介議員 中 村 美津緒
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請願第2号
青森市
ホームページガイドライン等の制定を求める請願(不採択)
(請願の趣旨)
2022年10月11日正午から
小野寺青森市長は定例記者会見を行い、最後に「残念な報告」を行った。その後、青森市の
ホームページの市長の部屋の中に、動画とともに記者会見で配布した資料を掲載して、広く市民が閲覧できるようにしている。
しかし、この配布資料には幾つもの間違いがあることが分かった。例えば、「学校一覧」の野内小学校については、「配布物」は「相馬純子氏パンフレット」になっているが、各学校別の個票では「学校給食費の無償化のリーフレット」と記載され、一覧表作成時に誤記されたことが確認されている。
私達は、この誤りを指摘し、青森市長と青森市教育長に
ホームページ上の資料の訂正を求めたが、記者会見後4か月以上たった今も訂正されていない。放置されている原因の一つに、青森市には
ホームページの管理ルールがないことが挙げられる。
東京都においては、「東京都
公式ホームページガイドライン」及び「東京都
公式ホームページ作成に関する統一基準」、「東京都教育委員会における
ホームページ利用要綱」などが定められており、大阪市には「大阪市
ホームページガイドライン」があるが、青森市には、
ホームページに関するガイドライン、基準、要綱は作成されていない。そこで、他の自治体と同様に
ホームページに関するガイドライン、基準、要綱等を制定することを請願する。
(請願事項)
青森市は、他の自治体と同様に
ホームページに関するガイドライン、基準、要綱等を制定すること。
【参考】
定例市長記者会見
https://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/
shiseijouhou/
aomorishi-
konnamati/
shityounoheya/
kisyakaiken/reiwa4/teirei10.html
学校一覧
https://www.city.aomori.aomori.jp/koho-kocho/
shiseijouhou/
aomorishi-
konnamati/
shityounoheya/
kisyakaiken/reiwa4/documents/20221011-07gakkouitirann.pdf
令和5年2月22日
請願者 青森県弘前市大清水四丁目6-12
大竹 進 外1名
代表 中 堀 一 弥
紹介議員 蛯 名 和 子
小 熊 ひと美
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2
総務企画常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第65号「青森市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、個人情報の保護に関する法律の改正により、令和5年4月1日から
地方公共団体等は同法が規定する全国的な共通ルールに基づき個人情報を取り扱うこととなり、その上で、
地方公共団体等においては、開示請求に係る手数料など法律の施行に必要な事項を条例で定めることとされたことから制定するものである。
主な内容についてであるが、開示決定等を行う実施機関は、個人情報の保護に関する法律の適用対象機関と同様、財産区を含み、議会を除くものである。また、
保有個人情報の開示決定等の期限、
保有個人情報の開示請求に係る手数料、開示請求による文書等の写しの交付等に係る費用負担及び開示請求等の件数などの運用状況の公表については、現行条例と同様とするものである。
その他として、個人情報の保護に関する法律が適用されることから、現行の青森市
個人情報保護条例を廃止し、また、青森市情報公開・
個人情報保護審査会条例ほか3条例について、条例で引用している青森市
個人情報保護条例の条項を個人情報の保護に関する法律の条項に改める等の所要の整理を行うものである。
条例の施行日は、令和5年4月1日を予定している。
条例の具体的な内容についてであるが、第1条は、条例の趣旨を定めるものであり、本条例は、個人情報の保護に関する法律の施行に関し必要な事項を定めるものとしている。
第2条は、本条例における用語の定義を定めるものであり、第1項では、実施機関について、法律が適用される市長、教育委員会、
選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、
固定資産評価審査委員会、
公営企業管理者、財産区及び市が設立した
地方独立行政法人と定義している。第2項では、本条例で使用する用語は、法律で定義した用語の例によるとしている。
第3条は、開示決定等の期限及び期限の延長について定めるものであり、第1項では、開示決定等について、個人情報の保護に関する法律においては開示請求があった日から30日以内にしなければならないと規定されているが、15日以内にすることとしている。第2項では、事務処理上の困難等がある場合は、開示決定等の期限について、30日以内を限度に延長することができることとしている。
第4条は、著しく大量な請求の場合における開示決定等の期限の特例を定めるものであり、開示請求があった日から45日以内に開示請求に係る
保有個人情報の全てについて開示決定等を行うと事務の遂行に著しい支障が生じるおそれがあると判断される場合には、相当の部分につき開示決定等をし、残りの
保有個人情報については、相当の期間内に開示決定等をすれば足りることとするものである。
第5条は、
保有個人情報の開示請求を受ける場合の手数料の額について、無料とすることを定めるものである。
第6条は、
保有個人情報の開示を受ける場合の費用負担について定めるものであり、
保有個人情報の開示請求により文書等の写しの交付等を受ける者については、交付等に要する費用として、実費を負担してもらうことなどとするものである。
第7条は、毎年度、個人情報の保護に関する法律の運用状況を公表することを定めるものである。
第8条は、個人情報の保護に関する法律の施行に関し必要な事項は規則で定めることとするものである。
次に、附則についてであるが、附則第1条は、本条例の施行期日を令和5年4月1日とすることを定めるものである。
附則第2条及び第3条は、青森市
個人情報保護条例の廃止に関して定めたものであり、附則第2条で、法律の適用に伴い青森市
個人情報保護条例を廃止するとともに、附則第3条で、青森市
個人情報保護条例の廃止に伴う経過措置を定めている。
附則第4条及び第5条は、青森市情報公開・
個人情報保護審査会条例の一部改正に関して定めたものであり、附則第4条で、当該条例の改正をするとともに、附則第5条で、改正に伴う経過措置を定めている。具体的に、青森市情報公開・
個人情報保護審査会条例第2条第1項では、附則第2条で廃止することとしている青森市
個人情報保護条例を条文から削除するほか、青森市情報公開・
個人情報保護審査会条例第2条第2項において、青森市情報公開・
個人情報保護審査会を個人情報の保護に関する法律に基づいた開示決定等に係る審査請求を調査審議させるための機関として位置づけることとしている。青森市情報公開・
個人情報保護審査会条例第3条以降の改正については、引用条項の整理など軽微な改正である。
附則第6条は、青森市情報公開条例の一部改正を行うものであり、個人に関する情報の定義を整理するものである。
附則第7条は、青森市公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例の一部改正を、附則第8条は、青森市
まちづくり基本条例の一部改正を行うものであり、どちらの条例も、附則第2条で廃止する青森市
個人情報保護条例を引用していることから、引用を個人情報の保護に関する法律に改めるものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「全国的には、
個人情報保護審査会などを廃止するという流れになっているが、本市の場合は残すのか」との質疑に対し、「青森市情報公開・
個人情報保護審査会については、そのまま継続するものである」との答弁があった。
1 「青森市情報公開・
個人情報保護審査会に諮問する事項に何か変化はあるか」との質疑に対し、「本条例をつくることによって、特段、今までの条例に書かれていることが直るというのは基本的にないことから、これまでと同様のものとなる」との答弁があった。
1 「要
配慮個人情報について、条例で規定することができることになっているが、本市ではどのように規定されているか」との質疑に対し、「個人情報の保護に関する法律に定める要
配慮個人情報というのは、同法において、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などといったものと定義されている。同法では、地域の特性に応じて、条例で、条例要
配慮個人情報というものを定めることができることとなっているが、本条例には条例要
配慮個人情報は定めていない」との答弁が あった。
1 「条例で要
配慮個人情報を定めることができることになっており、しっかり条例として規定する必要があると考えるが、なぜ要
配慮個人情報を本条例に規定しなかったのか」との質疑に対し、「条例に特段に定めるという部分については、その地域に応じて、特別に何かある場合に定めるということであり、本市の場合は、特殊な環境がないことから定めていないものである」との答弁があった。
1 「
個人情報ファイル簿が作成されることになっているが、その取扱いはどのようになっているか」との質疑に対し、「
