加齢性難聴者の
補聴器購入に対する
公的補助制度を求める請願(不採択)
(請願の趣旨)
加齢性難聴は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな原因となる。最近では鬱や認知症の危険因子になることも指摘されている。日本の難聴率は、
欧米諸国と大差はないが、
補聴器使用率は、
欧米諸国では40%台なのに対し、日本では10%台と低く、日本での補聴器の普及が求められている。
しかし、日本において補聴器の価格は、
片耳あたり平均15万円であり、
保険適用者である高度・
重度難聴者の場合は、
補装具費支給制度による1割負担であり、
中等度難聴以下の場合は、購入後に
医療費控除を受けられるが、約9割は自費で購入していることから、特に低所得者の高齢者に対する配慮が求められている。欧米では、
補聴器購入に対し
公的補助制度があり、日本でも、6県180市町村で高齢者の
補聴器購入に対し補助を行っており、補助を行う自治体は年々拡大している。
補聴器のさらなる普及で高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、鬱や認知症の予防、ひいては
健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えられていることから、以下のとおり請願する。
(
請願事項)
加齢性難聴者の
補聴器購入に対する
公的補助制度を創設すること。
令和4年6月6日
請願者 青森市中央二丁目6番6号
全日本年金者組合青森県
本部東青支部
執行委員長 柳 谷 政 志
紹介議員 万 徳 なお子
────────────────────────────────────────
2
総務企画常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第88号「専決処分の承認について(青森市
市税条例の一部を改正する条例の制定について)」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和4年度
税制改正大綱を踏まえた
地方税法等の一部を改正する法律案が令和4年3月22日に成立し、同月31日に公布されたことから、同年4月1日から施行される部分のうち、緊急を要するものについて、
地方自治法第179条第1項の規定に基づき、同年3月31日に専決処分により青森市
市税条例の一部を改正する条例を制定したものである。
本案による
改正項目は、土地に係る
固定資産税の
負担調整措置に係るものである。
当該措置は、市町村間・土地間の評価額のばらつきを均衡化するため、
地価公示価格の7割(
商業地等は6割)を評価額の目途とし、なだらかに
課税標準額を上昇させ、税負担の不均衡を是正していく措置である。
令和3年度の
条例改正においては、納税者の負担感に配慮する観点から、
当該年度に限り、地価上昇により税額が増加する土地について、令和2年度の税額に据え置く特別な措置を講じたところであるが、令和4年度の
条例改正においては、景気改善に万全を期すため、激変緩和の観点から、
当該年度に限り、
負担調整措置について、
商業地等に係る
課税標準額の上昇幅を
現行評価額の5%としているものを2.5%とする特別な措置を講ずるものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「本市の商業地において、最近、評価額が上昇した例はあるか」との質疑に対し、「浜田地区の商業区域で3筆が該当しており、その影響額は117万円ほどである」との答弁があり、本案については、
全員異議なく、承認すべきものと決したものである。
次に議案第90号「青森市
市税条例等の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和4年3月31日に
地方税法等の一部を改正する法律等が公布されたことに伴い、青森市
市税条例等において改正が必要な項目について改正しようとするものである。
主な
改正項目であるが、1点目は、
住宅ローン控除の見直しに係る
個人住民税の対応についてである。
住宅ローン控除は、
住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除し切れなかった額を、
控除限度額の範囲内で
個人住民税から控除する措置である。
このたびの改正は、
住宅ローン控除適用期限について、令和3年12月31日とされていたものを、令和7年12月31日まで4年延長し、その上で、控除率を
住宅ローン年末残高の1%から0.7%に、
適用対象者の
所得要件を3000万円以下から2000万円以下に引き下げることとされたものである。また、控除期間について、原則10年から、新築住宅の場合は13年とする
上乗せ措置が講じられたほか、
住民税控除限度額について、
所得税課税総
所得金額等の7%、最高13万6500円から、
所得税課税総
所得金額等の5%、最高9万7500円に引き下げられたものである。
なお、今回の措置による
個人住民税の減収分については、
地方特例交付金により、全額国費で補填されることとなっている。
2点目は、
国民健康保険税の
賦課限度額の見直しについてである。
国民健康保険税は、
基礎課税額、
後期高齢者支援金等課税額及び
介護納付金課税額の合算額を
賦課限度額の範囲内において課税することとされている。
このたびの改正は、
中間所得者層の負担に配慮する観点から、
基礎課税額に係る
賦課限度額を63万円から65万円に、
後期高齢者支援金等課税額に係る
賦課限度額を19万円から20万円にそれぞれ引き上げ、
介護納付金課税額に係る
賦課限度額17万円と合わせた
賦課限度額の合計額を99万円から102万円にしようとするものである。
3点目は、
上場株式等の
配当所得等に係る
課税方式の見直しについてである。
上場株式の配当等の
金融所得は、これまで、所得税と市民税において、申告不要、
総合課税または
申告分離課税の中から、それぞれ、異なる
課税方式の選択が可能とされていたため、所得税では
総合課税を、市民税では申告不要を選択することにより、所得税における所得と、市民税における所得が一致せず、
国民健康保険税や
後期高齢者医療保険料等の算定基礎となる所得に
上場株式等の
配当所得が反映されないといった不公平な事例が生ずるということがあった。
このたびの改正は、公平性の観点から、
金融所得課税について、所得税と市民税の
課税方式を統一し、令和6年度以後の市民税に適用するとされたものである。
4点目は、
下水道除害施設に係る
課税標準の
特例措置の見直しについてである。
下水道除害施設とは、工場や
ガソリンスタンド等が、
下水道施設に害を及ぼすレベルの有害物質を下水道に流す前に除去するため、
下水道管理者に届出をして設置するものである。当該施設に係る
固定資産税については、各自治体の条例で
課税標準の特例率が設定されており、本市においても特例率を規定しているところである。
このたびの改正は、特例率の対象の見直しとして、令和4年4月1日以後に供用された
公共下水道排水区域において、供用開始前から事業を行う方で、
下水道除害施設を設置する方とされたほか、
課税標準の特例率の見直しとして、参酌基準が4分の3から5分の4に引上げとなったものである。この改正を受け、本市が条例で定める特例率を、国の参酌基準と同率の5分の4にしようとするものである。
なお、本市では特例率を規定しているが、これまで適用した実績はない。
5点目は、
省エネ改修を行った
既存住宅に係る
固定資産税額の
減額措置の対象等の見直しについてである。
一定の
省エネ改修工事が行われた
既存住宅については、1年度分に限り、
固定資産税額の3分の1を減額する措置を講じているところである。
このたびの改正は、
減額措置の
対象住宅について、平成20年1月1日以前から所在する住宅から、平成26年4月1日以前から所在する住宅に拡大されるとともに、より良質な
省エネ改修を支援する観点から、対象となる
工事内容に、
太陽光発電装置、高
効率空調機、高
効率給湯器及び
太陽熱利用システムの設置を追加しつつ、工事費用が60万円を超えるものに引き上げることとされ、これらの見直しを行った上で、
減額措置の適用期限を令和6年3月31日まで2年延長することとされたものである。また、
減額措置の対象となる
工事内容の追加に伴う語句の改正があったことから、同様に語句の整理をしようとするものである。
