のベッド数の問題が出てきますので、できなくなってしまう。  だから、今がチャンスなのに、まだ研究をしているとか、意見交換をしているとか、そういう段階でありますので、まず、県が主体となっている自治体病院の再編機能の健全化を維持する意見交換等々の会議を1年に1回ぐらいしかやっていないでしょう。もっともっと何回もやれるように県に働きかける必要があるのではないかと思うのです。  そして一方で、再編を行うための各自治体同士の、首長同士の話し合いとマンパワーをどうするか。建物を建てたはいいけれども、このマンパワーがなければどうするかという問題がありますので、それもあわせて同時並行でやっていくのがどうしても必要であろうなと。これをやらないと救急問題も解決しません。  ですから、ぜひ、この辺については研究して早期にやるように、答弁を求めます。
     それから、病院の機能の再編問題でよく新聞等々に言われるのは、病院の機能を分担しようではないかという話も出てくるわけです。これは、私は非常に危険なことなのだろうなと。意見をいろいろ聞いてみましたら、やはりそういう意見がお医者さんでは多いです。  病人というのは1カ所が悪いのではなくて、総合的にみんな悪い場合もいっぱいありますので、そういうときに病院をたらい回しにされてしまう可能性がありますので、その間に死んでしまうということがありますので、できれば大きな総合病院で全部図れるようにするのが理想なのだろうなと思います。  (2)マンパワーの不足と輪番制度の維持についてなのですけれども。  市の方で輪番制を維持するために、各病院がマンパワーがうまくいっているのかどうかというのはとらえてあるのですか。この辺についてお伺いをいたします。  それと、はしかの対応です。  はしかは、データを見ますと、弘前の場合は1歳から2歳の間で大体95%ぐらいが予防接種はしているのです。ところが、幼稚園の年長組――6歳ぐらいの、第2期の接種の時期に80%ぐらいまでがくっと落ちるのです。  弘前以外の西北等々の西の方、あちらの方の郡部の方では、もっと落ちるのです。郡部というのは、町村というのは、1回接種のチャンスを逃すと、次、半年とか1年とか先でないとできなくなってしまう。その間にやらなくなってしまうのです。  そういうことがありますので、ちょうど今、岩木とか相馬とか合併しましたので、この辺はどうなっているのかと思うのです。  通常であれば、お母さんの抗体があれば6カ月までははしかにかからないわけです。お母さんがもし抗体を持たない場合、生まれてすぐから、はしかにかかる確率があるのです。  それで、もし抗体を持ってあったとしても、6カ月過ぎのあたりから赤ちゃんの抗体は急激になくなります。そこから予防接種の1回目を受ける間までが非常に危険なわけです。  この間にかかると、熱性麻痺を伴う脳炎を引き起こすということがあるわけです。ですから、非常に死亡率が高くなってくるわけです。  インフルエンザ等々にかかって死ぬ確率よりもはるかに高い確率で、はしかでは子供が亡くなります。  はしかのかかる、罹病者の一番多いのが2歳までなのです。この2歳までを、まず、どうやってやるのか。それと、そのころに接種したワクチンが切れてくることの6歳、7歳のあたりをどうするかということなのです。  アメリカでは、はしかはないのです。アメリカというところは、日本人、最近でもありましたけれども、日本の女子高生が飛行場でびたっととめられてしまったのです、はしかがわかって。それから、ホテルに隔離されて、日本に帰って来られない、国内に入れない。そういう状態になったわけです。  ですから、我々日本人は、たかがはしかと思っておりますけれども、世界的に見ると、はしかというのは物すごい真剣に討議されている問題なのです。  はしかというのは、小さい子供がかかった場合、非常に重度の後遺症を併発するのです。  ですから、この辺の重大な問題をどうするか。  私は、何もそう難しいことではないと思うのです。義務化されたワクチンの接種、弘前市でやる。例えば、学校のシステムを利用する。学校に上がるとき必ず第2期のワクチンの接種をする。そうすると、6年ぐらいでなくなるはずです、弘前の子供については。  先ほども、私は壇上でも言いましたけれども、若い女の人たちに抗体がない人が非常に多いのです。  ですから、若い女の人がかかった場合、流産するという可能性が非常に高くなってくるのです。  この辺も踏まえて、そういう、はしかをなくするという運動をやはり弘前自体がとらなくてはならないのではないかなと思うのです。  はしかというのは、社会的に大人が保有して、大人に宿主があって、そして体の中にあって、その人は抗体は持っているけれども、菌は持っているわけです。それが、ある時期、コホンとやると、抗体を持っていない人にかかるわけです。  例えば、子供がかかると、今度は子供が病院に行って、母親は右往左往しながら病院に行くわけです。そうすると院内感染を起こすのです。はしかの特徴は、院内感染を引き起こしているところにあるのです。  茨城県では院内感染を防ぐために、1人でも患者が出た場合、PTAとか、学校医とか、保健所とかが一体となって、3者でもって物を考えている。それで、なくしている事例もあるのです。  それで、報告を義務化しているのは沖縄でもやっております。  弘前の、この場所で看護師の学生たちが10%以上も抗体を持っていなかった。例えば、彼女たちが――男もいるか、はしかに感染した場合、病人に今度はうつすのです。小児科に勤務している場合、小児科の子供たちにだーっとうつるのです。  学校のシステムを利用すれば、さほどのお金もかからなくてこれを撲滅できる。撲滅できる病気ですからね、はしかというのは。  それで、このはしか、アメリカでも、さっきなくしたという事例を申し上げましたけれども、これはやはり当然システムを利用して、そしてできれば、はしか単独のワクチンではなくて、はしかとともに、ほかに風疹のワクチンも一緒につけてやれば私は非常にいいと思うのです。  はしか単独でやるのと、風疹とはしかと両方一緒にしてワクチンを投与するのと二通りがありますので、できれば弘前あたりでは、こういうことをやっていけばいいと思う。これについて、どう考えているのかお聞きをいたします。  それから、最後になりますけれども、りんご公園の問題です。  りんご公園が扱っている問題の、これが、非常に、勉強すればするほど根が深いと思うのは、担当しているところがりんご農産課であるとか、それから観光物産課であるとか、教育委員会も扱っているでしょう。旧小山内家住宅については教育委員会も扱っているでしょう。  指揮系統がまるで発揮しないと思うのです。責任者がはっきりしない。園長さんのもとに指揮系統をはっきりさせて、それで充実させればいいと思うのです。  さっき、市長はパネルで提示するとか何とか言っておりましたけれども、農家の歴史というのは、一つには過酷な労働と、一つには冷害の歴史と、そしてもう一つには権力者からの搾取の三つが農民の歴史なわけです。  今回の場合、過酷な労働をどうやれば逃げられるのか。そのために道具がどういうふうに変化していったのか。どういうふうに農業地帯が変遷していったのか。こういうものを、やっぱりあそこに行けば農家のプロ、農業のプロであっても、見てもすごいなというものを充実していって、そして説明をつけていく。  例えば、水揚げポンプ。最近まで、70年ぐらい前まで足踏み式の水車でもって、水を低い堰から田に揚げていたわけです。これは、年をとった人はきっと覚えていると思うのです。我々もよく写真で見ます。それをなくするために、やっぱりポンプが改良されていくのです。  一方で、りんごは農薬でつくるという、それぐらいのことも言われます。ということは、農薬なしではりんごはつくってこれなかったということです。  それで、その農薬をやるときに、それをかけるための道具がどうやって変遷してきたのかを、やっぱりりんご公園にやらなくてどこへやるのですか。  そういうこともどう考えているのかお伺いをいたします。 ○議長(藤田 昭議員) 市立病院事務局長。 ○市立病院事務局長(今井二三夫) まずは、この機能再編を急げということであります。  ただ、この機能再編の大きな目的は、四つほど掲げられております。一つは、圏域内の地域医療というものを、まずは底上げ、充実せよと。それから二つ目には、脳卒中、あるいはがん、あるいは心筋梗塞といったような病症については、その圏域の中で対処できるように、やれるような体制をとれと。それから三つ目には、救急等を含む急性期の医療体制をしっかりしろということと、もう一つは、ここが大きいのでありますが、慢性期とか在宅医療とか、こういったような今の社会的条件に合わせながら、病院としての経営が困難なところは診療所等への変換を図りながら、分担し合いながら進めろというようなことであります。  そして、ここの圏域は県が支援して、こういった機能再編するという観点から、13年から取り組んできておりますので、今、県の方に、そういう、急ぐように申し伝えろということでありますので、このことについてはそういった御意見があったということを申し伝えたいと思います。  なお、それらの中で、まずは臨床研修医等の問題、医師不足を招いていないかということでありますが、その一因にはなっているかもしれませんが、私が個人的にどうこう申し上げる政策ではないので、ひとつ御勘弁いただきたいと思います。  それから、二つ目の、ベッド数の問題でありますが。  この圏域は平成17年3月の県が定めている医療計画というのがあります。今年度――来年3月までに見直しすることになりますが、その医療計画の中で、この津軽地域のベッド数については3,471床という数が全部で決められております。  ところが、随分減ってきているのですが、まだこの4月1日現在、3,892床と、まだ420床ぐらいベッド数はオーバーしている地域であります。  したがって、ベッド数が少なくなってきている中で、とにかく急げということでありますが、そのことを理由にこの機能再編を持ち上げると、県の方では「話が違うでしょ」というようなことになりますので、ここはひとつ、私の方からベッド数については少し機能再編とは切り離して考えたいというふうにお答え申し上げたいと思います。  いずれにしても、この機能再編問題というのは、今、市町村自治体がこれだけ財政が逼迫してきている中で、そしてまた、自治体病院が非常に経営上面倒になってきている中で、どういう中核病院構想を出すのかとか、機能再編をどうするのかということについては、そう簡単には申し上げられないというような、もろもろな条件を、いろいろな課題がある中で、それをすぐ1カ月、2カ月で結論を出せというわけにもまいりませんので、そういったことで、まずこの圏域の自治体病院の現状というのがどういう状況にあるのか、この辺をしっかり自治体病院の我々事務局長クラスがしっかり認識した上で、県との意見調整に臨むべきではないかということで勉強会を重ねさせていただくということにしたものであります。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) まず、輪番制病院の医師不足であります。  その実態を把握しているかということでありますが、現在どこの病院も、ぎりぎりの医師で限度いっぱいといいますか、むしろ限度を超えて頑張ってくれております。  これは、決して今の状況がこのままいつまでも続いていいと思っておりませんし、続くわけもないと思っております。  ただ、今いろいろな医師不足対策をやっておりますけれども、すぐやったからといって、卒業するまでに6年かかります。来年からはすぐ医師がふえて県内に残るかと、これもまた少し時間がかかります。その間はやはりみんなで工夫して、頑張って乗り越えていかなければいけないというふうに思っております。  それから、はしかであります。  まず、今回大変全国的に話題になりましたこの機会に、改めてはしかの怖さを皆さんに知っていただくと。そうすれば、当然、1回予防注射をやったからいいのだということではなくて、やはり2回やらなければいけないということを認識し、皆さん、2回目の接種率も上がってくるのではないかというふうに思っております。  また、学校の入学前に、さっきも言いましたけれども幼稚園、年長等でやっていますということですが、今も学校に入学する前の健診のときに、ぜひ受けるように話はしておりましたが、先ほども言いましたように、改めてはしかというのは大変悪い病気だということで皆さんにぜひ受けるように勧めてまいりたいというふうに考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 残り時間6分ですので、簡潔に答弁をお願いします。農林部長。 ○農林部長(斎藤則明) 農機具の変遷等の展示につきまして、見に来た方が感心して見られるように展示できないかという御質問だと思いますが。  それにつきましては、現在ついておりますプレート、これらを少し改良しながら現在に至った経緯、あるいは開発者の氏名、功績、これらをできれば紹介して、当時の作業状況の写真等も探しまして、できれば説明内容の充実を考えてみたいと思っています。  以上でございます。 ○議長(藤田 昭議員) 17番。あと5分です。 ○17番(佐藤 哲議員) 時間がありませんので、最後の、りんご公園の施設拡充の提案についてのみ申し上げさせていただきます。  昭和20年代、弘前では戦災に遭わなかったということもあって、機械のエンジニアというのは随分いたのです。鍛冶町を中心として、ポンプの開発者、古い機械を見てみると青森県弘前市鍛冶町何とか製作所とかと書いているのです。  当時、トラクターをつくって輸出しているメーカーまであるのです、こちらの方で。これが、産業として何もなくなってしまった。  これは、弘前市が鍛冶町を中心とした零細といいますか、そういう技術を持った人たちを金属団地にどっと出してしまって、その後、何も構わなかった。その辺の、私は大きな理由があったと思う。  産業をつくるというのを我々の先輩たちは非常におろそかにしてしまった。  あの当時、弘前のエンジニアの人たちがパテントを持っていた。それを井関であるとか、丸山であるとか、ああいうところにパテントを売っているわけです、何千万という数字で。それで、今のメーカーが大きくなってくるわけです。  これを何も、ほったらかして、マーケットに任せる、市場原理に任せると言えば格好いいですけれども、何も構わなかった。これが、今の地盤沈下を起こしてしまっている弘前市、こうなってしまっているという、私は、そういうことはやっぱりあったと思うのです。  この辺もやっぱり、次代の我々の子供たちにそういうことを教え込んで、やはり、りんご公園がその中核にならなければならないと思うのです。  この辺について、商工観光部長、こういう保護も何もしてこなかったということにどういう感想をお持ちですか。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) 大変難しい御質問ですけれども。  かつて、戦後、そういう技術が域外に流出してしまったということは大変残念なことだと思います。  長年の御苦労から、そういった成果品ができて、それは発明工夫による成果品ということになろうかと思うのですけれども、これを保護しようとすれば、議員先ほど御指摘をいただきましたように特許とか、それから実用新案、それから意匠等の登録が必要になるわけですけれども、今後、こういう紹介があれば、やはりこれは専門の知識が必要になりますので、弁理士の方でありますとか、あるいは発明協会の相談業務というものがございますので、そちらの方を紹介させていただいて適切な対応をとっていきたいというふうに考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 17番。あと2分。 ○17番(佐藤 哲議員) 地域の病院の機能再編についてや、それからりんご公園の施設、それから管理等々については、次の議会にでもまたやりたいと思いますので、よろしくお願いしたいということで質問を終わります。 ――――――――――――――――――――――― ○議長(藤田 昭議員) 次に、1番今泉昌一議員の登壇を求めます。   〔1番 今泉昌一議員 登壇〕(拍手) ○1番(今泉昌一議員) 議長のお許しをいただきまして、生まれて初めての一般質問というものをさせていただきます。  1番目の質問、相馬市長の政治姿勢について。(1)が、政務調査費返還訴訟についてという問題でございます。  まず、最初にお断りしておきますのは、この質問は決して特定の議員、個人を非難したり、批判したりするものではないと。あくまで相馬市長が市政に臨む、そのスタンスについてお伺いしたいということでございますのでどうぞ御了解ください。  御案内のとおり、私は、今から2カ月前までは普通の、ただの市民でございまして、ちょっと政治に関心があるやじ馬市民。しょっちゅう傍聴席からこの議会をのぞいておりました。  そういう立場で相馬市政を1年ちょっと観察させていただいていたのですけれども、さすが相馬さんだと、すばらしいなと思ったことが幾つかあります。  その筆頭は、まず、公約どおりみずからの報酬をカットされたことなのです。  これは、ちょうど第2回の昨年の臨時議会で、みずからの報酬カットに触れて相馬市長は「財政の厳しさはわかってますから、この後、さらに厳しくなってくることはわかっていますから」と述べられております。  まず、市長みずからが自分の報酬をカットしなければならないくらい今弘前の財政は決して楽観できる状況ではないのだと。そのことを、まず身をもって市民の皆さんにお示ししたと私は理解しております。  それを踏まえた上で、今回の政務調査費の返還請求、訴訟についての市の態度についてお伺いしたいと思います。  5月25日に、青森地方裁判所において、弘前市の市民団体から出された政務調査費の返還請求訴訟について、2004年度に支払われた政務調査費のうち、22名の議員分約625万円について、その使途が不明確あるいは不適切ということを理由に、市に対し返還を求めるよう判決が言い渡されました。  これに対し、市では控訴したということをその何日か後の新聞で読みました。その理由として、法律判断で承服できない部分があり云々ということがやはり新聞に報じられておりましたが、一体、その法律判断で承服できないというのはどういう部分なのか。新聞を読んだだけでは、私も、恐らく市民の方もわからないと思うのです。  また、市では、その前の2003年度分の政務調査費の返還請求訴訟についても、青森地裁の10議員分約233万円の返還請求命令を不服として控訴し、控訴審における7議員分182万円の返還命令もさらに不服とし、現在上告中と伺っております。  普通の、私、一般の市民の感覚として、何で市は、かくもいこじになるのだろうと大いに疑問なのです。  市に対して金払えと。市、もっとじぇんこ出せという命令ではないのです。市にお金が返ってきますと。市長みずから給料カット2割もする、年間にすれば300万円ちょっとくらいですか、カットしている今この弘前市において、600万、200万、300万を返してもらいなさいというこの訴訟、私一般の市民であれば喜んでお受けすると思うのですけれども、なぜ上告されたのか。なぜ控訴されたのか。その理由を、わかりやすく具体的に説明をしていただきたいと、これが、まず、第1番目の質問でございます。  それから、次に、弥生の跡地のことでございます。  これも、私、相馬市長の政策として非常に高く評価しておるのです。  本当に、これまた公約どおり、すぱっと大型児童館の問題を白紙に撤回されました。  問題は、その後なのです。