個人情報ファイル簿について、これまでは、500人以上の
個人情報ファイルの場合は
個人情報ファイル簿を作成することとしていたが、これは、条例の策定過程の中で意義をもってやっていたものではなく、今回、法律に合わせてきちんと意義を持たせるということで、500人から1000人に広げたものであるが、その扱いについては、これまでどおり、請求者に寄り添った形で適宜対応していくという形を取っていく」との答弁があった。
1 「これまでどおりとのことだが、今回の改正で、1000人未満の
個人情報ファイルは公表しなくてもいいこととなっており、情報公開の後退につながるおそれもあるが、その1000人未満の
個人情報ファイルの公開についてはどうか」との質疑に対し、「今、市で500人以上1000人未満の
個人情報ファイルが4ファイルあるが、これらについては、全国的な共通ルールと別に、独自に基準を設けて取り扱う特別な情報ではないと捉えていることから、開示請求者には窓口等で適切な情報提供を行うなどとし、新法どおりの基準としたものである」との答弁があった。
1 「今回新たに
匿名加工情報という仕組みが取り入れられたが、本市の対応はどうなっているか」との質疑に対し、「
匿名加工情報とは、行政機関等が保有する個人情報について、例えば、氏名は削除、生年月日は年代に置き換え、住所は何丁目等の単位に丸めるなど、特定の個人を識別することができないように加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報のことである。民間事業者等においては、調剤薬局が取り扱う処方箋に含まれる患者情報や調剤情報について、匿名加工を行った上で、分析機関に提供している事例がある。
匿名加工情報の扱いについて、当分の間は都道府県及び指定都市のみに適用されるということであり、本市では導入しないものと考えている」との答弁があった。
1 「第4条の開示決定等の期限の特例について、現行条例と同様ということであるが、著しく大量であるというのは、どの程度を指しているのか」との質疑に対し、「例えば、業務に支障が出るほど大量に請求があったときということで捉えている」との答弁があった。
1 「同条に『相当の期間内に開示決定等をすれば足りる』とあるが、市では、相当の期間とはどれくらいと考えているのか、また、これについて何か示されているものがあるか」との質疑に対し、「何日以内といったものは定めていないが、可及的速やかに開示していくという形で考えている。また、その期間についての定めは、特段、国からは示されていない」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見が出された。
1 本市では
匿名加工情報を導入しないとのことだが、加工したとしても個人情報には変わりなく、本人が知らないところで行政から民間にデータが提供されるということにもなるので、やはり導入すべきではないと考える
1 今回、これまで自治体が独自に定めてきた規定が一本化して、共通の規定に統一するという流れの中で法改正が行われたのと、もう一つ、国のデジタル化の流れの中で改定しようとするもので、個人情報の保護から、個人情報を活用するという、180度転換されようとする流れの中での改正なので、本条例の制定については賛成できない
以上が主なる意見であるが、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第67号「青森市市税条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、県が策定した青森県
国民健康保険運営方針が令和3年2月に改定され、将来的な
国民健康保険水準の統一に向けて、令和7年度までに県内市町村の
保険税算定方式を所得割額・被
保険者均等割額・
世帯別平等割額の3方式に統一することとされたことから、この運営方針に基づき、本市において現行2方式となっている介護納付金分について、新たに
世帯別平等割額を追加し、3方式に見直しをするため制定するものである。
なお、県特別交付金の評価基準において、算定方式の見直しに向けた進捗状況に応じて交付金の増額が見込まれることとなったことから、令和7年度を待たずに早期に見直しを図ることとしたものである。
見直しに当たっての前提であるが、今般の
保険税算定方式の見直しについては、本市の
国民健康保険事業における将来的な財源不足を補うための税率改定ではなく、県内市町村間における算定方式の差異の解消を目的とするものであることから、見直し前後で被保険者の実質的な税負担に極力増減が生じないよう、平等割額として新たに賦課する負担増分を、これまで賦課してきた同じ応益割の一種である均等割額から同程度減じることで、被保険者の税負担が増加することを抑制している。
次に、被
保険者均等割と世帯別平等割の賦課割合の設定についてであるが、県の運営方針においては、
市町村標準保険料率の算定に当たり、応益割における均等割と平等割の賦課割合を、均等割70対平等割30と設定していることから、今般の
算定方式見直しに当たっても、これと同じ割合を適用し、新たな保険税額については、
算定方式見直し後の1人
当たり均等割額と1
世帯当たり平等割額の合計額を、見直し前の1人
当たり均等割額と同額の1万3800円とし、均等割額は9260円、平等割額は4540円としたものである。
次に、介護納付金に係る新たな均等割額・平等割額の前提条件及び試算結果についてであるが、令和4年度当初の賦課データを用いて試算した結果、均等割額と平等割額の合計金額が見直し前の均等割額と同額であるため、単身世帯においては税負担に増減が生じないものの、均等割は被保険者一人一人に賦課されるのに対し、平等割は1世帯に対して賦課されるため、複数世帯においては世帯全体での賦課額が見直し前に比べ減額となっている。この試算による保険税減収は、調定額ベースで647万1200円の減、収入額ベースで562万4767円の減となっている。
次に、
保険税減収分への対応についてであるが、県特別交付金において本市の
保険税算定方式の見直しをすることで増収が見込まれることから、当該増収分を
保険税減収分に充てることとしている。また、収納対策を一層強化し、保険税の増収を図り、減収の影響の緩和に努めていく。
なお、このたびの保険税の算定方式の見直しについては、
国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するために設置している青森市
国民健康保険運営協議会に対して諮問した結果、令和5年1月23日に、今般の算定方式の見直しは、県内の
保険料算定方式統一のためには必要不可欠であり、県交付金の増収による財政的なメリットの最大化を図るためにも、早期に見直しを進めるべきであるとし、諮問どおりに青森市
国民健康保険税(介護納付金)に係る算定方式の見直しを了承するものであるとの答申があったところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「対象者数は何人か」との質疑に対し、「今回、試算に当たって出した影響は、1万7527人が対象になる」との答弁があった。
1 「対象者のうち、軽減になる人は何人か」との質疑に対し、「軽減の人数は、1万7527人が全員対象になるため、この人数になる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第68号「青森市
国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、出産にかかる費用が年々増加していることから、令和4年12月15日に開催された国の
社会保障審議会医療保険部会において、出産育児一時金額は、令和4年度の全施設の出産費用の推計等を勘案し、全国一律で50万円に引き上げるべきという方針が決定されたことを踏まえ、令和5年2月1日に
健康保険法施行令等の一部を改正する政令が公布され、令和5年4月1日から、出産育児一時金の支給額を40万8000円から8万円引き上げ、48万8000円とされたため、青森市
国民健康保険条例の一部を改正し、出産育児一時金の支給額を改めようとするものである。
改正項目であるが、出産育児一時金の支給額について規定している青森市
国民健康保険条例第7条第1項中「40万8000円」を「48万8000円」に改めるものである。この改正に伴う出産育児一時金等の支給総額は50万円となり、これまでの支給総額から8万円の増額となる。
施行期日は、
健康保険法施行令等の一部を改正する政令の施行期日と同日の令和5年4月1日としている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「財源の負担割合は、市が1、国が2の割合で負担するということでよいか」との質疑に対し、「出産育児一時金については、その3分の2が交付税措置され、その全額が一般会計からの繰入金となり、税負担分が3分の1となる。また、令和5年度に関しては、1件当たり5000円の追加補助がある」との答弁があった。
1 「50万5000円が補助額になるということか、それとも、
追加補助分込みで50万円になるということか」との質疑に対し、「追加補助としては、予算上は125件、62万5000円を見込んでいる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「市民負担にならず、市民にとってはプラスになるため、本案に賛成はするが、令和4年10月から75歳以上の後期高齢者の医療費が負担増になっており、その増額分を、この出産育児一時金の財源に充てているということになっているため、世代間の対立をあおるやり方になっていて、財源としては不適切と考える」との意見が出され、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第73号「