6点目は、
固定資産課税台帳記載事項証明書等における
DV被害者等に対する措置についてである。
固定資産課税台帳は、
固定資産の状況及び
固定資産の価格を明らかにするためのものであり、所有者の氏名、住所等が登録されている。
このたびの改正は、
固定資産課税台帳に登録されている住所が明らかにされることにより、人の生命または身体に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合、いわゆる
DV被害等に遭っている場合に、その人の住所を削除した
固定資産課税台帳記載事項証明書を交付することや
当該台帳を閲覧させることができることとされたものである。また、
DV被害等に遭っている人が登記所に申し出た場合には、登記所から市にその旨通知され、当該通知があったときは、市は、
固定資産課税台帳記載事項証明書に、登記所から通知される住所に代わる事項を記載しなければならないこととされたものである。この改正を受け、
固定資産課税台帳記載事項の証明に係る
手数料等が規定されている青森市
手数料条例について、所要の改正をしようとするものである。
このほか、引用する法律における規定の整備等に伴う改正や、
条項ずれ等に伴う改正について所要の整理を行うものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「
下水道除外施設に係る
課税標準の
特例措置の見直しの対象となるのは
固定資産税なのか」との質疑に対し、「
固定資産税には、土地、家屋、
償却資産の3つがあり、油などを除去する設備、機械等は、
償却資産に含まれるものである」との答弁があり、本案については、
全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第93号「青森市
消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、
年金給付を受ける権利を担保とする貸付け事業を廃止することなど、
年金制度の機能強化のため、
国民年金法等の一部を改正する法律により
消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部が改正されたことに伴い、青森市
消防団員等公務災害補償条例の一部改正を行うものである。
改正の概要であるが、
傷病補償年金または年金である
障害補償もしくは
遺族補償を受ける権利を、
株式会社日本政策金融公庫または
沖縄振興開発金融公庫に担保できることを廃止するものである。
施行期日は、公布の日としている。
なお、現在、本市において、
遺族補償年金受給者2名、
障害補償年金受給者1名の計3名が受給しているが、
株式会社日本政策金融公庫または
沖縄振興開発金融公庫に担保に供している者はいない。
以上が説明の概要であるが、本案については、
全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第94号「青森市財産区
管理会設置条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
令和4年9月24日に財産区議員の
任期満了日を迎える
浅虫財産区議会では、貸付け等の収入が少なく、
予算規模が減少し、持続的な運営が難しくなっていることなどから、慎重に協議を重ねた結果、財産区議会を廃止し、財産区管理会へ移行すべきとの結論に達したところである。
このことから、令和4年第1回青森市
浅虫財産区
議会定例会において、青森市
浅虫財産区
議会設置条例を廃止する条例を可決し、
浅虫財産区議会は令和4年9月25日をもって廃止することとなったため、所要の改正を行うものである。
具体的な
改正項目であるが、青森市財産区
管理会設置条例については、同条例第2条に「
浅虫財産区 委員 7人」の1号を加えようとするものである。
青森市
浅虫財産区
特別会計条例については、令和4年9月25日をもって青森市
浅虫財産区議会が廃止となることに伴い、同条例を廃止するものである。
青森市財産区
特別会計条例については、同
条例本則に「青森市
浅虫財産区特別会計 青森市
浅虫財産区」の1号を加えようとするものである。
施行期日は、令和4年9月25日としている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「廃止理由として、貸
付け収入が少ないとのことだが、どのくらいの貸
付け収入があり、
予算規模はどのくらい減少したのか」との質疑に対し、「
浅虫財産区の財政状況についてであるが、財政規模は1220万円であり、貸
付け収入として約46万6000円を計上している」との答弁があり、本案については、
全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第95号「契約の締結について(
青森市立西中学校屋内運動場改築工事)」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
工事の名称及び場所については、
青森市立西中学校屋内運動場改築工事、青森市
大字浪館字志田36番地である。工事概要については、
鉄筋コンクリート造2階建、延床面積1592.35平方メートルの
建築一式工事であり、工期については、令和5年10月25日までとなっている。
入札結果については、令和4年4月21日に
総合評価落札方式による
一般競争入札を執行した結果、予定価格内で落札されたため、佐々木・
相互特定建設工事共同企業体と7億8100万円で契約を締結しようとするものである。
以上が説明の概要であるが、本案については、
全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、請願第2号「子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置のさらなる拡充を求める請願」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
請願第2号の
請願事項は、
国民健康保険税の
均等割額軽減措置をさらに拡充することである。
子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置については、国において、令和2年5月29日、子育てに係る
経済的負担の軽減を図るため、子どもの数に応じた
国民健康保険税の
負担軽減を行う
地方公共団体への支援を着実に実施することが閣議決定されたことを受け、令和3年6月4日、全世代対応型の
社会保障制度を構築するための
健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されることとなったところである。
これを受け、本市においては、令和4年第1回
市議会定例会において、青森市
市税条例の一部を改正する条例の制定について可決され、令和4年4月1日から施行しているものである。
その内容は、
国民健康保険加入全世帯における
小学校入学前の子どもについて、
国民健康保険税の
均等割額の5割を公費により軽減するものであり、
国民健康保険税の
法定軽減の有無にかかわらず対象となる。具体的には、
法定軽減なしの場合は5割軽減となり、
法定軽減7割・5割・2割の対象者の場合は、残りの半分が軽減されることにより、それぞれ、7割軽減の場合は8.5割の軽減、5割軽減の場合は7.5割の軽減、2割軽減の場合は6割の軽減となる。
子どもに係る
均等割額の
軽減制度の導入による
国民健康保険税の減収分については、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1を負担することとされており、このうち
市町村負担分については、
地方交付税措置により全額補填されるものである。
国民健康保険税均等割額の
軽減措置を、本市が独自に、一律に拡充した場合の保険税の減収分については、国等からの公費による補填を受けることができないため、本市の
国民健康保険事業の収支を大幅に悪化させることとなる。この
保険税減収分を青森市
国民健康保険事業財政調整基金の取崩しにより補うとすると、いずれは基金の減少により、突発的に発生する事態に対処できなくなるおそれがある。また、
一般会計からの繰入金は、国からの通知に明示されている
決算補填目的のための
