また、賃金の支払いを受ける側だけでなく、支払う側の中小企業の経営者や農家、漁業者などの個人事業主にとっても、物価高や原材料費の高騰の中での最低賃金の上昇は、大きな負担となっています。小さなリンゴ園でリンゴ栽培を手がける私の知り合いからは、1ヘクタールにも満たないリンゴ園でも、年間100万円からの人件費がかかります。高齢である上に、ガソリンや肥料、農薬などの経費も値上がりし、その上でのさらなる最賃のアップは、リンゴ農家にとっても大変厳しいとの声も聞きました。
岸田首相は、先日、1000円を目指していた最低賃金の
全国加重平均が、今回、大台を超えて1004円となったことに鑑み、2030年代の半ばまでには、さらに最低賃金の1500円までの引上げを目指すと表明しました。1500円まで引き上げるのであれば、2030年代などと言わず、早期に実現していただきたいと思います。
企業経営に携わっておられる西市長は、最低賃金に関するこの現状について、どうお考えでしょうか。青森市でも最低賃金の底上げを図るために、中小企業や農家、漁業者も含む個人事業主に対して財政的な支援を行う考えはないか、市としての対応をお尋ねいたします。
次に、本市の
原子力防災対策についてお聞きします。
現在、
原子力規制委員会の新規制基準をクリアして再稼働している原発は11基です。9月には高浜2号機も再稼働し、12基が稼働する予定です。
一方、青森県には、六ヶ所村に再処理工場をはじめとする
核燃料サイクル施設、東通村には、3.11以後運転を停止している東北電力の東通原発1号機と建設が止まったままの東京電力の東通原発1号機、大間町には建設を中断している大間原発、むつ市には
使用済燃料中間貯蔵施設と、下北半島には核施設が集中しています。これらの施設はいずれも現在は稼働していないものの、特に再処理工場には、建設途中で実際に再処理を試す、いわゆる
アクティブ試験で、2008年までに425トンが再処理され、溶解分離されたウラン製品366トンと
プルトニウム製品6.66トン、全
プルトニウム量としては2.944トンが工場内で保管されています。その上、
アクティブ試験では、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体を346体製造した時点で、
ガラス固化工程での不具合により製造がストップしたため、濃い死の灰とも言うべき高
レベル放射性廃液211立方メートルが大変危険な状態でタンク内に残されたままになっています。また、再処理工場内の
使用済燃料貯蔵プールには、2022年10月現在、ほぼ満杯の2968トンが冷却貯蔵されています。再処理工場に隣接する高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の貯蔵施設には、海外返還の
ガラス固化体が1830本、一時貯蔵されています。
この高レベルの
ガラス固化体は一時貯蔵施設に30年から50年間保管され、その後、最終処分場へ運び出されるという国と県との約束ですが、その約束の30年後というのは再来年の2025年です。50年後というのは今から22年後の2045年ですが、候補地選定に20年、建設に10年かかると言われる肝心の最終処分場は、いまだに場所さえ決まっていません。同じ六ヶ所村の低
レベル放射性廃棄物埋設施設には、200リットルのドラム缶34万5859本が埋設されています。つまり、1993年に着工したものの、30年経過した今日においても、竣工の見通しの立たない六ヶ所再処理工場とその周辺施設は、巨大な核のごみの貯蔵庫と化し、巨大地震、津波など自然災害が発生した場合や、ミサイルや飛行機の墜落などが起こった場合、重大事故が発生しかねない危険な状態に置かれています。
東北電力東通原発1号機は、2011年の
福島原発事故以来、現在においても再稼働の見通しは立っていません。しかし、原発サイト内には、2022年12月現在、100トンの
使用済核燃料が保管されています。これは福島第一原発の原発事故を起こした4号炉の保管量に匹敵します。同時に、東通原発には200リットルのドラム缶に入った1万5044本の低
レベル放射性廃棄物が保管されています。これらは、たとえ停止中の東通原発においても重大事故が発生しかねない状況にあることを物語っています。
六ヶ所
核燃料サイクル施設から約10キロメートル離れた天ヶ森射爆撃場では、
三沢米軍基地の戦闘機や東京の横田基地からのオスプレイが頻繁に訓練を行っており、すぐ近くの
むつ小川原湖でもオスプレイが飛行訓練を繰り返しています。これらが核燃料施設に墜落したり、物が落下する可能性はゼロではありません。現に、周辺では、毎年のように米軍によるトラブルが起きています。ここ数年間の事故だけでも、2018年2月、エンジンの火災のためにシジミ漁でにぎわう小川原湖に燃料タンク2個を投棄、2019年11月、六ヶ所再処理工場から約10キロの牧草地に模擬爆弾を落下、2021年11月、深浦町の住宅地に燃料タンクに2個を投棄、直後には、東北地方を南西諸島に見立てた
日米共同訓練も強行しています。下北半島では、いつ何どき不測の事態が起きても不思議ではありません。
青森県が今年2月に改訂した青森県
地域防災計画(
原子力災害対策編)及び付随する
東通原子力発電所の原子力災害時における広域避難の基本的な考え方によれば、東通原発や六ヶ所再処理工場で重大事故が発生した場合、東通原発では30キロメートル圏内、六ヶ所再処理工場では5キロメートル圏内の住民は避難することになっています。二次避難の受入先としては、青森市、弘前市、五所川原市、黒石市、平内町の全部で5つの市町が指定されています。陸路が使える場合は陸路で、安全が確保できない場合はフェリーでの避難となります。海路の場合、むつ市、大間町を経由して一旦フェリーで函館市に向かい、函館市から再びフェリーで青森市を目指すという計画になっています。果たして、スムーズに事が運ぶかどうかは別として、青森県は、当該市町村と協議をした上で体制を整備するとしています。とりわけ、県の方針に基づいた東通原発の
住民避難計画では、青森市は30キロメートル圏内の東通村住民約7000人、むつ市の住民約3万2000人の合計3万9000人余りの
広域避難場所として指定され、小・中学校や
各種公共施設での二次避難所としての受入れが求められています。ところが、青森市の
原子力災害対策計画には、青森市の住民の対策はありますが、東通村やむつ市からの広域避難の住民の受入れについては触れられていません。
そこで質問です。原発避難では、除染など特殊な準備も必要になると思われますが、青森市の広域避難に対する受入れ体制や県やほかの自治体との連携をどのように考えているのかお示しください。
以上で私の壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
4 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。経済部長。
〔
経済部長横内信満君登壇〕
5 ◯経済部長(横内信満君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)小熊議員からの
ねぶた運行について及び
地域包括最低賃金についての2問の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、ねぶたの運行方法に対する本市の見解と今後の対応についてお答えをいたします。
今年の
青森ねぶた祭につきましては、本年5月8日から、
新型コロナウイルス感染症の法的な位置づけが5類に引き下げられたことを受け、ハネトの事前登録などを行わず、4年ぶりに制約のない形で、8月2日から7日までの日程で開催されました。
ねぶたの運行方法につきましては、
カラスハネトが社会問題化したことを受け、
カラスハネトの進入を防ぐため、平成13年から、それまでの順次
スタート方式、いわゆる
吹き流し方式に変えて、コース全体に、あらかじめねぶたを均等に配置する一斉
スタート方式を導入いたしました。昨年は、
新型コロナウイルス感染症対策として、多くの観客が集中する
協働社交差点及び
県庁西角交差点付近の早期の混雑解消に向けて、新町柳町交差点から青森駅方面に進み、運行コースを1周し、同交差点で終了する順次
スタート方式に変更いたしましたが、今年につきましても、
カラスハネト対策を講じる必要性がなかったことや雑踏対策の観点から、昨年と同じ方式で運行したところでございます。今年のねぶたの運行につきましては、伝統的な運行方式であります順次
スタート方式にすることで、例年、混雑する
協働社交差点などの早期解消に一定の効果はありましたものの、観光客や関係者からは、運行する順番が遅いほど、囃子方をはじめ運行関係者の拘束時間が長くなる、ホテル青森や本町付近では、ねぶたが来るまでの時間が長い、コース後半では、運行の遅延により、全てのねぶたを観覧できない日があったなどの御意見が寄せられたところであります。
本市では、来年のねぶた祭の開催に向けて、これらの御意見のほか、市議会での議論や本年の実施結果などを踏まえ、
スタート方式を含めた開催方法につきまして、
青森ねぶた祭実行委員会を中心に関係団体等と連携し、検討していくこととしております。
次に、最低賃金の
全国加重平均目標についての質問にお答えをいたします。
地域別最低賃金につきましては、最低賃金法に基づきまして、各都道府県に設置されている
地方最低賃金審議会が、国の
中央最低賃金審議会から提示された目安を参考に、労働者の生計費や賃金、事業者の賃金経費の負担能力を総合的に勘案して、地域の実情に応じて決定されております。青森県の最低賃金は現在853円でありますが、本年8月10日に
地方最低賃金審議会から答申がなされた額は898円と過去最大の上げ幅となっており、10月7日に改正される予定となってございます。なお、
都道府県ごとの最低賃金に労働者数を乗じた額を合算し、全国の労働者数で除した
全国加重平均目標は1000円となっております。
最低賃金の
全国加重平均目標1000円と現在の青森県の最低賃金853円との差額147円を助成した場合に要する経費の算出に当たりましては、最低賃金で雇用されている本市の労働者の数や雇用条件の把握が困難でありますことから、令和2年国勢調査における本市の派遣・パート・