包括外部監査契約の締結について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
契約の概要であるが、中核市に毎年度の実施が義務づけられている包括外部監査を実施するため、令和5年度に係る契約を締結するものである。
契約の目的は、
包括外部監査人による監査の実施及び監査の結果に関する報告の提出であり、契約の期間の始期は、令和5年4月3日を予定している。
監査に要する費用の額の算定方法は、執務費用及び
報告書作成費用並びに交通費等の合計額として1207万6834円を上限とし、費用の一部について、概算払いをすることとしている。
契約の相手方については、本市在住の公認会計士、高橋政嗣氏としたいと考えている。今年度、議会の議決を経て、
日本公認会計士協会東北会青森県会の推薦である同氏と契約を締結しているところであるが、これまで本市や青森県の
包括外部監査補助者としての経験があり、地方公共団体の財務監査事務に精通し、優れた識見を有するものと認められることから、同氏が適任であると判断したものである。
なお、地方自治法の規定では、同一人と連続3回契約することが可能となっている。
公認会計士と契約を締結する理由であるが、公認会計士は、監査及び会計の専門家であり、企業会計に関する専門的知識が地方公共団体の監査に有用であることから、
包括外部監査契約の締結者として適任と考えていることなどである。
なお、
包括外部監査契約については、地方自治法の規定により、あらかじめ監査委員の意見を聴くこととなっているが、監査委員からは、高橋政嗣氏と契約を締結することについて異議がない旨の回答をいただいている。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第74号「青森県市町村総合事務組合を組織する地方公共団体の数の増加及び青森県市町村総合事務組合規約の変更について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
青森県市町村総合事務組合は、地方公共団体がその事務の一部を共同処理するため、地方自治法第284条の規定に基づいて設置された一部事務組合であり、現在、青森県市町村総合事務組合規約別表第1に記載された9市、30町村、21一部事務組合、3広域連合の計63団体が加入し、同規約別表第2に記載された11項目の事務を共同処理している。本市は、同規約別表第2の第10号、市町村税等の滞納整理に関する事務を共同処理するため、平成27年4月1日付で当組合の構成団体となっている。
令和5年6月1日から、同規約別表第1の市の区分に八戸市を加えること、また、同規約別表第2の第10号の事務を共同処理する地方公共団体に八戸市及び十和田市を加えることとなったことから、規約を変更するものである。
一部事務組合を組織する地方公共団体の数の増減または一部事務組合の規約を変更しようとするときは、地方自治法第290条の規定により、関係地方公共団体の議決を経なければならないこととされており、令和4年12月26日付で、当該組合から構成団体である本市に規約変更の協議依頼があったことから提案するものである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議員提出議案第2号「青森市市税条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、本案の審査に当たっては、本案の提出者である村川みどり議員から議案の趣旨等について説明を受け、その後、理事者側から本案に関する説明がある場合は、当該説明を受けた上で質疑を行うこととした。
次に、議案の趣旨等について、村川みどり議員から次のとおり説明を受けた。
本案は、青森市市税条例第182条第1項に第5号として「
国民健康保険税の納税義務者の属する世帯内に満18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者(第5項において「子ども」という。)がある場合における当該納税義務者」を規定するものである。
同条第2項は、申請行為をしなくてもいいという条項であり、同条第5項は、この世帯に属する子どもの均等割の全額を免除するという条文である。
国保税の均等割というのは、協会けんぽ制度にもなく、公務員などが属する共済組合にもない、子どもの数が増えれば税額も増えていくという、まさに子育て支援から逆行した制度となっているため、子育て支援を応援しようという本市の意思を表明していくためにも、国保税の均等割を18歳まで全額無料にする本案を提出したものである。
議員には予算提案権がないため、参考までに説明する。
担当課に令和5年度当初予算ベースで試算してもらった結果、均等割額を18歳まで全額免除した場合にかかる予算は約4700万円、対象者数は3742人となっている。令和3年度の歳入歳出決算書にもあるとおり、不用額が約50億円、歳入歳出差引残額が50億円となっている。しっかりとした予算の配分を行えば、4700万円の支出も可能と考えるし、国保税であるため、一般会計の繰入れはできないと言うかもしれないが、子ども・子育て支援のために、必要な財源を十分確保できるのではないかという立場で提案したものである。
次に、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、
国民健康保険税の子どもの被保険者に係る均等割額を免除するために提案されたものであり、その内容は、対象者を国民健康保険加入全世帯における満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子どもとし、減免割合としては、子どもに係る
国民健康保険税の被
保険者均等割額を全額免除するものである。
現行の制度であるが、
国民健康保険税の子どもに係る均等割額の軽減措置については、国において、子育てに係る経済的負担の軽減を図るため、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律が令和4年4月1日から施行されたことを受け、本市においては、令和4年第1回市議会定例会において、青森市市税条例の一部を改正する条例の制定について御議決を賜り、令和4年4月1日から施行しているものである。その内容は、国民健康保険加入全世帯における小学校に入学する前の子どもについて、
国民健康保険税の均等割額の5割を公費により軽減するものであり、
国民健康保険税の法定軽減の有無にかかわらず対象となる。具体的には、法定軽減なしの場合は5割軽減となり、法定軽減7割・5割・2割の対象者の場合は、残りの半分が軽減されることにより、それぞれ合計で、7割軽減の場合は8.5割の軽減、5割軽減の場合は7.5割の軽減、2割軽減の場合は6割の軽減としている。
子どもに係る均等割額の軽減制度の導入による
国民健康保険税の減収分については、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1を負担することとされており、このうち市町村負担分については、地方交付税措置により全額補填されるものである。
なお、制度導入後における実施状況については、令和4年10月31日時点で、対象者976人、軽減額670万3577円となっている。
本市の考え方であるが、予算を伴う条例については、地方自治法第222条第1項において、「普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が的確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない」と制限規定が設けられており、これは、議員が提出する条例案その他の案件については直接適用されるものではないが、議員提案の案件についても、本条の趣旨を尊重して運営されるべきである旨、国からの通知に示されているところであり、市長事務部局に協議もなく、予算を伴う条例案を予算の見通しもないまま提案することは、法の趣旨に合致しないものと考えている。また、令和4年第3回市議会定例会において、議員提出議案の子どもに係る
国民健康保険税の均等割額軽減措置の対象拡大を求める意見書が全会一致で可決され、令和4年9月29日付で、内閣総理大臣、厚生労働大臣及び衆・参両院議長へ提出されている。
一方、
国民健康保険税の子どもに係る均等割額軽減の対象年齢及び軽減割合の拡充については、令和4年5月20日に中核市市長会、同年6月30日及び11月30日には全国市長会を通して、国に対して要望しており、このような中、国では、子ども関連予算を増額し、本年3月末をめどに政策のたたき台を作成するとのことであり、本市としては、国の責任において制度を拡充するべきと考えており、市単独で対象年齢及び軽減割合を拡充する考えはないものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「本案の提出に当たり、市長事務部局には何も協議がなかったということであるが、理事者側から説明のあった地方自治法及び国からの通知について、どのように考えているのか」との質疑に対し、「議員提出議案を提案する権限がある立場から、本案を提出したものである。もちろん、地方自治法があること、予算提案権もないということは理解しており、また、市長事務部局と協議はしていないが、議員提出議案を出せるという立場から本案を提出したのみである」との答弁があった。