     では、あの土地をこの後どのように使うのかということに非常に市民は関心を持っております。  2月8日の新聞紙上に、市は弘前大学と共同研究をするのだと、この弥生の跡地について。その後、市民の意見を聞いて決めるのだと報じられておりました。  そのことについて御質問したいのですけれども、今、では共同研究、どのような形になっているのか。一体、何をどのように研究しようとしているのか。  一番大きな理由は、市民の声を聞く前に、なぜ大学と共同研究をしようとしたのか。この点について御答弁をいただきたいと思います。  大きな項目1の、三つ目は、弘前市の公園の有料制度の問題でございます。  これもたしか、市長の選挙公約の一つだったと思います。  「見直し」というのは非常にいい言葉で、「見直し」ですから、別に「白紙にする」と言ったわけではないのです。非常にあいまいな言葉で、政治家によってどうにでも使えるような言葉のような気もするのです。  では、今、実際その見直し作業はどうなっているのか。  私も、新聞でしか知る由がございませんので、2月にでしたか、第1回の懇談会が行われたと。アンケートをとったと。そして、今月末に第3回の懇談会が行われると。その程度の事情はわかっております。  ですから、今、懇談会でどのようなことが話し合われているのか。それから、今後どのようなスケジュールを予定してこの問題に結論を出されるのか、まずそこをお伺いしたいと思います。  大きな項目の2番目は、教育行政についてでございます。  今、国会でも教育基本法、あるいは関連法案というものが大もめになっておりますが、私は、教育というのは、国家にとっても、この地方にとっても、あらゆるものの土台をなす、根幹をなす重要な要素だと考えております。  簡単に言えば、優秀な人材のいない、いい人材のいない国家は滅びるのです、歴史が証明しているとおり。あるいは、優秀な人材のいない、いい人材のいない地域は発展しないと。だから教育が必要なのだと。  では、優秀な人材、いい人材は何か。  となると、皆さんいろいろな意見があると思いますが、例えば、高い技術を持った人、感性豊かな人、視野の広い人、交渉力にすぐれた人、指導力あふれる人、いろいろな人材像が浮かんできます。そのどれもに共通しているのが、私は学問ということだと思うのです。  学問を修めているということ。  ここで言う学問とは、決して学歴だとか、学校の成績がよかったとか、そういうことではないのです。ここで言う学問というのは、幅広い知識と教養、わからないことをわからないままにしておくのではなくて、わからないことをわかろうとするその心構え、困難ですとか疑問にぶち当たったときに、自分で調べて自分で解決していこうというその意欲、そういうものが私は学問だと思っているのです。  そういう意味で、そういう人間を育てていくということが、今、今の効果ではございませんが、この弘前、将来を見据えた場合、非常に重要なのではないかと思うからこそ、私はこの教育の問題、きょうも質問しますけれども、これから任期中、ずぱっと質問していきたいと思っております。  そういう観点から、5月、6月と非常に残念なニュースが耳に飛び込んできました。それは、学校図書館に関するニュースなのです。  一つは、5月11日の東奥日報「学校図書蔵書達成率で本県最下位」という見出しでございました。詳しく申しますと、国は学校の規模に応じて、あるべき学校図書館の蔵書数を定めているのです。このくらいの規模の学校だと3,000冊必要ですとか、5,000冊必要ですとか。その蔵書数を満たしている学校の割合が、中学校では青森県が一番低く、小学校でもびりから4番目だったということなのです。  ちなみに、中学校では達成している学校がわずか11.9%、つまり10校に9校は達成していないと。小学校では同じく19%、5校に1校しか達成していないという状況なのです。  しかし、それは青森県だと。広い青森県――こう言えば怒られるのかな。弘前は昔から教育都市だし、文化都市だし、よもやそんなことはあるまいと思って調べましたら、何と弘前も大変な状況だったのです。  中学校では、弘前――国の定めた蔵書数を満たしている学校が12.5%しかないのです。8校に1校しかないのです。小学校に至っては、青森県平均よりも低い10.8%の学校しか国の蔵書数を満たしていないことがわかりました。  はっきり言えば、中学校では16校中2校、小学校では37校中4校しかこの基準を満たしていなかったのです。  そんなことを調べておりますうちに、先週、私は直接見なかったのですけれども、何人かの方からも電話が入りまして、NHKの9時からのニュースの報道番組で、図書予算のことをやっていたと。青森県の図書予算が余りにも低くて、学校は欲しい本が買えなかったのだというニュースが流れたのだそうです。ごらんになられた方いらっしゃいますでしょうか。  これも私、慌てて調べました。そしたら、小学校では、全国平均が1校当たり40万7000円に対して青森県平均が17万8000円、半分以下。弘前市はさすがに県の平均よりは高いのですが、それでも24万4000円、全国の60%。中学校では、1校当たりの図書予算平均が全国平均59万円に対して青森県は32万3000円、弘前市は41万3687円という惨たんたる数字がわかったわけなのです。  先ほども言いましたように、子供たちにとって、みずから学びとろうとする力、自分で調べて解決を図ろうとする意欲を育てるために、学校図書館の充実というのは避けては通れない必要不可欠なものだと私は思うのです。  市当局の御意見として、今回明らかにされた低い達成率、低い図書予算といった点について、どのような認識をお持ちになって、また、これに対してどのような手を講じていかれようとしているのか、これをぜひお聞かせ願いたいと思います。  さらに、図書館に関しては、人の問題もございます。  現在、12学級以上の学校には司書教諭を配置しなければならないということで、それについてはそのとおりに実施されていると伺いました。  ところが、実態は、司書教諭といっても図書館に専念しているのではなくて、学級担任と兼務したり、ほかの用事と兼務したりしてなかなか図書に専念できないと。その一方で、学校によっては、昼休みとか放課後のほんの限られた時間以外は図書館にかぎがかかってしまっていると。子供たちが自由に入って調べようと、自由に入って本を読もうとしてもそれができないと。学校がそういう状況を閉ざしてしまっていると、そのような学校があるというふうにも聞いております。  やはり、図書館というのは、常に人がいて子供たちにこんな本があるのだと、これを調べたいのならこれを見たらいいと。あるいは教科の先生と連携をとって、今、この教科で――社会科で戦国時代を習っているのであれば、戦国時代についてはこんな本があるのですと、うちの図書館にこんな本があるのですと、このようないろいろなアドバイスをする、そのような人が必要だと思うのです。  この点についての、市の見解もお伺いしたいと思います。  最後に、大きな項目の三つ目でございます。  実は私、3番目、この人材育成事業というのも教育行政の一環だと最初思いまして、通告のとき、最初そう書いたのです。そうしたら、人材育成といってもいっぱいあって、予算の出どころも違うからこれは項目別にしたほうがいいと。早速、言えばあれだけれども、縦割り行政の壁に一つ、つまずいた次第でございますが、それは余談でございました。済みません。  子供の教育ばかりではなくて、さっきも言いましたように、いい人材、優秀な人材がいなければこの町の将来はないということを考えれば、まちづくりのリーダー、地域おこしのリーダーというものを積極的に育てていく、このような事業はぜひ続けていただきたいと思っております。  私の記憶が間違いなければ、弘前市は、例の竹下総理大臣のときに、ふるさと創生資金でばあっと全国に1億円まかれたときに、金のこけしも買わず、宝くじも買わず、それを人材育成に向けるという形をとったというふうに思っておりました。  大変すばらしいことだと思っております。  その結果、ひろさき創生塾ですとか、きらめき女性塾ですとか、そのような事業が行われてきたと。  私は、ひろさき創生塾もきらめき女性塾も、中で勉強した人はいろいろ御意見あるのでしょうけれども、すばらしい効果を上げていると高く評価しているのです。  今現在、弘前でいろいろな形でまちづくりの団体、あるいはNPOが活動しておりますが、そのリーダー、創生塾出身だ、きらめき女性塾出身だという方が何人もいらっしゃいます。市議会議員の方もいらっしゃいます、女性塾出身の。  本当にすばらしい事業だったと思うのです。  今その、ひろさき創生塾、きらめき女性塾と続いてきた弘前のすばらしい人材育成事業はどうなっているのか。どのような現状になっているのか。また、今後そういう事業について、市はどのようなお考えを持っているのか。以上の点についてお聞かせ願いたいと思います。  以上、理事者側に答弁を求めます。  ありがとうございました。   〔1番 今泉昌一議員 降壇〕(拍手) ○議長(藤田 昭議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 今泉昌一議員からは、三つの項目にわたる御質問がございますが、私からは1項目めの、相馬市長の政治姿勢についての、(2)にお答えをいたします。  (2)は、弥生大型児童館建設計画白紙撤回後の当該地利用計画についてであります。  弥生いこいの広場隣接地に市が計画していた自然体験型拠点施設でありますが、県立の大型児童館の建設に係る要望を取り下げるとともに、市が予定していた岩木山学習館の建設も取りやめることとし、元の計画は白紙に戻すことといたしました。  この土地の利活用方策案の検討に当たりましては、第1番目に、広く市民の意見を聞いて今後の方向を定めていくこと。第2番目として、自然に近い姿を念頭に置きながら検討を進めること。第3番目として、大型箱物施設を中心とした計画はしないこと。第4番目として、防災や利用上の安全面も考慮し整備の方向性を定めていくことの4点を基本としております。  また、これまでの当該地区の整備計画をめぐる経緯を踏まえると、今後の整備の方向性を定める際は、広く市民の意見を聞くための懇談会などの設置を検討いたしますが、その運営においても、外部の視点・手法を取り入れて透明性を確保したいと考えております。  したがって、基本的な考え方の第5番目として、懇談会などの運営に当たっては、大学等、外部のノウハウ・手法を活用することも検討することとしています。  こうした観点から、今年度、弥生いこいの広場隣接地に関する自然・歴史・防災等に関する学術的・客観的な事実の整理や、市民などの意見を集約する透明性の高い手法の開発を主眼として、弘前大学との間で共同研究を行うこととし、現在調整中であります。  今後のスケジュールでありますが、共同研究は今年度1年間をめどとして行い、その成果をもとに、平成20年度に関係機関や市民から成る懇談会を立ち上げ、そこでの提言を反映した計画に基づいて平成21年度以降の整備につなげていきたいと考えております。  以上であります。  そのほかの項目については、担当部長及び教育委員会から答弁いたします。 ○議長(藤田 昭議員) 事務局長。 ○事務局長(油川亞夫) 続きまして、(1)政務調査費返還訴訟についての御質問にお答えいたします。  市では、現在、「政務調査費の使途に違法・不当な支出が含まれていた議員に対し、返還請求するよう求める」との内容で3件の住民訴訟が提起され、平成15年度の政務調査費にかかわる訴訟については、最高裁判所に上告の手続をし、平成16年度の政務調査費にかかわる訴訟については、仙台高等裁判所に控訴し、平成17年度の政務調査費にかかわる訴訟については、青森地方裁判所に対し応訴の手続をとっております。  市が上告、控訴及び応訴している主なる理由の1点目は、調査義務についてでありまして、市では、各議員から提出された政務調査費の収支報告書において、一見して疑問を抱かせるような記載がない限り、使途基準に合致するか否かについて調査する義務を負うものではなく、それを指して違法に怠っているという判決内容は納得できないものであります。  2点目でありますが、市は法規に基づき行政事務を行っておりますが、判決では、一部の調査費について社会通念上相当な割合として、2分の1、4分の1等により所要経費を案分し金額を確定するという判断が示されておりますが、この点については法令に何ら根拠もないものと考えられるものであります。  また、過去の同様の訴訟における仙台高等裁判所の判決内容との比較で、見解に相違が見られる点があることから、改めて判断を仰ぐものであります。  3点目は、議員からの政務調査費の残余金を市が返還請求する時期――起算日は、市としては議員が市からの請求を受けて初めて返還義務が生じると考えているため、判決でいうところの残余金が確定した収支報告書の提出期限日の翌日――つまり5月1日を起算日とするとの判断は失当であるなどが主な理由であります。  いずれにいたしましても、現在、係争中でありますので、裁判所の判断を注視してまいりたいと思います。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) 次に、(3)弘前公園有料制度の見直しについてにお答えします。  弘前公園の現在の有料制は、ことしで5年目を迎えたことや市町村合併により新市が誕生したことを契機に、いま一度市民の方々の声を聞きながら有料制の見直しをしようとするものであります。  有料制については、弘前公園の維持管理の経費が市民の税金で賄われている実情や当市の財政事情を踏まえ、有料制は基本的に必要であるとの考えで臨んでおります。  見直しに当たっては、本年1月から2月にかけての市民アンケート調査やさくらまつり期間の観光客を対象としたアンケートを実施したほか、一般公募委員5名を含む30名で構成する弘前公園市民懇談会を設置し、有料制について広く意見を伺っております。  これまでのアンケートや市民懇談会では、無料とする意見や有料の区域や期間、有料時間帯、入園料金、さらに高齢者等の無料対象者の取り扱いなどについてさまざまな意見をいただいております。  今後のスケジュールにつきましては、今月28日に予定している第3回弘前公園市民懇談会終了後、アンケート調査の結果や市民懇談会の意見を踏まえて、庁内の関係部・課による検討会議を設置し、市としての有料制見直しの素案を作成いたします。  その素案を弘前市都市公園管理審議会に諮問し、答申をいただく運びとなります。  さらには、その答申を受けて方針を決定し、本年12月開催の定例会への条例提案を予定しており、新有料制の導入が可決された場合は、平成20年4月施行を予定しております。 ○議長(藤田 昭議員) 教育長。 ○教育長(石岡 徹) それでは、2番、教育行政について。(1)学校図書室の現状と今後の方針についてにお答えいたします。  学校における読書活動は、学力の向上、児童生徒の心の安定やみずから生きる力を身につけることに大きく寄与しているところであります。  当市における平成17年度の学校図書館の蔵書整備は、小学校16万7392冊、中学校11万4481冊となっており、文部科学省が公立の義務教育学校で備えるべき冊数として定めた学校図書館図書標準冊数に対し、小学校は60.17%、中学校は71.98%の図書整備率となっております。  蔵書整備については、これまでも冊数の確保はもとより、新刊図書の購入による蔵書内容の充実に努めてきたところであります。  国では、子供の豊かな読書経験の機会を増し、子供の知的活動を増進し、多様な教育活動にこたえる魅力的な図書資料を整備・充実することが大切としております。  このことから、国では、平成14年度から平成18年度まで学校図書館図書整備5カ年計画を策定し、総額約650億円の地方交付税措置を講じてきたところであります。さらに、平成19年度から平成23年度まで、新たな学校図書館図書整備5カ年計画を策定し、平成23年度まで毎年約200億円、総額約1000億円の地方財政措置が講じられることとしたものであります。  今後も、図書整備率の低い学校を中心に重点配分するなど、その向上に努めてまいります。  次に、専任司書を学校に配置することについてでありますが、小中学校の教職員配置にかかわる基準であります市町村立学校職員給与負担法では、専任司書の配置にかかわる規定がないため、県費負担職員としては配置できないものであります。  また、全国的には、独自で専任司書を配置しているところもありますが、市単独経費で専任司書を配置するためには多額の経費を伴うことから、当市においては極めて困難であります。  このことから、現行制度のとおり12学級以上の学校に司書教諭を配置し、学校全体で学校図書館の運営に当たるよう指導してまいりたいと考えております。 ○議長(藤田 昭議員) 企画部長。 ○企画部長(髙橋文雄) 続きまして、3項目め、人材育成事業について。(1)「ひろさき創生塾」「きらめき女性塾」等、人材育成事業の経緯、現況、今後についてにお答えいたします。  合併前の旧弘前市では、政府のふるさと創生関連施策である地域づくり推進事業により措置された交付税相当分等を積み立て、平成元年に弘前創生基金を設置いたしました。  基金の活用に当たっては、弘前創生懇談会の提言や庁内に設置した弘前創生事業推進会議での審議を受け、平成6年度以降、人材育成に関する事業の財源に充当することとし、ひろさき創生塾及び弘前きらめき女性塾は、この基金を活用した人材育成事業の中の一つとして展開されてまいりました。  ひろさき創生塾は意欲と情熱のある若い人を、あすの弘前市をしょって立つ人材に育てたいという市民の熱い思いから出発したものであり、調和と活力のある住みよい地域づくりを推進するため、創造性豊かな行動力ある人材の育成を目的として、平成7年度から平成10年度までの2期4年間開塾いたしました。  地域づくりに関する調査、先進事例の研究や各種団体との交流会を通して学んだ合計66名の卒塾生は、市が実施する事業やさまざまな地域活動の場で活躍しており、一定の成果があったものと考えております。  また、弘前きらめき女性塾は、男女共同参画社会の実現のため、これまで対外的な活動の場で発言したり交流の場に参加する機会が少なかった女性を対象として、政策・方針決定過程などあらゆる分野に参画できる幅広い見識と判断力、企画力、行動力及び表現力などを身につける機会を提供することを目的に、平成11年度から平成15年度までの5年間、1期を2年とし計4期開塾いたしました。  男女共同参画社会の必要性を初め、自己表現方法など、幅広い分野を学んだ合計111名の卒塾生は、現在、市の事業や地域活動などさまざまな分野で活躍しております。  ひろさき創生塾及び弘前きらめき女性塾が終了した後も、基金を活用した、例えば、青年プロジェクト塾などの人材育成事業を展開してまいりましたが、市町村合併時には、弘前創生基金を同種の目的を持った基金と統合し、新たに弘前人材育成基金を設置いたしました。  今年度もこの基金を活用し、観光ボランティアガイド養成事業を初めとした合計17事業を展開しておりますが、今後も、当市の次世代を担う人材の育成に寄与する事業に、この基金を活用し取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(藤田 昭議員) 1番。 ○1番(今泉昌一議員) ありがとうございました。  まず、1番の、政務調査費の訴訟について。  私も、実は、5月25日の地裁の判決言渡書を拝見させていただきまして、すべての議員さんが明らかに不適切なものを使っているわけではないなと。確かにこれは見解の相違もあると。はっきりとした明確な基準がないために、裁判所と使う側の議員との見解の相違というところもあって、お気の毒な面もあるなと思う反面、でも、やっぱりこれおかしいよねというところもたくさんあったわけなのです。