アルバイト等、正規雇用者と賃金格差が大きいとされる非正規雇用者数約3万4000人を対象者に、1日8時間、1か月20日間勤務するものと仮定し単純計算した場合、年間で約96億円と試算されるところでございます。
地域別最低賃金は、各地域の労働者が同じ水準で生活できるよう最低額を保障する制度であり、東京都をはじめとする大都市圏と地方とでは、生活費等の違いから、おのずと高低が生じるものでありますことや、厚生労働省におきまして、最低賃金の差が労働者の地域間移動に与える影響を直接検証した実証研究は見られないとされていることを踏まえますと、多額の費用を要する
全国加重平均目標との差額につきまして市が助成することは、極めて困難であるものと考えます。
本市では、産学金官が共に創る、共創による今後の新しい産業振興の取組を進めるべく、去る8月29日に青森市し
ごと創造会議を開催したところでありまして、今後取りまとめる(仮称)青森市し
ごと創造戦略を通じて、地域産業の生産性向上や魅力ある仕事づくりなどを推進し、地域経済の活性化及び市民所得の向上を図ってまいりたいと考えております。
6 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。総務部長。
〔
総務部長舘山新君登壇〕
7 ◯総務部長(舘山新君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)小熊議員からの広域避難の受入れ体制についての御質問にお答えいたします。
青森県では、
災害対策基本法及び
原子力災害対策特別措置法に基づき、青森県
地域防災計画(
原子力災害対策編)を策定しております。その中で、
原子力施設所在市町村である東通村及び六ヶ所村をはじめ、
東通原子力発電所のおおむね半径30キロメートルの
緊急防護措置を準備する区域、いわゆるUPZ内にある、むつ市、野辺地町、横浜町の住民については、本市のほか、弘前市、黒石市、五所川原市、平内町に広域避難することとなっており、本市へは、むつ市及び東通村から、令和2年12月現在の避難予定者となりますが、約3万5400人の避難者を受け入れることとなっております。
このことを踏まえ、本市では、原子力災害から市民等の生命、身体及び財産を保護することを目的に、平成26年2月、青森市
原子力災害対策計画を策定し、
避難収容活動体制の整備を図ることなど、本市が取るべき基本的な措置を定めたところであります。
原子力災害が発生した場合の広域避難については、国及び県が中心となって避難先の都道府県や市町村間の調整を図ることとなりますが、本市への避難者の受入れに当たりましては、県や本市が
避難対象市町村とあらかじめ調整し、指定した避難所に必要な備蓄品や
防災資機材等を整備しており、全ての避難者が安心して避難生活を送ることができるよう体制を整えております。
8 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
9 ◯4番(小熊ひと美君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
再質問は、
ねぶた運行、原子力防災、最低賃金の順番で行います。
まず、
ねぶた運行について質問します。
ねぶた祭には熱心なファンの方もいらっしゃいますので、私が説明するまでもないのですが、整理をするために図で少し補足をしたいと思います。モニターに図をお願いします。これは
青森ねぶた祭実行委員会の運行予定表から抜き出した、コロナ前の令和元年と令和5年の同じ8月6日の比較です。上が今年の
吹き流し方式、下が一斉スタートです。皆さんが読みやすいように文字を大きくしましたが、ちょっと大き過ぎたかもしれません。(発言する者あり)いいですか。
図1は、実質の運行時間です。運行時間は、
吹き流し方式で161分間、一斉スタートが110分間で、吹き流しのほうが全体では長いのですが、各団体のこの実質時間を見ると、一斉スタートのほうがぐっと長くなります。
吹き流し方式では、1番目も、最後の23番目も、各団体の実質運行はみんな82分です。一斉スタートでは、全ねぶた一斉で110分となります。実質の運行では、一斉スタートのほうが28分長くなり、また、路上で間近にねぶたを見られる待機時間の30分を足せば約1時間長くなります。
図2をお願いします。観客の待ち時間です。まず、
吹き流し方式では、出発点から全部のねぶたがコースに出るのに77分かかります。混雑する新町の協働社角では、1番のねぶたから最後の23番まで1時間32分で全てのねぶたが通過します。一方、コース後半の旧あおしん前では1番のねぶたまで1時間13分待ち、最後のねぶたが来るまで2時間30分待つことになります。昨日の竹山議員のお話にあったように、「おらほのねぶた、待っても待っても、まだ来ねじゃ」ということです。ところが、一斉スタートでは、沿道のどこにいても、コースに待機する30分前から140分の間、間近でねぶたを楽しむことができます。コースのどこで見物しても待つことはありません。
図3をお願いします。では、ねぶたの引き手や囃子方、ハネトの拘束時間はどうでしょうか。
吹き流し方式では、ねぶたは、出発点の柳町と新町の角からアスパムのねぶた小屋まで順番にずらっと並んで待機します。特に柳町付近はハネトとねぶたが集中して大変混雑します。ラストの23番は18時から待機して、出発が20時9分です。待ち時間は129分、実に2時間9分の間、暑い路上でスタートを待つわけです。一方、一斉スタートでは、柳町通り海手、山手、
八甲通り山手などに分散する一時待機が18時から30分間、そして、18時40分には国道、新町、本町の路上の各点に移動し、19時10分の花火を合図に全員が一斉に動き出します。モニターを終了してください。ありがとうございました。
さて、人の流れを見ますと、一斉スタートでは、ねぶたも、ハネトもコースに沿って分散します。終了時間には止まった場所から分散して帰るので、混雑を避けることができます。これだと場所も分散し、時間も長いので、ハネトも、観客も付近の飲食店などを利用する余裕があります。祭りの効果が周辺の商店街などにも広く長く及びます。
吹き流し方式は出発に時間がかかるので、多くのねぶたが参加する日は時間内にコースを回り切れず、後半のねぶたを見られない場合があります。実際、今年の8月5日は、23団体の最後の6団体が半分も行かないうちに終了時間となりました。これらのねぶたの運行時間は、実質30分程度でした。また、吹き流しの場合は、コースに出ても終了時間に追われて急げ急げとなりがちです。見せ場であるねぶたを回す回数も減らさざるを得ません。先ほど、青年会議所の問題に触れたのもこの理由からです。
それでは、質問いたします。今年の運行は、従来の一斉
スタート方式ではなく
吹き流し方式で行われ、待ち時間が長いのに運行時間が短く、途中で時間切れとなる事態や帰り道の混雑を招き、市民や観光客から不満の声が出ています。祭りの在り方や来年度の運行方法については、実行委員会だけでなく、市民の声、飲食店、商店街、地域ねぶた、町内会などの関係者にも、直接、あるいはアンケートなども含めて広く聞く必要があると考えますが、市の考えをお示しください。
10 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。経済部長。
11 ◯経済部長(横内信満君) ねぶた祭の運行方法等に
アンケート等を実施してはどうかといったような質問でございます。
ねぶた祭の開催に当たりましては、
青森ねぶた祭実行委員会におきまして、毎年、祭りが終了した後に反省会を実施しまして、適宜、翌年の開催に向けて見直しを行ってきたところでございます。来年のねぶた祭の開催に当たりましては、これまでに寄せられた関係者の皆様からの御意見や本年の祭りの実施結果のほか、市議会でのこういった議論を、今後、実行委員会を中心に関係団体等と連携を図って、アンケートの実施等の有無も含めて検討されるものになるのかなというふうに考えてございます。
以上です。
12 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
13 ◯4番(小熊ひと美君) ありがとうございます。
祭りの在り方については、関係団体だけではなくて、ぜひ市民の声も聞くことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
子どもねぶた、担ぎねぶたの合同運行参加団体は、令和元年度は14でしたが、コロナを挟んだ令和5年では8団体と減り、地域ねぶた奨励金の交付団体も61団体から37団体とがくっと減っているということです。子ども会や保育園などの不参加が大きいということで、これから徐々に増えるのか、まだ予測ができないという観光課のお話でした。参加する子どもや担い手が減って、地域での運行を取りやめるという話も耳にします。私の町内でも、今年、子どもねぶたが復活しましたが、4年間ですっかり代替わりして、以前より子どもの参加が減っているようでした。4年のブランクは大きかったと感じています。コロナ後の地域ねぶたの実態はどうなのか、市が把握することも必要ではないかと思います。
コロナ後の担い手育成のために、地域ねぶた、子どもねぶたへの財政的支援を増やすべきではないかと考えますが、現在の支援の額と担い手育成に対する市の考えをお示しください。
14 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。経済部長。
15 ◯経済部長(横内信満君) 地域ねぶた、子どもねぶたに対する市の支援についての再度の御質問にお答えをいたします。
市では、ねぶた祭の保存、伝承に向けた取組の一つといたしまして、地域ねぶたを運行する団体に対して6万円、ねぶた祭の合同運行に参加する子どもねぶたに対して8万円の奨励金を、青森観光コンベンション協会を通じて毎年度助成してございます。本市といたしましては、ねぶたの保存、伝承に加えまして、地域の活性化といった点も考慮いたしまして、例えば、地域ねぶた奨励金は、平成4年には1万5000円という額でございましたけれども、それを段階的に増額して、現在は6万円という形になってございますが、これを継続してきたところでございます。
今後におきましても、地域・子どもねぶたへの助成を継続するとともに、ねぶた祭の次世代への継承に向けまして、関係団体等と連携を図りながら、ねぶたの下絵コンクールとか、そういった取組も含めまして、担い手の育成に取り組んでまいります。