法定外一般会計繰入金に該当し、市町村において削減、解消すべき赤字とされ、国・県からの
各種交付金の交付額が大幅に減額されることとなる。いずれにしても、本市が独自で一律に
均等割額の
軽減措置を行うことは、国保財政を逼迫させ、結果として、税率を引き上げざるを得ない状況となるものと考えている。
一方、国においては、令和2年5月29日に、新しい令和の時代にふさわしい
少子化対策として、多様化する子育ての家庭の様々なニーズに応える支援などを柱とした
少子化社会対策大綱を策定しており、また、令和4年6月15日、
子ども政策の司令塔となる
こども家庭庁の設置に係る法案が成立したところである。
こうした中、子どもに係る
国民健康保険税の
均等割額軽減措置のさらなる拡充について、令和3年度においては
中核市市長会、
全国市長会等において国に対して要望しており、令和4年度も既に
中核市市長会等において要望している。
本市としては、市独自に拡充を図ることは考えておらず、
子育て世代の
負担軽減を図るためには、国の責任において制度の拡充をすべきと考えており、引き続き、
全国市長会、
中核市市長会等を通じて要望をしていくこととしている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「本市の減収分について、国から本来もらえる交付金を受けられない理由について分かりやすく示せ」との質疑に対し、「
国民健康保険事業は、国が策定する
国民健康保険運営方針策定要領に基づき、県が青森県
国民健康保険運営方針を策定し、全県統一的に運用しているものである。その中で、国の
支援措置としては、国が政策として行っている軽減については市町村の責任とするものではなく、国が財源補填をするという制度設計がなされているが、本請願のように、本市が、その基準を超えてさらに独自に、一律に、軽減を拡充するということになると、本来、収入として入ってくる
国民健康保険税の減収分について、国保事業に影響を与える場合は、当面の間は積み立てた基金を取り崩して運用し、その基金がなくなれば、
一般会計、すなわち
国民健康保険税を納めている人以外の税を
国民健康保険事業に入れなければならないという事態になるものと考える」との答弁があった。
1 「今年4月に施行された未就学児に係る5割軽減分は国から補填されるが、さらに市が独自で上乗せすると国からは補填されないため、国に対する要望をしているということだが、国への要望については賛同するということか」との質疑に対し、「全国の自治体で人口が減少し、その税収が先細っている中で、独自に税収を軽減するという措置を取り、それによって国からのペナルティーにより交付金や補填が得られなくなるのは、あまりにも自治体の負担が大きすぎることから、
全国知事会、
全国市長会、
中核市市長会等は一致団結し、歩調を合わせて、国に強力に要望しているという現状である」との答弁があった。
1 「今年4月に施行された未就学児に係る5割軽減は、
全国知事会等の要望との整合性は図られているのか」との質疑に対し、「全国の自治体においては、国の未就学児に係る5割軽減だけでは不十分という認識を示しており、例えば、小学生も含めて、子どもについては均等割をさらに軽減またはなしにする、また、これと併せて、子どもに対する医療費を国で無償とするといったことへの要望を強力に行っているところである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「未就学児の
均等割額の軽減については今までより一歩前進と思うが、
小学校入学のときに国保税が上がるのでは大変不十分と感じており、
少子化対策、
子育て支援を段階的に広げていくという意味では大事な請願だと考えるため、本請願の採択を主張する」との意見が出され、本請願については、起立採決の結果、賛成少数をもって不採択とすべきものと決したものである。
(以 上)
────────────────────────────────────────
文教経済常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第89号「公の施設に係る
利用料金制導入のための
関係条例の整備に関する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、令和5年度以降の
指定管理者を選定するに当たり、青森市
指定管理者選定評価委員会の意見等を踏まえ、
利用料金制を導入することとし、
関係条例を一括して所要の改正を行うものである。
次に、改正する条例及び
対象施設であるが、青森市中世の館、青森市文化会館など、11条例、22施設が対象となっている。
次に、
利用料金制を導入する理由であるが、
利用料金制については、
地方自治法第244条の2第8項において、
地方公共団体は適当と認めるときは、
指定管理者にその管理する公の
施設利用に係る料金を
当該指定管理者の収入として収受させることができると規定されており、その導入に当たっては、青森市
指定管理者制度導入基本方針において、施設の性格や
利用実態等を考慮しながら
制度導入について十分に検討した上で、積極的に活用を図るものとするとされているところである。
今回
利用料金制を導入しようとする施設については、
利用料金制を導入することにより、
使用料納付や還付等に係る市と
指定管理者間の事務処理手続の軽減が期待できること、また、様々なサービス内容の工夫や時間帯毎の施設稼働率に応じた料金設定による収入増及び利用の掘り起こし等が期待できることから、
利用料金制を導入しようとするものである。
なお、当該施設は使用料収入で全ての経費を賄うことができない施設であることから、その差額を指定管理料で賄う一部
利用料金制を導入することとし、
指定管理者が社会経済情勢の変化や施設の利用状況等に応じて柔軟に金額の変更ができる環境を構築する必要があると考えることから、他の
利用料金制導入施設と同様に弾力条項を設けることとし、その幅については、
利用料金制を導入している他の施設を参考に、乗率を0.7から1.3までの間としようとするものである。
次に、改正箇所であるが、
利用料金制の導入に当たり、利用料金を
指定管理者の収入として収受させることから、他の
利用料金制導入施設と同様に、各条例について、所要の改正を行うものである。
各施設で共通して定める主な項目としては、第1条の青森市中世の館条例を例に説明する。
1つに、利用料金の納入先を
指定管理者とすること、2つに、利用料金を
指定管理者の収入として収受させること、3つに、特別の理由がある場合を除き、
指定管理者に収受させた利用料金は還付しないこと、4つに、利用料金の額について、条例の定める額の範囲内で、市長の承認を得て、
指定管理者が設定すること、5つに、特別の理由がある場合は、
指定管理者が利用料金を減免することができることを定めるものである。また、既に
利用料金制を導入している類似施設との整合を図るため、施設の管理に係る規定や、原状回復に係る規定についても、所要の改正を行うものである。
施行期日については、令和5年4月1日としている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「
利用料金制導入について弾力条項を設けるとあるが、
指定管理者の権限で料金を変更できるのか。また、この利用料金を上げるときとは、電気料金など光熱水費が上がったときか」との質疑に対し、「利用料金の額は、条例の定める額の範囲内で、市長の承認を得て
指定管理者が設定するものであり
指定管理者が単独で設定するものではない。また、利用料金を高く設定するときとは、例えば、施設の稼働率が高い時間帯について、利用料金を高く設定することが考えられるが、電気料金など光熱水費は市が負担することとしているため、電気料金など光熱水費が上がったことをもって利用料金が上がることはない」との答弁があった。
1 「
指定管理者の収入が減収となった場合に市で補填しないとする
利用料金制は、
指定管理者にとって導入されないほうがいいのではないか」との質疑に対し、「
地方自治法の改正の経緯や平成29年度の包括外部監査結果の御意見を踏まえ、
指定管理者の創意工夫を発揮させるインセンティブを目的に、
利用料金制または一部
利用料金制を導入するものであり、
指定管理者の努力による収入増分は
指定管理者の収入となることなど、決してマイナスな部分だけではない」との答弁があった。
1 「特別の理由がある場合を除き、