1 「逐条地方自治法という本には、確かに、予算提案権は長に専属するため、予算提案権は議会にはなく、条例の提案権は、議員定数の12分の1以上の賛成があれば議会に提出することができるが、予算を伴う条例案の場合は昭和31年の国通知を尊重すべきであると書いてある。予算が伴わない条例案であれば何も言わないが、条例というのは非常に大きな存在であることから、大きなお金がかかる条例を決めるに当たり、予算の裏づけのないものを提出するのはどうか」との質疑に対し、「約50億円の不用額が残っているわけで、そういう精査をする、あるいは、当分の間、国保の基金を 使って活用することもできるため、全く予算の財源を示していないわけではない」との答弁があった。
1 「なぜ市長事務部局とそのことを協議して出さなかったのか」との質疑に対し、「協議をしても、やらないと言われるのは目に見えていたため、議員の権限を使って、ぜひ、こういう制度をつくってほしい、子育て支援のためにもなるし、市民がそのことを望んでいるという立場から提案したものである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見が出された。
1 議員には確かに議案の提出権はあるが、何でもかんでも出せばいいということになれば、議案提出権の濫用につながると考えるため、反対である
1 不用額の50億円については、市長事務部局の職員による不断の努力の結果であって、最初から50億円が余っているのではなく、市長や関係職員がいろいろ努力して特別交付税を多く持ってきているという事実の下に積み上げられていくものであるから、その不用額には触れないほうがいいと考えるし、不用額はあくまでも決算上の結果として出てきているものであるから、それを当てにするのは、ちょっと違うのではないかと感じる
以上が主なる意見であるが、本案については、起立採決の結果、賛成少数をもって、否決すべきものと決したものである。
次に、議員提出議案第3号「青森市子ども医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、本案の審査に当たっては、本案の提出者である村川みどり議員から議案の趣旨等について説明を受け、その後、理事者側から本案に関する説明がある場合は、当該説明を受けた上で質疑を行うこととした。
次に、議案の趣旨等について、村川みどり議員から次のとおり説明を受けた。
本案は、子どもの医療費助成の対象について、「満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある未婚の者(保護者に監護されているものに限る。)」とする改正規定である。整理の内容としては、18歳になり、所得がある、生計が独立している子どもを対象にするのかということに対しては、対象にしないこととしたものである。また、18歳で、結婚し独立した子どもを対象にするのかということに対しては、対象にしないこととしたものである。
青森県内の18歳までの医療費無料化実施状況について、県内10市では本市だけが通院・入院とも中学生までの医療費助成であり、他市は、通院・入院両方を実施あるいは通院・入院どちらかを実施という状況になっており、県内10市で言えば本市が一番遅れているということになる。平川市は、今年秋頃をめどに実施するということになっている。
このような状況で、今こそ青森市が18歳までの医療費無料化を進め、遅れを取らないようにしてほしいし、子育て支援にもなる18歳までの医療費助成であるので、ぜひ青森市も進んでやっていただきたいという思いから、本案を提出したものである。
なお、予算であるが、18歳まで拡充した場合は、令和5年度当初予算ベースで9600万円である。
次に、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、子ども医療費助成の対象者を18歳までに拡充するため提案されたものであり、その内容は、青森市子ども医療費助成条例において規定する「子ども」の定義について、現行の「中学校(特別支援学校の中学部を含む。以下同じ。)就学の終期に達するまでの者」を「満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある未婚の者(保護者に監護されている者に限る。)」に改めるものである。また、これに伴い、「保護者」の定義についても、本条例で引用している児童福祉法に規定されている保護者は、満18歳に満たない児童を現に監護する者であることから、満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童を現に監護する者へと改めるため、現行の「児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条に規定する保護者」の下に「その他の子どもを現に監護する者」を加えるものである。
現行の制度であるが、本市における子ども医療費助成事業については、青森市子ども医療費助成条例に基づき、本市に住所を有し、住民基本台帳法による届出をしているゼロ歳から中学校就学の終期に達するまでの国民健康保険法または社会保険各法の規定による被保険者及び被扶養者である子どもを対象として、通院・入院に係る保険診療分の医療費自己負担額に対して助成を実施しているところである。また、事業の実施に当たっては、県の青森県乳幼児はつらつ育成事業費補助金を活用しており、その内容としては、補助対象者は未就学児まで、補助対象額は、4歳に達した日の属する月までは助成額の2分の1、4歳に達した日の翌月からは、助成額から、入院は医療機関ごとに1日500円、通院は一月につき1500円を控除した額の2分の1となっている。令和3年度における助成実績については、対象者数は令和4年3月31日現在で2万4976人、助成額は約7億4000万円、うち県の補助対象額は約1憶3800万円となっている。
本市の考え方であるが、予算を伴う条例については、地方自治法第222条第1項において、「普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が的確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない」と制限規定が設けられており、これは、議員が提出する条例案その他の案件については直接適用されるものではないが、議員提案の案件についても、本条の趣旨を尊重して運営されるべきである旨、国からの通知に示されているところであり、市長事務部局に協議もなく、予算を伴う条例案を予算の見通しもないまま提案することは、法の趣旨に合致しないものと考えている。
なお、本市としては、子育て世代の負担軽減を図るためには、国の責任において子どもの医療費を無償化する制度を創設するべきと考えており、令和4年5月20日には中核市市長会、同年6月30日及び11月30日には全国市長会を通して国に対して要望したところであるが、全国市長会、中核市市長会のみならず、全国知事会、全国町村会等においても同様の要望をしているところである。また、令和4年10月12日には、東青5市町村が連携して実施している青森圏域重点事業に関する新たな要望項目として、県に対して国への働きかけを要望したところである。
こうした中、令和4年11月7日に開催された全国知事会議において、滋賀県知事が、子育てにかかる経済的負担軽減のため、全国一律の医療費助成制度の創設を求めると要望したことに対して、岸田首相からは、子どもの窓口負担の医療費助成については、基本的には各自治体において、地域の実情に応じて対応していくことがふさわしいと考えているとの回答がなされたものの、同年12月20日に開催された国と地方六団体の協議の場において、加藤厚生労働大臣からは、各市町村等で、いろいろな形で取り組んでおり、負担ゼロということ自体はどうなのかいうこともあるが、子育て支援、少子化対策はしっかり進め、充実を図っていかなくてはならないとの回答がなされたところである。
このような中、国では、子ども関連予算を増額し、本年3月末をめどに政策のたたき台を作成するとのことであり、本市としては、市独自で対象の拡充を図る考えはないものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「この件に関しては、同じ思いではあるが、自治体独自の事情というのもあるし、本市は特に、給食費無償化を先にやってしまったということもあって、予算を組むに当たっては大変苦しいのかなと考えること、加えて、議員提出議案第2号と同じ理由により反対である」との意見が出され、本案については、起立採決の結果、賛成少数をもって、否決すべきものと決したものである。
次に、請願第2号「青森市
ホームページガイドライン等の制定を求める請願」であるが、審査に当 たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
請願第2号の請願事項については、「青森市は、ほかの自治体と同様に
ホームページに関するガイドライン、基準、要綱等を制定すること」という内容である。
青森市
ホームページは、「広報あおもり」とともに、最も重要な市の広報媒体の一つとして、平成20年度から、コンテンツの充実及びサイト運営・管理の効率化を図るため、現在のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入し運用している。
ホームページの運用に当たっては、総合的な運用管理を企画部広報広聴課が、個々のページに関しては作成した各所属課等が、それぞれ責任を持って管理しており、その運用については、既に、青森市
ホームページサイトポリシーや青森市