以上です。
16 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
17 ◯4番(小熊ひと美君) 御答弁ありがとうございました。
今後もしっかりとした支援を継続して、物価高も考慮して、増額もぜひ検討していただきたいと思います。ねぶた祭がこれからも熱く続くことを願いまして、この項の質問を終わります。
次に、原子力防災について再質問をいたします。
県との連携を取りながら広域避難を進めるという答弁でした。しかし、いざとなってから県の指示を仰ぐのでは間に合いません。陸路で避難する住民、フェリーで到着する住民、また、青森市から弘前市などの二次避難先に誘導する場合など、到着日時のずれなども考慮し、国道やバイパスの渋滞を抑え、スムーズな避難ができるよう配慮する必要があります。そのためには、事前に、県をはじめ東通村、むつ市及び青森市を通過して二次避難先の弘前市に向かう六ヶ所村や横浜町も含め、青森市が関係自治体と協議して実効性のある綿密な計画を立てることが必須です。県の
地域防災計画の
原子力災害対策編が改訂された際には、1年、2年と間を置かずに、避難住民を受け入れる側としての整備も含めて、逐次、改正を行うことを要望いたします。
では、質問をいたします。県の防災計画にある
東通原子力発電所の原子力災害時における広域避難の基本的な考え方に基づいて、東通村やむつ市では避難計画を策定し、二次避難先の青森市内の避難場所を細かく指定しています。例えば、約7000人を受け入れる東通村の避難計画では、青森市内の避難所として、県が管轄する施設とは別に、ユーサ浅虫117人、野内小学校212人、原別小学校320人など、計8か所に分散して指定がなされています。また、約3万2000人を受け入れる予定のむつ市の避難計画でも、リンクステーションホール青森1591人、リンクモア平安閣市民ホール383人をはじめ、市内各公共施設のほか、青森市内のほとんどの小・中学校が人数を含めて細かく割り振られています。また、これらの施設に市の職員を配置することになっています。防災の資機材も、県と関係自治体とが協力して整備することになっていますが、青森市では、現在、避難所の割当て、職員の配置、防災資機材の用意などについて、具体的にどのような準備がされているのでしょうか、お示しください。
18 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。総務部長。
19 ◯総務部長(舘山新君) 避難所の受入れ体制についての再度の御質問にお答えいたします。
本市では、
東通原子力発電所において原子力災害が発生した場合の避難者の受入れについて、むつ市及び東通村から避難者を受け入れることとなっております。県から本市へ避難者の受入れについて協力するよう指示があった場合には、県や本市が
避難対象市町村とあらかじめ調整し指定した130施設を避難所として開設することとしております。そのうち本市の所管施設であります小学校、市民センター等の避難所開設に当たりましては、事前に各避難所に割り当てられている職員3名が担当避難所に参集し、避難所を開設するとともに、本市が作成しております避難所運営マニュアルに基づき、避難者等と連携して避難所運営を行うこととなります。
また、避難所運営に必要な備蓄品及び防災資機材につきましては、情報の取得、共有の部分に関しましては、ラジオ、特設公衆電話機、拡声器、食料に関しましては、飲料水、アルファ化米、ミルク、生活衛生に関しましては、簡易便所、紙おむつ、生理用品、避難者の健康管理に関しましては、段ボールベッド、段ボールパーティション、毛布、ストーブ、防水シート、そのほか発電機、ガソリン、投光器、懐中電灯、誘導灯、救護用テント、救助工具セットなどを備蓄しているものであります。
20 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
21 ◯4番(小熊ひと美君) 御答弁ありがとうございました。
資機材については準備がされているということでした。避難所での受入れについては、いざというときに混乱を招かないように、実際に指定された各避難所ごとに受入れ人数、資機材の準備や職員の配置なども含めて、どのような受入れ体制となるのか、各町内や市民への事前の周知を徹底して図っていただくよう要望して、次の質問に移ります。
東通原発や六ヶ所再処理工場などから100キロメートル圏内にある青森市としては、重大事故が起きた際には、青森市民も市外への広域避難が必要になる場合が考えられます。この場合の対応はどのようになるのか、市の考えをお示しください。
22 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。総務部長。
23 ◯総務部長(舘山新君) 市民も含めました広域避難の対応についての再度の御質問にお答えいたします。
大規模な原子力災害によりまして本市においても放射性物質の影響を受ける状況下になった場合には、むつ市及び東通村からの避難者と共に本市民も県域を越える広域避難が必要になるものと認識しております。その際には本市が他の都道府県への受入れに係る協議を県に要請し、県は必要に応じて、国と連携しながら他の都道府県と協議を行い、適切な広域的避難、収容活動を実施することとなります。
24 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
25 ◯4番(小熊ひと美君) 御答弁ありがとうございました。
いざとなったときに慌てないように、事前に準備を怠りなくお願いいたします。
先日、8月24日には、国内外の反対の声を押し切って、福島第一原発のALPS処理汚染水が海洋放出されましたが、国際的な反発も強く、中国が日本産の水産物の全面的な輸入禁止を決めました。本県でも、中国で人気の陸奥湾のホタテや高級食材の横浜町のナマコなどの輸出への甚大な影響が懸念されます。
政府は原発の再稼働を進めていますが、各原発の
使用済核燃料のプールはほぼ満杯になりつつあります。燃料プールに空きをつくらないと、これ以上再稼働は進められません。しかし、核燃料サイクル政策で全量再処理という国の方針の下では、六ヶ所再処理工場が稼働しない限り、
使用済核燃料の行き場はありません。それゆえに、下北半島は、全国の核のごみの受入れ場所になっていると言っても差し支えのないような状況です。
再処理は、とんでもない量の放射能汚染水が発生します。2006年からの
アクティブ試験で六ヶ所再処理工場から既に海に放出されたトリチウムは、3年間で2000兆ベクレル以上と言われています。実際に、2007年10月には523兆ベクレルを海に流した実績があります。今問題となっている福島で30年かけて流す予定が780兆ベクレルですが、六ヶ所では、その7割近くをたった1か月で青森県沖の太平洋沿岸に流しました。もちろん薄めたという記録はありません。六ヶ所再処理工場がフル操業した場合、トリチウムの管理目標値は年間9700兆ベクレルと発表されています。今年、福島から1年間に流す量は22兆ベクレルということですから、六ヶ所は実に1年間に400倍、桁を間違えたと二度見するような量です。福島第一原発からの海洋放出が既成事実となった今、六ヶ所では、薄めることもなく毎年この大量のトリチウムを太平洋岸に流し続けるとなれば、青森県の漁業、沿岸地域の農業は壊滅するのではないかと危惧されます。一刻も早くこの危険な状態が解消されることを切に望みまして、この項の質問を終わります。
最後に、最低賃金について再質問をいたします。
先ほどの答弁では、最低賃金で働く人の数の把握が難しいことや莫大な経費がかかることから、助成は難しいというお話でした。また、同じ時間働いても地域によって賃金の総額が変わってくるのは、青森なら青森、東京なら東京でかかる生活費が違うので仕方がないと言ってしまっては、最低賃金で生活に困窮する市民にとっては心外ではないでしょうか。現に政府は、今年度から、この地域間格差の是正を目指して、従来4つだったランク分けを3つに見直しました。青森県の最低賃金は全国最低クラスですが、物価上昇の中、少なくとも中位クラスに引き上げるような格差是正のための前向きな対策と中小企業、個人事業主の窮乏を少しでも救う手だてを、ぜひとも青森市にも検討していただくことを要望いたします。
では、市の職員の賃金についてお聞きします。
地方自治体に働く職員の賃金は、その地域の賃金水準を牽引し、民間企業の賃金モデルとなる役割を担っています。しかし、今、自治体の一般行政部門で働く職員の4割以上が非正規職員とされ、労働時間の制約などもあって、いわゆる官製ワーキングプア、生活保護基準すれすれの実態もあると聞き及んでいます。青森市の会計年度任用職員の最低賃金は、例えば、一番数の多い事務職の方で現在920円とお聞きしました。最低賃金に上乗せしたこの金額の算定の根拠は、どこにあるのでしょうか。
本来であれば、地方公務員法上、会計年度任用職員は、出来得る限り正職員化していくというような政策が望ましいと考えますが、財政的な問題からすぐにはできないというのであれば、せめて最低賃金を
全国加重平均の1000円まで限りなく近づける努力をすべきではないでしょうか。市の考えをお示しください。
26 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。総務部長。
27 ◯総務部長(舘山新君) 会計年度任用職員の賃金についての再度の御質問にお答えいたします。
会計年度任用職員の基本報酬、いわゆる賃金につきましては、地方公務員法の規定に基づきまして条例で定めることとされており、青森市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例において、一般職の常勤の職員との権衡、その職務の特殊性等並びに勤務日数及び勤務時間数を考慮し定めているところであります。その額の設定に当たりましては、国で示します会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの考え方に従い、職種の区分に応じた常勤職員の初任給相当額を基準としまして、勤務時間数に応じた時給換算により決定しているものであります。なお、常勤職員の給与につきましては、毎年、人事院勧告及び青森県人事委員会勧告を勘案し、給料月額等の改定を行っており、会計年度任用職員の賃金につきましても、常勤職員の改定に伴い、必要な改定を行っているところであります。