指定管理者に収受させた利用料金は還付しないとあるが、特別の事情というのは、
指定管理者が判断することになるのか」との質疑に対し、「特別の理由があると認めるのは市長となる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 使用料収入で全ての経費を賄うことができないという性格を持ったこれらの施設は、指定管理料が少なく労働環境が良くないと聞いている。指定管理料を上げて労働者を守るということが必要ではないかと考えており、本案については賛成できない
1
利用料金制を導入してもいい施設もあるだろうが、導入しても駄目な施設もあるため、その施設の事情を把握しながら指定管理をやっている人たちの話をもっと聞いて、それらを反映させていったほうがいいのかなと考える
以上が主なる意見・要望であるが、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第91号「青森市地方活力向上地域における
固定資産税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
まず、改正の経緯についてであるが、国においては、地域再生法に基づき、首都圏への一極集中を是正するため、地方への本社機能の移転・拡充など、企業の地方拠点化を促進している。本市では、平成28年に、青森市地方活力向上地域における
固定資産税の不均一課税に関する条例を定め、青森県知事の認定を受けて本社機能を有する施設の新設等を行う事業者について、3か年度、
固定資産税を不均一課税とする優遇措置を講じているところである。
次に、改正概要についてであるが、今般、令和4年3月31日付で国において地域再生法第17条の6の
地方公共団体等を定める省令が改正され、本社機能の新設等に伴う
地方公共団体の不均一課税に対して、国が行う地方交付税による減収補填措置が2年間延長されたため、本市の
固定資産税の不均一課税の措置についても、令和6年3月31日まで2年間延長しようとするものである。また、同省令の改正に伴い、不均一課税適用の申請期限を2年間から3年間に変更するものである。このほか、同省令の改正に伴う条項ズレに対応する所要の改正及び関係法令の改正に伴う変更を行おうとするものである。
施行期日は、公布の日から施行し、令和4年4月1日から適用となる。
以上が説明の概要であるが、本案については、
全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
(以 上)
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民生環境常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第92号「青森市病院料金及び
手数料条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案については、令和4年度の診療報酬改定に伴う改正であり、令和4年3月4日に告示された「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準等の一部を改正する告示」による療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部改正に伴い、選定療養費に係る非紹介患者初診料及び再診加算料の額を改定するものである。
次に、告示の内容であるが、外来機能の明確化及び医療機関間の連携を推進する観点から、紹介状なしで受診した患者等について、その診療に係る定額負担の最低金額及び保険給付範囲を見直すものである。その対象は一般病床200床以上の地域医療支援病院や特定機能病院等であり、市民病院は地域医療支援病院となっているところである。
定額負担の最低金額については、初診の場合は、医科で5000円から7000円に、歯科で3000円から5000円にそれぞれ2000円引き上げられ、再診の場合は、医科で2500円から3000円に、歯科で1500円から1900円に引き上げられたものである。
保険給付範囲の見直しについては、初診の場合は、医科・歯科ともに200点、いわゆる2000円、再診の場合は、医科で50点、歯科で40点が定額負担を支払った患者の保険給付範囲から控除されることとなる。
定額負担の額を7000円に設定した場合、定額負担の増額分2000円については、医療費から差し引かれることとなるため、病院の収入は変わらない。
次に、
条例改正の内容については、国が定めた最低金額に消費税を加えた額とし、非紹介患者初診料については、医科で7700円、歯科で5500円、再診加算料については、医科で3300円、歯科で2090円とするものである。
なお、助産に係るものについては消費税非課税となっているので、国が定めた最低金額と同額となる。
次に、施行期日については、療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部改正の施行日である令和4年10月1日としている。
なお、改正の周知については、院内掲示やホームページ等で行っていきたいと考えている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「告示の内容として、外来機能の明確化及び医療機関間の連携を推進するという観点からということであり、いわゆるかかりつけ医の推進が目的として挙げられていると解釈しているが、市はどのように受け止めているか」との質疑に対し、「国では、今回の改正で、外来についても、地域のかかりつけ医とそれ以外の大きな病院とで役割分担し、それを一層推進させていくことが、医療全体の適切な役割分担につながるといった観点で拡大されたものと認識している」との答弁があった。
1 「周知について、ホームページと院内掲示ということだが、そのほかに、『広報あおもり』などに載せることは考えていないのか」との質疑に対し、「現時点では、『広報あおもり』には載せていないが、今後、検討していきたいと考えている」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から「市民病院など、自治体病院にしか果たせない役割があると思う。ただでさえ、同じ時期の10月1日から、医療費の窓口負担を75歳以上で2割化することや、物価の高騰もある中で、さらなる市民の負担増につながることはやるべきではないということで反対する」との意見が出され、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、請願第3号「
加齢性難聴者の
補聴器購入に対する
公的補助制度を求める請願」ついてであるが、審査に当たって
理事者側から次のとおり説明を受けた。
請願の内容であるが、請願書によると、
加齢性難聴は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな原因となり、最近では鬱や認知症の危険因子になることが指摘されている。補聴器のさらなる普及で高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、鬱や認知症の予防、
健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えられていることから、
加齢性難聴者の
補聴器購入に対する
公的補助制度を創設することを求めるものである。
高齢者の
補聴器購入助成については、身体障害者福祉法施行規則に定められている聴力レベル以上であれば、申請により身体障害者手帳の交付を受けることが可能であり、この場合においては、国の
補装具費支給制度により、
補聴器購入費用の一部を支給しているが、身体障害者手帳の交付を受けていない場合は支給の対象としておらず、市も独自の助成制度は設けていない。
高齢者の難聴は、認知症や鬱病の要因の一つとされる研究結果もあり、特に難聴と認知症の関係については、平成30年度から、国において、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能の低下予防の効果を検証するための研究が行われており、難聴があると認知機能の低下の割合が高いことが示されているが、補聴器を用いた認知症の予防については、研究段階と聞いており、市としては、これまで、研究結果を注視してきたところである。
