加齢性難聴者の補聴器購入に対する
公的補助制度を求める請願(不採択)
(請願の趣旨)
加齢性難聴は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな原因となる。最近では鬱や認知症の危険因子になることも指摘されている。日本の難聴率は、欧米諸国と大差はないが、
補聴器使用率は、欧米諸国では40%台なのに対し、日本では10%台と低く、日本での補聴器の普及が求められている。
しかし、日本において補聴器の価格は、
片耳あたり平均15万円であり、保険適用者である高度・重度難聴者の場合は、
補装具費支給制度による1割負担であり、中等度難聴以下の場合は、購入後に医療費控除を受けられるが、約9割は自費で購入していることから、特に低所得者の高齢者に対する配慮が求められている。欧米では、補聴器購入に対し
公的補助制度があり、日本でも、6県180市町村で高齢者の補聴器購入に対し補助を行っており、補助を行う自治体は年々拡大している。
補聴器のさらなる普及で高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、鬱や認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えられていることから、以下のとおり請願する。
(請願事項)
加齢性難聴者の補聴器購入に対する
公的補助制度を創設すること。
令和4年6月6日
請願者 青森市中央二丁目6番6号
全日本年金者組合青森県
本部東青支部
執行委員長 柳 谷 政 志
紹介議員 万 徳 なお子
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2
総務企画常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第88号「専決処分の承認について(青森市市税条例の一部を改正する条例の制定について)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和4年度
税制改正大綱を踏まえた地方税法等の一部を改正する法律案が令和4年3月22日に成立し、同月31日に公布されたことから、同年4月1日から施行される部分のうち、緊急を要するものについて、地方自治法第179条第1項の規定に基づき、同年3月31日に専決処分により青森市市税条例の一部を改正する条例を制定したものである。
本案による改正項目は、土地に係る固定資産税の
負担調整措置に係るものである。当該措置は、市町村間・土地間の評価額のばらつきを均衡化するため、
地価公示価格の7割(商業地等は6割)を評価額の目途とし、なだらかに課税標準額を上昇させ、税負担の不均衡を是正していく措置である。
令和3年度の条例改正においては、納税者の負担感に配慮する観点から、当該年度に限り、地価上昇により税額が増加する土地について、令和2年度の税額に据え置く特別な措置を講じたところであるが、令和4年度の条例改正においては、景気改善に万全を期すため、激変緩和の観点から、当該年度に限り、
負担調整措置について、商業地等に係る課税標準額の上昇幅を現行評価額の5%としているものを2.5%とする特別な措置を講ずるものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「本市の商業地において、最近、評価額が上昇した例はあるか」との質疑に対し、「浜田地区の商業区域で3筆が該当しており、その影響額は117万円ほどである」との答弁があり、本案については、全員異議なく、承認すべきものと決したものである。
次に議案第90号「青森市市税条例等の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和4年3月31日に地方税法等の一部を改正する法律等が公布されたことに伴い、青森市市税条例等において改正が必要な項目について改正しようとするものである。
主な改正項目であるが、1点目は、
住宅ローン控除の見直しに係る個人住民税の対応についてである。
住宅ローン控除は、
住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除し切れなかった額を、控除限度額の範囲内で個人住民税から控除する措置である。
このたびの改正は、
住宅ローン控除適用期限について、令和3年12月31日とされていたものを、令和7年12月31日まで4年延長し、その上で、控除率を住宅ローン年末残高の1%から0.7%に、適用対象者の所得要件を3000万円以下から2000万円以下に引き下げることとされたものである。また、控除期間について、原則10年から、新築住宅の場合は13年とする上乗せ措置が講じられたほか、
住民税控除限度額について、所得税課税総所得金額等の7%、最高13万6500円から、所得税課税総所得金額等の5%、最高9万7500円に引き下げられたものである。
なお、今回の措置による個人住民税の減収分については、
地方特例交付金により、全額国費で補填されることとなっている。
2点目は、