     先ほど、そういう明確な基準がない社会通念上などというあいまいな言い方をされたのでそれでは納得できないとお話しされましたが、法律上は公序良俗という言葉もあるのです、実際に。公共の秩序とか、それに違反していれば、それはやっぱりおかしいことなのだよと。必ずしも全部が全部きちっきちっと、例えば、これをこうしなければだめだ、これはこうすればいいというものではない。やっぱり、そういうあいまいなところは、やはりそこは司法の判断に従うというのが社会の建前なのではないでしょうか。  司法がいろいろつぶさに検討して、この分はいいけれどこの分はだめだと分けた。これは、やはり公序良俗、司法の判断だと思うのです。  私は、そこで、市はそれに一たん従って、後は市から返還請求を受けた議員さんと市、あるいは司法との問題だろうと。  なぜ市がそこまで議員をかばうのだと、これ、一般市民、こう思っているのですよ。市は、大切な税金を取り戻すことよりも、議員をかばっているのではないかと。このように市民は思っているのです。  よく、国会では、霞が関の住人とか、永田町の住人と言いますけれども、何だと、議会と行政は対峙して市のために一生懸命やるはずなのが、なれ合っているじゃないかと思っている方がたくさんいらっしゃるわけなのです。  ですから、私は、この問題に関しては毅然とした態度で臨んでいただきたい。これが、別に個人のポケットマネーの問題ではない、税金の問題なのですから、やはりそこは、毅然とした態度で臨んでいただきたい。  司法の判断は、それなりに尊重すべきものだと私は思います。  あと、ですから、先輩諸兄、私は絶対自信があるという方もいらっしゃると思うのです。いろいろと話を聞けば、陸奥新報はいいけれども津軽新報はだめだと言われたとか、何か細かい話がいっぱいあるみたいですけれども、それは、その場できちっと各議員が応じていけばいいだけの話で、市がそこまでかばう必要はないのではないかというのが私の意見でございますが、いかがでございましょうか。  次、弥生と公園の問題。  これを、相馬市長の政治姿勢という項目に挙げましたのは、相馬市長、確かに、本当に公約どおり市民参加型ということを実行されております。  数々の委員会や審議会に、公募した市民を参加させてくれていると。従来みたいに充て職の市民ばかりではなくて、本当に一般公募で委員を選んでいると。これは、すばらしいことだと思っております。  特に、弥生の問題と公園の問題は、市民にとって関心が高い問題なのです。  早い話が、岩木山と弘前公園は、弘前市民の心のふるさとだし、誇りなのです。  この二つの問題については、ぜひ、従来の市民参加をさらに進めて、市民も参加させるという形ではなくて、市民が決めるという形にまで持っていっていただきたいと、これが私の要望でございます。  ところが、残念なことに、先ほど御答弁もありましたように、公園に関しては、何か有料制が前提になっていると。  そういえば、先般とられましたアンケートも有料を前提としたアンケートでした。有料制にするとすれば場所はどこがいいですか。有料制にするとすれば期間はいつがいいですかと、そういう設問でございました。  非常にアンフェアだと思います。  あれでは、世論がミスリードされてしまうのです。  改めて、この問題、さっきも、本当に弘前公園というのは、私たち弘前市民全員の心のふるさとという言い方、すごく陳腐だけれども、よりどころでもあるし、小さいとき遊んだ、初めてのデートがあそこでしたとか、みんな私たちの一人一人の思い出に深く刻まれている場所ですので、ぜひ、そういうミスリードするようなことではなく、無料がいいか、有料がいいかも含めて、改めて全市民にアンケートをとってみていただきたいのですが、そのようなお考えはございますでしょうか。  図書の方の話に、また今度は教育行政の方に戻ります。  確かに、予算のない中で、財政が厳しい中で努力をされていると、そのところは十分わかりました。  ただ、やはり、予算というのも、これ、どう考えればいいのかなということなのです。財政が厳しいのはどこも同じで、そういう厳しい中で、何にどう配分していくかと、これは、やっぱりトップの姿勢なのです。  本当に教育を重要視していくのか、何を重要視していくのかというところ、ここにいわゆるトップの姿勢がうかがわれると思うのです。  ちょっと、数字なので読ませていただきたいと思いますが、例えば、今、弘前の小学校の1校当たりの図書平均と全国平均の差が約16万円、弘前に37校ございますので、それを単純に掛け算しますと、あと592万円予算をふやせば、せめて全国平均並に追いつくわけなのです。同じように計算すれば、中学校も、あと430万円そこそこでせめて全国平均に追いつくと。  では、その600万円、500万円、400万円が大きいか少ないかは、これはまた別な問題ですけれども、せめて、それを少しずつでもつぼめていこうという、その意欲があれば、私は予算に反映されてくるのではないかと思うのです。  お隣の鶴田町では、今、これも残念ながら財政上減ってきているようですけれども、数年前までは一クラス当たり6万円という当初予算をつけたのだそうです。66クラスに一クラス当たり6万円と。  これ、もし弘前に実現すると、弘前の当初予算は、まず3600万円になる計算になりますね。  ここまでは絶対無理なのはわかっていますけれども、やっぱり、あれも町長が子供たちにしっかり教育を受けさせたいという思いがあったから実現した予算であって、トップの思いというのが、少なくても、少しずつであっても予算に反映されてくると考えております。  もし、予算がないのであれば、もう一つ提案があるのですが、それは、予算がないのであれば、少ない在庫を有効に使うという方法なのです。  市立図書館と学校図書館の連携について、学校の図書館に蔵書がないのであれば、例えば、今度の学校授業で使うと。では、市立図書館に行ってその本を借りてこようじゃないかとか、そのような市立図書館と学校図書館の連携について、あるいは学校図書館同士の連携についてはどのように考えられておりますでしょうか。  実はこの問題は、平成16年に別な議員さんが質問しているのです。そのときに、ある方が答えて、そのときの返答が、利便性は向上されると思うがコストやシステム開発等問題も多いので、今後とも先進事例を参考としながら研究に努めたいとお答えいただいているのです。  それでは、質問ですけれども、どのような先進事例をどのように研究されて、今現在そのことについてどのような見解を持たれているのか。これを再質問として答えていただきたいと思います。  それから、人の問題も予算の問題でできない、いろいろな問題でできないというお話でございました。  ただ、これは、弘前市立はございませんが、弘前大学附属小学校で2年前から専任司書を配置しております。あそこは、市立ではないので、特別なのであれでしょうけれども、後援会というのがありまして、後援会が雇用するという形で配置しているのです。  まだ、はっきりとした数字の結果という、配置する前のデータがないので、まだ数値としてはあらわせませんが、この間聞いて、お話を伺ってまいりましたら、教頭先生も、校長先生も、すごく効果が出ているのだと。ある日なんかは、多い日では、あそこ600人そこそこの学校ですけれども、昼休みだけで270人の生徒が本を借りていったというのです。  それだけ、子供たちが本に対して関心を持つようになってきているのです。  そういう先進事例もございますので、ぜひそれも研究して、予算がなくて、いきなり全校が無理なのであれば、とりあえず学校の規模の大小や地域性も考えて、モデル校というものをつくってみてはいかがなのでしょうか。  配置してみると、とりあえず、その結果、そこの学校で、子供たちの読書に対する意欲が増したとか、あるいは、授業に対する取り組みが変わってきたとか、そういうようないい結果が出たら、それをどんどん、だんだん進めていけばいいと思うのです。  お金ないからやらないと言っては一向に進まないのです。  まず、一歩でも、ちょっとでも進んでみるということが大切なのではないかと思います。  以上、再質問お願いいたします。 ○議長(藤田 昭議員) 事務局長。 ○事務局長(油川亞夫) 政務調査費の再質問でございます。  先ほどもちょっと申し上げました。現在、上告、控訴あるいは応訴といった段階を踏んでございます。  裁判が進むにつれまして、実際に返還の対象になった議員の数、あるいは政務調査費の返還請求せよとの額が減少してきております。逓減してきております。  というのは、裁判官そのものも、その過程において判断が動いてきたと、あるいは、それは証拠書類であったり、補足説明であったりいろいろなことがあってのことかと思います。  そういうこともあって、実際、議員さんが支出された政務調査費の正当性のある部分をやはり守っていくのも市としての責務でないかなと思いますので、また、判決の内容についても以前に出たものとの相違とか、あるいは基本的な考え方で市の見解との相違があるという部分について闘っておりますので御理解いただきたいと思います。  以上です。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) 弘前公園の有料制に関するお尋ねでございますが、弘前公園の有料化が始まったのが平成元年の年からでございます。平成15年の年に有料区域、それから有料時間帯等々、一部見直しを行っております。  まず、弘前公園の維持管理でございますが、これには人件費を含めまして約4億円の経費がかかっております。  この経費は、基本的には市民の税金で賄われているわけでございますが、有料制によって年間8000万円以上の収入がございます。当市の財政事情から見ましても、この有料制は必要であると考えております。  それから、全市民に対するアンケート調査をしてはどうかというお尋ねですが、全市民に対するアンケート調査は想定してございません。  以上でございます。 ○議長(藤田 昭議員) 教育部長。 ○教育部長(成田雅幸) 学校図書についてのお尋ねでございます。  まず、第1点は、非常に財政的に厳しい中で、予算を何とかふやして図書の蔵書をふやすことができないかという御質問でございますが、学校の図書費、先ほど教育長の答弁の中で地方交付税の話を申し上げましたが、この地方交付税というのはメニュー方式ではございませんので、どの程度、市の方に入っているのかというのは非常にわからないというのが実態でございます。  また、交付税の総体額そのものが非常に削減されてきている状況にあるということは議員も御承知のことかと思いますけれども、この少ない予算の中で、できるだけ、毎年の予算編成の中では急激な削減にならないように、そして必要な金額を確保できるようにこれまでも努めてきておりますし、今後も努めてまいりたいと考えております。  ただ、ままならぬ、思うようにこちらが要求する額がなかなかつかないというのが現状でございます。  それから、2点目は、学校図書館と市立図書館の連携についてということでございます。  学校図書館と市立図書館のネットワーク化については、50万件を超える図書情報の入力、それから共通のデータベースの構築、それから現在運用しているシステムでは対応が困難であります。よって、別なシステムの開発が必要になってきますが、その開発には非常に多額の初期投資が想定されますので、早期の導入は困難と考えております。  また、現在実施されております市立図書館との連携といたしましては、市立図書館の除籍図書――いわゆる廃棄される図書でございますが、これを学校の方へリサイクル図書として配付をしてございます。また、学校の読書団体というのがありますが、この読書団体に一度に多数の本を長期間にわたって貸し出すということで、団体図書貸出制度というのもございます。  これらの周知、推進を図ってまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。  それから、専任司書の件でございます。  教育委員会としても、モデル校でやってみたらどうかという御提案でございますが、モデル校方式にいたしましても、その経費というのは少なくないということでございまして、現在、発令されている司書教諭、12学級の学校に配置されている司書教諭を中心に、学校において組織的に学校図書館運営を進めること、あるいはボランティアの活用というものも考えられるかと思いますが、このボランティアと連携を図ることによって学校図書館の活性化につなげていきたいと考えてございます。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 1番。 ○1番(今泉昌一議員) 確かに、財政が厳しいからと言われてしまえば、何もしゃべれなくなってしまうのかもしれませんが、さっきも言ったように、だから厳しい中ででも、では、こっちは抑えてこっちはやろうとかというのが、そこがやっぱり行政だろうと思うのです。  例えば、お金がないならないなりに、まず工夫するということも必要だと思っているのです。  市立図書館と学校図書館の、私はあえて「連携」という言い方をしたのです。「ネットワーク」なんていうと、すぐ皆さん、やれコンピュータ使ってどうたら、こうたらと。ああ、お金がないと。私は、あえてそこで「連携」という日本語を、漢語を使いました。これは何もお金かからないのです。私言いたいのは。  単純な話すれば、一人、市立図書館の中に学校図書館担当というのを置いて、その方が学校図書館としょっちゅう連絡をとって「この本うちで使うのだけれど、そっちにないか」とか、そんな形で連絡をとるだけでも私かなり違ってくるのだろうと思うのです。  ですから、すぐ予算だ何だと言う前に、工夫をして一歩でも半歩でも進むような、そこに知恵を絞るのがこういう財政厳しい折の行政の皆さんの役目ではないのかなと思います。  あるいは、学校が図書購入するときに、こんきしか予算ないから、本当はこっちの方も欲しいけど買えないのだと。では、何とか市立図書館の方で用意してくれないかとか、そのような連携をとることで、私は現在の学校の蔵書不足というのは解消していく一歩にはなるだろうと思っておりますので、ぜひ、そのようにお願いしたいと思います。  ということで、きょう初めての質問、随分生意気なことも言わせていただきました。  これで、最後、私、さっきもちょっと突っ込んだのですけれども、皆様のお話を聞いておりますと、検討しております、研究しておりますというお答えが随分多いように思います。  それはそれで結構でございますけれども、ぜひ、研究している、検討しているということであれば、私、また、さっきの佐藤哲議員でないですけれども、またこの問題を繰り返し繰り返し質問しますので、その検討がその後どうなったか、研究した結果どうなったかということもぜひお答えいただきたいと。  その場を適当におさめるための「検討してます」「研究してます」というのは、やっぱり私は、ぜひやめていただきたいと思います。  ごめんなさい。素人で時間配分がわからなくて10分も余してしまいましたけれども、これで質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(藤田 昭議員) 昼食のため、暫時休憩いたします。   午前11時50分 休憩  ――――――――◇――――――――   午後1時00分 開議 ○副議長(一戸兼一議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  7番松橋武史議員の登壇を求めます。   〔7番 松橋武史議員 登壇〕(拍手) ○7番(松橋武史議員) 子供たちの未来のため、一生懸命汗を流して働く市民のため、将来の弘前市民のためを思い通告に従い質問いたします。  1、弘前大学の地域経済に与える影響についてであります。  財務省は国立大学法人、全国87大学の運営資金として国が支出している運営費交付金について競争原理に基づき再配分する試算を公表しました。  科学研究の成果等という一面で評価した試算で、全国の85%の74大学で交付金が減額され、都市部の東大、京大、東京工業大、東北大、北大など13大学が増額され、地方は脅かされる内容であります。  国が教育再生を叫ぶ中で、教育系大学の弘前大学におかれましては50%以上の減額との内容であります。  大学の役割には教育研究、地域貢献があります。  科学研究費のみを指標に大学をはかり、地方切り捨てにつながるシミュレーションに真に合理性や総合的見地があるでしょうか。  弘前大学の2007年度の予算総額はざっと360億500万円、そのうち約半分は人件費に充てられ、歳入は附属病院収入の100数十億円を見込み、国からの運営費交付金が約120億円、これに授業料、検定料、入学金などが加わったものであります。  大学の経営に運営費交付金がいかに寄与しているかがわかります。  大学は改革を積極的に進め一層の努力をする必要がありますが、仮に国の試算どおり約80億円もの削減なら、大学の維持、経営は死活問題となります。  これは大学の地域貢献を無視した議論であり、余りに乱暴と言えるのではないでしょうか。  大学の死活問題は、当市に大変大きな影響を及ぼす重大な問題として考える必要があると思いますが、市長の御所見を賜りたいと存じます。  2、コンパニオンアニマルとの共生についてであります。  現在日本では、犬が8世帯に1世帯の割合、約1000万匹、猫が約700万匹から800万匹飼われております。
     そのほとんどが愛玩動物として飼われているが、最近ではコンパニオンアニマル(人間の仲間や伴侶としての動物)と呼ばれることも多くなっており、より大切に友として接している人も多いようであります。  ペットの周りにはさまざまな問題があるようですが、その原因は、飼い主の知識不足が大きいと言われているようであります。  特に、動物を飼う前によく考え勉強することをしなかったために、後々、「こんなはずではなかった」と飼い出したことを後悔することがよくあるようであります。  動物を飼うことは大変であり、毎日食事を与え、定期的に予防注射、予防接種、健康診断を受けさせなければならないし、犬の場合は散歩もあります。  鳴き声やかみつき、不衛生、脱走などで他人に迷惑をかけないよう気を配ることも大切であります。  また、特に犬は正しいしつけをすることが必要だと言われております。かわいい犬をたたいて言うことを聞かせるのはかわいそうだなどという意見もありますが、仕方がありません。  しつけを正しくしないと、犬は凶暴で飼い主にまでかみついてくるようになり、また、所構わず排せつするようになってしまい、その結果、飼い主も他人も犬も不幸になってしまいかねないのであります。  犬を初め動物を飼う際には、本当に動物と幸せに暮らせるのかをよく考えなければなりません。  具体的にしなければならないことというと、動物を飼う前に、飼う環境は整っているか、家族は全員承知しているか、世話の役割分担ができているか、そしてその動物を終生飼い続けることができるかを検討し飼うことを決定するのです。  しかし、捨て犬、捨て猫等が後を絶たないようでありますが、現状とその対策についてお伺いいたします。  飼い犬登録等の状況についてであります。  犬を取得した者は、30日以内に登録をして発行された鑑札を犬につけておかなければなりません。また、犬は年に1回狂犬病予防注射を受けさせて、交付された注射済票を犬につけておかなければならないといったことが法的に義務づけられておりますが、近年、登録、転入、転出、死亡届を出さない飼い主がふえていると聞き及んでおりますが、飼い犬登録等の状況についてお伺いをいたします。  ペットの公害についてであります。  ペットにより近隣に被害を加える問題で、中でも鳴き声、悪臭、不衛生を三大ペット公害と言うようであります。  そして、この三大ペット公害にほぼ共通して言えることは、飼い主が多数の動物を飼っていて世話が十分に行き渡っていないことが原因であるという点であります。  当市においても、これらのトラブルがあると聞き及んでおりますが、市民より苦情や相談が寄せられてきたときの対応についてお伺いをいたします。  ペットのかみつき事故についてでありますが、これは大抵犬の話のようであります。かみつき事故は被害者が悪い場合を除くと、その原因は、リードが長かったり、放し飼いをしていたというようなことが多く、飼い主が少し気をつければ防げる事故のようであります。近年、これらの事故があるのかお伺いをさせていただきます。  地域猫についてであります。  住宅地周辺で住民にえさをもらい、そこに居つくことを認められている猫のことを地域猫と言うようであります。  この場合、小動物を指すようでありますが、問題になるのは、その猫などが他人に迷惑をかけた場合にだれが責任をとるかであります。  法律的には飼っていなくても世話をしている人が責任をとらなければならないとありますが、地域猫等での問題やトラブル、また市民からの苦情はあるのかお伺いをいたします。  犬の散歩の環境整備についてであります。  犬の散歩というと、ふん尿をさせるためと誤った認識でいる方々も多いようであります。  1日のほとんどを鎖につながれている犬は、運動不足等が原因でストレスがたまり、散歩はそのストレスの解消のためとも言われております。犬の中にはリードにつながれたままの散歩では満足できない犬もおります。  他の自治体では「人と犬とが共に楽しめる公園づくり」をテーマに取り組んでいる自治体もあります。  当市ではこれらの環境整備はどのようになっているのか、また、今後の課題や取り組みについてもお伺いをさせていただきます。  市営住宅でのコンパニオンアニマルとの同居についてであります。  以前はペット禁止の集合住宅が多く、犬を飼いたくても飼えないとフラストレーションをためてきた人も多かったが、一定の条件を満たせば犬・猫オーケーの住宅も近ごろ随分ふえてきているようであります。  マンション、市営住宅だから犬や猫はだめという常識はもう過去のものになりつつあります。  既存集合住宅の住人の意識も少しずつ変わってきているようであり、長野県松本市の市営住宅では、松本駅北団地の13カ所の団地において、ルールを明記した上で、これまで飼えなかった犬や猫を飼えるようになり、コンパニオンアニマルとの共生を実施しております。  ペットフード工業界の調査では、コンパニオンアニマルとの共生については「迷惑をかけなければ自由」と答える人が6割を超えたという調査もあり、コンパニオンアニマルをめぐる社会の意識はかなり急激に変わりつつあると言えます。  そこで、お伺いいたしますが、市営住宅においてコンパニオンアニマルとの同居についての考え方をお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。   〔7番 松橋武史議員 降壇〕(拍手) ○副議長(一戸兼一議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 松橋武史議員からは、二つの項目にわたる御質問がございますが、私からは1項目めの、弘前大学の地域経済に与える影響についてにお答えします。  国立大学法人弘前大学は、昭和24年の創立以来、市民に親しまれるとともに逐次、発展・拡大を遂げ、現在は5学部、学生総定員約5,800名を擁する総合大学となっています。  文部科学省の試算によると、弘前大学の県内への生産誘発効果は年間約407億円、雇用創出数は6,683人、このうち当市における付加価値誘発額は163億円、雇用創出数は4,801人に及ぶとのことであります。  さらに、弘前大学の存在意義は経済的効果にとどまらず、教育・医療や産学官連携の中心として、また市内各界への人材の供給源として、まさに学術文化都市・弘前のシンボル的存在と位置づけられるものであり、かけがえのない地域の資源と言えます。  昨年には、幅広い分野においてお互いに協力し、発展を支え合ってきた両者の関係をより一層強化するため、「協力・連携に関する協定」を締結したところであります。  こうした中で、国立大学法人の管理運営の基礎となる運営費交付金等については、経済財政諮問会議の民間委員が研究費等の傾斜配分案などを主張し、財務省が運営費交付金の再配分案を公表したことなど、地方に立地する国立大学法人の存立基盤を大きく左右する議論が活発化しております。  