難聴を含めた老化に伴う身体機能の低下に対応した社会生活上の支援を行うことは、実施による効果を見極める必要があるため、引き続き、研究結果を注視し、その結果を踏まえて検討していくべきものと考えていることから、
請願事項である「
加齢性難聴者の
補聴器購入に対する
公的補助制度を創設すること」については、考えていない。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「補聴器については、市の答弁など、これまでのやり取りを聞いていると、認知機能が注目されていると思う。確かに認知機能も重大な要素の一つだとは考えるが、この請願にもあるとおり、生活の質を落とさずという意味でもやってほしいが、中軽度の難聴の状態をそのままにしておくと、生活の質が落ちることについて、市はどのような見解を持っているのか」との質疑に対し、「補聴器を装着することにより、人とのコミュニケーションが可能となる方がいるなど、生活の質の向上につながることは承知しているが、加齢に伴う身体機能低下については、難聴に限らず、誰にでも起こりうる変化であることから、社会生活の支援を行うことについては、実施による効果を見極める必要があると考えている」との答弁があった。
1 「中軽度の難聴の状態をそのままにしておくと重度化するということも言われているが、このことについて、市はどのような見解を持っているか」との質疑に対し、「老化に伴う身体機能の低下については、実施による効果を見極めながら、補助制度というのは確立していくべきと承知している」との答弁があった。
1 「研究結果を注視するということであるが、この研究というのは、日本医療研究開発機構で平成30年度から行っていると国会の参議院の中で平成31年3月20日に答弁がされている。市も日本医療研究開発機構での研究を注視しているということでよろしいか」との質疑に対し、「平成30年度以降の研究については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が行っている研究の結果を注視したいと考えている」との答弁があった。
1 「研究結果がいつ出るのかを市としては調べているのか」との質疑に対し、「先般、国に問合せをしたが、令和4年度中を目途に研究結果を取りまとめていきたいという回答であった」との答弁があった。
1 「仮に研究結果が令和4年度中に出れば、そこから、市としては、その先のことを検討するということでよろしいか」との質疑に対し、「研究結果が出た場合であるが、高齢者の難聴については、国においても、認知機能の低下の危険因子としており、難聴への支援については、介護予防や認知症予防の観点からも重要なものと考えている。よって、まずは、国において、標準的な指針や基準を示すべきものだと考えている」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見が出された。
1 耳鼻科の医者によると、補聴器を早く使い始めなければならない理由で最も大切なのは、言葉の聞き取り能力の低下を防ぐためであり、耳の聞こえが悪くなってくると、脳がその状態に慣れてしまい、脳が音の反応に鈍感になってくることで、人やテレビの話し声が、声としては聞こえているのに、「さしすせそ」と言っているのか、「たちつてと」と言っているのかが聞き分けにくくなっていくとのことである。それで、重度化していくと、より一層大変になってしまう。この重度化の基準は、40センチメートル以上離れると、会話が理解できないということで、そうなると支障がますます出てくると考える。やはり、そういった観点も市は考えていく必要があると思う
1 研究結果がいつ出るか分からない、あるいは、いつまでも待つということではなくて、やはり決断が必要だと考える
1 補聴器は本当に高いという声を高齢者から聞いている。しかも、補助を行っている自治体は6県180市町村にまで広がっている。国に実施を迫る上でも、やはり、一つ一つの自治体から実施していって、国にも実施を迫っていくことも必要だと思う。そういった意味でも、議会でしっかりと決断をする必要があるという思いで、これは採択するべきだと考える
1 実際に他都市でもやっているが、やっているところとやっていないところがあるのであれば、こういう最低限度の生活の保障は、憲法にもあるように、国がやるべきだという考えに達したので、不採択である
1 一般質問でも申し上げたが、まず、国で指針を示すべきという思いであるので、今回の請願については不採択である
以上が主なる意見であるが、本請願については、起立採決の結果、賛成少数をもって、不採択とすべきものと決したものである。
(以 上)
3 継 続 審 査 申 出 に つ い て
本委員会は、審査中の事件について次により閉会中もなお継続審査を要するものと決定したから、会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
委員会名 雪対策特別委員会
事 件 雪対策について
理 由
閉会中の5月23日に開催した本委員会において、その後の経過と今後の対策について、
理事者側から次のような説明を受け、審査した。
初めに、令和3年度における除排雪等の状況について説明する。
まず、積雪深及び累計降雪量についてであるが、青森地区では、最大積雪深は149センチメートル、累計降雪量は600センチメートルを記録した。また、浪岡地区では、最大積雪深は122センチメートル、累計降雪量は529センチメートルを記録した。
次に、除排雪事業の概要についてであるが、令和3年度の除排雪対策事業費は、令和3年度3月補正後の予算額として59億1639万6000円となっている。
次に、雪に関する要望・相談受付件数であるが、青森・浪岡地区の合計で1万4634件となっている。うち、「まちレポあおもり」を通じた報告は1544件で、全体の10.6%となっている。
次に、市民雪寄せ場についてであるが、令和3年度における設置件数は350件となっている。
次に、令和3年度の雪害状況及び青森市スノーレスキュー隊の実施結果について説明する。
まず、昨冬の雪害状況は、人的被害及び建物被害等の合計で251件となっている。被害種別ごとでは、人的被害は65名発生しており、その内訳は、亡くなられた方が2名、重軽傷者が63名となっている。死亡事案については、屋根雪等の落下によるものが1名、除雪作業中の川への転落によるものが1名となっており、重軽傷者の多くは、屋根・はしご等からの転落、屋根雪等の落下による被害となっている。また、建物被害は122件発生しており、その内訳は、住家は一部損壊が5件、床上・床下浸水が4件、非住家は全壊が11件、半壊が7件、一部損壊が7件、床上・床下浸水が2件、公共施設は一部損壊が69件、その他被害が17件となっている。
そのほか、その他被害として、流雪溝や側溝等の雪詰まりによる道路冠水が33件、積雪等による倒木・枝折れが1件、パイプハウス等の損壊等が20件、落雪・積雪等によるホームタンクの破損等が10件発生している。
次に、令和3年12月28日の豪雪災害対策本部設置に伴い、市職員で編成した青森市スノーレスキュー隊については、高齢者世帯等を対象とした屋根の雪下ろしに加え、通学路歩道の除雪作業を行ったところである。屋根の雪下ろしについては、令和4年1月5日から同年2月22日までの間で計21日間、延べ255名の職員が市内52か所の屋根の雪下ろしを実施したところである。また、通学路歩道の除雪については、令和3年12月29日から令和4年1月14日までの間で計5日間、延べ159名の職員が13小学校区、計15か所の除雪を実施したところである。
次に、令和3年度の福祉の雪対策の実施結果について説明する。
まず、屋根の雪下ろし支援についてであるが、65歳以上の高齢者のみの世帯などに対する屋根の雪下ろし費用助成については、847世帯の登録申請があり、そのうち、制度の対象として、非課税世帯652世帯、課税世帯195世帯が登録され、費用助成した件数が延べ627件、助成金額は1557万6769円となっている。また、令和3年12月27日の豪雪対策本部設置後は、制度の拡充を行い、非課税世帯の助成上限額を1シーズン2万5000円から5万円に引き上げるとともに、課税世帯も対象とした。拡充に係る実績は、非課税世帯と課税世帯の合計で、助成対象世帯が444世帯、助成件数が延べ435件、助成金額は1220万926円となっている。
次に、青森市社会福祉協議会が実施主体となり、企業等のボランティアの協力を得て実施する屋根の雪下ろし奉仕活動については、実施件数が4件となっている。