ホームページ等コンテンツ管理マニュアルを制定し対応しているところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「本請願の提出後、市として
ホームページの管理マニュアル、基準があるので否決してくださいと言ったのは本当か」との質疑に対し、「本請願について所管部長が否決してくださいと申し上げたことはない」との答弁があった。
1 「誰が言ったのか」との質疑に対し、「誰が言ったかどうかというのは承知していない。市側からそういうことを求めたことはないと承知している」との答弁があった。
1 「青森市
ホームページ等コンテンツ管理マニュアルにあるコンテンツ修正の操作手順を見ると、修正は、あくまでも各課の責任で修正するということか」との質疑に対し、「そのとおりである」との答弁があった。
1 「今回問題になっている市長記者会見の資料の担当課はどこか」との質疑に対し、「教育委員会である」との答弁があった。
1 「令和5年2月27日に同資料の野内小学校のところだけが訂正されたが、これは広報広聴課が訂正したのか、教育委員会が訂正したのか」との質疑に対し、「教育委員会が修正を行い、最終的にシステムの更新ボタンを広報広聴課で押さないと公開されないため、そのような事務作業はしたが、修正したのは教育委員会である」との答弁があった。
1 「間違っているものを訂正しないでそのままにしておくというのは適切ではなく、間違いが指摘されたら、すぐに、担当である広報広聴課としても訂正を求めるべきと考えるがどうか」との質疑に対し、「
ホームページの総合的な運用管理は広報広聴課で行っているが、本市で定めているサイトポリシーにも、個々のページについては、作成した各所属課等が管理すること、また、青森市
ホームページ等コンテンツ管理マニュアルにおいても、コンテンツを最新の情報で維持するための修正の責務は各課等にあるということを定めているところである」との答弁があった。
1 「以前の企画部長の答弁では、間違いがあれば、普通は訂正するべきだと思うとのことだったが、個々のところでやってくださいというのは、以前の答弁と違うのではないか。担当の広報広聴課として、市民から間違いを指摘された場合は、間違いがあるなら確認して直すよう言うべきではないか」との質疑に対し、「以前、間違いがあれば修正されるものだろうということを答弁したが、それは、各担当課が修正するという趣旨で申し上げたことであり、答弁が変わったということではない」との答弁があった。
1 「広報広聴課が間違いに気づいたとしても、担当課が直さなければそのままでいいということか」との質疑に対し、「間違いがあった場合は、各課等のコンテンツを管理しているコンテンツ管理者が、これを修正する責務を持っているということであり、
ホームページ全体を管理する立場で、何かここがおかしいのではないかとか、誤字脱字があるとか、そういった修正に関する相談を受けてサポート、アドバイスするという役割は広報広聴課にあるため、何かそういうことがあれば、そのようにアドバイスしたいと考えている」との答弁があった。
1 「今回の件はアドバイスしたのか」との質疑に対し、「今回の件に関しては、担当課から広報広聴課にも連絡があり、相談を受け、修正に至ったと認識している」との答弁があった。
1 「野内小学校のところは直ったが、それ以外にも直っていないところがたくさんある事実についてはどう認識しているか」との質疑に対し、「野内小学校の関係について修正をしたと認識しており、その他の関係については、その事務を所管していないため、この場で答弁いたしかねる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「間違ったものをそのまま
ホームページに載せていると何回も市民からも指摘されているのに、平然とそのままにしておくというのは、市として改めるべきだと考えるし、担当課任せではなく、そういう指摘があったらすぐ修正させるということも、この青森市
ホームページ等コンテンツ管理マニュアルに盛り込むべきという立場から、本請願を採択すべきと考える」との意見が出され、本案については、起立採決の結果、賛成少数をもって不採択とすべきものと決したものである。
(以 上)
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文教経済常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第70号「青森市都市公園条例等の一部を改正する等の条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和6年7月の供用開始に向け整備を進めている(仮称)青森市アリーナの名称を青森市総合体育館として位置付けることや利用料金の基準額の設定など、維持管理・運営業務に係る条例に関して、所要の改正等を行うものである。
主な改正等の内容についてであるが、青森市都市公園条例は、青森市総合体育館及び青い森セントラルパーク駐車場を有料公園施設として設置し、当該施設の利用料金の基準額を定めるほか、青森市総合体育館、青い森セントラルパーク駐車場、青い森セントラルパーク、青い森セントラルパーク東広場及び青い森セントラルパーク西広場の管理を指定管理者に行わせるため改正するものである。
青森市体育施設条例は、青森市総合体育館の供用開始に合わせ閉館する青森市民体育館に係る規定を削除するものであり、青森市次世代健康・スポーツ振興基金条例は、青森市総合体育館の整備終了などを契機に廃止するものである。
次に、施設概要についてであるが、本事業において維持管理・運営業務を行う施設は、青森市総合体育館、青い森セントラルパーク駐車場、青い森セントラルパーク、青い森セントラルパーク東広場及び青い森セントラルパーク西広場の5施設となっている。
次に、利用料金の基準額についてであるが、個人使用で高校生以下を除く一般利用の場合、現在の市民体育館は1時間当たり100円であるのに対し、青森市総合体育館は1日当たり190円となっている。団体による貸切り使用については、市民体育館の主競技場の場合、入場料なしの区分で利用する時間帯によって1時間当たり1420円から2130円であるのに対し、青森市総合体育館については、主に市民利用が想定されるサブアリーナは1時間当たり1250円となっており、使用時間帯による変動がない料金設定となっている。
団体による貸切り使用時の電気料金については、市民体育館の主競技場の場合、1時間当たり820円であるのに対し、主に市民利用が想定されるサブアリーナは1時間当たり400円となっている。また、青い森セントラルパーク駐車場の料金については、青森市総合体育館を使用する人は無料であり、青森市総合体育館を使用しない人であっても3時間まで無料、超過1時間ごとに100円を加算した料金としている。
次に、施行期日についてであるが、青森市総合体育館の供用開始日に合わせ、令和6年7月1日としているが、青森市都市公園条例のうち、青い森セントラルパーク、青い森セントラルパーク東広場及び青い森セントラルパーク西広場に係る規定については、本事業の維持管理・運営業務期間が開始する令和6年4月1日から施行することとしている。
次に、事業スケジュールについてであるが、青森市総合体育館は当初の計画のとおり、令和5年4月から建物の外壁及び電気通信や給排水、空調などの設備工事等を予定しており、令和6年7月の供用開始に向けて着実に整備を進めていくこととしている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「駐車場の使用に当たり、青森市総合体育館を使用しない場合でも3時間まで無料とした理由を示せ」との質疑に対し、「隣接する県有地であるセントラルパークは引き続き公園として運用するため、当該公園の利用者に配慮したものである」との答弁があった。
1 「今回の指定管理候補者が運営するに当たり、大きな赤字が生じた場合、条例を改正し利用料金の基準額を改定することが考えられるがどうか」との質疑に対し、「基本的には、今回の基準額で15年間運営していただくということを想定している」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見が出された。
1 場所の問題、トレーニング室の料金が示されていないこと及び指定管理料が高いことから、本案には反対する
1 キッズルームはリーズナブルな料金設定となっており、負担感なく喜んで利用していただけるものと考える
以上が主なる意見であるが、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第72号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市総合体育館等)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象施設は、青森市総合体育館、青い森セントラルパーク駐車場、青い森セントラルパーク、青い森セントラルパーク東広場及び青い森セントラルパーク西広場の5施設である。
次に、指定管理者候補者及び選定理由についてであるが、指定管理者候補者は青森ひと創りサポート株式会社であり、同者は令和2年第1回定例会の御議決を受けて設置した(仮称)青森市アリーナ及び青い森セントラルパーク等整備運営事業者選定委員会において、提案内容に関する性能評価と提案価格に関する価格評価を総合的に評価して選定されており、令和3年第1回定例会の御議決を経て、設計、建設に加え15年間の維持管理・運営業務等を含めた事業契約を締結した者である。