特に、財務省の見直し案によれば、弘前大学への交付金は、平成19年度予算額約117億7000万円に対し、試算額は約36億8000万円となり、約81億円、69%の大幅な減額となります。  この試算結果では、弘前大学の経営は成り立たないことから、同大学は学長名で、強い危機感をあらわした緊急声明を発表したところであります。このことは、当市にとっても大きな影響を及ぼす問題であり、憂慮すべき事態と認識しております。  政府が発表した「骨太の方針」においては、「国立大学法人運営費交付金については、平成19年度内をめどに見直しの方向性を明らかにする」としており、今後、配分方法の見直し作業が本格化するものと考えられます。  このような現状認識から、今後も国などの動きを注視するとともに、大学と歩調を合わせ、必要に応じて関係機関への働きかけを行うことを検討してまいります。  以上でございます。  そのほかの項目については、担当の部長から答弁いたします。 ○副議長(一戸兼一議員) 市民環境部長。 ○市民環境部長(泉谷章弘) 2の項目、コンパニオンアニマルとの共生について。(1)捨て犬、捨て猫等の現状と対策についてにお答えいたします。  近年、社会の高齢化や少子化に伴い、犬や猫などの動物を我が子のように育てている方々がふえている一方で、家族の一員として最後まで責任を持って飼うことができずに捨てられてしまう犬や猫も数多く見受けられます。  市民から、捨て犬や捨て猫などの問い合わせが寄せられた場合、捕獲や収容に関する業務については青森県が所管していることから、弘前保健所へ連絡するようお知らせしております。  平成18年度の弘前市における現状を確認したところ、犬の捕獲頭数が63頭、猫の収容頭数が54頭となっていたほか、犬・猫の苦情についても119件寄せられておりました。  なお、県では、平成18年4月に、動物愛護の普及啓発に関する事業を総合的に行う行政機関として青森県動物愛護センターを開設し、放浪犬の捕獲や、犬・猫の引き取り・譲渡のほか、負傷動物の一時保管やペットに関する苦情・相談などを行っております。  市では、青森県動物愛護センターと連携し、センターの事業等を広報ひろさきを通じてお知らせするなど、動物愛護に関する情報提供に努めております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) 続きまして、(2)飼い犬登録等の状況についてにお答えいたします。  狂犬病予防法により、登録鑑札及び狂犬病予防注射済票の犬への着用は、犬の所有者の義務となっています。  平成19年3月末現在、市内では8,076頭が登録されており、18年度中に5,741頭が狂犬病予防注射を受けております。  市では、登録鑑札及び狂犬病予防注射済票を交付する際、それらを犬につけておかなければならないことを所有者に説明の上交付しています。また、動物病院で予防注射をした場合も、獣医師からも同様の説明をしていただくようお願いをしております。  着用の現状については、現在調査等実施しておりませんが、今後も所有者に対し着用の義務を機会あるごとに周知指導してまいります。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 市民環境部長。 ○市民環境部長(泉谷章弘) (3)ペットの公害について。ア、ペットのかみつき事故等についてにお答えいたします。  ペットのかみつき事故等についても、捨て犬や捨て猫などへの対応と同様に、青森県動物愛護センターで把握していることから、平成18年度の弘前市における咬傷事故件数について確認したところ、8件となっておりました。  そのほかペットの三大公害と言われる鳴き声、悪臭、ふん尿などに関する苦情として、当市へ寄せられたものは、平成18年度で12件ありました。これらに対しては、県とも連携しながら現場を確認し、飼い主に対し適切に飼育するようお願いしております。  次に、イ、地域猫についてお答えいたします。  地域猫とは特定の所有者や飼い主がいない猫であり、なおかつ、その猫が住みつく地域の猫好きな複数の住民たちの協力によって世話され、かつ管理されている猫のことでありますが、現在、当市においてはそのような地域は確認されておりません。  当市へ寄せられる苦情は、飼い主がいない捨て猫等に特定の方がえさを与えていることから、その近隣住民が、鳴き声、ふん尿などで困っているというのがほとんどです。  えさを与える方に対しては、結果的に周辺環境にさまざまな被害を及ぼすことを説明し、えさを与えないよう指導しております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) (4)犬の散歩の環境整備についてにお答えします。  弘前市の都市公園などでは、公園の管理上、支障があると認められる行為の一つとして、犬や猫の入園を禁止しているところであります。  その理由として、利用者の中心である子供たちへの威嚇やふん尿の未処理などにより、過去に多くの苦情が寄せられたことが大きな要因となっているものであります。  東北地方の主要都市では、ペットの入園は認めているものの、ふん尿問題や飼い主のモラルの欠如などで入園を規制できないものか検討しているところや、また、町会の総意により新たに入園を制限したなどの事例もあります。  しかし、近年は、動物愛護の精神が普及してきたことや動物を家族の一員や心の支えとしてとらえる生活環境の変化により、ペットとともに公園を散歩したいという要望があるものの、依然として公園内で犬に追い回された、ペットを放して遊ばせており危険だという苦情もあり、賛否両論の意見が寄せられている状況にあります。  市では、平成18年10月に開催した都市公園管理協力者連絡会議の場において、公園内への犬・猫の入園について意見交換を行ったところ、公園の管理をお願いしている町会からは、まだマナーを守っていない飼い主も多く、また雪解け後のふんの散乱など、公園内への犬・猫の入園について御理解をいただけなかったところであります。  いずれにいたしましても、今後は、飼い主のマナー向上が確立され、地元町会や公園利用者の理解が得られた段階で、公園内での人と犬が共生できる環境づくりの取り組みを検討してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 建設部長。 ○建設部長(小寺健治) 続きまして、(5)市営住宅でのコンパニオンアニマルとの同居についてにお答えいたします。  市営住宅は集団生活を営む集合住宅であるとともに、公共施設でもあり、すべての入居者が安全・安心で快適に生活が送れるよう環境に配慮することは設置者としての義務であると考えております。  この中でペット類の飼育につきましては、ノミや排せつ物等による衛生面での配慮や、鳴き声等による迷惑行為、あるいはペットのつめなどによる畳、内装への影響など、さまざまな管理上の問題から、犬、猫等のペットの飼育を禁じているものであります。  しかしながら、ペットと暮らす、過ごすことでの安らぎやいやし、生活での潤いの効果につきましては十分理解できるものであり、多様なライフスタイル、さまざまな嗜好を持つ人々が共生する社会で、動物に対する愛護思想も変化し、人間と動物の共生についてコンパニオンアニマルとの適正な関係についてもまた、重要な課題であると考えております。  現在、コンパニオンアニマルの飼育可能な公営住宅は、東京都や松本市、大分市などと、このほかに地震災害を受けた兵庫県、新潟県などでの災害復興住宅で飼育が認められているようであります。  当市においても、公営住宅での動物との共生について先進都市の情報収集を行うなど、入居者が心から安らげる環境整備について調査、研究してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 7番。 ○7番(松橋武史議員) 弘前大学の地域経済に与える影響については、市長さんから答弁がありました。市長さん自身も大変重要な問題ととらえているということが十分わかったわけでありますが、昭和24年からのおつき合い、そしてまた現在生徒数が5,800人、恐らくこの生徒さんたちというのは自宅から通う生徒さんを除くと、相当数の方がアパートやマンション等に、また、下宿等に住まわれている。そういった面でも、かなりの不動産関係、またそういったアパート経営をしている方には経済効果を波及しているのかなというふうに感じております。  また雇用総数も6,883人、相当な雇用総数であります。このことからも、これは弘前市として財務省主計局に対して、もっと現状把握のために地方の声、地方切り捨てのシミュレーションも全く逆行する財務省の考え方でありますから、このことをもう少し説明し、わかっていただくように、話ししていただくようにしていただきたいというふうに思っております。  そしてまた、当市の問題としてだけでいいのか、またこれは近隣の町村の長の方々、また関係者と話し合いの協議の場を持って全体、弘前広域全体の問題としてとらえていただきたいというふうにも考えております。  また議会議員の一人として、また議会としても、我々で今後何ができるのか、また何をすべきなのかというものを早急に判断、また対応する時期が早々に来ているというふうにも思いますので、これは議会として私から、また会派から議長に対し申し入れをしたいというふうに考えておりましたので、皆さんとともに弘前大学、この死活問題というものを重要な課題として取り組んでいきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。  それと、コンパニオンアニマルの答弁でありました。るる、やっぱり動物を飼うことというものは、問題がつきもののようであります。  最後にその答弁がありました、いわゆる動物を飼う方々のマナーの改善がやはり大前提となってくるのかなと。やはり犬を散歩させるときに、ふん尿をさせるために散歩をするというようでは、いわゆるこれはマナーというよりも、大前提、犬やペットのふん尿の始末をするには敷地内、家の中でさせるのが当たり前だという意識を持たせることが大切でありますし、また公園内での犬とともに共生するという環境の整備の進め方にもありますけれども、いわゆるこの、るる、こういった問題が解決することで犬を飼わない人も、また、公園で子供たちが遊ばせられる環境の中で、犬がいても危険ではないのだということの理解を深めていくことが重要なのかなというふうに私は考えております。  また、市営住宅でのコンパニオンアニマルの同居についてでありますが、いろいろ全国から情報収集を得た上で、もし市営住宅で暮らす、住まいにされている方々から要望等があればそれにこたえられるような体制づくりというものを望むものであります。  それと今回、先輩議員の中でドッグランについてもるる質問があるようでありますけれども、いわゆるこういった飼い主の方々のやはりマナーの部分が大事になってくるのかなと。  犬が嫌いな人もいます、猫が嫌いな人もいます、またアレルギーの方々もおるようでありますけれども、その辺は十分その方々の立場、また気持ちになって考えていくことも必要と思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。 ――――――――――――――――――――――― ○副議長(一戸兼一議員) 次に、14番石田久議員議員の登壇を求めます。
      〔14番 石田 久議員 登壇〕(拍手) ○14番(石田 久議員) 日本共産党の石田久です。  一つ目の質問は、子育て支援についてです。  女性の社会進出や、家庭、地域の子育て環境の変化が進む中、働き続けなければ生活が成り立たないという切迫した生活要求としての子育て支援要求が増加しています。  結婚、妊娠、出産、家事、育児の中で子供を産み育てやすい弘前市にすることが緊急の課題となっています。  第1に、妊婦健診についてです。  厚生労働省は2007年1月28日に、無料妊婦健診の回数を5回以上に拡大することに決めました。  妊娠中に赤ちゃんや母親の状態を定期的にチェックしていく妊婦健診ですが、その費用は1回約5,000円、血液検査を伴うと1万円から1万5000円程度かかります。妊婦健診の回数は、妊婦初期や後期には月に1から2回、安定期で1回と、出産まで平均14回となります。今回の妊婦無料健診の拡大は、妊娠出産に伴う費用を少しでも軽減して、今後の若い夫婦世帯への子育て支援としています。  しかし、青森県内では健診を受けず出産直前に受診する「飛び込み分娩」が増加しています。弘前市の公立病院でも年間10件前後の飛び込みがあり、同病院の医師は、新聞報道に「ほとんどが経済的な問題。妊婦健診はお金が掛かる。弘前市の無料券は2回だけ。もっと補助を拡大してほしい」とコメントしています。  厚生労働省では、妊婦無料健診の拡大を3月末までに各市町村に通知し、2007年度中の実施を目指すとしています。秋田県では、全県的に10回の公費負担をしています。  弘前市の現状は、無料妊婦健診は2回のみとなっていますが、子育て世代の経済的負担を軽減し安心して子供を産み育てるため拡大すべきだと思いますが、市の見解を求めます。  第2に、ひとり親家庭等の医療費についてです。  子供が病気で小児科に入院または外来通院した場合、両親のいる家庭では窓口負担はありませんが、ひとり親家庭の場合、退院するときに窓口で医療費を払わなくてはなりません。  母子家庭でぎりぎりの生活をしているのに、何万、何十万の医療費支払いは困難をきわめています。病院に支払った医療費を市役所に申請して翌月に給付する償還払いの制度ではなく、窓口負担がかからない現物給付制度を実現すべきですが、市の見解を求めます。  二つ目の質問は、救急輪番制についてです。  弘前地域の救急対応は、これまで2次輪番制度に参加している七つの病院が担ってきました。救急搬入件数はここ数年、前年度比、毎年6%から8%ずつ増加しており、2005年の統計では6,754件となっています。1991年から2005年までの救急搬入は3,491件から6,754件と2倍に膨れ上がり、急激な増加傾向となっています。  一方で、医師不足のために当直体制1名で当直明けもなく、医師労働は限界を超える状況となっています。一般病院では、主治医として診断から治療、そして在宅ケアまで一人で何役もこなしています。病院の勤務医は、外来の患者さんの診察が終わってから時間外に入院患者さんの診察を行っています。  この間、2病院が医師体制やスタッフ不足を理由に輪番体制から離脱しています。今後の地域の高齢化、核家族化の進行を考えれば、救急医療において救急搬入件数の増加傾向と患者の重症化、高齢化は避けられません。深刻な医師不足によって、弘前地域の救急医療はまさに崩壊の危機となっています。  このため、市民が安心して生活することができるよう内科系、外科系における1次から3次救急医療体制を確立することが重要課題とされ、6月に弘前大学や青森県、弘前医師会、参加病院などの関係機関と連携を図りながら弘前救急医療検討協議会を設置し、具体的な対策を検討されていますが、どこまで到達しているのか市の見解を求めます。  三つ目の質問は、自治体病院の行方についてです。  津軽圏域の自治体病院は、深刻な医師不足と経営困難に陥っています。自治体病院全体の医師数は64人で、充足率は約78%。特に、藤崎、平川、板柳病院は深刻で医師充足率、病床利用率も低く、病院損益も全体が赤字で、一般会計から繰り入れが行われています。藤崎病院は民間医療機関に委託が決まり、平川病院は診療所となりました。二つの病院を合わせると約200床近くが削減されます。  また、弘前大学医学部は、これまで医師を大学医局より関連病院に派遣していましたが、新卒の医学生が臨床研修先として弘前大学医学部を選択しない状況にあり、大学医学部からの医師派遣によって支えられてきた地域基幹病院の維持ができなくなりつつあります。まさに、青森県の地域医療崩壊の危機であります。  第1に、津軽圏域の自治体病院についてです。  この6月に、津軽地域保健医療圏域の自治体病院再編について、青森県が示した枠組み案が廃止となったことを受け、圏域の6自治体病院の事務長、事務局長が初めて顔を合わせる中、「機能再編や分担を協議する前に情報を共有することからスタートしたい」と弘前市立病院事務局長は語っています。2次救急医療を担う中核病院づくりが急務となっていますが、県から案が示された2005年から2年間、関係者の間で話し合いもほとんどなく、再編が進まない状態が続いたことは本当に驚きであります。  今回の話し合いは一つの前進ですが、なぜもっと早く実現されなかったのか、今、医療の現場は15年前と比べようもないくらいに過密で過重労働の職場になっています。津軽圏域の自治体病院の行方はどうなるのかお答えください。  第2に、弘前市立病院についてです。  日本産科婦人科学会の調査でも、2002年からの3年間でお産できる病院や診療所は5,000から3,000に著しく減少し、産婦人科医の数も4分の3に減少しています。弘前市立病院も産婦人科入院は休止となり、深刻な状態となっています。  弘前市立病院は、この6月議会に救急医療増加に伴う医師の過重労働軽減するためや看護体制整備を具体的に提案してきました。医師確保、看護師確保の具体的な取り組みはどう行うのか市の見解を求めます。  四つ目の質問は、後期高齢者医療制度についてです。  来年の4月から、75歳以上の1300万人の高齢者全員から年間保険料全国平均7万5000円を死ぬまで年金から天引きをします。介護保険料と合わせると月額1万円になり、1割の窓口負担と合わせて大幅な負担増となります。  この後期高齢者医療制度が導入されると、保険料を払えない高齢者が急増すると予想されます。保険料滞納が続くと、保険証が取り上げられ資格証明書が発行されます。資格証明書になれば、受診時に一たん医療費全額窓口負担となるので、病院から足が遠のいてしまいます。我慢も限界の末、病院に担ぎ込まれたときは手おくれという事態が広がってしまいます。  70歳から74歳の窓口負担も1割から2割負担に上がります。また、現役並み所得者は3割負担になります。6月からは、定率減税も全廃され住民税も倍以上に上がり、これからの世代にも生きていけない現実が大きくのしかかります。同時に65歳から74歳までの国保加入世帯の国保料も年額18万円以上の年金を受けている世帯などでは年金から天引きされます。  そこで、弘前市の後期高齢者医療制度に当たっての保険料と対象者はどれくらいか、また、影響はどのようになるのか市の見解を求めます。  五つ目の質問は、弘前市斎場の環境整備についてです。  第1に、使用料についてです。  弘前市の火葬料金は6,000円ですが、全国の斎場管理運営に関する自治体アンケート調査結果を見ますと、無料は32.3%、5,000円以下は13.1%と弘前市より安い自治体が約45.4%ほどあります。県内でも青森市や八戸市は無料ですが、料金の設定はどのように決められているのかお答えください。  第2に、環境整備についてです。  6月に火葬場へ参列しましたが、遺骨収拾のときに何人かの方がぐあいが悪くなり退席しました。理由は、換気が余り機能しておらずちりが舞い上がり、花粉症の方などがぐあいが悪くなっているのであります。斎場ができて25年になると聞いています。年々斎場の稼働状況は高まり、1日平均6件、1日最大火葬可能件数10件の日も多くなっています。  人生最後のお別れの場でもあり、住民サービスの向上のために、そして職員の健康のために斎場の環境整備の充実を求めますが、市の見解を求めます。  第3に、直営についてです。  自治体直営で管理運営の効率化を図ることは可能と思われますが、受付業務、日常的清掃業務などを自治体職員が兼務することによって、少人数での管理運営体制を確立できますが、この間、市はどのような調査をしているのかお答えください。  以上、壇上からの一般質問を終わります。   〔14番 石田 久議員 降壇〕(拍手) ○副議長(一戸兼一議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 石田久議員からは、五つの項目にわたる御質問がございますが、私からは4項目めの、後期高齢者医療制度についてお答えをいたします。  我が国は、今後、超高齢社会になり老人医療費が増大する見込みですが、このため国においては75歳以上の後期高齢者を対象とする新たな高齢者医療制度を平成20年4月から導入することとしております。  現行の老人保健法の改正により、新たに高齢者医療確保法が施行され、同法の規定に基づき、平成19年2月1日には、県下全40市町村が加入する青森県後期高齢者医療広域連合が設立され、この広域連合が主体となって、平成20年4月1日からの制度開始に向け粛々と準備をしているところであります。  平成20年度における県内の後期高齢者医療制度の対象となる被保険者数は約17万人と見込まれています。後期高齢者医療制度では、現在の老人医療受給対象者がそのまま移行することになります。参考までに申し上げますと、平成19年5月末現在、当市の老人医療受給対象者数は、男7,855人、女1万3856人、計2万1711人となっております。  