次に、間口除雪支援についてであるが、青森地区においては、青森市社会福祉協議会が実施主体となり、各地区社会福祉協議会が地域住民からボランティアによる除雪協力者を募って除雪を行う福祉の雪対策事業については、実施地区が33地区、登録世帯数が336世帯、除雪協力者数が331名、実施回数は1万2814回となっている。また、浪岡地区においては、市が青森市社会福祉協議会に委託し、申請世帯の近隣から募った除雪作業員が玄関から公道までの除雪を行う高齢者世帯等冬期除雪サービス事業については、登録世帯数が41世帯、実施回数は1119回となっている。
最後に、青森市ボランティアポイント制度における雪対策支援の活動状況は、活動者数が426名、活動ポイント合計数が1万1701ポイントとなっている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「市民雪寄せ場の令和3年度の件数は350件となっており、平成29年度に比べると約140件も下回っているが、どういう理由があるのか」との質疑に対し、「市民雪寄せ場の減少の主な理由については、直接、確認をしているわけではないが、おおむね、宅地に新しく住宅が建てられたことによって、その場が雪捨場として使えなくなったり、あるいは相続等で、なかなか契約とならなかったことから、現状、減少傾向になっている」との答弁があった。
1 「昨年度、除排雪の契約を解除したのが令和4年3月11日だと思うが、月の途中で契約を解除するのはどういう意味か」との質疑に対し、「昨年度は、3月11日に累計降雪量が592センチメートルということで、契約の基準として、約18.4%の増額変更をしている。契約の解除については、最後に除雪をした後に、当面、除雪を行う見込みがないという日をおおむね判断して、この日と定めたものである」との答弁があった。
1 「今年の市道の穴埋めはどこまで進んでいるのか」との質疑に対し、「今年の穴埋めに関しては、昨年の春に事故件数がかなり多かったことから、雪が解けた3月中旬から早急に実施しているところである。本格的に実施したのは4月になってからであるが、昨年の春に比べ、事故件数が少し減っている状況である」との答弁があった。
1 「青森市で契約している舗装の業者は何者いるのか」との質疑に対し、「業者数自体はかなりあるが、東部、西部、南部という形で、地区別に事業者と契約しており、現在、6事業者と契約している」との答弁があった。
1 「令和3年度の事業費は総額約59億円となっている。除排雪にお金を使うなということではないが、これまでの実績と比べて、お金を随分かけたなという感じであり、どういう要因で、こういう数字になったのか」との質疑に対し、「除雪に関しては、昨冬、単価契約である幹線・補助幹線等については積極的に進めてきたこと、シーズン契約である工区については、雪の量が多くて増額になったということが主な要因だと考えている」との答弁があった。
1 「幹線にかなり力を入れたとのことだが、工区については力を入れなかったのか」との質疑に対し、「令和3年度の工区の平均出動回数は7.5回となっており、昨年度より増えている。場所によっては、回数的には結構増えており、力を入れていなかったということではない」との答弁があった。
1 「市民からの苦情で、工区と比べて幹線の除排雪がよくないという声は多かったのか」との質疑に対し、「年末、短期間にかなりの雪が降ったので、国道等が通行止めになったときには、早く排雪をしてほしい等の苦情等はあったが、幹線については、雪出しにより、排雪をしてくれといった苦情等はあったものの、比較的順調に進んだものと考えている」との答弁があった。
1 「昨冬のパトロールの体制を示せ」との質疑に対し、「青森地区のパトロール班については、東部、中部、西部が2地区ずつと南部の7班体制でやっており、緊急対応の班を含め、青森地区で12班体制になる。通常の除排雪対策本部の場合はこの12班体制であるが、豪雪対策本部が組織された場合には14班体制、豪雪災害対策本部が立ち上がった場合には18班体制になる」との答弁があった。
1 「市民にパトロールをしていることを分かってもらうことも大事だと考えるが、そのことについて、どういう体制を取っているのか示せ」との質疑に対し、「パトロールについては、市民には直接的な周知はしていないが、パトロールの結果をもって、除雪指令という形で、昨年度から、各工区ごとに公開している。なお、具体的なパトロールの時間帯までは、現時点では公表していない」との答弁があった。
1 「除排雪のパトロールをしていることが分からないという声があるが、例えば、車にパトロール中だと分かるような表示はできないか」との質疑に対し、「他都市の事例で、車両自体にパトロール中という表示をしている場合もあるので、今後、前向きに検討していきたい」との答弁があった。
1 「除排雪のパトロールの体制づくりについて、除排雪費の経費節減のため、また、あまりにも職員の負担が大き過ぎるため、職員だけではなく、部分的に業者にもやってもらう手段を考えたほうがいいと思うが、市の考えを示せ」との質疑に対し、「市としても、過去に事業者の御協力を頂いて、パトロールをやった時代もあるので、当時のことも検証しながら、検討させていただきたい」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 除排雪の契約について、業者にしてみれば、3月になると、何日でも1か月分のレンタル料が発生することから、市の契約は、月の途中で解除せず、2月末頃に解除すればいいと考える
1 昨年度は工区・住宅街の除排雪に思うように市の力が及ばないところがあったのではないかと思うので、その辺をしっかりやっていただきたい
1 除排雪のパトロールの車に、マグネットでも何でもいいので、パトロール中だということがきちんと分かるように表示してもらったほうが、市民の理解も得られると思うので、ぜひ検討していただきたい
1 除排雪のパトロールを部分的に業者にやってもらうことについては、状況を見据えて、でき得る限り、業者に対してもお願いし、試験的にやっていただきたい
以上が主なる意見・要望であるが、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
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委員会名 危機管理対策特別委員会
事 件 危機管理対策について
理 由
閉会中の5月24日に開催した本委員会において、その後の経過と今後の対策について、
理事者側から次のような説明を受け、審査した。
初めに、本市の新型コロナウイルス感染症の状況について説明する。
まず、市内における新型コロナウイルス感染症の状況についてであるが、これまでの感染者の発生状況については、令和4年5月20日時点において、感染者数計は1万3276人となっている。令和4年1月後半から本市も第6波が始まり、令和4年1月の感染者数は684人、同年2月は3555人、同年3月は過去最多の4073人、同年4月は減少傾向となり1903人、同年5月は20日時点で1293人となっている。また、クラスター発生数は、令和4年3月は過去最多の41件、同年4月は9件、同年5月はゴールデンウイーク後に増え、20日時点で13件となっている。
相談・検査実績については、令和4年5月19日時点において、相談件数は令和3年度の実績も含め8548件、検査件数は3万9961件となっている。
ワクチン接種状況については、令和4年5月20日時点において、65歳以上の方の3回目接種の接種率は87.3%、接種人数は7万6321人、12歳以上の方の3回目接種の接種率は60.4%、接種人数は15万4454人となっている。また、令和4年3月1日から実施している5歳から11歳までの小児接種については、1回目の接種率は31.7%、接種人数は4563人、2回目の接種率は25.6%、接種人数は3694人となっており、着実に進んでいる状況である。
次に、本市の新規陽性者数の推移についてであるが、第6波が令和4年4月第2週目頃から減少傾向に転じた後、ゴールデンウイーク明けは、接触機会が増えていたことを受けて新規陽性者数が再び増加したが、過去最多の令和4年3月24日の253人、同月25日の232人と比較すると、そこまでには至らず、とどまっている状態となっている。
療養状況については、令和4年5月20日時点において、入院が3%で19名、宿泊療養が6%で38名、自宅療養が79%で543名となっている。