国民健康保険税の賦課限度額の見直しについてである。
国民健康保険税は、基礎課税額、
後期高齢者支援金等課税額及び
介護納付金課税額の合算額を賦課限度額の範囲内において課税することとされている。
このたびの改正は、
中間所得者層の負担に配慮する観点から、基礎課税額に係る賦課限度額を63万円から65万円に、
後期高齢者支援金等課税額に係る賦課限度額を19万円から20万円にそれぞれ引き上げ、
介護納付金課税額に係る賦課限度額17万円と合わせた賦課限度額の合計額を99万円から102万円にしようとするものである。
3点目は、上場株式等の配当所得等に係る課税方式の見直しについてである。
上場株式の配当等の金融所得は、これまで、所得税と市民税において、申告不要、総合課税または
申告分離課税の中から、それぞれ、異なる課税方式の選択が可能とされていたため、所得税では総合課税を、市民税では申告不要を選択することにより、所得税における所得と、市民税における所得が一致せず、
国民健康保険税や
後期高齢者医療保険料等の算定基礎となる所得に上場株式等の配当所得が反映されないといった不公平な事例が生ずるということがあった。
このたびの改正は、公平性の観点から、
金融所得課税について、所得税と市民税の課税方式を統一し、令和6年度以後の市民税に適用するとされたものである。
4点目は、
下水道除害施設に係る課税標準の特例措置の見直しについてである。
下水道除害施設とは、工場や
ガソリンスタンド等が、下水道施設に害を及ぼすレベルの有害物質を下水道に流す前に除去するため、
下水道管理者に届出をして設置するものである。当該施設に係る固定資産税については、各自治体の条例で課税標準の特例率が設定されており、本市においても特例率を規定しているところである。
このたびの改正は、特例率の対象の見直しとして、令和4年4月1日以後に供用された
公共下水道排水区域において、供用開始前から事業を行う方で、
下水道除害施設を設置する方とされたほか、課税標準の特例率の見直しとして、参酌基準が4分の3から5分の4に引上げとなったものである。この改正を受け、本市が条例で定める特例率を、国の参酌基準と同率の5分の4にしようとするものである。
なお、本市では特例率を規定しているが、これまで適用した実績はない。
5点目は、省エネ改修を行った既存住宅に係る
固定資産税額の減額措置の対象等の見直しについてである。
一定の
省エネ改修工事が行われた既存住宅については、1年度分に限り、
固定資産税額の3分の1を減額する措置を講じているところである。
このたびの改正は、減額措置の対象住宅について、平成20年1月1日以前から所在する住宅から、平成26年4月1日以前から所在する住宅に拡大されるとともに、より良質な省エネ改修を支援する観点から、対象となる工事内容に、
太陽光発電装置、高効率空調機、高効率給湯器及び
太陽熱利用システムの設置を追加しつつ、工事費用が60万円を超えるものに引き上げることとされ、これらの見直しを行った上で、減額措置の適用期限を令和6年3月31日まで2年延長することとされたものである。また、減額措置の対象となる工事内容の追加に伴う語句の改正があったことから、同様に語句の整理をしようとするものである。
6点目は、
固定資産課税台帳記載事項証明書等における
DV被害者等に対する措置についてである。
固定資産課税台帳は、固定資産の状況及び固定資産の価格を明らかにするためのものであり、所有者の氏名、住所等が登録されている。
このたびの改正は、
固定資産課税台帳に登録されている住所が明らかにされることにより、人の生命または身体に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合、いわゆるDV被害等に遭っている場合に、その人の住所を削除した
固定資産課税台帳記載事項証明書を交付することや当該台帳を閲覧させることができることとされたものである。また、DV被害等に遭っている人が登記所に申し出た場合には、登記所から市にその旨通知され、当該通知があったときは、市は、
固定資産課税台帳記載事項証明書に、登記所から通知される住所に代わる事項を記載しなければならないこととされたものである。この改正を受け、
固定資産課税台帳記載事項の証明に係る手数料等が規定されている青森市手数料条例について、所要の改正をしようとするものである。
このほか、引用する法律における規定の整備等に伴う改正や、条項ずれ等に伴う改正について所要の整理を行うものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「
下水道除外施設に係る課税標準の特例措置の見直しの対象となるのは固定資産税なのか」との質疑に対し、「固定資産税には、土地、家屋、償却資産の3つがあり、油などを除去する設備、機械等は、償却資産に含まれるものである」との答弁があり、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第93号「青森市