医療費を賄う財源構成については、患者負担を除き、国・県・市が負担する公費分が5割、現役世代からの支援分が各医療保険者からの支援金という形で4割のほか、被保険者から保険料を1割賦課・徴収することとしております。  この保険料の額について、国では月額6,200円、年額7万4400円と試算しております。  青森県においては、保険料の賦課権者である広域連合が、現在その保険料率を試算中であると聞いております。  保険料の徴収については、原則として年金額が年額18万円以上の年金受給者からは特別徴収、いわゆる天引きの方法により、それ以外は納付書で納める普通徴収の方法により市町村が徴収することとしております。  また、保険料の徴収に当たっては、担税力がありながら、再三にわたる納付勧奨にもかかわらず納付努力の見られない被保険者については、被保険者証の返還を求め、被保険者資格証明書や短期被保険者証が交付できることとされておりますが、いずれにしても制度の詳しい内容は政省令の公布により、広域連合において十分検討され決定されるものであります。  以上でございます。  そのほかの項目については、担当の部長から答弁いたします。 ○副議長(一戸兼一議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) 1の項目は、子育て支援についてでありますが、まず、(1)妊婦健診についてにお答えいたします。  妊婦健康診査の公費負担については、母子保健事業の市町村への移譲を受け、平成9年度から市の事業として実施しているもので、県が示す参考単価により、青森県医師会と委託契約を結び実施しているものであります。  平成19年1月16日付厚生労働省通知の「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方」では、国は平成19年度地方財政措置で、少子化対策費について拡充の措置がなされることから、妊婦健康診査に係る公費負担について相当回数の増が可能との内容ではありましたが、妊婦健康診査のみではなく、児童手当制度や地域子育て支援拠点事業、不妊治療の公的助成等を含んだ総額として示されており、したがって全体的な検討を要するものと考えております。  健康な妊娠、出産を迎えるためには、妊婦健康診査が重要であることは十分認識しておりますが、公費での負担回数を何回とするのか、またその財源をどのように手当てするのかなど総合的に検討しなければならないため、今年度での対応は困難であると判断したものであります。  次に、(2)ひとり親家庭等医療にお答えいたします。  ひとり親家庭の状況については、社会的・経済的環境の変化により年々厳しくなっているものと認識しております。  ひとり親家庭等医療費の助成は、医療費の負担を軽減し、ひとり親家庭の福祉の増進を目的として実施しておりますが、この給付の方法につきましては、父または母の医療費について、一月ごとに1保険医療機関等で1,000円の自己負担があることから、現状では現物給付は困難であると考えております。  また、児童の医療費にかかる現物給付につきましては、市内各保険医療機関等から協力をいただかなればならないことや、現物給付に対応したシステム等の課題がありますが、現物給付が行われている他の制度や他市の状況も勘案しつつ、関係団体との連携も視野に入れ、現在資料等の収集に努めるなど研究中であります。  続きまして、2の項目、救急輪番制についてにお答えいたします。  内科系・外科系における第2次救急輪番制については、昭和54年2月に診療が開始され、現在に至るまで制度の運営に努めてまいりました。  平成19年度では、市立病院、国立病院機構弘前病院、健生病院、弘前小野病院、弘愛会病院の5病院の参加をいただいておりますが、医師のマンパワー不足の問題等により、引き続き厳しい運営を強いられております。  そうした中、弘前市医師会や参加病院等で構成する第2次救急輪番制病院等協議会では、昨年度、会則の改正を行い、救急当番日の割り当てとその円滑な運営に加えて、第2次救急輪番制の維持についても協議事項とすることの確認をし、地域住民の救急医療の需要に引き続き対応していくこととしております。  しかしながら、1次救急から3次救急医療までの線引きが不明瞭な点や、他管内からの救急搬送への対応など、救急医療を取り巻く問題点が提起されております。  市民が安心して生活することができるよう、内科系・外科系における1次から3次までの救急医療体制を確立することは重要課題であることから、(仮称)弘前市救急医療検討協議会の設置に際しては、弘前大学や青森県からの参加をいただき、医師のマンパワー確保を主に、提起された救急にかかわる問題点を踏まえながら、市がとり得る新たな具体策について協議してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 市立病院事務局長。 ○市立病院事務局長(今井二三夫) 大きい項目の3、自治体病院の行方について。(1)津軽圏域の自治体病院についてにお答え申し上げます。  青森県においては、平成12年12月に青森県自治体病院機能再編成指針を策定し、県内を六つの保健医療圏域に分け、津軽圏域については、津軽地域保健医療圏自治体病院機能編成推進協議会を組織して協議を重ねたところであります。  平成14年2月には、黒石病院と弘前市立病院の統合を主とする再編案が示されましたが、同意に至らなかったものであります。  次いで、平成17年3月の推進協議会において、弘前市立病院国立病院機構弘前病院の医療連携と機能分担による中核病院群の形成などを内容とした基本的な枠組み案が提示されましたが、その後、8月に市町村長からさらに具体的な提案をしてもらいたいとの要請があり、平成18年1月に県が基本的枠組み具体案検討委員会及び作業部会を設置し、基本的枠組みの具体案の検討に着手しましたが、具体的な進展を見ないまま時間が経過したところであります。  そして、本年5月31日に開催されました推進協議会においては、県より平成17年3月に提示した基本的な枠組み案を白紙に戻し、今後圏域市町村と協議をしながら今年秋ごろをめどに方針を取りまとめ、年度内に新たな枠組みを検討することを示されたところであります。  枠組み案が白紙となった理由は、運営主体が異なる弘前市立病院国立病院機構弘前病院の統合の困難さが顕在化したこと、あるいは、医師不足や経営状況の変化など自治体病院を取り巻く環境が著しく変化し、新たな枠組みを構築する必要性に迫られたことによるものであります。  市立病院といたしましては、これまで六つの病院がお互いの現状や課題についてつぶさに知る機会がなかったことから、機能再編問題を議論する以前に情報を共有することからスタートしたいということで、6月7日に圏域の6自治体病院の事務長・事務局長会議を開催して意見交換を行ったところであり、今後もこの勉強会を継続的に開催していくこととしたところであります。  そしてまた、自治体病院再編問題につきましては、津軽地域住民にとって大きな問題でありますので、関係市町村と連携し、県と協議を重ね検討してまいりたいと考えております。  続きまして、(2)弘前市立病院についてにお答え申し上げます。  市立病院の医師、看護師及び医療技術職員を増員する内容でありますが、医師につきましては、充足数の不足分を補うとともに救急輪番の当番回数の増加等による医師の過重労働を緩和するため、医師5名を増員しようとするもので、その内訳としては内科系3名、外科系2名の医師を増員したいと考えております。  看護師につきましては、平成18年4月の診療報酬の算定基準の改定による新配置基準7対1配置へ移行するための必要数51人を増員しようとするもので、これによって看護師の労働環境の改善と経営改善、さらには患者サービスの向上を図るものであります。  医療技術職員については、薬剤師1名を減員し、救急対応等により検査件数が増加している放射線技師1名を増員し、さらに診療情報録を一元管理する診療情報管理士1名を新たに配置増員しようとするものであります。  次に、本年4月から当院産婦人科の常勤医師がいなくなったことによる現在の診療状況ですが、常勤医師がいないため産婦人科の入院は休止し、弘前大学からの派遣医師による週2回の外来診療を行っておりますが、本年4月の外来患者数は265人であります。  なお、当院には8人の助産師がおりますが、現在は通常の看護業務に配置しております。  また、当院における分娩、入院等の産科診療の再開につきましては、県内の産科医師の集約化が進められている状況の中では困難であろうと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 市民環境部長。 ○市民環境部長(泉谷章弘) 5の項目、斎場について。(1)使用料についてにお答えいたします。  現在の弘前市斎場の使用料の設定は、昭和58年の斎場新築に際し新たに設定したものであります。  旧斎場の使用料は、市内大人の火葬料金を900円としておりましたが、新料金は、火葬にかかる燃料費、委託料、物件費などを含めた経常経費の約3割となる6,000円を利用者負担としたものであります。  斎場の管理運営に関する人口10万人以上の自治体に対するアンケートによりますと、平成16年度現在、市内居住者の火葬料金を無料にしている自治体は全国で約3割となっており、青森県内においては、青森市、八戸市、三沢市の3市が市内居住者の火葬料金を無料としております。  当市においては、建設当時多くの自治体で導入されつつあった受益者負担の原則に沿って、経費の一部ではありますが、使用料を徴収することとしてきたものであります。  今後の使用料につきましても、受益者負担の原則に沿って、市民の一部負担をお願いしてまいりたいと考えております。  次に、(2)環境整備についてにお答えいたします。  現在の弘前市斎場は、昭和58年に故前川國男氏の設計により建設され、以来大きな改築をすることなく当時のままの施設内容を維持しております。  収骨室に関しましても設計者の意図が強く反映されたつくりを維持しており、入り口付近の天井が低く部屋の奥に光が差す高い吹き抜けを有し、死者が天空に導かれ昇天していくイメージをあらわしたものと言われております。  収骨室の換気につきましては、吹き抜けの上部に換気装置を設置し、ちり等を吸い込む仕組みとなっておりますが、吸い込み口の場所が遠いこと、機器自体の老朽化もあり、現状では換気能力が十分とは言えない状況となっております。  今後は、市民に気持ちよく斎場を利用していただくため、新たな換気装置の設置について検討してまいりたいと考えております。
     最後に、(3)直営についてにお答えいたします。  斎場業務の運営委託については、平成9年度に、新弘前市行政改革大綱に基づきさまざまな検討を行いましたが、最終的には、現状の市直営による運営が望ましいとの関係者の意見を尊重し運営委託を見送った経緯があります。  しかしながら、近年全国的にも斎場の指定管理者制度の導入が見られ始めていることから、当市においても導入すべきかどうか検討を始めているところであります。  指定管理者制度を導入するメリットとしては、職員の削減による固定化された人件費の削減によって、総体的な経費削減が期待されること、民間の創意工夫を生かした効率的、効果的な管理運営が期待できること、民間事業者のノウハウによりサービスの向上が図られる可能性があることなどが挙げられます。  斎場の運営・管理に当たっては、何よりも安定した経営や適正な運営が確保できるかどうかがポイントとなりますので、市民や関係業界から意見を慎重に聴取するとともに、費用面の効果を多面的に調査し、適切に判断してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 14番。 ○14番(石田 久議員) 再質問させていただきます。  妊婦健診については、今年度は困難ということなのですけれども、弘前市としては青森県に対して、県も補助をすべきではないかということを、市が県に対して、これはちゃんと要望なりやってきたのかどうか。  秋田県がどういうふうにして10回が、妊婦健診が無料になったのかと聞きましたら、秋田県が5回ほど、しかも歯科検診も入れて5回ほど県が補助していると。あと、各自治体がそれに対してあと5回とか、6回とかやっているのですけれども。  これに対して、市として、県は何か厚生省の通達が来て丸投げで各自治体に来てるように私には見えたのですけれども、弘前市としては強くここのところ、もう一度弘前市としてここのところは県に対して訴えているのかどうか。もし仮に、市がどうしてもこうなので来年度からやるといっても、県がそういう形で、今、少子化の中で青森県か秋田県かということで、秋田県は県で特別委員会をつくって、それで県はやるということになったのです。ですから、そこのところをもう一度お願いいたします。  それから今回は、今議会に多分私が8年間議員をやってこういう陳情書が上げられたのは私は初めて見ました。弘大医学部の産婦人科とか、それから青森県の臨床産婦人科の学会の方から、今回の6月議会に陳情が上げられました。こういうふうにして、専門の産婦人科医の先生方が今大変なのだということで、ここのところを市はどのように重く、ちゃんとなっているのか、少しそのところを再度質問したいと思います。  それから、ひとり親家庭のところですけれども、今まで乳幼児医療費とかは国保年金課ですからコンピューターである程度できますから、無料です。ただし、大学病院は違いますけれども。このようにして、各医師会や病院関係、国立や市立やそういうところも含めてやれるところはやろうということでやっているわけです。  それと、去年の10月からですか、出産一時金を、今までは35万円を一たん病院に払って、その領収書を持って弘前の市役所に来て、後で世帯主の口座に入るというのを、これ、やめました。それも、最初は三つぐらいの病院からスタートしたと思います。  それが、今は診療所とかクリニックとか大きい病院とかがなって、それができる範囲で弘前では実現されているのです。全部が全部やれるところとやれないところがありますけれども、特に、ひとり親のここのところは、一番大変なところがなぜ一度全額を払って後で戻ってこなくてはだめなのかというところは、現場の小児科の先生からもぜひここを改善していただきたいと。できることからまずやっていただきたいのです。  これは、今研究中というふうに答弁しましたけれども、いつごろから、例えば、国保年金課の方ではできるのに、児童家庭課ではなぜできないのか、これ、コンピューターが違うからなのかどうか、その辺について再度お願いいたします。  それから、救急輪番についてなのですけれども、今、病院の方ではかなり厳しいです。私も8年前までは病院に勤務して当直もやりました。それで、私たちがやるのは、例えば日常業務を朝8時半から4時40分までやって、それから当直に入って、救急指定日ですと救急車が運ばれたら私が保険証を持ってカルテを記入するとか、それからお医者さんが診てやるわけです。そのときに入院になった場合は、看護師さんも人が足りなければ私たちも病棟まで運んで行ったり、あるいは普通の急患の患者さんが来た場合はカルテ出しをしたり、帰り終わるときにはお金の会計をやるというような形なのですけれども、それで次の日の朝9時で終わります。  しかし、医者は9時からまた外来を診なければだめです。そして午後から入院の病棟に行ってカンファレンスや患者さん一人一人の状況を診ながら、それで夜帰ればまた呼び出しが来る、そういうような形で勤務医としてはもう限界だということがあります。  私の前勤めたところも、やはり中堅クラスが退職していると。これは、市立病院を見てもやはり開業に移ってしまって、そこで私はびっくりするのですけれども、確かに医師不足なのですけれども、弘前市は医者の数というのは、全国平均でいけば弘前市が人口10万人に対して400人ですよね、医者が。青森県平均は大体200人前後ですけれども、倍ぐらいある中で、なぜ医師不足なのか。なぜこの救急輪番ができないのか。  それと、そういうところを市として、これから6月からいろいろなことをやるわけですけれども、そこのところを6月の検討会でやると思うのですけれども。その中で、弘前市救急医療検討協議会、弘大、青森県、弘前市医師会、参加病院等の関係機関と連携を図るとあるけれども、どうして今回この参加病院、救急指定の輪番の病院をこの中に入れなかったのか。病院長はどんどんそこに入って、今の現状をそういうところに知っていただきたいけれども、今回は参加病院が外されたと。これはなぜなのか、ここのところをお願いいたします。  それから、自治体病院の行方なのですけれども、先ほど事務局長さんが話されましたけれども、青森県は地域医療体制の充実を目指してということで言いましたけれども、先ほどの事務局長さんのお話ですとまだベッドがかなり余っているから、オーバーだから減らさなければだめなのだと。こうすると地域医療体制の充実ではなく削減を目指してという形で見えるのです。  そういう中で、藤崎町立病院とか平川病院とかいろいろなところが今、統廃合とか、そうなるとますます弘前に救急車で運ばれて、それがまたたらい回しになってくるというような悪循環なのですけれども、やはり弘前市だけの問題ではなくして、今、事務局長さんが情報公開とかいろいろやっていますから、六つの自治体病院はぜひここを継続して、私は統廃合するのではなくして自治体病院の充実とか、それから発展とか地域医療の拡充を目指すために、ぜひここを継続してやっていただきたいと。というのは、大鰐病院も国の方針で今120床ありますけれども、療養型を廃止にするという国の方針でいけば、ますますベッドがなくなって入院したくても入院できない、そこのところをもう少し事務局長さんの方から答弁お願いしたいなと思います。  それから、弘前の市立病院については、事務局長さん今お話ありましたけれども、私も市立病院と国立病院が統廃合するのだということで国立病院に行ったら一切聞いていないという。それから、国立病院の方は、国のあれですから国からも何も来ていないのに県が勝手につくってやったのだということで、1回も説明に来ていない。  こういう中で、絵にかいたもちがこの地域医療体制の充実を目指してということですので、きちんと先ほど定期的にどういうような形でやっていくのかというところをぜひやっていただきたいと。  それから、市立病院のところは研修指定病院ですから、今平成14年からスタートしたと思うのですけれども、医師の確保は今この間14年、15年、16年、17年ですか、そこのところでどういうふうな成果を上げているのか、そこのところをお願いいたします。  それから、後期高齢者医療についてなのですけれども、日本共産党の国会議員であります小池晃さんが、この後期高齢者医療について質問しました。  わずかな年金からも保険料を取り立てる一方で、年収800万以上の方は今よりも負担が減るというような余りにも不公平な制度をやっているのではないかということで、そのとおりですというようなお話が答弁であったわけですけれども、ここで試算が初めて出されました。厚生労働省の方で、年金の収入別の試算が出されたのですけれども、先ほどの市長さんの答弁ですと、まだこれからだということなのですけれども、ここのところ、早急に厚生労働省の方では年金別収入が出されましたので、これを当てはめ作業をして、後でもいいですから、ぜひ教えていただきたいと。  それから、減免制度の充実なのですけれども、この制度を見ますと7割、5割、2割の法定減免みたいなのはありますけれども、これは資格証明書はどういう階層に、お金を払わなかった場合は資格証明書を発行するのか。つまり、先ほど特別徴収と普通徴収と言いましたけれども、年金から天引きされる方は100%です。そうすると、資格証明書が出るのは、年間18万以下のわずかばかりの年金者の方が年金を払わないと資格証明書を発行するのか、その点を再度お願いします。それから、減免制度のところです。  それから、斎場については、先ほど2番目の早く検討して早く改善していただきたいというところでとどめておきますのでお願いいたします。 ○副議長(一戸兼一議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) まず、妊婦健診の問題であります。  県に対して要望したのかということであります。県に対して、市として正式な要望といいますか、申し出はしていませんが、先般、県の健康福祉部の次長がこの問題で弘前へ来て説明していきました。  その際、県としては指導するだけではなく、県としての役割、責任も十分検討してほしいということは申し上げましたし、この問題は弘前市のみならず、これは全市町村に、全市にまたがる問題であります。今後、場合によっては市長会等で協議していただいて国へ申し入れしていただくとか、また場合によっては、市独自でもお願いに参りたいというふうに考えております。  それから、産婦人科の専門の方々、団体の方々の代表の方々の心情をどう受けとめているのかということでありますが、これは先般参りまして市長が直接要望を受けております。大変これは重く受けとめておりまして、今後十分検討しなければならないということで私も市長から指示を受けております。  