28 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
29 ◯4番(小熊ひと美君) では、次の質問をいたします。
同様に、市が指定管理している職場で働く職員については、現在、最低賃金を超える賃金の保障はありません。最低賃金を、例えば1000円まで引き上げることはできないでしょうか。市の考えをお示しください。
30 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。企画部長。
31 ◯企画部長(織田知裕君) 指定管理施設における職員の賃金についての御質問にお答えいたします。
本市では、指定管理者を募集する際に、施設を管理運営するための人件費や保守点検などの委託料、事務用品等消耗品費や通信運搬費、光熱水費などを積算し、その総額を指定管理料基準額として提示をしておりますが、基準額の積算に当たり、その人件費につきましては、市職員の賃金を参考に積算をしております。指定管理施設における職員の賃金につきましては、指定管理業務を受託した団体とその職員との当事者間で雇用契約を結ぶものでありますことから、市の指示で賃金を決定したり、引き上げたりするものではないと考えております。
本市としましては、指定管理施設における管理運営状況の聞き取りや実地調査を行うモニタリング調査を通じ、指定管理施設における職員の労働環境も含め、施設の適正な管理運営が行われるよう、引き続き取り組んでまいります。
32 ◯議長(奈良岡隆君) 4番
小熊ひと美議員。
33 ◯4番(小熊ひと美君) 御答弁ありがとうございました。
市の指定管理施設の職員については、市が直接の雇用主ではないので、賃金引上げは難しいということでした。それならばなおさら、指定管理施設で働く職員にも、会計年度任用職員と同じように青森市としての賃金の最低額を設定し、生活の保障をする、そういう施策が必要ではないでしょうか。
ここからは要望をお話しします。指定管理施設の運営は、地産地消の観点から、地元の事業者を優先的に指定してほしいという声があり、賃金の問題と同時に、これらを調べていくうちに公契約条例──公の契約条例という制度があることが分かりました。この制度は、一般的には公契約に関する労働者の賃金条件を規定する条例で、また、広い意味では、入札や業者の選定基準を規定し、例えば、先ほどの地元業者の優先など、市の求める条件を様々に盛り込むことができます。広く自治体が発注する工事や指定管理団体などとの契約に際して、あらかじめ条件を設定し、事業者に雇用される労働者には、自治体が独自に指定した賃金の支払いを確保することで、不当な価格競争を防ぎ、公共事業でのワーキングプアの発生を防ぐ、さらに、民間に委託された公共サービスの質の向上などを目的としています。2009年から始まったこの制度を制定する自治体は、徐々に広がっています。青森県では、既に八戸市が制定しています。青森市でも、ぜひこの公契約条例を検討し、指定管理施設などの職員の賃金・労働条件の保障について考慮していただくよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
34 ◯議長(奈良岡隆君) 次に、30番渡部伸広議員。
〔議員渡部伸広君登壇〕(拍手)
35 ◯30番(渡部伸広君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)30番、公明党の渡部伸広でございます。
それと別に、今までの制度が変更になった部分があるということです。これまで何らかの事情で国保税が納められなくて滞納している方々に、短期証とか、資格書が発行されていましたけれども、この制度はどう変わるんでしょうか。
117 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。税務部長。
118 ◯税務部長(横内修君) 短期被保険者証と被保険者資格証明書の取扱いについての再度の御質問にお答えいたします。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い、健康保険証の有効期限という概念がなくなりますことから、これまで本来の有効期限より短い期間で設定されておりました短期被保険者証は廃止となります。また、これと併せ、保険税滞納者に交付をしておりました被保険者資格証明書に代わり特別療養費の支給の通知に変更となります。しかしながら、これにより医療機関での窓口負担割合が10割であることに変更はございません。
119 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
120 ◯9番(万徳なお子君) 大変心配なことですので、引き続きこの点も伺ってまいります。
それと、福祉部に御答弁いただいた、生活保護者の医療扶助が、今、マイナンバーカードに対応する準備をやっているところだと。遅いんじゃないかなと。2万ポイントをもらえるよということで、皆さん、そうかという宣伝だったと思うんですが、7500ポイント分対象にならなかったわけですよね。何かそこからしておかしいんじゃないかなと思いますが、ただ、それにしても、ようやく今は準備中だと。それで、別にこれも自由なので、今までの医療券は医療券で、例えば、来年の秋──秋というのが9月なのか、10月なのか、11月なのかもはっきりしないんですが、いずれにしても、現行の医療券は発行されるということで、こちらは変わらない、これは壇上からも答弁いただきました。ところが、逆に国民健康保険とか、それ以外の健康保険証については、様々な問題に分かれていくわけなんですけれども、とりわけ資格確認書もしくは資格情報のお知らせということを併せて発行するということは、健康保険証を廃止して、デジタル化に向けて必要な措置なんでしょうか。税務部長さんのお考えをお示しください。もう一度言います。来年の秋予定されている、健康保険証を廃止して資格確認書とか、資格情報のお知らせとかを発行することになるということなんですが、これがデジタル化に向けてどうしても必要なことなんでしょうか。私には理解できないんです。税務部長はどのようにお考えでしょうか。
121 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。税務部長。
122 ◯税務部長(横内修君) マイナンバーカード健康保険証に関する再度の御質問にお答えいたします。
マイナンバー健康保険証のメリットにつきましては、病院を受診される方ということでいいますと、受信履歴に基づいた質の高い医療の実現という観点、メリットがございます。また、医療機関側におきましては、なりすましによる受診のリスクや手入力による事務負担の軽減、また、看護請求に係る事務処理負担や医療機関、薬局の未収金が減少につながるといったメリットもございます。もちろん、現在、マイナンバー健康保険証については様々なトラブルが発生しており、国民の皆様に大変不安が生じているような状況ではございますが、こういったメリットを享受できる施策でございます。まずは、今、国のほうで進めております総点検、そして再発防止に向けた取組をしっかりやるという前提の下に、制度については推進すべきものと考えております。
123 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
124 ◯9番(万徳なお子君) 岸田首相や河野大臣も、便利だからとか、いい医療のためにというふうに繰り返しているんですが、それはそれですよね。健康保険証をなくすことでこれだけの混乱が心配されるというのは、やらなくていいんじゃないですかと聞いているわけです。それで、今、御答弁の中にありました総点検、これについては、青森市には指示が来ているんでしょうか。
125 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。税務部長。
126 ◯税務部長(横内修君) マイナンバーカード健康保険証の総点検についての再度の御質問にお答えいたします。
マイナンバーカード健康保険証の点検につきましては、令和5年5月23日付の厚生労働省の通知により行っております。内容といたしましては、マイナンバーカードの作成業務を行っている地方公共団体情報システム機構に保険者が照会を行ってマイナンバーを取得する際に、厚生労働省が示している基本的な留意事項とは異なる方法で行っていなかったかどうか、具体的には、住所を確認せず、仮名氏名または漢字氏名等、生年月日、性別の3情報などで事務処理を行っていなかったかどうかを点検し、この基本的な留意事項とは異なる方法で行っていた場合には、当該データについて正しいマイナンバーが登録されているかどうかの点検を行い、7月末までにその実施結果を報告するよう要請があったものでございます。
本市におきましては、基本的な留意事項に沿った事務処理を行ってきたため、点検対象となる加入者情報はございませんでした。なお、8月以降、オンライン資格確認の実施機関である社会保険診療報酬支払基金におきまして、登録されてある全てのデータを対象に、漢字氏名、仮名氏名、生年月日、性別、住所の5情報について、地方公共団体情報システム機構への照会を行い、異なるマイナンバーが登録されている疑いがあるものについては、本人に確認を行うこととされております。
127 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
128 ◯9番(万徳なお子君) 総点検も本当に総点検なのかどうかというところが、今の税務部長の話でもよく分からなかったですし、報道では400から500の自治体に限って実施されると。いずれにしても、総点検が終わったら、もしかしたらまた岸田首相は実施について何らかの判断を下すみたいな報道もされているわけですが、今度は、そうすると、来年の秋ということに対して間に合うかどうかという問題も出てきます。とても複雑な手続が必要になってきているわけですから。ですので、やはり今の健康保険証をこのまま残して、それで、今、出ている様々な懸念材料がしっかり解決されるまで国民的な議論をすべきだということを言います。様子見では駄目なので、地方自治体から、ぜひ声を上げていただくように要望いたします。