次に、指定期間についてであるが、維持管理・運営業務期間としている令和6年4月1日から令和21年3月31日までの15年間となる。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「指定管理期間は5年間が多いと思うが、15年間とした理由を示せ」との質疑に対し、「本事業については、Park-PFI及びDBOといった民間活力を活用した事業スキームを導入しており、このようなスキームを導入した他の施設等を調査したところ、15年間というのが基本となっている状況を踏まえ、指定管理期間を15年間とした」との答弁があった。
1 「契約期間については、建設時点から算入するものと認識していたが、指定管理期間は新たに15年間となるのか」との質疑に対し、「本事業の契約に当たっては、応募要項において管理運営期間を15年間と設定した上で、建設、運営を一体として募集し、(仮称)青森市アリーナ及び青い森セントラルパーク等整備運営事業者選定委員会において事業者が選定されたものである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「他の施設の指定管理期間は通常5年でやっているのに比べ、指定期間が15年間と長いことから、この議案について反対する」との意見が出され、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、請願第1号「市長記者会見にて配布された資料の訂正等に関する請願」であるが、審査に当 たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
請願第1号の請願事項は、野内小学校の記述について、(1)では配布物「相馬純子氏パンフレット」、(2)では配布物「『学校給食の無償化 公約が実現します』(
党リーフレット)」どちらの記述が正しいのかを確認の上、訂正と公開を求めるという内容である。
青森市立小・中学校では、マスコミや市議会議員の来校があった場合、これまで慣例的に学校長などから教育委員会に対して、電話により日時、概要等について報告されていた。また、通常、市議会議員が学校訪問をする際は、学校に直接ではなく、教育委員会を通じて日時等の調整を行い、教育委員会の職員が立ち会っていることから、特に学校からの報告は要しない状況となっていた。
しかしながら、教育委員会を介さず、直接訪問している場合においては、学校からの報告によって訪問内容を教育委員会が把握する状況となっていた。
このような中、令和4年8月中旬、学校から教育委員会に対し、議員が複数の学校を訪問し、学校給食費の無償化に関するチラシを配布しているとの情報提供があり、また、令和4年第3回市議会定例会においても、市議会議員が学校を訪問しているとの発言があった。
さらには、令和4年9月30日に行われた青森市PTA連合会及び小・中学校校長会の給食費無償化に対する市長表敬の際にも、市議会議員及び市議会議員選挙立候補予定者等による学校訪問及びチラシの配布について話題となった。
このことから、教育委員会では、教育基本法、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法等を踏まえた、学校を守り、学校が適切に管理運営されるよう指導するという責務の下、全ての小・中学校長に対し、市議会議員等の訪問の有無、状況等の調査を電話で行ったところである。
調査の結果、確認された事実を市
選挙管理委員会に相談し、公職選挙法第129条に定める事前運動及び同法第136条の2に定める公務員等の地位利用の教唆に当たる可能性も否定できないとの認識に至ったことから、刑事訴訟法第239条第2項の規定の趣旨に則り、組織として、教育長までの決裁行為を経て
選挙管理委員会に通報することとし、市長に報告の上、令和4年10月12日水曜日に
選挙管理委員会とともに、警察に対して通報したものである。
請願事項に対する教育委員会の対応として、令和4年10月11日付青市教委指第690号で
教育委員会事務局教育部長から
選挙管理委員会事務局長宛てに通報した資料のうち、(1)の訪問者及び配布物一覧及び(2)の議員等による学校訪問(学校別記録)の野内小学校の配布物の記載については相違があったことから、改めて野内小学校に確認したところ、「学校給食の無償化 公約が実現します」という
党リーフレットの配布であった。
したがって、教育委員会では、令和4年10月11日付青市教委指第690号で通報した資料を訂正し、訂正した資料を市政記者会及び
選挙管理委員会並びに警察に送付するとともに、市
ホームページにも訂正後の資料を掲載したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から次のような意見が出された。
1 請願の中身が妥当だったから訂正したということだと考える。本請願は採択すべきものである
1 教育委員会は相違があったことを認め、資料の訂正と市
ホームページでの公開が行われており、請願者が求めた請願事項は既に満たされ、請願事由が失われていることから、本請願は不採択とすべきものと考える
以上が主なる意見であるが、本請願については、起立採決の結果、賛成少数をもって不採択とすべきものと決したものである。
(以 上)
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民生環境常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第66号「青森市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
夜間看護等手当に係る改正の趣旨についてであるが、青森市民病院では介護・育児など様々な事情により、働き方に制約がある看護師が増加し、一部の看護師に夜勤負担が集中してきている現状にある。また、新型コロナウイルス感染症の影響からシフトどおり勤務できない職員が継続的に一定数発生しており、その代替としての夜間勤務対応がさらなる負担増となっている。
こうした状況を踏まえ、夜間勤務に従事する看護師の負担に応じた額に改善する必要があるため、夜間看護等手当について、改正するものである。
次に、改正内容についてであるが、青森市職員の特殊勤務手当に関する条例第11条で定めている夜間看護等手当の額について、深夜の全部を含む勤務である場合は現行の6800円から7300円、深夜における勤務時間が4時間以上である場合は現行の3300円から3550円、深夜における勤務時間が2時間以上4時間未満である場合は現行の2900円から3100円、深夜における勤務時間が2時間未満である場合は現行の2000円から2150円にそれぞれ改定するものである。
次に、分べん介助業務手当に係る改正の趣旨についてであるが、全国的な産科医師不足の中、青森市民病院においても令和2年4月に産科医師が3人から2人となり、医師の負担が増加している現状にある。また、医療現場には、限られた人員で医療の質を担保しつつ労働負荷を低減させていく働き方改革への取組が求められている。
1 「訪問時、相手はどういう対応であったか」との質疑に対し、「我々が行ったときは、ちょうど留守であった」との答弁があった。
1 「寄せ雪について、工区や幹線など、道路が交わるところの寄せ雪の高さが非常に高くなっており、本町では、歩くときも車で移動するときも向こう側が見えない状況が非常に続いているが、これに対し、どういう対応をするのか示せ」との質疑に対し、「本町地区について、幹線道路に関しては、今、排雪の準備をしており、排雪で対応する予定である。基本的には、幹線道路については、毎回、除雪と同時に排雪するのではなく、ある程度、雪を盛り上げて、それが交通に支障があると判断したときに、排雪作業を実施している状況である」との答弁があった。
1 「冬季休業明けの通学路の安全確保について、令和3年度は、学校用務従事者や、新たに教職員等も参加し、除雪作業を実施したとのことだが、令和4年度も教職員が入って除雪を行ったのか」との質疑に対し、「令和3年度は、災害級であるということで、豪雪災害対策本部が立ち上がったため、スノーレスキューという形で職員も総出で歩道除雪を行い、また、学校でも、学校の除雪機を持っていき、状況によっては、教職員にも手伝ってもらって、歩道除雪を実施したということがあったが、令和4年度は、豪雪災害対策本部ではないので、そういった出動はしていない」との答弁があった。
1 「本市の小・中学校の駐車場の除雪は、現在も教職員や子どもたちの力で行っている状況であるのか」との質疑に対し、「基本的には、各学校の除雪機を使い、用務員あるいは教職員が除雪して、ある程度、敷地内に雪がたまったら、年間5回から6回ほど、業者に除雪してもらっているところである」との答弁があった。
1 「今現在の除排雪予算の執行率は何%か」との質疑に対し、「令和4年12月末までの試算では、約8割になっている」との答弁があった。
1 「今冬は、予算はこのままで間に合うのか」との質疑に対し、「豪雪対策本部も立ち上がった状況であり、それなりの費用がかさむと考えており、現在、補正予算の対応ができるかどうか議論をしているところである」との答弁があった。
1 「豪雪対策本部や豪雪災害対策本部が立ち上がったときには、支払い方法など、何かしらの事業者への配慮はあるのか」との質疑に対し、「現時点で、累計降雪量は456センチメートルであるが、このままの調子でいくと500センチメートルを超えると予測しており、現時点での契約基準でいくと、500センチメートルを超えた分については増額という形の対応をしていきたいと考えている」との答弁があった。
1 「除排雪予算の執行率について、新聞報道では、豪雪対策本部を設置する段階で8割を切っていたということであったが、間違いないか」との質疑に対し、「約8割である」との答弁があった。