消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、年金給付を受ける権利を担保とする貸付け事業を廃止することなど、年金制度の機能強化のため、
国民年金法等の一部を改正する法律により
消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部が改正されたことに伴い、青森市
消防団員等公務災害補償条例の一部改正を行うものである。
改正の概要であるが、
傷病補償年金または年金である障害補償もしくは遺族補償を受ける権利を、
株式会社日本政策金融公庫または
沖縄振興開発金融公庫に担保できることを廃止するものである。
施行期日は、公布の日としている。
なお、現在、本市において、
遺族補償年金受給者2名、
障害補償年金受給者1名の計3名が受給しているが、
株式会社日本政策金融公庫または
沖縄振興開発金融公庫に担保に供している者はいない。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第94号「青森市財産区
管理会設置条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
令和4年9月24日に財産区議員の任期満了日を迎える浅虫財産区議会では、貸付け等の収入が少なく、予算規模が減少し、持続的な運営が難しくなっていることなどから、慎重に協議を重ねた結果、財産区議会を廃止し、財産区管理会へ移行すべきとの結論に達したところである。
このことから、令和4年第1回青森市浅虫財産区議会定例会において、青森市浅虫財産区
議会設置条例を廃止する条例を可決し、浅虫財産区議会は令和4年9月25日をもって廃止することとなったため、所要の改正を行うものである。
具体的な改正項目であるが、青森市財産区
管理会設置条例については、同条例第2条に「浅虫財産区 委員 7人」の1号を加えようとするものである。
青森市浅虫財産区
特別会計条例については、令和4年9月25日をもって青森市浅虫財産区議会が廃止となることに伴い、同条例を廃止するものである。
青森市財産区
特別会計条例については、同条例本則に「青森市浅虫財産区特別会計 青森市浅虫財産区」の1号を加えようとするものである。
施行期日は、令和4年9月25日としている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「廃止理由として、貸付け収入が少ないとのことだが、どのくらいの貸付け収入があり、予算規模はどのくらい減少したのか」との質疑に対し、「浅虫財産区の財政状況についてであるが、
財政規模は1220万円であり、貸付け収入として約46万6000円を計上している」との答弁があり、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第95号「契約の締結について(
青森市立西中学校屋内運動場改築工事)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
工事の名称及び場所については、
青森市立西中学校屋内運動場改築工事、青森市
大字浪館字志田36番地である。工事概要については、
鉄筋コンクリート造2階建、延床面積1592.35平方メートルの
建築一式工事であり、工期については、令和5年10月25日までとなっている。
入札結果については、令和4年4月21日に
総合評価落札方式による
一般競争入札を執行した結果、予定価格内で落札されたため、佐々木・
相互特定建設工事共同企業体と7億8100万円で契約を締結しようとするものである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、請願第2号「子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置のさらなる拡充を求める請願」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
請願第2号の請願事項は、
国民健康保険税の
均等割額軽減措置をさらに拡充することである。
子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置については、国において、令和2年5月29日、子育てに係る経済的負担の軽減を図るため、子どもの数に応じた
国民健康保険税の負担軽減を行う
地方公共団体への支援を着実に実施することが閣議決定されたことを受け、令和3年6月4日、全世代対応型の
社会保障制度を構築するための
健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されることとなったところである。
これを受け、本市においては、令和4年第1回
市議会定例会において、青森市市税条例の一部を改正する条例の制定について可決され、令和4年4月1日から施行しているものである。
その内容は、
国民健康保険加入全世帯における小学校入学前の子どもについて、
国民健康保険税の均等割額の5割を公費により軽減するものであり、