生物多様性について。
最初に申し上げたいんですけれども、この生物多様性の保全というのは、前議会でも意見書が採択され、議会の総意として取組を強めるべきだとされました。私も、前議会では、市の特別天然記念物である田代平湿原を取り上げました。それで、今年の夏、涼を求めて八甲田へ何度か行ったんですけれども、やはり下界と同じように山も暑くて、温泉に入るのにもはばかられるほどでした。それで、車で県道40号を移動すると、皆さんも御存じだと思うんですが、おととしできた8基の風力発電の運搬のために枝を切った県道40号の両側の木々の痛々しさですよね。緑のカーテンがなくなって、じりじりと照りつける日差しがアスファルトをあちあちにしているような感じさえあったんです。人間もこの暑さでまいっているんだから、物言えぬ動物、植物というのはどんなに影響があるんだろうかと想像できないほどです。
最近、管財課から教えていただいたんですが、この七戸十和田風力発電事業の事業者に対し、県から厳重注意がされたということです。作業に入る前の説明会では、運搬するのに差し支えるから枝払いをするということだったんだが、実際の作業は、根本から1.2メートル以上の樹冠──葉っぱが生えている部分、この樹冠を切ってしまった、これは枝払いではなく伐採に当たると。県の保安林なので、県として厳重注意をし、事業者に対して5年間のモニタリングと報告書の提出を求めたということです。しかも、23キロメートルの長い距離、10か所の定地定点で報告が求められているんですけれども、その直近の報告を見ても、切った断面付近から葉っぱは出てきているが、枝は伸びてきている様子はないとあります。
樹冠というのは、ウィキペディアによると、主な機能として、光合成を通じた光エネルギーの吸収、呼吸によるエネルギーの放出、蒸散による水の循環ということで、大変大事な部分ですよね。まさに木の命なわけですけれども、この樹冠の一部をばっさり切って、見た目も無残でめぐさいだけじゃなくて、やっぱり木の命そのものに関わることだったわけです。緑のカーテンがなくなったことによる気温の上昇がどうだったのか、動植物への影響があったのか、なかったのか、この辺を事業者は風車の運搬に差し支えるからといって作業を申請したわけなんですが、この点を全く考慮しなかったのだろうかと思います。8基の風力発電のためにこれほどの自然の改変がされたと。改めて、この事実を重く見ていかなくてはならないと思います。
それで、青い森、青森県。川、海の生物、私たちの市民のシンボルである、日本の中、とりわけ青森県の果たす生物多様性保全の役割は大事だと思います。その思いが強いからこそ、八甲田を守れの声が大きくなったと言えるんではないでしょうか。
再質問は、シンボルの一つである青森市指定文化財、又八沼に生息するシナイモツゴについて、既に議会でも取り上げられておりますが、この保護についての取組についてお示しください。
129 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
130 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 又八沼に生息するシナイモツゴの保護についての再質問にお答えいたします。
シナイモツゴは、全国的に絶滅が危惧される希少な淡水魚でございまして、本市が自然分布の北限と考えられておりまして、生物学的な価値のみならず、かつては地元住民に沼チカと呼ばれて食されるなど、地域における歴史的な価値が高いということから、平成12年10月、又八沼に生息するシナイモツゴとして、青森市指定文化財の天然記念物に指定したところでございます。
青森市指定文化財の保護を含みます管理につきましては、青森市文化財保護条例の規定によりまして、所有者または管理団体が行うこととなっておりまして、又八沼に生息するシナイモツゴにつきましては、地元町会を中心に構成されますシナイモツゴを守る会を平成12年10月に管理団体に指定いたしまして、生息調査や周辺の草刈り等の保護活動を行っておりましたところ、令和2年8月、水産振興センターによる生息調査によりまして、本県には自然分布しないモツゴと思われる個体が又八沼から発見されました。シナイモツゴの生息地にモツゴが混入した場合、シナイモツゴの雌とモツゴの雄との間で自然交雑するという特徴がございます。また、モツゴの雄は繁殖力が非常に強いことから、シナイモツゴ同士の繁殖が阻害されまして、次第にシナイモツゴからモツゴへと種の置き換わりが進みまして、最終的にシナイモツゴが絶滅する可能性が高いと考えられているところでございます。
このような状況を踏まえまして、去る8月19日土曜日、シナイモツゴを守る会の顧問でございます弘前大学名誉教授の佐原雄二氏を中心に、管理団体でございますシナイモツゴを守る会のほか、青森大学、県立青森中央高校、青森北高校、県営浅虫水族館などの連携団体、総勢約60人によります又八沼の水抜きプロジェクトが実施されまして、シナイモツゴをはじめといたします在来種の保護活動が行われたところでございます。当日採取されましたシナイモツゴ及びキタノメダカやギンブナなどの在来種につきましては、現在、水抜きプロジェクトの協力者の水槽等で一時的に飼育されておりまして、今後、水位の回復後に又八沼に放流される予定と伺っております。
教育委員会といたしましては、シナイモツゴを守る会が行っております保護活動により、又八沼に生息するシナイモツゴを貴重な文化財として維持していけるよう、引き続き、同団体の保護活動に協力してまいります。
以上です。
131 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
132 ◯9番(万徳なお子君) 守る会の取組、大変お疲れさまでございます。
それで、先日、共産党市議団では、水産振興センターの見学をさせていただきました。その一つにナマコの赤ちゃんを育てていて、その餌を増やすことも厳しい水温管理でやっていらっしゃいました。
改めてお尋ねします。水産振興センターでは、水産資源の利用に向け、どのような取組を行っているでしょうか、お示しください。
133 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。農林水産部長。
134 ◯農林水産部長(大久保文人君) 水産振興センターの取組内容についての再度の御質問にお答えいたします。
水産振興センターにつきましては、昭和40年に青森市海藻類採苗場として発足してございます。以降、つくり育てる漁業を推進し、本市漁業の振興を図ることを目的に、種苗生産及び種苗生産に関わる技術開発、ホタテガイの安定生産のための各種調査、漁場の環境整備、漁業後継者育成等を推進していくための拠点施設として運営させていただいてございます。
具体的な取組内容といたしましては、ホタテガイ養殖に続く、つくり育てる漁業を進め、安定的な漁業構造とするため、ナマコ及びはワカメの種苗生産を行い、漁業協同組合及び漁業関係団体に提供させていただいてございます。また、本市漁業生産額の9割以上を占めますホタテガイの養殖作業を漁業者が適時適切に行うためのホタテガイ親貝成熟度調査、ホタテガイラーバ調査、付着稚貝調査、陸奥湾養殖ホタテガイ実態調査などの各種調査を実施させていただいてございます。そのほか、新たな栽培対象種の開発のため、漁業協同組合との連携による陸奥湾産マボヤの生産試験、また、海洋環境の改善を図るため本市沿岸の漂着物等の回収及び処理業務、また、漁業後継者育成のための若手漁業従事者の研修活動の支援や、5年後、10年後の担い手発掘のための小学生等を対象とする漁業体験学習などを実施させていただいているところでございます。
135 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
136 ◯9番(万徳なお子君) それで、昨日まで議会でも、今年、海水温が上昇していると、2.2度って本当に大変なことだなと。お風呂の設定温度を40度にするか、42度にするかって、人間でもこの2.2度の違いって相当大きいわけで、繰り返しになりますけれども、この海水温の上昇について、ホタテガイの問題などをお示しください。
137 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。農林水産部長。
138 ◯農林水産部長(大久保文人君) 海水温の状況及びそれに伴いますホタテガイへの影響でございますが、まず、今年の海水温の状況でございますが、陸奥湾の今年の海水温の状況につきましては、青森県の研究機関でございます青森県産業技術センター水産総合研究所の観測データでございますが、本市に最も近い観測点でございます青森ブイの水深15メートル層で、6月以降の海水温が平年値から1.9度から3.7度高くなってございます。また、8月21日から25日までの平均水温は24.6度を記録してございまして、こちらが平年値より2.2度高い状況となってございます。
この海水温上昇によります水産物等への影響でございますが、本市の主要な水産物でございますナマコ、ホタテについて御答弁させていただきますと、ナマコにつきましては、海水温の変化が比較的少ない海底に生息しておりますことから、海水温の上昇による影響は受けにくいと考えてございますが、ホタテガイにつきましては海水温の影響を受けやすく、稚貝では、海水が23度を超えると成長が鈍り、25度で成長が止まり、26度を超えますとエネルギー不足からへい死の危険性が高まるとされてございます。また、新貝及び成貝では、海水温が20度で成長が止まり、23度を超えるとエネルギーの消耗が激しくなり、この状態が長く続くと、最後はエネルギー不足でへい死の危険性が高まるとされてございます。
この海水温の高い状況が続いておりますことから、ホタテガイは既に疲弊している状態であること、また、疲弊した状態で施設の上げ下げを行いますと、へい死率や異常貝の発生率が高まる傾向があるため、この施設を水温の低い下層に沈めたまま動かさないようにすることなどにつきまして、本市、本県あるいは水産総合研究所が連携して注意喚起を行っているところでございます。
139 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