入院者の重症度については、重症者はおらず、中等症の方が11%、軽症の方が89%となっている。
なお、オミクロン株は、その特性から重症となる方が少ないことから、本市では、令和4年3月19日以降、重症の方は発生していない。
市内で確保されている病床の使用率については、令和4年5月20日時点で約15%となっており、入院が必要な方は入院できている状況である。
次に、4回目のワクチン接種についてであるが、国においては、3回目接種後のワクチンの有効性の持続期間、現時点までに得られている4回目接種の有効性・安全性に関する知見、諸外国における対応状況等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化予防を目的として、4回目接種を実施することとしている。
4回目接種の接種対象者については、3回目接種の完了から5か月以上が経過した60歳以上の方または18歳以上60歳未満で基礎疾患を有する方その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方である。基礎疾患を有する方の範囲は、慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病等で通院もしくは入院している方またはBMI30以上の方となっている。
接種対象者見込数については、現時点で、60歳以上の方が約9万9000人、18歳以上60歳未満の基礎疾患を有する方が約9000人、計約10万8000人を見込んでいる。
接種体制については、3回目接種と同様、青森市医師会の御協力の下、市内95か所の指定医療機関での個別接種を基本とし、青森県総合健診センター及び浪岡中央公民館での集団接種を補完的に実施する。
使用するワクチンについては、1回目から3回目までに接種したワクチンの種類に関わらず、ファイザー社製または武田/モデルナ社製のワクチンとなる。
接種券の発送については、60歳以上の方並びに18歳以上60歳未満の精神障害者保健福祉手帳及び療育手帳を所持している方には、3回目接種の完了から5か月経過後に順次、接種券を発送する。基礎疾患を有する方その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方については、申請に基づき、3回目接種の完了から5か月経過後に順次、接種券を発送する。
申請方法については、市のホームページからのオンライン申請、青森市新型コロナワクチン接種専用コールセンターへの電話による申請、青森市保健所の窓口、郵送またはFAXでの申請により受付する。
今後のスケジュールについては、令和4年5月27日から順次、接種券を発送し、同月30日から接種開始予定としている。
次に、青森市津波ハザードマップ及び青森市津波避難計画の更新について説明する。
津波避難対策については、平成25年2月に県が公表した青森湾西岸断層帯(入内断層)想定地震による津波浸水予測図に基づき、平成25年度に作成した青森市津波ハザードマップ及び青森市津波避難計画を活用し、取り組んできたところである。
令和2年4月に内閣府から日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルが公表されたことを踏まえ、県において独自にシミュレーションを行い、令和3年5月、新たな津波浸水想定を含む解説書が公表されたことから、この公表を受け、市では、津波浸水想定区域や津波に関する防災情報などを記載した津波ハザードマップを更新するとともに、当該ハザードマップに応じ、津波避難計画を更新することとしたものである。
今回の津波ハザードマップ及び津波避難計画の更新に当たっては、内陸直下型地震である入内断層の地震モデルに加え、海溝型地震である日本海溝の地震モデルを併せて記載し、特徴の異なる2種類の津波について、津波の到達時間、津波の高さ、津波の浸水域などを対比しながら、垂直避難、水平避難などの避難方法の違いや、それぞれの避難場所についても分かりやすく記載し、津波避難計画は、津波ハザードマップとリンクするよう、地区ごとの基本的な避難行動を示すなどの工夫を凝らしたところである。
当該津波ハザードマップ等を活用することで、津波浸水想定区域内の住民や事業者に日頃から避難所の確認や自身の避難行動について考えていただくほか、防災訓練や防災講話の場などの防災活動に生かし、さらには、青森市総合防災訓練における事前学習として、地域の実情を踏まえながら、実際の避難路を実地で確認を行っていただく訓練を取り入れるなど、自主防災組織や町会等の取組を支援していきたいと考えている。
市民等への配布については、去る令和4年4月26日から27日にかけて、津波浸水想定区域内の世帯及び事業所に対し、津波ハザードマップを毎戸配布したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「4回目接種の対象となっていない、基礎疾患のない健康な60歳未満の方で、4回目接種を受けたいという方は、接種を受けることは可能か」との質疑に対し、「対象外の方は受けることができないが、接種券は本人の自己申告に基づき市保健所が発送し、接種当日の予診において、医師が基礎疾患の有無等を確認することとなる」との答弁があった。
1 「自分が基礎疾患を有する方に当たるかどうか分からない場合は、自己申告により接種券を送ってもらった後に、医療機関で医師の判断を仰ぐという流れになるのか」との質疑に対し、「流れとしては、先に自己申告をして接種券を送ってもらい、接種当日の予診で接種可否を確認するのでも、かかりつけ医に事前に聞いた上で接種券を取るのでも、どちらでも構わないものである」との答弁があった。
1 「今までもそういう流れでやってきたと解釈してよいか」との質疑に対し、「これまでは、基本的に全員が接種対象者となっていたものである」との答弁があった。
1 「前にも、患者を介護している家族や、医療的ケア児を介護している母親などから、自分がコロナにかかると誰も見る人がいないから、介護する家族もワクチン優先接種の枠に入れてほしいという声が結構あったが、そういう人はどうするのか」との質疑に対し、「今回、国から接種対象者として示されているのは、原則60歳以上の方と基礎疾患を有する方に限定されており、医療従事者や家族を介護する方で60歳未満の方は対象から外れているものの、国では引き続き、様々な情報を収集しながら対象について検討すると聞いていることから、市としても状況を注視していきたい」との答弁があった。
1 「教員、医療従事者、消防隊員など、直接患者等と接する人は、やはり、患者等と一緒に優先的に接種を受けられるような体制を取るべきと思うが、市の見解を示せ」との質疑に対し、「国の説明によると、4回目接種に関しては、重症化予防として実施するものであり、諸外国の状況や知見等を踏まえ、接種対象者を限定して設定したとのことである」との答弁があった。
1 「接種対象者について、国の動向を注視するだけでなく、市から国に対し、地方の現状を踏まえ、リスクのある人を介護する人なども対象にすべきという声をきちんと上げるべきと思うがどうか」との質疑に対し、「市としても、
全国市長会を通じて、高齢者の方や基礎疾患を有する方との接触の機会が多い方なども対象とするように、国へ要望したところである」との答弁があった。
1 「この間、集団接種の果たしてきた役割は大きいと考えており、その分析をすべきという意見を以前にも本委員会で発言しているが、個別接種と集団接種の割合は調べているか」との質疑に対し、「接種の割合は、個別接種70%、集団接種14%、職域接種16%程度となっている」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
令和4年6月29日
雪対策特別委員会委員長 天 内 慎 也
危機管理対策特別委員会委員長 里 村 誠 悦
4 議員提出議案一覧表(意見書)
議員提出議案第9号
後期高齢者の医療費窓口負担2割化の中止を求める意見書(否決)
政府は、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合を、現行の1割から2割に引き上げる方針を決定し、今年10月1日から導入されようとしている。これは、年金を含めて単身世帯では年収200万円以上、複数世帯では合計320万円以上が対象となり、75歳以上の約20%、約370万人が対象となる。