それから、その際もその代表の方々に、私どもはぜひ県にもこれをお願いしてほしいということを申し入れしておきました。  それから、輪番制の医師の勤務体制はおっしゃるとおりで大変厳しい状況にあります。  これについては、まず医師の数をふやすことが大事だということで、県と県内全市町村が一緒になって医師の確保対策に取り組んでおりますが、なかなか、すぐというわけにはいきませんので一気に解決することは難しいと思いますが、工夫して何とかこの難関を乗り越えたいというふうに思っております。  それから、検討協議会であります。  輪番制の病院は入れないのかということでありますが、私どもは、弘前大学、青森県、それから市医師会、それから第2次救急輪番制病院協議会の代表の方にも入って、協議に加わっていただくということを想定しておりますので、当然輪番制に参加されている病院の代表の方にも入っていただくことになろうかというふうに考えております。  それから、現物給付の関係であります。これなぜ国保年金課でできて、児童家庭課でできないのかということでありますが、システムがまだ、児童家庭課のシステムがそういうできる体制になっていないということで、システム更新時に、子供の医療費の現物給付について検討したいというふうに考えております。  それから、後期高齢者医療の減免の関係でありますが、これについては、広域連合の方で具体的な内容を決めていくものだというふうに理解しております。わかり次第お知らせしたいというふうに考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 市立病院事務局長。 ○市立病院事務局長(今井二三夫) まず、病院の6自治体病院事務局長会議でありますが、これについては、経営状況とか、あるいはまたそれぞれの抱えている課題とか、あるいは地域医療に対する考え方とか、こういったもののそれぞれの病院の実態、実情、そして今後の課題というものを我々まず事務長がしっかり現状認識しようということから始めるということで、先般1回目を立ち上げて、そして今後勉強会を続けてしっかりした、まず津軽地域の医療というものを我々現場そのものの病院が、どうあればいいのかということを勉強しようということで進めております。  そして、機能再編問題については、これまでのことはこれまでのこととして、今後そういった勉強会で出てきた課題とかこういったものを踏まえながら、どうあればいいのかということをしっかり勉強して、検討協議をしてまいりたいというように考えております。  それから市立病院の研修医ですが、研修医制度は16年度からスタートしておりますが、これまで、募集はおよそ4名ということで募集してきていますが、16年度が3名、17年度が1名、18年度が3名、そして今年度が1名と、これまで8名の研修医の方々が研修を積んでいただいたり、あるいは現在研修中だという状況に市立病院はなってございます。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 14番。 ○14番(石田 久議員) 妊婦健診については早く、これは補正でも何でもいいですから早くということで、ぜひこれは取り組んでいただきたい。それで次の議会、9月議会がありますのでそれまででも、これは一刻も早く――というのは、私ども日本共産党の市議団にもこの妊婦健診でかなりの相談が来ました。29歳の妊婦さんが、非課税です。4回までは無料でも4回以外は行けないというのです。ある妊婦さんは一度も国保料が払えないために、病院にかかれなくて救急車で運ばれて入院になったり、そういうことが弘前市の中でも出てます。  先ほど私壇上でも言いましたように、公立病院でも1年間に10件以上の飛び込み分娩があるということですから、そういうことをやはり、ぜひ市長さんも前向きにこれを検討していただきたいと。そして、県にも働きかけてやっていただければというふうに思っています。最後、そこのところ市長さんからちょっとあれば、ぜひ決意のところ述べていただきたいと思います。  それから、ひとり親のところは、先ほどシステム、できる体制になっていないので検討ということですけれど、これはいつから、もし現物給付にできるのか、そこのところ、もし市ではこのくらいをめどにやるのだというところをぜひお答えしていただきたいと思っています。  それから、私は先ほどの救急輪番のところは参加病院は五つ全部入るものと思っていたら、その代表ということですから、多分国立病院の五十嵐先生しか入られないのかなということですけれど、やはり現場の五つの病院の病院長なり、やはりそういう人たちが今一番具体的でやっています。  それで特に八戸、青森と違って八戸の場合は、大きな病院三つが救急を受けている。それから青森の場合は、県病、市民病院、公的病院がほとんど中心です。しかし、弘前の場合は、ではどうして代表だけなのかというと、やはり地元の救急輪番の受けている五つの病院をぜひとも入れていただきたいと思うのですけれども、まだ開催6月中ですので、この間病院長さんとお話ししたら、これはぜひ参加したいのだというけれども、これが外されているということで、現場の今持っているマンパワーのところとか、いろんなところで再度、ここをもう一度答弁をお願いしたいと思っています。  それから、あと後期高齢者のところがちょっと答弁漏れをしたと思うのですけれども、先ほどの資格証明書は年金から天引きされる方はいいのですけれども、安い、18万円以下は普通徴収で払わなければだめですから、そういう人が保険料を払わなければなると思うのですけれども。  例えば、介護保険でも普通徴収だと90%の割合ですから10%が未納になっているのです。つまり、年金18万円以下の方が資格証明書で病院にもかかれないとなると、これはどうなるのかなといえば、もう目に見えて孤独死みたいな形になってしまいますし、これは全額減免というものができないものなのか。  例えば、市長さんは広域連合の方に行っていますので、そこのところを市として、やはりそういう資格証明書というのは、年金が少ない、わずかの、月にすれば1万5000円しかもらっていない人の対応になりますから、そういう人たちに資格証明書を与えてはならないと思うのです。  なぜかというと、今の国保の中でも、弘前市は75歳以上の老人医療の人に対しては資格証明書を与えていないのです。発行していないのです。それが今度の後期高齢者医療では、資格証明書を与えるというふうになっていますので、これははっきり言って、市民からとれば本当に大変なことになっていますので、そこのところをもう一度お願いいたします。 ○副議長(一戸兼一議員) 健康福祉部長。 ○健康福祉部長(白取幹人) まず、妊婦健診についてであります。これは先ほども言いましたように、市長が大変重く受けとめて、私どもに回数の増に向けて真剣に検討しろという指示を出しております。  それから、現物給付のめどということでありますが、先ほども言いましたように、システム改修の時期に合わせて検討したいということであります。  それから、後期高齢者医療の資格証明書でありますが、先ほど言いましたように、これは広域連合で今後検討し決定されてくるものだということで、わかり次第お知らせするということであります。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 14番。 ○14番(石田 久議員) あと何分ですか。 ○副議長(一戸兼一議員) あと4分です。 ○14番(石田 久議員) 私も、3期目初めての一般質問をするわけですけれども、本当に市民のための市政を目指すために私は質問してきましたけれども、やはり子育て支援については、きちんと前向きな姿勢でぜひこれをやっていただきたいなと思っています。  特に、ひとり親家庭のところは、ここのところ早くシステム改修といって、具体的にここのところ提案していただきたいと。これはまた次の議会でも質問したいなと思っています。  それから、救急輪番制については、先ほど医師数の問題、弘前の場合はかなり多いわけですけれども、それがどうしてできないのか。そして医師不足と言われる中で、この開業医と第1次のかかりつけ医とそれから2次それから3次、そこのところをこれから今井事務局長さんの方が、かなりこう、具体的にいろいろなことをすると思うのですけれども、ここを全力を挙げて早くやらないと、勤務医の先生方はもう次から次へと退職していますので、ここ、もう待てないようなあれですので、そこのところを、ぜひやっていただきたいと。  それから自治体病院の行方については、やはり自治体病院を統廃合するという国の三位一体の中で、どんどんどんどんそういうことがされているのですけれども、はやり自治体病院として地域の医療を守る、その要としてぜひこれを話し合いをして、具体的に、逆に県に要望というか、市町村の町立やあるいは市立病院の拡充のために、多分市立病院だってもうできて四十何年ですから、リニューアルの問題も出てきます。そういう中で、また統廃合が黒石やあるいは国立出てた場合でも、やはり独自に自治体病院として、そこのところ強くやっていただきたいなと思っています。  それから、後期高齢者医療については、この議会では余りなじまないようなお話もされていますけれども、やはり弘前市民として、ここの、きちんと申すものは申して、そして広域連合の代表である市長が参加するわけですから、ぜひ私たち市民の声を届けていただきたいというふうに思っています。  それから最後に、弘前市の斎場については、これは早めにやっていただきたいということです。  以上をもって、私の一般質問を終わります。 ――――――――――――――――――――――― ○副議長(一戸兼一議員) 次に、9番谷川政人議員の登壇を求めます。   〔9番 谷川政人議員 登壇〕(拍手) ○9番(谷川政人議員) 議長より登壇を許されました9番木翔公明の谷川政人でございます。  1947年5月3日、現行憲法が、そして地方自治法が施行されて、ちょうどことしが60年の節目となります。  しかし、地方のことは地方自身でという自治の本旨には60年という年月が経過した今でさえも、いまだ国による管理や制約が根強く残っており、税金の6割は地方の住民サービスや公共事業などに使われているとはいえ、地方が自主的に使い道を決められる財源は4割程度といった現状に、理事者はもちろん、私自身歯がゆさを感じるものでもあります。  ただ、1999年の地方分権一括法による法改正によって、国が地方を下請に使う機関委任事務が廃止となり、不十分とはいえ前内閣の三位一体改革では税源移譲や補助金、交付税の見直しにも手がつけられ、ようやく地方と国は対等・協力の関係になりつつあるということの認識は深めなければいけないのも事実です。  地方自治法施行60年を迎えるに当たり、今後も地方分権改革をさらに推し進めながら、真に地方が自立でき得るための基盤づくりに、そして、これからは自分たちのことはもっと自分たちで責任を持つという気概を私自身念頭に置きながら、市民の幸せと生活の向上、次代を担う子供たちの健やかなる成長を願い、通告の順序に従いまして一般質問をさせていただきます。  質問の第1項目めは、弘前感交劇場推進プロジェクトについてであります。  前段でも申し上げましたとおり、自分たちの町は自分たちで魅力のある地域をつくり上げていかなければいけない時代を迎えました。  もちろん、その考え方は、国全体として着実に推し進められており、特に、政府は今年度、各地方公共団体が独自に考えた魅力ある地方づくりへの前向きな取り組みに対し、地方交付税の上乗せ配分などの支援措置をする「頑張る地方応援プログラム」の第1次募集をしたところでもあります。  当市もこの募集に応募をしており、既にホームページ上で公表されておりますが、その中で、当市の取り組みは、雪への対応と産業振興を重点分野として位置づけ、四つのプログラムを掲げております。  その一つに、観光施策の充実強化をにらんだこの弘前感交劇場プロジェクトが提案されております。  既に、我が国全体の観光産業は、GDP20兆円以上、200万人の雇用を抱える一大産業に成長していると言われております。  しかし、昨年の出国者数に対して海外からの訪日者数は、その4分の1にしか満たないといった不均衡さも指摘されており、21世紀の基幹産業とも言える観光産業の世界的潮流におくれないための国や自治体としての施策の展開は急務であると感じております。  もちろん、弘前市にとって、自然遺産を初め先人たちから受け継いできた多くの恵まれた観光資源を生かし、おもてなしの心で迎え入れる観光産業の充実強化は、豊かで活力あるふるさとづくりのためにも重要かつ必須のテーマであり、当市のこうした積極的な取り組みは大いに評価できるものと私は考えております。  観光振興を通じた国内外の交流人口の増加は、内需振興、地域活性化、雇用の創出など、極めて大きな経済波及効果が期待されるものでありますが、この弘前感交劇場プロジェクトと題した当市の取り組みの具体的な内容について、提案された経緯を含めながら御答弁いただきたいと思います。  次に、質問の第2項目めは、学校規模適正化問題と今後のあり方についてであります。  ここ数年、市町村行政における最大の課題は、市町村合併だったと言えます。  当時、3,200あった市町村数は、平成の大合併を経てさまざまな論議が交わされたものの、今や1,800ほどとなり、それぞれが新たな自治体の姿で歴史の一歩を歩み始めました。  一方、市町村教育行政における現下の最大の課題は、学校統合にあると言われております。  先般、厚生労働省のまとめた2006年人口動態統計では、合計特殊出生率が1.32と6年ぶりに上昇に転じたとの発表がなされました。その朗報に内心ほっといたしましたが、もっとも、人口を維持するために必要な2.07にはほど遠い数字でもあり、引き続き少子化対策に力を注ぐさまざまな施策の展開はもとより、児童生徒数の減少に伴う教育環境の整備などといった少子化によって引き起こされるさまざまな問題の解決策については、並行しながら取り組んでいかなければいけないものであります。  もちろん、少子化が押し寄せる波は当市においても例外なく押し寄せ、児童生徒の減少はこれからも続いていくものと予想されております。  当市の財政状況などを含め、総合的に考えてみますと、今後、学校経営が困難になるといった学校も出てくるのではないかと非常に不安を抱いております。  さらに、学校が過度に小規模化すると、きめ細やかな学習指導ができるといった利点などはありますが、級友同士が学び合い、助け合う環境をつくることができなかったり、授業の幅や厚みもなく、運動会や部活動も不活発になるといった、教育上さまざまな支障が生じてくることはゆがめない事実としてとらえていかなければいけません。  そこで、文部科学省が示している望ましい学校規模という指標と比較してみると、当市の学校規模は、小中学校約半数の学校が小規模校になるといった現状であり、統合や通学区域の見直しなどを含めた早期検討は必要不可欠であると考えます。  しかし、この問題は、児童生徒はもとより、保護者や地域住民の御理解なくして推し進めることはできないことであります。  こうした課題に、全国の各教育委員会では、小中学校の通学区域の弾力化とともに、学区制撤廃や学校選択の自由化などについて討議が活発に進められており、既に学校規模適正化検討委員会などといった具体的な行動をとっていると聞き及んでおりますが、当市においては、現状いまだこうした動きは具体化されていないようです。
     特に、学校施設耐震化問題に直面し、危険施設と判断されたときには、厳しい財政事情下にありながらも、学校規模適正化などについての熟慮の余地もないまま、早期建てかえに踏み切らざるを得ない他の自治体の姿を見させていただくと、今からしっかりとした議論の場を設け総合的に検討していく必要があると考えますが、この学校規模適正化問題と今後のあり方について、教育委員会の御見解をお伺いいたします。  次に、(2)堀越城跡の整備状況と今後の取り組みについてであります。  堀越城は、中世末期から近世初頭までの津軽氏の居城であり、現在も本丸の土塁や堀跡がよく残っている津軽地方の城郭の変遷を知る貴重な遺跡であるとともに、津軽氏の統一過程を示す国指定史跡であります。  当市は、昭和63年に史跡保存管理計画を策定し、その後、史跡公園として整備を図ることを目指して今日まで発掘調査を継続して実施してきておりますが、現状その発掘調査はどの程度まで進捗しているのか。特に、本年度の施政方針演説の中でも、相馬市長は堀越城跡の史跡整備事業に取り組むと明言をされておりますので、今後の整備計画を含めた取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。  以上、2項目3点について、理事者の明快なる御答弁を御期待申し上げ、壇上からの一般質問を終わらせていただきます。   〔9番 谷川政人議員 降壇〕(拍手) ○副議長(一戸兼一議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 谷川政人議員からは、二つの項目にわたる御質問がございますが、私からは1項目めの、弘前感交劇場推進プロジェクトについてお答えいたします。  国では、平成19年度から、やる気のある地方が独自のプロジェクトをみずから考え前向きに取り組む地方公共団体に対して、地方交付税等の支援措置を講じる「頑張る地方応援プログラム」をスタートさせました。  これを受けて、市では、地域の特性や実情を踏まえ、雪への対応と産業振興を重点分野として位置づけ、弘前感交劇場推進プロジェクトなど、四つのプロジェクトについて取り組むことといたしました。  平成22年度に予定されている東北新幹線新青森駅開業は、観光資源が豊富な弘前市を初め津軽地域全体に大きな経済効果をもたらすものとして期待しており、この効果を最大限に活用するため、平成18年度において、市、弘前観光コンベンション協会、弘前商工会議所等がその対応策についてそれぞれ検討してまいりました。  その中の一つ、弘前商工会議所が設置した「世界自然遺産白神山地のめぐみ開発プロジェクト委員会」から提案されたのが弘前感交劇場であります。  この弘前感交劇場とは、先人の知恵により築かれてきた弘前の歴史や文化すべてを世界自然遺産である白神山地からもたらされた恵みによるものであると位置づけ、弘前市を初め津軽地域全体を白神山地を舞台背景とする一つの劇場としてとらえ、観光客も地域住民もともに共感できる感動と交流の体験型ステージとして展開するものであります。  具体的には、舞台を春夏秋冬の弘前、大道具に弘前城や岩木山、りんご園、さくらまつりやねぷたまつりなど、小道具にはりんごや津軽塗、ブナコ細工、地酒、音響は津軽三味線、民謡、手踊り、助演者は弘前市民などと、それぞれの役割分担を劇場に見立てて認識を深めるとともに、生活に息づいている多様な実体験を体感してもらう新たな弘前の旅のスタイルを提案するものであります。  プロジェクトを構成する事業でありますが、祭りは地域の伝統文化であるという理念のもと、文化の育成と観光としての経済効果の両面から振興策を検討するまつり活性化推進事業、おもてなしの心の醸成など観光地としての受け入れ態勢の整備を図るホスピタリティ向上推進事業、埋もれている観光資源の掘り起こしを行う新たな観光資源開発事業、外国人旅行者の受け入れ態勢の整備を図るインバウンド観光推進事業、東北新幹線新青森駅開業に向けた各種施策を推進する新幹線活用対策事業、新たな特産品の開発や販路拡大を図る物産の振興事業、及び農作業体験などの里山体験を推進するグリーン・ツーリズム推進事業の7事業を実施してまいります。  また、弘前感交劇場の名称につきましては、現在、弘前観光コンベンション協会において、旅行商品造成に係る商標登録の手続を進めており、これをキーワードにしながら、津軽弘前ならではの風習や伝統を通して、これからの弘前の新たな観光施策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。  そのほかの項目については、教育委員会から答弁をいたします。 ○副議長(一戸兼一議員) 教育長。 ○教育長(石岡 徹) それでは、大きな2番、教育行政について。(1)学校規模適正化問題と今後のあり方についてお答えいたします。  学校の適正規模については、学校教育法施行規則等において、学級数ではおおむね12学級から18学級、通学の距離ではおおむね小学校では4キロメートル以内、中学校では6キロメートル以内と定義されております。  現在、市立の小学校37校、中学校16校の中で、普通学級数が12学級未満の学校は、小学校が20校、中学校が10校あります。  そのうち、複式学級を編制している学校は、小学校5校、中学校1校となっております。  学区の見直しについては、宅地開発等にかかわる見直しを随時しておりますが、少子化傾向を含む学区の総合的な見直しはしていない状況であります。  今後は、校舎改築の時期や規模の適正化を視野に入れ、学級数の推計や通学距離の調査のほか、地域コミュニティーの中核施設としての役割、災害時の避難場所としての必要性、地域住民の愛着心や学校規模適正化に対する意見、あるいは庁内学校規模適正化検討委員会の組織化なども含め、さまざまな観点から前向きに調査・検討してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 教育部長。 ○教育部長(成田雅幸) 次に、(2)堀越城跡の整備状況と今後の取り組みについてにお答えいたします。  堀越城跡は、初代藩主津軽為信公が津軽を統一し、津軽藩の基礎となった城跡であり、現在もなお本丸の土塁や堀跡がよく残っており、津軽地方の城郭の変遷を知る貴重な遺構であります。  昭和60年11月には、津軽氏の発展過程を示すものとして、既に国の史跡指定を受けていた弘前城跡に追加して指定を受けております。  その後、史跡公園として整備を図ることを目的として公有化を図り、平成10年度からは城郭構造や地下遺構の確認のため、国庫補助事業により発掘調査を実施してきたものであります。  これまでの調査の結果、二の丸と三の丸の範囲の確定や、本丸からは津軽地方で初めて発見された礎石の上に柱を建てた建物跡のほか、門や橋の跡などが確認されております。  今年度は、本丸南側の土塁などの構造解明のため、引き続き発掘調査を実施してまいります。  また、平成14年度からは、整備の基本計画策定のため、学識経験者と市関係課、地元町会で組織した整備計画策定委員会を発足させております。  現在は、整備指導委員会と改称し、文化庁の指導を得ながら整備基本計画の年度内策定を目指して作業を進めております。  今後は、整備基本計画に基づき、順次、本丸、二の丸などの各曲輪を発掘調査と並行して整備、公開を行い、貴重な歴史及び文化遺産、さらには文化財観光資源の一つとして堀越城跡の保存、活用を図ってまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 9番。 ○9番(谷川政人議員) 御答弁ありがとうございました。順次、再質問をさせていただきます。  まず、弘前感交劇場推進プロジェクトについてでありますが、御答弁では、世界遺産白神山地の恵みからもたらされる資源を舞台装置に見立てて、すべての人々が共感できる感動と交流の体験型ステージづくりなのだということで御答弁をいただいたのですけれども、その舞台を動かすためには、潤滑油的な役割というのが非常に大切になってくると思うのです。  これまで、訪れて来てくれた一部の観光客の間の話では、当市は豊富な観光資源がありながらも、その資源を十分に生かし切れていない面が多分にあるのではないかということで言われております。  私は、その原因の一つに、先ほど御答弁の中にも出てきました市、観光コンベンション協会、商工会議所、物産協会などといった各団体それぞれが、もちろん観光推進のためにおのおの努力をしておりますけれども、団体全体が一体的な観光推進体制ができていないからではないかと考えております。  その問題点を踏まえ、今後、当市の観光推進に当たっては、いわゆる口先だけの連携ということではなくて、すべての団体が一体化した体制で取り組むことが必要不可欠な条件になると考えておりますけれども、弘前感交劇場を舞台として円滑に繰り広げていかれるための推進体制はどのように考えているのか、なっていくのか、その辺をお伺いしたいと思います。  次に、教育行政についての、(1)学校規模適正化問題についての再質問であります。  御答弁では、今後、調査研究、そして組織化に向けた、そうした動きを前向きに取り組んでいきたいというお話でありましたけれども、そのためには、過去の事例というものも検証する必要があると考えております。  そこで、当市において、これまで小学校の統合がなされたものの事例として、直近の事例でいきますと大成小学校がありますが、これは参考までにちょっとお伺いしたいと思いますが、大成小学校は、統合する際にどのように進められてきたのか。特に、その動向、いわゆる要した期間、経緯についてお伺いをいたしたいと思います。  次に、(2)堀越城跡の整備についての再質問でありますけれども。  御答弁によりますと、公開に向けた取り組みをしていくのだということでありましたけれども、それに当たって、多くの観光客や市民に親しまれる史跡公園としていくためには、もちろん史跡、その周辺整備というものが非常に大事になってくると思うのですけれども、その周辺整備も視野に入れた具体的な計画というものを検討していかなければいけないと思うのです。  特に、今は車社会でありまして、そちらの方に赴くに当たっても、車で行くに当たっては、やはり駐車場がなくてはなかなかそうしたところに行きづらいということもありますので、隣接する駐車場の整備などについては何かお考えとかはあるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。  以上です。 ○副議長(一戸兼一議員) 市長。 ○市長(相馬しょういち) 弘前感交劇場推進についてでありますけれども、今まで余りそれぞれの団体が連携とれてなかったのではないかというようなことですけれども、連携とれてなかったわけではないのですが、より密接ではなかったようであります。  したがいまして、この間、弘前ツーリズム懇談会というのを立ち上げました。それぞれの団体の長が集まって、そして、そこには観光の専門家にも来てもらって、いろいろ話をして、そして、今度は3カ月に1回、それぞれの団体の長が集まって、その専門家にも――その専門家も3カ月に1回やると言ったら、「私も正規のメンバーにしてくれ」ということになりまして、こっちから頼んでもなかなかちょうどうまくいかないのに、向こうから進んでそう言ってくれましたので「ぜひお願いします」ということでこれから進めてまいります。  間もなく、7月5日、また2回目の会合を開いて、これから、どんどんどんどん生かしていきたいと、観光資源を、そういうことで進めてまいります。  よろしくお願いします。 ○副議長(一戸兼一議員) 教育部長。 ○教育部長(成田雅幸) 大成小学校の統合までの経緯、それから統合に要した期間についてという御質問でございますが。  まず、大成小学校の統合を検討することの契機となったのが、平成3年3月に策定された第4次弘前市総合開発計画に学校の統合を検討することが盛り込まれた。これが始まりでございます。  これを受けまして、平成6年1月に、弘前市立小・中学校通学区域改編協議会を組織いたしまして、平成7年3月には、学校統合については地域住民の合意が得られるよう図られたいとの答申を得たものでございます。  平成11年6月には、第一、第二大成小学校規模適正化検討会議を設置しまして、同年の11月に同検討会議から統合が妥当である旨の報告書が提出されてございます。  平成13年9月、第3回の定例審議会で統合に係る条例が可決されまして、平成14年4月、大成小学校が開校されたということでありまして、総合計画の検討から学校開校まで11年余りを要したものでございます。  次に、堀越城跡の整備ということで、公開に向け周辺整備を視野に入れた取り組みが必要であると。隣接する駐車場の整備について、どういうふうに考えているのかという御質問でございます。  国道7号線沿いに立地してございます堀越城跡の立地条件ということを考えますと、先ほど議員からも御指摘があったとおり、史跡公園を訪れる人の多くはマイカーあるいはバスといったものを利用すると思われます。駐車場は、ぜひ必要と考えてございます。  ただし、史跡指定地内に駐車場は整備できないということになってございます。史跡周辺の用地が必要となりますけれども、駐車場用地の確保については、今年度策定する整備基本計画において検討し反映させたいと思っております。  以上であります。 ○副議長(一戸兼一議員) 9番。 ○9番(谷川政人議員) 意見要望を申し上げまして終わりたいと思います。  まず、弘前感交劇場推進プロジェクトについてでありますが、質問でも申し上げましたように、これからの観光産業は、21世紀の基幹産業としてますます注目されてくることになります。  まさに、当市においては、豊かで恵まれた観光資源をどう生かしていくかが今後の魅力あるまちづくりのキーワードになると考えますので、何よりも弘前市はもとより各関係団体との連携した一体的、そして密接な取り組みができる組織づくりに努めていただくことをお願いしたいと思います。  次に、学校規模適正化問題についてでありますが、現状、少子化への特効薬がいまだに見つかっていない状況において、5年先、10年先を見越した健全な学校運営というものをしっかりと議論していく必要があると思います。  特に、学校の適正規模についての考え方の主導は、あくまでも国ではなくて自治体の教育委員会でありますので、そうしたことを踏まえながら、また、再質問の御答弁でも明らかになったように、大成小学校が統合されるまで11年以上もの年月を要しているということもありますので、さまざまな形で、検討、研究、そうした話し合いの場が必要となりますので、そうしたものを早期に設置していただければなと要望しておきます。  最後に、堀越城跡の整備についてでありますが、本年度中に史跡公園としての整備基本計画も出すということで、今後ともその整備状況の推移や発掘調査記録を見守りながら、市民により親しまれる史跡公園となる一層の取り組みを要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○副議長(一戸兼一議員) ここで、暫時休憩いたします。   午後2時58分 休憩  ――――――――◇――――――――   午後3時20分 開議 ○議長(藤田 昭議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、2番小田桐慶二議員の登壇を求めます。   〔2番 小田桐慶二議員 登壇〕(拍手) ○2番(小田桐慶二議員) 木翔公明の小田桐慶二でございます。  市民福祉の向上と市勢のさらなる発展を願い、通告の順序に従い質問させていただきます。  平成19年第1回定例会における相馬市長の市政運営に関する所信の中で「農業を中心とした地域経済の振興については、私の公約の中で最も重視しているものであり、農業の振興なくして市民所得の向上は有り得ないという信念の下、特に力点を置いているものであります。」とありました。  私自身、35年間サラリーマン生活をしてまいりましたが、恐らくどんな業種でも「農家の皆様の景気がよくならないと弘前の景気はよくならない」というのが偽らざる実感ではないでしょうか。  しかし、その大切な農業を取り巻く環境は決して安心できるものではなく、少子高齢化、地球温暖化、食生活の多様化、農産物の輸入規制緩和等により、ますます厳しいものになってきております。  過去3回の国勢調査の産業別就業者数の推移を見てもその実態があらわれております。  新弘前市の第1次産業就業者数は、平成7年1万9526名、平成12年1万7211名、平成17年1万5853名と、調査のたびごとに減少してきており、これに対し、国、県、市としましても、さまざまな支援事業を展開してきております。  そこで、第1項目めの、農業の活性化対策について質問をさせていただきます。  本年4月から、農業の担い手に対する経営安定のための交付金法、いわゆる担い手新法など農政改革関連3法が施行されました。  4月2日から品目横断的経営安定対策の加入受け付けが始まり、また、県、市町村、関係団体が支援するりんご経営安定対策事業が19年度からスタートしました。  先日の新聞報道でもありましたが、りんご経営安定対策事業については5月末現在で約1,000件の加入申し込みがあったと報じられており、これは目標の15%という数字だそうであります。目標である6,500人にはかなり厳しい状況ではないかと思います。  りんご経営安定対策の現時点での進捗状況と、また、品目横断的経営安定対策の進捗状況をお伺いいたします。  もう一つの視点は、農山村地域で特に顕著で深刻な問題である人口の減少と高齢化を食いとめるため、いかなる取り組みをしていくかであります。  国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、農家人口は2000年から2020年にかけて37%減少し、高齢化率は2000年の53%から2020年には65%に達すると予測され、待ったなしの取り組みが必要とされる状況です。  農水省では具体的な政策目標として、平成28年度までの「農山漁村への定住者150万人増」「二地域居住者300万人増」を掲げ、国を挙げて農山漁村と都市との交流を図る方針を発表しており、現在開会されております第166通常国会に農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律が提出されております。  この法案、予算が成立することにより、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金とあわせて、制度面・資金面でも農山漁村を強力にバックアップする体制が整うことになります。  内閣府が平成17年に実施した「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」によれば、農山漁村地域への二地域居住については都市住民の38%が願望を持っており、団塊の世代を含む50歳代が46%と最も高く、定住については都市住民の21%、年齢別では20歳代、50歳代がそれぞれ30%という結果が出ております。  団塊世代の多数の退職が始まるとともに、20代の若者の農山村暮らしに対する願望が高まっている現在、過疎・高齢化が進む農山村の活性化に向けて大きなチャンスを迎えているのではないでしょうか。  このような背景をしっかりと認識し、我が弘前市としてはどのような姿勢で取り組もうとされているのかお伺いいたします。  次に、農産物の消費拡大対策についてお伺いいたします。
     その第1点目は、地産地消の取り組みについてであります。  平成17年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」で初めて国を挙げて取り組む地産地消の推進が条文に明記され、また、昨年3月策定の食育推進基本計画では、「学校給食において都道府県単位での地場産物を使用する割合の増加を目標とする。具体的には、平成16年度に全国平均で21%となっている割合(食材数ベース)について、平成22年度までに30%以上とすることを目指す。」と具体的な目標が定められ、さらに、地産地消推進行動計画において、都道府県や市町村が独自の推進計画を策定するように働きかけております。  当市における推進計画の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。  第2点目は、販売戦略についてであります。  りんごのみならず、弘前市の農産物すべてにおいて、いかに販路を拡大するかが経済活性化の大きなかぎであると考えます。  市長によるトップセールスを初め、関係各位の皆様の並々ならぬ御努力により現在の販売ルートが確立されてきたことは言うまでもありません。  また、何よりも農家の皆様の品質向上への不断の努力の結果であると思うのであります。  昨日の新聞報道では、りんご輸出事業を行う新会社「合同会社LLC岩木」が5月29日に設立され、輸出に特化した事業を行い、中国、欧州、中東、ロシアでの販路拡大に努めるとしています。まことに頼もしく事業の発展を心から祈るものであります。  このように、現場の皆様の豊かな知恵と行動力を最大限に発揮できるよう、行政としてしっかり支援していかなければならないと思うものであります。御所見をお伺いいたします。  次に、第2項目めの、雇用対策の拡充についてお伺いいたします。  弘前公共職業安定所管内の4月の有効求人倍率は0.64、また、5月末現在での来春の中高生採用を考えている企業が43社、採用見込み人数は159人、前年同期に比べ拡大しているようであります。  就職環境が好転してきていることはまことに喜ばしいことであり、関係各位の皆様の御努力に対し深く敬意を表するものであります。  そこで、第1点目の、新卒者の就職支援の取り組みについてお伺いいたします。  新規高等学校卒業者雇用奨励金制度の実施状況と中小企業人材育成支援のIT化対応人材育成研修の実施状況もあわせてお伺いいたします。  第2点目は、中高年の雇用対策についてお伺いいたします。  6月11日の東奥日報の明鏡欄に中高年の求職について次のような意見が掲載されておりました。  まことに心に突き刺さる一文でしたので、そのまま引用させていただきます。  先日、知人が失業した。時給610円で働いていたので雇用保険はいくらももらえない。会社の都合で退社したのに、退社理由が契約満了となったため、受給日数も90日分しかもらえない。50歳を過ぎているので、次の仕事を探してもなかなか採用にまで至らない。そこで資格を取得しようと考え、パソコンを覚えることを決意したという。  ハローワークの説明会に参加し、職業訓練の中にパソコンの訓練もあったので受講しようとしたが、年齢制限が35歳となっていた。今、ハローワークでは企業から求人を受け付けるのに年齢制限を撤廃するように指導しているという。企業にはそのように指導しているのに、ハローワークでは年齢制限を設けるとは何とも矛盾した話ではないだろうか。  県も若い人には一生懸命力を入れて求人開拓しているが、中高年にはいまひとつという感じがするのは私だけだろうか。時給が最低賃金の610円という求人がほとんどという問題も併せてなんとかならないものだろうか。  庶民の心からの叫びであると思い紹介させていただきました。  中高年の雇用対策に関し、どのようなお考えで取り組まれるのか御所見をお伺いいたします。  第3点目は、雇用創出の取り組みについてお伺いいたします。  企業誘致は、雇用創出と税収増の即効薬とも言われ、現在まで北和徳工業団地と藤代工業団地、そして弘前オフィス・アルカディアを造成分譲してきました。  2006年末時点までに市が誘致に成功した企業は50社に上り、そのうち35社は現在でも操業しており、5,535人の雇用の場を提供していると聞いております。関係各位の皆様の御努力に心から感謝申し上げるものです。  また、弘前オフィス・アルカディアについては、先月私も視察に行ってまいりましたが、2001年の分譲開始以降、なかなか苦戦しているというのが正直な実感であります。  県、市として、さまざまの優遇措置を講じておりますが、オフィス・アルカディアの企業誘致の進捗状況についてお伺いいたします。  次に、第3項目めの、三つの職員像の具体的取り組みについてお伺いいたします。  市長は、本年年頭の職員への訓示において、一つ、チャレンジ精神を持つ職員、一つ、明日の弘前市を考える職員、一つ、市民に親切な職員と三つの職員像を訴えられました。この職員像は各部署に掲げられており、その周知徹底が図られているところであります。  私は、三つ目の意義づけが全体の基本となるものではないかと感じております。  それは、「市民がいるから市役所があるということを意識し、市民の目線に立って行政運営を考える」という部分であります。  私自身は、この「市役所」という部分を「市議会議員」に置きかえて深く肝に銘ずべきであると思っております。  市民の皆様と対話をしてまいりますと、我々議員に対する要望、あるいは厳しい御指摘とともに、市民サービスにかかわる御指摘、御提案をいただきます。  例えば、市民課、あるいは国保年金課などの窓口は市民の皆様が一番訪れる窓口であり、その受け入れ態勢は常に窓口に向かい市民の皆様と接しております。  しかし、ほかの課の受け入れ態勢はカウンターに沿って横向きに座っており、市民の皆様から声をかけられてから応対するということが多いのではないでしょうか。  そこで、日がわり当番制で各課で必ず1名は窓口担当でカウンターに向かって業務を行う。そして、市民の皆様に職員の側から声をかけるようにしてはどうだろうかとの御提案であります。  なるほど、市民に親切な職員の具体的な姿の一つではないかと思います。  このように市民の皆様もさまざまな目線での御意見、御提案を持っております。  職員の資質向上、そして三つの職員像をどのように具体化されるのか、今後の取り組みをお伺いしたいと思います。  以上、3項目にわたってお伺いいたしました。理事者の明快なる御答弁を求め、壇上からの一般質問を終わります。   〔2番 小田桐慶二議員 降壇〕(拍手) ○議長(藤田 昭議員) ただいまの質問に対し、理事者の答弁を求めます。市長。 ○市長(相馬しょういち) 小田桐慶二議員からは、三つの項目にわたる御質問がございますが、私からは1項目めの、農業の活性化対策についてお答えをいたします。  (1)支援事業の進捗状況について。  農業後継者が急速に減少し高齢化が進む中で、国では、これまですべての農業者に対して一律に個々の品目ごとに講じてきた施策を見直し、平成19年産から米、麦、大豆を作付する意欲と能力のある担い手農家を支援することを目的とした品目横断的経営安定対策を推進しております。  この対策は、加入受け付け期間が4月2日から7月2日となっており、6月12日現在で経営規模が4ヘクタール以上で、加入目標とした認定農業者11人のうち3人、また、経営規模が20ヘクタール以上で、加入目標とした集落営農組織10団体のうち8団体、合計11経営体が加入しており、目標経営体数に対する加入率は約52.4%となっております。  