国民健康保険税の法定軽減の有無にかかわらず対象となる。具体的には、法定軽減なしの場合は5割軽減となり、法定軽減7割・5割・2割の対象者の場合は、残りの半分が軽減されることにより、それぞれ、7割軽減の場合は8.5割の軽減、5割軽減の場合は7.5割の軽減、2割軽減の場合は6割の軽減となる。
子どもに係る均等割額の軽減制度の導入による
国民健康保険税の減収分については、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1を負担することとされており、このうち
市町村負担分については、
地方交付税措置により全額補填されるものである。
国民健康保険税均等割額の軽減措置を、本市が独自に、一律に拡充した場合の保険税の減収分については、国等からの公費による補填を受けることができないため、本市の
国民健康保険事業の収支を大幅に悪化させることとなる。この
保険税減収分を青森市
国民健康保険事業財政調整基金の取崩しにより補うとすると、いずれは基金の減少により、突発的に発生する事態に対処できなくなるおそれがある。また、一般会計からの繰入金は、国からの通知に明示されている
決算補填目的のための
法定外一般会計繰入金に該当し、市町村において削減、解消すべき赤字とされ、国・県からの各種交付金の交付額が大幅に減額されることとなる。いずれにしても、本市が独自で一律に均等割額の軽減措置を行うことは、国保財政を逼迫させ、結果として、税率を引き上げざるを得ない状況となるものと考えている。
一方、国においては、令和2年5月29日に、新しい令和の時代にふさわしい少子化対策として、多様化する子育ての家庭の様々なニーズに応える支援などを柱とした
少子化社会対策大綱を策定しており、また、令和4年6月15日、子ども政策の司令塔となる
こども家庭庁の設置に係る法案が成立したところである。
こうした中、子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置のさらなる拡充について、令和3年度においては
中核市市長会、
全国市長会等において国に対して要望しており、令和4年度も既に
中核市市長会等において要望している。
本市としては、市独自に拡充を図ることは考えておらず、子育て世代の負担軽減を図るためには、国の責任において制度の拡充をすべきと考えており、引き続き、全国市長会、
中核市市長会等を通じて要望をしていくこととしている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「本市の減収分について、国から本来もらえる交付金を受けられない理由について分かりやすく示せ」との質疑に対し、「
国民健康保険事業は、国が策定する
国民健康保険運営方針策定要領に基づき、県が青森県
国民健康保険運営方針を策定し、全県統一的に運用しているものである。その中で、国の支援措置としては、国が政策として行っている軽減については市町村の責任とするものではなく、国が財源補填をするという制度設計がなされているが、本請願のように、本市が、その基準を超えてさらに独自に、一律に、軽減を拡充するということになると、本来、収入として入ってくる
国民健康保険税の減収分について、国保事業に影響を与える場合は、当面の間は積み立てた基金を取り崩して運用し、その基金がなくなれば、一般会計、すなわち
国民健康保険税を納めている人以外の税を
国民健康保険事業に入れなければならないという事態になるものと考える」との答弁があった。
1 「今年4月に施行された未就学児に係る5割軽減分は国から補填されるが、さらに市が独自で上乗せすると国からは補填されないため、国に対する要望をしているということだが、国への要望については賛同するということか」との質疑に対し、「全国の自治体で人口が減少し、その税収が先細っている中で、独自に税収を軽減するという措置を取り、それによって国からのペナルティーにより交付金や補填が得られなくなるのは、あまりにも自治体の負担が大きすぎることから、全国知事会、全国市長会、
中核市市長会等は一致団結し、歩調を合わせて、国に強力に要望しているという現状である」との答弁があった。
1 「今年4月に施行された未就学児に係る5割軽減は、
全国知事会等の要望との整合性は図られているのか」との質疑に対し、「全国の自治体においては、国の未就学児に係る5割軽減だけでは不十分という認識を示しており、例えば、小学生も含めて、子どもについては均等割をさらに軽減またはなしにする、また、これと併せて、子どもに対する医療費を国で無償とするといったことへの要望を強力に行っているところである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「未就学児の均等割額の軽減については今までより一歩前進と思うが、小学校入学のときに国保税が上がるのでは大変不十分と感じており、少子化対策、子育て支援を段階的に広げていくという意味では大事な請願だと考えるため、本請願の採択を主張する」との意見が出され、本請願については、起立採決の結果、賛成少数をもって不採択とすべきものと決したものである。
(以 上)