1 「補正予算の対応ができるか検討しているとのことだが、県内のほとんどの市町村では90%台後半の予算執行率であり、専決処分で対応しているが、予算執行率が約8割であるのは本市だけである。豪雪対策本部を設置し、国に特別交付金をお願いする以上は、本来は100%近い予算の執行があってしかるべきではないのか」との質疑に対し、「補正予算に関する検討事項については、あくまでも金額をどれくらいまで積み上げるかという検討であり、本市の場合は、除排雪に関しては債務負担行為を既に設定しており、額を決定して、補正をかけるという段取りになっているので、通常どおりの行為を行っているところである」との答弁があった。
1 「県が行っている地域道路維持型は、草刈り、道路舗装、除排雪と年間を通して維持管理する契約方法であり、この方法で除排雪をしている県道と市道では明らかな違いがあるが、当該契約について、どういう認識を持っているか」との質疑に対し、「原則論で言うと、まず、夏場の土木工事と冬場の除排雪事業が総合的に可能な人材及び機械力がある大手企業にとっては有利に働くものと考えられる一方、中小企業では、人材不足や機械力が不足している事業者にとっては不利になるというところが地域道路維持型の課題と認識している。また、青森地区においては、除排雪事業は可能だが、夏場の土木工事ができない運送事業者など、様々な異業種の事業者が除排雪事業に参画をしているという実態があり、現時点で、すぐに地域道路維持型に移行できるかは、様々な課題を越えていかないといけないと考えている」との答弁があった。
1 「除排雪における補正予算は市民が最も求めるものであり、除排雪予算を明確に専決処分をして対応すべきものと思うが、市の認識を示せ」との質疑に対し、「専決処分の在り方については、様々な議論があろうかと思うが、本市の場合は、毎年、雪の降り方にかなり上下があり、それによって、除排雪費の費用も一定の水準で推移している状況ではない。また、昨今、燃料費や人件費等の高騰もあり、ある程度の予算は確保しつつも、雪の降り方によって大幅に予算の増減がある状況であるので、今のところは債務負担行為で補正対応という形が最も望ましいやり方と考えている」との答弁があった。
1 「浪岡地区の除排雪の判断は浪岡地区のパトロールで判断ができるのか」との質疑に対し、「原則、それぞれの地区ごとで、パトロールによって判断していると考えている」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 除排雪指令状況の公表について、パトロール隊の数が悪いのか、パトロール結果を反映させる作業が追いついていないのかについて検証してほしい
1 凍結防止剤の散布について、圧雪状態でまかれると逆効果であるという苦情も大変寄せられているため、除排雪指令との連携をうまく取ってほしい
1 冬季休業前の通学路の対応について、特に交差点や通学路の雪盛りは気をつけてほしい
1 屋根雪の落雪で片側1車線の道路の1車線がまるまる潰れているので、対応を真剣に考えてほしい
1 排雪について、雪盛りのため、車の通行に支障があるほど道が狭くなるまで盛られているところもあることから、適時適切に排雪を行っていただきたい
1 教職員の多忙化解消のためにも、学校の冬期間の除雪に関わる作業を教職員の力を借りなくてもできるように予算化してほしい
1 降雪が災害級になってきた場合には、事業者へ何かしらの配慮を提案してもいいのではないかと考える
1 道路が広いところから除雪が入るため、道路が狭いところに住んでいる人は、いつも後回しという感じがあるので、道路が狭いところにも単独で排雪をしながら入っていくといったことも検討してほしい
1 流・融雪溝について、地域の人が管理の仕組み自体をあまり理解していなかったり、地域によっては町会長も分からないような状態であるため、チラシを配るなどして、流・融雪溝の管理者は誰かということを明確にしてほしい
1 地域道路維持型という契約については、県では地域によってできるところに導入している現状であり、本市としても、業者でつくる協議会の中で仕事を振り分けることや、地域によっては、3年間の契約により、重機のリース契約、雇用形態の変更、新たな設備投資というのも十分考えられるため、市として導入できる地域があるのであれば、検討する時期に来ているものと考える
1 宮田馬屋尻市民館の屋根雪の落雪事故については、町会で管理している市民館の場合、屋根雪の片づけについて、自分たちだけでやるにしても、高齢化が進んでいて難しかったり、業者に頼むにしても、町会の運営費だけでは賄い切れないといったこともあるかと思うので、市として足りない支援はなかったか、防ぐことができたのではないかということを検証してほしい
1 市民センターの駐車場の雪盛りがかなり堆積している状況で、排雪する必要があると思うが、指定管理者において、排雪する費用が間に合っているのか、やりたくてもできない状況であるのではないかとも考えられるため、受け身ではなく、市から確認してほしい
1 除排雪の予算について、しっかり追加の補正予算の準備をしてほしい
1 様々、危険な場所の指摘があったことから、宮田馬屋尻市民館の事故のようなことがないよう、しっかり様々な注意喚起をしてほしい
1 市民から一番要望の多い、できるだけ雪は底から幅広く持っていってほしい、各工区に早めに入ってほしいという点を踏まえ、攻めの除排雪事業をお願いする
以上が主なる意見・要望であるが、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
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委員会名 危機管理対策特別委員会
事 件 危機管理対策について
理 由
閉会中の2月8日に開催した本委員会において、その後の経過と今後の対策について、理事者側から次のような説明を受け、審査した。
初めに、本市の新型コロナウイルス感染症の状況について説明する。
これまでの感染者の発生状況については、令和5年2月6日時点で、累計感染者数は6万3085人である。
相談・検査実績については、令和5年2月5日時点で、相談件数は1万7098件、検査実績は9万3592件である。
なお、令和4年12月15日から、市地域外来・検査センターにおいて、検査結果が即日判明できるよう体制を変更している。
ワクチン接種状況については、令和5年2月6日時点で、12歳以上を対象者としたオミクロン株対応ワクチンの接種率は47.9%、接種人数は13万1864人、11歳から5歳を対象とした小児接種の1回目接種率は46.0%、接種人数は6494人、4歳から6か月を対象とした乳幼児接種の1回目接種率は6.2%、接種人数は457人である。
第8波の新規陽性者数の推移については、令和5年1月2週目頃から減少傾向に転じている。第8波では、インフルエンザとの同時流行による医療機関の逼迫が懸念されていたが、現状では、インフルエンザは3年ぶりに流行シーズンに入ったものの、東青地区ではインフルエンザ注意報が出るには至っていない状況である。
療養状況については、令和5年2月6日時点で、入院が32%、85名、宿泊療養はなく、自宅療養が65%、172名となっている。
入院者の重症度別については、オミクロン株は、その特性から重症となる方が少なく、中等症が24%、20名、軽症が76%、65名となっている。
青森圏域で確保されているコロナ専用病床の使用率については、令和5年2月6日時点で29%であり、入院が必要な方は、入院できている状況である。
次に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更となることについて説明する。
現在、新型コロナウイルス感染症は、感染症法の2類相当に当たる新型インフルエンザ等感染症に位置づけられているところ、令和5年1月27日開催の国の対策本部において、新型コロナウイルス感染症は、感染症法に基づく私権制限に見合った状態とは考えられないため、特段の事情が生じない限り、同年5月8日から新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとなり、季節性インフルエンザ等と同等の5類感染症に位置づけることが決定された。
この5類感染症への位置づけの変更に伴い、これまで講じてきた各種施策・措置について見直しを行うこととなるが、国は、具体的方針について令和5年3月上旬をめどに示すとしている。
参考として、季節性インフルエンザの措置を例示して説明する。
感染者の全数把握については、医療機関が感染者の発生を発生届により報告することは終了し、季節性インフルエンザと同様、定点の医療機関による感染動向把握に移行する予定である。陽性者の行動歴等を聞き取り、接触者の特定等を行う積極的疫学調査についても、季節性インフルエンザと同様、高齢者施設や医療機関等で複数の陽性者が発生した場合のみ必要に応じて実施される見込みである。入院措置・勧告、患者・濃厚接触者の行動制限は求められなくなり、在宅療養者への健康観察等、医療費の公費負担についても、季節性インフルエンザでは、法に基づく行政による特段の対応等は行われていない。ただし、医療費の公費負担については、令和5年5月8日の5類移行後も、一定の公費支援については期限を区切って継続される見込みである。
なお、令和5年4月以降の新型コロナウイルスワクチン接種については、国の予防接種・ワクチン分科会において接種対象者、回数、接種間隔などを検討しているところであるが、必要な接種については、引き続き、自己負担なく接種を受けられる予定となっている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「感染者の発生状況のうち、死亡事例の数を示せ」との質疑に対し、「これまで青森市保健所管内において新型コロナウイルス感染症の療養期間中に亡くなった方は135名である」との答弁があった。