加入促進対策としては、4月に認定農業者、集落営農組織及び米の生産調整協力農家約4,000戸に加入のPRチラシを配布したほか、市、県及び関係農業団体等で組織している弘前市担い手育成総合支援協議会でも、地域へ直接出向いての加入推進や情報提供等を実施しているところであります。  今後も、関係団体と連携を図りながら、一層の加入促進に努めてまいりたいと考えております。  また、県では、国が実施してきた果樹経営安定対策事業が昨年度で終了したことから、新たに平成19年度から22年度までの4年間を実施年度としたりんご経営安定対策事業を実施しております。  この事業は、りんごの主要消費地市場の平均販売価格が一定水準を下回った場合、生産者、県、市町村が積み立てした基金の中から、その範囲内で農薬費相当分を生産者に支払うものであります。  本事業の加入要件は、りんごを50アール以上生産している農家が100アールまで加入できるものであります。  加入申し込みの受け付け期間は4月2日から6月末日までとなっておりますが、5月末日現在で、県全体の加入想定農家6,500戸のうち、993戸が加入申し込みをしており、加入率は約15%となっております。  このため、市では加入促進を図るため、農業委員会発行の広報紙「農業ひろさき」で加入のPRをするとともに、去る6日に県と連携し、農業団体に加入推進活動を行ったところであります。  一方、農業協同組合も広報誌等により加入を呼びかけておりますが、今後も関係団体と連携し、一層のPRに努めたいと考えております。  次に、市では今年度から定年退職を迎える団塊の世代も含め、新たに農業を始めようとする場合の支援策として、農地の賃貸借に係る経費を3年間補助する新規就農者営農開始支援事業を実施しております。  さらに、新たに農業を始めようと考えている人を対象に、農業の基礎的な知識の習得と農家での実地研修に対する支援を実施することにしております。  このほか、県では新規就農者への資金や研修等の支援のほか、団塊世代を対象とした交流や移住に関する総合窓口を県庁内及び東京へ設置しており、市としても県及び関係機関等と連携し、都市と農村の交流を図りながら、新規就農者の確保に努めてまいりたいと考えております。  (2)消費拡大対策について。  近年、地元で生産された農産物を地元で消費するという意味の、いわゆる地産地消への取り組みが全国各地で積極的に行われております。  本市においても地産地消を推進し、地元農産物や加工品の消費拡大を図るために、さまざまな活動を展開しております。  具体的に申し上げますと、まず、市の基幹作物であるりんごの消費拡大のため、弘前市りんごを食べる日を定める条例を市が今年4月に制定し、毎月5日をりんごを食べる日として定め、市内関係団体等が看板・のぼり等を設置しながらPRに努めるとともに、りんごに関する各種イベントを実施しております。  主なものは、4月5日には、りんごを食べる日制定記念として、市内小学校の新入生全員に対してのりんご下敷きの贈呈及び市内量販店によるりんごの無料配布と販売の実施、5月5日にはりんご公園で巨大アップルパイの無料配布の実施、6月5日には保育園児を対象としたアップルパイづくりなどをりんご公園で実施しております。  今後は、市内での活動に加え、全国に向けて弘前りんごをPRし消費拡大を図るため、弘前りんごPRソングを制作し、9月5日のりんごを食べる日には公表したいと考えております。  さらに、毎年11月には、りんご公園において「りんごと米の収穫祭」を開催し、りんご、米、野菜などの農産物や加工品の試食・販売等を実施し、弘前産農産物のおいしさを消費者に伝えております。  そのほか、小学生を対象とした「地元のお米を使ったおにぎり教室」や市が認定している「弘前市アグリ・マイスター」と消費者との交流会を通じて地元農産物に親しんでいただいております。  また、市内の朝市と農産物直売所を紹介する「朝市・産直マップ」を作成・配布しており、今年度は19カ所の直売所等を掲載した地図を1万4000部作成し、現在、市関係施設等で配布しております。  次に、本市の学校給食での地産地消の取り組みについては、主食の米飯は弘前産つがるロマンを使用し、りんごについては、生食りんごやりんごジュース、りんごを素材にした加工品を随時使用し、野菜についても収穫時期の関係がございますが、可能な限り弘前産を使用するよう努めていると伺っております。  今後も、地元農産物の消費拡大のため、関係機関・団体と連携しながら地産地消の活動を活発に推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。  そのほかの項目については、担当の部長から答弁いたします。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) 次に、大きい項目の2、雇用対策の拡充について。(1)新卒者の就職支援の取り組みについてにお答えします。  弘前公共職業安定所管内におけるこの春の新規高卒者の地元就職状況は、4月末現在、就職率91.9%で昨年より3.1ポイント上回っております。  また、未就職者は26人と、昨年比9人の減少を見ているなど、新規高卒者の就職状況は少しずつ改善しているものと見ております。  このような状況のもと、平成19年度雇用対策事業として、新規高等学校卒業者雇用奨励金制度とIT化対応人材育成研修を実施いたします。  新規高等学校卒業者雇用奨励金制度は、新規高卒者の地元雇用及び早期離職者の再就職の支援を目的に、未就職者や離職した新規高卒者を常用で雇用する事業主に月1万円を交付し、若年者の雇用の定着を図ってまいります。  今後、広報ひろさき7月1日号や弘前商工会議所会報等に掲載するなど周知活動に努め、活用を促してまいりたいと考えております。  また、IT化対応人材育成研修につきましては、中小企業の従業員の人材育成を目的にパソコン研修を実施するものですが、弘前商工会議所と共催を予定しております。  このように、人材育成を含めた雇用対策に取り組んでまいりますが、これと並行して、今後は平成20年3月に卒業予定の高校生の就職支援を弘前公共職業安定所、弘前地区雇用対策協議会などの関係機関と密接に連携をとり、協力しながら進めてまいりたいと考えております。  続きまして、(2)中高年の雇用対策についてにお答えします。  中高年齢者の雇用状況は、長引いた経済不況の影響で、若い世代に比べ有効求人倍率が低調に推移しており、特に再就職が厳しい状況にあると認識しております。  このような状況を踏まえ、市としましては、次のような雇用対策事業を実施し雇用創出に取り組んできております。  具体的には、平成15年度からの3年間、中高年齢者雇用奨励金制度を創設して、家庭を支える中高年齢者の再就職を支援する目的で雇用対策を実施し、23名の再就職を支援してまいりました。  また、求職中の中高年齢者の再就職を支援するため、フォークリフトや玉掛け運転技能などの技能講習を現在も実施し、平成18年度は36名の技能取得を支援しております。  市としましては、引き続き中高年齢者の雇用対策には意を用い、雇用状況の推移を注意深く見守りながら、今後も有効かつ適切な施策を実施してまいる所存であります。  続きまして、(3)雇用創出の取り組みについてにお答えします。  弘前オフィス・アルカディアは、医療・健康・福祉関連分野を中心にIT関連やバイオテクノロジーなどの新産業を対象とした事務所及び研究所等の集積を図る業務団地として平成13年12月に分譲開始しております。  分譲の状況は、平成19年6月11日現在で16事業所との間で27区画、約10.2ヘクタールの土地譲渡及び賃貸契約を締結しており、分譲率は全体の49.0%となっております。  従業員数は全体で正規雇用のほか、パートなどを含めますと590人となっております。  今後、契約が予定されている事業所もあることから、年度内には分譲率が50%を超え、それに伴う雇用もふえるものと考えております。  弘前オフィス・アルカディアにつきましては、地域経済の活性化と新たな雇用創出の場を確保する観点から、関係機関と連携を密にしながら、企業誘致に努めてまいりたいと考えております。  また、当市では起業家支援として、平成18年度まで、ITベンチャーを対象に、インキュベート施設として認定された弘前商工会議所会館へ入居する企業に対し、賃料及び共益費の一部を補助する事業を実施し、平成18年度においては3事業所が入居し、合わせて11人の従業員が雇用されております。  さらに、これに加え、今年度は県立弘前高等技術専門校内に青森県が設置した創業準備オフィスである「夢クリエイト工房」の卒業生を家賃補助の対象とした「起業化支援育成補助事業」を新規に実施しており、雇用創出の観点からも当該事業の周知をより一層図ってまいりたいと考えております。  以上であります。 ○議長(藤田 昭議員) 総務部長。 ○総務部長(舘山利晴) 3項目めの、三つの職員像の具体的取り組みについてお答えいたします。  弘前市職員像は、本年1月4日の市長年頭訓辞において、市職員が業務に取り組む上で、常に意識すべき基本的な姿として話をしたものであります。  職員は、常に新たな課題解決に取り組むとともに、弘前市の将来はいかにあるべきかを考え、市民がいるから市役所があるという気持ちを忘れてはならないということを強く願ったもので、一つ、チャレンジ精神を持つ職員、一つ、明日の弘前市を考える職員、一つ、市民に親切な職員の三つを掲げております。  これらの弘前市職員像については、単なる一過性の取り組みで終わらせることのないよう全庁各課室に掲示をするとともに、職員研修や広報番組など、さまざまな機会をとらえ、話をしてまいりました。  特に、市民に親切な職員への取り組みとして、本年1月から2月にかけ、弘前市行政サービス向上懇談会を開催し、市民からの公募委員4名並びにホテル、銀行、デパートからの接客にかかわる専門委員8名から市職員の応対の問題点や改善方法など具体的な御意見をいただいたところであります。
     懇談会における意見を受けて、応対の基本的な内容を中心とした市職員接遇マニュアル「弘前市職員マナーブック」を4月に作成し、職員全体に周知を図ったところであります。  さらには、総合案内窓口のあり方についても、懇談会の意見等を参考に、4月から本庁舎1階ロビーに総合案内専任の非常勤職員を1名配置したほか、課長級及び課長補佐級職員が交代で来庁者の問い合わせ等に対応しております。  来庁者に対し、職員から積極的に声がけをしていくことに主眼を置いた応対であり、市民の皆さんからも好評を得ております。  また、今後一層のサービス向上を図るためにも、基本であります接遇研修をさらに充実させてまいります。  あわせて、以前、民間における接遇を学ぶために、市内ホテルにて案内・客室・バンケット等の体験をした「民間派遣研修」につきましても、内容や派遣職員の対象等を見直し、改めて実施に向け検討してまいりたいと考えております。  今後も全職員に対し、弘前市職員像に掲げた三つの柱を常に意識するよう働きかけ、市民のための市政運営に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(藤田 昭議員) 2番。 ○2番(小田桐慶二議員) 何点かにわたりまして再質問をさせていただきます。  初めに、農業の活性化対策について、りんご経営安定対策と、それから品目横断的安定対策、現在、加入受け付けがされております。  先ほども市長の御答弁にあったように、両方とも今月末、あるいは7月2日までの加入受け付けというふうになっておりますが、この約3カ月間、私は農業は全くの素人でございますけれども、一つは、この加入時期が適切であるのかどうかという、全く私は素人ですけれども、そういう疑問があります。  と申しますのは、4月からというのは、農家の方にとっては一番忙しくなるときではないのかなと思うわけでありまして、そういう意味からしますと、この4月から7月、3カ月あるわけですけれども、この時期が果たして適切なのかどうかということが一つございます。  あくまでも、私たち議員も含めて、市民の、現場に即したサービスといいますか、対応をしていかなければ、こういう受け付けをやっていますから来れる方は来てくださいだけではなかなか物事は進んではいかないのではないかと。  あくまでも、現場の事情をよく知った上で、どの時期が一番適切であり、また目標に対する、目標の受け付け加入といいますか、この数字を達成するにはどの時期が一番適切であるかという判断も一つは必要ではないのかというふうに思いますので、この点をひとつお伺いいたします。  また、現状の申し込み加入数が、先ほど御答弁の中でありました。目標に対しましては、まだまだ少ないと思います。品目横断的経営安定対策については52.4%というお話がありました。  また、りんご経営安定対策については6,500件の加入対象者がある中で15%と、現在そういう数字であるということがあります。  そして、締め切りが、きょうが20日ですから、あと10日ちょっとでありますけれども、最終的に関係者の方々はどの程度の申し込みを見込んでいらっしゃるのかをまずお伺いしたい。  そしてまた、例えば、りんご経営安定対策については目標の15%と。最悪、仮にこのままふえないと、目標に対して15%で終わったとなった場合に、その後、例えば受け付けを延長するのかどうか。あるいはまた、それに対する啓蒙活動をどのようにしていくのか、もし、お考えがあれば、この点をお伺いしたいと思います。  それから、ちょっとしつこいようではありますが、農業問題に限らずではありますけれども、啓蒙活動ということについて、私は昨年まで民間でサラリーマンをやっておりましたけれども、いわゆる営業活動というのは毎日靴の底を減らしながら歩き回るわけです。  そういう意味で、広報に出してPRをする。あるいは、そういうことでさまざまな広報活動をしてきたわけでありますけれども、現在のそういうPR活動でいいのかどうかというのは、私、民間の、経験してきた者からすれば、営業という観点からすれば、非常に弱いのではないかと思うわけでありますので、その点について御意見をお伺いしたいと思います。  それから、農山村の活性化、都市住民との交流、定住等の受け入れについては、非常にさまざまな問題はあると思いますけれども、現在、取り組みをされている事業と施策をしっかりと今後進めていっていただきたいと思います。  それから、消費拡大について、地産地消についてでありますけれども。  先日、東部給食センターに視察に行ってまいりました。そのときにお話をお伺いして、現状で地場農産物の使用割合というのは、重量ベースで50%は超えていますという御返事でありました。  先ほどの私の壇上の質問の中では、国として全国平均を22年度までに30%以上とするということを目指すというふうになっております。  現在の東部給食センターでは――済みません、金額ベースで50%でした、間違いです。金額ベースで50%は今いっておりますと。  それで、一つ問題があるのは、やはり地場農産物は単価が高いというお話をしておりました。そういう意味で、金額ベースでは50%をいっているかもしれませんけれども、重量ベースでいくともっと下がるのではないかというふうに思われます。  また、先ほどの市長の答弁でもありましたが、朝市ですとか、直売所等が各市にありますけれども、私が聞いた限りでは、私の地域で今現在はやっていないようでありますが、過去に朝市等をやった経緯があるようでありますが、大変恐縮ですが、私の女房の話ですと値段が高いというような話もしておりました。  結局、やはり買いに行く方は主婦でありますから、結局値段を見てしまう。せっかく地場のものを出しているのに、値段がその割に高いという現状もあるというふうにうかがっております。  そういう意味で、学校給食についてお尋ねしますが、一つは価格面での交渉の余地はないのかどうか。あるいはまた、交渉するとすればどういう団体があるのか、その点を教えていただきたいというふうに思います。  次に、雇用対策については、今、るる御説明をいただきました。本当にこれは大事な大事な問題であります。若い人であれ、我々中高年世代であれ、どの年代にとっても非常に大事な問題でありますので、今後ともしっかりと取り組みをお願いしたいと思います。  そして、オフィス・アルカディアについてですが、先ほどの答弁では今後も企業の進出の見込みがあると。現状では49%、16社。これが50%を超える見込みがありますというふうな御答弁でありました。  今、現状で結構でございますので、その進出を希望している企業が今後何社あるのか、その点をお伺いいたします。  よろしくお願いします。以上です。 ○議長(藤田 昭議員) 農林部長。 ○農林部長(斎藤則明) 再質問にお答えいたします。  まず、品目横断、それから、りんごの経営安定対策の加入時期が適切なのかという御質問だと思いますが。  新年度に入りまして、募集しまして、6月末、あるいは7月2日という締め切りになっているわけでございますが。  品目横断につきましては、国の農政事務所からそういうあれが来ておりまして、国、県、そして我々市としても7月2日ということで進めているものでございます。  また、りんご経営安定対策につきましては、県の独自の政策ということで進めておりまして、これは6月末ということで、その現状の目標に対しまして、ちょっと加入率が低いのではないかという御指摘でございますが、確かに今6,500に対して993と。約15%ということでございます。これ、県全体でございます。  私ども弘前市で見ますと、例えば、つがる弘前農協さん、それから津軽石川、相馬村さん、これ、つがる弘前さんが他支所も入っておりますのでなんでございますが、3農協で見ますと、その993のうち853ということで、約3割ぐらいはいっているわけですが、そのほかに、市場、りんご協会等の申し込み等もございますけれども、その辺の細かい各市町村別はちょっと出ておりませんので、県内全体では15%と。  それで、その申し込みが伸びないといいますか、やはり御指摘のとおり、加入時期のちょうど農作業に忙しいときに当たっておりますので、今のところ伸びていないということで、今、期限が来ていますので、恐らく駆け込みの申し込みも相当あるのではないかというふうに農協さんとも見ておるところでございます。  それから、いろいろな事業の啓蒙でございますが、いろいろ加入推進活動をしてございます。  例えば、品目横断でありますと、各集落に出かけていって、これは農政事務所も、それから県も、それから市も、それから各農協さん、これらの方々と一緒に行って各集落を回ったり、あるいはチラシを配布したりということで、今も鋭意続けております。  以上でございます。 ○議長(藤田 昭議員) 商工観光部長。 ○商工観光部長(尾板正人) オフィス・アルカディアに進出を希望している企業が何社あるのかというお尋ねでございますが、現在、2社と交渉中でございます。  以上です。 ○議長(藤田 昭議員) 2番。 ○2番(小田桐慶二議員) ありがとうございました。  要望ということになるかと思いますが、一つは、オフィス・アルカディアについては、今現在予定があるのは2社ということであります。  あそこに行ってみますと空き地が非常に目立つわけです。  そういう意味で、このオフィス・アルカディアをそもそも造成をした、先ほど御説明がありましたけれども、コンセプトといいますか、そういうものをある意味では見直しをすることも必要ではないのかなというふうに私は思っております。  それで、現在、この2社が入った段階で50%を超えるということでありますので、関係各位の皆様には本当に御苦労をおかけすると思いますけれども、しっかりとまた企業誘致のPRをしていただいて、この事業を成功に導いていっていただきたいと思います。  農業問題につきましては、今御説明がありましたけれども、本当に大変な中、皆さんが頑張っていただいておりますので、私の思いは現場にしっかりと足を運んで農業の皆様の――先ほど佐藤議員も農業は苦労の歴史だということをおっしゃっておりましたけれども、そういう御苦労をしっかりと受けとめた上で諸施策を講じていく、あるいは講じるタイミングの判断をしていく、こういう姿勢で望んでいただきたいと思います。  最後に、三つの職員像の件につきまして、先ほど市民の方からの御提案を一つ述べさせていただきましたけれども、ぜひ、御検討いただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。以上です。(拍手) ○議長(藤田 昭議員) お諮りいたします。  本日の一般質問は、これにて打ち切り、あとの一般質問は明日行いたいと思います。  これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ声あり〕 ○議長(藤田 昭議員) 御異議なしと認めます。  よって、本日の一般質問は、これにて打ち切ることに決定いたしました。  次の本会議は、明21日午前10時開議とし、その日程は、一般質問の続行を予定しております。  本日は、これをもって散会いたします。   午後4時08分 散会...