140 ◯9番(万徳なお子君) ホタテやナマコだけでなく、自然の海藻にしても、魚、貝も、みんなどういう影響があるのかということでは大変心配です。そういう意味でも、やはり気候変動対策、森を守る私たちの暮らしの見直しが抜本的に求められているんだなと改めて思うわけなんですけれども、県が発行している青森県レッドデータブックを青森県庁で求めることができました。実は、この中の鳥類のところ、オジロワシを見ますと、レッドデータブックに選定した理由というところに、「個体数が少なく、繁殖場所も限られている。風力発電施設でのバードストライクに遭いやすい種である」と書かれています。次のページのクマタカのところも、生存に対する脅威と保存対策というところに、「狩りに適した成熟した森林・伐採跡地・林道が減少している。繁殖は人的なストレスに敏感で適地が減少している。県内は風力発電施設が多数存在し、クマタカの行動に適した風の通り道が重なることが多くバードストライクの危険性が高まっている」、こういうふうに記載があります。また、最後の汽水・淡水魚類の解説のところにも、佐原さんという方が書かれているんですが、本稿の終わりにということで、「大規模な風力発電所や太陽光発電所、あるいは産業廃棄物処分場などの大規模な土地の改変に伴う濁水の発生・流入への懸念を指摘しておきたい。これらの大規模開発は、河川上流域を含む山地で行われることが多い。魚類の生息環境を守るにはたんに水中だけでなく、陸上生態系も含めた集水域全体に目を向ける必要がある」というふうに記述して、本当にそのとおりだと思います。
このレッドデータブックがせっかくあるので、周知なども、ぜひ青森市として積極的に取り組んでほしいんですが、環境部として、青森県には自然保護課があるんですけれども、青森市には生物多様性保全に対応する部署がないと聞きました。ぜひつくっていくべきだと思いますが、部長の考えをお示しください。
141 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。環境部長。
142 ◯環境部長(佐々木浩文君) 本市における生物多様性の保全に関わる取組についての再度の御質問にお答えいたします。
先ほど来、教育委員会または農林水産部長のほうでもお答えしておりますとおり、本市におきましては、生物多様性の保全を総合的かつ計画的に推進する専門部署というものはございませんけれども、生物多様性基本法の基本原則にのっとった自然環境の保全をはじめとしました各種施策につきまして、関係部局で推進しているところでございます。
143 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
144 ◯9番(万徳なお子君) それぞれの部署が取り組んでいるということは重々承知です。ただ、それを横断的に取りまとめる部署が必要だと申し上げているわけで、ぜひ前向きに御検討いただくようお願いいたします。
最後に、公園内樹木の管理について、予算が足りているかどうかというところが気になります。
青森地区における緑化維持管理事業の過去5年間の予算の推移をお示しください。
145 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。都市整備部長。
146 ◯都市整備部長(清水明彦君) 緑化維持管理事業の予算の推移についてお答えいたします。
青森地区における緑化維持管理事業につきましては、主に樹木の剪定や伐採、病害虫防除、草刈り、除草、雪囲い等の作業を行うこととしておりまして、各年度の当初予算につきましては、令和元年度が約3952万円、令和2年度は約3958万円、令和3年度は約3956万円、令和4年度は約4099万円、令和5年度は約4099万円となっております。
147 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
148 ◯9番(万徳なお子君) 大きく減っていないということは増えてもいないということで、足りているかどうかというのは数字を聞いただけでは、にわかに分からないんですが、町会や市民からの要望に対してはどのような剪定を行っているんでしょうか。定期的に巡回して行っているのかお示しください。
149 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。都市整備部長。
150 ◯都市整備部長(清水明彦君) 公園樹木の剪定作業についての再質問にお答えします。
町会や住民の皆様から寄せられる公園樹木の剪定作業に関する御相談や御要望としましては、まず、枝葉が伸び、民地や道路まで越境しているので剪定作業を行ってほしい、また、枝葉が伸び、日当たりが悪くなっているので剪定作業を行ってほしい、あるいは、樹形が悪くなっており景観上好ましくないことから剪定作業を行ってほしいなどといった内容が寄せられています。
町会や住民の皆様から御相談や御要望を寄せられた際には、樹木の状況を確認した上、指定管理制度を導入している公園におきましては指定管理者が、その他の公園におきましては、業務委託として業者、あるいは直営作業として本市職員が剪定作業を行うこととしています。また、定期的な剪定作業におきまして、樹勢が強い樹種につきましては、公園利用等に支障を来さないよう毎年定期的に剪定作業を行っているものの、その他の樹種につきましては、樹勢や植樹環境により生育状況も多様であります。適宜対応が必要であることから、職員による巡回パトロールや町会、住民の皆様からの御相談や御要望を受けた際に、まず、現地を確認した上で緊急度や優先度を考慮し、剪定方法も含め、町会や住民の皆様と相談等をしながら適切に対応を行っております。
今後におきましても、市民の皆様に安全で快適に都市公園を御利用いただけるよう、適切な維持管理に努めてまいります。
151 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
152 ◯9番(万徳なお子君) 寄せられた要望の件数をお示しいただけるでしょうか。
153 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。都市整備部長。
154 ◯都市整備部長(清水明彦君) 再度の御質問にお答えします。
令和4年度の都市公園、児童遊園、開発緑地等の樹木及び街路樹についての相談や要望につきましては、町会からの剪定要望が40件となっておりました。
155 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
156 ◯9番(万徳なお子君) 40件では全然済まないはずなんですけれども、ちょっと時間もないので、高所作業車が必要になってくると思います。この所有状況はどのようになっているでしょうか。
157 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。都市整備部長。
158 ◯都市整備部長(清水明彦君) 再度の御質問にお答えいたします。
まず、市におきましては、高所作業車のほうは所有をしておりません。造園業者のほうで、高所作業車の所有状況につきましては、市のほうでは把握していませんが、市からの依頼に対して、高所作業車を所有していないため作業ができないなどといった回答を受けた事例はない状況でございます。所有していない事業者におきましても、レンタル等で高所作業車を手配するなどして、市からの作業依頼に対応している状況でございます。
159 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
160 ◯9番(万徳なお子君) レンタル料金が結構高いと。例えば、カラスの巣を撤去するときも、1か所のためにレンタル料が高いのを使っちゃうと結構大変だからということで、結局、5か所、6か所たまったら出動しているというふうにも聞いたんですが、それだと、先ほど私が壇上から紹介したように、またカラスに襲われかねないということもあるわけです。ですから、高所作業車を市として所有して、こういう公園の管理に使えるように検討していったらどうかと思います。
それで、何といっても都市公園だけで約4万4000本の樹木があるということで、これを、例えば、今後10年そのままにしておくのか。今のように何か言われたら何とかするということで済まないと思うんです。例えば、10年単位で約4万4000本をどうするのかという長期的な計画も必要だと思います。現在、市として、こういう公園の樹木管理についての長期計画ってお持ちでしたか。
161 ◯副議長(木戸喜美男君) 答弁を求めます。都市整備部長。
162 ◯都市整備部長(清水明彦君) 再度の御質問にお答えいたします。
樹木の剪定につきましては、先ほども申し上げたとおり、樹勢の強弱によって、剪定作業というところをいつにするべきかというところが変わります。先ほど申し上げたとおり、樹勢が強い樹種につきましては現在でも毎年定期的に剪定作業を行っておりまして、その他の樹種につきましては生育状況が多様でございまして、こちらにつきましては職員が巡回パトロールで回っておりますので、適宜、状況を見つつ剪定の判断をして対応しているところでございます。
163 ◯副議長(木戸喜美男君) 9番万徳なお子議員。
164 ◯9番(万徳なお子君) 長期計画を持っていないということが分かりました。それで、やはり住民の方々の中には、すごく熱心で、定期的に公園を見て、この木が古いとか、枝が折れそうだということでレポートを書いてくださる方もいらっしゃいます。私の郵便受けにも、どさっとそれが入ってくるということもあります。そういった熱心な方々って地域の方にいらっしゃると思うんですよね。必ずしも町会の役員さんじゃなくても。そういった地域の人たちの協力を得るというのも1つ提案したいですし、今あるまちレポ、これは雪や道路のことだけでなく公園管理も当然対象になっていますよね。このまちレポはやっぱりもっと普及できるはずなので、前にも雪のことで言ったんですけれども、町会に出向いて使い方、むしろタブレットを貸し出して、それで公園の様子とか、道路の様子とか、雪の様子を言ってくださるように──何か、松原地域で実証実験がありましたけれども、もっと大胆に、町会に向けて、まちレポも活用した、デジタルだとおっしゃるなら、そっちがまず大事じゃないかなと私自身は思っております。そういった長期計画、あと予算とマンパワー、地域の皆さんの協力をお願いして、私の一般質問を終わります。