高齢者は病気になりやすく、けがもしがちであり、慢性疾患を複数抱えている方も多く、物価高騰が生活費を圧迫している中で、さらなる負担増が直撃する。また、高齢者の所得の8割が公的年金、約7割の世帯が公的年金のみで生活していると言われている中、細る年金収入のために暮らしを切り詰めている高齢者が受診を我慢することで、病気の発見・治療が遅れて、症状が悪化すれば、病状回復が難しくなり、命に関わることもある。現行の1割負担でも受診控えが起こり、その結果、重篤な病気や手遅れになってしまった例は後を絶たず、社会問題となっている。
今回の2割負担の導入に対しては、日本医師会からも、新型コロナウイルス感染症禍で受診を控えている状況で、さらに負担を増やすことは、これまで国民皆保険下で
公的医療保険制度が果たしてきた役割を損なう危険性が極めて高いと指摘する声が上がり、2月18日には医療費窓口負担2割化に反対する20万4692人分の署名が提出され、多くの高齢者が反対の意を表明している。
これ以上の高齢者の負担を増やさないために、後期高齢者の医療費窓口負担2割化の中止を強く求める。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年6月29日
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議員提出議案第10号
物価高騰対策として消費税率を5%に引き下げることを求める意見書(否決)
新型コロナやウクライナ危機、アベノミクスなどの影響による急激な物価高騰が国民の暮らしに大変な影響をもたらしている。
総務省の消費者物価指数によると、東京都区部の4月分は、前年同月比で、都市ガス代は27.6%、電気代は25.8%、生鮮魚介は16.3%、生鮮果物は17.6%と、生活必需品を中心に上昇しており、このほかの物価もさらに高騰していくことが予想され、「このままでは暮らしていけない」という悲鳴の声が相次いで上がっている。
一方で、政府の物価高騰対策の具体的な施策は、実質、ガソリン卸売価格の抑制にとどまり、生活必需品などの高騰対策には遠い内容となっている。
暮らしと営業を支える経済対策の一つとして、消費税率の引下げが有効だと考える。消費税率の引下げは、国民の購買力を高め、経済対策につながる。また、事業者は赤字でも消費税の納税を迫られるなか、人件費などの付加価値に課税される消費税率が引き下げられれば、事業者の負担が軽減され、賃金の引上げにもつながる。今、世界でもコロナ禍の下で、84の国や地域で消費税(付加価値税)の減税が行われている。
物価高騰の危機から、国民の生活を守るために、消費税率を5%へと引き下げることを強く求める。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年6月29日
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議員提出議案第11号
環境教育の推進及びカーボンニュートラル達成に向けた
学校施設のZEB化のさらなる推進を求める意見書(可決)
地球温暖化や激甚化・頻発化している災害等に対し、地球規模で環境問題への取組であるSDGsや2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、さらなる取組が急務であるが、公共建築物の中でも大きな割合を占める学校施設の老朽化がピークを迎える中、教育環境の向上とともに、学校施設を教材として活用し、児童・生徒の教育環境を行う「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備事業」が行われてきた。
この事業は、現在、「エコスクール・プラス」として、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が連携協力し、認定を受けた学校が施設の整備事業を実施する際に、関係各省より補助事業の優先採択などの支援を受けることができ、平成29年度から今まで249校が認定を受けている。文部科学省の支援として、令和4年度からは、「地域脱炭素ロードマップ(国・地方脱炭素実現会議決定)」に基づく脱炭素先行地域などの学校のうち、「ZEB Ready」を達成する事業に対し、単価加算措置(8%)の支援が行われているところである。
文部科学省の補助としては、新増築や大規模改造のほかに、例えば、教室の窓を二重サッシにする等の部分的な補助事業もあり、ある雪国の学校では、電力を大幅に削減するとともに、児童・生徒に快適な教育環境を整えることができた。また、太陽光発電や壁面緑化、自然採光等を取り入れた学校施設(身近な教材)を通じて、仲間と共に環境問題や
環境対策を学ぶことができ、科学技術への触発となるとともに、最新の技術を学ぶ貴重な教育機会となっている。
そこで、これまで多くの事業が全国の学校施設で行われてきたが、カーボンニュートラルの達成及び環境教育の推進を行うためには、さらに加速して事業を実施することが必要である。特に、多くの学校での実施が重要であり、技術面(学校施設のZEB化に関する先導的なモデルの構築及びその横展開等)及び財政面(学校施設整備に対する国庫補助)について、以下の事項に留意して、さらなる推進を行うことを強く求める。
記
1 技術面に関しては、学校施設に関するZEB化の新たな技術の開発や周知を行う。特に、新築や増築といった大規模事業だけではなく、LEDや二重サッシといった部分的な
省エネ改修事業も、しっかりと周知を行い、“できるところから取り組む”自治体・学校を増やしていくことがカーボンニュートラルの達成及び環境教育の充実につながることに留意して、周知の徹底に取り組むこと。
2 財政面に関しては、カーボンニュートラルの達成及び環境教育の充実に向けて、多くの学校が取り組むことができるよう、学校施設整備に対する事業予算額を増額すること。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年6月29日
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議員提出議案第12号
地方公共団体情報システムの標準化に向けての意見書(可決)
政府は、令和2年に「
地方公共団体における情報システムについて、クラウド活用を原則とした標準化・共通化を今後5年で確実に実現していくための取組を全力で推進する。その際、複数年の取組として
地方公共団体が予見可能性をもって計画的・安定的にデジタル改革を進めることが可能な形での財政的な支援を行う」ことを閣議決定し、「
地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」を制定した。
近年、社会ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、
地方公共団体においても、DXの推進が図られている。そこで、国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策において、
地方公共団体情報システムの標準化が決まり、令和2年度、令和3年度に、
地方公共団体が円滑にシステムを導入するための経費として、約1825億円を基金として計上した。
国では、2022年夏までに、住民基本台帳や
固定資産税など、20業務について、システムの各仕様の策定を行い、
地方公共団体は、令和5年度から令和7年度にかけて、Gov-Cloud(ガバメントクラウド)の利用に向け、標準準拠システムに移行していく予定となっている。
地方公共団体は、新型コロナウイルスの影響で、財政状況も厳しく、また、デジタル人材の不足も深刻な状態となっている。また、高齢者はデジタル化に慣れていない方も多く、ネットの環境が整っていない地域もある。政府においては、システム導入に向けて、
地方公共団体の状況を踏まえ、下記の事項を実施するよう要望する。
記
1 令和7年度までとした移行の目標時期について、必要に応じて柔軟な対応を検討するとともに、移行に伴う適切な財政支援と丁寧な情報提供を行うこと。
2 情報システムの保守・運用コストなど、総合的な支援を検討するとともに、都道府県に対して、市区町村への必要な助言や情報提供などを丁寧に行うよう指導すること。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年6月29日
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