1 「新型コロナウイルス感染症にかかったことによる後遺症についての相談及びワクチン接種後の後遺症に対する相談の件数を示せ」との質疑に対し、「後遺症についての相談は、月に1件あるかないかという極めて少ない件数であり、どの医療機関で受診したらよいか、検査はどこで受けたらよいかという相談が約7割、そのほか、自分が濃厚接触者に当たるのか、濃厚接触者としてどのような対応をすればよいかという相談が約7%という状況である」との答弁があった。
1 「令和5年4月以降のワクチン接種について、必要な接種については、引き続き、自己負担なく接種を受けられる予定というのは、これまでに接種券が渡った5回分についてということか」との質疑に対し、「必要なワクチン接種の内容については、現在、その対象も含めて国で検討している」との答弁があった。
1 「今までに届いた接種券で、まだ接種していない人は、そのまま使っていくということか」との質疑に対し、「今までの接種券は、そのまま使えるものである」との答弁があった。
1 「青森市急病センターを発熱外来としているが、市としては今後、従来の急病センターという形に移行していく予定か」との質疑に対し、「現在、地域外来・検査センターは、発熱外来として風邪症状が出た方に対しての検査・受診をしているところであるが、令和5年5月の感染症法上の分類変更に伴い、すぐに同センターを変更すると決まっているわけではなく、国がどういう状況で、市内の医療機関の受診の状況がどのように変わっていくのかということや、同センターは青森市医師会、青森市薬剤師会の協力により運営していることから、医療従事者からの意見も聞きながら、どのような形で地域外来をやっていくかということについて、令和5年3月の国の方針が見え次第、早急に決めていく必要があると考えている」との答弁があった。
1 「新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されていたインフルエンザの状況はどうか」との質疑に対し、「東青地区におけるインフルエンザの定点観測数については、直近の令和5年1月30日から同年2月5日までの期間は1定点当たり3.17であり、インフルエンザ注意報を出す数字である1定点当たり10まではかなり間が空いている。参考まで、同年2月4日から6日までの3日間に地域外来で診察・検査した風邪症状の患者の中で、新型コロナウイルス感染症の陽性者は19%、新型コロナウイルス感染症ではないがインフルエンザの陽性者は14%となっており、地域外来のみならず、各診療・検査医療機関では、この時期、熱症状が出ている患者については、新型コロナウイルス感染症の検査と同時にインフルエンザの検査も進め、適切な対応を取っている」との答弁があった。
その他、本委員会で所管する事項について一部委員から「災害時の情報伝達手段について、本市はメールマガジンで発信しているが、LINEでの発信についてはまだ検討中か」との質疑に対し、「LINEの使用については、国で安全性を確認し、大丈夫だという話が出ている。防災情報の発信にLINEを取り入れることについては、システムの在り方等も踏まえ、今後、検討していく」との答弁があり、また、一部委員から「県内の自治体でも、七戸町やむつ市などはLINEで随分と情報発信しており、市民は期待しているので、ぜひ、前向きに検討していただきたい」との要望が出され、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
令和5年3月24日
雪対策特別委員会委員長 山 本 武 朝
危機管理対策特別委員会委員長 中 村 美津緒
4 議員提出議案一覧表(意見書)
議員提出議案第5号
安全保障3文書及び敵基地攻撃能力の保有の撤回を求める意見書(否決)
政府は、2022年12月16日の閣議で、新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画の安全保障3文書と2027年度に防衛費をGDP比2%、約11兆円に増額し、5年間で総額約43兆円とすることを決定した。
この閣議決定は、これまでの政府の安全保障政策の大転換を図るものであり、国民の審判や国会の審議を経ずに唐突にもたらされたもので、あってはならない。
また、政府は、防衛費増額のために歳出削減や、国債、法人税や所得税(復興特別所得税)を活用するとしている。防衛費増額のための財源についても、国会の審議を経ずに打ち出したことは、議会制民主主義の根幹に関わる問題である。
これまで、政府は、憲法第9条の下での個別的自衛権の発動の要件としては、日本に対する相手国からの武力攻撃の排除のために必要最小限度のものに限り、他国の領域における武力行使は許されないとしてきた。ところが、安全保障3文書では反撃能力の保有、すなわち敵基地攻撃能力の保有を述べ、これまでの政府見解を大きく転換し、専守防衛にも反する内容となっている。
現在、安保法制が施行されている下で、集団的自衛権と合わせて、敵基地攻撃が行使されれば、日本が戦争当事国になる危険が大きく拡大する。
また、敵基地攻撃能力の柱とされるスタンド・オフ・ミサイルなどを保管する大型弾薬庫が、むつ市の海上自衛隊大湊弾薬整備補給所に新設されると報道されたが、相手国の領域を直接攻撃する敵基地攻撃は、行使されれば、相手国の報復を招き、その結果、国民に多大な犠牲を出すことになる。
今、必要なことは、軍事対軍事の衝突を避けるために、憲法第9条を持つ国として、国際平和の維持のために主体的役割を果たすための最大限の外交努力を尽くすことである。
よって、政府においては敵基地攻撃能力の保有を含めた安全保障3文書を撤回することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年3月24日
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議員提出議案第6号
再審法改正を求める意見書(否決)
冤罪は、無実の人が誤った捜査・裁判によって自由を奪われ、仕事や家庭を失い、築き上げてきた人生を奪われるなど、民主主義国家において、国民に約束しなければならない最低限度の幸福の全てを奪い去るものであり、決して起こしてはならない悲劇である。有罪判決の確定後に、無罪などを証明するための新たな証拠を発見した場合などを救済する手段が再審制度である。
しかし、長期にわたり無実を訴えている当事者に対する刑事裁判の通常審では、不十分ながらも一定の要件の下、証拠開示が制度化されているが、再審における証拠開示は、ルールがなく、開示するか否かが裁判官や検察官の判断に委ねられており、当事者間の平等原則さえない状況である。
また、再審請求の裁判の審理が長期化しているが、その要因の一つに、検察官による上訴審が認められていることがある。やっとの思いで再審開始が決定されても、検察官の不服申立てにより取り消されている事例が相次いでいる。
2016年の刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の国会審議において、再審における検察官の手持ち証拠の開示が審議されたが、法制化は先送りとなっている。しかし、当該法律の附則で、再審における証拠の開示については引き続き検討するとしており、早急に再審法改正を行うことは国会の責務となっている。
以上を踏まえて、再審制度が真に冤罪被害者の救済となり、事件の真相を真に究明することができる制度となるよう、刑事訴訟法の再審に関する規定について、下記の事項を講じるよう求める。
記
1 検察官の手持ち証拠の全面開示をすること。
2 再審開始決定に対する検察官の不服申立てを禁止すること。
3 再審請求人の権利や法廷の公開原則の規定を新設すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年3月24日
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議員提出議案第7号
消費税率を5%以下に引き下げることを求める意見書(否決)
コロナ禍に続き、急激な物価高騰が市民の暮らしに大変な影響をもたらしている。
令和4年12月の本市における消費者物価指数は前年同月比で4.2%上回った。全国の指数も4%上昇し、1981年12月以来、41年ぶりの水準となっている。特に、生活必需品の値上げが止まらず、生鮮食品を除く食料が前年同月比で7.3%の上昇、電気代が16.3%の上昇、ガス代が8.1%の上昇となった。
また、鳥インフルエンザの感染拡大の影響による鶏卵関係の食品の値上げや、春には各電力会社による電気料金の値上げも予定されており、市民生活に対して、さらに追い打ちをかけることになる。
政府は、電気代・ガス代の負担軽減策を打ち出したが、家庭によっては政府の軽減策を大きく上回る値上げの波が押し寄せており、日中でも在宅している家庭などからは、電気料金が2倍になったという声も寄せられている。また、政府の負担軽減策は2023年9月使用分までとなっているため、値下げの保証もない中、暮らしていけないという不安の声は広がり続けている。
長期にわたるコロナ禍や物価高騰の影響が広がる中で、暮らしと営業を支える経済対策の一つとして、消費税率の引下げが有効だと考える。消費税率の引下げは、国民の購買力を高め、経済対策につながる。また、事業者は赤字でも消費税の納税を迫られる中、人件費などの付加価値に課税される消費税率が引き下げられれば、事業者の負担が軽減され、賃金の引上げにもつながる。
よって、国民の生活を守るために、消費税率を5%以下に引き下げることを強く求める。