165 ◯副議長(木戸喜美男君) 次に、5番奈良祥孝議員。
〔議員奈良祥孝君登壇〕(拍手)
166 ◯5番(奈良祥孝君) 5番、市民クラブの奈良祥孝でございます。通告に従い、市長の政治姿勢について順次質問をいたします。
今議会は決算議会でもあります。市長も替わりましたので、私の決算審査の考え方について、再度、申し述べます。
私は、決算審査においては、以下の5項目の観点から審査を行います。決算審査の1、歳入について、(1)税収は予定どおりであったのか、収入未済額はなぜ生じたのか、予算で見込んだ収入額は適当であったのか。(2)補助金等は予定どおり入ったのか、減収があったとすれば、その理由は何か。(3)起債は予算計上どおり借入れできたのか、できなかったとすれば、その理由は何か。(4)財産・物件の売払い収入は、予定どおり収入できたのか、減収があった場合、その理由は何か。(5)予算に計上した額を超えた収入、または予定していなかった収入があった場合は、それはどうして入ったのか。
決算審査の2、歳出について、(1)費目の流用、予備費の使用が不当に行われなかったか、また、予算超過の支出はないか。(2)法令に違反した支出が行われていないか。(3)予算額に比べて支出の執行はどうか、多額の不用額が生じた場合、その理由は何か。(4)予定していた収入が減収となり、財源不足が生じた場合、歳出の執行をどのように処理したのか。(5)一時借入金の利払いがどれくらいあり、なぜ借り入れしなければならなかったのか、また、返済の時期を漫然と遅らせ、無用な利払いをしていないか。
決算審査の3、会計相互間の問題について、(1)繰り出し、繰入れは計画どおり行われたか、計画どおり行われなかったとすれば、その理由は何か。(2)特別会計のうち、弾力条項による支出があった場合、その支出は条例等に違反していないか。
決算審査の4、行政効果の確保について、(1)行政執行が予算で見込んだとおり効果を上げることができたか。(2)工事が計画どおり完成したか、設計変更があった場合、その理由は何か。(3)公共施設はどれだけ整備・改善が図られたのか、また、それによって住民生活の利便性は向上したのか。(4)公務員の数はどのように増減したのか、また、一般財源に占める給与費の比率はどう変わったのか。(5)産業はどのように変化し、振興したのか、それによって住民所得は高められたのか。
決算審査の5、財政構造の変化、(1)予算執行の結果、地方債の現在高はどのように変化したのか。(2)行政財産・普通財産はどのように増減したか、また、それに伴う管理費の増減はどうなったのか。(3)総合的な財政力をどのように変化させたのか。
以上が私の決算審査における留意事項であり、これらを踏まえて、きっちりと審査する必要があります。決して私一人でできるものではありません。監査委員は監査委員会の立場で、そして、我々議員は議会の立場で審査をする必要があるものと考えます。
私の第1の質問は、令和4年度決算及び行財政運営についてであります。
令和4年度青森市一般会計決算額は、歳入歳出予算現額1451億1090万8700円、これに対し歳入調定額1408億2247万3827円、歳入決算額は1384億4917万8642円、歳出決算額は1330億6193万3629円となり、歳入歳出差引き額53億8724万5013円、これから繰越事業による翌年度への繰越財源2億2719万4691円を差し引いた実質収支額は51億6005万322円となったものであります。
一方、競輪事業特別会計をはじめとする8つの特別会計は、歳入歳出予算現額993億4932万8700円、歳入調定額997億7493万8227円、歳入決算額973億1131万1260円、歳出決算額961億9072万4236円、歳入歳出差引き額11億2058万7024円となり、翌年度への繰越額はありませんでしたので、実質収支額も11億2058万7024円となったものであります。
青森市一般会計と特別会計の合計額では、歳入歳出予算現額2444億6023万7400円、歳入調定額2405億9741万2054円、歳入決算額2357億6048万9902円、歳出決算額2292億5265万7865円、歳入歳出差引き額65億783万2037円、翌年度への繰越財源2億2719万4691円を差し引いた実質収支額は62億8063万7346円となったものであります。
私が決算議会でいつも問題にしている収入未済額は、一般会計で前年度決算より1億7104万3117円減の21億6108万2220円、特別会計で前年度決算より3億7144万1757円減の21億5825万9481円、合計で5億4248万4874円減の43億1934万1701円が計上されております。また、不納欠損額は、一般会計で前年度決算より426万2722円増の2億2870万7352円、特別会計では、前年度決算より2269万89円減の3億2277万6210円が計上されております。一般会計と特別会計合計で前年度決算より1842万7367円減の5億5148万3562円となったものであります。
一般会計収入未済額21億6108万2220円のうち、市税が前年度決算より1億9958万2228円減の14億5048万7708円、児童保育負担金等の分担金及び負担金が前年度決算より1047万1435円減の8128万118円、市営住宅使用料等の使用料及び手数料が前年度決算より351万8046円減の5634万6508円、土地貸付収入等の財産収入が前年度決算より2万4694円増の3030万1761円、奨学資金貸付金元金収入や給食事業収入等の諸収入が前年度決算より4250万3898円増の5億4266万6125円であります。
一方、特別会計収入未済額は21億5825万9481円となり、その内訳は、競輪事業特別会計で前年度決算より3万5000円減の9万6727円、国民健康保険事業特別会計で前年度決算より3億5478万1121円減の19億7250万6605円、卸売市場事業特別会計で前年度決算より12万円減の690万2128円、介護保険事業特別会計で前年度決算より1615万3997円減の8615万1711円、母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計で前年度決算より276万8644円減の5921万3165円、後期高齢者医療特別会計で前年度決算より241万7005円増の3338万9145円となったものであります。
浪岡地区に向かうルートといたしましては、一般国道7号及び県道27号青森浪岡線、大きくはその2つがございます。そのほかに、事業者のほうでは、それらも交通事故あるいは大雪等の気象状況などによる道路閉鎖等、渋滞の影響によって通行できないと判断した場合には、迂回路として東北自動車道の使用も考えているというふうなことでしたので、これらの道路状況に応じた最適なルートを選択して給食を配送するものと考えております。
以上です。
215 ◯議長(奈良岡隆君) 17番天内慎也議員。
216 ◯17番(天内慎也君) 私に無理だべということでテスト走行をするのは分かりますけれども、数回のテスト走行をしたからということで大丈夫だという根拠にはならないと思います。1年を通して配送したことがないのに、山間部と平野部の地理的な違いがあります。東陽小学校と浪岡野沢小学校を一緒にして大丈夫だと言うんだけれども、それも、果たして、私は根拠にならないと思っています。それと、給食配送の距離が長くなるということは、無事に届けるためのリスクが高まっていく、障害が多くなるということになります。
そこで質問します。浪岡地区への給食配送で国道7号が交通事故による道路閉鎖や予期せぬ事態になったとき、迂回路を設定していると答えてきました。鶴ケ坂付近の橋の上で両車線が動けなくなり、迂回もできなくなった場合は、どのような配送計画で給食を届けるのか考えをお示しください。
217 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
218 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 学校給食の配送計画についての再質問にお答えいたします。
浪岡地区への配送に際しまして、先ほど議員のほうからございました、鶴ケ坂付近の迂回ルートがないエリアに入る前に渋滞等の発生を察知した場合には、当然、その時点で迂回ルートでの配送を行うことになります。また、教育委員会では、停電等によって学校給食を急遽調理できなくなった場合あるいは配送時の事故などによりまして給食の提供が困難になった場合に備えまして、非常食用物資といたしまして、冷凍のナンあるいは県産のリンゴジャムを保有しております。また、そのほかにも、食材の不良や変質などによって調理中においてその材料を使えない緊急時、そういったときに備えまして、緊急代替食品といたしましてサバの照り焼き缶やパイナップル缶などを保有して、非常時に備えているところでございます。したがいまして、迂回ルートがないエリアに入ってしまった後において渋滞に巻き込まれるなど、給食時間までの配送が困難であると判断した場合におきましては、市で保有しておりますこれらの非常食用の物資等を、別なルートを使って各校に配送することになるものと考えております。
いずれにいたしましても、浪岡学校給食センターを小学校給食センターに移行した場合におきましても、安定的な給食の提供に努めてまいります。
以上です。
219 ◯議長(奈良岡隆君) 17番天内慎也議員。
220 ◯17番(天内慎也君) 今のもちょっと私の質問に論点をずらしているんですよ。非常用のときの対応ももちろん大事なんですけれども、今は両車線が動けなくなり、迂回もできなくなった場合はどのような配送計画で給食を届けるのかと、届けられるのかどうかと聞いているんです。お聞きします。
221 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
222 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 浪岡方面への給食の配送についての再質問にお答えいたします。