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文教経済常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第89号「公の施設に係る
利用料金制導入のための関係条例の整備に関する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和5年度以降の指定管理者を選定するに当たり、青森市
指定管理者選定評価委員会の意見等を踏まえ、利用料金制を導入することとし、関係条例を一括して所要の改正を行うものである。
次に、改正する条例及び対象施設であるが、青森市中世の館、青森市文化会館など、11条例、22施設が対象となっている。
次に、利用料金制を導入する理由であるが、利用料金制については、地方自治法第244条の2第8項において、
地方公共団体は適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設利用に係る料金を
当該指定管理者の収入として収受させることができると規定されており、その導入に当たっては、青森市
指定管理者制度導入基本方針において、施設の性格や利用実態等を考慮しながら制度導入について十分に検討した上で、積極的に活用を図るものとするとされているところである。
今回利用料金制を導入しようとする施設については、利用料金制を導入することにより、使用料納付や還付等に係る市と指定管理者間の事務処理手続の軽減が期待できること、また、様々なサービス内容の工夫や時間帯毎の施設稼働率に応じた料金設定による収入増及び利用の掘り起こし等が期待できることから、利用料金制を導入しようとするものである。
なお、当該施設は使用料収入で全ての経費を賄うことができない施設であることから、その差額を指定管理料で賄う一部利用料金制を導入することとし、指定管理者が社会経済情勢の変化や施設の利用状況等に応じて柔軟に金額の変更ができる環境を構築する必要があると考えることから、他の
利用料金制導入施設と同様に弾力条項を設けることとし、その幅については、利用料金制を導入している他の施設を参考に、乗率を0.7から1.3までの間としようとするものである。
次に、改正箇所であるが、利用料金制の導入に当たり、利用料金を指定管理者の収入として収受させることから、他の
利用料金制導入施設と同様に、各条例について、所要の改正を行うものである。
各施設で共通して定める主な項目としては、第1条の青森市中世の館条例を例に説明する。
1つに、利用料金の納入先を指定管理者とすること、2つに、利用料金を指定管理者の収入として収受させること、3つに、特別の理由がある場合を除き、指定管理者に収受させた利用料金は還付しないこと、4つに、利用料金の額について、条例の定める額の範囲内で、市長の承認を得て、指定管理者が設定すること、5つに、特別の理由がある場合は、指定管理者が利用料金を減免することができることを定めるものである。また、既に利用料金制を導入している類似施設との整合を図るため、施設の管理に係る規定や、原状回復に係る規定についても、所要の改正を行うものである。
施行期日については、令和5年4月1日としている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「
利用料金制導入について弾力条項を設けるとあるが、指定管理者の権限で料金を変更できるのか。また、この利用料金を上げるときとは、電気料金など光熱水費が上がったときか」との質疑に対し、「利用料金の額は、条例の定める額の範囲内で、市長の承認を得て指定管理者が設定するものであり指定管理者が単独で設定するものではない。また、利用料金を高く設定するときとは、例えば、施設の稼働率が高い時間帯について、利用料金を高く設定することが考えられるが、電気料金など光熱水費は市が負担することとしているため、電気料金など光熱水費が上がったことをもって利用料金が上がることはない」との答弁があった。
1 「指定管理者の収入が減収となった場合に市で補填しないとする利用料金制は、指定管理者にとって導入されないほうがいいのではないか」との質疑に対し、「地方自治法の改正の経緯や平成29年度の包括外部監査結果の御意見を踏まえ、指定管理者の創意工夫を発揮させるインセンティブを目的に、利用料金制または一部利用料金制を導入するものであり、指定管理者の努力による収入増分は指定管理者の収入となることなど、決してマイナスな部分だけではない」との答弁があった。
1 「特別の理由がある場合を除き、指定管理者に収受させた利用料金は還付しないとあるが、特別の事情というのは、指定管理者が判断することになるのか」との質疑に対し、「特別の理由があると認めるのは市長となる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 使用料収入で全ての経費を賄うことができないという性格を持ったこれらの施設は、指定管理料が少なく労働環境が良くないと聞いている。指定管理料を上げて労働者を守るということが必要ではないかと考えており、本案については賛成できない