先ほども御答弁を申しましたけれども、その迂回ルートがないエリアに入る前に渋滞が察知されれば、当然、その時点で迂回いたします。迂回ルートがないエリアに入ってしまった後に渋滞に巻き込まれたとなれば、その給食を別な車で取りに行くことも不可能でございますし、それから急遽作って届けるということも不可能でございますので、当然にして、その給食時間に間に合わせて給食をお届けするとなれば、先ほど申し上げた教育委員会が保有しております非常食用物資あるいは緊急代替食品、これを保有しておりますので、それらをお届けすることになるであろうというふうなことを御答弁したところでございます。
以上です。
223 ◯議長(奈良岡隆君) 17番天内慎也議員。
224 ◯17番(天内慎也君) ちゃんと通告しているんですよ。国道7号の鶴ケ坂付近の橋の上です。戸門のところを入って、新城のところからぶつかるところ、ウナギ屋があるところから入るんですけれども、すると、今度1車線になってしまうと。ずっと行けば、橋が3つある。いろんなことを想定しなければ駄目なんですよ。それで、そこの橋まで行って身動きが取れなくなったときのことを私は聞いているわけであります。今、手前の逃げ道の話をしているんだけれども、そうじゃなくて、動けなくなったとき、鶴ケ坂は橋が3つある、そこで身動きが取れなくなったときは昼食を届けることができるのかというふうに聞いているんです。それで、迂回もできなくなったときに給食を届けるかと聞いたけれども、非常用の食材になってしまうということで、はっきり言ってほしいんですけれども、浪岡まで給食配送はこういうときは無理だと、アウトだというふうに思いますけれども、どうですか。
225 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
226 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 浪岡地区への学校給食の配送についての再質問にお答えいたします。
先ほども御答弁申し上げましたけれども、迂回ルートがないエリアに入ってしまった後、その後で渋滞に巻き込まれてしまったとなれば、もうトラックは給食を積んで、その渋滞に巻き込まれてしまっているわけですので、その給食を誰かが取りに行くとか、そういったことはまず困難です。さらに、そこから給食をまた給食センターで作るとなれば、給食時間に間に合わないということになります。したがいまして、先ほど来申し上げておりますとおり、そういった場合には非常食用の物資といたしまして保有しておりますもの、あるいは緊急代替食品として保有しておりますもの、それらをお届けすることになるであろうというふうなことを御答弁させていただいているところでございます。
以上です。
227 ◯議長(奈良岡隆君) 17番天内慎也議員。
228 ◯17番(天内慎也君) この間、何回も議論してきましたけれども、私が部長の議論を潰しにかかるけれども、教育部長はぐにゃぐにゃ逃げる。今までずっと逃げてきた。だって、絶対できるとしゃべってきたんですよ。だから、私はここまで追求しているんですよ。だから、駄目なものは駄目だというところもあるということなんですよ。それを認めてほしいんです。
食中毒を防ぐための学校給食衛生管理基準、いわゆる2時間ルールもあります。山越えの国道7号は無理だと再三訴えています。空港線や高速道路の迂回路も考えているということも答弁をしてきました。前回と同じく今回も、高速道路を管理しているNEXCO東日本にお願いをして、過去5年の青森インターチェンジから浪岡インターチェンジまでの通行止めを調べました。ただし、これは、私も答弁で分かっていますけれども、本当の非常時の使用になると。通常道路は7号ですから、非常時だから、これは使用回数は少ないんだけれども、一応私は調べました。NEXCO東日本に問合せをして、青森インターチェンジから浪岡インターチェンジまでの過去5年間、2018年から2022年までです。ただし、2020年だけは閉鎖はありませんでした。国道だと、1行ずつ読むんですけれども、これは非常時ですので、簡潔に紹介をしたいと思います。まず、2018年には6回通行止めがありました。降雪、視界不良とか、故障車がいたりとか、路面積雪。2019年は4回です。2月8日とか、11月27日とか、4回ありました。2021年は5回です。1月19日、1月30日、12月27日、12月28日と。あとは、2022年は3回、1月7日、8月9日、12月15日。5年間で計18回の通行止めがあって、それで、閉鎖時間なんですけれども、3時間が2回、4時間が3回とか、7時間が2回、8時間が2回、9時間が3回、18時間が1回とか、非常に長く閉鎖するのが高速道路だという現状も分かりましたので、一応紹介をしておきたいと思います。
先ほども述べましたけれども、教育委員会は国道7号を主な使用道路と設定していて、高速道路は災害級の大雪等、非常時に使用する考えです。非常時に使うとはいえ、国道7号よりは通行止めが多いです。しかも、高速道路はちょっと雪が積もったりすると、すぐ通行止めをかけてしまいます。それは、私のうちが浪岡インターチェンジのすぐそばなので、その辺の経緯は分かっています。それから、空港線も考えているというふうにいろいろ答弁してきましたが、この10年間ぐらいのスパンで見ても、私が浪岡から議会に来るときなどは、何回ですかね、大雪のときに空港線も大型車両とかが固まれてしまえば、本当に、もう、すぐ詰まってしまうということで、空港線が駄目なら次は何を考えるかといえば、高速道路に行くんです。だけれども、高速道路はすぐ通行止めをかけてしまうと。それで、あと最後は国道7号しかありません。国道7号に行くと、車がもうあふれてしまって、大渋滞で、青森の議会に行くことができないというふうになるわけですけれども、幾ら配送計画を立てたとしても、全く実効性がないということを強く訴えたいと思います。
そこで、これもまた再三言っていましたけれども、学校給食衛生管理基準は2時間以内に給食できるように努めることとされていますが、なぜ2時間以内に給食できるよう努めなければならないのか見解をお示しください。
229 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
230 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 学校給食衛生管理基準についての再質問にお答えいたします。
学校給食衛生管理基準では、食品の適切な温度管理等の1項目といたしまして、調理後の食品は、適切な温度管理を行い、調理後2時間以内に給食できるよう努めることとされております。また、大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理後の食品につきまして、10度以下または65度以上で管理することが必要であるとされております。国では、2時間以内とした理由につきまして、温度管理については、加熱調理後、速やかに保温食缶に移し替えて2時間以内に提供すれば、おおむね65度以上が維持できるということから、2時間以内としたものでございます。
このことから、教育委員会では、学校給食衛生管理基準を遵守いたしまして、調理後、食品を保冷10度以下または保温65度以上を2時間以上保つことができる高性能断熱の二重構造となっております食缶に入れまして、外気温の影響を受けにくい仕様となっております配送車によって適切な温度管理を行い、調理後2時間以内に給食できるよう努めているところでございます。
以上です。
231 ◯議長(奈良岡隆君) 17番天内慎也議員。
232 ◯17番(天内慎也君) 最後に聞きますけれども、本音で答えてほしいんですけれども、なぜ浪岡の給食センターを残すことは駄目なんですか。平成22年の運営方針とか、集約とかは要りません。なぜ駄目なんですか。
233 ◯議長(奈良岡隆君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
234 ◯教育委員会事務局教育部長(小野正貴君) 浪岡学校給食センターについての再質問にお答えいたします。
平成22年11月に公表いたしました青森市小学校給食センター等整備運営事業実施方針では、将来的な児童・生徒数の推計を基に、提供食数を1万2000食といたしました小学校給食センターを整備いたしますとともに、中学校給食センターも併せて運営して、順次、耐用年数を迎えます各単独給食実施校や浪岡学校給食センターを集約していくこととしております。この浪岡学校給食センターを小・中学校給食センターへ集約することにつきましては、浪岡地区の学校までの配送距離が長くなるデメリットはあるものの、食缶や配送車の保温性能の向上によりまして、基準を遵守した給食を提供できる環境が整えられておりますこと、また、メリットといたしまして、1つには、老朽化しております浪岡学校給食センターの改築あるいは設備更新に要する経費が不要になること、2つには、大量購入によりまして安価に給食材料の確保が可能となること、3つには、全体として少ない人員で賄うことが可能となることによりまして、人件費等の節減となることなど、効率的に学校給食を提供できますことから、単独給食実施校及び浪岡学校給食センターを小・中学校給食センターへ集約することとしているものでございます。
以上です。
235 ◯議長(奈良岡隆君) これにて一般質問を終結いたします。
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236 ◯議長(奈良岡隆君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
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休会について
237 ◯議長(奈良岡隆君) お諮りいたします。
議事の都合により、9月9日から9月11日までの3日間休会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
238 ◯議長(奈良岡隆君) 御異議なしと認めます。よって、9月9日から9月11日までの3日間休会することに決しました。
来る9月12日は午前10時会議を開きます。
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散 会
239 ◯議長(奈良岡隆君) 本日はこれにて散会いたします。
午後4時58分散会
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